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特許7343824空気処理システムの制御方法及び空気処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-05
(45)【発行日】2023-09-13
(54)【発明の名称】空気処理システムの制御方法及び空気処理システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/65 20180101AFI20230906BHJP
   F24F 11/89 20180101ALI20230906BHJP
   F24F 110/20 20180101ALN20230906BHJP
   F24F 110/10 20180101ALN20230906BHJP
【FI】
F24F11/65
F24F11/89
F24F110:20
F24F110:10
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022531985
(86)(22)【出願日】2021-06-21
(86)【国際出願番号】 JP2021023484
(87)【国際公開番号】W WO2021261459
(87)【国際公開日】2021-12-30
【審査請求日】2022-12-20
(31)【優先権主張番号】202010575726.3
(32)【優先日】2020-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】奥野 真希
(72)【発明者】
【氏名】羅 翔宇
(72)【発明者】
【氏名】陳 ▲羽▼鵬
【審査官】沖田 孝裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-317796(JP,A)
【文献】特開2001-235214(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/65
F24F 11/89
F24F 110/20
F24F 110/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気処理システムにカビ防止モードを実行させ、前記カビ防止モードでは、前記空気処理システムによって調節される対象空間の相対湿度が目標相対湿度より大きい場合、前記空気処理システムに前記相対湿度を低下させるカビ防止運転を実行させる、前記空気処理システムの制御方法であって、
前記相対湿度≦a%の場合、前記目標相対湿度をa%に設定し、
前記相対湿度>a%の場合、前記目標相対湿度を室内温度に対応して変化させる、ことを特徴とする空気処理システムの制御方法。
【請求項2】
前記相対湿度≧b%の場合、前記目標相対湿度をb%に設定する、ことを特徴とする請求項1に記載の空気処理システムの制御方法。
【請求項3】
a%<前記相対湿度<b%の場合、前記目標相対湿度を前記室内温度と負の相関関係で線形に変化させる、ことを特徴とする請求項2に記載の空気処理システムの制御方法。
【請求項4】
前記相対湿度をH%に設定するとともに、前記目標相対湿度をHst%に設定した場合、
前記カビ防止運転の実行中に、H%<(Hst-5)%のとき、前記カビ防止運転を停止させ、
前記カビ防止運転を停止させた後、H%≧(Hst-2)%のとき、前記カビ防止運転を再開させる、ことを特徴とする請求項1に記載の空気処理システムの制御方法。
【請求項5】
前記カビ防止運転中に、
前記室内温度が第1の室内温度よりも大きい場合、前記空気処理システムに冷房運転又は除湿運転を実行させ、前記室内温度が第2の室内温度よりも小さい場合、前記空気処理システムに暖房運転を実行させ、
前記第2の室内温度が前記第1の室内温度よりも小さい、ことを特徴とする請求項1に記載の空気処理システムの制御方法。
【請求項6】
前記空気処理システムは、空調装置を含み、
前記空調装置は、少なくとも1台の室外機を含み、
前記少なくとも1台の室外機は、前記空調装置の冷房運転と暖房運転、又は、除湿運転と暖房運転を切り換えるための四方弁を有し、
前記カビ防止運転の起動時、前記四方弁の現在の切換え状態を検出する、ことを特徴とする請求項5に記載の空気処理システムの制御方法。
【請求項7】
前記カビ防止運転の起動時、前記四方弁が前記空調装置に暖房運転を実行させることができる切換え状態にあることを検出された場合、前記室内温度が前記第1の室内温度よりも大きいとき、前記四方弁を前記空調装置に冷房運転又は除湿運転を実行させることができる切換え状態に切換え、一方、前記カビ防止運転の起動時、前記四方弁が前記空調装置に冷房運転又は除湿運転を実行させることができる切換え状態にあることを検出された場合、前記室内温度が前記第2の室内温度よりも小さいとき、前記四方弁を前記空調装置に暖房運転を実行させることができる切換え状態に切換える、ことを特徴とする請求項6に記載の空気処理システムの制御方法。
【請求項8】
前記空調装置は、さらに、1台の第1の室内機と、少なくとも1台の第2の室内機を含み、
前記第1の室内機は、前記カビ防止運転を実行することができ、
前記第1の室内機による前記カビ防止運転の起動時、前記四方弁が前記空調装置に暖房運転を実行させることができる切換え状態にあることを検出され、かつ、前記少なくとも1台の第2の室内機のうちのいずれか1台が暖房運転にある場合、前記室内温度が前記第1の室内温度よりも大きいとき、前記四方弁を前記空調装置に冷房運転又は除湿運転を実行させることができる切換え状態に切り換えなく、一方、前記第1の室内機による前記カビ防止運転の起動時、前記四方弁が前記空調装置に冷房運転又は除湿運転を実行させることができる切換え状態にあることを検出され、かつ、前記少なくとも1台の第2の室内機のうちのいずれか1台が冷房運転にある場合、前記室内温度が前記第2の室内温度よりも小さいとき、前記四方弁を前記空調装置に暖房運転を実行させることができる切換え状態に切換えない、ことを特徴とする請求項6に記載の空気処理システムの制御方法。
【請求項9】
前記カビ防止運転中に、前記空調装置は、前記除湿運転としての再熱除湿運転を実行することができる、ことを特徴とする請求項6に記載の空気処理システムの制御方法。
【請求項10】
前記空気処理システムは、空調装置と除湿装置を含み、
前記カビ防止運転中に、前記室内温度が前記第1の室内温度よりも大きい場合、前記空調装置に冷房運転又は除湿運転を実行させ、かつ、前記除湿装置に強力除湿運転を実行させ、前記室内温度が前記第2の室内温度よりも小さい場合、前記空調装置に暖房運転を実行させ、かつ、前記除湿装置に通常除湿運転を実行させる、ことを特徴とする請求項5に記載の空気処理システムの制御方法。
【請求項11】
前記カビ防止運転中に、前記室内温度が第1の室内温度よりも大きい場合、前記空気処理システムに冷房運転を実行させる、ことを特徴とする請求項1に記載の空気処理システムの制御方法。
【請求項12】
前記相対湿度を独立したセンサによって検出する、ことを特徴とする請求項1に記載の空気処理システムの制御方法。
【請求項13】
空調装置(110)と、空気処理システムの運転を制御する制御手段(130)と、を含む前記空気処理システムであって、
室内の温度データ、湿度データを取得する検出手段をさらに含み、
前記制御手段(130)は、前記検出手段により取得されたデータに基づき、請求項1~12のいずれか1項に記載の空気処理システムの制御方法に従って、前記空気処理システムの運転を制御する、ことを特徴とする空気処理システム。
【請求項14】
前記空気処理システムは、除湿装置をさらに含む、ことを特徴とする請求項13に記載の空気処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気処理システムの制御方法及び空気処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
生活水準の向上に伴い、人々は、生活しているオフィス・住宅環境による健康問題に対してもますます重視している。
【0003】
例えば、近年、建材や家具等から放出されるホルムアルデヒドによる問題がますます、重視されており、ホルムアルデヒドを除去する機能が付けられた浄化器や空調装置等の各種の空気処理設備に対する需要も高まっていく。
【0004】
ホルムアルデヒドと同様に、建材等の表面に付着したカビが産生するカビ毒素も、人々、特に子供の健康に影響を与えるものである。そのため、抗菌・防カビモードを有する空気処理設備は注目されている。
【0005】
従来、上述したような空気処理設備の一つである空調装置は、弱冷房の方式によって室内環境の温度を低下させることでカビの発生を抑制していたが、それによる防カビの効果が十分に得られないことが多く、エネルギーの浪費となる場合もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的が、カビの発生を効果的に防止しやすい空気処理システムの制御方法及び空気処理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、空気処理システムにカビ防止モードを実行させ、前記カビ防止モードでは、前記空気処理システムによって調節される対象空間の相対湿度が目標相対湿度より大きい場合、前記空気処理システムに前記相対湿度を低下させるカビ防止運転を実行させる、前記空気処理システムの制御方法であって、前記相対湿度≦a%の場合、前記目標相対湿度をa%に設定し、前記相対湿度>a%の場合、前記目標相対湿度を室内温度に対応して変化させる空気処理システムの制御方法を提供する。
【0008】
本発明における空気処理システムの制御方法によれば、カビ防止モードでは、空気処理システムによって調節される対象空間の相対湿度が目標相対湿度より大きい場合、空気処理システムに相対湿度を低下させるカビ防止運転を実行させ、且つ、相対湿度≦a%の場合、目標相対湿度をa%に設定し、相対湿度>a%の場合、目標相対湿度を室内温度に対応して変化させ、異なる室内温度に応じて異なる目標相対湿度を設定する。つまり、室内の湿度、温度に応じて異なる温度範囲を区別処理して、適切な目標相対湿度でカビ防止運転を実行させる。そのため、室内をカビ繁殖が発生しにくい温度・湿度環境にしやすく、カビの発生を効果的に防止することができる。
【0009】
また、本発明における空気処理システムの制御方法では、好ましくは、前記相対湿度≧b%の場合、前記目標相対湿度をb%に設定する。
【0010】
本発明における空気処理システムの制御方法によれば、H%が大きい場合、目標相対湿度を固定値に設定するため、目標相対湿度の算出が簡素化され、温度の変化に迅速に応答して目標相対湿度を調節することができる。
【0011】
また、本発明における空気処理システムの制御方法では、好ましくは、a%<前記相対湿度<b%の場合、前記目標相対湿度を前記室内温度と負の相関関係で線形に変化させる。
【0012】
本発明における空気処理システムの制御方法によれば、a%<相対湿度<b%の場合、目標相対湿度を室内温度と負の相関関係で線形に変化させるため、目標相対湿度の算出が簡素化され、データ計算量が低減され、それに応じてハードウェア機器に対する要求も低くなり、コストが削減されるとともに、温度の変化に迅速に応答して目標相対湿度を調節することができる。
【0013】
また、本発明における空気処理システムの制御方法では、好ましくは、a=60、b=90、f(Tst)=-2*Tst+110となる。
【0014】
ただし、f(Tst)は室内温度Tstを変数とする関数を示す。
【0015】
また、本発明における空気処理システムの制御方法では、好ましくは、前記相対湿度をH%に設定するとともに、前記目標相対湿度をHst%に設定した場合、前記カビ防止運転の実行中に、H%<(Hst-5)%のとき、前記カビ防止運転を停止させ、前記カビ防止運転を停止させた後、H%≧(Hst-2)%のとき、前記カビ防止運転を再開させる。
【0016】
本発明における空気処理システムの制御方法によれば、カビ防止運転の実行中に、H%<(Hst-5)%のとき、カビ防止運転を停止させるため、カビ防止運転が無駄に実行されてエネルギーの浪費となり、空気処理システムの正常使用に影響を与えるのを回避することができる。しかも、カビ防止運転を停止させた後、H%≧(Hst-2)%のとき、カビ防止運転を再開させるため、室内湿度が目標相対湿度の近傍で変動しているとき、カビ防止運転の開始、停止が繰り返されて空気処理システムの正常使用に影響を与えるのを回避することができる。
【0017】
また、本発明における空気処理システムの制御方法では、好ましくは、前記カビ防止運転中に、前記室内温度が第1の室内温度よりも大きい場合、前記空気処理システムに冷房運転又は除湿運転を実行させ、前記室内温度が第2の室内温度よりも小さい場合、前記空気処理システムに暖房運転を実行させ、前記第2の室内温度が前記第1の室内温度よりも小さい。
【0018】
ここでいう「除湿運転」は、除湿器による除湿運転だけでなく、空調装置の室内機が弱冷房の方式によって行う除湿運転を含んでもよく、さらに、空調装置の室内機が2以上の熱交換器を備えた場合、少なくとも1つの熱交換器が冷房するが、少なくとも1つの熱交換器が暖房することによって実現された再熱除湿運転を含んでもよい。
【0019】
本発明における空気処理システムの制御方法によれば、カビ防止運転中に、室内温度が第1の室内温度よりも大きい場合、空気処理システムに冷房運転又は除湿運転を実行させ、室内温度が第1の室内温度より小さい第2の室内温度よりも小さい場合、空気処理システムに暖房運転を実行させるため、室内の湿度を適切なモードで調節することができ、カビ防止運転中にモードに対する不適切な選択に起因して、空調装置が長時間に亘ってサーモオフ(thermo-off)状態にあり、エネルギーの浪費となり、かつ、予期通りにカビ防止効果を実現させることができないことを回避した。
【0020】
また、本発明における空気処理システムの制御方法では、好ましくは、前記空気処理システムは、空調装置を含み、前記空調装置は、少なくとも1台の室外機を含み、前記少なくとも1台の室外機は、前記空調装置の冷房運転と暖房運転、又は、除湿運転と暖房運転を切り換えるための四方弁を有し(即ち、空調装置の四方弁が、冷房運転又は除湿運転の切換え状態と、暖房運転の切換え状態との2つの切換え状態をそれぞれ、有するものであり)、前記カビ防止運転の起動時、前記四方弁の現在の切換え状態を検出する。
【0021】
本発明における空気処理システムの制御方法によれば、カビ防止運転の起動時、四方弁の現在の切換え状態を検出するため、カビ防止運転が行われると、空調装置の冷房運転又は除湿運転、暖房運転を切り換える必要があるか否かに対する判断を容易にすることができる。
【0022】
また、本発明における空気処理システムの制御方法では、好ましくは、前記カビ防止運転の起動時、前記四方弁が前記空調装置に暖房運転を実行させることができる切換え状態にあることを検出された場合、前記室内温度が前記第1の室内温度よりも大きいとき、前記四方弁を前記空調装置に冷房運転又は除湿運転を実行させることができる切換え状態に切換え、一方、前記カビ防止運転の起動時、前記四方弁が前記空調装置に冷房運転又は除湿運転を実行させることができる切換え状態にあることを検出された場合、前記室内温度が前記第2の室内温度よりも小さいとき、前記四方弁を前記空調装置に暖房運転を実行させることができる切換え状態に切換える。
【0023】
また、本発明における空気処理システムの制御方法では、好ましくは、前記空調装置は、さらに、1台の第1の室内機と、少なくとも1台の第2の室内機を含み、前記第1の室内機は前記カビ防止運転を実行することができ、前記第1の室内機による前記カビ防止運転の起動時、前記四方弁が前記空調装置に暖房運転を実行させることができる切換え状態にあることを検出され、かつ、前記少なくとも1台の第2の室内機のうちのいずれか1台が暖房運転にある場合、前記室内温度が前記第1の室内温度よりも大きいとき、前記四方弁を前記空調装置に冷房運転又は除湿運転を実行させることができる切換え状態に切り換えなく、一方、前記第1の室内機による前記カビ防止運転の起動時、前記四方弁が前記空調装置に冷房運転又は除湿運転を実行させることができる切換え状態にあることを検出され、かつ、前記少なくとも1台の第2の室内機のうちのいずれか1台が冷房運転にある場合、前記室内温度が前記第2の室内温度よりも小さいとき、前記四方弁を前記空調装置に暖房運転を実行させることができる切換え状態に切換えない。
【0024】
本発明における空気処理システムの制御方法によれば、第1の室内機による冷房運転(除湿運転)、暖房モードの切換えから、他の室内機が設置された場所に居る人員の快適さに影響を与えることを容易に回避した。
【0025】
また、本発明における空気処理システムでは、好ましくは、前記カビ防止運転中に、前記空調装置は、前記除湿運転としての再熱除湿運転を実行することができる。
【0026】
また、本発明における空気処理システムの制御方法では、好ましくは、前記空気処理システムは、空調装置と除湿装置を含み、前記カビ防止運転中に、前記室内温度が前記第1の室内温度よりも大きい場合、前記空調装置に冷房運転又は除湿運転を実行させ、かつ、前記除湿装置に強力除湿運転を実行させ、前記室内温度が前記第2の室内温度よりも小さい場合、前記空調装置に暖房運転を実行させ、かつ、前記除湿装置に通常除湿運転を実行させる。
【0027】
本発明における空気処理システムの制御方法によれば、室内温度が第1の室内温度よりも大きい場合、空調装置を冷房運転又は除湿運転に切り換え、且つ、除湿装置に強力除湿運転を実行させるため、冷房運転における大強度の空調装置の除湿負荷を減少して、除湿効果をさらに向上させることができる。
【0028】
また、本発明における空気処理システムの制御方法では、好ましくは、前記カビ防止運転中に、前記室内温度が第1の室内温度よりも大きい場合、前記空気処理システムに冷房運転を実行させる。
【0029】
ここで、第1の室内温度は、例えば、22℃に設定することができるが、それに限らない。
【0030】
また、本発明における空気処理システムの制御方法では、好ましくは、前記相対湿度を独立したセンサによって検出する。
【0031】
本発明における空気処理システムの制御方法によれば、相対湿度を独立したセンサによって検出することにより、ユーザは、センサの設置位置を自由に選択することができる。カビの発生を抑制する要求が高い位置に設置されることが好ましい。また、選定された位置での検出データに基づいて、室内の相対湿度が目標相対湿度よりも大きいか否かを更に正確に特定することができ、それにより、カビ防止運転をさらに正確に起動させることができ、特定の領域におけるカビの発生をさらに効果的に防止することができる。
【0032】
また、上記目的を達成するために、本発明は、空調装置と、空気処理システムの運転を制御する制御手段と、を含む前記空気処理システムであって、室内の温度データ、湿度データを取得する検出手段をさらに含み、前記制御手段は、前記検出手段により取得されたデータに基づき、上記いずれか1項に記載の空気処理システムの制御方法に従って、前記空気処理システムの運転を制御する空気処理システムを提供する。
【0033】
また、本発明における空気処理システムでは、好ましくは、前記空気処理システムは、室内に設置された除湿装置をさらに含む。
【0034】
本発明によれば、カビ防止モードでは、空気処理システムによって調節される対象空間の相対湿度が目標相対湿度より大きい場合、空気処理システムに相対湿度を低下させるためのカビ防止運転を実行させ、且つ、相対湿度≦a%の場合、目標相対湿度をa%に設定し、相対湿度>a%の場合、目標相対湿度を室内温度に対応して変化させ、異なる室内温度に応じて異なる目標相対湿度を設定する。つまり、室内の湿度、温度に応じて異なる温度範囲を区別処理して、適切な目標相対湿度でカビ防止運転を実行させる。そのため、室内をカビ繁殖が発生しにくい温度・湿度環境にしやすく、カビの発生を効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1図1は、本発明の実施形態における空気処理システムの構造を示す模式図である。
図2図2は、本発明の実施形態における空気処理システムに含まれる空調装置の回路構造を示す模式図である。
図3図3は、本発明の実施形態における空気処理システムの運転の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、本発明の変形例における空気処理システムの運転の一例を示すフローチャートである。
図5図5は、本発明の変形例における空気処理システムに含まれる空調装置の回路構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下では、図1図3を参照して、本発明の実施形態における空気処理システムを説明する。ここで、図1は、本発明の実施形態における空気処理システムの構造を示す模式図であり、図3は、本発明の実施形態における空気処理システムの運転の一例を示すフローチャートである。
【0037】
(空気処理システムの全体的構造)
図1に示されるように、空気処理システム1は、空調装置110の、冷房機能と暖房機能を有する室内機112と、空気処理システム1によって調節される対象空間である室内の温度データ、湿度データを取得する室内検出手段120と、室内検出手段120によって取得されたデータに基づいて、空気処理システム1の運転を制御する制御手段130と、を備える。
【0038】
ここで、図1に示されるように、空気処理システム1は、空気処理システム1の運転状態の表示、後述する第1の室内温度及び第2の室内温度の設定、後述するカビ防止モードの起動や停止、および、カビ防止モードの運転時間の長さの設定のうちの少なくとも1つを行うための移動端末140をさらに含む。
【0039】
(空調装置)
上述したように、空調装置110の室内機112は冷房機能と暖房機能を有する。
【0040】
ここで、空調装置110は、マルチ型空調装置であり、1台の室外機111と、液管P1とガス管P2によって当該室外機111と接続されたことで冷媒回路を形成した複数台の室内機112と、を含む(図示の例では、第1の室内機112Aと第2の室内機112Bの2台の室内機が示されるが、それらに限らず、カビ防止運転を実行可能な第1の室内機を複数台含んでもよい)。また、室外機111は、圧縮機1111、四方弁1112、室外熱交換器1113、室外ファン1114、および、室外膨張弁1115を含み、ここで、圧縮機1111は低圧の冷媒を高圧まで加圧して排出させ、四方弁1112が冷媒回路内の冷媒の流れ方向を切り換えることで、空調装置110は、冷房運転(即ち、圧縮機1111から排出された高圧の冷媒が四方弁1112を介して室内機112の後述する室内熱交換器1112へ流れる運転)を実行可能な状態と暖房運転(即ち、圧縮機1111から排出された高圧の冷媒が四方弁1112を介して室外機111の室外熱交換器1113へ流れる運転)を実行可能な状態とに切換えられることが可能となり、室外熱交換器1114は室外空気と冷媒の間で熱交換を行い、室外ファン1114は室外空気を室外熱交換器1113に送り、室外膨張弁1115は冷媒の流量の大きさを制御する。また、室内機112は、第1の室内機112Aと第2の室内機112Bを含み、第1の室内機112Aと第2の室内機112Bがそれぞれ、室内膨張弁1121、室内熱交換器1122、および、室内ファン1123を含み、ここで、室内膨張弁1121は冷媒の流量の大きさを制御し、室内熱交換器1122が室内空気と冷媒の間で熱交換を行い、室内ファン1123は室内空気を室内熱交換器1122に送る。
【0041】
(室内検出手段)
上述したように、室内検出手段120は、室内の温度データ、湿度データ(具体的には、後述する相対湿度H%と室内温度Ti)を取得する。
【0042】
ここで、室内検出手段120は、空調装置110とは別に設けられたものであり、室内検出手段120は例えば、センサを含む。
【0043】
(制御手段)
上述したように、制御手段130は、室内検出手段120によって取得されたデータに基づき、空気処理システム1の運転を制御する。
【0044】
ここで、制御手段130は、空調装置110と室内検出手段120とは別に設けられたものであり、かつ、制御手段130は、移動端末140から送信された指令を識別処理した後、当該指令を有線通信または無線通信の方式によって空調装置110(室外機111及び/又は室内機112)に送信し、それにより、空調装置110の動作を制御する。
【0045】
(移動端末)
上述したように、移動端末140は、空気処理システム1の運転状態の表示、後述する第1の室内温度及び第2の室内温度の設定、後述するカビ防止モードの起動または停止、および、カビ防止モードの運転時間の長さの設定のうちの少なくとも1つを行う。
【0046】
ここで、移動端末140は、スマートホンであり、図示されないルーターを介して制御手段130と通信し、そして、制御手段130を介して空調装置110と通信し、それにより、空調装置110の動作を制御することができる。
【0047】
(空気処理システムの運転)
空気処理システム1では、制御手段130は、室内検出手段120によって取得された温度データ、湿度データに基づき、空気処理システム1の運転を制御し、空気処理システム1にカビ防止モードを運転させ、カビ防止モードでは、空気処理システム1によって調節される対象空間の相対湿度が目標相対湿度より大きい場合、空気処理システム1にカビ防止運転を実行させる。
【0048】
ここで、相対湿度をH%に設定し、目標相対湿度をHst%に設定するとともに、室内温度をTst℃に設定した場合、H%≦a%のとき、Hstをaに設定するが、H%>a%のとき、HstをTstに対応して変化させる。本実施形態では、a%<H%<b%の場合、Hstを、Tstを変数とする関数であるf(Tst)に設定し、H%≧b%の場合、Hstをbに設定する。上記a、b、f(Tst)は実験などによって予め定めることができる。例えば、a=60、b=90、f(Tst)=-2*Tst+110となるように設定されることができる。
【0049】
また、カビ防止運転の実行中に、H%<(Hst-5)%のとき、カビ防止運転を停止させ、カビ防止運転を停止させた後、H%≧(Hst-2)%のとき、カビ防止運転を再開させる。
【0050】
また、カビ防止運転中に、室内温度Tiが第1の室内温度T1よりも大きい場合、制御手段130は、空気処理システム1に冷房運転を実行させ、一方、室内温度Tiが第2の室内温度T2よりも小さい場合、制御手段130は、空気処理システム1に暖房運転を実行させ、ここで、第2の室内温度T2が第1の室内温度T1よりも小さい。
【0051】
ここで、カビ防止モードは、空気処理システム1によって調節される対象空間の相対湿度を取得する情報取得ステップと、情報取得ステップで取得された相対湿度が目標相対湿度よりも大きいか否かを判断する情報判断ステップと、情報判断ステップで相対湿度が目標相対湿度よりも大きいと判断された場合、空気処理システム1にカビ防止運転を実行させる実行ステップと、を含む。
【0052】
また、図3に示されるように、空気処理システム1によるカビ防止運転が開始した(ステップST1)後、空調装置110が起動され、室外機111において、圧縮機1111が作動し、室外ファン1114が作動するようになり、また、例えば、第1の室内機112Aが起動されると、その室内ファン1123が作動することにより、空調装置110は、冷媒回路内における冷媒の流動によって冷房運転又は暖房運転を実行する。その状態では、第1の室内機112Aによるカビ防止運転が起動されると、制御手段130は、四方弁1112の現在の切換え状態を検出する(ステップST2)。カビ防止運転の起動時、四方弁1112が空調装置110に暖房運転を実行させることができる切換え状態にあることを検出された場合、室内温度Tiが第1の室内温度T1(例えば22℃)よりも大きいか否かを判断し(ステップST3)、室内温度Tiが第1の室内温度T1よりも大きいときに、制御手段130は、四方弁1112を空調装置110に冷房運転を実行させることができる切換え状態に切り換え、それに対して、室内温度Tiが第1の室内温度T1以下である場合、制御手段130は、空調装置110に暖房乾燥運転を直接に実行させる(ステップST5)。一方、カビ防止運転の起動時、四方弁1112が空調装置110に冷房運転を実行させることができる切換え状態にあることを検出された場合、室内温度Tiが第2の室内温度T2(例えば18℃)よりも小さいか否かを判断し(ステップST6)、室内温度Tiが第2の室内温度T2よりも小さいときに、制御手段130は、四方弁1112を空調装置110に暖房運転を実行させることができる切換え状態に切り換え、それに対して、室内温度Tiが第2の室内温度T2以上である場合、制御手段130は、空調装置110に冷房運転を直接に実行させる(ステップST4)。
【0053】
ちなみに、本実施形態では、上記ステップST4は、空調装置110が実行する所定の冷房運転によって実現され、当該所定の冷房運転では、例えば、第1の室内機112Aの送風温度を16℃に設定する。しかも、本実施形態では、上記ステップST5は、空調装置110が実行する所定の暖房運転によって実現され、当該所定の暖房運転では、例えば、室内機の送風温度を室内温度よりも2℃高いように設定する。
【0054】
また、冷房運転(図3中のステップST4を参照)と暖房乾燥運転(図3中のステップST5を参照)とはいずれも、除湿を実現することができるが、両者の除湿原理が異なるものである。具体的には、冷房運転の実行時、室内温度の低下に伴い、空気中の水分飽和濃度が低下するため、温度を低下させる方式により、空気中の水分を凝縮析出して、空気の絶対湿度を低下させ、さらに、空気の相対湿度を低下させることができる。それに対して、暖房乾燥運転の実行時、室内温度の上昇に伴い、空気中の水分飽和濃度が上昇するため、空気の相対湿度も対応して低下する。
【0055】
また、本実施形態では、空調装置110は、1台の第1の室内機112Aと、1台の第2の室内機112Bを含み、第1の室内機112Aは、カビ防止運転を実行することができ、第1の室内機112Aによるカビ防止運転の起動時、四方弁1112が空調装置110に暖房運転を実行させる切換え状態にあり、かつ、第2の室内機112Bが暖房運転にある場合、室内温度Tiが第1の室内温度T1よりも大きいとき、空調装置110を冷房運転に切り換えなく、一方、第1の室内機112Aによるカビ防止運転の起動時、四方弁1112が空調装置110に冷房運転を実行させる切換え状態にあり、かつ、第2の室内機112Bが冷房運転にある場合、室内温度Tiが第2の室内温度T2よりも小さいとき、空調装置110を暖房運転に切換えない。
【0056】
(本実施形態による主な技術的効果)
本実施形態における空気処理システム1によれば、カビ防止モードでは、空気処理システム1によって調節される対象空間の相対湿度が目標相対湿度より大きい場合、空気処理システム1に相対湿度を低下させるためのカビ防止運転を実行させ、且つ、相対湿度をH%に設定し、目標相対湿度をHst%に設定するとともに、室内温度をTst℃に設定した場合、H%≦a%のとき、Hstをaに設定し、H%>a%のとき、HstをTstに対応して変化させ、異なる室内温度に応じて異なる目標相対湿度を設定する。つまり、室内の湿度、温度に応じて異なる温度範囲を区別処理して、適切な目標相対湿度でカビ防止運転を実行させる。そのため、室内をカビ繁殖が発生しにくい温度・湿度環境にしやすく、カビの発生を効果的に防止することができる。
【0057】
また、本実施形態における空気処理システム1によれば、a%<H%<b%の場合、HstをTstと負の相関関係で線形に変化させるため、目標相対湿度の算出が簡素化され、温度の変化に迅速に応答して目標相対湿度を調節することができる。
【0058】
また、本実施形態における空気処理システム1によれば、空気処理システム1によって調節される対象空間の相対湿度H%が目標相対湿度Hst%よりも大きい場合、空気処理システム1にカビ防止運転を実行させ、カビ防止運転中に、室内温度Tiが第1の室内温度T1よりも大きい場合、制御手段130は、空調装置110に冷房運転を実行させ、且つ、室内温度Tiが第1の室内温度T1より小さい第2の室内温度T2よりも小さい場合、制御手段130は、空調装置110に暖房運転を実行させるため、室内の湿度に対する調節に寄付し、それにより、カビの発生を防止することができる。
【0059】
以上は、図面を参照して本発明を例示的に説明したが、本発明の具体的な実現が上記実施の形態により制限されていないことは明らかである。
【0060】
例えば、上記実施形態では、空調装置110の室内機112は冷房機能と暖房機能を有し、カビ防止運転中に、室内温度Tiが第1の室内温度T1よりも大きい場合、制御手段130は、空調装置1に冷房運転を実行させ、一方、室内温度Tiが第2の室内温度T2よりも小さい場合、制御手段130は、空調装置110に暖房運転を実行させ、ここで、第2の室内温度T2が第1の室内温度T1よりも小さいが、それに限らず、空調装置110の室内機112は冷房機能のみを有するとともに、カビ防止運転中に、室内温度Tiが第1の室内温度T1よりも大きい場合、制御手段130は空調装置110に冷房運転を実行させてもよい。
【0061】
また、上記実施形態では、空気処理システム1は、除湿装置をさらに含んでもよい。上述した場合に、例えば、室内検出手段120が除湿装置に設置されてもよい。しかも、上述した場合に、除湿装置は、現在の湿度値を表示する機能を有してもよい。しかも、上述した場合に、カビ防止運転中に、室内温度Tiが第1の室内温度T1よりも大きい場合、制御手段130は、空気処理システム1に冷房運転及び/又は除湿運転を実行させる。つまり、上述したステップST4では、空調装置110による冷房運転のみが実行されてもよいし、空調装置110による冷房運転と除湿装置による除湿運転とが同時に実行されてもよいし、除湿装置による除湿運転のみが実行されてもよい。また、上述した場合に、例えば、カビ防止運転中に、室内機112が冷房運転にある場合、制御手段130は、除湿装置に強力除湿運転を実行させるが、室内機112が暖房運転にある場合、制御手段130は、除湿装置に通常除湿運転を実行させる。
【0062】
また、上述した実施形態では、室内検出手段120は、室内の温度データ、湿度データを取得し、カビ防止運転中に、室内温度Tiが第1の室内温度T1よりも大きい場合、空気処理システム1に冷房運転及び/又は除湿運転を実行させ、室内温度Tiが第2の室内温度T2よりも小さい場合、空気処理システム1に暖房運転を実行させるが、それに限らず、室内検出手段120に加えて、室外の温度データを取得する室外検出手段が設置されるとともに、図4に示されるように、カビ防止運転中に、室内温度Tiが第1の室内温度T1よりも大きく、かつ、室外温度Toが第1の室外温度T3(例えば、20℃)よりも大きいとき(ステップST3:YES)、空気処理システム1に冷房運転及び/又は除湿運転を実行させ、室内温度Tiが第2の室内温度T2よりも小さく、かつ、室外温度Toが第1の室外温度T3より小さい第2の室外温度T4(例えば、16℃)よりも小さいとき(ステップST6:YES)、空気処理装置1に暖房運転を実行させてもよい。
【0063】
また、上記実施形態では、空調装置110は、室外機111と室内機112が液管P1とガス管P2によって接続された2管型空調装置であるが、それに限らず、空調装置は、室外機と少なくとも一部の室内機が液管、ガス管及び高圧管によって接続された3管型空調装置であってもよい。例えば、図5に示される構造が用いられてもよい(図5中に、上記実施形態における空調装置110に対応する部材に同一の符号を付している)。その場合、空調装置は、除湿運転としての再熱除湿運転を実行することができる。具体的には、空調装置は、上記空調装置110に加えて、室外機111における圧縮機1111の排出管Poから分岐されて第1の室内機112Aまでに延伸しているとともに、順次に接続された配管P101-1、配管P101-2、配管P3、および、配管P202を有する高圧管と、高圧管の室外機111内に位置する配管P101-1と配管P101-2の間に設置された四方弁1116と、高圧管の第1の室内機112A内に位置する部分に設置された流量調節弁1124と、高圧管の第1の室内機112A内の部分上であって高圧管において流量調節弁1124と四方弁1116の間に位置するように設置されるとともに、室外ファン1123で形成された風路において室内熱交換器1122の下流側に位置する室内熱交換器1125と、室外機111における圧縮機1111の吸入管Piから分岐された配管P102と、配管P102から分岐された配管P103と、配管P103の途中に設置された流量調節装置1117(例えば、毛細管)と、をさらに含む。しかも、四方弁1112は、ポートaとポートbを連通させるとともに、ポートcとポートdとを連通させる第1の状態と、ポートaとポートdを連通させるとともに、ポートbとポートcとを連通させる第2の状態とに切り換えられることができる。四方弁1116は、ポートa1とポートb1を連通させるとともに、ポートc1とポートd1とを連通させる第1の状態と、ポートa1とポートd1を連通させるとともに、ポートb1とポートc1とを連通させる第2の状態とに切り換えられることができる。それにより、四方弁1112と四方弁1116を切り換えることにより、空調装置は、冷房運転(四方弁1112を第1の状態に、四方弁1116を第2の状態にすること)、除湿運転としての再熱除湿運転(図5に示した状態を参照して、四方弁1112を第1の状態に、四方弁1116を第1の状態にすること)、および、暖房運転(四方弁1112を第2の状態に、四方弁1116を第1の状態にすること)に切り換えられることができる。その場合、上述したステップST4では、冷房運転又は再熱除湿運転を選択的に実行でき、再熱除湿運転を実行するとき、例えば、第1の室内機112Aの送風温度を室内温度よりも2℃低いように設定してもよい。勿論、場合によって、室内熱交換器1125が室内熱交換器1122の下流に設置されてもよく、かつ、四方弁1116が省略されてもよい。その場合、配管P102、配管P103、および、流量調節装置1117が設置される必要がない。
【0064】
また、上記実施形態では、1台の室内機112によるカビ防止運転の実行時、制御手段130は、他の室内機112による冷房と暖房の選択を禁止させてもよい。
【0065】
また、上記実施形態では、1台の第2の室内機112Bが含まれるが、それに限らず、複数台の第2の室内機112Bが含まれてもよい。
【0066】
また、上記実施形態では、複数台の室内機112が含まれるが、それに限らず、1台の室内機112のみが含まれてもよい。
【0067】
また、上記実施形態では、空調装置110の室内機112によるカビ防止運転中に、制御手段130とセンサ120又は空調装置110との通信に異常が発生した場合、制御手段130は、空調装置110にカビ防止モードを終了させてもよい。
【0068】
また、上記実施形態では、空気処理システム1は、各室内機112に対応する部屋に設置された人検出器をさらに含み、人検出器によって人が居ることを検出された場合、制御手段130は、空調装置110にカビ防止運転を実行させなく、人検出器によって人が居ないことを検出された場合、制御手段130は、空調装置110にカビ防止運転を実行させてもよい。
【0069】
また、上記実施形態では、空気処理システム1がカビ防止モードを運転させる時間が予め設定された総時間の長さに達した場合又は相対湿度H%が上記目標相対湿度よりも一定量(例えば、5%)小さい別の目標相対湿度に達した場合、カビ防止モードを停止させてもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、カビ防止運転が予め設定された時間(例えば、4時間)以上、継続した(相対湿度が常時目標相対湿度よりも大きい)場合、異常通知を送信してもよい。それにより、異常状況(例えば、室内機の能力不足、設置の位置や故障による誤ったセンサデータ、室外湿度が高くてドアや窓が閉じられないなど)に起因したエネルギーの浪費を回避することができる。
【0071】
また、上記実施形態では、暖風機、オイルヒーターなどが含まれてもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、移動端末140は、スマートホンであるが、それに限らず、移動端末140は、タブレットパソコン、クラウドサーバなどで構成されてもよい。
また、上記実施形態では、制御手段130は、空調装置110と室内検出手段120とは別に設置されるが、それに限らず、制御手段130は、空調装置110又は室内検出手段120に集積されてもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、室内検出手段120は、相対湿度を検出する独立したセンサを含んでもよい。
【0074】
また、上記実施形態では、空気処理システム1は、空気処理システムの運転を制御するリモコンを更に含み、かつ、空気処理システム1によるカビ防止運転が開始した後、リモコンからの指令(例えば、室内機による起動・停止の指令、運転モードの指令)を受信したとき、リモコンの指令を優先に実行させてもよい。
【0075】
また、上記実施形態では、H%≧b%の場合、Hstをbに設定するが、それに限らず、H%≧b%の場合、HstがTstに対応して変化するように設定されてもよい。
【0076】
理解すべきなのは、本発明は、その範囲内に、実施形態における各部分、ステップを自由に組み合わせ、又は、実施形態における各部分、ステップを適宜に変形し、省略してもよい。
【符号の説明】
【0077】
1空気処理システム
110空調装置
111室外機
1111圧縮機
1112四方弁
1113室外熱交換器
1114室外ファン
1115室外膨張弁
1116 四方弁
1117流量調節装置
112室内機
112A第1の室内機
112B第2の室内機
1121室内膨張弁
1122室内熱交換器
1123室内ファン
1124流量調節弁
1125室内熱交換器
120室内検出手段
130制御手段
140移動端末
P1液管
P2ガス管
P3配管
Po排出管
Pi吸入管
P101-1配管
P101-2配管
P102配管
P103配管
P202配管
図1
図2
図3
図4
図5