(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-05
(45)【発行日】2023-09-13
(54)【発明の名称】立替システム、立替方法、立替プログラム、及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/02 20230101AFI20230906BHJP
【FI】
G06Q40/02
(21)【出願番号】P 2019168939
(22)【出願日】2019-09-18
【審査請求日】2022-04-12
(73)【特許権者】
【識別番号】519337787
【氏名又は名称】株式会社VAMOS
(74)【代理人】
【識別番号】100120053
【氏名又は名称】小田 哲明
(74)【代理人】
【識別番号】100105315
【氏名又は名称】伊藤 温
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 永進
【審査官】庄司 琴美
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-134796(JP,A)
【文献】特開2002-230440(JP,A)
【文献】特開2008-112359(JP,A)
【文献】特開2007-207197(JP,A)
【文献】特開2002-092513(JP,A)
【文献】特開2001-320899(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分譲マンションの区分所有者から入金される管理費及び修繕積立金の少なくとも1つを立て替える立替システムであって、
前記区分所有者の属性データを格納する区分所有者データベースと、
前記区分所有者から前記管理費及び前記修繕積立金の少なくとも1つを集金する集金者の属性データを格納する集金者データベースと、
前記集金者データベースから前記集金者の前記属性データを読み出し、前記区分所有者から前記集金者へ入金される前記管理費及び前記修繕積立金の少なくとも1つの入金データを取得する入金データ取得部と、
前記入金データに基づいて、前記区分所有者から前記集金者へ入金される前記管理費及び前記修繕積立金の少なくとも1つの入金状況を表示する入金状況表示部と、
前記入金状況に基づいて、前記区分所有者の前記管理費及び前記修繕積立金の少なくとも1つの滞納額を算出する滞納額算出部と、
前記集金者データベースから前記集金者の前記属性データを読み出し、前記滞納額を立て替えるために、前記集金者の金融口座へ前記滞納額を立替額として入金する入金命令を実行する立替部と、
前記区分所有者データベースから前記区分所有者の前記属性データを読み出し、前記区分所有者データベースに格納された前記区分所有者の前記属性データに基づいて、前記滞納額を保証するための保証料を算出する保証料算出部と、
前記集金者からの前記保証料の入金又は前記立替額からの前記保証料の減額により、前記集金者から前記保証料を取得したことを表示する保証料表示部と、
を備えることを特徴とする立替システム。
【請求項2】
前記立替部は、前記集金者データベースから前記集金者の前記金融口座に関する前記属性データを読み出し、前記入金データ取得部が前記入金データを取得する前記集金者の前記金融口座と同じ金融口座へ前記立替額を入金する前記入金命令を実行することを特徴とする請求項1に記載の立替システム。
【請求項3】
前記入金データ取得部は、前記区分所有者の金融機関、クレジットカード会社、電子マネー、及び請求ハガキの少なくとの1つにより、前記区分所有者から前記集金者の前記金融口座へ直接入金される前記管理費及び前記修繕積立金の少なくとも1つの前記入金データを取得することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の立替システム。
【請求項4】
前記立替部は、前記集金者データベースから前記集金者の前記属性データを読み出し、前記集金者とは異なる事業体から前記金融口座へ前記立替額を入金する前記入金命令を実行することを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の立替システム。
【請求項5】
前記保証料算出部は、前記区分所有者データベース及び前記集金者データベースから前記区分所有者及び前記集金者の前記属性データを読み出し、前記区分所有者の滞納状況、過去の前記保証料の入金履歴、前記分譲マンションの管理組合の財務状況、前記分譲マンションの管理組合規約の有無、前記分譲マンションの定期総会の開催状況、前記分譲マンションの各種保険加入状況、前記分譲マンションの設備更新状況、前記分譲マンションの設備導入方法、前記分譲マンションの耐震評価状況、前記分譲マンションの補強実施状況、前記分譲マンションの修繕工事状況、前記分譲マンションの長期修繕工事計画状況、前記集金者の訴訟状況、並びに前記分譲マンションの管理業務委託状況の少なくとの1つに基づいて、前記保証料を変動させることを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の立替システム。
【請求項6】
前記立替部が入金命令を実行した前記立替額に関する立替情報を読み込み、前記立替額を保証する再保証会社もしくは再保険会社へ保証金もしくは保険金を請求するための請求情報を生成する請求部と、
前記滞納額を滞納した前記区分所有者の前記属性データと前記請求情報とを表示する請求状況表示部と、
を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の立替システム。
【請求項7】
分譲マンションの区分所有者から入金される管理費及び修繕積立金の少なくとも1つを立て替える機能をコンピュータに実行させる立替方法であって、前記コンピュータに、
前記区分所有者の属性データを区分所有者データベースに格納するステップと、
前記区分所有者から前記管理費及び前記修繕積立金の少なくとも1つを集金する集金者の属性データを集金者データベースに格納するステップと、
前記集金者データベースから前記集金者の前記属性データを読み出し、前記区分所有者から前記集金者へ入金される前記管理費及び前記修繕積立金の少なくとも1つの入金データを取得するステップと、
前記入金データに基づいて、前記区分所有者から前記集金者へ入金される前記管理費及び前記修繕積立金の少なくとも1つの入金状況を表示するステップと、
前記入金状況に基づいて、前記区分所有者の前記管理費及び前記修繕積立金の少なくとも1つの滞納額を算出するステップと、
前記集金者データベースから前記集金者の前記属性データを読み出し、前記滞納額を立て替えるために、前記集金者の金融口座へ前記滞納額を立替額として入金する入金命令を実行するステップと、
前記区分所有者データベースから前記区分所有者の前記属性データを読み出し、前記区分所有者データベースに格納された前記区分所有者の前記属性データに基づいて、前記滞納額を保証するための保証料を算出するステップと、
前記集金者からの前記保証料の入金又は前記立替額からの前記保証料の減額により、前記集金者から前記保証料を取得したことを表示するステップと、
を実行させることを特徴とする立替方法。
【請求項8】
分譲マンションの区分所有者から入金される管理費及び修繕積立金の少なくとも1つを立て替える立替プログラムであって、
前記区分所有者の属性データを区分所有者データベースに格納する格納命令と、
前記区分所有者から前記管理費及び前記修繕積立金の少なくとも1つを集金する集金者の属性データを集金者データベースに格納する格納命令と、
前記集金者データベースから前記集金者の前記属性データを読み出し、前記区分所有者から前記集金者へ入金される前記管理費及び前記修繕積立金の少なくとも1つの入金データを取得する入金データ取得命令と、
前記入金データに基づいて、前記区分所有者から前記集金者へ入金される前記管理費及び前記修繕積立金の少なくとも1つの入金状況を表示する入金状況表示命令と、
前記入金状況に基づいて、前記区分所有者の前記管理費及び前記修繕積立金の少なくとも1つの滞納額を算出する滞納額算出命令と、
前記集金者データベースから前記集金者の前記属性データを読み出し、前記滞納額を立て替えるために、前記集金者の金融口座へ前記滞納額を立替額として入金する入金命令を実行する立替命令と、
前記区分所有者データベースから前記区分所有者の前記属性データを読み出し、前記区分所有者データベースに格納された前記区分所有者の前記属性データに基づいて、前記滞納額を保証するための保証料を算出する保証料算出命令と、
前記集金者からの前記保証料の入金又は前記立替額からの前記保証料の減額により、前記集金者から前記保証料を取得したことを表示する保証料表示命令と、
を備えることを特徴とする立替プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載の立替プログラムを搭載した記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立替システム、立替方法、立替プログラム、及び記録媒体に関し、特に、「建物の区分所有等に関する法律」(以下、区分所有法と称する)で定義された分譲マンションの、区分所有者から入金される管理費(主に年度運営費)及び修繕積立金(修繕工事費)の少なくとも1つを立て替える立替システム、立替方法、立替プログラム、及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
分譲マンションの維持管理費用として区分所有法第19条に基づき、管理費及び修繕積立金の収納が管理組合により行われており、近年、その管理費及び修繕積立金の滞納が問題となっている。管理費及び修繕積立金の滞納者が増加し、その滞納額が多額となると、(1)区分所有建物の管理水準が落ちたり、(2)支払う区分所有者と滞納者間に不公平が発生したり、(3)滞納者のためマンション全体の価値が下がったりすることになる。また、予算通りに管理費及び修繕積立金が収納されない場合、建物自体の修繕も計画的実施することが難しくなり、不足した資金の借り入れを計画しても、返済原資として捉えられる管理費及び修繕積立金が予定通りに収納されない事実が判明した場合、金融機関等からの借り入れが難しくなり、計画通りの修繕工事が実施することもできず、建物自体の資産価値がさらに下落し、建物自体の維持運営活動がさらに困難になるという悪循環に陥る。
【0003】
国土交通省の平成30年度マンション総合調査によれば、管理費又は修繕積立金を3ヶ月以上滞納している住戸があるマンションは24.8%となっている。
【0004】
マンション管理組合は、マンション管理組合自身が制定した管理規約で取り決めた各区分所有者が負担するべき費用に基づき、各区分所有者から管理費等を収納(集金)しているが、区分所有者が収納するべき管理費等を遅延や滞納し長期滞納となった場合、マンション管理組合が管理費等の滞納額を回収できなくなるリスクを内包している。そのリスクを回避するために、管理費等の立て替え払いを可能とする決済滞納業務管理システムが公開されている(例えば、特許文献1参照)。また、管理費等の集金(収納)を代行する事業体もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に示される決済滞納業務管理システムでは、マンション管理組合又はマンション管理会社の振込口座を決済滞納業務管理者の口座に移転しなければならず、マンション管理組合又はマンション管理会社が区分所有者から集金していた集金経路(収納経路)を変更しなければならない。この集金経路の変更は、マンション管理組合又はマンション管理会社以外の第三者に区分所有者が入金することとなるため、区分所有者にとって特に抵抗感が強く、マンション管理組合又はマンション管理会社においても抵抗感が強い。また、このように、集金経路を変更すると、契約関係及び権利関係が複雑となり、煩雑化する。
【0007】
また、「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」で制定されている収納経路からみても、マンション管理組合並びにマンション管理会社双方の利点は少なく、特にマンション管理会社の業務が煩雑化することになり、マンション管理組合並びにマンション管理会社の同意を得るには困難と判断される。
【0008】
また、マンション管理会社が集金代行を行っている場合、マンション管理会社は「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」により業務が定められており、集金の督促、代位弁済、及び債権回収等ができないと解釈されているため、集金者であるマンション管理会社が管理費等の立て替えを行うことはなかった。該法律で定められているマンション管理会社の「管理事務」には、「管理組合の会計の収入及び支出の調定に関する事務」が含まれているが(第2条第6号)、この「調停」は第三者的立場でなければならず、マンション管理会社が管理費等の未収金を立て替え、債権者の立場で未収金を回収すると、当事者となるため、マンション管理会社による管理費等の立て替え及び回収は違法と解釈されている。「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」で制定されている基幹事務とは、管理組合の会計の収入及び支出の調定、出納、当該マンションの維持又は修繕に関する企画又は実施の調整とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の立替システムは、分譲マンションの区分所有者から入金される管理費及び修繕積立金の少なくとも1つを立て替える立替システムであって、前記区分所有者の属性データを格納する区分所有者データベースと、前記区分所有者から前記管理費及び前記修繕積立金の少なくとも1つを集金する集金者の属性データを格納する集金者データベースと、前記区分所有者から前記集金者へ入金される前記管理費及び前記修繕積立金の少なくとも1つの入金データを取得する入金データ取得部と、前記入金データに基づいて、前記区分所有者から前記集金者へ入金される前記管理費及び前記修繕積立金の少なくとも1つの入金状況を表示する入金状況表示部と、前記入金状況に基づいて、前記区分所有者の前記管理費及び前記修繕積立金の少なくとも1つの滞納額を算出する滞納額算出部と、前記滞納額を立て替えるために、前記集金者の金融口座へ前記滞納額を立替額として入金する入金命令を実行する立替部を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、既存の集金者の金融口座へ滞納額を立て替えて入金するため、集金経路の変更を行う必要がなく、区分所有者、マンション管理組合、又はマンション管理会社の抵抗感を軽減し、契約関係及び権利関係の煩雑さを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1の実施形態の立替システムのシステム構成の例を示すブロック図である。
【
図2】第1の実施形態の保証システムのシステム構成の例を示すブロック図である。
【
図3】第1の実施形態の管理サーバーのシステム構成の例を示すブロック図である。
【
図4】区分所有者データベースに格納される区分所有者の属性データの例を示す図である。
【
図5】集金者データベースに格納される集金者の属性データの例を示す図である。
【
図6】集金者データベースに格納される集金者の属性データの例を示す図である。
【
図7】第1の実施形態の立替方法の例を示すフローチャートである。
【
図8】第1の実施形態の立替プログラムにより実行される動作の例を示す図である。
【
図9】第1の実施形態の集金経路の例を示す図である。
【
図10】第1の実施形態の管理費等の立て替えのタイムテーブルである。
【
図11】第2の実施形態の立替システムのシステム構成の例を示すブロック図である。
【
図12】第2の実施形態の立替プログラムにより実行される動作の例を示す図である。
【
図13】第2の実施形態の集金経路の例を示す図である。
【
図14】第2の実施形態の管理費等の立て替えのタイムテーブルである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態の立替システムについて、図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態の立替システムのシステム構成の例を示すブロック図である。立替システム1は、分譲マンションの区分所有者から入金される管理費及び修繕積立金の少なくとも1つを立て替える。
図1に示すように、立替システム1は、ネットワーク2を介して電気的に接続される保証システム3、管理サーバー4、及び金融機関システム5を備える。
【0013】
図2は、本実施形態の保証システムのシステム構成の例を示すブロック図である。
図2に示すように、保証システム3は、プロセッサー21、記憶装置22、入力装置23、インターフェース24、及び出力装置25を備える。
【0014】
プロセッサー21は、入金データ取得部32、滞納額算出部33、立替部34、保証料算出部35、督促部36、請求部37、保証データ生成部38、及び回収データ生成部39を備える。出力装置25は、入金状況表示部26、保証料表示部27、督促状況表示部28、及び請求状況表示部29を備える。
【0015】
図3は、本実施形態の管理サーバーのシステム構成の例を示すブロック図である。
図3に示すように、管理サーバー4は、管理データベース41、記憶装置42、入力装置43、インターフェース44、出力装置45、及びプロセッサー46を備える。管理データベース41は、区分所有者データベース47及び集金者データベース48を備える。
【0016】
図4は、区分所有者データベース47に格納される区分所有者の属性データの例を示す図である。
図4に示すように、区分所有者データベース47は、区分所有者の属性データを格納する。区分所有者データベース47は、区分所有者ID,管理組合ID,集金代行者ID83、氏名84、区分所有者連絡先(住所,電話番号,メールアドレス,SNS)85、部屋番号86、支払方法87、変更88、管理費89、修繕積立金90、区分所有者口座情報(口座番号,名義,請求日付,振替日付)91、クレジットカード情報(カード番号,名義,請求日付,支払日付)92、請求はがき送付先住所93、入金データ(入金額,入金者,入金日時)94、滞納状況(滞納履歴,滞納額)95、保証料情報(保証料額)96、立替情報(立替額,立替日付)97、回収情報(未収額/遅延損害金/回収額,督促状況)98、担当弁護士情報99、及び再保証会社/再保険情報100の項目を区分所有者の属性データである区分所有者データとして格納する。
【0017】
図5及び
図6は、集金者データベース48に格納される集金者の属性データの例を示す図である。ここで、集金者とは、区分所有者から管理費及び修繕積立金の少なくとも1つを集金する者(法人及びその他の事業体を含む)をいう。例えば、分譲マンションのマンション管理組合が区分所有者から管理費及び修繕積立金の少なくとも1つを集金する場合は、マンション管理組合が集金者となる。また、マンション管理組合に代わって、集金代行者が区分所有者から管理費及び修繕積立金の少なくとも1つを集金する場合は、集金代行者が集金者となる。例えば、分譲マンションのマンション管理会社が管理費等の集金代行を行っている場合は、マンション管理会社が集金者となる。また、分譲マンションのマンション管理組合及びマンション管理会社以外の第三者(法人及びその他の事業体を含む)が管理費等の集金代行を行っている場合は、その第三者が集金者となる。
【0018】
図5及び
図6に示すように、集金者データベース48は、区分所有者から管理費及び修繕積立金の少なくとも1つを集金する集金者の属性データを格納する。集金者データベース48は、集金代行者ID50、集金代行者情報51、管理組合ID52、管理組合情報53、委託者(集金者)情報54、契約処理(日付)55、契約開始日/契約終了日56、契約に関する総会決議の可否57、契約書/約定書58、覚書59、管理規約60、審査結果61、委託者口座情報62、入金データ(入金額,入金者,入金日時,口座)63、保証料情報(保証料額,入金日付,区分数)、64立替情報(立替額,入金日付)65、回収情報(未収額/遅延損害金/回収額,督促状況)66、及び再保証会社/再保険情報67、財務状況(貸借対照表の有無,収支報告書の有無,資産,負債)70、定期総会の開催状況(開催日付,記録の有無)71、各種保険加入状況(保険の種類,補償内容)72、設備更新状況(更新設備,更新日付,記録の有無)73、設備導入方法(購入/リース,導入設備,記録の有無)74、耐震評価状況(評価機関,評価日付,記録の有無)75、補強実施状況(実施機関,実施日付,記録の有無)76、修繕工事状況(修繕内容,修繕日付,定期点検,法定点検)77、長期修繕工事計画状況(長期修繕工事計画書の有無及び計画内容,実施機関,実施日付,記録の有無)78、訴訟状況(訴訟の内容,相手方情報)79、管理業務委託状況80、滞納状況(滞納区分数,滞納区分所有者,滞納履歴,滞納額,遅延損害金)81、及び管理業務委託状況(委託の有無,委託契約履歴,管理会社情報)82の項目を集金者の属性データである集金者データとして格納する。
【0019】
区分所有者データベース47及び集金者データベース48は、メタデータや共通項目により関連付けられてもよい。例えば、区分所有者データベース47及び集金者データベース48は、管理組合ID、管理組合情報、集金代行者ID、集金代行者情報、保証料情報、立替情報、回収情報、及び再保証会社/再保険情報等の少なくとも1つにより関連付けられてもよい。
【0020】
例えば、集金者データベース48の特定の集金者の情報(集金代行者情報)を指定すると、その特定の集金者が集金を行っている分譲マンションの区分所有者ごとの属性が、区分所有者データベース47から出力装置25に表示されてもよい。また、集金者データベース48の特定の集金者の回収情報を指定すると、その特定の集金者が集金を行っている分譲マンションの区分所有者ごとの回収情報が、区分所有者データベース47から出力装置25に表示されてもよい。また、集金者データベース48の特定の集金者の保証料情報を指定すると、その特定の集金者が集金を行っている分譲マンションの区分所有者ごとの保証料情報が、区分所有者データベース47から出力装置25に表示されてもよい。
【0021】
区分所有者データベース47及び集金者データベース48は、同じ管理サーバー4に備えられてもよいし、それぞれ別の管理サーバーに備えられてもよい。また、区分所有者データベース47及び集金者データベース48は、保証システム3に備えられてもよい。また、保証システム3に備えられた区分所有者データベース47及び集金者データベース48が、管理サーバー4に備えられた区分所有者データベース47及び集金者データベース48と定期的に同期してもよい。また、区分所有者データ及び集金者データは、クラウドに格納されてもよい。
【0022】
図7は、本実施形態の立替方法の例を示すフローチャートである。
図8は、本実施形態の立替プログラムにより実行される動作の例を示す図である。立替プログラムは記録媒体に搭載されてもよい。
図9は、本実施形態の集金経路の例を示す図である。
図7乃至
図9では、保証会社101側に保証システム3及び管理サーバー4が設置されている。本実施形態では、集金者はマンション管理組合であり、分譲マンションの管理組合が管理費等の集金を行う。
【0023】
図7に示すように、分譲マンションの区分所有者103から入金される管理費及び修繕積立金の少なくとも1つ(以下、「管理費等」という場合もある)を立て替える事業体(保証会社101)が、集金者(管理組合102)と、管理費等の立替保証の合意に至った場合、入力装置23を介して、保証データ生成部38が、集金者と立替保証に合意したことを示す合意データを生成し、集金者データベース48に格納する(ステップS1)。具体的には、入力装置23を介して、保証データ生成部38は、契約書/約定書58又は覚書59の属性データとして、有効を示すデータを集金者データベース48に格納する。
【0024】
図8に示すように、保証データ生成部38が、合意データの生成/格納命令110を実行し、管理サーバー4のプロセッサー46が、合意データを集金者データベース48に格納する格納命令111を実行する。
【0025】
入力装置23を介して、保証データ生成部38は、集金者の属性データ50~67,70~82を生成し、集金者データベース48に格納する(ステップS2)。
図8に示すように、保証データ生成部38が、集金者の属性データの生成/格納命令112を実行し、管理サーバー4のプロセッサー46が、集金者の属性データを集金者データベース48に格納する格納命令113を実行する。
【0026】
入力装置23を介して、保証データ生成部38は、区分所有者103の属性データ83~100を生成し、集金者の属性データと関連付けて区分所有者データベース47に格納する(ステップS3)。
図8に示すように、保証データ生成部38が、区分所有者103の属性データの生成/格納命令114を実行し、管理サーバー4のプロセッサー46が、区分所有者103の属性データを区分所有者データベース47に格納する格納命令115を実行する。
【0027】
区分所有者103の属性データ83~100の一部又は全部が集金者側又はマンション管理会社側に保持されている場合、保証データ生成部38は、ネットワーク2を介して集金者側又はマンション管理会社側の区分所有者103の属性データにアクセスし、区分所有者103の属性データ83~100を区分所有者データベース47に格納してもよい。
【0028】
保証料算出部35は、区分所有者データベース47から区分所有者の属性データを読み出し、区分所有者データベース47に格納された区分所有者103の属性データに基づいて、滞納額を保証するための保証料を算出する(ステップS4)。
図8に示すように、保証料算出部35が、保証料の算出命令116を実行する。そして、管理サーバー4のプロセッサー46が、保証料情報(保証料額)96を区分所有者データベース47に格納する格納命令を実行し、保証料情報(保証料額,入金日付,区分数)64を集金者データベース48に格納する格納命令を実行する(図示せず)。
【0029】
保証料表示部27は、管理組合102(集金者)からの保証料の入金又は立替額からの保証料の減額により、集金者から保証料を取得したことを表示する(ステップS5)。
図9において、集金者から保証料を取得する経路はR1で示されている。
【0030】
保証料は、区分所有者103ごとに一定額(例えば、1区分あたり100円)でもよいが、本実施形態では、保証料算出部35は、管理データベース41から区分所有者103及び管理組合102(集金者)の属性データを読み出し、属性データに含まれる区分所有者の滞納状況、過去の保証料の入金履歴、分譲マンションの管理組合の財務状況、分譲マンションの管理組合規約の有無、分譲マンションの定期総会の開催状況、分譲マンションの各種保険加入状況、分譲マンションの設備更新状況、分譲マンションの設備導入方法、分譲マンションの耐震評価状況、分譲マンションの補強実施状況、分譲マンションの修繕工事状況、分譲マンションの長期修繕工事計画状況、集金者の訴訟状況、並びに分譲マンションの管理業務委託状況の少なくとの1つに基づいて、保証料を変動させる。
【0031】
例えば、区分所有者の滞納額又は滞納期間が増加するにつれて、保証料が上がるように変動する。また、過去の保証料の入金の滞納額又は滞納期間が増加するにつれて、保証料が上がるように変動する。また、分譲マンションの管理組合の収支が悪化するにつれて、保証料が上がるように変動する。また、分譲マンションの管理組合規約が無い場合は有る場合に比べ、保証料が上がるように変動する。分譲マンションの定期総会の開催されない期間が増加するにつれて、保証料が上がるように変動する。分譲マンションの各種保険加入数や重要な保険加入の有無に応じて、保証料が変動する。また、分譲マンションの重要な設備更新の有無や設備更新期間に応じて、保証料が変動する。また、分譲マンションの耐震評価に応じて、保証料が変動する。また、分譲マンションの補強実施が無い場合は有る場合に比べ、保証料が上がるように変動する。また、分譲マンションの修繕工事の有無に応じて、保証料が変動する。また、分譲マンションの長期修繕工事計画の有無に応じて、保証料が変動する。また、集金者の訴訟の有無に応じて、保証料が変動する。また、分譲マンションの管理業務委託の有無に応じて、保証料が変動する。
【0032】
このように、区分所有者103の滞納状況や集金者の保証金の入金状況や分譲マンションの管理状況に応じて保証料を変動させることにより、立替額の回収リスクに応じた保証料を設定することができる。
【0033】
図9において、区分所有者103から管理組合102(集金者)へ管理費等が入金される経路はR3-1で示されている。既存の集金者の金融口座へ管理費等が区分所有者103から入金される(経路R3-1)。例えば、区分所有者103の金融機関、クレジットカード会社、電子マネー、及び請求ハガキの少なくとの1つにより、区分所有者103から管理組合102(集金者)の金融口座へ管理費等が直接入金される。一方、区分所有者103から管理組合102(集金者)へ管理費等が入金されずに滞納が発生する経路はR3-2で示されている。
【0034】
ステップS6において、入金データ取得部32は、集金者データベース48から集金者の属性データを読み出し、区分所有者103から管理組合102(集金者)へ入金される管理費及び修繕積立金の少なくとも1つの入金データを取得する。入金データ取得部32は、ネットワーク2を介して、管理組合102(集金者)の金融機関システム5にアクセスし、入金データの取得を請求するデータを金融機関システム5に送信し、金融機関システム5から入金データを取得する。例えば、入金データ取得部32は、区分所有者103の金融機関、クレジットカード会社、電子マネー、及び請求ハガキの少なくとの1つにより、区分所有者103から管理組合102(集金者)の金融口座へ直接入金される管理費等の入金データを取得する。
【0035】
図8に示すように、入金データ取得部32が、入金データの取得命令117を実行し、金融システム5は、入金データの送信命令118を実行する。そして、管理サーバー4のプロセッサー46が、入金データ(入金額,入金者,入金日時)94を区分所有者データベース47に格納する格納命令を実行し、入金データ(入金額,入金者,入金日時,口座)63を集金者データベース48に格納する格納命令を実行する(図示せず)。
【0036】
入金データ取得部32は、立替部34が入金命令を実行する集金者の金融口座と同じ金融口座の入金データを取得してもよい。
【0037】
ステップS7において、入金状況表示部26は、入金データに基づいて、区分所有者103から管理組合102(集金者)へ入金される管理費及び修繕積立金の少なくとも1つの入金状況を表示する。
【0038】
ステップS8において、滞納額算出部33は、入金状況に基づいて、区分所有者103の管理費及び修繕積立金の少なくとも1つの滞納額を算出する。
図8に示すように、滞納額算出部33が、滞納額の算出命令119を実行する。そして、管理サーバー4のプロセッサー46が、滞納状況(滞納履歴,滞納額)95を区分所有者データベース47に格納する格納命令を実行し、滞納状況(滞納区分数,滞納区分所有者,滞納履歴,滞納額,遅延損害金)81を集金者データベース48に格納する格納命令を実行する(図示せず)。
【0039】
ステップS9において、立替部34は、集金者データベース48から集金者の属性データを読み出し、滞納額を立て替えるために、集金者の金融口座へ滞納額を立替額として入金する入金命令を実行する。立替部34は、集金者データベース48から集金者の属性データを読み出し、集金者とは異なる事業体(保証会社101)から集金者の金融口座へ立替額を入金する入金命令を実行する。
図8に示すように、立替部34が、入金命令120を実行し、金融システム5が、入金の受入命令121を実行する。そして、管理サーバー4のプロセッサー46が、立替情報(立替額,立替日付)97を区分所有者データベース47に格納する格納命令を実行し、立替情報(立替額,入金日付)65を集金者データベース48に格納する格納命令を実行する(図示せず)。
【0040】
図9において、保証会社101から管理組合102(集金者)へ立替額が入金される経路はR4で示されている。既存の集金経路R3-1の変更を行うことなく、集金者の金融口座へ立替額が保証会社101から入金される(経路R4)。集金者と異なる事業体(保証会社101)から立替額が集金者に入金されるので、集金者は既存の集金経路R3-1の変更を行う必要がない。この結果、区分所有者、マンション管理組合、又はマンション管理会社の抵抗感を軽減し、契約関係及び権利関係の煩雑さを回避することができる。
【0041】
立替部34は、集金者データベース48から集金者の金融口座に関する属性データを読み出し、入金データ取得部32が入金データを取得する集金者の金融口座と同じ金融口座へ立替額を入金する入金命令を実行してもよい。
【0042】
ステップS10において、督促部36は、滞納額を滞納した区分所有者103の属性データを区分所有者データベース47から読み込み、区分所有者103の属性に基づいて区分所有者103に滞納額の納付の督促するための督促情報を生成し、区分所有者データベース47及び集金者データベース48に格納する。この場合、入力装置23を介して、督促部36は、回収情報(未収額/遅延損害金/回収額,督促状況)98のデータを区分所有者データベース47に格納する。また、督促部36は、担当弁護士情報99のデータとして、担当弁護士の氏名等を区分所有者データベース47に格納する。また、入力装置23を介して、督促部36は、回収情報(未収額/遅延損害金/回収額,督促状況)66のデータを集金者データベース48に格納する。
【0043】
図8に示すように、督促部36が、督促情報の生成/格納命令122を実行する。そして、管理サーバー4のプロセッサー46が、回収情報(未収額/遅延損害金/回収額,督促状況)98及び担当弁護士情報99を督促情報として区分所有者データベース47に格納する格納命令123を実行し、回収情報(未収額/遅延損害金/回収額,督促状況)66を督促情報として集金者データベース48に格納する格納命令123を実行する。また、督促状況表示部28は、滞納額を滞納した区分所有者103の属性と指示情報とを表示する。
【0044】
図9において、代位弁済により債権が管理組合102(集金者)から保証会社101へ移った後、保証会社101が区分所有者103に対して滞納額を回収する経路はR5で示されている。
【0045】
ステップS11において、請求部37は、立替部34が入金命令を実行した立替額に関する立替情報を読み込み、立替額を保証する再保証会社もしくは再保険会社へ保証金もしくは保険金を請求するための請求情報を生成し、区分所有者データベース47及び集金者データベース48に格納する。この場合、入力装置23を介して、請求部37は、再保証/再保険情報100のデータとして、請求情報のデータを区分所有者データベース47に格納する。また、入力装置23を介して、請求部37は、再保証/再保険情報67のデータを集金者データベース48に格納する。
【0046】
図8に示すように、請求部37が、請求データの生成/格納命令124を実行する。そして、管理サーバー4のプロセッサー46が、再保証/再保険情報100を請求データとして区分所有者データベース47に格納する格納命令125を実行し、再保証/再保険情報67を請求データとして集金者データベース48に格納する格納命令125を実行する。また、請求状況表示部29は、滞納額を滞納した区分所有者103の属性と請求情報とを表示する。
【0047】
図9において、代位弁済により債権が管理組合102(集金者)から保証会社101へ移った後、保証会社101が再保証会社/再保険会社104に対して滞納額の保証金/保険金を請求する経路はR6で示されている。
【0048】
図10は、本実施形態の管理費等の立て替えのタイムテーブルである。
図10に示すように、前月に管理組合102(集金者)から区分所有者103に入金依頼が行われる(T1)。例えば、管理組合102から区分所有者103の金融機関に口座振替依頼が行われる。また、クレジットカード会社、電子マネー、及び請求ハガキの少なくとの1つにより、区分所有者103から管理組合102(集金者)の金融口座へ管理費等が直接入金されてもよい。
【0049】
前月に、入金データ取得部32が、区分所有者103から管理組合102(集金者)へ入金される管理費等の入金データを取得することにより、入金確認が行われる(T2)。
【0050】
前月までに区分所有者103から管理組合102(集金者)へ入金されない場合、当月に、滞納額算出部33が、区分所有者103の管理費等の滞納額を算出することにより、滞納額が確定する(T3)。
【0051】
当月に、立替部34が入金命令を実行することにより、保証会社101から管理組合102(集金者)の金融口座へ滞納額を立替額として入金する(T4)。
【0052】
保証会社101が立替額を入金した後、督促部36が督促情報を生成することにより、債権回収が行われる(T5)。例えば、督促部36は、督促状を生成し、区分所有者103のメールアドレスやSNS(Social Network System)やSMS(Short Message Service)等に督促状を送付する。また、入力装置23を介して、督促部36は、督促情報として、未収額、遅延損害金、回収額、弁護士の指定、配達証明付き内容証明郵便による督促、支払督促、強制執行、及び訴訟に関する情報を生成し、区分所有者データベース47及び集金者データベース48に格納する。
【0053】
また、保証会社101が立替額を入金した後、請求部37が請求情報を生成することにより、再保証会社もしくは再保険会社へ保証金もしくは保険金の請求が行われる(T5)。例えば、請求部37は、再保証/再保険情報67,100に記録されている保証会社/再保険会社104へ保証金/保険金の請求を行うために、請求データの生成/格納命令124を実行する。
【0054】
以上のように、本実施形態によれば、既存の集金者の金融口座へ滞納額を立て替えて入金するため、集金経路の変更を行う必要がなくなり、区分所有者、マンション管理組合、又はマンション管理会社の抵抗感を軽減し、契約関係及び権利関係の煩雑さを回避することができる。
【0055】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態の立替システムについて、図面を用いて説明する。上記の第1の実施形態と同様の部分については説明を省略する。
【0056】
図11は、本実施形態の立替システムのシステム構成の例を示すブロック図である。
図12は、本実施形態の立替プログラムにより実行される動作の例を示す図である。立替プログラムは記録媒体に搭載されてもよい。
図13は、本実施形態の集金経路の例を示す図である。
【0057】
本実施形態では、集金者はマンション管理会社105であり、分譲マンションの管理会社105が管理費等の集金代行を行う。
図11に示すように、管理システム6は、区分所有者データベース47を備え、管理会社105側に設置されている。
【0058】
保証システム3は、ネットワーク2を介して管理会社105側の区分所有者データベース47に通信可能であり、データの送受信が可能である。また、管理サーバー4も区分所有者データベース47を備え、ネットワーク2を介して、管理サーバー4側の区分所有者データベース47が管理会社105側の区分所有者データベース47と定期的に同期してもよい。
【0059】
分譲マンションの区分所有者103から入金される管理費及び修繕積立金の少なくとも1つを立て替える事業体(保証会社101)が、集金者(管理会社105)と、管理費等の立替保証の合意に至った場合、入力装置23を介して、保証データ生成部38が、集金者と立替保証に合意したことを示す合意データを生成し、集金者データベース48に格納する(
図7のステップS1)。
【0060】
図12に示すように、保証データ生成部38が、合意データの生成/格納命令110を実行し、管理サーバー4のプロセッサー46が、合意データを集金者データベース48に格納する格納命令111を実行する。
【0061】
入力装置23を介して、保証データ生成部38は、集金者の属性データ50~67,70~82を生成し、集金者データベース48に格納する(
図7のステップS2)。
図12に示すように、保証データ生成部38が、集金者の属性データの生成/格納命令112を実行し、管理サーバー4のプロセッサー46が、集金者の属性データを集金者データベース48に格納する格納命令113を実行する。
【0062】
管理システム6の入力装置(図示せず)を介して、管理システム6のプロセッサー(図示せず)は、区分所有者103の属性データ83~100を生成し、管理システム6の区分所有者データベース47に格納する。
【0063】
保証データ生成部38は、管理システム6の区分所有者データベース47から区分所有者103の属性データ83~100を取得し、集金者の属性データと関連付けて管理サーバー4の区分所有者データベース47に格納する(
図7のステップS3)。
【0064】
図12に示すように、管理システム6のプロセッサーが、区分所有者103の属性データの生成/格納命令126を実行する。保証データ生成部38は、ネットワーク2を介して管理会社105側の区分所有者データベース47から区分所有者103の属性データを読み込む読込命令127を実行し、管理サーバー4のプロセッサー46が、区分所有者103の属性データを管理サーバー4の区分所有者データベース47に格納する格納命令115を実行する。
【0065】
図13において、保証会社101の保証データ生成部38が集金者(管理会社105)から区分所有者103の属性データを読み込む経路はR7で示されている。
【0066】
保証料算出部35は、区分所有者データベース47に格納された区分所有者103の属性に基づいて、滞納額を保証するための保証料を算出する(
図7のステップS4)。
図12に示すように、保証料算出部35が、保証料の算出命令116を実行する。
【0067】
保証料表示部27は、管理組合102(集金者)からの保証料の入金又は立替額からの保証料の減額により、集金者から保証料を取得したことを表示する(
図7のステップS5)。
【0068】
図13において、区分所有者103から管理会社105(集金者)へ管理費等が入金される経路はR3-1で示されている。既存の集金者の金融口座へ管理費等が区分所有者103から入金される(経路R3-1)。一方、区分所有者103から管理会社105(集金者)へ管理費等が入金されずに滞納が発生する経路はR3-2で示されている。
【0069】
経路R2に示すように、管理組合102に代わって管理費等を集金する管理会社105(集金者)は、管理組合102の金融口座へ管理費等を入金する。この場合、管理会社105は、集金代行の手数料を差し引いた額を入金する。また、管理会社105は、保証会社101へ支払った保証金をさらに差し引いた額を入金してもよい。
【0070】
図7のステップS6において、入金データ取得部32は、区分所有者103から管理会社105(集金者)へ入金される管理費等の入金データを取得する。入金データ取得部32は、ネットワーク2を介して、管理会社105(集金者)の金融機関システム5にアクセスし、入金データの取得を請求するデータを金融機関システム5に送信し、金融機関システム5から入金データを取得する。例えば、入金データ取得部32は、区分所有者103の金融機関、クレジットカード会社、電子マネー、及び請求ハガキの少なくとの1つにより、区分所有者103から管理会社105(集金者)の金融口座へ直接入金される管理費等の入金データを取得する。
【0071】
図12に示すように、入金データ取得部32が、入金データの取得命令117を実行し、金融システム5は、入金データの送信命令118を実行する。
【0072】
入金データ取得部32は、立替部34が入金命令を実行する集金者の金融口座と同じ金融口座の入金データを取得してもよい。
【0073】
図7のステップS7において、入金状況表示部26は、入金データに基づいて、区分所有者103から管理会社105(集金者)へ入金される管理費及び修繕積立金の少なくとも1つの入金状況を表示する。
【0074】
ステップS8において、滞納額算出部33は、入金状況に基づいて、区分所有者103の管理費等の滞納額を算出する。
図12に示すように、滞納額算出部33が、滞納額の算出命令119を実行する。
【0075】
図7のステップS9において、立替部34は、滞納額を立て替えるために、集金者の金融口座へ滞納額を立替額として入金する入金命令を実行する。立替部34は、集金者とは異なる事業体(保証会社101)から集金者の金融口座へ立替額を入金する入金命令を実行する。
図12に示すように、立替部34が、入金命令120を実行し、金融システム5が、入金の受入命令121を実行する。
【0076】
図13において、保証会社101から管理会社105(集金者)へ立替額が入金される経路はR4で示されている。既存の集金経路R3-1の変更を行うことなく、集金者の金融口座へ立替額が保証会社101から入金される(経路R4)。集金者と異なる事業体(保証会社101)から立替額が集金者に入金されるので、集金者は既存の集金経路R3-1の変更を行う必要がない。この結果、区分所有者、マンション管理組合、又はマンション管理会社の抵抗感を軽減し、契約関係及び権利関係の煩雑さを回避することができる。また、集金者であるマンション管理会社と異なる事業体(保証会社101)が管理費等の立て替えを行うことにより、管理会社は、違法性を回避しつつ、滞納額の未収リスクを回避することができる。
【0077】
立替部34は、入金データ取得部32が入金データを取得する集金者の金融口座と同じ金融口座へ立替額を入金する入金命令を実行してもよい。
【0078】
その後のステップ及び命令処理は、第1の実施形態と同様である。
【0079】
図14は、本実施形態の管理費等の立て替えのタイムテーブルである。
図14に示すように、前月に管理会社105(集金者)から区分所有者103に入金依頼が行われる(T1)。例えば、管理会社105から区分所有者103の金融機関に口座振替依頼が行われる。また、クレジットカード会社、電子マネー、及び請求ハガキの少なくとの1つにより、区分所有者103から管理会社105(集金者)の金融口座へ管理費等が直接入金されてもよい。
【0080】
前月に、入金データ取得部32が、区分所有者103から管理会社105(集金者)へ入金される管理費等の入金データを取得することにより、入金確認が行われる(T2)。
【0081】
前月までに区分所有者103から管理会社105(集金者)へ入金された管理費等を、管理会社105(集金者)が管理組合102の金融口座へ入金する(T6)。管理費等から手数料等を差し引いた額が、管理会社105(集金者)から管理組合102の金融口座へ入金されてもよい。
【0082】
前月までに区分所有者103から管理会社105(集金者)へ入金されない場合、当月に、滞納額算出部33が、区分所有者103の管理費等の滞納額を算出することにより、滞納額が確定する(T3)。
【0083】
当月に、立替部34が入金命令を実行することにより、保証会社101から管理会社105(集金者)の金融口座へ滞納額を立替額として入金する(T4)。
【0084】
保証会社101が立替額を入金した後、督促部36が督促情報を生成することにより、債権回収が行われる(T5)。また、保証会社101が立替額を入金した後、請求部37が請求情報を生成することにより、再保証会社もしくは再保険会社へ保証金もしくは保険金の請求が行われる(T5)。
【0085】
以上のように、本実施形態によれば、既存の集金者の金融口座へ滞納額を立て替えて入金するため、集金経路の変更を行う必要がなくなり、区分所有者、マンション管理組合、又はマンション管理会社の抵抗感を軽減し、契約関係及び権利関係の煩雑さを回避することができる。
【0086】
以上、本発明にかかる実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において変更・変形することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は、既存の集金者の金融口座へ滞納額を立て替えて入金するため、集金経路の変更を行う必要がなく、区分所有者、マンション管理組合、又はマンション管理会社の抵抗感を軽減し、契約関係及び権利関係の煩雑さを回避することができる立替システムとして有用である。
【符号の説明】
【0088】
1…立替システム
2…ネットワーク
3…保証システム
4…管理サーバー
5…金融機関システム
6…管理システム
26…入金状況表示部
27…保証料表示部
28…督促状況表示部
29…請求状況表示部
32…入金データ取得部
33…滞納額算出部
34…立替部
35…保証料算出部
36…督促部
37…請求部
38…保証データ生成部
39…回収データ生成部
41…管理データベース
47…区分所有者データベース
48…集金者データベース