(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-05
(45)【発行日】2023-09-13
(54)【発明の名称】割出動作を有するエアロゾル送達装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/46 20200101AFI20230906BHJP
A24F 40/50 20200101ALI20230906BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20230906BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/50
A24F40/20
(21)【出願番号】P 2020550623
(86)(22)【出願日】2019-03-18
(86)【国際出願番号】 IB2019052189
(87)【国際公開番号】W WO2019180593
(87)【国際公開日】2019-09-26
【審査請求日】2022-02-15
(32)【優先日】2018-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516097871
【氏名又は名称】アール・エイ・アイ・ストラテジック・ホールディングス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウォーム,スティーブ
(72)【発明者】
【氏名】カー,ウィリアム・ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】トーマス,ティモシー
(72)【発明者】
【氏名】ウィルバーディング,キャサリン・リン
(72)【発明者】
【氏名】ブラクストン,ポール
(72)【発明者】
【氏名】シアーズ,スティーブン・ビー
(72)【発明者】
【氏名】サー,ラジェッシュ
(72)【発明者】
【氏名】コナー,ビリー
(72)【発明者】
【氏名】セバスティアン,アンドリーズ
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-277265(JP,A)
【文献】特表2014-533513(JP,A)
【文献】特開平03-232481(JP,A)
【文献】特表2014-520542(JP,A)
【文献】カナダ国特許出願公開第02979458(CA,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/46
A24F 40/50
A24F 40/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル送達装置であって、
ハウジングを有する制御本体と、
ハウジング内に配置された電気エネルギー源と、
電気エネルギー源に動作可能に接続された加熱部材と、
吸入可能な物質媒体を含むエアロゾル源部材と、
加熱部材に連結された割出機構と、
を含み、
割出機構が、
エアロゾル源部材に対して加熱部材を移動させて、エアロゾル源部材の2つ以上のセグメントのうちの少なくとも1つを順次加熱するように構成され、
割出機構が、モータと、リードスクリューと、加熱部材が取り付けられたキャリアとを含む、エアロゾル送達装置。
【請求項2】
加熱部材が、エアロゾル源部材の外面に近接して配置される、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項3】
加熱部材が、エアロゾル源部材の内面に近接して配置される、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項4】
割出機構が、エアロゾル源部材に対する吸引を検出するように構成されたセンサによって作動される、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項5】
割出機構が、手動
ボタンによって作動される、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項6】
エアロゾル源部材が、制御本体と取り外し可能に係合し、交換可能である、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項7】
エアロゾル源部材の吸入可能な物質媒体が、固体または半固体の吸入可能な物質媒体を含む、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項8】
吸入可能な物質媒体が、押出基材を含む、請求項7に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項9】
吸入可能な物質媒体を含むエアロゾル源部材とともに使用するための制御本体であって、制御本体が、
ハウジングと、
ハウジング内に配置された電気エネルギー源と、
電気エネルギー源に動作可能に接続された加熱部材と、
加熱部材に連結された割出機構と、
を含み、
割出機構が、
エアロゾル源部材に対して加熱部材を移動させて、エアロゾル源部材の2つ以上のセグメントのうちの少なくとも1つを順次加熱するように構成され、
割出機構が、モータと、リードスクリューと、加熱部材が取り付けられたキャリアとを含む、制御本体。
【請求項10】
割出機構が、エアロゾル源部材に対する吸引を検出するように構成されたセンサによって作動される、請求項9に記載の制御本体。
【請求項11】
割出機構が、手動アクチュエータによって作動される、請求項9に記載の制御本体。
【請求項12】
制御本体およびエアロゾル源部材を含むエアロゾル送達装置を操作する方法であって、
制御本体のハウジングに配置された電気エネルギー源を使用して、加熱部材を通電することと、
加熱部材を使用して、エアロゾル源部材の第1のセグメントを加熱することと、
割出機構を使用して、
エアロゾル源部材に対して、第1の位置から第2の位置に加熱部材を移動させることと、
加熱部材を使用して、エアロゾル源部材の第2のセグメントを加熱することと、
を含み、
割出機構が、モータと、リードスクリューと、加熱部材が取り付けられたキャリアとを含む、方法。
【請求項13】
エアロゾル源部材の第1および第2のセグメントを加熱することが、エアロゾル源部材の第1および第2のセグメントの外面を最初に加熱することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
エアロゾル源部材の第1および第2のセグメントを加熱することが、エアロゾル源部材の第1および第2のセグメントの内面を最初に加熱することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
エアロゾル源部材に対する吸引を検出するように構成されたセンサを使用して、割出機構を作動させることをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
手動アクチュエータを使用して、割出機構を作動させることをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル送達物品に関し、およびタバコ成分または他の材料を吸入可能な形態で得るためのエアロゾル送達物品の使用に関する。該物品は、人の飲用のために、タバコから製造され得るか、タバコに由来し得るか、そうでなければタバコを組み込み得る。さらに具体的には、本開示は、タバコ、タバコ由来材料または他の材料が、好ましくは著しく燃焼されることなく加熱されて、様々な実施形態では蒸気またはエアロゾルの形態である吸入可能な物質を提供する物品を提供する。
【背景技術】
【0002】
タバコの燃焼に基づく喫煙製品の改良品または代替品として、多くの喫煙品が長年にわたって提案されている。例示的な代替品には、固体燃料もしくは液体燃料が燃焼されてタバコに熱を伝達する装置、またはそのような熱源を提供するために化学反応が使用される装置が含まれている。例には、参照により本明細書に組み込まれるWormらの米国特許第9,078,473号明細書に記載されている喫煙品が挙げられる。
【0003】
喫煙品の改良品または代替品の要点は、典型的には、相当量の不完全燃焼および熱分解生成物を送達することなく、紙巻タバコ、葉巻またはパイプの喫煙に関連する感覚を提供することであった。この目的のために、電気エネルギーを利用して揮発性材料を気化または加熱するか、タバコを著しく燃焼することなく紙巻タバコ、葉巻またはパイプの喫煙感覚を提供しようとする多くの喫煙製品、香味発生器および薬用吸入器が提案されている。例えば、参照により本明細書に組み込まれるRobinsonらの米国特許第7,726,320号明細書ならびにGriffith,Jr.らの米国特許出願公開第2013/0255702号明細書およびSearsらの米国特許出願公開第2014/0096781号明細書に記載の背景技術に記載されている様々な代替喫煙品、エアロゾル送達装置および発熱源を参照されたい。また、例えば、参照により本明細書に組み込まれるBlessらの米国特許出願公開第2015/0220232号明細書中で商標名および商業的供給元によって参照される様々な種類の喫煙品、エアロゾル送達装置および電動発熱源を参照されたい。商標名および商業的供給元によって参照される追加の種類の喫煙品、エアロゾル送達装置および電動発熱源は、同じく参照によりその全体が本明細書に組み込まれるDePianoらの米国特許出願公開第2015/0245659号明細書に記載されている。記載されており、場合によっては市販されている他の代表的な紙巻タバコまたは喫煙品には、参照により本明細書に組み込まれるGerthらの米国特許第4,735,217号明細書、Brooksらの米国特許第4,922,901号明細書、米国特許第4,947,874号明細書および米国特許第4,947,875号明細書、Countsらの米国特許第5,060,671号明細書、Morganらの米国特許第5,249,586号明細書、Countsらの米国特許第5,388,594号明細書、Higginsらの米国特許第5,666,977号明細書、Adamsらの米国特許第6,053,176号明細書、Whiteの米国特許第6,164,287号明細書、Vogesの米国特許第6,196,218号明細書、Felterらの米国特許第6,810,883号明細書、Nicholsの米国特許第6,854,461号明細書、Honの米国特許第7,832,410号明細書、Kobayashiの米国特許第7,513,253号明細書、Robinsonらの米国特許第7,726,320号明細書、Hamanoの米国特許第7,896,006号明細書、Shayanの米国特許第6,772,756号明細書、Honの米国特許出願公開第2009/0095311号明細書、Honの米国特許出願公開第2006/0196518号明細書、米国特許出願公開第2009/0126745号明細書および米国特許出願公開第2009/0188490号明細書、Thorensらの米国特許出願公開第2009/0272379号明細書、Monseesらの米国特許出願公開第2009/0260641号明細書および米国特許出願公開第2009/0260642号明細書、Oglesbyらの米国特許出願公開第2008/0149118号明細書および米国特許出願公開第2010/0024834号明細書、Wangの米国特許出願公開第2010/0307518号明細書ならびにHonの国際公開第2010/091593号パンフレットに記載されているものが含まれる。
【0004】
従来型の紙巻タバコ、葉巻またはパイプの属性の多くに類似する代表的な製品は、Philip Morris IncorporatedによるACCORD(R)、InnoVapor LLCによるALPHA(TM)、JOYE 510(TM)およびM4(TM)、White Cloud CigarettesによるCIRRUS(TM)およびFLING(TM)、Fontem Ventures B.V.によるBLU(TM)、EPUFFER(R)International Inc.によるCOHITA(TM)、COLIBRI(TM)、ELITE CLASSIC(TM)、MAGNUM(TM)、PHANTOM(TM)およびSENSE(TM)、Electronic Cigarettes,Inc.によるDUOPRO(TM)、STORM(TM)およびVAPORKING(R)、Egar AustraliaによるEGAR(TM)、JoyetechによるeGo-C(TM)およびeGo-T(TM)、Elusion UK LtdによるELUSION(TM)、Eonsmoke LLCによるEONSMOKE(R)、FIN Branding Group,LLCによるFIN(TM)、Green Smoke Inc.USAによるSMOKE(R)、Greenarette LLCによるGREENARETTE(TM)、SMOKE STIK(R)によるHALLIGAN(TM)、HENDU(TM)、JET(TM)、MAXXQ(TM)、PINK(TM)およびPITBULL(TM)、Philip Morris International,Inc.によるHEATBAR(TM)、Crown7製のHYDRO IMPERIAL(TM)およびLXE(TM)、LOGIC TechnologyによるLOGIC(TM)およびTHE CUBAN(TM)、Luciano Smokes Inc.によるLUCI(R)、Nicotek,LLCによるMETRO(R)、Sottera,Inc.によるNJOY(R)およびONEJOY(TM)、SS Choice LLCによるNO.7(TM)、PremiumEstore LLCによるPREMIUM ELECTRONIC CIGARETTE(TM)、Ruyan America,Inc.によるRAPP E-MYSTICK(TM)、Red Dragon Products,LLCによるRED DRAGON(TM)、Ruyan Group(Holdings)Ltd.によるRUYAN(R)、Smoker Friendly International,LLCによるSF(R)、The Smart Smoking Electronic Cigarette Company Ltd.によるGREEN SMART SMOKER(R)、Coastline Products LLCによるSMOKE ASSIST(R)、Smoking Everywhere,Inc.によるSMOKING EVERYWHERE(R)、VMR Products LLCによるV2CIGS(TM)、VaporNine LLCによるVAPOR NINE(TM)、Vapor 4 Life,Inc.によるVAPOR4LIFE(R)、E-CigaretteDirect,LLCによるVEPPO(TM)、R.J.Reynolds Vapor CompanyによるVUSE(R)、Mistic EcigsによるMistic Menthol製品、およびCN Creative LtdによるVype製品、Philip Morris InternationalによるIQOS(TM)、およびBritish American TobaccoによるGLO(TM)として市販されている。さらに他の電動エアロゾル送達装置、特にいわゆる電子タバコとして特徴付けられている装置は、COOLER VISIONS(TM)、DIRECT E-CIG(TM)、DRAGONFLY(TM)、EMIST(TM)、EVERSMOKE(TM)、GAMUCCI(R)、HYBRID FLAME(TM)、KNIGHT STICKS(TM)、ROYAL BLUES(TM)、SMOKETIP(R)およびSOUTH BEACH SMOKE(TM)の商号の下に市販されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第9,078,473号明細書
【文献】米国特許第7,726,320号明細書
【文献】米国特許出願公開第2013/0255702号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0096781号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0220232号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0245659号明細書
【文献】米国特許第4,735,217号明細書
【文献】米国特許第4,922,901号明細書
【文献】米国特許第4,947,874号明細書
【文献】米国特許第4,947,875号明細書
【文献】米国特許第5,060,671号明細書
【文献】米国特許第5,249,586号明細書
【文献】米国特許第5,388,594号明細書
【文献】米国特許第5,666,977号明細書
【文献】米国特許第6,053,176号明細書
【文献】米国特許第6,164,287号明細書
【文献】米国特許第6,196,218号明細書
【文献】米国特許第6,810,883号明細書
【文献】米国特許第6,854,461号明細書
【文献】米国特許第7,832,410号明細書
【文献】米国特許第7,513,253号明細書
【文献】米国特許第7,896,006号明細書
【文献】米国特許第6,772,756号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0095311号明細書
【文献】米国特許出願公開第2006/0196518号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0126745号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0188490号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0272379号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0260641号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0260642号明細書
【文献】米国特許出願公開第2008/0149118号明細書
【文献】米国特許出願公開第2010/0024834号明細書
【文献】米国特許出願公開第2010/0307518号明細書
【文献】国際公開第2010/091593号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
タバコを電気加熱することによって喫煙の味および感覚を生み出す物品は、香味または他の吸入可能な材料の一貫性のない放出を抱えてきた。電気加熱式喫煙装置は、比較的大きくおよび/または複雑な熱源を必要とすることにより、多くの場合さらに制限されてきた。したがって、実質的に燃焼することなく、紙巻タバコ、葉巻またはパイプの喫煙感覚を提供することができ、効率が向上した性能特性を以って紙巻タバコ、葉巻またはパイプの喫煙感覚を提供する喫煙品を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、エアロゾル送達装置、エアロゾル源部材とともに使用するための制御本体、およびエアロゾル送達装置を操作する方法に関する。本開示は、限定するものではないが、以下の例示的な実施形態を含む。
【0008】
例示的な実施形態1:ハウジングを有する制御本体と、ハウジング内に配置された電気エネルギー源と、電気エネルギー源に動作可能に接続された加熱部材と、吸入可能な物質媒体を含むエアロゾル源部材と、加熱部材に連結された割出機構と、を含むエアロゾル送達装置であって、割出機構が、エアロゾル源部材に対して加熱部材を移動させて、エアロゾル源部材の2つ以上のセグメントのうちの少なくとも1つを順次加熱するように構成されるエアロゾル送達装置。
【0009】
例示的な実施形態2:加熱部材が、エアロゾル源部材の外面に近接して配置される、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0010】
例示的な実施形態3:加熱部材が、エアロゾル源部材の内面に近接して配置される、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0011】
例示的な実施形態4:割出機構が、エアロゾル源部材に対する吸引を検出するように構成されたセンサによって作動される、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0012】
例示的な実施形態5:割出機構が、手動アクチュエータによって作動される、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0013】
例示的な実施形態6:手動アクチュエータが、クリックリターン(click-return)アクチュエータを含む、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0014】
例示的な実施形態7:手動アクチュエータが、加熱部材とともに移動するように構成される、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0015】
例示的な実施形態8:エアロゾル源部材が、制御本体と取り外し可能に係合し、交換可能である、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0016】
例示的な実施形態9:エアロゾル源部材の吸入可能な物質媒体が、固体または半固体の吸入可能な物質媒体を含む、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0017】
例示的な実施形態10:吸入可能な物質媒体が、押出基材を含む、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0018】
例示的な実施形態11:吸入可能な物質媒体を含むエアロゾル源部材とともに使用するための制御本体であって、制御本体が、ハウジングと、ハウジング内に配置された電気エネルギー源と、電気エネルギー源に動作可能に接続された加熱部材と、加熱部材に連結された割出機構と、を含み、割出機構が、エアロゾル源部材に対して加熱部材を移動させて、エアロゾル源部材の2つ以上のセグメントのうちの少なくとも1つを順次加熱するように構成される制御本体。
【0019】
例示的な実施形態12:割出機構が、エアロゾル源部材に対する吸引を検出するように構成されたセンサによって作動される、任意の前述の例示的な実施形態の制御本体または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せの制御本体。
【0020】
例示的な実施形態13:割出機構が、手動アクチュエータによって作動される、任意の前述の例示的な実施形態の制御本体または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せの制御本体。
【0021】
例示的な実施形態14:手動アクチュエータが、クリックリターンアクチュエータを含む、任意の前述の例示的な実施形態の制御本体または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せの制御本体。
【0022】
例示的な実施形態15:手動アクチュエータが、加熱部材とともに移動するように構成される、任意の前述の例示的な実施形態の制御本体または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せの制御本体。
【0023】
例示的な実施形態16:制御本体およびエアロゾル源部材を含むエアロゾル送達装置を操作する方法であって、制御本体のハウジングに配置された電気エネルギー源を使用して、加熱部材を通電することと、加熱部材を使用して、エアロゾル源部材の第1のセグメントを加熱することと、割出機構を使用して、エアロゾル源部材に対して、第1の位置から第2の位置に加熱部材を移動させることと、および加熱部材を使用して、エアロゾル源部材の第2のセグメントを加熱することと、を含む、方法。
【0024】
例示的な実施形態17:エアロゾル源部材の第1および第2のセグメントを加熱することが、エアロゾル源部材の第1および第2のセグメントの外面を最初に加熱することを含む、任意の前述の例示的な実施形態の方法または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せの方法。
【0025】
例示的な実施形態18:エアロゾル源部材の第1および第2のセグメントを加熱することが、エアロゾル源部材の第1および第2のセグメントの内面を最初に加熱することを含む、任意の前述の例示的な実施形態の方法または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せの方法。
【0026】
例示的な実施形態19:エアロゾル源部材に対する吸引を検出するように構成されたセンサを使用して、割出機構を作動させることをさらに含む、任意の前述の例示的な実施形態の方法または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せの方法。
【0027】
例示的な実施形態20:手動アクチュエータを使用して、割出機構を作動させることをさらに含む、任意の前述の例示的な実施形態の方法または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せの方法。
【0028】
例示的な実施形態21:手動アクチュエータが、クリックリターンアクチュエータを含む、任意の前述の例示的な実施形態の方法または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せの方法。
【0029】
例示的な実施形態22:エアロゾル源部材に対して、第1の位置から第2の位置に加熱部材を移動させることが、第1の位置から第2の位置に手動アクチュエータを移動させることを含む、任意の前述の例示的な実施形態の方法または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せの方法。
【0030】
本開示のこれらおよび他の特徴、態様および利点は、以下に簡単に説明する添付の図面とともに、以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。
【0031】
本開示の実施形態の理解を支援するために、ここで、同様の参照番号が同様の要素を指す添付の図面を参照するが、これらの図面は必ずしも縮尺通りに描かれていない。図面は単なる例であり、本開示を限定するものとして解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本開示の例示的な実施形態による、第1の加熱位置に加熱部材を含むエアロゾル送達装置を概略的に示す。
【
図2】本開示の例示的な実施形態による、第2の加熱位置にある加熱部材を示す、
図1のエアロゾル送達装置を概略的に示す。
【
図3】本開示の例示的な実施形態による、一連の漸増加熱位置を示す、
図1のエアロゾル送達装置を概略的に示す。
【
図4】本開示の例示的な実施形態による、第1の加熱位置に加熱部材を含むエアロゾル送達装置を概略的に示す。
【
図5】本開示の例示的な実施形態による、第2の加熱位置にある加熱部材を示す、
図4のエアロゾル送達装置を概略的に示す。
【
図6】本開示の例示的な実施形態による、一連の漸増加熱位置を示す、
図4のエアロゾル送達装置を概略的に示す。
【
図7】本開示の例示的な実施形態による、第1の加熱位置に加熱部材を含むエアロゾル送達装置を概略的に示す。
【
図8】本開示の例示的な実施形態による、第2の加熱位置にある加熱部材を示す、
図7のエアロゾル送達装置を概略的に示す。
【
図9】本開示の例示的な実施形態による、一連の漸増加熱位置を示す、
図7のエアロゾル送達装置を概略的に示す。
【
図10】本開示の例示的な実施形態による、第1の加熱位置に加熱部材を含むエアロゾル送達装置を概略的に示す。
【
図11】本開示の例示的な実施形態による、第2の加熱位置にある加熱部材を示す、
図10のエアロゾル送達装置を概略的に示す。
【
図12】本開示の例示的な実施形態による、一連の漸増加熱位置を示す、
図10のエアロゾル送達装置を概略的に示す。
【
図13】本開示の例示的な実施形態による、エアロゾル送達装置の操作方法での様々な操作を示す。
【
図14】本開示の例示的な実施形態による、平坦な向きで示される可撓性加熱部材の斜視図を示す。
【
図15】本開示の例示的な実施形態による、形成された向きで示される可撓性加熱部材の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本開示は、以下、さらに完全に説明される。ただし、本開示は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、本開示の範囲を当業者に完全に伝えるように提供される。本明細書で使用される単数形「a」、「an」および「the」は、前後関係で他に明確に指示されない限り、複数の指示対象を含むことに留意しなければならない。
【0034】
本開示は、(好ましくは、材料を著しく燃焼させることなく)材料を加熱して吸入可能な物質を形成するために、電気エネルギーを使用する物品を提供し、物品は、「手持ち式」装置と見なすのに十分に小型である。特定の実施形態では、物品は、喫煙品として特に特徴付けられ得る。本明細書で使用される場合、この用語は、物品のいずれの構成要素も実際に燃焼することなく、紙巻タバコ、葉巻またはパイプを喫煙するという味および/または感覚(例えば、手触りまたは口当たり)を提供する物品を意味することを意図する。喫煙品という用語は、動作中に、燃焼または熱分解の副産物という意味で、物品が煙を生成することを必ずしも示すものではない。むしろ、喫煙は、物品を使用する際の個人の身体的動作、例えば、物品を手に持ち、物品の一端を吸引し、物品から吸入することに関する。さらなる実施形態では、本発明の物品は、蒸気生成物品、エアロゾル化物品または医薬品送達物品として特徴付けられ得る。したがって、物品は、1つ以上の物質を吸入可能な状態で提供するように配置され得る。他の実施形態では、吸入可能な物質は、実質的に蒸気の形態(すなわち、その吸入可能な物質の臨界点よりも低い温度で気相にある物質)であり得る。他の実施形態では、吸入可能な物質は、エアロゾルの形態(すなわち、気体中の微細固体粒子または液滴の浮遊物)であり得る。吸入可能な物質の物理的形態は、本発明の物品の性質によって必ずしも限定されないが、媒体の性質、および吸入可能な物質が蒸気状態またはエアロゾル状態で存在するかどうかに関して吸入可能な物質自体に応じて決まり得る。いくつかの実施形態では、用語は交換可能であり得る。したがって、簡単にするために、本開示を説明するために使用される用語は、別段の指定がない限り交換可能であると理解される。
【0035】
システムは、一般に、いわゆる「電子タバコ」または「タバコ加熱製品」などのエアロゾル送達装置に関連する実施形態に関して本明細書に記載されているが、機構、構成要素、特徴および方法は、多くの異なる形態で具体化され、様々な物品に関連付けられてもよいことを理解されたい。例えば、本明細書に提供される説明は、従来の喫煙品(例えば、紙巻タバコ、葉巻、パイプなど)、非燃焼加熱式タバコ、および本明細書に開示されるいずれかの製品のための関連する梱包の実施形態と組み合わせて使用され得る。したがって、本明細書に開示される機構、構成要素、特徴および方法の説明は、エアロゾル送達装置に関する実施形態に関して単なる例として説明され、様々な他の製品および方法で具体化および使用され得ることを理解されたい。
【0036】
本開示のエアロゾル送達装置はまた、蒸気生成物品または薬剤送達物品として特徴付けられ得る。したがって、そのような物品または装置は、吸入可能な形態または状態で、1つ以上の物質(例えば、香味および/または薬学的有効成分)を提供するように適合され得る。例えば、吸入可能な物質は、実質的に蒸気の形態(すなわち、その吸入可能な物質の臨界点よりも低い温度で気相にある物質)であり得る。あるいは、吸入可能な物質は、エアロゾルの形態(すなわち、気体中の微細固体粒子または液滴の浮遊物)であり得る。分かりやすくするために、本明細書で使用される用語「エアロゾル」は、目に見えるかどうか、また煙状であると見なされ得る形態であるかどうかに関わりなく、人間の吸入に適した形態または種類の蒸気、気体およびエアロゾルを含むことを意味する。
【0037】
従来の種類の喫煙品(例えば、タバコを点火し、吸入することによって使用される紙巻タバコ、葉巻またはパイプ)を使用する際に、本開示のエアロゾル送達装置は、使用時に、個人によって使用される多くの身体的動作を受け得る。例えば、本開示のエアロゾル送達装置のユーザは、従来の種類の喫煙品のようにその物品を保持し、その物品によって生成されたエアロゾルを吸入するためにその物品の一端を吸い、選択された時間間隔で吸煙する等々を行うことができる。
【0038】
本開示のエアロゾル送達装置は、一般に、外側シェルまたは外側本体内に設けられた多数の構成要素を含む。外側シェルまたは外側本体の全体的な設計は様々であり得、エアロゾル送達装置の全体的な寸法および形状を画定することができる外側本体の形式または構成は様々であり得る。典型的には、紙巻タバコまたは葉巻の形状に類似する細長い本体が、単一の一体型のシェルから形成され得るか、細長い本体が、2つ以上の分離可能な部品から形成され得る。例えば、エアロゾル送達装置は、形状が実質的に管状であり得る、且つそれにより従来の紙巻タバコまたは葉巻の形状に類似し得る、細長いシェルまたは本体を含むことができる。ただし、他の実施形態では、様々な他の形状および構成が使用されてもよい(例えば、長方形またはフォブ形状(fob-shaped))。
【0039】
一実施形態では、エアロゾル送達装置のあらゆる構成要素が、1つの外側本体または外側シェル内に収容される。あるいは、エアロゾル送達装置は、接合され分離可能な2つ以上のシェルを含むことができる。例えば、エアロゾル送達装置は、1つ以上の再使用可能な構成要素(例えば、充電可能な電池、およびその物品の動作を制御するための様々な電子機器)を収容するシェルを含む制御本体を一端に有することができ、使い捨て部分(例えば、使い捨て可能な香味含有カートリッジ)を収容する取り外し可能に取り付けられたシェルを他端に有することができる。単一シェルタイプのユニット内または複数部品の分離可能シェルタイプのユニット内の構成要素のさらに具体的な形式、構成および配置は、本明細書に提供されるさらなる開示に照らして明らかになるであろう。さらに、市販の電子エアロゾル送達装置を考慮して、様々なエアロゾル送達装置の設計と構成要素の配置とを理解することができる。
【0040】
一般に、本開示のエアロゾル送達装置は、一般に、電気エネルギー源(すなわち、電源)と、加熱部材または発熱構成要素(例えば、導電性電気抵抗加熱部材または誘導加熱部材)と、加熱部材に近接してまたは直接接触して配置可能な吸入可能な物質媒体を含むエアロゾル源部材と、割出機構と、少なくとも1つの制御構成要素(例えば、動力源からエアロゾル送達装置の構成要素への電流の流れを制御することなどによって、発熱および割出のための電力を作動、制御、調整および/または停止するための手段)とのいくつかの組合せを含み得る。加熱部材が吸入可能な物質媒体を加熱すると、吸入可能な物質は、消費者による吸入に適した物理的形態で、吸入可能な物質媒体から形成されるか、放出されるか、生成される。前述の用語は、放出する(release)、放出する(releasing)、放出する(releases)または放出された(released)への言及が、形成するまたは生成する(form or generate)、形成するまたは生成する(forming or generating)、形成するまたは生成する(forms or generates)および形成されたまたは生成された(formed or generated)を含むように言い換え可能であることを意味することに留意すべきである。具体的には、吸入可能な物質は、蒸気もしくはエアロゾルまたはそれらの混合物の形態で放出される。前述の用語は、放出する(release)、放出する(releasing)、放出する(releases)または放出された(released)への言及が、形成するまたは生成する(form or generate)、形成するまたは生成する(forming or generating)、形成するまたは生成する(forms or generates)および形成されたまたは生成された(formed or generated)を含むように言い換え可能であることを意味することに留意すべきである。具体的には、吸入可能な物質は、蒸気もしくはエアロゾルまたはそれらの混合物の形態で放出され、このような用語も、別段の定めがない限り、本明細書では言い換え可能に使用される。
【0041】
上述のように、エアロゾル送達装置は、電気エネルギー源(例えば、電池および/または他の電源、例えば、コンデンサ)を組み込み、ヒータの電力供給、制御システムの電力供給、割出機構の電力供給、インジケータの電力供給などのように、エアロゾル送達装置に様々な機能を提供するのに十分な電流の流れを提供してもよい。動力源は様々な実施形態を呈することができる。好ましくは、動力源は、加熱部材を急速に加熱するのに十分な電力を供給してエアロゾルを形成し、所望の持続時間にわたる使用を通してエアロゾル送達装置に電力を供給することができる。動力源は、好ましくは、エアロゾル送達装置を容易に取り扱うことができるように、エアロゾル送達装置内に都合よく適合するような大きさである。さらに、好ましい動力源は、望ましい喫煙経験を損なわないように十分軽量である。
【0042】
本開示のエアロゾル送達装置内の構成要素のさらに具体的な形式、構成および配置は、以下に提供されるさらなる開示に照らして明らかになるであろう。さらに、市販の電子エアロゾル送達装置を考慮して、様々なエアロゾル送達装置構成要素の選択を理解することができる。さらに、市販の電子エアロゾル送達装置を考慮して、エアロゾル送達装置内の構成要素の配置を理解することもできる。市販製品の構成要素、市販製品の操作方法、市販製品の中に含まれる材料および/または他の市販製品の属性が本開示の装置に含まれ得る市販製品の例、ならびに本開示のエアロゾル送達装置に使用され得る構成要素および関連技術の製造業者、設計者および/または譲受人が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる2016年7月28日に出願されたWatsonらの米国特許出願第15/222,615号明細書に記載されている。
【0043】
本開示による装置は、以下で詳細に説明するように、様々な実施形態を呈し得るが、消費者による装置の使用は、適用範囲の点で同様となる。特に、装置は、使用のために消費者によって組み合わされ、その後、消費者によって分解される複数の構成要素として提供され得る。具体的には、消費者は、実質的に円筒形、実質的に長方形、または制御本体ハウジングの一部に配置された開口部を有する別の形状である再使用可能な制御本体を有し得る。いくつかの実施形態では、ハウジングはまた、装置の能動的使用の1つ以上のインジケータを含み得る。消費者は、制御本体の開口部に係合するか、受容される1つ以上のエアロゾル源部材をさらに有し得る。消費者は、物品を使用するために、本明細書で説明されるように装置が動作可能であるように、開口部にエアロゾル源部材を挿入するか、他の方法でエアロゾル源部材と制御本体とを組み合わせ得る。いくつかの実施形態では、エアロゾル源部材は、構成要素の全体的な構造および/または他の内部受容機能によって許容される限り、制御本体に挿入され得る。典型的には、それを用いて吸煙するために消費者の口に挿入するのに少なくとも十分な大きさのエアロゾル源部材の少なくとも一部が、制御本体の外側に留まる。これは、エアロゾル源部材の吸い口端と呼ばれ得る。
【0044】
消費者は、使用中、吸入可能な物質媒体(またはその吸入可能な物質媒体の特定の部分)に隣接する加熱部材の加熱を開始し、媒体の加熱は、ハウジングおよび/またはエアロゾル源部材内の空間内に吸入可能な物質を放出して、吸入可能な物質を生成する。消費者がエアロゾル源部材の吸い口端を吸入すると、空気が、制御本体の開口部を通ってエアロゾル源部材に、および/またはエアロゾル源部材自体に吸引される。吸引された材料がエアロゾル源部材の吸い口端を出て消費者の口に入る際に、吸引された空気と放出された吸入可能な物質との組合せが消費者によって吸入される。いくつかの実施形態では、消費者は、加熱を開始するために、加熱部材に電池または他の動力源から電気エネルギーを受け取らせる押しボタンまたは同様の構成要素を手動で作動させてもよい。電気エネルギーは、所定の長さの時間にわたって供給されてもよいし、手動で制御されてもよい。好ましくは、電気エネルギーの流れは、装置を用いた吸煙の合間に実質的に継続しない(ただし、エネルギー流は、周囲温度よりも高いベースライン温度(例えば、作動加熱温度への急速加熱を容易にする温度)を維持するように継続してもよい。他の実施形態では、加熱は、本明細書で別途説明するように、様々なセンサの使用を介して、消費者の吸煙動作によって開始されてもよい。吸煙が中止されると、加熱が停止または減少してもよい。消費者が十分な数の吸煙を行って十分な量の吸入可能な物質(例えば、典型的な喫煙経験に相当するのに十分な量)を放出すると、エアロゾル源部材は制御本体から取り外され、廃棄され得る。
【0045】
一般に、エアロゾル源部材と加熱部材との間の相対運動は、様々な方法で達成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、これは、エアロゾル源部材に対して加熱部材を移動させることによって達成され得、他の実施形態では、これは、加熱部材に対してエアロゾル源部材を移動させることによって達成され得、さらに他の実施形態では、これは、エアロゾル源部材および加熱部材の両方を互いに対して移動させることによって達成され得る。例として、以下に説明する実施形態では、相対運動は、エアロゾル源部材に対して加熱部材を移動させることによって達成される。以下で詳細に説明するように、様々な実施形態では、加熱部材に連結された割出機構が、加熱部材とエアロゾル源部材との間に漸増相対運動を作り出すように構成され得、その結果、加熱部材が、エアロゾル源部材に対する加熱部材の1つ以上の位置に対応するエアロゾル源部材の1つ以上のセグメントを加熱し得る。いくつかの実施形態では、割出機構は、消費者によって行われた1つ以上の吸煙によって割出機構が作動され得るという点で、「自動的に」動作し得る。他の実施形態では、消費者は、割出機構を手動で作動させてもよい。いくつかの実施形態では、自動作動と手動作動との組合せが存在してもよい。いずれにせよ、加熱部材がエアロゾル源部材の利用可能なセグメントを加熱した後に、エアロゾル源部材は制御本体から取り外され、廃棄され得る。装置の使用の上述の説明は、本明細書に提供されるさらなる開示に照らして当業者には明らかであり得る軽微な変更を介して、説明される様々な実施形態に適用され得る。ただし、上述の使用の説明は、本発明の装置の使用を限定することを意図するものではなく、本開示のすべての必要な開示要件に従うために提供される。
【0046】
上述のように、タバコ含有ビーズ、タバコ細断片、タバコ細片、再構成されたタバコ材料もしくはそれらの組合せ、および/または、微粉砕タバコの混合物、タバコ抽出物、噴霧乾燥タバコ抽出物、または、任意の無機材料(炭酸カルシウムなど)および任意の香味およびエアロゾル形成材料と混合されて実質的に固体もしくは成形可能な(例えば、押し出された)基材を形成する他のタバコ形態、を含み得る吸入可能な物質媒体を、エアロゾル源部材の被加熱端の少なくとも一部は、含み得る。ゲルおよび懸濁液も利用され得る。いくつかの代表的な種類の固体および半固体の吸入可能な物質媒体の構築物および配合物は、いずれも参照により本明細書に組み込まれるThomasらの米国特許第8,424,538号明細書、Sebastianらの米国特許第8,464,726号明細書、Connerらの米国特許出願公開第2015/0083150号明細書、Ademeらの米国特許出願公開第2015/0157052号明細書および2015年6月30日に出願されたNordskogらの米国特許出願公開第2017-0000188号明細書に開示されている。
【0047】
様々な実施形態では、エアロゾル源部材またはそのエアロゾル源部材の一部は、エアロゾル源部材に追加の構造および/または支持を提供するのに有用な任意の材料から形成され得る上巻き材料(overwrap material)で巻かれ得る。様々な実施形態では、上巻き材料は、紙または他の繊維状材料、例えば、セルロース材料を含み得る、熱の伝達に抵抗する(または熱の伝達を促進する)材料を含み得る。上巻き材料はまた、繊維状材料内に埋め込まれたまたは分散された少なくとも1つのフィラー材料を含み得る。様々な実施形態では、フィラー材料は、水不溶性粒子の形態を有し得る。さらに、フィラー材料は、無機成分を組み込むことができる。様々な実施形態では、上巻きは、下にあるバルク層などの複数の層と、紙巻タバコ内の典型的な巻紙などの上にある層とから形成されてもよい。このような材料には、例えば、亜麻、麻、サイザル麻、稲わら、および/またはエスパルトなどの軽量の「ラグ繊維(rag fiber)」が含まれ得る。本開示とともに使用され得る上巻き材料の構成に関する追加の説明は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるWormらの米国特許第9,078,473号明細書に見出され得る。追加の実施形態では、上巻き材料は、以下の性質のうちの1つ以上を有し得る:エアロゾルの移動に対して不透過性であり得、対象とする高温に耐える能力を有し得、ヒータからタバコスティック材料への半径方向の熱伝達を促進し得、加熱されるセグメントから離れて、タバコスティックに沿った軸方向の熱伝達に抵抗し得、および/または加熱されるセグメントの急速な温度上昇を抑制しないように、比較的低い熱質量を有し得る。一実施形態では、上巻き材料は、いくつかの実施形態では約.001インチの厚さであり得るステンレス鋼箔であり得る。
【0048】
様々な実施形態では、エアロゾル源部材の吸い口端は、酢酸セルロース材料またはポリプロピレン材料から作製され得るフィルタを含み得る。様々な実施形態では、フィルタは、エアロゾル源部材の吸い口端の構造的完全性を高め、および/または所望により濾過能力を提供し、および/または吸引に対する抵抗を提供してもよい。例えば、本開示による物品は、17.5cc/秒の空気流で約50~約250mmの水圧降下という圧力降下を示すことができる。さらなる実施形態では、圧力降下は、約60mm~約180mmまたは約70mm~約150mmであり得る。圧力降下値は、Filtrona Instruments and Automation Ltdから入手可能なFiltrona Filter Test Station(CTSシリーズ)またはthe Cerulean Division of Molins,PLCから入手可能なQuality Test Module(QTM)を使用して測定され得る。エアロゾル源部材の吸い口端にあるフィルタの長さは、約2mm~約20mm、約5mm~約20mmまたは約10mm~約15mmのように様々であり得る。いくつかの実施形態では、フィルタは上巻きから分離されてもよく、フィルタは上巻きによって所定の位置に保持されてもよい。
【0049】
本開示で上巻きに使用され得る追加の例示的な種類の上巻き材料、巻き材料(wrapping material)構成要素および処理済巻き材料は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるWhiteらの米国特許第5,105,838号明細書、Arzonicoらの米国特許第5,271,419号明細書、Gentryの米国特許第5,220,930号明細書、Woodheadらの米国特許第6,908,874号明細書、Ashcraftらの米国特許第6,929,013号明細書、Hancockらの米国特許第7,195,019号明細書、Holmesの米国特許第7,276,120号明細書、Hancockらの米国特許第7,275,548号明細書、FournierらのPCT国際公開第01/08514号パンフレットおよびHajaligolらのPCT国際公開第03/043450号パンフレットに記載されている。代表的な巻き材料は、Schweitzer-Maudit Internationalから、R.J.Reynolds Tobacco Companyグレード119、170、419、453、454、456、465、466、490、525、535、557、652、664、672、676および680として市販されている。巻き材料の気孔率は様々であり得、頻繁には、約5 CORESTA単位~約30,000 CORESTA単位であり、多くの場合、約10 CORESTA単位~約90 CORESTA単位であり、頻繁には、約8 CORESTA単位~約80 CORESTA単位である。
【0050】
上巻きを介した半径方向(すなわち、外側)の空気浸透によって普通なら希釈され得るエアロゾルおよび香味の送達を最大化するために、非多孔性タバコ巻紙の1つ以上の層が使用されて、エアロゾル源部材を包んでもよい(上巻きの存在の有無にかかわらず)。好適な非多孔性タバコ巻紙の例は、Kimberly-Clark Corp.からKC-63-5、P878-5、P878-16-2および780-63-5として市販されている。好ましくは、上巻きは、本発明の物品の使用中に形成される蒸気に対して実質的に不透過性である材料である。所望により、上巻きは、弾性板紙材料、箔を裏打ちした板紙、金属、ポリマー材料などを含むことができ、この材料は、タバコ巻紙の巻きにより囲まれ得る。上巻きは、構成要素を囲むチップペーパー(tipping paper)を含み得、場合により、本明細書で別途説明するように、エアロゾル源部材にフィルタ材料を取り付けるために使用され得る。様々な実施形態では、吸入可能な物質媒体とエアロゾル源部材の吸い口端との間に他の構成要素が存在してもよく、吸い口端はフィルタを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、吸入可能な物質媒体と吸い口端との間に、エアギャップ;冷却空気用の相変化材料;香味放出媒体;選択的化学吸着が可能なイオン交換繊維;フィルタ媒体としてのエアロゲル粒子;および他の好適な材料のうちの1つまたは任意の組合せが配置されてもよい。
【0051】
上述のように、様々な実施形態では、エアロゾル源部材は、吸入可能な物質媒体を含み得る。吸入可能な物質媒体は、加熱されると、香味含有物質などの吸入可能な物質を放出する任意の材料であり得る。図に示される実施形態では、吸入可能な物質媒体は、吸入可能な物質を含む固体または半固体の基材である。吸入可能な物質は、具体的には、タバコ成分またはタバコ由来材料(すなわち、タバコから直接単離され得る、タバコ中に天然に見出される材料、または合成的に調製される材料)であり得る。例えば、吸入可能な物質媒体は、不活性基材と組み合わされたタバコ抽出物またはそのタバコ抽出物の画分を含み得る。吸入可能な物質媒体は、燃焼温度よりも低い温度に加熱されると吸入可能な物質を放出する未燃焼タバコまたは未燃焼タバコを含有する組成物をさらに含み得る。あまり好ましくないが、吸入可能な物質媒体は、タバコ凝縮物またはそのタバコ凝縮物の画分(すなわち、タバコの燃焼によって生成され、香味およびおそらくニコチンを残す、煙の凝縮成分)を含み得る。
【0052】
本開示に有用なタバコ材料は様々であり得、例えば、黄色種タバコ、バーレータバコ、オリエンタルタバコもしくはメリーランドタバコ、暗色タバコ、暗色火干タバコおよびラスチカタバコ、ならびに他の希有もしくは特製タバコ、またはそれらの混合物を含み得る。タバコ材料はまた、いわゆる「混合物」形態および加工済み形態、例えば、加工済みタバコステム(例えば、カットロールステムまたはカットパフステム)、体積膨張タバコ(例えば、有利にはカットフィラー形態のパフタバコ、例えば、ドライアイス膨張タバコ(DIET))、再構成されたタバコ(例えば、紙形成タイプ加工またはキャストシートタイプ加工を使用して製造された再構成されたタバコ)を含み得る。様々な代表的なタバコの種類、加工された種類のタバコ、およびタバコの混合物の種類が、参照により本明細書に組み込まれるLawsonらの米国特許第4,836,224号明細書、Perfettiらの米国特許第4,924,888号明細書、Brownらの米国特許第5,056,537号明細書、Brinkleyらの米国特許第5,159,942号明細書、Gentryの米国特許第5,220,930号明細書、Blakleyらの米国特許第5,360,023号明細書、Shaferらの米国特許第6,701,936号明細書、Liらの米国特許第7,011,096号明細書およびLiらの米国特許第7,017,585号明細書、Lawsonらの米国特許第7,025,066号明細書、Perfettiらの米国特許出願公開第2004-0255965号明細書、BeremanのPCT国際公開第02/37990号パンフレットならびにBombickらのFund.Appl.Toxicol.,39,p.11-17(1997)に記載されている。本開示によるものを含め、喫煙装置に有用であり得る追加の例示的なタバコ組成物が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるRobinsonらの米国特許第7,726,320号明細書に開示されている。
【0053】
さらに、吸入可能な物質媒体は、不活性基材の内部に組み込まれるか、そうでなければその不活性基材上に堆積される、吸入可能な物質またはその吸入可能な物質の前駆体を有する不活性基材を、吸入可能な物質媒体は含んでもよい。例えば、吸入可能な物質を含む液体が、不活性基材上にコーティングされるか、不活性基材に吸収または吸着されてもよく、その結果、熱を加えると、吸入可能な物質が、正圧または負圧の印加により本発明の物品から引き出され得る形態で放出される。いくつかの態様では、吸入可能な物質媒体は、カットフィラー形態の風味豊かな芳香性タバコの混合物を含み得る。別の態様では、吸入可能な物質媒体は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるPryorらの米国特許第4,807,809号明細書、Pryorらの米国特許第4,889,143号明細書およびRakerの米国特許第5,025,814号明細書に記載されているような再構成されたタバコ材料を含み得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、吸入可能な物質媒体は、エアロゾル前駆体組成物(例えば、保湿剤、例えば、プロピレングリコール、グリセリンなど)および/または少なくとも1つの香味剤、ならびに熱源によるエアロゾル送達構成要素の点火、熱分解、燃焼および/または焦げ付きの防止を助けるように構成された燃焼遅延剤(例えば、リン酸二アンモニウムおよび/または別の塩)を組み込むように処理、製造、生成および/または加工されたタバコ、タバコ成分および/またはタバコ由来材料を含み得る。喫煙品、特に、喫煙品内の実質的にあらゆるタバコを意図的に燃焼させないように設計される喫煙品にタバコを組み込むための様々な様式および方法が、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるBrooksらの米国特許第4,947,874号明細書、Cantrellらの米国特許第7,647,932号明細書、Robinsonらの米国特許第8,079,371号明細書、Banerjeeらの米国特許第7,290,549号明細書およびCrooksらの米国特許出願公開第2007/0215167号明細書に記載されている。
【0055】
いくつかの実施形態では、他の難燃性/燃焼遅延性材料および添加剤が、吸入可能な物質媒体内に含まれてもよく、有機リン化合物、ホウ砂、水和アルミナ、グラファイト、トリポリリン酸カリウム、ジペンタエリスリトール、ペンタエリスリトールおよびポリオールを含んでもよい。窒素ホスホン酸塩、リン酸一アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、臭化アンモニウム、ホウ酸アンモニウム、ホウ酸エタノールアンモニウム、スルファミン酸アンモニウム、ハロゲン化有機化合物、チオ尿素および酸化アンチモンなどの他のものが使用されてもよい。吸入可能な物質媒体および/または他の構成要素(単独で、または互いにおよび/または他の材料と組み合わせたものにかかわらず)に使用される難燃性材料、燃焼遅延性材料および/または焦げ付き遅延性材料の各態様では、望ましい特性は、望ましくないガス放出、化学反応性または溶融型挙動を伴わずに提供されることが好ましい。追加の香味料、香味剤、添加剤および他の可能な増強成分は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPhillipsらの米国特許出願第15/707,461号明細書に記載されている。
【0056】
吸入可能な物質(例えば、一般に、香味、ニコチンまたは医薬品)に加えて、吸入可能な物質媒体は、1つ以上のエアロゾル形成材料または蒸気形成材料、例えば、多価アルコール(例えば、グリセリン、プロピレングリコールまたはそれらの混合物)および/または水を含み得る。代表的な種類のエアロゾル形成材料は、参照により本明細書に組み込まれるSensabaugh,Jr.らの米国特許第4,793,365号明細書およびJakobらの米国特許第5,101,839号明細書、BiggsらのPCT国際公開第98/57556号パンフレットならびにChemical and Biological Studies on New Cigarette Prototypes that Heat Instead of Burn Tobacco,R.J.Reynolds Tobacco Company Monograph(1988)に記載されている。好ましいエアロゾル形成材料は、そのエアロゾル形成材料に十分な熱を加えると目に見えるエアロゾルを生成し、非常に好ましいエアロゾル形成材料は、「煙状」と見なされ得るエアロゾルを生成する。タバコアロマオイル、タバコエッセンス、噴霧乾燥タバコ抽出物、凍結乾燥タバコ抽出物、タバコダストなどの追加のタバコ材料が、蒸気形成材料またはエアロゾル形成材料と組み合わせられてもよい。また、吸入可能な物質自体が、加熱時に吸入可能な物質が蒸気、エアロゾルまたはそれらの組合せとして放出される形態であってよいことを理解されたい。他の実施形態では、吸入可能な物質は、必ずしも蒸気またはエアロゾルの形態で放出する必要はない場合があるが、吸入可能な物質と組み合わせられ得る蒸気形成材料またはエアロゾル形成材料は、加熱時に蒸気またはエアロゾルを形成し、吸入可能な物質自体の担体として本質的に機能することができる。したがって、吸入可能な物質は、基材上にコーティングされているか、基材に吸収されているか、基材の表面に吸着されているか、基材の天然成分(すなわち、基材を形成する材料、例えば、タバコまたはタバコ由来材料)であると特徴付けられ得る。同じく、エアロゾル形成材料または蒸気形成材料も同様に特徴付けられ得る。特定の実施形態では、吸入可能な物質媒体は、吸入可能な物質を含む基材と、その基材に含まれる別個のエアロゾル形成材料とを特に含み得る。このように、使用中、基材は加熱されてもよく、エアロゾル形成材料は、エアロゾル形成材料とともに吸入可能な物質を取り込んで蒸気形態に揮発されてもよい。特定の例では、固体基材上にコーティングされるか固体基材中に吸収または吸着される、タバコのスラリーおよびエアロゾル形成材料および/または蒸気形成材料を有する固体基材を、吸入可能な物質媒体は含み得る。基材成分は、吸入可能な物質の放出を促進するために加熱部材が達成する、本明細書に記載の温度で燃焼しないか、他の方法で劣化しない任意の材料であってよい。例えば、タバコ紙(例えば、タバコ繊維および/または再構成されたタバコを含む紙状材料)を含む紙材料が使用されてもよい。したがって、様々な実施形態では、吸入可能な物質を含むものとして、代わりに吸入可能な物質および別個のエアロゾル形成剤または蒸気形成剤を含むものとして、代わりに吸入可能な物質および基材を含むものとして、または代わりに吸入可能な物質媒体、別個のエアロゾル形成剤もしくは蒸気形成剤および基材を含むものとして、吸入可能な物質媒体は、特徴付けられてもよい。したがって、基材は、吸入可能な物質およびエアロゾル形成剤または蒸気形成剤の一方または両方を含有し得る。
【0057】
所望により、タバコ材料または吸入可能な物質媒体は、一般に、糖、グリセリン、バニラ、ココア、甘草および他の香味物質、例えば、メントールなどの他の成分をさらに含み得る。使用され得る例示的な植物由来組成物は、Dubeらの米国特許出願公開第2012/0152265号明細書およびDubeらの米国特許第9,107,453号明細書に開示されている。そのような追加の成分の選択は、本物品に望まれる感覚特性などの要因に基づいて様々であり得、本開示は、タバコおよびタバコ関連製品またはタバコ由来製品の当業者に容易に明らかであり得る任意のそのような追加の成分を包含することを意図している。GutchoのTobacco Flavoring Substances and Methods,Noyes Data Corp.(1972)およびLeffingwellらのTobacco Flavoring for Smoking Products(1972)を参照されたい。
【0058】
吸入可能な物質および/または別個の蒸気形成材料は、様々な構成で基材上に提供され得る。例えば、両方の材料は、基材の長さに沿った各材料の濃度が実質的に一定であるように基材に関連付けられ得る(例えば、基材を複数の長手方向セグメントに分割する場合、各個別のセグメント中の材料の総濃度は実質的に類似し得、例えば、10質量%未満、5質量%未満または2質量%未満だけ変動する)。他の実施形態では、材料の一方または両方が規定されたパターンで存在し得る。例えば、パターンは、濃度が基材の長さに沿って連続的に増加または減少する勾配であり得る。このように、物品を用いた最初の吸煙は、最後の吸煙での吸入可能な物質の量よりも顕著に多いまたは少ない量の吸入可能な物質を提供してもよい。勾配はまた、全吸煙にわたって吸入可能な物質の均一な生成を提供するように設計され得る。さらに、パターンは、大量の吸入可能な物質が、基材の長さに沿ったある点で提供されるようなものであり得る(例えば、物品を用いた最初の吸煙、最後の吸煙、またはいくつかの中間の吸煙に対応する)。本開示に照らして、任意の様々なそのようなパターンが想定され得、そのような変形例は、同様に、本開示に包含される。そのようなパターン化は、同様に、本明細書に記載される追加の成分(例えば、香味料)に適用され得る。例えば、大量の香味料が、物品を用いた最後の吸煙または最後の2つもしくは3つの吸煙に実質的に対応する位置で基材上に提供され得る。そのような香味の放出は、装置を用いた最後の吸煙が近づいているか、達成されたことを消費者に知らせ得る。本開示の吸入可能な物質媒体に含まれ得る様々な他の構成および構成要素は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるWormらの米国特許第9,078,473号明細書に記載されている。
【0059】
本開示のいくつかの態様では、吸入可能な物質媒体は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるStoneらの米国特許出願公開第2012/0042885号明細書に記載されているように、押出材として構成され得る。さらに他の態様では、吸入可能な物質媒体は、タバコ、タバコ関連材料、グリセリン、水および/または結合剤材料を含むか、それらから本質的に構成される押出構造体および/または基材として構成され得るが、特定の配合物は結合剤材料を含まない。様々な実施形態では、結合剤材料は、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ガム(例えば、グアーガム)、キサンタン、プルランおよび/またはアルジネートを含め、タバコ配合物に一般的に使用される任意の結合剤材料であってよい。いくつかの態様によれば、エアロゾル送達構成要素に含められる結合剤材料は、エアロゾル送達構成要素の構造的形状および/または完全性を実質的に維持するように構成され得る。様々な代表的な結合剤、結合剤の特性、結合剤の使用法、および結合剤の量は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるRakerらの米国特許第4,924,887号明細書に記載されている。
【0060】
いくつかの実施形態では、吸入可能な物質媒体は、エアロゾル生成プロセス全体を通じてその構造を実質的に維持するようにさらに構成される。すなわち、吸入可能な物質媒体は、エアロゾル生成プロセス全体を通じてその形状を実質的に維持するように構成される(すなわち、エアロゾル送達構成要素は、加えられた剪断応力下で連続的に変形しない)。いくつかの実施形態では、吸入可能な物質媒体成分は、液体および/またはいくらかの水分含有量を含み得るが、いくつかの実施形態では、吸入可能な物質媒体は、エアロゾル生成プロセス全体を通じて実質的に固体のままであり、エアロゾル生成プロセス全体を通じてその構造的完全性を実質的に維持するように構成される。実質的に固体のエアロゾル送達構成要素に適した例示的なタバコおよび/またはタバコ関連材料は、Ademeらの米国特許出願公開第2015/0157052号明細書、Searsらの米国特許出願公開第2015/0335070号明細書、Whiteの米国特許第6,204,287号明細書およびHearnらの米国特許第5,060,676号明細書に記載されており、これらはいずれも、それぞれ参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0061】
さらに別の態様では、吸入可能な物質媒体は、マルメライザー処理された、および/またはマルメライザー処理されていないタバコから形成された押出構造体および/または基材を含んでもよい。マルメライザー処理されたタバコは、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるBanerjeeらの米国特許第5,105,831号明細書によって知られている。マルメライザー処理されたタバコは、本明細書で説明される結合剤、および/または香味剤と併せて、グリセロール(約20~約30重量パーセント)、炭酸カルシウム(一般に約10~約60重量パーセント、多くの場合、約40~約60重量パーセント)とともに、約20~約50パーセント(重量)のタバコの混合物を粉末形態で含む。
【0062】
様々な実施形態では、基材壁は、その基材壁の中に吸入可能な物質を自然に含むことができる材料(例えば、タバコ紙)から実質的に形成され得るか、その基材壁の中に同伴された吸入可能な物質および/または蒸気形成剤またはエアロゾル形成剤を有し得る任意の追加の材料(例えば、紙)から形成され得る。吸入可能な物質および/または蒸気形成物質またはエアロゾル形成物質に加えて、基材壁は追加の成分を含み得る。例えば、吸入可能な物質媒体壁の外面に蒸気バリアが含まれ得る。好ましくは、蒸気バリアは、吸入可能な物質媒体が加熱される際に加熱部材に隣接する(または接触する)壁面に配置される。特定の実施形態では、蒸気バリアは、電気絶縁性である材料から形成され得るか、加熱部材と接触することができる電気絶縁性材料の層を含み得る。例えば、蒸気バリアとして金属箔が使用されてもよく、箔は、加熱部材と接触する絶縁単層(例えば、金属酸化物層)を有し得る。吸入可能な物質媒体の外容積への蒸気またはエアロゾルの放出を防止して、吸入可能な物質媒体壁の内面によって画定された環状空間への蒸気またはエアロゾルの放出を容易にするための吸入可能な物質媒体の壁。金属箔などの任意の蒸気バリア材料が使用されてもよい。
【0063】
さらなる実施形態では、吸入可能な物質媒体は、物品のほぼ動作温度で(特に固体から溶融に)相を軟化または変化させる材料から形成され得る。例えば、吸入可能な物質媒体は、ワックスまたはゲルであり得、吸入可能な物質は、その吸入可能な物質媒体の中に同伴され得る。そのような実施形態では、吸入可能な物質媒体に支持を提供し且つ吸入可能な物質媒体が加熱部材に接触するのを実質的に防止する、蒸気バリア(または同様の材料)を含めることが特に有用であり得る。同様に、吸入可能な物質媒体は、吸入可能な物質および/またはエアロゾル形成材料によってコーティングされた蒸気バリア層を含み得る。例えば、そのようなコーティング材料のうちの1つ以上は、本明細書で別途説明する動作範囲のうちの1つ以上の範囲内の温度でその成分を好ましくは放出するマイクロカプセル化形態であり得る。そのような実施形態では有用であり得るマイクロカプセル化技術が、例えば、Davisの米国特許第4,464,434号明細書に開示されている。
【0064】
いくつかの実施形態(加熱部材が中空エアロゾル源部材内に配置されている場合など)では、本発明の物品の特定の性能を提供するために、吸入可能な物質媒体の張力付与が有用であり得る。本明細書で別途説明するように、特に紙などの比較的低い熱伝達を示す基材が使用される場合、熱が効率的に伝達されるように、吸入可能な物質媒体が比較的薄い厚さを有することが有益であり得る。しかし、薄い厚さの基材は、特定の寸法では比較的低い強度を有し、他の寸法では比較的高い強度を示す可能性がある。例えば、張力のかかった薄い紙は、圧縮された同じ紙の強度と比較して高い強度を示す。張力を付与することにより、加熱される吸入可能な物質媒体(使用される基材または存在し得る蒸気バリアを含む)の表面に対する加熱部材の直接接触を容易にすることもできる。
【0065】
他の実施形態(加熱部材が中空エアロゾル源部材の外側の周りに配置されている場合など)では、エアロゾル源部材の内部を支持して、エアロゾル源部材の外側に作用する加熱部材の外向きの圧力によってエアロゾル源部材が崩壊するのを防ぐことが望ましい場合がある。いくつかの実施形態では、例えば、これは、比較的低い熱質量および熱伝導率を有する細断されたタバコまたは他の物質によってエアロゾル源部材の内径を充填することによって達成され得る。他の実施形態では、例えば、これは、上巻き材料(例えば、金属箔)の剛性に依存して、薄い基材壁に追加の強度を提供することによって達成され得る。他の実施形態では、例えば、蒸気の輸送を可能にするが、管壁に追加の剛性を提供する透過性の紙または有孔紙を用いて、基材壁の内面にラミネートが追加されてもよい。
【0066】
上述のように、吸い口端の反対側のエアロゾル源部材の端部は、制御本体に挿入するための大きさおよび形状である。したがって、エアロゾル源部材の最大外径(または実施形態の特定の断面形状に応じて他の寸法)が制御本体内の受容チャンバの開放端の内径(または他の寸法)よりも好ましくは小さい大きさである制御本体内に、受容チャンバが形成され得る。理想的には、エアロゾル源部材が受容チャンバにぴったりと合い、摩擦力が、エアロゾル源部材が力を加えられることなく移動するのを防ぐように、それぞれの直径の差は十分に小さい。
【0067】
前述のように、いくつかの実施形態では、エアロゾル源部材は上巻きを含み得る。上巻きが存在する場合、その上巻きの全長は、吸入可能な物質媒体の長さと実質的に同一であるものから、吸入可能な物質媒体の長さの約2倍まで様々であり得る。したがって、吸入可能な物質媒体は、上巻きの長さよりも最大約50%、最大約30%または最大約10%短い長さを有し得る。好ましくは、吸入可能な物質媒体は、上巻きの長さよりも少なくとも10%、少なくとも15%または少なくとも20%短い長さを有し得る。さらに具体的には、上巻きが吸入可能な物質媒体を越えて延びる距離は、吸入可能な物質媒体の長さの約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%または約100%であり得る。
【0068】
上巻きはまた、カートリッジの吸い口端に特定の特性を提供するように機能することができる。例えば、上巻きの構造および/または形状および/または寸法は、ユーザの口の中で従来の紙巻タバコの感覚を提供するように機能することができる。さらに、前述のように、上巻きは、カートリッジの吸い口端に近接して配置されたフィルタ(例えば、酢酸セルロースまたはポリプロピレン)を含み、その上巻きの構造的完全性を高め、および/または所望により濾過能力を提供し、および/または吸引に対する抵抗を提供してもよい。
【0069】
本開示によるエアロゾル送達装置100の例示的な実施形態の概略図が、
図1~
図3に示されている。一般に、エアロゾル送達装置100は、エアロゾル源部材500を受容するように構成されたハウジング104を含む制御本体102を含む。ハウジングはまた、例えば、装置をオンにし、加熱部材の加熱を開始するなど、装置100の特定の動作を作動させるように構成された押しボタン105を含み得る。様々な実施形態では、エアロゾル源部材500は、制御本体102に挿入されるように構成された被加熱端502と、ユーザがエアロゾルを生成するために吸引する吸い口端504とを含み得る。
図1~
図3のエアロゾル送達装置は、例示を容易にするために実質的に長方形またはフォブ形状の制御本体102を有するものとして示されているが、他の実施形態では、制御本体102は、実質的に管状の形状であり、したがって、従来の紙巻タバコまたは葉巻の形状に類似し得る細長いシェルまたは本体を含む任意の他の形状を有し得、したがって、以下に説明される構成要素は、細長い本体の内部に適合するような大きさおよび構成であり得ることに留意されたい。
【0070】
様々な実施形態では、制御本体102は、再使用可能であると呼ばれ得、エアロゾル源部材500は、使い捨て可能であると呼ばれ得る。いくつかの実施形態では、装置100全体は、制御本体102が、限られた数のエアロゾル源部材500を用いる限られた数の使用(例えば、電池電力構成要素が物品に十分な電力をもはや供給しなくなるまで)のためだけに構成され得、その後、制御本体102を含む装置100全体が廃棄され得るという点で、使い捨て可能であると特徴付けられ得る。他の実施形態では、制御本体102が多数の電池交換を通じて、および多くのエアロゾル源部材500とともに再使用され得るように、制御本体102は、交換可能な電池を有し得る。同様に、装置100は充電可能であり得、したがって、典型的なコンセントへの接続、自動車の充電器(すなわち、シガーソケット)への接続、誘導無線充電(例えば、Wireless Power Consortium(WPC)からのQi無線充電規格に準拠した無線充電を含む)を使用する充電器などの無線充電器、または無線周波数(RF)ベースの充電器への接続、およびUSBケーブルなどを介したコンピュータへの接続を含むあらゆる種類の充電技術と組み合わされてもよい。
【0071】
様々な実施形態では、ハウジング104は、管状または長方形の形状などの適切な構造を形成するのにおよび維持するのに適し且つエアロゾル源部材をそのハウジング104の中に保持するのに適した、任意の材料から形成され得る。いくつかの実施形態では、ハウジングは、単一の壁または複数の壁から形成され得、および本明細書でさらに説明されるように、電気加熱部材によって提供される加熱温度である少なくともある温度で、その構造的完全性を保持する(例えば、劣化しない)ように、耐熱性の1つ以上の材料(天然または合成)から形成され得る。いくつかの実施形態では、耐熱性ポリマーが使用され得る。他の実施形態では、セラミック材料が使用され得る。さらなる実施形態では、エアロゾル源部材から熱を不必要に移動させないように、断熱材が使用されてもよい。ハウジングは、単層から形成される場合、好ましくは約0.2mm~約5.0mm、約0.5mm~約4.0mm、約0.5mm~約3.0mmまたは約1.0mm~約3.0mmの厚さを有し得る。上述の機能を提供するために使用され得るか、上述の材料および構成要素の代替品として使用され得る追加の例示的な種類の構成要素および材料は、Crooksらの米国特許出願公開第2010/00186757号明細書、Crooksらの米国特許出願公開第2010/00186757号明細書およびSebastianらの米国特許出願公開第2011/0041861号明細書に記載される種類のものであり得、これらの文献の開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0072】
図には示されていないが、ハウジング104は、周囲空気の進入がエアロゾル源部材500の被加熱端502に導かれることを可能にするように、ハウジング104の中に1つ以上のアパーチャを含み得る。したがって、消費者がエアロゾル源部材500の吸い口端504を吸引すると、空気が、受容チャンバに吸引され、被加熱端502に近接するエアロゾル源部材500に入り、吸入可能な物質媒体を通って引き込まれ、吸い口端504を通して消費者によって吸入され得る。上巻きが存在する実施形態では、吸引された空気は、任意のフィルタを通して、上巻きの開口部から、吸入可能な物質を運び得る。
【0073】
様々な実施形態では、制御本体102は、ハウジング104内に画定された開口部106と、流量センサ(図示せず、例えば、吸煙センサまたは圧力スイッチ)と、制御構成要素108(例えば、個別に、またはマイクロコントローラの一部としてのマイクロプロセッサ、マイクロプロセッサおよび/またはマイクロコントローラを含むプリント回路基板(PCB)など)と、電気エネルギー源110(例えば、充電可能であってよい電池、および/または充電可能なスーパーキャパシタ)とを含み得る。動力源のいくつかの例は、Peckerarらの米国特許第9,484,155号明細書および2015年10月21日に出願されたSurらの米国特許出願公開第2017/0112191号明細書に記載されており、これらの開示は参照によりそれらの各々の全体が本明細書に組み込まれる。流量センサに関して、エアロゾル送達装置用の様々なマイクロコントローラ、センサおよびスイッチを含む代表的な電流調整構成要素および他の電流制御構成要素が、いずれも参照によりその全体が本明細書に組み込まれるGerthらの米国特許第4,735,217号明細書、いずれもBrooksらの米国特許第4,922,901号明細書、米国特許第4,947,874号明細書および米国特許第4,947,875号明細書、McCaffertyらの米国特許第5,372,148号明細書、Fleischhauerらの米国特許第6,040,560号明細書、Nguyenらの米国特許第7,040,314号明細書ならびにPanの米国特許第8,205,622号明細書に記載されている。参照によりその全体が本明細書に組み込まれるAmpoliniらの米国特許第9,423,152号明細書に記載された制御方式も参照される。
【0074】
本開示のエアロゾル送達装置には、さらに別の構成要素が利用され得る。例えば、Sprinkelらの米国特許第5,154,192号明細書は、喫煙品用のインジケータを開示しており、Sprinkel,Jr.の米国特許第5,261,424号明細書は、吸引に関連したユーザの唇の動作を検出し、次いで加熱装置の加熱を引き起こす装置の吸い口端に関連し得る圧電センサを開示しており、McCaffertyらの米国特許第5,372,148号明細書は、マウスピースを通る圧力の降下に応答して加熱負荷アレイへのエネルギー流を制御するための吸煙センサを開示しており、Harrisらの米国特許第5,967,148号明細書は、挿入された構成要素の赤外線透過性の不均一性を検出する識別器と、構成要素が容器に挿入された際に検出ルーチンを実行するコントローラとを含む喫煙装置内の容器を開示しており、Fleischhauerらの米国特許第6,040,560号明細書は、複数の異なるフェーズで規定された実行可能な電力サイクルを記載しており、Watkinsらの米国特許第5,934,289号明細書は、フォトニックオプトロニック(photonic-optronic)構成要素を開示しており、Countsらの米国特許第5,954,979号明細書は、喫煙装置を通る引込み抵抗を変化させるための手段を開示しており、Blakeらの米国特許第6,803,545号明細書は、喫煙装置に使用するための特定の電池構成を開示しており、Griffenらの米国特許第7,293,565号明細書は、喫煙装置とともに使用するための様々な充電システムを開示しており、Fernandoらの米国特許第8,402,976号明細書は、充電を容易にし、装置のコンピュータ制御を可能にするための喫煙装置用のコンピュータインターフェース手段を開示しており、Fernandoらの米国特許第8,689,804号明細書は、喫煙装置用の識別システムを開示しており、FlickによるPCT特許出願公開国際公開第2010/003480号パンフレットは、エアロゾル生成システムを用いた吸煙を示す流体流感知システムを開示しており、前述の開示はいずれも、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0075】
本物品で使用され得る電子エアロゾル送達物品に関連する構成要素および開示材料または構成要素の追加の例には、Gerthらの米国特許第4,735,217号明細書、Morganらの米国特許第5,249,586号明細書、Higginsらの米国特許第5,666,977号明細書、Adamsらの米国特許第6,053,176号明細書、Whiteの米国第6,164,287号明細書、Vogesの米国特許第6,196,218号明細書、Felterらの米国特許第6,810,883号明細書、Nicholsの米国特許第6,854,461号明細書、Honの米国特許第7,832,410号明細書、Kobayashiの米国特許第7,513,253号明細書、Hamanoの米国特許第7,896,006号明細書、Shayanの米国特許第6,772,756号明細書、Honの米国特許第8,156,944号明細書および第8,375,957号明細書、Thorensらの米国特許第8,794,231号明細書、Oglesbyらの米国特許第8,851,083号明細書、Monseesらの米国特許第8,915,254号明細書および第8,925,555号明細書、DePianoらの米国特許第9,220,302号明細書、Honの米国特許出願公開第2006/0196518号明細書および米国特許出願公開第2009/0188490号明細書、Oglesbyらの米国特許出願公開第2010/0024834号明細書、Wangの米国特許出願公開第2010/0307518号明細書、HonのPCT特許出願公開国際公開第2010/091593号パンフレットならびにFooのPCT特許出願公開国際公開第2013/089551号パンフレットが挙げられ、これらの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。さらに、2015年10月13日に出願されたWormらの米国特許出願番号第14/881,392号明細書は、エアロゾル送達装置およびエアロゾル送達装置用のフォブ形状構成に含まれ得るカプセルを開示し、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。様々な実施形態では、前述の文献によって開示された様々な材料が本装置に組み込まれてもよく、前述の開示はいずれも、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0076】
図示される実施形態のエアロゾル送達装置100はまた、電気エネルギー源110から電力を受け取り且つ制御構成要素108によって制御され得る、加熱部材112を含む。加熱部材112は、消費者による吸入のための吸入可能な物質の放出を容易にするのに十分な熱を提供するのに適した任意の装置であり得る。特定の実施形態では、電気加熱部材は、抵抗加熱部材であり得る。有用な加熱部材は、低質量と、低密度と、中程度の抵抗率とを有し、使用中に経験される温度で熱的に安定なものであり得る。有用な加熱部材は急速に加熱および冷却するため、エネルギーを効率的に使用する。また、要素を急速に加熱すると、エアロゾル形成物質がほぼ即時に揮発する。急速な冷却は、エアロゾル形成が望まれない期間中のエアロゾル形成物質の実質的な揮発(したがって浪費)を防ぐ。このような加熱部材は、特に時間基準の電流制御が使用される場合、エアロゾル形成物質が経験する温度範囲の比較的正確な制御も可能にする。有用な加熱部材はまた、生成されるエアロゾルまたは蒸気の香味または含有量に悪影響を及ぼさないように、加熱される吸入可能な物質媒体を含む材料と化学的に非反応性(および化学的に非触媒性)である。加熱部材を含み得る例示的で非限定的な材料には、炭素、グラファイト、炭素/グラファイト複合材料、金属炭化物および非金属炭化物、窒化物、ケイ化物、金属間化合物、サーメット、金属合金ならびに金属箔が含まれる。特に、耐火材料が有用であり得る。様々な異なる材料を混合して、抵抗率、質量、熱伝導率および表面特性の望ましい特性を実現することができる。
【0077】
図1~
図3に見られるように、いくつかの実施形態の電気加熱部材112は、エアロゾル源部材500と直接接触し得る小さなセグメント加熱部材を含む。さらに迅速で且つより小さい熱抵抗を必要とする伝導加熱を提供する能力を考慮すると、直接接触が好ましい場合がある。他の実施形態では、加熱部材は、エアロゾル源部材内の吸入可能な物質媒体の形状に対応する他の形状を有し得る。上述の説明に従って本開示で使用するように適合され得るヒータアレイの他の例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるCountsらの米国特許第5,060,671号明細書、Deeviらの米国特許第5,093,894号明細書、Deeviらの米国特許第5,224,498号明細書、Sprinkel Jr.らの5,228,460号明細書、Deeviらの米国特許第5,322,075号明細書、Deeviらの米国特許第5,353,813号明細書、Deeviらの米国特許第5,468,936号明細書、Dasの米国特許第5,498,850号明細書、Dasの米国特許第5,659,656号明細書、Deeviらの米国特許第5,498,855号明細書、Hajaligolの米国特許第5,530,225号明細書、Hajaligolの米国特許第5,665,262号明細書、Dasらの米国特許第5,573,692号明細書およびFleischhauerらの米国特許第5,591,368号明細書に見出すことができる。
【0078】
考えられる様々なヒータ構成を考慮すると、加熱部材は、ニッケル、クロムおよび鉄の合金、例えば、ニクロムまたは鉄、アルミニウムおよびクロム(カタール(kathal))、または加熱要素として使用するのに適していることが知られている他の合金から構築され得る。いくつかの実施形態では、加熱部材は、金属箔、例えば、ステンレス鋼箔、アルミニウム箔、銅箔などの形態であり得るか、著しく直線またはコイル状などの任意の他の有用な構成で設けられるか、そうでなければ渦巻き状の構成で設けられ得る。特定の例では、吸入可能な物質媒体は、微粉砕タバコの混合物、タバコ抽出物、噴霧乾燥タバコ抽出物、または任意の無機材料(炭酸カルシウムなど)、任意の香味、およびエアロゾル形成材料と混合されて実質的に固体もしくは成形可能な(例えば、押し出された)基材を形成する他のタバコ形態、を含み得、この固体または成形可能な基材は、加熱部材と直接接触してもよい。ただし、他の実施形態では、加熱部材は、吸入可能な物質媒体と接触していなくてもよく、むしろ、吸入可能な物質媒体に単に近接していてもよい。
【0079】
いくつかの実施形態では、加熱部材/基材界面に近接してサーミスタまたは熱電対などのセンサを含めることによって、および/または加熱部材自体の抵抗を監視し、特定の加熱部材合金の温度と抵抗率との間の既知の関係を利用して、加熱部材の温度を推測することによって、ヒータ温度制御が提供され得る。
【0080】
特定の実施形態では、加熱部材の一部が、吸入可能な物質媒体と一体であってよい(例えば、中に埋め込まれる)。例えば、吸入可能な物質媒体は、上述のような材料から形成され得、その材料の中に混合された1つ以上の導電性材料を含み得る。吸入可能な物質媒体中に導電性材料が存在するため、電気エネルギー源から吸入可能な物質媒体に電力が印加されると、電流が流れ、ひいては導電性材料から熱が生成される。したがって、加熱部材は、吸入可能な物質媒体と一体であると説明され得る。非限定的な例として、グラファイトまたは他の好適な導電性材料が、吸入可能な物質媒体を形成する材料と混合されるか、吸入可能な物質媒体を形成する材料に埋め込まれるか、吸入可能な物質媒体を形成する材料の上または中に他の方法で直接存在して、加熱部材を媒体と一体にしてもよい。好適な加熱部材および関連する構成要素の例は、参照により本明細書に組み込まれるWormらの米国特許第9,078,473号明細書に記載されている。
【0081】
上述のように、制御本体102は、制御構成要素108をさらに含み得る。例えば、制御構成要素は、導電性ワイヤによって電気エネルギー源110に接続され得る制御回路(本明細書でさらに説明されるように、追加の構成要素に接続され得る)を含み得る。様々な実施形態では、制御構成要素は、加熱部材112が、消費者による吸入のための吸入可能な物質の放出のために吸入可能な物質媒体を加熱するための電気エネルギーをいつどのように受け取るかを制御し得る。そのような制御は、以下でさらに詳細に説明される感圧スイッチなどの作動に関連することができる。用語「接続された」または「連結された」は、介在する構成要素を用いない直接接続を必要とするものとして解釈されるべきではないことに留意されたい。むしろ、これらの用語は、直接接続および/または1つ以上の介在する構成要素を介した接続を包含し得る。したがって、様々な実施形態では、これらの用語は、動作可能に接続されているか、動作可能に連結されていることを意味すると理解され得る。
【0082】
様々な実施形態では、制御構成要素108はまた、吸入可能な物質媒体に提供される熱の量を厳密に制御するように構成され得る。エアロゾル形成物質を十分な体積で揮発させて、一回の吸煙に所望の投与量の吸入可能な物質を提供するのに必要な熱は、使用される特定の物質ごとに異なり得るが、これは、少なくとも120℃、少なくとも130℃または少なくとも140℃の温度に加熱部材を加熱するのに特に有用であり得る。いくつかの実施形態では、適切な量のエアロゾル形成物質を揮発させ、ひいては所望の投与量の吸入可能な物質を提供するために、加熱温度は、少なくとも150℃、少なくとも200℃、少なくとも300℃または少なくとも350℃であり得る。ただし、エアロゾル形成物質の劣化および/または過度の早期揮発を回避するために、約550℃を実質的に超える温度に加熱することを回避することが特に望ましい場合がある。特に、加熱は、吸入可能な物質媒体の著しい燃焼(好ましくはあらゆる燃焼)を回避するように、十分に低い温度および十分に短い時間であるべきである。本開示は、特に、比較的低温で所望の量の吸入可能な物質を生成する組合せおよび使用様式で、本物品の構成要素を提供し得る。したがって、収量とは、物品内でのエアロゾルの生成と物品から消費者への送達との一方または両方を指す場合がある。特定の実施形態では、加熱温度は、約120℃~約300℃、約130℃~約290℃、約140℃~約280℃、約150℃~約250℃または約160℃~約200℃であり得る。以下でさらに詳細に説明されるように、加熱の持続時間は、いくつかの要因によって制御され得る。本明細書にさらに記載されるように、加熱温度および持続時間は、エアロゾル源部材を通って引き込まれることが望まれるエアロゾルおよび周囲空気の所望の体積に応じて決まり得る。ただし、物品は、所望の温度に到達するまでに限って加熱部材が通電されるように構成され得るため、持続時間は、加熱部材の加熱速度に応じて変化し得る。あるいは、加熱の持続時間は、消費者による物品を用いた吸煙の持続時間に結び付けられてもよい。一般に、加熱の温度および時間は、上述のように、制御本体に収容された1つ以上の構成要素によって制御される。
【0083】
場合によっては、加熱部材および/または加熱部材に曝露されたセグメントは、以前に加熱されたセグメントまたは後続のまだ加熱されていないセグメント(すなわち、「上流および/または下流」)のいずれかまたは両方に熱を伝達し得ることに留意されたい。したがって、いくつかの実施形態は、エアロゾル源部材内のセグメント間に間隙またはセグメント断熱バリアを含み得る。
【0084】
エアロゾル源部材によって放出される吸入可能な材料の量は、吸入可能な材料の性質に基づいて変化し得る。好ましくは、エアロゾル源部材は、使用の過程にわたって所望の量を放出するのに十分な時間にわたって十分な温度で機能するように、十分な量の任意のエアロゾル形成剤とともに、十分な量の吸入可能な材料により構成される。量は、エアロゾル源部材からの単一の吸入で提供されてもよいか、比較的短い時間(例えば、30分未満、20分未満、15分未満、10分未満または5分未満)にわたって物品からの数回の吸煙を通して提供されるように分割されてもよい。例えば、物品は、エアロゾル源部材を用いた吸煙1回当たり約0.05mg~約1.0mg、約0.08mg~約0.5mg、約0.1mg~約0.3mgまたは約0.15mg~約0.25mgの量のニコチンを提供し得る。他の実施形態では、吸煙の持続時間および体積に基づいて送達される湿潤全粒子状物質の量に関連して、所望の量が特徴付けられ得る。例えば、エアロゾル源部材は、2秒、35mlの吸煙の標準的なFTC喫煙条件下で喫煙された場合、規定された数の吸煙(本明細書で別途説明するように)に対して、各吸煙に対して少なくとも1.0mgの湿潤全粒子状物質を送達し得る。このような試験は、任意の標準的な喫煙機を使用して行われ得る。他の実施形態では、各吸煙に対して同じ条件下で生成される全粒子状物質(TPM)の量は、少なくとも1.5mg、少なくとも1.7mg、少なくとも2.0mg、少なくとも2.5mg、少なくとも3.0mg、約1.0mg~約5.0mg、約1.5mg~約4.0mg、約2.0mg~約4.0mgまたは約2.0mg~約3.0mgであり得る。
【0085】
図示される実施形態のエアロゾル送達装置100は、割出機構114をさらに含む。様々な実施形態では、割出機構114は、加熱部材112に連結され得、加熱部材112とエアロゾル源部材500との間に漸増相対運動を生成するように構成され得る。図示される実施形態では、割出機構114は、加熱部材112に連結され、その結果、割出機構114は、一連の漸増加熱位置を通して加熱部材112を移動させて、エアロゾル源部材500の対応する一連のセグメントを漸増加熱する。特に、
図1では、加熱部材112は、エアロゾル源部材500の第1のセグメント508aを加熱するように構成された第1の位置116aに示されている。
図2は、本開示の例示的な実施形態による、第2の加熱位置116bにある加熱部材112を示す、
図1のエアロゾル送達装置100を概略的に示す。第2の位置116bは、エアロゾル源部材の第2のセグメント508bを加熱するように構成される。
図3は、本開示の例示的な実施形態による、一連の漸増加熱位置116a~kを示す、
図1のエアロゾル送達装置100を概略的に示す。
図1~
図3の加熱位置の大きさおよび間隔は明確にするためにそのように示されているが、様々な実施形態では、加熱位置の大きさおよび間隔は変化し得ることに留意されたい。
【0086】
図1~
図3の図示される実施形態では、加熱部材112は、エアロゾル源部材500の外径の一部を囲むように構成された構造を含む。様々な実施形態では、そのような構造は、例えば、実質的にリング状、実質的に管状または実質的に円筒形の構造を含み得、上述のような任意の好適な材料から形成され得、好ましくは、上述のような特性を示す。一実施形態では、そのような構造は、エアロゾル源部材500のセグメントの円周の少なくとも一部、およびいくつかの実施形態では大部分(例えば、50%超)、およびいくつかの実施形態では実質的に全部の周りに巻き付くように構成された可撓性加熱部材を含み得る。
図14および
図15に、可撓性加熱部材の例が示されている。特に、
図14は、本開示の例示的な実施形態による、平坦な向きで示される可撓性加熱部材1000の斜視図を示す。図示される実施形態では、可撓性加熱部材1000は、可撓性基部構成要素1002と、可撓性加熱要素構成要素1004と、一対のヒータリード1006と、1つ以上の取付機構1008とを含む。図示される実施形態では、可撓性基部構成要素1002は、例えば、ポリイミドフィルム、例えば、DuPont(R)によって開発されたKapton(R)などを含み得る。
【0087】
様々な実施形態では、可撓性加熱要素1004は、例えば、エッチング箔加熱部材、または可撓性フィルム上にインクによって印刷された加熱部材を含み得る。いずれにせよ、可撓性基部構成要素1002および可撓性加熱要素構成要素1004は、エアロゾル源部材の一部の周りに巻き付くように構成され、その結果、電気エネルギー源(例えば、電池および/または他の電源、例えば、コンデンサ)に対するヒータリード1006の電気的接続を介して、可撓性加熱部材1000の作動が起こり得る。様々な実施形態では、この接続は、加熱部材を制御するために、制御構成要素108などのコントローラを介して行われ得る。上述のように、図示される実施形態の可撓性加熱部材1000はまた、可撓性加熱部材1000が、例えば、割出機構114の構成要素などの割出機構に取り付けられることを可能にするように構成され得る1つ以上の取付機構1008を含む。
【0088】
図15は、本開示の例示的な実施形態による、形成された向きで示される可撓性加熱部材1000の斜視図を示す。図示される実施形態では、可撓性加熱部材1000は、エアロゾル源部材の外径の一部を囲むように、実質的に円筒形(または部分円筒形)に形成されるように構成される。いくつかの実施形態では、可撓性加熱部材1000のリード1006は、加熱部材1000とエアロゾル源部材500との間の力を促進するために、ばねとして機能するように、またはばねのような機能を果たすように配置され得ることに留意されたい。
【0089】
図1~
図3に戻ると、図示される実施形態では、割出機構114は、リードスクリュー120を回転させるように構成された小さなモータ118(例えば、マイクロステッピングモータ)を含む。さらに、加熱部材112が取り付けられるキャリア122が、リードスクリュー120に挿通される。このように、ステッパモータ118によるリードスクリュー120の回転は、キャリア122、したがって加熱部材112を実質的に直線的に移動させ得る。様々な実施形態では、制御構成要素、ステッパモータ、リードスクリュー、およびキャリアの特性(例えば、寸法および/または仕様および/または制御機能を含む)は、様々な性能目標を満たすように設計され得る。例えば、
図1~
図3に示す実施形態では、割出機構114は、加熱部材112がエアロゾル源部材500に対して一連の個別の直線位置116を通って移動されるように構成される。図示される実施形態のエアロゾル源部材500は静止しているため、これらの直線位置116は、エアロゾル源部材500の一連の個別のセグメント508に対応する。したがって、制御構成要素108、ステッパモータ118、リードスクリュー120、キャリア122および加熱部材112は、加熱部材112がエアロゾル源部材500のセグメント508のそれぞれを順次加熱するように制御され得るように構成される。
図1~
図3の実施形態に関して、これはセグメント508a~kを表す。明確な説明を目的として、図示される実施形態は、エアロゾル源部材500の11個の個別のセグメント508a~kに対応する、加熱部材112の合計11個の個別の位置116a~kを示していることに留意されたい。ただし、様々な他の実施形態では、加熱部材は、個別のセグメントの無限の数を含め、エアロゾル源部材の任意の数の個別のセグメントに対応する任意の数の個別の位置を有し得る。さらに、
図1~
図3に示す実施形態は、互いに離隔された複数の個別の、加熱部材位置116a~kと対応するエアロゾル源部材の個別の被加熱セグメント508a~kとを示しているが、他の実施形態では、個別の位置と対応する個別のセグメントとは、限定するものではないが、個別の位置と対応する個別のセグメントとが任意の程度に互いに隣接する、および/または互いに重なり合う結果となる間隔、ならびにそれらの一貫性のない間隔を含む異なる間隔を有し得る。
【0090】
いくつかの実施形態では、加熱部材112の動作は、本明細書で別途説明するように、1つ以上の様々なセンサの使用を通して消費者の吸煙動作によって開始され得、および/または1つ以上の様々なセンサによって感知されるように吸煙が中止されると開始され得る。したがって、いくつかの実施形態では、加熱部材位置116の数は、エアロゾル源部材500から利用可能な吸煙の数に対応し得る。いくつかの実施形態では、単一のエアロゾル源部材は、約4回~約12回、約5回~約11回または約6回~約10回の吸煙を提供し得、これは、典型的な紙巻タバコの吸煙の数に近似する。いくつかの実施形態では、加熱部材112が利用可能な位置116の全部を通過すると、モータ118は、方向を逆にし、キャリア122および加熱部材112を加熱部材112の第1の位置または開始位置に戻してもよい。他の実施形態では、加熱部材112は、加熱部材112の最後の位置または最終位置に留まり得るか、任意の他の位置またはその間の位置に配置され得る。さらに、いくつかの実施形態では、コントローラは、加熱部材112が利用可能な位置116の全部を通過したという表示を(例えば、音および/またはインジケータライトを介してなど)提供してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、エアロゾル源部材500は、加熱部材が利用可能な位置116の全部を通過した際に排出され得る。
【0091】
例えば、いくつかの実施形態では、加熱部材112は、エアロゾル源部材500の外径と密接に摩擦嵌合してもよい。通常の動作中、エアロゾルがエアロゾル源部材500から放出されると、加熱部材112は、エアロゾル源部材500の近位端(吸い口端504に最も近い)から遠位端(被加熱端502に最も近い)に移動し得る。加熱要素とエアロゾル源部材500との間の摩擦は、加熱要素112が1つのセグメントから次のセグメントに移動するたびに摩擦力が制御本体102に向かうような方向に作用し得る。様々な実施形態では、制御ユニット102に配置された1つ以上の止め具または位置決め機能(図示せず)によって、エアロゾル源部材500が制御本体102に向かうような方向に移動するのが防止され得る。加熱部材112がその移動の終わりに達すると、加熱部材112は元の開始位置に戻され得る。この場合、摩擦力は、制御本体102から外向きの方向に作用し得る。エアロゾル源部材500が制御本体102から外向きの方向に移動することは防止されないため、加熱部材112の動きによって外側に引きずられ、ひいては制御本体102から排出される。
【0092】
様々な実施形態にわたってエアロゾル送達装置の動作は変化し得るが、
図1~
図3の例示的な実施形態では、エアロゾル送達装置100の一般的な動作は以下のように起こり得、以下の工程のうちの1つ以上は、制御構成要素108からの制御を介して起こる。第1の工程では、第1の加熱位置116(例えば、位置116aなど)に配置された加熱部材112は、押しボタン105を押すことによってオンにされ得る。さらに、加熱部材112は、第1の温度T1に予熱されてもよく、第1の温度T1は、いくつかの実施形態では、エアロゾル源部材500からエアロゾルが生成されないように十分に低くてもよい。第2の工程では、ユーザはエアロゾル源部材を吸引してもよく(例えば、流量センサによって検出される)、加熱部材112は、エアロゾルがエアロゾル源部材500から生成される第2の温度T2に加熱し得る。ユーザが吸煙を停止すると(例えば、流量センサによって検出される)、ヒータ温度は第1の温度T1に戻ってもよく、割出機構は、次の加熱位置116(例えば、位置116bなど)に自動的に移動してもよい。このプロセスは、加熱部材112が最後の加熱位置116(例えば、位置116kなど)に移動するまで継続してもよい。この時点の後、エアロゾル源部材500はハウジング102から排出され得る。
【0093】
他の実施形態では、加熱部材の割出は、加熱部材が消費者によって手動で前進させられ得るように、消費者によって手動で制御されてもよい。例えば、本開示によるエアロゾル送達装置200の別の例示的な実施形態の概略図が、
図4~
図6に示されている。一般に、エアロゾル送達装置200は、エアロゾル源部材500を受容するように構成されたハウジング204を含む制御本体202を含む。ハウジングはまた、例えば、装置をオンにし、加熱部材の加熱を開始するなど、装置200の特定の動作を作動させるように構成された押しボタン205を含み得る。様々な実施形態では、エアロゾル源部材500は、制御本体202に挿入されるように構成された被加熱端502と、ユーザがエアロゾルを生成するために吸引する吸い口端504とを含み得る。
図4~
図6のエアロゾル送達装置は、例示を容易にするために実質的に長方形またはフォブ形状の制御本体202を有するものとして示されているが、他の実施形態では、制御本体202は、実質的に管状の形状であり、したがって、従来の紙巻タバコまたは葉巻の形状に類似し得る細長いシェルまたは本体を有し得、したがって、以下に説明される構成要素は、細長い本体の内部に適合するような大きさおよび構成であり得ることに留意されたい。
【0094】
様々な実施形態では、制御本体202は、再使用可能であると呼ばれ得、エアロゾル源部材500は、使い捨て可能であると呼ばれ得る。いくつかの実施形態では、装置200全体は、制御本体202が、限られた数のエアロゾル源部材500を用いる限られた数の使用(例えば、電池電力構成要素が物品に十分な電力をもはや供給しなくなるまで)のためだけに構成され得、その後、制御本体202を含む装置200全体が廃棄され得るという点で、使い捨て可能であると特徴付けられ得る。他の実施形態では、制御本体202は、制御本体202が多数の電池交換を通じて再使用され得るように、および多くのエアロゾル源部材500とともに再使用され得るように、交換可能な電池を有し得る。同様に、装置200は充電可能であり得、したがって、典型的なコンセントへの接続、自動車の充電器(すなわち、シガーソケット)への接続、およびUSBケーブルなどを介したコンピュータへの接続を含むあらゆる種類の充電技術と組み合わされてもよい。
【0095】
様々な実施形態では、ハウジング204は、管状または長方形の形状などの適切な構造を形成および維持するのに適し且つエアロゾル源部材をハウジングの中に保持するのに適した、任意の材料から形成され得る。いくつかの実施形態では、ハウジングは、単一の壁または複数の壁から形成され得、および上述のように、電気加熱部材によって提供される加熱温度である少なくともある温度で、そのハウジングの構造的完全性を保持する(例えば、劣化しない)ように耐熱性の1つ以上の材料(天然または合成)から形成され得る。いくつかの実施形態では、耐熱性ポリマーが使用され得る。他の実施形態では、セラミック材料が使用され得る。さらなる実施形態では、エアロゾル源部材から熱を不必要に移動させないように、断熱材が使用されてもよい。いくつかの実施形態では、ハウジングの大きさおよび形状は、
図1~
図3に関して上述したものと同様であり得る。
【0096】
図には示されていないが、ハウジング204は、周囲空気の進入がエアロゾル源部材500の被加熱端502に導かれることを可能にするように、ハウジング204の中に1つ以上のアパーチャを含み得る。したがって、消費者がエアロゾル源部材500の吸い口端504を吸引すると、空気が、受容チャンバに吸引され、被加熱端502に近接するエアロゾル源部材500に入り、吸入可能な物質媒体を通って引き込まれ、吸い口端504を通して消費者によって吸入され得る。上巻きが存在する実施形態では、吸引された空気は、任意のフィルタを通して、上巻きの開口部から、吸入可能な物質を運び得る。
【0097】
様々な実施形態では、制御本体202は、ハウジング204内に画定された開口部206と、流量センサ(図示せず、例えば、吸煙センサまたは圧力スイッチ)と、制御構成要素208(例えば、個別に、またはマイクロコントローラの一部としてのマイクロプロセッサ、マイクロプロセッサおよび/またはマイクロコントローラを含むプリント回路基板(PCB)など)と、電気エネルギー源210(例えば、充電可能であってよい電池、および/または充電可能なスーパーキャパシタ)とを含み得る。いくつかの実施形態では、制御本体202はまた、流量センサ(図示せず、例えば、吸煙センサまたは圧力スイッチ)を含み得る。エアロゾル送達装置200の一部であり得る動力源および他の構成要素の例は、
図1~
図3に関して上述されている。
【0098】
図示される実施形態のエアロゾル送達装置200はまた、電気エネルギー源210から電力を受け取り且つ制御構成要素208によって制御され得る、加熱部材212を含む。加熱部材212は、消費者による吸入のための吸入可能な物質の放出を容易にするのに十分な熱を提供するのに適した任意の装置であり得る。特定の実施形態では、電気加熱部材は、抵抗加熱部材であり得る。有用な加熱部材は、低質量と、低密度と、中程度の抵抗率とを有し、使用中に経験される温度で熱的に安定なものであり得る。有用な加熱部材は急速に加熱および冷却するため、エネルギーを効率的に使用する。また、要素を急速に加熱すると、エアロゾル形成物質がほぼ即時に揮発する。急速な冷却は、エアロゾル形成が望まれない期間中のエアロゾル形成物質の実質的な揮発(したがって浪費)を防ぐ。このような加熱部材は、特に時間基準の電流制御が使用される場合、エアロゾル形成物質が経験する温度範囲の比較的正確な制御も可能にする。有用な加熱部材はまた、生成されるエアロゾルまたは蒸気の香味または含有量に悪影響を及ぼさないように、加熱される吸入可能な物質媒体を含む材料と化学的に非反応性である。加熱部材を含み得る例示的で非限定的な材料には、炭素、グラファイト、炭素/グラファイト複合材料、金属炭化物および非金属炭化物、窒化物、ケイ化物、金属間化合物、サーメット、金属合金ならびに金属箔が含まれる。特に、耐火材料が有用であり得る。様々な異なる材料を混合して、抵抗率、質量、熱伝導率および表面特性の望ましい特性を実現することができる。
【0099】
図4~
図6に見られるように、いくつかの実施形態の電気加熱部材212は、エアロゾル源部材500と直接接触し得る小さなセグメント加熱部材を含む。様々な実施形態では、加熱部材の構造は変化し得るが、いくつかの例示的な実施形態では、加熱部材は、巻線加熱部材、エッチング箔加熱部材、またはポリイミドもしくはシリコーンなどの温度耐性可撓性フィルム上にインクによって印刷された加熱部材であり得る。プラズマ成膜または化学エッチング/蒸着を含む他の成膜方法が使用されてもよい。他の実施形態では、加熱部材は、抵抗性金属リボンヒータまたは赤外線(光学)ヒータであり得る。また、
図1~
図3に関して上述された加熱部材112の説明も参照されたい。さらに迅速で且つ小さい抵抗を必要とする伝導加熱を提供する能力を考慮すると、直接接触が好ましい場合がある。ただし、他の実施形態では、加熱部材は、吸入可能な物質媒体と接触していなくてもよく、むしろ、吸入可能な物質媒体に単に近接していてもよい。いくつかの実施形態では、加熱部材は、エアロゾル源部材内の吸入可能な物質媒体の形状に対応する他の形状を有し得る。ヒータアレイおよび可能なヒータ構成の例は、
図1~
図3に関して上述されている。
【0100】
上述のように、制御本体202は、制御構成要素208をさらに含み得る。例えば、制御構成要素は、導電性ワイヤによって電気エネルギー源210に接続され得る制御回路(本明細書でさらに説明されるように、追加の構成要素に接続され得る)を含み得る。様々な実施形態では、制御構成要素は、加熱部材212が、消費者による吸入のための吸入可能な物質の放出のために吸入可能な物質媒体を加熱するための電気エネルギーをいつどのように受け取るかを制御し得る。そのような制御は、以下でさらに詳細に説明される感圧スイッチなどの作動に関連することができる。制御構成要素はまた、吸入可能な物質媒体に提供される熱の量を厳密に制御するように構成され得、
図1~
図3に関してさらに詳細に上述されている。
【0101】
図示される実施形態のエアロゾル送達装置200は、アクチュエータ250を含む割出機構214をさらに含み、アクチュエータ250は、いくつかの実施形態では、サムレバー(thumb lever)などであり得る。様々な実施形態では、割出機構は、加熱部材212に連結され得、加熱部材212とエアロゾル源部材500との間に漸増相対運動を生成するように構成され得る。図示される実施形態では、割出機構214は、加熱部材212に連結され、その結果、割出機構214は、一連の漸増加熱位置を通して加熱部材212を移動させて、エアロゾル源部材の対応する一連のセグメントを漸増加熱する。図示される実施形態では、アクチュエータ250は、加熱部材212とともに移動して、複数の加熱位置に加熱部材212を配置するように構成された手動の機械的アクチュエータである。
【0102】
特に、
図4では、加熱部材212は、エアロゾル源部材500の第1のセグメント508aを加熱するように構成された第1の位置216aに示されている。
図5は、本開示の例示的な実施形態による、第2の加熱位置216bにある加熱部材212を示す、
図4のエアロゾル送達装置200を概略的に示す。第2の位置216bは、エアロゾル源部材の第2のセグメント508bを加熱するように構成される。図に示すように、第1の加熱位置216aから第2の加熱位置216bに加熱部材212を移動させるために、アクチュエータ250は、第1のアクチュエータ位置252aから第2のアクチュエータ位置252bに移動する。
図6は、本開示の例示的な実施形態による、一連の漸増加熱位置216a~kを示す、
図4のエアロゾル送達装置200を概略的に示す。上述のように、
図4~
図6の加熱位置の大きさおよび間隔は明確にするためにそのように示されているが、様々な実施形態では、加熱位置の大きさおよび間隔は変化し得ることに留意されたい。
【0103】
図示される実施形態では、加熱部材212は、エアロゾル源部材500の外径の一部を囲むように構成されたリング状の構造を含む。そのような構造は、上述のように任意の好適な材料から形成されてもよく、好ましくは上述のような特性を示す。図示される実施形態では、割出機構214は、加熱部材212が取り付けられるキャリア222と、アクチュエータ250がそれを通って移動するように構成されるガイド機構254とを含む。様々な実施形態では、ガイド機構254は、特定の位置でアクチュエータ250を捕捉するように構成され、複数のアクチュエータ位置252に対応するように直線的に離隔された複数の停止点、戻り止め、または他の特徴を含み得る。このように、消費者は、複数のアクチュエータ位置252を通してアクチュエータ250を直線的に移動させて、複数の加熱位置を通して加熱部材212を直線的に前進させてもよい。様々な実施形態では、アクチュエータおよびガイド機構の特性(例えば、寸法および/または仕様および/または特徴を含む)は、様々な性能目標を満たすように設計され得る。例えば、
図4~
図6に示す実施形態では、割出機構214は、加熱部材212が一連の個別の直線位置216を通って移動され得るように構成される。図示される実施形態のエアロゾル源部材500は静止しているため、これらの直線位置216は、エアロゾル源部材500の一連の個別のセグメント508に対応する。したがって、制御構成要素208、キャリア222、ガイド機構254およびアクチュエータ250は、加熱部材212がエアロゾル源部材のセグメントを順次加熱し得るように構成される。
図6を参照すると、これらのセグメントは、セグメント508a~kとして示されている。明確な説明を目的として、図示される実施形態は、エアロゾル源部材500の11個の個別の被加熱セグメント508a~kに対応する、加熱部材212の合計11個の個別の位置216a~kを示しているが、様々な他の実施形態では、加熱部材は、個別のセグメントの無限の数を含め、エアロゾル源部材の任意の数の個別のセグメントに対応する任意の数の個別の位置を有し得ることに留意されたい。さらに、
図4~
図6に示す実施形態は、互いに離隔された複数の個別の加熱部材位置と対応する個別の加熱セグメントとを示しているが、他の実施形態では、個別の位置と対応する個別のセグメントとは、限定するものではないが、個別の位置と対応する個別のセグメントとが互いに隣接する、および/または互いに重なり合う結果となる間隔、ならびに一貫性のない間隔を含む異なる間隔を有し得る。
【0104】
様々な実施形態では、加熱部材212の動作は、アクチュエータ250を介して消費者によって開始され得る。例えば、消費者は、吸煙動作の後、または装置200によってそうするように促された際に、加熱部材212を前進させてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、消費者は、アクチュエータ250をいつ前進させるかを決定してもよく、他の実施形態では、装置200は、加熱部材212が前進させられるべきであるという表示を(例えば、音および/またはインジケータライトを介してなど)提供してもよい。例えば、一実施形態では、ユーザは、エアロゾル源部材500を新たに吸引する前に、加熱要素212を次の位置に前進させてもよい。その後、加熱要素212は、第1の温度T1に予熱される。セグメントがT1に達すると(または所定の時間が経過すると)、装置200は、ライトまたは音を用いて、ユーザが吸引してもよいことを示す。いくつかの実施形態では、加熱部材位置216の数は、エアロゾル源部材500から利用可能な吸煙の数に対応し得る。いくつかの実施形態では、単一のエアロゾル源部材は、約4回~約12回、約5回~約11回または約6回~約10回の吸煙を提供し得、これは、典型的な紙巻タバコの吸煙の数に近似する。いくつかの実施形態では、加熱部材212が利用可能な位置216の全部を通過すると、装置は、加熱部材212が利用可能な位置の全部を通過したという表示を(例えば、音および/またはインジケータライトを介してなど)提供してもよい。このように、消費者は、その後、初期アクチュエータ位置252aにアクチュエータ250を戻してもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル源部材500は、アクチュエータ250が初期アクチュエータ位置252aに戻された際に排出され得る。様々な実施形態では、エアロゾル源部材は様々な方法で排出され得るが、一実施形態では、
図1~
図3に関して上述した排出方法が参照される。
【0105】
実施形態間でエアロゾル送達装置の動作は変化し得るが、
図4~
図6の例示的な実施形態では、エアロゾル送達装置200の一般的な動作は以下のように起こり得、以下の工程のうちの1つ以上は、制御構成要素208からの制御を介して起こる。第1の工程では、押しボタン205を押すことによって、加熱部材212がオンにされ得る。第2の工程では、ユーザは、アクチュエータ250を下向きにクリックしてもよく、これにより、加熱部材212を1直線位置216(例えば、ヌル位置から第1の位置216aに)移動させ、第1の温度T1に加熱部材212を予熱させてもよい。第3の工程では、ユーザは、エアロゾル源部材500を吸引してもよく(例えば、流量センサによって検出される)、加熱部材212は、第2の温度T2に加熱してもよい。ユーザが吸煙を停止すると(例えば、流量センサによって検出される)、ヒータがオフになってもよい。次いで、ユーザは、アクチュエータ250を下向きにクリックしてもよく、これにより、次の直線位置216(例えば、位置216bなど)に加熱部材212を移動させ、第1の温度T1に加熱部材212を予熱させてもよい。このプロセスは、加熱部材212が最後の加熱位置216(例えば、位置216kなど)に移動するまで継続してもよい。この時点で、アクチュエータ250はその初期位置に戻され得、エアロゾル源部材500はハウジング202から排出され得る。
【0106】
本開示によるエアロゾル送達装置300の別の例示的な実施形態の概略図が、
図7~
図9に示されている。一般に、エアロゾル送達装置300は、エアロゾル源部材500を受容するように構成されたハウジング304を含む制御本体302を含む。ハウジングはまた、例えば、装置をオンにし、加熱部材の加熱を開始するなど、装置300の特定の動作を作動させるように構成された押しボタン305を含み得る。様々な実施形態では、エアロゾル源部材500は、制御本体302に挿入されるように構成された被加熱端502と、ユーザがエアロゾルを生成するために吸引する吸い口端504とを含み得る。
図7~
図9のエアロゾル送達装置は、例示を容易にするために実質的に長方形またはフォブ形状の制御本体302を有するものとして示されているが、他の実施形態では、制御本体302は、実質的に管状の形状であり、したがって、従来の紙巻タバコまたは葉巻の形状に類似し得る細長いシェルまたは本体を有し得、したがって、以下に記載される構成要素は、細長い本体の内部に適合するような大きさおよび構成であり得ることに留意されたい。
【0107】
様々な実施形態では、制御本体302は、再使用可能であると呼ばれ得、エアロゾル源部材500は、使い捨て可能であると呼ばれ得る。いくつかの実施形態では、装置300全体は、制御本体302が、限られた数のエアロゾル源部材500を用いる限られた数の使用(例えば、電池電力構成要素が物品に十分な電力をもはや供給しなくなるまで)のためだけに構成され得、その後、制御本体302を含む装置300全体が廃棄され得るという点で、使い捨て可能であると特徴付けられ得る。他の実施形態では、制御本体302は、制御本体302が多数の電池交換を通じて、および多くのエアロゾル源部材500とともに再使用され得るように、交換可能な電池を有し得る。同様に、装置300は充電可能であり得、したがって、典型的なコンセントへの接続、自動車の充電器(すなわち、シガーソケット)への接続、およびUSBケーブルなどを介したコンピュータへの接続を含むあらゆる種類の充電技術と組み合わされてもよい。
【0108】
様々な実施形態では、ハウジング304は、管状または長方形の形状などの適切な構造を形成および維持するのに適し且つエアロゾル源部材をハウジング304の中に保持するのに適した、任意の材料から形成され得る。いくつかの実施形態では、ハウジングは、単一の壁または複数の壁から形成され得、および上述のように、電気加熱部材によって提供される加熱温度である少なくともある温度で、その構造的完全性を保持する(例えば、劣化しない)ように耐熱性の1つ以上の材料(天然または合成)から形成され得る。いくつかの実施形態では、耐熱性ポリマーが使用され得る。他の実施形態では、セラミック材料が使用され得る。さらなる実施形態では、エアロゾル源部材から熱を不必要に移動させないように、断熱材が使用されてもよい。ハウジングの大きさおよび形状は、
図1~
図3に関して上述したものと同様であり得る。
【0109】
図には示されていないが、ハウジング304は、周囲空気の進入がエアロゾル源部材500の被加熱端502に導かれることを可能にするように、ハウジング304の中に1つ以上のアパーチャを含み得る。したがって、消費者がエアロゾル源部材500の吸い口端504を吸引すると、空気が、受容チャンバに吸引され、被加熱端502に近接するエアロゾル源部材500に入り、吸入可能な物質媒体を通って引き込まれ、吸い口端504を通して消費者によって吸入され得る。上巻きが存在する実施形態では、吸引された空気は、任意のフィルタを通して、上巻きの開口部から、吸入可能な物質を運び得る。
【0110】
制御本体302は、制御本体302の中に画定された開口部306と、制御構成要素308(例えば、個別に、またはマイクロコントローラの一部としてのマイクロプロセッサ、マイクロプロセッサおよび/またはマイクロコントローラを含むプリント回路基板(PCB)など)と、電気エネルギー源310(例えば、充電可能であってよい電池、および/または充電可能なスーパーキャパシタ)とを含み得る。いくつかの実施形態では、制御本体302はまた、流量センサ(図示せず、例えば、吸煙センサまたは圧力スイッチ)を含み得る。エアロゾル送達装置300の一部であり得る動力源および他の構成要素の例は、
図1~
図3に関して上述されている。
【0111】
図示される実施形態のエアロゾル送達装置300はまた、電気エネルギー源310から電力を受け取り且つ制御構成要素308によって制御され得る、加熱部材312を含む。加熱部材312は、消費者による吸入のための吸入可能な物質の放出を容易にするのに十分な熱を提供するのに適した任意の装置であり得る。特定の実施形態では、電気加熱部材は、抵抗加熱部材であり得る。有用な加熱部材は、低質量と、低密度と、中程度の抵抗率とを有し、使用中に経験される温度で熱的に安定なものであり得る。有用な加熱部材は急速に加熱および冷却するため、エネルギーを効率的に使用する。また、要素を急速に加熱すると、エアロゾル形成物質がほぼ即時に揮発する。急速な冷却は、エアロゾル形成が望まれない期間中のエアロゾル形成物質の実質的な揮発(したがって浪費)を防ぐ。このような加熱部材は、特に時間基準の電流制御が使用される場合、エアロゾル形成物質が経験する温度範囲の比較的正確な制御も可能にする。有用な加熱部材はまた、生成されるエアロゾルまたは蒸気の香味または含有量に悪影響を及ぼさないように、加熱される吸入可能な物質媒体を含む材料と化学的に非反応性である。加熱部材を含み得る例示的で非限定的な材料には、炭素、グラファイト、炭素/グラファイト複合材料、金属炭化物および非金属炭化物、窒化物、ケイ化物、金属間化合物、サーメット、金属合金ならびに金属箔が含まれる。特に、耐火材料が有用であり得る。様々な異なる材料を混合して、抵抗率、質量、熱伝導率および表面特性の望ましい特性を実現することができる。
【0112】
図7~
図9に見られるように、いくつかの実施形態の電気加熱部材312は、エアロゾル源部材と直接接触し得る小さなセグメント加熱部材を含む。様々な実施形態では、加熱部材の構造は変化し得るが、いくつかの例示的な実施形態では、加熱部材は、巻線加熱部材、エッチング箔加熱部材、またはポリイミドもしくはシリコーンなどの温度耐性可撓性フィルム上にインクによって印刷された加熱部材であり得る。プラズマ成膜または化学エッチング/蒸着を含む他の成膜方法が使用されてもよい。他の実施形態では、加熱部材は、抵抗性金属リボンヒータまたは赤外線(光学)ヒータであり得る。また、
図1~
図3に関して上述された加熱部材112の説明も参照されたい。さらに迅速で且つ小さい抵抗を必要とする伝導加熱を提供する能力を考慮すると、直接接触が好ましい場合がある。ただし、他の実施形態では、加熱部材は、吸入可能な物質媒体と接触していなくてもよく、むしろ、吸入可能な物質媒体に単に近接していてもよい。いくつかの実施形態では、加熱部材は、エアロゾル源部材内の吸入可能な物質媒体の形状に対応する他の形状を有し得る。ヒータアレイおよび可能なヒータ構成の例は、
図1~
図3に関して上述されている。
【0113】
上述のように、制御本体302は、制御構成要素308をさらに含み得る。例えば、制御構成要素は、導電性ワイヤによって電気エネルギー源310に接続され得る制御回路(本明細書でさらに説明されるように、追加の構成要素に接続され得る)を含み得る。様々な実施形態では、制御構成要素308は、加熱部材312が、消費者による吸入のための吸入可能な物質の放出のために吸入可能な物質媒体を加熱するための電気エネルギーをいつどのように受け取るかを制御し得る。そのような制御は、以下でさらに詳細に説明される感圧スイッチなどの作動に関連することができる。制御構成要素はまた、吸入可能な物質媒体に提供される熱の量を厳密に制御するように構成され得、
図1~
図3に関してさらに詳細に上述されている。
【0114】
図示される実施形態のエアロゾル送達装置300は、アクチュエータ350を含む割出機構314をさらに含み、アクチュエータ350は、いくつかの実施形態では、サムレバーなどであり得る。様々な実施形態では、割出機構314は、加熱部材312に連結され得、加熱部材312とエアロゾル源部材500との間に漸増相対運動を生成するように構成され得る。図示される実施形態では、割出機構314は、加熱部材312に連結され、その結果、割出機構314は、比較的静止したままであるが、一連の漸増加熱位置を通して加熱部材312を移動させて、エアロゾル源部材500の対応する一連のセグメントを漸増加熱するように構成される。したがって、図示される実施形態では、アクチュエータ350は、アクチュエータ350が作動するたびに加熱部材を1位置前進させるクリックリターンアクチュエータである。
【0115】
特に、
図7では、加熱部材312は、エアロゾル源部材500の第1のセグメント508aを加熱するように構成された第1の位置316aに示されている。
図8は、本開示の例示的な実施形態による、第2の加熱位置316bにある加熱部材312を示す、
図7のエアロゾル送達装置300を概略的に示す。第2の位置316bは、エアロゾル源部材の第2のセグメント508bを加熱するように構成される。図に示すように、第1の加熱位置316aから第2の加熱位置316bに加熱部材312を移動させるために、アクチュエータ350は、下向きに押され、その元の位置に戻る。
図9は、本開示の例示的な実施形態による一連の漸増加熱位置316a~kを示す、
図7のエアロゾル送達装置300を概略的に示す。上述のように、
図7~
図9の加熱位置の大きさおよび間隔は明確にするためにそのように示されているが、様々な実施形態では、加熱位置の大きさおよび間隔は変化し得ることに留意されたい。
【0116】
様々な実施形態では、様々なクリックリターン機構が使用されて、複数の加熱位置316を通して加熱部材312を前進させてもよい。そのような機構には、限定するものではないが、ラチェット機構、ゼネバ機構、セクタギア機構、ホイットワース機構、ラチェット機構、ベルクランク、スロット付きヨーク(slotted yoke)、および小型機械装置(例えば、ボールペン)で使用されるものなどのカムフォロア機構が含まれ得る。
【0117】
図示される実施形態では、加熱部材312は、エアロゾル源部材500の外径の一部を囲むように構成されたリング状の構造を含む。そのような構造は、上述のように任意の好適な材料から形成されてもよく、好ましくは上述のような特性を示す。図示される実施形態では、割出機構314は、加熱部材312が取り付けられるキャリア322と、複数の位置を通してキャリア322および加熱部材312を案内するように構成されたガイド機構354とを含む。このように、消費者は、アクチュエータ350を下向きに押すなど、アクチュエータ350を作動させてもよく、これにより、複数の加熱部材位置を通って加熱部材312が直線的に順次前進する。様々な実施形態では、アクチュエータおよびガイド機構の特性(例えば、寸法および/または仕様および/または特徴を含む)は、様々な性能目標を満たすように設計され得る。例えば、
図7~
図9に示す実施形態では、割出機構314は、加熱部材312が一連の個別の直線位置316を通って移動され得るように構成される。図示される実施形態のエアロゾル源部材500は静止しているため、これらの直線位置316は、エアロゾル源部材500の一連の個別のセグメント508に対応する。したがって、キャリア322、ガイド機構354およびアクチュエータ350は、加熱部材312がエアロゾル源部材のセグメントを順次加熱し得るように構成される。
図9を参照すると、これらのセグメントは、セグメント508a~kとして示されている。明確な説明を目的として、図示される実施形態は、エアロゾル源部材500の11個の個別の加熱セグメント508a~kに対応する合計11個の個別の加熱部材位置316a~kを示しているが、様々な他の実施形態では、加熱部材は、個別のセグメントの無限の数を含め、エアロゾル源部材の任意の数の個別のセグメントに対応する任意の数の個別の位置を有し得ることに留意されたい。さらに、
図7~
図9に示す実施形態は、互いに離隔された、複数の個別の加熱部材位置と対応する個別の加熱セグメントとを示しているが、他の実施形態では、個別の位置と対応する個別のセグメントとは、限定するものではないが、個別の位置と対応する個別のセグメントとが互いに隣接する、および/または互いに重なり合う結果となる間隔、ならびに一貫性のない間隔を含む異なる間隔を有し得る。
【0118】
様々な実施形態では、加熱部材312の動作は、アクチュエータ350を介して消費者によって開始され得る。例えば、消費者は、吸煙動作の後、または装置300によってそうするように促された際に、加熱部材312を前進させてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、消費者は、アクチュエータをいつ前進させるかを決定してもよく、他の実施形態では、装置300は、加熱部材が前進させられるべきであるという表示を(例えば、音および/またはインジケータライトを介してなど)提供してもよい。いくつかの実施形態では、加熱部材位置316の数は、エアロゾル源部材500から利用可能な吸煙の数に対応し得る。いくつかの実施形態では、単一のエアロゾル源部材は、約4回~約12回、約5回~約11回または約6回~約10回の吸煙を提供し得、これは、典型的な紙巻タバコの吸煙の数に近似する。いくつかの実施形態では、加熱部材312が利用可能な位置316の全部を通過すると、装置は、加熱部材が利用可能な位置の全部を通過したという表示を(例えば、音および/またはインジケータライトを介してなど)提供してもよい。このように、消費者は、アクチュエータ350を異なる方向(例えば、上向き)に移動させて、加熱部材312をその初期位置に戻してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、エアロゾル源部材500は、アクチュエータ350が異なる方向に移動された際に排出され得る。
【0119】
装置の動作は変化し得るが、例示的な一実施形態では、
図7~
図9のエアロゾル送達装置300の一般的な動作は以下のように起こり得、以下の工程のうちの1つ以上は、制御構成要素308からの制御を介して起こる。第1の工程では、押しボタン305を押すことにより、加熱部材312がオンにされ得る。第2の工程では、ユーザは、アクチュエータ350を下向きにクリックしてもよく、これにより、加熱部材312を1直線位置316(例えば、ヌル位置から第1の位置316aに)移動させ、第1の温度T1に加熱部材312を予熱させてもよい。クリックリターン機構の性質により、アクチュエータ350はその元の位置に戻り得る。第3の工程では、ユーザは、エアロゾル源部材を吸引してもよく(例えば、流量センサによって検出される)、加熱部材312は、第2の温度T2に加熱してもよい。ユーザが吸煙を停止すると(例えば、流量センサによって検出される)、ヒータがオフになってもよい。次いで、ユーザは、アクチュエータ350を下向きにクリックしてもよく、これにより、次の直線位置316(例えば、位置316bなど)に加熱部材312を移動させ、第1の温度T1に加熱部材312を予熱させてもよい。この場合も、クリックリターン機構の性質により、アクチュエータ350はその元の位置に戻り得る。このプロセスは、加熱部材312が最後の加熱位置316(例えば、位置316kなど)に移動するまで継続してもよい。この時点で、アクチュエータ350が上向きなどの別の方向に押されて、ハウジング302からエアロゾル源部材500を排出してもよい。様々な実施形態では、エアロゾル源部材は様々な方法で排出され得るが、一実施形態では、
図1~
図3に関して上述した排出方法が参照される。
【0120】
本開示によるエアロゾル送達装置400の別の例示的な実施形態の概略図が、
図10~
図12に示されている。一般に、エアロゾル送達装置400は、エアロゾル源部材500を受容するように構成されたハウジング404を含む制御本体402を含む。ハウジングはまた、例えば、装置をオンにし、加熱部材の加熱を開始するなど、装置400の特定の動作を作動させるように構成された押しボタン405を含み得る。様々な実施形態では、エアロゾル源部材500は、制御本体402に挿入されるように構成された被加熱端502と、ユーザがエアロゾルを生成するために吸引する吸い口端504とを含み得る。
図10~
図12のエアロゾル送達装置は、例示を容易にするために実質的に長方形またはフォブ形状の制御本体402を有するものとして示されているが、他の実施形態では、制御本体402は、実質的に管状の形状であり、したがって、従来の紙巻タバコまたは葉巻の形状に類似し得る細長いシェルまたは本体を有し得、したがって、以下に記載される構成要素は、細長い本体の内部に適合するような大きさおよび構成であり得ることに留意されたい。
【0121】
様々な実施形態では、制御本体402は、再使用可能であると呼ばれ得、エアロゾル源部材500は、使い捨て可能であると呼ばれ得る。いくつかの実施形態では、装置400全体は、制御本体402が、限られた数のエアロゾル源部材500を用いる限られた数の使用(例えば、電池電力構成要素が物品に十分な電力をもはや供給しなくなるまで)のためだけに構成され得、その後、制御本体402を含む装置400全体が廃棄され得るという点で、使い捨て可能であると特徴付けられ得る。他の実施形態では、制御本体402が多数の電池交換を通じて、および多くのエアロゾル源部材500とともに再使用され得るように、制御本体402は、交換可能な電池を有し得る。同様に、装置400は充電可能であり得、したがって、典型的なコンセントへの接続、自動車の充電器(すなわち、シガーソケット)への接続、およびUSBケーブルなどを介したコンピュータへの接続、または誘導無線充電(例えば、Wireless Power Consortium(WPC)によるQi無線充電規格に準拠した無線充電を含む)を使用する充電器などの無線充電器、もしくは無線周波数(RF)ベースの充電器への接続を含むあらゆる種類の充電技術と組み合わされてもよい。
【0122】
様々な実施形態では、ハウジング404は、管状または長方形の形状などの適切な構造を形成および維持するのに適し且つエアロゾル源部材をハウジング404の中に保持するのに適した、任意の材料から形成され得る。いくつかの実施形態では、ハウジングは、単一の壁または複数の壁から形成され得、および本明細書でさらに説明されるように、電気加熱部材によって提供される加熱温度である少なくともある温度で、ハウジングの構造的完全性を保持する(例えば、劣化しない)ように耐熱性の1つ以上の材料(天然または合成)から形成され得る。いくつかの実施形態では、耐熱性ポリマーが使用され得る。他の実施形態では、セラミック材料が使用され得る。さらなる実施形態では、エアロゾル源部材から熱を不必要に移動させないように、断熱材が使用されてもよい。ハウジングの大きさおよび形状は、
図1~
図3に関して上述したものと同様であり得る。
【0123】
図には示されていないが、ハウジング404は、周囲空気の進入がエアロゾル源部材500の被加熱端502に導かれることを可能にするように、ハウジング404の中に1つ以上のアパーチャを含み得る。したがって、消費者がエアロゾル源部材500の吸い口端504を吸引すると、空気が、受容チャンバに吸引され、被加熱端502に近接するエアロゾル源部材500に入り、吸入可能な物質媒体を通って引き込まれ、吸い口端504を通して消費者によって吸入され得る。上巻きが存在する実施形態では、吸引された空気は、任意のフィルタを通して、上巻きの開口部から、吸入可能な物質を運び得る。
【0124】
制御本体402は、制御本体402の中に画定された開口部406と、制御構成要素408(例えば、個別に、またはマイクロコントローラの一部としてのマイクロプロセッサ、マイクロプロセッサおよび/またはマイクロコントローラを含むプリント回路基板(PCB)など)と、電気エネルギー源410(例えば、充電可能であってよい電池、および/または充電可能なスーパーキャパシタ)とを含み得る。いくつかの実施形態では、制御本体402はまた、流量センサ(図示せず、例えば、吸煙センサまたは圧力スイッチ)を含み得る。エアロゾル送達装置400の一部であり得る動力源および他の構成要素の例は、
図1~
図3に関して上述されている。
【0125】
図示される実施形態のエアロゾル送達装置400はまた、電気エネルギー源410から電力を受け取り且つ制御構成要素408によって制御され得る、加熱部材412を含む。加熱部材412は、消費者による吸入のための吸入可能な物質の放出を容易にするのに十分な熱を提供するのに適した任意の装置であり得る。特定の実施形態では、電気加熱部材は、抵抗加熱部材であり得る。有用な加熱部材は、低質量と、低密度と、中程度の抵抗率とを有し、使用中に経験される温度で熱的に安定なものであり得る。有用な加熱部材は急速に加熱および冷却するため、エネルギーを効率的に使用する。また、要素を急速に加熱すると、エアロゾル形成物質がほぼ即時に揮発する。急速な冷却は、エアロゾル形成が望まれない期間中のエアロゾル形成物質の実質的な揮発(したがって浪費)を防ぐ。このような加熱部材は、特に時間基準の電流制御が使用される場合、エアロゾル形成物質が経験する温度範囲の比較的正確な制御も可能にする。有用な加熱部材はまた、生成されるエアロゾルまたは蒸気の香味または含有量に悪影響を及ぼさないように、加熱される吸入可能な物質媒体を含む材料と化学的に非反応性である。加熱部材を含み得る例示的で非限定的な材料には、炭素、グラファイト、炭素/グラファイト複合材料、金属炭化物および非金属炭化物、窒化物、ケイ化物、金属間化合物、サーメット、金属合金ならびに金属箔が含まれる。特に、耐火材料が有用であり得る。様々な異なる材料を混合して、抵抗率、質量、熱伝導率および表面特性の望ましい特性を実現することができる。
【0126】
図10~
図12に見られるように、いくつかの実施形態の電気加熱部材412は、エアロゾル源部材500と直接接触し得る小さなセグメント加熱部材を含む。様々な実施形態では、加熱部材の構造は変化し得るが、いくつかの例示的な実施形態では、加熱部材は、巻線加熱部材、エッチング箔加熱部材、またはポリイミドもしくはシリコーンなどの温度耐性可撓性フィルム上にインクによって印刷された加熱部材であり得る。プラズマ成膜または化学エッチング/蒸着を含む他の成膜方法が使用されてもよい。他の実施形態では、加熱部材は、抵抗性金属リボンヒータまたは赤外線(光学)ヒータであり得る。また、
図1~
図3に関して上述された加熱部材112の説明も参照されたい。さらに迅速で且つ小さい抵抗を必要とする伝導加熱を提供する能力を考慮すると、直接接触が好ましい場合がある。ただし、他の実施形態では、加熱部材は、吸入可能な物質媒体と接触していなくてもよく、むしろ、吸入可能な物質媒体に単に近接していてもよい。他の実施形態では、加熱部材は、エアロゾル源部材内の吸入可能な物質媒体の形状に対応する他の形状を有し得る。ヒータアレイおよび可能なヒータ構成の例は、
図1~
図3に関して上述されている。
【0127】
上述のように、制御本体402は、制御構成要素408をさらに含み得る。例えば、制御構成要素は、導電性ワイヤによって電気エネルギー源410に接続され得る制御回路(本明細書でさらに説明されるように、追加の構成要素に接続され得る)を含み得る。様々な実施形態では、制御構成要素は、加熱部材412が、消費者による吸入のための吸入可能な物質の放出のために吸入可能な物質媒体を加熱するための電気エネルギーをいつどのように受け取るかを制御し得る。そのような制御は、以下でさらに詳細に説明される感圧スイッチなどの作動に関連することができる。制御構成要素はまた、吸入可能な物質媒体に提供される熱の量を厳密に制御するように構成され得、
図1~
図3に関してさらに詳細に上述されている。
【0128】
図示される実施形態のエアロゾル送達装置400は、割出機構414をさらに含む。様々な実施形態では、割出機構414は、加熱部材412に連結され得、加熱部材412とエアロゾル源部材500との間に漸増相対運動を生成するように構成され得る。図示される実施形態では、割出機構414は、加熱部材412に連結され、その結果、割出機構414は、一連の漸増加熱位置を通して加熱部材412を移動させて、エアロゾル源部材500の対応する一連のセグメントを漸増加熱する。特に、
図10では、加熱部材412は、エアロゾル源部材500の第1のセグメント508aを加熱するように構成された第1の位置416aに示されている。
図11は、本開示の例示的な実施形態による、第2の加熱位置416bにある加熱部材412を示す、
図10のエアロゾル送達装置400を概略的に示す。第2の位置416bは、エアロゾル源部材500の第2のセグメント508bを加熱するように構成される。
図12は、本開示の例示的な実施形態による一連の漸増加熱位置416a~kを示す、
図10のエアロゾル送達装置400を概略的に示す。上述のように、
図10~
図12の加熱位置の大きさおよび間隔は明確にするためにそのように示されているが、様々な実施形態では、加熱位置の大きさおよび間隔は変化し得ることに留意されたい。
【0129】
図示される実施形態では、エアロゾル源部材500は、押し出された管形状を有し、加熱部材412は、エアロゾル源部材500の内面512によって画定されるキャビティ510内に適合するように構成されたディスク状構造を含む。他の実施形態では、エアロゾル源部材および加熱部材は、他の形状を有し得る。例えば、いくつかの実施形態では、エアロゾル源部材は、任意の中空形状を有し得る。いくつかの実施形態では、加熱部材は、例えば、エアロゾル源部材の内部の形状に相補的な形状を含む任意の形状を有し得る。図示される実施形態では、割出機構414は、リードスクリュー420を回転させるように構成された小さなモータ418(例えば、マイクロステッピングモータ)を含む。加熱部材412が取り付けられるキャリア422が、リードスクリュー420に挿通され得る。このように、ステッパモータ418によるリードスクリュー420の回転は、キャリア422、したがって加熱部材412を実質的に直線的に移動させ得る。様々な実施形態では、制御構成要素、ステッパモータ、リードスクリュー、およびキャリアの特性(例えば、寸法および/または仕様および/または制御機能を含む)は、様々な性能目標を満たすように設計され得る。例えば、
図10~
図12に示す実施形態では、割出機構414は、加熱部材412が一連の個別の直線位置416を通って移動され得るように構成される。図示される実施形態のエアロゾル源部材500は静止しているため、これらの直線位置416は、エアロゾル源部材500の一連の個別のセグメント508に対応する。したがって、制御構成要素408、ステッパモータ418、リードスクリュー420、キャリア422および加熱部材412は、加熱部材412がエアロゾル源部材のセグメントを順次加熱し得るように構成される。
図12を参照すると、これらのセグメントは、セグメント508a~kとして示されている。明確な説明を目的として、図示される実施形態は、エアロゾル源部材500の11個の個別の加熱セグメント508a~kに対応する合計11個の個別の加熱部材位置416a~kを示しているが、様々な他の実施形態では、加熱部材は、個別のセグメントの無限の数を含め、エアロゾル源部材の任意の数の個別のセグメントに対応する任意の数の個別の位置を有し得ることに留意されたい。さらに、
図10~
図12に示す実施形態は、互いに離隔された複数の個別の位置と対応する個別の加熱部材セグメントとを示しているが、他の実施形態では、個別の位置と対応する個別のセグメントとは、限定するものではないが、個別の位置と対応する個別のセグメントとが互いに隣接する、および/または互いに重なり合う結果となる間隔、ならびに一貫性のない間隔を含む異なる間隔を有し得る。
【0130】
様々な実施形態では、加熱部材412の動作は、本明細書で別途説明するように、1つ以上の様々なセンサの使用を通して消費者の吸煙動作によって開始され得、および/または1つ以上の様々なセンサによって感知されるように吸煙が中止されると開始され得る。したがって、いくつかの実施形態では、加熱部材位置416の数は、エアロゾル源部材500から利用可能な吸煙の数に対応し得る。いくつかの実施形態では、単一のエアロゾル源部材は、約4回~約12回、約5回~約11回または約6回~約10回の吸煙を提供し得、これは、典型的な紙巻タバコの吸煙の数に近似する。いくつかの実施形態では、加熱部材412が利用可能な位置416の全部を通過すると、モータ418は、方向を逆にし、キャリア422および加熱部材412を加熱部材412の第1の位置または開始位置に戻してもよい。他の実施形態では、加熱部材412は、加熱部材412の最後の位置または最終位置に留まり得るか、任意の他の位置またはその間の位置に配置され得る。さらに、いくつかの実施形態では、コントローラは、加熱部材が利用可能な位置416の全部を通過したという表示を(例えば、音および/またはインジケータライトを介してなど)提供してもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル源部材500は、加熱部材が利用可能な位置416の全部を通過した際に排出され得る。
【0131】
装置の動作は変化し得るが、例示的な一実施形態では、
図10~
図12のエアロゾル送達装置400の一般的な動作は以下のように起こり得、以下の工程のうちの1つ以上は、制御構成要素408からの制御を介して起こる。第1の工程では、第1の加熱位置416(例えば、位置416aなど)に配置された加熱部材412は、押しボタン405を押すことによってオンにされ得る。さらに、加熱部材412は、第1の温度T1に予熱され得る。第2の工程では、ユーザは、エアロゾル源部材を吸引してもよく(例えば、流量センサによって検出される)、加熱部材412は、第2の温度T2に加熱してもよい。ユーザが吸煙を停止すると(例えば、流量センサによって検出される)、ヒータ温度は第1の温度T1に戻ってもよく、割出機構414は、次の加熱位置416(例えば、位置416bなど)に自動的に移動してもよい。このプロセスは、加熱部材412が最後の加熱位置416(例えば、位置416kなど)に移動するまで継続してもよい。この時点の後、エアロゾル源部材500はハウジング402から排出され得る。様々な実施形態では、エアロゾル源部材は様々な方法で排出され得るが、一実施形態では、
図1~
図3に関して上述した排出方法が参照される。
【0132】
上述の様々な実施形態の押しボタンのいずれかの代わりに(またはそれに加えて)、エアロゾル送達装置は、消費者の物品を用いた吸煙などの他の考慮事項に応答して加熱部材を通電する構成要素(すなわち、吸煙作動式加熱)を含み得ることに留意されたい。したがって、物品は、消費者が物品を吸引する際の圧力変化または空気流変化のいずれかに敏感なスイッチ(すなわち、吸煙作動式スイッチ)を制御構成要素に含んでもよい。他の好適な電流作動/作動解除機構が、温度作動式オン/オフスイッチまたは唇圧作動式スイッチを含んでもよい。そのような吸煙作動能力を提供することができる例示的な機構には、イリノイ州フリーポートのHoneywell,Inc.のMicroSwitch部門によって製造されたモデル163PC01D36シリコンセンサが含まれる。このようなセンサを用いると、消費者が物品を吸引する際の圧力の変化により、加熱部材が迅速に作動され得る。さらに、空気流の変化を感知した後、加熱部材を十分迅速に通電するために、熱線風速測定法の原理を使用するものなどの流れ感知装置が使用されてもよい。使用され得るまた別の吸煙作動式スイッチは、フロリダ州フォート・ローダデールのMicro Pneumatic Logic,Inc.製のモデル番号MPL-502-V、範囲Aなどの圧力差スイッチである。別の好適な吸煙作動式機構は、所定の閾値圧力を検出するための比較器に連結された感圧変換器(例えば、増幅器または利得段を備える)である。さらに別の好適な吸煙作動式機構は、気流によって偏向されるベーンであり、そのベーンの動きは、運動感知手段によって検出される。さらに別の好適な作動機構は、圧電スイッチである。また、イリノイ州フリーポートのHoneywell,Inc.のMicroSwitch部門製の好適に接続されたHoneywell MicroSwitch Microbridge Airflow Sensor、部品番号AWM 2100Vも有用である。本開示による加熱回路に使用され得るデマンド操作型(demand-operated)電気スイッチのまた別の例が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるGerthらの米国特許第4,735,217号明細書に記載されている。他の好適な差動スイッチ、アナログ圧力センサ、流量センサなどが、本開示の知識を有する当業者には明らかであろう。吸引中の圧力変化がスイッチによって容易に識別されるように、制御本体には、吸煙作動式スイッチとエアロゾル源部材の被加熱端との間に流体接続を提供する圧力感知管または他の通路が含まれてもよい。
【0133】
いくつかの実施形態では、消費者がエアロゾル源部材の吸い口端を吸引すると、電流作動手段が、加熱部材を通る電流の流れが制限されないように、または中断されないようにして、急速に熱を生成し得る。急速に加熱するので、(i)加熱部材を通る電流の流れを調整して、抵抗素子の加熱と、その加熱によって生じる温度とを制御するように、(ii)吸入可能な物質媒体の過熱および劣化を防止するように、電流調整構成要素を含むことが有用であり得る。
【0134】
いくつかの実施形態では、電流調整回路は特に時間基準であり得る。具体的には、そのような回路は、吸引中の最初の期間にわたり、加熱部材を流れる電流の流れが中断されないようにする手段と、続いて、吸引が完了するまで電流の流れを調整するタイマ手段とを含み得る。例えば、続く調整は、加熱部材を所望の温度範囲内に維持するように、電流の流れの急速なオンオフ切り替え(例えば、約1~50ミリ秒ごとのオーダーで)を含むことができる。さらに、調整は、所望の温度が達成されるまで単に電流の流れが中断されないようにすることと、次いで、電流の流れを完全にオフにすることとを含んでもよい。加熱部材は、消費者が物品に対して別の吸煙を開始することにより(または、ヒータを作動させるために使用される特定のスイッチ実施形態に応じて押しボタンを手動で作動させることにより)再作動されてもよい。あるいは、続く調整は、加熱部材を所望の温度範囲内に維持するために、加熱部材を流れる電流の流れを変調することを伴い得る。いくつかの実施形態では、所望の投与量の吸入可能な物質を放出するために、加熱部材は、約0.2秒~約5.0秒、約0.3秒~約4.0秒、約0.4秒~約3.0秒、約0.5秒~約2.0秒または約0.6秒~約1.5秒の持続時間にわたって通電されてもよい。1つの例示的な時間基準の電流調整回路は、トランジスタ、タイマ、比較器およびコンデンサを含むことができる。好適なトランジスタ、タイマ、比較器およびコンデンサは市販されており、当業者には明らかであろう。例示的なタイマは、NEC ElectronicsからC-1555Cとして、およびGeneral Electric Intersil,Inc.からICM7555として入手可能なもの、ならびに他の様々な大きさおよび構成のいわゆる「555タイマ」である。例示的な比較器は、National SemiconductorからLM311として入手可能である。そのような時間基準の電流調整回路の追加の説明は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるBrooksらの米国特許第4,947,874号明細書に提供されている。いくつかの実施形態では、ヒータ制御方式は、加熱部材の閉ループ温度制御を含み得る。そのような場合、加熱部材の温度が感知され、コントローラに提供され得る。例えば、加熱部材/基材界面に近接してサーミスタまたは熱電対などのセンサを含めることによって、および/または加熱部材自体の抵抗を監視し、特定の加熱部材合金の温度と抵抗率との間の既知の関係を利用して加熱部材の温度を推測することによって、ヒータ温度制御が提供され得る。
【0135】
上述に照らして、加熱部材への電流の作動/作動解除を容易にするために様々な機構が使用され得ることが分かる。例えば、エアロゾル送達装置は、物品内の電流の流れを調整するためのタイマを含み得る(消費者による吸引中など)。物品は、加熱部材への電流の流れを有効および無効にするタイマ応答スイッチをさらに含み得る。電流の流れの調整はまた、コンデンサと、規定された速度(例えば、加熱部材が加熱および冷却する速度に近い速度)でコンデンサを充電および放電するための構成要素との使用を含み得る。電流の流れは、特に、吸引中の最初の期間にわたり、加熱部材を流れる電流の流れが中断されないように調整されてもよいが、電流の流れは、吸引が完了するまで、最初の期間の後、オフにされるかオンとオフとに交互にサイクルされてもよい。このようなサイクルは、上述のように、プリセットされた切り替えサイクルを生成し得るタイマによって制御され得る。いくつかの実施形態では、タイマは周期的なデジタル波形を生成し得る。最初の期間中の流れは、第1の入力での第1の電圧と閾値入力での閾値電圧とを比較し、第1の電圧が閾値電圧に等しい場合に出力信号を生成し、それにより、タイマを有効にする比較器を使用することによってさらに調整され得る。そのような実施形態は、閾値入力で閾値電圧を生成するための構成要素と、最初の期間の経過時に第1の入力で閾値電圧を生成するための構成要素とをさらに含み得る。
【0136】
さらなる実施形態では、加熱部材の吸煙作動は、加熱部材の動作に結び付けられ得る。例えば、電流調整構成要素は、加熱部材が所望の温度を迅速に達成し、次いで、消費者による吸煙の持続時間にわたり、その温度に留まることを可能にし得る。さらに、いくつかの実施形態では、加熱部材の吸煙作動式動作は、吸煙の持続時間にわたり継続し得る。吸煙が停止すると、加熱部材が無効化され、動作を停止させてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、自動割出中に加熱部材が移動する距離は、吸煙の持続時間に直接関連し得る。このように、消費者は、一回の吸煙によって送達される吸入可能な物質の量を制御してもよい。短い吸煙は少量の吸入可能な物質のみを送達し得るが、吸煙がさらに長ければさらに多くの量の吸入可能な物質を送達してもよい。したがって、大きな最初の吸煙が、大量の吸入可能な物質を提供してもよく、その後の比較的短い吸煙が、比較的少量の吸入可能な物質を提供してもよい。本開示に従って有用であり得る例示的な吸煙作動装置は、いずれもBrooksらの米国特許第4,922,901号明細書、米国特許第4,947,874号明細書および米国特許第4,947,874号明細書に開示されており、これらはいずれも参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0137】
様々な実施形態では、エアロゾル送達装置の様々な電気部品に電力を供給するために使用される動力源は、様々な実施形態を呈し得る。好ましくは、動力源は、ハウジングの内部に適合し得、上述の方法で加熱部材を急速に加熱し、複数のエアロゾル源部材を用いる使用を通して物品に電力を供給するのに十分なエネルギーを供給することができ得る。有用な動力源の一例は、日本のSanyo Electric Company,Ltd.によって製造されるN50-AAA CADNICAニッケルカドミウム電池である。それぞれ1.2ボルトを提供する複数のそのような電池が直列に接続されてもよい。他の実施形態では、充電可能な二酸化マンガンリチウム電池などの異なる動力源が使用されてもよい。これらの動力源またはそれらの組合せのいずれも使用され得るが、使い捨て電池に関連するコストおよび廃棄の考慮事項のために、充電可能な電池が好ましい場合がある。さらに、使い捨て電池が使用される場合、電池を交換するために装置が開閉自在であってよい。充電可能な電池が使用される実施形態では、制御セグメントは、標準の120ボルトAC壁コンセントまたは他の供給源、例えば、自動車の電気システム、もしくは別個のポータブル動力源から電力を供給する従来の充電ユニット(図示せず)の対応する接点と相互作用する充電用接点(図示せず)をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、直列または並列に接続され得る複数の電池が使用されてもよい。
【0138】
さらなる実施形態では、動力源はまた、コンデンサを含み得る。コンデンサは、電池よりも速く放電することができ、吸煙の合間に充電することができるため、電池が、加熱部材に直接電力を供給するために使用される場合よりも低い速度でコンデンサに放電することを可能にする。例えば、電池とは別に、または電池と組み合わせて、スーパーキャパシタ、すなわち、電気二重層コンデンサ(EDLC)が使用されてもよい。スーパーキャパシタは、単独で使用される場合、装置の各使用前に充電されてもよい。したがって、本開示はまた、スーパーキャパシタを補充するように、使用の合間に装置に取り付けられ得る充電器構成要素を含んでもよい。本開示の特定の実施形態では、薄膜電池が使用されてもよい。
【0139】
上述のように、様々な実施形態では、エアロゾル送達装置は、1つ以上のインジケータ(図示せず)を含み得る。いくつかの実施形態では、そのようなインジケータは、装置の使用の複数の態様の表示を提供し得るライト(例えば、発光ダイオード)であり得る。例えば、一連のライトは、所与のカートリッジの吸煙の数に対応し得る。具体的には、ライトは、全部のライトが点灯した際にエアロゾル源部材が消費されたことが消費者に通知されるように、各吸煙に伴って連続的に点灯してもよい。あるいは、エアロゾル源部材がハウジングに挿入されるのに応答して、全部のライトが点灯してもよく、全部のライトが消えると、エアロゾル源部材が消費されたことが消費者に通知されるように、各吸煙に伴ってライトが消えてもよい。さらに他の実施形態では、単一のインジケータのみが存在し得、その照明は、電流が加熱部材に流れていて、装置が能動的に加熱していることを示し得る。これにより、消費者が意図せずに能動的な加熱モードで物品を放置しないようにし得る。代替の実施形態では、インジケータのうちの1つ以上は、エアロゾル源部材の構成要素であり得る。インジケータは、オン/オフ方法の視覚インジケータに関連して上述で説明されているが、他の動作指標も包含される。例えば、視覚インジケータはまた、喫煙経験の進行を示すために、ライトの色または強度の変化を含んでもよい。触覚インジケータおよび可聴インジケータも同様に、本開示に包含される。さらに、そのようなインジケータの組合せが、単一の装置で使用されてもよい。
【0140】
例えば、ヒータ、電池、コンデンサ、スイッチング構成要素など、本装置に使用するための様々な材料が説明されてきたが、本開示は、例示された実施形態のみに限定されると解釈されるべきではない。むしろ、当業者であれば、本開示に基づいて、本開示の任意の特定の構成要素と互換的であり得る、当業界での類似の構成要素を認識すべきである。例えば、Sprinkel,Jr.の米国特許第5,261,424号明細書は、吸引に関連したユーザの唇の動作を検出し、次いで加熱装置の加熱を引き起こす装置の吸い口端に関連し得る圧電センサを開示しており、McCaffertyらの米国特許第5,372,148号明細書は、マウスピースを通る圧力の降下に応答して加熱負荷アレイへのエネルギー流を制御するための吸煙センサを開示しており、Harrisらの米国特許第5,967,148号明細書は、挿入された構成要素の赤外線透過性の不均一性を検出する識別器と、構成要素が容器に挿入された際に検出ルーチンを実行するコントローラと、を含む喫煙装置内の容器を開示しており、Fleischhauerらの米国特許第6,040,560号明細書は、複数の異なるフェーズを有する規定済みの実行可能な電力サイクルを記載しており、Watkinsらの米国特許第5,934,289号明細書は、フォトニックオプトロニック構成要素を開示しており、Countsらの米国特許第5,954,979号明細書は、喫煙装置を通る引込み抵抗を変化させるための手段を開示しており、Blakeらの米国特許第6,803,545号明細書は、喫煙装置に使用するための特定の電池構成を開示しており、Griffenらの米国特許第7,293,565号明細書は、喫煙装置とともに使用するための様々な充電システムを開示しており、Fernandoらの米国特許出願公開第2009/0320863号明細書は、充電を容易にし、装置のコンピュータ制御を可能にするための喫煙装置用のコンピュータインターフェース手段を開示しており、Fernandoらの米国特許出願公開第2010/0163063号明細書は、喫煙装置用の識別システムを開示しており、Flickの国際公開第2010/003480号パンフレットは、エアロゾル生成システムを用いた吸煙を示す流体流感知システムを開示しており、前述の開示はいずれも、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本物品で使用され得る電子エアロゾル送達物品に関連する構成要素および開示材料または構成要素の追加の例には、Gerthらの米国特許第4,735,217号明細書、Morganらの米国特許第5,249,586号明細書、Higginsらの米国特許第5,666,977号明細書、Adamsらの米国特許第6,053,176号明細書、Whiteの米国特許第6,164,287号明細書、Vogesの米国特許第6,196,218号明細書、Felterらの米国特許第6,810,883号明細書、Nicholsの米国特許第6,854,461号明細書、Honの米国特許第7,832,410号明細書、Kobayashiの米国特許第7,513,253号明細書、Hamanoの米国特許第7,896,006号明細書、Shayanの米国特許第6,772,756号明細書、Honの米国特許出願公開第2009/0095311号明細書、米国特許出願公開第2006/0196518号明細書、米国特許出願公開第2009/0126745号明細書および米国特許出願公開第2009/0188490号明細書、Thorensらの米国特許出願公開第2009/0272379号明細書、Monseesらの米国特許出願公開第2009/0260641号明細書および米国特許出願公開第2009/0260642号明細書、Oglesbyらの米国特許出願公開第2008/0149118号明細書および米国特許出願公開第2010/0024834号明細書、Wangの米国特許出願公開第2010/0307518号明細書ならびにHonの国際公開第2010/091593号パンフレットが挙げられる。前述の文献によって開示されている様々な材料は、様々な実施形態で本装置に組み込まれ得、前述の開示はいずれも、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0141】
様々な実施形態では、エアロゾル源部材の吸入可能な物質媒体は、エアロゾルの放出、量および香味の様々な態様を制御するために、所望により変更され得ることにさらに留意されたい。例えば、吸入可能な物質は、吸入可能な物質媒体上または吸入可能な物質媒体内に均一に分散され得、その結果、加熱されるそれぞれのセグメントは、実質的に同じ含有量の吸入可能な物質を放出する。あるいは、吸入可能な物質は、不均一な構成で分散されてもよい。例えば、一実施形態では、加熱部材と接触する吸入可能な物質媒体の第1のセグメントには、吸入可能な物質が過給され得る。例えば、加熱部材によって加熱される領域の大きさに対応する吸入可能な物質媒体の単一のセグメントは、吸入可能な物質媒体に存在する吸入可能な物質の総量の約30%~約90%、約35%~約75%または約40%~約60%を含み得る。同様に、加熱部材によって加熱される吸入可能な物質媒体の最終セグメントなどの単一のセグメントは、吸入可能な物質媒体の残りの部分とは異なる香味または他の材料を含み得る。香味または他の材料のそのような最終放出は、エアロゾル源部材が完全に使用されたという消費者への合図として機能し得る。したがって、セグメント化された加熱が、各被加熱セグメントに対して、吸入可能な物質の制御された投与量を提供し得ることが分かる。
【0142】
本開示はまた、様々な実施形態では、エアロゾル送達装置を操作する方法を提供する。例えば、
図13は、制御本体およびエアロゾル源部材を含むエアロゾル送達装置を操作する方法600での様々な操作を示している。ブロック602に示すように、方法は、制御本体のハウジングに配置された電気エネルギー源を使用して加熱部材を通電することを含み得る。ブロック604に示すように、方法はまた、加熱部材を使用してエアロゾル源部材のセグメントを加熱することを含み得る。ブロック606に示すように、方法は、割出機構を使用して第1の位置から第2の位置に加熱部材を移動させることによって、エアロゾル源部材に対して加熱部材を移動させることをさらに含み得る。さらに、ブロック608に示すように、方法はまた、加熱部材を使用してエアロゾル源部材の後続のセグメントを加熱することを含み得る。図にさらに示すように、加熱部材とエアロゾル源部材との間に漸増運動を作り出すプロセスは、エアロゾル源部材の複数の後続のセグメントを加熱し続け得る。上述のように、いくつかの実施形態では、加熱部材の温度は、後続のセグメントを加熱する前に加熱温度に留まり得るが、他の実施形態では、加熱部材の温度は変化し得る。例えば、エアロゾル源部材の1つのセグメントを加熱した後、加熱部材の温度は下げられてもよく、次いで、エアロゾル源部材の後続のセグメントを加熱する前に、加熱部材が加熱温度まで加熱されてもよい。
【0143】
また上述のように、いくつかの実施形態では、エアロゾル源部材の後続のセグメントを加熱することは、エアロゾル源部材の第1および第2のセグメントの外面を最初に加熱することを含み得る。いくつかの実施形態では、エアロゾル源部材の第1および第2のセグメントを加熱することは、エアロゾル源部材の第1および第2のセグメントの内面を最初に加熱することを含み得る。いくつかの実施形態では、エアロゾル源部材に対する吸引を検出するように構成されたセンサを使用して、割出機構が作動され得る。いくつかの実施形態では、割出機構は、手動アクチュエータを使用して作動され得る。いくつかの実施形態では、手動アクチュエータは、加熱部材とともに移動するように構成され得るが、他の実施形態では、手動アクチュエータは、クリックリターンアクチュエータを含み得る。本明細書で別途説明するようなあらゆる利点に加えて、いくつかの実施形態では、加熱部材とエアロゾル源との間の漸増相対運動の利点は、これらの2つの構成要素間の払拭作用が、加熱部材の表面に、凝縮した材料が比較的蓄積しないようにするのを助ける効果を有し得ることである。
【0144】
本明細書で説明または企図される実施形態のいずれかについて、電気加熱部材は、誘導加熱部材を含み得ることに留意されたい。様々な実施形態では、誘導加熱部材は、共振発信器(resonant transmitter)および/または共振受信器(resonant receiver)を含み得る。このように、エアロゾル送達装置の動作は、共振発信器に交流を導いて、振動磁場を発生させて、エアロゾル源部材の吸入可能な物質媒体に近接して配置された共振受信器に渦電流を誘導することを必要とし得る。この交流により、共振受信器が熱を生成し、それによって、吸入可能な物質媒体からエアロゾルが生成される。
【0145】
したがって、いくつかの実施形態では、制御本体の制御構成要素は、動力源によって供給された直流を、共振発信器に供給される交流に変換するように構成されたインバータまたはインバータ回路を含んでもよい。したがって、いくつかの実施形態では、共振発信器(例えば、エアロゾル源部材に近接して配置されたコイル部材など)とエアロゾル源部材とは、互いに対して移動されて、誘導加熱によってエアロゾル源部材の2つ以上のセグメントのうちの1つを順次加熱してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、共振発信器は、静止したエアロゾル源部材に対して移動され得る。他の実施形態では、エアロゾル源部材は、静止した共振発信器に対して移動され得る。さらに他の実施形態では、共振発信器およびエアロゾル源部材の両方が、互いに対して移動され得る。
【0146】
他の実施形態では、共振受信器(例えば、中空エアロゾル源部材の内部に配置された受信ロッドまたはプロングなど)とエアロゾル源部材とは、互いに対して移動されて、誘導加熱によってエアロゾル源部材の2つ以上のセグメントのうちの1つを順次加熱してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、共振受信器は、静止したエアロゾル源部材に対して移動され得る。他の実施形態では、エアロゾル源部材は、静止した共振受信器に対して移動され得る。さらに他の実施形態では、共振受信器およびエアロゾル源部材の両方が、互いに対して移動され得る。
【0147】
他の実施形態では、電磁エネルギーを遮蔽するように構成され得る、および/またはそれを通る電磁エネルギーの個別の領域を可能にするように構成され得る遮蔽部材が、エアロゾル源部材に対して移動されて、誘導加熱によってエアロゾル源部材の2つ以上のセグメントのうちの1つを順次加熱してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、遮蔽部材は、静止したエアロゾル源部材に対して移動され得る。他の実施形態では、エアロゾル源部材は、静止した遮蔽部材に対して移動され得る。さらに他の実施形態では、遮蔽部材およびエアロゾル源部材の両方が、互いに対して移動され得る。
【0148】
様々な誘導加熱の方法および構成の例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2017年10月31日に出願され、「Induction Heated Aerosol Delivery Device」と題された米国特許出願第15/799,365号明細書に記載されている。様々な誘導ベースの制御構成要素および関連する回路の追加の例は、2016年11月15日に出願され、「Induction-Based Aerosol Delivery Device」と題された米国特許出願第15/352,153号明細書、およびSurらの米国特許出願公開第2017/0202266号明細書に記載されており、これらの各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0149】
エアロゾル源部材および制御本体は、一般に、完全な喫煙品または医薬品送達物品として一緒に提供され得るが、これらの構成要素はまた、別個に提供され得ることに留意されたい。例えば、本開示はまた、再使用可能な喫煙品または再使用可能な医薬品送達物品とともに使用するための使い捨てユニットを包含する。特定の実施形態では、そのような使い捨てユニット(添付の図に示されるようなエアロゾル源部材であり得る)は、再使用可能な喫煙品または医薬品送達物品と係合するように構成された被加熱端を有する実質的に管状の本体と、消費者に対して吸入可能な物質が通過することを可能にするように構成された反対側の吸い口端と、内部空間を画定する外面および内面を有する壁とを含み得る。エアロゾル源部材(またはカートリッジ)の様々な実施形態は、参照により本明細書に組み込まれるWormらの米国特許第9,078,473号明細書に記載されている。
【0150】
本開示は、使い捨てユニットに加えて、再使用可能な喫煙品または再使用可能な医薬品送達物品に使用するための別個の制御本体を提供することとして、さらに特徴付けられ得る。特定の実施形態では、制御本体は、一般に、別個に設けられたエアロゾル源部材の被加熱端を受容するための受容端(開放端を有する受容チャンバを含み得る)を有するハウジングであり得る。制御本体は、制御本体の構成要素であり得るか、制御ユニットとともに使用されるエアロゾル源部材に含まれ得る電気加熱部材に電力を供給する電気エネルギー源をさらに含み得る。様々な実施形態では、制御本体は、電源(電池など)と、加熱部材への電流の流れを作動させるための構成要素と、所望の時間にわたり所望の温度を維持するために、および/または所望の温度に到達した際に、または加熱部材が所望の長さの時間にわたり加熱している際に、電流の流れをサイクルさせるか、電流の流れを停止させるために、そのような電流の流れを調整するための構成要素とを含む追加の構成要素も含み得る。いくつかの実施形態では、制御ユニットは、加熱部材への電流の流れを作動させるための構成要素の一方または両方に関連する1つ以上の押しボタンと、そのような電流の流れを調整するための構成要素とをさらに含み得る。制御本体はまた、ヒータが加熱していることを示すライトおよび/または制御本体とともに使用されるエアロゾル源部材に残っている吸煙の数を示すライトなどの1つ以上のインジケータを含み得る。
【0151】
本明細書で説明される様々な図は、動作関係にある制御本体およびエアロゾル源部材を示しているが、制御本体およびエアロゾル源部材は、個別の装置として存在し得ることを理解されたい。したがって、組み合わせた構成要素に関して本明細書で他に提供されるいかなる説明も、個別かつ別個の構成要素としての制御本体およびエアロゾル源部材に適用されるものとして理解されるべきである。
【0152】
別の態様では、本開示は、本明細書で説明される様々な構成要素を提供するキットを対象とし得る。例えば、キットは、1つ以上のエアロゾル源部材を有する制御本体を含み得る。キットは、1つ以上の充電構成要素を有する制御本体をさらに含み得る。キットは、1つ以上の電池を有する制御本体をさらに含み得る。キットは、1つ以上のエアロゾル源部材および1つ以上の充電構成要素および/または1つ以上の電池を有する制御本体をさらに含み得る。さらなる実施形態では、キットは、複数のエアロゾル源部材を含み得る。キットは、複数のエアロゾル源部材および1つ以上の電池および/または1つ以上の充電構成要素をさらに含み得る。上述の実施形態では、エアロゾル源部材または制御本体は、それらに含まれる加熱部材を備えていてもよい。本発明のキットは、追加のキット構成要素のうちの1つ以上を収容するケース(または他の梱包、運搬または保管構成要素)をさらに含み得る。ケースは、再使用可能なハード容器またはソフト容器であってよい。さらに、ケースは、単なる箱または他の梱包構造体であってよい。
【0153】
上述の説明および関連する図面に示された教示の利益を有し、本開示が関連する当業者には、本開示の多くの変更形態および他の実施形態が思い浮かぶであろう。したがって、本開示は、本明細書に開示される特定の実施形態に限定されるものではなく、変更形態および他の実施形態が添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。本明細書では特定の用語を使用しているが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用され、限定のために使用されない。