(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-06
(45)【発行日】2023-09-14
(54)【発明の名称】読取システム及び読取プログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 15/00 20180101AFI20230907BHJP
G06V 30/26 20220101ALI20230907BHJP
【FI】
G16H15/00
G06V30/266
(21)【出願番号】P 2019101499
(22)【出願日】2019-05-30
【審査請求日】2021-12-03
(73)【特許権者】
【識別番号】316018775
【氏名又は名称】株式会社フロンティア・フィールド
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 康行
(72)【発明者】
【氏名】加藤 狩夢
【審査官】梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-301699(JP,A)
【文献】特開2015-082725(JP,A)
【文献】特開2019-070955(JP,A)
【文献】特開2020-181419(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00 -80/00
G06V 30/226-30/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに関する対象情報を読み取る読取システムであって、
前記読取システムにて読み取られ得る候補である複数の候補情報を格納する候補情報格納手段と、
前記読取システムにて過去に読み取られた前記ユーザに関する前記対象情報である過去対象情報を格納する格納手段と、
前記対象情報を表示している対象画像を取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段が取得した前記対象画像が表示している前記対象情報を読み取る読取手段と、を備
え、
前記読取手段は、
前記画像取得手段が取得した前記対象画像について画像認識することにより、前記対象画像に表示されている前記対象情報に対応する文字列を取得する第1処理と、
前記候補情報格納手段が格納している前記複数の候補情報の中から、前記第1処理で取得された文字列に対応する候補情報である対応候補情報を取得する第2処理と、
前記第2処理で取得された前記対応候補情報に基づいて、前記画像取得手段が取得した前記対象画像に表示されている前記対象情報を読み取る第3処理と、を行い、
前記読取手段は、前記第3処理において、
前記第2処理で取得された前記対応候補情報が複数存在する場合、複数の前記対応候補情報の中の、前記格納手段が格納している前記過去対象情報に対応する1個の前記対応候補情報を選択し、選択した1個の前記対応候補情報を、前記画像取得手段が取得した前記対象画像に表示されている前記対象情報として読み取る、
読取システム。
【請求項2】
対象情報を読み取る読取システムであって、
前記読取システムにて読み取られ得る候補である複数の候補情報を格納する候補情報格納手段と、
前記対象情報を表示している対象画像を取得する画像取得手段と、
病院名を示す病院情報と、前記病院情報が示す病院名の病院で処方される候補となる薬剤の名称を特定する病院関連薬剤候補情報とが相互に関連付けられた病院候補情報を格納する格納手段と、
前記候補情報格納手段が格納する前記複数の候補情
報に基づいて、前記画像取得手段が取得した前記対象画像が表示している前記対象情報を読み取る
第1読取処理を行う読取手段と、
を備え、
前記対象情報は、医療に関する情報を表示する書面に記載されている
薬剤名を示す情報であり
、
前記複数の候補情報は、薬剤名を示す情報であり、
前記読取手段は、前記候補情報格納手段が格納している前記複数の候補情報に関わらず、前記画像取得手段が取得した前記対象画像に表示されている病院名を読み取る第2読取処理、を更に行い、
前記読取手段は、前記第1読取処理において、
前記画像取得手段が取得した前記対象画像について画像認識することにより、前記対象画像に表示されている前記対象情報に対応する文字列を取得する第1処理と、
前記候補情報格納手段が格納している前記複数の候補情報の中から、前記第1処理で取得された文字列に対応する候補情報である対応候補情報を取得する第2処理と、
前記第2処理で取得された前記対応候補情報に基づいて、前記画像取得手段が取得した前記対象画像に表示されている前記対象情報を読み取る第3処理と、を行い、
前記読取手段は、前記第3処理において、
前記第2処理で取得された前記対応候補情報が複数存在する場合、
前記格納手段が格納している前記病院候補情報において、前記第2読取処理で読み取られた病院名を示す前記病院情報に関連付けられている前記病院関連薬剤候補情報を取得する第4処理と、
複数の前記対応候補情報の中の、前記第4処理で取得した前記病院関連薬剤候補情報に対応する1個の前記対応候補情報を選択し、選択した1個の前記対応候補情報を、前記画像取得手段が取得した前記対象画像に表示されている前記対象情報として読み取る第5処理と、を行う、
読取システム。
【請求項3】
ユーザに関する対象情報を読み取る読取システムであって、
前記読取システムにて読み取られ得る候補である複数の候補情報を格納する候補情報格納手段と、
前記対象情報を表示している対象画像を取得する画像取得手段と、
病名を示す病名情報と、前記病名情報が示す病名の病気において順次行われる複数段階の治療における各治療段階を示す治療ステージ情報と、前記治療ステージ情報が示す各治療段階で処方される薬剤名を特定する薬剤名特定情報とが相互に関連付けられている治療ステージ候補情報を格納する格納手段と、
前記画像取得手段が取得した前記対象画像が表示している前記対象情報を読み取る読取手段と、を備え、
前記対象情報は、医療に関する情報を表示する書面に記載されている薬剤名を示す情報であ
り、
前記複数の候補情報は、薬剤名を示す情報であり、
前記読取手段は、
前記画像取得手段が取得した前記対象画像について画像認識することにより、前記対象画像に表示されている前記対象情報に対応する文字列を取得する第1処理と、
前記候補情報格納手段が格納している前記複数の候補情報の中から、前記第1処理で取得された文字列に対応する候補情報である対応候補情報を取得する第2処理と、
前記第2処理で取得された前記対応候補情報に基づいて、前記画像取得手段が取得した前記対象画像に表示されている前記対象情報を読み取る第3処理と、を行い、
前記読取手段は、前記第3処理において、
前記第2処理で取得された前記対応候補情報が複数存在する場合、
前記格納手段が格納している前記治療ステージ候補情報において、前記ユーザが患っているものと推定される病気の病名である推定病名及び当該推定病名の病気における推定される現在の治療段階に対応する前記病名情報及び前記治療ステージ情報に関連付けられている、前記薬剤名特定情報を取得する第4処理と、
複数の前記対応候補情報の中の、前記第4処理で取得した前記薬剤名特定情報に対応する1個の前記対応候補情報を選択し、選択した1個の前記対応候補情報を、前記画像取得手段が取得した前記対象画像に表示されている前記対象情報として読み取る第5処理と、を行う、
読取システム。
【請求項4】
ユーザに関連する対象情報を読み取る読取システムであって、
前記読取システムにて読み取られ得る候補である複数の候補情報を格納する候補情報格納手段と、
前記対象情報を表示している対象画像を取得する画像取得手段と、
病名を示す病名情報と、前記病名情報が示す病名の病気を治療するために用いられる薬剤名を示す病名関連薬剤候補情報とが相互に関連付けられた病名候補情報を格納する格納手段と、
前記画像取得手段が取得した前記対象画像が表示している前記対象情報を読み取る読取手段と、を備え、
前記対象情報は、医療に関する情報を表示する書面に記載されている薬剤名を示す情報であり、
前記複数の候補情報は、薬剤名を示す情報であり、
前記読取手段は、
前記画像取得手段が取得した前記対象画像について画像認識することにより、前記対象画像に表示されている前記対象情報に対応する文字列を取得する第1処理と、
前記候補情報格納手段が格納している前記複数の候補情報の中から、前記第1処理で取得された文字列に対応する候補情報である対応候補情報を取得する第2処理と、
前記第2処理で取得された前記対応候補情報に基づいて、前記画像取得手段が取得した前記対象画像に表示されている前記対象情報を読み取る第3処理と、を行い、
前記読取手段は、前記第3処理において、
前記第2処理で取得された前記対応候補情報が複数存在する場合、
前記格納手段が格納している前記病名候補情報において、前記ユーザが患っているものと推定される病気の病名である推定病名に対応する前記病名情報に関連付けられている、前記病名関連薬剤候補情報を取得する第4処理と、
複数の前記対応候補情報の中の、前記第4処理で取得した前記病名関連薬剤候補情報に対応する1個の前記対応候補情報を選択し、選択した1個の前記対応候補情報を、前記画像取得手段が取得した前記対象画像に表示されている前記対象情報として読み取る第5処理と、を行う、
読取システム。
【請求項5】
ユーザに関する対象情報を読取システムで読み取る読取プログラムであって、
コンピュータを、
前記読取システムにて読み取られ得る候補である複数の候補情報を格納する候補情報格納手段と、
前記読取システムにて過去に読み取られた前記ユーザに関する前記対象情報である過去対象情報を格納する格納手段と、
前記対象情報を表示している対象画像を取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段が取得した前記対象画像が表示している前記対象情報を読み取る読取手段と、として機能させ、
前記読取手段は、
前記画像取得手段が取得した前記対象画像について画像認識することにより、前記対象画像に表示されている前記対象情報に対応する文字列を取得する第1処理と、
前記候補情報格納手段が格納している前記複数の候補情報の中から、前記第1処理で取得された文字列に対応する候補情報である対応候補情報を取得する第2処理と、
前記第2処理で取得された前記対応候補情報に基づいて、前記画像取得手段が取得した前記対象画像に表示されている前記対象情報を読み取る第3処理と、を行い、
前記読取手段は、前記第3処理において、
前記第2処理で取得された前記対応候補情報が複数存在する場合、複数の前記対応候補情報の中の、前記格納手段が格納している前記過去対象情報に対応する1個の前記対応候補情報を選択し、選択した1個の前記対応候補情報を、前記画像取得手段が取得した前記対象画像に表示されている前記対象情報として読み取る、
として機能させる読取プログラム。
【請求項6】
対象情報を読取システムで読み取る読取プログラムであって、
コンピュータを、
前記読取システムにて読み取られ得る候補である複数の候補情報を格納する候補情報格納手段と、
前記対象情報を表示している対象画像を取得する画像取得手段と、
病院名を示す病院情報と、前記病院情報が示す病院名の病院で処方される候補となる薬剤の名称を特定する病院関連薬剤候補情報とが相互に関連付けられた病院候補情報を格納する格納手段と、
前記候補情報格納手段が格納する前記複数の候補情
報に基づいて、前記画像取得手段が取得した前記対象画像が表示している前記対象情報を読み取る
第1読取処理を行う読取手段と、として機能させ、
前記対象情報は、医療に関する情報を表示する書面に記載されている
薬剤名を示す情報であり
、
前記複数の候補情報は、薬剤名を示す情報であり、
前記読取手段は、前記候補情報格納手段が格納している前記複数の候補情報に関わらず、前記画像取得手段が取得した前記対象画像に表示されている病院名を読み取る第2読取処理、を更に行い、
前記読取手段は、前記第1読取処理において、
前記画像取得手段が取得した前記対象画像について画像認識することにより、前記対象画像に表示されている前記対象情報に対応する文字列を取得する第1処理と、
前記候補情報格納手段が格納している前記複数の候補情報の中から、前記第1処理で取得された文字列に対応する候補情報である対応候補情報を取得する第2処理と、
前記第2処理で取得された前記対応候補情報に基づいて、前記画像取得手段が取得した前記対象画像に表示されている前記対象情報を読み取る第3処理と、を行い、
前記読取手段は、前記第3処理において、
前記第2処理で取得された前記対応候補情報が複数存在する場合、
前記格納手段が格納している前記病院候補情報において、前記第2読取処理で読み取られた病院名を示す前記病院情報に関連付けられている前記病院関連薬剤候補情報を取得する第4処理と、
複数の前記対応候補情報の中の、前記第4処理で取得した前記病院関連薬剤候補情報に対応する1個の前記対応候補情報を選択し、選択した1個の前記対応候補情報を、前記画像取得手段が取得した前記対象画像に表示されている前記対象情報として読み取る第5処理と、を行う、
読取プログラム。
【請求項7】
ユーザに関する対象情報を読取システムで読み取る読取プログラムであって、
コンピュータを、
前記読取システムにて読み取られ得る候補である複数の候補情報を格納する候補情報格納手段と、
前記対象情報を表示している対象画像を取得する画像取得手段と、
病名を示す病名情報と、前記病名情報が示す病名の病気において順次行われる複数段階の治療における各治療段階を示す治療ステージ情報と、前記治療ステージ情報が示す各治療段階で処方される薬剤名を特定する薬剤名特定情報とが相互に関連付けられている治療ステージ候補情報を格納する格納手段と、
前記画像取得手段が取得した前記対象画像が表示している前記対象情報を読み取る読取手段と、として機能させ、
前記対象情報は、医療に関する情報を表示する書面に記載されている薬剤名を示す情報であ
り、
前記複数の候補情報は、薬剤名を示す情報であり、
前記読取手段は、
前記画像取得手段が取得した前記対象画像について画像認識することにより、前記対象画像に表示されている前記対象情報に対応する文字列を取得する第1処理と、
前記候補情報格納手段が格納している前記複数の候補情報の中から、前記第1処理で取得された文字列に対応する候補情報である対応候補情報を取得する第2処理と、
前記第2処理で取得された前記対応候補情報に基づいて、前記画像取得手段が取得した前記対象画像に表示されている前記対象情報を読み取る第3処理と、を行い、
前記読取手段は、前記第3処理において、
前記第2処理で取得された前記対応候補情報が複数存在する場合、
前記格納手段が格納している前記治療ステージ候補情報において、前記ユーザが患っているものと推定される病気の病名である推定病名及び当該推定病名の病気における推定される現在の治療段階に対応する前記病名情報及び前記治療ステージ情報に関連付けられている、前記薬剤名特定情報を取得する第4処理と、
複数の前記対応候補情報の中の、前記第4処理で取得した前記薬剤名特定情報に対応する1個の前記対応候補情報を選択し、選択した1個の前記対応候補情報を、前記画像取得手段が取得した前記対象画像に表示されている前記対象情報として読み取る第5処理と、を行う、
読取プログラム。
【請求項8】
ユーザに関連する対象情報を読取システムで読み取る読取プログラムであって、
コンピュータを、
前記読取システムにて読み取られ得る候補である複数の候補情報を格納する候補情報格納手段と、
前記対象情報を表示している対象画像を取得する画像取得手段と、
病名を示す病名情報と、前記病名情報が示す病名の病気を治療するために用いられる薬剤名を示す病名関連薬剤候補情報とが相互に関連付けられた病名候補情報を格納する格納手段と、
前記画像取得手段が取得した前記対象画像が表示している前記対象情報を読み取る読取手段と、として機能させ、
前記対象情報は、医療に関する情報を表示する書面に記載されている薬剤名を示す情報であり、
前記複数の候補情報は、薬剤名を示す情報であり、
前記読取手段は、
前記画像取得手段が取得した前記対象画像について画像認識することにより、前記対象画像に表示されている前記対象情報に対応する文字列を取得する第1処理と、
前記候補情報格納手段が格納している前記複数の候補情報の中から、前記第1処理で取得された文字列に対応する候補情報である対応候補情報を取得する第2処理と、
前記第2処理で取得された前記対応候補情報に基づいて、前記画像取得手段が取得した前記対象画像に表示されている前記対象情報を読み取る第3処理と、を行い、
前記読取手段は、前記第3処理において、
前記第2処理で取得された前記対応候補情報が複数存在する場合、
前記格納手段が格納している前記病名候補情報において、前記ユーザが患っているものと推定される病気の病名である推定病名に対応する前記病名情報に関連付けられている、前記病名関連薬剤候補情報を取得する第4処理と、
複数の前記対応候補情報の中の、前記第4処理で取得した前記病名関連薬剤候補情報に対応する1個の前記対応候補情報を選択し、選択した1個の前記対応候補情報を、前記画像取得手段が取得した前記対象画像に表示されている前記対象情報として読み取る第5処理と、を行う、
読取プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、読取システム及び読取プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スキャナ等の入力部にて紙媒体の処方箋の情報を読み取って管理する端末装置が知られていた(特許文献1参照)。そして、この特許文献1の技術のようにスキャナ等にて紙媒体の情報を読み取る場合、一般的に、紙媒体の情報を画像として取得した上で、光学的文字認識(OCR:Optical Character Recognition/Reader)の技術を用いて読み取っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のOCRの技術を用いて紙媒体の情報を読み取る場合、紙媒体の画像にてOCRの技術を用いて情報を1文字ずつ読み取っていたので、例えば、紙媒体の画像の中の各文字の濃さの違い等によりOCRにて正しく文字認識できずに、紙媒体の処方箋の情報の読取精度が低下する可能性があった。
【0005】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、対象情報の読み取り精度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の読取システムは、ユーザに関する対象情報を読み取る読取システムであって、前記読取システムにて読み取られ得る候補である複数の候補情報を格納する候補情報格納手段と、前記読取システムにて過去に読み取られた前記ユーザに関する前記対象情報である過去対象情報を格納する格納手段と、前記対象情報を表示している対象画像を取得する画像取得手段と、前記画像取得手段が取得した前記対象画像が表示している前記対象情報を読み取る読取手段と、を備え、前記読取手段は、前記画像取得手段が取得した前記対象画像について画像認識することにより、前記対象画像に表示されている前記対象情報に対応する文字列を取得する第1処理と、前記候補情報格納手段が格納している前記複数の候補情報の中から、前記第1処理で取得された文字列に対応する候補情報である対応候補情報を取得する第2処理と、前記第2処理で取得された前記対応候補情報に基づいて、前記画像取得手段が取得した前記対象画像に表示されている前記対象情報を読み取る第3処理と、を行い、前記読取手段は、前記第3処理において、前記第2処理で取得された前記対応候補情報が複数存在する場合、複数の前記対応候補情報の中の、前記格納手段が格納している前記過去対象情報に対応する1個の前記対応候補情報を選択し、選択した1個の前記対応候補情報を、前記画像取得手段が取得した前記対象画像に表示されている前記対象情報として読み取る。
【0007】
また、請求項2に記載の読取システムは、対象情報を読み取る読取システムであって、前記読取システムにて読み取られ得る候補である複数の候補情報を格納する候補情報格納手段と、前記対象情報を表示している対象画像を取得する画像取得手段と、病院名を示す病院情報と、前記病院情報が示す病院名の病院で処方される候補となる薬剤の名称を特定する病院関連薬剤候補情報とが相互に関連付けられた病院候補情報を格納する格納手段と、前記候補情報格納手段が格納する前記複数の候補情報に基づいて、前記画像取得手段が取得した前記対象画像が表示している前記対象情報を読み取る第1読取処理を行う読取手段と、を備え、前記対象情報は、医療に関する情報を表示する書面に記載されている薬剤名を示す情報であり、前記複数の候補情報は、薬剤名を示す情報であり、前記読取手段は、前記候補情報格納手段が格納している前記複数の候補情報に関わらず、前記画像取得手段が取得した前記対象画像に表示されている病院名を読み取る第2読取処理、を更に行い、前記読取手段は、前記第1読取処理において、前記画像取得手段が取得した前記対象画像について画像認識することにより、前記対象画像に表示されている前記対象情報に対応する文字列を取得する第1処理と、前記候補情報格納手段が格納している前記複数の候補情報の中から、前記第1処理で取得された文字列に対応する候補情報である対応候補情報を取得する第2処理と、前記第2処理で取得された前記対応候補情報に基づいて、前記画像取得手段が取得した前記対象画像に表示されている前記対象情報を読み取る第3処理と、を行い、前記読取手段は、前記第3処理において、前記第2処理で取得された前記対応候補情報が複数存在する場合、前記格納手段が格納している前記病院候補情報において、前記第2読取処理で読み取られた病院名を示す前記病院情報に関連付けられている前記病院関連薬剤候補情報を取得する第4処理と、複数の前記対応候補情報の中の、前記第4処理で取得した前記病院関連薬剤候補情報に対応する1個の前記対応候補情報を選択し、選択した1個の前記対応候補情報を、前記画像取得手段が取得した前記対象画像に表示されている前記対象情報として読み取る第5処理と、を行う。
【0008】
また、請求項3に記載の読取システムは、ユーザに関する対象情報を読み取る読取システムであって、前記読取システムにて読み取られ得る候補である複数の候補情報を格納する候補情報格納手段と、前記対象情報を表示している対象画像を取得する画像取得手段と、病名を示す病名情報と、前記病名情報が示す病名の病気において順次行われる複数段階の治療における各治療段階を示す治療ステージ情報と、前記治療ステージ情報が示す各治療段階で処方される薬剤名を特定する薬剤名特定情報とが相互に関連付けられている治療ステージ候補情報を格納する格納手段と、前記画像取得手段が取得した前記対象画像が表示している前記対象情報を読み取る読取手段と、を備え、前記対象情報は、医療に関する情報を表示する書面に記載されている薬剤名を示す情報であり、前記複数の候補情報は、薬剤名を示す情報であり、前記読取手段は、前記画像取得手段が取得した前記対象画像について画像認識することにより、前記対象画像に表示されている前記対象情報に対応する文字列を取得する第1処理と、前記候補情報格納手段が格納している前記複数の候補情報の中から、前記第1処理で取得された文字列に対応する候補情報である対応候補情報を取得する第2処理と、前記第2処理で取得された前記対応候補情報に基づいて、前記画像取得手段が取得した前記対象画像に表示されている前記対象情報を読み取る第3処理と、を行い、前記読取手段は、前記第3処理において、前記第2処理で取得された前記対応候補情報が複数存在する場合、前記格納手段が格納している前記治療ステージ候補情報において、前記ユーザが患っているものと推定される病気の病名である推定病名及び当該推定病名の病気における推定される現在の治療段階に対応する前記病名情報及び前記治療ステージ情報に関連付けられている、前記薬剤名特定情報を取得する第4処理と、複数の前記対応候補情報の中の、前記第4処理で取得した前記薬剤名特定情報に対応する1個の前記対応候補情報を選択し、選択した1個の前記対応候補情報を、前記画像取得手段が取得した前記対象画像に表示されている前記対象情報として読み取る第5処理と、を行う。
【0009】
また、請求項4に記載の読取システムは、ユーザに関連する対象情報を読み取る読取システムであって、前記読取システムにて読み取られ得る候補である複数の候補情報を格納する候補情報格納手段と、前記対象情報を表示している対象画像を取得する画像取得手段と、病名を示す病名情報と、前記病名情報が示す病名の病気を治療するために用いられる薬剤名を示す病名関連薬剤候補情報とが相互に関連付けられた病名候補情報を格納する格納手段と、前記画像取得手段が取得した前記対象画像が表示している前記対象情報を読み取る読取手段と、を備え、前記対象情報は、医療に関する情報を表示する書面に記載されている薬剤名を示す情報であり、前記複数の候補情報は、薬剤名を示す情報であり、前記読取手段は、前記画像取得手段が取得した前記対象画像について画像認識することにより、前記対象画像に表示されている前記対象情報に対応する文字列を取得する第1処理と、前記候補情報格納手段が格納している前記複数の候補情報の中から、前記第1処理で取得された文字列に対応する候補情報である対応候補情報を取得する第2処理と、前記第2処理で取得された前記対応候補情報に基づいて、前記画像取得手段が取得した前記対象画像に表示されている前記対象情報を読み取る第3処理と、を行い、前記読取手段は、前記第3処理において、前記第2処理で取得された前記対応候補情報が複数存在する場合、前記格納手段が格納している前記病名候補情報において、前記ユーザが患っているものと推定される病気の病名である推定病名に対応する前記病名情報に関連付けられている、前記病名関連薬剤候補情報を取得する第4処理と、複数の前記対応候補情報の中の、前記第4処理で取得した前記病名関連薬剤候補情報に対応する1個の前記対応候補情報を選択し、選択した1個の前記対応候補情報を、前記画像取得手段が取得した前記対象画像に表示されている前記対象情報として読み取る第5処理と、を行う。
【0010】
また、請求項5に記載の読取プログラムは、ユーザに関する対象情報を読取システムで読み取る読取プログラムであって、コンピュータを、前記読取システムにて読み取られ得る候補である複数の候補情報を格納する候補情報格納手段と、前記読取システムにて過去に読み取られた前記ユーザに関する前記対象情報である過去対象情報を格納する格納手段と、前記対象情報を表示している対象画像を取得する画像取得手段と、前記画像取得手段が取得した前記対象画像が表示している前記対象情報を読み取る読取手段と、として機能させ、前記読取手段は、前記画像取得手段が取得した前記対象画像について画像認識することにより、前記対象画像に表示されている前記対象情報に対応する文字列を取得する第1処理と、前記候補情報格納手段が格納している前記複数の候補情報の中から、前記第1処理で取得された文字列に対応する候補情報である対応候補情報を取得する第2処理と、前記第2処理で取得された前記対応候補情報に基づいて、前記画像取得手段が取得した前記対象画像に表示されている前記対象情報を読み取る第3処理と、を行い、前記読取手段は、前記第3処理において、前記第2処理で取得された前記対応候補情報が複数存在する場合、複数の前記対応候補情報の中の、前記格納手段が格納している前記過去対象情報に対応する1個の前記対応候補情報を選択し、選択した1個の前記対応候補情報を、前記画像取得手段が取得した前記対象画像に表示されている前記対象情報として読み取る。
【0011】
また、請求項6に記載の読取プログラムは、対象情報を読取システムで読み取る読取プログラムであって、コンピュータを、前記読取システムにて読み取られ得る候補である複数の候補情報を格納する候補情報格納手段と、前記対象情報を表示している対象画像を取得する画像取得手段と、病院名を示す病院情報と、前記病院情報が示す病院名の病院で処方される候補となる薬剤の名称を特定する病院関連薬剤候補情報とが相互に関連付けられた病院候補情報を格納する格納手段と、前記候補情報格納手段が格納する前記複数の候補情報に基づいて、前記画像取得手段が取得した前記対象画像が表示している前記対象情報を読み取る第1読取処理を行う読取手段と、として機能させ、前記対象情報は、医療に関する情報を表示する書面に記載されている薬剤名を示す情報であり、前記複数の候補情報は、薬剤名を示す情報であり、前記読取手段は、前記候補情報格納手段が格納している前記複数の候補情報に関わらず、前記画像取得手段が取得した前記対象画像に表示されている病院名を読み取る第2読取処理、を更に行い、前記読取手段は、前記第1読取処理において、前記画像取得手段が取得した前記対象画像について画像認識することにより、前記対象画像に表示されている前記対象情報に対応する文字列を取得する第1処理と、前記候補情報格納手段が格納している前記複数の候補情報の中から、前記第1処理で取得された文字列に対応する候補情報である対応候補情報を取得する第2処理と、前記第2処理で取得された前記対応候補情報に基づいて、前記画像取得手段が取得した前記対象画像に表示されている前記対象情報を読み取る第3処理と、を行い、前記読取手段は、前記第3処理において、前記第2処理で取得された前記対応候補情報が複数存在する場合、前記格納手段が格納している前記病院候補情報において、前記第2読取処理で読み取られた病院名を示す前記病院情報に関連付けられている前記病院関連薬剤候補情報を取得する第4処理と、複数の前記対応候補情報の中の、前記第4処理で取得した前記病院関連薬剤候補情報に対応する1個の前記対応候補情報を選択し、選択した1個の前記対応候補情報を、前記画像取得手段が取得した前記対象画像に表示されている前記対象情報として読み取る第5処理と、を行う。
【0012】
また、請求項7に記載の読取プログラムは、ユーザに関する対象情報を読取システムで読み取る読取プログラムであって、コンピュータを、前記読取システムにて読み取られ得る候補である複数の候補情報を格納する候補情報格納手段と、前記対象情報を表示している対象画像を取得する画像取得手段と、病名を示す病名情報と、前記病名情報が示す病名の病気において順次行われる複数段階の治療における各治療段階を示す治療ステージ情報と、前記治療ステージ情報が示す各治療段階で処方される薬剤名を特定する薬剤名特定情報とが相互に関連付けられている治療ステージ候補情報を格納する格納手段と、前記画像取得手段が取得した前記対象画像が表示している前記対象情報を読み取る読取手段と、として機能させ、前記対象情報は、医療に関する情報を表示する書面に記載されている薬剤名を示す情報であり、前記複数の候補情報は、薬剤名を示す情報であり、前記読取手段は、前記画像取得手段が取得した前記対象画像について画像認識することにより、前記対象画像に表示されている前記対象情報に対応する文字列を取得する第1処理と、前記候補情報格納手段が格納している前記複数の候補情報の中から、前記第1処理で取得された文字列に対応する候補情報である対応候補情報を取得する第2処理と、前記第2処理で取得された前記対応候補情報に基づいて、前記画像取得手段が取得した前記対象画像に表示されている前記対象情報を読み取る第3処理と、を行い、前記読取手段は、前記第3処理において、前記第2処理で取得された前記対応候補情報が複数存在する場合、前記格納手段が格納している前記治療ステージ候補情報において、前記ユーザが患っているものと推定される病気の病名である推定病名及び当該推定病名の病気における推定される現在の治療段階に対応する前記病名情報及び前記治療ステージ情報に関連付けられている、前記薬剤名特定情報を取得する第4処理と、複数の前記対応候補情報の中の、前記第4処理で取得した前記薬剤名特定情報に対応する1個の前記対応候補情報を選択し、選択した1個の前記対応候補情報を、前記画像取得手段が取得した前記対象画像に表示されている前記対象情報として読み取る第5処理と、を行う。
また、請求項8に記載の読取プログラムは、ユーザに関連する対象情報を読取システムで読み取る読取プログラムであって、コンピュータを、前記読取システムにて読み取られ得る候補である複数の候補情報を格納する候補情報格納手段と、前記対象情報を表示している対象画像を取得する画像取得手段と、病名を示す病名情報と、前記病名情報が示す病名の病気を治療するために用いられる薬剤名を示す病名関連薬剤候補情報とが相互に関連付けられた病名候補情報を格納する格納手段と、前記画像取得手段が取得した前記対象画像が表示している前記対象情報を読み取る読取手段と、として機能させ、前記対象情報は、医療に関する情報を表示する書面に記載されている薬剤名を示す情報であり、前記複数の候補情報は、薬剤名を示す情報であり、前記読取手段は、前記画像取得手段が取得した前記対象画像について画像認識することにより、前記対象画像に表示されている前記対象情報に対応する文字列を取得する第1処理と、前記候補情報格納手段が格納している前記複数の候補情報の中から、前記第1処理で取得された文字列に対応する候補情報である対応候補情報を取得する第2処理と、前記第2処理で取得された前記対応候補情報に基づいて、前記画像取得手段が取得した前記対象画像に表示されている前記対象情報を読み取る第3処理と、を行い、前記読取手段は、前記第3処理において、前記第2処理で取得された前記対応候補情報が複数存在する場合、前記格納手段が格納している前記病名候補情報において、前記ユーザが患っているものと推定される病気の病名である推定病名に対応する前記病名情報に関連付けられている、前記病名関連薬剤候補情報を取得する第4処理と、複数の前記対応候補情報の中の、前記第4処理で取得した前記病名関連薬剤候補情報に対応する1個の前記対応候補情報を選択し、選択した1個の前記対応候補情報を、前記画像取得手段が取得した前記対象画像に表示されている前記対象情報として読み取る第5処理と、を行う。
【発明の効果】
【0013】
請求項1~4に記載の読取システム、及び請求項5~8に記載の読取プログラムによれば、例えば、複数の候補情報を適切に用いて対象情報を読み取ることができるので、対象情報の読み取り精度を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本実施の形態に係る情報システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明に係る読取システム及び読取プログラムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0021】
〔実施の形態の基本的概念〕
まずは、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、読取システムに関するものである。
【0022】
ここで、「読取システム」とは、対象情報を読み取るシステムであり、例えば、対象情報を読み取るための専用システムとして構成されたシステム、又は、汎用のシステム(例えば、サーバ装置、パーソナルコンピュータ、あるいは、タブレット端末等)に対象情報を読み取るための機能を実装することにより構成されたシステム等を含む概念である。この「読取システム」は、例えば、候補情報格納手段、画像取得手段、及び読取手段を備えているものである。
【0023】
また、「対象情報」とは、読取システムで読み取られる情報であり、例えば、医療に関する情報、又は、医療以外の任意の情報等を含むが概念であり、一例としては、診療明細書、調剤明細書、あるいは、検査結果を示す書類等に記載されている情報を含む概念である。
【0024】
また、「候補情報格納手段」とは、読取システムにて読み取られ得る候補である複数の候補情報を格納する手段である。「候補情報」とは、読取システムにて読み取られ得る候補の情報であり、例えば、マスタとなる情報であり、また、対象情報と想定される情報等を含む概念であり、一例としては、診療明細書、調剤明細書、あるいは、検査結果等に記載される候補となる情報等を含む概念である。
【0025】
また、「画像取得手段」とは、対象情報を表示している対象画像を取得する手段である。「対象画像」とは、対象情報が表示されている画像であり、例えば、診療明細書、調剤明細書、あるいは、検査結果を示す書類等の画像を含む概念である。
【0026】
また、「読取手段」とは、画像取得手段が取得した対象画像が表示している対象情報を読み取る手段であり、具体的には、過去の対象情報、対象情報に関連する状態を特定する状態情報、画像取得手段が取得した対象画像が表示している対象情報以外の他の情報、又は対象情報に関して予め定められているロジックを特定するロジック情報のうちの少なくとも1個の情報と、候補情報格納手段が格納する複数の候補情報とに基づいて、画像取得手段が取得した対象画像が表示している対象情報を読み取る手段である。
【0027】
また、「対象情報を読み取る」とは、例えば、対象画像が表示している対象情報を読み取って(あるいは、画像認識して)、読み取った対象情報をコンピュータにて利用可能なデータ(例えば、デジタルの文字コード等による任意のデータ)に変換すること等を含む概念である。
【0028】
また、「過去の対象情報」とは、複数の候補情報から少なくとも1個の候補情報を選択するために用いられる情報であり、具体的には、ユーザに対応付けられている過去の情報であり、例えば、過去に読み取られた情報、あるいは、過去に読み取られた情報に対して一部修正が加えられた情報等を含む概念であり、一例としては、ユーザが過去に取得した診療明細書、調剤明細書、あるいは、検査結果を示す書類等に記載されていた情報を含む概念である。
【0029】
また、「状態情報」とは、複数の候補情報から少なくとも1個の候補情報を選択するために用いられる情報であり、具体的には、対象情報に関連する状態を特定する情報であり、例えば、画像取得手段が取得した対象画像が表示している対象情報に関連するユーザの状態を特定する情報等を含む概念であり、一例としては、ユーザの病気を特定する情報等を含む概念である。
【0030】
また、「他の情報」とは、複数の候補情報から少なくとも1個の候補情報を選択するために用いられる情報であり、具体的には、画像取得手段が取得した対象画像が表示している対象情報以外の情報であり、例えば、診療明細書、調剤明細書、あるいは、検査結果等に記載されている対象情報以外の情報であり、一例としては、診療明細書に記載されている診療内容を示す情報が対象情報である場合における、当該診療明細書に記載されている病院名を示す情報等を含む概念である。
【0031】
また、「ロジック情報」とは、複数の候補情報から少なくとも1個の候補情報を選択するために用いられる情報であり、具体的には、対象情報に関して予め定められているロジックを特定する情報であり、例えば、順次行われる複数の診療内容を特定する方針等を特定する情報等を含む概念であり、一例としては、特定の病気の第1期において第1診療内容を行い、当該特定の病気の第2期(第1期の後の期)において第2診療内容を行い、当該特定の病気の第3期(第2期の後の期)に対して第3診療内容を行う等の方針を特定する情報等を含む概念である。
【0032】
また、前述の「読取手段」とは、例えば、画像取得手段が取得した対象画像が表示している対象情報と、候補情報格納手段が格納する複数の候補情報との一致度、及び少なくとも1個の情報に基づいて、候補情報格納手段が格納する複数の候補情報のうちの1個の候補情報を選択し、選択した1個の候補情報を、画像取得手段が取得した対象画像が表示している対象情報として読み取る手段等を含む概念である。また、「読取手段」とは、過去の対象情報、状態情報、他の情報、又はロジック情報のうちの2個以上の情報を順次用いて、候補情報格納手段が格納する複数の候補情報のうちの1個の候補情報を選択する手段等を含む概念である。また、「読取手段」とは、例えば、ユーザの過去の対象情報に基づいて当該ユーザの状態を特定する状態情報を推定し、少なくとも推定した状態情報と、候補情報格納手段が格納する複数の候補情報とに基づいて、画像取得手段が取得した対象画像が表示している対象情報を読み取る手段等を含む概念である。
【0033】
なお、「一致度」とは、一致の度合いを示す概念である。また、「画像取得手段が取得した対象画像が表示している対象情報と、候補情報格納手段が格納する複数の候補情報との一致度」とは、例えば、任意の手法(例えば、公知の光学的文字認識(OCR)等の画像認識技術等を用いて画像認識して文字列に変換する手法等)にて文字列に変換された対象画像の対象情報(つまり、対象情報に対応する文字列)と、候補情報格納手段が格納する複数の候補情報(つまり、候補情報に対応する文字列)との一致の度合いである一致度等を含む概念である。
【0034】
そして、以下に示す実施の形態では、「対象情報」が診療明細書に記載されている診療内容を示す情報である場合について説明する。
【0035】
[実施の形態の具体的内容]
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
【0036】
(構成)
まず、本実施の形態に係る情報システムの構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係る情報システムのブロック図であり、また、
図2は、診療明細書を例示した図である。なお、
図2では、一部の情報の具体的な記載が省略されて「・・・」と図示されている(他の図でも省略箇所には「・・・」を適宜図示する)。また、
図1の情報システム900に含まれる端末装置の個数は任意であるが、ここでは、例えば、説明の便宜上、6個の端末装置101~106を図示して説明する。また、例えば、端末装置101~106は、各ユーザが所有するものであり、また、概ね相互に同様に構成されていることとし、端末装置101についてのみ各部を具体的に図示して説明する。また、例えば、情報システム900に含まれる各端末装置について、相互に区別する必要がない場合には、端末装置1と総称して説明する。診療明細書のフォーマット等については、実際には複数種類存在しているが、ここでは、例えば、
図2のフォーマットの診療明細書を読み取る場合を適宜例示して説明する。なお、この
図2の例示している文字列は、説明の便宜上のものである。また、本願の読み取りの対象となる診療明細書を説明した後、情報システム900について説明する。
【0037】
まず、「診療明細書」とは、医療に関する情報を表示する書面であり、具体的には、
図2に示すように、書類名を示す文字列(
図2の「診療明細書」)、各欄を示す文字列(
図2の「氏名」、「受診日」、「部」、「項目名」、「点数」、「回数」、「領収額」)、及び各欄に対応する情報を示す文字列「
図2の「AA AA」、「2017年8月30日」、「基本料」、「内服」、「Maa」、「1」、「3000円」、「Ha総合病院」等が記載されている書面である。なお、この
図2の「Maa」が薬剤の名称であることとし、この薬剤の名称が対象情報である場合について説明する。
【0038】
(構成-情報システム)
図1の情報システム900は、読取システムを含むシステムであり、例えば、不図示の通信ネットワークを介して相互に通信可能となっている端末装置1、及びサーバ装置2を備える。
【0039】
(構成-情報システム-端末装置)
端末装置1は、情報システム900の各ユーザによって利用されるユーザ端末である。この端末装置1の具体的な内容及び構成は任意であるが、例えば、公知のスマートフォン、又は、タブレット端末等を用いることができ、一例としては、通信部11、タッチパッド12、ディスプレイ13、撮像部14、記録部15、及び制御部16を備える。
【0040】
(構成-情報システム-端末装置-通信部)
通信部11は、ネットワークを介して外部装置(例えば、サーバ装置2等)との間で通信するための通信手段である。この通信部11の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、公知の通信回路等を用いて構成することができる。
【0041】
(構成-情報システム-端末装置-タッチパッド)
タッチパッド12は、ユーザの指等で押圧されることにより、当該ユーザから各種操作入力を受け付ける操作手段である。このタッチパッド12の具体的な構成は任意であるが、例えば、抵抗膜方式や静電容量方式等による操作位置検出手段を備えた公知のものを用いることができる。
【0042】
(構成-情報システム-端末装置-ディスプレイ)
ディスプレイ13は、制御部16の制御に基づいて各種の画像を表示する表示手段である。このディスプレイ13の具体的な構成は任意であるが、例えば、公知の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの如きフラットパネルディスプレイ等を用いることができる。なお、上記のタッチパッド12とディスプレイ13と相互に重畳させてタッチパネルとして一体形成しても構わない。
【0043】
(構成-情報システム-端末装置-撮像部)
撮像部14は、画像を撮像する撮像手段である。この撮像部14の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、公知のイメージセンサ等を備えるカメラを用いて構成することができる。
【0044】
(構成-情報システム-端末装置-記録部)
記録部15は、端末装置1の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、外部記録装置としてのハードディスク(図示省略)を用いて構成されている。ただし、ハードディスクに代えてあるいはハードディスクと共に、磁気ディスクの如き磁気的記録媒体、又はDVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる(他の装置の記録部も同様とする)。
【0045】
また、この記録部15には、例えば、端末装置1を一意に識別するための情報である端末識別情報(以下、識別情報を「ID」と称する)が記録されている。
【0046】
(構成-情報システム-端末装置-制御部)
制御部16は、端末装置1を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである(他の装置の制御部も同様とする)。特に、実施の形態に係るプログラムは、任意の記録媒体又はネットワークを介して端末装置1にインストールされることで、制御部16の各部を実質的に構成する(他の装置の制御部も同様とする)。なお、この制御部16の各部により行われる処理については、後述する。
【0047】
(構成-情報システム-サーバ装置)
サーバ装置2は、読取システムであり、例えば、通信部21、記録部22、及び制御部23を備える。
【0048】
(構成-情報システム-サーバ装置-通信部)
通信部21は、ネットワークを介して外部装置(例えば、端末装置1等)との間で通信するための通信手段である。この通信部21の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、端末装置1の通信部11と同様にして構成することができる。
【0049】
(構成-情報システム-サーバ装置-記録部)
記録部22は、サーバ装置2の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、全体候補情報DB221、個人候補情報DB222、及び病名候補情報DB223を備える。
【0050】
(構成-情報システム-サーバ装置-記録部-全体候補情報DB)
全体候補情報DB221は、全体候補情報を格納する全体候補情報格納手段である。
図3は、全体候補情報を例示した図である。「全体候補情報」とは、複数の候補情報を特定する情報であり、例えば、
図3に示すように、項目「全体関連薬剤候補情報ID」、及び項目「全体関連薬剤候補情報」と、各項目に対応する情報とが相互に関連付けられている情報である。項目「全体関連薬剤候補情報ID」に対応する情報は、全体関連薬剤候補情報を一意に識別する全体関連薬剤候補情報IDである(
図3では、「Idm1」等)。項目「全体関連薬剤候補情報」に対応する情報は、候補情報を特定する全体関連薬剤候補情報である(
図4では、「Maa」等)。
【0051】
そして、このような全体関連薬剤候補情報の具体的な格納手法は任意であるが、例えば、管理者が、
図2の診療明細書の「項目名」の欄の薬剤の名称として記載される可能性がある予め定められた薬剤の名称である全体関連薬剤候補情報と、当該各薬剤の名称に対して一意となる全体関連薬剤候補情報IDとを相互に関連付けた情報を生成した上で、不図示の入力手段を介してサーバ装置2に入力することにより、格納されることとしてもよい。あるいは、当該情報が任意のデータサーバに格納されていることとし、当該データサーバにアクセスして受信することにより、格納されることとしてもよい。
【0052】
(構成-情報システム-サーバ装置-記録部-個人候補情報DB)
図1の個人候補情報DB222は、個人候補情報を格納する個人候補情報格納手段である。
図4は、個人候補情報を例示した図である。「個人候補情報」とは、過去の対象情報を特定する情報を含む情報であり、例えば、
図4に示すように、項目「ユーザID」、項目「ユーザ情報」、項目「日付情報」、項目「個人関連薬剤候補情報ID」、及び項目「個人関連薬剤候補情報」と、各項目に対応する情報とが相互に関連付けられている情報である。項目「ユーザID」に対応する情報は、ユーザを一意に識別するユーザIDである(
図4では、「Idu1」等)。項目「ユーザ情報」に対応する情報は、ユーザを特定するユーザ情報である(
図4では、ユーザの氏名であり「AA AA」等)。項目「日付情報」に対応する情報は、日付を特定する日付情報である(
図4では、
図2の「受診日」欄に対応する情報を特定する情報であり2017年03月12日を特定する「20170312」等)。項目「個人関連薬剤候補情報ID」に対応する情報は、個人関連薬剤候補情報を一意に識別する個人関連薬剤候補情報IDであり、
図3の全体関連薬剤候補情報IDのうちの何れかの情報である(
図4では、「Idm1」等)。項目「個人関連薬剤候補情報」に対応する情報は、ユーザが過去に取得して診療明細書の「項目名」の欄に記載されていた薬剤の名称(つまり、過去の対象情報)を特定する個人関連対象情報であり、
図3の全体関連薬剤候補情報のうちの何れかの情報である(
図4では、「Maa」等)。そして、このような個人候補情報の具体的な格納手法は任意であるが、後述する読み取り処理を実行することにより、格納される。
【0053】
(構成-情報システム-サーバ装置-記録部-病名候補情報DB)
図1の病名候補情報DB223は、病名候補情報を格納する病名候補情報格納手段である。
図5は、病名候補情報を例示した図である。「病名候補情報」とは、ユーザの病気を特定する情報を含む情報であり、例えば、
図5に示すように、項目「病名ID」、項目「病名情報」、項目「病名関連薬剤候補情報ID」、及び項目「病名関連薬剤候補情報」と、各項目に対応する情報とが相互に関連付けられている情報である。項目「病名ID」に対応する情報は、病名を一意に識別する病名IDである(
図5では、「Idd1」等)。項目「病名情報」に対応する情報は、状態情報であり、また、病名(病気)を特定する情報である(
図5では、国際疾病分類等の任意の基準に基づく病名であり「肝癌」等)。項目「病名関連薬剤候補情報ID」に対応する情報は、病名関連薬剤候補情報を一意に識別する病名関連薬剤候補情報IDであり、
図3の全体関連薬剤候補情報IDのうちの何れかの情報である(
図4では、「Idm1」等)。項目「病名関連薬剤候補情報」に対応する情報は、病名情報が特定する病名の病気を治療するために用いられる薬剤の名称を特定する病名関連薬剤候補情報であり、
図3の全体関連薬剤候補情報のうちの何れかの情報である(
図4では、「Maa」等)。
【0054】
そして、このような病名候補情報の具体的な格納手法は任意であるが、例えば、管理者が、任意の基準(例えば、病気と当該病気を治療するために有効な薬剤との関連性を示す基準等)に基づいて、国際疾病分類等の任意の基準とした病名と当該病名の病気を治療するために用いられる薬剤名とを関連付けた上で、病名と薬剤名とを不図示の入力手段を介してサーバ装置2に入力することにより、格納されることとする。なお、この場合、サーバ装置2の制御部23は、入力された病名に対して一意となる病名IDを生成し、また、
図3の全体候補情報を参照して、入力された薬剤名に対応する全体関連薬剤候補情報ID、及び全体関連薬剤候補情報を特定した上で、生成した病名ID、入力された病名を特定する情報、特定した全体関連薬剤候補情報ID、及び全体関連薬剤候補情報を、
図5の病名ID、病名情報、病名関連薬剤候補情報ID、及び病名関連薬剤候補情報として格納する。
【0055】
(構成-情報システム-サーバ装置-制御部)
制御部23は、サーバ装置2を制御する制御手段であり、例えば、機能概念的に、画像取得部231、及び読取部232を備える。画像取得部231は、対象情報を表示している対象画像を取得する画像取得手段である。読取部232は、過去の対象情報又は対象情報に関連する状態を特定する状態情報の少なくとも1個の情報と、全体候補情報DB221が格納する複数の全体関連薬剤候補情報とに基づいて、画像取得部231が取得した対象画像が表示している対象情報を読み取る読取手段である。なお、この制御部23の各部によって実行される具体的な処理については、後述する。
【0056】
(処理)
次に、このように構成される情報システム900によって実行される読取処理について説明する。
図6は、読取処理のフローチャートである。「読取処理」とは、概略的には、サーバ装置2によって実行される処理であり、具体的には、画像から対象情報を読み取って格納する処理である。この読取処理を実行するタイミングは任意であるが、例えば、ユーザが自己の端末装置1のタッチパッド12を介する所定操作を行うことにより、読取アプリケーションを起動して自己のユーザIDを入力してログインした上で、撮像部14にて自己の診療明細書を撮像した後に、端末装置1が、撮像した診療明細書の画像及びログイン時に入力されたユーザIDを含む信号である明細書画像信号をサーバ装置2に送信し、当該信号をサーバ装置2が受信した場合に起動して、実行を開始することとし、実行が開始された後から説明する。なお、「読取アプリケーション」とは、対象情報を読み取って、読み取った情報を格納するためのアプリケーションである。ここでは、例えば、ユーザである「AA AA」が読取アプリケーションを起動して自己のユーザIDである「Idu1」を入力してログインした上で、撮像部14にて
図2の診療明細書を撮像した後に、端末装置1が、撮像した
図2の診療明細書の画像及びログイン時に入力されたユーザIDである「Idu1」を含む信号である明細書画像信号をサーバ装置2に送信し、当該信号をサーバ装置2が受信して読取処理が起動する場合を適宜例示して説明する。
【0057】
まず、
図6のSA1において画像取得部231は、情報を取得する。具体的には任意であるが、例えば、読取処理の起動時に受信した明細書画像信号に含まれるユーザID及び画像を取得する。ここでは、例えば、「Idu1」及び
図2の診療明細書の画像を取得する。なお、ここで取得する画像が「対象画像」に相当し、この画像に表示されている薬剤名である「Maa」が「対象情報」に相当する。
【0058】
図6のSA2において読取部232は、情報を読み取る。具体的には任意であるが、例えば、SB1で取得した画像について、表示されている情報を全て読み取る。具体的には、診療明細書のフォーマットが定まっていることに着目して、各情報が記載されている位置等に着目して、各欄と対応付けて読み取る。
【0059】
具体的には、まず、対象情報(つまり、診療明細書の薬剤名)以外の情報の読取手法は任意であり、例えば、任意の手法で(例えば、光学的文字認識(OCR)等の画像認識技術等を用いて画像認識して文字列に変換する手法等)にて画像を文字列に変換し、変換した文字列を読み取る。また、対象情報については、以下の処理を行って読み取る。ここでは、例えば、
図2の書類名を示す文字列(「診療明細書」)、各欄を示す文字列(「氏名」、「受診日」、「部」、「項目名」、「点数」、「回数」、「領収額」)、及び各欄に対応する情報を示す文字列(「AA AA」、「2017年8月30日」、「基本料」、「内服」、「1」、「3000円」、「Ha総合病院」)等を読み取る。
【0060】
また、対象情報について読み取る処理について具体的には、まず、任意の手法(例えば、光学的文字認識(OCR)等の画像認識技術等を用いて画像認識して文字列に変換する手法等)にて、SA1にて取得した画像における対象情報が表示されている部分を文字列に変換し、変換した文字列と
図3の全体関連薬剤候補情報各々との一致の度合いを示す一致度を演算した上で、演算した一致度を、
図3の各全体関連薬剤候補情報に対応付けてリスト化してリストを生成する。次に、記録部22に予め閾値となる一致度である閾値一致度(例えば、90%等)が記録されていることとし、リスト化した一致度のうちの閾値一致度を超えるものを特定し、特定した一致度に対応する全体関連薬剤候補情報を取得する(以下、これらの処理を「全体関連薬剤候補情報取得処理」とも称する)。なお、ここでの一致度を示す数値(上記の「90」等)については、一致の度合いが高いもの程大きな数値であり、完全に一致している場合を「100」で示すものとして、以下説明する。
【0061】
ここでは、まず、例えば、前述の任意の手法にて、SA1にて取得した画像における対象情報である「Maa」が表示されている部分を「Max」文字列に変換(つまり、実際の文字列は「Maa」であるが一部において任意の手法での変換精度に依存して最後の文字である「a」を「x」と変換して「Max」という文字列に変換)する場合について説明する。この場合、変換した文字列である「Max」と
図3の全体関連薬剤候補情報各々との一致の度合いを示す一致度として
図3の「Maa」に対する「93」(単位は%であるが、省略する)、「Mab」に対する「92」、「Mac」に対する「91」、「Mad」に対する「67」、及び「Mae」に対する「80」を演算した上で、演算した一致度を、
図3の各全体関連薬剤候補情報に対応付けてリスト化してリストを生成する。なお、ここでの変換した具体的な文字列や一致度については説明の便宜上のものである。次に、記録部22に記録されている閾値一致度である「90」を取得し、当該閾値一致度と前述の生成したリストの各一致度とを相互に比較して、リスト化した一致度のうちの閾値一致度である「90」を超えるものとして「93」、「92」、及び「91」を特定し、特定した一致度に対応する全体関連薬剤候補情報として「Maa」、「Mab」、及び「Mac」を取得する。
【0062】
次に、取得した全体関連薬剤候補情報が1個のみである場合、当該1個のみの全体関連薬剤候補情報を選択して、選択した全体関連薬剤候補情報が対象情報であることと決定した上で、決定した全体関連薬剤候補情報を対象情報として読み取る。
【0063】
また、取得した全体関連薬剤候補情報が2個以上(つまり、複数個)である場合、後述する第1の選択手法及び第2の選択手法の何れか又は両方に基づいて、2個以上の全体関連薬剤候補情報から1個のみの全体関連薬剤候補情報を選択して、選択した全体関連薬剤候補情報が対象情報であることと決定した上で、決定した全体関連薬剤候補情報を対象情報として読み取る。
【0064】
「第1の選択手法」とは、複数の全体関連薬剤候補情報から少なくとも1個の全体関連薬剤候補情報を選択する手法であり、例えば、
図4の個人候補情報に基づいて選択する手法である。第1の選択手法を用いて選択する場合、SA1で取得したユーザIDを取得し、
図4の個人候補情報において、当該取得したユーザIDに対応する個人関連薬剤候補情報を取得し、前述の複数の全体関連薬剤候補情報のうちの個人関連薬剤候補情報と一致する全体関連薬剤候補情報を特定し、特定した全体関連薬剤候補情報を選択する。
【0065】
「第2の選択手法」とは、複数の全体関連薬剤候補情報から少なくとも1個の全体関連薬剤候補情報を選択する手法であり、例えば、
図5の病名候補情報に基づいて選択する手法である。第2の選択手法を用いて選択する場合、読取部232は、まず、SA1で取得したユーザIDを取得し、
図4の個人候補情報において、当該取得したユーザIDに対応する個人関連薬剤候補情報を取得し、取得した個人関連薬剤候補情報に基づいて、ユーザが患っている可能性がある1個以上の病名を以下の手法で推定し、
図5の病名候補情報において、推定した病名に対する病名関連薬剤候補情報を取得し、前述の複数の全体関連薬剤候補情報のうちの病名関連薬剤候補情報と一致する全体関連薬剤候補情報を特定し、特定した全体関連薬剤候補情報を選択する。
【0066】
なお、病名を推定する手法については、例えば、国際疾病分類等の任意の基準とした病名と当該病名の病気を治療するために用いられる薬剤名とを相互に関連付けた情報である病名薬剤関連情報(一例としては、病名である「肝癌」に対する3個の薬剤名「Maa」、「Mza」、及び「Mtg」、病名である「1型糖尿病性腎症第1期」に対する2個の薬剤名「Mab」及び「Mct」等を特定する情報)が記録部22に記録されていることとし、この病名薬剤関連情報と、前述の取得した個人関連薬剤候補情報とに基づいて、ユーザが患っている可能性がある1個以上の病名を推定する手法を用いることができる。
【0067】
ここでの病名の具体的な推定については、例えば、病名薬剤関連情報において、前述の取得した個人関連薬剤候補情報の薬剤名と当該薬剤名に対応する病名とが相互に1対1で関連付けられている場合、取得した個人関連薬剤候補情報の薬剤名に関連付けられている病名を、ユーザの病名として推定する(つまり、前述の取得した個人関連薬剤候補情報において、病名薬剤関連情報にて病名と(1個又は複数個の)薬剤名とが相互に一意に対応付けられている情報が存在する場合、当該1対1となっている病名を推定する)。また、例えば、病名薬剤関連情報において、前述の取得した個人関連薬剤候補情報のうちの複数の薬剤名が、1個以上の特定の病名に関連付けられている場合、当該1個以上の特定の病名を、ユーザの病名として推定する。なお、例えば、病名薬剤関連情報において、前述の取得した個人関連薬剤候補情報の各々の薬剤名が、相互に異なる病名に関連付けられており且つ当該病名について1対1で関連付けられているわけではない場合、病名の推定が困難となるので、この場合、第1の選択手法のみでの選択を行う。
【0068】
そして、前述の取得した2個以上の全体関連薬剤候補情報から1個のみの全体関連薬剤候補情報を選択する具体的な手法は任意であるが、まず、第1の選択手法で全体関連薬剤候補情報を選択し、選択した全体関連薬剤候補情報が1個のみである場合、当該1個のみの全体関連薬剤候補情報を選択する。
【0069】
また、第1の選択手法で選択した全体関連薬剤候補情報が2個以上存在する場合、第2の選択手法で全体関連薬剤候補情報を選択する処理を行い、選択した全体関連薬剤候補情報が1個のみである場合、当該1個のみの全体関連薬剤候補情報を選択する。また、第2の選択手法で選択した全体関連薬剤候補情報が2個以上存在する場合、当該第2の選択手法で選択した2個以上の全体関連薬剤候補情報から、任意の手法(例えば、前述の一致度が最大のものを選択する手法等)で1個のみの全体関連薬剤候補情報を選択する。また、第2の選択手法で前述のように病名の推定が困難な場合、第1の選択手法で選択した2個以上の全体関連薬剤候補情報から、任意の手法(例えば、前述の一致度が最大のものを選択する手法等)で1個のみの全体関連薬剤候補情報を選択する。
【0070】
ここでは、例えば、前述のように「Maa」、「Mab」、及び「Mac」を取得した場合、取得した全体関連薬剤候補情報が2個以上(つまり、複数個)であるので、まず、第1の選択手法で全体関連薬剤候補情報を選択する。具体的には、SA1で取得したユーザIDである「Idu1」を取得し、
図4の個人候補情報において、当該取得したユーザIDである「Idu1」に対応する個人関連薬剤候補情報である「Maa」、「Mza」、及び「Mab」を取得し、前述の複数の全体関連薬剤候補情報のうちの個人関連薬剤候補情報と一致する全体関連薬剤候補情報である「Maa」及び「Mab」を特定する。
【0071】
次に、特定した全体関連薬剤候補情報が2個以上であるので、次に、第2の選択手法で全体関連薬剤候補情報を選択する。具体的には、SA1で取得したユーザIDである「Idu1」を取得し、
図4の個人候補情報において、当該取得したユーザIDである「Idu1」に対応する個人関連薬剤候補情報である「Maa」、「Mza」、及び「Mab」を取得し、取得した個人関連薬剤候補情報である「Maa」、「Mza」、及び「Mab」に基づいて、ユーザが患っている可能性がある1個以上の病名を推定する。詳細には、記録部22に記録されている病名薬剤関連情報(一例としては、病名である「肝癌」に対する3個の薬剤名「Maa」、「Mza」、及び「Mtg」、病名である「1型糖尿病性腎症第1期」に対する2個の薬剤名「Mab」及び「Mct」等を特定する情報)を取得し、前述の取得した2個の個人関連薬剤候補情報である「Maa」及び「Mza」が「肝癌」に関連付けられているので、ユーザの病名として「肝癌」を推定する。なお、前述の取得した個人関連薬剤候補情報である「Mab」は「1型糖尿病性腎症第1期」に関連付けられているものの1対1ではないので、「1型糖尿病性腎症第1期」について推定しないことになる。次に、
図5の病名候補情報において、推定した病名である「肝癌」に対する病名関連薬剤候補情報である「Maa」を取得し、前述の複数の全体関連薬剤候補情報である「Maa」及び「Mab」のうちの病名関連薬剤候補情報である「Maa」と一致する全体関連薬剤候補情報である「Maa」を特定して選択する。そして、選択した全体関連薬剤候補情報である「Maa」が対象情報であることと決定した上で、決定した全体関連薬剤候補情報「Maa」を対象情報として読み取る。このように処理することにより、光学的文字認識(OCR)等の画像認識技術では「Max」と一部誤って認識していた文字列について、「Maa」と正しく認識して読み取ることが可能となる。
【0072】
図6のSA3において読取部232は、読取情報を格納する。「読取情報」とは、読取部232で読み取られた情報であり、例えば、診療明細書に記載されている文字列を特定する情報である。具体的には任意であるが、例えば、SA1で受信した明細書画像信号に含まれているユーザIDを取得し、また、SA2で読み取った情報(つまり、対象情報及び対象情報以外の情報)を取得した上で、取得した各情報を相互に関連付けて、記録部22に読取情報(
図1では不図示)として格納する。
【0073】
ここでは、例えば、SA1で受信した明細書画像信号に含まれているユーザIDである「Idu1」を取得し、また、SA2で読み取った情報(つまり、書類名を示す文字列(
図2の「診療明細書」)、各欄を示す文字列(
図2の「氏名」、「受診日」、「部」、「項目名」、「点数」、「回数」、「領収額」)、及び各欄に対応する情報を示す文字列「
図2の「AA AA」、「2017年8月30日」、「基本料」、「内服」、「Maa」、「1」、「3000円」、「Ha総合病院」等)を取得した上で、取得した各情報を相互に関連付けて、記録部22に読取情報として格納する。なお、ここでは、各欄を示す文字列を基準にして、各欄に対応する情報を示す文字列を格納することにより、読取情報に基づいて
図2の診療明細書の内容を確認できるように格納することとする。
【0074】
図6のSA4において読取部232は、個人候補情報を格納する。具体的には任意であるが、例えば、まず、SA1で受信した明細書画像信号に含まれているユーザIDを取得し、また、SA2で読み取った「氏名」の欄に対応する情報、「受診日」の欄に対応する情報、「項目名」の欄に対応する薬剤の名称の情報(つまり、対象情報)を取得する。次に、
図3の全体候補情報を参照して、前述の取得した「項目名」の欄に対応する薬剤の名称の情報に対応する全体関連薬剤候補情報IDを取得する。そして、前述の取得したユーザIDを
図4の「ユーザID」として格納し、また、前述の取得した「氏名」の欄に対応する情報を
図4の「ユーザ情報」として格納し、また、「受診日」の欄に対応する情報を
図4の「日付情報」として格納し、また、前述の取得した全体関連薬剤候補情報IDを
図4の「個人関連薬剤候補情報ID」として格納し、また、前述の取得した「項目名」の欄に対応する薬剤の名称の情報を「個人関連薬剤候補情報」として格納することにより、個人候補情報を格納する。
【0075】
ここでは、例えば、SA1で受信した明細書画像信号に含まれているユーザIDである「Idu1」を取得し、また、SA2で読み取った「氏名」の欄に対応する情報である「AA AA」、「受診日」の欄に対応する情報である「2017年8月30日」、「項目名」の欄に対応する薬剤の名称の情報(つまり、対象情報)である「Maa」を取得する。次に、
図3の全体候補情報を参照して、前述の取得した「項目名」の欄に対応する薬剤の名称の情報)である「Maa」に対応する全体関連薬剤候補情報IDとして「Idm1」を取得する。そして、前述の取得したユーザIDである「Idu1」を
図4の「ユーザID」として格納し、また、前述の取得した「氏名」の欄に対応する情報である「AA AA」を
図4の「ユーザ情報」として格納し、また、前述の「受診日」の欄に対応する情報である「20170830」を
図4の「日付情報」として格納し、また、前述の取得した全体関連薬剤候補情報IDである「Idm」を
図4の「個人関連薬剤候補情報ID」として格納し、また、前述の取得した「項目名」の欄に対応する薬剤の名称の情報である「Maa」を「個人関連薬剤候補情報」として格納することにより、個人候補情報を格納する。これにて、読取処理を終了する。
【0076】
(情報の利用)
そして、前述の読取処理で記録部22に格納した不図示の読取情報については、任意に利用することができる。例えば、端末装置1を操作するユーザが自己のユーザIDを含む情報出力要求をサーバ装置2に対して送信し、送信された情報出力要求をサーバ装置2の制御部23が受信した場合に、当該情報出力要求に含まれているユーザIDを基準にして、記録部22に記録されている読取情報における当該ユーザIDに対応する情報を取得し、所定のフォーマットにて端末装置1側に送信して出力することとし、このように処理することにより、端末装置1のユーザ側で利用することが可能となる。
【0077】
(実施の形態の効果)
このように本実施の形態によれば、過去の対象情報、又は対象情報に関連する状態を特定する状態情報のうちの少なくとも1個の情報と、全体候補情報DB221が格納する
図3の全体関連薬剤候補情報(複数の候補情報)とに基づいて、画像取得部231が取得した対象画像が表示している対象情報を読み取ることにより、例えば、複数の候補情報を適切に用いて対象情報を読み取ることができるので、対象情報の読み取り精度を向上させることが可能となる。
【0078】
また、対象画像が表示している対象情報と、全体候補情報DB221が格納する
図3の全体関連薬剤候補情報との一致度、及び過去の対象情報、及び状態情報のうちの少なくとも1個の情報に基づいて、全体候補情報DB221が格納する
図3の全体関連薬剤候補情報(複数の候補情報)のうちの1個の候補情報を選択し、選択した1個の候補情報を、対象画像が表示している対象情報として読み取ることにより、例えば、候補情報を適切に1個に絞ることができるので、対象情報の読み取り精度を向上させることが可能となる。
【0079】
また、過去の対象情報、及び状態情報を順次用いて、全体候補情報DB221が格納する
図3の全体関連薬剤候補情報(複数の候補情報)のうちの1個の候補情報を選択することにより、例えば、候補情報をより適切に1個に絞ることができるので、対象情報の読み取り精度を向上させることが可能となる。
【0080】
また、過去の対象情報に基づいて状態情報を推定し、推定した状態情報と、全体候補情報DB221が格納する
図3の全体関連薬剤候補情報(複数の候補情報)とに基づいて、対象画像が表示している対象情報を読み取ることにより、例えば、状態情報を反映して対象情報を読み取ることができるので、対象情報の読み取り精度を向上させることが可能となる。
【0081】
また、ユーザの過去の対象情報に基づいて当該ユーザの状態を特定する状態情報を推定し、少なくとも推定した状態情報と、全体候補情報DB221が格納する
図3の全体関連薬剤候補情報(複数の候補情報)とに基づいて、対象画像が表示している対象情報を読み取ることにより、例えば、ユーザの状態情報を反映して対象情報を読み取ることができるので、対象情報の読み取り精度を向上させることが可能となる。
【0082】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0083】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の詳細に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏したりすることがある。
【0084】
(分散や統合について)
また、上述した構成は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。本出願における「システム」とは、複数の装置によって構成されたものに限定されず、単一の装置によって構成されたものを含む。また、本出願における「装置」とは、単一の装置によって構成されたものに限定されず、複数の装置によって構成されたものを含む。
【0085】
(格納される情報の修正について)
また、上記実施の形態の
図6のSA3で格納した読取情報、及びSA4で格納した個人候補情報について、任意のタイミングで管理者が修正するように構成してもよい。例えば、
図6のSA1で取得した画像を記録部22に蓄積し、管理者が任意の手法で検索できるように構成した上で、当該管理者が当該画像と当該画像に対応する読取情報及び個人候補情報とを相互に目視で比較して、読取情報及び個人候補情報が正しいか否かを判断し、判断結果に応じて不図示の入力手段を介して各情報を正しく修正するための情報を入力し、サーバ装置2の制御部23が、当該修正するための情報を受け付けた場合に、当該修正の内容を反映するために、読取情報及び個人候補情報を更新するように構成してもよい。
【0086】
(対象処理以外の読み取りについて)
また、上記実施の形態の
図6のSA2では、対象情報以外の情報については、例えば、光学的文字認識(OCR)等の画像認識技術等を用いて画像認識して文字列に変換する手法等を用いて読み取るものと説明したが、これに限らない。例えば、記載される文字列の候補が予め予測される情報(例えば、
図2の書類名を示す文字列(「診療明細書」)、各欄を示す文字列(「氏名」、「受診日」、「部」、「項目名」、「点数」、「回数」、「領収額」、「Ha総合病院」等)については、複数の候補情報を記録部22に記録しておき、これらの候補情報と光学的文字認識(OCR)等の画像認識技術等を用いて行った画像認識によって変換された文字列との一致度を演算し、演算した一致度が最大となる候補情報を読み取るように構成してもよい。
【0087】
(選択手法について(その1))
また、上記実施の形態の
図6のSA2では、第1の選択手法及び第2の選択手法を用いて、2個以上の全体関連薬剤候補情報から1個のみの全体関連薬剤候補情報を選択する場合について説明したが、これに限らない。例えば、第1の選択手法のみ、あるいは、第2の選択手法のみを用いて選択するように構成してもよい。また、例えば、第2の選択手法で選択した後に適宜第1の選択手法で選択するように構成してもよい。また、例えば、新たなユーザが読取処理を実行する場合、
図4の個人候補情報に当該新たなユーザに対応する情報が格納されていないことが考えられるので、この場合、2個以上の全体関連薬剤候補情報から、一致度が最大のものを選択するように構成してもよい。
【0088】
(選択手法について(その2))
また、上記実施の形態の
図6のSA2では、対象情報について読み取る場合に前述の「全体関連薬剤候補情報取得処理」を行って、取得した全体関連薬剤候補情報が2個以上(つまり、複数個)である場合、過去の対象情報(第1の選択手法)、及び状態情報(第2の選択手法)を用いて、2個以上の全体関連薬剤候補情報から1個のみの全体関連薬剤候補情報を選択する場合について説明したが、これに限らない。例えば、第1又は第2の選択手法と共に、あるいは、第1又は第2の手法の代わりに、第3又は第4の選択手法を用いて選択するように構成してもよい。
【0089】
(選択手法について(その2)-第3の選択手法)
「第3の選択手法」とは、複数の全体関連薬剤候補情報から少なくとも1個の全体関連薬剤候補情報を選択する手法であり、具体的には、前述の他の情報を用いて選択する手法であり、例えば、病院候補情報を記録部22に格納しておき、当該病院候補情報を利用して選択する手法である。
図7は、病院候補情報を例示した図である。「病院候補情報」とは、前述の他の情報を特定する情報であり、
図7に示すように、例えば、項目「病院情報」、項目「病院関連薬剤候補情報ID」、及び項目「病院関連薬剤候補情報」と、各項目に対応する情報とを相互に関連付けている情報である。項目「病院情報」に対応する情報は、前述の他の情報であり、具体的には、病院を特定する病院情報である(
図7では、病院名であり「Ha総合病院」等)。項目「病院関連薬剤候補情報ID」に対応する情報は、病院関連薬剤候補情報を一意に識別する病院関連薬剤候補情報IDであり、
図3の全体関連薬剤候補情報IDのうちの何れかの情報である(
図7では、「Idm1」等)。項目「病院関連薬剤候補情報」に対応する情報は、病院情報が特定する病院で処方される候補となる薬剤の名称を特定する病院関連薬剤候補情報であり、
図3の全体関連薬剤候補情報のうちの何れかの情報である(
図7では、「Maa」等)。
【0090】
そして、このような病院候補情報の具体的な格納手法は任意であるが、例えば、管理者が、各病院で過去に処方された実績がある薬剤名を特定したり、あるいは、各病院での診療方針に応じて各病院で処方される可能性がある薬剤名を特定したりした上で、各病院名と当該病院に対応する薬剤名を不図示の入力手段を介してサーバ装置2に入力することにより、格納されることとする。なお、この場合、サーバ装置2の制御部23は、
図3の全体候補情報を参照して、入力された薬剤名に対応する全体関連薬剤候補情報ID、及び全体関連薬剤候補情報を特定した上で、入力された病院名、特定した全体関連薬剤候補情報ID、及び全体関連薬剤候補情報を、
図7の病院情報、病院関連薬剤候補情報ID、及び病院関連薬剤候補情報として格納する。
【0091】
この第3の選択手法を用いて選択する場合、読取部232は、まず、前述の対象情報(つまり、診療明細書の薬剤名)以外の情報を読み取る処理で読み取られた病院名を特定する情報を取得し、
図7の病院候補情報において、当該病院名に対応する病院関連薬剤候補情報を取得し、前述の複数の全体関連薬剤候補情報のうちの病院関連薬剤候補情報と一致する全体関連薬剤候補情報を特定し、特定した全体関連薬剤候補情報を選択する。
【0092】
ここでは、例えば、まず、前述の対象情報(つまり、診療明細書の薬剤名)以外の情報を読み取る処理で読み取られた病院名である
図2の「Ha総合病院」を特定する情報を取得し、
図7の病院候補情報において、当該病院名である「Ha総合病院」に対応する病院関連薬剤候補情報である「Maa」及び「Mza」等を取得し、前述の複数の全体関連薬剤候補情報である「Maa」、「Mab」、及び「Mac」のうちの病院関連薬剤候補情報と一致する全体関連薬剤候補情報である「Maa」を特定し、特定した全体関連薬剤候補情報である「Maa」を選択する。
【0093】
(選択手法について(その2)-第4の選択手法)
「第4の選択手法」とは、複数の全体関連薬剤候補情報から少なくとも1個の全体関連薬剤候補情報を選択する手法であり、具体的には、前述のロジック情報を用いて選択する手法であり、例えば、治療ステージ候補情報を記録部22に格納しておき、当該治療ステージ候補情報を利用して選択する手法である。
図8は、治療ステージ候補情報を例示した図である。「治療ステージ候補情報」とは、前述のロジック情報を特定する情報であり、
図8に示すように、例えば、項目「病名情報」、項目「治療ステージ情報」、項目「治療ステージ関連薬剤候補情報ID」、及び項目「治療ステージ関連薬剤候補情報」と、各項目に対応する情報とを相互に関連付けている情報である。項目「病名情報」に対応する情報は、
図5の同一名称の情報と同様である。項目「治療ステージ情報」に対応する情報は、ロジック情報であり、具体的には、順次行われる複数段階の治療のうちの各段階を特定する治療ステージ情報である(
図8では、3段階の治療の内の1~3番目の段階を特定する「第1期」~「第3期」等)。項目「治療ステージ関連薬剤候補情報ID」に対応する情報は、治療ステージ関連薬剤候補情報を一意に識別する治療ステージ関連薬剤候補情報IDであり、
図3の全体関連薬剤候補情報IDのうちの何れかの情報である(
図7では、「Idm201」(
図3では不図示)等)。項目「治療ステージ関連薬剤候補情報」に対応する情報は、病名情報が特定する病名の病気を治療するために用いられる薬剤であって、治療ステージ情報が特定する治療の段階で処方される薬剤の名称を特定する治療ステージ関連薬剤候補情報であり、
図3の全体関連薬剤候補情報のうちの何れかの情報である(
図7では、「Mzy」(
図3では不図示)等)。そして、このような治療ステージ候補情報の具体的な格納手法は任意であるが、例えば、
図5の病名候補情報を格納する手法と同様な手法を用いて格納される。
【0094】
この第4の選択手法を用いて選択する場合、読取部232は、まず、第2の選択手法の場合と同様な処理を行って、ユーザが患っている可能性がある1個以上の病名を推定し、また、
図8の治療ステージ候補情報において、推定した病名に対応する治療ステージ関連薬剤候補情報を特定する。次に、SA1で取得したユーザIDに関連付けられている
図4の個人候補情報の日付情報及び個人関連薬剤候補情報を参照して、前述の特定した
図8の治療ステージ関連薬剤候補情報のうちの、日付情報がより新しい(つまり、現在の日付により近い)個人関連薬剤候補情報と一致する治療ステージ関連薬剤候補情報を特定し、この特定した治療ステージ関連薬剤候補情報に対応する治療ステージ情報が特定する段階を直近の治療段階であるものと特定する。次に、
図8の治療ステージ候補情報を参照して当該特定した直近の治療段階の次の治療段階を今回の治療段階であるものと推定した上で、推定した治療段階に対応する治療ステージ関連薬剤候補情報を取得し、前述の複数の全体関連薬剤候補情報のうちの当該取得した治療ステージ関連薬剤候補情報と一致する全体関連薬剤候補情報を特定し、特定した全体関連薬剤候補情報を選択する。
【0095】
なお、
図4の治療ステージ候補情報を参照して当該特定した直近の治療段階の次の治療段階を今回の治療段階であるものと推定するものと説明したが、例えば、直近の治療段階が最終の治療段階である場合(例えば、
図8の「第3期」等)、次の治療段階が無いので、当該直近の治療段階と同じ治療段階を今回の治療段階であるものと推定してもよいし、あるいは、第4の選択手法の適用を取りやめて、第1~第3の選択手法を適用するように構成してもよい。
【0096】
ここでは、例えば、まず、第2の選択手法の場合と同様な処理を行って、ユーザが患っている可能性がある1個以上の病名として「肝癌」を推定し、また、
図8の治療ステージ候補情報において、推定した病名であるに対応する治療ステージ関連薬剤候補情報として「Mzy」、「Mcz」、「Maa」、及び「Mza」等を特定する。次に、SA1で取得したユーザIDである「Idu1」に関連付けられている
図4の個人候補情報の日付情報及び個人関連薬剤候補情報を参照して、前述の特定した
図8の治療ステージ関連薬剤候補情報である「Mzy」、「Mcz」、「Maa」、及び「Mza」等うちの、日付情報がより新しい(つまり、現在の日付により近い)個人関連薬剤候補情報と一致する治療ステージ関連薬剤候補情報として、「日付情報」=「20170312」に対応する治療ステージ関連薬剤候補情報である「Maa」及び「Mza」を特定し、この特定した治療ステージ関連薬剤候補情報である「Maa」及び「Mza」に対応する治療ステージ情報である
図8の「第3期」が特定する段階を直近の治療段階であるものと特定する。次に、
図8の治療ステージ候補情報を参照して、基本的には当該特定した直近の治療段階の次の治療段階を今回の治療段階として推定するが、ここでは、直近の治療段階が最終の治療段階であるので、前述のように、当該治療段階と同じ治療段階である「第3期」を今回の治療段階であるものと推定した上で、推定した治療段階である「第3期」に対応する治療ステージ関連薬剤候補情報である「Maa」及び「Mza」等を取得し、前述の複数の全体関連薬剤候補情報である「Maa」、「Mab」、及び「Mac」のうちの当該取得した治療ステージ関連薬剤候補情報と一致する全体関連薬剤候補情報である「Maa」を特定し、特定した全体関連薬剤候補情報である「Maa」を選択する。
【0097】
(その他について)
また、上記実施の形態の
図5の病名候補情報については、入力手段を介してサーバ装置2に入力することにより、格納される場合について説明したが、これに限らない。例えば、
図6のSA2において読み取った対象情報において、第2の選択手法で説明した場合と同様にして、病名を推定し、推定した病名と当該読み取った対象情報とを相互に関連付けて、病名候補情報として格納するように構成してもよい。
【0098】
(特徴について)
また、上記実施の形態の特徴及び変形例の特徴を任意に組合わせてもよい。
【0099】
(付記)
付記1の読取システムは、対象情報を読み取る読取システムであって、前記読取システムにて読み取られ得る候補である複数の候補情報を格納する候補情報格納手段と、前記対象情報を表示している対象画像を取得する画像取得手段と、過去の前記対象情報、前記対象情報に関連する状態を特定する状態情報、前記画像取得手段が取得した前記対象画像が表示している前記対象情報以外の他の情報、又は前記対象情報に関して予め定められているロジックを特定するロジック情報のうちの少なくとも1個の情報と、前記候補情報格納手段が格納する前記複数の候補情報とに基づいて、前記画像取得手段が取得した前記対象画像が表示している前記対象情報を読み取る読取手段と、を備える。
【0100】
付記2の読取システムは、付記1に記載の読取システムにおいて、前記読取手段は、前記画像取得手段が取得した前記対象画像が表示している前記対象情報と、前記候補情報格納手段が格納する前記複数の候補情報との一致度、及び前記少なくとも1個の情報に基づいて、前記候補情報格納手段が格納する前記複数の候補情報のうちの1個の候補情報を選択し、選択した1個の候補情報を、前記画像取得手段が取得した前記対象画像が表示している前記対象情報として読み取る。
【0101】
付記3の読取システムは、付記2に記載の読取システムにおいて、前記読取手段は、過去の前記対象情報、前記状態情報、前記他の情報、又は前記ロジック情報のうちの2個以上の情報を順次用いて、前記候補情報格納手段が格納する前記複数の候補情報のうちの1個の候補情報を選択する。
【0102】
付記4の読取システムは、付記1から3の何れか一項に記載の読取システムにおいて、前記読取手段は、過去の前記対象情報に基づいて前記状態情報を推定し、推定した前記状態情報と、前記候補情報格納手段が格納する前記複数の候補情報とに基づいて、前記画像取得手段が取得した前記対象画像が表示している前記対象情報を読み取る。
【0103】
付記5の読取システムは、付記4に記載の読取システムにおいて、前記状態情報は、前記画像取得手段が取得した前記対象画像が表示している前記対象情報に関連するユーザの状態を特定する情報を含み、前記読取手段は、前記ユーザの過去の前記対象情報に基づいて当該ユーザの状態を特定する前記状態情報を推定し、少なくとも推定した前記状態情報と、前記候補情報格納手段が格納する前記複数の候補情報とに基づいて、前記画像取得手段が取得した前記対象画像が表示している前記対象情報を読み取る。
【0104】
付記6の読取システムは、付記1から5の何れか一項に記載の読取システムにおいて、前記対象情報は、医療に関する情報である。
【0105】
付記7の読取プログラムは、対象情報を読取システムで読み取る読取プログラムであって、コンピュータを、前記対象情報を表示している対象画像を取得する画像取得手段と、過去の前記対象情報、前記対象情報に関連する状態を特定する状態情報、前記画像取得手段が取得した前記対象画像が表示している前記対象情報以外の他の情報、又は前記対象情報に関して予め定められているロジックを特定するロジック情報のうちの少なくとも1個の情報と、前記読取システムにて読み取られ得る候補である複数の候補情報を格納する候補情報格納手段が格納する前記複数の候補情報とに基づいて、前記画像取得手段が取得した前記対象画像が表示している前記対象情報を読み取る読取手段と、として機能させる。
【0106】
(付記の効果)
付記1に記載の読取システム、及び付記7に記載の読取プログラムによれば、過去の対象情報、対象情報に関連する状態を特定する状態情報、画像取得手段が取得した対象画像が表示している対象情報以外の他の情報、又は対象情報に関して予め定められているロジックを特定するロジック情報のうちの少なくとも1個の情報と、候補情報格納手段が格納する複数の候補情報とに基づいて、画像取得手段が取得した対象画像が表示している対象情報を読み取ることにより、例えば、複数の候補情報を適切に用いて対象情報を読み取ることができるので、対象情報の読み取り精度を向上させることが可能となる。
【0107】
付記2に記載の読取システムによれば、対象画像が表示している対象情報と、候補情報格納手段が格納する複数の候補情報との一致度、及び過去の対象情報、状態情報、他の情報、又はロジック情報のうちの少なくとも1個の情報に基づいて、候補情報格納手段が格納する複数の候補情報のうちの1個の候補情報を選択し、選択した1個の候補情報を、対象画像が表示している対象情報として読み取ることにより、例えば、候補情報を適切に1個に絞ることができるので、対象情報の読み取り精度を向上させることが可能となる。
【0108】
付記3に記載の読取システムによれば、過去の対象情報、状態情報、他の情報、又はロジック情報のうちの2個以上の情報を順次用いて、候補情報格納手段が格納する複数の候補情報のうちの1個の候補情報を選択することにより、例えば、候補情報をより適切に1個に絞ることができるので、対象情報の読み取り精度を向上させることが可能となる。
【0109】
付記4に記載の読取システムによれば、過去の対象情報に基づいて状態情報を推定し、推定した状態情報と、候補情報格納手段が格納する複数の候補情報とに基づいて、対象画像が表示している対象情報を読み取ることにより、例えば、状態情報を反映して対象情報を読み取ることができるので、対象情報の読み取り精度を向上させることが可能となる。
【0110】
付記5に記載の読取システムによれば、ユーザの過去の対象情報に基づいて当該ユーザの状態を特定する状態情報を推定し、少なくとも推定した状態情報と、候補情報格納手段が格納する複数の候補情報とに基づいて、対象画像が表示している対象情報を読み取ることにより、例えば、ユーザの状態情報を反映して対象情報を読み取ることができるので、対象情報の読み取り精度を向上させることが可能となる。
【0111】
付記6に記載の読取システムによれば、対象情報は医療に関する情報であることにより、例えば、医療に関する情報の読み取り精度を向上させることが可能となる。
【符号の説明】
【0112】
1 端末装置
2 サーバ装置
11 通信部
12 タッチパッド
13 ディスプレイ
14 撮像部
15 記録部
16 制御部
21 通信部
22 記録部
23 制御部
101 端末装置
102 端末装置
103 端末装置
104 端末装置
105 端末装置
106 端末装置
221 全体候補情報DB
222 個人候補情報DB
223 病名候補情報DB
231 画像取得部
232 読取部
900 情報システム