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特許7343574歩行器用ワイヤ作動式リムブレーキのシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-04
(45)【発行日】2023-09-12
(54)【発明の名称】歩行器用ワイヤ作動式リムブレーキのシステム
(51)【国際特許分類】
   A61H 3/04 20060101AFI20230905BHJP
   B62B 5/04 20060101ALI20230905BHJP
   F16D 51/12 20060101ALI20230905BHJP
   B60T 7/10 20060101ALI20230905BHJP
【FI】
A61H3/04
B62B5/04 A
F16D51/12
B60T7/10 P
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021516645
(86)(22)【出願日】2019-09-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-06
(86)【国際出願番号】 NO2019050190
(87)【国際公開番号】W WO2020067902
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2022-09-13
(31)【優先権主張番号】20181241
(32)【優先日】2018-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(73)【特許権者】
【識別番号】521115524
【氏名又は名称】トプロ・インドゥストリ・アクシェセルスカプ
【氏名又は名称原語表記】Topro Industri AS
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(72)【発明者】
【氏名】ヨナス・バルグ
(72)【発明者】
【氏名】マルティン・ダール
(72)【発明者】
【氏名】ヨーゼフ・タンゲン
【審査官】岡本 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-282314(JP,A)
【文献】特開2018-79701(JP,A)
【文献】特開2017-72172(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 3/04
B62B 5/04
F16D 51/12
B60T 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
歩行器フレーム(10)の内側に部分的に配置されている歩行器用ワイヤ作動式リムブレーキのシステム(1)であって、
前記歩行器の車輪の近傍、且つ前記歩行器フレーム(10)の内側に配置されているブレーキハウジング(6)を備えており、
前記ブレーキハウジング(6)は、前記車輪の回転軸に対して直角に向けられる進入開口部(12)とスライド面(3)とを備えており、
前記システム(1)は、
前記ブレーキハウジング(6)内に配置されているブレーキアセンブリ(2)を備えており、
前記ブレーキアセンブリ(2)は、
ブレーキの前記システム(1)が作動されるとき、前記ブレーキハウジング(6)の内側の前記スライド面(3)に沿ってスライドすると共に、前記進入開口部(12)を通して位置に進入するように構成されているスライド部(4)と、
前記ブレーキアセンブリ(2)が前記ブレーキハウジング(6)の内側に配置されているとき、前記スライド部(4)から直角の方向に伸びて、且つ前記進入開口部(12)を通して突出しているブレーキ部(5)と、
前記ブレーキ部(5)に固定されている、又は一体的に成形されているブレーキパッド(15)とを備えており、
前記システム(1)は、
前記ブレーキアセンブリ(2)の移動を可能にするカバー隙(11)を有するブレーキカバー(7)を備えており、
前記ブレーキカバー(7)は、前記ブレーキアセンブリ(2)を覆うと共に、前記歩行器フレーム(10)に固定されており、
前記システム(1)は、
前記歩行器の前記車輪の内側リムにおいて、前記車輪の前記回転軸と平行であり、且つ前記車輪の前記回転軸と平行な方向において、スポークのような車輪構造から離れているブレーキパス(16)を備えており、
ブレーキが作動されるとき、前記ブレーキパッド(15)は、前記ブレーキパス(16)と係合するように構成されており、
前記システム(1)は、
ブレーキレバー(13)と接続しているブレーキワイヤ(17)を備えており、
前記ブレーキワイヤ(17)は、前記ブレーキアセンブリ(2)の前記スライド部(4)に固定されており、
前記ブレーキワイヤ(17)に取り付けられているリターンスプリング(8)が、前記ブレーキパッド(15)が前記ブレーキパス(16)から離れるように予め張力を与える、ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記ブレーキワイヤ(17)は、前記歩行器フレーム(10)の内側にあることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ブレーキレバー(13)は、歩行器ハンドグリップに配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前方と後方のダート保護プレート(14a,14b)は、
前記ブレーキ部(5)に固定されており、
前記ブレーキカバー(7)の下方にぴったり合い、且つダートが前記カバー隙(11)に進入することを防ぐように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
アバンダンススプリング(18)は、前記ブレーキレバー(13)がハンドブレーキの位置に進入するために十分なアムビュレイアがワイヤストレッチにあることを確実にするため、ワイヤヘッド(19)と前記スライド部(4)との間に取り付けられていることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムを備える歩行器の前記ブレーキハウジング(6)に前記ブレーキアセンブリ(2)を取り付けるための方法であって、
前記方法は、
前記進入開口部(12)を通して前記ブレーキワイヤ(17)を引くステップと、
前記ブレーキワイヤ(17)と前記リターンスプリング(8)を前記スライド部(4)におけるマッチング構造に取り付けるステップと、
前記スライド部(4)を前記進入開口部(12)を通して前記ブレーキハウジング(6)に向けて傾けるステップと、
前記ブレーキ部(5)が前記カバー隙(11)を通して突出するように、前記ブレーキハウジング(6)と前記ブレーキカバー(7)を固定部(9a,9b)により前記歩行器フレーム(10)に取り付けるステップとを備える、ことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレーム内に隠れているリムブレーキを備える歩行器、及びブレーキアセンブリを歩行器フレームに取り付けるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
歩行器は、高齢者、又は歩行に関する障害を有する人のための重要な補助器具である。ケーブル及び過剰な外部ブレーキ部品のアセンブリのような外側の阻害部品が少ないことだけでなく、安全操作と効果的なブレーキが重要である。特に、歩行器の下部における突出部品は、損傷又はもつれを生じ易い。
【0003】
国際公開特許第2016137322号は、好ましくは、アセンブリの後方の上側に連続的に配置されているハンドル状のブラケットを備える歩行器台車アセンブリを開示している。このハンドル状のブラケットは、歩行器の位置の間において、回転可能に調整できる。ハンドル状のブラケットは、実質的に前側及び歩行器の位置に向けられている。この歩行器の位置において、ハンドル状のブラケットは、実質的に後側に向けられている。自由歩行空間は、歩行器の位置における歩行器台車アセンブリの車輪の間に設けられている。国際公開特許第2016137322号のブレーキシステムは、車輪の内周面において、リムと接触されるブレーキパッド/摩擦パッドを含む。
【0004】
公知の歩行器は、ブレーキケーブルとブレーキアセンブリがフレームの外側にある外部ブレーキシステムを有する。このような外部部品は、阻害して、ダートを集めて、且つ歩行器のブレーキシステムの耐用期間を縮め得る。一部のブレーキシステムは、挿入又は変更することが不便である。また、歩行器の形状は、複数の過剰な外部部品により、あまり簡潔でない。
【0005】
本発明の目的は、従来技術の利点を保ちながら、上述の課題の少なくとも1つに取り組む装置と方法を提供することである。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、歩行器フレームの内側に部分的に配置されている歩行器用ワイヤ作動式リムブレーキのシステムを説明している。このシステムは、歩行器の車輪の近傍、且つ歩行器フレームの内側に配置されているブレーキハウジングを備える。このブレーキハウジングは、車輪の回転軸に対して直角に向けられる進入開口部とスライド面を備える。
【0007】
システムは、また、ブレーキハウジング内に配置されて、ブレーキのシステムが作動されるとき、ブレーキハウジングの内側のスライド面に沿ってスライドすると共に、進入開口部を通して位置に進入するように構成されているスライド部を備えるブレーキアセンブリを備える。ブレーキアセンブリは、また、ブレーキアセンブリがブレーキハウジングの内側に配置されているとき、スライド部から直角の方向に伸びて、進入開口部を通して突出するブレーキ部を備える。システムは、さらに、ブレーキアセンブリの移動を可能にするカバー隙を有するブレーキカバーを備える。このブレーキカバーは、ブレーキアセンブリのブレーキハウジングとスライド部を覆うと共に、歩行器フレームに固定されている。ブレーキのシステムは、さらに、歩行器の車輪の内側リムにおいて、車輪の回転軸と平行であるブレーキパス、及びブレーキアセンブリのブレーキ部に固定されて、且つブレーキレバーが作動されるとき、ブレーキパスと係合するように構成されているブレーキパッドを備える。ブレーキのシステムは、また、ブレーキレバーと接続しているブレーキワイヤを備える。ブレーキワイヤは、ブレーキアセンブリのスライド部に固定されている。ブレーキワイヤに取り付けられているリターンスプリングが、ブレーキパッドがブレーキパスから離れるように予め張力を与える。
【0008】
別の態様において、本発明は、また、請求項6に記載のブレーキシステムを取り付けるための方法を備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明は、例示的な実施形態により、添付図面を参照して、以下に詳細に記載されている。異なる図面において、符号は、同じ特徴を説明する。
図1図1は、フレームの内側のブレーキ機構を備えるローラフレームの下方の部品を示す。
図2図2は、歩行器の車輪を含むフレームの下方の部品を示す。
図3a図3aは、ブレーキアセンブリがフレームのブレーキハウジングに取り付けられる方法を示す。
図3b図3bは、ブレーキアセンブリがフレームのブレーキハウジングに取り付けられる方法を示す。
図3c図3cは、ブレーキアセンブリがフレームのブレーキハウジングに取り付けられる方法を示す。
図3d図3dは、ブレーキアセンブリがフレームのブレーキハウジングに取り付けられる方法を示す。
図4図4は、ブレーキパッドが歩行器の車輪の内側リムにおけるブレーキパスと係合する歩行器の下方の部品を示す。
図5図5は、ブレーキパッドが歩行器の車輪の内側リムにおけるブレーキパスと係合する歩行器の下方の部品を示す。
図6図6は、ブレーキハウジング、ブレーキアセンブリ、スプリング、及びカバーを示す。
図7図7は、ブレーキパッドを備えるブレーキ部がブレーキカバーのカバー隙を通して突出している組み立てられた部品を示す。
図8図8は、ブレーキパッドを備えるブレーキ部がブレーキカバーのカバー隙を通して突出している組み立てられた部品を示す。
図9図9は、ブレーキカバーとブレーキアセンブリと共に、下方の部品の側面図を示す。
図10図10は、下方の部品の上方から見た断面図を示す。
図11図11は、車輪とブレーキレバーを除いたシステムの全体を示す。
図12図12は、内部機構、すなわちブレーキの主要機能を示す。
図13図13は、アバンダンススプリングを示す。
図14図14は、フレーム内に隠れているリムブレーキを備える歩行器を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、1つの車輪と1つのブレーキレバーのためのシステムを説明する。歩行器は、一般的に、それぞれの前輪と関連している2つのシステムを有する。
【0011】
本発明は、歩行器フレーム10の内側に部分的に配置されている歩行器用ワイヤ作動式リムブレーキのシステム1を記載している。このシステムは、歩行器の車輪の近傍、且つ歩行器フレーム10の内側に配置されているブレーキハウジング6を備える。このハウジングは、車輪の回転軸に対して直角に向けられる進入開口部12とスライド面3とを備える。システムは、また、ハウジング内に配置されているブレーキアセンブリ2を備える。このブレーキアセンブリは、スライド部4とブレーキ部5を備える。このスライド部は、ブレーキのシステムが作動されるとき、ハウジング6の内側のスライド面3に沿ってスライドすると共に、進入開口部を通して位置に進入するように構成されている。好ましくは、スライド部4は、ブレーキアセンブリがハウジングの内側に位置するとき、ハウジングのスライド面3と平行である側面を有する。ブレーキ部5は、ブレーキアセンブリがハウジングの内側に配置されているとき、スライド部4から直角の方向に突出して、且つ進入開口部を通して突出している。
【0012】
システムは、また、ブレーキアセンブリの移動を可能にするカバー隙11を有するブレーキカバー7を備える。このブレーキカバー(7)は、ブレーキアセンブリ2とハウジング6を覆うと共に、フレームに固定されている。システムは、さらに、歩行器の車輪の内側リムにおいて、車輪の回転軸と平行であるブレーキパス16を備える。好ましくは、ブレーキパスは離れている。内側リムにおいて、ブレーキパス16を有することの利点は、2つの相互作用面(ブレーキパスとブレーキパッド)を妨げるダートが少ないことである。ブレーキパッド15は、ブレーキアセンブリのブレーキ部5に固定されている、又は一体的に成形されており、ブレーキレバー13が作動されるとき、ブレーキパスと係合するように構成されている。ブレーキワイヤ17は、ブレーキレバー13と接続されている。ブレーキワイヤは、ブレーキアセンブリのスライド部に固定されている。また、ブレーキワイヤに装着されているリターンスプリング8は、ブレーキレバーが係合していないとき、ブレーキワイヤが予め張力を与えられて、且つブレーキパッドがブレーキパスから離れたままにするように、フレームとスライド部4との間に配置されている。
【0013】
ブレーキは、図4~5に示すリムブレーキである。図4~5は、ブレーキパッドが、歩行器の車輪のリムの内側において、ブレーキパスと係合しているフレームの下方の部品を示す。ブレーキパッドアセンブリは、ブレーキレバーが作動されるとき、ブレーキハウジング6の内側のスライド面に沿ってスライドするように構成されている。この作動により、ハウジングの内側のブレーキワイヤの長さが小さくなると共に、ブレーキハウジング6内のリターンスプリング8が圧縮されるため、ブレーキパッド4は、車輪の内側リムにおいて、ブレーキパスと係合される。好ましくは、内側リムにおけるブレーキパスの表面は、車輪の平面に対して直交する。好ましくは、車輪のスポークは、車輪の回転軸と平行な方向において、ブレーキ部がスポークを妨げて、制御されたブレーキ作動よりも車輪の妨げを生じることを防ぐために十分な距離だけブレーキパスから離れている。
【0014】
図3a~3dにおいて、ブレーキアセンブリの取り付けを示す。ブレーキアセンブリ2、ブレーキハウジング6、及びブレーキカバー7の形状は、単純な取り付け方法を容易にする。ブレーキアセンブリは、進入開口部を通してブレーキワイヤを最初に引くステップと、ブレーキワイヤとリターンスプリングをスライド部4におけるマッチング構造に取り付けるステップにより、歩行器フレームのハウジング内に取り付けられる。複数の種類の構造は、産業において一般的であり、詳細に記載されない。次のステップでは、ブレーキアセンブリのブレーキ部をブレーキハウジング6の進入開口部12を通してハウジングに向けて傾ける。ある実施形態において、このステップは、ハウジングがフレームから取り出されるとき、行われる。別の実施形態において、このステップは、フレーム10の内側に配置されているハウジングにより行われる。したがって、ブレーキカバー7がブレーキアセンブリに取り付けられているため、ブレーキ部5はカバー隙11を通して突出している。ブレーキカバー7とブレーキハウジング6は、固定部9a,9bによりフレーム10に固定されている。好ましくは、固定部は、ブレーキカバーとハウジングの両方を同時に固定する。この取り付け方法は、ブレーキハウジングのプラスチック成形処理を簡略化して、且つブレーキアセンブリ2が強度と剛性を保つ構造上の利点を与える。
【0015】
有利な実施形態において、前方と後方のダート保護プレート14a,14bは、スライド部と平行であるブレーキ部の下方の部品に固定されている。ダートプレート14a,14bは、スライド部が、ブレーキアセンブリ2が進入開口部12を通して出る力を受けるとき、ダートが進入することを防いで、且つブレーキアセンブリの位置を保つように、ブレーキカバー7の下方にぴったり合い、ブレーキカバーの下側に沿ってスライドするように形成されている。
【0016】
図6は、ブレーキハウジング6、ブレーキアセンブリ2、リターンスプリング8、及びブレーキカバー7を共に取り付けられる前の分離部品として示す。図7,8において、これらの組付けられた部品を示す。図示するように、ブレーキパッドを備えるブレーキ部がブレーキカバーのカバー隙11を通して突出している。図9において、このブレーキ部を側面から示す。図8は、また、ブレーキハウジング6内に配置されているリターンスプリング8を示す。
【0017】
図10において、歩行器の下方の部品の上方から見た断面図を示す。図10は、また、歩行器の車輪の内側リムにおいてブレーキパスと係合するブレーキパッド及び内部ブレーキ機構を示す。ブレーキワイヤは、歩行器フレーム10の内側に配置され得る。また、図14に示すように、ブレーキレバー13は、歩行器のハンドグリップに配置されている。歩行器の全体構造を簡略化するため、ブレーキワイヤは、高さ調整機構を通過する場合、外部にあってもよい。
【0018】
図11,12において、ブレーキの主要機能を示す。図11は、車輪の内側リムにおいて、ブレーキパスを除いたブレーキシステム1の全体を示す。静止位置において、ワイヤストレッチは、リターンスプリング8が完全に伸びるために十分長い。また、ブレーキパッド15は、リムにおいて、ブレーキパス16から離れたままである。レバーが作動されるとき、ハウジングの内側のワイヤの長さが小さくなり、リターンスプリング8は圧縮されて、ブレーキパッド15はブレーキパスと係合する。ブレーキパス16は、好ましくは、外側被覆された熱可塑性エラストマから形成されている。この熱可塑性エラストマは、ブレーキパッドがブレーキパスに接触するとき、大きな摩擦を与える。
【0019】
市場における競合する歩行器は、主に、ブレーキ力を車輪の表面の外側に作用する外側ブレーキ機構を有する。本発明によれば、ブレーキ機構は、ローラフレームの内側に隠れている。ブレーキ力は、車輪の内側リムのブレーキパスに作用される。
【0020】
本発明は、ブレーキアセンブリが、歩行器フレームの内側のブレーキハウジング6内に配置されているスライド部4、及び機構部品を隠して、且つフレームの一体部品として現れるハウジングのためのブレーキカバー7を備えることにより、国際公開特許第2016137322号の従来技術と異なる。ブレーキカバー7はカバー隙を有する。ブレーキパッド15を備えるブレーキ部5は、カバー隙を通して突出している。また、本発明によれば、ブレーキアセンブリのスライド部4は、ブレーキレバーが作動されるとき、ブレーキハウジング6の内側のスライド面3に沿ってスライドするように構成されている。この作動により、ハウジングの内側のフレームから伸びるワイヤ17の長さは小さくなる。したがって、ハウジング内のリターンスプリングは、ブレーキパッドが車輪のブレーキパス16と係合するまで、圧縮される。
【0021】
図13において、考えられる追加機能を示す。図13は、ブレーキのアバンダンス制御を示す。このアバンダンス制御は、ワイヤからブレーキパッドに向かう動力伝達における追加の特徴である。アバンダンススプリング18は、ワイヤの端部におけるワイヤヘッド19とスライド部4との間に取り付けられる。
【0022】
静止位置において、ワイヤストレッチは、リターンスプリング8が完全に張力を与えられるために十分長いと共に、ブレーキパッドが車輪のブレーキパスから離れたままにする。また、アバンダンススプリング18は完全に伸びる。レバーが作動されるとき、ハウジングに向けて伸びるワイヤ17の長さは小さくなり、ブレーキパッドが車輪と係合するまで、リターンスプリング8は圧縮される。ブレーキパッドがブレーキパスと完全に係合するとき、アバンダンススプリング18は、必要であれば、レバーがハンドブレーキの位置に進入するために十分なアムビュレイアがワイヤストレッチにあることを確実にする。
【0023】
本発明に記載の歩行器は、不要な突出する部品又は上方の部品がないことにより、有利である。ブレーキ機構は小型であり、スリムなフレームに組み込まれている。ブレーキパスを内側リムに配置することにより、使用者に快適さを与えるソフトな車輪を用いることができる。
【0024】
本発明が、特定の実施例と実施形態を参照して説明されている一方、本発明の範囲は添付の請求項により定められる。
【符号の説明】
【0025】
1 ワイヤ作動式リムブレーキのシステム
2 ブレーキアセンブリ
3 スライド面
4 スライド部
5 ブレーキ部
6 ブレーキハウジング
7 ブレーキカバー
8 リターンスプリング
9a,9b ブレーキカバーの固定部
10 歩行器フレーム
11 カバー隙
12 進入開口部
13 ブレーキレバー
14a,14b 前方と後方のダート保護プレート
15 ブレーキパッド
16 ブレーキパス
17 ブレーキワイヤ
18 アバンダンススプリング
19 ワイヤヘッド
図1
図2
図3a-d】
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14