(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-04
(45)【発行日】2023-09-12
(54)【発明の名称】充放電管理システム
(51)【国際特許分類】
B60L 53/60 20190101AFI20230905BHJP
B60L 55/00 20190101ALI20230905BHJP
H02J 13/00 20060101ALI20230905BHJP
H02J 7/00 20060101ALN20230905BHJP
【FI】
B60L53/60
B60L55/00
H02J13/00 301A
H02J7/00 P
(21)【出願番号】P 2021135991
(22)【出願日】2021-08-24
【審査請求日】2022-09-08
(73)【特許権者】
【識別番号】520184767
【氏名又は名称】プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117606
【氏名又は名称】安部 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100136423
【氏名又は名称】大井 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100130605
【氏名又は名称】天野 浩治
(72)【発明者】
【氏名】巽 宏之
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 克史
(72)【発明者】
【氏名】神足 昌人
(72)【発明者】
【氏名】谷口 喜代太
(72)【発明者】
【氏名】最相 美穂
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 由紀
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 礼
【審査官】杉田 恵一
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-208685(JP,A)
【文献】特開2013-162555(JP,A)
【文献】特開2018-182887(JP,A)
【文献】特開2019-161708(JP,A)
【文献】特開2020-193903(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0383637(US,A1)
【文献】国際公開第2011/077780(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 53/60
B60L 55/00
H02J 7/00
H02J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電動車両の充放電能力に関する車両能力を含む車両情報を取得する第1取得部と、
前記電動車両に充放電可能な複数の充放電装置の充放電能力に関する装置能力を含む装置情報を取得する第2取得部と、
複数の前記車両能力を比較し、高い前記車両能力を有する前記電動車両に、前記第2取得部で前記装置情報が取得された前記充放電装置のうち、高い前記装置能力を有する前記充放電装置を割り当てるように構成された割当部と、
を備えた、充放電管理システム。
【請求項2】
前記第2取得部は、第1充放電装置の前記装置情報と、前記第1充放電装置よりも前記装置能力が低い第2充放電装置の前記装置情報と、を少なくとも取得し、
前記電動車両を使用するユーザから送信された充放電信号を受信する通信部と、
前記充放電信号を送信したユーザが使用する前記電動車両の前記車両能力が、予め定められた基準能力以上であるか否かを判定する判定部と、
を備え、
前記割当部は、前記判定部によって前記車両能力が前記基準能力以上であると判定されたとき、充放電先として前記第1充放電装置を割り当て、前記判定部によって前記車両能力が前記基準能力よりも低いと判定されたとき、充放電先として前記第2充放電装置を割り当て、
前記割当部によって割り当てられた前記充放電装置をユーザに提示する提示部を備えた、請求項1に記載された充放電管理システム。
【請求項3】
前記通信部は、所定の時間の間に、複数の前記電動車両のそれぞれを使用するユーザから送信された前記充放電信号を受信し、
前記割当部は、複数の前記電動車両のそれぞれの前記車両能力と、前記装置能力との差が小さくなるように、複数の前記電動車両のそれぞれに前記充放電装置を割り当てる、請求項2に記載された充放電管理システム。
【請求項4】
前記電動車両から前記第1充放電装置までの距離を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された前記距離が、予め定められた基準距離よりも短いか否かを判定する距離判定部と、
を備え、
前記割当部は、前記判定部によって前記車両能力が前記基準能力以上であると判定され、かつ、前記距離判定部によって前記距離が前記基準距離よりも短いと判定されたとき、充放電先として前記第1充放電装置を割り当てる、請求項3に記載された充放電管理システム。
【請求項5】
前記第1取得部によって取得された前記車両情報には、前記電動車両に搭載された電池の電池状態が含まれ、
前記割当部は、前記電池状態に基づいて、前記電動車両に前記充放電装置を割り当てる、請求項2から4までの何れか1つに記載された充放電管理システム。
【請求項6】
前記電池状態には、充電SOCが少なくとも含まれ、
前記充電SOCが、予め定められた基準SOCよりも小さいか否かを判定する状態判定部を備え、
前記割当部は、前記状態判定部によって前記充電SOCが前記基準SOCよりも小さいと判定されたとき、前記第1充放電装置を割り当てる、請求項5に記載された充放電管理システム。
【請求項7】
前記車両能力、および、前記装置能力は、充放電速度である、請求項1から6までの何れか1つに記載された充放電管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充放電管理システムに関する。詳しくは、電動車両に対する充放電を管理する充放電管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、電気自動車を用いた電力系統制御システムが開示されている。この電力系統制御システムでは、電力系統に接続され、電気自動車に対して充電または放電を行う充放電スポットと、データセンタと、パワーアグリゲータとを備えている。
【0003】
データセンタには、電気自動車の現在位置情報、および、電気自動車の蓄電池の充電状態情報が収集されて格納されている。パワーアグリゲータは、電気自動車の現在位置情報、充電状態情報、および、充放電スポットの位置情報に基づいて、各電気自動車に対する充放電の必要性の程度を順位付けしたランキングリストを作成する。
【0004】
この電力系統制御システムでは、パワーアグリゲータは、ランキングリストにしたがって、電気自動車に対して、どの充放電スポットで充電または放電すればよいかを誘導する情報を配信する。このことによって、移動中の電気自動車を充放電スポットに誘導して、電力系統側に供給する電力を確保することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許国際公開WO2011/077780号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、例えば電気自動車を含む電動車両によっては、充放電能力が異なることがあり得る。また、電動車両に対して充放電を行う充放電装置によっては、充放電能力が異なることがあり得る。ここで、特許文献1に開示された電力系統制御システムでは、例えば充放電能力が高い電動車両を、充放電能力が低い充放電装置に誘導することがあり得る。このように、充放電能力が高い電動車両が、充放電能力が低い充放電装置に接続されて充放電されると、充放電能力が低い充放電装置の充放電時間に合わせて電動車両に対する充放電が行われる。そのため、充放電能力が高いにも関わらず、充放電能力が高い電動車両の充放電時間を要することになる。この充放電時間は、できるだけ短い方が好ましいと考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ここで提案される充放電管理システムは、第1取得部と、第2取得部と、割当部と、を備えている。第1取得部は、複数の電動車両の充放電能力に関する車両能力を含む車両情報を取得する。第2取得部は、電動車両に充放電可能な複数の充放電装置の充放電能力に関する装置能力を含む装置情報を取得する。割当部は、複数の車両能力を比較し、高い車両能力を有する電動車両に、第2取得部で装置情報が取得された充放電装置のうち、高い装置能力を有する充放電装置を割り当てるように構成されている。
【0008】
ここで提案される充放電管理システムによれば、割当部によって、高い車両能力を有する電動車両には、高い装置能力を有する充放電装置が割り当てられる。よって、高い車両能力を発揮させることができるため、高い車両能力を有する電動車両に対する充放電時間を短くすることができる。
【0009】
ここで提案される充放電管理システムによれば、第2取得部は、第1充放電装置の装置情報と、第1充放電装置よりも装置能力が低い第2充放電装置の装置情報と、を少なくとも取得してもよい。充放電管理システムは、通信部と、判定部とを備えていてもよい。通信部は、電動車両を使用するユーザから送信された充放電信号を受信してもよい。判定部は、充放電信号を送信したユーザが使用する電動車両の車両能力が、予め定められた基準能力以上であるか否かを判定してもよい。割当部は、判定部によって車両能力が基準能力以上であると判定されたとき、充放電先として第1充放電装置を割り当て、判定部によって車両能力が基準能力よりも低いと判定されたとき、充放電先として第2充放電装置を割り当ててもよい。充放電管理システムは、割当部によって割り当てられた充放電装置をユーザに提示する提示部を備えてもよい。
【0010】
ここで提案される充放電管理システムによれば、通信部は、所定の時間の間に、複数の電動車両のそれぞれを使用するユーザから送信された充放電信号を受信してもよい。割当部は、複数の電動車両のそれぞれの車両能力と、装置能力との差が小さくなるように、複数の電動車両のそれぞれに充放電装置を割り当ててもよい。
【0011】
ここで提案される充放電管理システムは、電動車両から第1充放電装置までの距離を算出する算出部と、算出部によって算出された距離が、予め定められた基準距離よりも短いか否かを判定する距離判定部と、を備えてもよい。割当部は、判定部によって車両能力が基準能力以上であると判定され、かつ、距離判定部によって距離が基準距離よりも短いと判定されたとき、充放電先として第1充放電装置を割り当ててもよい。
【0012】
ここで提案される充放電管理システムによれば、第1取得部によって取得された車両情報には、電動車両に搭載された電池の電池状態が含まれてもよい。割当部は、電池状態に基づいて、電動車両に充放電装置を割り当ててもよい。また、電池状態には、充電SOCが少なくとも含まれてもよい。充放電管理システムは、充電SOCが、予め定められた基準SOCよりも小さいか否かを判定する状態判定部を備えてもよい。割当部は、状態判定部によって充電SOCが基準SOCよりも小さいと判定されたとき、第1充放電装置を割り当ててもよい。
【0013】
ここで提案される充放電管理システムによれば、車両能力、および、装置能力は、充放電速度であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施形態に係る充放電管理システムを示す概念図である。
【
図2】実施形態に係る充放電管理システムを示すブロック図である。
【
図3】電動車両に充放電装置を割り当てる手順を示すフローチャートである。
【
図4】電動車両と、電動車両に割り当てる充放電装置との一例を示す概念図である。
【
図5】充放電能力に応じて、電動車両に充放電装置を割り当てる手順を示すフローチャートである。
【
図6】充放電装置までの距離、および、充放電能力に応じて、電動車両に充放電装置を割り当てる手順を示すフローチャートである。
【
図7A】電池温度と車両能力との関係を示したグラフである。
【
図7B】電池の劣化状態に応じた電池温度と車両能力との関係を示したグラフである。
【
図7C】充電SOCと車両能力との関係を示したグラフである。
【
図8】充電SOCに応じて、電動車両に充放電装置を割り当てる手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、ここで開示される充放電管理システムの一実施形態について図面を参照して説明する。ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。本発明は、特に言及されない限りにおいて、ここで説明される実施形態に限定されない。また、同一の作用を奏する部材・部位には、適宜に同一の符号を付し、重複する説明は適宜に省略されるものとする。
【0016】
図1は、本実施形態に係る充放電管理システム100を示す概念図である。本実施形態に係る充放電管理システム100は、電動車両10に対する充電または放電(ここでは充放電ともいう。)を管理するシステムである。図示は省略するが、この充放電管理システム100は、電力が貯蓄される蓄電装置を備えている。充放電管理システム100は、蓄電装置に貯蓄された電力で電動車両10に充電すること、および、電動車両10から放電された電力を蓄電装置に貯蓄することを管理する。蓄電装置に貯蓄された電力は、電力会社などの特定の業者に売られ得る。充放電管理システム100は、電力を売買する、すなわち、売電および買電する際に使用されるシステムであり得る。
【0017】
ここでは、充放電管理システム100を管理する者を、システム管理者という。システム管理者は、アグリゲーターとも呼ばれる。システム管理者は、電力の需要と供給とのバランスを保つように電力の需要量を制御する。例えばシステム管理者は、電力会社などの特定の業者の要求に応じて、電力を調達し、特定の業者に電力を供給する。そのため、システム管理者は、必要な電力量を確保するために、充放電管理システム100を用いて、電動車両10のユーザと、充放電装置22を管理する管理者と、より多く契約することが好ましい。例えば充放電管理システム100には、電動車両10を使用する、または、所有するユーザが1つまたは複数登録され、かつ、電動車両10に充放電を行う充放電装置22を管理する管理者が1つまたは複数登録されている。なお、充放電管理システム100には、電動車両10自体、充放電装置22自体が登録されていてもよい。充放電管理システム100は、充放電装置22から電動車両10へ電力を供給(ここでは充電)したり、電動車両10から充放電装置22へ電力を供給(ここでは放電)したりすることで、電力をマネジメントする。
【0018】
本実施形態において、電動車両10には、電動自動車、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車などの電力をエネルギー源とした車が含まれる。電動車両10は、四輪車であってもよいし、二輪車であってもよい。ここで、1つまたは複数の充放電装置22は、充放電スポット20に設置されている。1つの充放電スポット20に設置される充放電装置22の数は、特に限定されない。充放電スポット20とは、充放電装置22が設置された駐車場のことであり得る。駐車場には、商品を販売する店舗の駐車場、美容院などのサービスを提供する店舗の駐車場、商業施設の駐車場、住宅の駐車場などが含まれる。
【0019】
ところで、電動車両10によっては、充放電能力が異なることがあり得る。また、充放電装置22によっては、充放電能力が異なることがあり得る。ここで、電動車両10の充放電能力のことを、車両能力という。車両能力は、電動車両10の充放電能力に関するものである。充放電装置22の充放電能力のことを、装置能力という。装置能力は、充放電装置22の充放電能力に関するものである。本実施形態では、車両能力および装置能力は、充放電速度である。例えば充放電能力(ここでは、車両能力、装置能力)が高いとは、充放電速度が速いことであり、充放電能力が低いとは、充放電速度が遅いことである。例えば車両能力が高い電動車両10が、装置能力が低い充放電装置22で充放電を行うと、車両能力が高いにも関わらず、充放電時間を要することになる。充放電時間は、できるだけ短い方が好ましい。
【0020】
そこで本実施形態では、電動車両10の車両能力と、充放電装置22の装置能力とに基づいて、充放電時間が短くなるように、電動車両10に充放電装置22を割り当てることを、充放電管理システム100が実現する。
【0021】
次に、本実施形態に係る充放電管理システム100の構成について説明する。充放電管理システム100は、例えばクライアントサーバシステムによって実現される。ただし、充放電管理システム100は、クラウドコンピューティングによって実現されるものであってもよい。
図2は、充放電管理システム100を示すブロック図である。
図2に示すように、充放電管理システム100は、ユーザ端末15と、管理者端末25と、管理サーバ40とを備えている。
【0022】
ユーザ端末15は、電動車両10を使用するユーザが使用する端末である。ここで、ユーザ端末15は、例えば電動車両10に搭載されたカーナビゲーションシステムであってもよいし、ユーザが使用するスマートフォン、タブレット端末、デスクトップ型やラップトップ型のパーソナルコンピュータであってもよい。ユーザ端末15は、画面16と、タッチパネル、キーボードまたはマウスなどのユーザが操作して入力する入力手段17と、端末制御装置18とを備えている。端末制御装置18は、画面16および入力手段17と通信可能に接続されている。
【0023】
管理者端末25は、充放電スポット20の管理者が使用する端末である。管理者端末25は、例えば管理者が使用するデスクトップ型やラップトップ型のパーソナルコンピュータであってもよいし、スマートフォンやタブレット端末であってもよい。管理者端末25は、画面26と、キーボード、マウスまたはタッチパネルなどの管理者が操作して入力する入力手段27と、端末制御装置28とを備えている。端末制御装置28は、画面26および入力手段27と通信可能に接続されている。
【0024】
管理サーバ40は、ユーザ端末15および管理者端末25と通信可能に接続されている。また、管理サーバ40は、ユーザが使用する電動車両10、および、充放電スポット20に設置された充放電装置22と通信可能に接続されてもよい。管理サーバ40は、単一のコンピュータによって実現されてもよいし、複数のコンピュータが協働して実現されるものであってもよい。管理サーバ40は、制御装置45を備えている。なお、図示は省略するが、管理サーバ40は、ユーザ端末15などと同様に、画面と、入力手段とを備えていてもよい。
【0025】
制御装置45の構成は特に限定されない。ここでは、制御装置45は、例えばマイクロコンピュータである。制御装置45は、例えばI/Fと、CPUと、ROMと、RAMと、を備えている。
図2に示すように、制御装置45は、記憶部50と、第1通信部51と、第2通信部52と、第3通信部53と、第4通信部54とを備えている。更に、制御装置45は、第1取得部61と、第2取得部62と、判定部71と、算出部73と、距離判定部75と、状態判定部77と、割当部81と、提示部83と、を備えている。制御装置45を構成する各部50~83は、1つまたは複数のプロセッサによって実現されるものであってもよいし、回路に組み込まれるものであってもよい。
【0026】
第1通信部51は、電動車両10を使用するユーザのユーザ端末15と通信可能に構成されている。ここでは、第1通信部51は、ユーザ端末15の端末制御装置18と通信可能に接続されている。本実施形態では、第1通信部51は、本発明の通信部の一例である。第2通信部52は、ユーザが使用する電動車両10と通信可能に構成されている。第3通信部53は、充放電スポット20の管理者の管理者端末25と通信可能に構成されている。ここでは、第3通信部53は、管理者端末25の端末制御装置28と通信可能に接続されている。第4通信部54は、充放電スポット20に設置された充放電装置22と通信可能に構成されている。
【0027】
次に、車両能力、および、装置能力に応じて、複数の電動車両10のそれぞれに充放電装置22を割り当てる手順について、
図3のフローチャートに沿って説明する。
図4は、電動車両10と、電動車両10に割り当てる充放電装置22との一例を示す概念図である。ここでは、理解し易いように、
図4に示すように、電動車両10の数、および、充放電装置22の数が、それぞれ3つの場合において、充放電時間が短くなるように、電動車両10に充放電装置22を割り当てる手順について説明する。
【0028】
図4に示すように、電動車両10は、第1電動車両10Aと、第2電動車両10Bと、第3電動車両10Cとを有している。ここで、第1電動車両10Aの充放電能力は、第1車両能力A11Aである。第2電動車両10Bの充放電能力は、第2車両能力A11Bである。第3電動車両10Cの充放電能力は、第3車両能力A11Cである。第2車両能力A11Bは、第1車両能力A11Aよりも充放電能力が低い。第3車両能力A11Cは、第1車両能力A11Aよりも充放電能力が低く、かつ、第2車両能力A11Bよりも充放電能力が低い。すなわち、第1電動車両10Aが、充放電能力が最も高く、次に第2電動車両10Bの充放電能力が高い。
【0029】
充放電装置22は、第1充放電装置22Aと、第2充放電装置22Bと、第3充放電装置22Cとを有している。ここで、第1充放電装置22Aの充放電能力は、第1装置能力A21Aである。第2充放電装置22Bの充放電能力は、第2装置能力A21Bである。第3充放電装置22Cの充放電能力は、第3装置能力A21Cである。第2装置能力A21Bは、第1装置能力A21Aよりも充放電能力が低い。第3装置能力A21Cは、第1装置能力A21Aよりも充放電能力が低く、かつ、第2装置能力A21Bよりも充放電能力が低い。すなわち、第1充放電装置22Aの充放電能力が最も高く、次に第2充放電装置22Bの充放電能力が高い。
【0030】
本実施形態では、
図3のステップS101では、
図2の第1通信部51は、電動車両10を使用するユーザから送信された充放電信号S1を受信する。充放電信号S1は、ユーザが使用する電動車両10に対して充電または放電を行いたいことを知らせるための信号である。ユーザが充放電信号S1を送信する具体的な手段は、特に限定されない。例えばユーザ端末15の入力手段17(
図2参照)をユーザが操作することで、ユーザ端末15から管理サーバ40へ充放電信号S1が送信されるものであってもよい。
【0031】
ここでは、第1通信部51は、所定の時間の間に、複数のユーザから送信された充放電信号S1を受信する。所定の時間の間に、充放電信号S1を送信したユーザが使用する電動車両10が、充放電装置22を割り当てる対象の車両になる。本実施形態では、第1通信部51は、所定の時間の間に、第1電動車両10A、第2電動車両10Bおよび第3電動車両10Cを使用するそれぞれのユーザから、ユーザ端末15を介して充放電信号S1が管理サーバ40に送信され、第1通信部51が各ユーザからの充放電信号S1を受信する。
【0032】
次に、
図3のステップS103では、
図2の第1取得部61は、複数の電動車両10の車両情報A1を取得する。ここで、複数の電動車両10とは、第1通信部51で受信した充放電信号S1を送信したユーザの電動車両10のことであり、
図4の第1電動車両10A~第3電動車両10Cのことである。本実施形態では、車両情報A1には、車両能力A11(
図4参照)が少なくとも含まれている。車両情報A1には、車両能力A11以外の電動車両10に関する情報が含まれてもよい。
【0033】
本実施形態では、
図2に示すように、車両情報A1は、例えばユーザ端末15の端末制御装置18に記憶されている。第1取得部61は、第1通信部51を介して、ユーザ端末15の端末制御装置18から車両情報A1を取得する。ただし、電動車両10自体に、車両情報A1が記憶されていてもよい。この場合、第1取得部61は、第2通信部52を介して、電動車両10から車両情報A1を取得してもよい。なお、第1取得部61によって取得された車両情報A1は、記憶部50に記憶される。
【0034】
次に、
図3のステップS105では、
図2の第2取得部62は、電動車両10に充放電可能な複数の充放電装置22の装置情報A2を取得する。ここで、「電動車両10に充放電可能な充放電装置22」とは、車両情報A1を取得した電動車両10から所定の距離内に設置された充放電装置22のうち、他の電動車両10が接続されていない状態、すなわち使用中ではない状態の充放電装置22のことである。ここでは、
図4の第1充放電装置22A~第3充放電装置22Cが、他の電動車両10に接続されていない。そのため、第2取得部62は、第1充放電装置22A~第3充放電装置22Cの装置情報A2を取得する。
【0035】
装置情報A2には、装置能力A21(
図4参照)が少なくとも含まれている。ただし、装置情報A2には、装置能力A21以外の情報が含まれていてもよく、例えば充放電装置22が使用中であるか否かの情報が含まれてもよい。
【0036】
本実施形態では、
図2に示すように、装置情報A2は、管理者端末25の端末制御装置28に記憶されている。第2取得部62は、第3通信部53を介して、管理者端末25の端末制御装置28から装置情報A2を取得してもよい。ただし、充放電装置22自体に、装置情報A2が記憶されていてもよい。この場合、第2取得部62は、第4通信部54を介して、充放電装置22から装置情報A2を取得してもよい。なお、第2取得部62によって取得された装置情報A2は、記憶部50に記憶される。
【0037】
以上のように、車両情報A1および装置情報A2を取得した後、
図3のステップS107では、割当部81は、電動車両10に充放電装置22を割り当てる。ここでは、割当部81は、充放電信号S1を送信した電動車両10(ここでは第1電動車両10A~第3電動車両10C)に、充放電可能な充放電装置22(ここでは第1充放電装置22A~第3充放電装置22C)のうちどの充放電装置22を割り当てるかを決定する。
【0038】
本実施形態では、割当部81は、複数の車両能力A11を比較し、高い車両能力A11を有する電動車両10に、第2取得部62で装置情報A2が取得された充放電装置22のうち、高い装置能力A21を有する充放電装置22を割り当てるように構成されている。割当部81は、複数の電動車両10のそれぞれの車両能力A11と、充放電装置22の装置能力A21との差が小さくなるように、複数の電動車両10のそれぞれに充放電装置22を割り当てる。
【0039】
図4の一例では、第1電動車両10A~第3電動車両10Cのうち、第1電動車両10A、第2電動車両10B、第3電動車両10Cの順に車両能力A11が高い。また、第1充放電装置22A~第3充放電装置22Cのうち、第1充放電装置22A、第2充放電装置22B、第3充放電装置22Cの順に装置能力A21が高い。そのため、割当部81は、最も高い第1車両能力A11Aを有する第1電動車両10Aに、最も高い第1装置能力A21Aを有する第1充放電装置22Aを割り当てる。割当部81は、2番目に高い第2車両能力A11Bを有する第2電動車両10Bに、2番目に高い第2装置能力A21Bを有する第2充放電装置22Bを割り当てる。割当部81は、最も低い第3車両能力A11Cを有する第3電動車両10Cに、最も低い第3装置能力A21Cを有する第3充放電装置22Cを割り当てる。
【0040】
例えば
図5に示すフローチャートに沿った手順で、電動車両10に充放電装置22が割り当てられる。
図2に示すように、記憶部50には、例えば第1基準能力SA11と、第2基準能力SA12が記憶されている。第1基準能力SA11は、第2基準能力SA12よりも高い。ここで、
図5のステップS201では、
図2の判定部71は、電動車両10の車両能力A11が、予め定められた第1基準能力SA11以上か否かを判定する。ここで、車両能力A11が第1基準能力SA11以上であると判定された場合、次に
図5のステップS203に進む。ステップS203では、
図2の割当部81は、電動車両10の充放電先として、第1充放電装置22Aを割り当てる。一方、ステップS201において、車両能力A11が第1基準能力SA11未満であると判定されたとき、次にステップS205に進む。ステップS205では、
図2の判定部71は、電動車両10の車両能力A11が、予め定められた第2基準能力SA12以上であるか否かを判定する。車両能力A11が第2基準能力SA12以上であると判定されたとき、次に
図5のステップS207に進む。ステップS207では、割当部81は、電動車両10の充放電先として第2充放電装置22Bを割り当てる。一方、ステップS205において、車両能力A11が第2基準能力SA12未満であると判定されたとき、次にステップS209に進む。ステップS209では、割当部81は、電動車両10の充放電先として第3充放電装置22Cを割り当てる。
【0041】
本実施形態では、電動車両10から充放電装置22までの距離に応じて、充放電装置22を割り当ててもよい。
図6は、充放電装置22までの距離D1、および、充放電能力に応じて、電動車両10に充放電装置22を割り当てる手順を示すフローチャートである。ここでは、まず
図6のステップS301では、
図2の算出部73は、電動車両10から充放電装置22までの距離D1を算出する。ここでは、例えば車両情報A1には、電動車両10の現在位置情報が含まれ、装置情報A2には、充放電装置22の位置情報が含まれている。算出部73は、電動車両10の現在位置情報と、充放電装置22の位置情報とから距離D1を算出する。ここでは、1つの電動車両10において、電動車両10と第1充放電装置22Aまでの距離D1である第1距離D11と、電動車両10と第2充放電装置22Bまでの距離D1である第2距離D12と、電動車両10と第3充放電装置22Cまでの距離D1である第3距離D13とが算出される。
【0042】
次に、
図6のステップS303では、
図2の判定部71は、車両能力A11が第1基準能力SA11以上であるか否かを判定する。車両能力A11が、予め定められた第1基準能力SA11以上であると判定されたとき、ステップS305において、
図2の距離判定部75は、第1距離D11が基準距離SD1よりも短いか否かを判定する。ここで、基準距離SD1は、予め定められた値であり、
図2に示すように、記憶部50に記憶されている。
図6のステップS305において、第1距離D11が基準距離SD1よりも短いと判定されたとき、次にステップS307において、
図2の割当部81は、電動車両10の充放電先として、第1充放電装置22Aを割り当てる。なお、ステップS303において、車両能力A11が第1基準能力SA11未満と判定されたとき、または、ステップS305において、第1距離D11が基準距離SD1以上であると判定されとき、次に
図6のステップS309に進む。
【0043】
ステップS309では、
図2の判定部71は、車両能力A11が第2基準能力SA12以上であるか否かを判定する。車両能力A11が第2基準能力SA12以上であると判定されたとき、次にステップS311において、
図2の距離判定部75は、第2距離D12が基準距離SD1よりも短いか否かを判定する。第2距離D12が基準距離SD1よりも短いと判定されたとき、次にステップS313において、
図2の割当部81は、電動車両10の充放電先として、第2充放電装置22Bを割り当てる。なお、ステップS309において、車両能力A11が第2基準能力SA12未満と判定されたとき、または、ステップS311において、第2距離D12が基準距離SD1以上であると判定されとき、次にステップS315に進む。
【0044】
ステップS315において、
図2の距離判定部75は、第3距離D13が基準距離SD1よりも短いか否かを判定する。第3距離D13が基準距離SD1よりも短いと判定されたとき、次にステップS317において、
図2の割当部81は、電動車両10の充放電先として、第3充放電装置22Cを割り当てる。一方、ステップS315において、第3距離D13が基準距離SD1以上であると判定されとき、次にステップS319に進む。ステップS319では、第1充放電装置22A~第3充放電装置22Cまでの距離D1が遠いときである。この場合、どの充放電装置22を割り当てるかは特に限定されず、例えば
図5のフローチャートに沿って、第1充放電装置22A~第3充放電装置22Cの何れかが割り当てられるとよい。
【0045】
本実施形態では、車両能力A11は、電動車両10に搭載された電池(例えばリチウムイオン二次電池)の状態(以下、電池状態という。)から算出されることが可能である。そのため、車両情報A1には、車両能力A11として、電池状態が含まれていてもよい。割当部81は、電池状態に基づいて、電動車両10に充放電装置22を割り当ててもよい。
【0046】
図7Aは、電池温度T1と車両能力A11との関係を示したグラフである。
図7Bは、電池の劣化状態DS1に応じた電池温度T1と車両能力A11との関係を示したグラフである。
図7Cは、充電SOC90と車両能力A11との関係を示したグラフである。本実施形態では、電池状態には、電池温度T1(
図7A参照)、電池の劣化状態DS1(
図7B参照)、充電SOC90(
図7C参照)が含まれる。ここでは、
図7Aに示すように、電池温度T1が低いほど、車両能力A11は、低くなる。一方、電池温度T1が高過ぎると、電池の劣化が加速するおそれがある。そのため、電池温度T1が高くなるほど、車両能力A11は、低くなる。ここで、車両能力A11が最も高いときの電池温度T1を基準温度ST1とする。電池温度T1が基準温度ST1から低くなるにしたがって、車両能力A11は低くなる。また、電池温度T1が基準温度ST1から高くなるにしたがっても、車両能力A11は低くなる。
【0047】
本実施形態では、電池の劣化状態DS1(
図7B参照)は、例えば電池の内部抵抗値から算出されることが可能である。
図7Bでは、電池が劣化していない状態DS11、電池が10%劣化した状態DS12、電池が20%劣化した状態DS13が示されている。
図7Bに示すように、同じ電池温度T1であっても、電池の劣化の割合が大きくなると車両能力A11は、低くなる。
【0048】
本実施形態では、
図7Cに示すように、充電SOC90が高い場合、車両能力A11は、低くなる。
図7Cの一例では、基準充電SOC95を基準にして、充電SOC90が基準充電SOC95以下の場合、車両能力A11は、一定になる。一方、充電SOC90が基準充電SOC95よりも高い場合、基準充電SOC95よりも高くなるにしたがって、車両能力A11は低くなる。
【0049】
例えば
図8のフローチャートに沿って、充電SOC90に基づいて充放電先を割り当てることが可能である。
図2に示すように、記憶部50には、例えば第1基準SOC91と、第2基準SOC92が記憶されている。第1基準SOC91は、第2基準SOC92よりも低い。ここで、
図8のステップS401では、
図2の状態判定部77は、電動車両10の充電SOC90が、予め定められた第1基準SOC91よりも小さいか否かを判定する。ここで、充電SOC90が第1基準SOC91よりも小さいと判定された場合、次にステップS403に進む。ステップS403では、
図2の割当部81は、電動車両10の充放電先として、第1充放電装置22Aを割り当てる。
【0050】
一方、ステップS401において、充電SOC90が第1基準SOC91以上であると判定されたとき、次にステップS405に進む。ステップS405では、
図2の状態判定部77は、電動車両10の充電SOC90が、予め定められた第2基準SOC92より小さいか否かを判定する。充電SOC90が第2基準SOC92よりも小さいと判定されたとき、次にステップS407に進む。ステップS407では、
図2の割当部81は、電動車両10の充放電先として第2充放電装置22Bを割り当てる。一方、ステップS405において、充電SOC90が第2基準SOC92以上であると判定されたとき、次にステップS409に進む。ステップS409では、
図2の割当部81は、電動車両10の充放電先として第3充放電装置22Cを割り当てる。
【0051】
このように、電動車両10に対して充放電先の充放電装置22が割り当てられた後、
図3のステップS109では、
図2の提示部83は、割当部81によって割り当てられた充放電装置22をユーザに提示する。ここで、割当部81によって割り当てられた充放電装置22をユーザに提示する具体的な手段は、特に限定されない。例えばユーザ端末15の画面16(
図2参照)に、割当部81に割り当てられた充放電装置22を使用することが可能である旨を表示してもよい。また、割当部81に割り当てられた充放電装置22までの道順を示してもよいし、当該充放電装置22までの道順を案内してもよい。
【0052】
ユーザは、提示部83によって提示された充放電装置22まで電動車両10を運転する。その後、電動車両10を充放電装置22に接続することで、充放電を行うことができる。
【0053】
以上、本実施形態では、
図2に示すように、充放電管理システム100は、第1取得部61と、第2取得部62と、割当部81とを備えている。第1取得部61は、
図3のステップS103に示すように、複数の電動車両10の充放電能力(言い換えると充放電速度)に関する車両能力A11(
図4参照)を含む車両情報A1を取得する。第2取得部62は、
図3のステップS105に示すように、電動車両10に充放電可能な複数の充放電装置22の充放電能力(言い換えると充放電速度)に関する装置能力A21(
図4参照)を含む装置情報A2を取得する。割当部81は、複数の車両能力A11を比較し、高い車両能力A11を有する電動車両10に、第2取得部62で装置情報A2が取得された充放電装置22のうち、高い装置能力A21を有する充放電装置22を割り当てるように構成されている。本実施形態では、割当部81によって、高い車両能力A11を有する電動車両10には、高い装置能力A21を有する充放電装置22が割り当てられる。よって、高い車両能力A11を発揮させることができるため、高い車両能力A11を有する電動車両10に対する充放電時間を短くすることができる。
【0054】
本実施形態では、第2取得部62は、第1充放電装置22A(
図4参照)の装置情報A2と、第1充放電装置22Aよりも装置能力A21が低い第2充放電装置22B(
図4参照)の装置情報A2と、を少なくとも取得する。
図2に示すように、充放電管理システム100は、第1通信部51と、判定部71とを備えている。第1通信部51は、
図3のステップS101に示すように、電動車両10を使用するユーザから送信された充放電信号S1を受信する。判定部71は、
図5に示すように、充放電信号S1を送信したユーザが使用する電動車両10の車両能力A11が、予め定められた第1基準能力SA11以上であるか否かを判定する。割当部81は、判定部71によって車両能力A11が第1基準能力SA11以上であると判定されたとき、充放電先として第1充放電装置22Aを割り当て、判定部71によって車両能力A11が第1基準能力SA11よりも低いと判定されたとき、充放電先として第2充放電装置22Bを割り当てる。充放電管理システム100は、
図3のステップS109に示すように、割当部81によって割り当てられた充放電装置22をユーザに提示する提示部83(
図2参照)を備えている。このことによって、第1基準能力SA11を基準にして、車両能力A11が第1基準能力SA11以上のときには、装置能力A21が比較的に高い第1充放電装置22Aを割り当てることができる。ユーザは、提示された充放電装置22を見ることで、どの充放電装置22で充放電することで充放電時間を短くすることができるかが分かり易い。
【0055】
本実施形態では、第1通信部51は、所定の時間の間に、複数の電動車両10のそれぞれを使用するユーザから送信された充放電信号S1を受信する。割当部81は、複数の電動車両10のそれぞれの車両能力A11と、装置能力A21との差が小さくなるように、複数の電動車両10のそれぞれに充放電装置22を割り当てる。このことによって、各電動車両10の車両能力A11に近い装置能力A21を有する充放電装置22を割り当てることができる。
【0056】
本実施形態では、充放電管理システム100は、
図6に示すように、電動車両10から第1充放電装置22Aまでの第1距離D11を算出する算出部73(
図2参照)と、算出部73によって算出された第1距離D11が、予め定められた基準距離SD1よりも短いか否かを判定する距離判定部75(
図2参照)と、を備えている。
図2の割当部81は、判定部71によって車両能力A11が第1基準能力SA11以上であると判定され、かつ、距離判定部75によって第1距離D11が基準距離SD1よりも短いと判定されたとき、充放電先として第1充放電装置22Aを割り当てる。例えば充放電先の充放電装置22までの距離が長いとき、充放電装置22に行くまでの時間を要することになる。そこで、本実施形態では、基準距離SD1よりも距離D1が短い充放電装置22を充放電先の候補となる。よって、充放電時間を短くしつつ、充放電装置22までに行く時間も短くすることができる。
【0057】
本実施形態では、第1取得部61によって取得された車両情報A1には、電動車両10に搭載された電池の電池状態が含まれる。割当部81は、電池状態に基づいて、電動車両10に充放電装置22を割り当てる。車両能力A11は、電動車両10の電池状態に応じて算出されることが可能である。そのため、電池状態に基づいて、電動車両10に充放電装置22を割り当てることで、充放電時間を短くすることができる。
【0058】
本実施形態では、電池状態には、
図7Cに示す充電SOC90が少なくとも含まれる。充放電管理システム100は、
図8に示すように、充電SOC90が、予め定められた第1基準SOC91よりも小さいか否かを判定する状態判定部77(
図2参照)を備えている。
図2の割当部81は、状態判定部77によって充電SOC90が第1基準SOC91よりも小さいと判定されたとき、第1充放電装置22Aを割り当てる。ここでは、
図7Cに示すように、充電SOC90が高くなり過ぎると、車両能力A11が低くなる。そこで、充電SOC90が第1基準SOC91より小さいときには、装置能力A21が比較的に高い第1充放電装置22Aを割り当てることができる。
【0059】
本実施形態では、車両能力A11、および、装置能力A21は、充放電速度である。よって、車両能力A11が高いときには、充放電速度が速くなり、装置能力A21が高いときには、充放電速度が速くなる。したがって、高い車両能力A11を有する電動車両10に、高い装置能力A21を有する充放電装置22を割り当てることで、充放電時間を短くすることができる。
【符号の説明】
【0060】
10 電動車両
22 充放電装置
51 第1通信部(通信部)
61 第1取得部
62 第2取得部
71 判定部
73 算出部
75 距離判定部
77 状態判定部
81 割当部
83 提示部
100 充放電管理システム