(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-04
(45)【発行日】2023-09-12
(54)【発明の名称】飲料を調製するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
A47J 31/04 20060101AFI20230905BHJP
【FI】
A47J31/04
(21)【出願番号】P 2020528231
(86)(22)【出願日】2018-11-23
(86)【国際出願番号】 IT2018050228
(87)【国際公開番号】W WO2019102512
(87)【国際公開日】2019-05-31
【審査請求日】2021-11-19
(31)【優先権主張番号】102017000134712
(32)【優先日】2017-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】512129996
【氏名又は名称】デロンギ アップリアンチェース エッセエレエッレ コン ウーニコ ソーチオ
【氏名又は名称原語表記】DE’LONGHI APPLIANCES SRL CON UNICO SOCIO
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】デロンギ、ジュゼッペ
(72)【発明者】
【氏名】マッツォン、レンツォ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァッツォレール、アレッシオ
(72)【発明者】
【氏名】ベッレーゼ、アレッサンドロ
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-529912(JP,A)
【文献】特開2013-094270(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第10336116(DE,A1)
【文献】特開2009-089732(JP,A)
【文献】特表2013-529112(JP,A)
【文献】特開昭62-186823(JP,A)
【文献】特開2009-165576(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/00-31/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用機会毎に配置可能かつ抽出に供される芳香混合物(11)を収容するのに適したフィルタ容器(13)に回路(22)を介して流体接続された少なくとも水の供給源(12)を備える、飲料を調製するための装置であって、前記供給源(12)から前記フィルタ容器(13)に水を供給するために前記回路(22)に沿って配置されたポンプ(30)と、前記水を加熱するための加熱装置(21)と、前記加熱装置(21)の下流の前記回路(22)内の前記水の温度を測定するのに適した温度センサ手段(28)と、調製する飲料の種類および量を選択するためのユーザインターフェース(35)に機能的に接続された制御およびコマンドユニット(34)であって、前記温度センサ手段(28)によって検出されたデータを受け取るように構成され、かつ加熱された水の温度を最適化するために前記ポンプ(30)および前記加熱装置(21)の機能を調整するように構成された制御およびコマンドユニット(34)とを備え、前記加熱装置(21)は、導管(25)を有するボイラー(24)を備え、該導管(25)の内部には水用の通路(25a)が形成され、前記ボイラー(24)はL字形であるとともに、第1の小さい分岐(24a)と第2の大きい分岐(24b)からなり、前記第2の大きい分岐(24b)は、垂直方向に沿って延びるとともに、前記供給源(12)から前記フィルタ容器(13)への経路に沿って前記第1の小さい分岐(24a)の下流に配置され、前記第1の小さい分岐(24a)
は水平
方向に沿って延び、該
第1の小さい分岐(24a)は前記第2の大きい分岐(24b)に対して角度を有し、
前記第2の大きい分岐(24b)の垂直方向の長さは、前記第1の小さい分岐(24a)の水平方向の長さよりも大きく、前記第2の大きい分岐(24b)は、拡散ヘッド(19)の近くまで、前記回路(22)の垂直方向の長手方向
に延
びている部
分の大部分にわたって延びていることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記ボイラー(24)が、水の経路に沿って前記第2の大きい分岐(24b)の上流に配置された水の蓄積領域(24c)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ボイラー(24)が、前記導管(25)に関連付けられ、該導管(25)の内部の水を加熱するように構成された少なくとも加熱要素(26)を備えることを特徴とする、請求項1
又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記加熱装置(21)が、前記ボイラー(24)に関連付けられた2つの加熱要素(26,27)を備え、前記
2つの加熱要素(26,27)が、前記制御およびコマンドユニット(34)によって、互いに対して自律的かつ独立して選択的に作動可能であることを特徴とする、請求項1乃至
3の何れか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記
2つの加熱要素(26,27)が
互いに異なる出力を有することを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記ポンプ(30)の上流に配置され、前記制御およびコマンドユニット(34)に接続された流量計(32)を備えることを特徴とする、請求項1乃至
5の何れか一項に記載の装置。
【請求項7】
使用機会毎に配置可能でありかつ抽出に供される芳香混合物を収容するのに適したフィルタ容器(13)に回路(22)によって流体的に接続された水源(12)を有する、
請求項1に記載の飲料を調製するための装置(10)で飲料を調製するための方法(11)であって、
制御およびコマンドユニット(34)において、ユーザインターフェース(35)によってユーザが調製しようとする飲料の官能特性および量に関するコマンドを受け取ることと、
加熱装置(21)を通って少なくとも温度センサ手段(28)まで前記回路(22)内に水を供給するためにポンプ(30)を作動させることと、
選択された飲料の関数として、前記回路(22)内の水を加熱する少なくとも温度値を決定することと、
前記ポンプ(30)を停止し、前記温度センサ手段(28)によって検出された加熱水の温度が、決定された前記温度値に対応するまで内部の水を予熱するために前記加熱装置(21)を作動させることと、
芳香混合物(11)の抽出を行うために、加熱した水を前記フィルタ容器(13)に供給すべく前記ポンプ(30)を再び作動させて、前記量の選択された飲料を容器(15)に供給することと、
飲料の給送動作の最後に、前記装置(10)の状態を回復し、前記回路(22)から残留水を取り除くことと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項8】
前記装置(10)の状態を回復するステップは、前記ポンプ(30)を停止させて、前記回路(22)を空にすることおよび前記回路(22)を乾燥させることのうち少なくとも一方に適した期間にわたって前記加熱装置(21)を作動させ続けることを提供することを特徴とする、請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
前記加熱装置(21)の作動が、二以上の加熱要素(26,27)を互いに対して自律的かつ独立して選択的にオンオフすることを提供することを特徴とする、請求項
7又は
8に記載の方法。
【請求項10】
前記ポンプ(30)の作動は、選択された飲料の種類および量の関数として前記ポンプ(30)の流量を調整することを含むことを特徴とする、請求項
7乃至
9の何れか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記ポンプ(30)の作動は、前記ポンプ(30)の流量を前記温度センサ手段(28)によって検出された温度の関数として調整することを含むことを特徴とする、請求項
7乃至
10の何れか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記ポンプ(30)を選択的に活性化/非活性化して、前記芳香混合物(11)上にパルス状に水を給送
することを特徴とする、請求項
7乃至
11の何れか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料を調製するのに適した自動または半自動の装置および飲料を調製する方法に関し、コーヒー、お茶、様々な浸出液、または単なる熱湯のような熱い飲み物を調製する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アメリカンコーヒーを淹れる装置が知られている。即ち、それは、大量のコーヒーの粉末を熱湯で抽出することによって得られる、「ドリップコーヒー」とも呼ばれるロングコーヒーである。
【0003】
本出願人は、冷たいか好適には熱いかに関わらず、幅広い飲料を提供するのに適したものにする、というこのような装置を改善する課題を自ら設定した。
現在の装置は、水用のタンクと、水を加熱するための装置と、コーヒー粉末用または熱湯を通過する他の芳香混合物用のフィルタ要素を配置するために適した容器と、エンドユーザのために所定数のカップまたはグラスを満たすのに十分な最大容量を収容するのに一般に適した容器、例えばジャグとを有する。
【0004】
水差しは通常、ジャグに注がれたコーヒー飲料を高温に保つための独自の加熱手段に関連付けられている。
加熱装置は、一般に、タンクと協働するように、またはタンクの下流に配置され、例えば、タンクの出口をフィルタ容器に接続するパイプに沿って配置される。
【0005】
加熱装置が作動すると、加熱された水は、対流運動によって、またはポンプ部によって、既知の方法でタンクからフィルタ容器に流される。
混合物は、フィルタ要素内に自動的に導入または装填可能である。粉末混合物を含有するための手段や計量手段、さらには自動装填手段が存在し得る。
【0006】
また、そのような装置は一般に、有用な量の温水や必要な量の温水をフィルタ容器に提供したり、タンクを空にしたりするように構成および編成されていることも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】国際公報第2016/034255号
【文献】国際公開第2008/007306号
【文献】国際公開第2014/195842号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
これらの装置には、いくつかの制限や欠点がある。
最初の欠点は、装置が一定量の抽出飲料を提供することである。
別の欠点は、それら装置が一般にコーヒーをベースとする浸出飲料のみを提供するように構成されているため、それら装置がお茶ベースまたは他の植物物質の浸出飲料を供給するように構成されていないことである。
【0009】
さらに、そのような装置は、ジャグやタンクのサイズに関して部分的な量を供給することができない。
既知の装置の他の欠点は、それら装置が水のみを供給するのに適していないことである。
【0010】
このような問題を部分的に解決するために、「ドリップコーヒー」タイプの飲料を供給する装置が知られており、抽出された飲料の量およびその浸出の程度を選択可能な機能を提供する。
【0011】
例えば、加熱手段の動作を調整することにより、供給される水の量を制御する装置が知られている。しかしながら、対流運動は一般に信頼できないため、そのような解決策は、ユーザが行った選択に関して供給される水の量を正確に制御することはできない。
【0012】
例えば、ポンプによって供給される水の量を制御する装置が知られている。しかしながら、これらの解決策も、各飲料を調製するために特定の量の水を供給することを保証するものではない。
【0013】
また、既知の解決策は、事前浸出ステップを実行し、場合毎に水の量や事前浸出時間を調整することによって、供給される飲料の強度を制御することである。
しかしながら、事前浸出ステップを設けると、抽出された飲料を提供するのに要する時間が増加するため、「高品質」の認証パラメータによって要件として通常設定されている時間を超える可能性がある。
【0014】
さらに、事前浸出に要する期間に水の供給が一時停止すると、供給される水の熱量が低下し、調製された抽出飲料の味の質に影響を与える。
特許文献1によれば、飲料、特にエスプレッソタイプのコーヒーまたは「カプチーノ」を調製するための装置および方法が知られており、この装置は、抽出チャンバと、タンクから抽出チャンバに水を供給するためのポンプと、水を加熱する2つの加熱要素と、加熱要素を独立して作動させるコントローラとを備える。この解決策は、浸出前に水が到達する温度の制御の特定の多様性を提供する一方で、加熱された水の熱損失の問題を解決せず、行程の効率に関して限界を有する。
【0015】
特許文献2は、ある量の水を加熱するボイラー、ポンプ、およびボイラー内の水を加熱する加熱要素を備える、温かい飲料を調製するための装置を開示している。サーモスタットが水が目的の温度に達したことを検出すると、ポンプが始動する。
【0016】
特許文献3は、加熱要素と、加熱要素に接続された温度センサと、加熱要素およびサーモスタットに接続された制御ユニットと、ポンプとを備える、高温の液体または蒸気を瞬時に調製するための装置に言及している。
【0017】
さらに、既知の解決策は、一般にコーヒー飲料の調製にのみ適しており、飲料の各調製行程であっても、簡単かつ迅速に水温を変更して異なる種類の芳香混合物に適用することができない。
【0018】
さらに、既知の装置では、所望の飲料の調製の終わりに、タンクをフィルタ要素に接続する流体回路内に一定量の残留水が残っている可能性があり、水が一定期間内に留まる場合、風味や衛生の問題を引き起こす可能性がある。
【0019】
さらに、前回の調製の残りの水の量は、供給された水の測定値を歪める可能性があり、その結果、事前に定義された特性が変更された抽出飲料が生じる可能性がある。
したがって、本出願人は、この種の装置の機能および機能性を拡張すると同時に、調整行程の効率を改善し、上記で明らかにした不利な点などを回避する目的を設定した。
【0020】
本発明の第1の目的は、ユーザが要求する量の飲料を正確に供給することである。
別の目的は、所望の濃度で飲料を供給することである。
ユーザによるこの装置の使用を容易にし、簡素化することも別の目的である。
【0021】
別の目的は、各飲料調製の終わりにその初期状態をリセットし、使用の都度正確な方法で各操作に必要な量の水の供給を確実にする装置を提供することである。
本発明の別の目的は、要求に応じて、供給される水温を動的に調節することができる装置を提供することである。
【0022】
本発明の別の目的は、飲料に要求される官能特性に従って、供給される水の温度を調整することができる装置を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、一方では熱損失を低減することを可能にし、他方では水を正確な所望の温度で毎回確実に供給することを可能にする装置を提供することである。
【0023】
本発明の別の目的は、水加熱の効率を最適化することである。
また、本発明の目的は、エネルギ消費を最小限に抑え、水が通過するパイプに沿って起こり得る水のよどみにより供給される飲料の汚染を防ぐことができる装置を提供することである。
【0024】
出願人は、最新技術の欠点を克服し、上記の目的および他の目的ならびに効果を得るために、本発明をなし、試験し、具体化した。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明は、独立請求項に記載され、特徴付けられているが、従属請求項は、本発明の他の特徴または主要な発明の思想の変形例を説明している。
上記の目的に従って、ここで説明する実施形態は、ユーザが必要とする飲料に関して、必要な量の水、または必要な量の水を毎回供給することを可能にする飲料を調製するための装置に関する。
【0026】
また、本発明による装置は、必要な飲料に応じて、加熱された水の温度、または温度を、その都度最適化することを可能にする。
本発明による装置は、特に、ユーザが、インターフェースを用いて、特定のタイプの飲料、例えば、正確な官能特性を有する飲料を選択できることを提供する。
【0027】
例えば、いくつかの実施形態によれば、ユーザは、コーヒー飲料を選択し、その濃度または強度、例えば、軽い、通常の、または強い、場合によっては供給される飲料の量を指定し、容器のサイズを選択することができる。たとえば、ジャグ、カップ、マグカップ、グラス、またはサイズの異なる容器が使用可能である。
【0028】
装置は、既知のタイプの水タンクを備えており、定期的または継続的に、毎回満たすことができます。
水が水タンク内に存在する可能性があることを示す手段。この手段は、信号伝達手段とタンクへの水供給を制御する手段とのうち少なくとも一方に関連付けられている。
【0029】
変形例によれば、タンクの代わりに、またはタンクに関連して、連続的な水源が提供されてもよい。
タンクが連続的な水源に関連付けられている場合、ユーザが優先する供給源をタンクまたは直接かで選択することができる。
【0030】
タンクは、有利には、少なくとも1つの回路によって、芳香混合物を収容するのに適したフィルタ容器と流体連通して配置される。
いくつかの実施形態によれば、フィルタ容器は標準であってもよく、すなわち、それぞれの場合に所望の量の芳香混合物を収容するのに適し得る。
【0031】
例えば、芳香混合物は、コーヒー、茶、または他の植物性物質などの粉末状混合物および/または葉またはその一部における所望の粒径を有することができる。
別の変形例によれば、装置は、タンクから水を汲み上げてフィルタ容器に供給するのに適したポンプを備える。
【0032】
別の変形例によれば、ポンプは、好適には流量を調整可能かつ制御可能である。
本発明のいくつかの実施形態によれば、タンクとフィルタ容器との間に、供給される水量を制御するのに適した器具が設けられている。
【0033】
水路に沿って、給送中の水を加熱する装置も設けられる。
他の実施形態によれば、加熱装置はボイラーを含む。
いくつかの実施形態によれば、ボイラーは、少なくともその長手方向に延びる部分の大部分に沿って配置された少なくとも1つの加熱要素に関連する少なくとも1つの通路を備える。
【0034】
変形例によれば、通路の内壁は、水中に存在する石灰岩の沈殿を許容しない材料で裏打ちされている。
しかしながら、加熱要素およびボイラーの組み合わせは、所望の温度で提供される増加した水の供給をサポートするのに十分である。
【0035】
変形例によれば、加熱要素は、特定の送達に関してのみ作動する。
別の変形例によれば、加熱要素は常に作動する。
別の変形例によれば、加熱要素は常に作動するが、例えば、供給機能と待機機能との間で異なる加熱能力を有する。
【0036】
スタンバイ機能中に設定された基本温度に従って、加熱要素が作動しているか、または作動可能であるし得ることを提供することは、別の変形例である。
いくつかの実施形態によれば、ボイラーは、加熱効率を最適化し、熱損失を最小限に抑える態様で、少なくとも実質的に垂直な延長部を有する。
【0037】
他の実施形態によれば、ボイラーはその内部に水用の貯留領域を有する。
他の実施形態によれば、ボイラーは、自律的で互いに独立した2つの加熱要素を備え含み、特定の要件に関連して選択的に作動および/または停止することができる。
【0038】
いくつかの実施形態によれば、供給された水が所望の温度を有するように制御するために、センサ手段が提供される。
温度制御のためのセンサ手段は、ボイラーの下流に、またはボイラーの末端部分に対して配置可能である。
【0039】
いくつかの実施形態によれば、本発明による装置は、ユーザによって選択された飲料に応じて、1以上の部品を対象として、その機能を調整するように構成された制御およびコマンドユニットを備える。
【0040】
いくつかの実施形態によれば、制御およびコマンドユニットは、センサ手段と通信して、ユーザが行った飲料選択に従って送出される水の温度を調整するように機能を調整する。
【0041】
変形例によれば、装置は、インターフェースによってユーザが選択した特定の飲み物に応じて、1以上の構成要素(ポンプ、加熱装置、浸出時間など)の機能パラメータを変更することができる。
【0042】
別の変形例によると、装置は、浸出される芳香混合物の種類、ならびに調製する飲料の量および種類に関連して、つまりユーザの要求に応じて、シャワー、噴流、またはミストで所望の温度で水を供給するように構成された拡散ヘッドを備える。
【0043】
変形例によれば、装置は、容器の最大容量を規定するのに適した手段を有し、該手段は様々なタイプの容器を使用できるように提供される、
別の変形例によれば、ユーザに有用な体積を示す手段が提供され、それにより、ユーザは、容器の充填の程度、すなわち物理量を示すことができる。
【0044】
この場合、ユーザが使用できる手段には、ユーザが容器に供給された飲料を充填する度合いを示す可能性も含まれる。
一変形例によれば、抽出された飲料を作るのに適した香り混合物のフィルタ容器は、ユーザが毎回必要とする程度の浸出を得るために制御された供給手段を有することができる。
【0045】
変形例によれば、注がれるジャグの下に配置可能な加熱手段は、ユーザが選択した飲料の特性に影響され得る。
ここで説明する実施形態は、ユーザが選択した感応特性を備えた特定の量の飲料を調製する方法にも関する。
【0046】
本発明に係る方法は、ユーザが所望の飲料を選択したときに、飲料を調製するための処理が開始されることを提供する。
この方法は、調製の開始時に、最初にポンプを作動させてボイラーを加熱する水で満たして温度センサ手段に到達させ、その後ボイラー内の水が選択した飲料に一致する温度に達するまで加熱要素を作動させる。
【0047】
このようにして、前回の飲料の調製から経過した時間に関係なく、飲料は常に望ましい温度で供給される。
いくつかの実施形態によれば、温度センサ手段が特定の温度に対応する加熱水の温度を検出すると、制御およびコマンドユニットは、ポンプを再び駆動して、行われた選択に対応する量の水をフィルタ容器および出口に供給する。
【0048】
変形例によれば、行われた選択に基づいて、制御およびコマンドユニットは、ユーザによって選択された官能特性および温度のうち少なくとも一方に従って、様々な操作コンポーネントを事前処理する。
【0049】
他の実施形態によれば、飲料の供給の終わりに、方法は、選択された各飲料について、使用する度に水を正しい特定の温度に加熱することと、定義された量の水を提供することとを保証するように、装置の初期状態を復元することを提供する。
【0050】
他の実施形態によれば、飲料の供給の終わりに、この方法は、ポンプを非作動とし、対流運動によって回路を空にし、場合によっては回路の中に残っている水を乾燥させるために、加熱装置を一定時間作動させたままにすることを提供する。
【0051】
このようにして、起こり得る残留水が回路内に残り、その後の飲料抽出操作で抽出される水の量の測定値がずれることが防止される。
ポンプの下流で回路を乾燥させることにより、実際には、各飲料調製操作でフィルタ要素に供給される水が、ユーザが行った選択によって実際に必要とされる水に確実に対応するため、不適切な希釈または過度に希釈された調製の両方を回避し、飲料、およびユーザが選択して使用する容器に対して過剰な量の液体を供給することを回避する。
【0052】
変形例によれば、定期的に、または制御およびコマンドユニットから受信された信号に関連して、この方法は、ボイラーを洗浄して沈殿物を除去する機能を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【
図1】
図1は、本明細書に記載の実施形態に係る、飲料を調製するための装置の概略図である。
【
図2】
図2は、
図1の飲料調製機の構成要素の詳細な概略図である。
【
図3】
図3は、本明細書に記載の実施形態に係る、飲料を調製するための装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
図1を参照してここで説明される実施形態は、粉末状または粉砕された芳香混合物11から、抽出、浸出または水と混合することにより、温かいまたは冷たい飲料を調製および供給するための装置10に関する。
【0055】
いくつかの実施形態によれば、本発明に係る装置10は、ユーザが、ユーザインターフェース35を用いて、調製する飲料の種類および量を選択することを可能にする。
いくつかの実施形態によれば、ユーザインターフェース35は、圧力キー、選択ノブ、および/またはタッチスクリーンを備えることができ、それによって、ユーザは、例えば、軽い、普通、または強いの間で、供給される飲料の強度を選択することができ、飲料の量、すなわち、ジャグ、ハーフジャグ、カップ、マグ、ガラスなどの使用される容器15のサイズを選択することができる。
【0056】
装置10は、浸出される芳香混合物11を収容するのに適したフィルタ容器13と、抽出された飲料を適切な容器15に供給可能な飲料14の出口とに流体接続された、水用のタンク12を備える。
【0057】
いくつかの実施形態によれば、飲料14の出口は供給手段41、例えば弁48に関連付けられ、供給手段41は、飲料14の出口を開閉することと、供給手段41を通る流量を調整するために選択的に作動可能である。
【0058】
タンク12は、一般に、飲料を調製するために特定の量の水を収容するように構成された容器である。例えば、タンク12の容量は、少なくともジャグを満たすのに必要な水の量に等しくてもよい。
【0059】
タンク12には、蓋60と関連する導入開口12aを設けることができ、そこから水を導入することができ、出口開口17から、毎回所望の量の水を取り出すことができる。
いくつかの実施形態によれば、タンク12は、洗浄および/または充填のために、装置10のハウジング20の内側に配置されたり、ハウジング20に取り外し可能に取り付けられる。
【0060】
変形例によれば、タンク12は、連続的な水源に関連付けられてもよい。
いくつかの実施形態によれば、混合物用のフィルタ容器13は漏斗形状を有することができ、芳香混合物11の固体を保持するのに適したフィルタ要素18をその中に挿入して、それらが浸出された飲料と共に供給されるのを防ぐことができる。
【0061】
いくつかの実施形態によれば、抽出された飲料を容器15に供給する前に、芳香混合物11を一定時間浸出したままにするために、手動または自動の閉鎖弁48をフィルタ容器13に設けることができる。
【0062】
いくつかの実施形態によれば、使用の度に、所望の量の芳香混合物11を導入することと、調製された飲料の送出終了時にフィルタ要素18とともに芳香混合物11を除去することとのうち少なくとも一方を行うために、フィルタ容器13へのアクセスを可能にするように構成されたアクセス手段61および移動手段のうち少なくとも一方を設けることができる。
【0063】
いくつかの実施形態によれば、装置10は、フィルタ容器13上に配置され、水と芳香混合物11との間の接触を増大させるように芳香混合物11上のタンク12から到達する水を供給するように構成される拡散ヘッド19を備える。
【0064】
いくつかの実施形態によれば、拡散ヘッド19は、シャワー、噴流、ミスト、または場合によっては連続流で水を供給するように構成することができる。
また、装置10は、タンク12とフィルタ容器13との間に配置され、移動中の水を所望の温度に加熱するように構成された加熱装置21を備える。
【0065】
いくつかの実施形態によれば、加熱装置21は、タンク12を拡散ヘッド19に接続する流体回路22に沿って配置される。
いくつかの実施形態によれば、加熱装置21は、加熱される水用の通路25aを形成する少なくとも1つの導管25を有するボイラー24、およびそれに関連する少なくとも1つの加熱要素26を備える。
【0066】
いくつかの実施形態によれば、通路25aは、回路22の一部を形成する。 可能な解決策によれば、通路25aの内壁は、有用な熱交換面を拡張するのに適した形状を有する。
【0067】
いくつかの実施形態によれば、通路25aは、石灰石の堆積を許容しない材料で内部が裏打ちされている。
他の実施形態によれば、ボイラー24は、少なくとも1つの第1の分岐24aおよび少なくとも1つの第2の分岐24bを有する。
【0068】
第2の分岐24bは、タンク12から拡散ヘッド19への水の経路に沿って第1の分岐24aの下流に配置される。
いくつかの実施形態によれば、第2の分岐24bまたはそれよりも大きい分岐は、第1の分岐24aまたはそれよりも小さい分岐よりも大きい長手方向の延長部を有する。
【0069】
いくつかの実施形態によれば、2つの分岐24a、2bは、共通の直線に沿って整列していないそれぞれの長手方向に延びる長する軸を有する。
換言すると、分岐、特に大きい分岐24bは、すでに述べた理由によって、加えて以下に述べる理由によって、実質的に垂直方向に延びるが、他の分岐、すなわち小さい分岐24aは、少なくともより大きな分岐24bに対して角度を有する1つの実質的に水平な部分、または少なくとも部分的に湾曲した部分を有する。
【0070】
いくつかの実施形態によれば、より大きな分岐24bは、熱損失を最小限に低減するように、垂直方向に配置される。
水が垂直部分を流れるとき、実際には、水は通路25aのすべての内壁と直接接触しているので、熱交換面が最大になる。
【0071】
反対に、水平部分では、供給された水の圧力および流量のうち少なくとも一方が十分に高くない場合、供給された水の量が通路25aの部分を満たすのに不十分であるため、使用可能な熱交換面が減少する。
【0072】
特にボイラー24の入口は、その出口よりも低い高さに配置されている。
いくつかの実施形態によれば、より大きな分岐24bの長さは、回路22の全体的な垂直延長部に対して支配的である。換言すれば、より大きな分岐24bは、回路22の垂直方向の長手方向の延長部の大部分にわたって延びる。
【0073】
いくつかの実施形態によれば、より大きな分岐24bは、より大きな分岐24bの下流の熱損失を排除するかまたは少なくともできるだけ少なくするように、実質的に拡散ヘッド19の近くまで延在する。
【0074】
このようにして、フィルタ容器13に供給される水が、毎回、所望の必要な温度になることが保証される。
いくつかの実施形態によれば、ボイラー24はL字型とすることができ、小さい方の分岐24aが少なくとも部分的に水平方向に沿って配置され、大きい方の分岐24bが実質的に垂直に延びる。
【0075】
可能な実施形態によれば、ボイラー24は、ボイラー24内に存在する可能性のある水残留物を水の供給の終わりに回収することができる蓄積領域24cを有する。
蓄積領域24cは、好ましくは、水の経路に沿ってより大きな垂直の分岐24bの上流に配置される。
【0076】
いくつかの実施形態によれば、例えばボイラー24がL字形である場合、蓄積領域24cはまた、第1の分岐24aの少なくとも一部を有することができる。
いくつかの実施形態によれば、ボイラー24は、両方が垂直方向に沿って配置され、中間接続領域を画定する蓄積領域24cの一方および他方に位置する2つの分岐24a、24bを備えることができる。
【0077】
可能な変形実施形態によれば、ボイラー24は、U字形またはJ字形とすることができる。
内部に存在する可能性のある水は蓄積領域24cに蓄積する傾向があり、加熱要素26を作動させることによって、その水を乾燥させることができるので、U字形またはJ字形は特に有利である。
【0078】
いくつかの実施形態によれば、加熱装置21は、導管25の反対側に配置された2つ以上の加熱要素26,27を有する。
他の実施形態によれば、加熱要素26,27は、ボイラー24の長手方向の発達の大部分に沿って、直線的にまたは螺旋状に配置された電気抵抗であってもよい。
【0079】
変形例によれば、加熱要素26,27は、加熱要素26,27が目標温度に到達するように、または加熱要素26,27の温度を調節するように作動させることができる。
いくつかの実施形態によれば、加熱要素26,27は、自律的であり、互いに独立している。特に、加熱要素26,27は、輸送中の水が加熱されるべき温度に応じて、および/または飲料調製作業の進行状態に応じて、選択的に供給することができる。
【0080】
いくつかの実施形態によれば、加熱要素26,27は同じ電力を有する、すなわち、それぞれが加熱装置21の全体的な電力の50%に対応する。
可能な変形例によれば、加熱要素26,27は、互いに異なる電力を有し、それにより、加熱温度のさらなる調整を可能にする。
【0081】
例えば、可能な実施例によれば、加熱要素26,27は、例えば、60%乃至40%、70%乃至30%、75%乃至25%、80%乃至20%、または中間値などの比例出力を有することができる。
【0082】
いくつかの実施形態によれば、装置10は、回路22に沿って配置され、輸送中の水の温度を検出するように構成された温度センサ手段28も備える。
いくつかの実施形態によれば、温度センサ手段28は、ボイラー24の下流に配置され、芳香混合物11と接触する領域の近くで輸送中の水の温度を検出する。
【0083】
可能な変形例によれば、温度センサ手段28は、ボイラー24の内部に、可能であれば通路25aの出口端に対応して配置することができる。
他の変形例によれば、温度センサ手段28は、ボイラー24または加熱装置21と一体化して提供することもでき、ボイラー24または加熱装置21の下流および場合によっては上流にも配置して、加熱要素21の上流および下流で検出された水温の差に基づき、1つ以上の加熱要素26,27の供給を調整することができる。
【0084】
可能な解決策によれば、温度センサ手段28は、回路22の一部を形成するパイプの内側に配置された負の温度係数(NTC:Negative Temperature Coefficient)を有する抵抗を有しても良い。
【0085】
いくつかの実施形態によれば、装置10は、回路22に沿って配置され、タンク12から水を汲み出し、ボイラー24を通してフィルタ容器13に向けて水を供給するように構成されたポンプ30を備える。
【0086】
いくつかの実施形態によれば、ポンプ30は、ユーザが選択した量の飲料を調製するのに適した量の水をその都度得られるように選択的に作動させることができる。
いくつかの実施形態によれば、ポンプ30は、調節可能なフロー型であるため、ボイラー24および芳香混合物11を通過する水の速度を調整することが可能である。
【0087】
いくつかの実施形態によれば、装置10は、タンク12内および回路22の少なくとも一方に沿って配置され、通過する水の量を測定する流れ検出手段を備える。
いくつかの実施形態によれば、流れ検出手段は、流量計32を備える。
【0088】
いくつかの実施形態によれば、流量計32は、ポンプ30の上流に配置され、流量のより高速かつより効率的な検出が可能であるため、ポンプ30の動的かつリアルタイムの調整が可能である。
【0089】
いくつかの実施形態によれば、装置10は、ユーザが行った選択に基づいて加熱装置21およびポンプ30の機能を調整し、選択した飲料の調製に適した温度に水を加熱するように構成された制御およびコマンドユニット34を備える。
【0090】
いくつかの実施形態によれば、制御およびコマンドユニット34は、記憶装置33を備えるか、または記憶装置33に接続することができ、記憶装置33では、ユーザが選択可能な各飲料について、即ち、芳香混合物11の種類および/または飲料の強度および/または飲料の選択された量に従って定義された各組み合わせについて、最適な温度および/または最適な水の速度の値を記憶することができる。
【0091】
温度の調節により、コーヒーに加えて、コーヒーに必要なものよりも低い浸出温度を一般に必要とする茶葉ベースの飲料または他の植物性物質を調製することが可能になる。
例として、コーヒー飲料の場合、好ましくは約92°Cから約96°Cの水温が必要であるが、お茶を調製するには、使用するお茶の品質に基づき約70°Cから約90°Cの水温が好ましい。
【0092】
図1乃至
図3を参照して説明するいくつかの実施形態によれば、制御およびコマンドユニット34は、温度センサ手段28および流量計32によって検出されたデータを受信するために、温度センサ手段28および流量計32に接続される。
【0093】
また、制御およびコマンドユニット34は受信したデータを、記憶装置33に記憶された値と比較するように構成される。
調製される飲料の種類および/または量に関してユーザが行った選択に基づき、かつ温度センサ手段28および流量計32から受信したデータに基づいて、制御およびコマンドユニット34は、選択された飲料を得るために、ポンプ30の流量および/または加熱装置21の加熱要素26,27のオンオフを調整することができる。
【0094】
いくつかの実施形態によれば、制御およびコマンドユニット34は、水の流量および温度に関するデータをリアルタイムで受け取り、フィードバック制御により、ポンプ30および加熱装置21を動的に調整する。
【0095】
変形例によれば、制御およびコマンドユニットは、PID型の制御システムによって、または他の適切な手段によって、ポンプ30の流量を調節し、加熱装置21を作動させることができる。
【0096】
これらの実施形態によれば、例えば、PID制御システムは、流量計32によって検出された水の流量および温度センサ手段38によって検出された水の温度を入力として受け取り、加熱装置21の加熱要素26,27への電源供給およびポンプ30の流量を出力として供給することができる。
【0097】
特に、加熱された水の温度が同じである場合、制御およびコマンドユニット34は、芳香混合物11から抽出される物質の量を増減すべく、ポンプ30の流量、したがって水の速度を増減できるため、飲料の強度を調整することができる。
【0098】
例えば、制御およびコマンドユニット34が、流量を変更するために、ポンプのモータの回転数を増加または減少させるように、ポンプ30の供給電力に作用させることが提供され得る。
【0099】
他の実施形態によれば、ポンプ30は、上から注ぐ(pour-over)浸出を実行するために、すなわち、芳香混合物11からの物質を特にゆっくと抽出するために、パルスで水を送達するために選択的に活性化/非活性化されてもよい。
【0100】
他の実施形態によれば、制御およびコマンドユニット34は、特定のデューティサイクルに従って少なくとも1つの加熱要素26,27を選択的にオンオフして、加熱要素26,27を適切な温度に保つことができる。
【0101】
他の実施形態によれば、制御およびコマンドユニット34は、実行される動作に従って加熱装置21の温度を適切に調整するように、各加熱要素26,27を自律的かつ独立してオンオフする。
【0102】
例えば、加熱装置21の温度は、ゆっくりとした予熱操作、温度維持、高温供給、またはその他に基づいて調節することができる。
ポンプ30の流量と加熱装置21の温度との両方、即ち水の流量と温度との両方を動的に変更できることにより、ユーザが選択したように飲料の所望の強度を得るために芳香混合物11の物質の抽出を最適化することが可能であり、事前浸出工程を提供する必要がないため、高品質の要件を満たす。
【0103】
しかしながら、可能な変形例によれば、抽出された飲料を供給する前に、芳香混合物11の事前浸出ステップを実行することが提供され得る。
他の実施形態によれば、ハウジング20は、容器15用の支持ベース37を備える。
【0104】
可能な変形例によれば、支持ベース37は、容器15内に供給された飲料を温かく保つために制御およびコマンドユニット34によって選択的に作動され得る追加の加熱手段38を備えることができる。
【0105】
例えば、追加の加熱手段38は、正の温度係数(PCT:Positive Coefficient Temperature)を有する抵抗を含むことができる。
図示されていない、可能な実施形態によれば、使用される容器15がカップまたはグラスの何れかである場合に、飲料の飛散を防止するために容器15を飲料14の出口に近づけるように構成された、折り畳み式または可動式の他の支持ベースを提供することができる。
【0106】
ここで説明する実施形態は、一方では選択された飲料をそれぞれの最適温度で供給し、他方では各飲料調製作業の終わりに装置10を同じ状態に回復するために提供される飲料の調製方法に関する。
【0107】
本発明による飲料を調製する方法は、制御およびコマンドユニット34において、ユーザインターフェース35によってユーザが調製する飲料の種類および量に関するコマンドを受け取ることを提供する。
【0108】
受け取ったコマンドおよび記憶されたパラメータに基づいて、制御およびコマンドユニット34は、選択された飲料に固有の水温および速度の値を決定し、ポンプ30および加熱要素21を選択的に作動させて上記の値を得ることができる。
【0109】
いくつかの実施形態によれば、飲料調製操作の開始時に、方法は、ポンプ30を作動させて、少なくとも回路22を、好ましくは少なくとも温度センサ手段28まで水で満たすことを提供する。
【0110】
ポンプ30を作動させるこのステップでは、加熱装置21のスイッチを切ったままにすることができる。
続いて、この方法は、回路22への水の供給を停止するようにポンプ30を非作動とし、加熱装置21を作動させて、その中の水を特定の温度値まで加熱することを提供する。
【0111】
これは、特に、ボイラー24の特定の構成によって可能になり、そのおかげで、ポンプ30が停止しも水がボイラー24の内部に留まるため、迅速かつ効果的に加熱することができる。
【0112】
いくつかの実施形態によれば、温度センサ手段28は、有利には、垂直パイプセグメントに配置され、その結果、ポンプ30によって供給される水は、ポンプ30が停止したときでもパイプ自体の内部に閉じ込められたままである。
【0113】
いくつかの実施形態によれば、加熱装置21の急速な加熱を得るために、制御およびコマンドユニット34は、2つ以上の加熱要素26,27の両方をオンにすることができる。
【0114】
続いて、加熱装置21の下流の水が特定の温度値に達したとき、方法は、ポンプ30を作動させ、その流量を調節して、芳香混合物11を浸出し、選択された飲料を容器15に供給する。
【0115】
いくつかの実施形態によれば、供給ステップの間、制御およびコマンドユニット34は、特定の温度値を維持するために、加熱要素26,27の一方または両方を選択的にオンオフすることができる。
【0116】
飲料供給操作の終わりに、この方法は、ポンプ30を停止し、回路22内の水の供給を停止し、装置10の初期状態を回復することを提供する。
いくつかの実施形態によれば、特に、この方法は、対流運動によって回路22を空にしたり、回路22内に残った水を空にしたりするのに適した期間にわたって加熱装置21を作動させたままにして、回路22を空にして乾燥させる。
【0117】
ボイラー24の形態は、特に、蓄積領域24c内に残留水を蓄積することを可能にし、残留水が効果的に除去されることができる。
いくつかの実施形態によれば、空にするステップの間、制御およびコマンドユニット34は、加熱要素26,27の一方または両方を選択的にオンオフすることができる。
【0118】
いくつかの実施形態によれば、空にするステップは、飲料の送達後にすぐに実行される。このようにして、水は無視できる期間、回路22内に留まり、後続の飲料の望ましくない汚染を防ぐことができる。
【0119】
順次送出の場合、後続の送出のためのエネルギ消費を低減するため、各供給動作の終わりに加熱装置21を作動した状態に保つことが有利である。
この場合、加熱装置21は高温のままであるため、その後の送出のための水はより短い時間で所望の温度に達する。
【0120】
他の実施形態によれば、方法は、少なくとも選択された容器15がジャグである場合に、追加の加熱手段38を作動させて、供給された飲料を高温に保つことができる。
本発明の分野および範囲から逸脱することなく、これまでに説明された飲料を調製するための装置10および方法に対して、部品の修正および/または追加を行うことができることは明らかである。
【0121】
本発明をいくつかの特定の例を参照して説明してきたが、当業者は、特徴を有する飲料を調製するための装置10および方法の多くの他の同等の形態を確実に達成することができることも明らかである。特許請求の範囲に記載されているように、すべてが定義された保護の分野に含まれる。