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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-06
(45)【発行日】2023-09-14
(54)【発明の名称】塗布容器
(51)【国際特許分類】
   A45D 34/04 20060101AFI20230907BHJP
   B65D 51/32 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
A45D34/04 515A
B65D51/32 100
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019176977
(22)【出願日】2019-09-27
(65)【公開番号】P2021052903
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-04-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100156867
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 欣浩
(74)【代理人】
【識別番号】100143786
【弁理士】
【氏名又は名称】根岸 宏子
(72)【発明者】
【氏名】前田 信也
【審査官】新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-520617(JP,A)
【文献】特開平10-099127(JP,A)
【文献】中国実用新案第209359863(CN,U)
【文献】特開昭62-034509(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 34/04
B65D 51/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方を開放した口部の内側に内容液を収容する容器と、該口部の内側を延伸して先端に塗布具を有する塗布具付キャップとを備える塗布容器であって、
前記容器は、前記口部を有するとともに内容液の収容空間を有する容器本体と、該口部の内側に設けられ、前記塗布具を挿通可能な貫通孔が形成され、前記貫通孔の内周縁部により前記塗布具に付着した内容液を掻き落とし可能なしごき部とを有し、
前記塗布具付キャップは、前記口部に装着される蓋体部と、一端部が該蓋体部に保持される軸状部と、前記塗布具を保持するとともに該軸状部の他端部において該軸状部の軸線に対して傾動するように取り付けられる傾動部と、前記軸状部を取り囲むとともに該軸状部に沿ってスライド可能であって、該軸状部の前記一端部に向けてスライドした際は該傾動部の傾動を許容する一方、該軸状部の前記他端部に向けてスライドした際は該傾動部を取り囲んで該傾動部の傾動を規制するスライド部と、
を備え、前記しごき部の前記内周縁部は前記スライド部の外径よりも小さい内径を有し、前記塗布具付きキャップを前記口部に装着した状態において前記スライド部の上方に位置し、前記塗布具付キャップを前記口部から取り外すに伴って、前記スライド部の上端部に当接して該スライド部を前記軸状部の前記他端部に向けてスライドさせ、該塗布具付キャップを該口部に装着するに伴って、該スライド部を該軸状部の前記一端部に向けてスライドさせる塗布容器。
【請求項2】
前記傾動部は、前記軸状部に対して球状連結部を介して取り付けられる請求項1に記載の塗布容器。
【請求項3】
前記軸状部は、該軸状部の前記一端部に向けてスライドした前記スライド部を保持する第一保持部を有する請求項又はに記載の塗布容器。
【請求項4】
前記軸状部及び前記傾動部の少なくとも一方は、該軸状部の前記他端部に向けてスライドした前記スライド部を保持する第二保持部を有する請求項の何れか一項に記載の塗布容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容液を塗布するための塗布具を備える塗布容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マニキュアやペディキュア、液状リップクリーム、マスカラ等の内容液を収容する容器として、例えば特許文献1、2に示されているようなブラシ状や筆状になる塗布具を備えた塗布容器が知られている。このような塗布容器は、上方を開放した口部の内側に内容液を収容する容器と、口部の内側を延伸する軸状部の先端に塗布具を設けた塗布具付キャップとを備えていて、塗布具付キャップを容器に装着した際、軸状部の先端に設けられる塗布具は容器の底部近くに位置することになる。すなわちこのような塗布容器によれば、容器に収容した内容液の残量がある程度少なくなっても、内容液を塗布具に付着させることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-30822号公報
【文献】特開2003-175961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、容器に収容した内容液の残量が更に少なくなると、塗布具の先端部にも内容液が付着しなくなる。一方このような場合でも、容器を傾けた際に容器底部の外縁部周辺に溜まる程度の内容液は残っている。しかし従来の塗布容器は、軸状部が口部の中央部を真っ直ぐに延伸するものであって、塗布具の先端部は、容器底部の中央部付近に位置しているため、容器を傾けた際に底部の外縁部周辺に内容液が溜まっていても、これを塗布具に付着させることは困難である。このため、容器に収容した内容液を最後まで使い切れないという問題を抱えている。
【0005】
本発明はこのような問題点を解決することを課題とするものであって、収容した内容液が少なくなって、容器を傾けた際に底部の外縁部周辺に溜まる程度の量になったとしても、内容液を塗布具に付着させることができる塗布容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上方を開放した口部の内側に内容液を収容する容器と、該口部の内側を延伸して先端に塗布具を有する塗布具付キャップとを備える塗布容器であって、
前記容器は、前記口部を有するとともに内容液の収容空間を有する容器本体と、該口部の内側に設けられ、前記塗布具を挿通可能な貫通孔が形成され、前記貫通孔の内周縁部により前記塗布具に付着した内容液を掻き落とし可能なしごき部とを有し、
前記塗布具付キャップは、前記口部に装着される蓋体部と、一端部が該蓋体部に保持される軸状部と、前記塗布具を保持するとともに該軸状部の他端部において該軸状部の軸線に対して傾動するように取り付けられる傾動部と、前記軸状部を取り囲むとともに該軸状部に沿ってスライド可能であって、該軸状部の前記一端部に向けてスライドした際は該傾動部の傾動を許容する一方、該軸状部の前記他端部に向けてスライドした際は該傾動部を取り囲んで該傾動部の傾動を規制するスライド部と、
を備え、前記しごき部の前記内周縁部は前記スライド部の外径よりも小さい内径を有し、前記塗布具付きキャップを前記口部に装着した状態において前記スライド部の上方に位置し、前記塗布具付キャップを前記口部から取り外すに伴って、前記スライド部の上端部に当接して該スライド部を前記軸状部の前記他端部に向けてスライドさせ、該塗布具付キャップを該口部に装着するに伴って、該スライド部を該軸状部の前記一端部に向けてスライドさせる塗布容器である。
【0007】
前記傾動部は、前記軸状部に対して球状連結部を介して取り付けられることが好ましい。
【0010】
前記軸状部は、該軸状部の前記一端部に向けてスライドした前記スライド部を保持する第一保持部を有することが好ましい。
【0011】
前記軸状部及び前記傾動部の少なくとも一方は、該軸状部の前記他端部に向けてスライドした前記スライド部を保持する第二保持部を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の塗布容器によれば、塗布具付キャップに設けた傾動部が、軸状部の他端部において軸状部の軸線に対して傾動するように取り付けられているため、容器を傾けた際には傾動部が傾いて、塗布具を容器底部の外縁部付近に指向させることが可能である。このため、収容した内容液の量が少なくなっても、内容液を塗布具に付着させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に従う塗布容器の一実施形態を示す正立姿勢での断面図である。
図2図1に示す塗布容器の傾倒姿勢での断面図である。
図3】容器に対して塗布具付キャップを緩めて、しごき部の内縁部がスライド部に当接した状態を示す図である。
図4】(a)は、塗布具付キャップを引き上げてスライド部が第二保持部に保持された状態を示す図であり、(b)は、塗布具付キャップを更に引き上げて傾動部がしごき部の内縁部から抜け出す状態を示す図である。
図5】塗布具付キャップで内容液を塗布する状態について示した図である。
図6】塗布具付きキャップをしごき部に挿入して、しごき部の内縁部がスライド部に当接した状態を示す図である。
図7】(a)は、塗布具付キャップをしごき部に更に挿入して、スライド部が第一保持部に保持された状態を示す図であり、(b)は、容器に対して塗布具付キャップを締め付けた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら本発明に従う塗布容器の一実施形態(塗布容器100)について説明する。なお、本明細書等において、「上」方向、「下」方向とは、図1に示すように塗布容器100を正立姿勢にした状態(容器本体(符号1)が下方に位置し、蓋体本体(符号3)が上方に位置する状態)での向きをいう。
【0015】
本実施形態の塗布容器100は、本明細書等における「容器」を構成するものとして、容器本体1としごき部材2を備えている。また塗布容器100は、本明細書等における「塗布具付キャップ」と構成するものとして、蓋体本体3、内側蓋体4、軸状部材5、スライド部材6、傾動部材7、及び塗布具8を備えている。なお、蓋体本体3と内側蓋体4は、本明細書等における「蓋体部」を構成する部材である。また軸状部材5は、本明細書等における「軸状部」に相当する部材であり、スライド部材6は、本明細書等における「スライド部」に相当する部材であり、傾動部材7は、本明細書等における「傾動部」に相当する部材である。
【0016】
容器本体1は、有底筒状をなすように形作られている。具体的には、円板状をなす底部1aと、底部1aの縁部から上方に向けて立ち上がる円筒状の胴部1bと、上方を開放するとともに下端部が胴部1bに連結し、外径が胴部1bよりも小さくなる円筒状の口部1cと、口部1cの外周面に設けられた雄ねじ部1dとを備えるものである。また口部1cの内側には、例えばマニキュア等の内容液Lが収容される収容空間Sが区画されている。なお、本実施形態において収容空間Sに残る内容液Lは、図1に示すように塗布容器100を正立姿勢にした状態において、塗布具8の先端よりも液面が下方に位置する程度の量であるとする。
【0017】
しごき部材2は、水平方向に延在するフランジ部2aと、フランジ部2aの内縁部から下方に向けて延在するとともに下端部が径方向内側に向けて延在する筒状部2bとを備えている。筒状部2bの中央部には貫通孔が設けられている。なお、筒状部2bに設けた貫通孔の周囲を内縁部2cと称する。しごき部材2は、例えばゴムやエラストマーの如き軟質部材で形成されるものであって、筒状部2bは可撓性を有している。このようなしごき部材2は、口部1cの内側に挿入され、フランジ部2aが口部1cの上端部に当接するとともに筒状部2bが口部1cの内周面に当接するようにして容器本体1に保持される。
【0018】
蓋体本体3は、有蓋筒状をなすものである。本実施形態の蓋体本体3は、円板状をなす頂壁3aと、頂壁3aの外縁部から下方に向けて延在する円筒状の外周壁3bとを備えている。
【0019】
内側蓋体4は、有蓋筒状をなすとともに蓋体本体3よりも一回り小さくなる形態となるものであって、円板状の天壁4aと、天壁4aの外縁部から下方に向けて延在する円筒状の内周壁4bとを備えている。また内周壁4bの内周面には、雄ねじ部1dに対応する雌ねじ部4cが設けられている。内周壁4bの外周面は、外周壁3bの内周面に嵌合されるように形成されていて、図1に示すように内側蓋体4は、蓋体本体3の内側で保持される。
【0020】
軸状部材5は、一端部(上端部)において円形筒状をなす上部環状壁5aを備えている。上部環状壁5aの下端部には、円板状壁5bが連結していて、円板状壁5bの中央部には、下方に向けて延伸する円柱軸5cが設けられている。円柱軸5cには、しごき部材2の内縁部2cよりも大径になる環状のシール凸部5dと、シール凸部5dの下方に設けられ、シール凸部5dよりも小径になる環状の第一突起部5eとが設けられている。また第一突起部5eの下方には、図1の部分拡大図に示すように、円柱軸5cの外周面上を円柱軸5cの軸線Oに沿って延在するリブ状の第一保持部5fが設けられている。なお、リブ状となる第一保持部5fは、円柱軸5cの外周面に対して周方向に間隔をあけて複数設けられている。そして軸状部材5の他端部(円柱軸5cの下端部)には、凹球面状に形成された支持部5gが設けられている。このような軸状部材5において、上部環状壁5aの外周面は、内側蓋体4の内周壁4bの内周面に嵌合されるように形成されている。これにより軸状部材5は、上部環状壁5aを内側蓋体4に挿入させて内側蓋体4に保持される。
【0021】
スライド部材6は、概略円筒状をなすものである。本実施形態のスライド部材6は、内径が円柱軸5cの外径よりもやや大きくなるように形成されていて、円柱軸5cに対して軸線Oに沿って摺動することができる。なおスライド部材6の内径は、第一保持部5fの外径よりも若干小さくなっている。これによりスライド部材6は、第一保持部5fによって軸状部材5に保持される。
【0022】
傾動部材7は、円柱状をなす上部壁7aと、上部壁7aの下端に連結するとともに外径が上部壁7aよりも大径となる筒状の保持壁7bを備えている。上部壁7aの外径は、円柱軸5cの外径と略同一である。また上部壁7aの外周面には、図1の部分拡大図に示すように、上記の第一保持部5fのようにリブ状に形成された第二保持部7cが設けられている。なお、第二保持部7cの外径も第一保持部5fと略同一である。そして上部壁7aの中央部には、上方に向けて延在する円柱状連結部7dが設けられていて、円柱状連結部7dの上部には、球状連結部7eが設けられている。球状連結部7eは、凹球面状に形成された支持部5gに対して摺動可能に保持されるように形成されている。すなわち、支持部5gに球状連結部7eを保持させるようにして軸状部材5に取り付けられた傾動部材7は、円柱軸5cの軸線Oに対して傾動することができる。
【0023】
塗布具8は、内容液を塗布するための塗布部8aと、保持壁7bに挿入されて塗布具8を傾動部材7に保持させる塗布具保持部8bを備えている。塗布部8aは、例えばブラシ状、スポンジ状、筆状に設けられるものであって、内容液の種類や内容液を塗布する部位に応じて最適なものが適宜選択される。
【0024】
このような形態になる塗布容器100の傾動部材7は、図1に示すように、内側蓋体4の雌ねじ部4cが容器本体1の雄ねじ部1dに螺合して正立姿勢となった状態において、それ自身及び塗布具8の自重によって円柱軸5cの軸線Oに沿う向きに指向している。一方、図2に示すように塗布容器100を傾倒姿勢に変位させると、傾動部材7は、それ自身及び塗布具8の自重によって傾くため、塗布具8の先端を底部1aの外縁部付近に指向させることができる。このため、図1に示すように正立姿勢となる状態では塗布具8の先端に付着できない程度の量になる内容液Lであっても、図2に示すように塗布容器100を傾けることによって、内容液Lを塗布具8に付着させることができる。また図2に示す状態では、塗布具8の先端は胴部1bの内周面に当接している。すなわち、この状態で蓋体本体3を回転させて雄ねじ部1dと雌ねじ部4cとの螺合を解除すると、塗布具8の先端は、胴部1bの内周面に当接したまま引き上げられることになる。従って、胴部1bの内周面に付着した内容液Lも塗布具8に付着させることができるため、容器本体1に残る内容液Lの量を更に少なくすることができる。
【0025】
ところで、蓋体本体3を回転させて雄ねじ部1dと雌ねじ部4cとの螺合を解除していくと、図3に示すように円柱軸5cに保持された(図1の部分拡大図に示す第一保持部5fに保持された)スライド部材6の上端部にしごき部材2の内縁部2cが当接する。そして、蓋体本体3を更に回転させて雄ねじ部1dと雌ねじ部4cとの螺合を解除し、そのまま蓋体本体3を引き上げると、内縁部2cに当接したスライド部材6は、図4(a)に示すように、保持されていた第一保持部5fから脱して円柱軸5cの下端部に向けて相対的にスライドし、傾動部材7の上部壁7aに設けた第二保持部7cに保持される。なお、内容液Lは円柱軸5cに付着することもあるが、スライド部材6が円柱軸5cをスライドすることによって、このような内容液Lも掻き落とすことができる。また傾動部材7の保持壁7bは、上部壁7aよりも大径であるため、円柱軸5cの下端部に向けて相対的にスライドしたスライド部材6は、保持壁7bに当接する位置で停止する。すなわち、スライド部材6が傾動部材7から脱落することはない。
【0026】
そして、図4(b)に示すように蓋体本体3を更に引き上げると、しごき部材2は可撓性を有しているため、スライド部材6が内縁部2cから脱して、傾動部材7及び塗布具8をしごき部材2から引き抜くことができる。なお、塗布具8に付着した内容液Lの量が多い場合は、しごき部材2に対して塗布具8を擦りつけるようにして余分な内容液Lを掻き落とすことができるため、塗布具8に対して適量の内容液Lを付着させることができる。
【0027】
ここで、しごき部材2から傾動部材7及び塗布具8を引き抜いた際にスライド部材6は、図5に示すように、支持部5gと球状連結部7eを取り囲むとともに円柱軸5cと上部壁7aの両方に跨がるようにして保持されている。すなわち、内容液Lを塗布先に塗布する際に塗布具8が傾くことはないため、従来の塗布容器のように使用することができる。
【0028】
塗布具8で内容液Lを塗布した後は、図6に示すように塗布具8の先端をしごき部材2の貫通孔に挿入して、蓋体本体3を下方に向けて押し下げる。この際、スライド部材6の下端部はしごき部材2の内縁部2cに当接するため、図7(a)に示すように、スライド部材6は第二保持部7cから脱して円柱軸5cの上端部に向けて相対的にスライドし、円柱軸5cの外周面に設けた第一保持部5fに保持される。なお、第一保持部5fの上方には第一突起部5eが設けられているため、スライド部材6が第一保持部5fを設けた位置から上方に抜け出すことはない。
【0029】
そして図7(b)に示すように、蓋体本体3を下方に向けて更に押し下げるとともにこれを回転させて雄ねじ部1dと雌ねじ部4cとを螺合させることにより、容器本体1を閉栓することができる。なお、雄ねじ部1dと雌ねじ部4cとを螺合させた際は、しごき部材2のフランジ部2aが口部1cと円板状壁5bに挟持され、またシール凸部5dが内縁部2cの上面に押し当たるため、収容空間Sへの外気の侵入を防止することができる。
【0030】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上記の説明で特に限定しない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。また、上記の実施形態における効果は、本発明から生じる効果を例示したに過ぎず、本発明による効果が上記の効果に限定されることを意味するものではない。
【0031】
例えば本実施形態では、軸状部材5に凹球面状に形成された支持部5gを設け、傾動部材7に球状連結部7eを設けたが、支持部5gを傾動部材7に設けるとともに球状連結部7eを軸状部材5に設けてもよい。また、球状連結部7eによって傾動部材7を3次元的に傾動させることが可能であるが、円板状に形成された連結部とこれを支持する支持部との組み合わせを採用して、傾動部材7を平面内で傾動させるようにしてもよい。そして傾動部材7に設けた第二保持部7cは、軸状部材5の下端部に設けてもよいし、傾動部材7と軸状部材5の両方に設けてもよい。また塗布容器100を構成する部材の形状や組み合わせも適宜変更可能であって、例えば円柱軸5cを、横断面形状が多角形になる軸状のものとして構成してもよいし、2つの部材で構成した蓋体本体3と内側蓋体4を、一体的に形成した1つの部材で構成してもよい。
【符号の説明】
【0032】
1:容器本体
1a:底部
1b:胴部
1c:口部
1d:雄ねじ部
2:しごき部材
2a:フランジ部
2b:筒状部
2c:内縁部
3:蓋体本体(蓋体部)
3a:頂壁
3b:外周壁
4:内側蓋体(蓋体部)
4a:天壁
4b:内周壁
4c:雌ねじ部
5:軸状部材(軸状部)
5a:上部環状壁
5b:円板状壁
5c:円柱軸
5d:シール凸部
5e:第一突起部
5f:第一保持部
5g:支持部
6:スライド部材(スライド部)
7:傾動部材(傾動部)
7a:上部壁
7b:保持壁
7c:第二保持部
7d:円柱状連結部
7e:球状連結部
8:塗布具
8a:塗布部
8b:塗布具保持部
100:塗布容器
L:内容液
O:軸線
S:収容空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7