IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本メナード化粧品株式会社の特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-06
(45)【発行日】2023-09-14
(54)【発明の名称】APEH産生促進剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/198 20060101AFI20230907BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
A61K31/198 ZNA
A61P43/00 105
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019155974
(22)【出願日】2019-08-28
(65)【公開番号】P2021031472
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2022-06-23
(73)【特許権者】
【識別番号】592262543
【氏名又は名称】日本メナード化粧品株式会社
(72)【発明者】
【氏名】足立 浩章
(72)【発明者】
【氏名】村上 祐子
(72)【発明者】
【氏名】田中 浩
(72)【発明者】
【氏名】山羽 宏行
【審査官】参鍋 祐子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/047980(WO,A1)
【文献】特表2003-514216(JP,A)
【文献】特開2004-292437(JP,A)
【文献】特開2014-118406(JP,A)
【文献】特開2013-253071(JP,A)
【文献】PLoS one,2012年,Vol.7, issue 3, e33177,pp.1-11
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00
A61K 8/00
A23L 33/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
0.4~4重量%のグルタミン及び/又はロイシンを含有することを特徴とするAPEH産生促進剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定のアミノ酸を含有することを特徴とするAPEH産生促進剤に関し、又、APEHが関与する疾患に対する予防、改善又は治療用薬剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
APEH(Acylaminoacyl-peptide Hydrolase)は、酸化したタンパク質を分解する酵素の一種である。具体的には、タンパク質のN末端部分においてアシル化アミノ酸を遊離するセリンプロテアーゼであり、OPH(Oxidized Protein Hydrolase、酸化タンパク質分解酵素)やAARE(Acylaminoacid Releasing Enzyme、アシルアミノ酸遊離酵素)、APH(Acylpeptide Hydrolase、アシル化ペプチド分解酵素)とも呼ばれる。又、APEHが作用するのはアシル化(Acyl)アミノ酸だけではなく、アセチル化(Acetyl)、ホルミル化(Formyl)、ブチル化(Butyl)、プロピル化(Propyl)アミノ酸にも作用するとされ、広く酸化タンパク質の分解に関与している。
【0003】
APEHは、肝臓、脳、皮膚、血液等の組織に広く分布しており、酸化したタンパク質を優先的に分解する。加えて、プロテアソームとの協働により、酸化タンパク質を中心とした異常タンパク質の分解・除去に寄与する。この異常タンパク質の分解活性は加齢によって低下し、異常タンパク質が蓄積してしまうことが知られている(非特許文献1)。生体内の各種反応を触媒する酵素(タンパク質)に異常が増えると、生体機能を直接的、間接的に低下させると考えられるため、APEHの産生を促進して異常タンパク質の分解活性を高めることは、老化に伴うタンパク質異常を介した生体機能低下を抑制すると期待される。
【0004】
APEHは、アルツハイマー病の原因であるアミロイドβを減少させることも報告されている(非特許文献2)。アルツハイマー病は、アミロイドβの沈着、神経原線維変化の形成、神経細胞死へと進行する不可逆的な脳疾患であり、脳の萎縮を引き起こす。現在、治療法は確立されていないが、症状の進行を緩和させる医薬品として、アセチルコリンの分解を阻害するコリンエステラーゼ(ドネペジル等)やNMDA受容体(N-methyl-D-aspartate受容体、グルタミン酸受容体の一種)を拮抗阻害するメマンチンが使用されている。コリンエステラーゼには、嘔吐、下痢等の消化器症状やイライラ、興奮等の神経症状が、メマンチンには、ふらつきや眠気、頭痛、血圧上昇等が示唆され、少なからず副作用が認められることから、有効で、且つ、副作用の少ない予防、改善又は治療剤が求められている。
【0005】
これまでに、APEHの活性増強剤として、キク科アンテミス属、ドクダミ科ドクダミ属、バラ科サンザシ属及びブドウ科ブドウ属からなる群から選択される少なくとも一つの植物の抽出物(特許文献1)、ヒシ、ステビア、ローズマリー、タイム、キク、セイボリー、ヨモギ、クリ、スペアミント、マジョラム、ペパーミント、レモンバーム、オールスパイス、シソ、バジル及びキャラウェイからなる群から選択される少なくとも1種類の植物の抽出物(特許文献2)、ゴボウ、ウーロン茶、ほうじ茶、レモングラス、キダチアロエ、クマザサ、トウガラシ、オオムギ、アマチャヅル、ギムネマ、エビスグサ、ベニバナ、クワ、レイシ、プーアール茶、番茶、ドクダミ、ハトムギ、ハブソウの抽出物を1種類以上含む組み合わせ(特許文献3)等の植物抽出物が報告されている。又、APEHの活性増強剤として、メトキシフラボノイド(特許文献4)、ルブソシド、没食子酸(特許文献5)等の化合物も報告されている。
【0006】
グルタミンはアミノ酸の一種であり、2-アミノ-4-カルバモイル酪酸である。タンパク質を構成するアミノ酸の一つであり、腸機能改善及び肝障害発生抑制といった作用が示唆されている(非特許文献3、4)。ロイシンはアミノ酸の一種であり、体内で合成されない必須アミノ酸の一つである。タンパク質を構成するアミノ酸の一つであり、それ自体にタンパク質合成を促進する作用やインスリン分泌刺激作用が知られている(非特許文献5、6)。しかし、グルタミン又はロイシンのAPEH産生促進効果は報告されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】WO2011-004733
【文献】WO2014-126199
【文献】特開2017-178970
【文献】特開2017-178889
【文献】特開2018-002631
【非特許文献】
【0008】
【文献】後藤佐多良,日本未病システム学会雑誌,10(1),p18-20,2014
【文献】Yagi M.et.al.,Glycative Stress Res.,3,p152-155,2016
【文献】Boza J.J.et.al.,Am.J.Physiol.Gastrointest Liver Physiol.,281(1),pG267-G274,2001
【文献】真田宏夫,臨床化学,29,p123-131,2000
【文献】吉澤史昭,日本栄養・食糧学会誌,56(2),p117-125,2003
【文献】Sener A.et.al.,J.Clin.Invest.,11,p455,1981
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、有効で、且つ、副作用の少ないAPEH産生促進剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、この問題点を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、グルタミン及び/又はロイシンに優れたAPEH産生促進効果を発見し、本発明を完成するに至った。
【0011】
即ち、本発明は、以下の通りである。
(1)グルタミン及び/又はロイシンを含有することを特徴とするAPEH産生促進剤。
(2)(1)記載のAPEH産生促進剤を含有することを特徴とする異常タンパク質の蓄積の予防又は改善剤。
(3)(1)記載のAPEH産生促進剤を含有することを特徴とするアルツハイマー病の予防、改善又は治療剤。
【発明の効果】
【0012】
本発明のグルタミン及び/又はロイシンを含有することを特徴とするAPEH産生促進剤はAPEH産生促進効果に優れ、安全で、且つ、APEHが関与する異常タンパク質の蓄積又はアルツハイマー病に対して予防、改善又は治療効果が期待される。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のAPEH(Acylaminoacyl-peptide Hydrolase)とは、酸化したタンパク質を分解する酵素である。具体的には、タンパク質のN末端部分においてアシル化アミノ酸を遊離するセリンプロテアーゼであり、OPH(Oxidized Protein Hydrolase、酸化タンパク質分解酵素)やAARE(Acylaminoacid Releasing Enzyme、アシルアミノ酸遊離酵素)、APH(Acylpeptide Hydrolase、アシル化ペプチド分解酵素)とも呼ばれる。
【0014】
本発明の異常タンパク質とは、APEHによって分解される酸化タンパク質であり、アシル化(Acyl)、アセチル化(Acetyl)、ホルミル化(Formyl)、ブチル化(Butyl)、プロピル化(Propyl)したタンパク質である。
【0015】
本発明のアルツハイマー病とは、脳の萎縮を引き起こす不可逆的な脳疾患である。アミロイドβの沈着、神経原線維変化の形成、神経細胞死へと進行し、脳の認知機能を障害する。
【0016】
本発明のグルタミンとは、アミノ酸であり、分子式はC10である。L-グルタミンとD-グルタミンが存在し、そのどちらを使用しても良い。
【0017】
本発明のロイシンとは、アミノ酸であり、分子式はC13NOである。L-ロイシンとD-ロイシンが存在し、そのどちらを使用しても良い。
【0018】
グルタミン又はロイシンは、医薬品、食品、化粧品等、様々なグレードのものがあり、それらのいずれを使用しても良い。そのまま用いても良いし、塩の状態で用いることもできる。塩としては、製剤上許容できる酸付加塩や塩基付加塩等が挙げられる。具体的には、酸付加塩としては、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸の塩や、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等の有機酸の塩が挙げられる。又、塩基付加塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等の金属塩や、アンモニウム、エタノールアミン等のアミン類の塩が挙げられる。
【0019】
本発明のグルタミン及び/又はロイシンを含有することを特徴とするAPEH産生促進剤は、医薬品、医薬部外品、食品又は化粧品のいずれにも用いることができる。その剤形として、内用剤として用いる場合は、散剤、顆粒剤、錠剤、糖衣錠剤、カプセル剤、シロップ剤、丸剤、懸濁剤、液剤、乳剤等が挙げられる。又、注射液、座薬等として用いることができる。外用剤として用いる場合は、クリーム、ゲル剤、エアゾール剤、軟膏、パップ剤等が挙げられる。又、点眼薬、洗眼液等の眼に適用する外用剤等として用いることができる。これらの剤形以外の周知な剤形を用いることができ、用途によって適宜選択すれば良い。
【0020】
本発明のグルタミン及び/又はロイシンを含有することを特徴とするAPEH産生促進剤を内用剤に用いる場合、アミノ酸の摂取量は、投与形態、使用目的、年齢、体重等に応じて、適宜選択することが可能であり、一般的には、0.1~5,000mg/日であることが好ましく、1~500mg/日が最も好ましい。又、1日1回から数回投与できる。もちろん前記したように、投与方法や投与量は種々の条件で変動するので、上記投与範囲より少ない量で十分な場合もあるし、又、範囲を超えて投与する必要がある場合もある。又、製剤化における薬効成分の添加方法については、予め加えておいても、製造途中で添加しても良く、作業性を考えて適宜選択すれば良い。
【0021】
本発明のグルタミン及び/又はロイシンを含有することを特徴とするAPEH産生促進剤は、内用剤に用いる場合、これらの具体的な形態に応じて、そのまま使用しても良く、効果を損なわない範囲内で、賦形剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、香料、保存料、溶解補助剤、溶剤等の希釈剤を用いることができる。具体的には、乳糖、ショ糖、ソルビット、マンニット、澱粉、沈降性炭酸カルシウム、重質酸化マグネシウム、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、セルロース又はその誘導体、アミロペクチン、ポリビニルアルコール、ゼラチン、界面活性剤、水、生理食塩水、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール、カカオ脂、ラウリン脂、ワセリン、パラフィン、高級アルコール等が挙げられる。
【0022】
本発明のグルタミン及び/又はロイシンを含有することを特徴とするAPEH産生促進剤を外用剤に用いる場合、アミノ酸の含有量は剤形や用途等に応じて適宜選択することが可能であり、一般的には、剤全体に対して0.00001~10重量%であることが好ましく、0.04~4重量%が最も好ましい。この含有量が、剤全体に対して0.00001重量%未満であると、効果を十分に発揮することが困難であり、好ましくない。又、10重量%を超えて含有しても、含有量の増加に見合った効果の増強を見込みにくく、好ましくない。又、添加の方法については、予め加えておいても、製造途中で添加しても良く、作業性を考えて適宜選択すれば良い。
【0023】
本発明のグルタミン及び/又はロイシンを含有することを特徴とするAPEH産生促進剤は、外用剤に用いる場合、これらの具体的な形態に応じて固体、粉末のまま使用しても良く、溶液として用いても良い。又、効果を損なわない範囲内で、医薬組成物や外用剤に用いられる成分である油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、金属石鹸、pH調整剤、防腐剤、香料、保湿剤、粉体、紫外線吸収剤、増粘剤、色素、酸化防止剤、美白剤、キレート剤等の成分を含有することができる。
【0024】
次に、本発明を詳細に説明するため、実施例1として本発明の処方例、及び、実施例2として実験例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【実施例1】
【0025】
処方例1 錠剤
処方 含有量(g)
1.グルタミン 5.0
2.トウモロコシデンプン 10.0
3.精製白糖 20.0
4.カルボキシメチルセルロースカルシウム 10.0
5.微結晶セルロース 40.0
6.ポリビニルピロリドン 5.0
7.タルク 10.0
[製造方法]成分1~5を混合し、次いで成分6の水溶液を結合剤として加え、常法により顆粒化する。これに滑沢剤として成分7を加えて含有した後、1錠100mgの錠剤に打錠する。当該錠剤を1日10錠摂取することで、グルタミンを50mg/日摂取できる。
【0026】
処方例2 軟膏
処方 含有量(g)
1.グルタミン 0.5
2.ロイシン 0.5
3.ポリオキシエチレンセチルエーテル(30E.O.) 2.0
4.モノステアリン酸グリセリン 10.0
5.流動パラフィン 5.0
6.セタノール 6.0
7.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
8.プロピレングリコール 10.0
9.精製水 65.9
[製造方法]成分3~6を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1、2及び7~9を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら30℃まで冷却後、製品とする。
【0027】
処方例3 飲料
処方 含有量(g)
1.ロイシン 0.1
2.クエン酸 0.7
3.果糖ブドウ糖液糖 60.0
4.香料 0.1
5.精製水 39.1
[製造方法]成分5に成分1~4を加え、攪拌溶解してろ過し、加熱殺菌後、ガラス瓶に充填する。当該飲料を1日1本摂取することで、ロイシンを100mg/日摂取できる。
【0028】
処方例4 クリーム
処方 含有量(g)
1.グルタミン 0.1
2.スクワラン 5.5
3.オリーブ油 3.0
4.ステアリン酸 2.0
5.ミツロウ 2.0
6.ミリスチン酸オクチルドデシル 3.5
7.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 3.0
8.ベヘニルアルコール 1.5
9.モノステアリン酸グリセリン 2.5
10.香料 0.1
11.パラオキシ安息香酸メチル 0.25
12.1,3-ブチレングリコール 8.5
13.精製水 68.05
[製造方法]成分2~9を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1及び11~13を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分10を加え、更に30℃まで冷却後、製品とする。
【0029】
処方例5 ゲル剤
処方 含有量(g)
1.ロイシン 0.001
2.エタノール 5.0
3.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
4.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.1
5.香料 0.1
6.1,3-ブチレングリコール 5.0
7.グリセリン 5.0
8.キサンタンガム 0.1
9.カルボキシビニルポリマー 0.2
10.水酸化カリウム 0.2
11.精製水 84.199
[製造方法]成分2~5と、成分1及び6~11をそれぞれ均一に溶解し、両者を混合して製品とする。
【実施例2】
【0030】
以下、本発明を効果的に説明するために、実験例を挙げる。尚、本発明はこれにより限定されるものではない。
【0031】
実験例1 ヒト皮膚線維芽細胞におけるAPEH産生に及ぼすグルタミン又はロイシンの影響
L-グルタミン、L-ロイシン、L-バリン又はL-グルタミン酸(最終濃度0.4、4及び40mg/mL)を加えたDMEM(-)にてコンフルエントになったヒト皮膚線維芽細胞(NB1RGB)を24時間培養し、総RNAの抽出を行った。尚、L-バリン及びL-グルタミン酸は比較として用いた。総RNAの抽出には、RNAiso plus(タカラバイオ社)を用いた。総RNAを基に、リアルタイムRT-PCR法により、APEH mRNA発現量の測定を行った。リアルタイムRT-PCR法には、SYBR Select Master Mix(ライフテクノロジーズ社)を用いた。尚、内部標準としてβ-アクチンmRNA発現量も併せて測定し、APEH mRNA発現量を内部標準であるβ-アクチンmRNA発現量に対する割合として求めた。実験に使用したプライマーは、次の通りである。
【0032】
APEH用のプライマーセット
TGGCAGCCCTCCAGATAAGA(配列番号1)
GAACAGCATCCAGGCAGTGA(配列番号2)
β-アクチン用のプライマーセット
CACTCTTCCAGCCTTCCTTCC(配列番号3)
GTGTTGGCGTACAGGTCTTTG(配列番号4)
【0033】
得られた結果を表1に示した。ヒト皮膚線維芽細胞にL-グルタミン又はL-ロイシンを添加すると、APEH mRNA発現量が増加した。したがって、L-グルタミン又はL-ロイシンは、APEHの産生を促進した。
【0034】
【表1】
【0035】
D-グルタミン又はD-ロイシンについても同様の実験を行い、APEH mRNA発現量が増加した。
【産業上の利用可能性】
【0036】
グルタミン又はロイシンは、酸化タンパク質やアミロイドβを分解する酵素であるAPEHの産生促進効果を有する。グルタミン及び/又はロイシンを含有する組成物は、APEHの産生を促進することにより異常タンパク質の蓄積を抑制し、老化に伴うタンパク質異常を介した生体機能低下を抑制することができる。又、アミロイドβの分解を促進することにより、少ない副作用のもと、アルツハイマー病を予防、改善又は治療することができる。
【配列表】
0007344546000001.app