(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-06
(45)【発行日】2023-09-14
(54)【発明の名称】ゲーム機、ゲームシステム、それらに用いるコンピュータプログラム、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/814 20140101AFI20230907BHJP
A63F 13/44 20140101ALI20230907BHJP
A63F 13/5375 20140101ALI20230907BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20230907BHJP
A63F 13/30 20140101ALI20230907BHJP
A63F 13/71 20140101ALI20230907BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20230907BHJP
【FI】
A63F13/814
A63F13/44
A63F13/5375
A63F13/79
A63F13/30
A63F13/71
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2021069860
(22)【出願日】2021-04-16
【審査請求日】2022-07-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000169477
【氏名又は名称】株式会社コナミアミューズメント
(74)【代理人】
【識別番号】100099645
【氏名又は名称】山本 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100161090
【氏名又は名称】小田原 敬一
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 直之
(72)【発明者】
【氏名】西村 宜隆
(72)【発明者】
【氏名】石田 進矢
(72)【発明者】
【氏名】西野 雄人
【審査官】三田村 陽平
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-018687(JP,A)
【文献】特開2013-022453(JP,A)
【文献】特開2008-295606(JP,A)
【文献】特開2002-229574(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F 13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザのプレイ行為が実行されるべき各実行時期が記述された譜面データに基づいて、各実行時期をプレイ用の楽曲のリズムに合わせて案内するとともに、前記ユーザによる実際のプレイ行為の時期を評価するゲームを提供するゲーム機であって、
会員毎にユニークな会員IDを利用した会員認証を経たユーザ端末装置に限定して複数の楽曲を配信するサービスとして前記ゲームとは別に提供される楽曲配信サービスの当該複数の楽曲を選択肢の候補として含むように、前記プレイ用の楽曲を選択するための楽曲選択機会を提供する機会提供手段と、
各楽曲に対応する前記譜面データとして前記複数の楽曲にそれぞれ対応するように用意される複数の譜面データのうち前記プレイ用の楽曲に対応する前記譜面データとしてのプレイ用譜面データを記憶する譜面データサーバにネットワークを介して接続され、前記譜面データサーバから前記プレイ用譜面データを取得する譜面取得手段と、
前記プレイ用の楽曲に対応する楽曲データとしてのプレイ用楽曲データを含む前記複数の楽曲をそれぞれ再生するための複数の楽曲データ
を前記楽曲配信サービスのために記憶する楽曲配信サーバ、若しくは当該楽曲配信サーバから前記プレイ用楽曲データを
取得したサーバ装置のいずれかとしての楽曲データサーバにネットワークを介して接続され、当該プレイ用楽曲データ及び前記プレイ用譜面データとの組合せにより前記プレイ用の楽曲に合わせて各実行時期の案内及び評価が実行されるように、前記楽曲データサーバから前記プレイ用楽曲データを取得する楽曲取得手段と、
を備える、ゲーム機。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム機にネットワークを介して接続されるサーバ装置を備えるゲームシステムであって、
前記サーバ装置は、前記譜面データサーバとして機能する、ゲームシステム。
【請求項3】
ユーザのプレイ行為が実行されるべき各実行時期が記述された譜面データに基づいて、各実行時期をプレイ用の楽曲のリズムに合わせて案内するとともに、前記ユーザによる実際のプレイ行為の時期を評価するゲームを提供するゲーム機であって、
会員毎にユニークな会員IDを利用した会員認証を経たユーザ端末装置に限定して複数の楽曲を配信するサービスとして前記ゲームとは別に提供される楽曲配信サービスの当該複数の楽曲を選択肢の候補として含むように、前記プレイ用の楽曲を選択するための楽曲選択機会を提供する機会提供手段と、
各楽曲に対応する前記譜面データとして前記複数の楽曲にそれぞれ対応するように用意される複数の譜面データのうち前記プレイ用の楽曲に対応する前記譜面データとしてのプレイ用譜面データを記憶する譜面データサーバにネットワークを介して接続され、前記譜面データサーバから前記プレイ用譜面データを取得する譜面取得手段と、
前記複数の楽曲をそれぞれ再生するための複数の楽曲データのうち前記プレイ用の楽曲に対応する楽曲データとしてのプレイ用楽曲データを記憶する楽曲データサーバにネットワークを介して接続され、当該プレイ用楽曲データ及び前記プレイ用譜面データとの組合せにより前記プレイ用の楽曲に合わせて各実行時期の案内及び評価が実行されるように、前記楽曲データサーバから前記プレイ用楽曲データを取得する楽曲取得手段と、
を備える、ゲーム機にネットワークを介して接続されるサーバ装置を備えるゲームシステムであって、
前記サーバ装置は、前記譜面データサーバとして機能し、
前記サーバ装置は、各会員に前記楽曲配信サービスを提供するために前記複数の楽曲データを記憶する楽曲配信サーバを含むように当該サーバ装置とは別のシステムとして構築される楽曲配信システムにネットワークを介して接続され、
前記楽曲データサーバとして、前記サーバ装置、及び前記楽曲配信サーバのいずれか一方が機能する
、ゲームシステム。
【請求項4】
前記楽曲取得手段は、前記楽曲配信サーバが前記楽曲データサーバとして機能する場合に、前記会員認証のための情報として前記会員IDの情報を含むように前記ユーザから提供される認証情報を前記楽曲配信サーバに送信することにより前記会員認証の後に前記プレイ用楽曲データを取得する、請求項3に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記サーバ装置には、前記会員認証のための情報として前記会員IDの情報を含むように前記ユーザから提供される認証情報を、前記ゲーム機を介して取得するID取得手段と、前記会員認証のために前記認証情報を前記楽曲配信サーバに提供する認証提供手段と、が設けられ、
前記楽曲取得手段は、前記認証情報に基づく前記会員認証の後に前記プレイ用楽曲データを取得する、請求項3に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記ゲームは、各ユーザを識別するための情報として前記会員IDとは別に付与されるユーザ識別情報に基づいて各ユーザを特定しつつ、プレイされ、
前記サーバ装置には、前記ユーザから前記ユーザ識別情報及び前記認証情報が提供された場合に、当該ユーザ識別情報と当該認証情報とを関連づける認証情報データを生成するデータ生成手段が設けられ、
前記ID取得手段は、前記認証情報データの生成後において当該認証情報データに基づいて前記認証情報が取得されるように、前記認証情報の代わりに前記ユーザの前記ユーザ識別情報を取得する、請求項5に記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記サーバ装置には、当該サーバ装置が前記楽曲配信システムの会員として機能するために当該サーバ装置に付与された前記会員IDとしての特別会員IDに基づいて前記楽曲配信サーバにおいて前記会員認証を実行する会員認証手段が設けられ、
前記楽曲取得手段は、前記特別会員IDに基づく前記会員認証の後に前記プレイ用楽曲データを取得する、請求項3に記載のゲームシステム。
【請求項8】
前記サーバ装置には、当該サーバ装置が前記楽曲データサーバとして機能する場合に、前記ゲーム機を介して前記楽曲選択機会における選択結果を取得する結果取得手段と、当該楽曲選択機会における選択結果に基づいて前記会員認証の後に前記プレイ用楽曲データを前記楽曲配信サーバから取得するデータ取得手段と、が設けられている、請求項5~7のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項9】
前記サーバ装置には、前記楽曲配信サーバが前記楽曲データサーバとして機能する場合に、前記会員認証の後に前記楽曲データサーバにアクセスするためのアクセス情報を前記ゲーム機に提供する情報提供手段が設けられ、
前記楽曲取得手段は、前記アクセス情報に基づいて前記楽曲データサーバにアクセスし、前記プレイ用楽曲データを取得する、請求項4~7のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項10】
前記ゲーム機には、各会員によって前記複数の楽曲からピックアップされた各楽曲を記録するプレイリスト、及び各会員の配信実績に応じて各会員の趣向に基づいてピックアップされた各楽曲を記録する趣向リストの少なくともいずれか一方のリストとしてピックアップリストが前記楽曲配信システムに用意される場合に、前記ピックアップリストに含まれる各楽曲が前記楽曲選択機会において選択肢の候補に含まれるように、前記楽曲配信システムを介して前記ピックアップリストを取得するリスト取得手段が設けられる、請求項3~6、及び8~9のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項11】
コンピュータを、請求項1に記載のゲーム機の各手段として機能させるように構成されたコンピュータプログラム。
【請求項12】
前記サーバ装置に組みこまれるコンピュータを、請求項2~10のいずか一項に記載のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたコンピュータプログラム。
【請求項13】
ユーザのプレイ行為が実行されるべき各実行時期が記述された譜面データに基づいて、各実行時期をプレイ用の楽曲のリズムに合わせて案内するとともに、前記ユーザによる実際のプレイ行為の時期を評価するゲームを提供するゲーム機に組み込まれるコンピュータに、
会員毎にユニークな会員IDを利用した会員認証を経たユーザ端末装置に限定して複数の楽曲を配信するサービスとして前記ゲームとは別に提供される楽曲配信サービスの当該複数の楽曲を選択肢の候補として含むように、前記プレイ用の楽曲を選択するための楽曲選択機会を提供する機会提供手順と、
各楽曲に対応する前記譜面データとして前記複数の楽曲にそれぞれ対応するように用意される複数の譜面データのうち前記プレイ用の楽曲に対応する前記譜面データとしてのプレイ用譜面データを記憶する譜面データサーバにネットワークを介して接続され、前記譜面データサーバから前記プレイ用譜面データを取得する譜面取得手順と、
前記プレイ用の楽曲に対応する楽曲データとしてのプレイ用楽曲データを含む前記複数の楽曲をそれぞれ再生するための複数の楽曲データ
を前記楽曲配信サービスのために記憶する楽曲配信サーバ、若しくは当該楽曲配信サーバから前記プレイ用楽曲データを
取得したサーバ装置のいずれかとしての楽曲データサーバにネットワークを介して接続され、当該プレイ用楽曲データ及び前記プレイ用譜面データとの組合せにより前記プレイ用の楽曲に合わせて各実行時期の案内及び評価が実行されるように、前記楽曲データサーバから前記プレイ用楽曲データを取得する楽曲取得手順と、
を実行させる、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザのプレイ行為が実行されるべき各実行時期が記述された譜面データに基づいて、各実行時期をプレイ用の楽曲のリズムに合わせて案内するとともに、ユーザによる実際のプレイ行為の時期を評価するゲームを提供するゲーム機等に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザのプレイ行為が実行されるべき各実行時期が記述された譜面データに基づいて、各実行時期をプレイ用の楽曲のリズムに合わせて案内するとともに、ユーザによる実際のプレイ行為の時期を評価するゲームを提供するゲーム機が存在する。このようなゲームとして音楽ゲームを提供するゲーム機が知られている(例えば特許文献1参照)。その他、本発明に関連する先行技術文献として特許文献2が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6683322号公報
【文献】特許第4209657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のゲーム機では、楽曲を再生するための楽曲データはゲーム機に記憶されている。一方で、特許文献1のようなゲーム機が提供する音楽ゲームでは、ゲームの興趣性はプレイに使用される楽曲の影響を受ける可能性が高い。このため、プレイ用に多数の楽曲が用意される場合が多く、かつそれらの楽曲の入替も頻繁に行われる場合も多いが、新しい楽曲の導入には一般的にその楽曲の権利者との契約が必要になる。多数の楽曲を導入するためには当然多くの権利者と個別に交渉しなければならないが、これには多くの手間暇がかかってしまう。
【0005】
一方で、特許文献2には、ネットワークを通じて楽曲データ(番組コンテンツ)をオーディオ機器に配信し、その楽曲データに基づいてオーディオ機器に楽曲を再生させる配信システムが開示されている。また、このような楽曲データを各種のユーザ端末装置にネットワークを介して配信する楽曲配信サービスも存在する。そのようなサービスには、一般的に多数の楽曲が用意されている。さらに、そのような楽曲配信サービスは、サブスクリプションサービスとして一定期間に対応する対価と引き換えに無制限の楽曲の再生を許容するように提供される場合もある。サブスクリプションサービスでは、一般的に対価の支払いのために会員登録が必要であり、会員登録の後に所定の会員認証を経てサービスの利用が可能になる。しかし、このような楽曲配信サービスは、単に楽曲の再生目的で利用される場合が多い。このため、楽曲配信サービスで配信される各楽曲をゲームのプレイに活用する余地がある。
【0006】
そこで、本発明は、会員に限定して提供される楽曲配信サービスに用意される各楽曲をゲームのプレイに活用することができるゲーム機等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のゲーム機は、ユーザのプレイ行為が実行されるべき各実行時期が記述された譜面データに基づいて、各実行時期をプレイ用の楽曲のリズムに合わせて案内するとともに、前記ユーザによる実際のプレイ行為の時期を評価するゲームを提供するゲーム機であって、会員毎にユニークな会員IDを利用した会員認証を経たユーザ端末装置に限定して複数の楽曲を配信するサービスとして前記ゲームとは別に提供される楽曲配信サービスの当該複数の楽曲を選択肢の候補として含むように、前記プレイ用の楽曲を選択するための楽曲選択機会を提供する機会提供手段と、各楽曲に対応する前記譜面データとして前記複数の楽曲にそれぞれ対応するように用意される複数の譜面データのうち前記プレイ用の楽曲に対応する前記譜面データとしてのプレイ用譜面データを記憶する譜面データサーバにネットワークを介して接続され、前記譜面データサーバから前記プレイ用譜面データを取得する譜面取得手段と、前記複数の楽曲をそれぞれ再生するための複数の楽曲データのうち前記プレイ用の楽曲に対応する楽曲データとしてのプレイ用楽曲データを記憶する楽曲データサーバにネットワークを介して接続され、当該プレイ用楽曲データ及び前記プレイ用譜面データとの組合せにより前記プレイ用の楽曲に合わせて各実行時期の案内及び評価が実行されるように、前記楽曲データサーバから前記プレイ用楽曲データを取得する楽曲取得手段と、を備えるものである。
【0008】
本発明のコンピュータプログラムは、コンピュータを、上述のゲーム機の各手段として機能させるように構成されたものである。
【0009】
また、本発明の制御方法は、ユーザのプレイ行為が実行されるべき各実行時期が記述された譜面データに基づいて、各実行時期をプレイ用の楽曲のリズムに合わせて案内するとともに、前記ユーザによる実際のプレイ行為の時期を評価するゲームを提供するゲーム機に組み込まれるコンピュータに、会員毎にユニークな会員IDを利用した会員認証を経たユーザ端末装置に限定して複数の楽曲を配信するサービスとして前記ゲームとは別に提供される楽曲配信サービスの当該複数の楽曲を選択肢の候補として含むように、前記プレイ用の楽曲を選択するための楽曲選択機会を提供する機会提供手順と、各楽曲に対応する前記譜面データとして前記複数の楽曲にそれぞれ対応するように用意される複数の譜面データのうち前記プレイ用の楽曲に対応する前記譜面データとしてのプレイ用譜面データを記憶する譜面データサーバにネットワークを介して接続され、前記譜面データサーバから前記プレイ用譜面データを取得する譜面取得手順と、前記複数の楽曲をそれぞれ再生するための複数の楽曲データのうち前記プレイ用の楽曲に対応する楽曲データとしてのプレイ用楽曲データを記憶する楽曲データサーバにネットワークを介して接続され、当該プレイ用楽曲データ及び前記プレイ用譜面データとの組合せにより前記プレイ用の楽曲に合わせて各実行時期の案内及び評価が実行されるように、前記楽曲データサーバから前記プレイ用楽曲データを取得する楽曲取得手順と、を実行させる、ものである。
【0010】
あるいは、本発明のゲームシステムは、上述のゲーム機にネットワークを介して接続されるサーバ装置を備えるゲームシステムであって、前記サーバ装置は、前記譜面データサーバとして機能するものである。また、本発明のコンピュータプログラムは、上述のサーバ装置に組みこまれるコンピュータを、上述のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成の一例を示す図。
【
図2】音楽ゲームサービスを提供するためにゲームシステムに構築される各システムの概要を示す図。
【
図3】ゲームシステムの制御系の要部を示す機能ブロック図。
【
図4】音楽ゲームサービスの概要を説明するための説明図。
【
図5】第1の形態に係る提供手順における音楽ゲームサービスの流れを説明するための説明図。
【
図7】第1の形態に係る認証実現処理の手順の一例を示すフローチャート。
【
図8】第1の形態に係る認証実現処理の手順の他の例を示すフローチャート。
【
図9】第1の形態に係るゲーム楽曲処理の手順の一例を示すフローチャート。
【
図10】第1の形態に係るゲーム楽曲処理の手順の他の例を示すフローチャート。
【
図11】データ生成処理の手順の一例を示すフローチャート。
【
図12】第2の形態に係る提供手順における音楽ゲームサービスの流れを説明するための説明図。
【
図13】第2の形態に係る認証実現処理の手順の一例を示すフローチャート。
【
図14】第2の形態に係るゲーム楽曲処理の手順の一例を示すフローチャート。
【
図15】第3の形態に係る提供手順における音楽ゲームサービスの流れを説明するための説明図。
【
図16】第3の形態に係る認証実現処理の手順の一例を示すフローチャート。
【
図17】譜面送付処理の手順の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明のゲームシステムの一形態を説明する。まず、
図1を参照して、本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成を説明する。
図1に示すように、ゲームシステム1は、サーバ2を含んでいる。サーバ2は、適宜に構成されてよく、例えば一台のサーバユニット(サーバ装置)によって構成されてもよいが、一例としていずれもサーバユニット群によって構成される。具体的には、サーバ2は複数のサーバユニット2A、2A…(以下、参照符号2で代表することがある。)が組み合わされた論理的なサーバシステムとして構成される。サーバユニット2はネットワークNT上の特定位置に集合的に設置されてもよいし、クラウドコンピューティングを利用してネットワークNT上で分散して設置されることにより、いわゆるクラウド型のサーバシステムを構成するように設けられてもよい。サーバ2には、ネットワークNTを介してゲーム機3、及びユーザ端末装置4が適宜に接続される。
【0013】
ゲーム機3は、ユーザにゲームを提供するゲーム装置である。ゲーム機3は、ゲームを提供する各種のゲーム装置(コンピュータ装置)を含んでいてよく、例えばユーザ端末装置4がゲームを提供する場合、このようなユーザ端末装置4を含んでいてもよいが、
図1の例では、ゲーム機3A、及びゲーム機3Bが示されている。ゲーム機3A、及びゲーム機3Bは、いずれもゲーム装置の一例である。ゲーム機3A、3Bはアミューズメント店舗等の施設に設置され、所定の対価の徴収(消費)と引き換えにユーザ(以下、ゲームをプレイするユーザをプレイヤと呼ぶ場合がある)にゲームをプレイさせる業務用のゲーム機(装置)として構成されている。この種のゲーム機はアーケードゲーム機と呼ばれることもある。なお、ゲーム機3は、複数種類のゲーム装置を含む形態に限定されず、例えばいずれか一種類のゲーム装置のみで構成されてもよい。
【0014】
ゲーム機3は、音楽ゲームを提供する。音楽ゲームは、タイミングゲームの一種である。タイミングゲームは、適切なプレイ行為の実行時期を評価するタイプのゲームである。音楽ゲームの場合、その適切なプレイ行為を実行すべき実行時期が楽曲とともに提供される。また、音楽ゲームでは、楽曲のリズムと一致する時期が実行時期として利用される。つまり、音楽ゲームは、適切なプレイ行為を実行すべき時期を楽曲のリズムに合わせてユーザに案内し、実際のプレイ行為が実行された時期を評価するタイプのゲームである。音楽ゲームにはプレイ用に複数の楽曲が用意され、そこから選択された楽曲が実際のプレイに使用される。
【0015】
ユーザ端末装置4は、いずれもネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供される(個別に使用される)コンピュータ装置の一例である。例えば、このようなユーザ端末装置4として、携帯電話(スマートフォンを含む)のようなモバイル端末装置4A、携帯型タブレット端末装置4B、或いは据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ4Cが利用される。ユーザ端末装置4は、ソフトウェア(アプリケーション)の実行に伴い、ゲーム等の各種のサービスを提供するが、このようなサービスには楽曲データに基づいて楽曲を再生するための楽曲再生サービスが含まれる。つまり、ユーザ端末装置4は、所定のアプリケーションの実行に伴い、各種楽曲を再生するための楽曲再生端末として機能する。このようなアプリケーションは適宜にユーザ端末装置4に提供されてよく、例えば、ネットワークNTを介してサーバ2から提供されてもよいし、記憶媒体等を介して提供されてもよい。なお、その他にも、据置型の家庭用ゲーム機、携帯型ゲーム機、携帯型タブレット端末装置といった、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供される各種のコンピュータ装置がユーザ端末装置4として利用されてよい。
【0016】
ネットワークNTは、ゲーム機3、及びユーザ端末装置4を、サーバ2に対して通信可能に接続させることができる限り、適宜に構成されてよい。一例として、ネットワークNTは、WANとしてのインターネットと、サーバ2、ゲーム機3、及びユーザ端末装置4のそれぞれをインターネットに接続するLAN、或いはアクセスポイントAPといった各種の接続設備又は機器等とを含んでいる。
【0017】
サーバ2は、ユーザ端末装置4又はそのユーザに対して各種のWebサービスを提供する。Webサービスはユーザ端末装置4のための各種のサービスを適宜に含んでいてよいが、一例として楽曲配信サービスを含んでいる。楽曲配信サービスは、楽曲再生端末としてのユーザ端末装置4に楽曲(楽曲データ)を配信し、楽曲を聴かせるためのサービスである。楽曲配信サービスには、多数の楽曲が用意される。なお、Webサービスは、例えばその他にもゲーム機3が提供するゲームに関する各種の情報を提供するゲーム用情報サービス、各ユーザ端末装置4に各種データ或いはソフトウエアを配信(データ等のアップデートを含む)する配信サービス、ユーザによる情報発信、交換、共有といった交流の場を提供するコミュニティサービス、及び各ユーザを識別するためのユーザIDを付与するサービス等のサービスを適宜に含んでいてよい。
【0018】
また、サーバ2は、ゲーム機3又はそのユーザに対して各種のゲーム機用サービスを提供する。ゲーム機用サービスはゲーム機3のための各種のサービスを適宜に含みえるが、一例として音楽ゲームサービスを含んでいる。音楽ゲームサービスは、楽曲配信サービスを利用した音楽ゲームをゲーム機3のユーザにプレイさせるためのサービスである。音楽ゲームサービスの詳細は後述する。なお、ゲーム機用サービスは、例えばその他にもネットワークNTを介してゲーム機3用のプログラム或いはデータを配信したり、更新したりする配信サービス、ユーザの識別情報を受け取って、そのユーザを認証するサービス、ネットワークNTを介して複数のユーザが共通のゲームをプレイする際にユーザ同士をマッチングするマッチングサービス、或いはユーザから料金を徴収する課金サービス等を適宜に含んでいてよい。
【0019】
次に、
図2を参照して、音楽ゲームサービスを提供するためにゲームシステム1に構築される各システムの一例について概要を説明する。ゲームシステム1は、一つのシステムによって構築されてもよいし、複数のシステムを含んでいてもよいが、一例としてゲーム配信システム10、及び楽曲配信システム20の二つを含むように構築される。以下では、ゲーム機3を代表してゲーム機3Bが、ユーザ端末装置4を代表してモバイル端末装置4Aが、それぞれ利用される場合を説明する。
【0020】
ゲーム配信システム10、及び楽曲配信システム20は、上述のWebサービス、及びゲーム機用サービスを適宜に分担してよいが、一例として上述のWebサービス、及びゲーム機用サービスのうち楽曲配信システム20が楽曲配信サービスを、ゲーム配信システム10が音楽ゲームに関連する各種サービスを、それぞれ担当する。ただし、音楽ゲームサービスは、楽曲配信サービス、及び音楽ゲームの両方に関連するため、ゲーム配信システム10、及び楽曲配信システム20の両方が適宜の一部を分担するように実行する。
【0021】
また、ゲーム配信システム10、及び楽曲配信システム20は、同じ運営者によって構築、及び運営されてもよいが、一例として別々の運営者により構築され、運営される。このため、音楽ゲームサービス、及び楽曲配信サービスは一方が他方の一部として機能してもよいが、一例として互いに独立したサービスとして提供される。つまり、ゲーム配信システム10、及び楽曲配信システム20は別々の運営者により運営され、楽曲配信サービスは独立したサービスとしてゲーム機3Bが提供する音楽ゲームとは別に提供される。
【0022】
楽曲配信システム20は、各ユーザのリクエストに応じて無制限の各モバイル端末装置4A(あるいはそのユーザ)に楽曲配信サービスを提供してもよいが、一例として会員登録を済ませたユーザ(以下、会員と呼ぶ場合がある)に限定して楽曲配信サービスを提供する。このため、楽曲配信サービスは、会員登録のための各種サービスも含んでいる。
【0023】
楽曲配信システム20は、会員登録において各会員の管理に必要な会員情報として各種の情報の登録(設定)を会員に要求してよいが、このような会員情報には、例えば会員ID、及びパスワードが含まれる。会員IDは、各会員を識別するために会員毎にユニークなIDである。パスワードは各会員を認証するための情報である。会員ID、及びパスワードは適宜に設定されてよく、いずれも楽曲配信システム20によって発行されてもよいが、一例として会員IDが楽曲配信システム20によって発行され、パスワードが各ユーザによって設定される。そして、楽曲配信サービスは、会員登録の後、これらの会員ID、及びパスワードを利用した会員認証を経て各会員(あるいは各会員が利用するユーザ端末装置4)に提供される。
【0024】
楽曲配信サービスは各種の機能を適宜に有していてよいが、一例として楽曲配信サービスに用意された多数の楽曲のうち、一部の楽曲をピックアップしてリスト化するリスト機能を有している。また、リスト機能では各種のリストが適宜に生成されてよいが、一例としてプレイリスト、及び趣向リストの少なくともいずれか一方が生成される。プレイリストは、配信対象の楽曲群から各会員が自己の好きな楽曲等をピックアップして生成するリストである。趣向リストは、各会員の利用実績(配信実績)に応じて各会員の趣向に基づいて楽曲配信サービスがピックアップして生成するリストである。楽曲配信サービスでは、これらのリストが各会員によって活用される。
【0025】
ゲーム配信システム10、及び楽曲配信システム20は、いずれも各サーバユニット2を適宜に利用して実現される。具体的には、楽曲配信システム20は、例えば楽曲配信用のサーバユニット2B、及び楽曲配信用のデータベースDB2を含んでいる。楽曲配信用のデータベースDB2は、楽曲配信サービスに関する各種のデータを記録するためのサーバユニット2である。このようなデータには、複数の楽曲をそれぞれ再生するための複数の楽曲データが含まれる。楽曲配信用のサーバユニット2Bは、楽曲配信用のデータベースDB2を利用しつつ、楽曲配信サービスをモバイル端末装置4Aに提供するための各種の処理を実行するサーバユニット2である。このような処理には、例えば会員登録を実現したり、会員認証を実行したり、楽曲(楽曲データ)を配信したりする処理が含まれる。
【0026】
ゲーム配信システム10は、例えばゲーム配信用のサーバユニット2A、及びゲーム配信データベースDB1を含んでいる。ゲーム配信データベースDB1は、音楽ゲームに関する各種のデータを記録するためのサーバユニット2である。ゲーム配信用のサーバユニット2Aは、ゲーム配信データベースDB1を利用しつつ、音楽ゲームに関する各種サービスをゲーム機3B等に提供するための各種の処理を実行するサーバユニット2である。ゲーム配信システム10は、このようなゲーム配信用のサーバユニット2A及びゲーム配信データベースDB1を利用しつつ、例えば音楽ゲームサービスを提供する。
【0027】
次に、
図3を参照して、ゲームシステム1のうち、音楽ゲームサービスに関わる制御系の要部の構成について説明する。
図3は、音楽ゲームサービスが提供される場合のゲームシステム1の制御系の要部を示す機能ブロック図である。
図3に示すように、ゲーム配信システム10には、制御部11と、記憶部12とが設けけられる。記憶部12は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって構成される。記憶部12には、制御部11にて参照されるべきプログラム(コンピュータプログラム)PG1、及びシステムデータSD1が記憶される。
【0028】
システムデータSD1は、音楽ゲームサービスの提供に必要な各種のデータを適宜に含みえるが、
図3の例では譜面データQD、及び認証データADが示されている。譜面データQDは音楽ゲームにおいて適切なプレイ行為を実行すべき各実行時期が記述されたデータである。譜面データQDは、各実行時期の案内、及び各プレイ行為の評価に使用される。楽曲配信サービスの各楽曲だけでなく、その他の各種の楽曲が音楽ゲーム用にてプレイ可能な場合、システムデータSD1はそれらの各種の楽曲に対応する譜面データQDを含んでいる。認証データADは、楽曲配信サービスにおける会員認証に必要な会員情報を管理するためのデータである。認証データADの詳細は後述する。なお、システムデータSD1は、例えばその他にも楽曲データMD等の各種のデータを適宜に含んでいてよい。
【0029】
制御部11は、一又は複数のサーバユニット2のコンピュータハードウエア資源(例えばCPU)を利用して構成される。制御部11には、制御部11を構成するハードウエア資源とプログラムPG1との組み合わせによって音楽ゲームサービスに関連する各種の論理的装置が構成され得るが、
図3の例では、このような論理的装置として認証実現部13、及び譜面管理部14が設けられている。
【0030】
認証実現部13は、楽曲配信システム20が提供する楽曲配信サービスを利用するための会員認証を実現するための処理を行う論理的装置である。このような処理には、会員認証に関連する各種の処理が適宜に含まれるが、このような処理の一例として、認証実現部13は認証実現処理、及びデータ生成処理を実行する。同様に、このような処理の一例として、認証実現部13は、後述の形態に応じてゲーム楽曲配信処理、及び譜面送付処理を実行する場合もある。認証実現処理、データ生成処理、ゲーム楽曲配信処理、及び譜面送付処理の手順の詳細は後述する。
【0031】
譜面管理部14は、譜面データQDを管理するための処理を行う論理的装置である。このような処理には、譜面データQDの管理に関する各種の処理が適宜に含まれるが、例えば譜面データQDはユーザによってユーザ端末装置4を通じて生成されてもよく、その場合には、その譜面データQDをユーザ端末装置4から取得したり保存したりする処理が含まれる。
【0032】
楽曲配信システム20には、制御部21と、記憶部22とが設けられる。記憶部22は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって構成される。記憶部22には、制御部21にて参照されるべきプログラム(コンピュータプログラム)PG2、及びシステムデータSD2が記憶される。
【0033】
システムデータSD2は、楽曲配信サービスの提供に必要な各種のデータを適宜に含みえるが、
図3の例では楽曲データMD、及び認証データADが示されている。認証データADは上述のとおりであり、認証データADには各会員の会員情報が記述されるが、後述の形態によってはゲーム配信システム10で管理される認証データADと楽曲配信システム20で管理される認証データADとでは内容(記述される情報)が相違している場合がある。
【0034】
制御部21は、一又は複数のサーバユニット2のコンピュータハードウエア資源(例えばCPU)を利用して構成される。制御部21には、制御部21を構成するハードウエア資源とプログラムPG2との組み合わせによって各種の論理的装置が構成されるが、
図3の例では、このような論理的装置として認証部23、及び楽曲配信部24が設けられている。
【0035】
認証部23は、楽曲配信サービスを提供するための会員認証を実行するための処理を行う論理的装置である。認証部23は、会員認証のための各種の処理を適宜に実行し得るが、例えばゲーム配信システム10の認証実現部13と協働して上述の認証実現処理を実行する。また、楽曲配信部24は、会員に楽曲を配信するための各種の処理を行う論理的装置である。例えば、このような処理には、会員が利用するモバイル端末装置4Aに楽曲を配信したり音楽ゲームサービスを利用するゲーム機3Bに楽曲を配信したりする処理が含まれる。例えば、楽曲配信部24は、このような処理の一例として、後述の形態に応じて上述のゲーム楽曲配信処理を実行する。
【0036】
ゲーム機3Bは、モニタMO、スピーカSP、タッチパネルTP、制御部31、及び記憶部32が設けられる。モニタMO、及びスピーカSPは、制御部31から出力信号に応じて制御される出力装置である。具体的には、モニタMOは、音楽ゲームをプレイするためのゲーム画面を含む各種画像を表示するための周知の表示装置である。スピーカSPは、音楽ゲームにおける楽曲を含む各種音声を再生するための周知の音声出力装置である。一方、タッチパネルTPは、指でタッチ操作した位置に応じた信号を入力する周知の入力装置である。ゲーム機3Bには、プレイ行為を入力するための各種の入力装置が適宜に設けられてよいが、一例としてこのようなタッチパネルがモニタMOの表示面を覆うように設けられる。タッチパネルTPは、タッチ操作の位置に応じた信号を制御部31に出力する。なお、ゲーム機3Bには、これらのモニタMO、スピーカSP、タッチパネルTPの他にも、例えば所定の対価を徴収するための対価徴収装置、或いは各種IDカード等の読み取りに使用されるリーダといった各種の出力装置、及び入力装置が適宜に設けられてよい。
【0037】
記憶部32は、各種データ等を記録可能に適宜に構成されてよいが、一例としてハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって構成される。記憶部32には、制御部31にて参照されるべきプログラム(コンピュータプログラム)PG3、及びゲームデータGDが適宜に記憶される。ゲームデータGDは、音楽ゲームのプレイに必要なデータである。ゲームデータGDには、例えば上述の楽曲データMD、及び譜面データQDが含まれる。なお、ゲームデータGDは、例えばその他にも各種画像を表示するための画像データ、各種音声を再生するための音声データ、或いは各ユーザのゲームに関する実績を管理するためのプレイデータといったゲームの提供に必要な各種のデータを含んでいてよい。
【0038】
制御部31は、ゲーム機3Bのコンピュータハードウエア資源(例えばCPU)を利用して構成される。制御部31には、制御部31を構成するハードウエア資源と記憶部32に記憶されるプログラムPG3との組み合わせによって各種の論理的装置が構成されるが、
図3の例では、このような論理的装置として機会提供部33、案内実行部35、及び評価部36が設けられている。
【0039】
機会提供部33は、音楽ゲームで必要な各種の選択機会を提供するための処理を行う論理的装置である。例えば音楽ゲームには、各種の選択機会が適宜に含まれてよいが、例えば複数の楽曲からプレイ用の楽曲を選択するための楽曲選択機会、或いはプレイの難易度を選択するための難易度選択機会といった選択機会が含まれる。また、楽曲選択機会は、楽曲配信サービスによって配信される多数の楽曲がプレイ用の楽曲の選択候補として含まれるように提供される。機会提供部33は、これらの選択機会を提供するための各種の処理を実行する。
【0040】
また、会員認証に関連する処理は適宜に実現されてよいが、一例として楽曲選択機会に付随する処理として機会提供部33によって実行される場合がある。このため、機会提供部33は、このような処理の一例として、ゲーム配信システム10の認証実現部13、及び楽曲配信システム20の認証部23と協働して上述の認証実現処理を実行する場合がある。また、機会提供部33は、同様の処理の一例として、ゲーム配信システム10の認証実現部13と協働して上述の譜面送付処理を実行する場合もある。
【0041】
さらに、音楽ゲームサービスにおいて楽曲データMDは楽曲配信システム20を介して取得されるが、一例としてこの取得は会員認証に付随する処理として機会提供部33によって実行される場合がある。このため、機会提供部33は、このような処理の一例として、楽曲配信システム20の楽曲配信部24、或いはゲーム配信システム10の認証実現部13と協働して上述のゲーム楽曲配信サービスを実行する場合もある。
【0042】
一方、評価部36は、譜面データQDに基づいて各プレイヤの実際のプレイ行為の時期を評価するための各種の処理を行う論理的装置である。同様に、案内実行部35は、譜面データQDに基づいて各プレイ行為の実行時期を案内するための各種の処理を行う論理的装置である。このような処理には、例えば楽曲データMDに基づいて楽曲を再生する処理、及びその楽曲のリズムに合わせて各実行時期を案内するための処理が含まれる。つまり、楽曲データMDと譜面データQDとの組合せにより各実行時期を案内するための処理が含まれる。
【0043】
次に、
図4を参照して、音楽ゲームサービスの詳細について説明する。
図4は、音楽ゲームサービスの概要を説明するための説明図である。
図4に示すように、音楽ゲームサービスはゲーム機3Bに音楽ゲームを提供させるためのサービスの一つであるが、楽曲配信システム20によって音楽ゲームとは別に提供される楽曲配信サービスの各楽曲を音楽ゲームのプレイにおいて利用させるサービスとして構成される。つまり、音楽ゲームサービスは、楽曲配信サービスにおいて会員に限定して配信される楽曲を、ゲーム機3Bが提供する音楽ゲームのプレイに利用するためのサービスである。
【0044】
具体的には、ゲーム機3Bが提供する音楽ゲームは、上述のように適切なプレイ行為を実行すべき時期を楽曲のリズムに合わせてユーザに案内し、実際のプレイ行為の時期を評価するタイプのゲームである。ゲーム機3Bは、適切なプレイ行為の実行時期を音声にて案内してもよいが、一例として案内画面50を通じて視覚的に案内する。案内画面50は、各実行時期を楽曲のリズムに合わせて視覚的に案内するためのゲーム画面である。案内画面50は、各実行時期を案内可能なように適宜に構成されてよいが、
図4の例では情報領域51、及びプレイ領域52を含んでいる。
【0045】
情報領域51は、音楽ゲームのプレイに関連する各種情報を表示するための領域である。情報領域51は、案内画面50の適宜の位置に各種の形態で形成されてよいが、
図4の例では案内画面50の上側に左端から右端に亘って一定の幅を持つ横方向の帯状に形成されている。また、情報領域51の一定の幅も適宜でよいが、
図4の例では案内画面50における情報領域51の下方の範囲に正方形の領域が形成される程度の幅を持つように情報領域51は形成されている。情報領域51には、ゲームのプレイに関連する各種の情報が適宜に表示されてよいが、
図4の例ではスコアが表示されている。スコアは、ユーザがプレイ中に獲得した得点(“655”)を示す情報である。
【0046】
一方、プレイ領域52は、音楽ゲームのプレイに使用される領域である。プレイ領域52は、案内画面50の適宜の位置に各種の形態(形状、大きさ、色、及びこれらの適宜の組み合わせを含む)で形成されてよいが、
図4の例では案内画面50における情報領域51を除く全域に形成されている。結果として、プレイ領域52の形状は正方形に形成されている。また、音楽ゲームではゲーム機3Bに設けられる入力装置に応じてプレイ行為として各種の行為が実行されてよいが、一例として上述のタッチパネルTPによって検出されるプレイ領域52へのタッチ操作がプレイ行為として実行される。このため、プレイ領域52には、タッチ操作が実行されるべき操作部53が設けられる。
【0047】
プレイ領域52には、適宜の数の操作部53が設けられてよいが、
図4の例では16個(複数)の操作部53が設けられている。また、各操作部53は、適宜の形態で設けられてよく、例えば各円形、楕円形、或いは各種多角形等の各種の形状に形成されてもよく、大きさや配色に関しても同様であるが、
図4の例では無色の正方形として設けられている。同様に、各操作部53は適宜の配置で設けられてよいが、
図4の例では互いに直行する二方向に行、及び列を形成するように配置されている。より具体的には、16個の操作部53は、各行及び各列がそれぞれ四つの操作部53によって形成され、合計四×四のマス目状(マトリクス状)に並べられている。
【0048】
各操作部53は、タッチ操作の他にも適宜に活用されてよいが、
図4の例では各操作部53へのタッチ操作の時期を案内するように構成される。このような案内は、適宜に実現されてよく、例えばカウントダウンされる数字や所定の規則に従った配色の変化(例えば赤、黄、青の順の配色の変化)、或いは画像の形態の変化といった時期を知らせる情報、及びこの情報が表示される操作部53を通じて、各実行時期(タッチ操作の時期)及びタッチ操作が実行されるべき操作部53を案内するように構成されてもよい。このように各操作部53は各操作部53へのタッチ操作の時期を適宜に案内してよいが、一例として指示標識54の表示を通じて案内する。
【0049】
具体的には、各操作部53には適宜の時期に指示標識54が表示される。指示標識54として各種の形態、及び画像が利用されてよいが、
図4の例では各操作部53と同様の正方形に形成され、黒塗りに対応する配色で表示されている。また、指示標識54は、形状の変化等を通じて適宜にタッチ操作の時期を案内してよいが、一例として次のように基準標識の位置との一致を通じてタッチ操作の時期を案内する。すなわち、まず各指示標識54は、各操作部53の中心付近に小さく出現する。その後、各指示標識54は、各操作部53と同じ大きさまで徐々に大きくなるように変化することによりサイズの変化を通じてタッチ操作の時期を案内する。
【0050】
例えば、
図4の例において左から二列目の最上段の操作部53には比較的小さく指示標識54が表示されている。一方、左から三列目の上から二段目の操作部53には、それよりも大きく、操作部53のサイズと近い大きさに指示標識54が表示されている。これらの大きさの変化は、時間経過による変化に対応する。このような変化は、各操作部53に奥行きを与えるように形成される仮想三次元空間においてその奥側から各指示標識54が各操作部53に近づくように移動する演出と捉えられてもよい。いずれにしても指示標識54の大きさと操作部53の大きさとの一致(一致とみなせる所定範囲の大きさを含む)によりタッチ操作の時期が案内され、結果的に各操作部53の外周(境界)を規定する枠線53aが基準標識として機能する。ユーザには、そのような一致に合わせてその指示標識54が表示されている操作部53へのタッチ操作が要求される。そして、タッチ操作が実行された操作部53が適切な場合、そのタッチ操作(プレイ行為)は、指示標識54によって案内される実行時期とそのタッチ操作の実行時期との間のずれ時間が小さいほど評価が高くなるように評価される。
【0051】
案内画面50は指示標識54等を表示するための画像データ等、各種のデータに基づいて実現されるが、そのようなデータには譜面データQDが含まれる。譜面データQDには各種の情報が各実行時期等の情報として記述されてよいが、例えば指示標識54の大きさが枠線53aの大きさと一致すべき時期が各実行時期として記述され、タッチ操作が実行されるべき操作部53(換言すれば各指示標識54を表示すべき操作部53)が適切なプレイ行為として記述される。そして、プレイヤによって実際に適切なタッチ操作が実行された場合には、その実際のタッチ操作の実行時期が譜面データQDの実行時期に基づいて評価される。音楽ゲームにおいて、複数の楽曲或いは複数の難易度が用意される場合には、譜面データQDは楽曲毎或いは難易度毎に用意される。
【0052】
また、指示標識54の大きさが楽曲のリズムに合わせて変化するように、案内画面50の表示中には楽曲が再生されるが、その楽曲は楽曲データMDに基づいて再生される。つまり、ゲーム機3Bは、楽曲データMDと譜面データQDとの組合せにより音楽ゲームを実現する。このため、音楽ゲームの提供には、楽曲データMD、及び譜面データQDが必要となる。
【0053】
一方、楽曲配信サービスは、上述のように会員に楽曲を配信するサービスである。このため、楽曲配信サービスには、配信用の各楽曲を再生するための楽曲データMDが用意される。配信用の各楽曲には権利者が存在するため、各楽曲は各楽曲の権利者の許諾を得た後に配信対象として解禁(配信開始)される。
図4の例では“A権利者”、“B権利者”、或いは“C権利者”といった権利者が示されているが、これらはA楽曲、B楽曲、或いはC楽曲の権利者にそれぞれ対応する。この場合、これらの権利者の許諾が得られた後にA楽曲~C楽曲が配信開始される。このため、これらの権利者の許諾が得られると、A楽曲~C楽曲にそれぞれ対応する“A楽曲データ”、“B楽曲データ”、及び“C楽曲データ”が楽曲データMDに配信対象として追加される。
【0054】
音楽ゲームサービスは、上述の楽曲配信サービスの各楽曲を音楽ゲームのプレイに利用するように構成される。具体的には、ゲーム機3Bが提供する楽曲選択機会は、音楽ゲームサービスを通じてA楽曲~C楽曲といった楽曲配信サービスの各楽曲を選択肢として含むように構成される。一方で、楽曲配信サービスは音楽ゲームとは別のサービスであるから、音楽ゲームのプレイに必要な譜面データQDは用意されない。このため、音楽ゲームサービスでは、楽曲配信サービスにおいて配信用に用意される各楽曲(楽曲データMD)に対応する譜面データQDが、音楽ゲームサービスの運営者、或いは音楽ゲームサービスの利用者(ユーザ)等を通じて別途用意される。つまり、音楽ゲームサービスでは音楽ゲームサービス用の譜面データQDが用意されるが、そこにはA楽曲に対応する“A譜面データ”、B楽曲に対応する“B譜面データ”といった楽曲配信サービスの各楽曲に対応する譜面データQDが含まれる。そして、音楽ゲームサービスを通じて、このような譜面データQDが音楽ゲームの提供に必要な譜面データQDとして提供される。
【0055】
例えば、楽曲選択機会において楽曲配信サービスの配信対象の楽曲のうち、A楽曲がプレイ用の楽曲として選択された場合、楽曲配信サービスが管理するA楽曲用の“A楽曲データ”が音楽ゲームサービスを通じてゲーム機3Bに提供される。同様に、音楽ゲームサービスのために別途用意された譜面データQDのうち、A楽曲に対応する“A譜面データ”が音楽ゲームサービスを通じてゲーム機3Bに提供される。そして、これらの“A譜面データ”、及び“A楽曲データ”の組合せによりA楽曲に合わせた各実行時期の案内等が実現される。具体的には、“A楽曲データ”に基づいてA楽曲が再生されるとともに、そのA楽曲のリズムに合わせて指示標識54の大きさが変化する案内画面50が表示され、各操作部53への実際のタッチ操作の時期が“A譜面データ”の実行時期に基づいて評価される。この例においてA楽曲~C楽曲が本発明の複数の楽曲、及び選択肢の候補として機能する。また、A楽曲、“A譜面データ”、及び“A楽曲データ”が、本発明のプレイ用の楽曲、プレイ用譜面データ、及びプレイ用楽曲データとしてそれぞれ機能する。さらに、“A楽曲データ”~“C楽曲データ”、及び“A譜面データ”~“B譜面データ”が、本発明の複数の楽曲データ、及び複数の譜面データとしてそれぞれ機能する。
【0056】
音楽ゲームサービスにおいて、楽曲配信サービスの配信用の各楽曲に対応する楽曲データMDは適宜に提供されてよく、例えば楽曲配信システム20からゲーム機3Bに直接的に提供されても、楽曲配信システム20からゲーム配信システム10を介してゲーム機3Bに間接的に提供されてもよいが、楽曲データMDの提供手法に応じてゲーム配信システム10と楽曲配信システム20との間で手順(役割)が相違する場合がある。以下では、音楽ゲームサービスとして楽曲配信サービス用の楽曲データMDをゲーム機3に提供するための提供手順を形態毎に説明する。
【0057】
(第1の形態)
図5~
図11を参照して、第1の形態に係る提供手順について説明する。
図5は、第1の形態に係る提供手順における音楽ゲームサービスの流れを説明するための説明図である。第1の形態に係る提供手順は、楽曲配信サービスの利用に必要な会員認証にゲーム配信システム10が介在し、プレイヤの代わりにゲーム配信システム10がその会員認証を実行するタイプの手順である。また、第1の形態に係る提供手順には、会員認証に各プレイヤの会員情報を利用する場合と、ゲーム配信システム10が楽曲配信サービスの会員として機能し、会員認証にゲーム配信システム10の会員情報を利用する場合とが含まれる。
図5に示すように、このような第1の形態に係る提供手順は、音楽ゲームサービスを実現するための手順としてF1~F7の手順を含んでいる。なお、ゲーム配信システム10の代わりに所定の施設や各ゲーム機3Bといった適宜の単位(例えば楽曲配信サービスは有料の場合が多いため、楽曲配信サービスの利用費算出に使用される単位で会員情報が取得されてよい)が会員情報を取得してもよく、その場合、ゲーム配信システム10の代わりにそれら施設等の会員情報が会員認証に使用されてもよい。
【0058】
具体的には、音楽ゲームサービスでは、まずゲーム機3Bが音楽ゲームサービスの提供をゲーム配信システム10にリクエストする(F1)。このリクエストは適宜に実現されてよく、例えば楽曲配信サービスにて配信される各楽曲の情報のリクエストを含んでいてもよいが、一例として楽曲配信サービスにて配信される各楽曲の情報は事前にゲーム配信システム10から提供され、プレイ用の楽曲としてその楽曲配信サービスの楽曲が選択された場合に実行される。また、会員認証に各プレイヤの会員情報が利用される場合、リクエストには、その会員認証の情報の入力も含まれる。この場合、リクエストには会員ID、或いはパスワードといった会員認証のための会員情報が含まれる。
【0059】
また、ゲーム機3Bでは、例えば音楽ゲームをプレイする各プレイヤを識別するためのユーザID(ゲーム配信システム10が付与するIDであり、会員IDとは別の体系で管理される別のID)等を通じて各プレイヤを特定しつつ音楽ゲームが提供されてもよい。この場合、会員情報の入力が毎回要求されてもよいが、一例としてゲーム配信システム10は会員情報の初回提供時にその会員情報とユーザIDとを関連付けて管理し、以降において会員情報の提供の代わりにユーザIDの入力が要求される。つまり、音楽ゲームサービスの初回利用時にユーザID及び会員情報がゲーム配信システム10へのリクエストに含まれる一方で、二度目の利用以降では、会員情報の入力及び送信は省略される。
【0060】
一方、ゲーム配信システム10は、ゲーム機3Bからリクエストを取得すると、楽曲配信システム20にアクセスし、楽曲配信サービスを利用するための会員認証を実行する(F2)。具体的には、会員認証に各プレイヤの会員情報が利用される場合、ゲーム配信システム10はリクエストに含まれる会員情報に基づいて会員認証を実現する。一方、会員認証にゲーム配信システム10の会員情報が利用される場合、ゲーム配信システム10は自己の会員ID、及びパスワードといった会員情報を利用して、会員認証を実現する。
【0061】
また、ゲーム配信システム10は、会員認証が成功すると、対象の楽曲(ゲーム機3Bからプレイ用にリクエストされた楽曲)の配信をリクエストする(F3)。なお、会員認証に各プレイヤの会員情報が利用される場合、会員認証に失敗する(会員認証がエラーで処理される)可能性がある。この場合、ゲーム配信システム10は、ゲーム機3Bにエラー(認証失敗)を通知し、会員認証が成功するか、楽曲配信サービスの楽曲の利用がキャンセルされるまで、正しい会員認証の情報を要求する。
【0062】
楽曲配信システム20は、ゲーム配信システム10から楽曲配信のリクエストを取得すると、対象の楽曲を配信するためのアクセス情報を生成し、ゲーム配信システム10に送信する(F4)。アクセス情報として楽曲の配信を実現できる限り適宜の情報が利用されてよいが、例えば対象の楽曲の配信に使用される専用のURL(楽曲配信システム20に専用に構築される場所のアドレス)の情報が利用される。
【0063】
一方、ゲーム配信システム10は、楽曲配信システム20からアクセス情報を取得すると、対象の楽曲の譜面データQDを特定し、その特定した譜面データQDとアクセス情報とをゲーム機3Bに送信する(F5)。
【0064】
ゲーム機3Bは、譜面データQD、及びアクセス情報を取得すると、そのアクセス情報に基づいて楽曲配信システム20にアクセスする。例えば、アクセス情報としてURLの情報が利用される場合、ゲーム機3Bは楽曲配信システム20に設けられるそのURLにアクセスする。アクセス情報へのアクセスはプレイヤの操作に基づいて実行されてもよいが、一例としてこのようにゲーム機3Bにより自動で実行される。そして、ゲーム機3BはそのURLにおいて対象の楽曲の配信をリクエストする(F6)。
【0065】
楽曲配信システム20は、ゲーム機3BによるURLへのアクセスを介して対象の楽曲の配信がリクエストされると、その楽曲を再生するための楽曲データMDをゲーム機3Bに送信する(F7)。そして、ゲーム機3Bは、その楽曲データMDを取得すると、ゲーム配信システム10から提供された譜面データQDと組合せて音楽ゲームをプレイヤに提供する。つまり、ゲーム機3Bは、ゲーム配信システム10から取得した譜面データQDに基づいて各実行時期の案内、及びプレイ行為の評価が実行されるように、楽曲配信システム20から取得した楽曲(楽曲データMD)のリズムに合わせて案内画面50を表示する。一例として、第1の形態に係る提供手順では、このような流れで楽曲ゲームサービスが提供される。
【0066】
次に、認証データADの詳細について説明する。
図6は、認証データADの構成の一例を示す図である。認証データADは上述のようにゲーム配信システム10、及び楽曲配信システム20に記憶され得るが、それらの間で認証データADに記述される情報が相違する場合がある。
図6の例は、ゲーム配信システム10に記憶される認証データADを示している。より具体的には、
図6の例は、ゲーム配信システム10においてユーザIDと会員認証の情報とが認証データADにて関連付けて管理される場合を示している。この場合、
図6に示すように、認証データADは、会員認証の情報をユーザ毎に管理するための認証レコードADRを含んでいる。また、認証レコードADRは、このような管理を実現するために、“ユーザID”、“会員ID”、及び“パスワード”の情報を含んでいる。
【0067】
“ユーザID”は各ユーザのユーザIDを示す情報である。“会員ID”は各会員の会員IDを示す情報である。“パスワード”は各会員を認証するための暗号として機能するパスワードを示す情報である。認証レコードADRには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。なお、認証データADは、これらの情報に限定されず、認証の都合等に応じて各種の情報を適宜に含んでいてよい。あるいは、上述の情報の一部等が適宜に省略されてもよい。例えば、楽曲配信システム20にて管理される認証データADでは、“ユーザID”の情報が省略されてもよい。
【0068】
次に、第1の形態の提供手順に係る認証実現処理、ゲーム楽曲配信処理、及びデータ生成処理について説明する。認証実現処理は、音楽ゲームサービスにおいて楽曲配信サービスを利用するための認証を実現するための処理である。第1の形態に係る提供手順は、各プレイヤが会員である場合と、ゲーム配信システム10が会員である場合とを含んでいる。
図7の例は、各プレイヤの会員情報に基づいて会員認証が実行される場合の認証実現処理を示している。また、楽曲選択機会は楽曲配信サービスの楽曲以外を選択候補として提示してもよいが、
図7の例は楽曲配信サービスの各楽曲のみを選択候補として提示する場合の認証実現処理を示している。なお、
図7~
図10の例では、ゲーム機3Bの機会提供部33によって主として実行される処理がゲーム機3Bとして、ゲーム配信システム10の認証実現部13によって主として実行される処理がゲーム配信システムとして、楽曲配信システム20の認証部23によって主として実行される処理が楽曲配信システム20として、それぞれ示されている。
【0069】
ゲーム機3Bは、例えば音楽ゲームのプレイを要求する所定の操作が実行された場合、会員認証用の会員情報の入力をプレイヤに要求し、その会員情報が入力されると、
図7の認証実現処理を開始し、まず楽曲配信サービスの各楽曲が選択候補に含まれるように楽曲選択機会を提供する(ステップS101)。
【0070】
続いてゲーム機3Bは、楽曲選択機会で選択された楽曲の利用をゲーム配信システム10にリクエストする(ステップS102)。このリクエストは、リクエスト対象の楽曲の情報、及びプレイヤによって入力された会員情報を含むように実行される。なお、ユーザIDと会員情報とが関連付けられて管理され、今回のプレイヤによる音楽ゲームサービスの利用が二回目以降に該当する場合、ゲーム機3Bは会員情報の代わりにユーザIDの入力を要求してもよい。この場合、リクエストには、会員情報の代わりにユーザIDの情報が含まれる。
【0071】
一方、ゲーム機3Bから楽曲配信サービスにて配信される楽曲のプレイへの利用がリクエストされると、ゲーム配信システム10は
図7の認証実現処理を開始し、まずそのリクエスト(楽曲選択機会における選択結果等)を取得する(ステップS201)。続いてゲーム配信システム10は、楽曲配信サービスを利用するための会員認証を楽曲配信システム20にリクエストする(ステップS202)。なお、会員情報の代わりにユーザIDの情報がリクエストに含まれている場合、ゲーム配信システム10はまず認証データADを参照し、そのユーザIDに対応する会員認情報を特定する。そして、その特定した会員情報に基づいて認証のリクエストが実行される。この例においてユーザIDが本発明のユーザ識別情報として機能する。また、ユーザIDと会員情報とが関連付けられるように記述される認証データADが本発明の認証情報データとして機能する。
【0072】
楽曲配信システム20は、ゲーム配信システム10から楽曲配信サービスを利用するための会員認証がリクエストされると、
図7の認証実現処理を開始し、まずそのリクエストを取得する(ステップS301)。続いて楽曲配信システム20は、その取得したリクエストに含まれる会員情報に基づいて楽曲配信サービスのための会員認証を実行し、その認証が成功か否か判別する(ステップS302)。会員認証がエラー(失敗)の場合、楽曲配信システム20はそのエラーの結果をゲーム配信システム10に送信し(ステップS303)、今回の認証実現処理を終了する。この例において、会員ID、及びパスワードを含む会員情報が本発明の認証情報として機能する。
【0073】
一方、会員認証が成功した場合、楽曲配信システム20は、ステップS301で取得したリクエストに基づいて配信対象の楽曲を特定する(ステップS304)。続いて楽曲配信システム20は、その特定した楽曲(リクエスト対象の楽曲)、換言すればその楽曲に対応する楽曲データMDを配信するためのアドレス情報を生成する(ステップS305)。楽曲データMDの配信は適宜に実現されてよいが、一例としてストリーミング配信により実現される。また、アドレス情報の一例として、対象の楽曲に対応する楽曲データMDをストリーミング配信するための専用のURLアドレスが利用される。つまり、楽曲配信システム20は、ステップS305において楽曲データMDをストリーミング配信するための専用のURLアドレスを設けることによりそのURLアドレスをアドレス情報として生成する。そして、楽曲配信システム20は、ステップS305で生成したアドレス情報、つまり対象の楽曲データMDをストリーミング配信するための専用のURLアドレスの情報をゲーム配信システム10に送信し(ステップS306)、今回の認証実現処理を終了する。
【0074】
ゲーム配信システム10は、楽曲配信システム20から会員認証の結果が送信されると、その認証の結果を取得する(ステップS203)。そして、ゲーム配信システム10は、その認証の結果が成功か否か判別する(ステップS204)。その認証の結果がエラー(失敗)の場合(ステップS204:No)、ゲーム配信システム10は、そのエラーの結果をゲーム機3Bに送信するとともに、以降の処理をスキップして今回の認証実現処理を終了する。
【0075】
一方、会員認証の結果が成功の場合(ステップS204:Yes)、ゲーム配信システム10は、リクエスト対象の譜面データQDを特定する(ステップS205)。続いてゲーム配信システム10は、会員認証の結果をゲーム機3Bに送信する(ステップS206)。この会員認証の結果には、ステップS205で特定した譜面データQD、及び楽曲配信システム20から送信されたアドレス情報が含まれる。そして、この送信の後にゲーム配信システム10は、今回の認証実現処理を終了する。
【0076】
ゲーム機3Bは、ゲーム配信システム10から会員認証の結果が送信されると、その結果を取得し(ステップS103)、その認証の結果が成功か否か判別する(ステップS104)。会員認証の結果がエラーの場合、ゲーム機3Bは、その結果を示しつつ、プレイヤに会員情報の再入力を要求する(ステップS105)。そして、プレイヤによって会員認情報が再入力されると、ゲーム機3BはステップS101に戻り、以降の処理を再度実行する。なお、プレイヤの会員情報が入力されない場合(所定期間経過に伴うタイムアウトを含む)、ゲーム機3Bは今回の認証実現処理を終了してよい。
【0077】
一方、会員認証の結果が成功の場合、ゲーム機3Bは待機画面をモニタMOに表示する(ステップS106)。待機画面は、音楽ゲームのプレイ開始(各実行時期の案内開始)を待機するためのゲーム画面である。待機画面は適宜に実現されてよく、例えば単に開始までのカウントダウンが実施される画面でも、開始のためのタッチ操作を要求する画面でもよいが、一例として単に待機中を通知する画面として実現される。ただし、待機画面は各種の画像(動画を含む)等を適宜に含んでいてよい。そして、この表示の後にゲーム機3Bは、今回の認証実現処理を終了する。
【0078】
一方、
図8の例は、ゲーム配信システム10の会員情報に基づいて会員認証が実行される場合の認証実現処理を示している。
図8の例において、
図7の例と共通する処理には同じステップ数を付して、その説明を省略する。
図8に示すように、
図7の例と比較すると、
図8の例の認証実現処理では、ステップS104、及びステップS105の処理が省略される。一方、
図8の例の認証実現処理では、ゲーム配信システム10の会員情報が会員認証に使用されるため、ステップS101において取得されるリクエストには会員情報は含まれない。このため、ゲーム配信システム10は、ステップS102に含まれる会員情報の代わりに、自己の会員情報(適宜に管理されてよいが、一例として“ユーザID”の情報が省略され、自己の会員ID及びパスワードの情報を含む認証データADにて管理される)に基づいてステップS202において会員認証をリクエストする。この例において、自己の会員IDが本発明の特別会員IDとして機能する。
【0079】
同様に、会員認証の結果としてエラーを取得した場合(ステップS203)、ゲーム配信システム10は、その結果をゲーム機3Bに送信する代わりに、ステップS202の処理に戻り(ステップS204:No)、再度以降の処理を実行する。なお、ゲーム配信システム10が自己の会員情報を会員認証に利用する場合、その認証結果がエラーとなる可能性は低いと考えられるが、各種トラブルも考えられる。このため、例えば所定回数エラーが継続する場合等、各種トラブルと判断される場合には、ゲーム配信システム10は、そのエラーの結果をゲーム機3Bに送信し、音楽ゲームサービスの利用中断等を適宜案内してもよい。
【0080】
図7、或いは
図8の手順により、ゲーム配信システム10を介して楽曲配信サービスを利用するための会員認証が実現され、その認証を経て楽曲配信サービスの楽曲に対応する楽曲データMD、及び譜面データQDがゲーム機3Bに提供される。つまり、第1の形態に係る提供手順が実現される。より具体的には、第1の形態に係る提供手順のF1~F5の手順が実現される。なお、
図7、或いは
図8の例においてゲーム配信システム10のゲーム配信用のサーバユニット2A(ゲーム配信データベースDB1でもよい)が本発明のサーバ装置、及び譜面データサーバとして機能する。
【0081】
ゲーム楽曲配信処理は、楽曲配信システム20から音楽ゲームサービスの一部としてゲーム機3Bに楽曲データMDを配信するための処理である。
図9の例は、ゲーム配信システム10を介してゲーム機3Bに提供されるアドレス情報へのアクセスにより楽曲データMDの配信が実現される場合のゲーム楽曲配信処理を示している。また、
図9の例は
図7の例、或いは
図8の例に係る認証実現処理が実行される場合のゲーム楽曲配信処理を示している。この場合において、アドレス情報へのアクセスは単に楽曲データMDの取得に使用されてもよいが、一例として音楽ゲームのプレイ開始の指示としても機能する。この場合、ゲーム機3Bは、
図7等の手順を通じて待機画面を表示する毎に
図9のゲーム楽曲配信処理を開始し、まずゲーム配信システム10から取得したアドレス情報、つまりURLにアクセスする(ステップS401)。続いてゲーム機3Bは、アクセスしたURLにおいて楽曲の配信をリクエストする(ステップS402)。
【0082】
一方、楽曲配信システム20は、ゲーム機3Bから楽曲配信がリクエストされると、ゲーム楽曲配信処理を開始し、まずそのリクエストを取得する(ステップS501)。続いて楽曲配信システム20は、そのリクエストに基づいて配信対象の楽曲を特定し、その楽曲に対応する楽曲データMDを配信する(ステップS502)。そして、その配信の後に楽曲配信システム20は今回のゲーム楽曲配信処理を終了する。
【0083】
ゲーム機3Bは、楽曲配信システム20から楽曲データMDが配信されると、その楽曲データMDを取得する(ステップS403)。続いてゲーム機3Bは、その取得した楽曲データMDに基づいてプレイを開始させる(ステップS404)。つまり、ゲーム機3Bは待機画面の表示を終了し、案内画面50の表示を開始する。案内画面の表示開始(待機画面の表示終了)は適宜に実行されてよく、例えば楽曲に対応する楽曲データMDの全体の取得を待って実行されてもよいが、一例としてストリーミング配信により楽曲が随時再生されるように、所定の再生時間に対応する楽曲データMDのパケットの取得に伴い実行される。より具体的には、ゲーム機3Bは、その取得した楽曲データMDに基づいて楽曲の再生を開始するとともに、その楽曲に合わせて各実行時期が案内されるようにその楽曲に対応する譜面データQD(例えば
図7或いは
図8の手順により取得される)に基づいて案内画面50の表示を開始する。つまり、ゲーム機3Bは、楽曲配信システム20から取得した楽曲データMDとゲーム配信システム10から取得した譜面データQDとの組合せにより各タッチ操作(プレイ行為)の時期の案内を開始する。そして、案内開始の後にゲーム機3Bは今回のゲーム楽曲配信処理を終了する。これにより、音楽ゲームのプレイのために楽曲配信サービスの楽曲に対応する楽曲データMDが取得される。より具体的には、第1の形態に係る提供手順のF6~F7の手順が実現される。そして、音楽ゲームサービスを利用した音楽ゲームのプレイが実現される。この例において、楽曲配信システム20の楽曲配信用のサーバユニット2B(楽曲配信用のデータベースDB2でもよい)が本発明の楽曲配信サーバ、及び楽曲データサーバとして機能する。
【0084】
一方、
図10は、変形例に係るゲーム楽曲配信処理の手順の一例を示すフローチャートである。楽曲配信サービスの機能は適宜に音楽ゲームにおいて活用されてよく、そのような機能の活用のために会員認証の後に楽曲選択機会が提供された方がよい場合がある。
図10の例は、会員認証の後に楽曲選択機会が提供される場合のゲーム楽曲配信処理を示している。以下では、
図9の例と共通する処理には同じステップ数を付して、その説明を省略する。
【0085】
図10に示すように、
図9の例と比較して、変形例に係るゲーム楽曲配信処理では、アドレス情報へのアクセス(ステップS101)の後にゲーム機3Bは楽曲配信システム20に楽曲配信サービスにおいて配信可能な楽曲のリストをリクエストする(ステップS411)。
【0086】
一方、楽曲配信システム20は、ゲーム機3Bからリストのリクエストが送信されると、
図10のゲーム楽曲配信処理を開始し、まずそのリクエストを取得する(ステップS511)。続いて楽曲配信システム20は、そのリクエストに応じるように楽曲配信サービスにおいて配信可能な楽曲のリストをゲーム機3Bに送信する(ステップS512)。このリストには、プレイリスト、或いは趣向リストといった一部の楽曲が適宜にピックアップされたピックアップリストが含まれていてもよい。
【0087】
ゲーム機3Bは、楽曲配信システム20からリストを取得すると、そのリストに基づいて楽曲選択機会を提供する(ステップS412)。その楽曲選択機会には、取得したリストの各楽曲がプレイ用の楽曲の候補として含まれる。この場合、楽曲選択機会は、そのリストの楽曲以外、つまり楽曲配信サービスにおいて配信可能な楽曲以外の楽曲をプレイ用の楽曲の候補として提示してもよい。また、楽曲配信サービスにおいて配信可能な楽曲にはプレイリスト等のピックアップリストの楽曲が当然含まれるが、これらのピックアップリストの楽曲は楽曲選択機会において他と区別されるように提示されてよい。例えば、ゲーム機3Bは、楽曲選択機会において選択肢をプレイリスト等のピックアップリストの楽曲に限定したり、各種情報の付加や並び順等により適宜に認識されやすくしたりすることにより他の楽曲とピックアップリストの楽曲とを区別してよい。
【0088】
続いてゲーム機3Bは、楽曲選択機会における選択結果に基づいて楽曲をリクエストするが、そのリクエストは楽曲配信システム20だけでなく、ゲーム配信システム10に対しても実行される(ステップS402)。
【0089】
ゲーム配信システム10は、ゲーム機3Bからリクエストが送信されると、
図10のゲーム楽曲配信処理を開始し、まずそのリクエストを取得する(ステップS601)。続いてゲーム配信システム10は、その取得したリクエストの対象の楽曲に対応する譜面データQDを特定し(ステップS602)、その特定した譜面データQDをゲーム機3Bに提供する(ステップS603)。そして、この提供の後にゲーム配信システム10は、今回のゲーム楽曲配信処理を終了する。
【0090】
一方、ゲーム機3Bは、ゲーム配信システム10から譜面データQDが提供されると、楽曲配信システム20から配信される楽曲データMDとともに、その譜面データQDを取得する(ステップS403)。そして、ゲーム機3Bは、それらの取得した楽曲データMD、及び譜面データQDに基づいてプレイを開始し(ステップS404)、今回のゲーム楽曲配信処理を終了する。これにより、会員認証の後に楽曲選択機会が提供され、そこには最新の楽曲が選択候補として提示されるだけでなく、プレイリスト等の楽曲配信サービスの機能も反映される。なお、
図10の例のゲーム楽曲配信処理が実行される場合、
図7の例、或いは
図8の例の認証実現処理は、楽曲のリクエストではなく音楽ゲームサービスを利用するための会員認証のリクエストにより開始されてよく、例えばステップS101の処理は省略されよい。また、
図7の例ではステップS204~ステップS206の処理が省略され、ステップS206で送信されるべきアドレス情報等はステップS203において送信されてよい。同様に、
図8の例ではステップS205が省略されてよい。
【0091】
データ生成処理は、ユーザIDと会員情報とを関連付けて管理するためのデータを生成するための処理である。ユーザIDと会員情報との関連付けは適宜のデータにて管理されてよいが、一例として上述のとおりゲーム配信システム10において認証データADにて管理される。
図11の例は、ユーザIDと会員情報との関連付けを管理するための認証データADが生成される場合のデータ生成処理を示している。この場合、認証実現部13は、音楽ゲームサービスを初めて利用するプレイヤによってゲーム機3Bを介して音楽ゲームサービスの利用がリクエストされる(例えば
図7のステップS102)と、そのリクエストに含まれるユーザID及び会員情報を取得する(ステップS701)。
【0092】
続いて認証実現部13は、ステップS701で取得したユーザIDと会員情報とを含む認証データADを生成する(ステップS702)。より具体的には、ステップS701で取得したユーザIDと会員情報とを関連付ける認証レコードADRを含む認証データADを生成する。換言すれば、ステップS701で取得したユーザIDと会員情報とを関連付ける認証レコードADRが追加されるように認証データADを更新する。そして、認証データADの生成(更新)の後に認証実現部13は今回のデータ生成処理を終了する。これにより、音楽ゲームサービスの初回利用時にユーザIDと会員情報とが関連付けられて管理され、二回目以降の利用が簡略化される。より具体的には、二回目以降の利用時においてユーザIDに基づいて会員情報が特定され、結果的に会員情報の入力が省略される。
【0093】
なお、認証データADは、会員情報の代わりに認証の成功を証明するための証明情報を含み、証明情報(間接的な情報)を介して会員情報とユーザIDとを関連付けるように構成されてもよい。例えば、初回に会員認証が成功した場合、いわゆるトークン等のその認証の成功を証明する証明情報を楽曲配信システム20が発行してもよく、認証データADは会員情報の代わりにその楽曲配信システム20によって発行された証明情報(楽曲配信システム20によって適切であるか否か検証可能な情報が好ましい)をユーザIDと関連付けて管理してもよい。この場合、二回目以降の利用時には会員情報の代わりに証明情報が楽曲配信システム20に送信され、楽曲配信システム20は会員認証の代わりに証明情報の検証を実行してよい。証明情報の利用により、ユーザIDと会員情報とが直接関連付けられる場合よりも情報管理のセキュリティ向上を図ることができる。
【0094】
以上に説明したように、第1の形態に係る提供手順によれば、音楽ゲームサービスを通じて、会員認証を経た会員(あるいはその会員が利用するモバイル端末装置4A)に限定して提供される楽曲配信サービスが音楽ゲームにおいてプレイ用の楽曲として活用される。具体的には、楽曲配信サービスに用意される多数の楽曲を選択肢の候補に含む楽曲選択機会が音楽ゲームのプレイにおいてプレイ用の楽曲を選択する機会としてゲーム機3Bにて提供される。また、その楽曲選択機会において楽曲配信サービスの楽曲がプレイ用の楽曲として選択された場合、そのプレイ用の楽曲に対応する譜面データQD、及び楽曲データMDが、ゲーム配信システム10、或いは楽曲配信システム20から取得される。より具体的には、ゲーム機3Bは、譜面データQDをゲーム配信システム10から、楽曲データMDを楽曲配信システム20から、それぞれ取得する。そして、それらから取得された譜面データQD、及び楽曲データMDは、ゲーム機3Bにおいてそれらの組合せによりプレイ用の楽曲に合わせた各実行時期の案内等が実行されるように楽曲の再生或いは案内画面50の表示等に使用される。これらにより、会員に限定して提供される楽曲配信サービスに用意される各楽曲を音楽ゲームのプレイに活用することができる。
【0095】
一方、ゲーム配信システム10、及び楽曲配信システム20は、譜面データQD、或いは楽曲データMDを記憶し、ネットワークNTを介して配信する役割を担うことにより、ゲーム機3Bにおける音楽ゲームサービスの実現を補助することができる。また、ゲーム配信システム10、及び楽曲配信システム20の運営者が互いに相違する場合、別の運営者によって別々のシステムとして構築される楽曲配信システム20が提供する楽曲配信サービスを、ゲーム配信システム10を介してゲーム機3Bの音楽ゲームに活用することができる。この場合、ゲーム機3B、或いはゲーム配信システム10の運営者(これらは同じ場合も多い)は、楽曲の利用時に本来必要な許諾について、個別の楽曲の交渉を楽曲配信システム20の運営者に委ね、各楽曲の利用に関する包括的な交渉を楽曲配信システム20の運営者と行うことができる。これにより、個別の交渉が実行される場合と比べて、多数の楽曲を音楽ゲームのプレイに利用する場合における手間暇の軽減を図ることができる。結果として、より早期に新しい楽曲の導入を図ることができる。
【0096】
また、会員認証にゲーム配信システム10の自己の会員ID等、自己の会員情報が利用される場合、ゲーム機3Bのプレイヤが楽曲配信サービスの会員であるか否かに関わらず、豊富な楽曲を取り揃える楽曲配信サービスの各楽曲を音楽ゲームのプレイに活用することができる。さらに、例えば会員の好みが反映されたプレイリスト等、楽曲配信サービスの機能が音楽ゲームにおいて利用される場合、プレイヤの利便性を向上させることができる。具体的には、例えばプレイリスト、或いは趣向リストといったピックアップリストが楽曲選択機会に反映される場合、楽曲配信サービスを通じて事前にピックアップされた各楽曲をプレイ用の楽曲の候補として利用することができる。これにより、楽曲選択機会において楽曲の選択に要する時間の短縮を図ることができるので、楽曲選択機会において好ましい楽曲をより早期、かつ簡単にプレイ用の楽曲としてユーザに選択させることができる。結果として、これらによりゲームの興趣性を図ることができる。
【0097】
以上の形態では、ゲーム機3Bの機会提供部33が
図7、或いは
図8の手順のステップS101、或いは
図10の手順のステップS412を実行することにより本発明の機会提供手段として機能する。同様に、ゲーム機3Bの機会提供部33が
図7、或いは
図8の手順のステップS103、或いは
図10の手順のステップS403を実行することにより本発明の譜面取得手段として機能する。また、ゲーム機3Bの機会提供部33が
図9の手順のステップS403、或いは
図10の手順のステップS403を実行することにより本発明の楽曲取得手段として機能する。さらに、ゲーム機3Bの機会提供部33が
図10の手順のステップS412を実行することにより本発明のリスト取得手段として機能する。
【0098】
一方、ゲーム配信システム10の認証実現部13が
図7、或いは
図8の手順を実行することにより本発明のID取得手段、及び認証提供手段として機能する。具体的には、認証実現部13が
図7、或いは
図8の手順のステップS201を実行することによりID取得手段として、ステップS202を実行することにより情報提供手段として、それぞれ機能する。また、ゲーム配信システム10の認証実現部13が
図7、或いは
図8の手順において認証が成功した場合のステップS203を実行することにより本発明の情報提供手段として機能する。さらに、ゲーム配信システム10の認証実現部13が
図11のステップS702を実行することにより本発明のデータ生成手段として機能する。
【0099】
(第2の形態)
図12~
図14を参照して、第2の形態に係る提供手順について説明する。
図12は、第2の形態に係る提供手順における音楽ゲームサービスの流れを説明するための説明図である。第2の形態に係る提供手順は、第1の形態に係る提供手順と同様に、楽曲配信サービスの利用に必要な会員認証にゲーム配信システム10が介在し、プレイヤの代わりにゲーム配信システムがその会員認証を実行するタイプの手順である。ただし、第2の形態では、第1の形態と異なり、楽曲配信サービスの楽曲に対応する楽曲データMDがゲーム配信システム10を介してゲーム機3Bに提供される。より具体的には、第2の形態では、楽曲配信システム20とゲーム機3Bとの間にゲーム配信システム10が介在し、ゲーム配信システム10が楽曲配信システム20から楽曲データMDを取得し、ゲーム機3Bに提供する。以下では、第1の形態と共通の構成には、図面に同一の符号を付して説明を省略する。
【0100】
図12に示すように、第2の形態に係る提供手順では、第1の形態に係る提供手順と比べて、F5の手順がF5A及びF5Bの手順を含んでいる。一方で、第2の形態に係る提供手順では、第1の形態に係る提供手順と比べて、F4、F6及びF7の手順が省略されている。具体的には、第2の形態に係る提供手順では、第1の形態に係る提供手順と同様に、ゲーム配信システム10はゲーム機3Bからリクエストを取得すると(F1)、楽曲配信システム20への認証を経て(F2)、楽曲をリクエストするが(F3)、楽曲配信システム20はアドレス情報を送信する(F4)代わりにそのリクエストの対象の楽曲に対応する楽曲データMDをゲーム配信システム10に送信する(F5A)。つまり、ゲーム配信システム10はアドレス情報の代わりに直接楽曲データMDを楽曲配信システム20から取得する。そして、ゲーム配信システム10は、譜面データQDとともに、楽曲データMDをゲーム機3Bに送信する(F5B)。つまり、第1の形態に係る提供手順におけるF5の手順と異なり、F5Bでは、ゲーム配信システム10がアドレス情報(楽曲データMDを取得するための間接的な情報)の代わりに楽曲データMDを直接的にゲーム機3Bに提供する。なお、F5Bの手順において、譜面データQD、及び楽曲データMDは同時に送信されても時差的に送信さてもよい。時差的に送信される場合、譜面データQD、及び楽曲データMDの送信は別々の処理によって実現されてもよい。
【0101】
次に、第2の形態に係る認証実現処理、及びゲーム楽曲配信処理について説明する。認証実現処理、及びゲーム楽曲配信処理は上述のとおりの処理であるが、第2の形態に係る提供手順が実行される場合には第1の形態に係る提供手順が実行される場合と比べて一部において相違している。以下では、共通する処理には同じステップ数を付して、その説明を省略する。同様に、データ生成処理等、第1の形態に係る提供手順が実行される場合と同様に実現され得る手順は、その説明を省略する。また、以下では、
図7等の例と同様に、ゲーム機3Bの機会提供部33によって主として実行される処理がゲーム機3Bとして、ゲーム配信システム10の認証実現部13によって主として実行される処理がゲーム配信システムとして、楽曲配信システム20の認証部23によって主として実行される処理が楽曲配信システム20として、それぞれ示されている。
【0102】
図13は、第2の形態に係る認証実現処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図13の例は、各プレイヤの会員情報に基づいて会員認証が実行される場合の第2の形態に係る認証実現処理を示している。また、
図13の例は、
図12の例のF5Bの手順において譜面データQDと楽曲データMDとが時差的に提供される場合を示している。この場合、
図13に示すように、
図7の例と比べて、
図13の例の認証実現処理では、ステップS305~ステップS306の代わりに、ステップS307の処理が実行される。
【0103】
具体的には、楽曲配信システム20は、会員認証が成功すると(ステップS302:Yes)、リクエスト対象の楽曲を特定した(ステップS304)後にゲーム配信システム10にその特定した楽曲に対応する楽曲データMDを送信する(ステップS307)。そして、ゲーム配信システム10は、会員認証が成功した場合に(ステップS204:Yes)、その楽曲データMDに対応する譜面データQDを特定し(ステップS205)、その譜面データQDを含むように認証の結果をゲーム機3Bに送信する(ステップS206)。
【0104】
なお、
図11の例のF5Bの手順において譜面データQDと楽曲データMDとが同時に送信される場合、この認証結果には楽曲データMDが含まれていてもよい。また、ゲーム配信システム10の介在にともない、楽曲データMDがゲーム機3Bに送信されるまで、楽曲配信システム20とゲーム配信システム10との間、及びゲーム配信システム10とゲーム機3Bとの間の二度に亘ってデータ送信が実行される。このため、ゲーム配信システム10は一度取得した楽曲データMD等の適宜の楽曲データMD(全楽曲分の楽曲データMDを含む)を記憶しておき、その記憶した楽曲データMDをゲーム機3Bに送信してもよい。つまり、楽曲配信システム20とゲーム配信システム10との間における楽曲データMDの送信も適宜に省略されてよい。より具体的には、
図13の例のステップS304、及びステップS307等は適宜に省略されてもよい。
【0105】
一方、ゲーム機3Bは、会員認証の結果が認証成功と判別される場合(ステップS104:Yes)、待機画面(不図示)をモニタMOに表示する(ステップS106)。なお、
図12の例のF5Bの手順において譜面データQDと楽曲データMDとが同時に送信される場合、ステップS106において待機画面を表示する代わりに案内画面50の表示開始を通じて、各実行時期の案内が開始されてもよい。また、ゲーム配信システム10の会員情報に基づいて会員認証が実行される場合の第2の形態に係る認証実現処理も
図13の例と同様の相違により実現されてよい。
【0106】
図14は、第2の形態に係るゲーム楽曲配信処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図14の例は、
図12の例のF5Bの手順において譜面データQDと楽曲データMDとが時差的に提供され、
図13の例のステップS106において待機画面が表示される場合を示している。この場合、ゲーム機3Bは、待機画面を表示する毎に
図14のゲーム楽曲配信処理を開始し、楽曲の配信をリクエストする(ステップS402)。つまり、
図9の例と比較して、第2の形態に係るゲーム楽曲配信処理では、ステップS401の処理が省略されている。また、ステップS402の処理は
図9の例と同様に実現されてよいが、リクエストの送付先が楽曲配信システム20からゲーム配信システム10に代わっている。つまり、ゲーム機3Bは、楽曲配信システム20の代わりにゲーム配信システム10に楽曲(楽曲データMD)の配信をリクエストする。
【0107】
ゲーム配信システム10は、ゲーム機3Bからリクエストが送信されると、
図14のゲーム楽曲配信処理を開始して、そのリクエストを取得する(ステップS801)。続いてゲーム配信システム10は、リクエストの対象の楽曲に対応する楽曲データMDを配信する(ステップS802)して、今回のゲーム楽曲配信処理を終了する。そして、ゲーム機3Bは、
図9の例と同様にステップS403、及びステップS404を実行して、今回のゲーム楽曲配信処理を終了する。なお、会員認証の後に楽曲選択機会が提供される場合、
図13の例ではステップS101、及びステップS205は省略されてよく、ステップS206において譜面データQDの送付も省略されてよい。一方、
図14の例では、ステップS402の前に
図10の例のステップS411~S412が実行され、ステップS511~ステップS512に対応する処理を楽曲配信システム20の代わりにゲーム配信システム10が実行してよい。そして、ステップS802、及ぶイステップS403の処理では、楽曲データMDとともに、その楽曲データMDに対応する譜面データQDが配信、或いは取得されてよい。
【0108】
以上に説明したように、第2の形態に係る提供手順によれば、第1の形態に係る提供手順とほぼ同様の作用効果を得ることができる。なお、第2の形態に係る提供手順において、ゲーム配信システム10のゲーム配信用のサーバユニット2A(ゲーム配信データベースDB1でもよい)が本発明のサーバ装置、譜面データサーバ、及び楽曲データサーバとして機能する。
【0109】
第2の形態に係る提供手順では、ゲーム機3Bの機会提供部33が
図13の例の手順を実行することにより本発明の機会提供手段、及び譜面取得手段として機能する。具体的には、機会提供部33が、
図13のステップS101を実行することにより機会提供手段として、ステップS103を実行することにより譜面取得手段として、それぞれ機能する。また、ゲーム機3Bの機会提供部33が
図14の手順のステップS403を実行することにより本発明の楽曲取得手段として機能する。一方、ゲーム配信システム10の認証実現部13が
図13の手順を実行することにより本発明の結果取得手段、及びデータ取得手段として機能する。具体的には、認証実現部13が
図13のステップS201を実行することにより結果取得手段として、認証が成功した場合のステップS203を実行することによりデータ取得手段として機能する。さらに、ゲーム配信システム10の認証実現部13が
図13の手順のステップS202を実行することにより本発明の会員認証手段として機能する。
【0110】
(第3の形態)
図15~
図17を参照して、第3の形態に係る提供手順について説明する。
図15は、第3の形態に係る提供手順における音楽ゲームサービスの流れを説明するための説明図である。第3の形態に係る提供手順は、楽曲配信サービスの利用に必要な会員認証、及び楽曲データMDのゲーム機3Bへの提供のいずれにもゲーム機3Bと楽曲配信システム20との間にゲーム配信システムが介在しないタイプの手順である。第3の形態に係る提供手順では、ゲーム機3Bが楽曲配信システム20に直接的にアクセスし、会員認証、及び楽曲データMDを取得する。つまり、第3の形態に係る提供手順では、ゲーム機3Bは、譜面データQDの取得のためにゲーム配信システム10に、楽曲データMDの取得のために楽曲配信システム20に、それぞれ別々にアクセスする。
【0111】
図15に示すように、第3の形態に係る提供手順では、第1の形態に係る提供手順と比べて、F1の手順がF1A、及びF1Bの手順を含んでいる。同様に、第3の形態に係る提供手順では、第1の形態に係る提供手順と比べて、F5の手順がF5C及びF5Dの手順を含んでいる。一方で、第3の形態に係る提供手順では、第1の形態に係る提供手順と比べて、F2~F4、及びF6~F7の手順が省略されている。具体的には、第3の形態に係る提供手順では、ゲーム機3Bは第1の形態に係る提供手順と同様にゲーム配信システム10にリクエストを送信する(F1A)が、そのリクエストの対象は譜面データQDである。このため、会員情報等、認証関連の情報(ひいては楽曲データMDのリクエストに関連する情報)の送信は省略される。そして、ゲーム配信システム10はそのリクエストを取得すると、そのリクエストの対象の譜面データQDをゲーム機3Bに送信する(F5C)。この送信にはアドレス情報、或いは楽曲データMDといった情報は含まれない。
【0112】
一方、第3の形態に係る提供手順では、第1の形態に係る提供手順と異なり、ゲーム機3Bは別途楽曲配信システム20に楽曲の配信をリクエストする(F1B)。このリクエストには、会員情報等、認証関連の情報が含まれる。そして、楽曲配信システム20は、そのリクエストを取得すると、そのリクエストに含まれる会員情報に基づく会員認証を経て、そのリクエストの対象の楽曲データMDをゲーム機3Bに送信する(F5D)。このように第3の形態に係る提供手順では、F1の手順がゲーム配信システム10、及び楽曲配信システム20にそれぞれ別々に実行される。そして、譜面データQDがゲーム配信システム10から、楽曲データMDが楽曲配信システム20から、それぞれ別々にゲーム機3Bに送信される。なお、
図15の例では、F1A、及びF1Bの手順は時差的に実行されても、並行して実行されてもよい。いずれにしてもゲーム機3Bは譜面データQD、及び楽曲データMDの両方の取得を確認し、音楽ゲームのプレイを開始する。
【0113】
次に、第3の形態に係る認証実現処理、及び譜面送付処理について説明する。以下では、第1の形態に係る認証実現処理、或いは第2の形態に係る認証実現処理と共通する処理には同じステップ数を付して、その説明を省略する。
【0114】
図16は、第3の形態に係る認証実現処理の手順の一例を示すフローチャートである。第3の形態に係る提供手順では、会員認証にゲーム配信システム10が介在しないため、会員認証はプレイヤの会員情報に基づいて実行される。この場合において、各プレイヤが会員である方が好ましいが、例えば所定の施設や各ゲーム機3Bに付与される会員情報等、音楽ゲームサービスの利用専用の会員情報が会員認証に使用されてもよい。この場合、
図16に示すように、第3の形態に係る認証実現処理では、ゲーム機3Bは
図14の例と同様にリクエストを実行するが、その実行対象はゲーム配信システム10ではなく、楽曲配信システム20である(ステップS102)。
【0115】
同様に、楽曲配信システム20は、
図14の例と同様にエラーを送信したり(ステップS303)、楽曲データMDを送信したり(S307)するが、その送信先はゲーム配信システム10ではなく、ゲーム機3Bである。そして、ゲーム機3Bは、楽曲配信システム20からエラー等の認証結果を取得すると(ステップS103)、以降において
図14の例と同様の処理を実行する(ステップS104~S106)。
【0116】
一方、譜面送付処理は、音楽ゲームのプレイに必要な譜面データQDをゲーム配信システム10からゲーム機3Bに送付するための処理である。ゲーム機3Bは、例えば楽曲選択機会においてプレイ用の楽曲が選択され、音楽ゲームサービスの利用がリクエストされた場合、楽曲配信システム20へのリクエスト(
図16のステップS102)に合わせて
図17の譜面送付処理を開始し、まず楽曲選択機会で選択された楽曲に対応する譜面データQDをゲーム配信システム10にリクエストする(ステップS901)。
【0117】
一方、ゲーム配信システム10はゲーム機3Bからリクエストを取得すると、
図17の譜面送付処理を開始し、まずそのリクエストを取得する(ステップS1001)。続いてゲーム配信システム10は、そのリクエストの対象の譜面データQDを特定する(ステップS1002)。さらに、ゲーム配信システム10は、その特定した譜面データQDをゲーム機3Bに送信する(ステップS1003)。そして、その送信の後にゲーム配信システム10は今回の譜面送付処理を終了する。
【0118】
また、ゲーム機3Bは、ゲーム配信システム10から譜面データQDが送信されると、その譜面データQDを取得する(ステップS902)。続いてゲーム機3Bは、その取得した譜面データQDを、楽曲のリズムに合わせた各実行時期の案内等、音楽ゲームにおいて使用するために記憶部32に保存する(ステップS903)。そして、その保存の後にゲーム機3Bは今回の譜面送付処理を終了する。これにより、音楽ゲームのプレイにおいて必要な譜面データQDがゲーム配信システム10から提供される。より具体的には、例えば楽曲配信サービスにおいて配信される楽曲がプレイ用の楽曲として選択された場合において、その楽曲に対応する譜面データQDがゲーム配信システム10から提供される。
【0119】
なお、会員認証の後に楽曲選択機会が提供される場合、
図16の例ではステップS304の処理が省略されてよい。また、ステップS307の処理において楽曲データMDの代わりに認証成功を示す認証結果をゲーム機3Bに送信してよい。さらに、ステップS106の処理によって表示される待機画面は、プレイ開始を待機するゲーム画面ではなく、楽曲選択機会の提供を待機するゲーム画面として機能してよい。そして、そこで楽曲選択機会を希望する適宜の操作が実行された場合に、
図10の例のゲーム楽曲配信処理が提供されてよい。ただし、この場合において、
図10の例のステップS401の処理は省略されてよい。
【0120】
以上に説明したように、第3の形態に係る提供手順によれば、第1の形態に係る提供手順とほぼ同様の作用効果を得ることができる。なお、第3の形態に係る提供手順において、ゲーム配信システム10のゲーム配信用のサーバユニット2A(ゲーム配信データベースDB1でもよい)が本発明のサーバ装置、及び譜面データサーバとして機能する。一方、楽曲配信システム20の楽曲配信用のサーバユニット2B(楽曲配信用のデータベースDB2でもよい)が本発明の楽曲配信サーバ、及び楽曲データサーバとして機能する。
【0121】
第3の形態に係る提供手順では、ゲーム機3Bの機会提供部33が
図16の例の手順を実行することにより本発明の機会提供手段、及び譜面取得手段として機能する。具体的には、機会提供部33が、
図16のステップS101を実行することにより機会提供手段として、ステップS103を実行することにより楽曲取得手段として、それぞれ機能する。また、ゲーム機3Bの機会提供部33が
図17の手順のステップS902を実行することにより本発明の譜面取得手段として機能する。
【0122】
本発明は上述した各形態に限定されることなく、各種の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。例えば、音楽ゲームサービスにおいてゲーム機3Bは楽曲配信システム20を介して楽曲配信サービスの各楽曲に対応する楽曲データMDを取得している。しかし、楽曲配信システム20を介してゲーム機3Bに提供されるデータは楽曲データMDに限定されない。楽曲配信システム20で管理される各種のデータが適宜にゲーム機3Bに配信されてよい。例えば、このようなデータには、各楽曲を演奏等するアーティスの情報、歌詞情報(歌詞データ)、或いは各楽曲のジャケット画像(一般的に各楽曲がアルバム等として発売されたときにそのアルバムに付される画像であるが、各楽曲、或いはそのアーティストを演出するための各種の画像であってよい)といった各種の演出用の情報が含まれていてよい。あるいは、このようなデータは、ゲーム配信システム10を介してゲーム機3Bに提供されてもよい。
【0123】
また、上述の形態では、ゲーム配信システム10が
図7等を実行することにより本発明ゲームシステムとして機能している。一方で、ゲーム配信システム10の役割(各種処理等)の全部或いは一部をゲーム機3、或いはユーザ端末装置4等の他のシステム(あるいは装置)が適宜に実行してもよい。つまり、本発明のゲームシステムは、各種の他のシステムを適宜に含んでいてもよい。また、ゲーム配信システム10が楽曲配信システム20の役割の全部或いは一部を適宜に実行してもよい。つまり、楽曲配信システム20は省略されてもよい。結果として、ゲーム配信システム10(あるいはそこに含まれるゲーム配信システム用のサーバユニット2A)のみが本発明のゲームシステムとして機能してもよいし、ゲーム機3、或いはユーザ端末装置4等の適宜の他のシステムのみが本発明のゲームシステムとして機能してもよい。
【0124】
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する部材を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0125】
本発明のゲーム機は、ユーザのプレイ行為が実行されるべき各実行時期が記述された譜面データ(QD)に基づいて、各実行時期をプレイ用の楽曲のリズムに合わせて案内するとともに、前記ユーザによる実際のプレイ行為の時期を評価するゲームを提供するゲーム機(3)であって、会員毎にユニークな会員IDを利用した会員認証を経たユーザ端末装置(4)に限定して複数の楽曲を配信するサービスとして前記ゲームとは別に提供される楽曲配信サービスの当該複数の楽曲を選択肢の候補として含むように、前記プレイ用の楽曲を選択するための楽曲選択機会を提供する機会提供手段(33)と、各楽曲に対応する前記譜面データとして前記複数の楽曲にそれぞれ対応するように用意される複数の譜面データのうち前記プレイ用の楽曲に対応する前記譜面データとしてのプレイ用譜面データを記憶する譜面データサーバ(2A)にネットワーク(NT)を介して接続され、前記譜面データサーバから前記プレイ用譜面データを取得する譜面取得手段(33)と、前記複数の楽曲をそれぞれ再生するための複数の楽曲データ(MD)のうち前記プレイ用の楽曲に対応する楽曲データとしてのプレイ用楽曲データを記憶する楽曲データサーバ(2A、2B)にネットワーク(NT)を介して接続され、当該プレイ用楽曲データ及び前記プレイ用譜面データとの組合せにより前記プレイ用の楽曲に合わせて各実行時期の案内及び評価が実行されるように、前記楽曲データサーバから前記プレイ用楽曲データを取得する楽曲取得手段(33)と、を備えるものである。
【0126】
本発明のゲーム機によれば、会員認証を経たユーザ端末装置に限定して提供される楽曲配信サービスに用意される複数の楽曲を選択肢の候補に含む楽曲選択機会が提供され、その楽曲選択機会において選択されるプレイ用の楽曲に対応する譜面データ、及び楽曲データが、譜面データサーバ、及び楽曲データサーバからそれぞれ取得される。そして、譜面データサーバから取得された譜面データ、及び楽曲データサーバから取得された楽曲データは、それらの組合せによりプレイ用の楽曲に合わせた各実行時期の案内等が実行されるように使用される。つまり、楽曲配信サービスの各楽曲がプレイ用の楽曲として活用される。これにより、会員に限定して提供される楽曲配信サービスに用意される各楽曲をゲームのプレイに活用することができる。
【0127】
また、本発明のゲームシステムは、上述のゲーム機にネットワーク(NT)を介して接続されるサーバ装置(2A)を備えるゲームシステム(10)であって、前記サーバ装置は、前記譜面データサーバとして機能するものである。本発明のゲームシステムによれば、上述のゲーム機に接続される譜面データサーバとしてサーバ装置が機能する。これにより、本発明のゲーム機の実現を補助することができる。
【0128】
ゲームシステムのサーバ装置が譜面データサーバとして機能する場合において、楽曲配信サービスはそのゲームシステムによって提供されても、それとは別のシステムによって提供されてもよい。換言すれば、楽曲配信サービス、及びゲームは同じ運営者によって提供されても、別の運営者によって提供されてもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記サーバ装置は、各会員に前記楽曲配信サービスを提供するために前記複数の楽曲データを記憶する楽曲配信サーバ(2B)を含むように当該サーバ装置とは別のシステムとして構築される楽曲配信システム(20)にネットワーク(NT)を介して接続され、前記楽曲データサーバとして、前記サーバ装置、及び前記楽曲配信サーバのいずれか一方が機能してもよい。この場合、別のシステムとして構築される楽曲配信システムが提供する楽曲配信サービスをゲームに活用することができる。また、ゲーム機の運営者は、各楽曲の利用について個別の楽曲の交渉を楽曲配信システムの運営者に委ね、各楽曲の利用に関する包括的な交渉を楽曲配信システムの運営者と行うことができる。これにより、多数の楽曲をゲームに利用する場合における手間暇の軽減を図ることができる。結果として、より早期に新しい楽曲の導入を図ることができるので、ひいてはゲームの興趣性を向上させることができる。
【0129】
楽曲配信サービスが楽曲配信システムによって提供される場合において、楽曲配信サービスを利用するための会員認証は、ゲーム機と楽曲配信システムとの間で直接的に実行されても、ゲームシステムのサーバ装置を介して間接的に実行されてもよい。例えば、楽曲配信サービスが楽曲配信システムによって提供される態様において、前記楽曲取得手段は、前記楽曲配信サーバが前記楽曲データサーバとして機能する場合に、前記会員認証のための情報として前記会員IDの情報を含むように前記ユーザから提供される認証情報を前記楽曲配信サーバに送信することにより前記会員認証の後に前記プレイ用楽曲データを取得してもよい。あるいは、前記サーバ装置には、前記会員認証のための情報として前記会員IDの情報を含むように前記ユーザから提供される認証情報を、前記ゲーム機を介して取得するID取得手段(13)と、前記会員認証のために前記認証情報を前記楽曲配信サーバに提供する認証提供手段(13)と、が設けられ、前記楽曲取得手段は、前記認証情報に基づく前記会員認証の後に前記プレイ用楽曲データを取得してもよい。
【0130】
楽曲配信サービスを利用するための会員認証がゲームシステムのサーバ装置を介して間接的に実行される場合において、認証情報の入力は毎回実行されても、適宜に省略されてもよい。例えば、楽曲配信サービスを利用するための会員認証がゲームシステムのサーバ装置を介して実行される態様において、前記ゲームは、各ユーザを識別するための情報として前記会員IDとは別に付与されるユーザ識別情報に基づいて各ユーザを特定しつつ、プレイされ、前記サーバ装置には、前記ユーザから前記ユーザ識別情報及び前記認証情報が提供された場合に、当該ユーザ識別情報と当該認証情報とを関連づける認証情報データ(AD)を生成するデータ生成手段(13)が設けられ、前記ID取得手段は、前記認証情報データの生成後において当該認証情報データに基づいて前記認証情報が取得されるように、前記認証情報の代わりに前記ユーザの前記ユーザ識別情報を取得してもよい。
【0131】
楽曲配信サービスを利用するための会員認証は、各種の認証情報に基づいて実現されてよい。例えば、ゲーム機のユーザが楽曲配信サービスの会員であれば、そのユーザの認証情報に基づいて会員認証が実現されてもよい。あるいは、ゲーム機の運営者、サーバ装置の運営者といったユーザ以外の各種の者、或いはゲーム機自体、サーバ装置実体といった各種の物が楽曲配信サービスの会員として機能し、それらの認証情報に基づいて会員認証が実現されてもよい。具体的には、例えば、楽曲配信サービスを利用するための会員認証が本発明のゲームシステムに係るサーバ装置を介して間接的に実行される態様において、前記サーバ装置には、当該サーバ装置が前記楽曲配信システムの会員として機能するために当該サーバ装置に付与された前記会員IDとしての特別会員IDに基づいて前記楽曲配信サーバにおいて前記会員認証を実行する会員認証手段(13)が設けられ、前記楽曲取得手段は、前記特別会員IDに基づく前記会員認証の後に前記プレイ用楽曲データを取得してもよい。この場合、ゲーム機のユーザが楽曲配信サービスの会員であるか否かに関わらず、楽曲配信サービスの各楽曲をゲームに活用することができる。
【0132】
楽曲配信システムによって楽曲配信サービスが提供される場合において、楽曲データサーバとして、楽曲配信システムに含まれる楽曲配信サーバが機能しても、ゲームシステムのサーバ装置が機能してもよい。例えば、楽曲配信システムによって楽曲配信サービスが提供される態様において、前記サーバ装置には、当該サーバ装置が前記楽曲データサーバとして機能する場合に、前記ゲーム機を介して前記楽曲選択機会における選択結果を取得する結果取得手段(13)と、当該楽曲選択機会における選択結果に基づいて前記会員認証の後に前記プレイ用楽曲データを前記楽曲配信サーバから取得するデータ取得手段(13)と、が設けられていてもよい。
【0133】
また、楽曲配信サーバが楽曲データサーバとして機能する場合において、楽曲データは各種の手法によりゲーム機に提供されてよい。例えば、楽曲データは楽曲配信サーバからゲーム機に直接的に提供されてもよい。一方、例えば、ゲームシステムのサーバ装置を介して会員認証が実行される場合、楽曲配信サーバから楽曲データを取得するための各種の間接的な情報がゲームシステムのサーバ装置からゲーム機に提供され、その間接的な情報を介してゲーム機は楽曲配信サーバから楽曲データを取得してもよい。例えば、ゲームシステムのサーバ装置を介して会員認証が実行される態様において、前記サーバ装置には、前記楽曲配信サーバが前記楽曲データサーバとして機能する場合に、前記会員認証の後に前記楽曲データサーバにアクセスするためのアクセス情報を前記ゲーム機に提供する情報提供手段(13)が設けられ、前記楽曲取得手段は、前記アクセス情報に基づいて前記楽曲データサーバにアクセスし、前記プレイ用楽曲データを取得してもよい。
【0134】
楽曲配信サービスに含まれる各種の機能が適宜にゲームに利用されてよい。例えば、楽曲配信システムによって楽曲配信サービスが提供される態様において、前記ゲーム機には、各会員によって前記複数の楽曲からピックアップされた各楽曲を記録するプレイリスト、及び各会員の配信実績に応じて各会員の趣向に基づいてピックアップされた各楽曲を記録する趣向リストの少なくともいずれか一方のリストとしてピックアップリストが前記楽曲配信システムに用意される場合に、前記ピックアップリストに含まれる各楽曲が前記楽曲選択機会において選択肢の候補に含まれるように、前記楽曲配信システムを介して前記ピックアップリストを取得するリスト取得手段(33)が設けられていてもよい。この場合、楽曲配信サービスを通じて事前にピックアップされた各楽曲をプレイ用の楽曲の候補として利用することができる。これにより、楽曲選択機会において好ましい楽曲をより早期、かつ簡単にプレイ用の楽曲としてユーザに選択させることができる。
【0135】
本発明のコンピュータプログラム(PG3)は、コンピュータ(31)を、上述のゲーム機の各手段として機能させるように構成されたものである。
【0136】
また、本発明の制御方法は、ユーザのプレイ行為が実行されるべき各実行時期が記述された譜面データ(QD)に基づいて、各実行時期をプレイ用の楽曲のリズムに合わせて案内するとともに、前記ユーザによる実際のプレイ行為の時期を評価するゲームを提供するゲーム機(3)に組み込まれるコンピュータ(31)に、会員毎にユニークな会員IDを利用した会員認証を経たユーザ端末装置(4)に限定して複数の楽曲を配信するサービスとして前記ゲームとは別に提供される楽曲配信サービスの当該複数の楽曲を選択肢の候補として含むように、前記プレイ用の楽曲を選択するための楽曲選択機会を提供する機会提供手順と、各楽曲に対応する前記譜面データとして前記複数の楽曲にそれぞれ対応するように用意される複数の譜面データのうち前記プレイ用の楽曲に対応する前記譜面データとしてのプレイ用譜面データを記憶する譜面データサーバ(2A)にネットワーク(NT)を介して接続され、前記譜面データサーバから前記プレイ用譜面データを取得する譜面取得手順と、前記複数の楽曲をそれぞれ再生するための複数の楽曲データ(MD)のうち前記プレイ用の楽曲に対応する楽曲データとしてのプレイ用楽曲データを記憶する楽曲データサーバ(2B)にネットワーク(NT)を介して接続され、当該プレイ用楽曲データ及び前記プレイ用譜面データとの組合せにより前記プレイ用の楽曲に合わせて各実行時期の案内及び評価が実行されるように、前記楽曲データサーバから前記プレイ用楽曲データを取得する楽曲取得手順と、を実行させる、ものである。本発明のコンピュータプログラム、或いは制御方法が実行されることにより、本発明のゲーム機を実現することができる。
【0137】
あるいは、本発明のコンピュータプログラム(PG1)は、上述のサーバ装置に組みこまれるコンピュータ(11)を、上述のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。本発明のコンピュータプログラムが実行されることにより、本発明のゲームシステムを実現することができる。
【符号の説明】
【0138】
3 ゲーム機
4 ユーザ端末装置
10 ゲーム配信システム(ゲームシステム)
11 制御部(コンピュータ)
13 認証実現部(ID取得手段、認証提供手段、データ生成手段、会員認証手段、結果取得手段、データ取得手段、情報提供手段)
20 楽曲配信システム
31 制御部(コンピュータ)
33 機会提供部(機会提供手段、譜面取得手段、楽曲取得手段、リスト取得手段)
2A ゲーム配信用のサーバユニット(サーバ装置、譜面データサーバ、楽曲データサーバ)
2B 楽曲配信用のサーバユニット(楽曲配信サーバ、楽曲データサーバ)
AD 認証データ(認証情報データ)
NT ネットワーク
PG1 プログラム(コンピュータプログラム)
PG3 プログラム(コンピュータプログラム)