(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-05
(45)【発行日】2023-09-13
(54)【発明の名称】眼科装置及び眼科装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
A61B 3/15 20060101AFI20230906BHJP
【FI】
A61B3/15
(21)【出願番号】P 2019163653
(22)【出願日】2019-09-09
【審査請求日】2022-08-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000220343
【氏名又は名称】株式会社トプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【氏名又は名称】松浦 憲三
(74)【代理人】
【識別番号】100170069
【氏名又は名称】大原 一樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128635
【氏名又は名称】松村 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100140992
【氏名又は名称】松浦 憲政
(72)【発明者】
【氏名】北村 和男
(72)【発明者】
【氏名】多々良 陽子
【審査官】小野 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-221075(JP,A)
【文献】特開2005-323712(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 3/00-3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者の被検眼の眼特性を取得するための光学系と、
前記被検眼及び前記光学系の一方に対して他方を相対移動させる相対移動機構の駆動を制御する駆動制御部と、
前記被検者の顔を互いに異なる方向から撮影する複数の撮影部と、
複数の前記撮影部が前記顔を撮影する撮影範囲を制御する撮影範囲制御部であって、且つ2以上の前記撮影部の前記撮影範囲内に前記顔の両眼を含ませる撮影範囲制御部と、
前記撮影範囲内に前記両眼を含む前記撮影部ごとに前記両眼の撮影を実行させる両眼撮影制御部と、
前記撮影部ごとに撮影された両眼撮影画像に基づき、前記両眼撮影画像ごとに前記両眼撮影画像から前記両眼の検出を行う両眼検出部と、
前記両眼検出部の検出結果に基づき、前記駆動制御部を介して前記相対移動機構を駆動して、前記被検眼に対する前記光学系の粗アライメントを行う粗アライメント制御部と、
前記撮影部ごとに前記顔のプレ撮影を実行させるプレ撮影制御部と、
前記撮影部ごとの前記プレ撮影のプレ撮影画像に基づき、前記プレ撮影画像ごとに前記プレ撮影画像から前記被検眼の検出を行うプレ被検眼検出部と、
を備え、
前記撮影範囲制御部が、前記プレ被検眼検出部の検出結果に基づき、同一の前記被検眼を含む前記プレ撮影画像の数が1以下である場合に作動して、2以上の前記撮影部の前記撮影範囲内に前記両眼を含ませる眼科装置。
【請求項2】
前記粗アライメントが完了した場合に、前記撮影部ごとに前記被検眼の撮影を実行させる被検眼撮影制御部と、
前記撮影部ごとに撮影された被検眼撮影画像に基づき、前記被検眼撮影画像ごとに前記被検眼撮影画像から前記被検眼の検出を行う被検眼検出部と、
前記被検眼検出部の検出結果に基づき、前記光学系に対する前記被検眼の相対位置を検出する相対位置検出部と、
前記相対位置検出部の検出結果に基づき、前記駆動制御部を介して前記相対移動機構を駆動して、前記被検眼に対する前記光学系の精密アライメントであって且つ前記粗アライメントよりも高精度な精密アライメントを行う精密アライメント制御部と、
を備える請求項1
に記載の眼科装置。
【請求項3】
前記撮影部ごとに前記顔のプレ撮影を実行させるプレ撮影制御部と、
前記撮影部ごとの前記プレ撮影のプレ撮影画像に基づき、前記プレ撮影画像ごとに前記プレ撮影画像から前記被検眼の検出を行うプレ被検眼検出部と、
を備え、
前記プレ被検眼検出部の検出結果に基づき同一の前記被検眼を含む前記プレ撮影画像の数が2以上である場合には、前記撮影範囲制御部が作動せず、且つ前記相対位置検出部が、前記プレ被検眼検出部の検出結果に基づき前記被検眼の相対位置を検出する請求項
2に記載の眼科装置。
【請求項4】
被検者の被検眼の眼特性を取得するための光学系と、
前記被検眼及び前記光学系の一方に対して他方を相対移動させる相対移動機構の駆動を制御する駆動制御部と、
前記被検者の顔を互いに異なる方向から撮影する複数の撮影部と、
複数の前記撮影部が前記顔を撮影する撮影範囲を制御する撮影範囲制御部であって、且つ2以上の前記撮影部の前記撮影範囲内に前記顔の両眼を含ませる撮影範囲制御部と、
前記撮影範囲内に前記両眼を含む前記撮影部ごとに前記両眼の撮影を実行させる両眼撮影制御部と、
前記撮影部ごとに撮影された両眼撮影画像に基づき、前記両眼撮影画像ごとに前記両眼撮影画像から前記両眼の検出を行う両眼検出部と、
前記両眼検出部の検出結果に基づき、前記駆動制御部を介して前記相対移動機構を駆動して、前記被検眼に対する前記光学系の粗アライメントを行う粗アライメント制御部と、
前記粗アライメントが完了した場合に、前記撮影部ごとに前記被検眼の撮影を実行させる被検眼撮影制御部と、
前記撮影部ごとに撮影された被検眼撮影画像に基づき、前記被検眼撮影画像ごとに前記被検眼撮影画像から前記被検眼の検出を行う被検眼検出部と、
前記被検眼検出部の検出結果に基づき、前記光学系に対する前記被検眼の相対位置を検出する相対位置検出部と、
前記相対位置検出部の検出結果に基づき、前記駆動制御部を介して前記相対移動機構を駆動して、前記被検眼に対する前記光学系の精密アライメントであって且つ前記粗アライメントよりも高精度な精密アライメントを行う精密アライメント制御部と、
前記撮影部ごとに前記顔のプレ撮影を実行させるプレ撮影制御部と、
前記撮影部ごとの前記プレ撮影のプレ撮影画像に基づき、前記プレ撮影画像ごとに前記プレ撮影画像から前記被検眼の検出を行うプレ被検眼検出部と、
を備え、
前記プレ被検眼検出部の検出結果に基づき同一の前記被検眼を含む前記プレ撮影画像の数が2以上である場合には、前記撮影範囲制御部が作動せず、且つ前記相対位置検出部が、前記プレ被検眼検出部の検出結果に基づき前記被検眼の相対位置を検出する眼科装置。
【請求項5】
前記撮影部ごとに画角を変化させる機能を有し、
前記撮影範囲制御部が、前記撮影部ごとの前記画角を制御する広角制御部であって、且2以上の前記撮影部の前記画角を、前記撮影範囲内に前記両眼が含まれるまで広角側に変化させる広角制御部である請求項1から4のいずれか1項に記載の眼科装置。
【請求項6】
被検者の被検眼の眼特性を取得するための光学系と、
前記被検眼及び前記光学系の一方に対して他方を相対移動させる相対移動機構の駆動を制御する駆動制御部と、
前記被検者の顔を互いに異なる方向から撮影する複数の撮影部と、
複数の前記撮影部が前記顔を撮影する撮影範囲を制御する撮影範囲制御部であって、且つ2以上の前記撮影部の前記撮影範囲内に前記顔の両眼を含ませる撮影範囲制御部と、
前記撮影範囲内に前記両眼を含む前記撮影部ごとに前記両眼の撮影を実行させる両眼撮影制御部と、
前記撮影部ごとに撮影された両眼撮影画像に基づき、前記両眼撮影画像ごとに前記両眼撮影画像から前記両眼の検出を行う両眼検出部と、
前記両眼検出部の検出結果に基づき、前記駆動制御部を介して前記相対移動機構を駆動して、前記被検眼に対する前記光学系の粗アライメントを行う粗アライメント制御部と、
前記撮影部ごとに画角を変化させる機能を有し、
前記撮影範囲制御部が、前記撮影部ごとの前記画角を制御する広角制御部であって、且2以上の前記撮影部の前記画角を、前記撮影範囲内に前記両眼が含まれるまで広角側に変化させる広角制御部である眼科装置。
【請求項7】
前記粗アライメントが完了した場合に、前記撮影部ごとに前記被検眼の撮影を実行させる被検眼撮影制御部と、
前記撮影部ごとに撮影された被検眼撮影画像に基づき、前記被検眼撮影画像ごとに前記被検眼撮影画像から前記被検眼の検出を行う被検眼検出部と、
前記被検眼検出部の検出結果に基づき、前記光学系に対する前記被検眼の相対位置を検出する相対位置検出部と、
前記相対位置検出部の検出結果に基づき、前記駆動制御部を介して前記相対移動機構を駆動して、前記被検眼に対する前記光学系の精密アライメントであって且つ前記粗アライメントよりも高精度な精密アライメントを行う精密アライメント制御部と、
前記粗アライメントが完了してから前記被検眼の撮影が開始されるまでの間に、前記撮影部ごとの前記画角を狭角側に変化させる狭角制御部と、
を備える請求項
5又は6に記載の眼科装置。
【請求項8】
複数の前記撮影部を有する複数の多眼カメラであって、且つ多眼カメラごとに前記撮影部の画角が異なる複数の多眼カメラを備え、
前記撮影範囲制御部が、複数の前記多眼カメラの中で、2以上の前記撮影部の前記撮影範囲内に前記両眼を含む前記多眼カメラを選択し、
前記両眼撮影制御部が、前記撮影範囲制御部により選択された前記多眼カメラによる前記両眼の撮影を実行させる請求項1から
7のいずれか1項に記載の眼科装置。
【請求項9】
被検者の被検眼の眼特性を取得するための光学系と、
前記被検眼及び前記光学系の一方に対して他方を相対移動させる相対移動機構の駆動を制御する駆動制御部と、
前記被検者の顔を互いに異なる方向から撮影する複数の撮影部と、
複数の前記撮影部が前記顔を撮影する撮影範囲を制御する撮影範囲制御部であって、且つ2以上の前記撮影部の前記撮影範囲内に前記顔の両眼を含ませる撮影範囲制御部と、
前記撮影範囲内に前記両眼を含む前記撮影部ごとに前記両眼の撮影を実行させる両眼撮影制御部と、
前記撮影部ごとに撮影された両眼撮影画像に基づき、前記両眼撮影画像ごとに前記両眼撮影画像から前記両眼の検出を行う両眼検出部と、
前記両眼検出部の検出結果に基づき、前記駆動制御部を介して前記相対移動機構を駆動して、前記被検眼に対する前記光学系の粗アライメントを行う粗アライメント制御部と、
複数の前記撮影部を有する複数の多眼カメラであって、且つ多眼カメラごとに前記撮影部の画角が異なる複数の多眼カメラを備え、
前記撮影範囲制御部が、複数の前記多眼カメラの中で、2以上の前記撮影部の前記撮影範囲内に前記両眼を含む前記多眼カメラを選択し、
前記両眼撮影制御部が、前記撮影範囲制御部により選択された前記多眼カメラによる前記両眼の撮影を実行させる眼科装置。
【請求項10】
前記撮影範囲制御部が、前記駆動制御部を介して前記相対移動機構を駆動して、前記一方に対して前記他方を、2以上の前記撮影部の前記撮影範囲内に前記両眼が含まれる位置まで相対移動させる請求項1から4のいずれか1項に記載の眼科装置。
【請求項11】
前記撮影範囲制御部が、前記駆動制御部を介して前記相対移動機構を駆動して、前記一方に対して前記他方を少なくとも前記被検眼と前記光学系との間の作動距離が増加する方向に相対移動させる請求項
10に記載の眼科装置。
【請求項12】
前記撮影部ごとの前記顔の撮影を同時に行う請求項1から
11のいずれか1項に記載の眼科装置。
【請求項13】
前記両眼検出部の検出結果に基づき、前記両眼の瞳孔間距離を演算する瞳孔間距離演算部を備える請求項1から
12のいずれか1項に記載の眼科装置。
【請求項14】
前記両眼検出部が前記両眼の検出に失敗した場合に、前記両眼撮影画像を表示部に表示させる表示制御部と、
前記表示制御部により前記撮影部ごとの前記両眼撮影画像が前記表示部に表示された場合に、前記表示部の表示面内で前記両眼撮影画像ごとに少なくとも前記両眼を指定する指定操作を受け付ける操作受付部と、
を備え、
前記粗アライメント制御部が、前記操作受付部により前記指定操作が受け付けられた場合には、前記指定操作に基づき、前記駆動制御部を介して前記相対移動機構を駆動して前記粗アライメントを行う請求項1から1
3のいずれか1項に記載の眼科装置。
【請求項15】
前記駆動制御部が、前記相対移動機構として、前記被検者または前記顔を移動させる被検者移動機構と、前記光学系を移動させる光学系移動機構と、の少なくとも一方の駆動を制御する請求項1から1
4のいずれか1項に記載の眼科装置。
【請求項16】
被検者の被検眼の眼特性を取得するための光学系と、前記被検眼及び前記光学系の一方に対して他方を相対移動させる相対移動機構の駆動を制御する駆動制御部と、前記被検者の顔を互いに異なる方向から撮影する複数の撮影部と、を備える眼科装置の制御方法にお
いて、
複数の前記撮影部が前記顔を撮影する撮影範囲を制御する撮影範囲制御ステップであって、且つ2以上の前記撮影部の前記撮影範囲内に前記顔の両眼を含ませる撮影範囲制御ステップと、
前記撮影範囲内に前記両眼を含む前記撮影部ごとに前記両眼の撮影を実行させる両眼撮影制御ステップと、
前記両眼撮影制御ステップで前記撮影部ごとに撮影された両眼撮影画像に基づき、前記両眼撮影画像ごとに前記両眼撮影画像から前記両眼の検出を行う両眼検出ステップと、
前記両眼検出ステップの検出結果に基づき、前記駆動制御部を介して前記相対移動機構を駆動して、前記被検眼に対する前記光学系の粗アライメントを行う粗アライメント制御ステップと、
前記撮影部ごとに前記顔のプレ撮影を実行させるプレ撮影制御ステップと、
前記撮影部ごとの前記プレ撮影のプレ撮影画像に基づき、前記プレ撮影画像ごとに前記プレ撮影画像から前記被検眼の検出を行うプレ被検眼検出ステップと、
を有し、
前記撮影範囲制御ステップで、前記プレ被検眼検出ステップの検出結果に基づき、同一の前記被検眼を含む前記プレ撮影画像の数が1以下である場合に作動して、2以上の前記撮影部の前記撮影範囲内に前記両眼を含ませる眼科装置の制御方法。
【請求項17】
前記粗アライメントが完了した場合に、前記撮影部ごとの前記被検眼の撮影を実行させる被検眼撮影制御ステップと、
前記撮影部ごとに撮影された被検眼撮影画像に基づき、前記被検眼撮影画像ごとに前記被検眼撮影画像から前記被検眼の検出を行う被検眼検出ステップと、
前記被検眼検出ステップの検出結果に基づき、前記光学系に対する前記被検眼の相対位置を検出する相対位置検出ステップと、
前記相対位置検出ステップの検出結果に基づき、前記駆動制御部を介して前記相対移動機構を駆動して、前記被検眼に対する前記光学系の精密アライメントであって且つ前記粗アライメントよりも高精度な精密アライメントを行う精密アライメント制御ステップと、
を有する請求項1
6に記載の眼科装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検眼の眼特性を取得する眼科装置及び眼科装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
眼科では、被検眼の眼屈折力、眼圧、角膜内皮細胞の数、角膜形状、眼底観察像、及び眼底断層像などの各種の眼特性の取得(測定、撮影、及び観察等)を眼科装置により行う。この場合には、取得する眼特性の精度、確度及び画質等の観点から、被検眼に対する眼科装置の光学系の位置合わせ、すなわちアライメントが極めて重要となる。このため、眼科装置では、被検眼と光学系との相対位置関係を検出し、この検出結果に基づき被検眼に対して光学系を相対移動させることにより、アライメントを自動で行う所謂フルオートアライメント(以下、単にオートアライメントという)を行うことが通常である。
【0003】
例えば、特許文献1及び特許文献2には、ステレオカメラを構成する2つのカメラで被検眼の前眼部を互いに異なる方向から同時撮影し、カメラごとの撮影画像を解析して得られた被検眼の3次元位置に基づき、被検眼に対する光学系のオートアライメントを行う眼科装置が記載されている。また、特許文献3には、単眼カメラの撮影位置を変えながら互いに異なる複数箇所でカメラによる被検眼の撮影を行い、各箇所での被検眼の撮影画像を解析して得られた被検眼の3次元位置に基づき、被検眼に対する光学系のオートアライメントを行う眼科装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-248376号公報
【文献】特開2014-200678号公報
【文献】特開2016-221075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1及び特許文献2の記載の眼科装置においてオートアライメントを行う場合には、各カメラでそれぞれ同時撮影される撮影画像に基づき、測定対象である同一の被検眼(片眼)の3次元位置を取得する。この場合には、カメラごとの撮影画像内に同一の被検眼の像が含まれている必要がある。この際に、被検眼(被検者の顔)に対して光学系の位置が大きくずれていると、カメラごとの撮影画像の少なくともいずれか1つに同一の被検眼の像が含まれないおそれがある。その結果、被検眼の3次元位置の取得に失敗して、検者がアライメントを手動操作で実行する必要が生じる。
【0006】
一方、特許文献3に記載の眼科装置のように、単眼カメラを移動させながら複数箇所でカメラによる被検眼の撮影を行う場合には、単眼カメラの移動中に生じる被検眼の回旋及び顔の微動等の影響を受けて、被検眼の3次元位置を正確に測定することができない。その結果、特許文献3に記載の眼科装置では、高精度なオートアライメントを行うことが困難である。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、アライメントの作業性の向上と高精度化とを両立可能な眼科装置及び眼科装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的を達成するための眼科装置は、被検者の被検眼の眼特性を取得するための光学系と、被検眼及び光学系の一方に対して他方を相対移動させる相対移動機構の駆動を制御する駆動制御部と、被検者の顔を互いに異なる方向から撮影する複数の撮影部と、複数の撮影部が顔を撮影する撮影範囲を制御する撮影範囲制御部であって、且つ2以上の撮影部の撮影範囲内に顔の両眼を含ませる撮影範囲制御部と、撮影範囲内に両眼を含む撮影部ごとに両眼の撮影を実行させる両眼撮影制御部と、撮影部ごとに撮影された両眼撮影画像に基づき、両眼撮影画像ごとに両眼撮影画像から両眼の検出を行う両眼検出部と、両眼検出部の検出結果に基づき、駆動制御部を介して相対移動機構を駆動して、被検眼に対する光学系の粗アライメントを行う粗アライメント制御部と、を備える。
【0009】
この眼科装置によれば、少なくとも2以上の撮影部の撮影範囲内に両眼を含ませることができるので、少なくとも2以上の撮影部ごとの撮影画像から両眼を検出して自動で粗アライメントを実行することができる。その結果、被検眼と光学系との位置ずれが発生している場合であっても粗アライメント後に精密アライメントを実行することができる。
【0010】
本発明の他の態様に係る眼科装置において、撮影部ごとに顔のプレ撮影を実行させるプレ撮影制御部と、撮影部ごとのプレ撮影のプレ撮影画像に基づき、プレ撮影画像ごとにプレ撮影画像から被検眼の検出を行うプレ被検眼検出部と、を備え、撮影範囲制御部が、プレ被検眼検出部の検出結果に基づき、同一の被検眼を含むプレ撮影画像の数が1以下である場合に作動して、2以上の撮影部の撮影範囲内に両眼を含ませる。これにより、少なくとも2以上の撮影部の撮影範囲内に両眼を含ませることができるので、少なくとも2以上の撮影部ごとの撮影画像から両眼を検出して自動で粗アライメントを実行することができる。
【0011】
本発明の他の態様に係る眼科装置において、前記粗アライメントが完了した場合に、撮影部ごとに被検眼の撮影を実行させる被検眼撮影制御部と、撮影部ごとに撮影された被検眼撮影画像に基づき、被検眼撮影画像ごとに被検眼撮影画像から被検眼の検出を行う被検眼検出部と、被検眼検出部の検出結果に基づき、光学系に対する被検眼の相対位置を検出する相対位置検出部と、相対位置検出部の検出結果に基づき、駆動制御部を介して相対移動機構を駆動して、被検眼に対する光学系の精密アライメントであって且つ粗アライメントよりも高精度な精密アライメントを行う精密アライメント制御部と、を備える。これにより、被検眼に対する光学系のアライメントを高精度に行うことができる。
【0012】
本発明の他の態様に係る眼科装置において、撮影部ごとに顔のプレ撮影を実行させるプレ撮影制御部と、撮影部ごとのプレ撮影のプレ撮影画像に基づき、プレ撮影画像ごとにプレ撮影画像から被検眼の検出を行うプレ被検眼検出部と、を備え、プレ被検眼検出部の検出結果に基づき同一の被検眼を含むプレ撮影画像の数が2以上である場合には、撮影範囲制御部が作動せず、且つ相対位置検出部が、プレ被検眼検出部の検出結果に基づき被検眼の相対位置を検出する。この場合には、粗アライメントを省略して精密アライメントを実行することができるので、アライメントの作業性を向上させることができる。
【0013】
本発明の他の態様に係る眼科装置において、撮影部ごとに画角を変化させる機能を有し、撮影範囲制御部が、撮影部ごとの画角を制御する広角制御部であって、且つ2以上の撮影部の画角を、撮影範囲内に両眼が含まれるまで広角側に変化させる広角制御部である。これにより、少なくとも2以上の撮影部の撮影範囲内に被検眼の両眼を含ませることができるので、少なくとも2以上の撮影部ごとの撮影画像から両眼を検出して自動で粗アライメントを実行することができる。
【0014】
本発明の他の態様に係る眼科装置において、粗アライメントが完了した場合に、撮影部ごとに被検眼の撮影を実行させる被検眼撮影制御部と、撮影部ごとに撮影された被検眼撮影画像に基づき、被検眼撮影画像ごとに被検眼撮影画像から被検眼の検出を行う被検眼検出部と、被検眼検出部の検出結果に基づき、光学系に対する被検眼の相対位置を検出する相対位置検出部と、相対位置検出部の検出結果に基づき、駆動制御部を介して相対移動機構を駆動して、被検眼に対する光学系の精密アライメントであって且つ粗アライメントよりも高精度な精密アライメントを行う精密アライメント制御部と、粗アライメントが完了してから被検眼の撮影が開始されるまでの間に、撮影部ごとの画角を狭角側に変化させる狭角制御部と、を備える。これにより、被検眼に対する光学系のアライメントを高精度に行うことができる。
【0015】
本発明の他の態様に係る眼科装置において、複複数の撮影部を有する複数の多眼カメラであって、且つ多眼カメラごとに撮影部の画角が異なる複数の多眼カメラを備え、撮影範囲制御部が、複数の多眼カメラの中で、2以上の撮影部の撮影範囲内に両眼を含む多眼カメラを選択し、両眼撮影制御部が、撮影範囲制御部により選択された多眼カメラによる両眼の撮影を実行させる。これにより、少なくとも2以上の撮影部ごとの撮影画像から両眼を検出して自動で粗アライメントを実行することができる。
【0016】
本発明の他の態様に係る眼科装置において、撮影範囲制御部が、駆動制御部を介して相対移動機構を駆動して、一方に対して他方を、2以上の撮影部の撮影範囲内に両眼が含まれる位置まで相対移動させる。これにより、少なくとも2以上の撮影部ごとの撮影画像から両眼を検出して自動で粗アライメントを実行することができる。
【0017】
本発明の他の態様に係る眼科装置において、撮影範囲制御部が、駆動制御部を介して相対移動機構を駆動して、一方に対して他方を少なくとも被検眼と光学系との間の作動距離が増加する方向に相対移動させる。これにより、少なくとも2以上の撮影部の撮影範囲内に被検眼の両眼を含ませることができる。
【0018】
本発明の他の態様に係る眼科装置において、撮影部ごとの顔の撮影を同時に行う。
【0019】
本発明の他の態様に係る眼科装置において、両眼検出部の検出結果に基づき、両眼の瞳孔間距離を演算する瞳孔間距離演算部を備える。これにより、瞳孔間距離の演算結果を用いて光学系による測定対象の被検眼の切替を行うことができる。
【0020】
本発明の他の態様に係る眼科装置において、両眼検出部が両眼の検出に失敗した場合に、両眼撮影画像を表示部に表示させる表示制御部と、表示制御部により撮影部ごとの両眼撮影画像が表示部に表示された場合に、表示部の表示面内で両眼撮影画像ごとに少なくとも両眼を指定する指定操作を受け付ける操作受付部と、を備え、粗アライメント制御部が、操作受付部により指定操作が受け付けられた場合には、指定操作に基づき、駆動制御部を介して相対移動機構を駆動して粗アライメントを行う。これにより、第1繰り返し制御において被検眼検出部が両眼の検出に失敗した場合においても粗アライメントを実行することができる。
【0021】
本発明の他の態様に係る眼科装置において、駆動制御部が、相対移動機構として、被検者または顔を移動させる被検者移動機構と、光学系を移動させる光学系移動機構と、の少なくとも一方の駆動を制御する。
【0022】
本発明の目的を達成するための眼科装置の制御方法は、被検者の被検眼の眼特性を取得するための光学系と、被検眼及び光学系の一方に対して他方を相対移動させる相対移動機構の駆動を制御する駆動制御部と、被検者の顔を互いに異なる方向から撮影する複数の撮影部と、を備える眼科装置の制御方法において、複数の撮影部が顔を撮影する撮影範囲を制御する撮影範囲制御ステップであって、且つ2以上の撮影部の撮影範囲内に顔の両眼を含ませる撮影範囲制御ステップと、撮影範囲内に両眼を含む撮影部ごとに両眼の撮影を実行させる両眼撮影制御ステップと、両眼撮影制御ステップで撮影部ごとに撮影された両眼撮影画像に基づき、両眼撮影画像ごとに両眼撮影画像から両眼の検出を行う両眼検出ステップと、両眼検出ステップの検出結果に基づき、駆動制御部を介して相対移動機構を駆動して、被検眼に対する光学系の粗アライメントを行う粗アライメント制御ステップと、を有する。
【0023】
本発明の他の態様に係る眼科装置の制御方法において、粗アライメントが完了した場合に、撮影部ごとの被検眼の撮影を実行させる被検眼撮影制御ステップと、撮影部ごとに撮影された被検眼撮影画像に基づき、被検眼撮影画像ごとに被検眼撮影画像から被検眼の検出を行う被検眼検出ステップと、被検眼検出ステップの検出結果に基づき、光学系に対する被検眼の相対位置を検出する相対位置検出ステップと、相対位置検出ステップの検出結果に基づき、駆動制御部を介して相対移動機構を駆動して、被検眼に対する光学系の精密アライメントであって且つ粗アライメントよりも高精度な精密アライメントを行う精密アライメント制御ステップと、を有する。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、アライメントの作業性の向上と高精度化とを両立することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図3】ズームレンズ光学系によるカメラの画角の制御を説明するための説明図である。
【
図4】第1実施形態の制御装置の機能ブロック図である。
【
図5】広角制御部による画角の切替前後のカメラごとの撮影画像の一例を示した説明図である。
【
図6】広角制御部による画角の切替前後のカメラの画角の変化を説明するための説明図である。
【
図7】カメラの広画角の変形例を説明するための説明図である。
【
図8】粗アライメント制御部による粗アライメントの前後の被検眼と測定光学系28との位置関係を説明するための説明図である。
【
図9】符号9Aは、粗アライメント後のカメラごとの両眼撮影画像の一例を示した説明図であり、符号9Bは粗アライメント後にカメラの画角を狭画角に切り替えた場合のカメラごとの被検眼撮影画像の一例を示した図である。
【
図10】瞳孔間距離演算部による瞳孔間距離の演算を説明するための説明図である。
【
図11】測定光学系による被検眼の切り替えを説明するための説明図である。
【
図12】第1実施形態の眼科装置による被検眼の眼屈折力の測定処理、特にオートアライメント処理の流れを示すフローチャートである。
【
図13】第1変形例に対応するステレオカメラの一対のカメラを説明するための説明図である。
【
図14】第2変形例に対応するステレオカメラの一対のカメラを説明するための説明図である。
【
図15】第3変形例に対応する2種類のステレオカメラを説明するための説明図である。
【
図16】第2実施形態の眼科装置の制御装置の機能ブロック図である。
【
図17】操作受付部による被検眼の両眼等の指定操作の受け付けを説明するための説明図である。
【
図18】第2実施形態の眼科装置による被検眼の眼屈折力の測定処理、特に粗アライメント処理の流れを示すフローチャートである。
【
図19】第3実施形態の眼科装置の制御装置の機能ブロック図である。
【
図20】撮影範囲制御部によるXYZ駆動機構の駆動制御を説明するための説明図である。
【
図21】第3実施形態の眼科装置による被検眼の眼屈折力の測定処理、特に粗アライメント処理の流れを示すフローチャートである。
【
図22】第3実施形態の眼科装置の変形例を説明するための説明図である。
【
図23】第3実施形態の変形例の効果を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[第1実施形態]
<眼科装置の構成>
図1は、本発明の第1実施形態の眼科装置10の概略図である。この眼科装置10は、被検者H(
図2参照)の被検眼Eの各種の眼特性の測定、観察、及び撮影等の取得(以下、単に「測定」と略す)を行う。この眼科装置10としては、眼底カメラ、OCT(Optical Coherence Tomography)、SLO(Scanning Laser Ophthalmoscope)、眼軸長計、スリットランプ、レフラクトメータ、ケラトメータ、オートケラトレフラクトメータ、トノメータ、スペキュラマイクロスコープ、及びこれらの複合機等が例として挙げられる。なお、本実施形態では、被検眼Eの眼特性として被検眼Eの眼屈折力の測定を行う眼科装置10を例に挙げて説明を行う。
【0027】
図中のX軸方向は被検者H(
図2参照)を基準とした左右方向(被検眼Eの眼幅方向)であり、Y軸方向は上下方向であり、Z軸方向は被検者Hに近づく前方向と被検者Hから遠ざかる後方向とに平行な前後方向(作動距離方向ともいう)である。
【0028】
図1に示すように、眼科装置10は、ベース12と、顔支持部14と、架台16と、測定ヘッド18と、を備える。
【0029】
ベース12は、テーブル20上に配置されている。このテーブル20は、後述の制御装置30の制御の下、Y軸方向に位置調整可能である。また、テーブル20のZ軸方向の前方向側には椅子(図示は省略)が配置されており、この椅子の座面の高さについても制御装置30の制御の下、Y軸方向に位置調整可能である。これにより、被検者Hの体格に合わせてテーブル20及び椅子の座面の高さを調整することで、被検眼Eと眼科装置10とのY軸方向の高さ位置を調整可能である。なお、テーブル20は本発明の光学系移動機構の一部を構成し、椅子は本発明の被検者移動機構の一部を構成する。
【0030】
顔支持部14は、本発明の被検者移動機構の一部を構成するものであり、測定ヘッド18のZ軸方向の前方向側の位置においてベース12と一体に設けられている。この顔支持部14は、Y軸方向に位置調整可能な顎受け14a及び額当て14bを有しており、後述の
図2に示す被検者Hの顔Hfを支持する。
【0031】
また、顔支持部14の内部には、顔支持部駆動機構14cが設けられている。顔支持部駆動機構14cは、モータ駆動機構等の公知のアクチュエータである。この顔支持部駆動機構14cは、後述の制御装置30の制御の下、顎受け14a及び額当て14bをY軸方向に移動させることで、被検眼EのY軸方向の位置を調整する。
【0032】
架台16は、ベース12上に設けられており、ベース12によりX軸方向及びZ軸方向(前後左右方向)に移動自在に支持されている。この架台16上には、測定ヘッド18及び操作レバー22が設けられている。架台16の内部には、ベース12上で架台16をX軸方向及びZ軸方向に移動させる水平移動機構と、測定ヘッド18をY軸方向に移動させる上下移動機構と、を含むXYZ駆動機構24が設けられている。XYZ駆動機構24は、モータ駆動機構等の公知のアクチュエータであり、本発明の光学系移動機構の一部を構成する。
【0033】
操作レバー22は、架台16上で且つ測定ヘッド18のZ軸方向の後方向側の位置に設けられており、測定ヘッド18をXYZ軸方向に移動させる際に操作される。例えば、操作レバー22がZ軸方向又はX軸方向に傾倒操作されると、XYZ駆動機構24により測定ヘッド18がZ軸方向又はX軸方向に移動される。また、操作レバー22がその長手軸周りに回転操作されると、その回転操作方向に応じて、XYZ駆動機構24により測定ヘッド18がY軸方向に移動される。なお、操作レバー22の頂部には、測定ヘッド18による被検眼Eの眼屈折力の測定を開始させるための測定ボタンが設けられている。
【0034】
測定ヘッド18は、被検眼Eの眼屈折力に用いられる。この測定ヘッド18のZ軸方向後方側の面には表示部26が設けられている。また、測定ヘッド18内には、被検眼Eの眼屈折力の測定に対応した測定光学系28(撮像素子、各種光源、及び各種駆動部を含む)と、制御装置30と、が設けられている。さらに、測定ヘッド18のZ軸方向の前方向側の面には、測定光学系28の一部を構成する対物レンズ28aと、ステレオカメラ32と、が設けられている。
【0035】
表示部26は、例えばタッチパネル式の液晶ディスプレイである。この表示部26は、後述の各ステレオカメラ32により取得された撮影画像34(
図2参照)、被検眼Eの眼特性の測定結果、及び測定に係る操作(設定)を行うための入力画面等を表示する。
【0036】
測定光学系28は、本発明の光学系に相当するものであり、対物レンズ28aを通して被検眼Eに対して測定光を照射し且つ被検眼Eからの測定光の戻り光を受光して、その受光信号を制御装置30へ出力する。なお、測定光学系28の構成については公知技術であるので、ここでは具体的な説明は省略する。
【0037】
制御装置30は、眼科装置10の各部の動作を統括的に制御する。例えば、制御装置30は、被検眼Eに対する測定光学系28(測定ヘッド18)のオートアライメントの制御と、測定ヘッド18による測定制御と、被検眼Eの眼屈折力の演算と、を行う。
【0038】
<ステレオカメラの構成>
図2は、ステレオカメラ32の概略図である。なお、図中の符号O1は対物レンズ28a(測定光学系28)の光軸であり、符号O2はステレオカメラ32(カメラ32a,32b)の光軸である。また、図中の符号WDは、対物レンズ28aと被検眼Eとの間のZ軸方向の作動距離である。
【0039】
図2に示すように、ステレオカメラ32は、被検眼Eに対する測定光学系28のオートアライメントに用いられる。ステレオカメラ32は、測定ヘッド18に設けられているので、この測定ヘッド18の測定光学系28と一体に移動する。すなわち、ステレオカメラ32と測定光学系28とは一体に移動可能である。
【0040】
ステレオカメラ32は、本発明の複数の撮影部に相当する左右一対のカメラ32a,32bを備えている。各カメラ32a,32bは、測定ヘッド18のZ軸方向の前方向側の面において、対物レンズ28aをその左右から挟み込むように配置されている。各カメラ32a,32bは、被検者Hの顔Hfを互いに異なる方向、本実施形態では左右方向から同時撮影(略同時撮影を含む)する。なお、各カメラ32a,32bの位置については適宜変更可能である。
【0041】
各カメラ32a,32bは、ズームレンズ光学系35と、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型又はCCD(Charge Coupled Device)型の撮像素子36と、を備える。
【0042】
図3は、ズームレンズ光学系35によるカメラ32a,32bの画角の制御を説明するための説明図である。なお、
図3中では、顔Hf(物点)を簡略化している。
【0043】
図3及び既述の
図2に示すように、ズームレンズ光学系35は、図中では簡略化して記載しているが、複数のレンズを組み合わせた光学系であり、ズームレンズを光軸O2に沿って移動させる。これにより、ズームレンズ光学系35と撮像素子36との間の焦点距離fを変化させて、カメラ32a,32bごとの画角(カメラ32a,32bによりそれぞれ撮影される撮影画像34の画角)を変化させることができる。その結果、各カメラ32a,32bが顔Hfを撮影する撮影範囲(撮影領域ともいう)、換言すると顔Hfの中で各カメラ32a,32bにより撮影される撮影範囲を変化させることができる。
【0044】
本実施形態では、後述のオートアライメントの種類に応じて、カメラ32a,32bの画角を
図3の符号3Aに示す狭画角40Aと、符号3Bに示す広画角40Bと、に切り替える。
【0045】
狭画角40Aは、広画角40Bよりも狭角側に設定された画角である。狭画角40Aのカメラ32a,32bによる顔Hfの撮影を行った場合には、顔Hf中の狭い範囲の高精細な撮影画像34が得られる。一方、広画角40Bは、狭画角40Aよりも広角側に設定された画角である。広画角40Bのカメラ32a,32bによる顔Hfの撮影を行った場合には、顔Hf及びその周辺の広範囲の低精細な撮影画像34が得られる。
【0046】
撮像素子36は、ズームレンズ光学系35を通して入射した光を撮像して撮影画像34を制御装置30へ出力する。これにより、カメラ32a,32bごとの撮影画像34が制御装置30に入力される。制御装置30は、カメラ32a,32bごとの撮影画像34に基づき被検眼Eの片眼ごとに測定光学系28に対する被検眼Eの相対位置(3次元位置)を検出し、この検出結果に基づき被検眼Eの片眼ごとに被検眼Eと測定光学系28とのオートアライメントを実行する。
【0047】
カメラ32a,32bごとの撮影画像34に基づきオートアライメントを行う場合には、カメラ32a,32bごとの撮影画像34の両者に測定対象となる同一の被検眼E(片眼)の像が含まれる必要がある。この際に、カメラ32a,32bはそれぞれ顔Hfを左右の斜め方向から撮影している。このため、例えば、X軸方向或いはY軸方向において被検眼Eに対するカメラ32a,32bの位置が設計値(基準値)から大きくずれていると、カメラ32a,32bの少なくとも一方の撮影画像34内に被検眼Eの像が含まれないおそれがある。また、作動距離WDが短い場合にも、カメラ32a,32bの少なくとも一方の撮影画像34内に被検眼Eの像が含まれないおそれがある。
【0048】
そこで本実施形態では、カメラ32a,32bによる顔Hfのプレ撮影を行い、少なくともカメラ32a,32bのいずれか一方の撮影画像34内に被検眼Eの像が含まれない場合、すなわち測定対象の被検眼Eの像を含む撮影画像34の数が1以下の場合には、オートアライメントとして粗アライメントと精密アライメントとを順番に行う。また、本実施形態では、全てのカメラ32a,32bの撮影画像34内に被検眼Eの像が含まれる場合、すなわち測定対象の被検眼Eの像を含む撮影画像34の数が2である場合には、オートアライメントとして精密アライメントのみを行う。
【0049】
プレ撮影は、後述の精密アライメント同様に、カメラ32a,32bの画角を既述の狭画角40Aに設定した状態で行われる。プレ撮影(狭画角40A)で得られたカメラ32a,32bの撮影画像34(以下、プレ撮影画像34aという)に基づき、粗アライメントの実行の有無が決定される。なお、プレ撮影画像34aの中で被検眼Eの像を含む画像は、後述の精密アライメントでカメラ32a,32bにより撮影される被検眼撮影画像34cに相当する。
【0050】
粗アライメントでは、カメラ32a,32bの画角内に顔Hfの両眼の像が含まれるようにカメラ32a,32b(撮影画像34)の画角を広画角40Bに設定した状態で顔Hf(両眼)の撮影が行われる。そして、粗アライメントでは、カメラ32a,32bによる両眼の撮影画像34(以下、両眼撮影画像34bという)に基づき、被検眼Eと測定光学系28との大まかな位置合わせを行う。この粗アライメントによって、カメラ32a,32bごとの狭画角40A内に被検眼Eが含まれる。
【0051】
精密アライメントは、粗アライメントよりも高精度なアライメントである。精密アライメントでは、カメラ32a,32bの画角を既述の狭画角40Aに設定した状態で測定対象の被検眼Eの撮影が行われる。そして、精密アライメントでは、狭画角40Aのカメラ32a,32bにより撮影された高精細な被検眼Eの撮影画像34(以下、被検眼撮影画像34cという)に基づき、被検眼Eの基準位置(例えば角膜頂点等)と測定光学系28の光軸O1とのX軸方向及びY軸方向の位置合わせを行うと共に、作動距離WDの調整を行う。
【0052】
<第1実施形態の制御装置の構成>
図4は、第1実施形態の制御装置30の機能ブロック図である。
図4に示すように、制御装置30は、各種のプロセッサ(Processor)及びメモリ等から構成された演算回路を備える。各種のプロセッサには、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、及びプログラマブル論理デバイス[例えばSPLD(Simple Programmable Logic Devices)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、及びFPGA(Field Programmable Gate Arrays)]等が含まれる。なお、制御装置30の各種機能は、1つのプロセッサにより実現されてもよいし、同種または異種の複数のプロセッサで実現されてもよい。
【0053】
また、制御装置30には、既述の顔支持部駆動機構14c、XYZ駆動機構24、表示部26、測定光学系28、及びステレオカメラ32等の他に、テーブル駆動機構44、椅子駆動機構46、及び操作部48等が接続されている。
【0054】
テーブル駆動機構44及び椅子駆動機構46は公知の各種アクチュエータである。テーブル駆動機構44は、制御装置30の制御の下、テーブル20をY軸方向に移動、すなわちテーブル20のY軸方向の位置を調整する。椅子駆動機構46は、制御装置30の制御の下、被検者Hが座る不図示の椅子の座面のY軸方向の位置を調整する。
【0055】
操作部48は、既述の操作レバー22及びタッチパネル式の表示部26の画面を含み、検者による各種の入力操作を受け付ける。なお、操作部48に、不図示のコントローラ、キーボード、及びマウス等が含まれていてもよい。
【0056】
制御装置30は、不図示の記憶回路又は記憶装置に格納されているプログラムを読み出し実行することで、表示制御部50、光学系制御部52、ステレオカメラ制御部54、駆動制御部55、プレ撮影制御部56、プレ被検眼検出部57、粗アライメント実行部60、精密アライメント実行部62、眼特性演算部64、及び瞳孔間距離演算部66として機能する。なお、制御装置30の「~部」として説明するものは「~回路」、「~装置」、又は「~機器」であってもよい。すなわち、「~部」として説明するものは、ファームウェア、ソフトウェア、及びハードウェアまたはこれらの組み合わせのいずれで構成されていてもよい。
【0057】
<表示制御部>
表示制御部50は、表示部26による表示を制御する。表示制御部50は、ステレオカメラ32から入力される撮影画像34を表示部26に表示させたり、後述の眼特性演算部64による被検眼Eの眼屈折力の演算結果を表示部26に表示させたり、検者による各種操作を受け付ける入力画面を表示部26に表示させたりする。
【0058】
<光学系制御部>
光学系制御部52は、測定光学系28を制御する。光学系制御部52は、例えば既述の精密アライメントが完了した場合、或いは操作部48にて測定開始操作が入力された場合に測定光学系28を制御して、測定光学系28による被検眼Eの眼屈折力(眼特性)の取得動作を実行させる。具体的には光学系制御部52は、眼屈折力の取得動作として、測定光学系28から被検眼Eへの測定光の照射と、測定光学系28による被検眼Eからの測定光の戻り光の受光及び受光信号の出力と、を実行させる。
【0059】
<ステレオカメラ制御部>
ステレオカメラ制御部54は、ステレオカメラ32のカメラ32a,32bの動作、例えば撮影及び画角の制御を行う。ステレオカメラ制御部54は、後述のプレ撮影制御部56、両眼撮影制御部71、及び被検眼撮影制御部77からそれぞれ指令を受けた場合に、ステレオカメラ32による顔Hf(被検眼E、両眼)の撮影を実行させる。
【0060】
また、ステレオカメラ制御部54は、後述のプレ撮影制御部56の制御の下で行う顔Hfのプレ撮影(1回目の撮影)ではカメラ32a,32bの画角を狭画角40Aに設定する。さらに、ステレオカメラ制御部54は、後述の両眼撮影制御部72の制御の下で行う顔Hf(両眼)の両眼撮影(2回目の撮影)ではカメラ32a,32bの画角を広画角40Bに設定する。さらにまた、ステレオカメラ制御部54は、後述の被検眼撮影制御部78の制御の下で行う顔Hf(被検眼E)の被検眼撮影(3回目の撮影)ではカメラ32a,32bの画角を狭画角40Aに設定する。
【0061】
カメラ32a,32bにより撮影された撮影画像34(プレ撮影画像34a、両眼撮影画像34b、及び被検眼撮影画像34c)は、ステレオカメラ制御部54を介して、後述のプレ被検眼検出部57、両眼検出部73、及び被検眼検出部79のいずれかへ出力される。
【0062】
<駆動制御部>
駆動制御部55は、XYZ駆動機構24による測定ヘッド18のXYZ軸方向の移動と、顔支持部駆動機構14cによる顎受け14a等のY軸方向の移動と、テーブル駆動機構44によるテーブル20のY軸方向の移動と、椅子駆動機構46による不図示の椅子(座面)のY軸方向の移動と、を制御する。
【0063】
<プレ撮影制御部>
プレ撮影制御部56は、操作部48にて測定開始操作が入力された場合に作動する。このプレ撮影制御部56は、ステレオカメラ制御部54を介してカメラ32a,32bのズームレンズ光学系35を駆動して、カメラ32a,32bの画角を狭画角40A(
図3の符号3A参照)に切り替える。また、プレ撮影制御部56は、ステレオカメラ制御部54を介して、狭画角40Aに設定されたカメラ32a,32bによる顔Hfのプレ撮影を実行させる。
【0064】
プレ撮影は、カメラ32a,32bの狭画角40A内に測定対象の同一の被検眼Eが含まれている否かを確認するために実行される撮影、すなわち後述の粗アライメント実行部60による粗アライメントを実行するか否かの判定に用いられる撮影である。また、プレ撮影は、カメラ32a,32bと被検眼Eとの位置関係を除けば、後述の精密アライメント時に行われる被検眼撮影と同じ条件(設定)で行われる。カメラ32a,32bによりプレ撮影された顔Hfのプレ撮影画像34aは、ステレオカメラ制御部54を介してプレ被検眼検出部57へ出力される。
【0065】
<プレ被検眼検出部>
プレ被検眼検出部57は、プレ撮影制御部56からカメラ32a,32bごとのプレ撮影画像34aが入力された場合に作動する。このプレ被検眼検出部57は、カメラ32a,32bごとのプレ撮影画像34aに基づき、画像解析を行ってプレ撮影画像34aごとにプレ撮影画像34a内から測定対象の被検眼Eの検出(被検眼Eの有無及び位置等の検出)を行う。なお、画像解析により画像内から被検眼Eを検出する方法は公知技術であるので、ここでは具体的な説明は省略する。そして、プレ被検眼検出部57は、プレ撮影画像34aごとの被検眼Eの検出結果を、粗アライメント実行部60と精密アライメント実行部62とにそれぞれ出力する。
【0066】
<粗アライメント実行部>
粗アライメント実行部60は、プレ被検眼検出部57の検出結果に基づき、カメラ32a,32bごとのプレ撮影画像34aがそれぞれ測定対象の被検眼Eを含む画像、すなわち被検眼撮影画像34cであるか否かを判定して、被検眼撮影画像34cの数が1以下である場合に作動して、粗アライメントを実行する。この粗アライメント実行部60は、広角制御部70、両眼撮影制御部72、両眼検出部73、及び粗アライメント制御部74として機能する。
【0067】
図5は、広角制御部70による画角の切替前後のカメラ32a,32bごとの撮影画像34の一例を示した説明図である。
図6は、広角制御部70による画角の切替前後のカメラ32a,32bの画角の変化を説明するための説明図である。ここで、
図5の符号5A及び
図6の符号6Aは、広角制御部70による画角の切替前のカメラ32a,32bごとの撮影画像34及び画角の一例である。また、
図5の符号5B及び
図6の符号6Bは、広角制御部70による画角の切替後のカメラ32a,32bごとの撮影画像34及び画角の一例である。なお、
図5及び
図6では被検者Hの右眼(
図6中ではドット表示)を被検眼Eとしている。
【0068】
図5、
図6、及び既述の
図4に示すように、広角制御部70は、本発明の撮影範囲制御部に相当する。この広角制御部70は、ステレオカメラ制御部54を介してカメラ32a,32bのズームレンズ光学系35を駆動して、カメラ32a,32bの画角を狭角側の狭画角40A(
図6の符号6A参照)から広角側の広画角40B(
図6の符号6B参照)に切り替える。
【0069】
ここで広画角40Bは、XYZ軸方向の各方向において被検眼Eと測定光学系28との位置ずれが大きい場合でも、カメラ32a,32bの画角内に顔Hfの両眼が含まれる値に設定されている。なお、被検者Hは眼科装置10の前方側に座り、且つその顔Hfは顔支持部14で支持されるため、両眼が存在する範囲は予測可能である。このため、広画角40Bは、予め実験又はシミュレーション等を行うことにより定められる。これにより、カメラ32a,32bの画角を広画角40Bに切り替えることで、カメラ32a,32bによる撮影範囲内に両眼を含ませることができる。
【0070】
図7は、カメラ32a,32bの広画角40Bの変形例を説明するための説明図である。なお、
図7の符号7Aは、広角制御部70による画角の切替前のカメラ32a,32bごとの撮影画像34の一例であり、
図7の符号7Bは、広角制御部70による画角の切替後のカメラ32a,32bごとの撮影画像34の一例である。
【0071】
図7に示すように、広画角40Bを、既述の
図5の符号5B及び
図6の符号6Bに示した状態よりも広角側に設定してもよい。この場合の広画角40Bは、カメラ32a,32bごとの撮影範囲内に顔Hfの両眼と、顔Hfの顎及びその周辺と、が含まれる画角である。これにより、第1繰り返し制御でカメラ32a,32bごと撮影された撮影画像34に基づき、顔Hfが顔支持部14で支持されている否かを判別可能になる。
【0072】
両眼撮影制御部72は、広角制御部70がカメラ32a,32bの画角を変化させた場合に、ステレオカメラ制御部54を制御して、カメラ32a,32bによる顔Hfの両眼の撮影である両眼撮影を実行させる。これにより、カメラ32a,32bごとに両眼を撮影した両眼撮影画像34bが両眼検出部73へ出力される。
【0073】
両眼検出部73は、カメラ32a,32bごとに入力される両眼撮影画像34bに基づき、既述のプレ被検眼検出部57と同様に画像解析を行って、両眼撮影画像34bごとに両眼撮影画像34b内から顔Hfの両眼の検出(両眼の位置等の検出)を行う。そして、両眼検出部73は、両眼撮影画像34bごとの両眼の検出結果を粗アライメント制御部74へ出力する。
【0074】
なお、両眼検出部73による両眼の検出は、広画角40Bのカメラ32a,32bにより撮影された顔Hfの両眼周辺の低精細な両眼撮影画像34bに基づき実行される。また、各両眼撮影画像34bには収差が含まれている。このため、両眼検出部73による両眼の検出精度は、仮に上述の収差を画像処理により補正した場合であっても、後述の精密アライメント時における被検眼検出部79による被検眼Eの検出精度よりも劣る。
【0075】
図8は、粗アライメント制御部74による粗アライメントの前後の被検眼Eと測定光学系28(測定ヘッド18)との位置関係を説明するための説明図である。ここで、
図8の符号8Aは粗アライメント前の被検眼Eと測定光学系28との位置関係の一例を示したものであり、
図8の符号8Bは粗アライメント後の被検眼Eと測定光学系28との位置関係の一例を示したものである。
【0076】
図8及び既述の
図4に示すように、粗アライメント制御部74は、両眼検出部73から入力される両眼撮影画像34bごとの両眼の検出結果に基づき、駆動制御部55を介してXYZ駆動機構24を駆動して、被検眼Eに対する測定光学系28の粗アライメントを行うことで、被検眼Eと測定光学系28との大まかな位置合わせを実行する。
【0077】
このように粗アライメントは、両眼検出部73の検出結果、すなわちカメラ32a,32bのごとの両眼撮影画像34b(広角画像)に基づき実行される。ここで各両眼撮影画像34bにおいて、被検眼Eを含む被検眼Eの像は、瞳孔がやや大きい黒い点のようになっている。このため、粗アライメントは、従来の狭角画像内の瞳孔の輪郭及び瞳孔内の輝点を検出するようなアライメント技術とは大きく異なる。
【0078】
粗アライメントの方法としては、以下の第1の方法及び第2の方法が例として挙げられる。
【0079】
第1の方法として、粗アライメント制御部74は、両眼検出部73の検出結果に基づき、例えば上記特許文献1,2に記載の公知の手法で測定光学系28に対する両眼の相対位置(3次元位置)を検出する。次いで、粗アライメント制御部74は、両眼の相対位置の検出結果に基づき、XYZ駆動機構24を駆動して、被検眼Eに対する測定光学系28の粗アライメントを行う。
【0080】
第2の方法として、粗アライメント制御部74は、両眼検出部73の検出結果に基づき、両眼撮影画像34bごとに被検眼Eの像が画像中央部付近に移動するように、XYZ駆動機構24を駆動して、X軸方向及びY軸方向の粗アライメントを行う。また、粗アライメント制御部74は、両眼検出部73の検出結果に基づき、各両眼撮影画像34b内での被検眼Eの像が所定の大きさ以上になるようにXYZ駆動機構24を駆動して、Z軸方向の粗アライメントを行う。
【0081】
図9の符号9Aは、粗アライメント後のカメラ32a,32bごとの両眼撮影画像34bの一例を示した説明図であり、符号9Bは粗アライメント後にカメラ32a,32bの画角を狭画角40Aに切り替えた場合のカメラ32a,32bごとの被検眼撮影画像34cの一例を示した図である。なお、
図9の符号9Aでは点線枠内の被検眼Eが被検眼Eとなる。
【0082】
図9の符号9Aに示すように、粗アライメントを実行することで、被検眼Eと測定光学系28とのXYZ軸方向における位置ずれが1回目の撮影時からある程度は補正される。これにより、カメラ32a,32bの狭画角40A内に被検眼Eが含まれる。その結果、
図9の符号9Bに示すように、後述の精密アライメント時においてカメラ32a,32bの画角を広画角40Bから狭画角40Aに切り替えた場合に、カメラ32a,32bごとに被検眼Eの拡大像である被検眼撮影画像34cが得られる。
【0083】
<精密アライメント実行部>
図4に戻って、精密アライメント実行部62は、粗アライメントが完了した場合、或いは粗アライメント実行部60が作動しない場合(プレ被検眼検出部57の検出結果に基づき被検眼撮影画像34cの数が2つである場合)に作動して、精密アライメントを実行する。この精密アライメント実行部62は、粗アライメントが完了した場合には、狭角制御部76、被検眼撮影制御部78、被検眼検出部79、相対位置検出部80、及び精密アライメント制御部82として機能する。
【0084】
狭角制御部76は、ステレオカメラ制御部54を介してカメラ32a,32bのズームレンズ光学系35を駆動して、カメラ32a,32bの画角を広画角40Bから狭画角40Aに切り替える。これにより、既述の
図9の符号9Bに示したように、カメラ32a,32bによって、顔Hfの中で被検眼Eを含む狭い領域内の高精細な被検眼撮影画像34c、すなわち被検眼Eの高精細な拡大像が撮影される。
【0085】
被検眼撮影制御部78は、狭角制御部76がカメラ32a,32bの画角(撮影範囲)を変化させた場合に、ステレオカメラ制御部54を制御して、カメラ32a,32bによる顔Hfの被検眼Eの撮影である被検眼撮影を実行させる。これにより、カメラ32a,32bごとに被検眼Eを撮影した被検眼撮影画像34cが被検眼検出部79へ出力される。
【0086】
被検眼検出部79は、カメラ32a,32bごとに入力される被検眼撮影画像34cに基づき、既述のプレ被検眼検出部57と同様に画像解析を行って、被検眼撮影画像34cごとに被検眼撮影画像34c内から被検眼E(被検眼Eの位置等の検出)を行う。そして、被検眼検出部79は、被検眼撮影画像34cごとの被検眼Eの検出結果を相対位置検出部80へ出力する。
【0087】
ここで、被検眼検出部79による被検眼Eの検出は、狭画角40Aのカメラ32a,32bにより撮影された被検眼Eの周辺の高精細な被検眼撮影画像34cに基づき実行される。このため、被検眼検出部79は、既述の粗アライメント時よりも高い精度で被検眼Eの検出を行うことができる。
【0088】
相対位置検出部80は、被検眼検出部79の検出結果に基づき、上記特許文献1,2等に記載の公知の手法で測定光学系28に対する被検眼Eの相対位置(3次元位置)を検出する。第2繰り返し制御での被検眼検出部79による被検眼Eの検出精度は高いので、相対位置検出部80による相対位置の検出も高精度に行うことができる。
【0089】
精密アライメント制御部82は、相対位置検出部80による被検眼Eの相対位置の検出結果に基づき、駆動制御部55を介してXYZ駆動機構24を駆動して、被検眼Eに対する測定光学系28の精密アライメントを行う。これにより、被検眼Eに対して測定光学系28を高精度にアライメントすることができる。
【0090】
なお、精密アライメント実行部62は、粗アライメント実行部60が作動しない場合(カメラ32a,32bごとのプレ撮影画像34aが被検眼撮影画像34cである場合)には、相対位置検出部80及び精密アライメント制御部82として機能する。これにより、相対位置検出部80が、カメラ32a,32bによるプレ撮影で得られたプレ撮影画像34a、すなわち被検眼撮影画像34cに基づき被検眼Eの相対位置の検出を行う。また、精密アライメント制御部82が、相対位置検出部80による検出結果に基づき、駆動制御部55を介してXYZ駆動機構24を駆動して精密アライメントを実行する。
【0091】
<眼特性演算部>
眼特性演算部64は、測定光学系28から出力される受光信号に基づき、公知の手法で被検眼Eの眼屈折力を演算する。また、眼特性演算部64は、表示制御部50を介して表示部26に眼屈折力の演算結果を表示させると共に、不図示の記憶部に眼屈折力の演算結果を記憶させる。
【0092】
<瞳孔間距離演算部>
図10は、瞳孔間距離演算部66による瞳孔間距離PDの演算を説明するための説明図である。
図11は、測定光学系28による被検眼Eの切り替えを説明するための説明図である。
【0093】
図10に示すように、瞳孔間距離演算部66は、両眼検出部73による両眼の検出結果と、既知のカメラ32a,32bの撮影倍率及び撮影方向と、に基づき、両眼の瞳孔間距離PDを演算する。この瞳孔間距離PDは、例えば、測定光学系28による被検眼Eの一方の眼屈折力の取得動作が完了した場合に、被検眼Eの他方と測定光学系28との精密アライメントに用いることができる。
【0094】
図11の符号XIAに示すように、粗アライメント制御部74は、測定光学系28による被検眼Eの一方の眼屈折力の取得が完了すると、瞳孔間距離演算部66による瞳孔間距離PDの演算結果に基づきXYZ駆動機構24を駆動して、符号XIBに示すように、被検眼Eの他方に対する測定光学系28の粗アライメントを行う。次いで、精密アライメント実行部62の各部が作動することにより、被検眼Eの他方に対する測定光学系28の精密アライメントが実行される。
【0095】
<第1実施形態の作用>
図12は、第1実施形態の眼科装置10による被検眼Eの眼屈折力の測定処理、特に本発明の眼科装置の制御方法に係るオートアライメント処理の流れを示すフローチャートである。なお、カメラ32a,32bの画角は初期状態では狭画角40Aに設定されている。
【0096】
図12に示すように、被検者Hの顔Hfが顔支持部14により支持されると、検者は操作部48に対して測定開始操作を入力する。この測定開始操作の入力を受けて、プレ撮影制御部56がステレオカメラ制御部54を介してカメラ32a,32bを制御して、カメラ32a,32bによるプレ撮影を実行させる(ステップS1)。これにより、プレ被検眼検出部57が、カメラ32a,32bからステレオカメラ制御部54を介してプレ撮影画像34aを取得する(ステップS2)。
【0097】
カメラ32a,32bごとのプレ撮影画像34aを取得したプレ被検眼検出部57は、各撮影画像34の画像解析を個別に行って、プレ撮影画像34aごとに被検眼Eの検出を開始する(ステップS3)。そして、カメラ32a,32bごとのプレ撮影画像34aの中でプレ被検眼検出部57が検出した被検眼撮影画像34cの数が「2」である場合、すなわち全てのプレ撮影画像34aに被検眼Eが含まれている場合には、後述のステップS12に進む(ステップS4でNO)。
【0098】
一方、プレ被検眼検出部57により検出された被検眼撮影画像34cの数が1以下である場合には、粗アライメント実行部60の各部(広角制御部70、両眼撮影制御部72、両眼検出部73、及び粗アライメント制御部74)が作動する(ステップS4でYES)。
【0099】
最初に広角制御部70が、ステレオカメラ制御部54を介してカメラ32a,32bのズームレンズ光学系35を駆動して、カメラ32a,32bの画角を狭画角40Aから広画角40Bに切り替える(ステップS5、本発明の撮影範囲制御ステップに相当)。これにより、カメラ32a,32bごとの撮影範囲が広がるため、個々の撮影範囲内に少なくとも顔Hfの両眼を含ませることができる(
図5から
図7参照)。
【0100】
次いで、両眼撮影制御部72が、ステレオカメラ制御部54を制御して、カメラ32a,32bによる両眼撮影を実行させる(ステップS6、本発明の両眼撮影制御ステップに相当)。これにより、カメラ32a,32bによる両眼撮影画像34bの取得と両眼検出部73へのカメラ32a,32bごとの両眼撮影画像34bの入力とが実行される。
【0101】
カメラ32a,32bごとの両眼撮影画像34bの入力を受けた両眼検出部73は、両眼撮影画像34bごとに両眼検出を行うと共に、両眼撮影画像34bごとの両眼の検出結果を粗アライメント制御部74へ出力する(ステップS7、本発明の両眼検出ステップに相当)。カメラ32a,32bによる両眼撮影は、画角を広画角40Bに設定した状態で行われるので、両眼検出部73は、カメラ32a,32bごとの両眼撮影画像34bの全てから両眼を検出することができる。
【0102】
そして、粗アライメント制御部74が、両眼検出部73から入力された両眼撮影画像34bごとの両眼検出結果に基づき、駆動制御部55を介してXYZ駆動機構24を駆動して、既述の
図8に示したように被検眼Eに対する測定光学系28の粗アライメントを行う(ステップS8、本発明の粗アライメント制御ステップに相当)。これにより、被検眼Eと測定光学系28との位置ずれの補正(位置関係の調整)を行うことができる。
【0103】
粗アライメントが完了すると、精密アライメント実行部62の各部(狭角制御部76、被検眼撮影制御部78、被検眼検出部79、相対位置検出部80、及び精密アライメント制御部82)が作動する。
【0104】
最初に、狭角制御部76が、ステレオカメラ制御部54を介してカメラ32a,32bのズームレンズ光学系35を駆動して、カメラ32a,32bの画角を広画角40Bから狭画角40Aに切り替える(ステップS9)。粗アライメントを予め実行しているので、カメラ32a,32bにより被検眼Eの高精細な被検眼撮影画像34cを撮影することができる。
【0105】
次いで、被検眼撮影制御部78は、ステレオカメラ制御部54を制御して、カメラ32a,32bによる被検眼撮影を実行させる(ステップS10、本発明の被検眼撮影制御ステップに相当)。これにより、カメラ32a,32bによる被検眼撮影画像34cの取得と被検眼検出部79へのカメラ32a,32bごとの被検眼撮影画像34cの入力とが実行される。
【0106】
カメラ32a,32bごとの被検眼撮影画像34cの入力を受けた被検眼検出部79は、被検眼撮影画像34cごとに被検眼検出を行うと共に、被検眼撮影画像34cごとの被検眼Eの検出結果を相対位置検出部80へ出力する(ステップS11、本発明の被検眼検出ステップに相当)。予め粗アライメントが実行されているため、狭画角40Aのカメラ32a,32bにより撮影された被検眼撮影画像34cの全てから被検眼Eの高精細な拡大像を検出することができる。その結果、精密アライメントの実行が可能になる。
【0107】
そして、相対位置検出部80が、被検眼検出部79から入力された被検眼撮影画像34cごとの被検眼Eの検出結果に基づき、測定光学系28に対する被検眼Eの相対位置を検出する(ステップS12、本発明の相対位置検出ステップに相当)。次いで、相対位置検出部80の検出結果に基づき、精密アライメント制御部82が、駆動制御部55を介してXYZ駆動機構24を駆動して、被検眼Eに対する測定光学系28の精密アライメントを行う(ステップS13、本発明の精密アライメント制御ステップに相当)。これにより、被検眼Eに対して測定光学系28を高精度にアライメントすることができる。
【0108】
なお、既述のステップS4でNOであった場合には、ステップS2の1回目の撮影で得られたカメラ32a,32bごとのプレ撮影画像34a(被検眼撮影画像34cに相当)に基づき、ステップS12及びステップS13の処理が実行される。
【0109】
精密アライメントが完了すると、光学系制御部52が測定光学系28を制御して、測定光学系28による被検眼Eの眼屈折力の取得動作を実行させる(ステップS14)。これにより、測定光学系28から被検眼Eへの測定光の照射と、測定光学系28による被検眼Eからの戻り光の受光及び眼特性演算部64への受光信号の出力と、が実行される。次いで、眼特性演算部64が、測定光学系28から入力された受光信号に基づき、被検眼Eの眼屈折力を演算する(ステップS15)。
【0110】
被検眼Eの一方の眼屈折力の測定が完了すると、瞳孔間距離演算部66が、両眼検出部73の検出結果等に基づき、両眼の瞳孔間距離PDを演算する(ステップS15でNO、ステップS16)。なお、瞳孔間距離演算部66による瞳孔間距離PDの演算のタイミングは、ステップS7以降であれば特に限定はされない。
【0111】
次いで、粗アライメント制御部74が、瞳孔間距離演算部66による瞳孔間距離PDの演算結果に基づき、XYZ駆動機構24を駆動して、被検眼Eの他方に対する測定光学系28の粗アライメントを行う(ステップS17)。以下、ステップS10からステップS14の処理(精密アライメント及び眼屈折力の演算)が繰り返し実行され、被検眼Eの両眼の眼屈折力の測定が完了する(ステップS15でYES)。
【0112】
[第1実施形態の効果]
以上のように第1実施形態では、広画角40Bのカメラ32a,32bにより顔Hfの撮影を行うことで、カメラ32a,32bごとの両眼撮影画像34bから被検眼Eを含む両眼を確実に検出することができる。カメラ32a,32bの少なくとも一方の狭画角40A内に被検眼Eが存在していない場合でも、粗アライメントを経て精密アライメントを自動で実行することができる。これにより、検者がアライメントを手動操作で実行する必要がなくなる。また、ステレオカメラ32を用いて被検眼E及び両眼の同時撮影を行うことで、被検眼Eの回旋及び顔Hfの微動の影響を受けることなく、被検眼Eの相対位置を検出することができる。さらに、粗アライメント実行時に撮影される撮影画像34に基づき被検眼Eの両眼の位置を把握した後で精密アライメントを片眼ずつ行うことができるので、精密アライメントを効率よく実行することができる。その結果、第1実施形態では、アライメントの作業性の向上と高精度化とを両立させることができる。
【0113】
また、第1実施形態では、粗アライメント後に狭画角40Aのカメラ32a,32bにより撮影された撮影画像34に基づき精密アライメントを実行するので、アライメントをより高精度に実行することができる。
【0114】
[第1実施形態のステレオカメラの変形例]
次に、第1実施形態の眼科装置10の第1変形例、第2変形例、及び第3変形例について説明を行う。なお、各変形例は、ステレオカメラ32の種類が異なる点を除けば上記第1実施形態の眼科装置10と基本的に同じ構成であるので、上記第1実施形態と機能又は構成上同一のものについては同一符号を付してその説明は省略する。
【0115】
<第1変形例>
図13は、第1変形例に対応するステレオカメラ32の一対のカメラ32a,32bを説明するための説明図である。
図13に示すように、第1変形例のステレオカメラ32のカメラ32a,32bは、既述のズームレンズ光学系35の代わりに、レンズ系92及び液体レンズ94を備える。
【0116】
レンズ系92は、図中では簡略化して記載しているが、対物レンズを含む複数のレンズを組み合わせた光学系である。
【0117】
液体レンズ94は、電圧印加により形状を変形可能なレンズである。なお、液体レンズ94の詳細については公知技術であるので、ここでは具体的な説明は省略する。液体レンズ94の形状を変形させることで焦点距離f(
図3参照)が変化し、この焦点距離fの変化に応じてカメラ32a,32bの画角を変化させることができる。
【0118】
第1変形例のステレオカメラ制御部54は、上記第1実施形態と同様にカメラ32a,32bの撮影の制御を行う他に、液体レンズ94の形状の制御を行う。このステレオカメラ制御部54は、
図13の符号XIIIAに示すようにプレ撮影では、プレ撮影制御部56の制御の下、カメラ32a,32bの画角が狭画角40Aとなるように液体レンズ94の形状を制御する。
【0119】
また、ステレオカメラ制御部54は、
図13の符号XIIIBに示すように両眼撮影では、広角制御部70の制御の下、カメラ32a,32bの画角が広画角40Bとなるように液体レンズ94の形状を制御する。さらに、ステレオカメラ制御部54は、被検眼撮影では、狭角制御部76の制御の下、カメラ32a,32bの画角が狭画角40Aとなるように、液体レンズ94の形状を制御する(符号XIIIA参照)。
【0120】
このように第1変形例では、液体レンズ94の形状を変形させることでカメラ32a,32bの画角を狭画角40Aと広画角40Bとに切り替えることができるので、上記第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0121】
<第2変形例>
図14は、第2変形例に対応するステレオカメラ32の一対のカメラ32a,32bを説明するための説明図である。
図14に示すように、第2変形例のステレオカメラ32のカメラ32a,32bは、ズームレンズ光学系35の代わりに、レンズ系96と移動レンズ98とレンズ移動機構100とを備える。
【0122】
レンズ系96は、第1変形例のレンズ系92と同様に、対物レンズを含む複数のレンズを組み合わせた光学系である。
【0123】
移動レンズ98は、レンズ移動機構100により、光軸O2上で且つレンズ系96と撮像素子36との間に位置するセット位置と、このセット位置から光軸O2に対して垂直方向に退避した退避位置と、に移動自在に保持されている。
【0124】
レンズ移動機構100は、公知のアクチュエータであり、移動レンズ98をセット位置と退避位置とに選択的に移動させる。移動レンズ98を光軸O2上のセット位置に移動させたり、光軸O2から外れた退避位置に移動させたりすることで、カメラ32a,32bの画角を切り替えることができる。
【0125】
具体的には第2変形例では、移動レンズ98を退避位置に移動させるとカメラ32a,32bの画角が狭画角40Aに切り替わり(
図14の符号XIVA参照)、且つ移動レンズ98をセット位置に移動させるとカメラ32a,32bの画角が広画角40Bに切り替わる(
図14の符号XIVB参照)。なお、狭画角40A及び広画角40Bについては、レンズ系92及び移動レンズ98の種類及び配置により決定される。
【0126】
第2変形例のステレオカメラ制御部54は、上記第1実施形態と同様にステレオカメラ32(カメラ32a,32b)の撮影の制御を行う他に、レンズ移動機構100の駆動を制御する。このステレオカメラ制御部54は、プレ撮影を行う場合には、プレ撮影制御部56の制御の下、レンズ移動機構100を駆動して移動レンズ98を退避位置に移動させることで、カメラ32a,32bの画角を狭画角40Aに切り替える(符号XIVA参照)。
【0127】
また、ステレオカメラ制御部54は、両眼撮影を行う場合には、広角制御部70の制御の下、レンズ移動機構100を駆動して移動レンズ98をセット位置に移動させることで、カメラ32a,32bの画角を広画角40Bに切り替える(符号XIVB参照)。さらに、ステレオカメラ制御部54は、被検眼撮影を行う場合には、狭角制御部76の制御の下、レンズ移動機構100を駆動して移動レンズ98を退避位置に移動させることで、カメラ32a,32bの画角を狭画角40Aに切り替える(符号XIVA参照)。
【0128】
このように第2変形例では、移動レンズ98の位置を退避位置とセット位置とに切り替えることにより、カメラ32a,32bの画角を狭画角40Aと広画角40Bとに切り替えることができるため、上記第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0129】
<第3変形例>
図15は、第3変形例に対応する2種類のステレオカメラ32N,32Wを説明するための説明図である。
図15に示すように、第3変形例は、互いに画角が異なる2種類のステレオカメラ32N,32Wを備える。
【0130】
ステレオカメラ32Nは、左右一対のカメラ32a1,32b1を備える。カメラ32a1,32b1は、光軸O2Aを有するレンズ系102Aと、撮像素子36と、を備える。レンズ系102Aは、カメラ32a1,32b1の画角が狭画角40A(
図3の符号3A参照)となるように位置調整されている。これにより、カメラ32a1,32b1は、狭画角40Aで顔Hfの撮影を行う。
【0131】
ステレオカメラ32Wは、左右一対のカメラ32a2,32b2を備える。カメラ32a2,32b2は、光軸O2Bを有するレンズ系102Bと、撮像素子36と、を備える。レンズ系102Bは、カメラ32a2,32b2の画角が広画角40B(
図3の符号3B参照)となるように位置調整されている。これにより、カメラ32a2,32b2は、広画角40Bで顔Hfの撮影を行う。
【0132】
第3変形例のステレオカメラ制御部54は、本発明の多眼カメラ制御部として機能し、2種類のステレオカメラ32N,32Wによる撮影を制御、すなわち2種類のステレオカメラ32N,32Wを選択的に作動させる。このステレオカメラ制御部54は、プレ撮影を行う場合には、プレ撮影制御部56の制御の下、ステレオカメラ32Nを作動させて、狭画角40Aのカメラ32a1,32b1による顔Hfの撮影を実行させる。
【0133】
また、ステレオカメラ制御部54は、両眼撮影を行う場合には、広角制御部70の制御の下、ステレオカメラ32Wを作動させて、広画角40Bのカメラ32a2,32b2による顔Hfの両眼の撮影を実行させる。さらに、ステレオカメラ制御部54は、被検眼撮影を行う場合には、狭角制御部76の制御の下、ステレオカメラ32Nを作動させて、狭画角40Aのカメラ32a1,32b1による顔Hfの被検眼Eの撮影を実行させる。
【0134】
このように第3変形例では、2種類のステレオカメラ32N,32Wを選択的に作動させることで、狭画角40Aでのステレオ撮影と広画角40Bでのステレオ撮影とを切り替えることができる。これにより、上記第1実施形態と同様の効果が得られる。また、ステレオカメラ32N,32Wごとに最適な配置が可能となる。
【0135】
[第2実施形態]
図16は、第2実施形態の眼科装置10の制御装置30の機能ブロック図である。上記第1実施形態(各変形例を含む)の眼科装置10では、既述の両眼検出部73による検出結果に基づき粗アライメントを実行しているが、何らかの原因により両眼検出部73による両眼の検出に失敗する場合もある。
【0136】
そこで、第2実施形態の眼科装置10は、両眼検出部73による両眼検出に失敗した場合でも、粗アライメントを実行可能な機能を有している。なお、第2実施形態の眼科装置10は、第1実施形態の眼科装置10と基本的に同じ構成であるので、上記第1実施形態と機能又は構成上同一のものについては同一符号を付してその説明は省略する。
【0137】
図16に示すように、第2実施形態の制御装置30は、操作受付部110として機能する点を除けば、上記第1実施形態と基本的に同じ構成である。
【0138】
なお、第2実施形態の表示制御部50は、両眼検出部73が両眼検出に失敗した場合に、カメラ32a,32bごとの両眼撮影画像34bを表示部26に表示させる(
図17参照)。
【0139】
図17は、操作受付部110による被検眼Eの両眼の指定操作の受け付けを説明するための説明図である。
図17及び既述の
図16に示すように、操作受付部110は、両眼検出部73による両眼検出の失敗に応じてカメラ32a,32bごとの両眼撮影画像34bが表示部26に表示された場合に作動する。この操作受付部110は、検者が操作部48を介して入力した指定操作を受け付ける。
【0140】
指定操作は、検者が表示部26の表示面内で両眼撮影画像34bごとに少なくとも両眼を指定する操作である(
図17の符号XVIIA参照)。なお、本実施形態の指定操作では、両眼の他に顔Hfの顎の指定も行う。
【0141】
具体的には、検者が表示部26の表示面内で顔Hfの両眼及び顎に対応する位置を、指115によるタッチ操作で指定する。なお、検者は、コントローラ、マウス、及びキーボード等を用いて両眼等を指定してもよい。操作受付部110は、指定操作により撮影画像34ごとに指定された両眼及び顎の各指定位置120の位置座標を、粗アライメント制御部74へ出力する(
図17の符号XVIIB参照)。
【0142】
第2実施形態の粗アライメント制御部74は、両眼検出部73による両眼検出が失敗した場合には、操作受付部110から入力される各指定位置120の位置座標に基づき、XYZ駆動機構24を駆動して、被検眼Eに対する測定光学系28の粗アライメントを行う。
【0143】
図18は、第2実施形態の眼科装置10による被検眼Eの眼屈折力の測定処理、特に粗アライメント処理の流れを示すフローチャートである。なお、ステップS1からステップS7までの処理は、既述の
図12に示した第1実施形態と同じであるので具体的な説明は省略する。
【0144】
図18に示すように、両眼検出部73による両眼検出が失敗すると(ステップS7AでYES)、表示制御部50が、既述の
図17に示したようにステップS6で撮影されたカメラ32a,32bごとの両眼撮影画像34bを表示部26に表示させる(ステップS7B)。
【0145】
次いで、検者は、操作部48を介して、表示部26の表示面内で両眼撮影画像34bごとに被検眼Eの両眼と顎とを指定する指定操作を行う。これにより、操作受付部110が、操作部48に入力された検者の指定操作を受け付けて、両眼撮影画像34bごとに両眼及び顎の各指定位置120の位置座標を粗アライメント制御部74へ出力する(ステップS7C)。
【0146】
次いで、粗アライメント制御部74が、操作受付部110から入力される各指定位置120の位置座標に基づき、XYZ駆動機構24を駆動して、被検眼Eに対する測定光学系28の粗アライメントを行う(ステップS8)。なお、これ以降の処理は、第1実施形態(
図12参照)と同じであるので具体的な説明は省略する。
【0147】
以上のように第2実施形態では、両眼検出部73による両眼検出が失敗した場合においても、検者が、表示部26の表示面上で両眼撮影画像34bごとに少なくとも両眼を指定する指定操作を行うことができる。その結果、粗アライメントを実行することができるので精密アライメントも実行可能となり、アライメントをより高精度に実行することができる。
【0148】
[第3実施形態]
図19は、第3実施形態の眼科装置10の制御装置30の機能ブロック図である。上記各実施形態(各変形例を含む)の眼科装置10では、プレ被検眼検出部57により検出された被検眼撮影画像34cの数が1以下である場合には、カメラ32a,32bの撮影範囲(画角)内に両眼が含まれるようにカメラ32a,32bの画角を広角側に変化させている。
【0149】
これに対して第3実施形態では、プレ被検眼検出部57により検出された被検眼撮影画像34cの数が1以下である場合に、被検眼Eと測定光学系28(測定ヘッド18)との位置関係を調整することで、カメラ32a,32bの撮影範囲内に両眼を含ませる。
【0150】
図19に示すように、第3実施形態の眼科装置10は、制御装置30の粗アライメント実行部60が広角制御部70の代わりに撮影範囲制御部130として機能する点と、精密アライメント実行部62が狭角制御部76として機能しない点と、を除けば上記各実施形態の眼科装置10と基本的に同じ構成である。このため、上記各実施形態と機能又は構成上同一のものについては同一符号を付してその説明は省略する。
【0151】
撮影範囲制御部130は、プレ被検眼検出部57の検出結果に基づき、被検眼撮影画像34cの数が1以下である場合には、カメラ32a,32bによる顔Hfの撮影範囲を変化させるために、駆動制御部55を介してXYZ駆動機構24の駆動を制御する。
【0152】
図20は、撮影範囲制御部130によるXYZ駆動機構24の駆動制御を説明するための説明図である。
【0153】
図20に示すように、撮影範囲制御部130は、駆動制御部55を介してXYZ駆動機構24を駆動して、被検眼Eに対して測定光学系28(測定ヘッド18)を相対移動させる。具体的には撮影範囲制御部130は、測定光学系28を、1回目の撮影時の位置である初期位置(
図20の符号XXA参照)から後述の補正位置(
図20の符号XXB参照)まで相対移動させる。
【0154】
補正位置は、カメラ32a,32bごとの顔Hfの撮影範囲(狭画角40A)内に被検眼Eの両眼が含まれるような測定光学系28の位置であり、例えば初期位置からZ軸方向後方側にずれた位置である。カメラ32a,32bの画角が固定されている場合には、作動距離WDが増加するほどカメラ32a,32bにより撮影される顔Hfの撮影範囲が広がる。このため、撮影範囲制御部130は、駆動制御部55を介してXYZ駆動機構24を駆動して、測定光学系28を補正位置に移動、すなわち少なくとも作動距離WDが増加する方向(Z軸方向後方側)に移動させることで、カメラ32a,32bごとの顔Hfの撮影範囲内(狭画角40A内)に被検眼Eの両眼を含ませることができる。
【0155】
また、補正位置は、例えば、以下の第1の方法から第5の方法で決定してもよい。第1の方法では、プレ被検眼検出部57の検出結果に基づき測定光学系28に対する両眼の相対位置を検出(予測)し、この検出結果とカメラ32a,32bの画角及び光軸O2の方向とに基づき補正位置を決定する。また、第2の方法では、プレ撮影で得られたプレ撮影画像34a内における被検眼Eの位置及び大きさに基づき補正位置を決定する。
【0156】
第3の方法では、作動距離WDを大きくとる位置(例えば、測定ヘッド18のZ軸方向後方側への移動限界位置)を補正位置として決定する。第4の方法では、予め定めた適切な位置を補正位置として決定する。第5の方法では、プレ撮影で得られたプレ撮影画像34a内の顔Hfを認識する顔認識処理等を行った結果に基づき補正位置を決定する。
【0157】
なお、撮影範囲制御部130は、被検眼Eと測定光学系28(測定ヘッド18)とのY軸方向の位置ずれが大きい場合には、駆動制御部55を介して、顔支持部駆動機構14c、テーブル駆動機構44、及び椅子駆動機構46の少なくともいずれかを駆動してもよい。すなわち、顎受け14a、テーブル20、及び不図示の椅子の座面の少なくともいずれかのY軸方向の位置を調整することで、測定光学系28に対する被検眼Eの相対位置を調整してもよい。
【0158】
このように第3実施形態では、被検眼E及び測定光学系28の一方に対して他方を相対移動させることにより、カメラ32a,32bごとの撮影範囲内に少なくとも被検眼Eの両眼を含ませることができる。これにより、上記各実施形態と同様に粗アライメント及び精密アライメントを実行することができる。
【0159】
なお、被検眼E及び測定光学系28の一方に対して他方を相対移動させる相対移動機構は、XYZ駆動機構24、顔支持部駆動機構14c、テーブル駆動機構44、及び椅子駆動機構46に限定されるものではなく、公知の各種移動機構を用いることができる。
【0160】
図21は、第3実施形態の眼科装置10による被検眼Eの眼屈折力の測定処理、特に粗アライメント処理の流れを示すフローチャートである。なお、ステップS1からステップS4までの処理は、既述の
図12に示した第1実施形態と同じであるので具体的な説明は省略する。
【0161】
プレ被検眼検出部57により検出された被検眼撮影画像34cの数が1以下である場合、撮影範囲制御部130が、駆動制御部55を介してXYZ駆動機構24を駆動して、被検眼Eに対して測定光学系28(測定ヘッド18)を補正位置に相対移動させる(ステップS4でYES、ステップS5A)。なお、ステップS5Aは、本発明の撮影範囲制御ステップに相当する。これにより、既述の
図20に示したように、カメラ32a,32bごとの撮影範囲内に少なくとも両眼を含ませることができる。
【0162】
以下、第1実施形態と同様に、ステップS6以降の処理が実行される。ただし、第3実施形態では、カメラ32a,32bの画角は固定されているので、第1実施形態で説明したステップS9(
図12参照)は省略される。なお、ステップS7において両眼検出部73が両眼検出に失敗した場合には、既述の
図18に示した第2実施形態のステップS7A,S7B,S7Cの処理を実行する。
【0163】
以上のように第3実施形態では、カメラ32a,32bごとの撮影範囲内に被検眼Eの両眼が含まれるように、両眼及び測定光学系28(測定ヘッド18)の一方に対する他方の相対位置を調整することができる。その結果、両眼検出部73が全ての両眼撮影画像34bから両眼を確実に検出することができる。これにより、上記第1実施形態と同様の効果が得られる。また、第3実施形態では、カメラ32a,32bにズームレンズ光学系35を設ける必要が無くなるので、第1実施形態よりも低コスト化される。
【0164】
[第3実施形態の変形例]
図22は、第3実施形態の眼科装置10の変形例を説明するための説明図である。上記第3実施形態では補正位置を特に限定はしていないが、
図22に示すように、第3実施形態の変形例では補正位置を基準軸200に沿った位置に限定している。
【0165】
基準軸200は、Z軸方向に平行な軸であって、且つ測定光学系28(測定ヘッド18)のXY軸方向における移動範囲の中心位置を通る中心軸である。なお、基準軸200が、既述の中心軸の代わりに、顔支持部14の顎受け14a等の位置に基づき定められる顔Hfの配置領域を通る軸であってもよい。
【0166】
図23は、第3実施形態の変形例の効果を説明するための説明図である。
図23の符号XXIIIAに示すように、補正位置を基準軸200に沿った位置に限定することで、補正位置が基準軸200からずれている場合(
図20参照)と比較して、作動距離WDが短くともカメラ32a,32bの撮影範囲内(狭画角40A)に被検眼Eの両眼を含ませることができる。すなわち、測定光学系28を初期位置から補正位置に移動させる際のZ軸方向(作動距離方向)の移動距離を短くすることができる。
【0167】
また、
図23の符号XXIIIBに示すように、カメラ32a,32bの狭画角40Aが狭い場合であってもカメラ32a,32bの撮影範囲内に被検眼Eの両眼を含ませることができる。これにより、アライメントをより高精度に実行することができる。
【0168】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態の眼科装置10について説明を行う。上記各実施形態の眼科装置10では、プレ被検眼検出部57の検出結果に基づき粗アライメント実行部60の作動の有無を決定しているが、第4実施形態の眼科装置10では、プレ撮影及びプレ撮影画像34aの解析(被検眼Eの検出)を行うことなく、粗アライメント実行部60を作動させる。なお、第4実施形態の眼科装置10は、制御装置30がプレ撮影制御部56及びプレ被検眼検出部57として機能しない点と、被検眼Eの眼屈折力の測定処理において既述の
図12、
図18、及び
図21に示したステップS1~S4の処理が省略されている点と、を上記各実施形態の眼科装置10と基本的に同じである。このため、第4実施形態の眼科装置10についても上記各実施形態の眼科装置10と同様の効果が得られる。
【0169】
なお、上記第4実施形態において、例えば不図示の検出センサにより被検者Hが検出された場合、検出センサにより顔支持部14による顔Hfの支持が検出された場合、或いは検者により測定開始操作が操作部48に入力された場合に、粗アライメント実行部60を作動させてもよい。
【0170】
[その他]
上記各実施形態では、カメラ32a,32bによる撮影を同時(略同時を含む)に行っているが、カメラ32a,32bによる撮影に時間差を設けてもよい。この場合には、カメラ32a,32bごとの撮影タイミングをずらすだけであり、上記特許文献3に記載のように被検眼Eに対して単眼カメラを相対移動させながら撮影を行うわけではないので、カメラ32a,32bごとの撮影の時間差は適宜調整することができる。このため、カメラ32a,32bによる撮影に時間差を設けたとしても、この時間差を短くすることで、被検眼Eの回旋及び顔Hfの微動等の影響は最低限に抑えられる。
【0171】
上記第1実施形態(各変形例を含む)では、カメラ32a,32bの画角を狭画角40Aと広画角40Bとに切り替えているが、画角の切り替えを3段階以上の多段階或いは連続的に行ってもよい。この場合には、カメラ32a,32bごとの撮影範囲内に被検眼Eの両眼が含まれるまで、画角の切替と、カメラ32a,32bによる両眼撮影と、両眼検出部73による検出と、を繰り返し実行する。
【0172】
上記第3実施形態では、測定光学系28(測定ヘッド18)を初期位置から補正位置に移動させているが、被検眼E及び測定光学系28の相対移動を段階的或いは連続的に行ってもよい。この場合には、カメラ32a,32bごとの撮影範囲内に被検眼Eの両眼が含まれるまで、被検眼E及び測定光学系28の相対移動と、カメラ32a,32bによる両眼撮影と、両眼検出部73による検出と、を繰り返し実行する。
【0173】
上記各実施形態(第1実施形態の第3変形例を除く)では、2つのカメラ32a、32bにより構成されるステレオカメラ32により顔Hfの撮影を行っているが、3以上の各種カメラを用いて顔Hfの撮影を行ってもよい。この場合には、プレ被検眼検出部57の検出結果に基づき被検眼撮影画像34cの数が1以下であれば、少なくとも2以上のカメラの撮影範囲内に被検眼Eの両眼が含まれるように、各カメラによる顔Hfの撮影範囲を変化させる。
【0174】
上記第1実施形態の第3変形例では、互いに画角の異なる2種類のステレオカメラ32N,32Wで顔Hfの撮影を選択的に行っているが、互いに画角の異なる3種類以上のステレオカメラ(多眼カメラ)で顔Hfの撮影を選択的に行ってもよい。この場合には、プレ被検眼検出部57の検出結果に基づき被検眼撮影画像34cの数が少なくとも2以上となるまで、ステレオカメラの切り替えを画角が次第に広くなる順番で段階的に行ってもよい。
【0175】
上記各実施形態では、被検眼Eの眼特性の測定として被検眼Eの眼屈折力の測定を行う眼科装置10を例に挙げて説明を行ったが、眼圧、角膜内皮細胞の数、角膜形状、眼底観察像、及び眼底断層像などの各種の眼特性の測定を行う各種の眼科装置にも本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0176】
10…眼科装置
14…顔支持部
14c…顔支持部駆動機構
18…測定ヘッド
24…XYZ駆動機構
26…表示部
28…測定光学系
30…制御装置
32,32N,32W…ステレオカメラ
32a,32b…カメラ
32a1,32b1…カメラ
32a2,32b2…カメラ
34…撮影画像
35…ズームレンズ光学系
36…撮像素子
40A…狭画角
40B…広画角
44…テーブル駆動機構
46…椅子駆動機構
48…操作部
50…表示制御部
52…光学系制御部
54…ステレオカメラ制御部
55…駆動制御部
56…プレ撮影制御部
57…プレ被検眼検出部
60…粗アライメント実行部
62…精密アライメント実行部
64…眼特性演算部
66…瞳孔間距離演算部
70…広角制御部
72…両眼撮影制御部
73…両眼検出部
74…粗アライメント制御部
76…狭角制御部
78…被検眼撮影制御部
79…被検眼検出部
80…相対位置検出部
82…精密アライメント制御部
94…液体レンズ
98…移動レンズ
100…レンズ移動機構
110…操作受付部
120…指定位置
130…撮影範囲制御部
200…基準軸