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特許7343951管路属性情報補完システム、管路属性情報補完方法及び管路属性情報補完プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-05
(45)【発行日】2023-09-13
(54)【発明の名称】管路属性情報補完システム、管路属性情報補完方法及び管路属性情報補完プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20120101AFI20230906BHJP
【FI】
G06Q50/06
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023097707
(22)【出願日】2023-06-14
【審査請求日】2023-06-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】391044410
【氏名又は名称】フジ地中情報株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(74)【代理人】
【識別番号】100224719
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 隆治
(72)【発明者】
【氏名】田中 寿一
【審査官】福田 正悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-166339(JP,A)
【文献】特開2002-372200(JP,A)
【文献】特開2004-362105(JP,A)
【文献】特開2019-091251(JP,A)
【文献】特開2013-232098(JP,A)
【文献】特開2022-118672(JP,A)
【文献】特表2021-519466(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0303791(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を供給する管路の属性を示す管路属性情報に関して、欠落部を補完するための管路属性情報補完システムであって、
管路属性情報の確率分布に関する確率モデルを記憶する記憶部と、
欠落部と同じ属性に関して欠落の無い複数の管路の管路属性情報であって、補完の対象となる対象管路に隣接する隣接管路の管路属性情報及び前記対象管路から所定の範囲内に存在する周辺管路の管路属性情報を含む管路属性情報を取得する取得部と、
取得した管路属性情報と、前記確率モデルと、に基づいて、管路属性情報の確率分布に関するパラメータの推定値である推定パラメータを推定する推定部と、
前記推定部により推定された前記推定パラメータに従う、前記対象管路の管路属性情報に関する確率分布より補完値を求め、前記補完値によって欠落部を補完する補完部と、
を備える、管路属性情報補完システム。
【請求項2】
前記補完部は、前記推定部により推定された前記推定パラメータに従う確率分布より求めた確率分布の最頻値を利用した前記補完値により欠落部を補完する、
請求項1に記載の管路属性情報補完システム。
【請求項3】
前記推定部により推定される前記推定パラメータは、前記隣接管路の確率分布と、前記周辺管路の確率分布と、に基づいて前記補完値を算出する際の重みづけに関する重みづけパラメータを含み、
前記推定部は、前記対象管路の管路属性情報及び前記隣接管路に関する確率分布と、前記対象管路の管路属性情報及び前記周辺管路に関する確率分布と、より前記重みづけパラメータに基づく前記補完値を求め、補完を行う、
請求項に記載の管路属性情報補完システム。
【請求項4】
管路属性情報補完システムによって補完される欠落部の属性は、管路の布設年であって、
前記取得部は、管路の最小の布設年である最小布設年と、管路の最大の布設年である最大布設年を取得し、
前記補完部は、前記最小布設年と、前記最大布設年と、に基づいて切断された、前記推定パラメータに従う確率分布である切断正規分布を利用して前記補完値を求める、
請求項1に記載の管路属性情報補完システム。
【請求項5】
管路属性情報補完システムにより欠落部を補完された管路属性情報は、数理モデルを利用した管路劣化予測において、前記数理モデルの学習に利用される、
請求項1に記載の管路属性情報補完システム。
【請求項6】
コンピュータが実行する、流体を供給する管路の属性を示す管路属性情報に関して、欠落部を補完するための管路属性情報補完方法であって、
記憶部に管路属性情報の確率分布に関する確率モデルを記憶する記憶工程と、
欠落部と同じ属性に関して欠落の無い複数の管路の管路属性情報であって、補完の対象となる対象管路に隣接する隣接管路の管路属性情報及び前記対象管路から所定の範囲内に存在する周辺管路の管路属性情報を含む管路属性情報を取得する取得工程と、
取得した管路属性情報と、前記確率モデルと、に基づいて、管路属性情報の確率分布に関するパラメータの推定値である推定パラメータを推定する推定工程と、
前記推定工程により推定された前記推定パラメータに従う、前記対象管路の管路属性情報に関する確率分布より補完値を求め、前記補完値によって欠落部を補完する補完工程と、
を備える、管路属性情報補完方法。
【請求項7】
流体を供給する管路の属性を示す管路属性情報に関して、欠落部を補完するための管路属性情報補完プログラムであって、
管路属性情報の確率分布に関する確率モデルを記憶する記憶部と、
欠落部と同じ属性に関して欠落の無い複数の管路の管路属性情報であって、補完の対象となる対象管路に隣接する隣接管路の管路属性情報及び前記対象管路から所定の範囲内に存在する周辺管路の管路属性情報を含む管路属性情報を取得する取得部と、
取得した管路属性情報と、前記確率モデルと、に基づいて、管路属性情報の確率分布に関するパラメータの推定値である推定パラメータを推定する推定部と、
前記推定部により推定された前記推定パラメータに従う、前記対象管路の管路属性情報に関する確率分布より補完値を求め、前記補完値によって欠落部を補完する補完部と、
としてコンピュータを機能させる管路属性情報補完プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管路属性情報補完システム、管路属性情報補完方法及び管路属性情報補完プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
水道管やガスなどの流体を供給する管路を管理する事業体は、管路の管理のため、管路に関するデータを収集しているが、一方で、古い時期のデータが残っていなかったり、不測の事態によってデータが破損したり、収集されたデータが不正確であったりなど、管路に関するデータが利用に適さないことがある。
【0003】
特許文献1では、収集されたデータが欠落する又は不正確な情報であるとき、それらを自動的に補充又は補完することが可能なシステムについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特表2021-519466号公報
【0005】
ここで、特許文献1に記載の発明では、同様の直径の同様の管種の管路のデータのメジアンを利用して補完するなど、決定論的に補完するための値を決定する。しかしながら、バイアスがかかるため、補完されたデータが現実に即していない可能性があり、補完されたデータを含んだ管路属性情報を用いて分析や評価を行う際、補完された値がノイズとなり、分析や評価の結果に影響を及ぼしていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、確率モデルを用いて、より現実に即した管路属性情報の補完を行う新規な技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、流体を供給する管路の属性を示す管路属性情報に関して、欠落部を補完するための管路属性情報補完システムであって、
管路属性情報の確率分布に関する確率モデルを記憶する記憶部と、
欠落部と同じ属性に関して欠落の無い複数の管路の管路属性情報を取得する取得部と、
取得した管路属性情報と、前記確率モデルと、に基づいて、管路属性情報の確率分布に関するパラメータの推定値である推定パラメータを推定する推定部と、
前記推定部により推定された前記推定パラメータに従う、補完を受ける管路の管路属性情報に関する確率分布より補完値を求め、前記補完値によって欠落部を補完する補完部と、
を備える。
【0008】
このような構成とすることで、管路の属性を示す管路属性情報に関して、確率モデルを利用してより現実に即した補完を行うことができる。
【0009】
本発明の好ましい形態では、前記補完部は、前記推定部により推定された前記推定パラメータに従う確率分布より求めた確率分布の最頻値を利用した前記補完値により欠落部を補完する。
【0010】
このような構成とすることで、確率分布の最頻値というよりそれらしい値を補完のための値として利用して補完を行うことができる。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記取得部は、管路属性情報の何れかの属性に関して欠落部を備え、補完の対象となる対象管路に隣接する隣接管路の管路属性情報と、前記対象管路から所定の範囲内に存在する周辺管路の管路属性情報と、を含む管路属性情報を取得し、
前記補完部は、前記推定パラメータに従う、前記対象管路の管路属性情報及び前記隣接管路の管路属性情報に関する確率分布と、前記対象管路の管路属性情報及び前記周辺管路の管路属性情報に関する確率分布と、に基づいて前記補完値を求め、補完する。
【0012】
このような構成とすることで、周辺の管路と隣接する管路の管路属性情報という補完したい対象管路と属性が同じ又は近い管路の管路属性情報を利用して管路属性情報の補完に関する処理を行うことができる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記推定部により推定される前記推定パラメータは、前記隣接管路の確率分布と、前記周辺管路の確率分布と、に基づいて前記補完値を算出する際の重みづけに関する重みづけパラメータを含み、
前記推定部は、前記対象管路の管路属性情報及び前記隣接管路に関する確率分布と、前記対象管路の管路属性情報及び前記周辺管路に関する確率分布と、より前記重みづけパラメータに基づく前記補完値を求め、補完を行う。
【0014】
このような構成とすることで、対象管路と隣接する隣接管路と、対象管路から所定の範囲内に存在する周辺管路と、に関して、重みづけに従うより現実に即した補完のための値を求めることができる。
【0015】
本発明の好ましい形態では、管路属性情報補完システムによって補完される欠落部の属性は、管路の布設年であって、
前記取得部は、管路の最小の布設年である最小布設年と、管路の最大の布設年である最大布設年を取得し、
前記補完部は、前記最小布設年と、前記最大布設年と、に基づいて切断された、前記推定パラメータに従う確率分布である切断正規分布を利用して前記補完値を求める。
【0016】
このような構成とすることで、管路の布設された年度に関する布設年の補完に関して、後から布設された管路などの所定の範囲より外れた値を利用せず、精度の高い補完を行うことができる。
【0017】
本発明の好ましい形態では、管路属性情報補完システムにより欠落部を補完された管路属性情報は、数理モデルを利用した管路劣化予測において、前記数理モデルの学習に利用される。
【0018】
このような構成とすることで、実際のデータが残っていない場合であっても、管路属性情報補完システムにより補完された値を利用して、管路の劣化を予測するためのシステムである管路劣化予測システムの学習を行うことができ、管路劣化予測システムの予測を改善することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、確率モデルを用いて、より現実に即した管路属性情報の補完を行う新規な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本実施形態におけるシステム構成図を示す。
図2】本実施形態における管路属性情報のデータ構成の例を示す。
図3】本実施形態におけるハードウェア構成図を示す。
図4】本実施形態における管路属性情報の補完の例を示す。
図5】本実施形態における管路属性情報の補完の処理のフローを示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して、本発明をよりに詳細に説明する。図面には好ましい実施形態が示されるが、本発明は、異なる形態で実施されることが可能であり、本明細書に記載される実施形態に限定されない。本実施形態では補完装置の構成、動作などについて説明するが、装置などにより実行される方法、コンピュータプログラムなどによっても、同様の作用効果を奏することができる。コンピュータプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一過性の記録媒体として提供されてもよい。
【0022】
以下、説明する実施形態において、流体の供給を行う管路の属性を示す管路属性情報を補完する管路属性情報補完システム0は、上水道管など液体を供給する管路の管路属性情報の補完を行うが、その他ガス管などその他の流体を供給する管路の管路属性情報の補完を行ってもよい。
【0023】
<システム構成>
図1は、一実施の形態のシステムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、管路属性情報補完システム0は、管路属性情報を補完する補完装置1と、管路属性情報を記憶する管路属性情報DBと、を備える。本実施形態において、補完装置1は、サーバ等の情報処理装置であって、後述する機能構成を実現可能に構成される。
【0024】
管路属性情報補完システム0は、管路の属性を示す管路属性情報に関して、いずれかの属性に関する情報が欠落する欠落部を確率モデルを利用して確率論的に補完するためのシステムである。欠落部は、いずれかの属性に関して、古い時期の記録が残っていない等、何らかの原因によって欠落している、管路属性情報の欠落する部分である。また、管路属性情報補完システム0は、いずれかの属性に関して欠落していない任意の項目(属性名)の情報(属性値)を含む管路属性情報に関して、欠落していない属性に関する情報の推定を行ってもよい。
【0025】
補完装置1は、管路属性情報を補完するための装置であって、後述する機能構成を実現可能に構成される。補完装置1は、1又は複数の情報処理装置によって構成されてもよい。本実施形態において、補完装置1は、管路属性情報DBより取得した管路属性情報を利用して補完のための処理を行うが、パーソナルコンピュータ等の端末装置を介して入力された管路に関する情報等、端末装置より取得した情報を利用して補完のための処理を行ってもよい。
【0026】
管路属性情報DBは、管路の属性を示す管路属性情報を格納するデータベースであって、補完装置1と通信可能に構成される。管路属性情報DBは、管路に関する情報に関して欠落していない既知の管路属性情報と、1又は複数の属性に関して欠落部を有する管路属性情報と、を含む管路属性情報を格納する。また、管路属性情報DBは、本実施形態において、既に欠落部を補完済の管路属性情報を格納する。
【0027】
図2において、欠落部を有する補完前の管路属性情報と補完後の管路属性情報の例を示す。本実施形態において、補完装置1は、図2に示すように欠落部として布設年が欠落する管路属性情報に関して、補完を行う。
【0028】
図2に示す管路属性情報は、管路の属性を示す情報である。本実施形態において、管路属性情報の属性は、管路の布設された年度に関する布設年と、ダクタイル鋳鉄管(DIP)や普通鋳鉄管(CIP)などの管路の材料に関する管種と、管路の口径と、管路の継手と、を含む。本実施形態において、管路属性情報補完システム0は、欠落部として布設年が欠落している管路属性情報の補完を行うが、管種や口径など、その他の属性に関する情報が欠落している管路属性情報の補完を行ってもよい。
【0029】
管路属性情報DBに格納される管路属性情報には、住所、EPSGコード等のコード、GeohashやQuadkey等のハッシュ化位置情報、標準地域メッシュ等のメッシュコード等(これらを総称して、位置情報とする)、管路の所在を示す位置情報が1又は複数が付加されているものとする。
【0030】
また、管路属性情報には位置情報に加え、隣接する管路に関する隣接管路情報が付加される。管路属性情報に付加される隣接管路情報は、隣接する管路を特定するための情報であって、本実施形態では、隣接している管路の管路IDである。
【0031】
本実施形態において、補完装置1は、管路属性情報に付加される位置情報及び隣接管路情報に基づいて補完の対象となる対象管路に隣接する隣接管路と、対象管路から所定の範囲内に存在する周辺管路と、を特定し、管路属性情報の補完に関する処理を行う。対象管路は、管路属性情報のいずれかの属性に関して欠落する欠落部を有し、補完装置1による管路属性情報の欠落部の補完を受ける対象である管路である。隣接管路は、欠落部を補完される対象である対象管路と隣接する管路である。また、周辺管路は、欠落部を補完される対象である対象管路から一定の範囲に存在する隣接管路以外の管路である。本実施形態において、周辺管路は、対象管路から半径100mの範囲内に存在する隣接管路以外の管路である。補完装置1は、管路属性情報に付加される位置情報に基づいて、取得した隣接管路及び周辺管路の管路属性情報を利用して欠落部の補完を行う。
【0032】
また、管路属性情報補完システム0において、パーソナルコンピュータやタブレット端末等の端末装置が補完装置1と通信可能に構成され、補完装置1に管路属性情報を提供するような構成であってもよい。端末装置は複数台用いられてもよいし、1台であってもよい。
【0033】
本実施形態において、補完装置1は、図2に示すような欠落部を有する管路属性情報の補完に関する処理を行う。図2は、補完前の布設年が欠落する管路属性情報と補完後の管路属性情報を示す。
【0034】
<ハードウェア構成>
図3は、ハードウェア構成図である。図3に示すように、補完装置1は、処理部101、記憶部102、及び通信部103を有し、各部及び各工程の作用発揮に用いられる。
【0035】
補完装置1としては、汎用のサーバやパーソナルコンピュータなどの情報処理装置を1又は複数利用することができる。また、補完装置1は、後述する機能構成を備えているが、補完装置1の備えた機能構成の一部が、補完装置1と通信可能に構成された別の情報処理装置に配置されてもよい。
【0036】
処理部101は、命令セットを実行可能なCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを有し、OS(Operating System)並びに、管路属性情報補完プログラム(補完装置1の場合)などを実行する。
【0037】
記憶部102は、命令セットを記憶可能なRAM(Random Access Memory)などの揮発性メモリ、OSなどを記録可能な、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの不揮発性の記録媒体を有する。補完装置1の記憶部102は、管路属性情報補完プログラム並びに管路属性情報に関する確率分布のパラメータを求めるための確率モデルを記憶する。また、端末装置の記憶部は、補完装置利用プログラムなどを記憶している。
【0038】
通信部103は、ネットワークに接続するためのインタフェースを有し、ネットワークとの通信制御を実行して、他の情報処理装置や端末装置との通信を行う。
【0039】
<機能構成>
図1に示すように、補完装置1は、取得部11と、推定部12と、補完部13と、を備える。これは、ソフトウェア(記憶部102などに一過的又は非一過的に記憶されたプログラム)による情報処理が、ハードウェア(処理部など)によって具体的に実現されたものである。
【0040】
取得部11は、管路属性情報を取得する処理を行う。本実施形態において、取得部11は、管路属性情報DBより補完に利用する管路属性情報を取得する処理を行うが、USBメモリやCD-ROMなどの可搬記録媒体を介して提供された管路属性情報や、端末装置において入力された管路属性情報を取得する処理を行ってもよい。
【0041】
本実施形態において、取得部11は、補完の対象となる対象管路が設定されると、対象管路の管路属性情報に付加された隣接管路情報及び位置情報に基づいて、隣接管路の管路属性情報と、周辺管路の管路属性情報と、を取得する。また、補完を行う対象管路の管路属性情報の属性に関して、取得した隣接管路及び周辺管路の管路属性情報において、補完を行う属性に関する情報が欠落している場合、取得部11は、隣接管路及び周辺管路の管路属性情報の補完のため、補完を行う属性に関して欠落していない既知の情報を含む、対象管路から離れた位置に存在する管路の管路属性情報を取得する処理を、管路属性情報に付加された位置情報に基づいて行う。
【0042】
本実施形態において、取得部11は、対象管路の管路属性情報の欠落部の補完のため、欠落部と同じ属性に関して欠落せず、既知の値を含む他の管路属性情報を取得する。また、取得部11は、更に、対象管路の管路属性情報の欠落部の補完のため、欠落部と同じ属性に関して既に補完された補完済の管路属性情報を取得してもよい。
【0043】
推定部12は、取得した管路属性情報と、確率モデルと、に基づいて推定パラメータを推定する。本実施形態において、推定部12は、隣接管路の管路属性情報及び周辺管路の管路属性情報に関して、補完する属性に関する情報が欠落しておらず、既知である場合、隣接管路の管路属性情報及び周辺管路の既知の管路属性情報を利用して推定パラメータの推定に関する処理を行う。また、推定部12は、隣接管路及び周辺管路の管路属性情報に関して、補完を行う属性に関する情報が欠落している場合、隣接管路及び周辺管路から所定の範囲内に存在する他の管路の管路属性情報のうち、欠落していない既知の値を利用して求めた隣接管路及び周辺管路の補完値を利用して対象管路の補完値を求めるための推定パラメータの推定に関する処理を行う。
【0044】
推定部12は、記憶部102に記憶される確率モデルを利用して、管路属性情報に基づく確率分布のパラメータを推定する。本実施形態において、推定部12は、確率モデルを利用して事後確率が最大となるパラメータを推定パラメータとして取得する。
【0045】
<確率モデル>
確率モデルは、管路属性情報の何れかの属性の確率分布に関するモデルであって、推定パラメータを推定し、確率論的に欠落部を補完するための補完値を求めるために利用されるモデルである。本実施形態において利用される確率モデルは、ベイズモデリングを利用して構成された、対象管路の管路属性情報の確率分布に関する確率論的なモデルであって、補完を行う管路属性情報の属性に関する前提知識に基づいて構成されたモデルである。
【0046】
以下、式(1)、(2)、(3)を用いて本実施形態における布設年の補完を行う際の確率モデルについて説明を行う。本実施形態において、対象管路の管路属性情報の確率分布に関する確率モデルは、管路属性情報に関する前提知識に基づいて構成される以下の式(1)、(2)、(3)に基づくモデルである。
【0047】
【数1】
【0048】
式(1)は、隣接する管路は同じ時期に布設されることが多い、という知識に基づく式であって、Nを正規分布としてσjを標準偏差と仮定した際の、対象管路の布設年Yiと隣接管路の布設年Yi-Yijの間の差についての確率分布に関する式である。式(1)は、対象管路と隣接管路の布設年がほとんど同じという前提知識に基づく、補完を受ける対象管路の布設年Yiと隣接管路の布設年Yijの間の差の平均が0として仮定される際の式である。式(1)は、確率分布に関する式であって、対象管路に隣接する管路である隣接管路の布設年に関する正規分布を示す。本実施形態において、補完装置1は、式(1)に基づく確率分布を推定パラメータの推定及び補完値を求めるために利用する。
【0049】
【数2】
【0050】
式(2)は、交換された管路等を除けば、周辺の管路は近い時期に布設されていることが多い、という知識に基づく式であって、Nを正規分布としてuを対象管路の布設年と周辺管路の布設年の間の差であるYi-Yikの平均、σkを標準偏差と仮定した際の、対象管路の布設年Yiと周辺管路の布設年Yikの間の差についての確率分布に関する式である。式(2)は、管路属性情報の正規分布を示す式であって、対象管路から所定の範囲内に存在する周辺管路の布設年に関する正規分布である。本実施形態において、補完装置1は、式(2)に基づく確率分布を推定パラメータの推定及び補完値を求めるために利用する。
【0051】
【数3】
【0052】
式(3)は、管路の最も古い布設年である最小布設年と、最も新しい布設年である最大布設年と、は各事業者で既知なことがほとんどである、という知識に基づく式である。式(3)は、最小布設年と最大布設年の間に必ず管路の布設年が含まれるという仮定に基づく式である。最大布設年及び最小布設年は、特定の範囲に配置される管路の最も新しい布設年と最も古い布設年であって、本実施形態において、ある自治体の管理するすべての管路の布設年の最大と最小である。
【0053】
本実施形態において、推定部12は、隣接管路と周辺管路の管路属性情報を含む取得した管路属性情報と、対象管路の補完を行う管路属性情報の属性に関する式(1)、(2)、(3)に基づく確率モデルより、管路属性情報の確率分布を決定づけるためのパラメータを含む推定パラメータを推定する。また、本実施形態において、推定部12は、推定パラメータが十分に広い一様分布であると仮定して推定パラメータの推定を行う。
【0054】
推定パラメータは、推定部12により確率モデルを利用して推定される、管路属性情報に基づく確率分布のパラメータの推定値である。本実施形態において、推定パラメータは、式(1)及び式(2)に示す確率分布に関するパラメータであって、隣接管路の布設年に関する正規分布の標準偏差σjと、周辺管路の布設年に関する正規分布の平均uと、周辺管路の布設年に関する正規分布の標準偏差σkと、隣接管路と周辺管路との重みづけに関する重みづけパラメータと、を含む。
【0055】
本実施形態において、推定部12は、式(1)、(2)、(3)に基づく確率モデルと取得した隣接管路の管路属性情報及び周辺管路の管路属性情報を含む管路属性情報に基づいて、事後確率の最大化が可能なパラメータを最大事後確率(Maximum A Posteriori:MAP)推定に関する手法を利用して推定し、推定パラメータとして取得する。本実施形態において、推定部12は、マルコフ連鎖モンテカルロ法(Markov chain Monte-Carlo methods: MCMC)を利用して、隣接管路の管路属性情報及び周辺管路の管路属性情報が与えられた際の事後確率の最大化ができるパラメータを推定パラメータとして取得するが、確率モデルを利用して推定パラメータの推定を行うことができる方法であればサンプリングに関する手法等、どのような方法を用いて推定パラメータの推定に関する処理を行ってもよい。また、推定部12は、推定パラメータの取得に関する処理として、変分ベイズ法を用いて推定した値を初期値として、MCMCを利用し、事後確率の最大化ができるパラメータを推定する。
【0056】
推定部12は、本実施形態において、隣接管路の管路属性情報が対象管路の管路属性情報とほとんど同じという知識と、周辺管路の管路属性情報が対象管路の管路属性情報と近いという前提知識に基づいて生成された確率モデルを利用して対象管路の布設年の補完を行うための推定パラメータの推定を行うが、同様の知識に基づいて構成される確率モデルを利用して、管種や口径など、その他の管路属性情報の属性の確率分布に関するパラメータを推定パラメータとして推定してもよい。また、推定部12は、本実施形態において、推定パラメータとして、隣接管路の布設年に関する正規分布の標準偏差σjと、周辺管路の布設年に関する正規分布の平均uと、周辺管路の布設年に関する正規分布の標準偏差σkと、隣接管路と周辺管路との重みづけに関する重みづけパラメータと、を推定する処理を行う。
【0057】
補完部13は、推定部12により推定された推定パラメータに従う確率分布より欠落部の補完のための値である補完値を求め、求めた補完値を利用して欠落部の補完を行う。補完部13は、推定パラメータに従う対象管路の管路属性情報に関する確率分布の最頻値を利用して求めた補完値より欠落部の補完を行う。本実施形態において、補完部13は、推定パラメータに従う正規分布の最頻値を利用して求めた補完値によって欠落部の補完を行う。
【0058】
本実施形態において、補完部13は、推定された推定パラメータに従う確率分布であって、式(1)及び式(2)に基づく隣接管路と周辺管路の管路属性情報に関する正規分布の最頻値を取得し、取得した隣接管路の確率分布の最頻値及び周辺管路の確率分布の最頻値を重みづけパラメータにより重みづけすることで補完値を求める。
【0059】
本実施形態において、補完部13は、式(3)に基づいて、最小布設年と最大布設年とで切断された切断正規分布より補完値を求めるが、式(3)を利用せず、単純な正規分布に基づいて補完値を求めてもよい。また、補完部13は、補完を行う管路属性情報の属性に関する前提知識に基づいて、例えば、口径の補完を行う場合は、最小の口径と、最大の口径と、に基づいて切断された切断正規分布を利用して補完のための補完値を求めてもよい。
【0060】
本実施形態において、補完部13は、隣接管路と、周辺管路と、の重みづけに関する重みづけパラメータを利用して、隣接管路に関する確率分布の最頻値と、周辺管路に関する確率分布の最頻値と、の間の重みづけを行い、対象管路の管路属性情報の欠落部を補完するための補完値を求める。本実施形態において、重みづけパラメータは、隣接管路の管路属性情報に関する確率分布の最頻値と、周辺管路の管路属性情報に関する確率分布の最頻値と、の補完値に対する寄与の割合に関するパラメータであって、推定部12により周辺管路の管路属性情報と、周辺管路の管路属性情報と、を利用して推定された推定パラメータであるが、隣接管路と周辺管路の管路数に基づく値であってもよい。
【0061】
以下、欠落部として布設年が欠落し、補完の対象となる対象管路である管Aの補完に関して、図4を用いて説明を行う。図4は、管路の位置とその布設年を示す図である。図4において、対象管路である管Aに隣接する隣接管路である管Bと、管Aの周辺管路を特定するための範囲である範囲W11に含まれる周辺管路である管C、管D、管Eと、範囲W11より外れる管路である管F、管G、管Hと、の位置及び布設年を示す。
【0062】
図4(a)を利用して、隣接管路と、周辺管路と、を含む対象管路である管Aから所定の範囲W11内に存在する管路の管路属性情報の補完を行う属性(布設年)が欠落せず既知の値を含む場合の推定パラメータの推定に関する説明を行う。範囲W11は、管Aの周辺管路として特定される管路が含まれる範囲である。推定部12は、管Aの隣接管路である管Bの管路属性情報と、管Aの周辺管路である管C、管D、管Eの管路属性情報と、を含む欠落していない既知の値に基づいて推定パラメータの推定に関する処理を行う。
【0063】
図4(b)において、隣接管路と、周辺管路と、を含む補完を行う対象管路である管Aから所定の範囲W11内に存在する管路の管路属性情報が欠落し、補完を行う属性(布設年)に関して既知の値を含まない場合の推定パラメータの推定に関する説明を行う。範囲W11’は、管Eの周辺管路である管路が含まれる範囲である。
【0064】
以下、図面を用いて対象管路として管Aの管路属性情報の推定を行う際について説明を行う。推定部12は、補完を行う属性(布設年)に関して、管Aの隣接管路である管Bの管路属性情報と、管Aの周辺管路である管C、管D、管Eの管路属性情報と、が欠落している場合、範囲W11外に位置する既知の値を有する管F、管G、管Hの管路属性情報を利用して推定パラメータの推定に関する処理を行う。推定部12は、管Aの周辺管路であって、所定の範囲内に既知の値を有する管Gと管Hとを含む管Eに関して、管Gと管Hの管路属性情報を利用して、管Eの補完のための推定パラメータを推定する。補完部13は、管Eの管路属性情報に関する推定パラメータを利用して欠落する管Eの布設年を補完する。推定部12及び補完部13は、管Aの隣接管路である管B及び管Aの周辺管路である管C、管Dにも同様の布設年の補完に関する処理を行う。推定部12は、隣接管路である管Bの補完された布設年と、周辺管路である管C、管D、管Eの補完された布設年と、を含む補完された管路属性情報及び確率モデルに基づいて対象管路である管Aの推定パラメータの推定に関する処理を行う。補完部13は、補完された隣接管路の管路属性情報及び周辺管路の管路属性情報に基づいて推定された推定パラメータに従う管Aの管路属性情報に関する確率分布より補完値を求め、補完を行う。
【0065】
本実施形態において、補完を行う属性に関して隣接管路と周辺管路の管路属性情報が欠落し、既知の値がない場合、推定部12は、隣接管路と周辺管路以外の取得した管路属性情報の既知の値を利用して隣接管路と周辺管路の管路属性情報の補完を行い、補完した隣接管路と周辺管路の補完値を利用して管Aの管路属性情報の確率分布に関する推定パラメータの推定に関する処理を行う。隣接管路と周辺管路の所定の範囲内に既知の値を有する管路が存在しない場合、推定部12は、既知の値の存在する管路の管路属性情報から隣接管路と周辺管路の管路属性情報の補完値を求め、その補完値を利用して管Aの管路属性情報の確率分布に関する推定パラメータの推定に関する処理を行う。
【0066】
<処理のフロー>
以下、図5を用いて管路属性情報の補完の処理のフローを示す。以下に示す処理の流れは実施の例であって、管路属性情報補完システム0は、その他の流れで管路属性情報の補完に関する処理を行ってもよい。
【0067】
<隣接管路及び周辺管路の管路属性情報に既知の値があるときの処理の流れ>
補完を行う属性に関して、隣接管路及び周辺管路の管路属性情報が欠落せず、既知の値がある場合の管路属性情報の補完に関する処理のフローを示す。取得部11は、管路属性情報DBより、対象管路の管路属性情報に付加された位置情報及び隣接管路情報に基づいて隣接管路の管路属性情報及び周辺管路の管路属性情報を含む管路属性情報を取得する(S101)。取得部11が取得した管路属性情報のうち、隣接管路と周辺管路の管路属性情報が欠落しておらず、補完を行う属性に関して既知の値がある場合、推定部12は、隣接管路及び周辺管路の既知の管路属性情報と、確率モデルと、に基づいて対象管路の管路属性情報の確率分布に関する推定パラメータの推定を行う(S102)。補完部13は、推定した推定パラメータに従う確率分布より補完値を求め(S106)、求めた補完値を利用して欠落部の補完を行う(S107)。
【0068】
また、補完装置1は、隣接管路及び周辺管路の管路属性情報に既知の値があるときの処理の流れと同様に、取得部11が取得した補完を行う属性に関して既に補完済の隣接管路の管路属性情報及び周辺管路の管路属性情報を利用して対象管路の欠落部の補完に関する処理を行ってもよい。
【0069】
<隣接管路及び周辺管路の管路属性情報に既知の値がないときの処理の流れ>
隣接管路及び周辺管路の管路属性情報が欠落し、補完を行う属性に関して既知の値がない場合の管路属性情報の補完に関する処理のフローを示す。取得部11は、管路属性情報DBより管路属性情報を取得する(S101)。取得部11が取得した管路属性情報のうち、隣接管路と周辺管路の管路属性情報が欠落し、補完を行う属性に関して既知の値がない場合、推定部12及び補完部13は、欠落していない既知の他の管路の管路属性情報に基づいて、既知の値を有する管路の周辺の管路の管路属性情報の欠落部を補完する処理を行う(S103)。本実施形態において、管路属性情報を補完する処理は、推定部12による推定パラメータの推定に関する処理及び補完部13による推定パラメータに従う確率分布より補完値を求める処理を含む。取得した隣接管路及び周辺管路の管路属性情報が補完されていない場合、推定部12及び補完部13は、欠落していない既知の管路属性情報と、補完された管路属性情報と、を含む取得した管路属性情報に基づいて隣接管路及び周辺管路を含む他の管路の管路属性情報の補完に関する処理を行い、管路属性情報を補完する。
【0070】
S103の処理により全ての隣接管路及び周辺管路の管路属性情報が補完されていない場合、推定部12及び補完部13は、補完された管路属性情報に基づいて補完された管路の周辺の管路の管路属性情報の欠落部の補完に関する処理を行う(S104)。この処理を全ての隣接管路及び周辺管路の管路属性情報が補完されるまで繰り返す。このように既知の値から隣接管路の管路属性情報及び周辺管路の管路属性情報が補完されるまで他の管路の管路属性情報の補完に関する処理を繰り返す。隣接管路及び周辺管路の管路属性情報が補完されると、推定部12は、補完された隣接管路の管路属性情報及び周辺管路の管路属性情報を含む既に補完された管路属性情報と、確率モデルと、に基づいて対象管路の管路属性情報の確率分布に関する推定パラメータの推定を行う(S105)。補完部13は、推定した推定パラメータに従う確率分布より補完値を求め(S106)、求めた補完値を利用して対象管路の管路属性情報の欠落部の補完を行う(S107)。
【0071】
取得部11は、補完に利用する管路属性情報を取得する。本実施形態において、取得部11は、管路属性情報DBより管路属性情報を取得するが、可搬記録媒体や端末装置等、その他の装置を介して補完に利用する管路属性情報を取得してもよい。
【0072】
また、本実施形態において、管路属性情報補完システム0は、取得した隣接管路の管路属性情報及び周辺管路の管路属性情報の欠落部と同じ補完したい属性に関して既知の値が存在しない場合、隣接管路や周辺管路以外の管路属性情報に基づいて補完された隣接管路や周辺管路の管路属性情報を利用して欠落部の補完を行うための補完値を求め、補完を行う。
【0073】
本実施形態において、管路属性情報補完システム0により補完された管路属性情報は、管路の劣化予測を行うための管路劣化予測システムにおいて劣化予測に利用される数理モデルの学習に用いられる。また、欠落部を補完された管路属性情報は、管路に関する情報を管理するためのGIS(Geographic Information System)等のシステムや、管路の固定資産としての価値の推定等その他の用途に用いられてもよい。
【0074】
本実施形態において、補完装置1は、隣接管路及び周辺管路を含む、位置的に対象管路に近い管路の管路属性情報を利用して欠落部の補完を行うが、同じ管種や同じ口径など、その他の管路属性情報が同じ又は近い管路の管路属性情報を利用して欠落部の補完に関する処理を行ってもよい。また、補完装置1は、管種や継手等、対象管路の欠落していないその他の管路属性情報に基づいて欠落する布設年の補完を行うなど、補完を行う属性以外の欠落していない管路属性情報に基づいて、欠落部の補完を行ってもよい。その際、補完装置1は、補完を行う属性以外の欠落していない管路属性情報を入力データ、補完を行う属性に関する情報を出力データとして学習を行った学習済みモデルを利用して管路属性情報の補完を行ってもよい。
【符号の説明】
【0075】
0 管路属性情報補完システム
1 補完装置
11 取得部
12 推定部
13 補完部
【要約】
【課題】
本発明は、本発明は、確率モデルを用いて、より現実に即した管路属性情報の補完を行う新規な技術を提供することを課題とする。
【解決手段】
流体を供給する管路の属性を示す管路属性情報に関して、欠落部を補完するための管路属性情報補完システムであって、
管路属性情報の確率分布に関する確率モデルを記憶する記憶部と、
欠落部と同じ属性に関して欠落の無い複数の管路の管路属性情報を取得する取得部と、
取得した管路属性情報と、前記確率モデルと、に基づいて、管路属性情報の確率分布に関するパラメータの推定値である推定パラメータを推定する推定部と、
前記推定部により推定された前記推定パラメータに従う、補完を受ける管路の管路属性情報に関する確率分布より補完値を求め、前記補完値によって欠落部を補完する補完部と、
を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5