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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-06
(45)【発行日】2023-09-14
(54)【発明の名称】締結工具
(51)【国際特許分類】
   B25B 13/50 20060101AFI20230907BHJP
【FI】
B25B13/50 D
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019160479
(22)【出願日】2019-09-03
(65)【公開番号】P2021037586
(43)【公開日】2021-03-11
【審査請求日】2022-08-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000004385
【氏名又は名称】NOK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109380
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 恵
(74)【代理人】
【識別番号】100109036
【弁理士】
【氏名又は名称】永岡 重幸
(74)【代理人】
【識別番号】100125335
【弁理士】
【氏名又は名称】矢代 仁
(72)【発明者】
【氏名】河田 直希
【審査官】マキロイ 寛済
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2014-0020523(KR,A)
【文献】実開昭50-022295(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2006/0123538(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25B 13/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ほぼ垂直に向けられた軸線をそれぞれ有する第1の柱と第2の柱を回転させることが可能であり、
前記第1の柱は、柱部、当該柱部の下部が固定され、当該柱部よりも面積が大きい台座部、当該台座部から下方に突出し、前記第1の柱の前記軸線を中心に回転可能なオネジ、および当該台座部に形成された2つの第1の穴を有し、前記第1の柱では、前記2つの第1の穴は当該台座部の上面から下方に向けて延び、上方から見て当該柱部が前記2つの第1の穴の間に配置され、
前記第2の柱は、柱部、当該柱部の下部が固定され、当該柱部よりも面積が大きい台座部、当該台座部から下方に突出し、前記第2の柱の前記軸線を中心に回転可能なオネジ、および当該台座部に形成された1つの第2の穴を有し、前記第2の柱では、前記第2の穴は当該台座部の外周面から当該台座部の径方向内側に向けて延び、
前記第1の柱および前記第2の柱をそれぞれ回転させて、前記第1の柱が設置される位置に配置されたメネジに前記第1の柱の前記オネジを締結して前記第1の柱を当該位置に固定し、当該メネジから前記第1の柱の前記オネジを取り出して前記第1の柱を当該位置から取り外すことができ、前記第2の柱が設置される位置に配置されたメネジに前記第2の柱の前記オネジを締結して前記第2の柱を当該位置に固定し、当該メネジから前記第2の柱の前記オネジを取り出して前記第2の柱を当該位置から取り外すことができる締結工具であって、
前記締結工具は、
棒である基部と、
前記基部の一端部から互いに離れる方向に延びる2つのアームと、
前記2つのアームからそれぞれ突出し、前記第1の柱の前記2つの第1の穴にそれぞれ挿入される2つの第1の挿入突起と、
前記2つのアームからそれぞれ突出し、前記第2の柱の前記第2の穴に挿入される2つの第2の挿入突起
を有し、
各第1の挿入突起は当該第1の挿入突起が突出するアームに直交し、前記2つの第1の挿入突起は互いに平行に延び、
各第2の挿入突起は、当該第2の挿入突起が突出するアームから他方のアームに向けて延びる
ことを特徴とする結工具。
【請求項2】
さらに第3の柱を回転させることが可能であり、
前記第3の柱は、柱部、当該柱部の下部が固定され、当該柱部よりも面積が大きい台座部、当該台座部から下方に突出し、前記第3の柱の前記軸線を中心に回転可能なオネジ、および当該台座部に形成された2つの第3の穴を有し、前記第3の柱では、前記2つの第3の穴は当該台座部の上面から下方に向けて延び、上方から見て当該柱部が前記2つの第3の穴の間に配置され、前記第3の穴の間隔は前記第1の穴の間隔より小さく、
前記締結工具は、
前記2つのアームの途中部分にそれぞれ固定された2つの管と、
前記2つの管にそれぞれ離脱可能に挿入される2つの棒と、
前記2つの棒を前記2つの管に固定する複数の固定部材と、
前記2つの棒からそれぞれ突出し、前記第3の柱の前記2つの第3の穴にそれぞれ挿入される2つの第3の挿入突起
を有し、
各第3の挿入突起は当該第3の挿入突起が突出する棒に直交し、前記2つの第3の挿入突起は互いに平行に延び、
前記2つの第3の挿入突起の間隔は前記2つの第1の挿入突起の間隔より小さい
ことを特徴とする請求項に記載の締結工具。
【請求項3】
ほぼ垂直に向けられた軸線をそれぞれ有する第1の柱と第2の柱を回転させることが可能であり、
前記第1の柱は、柱部、当該柱部の下部が固定され、当該柱部よりも面積が大きい台座部、当該台座部から下方に突出し、前記第1の柱の前記軸線を中心に回転可能なオネジ、および当該台座部に形成された2つの第1の穴を有し、前記第1の柱では、前記2つの第1の穴は当該台座部の上面から下方に向けて延び、上方から見て当該柱部が前記2つの第1の穴の間に配置され、
前記第2の柱は、柱部、当該柱部の下部が固定され、当該柱部よりも面積が大きい台座部、当該台座部から下方に突出し、前記第2の柱の前記軸線を中心に回転可能なオネジ、および当該台座部に形成された2つの第2の穴を有し、前記第2の柱では、前記2つの第2の穴は当該台座部の上面から下方に向けて延び、上方から見て当該柱部が前記2つの第2の穴の間に配置され、前記第2の穴の間隔は前記第1の穴の間隔より小さく、
前記第1の柱および前記第2の柱をそれぞれ回転させて、前記第1の柱が設置される位置に配置されたメネジに前記第1の柱の前記オネジを締結して前記第1の柱を当該位置に固定し、当該メネジから前記第1の柱の前記オネジを取り出して前記第1の柱を当該位置から取り外すことができ、前記第2の柱が設置される位置に配置されたメネジに前記第2の柱の前記オネジを締結して前記第2の柱を当該位置に固定し、当該メネジから前記第2の柱の前記オネジを取り出して前記第2の柱を当該位置から取り外すことができる締結工具であって、
前記締結工具は、
棒である基部と、
前記基部の一端部から互いに離れる方向に延びる2つのアームと、
前記2つのアームからそれぞれ突出し、前記第1の柱の前記2つの第1の穴にそれぞれ挿入される2つの第1の挿入突起と、
前記2つのアームの途中部分にそれぞれ固定された2つの管と、
前記2つの管にそれぞれ離脱可能に挿入される2つの棒と、
前記2つの棒を前記2つの管にそれぞれ固定する2つの固定部材と、
前記2つの棒からそれぞれ突出し、前記第2の柱の前記2つの第2の穴にそれぞれ挿入される2つの第2の挿入突起
を有し、
各第1の挿入突起は当該第1の挿入突起が突出するアームに直交し、前記2つの第1の挿入突起は互いに平行に延び、
各第2の挿入突起は当該第2の挿入突起が突出する棒に直交し、前記2つの第2の挿入突起は互いに平行に延び、
前記2つの第2の挿入突起の間隔は前記2つの第1の挿入突起の間隔より小さい
ことを特徴とする結工具。
【請求項4】
ほぼ垂直に向けられた軸線をそれぞれ有する第1の柱と第2の柱を回転させることが可能であり、
前記第1の柱は、柱部、当該柱部の下部が固定され、当該柱部よりも面積が大きい台座部、当該台座部から下方に突出し、前記第1の柱の前記軸線を中心に回転可能なオネジ、および当該台座部に形成された2つの第1の穴を有し、前記第1の柱では、前記2つの第1の穴は当該台座部の上面から下方に向けて延び、上方から見て当該柱部が前記2つの第1の穴の間に配置され、
前記第2の柱は、柱部、当該柱部の下部が固定され、当該柱部よりも面積が大きい台座部、当該台座部から下方に突出し、前記第2の柱の前記軸線を中心に回転可能なオネジ、および当該台座部に形成された2つの第2の穴を有し、前記第2の柱では、前記2つの第2の穴は当該台座部の上面から下方に向けて延び、上方から見て当該柱部が前記2つの第2の穴の間に配置され、前記第2の穴の間隔は前記第1の穴の間隔と異なり、
前記第1の柱および前記第2の柱をそれぞれ回転させて、前記第1の柱が設置される位置に配置されたメネジに前記第1の柱の前記オネジを締結して前記第1の柱を当該位置に固定し、当該メネジから前記第1の柱の前記オネジを取り出して前記第1の柱を当該位置から取り外すことができ、前記第2の柱が設置される位置に配置されたメネジに前記第2の柱の前記オネジを締結して前記第2の柱を当該位置に固定し、当該メネジから前記第2の柱の前記オネジを取り出して前記第2の柱を当該位置から取り外すことができる締結工具であって、
前記締結工具は、
棒である基部と、
前記基部の第1の端部から互いに離れる方向に延びる2つの第1のアームと、
前記基部の第2の端部から、前記第1のアームとは逆方向、かつ互いに離れる方向に延びる2つの第2のアームと、
前記2つの第1のアームからそれぞれ突出し、前記第1の柱の前記2つの第1の穴にそれぞれ挿入される2つの第1の挿入突起と、
前記2つの第2のアームからそれぞれ突出し、前記第2の柱の前記2つの第2の穴にそれぞれ挿入される2つの第2の挿入突起
を有し、
各第1の挿入突起は当該第1の挿入突起が突出する第1のアームに直交し、前記2つの第1の挿入突起は互いに平行に延び、
各第2の挿入突起は当該第2の挿入突起が突出する第2のアームに直交し、前記2つの第2の挿入突起は互いに平行に延び、
前記2つの第2の挿入突起の間隔は前記2つの第1の挿入突起の間隔と異なる
ことを特徴とする結工具。
【請求項5】
ほぼ垂直に向けられた軸線をそれぞれ有する第1の柱と第2の柱と第3の柱を回転させることが可能であり、
前記第1の柱は、柱部、当該柱部の下部が固定され、当該柱部よりも面積が大きい台座部、当該台座部から下方に突出し、前記第1の柱の前記軸線を中心に回転可能なオネジ、および当該台座部に形成された2つの第1の穴を有し、前記第1の柱では、前記2つの第1の穴は前記台座部の上面から下方に向けて延び、上方から見て当該柱部が前記2つの第1の穴の間に配置され、
前記第2の柱は、柱部、当該柱部の下部が固定され、当該柱部よりも面積が大きい台座部、当該台座部から下方に突出し、前記第2の柱の前記軸線を中心に回転可能なオネジ、および当該台座部に形成された1つの第2の穴を有し、前記第2の柱では、前記第2の穴は当該台座部の外周面から当該台座部の径方向内側に向けて延び、
前記第3の柱は、柱部、当該柱部の下部が固定され、当該柱部よりも面積が大きい台座部、当該台座部から下方に突出し、前記第3の柱の前記軸線を中心に回転可能なオネジ、および当該台座部に形成された2つの第3の穴を有し、前記第3の柱では、前記2つの第3の穴は当該台座部の上面から下方に向けて延び、上方から見て当該柱部が前記2つの第3の穴の間に配置され、前記第3の穴の間隔は前記第1の穴の間隔と異なり、
前記第1の柱、前記第2の柱および前記第3の柱をそれぞれ回転させて、前記第1の柱が設置される位置に配置されたメネジに前記第1の柱の前記オネジを締結して前記第1の柱を当該位置に固定し、当該メネジから前記第1の柱の前記オネジを取り出して前記第1の柱を当該位置から取り外すことができ、前記第2の柱が設置される位置に配置されたメネジに前記第2の柱の前記オネジを締結して前記第2の柱を当該位置に固定し、当該メネジから前記第2の柱の前記オネジを取り出して前記第2の柱を当該位置から取り外すことができ、前記第3の柱が設置される位置に配置されたメネジに前記第3の柱の前記オネジを締結して前記第3の柱を当該位置に固定し、前記メネジから前記第3の柱の当該オネジを取り出して前記第3の柱を当該位置から取り外すことができる締結工具であって、
前記締結工具は、
棒である基部と、
前記基部の第1の端部から互いに離れる方向に延びる2つの第1のアームと、
前記基部の第2の端部から、前記第1のアームとは逆方向、かつ互いに離れる方向に延びる2つの第2のアームと、
前記2つの第1のアームからそれぞれ突出し、前記第1の柱の前記2つの第1の穴にそれぞれ挿入される2つの第1の挿入突起と、
前記2つの第1のアームからそれぞれ突出し、前記第2の柱の前記第2の穴に挿入される2つの第2の挿入突起と、
前記2つの第2のアームからそれぞれ突出し、前記第3の柱の前記2つの第3の穴にそれぞれ挿入される2つの第3の挿入突起
を有し、
各第1の挿入突起は当該第1の挿入突起が突出する第1のアームに直交し、前記2つの第1の挿入突起は互いに平行に延び、
各第2の挿入突起は、当該第2の挿入突起が突出するアームから他方のアームに向けて延び、
各第3の挿入突起は当該第3の挿入突起が突出する第2のアームに直交し、前記2つの第3の挿入突起は互いに平行に延び、
前記2つの第3の挿入突起の間隔は前記2つの第1の挿入突起の間隔と異なる
ことを特徴とする結工具。
【請求項6】
さらに第4の柱と第5の柱を回転させることが可能であり、
前記第4の柱は、柱部、当該柱部の下部が固定され、当該柱部よりも面積が大きい台座部、当該台座部から下方に突出し、前記第3の柱の前記軸線を中心に回転可能なオネジ、および当該台座部に形成された2つの第4の穴を有し、前記第4の柱では、前記2つの第4の穴は当該台座部の上面から下方に向けて延び、上方から見て当該柱部が前記2つの第4の穴の間に配置され、前記第4の穴の間隔は、前記第1の穴の間隔および前記第3の穴の間隔と異なり、
前記第5の柱は、柱部、当該柱部の下部が固定され、当該柱部よりも面積が大きい台座部、当該台座部から下方に突出し、前記第3の柱の前記軸線を中心に回転可能なオネジ、および当該台座部に形成された2つの第5の穴を有し、前記第5の柱では、前記2つの第5の穴は当該台座部の上面から下方に向けて延び、上方から見て当該柱部が前記2つの第5の穴の間に配置され、前記第5の穴の間隔は、前記第1の穴の間隔、前記第3の穴の間隔および前記第4の穴の間隔と異なり、
前記締結工具は、
前記基部に直交する棒であるさらなる基部と、
前記さらなる基部の第1の端部から互いに離れる方向に延びる2つの第3のアームと、
前記さらなる基部の第2の端部から、前記第3のアームとは逆方向、かつ互いに離れる方向に延びる2つの第4のアームと、
前記2つの第3のアームからそれぞれ突出し、前記第4の柱の前記2つの第4の穴にそれぞれ挿入される2つの第4の挿入突起と、
前記2つの第4のアームからそれぞれ突出し、前記第5の柱の前記2つの第5の穴にそれぞれ挿入される2つの第5の挿入突起
を有し、
各第4の挿入突起は当該第4の挿入突起が突出する第3のアームに直交し、前記2つの第4の挿入突起は互いに平行に延び、前記2つの第4の挿入突起の間隔は、前記2つの第1の挿入突起の間隔および前記2つの第3の挿入突起の間隔と異なり、
各第5の挿入突起は当該第5の挿入突起が突出する第4のアームに直交し、前記2つの第5の挿入突起は互いに平行に延び、前記2つの第5の挿入突起の間隔は、前記2つの第1の挿入突起の間隔、前記2つの第3の挿入突起の間隔および前記2つの第4の挿入突起の間隔と異なる
ことを特徴とする請求項に記載の締結工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下部にオネジを有する柱を回転させる締結工具に関する。
【背景技術】
【0002】
道路標識柱、特にポストコーンまたはポールコーンと呼ばれるタイプは、柱部、柱部の下部が固定された台座部、および台座部から下方に突出するオネジを有する(特許文献1)。このタイプの道路標識柱は、道路に埋設されたアンカー部材のメネジにオネジをねじ込むことにより、道路に固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-47038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
下端にオネジを有する柱を設置する際および柱を取り外す際、必要とされる力が小さいことが望ましい。
【0005】
そこで、本発明は、柱を設置する際および柱を取り外す際、小さい力でオネジを回転させることが可能な締結工具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様に係る締結工具は、柱を回転させて、前記柱が設置される位置に配置されたメネジにオネジを締結して前記柱を前記位置に固定し、前記メネジから前記オネジを取り出して前記柱を前記位置から取り外す。柱は、ほぼ垂直に向けられた軸線を有する柱部と、前記柱部の下部が固定され、前記柱部よりも面積が大きい台座部と、前記台座部から下方に突出し、前記軸線を中心に回転可能なオネジと、前記台座部に形成された少なくとも1つの穴を有する。締結工具は、棒である基部と、前記基部の一端部から互いに離れる方向に延びる2つのアームと、前記2つのアームからそれぞれ突出し、前記穴に挿入される2つの挿入突起を有する。
【0007】
この態様においては、2つのアームから突出する2つの挿入突起の少なくとも一方を柱の台座部に形成された穴に挿入し、締結工具の適切な位置、例えば基部を使用者が保持して、締結工具を介して柱にトルクを与えることにより、柱のオネジを回転させることができる。挿入突起から離れた位置を使用者が保持して回転のための力を与えることにより、柱を設置する際および柱を取り外す際、小さい力でオネジを回転させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】ポールコーンの一例を示す正面図である。
図2】道路に固定された図1のポールコーンの下部の拡大断面図である。
図3】ポールコーンの他の一例を示す正面図である。
図4】道路に固定された図3のポールコーンの下部の拡大断面図である。
図5】ポールコーンの他の一例を示す正面図である。
図6】道路に固定された図5のポールコーンの下部の拡大断面図である。
図7】本発明の第1の実施形態に係る締結工具の平面図である。
図8図7の締結工具の側面図である。
図9図7の締結工具の正面図である。
図10図7の締結工具の主部品の平面図である。
図11図10のXI-XI線矢視断面図である。
図12図7の締結工具の棒の平面図である。
図13図12のXIII-XIII線矢視断面図である。
図14】棒が退避させられた図7の締結工具の正面図である。
図15図1および図2のポールコーンを回転させる第1の実施形態に係る締結工具の斜視図である。
図16】図3および図4のポールコーンを回転させる第1の実施形態に係る締結工具の斜視図である。
図17】図5および図6のポールコーンを回転させる第1の実施形態に係る締結工具の斜視図である。
図18】ポールコーンの他の一例を示す正面図である。
図19】道路に固定された図18のポールコーンの下部の拡大断面図である。
図20】ポールコーンの他の一例を示す正面図である。
図21】道路に固定された図20のポールコーンの下部の拡大断面図である。
図22】本発明の第2の実施形態に係る締結工具の平面図である。
図23図22の締結工具の側面図である。
図24図18のポールコーンを回転させる第2の実施形態に係る締結工具の斜視図である。
図25】本発明の第3の実施形態に係る締結工具の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付の図面を参照しながら本発明に係る様々な実施の形態を説明する。図面の縮尺は必ずしも正確ではなく、一部の特徴は誇張または省略されることもある。
【0010】
以下の説明において、本発明の実施形態に係る締結工具は、道路標識柱、特にポストコーンまたはポールコーンと呼ばれる道路標識柱の固定および取り外しに使用される。しかし、本発明に係る締結工具の用途は、道路標識柱の固定および取り外しに限定されず、本発明の範囲は、柱部、柱部の下部が固定された台座部、および台座部から下方に突出するオネジを有する柱の固定および取り外しに使用される締結工具を包含する。
【0011】
第1の実施形態
まず、本発明の第1の実施形態に係る締結工具が使用されうる3種(タイプA,B,C)のポールコーンを説明する。
【0012】
図1に示すように、タイプAのポールコーン1は、柱部2、台座部3、およびオネジ4を有する。柱部2はほぼ円柱形であって、ほぼ垂直に向けられた中心軸線Axを有する。台座部3は、柱部2よりも面積が大きい円板である。オネジ4は、台座部3から下方に突出し、中心軸線Axを中心に回転可能である。
【0013】
柱部2の具体的形状および材料は限定されないが、一例では、柱部2は、弾性材料、例えばポリウレタンから形成された中空な円筒であり、柱部2の頂部には、弾性材料、例えばポリウレタンから形成されたキャップ5が嵌め込まれている。不可欠ではないが、柱部2には、複数の反射シート6が巻かれて固定されている。
【0014】
台座部3の具体的形状および材料は限定されないが、一例では、台座部3は、弾性材料、例えばポリウレタンから形成された中実な円板であり、小径な円錐台形状の上部3Aと、大径な円錐台形状の下部3Bを有する。上部3Aには、柱部2の下部が固定されている。不可欠ではないが、上部3Aの周囲には、複数の反射シート7が固定されている。
【0015】
図2に示すように、台座部3の下部3Bには、オネジ4を有するボルト8の上部が埋設されている。したがって、オネジ4は台座部3に堅固に固定されている。ボルト8は、金属、例えば鋼から形成されている。
【0016】
下部3Bには、2つの穴9が形成されている。2つの穴9は台座部3の下部3Bの上面から下方に向けて延びる。2つの穴9は、中心軸線Axに直交する1つの直線上に配置されており、上方から見て柱部2が2つの穴9の間に配置されている。2つの穴9の間には間隔G1が設けられている。
【0017】
穴9は、下部3Bを貫通するが、貫通しなくてもよい。穴9は、ポールコーン1を中心軸線Axの周りで回転させるために使用される。
【0018】
オネジ4は、道路の地盤10に埋設されたアンカー(メネジ)11にねじ込まれて装着される。アンカー11は、接着剤、例えばモルタルによって地盤10に固定されている。アンカー11は、中央にメネジが形成された下部11Aと、円筒形の上部11Bを有する。
【0019】
上記の構成において、ポールコーン1を中心軸線Axの周りで回転させることによって、アンカー11にオネジ4を締結してポールコーン1を地盤10に固定することができる。また、ポールコーン1を逆方向に回転させることによって、アンカー11からオネジ4を取り出してポールコーン1を地盤10から取り外すことができる。
【0020】
オネジ4は、金属製のリング状のワッシャー12に挿入されている。ワッシャー12は、台座部3の下部3Bの底面とアンカー11の上部11Bの間に挟まれる。
【0021】
図3に示すように、タイプBのポールコーン21は、柱部2、台座部23、およびオネジ4を有する。図面において、すでに説明した構成要素を示すために同じ符号が使用され、それらについては詳細には説明しない。
【0022】
台座部23は、柱部2よりも面積が大きい円板である。台座部23の具体的形状および材料は限定されないが、一例では、台座部23は、弾性材料、例えばポリウレタンから形成された中実な円板であり、小径な円板形状の上部23Aと、大径な円板形状の下部23Bを有する。上部23Aには、柱部2の下部が固定されている。
【0023】
図4に示すように、台座部23の下部23Bには、オネジ4を有するボルト8の上部が埋設されている。したがって、オネジ4は台座部23に堅固に固定されている。
【0024】
下部23Bには、2つの穴29が形成されている。2つの穴29は台座部23の下部23Bの上面から下方に向けて延びる。2つの穴29は、中心軸線Axに直交する1つの直線上に配置されており、上方から見て柱部2が2つの穴29の間に配置されている。2つの穴29の間には間隔G2が設けられている。間隔G2は、タイプAのポールコーン1の穴9の間隔G1より小さい。
【0025】
穴29は、下部23Bを貫通するが、貫通しなくてもよい。穴29は、ポールコーン21を中心軸線Axの周りで回転させるために使用される。
【0026】
上記の構成において、ポールコーン21を中心軸線Axの周りで回転させることによって、アンカー11にオネジ4を締結してポールコーン21を地盤10に固定することができる。また、ポールコーン21を逆方向に回転させることによって、アンカー11からオネジ4を取り出してポールコーン21を地盤10から取り外すことができる。
【0027】
オネジ4は、樹脂または金属製の円筒状のスペーサー32に挿入されている。スペーサー32は、アンカー11の上部11Bの内部空間に配置されるとともに、台座部23の下部23Bの底面とアンカー11の下部11Aの間に挟まれる。スペーサー32は、台座部23と同じ材料から台座部23に一体に形成されていてもよい。
【0028】
図5に示すように、タイプCのポールコーン41は、柱部2、台座部43、およびオネジ4を有する。
【0029】
台座部43は、柱部2よりも面積が大きい円板である。台座部43の具体的形状および材料は限定されないが、一例では、台座部43は、弾性材料、例えばポリウレタンから形成された中実な円柱であり、台座部43には、柱部2の下部が固定されている。台座部43の直径Dは、タイプAのポールコーン1の穴9の間隔G1より小さく、タイプBのポールコーン21の穴29の間隔G2とほぼ等しい。
【0030】
不可欠ではないが、台座部43の周囲には、反射シート47が固定されている。
【0031】
図6に示すように、台座部43には、オネジ4を有するボルト8の上部が埋設されている。したがって、オネジ4は台座部43に堅固に固定されている。
【0032】
台座部43には1つの穴49が形成されている。穴49は台座部43の外周面から台座部43の径方向内側に向けて延びる。穴49は、ポールコーン41を中心軸線Axの周りで回転させるために使用される。
【0033】
上記の構成において、ポールコーン41を中心軸線Axの周りで回転させることによって、アンカー11にオネジ4を締結してポールコーン41を地盤10に固定することができる。また、ポールコーン41を逆方向に回転させることによって、アンカー11からオネジ4を取り出してポールコーン41を地盤10から取り外すことができる。
【0034】
オネジ4は、樹脂または金属製の円筒状のスペーサー52に挿入されている。スペーサー52は、アンカー11の上部11Bの内部空間に配置されるとともに、台座部43の下部43Bの底面とアンカー11の下部11Aの間に挟まれる。スペーサー52は、台座部43と同じ材料から台座部43に一体に形成されていてもよい。
【0035】
次に、図7から図17を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係る締結工具60を説明する。締結工具60は、タイプAのポールコーン1、タイプBのポールコーン21、およびタイプCのポールコーン41のいずれも回転させるために使用されうる。
【0036】
図7から図9に示すように、締結工具60は、線対称の形状を有し、主部品61と2つの副部品62を有する。主部品61と副部品62は、金属、例えば鋼から形成されている。
【0037】
図7から図10に示すように、主部品61は、基部63、2つのアーム64A,64B、2つの挿入突起66、2つの挿入突起68A,68B、および2つの管70を有する。
【0038】
基部63は概略的には単一の棒である。この実施形態では、1本の丸棒が折り曲げられて基部63が形成されている。
【0039】
アーム64A,64Bは、基部63の一端部から互いに離れる方向に延びる。アーム64A,64Bは、基部63が存在する平面と同一平面に存在する。アーム64A,64Bの各々は、基部63に連結されて基部63から斜めに延びる斜め部分と、この部分に連結されて基部63に平行に延びる先端部分を有する。
【0040】
2つの挿入突起66は、2つのアーム64A,64Bの先端部分からそれぞれ突出する。挿入突起66の各々は、当該挿入突起66が突出するアーム64Aまたは64Bに直交する。したがって、2つの挿入突起66は、基部63とアーム64A,64Bが存在する平面に直交する。2つの挿入突起66は互いに平行に延びる。
【0041】
2つの挿入突起66は、タイプAのポールコーン1の2つの穴9(図1および図2参照)にそれぞれ挿入される。したがって、挿入突起66の間隔は穴9の間隔G1に等しい。
【0042】
基部63、アーム64A,64Bおよび挿入突起66は、例えば、長さ方向にわたって一様な直径を有する1本の丸棒を折り曲げることによって形成することができる。
【0043】
2つの挿入突起68A,68Bは、2つのアーム64A,64Bの先端部分からそれぞれ突出する。具体的には、挿入突起68Aは、この挿入突起が突出するアーム64Aから他方のアーム64Bに向けて延び、挿入突起68Bは、この挿入突起が突出するアーム64Bから他方のアーム64Aに向けて延びる。したがって、挿入突起68A,68Bは、基部63とアーム64A,64Bが存在する平面と同一平面に存在する。
【0044】
2つの挿入突起68A,68Bは、タイプCのポールコーン41の1つの穴49(図5および図6参照)に挿入される。後述するように、ポールコーン41を地盤10に固定するために回転させる場合には、挿入突起68Aが穴49に挿入され、ポールコーン41を地盤10から取り外すために逆方向に回転させる場合には、挿入突起68Bが穴49に挿入される。挿入突起68A,68Bの間隔は、ポールコーン41の台座部43の直径Dより大きい。
【0045】
2つの管70は、2つのアーム64A,64Bの途中部分にそれぞれ固定されている。具体的には、アーム64A,64Bの斜め部分に、管70の端部を例えば溶接によって固定することができる。
【0046】
2つの管70には、2つの副部品62の棒72がそれぞれ離脱可能に挿入される。各副部品62は、真っ直ぐな棒72と、棒72の端部から棒72に直交するよう突出する挿入突起74を有する。各副部品62は、例えば、長さ方向にわたって一様な直径を有する1本の丸棒を折り曲げることによって形成することができる。管70に挿入された状態で、2つの副部品62の挿入突起74は互いに平行に延びる。
【0047】
2つの挿入突起74は、タイプBのポールコーン21の2つの穴29(図3および図4参照)にそれぞれ挿入される。したがって、挿入突起74の間隔は穴29の間隔G2に等しい。
【0048】
各副部品62の棒72は、少なくとも1つの止めネジ(固定部材)によって、管70に固定されている。この実施形態では、各棒72は2つの止めネジ76A,76Bによって管70に固定されているが、止めネジの数は実施形態に限定されない。
【0049】
図11に示すように、管70の上壁と下壁の間にアーム64Aまたは64Bが挟まれている。アーム64A,64Bには、副部品62の棒72が挿入される貫通孔77が形成されている。
【0050】
アーム64A,64Bには、止めネジ76Aが挿入される貫通孔78が形成されている。管70の上壁には2つの止めネジ76A,76Bがそれぞれ挿入される2つの貫通孔80A,80Bが形成され、管70の下壁には2つの止めネジ76A,76Bがそれぞれねじ込まれる2つのネジ孔82A,82Bが形成されている。
【0051】
図12および図13に示すように、副部品62の棒72には、複数の貫通孔84が形成されている。この実施形態では、4つの貫通孔84が形成されているが、貫通孔84の数は実施形態に限定されない。各貫通孔84は、挿入突起74と平行に延びる。
【0052】
不可欠ではないが、副部品62の上面は平坦面86として形成されている。各貫通孔84は、平坦面86に直交する。
【0053】
管70およびアーム64Aまたは64Bの貫通孔77に挿入された棒72は、止めネジ76A,76Bで固定されていない場合には、管70に沿って移動可能であり、管70から取り外すことも可能である。
【0054】
止めネジ76Aは、管70の貫通孔80A、アームの貫通孔78、棒72のいずれかの貫通孔84に挿入され、管70のネジ孔82Aにねじ込まれる。止めネジ76Bは、管70の貫通孔80B、棒72のいずれかの貫通孔84に挿入され、管70のネジ孔82Bにねじ込まれる。このようにして、副部品62は、管70ひいては主部品61に止めネジ76A,76Bで固定されている。
【0055】
止めネジ76A,76Bが挿入される貫通孔84を選択することによって、図7および図14に示すように、主部品61に対する副部品62の相対位置(すなわち基部63に対する挿入突起74の位置)を調整することが可能である。図7では、挿入突起74が最も基部63から離間しており、図14では、挿入突起74が最も基部63に近接している。
【0056】
上記の通り、締結工具60は、タイプAのポールコーン1、タイプBのポールコーン21、およびタイプCのポールコーン41のいずれも回転させるために使用されうる。
【0057】
タイプAのポールコーン1(図1および図2参照)を回転させる場合には、図15に示すように、主部品61の2つの挿入突起66をポールコーン1の台座部3に形成された上下方向に延びる2つの穴9に挿入する。
【0058】
使用者は、締結工具60の適切な位置、例えば基部63を保持して、締結工具60を介してポールコーン1にトルクを与える。これにより、ポールコーン1のオネジ4を回転させることができる。挿入突起66から離れた位置を使用者が保持して回転のための力を与えることにより、ポールコーン1を地盤10に設置する際およびポールコーン1を地盤10から取り外す際、小さい力でオネジ4を回転させることが可能である。
【0059】
この場合、副部品62の棒72および/または挿入突起74が台座部3に接触しないように(棒72および/または挿入突起74がポールコーン1の回転の邪魔にならないように)、管70から副部品62を取り外すことが可能である。あるいは、図14に示すように、副部品62の位置を調整し、挿入突起74を台座部3から離れた位置に退避させてもよい。
【0060】
タイプBのポールコーン21(図3および図4参照)を回転させる場合には、図16に示すように、副部品62の2つの挿入突起74をポールコーン21の台座部23に形成された上下方向に延びる2つの穴29に挿入する。
【0061】
使用者は、締結工具60の適切な位置、例えば基部63を保持して、締結工具60を介してポールコーン21にトルクを与える。これにより、ポールコーン21のオネジ4を回転させることができる。挿入突起74から離れた位置を使用者が保持して回転のための力を与えることにより、ポールコーン21を地盤10に設置する際およびポールコーン21を地盤10から取り外す際、小さい力でオネジ4を回転させることが可能である。
【0062】
この場合、副部品62の挿入突起74を穴29に挿入するのを容易にするため、副部品62の位置を調整し、挿入突起74を最も基部63から離間させることが好ましい。
【0063】
タイプCのポールコーン41(図5および図6参照)を回転させる場合には、図17に示すように、主部品61の2つの挿入突起68A,68Bのいずれか1つをポールコーン41の台座部43に形成された径方向に延びる1つの穴49に挿入する。この場合、挿入突起66が地盤10に接触しないように、締結工具60を裏返す(挿入突起66を上方に向ける)。
【0064】
使用者は、より小さい力でオネジ4を回転させることができる挿入突起68Aまたは68Bを穴49に挿入することが可能である。一般的なネジは時計方向に回すと締結され、反時計方向に回すと緩む。オネジ4が一般的なネジであって、オネジ4を反時計方向に回転させてポールコーン41を地盤10から取り外す場合には、図17に示すように、挿入突起68Bを穴49に挿入する。オネジ4が一般的なネジであって、オネジ4を時計方向に回転させてポールコーン41を地盤10に設置する場合には、挿入突起68Aを穴49に挿入する。
【0065】
使用者は、締結工具60の適切な位置、例えば基部63を保持して、締結工具60を介してポールコーン41にトルクを与える。これにより、ポールコーン41のオネジ4を回転させることができる。挿入突起68A,68Bから離れた位置を使用者が保持して回転のための力を与えることにより、ポールコーン41を地盤10に設置する際およびポールコーン41を地盤10から取り外す際、小さい力でオネジ4を回転させることが可能である。
【0066】
この場合、副部品62の棒72および/または挿入突起74が台座部43に接触しないように(棒72および/または挿入突起74がポールコーン41の回転の邪魔にならないように)、副部品62の位置を調整し、挿入突起74を台座部43から離れた位置に退避させてもよい(この場合、挿入突起66だけでなく挿入突起74を上方に向ける)。あるいは、管70から副部品62を取り外してもよい。
【0067】
第2の実施形態
まず、本発明の第2の実施形態に係る締結工具が使用されうる2種(タイプD,E)のポールコーンを説明する。
【0068】
図18に示すように、タイプDのポールコーン91は、柱部2、台座部93、およびオネジ4を有する。
【0069】
台座部93は、柱部2よりも面積が大きい円板である。台座部93の具体的形状および材料は限定されないが、一例では、台座部93は、弾性材料、例えばポリウレタンから形成された中実な円板であり、小径な円錐台形状の上部93Aと、大径な円錐台形状の下部93Bを有する。上部93Aには、柱部2の下部が固定されている。
【0070】
図19に示すように、台座部93の下部93Bには、オネジ4を有するボルト8の上部が埋設されている。したがって、オネジ4は台座部93に堅固に固定されている。
【0071】
下部93Bには、2つの穴99が形成されている。2つの穴99は台座部93の下部93Bの上面から下方に向けて延びる。2つの穴99は、中心軸線Axに直交する1つの直線上に配置されており、上方から見て柱部2が2つの穴99の間に配置されている。2つの穴99の間には間隔G4が設けられている。間隔G4は、タイプAのポールコーン1の穴9の間隔G1より小さく、タイプBのポールコーン21の穴29の間隔G2より大きい。
【0072】
穴99は、下部93Bを貫通するが、貫通しなくてもよい。穴99は、ポールコーン91を中心軸線Axの周りで回転させるために使用される。
【0073】
上記の構成において、ポールコーン91を中心軸線Axの周りで回転させることによって、アンカー11にオネジ4を締結してポールコーン91を地盤10に固定することができる。また、ポールコーン91を逆方向に回転させることによって、アンカー11からオネジ4を取り出してポールコーン91を地盤10から取り外すことができる。
【0074】
オネジ4は、金属製のリング状のワッシャー12に挿入されている。ワッシャー12は、台座部93の下部93Bの底面とアンカー11の上部11Bの間に挟まれる。
【0075】
図20に示すように、タイプEのポールコーン101は、柱部2、台座部103、およびオネジ4を有する。タイプEでは、タイプA~Dに比較して、柱部2の直径が大きい。
【0076】
台座部103は、柱部2よりも面積が大きい円板である。台座部103の具体的形状および材料は限定されないが、一例では、台座部103は、弾性材料、例えばポリウレタンから形成された中実な円板であり、小径な円板形状の上部103Aと、大径な円錐台形状の下部103Bを有する。上部103Aには、柱部2の下部が固定されている。
【0077】
不可欠ではないが、台座部103の上部103Aの周囲には、反射シート107が固定されている。
【0078】
図21に示すように、台座部103の下部103Bには、オネジ4を有するボルト8の上部が埋設されている。したがって、オネジ4は台座部103に堅固に固定されている。
【0079】
下部103Bには、2つの穴109が形成されている。2つの穴109は台座部103の下部103Bの上面から下方に向けて延びる。2つの穴109は、中心軸線Axに直交する1つの直線上に配置されており、上方から見て柱部2が2つの穴109の間に配置されている。2つの穴109の間には間隔G5が設けられている。間隔G5は、タイプAのポールコーン1の穴9の間隔G1より小さく、タイプDのポールコーン91の穴99の間隔G4より大きい。
【0080】
穴109は、下部103Bを貫通するが、貫通しなくてもよい。穴109は、ポールコーン101を中心軸線Axの周りで回転させるために使用される。
【0081】
上記の構成において、ポールコーン101を中心軸線Axの周りで回転させることによって、アンカー11にオネジ4を締結してポールコーン101を地盤10に固定することができる。また、ポールコーン101を逆方向に回転させることによって、アンカー11からオネジ4を取り出してポールコーン101を地盤10から取り外すことができる。
【0082】
オネジ4は、樹脂または金属製の円筒状のスペーサー112に挿入されている。スペーサー112は、アンカー11の上部11Bの内部空間に配置されるとともに、台座部103の下部103Bの底面とアンカー11の下部11Aの間に挟まれる。スペーサー112は、台座部103と同じ材料から台座部103に一体に形成されていてもよい。
【0083】
次に、図22から図24を参照しながら、本発明の第2の実施形態に係る締結工具120を説明する。締結工具120は、タイプDのポールコーン91およびタイプEのポールコーン101のいずれも回転させるために使用されうる。
【0084】
図22および図23に示すように、締結工具120は、線対称の形状を有する。締結工具120は、金属、例えば鋼から形成されている。締結工具120は、長さ方向にわたって一様な直径を有する2本の丸棒120A,120Bを互いに例えば溶接によって固定することによって形成されている。丸棒120A,120Bは、同じように折り曲げられて、締結工具120の線対称の形状を構成する。
【0085】
締結工具120は、中央に配置された基部121と、タイプDのポールコーン91の回転のための部分122と、タイプEのポールコーン101の回転のための部分123を有する。
【0086】
部分122は、2つのアーム124と、2つの挿入突起126を有する。
【0087】
2つのアーム124は、基部121の一端部から互いに離れる方向に延びる。アーム124は、基部121が存在する平面と同一平面に存在する。アーム124の各々は、基部121に連結されて基部121から斜めに延びる斜め部分と、この部分に連結されて基部121に平行に延びる先端部分を有する。
【0088】
2つの挿入突起126は、2つのアーム124の先端部分からそれぞれ突出する。挿入突起126の各々は、当該挿入突起126が突出するアーム124に直交する。したがって、2つの挿入突起126は、基部121とアーム124が存在する平面に直交する。2つの挿入突起126は互いに平行に延びる。
【0089】
2つの挿入突起126は、タイプDのポールコーン91の2つの穴99(図18および図19参照)にそれぞれ挿入される。したがって、挿入突起126の間隔は穴99の間隔G4に等しい。
【0090】
部分123は、2つのアーム128と、2つの挿入突起130を有する。
【0091】
2つのアーム128は、アーム124が設けられている基部121の端部と反対の端部から、アーム124とは逆方向、かつ互いに離れる方向に延びる。アーム128は、基部121が存在する平面と同一平面に存在する。アーム128の各々は、基部121に連結されて基部121から斜めに延びる斜め部分と、この部分に連結されて基部121に平行に延びる先端部分を有する。
【0092】
2つの挿入突起130は、2つのアーム128の先端部分からそれぞれ突出する。挿入突起130の各々は、当該挿入突起130が突出するアーム128に直交する。したがって、2つの挿入突起130は、基部121とアーム128が存在する平面に直交する。2つの挿入突起130は互いに平行に延びる。
【0093】
2つの挿入突起130は、タイプEのポールコーン101の2つの穴109(図20および図21参照)にそれぞれ挿入される。したがって、挿入突起130の間隔は穴109の間隔G5に等しい。
【0094】
この実施形態では、挿入突起130は、基部121、アーム124、アーム128が存在する平面から挿入突起126と同じ方向に突出する。しかし、挿入突起130は、挿入突起126と逆向きに突出してもよい。
【0095】
上記の通り、締結工具120は、タイプDのポールコーン91およびタイプEのポールコーン101のいずれも回転させるために使用されうる。
【0096】
タイプDのポールコーン91(図18および図19参照)を回転させる場合には、図24に示すように、部分122の2つの挿入突起126をポールコーン91の台座部93に形成された上下方向に延びる2つの穴99に挿入する。
【0097】
使用者は、締結工具120の適切な位置、例えば基部121または部分123を保持して、締結工具120を介してポールコーン91にトルクを与える。これにより、ポールコーン91のオネジ4を回転させることができる。挿入突起126から離れた位置を使用者が保持して回転のための力を与えることにより、ポールコーン91を地盤10に設置する際およびポールコーン91を地盤10から取り外す際、小さい力でオネジ4を回転させることが可能である。
【0098】
タイプEのポールコーン101(図20および図21参照)を回転させる場合には、図示しないが、図24とは締結工具120の向きを逆にし、部分123の2つの挿入突起130をポールコーン101の台座部103に形成された上下方向に延びる2つの穴109に挿入する。
【0099】
使用者は、締結工具120の適切な位置、例えば基部121または部分122を保持して、締結工具120を介してポールコーン101にトルクを与える。これにより、ポールコーン101のオネジ4を回転させることができる。挿入突起130から離れた位置を使用者が保持して回転のための力を与えることにより、ポールコーン101を地盤10に設置する際およびポールコーン101を地盤10から取り外す際、小さい力でオネジ4を回転させることが可能である。
【0100】
第3の実施形態
次に、図25を参照しながら、本発明の第3の実施形態に係る締結工具140を説明する。締結工具140は、タイプAのポールコーン1、タイプBのポールコーン21、タイプCのポールコーン41、タイプDのポールコーン91およびタイプEのポールコーン101のいずれも回転させるために使用されうる。
【0101】
締結工具140は、第2の実施形態に係る締結工具120と同じ構造を有する工具部分142と、工具部分142に類似する工具部分150を有する。
【0102】
工具部分142は、タイプDのポールコーン91およびタイプEのポールコーン101の回転のために使用されうる。工具部分142の詳細および使用方法は、締結工具120と同じであるため、詳細に説明しない。
【0103】
工具部分150は、タイプAのポールコーン1、タイプBのポールコーン21およびタイプCのポールコーン41の回転のために使用されうる。
【0104】
工具部分150は、線対称の形状を有する。工具部分150は、金属、例えば鋼から形成されている。工具部分150は、長さ方向にわたって一様な直径を有する2本の丸棒150A,150Bを互いに例えば溶接によって固定することによって形成されている。丸棒150A,150Bは、同じように折り曲げられて、工具部分150の線対称の形状を構成する。
【0105】
工具部分150は、中央に配置された基部151と、タイプAのポールコーン1とタイプCのポールコーン41の回転のための部分152と、タイプBのポールコーン21の回転のための部分153を有する。
【0106】
基部151は、工具部分142の基部121に直交しており、基部121に例えば溶接によって固定されている。
【0107】
部分152は、2つのアーム154A,154Bと、2つの挿入突起156と、2つの挿入突起157A,157Bを有する。
【0108】
2つのアーム154A,154Bは、基部151の一端部から互いに離れる方向に延びる。アーム154A,154Bは、基部151が存在する平面と同一平面に存在する。アーム154A,154Bの各々は、基部151に連結されて基部151から斜めに延びる斜め部分と、この部分に連結されて基部151に平行に延びる先端部分を有する。
【0109】
2つの挿入突起156は、2つのアーム154A,154Bの先端部分からそれぞれ突出する。挿入突起156の各々は、当該挿入突起156が突出するアーム154A,154Bに直交する。したがって、2つの挿入突起156は、基部151とアーム154A,154Bが存在する平面に直交する。2つの挿入突起156は互いに平行に延びる。
【0110】
2つの挿入突起156は、タイプAのポールコーン1の2つの穴9(図1および図2参照)にそれぞれ挿入される。したがって、挿入突起156の間隔は穴9の間隔G1に等しい。
【0111】
2つの挿入突起157A,157Bは、2つのアーム154A,154Bの先端部分からそれぞれ突出する。具体的には、挿入突起157Aは、この挿入突起が突出するアーム154Aから他方のアーム154Bに向けて延び、挿入突起157Bは、この挿入突起が突出するアーム154Bから他方のアーム154Aに向けて延びる。したがって、挿入突起157A,157Bは、基部63とアーム154A,154Bが存在する平面と同一平面に存在する。
【0112】
2つの挿入突起157A,157Bは、タイプCのポールコーン41の1つの穴49(図5および図6参照)に挿入される。ポールコーン41を地盤10に固定するために回転させる場合には、挿入突起157Aが穴49に挿入され、ポールコーン41を地盤10から取り外すために逆方向に回転させる場合には、挿入突起157Bが穴49に挿入される。挿入突起157A,157Bの間隔は、ポールコーン41の台座部43の直径Dより大きい。
【0113】
部分153は、2つのアーム158と、2つの挿入突起160を有する。
【0114】
2つのアーム158は、アーム154A,154Bが設けられている基部151の端部と反対の端部から、アーム154A,154Bとは逆方向、かつ互いに離れる方向に延びる。アーム158は、基部151が存在する平面と同一平面に存在する。アーム158の各々は、基部151に連結されて基部151から斜めに延びる斜め部分と、この部分に連結されて基部151に平行に延びる先端部分を有する。
【0115】
2つの挿入突起160は、2つのアーム158の先端部分からそれぞれ突出する。挿入突起160の各々は、当該挿入突起160が突出するアーム158に直交する。したがって、2つの挿入突起160は、基部151とアーム158が存在する平面に直交する。2つの挿入突起160は互いに平行に延びる。
【0116】
2つの挿入突起160は、タイプBのポールコーン21の2つの穴29(図3および図4参照)にそれぞれ挿入される。したがって、挿入突起160の間隔は穴29の間隔G2に等しい。
【0117】
この実施形態では、挿入突起160は、基部151、アーム154A,154B、アーム158が存在する平面から挿入突起156と同じ方向に突出する。しかし、挿入突起160は、挿入突起156と逆向きに突出してもよい。
【0118】
上記の通り、工具部分150は、タイプAのポールコーン1、タイプBのポールコーン21およびタイプCのポールコーン41の回転のために使用されうる。工具部分150の使用方法は図示しないが、当業者であれば、上記の第1および第2の実施形態の説明から工具部分150の使用方法を理解することができるであろう。
【0119】
具体的には、タイプAのポールコーン1(図1および図2参照)を回転させる場合には、部分152の2つの挿入突起156をポールコーン1の台座部3に形成された上下方向に延びる2つの穴9に挿入する。
【0120】
使用者は、工具部分150の適切な位置、例えば基部151または部分153を保持して、工具部分150を介してポールコーン1にトルクを与える。これにより、ポールコーン1のオネジ4を回転させることができる。挿入突起156から離れた位置を使用者が保持して回転のための力を与えることにより、ポールコーン1を地盤10に設置する際およびポールコーン1を地盤10から取り外す際、小さい力でオネジ4を回転させることが可能である。
【0121】
タイプCのポールコーン41(図5および図6参照)を回転させる場合には、部分152の2つの挿入突起157A,157Bのいずれか1つをポールコーン41の台座部43に形成された径方向に延びる穴49に挿入する。
【0122】
使用者は、工具部分150の適切な位置、例えば基部151または部分153を保持して、工具部分150を介してポールコーン41にトルクを与える。これにより、ポールコーン41のオネジ4を回転させることができる。挿入突起157A,157Bから離れた位置を使用者が保持して回転のための力を与えることにより、ポールコーン41を地盤10に設置する際およびポールコーン41を地盤10から取り外す際、小さい力でオネジ4を回転させることが可能である。
【0123】
タイプBのポールコーン21(図3および図4参照)を回転させる場合には、部分153の2つの挿入突起160をポールコーン21の台座部23に形成された上下方向に延びる2つの穴29に挿入する。
【0124】
使用者は、工具部分150の適切な位置、例えば基部151または部分152を保持して、工具部分150を介してポールコーン21にトルクを与える。これにより、ポールコーン21のオネジ4を回転させることができる。挿入突起160から離れた位置を使用者が保持して回転のための力を与えることにより、ポールコーン21を地盤10に設置する際およびポールコーン21を地盤10から取り外す際、小さい力でオネジ4を回転させることが可能である。
【0125】
第4の実施形態
第3の実施形態において、工具部分142と工具部分150は溶接によって固定されているが、工具部分142と工具部分150は、図示しない連結器具によって取り外し可能に連結されていてもよい。
【0126】
この場合、工具部分142は第2の実施形態の締結工具120(図22から図24参照)として独立して使用することが可能である。そして、図示しないが、工具部分150もまた独立して締結工具として使用することが可能である。
【0127】
他の変形例
以上、本発明の好ましい実施形態を参照しながら本発明を図示して説明したが、当業者にとって特許請求の範囲に記載された発明の範囲から逸脱することなく、形式および詳細の変更が可能であることが理解されるであろう。このような変更、改変および修正は本発明の範囲に包含されるはずである。
【0128】
例えば、ある実施形態のある部分は矛盾しない限り、他の実施形態に追加してもよいし、他の実施形態のある部分で置換してもよい。例えば、第1の実施形態の挿入突起68A,68Bは、第2の実施形態の2つのアーム124または2つのアーム128から突出してもよい。第1の実施形態のアーム64A,64Bと挿入突起66を第2の実施形態の部分122または123で置換してもよい。
【0129】
第1の実施形態に係る締結工具60の副部品62は、タイプBのポールコーン21の回転のために使用されるが、2つの管70の間隔を変更することによって、タイプDのポールコーン91の回転のために使用できるようにしてもよい。
【0130】
第3の実施形態において、部分122、部分123、部分152、部分153のいずれか2つ以上の位置を変更してもよい。例えば、部分123と部分152を相互に置換してもよい。
【0131】
本発明の態様は、下記の番号付けされた条項にも記載される。
【0132】
条項1. ほぼ垂直に向けられた軸線を有する柱部と、
前記柱部の下部が固定され、前記柱部よりも面積が大きい台座部と、
前記台座部から下方に突出し、前記軸線を中心に回転可能なオネジと、
前記台座部に形成された少なくとも1つの穴
を有する柱を回転させて、前記柱が設置される位置に配置されたメネジに前記オネジを締結して前記柱を前記位置に固定し、前記メネジから前記オネジを取り出して前記柱を前記位置から取り外す締結工具であって、
棒である基部と、
前記基部の一端部から互いに離れる方向に延びる2つのアームと、
前記2つのアームからそれぞれ突出し、前記穴に挿入される2つの挿入突起
を有することを特徴とする締結工具。
【0133】
条項2. 前記柱の前記穴は前記台座部の外周面から前記台座部の径方向内側に向けて延び、
各挿入突起は、当該挿入突起が突出するアームから他方のアームに向けて延びる
ことを特徴とする条項1に記載の締結工具。
【0134】
この条項によれば、台座部の径方向に延びる穴を有する柱を小さい力で回転させることができる。締結工具は2つの挿入突起を有しており、柱に穴が1つしか形成されていない場合、より小さい力でオネジを回転させることができる挿入突起を穴に挿入することが可能である。つまり、メネジにオネジを締結する際には、一方の挿入突起が柱の穴に挿入され、メネジからオネジを取り出す際には、他方の挿入突起が柱の穴に挿入される。
【0135】
条項3. 前記台座部には2つの穴が形成されており、前記2つの穴は前記台座部の上面から下方に向けて延び、上方から見て前記柱部が前記2つの穴の間に配置され、
前記2つの穴にそれぞれ挿入される2つの前記挿入突起が前記2つのアームからそれぞれ突出し、各挿入突起は当該挿入突起が突出するアームに直交し、前記2つの挿入突起は互いに平行に延びる
ことを特徴とする条項1に記載の締結工具。
【0136】
この条項によれば、台座部の上下方向に延びる2つの穴を有する柱を小さい力で回転させることができる。
【0137】
条項4. 第1の柱と第2の柱を回転させることが可能であり、
前記第1の柱は、柱部、台座部、オネジ、および2つの第1の穴を有し、前記第1の柱では、前記2つの第1の穴は前記台座部の上面から下方に向けて延び、上方から見て前記柱部が前記2つの第1の穴の間に配置され、
前記第2の柱は、柱部、台座部、オネジ、および1つの第2の穴を有し、前記第2の柱では、前記第2の穴は前記台座部の外周面から前記台座部の径方向内側に向けて延び、
前記締結工具は、
前記2つのアームからそれぞれ突出し、前記第1の柱の前記2つの第1の穴にそれぞれ挿入される2つの第1の挿入突起と、
前記2つのアームからそれぞれ突出し、前記第2の柱の前記第2の穴に挿入される2つの第2の挿入突起
を有し、
各第1の挿入突起は当該第1の挿入突起が突出するアームに直交し、前記2つの第1の挿入突起は互いに平行に延び、
各第2の挿入突起は、当該第2の挿入突起が突出するアームから他方のアームに向けて延びる
ことを特徴とする条項1に記載の締結工具。
【0138】
この条項によれば、台座部の上下方向に延びる2つの穴を有する第1の柱を小さい力で回転させることができ、台座部の径方向に延びる穴を有する第2の柱を小さい力で回転させることができる。
【0139】
条項5. さらに第3の柱を回転させることが可能であり、
前記第3の柱は、柱部、台座部、オネジ、および2つの第3の穴を有し、前記第3の柱では、前記2つの第3の穴は前記台座部の上面から下方に向けて延び、上方から見て前記柱部が前記2つの第3の穴の間に配置され、前記第3の穴の間隔は前記第1の穴の間隔より小さく、
前記締結工具は、
前記2つのアームの途中部分にそれぞれ固定された2つの管と、
前記2つの管にそれぞれ離脱可能に挿入される2つの棒と、
前記2つの棒を前記2つの管に固定する複数の固定部材と、
前記2つの棒からそれぞれ突出し、前記第3の柱の前記2つの第3の穴にそれぞれ挿入される2つの第3の挿入突起
を有し、
各第3の挿入突起は当該第3の挿入突起が突出する棒に直交し、前記2つの第3の挿入突起は互いに平行に延び、
前記2つの第3の挿入突起の間隔は前記2つの第1の挿入突起の間隔より小さい
ことを特徴とする条項4に記載の締結工具。
【0140】
この条項によれば、台座部の上下方向に延びる2つの穴を有する第1の柱を小さい力で回転させることができ、台座部の径方向に延びる穴を有する第2の柱を小さい力で回転させることができ、さらに、台座部の上下方向に延びる2つの穴を有する第3の柱を小さい力で回転させることができる。2つの第3の挿入突起の間隔は、2つの第1の挿入突起の間隔より小さく、第3の挿入突起は第3の柱の2つの第3の穴に挿入しやすく、第1の挿入突起は第1の柱の2つの第1の穴に挿入しやすい。第3の柱を回転させるための第3の挿入突起が突出する2つの棒は、2つの管に離脱可能に挿入されて、固定部材で固定されている。したがって、第1の柱または第2の柱を回転させる際、棒および/または第3の挿入突起が邪魔にならないように、棒の位置を調整するか棒を管から取り外すことが可能である。
【0141】
条項6. 第1の柱と第2の柱を回転させることが可能であり、
前記第1の柱は、柱部、台座部、オネジ、および2つの第1の穴を有し、前記第1の柱では、前記2つの第1の穴は前記台座部の上面から下方に向けて延び、上方から見て前記柱部が前記2つの第1の穴の間に配置され、
前記第2の柱は、柱部、台座部、オネジ、および2つの第2の穴を有し、前記第2の柱では、前記2つの第2の穴は前記台座部の上面から下方に向けて延び、上方から見て前記柱部が前記2つの第2の穴の間に配置され、前記第2の穴の間隔は前記第1の穴の間隔より小さく、
前記締結工具は、
前記2つのアームからそれぞれ突出し、前記第1の柱の前記2つの第1の穴にそれぞれ挿入される2つの第1の挿入突起と、
前記2つのアームの途中部分にそれぞれ固定された2つの管と、
前記2つの管にそれぞれ離脱可能に挿入される2つの棒と、
前記2つの棒を前記2つの管にそれぞれ固定する2つの固定部材と、
前記2つの棒からそれぞれ突出し、前記第2の柱の前記2つの第2の穴にそれぞれ挿入される2つの第2の挿入突起
を有し、
各第1の挿入突起は当該第1の挿入突起が突出するアームに直交し、前記2つの第1の挿入突起は互いに平行に延び、
各第2の挿入突起は当該第2の挿入突起が突出する棒に直交し、前記2つの第2の挿入突起は互いに平行に延び、
前記2つの第2の挿入突起の間隔は前記2つの第1の挿入突起の間隔より小さい
ことを特徴とする条項1に記載の締結工具。
【0142】
この条項によれば、台座部の上下方向に延びる2つの穴を有する第1の柱を小さい力で回転させることができ、台座部の上下方向に延びる2つの穴を有する第2の柱を小さい力で回転させることができる。2つの第2の挿入突起の間隔は、2つの第1の挿入突起の間隔より小さく、第2の挿入突起は第2の柱の2つの第2の穴に挿入しやすく、第1の挿入突起は第1の柱の2つの第1の穴に挿入しやすい。第2の柱を回転させるための第2の挿入突起が突出する2つの棒は、2つの管に離脱可能に挿入されて、固定部材で固定されている。したがって、第1の柱を回転させる際、棒および/または第2の挿入突起が邪魔にならないように、棒の位置を調整するか棒を管から取り外すことが可能である。
【0143】
条項7. 第1の柱と第2の柱を回転させることが可能であり、
前記第1の柱は、柱部、台座部、オネジ、および2つの第1の穴を有し、前記第1の柱では、前記2つの第1の穴は前記台座部の上面から下方に向けて延び、上方から見て前記柱部が前記2つの第1の穴の間に配置され、
前記第2の柱は、柱部、台座部、オネジ、および2つの第2の穴を有し、前記第2の柱では、前記2つの第2の穴は前記台座部の上面から下方に向けて延び、上方から見て前記柱部が前記2つの第2の穴の間に配置され、前記第2の穴の間隔は前記第1の穴の間隔と異なり、
前記締結工具は、
前記基部の第1の端部から互いに離れる方向に延びる2つの第1のアームと、
前記基部の第2の端部から、前記第1のアームとは逆方向、かつ互いに離れる方向に延びる2つの第2のアームと、
前記2つの第1のアームからそれぞれ突出し、前記第1の柱の前記2つの第1の穴にそれぞれ挿入される2つの第1の挿入突起と、
前記2つの第2のアームからそれぞれ突出し、前記第2の柱の前記2つの第2の穴にそれぞれ挿入される2つの第2の挿入突起
を有し、
各第1の挿入突起は当該第1の挿入突起が突出する第1のアームに直交し、前記2つの第1の挿入突起は互いに平行に延び、
各第2の挿入突起は当該第2の挿入突起が突出する第2のアームに直交し、前記2つの第2の挿入突起は互いに平行に延び、
前記2つの第2の挿入突起の間隔は前記2つの第1の挿入突起の間隔と異なる
ことを特徴とする条項1に記載の締結工具。
【0144】
この条項によれば、台座部の上下方向に延びる2つの穴を有する第1の柱を小さい力で回転させることができ、台座部の上下方向に延びる2つの穴を有する第2の柱を小さい力で回転させることができる。2つの第2の挿入突起の間隔は、2つの第1の挿入突起の間隔と異なり、第2の挿入突起は第2の柱の2つの第2の穴に挿入しやすく、第1の挿入突起は第1の柱の2つの第1の穴に挿入しやすい。第2の挿入突起が突出する第2のアームは、第1の挿入突起が突出する第1のアームとは逆方向に延びるので、第2の柱を回転させる場合には、第1の柱を回転させる場合とは、締結工具の向きを逆にする。
【0145】
条項8. 第1の柱と第2の柱と第3の柱を回転させることが可能であり、
前記第1の柱は、柱部、台座部、オネジ、および2つの第1の穴を有し、前記第1の柱では、前記2つの第1の穴は前記台座部の上面から下方に向けて延び、上方から見て前記柱部が前記2つの第1の穴の間に配置され、
前記第2の柱は、柱部、台座部、オネジ、および1つの第2の穴を有し、前記第2の柱では、前記第2の穴は前記台座部の外周面から前記台座部の径方向内側に向けて延び、
前記第3の柱は、柱部、台座部、オネジ、および2つの第3の穴を有し、前記第3の柱では、前記2つの第3の穴は前記台座部の上面から下方に向けて延び、上方から見て前記柱部が前記2つの第3の穴の間に配置され、前記第3の穴の間隔は前記第1の穴の間隔と異なり、
前記締結工具は、
前記基部の第1の端部から互いに離れる方向に延びる2つの第1のアームと、
前記基部の第2の端部から、前記第1のアームとは逆方向、かつ互いに離れる方向に延びる2つの第2のアームと、
前記2つの第1のアームからそれぞれ突出し、前記第1の柱の前記2つの第1の穴にそれぞれ挿入される2つの第1の挿入突起と、
前記2つの第1のアームからそれぞれ突出し、前記第2の柱の前記第2の穴に挿入される2つの第2の挿入突起と、
前記2つの第2のアームからそれぞれ突出し、前記第3の柱の前記2つの第3の穴にそれぞれ挿入される2つの第3の挿入突起
を有し、
各第1の挿入突起は当該第1の挿入突起が突出する第1のアームに直交し、前記2つの第1の挿入突起は互いに平行に延び、
各第2の挿入突起は、当該第2の挿入突起が突出するアームから他方のアームに向けて延び、
各第3の挿入突起は当該第3の挿入突起が突出する第2のアームに直交し、前記2つの第3の挿入突起は互いに平行に延び、
前記2つの第3の挿入突起の間隔は前記2つの第1の挿入突起の間隔と異なる
ことを特徴とする条項1に記載の締結工具。
【0146】
この条項によれば、台座部の上下方向に延びる2つの穴を有する第1の柱を小さい力で回転させることができ、台座部の径方向に延びる穴を有する第2の柱を小さい力で回転させることができ、さらに、台座部の上下方向に延びる2つの穴を有する第3の柱を小さい力で回転させることができる。2つの第3の挿入突起の間隔は、2つの第1の挿入突起の間隔と異なり、第3の挿入突起は第3の柱の2つの第3の穴に挿入しやすく、第1の挿入突起は第1の柱の2つの第1の穴に挿入しやすい。第3の挿入突起が突出する第2のアームは、第1の挿入突起が突出する第1のアームとは逆方向に延びるので、第3の柱を回転させる場合には、第1の柱を回転させる場合とは、締結工具の向きを逆にする。
【0147】
条項9. さらに第4の柱と第5の柱を回転させることが可能であり、
前記第4の柱は、柱部、台座部、オネジ、および2つの第4の穴を有し、前記第4の柱では、前記2つの第4の穴は前記台座部の上面から下方に向けて延び、上方から見て前記柱部が前記2つの第4の穴の間に配置され、前記第4の穴の間隔は、前記第1の穴の間隔および前記第3の穴の間隔と異なり、
前記第5の柱は、柱部、台座部、オネジ、および2つの第5の穴を有し、前記第5の柱では、前記2つの第5の穴は前記台座部の上面から下方に向けて延び、上方から見て前記柱部が前記2つの第5の穴の間に配置され、前記第5の穴の間隔は、前記第1の穴の間隔、前記第3の穴の間隔および前記第4の穴の間隔と異なり、
前記締結工具は、
前記基部に直交する棒であるさらなる基部と、
前記さらなる基部の第1の端部から互いに離れる方向に延びる2つの第3のアームと、
前記さらなる基部の第2の端部から、前記第3のアームとは逆方向、かつ互いに離れる方向に延びる2つの第4のアームと、
前記2つの第3のアームからそれぞれ突出し、前記第4の柱の前記2つの第4の穴にそれぞれ挿入される2つの第4の挿入突起と、
前記2つの第4のアームからそれぞれ突出し、前記第5の柱の前記2つの第5の穴にそれぞれ挿入される2つの第5の挿入突起
を有し、
各第4の挿入突起は当該第4の挿入突起が突出する第3のアームに直交し、前記2つの第4の挿入突起は互いに平行に延び、前記2つの第4の挿入突起の間隔は、前記2つの第1の挿入突起の間隔および前記2つの第3の挿入突起の間隔と異なり、
各第5の挿入突起は当該第5の挿入突起が突出する第4のアームに直交し、前記2つの第5の挿入突起は互いに平行に延び、前記2つの第5の挿入突起の間隔は、前記2つの第1の挿入突起の間隔、前記2つの第3の挿入突起の間隔および前記2つの第4の挿入突起の間隔と異なる
ことを特徴とする条項8に記載の締結工具。
【0148】
この条項によれば、台座部の上下方向に延びる2つの穴をそれぞれ有する第1の柱、第3の柱、第4の柱および第5の柱を小さい力で回転させることができ、台座部の径方向に延びる穴を有する第2の柱を小さい力で回転させることができる。2つの第1の挿入突起の間隔、2つの第3の挿入突起の間隔、2つの第4の挿入突起の間隔、および2つの第5の挿入突起の間隔は異なる。したがって、第1の挿入突起は第1の柱の2つの第1の穴に挿入しやすく、第2の挿入突起は第2の柱の2つの第2の穴に挿入しやすく、第3の挿入突起は第3の柱の2つの第3の穴に挿入しやすく、第4の挿入突起は第4の柱の2つの第4の穴に挿入しやすく、第5の挿入突起は第5の柱の2つの第5の穴に挿入しやすい。第4の挿入突起が突出する第3のアームは、第5の挿入突起が突出する第4のアームとは逆方向に延びるので、第4の柱を回転させる場合には、第5の柱を回転させる場合とは、締結工具の向きを逆にする。
【符号の説明】
【0149】
Ax 中心軸線
1 タイプAのポールコーン(柱)
21 タイプBのポールコーン(柱)
41 タイプCのポールコーン(柱)
91 タイプDのポールコーン(柱)
101 タイプEのポールコーン(柱)
2 柱部
3,23,43,93,103 台座部
4 オネジ
8 ボルト
9,29,49,99,109 穴
10 地盤
11 アンカー(メネジ)
60 締結工具
61 主部品
62 副部品
63 基部
64A,64B アーム
66 挿入突起
68A,68B 挿入突起
70 管
72 棒
74 挿入突起
76A,76B(固定部材) 止めネジ
120 締結工具
121 基部
124 アーム
126 挿入突起
128 アーム
130 挿入突起
140 締結工具
142 工具部分
150 工具部分
151 基部
154A,154B アーム
156 挿入突起
157A,157B 挿入突起
158 アーム
160 挿入突起
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15
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図17
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図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25