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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-06
(45)【発行日】2023-09-14
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/00 20200101AFI20230907BHJP
   D06F 39/12 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
D06F39/00 F
D06F39/00 A
D06F39/12 B
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2017133657
(22)【出願日】2017-07-07
(65)【公開番号】P2019013495
(43)【公開日】2019-01-31
【審査請求日】2020-04-03
【審判番号】
【審判請求日】2022-06-14
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】山村 翔悟
(72)【発明者】
【氏名】臼井 良典
(72)【発明者】
【氏名】西村 博司
【合議体】
【審判長】窪田 治彦
【審判官】八木 敬太
【審判官】長馬 望
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-145789(JP,A)
【文献】特開平10-085485(JP,A)
【文献】特開2001-046786(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F39/00
D06F39/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水槽が収容された外箱と、前記外箱の上部に設けられたトップカバーと、前記トップカバーの前部上面に設けられた操作パネルとを備えた洗濯機であって、
前記トップカバーの内部における前記操作パネルの下方であって前記トップカバーに着脱可能に設けられた電装品ユニットと、
前記トップカバーと別体であり、前記トップカバーに前記電装品ユニットが取付けられた状態で、前記電装ユニットを覆うように前記トップカバーに着脱可能に設けられたユニットカバーとを備え、
前記電装品ユニットは、制御回路及び表示回路が実装された制御基板を有する制御基板ユニットと、電源回路が実装された電源基板を有する電源基板ユニットとを背中合わせに一体化して構成されている洗濯機。
【請求項2】
前記ユニットカバーの内底面に設けられた複数のリブを備えた請求項1記載の洗濯機。
【請求項3】
前記制御基板ユニットの外周部に複数設けられた係合部を、前記電源基板ユニットの外周部に複数設けられた被係合部に係合させることにより、前記制御基板ユニットと前記電源基板ユニットを一体化した請求項1または2記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、トップカバーの前部の内部に電気部品を配設した洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば全自動洗濯機のトップカバーの前部の上面には、操作パネルが配設されている。トップカバーの前部の内部には、全自動洗濯機全体を制御する制御回路等が実装された制御基板が操作パネルの下方に位置して配設されている。全自動洗濯機の電源回路が実装された電源基板を、トップカバーの後部の内部に配設した構成や、全自動洗濯機の外箱の内部下部に配設した構成等が知られている。
【0003】
また、電源基板を制御基板に近接して配置することにより、電源基板及び制御基板をコンパクトにまとめた構成の実現が要望されている。例えば、特許文献1に記載された洗濯機が知られており、この洗濯機では、電源基板と制御基板を左右方向に並べて配置している。しかし、この構成では、電源基板と制御基板を左右方向に並べた構成の左右方向の寸法、即ち、トップカバーや洗濯機本体の左右方向の寸法が大きくなったり、反対に、電源基板及び制御基板の各左右方向の寸法を小さくしなければならず、電源回路や制御回路の実装設計が制約されてしまうおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平8-164296公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、電源基板及び制御基板をコンパクトにまとめた構成でありながら、電源基板及び制御基板の各左右方向の寸法を十分に確保することができ、また、洗濯機本体の構成を小型化することができる洗濯機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態の洗濯機は、水槽が収容された外箱と、前記外箱の上部に設けられたトップカバーと、前記トップカバーの前部上面に設けられた操作パネルとを備えたものであって、前記トップカバーの内部における前記操作パネルの下方であって前記トップカバーに着脱可能に設けられた電装品ユニットと、前記トップカバーと別体であり、前記トップカバーに前記電装品ユニットが取付けられた状態で、前記電装ユニットを覆うように前記トップカバーに着脱可能に設けられたユニットカバーとを備え、前記電装品ユニットは、制御回路及び表示回路が実装された制御基板を有する制御基板ユニットと、電源回路が実装された電源基板を有する電源基板ユニットとを背中合わせに一体化して構成されている
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態による洗濯機の破断側面図
図2】トップカバー、電装品ユニット、ユニットカバーの分解斜視図
図3】トップカバー、電装品ユニット、ユニットカバーの部分縦断側面図
図4】電装品ユニットを下面側から見た斜視図
図5】トップカバー、電装品ユニット、ユニットカバーの部分縦断背面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1実施形態)
図1に例示する洗濯機1は、洗濯物を洗濯する洗濯機能および洗濯物を乾燥する乾燥機能を備えた、いわゆる洗濯乾燥機である。洗濯機1は、洗濯槽の回転中心軸が垂直方向に延びる、いわゆる縦軸型の全自動洗濯機である。洗濯機1は、その外郭を構成する外箱2の内部に、上面が開放した有底円筒状の水槽3を備える。水槽3は、弾性吊持機構4によって弾性的に支持されている。
【0009】
また、外箱2の上部には、トップカバー5が配設されており、このトップカバー5には、水槽3の上方に位置して、例えば二つ折り可能な洗濯蓋6が開閉可能に設けられている。尚、洗濯蓋6は、二つ折りタイプに限定されるものではなく、水槽3の上部を開閉可能な洗濯蓋であれば良い。トップカバー5の前部に設けられた係合部(図示しない)を外箱2の上部前部に設けられた被係合部(図示しない)に係合させると共に、トップカバー5の後部を外箱2の上部後部にねじ止めすることにより、トップカバー5を外箱2に取り付けている。
【0010】
トップカバー5の前部の上面には、操作パネル7が配設されており、トップカバー5の内部における上記操作パネル7の下方には、電装品ユニット8が配設されている。この電装品ユニット8の下面及び外周部は、図2及び図3に示すように、全体として浅底容器状をなす例えば樹脂製のユニットカバー9で覆われている。尚、電装品ユニット8及びユニットカバー9の具体的構成については、後述する。
【0011】
また、外箱2の内部には、給水弁(図示しない)などを備える給水部(図示しない)が設けられている。水槽3の内部には、上記給水部から供給される水が貯留される。また、外箱2の内部には、排水弁10などを備える排水部11が設けられている。水槽3内の水は、この排水部11により機外に排水される。また、水槽3の内部には、上面が開放した有底円筒状の洗濯槽12が回転可能に設けられている。
【0012】
洗濯槽12は、垂直な軸線を中心に回転するように構成されており、洗濯物を洗う洗い行程および洗濯物をすすぐすすぎ行程における洗濯槽、および、洗濯物を脱水する脱水行程における脱水槽として兼用される。また、この洗濯槽12を収容する水槽3は、洗濯物を乾燥する乾燥行程においては、乾燥対象である洗濯物が収容される乾燥室として機能する。洗濯槽12の内部の底部には、パルセータ13が回転可能に設けられている。
【0013】
水槽3の下部の中央部には、洗濯槽12およびパルセータ13を回転させるための駆動部14が設けられている。駆動部14は、駆動用モータ15や、洗濯・すすぎ運転と脱水運転を切り替えるクラッチ機構(図示しない)などを備えている。
【0014】
水槽3の上部には、水槽カバー16が取り付けられている。水槽カバー16には、開口部が形成されており、この開口部は、水槽カバー16に設けられている内蓋17によって開閉される。ユーザは、外箱2の上部の洗濯蓋6を開き、且つ、内蓋17を開くことにより、開口部を介して洗濯槽12への洗濯物の出し入れが可能となっている。
【0015】
さて、電装品ユニット8は、図2図3及び図4に示すように、制御基板ユニット21と、電源基板ユニット22とを上下に積み重ねて、即ち、背中合わせに一体化して構成されたものである。制御基板ユニット21は、全体として浅底容器状をなす例えば樹脂製の制御ユニットケース23と、この制御ユニットケース23内に収容固定された制御基板24とを備えている。
【0016】
制御基板24は、例えばプリント配線基板で構成されており、制御回路を構成する各種の電気部品と表示回路を構成する各種の電気部品(例えばLED等)が実装されている。制御基板24は、例えばねじ止めや係合等により制御ユニットケース23に固定されている。制御基板24の上面には、表示回路のLEDをホールドする例えば樹脂製のLEDホルダー25が設けられている。LEDホルダー25は、例えばねじ止めや係合等により制御基板24に取り付けられている。
【0017】
また、電源基板ユニット22は、全体として浅底容器状をなす例えば樹脂製の電源ユニットケース26と、この電源ユニットケース26内に収容固定された電源基板27とを備えている。電源基板27は、例えばプリント配線基板で構成されており、電源回路を構成する各種の電気部品が実装されている。電源基板27は、例えばねじ止めや係合等により電源ユニットケース26に固定されている。
【0018】
そして、制御基板ユニット21と電源基板ユニット22を連結するに際しては、制御基板ユニット21と電源基板ユニット22を背中合わせにして、即ち、制御基板24と電源基板27を背中合わせに配置するようにして、制御ユニットケース23の外周部に複数設けられた係合部23aを電源ユニットケース26の外周部に複数設けられた被係合部26aに係合させると共に、例えばねじ止めする。これにより、制御基板ユニット21と電源基板ユニット22が連結されて、電装品ユニット8が構成される。
【0019】
上記したように構成された電装品ユニット8をトップカバー5内の前部に取り付ける。この場合、電装品ユニット8のLEDホルダー25をトップカバー5の操作パネル7の下面に当接させ、電装品ユニット8をトップカバー5に例えば係合させると共にねじ止めする。そして、トップカバー5に電装品ユニット8を取り付けた状態で、ユニットカバー9により電装品ユニット8を覆うようにして、トップカバー5にユニットカバー9を例えば係合すると共にねじ止めする。これにより、図3及び図5に示すように、トップカバー5に電装品ユニット8及びユニットカバー9が取り付けられる。
【0020】
ここで、図2に示すように、ユニットカバー9の内底面には、例えば3個のリブ28、29、30が形成されていると共に、多数の開口部である例えば水抜き孔31が形成されている。リブ28、29、30の高さ寸法は、例えば5mm以上の適切な値に設定されている。リブ28、29、30の図2中の右端部はユニットカバー9の図2中の右周壁部に連続し、リブ28、29、30の図2中の左端部とユニットカバー9の図2中の左周壁部との間には、リブがない部分、即ち、切欠き32が形成されている。尚、本実施形態では、切欠き32の位置を、リブ28、29、30の左端部としたが、これに限られるものではなく、リブ28、29、30の一部分であれば任意の部分に形成することができる。また、リブ28、29、30の互いの間隔d1、d2は、例えば30mm以下の適切な値に設定されている。
【0021】
そして、図4及び図5に示すように、トップカバー5に電装品ユニット8及びユニットカバー9を取り付けた状態では、電装品ユニット8の電源基板ユニット22から導出されたリード線33がリブ28、29、30の上に載置されるように構成されている。この場合、リブ28、29、30は、リード線33に対して例えば直交する方向または交差する方向となるように設けられている。これにより、リード線33は、ユニットカバー9の底面から浮き上がり、該底面に接触しない構成となっている。この構成によれば、ユニットカバー9内に洗濯水が浸入したために、ユニットカバー9の内底部が洗濯水によって濡れたような状態になった場合に、リード線33がユニットカバー9の底面から浮き上がっているので、リード線33が洗濯水により濡れる(即ち、リード線32に洗濯水が付着する)ような事態の発生を確実に防止することができる。
【0022】
そして、上記構成の場合、リブ28、29、30の高さ寸法を5mm以上と設定したので、リード線33をユニットカバー9の底面から確実に浮き上がらせることができる。また、リブ28、29、30の互いの間隔d1、d2を30mm以下と設定したので、リード線33が緩むことを防止できるから、リード線33がユニットカバー9の底面に接触することをより一層防止できる。また、リブ28、29、30を、リード線33に対して直交する方向または交差する方向に沿って設けたので、リード線33がリブ28、29、30の上から脱落してユニットカバー9の底面に接触することをより一層防止できる。
【0023】
また、ユニットカバー9に多数の水抜き孔31を設けたので、ユニットカバー9内に浸入した洗濯水を水抜き孔31を通して排出することができる。また、リブ28、29、30の一部に切欠き32を形成したので、リブ28、29、30間にたまった洗濯水を切欠き32を通して水抜き孔31の方へ導くことができるから、該洗濯水を水抜き孔31を通して排出することができる。
【0024】
また、本実施形態においては、トップカバー5の内部における操作パネル7の下方に電装品ユニット8を設け、トップカバー5の内部に電装品ユニット8を覆うようにユニットカバー9を設け、電装品ユニット8を、制御基板24を有する制御基板ユニット21と、電源基板27を有する電源基板ユニット22とを背中合わせに一体化して構成した。この構成によれば、電源基板27及び制御基板24をコンパクトにまとめた構成でありながら、電源基板27及び制御基板24の各左右方向の寸法を十分に確保することができ、また、トップカバー5や洗濯機本体の左右方向の寸法を大きくする必要もないことから、洗濯機本体の構成を小型化することができる。
【0025】
また、本実施形態では、電源基板27及び制御基板24をコンパクトに一体化した電装品ユニット8を備えたので、電源基板27または制御基板24に異常が発生して洗濯機を修理する必要がある場合、トップカバー5の前部を持ち上げて、ユニットカバー9を外せば、電装品ユニット8をトップカバー5から簡単に取り外して交換することができる。
【0026】
(その他の実施形態)
以上説明した一実施形態に加えて以下のような構成を加えても良い。
リブ28、29、30の個数は、3個としたが、これに限られるものではなく、4個以上設けても良いし、または、2個設けても良い。また、洗濯機能及び乾燥機能を備えた洗濯乾燥機に適用したが、乾燥機能を備えない全自動洗濯機に適用しても良い。
【0027】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0028】
図面中、1は洗濯機、3は水槽、5はトップカバー、7は操作パネル、8は電装品ユニット、9はユニットカバー、12は洗濯槽、21は制御基板ユニット、22は電源基板ユニット、23は制御ユニットケース、24は制御基板、26は電源ユニットケース、27は電源基板、28、29、30はリブ、31は水抜き孔、32は切欠き、33はリード線である。
図1
図2
図3
図4
図5