(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-05
(45)【発行日】2023-09-13
(54)【発明の名称】ポンプユニット及びポンプ
(51)【国際特許分類】
F04B 43/12 20060101AFI20230906BHJP
【FI】
F04B43/12 A
F04B43/12 J
F04B43/12 N
(21)【出願番号】P 2019154121
(22)【出願日】2019-08-26
【審査請求日】2022-07-08
(31)【優先権主張番号】P 2018157682
(32)【優先日】2018-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】599011687
【氏名又は名称】学校法人 中央大学
(74)【代理人】
【識別番号】100141243
【氏名又は名称】宮園 靖夫
(72)【発明者】
【氏名】中村 太郎
(72)【発明者】
【氏名】山田 泰之
(72)【発明者】
【氏名】足立 遼
【審査官】松浦 久夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-053755(JP,A)
【文献】特開2018-053890(JP,A)
【文献】特開2013-174139(JP,A)
【文献】特開2005-083337(JP,A)
【文献】特開2010-196689(JP,A)
【文献】特開2010-203400(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 43/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
実質的に軸方向にのみ伸縮する外筒と、
前記外筒の内周側に設けられ、柔軟
な弾性体より成る内筒と、
前記内筒の軸方向両端部と前記外筒の軸方向両端部とに固定される端部部材と、
前記内筒と前記外筒との間に加圧媒体が供給される加圧室と、
を備え、
前記加圧媒体により前記内筒を該内筒の中心軸方向に
収縮させて搬送物を移送するポンプユニットであって、
端部が前記端部部材に固定され、一方の端部部材と他方の端部部材とを連結し、前記内筒の収縮時の形状に沿って変形する非伸縮性の連結手段を備えたことを特徴とするポンプユニット。
【請求項2】
前記内筒は
、該内筒の軸方向に沿って延長する繊維を備えた
ことを特徴とする請求項1に記載のポンプユニット。
【請求項3】
前記内筒の前記
収縮時の形状を規定する形状規定手段を備えた
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のポンプユニット。
【請求項4】
請求項1乃至請求項
3いずれか1項に記載のポンプユニットを複数個連結してなるポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプユニット関し、特に、蠕動運動を利用して搬送物を移送するポンプユニット及びポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ポンプの一つの形態として、特許文献1,2に示すような蠕動運動を利用して搬送物を移送するものが知られている。このようなポンプは、移送対象となる搬送物の状態が、液体、固体或いは固液混相等問わずに移送することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-196689号公報
【文献】特開2010-203400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方の引用文献1のポンプユニットでは、搬送物を圧送する内筒の膨張とともに外筒を膨張させて全体を圧送方向に収縮させているため、移送効率が良い。その一方で、ポンプユニットの外筒が径方向に膨張するため、ポンプを設置する場合に、外筒の膨張分の空間を確保する必要があり、設置空間における占有面積あたりの搬送面積が小さくなるという問題がある。ここで言う占有面積とは、ポンプの延長方向に沿ってポンプを見たときにポンプの設置に確保された空間の面積のことをいう。また、他方の引用文献2のポンプユニットでは、占有面積当たりの搬送面積を大きくすることができるものの、ポンプユニットが搬送方向に伸縮せずに、内筒の膨張・収縮のみによって搬送物を圧送しているため、引用文献1のポンプに比べて移送効率が低下してしまうという問題がある。
そこで、本発明は、上記問題を解決すべく、ポンプの占有空間あたりの搬送面積を小さくすることなく、移送効率を向上可能なポンプユニット及びポンプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためのポンプユニットの構成として、実質的に軸方向にのみ伸縮する外筒と、外筒の内周側に設けられ、柔軟な弾性体より成る内筒と、内筒の軸方向両端部と外筒の軸方向両端部とに固定される端部部材と、内筒と外筒との間に加圧媒体が供給される加圧室とを備え、加圧媒体により内筒を該内筒の中心軸方向に収縮させて搬送物を移送するポンプユニットであって、端部が端部部材に固定され、一方の端部部材と他方の端部部材とを連結し、内筒の収縮時の形状に沿って変形する非伸縮性の連結手段を備えた構成とした。
本構成によれば、ポンプユニットを動作させたときに、外筒が径方向外側に向けて膨張しないので、ポンプユニットの占有空間あたりの搬送面積を広くすることができる。即ち、ポンプユニットが動作しても径方向への変化がないため、ポンプユニットを設置するための余剰の空間が不要となる。したがって、ポンプユニットを設置するために設計された空間を最大限利用できることになり、大きなポンプユニットを利用することが可能となり、占有空間あたりの搬送面積を広くすることができる。なお、ここでいう搬送面積とは、内筒の内径の断面積をいう。また、内筒の収縮時に内筒及び外筒が軸方向に収縮することで、内筒の内周側空間の収縮前後の容積変化が大きくなり、搬送物を移送する移送効率を向上させることができる。
また、内筒の軸方向に沿って延長する繊維を備えるようにしても良い。
また、ポンプユニットが、内筒の収縮時の形状を規定する形状規定手段を備える構成としたことにより、内筒を所定の形状に収縮させることができる。
また、ポンプを上記のポンプユニットを複数個連結して構成したことにより、ポンプの移送効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図4】ポンプユニットの膨張過程を示す断面図である。
【
図5】形状規定手段の他の実施形態を示す図である。
【
図11】内筒の他の形態の軸方向断面図及び径方向断面図である。
【
図12】内筒に埋設される繊維の他の配設形態を示す図である。
【
図13】内筒に埋設される繊維の他の形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、発明の実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組み合わせのすべてが発明の解決手段に必須であるとは限らず、選択的に採用される構成を含むものである。
【0008】
図1は、ポンプの概略構成図である。
図1に示すように、ポンプ1は、移送対象である搬送物を圧送する駆動部1Aと、駆動部1Aの動作を制御する制御部1Bとを備える。駆動部1Aは、例えば、搬送物を移送するために設けられた配管の途中に、配管と一体的に設けられたり、駆動部1Aが配管そのものとなるように設けられる。駆動部1Aは、複数のポンプユニット2を直列に連結して構成され、各ポンプユニット2の動作が制御部1Bにより個別に制御される。ここでいう搬送物とは、固体、液体、粉体、或いはそれらの混合物等その形態を問わない。
【0009】
制御部1Bは、加圧媒体としての圧搾空気を供給する空気供給手段50と、空気供給手段50から各ポンプユニット2への圧搾空気の供給、及びポンプユニット2に供給した圧搾空気を排出するバルブをポンプユニット2の数量分設けられたバルブユニット52と、バルブユニット52に設けられた各バルブを個別に制御する制御ユニット54と、各バルブと各ポンプユニット2との空気の流通を可能にする流通管56とを備える。
【0010】
制御ユニット54は、演算手段としてのCPU、ROM,RAM等の記憶手段、入出力手段とを含む。記憶手段には、駆動部1Aを構成するポンプユニット2を駆動するためのプログラム等が格納され、CPUが記憶手段に記憶されたプログラムに従った処理を実行することにより、入出力手段を介してバルブユニット52の各バルブに、バルブを開閉するための信号を出力し、複数のポンプユニット2による蠕動運動を摸したポンプ動作を実行させる。
【0011】
図2は、ポンプユニット2の一実施形態を示す軸方向及び径方向の断面図である。
図2に示すように、ポンプユニット2は、内筒4と、外筒6と、端部部材8;8と、連結手段10と、形状規定手段12と、を備える。
【0012】
内筒4は、気密性を有し、変形自在な弾性素材、例えば、ゴム等を基材(マトリックス材料)として構成される。内筒4は、搬送物の搬送路Hとなる搬送部4Aと、搬送部4Aを固定するための固定部4Bと、連結手段10とを備える。
【0013】
搬送部4Aは、例えば、所定の肉厚で円筒状に形成された筒体よりなる。搬送部4Aの肉厚は、例えば、一定の厚さに設定される。固定部4Bは、搬送部4Aの軸方向の各端部に設けられ、搬送部4Aの外周を囲む所定厚さの円環状の鍔部として形成される。
【0014】
内筒4を形成するゴムとしては、例えば、天然ラテックスゴムやシリコーンゴム、NR(天然ゴム)、IR(合成天然ゴム(イソプレンゴム))、BR(ブタジエンゴム)、IIR(ブチルゴム)、CR(クロロプレンゴム)等が挙げられる。また、内筒4は、単一の素材に限定されず、複数の素材を組み合わせても良い。また、内筒4を構成する素材は、上記列挙したものに限定されず、気密性及び弾性を有するものであれば良く、例えば、弾性力の大きさは搬送物に応じて適宜変更すれば良い。
【0015】
連結手段10は、
図2の太線で示すように、内筒4の内部に複数埋設される。本実施形態では、連結手段10は、内筒4の周方向に均等な間隔で90°毎に設けられている。各連結手段10は、内筒4の軸方向に沿って一方の固定部4Bの外周端部から他方の固定部の外周端部まで延長する。つまり、各連結手段10は、内筒4の一端から他端に達するように設けられる。
【0016】
連結手段10は、例えば、非伸縮性の繊維を紐状に寄り合わせてなる紐体からなる。連結手段10を構成する繊維には、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、金属繊維等の繊維のロービング(繊維を引き揃えたもの)、ヤーン(撚りをかけたもの)、コード(合糸したもの)等が挙げられる。また、金属のワイヤなどであっても良い。連結手段10は、例えば、埋設されたときの繊維を構成する素線の長さが一方の固定部4Bの外周端から他方の固定部4Bの外周端に達する長さを有するものが適用される。なお、ここでいう非伸縮性とは、100%の伸縮がないものに限定されず、素材として多少の伸縮を許容することを意味する。
【0017】
外筒6は、気密性を有する円筒状の筒体であって、例えば、軸方向には伸長・収縮が許容され、径方向には実質的に膨張・収縮しない可撓性(弾性)を有する素材(マトリックス材料)により構成される。外筒6には、例えば、
図1に示すような、蛇腹(ベローズ)構造を有するもの等が適用される。外筒6は、例えば、内部にコイルスプリング等のような弾性体を備え、軸方向への伸張を付勢しつつ、径方向への変形を規制している。
【0018】
端部部材8;8は、内筒4及び外筒6の軸方向両端部に設けられる。端部部材8;8は、内筒4及び外筒6の端部が固定される筒部8A;8Aと、ポンプユニット2同士を連結するときの連結手段として機能するフランジ部8B;8Bとを備える。筒部8A;8Aは、例えば、肉厚が一定の円筒状に形成された筒体であって、例えば、内径が内筒4の搬送部4Aの外径と同じ或はそれよりも大きな寸法に、外径が外筒6の内径と同じ或は内周側が嵌着可能な寸法で形成される。一方の端部部材8の筒部8Aには、外部から後述の加圧室Sに連通する連通孔8Dが設けられる。
【0019】
フランジ部8B;8Bは、内筒4及び外筒6の軸方向端部に設けられ、筒部8A;8Aの外周から筒部8A;8Aの端面に沿って半径方向に突出し、環状に広がる円板状に筒部8A;8Aと一体的に形成される。フランジ部8B;8Bには、板厚方向に貫通する複数の貫通孔8Eが設けられる。貫通孔8Eは、端部部材8;8の中心を中心とする同一円周上に均等な間隔で形成され、ポンプユニット2同士を連結するときにボルト等の固定手段を貫通させてポンプユニット2同士の連結を可能に構成される。フランジ部8Bの端面には、内筒4の固定部4Bを固定するための凹部8Cが形成される。凹部8Cは、端面から軸方向に環状に窪むように形成される。端部部材8;8は、例えば、加圧媒体の圧力によって変形しない、例えば、硬質ゴムや合成樹脂等の所定の剛性を有する素材により形成される。
【0020】
内筒4及び外筒6は、端部部材8;8に次のように固定される。内筒4は、搬送部4Aの各端部に設けられた固定部4Bを端部部材8の筒部8A側からその内周側に通過させた後、固定部4Bをフランジ部8Bの端面に密着させながら、凹部8Cに落とし込み、押さえリング18等の固定部材により固定される。外筒6は、各端部を端部部材8の筒部8Aの外周面に重ね合わせ、例えば、リング状の固定部材17を外周側から締め付けることで固定される。これにより、ポンプユニット2が形成され、内部に内筒4、外筒6及び一対の端部部材8;8によって囲まれた加圧室Sが形成される。そして、この加圧室Sに加圧媒体としての圧搾空気を供給することにより、ポンプユニット2が駆動される。
【0021】
上述のように、内筒4の一部を端部部材8から軸方向外側に露出させて固定することにより、ポンプユニット2同士を連結したときに、隣り合うポンプユニット2;2の内筒4;4同士を密着させることができ、ポンプユニット2同士の間で気密性を維持した状態の連続的な搬送路Hを形成することができる。
【0022】
上述の内筒4、外筒6及び端部部材8;8の寸法は、例えば、次のように設定すると良い。内筒4及び外筒6は、内筒4の外周面と外筒6の内周面との距離とが近接するように、内筒4の外径寸法と外筒6の内径寸法とを設定する。これにより加圧室Sの容積が小さくなり、内筒4を膨張・収縮させるときの応答速度を速くすることができる。
【0023】
また、内筒4の外周面と外筒6の内周面との距離とを近接させることにより、内筒4及び外筒6が固定される端部部材8;8の筒部8A;8Aの肉厚を薄く設定することができる。加圧室Sに供給された圧搾空気の圧力Pは、内筒4の外周面、外筒6の内周面、及び、端部部材8の筒部8Aの端面に対して垂直に作用する。ポンプユニット2の収縮動作において、外筒6は、径方向に膨張変形しないように構成されているため圧力Pの影響は受けない。一方、この圧力Pは、内筒4には断面中心方向に膨張させる力として、また端部部材8;8には軸方向外向きに押圧する力として作用する。
【0024】
内筒4は、搬送部4Aが圧力Pにより断面視における中心方向に向けて変形するとともに、内包された連結手段10が上記変形とともにその延長経路が変更されることにより、連結手段10により連結された端部部材8;8が軸方向に引き寄せられながら膨張する。このため、圧力Pが端部部材8;8に及ぼす力は、内筒4の中心方向への膨張を妨げる力となり得る。そこで、端部部材8の内筒4の外周と外筒6の内周とで囲まれる面積、本実施例で言えば、筒部8Aの端面の面積を、内筒4の外周面の面積よりも狭くすることにより、ポンプユニット2を効率良く動作させることができる。
【0025】
つまり、本実施例の場合、筒部8A;8Aの肉厚を薄くすることにより、端部部材8;8を軸方向外向きに離間させようとする力を小さくすることができ、内筒4の中心軸方向への円滑に膨張させることができる。また、内筒4の外径寸法と外筒6の内径寸法を近接させることにより、搬送路Hを形成する内筒4の内径が相対的に大径化されることになり、その結果として、ポンプユニット2における搬送路Hの断面の面積が大きくなり、搬送効率を向上させることができる。
【0026】
なお、内筒4、外筒6及び端部部材8;8の組立構造については、上記例示した構造に限定されず、加圧室Sに加圧媒体を供給したときに、端部部材8;8を軸方向に押圧する面積を小さくするように適宜変更すれば良い。より好ましくは、内筒4及び外筒6は、内筒4の外径寸法が外筒6の内径寸法に近い寸法で設定することが好ましい。
【0027】
図2に示すように、上述の加圧室Sには、内筒4を所定形状で膨張させるための形状規定手段12が設けられる。形状規定手段12は、リング部12Aと、突起部12Bとを備える。リング部12Aは、例えば、内径が内筒4の外径よりも大きく、外径が外筒6の内径よりも小さく形成され、外筒6の伸縮動作の妨げとならない寸法で形成される。突起部12Bは、リング部12Aの内周から内筒4の軸方向に突出し、先端が所定曲率の球状に形成される。本実施形態では、
図2(b)に示すように、突起部12Bは、リング部12Aの円周方向に均等な間隔で4箇所に設けられる。各突起部12Bは、加圧室Sの圧力が最小の状態において内筒4の外周面を超えて所定長さ中心に向けて延長する長さに設定される。形状規定手段12は、例えば、硬質の合成樹脂、或いは、重量の軽いアルミなどの軽金属等の所定の剛性材料や、ゴム又は軟質の合成樹脂等の弾性材料からなるものとしても良い。
【0028】
形状規定手段12は、例えば、リング部12Aを外筒6の内周面に図外の固定手段により固定することにより、内筒4に対する軸方向における位置及び突起部12Bの先端の位置決めがなされる。
本実施形態では、形状規定手段12の設けられる位置は、突起部12Bが内筒4における搬送部4Aの中心(軸線方向)、かつ、連結手段10を押圧する位置に設けられる。
【0029】
上述のように形状規定手段12を加圧室S内に配置することにより、突起部12Bが内筒4の搬送部4Aを外周側から押圧して、内筒4を窪み変形させる。突起部12Bは、連結手段10に対応して配置されているため、連結手段10が断面中心方向に移動させることになり、ポンプユニット2全体として軸方向にやや収縮した状態となる。
【0030】
図3は、ポンプユニット2が収縮したときの状態を示す図である。
図4は、ポンプユニット2の駆動に伴なう内筒4の膨張変形の過程を示す図である。以下、
図2乃至
図4を参照しつつ、ポンプユニット2の動作について説明する。ポンプユニット2は、
図2に示す状態から加圧室Sに圧搾空気を供給することにより、内筒4の搬送部4Aの外周面(加圧室S側の)には、垂直な方向に加圧媒体の圧力Pが作用する。
図2(b)に示すように、内筒4は、加圧室Sに圧搾空気を供給しない状態において、形状規定手段12の突起部12Bにより押圧された窪み部20が形成されている。この窪み部20の形成に伴ない内筒4は、窪み部20と窪み部20との間の部分が径方向外向きに移動する膨張領域が設定され、内筒4の張力の変化を逃がす張力逃げ部22が形成された状態にある。
【0031】
図4(a)に示すように、さらに、加圧室Sに圧搾空気を供給することにより加圧室Sの圧力が上昇し、連結手段10を先頭にして断面中心に向けて徐々に移動する。この移動とともに、張力逃げ部22は、窪み部20との連続部分が
図4(a)中矢印で示すように、圧搾空気により押圧されるため、張力逃げ部22の最外部側を折り目とするように、内筒4の内周面同士が徐々に近接する。
【0032】
図4(b)に示すように、そして、さらなる加圧室S内の圧力の上昇に伴い、外周面同士が密着するように徐々に近づくため、張力逃げ部22の中間点を起点として、内筒4の内周面の同士が密着するように徐々に折れ曲がり、窪み部20側の軸方向の中央部の連結手段10が密着するように接近する。
【0033】
さらに、加圧室Sに圧搾空気が供給され、圧力Pが上昇すると、
図3(b)に示すように、内筒4は、連結手段10が設けられた部位の内周面同士が密着し、搬送路Hが実質的に閉塞された状態となる。そして、さらに加圧室Sに圧搾空気を供給し、圧力Pを上昇させることにより、
図3(a)に示すように、内筒4は、各連結手段10を弓なりに大きく湾曲させて、内周面同士の密着部分(閉塞領域F)が軸線方向に向けて広がる。つまり、各連結手段10の軸方向の中央部同士の接触が、軸方向外側(各端部側)へと広がり、加圧室Sの内圧が最高圧力となったときに、連結手段10同士の閉塞領域Fの長さが最大となり、ポンプユニット2は、軸方向に最も収縮した状態となる。このとき、搬送路Hは、完全に閉塞された状態となる。
【0034】
このように内筒4が膨張することにより、内筒4とともに変形する連結手段10の軸方向長さが短くなり、端部部材8;8を軸方向に互いに近接させる力として作用する。その結果としてポンプユニット2は、軸方向の長さが、LmaxからLminへと収縮する。Lmaxは、ポンプユニット2の加圧室Sに圧搾空気を供給していないとき、例えば、大気圧状態における軸方向に最も伸長した長さであり、Lminは、加圧室Sの圧力が設定上の最高圧力が印加された状態における軸方向に最も収縮した長さである。このように、ポンプユニット2は、軸方向に収縮しつつ内筒4を膨張させることにより、ポンプユニット2内における内筒4の膨張領域(容積)が大きくなり、搬送効率をより向上させることができる。
【0035】
なお、
図3(b)の断面図には、説明の便宜上、内筒4の断面中心への膨張により閉塞される内筒4の内周空間を隙間zとして示してあるが、ポンプユニット2が軸方向に最も収縮したとき(Lminのとき)には、隙間zはゼロとなる。ポンプユニット2の膨張時の隙間zの有無やその大きさについては、搬送物に応じてポンプユニット2の収縮量を調節することにより、搬送効率を最大化するように設定することができる。例えば、隙間zの有無や大きさは、ポンプユニット2に供給する流体の圧力により調整される。そして、加圧室Sから空気を排出することにより、内筒4及び外筒6が伸張して元の筒形状(自然状態)に復帰する。
【0036】
図1に示すように、ポンプユニット2を複数連結し、上流側から下流側に向けて蠕動運動を模すように、各ポンプユニット2を個別に膨張・収縮を制御することにより、隣接するポンプユニット2へと搬送物を押し出すことにより、搬送物を上流側から下流側に向けて移動させるポンプ1として動作させることができる。
ここでいう蠕動運動とは、例えば、最も上流のポンプユニット2Aから順次、2B→2C→2Dを膨張させた後に、すべてを収縮させる工程を繰り返す等して搬送物をポンプユニット2A→2B→2C→2Dへと圧送するための運動を言う。
【0037】
図5は、形状規定手段12の他の実施形態を示す図である。上述の実施形態では、形状規定手段12を、内筒4及び外筒6とは別体の部材として構成したがこれに限定されず、加圧室Sに供給された圧力により、所定の形状に変形するようにしても良い。具体例としては、例えば、
図5に示すように、内筒4の外周にガイド溝15を設けても良い。ガイド溝15は、連結手段10の中間(連結手段10に対して45°ずれた位置)に位置するように設けられる。ガイド溝15は、内筒4の軸線に沿って延長する例えばV字状の溝により形成される。
【0038】
加圧室Sに圧搾空気を導入すると、内筒4の外周面(加圧室S側)には、面に垂直な方向に圧力Pが作用して、内筒4が断面中心に向けて連結手段10から膨張する。
このとき、内筒4の外周面に鋭角に刻まれたガイド溝15を構成する壁面には、垂直な方向の圧力Pが作用するので、ガイド溝15は、溝が開く方向(内周面同士が近づく方向)に変形し、その結果、
図5(c)示すように、内筒4にはガイド溝15の溝底を起点に折り目が発生する。そして、加圧室S内の圧力を更に上昇させると、内筒4は、この折り目によって複数個の膨張域に区画されて膨張するような膨張変形を起こすことができる。
【0039】
なお、形状規定手段12を内筒4に形成する形態は、これに限定されず、加圧用媒体である圧搾空気の圧力により内筒4に折れ目を誘発し、連結手段10を含む複数の膨張域に区画できるものであれば良い。このように、形状規定手段12を内筒4に直接形成することにより、別部材としての形状規定手段12をなくすことができる。また、内筒4をゴムのみで製造できるので、ポンプユニット2の製造が容易となり、製造時のバラツキを小さくできる。
【0040】
図6は、連結手段10の他の形態を示す図である。上記実施形態では、連結手段10を紐状としたがこれに限定されない。例えば、連結手段10の他の形態としては、
図6(a),(b)に示すように、膨張時の形状を考慮して幅に不均一を持たせた帯状のものであっても良い。即ち、
図6(a),(b)に示す連結手段10は、ポンプユニット2が収縮した状態(
図3参照)において、閉塞領域Fを形成する内筒4の内周面の密着を妨げないように、閉塞領域Fに対応する部分の幅を細くした幅狭部10Aと、この幅狭部10Aの両端側に内筒4の内周面が密着しない部分の幅を広くした幅広部10Bとを有する帯状に形成されている。なお、
図6における連結手段10は、内筒4の外周面に接着などにより一体化されている。このように連結手段10を形成することにより、
図6(c)に示すように内筒4が膨張したときに幅狭部10Aが設けられた内周面同士を密着させることができる。なお、
図6(c)は、収縮状態にあるポンプユニット2を一端側から軸方向視したときの状態を示している。
連結手段10は、上記例に限定されず、内筒4の変形とともに変形し、端部部材8;8を軸方向に牽引可能であればその形態は問わない。
【0041】
また、連結手段10は、上述のような素材に限定されず板バネ等の非伸縮性の弾性体を用いることもできる。連結手段10に板バネを用いた場合、板バネそのものの復元力により、ポンプユニット2を伸張させる力が作用する。上述の連結手段10の弾性率は、内筒4を形成する弾性素材の弾性率以上に設定される。また、連結手段10は、上述のように、繊維状のものや板バネ等を別途設けることの他に、内筒4の基材であるマトリックス材料(母材或は主材)により形成することもできる。
【0042】
図7は、外筒6の他の形態を示す図である。上記実施形態では、外筒6に蛇腹構造を有するものとして示したがこれに限定されない。外筒6は、上述のように、内筒4との間で加圧室Sを形成するとともに、径方向に膨張・収縮せず、軸方向に伸縮可能に構成されていれば良く、例えば、
図7に示すように、2つの筒体26;28を摺動可能に2重管構造とし、径方向に膨張・収縮せず、軸方向に伸長・収縮するように構成しても良い。この場合、外筒6を軸方向に伸長させるべく付勢するコイルスプリング等の付勢手段を外周側や内周側に設けることにより、加圧室Sの圧力Pを最小化したときに、ポンプユニット2を軸方向に伸長させる補助をすることができる。
【0043】
図8は、内筒4の他の形態を示す図である。上記実施形態では、内筒4及び外筒6の断面形状を円形、端部部材8の外形形状も円形としたが、これに限定されない。例えば、
図8(a),(b)に示すように、三角形や四角形等他の断面形状であっても良い。同図では、各頂点の中間を軸方向に沿って帯状の連結手段10が延長するように内筒4の外周面設けられている。この場合、
図8(a),(b)に示す各頂点が、形状規定手段12として機能し、加圧室Sに所定の圧力Pを印加することにより、図中破線で示すように、面中心側から連結手段10とともに膨張変形する。
【0044】
上述のように、内筒4及び外筒6、或いは端部部材断面形状を三角形や四角形等の他の形状とすることにより、設置空間を効率的に利用することができる。ポンプ1の駆動部1Aを配置する場合、設置空間における駆動部1Aの延長方向と直交する断面形状の大きさによって、ポンプユニット2の大きさが決まってしまう。例えば、設置空間の断面形状を矩形状とした場合、
図2乃至
図7で示した形状のポンプユニット2を用いると、四隅に余剰の空間が生じることになり、設置空間の断面積に対して内筒4により形成される搬送路Hの断面積が小さくなる。このような場合、接地空間の断面積の形状に倣うべく内筒4、外筒6及び端部部材8を矩形状とすることで、設置空間の断面積に対する搬送路Hの断面積を最大化することができ、ポンプ1の搬送効率をより向上させることが可能となる。
【0045】
また、内筒4及び外筒6の断面形状、或いは端部部材8の外形形状は、すべて同一形状である必要はなく、設置空間の形状に応じて適宜変更すれば良い。
【0046】
また、上記実施形態では、駆動部1Aを動作させて搬送物を上流側から下流側に向けて移送するものとして説明したが、駆動部1Aにおける動作は、これに限定されない。
図9は、駆動部1Aの他の動作を示す図である。例えば、
図1に示すように4つのポンプユニット2により駆動部1Aを構成した場合、
図9に示すように動作させることができる。
まず、
図9(a)に示すように、駆動部1Aを構成する最も下流側のポンプユニット2Dを膨張させて、搬送路Hを閉塞する。次に、
図9(b)に示すように、最も上流側のポンプユニット2Aを膨張させて、ポンプユニット2Aから上流の搬送路Hを閉塞する。次に、
図9(c),(d)に示すように、ポンプユニット2Aとポンプユニット2Dの間のポンプユニット2B及びポンプユニット2Cを交互に膨張させることにより、例えば、搬送物が複数の材料(混合物)から構成される場合、蠕動運動を利用して搬送物を一方向に移送する途中において、搬送路H内において搬送物を混合することができる。
【0047】
また、駆動部1Aが
図1や
図9に示すよりも多くのポンプユニット2を連結して構成され、例えば、搬送路H全体を構成した場合、上述の
図9(a)~(d)の工程を所定回数行う毎に、この工程を行うポンプユニット2の組み合わせを順次下流側に移動させることで、搬送物を移送しつつ混合することができる。即ち、本実施形態のポンプユニット2を複数連結して搬送路Hを構成することにより、搬送物を、蠕動運動を利用して一方向に移送、又は、双方向への移送を繰り返すことにより、搬送物が複数の材料(混合物)から構成される場合に、搬送物を効率よく混練りすることができ、かつ最終的に混練りされた状態の搬送物を移送することが可能となる。
【0048】
また、上述のような混合移送を実施する場合には、ポンプユニット2を直列に連結して構成された、投入部と排出部を有する搬送路Hの途中において、
図10に示すように、間に複数のポンプユニット2が配置されるように2つの分岐管3A;3Aを設け、さらに分岐管3A;3A同士を結ぶように、複数のポンプユニット2を曲管3Bを介してポンプユニット2をサークル状に連結し、図中矢印に示すサークル状の経路を搬送物がループして移送されるように動作させることにより、複数の材料(混合物)から構成された搬送物をより効率的に混合することができる。上述の分岐管3Aは、内部に弁が内蔵されており、弁の切替により、搬送物の移送方向が切り替えられる。このように、分岐管3Aや曲管3B等によりサークル状の経路を形成する場合、分岐管3Aから分岐管3Aの間、分岐管3Aから曲管3Bの間、曲管3Bと曲管3Bの間に設けるポンプユニット2の数は、各区間において蠕動運動による搬送物の積極的な移送がなされるように3個以上設けると良い。
【0049】
図11は、内筒4の他の形態の軸方向断面図及び径方向断面図である。前述の内筒4の搬送部4Aを円筒状に形成した場合において、内筒4の内部に非伸縮性の繊維を紐状に寄り合わせてなる紐体からなる連結手段10を周方向に均等な間隔で90°毎に埋設するものとして説明したが、連結手段10を繊維を紐状に寄り合わせてなる紐体とせず、例えば、
図11(b)に示すように繊維状のまま埋設するようにしても良い。
【0050】
ここでいう繊維状とは、フィラメント、ヤーン(スパン・ヤーン及びフィラメント・ヤーン)、ストランド等の形態や、撚りをかけずに収束させた無撚繊維、これらの繊維を複数本撚って作成した繊維を用いたり、繊維の種類にもよるが2種類以上の種類の異なる繊維を組み合わせたりしたものでも良い。以下、単に繊維13という。
【0051】
繊維13としては、例えば、炭素(カーボン)繊維、ガラス繊維、ナイロン、ポリアミド系繊維やポリオレフィン系繊維、金属繊維等の非伸長性を有するものを適宜選択して用いることができる。
【0052】
図11(a)に示すように、繊維13は、例えば、内筒4の軸方向(長手方向)に沿って延長するように内包される。なお、軸方向に沿ってとは、数学的に厳密な意味を示すものでなく、軸方向に対しての傾斜を許容する。
【0053】
図11(b)に示すように、繊維13は、内筒4の円周方向に均等に分布するとともに、内筒4の厚み方向に所定厚さの繊維層を形成するように内包される。即ち、内筒4は、弾性素材からなるゴム層と、当該ゴム層の間に介挿された繊維層を有するように形成される。
なお、繊維13が埋設される態様は、層状に限定されず、例えば、
図11(c)に示すように、内筒4の厚み方向全体にわたり分布するように設けても良い。
【0054】
図11(a)に示すように、各繊維13は、長さが、例えば、搬送部4Aの軸方向の一端側から他端側に達する長さ、好ましくは、一端側の固定部4Bから他端側の固定部4Bにかけて延長する長さを有するように設けると良い。
【0055】
このように内筒4に繊維13を内包することにより、加圧室Sに加圧媒体を供給したときに、埋設された繊維13が、当該内筒4の軸方向への伸長を規制しつつ端部部材8;8を軸方向に近接させる牽引力を生じさせることで内筒4を軸方向に収縮させつつ半径方向に膨張させることができる。
【0056】
なお、繊維13は、
図11(b)に示したように、円周方向に沿って連続するように埋設することに限定されず、例えば、
図12(a)に示すように、不連続部14を有するように、円周方向に所定の間隔を開けて不連続となるように埋設しても良い。
図12(b)に示すように、不連続部14は、例えば、前述の形状規定手段12から突出する突起部12Bに対応する位置に設定すると良い。
【0057】
このように不連続部14を設けることにより、内筒4の膨張による搬送路Hの閉塞度を高めることができる。
【0058】
なお、埋設される繊維13の長さは、例えば、搬送部4Aの軸方向の一端側から他端側に達する長さ、好ましくは、一端側の固定部4Bから他端側の固定部4Bにかけて延長する長さを有するものに限定されない。
図13は、内筒4に埋設される繊維13の他の形態を示す図である。
図13(a),(b)に示すように、例えば、繊維13は、内筒4の軸方向長さよりも十分長い一本、或いはこれを複数本用いて軸方向に沿って延長するように折り返して設けるようにしても良い。
【0059】
また、
図13(c),(d)に示すように、内筒4の軸方向長さよりも短い繊維13を複数軸方向に沿うように延在させることで、内筒4の軸方向への伸長を規制するようにしても良い。この場合、各繊維13が、必ずしも固定部4Bから延長する必要はなく、固定部4Bから延長するものや固定部4B:4B間(搬送部4A内)を延長するものが組み合わされて内包されていれば良い。
【0060】
前述のように、伸縮を許容する弾性素材を主として形成された内筒4に繊維13を埋設したことにより、加圧室Sに加圧媒体を供給したときに、内筒4の軸方向及び径方向への変形に異方性を生じさせることができる。
【0061】
また、内筒4の膨張に異方性を生じさせる方策として、内筒4に繊維13や前述のひも状の連結手段10等を設けずに、例えば、
図14に示すように内筒4の形状そのものを変化させても良い。
図14は、内筒4の伸縮に異方性を生じさせることができる内筒4の他の形態を示す軸方向断面図及び径方向断面図である。この場合の内筒4は、
図14(b)に示すように、軸方向と直交する断面視において、搬送部4Aの厚みが円周方向沿って周期的に変化し、
図14(a)に示すように、軸方向に沿って当該形状が維持されるように形成すれば良い。なお、
図14では、周方向への厚さの変化を矩形の歯車状に凹凸を外周面に形成するものとして示したが、内周面側でもよく、また、厚さの変化のさせ方も矩形の歯車状に限定されない。
このように、内筒4の搬送部4Aに、周方向に沿って厚みの変化を設定することにより、前述の繊維13や前述のひも状の連結手段10等を設けることなく、加圧室Sに加圧媒体を供給したときに、内筒4の軸方向及び径方向への変形に異方性を生じさせることができる。
【0062】
上述の説明では、内筒4を伸縮性を有する弾性素材により形成し、内筒4の軸方向への伸長及び径方向への伸張に異方性を設定するために連結部材10を設けたり、繊維13を内包するようにしたが、これに限定されない。
例えば、内筒4を形成する素材として弾性素材に変えて、非伸縮性を用いることができる。非伸縮性の素材としては、例えば、柔軟性を有する革や布、ビニール等を用いることができる。
この場合、弾性素材により内筒4を形成し、前述の加圧室Sに空気を供給したときのように、素材そのものは伸張せず、バッグパイプに用いられる革製の留気袋やビニール製の浮き輪等のように素材そものもは伸張せずに膨張するように変形させることができる。なお、内筒4には、非通気性の性能が求められることは言うまでもない。
【0063】
また、前述のようにポンプユニット2の内筒4や外筒6を弾性体により形成することにより、ポンプユニット2を連結させてポンプ1として用いる際、ポンプ1の設置経路が必ずしも直線的でなくても弾性により「曲げ」を吸収することができる。即ち、ポンプユニット2を曲げて用いることができる。
【符号の説明】
【0064】
1 ポンプ、1A 駆動部、1B 制御部、2 ポンプユニット、4 内筒、
6 外筒、8 端部部材、10 連結手段、12 形状規定手段、13 繊維。