(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-05
(45)【発行日】2023-09-13
(54)【発明の名称】OLED表示装置及びOLED表示装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H10K 71/13 20230101AFI20230906BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20230906BHJP
G09F 9/302 20060101ALI20230906BHJP
H10K 50/10 20230101ALI20230906BHJP
H10K 59/121 20230101ALI20230906BHJP
H10K 59/122 20230101ALI20230906BHJP
H10K 59/35 20230101ALI20230906BHJP
【FI】
H10K71/13
G09F9/30 365
G09F9/302 C
H10K50/10
H10K59/121
H10K59/122
H10K59/35
(21)【出願番号】P 2019086147
(22)【出願日】2019-04-26
【審査請求日】2022-04-05
(73)【特許権者】
【識別番号】303018827
【氏名又は名称】Tianma Japan株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】520272868
【氏名又は名称】武漢天馬微電子有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001678
【氏名又は名称】藤央弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】松枝 洋二郎
【審査官】内村 駿介
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-071176(JP,A)
【文献】特開2007-115529(JP,A)
【文献】国際公開第2015/136579(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0119066(US,A1)
【文献】特開2009-054395(JP,A)
【文献】特開2008-091070(JP,A)
【文献】特開2017-134898(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10K 71/13
H10K 50/10
H10K 59/121
H10K 59/122
H10K 59/35
G09F 9/30
G09F 9/302
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
OLED表示装置であって、
基板と、
前記基板上の、それぞれが第1軸に沿って配列された同一色の複数の副画素からなる、複数の副画素ラインと、
前記基板上の、複数の塗布分離開口を有する塗布材料分離層と、
を含み、
前記複数の塗布分離開口の各塗布分離開口は、一つの副画素ライン内で連続する副画素を含む同一色の複数の副画素を収容し、
各塗布分離開口内において、前記同一色の複数の副画素の有機発光膜は、前記有機発光膜と同一材料の有機発光膜により連結されており、
前記複数の副画素ラインにおいて、各副画素ラインの塗布分離開口間のバンクと、隣接する副画素ラインの塗布分離開口間のバンクとは、前記第1軸に垂直な第2軸に沿って見て、ずれており、
前記複数の副画素ラインは、前記第2軸に沿って代わる代わる配列された、赤の副画素ライン、青の副画素ライン及び緑の副画素ラインで構成され、
互いに隣接する副画素ラインの副画素は、前記第2軸に沿って見て、ずれており、
前記複数の副画素ラインにおいて、各副画素ラインの塗布分離開口間のバンクと、隣接する同一色の副画素ラインの塗布分離開口間のバンクとは、前記第2軸に沿って見て、ずれている、
OLED表示装置。
【請求項2】
OLED表示装置であって、
基板と、
前記基板上の、それぞれが第1軸に沿って配列された同一色の複数の副画素からなる、複数の副画素ラインと、
前記基板上の、複数の塗布分離開口を有する塗布材料分離層と、
を含み、
前記複数の塗布分離開口の各塗布分離開口は、一つの副画素ライン内で連続する副画素を含む同一色の複数の副画素を収容し、
各塗布分離開口内において、前記同一色の複数の副画素の有機発光膜は、前記有機発光膜と同一材料の有機発光膜により連結されており、
前記複数の副画素ラインにおいて、各副画素ラインの塗布分離開口間のバンクと、隣接する副画素ラインの塗布分離開口間のバンクとは、前記第1軸に垂直な第2軸に沿って見て、ずれており、
前記複数の副画素ラインは、前記第2軸に沿って代わる代わる配列された、赤の副画素ライン、青の副画素ライン及び緑の副画素ラインで構成され、
互いに隣接する副画素ラインの副画素は、前記第2軸に沿って見て、ずれており、
前記複数の副画素ラインにおいて互いに隣接する同一色の副画素ラインのバンクは、前記第2軸に沿って見て、前記副画素ラインにおける副画素間距離以上ずれている、
OLED表示装置。
【請求項3】
OLED表示装置であって、
基板と、
前記基板上の、それぞれが第1軸に沿って配列された同一色の複数の副画素からなる、複数の副画素ラインと、
前記基板上の、複数の塗布分離開口を有する塗布材料分離層と、
を含み、
前記複数の塗布分離開口の各塗布分離開口は、一つの副画素ライン内で連続する副画素を含む同一色の複数の副画素を収容し、
各塗布分離開口内において、前記同一色の複数の副画素の有機発光膜は、前記有機発光膜と同一材料の有機発光膜により連結されており、
前記複数の副画素ラインにおいて、各副画素ラインの塗布分離開口間のバンクと、隣接する副画素ラインの塗布分離開口間のバンクとは、前記第1軸に垂直な第2軸に沿って見て、ずれており、
前記複数の塗布分離開口の同一色の副画素を収容する塗布分離開口間において、副画素収容数は共通である、
OLED表示装置。
【請求項4】
OLED表示装置であって、
基板と、
前記基板上の、それぞれが第1軸に沿って配列された同一色の複数の副画素からなる、
複数の副画素ラインと、
前記基板上の、複数の塗布分離開口を有する塗布材料分離層と、
を含み、
前記複数の塗布分離開口の各塗布分離開口は、一つの副画素ライン内で連続する副画素を含む同一色の複数の副画素を収容し、
各塗布分離開口内において、前記同一色の複数の副画素の有機発光膜は、前記有機発光膜と同一材料の有機発光膜により連結されており、
前記複数の副画素ラインにおいて、各副画素ラインの塗布分離開口間のバンクと、隣接する副画素ラインの塗布分離開口間のバンクとは、前記第1軸に垂直な第2軸に沿って見て、ずれており、
前記複数の塗布分離開口の少なくとも一部の塗布分離開口のそれぞれは、同一色の異なる副画素ラインの副画素を収容している、
OLED表示装置。
【請求項5】
OLED表示装置であって、
基板と、
前記基板上の、それぞれが第1軸に沿って配列された同一色の複数の副画素からなる、
複数の副画素ラインと、
前記基板上の、複数の塗布分離開口を有する塗布材料分離層と、
を含み、
前記複数の塗布分離開口の各塗布分離開口は、一つの副画素ライン内で連続する副画素を含む同一色の複数の副画素を収容し、
各塗布分離開口内において、前記同一色の複数の副画素の有機発光膜は、前記有機発光膜と同一材料の有機発光膜により連結されており、
前記複数の副画素ラインにおいて、各副画素ラインの塗布分離開口間のバンクと、隣接する副画素ラインの塗布分離開口間のバンクとは、前記第1軸に垂直な第2軸に沿って見て、ずれており、
前記複数の副画素ラインの各副画素ラインは、赤、青又は緑の副画素ラインであり、
前記複数の塗布分離開口の同一色の副画素を収容する塗布分離開口のそれぞれは、前記同一色の異なる副画素ラインの副画素を収容している、
OLED表示装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載のOLED表示装置であって、
各塗布分離開口の副画素を連結する領域の前記第2軸に沿った寸法は、前記副画素を収容する領域の前記第2軸に沿った寸法よりも小さい、
OLED表示装置。
【請求項7】
請求項1、2又は3に記載のOLED表示装置であって、
前記複数の塗布分離開口の各塗布分離開口に収容されている全ての副画素は、同一副画素ラインに含まれている、
OLED表示装置。
【請求項8】
請求項1から5のいずれかに記載のOLED表示装置であって、
前記複数の副画素ラインにおいて互いに隣接する副画素ラインのバンクは、前記第2軸に沿って見て、前記副画素ラインにおける副画素間距離以上ずれている、
OLED表示装置。
【請求項9】
請求項5に記載のOLED表示装置であって、
前記複数の塗布分離開口において、一つの塗布分離開口に収容されている青副画素の数は、一つの塗布分離開口に収容されている緑副画素の数よりも少ない、
OLED表示装置。
【請求項10】
OLED表示装置の製造方法であって、
基板上に、それぞれが第1軸に沿って配列された複数の副画素電極からなる、複数の副画素電極ラインを形成し、
それぞれが、複数の副画素電極を収容する複数の塗布分離開口を有する、塗布材料分離層を形成し、前記複数の副画素電極ラインにおいて、各副画素電極ラインの塗布分離開口間のバンクと、隣接する副画素電極ラインの塗布分離開口間のバンクとは、前記第1軸に垂直な第2軸に沿って見て、ずれており、
前記複数の塗布分離開口それぞれに、有機EL発光材料インクを吐出する、
ことを含み、
前記複数の副画素
電極ラインは、前記第2軸に沿って代わる代わる配列された、赤の副画素
の副画素電極ライン、青の副画素
の副画素電極ライン及び緑の副画素
の副画素電極ラインで構成され、
互いに隣接する副画素
電極ラインの副画素
電極は、前記第2軸に沿って見て、ずれており、
前記複数の副画素
電極ラインにおいて、各副画素
電極ラインの塗布分離開口間のバンクと、隣接する同一色の副画素
の副画素電極ラインの塗布分離開口間のバンクとは、前記第2軸に沿って見て、ずれている、
OLED表示装置の製造方法。
【請求項11】
OLED表示装置の製造方法であって、
基板上に、それぞれが第1軸に沿って配列された複数の副画素電極からなる、複数の副画素電極ラインを形成し、
それぞれが、複数の副画素電極を収容する複数の塗布分離開口を有する、塗布材料分離層を形成し、前記複数の副画素電極ラインにおいて、各副画素電極ラインの塗布分離開口間のバンクと、隣接する副画素電極ラインの塗布分離開口間のバンクとは、前記第1軸に垂直な第2軸に沿って見て、ずれており、
前記複数の塗布分離開口それぞれに、有機EL発光材料インクを吐出する、
ことを含み、
前記複数の副画素
電極ラインにおいて互いに隣接する同一色の副画素
の副画素電極ラインのバンクは、前記第2軸に沿って見て、前記副画素
電極ラインにおける副画素
電極間距離以上ずれている、
OLED表示装置の製造方法。
【請求項12】
OLED表示装置の製造方法であって、
基板上に、それぞれが第1軸に沿って配列された複数の副画素電極からなる、複数の副画素電極ラインを形成し、
それぞれが、複数の副画素電極を収容する複数の塗布分離開口を有する、塗布材料分離層を形成し、前記複数の副画素電極ラインにおいて、各副画素電極ラインの塗布分離開口間のバンクと、隣接する副画素電極ラインの塗布分離開口間のバンクとは、前記第1軸に垂直な第2軸に沿って見て、ずれており、
前記複数の塗布分離開口それぞれに、有機EL発光材料インクを吐出する、
ことを含み、
前記複数の塗布分離開口の同一色の副画素を収容する塗布分離開口間において、副画素収容数は共通である、
OLED表示装置の製造方法。
【請求項13】
OLED表示装置の製造方法であって、
基板上に、それぞれが第1軸に沿って配列された複数の副画素電極からなる、複数の副画素電極ラインを形成し、
それぞれが、複数の副画素電極を収容する複数の塗布分離開口を有する、塗布材料分離層を形成し、前記複数の副画素電極ラインにおいて、各副画素電極ラインの塗布分離開口間のバンクと、隣接する副画素電極ラインの塗布分離開口間のバンクとは、前記第1軸に垂直な第2軸に沿って見て、ずれており、
前記複数の塗布分離開口それぞれに、有機EL発光材料インクを吐出する、
ことを含み、
前記複数の塗布分離開口の少なくとも一部の塗布分離開口のそれぞれは、同一色の
副画素の異なる副画素
電極ラインの副画素
電極を収容している、
OLED表示装置の製造方法。
【請求項14】
OLED表示装置の製造方法であって、
基板上に、それぞれが第1軸に沿って配列された複数の副画素電極からなる、複数の副画素電極ラインを形成し、
それぞれが、複数の副画素電極を収容する複数の塗布分離開口を有する、塗布材料分離層を形成し、前記複数の副画素電極ラインにおいて、各副画素電極ラインの塗布分離開口間のバンクと、隣接する副画素電極ラインの塗布分離開口間のバンクとは、前記第1軸に垂直な第2軸に沿って見て、ずれており、
前記複数の塗布分離開口それぞれに、有機EL発光材料インクを吐出する、
ことを含み、
前記複数の副画素
電極ラインの各副画素
電極ラインは、赤、青又は緑の副画素
の副画素電極ラインであり、
前記複数の塗布分離開口の同一色の副画素
の副画素電極を収容する塗布分離開口のそれぞれは、前記同一色の異なる副画素
の副画素電極ラインの副画素
電極を収容している、
OLED表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、OLED表示装置及びOLED表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
OLED(Organic Light-Emitting Diode)素子は電流駆動型の自発光素子であるため、バックライトが不要となる上に、低消費電力、広視野角、高コントラスト比が得られるなどのメリットがあり、フラットパネルディスプレイの開発において期待されている。
【0003】
カラー表示装置の表示領域は、一般に、表示パネルの基板上に配列された、三原色の赤(R)、緑(G)、青(B)の副画素で構成されている。副画素の様々な配置(画素配置)が提案されおり、例えば、RGB Straipe配置やデルタナブラ配置(単にデルタ配置とも呼ぶ)等が知られている。
【0004】
OLED素子の製造方法として、有機EL発光材料を基板に蒸着する蒸着方式と、有機溶媒に溶解する有機EL発光材料を印刷により基板に塗布する印刷方式が知られている。一般的には、蒸着方式で用いられる有機EL材料は低分子材料であり、印刷方式で用いられる有機材料は高分子材料である。
【0005】
蒸着方式で、異なる発光材料の各々を基板に蒸着するためにはメタルマスクが必要で材料の使用効率も悪い。一方、印刷方式はマスクが不要であり、有機EL発光材料の利用効率も高く大面積化にも有利である。しかし、OLEDパネルの高精細化に伴い、副画素間のピッチも小さくなり、インクの混色リスクを低減する技術が重要である。
【0006】
例えば、印刷方式の一つはインクジェット技術を利用する。インクジェット技術は、インクの液滴をノズルから吐出して基板に塗布する。インクジェット方式を使用するアクティブマトリックスOLED表示装置の製造は、TFT(Thin Film Transistor)アレイの形成後に、複数の開口(バンク開口)を有する絶縁性の塗布材料分離層を形成する。バンク開口内には、1又は複数の同一色の副画素の電極が収容されている。インクジェット方式は、バンク開口内にインクを吐出する。このように、塗布材料分離層により、インクの混色を防ぐことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許出願公開第2014/0197396号
【文献】米国特許出願公開第2017/0069694号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
副画素の輝度は、インクの乾燥後の有機発光膜の膜厚に依存する。印刷方式のOLED素子の形成において、視認される輝度ムラを低減することが重要である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様は、OLED表示装置であって、基板と、前記基板上の、それぞれが第1軸に沿って配列された同一色の複数の副画素からなる、複数の副画素ラインと、前記基板上の、複数の塗布分離開口を有する塗布材料分離層と、を含む。前記複数の塗布分離開口の各塗布分離開口は、一つの副画素ライン内で連続する副画素を含む同一色の複数の副画素を収容する。各塗布分離開口内において、前記同一色の複数の副画素の有機発光膜は、前記有機発光膜と同一材料の有機発光膜により連結されている。前記複数の副画素ラインにおいて、各副画素ラインの塗布分離開口間のバンクと、隣接する副画素ラインの塗布分離開口間のバンクとは、前記第1軸に垂直な第2軸に沿って見て、ずれている。
【0010】
本開示の他の態様は、OLED表示装置の製造方法であって、基板上に、それぞれが第1軸に沿って配列された複数の副画素電極からなる、複数の副画素電極ラインを形成し、それぞれが、複数の副画素電極を収容する複数の塗布分離開口を有する、塗布材料分離層を形成し、前記複数の副画素電極ラインにおいて、各副画素電極ラインの塗布分離開口間のバンクと、隣接する副画素電極ラインの塗布分離開口間のバンクとは、前記第1軸に垂直な第2軸に沿って見て、ずれており、前記複数の塗布分離開口それぞれに、有機EL発光材料インクを吐出する、ことを含む。
【発明の効果】
【0011】
本開示の一態様によれば、OLED表示装置の視認される輝度ムラを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図3】OLED表示装置の駆動TFTを含む部分の断面構造を模式的に示す。
【
図5】塗布材料分離層における塗布分離開口のパターンの例を示す。
【
図6】塗布分離開口内の副画素の輝度ムラ及びそれを視認されにくくする構成を説明する図である。
【
図7】塗布材料分離層における塗布分離開口のパターンの他の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。本実施形態は本発明を実現するための一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではないことに注意すべきである。説明をわかりやすくするため、図示した物の寸法、形状については、誇張して記載している場合もある。
【0014】
本実施形態のOLED(Organic Light-Emitting Diode)表示装置は、複数の開口を有する塗布材料分離層を含み、各開口内に複数の同一色のOLED素子(副画素)が形成される。各開口内に、一つの色の有機EL発光材料が塗布される。塗布材料分離層の開口間の境界は、千鳥状に配置されている。これにより、OLED表示装置の視認される輝度ムラを低減できる。
【0015】
[全体構成]
図1は、OLED表示装置10の構成例を模式的に示す。OLED表示装置10は、OLED素子(有機発光素子)が形成されるTFT(Thin Film Transistor)基板100と、OLED素子を封止する封止構造部200と、を含んで構成されている。
【0016】
TFT基板100の表示領域125の外側のカソード電極形成領域114の周囲に、走査ドライバ131、保護回路133、ドライバIC134、デマルチプレクサ136が配置されている。ドライバIC134は、FPC(Flexible Printed Circuit)135を介して外部の機器と接続される。走査ドライバ131はTFT基板100の走査線を駆動する。ドライバIC134は、例えば、異方性導電フィルムを用いて実装される。
【0017】
ドライバIC134は、走査ドライバ131に電源及びタイミング信号(制御信号)を与える。さらに、ドライバIC134は、デマルチプレクサ136に、電源及びデータ信号を与える。デマルチプレクサ136は、ドライバIC134の一つのピンの出力を、d本(dは2以上の整数)のデータ線に順次出力する。デマルチプレクサ136は、ドライバIC134からのデータ信号の出力先データ線を、走査期間内にd回切り替えることで、ドライバIC134の出力ピン数のd倍のデータ線を駆動する。
【0018】
[画素回路]
TFT基板100上には、複数の副画素のアノード電極(副画素電極)にそれぞれ供給する電流を制御する複数の画素回路が形成されている。
図2Aは、画素回路の構成例を示す。各画素回路は、駆動トランジスタT1と、選択トランジスタT2と、エミッショントランジスタT3と、保持容量C1とを含む。画素回路は、OLED素子E1の発光を制御する。トランジスタは、TFTである。
【0019】
選択トランジスタT2は副画素を選択するスイッチである。図の例において、選択トランジスタT2はpチャネル型TFTであり、ゲート端子は、走査線106に接続されている。ソース端子は、データ線105に接続されている。ドレイン端子は、駆動トランジスタT1のゲート端子に接続されている。
【0020】
駆動トランジスタT1はOLED素子E1の駆動用のトランジスタ(駆動TFT)である。図の例において、駆動トランジスタT1はpチャネル型TFTであり、そのゲート端子は選択トランジスタT2のドレイン端子に接続されている。駆動トランジスタT1のソース端子は電源線108(Vdd)に接続されている。ドレイン端子は、エミッショントランジスタT3のソース端子に接続されている。駆動トランジスタT1のゲート端子とソース端子との間に保持容量C1が形成されている。
【0021】
エミッショントランジスタT3は、OLED素子E1への駆動電流の供給と停止を制御するスイッチである。図の例において、エミッショントランジスタT3はpチャネル型TFTであり、ゲート端子はエミッション制御線107に接続されている。エミッショントランジスタT3のソース端子は駆動トランジスタT1のドレイン端子に接続されている。エミッショントランジスタT3のドレイン端子は、OLED素子E1に接続されている。
【0022】
次に、画素回路の動作を説明する。走査ドライバ131が走査線106に選択パルスを出力し、選択トランジスタT2をオン状態にする。データ線105を介してドライバIC134から供給されたデータ電圧は、保持容量C1に格納される。保持容量C1は、格納された電圧を、1フレーム期間を通じて保持する。保持電圧によって、駆動トランジスタT1のコンダクタンスがアナログ的に変化し、駆動トランジスタT1は、発光階調に対応した順バイアス電流をOLED素子E1に供給する。
【0023】
エミッショントランジスタT3は、駆動電流の供給経路上に位置する。ドライバIC134は、エミッション制御線107に制御信号を出力して、エミッショントランジスタT3のオンオフを制御する。エミッショントランジスタT3がオン状態のとき、駆動電流がOLED素子E1に供給される。エミッショントランジスタT3がオフ状態のとき、この供給が停止される。エミッショントランジスタT3のオンオフを制御することにより、1フィールド周期内の点灯期間(デューティ比)を制御することができる。
【0024】
図2Bは、画素回路の他の構成例を示す。当該画素回路は、
図2AのエミッショントランジスタT3に代えて、リセットトランジスタT4を有する。リセットトランジスタT4は、基準電圧供給線110とOLED素子E1のアノードとの電気的接続を制御する。リセットトランジスタT4のゲートにリセット制御線109からリセット制御信号が供給されることによりこの制御が行われる。
【0025】
リセットトランジスタT4は、様々な目的で使用することができる。リセットトランジスタT4は、例えば、OLED素子E1間のリーク電流によるクロストークを抑制するために、一旦、OLED素子E1のアノード電極を黒信号レベル以下の十分低い電圧にリセットする目的で使用しても良い。
【0026】
他にも、リセットトランジスタT4は、駆動トランジスタT1の特性を測定する目的で使用してもよい。例えば、駆動トランジスタT1を飽和領域、リセットトランジスタT4を線形領域で動作するようにバイアス条件を選んで、電源線108(Vdd)から基準電圧供給線110(Vref)に流れる電流を測定すれば、駆動トランジスタT1の電圧・電流変換特性を正確に測定することができる。副画素間の駆動トランジスタT1の電圧・電流変換特性の違いを補償するデータ信号を外部回路で生成すれば、均一性の高い表示画像を実現できる。
【0027】
一方、駆動トランジスタT1をオフ状態にしてリセットトランジスタT4をリニア領域で動作させ、OLED素子E1を発光させる電圧を基準電圧供給線110から印加すれば、OLED素子E1の電圧・電流特性を正確に測定することができる。例えば、長時間の使用によってOLED素子E1が劣化した場合にも、その劣化量を補償するデータ信号を外部回路で生成すれば、長寿命化を実現できる。
【0028】
図2A及び2Bの画素回路は例であって、画素回路は他の回路構成を有してよい。
図3A及び3Bの画素回路はpチャネル型TFTを使用しているが、画素回路はnチャネル型TFTを使用してもよい。
【0029】
[画素構造]
次に、画素回路及び発光素子の構造の概略を説明する。
図3は、OLED表示装置10の駆動TFTを含む部分の断面構造を模式的に示す。OLED表示装置10は、TFT基板100と、TFT基板100に対向する封止構造部200とを含む。また、以下の説明において、上下は、図面における上下を示す。
【0030】
図3は、支持基板141から剥離前のフレキシブルOLEDパネルの例を示す。OLED表示装置10は、OLEDパネルとドライバIC134とを含み、OLEDパネルはTFT基板100と封止構造部200とを含む。製造プロセスにおいて、OLEDパネルは、ガラスの支持基板141に剥離層142により固着られている。プロセス完了後、支持基板141は剥離層142から物理的または化学的に分離させる。
【0031】
OLED表示装置10(OLEDパネル)は、絶縁性のフレキシブル基板143と、フレキシブル基板143と対向する封止構造部とを含む。封止構造部の一例は、可撓性又は不撓性の封止基板や、薄膜封止(TFE:Thin Film Encapsulation)構造である。
図3は、TFEの例を示している。
【0032】
フレキシブル基板143は例えばポリイミドで形成されている。フレキシブル基板143とTFTアレイの下地膜152との間に、無機薄膜層144、146、148と有機薄膜層145、147とが交互に積層された多層膜が形成されている。無機薄膜層144、146、148は、水分や酸素の透過を防止し、主な材料は窒化ケイ素及び酸化アルミであり。有機薄膜層145、147は、傷防止や折り曲げの緩衝部として働く。
【0033】
OLED表示装置10は、フレキシブル基板143と封止構造部との間に配置された、下部電極(例えば、アノード電極162)と、上部電極(例えば、カソード電極166)と、有機発光膜165(有機ELデバイス)とを含む。
【0034】
カソード電極166とアノード電極162との間に、有機発光膜165が配置されている。有機発光膜165は、典型的には有機多層膜であり、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、及び電子注入層を含む。発光層以外の層は省略され得る。複数のアノード電極162は、同一面上(例えば、平坦化膜161の上)に配置され、1つのアノード電極162の上に1つの有機発光膜165が配置されている。
図3の例において、一つの副画素のカソード電極166は、連続する導体膜の一部である。
【0035】
OLED表示装置10は、それぞれが複数のトランジスタを含む複数の画素回路を有する。複数の画素回路の各々は、フレキシブル基板143とアノード電極162との間に形成され、複数のアノード電極162の各々に供給する電流を制御する。
【0036】
図3は、トップエミッション型(OLED素子)の画素構造の例である。トップエミッション型の画素構造は、光が出射する側(図面上側)に、複数の画素に共通のカソード電極166が配置される。カソード電極166は、表示領域125の全面を完全に覆う形状を有する。トップエミッション型の画素構造の特徴として、アノード電極162は光を反射し、カソード電極166は光透過性をもっている。これにより、有機発光膜165からの光を封止構造部に向けて出射させる。
【0037】
トップエミッション型では、光をフレキシブル基板143側に取り出すボトムエミッション型と比べて、光取出しのための透過領域を画素領域内に設ける必要がないため、発光部を画素回路や配線の上にも形成することができるといった、画素回路のレイアウトにおいて高い自由度を有する。ボトムエミッション型の画素構造は、透明アノード電極と反射カソード電極を有し、フレキシブル基板143を介して外部に光を出射する。本開示の特徴は、ボトムエミッション型の画素構造にも適用できる。
【0038】
副画素は、フルカラーOLED表示装置において一般に、赤、緑、又は青のいずれかの色を表示する。赤、緑、及び青の副画素により一つの主画素が構成される。複数のトランジスタを含む画素回路は、対応するOLED素子の発光を制御する。OLED素子は、アノード電極、有機発光膜、及びカソード電極で構成される。
【0039】
下地膜152の上にポリシリコン層が存在し、ポリシリコン層にはTFTのトランジスタ特性をもたらすチャネル155が、後にゲート電極157が形成される位置に存在する。その両端には上部の配線層と電気的に接続をとるために高濃度不純物がドープされたソース/ドレイン領域168、169が存在する。
【0040】
チャネル155とソース/ドレイン領域168、169の間には、低濃度の不純物をドープされた領域を形成する場合もある。当該領域は、図示を省略している。ポリシリコン層の上には、ゲート絶縁膜156を介して、ゲート電極157が形成されている。ゲート電極157の層上に層間絶縁膜158が形成されている。
【0041】
表示領域125内において、層間絶縁膜158上にソース/ドレイン電極159、160が形成されている。ソース/ドレイン電極159、160は、例えば、高融点金属又はその合金で形成される。ソース/ドレイン電極159、160は、層間絶縁膜158およびゲート絶縁膜156に形成されたコンタクトホール170、171を介してポリシリコン層のソース/ドレイン領域168、169に接続されている。
【0042】
ソース/ドレイン電極159、160の上に、絶縁性の平坦化膜161が形成される。絶縁性の平坦化膜161の上に、アノード電極162が形成されている。アノード電極162は、平坦化膜161のコンタクトホールに形成されたコンタクト部によってドレイン電極160に接続されている。画素回路のTFTは、アノード電極162の下側に形成されている。
【0043】
アノード電極162の上に、OLED素子を分離する絶縁性の画素定義層(Pixel Defining Layer:PDL)163が形成されている。画素定義層163は、有機EL発光材料を含むインク(有機EL発光材料インク)に対して親水性(ぬれ性が高い)の絶縁材料で形成され、例えば、窒化ケイ素で形成される。有機EL発光材料インクは、有機EL発光材料と溶媒を含む。画素定義層163は、複数の開口167(PDL開口)からなる開口パターンを有する。PDL開口167の底はアノード電極162であり、各OLED素子は、画素定義層163の各PDL開口167に形成されている。PDL開口167の形状が、副画素(発光領域)の形状に対応する。
【0044】
画素定義層163の上に、有機EL発光材料インクを分離するための絶縁性の塗布材料分離層164が形成されている。塗布材料分離層164は、有機EL発光材料インクに対して疎水性(ぬれ性が低い)の絶縁材料で形成され、例えば、感光性樹脂で形成される。塗布材料分離層164は、画素定義層163よりも厚い。塗布材料分離層164は、複数の開口149(塗布分離開口)からなる開口パターンを有する。塗布分離開口149間の絶縁部分をバンクと呼ぶ。各塗布分離開口149はバンクで囲まれており、塗布材料分離層164の塗布分離開口149はバンクで分離されている。
【0045】
各塗布分離開口149内に、同一色の複数のOLED素子(副画素)が形成されている。つまり、各塗布分離開口149内に、複数のPDL開口167が存在する。
図3の例においては、二つのOLED素子は、一つの塗布分離開口149内に存在する。後述するように、OLEDパネルの製造は、各塗布分離開口149内に有機EL発光材料インクの液滴を吐出し、各塗布分離開口149内に有機EL発光材料インクを貯める。塗布分離開口149への吐出量は、有機EL発光材料インクが塗布分離開口149から溢れないように制御される。
【0046】
塗布分離開口149の内壁は、PDL開口167からセットバックしている。つまり、塗布分離開口149の内壁とPDL開口167の端との間に画素定義層163の部分が存在している。また、上述のように、画素定義層163は有機EL発光材料インクに対してぬれ性が高く、塗布材料分離層164は有機EL発光材料インクに対してぬれ性が低い。このため、塗布分離開口149内において、有機EL発光材料インクが全域に広がり、有機EL発光材料インクが付着していないアノード電極162表面が存在しないようにできる。
【0047】
有機EL発光材料インクの溶媒が乾燥により揮発することで、有機発光膜165が形成される。有機発光膜165が複数層で構成される場合、発光層は塗布式により形成され、他の層は蒸着式又は塗布式で形成される。
【0048】
各塗布分離開口149は、バンクにより他の塗布分離開口149から分離されているので、有機EL発光材料インクの混色を防ぐことができる。また、塗布材料分離層164は有機EL発光材料インクに低いぬれ性を有するので、より効果的に有機EL発光材料インクの混色を防ぐことができる。なお、設計上許される場合、画素定義層163と塗布材料分離層164のぬれ性は、上記のようになっていなくてもよい。
【0049】
アノード電極162の上に、有機発光膜165が形成されている。有機発光膜165は、塗布分離開口149内で、画素定義層163及び塗布分離開口149の内壁に付着している。有機発光膜165の上にカソード電極166が形成されている。カソード電極166は、光透過性を有する電極である。カソード電極166は、有機発光膜165からの可視光の一部を透過させる。画素定義層163の開口167に形成された、アノード電極162、有機発光膜165及びカソード電極166の積層膜が、OLED素子を構成する。
【0050】
カソード電極166の上に、封止構造部が形成されている。封止構造部は、無機薄膜層182、184と有機薄膜層181、183、185とが交互に積層された多層膜が形成されている。無機薄膜層182、184は、水分や酸素の透過を防止し、主な材料は窒化ケイ素及び酸化アルミであり。有機薄膜層181、183、185は、傷防止や折り曲げの緩衝部として働く。封止構造部の光出射面(前面)に、λ/4位相差板187と偏光板188とが配置され、外部から入射した光の反射を抑制する。
【0051】
[製造方法]
次に、OLED表示装置10の製造方法の一例を説明する。製造方法は、まず、剥離層142及び剥離層142上のフレキシブル基板143が形成されている支持基板141を用意する。次に、フレキシブル基板143上に、無機薄膜層144、146、148と有機薄膜層145、147とが交互に積層された多層膜を形成する。例えば、無機薄膜層は、CVD(Chemical Vapor Deposition)等によって例えばシリコン窒化物を堆積して形成され、有機薄膜層は光感光性樹脂を堆積することで形成される。
【0052】
次に、製造方法は、CVD等によって例えばシリコン窒化物を堆積して、又は、光感光性樹脂を堆積することで、下地膜152を形成する。次に、チャネル155を含む層、例えばポリシシリコン層を、公知の低温ポリシリコンTFT製造技術を用いて形成する。具体的には、例えばCVD法によってアモルファスシリコンを堆積し、ELAにより結晶化して、ポリシリコン膜を形成する。ポリシリコン膜は島状に加工され、ソース電極159、ドレイン電極160と接続するためのソース・ドレイン領域168、169には高濃度に不純物をドープして低抵抗化する。同様に低抵抗化したポリシリコン層は表示領域125内において要素間の接続にも利用できる。
【0053】
次に、製造方法は、チャネル155を含むポリシリコン層上に、CVD法等によって、例えば酸化シリコン膜を付着してゲート絶縁膜156を形成する。更に、スパッタ法等により金属材料を堆積し、パターニングを行って、ゲート電極157を含む金属層を形成する。
【0054】
金属層は、ゲート電極157の他、例えば、保持容量電極、走査線106、エミッション制御線等を含む。金属層として、例えばMo、W、Nb、MoW、MoNb、Al、Nd、Ti、Cu、Cu合金、Al合金、Ag、Ag合金からなる群より選択される一つの物質で単一層を形成する。または、配線抵抗を減少させるために低抵抗物質であるMo、Cu、Al又はAgから選択された1又は複数材料の2層構造またはそれ以上の多重構造を形成してもよい。
【0055】
ゲート電極157の形成前に高濃度不純物をドーピングしておいたソース・ドレイン領域168、169とゲート電極157との間に、オフセット領域をもうけておいてもよい。このポリシリコン膜に、ゲート電極157をマスクとして追加不純物ドーピングを施してソース・ドレイン領域168、169とゲート電極直下のチャネル155の間に低濃度不純物層が形成される。
【0056】
次に、製造方法は、CVD法等によって、例えばシリコン酸化膜等を堆積して層間絶縁膜158を形成する。層間絶縁膜158及びゲート絶縁膜156に、異方性エッチングを行い、コンタクトホールを開口する。ソース電極159、ドレイン電極160とソース・ドレイン領域168、169とを接続するコンタクトホール170、171が、層間絶縁膜158及びゲート絶縁膜156に形成される。
【0057】
次に、スパッタ法等によって、例えば、積層されたTi/Al/Ti等の導電膜を堆積し、パターニングを行って、金属層を形成する。金属層は、ソース電極159、ドレイン電極160及びコンタクトホール170、171の内側を含む。この他に同じ層で、データ線105や電源線108等も形成される。
【0058】
次に、製造方法は、感光性の有機材料を堆積し、平坦化膜161を形成する。露光、現像によってTFTのソース電極159、ドレイン電極160に接続するためのコンタクトホールを開口する。コンタクトホール172を形成した平坦化膜161上に、アノード電極162を形成する。アノード電極162のパターンは、副画素のパターンに対応し、副画素ラインそれぞれに対応するアノード電極ラインが形成される。
【0059】
アノード電極162は、例えば、ITO、IZO、ZnO、In2O3等の透明膜、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr等の金属又はこれらの金属を含む合金の反射膜、前記した透明膜の3層を含む。なお、アノード電極162の3層構成は、一例であり2層でもよい。アノード電極162は、コンタクトホール172を介して、ドレイン電極160と接続される。
【0060】
次に、製造方法は、CVD法等によって、例えばシリコン酸化膜等を堆積し、パターニングを行うことで、画素定義層163を形成する。パターニングにより画素定義層163には複数のPDL開口167(PDL開口パターン)が形成される。各副画素のアノード電極162形成されたPDL開口167の底で露出する。画素定義層163により、各副画素の発光領域が分離される。
【0061】
次に、製造方法は、スピンコート法等によって、例えば感光性の有機樹脂膜を堆積し、パターニングを行って塗布材料分離層164を形成する。パターニングにより塗布材料分離層164には複数の塗布分離開口149(塗布分離開口パターン)が形成される。各塗布分離開口149内には、同一色の副画素のための複数のPDL開口167が含まれている。
【0062】
次に、製造方法は、有機EL発光材料インクを各塗布分離開口149内に塗布する。製造方法の例は、インクジェット方式により、有機EL発光材料インクの液滴を各塗布分離開口149内に吐出する。例えば、各塗布分離開口149において、同一色の有機EL発光材料インクの所定数の液滴を、各PDL開口167に向けて吐出する。有機EL発光材料インクの溶媒が乾燥することで、有機発光膜165が形成される。製造方法は、アノード電極162上にRGB各色の有機発光膜165を形成する。
【0063】
有機発光膜165は、他の層と共に多層膜を形成することができる。例えば、有機発光膜165のアノード電極側に、正孔注入層及び正孔輸送層を形成することができ、有機発光膜165のカソード側に、電子輸送層及び電子注入層を形成できる。有機発光膜165(発光層)以外の層は、塗布式又は蒸着方式によって形成することができる。有機EL素子の積層構造は設計により決められる。
【0064】
次に、製造方法は、画素定義層163、塗布材料分離層164及び有機発光膜165(画素定義層163の開口における)が露出した基板に対して、カソード電極166のための金属材料を付着する。一つの副画素の有機発光膜165上に付着した金属材料部は、画素定義層163の開口領域においてこの副画素のカソード電極166として機能する。
【0065】
カソード電極166の層は、例えば、Al、Mg等の金属又はこれらの金属を含む合金を蒸着して、形成する。カソード電極166の抵抗が高く発光輝度の均一性が損なわれる場合には、さらに、ITO、IZO、ZnOまたはIn2O3などの透明電極形成用の材料で補助電極層を追加する。
【0066】
次に、製造方法は、カソード電極166の層上に、有機薄膜層181、183、185と無機薄膜層182、184とが交互に積層された多層膜(封止構造部)を形成する。例えば、無機薄膜層は、CVD(Chemical Vapor Deposition)等によって例えばシリコン窒化物を堆積して形成され、有機薄膜層は光感光性樹脂を堆積することで形成される。さらに、製造方法は、封止構造部上に、λ/4位相差板187と偏光板188とを形成する。
[デルタナブラパネルにおける副画素配置]
【0067】
図4は、デルタナブラ配置の副画素を模式的に示す。表示領域125は、面内に配置されている、複数の赤副画素41R、複数の緑副画素41G、及び複数の青副画素41Bで構成されている。
図4において、一つの赤副画素、一つの緑副画素、及び一つの青副画素が、例として、符号で指示されている。
図4において、同一のハッチングの(丸い角の)四角は、同一色の副画素を示す。
図4において、副画素の形状は四角であるが、副画素の形状は任意であって、例えば、六角形又は八角形であってもよい。
【0068】
表示領域125は、X軸(第1軸)に沿って延び、Y軸(第2軸)に沿って配列されている、複数の副画素行で構成されている。
図4において、例として、一つの赤の副画素行が符号43Rで指示され、一つの緑の副画素行が符号43Gで指示され、一つの青の副画素行が符号43Bで指示されている。
【0069】
X軸とY軸とは副画素が配置されている面内において垂直である。ここで、X方向は、X軸に沿った2方向において、
図4において左から右に向かう方向である。Y方向は、Y軸に沿った2方向において、上から下に向かう方向である。
【0070】
図4の例において、各副画素行は、所定ピッチで配列されている同一色の副画素で構成されている。具体的には、副画素行43R、43G及び43Bは、それぞれ、X軸に沿って配列されている赤副画素41R、緑副画素41G及青副画素41Bで構成されている。Y軸に沿って、赤副画素行43R、緑副画素行43G及び青副画素行43Bは、代わる代わる配列されている。
【0071】
つまり、副画素行は、他の2色の副画素行に挟まれている。例えば、緑副画素行43Gは、赤副画素行43Rと青副画素行43Bとの間に配置されている。
図4の例において、赤副画素行43R、緑副画素行43G及び青副画素行43Bは、この順で代わる代わる配列されている。代わる代わる配列される色の順序はこれと異なっていてもよい。
【0072】
隣接する副画素行は、X軸に沿って(Y軸に沿って見て)ずれて配置されている。つまり、各副画素行の各副画素は、X軸に沿って、隣接する副画素行の隣接する二つの副画素の間に位置する。
図4の例において、隣接する副画素行は半ピッチずれている。1ピッチは、副画素行において隣接する副画素の重心間の距離である。一つの副画素行に含まれる副画素は、当該副画素行に隣接する副画素行に含まれる隣接する二つの副画素の中央に位置する。
【0073】
表示領域125は、Y軸に沿って延び、X軸に沿って配列されている、複数の副画素列で構成されている。
図4において、三つの副画素列が、例として、符号42A、42B及び42Cで指示されている。副画素列は、Y軸に沿って配列されている副画素で構成されている。
【0074】
副画素列は、所定ピッチで代わる代わる配列された赤副画素41R、緑副画素41G及び青副画素41Bで構成されている。
図4の例において、赤副画素41R、青副画素41B、及び緑副画素41Gは、この順でY方向(
図4における上から下への方向)に配列されている。色の順序はこれと異なってもよい。
【0075】
隣接する副画素列の位置は、Y軸に沿って(X軸に沿って見て)ずれており、一つの副画素列に含まれる副画素は、当該副画素列に隣接する副画素列に含まれる他の二色の副画素の間にある。
図4の例において、隣接する副画素列は半ピッチずれている。1ピッチは、同一色の副画素の間のY軸に沿った距離である。例えば、緑副画素41Gは、Y軸に沿って、隣接副画素列における赤副画素41Rと青副画素41Bの中央に位置している。
【0076】
図4に示すデルタナブラ配置において、サブ画素の輝度中心が等間隔であり、リアル解像度表示を実現することができる。なお、本実施形態においては、便宜的に、X軸に沿って延びる副画素ラインを副画素行、Y軸に沿って延びる副画素ラインを副画素列と呼ぶが、副画素行及び副画素列の方向は、これに限定されない。
【0077】
[塗布分離開口]
図5は、塗布材料分離層164における塗布分離開口のパターンの例を示す。
図5において、複数の赤副画素を(基板100の法線に沿って見て)収容する塗布分離開口(赤塗布分離開口)の一つが例として符号149Rで指示されている。緑副画素を収容する塗布分離開口(緑塗布分離開口)の一つが例として符号149Gで指示されている。青副画素を収容する塗布分離開口(青塗布分離開口)の一つが例として符号149Bで指示されている。
図5において、同一のハッチングの塗布分離開口は、同一色の塗布分離開口を示す。
【0078】
同一色の複数の副画素が、各塗布分離開口内に存在している。
図5の例において、各塗布分離開口内に存在する同一色の副画素は、同一の副画素行に含まれている。赤副画素行内で連続する6つの赤副画素が各赤塗布分離開口149R内に存在する。緑副画素行内で連続する6つの緑副画素が各緑塗布分離開口149G内に存在する。青副画素行内で連続する6つの青副画素が各青塗布分離開口149B内に存在する。
【0079】
図5の例において、塗布分離開口149R、149G、149Bの形状は共通である。各塗布分離開口は、副画素(PDL開口)を収容する領域(副画素領域)と、これら領域を連結する領域(連結領域)とを含む。各副画素は、各副画素領域内に存在している。
図5は、例として、一つの赤塗布分離開口149Rの、一つの副画素領域を符号491で指示し、一つの連結領域を符号492で指示している。
図5の例において、各塗布分離開口は、6つの副画素領域と、それぞれが隣接する副画素領域を連結する5つの連結領域で構成されている。
【0080】
各副画素ラインにおいて、隣接する塗布分離開口の間にバンクが存在する。
図5において、それぞれ異なる赤副画素行内で隣接する赤塗布分離開口149R間の2つのバンク(破線で囲まれている)が、例として、符号495Rで指示されている。緑副画素行内で隣接する緑塗布分離開口149G間の1つのバンク(破線で囲まれている)が、例として、符号495G指示されており、青副画素行内で隣接する青塗布分離開口149B間の1つのバンク(破線で囲まれている)が、例として、符号495B指示されている。
【0081】
図5に示すように、互いに隣接する異なる色の副画素ラインの間において、隣接する塗布分離開口間のバンク(境界)は、Y軸に沿って見て、ずれている(千鳥配置)。これにより、塗布分離開口内の端における輝度ムラが表示領域125内で視認されにくくできる。この点の詳細は後述する。
【0082】
具体的には、赤副画素行内のバンク495Rは、それぞれ、隣接する緑副画素行内のバンク495GとY軸に沿って見てずれており、さらに、青副画素行内のバンク495BとY軸に沿って見てずれている。同様に、緑副画素行内のバンク495Gは、それぞれ、隣接する赤副画素行内のバンク495RとY軸に沿って見てずれており、さらに、青副画素行内のバンク495BとY軸に沿って見てずれている。
【0083】
隣接する異なる色の副画素行の間におけるバンクのずれ量は、設計により決定される。輝度ムラを視認されにくくする観点から、一例において、隣接する異なる色の副画素行の塗布分離開口間のバンクの中心は、X軸に沿って、副画素ピッチ以上離れている。
図5の例においては、隣接する副画素行の塗布分離開口間のバンクの中心は、X軸に沿って、副画素ピッチ(副画素重心間距離)の3.5倍又は2.5倍の距離だけ離れている。各塗布分離開口は、6つの副画素を含むように形成されており、隣接する副画素行の間において、バンクの距離を大きく離すことができる。
【0084】
さらに、
図5の例において、互いに隣接する同一色の副画素ラインの間において、隣接する塗布分離開口間のバンク(境界)は、Y軸に沿って見て、ずれている(千鳥配置)。これにより、塗布分離開口内の端における輝度ムラが表示領域125内でさらに視認されにくくできる。赤副画素ライン、緑副画素ライン及び青副画素ラインは代わる代わるY軸に沿って配列されているため、同一色の副画素ラインの間には、異なる2色の副画素ラインが存在する。
【0085】
隣接する同一色の副画素行の間におけるバンクのずれ量は、設計により決定される。輝度ムラを視認されにくくする観点から、一例において、隣接する同一色の副画素行の塗布分離開口間のバンクの中心は、X軸に沿って、副画素間距離以上離れている。
図5の例においては、隣接する同一色の副画素行の塗布分離開口間のバンクの中心は、X軸に沿って、副画素ピッチの3.5倍又は2.5倍の距離だけ離れている。
【0086】
なお、異なる色の塗布分離開口の形状は異なっていてもよく、同一色の塗布分離開口の形状が異なっていてもよい。例えば、赤塗布分離開口149R、緑塗布分離開口149G、青塗布分離開口149Bが収容する副画素の数は、異なっていてもよい。
【0087】
図6は、塗布分離開口内の副画素の輝度ムラ及びそれを視認されにくくする構成を説明する図である。
図6は、塗布材料分離層164内の塗布分離開口149及び画素定義層163内のPDL開口167示す平面図、平面図のA-A切断線におけるOLEDパネルの一部の断面図、有機発光膜165(発光層)の膜厚、及び副画素の輝度、を模式的に示している。
【0088】
塗布分離開口149の副画素領域491内に、PDL開口167の全体が含まれている。副画素領域491を連結する連結領域492の幅W2(Y軸に沿った寸法の最大値)は、副画素領域491の幅W1(Y軸に沿った寸法の最大値)よりも小さい。隣接する副画素行間(隣接する塗布分離開口行間)の間において、副画素領域491は、Y軸に沿って見てずれている。連結領域492の幅W2が副画素領域491の幅W1より小さいので、隣接行の塗布分離開口149から適切に分離して、連結領域492を形成することができる。
【0089】
上述のように、OLED表示装置の製造方法は、各塗布分離開口149内に有機EL発光材料インク601を塗布する。一例において、製造方法は、各副画素領域491(各PDL開口167)に液滴を吐出する。
図6に示すように、デルタナブラ配置における異なる色の副画素間の距離は、RGBストライプのような他の画素配置における距離と比較して大きい。そのため、混色リスクを低減することができる。
【0090】
副画素領域491内に吐出された有機EL発光材料インク601は、連結領域492を介して塗布分離開口149内の全体に広がる。上述のように、画素定義層163のぬれ性が高く、塗布材料分離層164のぬれ性が低いため、有機EL発光材料インク601は、塗布分離開口149内で、アノード電極162の上に適切に広がることができる。
【0091】
一つの塗布分離開口149内に複数の副画素が含まれるので、ヘッドのインク吐出量のばらつきによる有機発光膜厚のばらつきを低減できる。また、各色の副画素を複数の塗布分離開口149に分離することで、有機EL発光材料インクの乾燥に伴う副画素間の有機発光膜厚のばらつきを小さくすることができる。
【0092】
有機EL発光材料インク601が塗布分離開口149内で乾燥し、有機発光膜165が形成される。連続した有機発光膜が、塗布分離開口149内で形成されており、各副画素の有機発光膜165は塗布分離開口149内で連続する有機発光膜の一部である。各副画素の有機発光膜165は、連結領域内の同一材料の有機発光膜により連結されている。
【0093】
図6に示すように、塗布分離開口149内の両端において、有機発光膜厚が変化しやすい。そのため、塗布分離開口149内の両端の副画素の輝度は、内側の副画素の輝度よりも大きくなる傾向がある。上述のように、塗布分離開口149は、千鳥状に配置されている。そのため、塗布分離開口149内の両端の副画素の輝度ムラを視認されにくくすることができる。
【0094】
図7は、塗布材料分離層164における塗布分離開口のパターンの他の例を示す。副画素の配置は、
図5に示す例と同様に、デルタナブラ配置である。本例の塗布分離開口パターンは、複数の副画素行の副画素を収容する塗布分離開口を含む。異なる副画素行の副画素が一つの塗布分離開口内に存在することで、ヘッド間のインク吐出量のばらつき及びヘッド毎のインク吐出量のばらつきによる有機発光膜厚のばらつきを低減することができる。
【0095】
図7において、1つの赤塗布分離開口、1つの緑塗布分離開口及び1つ青塗布分離開口が、それぞれ、例として符号149R、149G及び149Bで指示されている。
図7において、同一のハッチングの塗布分離開口は、同一色の塗布分離開口を示す。同一色の複数の副画素が、各塗布分離開口内に存在している。塗布分離開口は、副画素領域と副画素領域を連結する連結領域とで構成されており、連結領域の幅は副画素領域の幅よりも小さい。各副画素(PDL開口)は、各副画素領域内に存在している。
【0096】
図7の例において、赤塗布分離開口149Rが包含する副画素の数は共通であり、それらの形状も共通である。赤塗布分離開口149Rは、隣接する2つの赤副画素行の副画素を含んでいる。具体的には、赤塗布分離開口149Rは、一つの赤副画素行の連続する6つの副画素と、隣接する赤副画素行の連続する3つの副画素を含む。
【0097】
緑塗布分離開口149Gが包含する副画素の数は共通であり、それらの形状も共通である。緑塗布分離開口149Gは、隣接する3つの緑副画素行の副画素を含んでいる。具体的には、緑塗布分離開口149Gは、一つの緑副画素行の連続する2つの副画素と、他の一つの緑副画素行の連続する2つの副画素と、これら緑副画素行に挟まれている緑副画素行の連続する5つの副画素とを含む。
【0098】
青塗布分離開口149Bが包含する副画素の数は共通であり、それらの形状も共通である。青塗布分離開口149Bは、一つの青副画素行の副画素を含んでいる。具体的には、青塗布分離開口149Bは、一つの青副画素行の連続する3つの副画素を含む。
【0099】
図7において、例として、赤副画素行、緑副画素行及び青副画素行におけるバンク(境界)が、それぞれ破線で囲まれ、符号495R、495G、495Bで指示されている。
図7の構成例において、
図5の構成例と同様に、互いに隣接する異なる色の副画素ラインの間において、隣接する塗布分離開口間のバンク(境界)は、Y軸に沿って見て、ずれている(千鳥配置)。これにより、これにより、塗布分離開口内の端における輝度ムラが表示領域125内で視認されにくくできる。
【0100】
さらに、互いに隣接する同一色の副画素ラインの間において、隣接する塗布分離開口間のバンク(境界)は、Y軸に沿って見て、ずれている(千鳥配置)。これにより、塗布分離開口内の端における輝度ムラが表示領域125内でさらに視認されにくくできる。
【0101】
図7の例において、緑塗布分離開口149Gが収容する副画素の数が最も多く、青塗布分離開口149Bが収容する副画素の数が最も少ない。緑の比視感度が最も高く、青の比視感度が最も低い。また、収容する副画素数を多くすることで、副画素間の輝度変化をより小さくすることができる。従って、緑塗布分離開口149Gが収容する副画素の数を最も多く、青塗布分離開口149Bが収容する副画素の数を最も少なくすることで、視認される輝度ムラを低減できる。赤塗布分離開口149Gの副画素収容数は、緑塗布分離開口149Gの副画素収容数以下であり、青塗布分離開口149Bの副画素収容数以上である。
【0102】
なお、各塗布分離開口149が収容する副画素の数は設計により決定され、上記構成例に限定されるものではない。同色の塗布分離開口が異なる形状を有してもよく、異なる数の副画素を収容してもよい。
【0103】
以上、本開示の実施形態を説明したが、本開示が上記の実施形態に限定されるものではない。当業者であれば、上記の実施形態の各要素を、本開示の範囲において容易に変更、追加、変換することが可能である。ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。
【符号の説明】
【0104】
10 OLED表示装置、41 副画素、42 副画素列、43 副画素行、100 TFT基板、105 データ線、106 走査線、107 エミッション制御線、108 電源線、109 リセット制御線、110 基準電圧供給線、114 カソード電極形成領域、125 表示領域、131 走査ドライバ、133 保護回路、136 デマルチプレクサ、141 支持基板、142 剥離層、143 フレキシブル基板、144 無機薄膜層、145 有機薄膜層、149 塗布分離開口、152 下地膜、155 チャネル、156 ゲート絶縁膜、157 ゲート電極、158 層間絶縁膜、159、160 ソース/ドレイン電極、161 平坦化膜、162 アノード電極、163 画素定義層、164 塗布材料分離層、165 有機発光膜、166 カソード電極、167 PDL開口、168、169 ソース/ドレイン領域、170、172 コンタクトホール、181 有機薄膜層、182 無機薄膜層、187 位相差板、188 偏光板、200 封止構造部、491 副画素領域、492 連結領域、495 バンク、601 有機EL発光材料インク、W1 副画素領域の幅、W2 連結領域の幅