(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-05
(45)【発行日】2023-09-13
(54)【発明の名称】スイッチモード電源コントローラ
(51)【国際特許分類】
H02M 3/28 20060101AFI20230906BHJP
【FI】
H02M3/28 H
(21)【出願番号】P 2019540473
(86)(22)【出願日】2017-10-11
(86)【国際出願番号】 CA2017051207
(87)【国際公開番号】W WO2018068136
(87)【国際公開日】2018-04-19
【審査請求日】2020-09-23
【審判番号】
【審判請求日】2022-09-13
(32)【優先日】2016-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520355600
【氏名又は名称】アパルス・パワー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPULSE POWER INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラディック,アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】マダビカー-メフラバード,セイド-ベーザド
【合議体】
【審判長】須田 勝巳
【審判官】山崎 慎一
【審判官】山澤 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-046438(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0112030(US,A1)
【文献】特開2013-219886(JP,A)
【文献】特開昭62-268361(JP,A)
【文献】特開2016-100325(JP,A)
【文献】特開2015-166870(JP,A)
【文献】特表2005-525069(JP,A)
【文献】特開2013-123315(JP,A)
【文献】特開2011-055602(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチモード電源に対する入力電圧を推定する方法であって、前記入力電圧は、前記スイッチモード電源の出力電圧と、磁化インダクタンス充電時間と、磁化インダクタンス放電時間とを用いた等式によって表わされ、
前記スイッチモード電源に対する複数の入力電圧に複数の磁化インダクタンス放電時間を関連づける
第1のルックアップテーブルに値を代入することを含み、前記
第1のルックアップテーブルに代入される値は、前記出力電圧と前記磁化インダクタンス充電時間とを既知の固定値として前記等式から得られる値であり、
磁化インダクタンス放電時間を測定することと、
前記
第1のルックアップテーブルにおいて、前記磁化インダクタンス放電時間に関連づけられた入力電圧を検索することであって、前記関連づけられた入力電圧は前記入力電圧の推定値を与える、前記検索することと、を含む前記方法。
【請求項2】
スイッチモード電源に対する出力電圧を推定する方法であって、
前記スイッチモード電源に対する複数の出力電圧に複数のペアを関連づける
第2のルックアップテーブルに値を代入することであって、前記複数のペアの中の各ペアは磁化インダクタンス放電時間及び入力電圧を含む、前記代入することと、
前記磁化インダクタンス放電時間を
測定することと、
請求項1に記載の方法により、前記スイッチモード電源に対する前記入力電圧の推定値を取得することと、
前記
第2のルックアップテーブルにおいて、特定のペアに関連づけられた前記出力電圧を検索することであって、前記
特定のペアは、
前記磁化インダクタンス放電時間と、
前記入力電圧の前記推定値と、を含む前記検索することと、を含む前記方法。
【請求項3】
スイッチモード電源の
入力電圧の電圧低下推定に対する方法であって、
前記スイッチモード電源の制御信号電圧の決定を繰り返すことと、
前記磁化インダクタンス放電時間を繰り返して
測定することと、
請求項1に記載の方法により、前記スイッチモード電源に対する入力電圧の前記推定値を繰り返して取得することと、
決定された前記制御信号電圧および
推定された前記入力電圧に基づいて、前記制御信号電圧が増加していて前記磁化インダクタンス放電時間が一定である時間を検出することと、
前記検出に応じて、前記入力電圧推定の前記推定値をしきい電圧値と比較することと、
前記入力電圧推定の前記推定値が前記しきい電圧値よりも低いという判定に応じて、電圧低下信号を高に駆動することと、を含む方法。
【請求項4】
スイッチモード電源を制御するための装置であって、
ゼロ電圧検出器と、
プロセッサであって、
前記スイッチモード電源に対する複数の入力電圧に複数の磁化インダクタンス放電時間を関連づけるルックアップテーブルに値を代入することであって、前記入力電圧は、前記スイッチモード電源の出力電圧と、磁化インダクタンス充電時間と、磁化インダクタンス放電時間とを用いた等式によって表わされ、前記ルックアップテーブルに代入される値は、前記出力電圧と前記磁化インダクタンス充電時間とを既知の固定値として前記等式から得られる値である、代入することと、
前記ゼロ電圧検出器から受け取った入力に基づいて、磁化インダクタンス放電時間を測定することと、
前記ルックアップテーブルにおいて、前記磁化インダクタンス放電時間に関連づけられた入力電圧を検索することであって、前記関連づけられた入力電圧は前記スイッチモード電源に対する電圧入力の推定値を与える、前記検索することと、を行うように構成された前記プロセッサと、を含む前記装置。
【請求項5】
フライバックセルスイッチング素子を有するスイッチモード電源の電力効率最適化の方法であって、
前記フライバックセルスイッチング素子の入力電圧、出力電圧、及びフライバックセルスイッチング素子オフ時間の複数の組み合わせに対する複数の理論上の電力処理効率曲線を生成することと、
前記フライバックセルスイッチング素子の入力電圧、出力電圧、及び最小のフライバックセルスイッチング素子オフ時間の前記複数の組み合わせに対する前記スイッチモード電源の電力処理効率値を決定することと、
入力電圧及び出力電圧の複数の固有のペアの各固有のペアに対して、最大の電力処理効率値を有する特定のフライバックセルスイッチング素子オフ時間を選択することと、
それぞれの特定のフライバックセルスイッチング素子オフ時間が対応の固有のペアに対応付けられている2次元のルックアップテーブルに値を代入することと、
所定の入力電圧及び所定の出力電圧を伴うオンライン動作の間、前記2次元のルックアップテーブルを用いて有用なフライバックセルスイッチング素子オフ時間を取得することと、を含む前記方法。
【請求項6】
20%の最大出力負荷電力における前記電力処理効率値を決定することをさらに含む請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
50%の最大出力負荷電力における前記電力処理効率値を決定することをさらに含む請求項
5に記載の方法。
【請求項8】
100%の最大出力負荷電力における前記電力処理効率値を決定することをさらに含む請求項
5に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年10月11日に出願された米国仮特許出願第62/406,589号の継続出願である。この出願の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は一般に、スイッチモード電源に関し、より詳細には、このようなスイッチモード電源の入出力電圧推定及び制御に関する。
【背景技術】
【0003】
スイッチモード電源(SMPS)は最新の電子デバイスにおいて重要な電力管理コンポーネントである。スイッチモード電源によって、とりわけ、オンライン電力処理効率の最適化が得られ、電池寿命の向上及び電力損失の減少が可能になる。電力損失の減少によって、動作温度の低下、冷却溶液の減少、部品表の減少及び/またはSMPS体積の減少が可能になる。
【0004】
しかし、信頼性が高く普遍的なオンライン電力処理効率の最適化を実施するためには、正確で、制約された、ノイズ耐性が高く滑らかなコントローラモード遷移が必要となる場合がある。このようなコントローラを実際に具体化することは通常、高価で、電力消費量が少なく、及び/または特定用途向けの混合信号回路及びアルゴリズムを用いて実現される。
【0005】
既存のシステムに伴うさらなる問題は本開示を考慮して理解され得る。
次に1つ以上の実施形態例について、単に一例として添付図を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】入力電圧源(交流(AC)または直流(DC)であってもよい)、ユニバーサルシリアルバス(USB)タイプCの電源供給(PD)コントローラ、出力負荷、及びスイッチモード電源コントローラの状況におけるフライバックベースのスイッチモード電源を概略的に例示する。
【
図2】入力電圧源、同期整流モジュール、オンライン電力処理効率最適化を伴うマルチモードコントローラ、及び出力負荷を伴う
図1のフライバックベースのスイッチモード電源を概略的に例示する。
【
図3】エネルギーが一次側から二次側に伝達される1つのスイッチング周期の間のフライバック磁化インダクタンス電流及び差動電圧の進展を示す典型的な曲線のグラフである。
【
図4】マルチモードコントローラが入力電圧及び出力電圧を推定する時間を含むUSBタイプCの電源供給動作の間の出力電圧及び出力負荷電流の進展を示す典型的な曲線のグラフである。
【
図5】1つのスイッチングサイクル中の
図2のマルチモードコントローラの種々の動作モードを表す状態図である。
【
図6】複数の谷を伴う中間出力負荷に対するフライバック磁化インダクタンス電流及びフライバック磁化電圧v
Lmの進展を示す典型的な曲線のグラフである。
【
図7】電圧低下より前または電圧ロックアウト(UVLO)状態下での入力電圧、出力電圧、及び一次側制御信号電圧の進展を示す典型的な曲線のグラフである。
【
図8】電圧低下状態の開始を検出する方法における典型的なステップを例示する。
【
図9】入力電圧、出力電圧、及び最小のフライバックセルスイッチング素子オフ時間の複数の組み合わせに対する平均加重電力処理効率を伴うオンライン動作に対する最小のフライバックセルスイッチング素子オフ時間の2次元ルックアップテーブルを生成する方法における典型的なステップを例示する。
【
図10】マルチモードコントローラを初始動から通常動作へ動作させる方法における典型的なステップを例示し、入力電圧推定、出力電圧推定、最小のフライバックセルスイッチング素子オフ時間選択、及び最大オン時間選択を含む。
【発明を実施するための形態】
【0007】
これらの図は、説明を目的とした典型的な実施形態、及び変形、代替的な構成を示しており、代替的なコンポーネント及び変更をこれらの典型的な図に施してもよい。
【0008】
本出願の態様は、スイッチモード電源と普遍的なスイッチモード電源の制御とに関する。さらなる態様は、既知のUSBタイプCの電源供給(USB-PD)プロトコルを用いるスイッチモード電源のタイプに関する。他のさらなる態様は、自律型の同期整流を用いる高効率スイッチモード電源のタイプに関する。
【0009】
本出願の態様によれば、スイッチモード電源に対する入力電圧を推定する方法が提供される。本方法は、スイッチモード電源に対する複数の入力電圧に複数の磁化インダクタンス放電時間を関連づけるルックアップテーブルに値を代入することと、磁化インダクタンス放電時間を測定することと、ルックアップテーブルにおいて、磁化インダクタンス放電時間に関連づけられた入力電圧を検索することであって、関連づけられた入力電圧は入力電圧の推定値を与える、検索することと、を含む。
【0010】
本出願の態様によれば、電力効率最適化の方法が提供される。本方法は、入力電圧、出力電圧、及び最小のフライバックセルスイッチング素子オフ時間の複数の組み合わせに対する複数の理論上の電力処理効率曲線を生成することと、入力電圧、出力電圧、及び最小のフライバックセルスイッチング素子オフ時間の複数の組み合わせに対する複数の加重電力処理効率の平均値を決定することと、入力電圧及び出力電圧の複数の固有のペアの各固有のペアに対して、最大の平均加重効率を有する特定のフライバックセルスイッチング素子オフ時間を選択することと、それぞれの特定のフライバックセルスイッチング素子オフ時間が対応の固有のペアに対応付けられている2次元のルックアップテーブルに値を代入することと、所定の入力電圧及び所定の出力電圧を伴うオンライン動作の間、2次元のルックアップテーブルを用いて有用なフライバックセルスイッチング素子オフ時間を取得することと、を含む。
【0011】
図1に、入力電圧源102(ACまたはDCであってもよい)、USBタイプCのPDコントローラ108、出力負荷110、及びスイッチモード電源コントローラ106の状況におけるフライバックベースのスイッチモード電源104を含む回路100を概略的に例示する。
図1の回路100は一次側100P及び二次側100Sを有する。
【0012】
スイッチモード電源コントローラ106を、広範囲の入力電圧、出力電圧、及び出力負荷電流上でのオンライン効率最適化を実現するためのマルチモード動作機能を伴って実施してもよい。スイッチモード電源コントローラ106は、たとえば、自律型の二次側同期整流を用いてもよいし用いなくてもよいUSB-PD準拠のフライバックベースのスイッチモード電源に適していてもよい。
【0013】
図1に例示するのは、オンライン効率最適化を伴うUSBタイプCのPDインターフェースコントローラ108とスイッチモード電源コントローラ106とに結合されたフライバックベースのスイッチモード電源104の最上位レベルのブロック図である。
【0014】
図2に例示するのは、同期整流モジュール203を含むフライバックベースのスイッチモード電源104のコンポーネントである。同期整流モジュール203をスイッチモード電源コントローラ106によって制御してもよい。詳細には、同期整流モジュール203を、オンラインで、電力処理の、効率最適化マルチモードコントローラ204によって制御してもよい。フライバックベースのスイッチモード電源104は、k個のフライバックセル、第1のフライバックセル201a、第2のフライバックセル201b、及び第kのフライバックセル201kを含んでいる。k個のフライバックセルを、別個にまたは一括して、参照数字201によって参照してもよい。またフライバックベースのスイッチモード電源104は、k個の入力キャパシタ、第1のフライバックセル201aの入力の両端の第1の入力キャパシタ212a、第2のフライバックセル201bの入力の両端の第2の入力キャパシタ212b、及び第kのフライバックセル201kの入力の両端の第kの入力キャパシタ212kを含む。
【0015】
例示していないが、スイッチモード電源の当業者であれば容易に分かるように、各フライバックセル201はスイッチング素子とフライバック変圧器202に対する一次側巻線とを含んでいる。別個の一次側巻線を、各フライバックセル201に対応付けて例示しているが、別個には標示していない。マルチモードコントローラ204によって、k制御信号c1、c2、...及びckが生成される。k制御信号の各1つは、対応するフライバックセルスイッチング素子に対応付けられる。
【0016】
フライバック変圧器202の二次側巻線は、同期整流モジュール203と直列に配列されている。フライバック変圧器202の二次側巻線と同期整流モジュール203との直列組み合わせは、出力キャパシタ214の両端のフライバックベースのスイッチモード電源104の出力を与える。USBタイプCのPDコントローラ108から出力される複数nの基準電圧が、フライバックベースのスイッチモード電源104の出力と一緒にフィードバック補償要素ネットワーク210において受け取られる。
【0017】
フィードバック補償要素ネットワーク210は、フライバックベースのスイッチモード電源104の出力における出力電圧voutと、USBタイプCのPDコントローラ108から出力された複数の基準電圧の中の1つの基準電圧との間の差を表す内部誤差信号を発生する。フィードバック補償要素ネットワーク210は、内部比例積分(PI)または比例積分微分(PID)補償要素を通して、差を処理する。フィードバック補償要素ネットワーク210からの出力を、二次側100Sから一次側100Pへアイソレーター208を通してミラーリングする。アイソレーター208によってマルチモードコントローラ204に制御信号電圧vpri
cが与えられる。
【0018】
フライバックセルスイッチング素子が動作した(たとえば、閉じた)ときに、付随する一次巻線を磁化インダクタンス値Lmによって特徴付けてもよい。
【0019】
図3に例示するのは、いわゆる「第1の谷スイッチング」を伴ういわゆる不連続導通モード(DCM)の動作の間のフライバック磁化インダクタンス電流i
Lmに対する波形、及びフライバック磁化電圧v
Lmに対する波形である。
【0020】
マルチモードコントローラ204を、いくつかのパラメータの知識に基づいて入力電圧v
inを推定するための方法を実行するハードウェア効率的なシステムとして実装してもよい。パラメータとしては、出力電圧v
out、磁化インダクタンス充電時間t
on、及び磁化インダクタンス放電時間t
dischargeの測定値が挙げられる。フライバックベースのスイッチモード電源104に対するこれらのパラメータ(
図1及び
図2に例示する)の間の関係は、以下の等式によって与えられる。
【0021】
i
peak=m
r・t
on=-m
f・t
discharge (1a)
m
r/m
f≒v
in/v
out (1b)
v
in=k・v
out・(t
discharge/t
on)=F
1(t
discharge) (2)
等式(1a)、(1b)及び(2)において、値m
rは、磁化インダクタンス電流が上昇している間の時間周期t
onにおける磁化インダクタンス電流i
Lmに対する波形の勾配(アンペア(A)/秒(s)すなわち「A/s」で表現)を表している(
図3を参照)。値m
fは、磁化インダクタンス電流が落ちている間の時間周期t
dischargeにおける磁化インダクタンス電流i
Lmに対する波形の勾配(A/sで表現)を表す(
図3を参照)。等式(2)は、入力電圧v
inを推定する方法を表している。等式(2)を用いることを通して入力電圧を推定することは、ハードウェア効率的で正確であるという両方を示す場合がある。等式(2)によって表される入力電圧推定は、磁化インダクタンス放電時間t
dischargeの測定値とともに一次元(「1-D」)ルックアップテーブルを用いることが伴ってもよい。
【0022】
USB-PD準拠に対して、始動直後及び負荷が接続されていない時間のある時間、出力電圧を5vに調整する。
図4では出力電圧調整をグラフ形式で例示する。
図4において、出力電圧波形及び出力負荷電流波形を、始動中及び出力電圧基準の変化前、変化中、変化後の汎用的なUSBタイプCのPD準拠のスイッチモード電源に対して例示する。入力電圧V
inを推定する時点402と出力電圧V
outを推定する2つの時点404、406とを、波線のボックスを用いて強調する。軽負荷動作モード中に、マルチモードコントローラ204は固定のフライバックセルスイッチング素子オン時間t
min
onで動作してもよい。すなわち、マルチモードコントローラ204は適切な制御信号cを用いて、フライバックセル201の1つにおけるスイッチング素子を、固定時間t
min
onの間ターンオンしてもよい。
【0023】
図5に例示するのは、マルチモードコントローラ204の種々の動作モードを表す状態図である。種々の動作モードには、DCMをサポートするための第1の動作モード(モード502)、谷スイッチングに対する第2の動作モード(モード508)、スキップパルス動作モード(モード516)が含まれる。
【0024】
図5に例示するように、始動時に、マルチモードコントローラ204は第1の動作モード(モード502)であってもよい。カウント(cnt)を増加させた後に、マルチモードコントローラ204のプロセッサ(図示せず)が、カウントがt
onより小さいことを判定してもよい(ステップ504)。カウントがt
onより小さいと判定したら、マルチモードコントローラ204は第1の動作モードに留まる(モード502)。カウントがt
on以上であると判定したら、マルチモードコントローラ204のプロセッサは、カウントを再初期化してゼロにし(ステップ506)、マルチモードコントローラ204は第2の動作モード(モード508)に入る。
【0025】
カウントを増加させた後に、マルチモードコントローラ204のプロセッサは、カウントがtmin
offより小さいか否かを判定してもよい(ステップ510)。カウントがtmin
offより小さいと判定したら(ステップ510)、マルチモードコントローラ204は第2の動作モードに留まる(モード508)。カウントがtmin
off以上であると判定したら(ステップ510)、マルチモードコントローラ204のプロセッサは、フライバック磁化電圧vLmにおいて谷点に到達したか否かを判定する(ステップ512)。谷点に到達していないと判定したら(ステップ512)、マルチモードコントローラ204は第2の動作モードに留まる(モード508)。
【0026】
谷点に到達したか否かを判定したら(ステップ512)、マルチモードコントローラ204はカウントを再初期化してゼロにし(ステップ514)、tonがtmin
onより小さいか否かを判定する(ステップ518)。tonがtmin
onより小さいと判定したら(ステップ518)、マルチモードコントローラ204は第3のモード(モード516)の動作に入る。tonがtmin
on以上であると判定したら(ステップ518)、マルチモードコントローラ204は第1の動作モード(モード502)に再び入る。
【0027】
多くの場合に、v
out及びt
onは既知であり、放電時間t
dischargeを決定してもよい。詳細には、放電時間t
dischargeを、
図2に例示するゼロ電圧検出器206を用いた測定によって決定してもよい。最小のt
onを複数の制約に基づいて予め決めることができる。複数の制約はたとえば、リミットサイクル振動(最小のt
onにおいて最悪である)を最小限にするt
onの分解能、最小限の同期コントローラオフ時間(最小のt
onに対する)、及び超軽負荷における電力処理効率である。
【0028】
等式(2)によって表される決定は、パラメータtonの追跡を、始動と始動後の軽負荷動作の第1の状況との間の時間を測定する(たとえば、固定の最小tonを検出する)ことによって行なうことと、tdischargeの測定を、軽負荷動作の第1の状況とフライバック磁化インダクタンス電流iLmがゼロに落ちる時点との間の時間を測定することによって行うことと、を伴っていてもよい。後者の時点はゼロ電圧検出器206または同様のデバイスを用いて検出してもよい。入力電圧は、等式(2)を、始動直後の出力電圧は5V付近に厳密に調整される(USB-PDによって規定されるように)という知識、及びフライバックセル201の数は固定されているという知識に結びつけて決定してもよい。この方法の決定ステップを、ハードウェア効率的な1次元ルックアップテーブル(関数「F1」によって表し得る)を用いて実施してもよい。
【0029】
図6に例示するのは、第2の動作モード(モード508)の間のフライバック磁化インダクタンス電流i
Lmに対する波形とフライバック磁化電圧v
Lmに対する波形とである。第1の谷点(モード512)(1
stと指定する)は、マルチモードコントローラ204が、カウントがt
min
off以上であるか否かを判定する(ステップ510)前に生じる。マルチモードコントローラ204のプロセッサが、フライバック磁化電圧v
Lmにおいて谷点(1
st)に到達したか否かを判定する(ステップ512、
図5)ことを思い出されたい。したがって、フライバック磁化電圧v
Lmにおいて別の谷点(2
nd)に到達したか否かをマルチモードコントローラ204が判定する(ステップ512、
図5)まで、マルチモードコントローラ204は第2の動作モード(モード508)に留まる。
【0030】
図7に例示するのは、電圧低下状態(低電圧ロックアウト(UVLO)状態と呼ばれることもある)前後での入力電圧v
inのプロット、制御信号電圧v
pri
cのプロット、及び出力電圧v
outのプロットである。
図7を見直すと、入力電圧v
inの減少が、制御信号電圧v
pri
cの増加に対応付けられることが分かり得る。本出願の態様において、以前に説明した等式(2)に基づく入力電圧の推定を、入力電圧低下状態の検出をカバーするように拡張してもよい。電圧低下/UVLO前及び中の入力電圧のプロット例、出力電圧のプロット例、及び制御信号電圧のプロット例(それぞれ
図7に示す)において、電圧低下/UVLO前に、制御信号電圧v
pri
cが増加していて、出力電圧が比較的一定であることに注意してもよい。比較的一定の出力電圧の1つの結果は、比較的一定の磁化インダクタンス放電時間t
dischargeである。
【0031】
最終的には、制御信号電圧vpri
cは増加を終えてゼロに落ち、電圧低下状態の開始となる。実験的に、どんな入力電圧値でこの落下が起こるかを見出してもよい。
【0032】
図7のプロットを念頭において、電圧低下状態の開始を検出する方法を考えることを、本明細書では提案する。本方法をマルチモードコントローラ204が行ってもよく、本方法には制御信号電圧が増加している間に入力電圧が減少していると判定することが伴ってもよい。代替的に、本方法には、マルチモードコントローラ204が、磁化インダクタンス放電時間t
dischargeがほぼ一定に留まっているにもかかわらず、入力電圧が減少していると判定することが伴ってもよい。
【0033】
入力電圧が減少していると判定することは、たとえば、入力電圧の推定値を繰り返して取得することを、推定または測定した出力電圧値voutと、フライバックセル201の数(たとえば、k)と、等式(2)を用いることによるtdischargeとtonとの間の比と、を用いて行なうことを伴ってもよい。等式(2)を以下に再び記載する。
【0034】
vin=k・vout・(tdischarge/ton) (2)
出力電圧voutを推定するハードウェア効率的な方法では、入力電圧推定の推定値vin(等式(2)を用いて決定)フライバックセル201の数(たとえば、k)、固定された磁化インダクタンス充電時間ton、及び測定した放電時間tdischargeを用いる。
【0035】
入力電圧を推定することには、動作モードがスキップパルス動作モード(
図5のモード516を参照)であるときに、出力電圧が変化する間、出力負荷電流が低い(
図4に示すように)ということに関する情報を用いることが伴ってもよい。
【0036】
したがって、以下に続く等式(3)を用いて見出される別個の出力電圧推定を、ハードウェア効率的な2次元(「2-D」)ルックアップテーブル(関数「F4」で表してもよい)を用いて実施してもよい。等式(3)を、出力電圧Vout推定に対してハードウェア効率的で正確であると示してもよい。等式(3)には、1つの2-Dルックアップテーブルの使用、磁化インダクタンス放電時間tdischargeの測定、及び入力電圧vinの推定が伴ってもよい。
【0037】
vout=(vin/k)・(ton/tdischarge)=F4(vin、tdischarge) (3)
電圧低下状態の開始を検出する方法では、出力電圧voutの推定値(たとえば、等式(3)を介して取得する)、検出された磁化インダクタンス放電時間tdischarge、及びフライバックセルスイッチング素子オン時間tonの測定値を用いてもよい。
【0038】
電圧低下状態の開始を検出する方法におけるステップ例を
図8に例示する。入力電圧v
inが減少していて、制御信号電圧v
pri
cが増加している一方で、放電時間t
dischargeが比較的一定である時間に、フライバックベースのスイッチモード電源104が動作しているという判定がなされたら(ステップ802)、マルチモードコントローラ204は等式(2)のパラメータを用いて入力電圧v
inを推定してもよい(ステップ804)。入力電圧を推定すること(ステップ804)の各繰り返しの後で、マルチモードコントローラ204は、推定した入力電圧が、電圧低下状態が始まる入力電圧を表すと(たとえば実験的に)判定された所定の電圧値よりも大きいか否かを判定してもよい(ステップ806)。推定した入力電圧が所定の電圧値よりも大きいと判定すること(ステップ806)に応じて、マルチモードコントローラ204はUVLO/電圧低下信号を高に駆動してもよい(ステップ808)。推定した入力電圧が所定の電圧値よりも小さいと判定すること(ステップ806)に応じて、マルチモードコントローラ204は再び入力電圧を推定してもよい(ステップ804)。
【0039】
出力電圧推定は低負荷動作の間に行うため、AC100~120Hzリップルに起因する入力電圧変化の効果は最小限である。特に、出力電圧推定の精度をフィードバック補償要素ネットワーク210の調整精度によって限定してもよい。
【0040】
平均電力処理効率を最大にするために、最小のフライバックセルスイッチング素子オフ時間t
min
offを選択することが有用であると分かり得る。
図9に例示するのは、最小のフライバックセルスイッチング素子オフ時間を入力電圧及び出力電圧のペアに関連づけるルックアップテーブルのオフライン生成及びオンライン利用の方法におけるステップ例である。
【0041】
最初のステップ(ステップ902)として、プロセッサが特定のコンピュータプログラムを実行すると複数の理論上の電力処理効率曲線が生じる。複数の曲線には個々の曲線が含まれる。それぞれの個々の曲線を、関数「η」によって表してもよく、複数の組み合わせの中の1つの組み合わせに対して生成してもよい。各組み合わせには、入力電圧、出力電圧、及び最小のフライバックセルスイッチング素子オフ時間t
min
offが含まれる。スイッチモード電源の当業者には明らかなように、フライバックセルスイッチング素子オフ時間は典型的に制約される。最小のフライバックセルスイッチング素子オフ時間は、たとえば、最大のスイッチング損失によって制約され得る。最大のフライバックセルスイッチング素子オフ時間は、たとえば、ピーク磁化インダクタンス電流i
peak(
図3を参照)によって制約され得る。理論上の電力処理効率曲線の生成は、部分的に、マルチモードコントローラ204の動作が、
図5に例示する状態図に整合するように行われるという想定に基づいてもよい。
【0042】
同じプロセッサが次に、複数の組み合わせの各組み合わせに対して平均加重電力処理効率ηavgを決定してもよい(ステップ904)。たとえば、プロセッサは、20%負荷レベル、50%負荷レベル、及び100%負荷レベルにおける電力処理効率値を決定してもよい。これらの3つの電力処理効率値を次に、重み付けしてもよい。平均値を見出すために、3つの加重値を合計した後に3で割ってもよい。
【0043】
プロセッサは次に、最小のフライバックセルスイッチング素子オフ時間tmin
offが最高の平均加重効率、ηavgに対応づけられるvin及びvoutの固有のペアに対して考えてもよい。プロセッサは次に、最高の平均加重効率に対応付けられる最小のオフ時間tmin
offを選択してもよい(ステップ906)。プロセッサは次に、固有のペアに対して選択したtmin
offを、ルックアップテーブル(固有のペアのvin及びvoutに対応付けられる)に挿入してもよい(ステップ908)。ルックアップテーブルを、関数「F2」として表してもよい(下の等式(4)に例示する)。
【0044】
tmin
off=F2(vout、vin) (4)
マルチモードコントローラ204の動作時に有用であるならば、マルチモードコントローラ204のプロセッサは、所定のvin及びvoutの組み合わせに対応付けられるtmin
offを読み出すことを通して、tmin
offを判定してもよい。
【0045】
最大のフライバックセルスイッチング素子オン時間tmax
onを、ピーク磁化インダクタンス電流imax
peakがフライバック変圧器202の飽和電流より下方に留まるように決定してもよい。最大のフライバックセルスイッチング素子オン時間は、下の等式(5)により、推定した入力電圧vinに基づいてもよい。
【0046】
tmax
on=imax
peak・(Lm/vin)=F3(vin) (5)
等式(5)を、関数「F3」で表したルックアップテーブルを用いることを通して単純化してもよい。
【0047】
図10に例示するのは、入力電圧v
in、出力電圧v
out、最大オン時間t
max
on、及び最小のオフ時間t
min
offを推定する方法におけるステップ例を例示する最上位レベルのフローチャートである。
【0048】
最初は、voutが5Vでvinが最大であると想定する。最大オン時間tmax
on及び最小のオフ時間tmin
offに対する初期値を、その想定に基づいて事前に選択してもよい。
【0049】
マルチモードコントローラ204のプロセッサは、出力電圧voutが基準電圧vrefより小さいか否かを判定する(ステップ1002)。出力電圧voutが基準電圧vrefより低いと判定したら(ステップ1002)、プロセッサはフライバックセルスイッチング素子オン時間tonを増加させる(ステップ1012)。プロセッサは判定を繰り返して(ステップ1002)、出力電圧voutが基準電圧vrefよりも大きいとプロセッサが判定するまで(ステップ1002)、増加させる(ステップ1012)。プロセッサはvin、tmax
on、及びtmin
offを推定する(ステップ1004)。
【0050】
プロセッサは等式(1)を用いて、tdischargeに基づいてvinを推定してもよい(ステップ1004)。
【0051】
プロセッサは等式(4)を用いて、voutを5Vに設定した状態で、推定したvinに基づいてtmin
offを推定してもよい(ステップ1004)。
【0052】
プロセッサは、等式(5)を用いて、推定したvinに基づいてtmin
offを推定してもよい(ステップ1004)。
【0053】
プロセッサは次に、スイッチングサイクルを実施してもよい(ステップ1006)。
プロセッサは次に、スキップパルス動作モード(モード516)が可能になっているか否かを判定してもよい(ステップ1008)。スキップパルス動作モード(モード516)が可能になっているか否かを判定すること(ステップ1008)は、たとえば、フライバックセルスイッチング素子オン時間tonが、フライバックセルスイッチング素子オン時間tskip
on(スキップパルス動作モード(モード516)にすでに対応付けられている)に到達したことを判定することを伴ってもよい。
【0054】
スキップパルス動作モード(モード516)が可能になっていると判定したら、プロセッサは、たとえば等式(3)を用いることを通して、新しい出力電圧を推定し(ステップ1010)、たとえば等式(4)を用いることを通して、新しい出力電圧を用いて、新しいtmin
offを見出す。そしてプロセッサは戻って、別のスイッチングサイクルを実施する(ステップ1006)。同様に、スキップパルス動作モード(モード516)が可能になっていないと判定したら、プロセッサは別のスイッチングサイクルを実施することに戻る(ステップ1006)。
【0055】
第1の態様では、たった1つの1Dルックアップテーブル、磁化インダクタンス放電時間の測定が必要なハードウェア効率的で正確な入力電圧推定方法が提供される。等式(2)を参照のこと。
【0056】
第2の態様では、たった1つの2-Dルックアップテーブル、磁化インダクタンス放電時間の測定、及び入力電圧の推定(第1の態様を介して)が必要なハードウェア効率的で正確な出力電圧推定方法が提供される。等式(3)を参照のこと。
【0057】
さらなる態様では、最大オン時間の強制を介したオンライン電流制限実施に対する方法であって、1)入力電圧推定(第1の態様を介して)と、2)1Dルックアップテーブルから入力電圧依存の最大オン時間を検索する(等式(5)を参照)ことと、3)比較及び、適用可能ならば、発した一次側スイッチオン時間をルックアップテーブル読み出し最大オン時間値以下に制限すること、とを含む方法が提供される。
【0058】
さらなる態様では、最小の一次側オフ時間/二次側オン時間の選択を介したオンライン電力効率最適化に対する方法であって、1)コンピュータプログラムとスイッチモード電源のモデルとを用いて
図3で説明したコントローラ動作に対する入力電圧、出力電圧、及び最小の一次側オフ時間/二次側オン時間のすべての組み合わせに対する電力処理効率曲線を生成することと、2)すべての組み合わせの平均加重効率(@20%、50%、100%の最大出力負荷電力)を計算することと、3)最高の平均加重効率を伴うオフ時間を選択することと、4)特定の入力電圧及び出力電圧の組み合わせに対するオフ時間を伴う2Dルックアップテーブルに値を代入することと、5)オンライン動作の間に、入力電圧及び出力電圧の組み合わせ及び
図5のフローチャートにより、適切なルックアップテーブルオフ時間エントリを用いることと、を含む方法が提供される。
【0059】
さらなる態様では、出力電圧推定(第2の態様を介して)、磁化インダクタンス放電時間測定、及び一次側スイッチオン時間知識を介した堅固な電圧低下/UVLO推定に対する方法が提供される。本方法に以下が含まれる。1)入力電圧が減少している時間、すなわち、一次側スイッチオン時間が増加していて/飽和しており、放電時間が比較的一定である時間を検出すること、2)これまでに列記した測定/推定パラメータと第1の態様とを用いて入力電圧を推定すること、3)UVLO/入力電圧推定値が所定の電圧値より低いときに電圧低下信号を高に駆動すること。
【0060】
実施形態例は、ルックアップテーブルを用いることにより、ハードウェア効率を与えると理解してもよい。ハードウェア効率を、以下の少なくとも一部または全部に関して考えることができる。1)1D及び2DルックアップテーブルをASICまたはFPGA上で簡潔に実施することができるという事実(シリコン面積及び/またはルックアップテーブルメモリ空間は無視できる)、2)ルックアップテーブルは本来的に低出力であり、ルックアップテーブルには乗算、加算などがなく(電力消費量が少ないことが知られている)、またルックアップテーブルは低伝搬時間であり、ルックアップテーブルは非常に速い動作周波数で動作することができる、3)ルックアップテーブルサイズは、始動の間及び電圧が変化した後に既知の負荷及び出力電圧値を利用することの提案によって最小限である(第1の動作モード502(
図5)を参照)、及び/または4)ゼロ電圧検出器206(
図2)を、単純で費用対効果の高い混合信号(集積またはディスクリート)回路(たとえば、コンパレータ、抵抗分割器、及びダイオード)を用いて実装することができる。
【0061】
いくつかの実施形態例では、本明細書においてテーブルに言及した場合、好適な論理的構成(たとえば、マップ、マッピング、単一のパラメータもしくは複数のパラメータのコンピュータ変数、または入力変数(複数可)に基づいた任意の離散値ルックアップ方法)を含むことができる。
【0062】
実施形態例では、必要に応じて、それぞれの例示したブロックまたはモジュールは、ソフトウェア、ハードウェア、またはハードウェア及びソフトウェアの組み合わせを表してもよい。さらに、他の実施形態例においてブロックまたはモジュールのいくつかを組み合わせてもよく、他の実施形態例においてより多いかより少ないブロックまたはモジュールが存在してもよい。さらに、他の実施形態において、ブロックまたはモジュールのいくつかを多くのサブブロックまたはサブモジュールに分離してもよい。
【0063】
本実施形態のいくつかを方法に関して説明しているが、当業者であれば分かるように、本実施形態はまた、ハードウェアコンポーネント、ソフトウェア、または2つの任意の組み合わせによってまたは任意の他の仕方で、説明した方法の態様及び特徴の少なくとも一部を行うためのコンポーネントを含む種々の装置(たとえば、サーバ装置)に関する。また、装置とともに用いるための製造品、たとえば、事前に記録した記憶デバイスまたは他の同様の非一時的なコンピュータ可読媒体にプログラム命令を記録したもの、またはコンピュータ可読なプログラム命令を保持するコンピュータデータ信号が、説明した方法の実施を容易にするように装置に命令を出してもよい。当然のことながら、このような装置、製造品、及びコンピュータデータ信号も本実施形態例の範囲内に入る。
【0064】
前述した例のいくつかについて特定の順番で行うと説明してきたが、当業者であれば分かるように、任意の所定のステップの順番を変えた結果が以後のステップの出現を阻止することも損なうこともないという条件で、ステップまたはプロセスのいくつかを異なる順番で行ってもよい。さらに、他の実施形態では、前述したステップのいくつかを取り除くかまたは組み合わせてもよく、他の実施形態では、前述したステップのいくつかを多くのサブステップに分離してもよい。さらになお、やり取りのステップの一部または全部を、必要に応じて繰り返してもよい。方法またはステップとして説明した要素がシステムまたはサブコンポーネントに同様に適用され、逆もまた同様である。
【0065】
実施形態例では、場合に応じて、スイッチモード電源コントローラ106を、たとえば、以下のシステムの1つ以上によって実施することも実行することもできる。プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ハードウェア、及び/またはソフトウェア。スイッチモード電源コントローラ106にはプロセッサ(図示せず)を含めることができる。プロセッサは、コンピュータ可読媒体たとえばメモリ(図示せず)に記憶された命令を実行するように構成されている。
【0066】
用語「コンピュータ可読媒体」には、本明細書で用いる場合、コンピュータまたは他のコンピューティング装置が用いるかまたは実行するための命令、プログラムステップなどを格納することができる任意の媒体が含まれる。用語「コンピュータ可読媒体」としては、本明細書で用いる場合、限定することなく以下が挙げられる。磁気媒体(たとえば、ディスケット、ディスクドライブ、磁気ドラム、光磁気ディスク、磁気テープ、磁気コアメモリなど)、電子記憶装置(たとえば、任意のタイプのランダムアクセスメモリ(RAM)、たとえば、スタティックRAM、ダイナミックRAM、同期ダイナミックRAM(SDRAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、任意のタイプのプログラム可能な読み出し専用メモリ、たとえば、PROM、EPROM、EEPROM、FLASH、EAROM、いわゆる「ソリッドステートディスク」)、任意のタイプの他の電子記憶装置、たとえば、電荷結合素子(CCD)、または磁気バブルメモリ、任意のタイプの携帯型電子データキャリングカード、たとえば、COMPACT FLASH(登録商標)、SECURE DIGITAL(SD-CARD)、MEMORY STICKなど、及び光媒体、たとえばコンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、またはBLU-RAY(登録商標)ディスク。
【0067】
いくつかの実施形態例に対して変形を施してもよく、これには前述のいずれかの組み合わせ及び部分組み合わせが含まれていてもよい。前述した種々の実施形態は単に例であり、本開示の範囲を限定することは決して意図されていない。本明細書で説明した実施形態例の変形は当業者には明らかであり、このような変形は本開示の意図する範囲内である。詳細には、前述した実施形態の1つ以上から得られる特徴を、明示的には前述していない場合がある特徴の部分組み合わせから構成される代替的な実施形態を形成するように選択してもよい。加えて、前述した実施形態の1つ以上から得られる特徴を、明示的には前述していない場合がある特徴の組み合わせから構成される代替的な実施形態を形成するように選択及び組み合わせてもよい。本開示を全体として見直せば、このような組み合わせ及び部分組み合わせに適した特徴が当業者には容易に明らかであろう。本明細書で説明する主題はすべての好適な技術変化に及びそれらを受け入れることが意図されている。
【0068】
説明した実施形態のある適応及び変更を形成することができる。したがって前述の実施形態は例示的であって限定的でないと考えられる。