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特許7344492物品管理システム、販売データ処理装置、プログラム、及び物品管理方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-06
(45)【発行日】2023-09-14
(54)【発明の名称】物品管理システム、販売データ処理装置、プログラム、及び物品管理方法
(51)【国際特許分類】
   G07F 17/12 20060101AFI20230907BHJP
   G06Q 10/08 20230101ALI20230907BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20230907BHJP
   D06F 95/00 20060101ALI20230907BHJP
   D06F 93/00 20060101ALI20230907BHJP
   G06Q 30/06 20230101ALI20230907BHJP
【FI】
G07F17/12
G06Q10/08
G07G1/12 361Z
D06F95/00
D06F93/00
G06Q30/06
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019043946
(22)【出願日】2019-03-11
(65)【公開番号】P2020149122
(43)【公開日】2020-09-17
【審査請求日】2022-03-04
(73)【特許権者】
【識別番号】501363969
【氏名又は名称】株式会社デジジャパン
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】榎本 義一
【審査官】中村 泰二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-236079(JP,A)
【文献】特開2015-217040(JP,A)
【文献】特開2015-092959(JP,A)
【文献】特開2002-000435(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07F 17/00-17/42,19/00
G07G 1/00- 5/00
G06Q 10/00-10/10,
30/00-30/08,
50/00-50/20,
50/26-99/00
D06F 93/00-95/00
A47G 29/12-29/30
E05B 1/00-85/28
G07D 1/00- 3/16,
9/00-13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納または回収される物品を保管する保管手段からの物品の回収の予定または前記保管手段への物品の収納の予定を記憶部に記憶させる予定記憶と、
前記予定記憶により前記記憶部に記憶された予定に対応する回収または収納に応じた所定の事象の有無を判定する判定と、
前記所定の事象の無いことが前記判定により判定されている場合、POS端末の閉設処理に関する所定の処理に際して前記POS端末にて前記所定の事象の無いことに関する報知が行われるように制御する報知制御
を備える物品管理システム。
【請求項2】
前記判定により所定の事象が無いと判定された予定に関する情報を印刷する印刷をさらに備える
請求項1に記載の物品管理システム。
【請求項3】
前記印刷は、前記判定により所定の事象が無いと判定された予定に関する情報について、商品の収納に関する店員の作業ミスが生じている予定に関する情報として印刷する
請求項2に記載の物品管理システム。
【請求項4】
POS端末に対する閉設処理の実行の指示を受け付ける受付をさらに備え、
前記報知制御は、前記受付が前記指示を受け付けたときに、前記所定の事象の無いことが前記判定により判定されたことに応じて、前記報知が行われるように制御する
請求項1から3のいずれか1項に記載の物品管理システム。
【請求項5】
物品管理システムにおけるコンピュータを、
収納または回収される物品を保管する保管手段からの物品の回収の予定または前記保管手段への物品の収納の予定を記憶部に記憶させる予定記憶手段、
前記予定記憶手段により前記記憶部に記憶された予定に対応する回収または収納に応じた所定の事象の有無を判定する判定手段、
前記所定の事象の無いことが前記判定手段により判定されている場合、POS端末の閉設処理に関する所定の処理に際して前記POS端末にて前記所定の事象の無いことに関する報知が行われるように制御する報知制御手段
として機能させるためのプログラム。
【請求項6】
物品管理システムにおける物品管理方法であって、
予定記憶が、収納または回収される物品を保管する保管手段からの物品の回収の予定または前記保管手段への物品の収納の予定を記憶部に記憶させる予定記憶ステップと、
判定が、前記予定記憶ステップにより前記記憶部に記憶された予定に対応する回収または収納に応じた所定の事象の有無を判定する判定ステップと、
報知制御が、前記所定の事象の無いことが前記判定ステップにより判定されている場合、POS端末の閉設処理に関する所定の処理に際して前記POS端末にて前記所定の事象の無いことに関する報知が行われるように制御する報知制御ステップと
を備える物品管理方法。
【請求項7】
収納または回収される物品を保管する保管手段からの物品の回収の予定または前記保管手段への物品の収納の予定を記憶部に記憶させる予定記憶手段と、
前記予定記憶手段により前記記憶部に記憶された予定に対応する回収または収納に応じた所定の事象の有無を判定する判定手段と、
前記所定の事象の無いことが前記判定手段により判定されている場合、自端末による閉設処理に関する所定の処理に際して自端末にて前記所定の事象の無いことに関する報知が行われるように制御する報知制御手段と
を備えるPOS端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品管理システム、販売データ処理装置、プログラム、及び物品管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、クリーニングバッグとロッカーユニットとからなるクリーニング品の受け渡しシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-296315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載される技術では、クリーニング品の受け渡しサービスの提供者(業者)が、客によりロッカーユニットに投入された衣類入りのクリーニングバッグの回収作業(即ち、クリーニング前のクリーニング品の回収作業)と、クリーニングが完了したクリーニング品のロッカーユニットへの収納作業とを行う。
しかしながら、上記の回収作業や収納作業は人的作業である。このため、業者がクリーニング品等の物品の回収作業や収納作業を忘れてしまう場合がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、物品の回収作業や収納作業を業者が忘れずに行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するための本発明の一態様は、収納または回収される物品を保管する保管手段と、前記保管手段からの物品の回収の予定または前記保管手段への物品の収納の予定を記憶する予定記憶手段と、前記予定記憶手段により記憶された予定に対応する回収または収納に応じた所定の事象の有無を判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果に基づく報知が行われるように制御する報知制御手段とを備える物品管理システムである。
【0007】
本発明の一態様は、物品管理システムにおけるコンピュータを、収納または回収される物品を保管する保管手段からの物品の回収の予定または前記保管手段への物品の収納の予定を記憶する予定記憶手段、前記予定記憶手段により記憶された予定に対応する回収または収納に応じた所定の事象の有無を判定する判定手段、前記判定手段による判定結果に基づく報知が行われるように制御する報知制御手段として機能させるためのプログラムである。
【0008】
本発明の一態様は、収納または回収される物品を保管する保管手段からの物品の回収の予定または前記保管手段への物品の収納の予定を記憶する予定記憶ステップと、前記予定記憶ステップにより記憶された予定に対応する回収または収納に応じた所定の事象の有無を判定する判定ステップと、前記判定ステップによる判定結果に基づく報知が行われるように制御する報知制御ステップとを備える物品管理方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、物品の回収作業や収納作業を業者が忘れずに行えるようになるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態におけるクリーニングシステムの構成図である。
図2】本実施形態におけるロッカーの外観例を示す図である。
図3】本実施形態におけるPOS端末の構成例を示す図である。
図4】本実施形態におけるロッカー(受付専用ロッカー)の構成例を示す図である。
図5】本実施形態におけるロッカー(返却専用ロッカー)の構成例を示す図である。
図6】本実施形態における管理装置の構成例を示す図である。
図7】本実施形態における商品預り時の処理手順例を示すフローチャートである。
図8】本実施形態における会員証画面の一例である。
図9】本実施形態における伝票一覧画面の一例である。
図10】本実施形態における伝票詳細画面(預り票画面、電子預り票)の一例である。
図11】本実施形態におけるクリーニングシステムが記憶する各種情報の一例である。
図12】本実施形態におけるクリーニングシステムが記憶する各種情報の一例である。
図13】本実施形態におけるクリーニングシステムが記憶する各種情報の一例である。
図14】本実施形態におけるクリーニングシステムが記憶する各種情報の一例である。
図15】本実施形態におけるクリーニングシステムが記憶する情報の一例である。
図16】本実施形態における予約可能日の特定方法に関する処理手順例を示すフローチャートである。
図17】本実施形態におけるPOS端末の店員側表示部に表示されるロッカー返却予約画面の一例である。
図18】本実施形態におけるPOS端末の客側表示部に表示される客側ロッカー返却予約画面の一例である。
図19】本実施形態におけるPOS端末の店員側表示部に表示されるロッカー返却予約画面の一例である。
図20】本実施形態におけるクリーニングシステムが記憶する情報の一例である。
図21】伝票詳細画面(預り票画面、電子預り票)の一例である。
図22】本実施形態におけるロッカー予約時の処理手順例を示すフローチャートである。
図23】本実施形態におけるロッカー予約時の処理手順例を示すフローチャートである。
図24】本実施形態におけるロッカー返却予定一覧画面の一例である。
図25】本実施形態におけるロッカー返却予定一覧伝票の一例である。
図26】本実施形態における受付専用ロッカーと管理装置とが実行する処理手順例を示すフローチャートである。
図27】本実施形態における返却専用ロッカーが実行する処理手順利を示すフローチャートである。
図28】本実施形態における返却専用ロッカーが実行する処理手順利を示すフローチャートである。
図29】本実施形態における管理装置とPOS端末が商品の未収納の報知に関連して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
図30】本実施形態における未収納報知画面の態様例を示す図である。
図31】本実施形態における管理装置が商品の未収納の報知に関連して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
図32】本実施形態の変形例における収納ミス報知画面の一例を示す図である。
図33】本実施形態の変形例における収納ミス一覧伝票の一例を示す図である。
図34】本実施形態の変形例における予約帳票設定画面の一例を示す図である。
図35】本実施形態の変形例におけるロッカー返却予定一覧画面の一例である。
図36】本実施形態の変形例における預かり伝票の一例を示す図である。
図37】本実施形態の変形例における顧客情報結合画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施形態>
[クリーニングシステムの概略構成例]
図1は、本発明の実施形態(以下、実施形態)に係るクリーニングシステムの構成例の概略を示す。本実施形態のクリーニングシステム1は、クリーニング業務をサポートするシステムである。クリーニング業務では、クリーニングサービスの利用者(客)からクリーニング対象の衣類等の物品(以下、商品とも称する)を受託し、受託された商品を例えば工場等でクリーニングを行い、クリーニングされた商品を利用者に返却するということが行われる。業者は、例えば商品をクリーニングしたことの対価としての料金を利用者から受け取る。
なお、以降の説明にあたり、「客」と「利用者」とは同義な語句として用いる。
【0012】
クリーニングシステム1は、管理装置10とPOS端末(事業者端末)20と店舗携帯端末30(事業者端末)と工場用端末40と利用者端末50とロッカー(保管手段の一例)を備える。
管理装置10、POS端末20、工場用端末40、利用者端末50、及びロッカー(100、200、300)は、ネットワーク90と接続される。
ネットワーク90は特に限定しない。例えば、ネットワーク90は、無線LANや携帯電話網やインターネットなどを利用したものであってもよい。店舗携帯端末30は、POS端末20と、例えば、無線LANにより通信可能である。
【0013】
管理装置10は、例えば、クリーニングシステム1に関する各種情報を管理、提供するサーバである。一例として、管理装置10は、クリーニングに関する各種サービスを提供するクラウドサーバであってもよい。なお、管理装置10は、他の装置(例えば、利用者端末50)に対し、プッシュ型の通信(通知)が実行可能とされてよい。
また、管理装置10は、表示部や操作部を有していてもよいし有していなくてもよい。
管理装置10が操作部や表示部を有しない場合(例えば、データセンタに設置されるサーバ等の場合)には、管理装置10と通信(接続)可能な他の装置(例えば、パーソナルコンピュータ等。非図示)を介して管理装置10のメンテナンス等を実行するようにしてもよい。
【0014】
POS端末20は、クリーニング店(クリーニング取次店)に設置され、クリーニング店の店員によって操作される。POS端末20は、個人店(個人が営むクリーニング店)に設置されてもよいし、チェーン店(チェーン展開された各店舗)に設置されてもよい。
即ち、クリーニングシステム1は、個人店及びチェーン店のいずれにおいても適用可能である。
店舗携帯端末30は、クリーニング店内において用いられる、例えばタブレット端末である。また、POS端末20は、クリーニング店以外でクリーニング対象の商品を取り扱う、コンビニエンスストア等の店舗であってもよい。
【0015】
例えば、POS端末20は、客からの預かり品の登録、会計処理などに利用し、店舗携帯端末30は、客への引渡し商品の一覧を表示させ、店員がバックヤードに移動して引渡し商品を取り出す際に利用する、というように使い分けることができる。
なお、例えばPOS端末20が携帯型として構成されてもよい。この場合には、POS端末20が、店舗携帯端末30の機能も有するようにされてよい。
【0016】
工場用端末40は、クリーニング工場に設置され、クリーニング工場の担当者によって操作される。工場用端末40は、例えば、クリーニング前の商品の確認や、クリーニング後の完了報告などにおいて用いられる。工場用端末40は、例えば、パーソナルコンピュータなどであってもよい。
【0017】
利用者端末50は、利用者が操作する端末(例えば、利用者が所持するスマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等)である。利用者端末50は、ネットワーク90を介して管理装置10、管理装置10とは異なる装置(サーバ(図示省略))からアプリケーションプログラムをダウンロードしてインストール可能に構成されていてもよい。
本実施形態では、クリーニングシステム1におけるクリーニング店(クリーニングに関する各種サービス)を利用する利用者向けのアプリケーションプログラム(以下、単に「クリーニングアプリ」と称する場合がある)が利用者端末50にインストールされ、当該クリーニングアプリにより会員登録が完了しているものとする。
クリーニングアプリは、利用者端末50の表示部に表示される各種画面や各種メッセージに関するデータを含むものであってもよい。また、クリーニングアプリは、利用者の操作に応じて起動、実行、終了する場合に加えて、他のプログラム(アプリケーションプログラムやOS(Operating System))からの要求に応じて、起動、実行、終了する場合があってもよい。例えば、クリーニングアプリは、利用者端末50に画面を表示せずに常駐し、他の装置(例えば、管理装置10等)から送信された情報を受信したかを監視し、情報を受信した場合には、受信した情報に応じた画面を利用者の操作によらずに表示部に表示するようにしてもよい。
【0018】
図2は、ロッカーの外観例を示している。クリーニングシステム1において使用されるロッカーは、商品預り時に使用するロッカー(即ちロッカー受付に対応して使用するロッカー)と、商品引渡し時に使用するロッカー(即ちロッカー返却に対応して使用するロッカー)とがある。
図2(A)は、ロッカー受付においてのみ使用する専用のロッカー(以下、受付専用ロッカーと称する場合がある)100を示す。
図2(B)は、ロッカー受付及びロッカー返却の両方において使用するロッカー(以下、共通ロッカーと称する場合がある)200を示す。
図2(C)は、ロッカー返却においてのみ使用する専用のロッカー(以下、返却専用ロッカーと称する場合がある)300を示す。
【0019】
[受付専用ロッカー]
受付専用ロッカー100は、例えば、図2(A)に示すように、商品を投入するための投入口101、投入口から投入された商品を回収する回収部102、カードを挿入し排出するカード挿入排出口103、種々の情報を表示する表示部104、入力操作を受け付ける入力操作部105、バーコード等を読み取って認識するコード認識部106、レシート等の媒体を発行する発行口107、記憶部(非図示)、表示部104における表示や投入口扉(後述)の施錠等を制御する制御部(非図示)を備える。
なお、受付専用ロッカー100は、必ずしも、上述した全部の構成を備えていなくてもよい。例えば、入力操作部105とコード認識部106のうちのいずれか一方を備え、他方を備えていなくてもよい。
【0020】
投入口101には、暖簾型の扉(以下、投入口扉という)が設けられている。投入口扉は、施錠可能である。投入口扉が解錠状態であるときには、利用者は商品(預ける商品)を投入口101に投入することができる。一方、投入口扉が施錠状態であるときには、利用者は商品を投入口101に投入することができない。投入口扉は、通常時は施錠状態であり、所定条件が成立した場合に解錠され、商品の投入後に再度施錠される。
【0021】
投入口扉を解錠する所定条件としては種々の条件が考えられる。例えば、カード挿入排出口103に挿入されたカード(例えば、会員カード等)の情報、入力操作部105に入力された情報(例えば、暗証番号等)のうちのいずれか一方又は両方に基づいて認証を行い、認証OKの場合に投入口扉を解錠してもよい。また、コード認識部106によって認識された情報(例えば、会員証画面に表示されたバーコードG11、会員カードに印刷されたバーコードの情報等)に基づいて認証を行い、認証OKの場合に投入口扉を解錠してもよい。また、コード認識部106によって認識された情報と、入力操作部105に入力された情報とに基づいて認証を行い、認証OKの場合に投入口扉を解錠してもよい。
【0022】
商品の投入を認識する方法としては種々の方法が考えられる。例えば、投入口扉が、通常の状態(自重により面が鉛直となっている状態)であるか否かを検出可能なセンサ(換言すれば、投入口扉が奥側に押されている状態か否かを検出可能なセンサ)を設けることにより、当該センサの検出結果に基づいて商品の投入を認識してもよい。なお、商品投入後には、奥側に押されていた投入口扉は、自重により元の状態(通常の状態)に戻るが、元の状態に戻った後に元の状態が所定時間(同一利用者による複数回の投入動作がある場合でも全部の投入動作が終了したとみなせる時間。例えば10秒)維持された場合に投入口扉を施錠(自動ロック)してもよい。
【0023】
回収部102内にはキャスター付のカゴが収まるようになっている。つまり、投入口101に投入された商品は、キャスター付のカゴ内に収まるようしている。また、回収部102内の商品(キャスター付カゴ)は、前面からも背面からも取り出しが可能である。
【0024】
回収部102には、商品と取り出し可能な位置に、扉(以下、回収部扉という)が設けられている。回収部扉は、施錠可能である。回収部扉が解錠状態であるときには、店舗の店員等は回収部102から商品(キャスター付カゴ)を取り出すことができる。一方、回収部扉が施錠状態であるときには店舗の店員等は回収部102から商品を取り出すことができない。投入口扉は、通常時は施錠状態であり、店舗の店員等が管理する鍵により解錠され、商品の取り出し後に再度施錠される。
【0025】
なお、回収部102内の商品(キャスター付カゴ)は、前面からも背面からも取り出しが可能であると説明したが、例えば、回収部102の前面側を店舗外に、背面側を店舗内に通じるようにすれば、店舗内においてキャスター付カゴを取り出すことができるため、店舗外において取り出したキャスター付カゴを店舗内に移動させるといった作業が不要になる。つまり、前面側が店舗外に、背面側が店舗内になるように受付専用ロッカー100を設置すれば、回収部102内の商品は、前面からも背面からも取り出しが可能であるため、商品の取り出しの作業を効率的に行うことができる。
【0026】
また、店内側(背面)において、店舗外(前面)から投入口に投入された商品を、自動的に(キャスター付カゴを回収部102内に入れる等の準備や商品を載せたキャスター付カゴを回収部102内から取り出すといった作業を行うことなく)、回収できるようにしてもよい。
例えば、店外側から投入された商品が店内側に自然に移動するように回収部102内の底部を傾斜させるとともに、店内側には回収扉を設けることなく単に開口部としてもよい。これにより、店外側から投入された商品が店内側の開口部に自動的に滑り落ちるようなるため、回収部102の容量(体積)を気にしなくてもよくなる(例えば、利用者はいつでも商品を投入することができる。
また、店員は、回収部102内から、適宜の商品の取り出しを行わなくても済むようになる)。
なお、開口部から滑り落ちる商品を受け止めるように、開口部の下に、大きめのキャスター付カゴ等を置いておけばよい。
【0027】
なお、商品が店内側に移動し易くするために、傾斜部(底部)の材質を滑り易い材質(摩擦係数が小さい材質)にしてもよい(滑り易くなるように、表面をメッキ、コーティング等してもよい)。また、材質(コーティング等含む)に代えて又は加えて、回転体を使用してもよい。例えば、傾斜部の一部に円柱状のもの(ローラー)や球状のものを埋め込んでもよいし、傾斜部の全体に埋め込んでもよい(ローラーや球が傾斜部の表面を形成するようにしてもよい)。
【0028】
なお、回収部扉は、鍵ではなく、投入口101に設けられている投入口扉と同様、所定条件が成立した場合に解錠されるものであってもよい。
【0029】
回収部扉を解錠する所定条件としては種々の条件が考えられる。例えば、カード挿入排出口203に挿入されたカード(例えば、店舗の店員等が管理する管理者カード等)の情報、入力操作部105に入力された情報(例えば、暗証番号等)のうちのいずれか一方又は両方に基づいて認証を行い、認証OKの場合に回収部扉を解錠してもよい。なお、さらに安全を期すため、店舗の店員等が管理する鍵と上述の認証とを併用し、回収部扉を解錠してもよい。
【0030】
なお、受付専用ロッカー100は、他の装置(例えば、POS端末20、管理装置10等)と通信可能であってもよい。つまり、受付専用ロッカー100は、通信部(非図示)を備えていてもよい。
【0031】
受付専用ロッカー100と通信可能に接続される管理装置10は、定期的に(例えば毎日)、入力操作部105に入力するための情報(暗証番号)を生成し、生成した情報を利用者端末50及び受付専用ロッカー100に送信してもよい。
つまり、投入口扉を解錠する所定条件として、利用者は、利用者端末50にて確認した情報(管理装置10において生成された暗証番号)を入力操作部105に入力し、受付専用ロッカー100は、管理装置10から送信された情報と、入力操作部105に入力された情報とを比較し、認証を行ってもよい。
具体例として、管理装置10は、定期的に(例えば毎日)、入力操作部105に入力するための情報(暗証番号)を生成し、生成した情報をPOS端末20及び受付専用ロッカー100に送信してもよい。つまり、回収部扉を解錠する所定条件として、店舗の店員等は、POS端末20(又は店舗携帯端末30)にて確認した情報(管理装置10において生成された暗証番号等)を入力操作部105に入力し、受付専用ロッカー100は、管理装置10から送信された情報と、入力操作部105に入力された情報とを比較し、認証を行ってもよい。
【0032】
また、受付専用ロッカー100が他の装置と通信できる場合には、例えば、回収部扉を解錠する所定条件として、POS端末20が、OTPを生成し、当該OTPをバーコード化したバーコードを生成し、当該バーコードを印字した媒体(回収部扉開放用媒体)を発行するとともに、当該OTPを受付専用ロッカー100に送信(管理装置10を経由して受付専用ロッカー100に送信、又は、直接、受付専用ロッカー100に送信)してもよい。受付専用ロッカー100は、コード認識部106によって認識された情報(具体的には回収部扉開放用媒体に印刷されたバーコードから得られるOTP)と、外部から受信した情報(POS端末20又は管理装置10から受信したOTP)とに基づいて認証を行ってもよい。
【0033】
また、受付専用ロッカー100が他の装置と通信できる場合には、受付専用ロッカー100は、他の装置に認証を依頼し、当該他の装置から認証結果を取得してもよい。なお、他の装置に認証を依頼する場合、受付専用ロッカー100は、当該他の装置が認証を行うために必要な情報(例えば、カード挿入排出口103に挿入されたカードの情報、入力操作部105に入力された情報、コード認識部106によって認識された情報等)を、当該他の装置に送信する。
【0034】
[共通ロッカー]
共通ロッカー200は、例えば、図2(B)に示すように、投入口201、回収部202、カード挿入排出口203、表示部204、入力操作部205、コード認識部206、発行口207、記憶部(非図示)、表示部204における表示や返却口扉(後述)等の施錠等を制御する制御部(非図示)、複数の返却口(返却部)210、返却口対応のパネル部210aを備える。なお、共通ロッカー200の投入口201、回収部202、カード挿入排出口203、表示部204、入力操作部205、コード認識部206、発行口207は、受付専用ロッカー100の投入口101、回収部102、カード挿入排出口103、表示部104、入力操作部105、コード認識部106、発行口107と同様であるため、説明を省略する。なお、共通ロッカー200は、必ず上述した全部の構成を備えていなくてもよい。例えば、入力操作部205とコード認識部206のうちのいずれか一方を備え、他方を備えていなくてもよい。
【0035】
なお、共通ロッカー200は、他の装置(例えば、POS端末20、管理装置10等)と通信可能であってもよい。つまり、共通ロッカー200は、通信部(非図示)を備えていてもよい。
【0036】
図2(B)に示した共通ロッカー200は、上下2段6列のうち、上段の左一列目のパネル部210aの部分を除いた、合計11個の返却口210を備える。図2(B)では、11個の返却口を代表し、左端下の返却口に符号210を付している。なお、各返却口には、管理番号として返却口番号(「扉番号」と称する場合もある)が設定されている。例えば、具体的には、図2(B)に示すように、返却口番号は、左端下が「H12」、左から2列目上が「H21」、左から2列目下が「H22」、…、右端上が「H61」、右端下が「H62」である。
図2(B)の共通ロッカー200における返却口のユニットは、H12、H21、H22、H31、H32の返却口番号の返却口を含むユニットと、H41、H42、H51、H52、H61、H62の返却口番号の返却口を含むユニットとの2つが連結された構成である場合の例が示されている。
なお、夫々の返却口に返却口番号を示したシール等を貼り付けるなどの標記を行って、共通ロッカー200において夫々の返却口の返却口番号が分かるようにしてもよい。
【0037】
返却口210の夫々には扉(以下、返却口扉という)が設けられている。個々の返却口扉は、個別に施錠可能である。返却口扉が解錠状態であるときには、店舗の店員等は商品(利用者に返却する商品)を返却口210に収容することができる。また、返却口扉が解錠状態であるときには、利用者は返却口210から商品を取り出すことができる。一方、返却口扉が施錠状態であるときには、利用者は返却口210から商品を取り出すことができない。
また、返却口扉が施錠状態であるときには、店舗の店員等は商品を返却口210に収容することができない。返却口扉は、通常時は施錠状態であり、所定条件が成立した場合に解錠される。なお、商品の収容後や取り出し後には施錠される。
【0038】
返却口扉を解錠する所定条件としては種々の条件が考えられる。
[商品を収納する際(店員等が解錠する際)の所定条件]
例えば、コード認識部206によって認識された情報(ロッカー返却を希望する利用者ごとに発行された媒体に印刷されているバーコードから得られる情報)に基づいて認証を行い、認証OKの場合に該当する返却口扉(当該利用者に返却する商品を収納するための返却口の返却口扉)を解錠してもよい。なお、当該解錠方法の詳細は後述する。また、上記解錠方法に代えて又は加えて、例えば、回収部扉を解錠する場合と同様、カード挿入排出口203に挿入されたカード(例えば、店舗の店員等が管理する管理者カード等)の情報、入力操作部205に入力された情報(例えば、暗証番号等)のうちのいずれか一方又は両方に基づいて認証を行い、認証OKの場合に返却口扉を解錠してもよい。
【0039】
[商品を取り出す際(利用者が解錠する際)の所定条件]
例えば、投入口扉を解錠する場合と同様、カード挿入排出口203に挿入されたカード(会員カード等)の情報、入力操作部205に入力された情報(暗証番号等)のうちのいずれか一方又は両方に基づいて認証を行い、認証OKの場合に該当する返却口扉(当該利用者の返却する商品を収納している返却口の返却口扉)を解錠してもよい。また、コード認識部206によって認識された情報(会員証画面に表示されたバーコードG11、会員カードに印刷されたバーコードの情報等)に基づいて認証を行い、認証OKの場合に投入口扉を解錠してもよい。また、コード認識部206によって認識された情報と、入力操作部205に入力された情報とに基づいて認証を行い、認証OKの場合に投入口扉を解錠してもよい。なお、さらに安全を期すため、カード挿入排出口203に挿入されたカードの情報と、入力操作部205に入力された情報と、コード認識部206によって認識された情報とに基づいて認証を行い、認証OKの場合に投入口扉を解錠してもよい。
【0040】
商品の取り出しを認識する方法としては種々の方法が考えられる。例えば、返却口扉が、通常の状態(閉鎖された状態)であるか否かを検出可能なセンサ(換言すれば、返却口扉が開放された状態か否かを検出可能なセンサ)を設けることにより、当該センサの検出結果に基づいて商品の取り出しを認識してもよい。なお、商品取り出し後には、返却口扉は付勢力等により元の状態(通常の状態)に戻るようにしてもよい。また、元の状態に戻った後に元の状態が所定時間(同一利用者による複数回の取り出し動作がある場合でも全部の取り出し動作が終了したとみなせる時間。例えば1分)維持された場合に、返却口扉を施錠(自動ロック)してもよい。
【0041】
なお、夫々の返却口210の対応する発光部を設けるようにしてもよい。例えば、図2(B)に示す例では、夫々の返却口210の上側に発光部211を設けている。また、返却口210内には、商品を綺麗に収納するために、棒やフックなどを設けるようにしてもよい。
【0042】
なお、図2(B)に示した共通ロッカー200の返却口数は12であるが、共通ロッカー200の返却口数は12以外であってもよい。
【0043】
[返却専用ロッカー]
返却専用ロッカー300は、例えば、カード挿入排出口(非図示)、表示部(非図示)、入力操作部(非図示)、コード認識部(非図示)、発行口(非図示)、記憶部(非図示)、表示部における表示や返却口扉(後述)等の施錠等を制御する制御部(非図示)、複数の返却口(返却部)310を備える。なお、図2(C)に示した返却専用ロッカー300の場合、カード挿入排出口、表示部、入力操作部、コード認識部、発行口等は、左上部301のパネル部301aに配置されているが、図面の都合上、夫々について図示を省略している。
【0044】
なお、夫々の返却口310の対応する発光部を設けるようにしてもよい。例えば、図2(C)に示す例では、夫々の返却口310の上側に発光部311を設けている。また、返却口310内には、商品を綺麗に収納するために、棒やフックなどを設けるようにしてもよい。
【0045】
なお、図2(C)に示した返却専用ロッカー300の返却口数は5であるが、返却専用ロッカー300の返却口数は5以外であってもよい。
【0046】
[POS端末の構成例]
図3を参照してPOS端末20の構成例について説明する。同図のPOS端末20は、CPU(Central Processing Unit)21、RAM(Random Access Memory)22、記憶部23、入力部25、通信部24、入力部25、店員側表示部26、客側表示部27、及び印刷部28を備える。
【0047】
CPU21は、POS端末20の中央演算処理装置であり、記憶部23に記憶されているプログラムを読み出してRAM22に展開し、展開したプログラムの各ステップを実行することによって、POS端末20の動作を制御する。
RAM22は、POS端末20の主記憶装置であり、CPU21が演算に利用する情報を記憶する。
記憶部23は、POS端末20の補助記憶装置であり、POS端末20に対応する各種の情報を記憶する。
【0048】
通信部24は、ネットワーク経由で通信を行う。これにより、POS端末20は、例えば店舗に設置された他のPOS端末や管理装置、さらに本部等に設置された端末装置やサーバ等と通信を行うことができる。また、通信部24は、例えば近距離無線通信が可能とされてよい。これにより、POS端末20は、近距離無線通信経由で、店員等が所持する店舗携帯端末30と通信を行うことができる。また、POS端末20と店舗にて利用者が所持する利用者端末50とが近距離無線通信経由で通信可能なようにされてもよい。
【0049】
入力部25は、POS端末20に対する各種入力を受け付ける部位である。入力部25は、POS端末20に備えられる物理的なキー、ボタン等の操作子を含んでよい。また、入力部25は、表示部(店員側表示部26、客側表示部27)がタッチパネルとして構成される場合には、表示部の表示面上に配置されたタッチパッドを含んでよい。
また、入力部25は、コード情報等を読み取るスキャナ、各種カードから情報を読み取るカードリーダなどを含んでよい。
【0050】
店員側表示部26は、POS端末20において、POS端末20を操作する店員が表示を視認可能なように設けられ、CPU21の制御に応じて各種の情報を表示する。
【0051】
客側表示部27は、POS端末20において、例えばPOS端末20を操作する店員の応対を受ける利用者(客)が表示を視認可能なように設けられ、CPU21の制御に応じて各種の情報を表示する。
【0052】
なお、店員側表示部26や客側表示部27は、例えば有線または無線によりPOS端末20の本体と接続された外付けのディスプレイ装置であってもよい。この場合において、外付けのディスプレイ装置は、例えば表示面がタッチパネルとして構成され、表示面に対する操作が可能なようにされてよい。
【0053】
印刷部28は、装填された用紙に印刷を行う。本実施形態において印刷部28は、会計に際して、店舗控え伝票、工場控え伝票、及び客控え伝票等を印刷することができる。つまり、POS端末20による各種伝票の発行は、印刷部28が印刷を行うことによって実現される。
【0054】
[受付専用ロッカーの構成例]
図4を参照して、受付専用ロッカー100の構成例について説明する。同図において、図2(A)と同一部分については同一符号を付して適宜説明を省略する。
同図の受付専用ロッカー100は、CPU121、RAM122、記憶部123、通信部124、カードリーダ125、印刷部126、及び回収部センサ127を備える。
CPU121は、受付専用ロッカー100の中央演算処理装置であり、記憶部123に記憶されているプログラムを読み出してRAM122に展開し、展開したプログラムの各ステップを実行することによって、受付専用ロッカー100の動作を制御する。
RAM122は、受付専用ロッカー100の主記憶装置であり、CPU121が演算に利用する情報を記憶する。
記憶部123は、受付専用ロッカー100の補助記憶装置であり、受付専用ロッカー100に対応する各種の情報を記憶する。
通信部124は、ネットワーク経由で通信を行う。これにより、受付専用ロッカー100は、例えば管理装置10等と通信を行うことができる。また、通信部124は、例えば近距離無線通信が可能とされてよい。この場合、受付専用ロッカー100は、近距離無線通信経由で、近辺において店員等が所持する店舗携帯端末30や利用者が所持する利用者端末50等と通信可能とされてよい。
【0055】
カードリーダ125は、カード挿入排出口103に挿入されたカードの情報を読み取る。
印刷部126は、装填された用紙に印刷を行うことで、レシート等の伝票を発行口107から排出させる。
回収部センサ127は、回収部102の所定の状態を検出する。例えば、回収部センサ127は、回収部扉の状態(例えば開閉、施錠、解錠等の状態)を検出してよい。また、回収部センサ127は、回収部102に容れられた物品の容量、重量等を検出してよい。
【0056】
[返却専用ロッカーの構成例]
図5を参照して、返却専用ロッカー300の構成例について説明する。同図において、図2(C)と同一部分については同一符号を付して適宜説明を省略する。
同図の受付専用ロッカー100は、CPU321、RAM322、記憶部323、通信部324、カードリーダ325、印刷部326、及び返却口センサ327を備える。
CPU321は、返却専用ロッカー300の中央演算処理装置であり、記憶部323に記憶されているプログラムを読み出してRAM322に展開し、展開したプログラムの各ステップを実行することによって、返却専用ロッカー300の動作を制御する。
RAM322は、返却専用ロッカー300の主記憶装置であり、CPU321が演算に利用する情報を記憶する。
記憶部323は、返却専用ロッカー300の補助記憶装置であり、返却専用ロッカー300に対応する各種の情報を記憶する。
通信部324は、ネットワーク経由で通信を行う。これにより、返却専用ロッカー300は、例えば管理装置10等と通信を行うことができる。また、通信部324は、例えば近距離無線通信が可能とされてよい。この場合、返却専用ロッカー300は、近距離無線通信経由で、近辺において店員等が所持する店舗携帯端末30や利用者が所持する利用者端末50等と通信可能とされてよい。
【0057】
カードリーダ325は、パネル部301aに設けられたカード挿入排出口に挿入されたカードの情報を読み取る。
印刷部326は、装填された用紙に印刷を行うことで、レシート等の伝票を、例えばパネル部301aに設けられた発行口から排出させる。
【0058】
返却口センサ327は、返却口310ごとに対応して設けられ、対応の返却口310についての所定の状態を検出する。例えば、返却口センサ327は、回収部扉の状態(例えば開閉、施錠、解錠等の状態)を検出してよい。また、回収部センサ127は、回収部102に容れられた物品の重量等を検出してよい。
【0059】
なお、共通ロッカー200については、図4図5の構成が組み合わされた構成であってよい。図4図5の構成を組み合わせる際、同じ機能を有する部位については、適宜、共通化されてよい。
【0060】
[管理装置の構成例]
図6を参照して、管理装置10の構成例について説明する。同図の管理装置10は、CPU11、RAM12、記憶部13、及び通信部14を備える。
CPU11は、管理装置10の中央演算処理装置であり、記憶部13に記憶されているプログラムを読み出してRAM12に展開し、展開したプログラムの各ステップを実行することによって、管理装置10の動作を制御する。
RAM12は、管理装置10の主記憶装置であり、CPU11が演算に利用する情報を記憶する。
記憶部13は、管理装置10の補助記憶装置であり、管理装置10に対応する各種の情報を記憶する。
通信部14は、ネットワーク経由で通信を行う。これにより、管理装置10は、POS端末20、工場用端末40、利用者端末50、ロッカー(100、200、300)等と通信を行うことができる。
【0061】
なお、管理装置10にも操作部や表示部が設けられてよい。この場合、管理装置10に対しても、POS端末20に対して店員が行えるのと同等の操作が行えるようにされてよい。これに伴って、管理装置10の表示部においてPOS端末20にて表示されるのと同様の各種画面が表示されるようにしてよい。
【0062】
続いて、図7図10を参照して、クリーニングシステム1による基本的な商品預り時の処理について説明する。なお、図7図10の説明において、利用者端末50はスマートフォンである場合を例に挙げる。
【0063】
図7は、商品預り時の動作の処理手順例を示すフローチャートである。具体的には、図7のフローチャートは、店舗(クリーニング店)に来店した利用者(会員)から商品を預かる場合(つまり通常店舗預りの場合)における動作の一例を示している。
【0064】
図8図10は、利用者端末50に表示される各種画面の一例である。具体的には、図8は会員証画面を示し、図9は伝票一覧画面を示し、図10は伝票詳細画面(預り票画面、又は、電子預り票と称する場合もある)を示している。なお、図7図10の説明において、利用者端末50(スマートフォン)において実行されるクリーニングアプリが上記画面(会員証画面、伝票詳細画面、伝票一覧画面)を表示する。
【0065】
以下、図7のフローチャートの各ステップについて、適宜、図8図10を参照して説明する。
ステップS10:利用者端末50は、表示部(タッチパネル)に図8に示すような会員証画面を表示する。会員証画面は、クリーニングアプリの初期画面であってもよい。つまり、会員証画面は、利用者端末50においてクリーニングアプリが起動した場合に最初に表示部に表示される画面であってもよい。利用者端末50は、自身が記憶している会員証画面を表示部に表示してもよいし、管理装置10から会員証画面を取得して表示部に表示してもよい。
【0066】
なお、管理装置10から会員証画面を取得して表示部に表示する場合には、利用者端末50は、アプリ通信用識別情報(又はアプリ利用者識別情報)を管理装置10に送信してもよい。つまり、利用者端末50は、アプリ通信用識別情報(又はアプリ利用者識別情報)を管理装置10に送信することにより、管理装置10から会員証画面を取得して表示部に表示してもよい。なお、管理装置10は、顧客マスタファイルを参照し、利用者端末50から取得したアプリ通信用識別情報(又はアプリ利用者識別情報)に基づいて利用者(顧客コード)を特定し、特定した利用者の会員証画面を利用者端末50に送信してもよい。
【0067】
図8に示した会員証画面には、ランク情報、ポイント情報(利用可能ポイント数)、バーコードG11、預り票アイコンG12などが表示されている。バーコードG11は、顧客コードをバーコード化したものである。ある利用者の会員証画面に表示されているバーコードG11は、当該利用者の顧客コードに基づいて管理装置10が生成したものであってもよい。例えば、管理装置10は、会員登録時に顧客コードを付与(採番)し、付与した顧客コードに基づいてバーコードを生成し、当該利用者の会員証画面に表示するバーコードとして記憶しておいてもよい。
【0068】
会員証画面の最下段の横一列の「会員証」「預り票」「お知らせ」「クーポン」「アンケート」は、現在表示中の画面の種類を示している。図9に示した伝票一覧画面や、図10、に示した伝票詳細画面の最下段も同様である。なお、伝票一覧画面や伝票詳細画面は、「会員証」「預り票」「お知らせ」「クーポン」「アンケート」の5つに画面を分類した場合には「預り票」に分類されるため、伝票一覧画面を表示しているときも(図9)、伝票詳細画面を表示しているときも(図10)、共に「預り票」としている。
【0069】
ステップS11:POS端末20は、店員の操作(動作)により、会員証画面のバーコードを読み取る。これにより、POS端末20は、来店した利用者の顧客コードを認識する。
ステップS12:POS端末20は、バーコードを読み取ることにより認識した顧客コードを管理装置10に送信する。
【0070】
ステップS13:管理装置10は、顧客コードをPOS端末20から受信する。
ステップS14:管理装置10は、ステップS13において受信した顧客コードに対応する顧客情報を顧客マスタファイル等から抽出する。
ステップS15:管理装置10は、ステップS14において抽出した顧客情報をPOS端末20に送信する。
【0071】
ステップS16:POS端末20は、顧客情報を管理装置10から受信する。
ステップS17:POS端末20は、ステップS16において受信した顧客情報を店員側表示部26に表示する。
【0072】
なお、POS端末20は、ステップS16において顧客情報を受信したことに基づいて店員側表示部26に登録画面(非図示)を表示し、ステップS17において登録画面上に顧客情報を表示してもよい。あるいは、POS端末20は、ステップS16において顧客情報を受信したことに基づいて店員側表示部26に登録画面とは異なる顧客情報表示用画面(非図示)を表示し、ステップS17において顧客情報表示用画面上に顧客情報を表示してもよい。
【0073】
なお、ステップS17においてPOS端末20が表示する顧客情報は、顧客マスタファイル等に記憶されている情報の一部であってもよい。換言すれば、POS端末20は、顧客マスタファイル等に記憶されている情報の一部を表示してもよい。また、ステップS14において管理装置10は、ステップS17においてPOS端末20が表示する情報のみを抽出してもよい。
【0074】
なお、ステップS17において表示する顧客情報をPOS端末20が記憶している場合には、管理装置10への問い合わせは不要である(つまりステップS12~S16の処理は省略してもよい)。
【0075】
ステップS18:POS端末20は、店員の操作により、預り商品を登録する。具体的には、例えば、POS端末20は、登録画面において、個々の預り商品に関する情報(商品種別、処理種別)や、個々の預り商品に付したタグのタグ番号などの入力を受け付ける。
なお、ステップS17において登録画面ではなく顧客情報表示用画面に顧客情報を表示している場合には、店員の操作により登録画面を表示した後に、個々の預り商品に関する情報(商品種別、処理種別)や、個々の預り商品に付したタグのタグ番号などの入力を受け付ける。
【0076】
ステップS19:POS端末20は、仕上り予定日を表示する。具体的には、POS端末20は、サービス基本ファイルを参照して夫々の預り商品の所要日数を取得し、取得した夫々の所要日数に基づいて夫々の預り商品の仕上り予定日を算出し、算出した夫々の預り商品の仕上り予定日を店員側表示部26に表示する。
なお、POS端末20は、夫々の預り商品の仕上り予定日に代えて又は加えて、夫々の預り商品の仕上り予定日のうち最も遅い仕上り予定日(つまり、預り商品の全部が仕上る仕上り予定日)を店員側表示部26に表示してもよい。
【0077】
なお、ステップS19において、POS端末20がサービス基本ファイルを記憶していない場合には、サービス基本ファイルを記憶している管理装置10に夫々の預り商品の所要日数を問い合わせる必要があるが、POS端末20がサービス基本ファイルを記憶している場合には、上記問い合わせは不要である。
【0078】
ステップS20:POS端末20は、代金を決済する。具体的には、POS端末20は、サービス基本ファイルを参照して夫々の預り商品の料金を取得し、取得した夫々の預り商品の料金を合計した合計料金を算出し、夫々の預り商品の料金とともに合計料金を店員側表示部26に表示する。
続いて、POS端末20は、店員の操作(預り金額に応じた置数入力)により預り金額を認識し、合計料金及び預り金額から釣銭額を算出する。そして、POS端末20は、預り金額及び釣銭額を店員側表示部26に表示する(代金決済は終了)。なお、店員は、店員側表示部26に表示されている釣銭額を確認し、釣銭を取り出して利用者に手渡しする。
【0079】
なお、ステップS20において、POS端末20がサービス基本ファイルを記憶していない場合には、サービス基本ファイルを記憶している管理装置10に夫々の預り商品の料金を問い合わせる必要があるが、POS端末20がサービス基本ファイルを記憶している場合には、上記問い合わせは不要である。
【0080】
また、ステップS20において、POS端末20が自動釣銭釣札機を搭載している場合(又はPOS端末20に自動釣銭釣札機が接続されている場合)には、POS端末20は、合計料金等を店員側表示部26に表示した後に、店員の操作(自動釣銭釣札機の貨幣投入口への預り金の投入)により預り金額を認識し、合計料金及び預り金額から釣銭額を算出する。そして、POS端末20は、預り金額及び釣銭額を店員側表示部26に表示するとともに、自動釣銭釣札機の貨幣放出口に釣銭を放出する(代金決済は終了)。
【0081】
なお、POS端末20は、ステップS20において、お預り票、工場控え等の伝票を印字、発行する。
【0082】
ステップS21:POS端末20は、店員の操作により、ステップS20までに取得等した情報を商品預り時の取引情報として管理装置10に送信する。例えば、POS端末20は、伝票番号、預り日時、店舗コード、店員コード、顧客コード、預り区分(具体的には預り区分「1(通常店舗預り)」)、夫々の預り商品のタグ番号、商品種別、処理種別等を含む、取引情報を管理装置10に送信する。
なお、伝票番号は、POS端末20が付与(採番)したものであってよい。店舗コード及び店員コードは、POS端末20の記憶部(RAM22または記憶部23)に記憶されている。なお、店員コードは、店員の操作(例えば、店員コードの置数入力、非図示のカード読取装置による店員カードの読み取り等)により、POS端末20の記憶部に記憶される。
【0083】
なお、電子伝票ファイル(図12参照)には預り点数が記憶されるが、管理装置10の側では、POS端末20から送信される預り商品の情報の数(例えば、タグ番号の数)に基づいて預り点数の認識が可能である。従って、POS端末20は、預り点数を管理装置10に送信しなくてもよい。つまり、POS端末20は、預り点数を含む取引情報を送信してもよいし、預り点数を含まない取引を送信してもよい。同様に、POS端末20は、合計料金を含む取引情報を送信してもよいし、合計料金を含まない取引を送信してもよい。
【0084】
また、預り商品情報ファイル(図13参照)には預り商品番号が記憶されるが、管理装置10の側では、伝票番号と預り点数とに基づいて、預り商品番号を付与(採番)可能である。従って、必ずしも、POS端末20側が夫々の預り商品に預り商品番号を付与し、管理装置10に送信しなくてもよい。つまり、POS端末20は、夫々の預り商品の預り商品番号を含む取引情報を送信してもよいし、夫々の預り商品の預り商品番号を含まない取引を送信してもよい。
【0085】
また、預り商品情報ファイル(図13参照)には引渡しの予約に関する情報(予約区分、引渡し区分)が記憶されるが、ステップS20までの間に、店員による、引渡しに関する入力(引渡し区分に対応する情報の入力)があった場合には、POS端末20は、引渡しに関する入力情報を含む取引情報を管理装置10に送信する。
【0086】
ステップS22:管理装置10は、商品預り時の取引情報をPOS端末20から受信する。
ステップS23:管理装置10は、ステップS22において受信した取引情報に基づいて各種ファイルを更新する。具体的には、管理装置10は、電子伝票ファイルに新たな伝票番号の情報(レコード)を追加し、預り商品情報ファイルに新たな預り商品番号の情報(レコード)を追加する。なお、管理装置10は、特定商品に関する入力情報を含む取引情報を受信した場合には、さらに、特定商品管理ファイルも更新する。
【0087】
ステップS24:管理装置10は、ステップS22において受信した取引情報に基づいて(つまり、ステップS23において更新した各種ファイル等を参照して)、伝票一覧画面を更新する(伝票を追加するように画面情報を更新する)。
【0088】
ステップS25:管理装置10は、ステップS22において受信した取引情報に基づいて(つまり、ステップS23において更新した各種ファイル等を参照して)、伝票詳細画面を生成する(追加する伝票の画面情報を生成する)。
【0089】
ステップS26:管理装置10は、ステップS24において更新した伝票一覧画面の画面情報、ステップS25において生成した伝票詳細画面の画面情報を利用者端末50に送信する。
【0090】
ステップS27:利用者端末50は、画面情報を管理装置10から受信し、受信した画面情報を記憶部に記憶する。そして、図7のフローチャートは終了する。
【0091】
なお、個々の預り商品にタグを付す作業は時間を要するため当該作業を後回しにする場合、ステップS18におけるタグ番号の入力も後回しになる。ステップS21ではタグ番号を含む取引情報を管理装置10に送信する必要があるため、ステップS21の処理も後回しになる。つまり、上述のステップS10~S27の処理において、ステップS20までの処理(ステップS18の処理ではタグ番号の入力を保留した状態で一旦終了してステップS19に進む)を実行し、直ちにステップS21に進まずに、ステップS18の残りの処理(タグ番号の入力)を実行した後に、ステップS21以降の処理に進むようにしてもよい。
【0092】
ここで、図8の会員証画面と、図9の伝票一覧画面と、図10の伝票詳細画面との間での遷移について説明する。
図8に示した会員証画面において預り票アイコンG12が操作(タップ等)されると、利用者端末50は、図9に示すような伝票一覧画面を表示する。伝票一覧画面には、全店舗における伝票の概要が一覧表示されている。
【0093】
また、図9に示した伝票一覧画面において、上から3段目の電子伝票の欄G21が操作されると、利用者端末50は、図10に示すような伝票詳細画面を表示する。伝票詳細画面は、従来の預り票及び領収証に相当する。伝票詳細画面には、伝票一覧画面にて操作された伝票の詳細情報が表示される。
【0094】
商品預り時には、図7のステップS26、S27の処理を行わずに、利用者の操作があった場合に、ステップS24において更新された伝票一覧画面の画面情報や、ステップS25において生成された伝票詳細画面の画面情報が、管理装置10から利用者端末50に送信されるようにしてもよい。
【0095】
伝票詳細画面において、「お預り中」は、預り商品情報ファイル(図13)の進行区分「1」~「5」に対応し、引渡し前の状態であることを示している。「お渡し済」は、預り商品情報ファイル(図13)の進行区分「9」に対応し、引渡し済みの状態であることを示している。
なお、利用者端末50は、複数の商品がある場合には単に仕上り予定日の順に並べてもよいが、「お預り中」と「お渡し済」とが混在している場合には、「お預り中」の商品を優先して表示してもよい。図10に示す例では、「お預り中」の商品(欄G34、欄G35の商品)を「お渡し済」の商品(欄G36の商品)よりも上側に表示している。また、「お渡し済」の商品(欄G36の商品)をグレーアウト表示している。仕上り予定日の順に並べた場合には、欄G36の商品は、欄G34、欄G35の商品よりも上側になる。
戻るアイコンG31は、直前の画面(伝票一覧画面(図9))に戻るためのボタンである。
利用者は、伝票一覧画面(図9)で取引全体(伝票の一覧)の概要を把握し、伝票詳細画面(図10)で各取引(各伝票)の詳細を確認することができる。
【0096】
預り商品は、クリーニング工場に届けられクリーニングが行われる。クリーニングの完了したときには、操作員が、商品が仕上った旨の情報を工場用端末40に入力し、管理装置10に送信される。商品が仕上った旨の情報を受信した管理装置10は、預り商品情報ファイル(図13)の進行区分を更新(具体的には「3(仕上り完了)」に更新)する。また、クリーニングの完了した商品は店舗に届けられる。店舗に届いたときには、店員が、商品が店舗に届いた旨の情報をPOS端末20に入力し、管理装置10に送信される。商品が店舗に届いた旨の情報を受信した管理装置10は、預り商品情報ファイルの進行区分を更新(具体的には「4(引渡し可能)」に更新)する。さらに、商品の引渡しが完了したときには、店員が、商品の引渡しが完了した旨の情報をPOS端末20に入力し、管理装置10に送信される。商品の引渡しが完了した旨の情報を受信した管理装置10は、預り商品情報ファイルの進行区分を更新(具体的には「9(引渡し完了)」に更新)する。
【0097】
また、特定商品について利用者による現状確認が完了していない状態では、預り商品情報ファイル(図13)の進行区分は「2(保留中)」であり、利用者による現状確認が完了した場合に、管理装置10は、進行区分を更新(具体的には「1(商品預り)」に更新)する。また、利用者から商品の引渡しの予約を受け付けている状態では、進行区分は「5(引渡し予約有)」であり、商品の引渡しが完了した場合に、管理装置10は、進行区分を更新(具体的には「9(引渡し)」に更新)する。
【0098】
図10に示した例では、進行状況を示す情報は「お預り中」及び「お渡し済」の2種類であったが、進行状況を示す情報は2種類でなくてもよい。一例として、「仕上り前」「仕上り済」「お渡し可能」及び「お渡し済」の4種類としてもよい。「仕上り前」は、進行区分「1」又は「2」に対応し、工場において仕上り前の状態であることを示している。「仕上り済」は、進行区分「3」に対応し、工場において仕上り済みの状態であることを示している。「お渡し可能」は、進行区分「4」に対応し、引渡し可能な状態であることを示している。「お渡し済」は、進行区分「9」に対応し、引渡し済みの状態であることを示している。また、他の例として、進行区分「2」に対応し、クリーニング作業を保留された状態であることを示した「保留中」を表示してもよい。また、進行区分「5」に対応し、引渡しの予約を受け付けている状態であることを示した「引渡し予約中」を表示してもよい。
また、ロッカー返却の場合には、例えば「ロッカー返却予約中」などと表示される(図21)。
「引渡し予約中」や「ロッカー返却予約中」など予約に関する進行状況を表示する場合にはさらに予約日が表示されてもよい。
【0099】
以下、図11図15を参照して、本実施形態のクリーニングシステム1が記憶する情報の一例について説明する。
[顧客マスタファイル]
図11(A)は、顧客マスタファイルの一例を示している。顧客マスタファイルは、管理装置10、POS端末20等のいずれかが記憶してよい。本実施形態では、管理装置10が顧客マスタファイルを記憶する場合を例に挙げる。
顧客マスタファイルは、利用者である顧客(会員)に関する種々の基本情報を記憶するファイルである。
顧客マスタファイルは、顧客コードに対応付けて、氏名(漢字)、氏名(ふりがな)、住所、通信先、電子メール、電話番号(1)、電話番号(2)、アプリ通信用識別情報、誕生日、会員登録日、登録店(店舗コード)などが格納される。氏名(漢字)、氏名(ふりがな)、住所等は、会員登録時に利用者から取得した情報である。
【0100】
顧客コードは、クリーニングシステム1において利用者の夫々を識別するための情報である。例えば、会員登録時に、管理装置10が、重複しない顧客コードを付与(採番)するようにしてもよい。
【0101】
電子メールは、当該利用者に送信するメールのメールアドレスである。例えば、当該利用者の利用者端末50のメールアドレスであってもよいし、利用者端末50とは異なる当該利用者の端末(非図示)のメールアドレスであってもよい。
【0102】
電話番号(1)及び電話番号(2)は、当該利用者と通話するための電話番号である。例えば、当該利用者の利用者端末50がスマートフォンである場合には、電話番号(1)は、当該利用者の利用者端末50(スマートフォン)の電話番号とし、電話番号(2)は、当該利用者の自宅の固定電話の電話番号としてもよい。
【0103】
アプリ通信用識別情報は、当該利用者の利用者端末50において実行するクリーニングアプリの通信を行うための情報である。アプリ通信用識別情報は、クリーニングアプリの通信において当該利用者の利用者端末50を識別可能な情報であればよく、例えば、利用者端末50のIPアドレス、利用者端末50の個体識別情報、利用者端末50の電話番号、個体識別情報とは異なる識別情報(トークン等)であってもよい。
なお、アプリ通信用識別情報は、利用者端末50に固定的に割り当てられるものであってもよいし、利用者端末50に一時的に割り当てられるもの(例えば、クリーニングアプリが起動する度に変化し得るもの)であってもよい。アプリ通信用識別情報が一時的に割り当てられるものである場合には、最新のアプリ通信用識別情報を記憶すればよい。
【0104】
なお、クリーニングアプリの通信において利用者端末50を識別するためのアプリ通信用識別情報とは別に、クリーニングアプリにおいてユーザ(利用者)を識別するためのアプリ利用者識別情報(例えば、ユーザID等)を記憶してもよい。
【0105】
登録店は、当該利用者が会員登録を行った店舗(クリーニング店)を示す情報であり、本実施形態では店舗コードを利用している。なお、店舗以外の場所にて会員登録を行った場合(例えば、利用者端末50を利用して自宅や職場からクリーニングアプリを介して会員登録を行った場合)には、会員登録時にクリーニングアプリが自動選択した店舗を登録店としてもよいし、会員登録時にクリーニングアプリが提示した候補のなかから利用者が選択した店舗であってもよいし、会員登録時に利用者が自由に選択した店舗であってもよい。なお、会員登録時には、クリーニングアプリは、利用者が入力した情報(例えば、住所、市外局番、市外局番等)に基づいて、当該利用者の自宅に最寄りの店舗を検索し、登録店として自動選択してもよいし、選択候補として利用者に提示してもよい。
【0106】
なお、本実施形態では、店舗コードは、上位2桁を“TP”、続く2桁を店舗固有の番号(00~99等)とする全4桁の店舗コードを用いた場合を例を示している。
【0107】
[顧客実績集計ファイル]
図11(B)は、顧客実績集計ファイルの一例を示している。顧客実績集計ファイルは、管理装置10、POS端末20等のいずれかが記憶してよい。本実施形態では、管理装置10が顧客実績集計ファイルを記憶する場合を例に挙げる。
顧客実績集計ファイルは、利用者である顧客(会員)ごとのサービス(クリーニングシステム1が提供するクリーニングに関する各種サービス)の利用実績に関する情報を記憶するファイルである。
図11(B)に示した顧客実績集計ファイルは、顧客コードに対応付けて、全店舗を合算した実績情報(ランク、最終利用日、利用頻度、平均単価)、主利用店舗の実績情報(ランク、最終利用日、利用頻度、平均単価)を記憶している。なお、本実施形態では、実績の集計を、毎月1回(例えば、毎月の特定日)に行い、集計結果を顧客実績集計ファイルに記憶している。
【0108】
最終利用日は、最後に利用した年月日である。利用頻度は、過去1月間の利用回数である。利用金額は、過去1月間の合計利用金額である。ランクは、利用者の評価(貢献度)を示す情報であり、過去1月以上の最終利用日、利用頻度、利用金額のうちの1つ以上に基づいて算出される情報である。一例として、過去6月の利用回数が12回数以上、且つ、過去6月の利用金額が24000円以上である利用者を最上位ランク(例えばSランク)とし、過去12月の利用回数が0回の利用者を最下位ランク(例えばDランク)としてもよい。なお、利用金額に代えて又は加えて過去1月間の平均単価を算出、顧客実績集計ファイルに記憶してもよい。
【0109】
[ポイント管理ファイル]
図11(C)は、ポイント管理ファイルの一例を示している。ポイント管理ファイルは、管理装置10、POS端末20等のいずれかが記憶してよい。本実施形態では、管理装置10がポイント管理ファイルを記憶する場合を例に挙げる。
ポイント管理ファイルは、サービスの利用実績に応じて付与され、現金に代えて利用可能なポイント(例えば、200円ごとに1ポイントが付与され、現金に代えて1ポイントを100円として利用可能なポイント等)に関する情報を記憶するファイルである。
図11(C)に示したポイント管理ファイルは、顧客コードに対応付けて、利用可能ポイント数などを記憶している。ポイント管理ファイルにて、利用期限を管理(記憶)してもよい。
【0110】
なお、図11に示したポイント管理ファイルは、管理するポイントがチェーン店の全店舗で共通するポイントである場合(各店舗にて付与されるポイントが合算され、いずれの店舗でも利用可能である場合)の構成である。しかし、チェーン店の各店舗で個別にポイントを管理する場合(ある店舗にて付与されるポイントは、当該店舗においてのみ利用可能である場合)には、例えば、店舗コード及び顧客コードに対応付けて(つまり店舗コード別顧客コード別に)、利用可能ポイント数などが記憶されてもよい。
【0111】
[電子伝票ファイル]
図12は、電子伝票ファイルの一例を示している。電子伝票ファイルは、管理装置10、POS端末20等のいずれかが記憶してよい。本実施形態では、管理装置10が電子伝票ファイルを記憶する場合を例に挙げる。
電子伝票ファイルは、クリーニングに関する各種サービスに係る取引内容を示した電子伝票に関する情報を記憶するファイルである。
図12に示した電子伝票ファイルは、伝票番号に対応付けて、預り日時、店舗コード、店員コード、顧客コード、預り区分、預り点数、合計料金、仕上り予定日、引渡し完了日、受け取り催促日、更新日時などを記憶している。なお、管理装置10は、商品の預り時に電子伝票ファイルを更新(新規情報を追加)し、サービスの進行等に応じて適宜、更新する。
【0112】
伝票番号は、クリーニングシステム1において電子伝票を識別するための情報である。例えば、商品預り時に、POS端末20が、伝票番号を付与(採番)するようにしてもよい。本実施形態では、伝票番号として、店舗ごとの通番(サイクリックに使用)を付与している。具体的には、上位2桁を“DN”、続く2桁を店舗コードの下2桁(店舗固有の番号)、続く1桁を“-”、続く4桁を通番(0000~9999)とする全9桁(ハイフンを含む)の伝票番号を用いている。従って、店舗コードを参照しなくても伝票番号を参照すれば、いずれの店舗の取引における電子伝票であるかが分かる。
【0113】
預り日時は、クリーニング店において利用者から商品を預かった日時を示す情報である。なお、商品預り時において、店員がPOS端末20において情報を入力した日時を預り日時としてもよい。
【0114】
預り区分は、商品の預り方法を示す情報である。本実施形態では、商品の預り方法(商品の受け付け方法)として、通常店舗預り(通常店舗受付と称する場合もある)、スピード預り(スピード受付と称する場合もある)、集荷預り(集荷受付と称する場合もある)、ロッカー預り(ロッカー受付と称する場合もある)が用意されている。預り区分「1」は通常店舗預りを示し、預り区分「2」はスピード預りを示し、預り区分「3()」は集荷預りを示し、預り区分「4」はロッカー預りを示す。なお、預り区分「3()」の括弧部分は、集荷預りにおける集荷場所を示す情報(場所コード)である。
【0115】
通常店舗預りとは、利用者が店舗の受付窓口に商品を持参し、店員と利用者とが対面して、検品や精算を行い、預り商品として受け付ける方法である。スピード預りとは、利用者が袋詰めされた商品(袋詰めされた状態の商品)を店舗の受付窓口に預けることを以って(即ち、店員と利用者とが対面して検品や精算を行わずに)、受け付けが完了する方法である。スピード預りでは、利用者は、商品を入れた袋(例えば、カード挿入用のポケットを有するスピード預り専用の袋を用いてもよい)と一緒に会員カード(顧客コードや自身の氏名などを記載した会員カード)も店舗側に預ける。後述するロッカー預りの場合も同様である。集荷預りとは、クリーニング店側が所定の集荷場所(利用者の自宅、コンビニエンスストア等)に出向いて受け取った商品を、預り商品として受け付ける方法である。ロッカー預りとは、利用者が袋詰めされた商品(袋詰めされた状態の商品)を所定のロッカーの回収部に投入することを以って(即ち、店員と利用者とが対面して検品や精算を行わずに)、受け付けが完了する方法である。
【0116】
預り点数は、預り商品の点数を示す情報である。なお、個々の商品に関する情報は、預り商品情報ファイル(図13参照)に記憶している。合計料金は、全部の預り商品の合計料金を示す情報である。
【0117】
仕上り予定日は、預り商品が仕上り(クリーニングが完了し)、利用者に対する商品の引渡しが可能になる日にち(利用者が商品を受け取ることが可能になる日にち)を示す情報である。複数の商品を預かった場合(預り点数が2以上の場合)の仕上り予定日は、預かった全商品について引渡しが可能になる日にちを示している。
【0118】
引渡し完了日は、利用者に対する商品の引渡しが完了した日にち(利用者が商品を受け取った日にち)を示す情報である。なお、複数の商品を預かった場合の引渡し完了日は、預かった全商品について引渡しが完了した日にちを示している。
【0119】
受け取り催促日は、利用者に商品の受け取りを催促した日にちを示す情報である。なお、商品の受け取りを催促した日にちが複数ある場合には、最後に催促した日にちのみを受け取り催促日として管理(記憶)してもよいし、催促した夫々の日にちを受け取り催促日として管理してもよい。なお、利用者への催促の方法は、クリーニングアプリによる催促であってもよいし、電子メールによる催促であってもよいし、電話による催促であってもよい。なお、受け取り催促日とともに、催促した方法を管理(記憶)してもよい。
【0120】
更新日時は、当該電子伝票のいずれかの情報を更新した日時を示す情報である。例えば、引渡し完了日の更新(入力)があった場合には、当該更新があった日時が更新日時となる。
【0121】
[預り商品情報ファイル]
図13は、預り商品情報ファイルの一例を示している。預り商品情報ファイルは、管理装置10、POS端末20等のいずれかが記憶してよい。本実施形態では、管理装置10が預り商品情報ファイルを記憶する場合を例に挙げる。
預り商品情報ファイルは、個々の預り商品に関する情報を記憶するファイルである。
図13に示した預り商品情報ファイルは、預り商品番号に対応付けて、タグ番号、商品種別、処理種別、料金、保留区分、進行区分、仕上り予定日、予約区分、引渡し区分、引渡し予定日、引渡し完了日、更新日時、収納完了フラグなどを記憶している。なお、管理装置10は、商品の預り時に電子伝票ファイルを更新(新規情報を追加)し、サービスの進行等に応じて適宜、更新する。
【0122】
預り商品番号は、クリーニングシステム1において預り商品を識別するための情報である。例えば、商品預り時に、POS端末20又は管理装置10が、預り商品番号を付与(採番)するようにしてもよい。
本実施形態では、伝票番号に枝番号を付加したものを預り商品番号としている。具体的には、上位9桁を伝票番号、続く1桁を“-”、続く2桁を枝番号(01~99)とする全13桁(ハイフンを含む)の預り商品番号を用いている。従って、預り商品番号を参照すれば、いずれの電子伝票における預り商品であるかが分かる。また、上述したように、伝票番号から取引を行った店舗を特定できるため、預り商品番号を参照すれば、いずれの店舗の取引における預り商品であるかが分かる。
【0123】
タグ番号は、クリーニングシステム1において預り商品を識別するための情報である。タグ番号は、例えば、商品預り時に、店員がPOS端末20において、預り商品の夫々に付したタグに印刷されている番号を、夫々の預り商品のタグ番号として入力したものである。本実施形態では、タグ番号(タグに印刷されている番号)として、上位2桁を“TG”、続く2桁を店舗コードの下2桁(店舗固有の番号)、続く1桁を“-”、続く4桁を通番(0000~9999)とする全9桁(ハイフンを含む)のタグ番号を用いている。従って、タグ番号を参照すれば、いずれの店舗の取引における預り商品であるかが分かる。
【0124】
商品種別は、商品の種別を示す情報である。処理種別は、処理(洗い、収納等)の種別を示す情報である。料金は、当該預り商品の料金を示す情報である。
【0125】
保留区分は、進行の保留の要否を示す情報である。本実施形態では、預り商品が特定商品(汚れや、ほつれ等がある商品)の状態を利用者に確認してもらっている。保留区分「0」は保留不要(保留事由無)を示し、保留区分「1」は保留必要(利用者確認前)を示し、保留区分「2」は保留不要(利用者確認済)を示す。
【0126】
進行区分は、進行の状況を示す情報である。進行区分「1」は商品預りを示し、進行区分「2」は保留中を示し、進行区分「3」は仕上り完了を示し、進行区分「4」は引渡し可能を示し、進行区分「5」は引渡し予定有を示し、進行区分「6」は引渡し完了を示す。
【0127】
仕上り予定日は、預り商品が仕上り、利用者に対する商品の引渡しが可能になる日にちを示す情報である。なお、預り商品情報ファイルにおける仕上り予定日は、個々の預り商品の仕上り予定日であるのに対し、電子伝票ファイルにおける仕上り予定日は、当該電子伝票内における全部の預り商品について引渡しが可能になる日にちである。つまり、電子伝票ファイルにおける仕上り予定日は、預り商品情報ファイルに示した当該電子伝票に対応する各預り商品の仕上り予定日のうち最も遅い仕上り予定日である。また、本実施形態では、仕上り予定日は、基本的には商品預り日(受付日)と所要日数とに基づいて算出しているが、特定商品について利用者の確認が遅れた場合には仕上り予定日を遅らせている。
【0128】
予約区分は、預り商品の引渡しの予約の有無を示す情報である。予約区分「0」は予約無を示し、予約区分「1」は店舗にて予約有を示し、予約区分「2」は電話にて予約有を示し、予約区分「3」はアプリにて予約有を示す。予約の内容は、引渡し日時や引渡し方法である。なお、来店して商品を預かる際(預り区分「1」又は「2」となるような場合)に、引渡しについて予約した場合には予約区分「1(店舗にて予約有)」となる。
【0129】
予約は変更可能である。例えば、商品を預かるタイミングで行われた予約について、電話による変更やクリーニングアプリによる変更が可能である。予約を変更した場合の予約区分は、変更時の情報を記憶してもよい。例えば、商品を預かるタイミングで行われた予約について電話により変更した場合には、電話による変更前の予約区分「1」を[2]に更新してもよい。
【0130】
引渡し区分は、預り商品の引渡し方法を示す情報である。本実施形態では、預り商品を引渡し方法(預り商品の返却方法)として、通常店舗引渡し(通常店舗返却と称する場合もある)、配達引渡し(配達返却と称する場合もある)、ロッカー引渡し(ロッカー返却と称する場合もある)が用意されている。引渡し区分「0」は未定を示し、引渡し区分「1()」は通常店舗引渡しを示し、引渡し区分「2()」は配達引渡しを示し、引渡し区分「3」はロッカー引渡しを示す。なお、引渡し区分「1()」の括弧部分は、通常店舗引渡しにおける引渡し店舗を示す情報(店舗コード)である。引渡し区分「2()」の括弧部分は、配達引渡しにおける配達場所(利用者の自宅、コンビニエンスストア等)を示す情報(場所コード)である。引渡し区分「3()」の括弧部分は、ロッカー引渡しにおけるロッカーを示す情報(ロッカー番号)である。
また、同図においては図示を省略しているが、引渡し区分「3()」の場合において、ロッカー番号が示すロッカーにおける返却口を示す返却口番号(識別情報)がさらに含まれてよい。
【0131】
通常店舗引渡し(通常店舗返却)とは、店舗の受付窓口において預り商品を引渡す方法である。配達引渡し(配達返却)とは、所定の配達場所において預り商品を引渡す方法である。ロッカー引渡し(ロッカー返却)とは、ロッカーを用いて預り商品を引渡す方法である。
【0132】
なお、引渡し予約がない場合(予約区分「0」の場合)、引渡し方法は未定(引渡し区分「0」)となる。一方、引渡し予約があった場合(予約区分「1」~「3」の場合)、引渡し方法は当該予約において利用者が指定した方法(引渡し区分「1」~「3」)となる。
【0133】
引渡し予定日は、預り商品の引渡しが行われる予定の日にちを示す情報である。なお、引渡し予約がない場合(予約区分「0」の場合)、引渡し予定日は未定(例えば、空欄等)となる。一方、引渡し予約があった場合(予約区分「1」~「3」の場合)、引渡し予定日は、当該予約において利用者が指定した日にちとなる。
【0134】
なお、引渡し予約がない場合(予約区分「0」の場合)であっても、仕上り予定日以降における通常店舗引渡し(通常店舗返却)は可能である。つまり、当然ではあるが、利用者は、仕上り予定日以後であれば、何ら連絡せずに突然店舗に行き、商品を受け取ることが可能である。
【0135】
引渡し完了日は、利用者に対する商品の引渡しが完了した日にち(利用者が商品を受け取った日にち)を示す情報である。なお、預り商品情報ファイルにおける引渡し完了日は、個々の預り商品の引渡し完了日であるのに対し、電子伝票ファイルにおける引渡し完了日は、当該電子伝票内における全部の預り商品について引渡しが完了した日にちである。つまり、電子伝票ファイルにおける引渡し完了日は、預り商品情報ファイルに示した当該電子伝票に対応する各預り商品の引渡し完了日のうち最も遅い引渡し完了日である。
【0136】
更新日時は、当該預り商品のいずれかの情報を更新した日時を示す情報である。例えば、引渡し完了日の更新(入力)があった場合には、当該更新があった日時が更新日時となる。
【0137】
収納完了フラグは、対応の商品の引渡し区分がロッカー引渡しである場合に、店員によるロッカーの返却口への商品の収納が完了しているか否かを示すフラグである。
【0138】
次に、図14図15を参照して、ロッカーの運用に関連してクリーニングシステム1が記憶する情報について説明する。図14図15に示す各情報は、管理装置10、POS端末20等のいずれかが記憶してよいが、本実施形態では、管理装置10が記憶する場合を例に挙げる。
【0139】
[ロッカー管理マスタファイル]
図14(A)は、ロッカー管理マスタファイルの一例を示している。ロッカー管理マスタファイルは、返却ロッカー(返却専用ロッカー300、共通ロッカー200)に関する情報を記憶するファイルである。図14(A)に示したロッカー管理マスタファイルは、ロッカー番号に対応付けて、設置場所、返却口数などを記憶している。
なお、クリーニングシステム1内の全ての返却ロッカーの返却口数が同一である場合には、ロッカー管理マスタファイルにおいて返却口数を管理(記憶)しなくてもよい。
【0140】
ロッカー番号は、クリーニングシステム1において返却ロッカーの夫々を識別するための情報である。
設置場所は、当該返却ロッカーが設置されている場所である。なお、1店舗に2以上の返却ロッカーを設置することも、店舗以外の場所に返却ロッカーを設置することも可能である。店舗以外の場所としては、例えば、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、専門店(衣服店、薬局店等)、駅構内(又は駅近傍)の商店、マンション等の屋内外等に返却ロッカー(受付専用ロッカー100についても同様)を設置してもよい。
返却口数は、当該返却ロッカーが備える返却口数である。
【0141】
なお、ロッカー管理マスタファイルでは、返却ロッカー(返却専用ロッカー300、共通ロッカー200)に加えて、受付専用ロッカー100(受付専用ロッカー100のロッカー番号等)を管理してもよい。
【0142】
なお、管理装置10に代えて又は加えてPOS端末20がロッカー管理マスタファイルを記憶してもよい。なお、POS端末20が記憶するロッカー管理マスタファイルは、管理装置10が記憶するファイルと同様、全部の返却ロッカーに関するファイルであってもよいし、図14(B)に示すように、当該店舗(当該POS端末20が設置された店舗)に関連する返却ロッカーに関するファイルであってもよい。
【0143】
[必要口数定義ファイル]
図14(C)は、管理装置10が記憶する必要口数定義ファイルの一例である。必要口数定義ファイルは、ロッカー返却において必要となる返却口数に関する情報を記憶するファイルである。図14(C)に示した必要口数定義ファイルは、返却商品点数に対応付けて必要口数を記憶している。返却商品点数は、引渡し希望商品の点数(数量)である。必要口数はロッカー返却において必要となる返却口の口数である。図14(C)によれば、例えば返却商品点数が1点~4点であれば必要口数は1であり、5点~8点であれば必要口数は2である。なお、ロッカーの種類ごとに返却口内に容量が異なるような場合には、ロッカーの種類ごとに必要口数定義ファイルを記憶してもよい。
【0144】
図14(C)に示した必要口数定義ファイルは、単に返却商品の数に基づいて必要口数を決定するものであり返却商品の種類を考慮していないが、返却商品の種類を考慮して必要口数を決定してもよい。例えば、図14(C)に示した必要口数定義ファイルに代えて、図14(D)に示すような必要口数定義ファイル及び図14(E)に示すようなボリューム数定義ファイルを記憶するようにしてもよい。
【0145】
図14(D)に示した必要口数定義ファイルは、返却ボリューム数に対応付けて必要口数を記憶している。返却ボリューム数は、引渡し希望商品のボリューム(大きさ)である。図14(D)によれば、例えば返却ボリューム数が1~4であれば必要口数は1であり、5~8であれば必要口数は2である。
【0146】
図14(E)に示したボリューム数定義ファイルは、商品種別(図7(A)参照)に対応付けてボリューム数を記憶している。図14(E)によれば、例えば商品種別がSY01の商品(シャツ類)のボリューム数は1であり、SY04の商品(コート類)であればボリューム数は4である。
【0147】
例えば、引渡し希望商品が2着あり、1着がシャツ(商品種別「SY01」)、もう1着がコート(商品種別「SY04」)であった場合、図14(C)の必要口数定義ファイルによれば、返却商品点数が2点であるため必要口数は1となる。一方、図14(D)の必要口数定義ファイル及び図14(E)のボリューム数定義ファイルによれば、シャツ1着とコート1着の合計のボリューム数は5であるため必要口数は2となる。
【0148】
なお、管理装置10に代えて又は加えてPOS端末20が、図14(C)に示すような必要口数定義ファイルを記憶してもよい。また、管理装置10に代えて又は加えてPOS端末20が、図14(D)に示すような必要口数定義ファイルや図14(E)に示すようなボリューム数定義ファイルを記憶してもよい。
【0149】
[ロッカー別予約状況ファイル]
図15(A)は、管理装置10が記憶するロッカー別予約状況ファイルの一例である。ロッカー別予約状況ファイルは、返却ロッカー別にロッカー返却の予約状況(予約状態)に関する情報を記憶するファイルである。図15(A)に示したロッカー別予約状況ファイルは、ロッカー番号「L01」の返却ロッカーに関する予約状況ファイルを示しており、返却日及び返却口番号に対応付けて、予約区分、顧客コード、タグ番号、使用ボリューム数、予約日、予約番号などを含む。
なお、図15(A)では、説明の便宜上、返却日ごとのシート(表)を分けて示しているが、返却日ごとにシートを分けても分けなくてもよい。使用ボリューム数は、当該返却口において商品を引渡すために使用されるボリューム数、つまり、当該返却口で引渡す引渡し希望商品のボリュームである。なお、図15(B)のロッカー別予約状況ファイルについては後述する。
【0150】
なお、管理装置10に代えて又は加えてPOS端末20がロッカー別予約状況ファイルを記憶してもよい。なお、POS端末20が記憶するロッカー別予約状況ファイルは、管理装置10が記憶するファイルと同様、全部の返却ロッカーに関するファイルであってもよいし、当該店舗(当該POS端末20が設置された店舗)に関連する返却ロッカーに関するファイルであってもよい。
【0151】
ロッカー別予約状況ファイルには、未来の情報(将来の返却日の情報)に加え、過去の情報(過去の返却日の情報)も保持されている。換言すれば、管理装置10(POS端末20がロッカー別予約状況ファイルを記憶する場合も同様)は、ロッカー別予約状況ファイルにおいて、過去の情報を消去せずに保持し続ける。例えば、管理装置10は、所定の期間(少なくとも返却口の決定(後述)に際し参照される期間)、過去の情報を消去せずに保持し続けてもよい。
【0152】
ロッカー別予約状況ファイルのうちの未来の情報は、ロッカー(各返却口)の将来の予約状況を示したファイルであるが、ロッカーは、予約に基づいて使用されるため、ロッカー別予約状況ファイルのうちの過去の情報は、ロッカーの過去の使用状況を示したファイルでもある。従って、クリーニングシステム1においてロッカー別予約状況ファイルが記憶されていることで、クリーニングシステム1は、将来における返却口の予約状況に加え、過去の返却口の使用状況を管理することができる。
【0153】
[ロッカー返却予約]
本実施形態のクリーニングシステム1において行われるロッカー返却予約に関して説明する。ここでの「ロッカー返却予約」とは、利用者(客)が、クリーニングされた商品を返却してもらうにあたり、店舗での店員からの手渡しではなくロッカーを使用するにあたり、商品をロッカーの返却口に入れた状態で保管してもらう日程を予約することをいう。
ロッカー返却予約は、店舗にて店員が利用者と応対しながらPOS端末20を操作して行うことができる(店舗予約)。あるいは、ロッカー返却予約は、利用者が、利用者端末50のクリーニングアプリを操作して行うこともできる(アプリケーション予約)。アプリケーション予約の場合、利用者は、店舗に赴いて店員の応対を受けなくともよい。
店舗予約によって行われたロッカー予約の結果と、アプリケーション予約によって行われたロッカー予約の結果は、ロッカー別予約状況ファイル(図15)に反映される。
【0154】
店舗予約とアプリケーション予約とのいずれの場合においても、管理装置10は、ロッカー予約に際しては、商品の仕上り日や返却口の予約状況に応じて、予約可能日(返却可能日)を特定する。
図16のフローチャートは、管理装置10が、予約可能日(返却可能日)の特定に関連して実行する処理手順例を示している。
同図の処理は、ロッカー返却の予約可能日を特定するとき(ロッカー返却の予約に関する処理を実行するとき。例えばロッカー返却予約画面(後述)を表示するときに)に開始される。
例えば、店舗予約の場合、店員は、利用者からのクリーニングの依頼を対面で受け付けている際に、ロッカー返却希望の申し出を受けたことに応じて、POS端末20に対してロッカー返却予約宣言操作を行う。また、店員は、電話等による利用者からのロッカー返却の依頼を受けた場合にも、POS端末20に対してロッカー返却予約宣言操作を行うようにされてよい。
POS端末20は、ロッカー返却予約宣言操作に応じて、ロッカー返却予約設定要求を管理装置10に送信する。
また、利用者は、アプリケーション予約として、自分のPOS端末20で動作するクリーニングアプリケーションに対する操作により、アプリケーション予約に対応する操作画面に遷移させるための操作を行う。POS端末20は、操作に応じて、管理装置10に対してロッカー返却予約設定要求を要求する。管理装置10は、上記のようにして送信されるロッカー返却予約設定要求の受信に応じて、同図の処理を開始してよい。
なお、同図の処理は、店舗予約に対応する場合にはPOS端末20が実行してもよい。
【0155】
ステップS400:管理装置10は、返却対象の商品の数、種類等に基づいて返却に必要な返却口の数(必要口数)を算出する。
ステップS401:管理装置10は、ロッカー返却を希望する全商品が仕上り済であるか否かを判断する。
仕上り済でない場合には(ステップS401;NO)、ステップS402に進む。仕上り済である場合には(ステップS401;YES)、ステップS405に進む。なお、本フローチャートを商品預り時に実行する場合には、いずれの商品も仕上り済ではないため、ステップS402に進む。
【0156】
ステップS402:管理装置10は、最遅仕上り予定日(ロッカー返却を希望する各商品の仕上り予定日のうち最も遅い仕上り予定日)を特定する。
ステップS403:管理装置10は、最遅仕上り予定日を基準日とする。続いてステップS406に進む。
なお、ステップS403、S405、S406での基準日とは、ロッカーの使用状況を考慮しない場合(無視した場合)における、最も早く到来する予約可能日である。
ステップS405:管理装置10は、明日を基準日とする。続いてステップS406に進む。
【0157】
ステップS406:管理装置10は、基準日以降の夫々の日の空数が必要口数以上あるか否かを判定する。
空数が必要口数以上であれば予約可能であるため、ステップS406の処理は、予約可能日であるか否かを判定する処理である。管理装置10は、基準日以降の夫々の日の空数と、必要口数とから、予約可能日を算出することができる。
ステップS407:管理装置10は、ステップS406の判定結果を出力する。
判定結果の出力としての内容は、各日について予約可否を示す。従って、同図の処理は、予約可能日(返却可能日)の特定にあたり、各日(又は特定の日)について予約可否を判定しているといえる。
ステップS406の判定結果は、ロッカー別予約状況ファイル(図22)に反映される。この際、管理装置10は、例えば、ステップS406の判定結果が反映されたロッカー別予約状況ファイルの内容に基づいて、POS端末20にて表示による情報出力が行われるようにされてよい。
【0158】
[ロッカー返却予約画面]
本実施形態において、例えば店舗予約によりロッカー返却予約が行われる際には、図16のステップS407による判定結果の出力は、POS端末20でのロッカー返却予約画面の表示として行われてよい。
この場合の管理装置10は、図16のステップS407の判定結果が反映されたロッカー別予約状況ファイルをPOS端末20に送信する、POS端末20は、送信されたロッカー別予約状況ファイルに基づいて、ロッカー返却予約画面(ロッカー返却予約画面)を表示させる。
【0159】
図17は、POS端末20の店員側表示部26に表示されるロッカー返却予約画面の一態様例を示している。ロッカー返却予約画面は、ロッカー返却予約に関する操作が行われる画面である。同図のロッカー返却予約画面は、図15(A)のロッカー別予約状況ファイルの内容に対応する。
【0160】
同図に示されるロッカー返却予約画面には、現在日時欄(符号A参照)、ロッカー情報欄(符号B参照)、顧客情報欄(符号C参照)、ロッカー返却商品点数欄(符号D参照)、メッセージ欄(符号E参照)、必要返却口数欄(符号F参照)、調整欄(符号G参照)、カレンダー欄(符号H参照)などが設けられている。
【0161】
現在日時欄(符号A)には、現在日時が表示される。
ロッカー情報欄(符号B)には、当該ロッカー返却予約画面において情報を表示している返却ロッカーのロッカー番号等が表示される。
顧客情報欄(符号C)には、当該利用者(ロッカー返却の予約を行う利用者)の顧客コード等が表示される。
ロッカー返却商品点数欄(符号D)には、当該利用者のロッカー返却による引渡し希望商品の点数が表示される。
必要返却口数欄(符号F)には、当該利用者のロッカー返却に際し必要となる返却口数が表示される。
調整欄(符号G)には、必要返却口数の増減(調整)ボタンと調整可能範囲とが表示される。
カレンダー欄(符号H)には、夫々の日における使用可能(予約可能)な返却口数(返却口の空数)表示される。カレンダー欄の夫々の日にちの領域はボタンとなっている。
【0162】
同図の説明にあたっては、客(顧客コード「KB9876」)が、伝票詳細画面(図14)において、お預り中であるシャツ(タグ番号「TG01-1372」)とセーター(タグ番号「TG01-1374)とダウンジャケット(タグ番号「TG01-1375」)の3点を、ロッカー返却による引渡し希望商品として選択した場合を例に挙げる。また、ボリューム数を考慮して必要口数を算出するものとする。
【0163】
同図のロッカー情報欄(符号B)の「L01(AAA)」は、例えば、預り商品情報ファイル(図13)、ロッカー管理マスタファイル(図14(A))、及び店舗に関する情報等に基づいて表示したものである。ロッカー返却商品点数欄(符号D)の「3」は上述の3点である。
【0164】
必要返却口数欄(符号F)の「2」は、返却ボリューム数に基づく返却口数を示す。クリーニングシステム1においては、商品種別ごとに対応してボリューム数が定義されており、例えば管理装置10は、商品種別ごとのボリューム数を定義した情報を記憶する。また、クリーニングシステム1においては、返却対象のボリューム数に応じて必要となる返却口の口数(必要返却口数)が定義されており、例えば管理装置10は、返却対象のボリューム数に応じた必要口数を定義した情報を記憶する。
同図では、シャツ(商品種別「SY01」)のボリューム数は「1」であり、セーター(商品種別「SY02」)のボリューム数は「2」であり、ダウンジャケット(商品種別「SY03」のボリューム数は「3」であるので、合計のボリューム数(返却ボリューム数)は「6」となる。返却ボリューム数「6」に対応する、必要口数は「2」であるため、必要返却口数欄には「2」が表示される。
【0165】
調整欄(符号G)の調整可能範囲「1~3」は、必要返却口数欄「2」の場合の固定値として予め設定されたものである。なお、返却ボリューム数「6」の場合の固定値として予め設定されたものであってもよい。
【0166】
カレンダー欄(符号H)の4/20の日付ボタンに表示される「4」は、ロッカー別予約状況ファイル(図15(A))の空数「4」に対応するものである。つまり、カレンダー欄における日付ボタンにおいては、対応の日付における返却口の空数が示される。
図17に示されるロッカー返却予約画面では夫々の日付ボタンの色(背景色)を、当該日付が予約可能日(明日以降の日(店休日を除く)であって空数が必要返却口数以上である日)であるか予約不可能日(予約可能日でない日)であるかに応じて異ならせている。図17では、予約可能日(4/20、4/23、4/24、4/27、4/28、…)に対応する日付ボタンに対して、予約不可能日(4/16~4/19、4/21、4/22、4/25、4/26、4/29、…)の日付ボタンが例えばグレーアウトとされた例が示されている。
【0167】
POS端末20は、図17のロッカー返却予約画面が店員側表示部26にて表示されている際に、客側表示部27においても客向けにロッカー返却予約画面(客側ロッカー返却予約画面)を表示させてよい。
図18は、客側ロッカー返却予約画面の一態様例を示している。同図の客側ロッカー返却予約画面は、図17の客側ロッカー返却予約画面に対応する。
同図においては、カレンダー欄において日付ごとのエリア(日付エリア)が配置されている。そのうえで、日付エリアにおいては、バツ印または丸印が配置されている。
バツ印が配置された日付エリアは、対応の日付は、返却口の空数が必要口数に対して不足するために予約不可であることを示している。一方、丸印が配置された日付エリアは、返却口の空数が必要口数以上であることで予約可能であることを示している。
【0168】
なお、日付ごとにおける予約可能、予約不可を示す態様は、上記の丸印、バツ印に限定されない。例えば、予約可能、予約不可について、空きの返却口のあるロッカー、返却口に空きがない状態のロッカーを模した態様のアイコン等により示すようにしてもよい。
なお、このような客側ロッカー返却予約画面は、POS端末20の本体に対して接続される外付けのディスプレイ装置としての客側表示部27にて表示されるようにしてよい。外付けのディスプレイ装置としての客側表示部27は、広い画面を確保しやすいことから、客側ロッカー返却予約画面を大きいサイズで表示することができる。これにより、客としては客側ロッカー返却予約画面を見やすくなる。例えば、POS端末20の本体に客側表示部27が設けられてはいるが、画面サイズが小さい場合には、さらにもう1つの客側表示部27として外付けのディスプレイ装置を設けて、外付けのディスプレイ装置を用いる、あるいは本体の客側表示部27と外付けのディスプレイ装置とを併用するようにしてよい。本体の客側表示部27と外付けのディスプレイ装置とを併用する場合には、客向けに表示する内容に応じて、本体の客側表示部27と外付けのディスプレイ装置とで表示先が切り替えられるようにしてもよい。
【0169】
利用者は、このように表示される客側ロッカー返却予約画面を見て、予約可能な日付のうちから予約日を決め、決めた予約日を店員に伝える。店員は、カレンダー欄(符号H)に配置される日付ボタンのうちから、伝えられた予約日に対応する日付ボタンに対する操作を行う。
あるいは、客側ロッカー返却予約画面における日付エリアも、利用者による操作が可能なボタン(客側日付ボタン)とされてよい。この場合、利用者は、予約可能な日付のうちから予約日を決め、決めた予約日に対応する客側日付ボタンに対する操作を行うことができる。
【0170】
ここでは、「4/20」の日付ボタンまたは客側日付ボタンが操作された場合を例に挙げる。
「4/20」の日付ボタンまたは客側日付ボタンが操作されたことに応じて、店員側表示部26にて表示されるロッカー返却予約画面は、図17から図19に示されるように変化する。つまり、ロッカー返却予約画面においては、「4/20」の日付ボタンが、他の日付ボタンに対して、例えば所定の背景色に変更されるなどの態様により強調して表示される。これにより、現在において、予約日として4月20日が指定されている状態であることが示される。
なお、図示は省略するが、客側ロッカー返却予約画面においても、同様にして、日付エリア(客側日付ボタン)のうち「4/20」の日付エリアが強調して表示されるようにしてよい。
店員は、上記のように「4/20」の日付ボタンが強調表示された状態のもとで、例えば「登録」ボタンに対する操作を行う。「登録」ボタンに対する操作が行われたことに応じて、4月20日が予約日として確定される。
【0171】
予約日が確定されたことに応じて、例えば管理装置10は、ロッカー別予約状況ファイル、預り商品情報ファイルや預り商品情報ファイルを更新する。
図15(B)は、4月20日が予約日として確定されたことに応じて更新されたロッカー別予約状況ファイルの内容例を示している。
また、図20は、4月20日が予約日として確定されたことに応じて、図13から更新された預り商品情報ファイルの内容例を示している。
【0172】
また、予約日が確定された後において、利用者端末50のクリーニングアプリの画面にてロッカー返却予約の状況が反映されてよい。
図21は、予約日が確定された後において、利用者端末50にて表示させた伝票詳細画面の内容例を示している。
同図では、ロッカー返却の対象とされる商品の欄において、例えば「ロッカ返却予約中」といったように、ロッカー返却が行われる商品であることが示されるとともに、予約日が示される状態で表示された例が示される。
【0173】
また、管理装置10は、返却口の空数が必要口数よりも多い場合には、使用可能(予約可能)な返却口のうちから、商品を収納すべき返却口(予約返却口)を決定(選択)する。つまり、空数に余裕(返却口を選択する余地)がある場合には、いずれの返却口を使用するかを決定する。
予約返却口の決定手法としてはいくつかの態様を挙げることができる。1つには、管理装置10は、夫々の返却口の過去の使用状況に基づいて予約返却口を決定してもよい。一具体例として、管理装置10は、特定の返却口の使用頻度が高くならないように(夫々の返却口が万遍なく使用されるように)、予約返却口を決定してもよい。夫々の返却口が万遍なく使用されることにより、特定の返却口において劣化や破損が進行するという状況が生じ難くなる。
なお、管理装置10は、夫々の返却口の過去の使用状況は、例えば、ロッカー別予約状況ファイル(図15)を返却日が経過しても消去せずに一定期間記憶し続けることにより把握することができる。
【0174】
また、上記手法に代えてまたは加えて、管理装置10は、例えば、夫々の返却口の位置関係(隣接関係)に基づいて予約返却口を決定してもよい。一具体例として、管理装置10は、同一の利用者が2以上の返却口を予約する場合(当該利用者の必要返却口数が2個以上である場合)には、隣接する返却口から商品を取り出せるように、なるべく、隣接する返却口を決定してもよい。隣接する返却口が決定されることにより、利用者は離れた位置の返却ロッカーに移動しなくても済む。
【0175】
図22のフローチャートを参照して、ロッカー返却予約に関連して管理装置10が実行する処理手順例について説明する。図22のフローチャートは、店舗予約によりロッカー返却予約が行われる場合に対応する処理手順例を示している。
【0176】
ステップS630:POS端末20は、予約用画面(例えば、ロッカー返却予約画面)を管理装置10に要求する。つまり、POS端末20は、店員により行われたロッカー返却予約宣言操作に応じたロッカー返却予約設定要求を管理装置10に送信する。
【0177】
ステップS631:管理装置10は、予約用画面(ロッカー返却予約画面)の要求をPOS端末20から受信する。
ステップS632:管理装置10は、予約用画面(現在の予約状況に基づく最新のロッカー返却予約画面)を生成する。具体的には、管理装置10は、最新の、当該利用者の電子伝票ファイルや、預り商品情報ファイルや、ロッカー管理マスタファイルや、ロッカー別予約状況ファイル等を参照し、予約用画面を生成する。なお、管理装置10は、当該商品(ロッカー返却を希望する商品)を預かった店舗に設置された返却ロッカーについての予約用画面を生成すればよい。
ステップS633:管理装置10は、予約用画面の画面情報をPOS端末20に送信する。
【0178】
ステップS634:POS端末20は、画面情報(最新のロッカー返却予約画面の画面情報)を管理装置10から受信する。
ステップS635:POS端末20は、予約用画面(最新のロッカー返却予約画面)を表示する。
ステップS636:POS端末20は、予約用画面において予約操作(例えば、カレンダー欄(符号H)における予約可能な日のボタンのタッチ)を受け付ける。
ステップS637:POS端末20は、予約情報(予約日、必要数等)を管理装置10に送信する。
【0179】
ステップS638:管理装置10は、予約情報をPOS端末20から受信する。
ステップS641:管理装置10は、予約情報に基づいて返却口(予約返却口)を所定の手法に従って決定する。
【0180】
ステップS642:管理装置10は、返却口の決定結果に基づいて各種ファイルを更新する。つまり、管理装置10は、S641による返却口の決定結果を、対応の利用者の電子伝票ファイルや、預り商品情報ファイルや、ロッカー管理マスタファイルや、ロッカー別予約状況ファイル等に反映させる。
【0181】
ステップS642によっては、上記の各種ファイル等において、ロッカー返却により客に商品を返却するにあたって、返却口の決定結果とともに、返却専用ロッカー300に商品を収納すべき日(引渡し予定日、収納予定日の開始日)を含む収納の予定に関する情報が反映される。つまり、ステップS642によっては、商品の収納の予定の記憶が行われる。
【0182】
ステップS643:管理装置10は、各種画面を更新、生成する。例えば、管理装置10は、ステップS642における返却口の決定結果に基づいて予約確認画面を更新、生成する。具体的に、管理装置10は、図19に示したように予約内容を反映させるべくロッカー返却予定日カレンダー画面を更新する。また、管理装置10は、図21に示したような予約内容を反映した伝票詳細画面を生成する。また、管理装置10は、後述の図24に示すように予約内容を反映したロッカー返却予定一覧画面を生成してもよい。つまり、ステップS643では、後段の処理(ステップS645、ステップS655にて送信する画面情報を生成する。
【0183】
ステップS645:管理装置10は、画面情報をPOS端末20に送信する。例えば、管理装置10は、予約用画面(図19に示したような予約内容を反映したロッカー返却予約画面、図24にて示すような予約内容を反映したロッカー返却予定一覧画面等)の画面情報をPOS端末20に送信する。
ステップS646:POS端末20は、予約用画面(予約内容を反映したロッカー返却予約画面、図24にて示すような予約内容を反映したロッカー返却予定一覧画面)の画面情報を管理装置10から受信する。
ステップS647:POS端末20は、予約用画面(予約内容を反映したロッカー返却予約画面)を表示する。
【0184】
ステップS655:管理装置10は、画面情報を利用者端末50に送信する。例えば、予約確認用画面(図21に示したような予約内容を反映した伝票詳細画面)の画面情報を利用者端末50に送信する。
ステップS656:利用者端末50は、予約確認用画面(予約内容を反映した伝票詳細画面)の画面情報を管理装置10から受信し、受信した画面情報を記憶部に記憶する。そして、図22のフローチャートは終了する。
【0185】
なお、図22のステップS655、S656の処理に代えて、管理装置10は、ロッカーが予約された旨を報知するメッセージ情報を利用者端末50に電子メール等などを用いて送信してもよい。つまり、POS端末20においてロッカー返却を予約する場合の返却口の決定時には、最小限の情報を利用者端末50に送信するようにしてもよい。
【0186】
また、ステップS655、S656の処理については、図22に示したように返却口の決定時に行うのではなく、上記メッセージ情報の送受信の有無に関わらず、利用者の操作があった場合に行うようにしてもよい。つまり、例えば、伝票詳細画面が要求されたときに管理装置10から利用者端末50に送信されるようにしてもよい。
【0187】
なお、図22のフローチャートは、管理装置10が返却口を決定する態様の動作例であるが、POS端末20が返却口を決定する態様の場合には、POS端末20による返却口の決定結果が、管理装置10が記憶する各種ファイルに反映されるようになっていればよい。一例として以下のような流れであってもよい。予約用画面(図22の場合と同様、管理装置10にアクセスして受信した最新の予約用画面)において予約操作を受け付けたPOS端末20は、返却口を決定し、返却口の決定結果を示す情報を管理装置10に送信する。管理装置10は、POS端末20から受信した返却口の決定結果を示す情報に基づいて各種ファイルを更新する。続いて、POS端末20は、管理装置10から予約確認用画面(図19に示したような予約内容を反映したロッカー返却予約画面、後述の図24にて示すような予約内容を反映したロッカー返却予定一覧画面等)の画面情報を受信する。なお、S655、S656の処理については同様である。以上により、POS端末20による返却口の決定結果が、管理装置10が記憶する各種ファイルに反映される。
【0188】
次に、図23のフローチャートを参照して、アプリケーション予約としてのロッカー返却予約に関連して管理装置10が実行する処理手順例について説明する。
図23のステップS600:クリーニングアプリケーションが動作する利用者端末50は、予約用画面を管理装置10に要求する。例えば、利用者が利用者端末50において予約用画面を表示させる操作(例えば、ロッカー返却を希望する旨の選択等)を行った場合に、利用者端末50は、予約用画面を管理装置10に要求する。
【0189】
ステップS601:管理装置10は、予約用画面(例えば、ロッカー返却予約画面)の要求を利用者端末50から受信する。
ステップS602:管理装置10は、図22のステップS632と同様にして、予約用画面(現在の予約状況に基づく最新のロッカー返却予約画面)を生成する。
ステップS603:管理装置10は、予約用画面の画面情報を利用者端末50に送信する。
【0190】
ステップS604:利用者端末50は、画面情報を管理装置10から受信する。
ステップS605:利用者端末50は、予約用画面を表示する。
ステップS606:利用者端末50は、予約用画面において予約操作(例えば、カレンダー欄(符号H)における予約可能な日のボタンのタッチ)を受け付ける。
ステップS607:利用者端末50は、予約情報(予約日、必要数等)を管理装置10に送信する。
【0191】
ステップS608:管理装置10は、予約情報を利用者端末50から受信する。
ステップS611:管理装置10は、予約情報に基づいて返却口(予約返却口)を所定の手法に従って決定する。
ステップS612:管理装置10は、図22のステップS642と同様に、返却口の決定結果に基づいて各種ファイルを更新する。
ステップS613:管理装置10は、図22のステップS643と同様に、各種画面を更新、生成する。ステップS613においては、後述のステップS615、ステップS625にて送信する画面情報を生成する。
【0192】
ステップS615:管理装置10は、画面情報を利用者端末50に送信する。例えば、予約確認用画面(図27に示したような予約内容を反映した伝票詳細画面)の画面情報を利用者端末50に送信する。
ステップS616:利用者端末50は、予約確認用画面(予約内容を反映した伝票詳細画面)の画面情報を管理装置10から受信する。
ステップS617:利用者端末50は、予約確認用画面(予約内容を反映した伝票詳細画面)を表示する。
【0193】
ステップS625:管理装置10は、画面情報をPOS端末20に送信する。例えば、予約確認用画面(図19に示したような予約内容を反映したロッカー返却予約画面、後述の図24にて示すような予約内容を反映したロッカー返却予定一覧画面等)の画面情報をPOS端末20に送信する。
ステップS626:POS端末20は、予約確認用画面(予約内容を反映したロッカー返却予約画面やロッカー返却予定一覧画面等)の画面情報を管理装置10から受信し、受信した画面情報を記憶部に記憶する。そして、図23のフローチャートは終了する。
【0194】
なお、図23のステップS625、S626の処理は、省略されてよい。
なお、図23のステップS625、S626の処理に代えて、管理装置10は、ロッカーが予約された旨を報せるメッセージ情報をPOS端末20に送信し、該メッセージ情報を受信したPOS端末20は、現在表示中の画面に当該メッセージを表示してもよい。つまり、利用者端末50においてロッカー返却を予約する場合の返却口の決定時には、最小限の情報をPOS端末20に送信するようにしてもよい。
【0195】
また、ステップS625、S626の処理については、図23に示したように返却口の決定時に行うのではなく、上記メッセージ情報の送受信の有無に関わらず、店員の操作があった場合に行うようにしてもよい。上記メッセージ情報を送信する場合の一例として、管理装置10は、上記メッセージとともにOK(表示する)ボタン及びキャンセル(表示しない)ボタンを含む小画面の画面情報をPOS端末20に送信し、画面情報を受信したPOS端末20は、該小画面を現在表示中の画面に重畳させて表示するとともに、OK(表示する)ボタンがタッチ(店員の操作に相当)に、予約確認用画面(ロッカー返却予約画面、ロッカー返却予定一覧画面等)が要求され、管理装置10からPOS端末20に送信されるようにしてもよい。
【0196】
なお、図23の処理手順例は、管理装置10が返却口を決定する場合に対応するが、POS端末20が返却口を決定する場合には、POS端末20による返却口の決定結果が、管理装置10が記憶する各種ファイルに反映されるようになっていればよい。
【0197】
店員は、現在のロッカー返却予約状況を確認したい場合には、POS端末20に対する操作によって、店員側表示部26にてロッカー返却予約確認画面を表示させることができる。
図24は、ロッカー返却予約確認画面の一態様例を示している。同図のロッカー返却予約確認画面においては、現在日時欄(符号A参照)、条件設定領域(符号B参照)、結果表示領域(符号C参照)などが設けられている。
【0198】
条件設定領域(符号B)は、ロッカー返却予約状況等の確認対象を設定(抽出)する領域である。条件設定領域には、返却予定日設定欄(符号B1参照)と顧客設定欄(符号B2参照)を有する。返却予定日設定欄(符号B1)は、返却予定日の入力に関する選択ボタン(範囲指定ボタン、前日ボタン、本日ボタン、翌日ボタン)と、範囲指定ボタンが選択された場合に返却予定日の範囲を入力する返却予定日範囲入力欄とを有する。なお、前日ボタンや本日ボタンや翌日ボタンが選択された場合には、選択されたボタンの種類に応じて返却予定日範囲入力欄には自動的に範囲が入力される。なお、前日ボタンを設けていることからも分かるように、過去の日付けも設定可能である。顧客設定欄(符号B2)は、利用者の顧客コードの範囲を入力する返却予定日範囲入力欄と、利用者の電話番号を入力する電話番号入力欄と、利用者の指名を入力する電話番号入力欄とを有する。
【0199】
結果表示領域(符号C)は、条件設定領域において設定された条件による抽出結果を表示する領域である。具体的には、図24に例示した結果表示領域には、各種情報に基づいて、返却予定日、受付日、伝票番号、氏名、電話番号、商品点数、使用返却口、再発行が表示される。
【0200】
例えば、1番上の情報(矢印にて示した行)における、返却予定日「201X/4/20」は、図15(B)のロッカー別予約状況ファイルの返却日「201X/4/20」に基づき表示される。あるいは、返却予定日「201X/4/20」は、図20の預り商品情報ファイルの引渡し予定日「4/20」に基づき表示してもよい。
受付日「201X/4/19」は、図15(B)のロッカー別予約状況ファイルの予約日「4/19」に基づき表示される。あるいは、受付日「201X/4/19」は、図20の預り商品情報ファイルの更新日時「4/19 18:27」に基づき表示してもよい。
伝票番号「DN01-5422」は、図15(B)のロッカー別予約状況ファイルのタグ番号「TG01-1372」等と、図20の預り商品情報ファイルの預り商品番号「DN01‐5422-01」等に基づき表示される。なお、預り商品番号「DN01‐5422-01」の上位9桁「DN01‐5422」は伝票番号を示している。
顧客コード「KB9876」は、図15(B)のロッカー別予約状況ファイルの顧客コード「KB9876」に基づき表示される。氏名「…(省略)」や電話番号「…(省略)」は、図11(A)の顧客マスタファイルなどに基づき表示される。
【0201】
商品点数「3」は、図20の預り商品情報ファイルにおける該当商品(タグ番号「TG01-1372」「TG01-1373」「TG01-1375」)の数に基づき表示される。具体的には、例えば、商品点数「3」は、図20の預り商品情報ファイルにおける、上述した伝票番号「DN01-5422」に対応する商品(タグ番号「TG01-1372」~「TG01-1375」)のうち、例えば引渡し予定日が「4/20」である商品(タグ番号「TG01-1372」「TG01-1373」「TG01-1375」)の数(具体的には3)に基づき表示されてよい。あるいは、商品点数「3」は、予定日が「4/20」、且つ、同一の予約番号(具体的には12345)の商品の数(具体的には3)に基づいて表示されてもよい。
【0202】
使用返却口「H31、H32」は、図20の預り商品情報ファイルにおける該当商品(タグ番号「TG01-1372」「TG01-1373」「TG01-1375」)の返却に使用する返却口番号(「H21」、「H22」)に基づいて表示されてよい。
なお、使用返却口の項目は、返却予約に際して商品を収納する返却口が決定される場合に対応して設けられる。返却ロッカーに商品を収納する際に使用返却口が決定される場合には、使用返却口の項目に代えて、使用返却口数の項目が設けられてよい。使用返却口数の項目は、対応の商品を収納するのに必要な返却口の数を示す。
再発行「*」は、再発行(複数回の印刷)が行われたことに基づき表示される。
【0203】
なお、POS端末20は、ロッカー返却予約確認画面において、当該店舗に関係する情報を表示(抽出)する。つまり、ある店舗のPOS端末20がロッカー返却予約確認画面にて表示する情報は、当該店舗の管理下にある返却ロッカー(例えば、当該店舗前に設置した返却ロッカー)における予約情報に限定される。
【0204】
上記に代えて、POS端末20は、他の店舗に関連する情報を表示してもよい。例えば、ロッカー返却予約確認画面に店舗設定欄を設け、POS端末20は、店舗設定欄において入力された店舗コードの店舗に関連する情報を表示してもよい。
また、例えば、ロッカー返却予約確認画面に全店舗ボタンを設け、全店舗ボタンが操作された場合には、POS端末20は、店舗に関して限定せずに全部の店舗に関連する情報を表示してもよい。
【0205】
また、利用者端末50が、当該利用者に関係する情報に限定されたロッカー返却予約確認画面を所定の態様に表示してよい。
【0206】
工場用端末40(管理装置10も同様)は、ロッカー返却予約確認画面において、指定した店舗に関係する情報を表示する。例えば、ロッカー返却予約確認画面に店舗設定欄を設け、工場用端末40は、店舗設定欄において入力された店舗コードの店舗に関連する情報を表示してもよい。また、例えば、ロッカー返却予約確認画面に全店舗ボタンを設け、全店舗ボタンが操作された場合には、工場用端末40は、店舗に関して限定せずに全部の店舗に関連する情報を表示してもよい。
【0207】
店員は、当日が収納予定日の開始日(預かり商品情報ファイル(図20)の引渡し予定日)である商品を返却口に収納する際に、図24のロッカー返却予約確認画面をPOS端末20に表示させる。店員は、ロッカー返却予約確認画面に対して、当日が収納予定日の開始日である商品のリストを結果表示領域に表示させる操作を行う。そのうえで、店員は、印刷ボタンを操作する。印刷ボタンが操作されたことに応じて、POS端末20は、当日が収納予定日の開始日である商品の収納予定一覧伝票を発行する。
【0208】
図25は、収納予定一覧伝票の一例を示している。同図の収納予定一覧伝票においては、当日の収納予定日に該当する収納予定の情報が示される。収納予定一覧伝票においては、収納商品単位ごとに対応する収納商品単位エリアAR1が上から下にかけて順次配置される。1つの収納商品単位は、共通の伝票番号のもとで、収納予定日の開始日が当日で共通の商品に対応する。
【0209】
1つの収納商品単位エリアAR1は、顧客情報エリアAR11、収納指示情報エリアAR12、タグ番号エリアAR13、及びコード情報エリアAR14を含む。
【0210】
顧客情報エリアAR11においては、対応の客(利用者)に関する情報(顧客情報)が示される。具体的に同図においては、顧客情報として顧客番号と氏名とが示されている。
【0211】
収納指示情報エリアAR12においては、対応の商品についての収納指示を示す情報が示される。具体例として、同図の収納指示情報エリアAR12においては、予約番号と、収納予定日の開始日と、収納対象の商品の点数と、返却口の口数(扉数)とが示されている。
【0212】
なお、ロッカー返却予約が行われた段階で返却口が決定されている場合には、収納指示情報エリアAR12における返却口の口数に代えて、返却口を示す情報が示されてよい。即ち、返却口を示す情報として、返却口ごとに返却口番号が割り当てられており、ロッカーにて返却口ごとに番号が標示されているような場合には、返却口を示す情報として、返却口番号が示されてよい。
あるいは、返却口を示す情報として、返却口の位置が示されるようにしてよい。一例として、ロッカーが、図2(B)の共通ロッカー200である場合には、以下のように返却口の位置を示すことができる。
同図の共通ロッカーの返却口側は、パネル部210a、返却口H12、H21、H22、H31、H32を有する左側の1台のロッカー部と、返却口H41、H42、H51、H52、H61、H62を有する右側の1台のロッカー部とが連結されている。左側のパネル部210aを備えるロッカーが親ロッカーで、右側が子ロッカーである場合において、返却口を示す情報として、具体的に、返却口H52は、「2-下-中」と示される。「2-下-中」における「2」は、親ロッカーを「1」、子ロッカーを「2」としてロッカー番号を割り振った場合のロッカー番号を示す。「2-下-中」における「下」は、2段積みになっている返却口のうち下段であることを示す。「2-下-中」における「中」は、子ロッカーの横並び方向における3つの位置のうちの中央の位置を示す。この場合、横並び方向における3列の各位置は「左」、「中」、「右」によって示される。
返却口の位置を示す態様は、上記の例に限定されない。例えば、返却口の配列を印刷したうえで、他の返却口と区別できるような態様で該当の返却口を示すようにしてもよい。
【0213】
タグ番号エリアAR13においては、収納対象の商品のタグ番号が示される。タグ番号エリアAR13におけるタグ番号は、他の文字よりも強調された態様で印刷されている。具体例として、同図におけるタグ番号は、他の文字よりも大きいサイズとされている。
コード情報エリアAR14においては、対応の収納商品単位エリアAR1において示される情報のうち所定の情報を示すコード情報が印刷される。同図では、コード情報としてバーコードが印刷された例が示されているが、例えばQRコード(登録商標)等の二次元コードであってもよい。
【0214】
発行された収納予定一覧伝票を持参してバックヤードに赴いて、タグ番号エリアAR13において示されるタグ番号のタグが付された商品を、収納対象の商品として取り出す作業を行う。この作業の際に、店員は、タグ番号エリアAR13のタグ番号を確認することになるのであるが、タグ番号エリアAR13のタグ番号が他の文字よりも強調されていることで、店員は、タグ番号エリアAR13のタグ番号を確認しやすくなる。これにより、店員は、タグ番号エリアAR13のタグ番号に対応する商品を見つけやすくなる。
次に、店員は、引き続き収納予定一覧伝票を持参するとともに、バックヤードから取り出した収納対象の商品を持って、ロッカーの設置された場所に赴く。以下の説明では、客への返却のためのロッカーとして返却専用ロッカー300が設置されている場合を例に挙げる。
店員は、返却専用ロッカー300にまで赴くと、まず、収納予定一覧伝票における1つの収納商品単位エリアAR1におけるコード情報エリアAR14に印刷されたコード情報を、返却専用ロッカー300のコード認識部に読み取らせる操作を行う。
【0215】
返却専用ロッカー300は、読み取ったコード情報を管理装置10に送信する。コード情報には、予約番号が示されている。管理装置10は、コード情報が示す予約番号に対応付けられた返却口番号を、から特定し、特定された返却口番号を返却専用ロッカー300に通知する。
返却専用ロッカー300は、通知された返却口番号の返却口を解錠する。なお、解錠の際には、例えば返却専用ロッカー300の表示部などに解錠された返却口の返却口番号を店員に向けて報知する表示が行われるようにされてよい。
そして、店員は、解錠された返却口に対応の収納対象の商品を収納し、施錠する。以降、店員は、同様の手順で、収納予定一覧伝票における収納商品単位エリアAR1ごとにコード情報を返却専用ロッカー300のコード認識部に読み取らせて返却口を解錠させ、収納対象の商品を収納する、という作業を行っていく。
【0216】
なお、コード情報エリアAR14に印刷されたコード情報を返却専用ロッカー300に読み取らせたことに応じて行われる返却口の解錠については、以下のように制御されてもよい。
返却専用ロッカー300は、読み取ったコード情報を管理装置10に送信する。管理装置10は、コード情報が示す予約番号とロッカー別予約状況ファイルの内容とを照合して、コード情報が示す予約番号が正しいか否かについて判定する。ここでの「予約番号が正しいか否か(OKかNGか)について判定する」とは、予約番号が示す収納予定日は、現在日時に対応するものであるか否かについて判定する」ことである。
管理装置10は、予約番号が正しいか否かの判定結果(OKまたはNG)を示す予約番号正否情報を返却専用ロッカー300に送信する。
返却専用ロッカー300は、受信された予約番号正否情報がNGを示していれば、対応の商品の収納予定日は、現在日時には対応しておらず、返却口には収納すべきでないことになる。この場合、返却専用ロッカー300は、返却口を解錠せず、例えば対応の商品を収納すべきでないことを報知する。
一方、受信された予約番号正否情報がOKを示している場合には、現在日時が対応の商品の収納予定日に対応していることから、対応の商品を収納してよい。そこで、この場合の返却専用ロッカー300は、所定の規則に従って、現在空き状態の返却口のうちから、対応の商品を収納する返却口を決定する。返却専用ロッカー300は、決定された返却口を解錠する。
また、返却専用ロッカー300が、例えば管理装置10からロッカー別予約状況ファイルを取得し、自装置にて記憶させるようにしてよい。この場合、返却専用ロッカー300は、コード情報の読み取りに応じて返却口を決定するにあたり、読み取られたコード情報と自己が記憶するロッカー別予約状況ファイルとを参照すればよいことから、管理装置10と通信を行わなくともよい。
【0217】
なお、収納予定一覧伝票におけるコード情報に代えて、収納対象の商品に付された工場控えに印刷されたQRコード等のコード情報を読み取らせることによっても、上記と同様に、収納対象の商品を収納すべき返却口の返却口番号が特定され、返却口の解錠が行われるようにされてよい。
【0218】
[商品回収に関連する処理手順例]
前述のように、本実施形態のクリーニングシステム1では、客がロッカーの回収部に投入した商品を、クリーニング対象の商品として受け付け可能とされている。店員は、或る段階でロッカーの回収部に投入された商品を回収することになる。ここで、店員がロッカーの回収部に投入された商品の回収を忘れてしまうと、或るときに回収部が一杯となってしまい、客が回収部に商品を投入できなくなる等の不具合が生じる。
そこで、本実施形態のクリーニングシステムにおいては、以下に説明するようにして、回収部からの商品の回収を店員が忘れないように、店員に向けて商品の回収のための報知が行われるようにされる。
以下の説明にあたっては、客が商品を投入するロッカーとして受付専用ロッカー100が使用される場合を例に挙げる。
【0219】
図26(A)のフローチャートを参照して、受付専用ロッカー100と管理装置10とが回収予定の設定として、回収予定フラグのセットに関連して実行する処理手順例について説明する。
ステップS101:受付専用ロッカー100は、回収部102に収容されているクリーニング対象の商品についての回収トリガが発生したか否かについて判定する。回収トリガの発生は、回収部102に収容されている商品について、回収が必要となった程度の容量に至ったことを示す。
回収トリガは、客による回収部102への商品の預け入れの回数が所定以上となったことにより、回収部102の商品の容量が回収が必要となる程度に至ったとして発生されてよい。
具体的に、受付専用ロッカー100は、例えば回収部102の投入口101の解錠を検出するセンサの検出出力に基づいて、解錠された回数が所定の閾値以上となったことにより回収トリガが発生したと判定してよい。
また、例えば、客は、商品を回収部102に投入するにあたり、投入口101の解錠のためにコード認識部106またはカードリーダ125に会員証の情報を読み取らせる操作を行う。受付専用ロッカー100は、コード認識部106またはカードリーダ125が会員証の情報を読み取った回数が所定以上となったことに応じて、回収トリガが発生したと判定してよい。この場合、受付専用ロッカー100は、例えば同じ客の会員証の情報が連続して複数回読み取られた場合には、2回目以降の会員証の情報の読み取りについては、回収トリガの発生に対応する回数に含めないようにしてよい。
【0220】
あるいは、回収トリガは、回収部102に収容された商品の量に基づいて発生されてよい。この場合には、回収部102において、回収部102における物品の収容量を検出するセンサを設ける。このようなセンサは、例えば回収部102において収容された物品の高さを検出するものであってもよいし、重量を検出するものであってもよい。
受付専用ロッカー100は、センサにより検出される高さや重量が所定の閾値以上に至った場合に回収トリガが発生したと判定してよい。
【0221】
あるいは、受付専用ロッカー100は、所定時刻に至ったことに応じて回収トリガが発生したと判定してよい。
受付専用ロッカー100は、自己が計時する時刻に基づいて、所定時刻に至ったか否かの判定を行ってもよい。あるいは、管理装置10やPOS端末20が、計時を行って所定時刻に至ったか否かを判定し、所定時刻に至ったことを受付専用ロッカー100に通知するようにされてもよい。
【0222】
ステップS102:ステップS101にて回収トリガの発生したことが判定された場合、受付専用ロッカー100は、回収トリガ発生通知を管理装置10に対して送信する。
【0223】
ステップS201:管理装置10は、ステップS102により送信された回収トリガ発生通知が受信されるのを待機している。
ステップS202:管理装置10は、回収トリガ発生通知が受信されたことに応じて回収予定フラグをセットする。具体的に、管理装置10は、回収予定フラグは、RAM122(記憶部の一例)または記憶部123(記憶部の一例)にて記憶させている回収予定フラグについて、回収予定有りを示す値を設定する。このような回収予定フラグのセットは、商品の回収の予定の記憶に相当する。
【0224】
次に、図26(B)のフローチャートを参照して、受付専用ロッカー100と管理装置10とが回収予定の設定として、回収予定フラグのクリアに関連して実行する処理手順例について説明する。
ステップS111:受付専用ロッカー100は、回収部102に収容された商品の回収が行われるのを待機している。
受付専用ロッカー100は、商品の回収が行われたか否かについて以下のように判定してよい。店員が商品を回収する際には、店員が所定の手順により回収部102の回収用扉を解錠し、商品の回収を終えると回収用扉を施錠する。そこで、受付専用ロッカー100は、事象として、回収用扉の解錠と、当該解錠の後の施錠とが行われたことを検出した場合に商品が回収されたと判定してよい。
もしくは、受付専用ロッカー100は、事象として、回収部102の収容物の重量または容量を検出するセンサの検出出力が、収容物が収容されている状態に対応する値から、収容物が収容されない状態に対応する値に変化した場合に商品が回収されたと判定してもよい。
【0225】
ステップS112:受付専用ロッカー100は、ステップS111にて商品の回収が行われたと判定されたことに応じて、回収確認通知を管理装置10に送信する。回収確認通知は、回収部102からの商品の回収が行われたことを通知するものである。
【0226】
ステップS211:管理装置10は、ステップS112により受付専用ロッカー100から送信された回収確認通知が受信されるのを待機している。
ステップS212:回収確認通知が受信されると、管理装置10は、現在において回収予定フラグがセットされている状態にあるか否かについて判定する。
ステップS213:ステップS212にて回収予定フラグがセットされていると判定された場合、管理装置10は、回収予定フラグの値について、回収予定無しであることを示す値にリセットする。
一方、ステップS212にて回収予定フラグがセットされていないことが判定された場合には、ステップS213の処理をスキップして同図の処理を終了してよい。
【0227】
図26(A)、図26(B)の処理によって、回収予定フラグは、例えば回収部102から商品を回収することが必要な状況となったことに応じてセットされる。また、セットされた回収予定フラグは、回収部102から商品が回収されたことに応じてリセットされる。
【0228】
図26(C)のフローチャートを参照して、管理装置10とPOS端末20とが回収報知に関連して実行する処理手順例について説明する。
ステップS221:管理装置10は、回収予定フラグについて、セットされた状態が継続したまま一定時間経過した否かについて判定する。なお、この場合において、一定時間をゼロもしくはゼロに近い値とすることで、回収予定フラグがセットされたことに応じて直ちに報知が行われるようにされてもよい。
あるいは、管理装置10は、ステップS221において、回収予定フラグがセットされた状態において、所定時刻に至ったか否かについて判定してもよい。
【0229】
ステップS222:回収予定フラグがセットされた状態が継続したまま一定時間経過した場合、管理装置10は、POS端末20に対して商品回収の報知指示を送信する。報知指示は、管理装置10が、POS端末20に対して、店員への回収の指示のための報知(回収指示報知)の実行を指示するコマンドである。
【0230】
ステップS321:POS端末20は、ステップS122により管理装置10から送信された商品回収の報知指示が受信されるのを待機している。
ステップS322:商品回収の報知指示が受信されたことに応じて、POS端末20は、回収指示報知を実行する。POS端末20は、例えば店員側表示部26にて所定の態様により回収指示報知を行ってよい。このように回収指示報知が行われることにより、店員は、受付専用ロッカー100から商品を回収すべきことを把握できる。これにより、店員が受付専用ロッカー100からの商品の回収を忘れてしまうことを防止できる。
【0231】
なお、回収指示報知が行われたときに、例えば接客等の他の業務を優先させなければならないなどの理由で、店員が、すぐには商品の回収作業を行えない場合もある。そこで、回収指示報知については、例えば回収を先送りすることを宣言する操作(回収先送り宣言操作)が行われることに応じて一旦停止されるようにしてよい。この場合には、POS端末20は、例えば回収先送り宣言操作が行われてから一定時間を経過したタイミングで、再度、回収指示報知を実行してよい。
【0232】
[商品収納に関連する処理手順例]
図27及び図28のフローチャートは、商品の返却に対応してロッカーが実行する処理手順例を示している。ここでは、同図の処理が返却専用ロッカー300により実行される場合を例に挙げる。
先ず、図27について説明する。
ステップS800:返却専用ロッカー300は、例えば表示部304に待機画面を表示している状態のもとで、待機画面に対する操作が行われるのを待機する。
ステップS801:待機画面に対する操作が行われると、返却専用ロッカー300は、例えば所定の態様による案内画面を表示することにより、会員カードの読み取りやパスワードの入力を利用者に要求する。
【0233】
ステップS802:返却専用ロッカー300は、ステップS801による要求に応じた会員カードの読み取り等が行われたか否かについて判定する。会員カードの読み取り等が行われた場合には(ステップS802;YES)、ステップS804に処理が遷移する。会員カードの読み取り等が行われない場合には(ステップS802;NO)、ステップS810に処理が遷移する。
【0234】
ステップS804:返却専用ロッカー300は、該当する返却口を報知する。具体的に、返却専用ロッカー300は、所定の態様による報知画面を表示部304に表示することで、当該利用者の預り商品が収納されている返却口の返却口番号を報知する。
ステップS805:また、返却専用ロッカー300は、該当する返却口の返却口扉を解錠し、発光部を点滅させる。なお、発光部は、例えば、返却口扉の開閉後(施錠後)に消灯させるようにしてもよい。
ステップS806:返却専用ロッカー300は、ロッカー返却(預り商品の引渡し)が完了するのを待機する。返却専用ロッカー300は、例えばステップS805により解錠されて開いた状態とされた返却口の扉が閉じられ、施錠されたことが検出された場合に、ロッカー返却が完了したと判定してよい。あるいは、返却口に収容物の有無を検出するセンサを設けたうえで、当該センサにより収容物の有る状態から収容物が無い状態に遷移したことが検出された場合にロッカー返却が完了したと判定してよい。
【0235】
ステップS807:ロッカー返却が完了すると、返却専用ロッカー300は、返却完了情報を記憶部323(RAM322でもよい)に記憶させる。返却完了情報は、例えば、顧客ID、返却口番号、タグ番号、日時情報等の一部又は全部を含むものであってもよい。
なお、返却ロッカーは、返却完了情報を記憶部に記憶することに代えて加えて返却完了情報を管理装置10に送信し、管理装置10は、返却完了情報に基づいて各種ファイルの更新等を実行してもよい。
さらに、管理装置10は、伝票詳細画面(図21等)等の各種画面を更新(進行区分を「9(引渡し完了)」に更新等)し、利用者端末50等に更新後の画面を表示させるようにしてもよい。
ステップS808:返却専用ロッカー300は、例えば表示部304に所定の態様による報知画面を表示させることにより、ロッカー返却が完了したことを利用者に向けて報知する。
【0236】
ステップS810:ステップS802にて会員カード等の読み取りが行われなかったことが判定された場合、返却専用ロッカー300は、店員による所定操作があったか否か(例えば、店員用バーコードの読み取りがあったか否か等)を判断する。所定操作の行われなかったことが判定された場合には、ステップS802に戻る。
【0237】
ステップS820:ステップS810にて店員による所定操作の行われたことが判定された場合、返却専用ロッカー300は、各種ボタン(返却物収納ボタン、返却物回収ボタン、戻るボタン等)を配置した店員用初期画面(非図示)を表示部304に表示する。即ち、返却専用ロッカー300は、店員用モードに移行する。
【0238】
次に、図28について説明する。
ステップS821:ステップS820により店員用モードに移行した後、返却専用ロッカー300は、店員用初期画面(非図示)にて配置された戻るボタンに対する操作が行われたか否かについて判定する。戻るボタンが操作された場合には(ステップS821;YES)、ステップS800に戻る。なお、戻るボタンが操作された場合に(ステップS821;YES)、ステップS800に戻るのではなくステップS801に戻るようにしてもよい。
【0239】
ステップS822:戻るボタンに対する操作が行われなかった場合、返却専用ロッカー300は、店員用初期画面(非図示)にて配置された返却物収納ボタンに対する操作が行われたか否かについて判定する。
返却物収納ボタンは、店員が返却専用ロッカー300の返却口に返却対象の商品を収納する作業を行う際に、返却専用ロッカー300を、店員用モードにおける収納対応モードに遷移させるために操作するボタンである。
返却物収納ボタンに対する操作が行われた場合には(ステップS822;YES)、ステップS830に処理が遷移する。返却物収納ボタンに対する操作が行われなかった場合には(ステップS822;NO)、ステップS823に処理が遷移する。
【0240】
ステップS823:返却専用ロッカー300は、店員用初期画面(非図示)の返却物回収ボタンに対する操作が行われたか否かについて判定する。返却物回収ボタンに対する操作が行われた場合(ステップS823;YES)、ステップS840に処理が遷移する。返却物回収ボタンに対する操作が行われなかった場合(ステップS823;NO)、ステップS821に戻る。
【0241】
ステップS830:返却専用ロッカー300は、収納対応モードに遷移する。そのうえで、返却専用ロッカー300は、所定の収納案内画面を表示することで、店員に、コード情報の読み取りを要求する。ここでの読み取りの対象となるコード情報は、収納予定一覧伝票(図25)に印刷されたコード情報である。また、読み取りの対象となるコード情報は、商品に添付された工場控えに印刷されているコード情報であってもよい。
【0242】
ステップS831:返却専用ロッカー300は、収納案内画面において配置された戻るボタンに対する操作が行われたか否かについて判定する。戻るボタンに対する操作が行われた場合、(ステップS831;YES)、ステップS821に戻る。なお、戻るボタンに対する操作が行われた場合(ステップS831;YES)、ステップS821に戻るのではなくステップS800(又はステップS801)に戻るようにしてもよい。戻るボタンが操作されていない場合には(ステップS831;NO)、ステップS832に進む。
【0243】
ステップS832:返却専用ロッカー300は、コード情報の読み取りがあったか否かを判断する。コード情報の読み取りがあった場合には(ステップS832;YES)、ステップS833に進む。コード情報の読み取りがなかった場合には(ステップS832;NO)、ステップS831に戻る。
【0244】
ステップS833:返却専用ロッカー300は、商品を収納すべき返却口を特定する。このため、返却専用ロッカー300は、例えばコード情報(もしくはコード情報が示す予約番号等)を管理装置10に送信する。管理装置10は、例えば受信されたコード情報が示す予約番号に対応付けられた返却口番号をロッカー別予約状況ファイルから特定し、特定された返却口番号を返却専用ロッカー300に通知する。
返却専用ロッカー300は、管理装置10からの返却口番号の通知を受信することにより、商品を収納すべき返却口を特定する。
【0245】
あるいは、商品を収納すべき返却口については、例えばロッカー返却の予約の際には決定することは行わずに、商品を返却専用ロッカー300に収納する際に決定するようにされてよい。このような場合には、返却専用ロッカー300は、ステップS833にて商品を収納すべき返却口を所定の規則に従って決定することで、返却口を特定することになる。
【0246】
ステップS834:返却専用ロッカー300は、ステップS833により特定された返却口を報知する。返却口の報知は、表示部304における表示により行われる。
ステップS835:また、返却専用ロッカー300は、特定された返却口の扉を解錠し、発光部を点滅させる。なお、発光部は、例えば、返却口扉の開閉後(施錠後)に消灯されてもよい。
【0247】
ステップS836:返却専用ロッカー300は、商品(預り商品)の収納が完了するのを待機する。返却専用ロッカー300は、返却口310の返却口扉について1回の開閉(解錠と、当該解錠後の施錠)の行われたことが判定されたことに応じて、商品の収納が完了したと判定してよい。また、解錠が行われたが、この後の施錠が行われないままの返却口については、収納が完了していないと判定されてよい。これにより、返却口扉の解錠は行ったものの、商品を入れ忘れてしまって解錠されたままの状態であるとか、商品を入れたが施錠を忘れてしまったような場合にも対応して店員に報知を行うことが可能になる。
ステップS837:商品の収納が完了すると、返却専用ロッカー300は、収納完了情報を記憶部323(RAM322でもよい)に記憶させる。ステップS837にて記憶される収納完了情報は、例えば、顧客ID、返却口番号、タグ番号、日時情報等の一部又は全部を含むものであってもよい。
【0248】
ステップS838:また、返却専用ロッカー300は、収納完了通知を管理装置10に送信する。収納完了通知には、収納された商品を特定可能な情報が含まれる。例えば収納完了通知には、収納完了情報と同様に顧客ID、返却口番号、タグ番号、日時情報等において収納された商品を特定可能な一部の情報、又は全部を含むものであってもよい。
【0249】
店員は、収納予定一覧伝票において印刷される収納商品単位エリアAR1ごとに対応させてコード情報エリアAR14のコード情報を読み取らせ、解錠された返却口に商品を収納するという作業を、順次行っていく。このような作業ごとに応じて、ステップS830~S838の処理が繰り返し実行される。そして、店員は、返却対象の全ての商品の返却口への収納を完了させると、戻るボタンに対する操作を行う。戻るボタンに対する操作に応じて、収納対応モードが終了され、ステップS831からステップS821に遷移する。
【0250】
ステップS840:また、店員は、引渡し期限を経過しても利用者によって引き取られることなく返却専用ロッカー300に収納されたままの商品については、返却口から回収する作業を行う。この際、店員は、返却物回収ボタンに対する操作を行う。
ステップS823にて返却物回収ボタンに対する操作の行われたことが判定された場合、返却専用ロッカー300は、返却物回収モードを設定したうえで、店員に、回収を開始させる操作を要求する。具体的には例えば返却物回収モードに対応する返却物回収初期画面を表示部304に表示することで、返却物回収初期画面にて表示されたOKボタンに対する操作を要求する。
【0251】
ステップS841:ステップS840の処理を実行したうえで、返却専用ロッカー300は、返却物回収初期画面にて配置されている戻るボタンに対する操作が行われたか否かについて判定する。戻るボタンに対する操作が行われた場合(ステップS841;YES)、返却物回収モードを終了してステップS821に戻る。
なお、戻るボタンに対する操作が行われた場合(ステップS841;YES)、ステップS821に戻るのではなくステップS800(又はステップS801)に戻るようにしてもよい。戻るボタンに対する操作が行われていない場合には(ステップS841;NO)、ステップS842に進む。
【0252】
ステップS842:返却専用ロッカー300は、返却物回収初期画面にて配置されたOKボタンに対する操作が行われた否かについて判定する。OKボタンに対する操作が行われた場合には(ステップS842;YES)、ステップS844に進む。戻るボタンに対する操作が行われていない場合には(ステップS842;NO)、ステップS841に戻る。
【0253】
ステップS844:ステップS842にてOKボタンが操作された場合には、返却物回収の作業を店員が行う意思のあることの確認が得られたことになる。そこで、この場合の返却専用ロッカー300は、全部の返却口を報知する。例えば、返却専用ロッカー300は、所定の態様による回収指示画面を表示し、回収指示画面全部の返却口の返却口番号を報知する。
【0254】
ステップS845:返却専用ロッカー300は、全部の返却口の返却口扉を解錠し、発光部を点滅させる。なお、発光部は、例えば、返却口扉の開閉後(施錠後)に消灯させるようにしてもよい。
ステップS847:返却専用ロッカー300は、返却物の回収が完了した旨の回収完了情報を記憶部323に記憶させる。ステップS847において記憶する回収完了情報は、例えば、顧客ID、返却口番号、タグ番号、日時情報等の一部又は全部を含むものであってもよい。ステップS847の処理の後は、ステップS821に処理が戻される。なお、ステップS847の終了後に、ステップS821に戻るのではなくステップS800(又はステップS801)に戻るようにしてもよい。
【0255】
なお、返却ロッカーは、回収完了情報を記憶部に記憶することに代えて加えて、回収完了情報を管理装置10に送信し、管理装置10は、回収完了情報に基づいて各種ファイルの更新等を実行してもよい。
【0256】
図29(A)のフローチャートを参照して、管理装置10が収納完了フラグの管理に関連して実行する処理手順例について説明する。
ステップS231:管理装置10は、図28のステップS838により返却専用ロッカー300から送信された収納完了通知が受信されるのを待機している。
ステップS232:管理装置10は、収納完了通知が受信されると、受信された収納完了通知において示される例えばタグ番号等を参照して、預り商品情報ファイルにおいて示される商品のうちから、今回受信された収納完了通知に対応して収納が完了した商品を特定する。管理装置10は、預り商品情報ファイル(図13図20)において特定された商品に対応する収納完了フラグについて、収納完了を示す値(例えば「1」)をセットする。
図27図28及び図29(A)による説明から理解されるように、収納完了通知は、事象として、店員が行った収納の作業に応じて返却口扉の開閉(解錠、及び解錠に続く施錠)が行われたことに応じて返却専用ロッカー300から送信される。収納完了フラグは収納完了通知の受信に応じてセットされる。
【0257】
次に、図29(B)のフローチャートを参照して、管理装置10とPOS端末20とが未収納商品の報知に関連して実行する処理手順例について説明する。
ステップS241:管理装置10は、未収納商品の有無についての確認タイミングに至るのを待機する。
確認タイミングは、例えば店舗での業務スケジュールに沿って予め定められた所定の時刻であってよい。この場合には、例えば営業日における所定の時刻に至った際に、当日に収納すべき商品のうちで未収納の商品が有れば、未収納商品の報知が行われるようにすることができる。
あるいは、確認タイミングは、管理装置10にて最後に収納完了通知が受信されてから一定時間を経過したタイミングであってもよい。この場合には、当日における収納の作業を店員が終了させてからある程度の時間を経過したタイミングで報知が行われるようにすることができる。
【0258】
ステップS242:確認タイミングに至ったことが判定されると、管理装置10は、未収納商品が有るか否かについて判定する。このため、管理装置10は、例えば預り商品情報ファイル(図13図20)にて示される商品のうちで、当日が引渡し予定日(即ち、返却口に収納すべき日付)であって、かつ、収納完了フラグが未収納(例えば「0」)を示している商品が有るか否かについて判定する。未収納商品が無いと判定された場合には、同図の処理が終了される。
【0259】
ステップS243:ステップS242にて未収納商品が有ると判定された場合、管理装置10は、POS端末20に対して未収納商品の報知指示を送信する。未収納商品の報知指示は、管理装置10が、POS端末20に対して、当日において返却口に収納していなければならない商品のうちで未収納の商品があることの報知と、未収納の商品の返却口への収納の指示のための報知(未収納商品報知)の実行を指示するコマンドである。
【0260】
ステップS341:POS端末20は、ステップS243により管理装置10から送信される未収納商品の報知指示が受信されるのを待機している。
ステップS322:未収納商品の報知指示が受信されたことに応じて、POS端末20は、未収納商品報知を実行する。POS端末20は、例えば店員側表示部26にて所定の態様により未収納商品報知を行ってよい。
【0261】
図30は、店員側表示部26にて未収納商品報知として表示される未収納報知画面の一例を示す図である。同図の未収納報知画面においては、未収納商品が有ることのメッセージと、未収納商品を収納する指示のメッセージとが示されるとともに、未収納商品の一覧が示される。
【0262】
このように未収納商品報知が行われることにより、店員は、商品の収納を忘れていた場合には、商品を収納すべきことに気付くことができる。また、店員は、未収納商品報知が行われることにより、収納作業は行ったが収納し忘れていた商品が有った場合には、収納し忘れた商品の有ったことを把握できる。
そのうえで、例えば図30の未収納商品報知画面の場合には、店員は、未収納商品一覧により、未収納商品がいずれであるのかを即座に把握することができる。
【0263】
なお、回収指示報知が行われたときと同様に、未収納商品報知が行われた場合にも、収納先送り宣言操作が行われたことに応じて未収納商品報知が一旦停止されるようにしてよい。この場合にも、POS端末20は、例えば収納先送り宣言操作が行われてから一定時間を経過したタイミングで、再度、未収納商品報知を実行してよい。
【0264】
[閉設禁止処理]
店員は、営業の終了に応じてPOS端末20に閉設(閉店)処理を実行させる。しかしながら、当日におけるロッカーの収納部からの商品の回収と、返却口への商品の収納とが行われていないまま閉設処理が行われてしまうと、翌日の営業に支障を来すことになる。
そこで、本実施形態においては、当日の営業に応じた商品の回収、収納が完了していない場合には、以下に説明するように、POS端末20による閉設処理が禁止(制限の一例)されるように構成される。
【0265】
図31のフローチャートは、POS端末20が閉設処理に関連して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
ステップS251:POS端末20は、閉設処理の実行を指示する操作(閉設処理指示操作が行われるのを待機している。
ステップS252:閉設処理指示操作が行われると、POS端末20は、現在における回収予定フラグの状況として、回収予定フラグがセットされているか否かについて判定する。例えば、回収報知が行われたとしても、回収先送り宣言操作が繰り返されて店員が回収作業を行わないまま閉設処理指示操作を行ったような場合には、回収予定フラグがセットされたままの状態にある。
ステップS253:また、POS端末20は、現在における預り商品情報ファイルを参照することで、未収納商品の有無について判定する。
【0266】
ステップS254:POS端末20は、ステップS252とステップS253の判定結果に基づいて、閉設処理の制限が有効となる条件(制限条件)が満たされているか否かについて判定する。ステップS252により回収予定フラグがセットされているとの判定結果と、ステップS253にて未収納商品が有るとの判定結果との双方または一方が得られていれば、制限条件が満たされる。
【0267】
ステップS255:ステップS254にて制限条件が満たされていることが判定された場合、POS端末20は、閉設処理を禁止する。
具体的に、POS端末20は、閉設処理を実行せずに、閉設処理が実行不可であることのエラー報知を実行する。閉設処理が実行不可であることのエラー報知は、店員側表示部26(客側表示部27でもよい)にて表示により行われるようにされてよい。
また、エラー報知にあっては、閉設処理が禁止となったことの理由が報知されてよい。具体的に、回収予定フラグがセットされていたことで制限条件が満たされた場合、エラー報知として、回収予定フラグがセットされていることが報知されてよい。さらにこの場合には、エラー報知において、店員に商品の回収を指示するメッセージが表示されてよい。
また、未収納商品が有ったことにより制限条件が満たされた場合には、未収納商品の有ることが報知されてよい。さらにこの場合には、エラー報知において、店員に未収納商品の収納を指示するメッセージが表示されてよい。
【0268】
ステップS256:ステップS254にて制限条件が満たされていないことが判定された場合、POS端末20は、閉設処理を実行する。
【0269】
なお、同図の処理では、ステップS254にて制限条件が満たされたことに応じて、ステップS255にて閉設処理が禁止されている。つまり、POS端末20は、ステップS255において閉設処理自体を開始させないように制御している。しかしながら、POS端末20は、ステップS254において、例えば閉設処理として実行すべき処理項目のうちで、或る所定の処理項目については実行するが、他の処理項目については実行しないようにしてよい。つまり、POS端末20は、閉設処理における所定の処理項目については実行しないように、閉設処理を制限してもよい。
【0270】
<変形例>
以下、本実施形態の変形例について説明する。
【0271】
[第1変形例]
上記実施形態においては、商品の収納に関しては、ロッカーの返却口への商品の収納のし忘れに対応する未収納の状態が生じていることに対して報知を行うようにされていた。
未収納の他に、商品の収納に関する店員の作業ミス(収納ミス)としては、例えば収納すべき返却口が既に決まっている商品を、誤って他の収納口に収納してしまう収納場所間違いを挙げることができる。
本変形例としては、商品の収納に関する報知として、未収納だけではなく、収納場所間違いについても報知が行われるように構成される。本変形例においては、収納場所間違いに関しては、ロッカーにて、商品が本来収納されるべき返却口とは異なる返却口に収納された段階で報知が行われる。
このために、ロッカーは、商品の収納に対応して返却口を解錠するために店員がコード認識部に読み取らせたコード情報において示されるタグ番号と、解錠された返却口の返却口番号とを含む確認要求を管理装置10(POS端末20でもよい)に送信する。
管理装置10は、ロッカー別予約状況ファイルにおいて、受信された確認要求に含まれるのと同じタグ番号に対応付けられた返却口番号が、受信された確認要求に含まれる返却口番号と一致するか否かについて判定する。管理装置10は、判定結果をロッカーに送信する。
ロッカーは、返却口番号が一致していないとの判定結果を受信した場合、収納作業を行っている店員に向けて、収納場所間違いであることの報知を行う。収納場所間違いであることの報知は、例えばロッカーが備える表示部において表示によって行われてもよいし、音声等によって行われてもよい。また、表示と音声が組み合わされた報知が行われてもよい。また、収納場所間違いであることの報知にあたっては、正しい返却口の番号等を併せて報知するようにされてよい。
【0272】
[第2変形例]
収納場所間違いの報知についてはPOS端末20にて行われてもよい。本変形例は、POS端末20が、未収納の報知に加えて、収納場所間違いの報知を行うことが可能なように構成される。
なお、本変形例のもとでは、収納場所間違いと未収納とについてそれぞれ異なる機会において報知が行われてもよいし、収納場所間違いと未収納とについて同じ機会で報知が行われるようにされてよい。以下の説明では、閉設処理が開始される段階において、収納場所間違いと未収納とについての報知が可能とされる場合を例に挙げる。
【0273】
閉設処理を開始させるにあたり、店員は前述のようにPOS端末20に対して閉設処理指示操作を行う。本変形例のPOS端末20は、閉設処理指示操作が行われたことに応じて、閉設処理画面を店員側表示部26に表示させる。そのうえで、現時点において、ロッカーの返却口への商品の未収納と収納場所間違いとの少なくともいずれか一方が発生している場合には、閉設処理画面上に重畳させるように収納ミス報知画面を表示させる。
【0274】
本変形例において、例えば管理装置10は、閉設処理指示操作が行われたことに応じて、未収納商品の有無の判定に加えて、収納場所間違いの商品の有無についても判定する。
本変形例の場合、例えば図13等に示される預かり商品情報ファイルにおいて、収納完了フラグに加えて、商品が収納された返却口の番号を示す返却口使用情報を設ける。
そのうえで、管理装置10は、閉設処理指示操作が行われたことに応じて、返却口使用情報が示す返却口番号と、ロッカー別予約状況ファイル(図15)において示される該当商品のタグ番号に対応付けられた返却口番号とが同じであるか否かについて判定する。管理装置10は、両者が同じでないとの判定結果が得られた場合、POS端末20に対して、収納ミス報知指示を送信する。収納ミス報知指示には、収納場所間違いに該当する商品に関する情報、対応の顧客に関する情報、商品が現在収納されている返却口の返却口番号、正しい返却口の返却口番号等が含まれる。
なお、管理装置10は、上記のような収納場所間違いの商品の有無の判定と併せて、図29と同様の処理によって、未収納商品の有無についても判定し、未収納商品が有ると判定した場合には、POS端末20に対して未収納商品についての収納ミス報知指示を送信する。
【0275】
収納ミス報知指示を受信した場合、POS端末20は、収納ミス報知画面を表示させる。
図32は、収納ミス報知画面WD1の態様例を示している。同図の収納ミス報知画面WD1は、ポップアップウィンドウ形式により、閉設処理画面上に重畳して表示されている。同図の収納ミス報知画面WD1は、収納ミスとして、収納忘れと未収納とが発生した場合を例に挙げている。
【0276】
同図の収納ミス報知画面WD1においては、「ロッカー収納ミスがあります」、「レシートを確認してください」のように、収納ミスの発生したことを店員に報知するとともに、収納ミス一覧伝票の確認を店員に促すメッセージが示されている。
【0277】
なお、収納ミス報知画面WD1において収納ミスの発生したことを店員に報知するメッセージとして、収納ミスのうち、未収納は発生しているが収納場所間違いは発生していない場合、例えば「ロッカー収納忘れがあります」といったように、未収納の発生を明示して報知する内容とされてよい。逆に、収納ミスのうち、未収納は発生していないが収納場所間違いが発生している場合、例えば「ロッカー収納場所間違いがあります」といったように、収納場所間違いの発生を明示して報知する内容とされてよい。
【0278】
収納ミス報知画面WD1の表示を見た店員は、収納ミスの発生していることを認識することができる。そこで、店員は、収納ミス報知画面WD1に配置された確認ボタンBT1に対する操作を行う。
確認ボタンBT1が操作されたことに応じて、収納ミス報知画面WD1が消去され閉設処理画面が最前面に表示されて、閉設処理画面に対する操作が可能な状態となる。さらに、確認ボタンBT1が操作されたことに応じて、POS端末20は、収納ミス一覧伝票を発行する。
【0279】
収納ミス一覧伝票は、収納ミスに該当する商品の一覧が示される伝票である。図33は、収納ミス一覧伝票の一例を示している。同図の収納ミス一覧伝票は、例えばロッカー予約により、事前に、収納対象の商品について返却口が割り当てられている場合の例を示す。また、同図においては、2件の未収納(収納忘れ)と1件の収納場所間違いとの計3件のリスト項目が示された収納ミス一覧伝票の例が示される。
【0280】
未収納の項目においては、該当の商品に対応する客についての顧客情報(顧客番号、氏名、電話番号等)と、該当の商品に対応する伝票番号、受付日、点数、ロッカーの返却口の数、返却口番号、該当の商品に付したタグのタグ番号、コード情報(同図ではバーコードの例を示す)等が示される。コード情報は、対応の項目において印刷されている上記の情報のうちの少なくとも一部として、例えば伝票番号等を含むものであってよい。
【0281】
また、収納場所間違いの項目においては、未収納の項目と同様に、該当の商品に対応する客についての顧客情報と、該当の商品に対応する伝票番号、受付日、点数、ロッカーの返却口の数、該当の商品に付したタグのタグ番号、コード情報が示される。そのうえで、収納場所間違いの項目においては、該当の商品が現時点で誤って収納されている返却口番号と、該当の商品が収納されるべき正しい返却口番号とが示される。具体的に同図の例では、該当の商品が現時点では誤って6番の返却口に収納されており、正しくは1番の返却口に収納すべきであることが示されている。
【0282】
店員は、収納ミス一覧伝票に印刷された各項目の内容を確認しながら、未収納であった商品については、例えばバックヤードからタグ番号等を頼りに探し、該当の返却口を解錠して開き、収納する。また、店員は、収納場所間違いの商品については、返却口から取り出し、改めて正しい返却口の扉を解錠して開き、収納する。このような作業を行うにあたり、店員は、収納ミス一覧伝票に印刷されたコード情報をロッカーのコード認識部に読み取らせることで返却口を解錠することができる。
店員は、上記のように収納ミスを解消すると、例えばPOS端末20に戻り、POS端末20にて表示されている閉設処理画面に対する操作を行って閉設業務を行うことができる。
【0283】
なお、管理装置10は収納ミス報知指示を、ロッカーにも送信してよい。例えば、返却専用ロッカー300は、収納ミス報知指示の受信に応じて、図32に準じた態様で収納ミス報知画面を表示部304に表示させてよい。
これにより、例えば閉設業務の際に返却専用ロッカー300の近傍で店員がなんらかの作業、業務等を行っていれば、返却専用ロッカー300の表示部304に表示された収納ミス報知画面により、収納ミスのあったことを知ることができる。この場合、返却専用ロッカー300は、印刷部326により収納ミス一覧伝票を発行可能なようにされてよい。これにより、返却専用ロッカー300での表示により収納ミスに気付いた店員は、収納ミス一覧伝票を取りに行くためにPOS端末20に戻らなくともよい。
【0284】
なお、上記の例では、収納ミスの有無についての判定を管理装置10が行うようにされているが、POS端末20やロッカーが、判定に必要な情報を管理装置10等から取得したうえで、収納ミスの有無についての判定を行えるようにされてもよい。
【0285】
なお、収納ミスには、上記の収納場所間違いや未収納のほかに、収納日間違いが含まれてもよい。収納日間違いは、現在日時に対応する返却予定日とは異なる返却予定日の商品が誤って返却口に収納される収納ミスである。
このような収納ミスは、例えばロッカーについて、現在日時に対応する返却予定日とは異なる返却予定日の商品のコード情報であっても、読み取りが行われたことに応じて、返却口を解錠するような仕様とされている場合に生じることがある。
この場合、ロッカーに収納日間違いで商品が返却口に収納されたことは、例えば管理装置10やPOS端末20等が、ロッカーにおける返却口と返却口に収納された商品のコード情報とを対応付けた情報(収納結果情報)と、ロッカー別予約状況ファイルとを照合することにより判定できる。
【0286】
また、先に図33に示したロッカー収納ミス一覧伝票のように、閉設処理に際して発行される帳票は、事前に、店員による操作によって登録可能なようにされてよい。
具体例として、店員は、閉設処理に際して発行させたい帳票を登録しようとする場合には、POS端末20に対する所定操作によって、予約帳票設定画面を店員側表示部26に表示させる。
【0287】
図34は、予約帳票設定画面の一例を示している。同図においては、閉設処理に際して発行(印刷)される帳票として、レジ別の顧客入出金一覧が「合計」と「明細」の内容ごとに各1枚(計2枚)、担当者別の顧客入出金一覧が「合計」と「明細」の内容ごとに各1枚(計2枚)、顧客別の顧客入出金一覧が「合計」と「明細」の内容ごとに各1枚(計2枚)が登録された例が示されている。さらに、閉設処理に際して発行(印刷)される帳票として、ロッカー収納予定一覧伝票と、ロッカー収納ミス一覧伝票とが、それぞれ1枚登録された例が示されている。
【0288】
なお、本変形例としての上記説明では、収納ミス報知画面は、閉設処理指示操作が行われて閉設処理画面の表示が開始されるタイミングで表示されている。この場合、収納ミス報知画面は、閉設処理の開始前のタイミングで表示されていることになる。
しかしながら、収納ミス報知画面は、例えば表示された閉設処理画面に対する操作が行われて閉設処理が所定の段階まで至ったタイミングで表示されるようにしてよい。
また、例えば図34の予約帳票設定画面においては、収納ミス一覧伝票をはじめ各種帳票についての閉設処理に際しての発行タイミングを指定できるようにしてよい。
【0289】
[第3変形例]
上記実施形態においては、管理装置10がPOS端末20やロッカーと通信可能に接続されたうえで、ロッカーからの商品の回収に関する報知やロッカーへの商品の収納に関する報知を実現するための制御を、管理装置10が実行するようにされた例を挙げた。
しかしながら、上記のようなロッカーを対象とする商品の回収、収納に関する報知の制御は、クリーニングシステム1における装置が適宜実行するようにされてよい。
例えばPOS端末20、店舗携帯端末30、ロッカー等の間で通信可能に接続された環境のもとで、POS端末20が、自機や店舗携帯端末30にて報知が行われるように制御してよい。逆に、店舗携帯端末30が、自機やPOS端末20等にて報知が行われるように制御してもよい。POS端末20、管理装置10、店舗携帯端末30等の制御によって、工場用端末40にて報知が行われるように制御してもよい。
【0290】
[第4変形例]
上記実施形態においては、ロッカーが管理装置10(POS端末20でもよい)と通信可能に接続されている場合を例に挙げた。本変形例では、ロッカーが管理装置10やPOS端末20と接続されない環境のもとで、以下のように商品の回収、収納が行われる。以下の説明では、受付専用ロッカー100と返却専用ロッカー300とが使用される場合を例に挙げる。
【0291】
まず、受付専用ロッカー100の回収部102からの商品の回収に関しては、POS端末20が、予め定められた所定の時刻となったことに応じて、商品の回収を指示するメッセージが示される回収指示画面を店員側表示部26に表示させる。そして、店員が、回収指示画面の表示に対する応答として、商品の回収指示を了承したことの操作を行うと、POS端末20や管理装置10が、回収が行われたものとして処理するようにされる。
【0292】
また、返却専用ロッカー300の返却口310への商品の収納に関しては、営業日の終了時刻に対応して定められた所定の時刻となったことに応じて、POS端末20が、店員側表示部26に商品収納指示画面を表示させる。
【0293】
図35は、商品収納指示画面の一例を示している。同図の商品収納指示画面は、ロッカー返却予定一覧画面に準じた態様である場合を例に挙げている。なお、例えばロッカーにコード情報を読み取らせることにより返却口が決定される場合には、商品を収納すべき返却口の番号を示す「使用返却口」の項目に代えて、商品を収納すべき返却口の数を示す項目が設けられればよい。
【0294】
店員は、商品収納指示画面における符号Cの商品リストエリアにおいて示される、収納対象の商品のリストにより返却口310に収納すべき商品を確認し、商品リストエリアにおけるリスト項目ごとに対応して、確認した商品を返却口310に収納するようにされる。店員は、1つのリスト項目に対応して商品を収納すると、商品リストエリアに対応のリスト項目に対するタッチ操作を行う。タッチ操作が行われたリスト項目においては、収納確認のエリアが、収納済みであることを示す態様の表示に変化する。同図においては、収納確認のエリアにおいて特にオブジェクト等が配置されていない状態から、丸印のオブジェクトが配置された状態に変化した例が示されている。
【0295】
なお、収納確認のエリアにおける未収納、収納済みの各状態に対応した態様については特に限定されない。例えば、「未収納」、「収納済」といったように各状態が文字で表わされてもよい。
【0296】
このような商品収納指示画面が表示されることで、店員は、これより収納すべき未収納の商品、未収納の商品を入れるべき返却口(もしくは未収納の商品の収納に必要な返却口数)等を把握できる。
また、商品を、順次、返却口に収納していく作業を行っている際に、店員は、収納済みの商品に対応するリスト項目の確認エリアに対する操作を行っていくようにされるので、作業中において既に収納した商品とこれから収納すべき商品とを把握できる。
【0297】
本変形例においても、商品をロッカーの返却口に収納する際には、店員は、例えばPOS端末20により収納予定一覧伝票(図25)を発行させ、発行された収納予定一覧伝票に印刷されたコード情報をロッカーに読み取らせることで返却口を解錠させるようにしてよい。
あるいは、商品をロッカーの返却口に収納する際には、店員は、収納対象の商品に付されている工場控えに印刷されたコード情報をロッカーに読み取らせることで解錠を行うことができる。
【0298】
本変形例のように管理装置10やPOS端末20と接続されない環境のもとでは、ロッカーは、管理装置10やPOS端末20との通信により、返却口に収納される商品について収納ミスが生じていないかを判定することができない。
そこで、本変形例においては、ロッカーに読み取らせる商品のコード情報に収納予定日の開始日を含め、ロッカーは、例えば自己が計時機能を有することで現在日時(現在の日付までであってもよい)を自己が取得可能なようにする。
【0299】
店員は、商品をロッカーの返却口に収納する作業に際して、返却口に収納しようとする商品(収納対象商品)のコード情報をロッカーに読み取らせる操作を行う。ロッカーは、読み取られたコード情報に含まれる収納予定日の開始日と現在日時が示す日付とが同じ日付であるか否かについて判定する。
収納予定日の開始日と現在日時が示す日付とが同じである場合、ロッカーは、収納対象商品が収納可能であるとして、返却口を解錠する。
そのうえで、コード情報には、収納対象商品を収納するのに必要な返却口数の情報も含められてよい。この場合、ロッカーは、収納予定日の開始日と現在日時が示す日付とが同じである場合には、コード情報において示される返却口数に応じた数の返却口を解錠させることができる。
【0300】
一方、収納予定日の開始日と現在日時が示す日付とが異なる場合、収納対象としていた商品を収納すべき日付が当日ではないことになる。そこで、この場合のロッカーは、返却口を解錠しないようにして、収納が行えないようにする。この際、ロッカーは、表示部において、収納対象商品の収納予定日の開始日が、現在の日付と異なっているため収納不可であることを報知するようにしてよい。
【0301】
また、ロッカーは、解錠した返却口に収納対象商品が収納されたことに応じて、収納履歴を記憶するようにしてよい。収納履歴は、例えば収納対象商品が収納された返却口を示す識別子(返却口番号)と、返却口の解錠にあたって読み取ったコード情報から取得した取引識別子とを含む。この場合において、複数の返却口に収納対象商品が収納された場合には、収納履歴においては、複数の返却口番号が示されてよい。
この場合、商品を引き取りに来た客は、預り票に印刷されたコード情報や、電子預り票において表示されるコード情報をロッカーのコード認識部に読み取らせる。ロッカーは、読み取ったコード情報に含まれるのと同じ取引識別子を含む収納履歴を検索し、検索された収納履歴が示す返却口番号の返却口を解錠することができる。この場合において、検索された収納履歴が示す返却口番号が複数の場合には、それぞれの返却口番号の返却口が解錠される。
このようにして、本変形例においては、ロッカーに収納履歴を記憶させておくようにすることで、商品の返却(返却口への収納と、客による返却口からの取り出し)を適切に行うことができる。
【0302】
[第5変形例]
上記実施形態において、POS端末20は、例えば代金決済(図7のステップS20)に際して、紙媒体による伝票として、工場控え等とともに預り票を発行することができる。そのうえで、ロッカー返却を指定した客の場合には、預り票については、ロッカーからの商品の引き取りに際しての認証に使用できるようにしてよい。そこで、本変形例として、ロッカー返却が指定された場合に対応して発行される預り票を態様例について説明する。
【0303】
図36は、ロッカー返却が指定された場合に対応して発行される預り票の一例を示している。
同図の預り票においては、預かり対象の商品に関する情報として、商品名、タグ番号、金額、返却区分(この場合には「ロッカー返却」等が印刷されている。そのうえで、同図の預り票においては、コード情報エリアAR31と引取案内エリアAR32とが配置される。なお、ロッカー返却が指定されない場合に対応して発行される預り票では、コード情報エリアAR31と引取案内エリアAR32とが省略される。
【0304】
コード情報エリアAR31は、コード情報が印刷されるエリアである。コード情報エリアAR31に印刷されるコード情報には、例えば、取引番号、顧客コード(顧客ID)、店舗コード、利用返却口数、利用返却口番号、暗証番号、ロッカー収納日、収納点数等の情報のうちで、運用等に応じて、ロッカーでの認証に必要とされる所定数の情報(認証情報)が含められてよい。
【0305】
引取案内エリアAR32は、商品の引き取りの案内に関する情報(引取案内情報)が印刷されるエリアである。同図の例では、引取案内情報として、ロッカーからの引取が可能な日時範囲と、引取の対象となる商品が収納されている返却口の数(ロッカー使用数)とが示されている。引取案内エリアAR32における引取案内情報の内容については特に限定されるものではない。例えば、引取案内情報において、引取の対象となる商品が収納されている返却口の返却口番号が示されてもよい。
【0306】
また、預り票において、コード情報エリアAR31と引取案内エリアAR32とが配置される位置についても特に限定されるものではなく、適宜変更されてよい。例えば引取案内エリアAR32も預り票の上側に配置して客の目に留まりやすくすることで、引取可能な日時範囲をより確実に客に把握してもらうことが期待できる。
【0307】
客は、ロッカーの返却口に収納された商品を引き取る際には、預り票を持参し、コード情報エリアAR31のコード情報を、ロッカーのコード認識部により読み取らせるようにする。
ロッカーは、読み取られたコード情報に含まれるのと同じ認証情報が対応付けられた商品が収納された返却口(引取対象返却口)を特定する。例えば認証情報が取引番号である場合、ロッカーは、読み取られたコード情報に含まれるのと同じ取引番号が対応付けられた商品が収納された返却口を、引取対象返却口として特定する。ロッカーは、特定された引取対象返却口を解錠する。
一方、引取対象返却口が特定されなければ、ロッカーは、いずれの返却口の解錠も行わない。
このようにしてロッカーにおいて解錠に関する制御が行われることで、客は、自分が預けていた商品を、他の客の商品と間違うことなく、確実に引き取ることができる。
【0308】
[第6変形例]
先の実施形態においても説明したように、引渡し期限を経過しても客によって引き取られることなく返却口に収納されたままの商品(未引取の商品)については、店員が、商品の回収作業を行う。
ロッカーが管理装置10やPOS端末20と通信可能に接続されている場合、ロッカーは、返却口に商品を収納した結果を示す収納履歴、客により返却口から商品が引き取られた結果を示す引取履歴等を管理装置10やPOS端末20に送信することができる。
収納履歴は、返却口番号ごとに対応して商品が収納された際の返却口扉の開閉に関する履歴や、収納に対応して店員が行った操作の履歴等を含む。
また、引取履歴は、返却口番号ごとに対応して商品が引き取られた際の返却口扉の開閉に関する履歴や、引き取りに対応して客が行った操作の履歴等を含む。
管理装置10やPOS端末20では、ロッカーから受信した収納履歴及び引取履歴と、ロッカー別予約状況ファイル等を参照することで、未引取の商品の状況(未取引の商品の有無、未取引の商品が収納されている返却口、引渡し期限からの経過時間等)を確認できる。そこで、管理装置10やPOS端末20では、例えば、店員が未引取の商品を回収する作業を行うべき時刻より前のタイミングで未引取の商品の状況を確認し、確認した内容を店員に向けて出力するように構成される。
例えば、店員がクリーニングの仕上がった商品をロッカーに収納するにあたってPOS端末20に表示させたロッカー返却予約確認画面において、現在の未引取の商品の状況も示されるようにしてよい。これにより、店員は、事前に現在の未引取の商品を把握したうえで、これらの商品を回収しながら商品をロッカーに収納していくというように、作業を円滑に進めていくことができる。
また、確認された未引取の商品に対応する客が利用者端末50を利用している場合には、POS端末20または管理装置10により、クリーニングアプリに対して、未引取の商品のあることの通知を行うようにしてよい。また、未引取の商品のあることの通知は、SMS(Short Message Service)や電子メールの配信によって行われてもよい。
【0309】
また、ロッカーが管理装置10やPOS端末20と通信可能に接続されていない場合には、以下のようにして未引取の商品に対応するようにされてよい。
この場合には、店員が、店員用モード等に切り替える操作(例えば、前述の返却物回収ボタンに対する操作等であってもよい)をロッカーに対して行ったことに応じて、ロッカーが表示部に未引取の商品の一覧を表示するようにされる。また、ロッカーは、未引取の商品の一覧を示す伝票を発行してもよい。未引取の商品の一覧の内容は、ロッカーが記憶する収納履歴と引取履歴とに基づいて生成されてよい。
店員は、上記のようにしてロッカーから出力された未引取の商品の一覧を確認しながら、ロッカーから未引取の商品を回収する作業を行える。
そのうえで、店員は、回収した未引取の商品に付されている工場控えに印刷されたコード情報をPOS端末20に読み取らせることで、未引取の商品の登録を行う。未引取の商品の登録(即ち、未引取の商品のリストの記憶)は、POS端末20にて行ってもよいし、POS端末20を経由して管理装置10にて行ってもよい。
このように未引取の商品が登録されることにより、POS端末20または管理装置10が、利用者端末50のクリーニングアプリに対する通知や、電子メール、SMS等の配信を行うことで、客に未引取の商品のあることを報知できる。
【0310】
[第7変形例]
本実施形態のクリーニングシステム1に対応する店舗を利用する同一の利用者(客)が、なんらかの理由で、重複して会員登録されてしまっている場合がある。例えば、以前に会員となって店舗を利用していた利用者が、その後しばらく利用していなかったが、利用を再開した際に、以前会員登録していたか否かの記憶が定かでなかったため、再び会員登録するといったことがある。このような場合、同じ利用者について、先の会員登録が抹消されないまま、今回の会員登録が行われることになる。この結果、同一の利用者について、複数の会員登録が重複することになる。
顧客情報(顧客マスタファイル(図11(A))、顧客実績集計ファイル(図11(B))、ポイント管理ファイル(図11(C))は、登録された会員ごとに対応して管理されることから、同一の利用者について複数の会員登録が重複している場合、同一の利用者について複数の顧客情報が存在することになる。
【0311】
上記のように会員登録が重複して行われたことが、例えば店員が利用者と応対して顧客情報を呼び出した際などに分かることがある。このような場合、利用者に対応する会員登録を1つに統合して、顧客情報についても1つに統合されることが好ましい。
そこで、本変形例では、上記ように同一の利用者について複数の顧客情報が重複して存在しているに、以下のようにして顧客情報を1つに統合することが可能なようにされる。
【0312】
この場合、店員は、顧客の会員登録内容について共通する情報(例えば名前など)を指定したうえで、顧客情報の統合を宣言するための操作をPOS端末20に対して行う。この操作に応じて、POS端末20は、顧客情報統合画面を店員側表示部26に表示させる。顧客情報統合画面は、指定された共通の情報を有する複数の顧客情報を統合するための操作が行われる画面である。
【0313】
図37は、顧客情報統合画面の一例を示している。同図の顧客情報統合画面においては、同一の利用者について重複した2つの顧客情報を統合する場合の態様が示されている。つまり、同図の顧客情報統合画面においては、重複していた2つの顧客情報として「顧客情報1」と「顧客情報2」とのそれぞれに対応する2つの顧客情報エリアAR21-1、AR21-2が示されている。顧客情報エリアAR21-1、AR21-2のそれぞれにおいては、顧客情報に含まれる所定の項目が、同じ順序で配置されている。以降の説明において顧客情報エリアAR21-1、AR21-2とで特に区別しない場合には、顧客情報エリアAR21と記載する。
【0314】
また、顧客情報エリアAR21-2の右側には統合操作エリアAR22が配置されている。統合操作エリアAR22においては、顧客情報エリアAR21に配置される顧客情報の項目ごとに対応して統合ボタンが配置されている。
例えば顧客情報エリアAR21の「顧客番号」の項目に対応しては、「1」ボタンと「2」ボタンとの2つの統合ボタンが配置されている。店員は、顧客情報の統合にあたり、顧客情報エリアAR21-1、AR21-2のうちのいずれか一方の顧客番号の使用を選択する操作を行う。つまり、店員は、顧客情報エリアAR21-1の「顧客番号」を選択する場合には「1」ボタンを操作し、顧客情報エリアAR21-2の「顧客番号」を選択する場合には「2」ボタンを操作する。「1」ボタンと「2」ボタンのうち、選択された統合ボタンは強調表示が行われるようにされてよい。
このように、「1」ボタンと「2」ボタンとの2つの統合ボタンが配置された顧客情報の項目については、店員は、「1」ボタンと「2」ボタンのいずれかを操作することで、統合後の項目について、「顧客情報1」と「顧客情報2」のいずれか一方において使用されている情報を指定することができる。具体的に、「顧客番号」に対応して、店員が「1」ボタンを操作した場合には、「顧客情報1」の「顧客番号」である「0000000003」が、統合後の「顧客番号」として使用される。
また、顧客情報エリアAR21における「ポイント」、「未収残」、「内金残」等については、統合操作エリアAR22において、「1」ボタン、「2」ボタン、「加算」ボタンの3つのボタンが配置される。この場合、店員は、「1」ボタンまたは「2」ボタンを操作して、「顧客情報1」、「顧客情報2」のうちのいずれか一方のポイント残高を、統合後のポイント残高として設定できる。あるいは、店員は、「加算」ボタンを操作することによって、「顧客情報1」、「顧客情報2」それぞれのポイント残高を加算して得られるポイント数と、統合後のポイント残高として設定できる。
【0315】
店員は、上記のように項目ごとに操作を行うと、「実行」ボタンに対する操作を行う。「実行」ボタンが操作されたことに応じて、管理装置10は、「顧客情報1」、「顧客情報2」について、統合操作エリアAR22に対する捜査結果が反映される内容に統合する処理実行する。
【0316】
なお、例えば複数の顧客情報エリアAR21のうちのいずれか1つの顧客情報が、統合後のデフォルトの内容であるとして設定されてよい。例えば、「顧客情報1」と「顧客情報2」とのうち、「顧客情報1」をデフォルトの内容とした場合、店員は、「顧客情報1」の項目を選択する場合には「1」ボタンを操作する必要が無く、「顧客情報1」の項目を選択したかったり、加算したい場合に「1」ボタンや「加算」ボタンを操作すればよい。
また、複数のうちのいずれの顧客情報をデフォルトとするのかについては、いくつかの例を挙げることができる。例えば、例えば有効期限、初回受付日、店舗最終受付日、店舗最終利用日等の日付に関する項目のいずれかを対象として、日付が最も古い顧客情報もしくは新しい顧客情報をデフォルトとすることができる。あるいは、「ポイント」の項目が示すポイント残高が最も多い顧客情報をデフォルトとすることができる。
なお、統合の対象とする顧客情報の数は2つに限定されるものではなく、さらに多くの数の顧客情報が対象とされてよい。
【0317】
[第8変形例]
なお、本実施形態におけるロッカーを対象とする物品の回収、収納に関する構成は、クリーニングサービスに限定されない。一例として、本実施形態の構成は、例えば宅配便業者の荷物管理用のロッカー、ボックス等を利用した、客からの荷物(物品の一例)の発送依頼の受け付けや客による荷物の受け取りのサービスにも適用できる。
【0318】
<実施形態のまとめ>
(1)以上説明したように、本実施形態の一態様は、収納または回収される物品を保管する保管手段(例えば、ロッカー100、200、300)と、前記保管手段からの物品(例えば、クリーニング対応の商品)の回収の予定または前記保管手段への物品の収納の予定を記憶する予定記憶手段と、前記予定記憶手段により記憶された予定に対応する回収または収納に応じた所定の事象の有無を判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果に基づく報知が行われるように制御する報知制御手段とを備える物品管理システム(例えば、クリーニングシステム1)である。
上記構成によれば、ロッカーに回収されないままの商品があったり、ロッカーに収納すべき商品が収納されていないといった状態の場合に報知が行われる。これにより、クリーニングシステム1において、クリーニング対象の商品のロッカーに対応する回収作業や収納作業を、店員(業者の一例)が忘れずに行えるようになる。
【0319】
(2)本実施形態の一態様は、上記の物品管理システムであって、前記所定の操作の行われていないことが前記判定手段により判定されている場合には、前記物品を前記収納の対象とする登録が行われる端末装置(例えば、POS端末20)の閉設処理を制限する閉設処理制限手段をさらに備える。
上記構成によれば、ロッカーに回収されないままの商品があったり、ロッカーに収納すべき商品が収納されていないといった状態のまま、POS端末20等の閉設処理が行われてしまうことを防止できる。
【0320】
(3)本実施形態の一態様は、上記の物品管理システムであって、前記報知制御手段は、収納に関する所定の操作が行われない場合に対応する報知にあたり、収納に関する所定の操作が行われていない物品に関する情報が報知されるようにする。
上記構成によれば、ロッカーに収納すべき商品が収納されていないことに応じた報知において、収納されていない商品に関する情報も示すことが可能になる。これにより、店員は、報知を受けた際に、商品を収納すべきことに気付くことができるだけでなく、どの商品を収納すべきなのかを把握することも可能になる。
【0321】
(4)本実施形態の一態様は、上記の物品管理システムであって、前記判定手段は、収納に応じた所定の事象の有無として、記憶された予定の内容が示す通りの収納が行われたか否かについて判定し、前記報知制御手段は、記憶された予定の内容が示す通りの収納が行われたか否かの判定結果に基づく報知が行われるようにする。
上記構成によれば、クリーニングシステム1は、記憶された予定の内容が示す通りの収納として、例えば引き渡し予定日にて収納が完了しているか、さらには収納された商品が正しく指定の返却口に収納されているか否か等を判定することが可能となる。そして、クリーニングシステム1は、判定の結果に応じた報知を行うことができる。つまり、クリーニングシステム1は、引き渡し予定日にて収納が完了していなければ未収納であることを店員に報知し、指定の返却口に収納されていないのであれば、収納場所間違いが生じていることを店員に報知することができる。
【0322】
(5)本実施形態の一態様は、上記(1)~(4)のいずれかの物品管理システムの前記報知制御手段を備える販売データ処理装置である。なお、本実施形態の販売データ処理装置は、管理装置10、POS端末20、店舗携帯端末30、工場用端末40のいずれであってもよい。
【0323】
(6)本実施形態の一態様は、物品管理システムにおけるコンピュータを、収納または回収される物品を保管する保管手段からの物品の回収の予定または前記保管手段への物品の収納の予定を記憶する予定記憶手段、前記予定記憶手段により記憶された予定に対応する回収または収納に応じた所定の事象の有無を判定する判定手段、前記判定手段による判定結果に基づく報知が行われるように制御する報知制御手段として機能させるためのプログラムである。
【0324】
(7)本実施形態の一態様は、収納または回収される物品を保管する保管手段からの物品の回収の予定または前記保管手段への物品の収納の予定を記憶する予定記憶ステップと、前記予定記憶ステップにより記憶された予定に対応する回収または収納に応じた所定の事象の有無を判定する判定ステップと、前記判定ステップによる判定結果に基づく報知が行われるように制御する報知制御ステップとを備える物品管理方法である。
【0325】
なお、上述の管理装置10、POS端末20、店舗携帯端末30、工場用端末40、利用者端末50、ロッカー(100、200、300)等の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述の管理装置10、POS端末20、店舗携帯端末30、工場用端末40、利用者端末50、ロッカー(100、200、300)等としての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0326】
1 クリーニングシステム、10 管理装置、20 POS端末、26 店員側表示部、27 客側表示部、28 印刷部、30 店舗携帯端末、40 工場用端末、50 利用者端末、90 ネットワーク、100 受付専用ロッカー、101 投入口、102 回収部、200 共通ロッカー、300 返却専用ロッカー、310 返却口
図1
図2
図3
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