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  • 特許-心的外傷後ストレス障害を治療する方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-06
(45)【発行日】2023-09-14
(54)【発明の名称】心的外傷後ストレス障害を治療する方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/496 20060101AFI20230907BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20230907BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
A61K31/496
A61P25/00
A61P43/00 111
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019075883
(22)【出願日】2019-04-11
(62)【分割の表示】P 2016182294の分割
【原出願日】2011-07-01
(65)【公開番号】P2019131602
(43)【公開日】2019-08-08
【審査請求日】2019-04-26
【審判番号】
【審判請求日】2021-07-08
(31)【優先権主張番号】61/360,686
(32)【優先日】2010-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512333386
【氏名又は名称】アゼヴァン ファーマシューティカルズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(72)【発明者】
【氏名】ブラウンスタイン,マイケル,ジェイ.
【合議体】
【審判長】前田 佳与子
【審判官】藤原 浩子
【審判官】岩下 直人
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-535425(JP,A)
【文献】特開2017-31178(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
心的外傷後ストレス障害の治療に使用する医薬組成物であって、前記医薬組成物が以下の式の化合物または薬学的に許容されるその塩を含有し、前記化合物はバソプレッシンV1b受容体およびバソプレッシンV2受容体と比較するとバソプレッシンV1a受容体について少なくとも10倍選択的である、医薬組成物
【化1】
【請求項2】
心的外傷後ストレス障害の治療に使用する医薬組成物であって、前記医薬組成物が以下の式の化合物または薬学的に許容されるその塩を含有し、前記化合物はバソプレッシンV1b受容体およびバソプレッシンV2受容体と比較するとバソプレッシンV1a受容体について少なくとも10倍選択的である、医薬組成物
【化2】
【請求項3】
心的外傷後ストレス障害の治療に使用する医薬組成物であって、前記医薬組成物が以下の式の化合物または薬学的に許容されるその塩を含有し、前記化合物はバソプレッシンV1b受容体およびバソプレッシンV2受容体と比較するとバソプレッシンV1a受容体について少なくとも10倍選択的である、医薬組成物
【化3】
【請求項4】
前記塩が塩酸塩である、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は米国特許法第119条(e)の下に、その開示全体が参照によって本明細書に組み込まれる2010年7月1日出願の米国特許仮出願第61/360,686号の優先権を主張する。
【0002】
本明細書に記載されている発明は、バソプレッシンアンタゴニストを使用して心的外傷後ストレス障害を治療するための化合物、組成物、医薬品および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
PTSDは、国防総省、復員軍人省および国立精神衛生研究所によって、配置米国軍人および帰還米国軍人の両方についての重大な医学的問題であると認識されている。詳細には最近の研究によって、イラクおよびアフガニスタンからの復員軍人におけるPTSDの発病率は20%であり、かつ一般個体群よりも4~7倍高い割合である35%に達することもあることが示されている。PTSDは、軍人に影響を及ぼす疾病であるだけでなく;NIMHは、約8百万人の米国人がこの障害を患っていて、かつこれは、米国において最も一般的な精神医学的状態に位置づけられることを報告している。PTSDは、情動能力の低下、家族および友人との関係の悪化、楽しみをもたらす活動に対する興味の低下、過敏性、攻撃性の上昇および場合によっては暴力行為によって特徴付けられる。PTSDと共に、うつ病、物質乱用、他の不安障害、怒りおよび衝動性障害などを包含する追加の障害が多くの場合に同時に発生する。他の精神健康状態と同様に、PTSDの結果は、患者を超えてその家族へも及ぶ。長期に及ぶ多大な医療経費だけでなく、生業能力の低下、生活の質に対する不利な影響も存在する。合わせて、これらの状況は、米連邦に対して高まる要求、所得の喪失ならびに社会的および経済的経費の持続的上昇のスパイラルサイクルをもたらす。特に配置後の最初の2年の間にPTSDおよびうつ病の治療を改善することによって、米国軍についての医学的治療経費(積算で40億ドルから62億ドル)を25%から40%ほど低減することができるであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
PTSDのための現行の薬物療法は、十分な効力が実証されてなく、望ましくない副作用を包含し、かつ服薬遵守の問題によってさらに限定されることが認められている、既存の抗うつ薬および抗不安薬の再利用に依存している;例えば、Keaneら、Posttraumatic stress disorder: etiology, epidemiology, and treatment outcome. Annu Rev Clin Psychol、2:61~97(2006年); Lader、Effectiveness of benzodiazepines: do they work or not Expert Rev Neurother、8(8):1189~91(2008年); Marksら、Paroxetine:safety and tolerability issues. Expert Opin Drug Saf、7(6):783~94(2008年)を参照されたい。前述の刊行物および本明細書において挙げられるそれぞれ追加の刊行物は、参照によって本明細書に組み込まれる。PTSDの複雑さであろうと、障害のベースにある神経生物学における差違であろうといずれにせよ、利用可能な薬物は、限られた緩和のみを示す。薬物療法に対する新たなアプローチが、臨床結果における有意な改善のために必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明において、PTSDならびに関連疾患および障害は、下式の選択的バソプレッシンV1aアンタゴニストおよび薬学的に許容されるその塩を用いて治療することができることを発見した
【化1】
[式中、
Aは、カルボン酸、エステルまたはアミドであり;
Bは、カルボン酸、エステルまたはアミドであるか;またはBはアルコールもしくはチオールまたはその誘導体であり;
は、水素またはC~Cアルキルであり;
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロ、ハロアルキル、シアノ、ホルミル、アルキルカルボニルまたは-CO、-CONR8′および-NR(COR)からなる群から選択される置換基であり;ここで、RおよびR8′はそれぞれ独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいアリールアルキルから選択されるか;またはRおよびR8′は、結合している窒素原子と一緒になって、ヘテロシクリル基を形成しており;かつRは、水素、アルキル、シクロアルキル、アルコキシアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリールアルキルおよびR8′N-(C~Cアルキル)から選択され;
は、置換されていてもよいアミノ、アミド、アシルアミドまたはウレイド基であるか;またはRは、窒素原子で結合している窒素含有ヘテロシクリル基であり;かつ
は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキルカルボニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアリールハロアルキル、置換されていてもよいアリールアルコキシアルキル、置換されていてもよいアリールアルケニル、置換されていてもよいアリールハロアルケニルまたは置換されていてもよいアリールアルキニルである]。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】ペーペズ回路の3D表示を示す図であり、ここで、黒色の領域は、(A)フェレットのみでの活性化の無条件パターン;(B)AVN576(5mg/体重kg)で予備処置した後のフェレットでの活性化の無条件パターン;(C)2週後にマグネット中で動物をスクロースのみに再曝露した場合の条件活性化パターン;(D)動物をAVN576(5mg/体重)で予備処置し、かつ2週後にマグネット中でスクロースのみに再曝露した場合の条件活性化パターンについて8匹の動物から平均した重要なBOLD活性化を示している。
図2】(A)明所で過ごした時間;(B)暗所で過ごした時間;および(C)明暗の出入りの回数の平均を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書に記載されているのは、治療PTSDを治療するための治療手法としてのAVPアンタゴニストの使用である。本明細書に記載されている化合物は、未だ適えられていなかった医学的必要性に対処し、かつ米国において最も一般的であり増え続けている精神衛生障害の1つの経済的負担全体を低減することによって、活動中の軍人、帰還復員軍人、その家族および一般の個体群の生活を多大に改善する可能性を有し得る。
【0008】
本明細書に記載されている方法の例示的な一実施形態では、下式の1種または複数の化合物および薬学的に許容されるその塩をPTSDを有する患者に投与する:
【化2】
[式中、
Aは、カルボン酸、エステルまたはアミドであり;
Bは、カルボン酸、エステルまたはアミドであるか;またはBは、アルコールまたはチオールもしくはその誘導体であり;
は、水素またはC~Cアルキルであり;
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロ、ハロアルキル、シアノ、ホルミル、アルキルカルボニルまたは-CO、-CONR8′および-NR(COR)からなる群から選択される置換基であり;ここで、RおよびR8′はそれぞれ独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいアリールアルキルから選択されるか;またはRおよびR8′は、結合している窒素原子と一緒になって、ヘテロシクリル基を形成しており;かつRは、水素、アルキル、シクロアルキル、アルコキシアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリールアルキルおよびR8′N-(C~Cアルキル)から選択され;
は、置換されていてもよいアミノ、アミド、アシルアミドまたはウレイド基であるか;またはRは、窒素原子で結合している窒素含有ヘテロシクリル基であり;かつ
は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキルカルボニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアリールハロアルキル、置換されていてもよいアリールアルコキシアルキル、置換されていてもよいアリールアルケニル、置換されていてもよいアリールハロアルケニルまたは置換されていてもよいアリールアルキニルである]。
【0009】
他の例示的な実施形態では、1種または複数の式(I)の化合物および薬学的に許容されるその塩を患者に投与する:
【化3】
[式中、
AおよびA’はそれぞれ独立に、-COHまたはそのエステルもしくはアミド誘導体から選択され;
nは、0から約3から選択される整数であり;
は、水素またはC~Cアルキルであり;
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロ、ハロアルキル、シアノ、ホルミル、アルキルカルボニルまたは-CO、-CONR8′および-NR(COR)からなる群から選択される置換基であり;ここで、RおよびR8′はそれぞれ独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいアリールアルキルから選択されるか;またはRおよびR8′は、結合している窒素原子と一緒になって、ヘテロシクリル基を形成しており;かつRは、水素、アルキル、シクロアルキル、アルコキシアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリールアルキルおよびR8′N-(C~Cアルキル)から選択され;
は、置換されていてもよいアミノ、アミド、アシルアミドまたはウレイド基であるか;またはRは、窒素原子で結合している窒素含有ヘテロシクリル基であり;かつ
は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキルカルボニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアリールハロアルキル、置換されていてもよいアリールアルコキシアルキル、置換されていてもよいアリールアルケニル、置換されていてもよいアリールハロアルケニルまたは置換されていてもよいアリールアルキニルである]。
【0010】
他の例示的な実施形態では、1種または複数の式(II)の化合物および薬学的に許容されるその塩を患者に投与する:
【化4】
[式中、
Aは、-COHまたはそのエステルもしくはアミド誘導体であり;
Qは酸素であるか;またはQは、硫黄またはジスルフィドまたはその酸化誘導体であり;
nは、1から3の整数であり;
、R、RおよびRは、式Iにおいて定義されたとおりであり;かつ
5”は、水素、アルキル、シクロアルキル、アルコキシアルキル、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいヘテロシクリルまたは置換されていてもよいヘテロシクリルアルキルおよび置換されていてもよいアミノアルキルから選択される]。
【0011】
式(I)または(II)の化合物の一実施形態では、Aは-COであり;ここで、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、アルコキシアルキル、置換されていてもよいアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル(C~Cアルキル)およびRN-(C~Cアルキル)から選択される。式(I)または(II)の化合物の他の実施形態では、Aは、一置換アミド、二置換アミドまたは置換されていてもよい窒素含有ヘテロシクリルアミドである。
【0012】
本明細書に記載されている様々な実施形態のそれぞれの存在において、ヘテロシクリルはそれぞれの場合において独立に選択されることを理解すべきである。例示的な一実施形態では、ヘテロシクリルは独立に、テトラヒドロフリル、モルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニルまたはキヌクリジニルから選択され;ここで、前記モルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニルまたはキヌクリジニルは、C~Cアルキルまたは置換されていてもよいアリール(C~Cアルキル)でN-置換されていてもよい。
【0013】
本明細書に記載されている様々な実施形態のそれぞれの存在において、RおよびRは、それぞれの場合においてそれぞれ独立に選択されることも理解すべきである。他の例示的な態様では、Rは独立に、水素またはアルキルから選択され;かつRはそれぞれの場合において独立に、アルキル、シクロアルキル、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいアリールアルキルから選択される。他の例示的な態様では、RおよびRは、結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニルおよびホモピペラジニルなどの置換されていてもよい複素環を形成しており;ここで、前記ピペラジニルまたはホモピペラジニルもまた、R13でN-置換されていてもよく;R13はそれぞれの場合において独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、アルコキシカルボニル、置換されていてもよいアリールオキシカルボニル、置換されていてもよいアリールアルキルおよび置換されていてもよいアリーロイルから選択される。
【0014】
他の実施形態では、Aおよび/またはA’がアミドである式(I)の化合物を記載する。他の実施形態では、AおよびA’はアミドである。他の実施形態では、Aおよび/またはA’は、本明細書では第二級アミドとも称される第二級アミンのアミドである。他の実施形態では、AおよびA’は両方とも第二級アミドである。第二級アミドには、窒素で結合している環式アミンのアミドが包含されることを理解すべきである。
【0015】
他の実施形態では、Aがアミドである式(II)の化合物を記載する。他の実施形態では、Aは、本明細書では第二級アミドとも称される第二級アミンのアミドである。
【0016】
他の実施形態では、AおよびA’がそれぞれ独立に選択される、薬学的に許容されるその塩を包含するジエステル、酸-エステルまたは二酸である式(I)の化合物を記載する。他の実施形態では、AおよびA’の一方がエステルであり、かつ他方がアミドであるエステル-アミドである式(I)の化合物を記載する。他の実施形態では、AおよびA’がそれぞれ独立に、一置換アミド、二置換アミドおよび置換されていてもよい窒素含有ヘテロシクリルアミドから選択されるジアミドである式(I)の化合物を記載する。
【0017】
式(I)の化合物の一変形形態では、Aおよび/またはA’は、式C(O)NHX-の独立に選択される一置換アミドであり、ここで、Xは、アルキル、シクロアルキル、アルコキシアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-(C~Cアルキル)、RN-およびRN-(C~Cアルキル)から選択され、ヘテロシクリルはそれぞれ独立に選択される。
【0018】
他の変形形態では、Aおよび/またはA’は、式C(O)NR14X-の独立に選択される二置換アミドであり、ここで、R14は、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシカルボニルおよびベンジルから選択され;かつXは、アルキル、シクロアルキル、アルコキシアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-(C~Cアルキル)、RN-およびRN-(C~Cアルキル)から選択され、ここで、ヘテロシクリルはそれぞれ独立に選択される。
【0019】
他の変形形態では、Aおよび/またはA’は、独立に選択される置換されていてもよく窒素で結合している窒素含有複素環のアミドである。例示的な窒素含有複素環には、これらに限られないが、それぞれ置換されていてもよいピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、トリアゾリジニル、トリアジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、1,2-オキサジニル、1,3-オキサジニル、モルホリニル、オキサジアゾリジニルおよびチアジアゾリジニルが包含される。そのような場合による置換には、本明細書で定義されているとおりの基R10、R12、RN-およびRN-(C~Cアルキル)が包含される。一実施形態では、Aおよび/またはA’は独立に、それぞれ置換されていてもよく、かつ窒素で結合しているピロリジノニル、ピペリジノニル、2-(ピロリジン-1-イルメチル)ピロリジン-1-イルまたは1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-2-イルから選択される。
【0020】
他の変形形態では、Aおよび/またはA’は、置換されていてもよく窒素で結合しているピペリジニルの独立に選択されるアミドである。例示的な場合による置換には、ヒドロキシ、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、(ヒドロキシ(C~Cアルキルオキシ))-(C~Cアルキル)を包含するヒドロキシアルキルオキシアルキル、RN-、RN-(C~Cアルキル)を包含するRN-アルキル、ジフェニルメチル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリール(C~Cアルキル)およびピペリジン-1-イル(C~Cアルキル)が包含される。一実施形態では、Aおよび/またはA’は、独立に選択される4位で置換されていて、かつ窒素で結合しているピペリジニルである。
【0021】
他の変形形態では、Aおよび/またはA’は、置換されていてもよく窒素で結合しているピペラジニルの独立に選択されるアミドである。例示的な場合による置換には、ヒドロキシ、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、(ヒドロキシ(C~Cアルキルオキシ))-(C~Cアルキル)を包含するヒドロキシアルキルオキシアルキル、RN-、RN-(C~Cアルキル)を包含するRN-アルキル、ジフェニルメチル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリール(C~Cアルキル)およびピペリジン-1-イル(C~Cアルキル)が包含される。一実施形態では、Aおよび/またはA’は、4位で置換されていて、窒素で結合している独立に選択されるピペラジニルである。
【0022】
他の変形形態では、Aおよび/またはA’は、置換されていてもよく窒素で結合しているホモピペラジニルの独立に選択されるアミドである。例示的な場合による置換には、ヒドロキシ、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、(ヒドロキシ(C~Cアルキルオキシ))-(C~Cアルキル)を包含するヒドロキシアルキルオキシアルキル、RN-、RN-(C~Cアルキル)を包含するRN-アルキル、ジフェニルメチル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリール(C~Cアルキル)およびピペリジン-1-イル(C~Cアルキル)が包含される。一実施形態では、Aおよび/またはA’は、4位で置換されていて、かつ窒素で結合している独立に選択されるホモピペラジニルである。他の実施形態では、Aおよび/またはA’は、アルキル、アリール、アリール(C~Cアルキル)で4位で置換されていて、窒素で結合している独立に選択されるホモピペラジニルである。
【0023】
式(I)の化合物の他の実施形態では、A’は、一置換アミド、二置換アミドまたは置換されていてもよい窒素含有ヘテロシクリルアミドである。式(I)の化合物の他の実施形態では、A’は-CO5’であり;ここで、R5’は、水素、アルキル、シクロアルキル、アルコキシアルキル、置換されていてもよいアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル(C~Cアルキル)およびRN-(C~Cアルキル)から選択され;ヘテロシクリルはそれぞれの存在において独立に、テトラヒドロフリル、モルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニルまたはキヌクリジニルから選択され;前記モルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニルまたはキヌクリジニルは、C~Cアルキルまたは置換されていてもよいアリール(C~Cアルキル)でN-置換されていてもよい。一変形形態では、R5’は、置換されていてもよいヘテロシクリルアルキルまたはRN-(C~Cアルキル)を包含する置換されていてもよいアミノアルキルである。
【0024】
式(I)または(II)の化合物の他の実施形態では、Aは、下式を有する
【化5】
式中、Rは、水素または置換されていてもよいアルキルもしくはアミドプロドラッグ形成基であり;Rは、水素または置換されていてもよいアルキルであり;かつRArは、水素か、またはこれらに限られないがハロ、ヒドロキシ、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、ニトロなどの1種または複数のアリール置換基である]。他の実施形態では、R、RおよびRArのうちの少なくとも1個は水素ではない。他の実施形態では、RおよびRのうちの少なくとも1個は、水素ではない。他の実施形態では、Aは、下式を有する
【化6】
[式中、R、RおよびRArは、本明細書で定義されているとおりである]。
【0025】
他の実施形態では、Aが一置換アミド、二置換アミドおよび置換されていてもよい窒素含有ヘテロシクリルアミドから選択される式(II)の化合物を記載する。他の実施形態では、Aは、置換されていてもよい1-テトラヒドロナフチルアミンのアミドである。
【0026】
一変形形態では、Aおよび/またはA’は、式C(O)NHXの一置換アミドであり、ここで、Xは、アルキル、シクロアルキル、アルコキシアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-(C~Cアルキル)、RN-およびRN-(C~Cアルキル)から選択され、ヘテロシクリルはそれぞれ独立に選択される。
【0027】
他の変形形態では、Aおよび/またはA’は、式C(O)NR14Xの二置換アミドであり、ここで、R14は、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシカルボニルおよびベンジルから選択され;かつXは、アルキル、シクロアルキル、アルコキシアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-(C~Cアルキル)、RN-およびRN-(C~Cアルキル)から選択され、ヘテロシクリルはそれぞれ独立に選択される。
【0028】
他の変形形態では、Aおよび/またはA’は、置換されていてもよく窒素で結合している窒素含有複素環のアミドである。例示的な窒素含有複素環の例には、これらに限られないが、それぞれ置換されていてもよいピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、トリアゾリジニル、トリアジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、1,2-オキサジニル、1,3-オキサジニル、モルホリニル、オキサジアゾリジニルおよびチアジアゾリジニルが包含される。そのような場合による置換には、本明細書で定義されているとおりの基R10、R12、RN-およびRN-(C~Cアルキル)が包含される。一実施形態では、Aは、それぞれ置換されていてもよく、かつ窒素で結合しているピロリジノニル、ピペリジノニル、2-(ピロリジン-1-イルメチル)ピロリジン-1-イルまたは1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-2-イルである。
【0029】
他の変形形態では、Aおよび/またはA’は、置換されていてもよく窒素で結合しているピペリジニルのアミドである。例示的な場合による置換には、ヒドロキシ、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、(ヒドロキシ(C~Cアルキルオキシ))-(C~Cアルキル)を包含するヒドロキシアルキルオキシアルキル、RN-、RN-(C~Cアルキル)を包含するRN-アルキル、ジフェニルメチル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリール(C~Cアルキル)およびピペリジン-1-イル(C~Cアルキル)が包含される。一実施形態では、Aおよび/またはA’は、4位で置換されていて、かつ窒素で結合しているピペリジニルである。
【0030】
他の変形形態では、Aおよび/またはA’は、置換されていてもよく窒素で結合しているピペラジニルのアミドである。例示的な場合による置換には、ヒドロキシ、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、(ヒドロキシ(C~Cアルキルオキシ))-(C~Cアルキル)を包含するヒドロキシアルキルオキシアルキル、RN-、RN-(C~Cアルキル)を包含するRN-アルキル、ジフェニルメチル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリール(C~Cアルキル)およびピペリジン-1-イル(C~Cアルキル)が包含される。一実施形態では、Aおよび/またはA’は、4位で置換されていて、かつ窒素で結合しているピペラジニルである。
【0031】
他の変形形態では、Aおよび/またはA’は、置換されていてもよく窒素で結合しているホモピペラジニルのアミドである。例示的な場合による置換基には、ヒドロキシ、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、(ヒドロキシ(C~Cアルキルオキシ))-(C~Cアルキル)を包含するヒドロキシアルキルオキシアルキル、RN-、RN-(C~Cアルキル)を包含するRN-アルキル、ジフェニルメチル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリール(C~Cアルキル)およびピペリジン-1-イル(C~Cアルキル)が包含される。一実施形態では、Aおよび/またはA’は、4位で置換されていて、かつ窒素で結合しているホモピペラジニルである。他の実施形態では、Aおよび/またはA’は、4位でアルキル、アリール、アリール(C~Cアルキル)で置換されていて、窒素で結合しているホモピペラジニルである。
【0032】
他の変形形態では、Aおよび/またはA’は、窒素で結合している複素環のアミドであり、ここで、その複素環は、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキルで置換されている。
【0033】
他の実施形態では、式(I)または(II)中のAおよび/またはA’は、置換されていてもよいベンジル、置換されていてもよい1-ナフチルメチルまたは置換されていてもよい2-ナフチルメチルアミンのアミドである。場合による置換には、これらに限られないが、2,3-ジクロロ、2,5-ジクロロ、2,5-ジメトキシ、2-トリフルオロメチル、2-フルオロ-3-トリフルオロメチル、2-フルオロ-5-トリフルオロメチル、2-メチル、2-メトキシ、3,4-ジクロロ、3,5-ジトリフルオロメチル、3,5-ジクロロ、3,5-ジメチル、3,5-ジフルオロ、3,5-ジメトキシ、3-ブロモ、3-トリフルオロメチル、3-クロロ-4-フルオロ、3-クロロ、3-フルオロ-5-トリフルオロメチル、3-フルオロ、3-メチル、3-ニトロ、3-トリフルオロメトキシ、3-メトキシ、3-フェニル、4-トリフルオロメチル、4-クロロ-3-トリフルオロメチル、4-フルオロ-3-トリフルオロメチル、4-メチルなどが包含される。
【0034】
他の実施形態では、式(I)または(II)中のAおよび/またはA’は、置換されていてもよいベンジル-N-メチルアミンのアミドである。他の実施形態では、式(I)または(II)中のAは、n-ブチルおよびt-ブチルを包含する置換されていてもよいベンジル-N-ブチルアミンのアミドである。他の実施形態では、式(I)または(II)中のAは、置換されていてもよいベンジル-N-ベンジルアミンのアミドである。場合による置換基には、これらに限られないが、2,3-ジクロロ、3,5-ジクロロ、3-ブロモ、3-トリフルオロメチル、3-クロロ、3-メチルなどが包含される。
【0035】
他の実施形態では、式(I)または(II)中のAおよび/またはA’は、置換されていてもよい1-フェニルエチル、2-フェニルエチル、2-フェニルプロピルまたは1-フェニルベンジルアミンのアミドである。他の実施形態では、式(I)または(II)中のAおよび/またはA’は、置換されていてもよい1-フェニルエチル、2-フェニルエチル、2-フェニルプロピル、1-フェニルベンジルアミン-N-メチルアミンのアミドである。他の実施形態では、式(I)または(II)中のAおよび/またはA’は、置換されていてもよい2-フェニル-β-アラニンまたはその誘導体、1-フェニルプロパノールアミンなどのアミドである。場合による置換には、これらに限られないが、3-トリフルオロメトキシ、3-メトキシ、3,5-ジメトキシ、2-メチルなどが包含される。
【0036】
他の実施形態では、式(I)または(II)中のAおよび/またはA’は、置換されていてもよい1-フェニルシクロプロピル、1-フェニルシクロペンチルまたは1-フェニルシクロヘキシルアミンのアミドである。場合による置換には、これらに限られないが、3-フルオロ、4-メトキシ、4-メチル、4-クロロ、2-フルオロなどが包含される。
【0037】
他の実施形態では、式(I)または(II)中のAおよび/またはA’は、これらに限られないが2-フリル、2-チエニル、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジルなどを包含する置換されていてもよいヘテロアリールメチルアミンのアミドである。場合による置換には、これらに限られないが、5-メチル、3-クロロ、2-メチルなどが包含される。
【0038】
他の実施形態では、式(I)または(II)中のAおよび/またはA’は、これらに限られないが、それぞれ置換されていてもよい1-、2-、4-および5-インダニルアミン、1-および2-テトラヒドロナフチルアミン、インドリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニルなどを包含する部分飽和二環式アリールのアミドである。
【0039】
他の実施形態では、式(I)または(II)中のAおよび/またはA’は、置換ピペリジンまたはピペラジンのアミドである。ピペリジンまたはピペラジン上の置換基には、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、置換されていてもよいアリールおよび置換されていてもよいアリールアルキルが包含される。例示的なピペリジンおよびピペラジンには、下式が包含される:
【化7】
【0040】
他の実施形態では、式(I)中のA’は、窒素で結合している置換複素環のアミドである。置換基には、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリールおよびアリールアルキルが包含される。一変形実施形態では、式(I)中のA’は、窒素で結合していて、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリルアルキルで置換されている複素環のアミドである。
【0041】
他の実施形態では、式(I)中のA’は、置換されていてもよいアリールヘテロシクリルアミン、アリールアルキルヘテロシクリルアミン、ヘテロシクリルアルキルアミンまたはヘテロアリールアルキルアミンのアミドである。他の実施形態では、A’は、ピペリジン-1-イルピペリジンまたはピペリジン-1-イルアルキルピペリジンのアミドである。他の実施形態では、アルキルはC~C-アルキルである。
【0042】
キラル中心を包含するAおよび/またはA’の前述の例示的な例では、光学的に純粋な鏡像異性体のいずれかが、本明細書に記載されている化合物中に包含され得る;別法では、ラセミ体を使用することができることが認められる。例えば、次の鏡像異性体のいずれかまたは両方が、本明細書に記載されている化合物に包含され得る:(R)-1-(3-メトキシフェニル)エチルアミン、(R)-1-(3-トリフルオロメチルフェニル)エチルアミン、(R)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフチルアミン、(R)-1-インダニルアミン、(R)-α,N-ジメチルベンジルアミン、(R)-α-メチルベンジルアミン、(S)-1-(3-メトキシフェニル)エチルアミン、(S)-1-(3-トリフルオロメチルフェニル)エチルアミン、(S)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフチルアミン、(S)-1-インダニルアミンおよび(S)-α-メチルベンジルアミンなど。
【0043】
式(II)の化合物の他の実施形態では、Qは、酸素または硫黄である。式(II)の化合物の他の実施形態では、R”は、置換されていてもよいアリールアルキルである。式(II)の化合物の他の実施形態では、Aは、置換ピペリジンまたはピペラジンのアミドである。
【0044】
式(I)の化合物の他の実施形態では、nは1または2である。式(I)の化合物の他の実施形態では、nは1である。式(II)の化合物の他の実施形態では、nは1または2である。式(II)の化合物の他の実施形態では、nは1である。
【0045】
式(I)または(II)の化合物の他の実施形態では、Rは、水素、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、シアノ、ホルミル、アルキルカルボニルまたは、-COおよび-CONR8’からなる群から選択される置換基であり、ここで、RおよびR8’はそれぞれ独立に、水素およびアルキルから選択される。式(I)または(II)の化合物の他の実施形態では、Rは水素またはアルキルである。式(I)または(II)の化合物の他の実施形態では、Rは水素である。
【0046】
式(I)または(II)の化合物の他の実施形態では、Rは水素である。式(I)または(II)の化合物の他の実施形態では、Rはメチルである。式(I)または(II)の化合物の他の実施形態では、RおよびRは両方とも水素である。
【0047】
式(I)または(II)の化合物の他の実施形態では、Rは、下式を有する:
【化8】
[式中、R10およびR11はそれぞれ独立に、水素、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアリールアルキルオキシ、置換されていてもよいアリールアルキルカルボニルオキシ、ジフェニルメトキシ、トリフェニルメトキシなどから選択され;かつR12は、水素、アルキル、シクロアルキル、アルコキシカルボニル、置換されていてもよいアリールオキシカルボニル、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアリーロイルなどから選択される]。
【0048】
式(I)または(II)の化合物の他の実施形態では、Rは、下式を有する:
【化9】
[式中、R10、R11およびR12は、本明細書で定義されているとおりである]。
【0049】
式(I)または(II)の化合物の他の実施形態では、Rは、下式を有する:
【化10】
[式中、R10、R11およびR12は、本明細書で定義されているとおりである]。
【0050】
式(I)または(II)の化合物の他の実施形態では、Rは、下式を有する:
【化11】
[式中、R10およびR11は、本明細書で定義されているとおりである]。
【0051】
式(I)または(II)の化合物の他の実施形態では、Rは、下式を有する:
【化12】
[式中、Yは、ハロなどの電子吸引性基であり、かつYは、水素か、またはこれらに限られないがハロ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルコキシなどの1種または複数アリール置換基である]。式中の二重結合は、全て、または実質的に全て(E)、全て、または実質的に全て(Z)またはその混合であり得ることは理解されるべきである。他の実施形態では、式中の二重結合は、全て、または実質的に全て(E)である。式(I)または(II)の化合物の他の実施形態では、Rは、下式を有する:
【化13】
[式中、Yは本明細書で定義されているとおりである]。他の実施形態では、Yは水素ではない。
【0052】
A=A’およびn=0である場合を除いて、式(I)および(II)の化合物は、α-炭素でキラルであることが認められる。式(I)の化合物の一実施形態では、nが1である場合、α-炭素の立体化学は(S)または(R)であるか、またはエピマー混合物である。式(I)の化合物の他の実施形態では、nが1である場合、α-炭素の立体化学は(R)である。式(I)の化合物の他の実施形態では、nが2である場合、α-炭素の立体化学は(S)である。式(II)の化合物の一実施形態では、nが1であり、かつQが酸素である場合、α-炭素の立体化学は(R)である。式(II)の化合物の他の実施形態では、nが1であり、かつQが硫黄である場合、α-炭素の立体化学は(S)である。
【0053】
他の実施形態では、R5”が置換されていてもよいアリール(C~Cアルキル)である式(II)の化合物を記載する。他の実施形態では、R5”は、置換されていてもよいアリール(C~Cアルキル)である。他の実施形態では、R5”は、置換されていてもよいベンジルである。他の実施形態では、R5”は、置換されていてもよいアルキルである。
【0054】
前述の式(I)のそれぞれの実施形態、A、A’、Y、Y、n、R、R、R、R、Rなどのそれぞれの様々な属、亜属および種は、限定ではないが、組み合わせることができ、したがって、そのような追加の本発明の実施形態のそれぞれが、組合せによって本明細書に記載されていることは理解されるべきである。また、前述の式(II)のそれぞれの実施形態、A、Q、Y、Y、n、R、R、R、R、R、R5”などのそれぞれの様々な属、亜属および種は、限定ではないが、組み合わせることができ、したがって、そのような追加の本発明の実施形態のそれぞれが、組合せによって本明細書に記載されていることも理解されるべきである。例えば、他の実施形態では、
(a)Aが、下式を有し、
【化14】
[式中、R、RおよびRArは、本明細書で定義されているとおりである];かつnが1である;
(b)nが1であり、かつRが水素である;
(c)Aが、下式を有し、
【化15】
[式中、R、RおよびRArは、本明細書で定義されているとおりであり];nが1であり;かつRが水素である;
(d)RおよびRが両方とも水素である;
(e)RおよびRが両方とも水素であり;かつRが、下式を有する
【化16】
[式中、R10、R11およびR12は、本明細書で定義されているとおりである];
(f)Aが、下式を有し
【化17】
[式中、R、RおよびRArは、本明細書で定義されているとおりである];nが1であり;RおよびRが両方とも水素であり;かつRが、下式を有する
【化18】
[式中、R10およびR11は、本明細書で定義されているとおりである];
(g)Aが、下式を有し
【化19】
[式中、R、RおよびRArは、本明細書で定義されているとおりである];nが1であり;RおよびRが両方とも水素であり;かつA’が、下式を有する
【化20】
または
【化21】

などの式(I)の化合物が記載されている。
【0055】
本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語には、分岐していてもよい炭素原子鎖が包含される。本明細書で使用される場合、「アルケニル」および「アルキニル」という用語には、分岐していてもよく、かつそれぞれ少なくとも1つの二重結合または三重結合を含む炭素原子鎖が包含される。アルキニルはまた、1つまたは複数の二重結合を包含してもよいことは理解されるべきである。ある種の実施形態では、アルキルは、C~C24、C~C12、C~C、C~CおよびC~Cを包含する限られた長さを有することが有利であることがさらに理解されるべきである。ある種の実施形態では、アルケニルおよび/またはアルキニルはそれぞれ、C~C24、C~C12、C~C、C~CおよびC~Cを包含する限られた鎖長を有することが有利であることはさらに理解されるべきである。本明細書では、より短いアルキル、アルケニルおよび/またはアルキニル基が化合物により低い親油性を加えることがあり、したがって、種々の薬物動態を有することが認められる。例示的なアルキル基は、これらに限られないが、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルなどである。
【0056】
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」という用語には、分岐していてもよく、鎖の少なくとも一部が環になっている炭素原子鎖が包含される。シクロアルキルアルキルは、シクロアルキルのサブセットであることは理解されるべきである。シクロアルキルは多環式であってよいことは理解されるべきである。例示的なシクロアルキルには、これらに限られないが、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、2-メチルシクロプロピル、シクロペンチルエト-2-イル、アダマンチルなどが包含される。本明細書で使用される場合、「シクロアルケニル」という用語には、分岐していてもよく、かつ少なくとも1つの二重結合を包含し、鎖の少なくとも一部が環になっている炭素原子鎖が包含される。1つまたは複数の二重結合は、シクロアルケニルの環部分および/またはシクロアルケニルの非環部分にあってよいことは理解されるべきである。シクロアルケニルアルキルおよびシクロアルキルアルケニルはそれぞれ、シクロアルケニルのサブセットであることは理解されるべきである。シクロアルキルは多環式であってよいことは理解されるべきである。例示的なシクロアルケニルには、これらに限られないが、シクロペンテニル、シクロヘキシルエテン-2-イル、シクロヘプテニルプロペニルなどが包含される。シクロアルキルおよび/またはシクロアルケニルを形成する鎖は、C~C24、C~C12、C~C、C~CおよびC~Cを包含する限られた鎖長を有するのが有利であることはさらに理解されるべきである。本明細書では、シクロアルキルおよび/またはシクロアルケニルを形成するより短いアルキルおよび/またはアルケニル鎖が化合物により低い親油性を加えることがあり、したがって、種々の薬物動態を有することが認められる。
【0057】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアルキル」という用語には、炭素および少なくとも1個のヘテロ原子の両方を包含し、分岐していてもよい原子鎖が包含される。例示的なヘテロ原子には、窒素、酸素および硫黄が包含される。ある種の変形形態では、例示的なヘテロ原子には、リンおよびセレンも包含される。本明細書で使用される場合、ヘテロシクリルおよび複素環を包含する「シクロヘテロアルキル」という用語には、ヘテロアルキルなど炭素および少なくとも1個のヘテロ原子を包含し、かつ分岐していてもよく、鎖の少なくとも一部が環になっている原子鎖が包含される。例示的なヘテロ原子には、窒素、酸素および硫黄が包含される。ある種の変形形態では、例示的なヘテロ原子にはまた、リンおよびセレンも包含される。例示的なシクロヘテロアルキルには、これらに限られないが、テトラヒドロフリル、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、キヌクリジニルなどが包含される
【0058】
本明細書で使用される場合、「アリール」という用語には、それぞれ置換されていてもよい単環式および多環式芳香族炭素環式基が包含される。本明細書に記載されている例示的な芳香族炭素環式基には、これらに限られないが、フェニル、ナフチルなどが包含される。本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」という用語には、それぞれ置換されていてもよい芳香族複素環式基が包含される。例示的な芳香族複素環式基には、これらに限られないが、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、テトラジニル、キノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、チエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリルなどが包含される。
【0059】
本明細書で使用される場合、「アミノ」という用語には、基NH、アルキルアミノおよびジアルキルアミノが包含され、ここで、ジアルキルアミノ中の2個のアルキル基は、同じか、または異なってよく、即ちアルキルアルキルアミノである。例示的には、アミノには、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノなどが包含される。加えて、アミノが、アミノアルキルまたはアシルアミノなどのように他の用語を修飾するか、または他の用語によって修飾されている場合、アミノという用語の上記の変形形態は本明細書には包含されることは理解されるべきである。例示的には、アミノアルキルには、HN-アルキル、メチルアミノアルキル、エチルアミノアルキル、ジメチルアミノアルキル、メチルエチルアミノアルキルなどが包含される。例示的には、アシルアミノには、アシルメチルアミノ、アシルエチルアミノなどが包含される。
【0060】
本明細書で使用される場合、「アミノおよびその誘導体」という用語には、本明細書に記載されているアミノおよびアルキルアミノ、アルケニルアミノ、アルキニルアミノ、ヘテロアルキルアミノ、ヘテロアルケニルアミノ、ヘテロアルキニルアミノ、シクロアルキルアミノ、シクロアルケニルアミノ、シクロヘテロアルキルアミノ、シクロヘテロアルケニルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、アリールアルケニルアミノ、アリールアルキニルアミノ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールアルキルアミノ、ヘテロアリールアルケニルアミノ、ヘテロアリールアルキニルアミノ、アシルアミノなどが包含され、それぞれ置換されていてもよい。「アミノ誘導体」という用語は、尿素、カルバメートなども包含する。
【0061】
本明細書で使用される場合、「ヒドロキシおよびその誘導体」という用語には、OHおよびアルキルオキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、ヘテロアルケニルオキシ、ヘテロアルキニルオキシ、シクロアルキルオキシ、シクロアルケニルオキシ、シクロヘテロアルキルオキシ、シクロヘテロアルケニルオキシ、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アリールアルケニルオキシ、アリールアルキニルオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアルキルオキシ、ヘテロアリールアルケニルオキシ、ヘテロアリールアルキニルオキシ、アシルオキシなどが包含され、それぞれ置換されていてもよい。「ヒドロキシ誘導体」という用語はまた、カルバメートなども包含する。
【0062】
本明細書で使用される場合、「チオおよびその誘導体」という用語には、SHおよびアルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、ヘテロアルキルチオ、ヘテロアルケニルチオ、ヘテロアルキニルチオ、シクロアルキルチオ、シクロアルケニルチオ、シクロヘテロアルキルチオ、シクロヘテロアルケニルチオ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、アリールアルケニルチオ、アリールアルキニルチオ、ヘテロアリールチオ、ヘテロアリールアルキルチオ、ヘテロアリールアルケニルチオ、ヘテロアリールアルキニルチオ、アシルチオなどが包含され、それぞれ置換されていてもよい。「チオ誘導体」という用語はまた、チオカルバメートなども包含する。
【0063】
本明細書で使用される場合、「アシル」という用語には、ホルミルおよびアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルキニルカルボニル、ヘテロアルキルカルボニル、ヘテロアルケニルカルボニル、ヘテロアルキニルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、シクロアルケニルカルボニル、シクロヘテロアルキルカルボニル、シクロヘテロアルケニルカルボニル、アリールカルボニル、アリールアルキルカルボニル、アリールアルケニルカルボニル、アリールアルキニルカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールアルキルカルボニル、ヘテロアリールアルケニルカルボニル、ヘテロアリールアルキニルカルボニル、アシルカルボニルなどが包含され、それぞれ置換されていてもよい。
【0064】
本明細書で使用される場合、「カルボキシレートおよびその誘導体」という用語には、基COHおよびその塩ならびにそのエステルおよびアミドおよびCNが包含される。
【0065】
「置換されていてもよい」という用語には本明細書で使用される場合、置換されてもよいラジカル上で水素原子を他の官能基で置き換えることが包含される。そのような他の官能基には例示的に、これらに限られないが、アミノ、ヒドロキシル、ハロ、チオール、アルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、アリールヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、ニトロ、スルホン酸およびその誘導体、カルボン酸およびその誘導体などが包含される。例示的には、アミノ、ヒドロキシル、チオール、アルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、アリールヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキルおよび/またはスルホン酸はいずれも、置換されていてもよい。
【0066】
本明細書で使用される場合、「置換されていてもよいアリール」および「置換されていてもよいヘテロアリール」という用語には、置換されてもよいアリールまたはヘテロアリール上の水素原子を他の官能基で置き換えることが包含される。そのような他の官能基には例示的に、これらに限られないが、アミノ、ヒドロキシ、ハロ、チオ、アルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、アリールヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、ニトロ、スルホン酸およびその誘導体、カルボン酸およびその誘導体などが包含される。例示的には、アミノ、ヒドロキシ、チオ、アルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、アリールヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキルおよび/またはスルホン酸はいずれも、置換されていてもよい。
【0067】
例示的な置換基には、これらに限られないが、ラジカル-(CHが包含される(ここで、xは0~6の整数であり、かつZは、ハロゲン、ヒドロキシ、アルカノイルオキシ(C~Cアルカノイルオキシを包含)、置換されていてもよいアロイルオキシ、アルキル(C~Cアルキルを包含)、アルコキシ(C~Cアルコキシを包含)、シクロアルキル(C~Cシクロアルキルを包含)、シクロアルコキシ(C~Cシクロアルコキシを包含)、アルケニル(C~Cアルケニルを包含)、アルキニル(C~Cアルキニルを包含)、ハロアルキル(C~Cハロアルキルを包含)、ハロアルコキシ(C~Cハロアルコキシを包含)、ハロシクロアルキル(C~Cハロシクロアルキルを包含)、ハロシクロアルコキシ(C~Cハロシクロアルコキシを包含)、アミノ、C~Cアルキルアミノ、(C~Cアルキル)(C~Cアルキル)アミノ、アルキルカルボニルアミノ、N-(C~Cアルキル)アルキルカルボニルアミノ、アミノアルキル、C~Cアルキルアミノアルキル、(C~Cアルキル)(C~Cアルキル)アミノアルキル、アルキルカルボニルアミノアルキル、N-(C~Cアルキル)アルキルカルボニルアミノアルキル、シアノおよびニトロから選択されるか;またはZは、-COおよび-CONRから選択され、ここで、R、RおよびRはそれぞれ独立にそれぞれの存在において、水素、C~Cアルキル、アリール~C~Cアルキルおよびヘテロアリール~C~Cアルキルから選択される)。
【0068】
「保護アミノ」という用語は、調製または後続の反応の間に、β-ラクタム環中の窒素などの窒素を保護するために使用することができる保護基によって保護されているアミンを指す。そのような基の例は、ベンジル、4-メトキシベンジル、4-メトキシフェニル、トリアルキルシリル、例えばトリメチルシリルなどである。
【0069】
「保護カルボキシ」という用語は、酸性のカルボキシを一時的にブロックするために一般に使用される慣用の保護基によって保護またはブロックされているカルボキシ基を指す。そのような基の例には、低級アルキル、例えばtert-ブチル、ハロ-置換低級アルキル、例えば2-ヨードエチルおよび2,2,2-トリクロロエチル、ベンジルおよび置換ベンジル、例えば4-メトキシベンジルおよび4-ニトロベンジル、ジフェニルメチル、アルケニル、例えばアリル、トリアルキルシリル、例えばトリメチルシリルおよびtert-ブチルジエチルシリルならびに同様のカルボキシ保護基が包含される。
【0070】
本明細書に記載されている実施形態において、アルキルの例示的な変形形態は、メチル、エチル、プロピル、プロパ-2-イルなどのC~Cアルキルであり;アルケニルの例示的な変形形態は、ビニル、アリルなどのC~Cアルケニルであり;アルキニルの例示的な変形形態は、エチニル、プロピニルなどのC~Cアルキニルであり;アルコキシの例示的な変形形態は、メトキシ、ペンタ-3-オキシなどのC~Cアルコキシであり;アルキルチオの例示的な変形形態は、エチルチオ、3-メチルブチ-2-イルチオなどのC~Cアルキルチオであり;アルキルカルボニルの例示的な変形形態は、アセチル、プロパノイルなどのC~Cアルキルカルボニルであり;シクロアルキルの例示的な変形形態は、C~Cシクロアルキルであり;シクロアルケニルの例示的な変形形態は、リモネニル、ピネニルなどのC~Cシクロアルケニルであり;置換されていてもよいアリールアルキルの例示的な変形形態は、置換されていてもよいアリール(C~Cアルキル)であり;置換されていてもよいアリールアルケニルの例示的な変形形態は、置換されていてもよいアリール(C~Cアルケニル)であり;置換されていてもよいアリールアルキニルの例示的な変形形態は、置換されていてもよいアリール(C~Cアルキニル)であり;アルコキシアルキルの例示的な変形形態は、(C~Cアルコキシ)-(C~Cアルキル)であり;置換されていてもよいヘテロアリールアルキルの例示的な変形形態は、置換されていてもよいヘテロアリール(C~Cアルキル)であり;かつアルコキシカルボニルの例示的な変形形態は、C~Cアルコキシカルボニルであることは理解されるべきである。
【0071】
「プロドラッグ」という用語は本明細書で使用される場合一般に、生物系に投与されると、1種または複数の自発的な化学反応(複数種可)、酵素によって触媒される化学反応(複数種可)および/または代謝性化学反応(複数種可)またはそれらの組合せの結果として、生物学的に活性な化合物を生じる任意の化合物を指す。in vivoでは、プロドラッグは典型的には酵素(エステラーゼ、アミダーゼ、ホスファターゼなど)、単純な生物学的化学または他のプロセスによる作用をin vivoで受けて、より薬理学的に活性な薬物を遊離または再生させる。この活性化は、内生ホスト酵素か、またはプロドラッグの投与前に、その後に、またはその間にホストに投与される非内生酵素の作用を介して生じ得る。プロドラッグ使用に関するさらなる詳細は、米国特許第5,627,165号;およびPathalkら、Enzymic protecting group techniques in organic synthesis、Stereosel. Biocatal.、775~797(2000年)に記載されている。標的の送達、安全性、安定性などの目的に達したらすぐに、プロドラッグが元の薬物に変換されて、続いて、プロドラッグを形成していた、放出された基の残りの部分が後で迅速に排出されることが有利であることが認められる。
【0072】
本明細書に記載されている化合物から、in vivoで最終的に切断される基をその化合物中に存在する-OH-、-SH、-COH、-NRなどの1個または複数官能基と結合させることによって、プロドラッグは調製することができる。例示的なプロドラッグには、これらに限られないが、カルボキシレートエステル(基はアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アシルオキシアルキル、アルコキシカルボニルオキシアルキルである)、さらにヒドロキシル、チオールおよびアミンのエステル(結合している基は、アシル基、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、ホスフェートまたはスルフェートである)。活性エステルとも称される例示的なエステルには、これらに限られないが、1-インダニル、N-オキシスクシンイミド;アセトキシメチル、ピバロイルオキシメチル、β-アセトキシエチル、β-ピバロイルオキシエチル、1-(シクロヘキシルカルボニルオキシ)プロパ-1-イル、(1-アミノエチル)カルボニルオキシメチルなどのアシルオキシアルキル基;エトキシカルボニルオキシメチル、α-エトキシカルボニルオキシエチル、β-エトキシカルボニルオキシエチルなどのアルコキシカルボニルオキシアルキル基;ジメチルアミノメチル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノメチル、ジエチルアミノエチルなどのジ低級アルキルアミノアルキル基を包含するジアルキルアミノアルキル基;2-(イソブトキシカルボニル)ペンタ-2-エニル、2-(エトキシカルボニル)ブタ-2-エニルなどの2-(アルコキシカルボニル)-2-アルケニル基;およびフタリジル、ジメトキシフタリジルなどのラクトン基が包含される。
【0073】
さらに例示的なプロドラッグは、本明細書に記載されている化合物の溶解性および/または安定性を高めるように機能するアミドまたはリン基などの化学的部分を含有する。アミノ基のためのさらに例示的なプロドラッグには、これらに限られないが、(C~C20)アルカノイル;ハロ-(C~C20)アルカノイル;(C~C20)アルケノイル;(C~C)シクロアルカノイル;(C~C)-シクロアルキル(C~C16)アルカノイル;非置換アロイルか、またはハロゲン、シアノ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、(C~C)アルキルおよび(C~C)アルコキシ(それぞれ1種または複数の1から3個のハロゲン原子でさらに置換されていてもよい)からなる群から選択される1から3個の置換基によって置換されているアロイルなどの置換されていてもよいアロイル;非置換か、またはハロゲン、(C~C)アルキルおよび(C~C)アルコキシ(それぞれ、1から3個のハロゲン原子でさらに置換されていてもよい)からなる群から選択される1から3個の置換基によって置換されているアリールまたはヘテロアリールラジカルなどの置換されていてもよいアリール(C~C16)アルカノイルおよび置換されていてもよいヘテロアリール(C~C16)アルカノイル;ならびに非置換か、またはハロゲン、シアノ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、(C~C)アルキルおよび(C~C)アルコキシ(それぞれ、1から3個のハロゲン原子でさらに置換されていてもよい)からなる群から選択される1から3個の置換基によって置換されているヘテロアリールラジカルなどの、O、SおよびNから選択される1から3個のヘテロ原子をヘテロアリール部分に、かつ2から10個の炭素原子をアルカノイル部分に有する置換されていてもよいヘテロアリールアルカノイルが包含される。例示されている基は例であって、排他的ではなく、かつ慣用のプロセスによって調製することができる。
【0074】
プロドラッグ自体は、有意な生物学的活性を有さなくてもよいが、代わりに、in vivoで投与された後に、1種または複数の自発的な化学反応(複数種可)、酵素によって触媒される化学反応(複数種可)および/または代謝性化学反応(複数種可)またはそれらの組合せを受けて、生物学的に活性であるか、または生物学的に活性な化合物の前駆体である本明細書に記載されている化合物をもたらし得ることは理解される。しかしながら、場合によっては、プロドラッグが生物学的に活性であることが認められる。また、プロドラッグは多くの場合に、経口生物学的利用能、薬力学的半減期などの改善を介して、薬物の効力または安全性を改善するのに役立ち得ることが認められる。プロドラッグはまた、望ましくない薬物特性を単純にマスキングするか、または薬物送達を改善する基を包含する本明細書に記載されている化合物の誘導体も指す。例えば、1種または複数の本明細書に記載されている化合物は、低い経口薬物吸収、部位特異性の欠如、化学的不安定性、毒性および低い患者許容(味、匂いの悪さ、注射部位の疼痛など)などの、臨床的薬物用途において薬理学的、医薬的または薬物動態的に障壁と成り得るブロックまたは最小化される望ましくない特性を示すことがある。本明細書では、プロドラッグまたは可逆性の誘導体を使用する他の戦略は、薬物の臨床的用途を最適化する際に有用であり得ることが認められる。
【0075】
「アンタゴニスト」という用語は、本明細書で使用される場合、完全または部分アンタゴニストを指す。任意の内因活性の部分アンタゴニストが有用な場合があるが、この部分アンタゴニストは例示的に、少なくとも約50%のアンタゴニスト効果、または少なくとも約80%のアンタゴニスト効果を示す。この用語はまた、1種または複数のバソプレッシン受容体に対する完全アンタゴニストである化合物を包含する。本明細書に記載されている例示的な方法は、バソプレッシン受容体アンタゴニストの治療的有効量を必要とすることが認められ、したがって、1種または複数のバソプレッシン受容体で部分的な拮抗作用を示す化合物は、バソプレッシンまたはバソプレッシンアゴニストの効果を阻害するのに十分なアンタゴニスト活性を示す高用量で投与することができる。
【0076】
「治療的有効量」という用語は本明細書で使用される場合、研究者、獣医師、医者または他の臨床家が求めている、治療される疾患または障害の症状の緩和が包含される組織系、動物またはヒトにおける生物学的または医学的応答を誘発する活性な化合物または薬剤の量を指する。一態様では、治療的有効量は、疾患または疾患の症状を任意の医学的治療に許容される合理的なベネフィット/リスク比で治療または緩和し得る量である。しかしながら、本明細書に記載されている化合物および組成物の全一日使用量は、適正な医学的判断の範囲内で担当医師が決定し得ることは理解されるべきである。任意の特定の患者についての具体的な治療的に有効な用量レベルは、治療される障害および障害の重症度;使用される具体的な化合物の活性;使用される具体的な組成物;患者の年齢、体重、全身健康、性別および食事:使用される具体的な化合物の投与時間、投与経路および排泄速度;治療期間;使用される具体的な化合物と併用して、または同時に使用される薬物;ならびに通常の技能の研究者、獣医師、医師または他の臨床家に周知の同様のファクターを包含する様々なファクターに左右される。
【0077】
本明細書で使用される場合、「組成物」という用語は一般に、規定の成分を規定の量で含む任意の製品、さらに、規定の成分を規定の量で組み合わせることによって直接的に、または間接的に生じる任意の製品を指す。本明細書に記載されている組成物は、単離された本明細書に記載されている化合物から、または本明細書に記載されている化合物の塩、溶液、水和物、溶媒和物および他の形態から調製することができることは理解されるべきである。組成物は、本明細書に記載されている化合物の様々な非晶質、非-非晶質、部分結晶質、結晶質および/または他の形態学的形態から調製することができることもまた理解されるべきである。組成物は、本明細書に記載されている化合物の様々な水和物および/または溶媒和物から調製することができることもまた理解されるべきである。したがって、本明細書に記載されている化合物を挙げているそのような医薬組成物は、本明細書に記載されている化合物の様々な形態学的形態および/または溶媒和物または水和物形態のそれぞれ全ての組み合わせを包含すると理解すべきである。例示的には、組成物は、1種または複数の担体、希釈剤および/または賦形剤を包含してよい。本明細書に記載されている化合物またはそれらを含有する組成物を、治療的有効量で、本明細書に記載されている方法に適した任意の慣用の剤形で製剤化することができる。本明細書に記載されている化合物またはそのような製剤を包含するそれらを含有する組成物は、公知の手順を利用して、本明細書に記載されている方法のための幅広い様々な慣用の経路によって、かつ幅広い様々な剤形で投与することができる(一般には、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(第21版、2005年)を参照されたい)。
【0078】
「投与すること」という用語は本明細書で使用される場合、これらに限られないが、経口で(po)、静脈内で(iv)、筋肉内で(im)、皮下で(sc)、経皮で、吸入で、頬側で、眼で、舌下で、膣で、直腸でなどを包含する本明細書に記載されている化合物および組成物を患者に導入するすべての手段を意味する。本明細書に記載されている化合物および組成物は、慣用の非毒性で薬学的に許容される担体、アジュバントおよびビヒクルを含有する単位剤形および/または製剤で投与することができる。
【0079】
経口投与の例示的な経路には、錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、シロップ剤などが包含される。非経口投与のための例示的な経路には、静脈内、動脈内、腹腔内、硬膜外(epidurial)、尿道内、胸骨内、筋肉内および皮下、さらに、当分野で認められている非経口投与の任意の他の経路が包含される。
【0080】
本明細書に記載されている方法において、同時投与または組合せの個々の成分を、任意の適切な手段によって、同時に、同期に、順次に、別々に、または単一医薬製剤で投与することができることは理解されるべきである。同時投与される化合物または組成物を別々の剤形で投与する場合には、各化合物についての1日当たりに投与される投薬の回数は、同じか、または異なってよい。化合物または組成物は、同じか、または異なる投与経路を介して投与することができる。化合物または組成物は、同時か、または交互のレジームに従って、療法の経過において同時または別の時間に、分けた形態で、または単一の形態で同時に投与することができる。
【0081】
請求の組合せの各化合物の投薬量は、投与方法、治療される状態、状態の重症度、その状態が治療されるのかまたは予防されるのか、ならびに治療されるヒトの年齢、体重および健康状態を包含するいくつかのファクターに左右される。加えて、特定の患者についての薬理ゲノミクス(治療薬の薬物動態、薬力学的または効力プロファイルに対する遺伝子型の作用)情報が、使用される投薬量に影響を及ぼし得る。
【0082】
理論に束縛されることはないが、本明細書では、AVPおよび関連ペプチドは、脊椎動物における化学シグナルのファミリーを表しており、かつ社会的行動および情動の制御において重要な機能を果たしていると考えられている。AVPは、全ての哺乳動物の視床下部においてニューロンで合成される。これは、正中隆起の神経終末から放出され、かつ下垂体へと輸送され、そこで、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の放出を、かつ最終的に、下垂体AVP受容体でのその作用を介して循環におけるストレスホルモンのレベルを増大させる。下垂体の神経終末から、AVPはまた、全身の血流にも入って、そこで、心臓および血管では心臓の性能に影響を及ぼすように、かつ腎臓では尿量を減らすように作用する。AVPニューロンおよび神経線維はまた、脳の辺縁系全体で見出されている。AVPは、中枢神経系およびある種の末梢組織/部位において特異的Gタンパク質共役受容体(GPCR)に結合することによって、その生理学的および行動作用を発揮する。3種の別個のAVP受容体サブタイプ、即ち、V1a、V1bおよびV2が同定されている。V1aは、辺縁系および辺縁皮質において見出される主なAVP受容体であり、V1b受容体は、辺縁系および下垂体に位置するが、これは、V1aよりは狭く分布している。V2受容体は腎臓に限局されており、そこで、バソプレッシンの抗利尿作用を媒介する。V2は成体動物またはヒトの神経系においては発現されないと一般に考えられている。これらの発見によって、CNS治療薬のための有望なターゲットとしてのV1aおよびV1b受容体に広く関心が集まっている。
【0083】
本明細書では、PTSDおよびPTSDの共存症における共通する筋道は、辺縁系、辺縁皮質、下垂体前葉および副腎皮質が原因で、かつそれらの間などでのHPA軸の障害およびバソプレッシンシグナル伝達の変化および/またはある種の神経伝達物質(CRH、AVPなど)のフィードバックシグナル伝達、ある種の神経伝達物質および他のシグナル伝達分子(血漿ACTH、血漿コルチコステロンなど)の速度感度フィードバックの遅延ならびにそれらの機能不全であることが発見された。
【0084】
理論に束縛されることはないが、本明細書では、現行の治療オプションの低い性能および新たなオプションの欠如はそれぞれ、PTSDの複雑さと、障害の根底にある神経生物学における違いが原因であり得ると考えている。例えば、理論に束縛されることはないが、PTSDを本明細書では、一群の障害であると考えている。例示的な共存症には、これらに限られないが大うつ病、不安障害、衝動性および怒り障害、間欠的爆発性障害、物質乱用などが包含される。
【0085】
他の実施形態では、PTSD(DSM-IV:309.81)の軽減を必要とする患者を治療するための化合物、組成物、医薬品および方法を本明細書において記載する。他の実施形態では、1種または複数の全般性不安障害または関連不安障害などを包含する他の不安障害などの共通する共存症を伴うPTSDの軽減を必要とする患者を治療するための化合物、組成物、医薬品および方法を本明細書において記載する。他の実施形態では、DSM-IV:312.34などの共存性間欠的爆発性障害を伴うPTSDの軽減を必要とする患者を治療するための化合物、組成物、医薬品および方法を本明細書において記載する。他の実施形態では、DSM-IV:296.33などの大うつ病および治療抵抗性うつ病を包含する1種または複数のうつ病障害と共存しているPTSDの軽減を必要とする患者を治療するための化合物、組成物、医薬品および方法を本明細書において記載する。他の実施形態では、DSM-IV:301.7、301.83、312.82などの1種または複数のインパルス制御/不安障害と共存しているPTSDの軽減を必要とする患者を治療するための化合物、組成物、医薬品および方法を本明細書において記載する。他の実施形態では、そのような共存症の組合せの軽減を必要とする患者を治療するための化合物、組成物、医薬品および方法を本明細書において記載する。
【0086】
間欠的爆発性障害およびPTSDおよび他の不安障害は、国防総省および国立精神衛生研究所によって重大な医学的問題として認識されている。これらの状態は、現役兵士および帰還退役軍人において高い割合で観察されている。加えて、情動的、社会的および医学的結果は、これらの障害を患っている兵士を超えてさらにその家族へも及ぶと理解されている。現行の治療オプションには、抗うつ薬および抗不安薬の転用が包含されるが、それらのレジームは十分な効力を示さず、望ましくないか、不要な副作用をもたらす可能性があり、かつ報告によると、軽減は限られる。特に、間欠的爆発性障害に特異的ではないそのような現在利用されている薬物は、最小限有効であると報告されており、かつ性的機能不全、睡眠障害および場合によっては、自殺思考を包含する不要な副作用をもたらし得る。より有効で、またより少ない副作用を有する改善された治療が必要とされている。したがって、間欠的爆発性障害および他のストレス関連精神衛生状態の治療が必要とされている。他の実施形態では、重大な性的機能不全を伴うことなく、共存疾患および障害を伴うPTSDを包含するPTSDを治療するための方法、使用、組成物および化合物を本明細書において記載する。
【0087】
脳におけるバソプレッシン受容体を標的とする本明細書に記載されている化合物は、間欠的爆発性障害および他のストレス関連精神衛生状態を治療するための新規な治療的アプローチを表している。バソプレッシン(AVP)アンタゴニストの有望な有用性は、前臨床および臨床的観察をベースとしている。理論に束縛されることはないが、本明細書では、高レベルのAVPは、不適切な攻撃性および怒りを示す個体の臨床的指標であり、かつストレスに応答しての障害と組合せ得ることが考えられている
【0088】
他の実施形態では、本明細書に記載されている化合物は、V1a AVP受容体において活性である。他の実施形態では、本明細書に記載されている化合物は、V1a AVP受容体で選択的に活性であり、かつAVP受容体のV1bおよび/またはV2サブタイプなどの他のAVP受容体では、活性が低いか、かなり活性が低いか、かつ/または不活性である。他の実施形態では、本明細書に記載されている化合物は、V1bおよび/またはV2受容体と比較するとV1a受容体について10倍選択的である。他の実施形態では、本明細書に記載されている化合物は、V1bおよび/またはV2受容体と比較するとV1a受容体について100倍選択的である。他の実施形態では、本明細書に記載されている化合物は、V1bおよび/またはV2受容体と比較するとV1a受容体について1000倍選択的である。他の実施形態では、本明細書に記載されている化合物は、V1bおよび/またはV2受容体と比較するとV1a受容体について10,000倍選択的である。
【0089】
他の実施形態では、本明細書に記載されている化合物は、血液脳関門(BBB)を超えて、高いNS透過性を示す。他の実施形態では、本明細書に記載されている化合物は、PTSDを治療するために脳において有効な用量レベルを示す。他の実施形態では、本明細書に記載されている化合物は、間欠的爆発性障害を治療するために脳において有効な用量レベルを示す。他の実施形態では、本明細書に記載されている化合物は、間欠的爆発性障害と共存しているPTSDを治療するために有効な用量レベルを示す。他の実施形態では、本明細書に記載されている化合物は、PTSDならびに、これらに限られないが、間欠的爆発性障害、大うつ病性障害、不安および/または他のストレス関連気分障害のうちの1種または複数を包含する他の障害と共存するPTSDを治療する際の臨床効力に必要か、またはそれを上回る血漿レベルを示す。他の実施形態では、本明細書に記載されている化合物は、1日当たり2回(b.i.d.)の投与と一致する薬物動態を示す。他の実施形態では、本明細書に記載されている化合物は、1日当たり1回(q.d.)の投与と一致する薬物動態を示す。本明細書では、b.i.d.およびq.d.投与の両方が、患者の服薬遵守を改善し、全体的に高い臨床的有効性をもたらすのに重要な特徴であり得ることが認められている。他の実施形態では、本明細書に記載されている化合物は、胃および血液において代謝的に安定である。他の実施形態では、本明細書に記載されている化合物はin vivoおよびin vitroの両方において、PTSDならびに、これらに限られないが、間欠的爆発性障害、大うつ病性障害、不安障害、インパルス制御および怒り障害および/または他のストレス関連気分障害のうちの1種または複数を包含する他の障害と共存しているPTSDとの治療と一致する心臓血管安全性プロファイルを示す。他の実施形態では、本明細書に記載されている化合物は、呼吸器安全性をin vivoで示す。
【0090】
他の実施形態では、本明細書に記載されている化合物ならびにそれらを含有する医薬組成物および医薬品は、経口投与を用いた場合を包含して、高い血漿レベルおよび高い脳レベルを示す。他の実施形態では、本明細書に記載されている化合物ならびにそれらを含有する医薬組成物および医薬品は、経口投与を用いた場合を包含して、血液脳関門(BBB)を超えることができる。他の実施形態では、本明細書に記載されている化合物ならびにそれらを含有する医薬組成物および医薬品は、これらに限られないが、神経伝達物質関連受容体、ステロイド受容体、イオンチャンネル、第2メッセンジャー受容体、プロスタグランジン受容体、成長因子およびホルモン受容体、他の脳および胃腸管ペプチド受容体、他の酵素などを包含する他の予め決定されたGPCRまたは他の予め決定された受容体に有意か、または拮抗する結合を伴うことなく、高いCNS生物学的利用能および高い親和性を示す。一態様では、本明細書に記載されている化合物ならびにそれらを含有する医薬組成物および医薬品は、神経伝達物質関連受容体、ステロイド受容体、イオンチャンネル、第2メッセンジャー受容体、プロスタグランジン受容体、成長因子受容体、ホルモン受容体、脳/腸ペプチド(バソプレッシン1を包含しない)および酵素を包含する、35GPCR(Novascreenパネル)を包含する64種の受容体からなる標準的なパネルに対して、100nMでは不活性か、または実質的に不活性である。
【0091】
他の実施形態では、本明細書に記載されている化合物ならびにそれらを含有する医薬組成物および医薬品は、状況依存的である特異的行動作用を有する(例えばFerris & Potegal(1988年)を参照されたい)。例えば、他の実施形態では、本明細書に記載されている化合物ならびにそれらを含有する医薬組成物および医薬品は、攻撃性はブロックするが、性行動に対してはほとんど作用を有さないか、または作用を有さない。他の実施形態では、本明細書に記載されている化合物ならびにそれらを含有する医薬組成物および医薬品は、恐怖の追想はブロックするが、適切な状況下での恐怖の認識に対してはほとんど作用を有さないか、または作用を有さない。
【0092】
実施例
方法の実施例
実施例
ヒトバソプレッシンV1a受容体結合アッセイ。CHO細胞においてヒトV1a受容体を発現する細胞系(後記ではhV1a細胞系と称する)は、Dr. Michael Brownstein、NIMH、Bethesda、MD、米国から入手した。hV1aのcDNA配列は、Thibonnierら、Journal of Biological Chemistry、269、3304~3310頁(1994年)に記載されており、その発現方法は、Morelら(1992年)が記載したのと同じであった。hV1a細胞系を、10%のウシ胎児血清および250μg/mlのG418(Gibco、Grand Island、NY、米国)を含むα-MEM中で増殖させた。競合結合アッセイのために、hV1a細胞を、集密培養のフラスコから1:10希釈で6ウェル培養プレートに蒔き、少なくとも2日間培養物中で維持した。次いで、培地を除去して、細胞を結合緩衝液2ml(25mMのHepes、0.25%のBSA、1×DMEM、PH=7.0)で洗浄した。各ウェルに、1nMの3H-AVPを含有する結合緩衝液990μlを添加し、続いてDMSO中に溶解させた連続希釈された実施例化合物10μlを添加した。全てのインキュベーションを三重に行い、用量-阻害曲線は、総結合量(DMSO)およびIC50を包含する試験物質の5つの濃度(0.1、1.0、10、100および1000nM)から構成された。100nMの冷AVP(Sigma)を用いて、非特異的な結合を評価した。細胞を37℃で45分間インキュベートし、アッセイ混合物を除去し、かつ各ウェルをPBS(pH=7.4)で3回洗浄した。1ウェルあたり2%SDS1mlを添加し、プレートを30分間静置させた。ウェル中の全内容物を、シンチレーションバイアルに移した。各ウェルをPBS0.5mlですすぎ、次いで、これを対応するバイアルに添加した。次いで、シンチレーション液(Ecoscint、National Diagnostics、Atlanta、 Georgia)を、1バイアル当たり3mlで添加した。試料を、液体シンチレーションカウンター(Beckman LS3801)中でカウントした。IC50値を、Prism Curveフィッティングソフトウェアによって計算した。
【0093】
DMSO中に溶解させた、前述の実施例において例示されたアルカン二酸エステルおよびアミドの全てを、このアッセイで試験した。結合曲線は、Thibonnierら(1994年)が記載した方法に従って生成した。[H]-AVPをhV1a細胞培養物に添加し、続いて10倍希釈の各試験化合物を添加した。全ての活性化合物は、用量依存性の競合結合曲線を示し、IC50およびK値は、ヒトV1a受容体を発現するCHO細胞(hV1a細胞系)においてV1a受容体に対する高親和性結合の特徴を示した。例えば実施例225は、用量依存性の競合結合曲線を示し、IC50値(1.86~2.13nM)およびK値(1.14~1.30nM)を示した。
【0094】
例示的な化合物での結合親和性(IC50)および阻害定数(K)を、次の表に示す。
【表1】
【0095】
実施例
ヒトバソプレッシンV1b受容体発現細胞。ヒトのバソプレッシン受容体1b(hV1b)cDNA(Lolaitら、「Extrapituitary expression of the rat V1b vasopressin receptor gene」、Proc.Natl.Acad.Sci.米国.92:6783~7(1995年);de Keyerら、「Cloning and characterization of the human V3(VIb) pituitary vasopressin receptor」、FEBS Lett.356:215~20頁(1994年);Sugimotoら、「Molecular cloning and functional expression of a cDNA encoding the human V1b vasopressin receptor」、J.Biol.Chem.269:27088~92頁(1994年)を参照されたい)を、哺乳類細胞発現ベクターPCI-neo(Progmega)中にEcoR1部位で挿入した。HV1B cDNAを担持する組み換えプラスミドを、形質転換E.coliクローンにおいて同定し、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO-K1、ATCC)へのトランスフェクションに用いた。Fugene-6介在トランスフェクション技術(Boehringer Mannheim)を用いて、2マイクログラムのhV1b受容体DNAを、6ウェルプレートで培養されている10個のCHO細胞に導入した。トランスフェクションの24時間後、培養液に補足されたG-418(0.25mg/ml)の選択の下に細胞を培養した。3日後、限定希釈を実施して、96ウェルプレートで単一細胞クローンを得た。2週間の増殖期間の後、モノクローンを、2組の12ウェルプレートに拡張した。集密細胞層が得られたら、1組のウェルを、トリチウム標識アルギニン-バソプレッシンに対するその結合能力に関してアッセイした(NEN)。スクリーニングされた60個のクローンの内、初めに9個の陽性クローンが同定され、最高のAVP結合度を示したクローンを、hV1b親和性スクリーニングのための恒久細胞系統として保存した。
【0096】
実施例
ヒトまたはラットのバソプレッシンV1a、V1bおよびV細胞をベースとする受容体結合アッセイ。V1b細胞系(ヒトまたはラットのV1b受容体を発現する細胞)を75cmフラスコにおいて、10%のウシ胎児血清および250ug/mlのG418(Gibco、Grand Island、NY)を補足されたα-MEM培養液中で増殖させた。競合結合アッセイのために、製造者のプロトコルに従って、酵素無添加のPBSをベースとする細胞解離液(Specialty Media、Philipursburg、NJ)によってhV1b細胞を解離した。細胞を、18プレートに対して1フラスコの割合で(割合は集密度に従って調整すべき)12ウェル培養プレートに蒔き、培養を2~3日間維持した。次いで、培地を除去し、室温で、結合緩衝液2ml(25mMのHepes、0.25%のBSA、1×DMEM、pH=7.0)で細胞を1回洗浄した。各ウェルに、1nMのH-AVPを含有する結合緩衝液990ulを加え、続いて、DMSOに全て溶解させた連続希釈試験化合物10μlまたは冷却AVPを添加した。全てのインキュベーションを三重に行い、かつ用量-阻害曲線は、総結合量(DMSOのみ)および5つの濃度(0.1、1.0、10、100および1000nm)の試験薬剤または冷却AVPから構成され、その際、IC50を含んだ。細胞を、加湿インキュベータにおいて37℃で30分間インキュベートした。次に、アッセイ混合物を取り除き、各ウェルを、PBS(pH=7.4)で3回洗浄した。洗浄後、1ウェル当たり2%SDS1mlを加え、プレートを室温で15分間静置させた。溶解細胞が確実に解離するようにプレートを穏やかに叩いた。ウェル中の内容物全体をシンチレーションバイアルに移した。次いで、各ウェルをPBS0.5mlですすぎ、対応するバイアルに加えた。次いで、シンチレーション液(Ecoscint、National Diagnostics、Atlanta、Georgia)を1バイアル当たり3mlで加えた。試料を、液体シンチレーションカウンター(Beckman LS3801)でカウントした。Prism Curveフィッティングソフトウェアを用いて、IC50およびKi値を計算した。先行する表に示されている例示的な化合物は、100nM超または1000nM超の結合定数を示す。例示的な阻害データ(Ki、nM)を次の表で、選択された実施例化合物について示す。
【表2】
【0097】
実施例
ホスファチジルイノシトール代謝回転の阻害(V1a)。バソプレッシンの生理学的作用は、特定のGタンパク質共役受容体を介して媒介される。バソプレッシンV1a受容体は、Gタンパク質のG/G11ファミリーと結合して、ホスファチジルイノシトールの代謝回転を媒介する。本発明の化合物のアゴニストまたはアンタゴニストの特徴は、以下の段落に記載された手順によって、ホスファチジルイノシトールのバソプレッシン媒介性の代謝回転を阻害するその能力で決定することができる。例示的な化合物である実施例35、44、88、110および133の化合物をこのアッセイで試験したところ、それらがバソプレッシンV1aアンタゴニストであることが見出された。
【0098】
実施例
バソプレッシンV1b媒介性ホスファチジルイノシトール代謝回転の阻害、アンタゴニスト活性のための機能性アッセイ。バソプレッシンの生理学的作用は、特異的Gタンパク質共役受容体を介して媒介される。バソプレッシンV1b受容体は、Gタンパク質に結合し、これはcAMPに結合する。本明細書に記載されている化合物のアゴニストまたはアンタゴニストの特徴は、以下の段落に記載された手順を包含する慣用の方法を使用することによって、ホスファチジルイノシトールのバソプレッシン媒介性の代謝回転を阻害するその能力で決定することができる。
【0099】
細胞培養および細胞の標識。アッセイの3日前に、hV1aまたはhV1b細胞のほぼ集密な培養物を解離して、6ウェル組織培養プレートに播種したが、その際、各75cmのフラスコから約100のウェルに播種した(12:1の分割比に等価)。各ウェルは増殖培地1mLを、2μCiの[H]ミオイノシトール(American Radiolabeled Chemicals、St. Louis、MO、米国)と共に含有した。
【0100】
ヒトまたはラットV1b受容体を発現する細胞を、10%のウシ胎児血清および0.25mg/mlのG418を含有するアルファ改変最小必須培地中で増殖させる。アッセイの3日前に、ほぼ集密な培養物を解離して、6ウェル組織培養プレートに播種したが、その際、各75cmのフラスコから約100のウェルに播種した(12:1の分割比に等価)。各ウェルは増殖培地1mLを、2μCiの[H]ミオイノシトール(American Radiolabeled Chemicals、St. Louis、MO、米国)と共に含有する。
【0101】
インキュベーション(V1aおよびV1b)。全てのアッセイを、ベースおよび10nMのAVP(両方ともn=6)を除いて、三重に行った。AVP((アルギニンバソプレッシン)、Peninsula Labs、Belmont、CA、米国(#8103))を0.1Nの酢酸に溶かした。試験物質をDMSOに溶かし、かつDMSO中で200倍の最終試験濃度まで希釈した。試験物質およびAVP(または対応する体積のDMSO)を別々に、DMSO中の5μLとして、アッセイ緩衝液1mL(Tyrode平衡塩溶液、50mMのグルコース、10mMのLiCl、15mMのHEPES pH7.4、10μMのホスホラミドンおよび100μMのバシトラシンを含有)を含有する12×75mmのガラス試験管に添加した。インキュベーションの順番を無作為化した。前標識培地を取り除き、0.9%NaCl1mLで単層を1回洗浄し、対応するウェルにアッセイ管の内容物を移すことによって、インキュベーションを開始した。そのプレートを37℃で1時間インキュベートした。インキュベーション培地を除去し、氷冷5%(w/v)トリクロロ酢酸500μLを添加し、このウェルを15分間静置させることによってインキュベーションを終わらせた。
【0102】
H]イノシトールリン酸塩の測定(V1aおよびV1b)。BioRad Poly-Prep Econo-Columnsに、樹脂由来のAG 1 X-8 100-200ギ酸0.3mLを充填した。樹脂を水と1:1で混合し、かつ0.6mLを各カラムに添加した。次いでカラムを水10mLで洗浄した。シンチレーションバイアル(20mL)を各々のカラムの下に置いた。各ウェルについて、内容物をミニカラムに移し、その後にウェルを蒸留水0.5mLで洗浄し、それもミニカラムに添加した。次いで、カラムを5mMのミオイノシトール5mLで2回洗浄して遊離のイノシトールを溶出した。アリコット(1mL)を20mLのシンチレーションバイアルに移して、Beckman Ready Protein Plus10mLを添加した。ミオイノシトール洗浄が完了した後に、空のシンチレーションバイアルをカラムの下に置き、かつ[H]イノシトールリン酸塩を、0.1Nのギ酸を含有する0.5Mのギ酸アンモニウム1mLを3回添加することで溶離した。溶離条件を最適化して、イノシトール一リン酸塩、二リン酸塩および三リン酸塩を、より代謝的に不活性な四-、五-および六-リン酸塩を溶離することなく、回収した。各試料に、高塩容量のシンチレーション液10mL、例えばTru-Count High Salt CapacityまたはPackard Hionic-Fluorを添加した。各ウェルに2%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)1mLを添加し、そのウェルを少なくとも30分間静置させ、その溶液を20mLのシンチレーションバイアルに移し、次いで、そこにBeckman Ready Protein Plusシンチレーション液10mLを添加することによって、イノシトール脂質を測定した。試料を、Beckman LS 3801液体シンチレーションカウンターで10分間カウントした。各ウェルについての総イノシトール取り込みを、遊離のイノシトール、イノシトールリン酸塩およびイノシトール脂質の合計として計算した。
【0103】
データ分析(V1aおよびV1b):濃度阻害実験。AVPについての濃度応答曲線および試験物質対10nMのAVPについての濃度阻害曲線を、4パラメーターのロジスティック関数への非線形最小二乗曲線フィッティングによって分析した。最適なフィッティングを得るために、ベースの、および最大のイノシトールリン酸塩についてのパラメーター、EC50またはIC50およびヒル係数のパラメーターを変動させた。この曲線フィッティングは、標準偏差は放射能のdmpに比例するという仮定のもとで重み付けした。AVPについての完全な濃度応答曲線を各実験で描いた。同じ実験のAVPについてのEC50に基づきCheng-Prusoff式を適用することによって、IC50値を、シグナル伝達分子IP3の産生におけるAVPに対するアンタゴニスト活性を反映しているK値に変換した。イノシトールリン酸塩は、総イノシトール取り込みの10dpmあたりのdpmとして表した。
【0104】
データ分析(V1aおよびV1b):競合実験。試験物質のV1a競合性について試験するための実験は、2つ以上の濃度の試験物質の存在下および不在下におけるAVPについての濃度応答曲線から構成された。試験物質によるV1b競合性について試験するための実験は、すくなくとも5つ以上の濃度の試験物質の存在下および不在下におけるAVPについての濃度応答曲線から構成された。データを、以下の競合ロジスティック方程式に当てはめた:
【数1】
[式中、Yは、イノシトールリン酸塩のdpmであり、Bはベースのイノシトールリン酸塩の濃度であり、Mはイノシトールリン酸塩の濃度における最大増加であり、Aは、アゴニスト(AVP)の濃度であり、Eは、アゴニストのEC50であり、Dはアンタゴニスト(試験物質)の濃度であり、KはアンタゴニストのKであり、Qは協同性(ヒル係数)である]。
【0105】
化合物実施例225は、IC50値(2.68nM)およびK値(0.05nM)でAVPの作用の用量依存性の抑制をもたらした。これらの値は、実施例225の高親和性結合およびヒトV1a受容体を介してのイノシトール脂質合成のその阻害と一致する。
【0106】
実施例
PTSDおよびストレス関連情動性疾病を治療するための本明細書に記載されている化合物および組成物の使用を、捕食性恐怖の条件づけのモデルを使用して確立する。そのモデルでは、無条件刺激として自然の捕食者であるフェレットに曝露される一方で、条件刺激として高度に報酬的なスクロースの味を経験させるラットのfMRIデータを使用する。スクロースの味は、フェレットの外傷性記憶と関連づけられる。数週間後には、スクロースの味だけにも応答して、ラットは、辺縁皮質および海馬における脳活性の過覚醒パターンを示す。外傷性記憶と関連した刺激に応答しての脳活性のこの過覚醒パターンは、PTSDに特徴的である。データは、スクロースに曝露されることによって惹起される恐怖の記憶に関連した脳活性は、捕食者に対する当初の曝露よりも高いことを示している。したがって、恐怖の記憶は、恐怖自体よりも悪い。本明細書に記載されている化合物および組成物での治療は、未処理の動物におけるスクロース随伴外傷性記憶で観察される過覚醒をブロックする。本明細書に記載されている化合物は、捕食性恐怖を無条件刺激として、かつスクロースの味を条件刺激として利用するラットにおけるPTSDのこの新たな前臨床モデルにおいて有効である。V1a受容体アンタゴニストAVN576で予め治療することで、捕食者に曝露された数週間後に、スクロースの味によって誘発される過覚醒脳活性化パターンがブロックされた。本明細書に記載されている化合物はまた、うつ病(社会的相互作用試験)、不安(高架十字迷路、明暗シャトルボックス)および攻撃性(定住体:侵入体試験)の確立されているモデルにおいても有効である。
【0107】
捕食者恐怖条件づけでは、嫌悪無条件刺激(捕食の凶兆)を条件刺激としてのスクロースの味と並置する。画像診断セッションの間に、覚醒しているラットを、マグネットのボア内に置かれている生きているセーブルフェレットに曝露する。この捕食者の提示を、ラットの舌にスクロースを施与して、かつ施与せずに行う。数週間後には、フェレットが居なくても、スクロース(条件刺激としての)を施与するだけで記憶の想起が、脳活性の強力な上昇を誘発し、これは、捕食者の当初提示を遙かに上回る。脳活性のこの過覚醒パターンは、情動経験、学習および記憶に関係する神経回路である辺縁皮質、海馬および扁桃体-神経回路に集中しており、これらは、PTSDおよびPTSDに多くの場合に共存するものを包含する他の神経精神障害に関与している(例えば、Ferrisら、Imaging the Neural Circuitry and Chemical Control of Aggressive Motivation. BMC Neurosci、9(1):111(2008年);Shin & Liberzon、The neurocircuitry of fear, stress, and anxiety disorders.、Neuropsychopharmacology.35(1):169~91(2010年);Price and Drevets、2009;Rodriguezら、2009年を参照されたい)。このモデルは、いくつかの理由において独特であるが、最も重要なことには、これは、捕食性恐怖を高度に報酬的な嗜好性刺激であるスクロースに関連付けている。理論に束縛されることはないが、本明細書では、そのモデルは、情動性ジレンマを並置しており、これは、戦闘地域から帰還した兵士におけるPTSDの基礎にある複雑な関連をよく反映し得ると考えている。
【0108】
機能的MRIプロトコル。実験を、Bruker Biospec 7.0T/20cm USR水平マグネット(Bruker、Billerica、MA 米国)および120-μs上昇時間が可能な20-G/cm磁界勾配インサート(ID=12cm)(Bruker)において行う。無線周波数シグナルを、動物抑制体に組み込まれた二重コイルエレクトロニクスを用いて送信し、かつ受信する(Ludwigら、2004)。各画像診断セッションの開始時に、RAREパルスシークエンスを使用して、高分解能解剖学的データセットを集める(14スライス;1.2mm;FOV3.0cm;256×256;TR 2.1秒;TE 12.4msec;NEX 6;6.5分の収集時間)。マルチスライス高速スピンエコーシークエンスを使用して、機能的イメージを得る。単一スキャニングセッションによって、6秒毎に14のスライスを得(TR=2108msec、TEeff=53.2msec、RAREファクター=16、NEX 1)、10分のスキャンで100回繰り返す。基線機能的イメージ収集の5分の後に、フェレット/スクロースまたはスクロースのみを導入し、かつさらに5分間の機能的イメージを得る。
【0109】
スキャニングセッション。画像診断セッションの間に、雄のLong Evansラットを、マグネットのボアに置かれているビバリウムに閉じこめられている成体の雄のセーブルフェレットまたは空のビバリウムに曝露する。一連のPE10管を、抑制システムの前面にある開口部に通し、かつラットの口中に置く。ヘッドホルダーに組み込まれている噛み棒によって、ラットの口をやや開けておく。フェレットまたは空のビバリウムが入ったら、10%スクロース溶液または水0.1mlを管を介して投与する。心拍数、呼吸および温度の変化を、10分のスキャニングセッションを通じて非観血的に監視する。画像診断セッションの後に、ラットをそのホームケージに戻し、かつ14日後の次の画像診断まで、平静にさせておく。動物を12:12明暗サイクルで単独飼育し、かつ食餌および水を自由に摂らせる。
【0110】
ラットの扁桃体および海馬と共に、ペーペズ回路(情動経験に関係する辺縁皮質)の3D表示を集めた。ペーペズの皮質回路の領域には、縁前方皮質、第二運動皮質、前側帯状皮質、一次体性感覚皮質、嗅内皮質、前視床、乳頭体、脳梁膨大後部皮質、島皮質および眼窩上皮質が包含された。扁桃体の領域には、ベッド核(bed nucleus)分界条、前核、基底核、後核、内側核、皮質核、外側核および中心核が包含された。海馬の領域には、鋸歯、海馬台、CA1およびCA3が包含された。図1を参照すると、黒色の領域は、各条件の8匹の動物で平均した有意なBOLD活性化を示している。
【0111】
10分の画像診断セッションの間、全ての動物は完全に意識があった(対照5匹対刺激5匹)。(A)は、フェレットのみでの無条件活性化パターンを示している。(B)は、AVN576(5mg/体重kg)で予め処理した後、フェレットのみでの無条件活性化パターンを示している。(C)は、2週後にマグネット中で動物をスクロースのみに再曝露した場合の条件活性化パターンを示している。(D)は、動物をAVN576(5mg/体重kg)で予め処置し、かつ2週後にマグネット中でスクロースのみに再曝露した場合の条件活性化パターンを示している。データをフェレットのみ+スクロース(図示せず)についての無条件活性化パターンについても集めた。フェレット(A)またはフェレットおよびスクロース(図示せず)と比較して、動物をスクロースのみに再曝露すると(C)、ペーペズの皮質回路、扁桃体および海馬の全ての領域が、活性化の上昇を示した。内側皮質、前側帯状皮質、皮質核および中心核を除いて、全ての上昇が有意であった(p<0.05)。(D)のデータは、本明細書に記載されている化合物でラットを予め処理すると、動物が条件づけ後にスクロースのみに再曝露された場合に、情動経験、学習および記憶に関連する神経回路における脳の活性化が有意に低下することを示している。(C)のデータは、無条件試験動物における捕食性恐怖応答が保持されていることを示している。
【0112】
AVN576(実施例266)は、捕食性恐怖記憶の追想をブロックするのに有効であった。理論に束縛されることはないが、本明細書では、バソプレッシンは、恐怖の記憶に関係しているが、恐怖応答自体には関係していないと考えられている。本明細書に記載されている化合物は、嫌悪記憶の追想に関係している過覚醒脳活性パターンを緩和させる。恐怖回路における過覚醒のパターンが、PTSDの患者において報告されている(例えば、Shinら、Regional cerebral blood flow in the amygdala and medial prefrontal cortex during traumatic imagery in male and female vietnam veterans with PTSD. Arch Gen Psychiatry Feb;61(2):168~76(2004年);ShinおよびLiberzon、2010年を参照されたい)。
【0113】
実施例
ラットにおけるストレスおよび攻撃性の定住体-侵入体モデル。神経画像診断を使用して、対照と比較して試験化合物を用いた場合のストレス/覚醒のブロックを評価する。覚醒ラットで画像診断法を使用して、機能性回路に対するAVN251-HClの作用を試験した。アッセイについての追加的な詳細は、Ferrisら(2008年)に記載されている。その研究によって、フルオキセチンと比較したAVN251-HClのCNS作用およびAVN251-HClによって生じる分化神経生物学的変化の提示が得られた(AVN251-HClは、性モチベーションをそのまま残す一方で、フルオキセチンは、この回路の活性化を著しく低下させた)。
【0114】
雌のケージメイトと一緒の雄のラットは、雄の侵入体の存在下で起毛する。この起毛は、ストレスおよび攻撃の意図の徴候であり、かつ、脳におけるストレス/覚醒回路の活性化を随伴する。AVN251-HCl処置(5mg/kg)は、このストレス回路の活性化をブロックする。重要なことに、その作用は特異的であるようである。それというのも、性的動機付け刺激(エストロゲン-プロゲステロン感作された雌)に応答しての中間皮質辺縁ドーパミン報酬系機能は、AVN251-HClの存在下では完全なままであった。6対の雄:雌からの定住雄ラットを、完全に意識のある間に画像診断した。単一の画像診断セッションの間、これらの雄をビヒクルまたはAVN251-HCl(5mg/kg)で処理した。
【0115】
そのメイトのみと、メイト+侵入体と、かつAVN251-HClの存在下でメイト+侵入体と対峙している定住雄についての脳活性化の全体積を、3Dモデルとして見ることができる。AVN251-HCl治療を伴うと、大部分の領域においてBOLDシグナルの全般的な低下が存在するようである一方で、新規の受容性の雌の存在によって評価した場合、性的動機付けは、V1a受容体のブロックによって影響を受けなかった。画像診断は、新規な雌が刺激として示された場合、異なる脳領域の強力な活性化を示す。さらに、AVN251-HClで処理された雄の定住体は、そのホームケージ環境において、受容性の雌(エストロゲン/プロゲステロン処理された卵巣切除された新規な雌)に対して通常の性行動を示す。
【0116】
侵入体の雄に応答してのストレス回路の活性化を、半透明シェルとして尾/背透視から見られる脳スキャンを得ることによって評価する。活性化ボクセルの位置限定を活性化の3Dボリュームとしてマッピングするが、これは、それぞれ10の対象から構成される。完全に登録し、かつセグメント化したら、各対象についての統計的応答をボクセル×ボクセルベースで平均する。2.0%閾値を超えるそれらの平均ボクセルを、その適切な空間的位置に示す。機能性画像を、意識のあるラットで4.7Tで得る。
【0117】
実施例34A(AVN251)または実施例33I(AVN246)の経口投与はそれぞれ、対象と比較してストレスおよび攻撃動機付けをブロックした。試験化合物は、侵入体刺激に応答して通常は生じるストレス/覚醒回路活性を緩和する。
【0118】
性的動機付けもまた、AVN251の存在下での報酬回路を活性化する。一次嗅覚系および報酬(中脳皮質ドーパミン作動系)経路における3Dモデルにおいて見られるとおり、AVN251-HClは選択的に攻撃性動機付けをブロックするが(メイト/侵入体)、性的動機付けはブロックしない(新規の雌)。活性化の3D体積は、各条件において10対象で得られた結果から構成される。ボクセル×ボクセルベースでのかなりの低下が、処理群のメイト/侵入体シナリオにおいて両方の系で観察された。しかしながら、新規な雌のシナリオでは、両方の系が活性なままであることを示した。測定される特定の嗅覚系には、前嗅覚核、嗅結節、梨状皮質、小脳外側嗅索および嗅内皮質が包含された。測定される特定のドーパミン作動系には、前辺縁皮質、側坐核、複側淡蒼球、背内側視床および複側被蓋野が包含された。
【0119】
実施例
神経画像診断によって、重要な脳領域におけるストレスのブロックを示す。そのメイト+侵入体と一緒に居る場合、即ち、高度にストレスの高い刺激下で、意識のあるラットを画像診断した。試験セッションの90分前にAVN251(5mg/kg)で予め処理すると、ストレス/覚醒応答が遮断された。性的動機付けおよび行動は完全なままであった。扁桃体、皮質、海馬および視床を包含する脳の別の領域を評定したが、それぞれ、同様の結果を示した。
【0120】
実施例
ハムスターでの定住体-侵入体モデル。慣れていない雄のハムスターを、他の雄のハムスターのホームケージに入れて、攻撃的攻撃性を包含する十分に規定されたシークエンスの敵対行動を、定住体から誘発する。
【0121】
Harlan Sprague-Dawley Laboratories(Indianapolis、IN)から入手した雄のシリアンゴールデンハムスター(Mesocricetus auratus)(140~150g)をPlexiglasケージ(24cm×24cm×20cm)内で個別に飼育し、逆の明暗サイクル(明14時間:暗10時間;19:00に点灯)で維持し、かつ食餌および水を自由に摂らせた。動物を試験前に、逆明暗サイクルに少なくとも2週間順応させる。全ての行動試験を、概日サイクルの暗相の間に行う。
【0122】
行動測定および分析。ハムスターは夜行性であるので、行動試験を、暗相の最初の1時間の間に、暗い赤色照明の下で行う。10分の試験期間にわたって、定住体をストレス、例えば、侵入体を噛むまでの潜伏時間、侵入体との全接触時間、噛んだ全回数および側腹部マーキングに応じてスコアリングする(Ferris,C.F.、Potegal,M.、Physiology and Behavior、44、235~239(1988年))。側腹部マーキングは、ハムスターがその背をアーチ型にし、かつ環境中の対象に対して、フェロモンを産生する側腹部腺をこすりつける嗅覚コミュニケーションの一形態である(Johnston、R.E.Communication、In: THE HAMSTER REPRODUCTION AND BEHAVIOR.、Siegel,H.I.編、Plenum Press、New York、121~154頁(1985年))。側腹部マーキング頻度は、攻撃的遭遇の間に著しく増大し、かつ闘争を開始し、かつ勝利した優位な動物では特に多い(Ferris,C.F.ら、Physiology and Behavior、40、661~664(1987年))。
【0123】
本明細書に記載されている化合物を、5匹の動物からなる5つの群を使用して、それぞれ広い用量(100ng/kg、10μg/kg、1mg/kg、10mg/kgおよび対照として食塩水ビヒクル)にわたって試験する。経口胃管の90分後に、侵入体をホームケージに入れ、かつ定住体を攻撃性についてスコアリングする。攻撃性試験の後に、動物を開放地パラダイムおよび性的動機付けにおける運動活動についてスクリーニングする。
【0124】
パラメトリックデータ、即ち、潜伏時間および接触時間を一元ANOVAで、続いてNewman-Keuls事後試験で分析する。非パラメトリックデータ、即ち、噛んだ回数および側腹部マーキングは、Kruskal-Wallis試験で、続いてMann-Whitney U試験で分析して、グループ間での差違を決定する。
【0125】
本明細書に記載されている化合物を投与することによって、噛むまでの潜伏時間は長くなり、かつ噛んだ回数は低下したが、このことは、処理された動物におけるより低いストレスレベルを示している。接触時間もまた、長くなり得る。
【0126】
実施例
うつ病のマウス慢性従属モデル。社会的ストレスは、いくつかの精神病理の病因におけるファクターであり、その際、個体は、脆弱性において異なる。成体の雄マウスを、定住/侵入二分子が慢性的に感覚的に接触し、かつ物理的に毎日相互作用して生活する慢性心理社会的ストレスモデルに掛ける。この手順によって慢性的に劣位に置かれる侵入動物は、うつ病およびうつ病関連障害に特徴的な行動を示す。
【0127】
実施例
社会的相互作用試験における抗うつ作用。慢性の社会的服従は、うつ病様の生理学的および行動プロファイルを示す動物を生じさせるための標準的な方法である。マウスにおける迅速な服従パラダイムは、社会的相互作用行動を低下させ、その際、依存的な尺度は、相互作用ゾーンでの移動距離および時間である。標準的な抗うつ薬であるフルオキセチンでの28日の処理レジームは、慢性服従によって生じた不足を逆転させたが、標準的な抗不安薬であるクロルジアゼポキシド(CDP)での同じレジームは、作用を有さなかった。これらの観察は、可能性のある抗うつ薬のための迅速な行動スクリーニングとしての服従/社会的相互作用モデルと一致する。追加の詳細は、Bertonら(2006年)に記載されている。
【0128】
簡単には、C57B1/6Jの雄を定住で高度に攻撃性のCF-1の雄に10日間負けさせた。5分の直接的な曝露の後に、多孔性のプラスチック製のパーティションをケージに入れて、それによって、毎日残りの23時間55分間は身体的負けを伴うことなく、嗅覚および視覚的接触を可能にした。C57の雄を毎日、異なるケージ内の種々の定住の雄に曝露して、手順のストレスを高めた(全てのCF-1の雄が毎日、侵入者を攻撃したことが観察された)。10日の負け手順の終了時に、C57の雄を、暗相の間に開放地装置中で試験した。優勢な雄を、「社会的相互作用ゾーン」と称される開放地装置の領域でケージに入れた。そのゾーンでの移動時間および距離を記録した。次いで、C57の雄を次の治療に無作為に分けた:AVN246-HCl(2mg/kg)、食塩水ビヒクル(0.45%)またはクロルジアゼポキシド(10mg/kg)。治療を毎日で28日間与え(i.p.)、かつ動物を再試験した。差違スコアを計算することによって行動変化を決定し(試験後-試験前)、かつこれらのスコアを分析した。
【0129】
表に示されているとおり、AVN246-HCl治療は、相互作用ゾーンでの移動距離および時間の両方を有意に高め、このことは、本明細書に記載されている化合物が、社会的服従後の社会相互作用行動における不足を反転させることを示している。
【表3】
【0130】
統計的に有意な差違(p<0.05)が、試験化合物と、未処理の対照(食塩水)および陰性対照(CDP)の両方との間で観察された。抗うつ薬であるフルオキセチンは、匹敵する改善をもたらし;標準的な抗不安薬であるクロルジアゼポキシド(CDP)は作用を示さなかった。その結果によって、慢性服従によって誘発される社会的相互作用における不足は、抗うつ薬には応答性であるが、抗不安薬には応答性ではないことが確認された。AVN246は、同様の結果をもたらすことが観察される。
【0131】
実施例
明暗シャトルボックスにおける抗不安作用。明暗シャトルボックスは、試験化合物の抗不安作用のための標準的でよく特徴付けられたアッセイである。ストレスが高いので、ラットは自然に、ボックスの明るい側を回避する。対照と比較して、処理群による明るい側での時間の延長は、抗不安作用を反映している(BourinおよびHascoet、2003年)。明暗シャトルボックスで試験する90分前に、成体の雄のLong EvansラットにAVN251(0.1~2mg/kg)を経口胃管によって投与した。ビヒクルに対して、AVN251に応答して、不安の用量依存性の低下が観察された。1または2mg/kgのAVN251で処理した後、用量依存的に、試験動物は有意により長い時間を明るい側で過ごし(図2A)、かつより短い時間を暗所で過ごし(図2B)、より多い明暗出入り(図2C)を行った。
【0132】
実施例
一般的な合成経路。遠位アミド部位での合成上の変化を可能にする近位アミド手法;近位アミドを初めに設け、続いて平行する合成によって、遠位アミドを多様化させる。
【化22】
【0133】
近位部位での合成上の変化を可能にする遠位アミド手法;遠位アミドを初めに設け、続いて平行する合成によって、近位アミドを多様化させる。
【化23】
【0134】
AVN251の合成を下記に示す。他の化合物を全て、同様の方法で出発物質を適切に選択して調製する
【化24】
【0135】
本明細書に記載されている化合物を調製するための追加の詳細および別の合成は、その開示の全体が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第7,119,083号に記載されている。本明細書に記載されている化合物は、米国特許第7,119,083号に記載されている方法に従って製剤化および投与することができる。追加の詳細は、Guillon,C.D.ら、Azetidinones as vasopressin V1a antagonists. Bioorg Med Chem、15巻(5号):2054~80頁(2007年)に記載されている。
【0136】
化合物実施例
実施例1
(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド。1.0当量の(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)酢酸(Evans、米国特許第4,665,171号)および1.3当量の塩化オキサリルのジクロロメタン200mL中の溶液を、触媒量の無水ジメチルホルムアミド(85μL/酢酸誘導体ミリ当量)で処理したが、その際、激しくガスが発生した。45分後に、全てのガス発生が止み、かつ反応混合物を減圧下で濃縮して、真空下で2時間乾燥させた後に、表題化合物をオフホワイト色の固体として得た。
【0137】
実施例1A
(4(R)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド。実施例1の手順に従って、但し、(4(R)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)酢酸を(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)酢酸の代わりに使用して、実施例1Aを調製した(Evans & Sjogren、Tetrahedron Lett. 26:3783頁(1985年)を参照されたい)。
【0138】
実施例1B
メチル(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセテート。(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)酢酸(1g、4.52mmol)(Evans、米国特許第4,665,171号に従って調製)の無水メタノール20mL中の溶液を1時間当たり5当量の塩化アセチルで、全部で20当量で処理した。生じた溶液を一晩撹拌した。MeOHを蒸発させた後に得られた残渣をCHCl30mLに溶かし、かつ飽和NaCO水溶液50mLで処理した。有機層を蒸発させ、かつ乾燥させて(MgSO)、表題化合物を無色のオイル(1.001g、94%)として得た;1H NMR (CDCl3) δ(以下dという)3.37 (d, J==18.0 Hz, 1H), 3.69 (s, 3H), 4.13 (t, J=8.3 Hz, 1H), 4.28 (d, J=18.0 Hz, 1H), 4.69 (t, J=8.8 Hz, 1H), 5.04 (t, J=8.4 Hz, 1H), 7.26-7.29 (m, 2H), 7.36-7.42 (m, 3H)。
【0139】
実施例1C
メチル2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)プロパノエート。メチル(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセテート(1g、4.25mmol)の無水THF10mL中の溶液を-78℃で、THF中1Mのリチウムビス(トリメチルシリル)アミド溶液4.68mL(4.68mmol)で処理した。反応混合物を1時間、約-70℃で撹拌し、その後、MeI(1.59mL、25.51mmol)を加えた。アゼチジノンの変換が完了したら、飽和NHCl水溶液で反応をクエンチし、EtOAcと水とに分配した。有機層を飽和亜硫酸水素ナトリウム水溶液および飽和NaCl水溶液で順次洗浄した。生じた有機層を乾燥させ(MgSO)、かつ蒸発させて、表題化合物(ジアステレオ異性体の混合物)を白色の固体(1.06g、93%)として得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.07/1.53 (d/d, J=7.5 Hz, 3H), 3.59/3.74 (s/s, 3H), 3.85/4.48 (q/q, J=7.5 Hz, 1H), 4.10-4.14 (m, 1H), 4.60-4.64/4.65-4.69 (m/m, 1H), 4.88-4.92/4.98-5.02 (m/m, 1H), 7.24-7.40 (m, 5H)。
【0140】
実施例1D
2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)プロパン酸。メチル2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)プロパノエート(1g、4.01mmol)のMeOH35mL中の溶液に0℃で、水中0.84MのLiOH溶液14.3mL(12.04mmol)を加えた。次いで、反応混合物を3時間、周囲温度で撹拌した。アゼチジノンの加水分解が完了したら、MeOHを蒸発によって除去し、粗製の残渣をCHClに溶かし、かつ飽和NaCl水溶液で処理した。生じた有機層を乾燥させ(MgSO)、かつ蒸発させて、表題化合物(ラセミ混合物)を白色の固体(0.906g、96%)として得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.13/1.57 (d/d, J=7.5 Hz, 3H), 3.75/4.50 (q/q, J=7.5 Hz, 1H), 4.10-4.16 (m, 1H), 4.62-4.72 (m, 1H), 4.92-5.03 (m, 1H), 7.32-7.43 (m, 5H)。
【0141】
実施例1E
2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)プロパノイルクロリド。1当量の実施例1Dおよび1.3当量の塩化オキサリルのCHCl200mL中の溶液(150mL/プロパン酸誘導体g)を触媒量の無水DMF(85μL/プロパン酸誘導体mmol)で処理したが、その際、激しくガスが発生した。45分後に、全てのガス発生が止み、かつ反応混合物を減圧下で濃縮して、2時間真空乾燥させた後に、表題化合物をオフホワイト色の固体として得た。
【0142】
実施例2
活性化エステル誘導体からアミドを形成するための一般的手順。N-ベンジルオキシカルボニル-L-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-L-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(1.95g、4.64mmol、Advanced ChemTech)の無水テトラヒドロフラン20mL中の溶液を3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミン0.68mL(4.74mmol)で処理した。完了したら(TLC、60:40のヘキサン/酢酸エチル)、混合物を蒸発させ、かつ生じたオイルをジクロロメタンと飽和重炭酸ナトリウム水溶液とに分配した。有機層を蒸発させて、表題化合物を白色の固体として2.23g(定量収量)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.39 (s, 9H), 2.61 (dd, J=6.5 Hz, J=17.2 Hz, 1H), 2.98 (dd, J=3.7 Hz, J=17.0 Hz, 1H), 4.41 (dd, J=5.9 Hz, J=15.3 Hz, 1H), 4.50-4.57 (m, 2H), 5.15 (s, 2H), 5.96-5.99 (m, 1H), 6.95 (s, 1H), 7.29-7.34 (m, 5H), 7.39-7.43 (m, 2H), 7.48-7.52 (m, 2H)。
【0143】
実施例2の手順に従って、但し、N-ベンジルオキシカルボニル-L-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-N-ヒドロキシスクシンイミドエステルを、適切なアミノ酸誘導体に置き換え、かつ3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを適切なアミンに置き換えて、実施例2A~2Cおよび3~5を調製した。
【0144】
実施例2A
N-ベンジルオキシカルボニル-L-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[4-(2-フェニルエチル)]ピペラジンアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-L-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(5.0g、12mmol、Advanced ChemTech)および4-(フェニルエチル)ピペラジン2.27mL(11.9mmol)から、表題化合物をオフホワイト色のオイルとして5.89g(定量収量)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.40 (s, 9H), 2.45-2.80 (m,10H), 3.50-3.80 (m, 4H), 4.87-4.91 (m, 1H), 5.08 (s, 2H), 5.62-5.66 (m, 1H), 7.17-7.33 (m, 10H)。
【0145】
実施例2B
N-ベンジルオキシカルボニル-L-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-L-グルタミン酸β-t-ブチルエステルα-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(4.83g、11.1mmol、Advanced ChemTech)および3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミン)1.63mL(11.4mmol)から、表題化合物をオフホワイト色の固体として5.41g(98%)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.40 (s, 9H), 1.88-1.99 (m, 1H), 2.03-2.13 (m, 1H), 2.23-2.33 (m, 1H), 2.38-2.47 (m,1H), 4.19-4.25 (s, 1H), 4.46-4.48 (m, 2H), 5.05-5.08 (m, 2H), 5.67-5.72 (m, 1H), 7.27-7.34 (m, 5H), 7.39-7.43 (m, 2H), 7.48-7.52 (m, 2H)。
【0146】
実施例2C
N-ベンジルオキシカルボニル-L-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-[4-(2-フェニルエチル)]ピペラジンアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-L-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(5.0g、12mmol、Advanced ChemTech)および4-(フェニルエチル)ピペラジン2.19mL(11.5mmol)から、表題化合物をオフホワイト色のオイルとして5.87g(定量収量)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.43 (s, 9H); 1.64-1.73 (m,1H);1.93-2.01 (m, 1H); 2.23-2.40 (m, 2H); 2.42-2.68 (m, 6H); 2.75-2.85 (m, 2H); 3.61-3.74 (m, 4H); 4.66-4.73 (m, 1H); 5.03-5.12 (m, 2H); 5.69-5.72 (m, 1H); 7.16-7.34 (m, 10H)。
【0147】
実施例3
N-ベンジルオキシカルボニル-L-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[4-(2-フェニルエチル)]ピペラジンアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-L-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(5.0g、12mmol、Advanced ChemTech)および4-(フェニルエチル)ピペラジン2.27mL(11.9mmol)から、表題化合物をオフホワイト色のオイルとして5.89g(定量収量)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.40 (s, 9H), 2.45-2.80 (m,10H), 3.50-3.80 (m, 4H), 4.87-4.91 (m, 1H), 5.08 (s, 2H), 5.62-5.66 (m, 1H), 7.17-7.33 (m, 10H)。
【0148】
実施例4
N-ベンジルオキシカルボニル-L-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-L-グルタミン酸β-t-ブチルエステルα-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(4.83g、11.1mmol、Advanced ChemTech)および3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミン)1.63mL(11.4mmol)から、表題化合物をオフホワイト色の固体として5.41g(98%)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.40 (s, 9H), 1.88-1.99 (m, 1H), 2.03-2.13 (m, 1H), 2.23-2.33 (m, 1H), 2.38-2.47 (m,1H), 4.19-4.25 (s, 1H), 4.46-4.48 (m, 2H), 5.05-5.08 (m, 2H), 5.67-5.72 (m, 1H), 7.27-7.34 (m, 5H), 7.39-7.43 (m, 2H), 7.48-7.52 (m, 2H)。
【0149】
実施例5
N-ベンジルオキシカルボニル-L-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-[4-(2-フェニルエチル)]ピペラジンアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-L-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(5.0g、12mmol、Advanced ChemTech)および4-(フェニルエチル)ピペラジン2.19mL(11.5mmol)から、表題化合物をオフホワイト色のオイルとして5.87g(定量収量)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.43 (s, 9H); 1.64-1.73 (m,1H);1.93-2.01 (m, 1H); 2.23-2.40 (m, 2H); 2.42-2.68 (m, 6H); 2.75-2.85 (m, 2H); 3.61-3.74 (m, 4H); 4.66-4.73 (m, 1H); 5.03-5.12 (m, 2H); 5.69-5.72 (m, 1H); 7.16-7.34 (m, 10H)。
【0150】
実施例5A
N-[(9H-フルオレン-9-イル)メトキシカルボニル]-O-(ベンジル)-D-セリンt-ブチルエステル。ジクロロメタン(8mL)中のN-[(9H-フルオレン-9-イル)メトキシカルボニル]-O-(ベンジル)-D-セリン(0.710g、1.70mmole)を酢酸t-ブチル(3mL)および濃硫酸(40μL)で密閉フラスコ中、0℃で処理した。完了したら(TLC)、反応をジクロロメタン(10mL)および飽和重炭酸カリウム水溶液(15mL)でクエンチした。有機層を蒸留水で洗浄し、かつ蒸発さえた。生じた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(98:2のジクロロメタン/メタノール)で精製して、表題化合物を無色のオイル(0.292g、77%)として得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.44 (s, 9H); 3.68 (dd, J=2.9 Hz, J=9.3 Hz, 1H); 3.87 (dd, J=2.9 Hz, J=9.3 Hz, 1H); 4.22 (t, J=7.1 Hz, 1H); 4.30-4.60 (m, 5H); 5.64-5.67 (m, 1H); 7.25-7.39 (m, 9H); 7.58-7.61 (m, 2H); 7.73-7.76 (m, 2H)。
【0151】
実施例5B
O-(ベンジル)-D-セリンt-ブチルエステル。ジクロロメタン(5mL)中の実施例5A(0.620g、1.31mmol)をトリス(2-アミノエチル)アミン(2.75mL)で5時間処理した。生じた混合物をリン酸緩衝液(pH=5.5)で2回、飽和重炭酸カリウム水溶液で1回洗浄し、かつ蒸発させて、表題化合物をオフホワイト色の固体として0.329g(定量収量)得た;1H NMR (CD3OD) δ 1.44 (s, 9H); 3.48 (dd, J=J′=4.2 Hz, 1H); 3.61 (dd, J=4.0 Hz, J=9.2 Hz, 1H); 3.72 (dd, J=4.6 Hz, J=9.2 Hz, 1H); 4.47 (d, J=12.0 Hz, 1H); 4.55 (d, J=12.0 Hz, 1H); 7.26-7.33 (m, 5H)。
【0152】
実施例6
カルボン酸からアミドを形成する一般的手順。N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物(Novabiochem)1g(2.93mmol)のジクロロメタン3~4mL中の溶液を3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミン0.46mL(3.21mmol)、1-ヒドロキシ-7-ベンゾトリアゾール0.44g(3.23mmol)および1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミドヒドロクロリド0.62g(3.23mmol)を連続して加えることによって処理した。周囲温度で少なくとも12時間の後に、または薄層クロマトグラフィー(95:5のジクロロメタン/メタノール溶離剤)によって決定して完了するまで、反応混合物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液および蒸留水で順次洗浄した。有機層を蒸発させて、表題化合物をオフホワイト色の固体として1.41g(定量収量)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.39 (s, 9H); 2.61 (dd, J=6.5 Hz, J=17.2 Hz, 1H); 2.98 (dd, J=4.2 Hz, J=17.2 Hz, 1H); 4.41 (dd, J=5.9 Hz, J=15.3 Hz, 1H); 4.50-4.57 (m, 2H); 5.10 (s, 2H); 5.96-6.01 (m, 1H); 6.91-7.00 (m, 1H); 7.30-7.36 (m, 5H); 7.39-7.43 (m, 2H); 7.48-7.52 (m, 2H)。
【0153】
実施例6の手順に従って、但し、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を適切なアミノ酸誘導体に置き換え、かつ3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを適切なアミンに置き換えて、実施例7~7Hを調製した。
【0154】
実施例7
N-ベンジルオキシカルボニル-D-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-D-グルタミン酸γ-t-ブチルエステル(1.14g、3.37mmol)および3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミン0.53mL(3.70mmol、Novabiochem)から、実施例7をオフホワイト色の個体として1.67g(定量収量)得た。実施例7は、帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【0155】
実施例7A
N-ベンジルオキシカルボニル-L-グルタミン酸α-t-ブチルエステルγ-(4-シクロヘキシル)ピペラジンアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-L-グルタミン酸α-t-ブチルエステル(1.36g、4.03mmol)および1-シクロヘキシルピペラジン0.746g(4.43mmol)から、実施例7Aをオフホワイト色の固体として1.93g(98%)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.02-1.12 (m, 5H); 1.43 (s, 9H), 1.60-1.64 (m, 1H); 1.80-1.93 (m, 5H); 2.18-2.52 (m, 8H); 3.38-3.60 (m,4H); 4.20-4.24 (m, 1H); 5.03-5.13 (m, 2H); 5.53-5.57 (m, 1H); 7.28-7.34 (m, 5H)。
【0156】
実施例7B
N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(2-フルオロ-3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物(Novabiochem)(0.25g、0.73mmol)および(2-フルオロ-3-トリフルオロメチル)ベンジルアミン0.12mLから、実施例7Bをオフホワイト色の固体として0.365g(定量収量)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.38 (s, 9H); 2.59 (dd, J=6.5 Hz, J=17.0 Hz, 1H); 2.95 (dd, J=4.3 Hz, J=17.0 Hz, 1H); 4.46-4.56 (m, 3H); 5.11 (s, 2H); 5.94-5.96 (m, 1H); 7.15 (t, J=8.0 Hz, 1H); 7.30-7.36 (m, 5H); 7.47-7.52 (m, 2H)。
【0157】
実施例7C
N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[(S)-α-メチルベンジル]アミド。N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物(Novabiochem)(0.25g、0.73mmol)および(S)-α-メチルベンジルアミン0.094mLから、実施例7Cをオフホワイト色の固体として0.281g(90%)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.41 (s, 9H); 1.44 (d, J=7.0 Hz, 3H); 2.61 (dd, J=7.0 Hz, J=17.0 Hz, 1H); 2.93 (dd, J=4.0 Hz, J=17.5 Hz, 1H); 4.50-4.54 (m, 1H); 5.04-5.14 (m, 3H); 5.94-5.96 (m, 1H); 6.76-6.80 (m, 1H); 7.21-7.37 (m, 10H)。
【0158】
実施例7D
N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[(R)-α-メチルベンジル]アミド。N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物(Novabiochem)(0.25g、0.73mmol)および(R)-α-メチルベンジルアミン0.094mLから、実施例7Dをオフホワイト色の固体として0.281g(90%)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.38 (s, 9H); 1.43 (d, J=6.9 Hz, 3H); 2.54 (dd, J=7.3 Hz, J=17.2 Hz, 1H); 2.87 (dd, J=4.1 Hz, J=17.3 Hz, 1H); 4.46-4.50 (m, 1H); 4.99-5.15 (m, 3H); 5.92-5.96 (m, 1H); 6.78-6.82 (m, 1H); 7.21-7.33 (m, 10H)。
【0159】
実施例7E
N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸γ-t-ブチルエステルα-[N-メチル-N-(3-トリフルオロメチルベンジル)]アミド。N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸γ-t-ブチルエステル(0.303g、0.89mmol、Novabiochem)およびN-メチル-N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミン0.168g(0.89mmol)から、実施例7Eをオフホワイト色の固体として0.287g(65%)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.40 (s, 9H); 2.55 (dd, J=5.8 Hz, J=15.8 Hz, 1H); 2.81 (dd, J=7.8 Hz, J=15.8 Hz, 1H); 3.10 (s, 3H); 4.25 (d, J=15.0 Hz, 1H); 4.80 (d, J=15.5 Hz, 1H); 5.01-5.13 (m, 3H); 5.52-5.55 (m, 1H); 7.25-7.52 (m, 10H)。
【0160】
実施例7F
N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[(S)-1-(3-トリフルオロメチルフェニル)エチル]アミド。N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物(Novabiochem)(84mg、0.25mmol)および(S)-1-(3-トリフルオロメチルフェニル)エチルアミン47mgから、実施例7Fをオフホワイト色の固体として122mg(定量収量)得た。実施例7Fは、帰属の構造に一致するH NMRスペクトルを示した。
【0161】
実施例7G
N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[(R)-1-(3-トリフルオロメチルフェニル)エチル]アミド。N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物(Novabiochem)(150mg、0.44mmol)および(R)-1-(3-トリフルオロメチルフェニル)エチルアミン83mgから、実施例7Gをオフホワイト色の固体として217mg(定量収量)得た。実施例7Gは、帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【0162】
実施例7H
N-ベンジルオキシカルボニル-D-グルタミン酸α-メチルエステルγ-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-D-グルタミン酸α-メチルエステル(508mg、1.72mmol)および3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミン317mg(1.81mmol)から、実施例7Hをオフホワイト色の固体として662mg(85%)得た。実施例7Hは、帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【0163】
実施例8
ベンジルオキシカルボニルアミンを水素化するための一般的な手順。L-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド。薄層クロマトグラフィー(95:5のジクロロメタン/メタノール溶離剤)によって決定して変換が完了するまで、N-ベンジルオキシカルボニル-L-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド2.23g(4.64mmol)およびパラジウム(活性炭素上5重量%、0.642g)のメタノール30mL中の懸濁液を水素雰囲気下に保持した。反応物を濾過して、炭素上のパラジウムを除去し、かつ濾液を蒸発させて、表題化合物をオイルとして1.52g(96%)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.42 (s, 9H); 2.26 (brs, 2H); 2.63-2.71 (m, 1H); 2.82-2.87 (m, 1H); 3.75-3.77 (m, 1H); 4.47-4.50 (m, 2H); 7.41-7.52 (m, 4H); 7.90 (brs, 1H)。
【0164】
実施例8の手順に従って、但し、N-ベンジルオキシカルボニル-L-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミドを適切なアミノ酸誘導体に置き換えて、実施例9~13Pを調製した。
【0165】
実施例9
L-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[4-(2-フェニルエチル)]ピペラジンアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-L-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[4-(2-フェニルエチル)]ピペラジンアミド(5.89g、11.9mmol)から、実施例9をオフホワイト色のオイルとして4.24g(98%)得た;1H NMR (CDCl3): δ 1.42 (s, 9H); 2.61-2.95 (m, 10H); 3.60-3.90 (m, 4H); 4.35-4.45 (m, 1H); 7.17-7.29 (m, 5H)。
【0166】
実施例10
D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド(1.41g、2.93mmol)から、実施例10をオフホワイト色のオイルとして0.973g(96%)得た;1H NMR (CDCl3): δ 1.42 (s, 9H); 2.21 (brs, 2H); 2.67 (dd, J=7.1 Hz, J=16.8 Hz, 1H); 2.84 (dd, J=3.6 Hz, J=16.7 Hz, 1H); 3.73-3.77 (m, 1H); 4.47-4.50 (m, 2H); 7.41-7.52 (m, 4H); 7.83-7.87 (m, 1H)。
【0167】
実施例11
L-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-L-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド(5.41g、10.9mmol)から、実施例11をオフホワイト色のオイルとして3.94g(定量収量)得た;1H NMR (CDCl3): δ 1.41 (s, 9H); 1.73-1.89 (m, 3H); 2.05-2.16 (m, 1H); 2.32-2.38 (m, 2H); 3.47 (dd, J=5.0 Hz, J=7.5 Hz, 1H); 4.47-4.49 (m, 2H); 7.36-7.54 (m, 4H); 7.69-7.77 (m, 1H)。
【0168】
実施例12
L-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-[4-(2-フェニルエチル)]ピペラジンアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-L-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-[4-(2-フェニルエチル)]ピペラジンアミド(5.86g、11.50mmol)から、実施例12をオフホワイト色のオイルとして4.28g(99%)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.39 (s, 9H); 2.00-2.08 (m, 1H); 2.38-2.46 (m, 1H); 2.55-2.90 (m, 9H); 3.61-3.82 (m, 4H); 4.48-4.56 (m, 1H); 7.17-7.26 (m, 5H)。
【0169】
実施例13
D-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-D-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド(1.667g、3.37mmol)から、実施例13をオフホワイト色のオイルとして1.15g(94%)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.41 (s, 9H); 1.80-2.20 (m, 4H); 2.31-2.40 (m, 2H); 3.51-3.59 (m, 1H); 4.47-4.49 (m, 2H); 7.39-7.52 (m, 4H); 7.71-7.79 (m, 1H)。
【0170】
実施例13A
L-グルタミン酸α-t-ブチルエステルγ-(4-シクロヘキシル)ピペラジンアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-L-グルタミン酸α-t-ブチルエステルγ-(4-シクロヘキシル)ピペラジンアミド(1.93g、3.96mmol)から、実施例13Aをオフホワイト色のオイルとして1.30g(93%)得た;1H NMR (CDCl3) δ
1.02-1.25 (m, 5H); 1.41 (s, 9H); 1.45-1.50 (m, 1H); 1.56-1.60 (m, 1H); 1.69-1.80 (m, 6H); 3.30 (dd, J=4.8 Hz, J=8.5 Hz, 1H); 3.44 (t, J=9.9 Hz, 2H); 3.56 (t, J=9.9 Hz, 2H)。
【0171】
実施例13B
D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(2-フルオロ-3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(2-フルオロ-3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド(0.36g、0.72mmol)から、実施例13Bをオフホワイト色のオイルとして0.256g(92%)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.39 (s, 9H); 2.50 (brs, 2H); 2.74 (dd, J=7.0 Hz, J=16.5 Hz, 1H); 2.86 (dd, J=4.8 Hz, J=16.8 Hz, 1H); 3.89 (brs, 2H); 4.47-4.57 (m, 2H); 7.16 (t, J=7.8 Hz, 1H); 7.48 (t, J=7.3 Hz, 1H); 7.56 (t, J=7.3 Hz, 1H); 7.97-8.02 (m, 1H)。
【0172】
実施例13C
D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[(S)-α-メチル]ベンジルアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[(S)-α-メチルベンジル]アミド(0.275g、0.65mmol)から、実施例13Cをオフホワイト色のオイルとして0.17g(90%)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.40 (s, 9H); 1.47 (d, J=6.9 Hz, 3H); 1.98 (brs, 2H); 2.49 (dd, J=7.9 Hz, J=17.7 Hz, 1H); 2.83 (dd, J=3.6 Hz, J=16.7 Hz, 1H); 3.69 (brs, 1H); 4.99-5.10 (m, 1H); 7.19-7.33 (m, 5H); 7.65-7.68 (m, 1H)。
【0173】
実施例13D
D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[(R)-α-メチルベンジル]アミド。N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[(R)-α-メチルベンジル]アミド(0.273g、0.64mmol)から、実施例13Dをオフホワイト色のオイルとして0.187g(定量収量)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.38 (s, 9H); 1.46 (d, J=6.9 Hz, 3H); 1.79 (brs, 2H); 2.51 (dd, J=7.8 Hz, J=17.5 Hz, 1H); 2.87 (dd, J=3.6 Hz, J=16.9 Hz, 1H); 4.19 (brs, 1H); 4.99-5.11 (m, 1H); 7.18-7.34 (m, 5H); 7.86-7.90 (m, 1H)。
【0174】
実施例13E
D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[N-メチル-N-(3-トリフルオロメチルベンジル)]アミド。N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[N-メチル-N-(3-トリフルオロメチルベンジル)]アミド(0.282g、0.57mmol)から、実施例13Eをオフホワイト色のオイルとして0.195g(95%)得た。実施例13Eは、帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【0175】
実施例13F
L-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[4-(2-フェニルエチル)]ピペラジンアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-L-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[4-(2-フェニルエチル)]ピペラジンアミド(5.89g、11.9mmol)から、実施例13Fをオフホワイト色のオイルとして4.24g(98%)得た;1H NMR (CDCl3): δ 1.42 (s, 9H); 2.61-2.95 (m, 10H); 3.60-3.90 (m, 4H); 4.35-4.45 (m, 1H); 7.17-7.29 (m, 5H)。
【0176】
実施例13G
D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド(1.41g、2.93mmol)から、実施例13Gをオフホワイト色のオイルとして0.973g(96%)得た;1H NMR (CDCl3): δ 1.42 (s, 9H); 2.21 (brs, 2H); 2.67 (dd, J=7.1 Hz, J=16.8 Hz, 1H); 2.84 (dd, J=3.6 Hz, J=16.7 Hz, 1H); 3.73-3.77 (m, 1H); 4.47-4.50 (m, 2H); 7.41-7.52 (m, 4H); 7.83-7.87 (m, 1H)。
【0177】
実施例13H
L-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-L-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド(5.41g、10.9mmol)から、実施例13Hをオフホワイト色のオイルとして3.94g(定量収量)得た;1H NMR (CDCl3): δ 1.41 (s, 9H); 1.73-1.89 (m, 3H); 2.05-2.16 (m, 1H); 2.32-2.38 (m, 2H); 3.47 (dd, J=5.0 Hz, J=7.5 Hz, 1H); 4.47-4.49 (m, 2H); 7.36-7.54 (m, 4H); 7.69-7.77 (m, 1H)。
【0178】
実施例13I
L-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-[4-(2-フェニルエチル)]ピペラジンアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-L-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-[4-(2-フェニルエチル)]ピペラジンアミド(5.86g、11.50mmol)から、実施例13Iをオフホワイト色のオイルとして4.28g(99%)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.39 (s, 9H); 2.00-2.08 (m, 1H); 2.38-2.46 (m, 1H); 2.55-2.90 (m, 9H); 3.61-3.82 (m, 4H); 4.48-4.56 (m, 1H); 7.17-7.26 (m, 5H)。
【0179】
実施例13J
D-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-D-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド(1.667g、3.37mmol)から、実施例13Jをオフホワイト色のオイルとして1.15g(94%)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.41 (s, 9H); 1.80-2.20 (m, 4H); 2.31-2.40 (m, 2H); 3.51-3.59 (m, 1H); 4.47-4.49 (m, 2H); 7.39-7.52 (m, 4H); 7.71-7.79 (m, 1H)。
【0180】
実施例13K
L-グルタミン酸α-t-ブチルエステルγ-(4-シクロヘキシル)ピペラジンアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-L-グルタミン酸α-t-ブチルエステルγ-(4-シクロヘキシル)ピペラジンアミド(1.93g、3.96mmol)から、実施例13Kをオフホワイト色のオイルとして1.30g(93%)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.02-1.25 (m, 5H); 1.41 (s, 9H); 1.45-1.50 (m, 1H); 1.56-1.60 (m, 1H); 1.69-1.80 (m, 6H); 3.30 (dd, J=4.8 Hz, J=8.5 Hz, 1H); 3.44 (t, J=9.9 Hz, 2H); 3.56 (t, J=9.9 Hz, 2H)。
【0181】
実施例13L
D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(2-フルオロ-3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(2-フルオロ-3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド(0.36g、0.72mmol)から、実施例13Lをオフホワイト色のオイルとして0.256g(92%)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.39 (s, 9H); 2.50 (brs, 2H); 2.74 (dd, J=7.0 Hz, J=16.5 Hz, 1H); 2.86 (dd, J=4.8 Hz, J=16.8 Hz, 1H); 3.89 (brs, 2H); 4.47-4.57 (m, 2H); 7.16 (t, J=7.8 Hz, 1H); 7.48 (t, J=7.3 Hz, 1H); 7.56 (t, J=7.3 Hz, 1H); 7.97-8.02 (m, 1H)。
【0182】
実施例13M
D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[(S)-1-(3-トリフルオロメチルフェニル)エチル]アミド。N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[(S)-1-(3-トリフルオロメチルフェニル)エチル]アミド(120mg、0.24mmol)から、実施例13Mをオフホワイト色のオイルとして91mg(91%)得たが、これは、帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【0183】
実施例13N
D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[(R)-1-(3-トリフルオロメチルフェニル)エチル]アミド。N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[(R)-1-(3-トリフルオロメチルフェニル)エチル]アミド(217mg、0.44mmol)から、実施例13Nをオフホワイト色のオイルとして158mg(定量収量)得たが、これは、帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【0184】
実施例13O
D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[N-メチル-N-(3-トリフルオロメチルベンジル)]アミド。N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[N-メチル-N-(3-トリフルオロメチルベンジル)]アミド(0.282g、0.57mmol)から、実施例13Oをオフホワイト色のオイルとして0.195g(95%)得たが、これは、帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【0185】
実施例13P
D-グルタミン酸α-メチルエステルγ-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-D-グルタミン酸α-メチルエステルγ-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド(764mg、1.69mmol)から、実施例13P(516mg、96%)をオフホワイト色のオイルとして得たが、これは、帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【0186】
実施例14
イミンおよび塩化アセチルから、2-アゼチジノンを形成するための一般的な手順
ステップ1:アミノ酸誘導体からイミンを形成するための一般的な手順。1当量のα-アミノ酸エステルまたはアミドのジクロロメタン中の溶液を、1当量の適切なアルデヒドと、出発α-アミノ酸エステルまたはアミド1グラム当たり乾燥剤約2グラムの量の硫酸マグネシウムまたはシリカゲルなどの乾燥剤とで順次処理する。薄層クロマトグラフィーによって測定して、反応物が全て消費されるまで、反応物を周囲温度で撹拌する。反応は典型的には、1時間以内に完了する。次いで、反応混合物を濾過し、フィルターケーキをジクロロメタンで洗浄し、かつ濾液を減圧下で濃縮して、所望のイミンを得、これを後続のステップでそのまま使用する。
【0187】
ステップ2:イミンおよび塩化アセチルを2+2付加環化するための一般的な手順。イミンのジクロロメタン溶液(ジクロロメタン10mL/イミン1グラム)を0℃に冷却する。この冷却溶液に、1.5当量の適切なアミン、典型的にはトリエチルアミンを加え、続いて、実施例1において記載されたような1.1当量の適切な塩化アセチルのジクロロメタン溶液(ジクロロメタン10mL/適切な塩化アセチル1gm)を滴加する。反応混合物を1時間かけて周囲温度に加温し、次いで、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えることによってクエンチする。生じた混合物を水とジクロロメタンとに分配する。層を分離し、かつ有機層を1Nの塩酸、飽和重炭酸ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄する。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ減圧下で濃縮した。残渣をさらなる反応のためにそのまま使用するか、または望ましい場合にはクロマトグラフィーによってか、もしくは適切な溶媒系からの結晶化によって精製してもよい。いずれの場合も、2+2反応の後に、β-ラクタムの立体化学を、円二色性/旋光分散(CD/ORD)によって確認することができる。例示的には、先行する合成からの(αR,3S,4R)および(αS,3S,4R)β-ラクタムプラットフォーム立体化学配置の例を、CD/ORD標準として使用することができる。
【0188】
実施例15
tert-ブチル[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]アセテート。実施例14の手順を使用して、グリシンtert-ブチルエステル4.53g(34.5mmol)およびシンナムアルデヒドから調製されたイミンを、2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と混合して、実施例15を無色の結晶(再結晶化、n-クロロブタン)として5.5g(30%)得た;融点194~195℃。
【0189】
実施例16
アゼチジン-2-オン-1-イルアセテートをアシル化するための一般的な手順。(アゼチジン-2-オン-1-イル)アセテートのテトラヒドロフラン溶液(アゼチジノン中0.22M)を-78℃に冷却し、かつリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(2.2当量)と一緒にする。生じたアニオンを適切なアシルハロゲン化物(1.1当量)で処理する。アゼチジノンが完全に変換したら、反応を飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、かつ酢酸エチルと水とに分配した。有機相を1Nの塩酸、飽和重炭酸ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄した。生じた有機層を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、かつ蒸発させた。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによって、3:2のヘキサン/酢酸エチルなどの適切な溶離剤を用いて精製する。
【0190】
実施例17
2,2,2-トリクロロエチル2(RS)-(tert-ブトキシカルボニル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]アセテート
実施例16の手順を使用して、実施例15 9.0g(20mmol)をトリクロロエチルクロロホルメート4.2g(20mmol)でアシル化して、実施例17を7.0g(56%)得た;融点176~178℃。
【0191】
実施例18
2(RS)-(tert-ブトキシカルボニル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。実施例17 0.20g(0.32mmol)および(3-トリフルオロメチルベンジル)アミン52μL(0.36mmol)のTHF中の溶液を還流加熱した。変換が完了したら(TLC)、溶媒を蒸発させ、かつ残渣を再結晶化させて(クロロホルム/ヘキサン)、実施例18を白色の固体として0.17g(82%)得た;融点182~184℃。
【0192】
実施例18A
2(RS)-(tert-ブトキシカルボニル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(2-フルオロ-3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。実施例18の手順に従って、2-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを、(3-トリフルオロメチルベンジル)アミンの代わりに使用して、実施例18Aを調製した。実施例18Aを白色の固体(140mg、41%)として得たが、これは、帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【0193】
実施例14の手順に従って、ここでは、適切なアミノ酸誘導体およびアルデヒドをステップ1で使用し、かつ適切な塩化アセチルをステップ2で使用して、実施例19~25AFは調製した。
【0194】
実施例19
2(S)-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。L-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド1.52g(4.39mmol)およびシンナムアルデヒドから調製されたイミンを、2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と合わせて、オレンジ色-茶色のオイル2.94gを得、これから、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(70:30のヘキサン/酢酸エチル)の後に、実施例19を白色の固体として2.06g(70%)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.39 (s, 9H); 2.46 (dd, J=11.1 Hz, J=16.3 Hz, 1H); 3.18 (dd, J=3.8 Hz, J=16.4 Hz, 1H); 4.12-4.17 (m, 1H); 4.26 (d, J=5.0 Hz, 1H); 4.45 (dd, J=6.0 Hz, J=14.9 Hz, 1H); 4.54 (dd, J=5.3 Hz, J=9.8 Hz, 1H); 4.58-4.66 (m, 3H); 4.69-4.75 (m, 1H); 4.81 (dd, J=3.8 Hz, J=11.1 Hz, 1H); 6.25 (dd, J=9.6 Hz, J=15.8 Hz, 1H); 6.70 (d, J=15.8 Hz, 1H); 7.14-7.17 (m, 2H); 7.28-7.46 (m, 11H); 7.62 (s, 1H); 8.27-8.32 (m, 1H)。
【0195】
実施例19A
2(S)-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-2-[3(R)-(4(R)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(S)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。実施例19の方法に従って、但し、2-(4(R)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1A)を2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリドの代わりに使用して、実施例19Aを調製した。実施例19Aを白色の固体(41mg、13%)として得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.37 (s, 9H); 3.11 (dd, J=3.7 Hz, J=17.8 Hz, 1H); 3.20 (dd, J=10.6 Hz, J=17.8 Hz, 1H); 4.02 (dd, J=3.7 Hz, J=10.6 Hz, 1H); 4.10-4.17 (m, 1H); 4.24 (d, J=4.9 Hz, 1H); 4.4652-4.574 (dd, J=5.9 Hz, J=15.1 Hz, 1H); 4.58-4.76 (m, 4H); 6.27 (dd, J=9.6 Hz, J=15.8 Hz, 1H); 6.79 (d, J=15.8 Hz, 1H); 7.23-7.53 (m, 13H); 7.63 (s, 1H); 8.51-8.55 (m, 1H)。
【0196】
実施例20
2(S)-(tert-ブトキシカルボニルエチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。L-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド3.94g(10.93mmol)およびシンナムアルデヒドから調製されたイミンを、2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と混合して、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(70:30のヘキサン/酢酸エチル)の後に、実施例20を5.53g(75%)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.36 (s, 9H); 1.85-1.96 (m, 1H); 2.18-2.49 (m, 3H); 4.14-4.19 (m, 1H); 4.30 (d, J=4.9 Hz, 2H); 4.44 (dd, J=6.1 Hz, J=14.9 Hz, 1H); 4.56-4.67 (m, 4H); 4.71-4.75 (m, 1H); 6.26 (dd, J=9.6 Hz, J=15.8 Hz, 1H); 6.71 (d, J=15.8 Hz, 1H); 7.16-7.18 (m, 2H); 7.27-7.49 (m, 11H); 7.60 (s, 1H); 8.08-8.12 (m, 1H)。
【0197】
実施例21
2(S)-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-[4-(2-フェニルエチル)]ピペラジンアミド。L-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[4-(2-フェニルエチル)]ピペラジンアミド4.20g(11.6mmol)およびシンナムアルデヒドから調製されたイミンを、2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と混合して、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(50:50のヘキサン/酢酸エチル)の後に、実施例21を4.37g(55%)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.34 (s, 9H); 2.26-2.32 (m, 1H); 2.46-2.63 (m, 4H); 2.75-2.89 (m, 4H); 3.24-3.32 (m, 1H); 3.49-3.76 (m, 3H); 4.07-4.13 (m, 1H); 4.30 (d, J=4.6 Hz, 1H); 4.22-4.48 (m, 1H); 4.55-4.61 (m, 1H); 4.69-4.75 (m, 1H); 5.04-5.09 (m, 1H); 6.15 (dd, J=9.3 Hz, J=15.9 Hz, 1H); 6.63 (d, J=15.8 Hz, 1H); 7.18-7.42 (m, 15H)。
【0198】
実施例22
2(S)-(tert-ブトキシカルボニルエチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-[4-(2-フェニルエチル)]ピペラジンアミド。L-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-[4-(2-フェニルエチル)]ピペラジンアミド2.54g(6.75mmol)およびシンナムアルデヒドから調製されたイミンを2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と混合して、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(50:50のヘキサン/酢酸エチル)の後に実施例22を3.55g(76%)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.32 (s, 9H); 1.96-2.07 (m, 1H); 2.15-2.44 (m, 6H); 2.54-2.62 (m, 2H); 2.69-2.81 (m, 3H); 3.28-3.34 (m, 1H); 3.59-3.68 (m, 1H); 4.08-4.13 (m, 1H); 4.33-4.44 (m, 2H); 4.48-4.60 (m, 2H); 4.67-4.77 (m, 1H); 6.14 (dd, J=8.9 Hz, J=16.0 Hz, 1H); 6.62 (d, J=16.0 Hz, 1H); 7.16-7.42 (m, 15 H)。
【0199】
実施例23
2(R)-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド0.973g(2.81mmol)およびシンナムアルデヒドから調製されたイミンを2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と混合して、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(70:30のヘキサン/酢酸エチル)の後に実施例23を1.53g(82%)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.37 (s, 9H); 3.10 (dd, J=3.7 Hz, J=17.8 Hz, 1H); 3.20 (dd, J=10.7 Hz, J=17.8 Hz, 1H); 4.02 (dd, J=3.6 Hz, J=10.6 Hz, 1H); 4.11-4.17 (m, 1H); 4.24 (d, J=4.9 Hz, 1H); 4.46 (dd, J=5.8 Hz, J=15.1 Hz, 1H); 4.58-4.67 (m, 3H); 4.70-4.76 (m, 1H); 6.27 (dd, J=9.5 Hz, J=15.8 Hz, 1H); 6.79 (d, J=15.8 Hz, 1H); 7.25-7.50 (m, 13H); 7.63 (s, 1H); 8.50-8.54 (m, 1H)。
【0200】
実施例23A
2(R)-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-2-[3(R)-(4(R)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(S)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。実施例23の方法に従って、但し、2-(4(R)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1A)を2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリドの代わりに使用して、実施例23Aを調製した。実施例23Aを白色の固体(588mg、49%)として得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.39 (s, 9H); 2.47 (dd, J=11.2 Hz, J=16.3 Hz, 1H); 3.18 (dd, J=3.8 Hz, J=16.3 Hz, 1H); 4.15 (t, J=8.25, Hz 1H); 4.26 (d, J=5.0 Hz, 1H); 4.45 (dd, J=6.0 Hz, J=15.0 Hz, 1H); 4.52-4.57 (m, 3H); 4.63 (t, J=9 Hz, 1H); 4.70 (t, J=8 Hz, 1H); 4.81 (dd, J=3.8 Hz, J=10.8 Hz, 1H); 6.25 (dd, J=9.8 Hz, J=15.8 Hz, 1H); 6.70 (d, J=15.8 Hz, 1H); 7.15-7.17 (m, 2H); 7.27-7.51 (m, 11H); 7.62 (s, 1H); 8.27-8.32 (m, 1H)。
【0201】
実施例24
2(R)-(tert-ブトキシカルボニルエチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。D-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド1.15g(3.20mmol)およびシンナムアルデヒドから調製されたイミンを2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と混合して、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(70:30のヘキサン/酢酸エチル)の後に実施例24を1.84g(85%)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.37 (s, 9H); 2.23-2.39 (m, 4H); 3.71-3.75 (m, 1H); 4.13-4.18 (m, 1H); 4.31 (d, J=4.9 Hz, 1H); 4.44-4.51 (m, 2H); 4.56-4.68 (m, 2H); 4.71-4.76 (m, 1H); 6.26 (dd, J=9.5 Hz, J=15.8 Hz, 1H); 6.71 (d, J=15.8 Hz, 1H); 7.25-7.52 (m, 13H); 7.63 (s, 1H); 8.25-8.30 (m, 1H)。
【0202】
実施例25
2(S)-(tert-ブトキシカルボニルエチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(4-シクロヘキシル)ピペラジンアミド。L-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-(4-シクロヘキシル)ピペラジンアミド2.58g(5.94mmol)およびシンナムアルデヒドから調製されたイミンを2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と混合して、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(95:5のジクロロメタン/メタノール)の後に実施例25を3.27g(94%)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.32 (s, 9H); 1.10-1.18 (m, 1H); 1.20-1.31 (m, 2H); 1.38-1.45 (m, 2H); 1.61-1.66 (m, 1H); 1.84-1.89 (m, 2H); 1.95-2.01 (m, 1H); 2.04-2.14 (m, 3H); 2.20-2.24 (m, 1H); 2.29-2.35 (m, 1H); 2.85-2.92 (m, 1H); 3.24-3.32 (m, 1H); 3.36-3.45 (m, 2H); 3.80-3.86 (m, 1H); 4.08 (t, J=8.3 Hz, 1H); 4.27 (d, J=5.0 Hz, 1H); 4.31-4.55 (m, 4H); 4.71 (t, J=8.3 Hz, 1H); 4.83-4.90 (m, 1H); 6.18 (dd, J=9.1 Hz, J=15.9 Hz, 1H); 6.67 (d, J=15.9 Hz, 1H); 7.25-7.44 (m, 10H); 8.22 (brs, 1H)。
【0203】
実施例25A
tert-ブチル2(S)-(2-(4-シクロヘキシルピペラジニルカルボニル)エチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]アセテート。L-グルタミン酸α-t-ブチルエステルγ-(4-シクロヘキシル)ピペラジンアミド1.282g(3.63mmol)およびシンナムアルデヒドから調製されたイミンを2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と混合して、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(50:50のヘキサン/酢酸エチル)の後に、実施例25Aを1.946g(80%)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.15-1.26 (m, 6H); 1.39 (s, 9H); 1.55-1.64 (m, 2H); 1.77-1.83 (m, 3H); 2.22-2.35 (m, 2H); 2.40-2.50 (m, 6H); 2.75-2.79 (m, 1H); 3.43-3.48 (m, 1H); 3.56-3.60 (m, 2H); 3.75-3.79 (m, 1H); 4.10 (t, J=8.3 Hz, 1H); 4.31-4.35 (m, 2H); 4.58 (t, J=8.8 Hz, 1H); 4.73 (t, J=8.4 Hz, 1H); 6.17 (dd, J=8.6 Hz, J=16.0 Hz, 1H); 6.65 (d, J=16.0 Hz, 1H); 7.27-7.42 (m, 10H)。
【0204】
実施例25B
2(R)-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(2-フルオロ-3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(2-フルオロ-3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド0.256g(0.70mmol)およびシンナムアルデヒドから調製されたイミンを2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と混合して、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(70:30のヘキサン/酢酸エチル)の後に、実施例25Bを0.287g(60%)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.38 (s, 9H); 3.12 (dd, J=4.0 Hz, J=17.8 Hz, 1H); 3.20 (dd, J=10.4 Hz, J=17.8 Hz, 1H); 4.05 (dd, J=3.9 Hz, J=10.4 Hz, 1H); 4.14 (dd, J=J′=8.2 Hz, 1H); 4.25 (d, J=4.9 Hz, 1H); 4.59-4.67 (m, 4H); 4.74 (t, J=8.3 Hz, 1H); 6.36 (dd, J=9.6 Hz, J=15.8 Hz, 1H); 6.83 (d, J=15.8 Hz, 1H); 7.02-7.07 (m, 1H); 7.28-7.55 (m, 12H); 8.44-8.48 (m, 1H)。
【0205】
実施例25C
2(R)-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-[(S)-α-メチルベンジル]アミド。D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル[(S)-α-メチルベンジル]アミド0.167g(0.57mmol)およびシンナムアルデヒドから調製されたイミンを2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と混合して、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(70:30のヘキサン/酢酸エチル)の後に、実施例25Cを0.219g(63%)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.35 (s, 9H); 1.56 (d, J=7.0 Hz, 3H); 2.97 (dd, J=3.5 Hz, J=18.0 Hz, 1H); 3.15 (dd, J=11.0 Hz, J=17.5 Hz, 1H); 4.01 (dd, J=3.0 Hz, J=11.0 Hz, 1H); 4.14 (t, J=8.5 Hz, 1H); 4.24 (d, J=5.0 Hz, 1H); 4.57 (dd, J=5.0 Hz, J=9.5 Hz, 1H); 4.64 (t, J=8.8 Hz, 1H); 5.07 (t, J=8.5 Hz, 1H); 5.03-5.09 (m, 1H); 6.43 (dd, J=9.5 Hz, J=16.0 Hz, 1H); 6.83 (d, J=16.0 Hz, 1H); 7.16-7.20 (m, 1H); 7.27-7.49 (m, 14H); 8.07-8.10 (m, 1H)。
【0206】
実施例25D
2(R)-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-[(R)-α-メチルベンジル]アミド。D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル[(R)-α-メチルベンジル]アミド0.187g(0.46mmol)およびシンナムアルデヒドから調製されたイミンを2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と混合して、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(70:30のヘキサン/酢酸エチル)の後に、実施例25Dを0.25g(64%)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.36 (s, 9H); 1.59 (d, J=7.1 Hz, 3H); 3.10 (dd, J=3.5 Hz, J=17.8 Hz, 1H); 3.22 (dd, J=10.9 Hz, J=17.8 Hz, 1H); 3.93 (dd, J=3.5 Hz, J=10.8 Hz, 1H); 4.14 (t, J=8.1 Hz, 1H); 4.24 (d, J=5.0 Hz, 1H); 4.58 (dd, J=5.0 Hz, J=9.5 Hz, 1H); 4.65 (t, J=8.7 Hz, 1H); 4.74 (t, J=8.2 Hz, 1H); 5.06-5.14 (m, 1H); 6.32 (dd, J=9.5 Hz, J=15.8 Hz, 1H); 6.74 (d, J=15.8 Hz, 1H); 7.19-7.43 (m, 15H); 8.15-8.18 (m, 1H)。
【0207】
実施例25E
2(R)-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-メチル-N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[N-メチル-N-(3-トリフルオロメチルベンジル)]アミド0.195g(0.41mmol)およびシンナムアルデヒドから調製されたイミンを2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と混合して、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(70:30のヘキサン/酢酸エチル)の後に、実施例25Eを0.253g(69%)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.36 (s, 9H); 2.53 (dd, J=4.0 Hz, J=17.0 Hz, 1H); 3.06 (dd, J=10.8 Hz, J=16.8 Hz, 1H); 3.13 (s, 3H); 4.12 (dd, J=8.0 Hz, J=9.0 Hz, 1H); 4.26 (d, J=5.0 Hz, 1H); 4.38 (d, J=15.0 Hz, 1H); 4.46 (dd, J=5.0 Hz, J=9.5 Hz, 1H); 4.56 (t, J=6.8 Hz, 1H); 4.70-4.79 (m, 2H); 5.27 (dd, J=4.0 Hz, J=11.0 Hz, 1H); 6.22 (dd, J=9.3 Hz, J=15.8 Hz, 1H); 6.73 (d, J=15.8 Hz, 1H); 7.33-7.45 (m, 14H)。
【0208】
実施例25F
2(S)-(tert-ブトキシカルボニルエチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-クロロスチル-2-イル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。L-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド1.62g(4.44mmol)およびα-クロロシンナムアルデヒドから調製されたイミンを2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と混合して、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(70:30のヘキサン/酢酸エチル)の後に、実施例25Fを0.708g(22%)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.35 (s, 9H); 1.68 (brs, 1H); 2.19-2.35 (m, 2H); 2.40-2.61 (m, 2H); 4.13 (dd, J=7.5 Hz, J=9.0 Hz, 1H); 4.22 (t, J=7.0 Hz, 1H); 4.34 (d, J=4.5 Hz, 1H); 4.45 (dd, J=5.5 Hz, J=15.0 Hz, 1H); 4.51-4.60 (m, 3H); 4.89 (dd, J=7.5 Hz, J=8.5 Hz, 1H); 6.89 (s, 1H); 7.28-7.54 (m, 14H)。
【0209】
実施例25G
2(R)-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2’-メトキシstyr-2-イル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド0.34g(0.98mmol)および2’-メトキシシンナムアルデヒドから調製されたイミンを2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と混合して、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(70:30のヘキサン/酢酸エチル)の後に、実施例25Gを0.402g(59%)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.35 (s, 9H); 1.68 (brs, 1H); 2.19-2.35 (m, 2H); 2.40-2.61 (m, 2H); 4.13 (dd, J=7.5 Hz, J=9.0 Hz, 1H); 4.22 (t, J=7.0 Hz, 1H); 4.34 (d, J=4.5 Hz, 1H); 4.45 (dd, J=5.5 Hz, J=15.0 Hz, 1H); 4.51-4.60 (m, 3H); 4.89 (dd, J=7.5 Hz, J=8.5 Hz, 1H); 6.89 (s, 1H); 7.28-7.54 (m, 14H)。
【0210】
実施例25H
tert-ブチル(2R)-(ベンジルオキシメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]アセテート。O-(ベンジル)-D-セリンt-ブチルエステル(実施例5B)0.329g(1.31mmol)およびシンナムアルデヒドから調製されたイミンを2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と混合して、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(90:10のヘキサン/酢酸エチル)の後に、実施例25Hを0.543g(73%)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.39 (s, 9H); 3.56 (dd, J=2.7 Hz, J=9.5 Hz, 1H); 3.82 (dd, J=4.8 Hz, J=9.5 Hz, 1H); 4.11 (t, J=8.3 Hz, 1H); 4.21-4.29 (m, 2H); 4.50-4.58 (m, 3H); 4.71-4.78 (m, 2H); 6.19 (dd, J=9.1 Hz, J=16.0 Hz, 1H); 6.49 (d, J=16.0 Hz, 1H); 7.07-7.11 (m, 1H); 7.19-7.40 (m, 14H)。
【0211】
実施例25I
tert-ブチル2(S)-(2-(4-シクロヘキシルピペラジニルカルボニル)メチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]アセテート。L-アスパラギン酸α-t-ブチルエステルγ-(4-シクロヘキシル)ピペラジンアミド0.3g(0.88mmol)およびシンナムアルデヒドから調製されたイミンを2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と混合して、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(50:50のヘキサン/酢酸エチル)の後に実施例25Iを白色の固体として464mg(80%)得た。実施例25Iは、帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【0212】
実施例25J
tert-ブチル3(R)-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-3-メチル-4(R)-(スチル-2-イル)アゼチジン-2-オン-1-イル]-3-[(3-トリフルオロメチル)フェニルメチルアミノカルボニル]プロパノエート。D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド(実施例20)0.307g(0.89mmol)およびシンナムアルデヒドから調製されたイミンを2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)プロパノイルクロリド(実施例1E)と混合して、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(ヘキサン70%/EtOAc 30%)の後に120mg(20%)を得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.25 (s, 3H), 1.38 (s, 9H); 3.09 (dd, J=3.0 Hz, J=18.0 Hz, 1H); 3.33 (dd, J=12.5 Hz, J=18.0 Hz, 1H); 4.01 (dd, J=3.0 Hz, J=11.5 Hz, 1H); 4.04 (dd, J=3.5 Hz, J=8.8 Hz, 1H); 4.42 (d, J=9.0 Hz, 1H); 4.45-4.51 (m, 3H); 4.61-4.66 (m, 1H); 4.75 (dd, J=3.5 Hz, J=8.5 Hz, 1H); 6.23 (dd, J=9.0 Hz, J=15.5 Hz, 1H); 6.78 (d, J=15.5 Hz, 1H); 7.23-7.53 (m, 13H); 7.64 (s, 1H)。
【0213】
実施例25K
2(R)-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(プロパ-1-エニル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド0.289g(0.83mmol)およびクロトンアルデヒドから調製されたイミンを2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と混合して、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(99:1のCHCl/MeOH)の後に、実施例25Kを381mg(76%)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.36 (s, 9H), 1.69 (dd, J=2 Hz, J=6.5 Hz, 3H); 3.08 (dd, J = 3.3 Hz, J = 17.8 Hz, 1H); 3.18 (dd, J = 11 Hz, J = 17.5 Hz, 1H); 3.94 (dd, J = 3.5 Hz, J = 11 Hz, 1H); 4.12 (d, J=5 Hz, 1H); 4.15 (dd, J = 7 Hz, J = 8 Hz, 1H); 4.35 (dd, J = 4.8 Hz, J=9.8Hz, 1H); 4.44 (dd, J=6 Hz, J=15 Hz, 1H); 4.61 (dd, J=6 Hz, J=15 Hz, 1H); 4.67-4.75 (m, 2H); 5.52-5.58 (m, 1H); 5.92-6.00 (m, 1H); 7.33-7.60 (m, 9H); 8.47-8.50 (m, 1H)。
【0214】
実施例25O
メチル2(S)-(tert-ブトキシカルボニルエチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]アセテート。L-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-メチルエステル433mg(1.99mmol)およびシンナムアルデヒドから調製されたイミンを2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と混合して、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(70:30のヘキサン/酢酸エチル)の後に、実施例25Oを682mg(64%)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.32 (s, 9H); 2.10-2.26 (m, 1H); 2.30-2.41 (m, 3H); 3.66 (s, 3H); 3.95-3.99 (m, 1H); 4.16 (dd, J=7.5 Hz, J=9 Hz, 1H); 4.38 (dd, J=5 Hz, J=9 Hz, 1H); 4.55 (d, J= 5 Hz 1H); 4.61 (t, J= 9 Hz, 1H); 4.86 (dd, J=7.5 Hz, J=9 Hz, 1H); 6.00 (dd, J=9 Hz, J=16 Hz, 1H); 6.60 (d, J=16 Hz, 1H); 7.26-7.43 (m, 10H)。
【0215】
実施例25M
tert-ブチル2(S)-(メトキシカルボニルエチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]アセテート。L-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-メチルエステル428mg(1.97mmol)およびシンナムアルデヒドから調製されたイミンを2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と混合して、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(70:30のヘキサン/酢酸エチル)の後に、実施例25Mを864mg(82%)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.40 (s, 9H); 2.12-2.27 (m, 1H); 2.32-2.55 (m, 3H); 3.50 (s, 3H); 3.72 (dd, J=4.6 Hz, J=10.4 Hz, 1H); 4.12-4.17 (m, 1H); 4.34 (dd, J=5 Hz, J=9 Hz, 1H); 4.50 (d, J= 5 Hz, 1H); 4.60 (t, J= 8.9 Hz, 1H); 4.81-4.86 (m, 1H); 6.06 (dd, J=9 Hz, J=16 Hz, 1H); 6.59 (d, J=16 Hz, 1H); 7.25-7.42 (m, 10H)。
【0216】
実施例25P
メチル2(S)-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]アセテート。L-アスパラギン酸γ-t-ブチルエステルα-メチルエステル424mg(2.09mmol)およびシンナムアルデヒドから調製されたイミンを2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と混合して、CHCl/ヘキサンからの再結晶化の後に実施例25Pを923mg(85%)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.41 (s, 9H); 2.77 (dd, J=7.5 Hz, J=16.5 Hz, 1H); 3.00 (dd, J=7 Hz, J=16.5 Hz, 1H); 4.16 (dd, J=7. 5Hz, J=9 Hz, 1H); 4.41-48 (m, 2H); 4.55 (d, J= 5 Hz, 1H); 4.60 (t, J= 8.8 Hz, 1H); 4.86 (dd, J=7.5 Hz, J=9 Hz, 1H); 5.93 (dd, J=9.5 Hz, J=15.5 Hz, 1H); 6.61 (d, J=15.5 Hz, 1H); 7.25-7.43 (m, 10H)。
【0217】
実施例25L
2(R)-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-[(R)-1-(3-トリフルオロメチルフェニ)エチル]アミド。D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[(R)-1-(3-トリフルオロメチルフェニ)エチル]アミド160mg(0.44mmol)およびシンナムアルデヒドから調製されたイミンを2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と混合して、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(70:30のヘキサン/EtOAc)の後に実施例25Lを166mg(55%)得た。実施例25Lは、帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【0218】
実施例25N
2(R)-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-[(S)-1-(3-トリフルオロメチルフェニ)エチル]アミド。D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[(S)-1-(3-トリフルオロメチルフェニ)エチル]アミド120mg(0.22mmol)およびシンナムアルデヒドから調製されたイミンを2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と混合して、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(70:30のヘキサン/EtOAc)の後に実施例25Nを75mg(50%)得た。実施例25Nは帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【0219】
実施例25Q
メチル2(R)-(2-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミノカルボニル)エチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]アセテート。D-グルタミン酸α-メチルエステルγ-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド517mg(1.62mmol)およびシンナムアルデヒドから調製されたイミンを2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と混合して、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(50:50のヘキサン/EtOAc)の後に実施例25Qを527mg(51%)得た。実施例25Qは帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【0220】
次の化合物を本明細書に記載されている方法に従って調製した:
【化25】
【表4】
【化26】
【表5】
【化27】
【表6】
【化28】
【表7】
【化29】
【表8】
【0221】
実施例25AF
t-ブチル2(S)-(2-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミノカルボニル)エチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]アセテート
【0222】
実施例26
tert-ブチルエステルを加水分解するための一般的手順。薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン95%/メタノール5%)によってエステルがもはや検出されなくなるまで、tert-ブチルエステル誘導体のギ酸中の溶液、典型的には10mL中1gを周囲温度で撹拌するが、典型的な反応時間は約3時間である。ギ酸を減圧下蒸発させ;生じた固体残渣をジクロロメタンと飽和重炭酸ナトリウム水溶液とに分配した。有機層を蒸発させて、オフホワイト色の固体を得、これをさらなる反応のためにそのまま使用することができるか、または望ましい場合には、適切な溶媒系から再結晶化させることができる。
【0223】
適切なtert-ブチルエステルから、実施例26において使用された手順に従って、実施例27~34AEを調製した。
【0224】
実施例27
2(R,S)-(カルボキシ)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。実施例18(0.30g、0.46mmol)を加水分解して、実施例27をオフホワイト色の固体として0.27g(定量収量)得た;1H NMR (CDCl3) δ 4.17-5.28 (m, 9H); 6.21-6.29 (m, 1H), 6.68-6.82 (m, 1H); 7.05-7.75 (m, 13H); 9.12-9.18 (m, 1H)。
【0225】
実施例28
2(S)-(カルボキシメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。実施例19(1.72g、2.59mmol)を加水分解して、実施例28をオフホワイト色の固体として1.57g(定量収量)得た;1H NMR (CDCl3) δ 2.61 (dd, J=9.3 Hz, J=16.6 Hz, 1H); 3.09-3.14 (m, 1H); 4.10-4.13 (m, 1H); 4.30 (d, J=4.5 Hz, 1H); 4.39-4.85 (m, 6H); 6.20 (dd, J=9.6 Hz, J=15.7 Hz, 1H); 6.69 (d, J=15.8 Hz, 1H); 7.12-7.15 (m, 2H); 7.26-7.50 (m, 11H); 7.61 (s, 1H); 8.41-8.45 (m, 1H)。
【0226】
実施例28A
2(S)-(カルボキシメチル)-2-[3(R)-(4(R)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(S)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。実施例19A(41mg、0.06mmol)を加水分解して、実施例28Aをオフホワイト色の固体として38mg(定量収量)得た;1H NMR (CDCl3) δ 2.26 (d, J=7 Hz, 1H); 4.03 (t, J=7 Hz, 1H); 4.16 (t, J=8 Hz, 1H); 4.26 (d, J=4.3 Hz, 1H); 4.46 (dd, J=5.7 Hz, J=15.1, 1H); 4.53-4.75 (m, 5H); 6.25 (dd, J=9.5 Hz, J=15.7 Hz, 1H); 6.77 (d, J=15.7 Hz, 1H); 7.28-7.53 (m, 13H); 7.64 (s, 1H); 8.65-8.69 (m, 1H)。
【0227】
実施例29
2(S)-(カルボキシエチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。実施例20(4.97g、7.34mmol)を加水分解して、実施例29をオフホワイト色の固体として4.43g(97%)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.92-2.03 (m,1H); 2.37-2.51 (m, 3H); 4.13-4.19 (m, 1H); 3.32 (d, J=4.9 Hz, 1H); 4.35-4.39 (m, 1H); 4.44 (dd, J=5.9 Hz, J=14.9 Hz, 1H); 4.50-4.57 (m, 2H); 4.61-4.67 (m, 1H); 4.70-4.76 (m, 1H); 6.24 (dd, J=9.6 Hz, J=15.8 Hz, 1H); 6.70 (d, J=15.8 Hz, 1H); 7.18-7.47 (m, 14H)。
【0228】
実施例30
2(S)-(カルボキシメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-[4-(2-フェニルエチル)]ピペラジンアミド。実施例21(1.88g、2.78mmol)を加水分解して、実施例30をオフホワイト色の固体として1.02g(60%)得た;1H NMR (CDCl3) δ 2.63 (dd, J=6.0 Hz, J=16.5 Hz, 1H); 2.75-2.85 (m, 1H); 3.00 (dd, J=8.2 Hz, J=16.6 Hz, 1H); 3.13-3.26 (m, 4H); 3.37-3.56 (m, 4H); 3.86-4.00 (m, 1H); 4.05-4.11 (m, 1H); 4.24 (d, J=5.0 Hz, 1H); 4.46-4.66 (m, 1H); 4.65-4.70 (m, 1H); 5.10-5.15 (m, 1H); 6.14 (dd, J=9.3 Hz, J=15.9 Hz, 1H); 6.71 (d, J=15.9 Hz, 1H); 7.22-7.41 (m, 15H); 12.02 (s, 1H)。
【0229】
実施例31
2(S)-(カルボキシエチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-[4-(2-フェニルエチル)]ピペラジンアミド。実施例22(0.383g、0.55mmol)を加水分解して、実施例31をオフホワイト色の固体として0.352g(定量収量)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.93-2.01 (m, 1H); 2.07-2.36 (m, 6H); 2.82-2.90 (m, 1H); 3.00-3.20 (m, 4H); 3.36-3.54 (m, 4H); 3.74-3.82 (m, 1H); 4.06-4.11 (m, 1H); 4.29 (d, J=4.9 Hz, 1H); 4.33-4.46 (m, 2H); 4.50-4.58 (m, 2H); 4.67-4.72 (m, 1H); 4.95-5.00 (m, 1H); 6.18 (dd, J=9.2 Hz, J=16.0 Hz, 1H); 6.67 (d, J=15.9 Hz, 1H); 7.19-7.42 (m, 15H); 8.80 (brs, 1H)。
【0230】
実施例32
2(R)-(カルボキシメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。実施例23(1.51g、2.27mmol)を加水分解して、実施例32をオフホワイト色の固体として1.38g(定量収量)得た。
【0231】
実施例32A
2(R)-(カルボキシメチル)-2-[3(R)-(4(R)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(S)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。実施例23A(550mg、0.83mmol)を加水分解して、実施例32Aをオフホワイト色の固体として479mg(95%)得た。実施例32Aは、帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【0232】
実施例33
2(R)-(カルボキシエチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。実施例24(0.604g、0.89mmol)を加水分解して、実施例33をオフホワイト色の固体として0.554g(定量収量)得た。
【0233】
実施例34
2(S)-(カルボキシエチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(4-シクロヘキシル)ピペラジンアミド。実施例25(0.537g、0.80mmol)を加水分解して、実施例34をオフホワイト色の固体として0.492g(定量収量)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.09-1.17 (m, 1H); 1.22-1.33 (m, 2H); 1.40-1.47 (m, 2H); 1.63-1.67 (m, 1H); 1.85-1.90 (m, 2H); 1.95-2.00 (m, 1H); 2.05-2.15 (m, 3H); 2.20-2.24 (m, 1H); 2.30-2.36 (m, 1H); 2.85-2.93 (m, 1H); 3.25-3.33 (m, 1H); 3.36-3.46 (m, 2H); 3.81-3.87 (m, 1H); 4.08 (t, J=8.3 Hz, 1H); 4.28 (d, J=5.0 Hz, 1H); 4.33-4.56 (m, 4H); 4.70 (t, J=8.3 Hz, 1H); 4.83-4.91 (m, 1H); 6.17 (dd, J=9.1 Hz, J=15.9 Hz, 1H); 6.67 (d, J=15.9 Hz, 1H); 7.25-7.44 (m, 10H); 8.22 (brs, 1H)。
【0234】
実施例34A
2(S)-(2-(4-シクロヘキシルピペラジニルカルボニル)エチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸。実施例25A(0.787g、1.28mmol)を加水分解して、実施例34Aをオフホワイト色の固体として0.665g(92%)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.05-1.13 (m, 1H); 1.20-1.40 (m, 5H); 1.60-1.64 (m, 1H); 1.79-1.83 (m, 2H); 2.00-2.05 (m, 2H); 2.22-2.44 (m, 3H); 2.67-2.71 (m, 1H); 2.93-3.01 (m, 4H); 3.14-3.18 (m, 1H); 3.38-3.42 (m, 1H); 3.48-3.52 (m, 1H); 3.64-3.69 (m, 1H); 4.06-4.14 (m, 2H); 4.34-4.43 (m, 2H); 4.56 (t, J=8.8 Hz, 1H); 4.73 (t, J=8.4 Hz, 1H); 6.15 (dd, J=9.1 Hz, J=16.0 Hz, 1H); 6.65 (d, J=16.0 Hz, 1H); 7.25-7.42 (m, 10H)。
【0235】
実施例34B
2(R)-(カルボキシメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(2-フルオロ-3-トリフルオロメチルベンジル)カルボキサミド。実施例25B(0.26g、0.38mmol)を加水分解して、実施例34Bをオフホワイト色の固体として0.238g(定量収量)得た;1H NMR (CDCl3) δ 3.27 (d, J=7.2 Hz, 1H); 4.06 (t, J=7.2 Hz, 1H); 4.15 (t, J=8.1 Hz, 1H); 4.27 (d, J=4.8 Hz, 1H); 4.56-4.76 (m, 5H); 6.34 (dd, J=9.5 Hz, J=15.7 Hz, 1H); 6.80 (d, J=15.7 Hz, 1H); 7.06 (t, J=7.7 Hz, 1H); 7.31-7.54 (m, 12H); 8.58 (t, J=5.9 Hz, 1H)。
【0236】
実施例34C
2(R)-(カルボキシメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-[(S)-α-メチルベンジル]アミド。実施例25C(0.215g、0.35mmol)を加水分解して、実施例34Cをオフホワイト色の固体として0.195g(定量収量)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.56 (d, J=7.0 Hz, 1H); 3.10 (dd, J=4.5 Hz, J=17.9 Hz, 1H); 3.18 (dd, J=9.8 Hz, J=17.9 Hz, 1H); 4.00 (dd, J=4.5 Hz, J=9.7 Hz, 1H); 4.14 (t, J=8.2 Hz, 1H); 4.26 (d, J=4.7 Hz, 1H); 5.02-5.09 (m, 1H); 6.41 (dd, J=9.4 Hz, J=15.8 Hz, 1H); 6.78 (d, J=15.8 Hz, 1H); 7.18 (t, J=7.3 Hz, 1H); 7.26-7.43 (m, 12H); 8.29 (d, J=8.2 Hz, 1H)。
【0237】
実施例34D
2(R)-(カルボキシメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-[(R)-α-メチルベンジル]アミド。実施例25D(0.22g、0.35mmol)を加水分解して、実施例34Dをオフホワイト色の固体として0.20g(定量収量)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.59 (d, J=7.0 Hz, 1H); 3.25 (d, J=7.0 Hz, 2H); 3.92 (t, J=7.3 Hz, 1H); 4.15 (t, J=8.3 Hz, 1H); 4.26 (d, J=5.0 Hz, 1H); 4.52 (dd, J=4.8 Hz, J=9.3 Hz, 1H); 4.65 (t, J=8.8 Hz, 1H); 4.72 (t, J=8.3 Hz, 1H); 5.07-5.28 (m, 1H); 6.29 (dd, J=9.5 Hz, J=15.6 Hz, 1H); 6.71 (d, J=16.0 Hz, 1H); 7.20-7.43 (m, 13H); 8.31 (d, J=8.0 Hz, 1H)。
【0238】
実施例34E
2(R)-(カルボキシメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-メチル-N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。実施例25E(0.253g、0.37mmol)を加水分解して、実施例34Eをオフホワイト色の固体として0.232g(定量収量)得た;1H NMR (CDCl3) δ 3.07-3.15 (m, 4H); 4.13 (t, J=8.2 Hz, 1H); 4.30 (d, J=4.9 Hz, 1H); 4.46-4.78 (m, 5H); 5.23 (dd, J=4.6 Hz, J=9.7 Hz, 1H); 6.20 (dd, J=9.4 Hz, J=15.9 Hz, 1H); 6.73 (d, J=15.9 Hz, 1H); 7.25-7.43 (m, 15H)。
【0239】
実施例34F
2(S)-(カルボキシエチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-クロロスチル-2-イル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。実施例25F(0.707g、0.99mmol)を加水分解して、実施例34Fをオフホワイト色の固体0.648g(99%)として得た;1H NMR (CDCl3) δ 2.22-2.28 (m,2H); 2.49-2.64 (m, 2H); 4.09 (t, J=8.0 Hz, 1H); 4.25-4.62 (m, 6H); 4.87 (t, J=8.0 Hz, 1H); 6.88 (s, 1H); 7.25-7.66 (m, 15H)。
【0240】
実施例34G
2(R)-(カルボキシメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2’-メトキシスチル-2-イル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。実施例25G(0.268g、0.39mmol)を加水分解して、実施例34Gをオフホワイト色の固体として0.242g(98%)得た;1H NMR (CDCl3) δ 3.26 (d, J=7.1 Hz, 1H); 3.79 (s, 3H); 4.14 (t, J=8.2 Hz, 1H); 4.25 (d, J=4.5 Hz, 1H); 4.51 (dd, J=5.9 Hz, J=15.5 Hz, 1H); 4.53-4.66 (m, 4H); 6.36 (dd, J=9.4 Hz, J=15.8 Hz, 1H); 8.88 (t, J=8.2 Hz, 1H); 6.70 (d, J=15.8 Hz, 1H); 7.18 (d, J=6.5 Hz, 1H); 7.25-7.48 (m, 10H); 7.48 (s, 1H); 8.66-8.69 (m, 1H)。
【0241】
実施例34H
(2R)-(ベンジルオキシメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸。実施例25H(0.16g、0.28mmol)を加水分解して、実施例34Hをオフホワイト色の固体として0.144g(定量収量)得た;1H NMR (CDCl3) δ 3.65 (dd, J=4.0 Hz, J=9.5 Hz, 1H); 3.82 (dd, J=5.5 Hz, J=9.5 Hz, 1H); 4.11 (dd, J=7.8 Hz, J=8.8 Hz, 1H); 4.33 (s, 2H); 4.50 (d, J=5.0 Hz, 1H); 4.57 (t, J=9.0 Hz, 1H); 4.67 (dd, J=4.0 Hz, J=5.0 Hz, 1H); 4.69 (dd, J=5.0 Hz, J=9.5 Hz, 1H); 4.75 (t, J=8.0 Hz, 1H); 6.17 (dd, J=9.3 Hz, J=15.8 Hz, 1H); 6.55 (d, J=16.0 Hz, 1H); 7.09-7.12 (m, 2H); 7.19-7.42 (m, 13H)。
【0242】
実施例34I
2(S)-(2-(4-シクロヘキシルピペラジニルカルボニル)メチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸。実施例25I(737mg、1.12mmol)を加水分解して、実施例34Iをオフホワイト色の固体として640mg(95%)得た。実施例34Iは、帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【0243】
実施例34J
3(R)-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-3-メチル-4(R)-(スチル-2-イル)アゼチジン-2-オン-1-イル]-3-[(3-トリフルオロメチル)フェニルメチルアミノカルボニル]プロパン酸。実施例26の一般的な方法を使用して、実施例25J120mg(0.18mmol)を加水分解して、実施例34Jをオフホワイト色の固体として108mg(98%)得た;1H NMR (CDCl3) δ 1.22 (s, 3H); 3.25 (dd, J=3.5 Hz, J=18.0 Hz, 1H); 3.36 (dd, J=10.8 Hz, J=18.2 Hz, 1H); 4.01 (dd, J=4.0 Hz, J=10.5 Hz, 1H); 4.05 (dd, J=3.8 Hz, J=8.8 Hz, 1H); 4.33 (d, J=9.0 Hz, 1H); 4.44-4.51 (m, 3H); 4.61-4.66 (m, 1H); 4.73 (dd, J=3.8 Hz, J=8.8 Hz, 1H); 6.19 (dd, J=9.0 Hz, J=16.0 Hz, 1H); 6.74 (d, J=16.0 Hz, 1H); 7.22-7.54 (m, 13H); 7.65 (s, 1H)。
【0244】
実施例34K
2(R)-(カルボキシメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(プロペン-1-イル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。実施例26の一般的な方法を使用して、実施例25K160mg(0.27mmol)を加水分解して、実施例34Kをオフホワイト色の固体として131mg(90%)得た。1H NMR (CDCl3) δ 1.69 (dd, J=1 Hz, J=6.5 Hz, 3H); 3.23 (d, J = 7 Hz, 1H); 3.93 (t, J= 7.3Hz, 1H); 4.14-4.20 (m, 3H); 4.29 (dd, J = 5 Hz, J = 9.5 Hz, 1H); 4.43 (dd, J = 6 Hz, J = 15 Hz, 1H); 4.61 (dd, J=6.5 Hz, J=15 Hz, 1H); 4.66 -4.74 (m, 2H); 5.50-5.55 (m, 1H); 5.90-5.98 (m, 1H); 7.32-7.60 (m, 9H); 8.60-8.64 (m, 1H)。
【0245】
実施例34L
2(R)-(カルボキシルメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-[(R)-1-(3-トリフルオロメチルフェニ)エチル]アミド。実施例25L(166mg、0.24mmol)を加水分解して、実施例34Lをオフホワイト色の固体として152mg(定量収量)得たが;これは、帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【0246】
実施例34M
2(S)-(メトキシカルボニルエチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸。実施例25M(875mg、1.64mmol)を加水分解して、実施例34Mをオフホワイト色の固体として757mg(97%)得たが、これは、帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【0247】
実施例34N
2(R)-(カルボキシルメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-[(S)-1-(3-トリフルオロメチルフェニ)エチル]アミド。実施例25N(38.5mg、0.057mmol)を加水分解して、実施例34Nをオフホワイト色の固体として35mg(定量収量)得たが、これは、帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【0248】
実施例34O
2(S)-(tert-ブトキシカルボニルエチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸。実施例25O(97mg、0.18mmol)をメタノール/テトラヒドロフラン(2.5mL/2mL)に溶かし、かつ水酸化リチウム(0.85Mの水溶液0.85mL;0.72mmol)と6時間、室温で反応させた。反応物をジクロロメタン15mLで希釈し、かつ水性層のpHが5に達するまで(標準的なpH紙で測定して)、塩酸水溶液(1M)を加えた。次いで、有機層を分離し、かつ乾燥するまで蒸発させて、実施例34Oをオフホワイト色の固体として84mg(89%)得たが、これは、帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【0249】
実施例34P
2(S)-(tert-ブトキシカルボニルエチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸。実施例25P(200mg、0.39mmol)を、実施例34Oのために使用された方法に従って加水分解して、実施例34Pをオフホワイト色の固体として155mg(88%)得たが;それは帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【0250】
実施例34Q
2(R)-(2-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミノ-1-イルカルボニル)エチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸。実施例25Q(150mg、0.24mmol)を、実施例34Oのために使用された方法に従って加水分解して、実施例34Qをオフホワイト色の固体として143mg(97%)得たが、それは帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【0251】
実施例34R
2(R)-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-2-[3(RS)-2-チエニルメチル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド290mg(0.84mmol)およびシンナムアルデヒドから調製されたイミンを2-チオフェン-アセチルクロリドと混合して、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(70:30のヘキサン/酢酸エチル)の後に実施例34Rを42mg(8%)得たが、それは帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【0252】
本明細書に記載されている方法に従って、次の化合物を調製した:
【化30】
【表9】
【化31】
【表10】
【化32】
【表11】
【化33】
【表12】
【化34】
【表13】
【0253】
実施例6の手順を使用して、但し、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例27に置き換え、かつ3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを適切なアミンに置き換えて、次の表に示されている実施例36~42Aを調製した;挙げられている実施例は全て、帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【化35】
【表14】
【0254】
実施例6の手順を使用して、但し、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例28に置き換え、かつ3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを適切なアミンに置き換えて、次の表に示されている実施例43~86Aを調製した;挙げられている実施例は全て、帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【化36】
【表15】
【0255】
実施例86B
実施例63(44mg、0.06mmol)をジクロロメタン4mLに溶かし、かつTLC(ジクロロメタン94%/メタノール6%、UV検出)によって評価して反応が完了するまで、3-クロロペルオキシ安息香酸(12mg、0.07mmol)と反応させた。亜硫酸ナトリウム水溶液で反応をクエンチし、ジクロロメタン層を5%重炭酸ナトリウム水溶液および蒸留水で洗浄した。ジクロロメタン層を蒸発させて、実施例86Bをオフホワイト色の固体(35mg、78%)として得たが、それは帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【0256】
実施例6の手順を使用して、但し、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例30と置き換え、かつ3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを適切なアミンと置き換えて、次の表に示されている実施例121~132を調製した;挙げられている実施例は全て、帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【化37】
【表16】
【0257】
実施例6の手順を使用して、但し、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例34Iと置き換え、かつ3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを適切なアミンと置き換えて、次の表に示されている実施例132A~132Bを調製した;挙げられている実施例は全て、帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【化38】
【表17】
【0258】
実施例132C
2(S)-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(4-シクロヘキシル)ピペラジンアミド。実施例6の手順を使用して、但し、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例34Pと置き換え、かつ3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを1-シクロヘキシル-ピペラジンと置き換えて、実施例132Cを調製した。実施例132Cは、帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【0259】
次の表に示されている化合物を、本明細書に記載されている方法に従って調製した。
【化39】
【表18】
【0260】
実施例6の手順を使用して、但し、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例32と置き換え、かつ3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを適切なアミンと置き換えて、次の表に示されている実施例133~134Gを調製した;挙げられている実施例は全て、帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【化40】
【表19】
【0261】
実施例134H
実施例86Bの手順を使用して、但し、実施例133を実施例110と置き換えて、実施例134Hを調製した。実施例134Hをオフホワイト色の固体(48mg、94%)として得たが、それは帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【0262】
実施例134I
2(R)-[[4-(ピペリジニル)ピペリジニル]カルボキシメチル]-2-[3(S)-(4(R)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。実施例6の手順を使用して、但し、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例32Aと置き換え、かつ3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを4-(ピペリジニル)ピペリジンと置き換えて、実施例134Iを調製したが、その際、それは、帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【0263】
本明細書に記載されている方法に従って、次の表に示されている化合物を調製した。
【化41】
【表20】
【0264】
実施例222
2(R)-[[4-(ピペリジニル)ピペリジニル]カルボニルメチル]-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(2-フルオロ-3-トリフルオロメチルベンジル)カルボキサミド。実施例6の手順を使用して、但し、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例34Bと置き換え、かつ3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを4-(ピペリジニル)ピペリジンと置き換えて、実施例222を調製したが;実施例222は帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【0265】
実施例223
2(R)-[[4-(ピペリジニル)ピペリジニル]カルボニルメチル]-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-[(S)-α-メチルベンジル]アミド。実施例6の手順を使用して、但し、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例34Cと置き換え、かつ3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを4-(ピペリジニル)ピペリジンと置き換えて、実施例223を調製したが;実施例223は帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【0266】
実施例224
2(R)-[[4-(ピペリジニル)ピペリジニル]カルボニルメチル]-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-[(R)-α-メチルベンジル]アミド。実施例6の手順を使用して、但し、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例34Dと置き換え、かつ3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを4-(ピペリジニル)ピペリジンと置き換えて、実施例224を調製した;実施例223は帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【0267】
実施例225
2(R)-[[4-(ピペリジニル)ピペリジニル]カルボニルメチル]-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-メチル-N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。実施例6の手順を使用して、但し、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例34Eと置き換え、かつ3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを4-(ピペリジニル)ピペリジンと置き換えて、実施例225を調製した;実施例223は帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した;C4348の計算値:C、66.91;H、6.27;N、9.07;実測値C、66.68;H、6.25;N、9.01。
【0268】
実施例225
塩酸塩。実施例225(212.5mg)を無水EtO30mLに溶かした。無水HClガスをこの溶液に気泡導入すると、オフホワイト色の沈澱物が迅速に形成した。沈澱物の形成が観察されなくなったら(約5分)、HCl添加を中止した。固体を吸引濾過によって単離し、無水EtO15mLで2回洗浄し、かつ乾燥させて、オフホワイト色の固体213.5mg(収率96%収率)にした;C4349ClFの計算値:C、63.89;H、6.11;N、8.66;Cl、4.39;実測値:C、63.41;H、5.85;N、8.60;Cl、4.86。
【0269】
実施例225A
2(R)-[[4-[2-(ピペリジニル)エチル]ピペリジニル]カルボニルメチル]-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-[(S)-α-メチルベンジル]アミド。実施例6の手順を使用して、但し、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例34Cと置き換え、かつ3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを4-[2-(ピペリジニル)エチル]ピペリジンに置き換えて、実施例225Aを調製した。実施例225Aは帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【0270】
実施例225B
2(R)-[[4-[2-(ピペリジニル)エチル]ピペリジニル]カルボニルメチル]-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-[(R)-α-メチルベンジル]アミド。実施例6の手順を使用して、但し、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例34Dと置き換え、かつ3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを4-[2-(ピペリジニル)エチル]ピペリジンと置き換えて、実施例225Bを調製した。実施例225Bは帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【0271】
実施例225C
2(R)-[[4-(ピペリジニル)ピペリジニル]カルボニルメチル]-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-[(R)-1-(3-トリフルオロメチルフェニ)エチル]アミド。実施例6の手順を使用して、但し、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例34Lと置き換え、かつ3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを4-(ピペリジニル)ピペリジンと置き換えて、実施例225Cを調製した。実施例225Cは帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【0272】
実施例225D
2(R)-[[4-(ピペリジニル)ピペリジニル]カルボニルメチル]-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-[(S)-1-(3-トリフルオロメチルフェニ)エチル]アミド。実施例6の手順を使用して、但し、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例34Nと置き換え、かつ3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを4-(ピペリジニル)ピペリジンと置き換えて、実施例225Dを調製した。実施例225Dは帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【0273】
実施例6の手順を使用して、但し、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例29と置き換え、かつ3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを適切なアミンと置き換えて、次の表に示されている実施例87~120Eを調製した;挙げられている実施例は全て、帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【化42】
【表21】
【0274】
実施例120F
実施例86Bの手順を使用して、但し、実施例63を実施例110と置き換えて、実施例120Fを調製して、オフホワイト色の固体(54.5mg、98%)を得た。実施例120Fは帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【0275】
実施例120G
2(S)-(メトキシカルボニルエチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。実施例6の手順を使用して、但し、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例34Mと置き換えて、実施例120Gを調製したが、それは帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【0276】
実施例35
2(S)-[4-(2-フェニルエチル)ピペラジニル-カルボニルエチル]-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。実施例6の手順を使用して、但し、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物をと実施例29のカルボン酸と置き換え、かつ3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを4-(2-フェニルエチル)ピペラジンと置き換えて、表題化合物を調製した;1H NMR (CDCl3) δ 2.21-2.23 (m, 1H); 2.25-2.45 (m, 6H); 2.52-2.63 (m, 3H); 2.72-2.82 (m, 2H); 3.42-3.48 (m, 2H); 3.52-3.58 (m, 1H); 4.13-4.18 (m, 1H); 4.26 (dd, J=5.1 Hz, J=8.3 Hz, 1H); 4.29 (d, J=5.0 Hz, 1H); 4.44 (dd, J=6.0 Hz, J=15.0 Hz, 1H); 4.54 (dd, J=6.2 Hz, J=14.9 Hz, 1H); 4.61-4.68 (m, 2H); 4.70-4.75 (m, 1H); 6.27 (dd, J=9.6 Hz, J=15.8 Hz, 1H); 6.73 (d, J=15.8 Hz, 1H); 7.16-7.60 (m, 19H); 8.07-8.12 (m, 1H); FAB+ (M+H)+/z 794;C4546の元素分析計算値:C、68.08;H、5.84;N、8.82;実測値:C、67.94;H、5.90;N、8.64。
【0277】
実施例6の手順を使用して、但し、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例34と置き換え、かつ3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを適切なアミンと置き換えて、次の表に示されている実施例141~171を調製した;挙げられている実施例は全て、帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【化43】
【表22】
【0278】
実施例6の手順を使用して、但し、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例34Aと置き換え、かつ3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを適切なアミンと置き換えて、次の表に示されている実施例172~221Rを調製した;挙げられている実施例は全て、帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【化44】
【表23】
【0279】
本明細書に記載されている方法に従って、次の表に示されている化合物を調製した。
【化45】
【表24】
【0280】
実施例6の手順を使用して、但し、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例33と置き換え、かつ3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを適切なアミンと置き換えて、次の表に示されている実施例135~140を調製した;挙げられている実施例は全て、帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【化46】
【表25】
【0281】
実施例140A
2(R)-(2-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミノ-1-イルカルボニル)エチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(4-シクロヘキシル)ピペラジンアミド。実施例6の手順を使用して、但し、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例34Qと置き換え、かつ3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを1-シクロヘキシル-ピペラジンと置き換えて、実施例140Aを調製したが、それは帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【0282】
実施例6の手順を使用して、但し、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例34Fと置き換え、かつ3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを適切なアミンと置き換えて、次の表に示されている実施例226~230Cを調製した;挙げられている実施例は全て、帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【化47】
【表26】
【0283】
本明細書に記載されている方法に従って、次の化合物を調製した:
【化48】
【表27】
【0284】
実施例86C
2(S)-[[4-(ピペリジニル)ピペリジニル]カルボニメチル]-2-[3(S)-(4(R)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。実施例6の手順を使用して、但し、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例28Aと置き換え、かつ3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを4-(ピペリジニル)ピペリジンと置き換えて、実施例86Cを調製したが、それは帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【0285】
実施例231
2(R)-[[4-(ピペリジニル)ピペリジニル]カルボニルメチル]-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2’-メトキシスチル-2-イル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。実施例6の手順を使用して、但し、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例34Gと置き換え、かつ3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを4-(ピペリジニル)ピペリジンと置き換えて、実施例231を調製したが、それは帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【0286】
実施例6の手順を使用して、但し、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例34Hと置き換え、かつ3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを適切なアミンと置き換えて、次の表に示されている実施例232~233Aを調製した;挙げられている実施例は全て、帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【化49】
【表28】
【0287】
実施例234
(2RS)-[4-(ピペリジニル)ピペリジニルカルボニル]-2-メチル-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド
【化50】
テトラヒドロフラン(4mL)中の実施例37(50mg、0.067mmol)を水素化ナトリウム(4mg、0.168mmol)およびヨウ化メチル(6μL、0.094mmol)で-78℃で順次処理した。生じた混合物を周囲温度に徐々に加温し、かつ蒸発させた。生じた残渣をジクロロメタンと水とに分配し、かつ有機層を蒸発させた。生じた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(95:5のクロロホルム/メタノール)によって精製して、表題化合物をオフホワイト色の固体として28mg(55%)得た;MS(ES):m/z=757(M)。
【0288】
実施例234A
4-(ピペリジニル)-ピペリジニル3(R)-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-3-メチル-4(R)-(スチル-2-イル)アゼチジン-2-オン-1-イル]-3-[(3-トリフルオロメチル)フェニルメチルアミノカルボニル]プロパン酸
【化51】
実施例6の手順を使用して、但し、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例34Jのカルボン酸と置き換え、かつ3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを4-(ピペリジニル)ピペリジンと置き換えて、表題化合物を定量収量で調製した;MS(m+H) 772。
【0289】
本明細書に記載されている方法に従って、次の表に示されている化合物を調製した。
【化52】
【表29】
【0290】
実施例235
2(S)-[[(1-ベンジルピペリジン-4-イル)アミノ]カルボニルメチル]-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-フェニルエト-1-イル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。実施例8の手順を使用して、但し、N-ベンジルオキシカルボニル-L-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミドを実施例63(50mg、0.064mmol)と置き換えて、実施例235を調製して、実施例235をオフホワイト色の固体として40mg(80%)得た;実施例235は帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【0291】
実施例236
(2S)-[(4-シクロヘキシルピペラジニル)カルボニルエチル]-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-フェニルエト-1-イル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。実施例8の手順を使用して、但し、N-ベンジルオキシカルボニル-L-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミドを実施例110(50mg、0.065mmol)と置き換えて、実施例236を調製して、実施例236をオフホワイト色の固体として42mg(84%)得た;実施例236は帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【0292】
実施例236A
(2S)-[(4-シクロヘキシルピペラジニル)カルボニルエチル]-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-フェニルeth-1-イル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-[(R)-1,2,3,4-テトラヒドロナフト-1-イル]アミド。実施例8の手順を使用して、但し、N-ベンジルオキシカルボニル-L-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミドを実施例215(76mg、0.10mmol)と置き換えて、実施例236Aを調製して、実施例236Aをオフホワイト色の固体として69mg(90%)得た。実施例236Aは帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【0293】
実施例237
2(R)-[[4-(ピペリジニル)ピペリジニル]カルボニルメチル]-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(プロペン-1-イル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。実施例6の手順を使用して、但し、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例34Kと置き換え、かつ3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを4-(ピペリジニル)ピペリジンと置き換えて、実施例237を調製した。実施例237は帰属の構造と一致するH NMRスペクトルを示した。
【0294】
実施例238
(2S)-(ベンジルチオメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-[4-[2-(ピペリド-1-イル)エチル]ピペリジン-1-イル]アミド。この実施例を実施例6の手順を使用して調製したが、但し、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を対応するベンジル保護された類似体と置き換え、かつ3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを4-[2-(ピペリド-1-イル)エチル]ピペリジンと置き換えた。
【0295】
ステップ1
N-tブチルオキシカルボニル-(S)-(ベンジル)-D-システイン-[4-(2-(1-ピペリジル)エチル)]ピペリジンアミド。ジクロロメタン(20mL)中のN-tブチルオキシカルボニル-(S)-ベンジル-N-(tブチルオキシカルボニル)-D-システイン(0.289g、0.93mmole)および4-[2-(1-ピペリジル)エチル]ピペリジン(0.192g、0.98mmole)から、実施例Xをオフホワイト色の固体として0.454g(定量収量)得た。1H NMR (CDCl3) δ 0.89-1.15 (m, 2H); 1.39-1.44 (m, 16H); 1.54-1.61 (m, 4H); 1.62-1.71 (m, 1H); 2.21-2.35 (m, 5H); 2.49-2.58 (m, 2H); 2.66-2.74 (m, 1H); 2.79-2.97 (m, 1H); 3.67-3.76 (m, 3H); 4.48-4.51 (m, 1H); 4.72-4.75 (m, 1H); 5.41-5.44 (m, 1H); 7.19-7.34 (m, 5H)。
【0296】
ステップ2
(S)-(ベンジル)-D-システイン-[4-(2-(1-ピペリジル)エチル)]ピペリジンアミド、ジヒドロクロリド。N-tブチルオキシカルボニル-(S)-(ベンジル)-D-システイン-[4-(2-(1-ピペリジル)エチル)]ピペリジンアミド(0.453g、0.93mmole)を塩化アセチル(0.78mL、13.80mmole)と無水メタノール(15mL)中で一晩反応させた。反応混合物を乾燥するまで蒸発させることによって、表題化合物をオフホワイト色の固体として得た(0.417g、97%)。1H NMR (CD3OD) δ 0.94-1.29 (m, 2H); 1.49-1.57 (m, 1H); 1.62-1.95 (m, 10H); 2.65-2.80 (m, 2H); 2.81-2.97 (m, 4H); 3.01-3.14 (m, 2H); 3.50-3.60 (m, 3H); 3.81-3.92 (m, 2H); 4.41-4.47 (m, 2H); 7.25-7.44 (m, 5H)。
【0297】
ステップ3
本明細書に記載されている一般的な手順を使用して、(S)-(ベンジル)-D-システイン-[4-(2-(1-ピペリジル)エチル)]ピペリジンアミドジヒドロクロリド(0.417g、0.90mmole)およびシンナムアルデヒドから、トリエチルアミン(0.26mL、1.87mmole)の存在下で調製されたイミンを2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と混合して、ジクロロメタン/ヘキサンから再結晶化させた後に、実施例238をオフホワイト色の固体として0.484g(76%)得た。1H NMR (CDCl3) δ 0.89-1.06 (m, 2H); 1.40-1.44 (m, 5H); 1.57-1.67 (m, 6H); 2.25-2.43 (m, 6H); 2.45-2.59 (m, 2H); 2.71-2.88 (m, 2H); 3.55-3.70 (m, 3H); 4.11-4.17 (m, 1H); 4.37-4.47 (m, 2H); 4.54-4.61 (m, 1H); 4.64-4.69 (m, 1H); 4.76-4.84 (m, 2H); 6.05-6.19 (m, 1H); 6.66-6.71 (m, 1H); 7.12-7.40 (m, 15H)。
【0298】
次の化合物を記載する
【化53】
【表30】
【0299】
次の化合物を記載する
【化54】
【表31】
【0300】
次の化合物を記載する
【化55】
【表32】
【0301】
次の化合物を記載する
【化56】
【表33】
次の化合物を記載する
【化57】
【表34】
【0302】
次の化合物を記載する
【化58】
【表35】
【0303】
次の表は、対応する(M+H)親イオンを観察するためにFABを使用する質量スペクトル分析によってさらに特性決定された選択化合物を示している。
【表36】
図1
図2