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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-05
(45)【発行日】2023-09-13
(54)【発明の名称】当接係合構造を有するソケット
(51)【国際特許分類】
   B25B 21/00 20060101AFI20230906BHJP
【FI】
B25B21/00 Q
【請求項の数】 9
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022028337
(22)【出願日】2022-02-25
(65)【公開番号】P2022140323
(43)【公開日】2022-09-26
【審査請求日】2022-03-01
(31)【優先権主張番号】110108789
(32)【優先日】2021-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】511314186
【氏名又は名称】優鋼機械股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】謝 智慶
【審査官】須中 栄治
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-165868(JP,U)
【文献】国際公開第2020/194908(WO,A1)
【文献】特開昭58-008868(JP,A)
【文献】特開2007-136651(JP,A)
【文献】実公昭45-021197(JP,Y1)
【文献】特開平11-347961(JP,A)
【文献】実開昭62-053118(JP,U)
【文献】米国特許第06170363(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0347970(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25B13/00-23/18
B23P19/00-21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸を有するソケット本体と、
前記ソケット本体の一端に設けられた開口と、
前記ソケット本体の前記開口の内側に周設された複数の溝と、
前記複数の溝に設けられた複数の止め輪と、を含み、前記止め輪は、
少なくとも1つの中空空洞と、
少なくとも1つの内側表面であって、各前記少なくとも1つの内側表面は各前記少なくとも1つの中空空洞を囲んでいる前記少なくとも1つの内側表面と、
前記少なくとも1つの中空空洞から前記少なくとも1つの内側表面よりも離れている外側表面と、を含む、当接係合構造を有するソケット。
【請求項2】
前記複数の止め輪の数は2つである、請求項1に記載の当接係合構造を有するソケット。
【請求項3】
少なくとも1つの前記止め輪は複数の突起構造をさらに含み、前記複数の突起構造は前記外側表面に突設される、請求項1に記載の当接係合構造を有するソケット。
【請求項4】
少なくとも1つの前記止め輪は波形状である、請求項1に記載の当接係合構造を有するソケット。
【請求項5】
少なくとも1つの前記止め輪の断面は多角形である、請求項1に記載の当接係合構造を有するソケット。
【請求項6】
前記少なくとも1つの中空空洞の断面は多角形であり、前記少なくとも1つの中空空洞の前記断面は前記少なくとも1つの前記止め輪の前記断面と対応する、請求項5に記載の当接係合構造を有するソケット。
【請求項7】
少なくとも1つの前記止め輪は閉鎖型の止め輪である、請求項1に記載の当接係合構造を有するソケット。
【請求項8】
少なくとも1つの前記止め輪は2つの端部を有し、前記2つの端部は前記ソケット本体の前記中心軸を囲んでおり、且つ前記端部からもう1つの前記端部までの巻き角度はθであり、270度≦θ<360度の条件を満たすことができる、請求項1に記載の当接係合構造を有するソケット。
【請求項9】
前記少なくとも1つの中空空洞の数は2つである、請求項1に記載の当接係合構造を有するソケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示内容はソケットに関し、特に当接係合構造を有するソケットに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、市場では使用者が操作するのに便利なソケットが数多く発売されている。既知のソケットは、工具に当接係合可能な止め輪を有するものの、止め輪が長時間工具から押圧や摩擦を受けると、次第に永久変形が生じて継続使用に耐えられなくなってしまう。
【0003】
そのため、止め輪と工具の摩損を減らして止め輪の耐用年数を延ばすことが可能な当接係合構造を有するソケットは、今日の当業者にとって未だに共通の努力目標となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示内容は、溝に止め輪を配置することで当接係合構造が構成され、且つ止め輪に内向きに収縮する空間を増やすための中空空洞が構成され、これにより工具とソケット本体との間の摩損を減らし、且つ工具の当接係合の難度を下げることが可能な、当接係合構造を有するソケットを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示内容の実施形態によれば、当接係合構造を有するソケットが提供され、それはソケット本体と、開口と、少なくとも1つの溝と、少なくとも1つの止め輪と、を含む。ソケット本体は中心軸を有する。開口はソケット本体の一端に設けられている。溝はソケット本体の内側に周設されている。止め輪は溝に設置され、且つ少なくとも1つの中空空洞、少なくとも1つの内側表面及び外側表面を含む。内側表面は中空空洞を囲んでおり、外側表面は中空空洞から内側表面よりも離れている。
【0006】
これにより、止め輪が工具から押圧を受けて変形を生じたときに、中空空洞が止め輪に内向きに収縮する変形空間を提供することができ、これにより止め輪が工具に当接係合する応力を減らして、工具とソケットとの間の摩損を減らし、且つ工具がソケットに当接係合する難度を下げることができる。
【0007】
上述の実施形態の当接係合構造を有するソケットによれば、少なくとも1つの止め輪の数は2つでよい。
【0008】
上述の実施形態の当接係合構造を有するソケットによれば、止め輪は複数の突起構造をさらに含んでもよく、複数の突起構造は外側表面に突設される。
【0009】
上述の実施形態の当接係合構造を有するソケットによれば、止め輪は波形状でよい。
【0010】
上述の実施形態の当接係合構造を有するソケットによれば、止め輪の断面は多角形でよい。
【0011】
上述の実施形態の当接係合構造を有するソケットによれば、中空空洞の断面は多角形でよく、中空空洞の断面は止め輪の断面と対応する。
【0012】
上述の実施形態の当接係合構造を有するソケットによれば、止め輪は閉鎖型の止め輪でよい。
【0013】
上述の実施形態の当接係合構造を有するソケットによれば、止め輪は2つの端部を有し、2つの端部はソケット本体の中心軸を囲んでおり、且つ端部からもう1つの端部までの巻き角度はθであり、270度≦θ<360度の条件を満たすことができる。
【0014】
上述の実施形態の当接係合構造を有するソケットによれば、少なくとも1つ中空空洞の数は2つでよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本開示内容の第1実施例に基づく当接係合構造を有するソケットの立体分解図である。
図2図1の第1実施例に基づく当接係合構造を有するソケットの断面図である。
図3図1の第1実施例における止め輪の切断線3-3の断面図である。
図4】本開示内容の第2実施例に基づく当接係合構造を有するソケット中の止め輪の断面図である。
図5】本開示内容の第3実施例に基づく当接係合構造を有するソケット中の止め輪の概念図である。
図6】本開示内容の第4実施例に基づく当接係合構造を有するソケット中の止め輪の断面図である。
図7】本開示内容の第5実施例に基づく当接係合構造を有するソケット中の止め輪の断面図である。
図8】本開示内容の第6実施例に基づく当接係合構造を有するソケット中の止め輪の断面図である。
図9】本開示内容の第7実施例に基づく当接係合構造を有するソケット中の止め輪の断面図である。
図10】本開示内容の第8実施例に基づく当接係合構造を有するソケットの立体分解図である。
図11図10中の第8実施例における止め輪の切断線11-11の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0016】
図1図3を参照されたい。図1は本開示内容の第1実施例に基づく当接係合構造を有するソケット10の立体分解図であり、図2図1の第1実施例に基づく当接係合構造を有するソケット10の断面図であり、図3図1の第1実施例における止め輪130の切断線3-3の断面図である。図1図3に示す通り、当接係合構造を有するソケット10は、ソケット本体100と、開口110と、少なくとも1つの溝120と、少なくとも1つの止め輪130と、を含む。ソケット本体100は中心軸Xを有する。開口110はソケット本体100の一端に設けられている。溝120はソケット本体100の内側(符合の表示なし)に周設されている。止め輪130は溝120に設置され、且つ少なくとも1つの中空空洞131、少なくとも1つの内側表面132及び外側表面133を含む。内側表面132は中空空洞131を囲んでおり、外側表面133は中空空洞131から内側表面132よりも離れている。
【0017】
溝120に止め輪130を配置することで当接係合構造が構成され、これによって工具(図示しない)が開口110からソケット本体100に挿入されたとき、止め輪130が工具に当接係合し、且つ止め輪130が工具から押圧を受けて変形を生じる。中空空洞131の構成により、止め輪130が工具から押圧を受けたときに、中空空洞131の方向に向かって内向きに収縮することができ、止め輪130により多くの変形空間を持たせることによって、止め輪130が工具に当接係合する応力により工具とソケット本体100に摩損が生じることが減る。また、工具の製造において様々な公差が発生することは避け難く、工具がソケットに当接係合する際に寸法が合わないというのはよくある状況であり、当接係合をより困難にしていた。中空空洞131の設計によって、工具がソケット本体100に当接係合するときにより多くの空間を提供できるようになり、当接係合構造を有するソケット10の機械的許容差が増加したことにより、工具の公差による当接係合の難度が低減される。
【0018】
具体的には、止め輪130は閉鎖型の止め輪か又は開放型の止め輪でよいが、本開示内容はこれらに限定されない。第1実施例において、止め輪130は閉鎖型の止め輪である。これにより、止め輪130の製造工程が簡略化できる。
【0019】
具体的には、止め輪130は弾性材料か又は金属材料で製造され得るが、本開示内容はこれらに限定されない。第1実施例において、止め輪130は弾性材料で製造される。これにより、止め輪130が工具に当接係合する弾性を高めることができる。
【0020】
第1実施例において、溝120及び止め輪130の数はどちらも2つであるが、本開示内容はこれに限定されない。言い換えると、溝120及び止め輪130の数、並びに配列方式は、工具の規格や使用者のニーズに応じて調整することができる。
【実施例2】
【0021】
図4を併せて参照されたい。それは本開示内容の第2実施例に基づく当接係合構造を有するソケット中の止め輪230の断面図である。第2実施例におけるソケット本体、開口及び溝は、第1実施例におけるソケット本体100、開口110及び溝120の構造や配置関係と同じであり、説明を省略する。図4から分かるように、止め輪230は少なくとも1つの中空空洞231、少なくとも1つの内側表面232及び外側表面233を含むことができる。内側表面232は中空空洞231を囲んでおり、外側表面233は中空空洞231から内側表面232よりも離れている。これにより、工具とソケット本体との間の摩損を減らし、且つ工具の当接係合の難度を下げることができる。
【0022】
図4に示す通り、止め輪230は複数の突起構造234をさらに含むことができ、突起構造234は外側表面233に突設されている。突起構造234の構成により、止め輪230が工具に当接する表面積を増加させることができ、これにより止め輪230と工具との間の摩擦力が増加する。これにより、工具がソケットに当接係合する強度を強化することができる。
【0023】
なお、止め輪230、中空空洞231及び内側表面232の構造及び数は、第1実施例における止め輪130、中空空洞131及び内側表面132の構造及び数と同じであり、説明を省略する。
【実施例3】
【0024】
図5を併せて参照されたい。それは本開示内容の第3実施例に基づく当接係合構造を有するソケット中の止め輪330の断面図である。第3実施例におけるソケット本体、開口及び溝は、第1実施例におけるソケット本体100、開口110及び溝120の構造や配置関係と同じであり、説明を省略する。図5に示す通り、止め輪330は波形状でよい。波形状の設計により、止め輪330が外的環境の振動又は外力によって緩んで落ちるのを防止できるとともに、止め輪330が受ける応力を低減することができる。これにより、止め輪330の耐用年数を延ばすことができる。
【0025】
具体的には、止め輪330は弾性材料か又は金属材料で製造され得るが、本開示内容はこれらに限定されない。第3実施例において、止め輪330は金属材料で製造される。これにより、止め輪330の耐摩耗性を高めることができる。
【0026】
また、止め輪330は閉鎖型の止め輪か又は開放型の止め輪でよいが、本開示内容はこれらに限定されない。第3実施例において、止め輪330は開放型の止め輪である。さらに、止め輪330は2つの端部330a、330bを有し、2つの端部330a、330bはソケット本体の中心軸(図示しない)を囲んでおり、且つ端部330aからもう1つの端部330bまでの巻き角度はθであり、270度≦θ<360度の条件を満たすことができる。これにより、止め輪330を溝に設置する際のスムーズさを改善するのに有利となる。
【実施例4】
【0027】
図6を併せて参照されたい。それは本開示内容の第4実施例に基づく当接係合構造を有するソケット中の止め輪430の断面図である。第4実施例におけるソケット本体、開口及び溝は、第1実施例におけるソケット本体100、開口110及び溝120の構造や配置関係と同じであり、説明を省略する。止め輪430は少なくとも1つの中空空洞431、少なくとも1つの内側表面432及び外側表面433を含むことができる。内側表面432は中空空洞431を囲んでおり、外側表面433は中空空洞431から内側表面432よりも離れている。これにより、工具とソケット本体との間の摩損を減らし、且つ工具の当接係合の難度を下げることができる。
【0028】
図6に示す通り、止め輪430の断面は多角形でよいが、本開示内容はこれに限定されない。なお、中空空洞431の断面の形状は、止め輪430の断面の形状と異ならせることができる。第4実施例において、止め輪430の断面は長方形であり、中空空洞431の断面は円形であるが、本開示内容はこれらに限定されない。これにより、本開示内容は工具の必要に基づいて様々な形状の止め輪を提供することができる。
【0029】
また、止め輪430、中空空洞431及び内側表面432の構造及び数は、第1実施例における止め輪130、中空空洞131及び内側表面132の構造及び数と同じであり、説明を省略する。
【実施例5】
【0030】
図7を併せて参照されたい。それは本開示内容の第5実施例に基づく当接係合構造を有するソケット中の止め輪530の断面図である。第5実施例におけるソケット本体、開口及び溝は、第1実施例におけるソケット本体100、開口110及び溝120の構造や配置関係と同じであり、説明を省略する。止め輪530は少なくとも1つの中空空洞531、少なくとも1つの内側表面532及び外側表面533を含むことができる。内側表面532は中空空洞531を囲んでおり、外側表面533は中空空洞531から内側表面532よりも離れている。これにより、工具とソケット本体との間の摩損を減らし、且つ工具の当接係合の難度を下げることができる。
【0031】
図7に示す通り、止め輪530の断面は多角形でよいが、本開示内容はこれに限定されない。なお、中空空洞531の断面の形状は、止め輪530の断面の形状と異ならせることができる。第5実施例において、止め輪530の断面は五角形であり、中空空洞531の断面は円形であるが、本開示内容はこれらに限定されない。これにより、本開示内容は工具の必要に基づいて様々な形状の止め輪を提供することができる。
【0032】
また、止め輪530、中空空洞531及び内側表面532の構造及び数は、第1実施例における止め輪130、中空空洞131及び内側表面132の構造及び数と同じであり、説明を省略する。
【実施例6】
【0033】
図8を併せて参照されたい。それは本開示内容の第6実施例に基づく当接係合構造を有するソケット中の止め輪630の断面図である。第6実施例におけるソケット本体、開口及び溝は、第1実施例におけるソケット本体100、開口110及び溝120の構造や配置関係と同じであり、説明を省略する。止め輪630は少なくとも1つの中空空洞631、少なくとも1つの内側表面632及び外側表面633を含むことができる。内側表面632は中空空洞631を囲んでおり、外側表面633は中空空洞631から内側表面632よりも離れている。これにより、工具とソケット本体との間の摩損を減らし、且つ工具の当接係合の難度を下げることができる。
【0034】
図8に示す通り、止め輪630の断面は多角形でよいが、本開示内容はこれに限定されない。第6実施例において、止め輪630の断面は長方形である。これにより、本開示内容は工具の必要に基づいて様々な形状の止め輪を提供することができる。
【0035】
また、中空空洞631の断面は多角形でよく、中空空洞631の断面は止め輪630の断面と対応しているが、本開示内容はこれらに限定されない。第6実施例において、中空空洞631の断面は止め輪630の断面と対応して長方形である。これにより、止め輪630の製造工程が簡略化できる。
【0036】
また、止め輪630、中空空洞631及び内側表面632の構造及び数は、第1実施例における止め輪130、中空空洞131及び内側表面132の構造及び数と同じであり、説明を省略する。
【実施例7】
【0037】
図9を併せて参照されたい。それは本開示内容の第7実施例に基づく当接係合構造を有するソケット中の止め輪730の断面図である。第7実施例におけるソケット本体、開口及び溝は、第1実施例におけるソケット本体100、開口110及び溝120の構造や配置関係と同じであり、説明を省略する。止め輪730は少なくとも1つの中空空洞731、少なくとも1つの内側表面732及び外側表面733を含むことができる。内側表面732は中空空洞731を囲んでおり、外側表面733は中空空洞731から内側表面732よりも離れている。これにより、工具とソケット本体との間の摩損を減らし、且つ工具の当接係合の難度を下げることができる。
【0038】
図9に示す通り、止め輪730の断面は多角形でよいが、本開示内容はこれに限定されない。第7実施例において、止め輪730の断面は五角形である。これにより、本開示内容は工具の必要に基づいて様々な形状の止め輪を提供することができる。
【0039】
また、中空空洞731の断面は多角形でよく、中空空洞731の断面は止め輪730の断面と対応しているが、本開示内容はこれらに限定されない。第7実施例において、中空空洞731の断面は止め輪730の断面と対応して五角形である。これにより、止め輪730の製造工程が簡略化できる。
【0040】
また、止め輪730、中空空洞731及び内側表面732の構造及び数は、第1実施例における止め輪130、中空空洞131及び内側表面132の構造及び数と同じであり、説明を省略する。
【実施例8】
【0041】
図10を併せて参照されたい。それは本開示内容の第8実施例に基づく当接係合構造を有するソケット80の立体分解図である。当接係合構造を有するソケット80は、ソケット本体800と、開口810と、少なくとも1つの溝820と、少なくとも1つの止め輪830と、を含む。第8実施例におけるソケット本体800、開口810及び溝820と、第1実施例におけるソケット本体100、開口110及び溝120との違いは、少なくとも1つの溝820の数が1つであるという点のみである。その他の構造や配置関係は同じであり、説明を省略する。
【0042】
図11を参照されたい。それは図10中の第8実施例における止め輪830の切断線11-11の断面図である。第8実施例において、少なくとも1つの止め輪830の数は1つであり、止め輪830は溝820に設けられている。図11に示す通り、止め輪830は少なくとも1つの中空空洞831、少なくとも1つの内側表面832及び外側表面833を含む。内側表面832は中空空洞831を囲んでおり、外側表面833は中空空洞831から内側表面832よりも離れている。これにより、工具とソケット本体800との間の摩損を減らし、且つ工具の当接係合の難度を下げることができる。
【0043】
図11に示す通り、少なくとも1つの中空空洞831及び少なくとも1つの内側表面832の数はどちらも2つであり、各内側表面832は各中空空洞831を囲んでいるが、本開示内容はこれらに限定されない。中空空洞831の構成により、止め輪830がより多くの変形空間を提供できるだけでなく、止め輪830の製造に使用する材料を減らすこともできる。
【0044】
上述の本開示内容が開示した第1実施例から第8実施例における止め輪の数、構造などの技術的特徴は、様々なソケットのニーズに応じて組み合せて構成することにより、対応する効果を達成することができる。
【0045】
要約すると、本開示内容が提供する当接係合構造を有するソケットは以下の優位点を有する。一、中空空洞の構成により、工具とソケット本体との間の摩損を減らし、且つ工具の当接係合の難度を下げることができる。二、止め輪の形状を使用ニーズに応じて五角形などの多角形に変更することができる。三、止め輪の中空空洞が止め輪の製造に要する材料使用量を減らすことができる。
【0046】
本開示内容を上述の通り実施形態によって開示したが、それらは本開示内容を限定するものではなく、当業者であれば本開示内容の精神及び範囲を逸脱することなく各種の変更や修飾を行うことが可能であり、本開示内容の保護範囲は添付の特許請求の範囲が定めるところに準ずるものとする。
【符号の説明】
【0047】
10、80 当接係合構造を有するソケット
100、800 ソケット本体
110、810 開口
120、820 溝
130、230、330、430、530、630、730、830 止め輪
131、231、431、531、631、731、831 中空空洞
132、232、432、532、632、732、832 内側表面
133、233、433、533、633、733、833 外側表面
234 突起構造
330a、330b 一端
X 中心軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11