IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ザ ライクラ カンパニー ユーケー リミテッドの特許一覧

特許7343512密に近接した多数の繊維ストランドで伸縮性化された不織布または織物
<>
  • 特許-密に近接した多数の繊維ストランドで伸縮性化された不織布または織物 図1
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-04
(45)【発行日】2023-09-12
(54)【発明の名称】密に近接した多数の繊維ストランドで伸縮性化された不織布または織物
(51)【国際特許分類】
   B32B 5/26 20060101AFI20230905BHJP
   A61F 13/15 20060101ALI20230905BHJP
【FI】
B32B5/26
A61F13/15
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2020544523
(86)(22)【出願日】2019-02-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-17
(86)【国際出願番号】 US2019017535
(87)【国際公開番号】W WO2019164696
(87)【国際公開日】2019-08-29
【審査請求日】2022-02-02
(31)【優先権主張番号】62/634,222
(32)【優先日】2018-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519355758
【氏名又は名称】ザ ライクラ カンパニー ユーケー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】230117802
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】ビサ,コフィ
【審査官】福井 弘子
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-197454(JP,A)
【文献】特表2002-526668(JP,A)
【文献】特表2011-530339(JP,A)
【文献】特開2005-320636(JP,A)
【文献】特開2016-013687(JP,A)
【文献】特開平06-070958(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0151092(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00-43/00
A61F 13/15-13/84
A61L 15/16-15/64
F25D 21/04
A41B 9/00-9/16
A41B 13/00-17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸展性不織布または伸縮性織物複合材を製造するためのプロセスであって、
(a)不織布または織物の上側外層と下側外層との間に、複数の端部が密な間隔で配列されたエラストマー繊維の内層を配置するステップと、
(b)前記不織布または織物の上側外層および下側外層と前記エラストマー繊維の内層とを、接着剤組成物を塗布することによって接着するステップと、を含み、
マルチクリール繊維配列システムが、前記エラストマー繊維の内層を前記上側および/または下側の不織布または織物の外層上に供給し、
前記内層は2倍~4倍に引っ張られている、プロセス。
【請求項2】
伸展性不織布または伸縮性織物複合材を製造するためのプロセスであって、
(a)不織布または織物の上側外層と下側外層との間に、複数の端部が密な間隔で配列されたエラストマー繊維の内層を配置するステップと、
(b)前記不織布または織物の上側外層および下側外層と前記エラストマー繊維の内層とを、接着剤組成物を塗布することによって接着するステップと、を含み、
マルチクリール繊維配列システムが、前記エラストマー繊維の内層を前記上側および/または下側の不織布または織物の外層上に供給し、
前記エラストマー繊維の内層は10~700個の端部を含む、プロセス。
【請求項3】
伸展性不織布または伸縮性織物複合材を製造するためのプロセスであって、
(a)不織布または織物の上側外層と下側外層との間に、複数の端部が密な間隔で配列されたエラストマー繊維の内層を配置するステップと、
(b)前記不織布または織物の上側外層および下側外層と前記エラストマー繊維の内層とを、接着剤組成物を塗布することによって接着するステップと、を含み、
マルチクリール繊維配列システムが、前記エラストマー繊維の内層を前記上側および/または下側の不織布または織物の外層上に供給し
前記内層の前記エラストマー繊維は1.5mm~5mm離間されている、プロセス。
【請求項4】
伸展性不織布または伸縮性織物複合材を製造するためのプロセスであって、
(a)不織布または織物の上側外層と下側外層との間に、複数の端部が密な間隔で配列されたエラストマー繊維の内層を配置するステップと、
(b)前記不織布または織物の上側外層および下側外層と前記エラストマー繊維の内層とを、接着剤組成物を塗布することによって接着するステップと、を含み、
マルチクリール繊維配列システムが、前記エラストマー繊維の内層を前記上側および/または下側の不織布または織物の外層上に供給し、
前記エラストマー繊維はスパンデックスを含む、プロセス。
【請求項5】
伸展性不織布または伸縮性織物複合材を製造するためのプロセスであって、
(a)不織布または織物の上側外層と下側外層との間に、複数の端部が密な間隔で配列されたエラストマー繊維の内層を配置するステップと、
(b)前記不織布または織物の上側外層および下側外層と前記エラストマー繊維の内層とを、接着剤組成物を塗布することによって接着するステップと、を含み、
前記接着剤はホットメルト接着剤であり、冷却ロールが前記接着剤の高温を急冷して、前記不織布または織物の層への移動を停止または最小化させ、
前記内層は2倍~4倍に引っ張られている、プロセス。
【請求項6】
伸展性不織布または伸縮性織物複合材を製造するためのプロセスであって、
(a)不織布または織物の上側外層と下側外層との間に、複数の端部が密な間隔で配列されたエラストマー繊維の内層を配置するステップと、
(b)前記不織布または織物の上側外層および下側外層と前記エラストマー繊維の内層とを、接着剤組成物を塗布することによって接着するステップと、を含み、
前記接着剤はホットメルト接着剤であり、冷却ロールが前記接着剤の高温を急冷して、前記不織布または織物の層への移動を停止または最小化させ
前記エラストマー繊維の内層は10~700個の端部を含む、プロセス。
【請求項7】
伸展性不織布または伸縮性織物複合材を製造するためのプロセスであって、
(a)不織布または織物の上側外層と下側外層との間に、複数の端部が密な間隔で配列されたエラストマー繊維の内層を配置するステップと、
(b)前記不織布または織物の上側外層および下側外層と前記エラストマー繊維の内層とを、接着剤組成物を塗布することによって接着するステップと、を含み、
前記接着剤はホットメルト接着剤であり、冷却ロールが前記接着剤の高温を急冷して、前記不織布または織物の層への移動を停止または最小化させ
前記内層の前記エラストマー繊維は1.5mm~5mm離間されている、プロセス。
【請求項8】
伸展性不織布または伸縮性織物複合材を製造するためのプロセスであって、
(a)不織布または織物の上側外層と下側外層との間に、複数の端部が密な間隔で配列されたエラストマー繊維の内層を配置するステップと、
(b)前記不織布または織物の上側外層および下側外層と前記エラストマー繊維の内層とを、接着剤組成物を塗布することによって接着するステップと、を含み、
前記接着剤はホットメルト接着剤であり、冷却ロールが前記接着剤の高温を急冷して、前記不織布または織物の層への移動を停止または最小化させ
前記エラストマー繊維はスパンデックスを含む、プロセス。
【請求項9】
前記内層は張力下にある、請求項1~8のいずれかに記載のプロセス。
【請求項10】
前記内層は2倍~4倍に引っ張られている、請求項2~4及び6~8のいずれかに記載のプロセス。
【請求項11】
前記内層は2.5倍~4倍に引っ張られている、請求項1~8のいずれかに記載のプロセス。
【請求項12】
前記エラストマー繊維の内層は10~700個の端部を含む、請求項1、3~5及び7~11のいずれかに記載のプロセス。
【請求項13】
前記内層の前記エラストマー繊維は1.5mm~5mm離間されてる、請求項1、2、4~6及び8~12のいずれかに記載のプロセス。
【請求項14】
前記エラストマー繊維はスパンデックスを含む、請求項1~3、5~7及び9~13のいずれかに記載のプロセス。
【請求項15】
ビーム配列繊維供給システムが、前記エラストマー繊維の内層と接着剤とを前記上側および/または下側の不織布または織物の外層上に供給する、請求項1~14のいずれかに記載のプロセス。
【請求項16】
マルチクリール繊維配列システムが、前記エラストマー繊維の内層を前記上側および/または下側の不織布または織物の外層上に供給する、請求項5~14のいずれかに記載のプロセス。
【請求項17】
前記クリールシステムは10~200個の端部を供給する、請求項16に記載のプロセス。
【請求項18】
前記接着剤はホットメルト接着剤であり、冷却ロールが前記接着剤の高温を急冷して、前記不織布または織物の層への移動を停止または最小化させる、請求項1~4及び9~17のいずれかに記載のプロセス。
【請求項19】
(a)実質的に等しい幅の不織布または織物の2つの外層であって、各層は複合織物に関して内面および外面を有する外層と、
(b)複数の端部が1.5mm~5mm離間したエラストマー繊維の内層と、
(c)前記外層と内層とを接着する接着剤組成物と、を含み、
前記接着剤組成物は前記不織布または織物の基材へ移動していない伸展性不織布または伸縮性織物複合材。
【請求項20】
前記内層は
(a)2倍~4倍、又は
(b)2.5倍~4倍
に引っ張られている、請求項19に記載の伸展性不織布または伸縮性織物複合材
【請求項21】
前記エラストマー繊維の内層は10~700個の端部を含む、請求項19または20に記載の伸展性不織布または伸縮性織物複合材
【請求項22】
前記エラストマー繊維はスパンデックスを含む、請求項19~21のいずれかに記載の伸展性不織布または伸縮性織物複合材
【請求項23】
少なくともその一部分が請求項19~22のいずれかに記載の伸展性不織布または伸縮性織物複合材を含む製品。
【請求項24】
家庭用繊維製品、医療用コンポーネント、個人用衛生用品、おむつ、成人失禁用衣料品または包帯を含む、請求項23に記載の製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨てまたは再使用可能な、複数の端部が密な間隔で配列された伸縮性または伸展可能な不織布または織物、ならびにそれらの製造方法に関する。これらの不織布および織物は、これらに限定されないが、家庭用繊維製品、医療用コンポーネント、おむつや成人失禁用衣料品などの個人用品および衛生用品、ならびに包帯を含むさまざまな用途で有用である。
【背景技術】
【0002】
伸展性不織布または伸縮性織物は、女性の衛生、成人の失禁、乳幼児の世話に広く使用されている。これらの不織布または織物はオンライン製造され、おむつまたは成人失禁用品製造と統合されている。しかしながら、おむつや医療品の製造業者は、複数の繊維端部が密な間隔で配列された幅広の織物(12インチ~65インチ)を製造することができないため、これらは、広い間隔およびより少ない端部に限定されている。
【0003】
米国特許第6,713,415号は、2つの不織布外層と、少なくとも400デシテックスおよび少なくとも8スレッドライン/インチのエラストマー繊維の予め伸展された内層とに基づく、洗濯耐久性複合織物を開示している。
【0004】
より幅広のウェブおよびオフラインでのスタンドアロン生産が要求される場合の問題を解決する、使い捨てまたは再使用可能な伸縮性または伸展可能な不織布または織物複合材およびこの生産のための方法の必要性が存在する。
【発明の概要】
【0005】
本発明の一態様は、実質的に等しい幅の不織布または織物の2つの外層であって、各層は複合織物に対して内面および外面を有する外層と、複数の端部が密な間隔で配列されたエラストマー繊維の内層と、外層と内層とを接着させる接着剤組成物とを含む、伸展性不織布または伸縮性織物複合材に関する。
【0006】
1つの非限定的な実施形態では、エラストマー繊維の内層は10~700個の端部を含む。1つの非限定的な実施形態では、内層のエラストマー繊維は1.5mm~5mm離間されている。
【0007】
本発明の別の態様は、伸展性不織布または伸縮性織物複合材を製造するためのプロセスに関する。プロセスは、不織布または織物の2つの層の間に、複数の端部が密な間隔で配列されたエラストマー繊維の内層を配置することを含む。1つの非限定的な実施形態では、内層は張力下にある。1つの非限定的な実施形態では、内層は2倍~4倍に引っ張られている。1つの非限定的な実施形態では、内層は2.5倍~4倍に引っ張られている。次いで、不織布または織物の2つの層とエラストマー繊維の内層とを、接着剤組成物を塗布することによって接着させる。1つの非限定的な実施形態では、接着剤は、内層繊維に塗布され、不織布に貼り付けられる。1つの非限定的な実施形態では、不織布は接着剤を含まない。
1つの非限定的な実施形態では、ビーム配列繊維供給システムを使用して、エラストマー繊維の内層および接着剤を上側および/または下側の不織布または織物の外層上に供給する。別の非限定的な実施形態では、マルチクリール繊維配列システムを使用して、エラストマー繊維の内層を供給し、接着剤を内層繊維に塗布してから、上側および/または下側の不織布または織物の外層に貼り付ける。
【0008】
このプロセスの1つの非限定的な実施形態では、エラストマー繊維の内層は10~700個の端部を含む。このプロセスの1つの非限定的な実施形態では、内層のエラストマー繊維は1.5mm~5mm離間される。
【0009】
本発明の別の態様は、少なくともその一部分が本明細書に開示される伸展性不織布または伸縮性織物複合材を含む製品に関する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の使い捨てまたは再使用可能な伸縮性または伸展可能な不織布または織物複合材の製造プロセスの一非限定的実施形態の概要を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示によって提供されるのは、例えば、家庭用繊維製品、医療用コンポーネント、おむつ、成人失禁用衣料品などの個人用品および衛生用品、包帯などとして有用である、使い捨てまたは再使用可能な伸縮性または伸展可能な不織布または織物複合材、およびこれらの伸展可能な不織布または織物複合材の製造方法である。
【0012】
本発明の使い捨てまたは再使用可能な伸縮性または伸展可能な不織布または織物複合材は、各々が内面および外面を有する2つの不織布または織物の外層を含む。1つの非限定的な実施形態では、これらの2つの外層は、実質的に等しい幅のものである。
【0013】
本発明の使い捨てまたは再使用可能な伸縮性または伸展可能な不織布または織物複合材は、複数の端部が密な間隔で配列されたエラストマー繊維の内層をさらに含む。
【0014】
本明細書で使用される「複数の端部」とは、これに限定されないが、約10~約700個の端部を含むことを意味する。
【0015】
本明細書で使用される「密な間隔」とは、エラストマー繊維が1.5mm~5mm離間していることを意味する。
【0016】
1つの非限定的な実施形態では、エラストマー繊維の少なくとも一部分はスパンデックスを含む。
【0017】
さらに、本発明の使い捨てまたは再使用可能な伸縮性または伸展可能な不織布または織物複合材は、外層と内層とを接着させる接着剤組成物を含む。
【0018】
外層として、さまざまな基材を使用し得る。
【0019】
1つの非限定的な実施形態では、本明細書に記載されているように伸縮性化するための比較的非伸縮性の外層が使用される。不織布基材または「ウェブ」は、交互に配置されているが、同一と見なし得る繰り返し様式ではない、個々の繊維、フィラメントまたは糸の構造を有する基材である。不織布基材は、例えば、メルトブローイングプロセス、スパンボンドプロセスおよびボンデッドカードウェブプロセスなどのさまざまな従来のプロセスによって形成することができる。カードウェブプロセスの非限定的な例は、ハイドロジェットを使用してステープル繊維を交絡させるスパンレーシングである。メルトブローン基材またはウェブは、メルトブローン繊維から作られたものである。メルトブローン繊維は、溶融熱可塑性材料を、複数の微小な、通常は円形のダイ毛管を通して高速ガス(例えば、空気)流中に、溶融熱可塑性材料またはフィラメントとして押出することによって形成される。これにより、溶融熱可塑性材料のフィラメントの直径が縮小され、マイクロファイバの直径になり得る。その後、メルトブローン繊維を高速ガス流によって搬送し、収集面に堆積して、ランダムに分散されたメルトブローン繊維のウェブを形成する。そのようなプロセスは、例えば、米国特許第3,849,241号に開示されており、この特許は参照により本明細書に組み込まれる。
【0020】
スパンボンド基材または「ウェブ」は、スパンボンド繊維から作られたものである。スパンボンド繊維は、溶融熱可塑性材料を、紡糸口金の複数の微小な、通常は円形の毛管からフィラメントとして押出することによって形成される小径繊維である。次いで、押出されたフィラメントの直径を、例えば、伸張または他の周知のスパンボンド機構によって急速に縮小させる。スパンボンド不織布ウェブの製造は、例えば、米国特許第3,692,618号および第4,340,563号に例示されており、両特許は参照により本明細書に組み込まれる。
【0021】
比較的非伸縮性の基材は、多種多様な材料から構成することができる。好適な材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリブタン、ポリメチデンテン、エチレンプロピレンコポリマー、ポリアミド、テトラブロックポリマー、スチレン系ブロックコポリマー、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリ-(oc-カプロアミド)、ポリヘキサメチレンセバカミド、ポリビニル、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリトリフルオロクロロエチレン、エチレン酢酸ビニルポリマー、ポリエーテルエステル、綿、レーヨン、麻およびナイロンを挙げることができる。さらに、そのような材料タイプの組み合わせを使用して、本明細書で伸縮性化される比較的非伸縮性の基材を形成し得る。
【0022】
本明細書で伸縮性化される好ましい基材としては、ポリマースパンボンド不織布ウェブなどの構造が挙げられる。特に好ましいのは、約10~約40グラム/mの坪量を有するスパンボンドポリオレフィン不織布ウェブである。より好ましくは、そのような構造は、約14~約25グラム/mの坪量を有するポリプロピレンスパンボンド不織布ウェブである。
【0023】
前述のような比較的非伸縮性の基材は、1つ以上のそのような基材に、特定のタイプのエラストマーポリウレタン材料を接着剤で接着させることによって伸縮性化することができる。ポリウレタン材料が引き伸ばされた状態に引っ張られている間に、そのような接着剤の、伸縮性化されるべき基材への接着が起こる。
【0024】
1つの非限定的な実施形態では、内層のエラストマー繊維はスパンデックスを含む。
【0025】
本発明のスパンデックス繊維は、「繊維形成物質が少なくとも85%のセグメント化ポリウレタンからなる長鎖合成ポリマーである製造繊維」の定義を満たす。スパンデックス繊維の熱処理後の伸縮特性と伸縮特性の保持とは、セグメントポリウレタンの含有量と、セグメントポリウレタンの化学組成、マイクロドメイン構造、およびポリマー分子量とに大きく依存する。十分に確立されているように、セグメント化ポリウレタンは、ヒドロキシル末端ポリマーグリコール、ジイソシアネート、および低分子量連鎖延長剤の段階重合による硬質セグメントおよび軟質セグメントからなる長鎖ポリウレタンの1つのファミリーである。使用される連鎖延長剤、ジオールまたはジアミンの性質に応じて、セグメント化ポリウレタンの硬質セグメントはウレタンまたは尿素とすることができる。尿素硬質セグメントを有するセグメント化ポリウレタンは、ポリウレタンウレアとして分類される。一般に、尿素硬質セグメントは、ウレタン硬質セグメントよりも強い、物理的な架橋点として機能する鎖間水素結合を形成する。したがって、ジアミン鎖延長ポリウレタンウレアは、典型的には、短鎖ジオール延長ポリウレタンよりも、溶融温度がより高く、軟質セグメントと硬質セグメントとの間の相分離がより良好な、より良く形成された結晶性硬質セグメントドメインを有する。熱処理に対する尿素硬質セグメントの統合性および抵抗性のために、ポリウレタンウレアは、典型的には、湿式紡糸または乾式紡糸のいずれかの溶液紡糸プロセスを通して繊維に紡糸される。ウレタン硬質セグメントを用いて製造されたポリウレタン繊維、および選択されたポリウレタンウレア繊維は、溶融紡糸によって製造してもよい。
【0026】
2種以上のセグメント化ポリウレタンまたはポリウレタンウレアの混合物またはブレンドを使用することができる。任意選択で、セグメント化ポリウレタンウレアの混合物またはブレンドは、別のセグメント化ポリウレタンまたは他の繊維形成ポリマーと共に使用することもできる。
【0027】
ポリウレタンまたはポリウレタンウレアは、2工程プロセスで作られる。第1の工程では、ポリマーグリコールをジイソシアネートと反応させて、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを形成する。典型的には、ジイソシアネート対グリコールのモル比は、1.50~2.50の範囲で制御される。所望であれば、この予備重合工程での反応を支援するために触媒を使用することができる。第2の工程では、ウレタンプレポリマーをN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)などの溶剤中に溶解し、短鎖ジアミンまたはジアミンの混合物で鎖延長してポリウレタンウレア溶液を形成する。ポリウレタンウレアのポリマー分子量は、少量の単官能アルコールまたはアミン、典型的にはポリウレタンウレア固体1キログラム当たり60ミリ当量未満を第1の工程および/または第2の工程で追加し、反応させることによって制御される。添加剤は、ポリウレタンウレアが形成された後で、ただし溶液が繊維に紡糸される前の、任意の段階でポリマー溶液に混合することができる。繊維中の総添加剤量は、典型的には、10重量%未満である。紡糸前のポリマー溶液中の添加剤を含む固体含有量は、典型的には、溶液の30.0重量%~40.0重量%の範囲で制御される。溶液の粘度は、典型的には、最適な紡糸性能を得るために2000~5000ポイズの範囲で制御される。硬質セグメントの融点が十分に低いならば、好適なセグメント化ポリウレタンポリマーを溶融状態でも作ることができる。ポリウレタンウレアに適したポリマーグリコールとしては、数平均分子量が約600~約3,500のポリエーテルグリコール、ポリカーボネートグリコール、およびポリエステルグリコールが挙げられる。2種以上のポリマーグリコールまたはコポリマーの混合物を含めることができる。
【0028】
使用することができるポリエーテルグリコールの例としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、トリメチレンオキシド、テトラヒドロフラン、および3-メチルテトラヒドロフランの開環重合および/もしくは共重合からの、または縮合からの、2つの末端ヒドロキシ基を有するグリコールが挙げられる。
【0029】
エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2,2-ジメチル-1,3プロパンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオールおよび1,12-ドデカンジオールなど、各分子に12個未満の炭素原子を有する、ジオールまたはジオール混合物などの多価アルコールの重合。直鎖二官能ポリエーテルポリオールが好ましく、官能価が2のTerathane(登録商標)1800(カンザス州ウィチタのINVISTA)などの数平均分子量が約1,700~約2,100のポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールは、特定の好適なグリコールの1つの例である。コポリマーとしては、ポリ(テトラメチレンエーテルコエチレンエーテル)グリコールおよびポリ(2-メチルテトラメチレンエーテルコテトラメチレンエーテル)グリコールを挙げることができる。
【0030】
使用することができるポリエステルグリコールの例としては、各分子に12個以下の炭素原子を有する低分子量の、脂肪族ポリカルボン酸とポリオール、またはそれらの混合物の縮合重合によって生成される、2つの末端ヒドロキシ基を有するエステルグリコールを挙げることができる。好適なポリカルボン酸の例は、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジカルボン酸、およびドデカンジカルボン酸である。ポリエステルポリオールを調製するのに好適なグリコールの例は、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオールおよび1,12ドデカンジオールである。溶融温度が約5℃~約50℃の直鎖二官能ポリエステルポリオールは、特定のポリエステルグリコールの一例である。
【0031】
使用することができるポリカーボネートグリコールの例としては、各分子に12個以下の炭素原子を有する低分子量の、ホスゲン、クロロギ酸エステル、ジアルキルカーボネートまたはジアリルカーボネートと脂肪族ポリオール、またはそれらの混合物の縮合重合によって生成される、2つの末端ヒドロキシル基を有するカーボネートグリコールが挙げられる。ポリカーボネートポリオールを調製するのに好適なポリオールの例は、ジエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオールおよび1,12-ドデカンジオールである。溶融温度が約5℃~約50℃の直鎖二官能ポリカーボネートポリオールは、特定のポリカーボネートポリオールの一例である。
【0032】
ポリウレタンウレアを作るために使用されるジイソシアネート成分としては、4,4’-メチレンビス(フェニルイソシアネート)および2,4’-メチレンビス(フェニルイソシアナート)を含有するジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)のイソマー混合物を含む、単一のジイソシアネートまたは異なるジイソシアネートの混合物を挙げることができる。任意の適切な芳香族または脂肪族ジイソシアネートを含めることができる。使用することができるジイソシアネートの例としては、これらに限定されないが、4,4’-メチレンビス(フェニルイソシアネート)、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4-キシレンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネート、2,4-トルエンジイソシアネート、およびこれらの混合物が挙げられる。特定のポリイソシアネート成分の例としては、Takenate(登録商標)500(Mitsui Chemicals)、Mondur(登録商標)MB(Bayer)、Lupranate(登録商標)M(BASF)、およびIsonate(登録商標)125MDR(Dow Chemical)、ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0033】
ポリウレタンウレアを作るのに適したジアミン連鎖延長剤の例としては以下が挙げられる:1,2-エチレンジアミン;1,4-ブタンジアミン;1,2-ブタンジアミン;1,3-ブタンジアミン;1,3-ジアミノ-2,2-ジメチルブタン;1,6-ヘキサメチレンジアミン;1,12-ドデカンジアミン;1,2-プロパンジアミン;1,3-プロパンジアミン;2-メチル-1,5-ペンタンジアミン;1-アミノ-3,3,5-トリメチル-5-アミノメチルシクロヘキサン;2,4-ジアミノ-1-メチルシクロヘキサン;N-メチルアミノビス(3-プロピルアミン);1,2-シクロヘキサンジアミン;1,4-シクロヘキサンジアミン;4,4’-メチレン-ビス(シクロヘキシルアミン);イソホロンジアミン;2,2-ジメチル-1,3-プロパンジアミン;メタテトラメチルキシレンジアミン;1,3-ジアミノ-4-メチルシクロヘキサン;1,3-シクロヘキサン-ジアミン;1,1-メチレン-ビス(4,4’-ジアミノヘキサン);3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン;1,3-ペンタンジアミン(1,3-ジアミノペンタン);m-キシリレンジアミン;およびJeffamine(登録商標)(Texaco)。任意選択で、水、ならびにtert-ブチルアルコールおよびu-クミルアルコールなどの第三級アルコールもまた、ポリウレタンウレアを作るための連鎖延長剤として使用することができる。
【0034】
ポリウレタンが所望される場合、使用される連鎖延長剤または連鎖延長剤の混合物は、ジオールであるべきである。使用し得るそのようなジオールの例としては、これらに限定されないが、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-プロピレングリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,2-ジメチル-1,3-トリメチレンジオール、2,2,4-トリメチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、1,4-ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、および1,4-ブタンジオール、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
【0035】
単官能アルコールまたは第一級/第二級単官能アミンを、ポリウレタンウレアの分子量を制御するための連鎖停止剤として含めることができる。1種以上の単官能アルコールと1種以上の単官能アミンとのブレンドも含まれ得る。
【0036】
本発明の連鎖停止剤として有用な単官能アルコールの例としては、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、N-(2-ヒドロキシエチル)スクシンイミド、4-(2-ヒドロキシエチル)モルホリン、メタノール、エタノール、ブタノール、ネオペンチルアルコール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、シクロヘキサンメタノール、ベンジルアルコール、オクタノール、オクタデカノール、N,N-ジエチルヒドロキシルアミン、2-(ジエチルアミノ)エタノール、2-ジメチルアミノエタノール、および4-ピペリジンエタノール、およびこれらの組み合わせを含む、1~18個の炭素を有する脂肪族および脂環式の第一級および第二級アルコール、フェノール、置換フェノール、500未満の分子量を含む、約750未満の分子量を有するエトキシル化アルキルフェノールおよびエトキシル化脂肪アルコール、ヒドロキシアミン、ヒドロキシメチルおよびヒドロキシエチル置換第三級アミン、ヒドロキシメチルおよびヒドロキシエチル置換複素環式化合物、ならびにこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのメンバーが挙げられる。好ましくは、そのような単官能アルコールを、ウレタンプレポリマーを作る工程で反応させて、後の工程で形成されるポリウレタンウレアのポリマー分子量を制御する。
【0037】
ポリウレタンウレアの連鎖停止剤として有用な好適な単官能第一級アミンの例としては、これらに限定されないが、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、n-ブチルアミン、sec-ブチルアミン、tert-ブチルアミン、イソペンチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、エチルヘキシルアミン、トリデシルアミン、シクロヘキシルアミン、オレイルアミンおよびステアリルアミンが挙げられる。好適な単官能ジアルキルアミン連鎖停止剤の例としては以下が挙げられる:N,N-ジエチルアミン、N-エチル-N-プロピルアミン、N,N-ジイソプロピルアミン、N-tert-ブチル-N-メチルアミン、N-tert-ブチル-N-ベンジルアミン、N,N-ジシクロヘキシルアミン、N-エチル-N-イソプロピルアミン、N-tertブチル-N-イソプロピルアミン、N-イソプロピル-N-シクロヘキシルアミン、N-エチル-N-シクロヘキシルアミン、N,N-ジエタノールアミン、および2,2,6,6-テトラメチルピペリジン。好ましくは、そのような単官能アミンを、連鎖延長工程中に使用して、ポリウレタンウレアのポリマー分子量を制御する。任意選択で、エタノールアミン、3-アミノ-1-プロパノール、イソプロパノールアミンおよびN-メチルエタノールアミンなどのアミノアルコールを使用して、連鎖延長反応中にポリマー分子量を調節することもできる。
【0038】
エラストマー繊維に任意選択で含め得る添加剤のクラスを以下に列挙する。例示的で非限定的に列挙される。しかしながら、さらなる添加剤が当該技術分野で周知である。例としては、酸化防止剤、UV安定剤、着色剤、顔料、架橋剤、相変化材料(パラフィンワックス)、抗菌剤、ミネラル(すなわち、銅)、マイクロカプセル化添加剤(すなわち、アロエベラ、ビタミンEゲル、アロエベラ、海昆布、ニコチン、カフェイン、香料またはアロマ)、ナノ粒子(すなわち、シリカまたは炭素)、炭酸カルシウム、難燃剤、粘着防止剤、塩素分解耐性添加剤、ビタミン、医薬、芳香剤、導電性添加剤、染色性および/または染色補助剤(第四級アンモニウム塩など)が挙げられる。
【0039】
添加し得る他の添加剤としては、接着促進剤ならびに可溶性向上剤、帯電防止剤、クリープ防止剤、蛍光増白剤、凝集剤、導電性添加剤、発光添加剤、潤滑剤、有機および無機充填剤、防腐剤、触感改良剤、サーモクロミック添加剤、昆虫忌避剤、および湿潤剤、安定剤(ヒンダードフェノール、酸化亜鉛、ヒンダードアミン)、スリップ剤(シリコーンオイル)、ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0040】
添加剤は、染色性、疎水性(すなわち、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))、親水性(すなわち、セルロース)、摩擦制御、耐塩素性、耐分解性(すなわち、酸化防止剤)、接着性および/または可溶性(すなわち、接着剤および接着促進剤)、難燃性、抗菌作用(銀、銅、アンモニウム塩)、バリア、導電率(カーボンブラック)、引張特性、色、発光、リサイクル性、生分解性、芳香、粘着性制御(すなわち、金属ステアリン酸塩)、触覚特性、硬化性、熱調節(すなわち、相変化材料)、栄養性、二酸化チタンなどの艶消し剤、ハイドロタルサイトなどの安定剤、ハンタイトとハイドロマグネサイトの混合物、UV遮断剤、ならびにこれらの組み合わせを含む、1つ以上の有益な特性を提供し得る。
【0041】
添加剤は、所望の効果を達成するのに適切な任意の量で含まれ得る。
【0042】
スパンデックス繊維は、乾式紡糸、湿式紡糸、または溶融紡糸などの繊維紡糸プロセスを通して、ポリウレタンまたはポリウレタンウレアポリマー溶液から形成することができる。乾式紡糸では、ポリマーおよび溶剤を含むポリマー溶液を紡糸口金オリフィスを通して計量して紡糸チャンバに入れ、1本または複数のフィラメントを形成する。ポリウレタンウレアは、それから作られるスパンデックス繊維が所望される場合、典型的には、乾式紡糸または湿式紡糸される。ポリウレタンは、それから作られるスパンデックス繊維が所望される場合、典型的には、溶融紡糸される。
【0043】
典型的には、ポリウレタンウレアポリマーは、重合反応に使用されたのと同じ溶剤からフィラメントに乾式紡糸される。ガスをチャンバに通して溶剤を蒸発させ、フィラメントを固化させる。フィラメントは、少なくとも毎分200メートルの巻き取り速度で乾式紡糸される。スパンデックスは、800メートル/分を超えるなど、任意の所望の速度で紡糸することができる。本明細書で使用される場合、「紡糸速度」という用語は、糸の巻き取り速度を指す。
【0044】
スパンデックスフィラメントの良好な紡糸性は、紡糸セル内および巻き取りにおける低頻度のフィラメント切断を特徴とする。スパンデックスは、単一フィラメントとして紡糸することができ、または従来の技術によってマルチフィラメント糸に合体することができる。マルチフィラメント糸の各フィラメントは、典型的には、例えば、1フィラメント当たり6~25デシテックス(dtex)の範囲のテキスタイルデシテックスのものであり得る。
【0045】
単一フィラメントまたはマルチフィラメント糸の形態のスパンデックスは、典型的には、基材を伸縮性化して本明細書の複合構造を形成するために使用される。マルチフィラメントスパンデックス糸は、糸ストランド当たり約4~約120のフィラメントを含むことが多い。特に好適なスパンデックスフィラメントまたは糸は、約200デシテックス~約2400デシテックスおよび約540~約1880デシテックスを含む、約200~約3600デシテックスの範囲のものである。
【0046】
エラストマー繊維の内層は、伸縮性化されている比較的非伸縮性の基材に接着剤で接着または貼り付けられる。本明細書で選択されたタイプのポリウレタンの、そのような非伸縮性可撓性基材への接着剤接着は、一般に、従来のホットメルト接着剤の使用によってもたらされる。
【0047】
従来のホットメルト接着剤は、典型的には、高い初期粘着性を示し、コンポーネント間に良好な接着強度を提供し、良好な紫外線および熱安定性を有する熱可塑性ポリマーである。好ましいホットメルト接着剤は感圧性である。好適なホットメルト接着剤の例は、スチレン-イソプレン-スチレン(SIS)コポリマー;スチレン-ブタジエン-スチレン(SBS)コポリマー;スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(SEBS)コポリマー;エチレン酢酸ビニル(EVA)コポリマー;アモルファスポリアルファオレフィン(APAO)ポリマーおよびコポリマー;ならびにエチレン-スチレンインターポリマー(ESI)からなる群から選択されるポリマーを含むものである。最も好ましいのは、スチレン-イソプレン-スチレン(SIS)ブロックコポリマーに基づく接着剤である。ホットメルト接着剤は市販されている。
それらは、BostikからH-2104、H-2494、H-4232およびH-20043、H.B.Fuller CompanyからHL-1486およびHL-1470、ならびにNational Starch CompanyからNS-34-3260、NS-34-3322およびNS-34-560などの名称で販売されている。
【0048】
本発明はまた、これらの伸展性不織布または伸縮性織物複合材を製造するためのプロセスを提供する。
【0049】
プロセスは、不織布または織物の2つの層の間に、複数の端部が密な間隔で配列されたエラストマー繊維の内層を配置することを含む。1つの非限定的な実施形態では、内層は張力下にある。1つの非限定的な実施形態では、内層は2倍~4倍に引っ張られている。1つの非限定的な実施形態では、内層は2.5倍~4倍に引っ張られている。このプロセスの1つの非限定的な実施形態では、エラストマー繊維の内層は10~700個の端部を含む。このプロセスの1つの非限定的な実施形態では、内層のエラストマー繊維は1.5mm~5mm離間される。
【0050】
次いで、不織布または織物の2つの層とエラストマー繊維の内層とを、接着剤組成物を塗布することによって接着させる。1つの非限定的な実施形態では、接着剤は、内層繊維に塗布され、不織布に貼り付けられる。1つの非限定的な実施形態では、不織布は接着剤を含まない。
【0051】
多孔性の不織布または織物を通してののりの移動は、のりが蓄積したラミネート加工機をクリーニングするための過度の休止時間を引き起こす。さらに、のりがウェブ中に移動すると、不織布または織物に粘り気がありザラザラとした手触りを生じる。したがって、好ましいのは、不織布または織物中へののりの移動が停止または最小化されるように、不織布または織物へのウェブ統合性または繊維接着統合性が整えられることである。
【0052】
1つの非限定的な実施形態では、ビーム配列繊維供給システムを使用して、エラストマー繊維の内層と接着剤とを上側および/または下側の不織布または織物の外層上に供給する。
【0053】
別の非限定的な実施形態では、マルチクリール繊維配列システムを使用して、エラストマー繊維の内層を供給し、接着剤を内層繊維に塗布してから、上側および/または下側の不織布または織物の外層上に貼り付ける。クリールシステムは、繊維またはウェブの統合性を損なうことなく、10~200個の端部の供給を可能にする。
【0054】
1つの非限定的な実施形態では、接着剤の高温を急冷するプロセスで冷却ロールを使用し、それにより、不織布または織物基材中への接着剤の移動を停止または最小化する。
【0055】
また、本発明によって提供されるのは、少なくともその一部分が、本明細書に開示される伸展性不織布または伸縮性織物複合材を含む製品である。そのような製品の非限定的な例としては、家庭用繊維製品、医療用コンポーネント、個人用衛生用品、おむつ、成人失禁用衣料品および包帯が挙げられる。本明細書に開示される伸展性不織布または伸縮性織物複合材を用いて製造された製品は、より良い手触り、フィット感、および快適さを有する。
【0056】
本明細書に引用されているすべての特許、特許出願、試験手順、優先文書、記事、出版物、マニュアル、およびその他の文書は、そのような開示が本発明と矛盾しない範囲で、およびそのような組み込みが許可されているすべての管轄区域について、参照により完全に組み込まれる。
【0057】
以下の試験方法は、本発明およびその使用能力を実証する。本発明は、他の異なる実施形態が可能であり、そのいくつかの詳細は、本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく、さまざまな明らかな点で変更することができる。したがって、試験方法は本質的に例示的であり、非限定的であるとみなされるべきである。
【0058】
複合材の試験方法
複合材の収縮力を試験するために使用された試験方法は、ASTM D4964を使用した引張試験である。
図1