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特許7344627ダイ取り付けシステム、およびダイを基板に取り付ける方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-06
(45)【発行日】2023-09-14
(54)【発明の名称】ダイ取り付けシステム、およびダイを基板に取り付ける方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/52 20060101AFI20230907BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20230907BHJP
   H01L 21/68 20060101ALI20230907BHJP
   H01L 21/50 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
H01L21/52 F
H01L21/68 N
H01L21/68 F
H01L21/52 C
H01L21/50 C
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021536163
(86)(22)【出願日】2019-09-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-16
(86)【国際出願番号】 EP2019073413
(87)【国際公開番号】W WO2020048950
(87)【国際公開日】2020-03-12
【審査請求日】2022-04-12
(31)【優先権主張番号】62/726,387
(32)【優先日】2018-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521086925
【氏名又は名称】アセンブリオン ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】ブリューエル、ロイ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン デル バーグ、リチャード エー.
(72)【発明者】
【氏名】ホーフス、ロドルファス エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン スプラン、ウィルヘルムス ジー.
【審査官】正山 旭
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-196363(JP,A)
【文献】特開平08-236556(JP,A)
【文献】特開2008-044091(JP,A)
【文献】特開2012-156473(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0042459(US,A1)
【文献】特開2001-284404(JP,A)
【文献】特表2018-513554(JP,A)
【文献】特開2016-092078(JP,A)
【文献】特表2008-535275(JP,A)
【文献】特開2007-027549(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/52
H01L 21/683
H01L 21/68
H01L 21/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイ取り付けシステムであって、
基板を支持するための支持構造と、
前記基板に取り付けるための複数のダイを含むダイ供給源と、
前記ダイ供給源から前記基板にダイを接合するためのボンドヘッドであって、前記ダイの前記ダイ供給源から前記基板への移送の間に前記ダイに接触するためのボンドツールを含む、ボンドヘッドと、
前記ボンドヘッドを第1の軸に沿って移動させるための第1の運動システムと、
前記第1の軸に沿って前記ボンドツールを移動させるための、前記第1の運動システムとは独立した第2の運動システムと、
を有し、
前記ダイ供給源は、接合操作中に前記基板と前記ボンドツールとの間に配置されるように構成されるものである、ダイ取り付けシステム。
【請求項2】
請求項1記載のダイ取り付けシステムにおいて、前記ボンドツールは、前記ダイの前記ダイ供給源から前記基板への移送に関連して前記ダイに接触するための少なくとも1つのピンを含む、ダイ取り付けシステム。
【請求項3】
請求項1記載のダイ取り付けシステムにおいて、前記ボンドツールは、前記ダイ供給源から前記基板への移送に関連して前記ダイに接触するための複数のピンを含む、請求項1に記載のダイ取り付けシステム。
【請求項4】
請求項1記載のダイ取り付けシステムにおいて、前記ダイ供給源はLEDウェーハを含み、前記複数のダイは、複数のLEDダイである、ダイ取り付けシステム。
【請求項5】
請求項1記載のダイ取り付けシステムにおいて、(i)前記ダイ、および(ii)前記ダイを受け入れるように構成された前記基板の接合位置のうちの少なくとも1つが、前記ダイ供給源から前記基板への移送後に前記ダイを前記接合位置に固定するための接着剤を含むものである、ダイ取り付けシステム。
【請求項6】
請求項1記載のダイ取り付けシステムにおいて、前記第1の運動システムは、前記ボンドヘッドを運ぶための前記ダイ取り付けシステムのガントリーシステムに含まれるものである、ダイ取り付けシステム。
【請求項7】
請求項1記載のダイ取り付けシステムにおいて、
前記第1の軸は、前記ダイ取り付けシステムのx軸またはy軸である、ダイ取り付けシステム。
【請求項8】
請求項1記載のダイ取り付けシステムにおいて、
前記ボンドヘッドが前記第1の軸に沿って第1の方向に移動する間、前記第2の運動システムは、前記ボンドツールを前記第1の軸に沿って第2の方向に選択的に移動させるものであり、前記第2の方向は、前記第1の方向とは反対方向である、ダイ取り付けシステム。
【請求項9】
ダイを基板に取り付ける方法であって、この方法は、
(a)ボンドヘッドを第1の軸に沿って移動させるための第1の運動システムを操作する工程であって、前記ボンドヘッドは、前記ダイをダイ供給源から基板に接合するためのものであり、前記ボンドヘッドは、前記ダイの前記ダイ供給源から前記基板への移送の間に前記ダイに接触するためのボンドツールを含むものである、ボンドヘッドを操作する工程と、
(b)第2の運動システムを操作する工程であって、前記第1の運動システムとは独立して前記ボンドツールを前記第1の軸に沿って移動させるものである、第2の運動システムを操作する工程と、
(c)前記ボンドツールの操作により、前記ダイを前記ダイ供給源から前記基板に移送する工程であって、前記ダイ供給源は、この工程(c)の間、前記基板と前記ボンドツールとの間に配置されるものである、移送する工程と、
を有する、方法。
【請求項10】
請求項記載の方法において、
前記ボンドツールは、前記工程(c)における前記ダイ供給源から前記基板への移送に関連して前記ダイに接触するための少なくとも1つのピンを含むものである、方法。
【請求項11】
ダイ取り付けシステムであって、
基板を支持するための支持構造と、
前記基板に取り付けるための複数のダイを含むダイ供給源と、
前記ダイ供給源から前記基板にダイを接合するためのボンドヘッドであって、前記ダイの前記ダイ供給源から前記基板への移送の間に前記ダイに接触するためのボンドツールを含む、ボンドヘッドと、
前記ボンドヘッドを第1の軸に沿って移動させるための第1の運動システムと、
前記第1の軸に沿って前記ボンドツールを移動させるための、前記第1の運動システムとは独立した第2の運動システムと、
を有し、
前記ボンドヘッドが前記第1の軸に沿って第1の方向に移動する間、前記第2の運動システムは、前記ボンドツールを前記第1の軸に沿って第2の方向に選択的に移動させるものであり、前記第2の方向は、前記第1の方向とは反対方向である、ダイ取り付けシステム。
【請求項12】
請求項11記載のダイ取り付けシステムにおいて、前記ボンドツールは、前記ダイの前記ダイ供給源から前記基板への移送に関連して前記ダイに接触するための少なくとも1つのピンを含む、ダイ取り付けシステム。
【請求項13】
請求項11記載のダイ取り付けシステムにおいて、前記ボンドツールは、前記ダイ供給源から前記基板への移送に関連して前記ダイに接触するための複数のピンを含む、請求項1に記載のダイ取り付けシステム。
【請求項14】
請求項11記載のダイ取り付けシステムにおいて、前記ダイ供給源はLEDウェーハを含み、前記複数のダイは、複数のLEDダイである、ダイ取り付けシステム。
【請求項15】
請求項11記載のダイ取り付けシステムにおいて、(i)前記ダイ、および(ii)前記ダイを受け入れるように構成された前記基板の接合位置のうちの少なくとも1つが、前記ダイ供給源から前記基板への移送後に前記ダイを前記接合位置に固定するための接着剤を含むものである、ダイ取り付けシステム。
【請求項16】
請求項11記載のダイ取り付けシステムにおいて、前記第1の運動システムは、前記ボンドヘッドを運ぶための前記ダイ取り付けシステムのガントリーシステムに含まれるものである、ダイ取り付けシステム。
【請求項17】
請求項11記載のダイ取り付けシステムにおいて、
前記第1の軸は、前記ダイ取り付けシステムのx軸またはy軸である、ダイ取り付けシステム。
【請求項18】
請求項11記載のダイ取り付けシステムにおいて、
前記ダイ供給源は、接合操作中に前記基板と前記ボンドツールとの間に配置されるように構成される、ダイ取り付けシステム。
【請求項19】
ダイを基板に取り付ける方法であって、この方法は、
(a)ボンドヘッドを第1の軸に沿って移動させるための第1の運動システムを操作する工程であって、前記ボンドヘッドは、前記ダイをダイ供給源から基板に接合するためのものであり、前記ボンドヘッドは、前記ダイの前記ダイ供給源から前記基板への移送の間に前記ダイに接触するためのボンドツールを含むものである、ボンドヘッドを操作する工程と、
(b)第2の運動システムを操作する工程であって、前記第1の運動システムとは独立して前記ボンドツールを前記第1の軸に沿って移動させるものである、第2の運動システムを操作する工程と、
(c)前記ボンドツールの操作により、前記ダイを前記ダイ供給源から前記基板に移送する工程と、
を有し、
前記ボンドヘッドが前記第1の軸に沿って第1の方向に移動する間、前記第2の運動システムは、前記ボンドツールを前記第1の軸に沿って第2の方向に選択的に移動させるものであり、前記第2の方向は、前記第1の方向とは反対方向である、方法。
【請求項20】
請求項19記載の方法において、
前記ボンドツールは、前記工程(c)における前記ダイ供給源から前記基板への移送に関連して前記ダイに接触するための少なくとも1つのピンを含むものである、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
この出願は、2018年9月3日に出願された米国仮出願第62/726,387号の利益を主張し、その内容はここで参照することにより本明細書に組み込まれるものである。
【0002】
本発明は、ダイを基板に取り付けるためのシステムおよび方法、より具体的には、ダイ供給源からダイをピッキングすることなく、ダイを基板に取り付けるための改良されたシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
基板上のダイの配置(例えば、基板上の半導体ダイの配置)に関連して、従来の多くの実用例では、「ピックアンドプレース」操作が利用される。このような操作では、ダイは半導体ウェーハまたは他のダイ供給源から「ピック」され、次にダイはターゲット基板に移送(および「配置」)される。そのような操作はまた、「ピック」ツールと「プレース」ツールとの間で1つまたは複数の移送を利用する。
【0004】
特定のダイ取り付け実用例では、ピックアンドプレース操作は利用されない。例えば、ダイ供給源(例えば、複数のダイを含むウェーハ)は、ボンドツールと基板との間に配置され得る。ダイ供給源に含まれるダイは、フィルム等に取り付けることができる。ボンドツール、取り付けられるダイ、および基板の配置位置の間で位置合わせした後、ボンドツールはダイを基板の配置位置に押し付ける。この時点でダイが基板に固定されるように、ダイの下面(および/または基板の配置位置)に接着剤が提供されている。そのようなボンドツールは、ダイ供給源から基板への移送に関連してダイに接触するための複数のピン(例えば、垂直に作動可能なピン)を含み得る。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、以下のものがある(国際出願日以降国際段階で引用された文献及び他国に国内移行した際に引用された文献を含む)。
(先行技術文献)
(特許文献)
(特許文献1) 特開2001-284404号公報
(特許文献2) 特開2017-168693号公報
(特許文献3) 米国特許出願公開第2016/276205号明細書
(特許文献4) 米国特許出願公開第2012/0014084号明細書
(特許文献5) 米国特許第10,410,905号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような実用例(ピックアンドプレース操作を使用しない用途)は、問題が発生する傾向がある。たとえば、複数の要素(たとえば、ボンドツール、取り付けられるダイ、および基板の配置位置)の位置合わせの変更、ダイの取り付け操作の速度、および関連するUPH(つまり、処理時間)に問題が生じる可能性がある。
【0006】
したがって、特にピックアンドプレース操作を利用しない実用例に関連して、ダイを基板に取り付けるための改善されたシステムおよび方法を提供することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の例示的な実施形態によれば、ダイ取り付けシステムが提供される。ダイ取り付けシステムは、基板を支持するための支持構造と、前記基板に取り付けるための複数のダイを含むダイ供給源と、前記ダイ供給源から前記基板にダイを接合するためのボンドヘッドであって、前記ダイの前記ダイ供給源から前記基板への移送の間に前記ダイに接触するためのボンドツールを含む、ボンドヘッドと、前記ボンドヘッドを第1の軸に沿って移動させるための第1の運動システムと、前記第1の軸に沿って前記ボンドツールを移動させるための、前記第1の運動システムとは独立した第2の運動システムとを有する。
【0008】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、ダイ取り付けシステムが提供される。ダイ取り付けシステムは、基板を支持するための支持構造と、基板に取り付けるための複数のダイを含むダイ供給源と、このダイ供給源から前記基板にダイを接合するためのボンドヘッドであって、前記ダイ供給源から前記基板への移送の間に前記ダイに接触するためのボンドツールを含む、ボンドヘッドと、前記ダイ供給源を第1の軸に沿って移動させるための第1の運動システムと、前記第1の軸に沿って前記ダイ供給源を移動させるための、前記第1の運動システムとは独立した第2の運動システムとを有する。
【0009】
本発明のさらに別の例示的な実施形態によれば、ダイを基板に取り付ける方法が提供される。ダイを基板に取り付ける方法は、(a)ボンドヘッドを第1の軸に沿って移動させるための第1の運動システムを操作する工程であって、前記ボンドヘッドは、前記ダイをダイ供給源から基板に接合するためのものであり、前記ボンドヘッドは、前記ダイの前記ダイ供給源から前記基板への移送の間に前記ダイに接触するためのボンドツールを含むものである、ボンドヘッドを操作する工程と、(b)第2の運動システムを操作する工程であって、前記第1の運動システムとは独立して前記ボンドツールを前記第1の軸に沿って移動させるものである、第2の運動システムを操作する工程と、(c)前記ボンドツールの操作により、前記ダイを前記ダイ供給源から前記基板に移送する工程と、を有する。
【0010】
本発明のさらに別の例示的な実施形態によれば、ダイを基板に取り付ける方法が提供される。ダイを基板に取り付ける方法であって、(a)ダイ供給源を第1の軸に沿って移動させるための第1の運動システムを操作する工程と、(b)第2の運動システムを操作する工程であって、前記第1の運動システムとは独立して、前記第1の軸に沿って前記ダイ供給源を移動させるものである、第2の運動システムを操作する工程と、(c)前記ボンドツールの操作によって、前記ダイ供給源から前記基板に前記ダイを移送する工程であって、前記ボンドツールは、ボンドヘッドの一部として含まれ、前記ダイ供給源から前記基板への移送中に前記ダイに接触するものである、前記ダイを移送する工程と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明は、添付の図面に関連して読むとき、以下の詳細な説明から最もよく理解される。 一般的な慣行によれば、図面のさまざまな特徴は原寸に比例していないことを強調する。さまざまな特徴の寸法は、明確にするために任意に拡大または縮小されることに留意されたい。
図1A図1Aは、本発明の例示的な実施形態によるダイ取り付けシステムの構成要素のブロック平面図である。
図1B図1Bは、図1Aのダイ取り付けシステムの構成要素の別のブロック平面図である。
図1C-1D】図1Cは、図1Aのダイ取り付けシステムの構成要素のブロック側面図である。図1Dは、本発明の例示的な実施形態による図1Aのダイ取り付けシステムの例示的なボンドツールの詳細図である。
図2A図2A~2Eは、本発明の例示的な実施形態による図1Aのダイ取り付けシステムのダイ取り付け動作を示すブロック側面図である。
図2B図2A~2Eは、本発明の例示的な実施形態による図1Aのダイ取り付けシステムのダイ取り付け動作を示すブロック側面図である。
図2C図2A~2Eは、本発明の例示的な実施形態による図1Aのダイ取り付けシステムのダイ取り付け動作を示すブロック側面図である。
図2D図2A~2Eは、本発明の例示的な実施形態による図1Aのダイ取り付けシステムのダイ取り付け動作を示すブロック側面図である。
図2E図2A~2Eは、本発明の例示的な実施形態による図1Aのダイ取り付けシステムのダイ取り付け動作を示すブロック側面図である。
図3A図3A~3Cは、本発明の別の例示的な実施形態による図1Aのダイ取り付けシステムのダイ取り付け動作を示すブロック側面図である。
図3B図3A~3Cは、本発明の別の例示的な実施形態による図1Aのダイ取り付けシステムのダイ取り付け動作を示すブロック側面図である。
図3C図3A~3Cは、本発明の別の例示的な実施形態による図1Aのダイ取り付けシステムのダイ取り付け動作を示すブロック側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書で使用される場合、「ダイ」という用語は、半導体チップまたはダイを含む(または後の工程で含むように構成される)任意の構造を指すことを意図している。例示的な「ダイ」要素は、裸のLED半導体ダイを含む裸の半導体ダイ、基板上の半導体ダイ(例えば、リードフレーム、PCB、キャリア、半導体チップ、半導体ウェーハ、BGA基板、半導体要素等)、パッケージ化された半導体デバイス、フリップチップ半導体デバイス、基板に埋め込まれたダイなどを含む。
【0013】
本発明の特定の例示的な実施形態によれば、ボンドヘッドまたはダイ供給源を支持するための本発明の装置を含むダイ取り付けシステムが提供される。このような装置は、(i)短いストローク軸を支持する長ストローク部、および(ii)ボンドヘッドまたはダイ供給源を支持する短ストローク部を含む。例えば、長いストローク軸は、結合シーケンス中に、基板(ダイの取り付け/結合シーケンスでダイを受け取るように構成されている)に対して一定の速度で移動する。短いストローク軸は、接合動作中に基板に対して停止する。結合動作後、短いストローク軸が長いストローク軸に追いつき、次の接合位置に移動する。
【0014】
本発明の装置に含まれる例示的な構成要素は、以下の組み合わせを含む:(1)より遅い供給源軸が結合レートを制限するのを防ぐために供給源上のダイをスキップする方法を使用する、比較的遅い単軸ダイ供給源を有する短長ストロークボンドヘッド、(2)短長ストロークダイ供給源を備えた短長ストロークボンドヘッド、(3)短長ストロークのダイ供給源を備えた代替の高速結合装置(例えば、レーザー、エアパルス)。当然、他のデバイス(および関連する操作方法)が企図されている。
【0015】
本発明の態様は、(ボンドヘッドおよびダイ供給源のいずれかまたは両方に関連して)長いストローク軸および短いストローク軸の利点を組み合わせることに関係する。ボンドヘッドに適用される特定の実施例では、運動軸の短ストローク部は高い接合率を可能にし、一方、長ストローク部は、ボンドヘッドが所望のストロークを達成することを可能にする。短いストロークの例示的な可動域には、(i)1mm未満、(ii)3mm未満、または任意の所望の可動域が含まれる。
【0016】
図1Aは、ダイ取り付けシステム100を示す。ダイ取り付けシステム100は、基板112を支持するための支持構造110、基板112に取り付けられるように構成された複数のダイ108aを含むダイ供給源108、およびダイ供給源108から基板112へのダイ108aの移送中にダイ108aに接触するためのボンドツール104bを含むボンドヘッド104を有する。ダイ取り付けシステム100はまた、ボンドヘッド支持体102および供給支持体106を含む。ボンドヘッド支持体102および供給支持体106は、それぞれ機械構造150に対して独立して移動可能である。ボンドヘッド支持体102は、可動ボンドヘッド104を支持する。ボンドヘッド104は、位置合わせおよび/または検査操作に関連して使用されるカメラ104a(および他のビジョンシステムコンポーネント)を含む。ダイ供給源108は、供給支持体106上に移動可能に取り付けられている。図1A(および図1B~1C)に示される本発明の例示的な実施形態では、ダイ取り付け動作中、ダイ供給源108は、ボンドツール104bと、支持構造110によって支持された基板112との間に配置される。
【0017】
図1Bは、ダイ108a上に配置されたボンドヘッド104(カメラ104aおよびボンドツール104bを含む)を示しており、ダイ108aは、次に、基板112上に配置される。図1Cは、線AAに沿った図1Bの断面図であり、カメラ104aおよびボンドツール104bを含むボンドヘッド104が基板112上に配置されているのを示している。2つの「接合済みの」ダイ108a'がそれぞれの接合位置で基板112に接合されており、ボンドツール104bが、基板112上の第3接合位置上で別のダイ108aと関わっているのが図示される。
【0018】
図1Dは、ボンドツール104bの例のブロック図を示している。より具体的には、ボンドツール104bは、ダイ供給源108から基板112への移送のためにダイ108aに接触するための少なくとも1つのピン104b1を含み得る。さらに、図1Dに示されるように、ボンドツール104bは、ダイ供給源108から基板112への移送に関連してダイ108aに接触するための複数のピン104b1を含み得る。複数のピン104b1のそれぞれは、独立して、または集合的に、ダイ108aを基板112に移送するためにボンドツール104bの他の部分に対して、移動可能である(例えば、縦軸に沿って)。
【0019】
1つまたは複数のピン104b1(図1Dに示される)を含むボンドツール104bはあくまでもボンドツール104bの1例である。本発明の他の実施形態では、ボンドツール104bは、ピン104b1を含まなくてもよく、ピン104b1なしでダイ108aを移送することができる。
【0020】
本発明の特定の例示的な実施形態によれば、(i)ボンドツール104b、および(ii)ダイ供給源108のうちの少なくとも1つは、第1の運動システムおよび第2の運動システムを使用して、軸(例えば、水平軸、または実質的に水平な軸)に沿って移動する。例えば、図2A~2Eは、第1の運動システム102'および第2の運動システム104'を示している(その動作は、図2A~2Eに関連して以下に詳述される)。さらに、図3A~3Cは、第1の運動システム106'および第2の運動システム108'を示している(その動作は、図3A~3Cに関連して以下に詳述される)。本明細書に図示および説明されるダイ取り付けシステム100は、(i)ボンドツール104bを移動させるための第1の運動システムおよび第2の運動システム(図2A~2Eのように)、(ii)ダイ供給源108を移動させるための第1の運動システムおよび第2の運動システム(図3A~3Cのように)、または(i)および(ii)の両方を含むことが理解される。
【0021】
図2Aは、ダイ取り付けシステム100(図1A~1Cに関連して前述)の側面断面図を示すが、ここでは、ボンドヘッド104は、第1の可動キャリア114および第2の可動キャリア116を含む。第1の可動キャリア114は、ヘッド支持体102および第2の可動キャリア116の間に位置する。第2の可動キャリア116は、第1の可動キャリア114とボンドツール104bとの間に配置される。第1の運動システム102'は、ボンドヘッド支持体102に対して、第1の可動キャリア114の第1の軸(図2Aではx軸であるが、y軸などの別の直線軸が企図される)に沿った直線運動を提供する。第2の運動システム104'は、第1の可動キャリア114に対して第2の可動キャリア116の第1の軸に沿った直線運動を提供する。図2Aではまた、供給支持体106に対してダイ供給源108を移動するように構成された運動システム106 'を示す。運動システム102'、104'、および106'のそれぞれは、それらの隣接する構成要素間に要素(簡略化のために特に示されていない)を含む。例えば、運動システム102 'は、ボンドヘッド支持体102に対して第1の可動キャリア114間の運動を提供するための運動システム要素(例えば、モーター、スライド、ボールねじ、ベアリングなど)を含む。
【0022】
例示的な第1の運動システム102'は、ボンドヘッド104を移動させるためのダイ取り付けシステム100のガントリーシステムに含まれる。ダイ108aは、基板112上の接合位置112aの上に配置されて、これに結合される。通常、ボンドヘッド104は、 次に、接合ダイ108aを接合位置112aに接合する際に両方向矢印の垂直(例えば、z軸)方向に移動する。
【0023】
図2Bは、ボンドツール104bが左端のダイ108aと係合し、左端のダイ108aを左端の接合位置112aに接合する際の、第1の運動システム102 'を備えたボンドヘッド支持体102に沿ったボンドヘッド104の動きを示す。ボンドヘッド104が図2Bに示すように右に移動すると、ボンドツール104bは、第2の運動システム104'を使用して、第1の可動キャリア114に対して左に移動して、左端の接合位置112aの上に留まり、左端のダイ108aを左端の接合位置112aに接合する。
【0024】
図2Cは、第1の運動システム102'を使用してボンドヘッド支持体102に沿ってボンドヘッド104がさらに右方向に移動するのを示し、その際に、ボンドツール104bは、第2の運動システム104'を使用して第1の可動キャリア114に対してさらに左方向に移動し、左端の接合位置112aの上に留まり、ボンドツール104bは、第2の可動キャリア116内のその接合前位置まで上方に移動する。
【0025】
図2Dは、第1の運動システム102'を使用してボンドヘッドサポート102に沿ってボンドヘッド104の継続的な右方向への移動を示し、その際にボンドツール104bは、第2の運動システム104'を使用して第1の可動キャリア114に対して右方向に移動し、ボンドツール104bを次の接合に備えて次の接合位置112a上に配置する。第3の運動システム106'を使用するダイ供給源108(例えば、LEDウェーハなどのウェーハまたは他のLEDダイ供給源)は、供給支持体106に対して左に移動する。
図2Eは、運動システム106 'を使用して、基板112に対して右にダイ供給源108が移動し、残りの左端のダイ108aが次の接合位置112aの上にあり、ボンドツール104bの下にあることを示している。このプロセスは、図2A~2Eと同様に続き、左端のダイ108aを次の接合位置112aに結合し、次にリセットして、次に残っている左端のダイ108a(または必要に応じて他のダイ108a)を次の接合位置112aに接合する。
【0026】
図3Aは、ボンドヘッド104(可動キャリアを含む)のための単一の運動システム102 'が存在する本発明のさらなる実施形態を示す。図3A(および図3B~3C)では、供給支持体106(ダイ供給源108mの支持用)は、支持体118、第1の運動システム106'、可動キャリア120(LEDウェーハまたは他のLEDダイ供給源等のダイ供給源108を運ぶためのもの)、および第2の運動システム108'の少なくとも一部を含む。ボンドツール104b(ボンドヘッド104の下に垂直の破線として示されている)は、左端の接合ダイ108aおよび左端の接合位置112aの上に配置されている。
【0027】
第1の運動システム106'は、支持体118に対する可動キャリア120の第1の軸(図3Aではx軸であるが、y軸などの別の直線軸が企図される)に沿った直線運動を提供する。第2の運動システム108'は、可動キャリア120に対して第1の軸に沿ったダイ供給源118の直線運動を提供する。運動システム102'、106'、および108'のそれぞれは、それらの隣接する構成要素間に要素(簡略化のために特に図示していない)を含む。例えば、運動システム106'は、可動キャリア120と支持体118との間の運動を提供するための運動システム要素(例えば、モーター、スライド、ボールねじ、ベアリングなど)を含む。
【0028】
図3Bは、可動キャリア120が右方向に移動し、ダイ供給源108が可動キャリア120に対して左方向に移動し、左端の接合ダイ108aと左端の接合位置112aの間に接合が形成される際に、ボンドツールに対して静止したままであるときの左端の接合ダイ108aの左端の接合位置112aへの接合を示す。
【0029】
図3Cは、最初の接合後と、ボンドツールを次の接合位置112a上に配置するためのボンドヘッド104の右への移動を示し、その際、第4の可動キャリア120が右側に移動する際にダイ供給源108も右方向に移動して、ボンドツールを次の接合位置112a上でダイ供給源108上の今は左端の接合ダイ108a上に位置合わせする。 このプロセスは、次の接合のために図1および図2と同様に続く。
【0030】
様々な図面に示されているように、両方向矢印は、関連する要素の運動(または運動システムを介した潜在的な運動)を指すことを意図している。
【0031】
本発明の例示的な実施形態は、精度を損なうことなく実質的により高い接合率をもたらす傾向がある。
【0032】
図面には明示的に示されていないが、本発明は、ボンドヘッドおよびダイ供給源のそれぞれが複数の運動システムを含む実施形態を企図している。例えば、本発明の範囲内のダイ取り付けシステムは、ダイ供給源を移動するための第1および第2の運動システム(図3A~3Cなど)とともに、ボンドツールを移動するための第1および第2の運動システム(例えば、図2A~2E)を含み得る。
【0033】
本発明は、主に「ピック」操作がないダイアタッチ操作に関して説明してきたが、それに限定されない。本発明は、ダイアタッチマシン(ダイボンダーと呼ばれることもある)または他のパッケージングマシン(例えば、フリップチップ機器/操作、高度パッケージング操作など)を含む半導体ボンディング業界において幅広い用途を有する。
【0034】
本発明は、その例示的な実施形態に関して説明および図示されてきたが、当業者には、前述および他の様々な変更、省略、および追加が、本発明の主旨および範囲から逸脱することなしに行われ得ることが理解されるものである。むしろ、本発明から逸脱することなく、特許請求の範囲の同等物の範囲および範囲内で詳細に様々な修正を行うことができる。
図1A
図1B
図1C-1D】
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図3C