(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-05
(45)【発行日】2023-09-13
(54)【発明の名称】給水スパージャーノズル補修アセンブリ、炉心スプレイ系配管アセンブリ、およびその補修方法
(51)【国際特許分類】
G21C 19/02 20060101AFI20230906BHJP
G21C 15/02 20060101ALI20230906BHJP
【FI】
G21C19/02 050
G21C15/02 K
(21)【出願番号】P 2021559921
(86)(22)【出願日】2020-03-23
(86)【国際出願番号】 US2020024161
(87)【国際公開番号】W WO2020210011
(87)【国際公開日】2020-10-15
【審査請求日】2022-11-30
(32)【優先日】2019-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508177046
【氏名又は名称】ジーイー-ヒタチ・ニュークリア・エナジー・アメリカズ・エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】GE-HITACHI NUCLEAR ENERGY AMERICAS, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】レントナー,ブルース ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ミストレアヌ,エイドリアン エム.
(72)【発明者】
【氏名】マツモト,ジャック トシオ
【審査官】右▲高▼ 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-238598(JP,A)
【文献】米国特許第4789189(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21C 19/02
G21C 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央軸線に対して部分的に円筒形の形状
の部分を有す
るカバープレートであって、同カバープレート
は、前記カバープレートの前記部分的に円筒形の形状の部分を貫通して延びるノズル開口部と、前記カバープレートの前記部分的に円筒形の形状の部分を貫通して延びる
とともに前記中央軸線に沿って互いに長手方向に間隔をおいて配置される一対のボルト開口部
とを有する、カバープレートと、
前記カバープレートに取り付けられるとともに前記ノズル開口部を包囲するノズルと、
前記一対のボルト開口部のうちの対応するボルト開口部を通って各々が延びる一対のT字状ボルトであって、前記T字状ボルトはそれぞれ、前記カバープレートの
内側から外側
に延びるねじ部を有するシャンクと、前記シャンクの端部で前記カバープレートの内側に配置された部分的に円筒形のヘッド部とを含む、一対のT字状ボルトと、
前記一対のT字状ボルトの前記ねじ部に係合する一対のナットと、
を備える、給水スパージャー補修アセンブリ。
【請求項2】
前記カバープレートの前記内側は、前記ノズル開口部を包囲する楕円形の突出部を含む、請求項1に記載の給水スパージャー補修アセンブリ。
【請求項3】
前記カバープレートの前記外側は、前記一対のボルト開口部を包囲する厚みが増加した突出領域を含む、請求項1に記載の給水スパージャー補修アセンブリ。
【請求項4】
前記一対のナットは圧着ナットである、請求項1に記載の給水スパージャー補修アセンブリ。
【請求項5】
前記T字状ボルトの前記部分的に円筒形のヘッド部は、横断方向に細長くなっている、請求項1に記載の給水スパージャー補修アセンブリ。
【請求項6】
前記T字状ボルトは90°の筒形カムを含む、請求項1に記載の給水スパージャー補修アセンブリ。
【請求項7】
前記一対のナットはそれぞれ、前記カバープレートの対応する凹面との界面をなす凸面を含む、請求項1に記載の給水スパージャー補修アセンブリ。
【請求項8】
炉心スプレイ系配管から延びる複数のノズルと、前記炉心スプレイ系配管に切り込まれた開口部とを有する、炉心スプレイ系配管と、
前記炉心スプレイ系配管の前記開口部を覆うように取り付けられる給水スパージャー補修アセンブリと、
を備え、
前記給水スパージャー補修アセンブリは、部分的に円筒形の形状を有するとともにノズル開口部を有するカバープレートであって、同カバープレートを貫通して延びる一対のボルト開口部を有する、カバープレートと、前記カバープレートに取り付けられるとともに前記ノズル開口部を包囲するノズルと、前記一対のボルト開口部のうちの対応するボルト開口部を通って各々が延びる一対のT字状ボルトであって、前記T字状ボルトはそれぞれ、前記カバープレートの
内側から外側
に延びるねじ部を有するシャンクと、前記シャンクの端部で前記炉心スプレイ系配管の内部に配置された部分的に円筒形のヘッド部とを含む、一対のT字状ボルトと、前記一対のT字状ボルトの前記ねじ部に係合する一対のナットとを含む、炉心スプレイ系配管アセンブリ。
【請求項9】
前記カバープレートの前記内側は、前記炉心スプレイ系配管の前記開口部に受承される楕円形の突出部を含む、請求項8に記載の炉心スプレイ系配管アセンブリ。
【請求項10】
前記カバープレートの前記外側は、前記一対のボルト開口部を包囲する厚みが増加した突出領域を含む、請求項8に記載の炉心スプレイ系配管アセンブリ。
【請求項11】
前記一対のナットは圧着ナットである、請求項8に記載の炉心スプレイ系配管アセンブリ。
【請求項12】
前記T字状ボルトの前記部分的に円筒形のヘッド部は、横断方向に細長くなっている、請求項8に記載の炉心スプレイ系配管アセンブリ。
【請求項13】
前記T字状ボルトは90°の筒形カムを含む、請求項8に記載の炉心スプレイ系配管アセンブリ。
【請求項14】
前記一対のナットはそれぞれ、前記カバープレートの対応する凹面との界面をなす凸面を含む、請求項8に記載の炉心スプレイ系配管アセンブリ。
【請求項15】
炉心スプレイ系配管から延びる複数のノズルを有する炉心スプレイ系配管を修理する方法であって、
前記炉心スプレイ系配管に開口部を形成するために、破損したノズルを含む前記炉心スプレイ系配管の一部を切断するステップと、
前記炉心スプレイ系配管の前記開口部を覆うように給水スパージャー補修アセンブリを取り付けるステップと、
を含み、
前記給水スパージャー補修アセンブリは、部分的に円筒形の形状を有するとともにノズル開口部を有するカバープレートであって、同カバープレートを貫通して延びる一対のボルト開口部を有する、カバープレートと、前記カバープレートに取り付けられるとともに前記ノズル開口部を包囲するノズルと、前記一対のボルト開口部のうちの対応するボルト開口部を通って各々が延びる一対のT字状ボルトであって、前記T字状ボルトはそれぞれ、前記カバープレートの
内側から外側
に延びるねじ部を有するシャンクと、前記シャンクの端部で前記炉心スプレイ系配管の内部に配置された部分的に円筒形のヘッド部とを含む、一対のT字状ボルトと、前記一対のT字状ボルトの前記ねじ部に係合する一対のナットとを含み、前記T字状ボルトの前記部分的に円筒形のヘッド部が前記炉心スプレイ系配管の内部に受承され、前記一対のナットが前記T字状ボルトの前記シャンクの前記ねじ部に締め付けられることにより、前記T字状ボルトの前記部分的に円筒形のヘッド部が前記炉心スプレイ系配管の内面に締め付けられて、前記給水スパージャ
ー補修アセンブリが前記炉心スプレイ系配管に挟持される、炉心スプレイ系配管から延びる複数のノズルを有する炉心スプレイ系配管を修理する方法。
【請求項16】
前記カバープレートの前記内側は、前記ノズル開口部を包囲するとともに前記炉心スプレイ系配管の前記開口部に受承される楕円形の突出部を含む、請求項15に記載の炉心スプレイ系配管から延びる複数のノズルを有する炉心スプレイ系配管の補修方法。
【請求項17】
前記カバープレートの前記外側は、前記一対のボルト開口部を包囲する厚みが増加した突出領域を含む、請求項15に記載の炉心スプレイ系配管から延びる複数のノズルを有する炉心スプレイ系配管の補修方法。
【請求項18】
前記一対のナットは圧着ナットである、請求項15に記載の炉心スプレイ系配管から延びる複数のノズルを有する炉心スプレイ系配管の補修方法。
【請求項19】
前記T字状ボルトの前記部分的に円筒形のヘッド部が横断方向に細長くなっている、請求項15に記載の炉心スプレイ系配管から延びる複数のノズルを有する炉心スプレイ系配管の補修方法。
【請求項20】
前記T字状ボルトは90°の筒形カムを含む、請求項15に記載の炉心スプレイ系配管から延びる複数のノズルを有する炉心スプレイ系配管の補修方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、給水スパージャーノズル補修アセンブリ、および炉心スプレイ系配管の補修方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
このセクションでは、必ずしも先行技術ではない、本開示に関連する背景情報を提供する。
【0003】
沸騰水型原子炉は、シュラウドおよびシュラウド支持構造体に包囲された炉心を備える。冷却水を炉心に供給するための配管は、通常、シュラウドを貫通している。
図8に示すように、このような配管には、炉心に冷却水を供給するための炉心スプレイ系配管10およびスパージャー12が含まれる。スパージャー12は炉心スプレイ系配管10に溶接されており、炉心スプレイ系配管10およびスパージャー12に高温高圧の水が流れることで、溶接部14が割れやすくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
溶接部14に生じた損傷は、燃料補給および修理のために予定されているプラント停止中にのみ、沸騰水型原子炉内で修理および検査のためにアクセス可能である。このような停止は通常、数ヶ月間隔で発生するため、溶接部14を含む炉心内の要素は、検査および修理の前に長期間にわたってそのままの状態である必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
給水スパージャー補修アセンブリは、部分的に円筒形の形状を有し、ノズル開口部を有するカバープレートであって、カバープレートを貫通して延びる一対のボルト開口部を含む、カバープレートを備える。ノズルはカバープレートに取り付けられ、ノズルの開口部を包囲する。一対のボルト開口部のうちの対応するボルト開口部を通って延びる一対のT字状ボルトはそれぞれ、カバープレートの外側から延びるねじ部を有するシャンクと、シャンクの端部でカバープレートの内側に配置された部分的に円筒形のヘッド部とを含む。一対のT字状ボルトのねじ部には、一対のナットが係合している。給水スパージャー補修アセンブリは、炉心スプレイ系配管に切断により開けられた開口部に取り付けられて、破損したスパージャーを補修・交換するように構成される。
【0006】
カバープレートの内側は、ノズル開口部を包囲する楕円形の突出部を含んでもよい。
【0007】
T字状ボルトの部分的に円筒形のヘッド部は、横断方向に長尺状をなし、T字状ボルトは、挿入位置と設置位置との間でT字状ボルトの回転を案内する筒形カムを含むことができる。
【0008】
破損したノズルを含む炉心スプレイ系配管の一部を切り取って炉心スプレイ系配管に開口部を形成し、炉心スプレイ系配管の開口部の上に、上に開示したような給水スパージャー補修アセンブリを取り付けることを含む、給水スパージャー補修アセンブリを設置する方法がさらに提供される。
【0009】
また、本明細書に記載されている説明から、さらなる応用分野が明らかになるであろう。本要約の説明および具体的な例は、例示のみを目的とすることを意図しており、本開示の範囲を限定することを意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本開示の原理による給水スパージャー補修アセンブリを示す上面斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示した給水スパージャー補修アセンブリを示す底面斜視図である。
【
図3】
図3は、本開示の補修方法に従って、その内部に補修開口部が切断により開けられた炉心スプレイ系配管を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、本開示の原理に従って、炉心スプレイ系配管の開口部に組み立てられた給水スパージャー補修アセンブリを示す斜視図である。
【
図5】
図5は、本開示の原理に従って給水スパージャー補修アセンブリが組み付けられた炉心スプレイ系配管の内部を示す部分断面斜視図である。
【
図6】
図6は、本開示の原理に従ったT字状ボルトを示す斜視図である。
【
図7】
図7は、例示のために透視図で示されている、スパージャー補修アセンブリの組み立て中のT字状ボルトの配向を示す斜視図である。
【
図8】
図8は、例示的な先行技術による炉心スプレイ系配管を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書の非限定的な実施形態の様々な要素および効果は、添付の図面と併せて詳細な説明を検討すると、より明らかになるであろう。添付の図面は、単に例示のためにのみ提供されたものであり、特許請求の範囲を限定するものと解釈してはならない。添付の図面は、明示的に記載されていない限り、縮尺通りに描かれているとはみなされない。わかりやすくするために、図面の様々な寸法が誇張されている場合がある。
【0012】
対応する参照数字は、図面の複数の図にわたって対応する部品を示している。
【0013】
ある要素や層が、他の要素や層に対して「on」、「connected to」、「coupled to」、または「covering」と呼ばれる場合、他の要素や層の上に直接設けられても、他の要素や層に直接接続していても、結合していても、または覆っていてもよいし、あるいは介在する要素や層が存在していてもよいことを理解すべきである。一方、ある要素が他の要素や層に「directly on」、「directly connected to」、「directly coupled to」などと表現される場合は、介在する要素や層が存在しないことを意味する。同様の符号は、明細書中全体にわたって同様の要素を指す。本明細書では、「および/または」という用語には、関連付けられるリストの項目の1つまたは複数の任意およびすべての組み合わせが含まれる。
【0014】
本明細書では、様々な要素、コンポーネント、領域、層、および/またはセクションを説明するために、第1、第2、第3などの用語が使用されることがあるが、これらの要素、コンポーネント、領域、層、および/またはセクションは、これらの用語によって限定されるべきではないことを理解すべきである。これらの用語は、ある要素、コンポーネント、領域、層、あるいはセクションを、他の領域、層、あるいはセクションと区別するためにのみ使用される。したがって、以下で説明する第1の要素、コンポーネント、領域、層、またはセクションは、例示的な実施形態の教示から逸脱することなく、第2の要素、コンポーネント、領域、層、またはセクションと呼ぶことができる。
【0015】
本明細書では、説明を容易にするために、空間的に相対的な用語(例えば、「beneath」、「below」、「lower」、「above」、「upper」など)を使用して、図示のように、ある要素または特徴の、他の1つ以上の要素または1つ以上の特徴との関係を説明することができる。空間的に相対的な用語は、図に描かれている配向に加えて、使用時や操作時における装置の様々な配向を包含することを意図していることを理解すべきである。例えば、図の装置を裏返すと、他の要素や特徴の「below」または「beneath」に記載された要素は、他の要素や特徴の「above」に配向されたものといえる。このように、「below」という用語は、上および下の両者の配向を包含し得る。装置は他の配向(90度回転させたり、他の配向にしたり)でもよく、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子はそれに応じて解釈される。
【0016】
本明細書で使用されている用語は、様々な実施形態を説明するためのみのものであり、例示された実施形態を限定することを意図していない。本明細書では、単数形の「a」、「an」、および「the」は、文脈上明らかに他を示す場合を除き、複数形も含むことを意図している。本明細書で使用されている「includes」、「including」、「comprises」、および/または「comprising」という用語は、記載された特徴、整数、ステップ、操作、要素、および/またはコンポーネントの存在を特定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、コンポーネント、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではないことが、さらに理解されるであろう。
【0017】
例示的な実施形態は、本明細書において、例示的な実施形態の理想化された実施形態(および中間構造体)の模式図である断面図を参照して説明される。したがって、例えば製造技術および/または公差の結果、図の形状とは異なる変形例が予想される。このように、例示された実施形態は、ここに例示された領域の形状に限定して解釈されるものと解釈されるべきではなく、例えば製造上の結果として生じる形状の偏差を包含するものである。
【0018】
特に定義されていない限り、本明細書で使用されているすべての用語(技術用語および科学用語を含む)は、例示された実施形態が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されているのと同じ意味を有する。さらに、一般的に使用されている辞書で定義されているものを含む用語は、関連する技術の文脈における意味と一致するように解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されていない限り、理想化された、または過度に形式的な意味で解釈されることはないものと理解される。
【0019】
次に、
図1および
図2を参照して、本開示の原理による給水スパージャーノズル補修アセンブリ20について説明する。スパージャーノズル補修アセンブリ20は、カバープレート22を備える。
図2に最もよく示されているように、カバープレート22は、部分的に円筒形の形状を有しており、カバープレート22を通って延びるノズル開口部24を含む。カバープレート22には、ノズル開口部24を包囲するようにノズル26が取り付けられている。カバープレート22は、ノズル開口部24の対向する両側に、カバープレートを通って延びる一対のボルト開口部28(
図2に最もよく示されている)をさらに含む。カバープレート22の内側22Aは、ノズル開口部24を包囲する突出部または厚みが増加した領域30を含むことができる。厚みが増加した領域30は、
図2に最もよく示されているように、楕円形にすることができる。カバープレート22の外側22Bは、一対のボルト開口部28のそれぞれを包囲する、厚みが増加した突出領域32を含む。
【0020】
一対のT字状ボルト34はそれぞれ、一対のボルト開口部28の対応する一方を通って延びている。
図1、
図2および
図6に示すように、T字状ボルト34のそれぞれは、カバープレート22の外側22Bから延びるねじ部38を有するシャンク36と、カバープレート22の内側22A上のシャンク36の端部に配置された部分的に円筒形状のヘッド部40とを含む。T字状ボルト34は、90°の螺旋状カムスロット41を有する筒形カム39をさらに含む。
【0021】
T字状ボルト34のねじ部には、一対の内ねじ式圧着ナット42が係合している。
【0022】
図3を参照すると、炉心スプレイ系配管50に溶接され、炉心スプレイ系配管50から延びる複数のスパージャーノズル52を含む炉心スプレイ系配管50が示されている。炉心スプレイ系配管50は、パイプ50に切り込まれた開口部54を有しており、損傷した溶接領域を有する2つのスパージャーノズルが切断部とともに取り払われている状態が示されている。開口部54は、カバープレート22の内側22Aの厚みが増加した領域30と同様の形状を有することができる。
【0023】
図4を参照すると、開口部54を有する炉心スプレイ系配管50は、炉心スプレイ系配管50の開口部54の上に覆い被さるような関係で組み立てられたスパージャーノズル補修アセンブリ20とともに示されている。特に、
図5の炉心スプレイ系配管の内部の部分断面斜視図に示されているように、シャンク36の端部にある部分的に円筒形のヘッド部40を、開口部54の対向する側にある炉心スプレイ系配管50の内面に対して引き寄せるために、厚みが増加した領域30が開口部54内に受承され、T字状ボルト34および圧着ナット42が締め付けられる。
図7の右側に示すように、T字状ボルト34の部分的に円筒形のヘッド部40は、配管50に対して軸線方向に配向された状態でヘッド部40を開口部54から挿入できるように、横断方向に細長くなっており、さらに、
図7の左側に示すように、圧着ナット42がねじ部38に沿って締め付けられ、部分的に円筒形のヘッド部40が配管50の内面に引き付けられると、ボルト開口部28の内側に設けられたピン43に係合した筒型カム39によって、横断方向に90°回転させられる。一旦圧着ナット42を締め付けると、ナット42の上端42aがT字状ボルトのシャンク36に圧着され、圧着ナット42がT字状ボルトから後退して外れるのが防止される。圧着ナット42は、フランジ付き基部上に球形凸面42a(
図7に最もよく示されている)を含むことができ、この凸面42aは、部分的に円筒形のヘッド部40の配向に対応するために、厚みの増加した領域32における適合した球形凹面座部32a(
図7に最もよく示されている)と界面をなすことができる。
【0024】
スパージャーノズル補修アセンブリ20により、炉心スプレイ系配管の溶接や交換を必要とすることなく、破損したスパージャーを容易かつ迅速に修理/交換することができる。
【0025】
本明細書において、いくつかの例示的な実施形態を開示してきたが、他の変形が可能であることを理解すべきである。このような変形は、本開示の趣旨および範囲から逸脱するものとはみなされず、当業者には明らかであろうすべてのこのような変更は、以下の特許請求の範囲に含まれることが意図されている。