IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヤマハ発動機株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-無人搬送車 図1
  • 特許-無人搬送車 図2
  • 特許-無人搬送車 図3
  • 特許-無人搬送車 図4
  • 特許-無人搬送車 図5
  • 特許-無人搬送車 図6
  • 特許-無人搬送車 図7
  • 特許-無人搬送車 図8
  • 特許-無人搬送車 図9
  • 特許-無人搬送車 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-05
(45)【発行日】2023-09-13
(54)【発明の名称】無人搬送車
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/02 20200101AFI20230906BHJP
【FI】
G05D1/02 D
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021019579
(22)【出願日】2021-02-10
(65)【公開番号】P2022122388
(43)【公開日】2022-08-23
【審査請求日】2021-11-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121500
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100189887
【弁理士】
【氏名又は名称】古市 昭博
(72)【発明者】
【氏名】管野 博文
(72)【発明者】
【氏名】大石 裕也
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-175147(JP,A)
【文献】特開2010-45466(JP,A)
【文献】実開平3-100907(JP,U)
【文献】特開2019-67316(JP,A)
【文献】特開2012-128477(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
路面に備えられた誘導ラインに沿って走行する無人搬送車であって、
車両本体と、
前記車両本体に設けられた照明装置と、
前記車両本体に設けられ、前記誘導ラインおよび前記路面を撮像する撮像装置と、
前記車両本体に設けられ、前記撮像装置の撮像領域の周囲に配置され、外部から前記撮像領域への光を遮蔽する外部光遮蔽部材と、を備え、
前記照明装置は、光を照射する照射面を有し、
前記撮像装置は、光が入射される撮像面を有し、
前記照射面は、水平方向よりも上向きに配置され、
前記撮像装置の前記撮像領域が、前記照明装置の直接光によって照射されず、前記照明装置の反射光によって照射されるように構成されている、無人搬送車。
【請求項2】
前記照射面と前記撮像領域との間に配置され、前記照射面から前記撮像領域に向かう直接光を遮る第1遮光部材を備えている、請求項1に記載の無人搬送車。
【請求項3】
前記第1遮光部材は、水平に延びるまたは水平面に対して45°以内の角度で傾いた遮光板を有している、請求項2に記載の無人搬送車。
【請求項4】
前記照明装置の直接光を、前記撮像領域に含まれる前記第1遮光部材の真下の領域に向けて反射する第1反射部材を備えている、請求項2または3に記載の無人搬送車。
【請求項5】
前記照射面と前記撮像面との間に配置され、前記照射面から前記撮像面に向かう直接光を遮る第2遮光部材を備えている、請求項1~4のいずれか一つに記載の無人搬送車。
【請求項6】
前記第2遮光部材は、水平に延びるまたは水平面に対して45°以内の角度で傾いた遮光板を有している、請求項5に記載の無人搬送車。
【請求項7】
前記照明装置の直接光を前記撮像領域に向けて反射する第2反射部材を備えている、請求項1~6のいずれか一つに記載の無人搬送車。
【請求項8】
前記第2反射部材は、前記車両本体と別体の反射板を有している、請求項に記載の無人搬送車。
【請求項9】
前記第2反射部材は、つや消し加工が施された反射面を有している、請求項7または8に記載の無人搬送車。
【請求項10】
前記車両本体に設けられた前輪と、
前記車両本体に設けられ、前記前輪よりも後方に配置された後輪と、を備え、
前記照射面は、前記前輪の中心および前記後輪の中心よりも上方に配置されている、請求項1~9のいずれか一つに記載の無人搬送車。
【請求項11】
前記撮像面は、前記前輪の中心および前記後輪の中心よりも上方に配置されている、請求項10に記載の無人搬送車。
【請求項12】
前記撮像領域の前端は前記前輪の中心よりも後方に位置し、前記撮像領域の後端は前記後輪の中心よりも前方に位置する、請求項10または11に記載の無人搬送車。
【請求項13】
前記照射面は、左右方向または前後方向に細長い形状に形成されている、請求項1~12のいずれか一つに記載の無人搬送車。
【請求項14】
前記外部光遮蔽部材は、
前記撮像面よりも前方に配置され、下方に延びる前板と、
前記撮像面よりも後方に配置され、下方に延びる後板と、
前記撮像面よりも左方に配置され、下方に延びかつ前記前板から前記後板にわたって後方に延びる左板と、
前記撮像面よりも右方に配置され、下方に延びかつ前記前板から前記後板にわたって後方に延びる右板と、を有している、請求項1~13のいずれか一つに記載の無人搬送車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、路面に敷設された誘導ラインに沿って走行する無人搬送車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、路面を照射する照明装置と、路面に敷設された誘導ラインを撮像する撮像装置とを備え、撮像された誘導ラインに沿って走行する無人搬送車が知られている。
【0003】
照明装置が誘導ラインを直接照射するように構成されている場合、照明装置から光が直接照射された路面が当該光を反射し、反射された光(反射光)が撮像装置に直接入射することがある。その場合、図9に示すように、撮像装置によって得られる画像データに白飛びWが発生するおそれがある。特に、発光強度が均一ではない照明装置を用いた場合、白飛びWが発生しやすい。白飛びWが発生すると、誘導ラインLの一部または全部が欠けてしまい、無人搬送車は誘導ラインLに沿って走行することができなくなる。
【0004】
特開2012-128477号公報には、図10に示すように配置された撮像装置102および照明装置104を備えた無人搬送車が開示されている。図10において、線L101は、撮像領域Aの外縁と撮像装置102とを結ぶ直線である。線L102は、線L101を路面110において等角に反射させた直線である。照明装置104の照射面105は、線L102で区分けされた外側の領域に配置されている。特開2012-128477号公報には、照射面105の一部分から照射された強度の高い光の反射光が撮像面103に到達することに起因する白飛び、および、照射面105からの直接光が撮像面103に到達することに起因する白飛びの発生を防ぐことができる、と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-128477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、画像の明るさを確保するためには、照明装置の全体の発光強度をある程度確保する必要がある。発光強度が均一でない照明装置を用いる場合、当該照明装置から照射される光には、発光強度の高い光と低い光とが含まれる。照明装置により誘導ラインおよびその近傍の路面を直接照射する場合、発光強度が高い光が直接照射された領域において、白飛びが発生するおそれがある。
【0007】
本発明の目的は、画像の明るさを確保しながら白飛びの発生を従来以上に抑制することができ、誘導ラインを良好に検出することができる無人搬送車を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ここに開示される無人搬送車は、路面に備えられた誘導ラインに沿って走行する無人搬送車である。前記無人搬送車は、車両本体と、前記車両本体に設けられた照明装置と、前記車両本体に設けられ、前記誘導ラインおよび前記路面を撮像する撮像装置と、前記車両本体に設けられ、前記撮像装置の撮像領域の周囲に配置され、外部から前記撮像領域への光を遮蔽する外部光遮蔽部材と、を備える。前記照明装置は、光を照射する照射面を有している。前記撮像装置は、光が入射される撮像面を有している。前記無人搬送車は、前記撮像装置の前記撮像領域が、前記照明装置の直接光によって照射されず、前記照明装置の反射光によって照射されるように構成されている。
【0009】
上記無人搬送車によれば、撮像領域は照明装置の直接光によって照射されないので、照明装置の発光強度が均一でなく、かつ、照明装置から照射される光に発光強度の高い光が含まれていたとしても、白飛びは発生しにくい。白飛びの発生を従来以上に抑制することができる。撮像領域は照明装置の反射光によって照射されるので、照明装置の発光強度が均一でない場合、撮像領域が照明装置の直接光によって照射される場合に比べて、撮像領域の明るさのばらつきが緩和される。よって、白飛びの発生を抑制しながら画像の明るさを確保することができる。したがって、誘導ラインを良好に検出することができる。
【0010】
前記無人搬送車は、前記照射面と前記撮像領域との間に配置され、前記照射面から前記撮像領域に向かう直接光を遮る第1遮光部材を備えていてもよい。
【0011】
このように第1遮光部材を備えることにより、照明装置および撮像装置の配置に拘わらず、撮像領域が照明装置の直接光によって照射されないようにすることができる。照明装置および撮像装置のレイアウトの自由度を高めることができる。
【0012】
前記第1遮光部材は、水平に延びるまたは水平面に対して45°以内の角度で傾いた遮光板を有していてもよい。
【0013】
このことにより、下方に向かう光を効果的に遮ることができる。撮像領域に向かう照明装置の直接光を効果的に遮ることができる。
【0014】
前記無人搬送車は、前記照明装置の直接光を、前記撮像領域に含まれる前記第1遮光部材の真下の領域に向けて反射する第1反射部材を備えていてもよい。
【0015】
第1遮光部材の真下の領域は暗くなる傾向がある。しかし、第1反射部材を備えることにより、第1遮光部材の真下の領域に反射光を当てることができる。第1遮光部材の真下の領域を好適に照らすことができるので、誘導ラインを良好に検出することができる。
【0016】
前記無人搬送車は、前記照射面と前記撮像面との間に配置され、前記照射面から前記撮像面に向かう直接光を遮る第2遮光部材を備えていてもよい。
【0017】
このことにより、照明装置の直接光が撮像装置の撮像面に入射することが抑制される。撮像面に直接光が入射することに起因する白飛びの発生を抑制することができる。
【0018】
前記第2遮光部材は、水平に延びるまたは水平面に対して45°以内の角度で傾いた遮光板を有していてもよい。
【0019】
このことにより、上方に向かう光を効果的に遮ることができる。撮像装置に向かう照明装置の直接光を効果的に遮ることができる。
【0020】
前記無人搬送車は、前記照明装置の直接光を前記撮像領域に向けて反射する第2反射部材を備えていてもよい。
【0021】
このように第2反射部材を備えることにより、照明装置および撮像装置の配置に拘わらず、照明装置の反射光によって撮像領域を好適に照射することができる。
【0022】
前記第2反射部材は、前記車両本体と別体の反射板を有していてもよい。
【0023】
このことにより、車両本体の形状に依存せずに、照明装置の反射光によって撮像領域を好適に照射することができる。
【0024】
前記第2反射部材は、つや消し加工が施された反射面を有していてもよい。
【0025】
このことにより、撮像領域の一部が明るくなりすぎることを防止することができ、撮像領域の全体を比較的均等に明るくすることができる。画像の明るさを確保しながら白飛びの発生を抑制することができる。
【0026】
前記照射面は、水平方向よりも上向きに配置されてい
【0027】
このことにより、撮像領域を照明装置の反射光によって照射しやすくなる。
【0028】
前記無人搬送車は、前記車両本体に設けられた前輪と、前記車両本体に設けられ、前記前輪よりも後方に配置された後輪と、を備えていてもよい。前記照射面は、前記前輪の中心および前記後輪の中心よりも上方に配置されていてもよい。
【0029】
前記撮像面は、前記前輪の中心および前記後輪の中心よりも上方に配置されていてもよい。
【0030】
前記撮像領域の前端は、前記前輪の中心よりも後方に位置していてもよい。前記撮像領域の後端は、前記後輪の中心よりも前方に位置していてもよい。
【0031】
前記照射面は、左右方向または前後方向に細長い形状に形成されていてもよい。
【0032】
照射面が細長い形状に形成されている場合、発光強度にばらつきがある場合、撮像領域の明るさにばらつきが生じやすい傾向がある。したがって、白飛びの発生を抑制するという前述の効果、および、撮像領域の明るさのばらつきを抑制するという前述の効果は、特に有効となる。
【0033】
前記外部光遮蔽部材は、前記撮像面よりも前方に配置され、下方に延びる前板と、前記撮像面よりも後方に配置され、下方に延びる後板と、前記撮像面よりも左方に配置され、下方に延びかつ前記前板から前記後板にわたって後方に延びる左板と、前記撮像面よりも右方に配置され、下方に延びかつ前記前板から前記後板にわたって後方に延びる右板と、を有していてもよい。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、画像の明るさを確保しながら白飛びの発生を従来以上に抑制することができ、誘導ラインを良好に検出することができる無人搬送車を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】第1実施形態に係る無人搬送車の横断面図である。
図2】第1実施形態に係る無人搬送車の図1のII-II線断面図である。
図3】第1実施形態に係る無人搬送車の底面図である。
図4】撮像装置により生成される画像データの一例を表す図である。
図5図1の照明装置、第1遮光板、および第2遮光板の拡大図である。
図6】第1実施形態の変形例に係る無人搬送車の横断面図である。
図7】第2実施形態に係る無人搬送車を部分的に破断して示す左側面図である。
図8】第2実施形態に係る無人搬送車を部分的に破断して示す正面図である。
図9】従来の無人搬送車の撮像装置により生成される画像データの一例を表す図である。
図10】従来の無人搬送車の撮像装置および照明装置の配置を表す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
(第1実施形態)
以下、図面を参照しながら、実施の形態について説明する。図1は第1実施形態に係る無人搬送車1の横断面図であり、図2図1のII-II線断面図である。図1は、図2のI-I線断面図に相当し、無人搬送車1の車両前後方向に垂直な鉛直断面を表している。なお、図1では、後述する左後輪22L、右後輪22R、およびパワーユニット23等の図示は省略している。図3は、無人搬送車1の底面図である。図中の符号F、Re、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を表すものとする。
【0037】
無人搬送車1は、路面90に備えられた誘導ライン91に沿って走行する無人の車両である。ここでは、誘導ライン91は黒色の線である。ただし、誘導ライン91の色は黒色に限定されない。誘導ライン91は、路面90に塗られた塗料からなっていてもよいが、ここでは、路面90に貼られた黒色のテープからなっている。テープにより誘導ライン91を構成することとすれば、ルートの新設および変更が容易である。ただし、誘導ライン91の構成は何ら限定されない。
【0038】
図3に示すように無人搬送車1は、車両本体10と、左前輪21Lと、右前輪21Rと、左後輪22Lと、右後輪22Rと、パワーユニット23とを備えている。左後輪22Lおよび右後輪22Rは、左前輪21Lおよび右前輪21Rよりも後方に配置されている。図示は省略するが、パワーユニット23は、駆動源としての電動モータを有している。駆動源としての電動モータの台数は1台でもよいが、ここでは駆動源として、左後輪22Lに連結された電動モータと、右後輪22Rに連結された電動モータとが設けられている。本実施形態では、左後輪22Lおよび右後輪22Rは駆動輪であり、上記電動モータによって駆動される。左前輪21Lおよび右前輪21Rは、鉛直軸周りに回転可能である。無人搬送車1は、左後輪22Lおよび右後輪22Rの回転数差によって旋回する。
【0039】
ただし、上記構成は一例である。自動で走行および旋回が可能である限り、無人搬送車1の構成は特に限定されない。左前輪21Lおよび右前輪21Rは、駆動源により駆動される駆動輪であってもよい。駆動輪は、鉛直軸周りに回転不能であってもよく、鉛直軸周りに回転可能であってもよい。無人搬送車1は、左前輪21Lおよび右前輪21Rを鉛直軸周りに回転させるステアリングモータを備えていてもよい。
【0040】
図1に示すように無人搬送車1は、照明装置30と、撮像装置40と、外部光遮蔽部材50とを備えている。
【0041】
照明装置30は車両本体10に設けられている。照明装置30は、光源31と、光源31が収容されたケース32と、光を照射する照射面33とを有している。照明装置30の形状は特に限定されないが、本実施形態では、照明装置30は前後方向に細長い形状に形成されている(図2および図3参照)。照射面33は、前後方向に細長い形状に形成されている。なお、前後方向に細長い形状とは、前後方向の寸法が左右方向の寸法よりも大きく、かつ、上下方向の寸法よりも大きな形状のことである。照明装置30の位置は特に限定されないが、本実施形態では図2に示すように、照明装置30は、左前輪21Lおよび右前輪21Rの中心21cよりも後方、かつ、左後輪22Lおよび右後輪22Rの中心22cよりも前方に配置されている。
【0042】
光源31は、光を発することができる限り、特に限定されない。光源31は、例えば、LED、ランプ等からなっていてもよい
【0043】
照射面33は湾曲面であってもよいが、本実施形態では平面である。図1に示すように、照射面33は水平方向よりも上向きに配置されている。照射面33に垂直な直線33vは、照射面33から離れるほど上方に向かう直線となっている。なお、照射面33が湾曲面の場合、照射面33が水平方向よりも上向きに配置されているとは、照射面33の中心を通る垂直な直線が、照射面33から離れるほど上方に向かう直線となっていることを言う。図2に示すように、照射面33は、左前輪21Lおよび右前輪21Rの中心21cよりも上方に配置されている。また、照射面33は、左後輪22Lおよび右後輪22Rの中心22cよりも上方に配置されている。
【0044】
撮像装置40は、誘導ライン91および路面90を撮像できる装置である限り特に限定されない。撮像装置40は、例えば、CCDカメラ等からなっていてもよい。図1に示すように、撮像装置40は、撮像素子41と、ケース42と、光が入射される撮像面43とを有している。撮像装置40は、撮像面43が下向きとなるように配置されている。本実施形態では、撮像装置40は照明装置30よりも上方に配置されている。図3に示すように、撮像装置40は、左前輪21Lよりも右方かつ後方に配置されている。撮像装置40は、右前輪21Rよりも左方かつ後方に配置されている。撮像装置40は、左後輪22Lよりも右方かつ前方に配置されている。撮像装置40は、右後輪22Rよりも左方かつ前方に配置されている。図2に示すように、撮像面43は、左前輪21Lおよび右前輪21Rの中心21cよりも上方に配置されている。撮像面43は、左後輪22Lおよび右後輪22Rの中心22cよりも上方に配置されている。
【0045】
図1および図2において、符号45は撮像装置40の撮像領域を表す。撮像領域45の範囲は特に限定されないが、ここでは、撮像領域45の前端45fは、左前輪21Lおよび右前輪21Rの中心21cよりも後方に位置する。撮像領域45の後端45bは、左後輪22Lおよび右後輪22Rの中心22cよりも前方に位置する。撮像領域45からの光(すなわち、撮像領域45内の路面90および誘導ライン91によって反射された光)は、撮像面43に直接入射される。無人搬送車1は、誘導ライン91と、誘導ライン91の周辺の路面90とを撮像しながら走行する。図4は、撮像装置40により生成される画像データの一例を表す図である。画像データには、撮像領域45の画像が含まれる。無人搬送車1が誘導ライン91上を走行している場合、撮像領域45の画像には、誘導ライン91およびその周辺の路面90が表示される。
【0046】
図1および図2に示すように、外部光遮蔽部材50は撮像領域45の周囲に配置されている。外部光遮蔽部材50は、外部から撮像領域45への光を遮蔽する。外部光遮蔽部材50が外部光を遮ることにより、撮像装置40は、照明装置30によって照らされる誘導ライン91および路面90を安定して撮像することができる。よって、誘導ライン91を含んだ画像(図4参照)を安定して得ることができる。
【0047】
図3に示すように、外部光遮蔽部材50は、前板50Fと、後板50Bと、左板50Lと、右板50Rとを有している。前板50F、後板50B、左板50L、および右板50Rは、光を遮蔽する遮光板である。遮光板として、例えば、金属製または樹脂製のパネル等を用いることができる。前板50F、後板50B、左板50L、および右板50Rは、車両本体10に取り付けられており、車両本体10から下方に延びている。左板50Lは、前板50Fの左端から後板50Bの左端にわたって後方に延びている。右板50Rは、前板50Fの右端から後板50Bの右端にわたって後方に延びている。前板50Fは、撮像装置40の撮像面43よりも前方に配置されている。後板50Bは、撮像面43よりも後方に配置されている。左板50Lは、撮像面43よりも左方に配置されている。右板50Rは、撮像面43よりも右方に配置されている。
【0048】
図1において、符号Ldは照明装置30の直接光を表す。符号Liは照明装置30の反射光を表す。言い換えると、符号Ldは、照明装置30の照射面33から照射され、何らの部材にも当たっていない光を表す。符号Liは、照明装置30の照射面33から照射され、1または2以上の部材に当たって反射した光を表す。ここでは、直接光Ldは実線の矢印で示し、反射光Liは破線の矢印で示すこととする。図1に示すように本実施形態では、撮像領域45は、照明装置30の直接光Ldによって照射されないように設定されている。撮像領域45は、照明装置30の反射光Liによって照射されるように設定されている。
【0049】
撮像領域45が照明装置30の直接光Ld1によって照射されないように、照射面33と撮像領域45との間には第1遮光板61が配置されている。第1遮光板61は、照射面33から撮像領域45に向かう直接光Ld1を遮る第1遮光部材の一例である。ここでは、第1遮光板61は、前後方向に細長い板である(図2および図3参照)。第1遮光板61は照射面33よりも下方に配置されている。第1遮光板61は水平面に対して傾いている。図5に示すように、第1遮光板61と水平面とがなす角の角度θ1は45°以内である。第1遮光板61は、照射面33から遠ざかるほど上方に向かうように延びている。ただし、第1遮光板61と水平面とがなす角の角度θ1は、必ずしも0°よりも大きくかつ45°以下でなくてもよい。第1遮光板61は水平に延びていてもよい。θ1=0°であってもよい。また、θ1は45°よりも大きくてもよい。第1遮光板61は、平板であってもよく、屈曲板であってもよく、湾曲板であってもよい。第1遮光板61の形状は特に限定されない。なお、第1遮光板61が平板でない場合、第1遮光板61と水平面とがなす角の角度θ1とは、第1遮光板61と水平面とがなす角の平均の角度を言うものとする。
【0050】
ところで、図1に示すように、撮像領域45が第1遮光板61の真下の領域45Aを含む場合がある。なお、第1遮光板61の真下の領域45Aとは、平面視において第1遮光板61と重なる領域のことである。この場合、第1遮光板61の真下の領域45Aは、暗くなる傾向がある。そこで、本実施形態では、照明装置30の直接光Ld4を領域45Aに向けて反射する反射板71が設けられている。反射板71は、例えば、車両本体10に取り付けられている。ここでは、反射板71は、照明装置30および第1遮光板61の後方に配置されている(図2および3参照)。これにより、照明装置30の直接光Ld4は反射板71の反射面71Aによって反射され、反射光Liとなって第1遮光板61の真下の領域45Aに照射される。そのため、第1遮光板61の真下の領域45Aの明るさが確保される。反射板71は、照明装置30の直接光Ld4を第1遮光板61の真下の領域45Aに向けて反射する第1反射部材の一例である。第1反射板71は下方かつ右方に延びている。第1反射板71は鉛直に延びている。ただし、第1反射板71の形状および寸法は特に限定されない。第1反射板71は、鉛直面に対して45°以内の角度で傾いていてもよい。第1反射板71は、平板であってもよく、屈曲板であってもよく、湾曲板であってもよい。第1反射部材は板状に形成されていなくてもよい。第1反射部材の位置は、照明装置30および第1遮光板61の後方に限定されない。第1反射部材は、車両本体10と別体でもよく、車両本体10の一部であってもよい。
【0051】
撮像装置40は照明装置30よりも上方に配置されている。照明装置30の照射面33は水平方向よりも上向きに配置されている。照明装置30の直接光Ld3が撮像装置40の撮像面43に入射するおそれがある。直接光Ld3が撮像面43に入射すると、白飛びが発生するおそれがある。そこで、本実施形態では、照射面33と撮像面43との間に第2遮光板62が配置されている。第2遮光板62は、照射面33から撮像面43に向かう直接光Ld3を遮る第2遮光部材の一例である。ここでは、第2遮光板62は前後方向に細長い板である(図2参照)。第2遮光板62は照射面33よりも上方に配置されている。第2遮光板62は、水平に延びていてもよく、水平面に対して45°以内の角度で傾いていてもよい。第2遮光板62と水平面とがなす角の角度θ2(図5参照)は、0°であってもよく、0°よりも大きくかつ45°以下であってもよい。また、θ2は45°よりも大きくてもよい。第2遮光板62は、照射面33から遠ざかるほど上方に向かうように延びていてもよく、照射面33から遠ざかるほど下方に向かうように延びていてもよい。本実施形態では、第2遮光板62は平板からなっている。しかし、第2遮光板62の形状は特に限定されない。第2遮光板62は屈曲板であってもよく、湾曲板であってもよい。
【0052】
前述の通り、撮像領域45は照明装置30の反射光Liによって照射される。無人搬送車1は、撮像領域45の照度を高めるために、照明装置30の直接光を撮像領域45に向けて反射する第2反射部材を備えている。例えば図6に示すように、無人搬送車1は、照明装置30の直接光Ld2を撮像領域45に向けて反射する第2反射板72を備えている。照明装置30の直接光Ld2は第2反射板72に当たって反射し、反射光Liとなって撮像領域45に照射される。ここでは、第2反射板72は、照明装置30の右方に配置されている。ただし、第2反射板72の形状、寸法、および配置は特に限定されない。第2反射板72は、鉛直に延びていてもよく、水平に延びていてもよい。第2反射板72は、鉛直面に対して45°以内の角度で傾いていてもよく、45°よりも大きな角度で傾いていてもよい。第2反射板72は、平板であってもよく、屈曲板であってもよく、湾曲板であってもよい。第2反射部材は板状に形成されていなくてもよい。第2反射部材は、車両本体10と別体でもよく、車両本体10の一部であってもよい。
【0053】
第1反射板71は反射面71Aを有し、第2反射板72は反射面72Aを有している。反射効率を高めるため、反射面71Aおよび反射面72Aは鏡面であってもよい。一方、例えば、照明装置30の発光強度が不均一である場合、反射面71Aおよび反射面72Aには強度分布が不均一な光が当たる。第1反射板71および第2反射板72が照明装置30の照射面33の近傍に配置されている場合、反射面71Aおよび反射面72Aが鏡面であると、反射された光の強度分布は不均一となる傾向がある。その結果、撮像領域45の照度分布は不均一となる傾向がある。そこで、反射面71Aおよび/または反射面72Aには、つや消し加工が施されていてもよい。反射面71Aおよび/または反射面72Aにつや消し加工が施されている場合、強度分布が不均一な光が反射面71Aおよび/または反射面72Aに当たった場合、強度分布の不均一さは是正される。そのため、撮像領域45には、強度分布が比較的均一化された反射光が照射されることになる。撮像領域45の照度分布は均一化される。第1反射板71および第2反射板72は、例えば、アルミニウム等の金属によって形成されていてもよい。ただし、第1反射板71および第2反射板72の材料は何ら限定されない。
【0054】
以上が第1実施形態に係る無人搬送車1の構成である。次に、無人搬送車1によってもたらされる様々な効果について説明する。
【0055】
照明装置30の発光強度が均一でない場合、直接光Ldには強度の高い光と低い光とが含まれる。撮像領域45が照明装置30の直接光Ldによって照射される場合、強度の高い光により誘導ライン91が照射されると、撮像装置40により撮像された画像において、黒色の誘導ライン91の一部または全部が白色と認識される場合がある。すなわち、白飛びが発生する場合がある。それにより、誘導ライン91の一部または全部が路面90と誤認識される場合がある。また、強度の低い光により路面90が照射されると、撮像装置40により撮像された画像において、路面90の一部が黒色と認識される場合がある。それにより、路面90の一部が誘導ライン91と誤認識される場合がある。そのため、誘導ライン91を良好に検出できない場合がある。
【0056】
一方、本実施形態に係る無人搬送車1は、撮像装置40の撮像領域45が、照明装置30の直接光Ldによって照射されず、照明装置30の反射光Liによって照射されるように構成されている。撮像領域45は照明装置30の直接光Ldによって照射されないので、照明装置30の発光強度が均一でなく、直接光Ldに強度の高い光が含まれていたとしても、白飛びは発生しにくい。よって、白飛びの発生を従来以上に抑制することができる。また、撮像領域45は照明装置30の反射光Liによって照射されるので、照明装置30の発光強度が均一でない場合、撮像領域45が照明装置30の直接光Ldによって照射される場合に比べて、撮像領域45の明るさのばらつきが緩和される。よって、白飛びの発生を抑制しながら、撮像装置40の画像の明るさを確保することができる。照明装置30として、発光強度にばらつきがある照明装置を用いた場合であっても、白飛びの発生を抑制しながら画像の明るさを確保することができる。無人搬送車1によれば、誘導ライン91を良好に検出することができる。
【0057】
図1において、線L81は、撮像領域45の外縁と撮像装置40の撮像面43とを結ぶ直線である。線L82は、線L81を路面90において等角に反射させた直線である。照明装置30の少なくとも照射面33は、線L82で区分けされた車幅方向の内側の領域に配置されている。本実施形態では、照明装置30の全体は、線L82で区分けされた内側の領域に配置されている。照明装置30は、車両の比較的中央付近に配置されている。したがって、白飛びの発生を抑制しながら、無人搬送車1の横幅を小さくすることができる。白飛びの発生を抑制しながら、無人搬送車1をコンパクト化することができる。
【0058】
無人搬送車1は、照明装置30の照射面33と撮像領域45との間に配置された第1遮光板61を備えている。照射面33から撮像領域45に向かう直接光Ld1は、第1遮光板61によって遮られる。このように第1遮光板61を備えることにより、照明装置30および撮像装置40の配置に拘わらず、撮像領域45が照明装置30の直接光Ld1によって照射されないようにすることができる。したがって、照明装置30および撮像装置40のレイアウトの自由度を高めることができる。
【0059】
本実施形態では、第1遮光板61は水平に延びるか、または、水平面に対して45°以内の角度で傾いている。第1遮光板61により、下方に向かう直接光Ld1を効果的に遮ることができる。よって、照明装置30から撮像領域45に向かう直接光Ld1を効果的に遮ることができる。
【0060】
前述の通り無人搬送車1は、照明装置30の直接光Ld4を第1遮光板61の真下の領域45Aに向けて反射する第1反射板71を備えていてもよい。第1反射板71により、第1遮光板61の真下の領域45Aに反射光Liを当てることができる。よって、第1遮光板61の真下の領域45Aを好適に照らすことができる。これにより、誘導ライン91を良好に検出することができる。
【0061】
無人搬送車1は、照明装置30の照射面33と撮像装置40の撮像面43との間に配置された第2遮光板62を備えている。照射面33から撮像面43に向かう直接光Ld3は、第2遮光板62によって遮られる。第2遮光板62により、照明装置30の直接光Ld3が撮像装置40の撮像面43に入射することが抑制される。したがって、撮像面43に直接光Ld3が入射することに起因する白飛びの発生を抑制することができる。
【0062】
本実施形態では、第2遮光板62は水平に延びるか、または、水平面に対して45°以内の角度で傾いている。第2遮光板62により、上方に向かう光を効果的に遮ることができる。よって、照明装置30から撮像装置40に向かう直接光Ld3を効果的に遮ることができる。
【0063】
無人搬送車1は、照明装置30の直接光Ld4を撮像領域45に向けて反射する第2反射板72を備えている。このように第2反射板72を備えることにより、照明装置30および撮像装置40の配置に拘わらず、照明装置30の反射光Liによって撮像領域45を好適に照射することができる。
【0064】
本実施形態では、第2反射部材は、車両本体10と別体の第2反射板72を有している。第2反射板72は、車両本体10に対して自由に配置することができる。第2反射板72の形状、寸法、および位置は、自由に設定することができる。そのため、車両本体10の形状に依存せず、照明装置30の反射光Liによって撮像領域45を好適に照射することができる。
【0065】
第2反射板72の反射面72Aにつや消し加工が施されている場合、照明装置30から照射される光の強度が不均一であっても、撮像領域45の一部が明るくなりすぎることを防止することができる。撮像領域45の全体を比較的均等に照射することができる。よって、画像の明るさを確保しながら白飛びの発生を抑制することができる。
【0066】
本実施形態によれば、照明装置30の照射面33は、水平方向よりも上向きに配置されている。このことにより、撮像領域45が照明装置30の直接光Ldによって照射されにくくすることができる。撮像領域45を照明装置30の反射光Liによって照射しやすくなる。
【0067】
本実施形態によれば、照明装置30の照射面33は、前後方向に細長い形状に形成されている。照射面33が細長い形状に形成されている場合、撮像領域45を照明装置30からの直接光Ldによって照らすこととすると、照射面33の発光強度のばらつきにより、撮像領域45の明るさにばらつきが生じやすい傾向がある。本実施形態のように照射面33が細長い形状に形成されている場合、白飛びの発生を抑制するという前述の効果、および、撮像領域45の明るさのばらつきを抑制するという前述の効果は、特に有効となる。
【0068】
(第2実施形態)
図7は、第2実施形態に係る無人搬送車2を部分的に破断して示す左側面図である。図8は、無人搬送車2を部分的に破断して示す正面図である。次に、図7および図8を参照しながら、第2実施形態に係る無人搬送車2について説明する。以下の説明では、第1実施形態と同様または対応する部材および部分に対しては、第1実施形態と同様の符号を付すこととする。第1実施形態と同様の部分および部分については、説明を省略する。
【0069】
無人搬送車2は、車両本体10と、左前輪21Lと、右前輪(図示せず)と、左後輪22Lと、右後輪22Rと、電動モータを有するパワーユニット(図示せず)とを備えている。無人搬送車2は、照明装置30と、撮像装置40と、外部光遮蔽部材50とを備えている。
【0070】
照明装置30は車両本体10に設けられている。図7に示すように、照明装置30は、光源31と、光源31が収容されたケース32と、光を照射する照射面33とを有している。本実施形態では、照明装置30は左右方向に細長い形状に形成されている(図8参照)。照明装置30の左右方向の寸法は、前後方向の寸法よりも大きく、かつ、上下方向の寸法よりも大きい。照明装置30は、左前輪21Lおよび右前輪の中心21cよりも後方、かつ、左後輪22Lおよび右後輪22Rの中心22cよりも前方に配置されている。
【0071】
照射面33は水平方向よりも上向きに配置されている。照射面33に垂直な直線33vは、照射面33から離れるほど上方に向かう直線となっている。照射面33は、左前輪21Lおよび右前輪の中心21cよりも上方に配置されている。また、照射面33は、左後輪22Lおよび右後輪22Rの中心22cよりも上方に配置されている。
【0072】
撮像装置40は、図示しない撮像素子と、ケース42と、光が入射される撮像面43とを有している。撮像装置40は、撮像面43が下向きとなるように配置されている。撮像装置40は、左後輪22Lよりも右方かつ前方に配置されている。また、撮像装置40は、左前輪21Lよりも右方かつ後方に配置されている。撮像装置40は、右前輪よりも左方かつ後方に配置されている。撮像装置40は、右後輪22Rよりも左方かつ前方に配置されている。撮像面43は、左前輪21Lおよび右前輪の中心21cよりも上方に配置されている。撮像面43は、左後輪22Lおよび右後輪22Rの中心22cよりも上方に配置されている。
【0073】
撮像領域45の前端45fは、左前輪21Lおよび右前輪の中心21cよりも後方に位置する。撮像領域45の後端45bは、左後輪22Lおよび右後輪22Rの中心22cよりも前方に位置する。
【0074】
外部光遮蔽部材50は撮像領域45の周囲に配置されている。外部光遮蔽部材50は、前板50Fと、後板50Bと、左板50Lと、右板50Rとを有している。前板50F、後板50B、左板50L、および右板50Rは、車両本体10に取り付けられており、車両本体10から下方に延びている。左板50Lは、前板50Fの左端から後板50Bの左端にわたって後方に延びている。右板50Rは、前板50Fの右端から後板50Bの右端にわたって後方に延びている。前板50Fは、撮像装置40の撮像面43よりも前方に配置されている。後板50Bは、撮像面43よりも後方に配置されている。左板50Lは、撮像面43よりも左方に配置されている。右板50Rは、撮像面43よりも右方に配置されている。
【0075】
本実施形態においても、撮像領域45は、照明装置30の直接光Ldによって照射されないように設定されている。撮像領域45は、照明装置30の反射光Liによって照射されるように設定されている。
【0076】
撮像領域45が照明装置30の直接光Ldによって照射されないように、照射面33と撮像領域45との間には、第1遮光部材の一例である第1遮光板61が配置されている。ここでは、第1遮光板61は左右方向に細長い板である(図8参照)。第1遮光板61は照射面33よりも下方に配置されている。第1遮光板61は水平に延びている。第1遮光板61は平板である。ただし、第1遮光板61の形状は限定されない。第1遮光板61は、屈曲板であってもよく、湾曲板であってもよい。
【0077】
図示は省略するが、本実施形態においても、照明装置30の直接光Ldを第1遮光板61の真下の領域に向けて反射する第1反射部材(例えば、反射板)を備えていることが好ましい。
【0078】
本実施形態では、撮像装置40は、照明装置30の直接光Ldが撮像面43に入射し難い位置に配置されている。そのため、照射面33と撮像面43との間に、第2遮光部材を配置しなくてもよい。ただし、照射面33と撮像面43との間に、照明装置30の直接光Ldが撮像面43に入射することを防ぐ第2遮光部材(例えば、遮光板)を配置してもよいことは勿論である。
【0079】
照明装置30の直接光Ldは、例えば車両本体10の一部の面72Bによって反射され、反射光Liとなって撮像領域45に照射される。車両本体10の上記面72B等は、照明装置30の直接光Ldを撮像領域45に向けて反射する第2反射部材の一例である。このように、第2反射部材は車両本体10の一部であってもよい。ただし、第2反射部材は特に限定されない。第2反射部材は、車両本体10と別体であってもよい。例えば、第2反射部材は、車両本体10に取り付けられた反射板であってもよい。第2反射部材の反射面は鏡面であってもよい。第2反射部材の反射面につや消し加工が施されていてもよい。
【0080】
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0081】
以上、いくつかの実施形態について説明した。しかし、前記各実施形態は例示に過ぎない。他にも様々な実施形態が可能である。次に、他の実施形態の例について簡単に説明する。
【0082】
前記各実施形態では、撮像装置40の台数は1台である。しかし、撮像装置40の台数は限定されない。無人搬送車は2台以上の撮像装置40を備えていてもよい。
【0083】
前記各実施形態では、照明装置30の個数は1個である。しかし、照明装置30の個数は限定されない。無人搬送車は2個以上の照明装置を備えていてもよい。
【0084】
照射面33から撮像領域45に向かう直接光を遮る第1遮光部材は、専用の部材でなくてもよい。無人搬送車の部品(例えば、フレーム、電装品など)が第1遮光部材を兼用していてもよい。照射面33からの直接光が撮像領域45に照射されないように照明装置30および撮像装置40が配置されている場合、第1遮光部材は無くてもよい。
【0085】
照明装置30の直接光を第1遮光部材の真下の領域45Aに向けて反射する第1反射部材は、必ずしも必要ではない。
【0086】
照明装置30の照射面33は、必ずしも水平方向よりも上向きに配置されていなくてもよい。照射面33は、水平方向に向けて配置されていてもよい。照射面33は、水平方向よりも下向きに配置されていてもよい。照射面33は、左右方向または前後方向に細長い形状に形成されていなくてもよい。照射面33は、左前輪21Lおよび右前輪21Rの中心21c以下の高さに配置されていてもよい。照射面33は、左後輪22Lおよび右後輪22Rの中心22c以下の高さに配置されていてもよい。
【0087】
撮像装置40の撮像面43は、鉛直下向きに配置されていてもよく、鉛直方向から傾いた向きに配置されていてもよい。撮像面43は、左前輪21Lおよび右前輪21Rの中心21c以下の高さに配置されていてもよい。撮像面43は、左後輪22Lおよび右後輪22Rの中心22c以下の高さに配置されていてもよい。
【0088】
撮像領域45の前端45fは、左前輪21Lおよび右前輪21Rの中心21cよりも前方に位置していてもよい。撮像領域45の後端45bは、左後輪22Lおよび右後輪22Rの中心22cよりも後方に位置していてもよい。
【0089】
外部光遮蔽部材50は、前板50F、後板50B、左板50L、および右板50Rを備えていなくてもよい。外部光遮蔽部材50の水平断面の輪郭は、四角形状に形成されていなくてもよい。例えば、外部光遮蔽部材50は、円筒状に形成されていてもよい。外部光遮蔽部材50の水平断面の輪郭は、円形、六角形等であってもよい。
【0090】
ここに用いられた用語及び表現は、説明のために用いられたものであって限定的に解釈するために用いられたものではない。ここに示されかつ述べられた特徴事項の如何なる均等物をも排除するものではなく、本発明のクレームされた範囲内における各種変形をも許容するものであると認識されなければならない。本発明は、多くの異なった形態で具現化され得るものである。この開示は本発明の原理の実施形態を提供するものと見なされるべきである。それらの実施形態は、本発明をここに記載しかつ/又は図示した好ましい実施形態に限定することを意図するものではないという了解のもとで、実施形態がここに記載されている。ここに記載した実施形態に限定されるものではない。本発明は、この開示に基づいて当業者によって認識され得る、均等な要素、修正、削除、組み合わせ、改良及び/又は変更を含むあらゆる実施形態をも包含する。クレームの限定事項はそのクレームで用いられた用語に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書あるいは本願のプロセキューション中に記載された実施形態に限定されるべきではない。
【符号の説明】
【0091】
1…無人搬送車、2…無人搬送車、10…車両本体、21L…左前輪(前輪)、21R…右前輪(前輪)、21c…前輪の中心、22L…左後輪(後輪)、22R…右後輪(後輪)、22c…後輪の中心、30…照明装置、33…照射面、40…撮像装置、43…撮像面、45…撮像領域、45A…第1遮光板(第1遮光部材)の真下の領域、45f…撮像領域の前端、45b…撮像領域の後端、50…外部光遮蔽部材、50F…前板、50B…後板、50L…左板、50R…右板、61…第1遮光板(第1遮光部材)、62…第2遮光板(第2遮光部材)、71…第1反射板(第1反射部材)、72…第2反射板(第2反射部材)、72A…反射面、90…路面、91…誘導ライン、Ld…直接光、Li…反射光
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10