(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-04
(45)【発行日】2023-09-12
(54)【発明の名称】ポリスチレン廃棄物を再生するためのプロセス
(51)【国際特許分類】
C08J 11/08 20060101AFI20230905BHJP
【FI】
C08J11/08 CET
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023014781
(22)【出願日】2023-02-02
(62)【分割の表示】P 2020545403の分割
【原出願日】2018-11-20
【審査請求日】2023-02-16
(32)【優先日】2017-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520164574
【氏名又は名称】ポリスタイバート インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】コテ,ローランド
【審査官】上坊寺 宏枝
(56)【参考文献】
【文献】特表2021-503400(JP,A)
【文献】国際公開第2016/049782(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第101307150(CN,A)
【文献】米国特許第05824709(US,A)
【文献】特開2000-334738(JP,A)
【文献】特表2007-518851(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 11/00-11/28
B29B 17/00-17/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生ポリスチレンの製造のための組成物であって、
前記組成物は、ポリスチレン、エチルベンゼン及び1気圧の圧力下で、98℃~110℃の沸点を有する
炭化水素ポリスチレン非溶剤を含む、組成物。
【請求項2】
前記
炭化水素ポリスチレン非溶剤が、ヘプタンである、
請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
エチルベンゼン及び1気圧の圧力下で、98℃~110℃の沸点を有する
炭化水素ポリスチレン非溶剤を用いる
、ポリスチレンを再生するための方法であって、
前記方法は、
前記ポリスチレンを前記エチルベンゼンに溶解して混合物を得ることと、前記炭化水素ポリスチレン非溶剤を、前記混合物と混ぜ合わせることと、を含む、方法。
【請求項4】
前記炭化水素ポリスチレン非溶剤を、前記混合物と前記混ぜ合わせることは、前記
炭化水素ポリスチレン非溶剤中にペーストとして
前記ポリスチレンを沈殿させるこ
とを含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
ポリスチレンの沈殿は、前記
炭化水素ポリスチレン非溶剤の沸点で実行される、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記
炭化水素ポリスチレン非溶剤は、ヘプタンである、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
ポリスチレンは、前記エチルベンゼン、ヘプタン及びポリスチレンを含み
、98℃の温度である、混合物から沈殿する、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
エチルベンゼン及びヘプタンを用いる
、ポリスチレンを再生するための方法であって、
前記方法は、
前記ポリスチレンを前記エチルベンゼンに溶解して混合物を得ることと、前記ヘプタンを、98℃の温度の
前記混合物と一緒に混合
することと、前記ヘプタン中にペーストとしてポリスチレンを沈殿させることと、を含む、方法。
【請求項9】
ポリスチレンの沈殿は、ヘプタンの沸点で実行される、
請求項
8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年11月20日に出願された同時係属中の米国仮出願第62/588,805号からの優先権を主張し、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、ポリスチレン廃棄物を再生するためのプロセスに関する。例えば、エチルベンゼンなどの溶媒にポリスチレン廃棄物を溶解し、次いで、非溶剤を用いて、ポリスチレンを沈殿および洗浄することを含む、ポリスチレン廃棄物を再生するためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0003】
ポリスチレン廃棄物、例えば、電子製品または調度品のために使用した梱包材、食品用トレイ、量産品、および、断熱材などは、例えば、環境に影響を及ぼしかねない。
【0004】
例えば、消費財または生産財のいずれでも、ポリスチレン廃棄物の大部分は、埋め立て地に埋められている。例えば、Quebecでは、毎年、40,000トンを超えるポリスチレン廃棄物が、埋められている。さらに、Quebecでは、毎年、60,000トンを超えるポリスチレンが、新たに製造および消費されている。
【0005】
ポリスチレンを再生するための公知のプロセスが、新規のポリスチレンと同じ特性を備えた再生ポリスチレンを製造することはない。例えば、ポリスチレンについての公知の方法が、新たに製造されたポリスチレンが供されるのと同じ用途に再生ポリスチレンを供する場合の技術仕様に見合ったメルトフローインデックス(MFI)を有する再生ポリスチレンを調製することはない。この機械的特性の損失を補うために、再生ポリスチレンは新たに製造されたポリスチレンと混合されるが、規制がさほど厳格ではない用途であることも考慮しても、その比率が20%を超えることは滅多にない。
【0006】
大半の産業用ポリスチレン製造物は、ポリスチレンだけから構成されているのではなく、例えば、物理的、生物学的、および/または化学的特性に改良を加えるためにポリマーに対して添加された、ある種の化学薬品を含んでいる場合がある。添加剤の例として、着色剤、充填剤、難燃剤、潤滑剤、および可塑剤がある。
【0007】
したがって、上記した課題の少なくとも1つを解消するものであり、あるいは、ポリスチレン廃棄物を再生するための公知のプロセスに取って代わるものである、再生ポリスチレンと、ポリスチレン廃棄物を再生するためのプロセスとが提供されることが望ましい。
【発明の概要】
【0008】
本開示の一態様によれば、ポリスチレン廃棄物を再生するためのプロセスが提供され、
ポリスチレン/エチルベンゼン混合物を取得するための条件下で、ポリスチレン廃棄物を、エチルベンゼンに溶解することと、
沈殿ポリスチレンと炭化水素廃液の第1の部分とを取得するための条件下で、ポリスチレン/エチルベンゼン混合物を、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第1の部分に添加することと、
炭化水素廃液の第1の部分から沈殿ポリスチレンを分離することと、
任意に、溶解、添加、および、分離を繰り返すことと、
洗浄ポリスチレンと炭化水素廃液の第2の部分とを取得するための条件下で、沈殿ポリスチレンを、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第2の部分で洗浄することと、
炭化水素廃液の第2の部分から洗浄ポリスチレンを分離することと、
二重洗浄ポリスチレンと炭化水素廃液の第3の部分とを取得するための条件下で、洗浄ポリスチレンを、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第3の部分で洗浄することと、
炭化水素廃液の第3の部分から二重洗浄ポリスチレンを分離することと、
任意に、乾燥ポリスチレンを取得するための条件下で、二重洗浄ポリスチレンを乾燥することと、を含む。
【0009】
したがって、本開示の別の態様では、
ポリスチレン/エチルベンゼン混合物を取得するための条件下で、ポリスチレン廃棄物を、エチルベンゼンに溶解することと、
沈殿ポリスチレンと炭化水素廃液の第1の部分とを取得するための条件下で、ポリスチレン/エチルベンゼン混合物を、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第1の部分と接触させることと、
炭化水素廃液の第1の部分から沈殿ポリスチレンを分離することと、
任意に、溶解、添加、および、分離を繰り返すことと、
洗浄ポリスチレンと炭化水素廃液の第2の部分とを取得するための条件下で、沈殿ポリスチレンを、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第2の部分で洗浄することと、
炭化水素廃液の第2の部分から洗浄ポリスチレンを分離することと、
二重洗浄ポリスチレンと炭化水素廃液の第3の部分とを取得するための条件下で、洗浄ポリスチレンを、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第3の部分で洗浄することと、
炭化水素廃液の第3の部分から二重洗浄ポリスチレンを分離することと、
任意に、乾燥ポリスチレンを取得するための条件下で、二重洗浄ポリスチレンを乾燥することと、を含む、ポリスチレン廃棄物を再生するためのプロセスが提供される。
【0010】
したがって、本開示の別の態様では、
ポリスチレン/エチルベンゼン混合物を取得するための条件下で、ポリスチレン廃棄物を、エチルベンゼンに溶解することと、
沈殿ポリスチレンと炭化水素廃液の第1の部分とを取得するための条件下で、ポリスチレン/エチルベンゼン混合物を、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第1の部分に添加することと、
炭化水素廃液の第1の部分から沈殿ポリスチレンを分離することと、
任意に、溶解、添加、および、分離を繰り返すことと、
洗浄ポリスチレンと炭化水素廃液の第2の部分とを取得するための条件下で、沈殿ポリスチレンを、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第2の部分で洗浄することと、
炭化水素廃液の第2の部分から洗浄ポリスチレンを分離することと、
二重洗浄ポリスチレンと炭化水素廃液の第3の部分とを取得するための条件下で、洗浄ポリスチレンを、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第3の部分で洗浄することと、
炭化水素廃液の第3の部分から二重洗浄ポリスチレンを分離することと、
二重洗浄ポリスチレンを、絞ることによって、および/または、圧搾することによって、過剰な炭化水素廃液を除去することと、
乾燥ポリスチレンを取得するための条件下で、二重洗浄ポリスチレンを乾燥することと、を含む、ポリスチレン廃棄物を再生するためのプロセスが提供される。
【0011】
したがって、本開示の別の態様では、
ポリスチレン/エチルベンゼン混合物を取得するための条件下で、ポリスチレン廃棄物を、エチルベンゼンに溶解することと、
沈殿ポリスチレンと炭化水素廃液の第1の部分とを取得するための条件下で、ポリスチレン/エチルベンゼン混合物を、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第1の部分と接触させることと、
炭化水素廃液の第1の部分から沈殿ポリスチレンを分離することと、
任意に、溶解、添加、および、分離を繰り返すことと、
洗浄ポリスチレンと炭化水素廃液の第2の部分とを取得するための条件下で、沈殿ポリスチレンを、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第2の部分で洗浄することと、
炭化水素廃液の第2の部分から洗浄ポリスチレンを分離することと、
二重洗浄ポリスチレンと炭化水素廃液の第3の部分とを取得するための条件下で、洗浄ポリスチレンを、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第3の部分で洗浄することと、
炭化水素廃液の第3の部分から二重洗浄ポリスチレンを分離することと、
二重洗浄ポリスチレンを、絞ることによって、および/または、圧搾することによって、過剰な炭化水素廃液を除去することと、
乾燥ポリスチレンを取得するための条件下で、二重洗浄ポリスチレンを乾燥することと、を含む、ポリスチレン廃棄物を再生するためのプロセスが提供される。
【0012】
したがって、本開示の別の態様では、
ポリスチレン/エチルベンゼン混合物を取得するための条件下で、ポリスチレン廃棄物を、エチルベンゼンに溶解することと、
沈殿ポリスチレンと炭化水素廃液の第1の部分とを取得するための条件下で、ポリスチレン/エチルベンゼン混合物を、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第1の部分に添加することと、
沈殿ポリスチレンおよび炭化水素廃液の第1の部分を冷却することと、
炭化水素廃液の第1の部分から沈殿ポリスチレンを分離することと、
任意に、溶解、添加、冷却、および分離を繰り返すことと、
洗浄ポリスチレンと炭化水素廃液の第2の部分とを取得するための条件下で、沈殿ポリスチレンを、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第2の部分で洗浄することと、
洗浄ポリスチレンおよび炭化水素廃液の第2の部分を冷却することと、
炭化水素廃液の第2の部分から洗浄ポリスチレンを分離することと、
二重洗浄ポリスチレンと炭化水素廃液の第3の部分とを取得するための条件下で、洗浄ポリスチレンを、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第3の部分で洗浄することと、
任意に、二重洗浄ポリスチレンおよび炭化水素廃液の第3の部分を冷却することと、
炭化水素廃液の第3の部分から二重洗浄ポリスチレンを分離することと、
任意に、乾燥ポリスチレンを取得するための条件下で、二重洗浄ポリスチレンを乾燥することと、を含む、ポリスチレン廃棄物を再生するためのプロセスが提供される。
【0013】
したがって、本開示の別の態様では、
ポリスチレン/エチルベンゼン混合物を取得するための条件下で、ポリスチレン廃棄物を、エチルベンゼンに溶解することと、
沈殿ポリスチレンと炭化水素廃液の第1の部分とを取得するための条件下で、ポリスチレン/エチルベンゼン混合物を、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第1の部分と接触させることと、
沈殿ポリスチレンおよび炭化水素廃液の第1の部分を冷却することと、
炭化水素廃液の第1の部分から沈殿ポリスチレンを分離することと、
任意に、溶解、添加、冷却、および分離を繰り返すことと、
洗浄ポリスチレンと炭化水素廃液の第2の部分とを取得するための条件下で、沈殿ポリスチレンを、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第2の部分で洗浄することと、
洗浄ポリスチレンおよび炭化水素廃液の第2の部分を冷却することと、
炭化水素廃液の第2の部分から洗浄ポリスチレンを分離することと、
二重洗浄ポリスチレンと炭化水素廃液の第3の部分とを取得するための条件下で、洗浄ポリスチレンを、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第3の部分で洗浄することと、
任意に、二重洗浄ポリスチレンおよび炭化水素廃液の第3の部分を冷却することと、
炭化水素廃液の第3の部分から二重洗浄ポリスチレンを分離することと、
任意に、乾燥ポリスチレンを取得するための条件下で、二重洗浄ポリスチレンを乾燥することと、を含む、ポリスチレン廃棄物を再生するためのプロセスが提供される。
【0014】
本開示は、本開示のポリスチレン廃棄物を再生するためのプロセスに従って調製された再生ポリスチレンも含む。
【0015】
発泡ポリスチレン廃棄物などのポリスチレン廃棄物が、一般的には、嵩ばりがある割には軽量である一方で、ポリスチレン/エチルベンゼン混合物が、一般的には、高密度であるため、それらの輸送費用は低コストですむ。したがって、本開示のプロセスは、例えば、ポリスチレン/エチルベンゼン混合物が、第1の場所で取得され、かつプロセスが、プロセスでの後続のステップが実施される第2の場所へ、ポリスチレン/エチルベンゼン混合物を輸送することをさらに含めば、輸送費用を節約することができる。
【0016】
本開示のポリスチレン廃棄物を再生するためのプロセスは、例えば、大半の添加剤(例えば、ある種の物理的、生物学的、および/または化学的特性に改良を加えるためにポリマーに対して添加された化学薬品)を省くことができ、かつ、新たに製造されたポリスチレンと非常に近似した性質を有する再生ポリスチレンを製造することができる。本開示のプロセスから調製された再生ポリスチレンは、例えば、新規のポリスチレン製品の調製など、新たに製造されたポリスチレンと同じ用途に供することに適し得る。例えば、本開示のプロセスから調製された再生ポリスチレンは、例えば、そのような用途に有用な範囲のMFIを有し得る。
【0017】
本開示の再生ポリスチレンおよび再生ポリスチレンを取得するためのプロセスが、非常に有用であることが知見された。実際のところ、そのような再生ポリマーおよびプロセスが、添加剤含有量(充填剤および/または潤滑剤)が非常に少ない再生ポリスチレンの提供を許容することが知見された。また、灰含有量が非常に少ない再生ポリスチレンも得られる。例えば、これらのプロセスを、白色発泡ポリスチレンまたは白色押出発泡ポリスチレンに適用した場合に、最終産物は、光線を透過するほど非常に澄明かつ透明である。本開示のポリマーおよびプロセスでのこれらの特徴は、再生ポリスチレンのライフサイクルの顕著な増大を可能にするので非常に興味深いところである。実際のところ、再生ポリスチレンの用途が、再生ポリスチレンに含まれている様々な添加剤に鑑みて制限を受けることが多々あり、したがって、ポリスチレンを利用する特定の用途または利用法での要件を満たさない場合がある。再生ポリスチレンに多量の添加剤含有量を用いることができ、また、再生ポリスチレンが、ポリスチレンまたは再生ポリスチレンで製造された製品の特性に悪影響を及ぼし、あるいは、損なうなどするため、製造業者によっては、再生ポリスチレンの使用を躊躇することもある。本開示で言及されるポリマーおよびプロセスでは、かような不都合は認められない。それどころか、本開示のポリマーで知見された非常に少量の添加剤および/または充填剤は、それら再生品の利用者が、それらの再生と、低いMFI値の取得とを強制されることがないので、多量の添加剤および/または充填剤を使用することも滅多にないため、これらの再生ポリスチレンを、多くの異なる利用法で使用することを可能にし、また、幾度でも再生することをも可能にする。
【0018】
したがって、本開示のポリマーおよびプロセスは、再生ポリスチレンの製品寿命を改善し(この再生ポリスチレンは、幾度でも再生しても、要求された仕様と特性を維持することが可能である)、また、非常に小さなMFI値をも持ちつつ、多量の添加剤および/または充填剤の使用をも回避する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
単に例示目的で示した以下の図面では、本開示の様々な実施形態が示されている。
【
図1】本開示の一実施形態でのプロセスの概略図である。
【
図2】本開示の別の実施形態によるプロセスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
特に断りがない限り、本節および他の節に記載された定義および実施形態は、当業者によって適切に理解されるように本明細書に記載された本開示のすべての実施形態および態様に適用可能なものを意図している。
【0021】
本開示において用いられている単数形の「a」および「an」および「the」という用語の使用は、本明細書において断りがない限りは、複数形の要素も含む。例えば、「1つの炭化水素ポリスチレン非溶剤」を含む実施形態は、1つの炭化水素ポリスチレン非溶剤、あるいは、2つ以上の他の炭化水素ポリスチレン非溶剤を用いてなる特定の態様を示すものとして理解すべきである。他のまたは第2の炭化水素ポリスチレン非溶剤など、「他の(additional)」成分または「第2の(second)」成分を含む実施形態において、本明細書で使用した第2の成分は、他の成分または第1の成分とは相違する。「第3の(third)」成分は、他の成分、第1の成分、および、第2の成分と相違するものであって、また、さらに列挙された成分、または、さらに「他の(additional)」成分も同様に相違するものである。
【0022】
本明細書で使用される「添加剤(additive)」という用語は、物理的、生物学的、および/または、化学的特性の少なくとも1つを改良するためにポリマーに対して添加された化学薬品のことを指す。添加剤の非限定的な例は、着色剤、充填剤、難燃剤、潤滑剤、および可塑剤である。
【0023】
本開示の範囲を理解する上において、本明細書で使用される「を含む(comprising)」という用語およびその派生語は、記載される特性、要素、成分、グループ、整数、および/またはステップの存在を特定するための制限を受けない用語を意図しているが、記載されていない他の特性、要素、成分、グループ、整数、および/またはステップの存在を排除することは意図していない。このことは、「を含む(including)」、「を有する(having)」という用語、およびそれらの派生語など、同様の意味を有する単語に対しても適用する。本明細書で使用される「からなる(consisting)」という用語およびその派生語は、記載される特性、要素、成分、グループ、整数、および/またはステップの存在を特定するための制限を伴う用語を意図しており、記載されていない他の特性、要素、成分、グループ、整数、および/またはステップの存在を排除する。本明細書で使用される「本質的に~からなる(consisting essentially of)」という用語は、記載される特性、要素、成分、グループ、整数、および/またはステップの存在を特定するための用語、ならびに、基本的かつ新規な特性(複数可)、要素、成分、グループ、整数、および/またはステップに対して実質的な影響を及ぼさない存在を特定するための用語を意図している。
【0024】
本明細書で使用される「約(about)」および「おおよそ(approximately)」などの程度を示す用語は、修飾した用語が、最終結果に実質的な変化をもたらさない、極端でない変化量を意味する。この変化が修飾する単語の意味を否定しないのであれば、程度を示すこれらの用語は、修飾した用語の少なくとも±5%または少なくとも±10%の変化を含むと解釈されるべきである。
【0025】
本明細書で使用される「炭化水素ポリスチレン非溶剤」という用語は、例えば、ポリスチレンが実質的に不溶である炭化水素をベースとした化合物、または、その混合物を指し、それらにあっては、ポリエステルは実質的に不溶性である。本開示のプロセスのための適切な炭化水素ポリスチレン非溶剤の選択は、当業者によって実施することができる。例えば、沈殿ポリスチレンを取得するための本開示のプロセスで使用した条件下、ならびに炭化水素ポリスチレン非溶剤で洗浄することを含むステップで、ポリスチレン廃棄物において一般的に認められる大半の非極性添加剤(例えば、ヘキサブロモシクロドデカンおよびシリコーン油)ならびにエチルベンゼンが、炭化水素ポリスチレン非溶剤に対して実質的に可溶性であることを、当業者であれば理解するであろう。また、例えば、再生しているポリスチレン廃棄物のガラス転移点(Tg)に近い温度、または、それよりも若干高めの温度の沸点を有する炭化水素ポリスチレン非溶剤を選択することが有用であることも、当業者であれば理解するであろう。
【0026】
以下に示した例は、制限的ではなく、本開示のプロセスをより良好に例示するために用いられている。
【0027】
本開示のプロセスの例示プロセスフローチャートが、
図1に示されている。例示プロセス10は、ポリスチレン廃棄物を再生するためのプロセスである。
図1を参照すると、例示プロセス10において、ポリスチレン/エチルベンゼン混合物を取得するための条件下で、ポリスチレン廃棄物を、エチルベンゼンで溶解12することができる。例えば、ポリスチレン/エチルベンゼン混合物が、不溶性物質を含んでいる場合、ポリスチレン/エチルベンゼン混合物を、次に、任意に、不溶性物質を除去するための条件下で、濾過14することができる。次いで、ポリスチレン/エチルベンゼン混合物を、沈沈殿ポリスチレンと炭化水素廃液の第1の部分とを取得するための条件下で、ポリスチレン/エチルベンゼン混合物を、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第1の部分と接触16させる(例えば、添加する)ことができる。次いで、沈殿ポリスチレンを、炭化水素廃液の第1の部分から分離することができる。任意に、溶解、追加、冷却、および分離を繰り返すことができる。次いで、洗浄ポリスチレンと炭化水素廃液の第2の部分とを取得するための条件下で、沈殿ポリスチレンを、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第2の部分で洗浄18することができる。次いで、洗浄ポリスチレンを、炭化水素廃液の第2の部分から分離することができる。次いで、二重洗浄ポリスチレンと炭化水素廃液の第3の部分とを取得するための条件下で、洗浄ポリスチレンを、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第3の部分で洗浄20することができる。次いで、二重洗浄ポリスチレンを、炭化水素廃液の第3の部分から分離することができる。次いで、任意に、二重洗浄ポリスチレンを、絞ることによって、および/または圧搾することによって、過剰な炭化水素廃液を除去することができる。次いで、任意に、乾燥ポリスチレンを取得するための条件下で、二重洗浄ポリスチレンを乾燥22することができる。次いで、任意に、乾燥ポリスチレンは、梱包24することができ、例えば、プロセスは、ポリスチレンペレットを取得するための条件下で、乾燥ポリスチレンを加工することをさらに含むことができ、ポリスチレンペレットを、梱包24することができる。任意に、例えば、エチルベンゼンおよび/または炭化水素ポリスチレン非溶剤を取得するための条件下で、炭化水素廃液の第1の部分、炭化水素廃液の第2の部分、および/または炭化水素廃液の第3の部分を蒸留することを含むプロセスによって、エチルベンゼンおよび/または炭化水素ポリスチレン非溶剤を回収26することができる。任意に、エチルベンゼンを、溶解12において使用するために再生することができる。炭化水素ポリスチレン非溶剤は、任意に、接触(例えば、添加)16、第1の洗浄18、および/または第2の洗浄20において使用するために再生することができる。
【0028】
本開示のいくつかの例では、炭化水素廃液の第1の部分から沈殿ポリスチレンを分離する前に、プロセスは、沈殿ポリスチレンおよび炭化水素廃液の第1の部分を冷却することをさらに含み得る。
【0029】
本開示のいくつかの例では、炭化水素廃液の第2の部分から洗浄ポリスチレンを分離する前に、プロセスは、洗浄ポリスチレンおよび炭化水素廃液の第2の部分を冷却することをさらに含み得る。
【0030】
本開示のいくつかの例では、炭化水素廃液の第3の部分から二重洗浄ポリスチレンを分離する前に、プロセスは、二重洗浄ポリスチレンおよび炭化水素廃液の第3の部分を冷却することをさらに含み得る。
【0031】
本開示のプロセスの別の実施例のための例示プロセスフローチャートが、
図2に示されている。例示プロセス100は、ポリスチレン廃棄物を再生するためのプロセスである。
図2を参照すると、例示プロセス100において、ポリスチレン/エチルベンゼン混合物を取得するための条件下で、ポリスチレン廃棄物を、エチルベンゼンで溶解112することができる。例えば、ポリスチレン/エチルベンゼン混合物が、不溶性物質を含んでいる場合、ポリスチレン/エチルベンゼン混合物を、次に、任意に、不溶性物質を除去するための条件下で、濾過114することができる。次いで、ポリスチレン/エチルベンゼン混合物を、沈沈殿ポリスチレンと炭化水素廃液の第1の部分とを取得するための条件下で、ポリスチレン/エチルベンゼン混合物を、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第1の部分と接触116させる(例えば、添加する)ことができる。
図2を参照すると、分離の前に、プロセスは、沈殿ポリスチレンおよび炭化水素廃液の第1の部分を冷却することをさらに含み得る。次いで、沈殿ポリスチレンを、炭化水素廃液の第1の部分から分離することができる。任意に、溶解、追加、冷却、および分離を繰り返すことができる。次いで、洗浄ポリスチレンと炭化水素廃液の第2の部分とを取得するための条件下で、沈殿ポリスチレンを、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第2の部分で洗浄118することができる。
図2を参照すると、分離の前に、プロセスは、洗浄ポリスチレンおよび炭化水素廃液の第2の部分を冷却することをさらに含み得る。次いで、洗浄ポリスチレンを、炭化水素廃液の第2の部分から分離することができる。次いで、二重洗浄ポリスチレンと炭化水素廃液の第3の部分とを取得するための条件下で、洗浄ポリスチレンを、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第3の部分で洗浄120することができる。
図2を参照すると、分離の前に、プロセスは、任意に、二重洗浄ポリスチレンおよび炭化水素廃液の第3の部分を冷却することをさらに含み得る。次いで、二重洗浄ポリスチレンを、炭化水素廃液の第3の部分から分離することができる。次いで、任意に、二重洗浄ポリスチレンを、絞ることによって、および/または圧搾することによって、過剰な炭化水素廃液を除去することができる。次いで、任意に、乾燥ポリスチレンを取得するための条件下で、二重洗浄ポリスチレンを乾燥122することができる。次いで、任意に、乾燥ポリスチレンは、梱包124することができ、例えば、プロセスは、ポリスチレンペレットを取得するための条件下で、乾燥ポリスチレンを加工することをさらに含むことができ、ポリスチレンペレットを、梱包124することができる。任意に、例えば、エチルベンゼンおよび/または炭化水素ポリスチレン非溶剤を取得するための条件下で、炭化水素廃液の第1の部分、炭化水素廃液の第2の部分、および/または炭化水素廃液の第3の部分を蒸留することを含むプロセスによって、エチルベンゼンおよび/または炭化水素ポリスチレン非溶剤を回収126することができる。任意に、エチルベンゼンを、溶解112において使用するために再生することができる。炭化水素ポリスチレン非溶剤は、任意に、接触(例えば、添加)116、第1の洗浄118、および/または第2の洗浄120において使用するために再生することができる。
【0032】
例えば、沈殿ポリスチレンおよび炭化水素廃液の第1の部分の冷却は、分離を可能にするために沈殿ポリスチレンの粘度が増加するまでの温度および時間で行うことができる。例えば、(沈殿ポリスチレンおよび炭化水素廃液の第1の部分の)冷却は、約10分間~約4時間の時間にわたって行うことができる。例えば、(沈殿ポリスチレンおよび炭化水素廃液の第1の部分の)冷却は、約2時間の時間にわたって行うことができる。
【0033】
例えば、洗浄ポリスチレンおよび炭化水素廃液の第2の部分の冷却は、分離を可能にするために沈殿ポリスチレンの粘度が増加するまでの温度および時間で行うことができる。例えば、(洗浄ポリスチレンおよび炭化水素廃液の第2の部分の)冷却は、約5分間~約1時間の時間にわたって行うことができる。例えば、(洗浄ポリスチレンおよび炭化水素廃液の第2の部分の)冷却は、約10分間~約15分間の時間にわたって行うことができる。
【0034】
例えば、二重洗浄ポリスチレンおよび炭化水素廃液の第3の部分の冷却は、約5分間~約1時間の時間にわたって行うことができる。例えば、(二重洗浄ポリスチレンおよび炭化水素廃液の第3の部分の)冷却は、約10分間~約15分間の時間にわたって行うことができる。
【0035】
冷却は、任意の適切な手段によって実施することができ、その選択は、当業者によって容易に行うことができる。例えば、冷却は、冷水を循環させることを含む冷却システムを用いて行うことができる。例えば、冷水は、少なくとも実質的に約5℃~約10℃の温度に維持することができる。
【0036】
例えば、ポリスチレン/エチルベンゼン混合物は、ポリスチレン/エチルベンゼン混合物の全重量に基づいて、約33重量%以下の量のポリスチレンを含むことができる。
【0037】
例えば、ポリスチレン/エチルベンゼン混合物は、ポリスチレン/エチルベンゼン混合物の全重量に基づいて、約10重量%~約30重量%の量のポリスチレンを含むことができる。
【0038】
例えば、ポリスチレン/エチルベンゼン混合物は、ポリスチレン/エチルベンゼン混合物の全重量に基づいて、約14重量%~約28重量%の量のポリスチレンを含むことができる。
【0039】
例えば、ポリスチレン/エチルベンゼン混合物は、ポリスチレン/エチルベンゼン混合物の全重量に基づいて、約15重量%~約27重量%の量のポリスチレンを含むことができる。
【0040】
例えば、ポリスチレン/エチルベンゼン混合物は、ポリスチレン/エチルベンゼン混合物の全重量に基づいて、約16重量%~約25重量%の量のポリスチレンを含むことができる。
【0041】
例えば、ポリスチレン廃棄物は、エチルベンゼンを収容するチャンバーと、ポリスチレン廃棄物をエチルベンゼンに添加するためのチャンバーへの少なくとも1つの開口部とを有する容器内でエチルベンゼンに溶解され、プロセスは、ポリスチレン廃棄物をチャンバーに収容されるエチルベンゼンに添加することをさらに含むことができる。
【0042】
例えば、容器は、通気口をさらに含むことができる。
【0043】
例えば、容器は、ポリスチレン廃棄物をエチルベンゼンに対して送り出す手段をさらに含むことができる。
【0044】
例えば、ポリスチレン廃棄物をエチルベンゼンに対して送り出す手段が、容器内の金属グリッドを含むことができる。
【0045】
例えば、容器が、チャンバーの容量に達したことを示す手段をさらに含むことができる。
【0046】
例えば、容器の容量に達したことを示す手段は、表示灯であり得る。
【0047】
例えば、表示灯は、チャンバー内のフロートスイッチに対して接続することができる。
【0048】
例えば、ポリスチレン/エチルベンゼン混合物は、不溶性物質を含むことができ、かつ、プロセスは、ポリスチレン/エチルベンゼン混合物を炭化水素ポリスチレン非溶剤の第1の部分に添加する前に、不溶性物質を除去するための条件下で、ポリスチレン/エチルベンゼン混合物を濾過することをさらに含むことができる。例えば、不溶性物質は、ポリスチレン/ブタジエン混合物、スチレンのコポリマー、粉塵、ステッカー、金属、木材、プラスチック、汚染物質、およびこれらの混合物から選択することができる。例えば、不溶性物質は、粉塵、砂、土、金属、木材、紙、顔料、タンパク質、ステッカー、エチルベンゼンに不溶性のポリマー、およびこれらの混合物から選択することができる。例えば、エチルベンゼンに不溶性のポリマーは、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、およびポリ塩化ビニル(PVC)から選択することができる。濾過は、任意の適切なフィルターを含むことができ、その選択は、当業者によって行うことができる。例えば、濾過は、粗濾過から細濾過に至る多段階濾過プロセスを含むことができる。例えば、ポリスチレン/エチルベンゼン混合物は、金属メッシュフィルター、ポリオレフィンバッグフィルター、ポリエステルバッグフィルター、布フィルター、およびペーパーフィルターから選択されるフィルターを通して濾過することができる。例えば、ブタジエンは、重度に架橋されていない限り、エチルベンゼンに対して可溶である。
【0049】
例えば、接触は、ポリスチレン/エチルベンゼン混合物を炭化水素ポリスチレン非溶剤の第1の部分に添加することを含むことができる。
【0050】
例えば、沈殿ポリスチレンおよび炭化水素廃液の第1の部分を取得するための条件は、炭化水素ポリスチレン非溶剤の沸点において、ポリスチレン/エチルベンゼン混合物を、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第1の部分に添加することと、エチルベンゼンが、ポリスチレン/エチルベンゼン混合物から炭化水素ポリスチレン非溶剤へと十分な程度にまで拡散が進む時間をかけて撹拌をすることと、を含むことができる。
【0051】
例えば、時間は、約5分間~約10分間であり得る。
【0052】
例えば、撹拌は、機械的撹拌器を用いた撹拌を含むことができる。
【0053】
例えば、沈殿ポリスチレンと炭化水素廃液の第1の部分を取得するための条件は、周囲温度(例えば、約20℃から約30℃または約25℃の温度)で、ポリスチレン/エチルベンゼン混合物を、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第1の部分に添加し、炭化水素ポリスチレン非溶剤の沸点まで加熱することと、エチルベンゼンが、ポリスチレン/エチルベンゼン混合物から炭化水素ポリスチレン非溶剤へと十分な程度にまで拡散が進む時間をかけて撹拌をすることと、を含むことができる。
【0054】
例えば、時間は、約30分間~約4時間であり得る。例えば、時間は、約1時間であり得る。
【0055】
例えば、撹拌は、機械的撹拌器を用いた撹拌を含むことができる。
【0056】
例えば、ポリスチレン/エチルベンゼン混合物の全重量に基づいて、ポリスチレン/エチルベンゼン混合物中のエチルベンゼンの約90重量%超が、炭化水素ポリスチレン非溶剤へと拡散することができる。
【0057】
例えば、ポリスチレン/エチルベンゼン混合物に対する炭化水素ポリスチレン非溶剤の第1の部分の体積比は、約2:1~約4:1であり得る。
【0058】
例えば、ポリスチレン/エチルベンゼン混合物に対する炭化水素ポリスチレン非溶剤の第1の部分の体積比は、約3:1であり得る。
【0059】
例えば、沈殿ポリスチレンから炭化水素廃液の第1の部分を傾瀉することを含むプロセスによって、沈殿ポリスチレンを、炭化水素廃液の第1の部分から分離することができる。
【0060】
例えば、洗浄ポリスチレンおよび炭化水素廃液の第2の部分を取得するための条件は、炭化水素ポリスチレン非溶剤の沸点において、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第2の部分を、沈殿ポリスチレンに添加することと、エチルベンゼンが、沈殿ポリスチレンから炭化水素ポリスチレン非溶剤へと十分な程度にまで拡散が進む時間をかけて撹拌をすることと、を含むことができる。
【0061】
例えば、時間は、約1分間~約15分間であり得る。例えば、時間は、約10分間であり得る。例えば、時間は、約2分間~約5分間であり得る。例えば、撹拌は、機械的撹拌器を用いた撹拌を含むことができる。
【0062】
例えば、洗浄ポリスチレンおよび炭化水素廃液の第2の部分を取得するための条件は、周囲温度(例えば、約20℃~約30℃または約25℃の温度)で、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第2の部分を、沈殿ポリスチレンに添加し、次いで、炭化水素ポリスチレン非溶剤の沸点まで加熱することと、エチルベンゼンが、沈殿ポリスチレンから炭化水素ポリスチレン非溶剤へと十分な程度にまで拡散が進む時間をかけて撹拌をすることと、を含むことができる。
【0063】
例えば、時間は、約15分間~約2時間であり得る。例えば、時間は、約30分間であり得る。例えば、撹拌は、機械的撹拌器を用いた撹拌を含むことができる。
【0064】
例えば、洗浄ポリスチレンは、約0.3重量%未満のエチルベンゼンを含み得る。例えば、洗浄ポリスチレンは、約0.1重量%未満のエチルベンゼンを含み得る。
【0065】
例えば、沈殿ポリスチレンに対する炭化水素ポリスチレン非溶剤の第2の部分の体積比は、約1:2~約2:1であり得る。例えば、沈殿ポリスチレンに対する炭化水素ポリスチレン非溶剤の第2の部分の体積比は、約1:1であり得る。
【0066】
例えば、洗浄ポリスチレンから炭化水素廃液の第2の部分を傾瀉することを含むプロセスによって、洗浄ポリスチレンを、炭化水素廃液の第2の部分から分離することができる。
【0067】
例えば、二重洗浄ポリスチレンおよび炭化水素廃液の第3の部分を取得するための条件は、炭化水素ポリスチレン非溶剤の沸点において、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第3の部分を、洗浄ポリスチレンに対して添加することと、エチルベンゼンが、洗浄ポリスチレンから炭化水素ポリスチレン非溶剤へと十分な程度にまで拡散が進む時間をかけて撹拌をすることと、を含むことができる。
【0068】
例えば、時間は、約1分間~約10分間であり得る。例えば、時間は、約5分間であり得る。例えば、撹拌は、機械的撹拌器を用いた撹拌を含むことができる。
【0069】
例えば、二重洗浄ポリスチレンおよび炭化水素廃液の第3の部分を取得するための条件は、周囲温度(例えば、約20℃から約30℃または約25℃の温度)で、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第3の部分を、洗浄ポリスチレンに添加し、次いで、炭化水素ポリスチレン非溶剤の沸点まで加熱することと、エチルベンゼンが、洗浄ポリスチレンから炭化水素ポリスチレン非溶剤へと十分な程度にまで拡散が進む時間をかけて撹拌をすることと、を含むことができる。
【0070】
例えば、時間は、約15分間~約2時間であり得る。例えば、時間は、約30分間であり得る。例えば、撹拌は、機械的撹拌器を用いた撹拌を含むことができる。
【0071】
例えば、二重洗浄ポリスチレンは、約0.1重量%未満のエチルベンゼンを含み得る。例えば、二重洗浄ポリスチレンは、約0.05重量%未満のエチルベンゼンを含み得る。
【0072】
例えば、洗浄ポリスチレンに対する炭化水素ポリスチレン非溶剤の第3の部分の体積比は、約1:2~約2:1であり得る。例えば、洗浄ポリスチレンに対する炭化水素ポリスチレン非溶剤の第3の部分の体積比は、約1:1であり得る。
【0073】
例えば、二重洗浄ポリスチレンから炭化水素廃液の第3の部分を傾瀉することを含むプロセスによって、二重洗浄ポリスチレンを、炭化水素廃液の第3の部分から分離することができる。
【0074】
例えば、炭化水素廃液の第3の部分から二重洗浄ポリスチレンを分離した後であって、かつ、乾燥を行う前に、プロセスは、二重洗浄ポリスチレンを、絞ることによって、および/または圧搾することによって、過剰な炭化水素廃液を除去することをさらに含むことができる。
【0075】
例えば、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第1の部分、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第2の部分、および炭化水素ポリスチレン非溶剤の第3の部分のうちの少なくとも1つは、1気圧の圧力下で、約98℃~約110℃または約105℃~約110℃の沸点を有する炭化水素ポリスチレン非溶剤を含む、本質的にそれからなる、またはそれからなることができる。
【0076】
例えば、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第1の部分、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第2の部分、および炭化水素ポリスチレン非溶剤の第3の部分は、C6-C8アルカンまたは石油蒸留物を含む、本質的にそれからなる、またはそれからなることができる。
【0077】
例えば、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第1の部分、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第2の部分、および炭化水素ポリスチレン非溶剤の第3の部分は、C6-C8アルカンを含む、本質的にそれからなる、またはそれからなることができる。
【0078】
例えば、C6-C8アルカンは、ヘプタンであり得る。例えば、ヘプタンは、n-ヘプタンであり得る。例えば、C6-C8アルカンは、ヘキサンであり得る。例えば、ヘキサンは、イソヘキサンであり得る。
【0079】
例えば、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第1の部分、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第2の部分、および炭化水素ポリスチレン非溶剤の第3の部分は、石油蒸留物を含む、本質的にそれからなる、またはそれからなることができる。
【0080】
例えば、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第1の部分、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第2の部分、および炭化水素ポリスチレン非溶剤の第3の部分は、n-ヘプタンを含む、本質的にそれからなる、またはそれからなることができる。
【0081】
例えば、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第1の部分、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第2の部分、および炭化水素ポリスチレン非溶剤の第3の部分は、すべて同じ炭化水素ポリスチレン非溶剤であり得る。
【0082】
例えば、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第1の部分、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第2の部分、および炭化水素ポリスチレン非溶剤の第3の部分は、すべて異なる炭化水素ポリスチレン非溶剤であり得る。
【0083】
例えば、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第2の部分および炭化水素ポリスチレン非溶剤の第3の部分は、同じ炭化水素ポリスチレン非溶剤であり得、かつ、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第1の部分は、異なる炭化水素ポリスチレン非溶剤であり得る。
【0084】
例えば、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第2の部分および炭化水素ポリスチレン非溶剤の第3の部分は、n-ヘプタンを含む、本質的にそれからなり、またはそれからなることができ、かつ、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第1の部分は、n-ヘキサンを含む、本質的にそれからなる、またはそれからなることができる。
【0085】
例えば、乾燥ポリスチレンを取得するための条件が、残存している炭化水素ポリスチレン非溶剤が十分な程度にまで除去を進める温度および時間をかけて二重洗浄ポリスチレンを乾燥することを含むことができる。例えば、二重洗浄ポリスチレンは、約115℃~約125℃の温度で乾燥させることができる。例えば、二重洗浄ポリスチレンは、約120℃の温度で乾燥させることができる。例えば、二重洗浄ポリスチレンは、約90℃~約110℃の温度で乾燥させることができる。例えば、二重洗浄ポリスチレンは、約100℃の温度で乾燥させることができる。例えば、乾燥ポリスチレンを取得するための条件は、真空を適用することをさらに含むことができる。
【0086】
例えば、乾燥ポリスチレンを取得するための条件は、残存している炭化水素ポリスチレン非溶剤が十分な程度にまで除去を進める時間をかけて、赤外線乾燥機を用いて、二重洗浄ポリスチレンを乾燥させることを含むことができる。
【0087】
例えば、ポリスチレン廃棄物は、極性不純物を含むことができ、かつ、プロセスは、極性不純物を除去するための条件下で、極性有機溶剤を用いてポリスチレン廃棄物を洗浄することをさらに含むことができる。
【0088】
例えば、極性有機溶媒は、メタノールまたはエタノールを含む、本質的にそれからなる、またはそれからなることができる。例えば、極性有機溶媒は、メタノールを含む、本質的にそれからなる、またはそれからなることができる。例えば、極性有機溶媒は、エタノールを含む、本質的にそれからなる、またはそれからなることができる。
【0089】
例えば、プロセスは、エチルベンゼンおよび/または炭化水素ポリスチレン非溶剤を取得するための条件下で、炭化水素廃液の第1の部分、炭化水素廃液の第2の部分、および/または炭化水素廃液の第3の部分を蒸留することをさらに含むことができる。
【0090】
例えば、プロセスは、溶解ステップで使用するために、エチルベンゼンを再生することをさらに含むことができる。
【0091】
例えば、プロセスは、添加ステップ、第1の洗浄ステップ、および/または第2の洗浄ステップで使用するために、炭化水素ポリスチレン非溶剤を再生することをさらに含むことができる。
【0092】
例えば、プロセスは、ポリスチレンペレットを取得するための条件下で、乾燥ポリスチレンを処理することをさらに含むことができる。例えば、ポリスチレンペレットを取得するための条件が、乾燥ポリスチレンを、約140℃~約160℃の温度で押し出すことを含むことができる。
【0093】
例えば、プロセスは、ポリスチレンペレットを梱包することをさらに含むことができる。ポリスチレンペレットを梱包するための適切な手段は、当業者であれば選択することができる。
【0094】
例えば、プロセスは、溶解ステップ、添加ステップ、第1の洗浄ステップ、および/または第2の洗浄ステップの間に、抗酸化剤を添加することをさらに含むことができる。例えば、プロセスは、溶解ステップの間に、抗酸化剤を添加することをさらに含むことができる。
【0095】
例えば、抗酸化剤は、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオネートを含む、本質的にそれからなる、またはそれからなることができる。
【0096】
例えば、抗酸化剤は、ポリスチレンの全重量に基づいて、約0.1重量%~約2重量%の量で添加することができる。例えば、抗酸化剤は、ポリスチレンの全重量に基づいて、約1重量%の量で添加することができる。例えば、抗酸化剤は、ポリスチレンの全重量に基づいて、約0.5重量%~約2重量%の量で添加することができる。
【0097】
例えば、プロセスは、ポリスチレン/エチルベンゼン混合物に対するメルトフローインデックスを低下または増大させるための添加剤を添加することをさらに含むことができる。例えば、プロセスは、ポリスチレン/エチルベンゼン混合物に対するメルトフローインデックスを低下させるための添加剤を添加することをさらに含むことができる。
【0098】
例えば、メルトフローインデックスを低下させるための添加剤は、石灰、タルク、酸化ケイ素、水酸化ケイ素、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、またはこれらの組み合わせを含むか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなることができる。例えば、メルトフローインデックスを低下させるための添加剤は、石灰を含む、本質的にそれからなる、またはそれからなることができる。例えば、メルトフローインデックスを低下させるための添加剤は、タルクを含む、本質的にそれからなる、またはそれからなることができる。
【0099】
例えば、メルトフローインデックスを増大させるための添加剤は、約0.0001重量%~約1重量%のシリコーン油を含むことができる。例えば、シリコーン油は、約0.01重量%~約0.1重量%で添加することができる。
【0100】
例えば、メルトフローインデックスを低下させるための添加剤は、ポリスチレンの全重量に基づいて、約0.5重量%~約25重量%の量で添加することができる。例えば、メルトフローインデックスを低下させるための添加剤は、ポリスチレンの全重量に基づいて、約0.5重量%~約5重量%の量で添加することができる。例えば、メルトフローインデックスを低下させるための添加剤は、ポリスチレンの全重量に基づいて、約1重量%の量で添加することができる。
【0101】
例えば、ポリスチレン廃棄物は、生産財廃棄物、消費財廃棄物、またはこれらの組み合わせであり得る。例えば、ポリスチレン廃棄物は、生産財廃棄物であり得る。例えば、ポリスチレン廃棄物は、消費財廃棄物であり得る。例えば、ポリスチレン廃棄物は、生産財廃棄物と消費財廃棄物との組み合わせであり得る。
【0102】
例えば、ポリスチレン廃棄物は、発泡ポリスチレンを含む、本質的にそれからなる、またはそれからなることができる。例えば、ポリスチレン廃棄物は、白色の発泡ポリスチレンを含む、本質的にそれからなる、またはそれからなることができる。例えば、ポリスチレン廃棄物は、圧縮ポリスチレンを含む、本質的にそれからなる、またはそれからなることができる。
【0103】
例えば、プロセスは、ポリスチレン廃棄物を、溶解する前に、前記ポリスチレン廃棄物を粉砕することをさらに含むことができる。
【0104】
例えば、ポリスチレン/エチルベンゼン混合物は、第1の場所で取得することができ、かつプロセスは、プロセスでの後続のステップが実施される第2の場所へ、ポリスチレン/エチルベンゼン混合物を輸送することをさらに含むことができる。
【0105】
例えば、溶解は、約0℃~約100℃の温度で行うことができる。例えば、溶解は、約20℃~約30℃の温度で行うことができる。例えば、溶解は、約75℃~約85℃の温度で行うことができる。例えば、溶解は、約80℃の温度で行うことができる。
【0106】
本開示のいくつかの例では、溶解は、約30分間~約4時間の時間にわたって行うことができる。例えば、溶解は、約1時間の時間にわたって行うことができる。
【0107】
例えば、接触/添加は、約80℃~約120℃の温度で行うことができる。例えば、接触/添加は、約80℃~約90℃の温度で行うことができる。例えば、接触/添加は、約85℃の温度で行うことができる。例えば、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第1の部分は、ヘプタンとすることができ、接触/添加は、約80℃~約105℃、約85℃~約100℃、約80℃~約90℃または約85℃の温度で行うことができる。
【0108】
例えば、接触/添加は、周囲温度(例えば、約20℃~約30℃または約25℃の温度)で、ポリスチレン/エチルベンゼン混合物を、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第1の部分と接触/添加し、次いで、約80℃~約120℃、約95℃~約105℃または約100℃の温度で適切な時間(例えば、約5分間~約1時間または約30分間)加熱することを含むことができる。例えば、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第1の部分は、ヘプタンとすることができ、接触/添加は、周囲温度(例えば、約20℃~約30℃または約25℃の温度)でポリスチレン/エチルベンゼン混合物を炭化水素ポリスチレン非溶剤の第1の部分と接触/添加し、次いで、約95℃~約105℃または約100℃の温度で適切な時間(例えば、約5分間~約1時間または約30分間)加熱することを含むことができる。
【0109】
例えば、沈殿ポリスチレンの炭化水素ポリスチレン非溶剤の第2の部分による洗浄は、約80℃~約120℃の温度で行うことができる。例えば、沈殿ポリスチレンの炭化水素ポリスチレン非溶剤の第2の部分による洗浄は、約80℃~約90℃の温度で行うことができる。例えば、沈殿ポリスチレンの炭化水素ポリスチレン非溶剤の第2の部分による洗浄は、約85℃の温度で行うことができる。例えば、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第2の部分は、ヘプタンとすることができ、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第2の部分による沈殿ポリスチレンの洗浄は、約80℃~約105℃、約85℃~約100℃、約80℃~約90℃または約85℃の温度で行うことができる。
【0110】
例えば、沈殿ポリスチレンの炭化水素ポリスチレン非溶剤の第2の部分による洗浄は、周囲温度(例えば、約20℃~約30℃または約25℃の温度)で炭化水素ポリスチレン非溶剤の第2の部分を沈殿ポリスチレンと接触/添加し、次いで、約80℃~約120℃、約95℃~約105℃または約100℃の温度で適切な時間(例えば、約5分間~約1時間または約30分間)加熱することを含むことができる。例えば、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第2の部分は、ヘプタンとすることができ、沈殿ポリスチレンの炭化水素ポリスチレン非溶剤の第2の部分による洗浄は、周囲温度(例えば、約20℃~約30℃または約25℃の温度)で炭化水素ポリスチレン非溶剤の第2の部分を沈殿ポリスチレンと接触/添加し、次いで、約95℃~約105℃または約100℃の温度で適切な時間(例えば、約5分間~約1時間または約30分間)加熱することを含むことができる。
【0111】
例えば、洗浄ポリスチレンの炭化水素ポリスチレン非溶剤の第3の部分による洗浄は、約80℃~約120℃の温度で行うことができる。例えば、洗浄ポリスチレンの炭化水素ポリスチレン非溶剤の第3の部分による洗浄は、約80℃~約90℃の温度で行うことができる。例えば、洗浄ポリスチレンの炭化水素ポリスチレン非溶剤の第3の部分による洗浄は、約85℃の温度で行うことができる。例えば、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第3の部分は、ヘプタンとすることができ、洗浄ポリスチレンの炭化水素ポリスチレン非溶剤の第3の部分による洗浄は、約80℃~約105℃、約85℃~約100℃、約80℃~約90℃または約85℃の温度で行うことができる。
【0112】
例えば、洗浄ポリスチレンの炭化水素ポリスチレン非溶剤の第3の部分による洗浄は、周囲温度(例えば、約20℃~約30℃または約25℃の温度)で炭化水素ポリスチレン非溶剤の第3の部分を洗浄ポリスチレンと接触/添加し、次いで、約80℃~約120℃、約95℃~約105℃または約100℃の温度で適切な時間(例えば、約5分間~約1時間または約30分間)加熱することを含むことができる。例えば、炭化水素ポリスチレン非溶剤の第3の部分は、ヘプタンとすることができ、洗浄ポリスチレンの炭化水素ポリスチレン非溶剤の第3の部分による洗浄は、周囲温度(例えば、約20℃~約30℃または約25℃の温度)で炭化水素ポリスチレン非溶剤の第3の部分を洗浄ポリスチレンと接触/添加し、次いで、約95℃~約105℃または約100℃の温度で適切な時間(例えば、約5分間~約1時間または約30分間)加熱することを含むことができる。
【0113】
本開示はまた、本開示のポリスチレン廃棄物を再生するためのプロセスに従って調製された再生ポリスチレンも含む。
【0114】
例えば、廃ポリスチレンは、他のコポリマーを含むことができる。例えば、それは、ブタジエン、(HIPS)を含むことができ、スチレンとアクリロニトリルとのコポリマー(SAN)、またはアクリロニトリル、ブタジエン、およびスチレンとのコポリマー(ABS)とすることができる。例えば、廃ポリスチレンは、ポリスチレン-コ-ブタジエンコポリマーであり得る。本開示の他の例では、廃ポリスチレンは、他のコポリマーを含まない。
【0115】
例えば、本開示の再生ポリスチレンに関する実施形態は、本開示のポリスチレン廃棄物を再生するためのプロセスに関して本明細書で述べたように変更することができる。
【0116】
例えば、再生ポリスチレンは、約40g/10分未満のメルトフローインデックスを有することができる。例えば、再生ポリスチレンは、約3~約30g/10分のメルトフローインデックスを有することができる。例えば、再生ポリスチレンは、約3~約25g/10分のメルトフローインデックスを有することができる。例えば、再生ポリスチレンは、約25g/10分未満のメルトフローインデックスを有することができる。例えば、再生ポリスチレンは、約10~約20g/10分のメルトフローインデックスを有することができる。
【0117】
例えば、再生ポリスチレンは、約40g/10分未満のメルトフローインデックスを有することができる。例えば、再生ポリスチレンは、約5~約30g/10分のメルトフローインデックスを有することができる。例えば、再生ポリスチレンは、約5~約25g/10分のメルトフローインデックスを有することができる。例えば、再生ポリスチレンは、約25g/10分未満のメルトフローインデックスを有することができる。例えば、再生ポリスチレンは、約10~約20g/10分のメルトフローインデックスを有することができる。
【0118】
例えば、再生ポリスチレンは、約30g/10分未満のメルトフローインデックスを有することができる。例えば、再生ポリスチレンは、約3~約25g/10分のメルトフローインデックスを有することができる。例えば、再生ポリスチレンは、約1~約15g/10分のメルトフローインデックスを有することができる。例えば、再生ポリスチレンは、約10~約15g/10分のメルトフローインデックスを有することができる。例えば、再生ポリスチレンは、約5~約12g/10分のメルトフローインデックスを有することができる。例えば、再生ポリスチレンは、約2~約12g/10分のメルトフローインデックスを有することができる。例えば、再生ポリスチレンは、約15g/10分未満のメルトフローインデックスを有することができる。例えば、再生ポリスチレンは、約12g/10分未満のメルトフローインデックスを有することができる。
【0119】
例えば、再生ポリスチレンは、約5重量%未満の添加剤(複数可)の含有量を有することができる。
【0120】
例えば、再生ポリスチレンは、約3重量%未満の添加剤(複数可)の含有量を有することができる。
【0121】
例えば、再生ポリスチレンは、約2重量%未満の添加剤(複数可)の含有量を有することができる。
【0122】
例えば、再生ポリスチレンは、約1重量%未満の添加剤(複数可)の含有量を有することができる。
【0123】
例えば、再生ポリスチレンは、約0.5重量%未満の添加剤(複数可)の含有量を有することができる。
【0124】
例えば、再生ポリスチレンは、約0.1重量%未満の添加剤(複数可)の含有量を有することができる。
【0125】
例えば、再生ポリスチレンは、約0.05重量%未満の添加剤(複数可)の含有量を有することができる。
【0126】
例えば、再生ポリスチレンは、約0.05重量%~約1重量%の添加剤(複数可)の含有量を有することができる。
【0127】
例えば、再生ポリスチレンは、約0.1重量%~約1重量%の添加剤(複数可)の含有量を有することができる。
【0128】
例えば、再生ポリスチレンは、約5重量%未満の充填剤含有量を有することができる。
【0129】
例えば、再生ポリスチレンは、約3重量%未満の充填剤含有量を有することができる。
【0130】
例えば、再生ポリスチレンは、約2重量%未満の充填剤含有量を有することができる。
【0131】
例えば、再生ポリスチレンは、約1重量%未満の充填剤含有量を有することができる。
【0132】
例えば、再生ポリスチレンは、約0.5重量%未満の充填剤含有量を有することができる。
【0133】
例えば、再生ポリスチレンは、約0.1重量%未満の充填剤含有量を有することができる。
【0134】
例えば、再生ポリスチレンは、約0.05重量%未満の充填剤含有量を有することができる。
【0135】
例えば、再生ポリスチレンは、約0.05重量%~約1重量%の充填剤含有量を有することができる。
【0136】
例えば、再生ポリスチレンは、約0.1重量%~約1重量%の充填剤含有量を有することができる。
【0137】
例えば、充填剤は、無機充填剤であり得る。
【0138】
例えば、再生ポリマーは、溶媒および非溶剤での処理を含むことによってポリスチレン廃棄物を再生することによって得ることができる。
【0139】
例えば、再生ポリマーは、溶剤としてのエチルベンゼンおよび炭化水素ポリスチレン非溶剤としてのC6-C8アルカンまたはこれらの混合物での処理を含むことによって、ポリスチレン廃棄物を再生することによって得ることができる。
【0140】
例えば、ポリスチレン廃棄物は、約200,000~約350,000g/モルの平均分子量を有するポリスチレンを含むことができる。
【0141】
例えば、ポリスチレン廃棄物は、約230,000~約260,000g/モルの平均分子量を有するポリスチレンを含むことができる。
【0142】
例えば、ポリスチレン廃棄物は、約260,000~約300,000g/モルの平均分子量を有するポリスチレンを含むことができる。
【0143】
例えば、再生ポリスチレンを、透明にすることができる。
【0144】
例えば、再生ポリスチレンを、澄明にすることができる。
【0145】
例えば、再生ポリスチレンを、実質的に透明にすることができる。
【0146】
例えば、再生ポリスチレンを、少なくとも実質的に透明にすることができる。
【0147】
例えば、再生ポリスチレンは、本開示に記載されるプロセスおよび/または方法のうちのいずれかによって取得することができる。
【0148】
再生ポリスチレンとバージンポリスチレンとを含む混合物を調製するための本開示の再生ポリスチレンの使用も提供される。
【0149】
再生ポリスチレンとバージンポリスチレンとを混合することを含む、本開示の再生ポリスチレンを使用する方法も提供される。
【0150】
例えば、混合物は、少なくとも約10重量%、少なくとも約15重量%、少なくとも約20重量%、約1重量%~約50重量%、約5重量%~約50重量%、または約5重量%~約30重量%の再生ポリスチレンを含むことができる。
【0151】
例えば、再生ポリスチレンは、他のコポリマーを含むことができる。例えば、それは、ブタジエン(HIPS)を含むことができ、スチレンとアクリロニトリルとのコポリマー(SAN)、またはアクリロニトリル、ブタジエン、およびスチレンとのコポリマー(ABS)とすることができる。例えば、再生ポリスチレンは、ポリスチレン-コ-ブタジエンコポリマーであり得る。本開示の他の例では、廃ポリスチレンは、他のコポリマーを含まない。
【0152】
例えば、ポリスチレンの再生、またはポリスチレン廃棄物の再生ポリスチレンへの変換は、本開示で定義した方法/プロセスによって実施することができる。
【実施例】
【0153】
実施例1:ポリスチレン廃棄物の再生
現在の研究では、5つの主要なステップを含んだプロセスで、以下の手順に従って、ポリスチレン廃棄物が再生された。
1.エチルベンゼンでのポリスチレンの可溶化
2.不溶性物質を除去するためのポリスチレン(PS)/エチルベンゼン混合物の濾過
3.PSに対する非溶剤である非極性溶剤を用いた洗浄
4.乾燥
5.PSプラスチックビーズの形成および梱包
【0154】
第1のステップ(可溶化)で、産業廃棄物である発泡ポリスチレンなどのポリスチレン廃棄物は、エチルベンゼンに溶解された。この可溶化ステップにおいて、ポリスチレンは、その構造的特性を喪失し、ポリスチレンが占める体積の減少をもたらす。その製造において使用したヘキサブロモシクロドデカン(HBCD)およびシリコーン油を含む様々な非極性添加剤が、エチルベンゼン溶剤に溶解される。このステップは、溶解モジュールと呼ばれている密閉ベント型タンクで行われた。このモジュールの目的は、所定の時間内で可溶化することができるポリスチレンの量を最大化することにある。例えば、この溶解モジュール内の金属グリッドは、溶解時間を、例えば、数時間から数分へと短縮することができるエチルベンゼンに対して、発泡ポリスチレン材を押し込むことができる。
【0155】
第3のステップ(洗浄)は、(1)ポリスチレンの沈殿、(2)ステップ1においてポリスチレンを再使用するためのエチルベンゼンの回収、および(3)再生ポリスチレンの機械的特性を改変し得る異なる添加剤の除去、を含めて目的としていた。このステップは、最初に、ヘキサン、ヘプタン、または適切な沸点を有するあらゆる他の炭化水素を用いて、可溶化したポリスチレンを沈殿させることを含む。この洗浄ステップでは、ヘプタンにより最良の結果を得ることが認められたが、他の炭化水素も有用であり得る。本研究では、ヘキサンおよびオクタンが、試験された。約100℃~約120℃の沸点を有する石油蒸留物も有用であり得、それらは、例えば、加工費および/または運営費の削減をもたらし得る。
【0156】
例えば、溶媒は、ポリスチレン廃棄物のTgに近い温度、またはそれよりも若干高めの温度の沸点を有することができる。ポリスチレンのTgは、例えば、分子量の関数として変化し得るが、ポリスチレン廃棄物のTgは、一般的には、約98℃である。工業用ポリスチレン材の製造において使用されている大半のポリスチレンが有する分子量または多分散性に起因するTgの変化がごくわずかなものであることは、当業者であれば理解するであろう。したがって、溶剤は、1気圧の圧力下で、約110℃までの沸点、例えば、約105℃~約110℃の沸点を有し得る。適切な炭化水素溶剤とは、例えば、エチルベンゼンの90%超をその溶剤内へと移行させることができるものであって、かつ、ポリスチレンに対する非溶剤である。
【0157】
この第1の洗浄ステップを実施する(すなわち、ポリスチレンを沈殿する)ために、エチルベンゼンで可溶化したポリスチレンの混合物を、その沸点温度にある炭化水素を収容している二重壁ステインレス製タンクに、ゆっくりと注いだ。例示的な実験では、その沸点温度(69℃)にあるヘキサンが、このステップのために使用された。他の例示的な実験では、その沸点温度(98℃)にあるヘプタンが、このステップのために使用された。混合物全体を、機械的撹拌器の使用を介して、適度に撹拌した。炭化水素に添加されたポリスチレン/エチルベンゼン溶液の体積は、炭化水素に対するポリスチレン/エチルベンゼン溶液の体積比が1:3であった。これらの条件下では、ポリスチレンは、粘着質の白色ペーストの形態で沈殿し得る。しかしながら、ポリスチレンは、粘着質のペーストの代わりに、撹拌中にPSのフレークを形成する可能性が高いことが見出された。この撹拌時間(約5分間~約10分間)は、炭化水素へのエチルベンゼンの有用な量の拡散を可能にした。しかしながら、エチルベンゼンとポリスチレンの親和性が高いため、沈殿ポリスチレンは、非常に展性が高く、効率的に分離するのではなく、溶剤混合物中にとどまることが認められた。このような場合、冷却プロセスを使用して、沈殿ポリスチレンの粘度を高め、沈殿ポリスチレンと溶剤混合物の第1の部分の分離を促進できることが見出された。例えば、二重壁ステインレス製タンクで冷却システムを使用することによって。例えば、冷水(5℃~10℃)は、沈殿ポリスチレンと溶剤混合物の第1の部分を用いてタンクを冷却するために使用することができる。冷却は、約10分間~約15分間以上の時間、例えば約2時間の時間にわたり得る。沈殿および任意に冷却した後、溶剤混合物の上清は、単純傾瀉によって除去され、その後、沈殿ポリスチレンの第2の洗浄を行うことが可能であった。
【0158】
第2の洗浄が、ヘプタンを用いて、同じタンクで行われた。98℃の沸騰温度を有するヘプタンの規定量が、ポリスチレン:ヘプタンが1:1の体積比で、そのタンクに導入された。混合物全体は、大気圧下で、適度な機械的撹拌を行いながら、約2分間~約5分間かけて煮沸された。第1の洗浄とは異なる炭化水素を第2の洗浄で用いることで、ポリスチレンの展性が増加し、例えば、残存しているエチルベンゼン溶剤を、沈殿ポリスチレンから炭化水素への拡散が増加した。冷却システムはまた、第2の洗浄後に、沈殿ポリスチレンの粘度を増加させ、溶剤混合物とポリスチレンのより容易な分離を可能にするために使用することができる(例えば、約10分間~約15分間の時間冷却すること)。洗浄し、任意に冷却した後、上清の溶剤混合物は、単純傾瀉によって除去された。洗浄効率の計算によると、この段階では、0.1%未満のエチルベンゼンが沈殿ポリスチレンに残存していた。
【0159】
ポリスチレン中のエチルベンゼンの存在をさらに削減するために、沸騰ヘプタンを用いた第3の洗浄が使用された。残存溶剤の存在は、例えば、メルトフローインデックス(MFI)とも呼ばれているメルトインデックスに対して影響を及ぼし得る。洗浄効率の程度は、MFIと反比例している。使用した洗浄条件は、第2の洗浄ステップと同じであった。ポリスチレンは、沈殿ステップと比較して、固体ペーストとしてとどまる傾向があり、溶剤混合物は、沈殿した材料を失うことなく、より簡単に除去することができる。したがって、冷却ステップは、例えば、第3の洗浄のためには効率的な分離を有することが必要であり得る。
【0160】
この回収した溶剤混合物は、ヘキサン、ヘプタン、エチルベンゼン、および/または使用したあらゆる他の炭化水素溶剤、ならびにPSから抽出した非極性添加剤を含有した。エチルベンゼンと添加剤との割合は、第2および第3の溶剤混合物よりも第1の溶剤混合物の方が高かった。異なる生成物を分離するために、分留が用いられた。エチルベンゼンは、可溶化ステップで再使用され、一方、ヘキサンおよびヘプタンは、洗浄ステップで再使用された。これらの回収した添加剤は、廃棄物としてみなされる。
【0161】
第4のステップ(乾燥)は、約5~37%のヘプタンを含有したポリスチレンペーストを、120℃の温度の乾燥器で乾燥することを含んでいた。目的とするところは、ポリマーの品質を変化させることなく、実質的にすべての残存している溶剤を除去することにあった。
【0162】
第5のステップ(梱包)は、乾燥ポリスチレンを裁断して、顧客に製品を配布する際において好適な小さなペレットにすることを含んでいた。業界で汎用されているペレタイザーが、最終製品の大きさおよび形状を制御するために利用された。
【0163】
主として、乾燥ステップおよび押し出しステップの間に認められる酸化に起因するPS崩壊を制限するために、Irganox(商標)1076(オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert.ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオネート)などの市販の抗酸化剤は、ポリスチレンの重量に基づいて、約1%の割合で添加することができる。この化合物は、食品に対しても適用可能であり、50℃の融点を有しており、このプロセスにおいて、すなわち、エチルベンゼンと共に、洗浄ステップおよび/または最終押し出しステップにおいて幾度でも添加することができる。
【0164】
実施例2:ポリスチレン結晶
20%のPS濃度を有するポリスチレン(PS)の溶液は、40gのPS結晶、平均MW=170,000を160gのエチルベンゼンに溶解することによって調製された。2時間磁気撹拌しながら、溶液を80℃に加熱した。溶液を、25℃に戻した。エチルベンゼン中の79gのPS溶液の画分を、300mlの冷ヘプタンに添加し、30分間撹拌しながら100℃で加熱した。溶液を、室温に戻した。溶剤混合物を、傾瀉によって除去し、ビーカーの底に白色のPSペーストのみを残した。新鮮なヘプタン(300ml)を、PS白色ペーストに添加し、30分間撹拌しながら、溶媒を100℃まで加熱した。溶剤を、25℃に戻した。PSペーストを、同じ条件下で、300mlのヘプタンで3回洗浄した。PSペースト26.1gは、100に加熱されたオーブンで4日間乾燥された。4日間の乾燥後のPS重量は、17.7gであった。
【0165】
実施例3:使用済みの発泡ポリスチレンの再生
I.実験的
20%のPS濃度を有するポリスチレン(PS)の溶液は、80gのエチルベンゼン中に家具の箱からの20gの発泡ポリスチレンを溶解することによって調製された。1時間磁気撹拌しながら、溶液を80℃に加熱した。ポリスチレン/エチルベンゼン溶液を、175mLの冷ヘプタンに添加し、1時間磁気撹拌しながら、80℃まで加熱して、PSの沈殿白色ペーストを形成した。溶液を室温に戻し、冷却プロセス(約5℃~10℃)を使用して、沈殿ポリスチレンの粘度を2時間かけて増加させた。溶媒混合物を、傾瀉によって除去し、フラスコの底に白色のPSペーストのみを残した。新鮮なヘプタン(150ml)を、PS白色ペーストに添加し、30分間磁気撹拌しながら、溶剤を80℃まで加熱した。溶剤を室温に戻し、別の冷却ステップ(約5℃~10℃)を使用して、沈殿PSの溶剤をより効率的に分離した。PSペーストを、同じ条件で、ヘプタン(150ml)で2回洗浄し、二重洗浄ポリスチレンペーストを、溶剤混合物から分離した。PSペースト30.02gは、100℃で4時間真空乾燥した。乾燥後の再生PS重量は、19.47gであった。
【0166】
II.結果および考察
エチルベンゼンは、ポリスチレンに対する非常に良好な親和性を有すると思われ、これは、例えば、PSの展性をより高め、沈殿後(高温および室温で)、かなりの量のエチルベンゼンを内部に閉じ込めたままにする可能性がある。そのため、いかなるPSも失うことなく、溶剤混合物を抽出することは困難である可能性があり(ヘプタン/エチルベンゼン混合物と一緒になる傾向がある)、沈殿物がフレークの形態である場合、良好な分離を行うことはさらに困難である。そのため、固体/液体の分離を増やすために、溶液を約5℃~10℃(例えば、30分間~1時間)に冷却すると、PSの粘度が増加し、いかなるPSも失うことなく、溶剤混合物をより簡単に分離することができる。この冷却ステップは、溶剤でいかなるPSも失わないようにするために、第1の洗浄後に、再度実行することができる。第2の洗浄後、この時点ではPSにエチルベンゼンが通常1%未満しか残っていないため、PSはより堅固であり、問題なく分離される傾向があるため、任意であることがわかった。
【0167】
PSとのエチルベンゼンのこの親和性は、PSとのp-シメンを用いたこれまでの結果と比較して、予想外であった。理論によって制限されることを望まないが、例えば、エチルベンゼンがポリマー鎖をさらに良好に分離し、したがって、鉱油、難燃剤などの汚染物質をより容易に除去することができるため、それは、例えば、再生の利点を可能にし得る。さらに、エチルベンゼンは、シメン(177℃)よりも低い沸騰温度(136.2℃)を有し、そのため、ポリスチレン中にわずかにとどまる場合、適切な温度で真空下でオーブンを通過すると、例えば、最大の残留溶媒を蒸発させ、より少ないエネルギーを用いてより良質の最終PSを調製し得る。
【0168】
特定の実施形態を特に参照して説明を行ったが、それらに対する多数の修正が当業者には明らかであることは理解されよう。したがって、上記の説明および添付の図面は、限定的な意味ではなく、特定の例として解釈されるべきである。