(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-04
(45)【発行日】2023-09-12
(54)【発明の名称】統合相互接続構造を備えた電子機器パッケージおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/60 20060101AFI20230905BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20230905BHJP
H01L 23/29 20060101ALI20230905BHJP
H01L 23/31 20060101ALI20230905BHJP
H01L 33/62 20100101ALI20230905BHJP
H01L 31/02 20060101ALI20230905BHJP
H01L 31/0232 20140101ALI20230905BHJP
【FI】
H01L21/60 321E
H01L23/12 F
H01L23/30 F
H01L33/62
H01L31/02 B
H01L31/02 D
(21)【出願番号】P 2020505444
(86)(22)【出願日】2018-07-20
(86)【国際出願番号】 US2018043044
(87)【国際公開番号】W WO2019027698
(87)【国際公開日】2019-02-07
【審査請求日】2021-06-22
(32)【優先日】2017-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100133503
【氏名又は名称】関口 一哉
(72)【発明者】
【氏名】カプスタ,クリストファー ジェイムス
(72)【発明者】
【氏名】フィリオン,レイモンド アルバート
(72)【発明者】
【氏名】トゥオミネン,リスト,イルカ サカリ
(72)【発明者】
【氏名】ナガルカー,カウスタブー ラヴィンドラ
【審査官】堀江 義隆
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2004/0155322(US,A1)
【文献】特開平09-051020(JP,A)
【文献】特開平10-313071(JP,A)
【文献】特開2009-076530(JP,A)
【文献】特開2008-205083(JP,A)
【文献】特開平09-254575(JP,A)
【文献】特開2004-241493(JP,A)
【文献】特開2009-200163(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/60
H01L 23/12
H01L 23/29
H01L 33/62
H01L 31/02
H01L 31/0232
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器パッケージであって、
第1の表面と前記第1の表面に対向する第2の表面を備える絶縁基板と、
活性表面、前記活性表面に対向する裏面、および前記活性表面と前記裏面との間に延びる複数の側壁を有する電気部品であって、
前記裏面は前記絶縁基板の前記第1の表面に結合され、
前記活性表面上に少なくとも1つの接触パッドを有する、電気部品と、
前記複数の側壁によって形成される前記電気部品の周囲の少なくとも一部を封入する絶縁構造であって、前記絶縁構造は前記電気部品と前記絶縁基板との間の領域には存在せず、傾斜側面を備える、絶縁構造と、
前記絶縁基板の前記第1の表面から前記絶縁構造の前記傾斜側面に沿って延びて、前記電気部品の前記活性表面上の前記少なくとも1つの接触パッドと電気的に結合する第1の配線層と、
前記絶縁基板の前記第2の表面上に形成され、前記絶縁基板の中の少なくとも1つのビアを通って延びて、前記第1の配線層と電気的に結合する第2の配線層と、
前記絶縁基板の一部の上に形成され、かつ前記第1の配線層および前記絶縁構造を取り囲む絶縁材料と、を備え、
前記電気部品の前記活性表面の一部の上方の前記絶縁材料内に開口部が形成される、電子機器パッケージ。
【請求項2】
前記絶縁構造は、前記電気部品の周囲を完全に取り囲み、前記活性表面の少なくとも一部を覆う、請求項1に記載の電子機器パッケージ。
【請求項3】
前記電気部品および前記絶縁材料は、前記絶縁基板と別の絶縁基板との間に配置される、請求項
1に記載の電子機器パッケージ。
【請求項4】
前記第1の配線層は、前記電気部品の前記少なくとも1つの接触パッドのうち複数の接触パッドに電気的に結合された複数の電気トレースを含む、請求項1に記載の電子機器パッケージ。
【請求項5】
前記第2の配線層は、
前記絶縁基板の第1のビアを通って延びて、前記複数の電気トレースのうち第1の電気トレースと電気的に結合する第1の電気トレースと、
前記絶縁基板の第2のビアを通って延びて、前記複数の電気トレースのうち第2の電気トレースと電気的に結合する第2の電気トレースと
を備える、請求項
4に記載の電子機器パッケージ。
【請求項6】
前記第2の電気トレースは、前記絶縁基板内の第3のビアを通って前記電気部品の前記裏面に電気的に結合される、請求項
5に記載の電子機器パッケージ。
【請求項7】
前記第1の配線層は、前記絶縁構造内の少なくとも1つのビアを通って延びて、前記電気部品の前記少なくとも1つの接触パッドと電気的に結合する、請求項1に記載の電子機器パッケージ。
【請求項8】
前記第1の配線層および前記絶縁構造の露出表面に塗布される接合層と、
前記接合層に結合された第1の表面を有する熱伝導性構造と
をさらに備える、請求項1に記載の電子機器パッケージ。
【請求項9】
前記第1の配線層を介して前記電気部品に電気的に結合された受動部品をさらに備える、請求項1に記載の電子機器パッケージ。
【請求項10】
電子機器パッケージの製造方法であって、
電気部品の裏面を絶縁基板の第1の表面に結合するステップであって、
前記絶縁基板は第1の表面と前記第1の表面に対向する第2の表面を備え、
前記電気部品は
前記裏面に対向する活性表面、
前記活性表面上の少なくとも1つの接触パッド、および
前記活性表面と前記裏面との間に延びる複数の側壁
を備える、ステップと、
前記複数の側壁によって形成される前記電気部品の周囲の少なくとも一部を封入する絶縁構造であって、前記絶縁構造は前記電気部品と前記絶縁基板との間の領域には存在せず、傾斜側面を備える、絶縁構造、を形成するステップと、
前記絶縁基板の前記第1の表面の一部の上および前記絶縁構造の前記傾斜側面に沿って第1の配線層を形成して、前記少なくとも1つの接触パッドと電気的に結合するステップと、
前記第1の配線層を、前記絶縁基板に形成された少なくとも1つのビアを通って、前記絶縁基板の前記第2の表面に配置された第2の配線層に電気的に結合するステップと
、
前記第1の配線層および前記絶縁構造を絶縁材料で取り囲むステップと、
前記電気部品の前記活性表面の一部の上方の前記絶縁材料内に開口部を形成するステップと、
を含む、方法。
【請求項11】
前記絶縁構造の前記傾斜側面上に延びる電気トレースのパターンを有する前記第1の配線層を形成して、前記電気部品のそれぞれの接触パッドを前記第2の配線層のそれぞれの部分に電気的に結合するステップをさらに含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
前記絶縁基板を貫通する複数のビアを形成するステップと、
前記絶縁基板の前記第2の表面に前記第2の配線層を配置して、前記複数のビアのうち少なくとも1つのビアを通って延びて前記第1の配線層と電気的に結合し、前記複数のビアのうち別のビアを通って延びて前記電気部品の裏面と電気的および熱的に結合するステップと
をさらに含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項13】
前記電気部品を取り囲むサイズに合うように開口部が形成されている支持基板を前記絶縁基板に結合するステップと、
前記開口部内に前記絶縁材料を配置するステップと
をさらに含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の配線層および前記絶縁構造の露出部分および前記絶縁基板の前記第1の表面を接合材料でコーティングするステップと、
前記接合材料の上に熱伝導構造を配置するステップと、
前記絶縁基板内の少なくとも1つのビアを通って、前記第2の配線層を前記熱伝導構造に結合するステップと
をさらに含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項15】
電子機器パッケージであって、
絶縁基板の第1の表面に結合された裏面、前記絶縁基板とは反対側を向く活性表面、および前記活性表面と前記裏面との間に延びる複数の側壁を有する電気部品であって、前記活性表面は、撮像機能および光学機能の少なくとも一方を有する前記電気部品と、
前記複数の側壁によって形成される前記電気部品の周囲を封入し、その前記活性表面の一部を覆う絶縁構造であって、前記絶縁構造は前記電気部品と前記絶縁基板との間の領域には存在しない、絶縁構造と、
前記絶縁構造の傾斜側壁上に形成されて、前記電気部品の前記活性表面上の少なくとも1つの接触パッドに電気的に結合される第1の配線層と、
前記第1の表面に対向する前記絶縁基板の第2の表面に形成されて、前記絶縁基板に形成された少なくとも1つのビアを通って前記第1の配線層に電気的に結合された第2の配線層と
、
前記絶縁構造および前記第1の配線層の少なくとも一部を取り囲む絶縁材料と、
を備え、
前記電気部品の前記活性表面の一部の上方の前記絶縁材料内に開口部が形成される、電子機器パッケージ。
【請求項16】
前記電気部品の前記活性表面の上に配置された少なくとも1つのレンズをさらに備える、請求項
15に記載の電子機器パッケージ。
【請求項17】
前記第2の配線層は、前記絶縁基板に形成された別のビアを通って前記電気部品の前記裏面に結合される、請求項
15に記載の電子機器パッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般に、半導体デバイスパッケージまたは電子機器パッケージに関し、より具体的には、1つ以上の電気トレースを含むように金属膜化された絶縁材料から形成され、電子機器パッケージの本体を通ってダイ上の接触パッドを電子機器パッケージの反対側の接触端子に電気的に接続する統合相互接続構造を含む電子機器パッケージに関する。
【0002】
最先端の電子機器パッケージングは、ワイヤボンドモジュールからフリップチップモジュール、および組込みチップモジュールまで、幅広い方法、構造、アプローチをカバーする。ワイヤボンドモジュールは、低コストであるが、電気的性能が制限された成熟したパッケージングアプローチである。これらのモジュールは、チップパッドにボンディングされたワイヤを使用して、パワーデバイスの上部I/Oパッドを、底部と上部にパターン化された金属を備えたセラミック基板、窒化アルミニウム(AlN)基板、または炭化ケイ素(SiC)基板などの金属-絶縁体-金属基板などの相互接続構造に接続する。ワイヤボンドは、本質的にインダクタンスが大きく、一般に直列抵抗が大きく、ボンドパッドで電流集中し、およびボンディング部位の近くの半導体デバイス内でマイクロクラックが発生する。ダイ接着材料16を使用してリードフレーム14に実装された2つのパワー半導体デバイス12を備えた従来技術のワイヤボンド電子機器パッケージ10の例示的な構造を
図1に示す。リードフレーム14の一部は、端子18を形成するモールド樹脂26を越えて延びる。ワイヤボンド20は、半導体デバイス12の活性表面24に配置されたダイパッド22をリードフレーム14上の選択された領域に接続する。モールド樹脂26は、半導体デバイス12、ワイヤボンド20、およびリードフレーム14の露出部分を封入する。パワーリボン(著作権)ボンディング(K&S)は、パワーモジュールワイヤボンディングの修正版であり、Alワイヤボンディングを、熱圧着を使用してチップパッドにボンディングするAlリボンに置き換えている。有益なことに、パワーリボン(著作権)ボンディングは抵抗が低いため、高電流モジュールを対象とする。しかしながら、パワーリボン(著作権)ボンディングは大きなインダクタンスを有し、基板でマイクロクラックを引き起こす可能性がある。
【0003】
従来技術のフリップチップモジュールは、ワイヤボンドよりも大きな電流通過断面積を有するはんだバンプの使用により、ワイヤボンドパッケージと比較して半導体モジュールの損傷が軽減される。従来技術のフリップチップ電子機器パッケージ28の一般的な構造を
図2に示しており、2つの半導体デバイス12がフリップチップはんだバンプ34によって基板32の上側金属層30に接着される。熱冷却は、半導体デバイス12の裏面38に形成された熱接続36により実現される。モールド樹脂26は半導体デバイス12を封入し、上側金属層30の一部はモールド樹脂26を越えて延びて端子18を形成する。
図2に示すようなフリップチップモジュールはワイヤボンディング技術を超えるいくつかの利点があるが、フリップチップのはんだバンプは、導電性が低く、はんだバンプを塗布するために追加のパッド金属膜化層が必要であり、はんだ疲労を受けやすく、熱冷却経路が非常に貧弱である。
【0004】
ゼネラルエレクトリックカンパニーのパワーオーバーレイ(POL)技術を使用して製造された
図3に示す埋込みデバイスモジュール40などの従来の埋込みデバイスモジュールは、ワイヤボンドとはんだバンプを排除し、それらを直接金属膜化接点で置き換えることにより、ワイヤボンドとフリップチップパッケージの限界に対処している。埋込みデバイスモジュール40では、半導体デバイス12が誘電体膜42上に実装される。ポストコネクタ44も誘電体膜42上に接着されて、モジュール40に上下の電気接続を提供する。マイクロビア46は、誘電体膜42を貫通して、半導体デバイス12の入出力(I/O)接触パッド22およびポストコネクタ44まで形成される。金属膜化層48は、誘電体膜42、マイクロビア46、および露出パッド22の外面に塗布され、半導体デバイス12への電気接続を形成する。半導体デバイス12およびポストコネクタ44が接着された誘電体膜42は、はんだなどの導電性ダイ接着材料50を使用してパワー基板32にボンディングされる。半導体デバイス12とポストコネクタ44との隙間には、モールド樹脂26が充填される。埋込みデバイスモジュール40は、ワイヤボンドモジュールまたはフリップチップモジュールと比較して、寄生(例えば、抵抗、静電容量、およびインダクタンス)が低減され、優れた熱性能を有する。
【0005】
埋込みデバイスモジュール構造の利点にもかかわらず、POL技術は、ワイヤボンドおよびフリップチップアプローチよりも複雑で、成熟度が低く、コストが高くなる。モジュール40内の電気接続は、通常、レーザ穿孔および孔の金属膜化を使用してモジュール40に貫通孔を形成するか、垂直接続を提供するデバイスに隣接する挿入I/O構造またはフレームへのビアを形成することによって形成される。これらのアプローチにより、モジュールの複雑さとコストが増大し、モジュールの設置面積が増大する可能性がある。
【0006】
したがって、多ピッチ数または多ピン数の用途を可能にし、電子機器パッケージの底面と半導体デバイスの上部または電子機器パッケージの上部層との間に電気接続を提供する、高度に小型化された電子機器パッケージの構築を可能にする新しい電子機器パッケージング技術を提供することが望ましいであろう。さらに、埋込みチップモジュールの性能と信頼性の利点と、ワイヤボンドまたはフリップチップモジュールの低コストを備えたパッケージングアプローチが望ましいであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、電子機器パッケージは、絶縁基板と、絶縁基板の第1の表面に結合された裏面を有する電気部品と、電気部品の周囲の少なくとも一部を取り囲む絶縁構造とを含む。第1の配線層は、絶縁基板の第1の表面から絶縁構造の傾斜側面上に延びて、電気部品の活性表面上の少なくとも1つの接触パッドと電気的に結合する。第2の配線層は、絶縁基板の第2の表面上に形成され、その中の少なくとも1つのビアを通って延びて、第1の配線層と電気的に結合する。
【0008】
本発明の別の態様によれば、電子機器パッケージの製造方法は、電気部品の裏面を絶縁基板の第1の表面に結合すること、および電気部品の周囲の少なくとも一部の周りに絶縁構造を形成することを含む。この方法はまた、絶縁基板の第1の表面の一部の上および絶縁構造の傾斜側面上に第1の配線層を形成して、電気部品の活性表面上の少なくとも1つの接触パッドと電気的に結合することも含む。この方法は、絶縁基板を貫通して形成された少なくとも1つのビアを通って、絶縁基板の第2の表面上に配置された第2の配線層に第1の配線層を電気的に結合することをさらに含む。
【0009】
本発明の別の態様によれば、電子機器パッケージは、絶縁基板の第1の表面に結合された裏面と、絶縁基板とは反対側を向く活性表面とを有する電気部品を含み、該活性表面は撮像機能および光学機能の少なくとも一方を有する。電子機器パッケージはまた、電気部品の周囲を取り囲み、かつその活性表面の一部を覆う絶縁構造も含む。第1の配線層は、絶縁構造の傾斜側壁上に形成され、電気部品の活性表面上の少なくとも1つの接触パッドに電気的に結合される。第2の配線層は、絶縁基板の第2の表面に形成され、絶縁基板に形成された少なくとも1つのビアを通って第1の配線層に電気的に接続される。
【0010】
これらおよび他の利点および特徴は、添付の図面に関連して提供される本発明の好ましい実施形態の以下の詳細な説明からより容易に理解されるであろう。
【0011】
図面は、本発明を実施するために現在企図されている実施形態を示す。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】例示的な従来技術のワイヤボンド電子パッケージの概略断面図である。
【
図2】例示的な従来技術のフリップチップ電子パッケージの概略断面図である。
【
図3】例示的な従来技術の埋込みチップ電子パッケージの概略断面図である。
【
図4】本発明の一実施形態による電子機器パッケージの概略断面図である。
【
図5】絶縁材料が省略された
図4の電子機器パッケージの上面図である。
【
図6】本発明の別の実施形態による電子機器パッケージの概略断面図である。
【
図7】本発明の一実施形態による、支持基板を含む電子機器パッケージの概略断面図である。
【
図9】本発明のさらに別の実施形態による、熱構造を含む電子機器パッケージの概略断面図である。
【
図10】本発明の一実施形態による電子機器パッケージの概略断面図である。
【
図11】本発明の一実施形態による、受動部品を含む電子機器パッケージの概略断面図である。
【
図12A】本発明の別の実施形態による、受動部品を含む電子機器パッケージの概略断面図である。
【
図12B】本発明の別の実施形態による、受動部品を含む電子機器パッケージの概略断面図である。
【
図13】本発明の一実施形態による、製造/ビルドアッププロセスの様々な段階中の
図4の電子機器パッケージの概略断面側面図である。
【
図14】本発明の一実施形態による、製造/ビルドアッププロセスの様々な段階中の
図4の電子機器パッケージの概略断面側面図である。
【
図15】本発明の一実施形態による、製造/ビルドアッププロセスの様々な段階中の
図4の電子機器パッケージの概略断面側面図である。
【
図16】本発明の一実施形態による、製造/ビルドアッププロセスの様々な段階中の
図4の電子機器パッケージの概略断面側面図である。
【
図17】本発明の一実施形態による、製造/ビルドアッププロセスの様々な段階中の
図4の電子機器パッケージの概略断面側面図である。
【
図18】本発明の一実施形態による、製造/ビルドアッププロセスの様々な段階中の
図4の電子機器パッケージの概略断面側面図である。
【
図19】本発明の一実施形態による、製造/ビルドアッププロセスの様々な段階中の
図4の電子機器パッケージの概略断面側面図である。
【
図20】
図13~
図19に示した製造/ビルドアッププロセスの選択段階中の
図4の電子機器パッケージの概略上面図である。
【
図21】
図13~
図19に示した製造/ビルドアッププロセスの選択段階中の
図4の電子機器パッケージの概略上面図である。
【
図22】絶縁基板の下面に形成された配線層の例示的な構成を示す、
図4の電子機器パッケージの底面図である。
【
図23】本発明の一実施形態による、製造/ビルドアッププロセスの様々な段階中の
図9の電子機器パッケージの概略断面側面図である。
【
図24】本発明の一実施形態による、製造/ビルドアッププロセスの様々な段階中の
図9の電子機器パッケージの概略断面側面図である。
【
図25】本発明の一実施形態による、製造/ビルドアッププロセスの様々な段階中の
図9の電子機器パッケージの概略断面側面図である。
【
図26】本発明の一実施形態による、製造/ビルドアッププロセスの様々な段階中の
図9の電子機器パッケージの概略断面側面図である。
【
図27】本発明の一実施形態による、製造/ビルドアッププロセスの様々な段階中の
図10の電子機器パッケージの概略断面側面図である。
【
図28】本発明の一実施形態による、製造/ビルドアッププロセスの様々な段階中の
図10の電子機器パッケージの概略断面側面図である。
【
図29】本発明の一実施形態による、製造/ビルドアッププロセスの様々な段階中の
図10の電子機器パッケージの概略断面側面図である。
【
図30】本発明の一実施形態による、光学部品を含む電子機器パッケージの概略断面図である。
【
図31】本発明の別の実施形態による、撮像部品を含む電子機器パッケージの概略断面図である。
【
図32】本発明の別の実施形態による、二重傾斜絶縁構造を含む電子機器パッケージの概略断面図である。
【
図33】本発明の別の実施形態による、二重傾斜絶縁構造を含む電子機器パッケージの概略断面図である。
【
図34】本発明の別の実施形態による、二重傾斜絶縁構造を含む電子機器パッケージの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態は、電気部品の接触パッド間の電気的相互接続部が、電子機器パッケージの一方の側面から、電子機器パッケージの本体を通って、局所的絶縁構造またはカプセル化材料の1つ以上の傾斜側壁に沿って、電子機器パッケージの他方に導かれる電子機器パッケージまたはモジュールを提供しており、これにより、従来の貫通孔構造の必要性がなくなる。この複雑な配線を局所的絶縁構造の外面にパターン化して、電気部品のI/Oパッドと電子機器パッケージの裏側接続との間の電気的相互接続を提供する。したがって、本発明の実施形態は、半導体デバイスから、低い熱伝導率を有する直接熱経路を備えた電子機器パッケージの端子への高い電気伝導接続を含む電子機器パッケージを提供する。結果として得られる電子機器パッケージについては、基板に表面実装するか、複雑な回路用の多部品モジュール内に配置できる。
【0014】
本明細書で使用される「半導体デバイス」という用語は、非限定的な例として、パワートランジスタ、パワーダイオード、アナログ増幅器、RF素子などの特定の機能を実行する半導体部品、デバイス、ダイまたはチップを指す。典型的な半導体デバイスは、本明細書で接点または接触パッドと呼ばれる入出力(I/O)相互接続を含み、これは半導体デバイスを外部回路に接続するために使用され、半導体デバイス内の内部要素に電気的に結合される。本明細書で説明される半導体デバイスは、例えばスイッチモード電源などのパワーエレクトロニクス回路における電気的に制御可能なスイッチまたは整流器として使用されるパワー半導体デバイスであってもよい。パワー半導体デバイスの非限定的な例には、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、バイポーラ接合型トランジスタ(BJT)、集積化ゲート転流型サイリスタ(IGCT)、ゲートターンオフ(GTO)サイリスタ、シリコン制御整流器(SCR)、ダイオードまたは他のデバイス、またはシリコン(Si)、シリコンカーバイド(SiC)、窒化ガリウム(GaN)、ガリウムヒ素(GaAs)などの材料を含むデバイスの組合せがある。半導体デバイスは、非限定的な例として、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、メモリデバイス、ビデオプロセッサ、または特定用途向け集積回路(ASIC)などのデジタル論理デバイスであってもよい。
【0015】
以下に参照される電子機器パッケージの様々な実施形態は、半導体デバイス、相互接続配線、および電子機器パッケージ端子の特定の配置を含むものとして示され説明されているが、代替の配置および構成も実装できるため、本発明の実施形態は具体的に示されたデバイスおよびその配置のみに限定されないことが理解される。すなわち、以下で説明する電子機器パッケージの実施形態は、追加の電子部品および/または音響デバイス、マイクロ波デバイス、ミリ波デバイス、RF通信デバイス、マイクロメカニカル(MEMS)デバイスを含む半導体デバイスの1つ以上の代替デバイスタイプを含む可能性がある電子機器パッケージも包含すると理解されるべきである。本明細書で説明される電子機器パッケージはまた、1つ以上の抵抗器、コンデンサ、インダクタ、フィルタ、および同様のデバイス、ならびにそれらの組合せを含んでもよい。本明細書で使用する「電気部品」および「電子部品」という用語は、上記の様々なタイプの半導体デバイス、抵抗、コンデンサ、インダクタ、フィルタおよび同様の受動デバイス、およびエネルギ貯蔵部品のいずれかを包含すると理解してもよい。
【0016】
図4および
図6は、本発明の代替実施形態による電子機器パッケージ52、54を示す。パッケージ52、54は、活性表面58および裏面60または裏側面を有する半導体デバイス56、ならびに必要に応じて共通の部品番号で参照される多くの同様の部品を含む。各パッケージ52、54は、単一の埋込み半導体デバイス56のみを備えて示されているが、代替実施形態は、複数の半導体デバイス、ならびに、
図11および
図12に示されるものを含む、いくつかの異なる構成でパッケージ52、54へのパッケージに組み込まれ得る、例えばコンデンサ、抵抗器、および/またはインダクタなどの1つ以上の受動デバイスを含み得ると考えられる。
【0017】
ここで
図4に示される電子機器パッケージ52を参照すると、半導体デバイス56の裏面60は、部品接着材料66を使用して絶縁基板64の第1の表面62に結合される。様々な実施形態によれば、絶縁基板64は、例えばカプトン(登録商標)ラミネートフレックスなどの絶縁フィルムまたは誘電体基板の形態で提供されてもよいが、非限定的な例として、ウルテム(登録商標)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、または、液晶ポリマー(LCP)またはポリイミド基板などの別のポリマーフィルム、またはセラミックやガラスなどの無機フィルムなど、他の適切な電気絶縁材料を使用してもよい。部品接着材料66は、非限定的な例として、ポリマー材料(例えば、エポキシ、シリコーン、液晶ポリマー、またはセラミック、シリカ、または金属充填ポリマー)または他の有機材料などの電子機器パッケージ52の周囲の部品に接着する電気絶縁材料である。いくつかの実施形態では、部品接着材料66は、未硬化または部分硬化(すなわち、Bステージ)の形態で絶縁基板64上に提供される。代替的に、部品接着材料66は、絶縁基板64上に配置する前に半導体デバイス56に塗布してもよい。別の実施形態では、半導体デバイス56は、絶縁基板64自体の接着特性により絶縁基板64に固定されてもよい。このような実施形態では、部品接着材料66は省略され、絶縁基板64は接着特性を有する単一の誘電体層の形態で提供される。このような接着性誘電体層の非限定的な例には、ポリイミドまたはポリベンゾオキサゾール(PBO)などのスピンオン誘電体が含まれる。
【0018】
少なくとも1つの傾斜側面または傾斜側壁70を備えた絶縁構造68は、絶縁基板64の第1の表面62に結合される。代替実施形態によれば、絶縁構造68は、硬化した光パターン化可能樹脂、例えば、エポキシ材料などのポリマー、プリプレグ材料、無機材料、複合誘電材料、または他の任意の電気絶縁性の有機材料または無機材料であってもよい。図示の実施形態では、絶縁構造68は、
図5に示すように、半導体デバイス56の外周152を完全に取り囲むように形成される。別の実施形態では、絶縁構造68は、半導体デバイス56の4つの側壁72の全てではなく1つを覆うように形成されてもよい。
【0019】
第1の配線層74は、絶縁構造68上に配置される。第1の配線層74は、好ましくは、非限定的な例として、アルミニウム、銅、金、銀、ニッケル、またはこれらの組合せなどのパターン化された金属層である。代替的に、第1の配線層74は、導電性ポリマーであってもよい。図示のように、第1の配線層74は、絶縁構造68の外面70上に配置され、半導体デバイス56の活性表面58上に位置する接触パッド78、80との電気接続を形成する。接触パッド78、80は、半導体デバイス56内の内部接点への導電性経路(I/O接続)を提供する。接触パッド78、80は、非限定的な例として、アルミニウム、銅、金、銀、ニッケル、またはそれらの組合せなどの様々な導電性材料を含む組成を有してもよい。半導体デバイス56の活性表面58から外向きに突出する構造として示されているが、接触パッド78、80は、半導体デバイス56の活性表面58と実質的に同一平面または同一高さに位置する接触端子であってもよい。次に、第1の配線層74は、傾斜側壁70の下方に延びて、絶縁基板64の第1の表面62の一部を覆う。
【0020】
電気絶縁材料82は、半導体デバイス56、絶縁構造68、第1の配線層74、および絶縁基板64の第1の表面62の露出部分を覆う。代替実施形態では、絶縁材料82は、半導体デバイス56の全てまたはその一部を封入してもよい。例えば、半導体デバイス56が光学部品であり、活性表面58が光学機能を有する実施形態では、半導体デバイス56の活性表面58の一部の上方の絶縁材料82内に任意選択の開口部84(仮想線で示す)が形成される。代替実施形態では、光学的に透明な材料を使用して、
図4に示す領域内に位置する絶縁材料82の全て、または絶縁材料82の一部のみを形成してもよい。同様の開口部または光学的に透明な材料は、同様の方法で本明細書に開示される電子機器パッケージの他の実施形態内に組み込まれてもよいと考えられる。
【0021】
図5には、電子機器パッケージ52の上面図が示されており、第1の配線層74の例示的な構成を示して明確にするために、絶縁材料82は省略されている。図示のように、第1の配線層74は、絶縁構造68の外面74上に配置された上側端子パッド88と、絶縁基板64の第1の表面62上の底側端子パッド90とをそれぞれ含む複数の電気トレース86を含む。これらの電気トレース86のそれぞれは、電子機器パッケージ52の上面に半導体デバイス56のそれぞれの接触パッド78、80へ接続するように構成してもよい。当業者は、電気トレース86の配置が
図5に示されるものに限定されず、電気トレース86を、半導体デバイス56の接触パッド構成および最終的な電子機器パッケージ内のI/Oの所望の位置に基づいて、多数の代替構成で形成してもよいことを認識するであろう。さらに、電気トレース86の幅および/または厚さは、通電要件および関連する接触パッド78、80の特定の機能に応じて、電子機器パッケージ52内のトレースごとに変えてもよく、必要に応じてより高い通電要件で、より広いおよび/またはより厚いトレース86がパッドに接触するように形成される。
【0022】
再び
図4および
図5を参照すると、第2の配線層92または金属膜化層が絶縁基板64の第2の表面94上に配置されている。第2の配線層92は、絶縁基板64を貫通して作られたビア96、98内に延び、それにより、ビア96、98を貫通して第1の配線層74の選択部分またはトレースを第2の配線層92に電気的に結合する貫通接点100、102を形成する。図示された非限定的な例では、貫通接点100は、第2の配線層92を半導体デバイス56の電気トレース86aおよび接点パッド78に電気的に接続する。貫通接点102により、第2の配線層92が電気トレース86bおよび半導体デバイス56の接触パッド80に電気的に接続される。代替実施形態は、半導体デバイス56の設計に応じて、
図4に示されるよりも多いまたは少ない貫通接点を含んでもよい。任意選択で、貫通接点104(仮想線で示す)は、半導体デバイス56の下に位置する任意選択のビア106(仮想線で示す)を通って延びて、半導体デバイス56の裏面60との電気接続を形成する。貫通接点104は、半導体デバイス56の裏面60と直接物理的に接触するか、または部品接着材料66が導電性材料として提供される実施形態において、部品接着材料66を通って裏面60と電気的に結合する。
【0023】
ここで
図6を参照すると、本発明の別の実施形態による電子機器パッケージ54が示されている。電子機器パッケージ52と同様に、電子機器パッケージ54の半導体デバイス56は、その裏面60が部品接着材料66で絶縁基板64に接合された状態で絶縁基板64に実装されている。第1の配線層74は、電子機器パッケージ52について上記したのと同様の方法で形成され、
図5に示すものと同様の方法で、または半導体デバイス56の活性表面上の接触パッドの特定の配置に基づいた任意の数の代替構成で配置された電気トレースを含んでもよい。第2の配線層92は、絶縁基板64の第2の表面94上に形成され、ビア96、98内に貫通接点100、102を生成する。第2の配線層92はまた、より大きな貫通孔またはビア110を通って延びる裏側熱構造108も含む。裏側熱構造108は、半導体デバイス56がラテラルデバイスである実施形態において、半導体デバイス56からの熱伝達に役立つ。半導体デバイス56が垂直パワー半導体ダイである代替実施形態では、構造108は熱構造および電気的相互接続部、具体的にはドレイン接続部として機能する。一実施形態では、裏側熱構造108は、半導体デバイス56の裏面60上に直接めっきされる。当業者は、本明細書に開示される電子機器パッケージのいずれも、裏側熱構造108(
図6)と1つ以上の貫通接点104(
図4)を含むか、または特定の電子機器パッケージの設計仕様に基づいて半導体デバイス56の裏面60への接続がない状態で形成され得ることを理解するであろう。
【0024】
一実施形態では、任意選択の第2の絶縁基板112(仮想線で示す)が絶縁材料82の上面124に付着される。第2の絶縁基板112は、絶縁基板64について説明したのと同じ材料のいずれかから形成することができ、同様の方法で本明細書に開示する他の電子機器パッケージのいずれかに組み込むことができる。
【0025】
本発明のさらに別の実施形態による電子機器パッケージ114が
図7に示されている。電子機器パッケージ114は、
図4の電子機器パッケージ52と同じ部品の多くを含み、共通の部品番号で示されている。電子機器パッケージ114はまた、電子機器パッケージ54(
図6)と同様の裏側熱構造108も含む。電子機器パッケージ52および電子機器パッケージ54に共通の部品に加えて、電子機器パッケージ114はまた、電子機器パッケージ114に追加の寸法安定性を提供する支持基板またはコア構造116も含む。一実施形態では、コア構造116は、接合材料118の層で絶縁基板64の第1の表面62に結合される。コア構造116は、例えば、ガラス繊維マットを備えたエポキシ材料、プリプレグ材料、ポリイミドフィルム/層、セラミック材料、ガラス、アルミニウム、複合誘電材料、または電子機器パッケージ114に機械的堅牢性を提供する他の類似の/適切な有機材料もしくは無機材料などのプリント回路基板(PCB)コア材料であってもよい。
【0026】
図8に示されるように、コア構造116は、半導体デバイス56および絶縁構造68を取り囲む開口部120を含む。開口部120は、例えば、機械的パンチ、レーザ切断、ウォータジェットまたは機械的ミリングにより形成され得る。絶縁材料82は、コア構造116と絶縁基板64との間の隙間を満たし、第1の配線層74を覆う。図示された実施形態では、コア構造116の上面122は、絶縁材料82の上面124と同一平面上にある。代替実施形態では、コア構造116は、コア構造116の上面122が絶縁材料82でコーティングされるように、絶縁材料82内に完全に埋め込まれてもよい。
図7には示されていないが、コア構造116がプリント回路基板である実施形態では、その上側および/または底側に配線があり、第2の配線層92は、接合材料118および絶縁基板64内の追加のマイクロビアを通って延びて、底面コア構造116上の接触位置と電気的に結合することが考えられる。コア構造116は、同様の方法で本明細書に開示される他の電子機器パッケージのいずれかに組み込まれてもよいと考えられる。
【0027】
電子機器パッケージ126のさらに別の実施形態が
図9に示されている。電子機器パッケージ126および電子機器パッケージ52、54と同様の部品は、必要に応じて同様の部品番号で参照される。この実施形態では、
図4の絶縁材料82の代わりに、上側熱構造体128または熱伝導構造体が提供される。上側熱構造体128は、例えば熱グリースまたは熱接着剤などの熱伝導性接合層または材料130の層で絶縁基板64にボンディングされる。この熱伝導材料の層130は、第1の配線層74と、絶縁基板64の露出領域、絶縁構造68、および半導体デバイス56の活性表面58を覆う。別の実施形態では、この熱伝導性材料の層130は、例えばエポキシなどの断熱性有機接着材料で置き換えてもよい。上側熱構造128は、非限定的な例として、例えば、銅、炭化ケイ素、酸化ベリリウム、または窒化アルミニウムなどの高い熱伝導率を有する金属または無機材料である。代替実施形態では、上側熱構造128は、
図7および
図8のコア構造116と同様に、半導体デバイス56および絶縁構造68の全てまたは一部を取り囲むサイズの開口部を含んでもよい。
【0028】
電子機器パッケージ54と同様に、電子機器パッケージ126の第2の配線層92は、絶縁基板64のビア96、98を通って延びて、第1の配線層74と結合する。電子機器パッケージ126はまた、半導体デバイス56の裏面60と結合するためにビア110を通って延びる裏側熱構造108も含む。一実施形態では、電子機器パッケージ126は、第2の配線層92を上側熱構造128に結合する1つ以上の任意選択の導電性貫通孔132(仮想線で示す)も含む。貫通孔132は、上側熱構造128との接地接続を形成し、および/または電子機器パッケージ126の上側と底側との間の熱伝達を支援するように機能する。
【0029】
ここで
図10を参照すると、半導体パッケージ56の活性表面58全体を覆うように絶縁構造68が形成されている電子機器パッケージ134の代替実施形態が示されている。この実施形態では、マイクロビア136は、接触パッド78、80と位置合わせされた位置で絶縁構造68を貫通して形成され、第1の配線層74は、これらのマイクロビア136を通って接触パッド78、80と電気的に結合する。マイクロビア136の追加は、第1の配線層74と接触パッド78、80との間のより信頼性の高い電気接続を提供し得る。
図4、
図6、
図7、および
図10の第1の配線層74の構成と比較して、マイクロビア136の追加により、第1の配線層74を半導体デバイス56の活性表面58からより大きな距離でオフセットすることも可能になるので、第1の配線層74が半導体デバイス56の活性表面58と裏面60との間に短絡を形成する可能性を回避する助けとなる。
【0030】
受動部品138を含む電子機器パッケージ134の代替実施形態が
図11に示されている。半導体デバイス56がパワーデバイスである非限定的な一例として、受動部品136はコンデンサであってもよい。図示のように、受動部品138の実装面140は、部品接着材料66によって絶縁基板64の第1の表面62に結合される。第1の配線層74の一部は、絶縁構造68のビア142を通って延びて受動部品138の端子144と電気的に結合し、端子144を半導体デバイス56の1つ以上の接触パッド78に選択的に電気接続する。1つ以上の受動部品が、本明細書に開示される他の電子機器パッケージのいずれかに同様の方法で組み込まれ得ることが考えられる。好ましい実施形態では、受動部品138の厚さは、半導体デバイス56上の厚さにほぼ等しくなるように選択される。代替的に、受動部品は、絶縁構造68の外側の位置で絶縁基板64の第1の表面62に結合されてもよい。
【0031】
図12Aおよび12Bに示されるさらに別の代替実施形態では、電子機器パッケージ134は、半導体デバイス56の上に積み重ねられた受動部品138を含むように修正されてもよい。これらの実施形態では、受動部品138の端子144は、電気接続要素148を介して第3の配線層146に結合される。代替実施形態によれば、電気接続要素148は、例えば、はんだまたは導電性接着剤などの導電性材料である。第3の配線層146は、絶縁材料82の上面124に形成され、絶縁材料82内に形成された1つ以上のビア150、151を通って延び、これらは配線層74に電気的に結合される。第3の配線層146は、同様の材料から形成され、第2の配線層92について上記したのと同様の方法でパターン化される。
【0032】
図12Aに示される実施形態では、金属膜化されたマイクロビア136により、受動部品138の両方の端子144は半導体デバイス56上のそれぞれの接触パッド78、80に電気的に結合される。
図12Bに示される代替構成では、受動部品138の一方の端子144は、ビア136、150を通って半導体デバイス56の接触パッド78に結合され、一方、受動部品138の他方の端子144は、ビア150を介して配線層74に電気的に結合される。さらに別の代替実施形態では、受動部品138の両方の端子144は、接触パッド78、80から電気的に絶縁されたままで、配線層74に電気的に結合される。端子144、配線層74、接触パッド78、80、または他のタイプの部品接点間の代替接続構成に到達するために、配線層74およびビア136、150、151の構成および位置への変更を行うことができると考えられる。
【0033】
ここで、断面を示す
図13~
図19および上面図を示す
図20~
図22を参照して、本発明の一実施形態による、
図4の電子機器パッケージ52を製造するための技術が説明され、各図はビルドアッププロセス中の電子機器パッケージ52の断面を示す。当業者は、電子機器パッケージ54、114、134、またはそれらの変形を製造するために、本明細書に説明されたステップにわずかな修正を加えることができることを認識するであろう。
図13~
図19は単一の電子機器パッケージの製造を示しているが、当業者は、複数の電子機器パッケージをパネルレベルで同様の方法で製造し、必要に応じて個々の電子機器パッケージに単体化できることを認識するであろう。
【0034】
最初に
図13を参照すると、電子機器パッケージ52の製造は、部品接着材料66を絶縁基板64の第1の表面62に塗布することから始まる。部品接着材料66は、ダイ接着位置をコーティングするために塗布され、いくつかの実施形態では、
図20に示されるように、半導体デバイス56の外周152の外側に延びる。いくつかの実施形態では、部品接着材料66は、例えば、ステンシル、スクリーン印刷、またはインクジェットなどの直接分配技術を使用することによって塗布されてもよい。部品接着材料66は、2~50マイクロメートルの範囲の厚さを有してもよい。別の実施形態では、半導体デバイス56を絶縁基板64上に配置する前に、部品接着材料66を半導体デバイス56に塗布するか、絶縁基板64が接着性を有する場合は完全に省略することができる。
【0035】
半導体デバイス56は、従来のピックアンドプレース装置および方法を使用して、接触パッド78、80を上にした上面を下向きにして裏面60を部品接着材料66に配置する。配置された後、半導体デバイス56は、例として、熱、UV光、またはマイクロ波放射を使用して、部品接着材料66を完全に硬化させることにより、絶縁基板64にボンディングされる。一実施形態では、部分真空および/または大気圧より高い圧力を使用して、存在する場合、硬化中の接着剤からの揮発物の除去を促進することができる。当業者は、例えば、部品接着材料を塗布して、絶縁構造68の露出表面全体をコーティングするか、または半導体デバイス56を絶縁基板64上に配置する前に、半導体デバイス56の裏面60に部品接着材料66を直接塗布することにより、部品接着材料66を塗布するための代替技術を利用できることを認識するであろう。
【0036】
図14に示される製造技術の次のステップでは、半導体デバイス56全体の上に光パターン化可能な樹脂材料154の層を塗布し、絶縁基板64の第1の表面62および半導体デバイス56をコーティングすることにより、絶縁構造68が形成される。光パターン化マスク156は、光パターン化可能な樹脂材料154の上面上に配置され、次に、マスク156の1つ以上の開口部160を通して光源158から放射された非集束光のビームを放射することによりパターン化される。光ビームの幅は、光パターン化可能な樹脂材料154内に延びるにつれて拡大し、開口部160の下の光パターン化可能な樹脂材料154の領域を選択的に硬化させる。その後、溶剤リンスを使用して、未硬化の光パターン化可能な樹脂材料154を除去する。次に、硬化樹脂材料を接触パッド78、80から除去し、半導体デバイス56の活性表面58の選択部分を除去し、
図21に示す硬化絶縁基板64を残す。図示のように、絶縁構造68は、半導体デバイス56の外周152を取り囲み、半導体デバイス56の活性表面58の少なくとも一部をコーティングする。さらに別の実施形態では、絶縁構造68をレーザなどの直接書込み撮像システムによってパターン化してもよい。代替的に、絶縁構造68をグレースケールマスクに使用して形成してもよい。
【0037】
別の実施形態では、絶縁構造68は、半導体デバイス56の外周152の縁の少なくとも1つに絶縁樹脂を塗布することにより形成される。この絶縁樹脂は、例えば、熱膨張係数を低減するために、例えばセラミックまたはシリカフィラー粒子などのフィラー材料を含む有機アンダーフィル樹脂またはエポキシであってもよい。絶縁樹脂の堆積は、非限定的な実施形態として、インクジェットプリンター、スプレーシステム、3D印刷技術、または液体分配ヘッドなどの直接分配ツールを使用して達成することができる。その後、樹脂材料は、熱、紫外線、マイクロ波などを使用して硬化される。任意選択で、絶縁樹脂を塗布して、絶縁基板64および/または半導体デバイス56の活性表面58をコーティングする材料層を形成し、選択的にパターン化して、絶縁基板64および/または半導体デバイス56の活性表面58上に塗布された絶縁樹脂の選択部分を除去することができ、
図15に示される絶縁構造68が得られる。
【0038】
絶縁構造68を形成した後、絶縁構造68の外面74および絶縁基板64の第1の表面62の露出領域に導電性材料層を塗布することにより、第1の配線層74(
図16)が形成される。代替実施形態によれば、導電性材料は、銅、アルミニウム、または他の標準配線金属などの金属であり、チタンなどのバリア金属を含むことができ、スパッタリング、蒸着、無電解めっき、電気めっき、または他の標準的な金属堆積プロセスのうちの1つまたは複数によって堆積される。次に、導電性材料をパターニングして、第1の配線層74を形成する。一実施形態では、パターニングステップは、セミアディティブパターニング技術を使用して実行することができ、第1のシード金属またはバリア金属(例えば、チタン)が絶縁構造68の外面74および絶縁基板64の第1の表面62の露出領域に付着される。フォトレジスト(図示せず)がシード金属に塗布されてパターン化され、バルク金属(銅など)の層がシード金属またはバリア金属の上にめっきされる。例示的かつ非限定的な実施形態によれば、バリア層は0.01から1ミクロンの厚さを有することができ、バルク金属は1から20ミクロンの厚さを有することができる。フォトレジストが除去され、露出したシード層がエッチングにより除去される。残りのシード金属およびめっきされた金属の層は、
図16に示される第1の配線層74を形成する。代替実施形態では、第1の配線層74は、例えば、完全サブトラクティブパターニング、セミアディティブパターンプレートアップ、またはアディティブプレートアップなどの他の既知のパターニング技術を使用して形成することができる。さらに他の実施形態では、第1の配線層74は、非限定的な例として、インクジェット印刷、スクリーン印刷、または分配などの堆積技術を使用して形成された印刷された導電性材料である。第1の配線層74は、所望の電流搬送能力を有する高密度ルーティングパターンを形成することができる任意の既知の方法を使用して形成することができると考えられる。
【0039】
次に
図17を参照すると、ビア96、98、および任意選択のビア106が、レーザ穿孔またはアブレーション、機械的穿孔、写真描写力、プラズマエッチング、または化学エッチングなどを含む既知の標準マイクロビアプロセスによって、絶縁基板64を貫通して、第1の配線層74の選択領域まで、および、任意選択として、半導体デバイス56の裏面60まで形成される。ビア96、98、106が形成された後、導電性材料の第2の層が絶縁基板64の第2の表面94上に堆積され、その後パターン化されて、
図18に示すように第2の配線層92が形成される。堆積およびパターニングは、第1の配線層74を形成するために使用される導電性材料の層について上記したのと同様の方法で実行することができる。この導電性材料の第2の層は、ビア96、98、106内に延びており、それにより、貫通接点100、102、104を形成する。第2の配線層92の1つの例示的かつ非限定的な構成を示すために、電子機器パッケージ52の底面図が
図22に示されている。当業者は、本明細書に開示される電子機器パッケージの他の実施形態のいずれにおいても、第2の配線層92が、いくつかの異なるトレースを有するように同様に構成できることを認識するであろう。
【0040】
図19では、半導体デバイス56、絶縁構造68、および絶縁基板64の露出部分の上に絶縁材料82を塗布して、電子機器パッケージ52の本体を形成することにより、製造プロセスが継続する。代替的かつ非限定的な実施形態によれば、絶縁材料82は、注入成形、トランスファー成形、射出成形、または圧縮成形プロセスを使用して塗布され得る。製造プロセスのこの段階で、マイクロビアは、絶縁材料82および絶縁材料82上に堆積された導電性材料の第3の層を通って形成され、その後パターン化されて
図12に示される第3の配線層146を形成する。代替的に、絶縁材料82の上面124は、絶縁材料82の上部162を除去し、第1の配線層74の部分を露出させるために裏面研磨されてもよい。
【0041】
当業者は、
図13~
図19および
図20~
図22に関して上記で説明したのと同様の製造プロセスを使用して、同時にビア106の代わりに、そしてビア96、98と同じ方法で、
図6に示すより大きなサーマルビア110を形成することにより電子機器パッケージ54(
図6)を製造できることを理解するであろう。導電性材料の第2の層は、このビア110内に充填して、裏側熱構造108を形成するが、この裏側熱構造は、半導体デバイス56を熱的に冷却し、また半導体デバイス56がパワーデバイスである実施形態などの特定の実施形態において電気的相互接続部としても機能する経路を提供する。
【0042】
図7の電子機器パッケージ114の製造は、第2の配線層92の一部として裏側熱構造108を形成することを含むように前段落で説明したように修正された
図13~
図18の製造ステップから始まる。第2の配線層92が形成された後、コア構造116(
図7)は、接合材料118(
図7)で絶縁基板64の第1の表面62に結合される。次に、絶縁材料82をコア構造116の開口部120に塗布して、半導体デバイス56、第1の配線層74、および絶縁構造68を封入し、それにより、
図7に示す電子機器パッケージ114を形成する。
【0043】
図10の電子機器パッケージ126の製造は、半導体デバイス56を絶縁基板64に接着し、
図13~
図16に関して説明したのと同様の方法で絶縁構造68および第1の配線層74を形成することから始まる。
図23に示す製造プロセスの次のステップでは、熱伝導性材料層130が、第1の配線層74、半導体デバイス56の活性表面58の露出部分、および絶縁基板64の露出部分の上に塗布される。熱伝導性材料層130をスプレーコーティング、インクジェット、または任意の他の既知の堆積プロセスによって塗布してもよい。次に、
図24に示すように、上側熱構造128が熱伝導性材料層130内に配置される。
【0044】
上側熱構造128が適所に配置された後、ビア96、98、110および任意選択の貫通孔132(仮想線で示す)が絶縁基板64を貫通し、貫通孔132の場合、
図25に示されるように、熱伝導性材料層130の一部を貫通する。次に、導電性材料層が、絶縁基板64の第2の表面94上、ならびにビア96、98、110および貫通孔132内に堆積される。
図26に示すように、導電性材料層をパターニングして、第2の配線層92を形成する。この堆積およびパターニングステップは、
図18に関して説明したのと同様の方法で実行される。
【0045】
図10の電子機器パッケージ134の製造は、
図13で説明したのと同様の方法で半導体デバイス56を絶縁基板64に付けることから始まる。プロセスは、半導体デバイス56の活性表面58、半導体デバイス56の少なくとも1つの側壁、および
図27に示される絶縁構造68を形成するために半導体デバイス56の外周152を取り囲む絶縁基板64の選択部分を完全にコーティングする絶縁樹脂を塗布することにより継続する。絶縁樹脂の堆積は、
図14に関して説明された技術のいずれかを使用して達成され得る。
【0046】
図28を参照すると、絶縁樹脂を硬化して絶縁構造68を形成した後、1つ以上のマイクロビア136が絶縁構造68を貫通して半導体デバイス56の活性表面58上の接触パッド78、80まで形成される。マイクロビア136は、ビア96、98について上記したのと同様の技術を使用して形成される。次に、
図29に示す第1の配線層74は、前述の技術のいずれかを使用して、絶縁構造68の外面74上に導電性材料層を堆積およびパターニングすることにより形成される。その後、電子機器パッケージ134の製造は、電子機器パッケージ54について説明した方法で裏側熱構造108を形成するように修正された
図17~
図19に示すステップに従って継続する。
【0047】
ここで
図30を参照すると、本発明の代替実施形態による、発光ダイオード(LED)半導体デバイス166を含む電子機器パッケージ164が示されている。電子機器パッケージ164および電子機器パッケージ52(
図4)内の同様の部品は、必要に応じて共通の部品番号付けで記述される。LED半導体デバイス166は、その裏面168が部品接着材料66により絶縁基板64の第1の表面62に実装された状態で絶縁基板64上に配置される。絶縁基板68は、LED半導体デバイス166の側壁170および活性表面172の一部、ならびに絶縁基板64の第1の表面62の一部を封入する。
【0048】
第1の配線層74は、絶縁構造68の外面74上に配置され、LED半導体デバイス166の接触パッド174に結合される。第2の配線層92は、絶縁基板64の第2の表面94上に配置され、ビア96、98を通って第1の配線層74に結合される。図示された実施形態では、第2の配線層92は、裏側熱構造108も含む。ただし、代替の実施形態では、裏側熱構造108を省略してもよいし、貫通接点104(
図4)と同様のLED半導体デバイス166の裏面168への電気接続に置き換えてもよい。
【0049】
図30に示す通り、絶縁材料82は、第1の配線層74、絶縁構造68の露出部分、および絶縁基板64の露出部分を覆う。蛍光体層176は、光学機能を有するLED半導体デバイス166の活性表面172の露出部分を覆う。レンズ178は、蛍光体層176の上に形成される。
【0050】
本発明のさらに別の実施形態では、電子機器パッケージ180は、
図31に示すように半導体撮像装置チップ182を含む。電子機器パッケージ180は、電子機器パッケージ52(
図4)と多くの同様の部品を含み、それらは共通の参照番号で参照される。電子機器パッケージ52の半導体デバイス56と同様に、半導体撮像装置チップ182の裏面184は、部品接着材料66で絶縁基板64の第1の表面62に結合される。絶縁構造68は、半導体撮像装置チップ182の側壁186、半導体撮像装置チップ182の活性表面188の一部、および半導体撮像装置チップ182を取り囲む領域の絶縁基板64の一部を封止するように形成される。第1の配線層74は、絶縁構造68の外面74上に配置され、半導体撮像装置チップ182の活性表面188上の接触パッド190に電気的に結合される。第2の配線層92は、絶縁基板64の第2の表面94上に堆積され、絶縁基板64と半導体撮像装置チップ182の裏面184に結合された裏側熱構造108とを貫通する貫通接点100、102を形成する。絶縁材料82は、第1の配線層74、絶縁構造68の露出部分、および絶縁基板64の露出部分を覆う。
【0051】
電子機器パッケージ180はまた、絶縁材料82の上面124に結合され、かつ撮像機能を有する半導体撮像装置チップ182の活性表面188の露出部分194にまたがるレンズ構造192も含む。レンズ構造192は、代替実施形態によれば、単一のレンズ、複数のレンズ、または複数のレンズとフィルタの組合せを含んでもよい。
【0052】
電子機器パッケージ200、202の2つの代替実施形態が
図32および
図33に示されている。電子機器パッケージ200および202はそれぞれ、電子機器パッケージ54(
図6)としていくつかの共通構造を含み、これらは適宜共通の部品番号で参照される。図示の実施形態では、配線層74は、
図6に関して説明したのと同様の方法で形成され、
図5に示すものと同様の方法で、または半導体デバイス56の活性表面上の接触パッドの特定の配置に基づく任意の数の代替構成で配置された電気トレースを含むことができる。
【0053】
電子機器パッケージ200、202、および54に共通の構造に加えて、電子機器パッケージ200、202はそれぞれ、絶縁構造68の少なくとも一部の上または直接隣接して形成される第2の絶縁構造204を含む。第2の絶縁構造204は、絶縁構造68に関して本明細書で説明された同じ材料および技術のいずれかを使用して形成されてもよい。第2の絶縁構造204は、
図32に示されるように、絶縁構造68の上の1つ以上の別個の位置に形成されてもよく、または
図33に示されるように、絶縁構造68を完全に取り囲んでもよい。
【0054】
配線層206は、配線層74に関して説明したのと同じ材料および技術のいずれかを使用して、第2の絶縁構造204の傾斜面208上に形成される。配線層206は、絶縁基板64を貫通する1つ以上の貫通接点210によって配線層92に電気的に結合される。
図32に示されるようないくつかの実施形態では、別の貫通接点212は、第2の絶縁基板112を貫通して延び、同様に、配線層206を第2の絶縁基板112上に形成された第3の配線層214に電気的に結合する。電子機器パッケージ200では、配線層92と214との間の接続を容易にするために、絶縁構造68よりも高い高さを有する第2の絶縁構造204が形成される。電子機器パッケージ202では、絶縁構造68よりも低い高さを有する第2の絶縁構造204が形成され、配線層206が配線層74と92との間の電気的接続を形成する。
【0055】
配線層74および206の例示的な構成が
図34に示されている。当業者は、半導体デバイス56の接触パッド構成および最終電子機器パッケージ内のI/Oの所望の位置に基づいて、配線層74および206が多数の代替構成で形成され得ることを認識するであろう。同様に、絶縁構造68、204の形状は、設計仕様に基づいて、
図32および
図33に示されているものとは異なっていてもよい。したがって、絶縁構造68、204の形状および配線層74、206の配置は、
図32~
図34に示されているものに限定されない。絶縁基板68、204およびそれらに関連する配線層74、206の組合せから生じる「二重傾斜」表面構成は、本明細書に記載の他の電子パッケージの実施形態のいずれかに組み込んでもよい。さらに、二重傾斜表面構成を絶縁基板/配線層スタックアップの3つ以上の層を含むように拡張できると考えられる。
【0056】
上記の電子機器パッケージのそれぞれにおいて、第1の配線層74は、絶縁構造68の少なくとも1つの傾斜側壁70に沿って延びるように形成される。この第1の配線層74は、従来の埋込み型半導体製造技術よりも少なく複雑でもない処理ステップを含む方法で、それぞれの電気部品56、166、182の接触パッド78、80、174、190と電子機器パッケージの対向面との間に電気接続を形成する。傾斜側壁70を使用することにより、第1の配線層74の結果として生じる電気トレースが従来の貫通孔構造よりも少ない面積を占めるため、従来の貫通孔構造よりも高いレベルの経路設定密度を達成できる。結果として、電子機器パッケージの全体のサイズは、従来技術の埋込みデバイス技術のサイズと比較して小さくすることができる。第1の配線層74はまた、従来技術のパッケージング技術よりも低いインダクタンスおよび寄生抵抗または配線抵抗を備えた接続をもたらす。第1の配線層74の個々のトレースおよび端子パッドのサイズ、および第1の配線層74を第2の配線層92に結合する対応する貫通接点については、電子機器パッケージ内で容易に変えることができる。絶縁構造68を利用することにより、得られる電子機器パッケージ内の熱放散が改善される。
【0057】
いまだに同等または実質的に同等の最終構造に到達しているとは言えども、電子機器パッケージのための上記の製造技術またはビルドアップ技術に関連するプロセスまたは方法ステップの順序およびシーケンスを本明細書で説明したものから変更してもよい。1つの非限定的な例として、第2の絶縁基板112を含む実施形態では、絶縁基板112が電子機器パッケージ内に組み込まれた後、アンダーフィル技術を使用して絶縁材料82を塗布することができる。さらに、半導体デバイス56が絶縁基板64に結合される前にビア96、98、110の一部または全てを形成することができ、第1および第2の配線層の形成およびパターニングを、同時に、または本明細書で前述した逆の順序で行ってもよい。
【0058】
したがって、有益には、本発明の実施形態は、従来技術のワイヤボンディングパッケージと比較して、より高い電力処理および性能、ならびにより小さなフォームファクタ、ならびに従来技術のフリップチップパッケージと比較してより高い熱性能および低コストを提供する。本明細書で開示される本発明の実施形態はまた、既存の従来技術の埋込み型パワーパッケージよりも低コストでより速いターンタイムプロセスを提供する。したがって、本明細書で説明する実施形態は、従来技術のアプローチと比較して、より高い性能を備えた低コストのソリューションを提供する。
【0059】
したがって、本発明の一実施形態によれば、電子機器パッケージは、絶縁基板と、絶縁基板の第1の表面に結合された裏面を有する電気部品と、電気部品の周囲の少なくとも一部を取り囲む絶縁構造とを含む。第1の配線層は、絶縁基板の第1の表面から絶縁構造の傾斜側面上に延びて、電気部品の活性表面上の少なくとも1つの接触パッドと電気的に結合する。第2の配線層は、絶縁基板の第2の表面上に形成され、その中の少なくとも1つのビアを通って延びて、第1の配線層と電気的に結合する。
【0060】
本発明の別の実施形態によれば、電子機器パッケージの製造方法は、電気部品の裏面を絶縁基板の第1の表面に結合することと、電気部品の周囲の少なくとも一部の周りに絶縁構造を形成することを含む。この方法はまた、絶縁基板の第1の表面の一部の上および絶縁構造の傾斜側面上に第1の配線層を形成して、電気部品の活性表面上の少なくとも1つの接触パッドと電気的に結合することも含む。この方法は、絶縁基板を貫通して形成された少なくとも1つのビアを通って、絶縁基板の第2の表面上に配置された第2の配線層に第1の配線層を電気的に結合することをさらに含む。
【0061】
本発明のさらに別の実施形態によれば、電子機器パッケージは、絶縁基板の第1の表面に結合された裏面と、絶縁基板とは反対側を向く活性表面とを有する電気部品を含み、活性表面は撮像機能および光学機能の少なくとも一方を有する。電子機器パッケージはまた、電気部品の周囲を取り囲み、かつその活性表面の一部を覆う絶縁構造も含む。第1の配線層は、絶縁構造の傾斜側壁上に形成され、電気部品の活性表面上の少なくとも1つの接触パッドに電気的に結合される。第2の配線層は、絶縁基板の第2の表面に形成され、絶縁基板に形成された少なくとも1つのビアを通って第1の配線層に電気的に接続される。
【0062】
限られた数の実施形態のみに関連して本発明を詳細に説明したが、本発明はそのような開示された実施形態に限定されないことを容易に理解すべきである。むしろ、本発明は、これまで説明されていないが、本発明の精神および範囲に相応する任意の数の変形、変更、置換、または同等の配置を組み込むように修正することができる。さらに、本発明の様々な実施形態が説明されたが、本発明の態様は説明された実施形態の一部のみを含むことができることを理解すべきである。したがって、本発明は、前述の説明によって限定されると見なされるべきではなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。