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特許7344266案内システムレセプタクル付き手術用導入器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-05
(45)【発行日】2023-09-13
(54)【発明の名称】案内システムレセプタクル付き手術用導入器
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/34 20060101AFI20230906BHJP
   A61B 17/02 20060101ALI20230906BHJP
【FI】
A61B17/34
A61B17/02
【請求項の数】 8
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021187490
(22)【出願日】2021-11-18
(62)【分割の表示】P 2019545728の分割
【原出願日】2017-11-07
(65)【公開番号】P2022023236
(43)【公開日】2022-02-07
【審査請求日】2021-11-26
(31)【優先権主張番号】62/418,507
(32)【優先日】2016-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/372,890
(32)【優先日】2016-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519159190
【氏名又は名称】ビコール メディカル,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド カンター
(72)【発明者】
【氏名】ロバート シェーファー
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0015374(US,A1)
【文献】特表2014-534853(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0109026(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0171873(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/34
A61B 17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナビゲーション要素と直径を有し遠位プローブ先端において終端となるナビゲーションプローブシャフトとを有するナビゲーションプローブと一緒に使用するための導入器システムであって、前記導入器システムが、
導入器であって、
長手軸線に沿って延びかつ近位導入器端部から遠位導入器端部まで延びる導入器通路を形成する側壁であって、前記側壁が、前記長手軸線と直交する側方向において前記ナビゲーションプローブシャフトの直径より大きい、側壁と、
前記遠位導入器端部に配置されるプローブレセプタクルであって、前記プローブレセプタクルが前記導入器通路内で前記長手軸線に沿って近位レセプタクル端部から遠位レセプタクル端部まで延び、前記プローブレセプタクルが、前記近位レセプタクル端部において前記側方向に第1側方サイズと前記遠位レセプタクル端部において前記側方向に第2側方サイズとを有する内側面を有し、前記第1側方サイズが前記第2側方サイズより大きい、プローブレセプタクルと、
を有する導入器と、
前記近位導入器端部に選択的に接続するように構成されたプローブリテーナであって、前記プローブリテーナが、前記ナビゲーションプローブシャフトを受け入れて前記ナビゲーションプローブシャフトの前記側方向の移動を限定するように構成されたレシーバを備える、プローブリテーナと、
を備え、
前記プローブリテーナが、前記レシーバに接続されかつ前記近位導入器端部に選択的に接続するように構成された1つ又は複数のクランプを備え、
前記1つ又は複数のクランプが第1クランプと第2クランプとを含み、各クランプが、クランプアームを貫通するアーム開口を有するクランプアームによって前記レシーバに接続され、各アーム開口が、前記導入器通路の中への視覚経路を与えるために前記導入器通路と整列する、
導入器システム。
【請求項2】
前記レシーバが、前記ナビゲーションプローブシャフトを選択的に保持するためのロックを備える、請求項1に記載の導入器システム。
【請求項3】
記遠位導入器端部において前記側壁の少なくとも一部分が透明であり、
記プローブリテーナが、前記プローブリテーナを通過して前記導入器通路に入り、前記遠位導入器端部における前記側壁の透明部分への視覚経路を与えるように構成される、
請求項1に記載の導入器システム。
【請求項4】
記第1クランプ及び前記第2クランプが前記レシーバに接続され、前記レシーバが前記第1クランプと前記第2クランプとの間に配置され、前記第1クランプ及び前記第2クランプの各々が、前記レシーバを前記導入器に対して固定場所に保持するために前記側壁のそれぞれの部分と選択的に係合可能である、
請求項3に記載の導入器システム。
【請求項5】
前記レシーバが、前記長手軸線に沿った移動に対抗して前記ナビゲーションプローブシャフトを選択的に保持するように構成されたロックを備える、請求項1に記載の導入器システム。
【請求項6】
前記ロックが、
第1テーパー状面を持つ内側通路を有する第1ネジ切り部材と、
前記第1テーパー状面内に嵌る第2テーパー状面を有する外側ボディと前記ナビゲーションプローブシャフトを受け入れる寸法にされた内側チャンネルとを有する第2ネジ切り部材と、
を備え、
前記第1ネジ切り部材と前記第2ネジ切り部材との間の相対的回転が、前記第1テーパー状面を前記第2テーパー状面へ向かって移動させて、前記内側チャンネルを圧縮して前記ナビゲーションプローブシャフトを保持する、
請求項5に記載の導入器システム。
【請求項7】
前記第2テーパー状面が、長手方向に沿って延びる1つ又は複数のスロットを備え、前記スロットは、前記ナビゲーションプローブシャフトを案内するための指を形成する、請求項6に記載の導入器システム。
【請求項8】
前記プローブリテーナが、前記第2ネジ切り部材が前記第1ネジ切り部材から分離するのを防止するように構成された1つ又は複数のフックを備える、請求項6に記載の導入器システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2016年11月7日に提出された「案内システムレセプタクル(guidance system receptacle)付き手術用導入器」と題する米国仮特許出願第62/418507号及び2016年12月8日に提出された実用新案出願第15/372890号(これらの内容全体が、参照によって本出願に援用される)に対する優先権を主張する。
【0002】
本発明は、脳又は開創傷害(retraction injury)を受けやすいその他の組織に使用するための繊細な組織の手術用の開創器システムに関する。
【背景技術】
【0003】
外科処置において繊細な組織を開創するために多様な装置が使用されてきた。その種の装置の1つが、米国特許出願第2010/0010315号明細書(参照により本出願に援用される)において説明される。この出願の図1は、中空開創器100と開創器100の中へ選択的に挿入される導入器102とを有する軟組織開創器システムを示す。開創器100及び/又は導入器102は、開創器システムの操作及び配置を容易にするためのハンドル104と、導入器と開創器を一緒に保持するためのロックと、を含むことができる。ハンドル104は、図1に示す標準的外科用クランプ106などのクランプ106に接続するように構成される。図1の装置(多少の修正を含む)は、Vycor Medical, Inc.(フロリダ州ボカラトン)によってVBAS装置として市販される。
【0004】
図1に示すような開創器システムは、導入器102を開創器100の中へ挿入し、所定の位置にロックし、二つを1つのユニットとして移動し操作できるようにすることによって使用されることが多い。結合された開創器システムは、患者体内へ挿入されて、手術部位まで移動され、その後導入器102がアンロックされて取り外されて、開創器100を介して手術部位へアクセスできるようにする。ユニットが所定の場所に置かれたら(導入器102を取り外す前又は後のいずれかに)、ハンドル104をクランプ106にロックして、開創器100を所定の場所に保持できる。この開創器を使用する外科医は、時に、手術部位に開創器を保持するためにクランプを使用せず、手術処置中手術部位の様々な部分へアクセスするために手で開創器を操作することが多い。開創器システム及び開創器は、導入器又は開創器の近位端部を保持することによって又はハンドルを保持することによって操作できる。
【0005】
図1に示す装置は、透明導入器102及び/又は開創器100を持つことができ、この装置を使用する外科医は、透明の導入器及び開創器を使用して、下の組織を観察してユニットを手術部位まで視覚的に案内できる。導入器102を介して見ることによる視覚的案内は非常に有利であることが分かっているが、場合によっては付加的な案内又はナビゲーションの形式が望まれることも分かっている。例えば、いくつかの事例において、外科医は、開創器システムの移動を案内するためにプローブ又はガイドワイヤ(細く長いロッド)を使用してきた。このような場合、プローブは手術部位まで前進し、その後、インターロックされた開創器システムが、手術部位に到達するまでプローブに被せてスライドされる。これは、プローブの周りに嵌まる導入器の先端に孔を含めることによって容易になる。導入器の先端を貫通する孔がない場合、この方法は使用できない。このタイプのシステムが、米国特許公開第2008/0109026号明細書及び第2009/0048622号明細書(参照により本出願に援用される)において説明される。この参照文献は、開創器が導入器にロックされない別の構造も示す。
【0006】
上記の手順を使用する幾人かの外科医が、コンピュータナビゲーションシステムに組み込まれるプローブを使用できることが分かっている。例えば、プローブは、プローブの近位端部(即ち、手術部位まで挿入される遠位端部の反対の端部)にいわゆる「スターバースト(starburst)」又はこれと同種のものを含むことができる。このような及び他のナビゲーションシステムは技術上既知である。例えば、フレームレスナビゲーションシステム及びその他のコンピュータ化案内システム及び方法が、米国特許第2001/0027271号明細書(その全体が参照により本出願に援用される)及びその他において説明され、Medtronic, Inc. 、Stryker、BrainLab, AG及びGE Healthcareなどの会社によって市販される。本明細書において使用する場合、「コンピュータ化案内」は、コンピュータ視覚化及び/又は制御に依存する手術部位までの又は手術部位における装置を案内する方法を包括する。
【0007】
米国特許公開第2010/0010315号明細書は、手術用開創器と一緒に空間立体的案内又はナビゲーションを使用する可能性について簡単に記しているが、この手順又はこの目的を達成するための装置については説明していない。但し、外科医は、図1に示すようなVBAS装置と一緒にナビゲーションプローブを「フリーハンド」で使用することについて既に知っている。このような場合、外科医は、ユニットを手術部位へ向かって前進させながら導入器内の所定の場所にナビゲーションプローブを保持する。プローブの先端は、導入器の先端を貫通する開口の中又はその付近に配置できるが、導入器を貫通する開口は、プローブ先端より多少大きく、楕円形であり、プローブの先端を特定の向きに保持しない。このような技法は、導入器先端からのプローブの不正確性及び変位をこうむり、プローブを所定の場所に保持するのが困難である可能性がある。又、いくつかの事例において、プローブ先端は、部分的に導入器先端開口から延びて、下の組織を傷つける危険がある。但し、フリーハンドの使用は、導入器を介して下の組織を障害なく見ることを提供するためにプローブを時折取り外せるようにするために役立つ可能性がある。
【0008】
コンピュータ化手術用案内システムは周知であるが、開創器システム特に図1に示すようなシステムとのその使用については多くの限定が存在する。例えば、幾人かの外科医によってはプローブを手術部位まで導くためにコンピュータ化案内を使用し、その後プローブに被せて手術部位まで開創器システムをスライドさせるが、開創器の移動は、多少緻密さに欠け、プロセスが不当に厄介である可能性がある。この方法は、開創器システムがプローブに被せて嵌まる貫通孔を持たない場合(孔がないか又は孔が小さすぎる場合)使用できない。更に、プローブは、プローブが前進して通過する組織の視野を与えないので、開創器/導入器システムを挿入する前にプローブを挿入するとき、重要な組織(例えば主要な血管又は神経)を感知して回避するための視覚的手段がない。又、小径のプローブは、開創器システムを前進させるときに期待されるように細胞を脇によけてその間を通過するのではなく、灰色または白色の脳物質などの繊細な組織細胞を切断する可能性がある。
【0009】
米国特許公開第2013/0066154号明細書(参照により本出願に援用される)は、ナビゲーションプローブを手術用導入器の中へ組み込むためのシステムの例を示す。例えば、この公開の図1~6は、ゴムプラグ又はOリングなどの弾性手段によって既存の導入器の内部に固定されるナビゲーションプローブを示す。別の実施形態は、滑り嵌めを使用し(例えば、図7~8)、更に別の実施形態は、プローブを導入器内部に保持するためにアームを使用する(図9)。更に別のバージョンは、導入器外部のナビゲーション装置を、開創器組立体に接続されるアームに取り付ける(図10~11)。これらのシステムは、適切な性能を与えるかも知れないが、潜在的欠点もある。例えば、弾性プラグは、流体が存在するときにスリップする可能性があり、手術中にナビゲーション装置を取り外すために外すのが困難であり、滑り嵌めは、適切な位置決めを保証するために慎重な監視を必要とし、所定の場所にプローブを保持するための図9に示すアームは、アームを押し付けるための面を含むためにプローブの修正を必要とし、導入器外部にナビゲーション装置を配置することは、ナビゲーション装置と導入器又は開創器の先端との間の相互関係を複雑にする。
【0010】
米国特許公開第2012/0071748号明細書(参照により本出願に援用される)は、ナビゲーションプローブを手術用導入器の中へ組み込むためのシステムの別の例を示す。この場合、プローブは、導入器を通過する狭いチャンネルの中に保持され、ネジ切りロックスクリューで所定の場所に保持される。ロックスクリューは、手術室に付加的な潜在的に取外し可能な部分を加えるので、この参考文献は、ロックスクリューが取り外されることを防止するための別個の保持装置(図7B)を付加する。ロックスクリューは、特に手術用手袋を着用しているとき、操作が比較的困難である可能性がある。
【0011】
米国特許公開第2016/0015374号明細書(参照により本出願に援用される)は、ナビゲーションプローブを外科用導入器の中へ組み込むためのシステムの別の例を示す。この特許公開に示される装置は、導入器の近位開放端部から遠位方向に導入器の中へ延びるチューブ状のシースの中にプローブを保持し、プローブを所定の場所にロックするために便利な単投(single-throw)クランプを有する。この装置は、任意に、ナビゲーションプローブが導入器の中に完全に着座したときにこれを知らせるための機構を含む。この装置は、導入器とナビゲーションプローブとの間の正確性及び整合(registration)をより大きくすることを確実にするために有用であるが、ある程度外科医の視界を邪魔し、プローブのフリーハンドの使用に比べてナビゲーションプローブの頻繁な取外し及び再設置を多少面倒にする可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
手術用導入器と案内システムの使用を調整するための別の装置及び方法を提供する必要があることが明らかになっている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
1つの好ましい態様において、ナビゲーション要素と所定の直径を有し遠位プローブ先端で終端となるナビゲーションプローブシャフトとを有するナビゲーションプローブと一緒に使用するための導入器システムが提供される。導入器システムは、長手軸線に沿って延び近位導入部端部から遠位導入部端部まで延びる導入部通路を形成する側壁を含み、側壁は、長手軸線と直交する側方向においてナビゲーションプローブシャフトの直径より大きい。導入器は、又、遠位導入器端部に配置されたプローブレセプタクルを含み、プローブレセプタクルは、導入器通路内で長手軸線に沿って近位レセプタクル端部から遠位レセプタクル端部まで延び、プローブレセプタクルは、近位レセプタクル端部において側方向に第1側方サイズと遠位レセプタクル端部において側方向に第2側方サイズとを有する内側面を有し、第1側方サイズは、第2側方サイズより大きい。内側面は、遠位プローブ先端を受け入れて遠位プローブ先端の側方向の移動を制限する構成及び寸法とされ、側壁は、遠位プローブ先端がプローブレセプタクルの中に位置付けられたときナビゲーションプローブシャフトが通路内で側方向に移動できるようにする構成及び寸法とされる。
【0014】
側壁は、側方向に楕円形のプロフィルを持つことができ、プローブレセプタクルは、側方向に円形のプロフィルを持つことができる。側壁は、側方向に所定のプロフィルを持ち、プローブレセプタクルは側壁のプロフィルの幾何学的中心に配置できる。
【0015】
内側面は、長手軸線に対して第1角度を有する近位レセプタクル端部に隣接する近位部分と、上側部分から遠位方向に配置され長手軸線に対して第2角度を有する中間部分とを持つことができ、第2角度は第1角度より小さい。第1角度は20°~30°とすることができ、第2角度は5°~15°とすることができる。内側面は、更に、半球面の少なくとも一部を形成する中間部分から遠位方向に配置された遠位部分を含むことができる。
【0016】
プローブレセプタクルは、遠位レセプタクル端部を貫通しかつ遠位導入器端部において内側面と側壁外部との間に第1流体流路を形成する遠位レセプタクル開口を持つことができる。導入器は、又、遠位導入器端部において導入器通路と側壁の外部との間に第2流体流路を形成する導入器先端開口を含むことができる。
【0017】
プローブレセプタクルの少なくとも一部分は、ギャップによって側壁から側方向に離間できる。プローブレセプタクルは、レセプタクル近位端部とレセプタクル遠位端部との間の場所に、内側面とギャップとの間の流体連絡路を形成する少なくとも1つの開口を持つことができる。
【0018】
導入器は、遠位導入器端部において側壁を通過する流体流路を形成する導入器先端開口を持つことができる。プローブレセプタクルの少なくとも一部分は、ギャップによって側方向に側壁から離間できる。プローブレセプタクルの外壁を通過する少なくとも1つの通路が、レセプタクル近位端部とレセプタクル遠位端部との間に設置でき、少なくとも1つの通路は、導入器先端開口とギャップとの間の流体連絡路を形成し、流体連絡路は、少なくとも部分的に近位レセプタクル端部を迂回するように構成される。少なくとも1つの通路は、プローブレセプタクルの外壁を通過して延びる複数のスロットとすることができ、複数のスロットの各々が、長手軸線に沿って近位レセプタクル端部から遠位レセプタクル端部に隣接する側壁の部分まで延びる。導入器は、内側面を通過して導入器先端開口まで少なくとも1つの通路を有し、少なくとも1つの通路は、1つ又は複数の環状通路を含むことができる。
【0019】
プローブレセプタクルは、長手軸線に沿って見たとき導入器先端開口の上に重なることができ、導入器は、更に、近位レセプタクル端部を貫通することなく導入器先端開口を通過して延びる少なくとも1つの流体流路を含むことができる。導入器は、導入器先端開口に隣接してプローブレセプタクルを懸架するために側壁とプローブレセプタクルとの間に延びる1つ又は複数の支持体を持つことができる。1つ又は複数の支持体は、長手軸線に沿って延びる複数のリブとすることができる。遠位レセプタクル端部は、導入器先端開口内部に配置できる。1つ又は複数の支持体の少なくとも部分は、導入器先端開口内に配置できる。プローブレセプタクルは、側方向において導入器先端開口より小さく又は大きくできる。
【0020】
内側面は、遠位導入器端部に隣接して遠位プローブ先端を保持するように構成できる。内側面は、遠位プローブ先端を遠位導入端部の1.0mm内に又は0.5mm内に保持するように構成できる。内側面は、少なくとも4つの異なるナビゲーションプローブを保持するように構成でき、各ナビゲーションプローブは、他のナビゲーションプローブと異なる幾何学的形状を持つ遠位プローブ先端を有し、遠位プローブ先端の各々は、プローブレセプタクルの中に完全に設置されたとき、遠位導入器端部の1.0mm内に又は0.5mm内に配置される。
【0021】
遠位導入器端部において側壁の少なくとも一部分は透明として、ナビゲーションプローブが導入器内に設置されたとき近位導入器端部から見えるようにできる。
【0022】
導入器システムは、選択的に近位導入器端部に接続するように構成されたプローブリテーナを含むこともできる。プローブリテーナは、プローブリテーナが近位導入器端部に取り付けられたときナビゲーションプローブシャフトを受け入れてそれによってナビゲーションプローブシャフトの側方向の移動を限定するように構成されたレシーバを有する。
【0023】
別の好ましい実施形態において、ナビゲーション要素と所定の直径を有し遠位プローブ先端で終端となるナビゲーションプローブシャフトとを有するナビゲーションプローブと一緒に使用するための導入器システムが提供される。導入器システムは、長手軸線に沿って延びかつ近位導入器端部から遠位導入器端部まで延びる導入器通路を形成する側壁を有する導入器であって、側壁が長手軸線と直交する側方向においてナビゲーションプローブシャフトの直径より大きい、導入器と、遠位導入器端部に配置されたプローブレセプタクルであって、プローブレセプタクルが導入器通路内で長手軸線に沿って近位レセプタクル端部から遠位レセプタクル端部まで延び、プローブレセプタクルが近位レセプタクル端部において側方向に第1側方サイズと遠位レセプタクル端部において側方向に第2側方サイズとを有し、第1側方サイズが第2側方サイズより大きい、プローブレセプタクルと、を有する。導入器システムは、又、選択的に近位導入器端部に接続するように構成されたプローブリテーナを含む。プローブリテーナは、ナビゲーションプローブシャフトを受け入れてナビゲーションプローブシャフトの側方向の移動を限定するように構成されたレシーバを含む。
【0024】
プローブリテーナは、レシーバに接続されかつ近位導入器端部に選択的に接続するように構成された1つ又は複数のクランプを持つことができる。1つ又は複数のクランプは、2つのクランプとすることができ、各クランプは、クランプアームを貫通するアーム開口を有するクランプアームによってレシーバに接続され、各アーム開口は、導入器通路への視覚経路を与えるために導入器通路と整列される。レシーバは、選択的にナビゲーションプローブシャフトを保持するためのロックを持つことができる。
【0025】
別の好ましい態様において、ナビゲーション要素と所定の直径を有し遠位プローブ先端で終端となるナビゲーションプローブシャフトとを有するナビゲーションプローブと一緒に使用するための導入器システムが提供される。導入器システムは、導入器とプローブリテーナとを含む。導入器は、長手軸線に沿って延びて近位導入器端部から遠位導入器端部まで延びる導入器通路を形成する側壁を有し、導入器通路は、長手軸線に対して直交する側方向においてナビゲーションプローブシャフトの直径より大きい。プローブリテーナは、選択的に近位導入器端部に接続するように構成される。プローブリテーナは、ナビゲーションプローブシャフトを受け入れてナビゲーションプローブシャフトの側方向の移動を限定するように構成されたレシーバと、第1クランプおよび第2クランプとを含み、第1クランプおよび第2クランプはレシーバに接続され、レシーバは第1クランプと第2クランプとの間に配置され、第1クランプおよび第2クランプの各々は、導入器に対して固定場所においてレシーバを保持するために側壁のそれぞれの部分と選択的に係合可能である。レシーバ、第1クランプおよび第2クランプは、プローブリテーナを通過して導入器通路の中までの視覚経路を与えるように構成される。
【0026】
第1クランプおよび第2クランプの各々は、それぞれのクランプアームによってレシーバに接続でき、各クランプアームは、これを貫通する開口を有し、開口は、プローブリテーナを通過する視覚経路のそれぞれの部分を形成するために導入器通路と整列される。
【0027】
第1クランプおよび第2クランプの各々は、それぞれのクランプアームによってレシーバに接続でき、クランプアームから第1方向に延びるタブと、クランプアームから第2方向に延びるフックとを備えることができ、第2方向は概ね第1方向と反対向きである。第1クランプ及び第2クランプは、それぞれの可撓性接続部によってレシーバに接続でき、各可撓性接続部は、それぞれのタブがレシーバへ向かって移動できるようにしかつそれぞれのフックがレシーバから離れる方向に移動してそれぞれのフックを側壁との係合から解放できるようにするために、移動可能である。可撓性接続部は、屈曲可能なクランプアームとすることができる。側壁は、近位導入器端部において1つ又は複数の外向きに延びるリップを持つことができ、1つ又は複数の外向きに延びるリップは、第1クランプのそれぞれのフックと係合するように位置付けられた第1部分と、第2クランプのそれぞれのフックと係合するように位置付けられた第2部分とを有する。
【0028】
レシーバは、長手軸線に沿った移動に対抗してナビゲーションプローブシャフトを選択的に保持するためにロックを持つことができる。ロックは、第1テーパー状面を持つ内側通路を有する第1ネジ切り部材と、第1テーパー状面内に嵌る第2テーパー状面を有する外側ボディとナビゲーションプローブシャフトを受け入れる寸法とされる内側チャンネルとを有する第2ネジ切り部材と、を持つことができ、第1ネジ切り部材と第2ネジ切り部材との間の相対的回転は、第1テーパー状面を第2テーパー状面へ向かって移動させて、内側チャンネルを圧縮して、ナビゲーションプローブシャフトを保持する。第2テーパー状面は、長手方向に沿って延びる1つ又は複数のスロットを持つことができる。
【0029】
第1ネジ切り部材は、第1クランプ及び第2クランプと一緒に移動するために接続された中空通路を持つことができ、第2ネジ切り部材は、第2テーパー状面に接続されたノブ部分を持つことができる。プローブリテーナは、第2ネジ切り部材が第1ネジ切り部材から分離するのを防止するために第2ネジ切り部材上のリップに係合するように位置付けられた1つ又は複数のフックを持つことができる。
【0030】
第2ネジ切り部材は、第1クランプ及び第2クランプと一緒に移動するように接続でき、第1ネジ切り部材は、第1テーパー状面に接続されたノブ部分とすることができる。プローブリテーナは、第1ネジ切り部材が第2ネジ切り部材から分離するのを防止するために第1ネジ切り部材上のリップに係合するように位置付けられた1つ又は複数のフックを持つことができる。
【0031】
レシーバは、近位導入器端部に相対的に近接して配置された近位レシーバ通路端部から遠位導入器端部に相対的に近接して配置された遠位レシーバ通路端部まで長手軸線に沿って延びるレシーバ通路を持つことができ、レシーバは、遠位レシーバ通路端部において長手軸線に沿って1つ又は複数のスロットを備える。レシーバ通路の内径は、遠位レシーバ通路端部のより小さいサイズまでテーパー状になる。
【0032】
導入器は、遠位導入器端部に配置されたプローブレセプタクルを持つことができ、プローブレセプタクルは、導入器通路内で長手軸線に沿って近位レセプタクル端部から遠位レセプタクル端部まで延び、プローブレセプタクルは、近位レセプタクル端部において側方向に第1側方サイズと遠位レセプタクル端部において側方向に第2側方サイズとを有する内側面を有し、第1側方サイズは第2側方サイズより大きい。プローブレセプタクルは、遠位レセプタクル端部を貫通して遠位導入器端部において内側面と側壁の外部との間に第1流体流路を形成する遠位レセプタクル開口を持つことができる。プローブレセプタクルの少なくとも一部分は、ギャップによって側壁から側方向に離間できる。プローブレセプタクルは、レセプタクル近位端部とレセプタクル遠位端部との間の場所に内側面とギャップとの間に流体連絡路を形成する少なくとも1つの開口を持つことができる。
【0033】
導入器は、遠位導入器端部において側壁を通過する流体流路を形成する導入器先端開口を持つことができる。
【0034】
本発明の上述の概要は、任意の適切な組合せで使用できる多様な好ましい実施形態を提示しており、請求項に記載する本発明を限定することを意図しない。
【0035】
添付図面を参照することによって好ましい実施形態がより良く理解され得、図面において、同様の参照番号は同様の部品を指定する。図面は例示的であり、請求項を何ら限定することを意図しない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】先行技術の繊細な組織用の開創器システムの例である。
図2A】案内プローブレセプタクルを有する導入器の第1実施形態の切取り側面図である。
図2B】多少斜めの角度から示す、図2Aの実施形態の遠位先端の切取り側面図である。
図3A】導入器の内部から見た、案内プローブレセプタクルを有する導入器の別の実施形態の遠位先端を示す。
図3B図3Aの実施形態の遠位先端の切取り側面図である。
図4A】導入器内部から見た、案内プローブレセプタクルを有する導入器の別の実施形態の遠位先端を示す。
図4B図4Aの実施形態の遠位先端の切取り側面図である。
図5A】導入器内部から見た、案内プローブレセプタクルを有する導入器の別の実施形態の遠位先端を示す。
図5B】導入器の外部から見た図5Aの実施形態を示す。
図5C】線5C-5Cに沿って見た、図5Aの実施形態の遠位先端の切取り側面図である。
図5D】線5D-5Dに沿って見た、図5Aの実施形態の遠位先端の切取り側面図である。
図6A】ナビゲーションプローブの遠位先端の断面側面図である。
図6B】別のナビゲーションプローブの遠位先端の断面側面図である。
図6C】別のナビゲーションプローブの遠位先端の断面側面図である。
図6D】別のナビゲーションプローブの遠位先端の断面側面図である。
図7A】導入器の実施形態と使用できるセンタリング装置の実施形態を示す。
図7B】導入器の実施形態と使用できるセンタリング装置の実施形態を示す。
図8A】使用時の図7A~7Bの実施形態を示す。
図8B】使用時の図7A~7Bの実施形態を示す。
図9A】センタリング装置及びプローブリテーナシステムの別の実施形態の組立図である。
図9B】センタリング装置及びプローブリテーナシステムの実施形態の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明の実施形態は、最先端の手術用導入器及び開創器システムを補足し、または、前進させるための様々な特徴を提供できる。本明細書において使用する場合、「案内システム」は、開創器システムを手術部位まで前進させる際外科医を支援するための任意のシステムを含めることを意図し、ガイドワイヤのような受動的システムまたはコンピュータ化遠隔測定システムを使用して検出され追跡されるナビゲーションプローブのような能動的システムを含むことができる。「外科医」は、導入器システムを使用または操作する可能性のある手術室内の任意の人を含む。能動的プローブは、「スターバースト」又は処置中可視のままであるプローブの部分に取り付けられた他のマーカーの光学的な追跡、放射線(例えばX線)画像化又は磁気画像化を使用するプローブ位置の直接監視、プローブの位置を機械的に追跡するための基準システムのフレームへのプローブの物理的接続又は技術用既知の他の手段又は手段の組合せを含めて、様々な技法によって追跡できる。「ナビゲーション」及び「案内」は、本明細書において交換可能に使用される。実施形態はまた、外科医が完全に手で開創器システムを動かす手動システムに又は外科医の制御の下で作動する又は外科医の介入なしに手術部位まで開創器システムを自動的に前進させる半自動又は自動システムと使用できる。
【0038】
実施形態は、新たに設計される専用システムに又は既存のシステムと使用できる。例えば、実施形態は、当業者には分かるように、導入器102を補足、修正又は他の導入器組立体と交換するなどによって、図1に示すシステムのようなシステムと使用できる。本明細書において説明する実施形態は、図1に示すような開創器100と又は他の開創器に使用できる。導入器の形状は、任意の従来の開創器の中に嵌るように修正できることが容易に分かるはずであり、導入器は、又、任意の適切なクランプ又は他の係合機構を使用して開創器に接続するように(必要な場合又は望ましい場合)修正できる。例えば、実施形態は、図1に示すもののような導入器の小型バージョンと使用でき、実施形態は、開創器の中まで見えるように任意に縮小できるが、このような可視性の提供は、全ての実施形態において要求されるものではない。
【0039】
本明細書において説明する好ましい実施形態は、神経外科又は脳または頭蓋骨の中又はその周りの他の手術に使用するための開創器に向けられる。但し、身体の他の部位に使用することも可能である。
【0040】
図2Aは、図1の開創器100などの開創器202内部に解除可能に保持されるように構成される導入器200の好ましい実施形態を示す。導入器200は、近位導入器端部206から遠位導入器端部208まで延びる側壁204を備える。本明細書において使用する場合、「近位」は、使用時に概ね外科医の方を向く端部を意味し、「遠位」は、患者へ向かう又は患者の中へ挿入される端部を意味する。接続されたとき、近位導入器端部206は、近位開創器端部に又はその付近に配置され、遠位導入器端部208は、遠位開創器端部を越えて延びる。開創器202は、近位開創器端部から遠位開創器端部まで長手軸線に沿って延びる中空管状開創器通路を備え、開創器通路を通過して外科処置を実施できるようにする寸法とされる。
【0041】
導入器側壁204は、近位導入器端部206から遠位導入器端部208まで延びる長手軸212に沿って延びる導入器通路210を形成する。開創器202と組み立てられたとき、導入器200の遠位先端部分214は、開創器202の遠位端部を越えて延びる。遠位先端部分214と開創器202は、組立体が体内へ前進するとき脳組織などを丁寧に変位させるために、一緒に、概ね円滑で連続的な面を形成する。遠位先端部分214は、丸い(図示するように)又は円錐形でテーパー状であることが好ましい。下で更に論じるように、先端開口216を、遠位導入器端部208に又はその付近に与えることができる。選択的に導入器200を開創器202に保持するために、ロック(例えば図1)を与えることができる。
【0042】
側壁204は、通路210が図1に示すように閉鎖外周囲を持つように連続壁面を備えることが好ましい。これは、体液の望ましくない進入を防止するのに役立ち、側壁204(透明であれば)を通して見るため及び変位の危険なく通路210の長さに沿って器具を案内するために円滑な連続面を与えることができる。但し、別の実施形態において、1つ又は複数の開口218を側壁204に与えることができる。
【0043】
導入器側壁204は、任意の適切な断面プロフィル(即ち、長手軸線212と直交する平面におけるプロフィル)を持つことができる。例えば、側壁204は、円形、楕円形、卵形又はその他の概ね湾曲形とする(即ち、全体に湾曲面から成るかつ/又は滑らかな湾曲形を模倣する非常に短い直線面から成る)ことができる。望ましい場合には、断面は、1つ又は複数の直線区分を含むか(例えば、D字形)、又は完全に直線的(例えば、長方形又は三角形)とすることができる。側壁プロフィルはまた、遠位端部においてより近位端部において大きくなるようにテーパー状とすることができ、遠位導入器端部208へ接近するに伴いサイズが少なくとも僅かに減少することが好ましい。側壁204の外側面は、開創器202の対応する内側壁の形状に合致する形状とされることができるが、これは厳密に要求されない。導入器側壁204は、又、その長さに沿って概ね不変の壁厚みを持つことが望ましく、これによって製造を容易にでき、側壁204を通して見るためのより適切な光路を与えることができる。通路210の断面形状は、側壁204の形状によって画定されるので、側壁204の形状に関する上の論議は、通路210の形状にも適用されることが分かるはずである。
【0044】
導入器200は、少なくとも遠位端部206において透明であることが好ましく、更に好ましくは遠位先端部分214において、更に好ましくは側壁202のほとんどの長さ又は全長に沿って透明である。透明部分は、外科医が導入器200を脳組織又はこれと同種のものを通過して前進させる間、下の組織を見えるようにし、手術中大きな利益を与えることができる。但し、別の実施形態において、導入器200は半透明とすることができる。導入器200に適する材料は、ポリカーボネート及び他の種類のプラスチック、アルミニウム、ステンレス鋼又はチタンなどの金属、ガラス又はセラミック、又は生体適合性である又はコーティング又はこれと同種のものによって生体適合性に処理できるその他の材料を含む。
【0045】
通路210は、ナビゲーションプローブ220を収容するサイズとされる。プローブ220は、遠位プローブ先端224から近位プローブ端部226まで延びるシャフト222を備える。プローブ220は、プローブ220の位置を追跡してこの情報を手術過程において外科医に伝えるためにナビゲーションシステムと作動上結合されるナビゲーション要素228を含む。
【0046】
ナビゲーション要素228は、例えば、対応するナビゲーションカメラシステムによって見たときのプローブ先端224の位置の三次元整合を与える光学アレイ(例えば、設定された物理的パターンの3つ又はそれ以上のライト又は反射器)を備えることができる。このようなアレイは、近位プローブ端部226又はナビゲーションカメラが見ることができるその他の場所に取り付けできる。光学アレイとカメラとの間の照準線の必要性は、同様に、ナビゲーション要素228を導入器200外部に位置付けることを要求する。又は、ナビゲーション要素228は、対応する磁気追跡システムによって追跡できる磁気要素を備えることができる。この場合、ナビゲーション要素228を導入器200外部に位置付ける必要はない。ナビゲーション要素228の他の案は、本開示を見れば当業者には明らかであろう。ナビゲーションプローブ220及び対応する追跡システムの例は、Stryker Navigation(米国ミシガン州カラマズー)、Brainlab AG(ドイツ、Feldkirchen)、Synaptive Medical(オンタリオ州トロント)及びMedtronics(米国ミネソタ州ミネアポリス)によって提供される。
【0047】
導入器通路210は、側方向(即ち長手軸線212に対して直角を成す)においてプローブシャフト222より著しく大きい。これによって、外科医は、プローブ220によって視界を不当に遮られることなく通路210の長さに沿って下を見ることができる。これは、又、プローブ220を所定の場所に残したままなど、外科医が通路210の中へ内視鏡又は吸引チューブなどの他の器具を挿入できるようにする。それらが相対的に異なるサイズを持つ結果、側壁204は、通路210内での側方の移動に対してナビゲーションプローブシャフト222を保持しない。通路210内でのプローブシャフト222のある程度の側方移動は、適切なナビゲーションに重大な影響を与えず、遠位プローブ先端224と遠位導入器端部208の固定場所との間の連続的な適切な整合を保証することがもっと重要であると考えられる。例えば、遠位導入器端部208における導入器プロフィルの幾何学的中心からほとんど又は全く外れることなくプローブ先端224を維持することによって、シャフト222の近位端部が通路210内で側方に移動したとしても、正確なナビゲーションのための充分な整合を与えることが期待される。
【0048】
図2A及び2Bの実施形態において、プローブ先端224は、プローブレセプタクル230によって遠位導入器端部208との整合が維持される。プローブレセプタクル230は、遠位導入器端部208において導入器プロフィルの幾何学的中心(例えば、遠位導入器端部208が楕円形である場合には楕円形の中心)に配置されることが好ましいが、これは全ての実施形態において厳密に要求されるものではない。例えば、レセプタクル230は、導入器の中心軸線からオフセットできる。
【0049】
プローブレセプタクル230は、この実施形態において、通路210内で遠位レセプタクル端部240から近位レセプタクル端部234まで延びる内側壁236を有する概ね円形のレセプタクル壁232を備える。内側壁236は、近位レセプタクル端部234における相対的に大きい直径から遠位レセプタクル端部240における相対的に小さい直径までテーパー状である。遠位レセプタクル端部は、遠位導入器先端208に又はその付近に配置できる。レセプタクル壁232は、遠位プローブ先端224が設定された移動範囲を超えて側方に移動するのを制限するサイズとされる。例えば、レセプタクル壁232は、プローブ先端224の側方向の移動を1ミリメートル(mm)未満の範囲に制限でき、または、より好ましくは、側方向のどのような移動も制限するサイズとすることができる。
【0050】
近位レセプタクル端部243の直径は、任意のサイズを持つことができるが、導入器200を通した視界を著しく妨害するほど大きくなくかつ手術時にレセプタクル230内にプローブ先端224を位置付けるのが過度に難しいほど小さくないことが好ましい。レセプタクル壁のテーパー状面236は、プローブ先端224をレセプタクル230内の適切な場所まで案内するのに役立ち、面236は、側方向から見て円錐形又は湾曲プロフィルを持つことができる。面236は、又、プローブ先端224の形状に合致するように明白に選択された形状を持つ領域を持つことができる。例えば、プローブ先端224が半球形である場合、面236の全体又は一部分はこれに合致する形状を持つことができる。別の例として、プローブ先端224が円筒形である(又は半球形先端を持ち、先端にすぐ隣接して円筒形ボディを持つ)場合、面236の遠位部分は、合致する円筒形を持つことができる。他の対案は、本開示から当業者には明らかであろう。
【0051】
レセプタクル壁232は、又、遠位導入器端部208に近接してプローブ先端224を保持する形状及びサイズとすることができる。例えば、遠位導入器端部208からプローブ先端までの距離は、長手軸線212に沿って測定して、5.0mm未満であることが好ましく、より好ましくは、1.0mm未満であり、最も好ましくは0.5mm以下である。プローブ先端224が遠位導入器端部208から1.0mm以下に在る場合、これは頭蓋骨内での脳組織移動の正常な偏位量の範囲内と予測されるので、脳組織へのナビゲートの目的のためにこの変位量を補正しようとする必要はないだろう。プローブ先端224は遠位導入器端部208を越えて突出しないことが好ましいが、厳密に要求はされない。
【0052】
導入器先端開口216(これが与えられる場合)は、図2Bに示すようにプローブレセプタクル230内においてレセプタクル壁232の端部に配置できる。又は、導入器先端開口216は、遠位導入部端部208においてレセプタクル230の外部の別の場所に配置できる。プローブレセプタクル230は、流体がレセプタクル壁232を迂回できるようにするために流路238を形成する1つ又は複数の開口を含むこともでき、この特徴は、通路210の遠位端部で近位レセプタクル端部234と側壁204との間の場所において蓄積する可能性のある流体が適切に排出されるようにするのに役だつ。より具体的には、プローブレセプタクル230の外側壁244と導入器側壁204との間にギャップ242を与えることができ、流体はいくつかの状況においてこのギャップ242の中に蓄積しうる。流体がギャップ242から出られるようにするために流路238が与えられる。
【0053】
使用時に、外科医は、導入器200と開創器202を組み合わせて、プローブ先端224をレセプタクル230の中へ置き、プローブ220によって与えられたコンピュータ支援ナビゲーションを使用して、手術部位まで組立体を案内する。ナビゲーションにおいて、プローブ220は、プローブの表示及び組織の表示のコンピュータスクリーン上のオーバーレイによって下の組織に対する遠位導入器端部208の位置を示す。プロセス全体を通じて、外科医は、導入器200及び開創器202の透明壁を通じて組織を検査でき、より良い視覚的画像を得るために、または、流体を吸引するなどの中間的処置を実施するために必要に応じてプローブ220を周期的に取り外せることが好ましい。
【0054】
図3A及び3Bは、導入器300の別の実施形態を示す。単純化のために、遠位導入器端部302付近に位置する導入器300の部分のみを図示するが、内部通路の残り部分及び前述の他の特徴などの導入器300の他の特徴が、図示する部分に接続されることが分かるはずである。この実施形態において、導入器300は、所定数の支持体306によって導入器300内部に懸架されるプローブレセプタクル304を有する。
【0055】
プローブレセプタクル304は、導入器の長手軸線308に対して平行の導入器の中心線上に配置できるが、他の場所も可能である。プローブレセプタクル304は、近位レセプタクル端部312から遠位レセプタクル端部314まで延びるレセプタクル壁310(円形であるが、他の形状を持つこともできる)を備えることが好ましい。レセプタクル壁310は、近位レセプタクル端部312における相対的に大きいサイズから遠位レセプタクル端部314における相対的に小さいサイズまでテーパー状である内側面316を有する。内側面316は、プローブ先端224が側方に移動するのを防止するように遠位プローブ先端224を保持するサイズ及び形状とされる。例えば、図3Bは、テーパー状の内側面316が線形にテーパー状になる近位面部分318からプローブ先端224の半球形に合致する形状とされる遠位面部分320まで移行することをより明白に示すために、プローブ先端224がプローブレセプタクル304の中に完全に着座する少し前の位置にあるプローブ先端224を示す。完全に着座すると、遠位面部分320の半球面が、半球形のプローブ先端224をカップ状に取り囲みその形状にぴったりと合って、プローブ先端224は、ボールソケット配列体のように遠位面部分320に当接する。他の実施形態において、内側面316は、プローブ先端224の様々な形状及びサイズを収容するために他の形状を有することができる。例えば、単純な円錐形状は、様々な先端直径を有する様々なプローブを収容できる。
【0056】
支持体306は、導入器中心から外向きに放射状でありかつ長手軸線308に対して平行に延びる平面状のリブとして形成される。別の実施形態において、支持体306は、ブロック、支柱など他の形状に置き換えることができる。
【0057】
プローブレセプタクル304は、遠位導入器端部302を貫通する導入器先端開口322に隣接して位置付けることができる。導入器先端開口322及びプローブレセプタクル304は、プローブレセプタクルの外側壁330と側壁204との間のギャップ328の中に在る流体がプローブレセプタクル304を通過することなく導入器先端開口322を通過できるように位置付けられる。このようにして、流体は、プローブ先端224がプローブレセプタクル304内に設置されていても、導入器先端開口322を通過して流れることができる。プローブレセプタクル304も、遠位レセプタクル端部314を貫通する遠位レセプタクル開口324を含むことができ、プローブがプローブレセプタクル304の中に設置されていないとき付加的流路を与えて、流体がプローブレセプタクル304の中に貯留するのを防止する。
【0058】
図示する実施形態において、遠位レセプタクル端部314は、遠位導入器端部302の平面に又はその付近に在るように、導入器先端開口322の中まで延びる。このようにして、導入器先端開口322は、プローブレセプタクル304を取り囲む環状通路として形成され、支持体306が、遠位導入器端部302とプローブレセプタクル304との間のギャップを繋ぐ。支持体306は、支持体306が生じる可能性のある導入器先端開口322を通過する流れの中断を減少できるように、弓形ボイド326を含むことができる。
【0059】
導入器先端開口322内での遠位レセプタクル端部314の配置は、可能な限り遠位導入器先端302近くにプローブ先端224を配置できる。これによって、プローブと導入器の遠位端部の間のオフセットがごく僅かなので、プローブ220と導入器300との間の整合が単純化される。但し、この配列は、全ての実施形態において要求されるわけではない。例えば、プローブレセプタクル304は、導入器先端開口322を通過する流体の流量をより大きくするため、導入器先端開口322をより小さくするために及びその他の理由で、更に近位方向に(即ち、導入器通路の中へ逆行して)移動できる。プローブ先端224と遠位導入器端部302との間のオフセットが著しい場合、技術上既知のように、プローブ220と結合されたコンピュータシステムは、導入器300の位置を外科医に知らせるときこのオフセットを説明するようにプログラムできる。
【0060】
レセプタクル304は、プローブ先端224がレセプタクル304の中に設置されているときに、遠位導入器端部302における導入器側壁204の少なくとも一部分が外科医に見えるような位置及びサイズとされることが好ましい。例えば、側壁204の1対の透明面332(図示するように平坦又は湾曲とすることができる)がレセプタクル304及びプローブ220の周りに見える。外科医は、プローブ220が所定の場所にある間でも下の組織を視覚的に検査でき、レセプタクル304からプローブ先端224を移動することなくその視野を変えるために通路210内の周りでプローブシャフト222を移動できる。
【0061】
図4A及74Bは、導入器400の別の実施形態を示す。図3A及び3Bと同様、遠位導入器端部402に隣接する導入器の領域のみを示す。内部通路の残り部分及び本明細書において上に説明する他の特徴など導入器400の他の特徴は、図示する部分に接続されることは理解されるだろう。この実施形態において、導入器400は、所定数の支持体406によって導入器400内に懸架される部分を含むプローブレセプタクル404を有する。プローブレセプタクル404は、導入器の長手軸線408に対して平行の導入器の中心線上に配置できるが、他の場所も可能である。
【0062】
プローブレセプタクル404は、近位レセプタクル端部412から遠位レセプタクル端部414まで延びるレセプタクル壁410(円形であるが、他の形状を持つことができる)を備えることが好ましい。レセプタクル壁410は、近位レセプタクル端部412における相対的に大きいサイズから遠位レセプタクル端部414における相対的に小さいサイズまでテーパー状である内側面416を有する。内側面416は、プローブ先端224がプローブレセプタクル404の中に完全に着座したときプローブ先端224が側方に移動するのを防止するために遠位プローブ先端224を保持するサイズ及び形状とされる。内側面416は、図3A及び3Bに関連して説明するプローブレセプタクル304の構造と同様とするか、又はプローブ先端224を保持するように構成された他の形状を持つことができる。例えば、内側面416は、長手軸線408に対して20°~30°の範囲(例えば、25°)の第1角度θ1を有する近位レセプタクル端部412に隣接する近位部分と、長手軸線408に対して5°~15°の範囲(例えば、10°)の第2角度θ2を有する上側部分から遠位方向に位置する中間部分と、0.3~0.8mmの範囲の半径rを有する半球又は四半球形を有する、中間部分から遠位方向に位置する遠位部分と、を備えることができる。この配列は、レセプタクル404の中へプローブ先端224を単純かつ反復可能に設置できるようにし、プローブ先端224が完全に着座したときを教える明瞭な感覚を与えることが期待される。
【0063】
プローブレセプタクル404は、遠位導入器端部402を貫通する導入部先端開口418に隣接して位置付けられる。導入器先端開口418及びプローブレセプタクル404は、流体が近位レセプタクル端部412を通過することなく導入器先端開口418を通過できるように位置付けられる。これによって、プローブ先端224がプローブレセプタクル404内に設置されたとき、プローブレセプタクルの外側壁428と導入器側壁204との間のギャップ426の中に在る流体が、導入器先端開口418を通過して流れるようにできる。図示する実施形態において、外側壁428は、その周囲全体の周りで側壁204から離間しているが、外側壁428は、いくつかの場所において(導入器プロフィルが細い楕円形又は卵形でありレセプタクル404が円形プロフィルを持つ場合など)側壁204と合体できることが分かるはずである。
【0064】
プローブレセプタクル404は、又、プローブがプローブレセプタクル404の中に設置されていないとき付加的流路を与えて流体がプローブレセプタクル404の中に貯留するのを防止するために、遠位レセプタクル端部414を貫通する遠位レセプタクル開口420を含むことができる。遠位レセプタクル端部414は、遠位導入器端部402の平面に又はその付近に在るように、導入器先端開口418の中まで延びることができる。この場合、導入器先端開口418は、プローブレセプタクル404を取り囲む環状通路として形成でき、支持体406が遠位導入器端部402とプローブレセプタクル404との間のギャップを繋ぐ。支持体406は、支持体406が生じる可能性のある導入器先端開口418を通過する流れの任意の中断の減少を助けるために弓形ボイドを含むことができる。図3A及び3Bの実施形態と同様、遠位レセプタクル端部414を導入器先端開口418内に配置することによって、プローブ先端224をできる限り遠位導入器端部402に接近して配置できる。但し、この配列は、全ての実施形態において要求されるわけではない。
【0065】
この実施形態において、近位レセプタクル端部412は、側方向(即ち長手軸線408に対して直角を成す方向)において導入器先端開口418より大きい。これによって、導入器先端開口418の縁が押し入れられることによって脳組織又はその他の繊細な組織が損傷される可能性を又は導入器先端開口418の縁によって切断されることを防止するのに役立つために導入器先端開口418のサイズを比較的小さく維持しながら、プローブ220を所定の場所へ案内するのに役立つために比較的大きいプローブレセプタクル404を与える。図4Bは、この構成が、プローブレセプタクルの中心線(この例においては導入器400の幾何学的中心と同一線上)から著しくオフセットされた場所から始めても、プローブレセプタクル404の中へプローブ先端224をどのように案内するのに役立つかを示す。
【0066】
近位レセプタクル端部412が導入器先端開口418より大きい場合、導入器先端開口418を通過する適切な流れを確保するための付加的措置を与えることが特に有利である可能性がある。このために、プローブレセプタクル404は、近位レセプタクル端部412を通過することなく導入器先端開口418へ流体が流れるように、近位レセプタクル端部412と遠位レセプタクル端部414との間の場所に1つ又は複数の(好ましくは3つの)開口を含むことができる。このような開口は、例えば、プローブレセプタクル404の外側面から導入器先端開口418まで内向きに延びるスロット422とすることができる。これらのスロット422は、流体を導入器通路の最も遠位の部分から排出して、導入器の遠位端部においてプローブレセプタクル404の外周囲の周りでの貯留を防止できるようにする。図示する実施形態において、スロット422は、近位レセプタクル端部412から遠位レセプタクル端部414に隣接する位置にある側壁204の部分まで長手方向に延びるが、他の実施形態においては、長手方向に様々な長さを持つスロットを持つこともできる。
【0067】
各スロット422は、導入器先端開口418の上に重なる環状通路424において内側端部で終端となることができる。環状通路424は、レセプタクル424の内側面416を貫通し、導入器先端開口418まで延びて、導入器先端開口418を通過する流体をより均等で制限の少ない流れに再配分するのを助けることが期待される。支持体406は、近位レセプタクル端部412を遠位レセプタクル端部414に接合しかつ導入器先端開口418において遠位レセプタクル端部414を懸架するために、環状通路424を繋いで中断する。スロット422及び環状通路424は、プローブ先端224がそれらに進入するのを防止するサイズとされる(例えば、使用される最小プローブ先端224が0.8mm以上である場合、最大幅0.5mmを持つことによって)。
【0068】
他の実施形態と同様、レセプタクル404は、プローブ220が所定の場所にある間、下の組織が見えるようにするために、プローブ先端224がレセプタクル404の中に設置される間、遠位導入器端部402における導入器側壁204の透明部分が外科医に見えるような位置及びサイズとされることが望ましい。
【0069】
図5A~5Dは、遠位導入器端部502に隣接する導入器500の領域のみを示す、導入器500の別の実施形態を図解する。これまでの実施形態と同様、導入器500の他の特徴は、図示する部分に接続されることが分かるはずである。この実施形態において、導入器500は、近位レセプタクル端部508を遠位レセプタクル端部510に接合する一次支持体506を有するプローブレセプタクル504を有する。遠位レセプタクル端部510は、導入器先端開口512に隣接する(好ましくはその内部にある)。近位レセプタクル端部508は、導入器500の長手軸514に直角を成す方向において、導入器先端開口512より大きい。このプローブレセプタクル504の構造は、図4A及び4Bに示すものと同様であり、同じ変形及び特徴(例えば、遠位レセプタクル開口など)を含むことができる。図4A及び4Bの説明は、図5A~5Dの実施形態に同様に適用される。
【0070】
図5A~5Dの実施形態は、近位レセプタクル端部508を遠位レセプタクル端部510に接合する二次支持体516が各スロット518の両側に与えられる点で、図4A及び4Bと異なる。二次支持体516は、導入器先端開口512に隣接してより連続的な流路を与えるためにその遠位端部においてより大きいボイド(voids)を持つことが好ましい。例えば、一次支持体506は、導入器先端開口512内に又はその付近に配置された下側端部を有するリブ520によって遠位レセプタクル端部510に接続でき、二次支持体516は、図5Cから分かるように導入器先端開口512上方に離間するリブ522によって遠位レセプタクル端部510に接続される。この配列は、遠位レセプタクル端部510を支持するため及び外科医がプローブ先端224をスロット518又は近位レセプタクル端部508と遠位レセプタクル端部510との間のギャップに引っ掛けるのを防止するための付加的構造を与えながら、そこを通る比較的自由な流れを可能にするために導入器先端開口512において環状通路524(図5B)(一次支持体リブ520によっていくつかの場所で中断される可能性がある)を与える。二次支持体516と一次支持体506との間に配置された開口526は、プローブレセプタクル504の内側面を貫通しかつ長手軸線514に沿って導入部先端開口512まで延びる流路を与えて、様々な場所での流体の垂直の流れを可能にする。これまでの実施形態と同様、プローブレセプタクルの外側壁530と導入器側壁204との間のギャップ528の中に在る流体は、近位導入器端部508を通過する必要なく導入器先端開口512を通過して流れることができ、プローブ先端224によって生じる可能性のある任意の流れの制限を減少するのに役立つ。
【0071】
一次支持体506が図示する二次支持体516と同様に構成されることも想定される(即ち、高い弓形リブ522が遠位レセプタクル端部510を接合する)。但し、図5A~5Dに示すように、一次支持体506の下側リブは、強さを増し、組織が導入器先端開口512に進入するのを防止するのに役立つ。又は、付加的な支持が好ましくかつ導入器先端開口512を通過する流れに対する制限が不当に阻害されないことが明らかな場合、二次支持体516は、一次支持体506と構造的に同一とすることができる。他の案は、本開示を検証すれば当業者には明らかであろう。
【0072】
所与の任意の実施形態のプローブレセプタクルは、任意の望ましいナビゲーションプローブを嵌めるための任意の適切な形状を持つことができる。プローブレセプタクルは、一つの特定の種類のプローブを嵌めるように構成されるか、又は多様なナビゲーションプローブを保持するように構成できる。例えば、図2A~5Dを参照して上で説明するようなプローブレセプタクルは、図6A~6Dに示すような4つ又はそれ以上の異なるプローブの任意の1つを交換可能に受け入れるように構成できる。第1プローブ600は、1.0mmの先端直径D及び約6.0°のテーパー角度θを持つ。第2プローブ602は、0.8mmの先端直径D及び約7.5°のテーパー角度θを持つ。第3プローブ604は、1.0mmの先端直径D及び約18.0°のテーパー角度θを持つ。第4プローブ606は、1.0mmの先端直径D及び先端から近位方向に延びる直径1.0mmの円筒形シャフト608を持つ。これらのプローブの各々は、プローブ先端を側方移動しないよう保持するために、プローブ先端をレセプタクルの遠位端部に着座させて遠位導入部端部から1.0mm内、より好ましくは0.5mm内に挿入できる。
【0073】
レセプタクルは、外科医がプローブ先端を所定の場所に「割り込ませる(wedge)」ことがないように(これはプローブの取外しを困難にするので)形成できる。このために、レセプタクル内側壁のテーパー角度は、2つの部品を一緒にロックするように任意の特定のプローブ先端のテーパー角度に正確に合致しないことが望ましい。又、レセプタクルの材料は、変形してプローブ先端がレセプタクルに引っ掛かるようにするのを防止するために比較的堅いことが望ましい。ポリカーボネートプラスチックがこの目的に適すると予想されるが、他の材料を使用することができる。当然、外科医がプローブに非常に大きい力を加えると、プローブは、レセプタクルがどのように設計されるかに関係なくレセプタクルに引っ掛かる可能性があるので、これらの選択は、器具の正常な利用を基礎としており、あらゆる状況においてすべての実施形態について厳密な要件を設定することを意図しないことは理解されるだろう。
【0074】
又は、レセプタクルは、プローブ先端を所定の場所に捕捉するように周到に形成できる。例えば、プローブ先端は、プローブを取り外すために力を必要とするようにレセプタクル内の対応する形状の中にスナップ嵌めする拡大端部を含むか、又は、レセプタクルは、プローブの先端を捉える傾向を持つ薄く変形可能なリブを含むことができる。これは、プローブを取り外す時により注意を必要とするが、外科医がプローブをずっと握っていなくてもよいと言う利点を加える。
【0075】
以上の実施形態は、外科医がナビゲーションシステムと一緒に導入器及び開創器システムを使用するのを助けると期待される。外科医は、導入器を開創器と組み立てて、プローブの先端がプローブレセプタクルの端部に達するまで導入器の中にナビゲーションプローブを入れて、その後3つの部品をユニットとして組織の中へ前進させることによって、装置を使用することが予想される。このプロセスにおいて、外科医は、導入器の中の視界をより良くするため又は他の器具又は装置を導入器の中へ挿入するためにプローブを取り外せる。所望の場合には、他の仕事のために外科医の手を離せるようにプローブを所定の場所に保持するために、クランプ又はその他の装置が提供されうる。クランプの例は、援用される参照文献において開示されているが、他の機構を使用できる。他の使用法及び方法は、本開示を検証すれば当業者には明らかであろう。
【0076】
導入器先端開口は、導入器の周りでの圧力の過剰な蓄積を防止するために流体を流通できるようにする、流体を除去できるようにする、又開口が充分に大きい場合には開口に隣接する組織の切開又は手による移動を可能にするなどによって、システムに顕著な利益を加えることができる。先端開口はまた、手術部位に組立体が置かれた後に導入器が開創器から引き上げられるとき組織へ向かって空気が流れるようにでき、導入器が引き上げられるとき導入器が組織を引っ張る吸引力を発生することを防止するのを助ける。他の利点は、本開示を検証しシステムを更に使用することによって明らかであろう。
【0077】
以上の実施形態はプローブ先端224をプローブレセプタクルの中へ入れるだけで「フリーハンド」で使用できることが期待されるが、いくつかの事例において、外科医は、プローブ220を導入器200内の所定の場所にロックすることを所望する。これは、図7A~8Bに示す代表的なプローブリテーナなどの保持機構を使用することによって実施できる。
【0078】
プローブリテーナ700は、1対のクランプ704によって導入器200に固定されるレシーバ702を備える。レシーバ702は、プローブ220を受け入れるサイズとされたチャンネル706を含む。チャンネル706は、プローブ220を収容するのに適する直径を有する閉鎖通路であることが好ましいが、他の実施形態において長手方向のスロットを含むか又はC又はU字形プロフィルなどを持つことができる。チャンネル706は、外科医側を向く近位チャンネル端部708と、導入器200の中へ延びる遠位チャンネル端部710とを有する。プローブシャフト222がチャンネル706の中に在るとき、チャンネル706は、プローブシャフト222の側方向の移動を限定し、完全に制限することができる。
【0079】
レシーバ702は、プローブ220をチャンネル706内の所定の場所に選択的にロックするように構成できる。例えば、近位チャンネル端部708は、対応するロックナット714に係合するように構成されるネジ切り外側面712と、近位チャンネル端部708を貫通する1つ又は複数のカットアウト区分716と、を持つことができる。ネジ切り外側面712及びロックナット714は、その一方又は両方に僅かなテーパーを与えることによって又はロックナットのネジ山をネジ切り外側面712上のネジ山の直径より僅かに小さい直径にするなどによって、ロックナット714がネジ切り外側面712の上で締められるときネジ切り外側面712を圧縮するように構成される。カットアウト区分716は、ロックナット714が締められるときネジ切り面712が内向きに移動できるようにするためのレリーフ(reliefs)を与える。したがって、ロックナット714がネジ切り外側面712上で締められるとき、ネジ切り外側面712は、半径方向内向きに移動して、近位チャンネル端部708の内側面718は、プローブ220に対してクランプし、プローブを所定の場所に固定する。レシーバ702は、ロックナット714がレシーバ702から完全に取り外されるのを防止するために1つ又は複数の保持リップ720を含むこともできる。
【0080】
他の実施形態において他のロック機構を使用できる。例えば、ロックナット714は、バンドクランプ、セットスクリュー又はその他の装置と交換できる。他のロックの例は、援用される参照文献において提示されており、本開示を検証すれば当業者には他の選択肢が明らかであろう。
【0081】
図示する実施形態において、レシーバ702は、遠位チャンネル端部710から近位方向に延びる所定数のスロット722(例えば、3つのスロット)を含むことができる。代表的なスロット722は、組立体の長手軸線212に沿って長手方向に延びるが、他の向きも使用できる(例えば、螺旋形)。チャンネル706の内側面は、チャンネル706の直径が遠位チャンネル端部710に接近するにつれて減少するように僅かにテーパー状とすることができる。遠位チャンネル端部710におけるチャンネル706の最終直径は、プローブ220が遠位チャンネル端部710においてレシーバ702によって僅かに圧縮されるように装置と一緒に使用されることが予想される最大直径のプローブ220より僅かに小さい。スロット722は、様々なサイズのプローブ220を収容するために、チャンネル706が遠位チャンネル端部710において外向きに屈曲できるようにする。この特徴は、有益な僅かな保持力を与えることが期待され、チャンネル706内でプローブ220をセンタリングするのに役立つ。
【0082】
レシーバは、又、プローブ220が導入器200の中に設置されるとき遠位プローブ先端224をレセプタクル(例えば、レセプタクル230、304、404又は504)へ向けて導くように構成できる。上記のテーパー状でスロット付きの配列は、チャンネル706を遠位導入器先端において対応するレセプタクルへ向けることによってこれを実現できることが期待されるが、他の実施形態は同じことを実施するために他の構成を使用できる。好ましくは、チャンネル706は、チャンネル706内でのプローブ220の著しい角度形成(angulation)を防止できる(即ち、遠位プローブ先端224がレセプタクルへ進入するのを防止する可能性のある角度形成を防止する)ように、長手方向に延びる。例えば、チャンネル706は、最大プローブ直径の110%以下である内径及び最大プローブ直径の少なくとも300%、より好ましくは少なくとも1000%の長さを持つことができる。
【0083】
上記のことにもかかわらず、他の実施形態において、チャンネル706は、テーパー状ではなくかつスロットを含まない単純なリング又は通路を備えるか、又はテーパー及びスロットは、チャンネル706内でプローブ220をセンタリングするのに役立つ可撓性隔壁又は片持ちアームと交換できる。他の案は、本開示を検証すれば当業者には明らかであろう。
【0084】
クランプ704は、レシーバ702に取り付けられ、導入器200に対して固定場所においてレシーバ702を保持するように構成される。レシーバ702は、図に示すように導入器200上にセンタリングするか、又は導入器中心線からオフセットできる。この実施形態において、クランプ704は、近位導入器端部206において導入器側壁204の形状に概ね合致する形状とされたクランプアーム724によってレシーバ702に接続される。したがって、各クランプアーム724は開口726を有し、これを通して、外科医は導入器通路210の中を見ることができる。
【0085】
各クランプ704は、使用者の指を受け入れる形状とされたタブ728と、導入器の対応するリップ800(図8A~B)に巻き付く形状とされたフック730と、を備える。クランプアーム724は、タブ728とフック730との間に配置される。クランプアーム724及びフック730は、フック730が相対的に相互に近いラッチ位置と、フック730が相対的に相互から離れるアンラッチ位置との間で移動可能である。ラッチ位置において、フック730は、対応するリップ800に巻き付いてプローブリテーナ700を導入器200に固定する第1距離だけ離間する。ラッチ位置におけるフックの間隔は、導入器200に取り付けられていない自然の静止位置より僅かに大きくできる。したがって、導入器200に取り付けられたとき、クランプアーム724はフック730をその静止位置からそのラッチ位置へ曲げることによって生じる僅かな屈曲力を受ける。これは、より強いロック接続を与えるのに役立ち、接続されたときのシフト又は移動の可能性を減少できる。
【0086】
外科医がタブ728を一緒につまむと、クランプアーム724は屈曲して、フック730が相互から第2距離になるまでフック730が回転する際の支点を与える。この位置において、フック730は、リップ800を解放し、プローブリテーナ70を導入器から取り外せる。クランプ704は、この操作を逆にすることによって導入器200に再設置でき、フック730は、近位導入器端部206にプローブリテーナ700を単に押し付けることによってフックをリップ800にスナップ嵌めできるようにするために傾斜面を含むことができる。
【0087】
好ましい実施形態において、2つのクランプアーム724があり、その各々が、開口726を取り囲んで導入器200の中を見えるようにする2つの離間する部分を有する。各クランプアーム724は、レシーバ702の対向する側の2つの場所においてレシーバ702に接続される。レシーバ702とクランプアーム724との間の取付け部は、接続の剛直さを増すためにバットレス(buttress)732を持つことができる。これによって、クランプアーム724が取外し及び設置プロセスにおいて、より予測可能に屈曲できるように助力することが期待される。
【0088】
上記のクランプ704配列体は、プローブリテーナ700を選択的に導入器200に接続するための単純で確実な係合を与えることが期待される。但し、他の実施形態は、プローブを所定の場所に保持するために様々な構造を使用できる。例えば、可撓性クランプアーム724は、ピボットピン又はこれと同種のものなどの機械的ピボットとフック730をクランプ位置へ付勢するための戻しバネとを有するもっと剛性の部材と取り換えることができる。別の実施例として、各クランプアーム724は、2つの離間する部分ではなく導入器200の片側に配置された単一部分を持つことができ、クランプ704は、トップからではなく側面から導入器200を掴むように図示する位置に対して90°回すことができる。他の案も、本開示を検証すれば当業者には明らかであろう。
【0089】
図8A及び8Bは、代表的な導入器200に設置されたときの図7A~7Bの実施形態を示す。図示する導入器200は、対応する開創器202と組み立てられている。導入器200は、これまでに説明したようなプローブ先端レセプタクルを含むことが好ましいが、図1を参照して論じるようなプローブ先端レセプタクルを持たない導入器と一緒にプローブリテーナ700を使用することも想定される。プローブリテーナ700とナビゲーションプローブ220の組立体は、好ましくは、導入器200を開創器202から分離することなく導入器200から取り外したり、または、導入器200に設置したりできる。これは、必要な場合に導入器内部への迅速なアクセスを提供する。
【0090】
図9A及び9Bは、プローブリテーナ900の別の実施形態を示す。この事例において、プローブリテーナは、1対のクランプ904によって固定できるレシーバ902を含む。この実施形態は、図7~8Bの実施形態と概ね同じである。但し、この実施形態においては、プローブシャフトを所定の場所にロックするための機構が異なる。レシーバチャンネル906は、ネジ切り近位端部908と、円錐形テーパー状中央部分910と、比較的狭い遠位部分912と、を有して形成される。ロックナット914は、外科医が使用できる(例えば、節を持つ又は指又はツールが係合するその他の形状を持つ)近位ノブ部分916と、雄型ネジ切り中央部分918と、1つ又は複数の長手方向のスロット922を有するテーパー状円錐形遠位端部920と、を備える。中央通路924が、プローブシャフトを受け入れるためにロックナット914を貫通する。ロックナット914のネジ山918は、レシーバ902のネジ部908の中へネジ込むように構成され、ロックナット914の円錐形遠位端部920は、レシーバ902の円錐形中央部分910の中へ嵌まる寸法とされる。ロックナット914は、レシーバ902に対してナットを回転することによってレシーバ902の中へ前進する。ロックナット914のテーパー状端部920がレシーバチャンネル906のテーパー状中央部分916に係合したとき、部品間の接触は、テーパー状端部920を半径方向内向きに屈曲して、プローブシャフトに対して圧迫する。このようにして、ロックナット914は、レシーバ902と協働して、プローブシャフトと係合して、これを固定場所に保持する。
【0091】
ロックナット914は、レシーバ902と相互ロックする1つ又は複数の特徴部によって保持できる。例えば、レシーバ902は、ロックナット914のノブ部分916から半径方向に延びるリップ928を取り囲む1つ又は複数のフック926を持つことができる。これらの保持特徴部は、ロックナット914が完全に緩められたときにロックナット914が偶発的にレシーバ902から分離するのを防止する。但し、いくつかの実施形態において、フック926は、ロックナット914を取り外せるように変形可能に設計できる。他の案及び変形は、本開示を検証すれば当業者には明らかであろう。
【0092】
上記の実施形態は、様々に修正できることが分かるはずである。1つの例として、1つの実施形態において開示する特徴は、他の実施形態のいずれかとも使用できる。別の例として、本明細書において説明するプローブレセプタクルは、付加的製造又は成形によって導入器と一体的に形成するか(図示する実施形態は、導入器及びプローブレセプタクルを単一の一体的成形部品として作るために従来の二部射出成形法を使用できる様々な構成を示す)、又は別個に形成して導入器に取り付けできる。別の例として、プローブレセプタクルは、実施形態に示す概ね円形の形状ではなく、任意の側壁プロフィルを持つことができる。プローブレセプタクルは、又、円錐形、円筒形、半球形又は他の形状の任意の組合せを持つこともできる。又、プローブレセプタクルは、導入器が導入器先端開口を持たない場合でも図2Bの流路及びその後の実施形態のスロットなどの開口を持つことができ、プローブ先端の自由な進入を可能にするためにレセプタクルから流体を排出するために有利となり得る。他の案も、本開示を検証すれば当業者には明らかであろう。
【0093】
本開示は、単独で又は一緒に使用できる多数の新規の、有用なかつ自明ではない特徴及び/又は特徴の組合せについて説明する。本明細書において説明する実施形態は、全て代表的なものであり、本発明の範囲を限定することを意図しない。本明細書において説明する発明は、様々にかつ同等に修正し、適合化でき、これらの修正及び適合化は全て、本開示の及び請求項の範囲に含まれるものとすることは明らかであろう。
本明細書に開示される発明は以下の態様を含む。
〔態様1〕
ナビゲーション要素と所定の直径を有し遠位プローブ先端において終端となるナビゲーションプローブシャフトとを有するナビゲーションプローブと一緒に使用するための導入器システムであって、前記導入器システムが、
長手軸線に沿って延び、かつ近位導入器端部から遠位導入器端部まで延びる導入器通路を形成する側壁であって、前記側壁が、前記長手軸線と直交する側方向において前記ナビゲーションプローブシャフトの直径より大きい、側壁と、
前記遠位導入器端部に配置されたプローブレセプタクルであって、前記プローブレセプタクルが、前記導入器通路内で前記長手軸線に沿って近位レセプタクル端部から遠位レセプタクル端部まで延び、前記プローブレセプタクルが、前記近位レセプタクル端部において前記側方向に第1側方サイズと前記遠位レセプタクル端部において前記側方向に第2側方サイズとを有する内側面を有し、前記第1側方サイズが前記第2側方サイズより大きい、プローブレセプタクルと、
を備え、
前記内側面が、前記遠位プローブ先端を受け入れて前記遠位プローブ先端の前記側方向の移動を制限する構成及び寸法とされ、前記側壁が、前記遠位プローブ先端が前記プローブレセプタクルの中に位置付けられたとき前記ナビゲーションプローブシャフトが前記通路内で前記側方向に移動できるようにする構成及び寸法とされる、
導入器システム。
〔態様2〕
前記側壁が前記側方向において楕円形プロフィルを有し、かつ前記プローブレセプタクルが前記側方向において円形プロフィルを有する、態様1に記載の導入器システム。
〔態様3〕
前記側壁が前記側方向において側壁プロフィルを有し、かつ前記プローブレセプタクルが前記側壁プロフィルの幾何学的中心に配置される、態様1に記載の導入器システム。
〔態様4〕
前記内側面が、前記長手軸線に対して第1角度を有する前記近位レセプタクル端部に隣接する近位部分と、上側部分から遠位方向に配置され前記長手軸線に対して第2角度を有する中間部分とを備え、前記第2角度が前記第1角度より小さい、態様1に記載の導入器システム。
〔態様5〕
前記内側面が、更に、半球面の少なくとも一部分を形成する前記中間部分から遠位方向に配置された遠位部分を備える、態様4に記載の導入器システム。
〔態様6〕
前記プローブレセプタクルが、前記遠位レセプタクル端部を貫通して前記遠位導入器端部において前記内側面と前記側壁の外部との間に第1流体流路を形成する遠位レセプタクル開口を備える、態様1に記載の導入器システム。
〔態様7〕
前記遠位導入器端部において前記導入器通路と前記側壁の前記外部との間に第2流体流路を形成する導入器先端開口を更に備える、態様6に記載の導入器システム。
〔態様8〕
前記プローブレセプタクルの少なくとも一部分が前記側方向においてギャップによって前記側壁から離間する、態様1に記載の導入器システム。
〔態様9〕
前記プローブレセプタクルが、前記レセプタクル近位端部と前記レセプタクル遠位端部との間の場所において前記内側面と前記ギャップとの間の流体連絡路を形成する少なくとも1つの開口を備える、態様8に記載の導入器システム。
〔態様10〕
前記遠位導入器端部において前記側壁を通過する流体流路を形成する導入器先端開口を更に備える、態様1に記載の導入器システム。
〔態様11〕
前記プローブレセプタクルの少なくとも一部分が前記側方向においてギャップによって前記側壁から離間する、態様10に記載の導入器システム。
〔態様12〕
前記レセプタクル近位端部と前記レセプタクル遠位端部との間に前記プローブレセプタクルの外側壁を通過する少なくとも1つの通路を更に備え、前記少なくとも1つの通路が、前記導入器先端開口と前記ギャップとの間に流体連絡路を形成し、前記流体連絡路が、少なくとも部分的に前記近位レセプタクル端部を迂回するように構成される、態様11に記載の導入器システム。
〔態様13〕
前記少なくとも1つの通路が、前記プローブレセプタクルの前記外側壁を通過して延びる複数のスロットを備え、前記複数のスロットの各々が、前記長手軸線に沿って前記近位レセプタクル端部から前記遠位レセプタクル端部に隣接する前記側壁の部分まで延びる、態様12に記載の導入器システム。
〔態様14〕
前記内側面を通過して前記導入器先端開口まで少なくとも1つの通路を更に備える、態様10に記載の導入器システム。
〔態様15〕
前記少なくとも1つの通路が1つ又は複数の環状通路を含む、態様14に記載の導入器システム。
〔態様16〕
前記プローブレセプタクルが前記長手軸線に沿って見て前記導入器先端開口の上に重なり、前記導入器が、更に、前記近位レセプタクル端部を貫通することなく前記導入器先端開口を通過して延びる少なくとも1つの流体流路を備える、態様10に記載の導入器システム。
〔態様17〕
前記導入器先端開口に隣接して前記プローブレセプタクルを懸架するために前記側壁と前記プローブレセプタクルとの間に延びる1つ又は複数の支持体を更に含む、態様16に記載の導入器システム。
〔態様18〕
前記1つ又は複数の支持体が、前記長手軸線に沿って延びる複数のリブを備える、態様17に記載の導入器システム。
〔態様19〕
前記遠位レセプタクル端部が前記導入器先端開口内に配置される、態様17に記載の導入器システム。
〔態様20〕
前記1つ又は複数の支持体の少なくとも部分が前記導入器先端開口内に配置される、態様19に記載の導入器システム。
〔態様21〕
前記プローブレセプタクルが前記側方向においてレセプタクルサイズを有し、前記導入器先端開口が前記側方向において開口サイズを有し、前記レセプタクルサイズが前記開口サイズより小さい、態様17に記載の導入器システム。
〔態様22〕
前記プローブレセプタクルが前記側方向においてレセプタクルサイズを有し、前記導入器先端開口が前記側方向において開口サイズを有し、前記開口サイズが前記レセプタクルサイズより小さい、態様17に記載の導入器システム。
〔態様23〕
前記内側面が、前記遠位導入器端部に隣接して前記遠位プローブ先端を保持するように構成される、態様1に記載の導入器システム。
〔態様24〕
前記内側面が、前記遠位プローブ先端を前記遠位導入器端部の1.0mm内に保持するように構成される、態様23に記載の導入器システム。
〔態様25〕
前記内側面が、少なくとも4つの異なるナビゲーションプローブを交換可能に保持するように構成され、各ナビゲーションプローブが、他のナビゲーションプローブとは異なる幾何学的形状を有する遠位プローブ先端を有し、前記プローブレセプタクルの中に完全に設置されたとき前記遠位プローブ先端の各々が前記遠位導入器端部の1.0mm内に配置される、態様1に記載の導入器システム。
〔態様26〕
前記遠位導入器端部における前記側壁の少なくとも一部分が透明であり、前記ナビゲーションプローブが前記導入器内に設置されたとき前記近位導入器端部から見える、態様1に記載の導入器システム。
〔態様27〕
前記近位導入器端部に選択的に接続するように構成されたプローブリテーナを更に備え、前記プローブリテーナが、前記プローブリテーナが前記近位導入器端部に取り付けられたとき前記ナビゲーションプローブシャフトを受け入れて、それによって、前記ナビゲーションプローブシャフトの前記側方向の移動を限定するように構成されたレシーバを備える、態様1に記載の導入器システム。
〔態様28〕
ナビゲーション要素と所定の直径を有し遠位プローブ先端において終端となるナビゲーションプローブシャフトとを有するナビゲーションプローブと一緒に使用するための導入器システムであって、前記導入器システムが、
導入器であって、
長手軸線に沿って延びかつ近位導入器端部から遠位導入器端部まで延びる導入器通路を形成する側壁であって、前記側壁が、前記長手軸線と直交する側方向において前記ナビゲーションプローブシャフトの直径より大きい、側壁と、
前記遠位導入器端部に配置されるプローブレセプタクルであって、前記プローブレセプタクルが前記導入器通路内で前記長手軸線に沿って近位レセプタクル端部から遠位レセプタクル端部まで延び、前記プローブレセプタクルが、前記近位レセプタクル端部において前記側方向に第1側方サイズと前記遠位レセプタクル端部において前記側方向に第2側方サイズとを有する内側面を有し、前記第1側方サイズが前記第2側方サイズより大きい、プローブレセプタクルと、
を有する導入器と、
前記近位導入器端部に選択的に接続するように構成されたプローブリテーナであって、前記プローブリテーナが、前記ナビゲーションプローブシャフトを受け入れて前記ナビゲーションプローブシャフトの前記側方向の移動を限定するように構成されたレシーバを備える、プローブリテーナと、
を備える、導入器システム。
〔態様29〕
前記プローブリテーナが、前記レシーバに接続されかつ前記近位導入器端部に選択的に接続するように構成された1つ又は複数のクランプを備える、態様28に記載の導入器システム。
〔態様30〕
前記1つ又は複数のクランプが2つのクランプを含み、各クランプが、クランプアームを貫通するアーム開口を有するクランプアームによって前記レシーバに接続され、各アーム開口が、前記導入器通路の中への視覚経路を与えるために前記導入器通路と整列する、態様29に記載の導入器システム。
〔態様31〕
前記レシーバが、前記ナビゲーションプローブシャフトを選択的に保持するためのロックを備える、態様28に記載の導入器システム。
〔態様32〕
ナビゲーション要素と所定の直径を有し遠位プローブ先端において終端となるナビゲーションプローブシャフトとを有するナビゲーションプローブと一緒に使用するための導入器システムであって、前記導入器システムが、
長手軸線に沿って延びかつ近位導入器端部から遠位導入器端部まで延びる導入器通路を形成する側壁を有する導入器であって、前記導入器通路が、前記長手軸線と直交する側方向において前記ナビゲーションプローブシャフトの直径より大きい、導入器と、
前記近位導入器端部に選択的に接続するように構成されたプローブリテーナであって、前記プローブリテーナが、
前記ナビゲーションプローブシャフトを受け入れて前記ナビゲーションプローブシャフトの前記側方向の移動を限定するように構成されたレシーバと、
第1クランプ及び第2クランプであって、前記第1クランプ及び前記第2クランプが前記レシーバに接続され、前記レシーバが前記第1クランプと前記第2クランプとの間に配置され、前記第1クランプ及び前記第2クランプの各々が、前記レシーバを前記導入器に対して固定場所に保持するために前記側壁のそれぞれの部分と選択的に係合可能である、第1クランプ及び第2クランプと、
を備え、
前記レシーバ、前記第1クランプ及び第2クランプが、前記プローブリテーナを通過して前記導入器通路の中まで視覚経路を与えるように構成される、
プローブリテーナと、
を備える、導入器システム。
〔態様33〕
前記第1クランプおよび第2クランプの各々が、それぞれのクランプアームによって前記レシーバに接続され、各クランプアームがこれを貫通する開口を有し、前記開口が、前記プローブリテーナを通過する前記視覚経路のそれぞれの部分を形成するために前記導入器通路と整列される、態様32に記載の導入器システム。
〔態様34〕
前記第1クランプ及び前記第2クランプの各々が、それぞれのクランプアームによって前記レシーバに接続され、前記クランプアームから第1方向に延びるタブと前記クランプアームから第2方向に延びるフックとを備え、前記第2方向が概ね前記第1方向の反対方向である、態様32に記載の導入器システム。
〔態様35〕
前記第1クランプ及び前記第2クランプが、それぞれの可撓性接続部によって前記レシーバに接続され、各可撓性接続部が、それぞれのタブを前記レシーバへ向かって移動させかつそれぞれのフックを前記レシーバから離して移動させることによって、それぞれのフックを前記側壁との係合から解除できるように移動可能である、態様34に記載の導入器システム。
〔態様36〕
前記可撓性接続部が屈曲可能なクランプアームを含む、態様35に記載の導入器システム。
〔態様37〕
前記側壁が、前記近位導入器端部において1つ又は複数の外向きに延びるリップを備え、前記1つ又は複数の外向きに延びるリップが、前記第1クランプのそれぞれのフックと係合するように位置付けられた第1部分と、前記第2クランプのそれぞれのフックと係合するように位置付けられた第2部分とを有する、態様34に記載の導入器システム。
〔態様38〕
前記レシーバが、前記長手軸線に沿った移動に対抗して前記ナビゲーションプローブシャフトを選択的に保持するためのロックを備える、態様32に記載の導入器システム。
〔態様39〕
前記ロックが、
第1テーパー状面を持つ内側通路を有する第1ネジ切り部材と、
前記第1テーパー状面内に嵌る第2テーパー状面を有する外側ボディと前記ナビゲーションプローブシャフトを受け入れる寸法にされた内側チャンネルとを有する第2ネジ切り部材と、
を備え、
前記第1ネジ切り部材と前記第2ネジ切り部材との間の相対的回転が、前記第1テーパー状面を前記第2テーパー状面へ向かって移動させて、前記内側チャンネルを圧縮して前記ナビゲーションプローブシャフトを保持する、
態様38に記載の導入器システム。
〔態様40〕
前記第2テーパー状面が、前記長手方向に沿って延びる1つ又は複数のスロットを備える、態様39に記載の導入器システム。
〔態様41〕
前記第1ネジ切り部材が、前記第1クランプ及び前記第2クランプと一緒に移動するように接続された中空通路を備え、前記第2ネジ切り部材が、前記第2テーパー状面に接続されたノブ部分を備える、態様39に記載の導入器システム。
〔態様42〕
前記プローブリテーナが、前記第2ネジ切り部材が前記第1ネジ切り部材から分離するのを防止するために前記第2ネジ切り部材上のリップに係合するように位置付けられた1つ又は複数のフックを備える、態様41に記載の導入器システム。
〔態様43〕
前記第2ネジ切り部材が、前記第1クランプ及び前記第2クランプと一緒に移動するように接続され、前記第1ネジ切り部材が前記第1テーパー状面に接続されたノブ部分を備える、態様39に記載の導入器システム。
〔態様44〕
前記プローブリテーナが、前記第1ネジ切り部材が前記第2ネジ切り部材から分離するのを防止するために前記第1ネジ切り部材上のリップに係合するように位置付けられた1つ又は複数のフックを備える、態様41に記載の導入器システム。
〔態様45〕
前記レシーバが、前記近位導入器端部に相対的に近接して配置された近位レシーバ通路端部から前記遠位導入器端部に相対的に近接して配置された遠位レシーバ通路端部まで前記長手軸線に沿って延びるレシーバ通路を備え、前記レシーバが、前記遠位レシーバ通路端部において前記長手軸線に沿って1つ又は複数のスロットを備える、態様32に記載の導入器システム。
〔態様46〕
前記レシーバ通路の内径が、前記遠位レシーバ通路端部における小さい方のサイズへテーパー状になる、態様45に記載の導入器システム。
〔態様47〕
前記導入器が、前記遠位導入器端部に配置されたプローブレセプタクルを備え、前記プローブレセプタクルが、前記導入器通路内で前記長手軸線に沿って近位レセプタクル端部から遠位レセプタクル端部まで延び、前記プローブレセプタクルが、前記近位レセプタクル端部において前記側方向に第1側方サイズと前記遠位レセプタクル端部において前記側方向に第2側方サイズとを有する内側面を有し、前記第1側方サイズが前記第2側方サイズより大きい、態様32に記載の導入器システム。
〔態様48〕
前記プローブレセプタクルが、前記遠位レセプタクル端部を貫通して前記遠位導入器端部において前記内側面と前記側壁の外部との間に第1流体流路を形成する遠位レセプタクル開口を備える、態様47に記載の導入器システム。
〔態様49〕
前記プローブレセプタクルの少なくとも一部分が、ギャップによって前記側方向に前記側壁から離間する、態様46に記載の導入器システム。
〔態様50〕
前記プローブレセプタクルが、前記レセプタクル近位端部と前記レセプタクル遠位端部との間の場所に前記内側面と前記ギャップとの間の流体連絡路を形成する少なくとも1つの開口を備える、態様49に記載の導入器システム。
〔態様51〕
前記遠位導入器端部において前記側壁を通過する流体流路を形成する導入器先端開口を更に備える、態様32に記載の導入器システム。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B