IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エスコ−グラフィックス イメージング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングの特許一覧

特許7344287印刷プレートのための運搬システム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-05
(45)【発行日】2023-09-13
(54)【発明の名称】印刷プレートのための運搬システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B65H 9/00 20060101AFI20230906BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20230906BHJP
   B65H 5/08 20060101ALI20230906BHJP
   G03F 7/00 20060101ALN20230906BHJP
【FI】
B65H9/00 Z
G03F7/20 511
B65H5/08 C
G03F7/00 502
【請求項の数】 66
(21)【出願番号】P 2021522145
(86)(22)【出願日】2020-04-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-18
(86)【国際出願番号】 EP2020059575
(87)【国際公開番号】W WO2020229054
(87)【国際公開日】2020-11-19
【審査請求日】2021-01-06
(31)【優先権主張番号】62/846,772
(32)【優先日】2019-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518146050
【氏名又は名称】エスコ-グラフィックス イメージング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100171675
【弁理士】
【氏名又は名称】丹澤 一成
(72)【発明者】
【氏名】ディークマン クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】コバーグ ヨルク
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルテリンク ヨルク
【審査官】正木 裕也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0211123(US,A1)
【文献】米国特許第6116100(US,A)
【文献】欧州特許出願公開第1579987(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 9/00
G03F 7/20
B65H 5/08
G03F 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のワークステーションと、フォトポリマーを備える印刷プレートを前記ワークステーション間で運搬するためのプレート取扱システムと、を備えたプロセスワークフローシステムであって、
前記ワークステーションは、
前記印刷プレートの上面にイメージを付与するように構成されたイメージングステーションと、
フォトポリマー硬化ステーションと、
印刷プレートプロセッサと、を含み、
前記プレート取扱システムは、
コンピュータ制御式運搬装置に装着され、且つ前記印刷プレートを前記上面で把持するように構成された複数の真空グリッパーエンドエフェクタであって、前記コンピュータ制御式運搬装置が、少なくとも3つの直交する方向に並進し、且つ少なくとも1つの回転軸を中心に回転するように構成される、真空グリッパーエンドエフェクタと、
前記プロセスワークフローシステム内の少なくとも1つのステージング位置に対する前記印刷プレートの配向を検出するための少なくとも1つのセンサと、
前記コンピュータ制御式運搬装置及び前記少なくとも1つのセンサに接続され、前記少なくとも1つのセンサによって提供される情報に従い、プログラムされた指示に基づいて前記コンピュータ制御式運搬装置を移動させるように構成されたコントローラと、を備える、プロセスワークフローシステム。
【請求項2】
前記プレート取扱システムは、前記印刷プレートと、前記印刷プレートが配設された表面と、の間に気流を誘導するように構成されたエアブレードを更に備える、請求項1に記載のプロセスワークフローシステム。
【請求項3】
前記プレート取扱システムは、前記少なくとも1つのセンサで前記ステージング位置に対する前記印刷プレートの第1の位置を検出し、前記印刷プレートを前記ステージング位置に対する好ましい位置に位置決めするために必要な移動を計算し、前記コンピュータ制御式運搬装置に計算された移動を実施させるように構成される、請求項1又は2に記載のプロセスワークフローシステム。
【請求項4】
前記プレート取扱システムは、前記印刷プレートを、前記印刷プレートの上面の1つ以上の領域で把持し、前記印刷プレートの前記把持された領域をZ軸に沿って持ち上げ、前記印刷プレートを前記Z軸を中心に回転させ、前記印刷プレートをXY平面に沿って押すか又は引くように構成される、請求項1~3のいずれか一項に記載のプロセスワークフローシステム。
【請求項5】
前記プロセスワークフローシステムは、前記イメージングステーション、前記フォトポリマー硬化ステーション、及び洗浄ステーションを含む複数の連続的なプロセスステーションを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のプロセスワークフローシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つのステージング位置は、前記イメージングステーションの入力部に位置する平面状のステージング領域を備える、請求項5に記載のプロセスワークフローシステム。
【請求項7】
前記プレート取扱システムは、
a)前記印刷プレートを、前記印刷プレートの上面の第1の領域で把持し、前記印刷プレートの前記第1の領域を持ち上げ、前記印刷プレートを前記イメージングステーションのプレート投入位置まで押し込むこと;
b)前記印刷プレートを、前記印刷プレートの前記上面の前記第1の領域で把持し、前記印刷プレートの前記第1の領域を持ち上げ、前記印刷プレートを前記イメージングステーションのプレート排出位置から引き出すこと;
c)前記印刷プレートを、前記印刷プレートの前記上面の第2の領域で把持し、前記印刷プレートの前記第2の領域を持ち上げ、前記印刷プレートを露光ステーション上まで引くこと;及び
d)前記印刷プレートを、前記印刷プレートの前記上面の第3の領域で把持し、前記印刷プレートの前記第3の領域を持ち上げ、前記印刷プレートを前記洗浄ステーションの処理前位置まで押すこと;の操作のうち1つ以上を実施するようにプログラムされる、請求項5又は6に記載のプロセスワークフローシステム。
【請求項8】
前記プロセスワークフローシステムは、前記イメージングステーションの前に連続的に位置するプレートリザーバステーションを更に含む、請求項5~7のいずれか一項に記載のプロセスワークフローシステム。
【請求項9】
前記プレートリザーバステーションは、単一の印刷プレートを受容するように構成される、請求項8に記載のプロセスワークフローシステム。
【請求項10】
前記プレートリザーバステーションは、印刷プレートのスタックを受容するように構成される、請求項8に記載のプロセスワークフローシステム。
【請求項11】
前記プレート取扱システムは、前記印刷プレートの領域を把持し、前記印刷プレートの前記把持された領域を持ち上げ、前記印刷プレートを前記プレートリザーバステーションから前記少なくとも1つのステージング位置に移動させるようにプログラムされる、請求項8に記載のプロセスワークフローシステム。
【請求項12】
前記コンピュータ制御式運搬装置は、X方向に並進するように構成されたキャリッジと、前記キャリッジに接続され、且つ、前記X方向に対して直交するY方向に並進するように構成されたYリニアステージと、前記Yリニアステージに接続され、且つ、前記X及びY方向に対して直交するZ軸を中心に回転するように構成された回転ステージと、前記キャリッジに接続され、且つ、前記X及びY方向に対して直交するZ方向に沿って並進するように構成されたZリニアステージと、を備える、請求項1~11のいずれか一項に記載のプロセスワークフローシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つのセンサは、所与の波長又は波長の範囲における対象の反射特性の差を検出するように構成されたコントラストセンサを備え、前記少なくとも1つのステージング位置は、前記印刷プレートの前記反射特性とは前記コントラストセンサによって検出可能な程度で異なる反射特性を有するマーキングを備える平面を備える、請求項1~12のいずれか一項に記載のプロセスワークフローシステム。
【請求項14】
前記少なくとも1つのステージング位置は、前記印刷プレートの第1の縁部に対して平行に配向され、且つ前記第1の縁部に対して直交する前記印刷プレートの対向する第2及び第3の縁部と交差するように位置決めされた少なくとも1つの第1のストライプと、前記少なくとも1つの第1のストライプに対して直交するように配向され、且つ前記印刷プレートの前記第1の縁部と交差するように構成された少なくとも2つのストライプと、を含む、少なくとも3つのストライプの形態のマーキングを備える、請求項1~13のいずれか一項に記載のプロセスワークフローシステム。
【請求項15】
前記印刷プレートの第1の縁部に対して平行に配向された前記少なくとも1つの第1のストライプは、それぞれ前記印刷プレートの前記第2又は第3の縁部のうちの1つと交差するように位置決めされた2つの直線状に位置合わせされた第1のストライプを備える、請求項14に記載のプロセスワークフローシステム。
【請求項16】
前記少なくとも1つのステージング位置は、前記少なくとも1つのセンサの検出波長に対して透明又は半透明の支持体を備えるマーキングされた位置であり、前記支持体は前記印刷プレートを受容するための上面を有し、前記上面の反対側の前記透明又は半透明の支持体の底面上にマーキングが配設される、請求項1~15のいずれか一項に記載のプロセスワークフローシステム。
【請求項17】
前記フォトポリマー硬化ステーションは、前記フォトポリマー硬化ステーションによって放射される化学放射線に対して透明又は半透明の支持体を備え、前記フォトポリマー硬化ステーションは、前記印刷プレートの前記上面及び反対側の下面の両方に放射線を照射するように構成される、請求項1に記載のプロセスワークフローシステム。
【請求項18】
前記フォトポリマー硬化ステーションは、前記化学放射線を提供するように構成されたリニアステージを備え、前記硬化ステーションのリニアステージは、前記硬化ステーションの先端部よりも前記硬化ステーションの末端部に比較的近い休止位置を有し、前記プレート取扱システムは、前記印刷プレートを前記先端部から前記末端部までの方向に前記硬化ステーションまで引き、前記印刷プレートを硬化位置に置き、前記硬化ステーションのリニアステージの移行を妨げない位置まで戻るように構成される、請求項17に記載のプロセスワークフローシステム。
【請求項19】
前記プレート取扱システムは、前記印刷プレートを前記印刷プレートの後縁部から把持し、持ち上げ、押して、前記印刷プレートを前記硬化位置から洗浄ステーション受容位置まで移動させるように構成され、前記洗浄ステーション受容位置で、前記印刷プレートの少なくとも一部分は、休止位置で、前記硬化ステーションのリニアステージの真下に位置する、請求項18に記載のプロセスワークフローシステム。
【請求項20】
前記フォトポリマー硬化ステーションは、化学UV線を放射するように構成される、請求項17~19のいずれか一項に記載のプロセスワークフローシステム。
【請求項21】
前記イメージングステーションは、前記印刷プレートの先縁部を受容するためのクランプを有するドラムイメージングシステムであり、前記プレート取扱システムは、前記印刷プレートの後縁部に隣接する前記印刷プレートの前記上面の領域を把持し、且つ前記印刷プレートの前記先縁部がクランプ受容位置内に配設されるまで前記印刷プレートを前記イメージングステーションに押し込むように構成される、請求項17~20のいずれか一項に記載のプロセスワークフローシステム。
【請求項22】
前記イメージングステーションは、前記印刷プレートのLAMS層をアブレーションしてマスクを形成することによって、前記イメージを前記印刷プレートの前記上面に付与するように構成される、請求項21に記載のプロセスワークフローシステム。
【請求項23】
プロセスワークフローシステム内の複数のワークステーション内でフォトポリマーを備える印刷プレートを運搬して処理する方法であって、
(a)前記印刷プレートを前記プロセスワークフローシステム内の1つのワークステーションから他のワークステーションまで運搬するためのプレート取扱システムを提供する工程であって、前記プレート取扱システムは、コンピュータ制御式運搬装置に装着され、且つ前記印刷プレートの上面を把持するように構成された複数の真空グリッパーエンドエフェクタと、少なくとも3つの直交する方向に並進し、且つ少なくとも1つの回転軸を中心に回転するように構成された前記コンピュータ制御式運搬装置と、前記プロセスワークフローシステム内の少なくとも1つのステージング位置に対する前記印刷プレートの配向を検出するための少なくとも1つのセンサと、前記コンピュータ制御式運搬装置及び前記少なくとも1つのセンサに接続され、前記少なくとも1つのセンサによって提供される情報に従い、プログラムされた指示に基づいて前記コンピュータ制御式運搬装置を移動させるように構成されたコントローラと、を備える、工程と、
(b)前記少なくとも1つのセンサで、運搬されるべき印刷プレートの位置及び配向を検知する工程と、
(c)前記コンピュータ制御式運搬装置を用いて、前記印刷プレートをXY平面に対してZ方向に持ち上げること、並びに、前記印刷プレートをX方向に移動させること、前記印刷プレートをY方向に移動させること及び前記印刷プレートをZ軸に対して回転させることのうちの1つ以上、を行う工程と、
(d)イメージングステーションで前記印刷プレートの上面にイメージを付与して、フォトポリマー硬化ステーションで前記印刷プレートの上面及び反対側の下面の両方に放射線を照射する工程と、を含む方法。
【請求項24】
前記印刷プレートを運搬する際に、前記印刷プレートと、前記印刷プレートが配設された表面と、の間に気流を誘導することを更に含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記少なくとも1つのセンサで前記ステージング位置に対する前記印刷プレートの第1の位置を検出することと、前記コントローラで前記印刷プレートを前記ステージング位置に対する好ましい位置に位置決めするために必要な移動を計算することと、前記コンピュータ制御式運搬装置で計算された移動を実施することと、を更に含む、請求項23又は24に記載の方法。
【請求項26】
前記プレート取扱システムで、前記印刷プレートを、前記印刷の上面の1つ以上の領域で把持することと、前記印刷プレートの前記把持された領域を前記Z軸に沿って持ち上げることと、前記印刷プレートを前記XY平面に沿って押すか又は引くことと、を含む、請求項23~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記プロセスワークフローシステムは、前記イメージングステーション、前記フォトポリマー硬化ステーション、及び洗浄ステーションを含む複数の連続的なプロセスステーションを含む、請求項23~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記少なくとも1つのステージング位置は前記イメージングステーションの入力部に位置している、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
e)前記印刷プレートを、前記印刷プレートの上面の第1の領域で把持し、前記印刷プレートの前記第1の領域を持ち上げ、前記印刷プレートを前記イメージングステーションのプレート投入位置まで押し込むこと;
f)前記印刷プレートを、前記印刷プレートの前記上面の前記第1の領域で把持し、前記印刷プレートの前記第1の領域を持ち上げ、前記印刷プレートを前記イメージングステーションのプレート排出位置から引き出すこと;
g)前記印刷プレートを、前記印刷プレートの前記上面の第2の領域で把持し、前記印刷プレートの前記第2の領域を持ち上げ、前記印刷プレートを露光ステーション上まで引くこと;及び
h)前記印刷プレートを、前記印刷プレートの前記上面の第3の領域で把持し、前記印刷プレートの前記第3の領域を持ち上げ、前記印刷プレートを前記洗浄ステーションの処理前位置まで押すこと、の操作のうちの1つ以上を実施することを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記プロセスワークフローシステムは、前記イメージングステーションの前に連続的に位置するプレートリザーバステーションを更に含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記プレートリザーバステーションは、単一の印刷プレートを受容するように構成され、前記方法は、人間オペレータが前記印刷プレートを前記プレートリザーバステーションに配置することを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記プレートリザーバステーションは、複数の印刷プレートを受容するように構成され、前記方法は、前記プレートリザーバステーションが第1のプレートを前記コンピュータ制御式運搬装置にアクセス可能な準備位置に位置決めすることと、前記コンピュータ制御式運搬装置が前記第1のプレートを取り扱い、前記第1のプレートを前記プレートリザーバステーションから遠ざかるように移動させることと、前記コンピュータ制御式運搬装置が戻って第2のプレートを取り扱う前に、前記プレートリザーバステーションが前記第2のプレートを前記準備位置に位置決めすることと、を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記印刷プレートを、前記印刷プレートの前記上面の前記第3の領域で把持することと、前記印刷プレートの前記第3の領域を持ち上げることと、前記印刷プレートを前記少なくとも1つのステージング位置まで引くことと、を更に含む、請求項30~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記少なくとも1つのセンサは、所与の波長又は波長の範囲における対象の反射特性の差を検出するように構成されたコントラストセンサを備え、前記少なくとも1つのステージング位置は、前記印刷プレートの前記反射特性とは前記コントラストセンサによって検出可能な程度で異なる反射特性を有するその少なくとも一部を有する平面を備え、前記方法は、前記センサが前記ステージング位置の平面に対する前記印刷プレートの縁部を検出することを含む、請求項23~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記少なくとも1つのステージング位置は、前記印刷プレートの第1の縁部に対して平行に配向され且つ前記第1の縁部に対して直交する前記印刷プレートの対向する第2及び第3の縁部と交差するように位置決めされた少なくとも1つの第1のストライプと、前記少なくとも1つの第1のストライプに対して直交するように配向され且つ前記印刷プレートの前記第1の縁部と交差するように構成された少なくとも2つのストライプと、を含む、少なくとも3つのストライプの形態のマーキングを備え、前記方法は、前記少なくとも1つのセンサが前記検出されたストライプに対する前記印刷プレートの縁部を検出することを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記少なくとも1つのステージング位置は、前記少なくとも1つのセンサの検出波長に対して透明又は半透明の支持体を備えるマーキングされた位置であり、前記支持体は前記印刷プレートを受容するための上面を有し、前記上面の反対側の前記透明又は半透明の支持体の底面上にマーキングが配設される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記真空グリッパーエンドエフェクタは、前記印刷プレートを前記印刷プレートの上面上で把持するように構成され、前記方法は、前記イメージングステーションにおいて前記印刷プレートの前記上面にイメージを付与することと、前記フォトポリマー硬化ステーションにおいて前記印刷プレートの前記上面及び反対側の下面の両方に放射線を照射することと、を含む、請求項23~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記硬化ステーションの先端部よりも前記硬化ステーションの末端部に比較的近い休止位置を有するリニアステージ上に装着された放射線源から放射された化学放射線を用いてフォトポリマープレートを硬化させることと、前記コンピュータ制御式運搬装置を用いて前記印刷プレートを前記先端部から前記末端部までの方向に前記硬化ステーションまで引くことと、前記印刷プレートを硬化位置に置くことと、前記コンピュータ制御式運搬装置が前記硬化ステーションのリニアステージの移行を妨げない位置まで戻ることと、を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記印刷プレートを前記印刷プレートの後縁部から把持し、持ち上げ、押して、前記印刷プレートを前記硬化位置から洗浄ステーション受容位置まで移動させ、前記洗浄ステーション受容位置で、前記印刷プレートの少なくとも一部分は、休止位置で、前記硬化ステーションのリニアステージの真下に位置することを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記ワークフローシステムは、前記印刷プレートの先縁部を受容するためのクランプを有するドラムイメージングシステムを含み、前記方法は、前記プレート取扱システムで前記印刷プレートの後縁部に隣接する前記印刷プレートの前記上面の領域を把持することと、前記印刷プレートの前記先縁部がクランプ受容位置内に配設されるまで前記印刷プレートを前記イメージングステーションに押し込むことと、を含む、請求項23~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記真空グリッパーエンドエフェクタの少なくとも1つ及び前記エアブレードは、取付具に配設され、
前記少なくとも1つの真空グリッパーエンドエフェクタは、真空源に接続されるとともに、前記印刷プレートの上面と接触するように位置決めされ、
前記エアブレードは、空気源に接続されるとともに、前記少なくとも1つの真空グリッパーエンドエフェクタが前記印刷プレートの前記上面と接触する構成にあるとき、前記印刷プレートの下面の真下に気流を排出するように構成される、請求項2に記載のプロセスワークフローシステム。
【請求項42】
前記エアブレード及び前記少なくとも1つの真空グリッパーエンドエフェクタは、互いに対して固定された関係を有する、請求項41に記載のプロセスワークフローシステム。
【請求項43】
前記真空源は、前記空気源に接続された空気入力部を有するベンチュリノズルと、前記エアブレードに接続された空気出力部と、前記少なくとも1つの真空グリッパーエンドエフェクタに接続された真空区域と、を備える、請求項41に記載のプロセスワークフローシステム。
【請求項44】
前記プロセスワークフローシステムは、前記印刷プレートの前記上面と接触する前記少なくとも1つの真空グリッパーエンドエフェクタ、及び前記印刷プレートの前記下面と平面状の支持体表面との間に誘導される前記気流で、前記印刷プレートを前記平面状の支持体表面に対して持ち上げる、引く、及び/又は押すように構成される、請求項41に記載のプロセスワークフローシステム。
【請求項45】
プロセスワークフローシステム内でポリマー印刷プレートを運搬する方法であって、前記方法は、請求項44に記載のプロセスワークフローシステムを用いて、前記印刷プレートを前記平面に対して持ち上げる、引く、及び/又は押すことを含み、前記方法は、同時に前記印刷プレートの前記下面の真下に前記気流を排出して、前記印刷プレートの前記下面と前記平面との間の摩擦を低減させながら、前記印刷プレートの前記上面に接触する前記少なくとも1つの真空グリッパーエンドエフェクタを介して真空を引くことを含む、方法。
【請求項46】
請求項1~21のいずれか一項に記載のプロセスワークフローシステムを操作するための指示を含む機械可読な非一時的コンピュータプログラム製品であって、
前記少なくとも1つのステージング位置に対する前記印刷プレートの配向を示す前記少なくとも1つのセンサからの情報を受信すること;
前記複数の真空グリッパーエンドエフェクタに選択的に真空を生成させて把持機能を提供すること;並びに
プログラムされた指示、及び前記少なくとも1つのセンサによって提供される情報に従い、前記コンピュータ制御式運搬装置に、前記少なくとも3つの直交する方向のうちのいずれか1つの方向に並進させ、及び/又は前記少なくとも1つの回転軸を中心に回転させること;のための指示を含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項47】
前記少なくとも1つのステージング位置は、印刷プレートを前記ステージング位置へと、且つ前記ステージング位置から運搬するように構成された移動式調製台を備え、前記移動式調製台は、
フレーム、及び前記フレームに取り付けられ、且つ床面に沿って回転するように構成された複数のホイールを有する基部と;
前記基部の前記フレームに枢動可能に取り付けられたフレームを有する平面状の調製面と;
前記基部を前記ステージング位置内の定位置に機械的に固定するように構成された1つ以上の物理接続インターフェースと;
前記移動式調製台と前記プレート取扱システムとの間で情報を交換するように構成された通信インターフェースを備えるプロセッサと;を備える、請求項1~21のいずれか一項に記載のプロセスワークフローシステム。
【請求項48】
前記移動式調製台は、前記平面状の調製面を、前記床面に対して平行な第1の位置と前記第1の位置に対して角度をなす第2の位置との間の角度範囲内で枢動させるためのメカニズムを更に備える、請求項47に記載のプロセスワークフローシステム。
【請求項49】
前記調製面上に位置決めされた印刷プレートの1つ以上の特性を測定するための表示と、前記プロセッサに対する入力値として前記特性の1つ以上の測定値を提供するためのユーザインターフェースと、を更に備える、請求項47又は48に記載のプロセスワークフローシステム。
【請求項50】
前記調製面上に位置決めされた印刷プレートの1つ以上の特性を検出するように構成された少なくとも1つのセンサシステムを更に備える、請求項47又は48に記載のプロセスワークフローシステム。
【請求項51】
前記1つ又は複数の特性は、前記印刷プレートの長さ、前記印刷プレートの幅、前記印刷プレートの厚さ、前記印刷プレートの重量、並びに前記調製面に対する前記印刷プレートの配向及び/又は位置からなる群から選択される、請求項49又は50に記載のプロセスワークフローシステム。
【請求項52】
前記移動式調製台は、前記移動式調製台と前記プレート取扱システムとの間で交換された選択された情報を表示するように構成される、前記移動式調製台上に装着されたディスプレイを更に備える、請求項47~51のいずれか一項に記載のプロセスワークフローシステム。
【請求項53】
前記移動式調製台の前記平面状の調製面は透明である、請求項47~51のいずれか一項に記載のプロセスワークフローシステム。
【請求項54】
前記移動式調製台の前記平面状の調製面は透明であり、前記移動式調製台の前記少なくとも1つのセンサシステムは1つ以上の光検出装置を備える、請求項50に記載のプロセスワークフローシステム。
【請求項55】
前記1つ以上の光検出装置は、前記透明な平面状の調製面に対して配設された少なくとも1つの光検出装置のアレイを含み、前記透明な平面状の調製面は、前記印刷プレートの存在によって遮断される前記アレイの一部分によって受容される周辺光の不在に基づいて、前記アレイの一部分上に配設された前記印刷プレートの一部分を検出するように構成されている、請求項54に記載のプロセスワークフローシステム。
【請求項56】
前記少なくとも1つのセンサシステムは、フォトポリマー層の厚さ検出装置を備え、前記1つ以上の光検出装置は、前記透明な平面状の調製面の真下に配設された光検出装置のアレイを含み、前記センサシステムは、前記透明な台の真下から前記印刷プレートに向かって角度付けされた第1のビームを放射するように構成された光源を備え、前記アレイは、前記フォトポリマー層と前記フォトポリマー層に隣接して配設された層との間の移行部によって反射される第2及び第3のビームを検出するように構成されている、請求項54に記載のプロセスワークフローシステム。
【請求項57】
前記プロセスワークフローシステムの表面に対する印刷プレートの厚さを測定するように構成された少なくとも1つの厚さ検出装置を更に備え、前記表面は、前記印刷プレートを受容するためのXY平面を画定し、前記厚さ検出装置は、
前記表面の上方に配設された少なくともY及びZ軸で制御可能なセンサ位置決め装置と;
前記少なくとも1つのセンサであって、前記位置決め装置上に装着され、且つ、前記XY平面に対して垂直のZ軸に沿った距離を示す測定信号を出力するように構成された非接触距離測定センサである、前記少なくとも1つのセンサと;
前記位置決め装置を制御し、且つ前記少なくとも1つのセンサからの測定信号を受信するように構成されたプロセッサであって、
(a)前記印刷プレートのXY寸法及び予期される位置を画定する情報を受信すること;
(b)前記位置決め装置を、前記印刷プレートの前記予期される位置の上方ではない前記表面上の点の上方に配設された第1の位置へと移動させること;
(c)前記少なくとも1つのセンサから、前記少なくとも1つのセンサと前記表面との間の基準Z距離として使用するために基準Z距離測定信号を得ること;
(d)前記位置決め装置を、前記印刷プレートの前記予期される位置の上方である前記表面上の点の上方に配設された第2の位置へと移動させること;
(e)前記少なくとも1つのセンサから第2のZ距離測定信号を得、前記第2のZ距離測定信号及び前記基準Z距離測定信号を処理して、前記印刷プレートの前記測定された厚さを得ること;のための指示でプログラムされたプロセッサと、を備える、請求項1~22のいずれか一項に記載のプロセスワークフローシステム。
【請求項58】
前記プロセスワークフローシステムは、前記表面上の前記印刷プレートの実際の位置及び角度を検出するように更に構成され、前記プロセッサは、
(f)前記位置決め装置が前記第1の位置から前記印刷プレートの第1の縁部の位置を示す前記第2の位置まで移動する間に、前記少なくとも1つのセンサから受信された信号の変化を検出すること;
(g)前記位置決め装置が少なくとも2つのその他の点のペアの間を移動する間に前記少なくとも1つのセンサから受信された信号の変化を検出することであって、各ペアは、前記印刷プレートの前記予期される位置の上方にある1つの点、及び前記印刷プレートの前記予期される位置の上方ではない1つの点を含む、こと、並びに、前記位置決め装置が各点のペア間を移動する間に前記少なくとも1つのセンサから受信された信号のそれぞれの変化を検出することであって、各変化は前記印刷プレートの第2及び第3の縁部の位置を示す、こと;
(h)前記印刷プレートの前記第1、第2、及び第3の縁部の位置を示す信号を処理して、前記表面上の前記印刷プレートの検出された実際の位置及び角度を得ること;のための指示で更にプログラムされた、請求項57に記載のプロセスワークフローシステム。
【請求項59】
前記少なくとも1つのセンサはレーザー三角測量センサであり、前記位置決め装置は3軸ロボットリグを備える、請求項57又は58に記載のプロセスワークフローシステム。
【請求項60】
前記測定信号はアナログ信号である、請求項57~59のいずれか一項に記載のプロセスワークフローシステム。
【請求項61】
前記印刷プレートは、所定の経路に沿ったプレート厚さの差として符号化された情報を含み、前記プロセスワークフローシステムは、前記少なくとも1つのセンサからの測定信号を受信する間に前記位置決め装置を前記所定の経路に沿って移動させること、及び、こうして受信された前記測定信号を処理して、符号化情報を読み取ることのための指示で更にプログラムされた、請求項57~60のいずれか一項に記載のプロセスワークフローシステム。
【請求項62】
前記1つ以上のセンサシステムは、前記印刷プレートの長さ、幅、及び重量を判定するためのセンサを備え、前記プロセッサは、前記印刷プレートの長さ、幅、及び重量、並びにフォトポリマー密度の所定値に基づいて前記印刷プレートの厚さを判定するように構成される、請求項51に記載のプロセスワークフローシステム。
【請求項63】
所定の経路に沿ったポリマーの厚さの差としてポリマー印刷プレート上で符号化された情報を読み取るための方法であって、
(a)請求項61に記載のプロセスワークフローシステムの厚さ検出装置によってアクセス可能な位置に前記ポリマー印刷プレートを配設することと;
(b)測定信号を受信する間に、前記所定の経路に沿って前記非接触距離測定センサを移動させることと;
(c)前記測定信号を処理して前記符号化情報を読み取ることと;を含む、方法。
【請求項64】
(a)請求項47に記載のプロセスワークフローシステムを提供する工程と;
(b)前記平面状の調製面上に印刷プレートを配設する工程と;
(c)前記移動式調製台を、プレート投入位置から処理位置の処理装置までの進行経路に沿って移動させる工程と;
(d)前記移動式調製台の1つ以上の物理接続インターフェースを前記処理装置上の嵌合インターフェースに固定させる工程と;
(e)前記移動式調製台と前記処理装置との間で情報を交換する工程と;を含む、印刷プレートを運搬するための方法。
【請求項65】
前記調製台は、前記平面状の調製面を支持する調製面フレームを更に備え、
前記進行経路に沿って前記調製台を移動させる前記工程は、前記進行経路の少なくとも一部分において第1の位置から第2の位置まで前記調製面フレームを前記基部の前記フレームに対して枢動させることを含む、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記第1又は第2の位置のうち少なくとも1つは、前記調製面フレームが水平位置に配向されている位置である、請求項65に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2019年5月13日出願の「TRANSPORT SYSTEM FOR PRINTING PLATES」と題する米国仮特許出願番号第62/846,772号明細書の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
ポリマープレートを用いたフレキソ印刷が始まって以来、洗浄処理装置内のポリマープレートの運搬のために、プレートの自動移動が用いられ、且つ処理工程に先立つか又は後に続いてきた。典型的なプロセスワークフローは、プレートがイメージングステーションからフォトポリマー硬化(例えばUV露光)ステーションを経てプレート洗浄ステーションまで移動される部分を含む。初期のシステムは、硬化ステーションからプレート洗浄ステーションまでの運搬にコンベヤベルトを使用していた。一部の現行のシステムにおいては、プレートの孔を刺し通すピンでプレートをバーに固定するために、プレートの片面に孔が打ち抜かれる。続いて、プレートが取り付けられたバーが、プロセスの後続のステージに通される。コンベヤ及びピン把持システムの使用は、このプロセスの特定の部分における使用には最適でない。
【0003】
フォトポリマープレート用の印刷プレート処理システムは、イメージング装置、及びフォトポリマー硬化ステーションを含む。図1Aに示される例示的な従来技術のプロセスワークフロー100においては、Esko(登録商標)XPS Crystal UV露光ユニット120の範疇に入る露光ユニットが示される。XPS Crystal露光ユニットにおいては、印刷プレートは、ガラス台122上に平らに置かれて、UV源を含有する移動式リニアステージ124からの前側及び後ろ側からUV露光を受ける。このステーションの配向の結果として、同様に水平方向に配向されたイメージング装置にプレートを供給し、且つこのイメージング装置からプレートを取り出すための他の全てのプレート支持体表面を有することが有利となる。ワークフロー100は、矢印Aの方向にプレートをイメージング装置内に受容し、且つプレートをイメージング装置から排出するための開口スリット112を備えるEsko(登録商標)CDI Crystalイメージング装置110の範疇に入るイメージング装置を含む。イメージング装置内では、レーザーアブレージョンマスク(Laser Ablated Mask、LAMS)技術を用いてイメージングされるプレートが回転式ドラム(図示せず)上に受容され、ここでプレートのLAMS層がイメージングされる。ガラス表面114は、プレートがスリット112を介してイメージング装置110に投入される前に、且つイメージング装置110から排出された後でプレートを支持するためのステージング領域を提供する。スリット112は、イメージング装置から露光装置まで、続いて洗浄処理装置(図示せず)まで、矢印Bに沿った主移動方向に対して平行に配向されており、これはつまり、プレートは互いに対して垂直の(直交する)2つの方向A及びBに移動する必要があることを意味する。
【0004】
現行の自動プレート運搬システムは、こうしたシステムにおける典型的なワークフロー工程の全ての態様をカバーしておらず、具体的には、プレートの正確な投入を必要とする、プレートをプレートリザーバからイメージング装置内に移動させる工程は、一般には自動化されていない。その代わりに、人間オペレータ130が、プレートをその先縁部をスリット112内に置いて位置決めする必要がある場合があり、ここでドラムイメージング装置上のクランプは更なる処理のためにプレートを受け取る。人間オペレータ130は、1つ以上のユーザインターフェース140、142上で選択肢を選択することによって、システムの様々な機能をインタラクティブに始動させることができ、ユーザインターフェース140、142のそれぞれが、記憶された指示でプログラムされたコンピュータプロセッサに接続され、且つ、システムの任意の自動化部分に必須の機能を実施するために必要なシステムの様々な部品に接続された、タッチスクリーンディスプレイを備え得る。図1Aに示すように、第1のタッチスクリーン140及び付随するコンピュータプロセッサはイメージング装置110を操作することができ、第2のタッチスクリーン142及び付随するコンピュータプロセッサは露光ユニット120を操作することができる。図1Aに示すシステムにおいては、人間オペレータはまた、プレートがイメージング装置から排出された後でプレートを露光ユニット120上に移動させる。したがって、当該技術分野において、オペレータの取り扱いを低減するために、プロセスワークフローにおいてプレートを運搬するための改善されたシステムに対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0005】
本発明の一態様は、印刷プレートをプロセスワークフロー内のワークステーション間で運搬するためのプレート取扱システムを含む。システムは、印刷プレートを把持するように構成され、且つコンピュータ制御式運搬装置に装着された複数の真空グリッパーエンドエフェクタであって、運搬装置は少なくとも3つの直交する方向に並進し、且つ少なくとも1つの回転軸を中心に回転するように構成される、真空グリッパーエンドエフェクタを備える。少なくとも1つのセンサは、プロセスワークフロー内の少なくとも1つのステージング位置に対するプレートの配向を検出するように構成される。運搬装置及び少なくとも1つのセンサに接続されたコントローラは、センサによって提供される情報に従い、プログラムされた指示に基づいて運搬装置を移動させるように構成される。システムは、プレートと、プレートが配設された表面と、の間に気流を誘導するように構成されたエアブレードを更に備え得る。システムは、好ましくは、センサでステージング位置に対するプレートの第1の位置を検出し、プレートをステージング位置に対する好ましい位置に位置決めするために必要な移動を計算し、運搬装置に計算された移動を実施させるように構成される。特定の実施形態では、システムは、印刷プレートを、プレートの上面の1つ以上の領域で把持し、プレートの把持された領域をZ軸に沿って持ち上げ、プレートをZ軸を中心に回転させ、プレートをXY平面に沿って押すか又は引くように構成される。
【0006】
印刷プレートがフォトポリマー印刷プレートを備える実施形態では、プロセスワークフローは、イメージングステーション、フォトポリマー硬化ステーション、及び洗浄ステーションを含む複数の連続的なプロセスステーションを含み得る。少なくとも1つのステージング位置は、イメージングステーションの入力部に位置する平面状のステージング領域を備え得る。こうした構成においては、プレート取扱システムは、印刷プレートを、プレートの上面の複数の領域のうちのいずれか1つで把持し、プレートを持ち上げ、プレートをワークフローの様々な位置へと押すか又は引くようにプログラムされ得る。例えば、システムは、以下のいずれか又は全てを実施するように構成され得る;
・印刷プレートを、プレートの上面の第1の領域で把持し、プレートの第1の領域を持ち上げ、プレートをイメージングステーションのプレート投入位置まで押し込むこと;
・印刷プレートを、プレートの上面の第1の領域で把持し、プレートの第1の領域を持ち上げ、プレートをイメージングステーションのプレート排出位置から引き出すこと;及び
・印刷プレートを、プレートの上面の第2の領域で把持し、プレートの第2の領域を持ち上げ、プレートを露光ステーション上まで引くこと;
・印刷プレートを、プレートの上面の第3の領域で把持し、プレートの第3の領域を持ち上げ、プレートを洗浄ステーションの処理前位置まで押すこと;及び
・印刷プレートの領域を把持し、プレートの把持された領域を持ち上げ、プレートをプレートリザーバステーションから少なくとも1つのステージングのマーキングされた位置(staging marked location)に移動させること。
【0007】
一実施形態では、運搬装置は、X方向に並進するように構成されたキャリッジと、キャリッジに接続され、且つ、X方向に対して直交するY方向に並進するように構成されたYリニアステージと、Yリニアステージに接続され、且つ、X及びY方向に対して直交するZ軸を中心に回転するように構成された回転ステージと、キャリッジに接続され、且つ、X及びY方向に対して直交するZ方向に沿って並進するように構成されたZリニアステージと、を備える。センサは、所与の波長又は波長の範囲における対象の反射特性の差を検出するように構成されたコントラストセンサを備えてもよく、少なくとも1つのステージング位置は、いくつかの実施形態ではマーキングを備え得る、印刷プレートの反射特性とはコントラストセンサによって検出可能な程度で異なる反射特性を有する平面を備えてもよい。ステージング位置は、プレートの第1の縁部に対して平行に配向され、且つ第1の縁部に対して直交するプレートの対向する第2及び第3の縁部と交差するように位置決めされた少なくとも1つの第1のストライプと、少なくとも1つの第1のストライプに対して直交するように配向され、且つプレートの第1の縁部と交差するように構成された少なくとも2つのストライプと、を含む、少なくとも3つのストライプの形態のマーキングを有してもよい。ステージング位置がセンサの検出波長に対して透明又は半透明の支持体を備える実施形態では、マーキングは、支持体の上面の反対側の、プレートの下面が置かれる透明又は半透明の支持体の底面上に配設されてもよい。
【0008】
代表的実施形態では、エンドエフェクタは、印刷プレートをプレートの上面上で把持するように構成され、プロセスワークフローは、プレートの上面にイメージを付与するように構成されたイメージングステーションと、フォトポリマー硬化ステーションであって、フォトポリマー硬化ステーションによって放射される化学UV線などの化学放射線に対して透明又は半透明の支持体を備えるフォトポリマー硬化ステーションと、を含み、フォトポリマー硬化ステーションは、プレートの上面及び反対側の下面の両方に放射線を照射するように構成される。フォトポリマー硬化ステーションは、化学放射線を提供するように構成されたリニアステージを備えてもよく、硬化ステーションのリニアステージは、硬化ステーションの先端部よりも硬化ステーションの末端部に比較的近い休止位置を有し、この実施形態では、プレート取扱システムは、プレートを先縁部から後縁部までの方向に硬化ステーションまで引き、プレートを硬化位置に置き、硬化ステーションのリニアステージの移行を妨げない位置まで戻るように構成される。こうした実施形態では、プレート取扱システムは、プレートをプレートの後縁部から把持し、持ち上げ、押して、プレートを硬化位置から洗浄ステーション受容位置まで移動させ、洗浄ステーション受容位置で、プレートの少なくとも一部分は、休止位置で、硬化ステーションのリニアステージの真下に位置するようにも構成され得る。
【0009】
イメージングシステムが、プレートのLAMS層をアブレーションしてマスクを形成することによって、プレートの上面にイメージを付与するように構成されたイメージングシステムなどのドラムイメージングシステムである実施形態においては、イメージングシステムは、プレートの先縁部を受容するためのクランプを有してもよい。こうした実施形態では、プレート取扱システムは、プレートの後縁部に隣接するプレートの上面の領域を把持し、且つプレートの先縁部がクランプ受容位置内に配設されるまでプレートをイメージングステーションに押し込むように構成され得る。
【0010】
本発明の別の態様は、プロセスワークフロー内の複数のワークステーション内で印刷プレートを処理するための方法を含む。方法は、印刷プレートをプロセスワークフロー内の一方のワークステーションからもう一方のワークステーションまで運搬するためのプレート取扱システムを提供する工程を含む。プレート取扱システムは、少なくとも3つの直交する方向に並進し、且つ少なくとも1つの回転軸を中心に回転するように構成されるコンピュータ制御式運搬装置と、運搬装置に接続された印刷プレートを把持するためのエンドエフェクタと、プロセスワークフロー内の少なくとも1つのステージング位置に対するプレートの配向を検出するための少なくとも1つのセンサと、運搬装置、少なくとも1つのセンサ、及びコンピュータプロセッサに接続されたプロセスコントローラと、を備える。運搬されるべきプレートの位置及び配向は、少なくとも1つのセンサによって検知され、運搬装置は、プレートをXY平面に対してZ方向に持ち上げ、プレートをX及びY方向のうち一方又は両方に移動させるか、プレートをZ軸に対して回転させるか、又はこれらの組み合わせを行う。最も有利には、方法は、プレートの運搬中に、プレートと、プレートが配設された表面と、の間に気流を誘導することを更に含む。
【0011】
方法は、(センサで)ステージング位置に対するプレートの第1の位置を検出することと、(プロセスコントローラプロセッサで)プレートをステージング位置に対する好ましい位置に位置決めするために必要な移動を計算することと、(運搬装置で)計算された移動を実施することと、を含み得る。方法は、プレート取扱システムで、印刷プレートを、プレートの上面の1つ以上の領域で把持することと、プレートの把持された領域をZ軸に沿って持ち上げることと、プレートをXY平面に沿って押すか又は引くことと、を含み得る。
【0012】
印刷プレートがフォトポリマー印刷プレートを備える実施形態では、プロセスワークフローは、イメージングステーション、フォトポリマー硬化ステーション、及び洗浄ステーションを含む複数の連続的なプロセスステーションを含む。少なくとも1つのステージング位置は、イメージングステーションの入力部に位置し得る。こうした実施形態では、方法は、以下の操作のうちの1つ以上を実施することを含み得る;
・印刷プレートを、プレートの上面の第1の領域で把持し、プレートの第1の領域を持ち上げ、プレートをイメージングステーションのプレート投入位置まで押し込むこと;
・印刷プレートを、プレートの上面の第1の領域で把持し、プレートの第1の領域を持ち上げ、プレートをイメージングステーションのプレート排出位置から引き出すこと;
・印刷プレートを、プレートの上面の第2の領域で把持し、プレートの第2の領域を持ち上げ、プレートを露光ステーション上まで引くこと;
・印刷プレートを、プレートの上面の第3の領域で把持し、プレートの第3の領域を持ち上げ、プレートを洗浄ステーションの処理前位置まで押すこと。
【0013】
プレートリザーバステーションは、イメージングステーションの前に連続的に位置し得る。いくつかの実施形態では、リザーバステーションは、単一のプレートを受容するように構成され、方法は、人間オペレータがプレートをプレートリザーバステーションに配置することを含む。方法は、印刷プレートを、プレートの上面の第3の領域で把持することと、プレートの第3の領域を持ち上げることと、プレートを少なくとも1つのステージング位置まで引くことと、を更に含み得る。
【0014】
センサが、所与の波長又は波長の範囲における対象の反射特性の差を検出するように構成されたコントラストセンサを備える実施形態では、ステージング位置は、印刷プレートの反射特性とはコントラストセンサによって検出可能な程度で異なる反射特性を有するその少なくとも一部を有する平面であってもよく、この場合、方法は、センサがステージング位置の平面に対するプレートの縁部を検出することを含む。ステージング位置がマーキングを有する実施形態では、ステージング位置は、プレートの第1の縁部に対して平行に配向され、且つ第1の縁部に対して直交するプレートの対向する第2及び第3の縁部と交差するように位置決めされた少なくとも1つの第1のストライプと、少なくとも1つの第1のストライプに対して直交するように配向され、且つプレートの第1の縁部と交差するように構成された少なくとも2つのストライプと、を含む、少なくとも3つのストライプの形態であってもよい。こうした実施形態では、方法は、センサが検出されたストライプに対するプレートの縁部を検出することを含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、エンドエフェクタは、印刷プレートをプレートの上面上で把持するように構成され、方法は、イメージングステーションにおいてプレートの上面にイメージを付与することと、フォトポリマー硬化ステーションにおいてプレートの上面及び反対側の下面の両方に放射線を照射することと、を含む。方法が、硬化ステーションの先端部よりも硬化ステーションの末端部に比較的近い休止位置を有するリニアステージ上に装着された放射線源から放射された化学放射線を用いてフォトポリマープレートを硬化させることを含む場合、方法は、運搬装置を用いてプレートを先縁部から後縁部までの方向に硬化ステーションまで引くことと、プレートを硬化位置に置くことと、運搬装置が硬化ステーションのリニアステージの移行を妨げない位置まで戻ることと、も含み得る。こうした構成にある方法は、プレートをプレートの後縁部から把持し、持ち上げ、押して、プレートを硬化位置から洗浄ステーション受容位置まで移動させ、洗浄ステーション受容位置で、プレートの少なくとも一部分は、休止位置で、硬化ステーションのリニアステージの真下に位置することを更に含み得る。ワークフローがプレートの先縁部を受容するためのクランプを有するドラムイメージングシステムを含むシステムにおいては、方法は、プレート取扱システムでプレートの後縁部に隣接するプレートの上面の領域を把持することと、プレートの先縁部がクランプ受容位置内に配設されるまでプレートをイメージングステーションに押し込むことと、を含む。
【0016】
本発明の更に別の態様は、フォトポリマー印刷プレートを把持するように構成されたエンドエフェクタ用の取付具であって、フォトポリマープレートは、上面及び下面を有する、取付具を含む。取付具は、空気供給源と接続するように構成された空気入力部と、空気入力部に接続されたベンチュリノズルと、ベンチュリノズルの真空生成領域に接続された真空エンドエフェクタであって、印刷プレートの上面と接触するように位置決めされた、真空エンドエフェクタと、ベンチュリノズルの空気出口に接続されたエアブレードであって、真空エンドエフェクタが印刷プレートの上面と接触すると、プレートの下面の真下で気流を排出するように構成された、エアブレードと、を備える。エアブレード及び真空エンドエフェクタは、互いに対して固定された関係を有し得る。
【0017】
本発明の別の態様は、ポリマー印刷プレートを運搬するためであり、上述の取付具を備えるプレート受渡システム(plate handing system)を備え、システムは、プレートの上面と接触するエンドエフェクタ、及びプレートの下面と平面状の支持体表面との間を誘導される気流で、プレートを平面状の支持体表面に対して持ち上げる、引く、及び/又は押すように構成される。
【0018】
本発明の更に別の態様は、プロセスワークフロー内でポリマー印刷プレートを運搬する方法であって、上述の取付具を有するプレート取扱システムを用いて、プレートを平面に対して持ち上げる、引く、及び/又は押すことを含む、方法を含む。方法は、同時に印刷プレートの下面の真下に気流を排出して、印刷プレートの下面と平面との間の摩擦を低減させながら、エンドエフェクタがプレートの上面と接触した状態で空気を取付具中に流すことを含む。
【0019】
本発明の更に別の態様は、本明細書に記載されるプレート取扱システムを操作するための指示を含む機械可読な非一時的コンピュータプログラム製品を含む。コンピュータプログラム製品は、少なくとも1つのステージング位置に対するプレートの配向を示す少なくとも1つのセンサからの情報を受信すること、複数の真空グリッパーエンドエフェクタに選択的に真空を生成させて把持機能を提供すること、並びにプログラムされた指示、及びセンサによって提供される情報に従い、運搬装置に、少なくとも3つの直交する方向のうちのいずれか1つを並進させ、及び/又は少なくとも1つの回転軸を中心に回転させること、のための機械可読指示を含む。
【0020】
任意選択的に本明細書に記載されるプレート取扱システムと共に使用するための本発明の別の態様は、印刷プレートをステージング位置へと、且つステージング位置から運搬するように構成された移動式調製台を含む。移動式調製台は、フレーム、及びフレームに取り付けられ、且つ床面に沿って回転するように構成された複数のホイールを有する基部を備える。平面状の調製面は、基部のフレームに枢動可能に取り付けられたフレームと、基部をステージング位置内の定位置に機械的に固定するように構成された1つ以上の物理接続インターフェースと、移動式調製台とプレート取扱システムとの間で情報を交換するように構成された通信インターフェースを備えるプロセッサと、を有する。移動式調製台は、平面状の調製面を、床面に対して平行な第1の位置と第1の位置に対して角度をなす第2の位置との間の角度範囲内で枢動させるためのメカニズムを有し得る。調製面上に位置決めされたプレートの1つ以上の特性、例えばプレートの長さ、プレートの幅、プレートの厚さ、プレートの重量、並びに調製面に対するプレートの配向及び/又は位置を検出するように構成された少なくとも1つのセンサシステム。
【0021】
いくつかの実施形態では、移動式調製台の平面状の調製面は透明であってもよい。移動式調製台の少なくとも1つのセンサシステムは、プレートの存在によって遮断されるアレイの一部分によって受容される周辺光の不在に基づいてアレイの一部分上に配設されたプレートの一部分を検出するように構成されている、少なくとも1つの光検出装置のアレイが透明な平面状の調製面に対して配設されている実施形態におけるものなどの、1つ以上の光検出装置を備え得る。
【0022】
別の実施形態では、少なくとも1つのセンサシステムは、フォトポリマー層の厚さ検出装置を備え、1つ以上の光検出装置は、透明な平面状の調製面の真下に配設された光検出装置のアレイを含む。この実施形態では、センサシステムは、透明な台の真下からプレートに向かって角度付けされた第1のビームを放射するように構成された光源を備え、アレイは、フォトポリマー層とフォトポリマー層に隣接して配設された層との間の移行部によって反射される第2及び第3のビームを検出するように構成されている。記載される厚さ検出装置は、プレートを受容するための任意の透明な平面上で使用され得る。
【0023】
本明細書に記載されるプレート取扱システムの実施形態は、印刷プレートを受容するためのXY平面を画定するプレート取扱システムの表面に対する印刷プレートの厚さを測定するように構成された少なくとも1つの厚さ検出装置を含み得る。厚さ検出装置は、表面の上方に配設された少なくともY及びZ軸で制御可能なセンサ位置決め装置と、位置決め装置上に装着され、且つ、XY平面に対して垂直のZ軸に沿った距離を示す測定信号を出力するように構成された非接触距離測定センサと、位置決め装置を制御し、且つセンサからの測定信号を受信するように構成されたプロセッサと、を備える。プロセッサは、プレートのXY寸法及び予期される位置を画定する情報を受信すること;位置決め装置を、印刷プレートの予期される位置の上方ではない表面上の点の上方に配設された第1の位置へと移動させること;センサから、センサと表面との間の基準Z距離として使用するために基準Z距離測定信号を得ること;位置決め装置を、印刷プレートの予期される位置の上方である表面上の点の上方に配設された第2の位置へと移動させること;並びに、センサから第2のZ距離測定信号を得、第2のZ距離測定信号及び基準Z距離測定信号を処理して、印刷プレートの測定された厚さを得ること;のための指示でプログラムされる。
【0024】
プレートが、所定の経路に沿ったプレート厚さの差として符号化された情報を含み、システムは、センサからの測定信号を受信する間に、位置決め装置を所定の経路に沿って移動させること、及び、こうして受信された測定信号を処理して、符号化情報を読み取ることのための指示で更にプログラムされたシステム。
【0025】
本発明のその他の態様は、移動式調製台、又は厚さ測定システムのうちのいずれか、若しくは本明細書に記載されるシステムのうちいずれかの構成要素を含み、これは、本明細書に記載される任意の特定の実施形態に含まれるその他の詳細に限定されない。更にその他の態様は、本明細書に記載される装置及びシステム、並びに、コンピュータプロセッサ、及びそのプロセッサと通信する本明細書に記載されるシステム構成要素のうちのいずれかなどの機械によって好適な方法工程を実施するためのコンピュータ実行可能指示でプログラムされたコンピュータ可読媒体を使用する方法を含む。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1A】従来技術で既知のイメージングステーション及び露光硬化ステーションを備える例示的なプレート処理ワークフローを示す画像である。
図1B】本明細書に記載されるプレートリザーバステーション、イメージングステーション、露光硬化ステーション、及び例示的なプレート運搬システムを備える、例示的なプレート処理ワークフローの描画である。
図2】例示的なプレート処理ワークフロー中の移動の様々なステーションにおける例示的なプレート、及び、隣接するステーション間におけるプレートの移動方向を示す概略図である。
図3】ステージング領域中の例示的なマーキング上に位置決めされた例示的なプレートを示す概略図である。
図4A】イメージング装置の方を向いた露光ユニットから見た、ワークフロー中の例示的な位置における例示的なプレート取扱装置の端面図を示す概略図である。
図4B図4Aの例示的なプレート取扱装置の選択された部分の平面図を示す概略図である。
図4C】イメージング装置から見た、図4Aの例示的なプレート取扱装置の選択された部分の端面図を示す概略図である。
図4D】例示的なプロトタイプのプレート取扱装置の斜視図を示す写真である。
図4E図4Dの例示的なプロトタイプのプレート取扱装置の選択された部分の拡大図を示す写真である。
図4F図4Dの例示的なプロトタイプのプレート取扱装置の選択された部分の拡大図
図5】例示的なワークフローにおける例示的なプレート取扱システムの機能のフローチャートである。
図5】本発明の実施形態の1つ以上の態様に対応する例示的な方法における工程のフローチャートである。
図6A】バーの一方の端部における視点からの例示的なエアブレード/真空エンドエフェクタシステムの斜視図を示す写真である。
図6B図6Aの真下且つ反対側の視点から、図6Aに描写される例示的なエアブレード/真空エンドエフェクタ取付具の斜視図を示す概略図である。
図6C図6A及び6Bの例示的なエアブレード/真空エンドエフェクタ取付具中の内部ベンチュリを示す概略図である。
図7A】例示的なプレート運搬キャリッジの概略的斜視上面図である。
図7B図7Aの例示的なプレート運搬キャリッジの概略的側面図である。
図8図7Aのプレート運搬キャリッジの例示的なプレート調製面の概略的平面図である。
図9A】例示的なプレート厚さ検出システムを示す概略図である。
図9B】厚さを用いてプレートの符号化情報を測定するために採用された、図9Aの例示的なプレート厚さ検出システムを示す概略図である。
図10】例示的なプレート厚さ検出システムを示す概略図である。
図11】ドラムイメージング装置のクランプバーを制御/較正するためのプレート厚さセンサ/距離センサを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本明細書に記載される運搬デバイス、システム、及び方法は、広義には、平坦な水平の支持体表面上に置かれたフォトポリマープレートを、1つの生産プロセスから次のプロセスに移動させることに関する。プレートは、真空グリッパーエンドエフェクタ(すなわち、吸着カップ)によって把持されて僅かに持ち上げられ、好ましい構成においては、これはプレートと支持体表面との間に空気を吹くことができるだけの十分な空間を提供して、プレートと支持体表面との間の摩擦を低減するエアクッションを生成する。例示的なシステムにおいては、プレートは、リザーバスタックからイメージング装置内に移動され、イメージング後にUV露光ステージに移動され、UV露光後に洗浄処理装置に移動される。しかしながら、システムは上記の全てのステーションよりも少ないステーションを含んでもよく、また、プロセス工程ステーションの任意のセット間におけるプレートの運搬に使用可能であってもよい。
【0028】
例示的なプレート処理ワークフローを通したプレートの移動が図2に示され、これは更に、全体的なプレートの移動も概略的に描写する。図1Bは、例示的なワークフローの一部分の例示的な物理的配置を示す。プレートは、はじめに、任意選択的に、プレートリザーバスタック又はプレート取り上げ領域(例えば台212)における位置210から取り上げられ、矢印1の方向にマーキングされたステージング位置220へと移動される(マーキングについては本明細書で後述する)。ステージング位置220から、プレートは、矢印2の方向にイメージング装置(図1Aに示されるイメージング装置110に類似していてもよい)内の位置230へと移動され、プレートは、イメージング装置によって矢印3の方向に排出されると、再びステージング位置220内に配設される。続いてプレートは矢印4の方向に、UV露光ステーション(図1Aに示される露光ユニット120に類似していてもよい)などのフォトポリマー硬化ステーション内の位置240へと運搬され、続いてプレートは矢印5の方向に、プレート洗浄処理装置ステーション内の位置250であってもよい次のステーション、又は洗浄前投入領域へと運搬され、ここでプレートが打ち抜かれ、その中に洗浄ステーションを通して運搬システムで使用するためのピンが配置される。
【0029】
かくして、本明細書に記載されるシステムは、以下のプロセス工程のそれぞれを実行するために使用され得る:
・未処理のプレートをリザーバスタック210から矢印1の方向に取り上げる工程;
・プレートを矢印2の方向にイメージング装置230内へと供給する工程;
・プレートを矢印3の方向にイメージング装置230から取り出す工程;
・プレートを矢印4の方向にUV露光ユニット240へと供給する工程;及び
・プレートをUV露光ユニット240から矢印5の方向に洗浄処理装置250へと供給する工程。
【0030】
一実施形態では、当技術分野において周知される一列の真空グリッパーエンドエフェクタ(すなわち、吸着カップ)は、プレートを、移動方向に直交して位置合わせされたプレートに隣接する縁部の頂面から取り上げる。図2の太い黒線260、262、264は、プレート表面上の把持領域に隣接したプレートの縁部を示し、例示的実施形態では、ここで吸着カップがプレートを取り上げる。したがって、例えば、縁部260は、Y方向の矢印2の方向にイメージング装置内へと移動するときはプレートの後縁部であり、Y方向の矢印3の方向にイメージング装置外へと移動するときはプレートの先縁部である。同様に、縁部262は、図2に示される位置におけるプレートリザーバスタックからX方向の矢印1の方向に移動するとき、及び位置220から露光ユニット240までX方向の矢印4の方向に移動するときは、プレートの先縁部である。
【0031】
硬化していないプレートはLAMS層中で吸着カップによって破損しやすく、これがプレート表面を反らせて、その結果、プレート表面中に留まり、反りの同じ位置にLAMS層のマスク開口部がある場合は印刷に転写され、そのため硬化工程によりプレートが反った構成に恒久的に固定される場合がある。したがって、吸着カップが適用される位置においてはイメージ情報を避けることが理想的であり、つまり、吸着カップによって接触されるプレートの持ち上げ領域は、プレートの関連する縁部に可能な限り密接しているべきである。プレートの移動に必要な力を低減するために、圧縮空気を、好ましくはプレートの持ち上げられた縁部と支持体表面との間に吹き付けてエアクッションを生成し、これがプレートと支持体表面との間の摩擦を低減する。プレート取扱システムによりプレートの完全な持ち上げは、最小限である(空気をプレートの真下で吹き付けて摩擦を低減するエアクッションを生成させるのに十分であるが、この目的に必要なものを超えない)ことが好ましい。一般に、約2mmのZ方向持ち上げ距離が十分であり得る。
【0032】
真空エンドエフェクタの形状はいかなる特定の形状にも限定されず、例えば、本質的に円形、正方形、矩形、又はほぼ直線状であってもよいが、これらに限定されない。円形のエンドエフェクタが示されているが、本発明はいかなる特定の幾何学的形状にも限定されず、その他の形状(取り上げ領域に隣接したプレートの縁部に平行な長縁部を備える矩形形状など)を用いて、プレート取扱装置と相互作用するための非イメージング表面を提供するためにプレートの縁部周辺に求められる非イメージング領域の全体マージンを最小化することができる。しかしながら、円形のエンドエフェクタの場合、特に、そこからプレートが把持されるプレートの縁部に隣接するエンドエフェクタの縁部において力がより均等に分布されるため、円形のエンドエフェクタが一般には好ましい。例えば、矩形のエフェクタを用いてプレートをy方向に移動させる際の保持力は、プレートの縁部260と平行なエフェクタの縁部においてと、縁部262と平行なエフェクタの縁部においてとでは異なる。矩形のエンドエフェクタの比較的長い側面が、プレート縁部と平行に位置合わせされる場合、プレートを側面260で把持することは、側面262から把持する場合よりも小さなy-移動のための保持力を提供する。図面には4つの真空エンドエフェクタが示されているが、本発明はエンドエフェクタの任意の数に限定されない。それぞれ50×80及び35×48インチの寸法を有するプレートを持ち上げるように構成された例示的な実施形態では、20~25インチの距離にわたる線形構成で均等に離間配置された、直径2分の1インチなどの1インチ未満の直径を有する4つの円形エンドエフェクタが、適切な持ち上げ特性を提供したことが判明した。本明細書に記載される実施形態は、いかなる特定のサイズのプレートのための使用にも限定されず、42×60及び25×30インチサイズなどのその他の標準サイズが挙げられるがこれらに限定されない任意のサイズの既知のプレート又はその一部に関連して使用するのに好適であり得ることを理解されたい。
【0033】
イメージング装置取り入れ口に対する、且つ露光ステーションの終了段階でプレートに孔を打ち抜く(洗浄処理装置を通した運搬のために)打ち抜き具に対するプレートの正確な配向は重要である場合が多い。打ち抜き工程(プレートのプレート隣接後縁部262の頂面から底面まで打ち抜く)においてプレートが好ましい配向に角度付けされない場合、プレート材料は、孔(及び後に孔に挿入されるピン)を不十分にしか包囲できず、したがって、プレートはピンに対して十分に固定され得ない。打ち抜き工程は、典型的には、プレート洗浄処理装置の入口に隣接して位置する打ち抜きステーションで実施される。したがって、関連するプレート縁部を、この工程でプレートに孔を打ち抜くピンの列と平行にして正確に位置合わせさせることが好ましい。同様に、ドラムイメージング装置は、プレートを受容して、クランプを用いてプレートの先縁部268を把持するように構成される。イメージング工程は、クランプ内での先縁部の正確な位置合わせから利益を受け、その結果、イメージングされた情報はプレート上で適切に位置合わせされる。
【0034】
したがって、最適なプレート取扱システムは、好ましくは1mm以内の許容誤差で、プレート及び吸着カップを非常に正確に位置決めすることができる。図2に示すように、取扱システムは、プレートを移動させてイメージング装置及び露光ユニットの平台に出し入れするために、ステージング位置220によって画定された平面に沿って、プレートを2つの方向(X、Y)に移動させる。最初にイメージング装置によって受容される縁部268及び最初に洗浄ステーションによって受容される縁部262の両方の位置合わせのために、X及びY軸の両方に対して平行な位置合わせは不可欠である場合がある。プレートの関連する縁部と両方の軸との平行位置合わせを促進するために、プレート取扱ユニットは別の自由度を有する。
【0035】
例示的なプレート取扱装置の実施形態500及び600を図4A~4Fに示す。図4A~4Cは、本明細書に記載される例示的なシステムの様々な構成要素を示す、縮尺通りには描かれていない例示的実施形態を示す概略図である。一部の要素は全ての図に示されているが、その他の要素は乱雑さを低減するために一部の図からは省略されている。図4D~4Fは、本発明の様々な態様が実施化され得る多くの方法のうちの1つを示す、例示的なプロトタイプの実施形態600の写真である。図4A~4Fに共通の要素は、同じ要素番号が付与されているが、図4A~4Cに示される概略的機構は、任意の数の方法で具体化することができ、プロトタイプ600に示す通りである必要はないことを理解されたい。
【0036】
例示的実施形態に示すように、一列の真空エンドエフェクタ512(吸着カップ)を備えるバー510は、電動式回転ステージ514に装着される。真空エンドエフェクタ512は、エンドエフェクタの状態を、真空を引くもの又は真空を引かないものとして制御するために任意選択的に制御バルブ(図示せず)を介して制御される真空源820に接続される。真空エンドエフェクタ及びその制御は当該技術分野で周知されており、特定の設計については本明細書ではこれ以上詳述しない。回転ステージ514は、Y方向の移動を提供するように構成されたYリニアステージ516上に装着され、キャリッジ518はX方向に沿って移動し、またZ方向に上下移動するようにも構成され得る。回転ステージ514はまた、いくつかの実施形態では、吸着カップを備えるバーをプレートまで下ろし、続いてプレートをZ方向に持ち上げるZ並進機能を提供し得る。回転ステージ514は、例えば、バー510が接続されたバー装着プレート550を備え得る。一実施形態では、バー装着プレート550は、Z方向に並進し、またZ軸を中心に回転することも可能な、並進可能且つ回転可能ハブ520に接続される。図4D~4Fに示す実施形態では、ハブ520は、Z軸に沿って回転するようにのみ構成され得る。Z並進は、図4Fに示すように、運搬装置によってカバーされるワークフロー部分にわたって延在するレール580上を通るように構成されたキャリッジ582と、キャリッジ518の片持ち部分584と、の間に垂直に配設されるZ並進ステージ581によって達成され得る。Zステージは、制御システムドライバ、ソレノイド、リレー、プロセッサ(又は処理システムの一部)、及びプレート取扱システムの様々な構成要素を接続する配線のうちのいずれかも収容することのできる筐体586内に配設され得る。
【0037】
上述したように、プレート上における吸着カップの正確な位置決めは、複数の理由から望ましく、そのため、プレート縁部の位置を正確に判定することもまた望ましい。例示的な一実施形態では、図3を参照して更に説明する通り、ステージング位置220中のマーキングと相互作用するセンサは、4つの位置に対するプレート縁部の位置を測定する。図2と比較すると、図3は、縁部268を図3のページの頂部に面して配向された、ステージング位置220におけるプレート400の平面図を概略的に示す。
【0038】
好ましい実施形態では、それぞれプレートとステージング位置中のマーキングとの間の反射率の変化を検出するように構成された1つ以上のコントラストセンサ560(図4B及び4Eに示されるが、乱雑さを低減するために他の図では省略されている)は、位置を判定するために用いられる。例示的実施形態では、複数のリフレクタストリップA1、A2、B1、B2が、図1Bに示されるガラス支持体表面114などの透明又は半透明の支持体表面の底面に貼り付けられる。好適なコントラストセンサとしては、例えば、Wenglor Laserコントラストセンサ(部品番号YM24PAH2ABF)が挙げられる。本発明は、任意の特定のセンサの種類、コントラストセンサの種類、又は操作の波長に限定されない。しかしながら、コントラストセンサは、典型的には、特定の波長又は波長のバンドに集束したレーザビームの形態などの放射線を発信し、反射光の量を測定するため、フォトポリマーの硬化又はLAMS層のアブレーションが起きないように、センサによって用いられる放射線の波長及び強度は最適に選択される。
【0039】
本発明は、ワークフローの一部又は全部で透明又は半透明の支持体表面を備える実施形態に限定されない。不透明の支持体表面の使用は、本明細書で説明するように、支持体表面上にマーキングされたストライプを用いることなく不透明の支持体表面とポリマープレートとの間の差異を直接検出可能なコントラストセンサを使用することができるなどの特定の利点を提供し得る。
【0040】
図3の線A1、B1、A2、及びB2は、コントラスト測定のための例示的なマーキングを備える。支持体表面が、ガラス、又はセンサの放射範囲に対して透明なその他の材料から製造されている実施形態では、ストライプを支持体表面の底部側に取り付けることができる。図4Bに概略的に示されるように、センサは、Yリニアステージ516に対して固定され、その結果、プレート取扱装置のその他の要素と共にX及びY軸内で移動可能であるが、Z軸に沿って回転又は並進しないような方法でプレート取扱装置に接続されることが好ましい。X方向に対するプレートの平行度は、ストライプA1及びA2をスキャンすることによって測定される(例えば、A1の長さがA2よりも大きい場合はいくらかの調整が必要である)。ストライプB1及びB2をスキャンすることによって、運搬方向(X)におけるプレートの開始位置及び終了位置に関する情報が提供される。ストライプB1及びB2は、部分B1と部分B2との間に間隙のない連続的なストライプであってもよく、或いはB1及びB2のそれぞれは、そのためにシステムが設計された任意のサイズのプレートが非ストライプ部分を遮断すると予期される位置で終端してもよい。A1及びA2は、プレートの予期される縁部268の付近で、又はそのためにシステムが設計された任意のサイズのプレートが任意の非ストライプ部分を遮断する中央位置で、同様に終端してもよい。例示的な一実施形態では、スキャンは、A1、B1、A2、B2の順序で実施してもよい。
【0041】
一実施形態では、プレートは、オペレータによって、又は現行のプレート取扱システム(若しくは何らかのその他のプレート取扱システム)の先行する工程によって、ステージング位置220上に配置されてもよい。コントラストセンサ560は、必要に応じて、プレートを4つの位置に対してスキャンし、プレートをストライプに対して配向するのに必要な調整を計算し、プレートを取り上げ、プレートを回転及び並進させる。一実施形態では、プレートの配向は、プレートの把持領域隣接縁部260を把持し、プレートの位置を調整することによって実施される。この調整工程は、プレートがイメージング装置のドラム上でクランプによって適切な配向で係合されることを保証するために、イメージング装置に対するプレート受容位置内にプレートを移動させる前に実施してよい。例えば、プレートが人間オペレータによってイメージング装置に投入される実施形態、又は、イメージング装置内の配向が、洗浄ステーションの上流にある打ち抜き工程における配向ほど重要でない実施形態では、プレートをイメージング装置に投入する前の配向の調整は必要でない場合がある。プレート配向調整工程は、プレートがイメージング装置から排出されるとき、好ましくはプレートがイメージング装置から完全に引き出される前に、代替的に又は追加的に実施されてもよい。例示的なイメージング装置は、自動的にプレートをステージング領域220の支持体表面に降ろすことはできるが、プレートを支持体表面上へ完全に押し出すことはできない(これは、プレート取扱システムがプレートをイメージング装置から特定の距離(図2の矢印3によって示されるY方向に)引くことが必要となる)。したがって、プレートを取り上げる直前に、プレート取扱装置は、マーキングに対するプレートの配向を評価し、それに応じて、プレートの配向に基づき吸着カップの位置を調整し、プレートを取り上げ、且つ、縁部260に隣接する把持領域からプレートを落として、プレート隣接縁部262をX方向に移動させるために再び取り上げる前にプレートを正確に位置合わせすることができる。更に別の実施形態では、配向工程は、プレートをイメージング装置隣接縁部260から引く工程とプレートを縁部262から再び取り上げる工程との間で、プレート取扱装置によって追加的な又は代替的に実施されてもよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、イメージング装置の投入、イメージング、及び排出プロセスは、イメージング装置に投入する前の単一の配向工程で十分となり得るように、十分に信頼性があり得る。しかしながら、好ましい実施形態では、プレート取扱システムは、エンドエフェクタでプレートを把持してイメージング装置から引き抜く前に、センサを用いて、ストライプA1及びA2に対するプレートの縁部260を検出する。この縁部検出情報は、A1及びA2に対するプレートの平行度を調整するために十分な情報を提供するため、システムは、プレート隣接縁部260を落とす前に、又はプレート隣接縁部262を取り上げた後で、任意の必要な回転を実施することができる。センサは、プレートを持ち上げて硬化ステーションまで運搬する前にエンドエフェクタを正しい位置に配置するために、B2に対する縁部262の位置を検知することにも使用することができる。プレートの端部が予期される位置にあることを保証するために、センサが各取り上げ工程の前に用いられてもよく、或いは、取扱システムが、プレートの予期された(又は測定された)サイズ、及びプロセス中で予め測定された位置に基づいて、保存された情報に把持領域の位置を頼ってもよい。
【0043】
プレートをイメージング装置内へと、及び/又はイメージング装置から出るように配向するためのステージング領域220としての役割を果たすガラス支持体表面114を有するイメージング装置110に対する例示的なプレート取扱装置の例示的な配向が図1B、2、及び3に示される。反射テープのストライプA2及びB2形態のマーキングは、ガラス114の底面に貼り付けられる。様々な導管(図示せず)を介して加圧空気源800に接続され、1つ以上のバルブ(これも図示せず)によって制御されるエアブレード570は、真空エンドエフェクタ512に隣接して位置決めされ、且つ、空気がプレート400の真下でプレートから反対側の真空エンドエフェクタの位置からの方向に吹かれるように向けられて示されている。エアブレードの動作及びその制御は当該技術分野で周知されており、1つの例示的な非限定的実施形態に関するものを除いて本明細書ではこれ以上詳細に説明しない。エアブレード570は、バー510に対して固定構成でプレート取扱システムに接続されており(示される通り、バー装着プレート550に固定されている)、そのため、エアブレードは真空エンドエフェクタに対して定位置に留まる。好ましい実施形態では、真空エンドエフェクタは、エアブレードと固定された関係でZ方向に移動し、エアブレードは、既知のプレート厚さの場合に、プレートとプレートが置かれた表面との界面で空気を誘導する位置及び角度に配設されている。エアブレードと真空エンドエフェクタとの間の関係はまた、様々なプレート厚さに対して調整可能である。エアブレードは、装着プレート550及びバー510と共に回転するため、常にプレートに対してエンドエフェクタの「後ろ」から向けられる。したがって、回転ステージ514は、プレート取扱装置がプレートを押しているか引いているかに関わらずエアブレードが所望の位置にあるように、ハブ520を回転させる。エアブレードを備えるシステムは、表面を摺動して、そのため吸着カップによる把持力を作用させる必要があるプレートの摩擦を低減するのに好ましいが、エアブレードを備えない実施形態も提供されてよい。乱雑さを低減するために、その他の図面にエアブレードは概略的に示されていない。
【0044】
図6A~6Cに示すいくつかの実施形態では、各真空エンドエフェクタ512は取付具900を介してバー510に接続されてもよく、この取付具はエアブレード570としての役割も果たす。したがって、エアブレードのノズルはエンドエフェクタに直接接続され、固定された関係で共に移動する。エアブレードは、ポリマープレートが持ち上げられるとこれらが空気をポリマープレートと支持体表面との間の間隙に誘導するように位置合わせされる。好ましい実施形態では、空気は、ポリマープレートがX又はY方向に移動される前にエアブレードを通して誘導される。空気ホース910はエルボコネクタ912を介するなどして取付具900に接続し、また、好ましくは、それぞれのエアブレードに接続されたホースが接続する共通のマニホールド(図示せず)を介して、空気供給源800(図4A及び6Cに概略的に示される)に接続される。エアブレード570は、取付具900内に、空気ホース910と連通するベンチュリノズル924の出口であり得る出口922を備え得る。エアブレード570は、真空エンドエフェクタがプレートと接触すると、空気914をプレート400の底部とプレートが置かれる表面114との間の領域に向けて誘導するように構成される。示される実施形態では、ベンチュリ924ノズルの狭い部分950を通して移動する空気914がベンチュリ効果を生じさせ、これは接続されたエンドエフェクタ512を通して空気をノズルに引き込み、ひいてはエンドエフェクタに真空を生成する。図6A~6Cに示されるエアブレード570の実施形態は、多くの代替案を有する一つの実施形態に過ぎないことを理解されたい。その他の実施形態では、取付具900は、真空ホース(図示せず)を介して、真空ポンプなどのエアブレード取付具と一体化されていない真空源に接続され得る。マニホールド、導管、コネクタなどを含む一体型又は別個のシステムのいずれかでの真空及び空気を提供するための様々なシステムが既知であり、本発明の実施形態は、当該技術分野で既知の任意のシステムを非限定的に含むことができ、そのシステムについては本明細書でこれ以上詳細に説明しない。
【0045】
図4Aに示すように、キャリッジ518は、好ましくは、ワークフローのステーション(例えば図2に示すように210、220、240、及び250)間の必要な距離を延在するレール580上を通る処理ワークフローの片側から片持ち状である。片持ち状の設計により、矢印2及び3(図2に示される)に沿ったY方向におけるイメージング装置230とステージング領域220との間のプレートの移行を妨害する垂直の支持体が不要になる。そのため、図1Bの例示的なシステムを参照すると、レール580は、イメージング装置230のスリット112の反対側のステージング表面114の側に位置している。
【0046】
図4D~4Fに示すプロトタイプ600は、Yリニアステージ516をY軸に沿って移動させるための例示的なメカニズムも示す。図4Eで最も良く示されるように、Yリニアステージ516は、キャリッジ518のレール612上を通り、且つリニア位置決め装置システムに関連して当該技術分野で既知であり、また、Yリニアステージを所望の位置に正確に位置決めするように構成されているステッピングモーター(図示せず)によって操作される歯形ベルト614によってレール612に沿って移動される一対のローラー610を備える。同様に、キャリッジ518は、図4D~4Fに示す実施形態では、ステッピングモーター(図示せず)によって駆動される歯車とインターフェースする歯付ラック形態のレール580に沿った所望の位置にステージを正確に位置決めするように構成されたリニア位置決め装置を備えてもよい。同等の作業性を提供するための多くの代替物が当該技術分野で周知されているため、本発明は、所望の自由度、正確度、及び繰り返し精度で様々な方向に移動を生じさせるためのいかなる特定の実施形態にも限定されない。
【0047】
図4D及び図4Fに示すように、システムの様々な構成要素が、様々なワイヤ620を介して(又はワイヤレスで)、プレート取扱システムの任意の電動構成要素と共に電源640に接続された制御システム630に接続され得る。プレート取扱システムに対する電力の一部又は全部が制御システムを通ってもよく、システムのいくつかの部分は電源から直接電力を供給されて、コントローラが可動部品の様々な機能を制御する様々なスイッチ、リレーなどに指示を送信させてもよい。制御システム630は、当該技術分野で既知の任意の種類の1つ以上のコンピュータプロセッサを備えてもよく、また、プロセスワークフローステーションの物理的位置でローカルに装着された構成要素、及び遠隔に位置し、ワークフローステーションと共にローカルに位置する構成要素にワイヤを介して又はワイヤレスに接続された構成要素を備えてもよい。プロセッサは、本明細書に記載されるシステム構成要素の様々なドライバに接続され、且つコンピュータメモリ内に収められた本明細書に記載される様々な機能を生じさせるための機械可読指示でプログラムされている。ユーザインターフェース650(図1Bに示される140、142などのタッチスクリーンなど)は、実施されるシステムの様々な機能を人間オペレータが選択することを可能にし得る。プロセスは、少なくとも操作のいくつかのモードにおいてはオペレータの注意の必要性を最小化するために完全自動化されてもよいが、操作の他のモードにおいては各機能をトリガするために人間オペレータとコンピュータプロセスとの相互作用が望ましい場合がある(機器を整備するためのモードなどにおいて)。例示的なユーザインターフェースにおいては、システムが実行可能な様々な機能を列挙する選択肢のメニューを人間オペレータのディスプレイ上に表示することができ、オペレータはディスプレイのタッチスクリーンを相互作用式に使用して、どの機能をトリガするかを選択することができる。あるいは、システムが自動的に協調的な方法でワークフローの様々な他の部分と相互作用する自動化モードをユーザが選択できてもよい。例えば、本明細書に記載されるシステムにおいては、プレート取扱システムを使用するための方法工程及びプログラムされた機能としては、図5のフローチャートに示される通り、以下が挙げられ得る:
a)工程700において、プレートをプレートリザーバからイメージング装置のステージング領域まで移動させる(例えば、引く)こと;
b)工程710において、イメージング装置のステージング領域中の検知されたマーキングに対するプレートの配向を点検及び/又は修正すること;
c)工程720において、プレートをイメージング装置の投入位置まで移動させる(例えば、押す)こと;
d)工程730において、プレートイメージング装置からステージング領域まで移動させる(例えば、引く)こと;
e)工程740において、プレートをステージング領域から露光ユニット上の露光位置まで移動させる(例えば、引く)こと;並びに
f)工程750において、プレートを露光ユニット上の露光位置からワークフロー中の次の位置まで移動させる(例えば、押す)こと。
【0048】
ワークフロー中の次の位置は、当該技術分野で既知の任意の操作であってよいが、例示的なプロセスにおいては、次の位置としては、プレート運搬システムのためにピンを挿入するためのプレートの孔が打ち抜かれる打ち抜きステーションが挙げられ得る。続いてピンが孔に挿入され、当該技術分野で既知の方法でプレートに締結され、続いて、洗浄ステーション運搬システムが後続の工程でピンを用いてプレートを移動させてもよい。打ち抜きステーション及びピン投入ステーションが同じ位置にない実施形態では、本明細書に記載されるプレート取扱システムは、プレートを打ち抜きステーションからピン投入ステーションまで移動させるために使用されてもよく、また、ピンが挿入及び締結されるまでプレートの把持を維持してもよい。
【0049】
システムは、ワークフローの様々な部分で複数のプレートを同時に取り扱うことが可能であってもよく、つまり、図5に示す工程700~750は、各プレートに対して連続的に実施され得るが、システム自体は複数のプレートに対して工程を順番に反して実施することができるということを理解されたい。例えば、システムは、第1のプレートに対して工程700、710、720、730、及び740のそれぞれを実施し、続いて第2のプレートに対して工程700、710、及び720を実施してもよい。第1のプレートに対する露光工程が完了した後のある点で、プレート取扱システムは、続いて第1のプレートに対して工程750を実施してもよく、その時点でシステムは第2のプレートに対して工程740を実施するために利用可能である。第2のプレートに対して工程700、710、及び720を実施し、第1のプレートに対して工程740を実施した後の任意の時点で、第2のプレートに対して工程730を実施してもよい。第2のプレートに対して工程740を実施した後で、ワークフローは、プレート取扱装置が第3のプレートに対して工程700、710、720、及び730を実施するのを可能にするための空き地を有する。
【0050】
コントローラは、各プレートの最後の位置を記憶するように構成されてもよく、ユーザインターフェースは、システム中の各プレートの概略的な位置、及び人間オペレータが選択するための次の工程を表示してもよい。ユーザインターフェースは、ワークフロー中で遮断するプレートのために実施を許可されない任意の工程の実施を無効化するようにプログラムされてもよい。例えば、第1のプレートがイメージング装置内にある場合は、コントローラは、工程730が第1のプレートに対して実行されるまで(又はユーザが、第1のプレートが他の場合では許可されていたことを示す機能を選択してオーバーライドするまで)、第2のプレートに対する工程700、710、及び720の実施を無効化してもよい。システムの操作は、方法工程の実施を管理するためにプロセスステーションの間で様々なセンサ及び通信を使用して、人間オペレータの介入のないように完全に自動化されてもよいが、典型的なワークフローは、人間オペレータがプロセス中に各工程の実施をトリガする相互作用を含む。
【0051】
システムは更に、プレートを切断ステーションに移動させることなどの、本明細書で論じられていないその他の工程を実施することが可能であってもよい。システムは更に、プレートがステージング領域にあるときに、ワークフローの任意の点で、オペレータがプレート配向修正工程710の実施を開始することを許可してもよい。主に、イメージング装置に隣接する位置におけるマーキングされたステージング領域に関して説明したが、プレートの配向を修正するためのマーキングされたステージング位置は、ワークフロー中の他の位置にあってもよいことを理解されたい。センサは、プレートが完璧に配向されており、配向の修正又は変更が必要ないことを検出できるため、工程710は、プレートの配向の点検及び/又は変更を反映する。これは、プレートをイメージング装置内に投入する前に配向工程が実施され、イメージング装置が元のプレートの配向を乱さない実施形態で特に当てはまる場合がある。システムは、プレートを活発に移動させていないときは、中立の休止位置で静止し、且つ、何らかの他の位置に移動するとの命令がない場合は、プレートを指示された位置に置いた直後に中立の休止位置に戻るように構成され得る。中立の休止位置は、ワークフローの他の可動部品のいずれかを妨害しない任意の位置を含み得る。例えば、中立の休止位置は、プレート取扱装置が、UV露光システムの可動部品の移動範囲を妨害しないように、且つイメージング装置から排出されるプレートの移動範囲を超えて、理想的に位置している。休止位置は可変の位置であり得、また、プログラムされた指示に基づき、又は機械学習により、プレート取扱装置が行くように指示されると予期する次の位置に最も近い場所であるとコントローラによって予想され得る。
【0052】
最後に、示される例示的な構成に必要な最小数の自由度を提供するために、様々なリニア及び回転ステージを含む特定の実施形態の図面には示されているが、より多くの自由度との組み合わせを含む当該技術分野で既知の構成要素の任意の組み合わせを用いて、所望の移動を提供するためのその他の構成も考案され得ることを理解されたい。例えば、幾何学的に限定された移動範囲及び4つのみの自由度を有するとして示されるようなリニア及び回転ステージを備えるシステムの代わりに、所望の移動範囲を提供するために、6つの自由度を有するロボットアームが好適なエンドエフェクタと共に提供され得る。必要な機能範囲を提供する任意のシステムが、プレート取扱システムとしての使用に好適であり得る。
【0053】
本明細書のいくつかの実施形態では、プレートを引く(移動中にプレートの先縁部から持ち上げる)又は押す(移動中にプレートの後縁部から持ち上げる)ものとして記載されているが、いくつかの工程(例えば工程740)では、押すことを引くことで置き換えてもよく、又はその逆も同様であり得ることを理解されたい。その他の工程(例えば、ステージング領域のイメージング装置入力部とは反対側から片持ちされたキャリッジ518を備えて示される構成の工程720)は、特定の種類の移動(押すこと)を必要とする場合がある。更に、イメージング装置、露光ユニット、プレートリザーバに関して本明細書で記載される相対的位置は好ましい相対的位置であるが、本発明はいかなる特定の構成にも限定されないことを理解されたい。
【0054】
本明細書に記載されるプレートリザーバは、個々のプレートがシステムによる取り上げのために人間オペレータによって置かれる位置であってもよく、又は複数のプレートをスタックで保持するように構成されたリザーバであってもよい。参照により本明細書に組み込まれる「METHOD AND APPARATUS FOR LOADING AND UNLOADING FLEXOGRAPHIC PLATES FOR COMPUTER-TO-PLATE IMAGING」と題する米国特許第6,981,447号に記載される例示的な1つのスタックされたシステムにおいては、システムは、Z方向に移動可能であり、且つ次のプレートをプロセスワークフローのステーションの残りと同じ平面上でスタック内に位置決めするように構成された支持体表面を備える。こうした機能は、プレート取扱装置のZ並進構成要素のZ方向に必要な全体的な移動範囲を最小化させる。いくつかのワークフローは、工程700を実施するためにプレート取扱装置を全く使用しない場合があり、プレートをステージング領域上に配置することを人間オペレータに依存する場合があることも留意されたい。
【0055】
移動式調製台又はキャリッジ
フレキソ印刷のプレート生産においては、オペレータは、典型的にはポリマープレートをプレート処理システムに供給する。プレート処理システムは、通常はプレートイメージング装置から始まり、UV硬化ユニット、及び硬化していないポリマーを除去するためのプレート処理装置に続く。イメージング装置がプレートのイメージングを完了したらすぐに、プレートは典型的には次のプロセス工程に移動し(本明細書の他の箇所に記載される運搬システムを用いるなどして)、オペレータはイメージングするべき次のプレートを供給する。本明細書に記載されるプレート運搬システムは、プレートをイメージング装置から硬化ステーションまで自動的に移動させるように構成されているが、システムに新しいイメージング準備の整ったプレート(ready-to-image plates)を供給することは、一般には、費用効果の高い自動化の範囲外である。典型的には、多種多様なプレートの種類及びプレートの厚さが、プレート処理室から物理的に分離されたプレート貯蔵室に貯蔵されている。イメージングされるプレートの種類はジョブごとに頻繁に変わるため、人間オペレータは、典型的には次のプレートを貯蔵庫からイメージング装置に供給する任務を負う。
【0056】
イメージング装置が次のプレートを待つ時間は機器の総合効率を低下させるため、イメージング装置が前のイメージングされたプレートをUV硬化ユニットに送達して、次のプレートをイメージングする準備が整ったまさにその時点で次のプレートの準備を整えることは、最適化の利点を提供し得る。このタスクを優先することは、オペレータが他のタスクを実施する柔軟性を低下させ得る。
【0057】
時に、オペレータは、誤って間違ったプレートをイメージング装置に送達する。既にプレートが印刷プレス上にある時までこのミスが認識されない場合、これは効率を低下させ、コストを増加させる。多くの場合、こうしたミスは、完全に処理されたプレートをプレスまで移動させる前に品質保証(Quality Assurance、QA)工程に認識され、プレートの無駄及び無駄となった生産能力の性質を帯びた追加コストを生じさせる。したがって、プレート供給システム及び方法の改善は、人間オペレータにその他のタスクに対するより多くの柔軟性を提供し、処理装置のアイドルタイムを最小化させ、オペレータのミスの可能性(likehood)を低減させる。
【0058】
こうした改善を提供する1つの方法は、運搬台をプレートのワークフローに統合して、その結果、台をイメージング装置、UV露光、及びプレート洗浄ユニットからなるプレート処理システムの構成要素とすることである。したがって、本明細書に記載されるプレート取扱システムの実施形態は、フレキソ印刷ポリマー印刷プレートを運搬し、且つ、システムに対して機械的及び電気的に接続するように構成されたプレート投入台又はキャリッジとの相互作用から恩恵を受けることができる。
【0059】
印刷プレートを、プレート処理装置とのインターフェースに、且つインターフェースから運搬するための例示的な移動式調製台又はキャリッジ1000(本明細書では「プラットフォーム」、「ステージング領域」、「台」、及び「キャリッジ」が同じ意味で用いられ得る)を図7A~7Bに示す。様々な例示的な機構も図8~10に示す。プレート処理装置との例示的なインターフェースを図1Cに示す。
【0060】
キャリッジ1000は、フレームと、フレームに取り付けられ、床面に沿って回転するように構成された複数のホイール1006a、1006b、1006c(第4のホイールは図面では見ることができない)と、を有する基部1002を備える。図7A及び7Bに示す実施形態では、フレームは、それぞれ水平のホイールフレーム1007に取り付けられた2つの垂直ライザ1005を含み、向かい合ったホイールフレームが交差ブレース1009によって互いに接続されている。ブラケット1008は、各垂直ライザ1005a、1005bを対応するホイールフレーム1007a、1007bに接続し、ブラケット1111は各ホイールフレームと交差ブレース1009との接続を強化する。プレート1050を受容するための平面状の調製面1010は、ヒンジ1014(例えば、バレルヒンジメカニズム)を介して基部フレームの垂直ライザ1005に枢動可能に取り付けられた上部フレーム1012を含み、ヒンジ1014は、プレート調製面が床面に対して平行である第1の水平位置(図7Bに実線で示される)と、プレート調製面が第1の位置に対して鋭角で配設された第2の最大傾斜位置(上部が削除され、破線で示されると、の間の矢印Pに沿った角度範囲内での平面状の調製面フレーム1012の枢動を促進するように構成されている。
【0061】
1つ以上の物理接続インターフェース1020は、基部をプレート処理装置に対して定位置で機械的に固定するように構成される。物理接続インターフェース1020は、ドッキングしたときに台の位置をイメージング装置投入領域に固着させるロックを備え得る。ロックは、機械的、電気的、磁気的、又はこれらの組み合わせで動作することができる。こうした接続インターフェースは、片側又は両側に存在してもよいが、具体的には少なくとも処理装置に当接することが予期される任意の側(図1Cのキャリッジの右側など)に存在する。プレート処理システムにドッキングしていないとき、台は、フレキソ印刷プレートをプレート貯蔵室とプレート処理システムとの間で運搬するように構成される。台は、狭いドアを通るために水平位置から直立又はほぼ直立位置に傾斜するように構成される。本明細書で更に論じられる統合プレートサイズ測定、及び切断手段などの追加的機能も提供され得る。
【0062】
図1Cに示す実施形態では、キャリッジ台天板の側部1060は、イメージング装置110に当接する側面上でイメージング装置の投入領域と重なり合って、自動プレート取扱装置500がプレートを取り上げ、イメージング装置の投入領域上まで完全に引くことを可能にするように構成される。別の実施形態では、台天板は、投入台の縁部と重なり合わず、且つそれと近接しており、台天板の高さは投入台よりも高い(例えば数ミリメートル)。本明細書に記載されるキャリッジは、本明細書に記載されるプレート取扱システムを備える又は備えない処理システムと共に使用することができるが、上記の自動プレート取扱装置を有するシステムと共に使用される場合、処理システムは、プレート取扱装置がキャリッジ上の準備位置に位置決めされたプレートの縁部に到達できるように構成される。例えば、図1Bのレイアウトは、固定台212の長さを延在するレール580上を通るプレート取扱装置500を示しているのに対して、移動可能なキャリッジ1000と共に使用するための図1Cのレイアウトは、イメージング装置の縁部で、又はこれに隣接して終端するレールを有し得る。別の実施形態では、台と処理システムとの間のインターフェースは、レールの自立部分が延在してキャリッジの全範囲にわたるプレート取扱装置のリーチを提供し、キャリッジの形状及びその物理接続が、キャリッジがレール及びイメージング装置に対する定位置に運び込まれるように構成されるように、配向されてもよい。キャリッジ1000は、ドッキングポジション(破線)に至る破線矢印Dに沿ってドッキング位置まで移動されて、ここで機械的接続1020によって物理的に所定の位置に保持される(基部の図7Bに示す側面とは反対側に配設される)ように構成される。
【0063】
複数のホイールのうち1つ以上は、ホイールの回転を阻むための停止メカニズム1016を備える。複数のホイールの第1のペア(例えば、ホイール1006c、及び対応する位置でホイールフレーム1007bに取り付けられたホイール(図示せず))は、各ホイールが床に対して平行な第1の共通水平軸H1を中心に回転するように構成される配向でフレームに固定され得る。複数のホイールの第2のペア(例えばホイール1006a、1006b)は、各ホイールが、床に対して平行な個別の水平軸H2、H3を中心に回転するように構成され、且つ床に対して垂直の第2の軸V1、V2を中心に自由に枢動できる配向で、フレームに枢動可能に取り付けられ得る。
【0064】
図7A及び7Bに示される台は、平面状の調製面を水平位置と最大傾斜位置との間で移動させるためのメカニズムを含む。第1の機械的停止部1022は、天板が水平位置にあるときに角度範囲を超えた平面状の調製面の枢動を制限するように位置決めされ、第2の機械的停止部1024は、天板が最大傾斜位置にあるときに角度範囲を超えた平面状の調製面の枢動を制限するように構成される。各停止部は、調製面フレーム1012に、基部1002に、又はこれらの組み合わせに取り付けられた部材を備え得る。停止部は、好ましくは、頑強なクッション性部材(例えば本物の又は合成のゴム)を備える。スプリングダンパ部材(例えばガススプリング)1026は、基部フレームに接続された第1の端部1027と、平面状の調製面フレームに接続された第2の端部1028と、を有する。表面1010の前縁部1031に隣接した平面状の調製面フレーム1012に接続されたハンドル1030は、人間ユーザがフレーム1012に接触する必要なしに、ユーザが平面状の調製面を水平位置と傾斜位置との間で操作することを可能にするように構成される。アクチュエータ(ノブ1032)は、平面状の調製面が枢動しないように保持するための第1の構成(例えば押し込まれた)と、平面状の調製面を解放して枢動を可能にするための第2の構成(例えば引き出された)と、を有する。
【0065】
図面に示される例示的なキャリッジにおいて、平面状の調製面フレームは、幅寸法Wよりも比較的長い長さ寸法Lを備える矩形形状を有し、且つシステムが処理するように構成されている最大のプレートを収容するサイズを有する。平面状の調製面フレーム1031の前縁部は、長さ寸法を画定する長さを有する。ハンドル1030は、縁部1031に接続され、それから横方向に離間し、且つそれに対して心合わせされた平行部材を備え、且つ第1の縁部の長さの少なくとも半分の長さを有する。
【0066】
一実施形態では、アクチュエータ1032は、作動位置及び休止位置を有し、また、ガススプリング1026内のバルブ(図示せず)に接続されたボーデンケーブル(図示せず)の第1の端部に接続されている。アクチュエータが作動位置にあると、ガスバルブは開放されて、台の移動に基づいて、ガスがガススプリングのチャンバに出入りすることを可能にする。休止位置にあるとき、バルブは閉鎖されて、ガススプリングの位置、及び対応する位置にある台を安定させる。ガススプリング、その上のバルブ、及びボーデンケーブルの一般的な機械的機能は当業者に周知されているため、本明細書でこれ以上詳細に説明又は例示しない。
【0067】
キャリッジは、台上のプレートの存在、実際の及び/又は意図される位置合わせ、寸法(厚さを含む)、及び重量のうちの1つ以上を検出するためのセンサを含むセンサシステムを備え得る。台は、センサからの情報を処理し、測定値を計算し、ディスプレイ上に可視情報を提供すること、及び処理システムと情報を交換する事を含む、接続された構成要素と通信するように構成されたマイクロコントローラを装備してもよい。マイクロコントローラ及びキャリッジのその他の電子的構成要素に電力を提供するための電池(リチウムイオン又はその他の再充電式電池など)が提供されてもよい。再充電式電池は、台が処理装置にドッキングしたときに確立される電力接続を使用するなどして、有線又は無線接続によって充電するように構成されてもよい。
【0068】
いくつかの実施形態では、キャリッジはライトテーブルとして構成されて、それにより人間オペレータがプレート上のイメージ及び全体的なプレートの品質を点検することを可能にしてもよい。こうした実施形態では、台天板は、ガラス又はPlexiglas(登録商標)シートなど合成有機樹脂などの透明な材料から作製される。プレートの後側、又はその少なくとも一部は、光源によって照明を当てられる(例えば、図8に概略的に示されるOLED又はLEDマトリックス1083)。光源は、全部の台表面、又は台表面の一部のみをカバーしてよい。図8に示すように、台は、好ましくは、調製面上に位置決めされたプレートを検出するように構成され、また、こうした検出を示す電気信号出力を提供するように構成された、少なくとも1つの検出センサ1085、1086、1087を含む。複数の位置合わせガイドは、フレームの前縁部1031に隣接する少なくとも1つの位置合わせガイド1088a、1088bと、第1の寸法に対して垂直のフレームの第2の寸法に隣接する少なくとも1つの位置合わせガイド1089と、を含む。各位置合わせガイド1088a、1088b、1089は、平面状の調製面上に配設された印刷プレートの縁部と位置合わせするように構成された、平面状の調製面に対して所定の位置で延在する突出部を有し得る。前部位置合わせガイド1088a、bのこの延在した突出部は、少なくともの予期される印刷プレートの厚さからなる、調製面を上回る高さを有してもよいが、いかなる場合でも、台が最大傾斜位置にあるときにプレートが調製面から下方に滑り落ちないよう補助するのに十分な高さを有する。
【0069】
プレートの寸法は、センサ1085、1086、1087を用いて自動的に測定され得る。センサ1085、1086、1087は、光電管又は光ダイオードなどの光検出器のアレイを備え得る。センサアレイ1085、1086は、垂直方向に直交するように配列される(1085は幅方向、1086は長さ方向に)。台上に配設されているとき、プレート1050は光検出装置アレイの一部を被覆し、被覆されていない光検出器によって受信される光と比較しての、被覆された光検出器によって受信される周辺光の欠如により、プロセッサによってプレートの長さ及び幅寸法を計算するために用いられる情報が提供される。したがって、プレートを台縁部に対応する光検出器のアレイと平行に位置合わせすることは、正確な測定値を得るために重要である場合がある。台上の表示は、プレートの一方の縁部に位置合わせするための線を画定するストライプを含んでもよく、又は、プレートのそれぞれの縁部が、プレート調製面の上方に突出するガイドのそれぞれの部分と接触している場合、位置合わせガイド1088a、1088b、1089は正確な位置合わせを提供してもよい。第3の光検出器アレイ1087を、光検出器アレイ1085、1086と組み合わせて、台縁部に対して平行の位置合わせを点検するために用いてもよい。別の実施形態では、検出器アレイが、プレート縁部がプレートの隅部と同じだけ台縁部に接近して位置決めされていることを点検する間に、プレートの一方の縁部が台表面の隅部に適切に位置決めされていることを検出するために単一の光要素(photo element)を提供してもよい。更に別の実施形態では、機械的センサ(例えば、接触センサを有する位置合わせガイド1088a及び1088b)が、正しく位置合わせされたプレートの存在を検出してもよい。上記のセンサは、センサからの測定信号に基づいてプレートの特性を計算するためにプロセッサ1084に接続される。
【0070】
台は、好ましくは、処理システムとのデータ交換のための通信ポートを用いて構成される。この通信ポートは好ましくはワイヤレスであるが、キャリッジをイメージング装置に取り付ける物理接続インターフェース2020と同時に係合される有線接続であってもよい。1つ以上の通信インターフェース1081は、台とプレート処理装置との間で情報を交換するように構成される。物理接続インターフェース1020のうちの1つ以上は、電池などのオンボードの再充電式電源1082を有し得る台に充電電力を提供するための電気接点も含んでよい。通信インターフェース1081及び電源1082は、図8に破線で示されており、これは、これらがキャリッジ上のどこかに位置しているが、必ずしも任意の特定の位置又は台のユーザの目に見える位置に位置しているわけではないことを示す。
【0071】
処理システムと通信しているときは、通信インターフェース1081は、その上に配設されたプレートに関する情報をシステムに提供するように構成される。一実施形態では、処理の準備が整った次のプレート、及び投入台がイメージング装置にドッキングしたときに処理の準備が整ったプレートの位置に関する情報が提供され、そのため、プレートを処理システムに運ぶオペレータに、プレートを処理システムの隣に配置するためのより広い時間窓を提供する。台と処理システムとの相互作用がない場合、オペレータは、遅延時間を短いままに保つために、典型的には、システムが次のプレートを投入する準備が整う正確な時点を監視し、この正確な時点にプレートを供給する必要がある。
【0072】
キャリッジによって処理システムへと交換される例示的な情報としては、とりわけ、プレートの種類、寸法(長さ、幅、厚さ)、重量、及び台天板上におけるプレートの位置合わせ(例えば、相対又は絶対座標情報)が挙げられ得る。処理システムによって台へと交換される情報としては、必要なプレートの種類及び寸法が挙げられ得る。ディスプレイは、処理システムに送達するために貯蔵部から取り上げる次のプレートに関する情報をオペレータに提供することができる。一実施形態では、LED、LCD、又はTFTディスプレイなどのディスプレイ1080は、台天板の透明な表面の真下に配置される。別の実施形態(図示せず)では、ディスプレイは、オペレータのハンドルに隣接する台のオペレータ取扱側上に位置してもよい。このディスプレイは、台上のプレートの寸法(厚さを含む)、イメージングのために供給される次のプレートの明細、イメージング装置が次のプレートを必要とするまでの残り時間、及び、台上で検出されたプレートがプロセスで次に予期されるプレートに対応しているか否かを含む情報をユーザに提供することができる。
【0073】
処理システムとの通信は、当該技術分野で既知の任意の無線又は有線技術によって確立され得る。例えば、通信としては、WiFi(登録商標)ネットワークなどの無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)上、又はBluetooth(登録商標)ネットワークなどの短距離無線通信上などのネットワーク上の無線通信が挙げられ得る。その他の実施形態では、無線通信は、視聴覚機器用の遠隔制御に一般的に用いられるように、赤外線放射を介して送信され得る。無線ネットワークのトポグラフィーが許す実施形態では、キャリッジは処理システムに対する連続したデータリンクを有し得る。有線接続を含むその他の実施形態では、データリンクは、台が処理システムにドッキングしているときなどの単に一時的なものであればよい。通信プロトコルを問わず、交換されるデータは、好ましくは、台上に配設されるプレート、及びプレート貯蔵部から送達される次のプレートに関する情報を含む。
【0074】
図8に示す実施形態では、キャリッジは、その上に配設されたプレートのサイズを自動的に判定するように構成される。別の実施形態では、プレートの寸法は、台天板に隣接した表示(例えば定規)(図示せず)と比較してオペレータによって測定され、プロセッサに接続されたユーザインターフェース(キーボード又はモバイルデバイス)を用いて手動で入力されてもよい。
【0075】
厚さ測定システム
調製台は、ポリマープレートの厚さを判定し、この情報を処理ユニット及びオペレータに伝達するようにも構成され得る。一実施形態では、図9Aに示すように、厚さは、台天板の上方に位置してポリマープレートの方向を向く標準の三角測量センサ1090によって測定され得る。センサ1090は、放射線のビーム1091(又はパルス)を表面1092に向けて送信し、反射した放射線がセンサに到達するまでの時間に基づいて距離を判定する飛行時間センサなどの任意の種類の非接触型センサであってよい。したがって、図9Aに示すように、第1の距離は、第1の読み取りにおいて、センサと表面1092との間で測定される。第2の距離は、第2の読み取りにおいて、センサとプレート1093との間で測定される。第1の読み取りと第2の読み取りとの間の距離の差はプレートの厚さに対応する。
【0076】
厚さ測定システムは、センサを第1の読み取りと第2の読み取りとの間で移動させるために位置決め装置上に配設されてもよく、又はセンサ1090は、プレートが表面に対してセンサの真下を移動する位置に位置してもよい。一実施形態では、センサ1090はプレート取扱システム500上に装着される。また、厚さ測定システムはプレート貯蔵室内に配設されてもよく、ここでプレートの厚さが台上に投入された後で確認される。更に別の実施形態では、厚さ測定システムは、イメージング装置内部のプレート投入経路上などの、プレートの経路に沿った定位置に配設されてもよい。したがって、こうしたシステムは、表面に対して垂直な軸に沿った距離を示す測定信号を出力するように構成された非接触距離測定センサ1090を備える、印刷プレート1093を受容するための表面1092と比較した印刷プレートの厚さを測定するためのシステムと特徴付けられ得る。センサが移動可能な一実施形態では、システムは、表面の上方に配設され、且つ表面と平行な1つ以上の方向に制御可能なセンサ位置決め装置(例えばプレート取扱装置500)と、位置決め装置を制御し、且つセンサからの測定信号を受信するように構成されたプロセッサ1084と、を更に備える。いくつかの実施形態では、プロセッサは、以下のための指示でプログラムされ得る:
(a)プレートの予期される位置を画定する情報を受信すること;
(b)位置決め装置を、プレートの予期される位置の上方ではない表面上の点の上方に配設された第1の位置へと移動させること(例えば、図9Aに示されるセンサ1090の左位置);
(c)センサから、センサと表面との間の基準距離として使用するために基準距離測定信号を得ること;
(d)位置決め装置を、印刷プレートの予期される位置の上方である表面上の点の上方に配設された第2の位置へと移動させること(例えば図9Aに示されるセンサ1090の右位置);
(e)センサから第2の距離測定信号を得、第2の距離測定信号及び基準距離測定信号を処理して、印刷プレートの測定された厚さを得ること。
【0077】
図10に示される別の厚さ測定実施形態では、図10に示されるように、三角測量センサが透明な台天板の下方に位置してもよい。光源110は、台天板(例えばガラスプレート)1104の透明部分、寸法安定層1106、及びポリマー層1108を介し、ポリマープレート1112のレーザアブレーション可能なマスク1110に向けて光ビーム1102を送信する。1つの媒体から次の媒体へのビームの各移行は、光の反射(1120、1121、1122)を生じさせる。反射した光線は、光検出器のアレイなどの横方向センサ1130に当たる。台基板1104と寸法安定層1106との間の移行部からの反射1120、及び寸法安定層1106とフォトポリマー1108との間の移行部からの反射1121の両方は、センサ1130上の固定された位置(標準の寸法安定層の厚さを仮定する)に当たるが、フォトポリマー1108とレーザアブレーション可能なマスク1110との間の移行部からの反射1122は、ポリマー層の厚さに応じてその位置を変え、従ってプレートの厚さを示す。代替手段においては、反射1120と1122との間の距離が、寸法安定層とフォトポリマーとの組み合わせの総厚さを測定するのに用いられ得る。寸法安定層及びポリマーは、不正確さを生じさせ得る異なる屈折率を有するが、センサは、典型的には比較的高いレベルの不正確性を吸収するのに十分に異なるプレートの標準ゲージ(例えば1.14mm、1.7mm、2.84mm、3.19mm)を区別するのに十分な性能を有する。
【0078】
別の実施形態では、台は、台フレームと台天板との間に配設された1つ以上の一体型スケール1095を有してもよく、これはフォトポリマープレートの追加重量を測定する。プレートの長さ及び幅寸法と組み合わせたこの重量は、プレート厚さを計算するために用いることができる。
【0079】
本明細書で開示される厚さ測定システムは、本明細書で開示される詳細を有するプレート調製台又はプレート取扱システムに関連した用途に限定されず、プレートが配設される表面に対する厚さ、又は距離センサ(sencor)に対する構成要素の表面の位置を測定するための任意のシステムで用いることができる。
【0080】
例えば、図9Aに示すシステムなどの厚さセンサは、プレート厚さ、及びプレートを固定するためのドラムイメージング装置上のクランプの開放位置を検出するなどのために、イメージング装置のフォーカスヘッド内に組み込まれてもよい。図11に概略的に示すように、ドラムイメージング装置は、プレートを受容するための開放位置(図11に示される)及び閉鎖位置(図示せず)を有する例示的なクランプバー1202を備えたドラム1200を含む。バーは、典型的には圧縮空気によって移動させられ、開放位置は空気バルブ(図示せず)の開放時間によって制御される。例えばイメージング装置のフォーカスヘッド上に位置決めされた距離センサ1090は、プレート1204に対して位置決めされて、プレート厚さの指標である、センサ位置に対するプレートの頂面の高さを測定することができる。続いて、測定された厚さは、クランプバーをどれだけ開くべきかを判定するために用いられ得る。距離センサはまた、好適な曲線又はルックアップテーブルを生成するために、バルブの開放時間に対するクランプバー1202の頂面の高さを測定することによって、バルブを開くために圧縮空気を制御するバルブを較正するためにも用いられてよい。図11はクランプバー1202がセンサ1090の真下に位置する配置のドラムを示しているが、ドラムが異なる配置で回転する場合、センサがプレートの厚さを読み取るためにプレート供給部の方向に移動可能である必要なしに、プレートがセンサの真下に位置してもよいことを理解されたい。図11に示される配置及びクランプ構成は例示に過ぎず、厚さの検知は任意の数の様々な設計と共に用いられてよいことも理解されたい。
【0081】
更に、図9A及び9Bに示されるものと類似するシステムは、プレート取扱システムに関するその他の方法での用途を有し得る。例えば、プレート取扱装置500に(又は異なる位置決め装置上に)装着された厚さ測定システムは、プレートの位置、及び本明細書に記載されるプレート位置のいずれかにおける厚さを検出するために用いることができる。こうしたシステムは、プロセッサが、以下のための指示でプログラムされた場合は、表面上のプレートの実際の位置及び角度を検出することができる;
(f)位置決め装置が第1の位置からプレートの第1の縁部の位置を示す第2の位置まで移動する間に、センサから受信された信号の変化を検出すること;
(g)位置決め装置が少なくとも2つのその他の点のペアの間を移動する間にセンサから受信された信号の変化を検出することであって、各ペアは、印刷プレートの予期される位置の上方にある1つの点、及び印刷プレートの予期される位置の上方ではない1つの点を含む、こと、並びに、位置決め装置が各点のペア間を移動する間にセンサから受信された信号のそれぞれの変化を検出することであって、各変化はプレートの第2及び第3の縁部の位置を示す、こと;
(h)プレートの第1、第2、及び第3の縁部の位置を示す信号を処理して、表面上のプレートの検出された実際の位置及び角度を得ること。
【0082】
一実施形態では、センサはレーザー三角測量センサであってもよく、位置決め装置は3軸ロボットアームを備えてもよい。測定信号はアナログ信号であってもよく、デジタル信号であってもよい。
【0083】
本明細書に記載される厚さ測定システムはまた、とりわけ、参照により本明細書に組み込まれる「SYSTEM AND PROCESS FOR PERSISTENT MARKING OF FLEXO PLATES AND PLATES MARKED THEREWITH」と題する米国特許出願第16/559,702号明細書、及びこれに関連する出願に記載されるものなどの、プレート床部中のポリマーの存在する領域及び存在しない領域を用いてプレートの床部に非印刷表示を埋め込むためのプレート符号化システムと共に使用されてもよい。プレートが、図9Bに示すように所定の経路に沿ったプレート厚さの差として符号化された情報を含む実施態様では、システムは、測定信号を受信する間に、センサ1090を所定の経路に沿って移動させること、及び、こうして受信された測定信号を処理して、符号化情報を読み取ることのための指示で更にプログラムされ得る。したがって、図9Bに示すようにセンサ1090が点A、点B、及び点Cにおける読み取り値を取る経路の場合、点Aにおける距離D1と点Bにおける距離D2との差はプレートの有無を示す(また、D1からD2への信号の移行は、プレート縁部の位置を判定するために用いることができる)。点Bにおける距離D2と点CにおけるD3との差は、非印刷表示を含む厚さの差を示し得る(D3は、印刷された特長をもたらす距離に対応しないプレートの床部超又は未満の距離である)。当然ながら、厚さ測定システムはまた、プレートの床部に関連する距離を検出ために用いられてもよい。
【0084】
本発明は、本明細書で特定の実施形態を参照して例示及び説明されているが、本発明は示される詳細に限定されることを意図していない。むしろ、様々な修正が、特許請求の範囲の均等物の範囲内で、本発明から逸脱することなく、詳細になされてもよい。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10
図11