(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-05
(45)【発行日】2023-09-13
(54)【発明の名称】LED表示装置及びその駆動方法並びにチップ
(51)【国際特許分類】
G09G 3/32 20160101AFI20230906BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20230906BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20230906BHJP
【FI】
G09G3/32 A
G09G3/20 641A
G09G3/20 612U
G09G3/20 621A
G09G3/20 623D
G09G3/20 623C
G09G3/20 621F
G09G3/20 623R
H01L33/00 J
(21)【出願番号】P 2022529751
(86)(22)【出願日】2020-02-21
(86)【国際出願番号】 CN2020076105
(87)【国際公開番号】W WO2021098068
(87)【国際公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-07-22
(31)【優先権主張番号】201911141020.X
(32)【優先日】2019-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517380215
【氏名又は名称】北京集創北方科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Chipone Technology (Beijing) Co.,Ltd
【住所又は居所原語表記】Building 56,No.2 North Jing Yuan Street, Beijing Economic Technological Development Area,Daxing District,Beijing 100176,China
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホアン、ジジォン
【審査官】塚本 丈二
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-003954(JP,A)
【文献】特開2004-341516(JP,A)
【文献】特開2009-188773(JP,A)
【文献】特開2005-300990(JP,A)
【文献】特開2001-085984(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0090048(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0088571(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/32
G09G 3/20
H01L 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
LED表示装置であって、
複数本の行線、複数本の列線及び複数の画素ユニットを含み、前記複数の画素ユニットのうちの各画素ユニットは、前記複数本の行線の1つ及び前記複数本の列線の1つに接続されるLEDを含む、表示アレイと、
前記複数本の行線に接続され、選択信号を提供するための行駆動モジュールと、
前記複数本の列線に接続され、パルス幅変調信号に基づいて、階調データに対応する駆動信号を提供するための列駆動モジュールと、
前記複数本の列線に接続されるチャンネル制御モジュールとを含み、
前記チャンネル制御モジュールは、前記パルス幅変調信号が有効である第1の期間に、対応する列線の列線電圧を目標電圧に調節するために用いられる、LED表示装置。
【請求項2】
前記列駆動モジュールは、前記第1の期間の後の第2の期間に、定電流源が駆動電流を提供するように制御することによって、対応する列線の複数のLEDを点灯させて、階調に対応する輝度を発生させるために用いられる、ことを特徴とする請求項1に記載のLED表示装置。
【請求項3】
前記チャンネル制御モジュールは、
正相入力端、逆相入力端、イネーブル端及び出力端をそれぞれ含む複数のバッファ増幅器を含み、
前記正相入力端は、前記目標電圧を受信するために用いられ、前記逆相入力端及び前記出力端は、対応する列線に接続され、前記イネーブル端は、イネーブル信号を受信するために用いられる、ことを特徴とする請求項2に記載のLED表示装置。
【請求項4】
前記チャンネル制御モジュールは、予め設定された数値に基づいて、前記複数本の列線の目標電圧を設定するための目標電圧発生ユニットをさらに含む、ことを特徴とする請求項3に記載のLED表示装置。
【請求項5】
前記チャンネル制御モジュールは、
前記複数本の列線に接続され、前記複数本の列線の最小オン電圧を取得するための電圧検出ユニットと、
前記複数本の列線の最小オン電圧に基づいて、前記複数本の列線のそれぞれの目標電圧を設定するための目標電圧発生ユニットとをさらに含む、ことを特徴とする請求項3に記載のLED表示装置。
【請求項6】
前記チャンネル制御モジュールは、前記各列線のパルス幅変調信号と同期した前記イネーブル信号を生成するためのタイミングジェネレータをさらに含む、ことを特徴とする請求項3~5のいずれか1項に記載のLED表示装置。
【請求項7】
前記表示アレイは、LED表示アレイ、AMOLED表示アレイ、MicroLED又はMiniLED表示アレイを含む、ことを特徴とする請求項1に記載のLED表示装置。
【請求項8】
LED表示装置用の駆動方法であって、
前記LED表示装置は、複数本の行線、列線及び複数の画素ユニットを含み、各画素ユニットは、前記複数本の行線の1つ及び前記複数本の列線の1つに接続されるLEDを含み、
表示画像に基づいて階調データを生成するステップと、
前記階調データに基づいてパルス幅変調信号を生成するステップと、
前記パルス幅変調信号が有効である第1の期間に、対応する列線の列線電圧を目標電圧に調節するステップとを含む、LED表示装置用の駆動方法。
【請求項9】
前記第1の期間の後の第2の期間に、前記パルス幅変調信号に基づいて、定電流源が駆動電流を提供するように制御することで、対応する列線の複数のLEDを点灯させて、階調に対応する輝度を発生させるステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項
8に記載の駆動方法。
【請求項10】
LED表示装置用のチップであって、
請求項1~7のいずれか1項に記載の行駆動モジュール、列駆動モジュール及びチャンネル制御モジュールのうちの少なくとも1つを含む、ことを特徴とするLED表示装置用のチップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年11月20日に提出された、出願番号が201911141020.X、発明名称が「LED表示装置及びその駆動方法並びにチップ」である中国特許出願について優先権を主張し、その内容の全てが本出願の一部として援用される。
【0002】
[技術分野]
本発明は、表示技術分野に属し、さらに具体的には、LED表示装置及びその駆動方法並びにチップに関する。
【背景技術】
【0003】
発光ダイオード(light-emitting diode、 LED)は、PN接合における少数のキャリアと多数のキャリアとの複合発光の原理を利用して動作するダイオードである。PN接合の間に順方向電圧を印加して、ダイオードをオンにすることで、電気エネルギーを光エネルギーに変換することができる。LED表示装置は、LEDを画素ユニットとして用いる表示装置であり、そのうち、LEDの輝度は、表示すべき階調に対応する。
【0004】
LED表示装置は、液晶表示装置と異なる。液晶表示装置では、液晶分子の回転により、画素ユニットの光透過率は変化し、バックライトの生じた光は、液晶分子を透過した後、強度が変化する。LED表示装置は、光源自体の輝度を制御することで表示階調を変化させる。液晶表示装置に比べて、LED表示装置は、消費電力が低く、リフレッシュ速度が速く、視野角が広く、強い光照射環境及び低温環境に使用できる。従って、LED表示装置は、特に、テキスト、画像及びビデオを表示するための屋外ディスプレイスクリーンとして特に適している。
【0005】
従来のLEDディスプレイスクリーンでは、パルス幅変調信号で駆動される定電流源を用いてLEDを駆動する。LEDの物理的特性により、LEDの点灯時の輝度は、駆動電流の数値に関連している。さらに、パルス幅変調信号のデューティサイクルを制御することによって、LEDの有効点灯時間を調節して、LEDの輝度を変化させることができる。
【0006】
しかしながら、LEDディスプレイスクリーンの画素ピッチの減少及び集積度の増加に伴い、低階調画像を表示する時、PWM定電流で駆動されるチャンネルのオン速度が低くなるため、低階調画像を表示する時の階調リニアリティ及び一致性が悪くなり、低階調画像の表示効果に影響を及ぼす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そのため、本発明は、パルス幅変調信号が有効である第1の期間に、各列線の列線電圧を目標電圧に調節し、低階調画像を表示する時の定電流オン速度を向上させ、低階調表示時の低階調リニアリティを改善する、LED表示装置及びその駆動方法並びにチップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施例による第1の態様によれば、LED表示装置が提供され、このLED表示装置は、複数本の行線及び列線と、前記複数本の行線に接続され、選択信号を提供するための行駆動モジュールと、前記複数本の列線に接続され、パルス幅変調信号に基づいて、階調データに対応する駆動信号を提供するための列駆動モジュールと、前記複数本の行線の1つ及び前記複数本の列線の1つに接続されるLEDをそれぞれ含む複数の画素ユニットと、前記複数本の列線に接続されるチャンネル制御モジュールとを含み、前記チャンネル制御モジュールは、前記パルス幅変調信号が有効である第1の期間に、対応する列線の列線電圧を目標電圧に調節するために用いられる。
【0009】
好ましくは、前記列駆動モジュールは、前記第1の期間の後の第2の期間に、定電流源が駆動電流を提供するように制御することによって、対応する列線の複数のLEDを点灯させて、階調に対応する輝度を発生させるために用いられる。
【0010】
好ましくは、前記チャンネル制御モジュールは、正相入力端、逆相入力端、イネーブル端及び出力端をそれぞれ含む複数のバッファ増幅器を含み、前記正相入力端は、前記目標電圧を受信するために用いられ、前記逆相入力端及び前記出力端は、対応する列線に接続され、前記イネーブル端は、イネーブル信号を受信するために用いられる。
【0011】
好ましくは、前記チャンネル制御モジュールは、予め設定された数値に基づいて、前記複数本の列線の目標電圧を設定するための目標電圧発生ユニットをさらに含む。
【0012】
好ましくは、前記チャンネル制御モジュールは、前記複数本の列線に接続され、前記複数本の列線の最小オン電圧を取得するための電圧検出ユニットと、前記複数本の列線の最小オン電圧に基づいて、前記複数本の列線のそれぞれの目標電圧を設定するための目標電圧発生ユニットとをさらに含む。
【0013】
好ましくは、前記チャンネル制御モジュールは、前記各列線のパルス幅変調信号と同期した前記イネーブル信号を生成するためのタイミングジェネレータをさらに含む。
【0014】
前記表示アレイは、LED表示アレイ、AMOLED表示アレイ、MicroLED又はMiniLED表示アレイを含む。
【0015】
本発明の実施例による第2の態様によれば、LED表示装置用の駆動方法が提供され、前記LED表示装置は、複数本の行線、列線及び複数の画素ユニットを含み、各画素ユニットは、前記複数本の行線の1つ及び前記複数本の列線の1つに接続されるLEDを含み、前記駆動方法は、表示画像に基づいて階調データを生成するステップと、前記階調データに基づいて、パルス幅変調信号を生成するステップと、前記パルス幅変調信号が有効である第1の期間に、対応する列線の列線電圧を目標電圧に調節するステップとを含む。
【0016】
好ましくは、前記駆動方法は、前記第1の期間の後の第2の期間に、前記パルス幅変調信号に基づいて、定電流源が駆動電流を提供するように制御することによって、対応する列線の複数のLEDを点灯させて、階調に対応する輝度を発生させるステップをさらに含む。
【0017】
本発明の実施例による第3の態様によれば、LED表示装置用のチップが提供され、前記チップは、上記の行駆動モジュール、列駆動モジュール及びチャンネル制御モジュールのうちの少なくとも1つを含む。
【0018】
本発明の実施例のLED表示装置は、チャンネル制御モジュールを含み、チャンネル制御モジュールは、パルス幅変調信号が有効である第1の期間に、各列線を予め充電し、各列線の列線電圧を目標電圧に調節し、低階調画像を表示する時の定電流オン速度を向上させ、低階調表示時の低階調リニアリティを改善することができる。
【0019】
代替的な実施例では、チャンネル制御モジュールにおけるバッファ増幅器は、定電流駆動チップの内部の回路構造によって実現することができ、さらなる回路コスト及び消費電力を増加させない必要がない。
【0020】
代替的な実施例では、チャンネル制御モジュールは、各列線が安定して出力する時の最小オン電圧に基づいて、各列線の目標電圧を設定することによって、低階調画像を表示する時の一致性をさらに補償することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図面を参照する本発明の実施例についての以下の説明によって、本発明の上記及びその他の目的、特徴及び利点は、より明瞭になる。
【0022】
【
図1】
図1は本発明の実施例によるLED表示装置の構造概略図を示す。
【
図2】
図2は
図1のLED表示装置における列駆動モジュールの概略的な回路図を示す。
【
図3】
図3は
図1のLED表示装置におけるチャンネル制御モジュールの概略的な回路図を示す。
【
図4】
図4は本発明の実施例によるLEDを駆動する概略的な波形図を示す。
【
図5】
図5は
図1のLED表示装置におけるチャンネル制御モジュールの別の概略的な回路図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明をより詳細に説明する。各図面において、同じ要素は、同様な符号で表される。明確にするために、図面の各部分は比例して描かれていない。さらに、図には、いくつかの公知の部分が示されていない場合がある。
【0024】
以下に、本発明の多くの特定の詳細、例えば、デバイスの構造、材料、サイズ、処理プロセス及び技術について説明し、本発明をより明確に理解する。しかしながら、当業者に理解されるように、本発明は、これらの特定の詳細に従って実現されなくてもよい。
【0025】
図1は、本発明の実施例によるLED表示装置の構造概略図を示す。LED表示装置100は、行駆動モジュール110、列駆動モジュール120、チャンネル制御モジュール130及び表示アレイ160を含む。
【0026】
前記表示アレイ160は、LED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)表示アレイ、AMOLED(Active-matrix organic light-emitting diode、アクティブマトリクス式有機発光ダイオード)表示アレイ、MicroLED又はMiniLED表示アレイを含む。
【0027】
例えば、表示アレイ160は、行及び列で配列された複数のLEDを含む。一例として、
図1は、4行*6列の表示アレイ160を示す。LEDは、陽極及び陰極を含み、陰極と陰極との間に順方向電圧が印加されると、LEDが点灯する。同一行の複数のLEDの陽極は、同一行の線に共通に接続され、例えば、1行目のLED D11~D16の陽極は、行線G1に共通に接続される。同一列の複数のLEDの陰極は、同一の列線に共通に接続され、例えば、1列目のLED D11~D41の陰極は、列線S1に共通に接続される。
【0028】
行駆動モジュール110は、複数本の行線G1~G4に接続され、選択信号を提供するために用いられる。行駆動モジュール110の内部は、それぞれ複数本の行線の1つに接続される複数の選択スイッチトランジスタを含む。前記複数の選択スイッチトランジスタがオンされると、前記行線は、対応する選択スイッチトランジスタを介して高電位端に接続される。
【0029】
列駆動モジュール120は、複数本の列線S1~S6に接続され、階調データに対応する駆動信号を提供するために用いられる。列駆動モジュール120の内部は、それぞれ複数本の列線の1つに接続される複数の定電流源を含む。行駆動モジュール110が同一行の複数のLEDを選択すると、上述したように、前記複数のLEDの陽極が高電位に接続され、陰極がそれぞれ複数の定電流源に接続されることにより、前記複数のLEDの陽極と陰極との間に順方向電圧を印加して、前記複数のLEDを点灯させる。
【0030】
チャンネル制御モジュール130は、複数本の列線S1~S6に接続される。チャンネル制御モジュール130は、各列線S1~S6に対応するパルス幅変調信号が有効である第1の期間に、対応する列線と行線との間の寄生容量を予め充電し、対応する列線の列線電圧を目標電圧に調節するために用いられる。次に、列駆動モジュール120は、前記第1の期間の後の第2の期間に、パルス幅変調信号に基づいて、定電流源が駆動電流を提供するように制御することによって、列線S1~S6の複数のLEDを点灯させる。
【0031】
上記のLED表示装置100では、表示アレイ160における複数のLEDのそれぞれは、画素ユニットとされる。LED表示装置100における各画素は、1つ又は複数の画素ユニットを含んでいてもよいことが理解され得る。例えば、カラー画像を表示する場合、3つのLEDを用いて、赤緑青の色成分をそれぞれ表示し、各LEDは、それ自体の発光特性に基づいて、対応する色の光を発生させたり、付加的な光学フィルターを用いて対応する色の光を発生させたりすることができる。
【0032】
LED表示装置100が動画を表示する間、行駆動モジュール110は、例えば、行ごとに走査し、順に行線をハイレベルに接続する。これに対応して、列駆動モジュール120における複数の定電流源は、該行の複数のLEDにそれぞれ定電流を印加する。列駆動モジュール120は、画像の対応する行の階調データに基づいて、パルス幅変調信号のデューティサイクルを制御することによって、対応する行の複数のLEDの有効点灯時間を変更し、それにより、前記複数のLEDの輝度を調節し、画像の表示を実現する。
【0033】
他の実施例では、LED表示装置100は、駆動チップを含んでもよく、該駆動チップに上記行駆動モジュール110、列駆動モジュール120及びチャンネル制御モジュール130のうちの少なくとも1つが集積されている。
【0034】
図2は、
図1のLED表示装置における列駆動モジュールの概略的な回路図を示す。該列駆動モジュール120は、シリアルデータに基づいて定電流出力を生成する定電流駆動モジュールである。
【0035】
列駆動モジュール120は、シフトレジスタ121、定電流出力ラッチ122、定電流出力制御ユニット123、出力電流調整ユニット124、複数の定電流源I1~I6、バッファU1~U4、及びインバータU5を含む。
【0036】
シフトレジスタ121は、それぞれ、バッファU1及びU2を介してクロック信号CLK及びシリアル入力データSDIを受信する。例えば、クロック信号CLKの立ち上がりエッジでは、シフトレジスタ121はシフトする。シフトレジスタ121は、バッファU3を介してシリアル出力データSDOを提供する。
【0037】
定電流出力ラッチ122はシフトレジスタ121に接続され、バッファU4を介してラッチイネーブル信号LEを受信する。ラッチイネーブル信号LEが有効である場合、定電流出力ラッチ122は、シフトレジスタ121からシリアルデータを受信する。ラッチイネーブル信号LEが無効である場合、定電流出力ラッチ122は、受信したシリアルデータをラッチする。
【0038】
定電流出力制御ユニット123は定電流出力ラッチ122に接続され、インバータU5を介してゲートイネーブル信号OEを受信する。ゲートイネーブル信号OEが無効である場合、複数の出力端OUT1~OUT6は定電流出力を提供する。ゲートイネーブル信号OEが有効である場合、複数の出力端OUT1~OUT6はオフとなることで、定電流出力を提供しない。
【0039】
複数の定電流源I1~I6は定電流出力制御ユニット123に接続される。定電流出力制御ユニット123は、シリアルデータに基づいて、対応するデューティサイクルのパルス幅変調信号を生成し、複数の定電流源I1~I6のオン状態をそれぞれ制御することによって、LEDの有効点灯時間を変更する。
【0040】
出力電流調整ユニット124は、前記複数の定電流源I1~I6の電流数値を設定するために、電流設定信号ISETを受信する。該電流設定信号ISETは、外部の抵抗により生成することができる。
【0041】
該実施例では、シフトレジスタ121は、シリアル出力データSDOを提供し、従って、複数の列駆動モジュール120を互いに直列接続することができる。各LED定電流駆動モジュールの出力端の数は限られているが、複数の列駆動モジュール120を直列接続してより多くの出力端を提供することによって、対応する数の列線を駆動することができる。
【0042】
図3は、
図1のLED表示装置におけるチャンネル制御モジュールの概略的な回路図を示す。チャンネル制御モジュール130は、複数のバッファ増幅器OP1~OP6、タイミングジェネレータ131及び目標電圧発生ユニット132を含む。
【0043】
該実施例では、複数のバッファ増幅器OP1~OP6のそれぞれは、正相入力端、逆相入力端、出力端及びイネーブル端を含む。目標電圧VSETを受信するために、複数のバッファ増幅器OP1~OP6の正相入力端は、前記目標電圧発生ユニット132に接続され、逆相入力端及び出力端は、対応する列線に接続され、イネーブル端は、タイミングジェネレータ131に接続される。前述したように、
図3における列線S1~S6の一端は列駆動モジュール120の複数の出力端OUT1~OUT6に接続され、他端は複数のLEDに接続される。タイミングジェネレータ131は、前記パルス幅変調信号と同期したイネーブル信号ENを生成するために用いられる。イネーブル信号ENが有効である場合、前記複数のバッファ増幅器OP1~OP6はオンとなり、イネーブル信号ENが無効である場合、前記複数のバッファ増幅器OP1~OP6はオフとなる。
【0044】
本実施例では、目標電圧発生ユニット132は、例えば、ディジタルアナログ変換器(Digital-to-Analog Converter、DAC)によって実現され、受信した、複数の列線が安定条件で動作する最小オン電圧を表すデジタル信号に基づいて、前記目標電圧VSETを生成するために用いられる。
【0045】
図4は、本発明の実施例によるLEDを駆動する概略的な波形図を示す。
図4では、PWMx、ENx、VSxは、第xチャンネルのパルス幅変調信号、第xチャンネルのイネーブル信号、第xチャンネルの電圧の時間に従う変化をそれぞれ表す。
【0046】
なお、本実施例のLED表示装置100では、LEDの有効点灯時間は、予め充電時間及び定電流充電時間に分けられている。予め充電時間内において、チャンネル制御モジュール130は、複数本の列線S1~S6の列線電圧を目標電圧にする。定電流充電時間において、列駆動モジュール120は、パルス幅変調信号に基づいて、定電流源が複数本の列線S1~S6に定電流充電を行うように制御することによって、複数本の列線S1~S6のLEDを点灯させる。
【0047】
上述したように、チャンネル制御モジュール130におけるタイミングジェネレータ131は、パルス幅変調信号と同期したイネーブル信号ENを生成する。該実施例では、パルス幅変調信号とイネーブル信号ENは、いずれも、ハイレベルの場合有効であり、低レベルの場合、無効である。
【0048】
図5に示す実施例では、LEDの有効点灯時間は、予め充電時間及び定電流充電時間に分けられる。例えば、LEDの有効点灯時間は、時点t0~t3であり、予め充電時間及び定電流充電時間に分けられ、予め充電時間の期間は、時点t0~t1であり、定電流充電時間の期間は時点t1~t2である。
【0049】
時点t0に、パルス幅変調信号PWMx及びイネーブル信号ENxは、同時に有効状態に変わり、チャンネル制御モジュール130におけるバッファ増幅器OPxはオンとなり、バッファ増幅器OPxは、対応する列線の列線電圧VSxと目標電圧VSETとの間の電圧差に基づいて充放電電流を提供し、列線電圧VSxが目標電圧VSETよりも大きいと、該列線を放電し、該列線の列線電圧を低くする。
【0050】
時点t1に、バッファ増幅器OPxは、対応する列線の列線電圧VSxを目標電圧VSETの近くにし、列線電圧VSxが目標電圧VSETよりも小さいと、バッファ増幅器OPxはオフとなる。本実施例では、目標電圧VSETは各チャンネルの最小オン電圧よりもやや大きく、従って、回路は定電流源駆動回路に回復され、列駆動モジュール120は、パルス幅変調信号PWMxに基づいて、定電流源が駆動電流を提供するように制御し、列線電圧VSxを引き続き低くする。
【0051】
時点t2に、列線電圧VSxは第xチャンネルの最小オン電圧に下げられ、第xチャンネルは、有効かつオンとなり、列線Sxにおける複数のLEDは点灯される。時点t3に、列線Sxの有効点灯を完了させる。
【0052】
図5は、
図1のLED表示装置におけるチャンネル制御モジュールの別の概略的な回路図を示す。代替的な実施例では、チャンネル制御モジュール230は、タイミングジェネレータ231、目標電圧発生ユニット232及び電圧検出ユニット233を含む。電圧検出ユニット233は、例えば、アナログデジタル変換器(Analog-to-Digital Converter、ADC)によって実現され、電圧検出ユニット233は複数本の列線S1~S6に接続され、各列線が安定して出力する時の最小オン電圧を検出し、各列線の最小オン電圧を表すデジタル信号を出力するために用いられる。目標電圧発生ユニット232は、例えば、ディジタルアナログ変換器(Digital-to-Analog Converter、DAC)によって実現され、目標電圧発生ユニット232は電圧検出ユニット233に接続され、電圧検出ユニット233により収集された、最小オン電圧を表すデジタル信号に基づいて、複数本の列線S1~S6のそれぞれの目標電圧を設定する。従って、目標電圧発生ユニット232は、最小オン電圧を受信するための入力端、及び複数の目標電圧VSET1-VSET6を提供するための複数の出力端を有し、各出力端は、対応するバッファ増幅器の正相入力端に接続されることによって、低階調画像を表示する時の階調のリニアリティ及び一致性をさらに補償する。
【0053】
なお、上記実施例では、共通陽極構造のLED表示装置を例に説明するが、本発明の実施例のチャンネル制御モジュールは、同様に、共通陰極構造のLED表示装置に適用でき、パルス幅変調信号が有効である第1の期間に、各列線の列線電圧を目標電圧に調節することによって、低階調画像を表示する時の定電流オン速度を向上させることができる。
【0054】
以上のように、本発明の実施例のLED表示装置は、チャンネル制御モジュールを含み、チャンネル制御モジュールは、パルス幅変調信号が有効である第1の期間に、各列線を予め充電し、各列線の列線電圧を目標電圧に調節し、低階調画像を表示する時の定電流オン速度を向上させ、低階調表示時の低階調のリニアリティを改善することができる。
【0055】
代替的な実施例では、チャンネル制御モジュールにおけるバッファ増幅器は、定電流駆動チップの内部の回路構造によって実現することができ、さらなる回路コスト及び消費電力を増加させない。
【0056】
代替的な実施例では、チャンネル制御モジュールは、各列線が安定して出力する時の最小オン電圧に基づいて、各列線の目標電圧を設定することによって、低階調画像を表示する時の一致性をさらに補償することができる。
【0057】
なお、本明細書において、第1及び第2のような関係用語は、1つのエンティティ又は動作を別のエンティティ又は動作と区別するためにのみ使用され、これらのエンティティ又は動作の間にこのような実際の関係又は順序があることを必ずしも要求又は暗示するものではない。さらに、用語の「含む」、「含有する」、又はその任意の他の変形は、一連の要素を含むプロセス、方法、物品又は装置がそれらの要素だけでなく、明確に記載されていない他の要素、又はそのようなプロセス、方法、物品又は装置に固有の要素も含むように、非排他的な含むことを意味する。さらに制限がない場合、「1つの…を含む」という文によって定義される要素は、その要素を含むプロセス、方法、物品、又はデバイスにおいて、さらに同じ要素が存在することを排除するものではない。
【0058】
本発明の実施例は、上記の通りであるが、これらの実施例は全ての詳細を詳述するものではなく、該発明が前記具体的な実施例に過ぎないことを制限しない。明らかに、以上の説明に基づいて、多くの修正及び変更を行うことができる。本明細書においては、これらの実施例を選択して具体的に説明することは、本発明の原理及び実際の応用をよりよく解釈することによって、当業者が本発明及び本発明を基礎とする修正使用をよく利用できるようにするためである。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物によってのみ限定されるものである。