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特許7344553電気外科用ブレードおよび電気外科用ペンシル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-06
(45)【発行日】2023-09-14
(54)【発明の名称】電気外科用ブレードおよび電気外科用ペンシル
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/3211 20060101AFI20230907BHJP
   A61B 18/14 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
A61B17/3211
A61B18/14
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2019501931
(86)(22)【出願日】2017-07-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-08-08
(86)【国際出願番号】 US2017041829
(87)【国際公開番号】W WO2018013748
(87)【国際公開日】2018-01-18
【審査請求日】2020-07-06
【審判番号】
【審判請求日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】15/211,270
(32)【優先日】2016-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/211,431
(32)【優先日】2016-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508311248
【氏名又は名称】アイ.シー. メディカル, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コズメスク,ヨハン
【合議体】
【審判長】内藤 真徳
【審判官】村上 聡
【審判官】井上 哲男
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-527766(JP,A)
【文献】特開平4-221539(JP,A)
【文献】米国特許第4850353(US,A)
【文献】米国特許第5626577(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0011994(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B18/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
切断および凝固のために双極電気外科用ブレードを利用する電気外科装置であって、
前記双極電気外科用ブレードは、
板状の非導電性平坦部材であって、それぞれ長さ方向に垂直な厚さ方向において前記非導電性平坦部材の両方の端に配置された第1および第2の対向する平坦側部、前記長さ方向において前記非導電性平坦部材の一方の端に配置された鋭利な切断端、および前記長さ方向において前記非導電性平坦部材の他方の端に配置されて前記切断端に対向する平坦な非切断端を有する、非導電性平坦部材と、
それぞれ、前記非導電性平坦部材の前記第1の対向する平坦側部の上に配置され、切断および凝固のどちらかを作動させるための回路基板に接続された第1のアクティブ電極および第1のリターン電極であって、前記第1のアクティブ電極は、前記第1のアクティブ電極の一部分として、前記長さ方向および前記厚さ方向の両方に垂直な幅方向において前記非導電性平坦部材の両方の端に接する前記第1の対向する平坦側部の対向する細長い縁部の一方である第1の対向する細長い縁部の一部、前記切断端に接する前記第1の対向する平坦側部の縁部の内側の部分、および前記第1の対向する平坦側部の前記対向する細長い縁部の他方である第2の対向する細長い縁部の一部に延在する第1のフック形構成を含み、前記第1のリターン電極は、前記第1のリターン電極の一部分として、前記第1のフック形構成に接触せずに前記第1のフック形構成の内部に配置され、前記第1の対向する平坦側部の前記第1および第2の対向する細長い縁部の少なくとも1つの一部に沿って延在する第1の棒状構成を含み、前記切断端に接している前記第1の対向する平坦側部の前記縁部が前記第1のアクティブ電極の前記第1のフック形構成に覆われていないことによって、前記切断端に接している前記第1の対向する平坦側部の前記縁部、露出する、第1のアクティブ電極および第1のリターン電極と、
それぞれ、前記非導電性平坦部材の前記第2の対向する平坦側部の上に配置され、前記回路基板に接続された第2のアクティブ電極および第2のリターン電極であって、前記第2のリターン電極は、前記第2のリターン電極の一部分として、前記幅方向において前記非導電性平坦部材の両方の端に接する前記第2の対向する平坦側部の対向する細長い縁部の一方である第1の対向する細長い縁部の一部、前記切断端に接する前記第2の対向する平坦側部の縁部の内側の部分、および前記第2の対向する平坦側部の前記対向する細長い縁部の他方である第2の対向する細長い縁部の一部に延在する第2のフック形構成を含
み、前記第2のアクティブ電極は、前記第2のアクティブ電極の一部分として、前記第2のフック形構成に接触せずに前記第2のフック形構成の内部に配置され、前記第2の対向する平坦側部の前記第1および第2の対向する細長い縁部の少なくとも1つの一部に沿って延在する第2の棒状構成を含み、前記切断端に接している前記第2の対向する平坦側部の前記縁部が前記第2のリターン電極の前記第2のフック形構成に覆われていないことによって、前記切断端に接している前記第2の対向する平坦側部の前記縁部、露出する、第2のアクティブ電極および第2のリターン電極と
を含む、電気外科装置。
【請求項2】
前記第1の対向する平坦側部に配置される前記第1のアクティブ電極の少なくとも一部と、前記第2の対向する平坦側部に配置される前記第2のリターン電極の少なくとも一部とは、鏡像関係にあり、前記第1の対向する平坦側部にある前記第1のリターン電極の少なくとも一部と、前記第2の対向する平坦側部にある前記第2のアクティブ電極の少なくとも一部とは、鏡像関係にある、請求項1に記載の電気外科装置。
【請求項3】
前記非導電性平坦部材がセラミックを含む、請求項1に記載の電気外科装置。
【請求項4】
前記第1および第2のアクティブ電極ならびに前記第1および第2のリターン電極がそれぞれ、ステンレス鋼、銅、およびタングステンのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の電気外科装置。
【請求項5】
前記第1のアクティブ電極、前記第1のリターン電極、前記第2のアクティブ電極、および前記第2のリターン電極の各々が、前記非切断端から前記切断端に向かって、前記非導電性平坦部材の全長の半分より長く、且つ前記非導電性平坦部材の全長よりも短く延びる細長い導電層を備え、
前記第1のアクティブ電極の前記細長い導電層は、前記第1のフック形構成を含み、前記第1のリターン電極の前記細長い導電層は、前記第1の棒状構成を含み、前記第2のリターン電極の前記細長い導電層は、前記第2のフック形構成を含み、前記第2のアクティブ電極の前記細長い導電層は、前記第2の棒状構成を含む、請求項1に記載の電気外科装置。
【請求項6】
前記第1のアクティブ電極の前記細長い導電層の少なくとも一部分は、前記非導電性平坦部材の前記第1の対向する平坦側部の前記第1および第2の対向する細長い縁部の少なくとも1つに、またその一部の長さに沿って延在する、請求項5に記載の電気外科装置。
【請求項7】
前記第1のリターン電極の前記細長い導電層の少なくとも一部分は、前記非導電性平坦部材の前記第1の対向する平坦側部の前記第1および第2の対向する細長い縁部の少なくとも1つに、またその一部の長さに沿って延在する、請求項5に記載の電気外科装置。
【請求項8】
前記非導電性平坦部材の前記第2の対向する平坦側部にある前記第2のリターン電極の前記細長い導電層の少なくとも一部分と、前記非導電性平坦部材の前記第1の対向する平坦側部にある前記第1のアクティブ電極の前記細長い導電層の少なくとも一部分とは、鏡像関係にあり、前記非導電性平坦部材の前記第2の対向する平坦側部にある前記第2のアクティブ電極の前記細長い導電層の少なくとも一部分と、前記非導電性平坦部材の前記第1の対向する平坦側部にある前記第1のリターン電極の前記細長い導電層の少なくとも一部分とは、鏡像関係にある、請求項5に記載の電気外科装置。
【請求項9】
第1の端部と第2の端部とを有するハンドピースをさらに含み、前記双極電気外科用ブレードが前記ハンドピースの前記第1の端部内に配置される、請求項1に記載の電気外科装置。
【請求項10】
前記ハンドピースが、内部に含まれる煙排出チャネルをさらに備える、請求項9に記載の電気外科装置。
【請求項11】
前記ハンドピースが、切断用の少なくとも1つの作動ボタンと凝固用の少なくとも1つの作動ボタンとを含む、請求項9に記載の電気外科装置。
【請求項12】
第1の端部と第2の端部とを有するハンドピース部材と、
中空伸縮部材であって、前記双極電気外科用ブレードが前記中空伸縮部材の前記第1の端部内に配置され、前記中空伸縮部材の少なくとも一部が前記ハンドピース部材の前記第1の端部内に同心円状に配置されている、第1の端部を有する、中空伸縮部材と、
前記双極電気外科用ブレードの前記第1および第2のアクティブ電極と接触し、前記中空伸縮部材内に含まれる第1の中空導電性管状部材と、
前記双極電気外科用ブレードの前記第1および第2のリターン電極と接触し、前記中空伸縮部材内に含まれる第1の中実導電性円筒形部材と、
第2の中空導電性管状部材であって、前記第1の中実導電性円筒形部材の少なくとも一部分が前記第2の中空導電性管状部材の少なくとも一部分の内部に含まれるように前記ハンドピース部材内に含まれる、第2の中空導電性管状部材と、
第2の中実導電性円筒形部材であって、前記第2の中実導電性円筒形部材の少なくとも一部分が前記第1の中空導電性管状部材の少なくとも一部分の内部に含まれるように、前記ハンドピース部材内に含まれる、第2の中実導電性円筒形部材と
をさらに備える、請求項1に記載の電気外科装置。
【請求項13】
前記ハンドピース部材が、手術部位から煙とデブリのうちの少なくとも1つを排出するための、前記中空伸縮部材の内部と連通する煙排出チャネルをさらに備える、請求項12に記載の電気外科装置。
【請求項14】
前記ハンドピース部材の内部に配置され、前記第2の中実導電性円筒形部材の少なくとも一部分と前記第2の中空導電性管状部材の少なくとも一部分が通っている第1の支持部材をさらに備える、請求項13に記載の電気外科装置。
【請求項15】
前記中空伸縮部材内に配置され、前記双極電気外科用ブレードの前記第1および第2のアクティブ電極の少なくとも一部分と前記双極電気外科用ブレードの前記第1および第2のリターン電極の少なくとも一部が通っている第2の支持部材をさらに備える、請求項14に記載の電気外科装置。
【請求項16】
前記ハンドピース部材が、切断用の少なくとも1つの作動ボタンと凝固用の少なくとも1つの作動ボタンとを含む、請求項14に記載の電気外科装置。
【請求項17】
第1の端部と第2の端部とを有するハンドピース部材と、
中空伸縮管状部材であって、前記双極電気外科用ブレードが前記中空伸縮管状部材の前記第1の端部内に配置され、前記中空伸縮管状部材の少なくとも一部が前記ハンドピース部材の前記第1の端部内に同心円状に配置されている、第1の端部および第2の端部を有する、中空伸縮管状部材と、
前記双極電気外科用ブレードの前記第1および第2のアクティブ電極と接触し、前記中空伸縮管状部材内に含まれる第1の中実導電性円筒形部材と、
前記双極電気外科用ブレードの前記第1および第2のリターン電極と接触し、前記中空伸縮管状部材内に含まれる第1の中空導電性管状部材と、
第2の中実導電性円筒形部材であって、前記第2の中実導電性円筒形部材の少なくとも一部分が前記第1の中空導電性管状部材の少なくとも一部分の内部に含まれるように前記
ハンドピース部材内に含まれる、第2の中実導電性円筒形部材と、
第2の中空導電性管状部材であって、前記第1の中実導電性円筒形部材の少なくとも一部分が前記第2の中空導電性管状部材の少なくとも一部分の内部に含まれるように、前記ハンドピース部材内に含まれる、第2の中空導電性管状部材と
をさらに備える、請求項1に記載の電気外科装置。
【請求項18】
前記ハンドピース部材が、手術部位から煙とデブリのうちの少なくとも1つを排出するための、前記中空伸縮管状部材の内部と連通する煙排出チャネルをさらに備える、請求項17に記載の電気外科装置。
【請求項19】
前記ハンドピース部材の内部に配置され、前記第2の中実導電性円筒形部材の少なくとも一部分と前記第2の中空導電性管状部材の少なくとも一部分が通っている第1の支持部材をさらに備える、請求項18に記載の電気外科装置。
【請求項20】
前記中空伸縮管状部材内に配置され、前記双極電気外科用ブレードの前記第1および第2のアクティブ電極の少なくとも一部分と前記双極電気外科用ブレードの前記第1および第2のリターン電極の少なくとも一部が通っている第2の支持部材をさらに備える、請求項19に記載の電気外科装置。
【請求項21】
前記ハンドピース部材が、切断用の少なくとも1つの作動ボタンと凝固用の少なくとも1つの作動ボタンとを含む、請求項19に記載の電気外科装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2016年7月15日に出願された係属番号15/211,270の特許出願、および2016年7月15日に出願された係属番号15/211,431の特許出願に対する優先権を主張する。双方共参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概して、切断および凝固のために単極エネルギーを双極モードで使用する超極性電気外科用ブレードおよび超極性電気外科用ペンシルを対象とする。超極性電気外科用ブレードおよび超極性電気外科用ペンシルは、超極性電気外科用ブレードの鋭利な非導電性の切断端で切断すること、ならびに両方共電気外科用ブレードに含まれるアクティブ電極およびリターン電極の作動によって切断または凝固することが可能である。
【0003】
本発明の超極性電気外科用ブレードは、第1および第2の対向する平坦側部と、切断端および対向する非切断端とを有する非導電性平坦部材、両者共非導電性平坦部材の第1の対向する平坦側部に配置される第1のアクティブ電極および第1のリターン電極、ならびに両者共非導電性平坦部材の第2の対向する平坦側部に配置されている第2のアクティブ電極および第2のリターン電極を有する。本発明の超極性電気外科用ペンシルは、第1および第2の端部を有するハンドピースと、ハンドピースの第1の端部内に配置された本発明の超極性電気外科用ブレードとを含む。ハンドピースはさらに、手術部位から煙および/またはデブリを排出するために含まれる煙排出チャネルを含み得る。
【0004】
本発明の超極性伸縮電気外科用ペンシル/ハンドピースは、第1の端部と第2の端部とを有するハンドピース部材、ハンドピースの第1の端部内に同心円状に配置される第1の端部と第2の端部とを有する中空伸縮部材、アクティブ接点とリターン接点の両者を備える、中空伸縮部材の第1の端部内に配置される電気外科用ブレード、中空伸縮部材内に含まれる電気外科用ブレードのアクティブ接点またはリターン接点と接触する第1の中空導電性管状部材、第1の中空導電性管状部材と接触していない電気外科用ブレードのいずれかの接点と接触し、中空伸縮部材内に含まれる第1の中実円筒形部材、第1の中実円筒形部材の少なくとも一部分が第2の中空導電性管状部材の少なくとも一部分の内部に含まれるようにハンドピース部材内に含まれる第2の中空導電性管状部材、および第2の中実円筒形部材の少なくとも一部分が第1の中空導電性管状部材の少なくとも一部分の内部に含まれるように、ハンドピース部材内に含まれる第2の中実円筒形部材を含む。本発明の超極性伸縮電気外科用ペンシル/ハンドピースはまた、手術部位から煙および/またはデブリを排出することができる。
【背景技術】
【0005】
電気外科手術は、RF電気外科発生器(電気手術器またはESUとしても知られる)、および生体組織を切断または凝固させるために様々な電圧で高周波交流無線周波(RF)電流の投入をもたらす電極を備えたハンドピースを使用する。ハンドピースは、1つの電極を有する単極の器具または2つの電極を有する双極の器具であり得る。単極の器具を使用する場合、リターン電極板が患者に取り付けられ、高周波電流が発生器から単極の器具へ、患者を経て患者のリターン電極板へ流れて、発生器へ戻るように流れる。単極電気外科手術は、その汎用性と有効性のために、一般的に用いられている。しかし、単極電気外科手術で発生する過剰な熱は、患者の背後に位置するリターン電極が高電圧および高RFエネルギーを患者に通すため、過剰な組織の損傷および組織の壊死を引き起こす可能性がある。
【0006】
双極電気外科手術では、アクティブ電極およびリターン電極の両方が双極の器具に含まれているため、アクティブ出力機能と患者リターン機能の両方が手術部位で発生する。したがって、電流の経路は、アクティブ電極およびリターン電極との間に位置する生体組織に限定される。双極電気外科手術で、より低い電圧およびより少ないエネルギーを使用できるようになり、それによって単極電気外科手術に関連する組織損傷およびスパークの可能性が低減し、または排除されるが、大きな出血領域を切断および凝固する能力は限られている。
【0007】
したがって、組織の損傷を伴わずに広い範囲の組織を切断および凝固することを可能にし、患者を経てエネルギーが通ることを排除する電気外科用ブレードに対し、必要性が存在している。鋭利な切断縁部と、電気外科用ブレードの対向する側部に配置されたアクティブ電極およびリターン電極の両方とを有する超極性電気外科用ブレードは、この必要性を満たすであろう。鋭利な切断縁部と、本発明を参照して説明した電気外科用ブレードの対向する両方の側部に配置されたアクティブ電極およびリターン電極とを有する超極性電気外科用ブレードは、煙排出能力を有さない電気外科用ハンドピース/ペンシルと共に使用することができるが、それらはまた、電気外科手術中に煙を排出することができる電気外科用ペンシル/ハンドピースと一緒に使用することも意図している。
【0008】
鋭利な切断縁部と、電気外科用ブレードの対向する側部に配置されたアクティブ電極およびリターン電極の両方とを備える電気外科用ブレードを有する超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシルはまた、広い範囲の生体組織の正確な切断および凝固の両方を可能にする。さらに、そのような超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシルは、ハンドピース/ペンシルの伸縮部材ならびにハンドピース/ペンシルの伸縮性部材内に配置された超極性電気外科用ブレードを延ばすことによって、使用者または外科医が、向上した視覚化の能力により、さらに容易かつ効率的に手術部位にアクセスすることを可能にする。本発明の超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシルはまた、手術部位での正確な切断、ならびに手術部位に位置する大きな生体組織領域の切断および凝固を実行することができる一方で、使用者または外科医が手術部位から煙および/またはデブリを排出することを可能にする。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、第1および第2の対向する平坦側部、切断端、および非切断端を有する非導電性平坦部材と、それぞれ第1の対向する平坦側部に配置され、第1の対向する平坦側部の少なくとも一部は非導電性平坦部材の切断端付近に露出する、第1のアクティブ電極およびリターン電極と、それぞれ第2の対向する平坦側部に配置され、第2の対向する平坦側部の少なくとも一部は、非導電性平坦部材の切断端付近に露出する、第2のアクティブ電極およびリターン電極とを含む超極性電気外科用ブレードを対象とする。本発明の超極性電気外科用ブレードの例示的な一実施形態では、第1の平坦側部に配置される第1のアクティブ電極が、第2の平坦側部に配置される第2のリターン電極の少なくとも一部を反映(mirror)し、第1の平坦側部に配置される第1のリターン電極が、第2の平坦側部に配置される第2のアクティブ電極の少なくとも一部を反映する。
【0010】
非導電性平坦部材はセラミックを含んでよく、第1および第2のアクティブ電極ならびに第1および第2のリターン電極はステンレス鋼、銅、および/またはタングステンを含み得る。本発明の超極性電気外科用ブレードの別の例示的実施形態では、第1および第2のアクティブ電極、ならびに第1および第2のリターン電極はそれぞれ、非導電性平坦部材の全長の半分を超えて延びる細長い導電層の形態を取り得る。第1のアクティブ電極の細長い導電層の少なくとも一部分は、第1の対向する平坦側部の対向する細長い縁部の1つ以上に、またその一部の長さに沿って延在することができ、第1のリターン電極の細長い導電層の少なくとも一部分は、第1の対向する平坦側部の1つ以上の対向する細長い縁
部に、またその一部の長さに沿って延在することができる。
【0011】
本発明の超極性電気外科用ブレードのさらに別の例示的実施形態では、非導電性平坦部材の第2の対向する平坦側部にある第2のリターン電極の細長い導電層の少なくとも一部分は、非導電性平坦部材の第1の対向する平坦側部にある第1のアクティブ電極の細長い導電層の少なくとも一部分を反映し、非導電性平坦部材の第2の対向する平坦側部にある第2のアクティブ電極の細長い導電層の少なくとも一部分は、非導電性平坦部材の第1の対向する平坦側部にある第1のリターン電極の細長い導電層の少なくとも一部分を反映する。
【0012】
本発明の超極性電気外科用ブレードのさらに別の例示的実施形態では、超極性電気外科用ブレードは、対向する細長い縁部、切断端、および対向する非切断端を有する第1および第2の対向する平坦側部を有する非導電性平坦部材、非導電性平坦部材の第1の対向する平坦側部に配置されているフック形構成を有する第1のアクティブ電極、第1のアクティブ電極に接触しない第1のアクティブ電極のフック形構成内に配置された、第1のリターン電極の少なくとも一部分が棒状構成を有する第1のリターン電極、非導電性平坦部材の第2の対向する平坦側部に配置されたフック形構成の第2のリターン電極、および第2のリターン電極に接触しない第2のリターン電極のフック形構成内に配置された、第2のアクティブ電極の少なくとも一部分が棒状構成を有する第2のアクティブ電極を含む。第1のアクティブ電極および第2のリターン電極のフック形構成は、非導電性平坦部材の切断端の近くに配置される第1および第2の対向する平坦側部の少なくとも一部を覆うことなく、非導電性平坦部材の切断端の近くに配置され得る。第1の対向する平坦側部に位置する第1のアクティブ電極のフック形構成の少なくとも一部分は、第2の対向する平坦側部に位置する第2のリターン電極のフック形構成の少なくとも一部分を反映してよく、第1のリターン電極の棒状構成の少なくとも一部分は、第2のアクティブ電極の棒状構成の少なくとも一部を反映してもよい。非導電性平坦部材はセラミックを含んでよく、第1および第2のアクティブ電極ならびに第1および第2のリターン電極はステンレス鋼、銅、および/またはタングステンを含み得る。
【0013】
第1のアクティブ電極はフック形の導電層の形態を取り得て、フック形の導電層の少なくとも一部分は、非導電性平坦部材の第1の対向する平坦側部の対向する細長い縁部に、またその一部の長さに沿って延在し、第1のリターン電極は、棒状の導電層の形態を取り得て、棒状の導電層の少なくとも一部分は、非導電性平坦部材の第1の対向する平坦側部の対向する細長い縁部の1つに、またその一部の長さに沿って延在する。同様に、第2のリターン電極は、フック形の導電層の形態を取り得て、フック形の導電層の少なくとも一部分は、非導電性平坦部材の第2の対向する平坦側部の対向する細長い縁部に、またその一部の長さに沿って延在し、第2のアクティブ電極は、棒状の導電層の形態を取り得、棒状の導電層の少なくとも一部分は、非導電性平坦部材の第2の対向する平坦側部の対向する細長い縁部の1つに、またその一部の長さに沿って延在する。
【0014】
さらに、第1および第2のアクティブ電極の一部ならびに第1および第2のリターン電極の一部は、非導電性平坦部材の対向する非切断端まで延びてもよい。本発明の超極性電気外科用ブレードは、非導電性平坦部材の非切断端付近に位置する第1のアクティブ電極および第2のアクティブ電極双方と連通する第1の導電性インサート部材、および非導電性平坦部材の非切断端付近に位置する第1のリターン電極および第2のリターン電極と連通する第2の導電性インサート部材を、さらに含み得る。第1および第2の導電性インサートはそれぞれ、黄銅および/または銅でできている金属接点部材を含むことができる。
【0015】
本発明はまた、第1および第2の端部を有するハンドピースと、ハンドピースの第1の端部に配置された電気外科用ブレードとを有する超極性電気外科用ペンシルを対象とし、
それにおいては、電気外科用ブレードが、第1および第2の対向する平坦側部と、切断端と、対向する非切断端とを有する非導電性平坦部材、第1の対向する平坦側部に配置され、第1の対向する平坦側部の少なくとも一部分が非導電性平坦部材の非導電性切断端付近に露出する、第1のアクティブ電極およびリターン電極、および第2の対向する平坦側部に配置され、第2の対向する平坦側部の少なくとも一部分が非導電性平坦部材の非導電性切断端付近に露出する、第2のアクティブ電極およびリターン電極を含む。ハンドピースは、電気外科用ペンシルの作動中に手術部位から煙とデブリを排出するためにその中に含まれる煙排出チャネルをさらに含み得る。さらに、ハンドピースは、切断用の少なくとも1つの作動ボタンと凝固用の少なくとも1つの作動ボタンとをさらに含み得る。
【0016】
本発明はさらに、手術部位における正確な切断、ならびに手術部位における大きな生体組織領域の切断および凝固を実行することができる、超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシルを対象とする。本発明の超極性伸縮電気外科用ペンシルはまた、超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシルの伸縮部材、および伸縮部材内に収容された超極性電気外科用ブレードを延ばすことによって、同時に手術部位を形成する煙および/またはデブリを排出しながら、手術部位における視認性を高めつつ効果的かつ効率的に手術部位にアクセスできる。
【0017】
1つの例示的な実施形態では、本発明の超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシルは、第1の端部と第2の端部とを有するハンドピース部材、中空伸縮部材の少なくとも一部分がハンドピース部材の第1の端部内に同心円状に配置される、第1の端部と第2の端部を有する中空伸縮部材、中空伸縮部材の第1の端部内に配置されるアクティブおよびリターン接点を有する電気外科用ブレード、電気外科用ブレードのアクティブ接点と接触し、中空伸縮部材内に含まれる第1の中空導電性管状部材、電気外科用ブレードのリターン接点と接触し、中空伸縮部材内に含まれる第1の中実導電性円筒形部材、第1の中実導電性円筒形部材の少なくとも一部分が第2の中空導電性管状部材の少なくとも一部分内に含
まれるように、ハンドピース部材内に含まれる第2の中空導電性管状部材、ならびに第2の中実円筒形部材の少なくとも一部分が第1の中空導電性管状部材の少なくとも一部分内に含まれるように、ハンドピース部材内に含まれる第2の中実円筒形部材を含む。ハンドピース部材はさらに、煙および/またはデブリを手術部位から排出する中空伸縮部材の内部と連通する煙排出チャネルを含む。
【0018】
超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシルは、第2の中実導電性円筒形部材の少なくとも一部と第2の中空導電性管状部材の少なくとも一部が第1の支持部材を通る、ハンドピース部材内に配置された第1の支持部材、および/または電気外科用ブレードのアクティブ接点の少なくとも一部分および電気外科用ブレードのリターン接点の少なくとも一部分が第2の支持部材を通る、中空伸縮部材内に配置された第2の支持部材をさらに含むことができる。超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシルはまた、ハンドピース部材の第2の端部に接続された旋回部材を含むことができ、旋回部材に接続された真空管をハンドピース部材に接続された電気コードの周りでねじれるようにし、それにより、電気外科用ブレードの対向する超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシルの端部を引っ張る、または引き下げるのを減らすことで、外科医が超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシルを使用するのを容易にする。
【0019】
本発明の超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシルの第1および第2の中空導電性管状部材、ならびに第1および第2の中実導電性円筒形部材は、ステンレス鋼、銅、および/またはチタンで作製し得る。さらに、第1および第2の中空導電性管状部材はそれぞれ、その外面に絶縁体を有することができる。
【0020】
超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシルの電気外科用ブレードは、非導電性平坦
部材の各対向する平坦側部にアクティブ接点およびリターン接点の両方と共に、対向する平坦側部を有する非導電性平坦部材を含み得る。電気外科用ブレードは、非導電性平坦部材から形成することができる非導電性鋭利切断先端部をさらに含むことができ、非導電性鋭利切断先端部と非導電性平坦部材は、セラミック材料を含むことができる。
【0021】
本発明の超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシルはまた、中空伸縮管状部材をハンドピース部材に対して定位置に係止するための係止部材を含んでもよい。本発明の超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシルはまた、切断用の少なくとも1つの作動ボタン、および凝固用の少なくとも1つの作動ボタンを含み得る。
【0022】
別の例示的な実施形態では、本発明の超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシルは、第1の端部と第2の端部とを有するハンドピース部材と、中空伸縮管状部材の少なくとも一部分がハンドピース部材の第1の端部内に同心円状に配置される、第1の端部と第2の端部を有する中空伸縮管状部材と、中空伸縮管状部材の第1の端部内に配置されるアクティブおよびリターン接点双方を有する電気外科用ブレードと、電気外科用ブレードのアクティブ接点と接触し、中空伸縮管状部材内に含まれる第1の中実導電性円筒形部材と、電気外科用ブレードのリターン接点と接触し、中空伸縮管状部材内に含まれる第1の中空導電性管状部材と、第2の中実導電性円筒形部材の少なくとも一部分が第1の中空導電性管状部材の少なくとも一部分内に含まれるように、ハンドピース部材内に含まれる第2の中実導電性円筒形部材と、第1の中実導電性円筒形部材の少なくとも一部分が第2の中空導電性管状部材の少なくとも一部分内に含まれるように、ハンドピース部材内に含まれる第2の中空導電性管状部材とを含む。前述の例示的な実施形態と同様に、ハンドピース部材はさらに、煙および/またはデブリを手術部位から排出する中空伸縮管状部材の内部と連通する煙排出チャネルを含む。
【0023】
超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシルのこの第2の例示的な実施形態は、第2の中実円筒形部材の少なくとも一部と第2の中空導電性管状部材の少なくとも一部が第1の支持部材を通る、ハンドピース部材内に配置された第1の支持部材、および/または電気外科用ブレードのアクティブ接点の少なくとも一部分および電気外科用ブレードのリターン接点の少なくとも一部分が第2の支持部材を通る、中空伸縮部材内に配置された第2の支持部材を含むことができる。この実施形態はまた、ハンドピース部材の第2の端部に接続された旋回部材を含むことができ、旋回部材に接続された真空管をハンドピース部材に接続された電気コードの周りでねじれるようにし、それにより、電気外科用ブレードの対向する超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシルの端部を引っ張る、または引き下げるのを減らすことで、外科医が超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシルを使用するのを容易にする。
【0024】
第1の例示的実施形態と同様に、本発明の第2の例示的な実施形態の超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシルの第1および第2の中空導電性管状部材、ならびに第1および第2の中実導電性円筒形部材は、ステンレス鋼、銅、および/またはチタンで作製し得る。さらに、第1および第2の中空導電性管状部材はそれぞれ、その外面に絶縁体を有することができる。さらに、超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシルの第2の例示的な実施形態の電気外科用ブレードは、非導電性平坦部材の各対向する平坦側部にアクティブ接点およびリターン接点の両方と共に、対向する平坦側部を有する非導電性平坦部材を含み得る。電気外科用ブレードは、非導電性平坦部材から形成することができる非導電性鋭利切断先端部をさらに含むことができ、非導電性鋭利切断先端部と非導電性平坦部材は、セラミック材料を含むことができる。
【0025】
さらに、第1の例示的な実施形態と同様に、本発明の超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシルの第2の例示的な実施形態もまた、ハンドピース部材に対して定位置に中空
伸縮管状部材を係止する係止部材、切断用の少なくとも1つの作動ボタン、および凝固用の少なくとも1つの作動ボタンを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明は、添付の図面と併せて以下に説明され、図面において、類似の番号は類似した要素を示す。
【0027】
図1図1は、本発明の超極性電気外科用ブレードの例示的実施形態の側面図である。
図2図2は、図1に示されている本発明の超極性電気外科用ブレードの例示的実施形態の上面図である。
図3図3は、図1に示す本発明の超極性電気外科用ブレードの例示的な実施形態の反対側の側面図であり、図1の超極性電気外科用ブレードを180度回転させて示している。
図4図4は、図1の4-4線に沿って得られた断面図である。
図5図5は、図1の5-5線に沿って得られた断面図である。
図6図6は、図1の6-6線に沿って得られた断面図である。
図7図7は、電気外科用ブレードのアクティブ電極およびリターン電極と連通する導電性インサートを、電気外科用ペンシルに容易に挿入することができるように、本発明の超極性電気外科用ブレードを保持するための支持部材の1つの例示的な実施形態を示す、図1および図3の超極性電気外科用ブレードの端面図である。
図8図8は、図1に示す本発明の超極性電気外科用ブレードの例示的実施形態の部分的な斜視図である。
図9図9は、本発明の超極性電気外科用ペンシルの例示的な実施形態の側面断面図である。
図10図10は、本発明の超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシルの第1の例示的な実施形態の側面斜視図であり、ハンドピース/ペンシルの内部を見られた場合に現れるものとした、超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシルの内部構成要素を示す。
図11図11は、図10に示す図と同じであるが、示されている超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシルが超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシルの旋回部材に対して180度回転されており、それは、超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシルのハンドピース部材および中空伸縮部材が180度回転したとき、同じ位置を保っている。
図12図12は、本発明の超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシルの第2の例示的な実施形態の側面斜視図であり、ハンドピース/ペンシルの内部を見られた場合に現れるものとした、超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシルの内部構成要素を示す。
図13図13は、図12に示す図と同じであるが、示されている超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシルが超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシルの旋回部材に対して180度回転されており、それは、超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシルのハンドピース部材および中空伸縮部材が180度回転したとき、同じ位置を保っている。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の超極性電気外科用ブレードおよび超極性電気外科用ペンシルの例示的な実施形態は、使用者または外科医が、電気外科用ブレードの鋭利な非導電性先端で切断すること、ならびに、アクティブ電極およびリターン電極の両方が配置されている側のどちらかに電気外科用ブレードを配置することによって電気外科用ブレードを用いて広範囲の生体組織を凝固することを可能にするものである。本発明の電気外科用ブレードおよび電気外科
用ペンシルはまた、電気外科用ブレードのアクティブ電極およびリターン電極を用いて切断を実行し得る。本発明の超極性電気外科用ブレードおよび超極性電気外科用ペンシルの例示的な実施形態は、対向する平坦側部、切断端、および非切断端を有する非導電性平坦部材、それぞれ非導電性平坦部材の1つの対向する平坦側部に配置されている第1のアクティブ電極およびリターン電極、ならびにそれぞれ非導電性リターン電極の他方の対向する平坦側部に配置されている第2のアクティブ電極およびリターン電極を有する電気外科用ブレードを含む。非導電性平坦部材の切断端は、生体組織を切断するための鋭利な非導電性切断端を形成することができ、一方で非導電性平坦部材の両側に配置されたアクティブ電極およびリターン電極は、生体組織の凝固および切断を行うために使用できる。
【0029】
図1および図3は、本発明の超極性電気外科用ブレード10の例示的実施形態の対向側面図を示す。このブレードは、対向する細長い縁部18を備える第1および第2の対向する平坦側部14(図1参照)、16(図2参照)と、切断端20と、対向する非切断端22とを有する非導電性平坦部材12、それぞれ、非導電性平坦部材12の第1の対向する平坦側部14に配置され、第1の対向する平坦側部14の少なくとも一部は非導電性平坦部材12の非導電性切断端20付近に露出する、第1のアクティブ電極24および第1のリターン電極28、および、それぞれ、非導電性平坦部材12の第2の対向する平坦側部16に配置され、第2の対向する平坦側部16の少なくとも一部は、非導電性平坦部材12の非導電性切断端20付近に露出する、第2のアクティブ電極44および第2のリターン電極38を含む。第1および第2のアクティブ電極24、44、ならびに第1および第2のリターン電極28、38はそれぞれ、非導電性平坦部材12の全長の半分を超えて延びる細長い導電層の形態を取り得る。
【0030】
図1および図3に示す例示的な実施形態に示すように、第1のアクティブ電極24の少なくとも一部分および第1のリターン電極28の少なくとも一部分は、非導電性平坦部材12の第1の対向する平坦側部14の対向する細長い縁部18の少なくとも1つに、またその一部の長さに沿って延びてもよい。さらに、第2のリターン電極38の少なくとも一部分は、非導電性平坦部材12の第2の対向する平坦側部16の対向する細長い縁部18の少なくとも1つに、またその一部の長さに沿って延びてもよい。図1および図3に示す超極性電気外科用ブレードの例示的な実施形態にさらに示すように、第1の対向する平坦側部14に位置する第1のアクティブ電極24の少なくとも一部は、第2の対向する平坦側部16に位置する第2のリターン電極38の少なくとも一部を反映することができ、第1の対向する平坦側部14に位置する第1のリターン電極28の少なくとも一部は、第2の対向する平坦側部16に位置する第2のアクティブ電極44の少なくとも一部を反映することができる。さらに、第1のアクティブ電極24はフック形構成26を含むことができ、第1のリターン電極28は棒状構成30を含むことができ、第1のリターン電極28の棒状構成30の少なくとも一部は、第1のアクティブ電極24のフック形構成26の内部に配置される。さらに、第2のリターン電極38はフック形構成40を含むことができ、第2のアクティブ電極44は棒状構成46を含むことができ、第2のアクティブ電極44の棒状構成46の少なくとも一部は、第2のリターン電極38のフック形構成40の内部に配置される。
【0031】
非導電性平坦部材12は、やはり鋭利な切断端20を形成することができるセラミックを含むことができる。第1および第2のアクティブ電極24、44ならびに第1および第2のリターン電極28、38は、ステンレス鋼、銅、および/またはタングステンのうちの少なくとも1つを含み得る。第1のアクティブ電極24のフック形構成26および第2のリターン電極38のフック形構成40は、依然として非導電性平坦部材12の第1および第2の対向側部14、16の少なくとも一部が、非導電性切断端20の近くに露出できるようにして、非導電性平坦部材12の切断端20の近くに配置され得る。これにより、超極性電気外科用ブレード10の鋭利な非導電性切断端20を用いて正確な切断を実施す
ることが可能になる。
【0032】
超極性電気外科用ブレード10はまた、それが電気外科用ペンシルなどの器具に簡単に接続できるよう、超極性電気外科用ブレード10が非導電性平坦部材12とそれに関連するアクティブ電極およびリターン電極とを支持することができる限り、様々な構成の形態を取り得る支持部材31を含み得る。超極性電気外科用ブレード10はまた、非導電性平坦部材12の反対側の非切断端22付近で第1のアクティブ電極24および第2のアクティブ電極44と連通する第1の導電性インサート部材50、および非導電性平坦部材12の反対側の非切断端22付近で第1のリターン電極28および第2のリターン電極38と連通する第2の導電性インサート部材52を含み得る。
【0033】
図2は、支持部材31内に仮想の線で示された非導電性平坦部材12を有する本発明の超極性電気外科用ブレード10の上面図である。図4は、図1の線4-4に沿って得られた断面図であり、非導電性平坦部材12と、非導電性平坦部材12の一方の側部(第1の対向する平坦側部14)に配置される第1のアクティブ電極24と第1のリターン電極28、および非導電性平坦部材12の他方の側部(第2の対向する平坦側部16)に配置される第2のアクティブ電極44と第2のリターン電極38を示す。図4に示しているように、断面が得られたために、非導電性平坦部材12の一方の側部に示される第1のアクティブ電極24の2つの部分と、非導電性平坦部材12の他方の側部に示される第2のリターン電極38の2つの部分とがある。図5は、図1の線5-5に沿って得られた本発明の超極性電気外科用ブレード10の別の断面図を示している。図5は、非導電性平坦部材12の一方の側部の第1のアクティブ電極24の一部と第1のリターン電極28の一部と、非導電性平坦部材12の他方の側部の第2のアクティブ電極44の一部と第2のリターン電極38の一部とを示す。
【0034】
図6は、支持部材31内に懸架された第1および第2のアクティブ電極24、44および第1および第2のリターン電極28、38と共に非導電性平坦部材12を示す、図1の6-6線に沿って得られた断面図である。図6はまた、第1および第2のアクティブ電極24、44と連通している超極性電気外科用ブレード10の第1の導電性インサート部材50、および第1および第2のリターン電極28、38と連通している超極性電気外科用ブレード10の第2の導電性インサート部材52を示す。
【0035】
図1および図3の超極性電気外科用ブレード10の端面図は、電気外科用ブレード10のアクティブ電極およびリターン電極24、44、28、38と連通する導電性インサート50、52を、電気外科用ペンシルなどの器具に容易に挿入することができるように、本発明の超極性電気外科用ブレード10を保持するための支持部材31の1つの例示的な実施形態を示す。ほんの1つの例示的な実施形態では、支持部材31は、第1および第2の導電性インサート部材50、52を配置することができる導電性管状部材64、66を有する非導電性インサート部材62を有する中空円筒部材60の形態を取り得る。本発明の超極性電気外科用ブレード10を保持するための支持部材は、任意の数の形態または構成を取り得ることを当業者は理解するであろう。
【0036】
図8は、図1に示されている本発明の超極性電気外科用ブレード10の例示的な実施形態の部分的な斜視図である。図8に見られるように、ブレードのアクティブ電極およびリターン電極は、非導電性平坦部材12の対向する平坦側部に配置され、非導電性平坦部材12の頂部は非導電性で電極がないままである。
【0037】
本発明の超極性電気外科用ペンシル70の例示的な実施形態の側面断面図が図9に示されている。超極性電気外科用ペンシル70は、第1の端部74および第2の端部76を有するハンドピース72と、ハンドピースの第1の端部74内に配置された超極性電気外科
用ブレード10とを含む。図9に示す超極性電気外科用ブレード10は、図1図3に示すブレード10と同様である。導電性ワイヤ80、82は、第1および第2の導電性インサート部材50、52を、切断用の少なくとも1つの作動ボタン86、および凝固用の少なくとも1つの作動ボタン88を可能にする回路基板に接続する。ハンドピース72は、切断および/または凝固を行うときに手術部位からの煙および/またはデブリを排出できるようにするための煙排出チャネル71を含み得る。
【0038】
本発明の超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシルの例示的な実施形態は、使用者または外科医が正確な切断ならびに凝固を実行することを可能にする。本発明の超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシルはまた、手術部位から煙および/またはデブリを同時に排出すること、ならびに手術部位への必要なアクセスの種類に応じて超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシルの長さを伸縮自在に調整できるようにすることも可能にする。本発明の超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシルはまた、電極とは反対側のハンドピース部材の端部に接続された旋回部材を含み、旋回部材に接続された真空管をハンドピース部材に接続された電気コードの周りでねじれるようにする。それにより、電気外科手術中の超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシルの端部を引っ張る、または引き下げるのを減らすことで、外科医が超極伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシルを使用するのを容易にする。超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシルは、電気外科用ハンドピース/ペンシル、電気外科用ハンドピース、電気外科用ペンシル、および本明細書全体のハンドピース/ペンシルと交換可能に使用され、すべて本発明の同一の主題を言及することを意図している。
【0039】
図10は、本発明の超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシル110の第1の例示的な実施形態の側面斜視図であり、ハンドピース/ペンシル110の内部を見られた場合に現れるものとした、超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシル110の内部構成要素を示す。超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシル110は、第1の端部114と第2の端部116とを有するハンドピース部材112、中空伸縮部材118の少なくとも一部分がハンドピース部材112の第1の端部114内に同心円状に配置される第1の端部120と第2の端部122を有する中空伸縮部材118であって、電気外科用ブレード124が第1の端部120内に配置されるアクティブ接点126およびリターン接点128の双方を有する中空伸縮部材118、電気外科用ブレード124のアクティブ接点126と接触し、中空伸縮部材118内に含まれる第1の中空導電性管状部材130、電気外科用ブレード124のリターン接点128と接触し、中空伸縮部材118内に含まれる第1の中実導電性円筒形部材132、第1の中実円筒形部材132の少なくとも一部分が第2の中空導電性管状部材134の少なくとも一部分内に含まれるように、ハンドピース部材112内に含まれる第2の中空導電性管状部材134、ならびに第2の中実導電性円筒形部材136の少なくとも一部分が第1の中空導電性管状部材130の少なくとも一部分内に含まれるように、ハンドピース部材112内に含まれる第2の中実導電性円筒形部材136を含む。当業者に理解されるように、それぞれが絶縁体で被覆される電線などの、
切断および/または凝固を作動させるためにハンドピース部材112の中または上に配置された回路基板に電気外科用ブレード124のアクティブ接点126およびリターン接点128を接続するための他の手段を利用できる。それは、例えば絶縁された電線に耐久性があり、アクティブ接点およびリターン接点に接続されたそれぞれの電線が互いに接触しないことを保証することができる場合などに限られる。しかし、本明細書に示し説明した例示的な実施形態を参照して説明した中実導電性円筒形部材および中空導電性管状部材は、ハンドピース/ペンシルを用いた切断および/または凝固の活性化を可能にする、超極性電気外科用ブレードのアクティブ接点およびリターン接点を回路基板に接続するための優れた手段であると考えられる。さらに、本明細書に示され記載される例示的な実施形態を参照して説明される中実導電性円筒形部材および中空導電性管状部材を利用して、故障に大幅に曝されにくいハンドピース/ペンシル、およびハンドピース/ペンシルの使用中に誤動作が起こって、患者および/または使用者/外科医に傷害をもたらす可能性がはるかに低いハンドピース/ペンシルを作り出す。
【0040】
図10に示す例示的な実施形態に見られるように、本発明の電気外科用ペンシル/ハンドピースは、ハンドピース部材112と中空伸縮部材118とを有し、これらは共に手術部位からの煙および/またはデブリの排出を可能にするために互いに連続しているチャネルを有する。排出中、煙および/またはデブリは連続チャネルを通り、連続チャネルに含まれる第1および第2の中空導電性管状部材130、134、ならびに第1および第2の中実導電性円筒形部材132、136の周りを通る。さらに、第1の支持部材140は、第2の中実導電性円筒形部材136の少なくとも一部分および第2の中空導電性管状部材134の少なくとも一部分が第1の支持部材140を通過するようにハンドピース部材112内に位置決めされる。さらに、電気外科用ブレード124のアクティブ接点126の少なくとも一部分および電気外科用ブレード124のリターン接点128の少なくとも一部分が第2の支持部材142を通るように、第2の支持部材142が中空伸縮部材118内に位置決めされる。第1および第2の中空導電性管状部材130、134ならびに第1および第2の中実導電性円筒形部材132、136は、ステンレス鋼、銅、および/またはチタンから作製でき、第1および第2の中空導電性管状部材130、134の外面はそれぞれ絶縁体で覆われてもよい。
【0041】
電気外科用ブレード124は、対向する平坦側部を有する非導電性平坦部材と、非導電性平坦部材の各対向する平坦側部にアクティブ接点126とリターン接点128双方を有する超極性電気外科用ブレードである。超極性電気外科用ブレード24はさらに、非導電性の鋭利な切断先端部145を含む。非導電性の鋭利な切断先端部145は、非導電性平坦部材から形成することができ、両方ともセラミック材料で作ることができる。
【0042】
超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシル110はまた、旋回部材146がハンドピース部材112に対して回転するように、ハンドピース部材112の第2の端部116に接続される旋回部材146を含む。旋回部材146は、旋回部材に接続された真空管148がハンドピース部材112に接続された電気コード150の周りでねじれるようにし、それにより、電気外科手術中の超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシル110の端部を引っ張る、または引き下げるのを減らすことで、外科医が超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシル110を使用するのを容易にする。
【0043】
図11は、図10に示された図と同じであるが、示されている超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシル110が超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシル110の旋回部材146に対して180度回転されている。それは、超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシル110のハンドピース部材112および中空伸縮部材118が180度回転したとき、同じ位置を保っている。図11で見られるように、超極性電気外科用ブレード124はまた、アクティブ接点126とリターン接点128を含む対向する平坦側部とは反対側の非導電性平坦部材の対向する平坦側部に位置する、第2のアクティブ接点127と第2のリターン接点129とを有する。図10および図11に見られるように、アクティブ接点126および第2のアクティブ接点127は両方とも第1の中空導電性管状部材130と接触または連通しており、リターン接点128および第2のリターン接点129は両方とも第1の中実導電性円筒形部材132と接触している、または連通している。超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシル110のこの構成により、使用者または外科医は、非導電性の鋭利な切断先端部145で生体組織を切断し、電気外科用ブレード124の一方の側部のアクティブ接点126とリターン接点128で生体組織を凝固させ、電気外科用ブレード124の他方の側部の第2のアクティブ接点127および第2のリターン接点129で生体組織を凝固して、電気外科用ブレード124のアクティブ接点126およびリターン接点128ならびに第2のアクティブ接点127および第2のリターン
接点129で切断することが可能になる。
【0044】
超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシル110はまた、中空伸縮部材118をハンドピース部材112に対して定位置に係止するための係止部材160を含む。さらに、図10および図11に示すように、超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシル110はまた、切断用の少なくとも1つの作動ボタン170および凝固用の少なくとも1つの作動ボタン172を含む。
【0045】
図12は、本発明の超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシル200の第2の例示的な実施形態の側面斜視図であり、ハンドピース/ペンシル200の内部を見られた場合に現れるものとした、超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシル200の内部構成要素を示す。超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシル200は、第1の端部214と第2の端部216とを有するハンドピース部材212、中空伸縮部材218の少なくとも一部分がハンドピース部材212の第1の端部214内に同心円状に配置される第1の端部220と第2の端部222を有する中空伸縮部材218、中空伸縮部材218の第1の端部220内に配置されるアクティブ接点226およびリターン接点228の双方を有する電気外科用ブレード224、電気外科用ブレード224のアクティブ接点226と接触し、中空伸縮部材218内に含まれる第1の中実導電性円筒形部材230、電気外科用ブレード224のリターン接点228と接触し、中空伸縮部材218内に含まれる第1の中空導電性管状部材232、第2の中実導電性円筒形部材234の少なくとも一部分が第1の中空導電性管状部材232の少なくとも一部分内に含まれるように、ハンドピース部材212内に含まれる第2の中実導電性円筒形部材234、ならびに第1の中実導電性円筒形部材230の少なくとも一部分が第2の中空導電性管状部材236の少なくとも一部分内に含まれるように、ハンドピース部材212内に含まれる第2の中空導電性管状部材236を含む。当業者に理解されるように、それぞれが絶縁体で被覆される電線などの、切断および/または凝固を作動させるためにハンドピース部材212の中または上に配置された回路基板に電気外科用ブレード224のアクティブ接点226およびリターン接点228を接続するための他の手段を利用できる。それは、例えば絶縁された電線に耐久性があり、アクティブ接点およびリターン接点に接続されたそれぞれの電線が互いに接触しないことを保証することができる場合などに限られる。しかし、本明細書に示し説明した例示的な実施形態を参照して説明した中実導電性円筒形部材および中空導電性管状部材は、ハンドピース/ペンシルを用いた切断および/または凝固の活性化を可能にする、超極性電気外科用ブレードのアクティブ接点およびリターン接点を回路基板に接続するための優れた手段であると考えられる。さらに、本明細書に示され記載される例示的な実施形態を参照して説明される中実導電性円筒形部材および中空導電性管状部材を利用して、故障に大幅に曝されにくいハンドピース/ペンシル、およびハンドピース/ペンシルの使用中に誤動作が起こって、患者および/または使用者/外科医に傷害をもたらす可能性がはるかに低いハンドピース/ペンシルを作り出す。
【0046】
図12に示す例示的な実施形態に見られるように、本発明の電気外科用ペンシル/ハンドピース200は、ハンドピース部材212と中空伸縮部材218とを有し、これらは共に手術部位からの煙および/またはデブリの排出を可能にするために互いに連続しているチャネルを有する。排出中、煙および/またはデブリは連続チャネルを通り、連続チャネルに含まれる第1および第2の中実導電性円筒形部材230、234、ならびに第1および第2の中空導電性管状部材232、236の周りを通る。さらに、第1の支持部材240は、第2の中実導電性円筒形部材234の少なくとも一部分および第2の中空導電性管状部材236の少なくとも一部分が第1の支持部材240を通るようにハンドピース部材212内に配置される。さらに、電気外科用ブレード224のアクティブ接点226の少なくとも一部分および電気外科用ブレード224のリターン接点228の少なくとも一部分が第2の支持部材242を通るように、第2の支持部材242が中空伸縮部材218内
に位置決めされる。第1および第2の中空導電性管状部材232、236ならびに第1および第2の中実導電性円筒形部材230、234は、ステンレス鋼、銅、および/またはチタンから作製でき、第1および第2の中空導電性管状部材232、236の外面はそれぞれ絶縁体で覆われてもよい。
【0047】
電気外科用ブレード224は、対向する平坦側部を有する非導電性平坦部材と、非導電性平坦部材の各対向する平坦側部にアクティブ接点226とリターン接点228双方を有する超極性電気外科用ブレードである。超極性電気外科用ブレード224はさらに、非導電性の鋭利な切断先端部245を含む。非導電性の鋭利な切断先端部245は、非導電性平坦部材から形成することができ、両方ともセラミック材料で作ることができる。
【0048】
超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシル200はまた、旋回部材246がハンドピース部材212に対して回転するように、ハンドピース部材212の第2の端部216に接続される旋回部材246を含む。旋回部材246は、旋回部材に接続された真空管248がハンドピース部材212に接続された電気コード250の周りでねじれるようにし、それにより、電気外科手術中の超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシル200の端部を引っ張る、または引き下げるのを減らすことで、外科医が超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシル200を使用するのを容易にする。
【0049】
図13は、図12に示された図と同じであるが、示されている超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシル200が超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシル200の旋回部材246に対して180度回転されている。それは、超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシル200のハンドピース部材212および中空伸縮部材218が180度回転したとき、同じ位置を保っている。図13で見られるように、超極性電気外科用ブレード224はまた、アクティブ接点226とリターン接点228を含む対向する平坦側部とは反対側の非導電性平坦部材の対向する平坦側部に位置する、第2のアクティブ接点227と第2のリターン接点229とを有する。図12および図13に見られるように、アクティブ接点226および第2のアクティブ接点227は両方共第1の中実導電性円筒形部材230と接触または連通しており、リターン接点228および第2のリターン接点229は両方共第1の中空導電性管状部材232と接触している、または連通している。超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシル200のこの構成により、使用者または外科医は、非導電性の鋭利な切断先端部245で生体組織を切断し、電気外科用ブレード224の一方の側部のアクティブ接点226とリターン接点228で生体組織を凝固させ、電気外科用ブレード224の他方の側部の第2のアクティブ接点227および第2のリターン接点229で生体組織を凝固して、電気外科用ブレード224のアクティブ接点226およびリターン接点228ならびに第2のアクティブ接点227および第2のリターン接点229で切断することが可能になる。
【0050】
超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシル200はまた、中空伸縮部材218をハンドピース部材212に対して定位置に係止するための係止部材260を含む。さらに、図12および図13に示すように、超極性伸縮電気外科用ハンドピース/ペンシル200はまた、切断用の少なくとも1つの作動ボタン270および凝固用の少なくとも1つの作動ボタン272を含む。
【0051】
本明細書における本発明の例示的な実施形態の詳細な説明は、本発明の様々な例示的実施形態を示す。これらの例示的な実施形態およびモードは、当業者が本発明を実施することを可能にするために十分に詳細に説明されており、決して本発明の範囲、適用性、または構成を限定することを意図しない。むしろ、以下の開示は、例示的な実施態様およびモードの実施形態ならびに当業者に知られているか明白である任意の同等のモードまたは実施形態の両方を教示することを意図している。さらに、含まれるすべての例は、例示的な
実施形態およびモードの非限定的な例示であり、それらも同様に、当業者に知られているか明らかである任意の同等のモードまたは実施形態に役立つ。
【0052】
特に列挙されていないものに加えて、本発明の実施において使用される構造、配置、用途、割合、要素、材料、または構成要素の他の組み合わせおよび/または修正は、変更することができ、さもなければ本発明の範囲から逸脱することなく、特定の環境、製造上の仕様、設計パラメータ、または他の動作要件に特に適合させることができ、また本開示に含まれることが意図されている。
【0053】
特に明記しない限り、明細書および特許請求の範囲における語句が、一般に認められている一般的な意味、または当業者によって使用される通常の慣用の意味を与えられることを、出願人は意図している。これらの意味が異なる場合には、明細書および特許請求の範囲における語句は、可能な範囲で最も広くて一般的な意味を与えられるべきである。他のいずれかの特別な意味をいずれかの語句に対して意図している場合、本明細書は特別な意味について明確に述べて定義している。
図1
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