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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-05
(45)【発行日】2023-09-13
(54)【発明の名称】モーションエンコーダ
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/347 20060101AFI20230906BHJP
   G01B 11/00 20060101ALI20230906BHJP
【FI】
G01D5/347 110C
G01D5/347 110S
G01B11/00 H
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2021515287
(86)(22)【出願日】2019-05-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-13
(86)【国際出願番号】 GB2019051338
(87)【国際公開番号】W WO2019224522
(87)【国際公開日】2019-11-28
【審査請求日】2022-05-09
(31)【優先権主張番号】1808661.1
(32)【優先日】2018-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】520456918
【氏名又は名称】アイメトラム リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】セッチェル クリス
【審査官】平野 真樹
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第00114505(EP,A1)
【文献】特開平11-051651(JP,A)
【文献】国際公開第2015/132981(WO,A1)
【文献】特開平04-148814(JP,A)
【文献】特表2005-537583(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/26-5/38
G01B 11/00-11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジョイントであって、
第一の部分と、
第二の部分であって、前記第一の部分は、前記第二の部分に対して移動可能に取り付けられ、前記ジョイントが第一のジョイント状態と第二のジョイント状態との間で変化する、第二の部分と、を備える、ジョイントと、
画像を生成するように配置された光感知素子のアレイを含む第一の画像捕捉装置(ICD)と、
処理ユニットと、
パターン表面であって、前記パターン表面は、前記ジョイントが前記第一のジョイント状態と第二のジョイント状態との間で変化すると、第一のパターン位置と第二のパターン位置との間で前記第一のICDに対して移動するパターンを規定する、または規定するように配置され、前記パターンはパターン特徴を備える、パターン表面と、
を備える、モーションエンコーダであって、
前記第一のICDは、前記第一のパターン位置および前記第二のパターン位置の双方において、前記パターン特徴が前記第一のICDから視認可能なように、前記第一のパターン位置および前記第二のパターン位置を包含する視野を有し、
前記処理ユニットは、前記第一のICDから前記画像を受信するために、前記第一のICDに通信可能に結合され、前記処理ユニットは、前記パターン特徴を規定する画像特徴を選択し、前記第一のICDに対する前記第一の部分の位置および/または移動を定量化するために、受信した前記画像間で、前記画像特徴がどのように変換されるかを決定するように構成される、
モーションエンコーダ。
【請求項2】
補助パターンを規定する、または規定するように配置された補助パターン表面をさらに備え、前記補助パターンが補助パターン特徴を備える、請求項1に記載のモーションエンコーダ。
【請求項3】
前記パターン表面は、前記パターン特徴を物理的に規定し、任意選択で、請求項2に従属する場合、前記補助パターン表面は、前記補助パターン特徴を物理的に規定する、請求項1に記載のモーションエンコーダ。
【請求項4】
前記処理ユニットは、前記第一のICDに対する前記第一の部分の移動を定量化するために、受信した前記画像間での前記画像特徴の変位を決定することによって、前記パターン特徴に対応する前記画像特徴が、受信した前記画像間で、どのように変換されるかを決定するように構成される、請求項3に記載のモーションエンコーダ。
【請求項5】
前記補助パターン表面は、空間的に固定され、軸方向にオフセットされ、前記パターン表面に対して平行な関係であるように配置され、前記処理ユニットは、画像内の前記パターンの第一の基準点を決定し、前記画像内の前記補助パターンの対応する第二の基準点を決定し、前記パターン表面と前記補助パターン表面とを結合するための軸の向きを確立するように構成される、請求項2に従属する場合の請求項3または4に記載のモーションエンコーダ。
【請求項6】
前記処理ユニットは、前記第一の部分の中心軸に直交する一対の軸に沿った前記第一のICDに対する前記第一の部分の横方向移動を定量化するために、前記画像内の2つの直交軸に沿った受信した前記画像間での前記画像特徴の線形変位を決定することによって、受信した前記画像間で、前記パターン特徴に対応する画像特徴がどのように変換されるかを決定するように構成される、請求項3~5のいずれか一項に記載のモーションエンコーダ。
【請求項7】
前記パターン特徴は円形対称である、請求項6に記載のモーションエンコーダ。
【請求項8】
前記パターン表面は、前記パターン特徴を反射するように配置された反射表面を備え、前記パターン特徴は、前記パターン表面に対して遠隔物体によって規定され、任意選択で、請求項2に従属する場合、前記補助パターン表面は、前記補助パターン特徴を反射するように配置された補助反射表面を備え、前記補助パターン特徴は、前記補助パターン表面に対して遠隔物体によって規定され、前記補助パターン表面は、空間的に固定され、軸方向にオフセットされ、前記パターン表面に対して平行な関係で配置されるか、または前記補助反射表面は、空間的に固定され、軸方向にオフセットされ、前記反射表面に対して平行な関係で配置される、請求項1または2に記載のモーションエンコーダ。
【請求項9】
前記パターン特徴は、第一の光源によって前記反射表面上に投影されることによって規定され、任意選択で、前記補助パターン特徴は、第二の光源によって前記補助反射表面上に投影されることによって規定される、請求項8に記載のモーションエンコーダ。
【請求項10】
前記第一の光源は、固定投影軸に沿って前記パターン特徴を投影するように配置され、前記固定投影軸の向きは既知で、前記第一のICDの光軸に対してオフセットされ、および/または非平行であり、前記処理ユニットは、前記第一の部分の中心軸に沿った前記第一のICDに対する前記第一の部分の軸方向の移動を定量化するために、軸に沿った前記画像の線形変位を決定することによって、受信した前記画像間で、前記パターン特徴に対応する画像特徴が、どのように変換されるかを決定するように構成される、請求項9に記載のモーションエンコーダ。
【請求項11】
前記第一のICDは、前記遠隔物体の穴を通して、前記パターン表面と、任意選択で、前記補助パターン表面を見るように配置される、請求項8に記載のモーションエンコーダ。
【請求項12】
パターン特徴が、第一のサブセットと、前記第一のサブセットとは異なる第二のサブセットとを備え、前記処理ユニットが、前記第一の部分の中心軸に沿った前記第一のICDに対する前記第一の部分の軸方向移動を定量化するために、前記第一のサブセットと前記第二のサブセットとの間の距離の変化を決定することによって、受信した前記画像間で、前記パターン特徴に対応する前記画像特徴がどのように変換されるかを決定するように構成される、請求項1~11のいずれか一項に記載のモーションエンコーダ。
【請求項13】
コリメートレンズを備え、前記コリメートレンズは、前記パターン特徴および前記第一のICDが前記コリメートレンズの焦点になるように配置される、請求項9または10に記載のモーションエンコーダ。
【請求項14】
前記光源から光を受け、前記光を前記反射表面の方へ向けて導くように配置されたビームスプリッタを備え、これによって、前記特徴の画像が、前記ビームスプリッタを通過して前記第一のICDによって観察することが可能になる、請求項9、10および13のいずれか一項に記載のモーションエンコーダ。
【請求項15】
前記処理ユニットは、前記第一の部分の直交横軸の周りでの前記第一のICDに対する前記第一の部分の回転移動を定量化するために、受信した前記画像間での前記画像特徴の変位を決定することによって、受信した前記画像間で、前記パターン特徴に対応する画像特徴が、どのように変換されるかを決定するように構成される、請求項9~14のいずれか一項に記載のモーションエンコーダ。
【請求項16】
ジョイント座標系に対して既知の空間関係に位置する1つまたは複数の第一の基準マーカをさらに備え、前記処理ユニットは、前記ジョイント座標系に対する前記第一の部分の位置および/または移動を定量化するために、受信した前記画像間で、前記パターン特徴に対応する画像特徴がどのように変換されるかを決定するように構成される、請求項1~15のいずれか一項に記載のモーションエンコーダ。
【請求項17】
前記パターン特徴の少なくともいくつかを規定するように配置された1つまたは複数の第二の基準マーカをさらに備える、請求項1~16のいずれか一項に記載のモーションエンコーダ。
【請求項18】
前記第二の部分に対する前記第一の部分の移動を測定するように配置された1つまたは複数のさらなるセンサをさらに備え、前記処理ユニットは、受信した前記画像と前記1つまたは複数のさらなるセンサの出力との間で、画像特徴がどのように変換されるかに基づいて、前記第一のICDに対する前記第一の部分の位置および/または移動を定量化するように構成される、請求項1~17のいずれか一項に記載のモーションエンコーダ。
【請求項19】
前記第一のICDは、前記第二の部分に対して既知の空間関係で取り付けられ、前記処理ユニットは、前記第一のICDに対する前記第一の部分の定量化された移動と、前記第二の部分と前記第一のICDとの間の前記既知の空間関係とに基づいて、前記第二の部分に対する前記第一の部分の移動を定量化するように構成される、請求項1~18のいずれか一項に記載のモーションエンコーダ。
【請求項20】
前記第一のICDに対して既知の空間関係で取り付けられた第二のICDをさらに備えと、第二のICDは、画像を生成するように配置された光感知素子のアレイを備え、前記第二のICDは、前記第一のパターン位置および前記第二のパターン位置を包含する第二の視野を有し、前記パターン特徴が、前記第一のパターン位置および前記第二のパターン位置の両方において前記第二のICDに視認可能になっており、前記処理ユニットは、前記第一のICDおよび前記第二のICDに結合され、前記パターン特徴に対応する画像特徴が、前記第一のICDに対する前記第一の部分の位置および/または移動を定量化するために、両方のICDからの受信した前記画像間で、どのように変換されるかを決定するように構成される、請求項1~19のいずれか一項に記載のモーションエンコーダ。
【請求項21】
前記第二の部分は、前記第一の部分に対して移動可能に取り付けられて、前記ジョイントが第三のジョイント状態に変化し、前記パターンは、前記ジョイントが前記第一のジョイント状態および/または前記第二のジョイント状態と前記第三のジョイント状態との間で変化すると、前記第一のICDに対して第三のパターン位置に移動し、前記第三のパターン位置は、前記第一のICDの前記視野の少なくとも部分的に外側にあり、前記処理ユニットは、
前記パターンが前記第三のパターン位置に移動していることを決定するように、
画像パターン特徴に対して既知の空間関係を有する新しい画像特徴を選択して、前記画像パターン特徴を置き換えるように、
前記第一のICDに対する前記第一の部分の位置および/または移動を定量化するために、受信した前記画像間で、前記新しい画像特徴がどのように変換されるかを決定するように、
構成される、請求項1~20のいずれか一項に記載のモーションエンコーダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モーションエンコーダに関する。
【背景技術】
【0002】
モーションエンコーダは、多くの産業装置(製造装置、組立ロボットまたは測量機器など)に見られるジョイントの異なる機械部品の移動を正確に測定するために一般的に使用される。これらのセンサは、機械部分の移動を測定し、ある部分の他の部分に対する回転移動または直線移動を定量化する。
【0003】
モーションエンコーダは、光学センサを使用することができ、光学センサは、通常、読取りヘッドおよびスケールを備え、スケールは、正確な幾何学的情報、例えば、距離または角度を符号化する。読取りヘッドがスケールに対して移動すると、センサはジョイントの移動を推測する。
【0004】
本発明者は、既知のモーションエンコーダが、以下の1つまたは複数の制約に悩まされる可能性があることを確認した。
・それらは、典型的には、一方向のみの移動または回転、すなわち、1つの軸だけに沿った移動、または1つの軸だけの周りの回転を測定することしかできないので、複数の自由度で移動を追跡するためには、複数のセンサの設置を必要とする。
・それらの精度は、スケールの精度に依存することがあり、十分に精度の高いスケールを製造するためには、精密で複雑な製造プロセスを必要とする。
・スケールの位置がずれてしまうと、測定の正確さや信頼性に影響を及ぼす可能性がある。スケールの位置は、製造中も、使用中も、例えば、軸受の意図しないコンプライアンスのために、ずれる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の第一の態様によれば、請求項1に記載のモーションエンコーダが提供される。モーションエンコーダは、機器である。
【0006】
したがって、第一の態様によるモーションエンコーダは、画像間のパターン特徴の移動を測定することによって、ジョイントの第一の部分の移動を決定する。公知の光学モーションエンコーダとは対照的に、第一の態様によるエンコーダは、ジョイントの移動を推測するために、既知の正確なスケールを必要としないので、よりシンプルなモーションエンコーダとすることができ、コストを削減できる。
【0007】
また、第一の態様によるモーションエンコーダは、単一のICDでジョイントの複数の軸の周りの移動および/または複数の軸に沿った移動を測定することができる。
【0008】
第一の態様によるモーションエンコーダは、また、例えば、軸受のコンプライアンス、軸受の振れ、および/またはジョイントの摩耗からのジョイント内の移動に耐性があり、さらに、汚れ、ほこり、および他のそのような汚染物質に耐性があるので、公知のモーションエンコーダと比較して、精度および/または信頼性を改善することができる。
【0009】
また、第一の態様によるモーションエンコーダは、公知のエンコーダと比較してクロストークの影響を受けにくくすることができる。すなわち、1つの軸の周りの/に沿った移動が、別の軸の周りの/に沿った測定への影響を少なくしている。
【0010】
さらに、回転測定の場合、精度および分解能は、円形スケールの直径に依存しない。すなわち、高レベルの精度および/または分解能を得るために、大きなスケールは必要とされない。
【0011】
モーションエンコーダは、補助パターンを規定する、または補助パターンを規定するように配置される補助パターン表面をさらに備え、補助パターンは補助パターン特徴を備える。
【0012】
パターン表面は、パターン特徴を物理的に規定することができ、補助パターン表面は、補助パターン特徴を物理的に規定することができる。
【0013】
処理ユニットは、第一のICDに対する第一の部分の回転移動、例えば、第一の部分の中心軸などの軸の周りでの移動を定量化するために、受信した画像間での画像特徴の円形または楕円回転変位などの変位を決定することによって、受信した画像間で、パターン特徴に対応する画像特徴がどのように変換されるかを決定するように構成することができる。
【0014】
処理ユニットは、コンピュータプログラムコードを処理するように構成することができ、コンピュータプログラムコードは、実行されると、動作モデルと結合されたテンプレートマッチング技法を使用して、ICDから受け取った画像内の特徴の位置および動作を測定する。
【0015】
処理ユニットは、1つまたは複数のプロセッサと、読み出し専用メモリまたはランダムアクセスメモリのようにデータを記憶することができる1つまたは複数の非一時的なコンピュータ可読媒体と、コンピュータ可読媒体を1つまたは複数のプロセッサおよびICDと通信可能に結合するためのインターフェースと、ユーザが処理ユニットと対話することを可能にするユーザ入力装置と、を備えることができる。
【0016】
補助パターン表面は、空間的に固定され、軸方向にオフセットされ、パターン表面に対して平行な関係にあるような関係で配置することができ、処理ユニットは、画像内のパターンに対する第一の基準点を決定し、画像内の補助パターンに対する対応する第二の基準点を決定し、パターン表面と補助パターン表面とを結合するための軸の向きを確立するように構成することができる。
【0017】
処理ユニットは、第一のICDに対する第一の部分の横方向の移動、例えば、第一の部分の中心軸に直交する一対の軸に沿った移動を定量化するために、受信した画像間での画像特徴の線形変位、例えば、2つの直交軸に沿った変位を決定することによって、受信した画像間で、パターン特徴に対応する画像特徴がどのように変換されるかを決定するように構成することができる。
【0018】
パターン特徴は、円形対称とすることができ、例えば、円形経路の周りに等角度間隔を有する複数の特徴とすることができる。
【0019】
パターン表面は、パターン特徴を反射するように配置された反射表面を含むことができ、パターン特徴は、パターン表面に関して遠隔物体によって規定される。任意選択で、請求項2に従属する場合、補助パターン表面は、補助パターン特徴を反射するように配置された補助反射表面を備え、補助パターン特徴は、補助パターン表面に対して遠隔物体によって規定され、補助パターン表面は、空間的に固定され、軸方向にオフセットされ、パターン表面に対して平行な関係で配置されるか、または補助反射表面は、空間的に固定され、軸方向にオフセットされ、反射表面に対して平行な関係で配置される。第一および第二の反射表面は、同じレベルまたは異なるレベルの反射を有することができる。
【0020】
パターン特徴は、第一の光源によって反射表面上に投影されることによって規定することができ、任意選択で、補助パターンの特徴は、第一の光源であり得る第二の光源によって補助反射表面上に投影されることによって規定される。遠隔物体は、光学マスクを備えることができ、光源は、光学マスクを反射表面に対してバックライトするように配置することができる。
【0021】
第一の光源は、固定投影軸に沿ってパターン特徴を投影するように配置することができ、固定投影軸の向きは既知で、第一のICDの光軸に対してオフセットされ、および/または非平行であり、処理ユニットは、第一の部分の中心軸に沿った第一のICDに対する第一の部分の軸方向の移動を定量化するために、軸に沿った画像の線形変位を決定することによって、受信した画像間で、パターンの特徴に対応する画像特徴が、どのように変換されるかを決定するように構成される。
【0022】
第一のICDは、遠隔物体の穴を通して、パターン表面と、任意選択で、補助パターン表面を見るように配置することができる。
【0023】
パターン特徴は、第一のサブセットと、第一のサブセットとは異なる第二のサブセットを備えることができる。処理ユニットは、第一のICDに対する第一の部分の軸方向の移動、例えば、第一の部分の中心軸に沿った移動を定量化するために、第一のサブセットと第二のサブセットとの間の距離の変化を決定することによって、受信した画像間で、パターン特徴に対応する画像特徴がどのように変換されるかを決定するように構成することができる。
【0024】
前記モーションエンコーダは、コリメートレンズをさらに備えることができ、コリメートレンズは、パターン特徴および第一のICDがコリメートレンズの焦点になるように配置される。したがって、特徴のコリメート画像は、反射表面に向かって投影され、反射表面から反射される。
【0025】
モーションエンコーダは、光源から光を受け、その光を反射表面に向けて導くように配置されたビームスプリッタをさらに備え、これによって、特徴の画像は、ビームスプリッタを通過して第一のICDによって観察することが可能になる。
【0026】
処理ユニットは、第一の部分の直交横軸の周りでの第一のICDに対する第一の部分の回転移動を定量化するために、受信した画像間での画像特徴の変位を決定することによって、受信した画像間で、パターン特徴に対応する画像特徴がどのように変換されるかを決定するように構成することができる。
【0027】
モーションエンコーダは、ジョイント座標系に対して既知の空間関係に位置する1つまたは複数の第一の基準マーカをさらに備え、処理ユニットは、ジョイント座標系に対する第一の部分の位置および/または移動を定量化するために、受信した画像間で、パターン特徴に対応する画像特徴がどのように変換されるかを決定するように構成される。ジョイント座標系の向きを規定するために、複数の第一の基準マーカを設けることができる。
【0028】
モーションエンコーダは、パターン特徴の少なくともいくつかを規定するように、あるいはパターン特徴が選択されるべき第一の部分の領域を示すように配置された1つまたは複数の第二の基準マーカをさらに備えることができる。
【0029】
モーションエンコーダは、第二の部分に対する第一の部分の移動を測定するように配置された1つまたは複数のさらなるセンサをさらに備えることができ、処理ユニットは、受信した画像と、1つまたは複数のさらなるセンサの出力との間で、画像特徴がどのように変換されるかに基づいて、第一のICDに対する第一の部分の位置および/または移動を定量化するように構成される。1つまたは複数のさらなるセンサは、ノンビジョンベースのエンコーダ、スケールベースのモーションエンコーダなど、例えば、本発明の実施形態によるモーションエンコーダとすることができる。
【0030】
第一のICDは、第二の部分に関して既知の空間関係で取り付けることができ、処理ユニットは、ICDに対する第一の部分の定量化された移動と、第二の部分とICDとの間の既知の空間関係に基づいて、第二の部分に対する第一の部分の移動を定量化するように構成することができる。
【0031】
モーションエンコーダは、第一のICDに対して既知の空間関係で取り付けられた第二のICDをさらに備えることができ、第二のICDは、画像を生成するように配置された光感知素子のアレイを備え、第一のパターン位置および第二のパターン位置を包含する第二の視野を有し、パターン特徴が、第一のパターン位置および第二のパターン位置の両方において第二のICDに視認可能になっている。処理ユニットは、第一のICDおよび第二のICDに結合されることができ、第一のICDに対する第一の部分の位置および/または移動を定量化するために、両方のICDから受信した画像間で、パターン特徴に対応する画像特徴がどのように変換されるかを決定するように構成されることができる。
【0032】
第二の部分は、第一の部分に対して移動可能に取り付けられて、ジョイントを第三のジョイント状態に変化することができ、パターンは、ジョイントが第一のジョイント状態および/または第二のジョイント状態と第三のジョイント状態との間で変化すると、第一のICDに対して第三のパターン位置に移動し、第三のパターン位置は、第一のICDの視野の少なくとも部分的に外側にあり、処理ユニットは、パターンが第三のパターン位置に移動していることを決定するように、画像パターン特徴に対して既知の空間関係を有する新しい画像特徴を選択して、画像パターン特徴を置き換えるように、第一のICDに対する第一の部分の位置および/または移動を定量化するために、新しい画像特徴が受信画像間でどのように変換されるかを決定するように、構成される。
【0033】
処理ユニットは、第一のICDに対する第一の部分の軸方向の移動、例えば、第一の部分の中心軸に沿った移動を定量化するために、受信した画像間の画像特徴の変位を決定することによって、受信した画像間で、パターン特徴に対応する画像特徴がどのように変換されるかを決定するように構成することができる。
【0034】
本発明の第二の態様によれば、ジョイントの第一の部分の移動を測定する方法が提供され、ジョイントは、第一の部分と、第二の部分であって、第一の部分は、第二の部分に対して移動可能に取り付けられて、ジョイントが第一のジョイント状態と第二のジョイント状態との間で変化する、第二の部分と、を備え、この方法は、画像を生成するように配置された光感知素子のアレイを備える第一の画像捕捉装置(ICD)によって生成された第一の画像を前記処理ユニットによって受信するステップであって、第一の画像はパターン表面の少なくとも一部を含み、パターン表面は、ジョイントが第一のジョイント状態と第二のジョイント状態との間で変化すると、第一のパターン位置と第二のパターン位置との間で第一のICDに対して移動するパターンを規定する、または規定するように配置され、パターンはパターン特徴を含む、ステップと、第一のICDから第二の画像を処理ユニットで受信するステップと、パターン特徴に対応する画像特徴が、第一のICDに対する第一の部分の位置および/または移動を定量化するために、受信した画像間で、どのように変換されるかを決定するステップと、を含む。
【0035】
第一の態様の任意選択の特徴は、類似の方法で第二の態様の方法に適用することができる。
【0036】
本発明の第三の態様によれば、第一の態様によるモーションエンコーダ用のサブアセンブリが提供され、サブアセンブリは、画像を生成するように配置された光感知素子のアレイを備える第一の画像捕捉装置(ICD)と、処理ユニットであって、処理ユニットは、第一のICDから画像を受信するために第一のICDに通信可能に結合され、処理ユニットは、第一のICDに対する第一の部分の位置および/または移動を定量化するために、受信した画像間で、パターン特徴に対応する画像特徴がどのように変換されるかを決定するように構成される、処理ユニットを備える。
【0037】
サブアセンブリの特徴の一部または全部は、共通のハウジング内に収めることができる。
【0038】
単なる例として、本発明の特定の実施形態を、添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】6つのジョイント自由度を示す図である。
図2】ジョイントの図である。
図3A】本発明の第一の実施形態によるモーションエンコーダの図である。
図3B図3AのモーションエンコーダのICDによって観察される画像特徴の動作を示す図である。
図4】本発明のさらなる実施形態によるモーションエンコーダの図である。
図5A】本発明のさらなる実施形態によるモーションエンコーダの図である。
図5B図5AのモーションエンコーダのICDによって観察される画像特徴の動作を示す図である。
図6】本発明のさらなる実施形態によるモーションエンコーダの図である。
図7A】本発明のさらなる実施形態によるモーションエンコーダの図である。
図7B図7AのモーションエンコーダのICDによって観察される画像特徴の動作を示す図である。
図8A】本発明のさらなる実施形態によるモーションエンコーダの図である。
図8B図8AのモーションエンコーダのICDによって観察される画像特徴の動作を示す図である。
図9】本発明のさらなる実施形態によるモーションエンコーダの図である。
図10】本発明のさらなる実施形態によるモーションエンコーダの図である。
図11】本発明のさらなる実施形態によるモーションエンコーダの図である。
図12】本発明のさらなる実施形態によるモーションエンコーダの図である。
図13】本発明のさらなる実施形態によるモーションエンコーダの図である。
図14】本発明のさらなる実施形態によるモーションエンコーダの図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
非限定的な概要として、本発明の実施形態は、ジョイントの一部が他の部分に対してどのように移動するかを決定するために、画像のシーケンス内の画像間で特徴がどのように変化するかを測定する、ビジョンベースのジョイントエンコーダに関する。
【0041】
図1を参照すると、本体が三次元空間を移動することのできる6つの異なる方法を示す図が示されている。X、Y、Zの三軸を有する座標系が確立されており、この三次元空間における本体の移動を6つの独立したパラメータによって定量化することができる。これらのパラメータのうちの3つは、異なる軸X、Y、Zに沿った軸方向の移動を定量化し、他の3つのパラメータは、異なる軸X、Y、およびZに関する回転移動を定量化する。6つの独立したパラメータは、6つの自由度(DoF)として知られている。軸Zは、一般に、ジョイントの長手方向軸であると考えることができるが、必ずしもそうである必要はない。
【0042】
ロボット用途または同様の機械的用途では、ジョイントを使用することによって、第二の部分に対して移動する第一の部分を有することが一般的である。ジョイントは、6つのすべてのDoFで、第二の部分に対する第一の部分の移動を可能にすることも、あるいは特定の方法で移動を制限して、DoFを少なくすることもできる。例えば、第一の部分がX軸の周りでのみ回転できるように、ジョイントが構成される場合、移動は、1つのDoFのみを有する。X軸の周りを回転することと、X軸に沿って移動することの双方ができる場合、移動は、2つのDoFを有するが、その他の場合もある。
【0043】
図2では、ジョイントが全体的に200で示されている。この例では、シャフトである第一の部分202は、この例では、ハウジングである第二の部分204に軸受206を介して結合されている。
【0044】
軸受206は、Z軸と略平行であるシャフトの長手方向軸の周りで、シャフトの回転のみを可能にするように構成されている。したがって、この場合、ジョイントは、第一の部分202の移動を1つのDoFに制限する。
【0045】
図3aを参照すると、本発明の一実施形態によるモーションエンコーダの図が、全体的に300で示されている。軸は描かれていないが、図2に描かれているように規定されてもよい。
【0046】
モーションエンコーダは、軸受306を介して第二の部分304に結合された第一の部分302と、第一のICD310と、パターン表面312と、任意選択の照明源308と、処理ユニットと、この実施形態では、第一のICD310に組み込まれている処理ユニットと、を含む。
【0047】
この実施形態では、第一の部分302はシャフトであり、第二の部分304は取り付けプレートまたはハウジングである。第一の部分302がその長手方向軸Zの周りを回転すると、ジョイントは、第一のジョイント状態から第二のジョイント状態に移行または変化する。
【0048】
パターン表面312は、ジョイントの第一の部分302上で、ICD310に対向する平坦な軸方向表面上に配置され、一組のパターン特徴を規定する。パターン特徴は、パターン314を規定する。本実施形態では、パターン特徴は、軸方向表面上の明るいマーキングおよび暗いマーキングであるが、他の実施形態では、パターン特徴は、軸方向表面の突出部および凹部のような他の方法で物理的に規定することができる。
【0049】
ICD310は、ジョイントの第二の部分304に配置され、それに対して固定された空間関係を有するようになり、その光軸が第一の部分302の公称回転軸に略平行になるように配置される。
【0050】
第一の部分302を回転させると、パターン314上の任意の点が略円形の経路をたどることになる。画像内の対応する特徴、すなわち、画像特徴は、ICD310の光感知素子上へのその円形経路の投影に従って移動する。
【0051】
図3Bには、図3aの実施形態のパターン314の移動の例が示されている。この実施形態では、画像特徴は、2つのグループ305、307を含むが、他の実施形態では、より多くの特徴のグループが選択されてもよいし、単一のグループのみが選択されてもよい。
【0052】
この実施形態では、第一の部分302の回転から生じる特徴の動作は、略円形である。しかしながら、ICD310の光軸が第一の部分302の回転軸と整列していない場合、それは略楕円形であってもよい。
【0053】
この実施形態では、LEDランプである照明源308は、ICD310によって識別可能であるように、表面パターン特徴を照明するように配置される。
【0054】
処理ユニットは、テンプレートマッチング技法と、パターンの円周運動の数学モデルと、ICD310の画像平面上へのその運動の投影とを採用し、回転角(第一の部分の長手方向軸の周りの回転)と、(第一の部分の長手方向軸に垂直な二次元平面内にある)回転中心とを計算する。
【0055】
したがって、処理ユニットは、軸Zの周りでのICD310に対する第一の部分302の回転移動を測定することができる。ICDの位置が第二の部分304に対して既知であるので、処理ユニットは、第二の部分304に対する第一の部分302の回転移動を測定することができる。
【0056】
図3Aのモーションエンコーダの利点は、第一の部分がICDに対して移動前、移動中、または移動後に、パターンを選択できるので、移動を測定するために予め定義されたスケールを必要としないことである。したがって、測定は、スケール上の点の正確な位置を識別することに依存するのではなく、点のセットが時間とともにどのように変換されるかを識別することに依存する。
【0057】
ここで、図4を参照すると、さらなる実施形態によるモーションエンコーダが、全体的に400で示されている。モーションエンコーダ400は、図3aのモーションエンコーダ300に類似しており、簡潔にするために、以下の説明では、差に焦点を当てる。
【0058】
この実施形態では、ICD(図示せず)に面する円筒形の第一の部分402の平坦な表面は、内側延長主表面412を備え、この主表面は、軸方向にオフセットされ、環状補助表面414に平行である。軸方向オフセット、換言すれば、主表面412と補助表面414との間の距離Dは、処理ユニットに知られている。
【0059】
補助表面414の特徴は、補助パターン416を備える。主表面412の特徴は、主パターン418を備える。
【0060】
第一の部分402がその長手方向軸の周りを回転すると、ICDは一連の画像を捕捉し、その各画像は主表面412および補助表面414の特徴を含む。
【0061】
処理ユニットは、第一の部分402が回転すると、主パターン418の観察された移動に基づいて、第一の回転中心422、すなわち、第一の基準点を決定する。処理ユニットは、第一の部分402が回転すると、補助パターン416の観察された移動に基づいて、第二の回転中心420、すなわち、第二の基準点を規定する。次いで、処理ユニットは、軸X、軸Yおよび軸Zに関連して、第一の回転中心422、第二の回転中心420、および距離Dに基づいて、回転軸を決定する。
【0062】
この実施形態では、2つの平行な表面のみが示されているが、パターン表面は、互いから既知の軸方向オフセットで、より多くの表面を含むことができる。
【0063】
図4の実施形態の利点は、モーションエンコーダによって、回転軸の向きを定量化することが可能になることである。
【0064】
ここで、図5aを参照すると、本発明のさらなる実施形態によるモーションエンコーダの図が、全体的に500で示されている。図5aのモーションエンコーダは、2つのDoFで回転を測定することができ、第二の部分(図示せず)に関して移動可能に取り付けられた第一の部分502と、パターン表面512と、反射表面514と、ICD510と、を備える。
【0065】
反射表面514は、ICD510に対向する第一の部分502の平坦な軸方向表面上に位置し、パターン特徴を規定するように構成された遠隔物体などのパターン表面512をICD510に向かって反射するように、部分的または全体的に反射するように構成される。
【0066】
処理ユニット530は、ICD510に通信可能に結合され、1つまたは複数のプロセッサと、プロセッサによって実行可能なコンピュータプログラムデータを記憶するように配置された少なくとも1つの非一時的なコンピュータ可読媒体と、1つまたは複数のプロセッサおよびICDとコンピュータ可読媒体を通信可能に結合するためのインターフェースとを備える。図5Aでは、処理ユニット530は、ワイヤを介してICD510に結合されるが、他の実施形態では、処理ユニット530は、ワイヤレス方式でICDに接続することができる。さらに、図5aには示されていないが、処理ユニットは、ユーザが制御入力を提供するために処理ユニット530と対話することを可能にするユーザ入力装置を備えても、あるいはユーザ入力装置に通信可能に結合されてもよい。
【0067】
ICD510は、第一の部分502に対してパターン表面512から遠い側に配置され、その光軸は、第一の部分502の回転軸とほぼ整列する。ICD510は、パターン表面512のアパーチャ(図示せず)を通して反射表面514を撮像するように構成される。
【0068】
この実施形態におけるパターン表面は、その特徴が反射表面514によってICD510に向かって反射され、したがってICD510によって識別可能となるように、外部光源(図示せず)によって照射される。
【0069】
ここで、図5AのX軸、Y軸、およびZ軸を観察すると、第一の部分502がX軸またはY軸の周りを回転するとき、これは、図5Bに描かれるように、反射パターンの略直線移動をもたらす。Y軸を中心として第一の部分502が回転すると、パターンを含む反射特徴が水平方向に移動し、一方、X軸を中心として第一の部分が回転すると、パターンを含む反射特徴が垂直方向に移動する。
【0070】
処理ユニットは、反射パターンの垂直移動に基づくX軸を中心とした回転と、反射パターンの水平移動に基づくY軸を中心とした回転を決定する。
【0071】
したがって、処理ユニットは、ICD510に対する第一の部分502の、軸Xおよび軸Yの周りでの回転移動を測定することができる。ICDの位置が、空間的に固定されている場合など、第二の部分に対して既知である場合、処理ユニットは、第二の部分に対する第一の部分502の回転移動を測定することができる。
【0072】
図5Aに示す実施形態の利点は、ジョイント内の回転移動をパターンの横方向移動に変換し、したがって、信頼性を高め、経時的な再構成の必要性を減らして、非常に精密な測定を可能にすることである。さらに、図5Aの実施形態は、単一のICDを用いて2つのDoFで移動を定量化することができる。
【0073】
このモーションエンコーダの代替の実施形態では、軸受によって、第一の部分502がZ軸に沿って1つのDoFで移動することが可能になる。
【0074】
Z軸に沿って第一の部分502が移動すると、第一の部分502がICD510に近づくように移動するにつれて、パターン表面512の反射パターンの特徴が互いにさらに離れて移動することになるか、あるいは図8Bに示すように、第一の部分502がICD510から遠ざかるように移動するにつれて、パターン表面512の反射パターンの特徴が一緒に近づくように移動することになる。
【0075】
このようなモーションエンコーダの利点は、画像内の特徴の動作が、Z軸を中心とした第一の部分の回転に本質的に独立していることである。
【0076】
ここで、図6を参照すると、本発明のさらなる実施形態によるモーションエンコーダの図が、全体的に600で示されている。図6のモーションエンコーダは、図5Aの実施形態と同様の方法で機能する。図5Aの実施形態の要素に加えて、図6の実施形態は、ビームスプリッタ616およびコリメートレンズ618を含む。
【0077】
ICD610は、第一の部分602に対してビームスプリッタ616の遠い側に配置される。
【0078】
ビームスプリッタ616は、パターン表面612によって放射または反射された光を受け、その光を反射表面614の方へ向けて導くように配置される。次いで、パターン620の反射は、ビームスプリッタ616を通過し、第一のICD610によって観察される。
【0079】
ICD610、パターン表面612、コリメートレンズ618、およびビームスプリッタ616は、パターン620およびICD610の両方がコリメートレンズ618の焦点になるように配置される。したがって、ICD610、レンズ618およびビームスプリッタ616は、オートコリメータとして機能する。
【0080】
したがって、パターン620の特徴のコリメート画像は、反射表面614に向かって投影され、反射表面614から反射される。これにより、Z軸に沿った第一の部分602のいかなる移動も、パターン620の画像化された特徴に影響を及ぼさないことが保証される。
【0081】
ここで、図6のX軸、Y軸、およびZ軸を観察すると、第一の部分602がX軸またはY軸の周りを回転するとき、これは、図5Bに描かれたパターンに類似したパターン620の略直線移動をもたらす。Y軸を中心として第一の部分602が回転すると、パターン620を含む反射された特徴が水平方向に移動し、一方、X軸を中心として第一の部分602が回転すると、パターン620を含む反射された特徴が垂直方向に移動し得る。
【0082】
したがって、処理ユニットは、軸Xおよび軸Yの周りでのICD610に対する第一の部分602の回転移動を測定することができる。ICDの位置が、空間的に固定されている場合など、第二の部分に対して既知である場合、処理ユニットは、第二の部分604に対する第一の部分602の回転移動を測定することができる。
【0083】
図6の実施形態のさらなる利点は、パターン620の特徴もICD610も同じ軸内に配置する必要がないので、エンコーダ要素をよりコンパクトに配置できるようになることである。したがって、より複雑な構成を実施することができる。さらに、図6の実施形態のさらなる利点は、Z軸に沿ったあらゆる移動がパターンの移動に影響を及ぼさないことであり、そのため、測定間のクロストークが減少することである。
【0084】
ここで、図7Aを参照すると、本発明のさらなる実施形態によるモーションエンコーダの図が、全体的に700で示されている。軸は描かれていないが、図2に描かれているように規定されてもよい。
【0085】
モーションエンコーダは、この実施形態ではシャフトであり、軸受706を介して第二の部分704に結合された第一の部分702と、第一のICD710と、パターン表面712と、任意選択の照明源708と、この実施形態では第一のICD710に組み込まれている処理ユニットと、を含む。軸受706は、第一の部分がX軸およびY軸に沿って軸方向にのみ移動することを可能にする。したがって、ジョイントは、2つのDoFを有する。
【0086】
パターン表面712は、ジョイントの第一の部分702上で、ICD710に対向する平坦な表面上に配置され、一組のパターン特徴を規定する。パターン特徴は、パターン714を規定する。
【0087】
ICDは、ジョイントの第二の部分704上に配置され、その光軸がZ軸と略平行になるように配置される。
【0088】
第一の部分702をX軸に沿って移動させると、パターン714は、ICDによって捕捉された画像内で水平方向に移動し、一方、第一の部分をY軸に沿って移動させると、図7Bに示すように、ICDによって捕捉された画像内でパターン714が垂直方向に移動することになる。
【0089】
処理ユニットは、ICDによって捕捉された画像内のパターンの垂直方向および水平方向の移動に基づいて、ICD710に対するX軸およびY軸に沿った第一の部分の移動を定量化する。
【0090】
図7Aの実施形態の利点は、単一の光学センサで複数のDOFで移動を測定できることである。
【0091】
ここで、図8Aを参照すると、本発明の一実施形態によるモーションエンコーダの図が、全体的に800で示されている。軸は描かれていないが、図2に描かれているように規定されてもよい。
【0092】
モーションエンコーダは、この実施形態ではシャフトであり、軸受806を介して第二の部分804に結合された第一の部分802と、第一のICD810と、パターン表面812と、任意選択の照明源808と、この実施形態では第一のICD810に組み込まれている処理ユニットと、を含む。軸受806は、第一の部分が、Z軸に沿って軸方向にのみ移動することを可能にする。したがって、ジョイントは、1つのDoFを有する。
【0093】
パターン表面812は、ジョイントの第一の部分802上で、ICD810に対向する平坦な表面上に配置され、一組のパターン特徴を規定する。パターン特徴は、パターン814を規定する。
【0094】
ICD810は、ジョイントの第二の部分804上に配置され、その光軸がZ軸と略平行になるように配置される。
【0095】
Z軸に沿って第一の部分802が移動すると、第一の部分802がICD810に近づくように移動するにつれて、パターン814の特徴が互いに離れて移動することになるか、あるいは図8Bに示すように、第一の部分802がICD810から離れて移動するにつれて、パターン814の特徴が一緒に近づくように移動することになる。
【0096】
処理ユニットは、パターン814を構成する特徴間の距離の変化を測定することによって、Z軸に沿った第一の部分802の変位を定量化することができる。これは、様々な数学モデルを用いて達成することができる。一例として、第一の部分802がZ軸に沿って移動するときの一対の画像特徴間の距離の相対変化がEであり、ICDのピンホールの位置からのパターン表面812の当初距離がDである場合、ピンホールカメラモデルを仮定すると、Z軸に沿った第一の部分802の変位は、D×(1-1/E)で与えられる。
【0097】
ここで、図9を参照すると、本発明の一実施形態によるモーションエンコーダの図が、全体的に900で示されている。モーションエンコーダは、反射表面914を有する第一の部分902と、第一のICD910と、パターン表面912と、を含む。ジョイント(図示せず)によって、第一の部分902が、Z軸に略平行なその長手方向軸に沿ってのみ移動することが可能になる。したがって、ジョイントは、1つのDoFを有する。
【0098】
パターン表面912は、第一の部分902に関して遠隔物体によって規定され、外側延長主表面912aを備え、主表面912aは、軸方向にオフセットされ、内側補助表面912bと平行である。この軸方向オフセット、換言すれば、主表面912aの平面と補助表面912bの平面との間の距離Dは、処理ユニットに知られている。遠隔物体は、ICD910に対して固定された空間関係を有する。
【0099】
第一の部分902がZ軸に沿って移動すると、第一の部分902がICD910に近づくように移動するにつれて、パターン912aの特徴がファクタE1だけ互いにさらに離れるように移動することになる。第一の部分902がZ軸に沿って移動すると、第一の部分902がICD910に近づくように移動するにつれて、パターン912bの特徴が、ファクタE2だけ互いにさらに離れるように移動することになる。
【0100】
処理ユニットは、式e=D×(E1-1)×(1-E2)/(E2-E1)に基づいて、Z軸に沿ったジョイントの変位を比率E1およびE2に関連付ける数学モデルに基づいて、Z軸に沿った第一の部分902の変位を決定することができる。
【0101】
ここで、図10を参照すると、本発明の一実施形態によるモーションエンコーダの図が、全体的に1000で示されている。モーションエンコーダは、反射表面1014を有する第一の部分1002と、第一のICD1010と、パターン表面1012と、を含む。ジョイント(図示せず)によって、第一の部分1002が、Z軸に略平行なその長手方向軸に沿ってのみ移動することが可能になる。ジョイントは、1つのDoFを有する。
【0102】
反射表面1014は、内側延長主反射表面1014aを備え、この主反射表面1014aは、軸方向にオフセットされ、外側補助表面1014bと平行である。この軸方向オフセット、換言すれば、主反射表面1014aの平面と補助反射表面1014bの平面との間の距離Dは、処理ユニットに知られている。
【0103】
第一の部分1002がZ軸に沿って移動すると、第一の部分1002がICD1010に近づくように移動するにつれて、第一の反射表面1014aによって反射されるパターンの特徴が、ファクタE1だけ互いにさらに離れるように移動することになる。
【0104】
第一の部分1002がZ軸に沿って移動すると、第一の部分1002がICD1010に近づくように移動するにつれて、補助反射表面1014bによって反射されるパターンの特徴が、ファクタE2だけ互いにさらに離れるように移動することになる。
【0105】
処理ユーザは、式e=D×(E1-1)×(1-E2)/(E2-E1)に基づいて、Z軸に沿ったジョイントの変位を比率E1およびE2に関連付ける数学モデルに基づいて、Z軸に沿った第一の部分1002の変位を決定することができる。
【0106】
ここで、図11を参照すると、本発明のさらなる実施形態によるモーションエンコーダの図が、全体的に1100で示されている。モーションエンコーダは、外側反射部分透明表面1114aおよび内側反射不透明表面1114bを有する第一の部分1102と、第一のICD1110と、パターン表面1112とを有する。ジョイント(図示せず)によって、第一の部分1102が、Z軸に略平行なその長手方向軸に沿ってのみ移動することが可能になる。移動は、1つのDoFを有する。
【0107】
外側反射部分透明面1114aは、軸方向にオフセットされ、内側反射不透明表面1114bに平行である。軸方向のオフセット、換言すれば、外側反射部分透明表面1114aの平面と内側反射表面1114bの平面との間の距離Dは、処理ユニットに知られている。
【0108】
第一の部分1102がZ軸に沿って移動すると、第一の部分1102がICD1110に近づくように移動するにつれて、反射表面1114aによって反射されたパターンの特徴が、ファクタE1だけ互いにさらに離れるように移動することになる。
【0109】
第一の部分1102がZ軸に沿って移動すると、第一の部分1102がICD1110に近づくように移動するにつれて、反射表面1114bによって反射されたパターンの特徴が、ファクタE2だけ互いにさらに離れるように移動することになる。
【0110】
処理ユニットは、式e=D×(E1-1)×(1-E2)/(E2-E1)に基づいて、Z軸に沿ったジョイントの変位を比率E1およびE2に関連付ける数学モデルに基づいて、Z軸に沿った第一の部分1102の変位を決定することができる。
【0111】
図9図11に例示された実施形態の利点は、より高い精度で軸方向変位の正確な測定を可能にすることである。さらに、ICDがピンホールカメラとしてモデル化される場合、図9図11の実施形態は、軸方向オフセットDが既知であるか、またはICDのピンホールからのパターンの距離よりも測定が容易である状況での測定を容易にする。
【0112】
ここで、図12を参照すると、本発明の一実施形態によるモーションエンコーダの図が、全体的に1200で示される。軸は描かれていないが、図2に描かれているように規定されてもよい。
【0113】
モーションエンコーダは、本実施形態では、軸受1206を介して第二の部分1204に結合されたシャフトである第一の部分1202と、第一のICD1210と、パターン表面1212と、照明源1208と、処理ユニット(図示せず)とを含む。軸受1206は、第一の部分が、Z軸に沿って軸方向にのみ移動することを可能にする。移動は、1つのDoFがある。
【0114】
パターン表面1212は、ジョイントの第一の部分1202上で、ICD1210に対向する平坦な表面上に配置される。
【0115】
本実施形態における照明源は、カメラの光軸からオフセットされるように配置された光プロジェクタ(図示せず)であり、光プロジェクタは、パターン表面1212上に特徴のパターン1214を投影する。ICD1210およびジョイントに対するプロジェクタの位置および向きは、処理ユニットに知られている。
【0116】
ICD1210は、ジョイントの第二の部分1204上に配置され、その光軸がZ軸と略平行になるように配置される。
【0117】
第一の部分1202がZ軸に沿って移動すると、ICD1210によって捕捉された画像内の特徴の対応する平行移動とともに、第一の部分のパターン表面1212を横切る投影パターン1214の平行移動をもたらす。
【0118】
処理ユニットは、Z軸に沿った第一の部分1202の変位をパターン1214の特徴の動作に関連付けるために、ICD1210に関するプロジェクタの位置および向きの知識を利用する。
【0119】
ここで、図13を参照すると、本発明の一実施形態によるモーションエンコーダの図が、全体的に1300で示されている。モーションエンコーダは、本実施形態では、シャフトであり、軸受1306を介して第二の部分1304に結合された第一の部分1302と、第一のICD1310と、第二のICD1320と、パターン表面1312と、照明源1308と、処理ユニット(図示せず)とを含む。軸受1306は、第一の部分が6つのDoFで移動することを可能にする。
【0120】
パターン表面は、ジョイントの第一の部分上で、平坦な表面上に配置され、一組のパターン特徴を規定する。パターン特徴は、パターン1314を規定する。
【0121】
第一のICD1310および第二のICD1320は、パターン1314の重なり合うビューを有しながら、互いに離れて配置される。第一のICD1310に対する第二のICD1320の位置および向きは、一定であり、既知である。
【0122】
図13では、第一のICD1310および第二のICD1320は、それらの光軸が略平行になるように配置されているが、そうである必要はない。さらに、図13では、第一のICD1310および第二のICD1320は、近接して配置されるが、他の実施形態では、互いに離間されてもよい。さらに、第二のICD1320は、第一の部分および/または第二の部分から離れていてもよい。
【0123】
6つの自由度のいずれかにおける第一の部分1302の動作は、画像における特徴の対応する動作をもたらす。
【0124】
本実施形態における処理ユニットは、X軸、Y軸およびZ軸に沿ったパターン特徴の動作を導出するために、第一のICD1310および第二のICD1320によって処理ユニットに供給される立体視情報を組み込んで、数学モデルを採用する。6つのDoFのいずれかにおける第一の部分1302の動作は、パターン表面1312上の3つ以上のパターン特徴の動作から導出されてもよい。このような数学モデルは、本開示の利益を与えられれば当業者には明らかであり、したがって、簡潔にするために、これ以上説明しない。
【0125】
代替の実施形態では、軸(例えば、Z軸)の周りでの第一の部分の回転から特徴の動作を脱結合するために、パターン表面上にパターンを投影するために、プロジェクタを使用してもよい。この場合、その軸の周りの回転を測定することはできない。
【0126】
ここで図14を参照すると、本発明のさらなる実施形態によるモーションエンコーダの図が、全体的に1400で示されている。モーションエンコーダは、本実施形態では、シャフトであって、第二の部分(図示せず)に軸受を介して結合されたシャフトである第一の部分1402と、第一のICD1410と、パターン表面1412と、照明源(図示せず)と、処理ユニット(図示せず)とを含む。この軸受は、第一の部分が6つのDoFで移動することを可能にし、主として、Z軸の周りで回転し、これに、X軸およびY軸の周りでの比較的少量の回転と、X軸、Y軸およびZ軸に沿った平行移動を伴う。
【0127】
第一のICD1410に対向する第一の部分1402の軸方向面は、外側環状表面1414a、内側環状表面1414b、および内側円形表面1414cの3つの面からなる。内側表面1414bおよび1414cは、同一平面上に位置し、表面1414aの平面から軸方向にオフセットする。表面1414aの平面と表面1414bおよび1414cの平面の軸方向のオフセットDは、処理ユニットに知られている。
【0128】
外側環状表面1414aは、パターンA1420aを含む表面特徴を含む。内側環状表面1414bは、パターンB1420bを含む表面特徴を含む。内側円形表面1414cは、パターンC1420cを含むICD1410の方へパターン表面1412の表面特徴を反射する。
【0129】
ICD1410は、第一の部分1402に対してパターン表面1412の遠い側に配置され、その光軸は、第一の部分1402の長手方向軸とほぼ整列する。ICD1410は、パターン表面1412のアパーチャ(図示せず)を通して表面1414a~1414cを捕捉するように構成される。
【0130】
処理ユニットは、パターンA、BおよびCの変換を測定し、6つのDoF全てにおける第一の部分の移動を決定する。Z軸の周りでの回転(回転中心の決定を含む)は、パターンAまたはBに関連する特徴の動作から導出される。決定された回転中心および距離Dに基づいて、処理ユニットは、回転軸の向きを判定する。
【0131】
X軸またはY軸の周りでの回転は、パターンCの動作から導かれる。第一の部分1402がX軸またはY軸を中心として回転するとき、これは、図5Bに描かれるように、反射パターンCの略直線移動をもたらす。
【0132】
X軸またはY軸に沿った動作は、パターンAまたはBに関連する特徴の動作から導出されてもよい。X軸に沿った第一の部分1402の移動は、ICD1410によって捕捉された画像内でパターンAまたはBを水平方向に移動させることになり、その一方で、Y軸に沿った第一の部分1402の移動は、図7Bに描写されたように、ICD1410によって捕捉された画像内でパターンAまたはBを垂直方向に移動させることになる。
【0133】
Z軸に沿った移動は、パターンA、BまたはCに関連する特徴の移動から導出されてもよい。Z軸に沿って第一の部分1402が移動すると、第一の部分1402がICD1410に近づくように移動するにつれて、パターンA、BまたはCの特徴が互いにさらに離れるように移動することになるか、あるいは図8Bに示すように、第一の部分1402がICD1410から離れるように移動するにつれて、パターンA、BまたはCの特徴が一緒に近づくように移動することになる。
【0134】
任意の実施形態では、パターンを物理的に画定または形成する表面特徴は、表面の形態学的特性、様々な色、幾何学的パターン、およびテクスチャの任意の組合せを含むことができる。パターンを構成する一組の特徴は、第一の部分が移動する前に、または移動する間に、人間による入力によって、あるいは処理ユニットによる自動的な方法で選択された、異なる特徴を含むように変更してもよい。
【0135】
任意の実施形態では、撮像された特徴の変換を特徴付けることは、撮像された特徴の動作、位置、向き、回転、またはサイズの変化を特徴付けることを含むことができる。例えば、動作は、変位および回転パラメータ、および変形パラメータ(伸長またはスキューなど)によって特徴付けられる場合がある。このようなパラメータの確認は、画像処理またはコンピュータビジョンなどの分野の当業者に知られている方法によって達成することができる。このような方法の1つは、これらの分野では、一般に、オプティカルフロー推定または動作推定のいずれかと呼ばれる。デジタル画像における位置/動作を推定するための周知の直接的な方法は、パターンマッチング(例えば、相関関数を使用する)であり、周知の間接的な方法は、Kanade-Lucas-Tomasi(KLT)特徴トラッカである。
【0136】
任意の実施形態では、処理ユニットは、ICDに対する第一の部分の動作範囲に基づいて第一の座標系を定義することができる。処理ユニットは、第一の部分の測定位置および/または動作を別の座標系に変換することができる。基準マーカを使用して、その座標系を定義することができる。処理ユニットは、座標フレームの原点の位置を推測するために、基準マーカに関連付けられた特徴の画像内の位置を測定する。
【0137】
処理ユニットによって実行され得るさらなる動作は、画像内の特徴の位置および/または動作から、第二の部分に対するジョイントの第一の部分の位置および/または動作を推測することである。第一のステップは、ICDに対するジョイントの第一の部分の動作を導出することである。これは、コンピュータビジョンまたは写真測量、例えば、カメラモデル(ピンホールモデルなど)、ステレオビジョン、バンドル調整、構造化光技術などの分野の当業者に知られている技術を介して達成され得る。
【0138】
本発明の実施形態で使用されるICDは、多数の光感知素子を含み、画像または画像シーケンスを生成することができる。ICDは、例えば、上記の機能性を有するデジタルカメラ装置、例えば、産業ビジョンカメラのようなCMOSまたはCCD画像センサを備えるカメラを含むことができる。
【0139】
任意の実施形態では、ICDは、表面の特徴が画像の特徴に変換されるように表面を画像化するように構成することができる。上記の実施形態では、ICDは、その視野(FoV)が第一および第二のパターン位置の両方に特徴のパターンを含むように配置される。
【0140】
任意の実施形態では、処理ユニットは、動作モデルと結合されたテンプレートマッチング技法を使用して、ICDから受け取った画像内の特徴の位置および動作を測定することができる。
【0141】
任意の実施形態において、処理ユニットは、1つまたは複数のプロセッサと、処理ユニットコンピュータシステムによって読み取ることができるデータを記憶することができる読み出し専用メモリまたはランダムアクセスメモリのような1つまたは複数の非一時的なコンピュータ可読媒体と、コンピュータ可読媒体を1つまたは複数のプロセッサおよびICDと通信可能に結合するためのインターフェースと、ユーザが処理ユニットと対話することを可能にするユーザ入力装置と、を備えることができる。
【0142】
任意の実施形態において、基準マーカは、パターンの一部であることが必要とされる特定の特徴を規定するために、あるいは測定点の位置を規定するために、ICDのFoV内のジョイントの部分または他の部分上に提供され得る。
【0143】
モーションエンコーダが回転移動を測定する実施形態では、処理ユニットは、パターン特徴の円動作の数学モデルと、(例えば、レンズ歪みモデルおよびピンホールカメラモデルを介して)ICDの画像平面上へのその動作の円形または楕円投影を使用することができる。
【0144】
モーションエンコーダが軸方向移動を測定し、回転移動によるクロストーク効果を低減する必要がある実施形態では、画像内の特徴の動作が回転軸の周りでの第一の部分の回転とは無関係であるように、パターンは円形対称(例えば、1つまたは複数の同心リング)を有するように設計することができる。
【0145】
モーションエンコーダが、回転移動または横方向移動を測定し、ICDの光軸に沿った軸方向移動によるクロストーク効果を低減することが望ましい実施形態では、ICDが第一のパターン位置および第二のパターン位置でパターンの正投影図を有するように、1つまたは複数のテレセントリックレンズを位置決めすることができる。
【0146】
いずれの実施形態においても、ICDレンズの不完全性のために、いくらかの歪みが、パターン特徴の一般的な線形変位に影響を及ぼし得る。しかしながら、これは、様々な計算手段または光学手段で補正することができる。
【0147】
いずれの実施形態においても、移動は、指定された数のDoFに拘束されることになるが、軸受のコンプライアンスのために、他のDoFにおいて何らかの移動が可能であり得る。このような移動は、モーションエンコーダによって予測され、定量化され、その効果は、ジョイントの移動の決定から取り除かれる。
【0148】
当業者は、本発明のさらなるバリエーションが、様々な反射表面を通してICDによって観察可能なパターン、ジョイントの第一の部分と第二の部分の両方に延在するパターン、ジョイントの第一の部分および第二の部分の両方から独立しているが、ジョイントの両方の部分を観察するように配置された1つまたは複数のICDであって、処理ユニットが、ICDに対する第一の部分およびICDに対する第二の部分の移動を推測し、したがって、第二の部分に対する第一の部分の移動を決定するために、上述の技法のいずれかを使用することができるようになっている、1つまたは複数のICD、あるいは立体視情報が処理ユニットに供給されるように、同じパターンを観察するように構成された複数のICDを含むことができることを理解するであろう。
【0149】
第一の部分の動作範囲が、画像内のパターンを含む特徴をICDの視野を超えて移動させるために十分である場合、視野を離れている特徴の位置/動作の測定を、依然として視野内にある代替特徴に引き継ぐことができる。そのような場合、特徴を複数回引き継ぐことによって蓄積し得る誤差を補償するために使用され得る補正マップを生成するために、較正プロセスが実行され得る。
【0150】
パターンの外観の変化(例えば、パターン上の埃または汚れに起因する)に対する装置の堅牢性は、複数の特徴の位置/動作を利用し、次いで、残りの特徴によって推論されるジョイントの位置/動作と一致しない位置/動作を示す任意の特徴を無視することによって改善され得る。
【0151】
任意の実施形態において、エンコーダは、パターンに関連する明確な特徴を含む画像を確実に含むのを支援するために、(例えば、カメラ露光時間、ゲイン、レンズアパーチャ、光強度などを変化させるために)自動露光システムを付加的に含み得る。
【0152】
光学部品は、電磁スペクトルの任意の適切な部分内で動作するように設計することができ、スペクトルの前記部分は、スペクトルの可視部分を含まなくてもよい。
【0153】
装置の光学素子には、追加として、例えば、主に光源によって放射される波長がカメラに入射するように、波長をフィルタリングすることによって周囲光の衝撃を低減するためのフィルタを含むことができる。
【0154】
上述の実施形態は、本発明を限定するのではなく例示するものであり、当業者は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、多くの代替の実施形態を設計することができることに留意されたい。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
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図14