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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-05
(45)【発行日】2023-09-13
(54)【発明の名称】マッチングシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230906BHJP
   G06Q 30/0601 20230101ALI20230906BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/0601 312
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022563358
(86)(22)【出願日】2022-05-18
(86)【国際出願番号】 JP2022020637
(87)【国際公開番号】W WO2022249944
(87)【国際公開日】2022-12-01
【審査請求日】2022-10-19
(31)【優先権主張番号】P 2021089019
(32)【優先日】2021-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004547
【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 功
(72)【発明者】
【氏名】小山 康則
(72)【発明者】
【氏名】内橋 海実
(72)【発明者】
【氏名】平野 芳樹
(72)【発明者】
【氏名】堀口 貴範
【審査官】石坂 博明
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-136370(JP,A)
【文献】特開2019-088041(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1車両が駐車している駐車場所を第2車両に渡すマッチングシステムであって、
前記第1車両のユーザによって前記駐車場所を登録する登録部と、
前記第2車両のユーザの目的地を設定する設定部と、
前記第2車両の現在地を取得する取得部と、
前記第2車両のユーザが前記第2車両を運転し、前記現在地が前記目的地に対して予め定められた接近条件を満たさない状態から満たす状態に切り替わった場合において、前記目的地に対して所定の近距離条件を満たす前記駐車場所に前記第1車両を駐車している前記第1車両のユーザと前記第2車両のユーザとの間で、前記駐車場所の受け渡しを行う意思を確認する確認部と、
を備えるマッチングシステム。
【請求項2】
前記目的地と前記現在地とに基づいて前記第2車両が前記目的地に到達するまでの所要時間を算出する算出部と、
前記所要時間に基づいて前記現在地が前記接近条件を満たすか否かを判定する判定部と、を備える請求項1に記載のマッチングシステム。
【請求項3】
前記算出部は、交通情報を加味して前記所要時間を算出する請求項2に記載のマッチングシステム。
【請求項4】
前記駐車場所は、駐車場である請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のマッチングシステム。
【請求項5】
前記駐車場所は、路上である請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のマッチングシステム。
【請求項6】
前記第1車両のユーザに対し、前記第2車両の接近状況を報知する請求項1又は請求項2に記載のマッチングシステム。
【請求項7】
前記現在地が前記接近条件を満たすか否かを判定し、満たすと判定した場合に前記第2車両との間でマッチング条件を満たす前記駐車場所を検索する判定部を備え、
前記マッチング条件は、予め登録された前記第2車両の特徴と予め登録された前記駐車場所の特徴及び予め登録された前記第1車両の特徴のうち少なくとも一方との関係に基づく条件を含む請求項1又は請求項2に記載のマッチングシステム。
【請求項8】
前記現在地が前記接近条件を満たすか否かを判定し、満たすと判定した場合に前記第2車両との間でマッチング条件を満たす前記駐車場所を検索する判定部を備え、
前記判定部は、検索によって複数の前記駐車場所が抽出された場合、抽出された前記駐車場所の各々に駐車する前記第1車両のユーザが過去に前記受け渡しを行う意思を確認した後に行った行動履歴に基づいて、所定処理を行う請求項1又は請求項2に記載のマッチングシステム。
【請求項9】
前記確認部によって前記受け渡しを行う意思が確認された後、前記第1車両のユーザに対し、前記第2車両の外観を特定可能な情報を報知する請求項1又は請求項2に記載のマッチングシステム。
【請求項10】
前記確認部によって前記受け渡しを行う意思が確認された後、前記第2車両のユーザに対し、前記第1車両の外観を特定可能な情報を報知する請求項1又は請求項2に記載のマッチングシステム。
【請求項11】
前記現在地が前記接近条件を満たすか否かを判定し、満たすと判定した場合に前記第2車両との間でマッチング条件を満たす前記駐車場所を検索する判定部と、
前記目的地と前記現在地とに基づいて前記第2車両が前記目的地に到達するまでの所要時間を算出する算出部と、を備え、
前記マッチング条件は、前記算出部によって算出された前記所要時間と、前記第1車両のユーザの引き渡し希望時刻を示す情報と、に基づく条件を含む請求項1又は請求項2に記載のマッチングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッチングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、第1車両の駐車場所を第2車両に渡すための方法が開示されている。この方法では、第1車両の駐車場所の解放照会が受信され、第2車両の駐車場所に応じた検索クエリが受信される。そして、解放照会が検索クエリに割り当てられ、第1車両と第2車両がマッチングされる。マッチングされた第1車両と第2車両は、互いに視界内にある場合に駐車場所の受け渡しを行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】独国特許出願公開第102015216315号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の方法では、第1車両とマッチングされた第2車両が、第1車両の駐車場所から大きく離れている場合、交通状況等によって第2車両の到着時刻が到着予定時刻から大幅にずれるおそれがある。
【0005】
本発明は、第2車両が第1車両の駐車場所に到着する時刻が到着予定時刻からずれることを抑制することが可能な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明のマッチングシステムは、第1車両が駐車している駐車場所を第2車両に渡すシステムであり、登録部と、設定部と、取得部と、確認部と、を備える。登録部は、第1車両のユーザによって駐車場所を登録する。設定部は、第2車両のユーザの目的地を設定する。取得部は、第2車両の現在地を取得する。確認部は、第2車両のユーザが第2車両を運転し、現在地が目的地に対して予め定められた接近条件を満たさない状態から満たす状態に切り替わった場合において、目的地に対して所定の近距離条件を満たす駐車場所に第1車両を駐車している第1車両のユーザと第2車両のユーザとの間で、駐車場所の受け渡しを行う意思を確認する。
【0007】
このマッチングシステムでは、第2車両が目的地に対してある程度接近してから、第2車両のユーザと目的地周辺の第1車両のユーザとの間で駐車場所の受け渡しを行う意思を確認する。このため、第2車両が第1車両の駐車場所に到達するまでの距離が比較的短くなり、その結果、第2車両が第1車両の駐車場所に到着する時刻が到着予定時刻からずれることを抑制することができる。
【0008】
(2)上記マッチングシステムは、算出部と、判定部とを備える構成であってもよい。算出部は、目的地と現在地とに基づいて第2車両が目的地に到達するまでの所要時間を算出する。判定部は、所要時間に基づいて現在地が接近条件を満たすか否かを判定する。
【0009】
この構成によれば、第2車両が目的地に到達するまでの所要時間に基づいて、第2車両の現在地が接近条件を満たすか否かを判定することができる。このため、第1車両のユーザを待たせる時間が長くなることを抑制することができる。
【0010】
(3)上記算出部は、交通情報を加味して所要時間を算出する構成であってもよい。
【0011】
この構成によれば、交通情報を加味して所要時間をより正確に算出することができる。
【0012】
(4)上記駐車場所は、駐車場であってもよい。
【0013】
この構成によれば、第1車両が駐車する駐車場を第2車両に受け渡すことができる。
【0014】
(5)上記駐車場所は、路上であってもよい。
【0015】
この構成によれば、路上に駐車している第1車両の駐車場所を、第2車両に受け渡すことができる。
【0016】
(6)上記マッチングシステムは、第1車両のユーザに対し、第2車両の接近状況を報知する構成であってもよい。
【0017】
この構成によれば、第1車両のユーザが第2車両の接近状況を把握することができる。このため、第2車両がいつ到着するか分からないことによるストレスが、第1車両のユーザに生じることを抑制することができる。
【0018】
(7)上記マッチングシステムは、現在地が接近条件を満たすか否かを判定し、満たすと判定した場合に第2車両との間でマッチング条件を満たす駐車場所を検索する判定部を備えていてもよい。マッチング条件は、予め登録された第2車両の特徴と予め登録された駐車場所の特徴及び予め登録された第1車両の特徴のうち少なくとも一方との関係に基づく条件を含んでいてもよい。
【0019】
この構成によれば、第2車両の特徴と駐車場所の特徴及び第1車両の特徴のうち少なくとも一方との関係に基づいて駐車場所が検索されるため、第2車両に適した駐車場所を検索しやすい。
【0020】
(8)上記マッチングシステムは、現在地が接近条件を満たすか否かを判定し、満たすと判定した場合に第2車両との間でマッチング条件を満たす駐車場所を検索する判定部を備えていてもよい。判定部は、検索によって複数の駐車場所が抽出された場合、抽出された駐車場所の各々に駐車する第1車両のユーザが過去に受け渡しを行う意思を確認した後に行った行動履歴に基づいて、所定処理を行ってもよい。
【0021】
この構成によれば、第1車両のユーザが過去に受け渡しを行う意思を確認した後に行った行動履歴を、今回のマッチングに反映させることができる。
【0022】
(9)上記マッチングシステムは、確認部によって受け渡しを行う意思が確認された後、第1車両のユーザに対し、第2車両の外観を特定可能な情報を報知してもよい。
【0023】
この構成によれば、第1車両のユーザが第2車両の外観を把握しやすいため、第1車両のユーザが第2車両を見つけやすい。
【0024】
(10)上記マッチングシステムは、確認部によって受け渡しを行う意思が確認された後、第2車両のユーザに対し、第1車両の外観を特定可能な情報を報知してもよい。
【0025】
この構成によれば、第2車両のユーザが第1車両の外観を把握しやすいため、第2車両のユーザが第1車両を見つけやすい。
【0026】
(11)上記マッチングシステムは、現在地が接近条件を満たすか否かを判定し、満たすと判定した場合に第2車両との間でマッチング条件を満たす駐車場所を検索する判定部を備えていてもよい。上記マッチングシステムは、目的地と現在地とに基づいて第2車両が目的地に到達するまでの所要時間を算出する算出部を備えていてもよい。マッチング条件は、算出部によって算出された所要時間と、第1車両のユーザの引き渡し希望時刻を示す情報と、に基づく条件を含んでいてもよい。
【0027】
この構成によれば、第1車両のユーザが、引き渡し希望時刻を予め設定しておくことができるため、第1車両のユーザが第2車両の到着まで待つ時間を短縮しやすい。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、第2車両が第1車両の駐車場所に到着する時刻が到着予定時刻からずれることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1は、駐車している第1車両と出発地点に位置する第2車両との位置関係を例示した説明図である。
図2図2は、マッチングシステムを概略的に例示する構成図である。
図3図3は、第1車両の接近状況を報知する表示画像の一例である。
図4図4は、マッチングシステムが行う処理の流れを例示したフローチャートである。
図5図5は、現在地が接近条件を満たした第2車両と第1車両との位置関係を例示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
1.第1実施形態
1-1.マッチングシステム100の構成
図1には、駐車場所PPに駐車している第1車両C1と、目的地Ptgに向かう第2車両C2とが示されている。マッチングシステム100は、第1車両C1が駐車している駐車場所PPを第2車両C2に渡すシステムである。なお、駐車場所PPは、駐車場であってもよいし、路上であってもよい。
【0031】
マッチングシステム100は、図2に示すように、第1端末装置10と、第2端末装置20と、サーバ30と、を備える。第1端末装置10及び第2端末装置20は、それぞれサーバ30と無線通信しうる。第1端末装置10、第2端末装置20及びサーバ30には、それぞれ第1車両C1と第2車両C2をマッチングするためのアプリケーションプログラムがインストールされている。
【0032】
第1端末装置10は、第1車両C1のユーザによって操作される装置である。第1端末装置10は、本実施形態では、スマートフォンなどの携帯通信端末である。第1端末装置10は、制御部11と、通信部12と、操作部13と、表示部14と、音声出力部15と、位置特定部16と、を有する。
【0033】
制御部11は、例えばMCU(Micro Controller Unit)であり、CPU、ROM、RAMなどを有する。制御部11は、インストールされたアプリケーションプログラムを実行する。
【0034】
通信部12は、サーバ30と無線通信可能に構成されている。通信部12は、無線通信のためのインターフェイスである。通信部12は、例えば公知の通信方式によって無線通信する。
【0035】
操作部13及び表示部14は、例えばタッチパネルを含む。操作部13は、マイクロフォンを含む。操作部13は、手動操作及び音声操作を可能とする。
【0036】
音声出力部15は、音声を出力するものであり、例えばスピーカである。
【0037】
位置特定部16は、第1端末装置10の現在地、つまり第1車両C1の現在地を特定する。位置特定部16は、例えばGPS(Global Positioning System)受信機であり、GPS衛星からの電波を受信し、第1端末装置10の位置を計算によって特定する。
【0038】
第2端末装置20は、第2車両C2のユーザによって操作される装置である。第2端末装置20は、本実施形態では、スマートフォンなどの携帯通信端末である。第2端末装置20は、制御部21と、通信部22と、操作部23と、表示部24と、音声出力部25と、位置特定部26と、を有する。制御部21、通信部22、操作部23、表示部24、音声出力部25、及び位置特定部26は、第1端末装置10の制御部11、通信部12、操作部13、表示部14、音声出力部15、及び位置特定部16と同様の構成であるため詳しい説明を省略する。
【0039】
サーバ30は、制御部31と、通信部32とを有する。制御部31は、例えばMCU(Micro Controller Unit)であり、CPU、ROM、RAMなどを有する。制御部31は、インストールされたアプリケーションプログラムを実行する。通信部32は、第1端末装置10及び第2端末装置20と無線通信可能に構成されている。通信部32は、無線通信のためのインターフェイスである。通信部32は、例えば公知の通信方式によって無線通信する。
【0040】
制御部31は、登録部41と、設定部42と、取得部43と、確認部44と、算出部45と、判定部46と、を有する。
【0041】
登録部41は、第1端末装置10の操作部13による登録操作に応じて、第1車両C1の駐車場所PPを登録する。つまり、登録部41は、第1車両C1のユーザから第1端末装置10によって登録の意思表示があった場合に、その第1車両C1が駐車している場所を駐車場所PPとして登録する。登録操作には、駐車場所PPを入力する操作が含まれる。駐車場所PPを入力する操作には、例えば、駐車場所PPの住所を入力する操作や、第1端末装置10の位置を駐車場所PPとして選択する操作などが含まれる。第1端末装置10の位置を駐車場所PPとして選択する操作が行われた場合、第1端末装置10の位置特定部16によって特定された位置が駐車場所PPとして出力され、登録部41に登録される。
【0042】
登録操作には、駐車場所PPを渡すことが可能な開始時期を入力する開始時期入力操作が含まれる。登録部41は、開始時期入力操作によって入力された開始時期を、駐車場所PPに対応付けて記憶する。開始時期入力操作には、例えば登録直後を選択する操作や、時刻を入力する操作が含まれる。登録直後を選択する操作が行われた場合、第1車両C1の駐車場所PPを渡す相手を探すマッチング処理(図4のステップS36)が、登録直後から開始される。時刻を入力する操作が行われた場合、入力された時刻となってからマッチング処理が開始される。
【0043】
登録操作には、待機許容時間を入力する許容時間入力操作が含まれる。登録部41は、許容時間入力操作によって入力された待機許容時間を、駐車場所PPに対応付けて記憶する。登録部41は、許容時間入力操作が行われた場合、マッチング処理が開始されてから入力された待機許容時間が経過すると、マッチング処理を終了して、駐車場所PPの登録を解除する。
【0044】
設定部42は、第2端末装置20の操作部23による設定操作に応じて、第2車両C2のユーザの目的地Ptgを設定する。設定操作には、目的地Ptgを入力する操作が含まれる。設定部42は、設定操作によって入力された目的地Ptgを設定する。目的地Ptgを入力する操作には、例えば、目的地Ptgの住所を入力する操作や、表示部24に表示される地図画像上でタップする操作などが含まれる。
【0045】
取得部43は、第2車両C2の現在値を取得する。具体的には、取得部43は、第2端末装置20の位置特定部26によって特定された位置を受信し、受信した位置を第2車両C2の現在地PCとして取得する。取得部43は、目的地Ptgが設定された後、第2車両C2の現在地PCを継続的に取得する。
【0046】
確認部44は、第2車両C2のユーザが第2車両C2を運転し、第2車両C2の現在地PCが目的地Ptgに対して予め定められた接近条件を満たさない状態から満たす状態に切り替わった場合において、目的地Ptgに対して所定の近距離条件を満たす駐車場所PPに第1車両C1を駐車している第1車両C1のユーザと第2車両C2のユーザとの間で、駐車場所PPの受け渡しを行う意思を確認する。
【0047】
接近条件は、例えば第2車両C2の現在地PCから目的地Ptgまでの所要時間が予め定められた接近時間以内であることであってもよいし、第2車両C2の現在地PCから目的地Ptgまでの距離が予め定められた接近距離以内であることであってもよい。あるいは、接近条件は、第2車両C2の現在地PCから目的地Ptgに最も近い駐車場所PPまでの所要時間が予め定められた接近時間以内であることであってもよいし、第2車両C2の現在地PCから目的地Ptgに最も近い駐車場所PPまでの距離が予め定められた接近距離以内であることであってもよい。接近時間及び接近距離は、ユーザによって任意に設定可能な構成であってもよいし、固定値であってもよい。
【0048】
近距離条件は、例えば第1車両C1の駐車場所PPから目的地Ptgまでの所要時間が予め定められた所定時間以内であることであってもよいし、第1車両C1の駐車場所PPから目的地Ptgまでの距離が予め定められた所定距離以内であることであってもよい。所定時間及び所定距離は、ユーザによって任意に設定可能な構成であってもよいし、固定値であってもよい。
【0049】
算出部45は、2地点間の経路を車両で移動したときの所要時間を算出する。算出部45は、例えば公知の方法によって2地点間の経路を特定し、特定した経路を車両で移動したときの所要時間を算出する。算出部45は、交通情報を加味して所要時間を算出する。交通情報は、渋滞、工事、通行規制、事故などの情報である。交通情報は、通信部32を介して外部装置から受信される。交通情報には、交通情報通信システムなどの車外装置であるセンターとの間で送受信された道路交通情報や、センターを介さずに他車両との間で直接的に送受信された車間通信情報などが含まれる。
【0050】
算出部45は、目的地Ptgと第2車両C2の現在地PCとに基づいて第2車両C2が目的地Ptgに到達するまでの所要時間を算出する。算出部45は、目的地Ptgが設定された後、随時更新される第2車両C2の現在地PCに基づいて、第2車両C2が目的地Ptgに到達するまでの所要時間を継続的に算出する。
【0051】
判定部46は、算出部45によって算出された所要時間に基づいて、第2車両C2の現在地PCが接近条件を満たすか否かを判定する。判定部46は、目的地Ptgが設定された後、随時更新される所要時間に基づいて、第2車両C2の現在地PCが接近条件を満たすか否かの判定を繰り返し実行する。判定部46は、第2車両C2の現在地PCが接近条件を満たすと判定した場合に、第2車両C2との間でマッチング条件を満たす駐車場所PPを検索する。マッチング条件については、後ほど詳しく説明する。
【0052】
確認部44は、検索された駐車場所PPに駐車する第1車両C1のユーザと第2車両C2のユーザとの間での駐車場所PPの受け渡しを行う意思を確認する。確認部44によって受け渡しの意思が確認された後、第1端末装置10は、第1車両C1のユーザに対し、第2車両C2の接近状況を報知する。例えば、第1端末装置10は、図3に示すように、表示部14に地図を表示させ、地図上に、第1車両C1の駐車場所PPと、第2車両C2の現在地PCと、第2車両C2が第1車両C1の駐車場所PPに到達するまでの経路Rとを表示させる。
【0053】
また、第1端末装置10は、確認部44によって受け渡しの意思が確認された後、第1車両C1のユーザに対し、第2車両C2の外観を特定可能な情報を報知する。第2車両C2の外観を特定可能な情報は、例えば第2車両C2の車種を示す情報、第2車両C2の車体色を示す情報、第2車両C2のナンバープレートの文字を示す情報などである。第1端末装置10は、上記情報を表示部14に表示させることで、上記情報を第1車両C1のユーザに報知する。第1端末装置10は、表示部14による表示に加えて、上記情報を音声出力部15から出力させることで、上記情報を第1車両C1のユーザに報知してもよい。
【0054】
また、第2端末装置20は、確認部44によって受け渡しの意思が確認された後、第2車両C2のユーザに対し、第1車両C1の外観を特定可能な情報を報知する。第1車両C1の外観を特定可能な情報は、例えば第1車両C1の車種を示す情報、第1車両C1の車体色を示す情報、第1車両C1のナンバープレートの文字を示す情報などである。第2端末装置20は、上記情報を表示部24に表示させることで、上記情報を第2車両C2のユーザに報知する。第2端末装置20は、表示部14による表示に加えて、上記情報を音声出力部25から出力させることで、上記情報を第2車両C2のユーザに報知してもよい。
【0055】
1-2.マッチングシステム100の動作
第1端末装置10、第2端末装置20及びサーバ30は、図4に示す処理を行う。第1端末装置10は、ステップS11にて、第1車両C1のユーザによって登録操作が行われた場合、登録操作によって入力された情報をサーバ30に送信する。サーバ30は、登録操作によって入力された情報を受信すると、ステップS31にて、受信した情報を記憶し、その情報に基づいて駐車場所PPを登録する。
【0056】
第2端末装置20は、ステップS21にて、第2車両C2のユーザによって設定操作が行われた場合、設定操作によって入力された情報をサーバ30に送信する。サーバ30は、設定操作によって入力された情報を受信すると、ステップS32にて、受信した情報を記憶し、その情報に基づいて目的地Ptgを設定する。
【0057】
第2端末装置20は、ステップS22にて、位置特定部26によって特定した位置(第2車両C2の現在地PC)をサーバ30に送信する。サーバ30は、ステップS33にて、第2端末装置20から位置情報を受信することで、第2車両C2の現在地PCを取得する。
【0058】
サーバ30は、ステップS34にて、第2車両C2の目的地Ptgと現在地PCとに基づいて、第2車両C2の現在地PCから目的地Ptgまでの経路を探索し、探索した経路での到着予定時刻と、到着までの所要時間とを算出する。サーバ30は、探索した経路、到着予定時刻及び所要時間を第2端末装置20に送信する。第2端末装置20は、サーバ30から経路、到着予定時刻及び所要時間を受信すると、ステップS23にて、表示部24において第2車両C2の現在地PCから目的地Ptgまでのナビゲーションを開始する。
【0059】
サーバ30は、ステップS35にて、第2車両C2の現在地PCが接近条件を満たすか否かを判定する。例えば、図1に示す状態では、第2車両C2は、接近条件を満たす接近エリアA1の外側に位置している。この場合、サーバ30は、第2車両C2の現在地PCが接近条件を満たしていないと判定する。サーバ30は、第2車両C2の現在地PCが接近条件を満たしていないと判定した場合、随時更新される第2車両C2の現在地PCに基づいて、第2車両C2の現在地PCが接近条件を満たさない状態から接近状態を満たす状態に切り替わったか否かを繰り返し判定する。この間、登録済みの駐車場所PP1,PP2,PP3に駐車する第1車両C11,C12,C13のユーザとのマッチングは行われない。
【0060】
その後、図5に示すように、第2車両C2が接近エリアA1内に入ると、第2車両C2の現在地PCが接近条件を満たす。サーバ30は、第2車両C2の現在地PCが接近条件を満たすと判定した場合、ステップS36にて、接近条件を満たすと判定した第2車両C2との間でマッチング条件を満たす駐車場所PPを検索する。
【0061】
マッチング条件は、例えば第2車両C2の目的地Ptgに対して近距離条件を満たす駐車場所PPであるという条件を含む。図5に示す状態では、第1車両C12,C13,C14の駐車場所PP2,PP3,PP4が登録されており、駐車場所PP2,PP3,PP4のうち、駐車場所PP2,PP4のみが近距離条件を満たす近距離エリアA2内に位置している。このため、駐車場所PP2,PP4のみが、第2車両C2の目的地Ptgに対して近距離条件を満たす。
【0062】
マッチング条件は、例えば予め登録された第2車両C2の特徴と予め登録された駐車場所PPの特徴及び予め登録された第1車両C1の特徴のうち少なくとも一方との関係に基づく条件を含む。第2車両C2の特徴と駐車場所PPの特徴との関係に基づく条件は、例えば第2車両C2が電気自動車で、駐車場所PPが充電設備を備える場合に満たされる条件である。別の例として、第2車両C2の特徴と駐車場所PPの特徴との関係に基づく条件は、第2車両C2が小型車で、駐車場所PPが小型車用の駐車場所である場合に満たされる条件である。第2車両C2の特徴と第1車両C1の特徴との関係に基づく条件は、例えば第2車両C2の全長が、第1車両C1の全長以下である場合に満たされる条件である。別の例として、第2車両C2の特徴と第1車両C1の特徴との関係に基づく条件は、第2車両C2の高さが、第1車両C1の高さ以下である場合に満たされる条件である。全長や高さは、予め登録された車種やモデルから特定されてもよい。予め登録された駐車場所PPの特徴は、今回のユーザが入力した情報であってもよいし、過去のユーザが入力した情報であってもよいし、マッチングシステム100の外部から入手した情報であってもよい。
【0063】
マッチング条件は、例えば算出部45によって算出された所要時間と、第1車両C1のユーザの引き渡し希望時刻を示す情報と、に基づく条件を含む。第1車両C1のユーザの引き渡し希望時刻は、第1車両C1のユーザによって設定される。設定方法は、時刻を設定する方法であってもよいし、何分後のように設定する方法であってもよい。サーバ30では、予めバッファ時間が設定されている。上記所要時間に基づいて、引き渡し希望時刻からバッファ時間広げた時間範囲内に第2車両C2の到着が見込まれる場合に、このマッチング条件が満たされる。
【0064】
マッチング条件は、例えば、第2車両C2のユーザが無料の駐車場所PPを希望しており、駐車場所PPが無料である場合に満たされる条件を含む。マッチング条件は、例えば、第2車両C2のユーザが縦列駐車用以外の駐車場所PPを希望しており、駐車場所PPが縦列駐車用以外である場合に満たされる条件を含む。駐車場所PPの情報(無料との情報、縦列駐車用以外との情報)は、今回のユーザが入力した情報であってもよいし、過去のユーザが入力した情報であってもよいし、マッチングシステム100の外部から入手した情報であってもよい。
【0065】
上述したマッチング条件は、必須条件と、ユーザの任意で設定される任意条件とに分類されてもよい。サーバ30は、必須条件を満たすが任意条件を満たさない駐車場所PPを抽出した場合、第2車両C2のユーザにその情報を通知し、ユーザによって許可されれば、マッチング条件を満たすと判断するようにしてもよい。
【0066】
サーバ30の判定部46は、検索によって複数の駐車場所PPが抽出された場合、抽出された駐車場所PPの各々に駐車する第1車両C1のユーザが過去に駐車場所PPの受け渡しを行う意思を確認した後に行った行動履歴に基づいて、所定処理を行う。判定部46は、第1車両C1のユーザの行動履歴に基づいて、第1車両C1のユーザのキャンセル率を算出する。判定部46は、第1車両C1のユーザのキャンセル率に基づいて所定処理を行う。キャンセル率は、例えば、「キャンセルした回数」/「駐車場所PPの受け渡しを行う意思を確認した回数」によって算出される。「キャンセルした回数」は、第1車両C1のユーザが第1端末装置10によってキャンセル操作を行った回数である。所定処理は、例えば、キャンセル率の最も低いユーザを優先的にマッチングさせる処理である。別の例として、所定処理は、ユーザのキャンセル率の低い順に、各々のユーザの駐車場所PPを第2車両C2のユーザに提示する処理である。提示する方法は、例えば第2端末装置20の表示部24に表示させる方法である。キャンセル率の低い順に提示する方法には、キャンセル率の低い順に1つずつ表示する方法だけでなく、複数の駐車場所PPをキャンセル率の低い順に並べてまとめて表示させる方法も含まれる。
【0067】
サーバ30は、マッチング条件を満たす駐車場所PPを抽出できない場合、マッチング条件を満たす駐車場所PPを繰り返し検索する。第2車両C2のユーザは、抽出された駐車場所PPから、希望する駐車場所PPを選択する。
【0068】
なお、マッチング条件を満たす駐車場所PPが複数抽出された場合、予め定められた優先条件に基づいてサーバ30が1つの駐車場所PPを選択してもよい。優先条件は、例えば目的地Ptgに最も近いことであってもよいし、第1車両C1のユーザの評価が高いことであってもよい。また、優先条件は、ユーザによって設定可能であってもよい。
【0069】
サーバ30は、第2車両C2のユーザによって駐車場所PPが選択された場合、ステップS37にて、第1車両C1のユーザ及び第2車両C2のユーザの双方に、選択された駐車場所PPの受け渡しの意思を確認する。例えば、サーバ30は、第1端末装置10の表示部14及び第2端末装置20の表示部24のそれぞれに確認ボタンを表示させ、双方の確認ボタンが操作された場合に、受け渡しの意思があると判定する。
【0070】
サーバ30は、第1車両C1のユーザ及び第2車両C2のユーザの双方に、受け渡しの意思があると判定した場合、ステップS12にて、第1端末装置10に、第1車両C1のユーザに対し第2車両C2の接近状況を報知させる(図3参照)。また、サーバ30は、ステップS24にて、第2端末装置20に、第1車両C1の駐車場所PPまでのナビゲーションを開始させる。
【0071】
サーバ30は、ステップS37の後、ステップS38にて、第2車両C2が第1車両C1の駐車場所PPに到着したか否かを判定する。サーバ30は、例えば、第2車両C2が、駐車場所PPの予め定められた所定半径内に到達した場合に、駐車場所PPに到着したと判定する。サーバ30は、第2車両C2が第1車両C1の駐車場所PPに到着していないと判定した場合、ステップS38を繰り返す。
【0072】
サーバ30は、第2車両C2が第1車両C1の駐車場所PPに到着したと判定した場合、ステップS39にて、第1車両C1のユーザ及び第2車両C2のユーザの双方に、受け渡しの準備が完了したか否かを確認する。例えば、サーバ30は、第1端末装置10の表示部14及び第2端末装置20の表示部24のそれぞれに受け渡しの準備が完了したことを確認する確認ボタンを表示させ、双方の確認ボタンが操作された場合に、受け渡しの準備が完了したと判定する。
【0073】
サーバ30は、受け渡しの準備が完了したと判定した後、ステップS40にて、受け渡しが完了したか否かを確認する。例えば、サーバ30は、第1端末装置10の表示部14及び第2端末装置20の表示部24のそれぞれに受け渡しが完了したことを確認する確認ボタンを表示させ、双方の確認ボタンが操作された場合に、受け渡しが完了したと判定する。
【0074】
サーバ30は、受け渡しが完了したと判定した場合に、ステップS13にて第1端末装置10に第1完了処理を実行させ、ステップS25にて第2端末装置20に第2完了処理を実行させる。第1完了処理は、例えば、今回のマッチングを評価させる処理、第2車両C2のユーザを評価させる処理、今回の報酬を表示する処理などである。第2完了処理は、例えば、今回のマッチングを評価させる処理、第1車両C1のユーザを評価させる処理、今回の支払いを請求する処理などである。
【0075】
1-3.第1実施形態の効果
第1実施形態のマッチングシステム100では、第2車両C2が目的地Ptgに対してある程度接近してから、第2車両C2のユーザと目的地Ptg周辺の第1車両C1のユーザとの間で駐車場所PPの受け渡しを行う意思を確認する。このため、第2車両C2が第1車両C1の駐車場所PPに到達するまでの距離が比較的短くなり、その結果、第2車両C2が第1車両C1の駐車場所PPに到着する時刻が到着予定時刻からずれることを抑制することができる。
【0076】
更に、このマッチングシステム100によれば、第2車両C2が目的地Ptgに到達するまでの所要時間に基づいて、第2車両C2の現在地PCが接近条件を満たすか否かを判定することができる。このため、第1車両C1のユーザを待たせる時間が長くなることを抑制することができる。
【0077】
更に、このマッチングシステム100によれば、交通情報を加味して所要時間をより正確に算出することができる。
【0078】
更に、このマッチングシステム100は、第1車両C1のユーザに対し、第2車両C2の接近状況を報知する。このため、第1車両C1のユーザが第2車両C2の接近状況を把握することができる。よって、第2車両C2がいつ到着するか分からないことによるストレスが、第1車両C1のユーザに生じることを抑制することができる。
【0079】
更に、このマッチングシステム100によれば、第2車両C2の特徴と駐車場所PPの特徴及び第1車両C1の特徴のうち少なくとも一方との関係に基づいて駐車場所PPを検索することができるため、第2車両C2に適した駐車場所PPを検索しやすい。
【0080】
更に、このマッチングシステム100によれば、駐車場所PPの受け渡しを行う意思を確認した後の第1車両C1のユーザの過去の行動履歴を、今回のマッチングに反映させることができる。
【0081】
更に、このマッチングシステム100によれば、第1車両C1のユーザが第2車両C2の外観を把握しやすいため、第1車両C1のユーザが第2車両C2を見つけやすい。
【0082】
更に、このマッチングシステム100によれば、第2車両C2のユーザが第1車両C1の外観を把握しやすいため、第2車両C2のユーザが第1車両C1を見つけやすい。
【0083】
更に、このマッチングシステム100によれば、第1車両C1のユーザが、引き渡し希望時刻を予め設定しておくことができるため、第1車両C1のユーザが第2車両C2の到着まで待つ時間を短縮しやすい。
【0084】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上述した実施形態や後述する実施形態の様々な特徴は、矛盾しない組み合わせであればどのように組み合わされてもよい。
【0085】
上記実施形態では、第1端末装置及び第2端末装置が携帯通信端末であったが、別の装置であってもよく、例えば車載機器であってもよい。
【0086】
上記実施形態では、第1端末装置及び第2端末装置が互いに同じ構成であったが、互いに異なる構成であってもよい。
【0087】
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、今回開示された実施の形態に限定されるものではなく、請求の範囲によって示された範囲内又は請求の範囲と均等の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0088】
41…登録部
42…設定部
43…取得部
44…確認部
45…算出部
46…判定部
100…マッチングシステム
C1…第1車両
C11…第1車両
C12…第1車両
C13…第1車両
C14…第1車両
C2…第2車両
PC…第2車両の現在地
PP…駐車場所
PP1…駐車場所
PP2…駐車場所
PP3…駐車場所
PP4…駐車場所
Ptg…目的地
図1
図2
図3
図4
図5