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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-05
(45)【発行日】2023-09-13
(54)【発明の名称】ばら物の水分除去装置
(51)【国際特許分類】
   F26B 17/10 20060101AFI20230906BHJP
【FI】
F26B17/10 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019212827
(22)【出願日】2019-11-26
(65)【公開番号】P2021085566
(43)【公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-06-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000227250
【氏名又は名称】日鉄鉱業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000774
【氏名又は名称】弁理士法人 もえぎ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田北 一良
(72)【発明者】
【氏名】坂本 慶太
(72)【発明者】
【氏名】杉本 一義
(72)【発明者】
【氏名】村島 新一
(72)【発明者】
【氏名】松本 博道
(72)【発明者】
【氏名】越山 桂樹
(72)【発明者】
【氏名】川▲崎▼ 尭
(72)【発明者】
【氏名】チャン チャ チー
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】特開昭57-062385(JP,A)
【文献】特開2000-127157(JP,A)
【文献】実開平05-003890(JP,U)
【文献】特表2007-508520(JP,A)
【文献】実開昭60-183020(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F26B 17/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直方向に垂下した第1の衝突脱水板とこれに傾斜角度をもって配置された第2の衝突脱水板を配置し、
前記第1の衝突脱水板の一方の面側に湿ったばら物を投下供給する投入ホッパを設け、前記投入ホッパから投入されたばら物が、第1の衝突脱水板に沿って落下し、さらに第2の衝突脱水板で形成された斜面上を滑り落ちるような構造とした、
前記第1の衝突脱水板の一方の面側には、前記第1の衝突脱水板の一方の面に向けた噴射口を有するエアノズルを固定したエア吐出口を配置し、前記第2の衝突脱水板の上方の面に下方の面に向けた噴射口を有するエアノズルを固定したエア吐出口を配置した、
ばら物の水分除去装置。
【請求項2】
前記第1および第2の衝突脱水板の他方の面側には、湿ったばら物から除去された水分を排出する水分排出口を配置し、第2の衝突脱水板の下方には、水分が除去されたばら物を回収するばら物回収口を備えたことを特徴とする、請求項1に記載のばら物の水分除去装置。
【請求項3】
前記傾斜角度は、熱風による水分除去の程度に応じて調節することを特徴とする、請求項1または2いずれかに記載のばら物の水分除去装置。
【請求項4】
前記衝突脱水板は、水分を除去しようとするばら物の粒子径に応じて網目状の隙間の間隔の異なるものと交換できるように固定されている、請求項1~3のいずれかに記載のばら物の水分除去装置。
【請求項5】
前記エア吐出口は、湿ったばら物に要求される水分除去の程度に応じて、第1および第2の衝突脱水板に沿って垂直方向に複数段設置される、請求項1~4のいずれかに記載のばら物の水分除去装置。
【請求項6】
前記エア吐出口は、前記エアノズルの角度を変更することができ、エアの吐出方向を微調整することができる、請求項1~5のいずれかに記載のばら物の水分除去装置。
【請求項7】
前記エア吐出口は、前記エアノズルから噴出するエアの温度と圧力を調整する機能を有している、請求項1~6のいずれかに記載のばら物の水分除去装置。
【請求項8】
前記ばら物として砕石の水分除去を行う、請求項1~7のいずれかに記載のばら物の水分除去装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、砕石、石炭、土砂、穀類など、袋に包装されていない「ばら物」と呼称される粉粒体の表面に付着する水分を除去する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ばら物とは、JISB8805に用語として定義されている、袋に包装されていない塊、粒および粉状の物体の呼称で、具体的には鉱石、石炭、土砂、穀類が例示されている。
ばら物の生産例として、例えば、砕石の製造に於いては、採石場の切羽で採掘した原鉱を粗破砕機で一次破砕した後に、破砕した鉱石の表面に付着した泥などの不純物を除去するための水洗を行い、水洗スクリーン(篩)によって微粒子を除去した上で、製品製造のための二次破砕機及び篩装置に供給し、要求される粒子径の砕石を選別することにより行なわれていた。
また、石炭の生産に於いては、炭鉱の切羽で採掘した塊状の石炭を篩装置を用いて、需要家が求める任意のサイズに篩分けし、篩分けした石炭の粒子の表面に付着した微粉を除去するために、水洗スクリーン(篩)などを用いた洗炭工程を経て、製品として出荷していた。
【0003】
このような水洗スクリーンの篩下で分別されたばら物の微粒子は、水洗工程で散布された水分を多量に含み濡れた状態で得られる。例えば、この濡れた石灰砂を炭酸カルシウム粉末などの原料として利用するために粉砕機に投入すると、多量に含まれた水分が原因となり、粉砕機内に於いて居付きが発生し、粉砕効率が悪いばかりか粉砕機を破損してしまうため、化石燃料などを熱源として乾燥した上で使用する必要があった。
しかしながら、砕石のばら物の流通価格は安価であることから、その生産の過程で発生する濡れた篩下砕石を乾燥等の工程を経て使用することは、エネルギーのフローおよび費用面で出来ず、その有効利用を図ることが出来なかった。
また、石炭に於いては、洗炭によって篩分けした石炭の粒子の表面に付着した微粉を除去することで、輸送途上や貯炭場に於ける発塵を防止することが出来るが、必要以上に水に濡れることで、運搬コストが嵩む、燃料としての着火性が不良となるなどの不具合が生じていた。
【0004】
このことから、ばら物のうちの砕石用途に於いては、この濡れた篩下砕石を炭カル粉などの原料として利用することは出来ず、採掘剥土などを堆積する堆積場に、採掘剥土などとともに廃棄せざるをえず、資源の有効活用を図ることが出来ないばかりか、廃棄処分先の堆積場の容積圧迫の要因となっており、その解決が切望されていた。
【0005】
特許文献1には、湿潤粉体移送脱水装置が記載されている。この装置は、網状の無端ベルトを始端側回転体と終端側回転体に掛け渡してコンベアを構成し、無端ベルトの上方ベルトと下方ベルトの間に水受け容器を配置した脱水装置である。移送及び脱水は、湿式分級後の砂等の湿潤粉体が上方ベルトに載せられてコンベア上を移送されつつ、水分が上方ベルトの網目を通過して水受け容器に回収されることにより行なわれる。
しかし、この移送脱水装置では、砕石等の湿潤粉体は無端ベルト上を水平方向に移送されつつ脱水が行なわれるため、装置自体が大きくなってしまうという問題があった。また、微細粉末を含有する水が、網状の無端ベルトを重量によって垂直方向に通過することになるので、無端ベルトを構成する網に目詰まりが起こりやすいという問題点もあった。
【0006】
特許文献2には、円盤状に形成されて円盤周方向に回転する上皿部と、上皿部を内部に配置する円筒状の遠心分離容器とからなる脱水装置が記載されている。脱水対象物は上皿部に載置され、上皿部が回転して上皿部上の脱水対象物が遠心力により飛ばされ、これを遠心分離容器の円筒内壁面に付着させて水を分離することとしている。
【0007】
特許文献1及び2に記載された湿潤粉体の脱水装置にあっては、いずれも、高価な装置を必要とするものである。このため、技術的にはばら物の乾燥に使うことはできるとしても、ばら物製品の流通価格が安価なために、コストの面で採用できるものではなかった。
また、本件出願人らは、先願発明として、垂直方向に垂下した衝突脱水版に沿って落下するばら物に対してエアを吹き付け、当該ばら物がエアにより衝突脱水板に衝突して水分除去する形態の水分除去装置を特許出願している(特願2019-204523号)。
しかし、この先願発明では、衝突脱水板として垂直方向に垂下したもののみであったため、脱水能力には限界があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特許第4646338号
【文献】特開2009-125709号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、このような従来の技術の問題点を克服し、エネルギーフロー及びコストの面からの制約を乗り越えて、効率的に湿ったばら物を水分除去及び乾燥することに使用できる水分除去装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明におけるばら物の水分除去装置は、第1および第2の衝突脱水板とエア吐出口の間の空隙を通過する湿ったばら物を前記エア吐出口から吐出する、加熱された高圧エアで吹き飛ばして前記第1の衝突脱水板に衝突させ、衝突により水分が分離したばら物は前記衝突脱水板の下方に落下し、第2の衝突脱水板の傾斜面に沿って滑り落ちる間に水分除去された後にばら物回収口から回収され、分離された水分はエアと共に衝突脱水板を通過して前記衝突脱水板の裏側に移動し、下方に設置された水分排出口から排出することからなる装置である。
【0011】
本発明のばら物の水分除去装置は、次の構成を含むものである。
(1)垂直方向に垂下した第1の衝突脱水板とこれに傾斜角度をもって配置された第2の衝突脱水板を配置し、
前記第1の衝突脱水板の一方の面側に湿ったばら物を投下供給する投入ホッパを設け、前記投入ホッパから投入されたばら物が、第1の衝突脱水板に沿って落下し、さらに第2の衝突脱水板で形成された斜面上を滑り落ちるような構造とした、
前記第1および第2の衝突脱水板の一方の面側には、前記第1および第2の衝突脱水板の一方の面に向けた噴射口を有するエアノズルを固定したエア吐出口を配置した、
ばら物の水分除去装置。
(2)前記第1および第2の衝突脱水板の他方の面側には、湿ったばら物から除去された水分を排出する水分排出口を配置し、第2の衝突脱水板の下方には、水分が除去されたばら物を回収するばら物回収口を備えたことを特徴とする、(1)に記載のばら物の水分除去装置。
(3)前記傾斜角度は、熱風による水分除去の程度に応じて調節することを特徴とする、(1)または(2)いずれかに記載のばら物の水分除去装置。
(4)前記衝突脱水板は、水分を除去しようとするばら物の粒子径に応じて網目状の隙間の間隔の異なるものと交換できるように固定されている、(1)~(3)のいずれかに記載のばら物の水分除去装置。
(5)前記エア吐出口は、湿ったばら物に要求される水分除去の程度に応じて、第1および第2の衝突脱水板に沿って垂直方向に複数段設置される、(1)~(4)のいずれかに記載のばら物の水分除去装置。
(6)前記エア吐出口は、前記エアノズルの角度を変更することができ、エアの吐出方向を微調整することができる、(1)~(5)のいずれかに記載のばら物の水分除去装置。
(7)前記エア吐出口は、前記エアノズルから噴出するエアの温度と圧力を調整する機能を有している、(1)~(6)のいずれかに記載のばら物の水分除去装置。
(8)前記ばら物として砕石の水分除去を行う、(1)~(7)のいずれかに記載のばら物の水分除去装置。
【発明の効果】
【0012】
本発明の水分除去装置によれば、第1および第2の衝突脱水板を垂直方向および傾斜方向に設置しているので、これに衝突して水分除去されたばら物は重力により下方に落下するため、前記衝突脱水板の目詰まりが起こることはない。仮に目詰まりすることはあっても、衝突脱水板の裏側から逆洗することにより、目詰まりは簡単に解消することができる。
また、網目の異なる衝突脱水板を交換することで、水分除去するばら物の粒度に応じて水分除去をすることができ、さらに、エア吐出口を垂直方向に設置する段数を増やすことで水分除去の程度を高めることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】水分除去装置の概要図
図2】衝突脱水板(ウェッジワイヤスクリーン)の正面図および断面図
図3】エア吐出口斜視図
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明を実施するための形態を説明する。この実施形態は本発明の水分除去装置の一例であり、本発明はこの実施の形態に限定されるものではない。
【0015】
図1から明らかなように、本発明の水分除去装置1は、第1の衝突脱水板11、第2の衝突脱水板12、エア吐出口13、投入ホッパ14、ばら物回収口15、水分排出口16を主な構成要素とする。また、第1および第2の衝突脱水板およびエア吐出口は、脱水領域に包含されており、本発明の水分除去装置は、2箇所の脱水領域を有している。一つは、投入ホッパの直下に配設された垂直脱水領域で、他方は、前記垂直脱水領域の下方に傾斜して配設された傾斜脱水領域である。また、各脱水領域の下部には、水分排出口が配設され、傾斜脱水領域の下部には、ばら物回収口が配設されている。以下、それぞれの構成要素について説明する。
【0016】
(衝突脱水板)
本発明における衝突脱水板は、剛性があり、網目状の隙間を多数有する板である。すなわち、エア吐出口から吐出したエアにより吹き飛ばされたばら物が衝突脱水板に衝突すると、衝突の衝撃で水分が分離除去されたばら物は衝突脱水板に付着することなく下方に落下し、湿ったばら物に付随して飛来した水分は、エアと共に衝突脱水板の有する網目状の隙間を通り抜けて、衝突脱水板の裏面に設置された水分排出口に集められて排出される。
本発明における衝突脱水板はこのような機能を有するもので、ばら物の種類に応じて材質や網目の間隔等を選択することができる。
【0017】
衝突脱水板の具体例としては、ウェッジワイヤスクリーン、エキスパンドメタル、パンチング板、織網、溶接金網、ウレタン網、帆布、不織布などがあげられる。
例えば、ばら物として砕石や土砂の水分除去のためには、ウェッジワイヤスクリーンが適している。これについては後述する。また、石炭や土砂の水分除去には、目の細かい網が適しているし、穀物などは砕けやすいことも有り、若干の柔軟性があるものが好ましい。
また、長尺の帆布や不織布の一方の端と他方の端を接続したものをエンドレスで回転させ、回転に伴い移動しつつある帆布の一面を衝突脱水板と構成することもできる。
【0018】
(ウェッジワイヤスクリーン)
ウェッジワイヤ(wedge wire)とは逆三角形の断面形状を有する金属ワイヤで、ウェッジワイヤスクリーン(以下ではWWスクリーンと略す)は、図2に示されるように、ウェッジワイヤを等間隔に並べて用途に適したスリットを形成して固定することで形成される。
固形物(ばら物)を含む流体がWWスクリーンの平滑面側からWWスクリーンを通過しようとした場合、WWスクリーンに形成されたスリットがスクリーンの裏面方向に向けて末広がりになっているので、前記スリット幅より大きい固形物はウェッジワイヤ間に2点接触のみで拘束される。このため、固形物は詰まりにくく、仮に詰まっても逆洗が容易に行なえるので、メンテナンス性に優れている。
また、個々のウェッジワイヤは支持部材に溶接で固定されるため高強度であり、スクリーン面が平滑なために磨耗度合いが一定で耐久性が高い。
【0019】
本発明の1つの実施態様では、WWスクリーンを構成するウェッジワイヤが垂直方向になるように、このWWスクリーンを垂直方向に設置するので、WWスクリーンのスリットを通過できない固形物は、WWスクリーンに衝突した後に下方に落下する。固形物には重力が作用するので、WWスクリーンを通過できない固形物がスリット間に固定されることは殆どない。
また、固形物に付着した水分は、WWスクリーンのスリット幅より粒子径が小さい微細砕石とともにWWスクリーンを通過し、WWスクリーンの裏側の下方に設置された水分排出口から排出される。
【0020】
(エア吐出口)
エア吐出口は、図3に示されるように、衝突脱水板の一方の面に向けた噴出口を有するエアノズルを水平方向に固定した装置である。湿ったばら物が投入ホッパまたは垂直脱水領域から投下されて、衝突脱水板とエア吐出口の間を通過する際に、エアノズルから噴出されるエアにより湿ったばら物を衝突脱水板に吹き飛ばして衝突させる。
【0021】
本発明においては、エアの噴出圧力を変えることで、吹き飛ばされるばら物の速度が増加するので、衝突脱水板に衝突した際の水分除去効率が向上する。また、エアノズルから噴出するエアを熱風とすることで、湿ったばら物からの水分の蒸発を利用することができるから、乾燥を促進することができて効果的である。
また、前記傾斜脱水領域に於いては、エア吐出口から熱風が吐出するとともに、ばら物の通過時間が垂直脱水領域と比較して長いことから、ばら物の乾燥をさらに促進することが可能である。
更に、エアノズルの角度を変更することにより、エア吐出口からのエアの吐出方向を調整する機能を付与することで、より効率的な水分除去を行うことができる。
【0022】
また、エア吐出口を垂直方向に複数配置することにすれば、投下された湿ったばら物が落下する間に、ばら物は配置されたエア吐出口の数だけ水分除去処理を複数回受けることになる。このため、水分除去の程度がより進行することになる。
【0023】
(その他の構成要素)
電磁フィーダは、本水分除去装置で水分除去を行う、湿ったばら物を投入ホッパに均一に搬送する装置である。湿ったばら物が「だま」を作らず、投入ホッパに均一に投下される様に設計されることが好ましい。
投入ホッパは、衝突脱水板とエア吐出口との間に、上方から湿ったばら物を投下する装置である。ほぼ均一な量の湿ったばら物を下方に投下できるように設計することが好ましい。
ばら物回収口は、衝突脱水板に衝突して水分除去されつつ落下してきたばら物を回収するための回収口である。また、水分は衝突脱水板を通過して回収される水分の排出口から排出される。
【実施例
【0024】
以下に本発明について実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0025】
図1に示す水分除去装置を使用した。前記水分除去装置の視点A側から見た外形寸法は、高さ1150mm、幅350mmである。
エア吐出口は、垂直脱水領域に1箇所、傾斜脱水領域に2箇所それぞれ衝突脱水板の垂直方向に配設され、それぞれのエアノズルからは350℃に加熱された熱風を0.25MPaの圧力で噴出した。
湿ったばら物は、8.8%の水分を含み粒径が1~3mmの石灰砕石を毎時3トンの投入速度で1.8kg投入した。
本発明の水分除去処理を施すことで、水分量が1.1%の石灰砕石を回収することができた。除去した水分は0.15kgで水分減少率は7.7%であった。
【0026】
本発明の水分除去処理を施すことにより、8.8%の水分を含む粒径が1~3mmの石灰砕石1.8kgを短時間(約3秒間)のうちに、水分量1.1%に減らすことができた。このため、低いコストで短時間のうちに石灰砕石の水分除去処理ができ、効率的なばら物の水分除去処理が可能となった。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明に係るばら物の水分除去装置は、従来は高額な遠心脱水機やドライヤーなどによって行なわれていたばら物の水分除去に適用できる。水分除去して得られたばら物は、炭カル粉などの粉体の原料として利用が可能なほか、そのまま製品として出荷することもできる。
【符号の説明】
【0028】
1 水分除去装置
11 第1の衝突脱水板
12 第2の衝突脱水板
13 エア吐出口
14 投入ホッパ
15 ばら物回収口
16 除去物(水分)排出口
図1
図2
図3