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特許7343701コンプライアンスモニターとともに使用するための吸入器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-04
(45)【発行日】2023-09-12
(54)【発明の名称】コンプライアンスモニターとともに使用するための吸入器
(51)【国際特許分類】
   A61M 15/00 20060101AFI20230905BHJP
   A61M 13/00 20060101ALI20230905BHJP
【FI】
A61M15/00 Z
A61M13/00
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2022528674
(86)(22)【出願日】2020-11-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-26
(86)【国際出願番号】 EP2020082422
(87)【国際公開番号】W WO2021099324
(87)【国際公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-07-15
(31)【優先権主張番号】19209856.4
(32)【優先日】2019-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】19209857.2
(32)【優先日】2019-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】19209858.0
(32)【優先日】2019-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】511148433
【氏名又は名称】ヴェクトュラ・デリヴァリー・ディヴァイスィズ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ロジャー・クラーク
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・メリニオティス
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ディーマー
(72)【発明者】
【氏名】ダリル・コットン
【審査官】今関 雅子
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-526445(JP,A)
【文献】特開2014-237011(JP,A)
【文献】特開2011-212252(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 13/00-15/00
A61B 5/08- 5/097
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力センサーを有するコンプライアンスモニターを取り外し可能に装着するように適合されたドライパウダー吸入器であって、前記吸入器は、
第1のシェルパーツおよび第2のシェルパーツを含むハウジングと、
吸入通路を画定するマウスピースと、
前記ハウジングの外部表面の中のオリフィスと、
前記オリフィスから前記吸入通路への導管であって、前記導管は、前記圧力センサーを
前記吸入通路に接続するために、前記第2のシェルパーツの中のチャネル、および、前記第1のシェルパーツの中の対応するチャネルカバーによって形成されている、導管と、
を含む、吸入器。
【請求項2】
前記第1のシェルパーツおよび前記第2のシェルパーツは、成形されたプラスチックパーツである、請求項1に記載の吸入器。
【請求項3】
前記導管は、5mm 未満の断面積を有している、請求項1または2に記載の吸入器。
【請求項4】
前記導管は、2mm 未満の断面積を有している、請求項1または2に記載の吸入器。
【請求項5】
前記導管は、1mm の断面積を有している、請求項1または2に記載の吸入器。
【請求項6】
前記チャネルは、それぞれの側にレッジ部を有している、請求項1から5のいずれか一項に記載の吸入器。
【請求項7】
前記チャネルカバーは、突出部として形成されている、請求項6に記載の吸入器。
【請求項8】
前記突出部およびレッジ部は、それらの長さに沿って一緒に溶接されているが、前記ハウジングの前記外部表面において一緒に溶接されていない、請求項7に記載の吸入器。
【請求項9】
前記突出部の高さは、前記レッジ部の深さよりも大きくなっており、前記突出部の幅は、前記チャネルおよびレッジ部の前記幅よりも小さくなっている、請求項8に記載の吸入器。
【請求項10】
前記オリフィスは、シェルパーツ間のジョイントに形成されている、請求項1から9のいずれか一項に記載の吸入器。
【請求項11】
前記オリフィスは、完全に前記第2のシェルパーツの中に形成されている、請求項6から9のいずれか一項に記載の吸入器。
【請求項12】
前記チャネルは、前記オリフィスの近くにステップを有しており、その深さが増加されるようになっている、請求項11に記載の吸入器。
【請求項13】
前記チャネルは、前記第2のシェルパーツの内側において、前記オリフィスに隣接する端部レッジ部を有しており、前記端部レッジ部は、前記チャネルのそれぞれの側にあるレッジ部を接続している、請求項12に記載の吸入器。
【請求項14】
前記吸入器は、吸入のためのパウダー化された薬剤を含有する複数のブリスターを有するブリスターストリップのためのコンパートメントと、前記ブリスターストリップを移動させるための割り出しメカニズムと、前記マウスピースの下側に装着されている穿孔器と、アクチュエーターとを含み、前記アクチュエーターは、前記割り出しメカニズムを駆動し、1つまたは複数のブリスターを移動させて前記穿孔器と整合した状態にし、前記アクチュエーターは、次いで、前記ハウジングに対して前記マウスピースを移動させ、前記穿孔器が、前記整合されたブリスターを穿孔するようになっており、
前記マウスピースは、スリーブを含み、
前記ハウジングは、前記スリーブの内側に緊密にフィットする煙突を含み、
前記導管は、前記煙突を通って延在しており、前記マウスピースが穿孔位置にあるときに、前記導管が前記吸入通路に流体連通しているようになっている、請求項1から13のいずれか一項に記載の吸入器。
【請求項15】
前記吸入器は、圧力センサーを有するコンプライアンスモニターをさらに含み、前記コンプライアンスモニターが前記吸入器の上に装着されているときに、前記圧力センサーは、前記オリフィスに流体連通している、請求項1から14のいずれか一項に記載の吸入器。
【請求項16】
前記吸入器および/または前記コンプライアンスモニターは、前記コンプライアンスモニターを前記吸入器の上に取り外し可能に装着するための1つまたは複数のフォーメーションを有している、請求項15に記載の吸入器。
【請求項17】
前記コンプライアンスモニターは、シーリング部材を有しており、前記シーリング部材は、前記圧力センサーを取り囲んでおり、前記コンプライアンスモニターが前記吸入器の上に装着されているときに、前記オリフィスの周りに前記ハウジングとともにシールを形成する、請求項15または16に記載の吸入器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸入のための1つまたは複数の活性物質を含有するドライパウダーのための吸入器に関する。とりわけ、本発明は、コンプライアンスモニターとともに使用するため吸入器に関する。
【背景技術】
【0002】
ドライパウダー吸入器(DPI: dry powder inhaler)は、薬剤を投与するための魅力的な方法を提供し、たとえば、気道の局所疾患を治療し、または、肺を介して血流に薬物を送達する。薬剤は、一般に、たとえば、特許文献1に開示されているように、たとえば、複数のブリスターを有するストリップなど、個々の用量として提供される。
【0003】
治療の有効性は、患者が吸入器を正しく処方された通りに使用することに依存する。結果的に、患者アドヒアランスおよびコンプライアンスをモニタリングすることに関心が高まっている。アドヒアランスは、患者が処方(たとえば、1日当たり処方された数(たとえば、1日に1回または2回)の用量を服用する)にしたがうということを指す。コンプライアンスは、患者が彼らの吸入器を正しく使用しているかどうかを指す。たとえば、ほとんどのDPIは、患者吸入の力に依存し、パウダーを同伴させ、肺に到達するのに十分に小さい粒子へとそれらを分散させる。結果的に、強さまたは深さが不十分な吸入は、用量送達の低減につながる可能性がある。
【0004】
DPIは、典型的に、ブリスターストリップの上に印刷された数字の形態の用量カウンターを有するか、または、吸入器が作動されるたびにカウントアップまたはカウントダウンする別個のメカニズムとして用量カウンターを有するかのいずれかである。用量カウンターは、患者および介護者がアドヒアランスをモニタリングすることを助けることが可能であるが、ユーザーが適当に吸入したかどうかを決定する手段は存在していない。したがって、改善が見られない患者と直面するときに、医者は、より高い用量または異なる医薬が必要とされるかどうか、または、それが単に患者が彼らの吸入器を処方された通りに正しく使用していないことの結果であるかどうかを知らない。したがって、コンプライアンス情報を提供するデバイスが開発された。たとえば、圧力センサーが、吸入をモニタリングするために使用され得る。その理由は、流量および合計フロー体積が、測定された圧力から時間の関数として決定され得るからである。
【0005】
DPIは、典型的に、1カ月分の医薬の供給を含有している。コンプライアンスモニターは、通常、高価なセンサー、電子機器などを含有しているので、それらは、吸入器に連結する別個のアドオンモジュールとして提供されることが多い。したがって、吸入器の中の医薬が使い果たされたときに、コンプライアンスモニターは取り外され、次いで、新しい吸入器に再び取り付けられ得る。コンプライアンスモニターは、患者の吸入と干渉してはならず、したがって、それは、マウスピースから遠隔にある吸入器の側部またはベースの上にクリップするように配置されている。それにもかかわらず、圧力センサーは、マウスピースまたは吸入流路の別のパーツに接続されていなければならない。したがって、接続チューブまたはパイプなどが必要とされる。
【0006】
特許文献2は、さまざまなタイプの吸入器のためのコンプライアンスモニタリングモジュールを説明しており、そこでは、小型の圧力センサーが、吸入器の流路に空気圧式に連結されており、ユーザーはそれを通して吸入する。DPIのためのコンプライアンスモニターが開示されており、そこでは、圧力センサーは、キャピラリーチューブを介して吸入器に接続されている。しかし、これは、追加的なコンポーネント(チューブ)を必要とし、それは、ユーザーは、それを正しく接続しなければならない。この余分なステップは、患者がコンプライアンスモニターを使用することを思いとどまらせる可能性がある。
【0007】
したがって、より良好なコンプライアンスに貢献するために患者が使用するのに簡単であり、また、製造するのにコスト効率の良い、改善された吸入器およびコンプライアンスモニターに対する必要性が残っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】国際公開第13/175177号
【文献】国際公開第16/033421号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、これらの問題に対処する。第1の態様において、本発明は、圧力センサーを有するコンプライアンスモニターを取り外し可能に装着するように適合されたドライパウダー吸入器であって、吸入器は、第1および第2のシェルパーツを含むハウジングと、吸入通路を画定するマウスピースとを有しており、ハウジングは、外部表面の中のオリフィスと、オリフィスから吸入通路への導管とを有しており、導管は、とりわけ、第2および第1のシェルパーツそれぞれにおいて、シェルパーツのうちの一方の中のチャネル、および、他方のシェルパーツの中の対応するチャネルカバーによって形成されている、吸入器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
吸入器は、圧力センサーを備えた除去可能に取り付け可能なコンプライアンスモニターとともに使用するように設計されており、コンプライアンスモニターがハウジングの上に装着されているときに、圧力センサーが、吸入通路に流体連通しているようになっている。シェルパーツは、一緒に溶接され得る成形されたプラスチックパーツであることが可能であり、したがって、吸入器は、製造するのにコスト効率が良い。とりわけ、圧力センサーを吸入通路に接続する導管は、吸入器の中に組み込まれているので、コストおよび複雑さを増加させることとなる任意の余分なコンポーネント(たとえば、チューブなど)に対する必要性がない。そのうえ、コンプライアンスモニターが吸入器に取り付けられると、追加的なユーザーステップが必要とされない。
【0011】
導管は、5mm2未満の断面積、好ましくは、2mm2未満の断面積、たとえば、約1mm2などの断面積を有することが可能である。
【0012】
チャネルは、それぞれの側にレッジ部を有することが可能である。レッジ部は、チャネルカバーをチャネルの上に溶接するための画定された表面を提供する。チャネルカバーは、突出部として形成され得る。突出部およびレッジ部は、それらの長さに沿って一緒に溶接され得る。突出部の高さは、レッジ部の深さよりも大きくなっていることが可能であり、突出部の幅は、チャネルおよびレッジ部の幅よりも小さくなっていることが可能である。この構成は、溶接部が形成されるときに、溶接のための干渉材料、および、干渉材料の再分配のためのスペースを提供する。これは、良好な溶接を結果として生じさせ、導管がその長さに沿って気密になるようになっている。チャネルおよびチャネルカバーは、好ましくは、吸入器の外部表面において溶接されていない。これは、外部表面の上のスプレイ(splay)の形成を防止し、表面が滑らかになるようになっており、また、漏出のない面シールがコンプライアンスモニターとともに形成され得るようになっている。
【0013】
1つの実施形態では、オリフィスは、シェルパーツ間のジョイントに形成されている。
【0014】
別の実施形態では、オリフィスは、完全に第2のシェルパーツの中に形成されている。これは、溶接されていない表面ジョイントに沿った潜在的な漏出経路が、オリフィスと連通しておらず、それによって、導管がオリフィスにおいて気密になることを保証するという利点を有している。チャネルは、オリフィスの近くにステップを有することが可能であり、その深さが増加されるようになっている。これは、チャネルがオリフィスに接続することを可能にし、オリフィスは、チャネル全体の断面積を増加させることなく、シェルパーツ間のジョイントから間隔を離して配置されている。端部レッジ部が、第2のシェルパーツの内側において、オリフィスに隣接して位置していることが可能であり、それは、チャネルのそれぞれの側にあるレッジ部を接続している。これは、完全にハウジングの内側にあるオリフィス端部においてチャネルの周りに、連続的な溶接部が形成されることを可能にする。結果的に、導管は、オリフィス端部においてシールされているが、外部表面は完璧に滑らかになっており、コンプライアンスモニターが、漏出のない面シールを形成することができるようになっている。
【0015】
特定の実施形態において、吸入器は、吸入のためのパウダー化された薬剤を含有する複数のブリスターを有するブリスターストリップのためのコンパートメントと、ブリスターストリップを移動させるための割り出しメカニズムと、マウスピースの下側に装着されている穿孔器と、アクチュエーターとを含み、アクチュエーターは、割り出しメカニズムを駆動し、1つまたは複数のブリスターを移動させて穿孔器と整合した状態にし、アクチュエーターは、次いで、ハウジングに対してマウスピースを移動させ、穿孔器が、整合されたブリスターを穿孔するようになっており、
・ マウスピースは、スリーブを含み、
・ ハウジングは、スリーブの内側に緊密にフィットする煙突を含み、
・ チャネルおよびチャネルカバーは、煙突の内側に延在しており、
・ 導管は、煙突を通って延在しており、マウスピースが穿孔位置にあるときに、導管が吸入通路に流体連通しているようになっている。
【0016】
それによって、導管は、ブリスターを穿孔するために、マウスピースがハウジングに対して移動することを可能にしながら、コンプライアンスモニターの中の圧力センサーをマウスピースの中の吸入通路に流体接続している。
【0017】
第2の態様において、本発明は、本発明の第1の態様による吸入器、および、圧力センサーを有するコンプライアンスモニターを提供する。好ましくは、コンプライアンスモニターは、吸入器の上に取り外し可能に装着可能である。コンプライアンスモニターが吸入器のハウジングの上に装着されているときに、圧力センサーは、オリフィスおよび導管を介して、吸入通路に流体連通している。
【0018】
吸入器および/またはコンプライアンスモニターは、コンプライアンスモニターを吸入器に除去可能に取り付けるための1つまたは複数のフォーメーションを有することが可能であり、たとえば、コンプライアンスモニターの上のペグまたはクリップ、および、吸入器の上の対応する孔部またはスロットなどを有することが可能である。
【0019】
コンプライアンスモニターは、圧力センサーを取り囲むシーリング部材を有することが可能である。これは、コンプライアンスモニターが吸入器に取り付けられているときに、圧力センサーおよびオリフィスの周りにシールを提供する。
【0020】
ここで、本発明は、図を参照してさらに説明されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1A】コンプライアンスモニターが取り付けられており、マウスピースカバーが閉位置にある状態の、本発明による吸入器を示す図である。
図1B】マウスピースカバーが開位置にあり、マウスピースを見ることができるようになっている状態の、図1Aの吸入器を示す図である。
図1C】コンプライアンスモニターが除去されており、マウスピースカバーが開位置にある状態の、図1Aの吸入器を示す図である。
図1D】吸入器から除去されたコンプライアンスモニターを示す図である。
図2】マウスピースとオリフィスとの間の、本発明による吸入器の2つのシェルパーツの領域の内部図を示す図である。
図3A】一緒に溶接される前の、オリフィスの領域における図2のシェルパーツを通る断面を示す図である。
図3B】一緒に溶接される後の、オリフィスの領域における図2のシェルパーツを通る断面を示す図である。
図4】オリフィスの領域における図2のシェルパーツの外部表面を示す図である。
図5A】一緒に溶接される前の、オリフィスの領域における、本発明による第2の吸入器のシェルパーツの外部表面を示す図である。
図5B】一緒に溶接される後の、オリフィスの領域における、本発明による第2の吸入器のシェルパーツの外部表面を示す図である。
図6A】マウスピースとオリフィスとの間の、図5のシェルパーツの内部領域の斜視図を示す図である。
図6B】マウスピースとオリフィスとの間の、図5のシェルパーツの内部領域の斜視図を示す図である。
図7A】マウスピースが上昇位置にある状態の、マウスピースおよび図5の第2のシェルパーツの隣接する領域を通る断面を示す図である。
図7B】マウスピースが穿孔位置にある状態の、マウスピースおよび図5の第2のシェルパーツの隣接する領域を通る断面を示す図である。
図8】チャネルおよびオリフィスの領域における、第2の吸入器の変形例の第1および第2のシェルパーツの斜視図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の吸入器は、特許文献2にあるような別個のチューブを使用する代わりに、圧力センサーを吸入通路に接続するための組み込み式の導管を有している。
【0023】
図1Aは、ドライパウダー吸入器1を示しており、ドライパウダー吸入器1は、2つのシェルパーツ2、3から構成されており、それらは、一緒に接合されており、ブリスターストリップを含有するハウジングを形成している。マウスピースカバー4が、ハウジングの上に装着されている。取り外し可能なコンプライアンスモニター40が、吸入器の一方の側に取り付けられている。
【0024】
マウスピースカバー4は、図1Aに示されている閉位置から、図1Bに示されている完全に開いた位置へ、おおよそ100°にわたって回転させられ得、閉位置では、それが、マウスピースをカバーして保護している。これは、マウスピース5を露出させ、ユーザーが所定の用量の薬剤を吸入することを可能にする。マウスピースは、外部表面6および内部表面7を有しており、外部表面6は、ユーザーの唇にフィットするように形状決めされており、内部表面7は、吸入通路を画定しており、エーロゾル化されたパウダーが、吸入通路を通って流れる。グリッド8が、吸入通路にまたがっており、パウダーの凝集を解くことを助け、穿孔されたブリスターの任意の破片が吸入されることを防止するようになっている。
【0025】
マウスピース5は、ハウジングに枢動可能に装着されるコンポーネントの一部として形成されている。コンポーネントは、穿孔器(図1において見ることはできない)を含み、穿孔器は、マウスピースの直ぐ下に位置付けされている。吸入器は、ギアメカニズムを有しており、ギアメカニズムは、マウスピースカバーをブリスターストリップ割り出しメカニズムにおよびマウスピースコンポーネントに選択的に連結している。マウスピースカバーを閉位置から枢動させることは、最初に、割り出しメカニズムがブリスターストリップを前進させることを引き起こす。次いで、未使用のブリスターが穿孔器の下の適切な位置に来ると、割り出しメカニズムが解除される。マウスピースカバーを完全に開いた位置に移動させることは、マウスピースコンポーネントがハウジングに向けて枢動することを引き起こし、穿孔器がブリスターを穿孔するようになっている。ユーザーは、マウスピースを通して吸入し、それは、穿孔されたブリスターの中のパウダーをエーロゾル化する。この一般的なタイプの吸入器およびその動作は、特許文献1に詳細に説明されている。吸入器は、それぞれの作動ごとに1つのブリスターを割り出して穿孔するように構成され得る。代替的に、それは、それぞれの作動ごとに2つの(または、それ以上の)ブリスターを割り出して穿孔することが可能である。たとえば、それは、2つの(または、それ以上の)異なる製剤または薬剤を同時に送達することが可能である。
【0026】
図1Cは、コンプライアンスモニターが除去された状態の吸入器を示している。コンプライアンスモニターが取り付けられていたハウジングの壁部12の中に、オリフィス11を見ることができる。オリフィス11は、ハウジングの中に組み込まれている導管の中へつながっている。また、コンプライアンスモニターを装着するためのスロット13を見ることができる。
【0027】
図1Dは、吸入器から除去されたコンプライアンスモニター40を示している。コンプライアンスモニター40は、2つのクリップ41を有しており、2つのクリップ41は、ハウジングの中の2つの対応するスロット13(そのうちの1つのみが、図1Cにおいて見ることができる)の中へフィットし、それによって、吸入器の上に装着されているときに、コンプライアンスモニターを適切な場所に保持する。コンプライアンスモニターの内側面は、凹部を有しており、凹部は、圧力センサー42および柔軟な(たとえば、エラストマーの)シーリング部材43を含有しており、シーリング部材43は、圧力センサーを取り囲んでおり、凹部の上部から上方にわずかに突出している。
【0028】
コンプライアンスモニターが吸入器に取り付けられているときに、シーリング部材は、ハウジングの外部表面に当接し、それに押し付けられている。オリフィスの周りのハウジングの外部表面は、それによって、シーリング部材のための合わせ表面を提供し、コンプライアンスモニターの中の凹部(それは、圧力センサーを含有している)とハウジングの中のオリフィス(それは、導管によってマウスピースの中の吸入通路に接続されている)との間に、シールが形成されるようになっている。したがって、マウスピースにおける圧力が、吸入の間に測定され得る。
【0029】
導管は、いくつかの要件を満たさなければならない。
【0030】
第1に、導管は、吸入流路と比較して相対的に高い流動抵抗を有していなければならない。これは、コンプライアンスモニターが有る状態および無い状態の両方で吸入器が使用されることを可能にするために必要である。たとえば、ユーザーは、コンプライアンスモニターを使い果たされた吸入器から新しい吸入器へ移すことを忘れる可能性がある。コンプライアンスモニターがないときに、オリフィスは、外気に開口することとなり、追加的な空気入口部を提供することとなる。導管の流動抵抗が高くなければ、主要吸入通路を通る空気フローが低減されることとなり、パウダーの不十分なエーロゾル化につながる。導管の流動抵抗は、適切には、吸入流路のものよりも少なくとも約10倍になっている。抵抗は、導管の長さおよび断面積に依存する。約5mm2未満の断面積、好ましくは、2mm2未満の断面積、たとえば、約1mm2以下などの断面積を有する導管が、一般的に、典型的な吸入フローチャネル長さおよび幅を有する吸入器に適切である。
【0031】
第2に、コンプライアンスモニターは、ハウジングの外部表面において、導管のオリフィスと漏出のないシールを形成することができなければならない。
【0032】
第3に、製造プロセスおよび組み立てプロセスのコストまたは複雑さを大幅に増加させることなく、とりわけ、それぞれ射出成形および超音波溶接によって、シェルパーツを製造すること、および、それらを一緒に取り付け、吸入器を形成することが可能でなければならない。
【0033】
シェルパーツのうちの一方の中に完全に形成されている狭くて閉じられた導管は、第1および第2の要件に関して理想的であることとなるが、成形するには困難で高価であることとなる。本発明者らは、導管を形成するための異なる方式を識別することによって、この問題を解決した。チャネルが、一方のシェルパーツの中に成形されており、対応するチャネルカバーが、他方のパーツの中に形成されており、それらが一緒に接合されるときに、閉じられた導管が形成されるようになっている。
【0034】
図2図3、および図4は、本発明による吸入器の第1の実施形態を図示している。
【0035】
図2は、マウスピースとオリフィスとの間のシェルパーツ2、3の領域の内部図を示している。シェルパーツは、ブリスターストリップ(図示せず)のためのコンパートメント14を画定している。第2のシェルパーツ3は、十字形のペグ38を有しており、第1のシェルパーツ2は、シェルパーツが組み立てられたときにペグ38を受け入れるための対応する孔部28を有している。第2のシェルパーツ3は、チャネル31を有しており、第1のシェルパーツ2は、対応する突出部21を有しており、下記に説明されることとなるように、シェルパーツが一緒に組み立てられて溶接されるときに、突出部21は、チャネルをカバーし、導管を形成する。チャネル(ひいては、導管)の一方の端部17は、マウスピース(図2に示されていない)の吸入通路の中へ開口している。他方の端部は、オリフィス11を形成している。それによって、導管は、コンプライアンスモニターの中の圧力センサーをマウスピースの中の吸入通路に流体接続し、吸入の間に圧力が測定され得るようになっている。
【0036】
図3Aおよび図3Bは、チャネル31およびチャネルカバー21を、それらが一緒に溶接される前および後の断面で示している。第1のシェルパーツ2は、突出部21を備えた接触表面20を有しており、突出部21は、チャネルカバーを形成している。第2のシェルパーツ3は、対応する凹んだチャネル31を備えた接触表面30を有しており、チャネル31は、両側にレッジ部32を備えている。突出部21は、第1のシェルパーツ2の接触表面20の上方に距離hだけ突き出ており、それは、第2のシェルパーツ3の接触表面30の下方のレッジ部32の深さdよりも大きくなっている。突出部の幅は、チャネルおよびレッジ部の組み合わせられた幅よりもわずかに小さい。
【0037】
第1のシェルパーツ2が第2のシェルパーツ3の上に設置されているときに、突出部21は、レッジ部32と接触し、それは、チャネルカバーをチャネルの上に溶接するための画定された表面を形成する。h > dであるので、接触表面20、30は、距離(h - d)だけ間隔を離して配置される。換言すれば、突出部21とレッジ部32との間に干渉がある。この干渉は、溶接のための材料を提供する。超音波が、レッジ部32によって提供される溶接表面に印加され、それは、プラスチックが溶融して溶接部33を形成することを引き起こす。チャネルおよびレッジ部の組み合わせられた幅が突出部の幅よりも大きいという事実は、溶接部が形成されるときに、干渉材料の再分配のためのスペースを提供する。次いで、接触表面20、30は、平面Jの上で互いに接触するが、一緒に溶接されていない。接触表面の全体が溶接されたとすれば、表面同士が完全に一緒に閉じられるように、溶融されたプラスチックが均一に再分配されることを保証することは困難になる。レッジ部によって提供される専用の溶接表面は、溶接するためのエネルギー入力を小さなエリアに集中させ、より良好なシールを結果として生じさせ、導管がその長さに沿って気密になるようになっている。
【0038】
溶接は、チャネルの長さに沿って延在し、閉じられた導管10を形成する。しかし、導管が吸入器の外部表面に出会う前に、溶接部が停止することが必要である。そうでなかったとすれば、溶融されたプラスチックは、スプレイ(すなわち、溶接が外部表面に出会うラインに沿って絞り出される過剰な溶接材料)を形成することとなる。このスプレイは、完璧に滑らかな表面(それに対して、コンプライアンスモニターが、漏出のない面シールを形成することが可能である)を提供するために回避されなければならない。
【0039】
図4は、オリフィス11の周りの領域におけるハウジングの外部表面を示しており、それは、第1のシェルパーツ2と第2のシェルパーツ3との間のジョイント19の上に位置付けされている。オリフィスには溶接部がないので、潜在的な漏出経路(矢印A)が存在しており、それは、ジョイント19に沿ってオリフィス11の中へ延在している。したがって、空気は、コンプライアンスモニターの中のシーリング部材によってカバーされているハウジングの領域B(破線によって示されている)の外側のジョイントに進入する可能性があり、漏出経路に沿ってオリフィスまでトラベルする可能性がある。結果的に、導管は、コンプライアンスモニターへの完全に漏出のない気密な接続を提供しない可能性がある。
【0040】
本発明の第2の実施形態が、図5から図8に図示されている。この実施形態では、シェルパーツは、気密なシールがオリフィスにおいて取得されるように設計されている。これは、2つのシェルパーツの間のジョイント19からオリフィス11を分離することによって実現される。オリフィスは、完全に第2のシェルパーツの中に形成されているが、重要なことに、導管は、完全には第2のシェルパーツの中に形成されていない。オリフィス以外について、導管の残りの部分は、第1の実施形態と同様に(すなわち、図3Bに示されているように)、第1のシェルパーツの中のチャネルカバー、および、第2のシェルパーツの中のチャネルによって形成されている。したがって、成形プロセスの複雑さを大幅に増加させることなく、第2のシェルパーツを成形することが可能であるままである。
【0041】
図5Aおよび図5Bは、一緒に溶接される前および後の、オリフィス11の領域におけるシェルパーツ2、3の外側表面を示している。オリフィス11は、完全に第2のシェルパーツ3の中に形成されている。したがって、外部表面には、突出部、チャネル、またはレッジ部が存在していない。シェルパーツの内側では、導管は、第1の実施形態に関するものと本質的に同じ様式で、チャネルおよびチャネルカバーから形成されているが、1つの重要な違いがあり、すなわち、接触表面20、30が、オリフィス11から分離されている。これは、下記に説明されている様式で実現される。シェルパーツは、スプレイを回避するために、前のように外側表面において溶接されていない。しかし、この実施形態では、溶接されていない表面ジョイントに沿った潜在的な漏出経路は、オリフィスと連通していない。その理由は、オリフィスが完全に第2のシェルパーツの中に形成されているからである。したがって、気密で漏出のないシールが、コンプライアンスモニターとともに形成され得る。
【0042】
図6Aおよび図6Bは、チャネルカバーおよびチャネルをそれぞれ形成するシェルパーツの内部領域の図を示している。第1のシェルパーツ2は、突出部21を有しており、第2のシェルパーツ3は、対応する凹んだチャネル31を有しており、チャネル31は、両側にレッジ部32を備えている。突出部およびチャネルは、第2のシェルパーツの壁部12の中に形成されているオリフィス11から湾曲した形状で延在しており、湾曲した形状は、ブリスターストリップコンパートメント14の周囲を辿っており、次いで、ドッグレッグアップで(in a dog leg up)、マウスピースの内側にフィットする煙突15を辿っている。オリフィス端部の近くにおいて、チャネルのベースは、ステップ34を有しており、チャネルの深さが増加されるようになっている。これは、チャネルがオリフィスに接続することを可能にし、オリフィスは、接触表面から間隔を離して配置されている。ステップを有する代わりに、オリフィスに隣接する領域と同じ深さをチャネル全体が有することも可能であることとなるが、これは、チャネルの断面積を増加させ、したがって、導管の空気流動抵抗を低減させるという不利益を有することとなる。
【0043】
チャネルの両側にあるレッジ部32と同様に、第2のシェルパーツの壁部12の内側において、オリフィス11に隣接する端部レッジ部35も存在している。端部レッジ部35は、チャネルのそれぞれの側にあるレッジ部32を接続しており、それらが連続的な溶接表面を一緒に形成するようになっており、連続的な溶接表面は、マウスピース端部から、チャネルの一方の側に沿って、オリフィスに隣接するチャネルの端部を横切って、チャネルの他方の側に沿って、マウスピースへ戻るように延在している。
【0044】
前の実施形態と同様に、突出部21は、第2のシェルパーツ3の接触表面30の下方のレッジ部32の深さよりも大きい高さだけ、第1のシェルパーツ2の接触表面20の上方に突き出ている。突出部の幅は、レッジ部およびチャネルの組み合わせられた幅よりもわずかに小さい。第1のシェルパーツ2が第2のシェルパーツ3の上に設置されているときに、突出部21は、レッジ部32、35と接触し、それは、専用の溶接表面を形成する。突出部の高さは、レッジ部の深さよりも大きいので、接触表面20、30は、(高さマイナス深さに等しい距離だけ)最初に間隔を離して配置される。突出部とレッジ部との間のこの干渉は、溶接のための材料を提供する。次いで、超音波が、レッジ部32、35によって提供される溶接表面に印加され、それは、プラスチックが溶融して溶接部を形成することを引き起こす。レッジ部およびチャネルの組み合わせられた幅が突出部の幅よりも大きいという事実は、溶接部が形成されるときに、干渉材料の再分配のためのスペースを提供する。次いで、接触表面20、30は、互いに接触するが、一緒に溶接されていない。
【0045】
端部レッジ部は第2のシェルパーツの内側にあるので、この領域における溶接を回避する必要性がない。その理由は、外部表面の上のスプレイの可能性がないからである。原理的には、突出部の端面は、代替的に、第2のシェルパーツの壁部12の内側に溶接され得、端部レッジ部35が必要とされないようになっている。しかし、この溶接は、接触表面20、30に対して垂直の平面の中に存在することとなるので、追加的な溶接ステップが必要とされることとなる。これは、組み立てプロセスのコストおよび複雑さを増加させることとなる(一方では、それは、第2のシェルパーツの中に端部レッジ部を成形することは簡単である)。
【0046】
溶接部は、チャネルの長さに沿って延在しており、また、第1の実施形態とは異なり、チャネルのオリフィス端部を横切って延在している。したがって、下記に説明されている理由のために、チャネル31が吸入通路の中へ開口するマウスピース端部を除いて、チャネル31の周りに連続的な溶接部が存在している。結果的に、オリフィス端部においてチャネルをシールすることが可能であり(それは、シェルパーツと導管との間のジョイントからの漏出経路を防止する)、また、完全に第2のシェルパーツの中に導管を形成する必要なしに、オリフィスの周りでの滑らかな合わせ表面を提供することが可能である(その上に、コンプライアンスモニターが、漏出のない面シールを形成することが可能である)。オリフィスを成形することは、必要とされる成形工具パーツが極めて短いので、比較的に簡単であり、一方では、導管全体を成形することは、長くて細い湾曲した工具パーツを必要とすることとなり、それは、成形プロセスのコストおよび困難さを増加させることとなる。
【0047】
要約すると、溶接部が外部表面から分離されるように、シェルパーツ間のジョイントからオリフィスを分離することによって、オリフィスの周りの外部表面が滑らかで平坦な状態で、漏出のない溶接された導管が形成され得る。それにもかかわらず、シェルパーツは、成形工具パーツのコストおよび複雑さを大幅に増加させることなく成形され得る。
【0048】
原理的には、チャネルは、オリフィスにおけるものと同じ様式で、端部レッジ部によって、マウスピース端部においても溶接され得る。代替的に、第1の実施形態の構成が使用され得るが、チャネルの端部において溶接することを回避する必要性はない。その理由は、マウスピースの内側でのスプレイの存在が困難性を引き起こさないからである。しかし、これは、いくつかの吸入器には適切でない(たとえば、特許文献1に説明されているものなど)。このタイプの吸入器は、マウスピースの下側に取り付けられている穿孔器を有している。マウスピースは、それぞれのブリスターを穿孔するために、ハウジングに対して下向きに移動し、吸入後に再び上に移動して戻り、ブリスターストリップが前進させられ得るようになっている。したがって、このタイプの吸入器では、ハウジングの中の導管とマウスピースの中の吸入通路との間に、固定された(たとえば、溶接された)接続が存在することができない。
【0049】
図7Aは、マウスピースが上昇位置にある状態の、マウスピース5および第2のシェルパーツ3の隣接する領域の断面図を示している。図7Bは、吸入の準備ができている、マウスピースが穿孔位置にある状態の同様の図である。スリーブ16が、マウスピース5の中に形成されている。(図7において見られるように)煙突15およびスリーブ16の右側は、形状に関して円弧状になっており、マウスピースが穿孔位置へと回転させられるときに、スリーブ16が、煙突15の周りに緊密にフィットするようになっている。煙突とスリーブとの間の結果として生じるギャップは、狭くて長くなっており(すなわち、煙突の長さ)、その空気流動抵抗が高くなり、それを通る空気フローが低くなるようになっている。これは、追加的なコンポーネント(たとえば、可動シールまたはフレキシブルチューブなど)の必要性を回避する。
【0050】
図7Bに示されているように、煙突15の上部におけるチャネル10(ひいては、導管)のマウスピース端部17は、スリーブの上部における開口部18に隣接して位置付けされており、それが、グリッド8の近くのマウスピースの中の吸入通路の中へ開口しているようになっている。それによって、導管は、コンプライアンスモニターの中の圧力センサーをマウスピースの中の吸入通路に流体接続し、吸入の間に圧力が測定され得るようになっている。煙突およびスリーブ設計は、マウスピースがハウジングに対して移動することを可能にし、高抵抗の漏出経路も提供しながら、ブリスターを穿孔するようになっている。
【0051】
図8は、第2の実施形態の変形例の第1および第2のシェルパーツ2、3の斜視図を示している。導管は、上記に説明されているように、突出部21およびレッジ部32によって形成されている。違いは、第2のシェルパーツ3がタブ36を有しており、第1のシェルパーツ2が対応する凹部26を有しており、シェルパーツが一緒に組み立てられているときに、タブ36が凹部26の中へフィットするということである。これは、チャネルのオリフィス端部においてステップを形成する必要性なしに、オリフィス11が接触表面から間隔を離して配置されることを可能にする。
【0052】
上記に説明されている実施形態のそれぞれにおいて、狭い導管によって提供される高い抵抗は、ユーザーによって経験される流動抵抗の重大な変化なしに、コンプライアンスモニターがないときに吸入器が使用されることを可能にする。
【0053】
薬剤は、吸入による投与に適切であり、たとえば、呼吸器疾患の治療に適切である。それは、薬学的に活性な材料の以下のクラスのうちの1つまたは複数を含むことが可能である:抗コリン薬、アデノシンA2A受容体アゴニスト、β2-アゴニスト、カルシウムブロッカー、IL-13阻害薬、ホスホジエステラーゼ-4-阻害薬、キナーゼ阻害薬、ステロイド、CXCR2、タンパク質、ペプチド、Anti-IG-Eなどのような免疫グロブリン、核酸(とりわけ、DNAおよびRNA)、モノクロナール抗体、小分子阻害薬、および、ロイコトリエンB4アンタゴニスト。薬剤は、賦形剤、たとえば、微細な賦形剤および/またはキャリア粒子(たとえば、ラクトース)など、および/または、添加剤(たとえば、ステアリン酸マグネシウム、リン脂質、またはロイシン)を含む。
【0054】
適切なβ2-アゴニストは、アルブテロール(サルブタモール)、好ましくは、アルブテロール硫酸塩;カルモテロール、好ましくはカルモテロール塩酸塩;フェノテロール;ホルモテロール;ミルベテロール、好ましくは、ミルベテロール塩酸塩;メタプロテレノール、好ましくは、メタプロテレノール硫酸塩;オロダテロール;プロカテロール;サルメテロール、好ましくは、サルメテロールキシナホ酸塩;カルモテロール;テルブタリン、好ましくは、テルブタリン硫酸塩;ビランテロール、好ましくは、ビランテロールトリフェニル酢酸塩、または、インダカテロール、好ましくは、インダカテロールマレイン酸塩を含む。
【0055】
適切なステロイドは、ブデソニド;ベクロメタゾン、好ましくは、ベクロメタゾンジプロピオン酸塩;シクレソニド;フルチカゾン、好ましくは、フルチカゾンフランカルボン酸エステル;モメタゾン、好ましくは、モメタゾンフランカルボン酸エステルを含む。1つの態様では、方法は、液体エーロゾルの存在下において、モメタゾン(好ましくは、モメタゾンフランカルボン酸エステル)をジェットミルすることを含む。
【0056】
適切な抗コリン薬は、アクリジニウム、好ましくは、アクリジニウム臭化物;グリコピロニウム、好ましくは、グリコピロニウム臭化物;イプラトロピウム、好ましくは、イプラトロピウム臭化物;オキシトロピウム、好ましくは、オキシトロピウム臭化物;チオトロピウム、好ましくは、チオトロピウム臭化物;ウメクリジニウム、好ましくは、ウメクリジニウム臭化物;臭化ダロトロピウム;またはタラフェナシンを含む。
【0057】
活性材料は、たとえば、サルメテロールキシナホ酸塩およびフルカチゾンプロピオン酸エステル;ブデソニドおよびホルモテロールフマル酸塩二水和物グリコピロレートおよびインダカテロールマレイン酸塩;グリコピロレート、インダカテロールマレイン酸塩、およびモメタゾンフランカルボン酸エステル;フルチカゾンフランカルボン酸エステルおよびビランテロール;ビランテロールおよびウムクリジニウム臭化物;フルチカゾンフランカルボン酸エステル、ビランテロール、およびウムクリジニウム臭化物などのような2重または3重の組合せを含むことが可能である。
【符号の説明】
【0058】
1 ドライパウダー吸入器
2 第1のシェルパーツ
3 第2のシェルパーツ
4 マウスピースカバー
5 マウスピース
6 外部表面
7 内部表面
8 グリッド
10 チャネル
11 オリフィス
12 壁部
13 スロット
14 コンパートメント
15 煙突
16 スリーブ
17 マウスピース端部
18 開口部
19 ジョイント
20、30 接触表面
21 突出部
26 凹部
28 孔部
31 チャネル
32 レッジ部
33 溶接部
34 ステップ
35 端部レッジ部
36 タブ
38 ペグ
40 コンプライアンスモニター
41 クリップ
42 圧力センサー
43 シーリング部材
A 漏出経路
B 領域
d 深さ
h 距離
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8