(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-04
(45)【発行日】2023-09-12
(54)【発明の名称】物体を検査するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
G01N 21/90 20060101AFI20230905BHJP
G01N 21/95 20060101ALI20230905BHJP
G01N 21/01 20060101ALI20230905BHJP
【FI】
G01N21/90 Z
G01N21/95 Z
G01N21/01 Z
(21)【出願番号】P 2021552524
(86)(22)【出願日】2020-03-04
(86)【国際出願番号】 IB2020051845
(87)【国際公開番号】W WO2020178758
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2021-10-26
(31)【優先権主張番号】102019000003169
(32)【優先日】2019-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】507015435
【氏名又は名称】サクミ コオペラティヴァ メッカニチ イモラ ソシエタ コオペラティヴァ
【住所又は居所原語表記】Via Selice Provinciale,17/A,I-40026 IMOLA(Bologna),Italy
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【氏名又は名称】合路 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100158610
【氏名又は名称】吉田 新吾
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】バルドゥッチ,マッシモ
【審査官】清水 靖記
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-032374(JP,A)
【文献】特開2011-117865(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0049182(US,A1)
【文献】特開2003-307505(JP,A)
【文献】特開2006-184177(JP,A)
【文献】特開2018-179955(JP,A)
【文献】特開2009-031247(JP,A)
【文献】特開2011-137704(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0200849(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02853887(EP,A1)
【文献】国際公開第2016/121681(WO,A1)
【文献】特開2005-241488(JP,A)
【文献】特開2000-314705(JP,A)
【文献】特開2014-157121(JP,A)
【文献】登録実用新案第3025581(JP,U)
【文献】特開2007-304030(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0129614(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00 - G01N 21/956
G01N 11/00 - G01B 11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体を検査するための装置であって、前記物体はプラスチック材料の第1の層とEVOまたはEVOHの第2の層とで構成され且つ底壁
、前記底壁に対して傾斜した側壁
および前記底壁に平行な円形頂部を有し、前記装置は、
検査のために前記物体を配置できる検査ゾーンと、
供給面に沿って前記検査ゾーンに前記物体を供給するためのコンベヤと、
前記検査ゾーンに配置された前記物体を見て、2μmから5μmの間の波長を持つ赤外線をキャプチャして、前記物体の画像を前記赤外線に応じて生成するように構成された撮像装置と、
前記第2の層を検査するために、生成された前記画像を受信すべく前記撮像装置に接続されたプロセッサであって、前記画像を処理するように構成されたプロセッサと、を備え、
前記コンベヤが、前記底壁が前記供給面に対して所定の向きに従って配置された状態で、前記検査ゾーンに前記物体を配置するように構成され、
前記撮像装置は、検査軸に沿って方向付けられており、前記装置は偏向システムを備え、前記偏向システムは、前記物体の前記側壁によって放射され且つ前記検査軸に対して傾斜した赤外線を遮断して、前記検査軸に対する前記赤外線の傾斜を減少させるように前記赤外線を偏向させるように構成され、
前記偏向システムは、第1の偏向器および第2の偏向器を含み、前記第1の偏向器は、前記物体の前記側壁から放射される前記赤外線を遮断して、前記赤外線を前記第2の偏向器に偏向させるように構成され、前記第2の偏向器は、前記赤外線を前記撮像装置に向けるように前記赤外線をさらに偏向させるように構成され、
前記第1の偏向器は、前記第1の偏向器の反射面に沿って配置された複数の平坦な表面を含み、前記第2の偏向器は、前記第2の偏向器の反射面に沿って配置された複数の平坦な表面を含み、
前記コンベヤはコンベヤベルトであり、前記コンベヤベルトは長手方向に沿って平行に延びる第1の部分および第2の部分を備え、前記コンベヤベルトは、前記円形頂部の一部が前記コンベヤベルトの前記第1の部分に載っており、前記円形頂部の別の部分が前記コンベヤベルトの前記第2の部分に載っている状態で、前記物体を吊り下げた状態で移送するように構成される、装置。
【請求項2】
前記第1の偏向器および前記第2の偏向器は軸対称体であり、その対称軸は前記検査軸と位置合わせされており、前記第1の偏向器が前記検査軸に垂直な平面において前記第2の偏向器を取り囲む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
物体を検査するための装置であって、前記物体はプラスチック材料の第1の層とEVOまたはEVOHの第2の層とで構成され且つ底壁、前記底壁に対して傾斜した側壁および前記底壁に平行な円形頂部を有し、前記装置は、
検査のために前記物体を配置できる検査ゾーンと、
供給面に沿って前記検査ゾーンに前記物体を供給するためのコンベヤと、
前記検査ゾーンに配置された前記物体を見て、2μmから5μmの間の波長を持つ赤外線をキャプチャして、前記物体の画像を前記赤外線に応じて生成するように構成された撮像装置と、
前記第2の層を検査するために、生成された前記画像を受信すべく前記撮像装置に接続されたプロセッサであって、前記画像を処理するように構成されたプロセッサと、を備え、
前記コンベヤが、前記底壁が前記供給面に対して所定の向きに従って配置された状態で、前記検査ゾーンに前記物体を配置するように構成され、
前記撮像装置は、検査軸に沿って方向付けられており、前記装置は偏向システムを備え、前記偏向システムは、前記物体の前記側壁によって放射され且つ前記検査軸に対して傾斜した赤外線を遮断して、前記検査軸に対する前記赤外線の傾斜を減少させるように前記赤外線を偏向させるように構成され、
前記偏向システムは、第1の偏向器および第2の偏向器を含み、前記第1の偏向器は、前記物体の前記側壁から放射される前記赤外線を遮断して、前記赤外線を前記第2の偏向器に偏向させるように構成され、前記第2の偏向器は、前記赤外線を前記撮像装置に向けるように前記赤外線をさらに偏向させるように構成され、
前記第1の偏向器および前記第2の偏向器は軸対称体であり、その対称軸は前記検査軸と位置合わせされており、前記第1の偏向器が前記検査軸に垂直な平面において前記第2の偏向器を取り囲み、
前記第1の偏向器は滑らかな反射面を含み、前記第1の偏向器の前記反射面は、前記検査軸を取り囲み、前記検査ゾーンから前記撮像装置に向けられた放射方向において前記検査軸上で収束し、前記第2の偏向器は滑らかな反射面を含み、前記第2の偏向器の前記反射面は、前記検査軸を取り囲み、前記放射方向において前記検査軸上で収束
し、
前記コンベヤはコンベヤベルトであり、前記コンベヤベルトは長手方向に沿って平行に延びる第1の部分および第2の部分を備え、前記コンベヤベルトは、前記円形頂部の一部が前記コンベヤベルトの前記第1の部分に載っており、前記円形頂部の別の部分が前記コンベヤベルトの前記第2の部分に載っている状態で、前記物体を吊り下げた状態で移送するように構成される、装置。
【請求項4】
温度調整システムを備え、前記温度調整システムは、
前記検査ゾーンの温度を測定するように構成された温度計と、
前記検査ゾーンの前記温度を基準温度と比較して、前記比較に応じて温度調整信号を生成するように構成された制御ユニットと、を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記検査ゾーンを断熱するために、前記検査ゾーンを取り囲む少なくとも1つの壁を含む断熱システムを備える、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
2μmから5μmの間の波長を含む赤外光線を前記検査ゾーン内の前記物体に照射するように構成された発光源を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記発光源がLED光源である、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
カメラに向けられた光波をフィルタリングして、波長が2μm未満または5μmを超える光波を遮断するように構成された干渉フィルタを備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記撮像装置に接続され且つ2μmから5μmの間の波長で動作するように構成された固定レンズを備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記装置は温度調整システムを含み、前記温度調整システムは、
前記検査ゾーンの温度を測定するように構成された温度計と、
前記検査ゾーンの前記温度を基準温度と比較し、前記比較に応じて温度調整信号を生成するように構成された制御ユニットと、を備え
る、
請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記温度調整システムはさらに、前記温度調整信号に応じて前記検査ゾーンの前記温度を変化させるように構成されたヒーターを備える、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記検査ゾーンを断熱するために、前記検査ゾーンを取り囲む少なくとも1つの壁を含む断熱システムを備える、請求項10または11に記載の装置。
【請求項13】
物体を検査するための方法であって、前記物体はプラスチック材料の第1の層とEVOまたはEVOHの第2の層とで構成され且つ底壁
、前記底壁に対して傾斜した側壁
および前記底壁に平行な円形頂部を有し、前記方法は、
コンベヤによって供給面に沿って検査ゾーンに前記物体を供給するステップと、
撮像装置を使用して、2μmから5μmの波長の赤外線をキャプチャするステップと、
キャプチャされた前記赤外線の放射に応じて前記物体の画像を生成するステップと、
前記物体の前記第2の層を検査するために、プロセッサを使用して前記画像を処理するステップと、を含み、
供給する前記ステップにおいて、前記物体の前記底壁は、前記供給面に対して所定の向きに従って前記検査ゾーンに配置され、
前記方法はさらに、前記撮像装置が検査軸に沿って方向付けられており、前記物体の前記側壁によって放射された赤外線が、前記検査軸に対する前記赤外線の傾斜を低減するように、偏向システムによって迂回される偏向ステップを含み、
前記偏向システムは、第1の偏向器および第2の偏向器を含み、前記第1の偏向器は、前記物体の前記側壁から放射される前記赤外線を遮断して、前記赤外線を前記第2の偏向器に偏向させるように構成され、前記第2の偏向器は、前記赤外線を前記撮像装置に向けるように前記赤外線をさらに偏向させるように構成され、
前記第1の偏向器は、前記第1の偏向器の反射面に沿って配置された複数の平坦な表面を含み、前記第2の偏向器は、前記第2の偏向器の反射面に沿って配置された複数の平坦な表面を含
み、
前記コンベヤはコンベヤベルトであり、前記コンベヤベルトは長手方向に沿って平行に延びる第1の部分および第2の部分を備え、前記コンベヤベルトは、前記円形頂部の一部が前記コンベヤベルトの前記第1の部分に載っており、前記円形頂部の別の部分が前記コンベヤベルトの前記第2の部分に載っている状態で、前記物体を吊り下げた状態で移送するように構成される、方法。
【請求項14】
前記検査ゾーン内の前記物体を発光源を通して照射するステップを含み、前記発光源は、2μmから5μmの間の波長を有する光線を前記物体に照射する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
温度調整するステップを含み、温度調整する前記ステップは、
温度計を使用して前記検査ゾーンの温度を測定するステップと、
前記検査ゾーンの前記温度を基準温度と比較するステップと、
比較する前記ステップの結果に応じて、温度調整信号を生成するステップと、を含む請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
温度調整する前記ステップはさらに、
前記温度調整信号に応じて、ヒーターを使用して、前記検査ゾーンの前記温度を変化させるステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記検査ゾーンを取り囲む壁によって前記検査ゾーンを断熱するステップを含む請求項13から16のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体を検査するための装置および方法に関する。特に、一部の産業用途において、物体が使用されるときに、期待される機能が効果的に実行されることを保証するために、物体は、当該物体を構成し且つ特定の機能を有する特定の材料の存在に関して、検査される必要がある。
【背景技術】
【0002】
例えば、一部の産業状況では、物体は、後の段階で消費される所定量のコーヒーを格納するために使用されるポッド(カプセル)である。ポッドは、含まれる製品の完全性を、特に風味に関して、保証する必要がある。コーヒーは酸化によりその風味特性を失い得るので、酸素を通さないポッドを用意することが不可欠である。
【発明の概要】
【0003】
この目的のために、ポッドが少なくとも2つの層から構成される解決策が知られている。すなわち、酸素を透過するプラスチック材料の第1の層と、酸素を透過しないEVOまたはEVOHからなる第2の層である。
【0004】
その結果、酸素不透過特性は第2の層の存在および状態と一意に相関するため、第2の層を診断するための検査装置および方法が開発されてきた。
【0005】
この技術的文脈において、物体が、当該物体が赤外線カメラに見える検査ゾーンに、供給面に沿って供給される解決策が知られている。これらの解決策では、おおよその温度がわかっている物体は、材料に特有の波長(EVOHの特定のケースでは、放射の波長は2μmから5μmの間)を持ち且つ赤外線カメラによってキャプチャされる光線を放射する。
【0006】
カメラは、キャプチャされた赤外線放射に応じて物体の赤外線画像を再構築する。最後に、画像を分析することにより、物体の各ポイント(各ゾーン)のEVOHの状態を判断することが可能になる。
【0007】
この種の解決策は、例えば、EP2605004B1に記載されている。
【0008】
しかしながら、これらのシステムでは、コンベヤが物体を誤って配置する可能性があるため、検査の再現性と信頼性に悪影響を及ぼし得る。
【0009】
さらに、物体の壁は、カメラが物体の放射をキャプチャできないように傾斜している可能性がある。これらの状況下では、物体の一部のみが検査されるため、検査は信頼できない。
【0010】
本発明の目的は、従来技術の上記欠点を克服するために物体を検査するための装置および方法を提供することである。
【0011】
この目的は、添付の特許請求の範囲において特徴付けられるように、本開示の装置および方法によって完全に達成される。
【0012】
その一態様によれば、本開示は、物体を検査するための装置を提供する。検査される物体は、第1の層(少なくとも1層)と第2の層とで構成されている。第1の層(または少なくとも1つの第1の層)は、プラスチック材料(例えば、PPまたはPE)でできている。第2の層は、酸素バリア材料でできている。例えば、第2の層を構成する材料はEVOまたはEVOHであってもよい。
【0013】
EVOH(エチレンビニルアルコール)は、エチレンとビニルアルコールからなる共重合体である。さらに、EVOは、EVO(登録商標)という用語でこの分野で知られている高分子材料である。
【0014】
エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)は、優れたガスバリア特性を備えているため、気密シールに非常に適した材料または材料のグループである。
【0015】
一実施形態では、第2の層はEVAでできている。EVAはエチレンと酢酸ビニルの共重合体である。
【0016】
いずれにせよ、第2の層は、酸素を透過しない材料でできている。言い換えれば、第2の層は、酸素(および臭気)に対するバリアを提供することができる材料でできている。
【0017】
可能な実施形態では、例えば、PPまたはPEで作られた複数の第1の層があってもよい。この場合、第2の(バリア)層は、複数の第1の層のうちの2つの第1の層の間に配置されてもよい。
【0018】
検査される物体はまた、底壁および底壁に対して傾斜している側壁を含んでもよい。第1の層と第2の層は重ね合わされ、底壁と側壁の両方に広がっている。
【0019】
この装置は、物体を検査のために配置することができる検査ゾーンを備える。一実施形態では、装置はコンベヤを含む。コンベヤは、供給面に沿って検査ゾーンに物体を供給する。コンベヤを使用して、検査装置に複数の物体を装填することが可能であり、複数の物体は、検査ゾーンに自動的に供給される。
【0020】
一実施形態では、装置は、撮像装置を含む。撮像装置は、検査ゾーンに配置された物体を見るように構成される。
【0021】
「検査ゾーン」という用語は、物体が検査できるように配置される空間内の任意の領域を意味するために使用される。したがって、検査ゾーンは、撮像装置がキャプチャできる空間内の領域、つまり、撮像装置の視野によって規定される。
【0022】
撮像装置は、赤外線をキャプチャするように構成される。一実施形態では、撮像装置によってキャプチャされる赤外線の波長は、2μmから5μmの間である。
【0023】
これにより、キャプチャされた放射を、EVOH(またはEVO)が放射する(または吸収ピークを持つ)波長の間隔に含まれる(または部分的に含まれる)波長を持つ特定の帯域の放射に制限できる。
【0024】
撮像装置は、赤外線に応じて物体の画像を生成するように構成されている。一実施形態では、撮像装置は、複数の色を使用して物体の画像を生成するように構成されている。一実施形態では、撮像装置は、グレースケールを使用して物体の画像を生成するように構成されている。一実施形態では、撮像装置は、白を使用して第2の層の第1の状態を識別し、黒を使用して第2の層の第2の状態を識別するように、物体の画像を生成するように構成されている。
【0025】
既知の色の凡例を使用すると、画像を生成することにより、視覚的にもデジタル処理によっても、物体の欠陥部分を特定できる。
【0026】
装置は、プロセッサを備える。プロセッサは撮像装置に接続されている。
【0027】
一実施形態では、プロセッサは、生成された画像を受信するように構成される。プロセッサは、画像を処理するように構成される。プロセッサは、第2の層を検査するように構成される。
【0028】
したがって、プロセッサを介して、検査された各物体の最終診断を含む診断テーブルを生成することが可能である。このテーブルは、品質基準に準拠する物体を手動で選択するためにユーザによって、または品質基準に準拠していないと識別したアイテムを排除する自動排除システムによって使用され得る。
【0029】
一実施形態では、コンベヤは、検査ゾーン内の所定の検査位置に検査可能な物体を配置するように構成され、検査位置に応じて撮像装置が較正される。この機能により、検査の再現性が保証され、したがって、検査の信頼性が向上する。
【0030】
一実施形態では、コンベヤは、底壁が供給面に対して所定の向きに従って配置されるように検査ゾーンに物体を配置するように構成される。
【0031】
この開示の目的のために、検査軸が定義される。検査軸は、カメラの焦点を通る軸であり、カメラのレンズに垂直である。検査軸は視野の対称軸であり、つまり、撮像装置の視野の両端から等距離にある。
【0032】
一実施形態では、撮像装置は、検査軸に沿って方向付けられる。一実施形態では、検査軸は、撮像装置の視野の対称軸である。一実施形態では、撮像装置は、検査軸に沿って検査ゾーンと(検査される物体とともに)位置合わせされる。
【0033】
一実施形態では、装置は偏向システムを含む。偏向システムは、カメラの視野内に収まらない、および/または検査軸に対して傾斜している赤外線を遮断する(迂回させる)ように構成されている。一実施形態では、赤外線は、物体の側壁によって放射される。
【0034】
一実施形態では、偏向システムは、検査軸に対する赤外線の傾斜を低減するように、赤外線を迂回させるように構成される。
【0035】
偏向システムは、赤外線を迂回させ、それらを画像装置の視野に向け、それにより、それらが画像装置によってキャプチャされることを可能にする。
【0036】
この機能により、側壁の放射面のより拡張された画像をキャプチャすることができる。これにより、画像の解像度が向上し、したがって、検査の精度が向上する。
【0037】
一実施形態では、偏向システムは、第1の偏向器を含む。一実施形態では、偏向システムは、第2の偏向器を含む。一実施形態では、第1の偏向器は、物体の側壁によって放射される赤外線を遮断するように構成される。一実施形態では、第1の偏向器は、赤外線を第2の偏向器に迂回させるように構成される。一実施形態では、第2の偏向器は、赤外線の方向を転換するように構成される。
【0038】
第1および第2の偏向器の存在は、偏向システムの調整可能なパラメータの数を増やすことによって、偏向システムの柔軟性を高める。
【0039】
一実施形態では、第1および/または第2の偏向器は軸対称体である。第1および/または第2の偏向器は、検査軸と位置合わせされた対称軸を有する。一実施形態では、第1の偏向器は、第2の偏向器を(検査軸に垂直な平面内で)取り囲む。
【0040】
一実施形態では、第1の偏向器は、反射面を含む。一実施形態では、第1の偏向器の反射面は、検査軸を取り囲む。
【0041】
一実施形態では、第1の偏向器の反射面は、検査ゾーンから撮像装置に向けられた放射方向において検査軸に収束する。一実施形態では、第2の偏向器は反射面を含む。第2の偏向器の反射面は、検査軸を囲む。第2の偏向器の反射面は、放射方向において検査軸に収束する。
【0042】
一実施形態では、第1の偏向器の反射面は滑らかな面である。一実施形態では、第2の偏向器の反射面は滑らかな面である。
【0043】
このように、撮像装置によってキャプチャされた画像には、特異点がない。
【0044】
一実施形態では、第1の偏向器の反射面は平坦な面である。一実施形態では、第2の偏向器の反射面は平坦な面である。
【0045】
一実施形態では、第1の偏向器の反射面は、凹形の球面である。一実施形態では、第2の偏向器の反射面は、凸状の球面である。
【0046】
一実施形態では、第1の偏向器の反射面は、反射面に沿って配置された複数の部分を有する分割面である。一実施形態では、第2の偏向器の反射面は、反射面に沿って配置された複数の部分を有する一様でない面である。
【0047】
一実施形態では、第1の偏向器は、第1の偏向器の反射面に沿って配置された複数の平坦な表面を含む。一実施形態では、第2の偏向器は、第2の偏向器の反射面に沿って配置された複数の平坦な表面を含む。このように、画像化された表面には特異点があるが、画像は歪んでいない。
【0048】
一実施形態では、装置は光源を含む。光源は、検査ゾーン内の物体に光線を照射するように構成されている。一実施形態では、光線は、2μmから5μmの間の波長を有する。
【0049】
一実施形態では、発光源(光源)は、LED光源である。一実施形態では、発光源(光源)は、電気抵抗器である。
【0050】
一実施形態では、装置は干渉フィルタを含む。干渉フィルタは、赤外線にフィルタをかけるように構成される。干渉フィルタは、物体から放射される赤外線にフィルタをかけるように構成される。一実施形態では、干渉フィルタは、外部源によって放射された赤外線にフィルタをかけるように構成される。
【0051】
干渉フィルタは、カメラに向けられた光波にフィルタをかけて、波長が2μm未満または5μmを超える光波をブロックするように構成される。
【0052】
干渉フィルタは、カメラに向けられた光波にフィルタをかけて、波長が2.5μm未満または3.5μmを超える光波をブロックするように構成される。干渉フィルタは、カメラに向けられた光波にフィルタをかけて、波長値であって、そのあたりで、バリア層を構成する材料がその吸収ピークを有する波長値に対応する最適な波長間隔に含まれない光波をブロックするように構成される。吸収ピークに対応する波長の光波の通過を可能にするようにフィルタが構成されているという事実は、カメラの撮像範囲がはるかに広く(例えば、2.5μmから5μmの間)、その範囲ではバリア層に吸収されない光線によって測定の精度が低下し得るという事実のため、測定ノイズを低減することを可能にする。
【0053】
一実施形態では、干渉フィルタは、フィルタの上流と下流の光波の強度間の比として定義される減衰係数を有する。
【0054】
一実施形態では、干渉フィルタは、2.9μmまたは3μmの波長値を中心とし、0.25μmのフィルタリング振幅を有する。したがって、この実施形態では、干渉フィルタは、2.65μmから3.15μmの間、または2.75μmから3.25μmの間の波長の光波の通過を可能にする。
【0055】
このようにして、撮像装置は波長が2μmから5μmの間の赤外線をキャプチャし、測定は、ノイズであって、その波長が検査にとって大きな影響を与えないノイズの影響を受けない。したがって、測定精度が向上する。
【0056】
一実施形態では、装置は、固定レンズを含む。固定レンズは、撮像装置の視野を決定する。固定レンズは、画像装置に接続される。固定レンズは、2μmから5μmの波長で動作するように構成される。
【0057】
一実施形態では、装置は、温度調整システムを含む。温度調整システムは温度計を備える。温度計は、検査ゾーンおよび/または物体の温度を測定するように構成される。
【0058】
温度調整システムは、コントローラを備える。コントローラは、検査ゾーンの温度を基準温度と比較するように構成される。コントローラは、比較に応じて駆動信号を生成するように構成される。一実施形態では、温度調整システムはヒーターを含む。ヒーターは、検査ゾーンの温度を変化させるように構成される。ヒーターは、駆動信号に応じて検査ゾーンの温度を変化させるように構成される。
【0059】
温度調整システムにより、検査精度を向上させることができる。事実上、材料の放射または吸収の強度は、温度によって変化する。したがって、検査の再現性を保証するには、周囲温度を実質的に一定に保つ必要がある。
【0060】
一実施形態では、装置は、検査ゾーンを保護し且つ検査ゾーンの断熱を高めるように構成された断熱システムを備える。
【0061】
一実施形態では、コンベヤは、底壁が供給面に平行に配置された状態で、物体を検査ゾーン内に保持するように構成される。
【0062】
一実施形態では、コンベヤは、側壁が撮像装置に対して所定の方向を向くように、検査ゾーンに物体を配置するように構成される。言い換えれば、コンベヤは、物体が撮像装置の方を向くように、検査ゾーンに物体を配置するように構成されている。
【0063】
一実施形態では、装置は、所定の検査方向に従って物体を方向付けるように構成された方向付け装置を備える。方向付け装置は、側壁が撮像装置に対して所定の方向を向くように、検査ゾーン内に物体を配置するように構成される。言い換えれば、方向付け装置は、物体が撮像装置の方を向くように、検査ゾーンに物体を配置するように構成される。
【0064】
一実施形態では、撮像装置は、検査軸に対して光源とは反対の位置に配置されている。
【0065】
その一態様によれば、本開示は、物体を検査するための方法を提供する。一実施形態では、検査される物体は、プラスチック材料の第1の層と、EVOまたはEVOHの第2の層とからなる。一実施形態では、検査される物体は、底壁と、底壁に対して傾斜している側壁とを有する。
【0066】
方法は、供給面に沿って検査ゾーンに物体を供給するステップを含む。方法は、撮像装置を使用して、赤外線を、好ましくは2μmから5μmの間の波長を有する赤外線を、キャプチャするステップを含む。方法は、物体の画像を生成するステップを含む。物体の画像を生成するステップは、キャプチャされた赤外線に応じて実行される。
【0067】
一実施形態では、方法は、物体の第2の層を検査するために、プロセッサを介して画像を処理するステップを含む。一実施形態では、方法は、処理された画像に応じて物体の第2の層を検査するステップを含む。
【0068】
一実施形態では、供給するステップにおいて、物体は、検査される各物体について同じである検査位置に配置される。一実施形態では、供給するステップにおいて、物体の底壁は、供給面に対して所定の向きに従って検査ゾーンに配置される。
【0069】
一実施形態では、方法は、偏向するステップを含む。
【0070】
偏向するステップでは、物体の側壁から放射された赤外線が、撮像装置によってキャプチャされるように、迂回される。偏向するステップでは、物体の側壁から放射された赤外線は、撮像装置が方向付けられている検査軸に対するそれらの傾斜を減少させるように、迂回される。
【0071】
一実施形態では、偏向するステップは、迂回の第1のステップを含む。迂回の第1のステップでは、赤外線は第1の偏向器から第2の偏向器に迂回される。一実施形態では、偏向するステップは、迂回の第2のステップを含む。迂回の第2のステップでは、赤外線の方向が第2の偏向器によって迂回されるので、撮像装置の視野内に入る。
【0072】
一実施形態では、方法は、発光源によって検査ゾーン内の物体を照射するステップを含む。一実施形態では、発光源は、2μmから5μmの間の波長を有する光線を放射する(光線を物体に照射する)。
【0073】
一実施形態では、方法は、物体が検査位置をとるように、所定の検査方向に従って物体を方向付けるステップを含む。
【0074】
一実施形態では、方法は、フィルタリングのステップを含む。フィルタリングのステップでは、干渉フィルタがカプセルと撮像装置との間に配置される。干渉フィルタは赤外線にフィルタをかける。干渉フィルタは赤外線にフィルタをかけて、2μmから5μmの波長の赤外線のみを通過させることを可能にする。干渉フィルタは赤外線にフィルタをかけて、波長が2μmから5μmの範囲外の赤外線をブロックする。
【0075】
一実施形態では、方法は、温度調整するステップを含む。
【0076】
温度調整するステップは、温度計を使用して検査ゾーンの温度を測定するステップを含む。
【0077】
温度調整するステップは、検査ゾーンの温度を基準温度と比較するステップを含む。
【0078】
温度調整するステップは、比較するステップの結果に応じて駆動信号を生成するステップを含む。
【0079】
温度調整するステップは、駆動信号に応じて、ヒーターを使用して、検査ゾーンの温度を変化させるステップを含む。
【0080】
一実施形態では、方法は、断熱するステップを含む。断熱するステップでは、断熱システムが検査ゾーンを保護する。断熱するステップでは、断熱システムはその断熱性を高める。
【図面の簡単な説明】
【0081】
これらおよび他の特徴は、添付の図面に非限定的な例として示されている、好ましい実施形態の以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【
図3A-3B】撮像装置によって生成された、物体の第1および第2の画像を示す。
【
図4A】物体の各部分について、発光強度、画像を生成するための相関光パラメータ、材料のEVOH層の厚さをそれぞれ概略的に示す。
【
図4B】物体の各部分について、物体の上流の光源から放射される光線の強度、物体の下流の光源から放射される光線の強度、画像を生成するための相関光パラメータ、材料のEVOH層の厚さをそれぞれ概略的に示す。
【
図6】
図1の装置の偏向装置の第1および第2の実施形態を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0082】
添付の図面に関して、数字1は、物体を検査するための装置を示す。装置1は、任意の物体、具体的には、第1の層および第2の層からなる物体を検査するために使用することができ、ここで、第2の層はEVOおよび/またはEVOHからなる。装置1は、任意の物体、具体的には、底壁Aおよび側壁Bを有する物体を検査するために使用することができる。一実施形態では、検査される物体は、底壁Aに平行な円形頂部Cを含む。側壁Bは第1の端縁および第2の端縁を含む。底壁Aは側壁Bの第1の端端に接続されている。円形頂部Cは、側壁Bの第2の端端に接続され、側壁Bの第2の端端の外側に延在する。
【0083】
一実施形態では、装置1は、検査ゾーン10を含む。検査ゾーン10は、物体を検査のために配置することができるゾーンである。
【0084】
一実施形態では、装置1は、フィーダ11を備える。一実施形態では、装置1は、物体を供給ゾーンから検査ゾーンに搬送するように構成されたコンベヤ12を備える。フィーダ11は、検査される複数の物体を受け入れるように構成される。フィーダ11は、複数の物体を供給するように構成される。一実施形態では、フィーダ11は、容器111を備える。容器111は、供給されるのを待っている複数の物体を収容するように構成されている。一実施形態では、フィーダ11は、方向付け装置112を備える。方向付け装置112は、物体が所定の検査位置内の検査ゾーンに到達するように、所定の向きに従って物体を方向付けるように構成される。方向付け装置112は、例えば、シンギュレータ(singulator)である。
【0085】
一実施形態では、容器111は、供給斜面113を備える。供給斜面113は、方向付け装置112から物体を受け取り、それらをコンベヤ12に供給するように構成される。一実施形態では、供給斜面113は、所定の時間速度で物体をコンベヤ12上に解放するように構成される。このようにして、コンベヤ12によって搬送される物体は、検査距離dだけ互いに離間している。
【0086】
一実施形態では、フィーダは、物体をコンベヤ12に移送する線形コンベヤである。他の実施形態では、フィーダは、物体を1つずつ持ち上げるように構成されたロボットである。ロボットは、検査距離dを規定する所定の速度でコンベヤ12上に物体を配置するように構成される。
【0087】
一実施形態では、コンベヤ12は、物体を供給ゾーンから検査ゾーンに移送するように構成されたコンベヤベルト12’である。他の実施形態では、コンベヤは、物体を供給ゾーンから検査ゾーンに移送するように構成された回転カルーセルであり得る。
【0088】
一実施形態では、コンベヤベルト12’は、長手方向Lに沿って延びる。
【0089】
コンベヤベルト12’は、搬送アクチュエータ121を含む。搬送アクチュエータ121は、物体を移送するためにコンベヤベルト12’を駆動するように構成される。
【0090】
一実施形態では、コンベヤベルト12’は、第1の部分12Aおよび第2の部分12Bを備える。第1の部分12Aおよび第2の部分12Bは、長手方向Lに沿って平行に延びる。第1の部分12Aおよび第2の部分12Bは、第2の端縁の円の直径と円形頂部Cの外径との間に含まれる値だけ互いに離間している。このようにして、コンベヤベルト12’は、円形頂部Cの一部がコンベヤベルト12’の第1の部分12Aに載っており、円形頂部Cの別の部分がコンベヤベルト12’の第2の部分12Bに載っている状態で、物体を吊り下げた状態で移送するように構成される。この移送構成は、例えば、発光源、もしあれば(または撮像装置)と底壁Aおよび/または側壁Bとの間に介在する材料がないことを意味する。
【0091】
他の実施形態では、物体はコンベヤベルト12’上にある。
【0092】
一実施形態では、物体は、底壁Aがコンベヤベルト12’と接触した状態でコンベヤベルト12’上に載っている。一実施形態では、物体は、円形頂部Cがコンベヤベルト12’と接触した状態でコンベヤベルト12’上に載っている。
【0093】
装置1は、フレーム13を備える。フレーム13は、機械を支持し且つ検査ゾーン10を断熱する機能を有する。
【0094】
一実施形態では、フレーム13は、1つまたは複数の断熱壁131を備える。1つまたは複数の断熱壁131は、検査ゾーン10が断熱されることを可能にするように構成される。1つまたは複数の壁は、入口開口部132および出口開口部133を含み得る。
【0095】
コンベヤ12は、入口開口部132から出口開口部133まで延びる。1つまたは複数の断熱壁131は、外的要因によって検査が歪められないように、検査中に物体を保護することを可能にするように構成される。
【0096】
装置1は、撮像装置14’を備える。一実施形態では、撮像装置14’はカメラ14である。一実施形態では、カメラ14は、検査ゾーン10内の物体を見るように構成される。一実施形態では、カメラ14は赤外線カメラである。一実施形態では、カメラ14は、2μmから5μmの間の波長を有する電磁波をキャプチャするように構成される。
【0097】
カメラ14は、それ自体の特定の視野を有する。言い換えれば、カメラは、所定の波長間隔における光を取り込むように構成されているという意味で、入力帯域を規定する。例示的な実施形態では、カメラは、2.5μmから5μmの所定の波長間隔における光をキャプチャするように構成される。カメラ14はまた、より狭い入力帯域(例えば、2μmまたは1μmまたはそれ未満)、好ましくは3.1μmの波長を中心とするかまたは実質的に中心とすることを規定する。
【0098】
カメラ14は、固定レンズ141を備える。一実施形態では、固定レンズ141は、好ましくは2μmから5μmの間の波長を有する赤外線放射帯域で動作するように構成されたレンズである。一実施形態では、固定レンズ141は35mmの焦点距離を有する。一実施形態では、固定レンズ141の焦点距離は、30mmから40mmの間である。
【0099】
一実施形態では、装置1はフィルタを含む。一実施形態では、装置1は、干渉フィルタ142を含む。干渉フィルタ142は、カメラと検査される物体との間に動作可能に配置されている。干渉フィルタ142は、カメラ14の入力光線をフィルタリングして、カメラに入る入力光線を所定の波長間隔に制限するように構成される。より具体的には、干渉フィルタ142は、バンドパスフィルタ(バンドパス放射、またはデュアルモードではバンドストップ吸収)である。好ましくは、干渉フィルタ142の通過帯域は、カメラの入力通過帯域よりも狭い。一実施形態では、干渉フィルタは、(通過)帯域を規定し、この帯域は、10%の透過率を考慮すると、1μmよりも小さい(または大きくない)。好ましくは、(通過)帯域は、0.3μmよりも小さい(または大きくない)(例えば、約0.25μmである)。50%の透過率を考慮すると、干渉フィルタの帯域は、好ましくは0.2μm以下、またはさらにより好ましくは0.1μm以下である。
【0100】
一実施形態では、干渉フィルタの帯域は、2.9μmから3.2μmの間の波長を中心としている。好ましくは、それは3.1μmの波長を中心とする。
【0101】
このように、カメラによってキャプチャされた画像は、診断の観点から特に信頼性がある。事実上、カメラ14によってキャプチャされた光線は、なお一層きれいである。EVOH吸収ピークから遠い波長の放射によるノイズが干渉フィルタ142によってフィルタリングされるからである。
【0102】
以下のグラフは、干渉フィルタ142自体に当たる光波の波長に応じた干渉フィルタ142の透過値(干渉フィルタ142上に入射する光波に対して透過される光波の一部)の曲線を示している。
【0103】
(単に非限定的な例としての)図示の例では、干渉フィルタ142は、2.95μm(またはいずれの場合も2.95μmから3.00μmの間)の波長値を中心にして(約10%の透過率を考慮すると)約0.25μmの通過帯域(透過帯域)(干渉フィルタがそれに当たる光波を透過する波長間隔)を有することに留意されたい。
【0104】
下のグラフは、3つの関数f1、f2、f3の曲線を示す。
【0105】
関数f1は、2.5μmから5μmの間の波長間隔の光波を放射するように構成された光源から放射される光波光線の強度の曲線を示す。一実施形態では、カメラ14は、事実上、その波長間隔で放射された光波をキャプチャするように構成される。
【0106】
したがって、カメラは、2.5μmから5μmの間隔における曲線f1の積分に等しい量のエネルギーをキャプチャする(下のグラフの領域A1)。
【0107】
関数f2は、バリア層に当たる光の波長に応じたバリア層のエネルギー吸収曲線を示す。バリア層がEVOH、EVOである特定のケースでは、吸収ピークは約3.1μmで発生する。
【0108】
関数f3は、1つの可能な例示的な実施形態による、干渉フィルタ142がカメラ14と光源との間に配置される実施形態において、カメラ14によってキャプチャされる、光源によって放射される光波光線の強度の曲線を示す。関数f3から推測され得るように、干渉フィルタ142は、EVOH、EVOのピーク吸収に対応する波長周辺の間隔内に入る波長の光線のみを通過させることができる。
【0109】
したがって、カメラは、2.5μmから5μmの間隔における曲線f3の積分に等しい量のエネルギーをキャプチャする(下のグラフの領域A2)。
【0110】
干渉フィルタを使用すると、カメラによってキャプチャされるエネルギーの量は、バリア層の存在(または厚さまたは品質)に特に感度が高いカメラによってキャプチャされるエネルギーの総量に対する吸収エネルギーの百分率変化を持つ。他方、干渉フィルタ142が使用されない場合、カメラによってキャプチャされるエネルギーの量は、品質管理中に検出できないであろう限られた百分率変化を有するであろう。
【0111】
別の態様によれば、発光源16は、カメラの入力帯域よりもさらに狭い可能性がある限られた波長間隔の光を放射するように構成され得る。例えば、発光源16は、3μmまたは2μmまたは1μmまたはそれ未満の値以下の波長間隔の光を放射するように構成され得る。好ましくは、波長間隔は、3.1μmの波長を中心とするか、または実質的に中心とする。
【0112】
一実施形態では、物体は検査温度を有し、その温度でカメラ14によって撮像される。物体の温度により、物体は波長が赤外線範囲に含まれる波を放射する。より具体的には、各材料は、材料が周囲温度とは異なる温度で放射線を放射する特徴的な放射帯域を有する。EVOHは、約3.1μmの波長に吸収ピーク(したがって放射ピーク)を持つ。
【0113】
カメラは、一般的に言えば、物体によって放射されたか外部ボディによって放射されたかにかかわらず、赤外線をキャプチャするように構成されていることに留意されたい。一実施形態では、カメラ14は、物体によって放射された赤外線放射をキャプチャするように構成される。
【0114】
カメラ14は、キャプチャされた放射線に応じて物体の画像143を生成するように構成される。
【0115】
一実施形態では、カメラ14は、物体の各ゾーンの放射強度の値をキャプチャするように構成される。各物体のゾーンは、対応するゾーンの重心を特定できるデカルト平面内の点によって特定される。
【0116】
一実施形態では、カメラ14は、各ゾーンを、対応するゾーンの放射強度の値に応じて、対応する画像光度値と関連付けるように構成される。
【0117】
カメラ14は、各ゾーンに関連付けられた画像光度値に応じて物体の画像143を生成するように構成される。
【0118】
一実施形態では、カメラ14は、各ゾーンを、第1の光度値と第2の光度値との間で選択された光度値と関連付けるように構成される。より具体的には、一実施形態では、カメラ14は、放射強度を強度制限値と比較するように構成される。カメラ14は、第1の光度値を、放射強度が強度制限値よりも小さいゾーンに関連付け、第2の光度値を、放射強度が強度制限値よりも大きいゾーンに関連付けるように構成される。
【0119】
一実施形態では、装置1は、発光源16を含む。光源は、検査ゾーン内の物体に赤外線を照射するように構成される。一実施形態では、発光源は、2μmから5μmの間の波長を有する赤外線を検査ゾーン内の物体に照射するように構成される。
【0120】
一実施形態では、発光源は、赤外線範囲の放射線を放射するように構成されたLEDライトである。
【0121】
一実施形態では、発光源は、赤外線範囲の放射線を放射するように構成された電気抵抗器である。
【0122】
この実施形態では、カメラ14は、発光源によって放射された放射線の強度をキャプチャするように構成される。したがって、この実施形態では、EVOHの存在は、材料の放射能力ではなく、材料の吸収能力を使用して検査される。事実上、EVOHおよび/またはEVOのピーク吸収は、波長が2μmから5μmの放射線で生じる。したがって、発光源が物体に当たると、物体は、EVOH/EVO層の存在と厚さのために放射されるエネルギーの一部を吸収する。
【0123】
したがって、カメラが材料の放射をキャプチャする実施形態と比較して、この実施形態は、材料によって吸収されるエネルギーをキャプチャする。したがって、この場合、カメラ14は、物体の各ゾーンを、対応するゾーンについてキャプチャされた強度値に正比例する光度値に関連付けるように構成される。事実上、高い放射強度は吸収が不十分であることを特定し、したがってEVOH/EVOの第2の層(バリア層)がないか薄いことを特定する。
【0124】
代わりに、カメラが材料自体の放射をキャプチャする実施形態では、カメラ14は、物体の各ゾーンを、対応するゾーンについてキャプチャされた強度値に反比例する光度値と関連付けるように構成される。事実上、高い放射強度は、EVOH/EVOの第2の層(バリア層)の存在と十分な厚さを特定する。
【0125】
一実施形態では、装置1は、制御ユニット15を備える。制御ユニット15は、プロセッサ151を備える。制御ユニット15は、ディスプレイ152を備える。制御ユニット15は、ユーザが手動で装置1を制御するデータを入力できるように構成されたユーザインタフェース153を備える。
【0126】
一実施形態では、プロセッサ151は、カメラ14から物体の画像143を受信するように構成される。プロセッサ151は、画像143を処理するように構成される。プロセッサ151は、画像143が参照する物体のレポートを生成するように構成される。プロセッサは、レポートに応じて排除信号154Aを生成するように構成される。
【0127】
一実施形態では、制御ユニット15は、装置1を制御するように構成される。
【0128】
一実施形態では、装置1は、排出装置17を備える。排出装置17は、品質基準に適合していないことが判明した物体を自動的に排除するように構成される。装置は、コンベヤベルト12’に沿って検査ゾーン10の下流に配置された排出ゾーン17Aを備える。
【0129】
排出装置17は、排出ゾーン17A内の物体に力を加えるように構成される。例えば、必ずしもではないが、排出装置17は、コンベヤベルト12’から物体を排除するように物体に空気の流れを向けるように構成された送風機171を含む。
【0130】
排出装置17は、制御ユニット15から排除信号154Aを受信するように構成され、排除信号154Aに応じて排出装置17が有効または無効にされる。
【0131】
一実施形態では、排除信号154Aは、有効化値または無効化値をとりうる連続信号である。排除信号154Aは、物体自体が排出ゾーン17Aに到達した瞬間に、物体に関連付けられた有効化値または無効化値がキャプチャされるように、コンベヤベルト12’と同期される。
【0132】
一実施形態では、制御ユニット15は、搬送アクチュエータ121に作動信号154Bを送信するように構成され、作動信号154Bに応じて、搬送アクチュエータ121は、コンベヤベルト12’の動きを開始または停止する。
【0133】
一実施形態では、制御ユニット15は、発光源16を制御するように構成される。制御ユニット15は、発光源16によって放射される放射線の強度を表す放射信号154Cを生成するように構成される。発光源16は、放射信号154Cを受信し、放射信号154Cに応じて赤外線を放射するように構成される。
【0134】
一実施形態では、発光源16は、検査ゾーン10に対してカメラ14の反対側にある。したがって、発光源16、カメラ14、および検査ゾーンは、検査軸Iに沿って位置合わせされる。
【0135】
一実施形態では、発光源16は、コンベヤベルト12’の下に配置されている。一実施形態では、発光源16は、コンベヤベルト12’の内部に配置されている。
【0136】
一実施形態では、装置1は、偏向システム18を備える。偏向システム18は、赤外線を迂回させるように構成される。偏向システム18は、検査軸Iに対して傾斜した赤外線を迂回させるように構成される。偏向システム18は、物体によって放射された赤外線を迂回させるように構成される。偏向システム18は、発光源16によって放射され且つ物体の第2の層の吸収特性によって部分的に吸収される赤外線を迂回させるように構成される。偏向システム18は、物体の側壁Bによって放射される赤外線を迂回させるように構成される。
【0137】
一実施形態では、偏向システム18は、検査軸Iに沿って、カメラ14と検査ゾーン10との間に配置されている。
【0138】
一実施形態では、偏向システムは、赤外線を反射するように構成された複数の反射要素を含む。
【0139】
一実施形態では、偏向システムは、第1の偏向器181を含む。一実施形態では、偏向システムは、第2の偏向器182を含む。
【0140】
第1の偏向器181は、環状ボディ181’を含む。環状ボディ181’は、内側壁181’’を有する。第1の偏向器181の内側壁181’’は反射壁である。一実施形態では、内側壁181’’は、滑らかに湾曲した反射面1811を備える。一実施形態では、内側壁181’’は、第1の複数の平面鏡1812を含む。第1の複数の平面鏡1812の各鏡は、内側壁181’’に配置されている。内側壁181’’の反射面は、第1の複数の平面鏡1812の鏡の反射面の合計によって規定される。
【0141】
第2の偏向器182は、先細の(円錐台状の)本体182’を含む。先細の本体182’は、外側壁182’’を有する。第2の偏向器182の外側壁182’’は反射壁である。一実施形態では、外側壁182’’は、滑らかに湾曲した反射面1821を含む。一実施形態では、外側壁182’’は、第2の複数の平面鏡1822を含む。第2の複数の平面鏡1822の各鏡は、外側壁182’’に配置されている。外側壁182’’の反射面は、第2の複数の平面鏡1822の鏡の反射面の合計によって規定される。
【0142】
第1および第2の偏向器がそれぞれの滑らかな湾曲した反射面を含む実施形態では、カメラ14によって生成される画像143は、画像143の特定の歪み係数で滑らかになる。プロセッサ151は、画像143の処理中に歪み係数を考慮に入れるように構成される。第1および第2の偏向器がそれぞれの複数の平面鏡を含む実施形態では、カメラ14によって生成される画像143は、特異点を含むが、画像143の歪みを含まない。
【0143】
第1の偏向器181は、物体または発光源16によって放射される赤外線を受信(遮断)するように構成される。第1の偏向器181は、赤外線を第2の偏向器182に偏向させるように構成される。第2の偏向器182は、赤外線をカメラ14の視野に偏向させるように構成される。
【0144】
一実施形態では、装置1は温度調整システム19を備える。温度調整システム19は、検査ゾーン10の温度を所定の値に保つように構成される。温度調整システム19は、物体の温度を所定の値に保つように構成される。温度調整システム19は、検査ゾーン10および/または物体を加熱および/または冷却するように構成される。
【0145】
温度調整システム19は、温度計191を備える。温度計191は、検査ゾーン10および/または検査される物体の温度を測定するように構成される。温度計191は、検査ゾーン10および/または物体の温度を表す温度信号191’を制御ユニット15に(プロセッサ151に)送信するように構成される。
【0146】
プロセッサ151(制御ユニット15)は、温度信号を受信し、それを所定の温度を表す所定の基準温度信号と比較するように構成される。
【0147】
プロセッサ151(制御ユニット15)は、温度信号と基準温度信号との間の比較の結果に応じて、温度調整信号154Dを生成するように構成される。
【0148】
一実施形態では、温度調整システム19は、ヒーター192を備える。ヒーター192は、検査ゾーン10および/または物体を加熱して、それを所定の温度に戻すように構成される。プロセッサ151は、温度調整信号154Dをヒーター192に送信するように構成される。ヒーター192は、温度調整信号154Dに応じてオンまたはオフに切り替わるように構成される。一実施形態では、ヒーター192は、対流熱交換を容易にするために(コンベヤベルト12’の)検査ゾーン10の下に配置される。
【0149】
その一態様によれば、本開示はまた、物体を検査するための方法を提供する。検査される物体は、好ましくは、第1の層および第2の層から構成され、ここで、第2の層は、EVOおよび/またはEVOHから構成される。検査される物体は、好ましくは、底壁Aおよび側壁Bを有する。一実施形態では、検査される物体は、底壁Aに平行な円形頂部Cを含む。側壁Bは、第1の端縁および第2の端縁を含む。底壁Aは、側壁Bの第1の端縁に接続されている。円形頂部Cは、側壁Bの第2の端縁に接続され且つ側壁Bの第2の端縁の外側に延在する。
【0150】
一実施形態では、方法は、物体を検査のために配置することができる検査ゾーン10を準備するステップを含む。
【0151】
一実施形態では、方法は、フィーダ11を準備するステップを含む。
【0152】
一実施形態では、方法は、コンベヤ12を準備するステップを含む。方法は、コンベヤ12が物体を供給ゾーンから検査ゾーンに移送する移送ステップを含む。方法は、供給するステップを含む。供給するステップでは、フィーダ11は、検査される複数の物体を受け取る。供給するステップにおいて、フィーダ11は、複数の物体を供給する。供給するステップにおいて、フィーダ11の容器111は、供給されるのを待っている複数の物体を収容する。供給するステップにおいて、フィーダ11の方向付け装置112は、物体が所定の検査位置内の検査ゾーンに到達するように、所定の向きに従って物体を方向付ける。供給するステップにおいて、容器111の供給斜面113は、方向付け装置112から物体を受け取り、それらをコンベヤ12に供給する。供給するステップにおいて、供給斜面113は、所定の時間速度で物体をコンベヤ12上に解放する。このようにして、コンベヤ12によって移送される物体は、検査距離dだけ互いに離間している。
【0153】
一実施形態では、方法は、搬送アクチュエータ121がコンベヤベルト12’を駆動し、それによって物体を搬送することを可能にする作動ステップを含む。
【0154】
一実施形態では、コンベヤベルト12’は、第1の部分12Aおよび第2の部分12Bを含む。第1の部分12Aおよび第2の部分12Bは、長手方向Lに沿って平行に延在し、コンベヤベルト12’は、円形頂部Cの一部がコンベヤベルト12’の第1の部分12A上に載っており且つ円形頂部Cの別の部分がコンベヤベルト12’の第2の部分12B上に載っている状態で、吊り下げられた状態の物体を移送する。この搬送構成は、例えば、発光源、もしあれば、(または撮像装置)と底壁Aおよび/または側壁Bとの間に介在する材料がないことを意味する。
【0155】
移送するステップの間、他の実施形態では、物体はコンベヤベルト12’上に置かれる。
【0156】
一実施形態では、移送するステップの間、物体は、底壁Aがコンベヤベルト12’と接触した状態でコンベヤベルト12’上に置かれる。一実施形態では、移送するステップの間、物体は、円形頂部Cがコンベヤベルト12’と接触した状態でコンベヤベルト12’上に置かれる。
【0157】
方法は、フレーム13が機械を支持する支持ステップを含む。
【0158】
一実施形態では、方法は、フレーム13の1つまたは複数の断熱壁131が検査ゾーン10を熱的に絶縁する、断熱ステップを含む。
【0159】
断熱ステップにおいて、1つまたは複数の断熱壁131は、外的要因によって検査が歪められないように、検査中に物体を保護する。
【0160】
一実施形態では、方法は、画像をキャプチャするステップを含む。画像をキャプチャするステップでは、撮像装置14’、例えばカメラ14は、検査ゾーン10内の物体を見る。画像をキャプチャするステップでは、カメラ14は、2μmから5μmの間の波長を有する電磁波をキャプチャする。
【0161】
キャプチャするステップでは、カメラ14の固定レンズ141は、好ましくは2μmから5μmの間の波長を持つ赤外線放射帯域で動作する。
【0162】
一実施形態では、キャプチャするステップは、フィルタリングするステップを含む。フィルタリングするステップでは、干渉フィルタ142は、特定の波長を有する一連の光線のみがキャプチャされるように、カメラ14によってキャプチャされる電磁光線をフィルタリングする。より具体的には、一実施形態では、干渉フィルタは、2μmから5μmの間の波長の帯域を中心とし、これらの波長を有する波のみをキャプチャすることを可能にする。
【0163】
各材料には特徴的な放射帯域があり、当該放射帯域では、当該材料は、周囲温度とは異なる温度で放射線を放射する。EVOHには、約3.1μmの波長に吸収ピーク(したがって放射ピーク)がある。
【0164】
したがって、カメラ14は、物体によって放射されたこれらの赤外線をキャプチャする。一実施形態では、方法は、生成するステップを含む。
【0165】
生成するステップにおいて、カメラ14は、キャプチャされた放射線に応じて物体の画像143を生成する。
【0166】
キャプチャするステップにおいて、カメラ14は、物体の各ゾーンの放射強度の値をキャプチャする。各物体のゾーンは、対応するゾーンの重心を特定できるデカルト平面内の点によって特定される。
【0167】
キャプチャおよび/または生成するステップにおいて、カメラ14は、各ゾーンを、対応するゾーンの放射強度値に応じて対応する画像の光度値と関連付ける。
【0168】
キャプチャおよび/または生成するステップにおいて、カメラ14は、各ゾーンに関連付けられた画像の光度値に応じて物体の画像143を生成する。
【0169】
キャプチャおよび/または生成するステップにおいて、カメラ14は、各ゾーンを、第1の光度値と第2の光度値との間で選択された光度値と関連付ける。より具体的には、画像を生成するステップにおいて、カメラ14は、放射強度を強度制限値と比較する。カメラ14は、第1の光度値を、放射強度が強度制限値よりも小さいゾーンに関連付け、第2の光度値を、放射強度が強度制限値よりも大きいゾーンに関連付ける。
【0170】
一実施形態では、プロセッサ151および/またはカメラ14は、以下のグラフのうちの1つまたは複数を生成するように構成される。
【0171】
グラフC1:物体の放射ゾーンを特定する座標に応じて物体の放射強度を表す。
【0172】
グラフC2:物体の放射ゾーンを特定する各座標について、物体の発光強度に応じて光度を表す。
【0173】
グラフC3:物体の放射ゾーンを特定する各座標の放射強度値および/または光度に応じて第2の層の厚さを表す。
【0174】
グラフC4:物体の各ゾーンについて、光線が物体に当たる前の放射光線の放射強度を表す。
【0175】
グラフC5:物体の各ゾーンについて、光線が物体に当たった後の放射光線の放射強度を表す。
【0176】
グラフC6:物体の各ゾーンについて、外部放射の吸収値に応じて光度を表す。
【0177】
グラフC7:物体の各ゾーンについて、グラフC6の光度値に応じて第2の層の厚さを表す。
【0178】
一実施形態では、方法は、放射するステップを含む。放射するステップにおいて、装置1の発光源16は、検査ゾーン内の物体に赤外線を照射する。一実施形態では、発光源は、検査ゾーン内の物体に、2μmから5μmの間の波長を有する赤外線を照射する。
【0179】
この実施形態では、キャプチャするステップにおいて、カメラ14は、発光源によって放射された放射線の強度をキャプチャする。したがって、この実施形態では、EVOHの存在は、材料の放射能力ではなく、材料の吸収能力を使用して検査される。事実上、発光源が物体に当たると、物体は、EVOH/EVO層の存在と厚さのために放射されたエネルギーの一部を吸収する。したがって、カメラが材料の放射をキャプチャする実施形態と比較して、この実施形態は、材料によって吸収されたエネルギーをキャプチャする。したがって、この場合、カメラ14は、物体の各ゾーンを、対応するゾーンについてキャプチャされた強度値に正比例する光度値に関連付ける。事実上、高い発光強度は吸収が不十分であることを示し、したがってEVOH/EVOの第2の層(バリア層)がないか薄いことを示す。代わりに、カメラが材料自体の放射をキャプチャする実施形態では、カメラ14は、物体の各ゾーンを、対応するゾーンについてキャプチャされた強度値に反比例する光度値と関連付ける。事実上、高い発光強度は、EVOH/EVOの第2の層(バリア層)の存在と十分な厚さを示す。
【0180】
方法は、プロセッサ151、ディスプレイ152、およびユーザインタフェース153を含む制御ユニット15を準備するステップを含む。
【0181】
一実施形態では、方法は、チェックするステップを含む。
【0182】
チェックするステップにおいて、制御ユニット15は、装置1をチェックする。
【0183】
チェックするステップにおいて、プロセッサ151は、カメラ14から物体の画像143を受信する。プロセッサ151は、画像143を処理する。プロセッサ151は、画像143が参照する物体のレポートを生成する。プロセッサは、レポートに応じて排除信号154Aを生成する。
【0184】
一実施形態では、方法は、排出するステップを含む。
【0185】
排出するステップにおいて、排出装置17は、品質基準に適合していないことが判明した物体を(自動的に)排除する。排出するステップにおいて、排出装置17は、コンベヤベルト12’に沿って検査ゾーン10の下流に位置する排出ゾーン17A内の物体を排除する。
【0186】
排出するステップにおいて、排出装置17は、排出ゾーン17A内の物体に力を加える。例えば、必ずしもではないが、排出装置17は、コンベヤベルト12’から物体を除去するように物体に空気の流れを向ける送風機171を含む。
【0187】
排出するステップにおいて、排出装置17は、制御ユニット15から排除信号154Aを受信し、排除信号154Aに応じて排出装置17が有効化または無効化される。
【0188】
一実施形態では、排除信号154Aは、有効化値または無効化値をとることができる連続信号である。排除信号154Aは、物体自体が排出ゾーン17Aに到達した瞬間に、物体に関連付けられた有効化値または無効化値がキャプチャされるように、コンベヤベルト12’と同期される。
【0189】
チェックするステップにおいて、制御ユニット15は、搬送アクチュエータ121に作動信号154Bを送信し、作動信号154Bに応じて、搬送アクチュエータ121は、コンベヤベルト12’の動きを開始または停止する。
【0190】
チェックするステップにおいて、制御ユニット15は、発光源16をチェックする。
【0191】
制御ユニット15は、発光源16によって放射される放射線の強度を表す放射信号154Cを生成する。発光源16は、放射信号154Cを受信し、放射信号154Cに応じて赤外線を放射する。
【0192】
一実施形態では、方法は、偏向するステップを含む。偏向するステップにおいて、偏向システム18は、赤外線を迂回させる。偏向するステップにおいて、偏向システム18は、カメラ14が方向付けられている検査軸Iに対して傾斜している赤外線を迂回させる。偏向するステップにおいて、偏向システム18は、物体によって放射された赤外線を迂回させる。偏向するステップにおいて、偏向システム18は、発光源16によって放射された赤外線を迂回させる。一実施形態では、偏向システム18は、物体の側壁Bによって放射された赤外線を迂回させる。
【0193】
偏向するステップにおいて、偏向システムの複数の反射要素が赤外線を反射する。
【0194】
一実施形態では、偏向するステップは、迂回させる第1のステップを含む。
【0195】
一実施形態では、偏向するステップは、迂回させる第2のステップを含む。
【0196】
迂回させる第1のステップにおいて、第1の偏向器181は、物体または発光源16によって放射された赤外線を受信(遮断)する。第1の偏向器1181は、赤外線を第2の偏向器1182に向ける。
【0197】
迂回させる第2のステップにおいて、第2の偏向器182は、赤外線をカメラ14の視野に向ける。
【0198】
迂回させる第1のステップにおいて、第1の偏向器181の内側壁181’’は赤外線を反射する。一実施形態では、内側壁181’’は、滑らかな反射面1811および/または第1の複数の平面鏡1812であり得る。
【0199】
迂回させる第2のステップでは、第2の偏向器182の外側壁182’’が赤外線を反射する。一実施形態では、外側壁182’’は、滑らかな反射面1821および/または第2の複数の平面鏡1822を含む。
【0200】
第1および第2の偏向器がそれぞれの滑らかな湾曲した反射面を含む実施形態では、カメラは画像143を生成し、これは特定の歪み係数で滑らかな画像となる。生成するステップにおいて、プロセッサ151は、画像143を処理するために歪み係数を考慮に入れる。第1および第2の偏向器がそれぞれの複数の平面鏡を含む実施形態では、カメラは画像143を生成し、これは、画像143の歪みはないが、特異点を有する滑らかな画像となる。
【0201】
一実施形態では、方法は、温度調整するステップを含む。
【0202】
温度調整するステップにおいて、温度調整システム19は、検査ゾーン10の温度を所定の値に維持する。
【0203】
温度調整システム19は、物体の温度を所定の値に保つ。温度調整システム19は、検査ゾーン10および/または物体を加熱および/または冷却する。
【0204】
温度調整するステップにおいて、温度計191は、検査ゾーン10および/または検査されている物体の温度を測定する。温度計191は、検査ゾーン10および/または物体の温度を表す温度信号191’を制御ユニット15に(プロセッサ151に)送信する。
【0205】
温度調整(および/またはチェック)するステップにおいて、プロセッサ151(制御ユニット15)は、温度信号を受信し、それを所定の温度を表す所定の基準温度信号と比較する。
【0206】
温度調整(および/またはチェック)するステップにおいて、プロセッサ151(制御ユニット15)は、温度信号と基準温度信号との間の比較の結果に応じて、温度調整信号154Dを生成する。
【0207】
温度調整するステップにおいて、温度調整システム19のヒーター192は、検査ゾーン10および/または物体を加熱して、それを所定の温度に戻す。プロセッサ151は、温度調整信号154Dをヒーター192に送信する。ヒーター192は、温度調整信号154Dに応じてオンまたはオフに切り替わる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0208】