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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-05
(45)【発行日】2023-09-13
(54)【発明の名称】加工機構
(51)【国際特許分類】
   B26D 5/08 20060101AFI20230906BHJP
   B26D 5/00 20060101ALI20230906BHJP
   B23Q 1/48 20060101ALI20230906BHJP
   B23Q 1/64 20060101ALI20230906BHJP
   B23Q 1/01 20060101ALI20230906BHJP
   B25J 11/00 20060101ALI20230906BHJP
【FI】
B26D5/08 D
B26D5/00 F
B23Q1/48 D
B23Q1/64 D
B23Q1/01 W
B25J11/00 D
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019107548
(22)【出願日】2019-06-10
(65)【公開番号】P2020199576
(43)【公開日】2020-12-17
【審査請求日】2022-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】513161689
【氏名又は名称】ACS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100156867
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 欣浩
(74)【代理人】
【識別番号】100143786
【弁理士】
【氏名又は名称】根岸 宏子
(72)【発明者】
【氏名】田中 淳史
【審査官】石川 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-268681(JP,A)
【文献】特表2005-536703(JP,A)
【文献】特開2002-263973(JP,A)
【文献】特開2014-237215(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 5/08
B26D 5/00
B23Q 1/44-1/64
B23Q 1/01
B25J 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
材料に加工を施す加工ツールが取り付けられる装着部を備えるヘッドと、を含んで構成され、
前記ヘッドは、
前記本体に対し、前記材料に接近、離反する向きに延在する第1軸に沿って移動可能に支持されるとともに、該第1軸に対して交差する向きに延在する第2軸回りに回動可能であって、且つ該第1軸と該第2軸のそれぞれに対して交差する第3軸回りに回動可能である支持部と、
前記支持部を基準として前記装着部の逆側に位置する球状のジョイント部と、を備え、
前記本体は、
前記第1軸に沿って延在する複数の軌道部と、
前記軌道部の各々に案内されて移動する複数のスライド部と、
一端部が前記スライド部の各々に連結する複数のロッドと、
内周面が凹球状の受け部を有し、前記ロッドの各々の他端部に連結するとともに該受け部が前記ジョイント部に連結し、前記スライド部の移動に応じて前記第1軸に直交する所定の基準面に沿って移動して前記ヘッドの姿勢を変更する移動体と、を備える加工機構。
【請求項2】
前記支持部は、前記軌道部に支持される請求項1に記載の加工機構。
【請求項3】
前記ヘッドは、前記加工ツールを前記第1軸回りに回動可能な回動駆動部を備える請求項1又は2に記載の加工機構。
【請求項4】
前記支持部と前記ジョイント部との距離を変更可能に構成してなる請求項1~3の何れか一項に記載の加工機構。
【請求項5】
前記本体は、前記軌道部を3つ備えるとともに、これらの軌道部を前記基準面に向かって正対視した際に略正三角形を構成する位置に配置してなる請求項1~4の何れか一項に記載の加工機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工ツールを取り付けたヘッドを移動させて材料に対して所定の加工を施す加工機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばインクジェット等の描画ツール、レーザー射出器や切断刃等の切断ツールのような加工ツールを取り付け可能であって、この加工ツールを取り付けたヘッドを移動させることによって、材料に対して所定の加工を施すことが可能な加工機構が知られている。このような加工機構として本件出願人は、特許文献1に示される装置を提案している。この装置は、加工ツールとしての切断刃を使用して材料に対して所定の切断加工を施すものである。この装置では、切断刃を傾倒させるための傾倒駆動機構をヘッドに設けていて、材料に対して切断刃を傾倒させた状態でヘッドを移動させることによって、材料を斜めに切断することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-237215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで上記の傾倒駆動機構は、ヘッド本体に対して切断刃を取り付ける装着部が揺動軸を介して回動可能に支持されていて、この揺動軸をモータ等で回動させることによって、切断刃を傾倒させるものである。すなわち切断刃が傾倒できる向きは、揺動軸で回動可能な方向に限られているため、切断可能な形状には制限がある。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであって、例えば切断刃のような加工ツールをより自由な向きに傾倒させることができ、これによって材料に多様な加工を施すことが可能な加工機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の加工機構は、本体と、材料に加工を施す加工ツールが取り付けられる装着部を備えるヘッドと、を含んで構成され、前記ヘッドは、前記本体に対し、前記材料に接近、離反する向きに延在する第1軸に沿って移動可能に支持されるとともに、該第1軸に対して交差する向きに延在する第2軸回りに回動可能であって、且つ該第1軸と該第2軸のそれぞれに対して交差する第3軸回りに回動可能である支持部と、前記支持部を基準として前記装着部の逆側に位置する球状のジョイント部と、を備え、前記本体は、前記第1軸に沿って延在する複数の軌道部と、前記軌道部の各々に案内されて移動する複数のスライド部と、一端部が前記スライド部の各々に連結する複数のロッドと、内周面が凹球状の受け部を有し、前記ロッドの各々の他端部に連結するとともに該受け部が前記ジョイント部に連結し、前記スライド部の移動に応じて前記第1軸に直交する所定の基準面に沿って移動して前記ヘッドの姿勢を変更する移動体と、を備える。
【0007】
このような加工機構においては、前記支持部は、前記軌道部に支持されることが好ましい。
【0008】
またこのような加工機構において、前記ヘッドは、前記加工ツールを前記第1軸回りに回動可能な回動駆動部を備えることが好ましい。
【0009】
また、前記支持部と前記ジョイント部との距離を変更可能に構成することが好ましい。
【0010】
そして前記本体は、前記軌道部を3つ備えるとともに、これらの軌道部を前記基準面に向かって正対視した際に略正三角形を構成する位置に配置することが好ましい。
【0011】
なお、本明細書等において材料に加工を施すとは、切断刃のように材料を除去する加工に限られず、例えば3次元プリンタのように、元の材料に対して新たな材料を積層する加工も含む。
【発明の効果】
【0012】
本発明の加工機構によれば、本体に設けた複数のスライド部の移動量に応じて、移動体を所定の基準面に沿って任意の位置に移動させることができる。ここでヘッドは、材料に加工を施す加工ツールが取り付けられる装着部を備えるとともに支持部によって本体部に支持されるものであって、また支持部を基準として装着部の逆側には、移動体に連結するジョイント部を備えている。また支持部は、第2軸と第3軸回りに回動可能である。従って移動体とともにジョイント部が移動すると、それに伴い、ヘッドとともに加工ツールを第1軸に対して任意の向きに傾倒させることができる。また支持部は本体に対して第1軸に沿って移動可能に支持されているため、スライド部の移動に伴って、ヘッドとともに加工ツールを、材料に接近、離反する向きにも移動させることができる。このように本発明の加工機構によれば、ヘッドとともに加工ツールを、材料に接近、離反する向きに移動させることも、任意の向きに傾倒させることも可能であるため、材料に多様な加工を施すことができる。
【0013】
ここで、支持部を本体に支持させるにあたっては、スライド部を案内する軌道部とは別異に軌道部を設けてもよいが、スライド部の軌道部と兼用することによって、構成の簡素化とコストの削減を図ることができる。
【0014】
またヘッドに、加工ツールを第1軸回りに回動させることが可能な回動駆動部を設ける場合は、加工ツールの回転の自由度が3となって、加工ツールを何れの向きにも指向させることができるため、更に多様な加工を材料に施すことができる。
【0015】
そして、支持部とジョイント部との距離を変更可能に構成する場合は、移動体の移動量は変わらなくてもヘッドの傾倒角度を変えることができる。このため、例えば移動体の移動量に制限がある場合でもヘッドを大きく傾倒させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に従う加工機構の一実施形態である切断機構を模式的に示した斜視図である。
図2図1に示した切断機構の平面図である。
図3図1に示した切断機構における移動体の断面図である。
図4図1に示した切断機構における移動体の位置とヘッドの傾きを示した説明図である。
図5図1に示した切断機構で材料を切断するにあたり、切断可能な形状の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に従う加工機構の一実施形態である切断機構について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に従う切断機構の一実施形態を模式的に示した図である。本実施形態の切断機構1は、切断刃Sが装着されるヘッド2と、ヘッド2を移動可能な本体3で構成されていて、本体3に対してヘッド2を移動させることによって、切断刃Sで材料Wを切断するものである。本実施形態では、材料WはXYZ直交座標系におけるXY平面に平行な面上に載置されているものとする。またヘッド2は、Z軸に対して平行に指向しているものとする。ここで図示したXYZ直交座標系は、XY平面は水平方向を指向し、Z軸は垂直方向を指向しているものとする。なお、本明細書等における第1軸、第2軸、第3軸とは、それぞれ本実施形態におけるZ軸、X軸、Y軸に対応する。
【0018】
まず切断刃Sについて説明する。本実施形態の切断刃Sは、上端部がヘッド2に取り外し可能に保持されるものであって、下端部(切先S1)に向かって比較的長く延在するとともに、平坦な延在面S2を有して平刃状になるものである。延在面S2における両側の側縁部には、材料Wを切断するための刃先S3が設けられている。
【0019】
ヘッド2は、全体的に長軸状に形成されるものであって、その下端部には、切断刃Sの上端部が取り付けられる装着部10が設けられている。装着部10は、切断刃Sを一旦取り付けるとこれを装着部10に対して一体的に保持する一方、解除の操作を行うことによって、切断刃Sを取り外すことができるよう構成されている。装着部10は、種々の構成が採用可能であって、一般にメカニカルチャックと称される機械的な力を利用するものでもよいし、マグネットチャックと称される磁気を利用するものでもよい。
【0020】
またヘッド2の内部には、ヘッド2をZ軸に対して平行に指向させた状態において、装着部10をZ軸回りに回動させることが可能な回動駆動部11が設けられている。これにより装着部10に取り付けられた切断刃Sを、Z軸回りに回動させることができる。回動駆動部11は、例えばサーボモータを含んで構成されるものであって、サーボモータに与えられる指令に応じて切断刃SをZ軸回りの任意の角度に動かすことができる。
【0021】
ヘッド2の長手方向中間部には、円板状に形成されたフランジ12が設けられていて、フランジ12の径方向外側には、本体3に対してヘッド2を支持する支持部13が設けられている。図2に示すように本実施形態の支持部13は、フランジ12の径方向外側に隣接して設けられる円環状の内側支持部14と、内側支持部14の径方向外側に隣接して設けられる円環状の外側支持部15を備えている。またフランジ12と内側支持部14は、内側支持部14に対してフランジ12をX軸回りに回動させることが可能なX軸回転部16を介して連結している。そして内側支持部14と外側支持部15は、外側支持部15に対して内側支持部14をY軸回りに回動させることが可能なY軸回転部17を介して連結している。これにより、外側支持部15に対してヘッド2を、X軸及びY軸の両方に対して任意の向きに傾倒させることができる。
【0022】
そして、図3に示すようにヘッド2の上端部には、円柱状に設けられた部位を介して連結するジョイント部18が設けられている。本実施形態のジョイント部18は、球状に形成されている。
【0023】
次に本体3について説明する。本体3は、Z軸に沿って延在する基部19を備えている。図2に示すように本実施形態の基部19は、平面視において略正三角形の頂点に配置される位置関係で合計3つ設けられている。
【0024】
基部19において、略正三角形に配置された際の内面には、Z軸に沿って延在する軌道部20と、軌道部20に案内されてZ軸方向に移動するスライド部(第1スライド部21)が設けられている。本実施形態では、図1に示したように、それぞれの基部19に対して2本の軌道部20を平行に配置し、これらの軌道部20に跨がるようにして第1スライド部21を設けているが、軌道部20及び第1スライド部21の構成はこれに限定されるものではない。なお図示は省略するが、第1スライド部21には、例えばサーボモータとボールねじとを組み合わせた駆動機構が接続されていて、サーボモータに与えられる指令に応じて第1スライド部21をZ軸方向の任意の位置に移動させることが可能である。
【0025】
またそれぞれの軌道部20には、第1スライド部21とは別異に設けられるスライド部(第2スライド部22)を備えている。各第2スライド部22は、図2に示すように外側支持部15に連結していて、外側支持部15は、第2スライド部22とともにZ軸方向に沿って移動する。なお第2スライド部22には、第1スライド部21が備える駆動機構は設けられていない。
【0026】
第1スライド部21には、図1に示すようにロッド23が取り付けられる。本実施形態では、1つの第1スライド部21に対して平行に並ぶ2本のロッド23が設けられている。なお各ロッド23の一端部と他端部には、自在継手24が設けられていて、第1スライド部21とロッド23は、自在継手24を介して連結している。
【0027】
そしてロッド23の他端部に設けられた自在継手24には、XY平面に沿って延在する平板状の移動体25が連結している。図示したように本実施形態の移動体25は、合計3つの第1スライド部21に対して合計6本のロッド23で連結している。また図3に示すように移動体25の中央部には、内周面がジョイント部18に対応する凹球状であって、ジョイント部18を回転可能に保持する受け部26が設けられている。本実施形態の受け部26は、球状をなすジョイント部18の中心部付近に位置していて、ジョイント部18を上下方向に抜け出し不能に保持している。
【0028】
このような構成になる本体3によれば、移動体25をXY平面に沿う面内の任意の位置に移動させることができる。図4(a)に示すように、例えば1つの第1スライド部21(図4(a)における左側に位置する第1スライド部21)をZ軸方向の上方に移動させる一方、他の1つの第1スライド部21(図4(a)における右側に位置する第1スライド部21)をZ軸方向の下方に移動させることによって、移動体25を、図4(a)における左側の第1スライド部21に近づくように、XY平面に沿って移動させることができる。また図4(b)に示すように第1スライド部21を、図4(a)で示した状態に対して逆側に大きく移動させれば、移動体25もXY平面に沿って逆側に大きく移動させることができる。このように、3つの第1スライド部21の移動量を個別に変えることによって、移動体25は、XY平面に沿う面内の任意の位置に移動する。
【0029】
このようにして移動体25を移動させる際、移動体25の受け部26にはヘッド2のジョイント部18が保持されていて、またヘッド2は、外側支持部15に対してX軸及びY軸の両方に対して傾倒させることができるため、移動体25が移動する位置に応じてヘッド2を任意の向きに傾倒させることができる。
【0030】
また、3つの第1スライド部21をZ軸方向に一緒に移動させれば、図4(a)や図4(c)に示すように、移動体25をZ軸方向に上昇させたり、下降させたりすることができる。
【0031】
ここでジョイント部18は、受け部26に対して抜け出し不能に取り付けられているため、移動体25がZ軸方向に上昇、下降するのに合わせて、ヘッド2も上昇、下降させることができる。
【0032】
このように本実施形態の切断機構1によれば、本体3に対してヘッド2を、X軸及びY軸の両方に対して傾倒させることができるため、ヘッド2に取り付けた切断刃Sも、同様に傾倒させることができる。また回動駆動部11によって、切断刃SをZ軸回りの任意の角度に動かすことができる。従って切断刃Sを、X軸、Y軸、及びZ軸に対して何れの向きにも指向させることができる。また切断機構1は、ヘッド2を、Z軸方向の任意の位置に上昇、下降させることもできるため、切断刃Sを材料Wに向けて接近、離反させることができる。このように本発明の切断機構によれば、切断刃Sを、材料Wに接近、離反する向きに移動させることも、任意の向きに傾倒させることも可能であるため、例えば図5に示すように、水平面に載置された材料Wに対し、Z軸方向に対して傾くような中心軸を持つ円形の穴をあける加工も可能である。
【0033】
以上、本発明の切断機構について具体的な実施形態を示して説明したが、本発明はこれまでに述べた実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に従う範疇で種々の変更を加えたものも含まれる。例えば本体3の基部19、軌道部20、第1スライド部21は、平面視において略正三角形の頂点に配置される位置関係で合計3つ設けていたが、正三角形以外の配置を採用してもよい。またこれらの数は3つに限られず、複数であればよい。また第2スライド部22は、第1スライド部21と同じ軌道部20に沿って移動するものであったが、軌道部20とは異なる軌道部で案内させてもよい。
【0034】
また本実施形態では、図1に示すように移動体25よりも第1スライド部21を上方に位置させ、ロッド23は、第1スライド部21から移動体25に向かって斜め下向きに指向していたが、移動体25よりも第1スライド部21を下方に位置させ、ロッド23を、第1スライド部21から移動体25に向かって斜め上向きに指向させてもよい。
【0035】
またフランジ12を、ヘッド2に対してその軸線に沿って移動可能とし、フランジ12とジョイント部18との距離を変えることができるように構成してもよい。これにより、移動体25の移動量は変わらなくてもヘッド2の傾倒角度を変えることができる。従って、例えば移動体25の移動量に制限がある場合でも、ヘッド2を大きく傾倒させることが可能となるため、材料Wに対する加工可能な範囲を広げることができる。
【0036】
また受け部26は、球状をなすジョイント部18の中心部付近に位置していて、ジョイント部18を上下方向に抜け出し不能に保持するものであったが、ジョイント部18の中心部よりも上方に位置させるようにしてもよい。なおこの場合は、例えば支持部13を上方に向けて付勢する弾性体を設けておくこととする。すなわちこの構成では、本体3に対して支持部13が移動体25を上方に移動させても、受け部26でジョイント部18を引き上げることはできないものの、支持部13を上方に向けて付勢する弾性体によって、受け部26とジョイント部18は上下方向に一体的に移動する。よってこの構成でも、切断刃Sを、材料Wに接近、離反する向きに移動させることも、任意の向きに傾倒させることも可能である。
【0037】
また上述した実施形態では、加工ツールとして切断刃Sを取り付けて材料を切断できるように構成していたが、切断刃Sに替えてレーザー射出器を設け、レーザーによって材料に加工を施すようにしてもよい。また加工ツールは材料を切断するものに限られず、インクジェットや筆記用具(筆やペン等)のような描画ツールを取り付けるよう構成し、材料に所定の描画を施すようにしてもよい。また段ボール等に罫線を設けるための罫線ツールが取り付けられるように構成してもよい。更に、元の材料に新たな材料を積層する3次元プリンタのような積層ツールを取り付けるよう構成してもよい。
【符号の説明】
【0038】
1:切断機構(加工機構)
2:ヘッド
3:本体
10:装着部
11:回動駆動部
12:フランジ
13:支持部
14:内側支持部
15:外側支持部
16:X軸回転部
17:Y軸回転部
18:ジョイント部
19:基部
20:軌道部
21:第1スライド部(スライド部)
22:第2スライド部
23:ロッド
24:自在継手
25:移動体
26:受け部
S:切断刃(加工ツール)
S1:切先
S2:延在面
S3:刃先
W:材料
図1
図2
図3
図4
図5