(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-06
(45)【発行日】2023-09-14
(54)【発明の名称】遺伝子発現アッセイを使った予測ペプチド受容体放射性核種療法
(51)【国際特許分類】
C12Q 1/68 20180101AFI20230907BHJP
G01N 33/574 20060101ALI20230907BHJP
C12Q 1/6886 20180101ALI20230907BHJP
【FI】
C12Q1/68 ZNA
G01N33/574 A
C12Q1/6886 Z
(21)【出願番号】P 2020529311
(86)(22)【出願日】2018-11-29
(86)【国際出願番号】 US2018062964
(87)【国際公開番号】W WO2019108734
(87)【国際公開日】2019-06-06
【審査請求日】2021-11-26
(32)【優先日】2017-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519418477
【氏名又は名称】リキッド バイオプシー リサーチ リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【氏名又は名称】武居 良太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100166165
【氏名又は名称】津田 英直
(72)【発明者】
【氏名】アービン マーク モドリン
(72)【発明者】
【氏名】マーク キッド
(72)【発明者】
【氏名】イグナット ドロズドフ
【審査官】山▲崎▼ 真奈
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-528164(JP,A)
【文献】特表2014-512172(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12Q 1/00 - 3/00
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
神経内分泌腫瘍(NET)を有する対象
のペプチド受容体放射性核種療法(PRRT)処置
への応答を予測する方法であって、
前記対象からの試験サンプルを、少なくとも12個のバイオマーカーの発現レベルの検出に特異的な複数の剤と接触させることにより、該試験サンプルからの少なくとも12個のバイオマーカーの発現レベルを決定し、ここで前記12個のバイオマーカーは、ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3,NAP1L1,NOL3,TECPR2,およびALG9を含み;
ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2,PLD3,NAP1L1,NOL3,及びTECPR2 のそれぞれの発現レベルをALG9の発現レベルに対して正規化し、それによりARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2,PLD3, NAP1L1,NOL3,及びTECPR2のそれぞれの正規化発現レベルを取得し;
ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2,PLD3, NAP1L1,NOL3,及びTECPR2のそれぞれの正規化発現レベルを合計し、それにより合計発現レベルを取得し;
第一のスコアを決定し、ここで前記合計発現レベルが第一の既定カットオフ値以上である場合に第一のスコアは1であり、または前記合計発現レベルが第一の既定カットオフ値未満である場合に第一のスコアは0であり
、ここで前記第一の既定カットオフ値が10.9であり;
NETの組織学的グレードに基づいて第二のスコアを決定し、ここでNETが高グレードと指定された時に第二のスコアは1であり、またはNETが低グレードと指定された時に第二のスコアは0であり;
ここで前記NETがG1又はG2NETである場合に、NETを低グレードと指定し;
ここで前記NETがG3NETである場合に、NETを高グレードと指定し;
次の方程式に基づいて第三のスコアを算出し:
第三のスコア=39.22787-40.80341×(第一のスコア)-18.441×(第二のスコア);そして
第三のスコアが第二の既定カットオフ値と同値又は未満である場合に
、NETを有する対象がPRRTに応答すると
予測し、または第三のスコアが第二の既定カットオフ値を上回る場合にNET
を有する対象がPRRTに応答しないと
予測する
ことを含
み、ここで前記第二の既定カットオフ値が0である、前記方法。
【請求項2】
前記バイオマーカーの少なくとも1つがRNA、cDNAまたはタンパク質である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記バイオマーカーの少なくとも1つがRNAである場合、該RNAを逆転写してcDNAを生成し、そして生成されたcDNAの発現レベルが検出される、請求項
2に記載の方法。
【請求項4】
前記バイオマーカーの発現レベルが、該バイオマーカーと標識されたプローブまたはプライマーとの間で複合体を形成させることにより検出される、請求項
1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記バイオマーカーの少なくとも1つがタンパク質である場合、該タンパク質と標識抗体との間で複合体を形成させることにより該タンパク質が検出される、請求項
2に記載の方法。
【請求項6】
前記バイオマーカーの少なくとも1つがRNAまたはcDNAである場合、該RNAまたはcDNAと標識核酸プローブ
またはプライマーとの間で複合体を形成させることにより、該RNAまたはcDNAが検出される、請求項
2に記載の方法。
【請求項7】
前記RNAまたはcDNAと標識核酸プローブまたはプライマーとの複合体がハイブリダイゼーション複合体である、請求項
6に記載の方法。
【請求項8】
前記試験サンプルが血液、血清、血漿または腫瘍性組織である、請求項1~
7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記試験サンプルが血液である、請求項
8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
本出願は2017年11月30日に出願の米国仮出願第62/592,647号の優先権およびその利益を主張し、その全内容が参照により本明細書中に援用される。
【0002】
〔配列表〕
本願は、EFSウエブを経由したASCII形式で提出されている配列表を含み、その全体が参考として本明細書中に組み込まれる。2018年11月15日に作成した前記ASCIIコピーは、“LBIO-003_001WO_ST25.txt”というファイル名であり、サイズが52,601バイトである。
〔発明の分野〕
【0003】
本発明は、遺伝子発現アッセイを使ったペプチド受容体放射性核種療法(PRRT)に対する応答の予測に関する。
【背景技術】
【0004】
神経内分泌腫瘍における放射性核種療法の最も汎用されている形態は、ペプチド受容体放射性核種療法(PRRT)である。これは、NETの主な特徴であるソマトスタチン受容体の過剰発現を利用する。PRRTは、ソマトスタチン受容体を標的とするペプチドとして、ソマトスタチンの類似体であるオクトレオチドを使用する。この類似体の放射性標識誘導体には、177Lu-DOTA-Tyr3-Thr8-オクトレオチド、いわゆる177Lu-オクトレオテートが含まれる。この治療方策はヨーロッパで広く用いられており、最近アメリカ合衆国に導入されるようになった。
【0005】
膵臓や気管支-肺NETにおける多岐にわたる非比較試験は、177Lu-オクトレオテートが生存パラメータに対する客観的奏効と有益な効果により有効であることを証明した。ごく最近、標準的オクトレオチドLAR処置に対して進行中の中腸NETの第III相無作為化比較臨床試験(NETTER-1)は、177Lu-オクトレオテートが高用量のオクトレオチドソマトスタチン類似体よりも効果的であることを証明した。
【0006】
PRRTの施用は、現在のところソマトスタチン受容体(SSR)発現レベルに基づいて決定される。情報は、組織生検と免疫組織学によるか、または111In-ペンテトレオチドスキャンもしくは68Ga-DOTATATE/DOTATOC PET/CTのようなソマトスタチンベースのスキャンによるかいずれかにより得られる。
【0007】
しかしながら、免疫組織化学はソマトスタチン受容体発現が腫瘍では不均一であるため限られ、個々の抗体が異なる結合親和性を持つため、病理学者による染色の評価が目的の出力を提供することができない。更なる制限因子として、受容体の機能性を限定できない点と、生検検査されない他の腫瘍での発現を判別することができない点が挙げられる。
【0008】
画像診断を使ったソマトスタチン発現の評価は、標的病変への放射性核種の取り込みを、脾臓のような非腫瘍器官と比較することを必要とする。取り込みの程度は、Krenningグレードに従って低から強陽性まで等級分けされる。しかしながら、このアプローチは、予測能力が低い。例えば、111In-ペンテトレオチドスキャンでKrenningグレード4である強陽性腫瘍は、応答の精度がわずか60%しかない。種々の半定量的ツールが試みられているが、いずれも失敗に終わっている。ソマトスタチン受容体発現は、腫瘍が標的可能であり同位体を送達できるかどうかを判定するのに有用でありうるが、放射線の感受性の尤度(および治療効果)の正確な評価を提供できない。
【0009】
別の臨床パラメータ(例えば疾患の程度)、腫瘍の等級分けおよびバイオマーカー(例えばクロモグラニンA)が有用な予測ツールとして研究されている。しかし、形態学的基準またはKI67指数評価を用いた等級分けが或る程度の臨床有用性を示しているが、どれも治療効果のロバストな予測因子として有効であると証明されていない。等級分けの精度は、予測PRRTの場合約70%である。典型的には、低グレードの腫瘍(高分化型のグレード1または2、すなわち腫瘍細胞の≦20%でKI67検出可能)は、高グレード(KI67>20%)の腫瘍よりも高頻度にPRRTに応答する。しかしながら、等級分けは腫瘍の不均一性、主観的観察者による変動および低いκ値により制限される。更に、組織生検はめったに複数の患部から得られず、転移の場合はしばしば診断用に生検検査される一次病巣からかなり異なっている。
【0010】
癌または疾患の進行において治療応答性を決定する腫瘍細胞の分子駆動体の複雑性ゆえに、より精緻な評価ツールが必要であることは明白である。多様な癌の分子生物学的描写に基づく技術の発達は、腫瘍形成から発生する循環分子情報を評価するための戦略の進化をもたらした。そのような戦略すなわち「リキッド・バイオプシー(液体生検)」は、肺腫瘍形成において、例えば循環腫瘍DNA中の突然変異T790Mの同定を通したEFGR阻害剤に対する治療応答をモニタリングするのに、顕著に効果的であると証明された。生検を限定し、有力な治療標的を明確に定め、そして病気の進行を評価するリアルタイムモニタリング手段を提供する機会は、相当な臨床的有益性を有する。
【発明の概要】
【0011】
本開示は、神経内分泌腫瘍(NET)を有する対象に対する、ペプチド受容体放射性核種療法(PRRT)処置の勧告を提供する方法に関し、該方法は以下を含む:対象からの試験サンプルを、少なくとも9個のバイオマーカーの発現レベルの検出に特異的な複数の剤と接触させることにより、該試験サンプルからの少なくとも9個のバイオマーカーのそれぞれの発現レベルを決定し、ここで前記9個のバイオマーカーは、ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3およびALG9を含み; ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2およびPLD3 のそれぞれの発現レベルをALG9の発現レベルに対して正規化し、それによりARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2およびPLD3のそれぞれの正規化発現レベルを取得し; ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2およびPLD3のそれぞれの正規化発現レベルを合計し、それにより合計発現レベルを取得し;第一のスコアを決定し、ここで前記合計発現レベルが第一の既定カットオフ値以上である場合に第一のスコアは1であり、または前記合計発現レベルが第一の既定カットオフ値未満である場合に第一のスコアは0であり;NETの組織学的グレードに基づいて第二のスコアを決定し、ここでNETが高グレードと指定された時に第二のスコアは1であり、またはNETが低グレードと指定された時に第二のスコアは0であり;次の方程式に基づいて第三のスコアを算出し:
第三のスコア=39.22787-40.80341×(第一のスコア)-18.441×(第二のスコア);
そして第三のスコアが第二の既定カットオフ値未満である場合にNETがPRRTに応答するだろうという勧告を提供し、または第三のスコアが第二の既定カットオフ値を上回る場合にNETがPRRTに応答しないだろうという勧告を提供する。
【0012】
本開示の前述の方法では、第一の既定カットオフ値は5.9であり得る。第二の既定カットオフ値は0であり得る。
【0013】
本開示は、神経内分泌腫瘍(NET)を有する対象にペプチド受容体放射性核種療法(PRRT)処置の勧告を提供する方法に関し、該方法は以下を含む:対象からの試験サンプルを、少なくとも12個のバイオマーカーの発現レベルの検出に特異的な複数の剤と接触させることにより、該試験サンプルからの少なくとも12個のバイオマーカーのそれぞれの発現レベルを決定し、ここで前記12個のバイオマーカーは、ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3, TECPR2 および ALG9を含み;ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3 およびTECPR2 のそれぞれの発現レベルをALG9の発現レベルに対して正規化し、それによりARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3およびTECPR2のそれぞれの正規化発現レベルを取得し; ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2 PLD3, NAP1L1, NOL3 および TECPR2 のそれぞれの正規化発現レベルを合計し、それにより合計発現レベルを取得し;第一のスコアを決定し、ここで前記合計発現レベルが第一の既定カットオフ値以上である場合に第一のスコアは1であり、または前記合計発現レベルが第一の既定カットオフ値未満である場合に第一のスコアは0であり;NETの組織学的グレードに基づいて第二のスコアを決定し、ここでNETが高グレードと指定された場合に第二のスコアは1であり、またはNETが低グレードと指定された場合に第二のスコアは0であり;次の方程式に基づいて第三のスコアを算出し:
第三のスコア=39.22787-40.80341×(第一のスコア)-18.441×(第二のスコア);
そして第三のスコアが第二の既定カットオフ値未満である場合にNETがPRRTに応答するだろうという勧告を提供し、または第三のスコアが第二の既定カットオフ値を上回る場合にNETがPRRTに応答しないだろうという勧告を提供する。
【0014】
本開示の前述の方法では、第一の既定カットオフ値は10.9であり得る。第二の既定カットオフ値は0であり得る。
【0015】
本開示は、神経内分泌腫瘍(NET)を有する対象にペプチド受容体放射性核種療法(PRRT)処置の勧告を提供する方法に関し、該方法は以下を含む:対象からの試験サンプルを、少なくとも12個のバイオマーカーの発現レベルの検出に特異的な複数の剤と接触させることにより、該試験サンプルからの少なくとも12個のバイオマーカーのそれぞれの発現レベルを決定し、ここで前記12個のバイオマーカーはARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3, TECPR2および ALG9を含み; ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3およびTECPR2 のそれぞれの発現レベルをALG9の発現レベルに対して正規化し、それによってARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3およびTECPR2の正規化発現レベルを取得し;ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3 およびTECPR2 の正規化発現レベルを合計し、それによって合計発現レベルを取得し;前記合計発現レベルが既定カットオフ値以上である場合、NETがPRRTに応答するだろうという勧告を提供し、または前記合計発現レベルが既定カットオフ値未満である場合、NETがPRRTに応答しないだろうという勧告を提供する。
【0016】
本開示の前述の方法では、既定カットオフ値は10.9であり得る。
【0017】
本開示は、低グレードまたは高グレードの神経内分泌腫瘍(NET)を有する対象にペプチド受容体放射性核種療法(PRRT)処置の勧告を提供する方法に関し、この方法は以下を含む:対象からの試験サンプルを、少なくとも12個のバイオマーカーの発現レベルの検出に特異的な複数の剤と接触させることにより、該試験サンプルからの少なくとも12個のバイオマーカーのそれぞれの発現レベルを測定し、ここで前記12個のバイオマーカーは、ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3, TECPR2, およびALG9を含み;ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3 およびTECPR2 のそれぞれの発現レベルをALG9の発現レベルに対して正規化し、それによりARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3, および TECPR2の正規化発現レベルを取得し;ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3およびTECPR2 の正規化発現レベルを合計し、それにより合計発現レベルを取得し;そして前記合計発現レベルが既定カットオフ値以上である場合、低グレードまたは高グレードのNETがPRRTに応答するだろうという勧告を提供し、または前記合計発現レベルが既定カットオフ値未満である場合、低グレードまたは高グレードのNETがPRRTに応答しないだろうという勧告を提供する。
【0018】
本開示の前述の方法では、既定カットオフ値は10.9であり得る。
【0019】
本開示は、低グレードまたは高グレードの神経内分泌腫瘍(NET)を有する対象にペプチド受容体放射性核種療法(PRRT)処置の勧告を提供する方法に関し、この方法は以下を含む:対象からの試験サンプルを、少なくとも9個のバイオマーカーの発現レベルの検出に特異的な複数の剤と接触させることにより、該試験サンプルからの少なくとも9個のバイオマーカーのそれぞれの発現レベルを決定し、ここで前記9個のバイオマーカーはARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3およびALG9 を含み;ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2 およびPLD3 のそれぞれの発現レベルをALG9の発現レベルに対して正規化し、それによりARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2およびPLD3のそれぞれの正規化発現レベルを取得し;ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2およびPLD3の正規化発現レベルを合計し、それにより合計発現レベルを取得し;そして前記合計発現レベルが既定カットオフ値以上である場合、低グレードまたは高グレードのNETがPRRTに応答するだろうという勧告を提供し、または前記合計発現レベルが既定カットオフ値未満である場合、低グレードまたは高グレードのNETがPRRTに応答しないだろうという勧告を提供する。
【0020】
本開示の方法において、少なくとも9個のバイオマーカーの少なくとも1つはRNA、cDNAまたはタンパク質であり得る。バイオマーカーがRNAである態様では、該RNAを逆転写してcDNAを生成し、生成されたcDNAの発現レベルを検出することができる。バイオマーカーがタンパク質である態様では、バイオマーカーと標識されたプローブまたはプライマーとの間に複合体を形成することによって該タンパク質を検出することができる。
【0021】
本開示の方法では、バイオマーカーの発現レベルは、バイオマーカーと標識されたプローブまたはプライマーとの間に複合体を形成することによって検出することができる。
【0022】
本開示の方法では、バイオマーカーがRNAまたはcDNAである場合、RNAまたはcDNAは、RNAまたはcDNAと標識された核酸プローブまたはプライマーとの間に複合体を形成することにより検出することができる。RNAまたはcDNAと標識された核酸プローブまたはプライマーとの間の複合体は、ハイブリダイゼーション複合体であり得る。
【0023】
本開示の方法では、試験サンプルは血液、血清、血漿または腫瘍性組織であり得る。本開示の方法では、試験サンプルは血液であることができる。
【0024】
本開示の方法では、NETが低分化型である時、NETを高グレードと指定することができる。
【0025】
本開示の方法では、NETが高分化型の気管支典型カルチノイドまたは気管支非定型(異型)カルチノイドである場合、NETを低グレードと指定することができる。
【0026】
本開示の方法は、第三のスコアが第二の既定カットオフ値以下である場合にPRRTを対象に施行することを更に含むことができる。
【0027】
本開示の方法は、合計発現レベルが既定カットオフ値以上である場合、PRRTを対象に施行することを更に含むことができる。
【0028】
本開示の方法は、90%を超える感度を有することができる。本開示の方法は、90%を超える特異性を有することができる。
【0029】
本開示はペプチド受容体放射性核種療法(PRRT)で対象を処置する方法を提供し、ここで対象は神経内分泌腫瘍(NET)を有し、この方法は以下を含む:対象からの試験サンプルを、少なくとも9個のバイオマーカーのそれぞれの発現レベルの検出に特異的な複数の剤と接触させることにより、該試験サンプルからの少なくとも9個のバイオマーカーのそれぞれの発現レベルを決定し、ここで前記9個のバイオマーカーはARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3およびALG9を含み;ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2 およびPLD3 のそれぞれの発現レベルをALG9の発現レベルに対して正規化し、それによりARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2およびPLD3のそれぞれの正規化発現レベルを取得し;ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2およびPLD3の正規化発現レベルを合計し、それにより合計発現レベルを取得し;第一のスコアを決定し、ここで前記合計発現レベルが第一の既定カットオフ値以上である場合に第一のスコアは1であり、または前記合計発現レベルが第一の既定カットオフ値未満である場合に第一のスコアは0であり;NETの組織学的グレードに基づいて第二のスコアを決定し、ここでNETが高グレードと指定された場合に第二のスコアは1であり、またはNETが低グレードと指定された場合に第二のスコアは0であり;次の方程式に基づいて第三のスコアを算出し:
第三のスコア=39.22787-40.80341×(第一のスコア)-18.441×(第二のスコア);
そして第三のスコアが既定カットオフ値以上である場合に対象にPRRTを施行する。
【0030】
本開示は、ペプチド受容体放射性核種療法(PRRT)で対象を処置する方法を提供し、ここで該対象は神経内分泌腫瘍(NET)を有し、この方法は以下を含む:対象からの試験サンプルを、少なくとも12個のバイオマーカーの発現レベルの検出に特異的な複数の剤と接触させることにより、該試験サンプルからの前記少なくとも12個のバイオマーカーのそれぞれの発現レベルを測定し、ここで前記12個のバイオマーカーは、ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3, TECPR2 およびALG9を含み; ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3, およびTECPR2 のそれぞれの発現レベルをALG9の発現レベルに対して正規化し、それによりARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3 およびTECPR2のそれぞれの正規化発現レベルを取得し;ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2 PLD3, NAP1L1, NOL3およびTECPR2のそれぞれの正規化発現レベルを合計し、それにより合計発現レベルを取得し;第一のスコアを決定し、ここで前記合計発現レベルが第一の既定カットオフ値以上である場合に第一のスコアは1であり、または前記合計発現レベルが第一の既定カットオフ値未満である場合に第一のスコアは0であり;NETの組織学的グレードに基づいて第二のスコアを決定し、ここでNETが高グレードと指定された場合に第二のスコアは1であり、またはNETが低グレードと指定された場合に第二のスコアは0であり;次の方程式に基づいて第三のスコアを算出し:
第三のスコア=39.22787-40.80341×(第一のスコア)-18.441×(第二のスコア);
そして第三のスコアが既定カットオフ値以上である場合に対象にPRRTを施行する。
【0031】
本開示は、ペプチド受容体放射性核種療法(PRRT)で対象を処置する方法を提供し、ここで該対象は神経内分泌腫瘍(NET)を有し、この方法は以下を含む:対象からの試験サンプルを、少なくとも12個のバイオマーカーの発現レベルの検出に特異的な複数の剤と接触させることにより、該試験サンプルからの前記少なくとも12個のバイオマーカーのそれぞれの発現レベルを測定し、ここで前記12個のバイオマーカーはARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3, TECPR2 およびALG9 を含み;ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3およびTECPR2 のそれぞれの発現レベルをALG9の発現レベルに対して正規化し、それによりARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3およびTECPR2のそれぞれの正規化発現レベルを取得し;ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3およびTECPR2 のそれぞれの正規化発現レベルを合計し、それにより合計発現レベルを取得し;そして前記合計発現レベルが既定カットオフ値以上である場合に対象にPRRTを施行する。
【0032】
本開示は、ペプチド受容体放射性核種療法(PRRT)で対象を処置する方法を提供し、ここで該対象は低グレードまたは高グレードの神経内分泌腫瘍(NET)を有し、この方法は以下を含む:対象からの試験サンプルを、少なくとも12個のバイオマーカーのそれぞれの発現レベルの検出に特異的な複数の剤と接触させることにより、該試験サンプルからの前記少なくとも12個のバイオマーカーの発現レベルを測定し、ここで前記12個のバイオマーカーはARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3, TECPR2およびALG9を含み;ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3 およびTECPR2 のそれぞれの発現レベルをALG9の発現レベルに対して正規化し、それによりARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3, およびTECPR2のそれぞれの正規化発現レベルを取得し;ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3,およびTECPR2の正規化発現レベルを合計し、それにより合計発現レベルを取得し;そして前記合計発現レベルが既定カットオフ値以上である場合に対象にPRRTを施行する。
【0033】
本開示は、ペプチド受容体放射性核種療法(PRRT)で対象を処置する方法を提供し、ここで該対象は低グレードまたは高グレードの神経内分泌腫瘍(NET)を有し、この方法は以下を含む:対象からの試験サンプルを、少なくとも9個のバイオマーカーの発現レベルの検出に特異的な複数の剤と接触させることにより、該試験サンプルからの前記少なくとも9個のバイオマーカーのそれぞれの発現レベルを測定し、ここで前記9個のバイオマーカーはARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3およびALG9を含み;ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2 およびPLD3 のそれぞれの発現レベルをALG9に対して正規化し、それによりARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2およびPLD3の正規化発現レベルを取得し;ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2および PLD3のそれぞれの正規化発現レベルを合計し、それにより合計発現レベルを取得し;そして前記合計発現レベルが既定カットオフ値以上である場合に対象にPRRTを施行する。
【0034】
本開示の方法では、対象へのPRRTの施行は、177LuベースのPRRTを施行することを含み得る。177LuベースのPRRTは177Lu-DOTA-Tyr3-Thr8-オクトレオチドであることができる。
【0035】
本開示の方法では、177Lu-DOTA-Tyr3-Thr8-オクトレオチドは、約7.4 GBq(ギガベクレル)(200 mCi) の線量で8週間毎に約1回、合計約4回投与することができる。177Lu-DOTA-Tyr3-Thr8-オクトレオチドは、約6.5 GBq の線量で8週間毎に約1回、合計約4回投与することができる。177Lu-DOTA-Tyr3-Thr8-オクトレオチドは、約4.6 GBq の線量で8週間ごとに約1回、合計約4回投与することができる。
【0036】
本開示の方法では、177Lu-DOTA-Tyr3-Thr8-オクトレオチドは、約3.2 GBq (100 mCi) の線量で8週間毎に約1回、合計約4回投与することができる。177Lu-DOTA-Tyr3-Thr8-オクトレオチドは、約3.7 GBq の線量で8週間毎に約1回、合計約4回投与することができる。
【0037】
本開示の方法では、177LuベースのPRRTを静脈内に投与することができる。177LuベースのPRRTを動脈内に投与することができる。
【0038】
上記態様のいずれか1つの幾つかの実施形態では、当該方法は、NETがPRRTに応答するだろうと予測されたときにPRRTを対象に施すことを更に含む。
【0039】
上記の態様のいずれも、任意の他の態様と組み合わせることができる。
【0040】
特に異なって定義されない限り、本明細書中で用いる全ての技術用語と科学用語は、当業者により一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書中では、文脈中で明白に別記されない限り、単数形は複数形も含む。例として、「1つの(a、an)」および「その(the)」という用語は、単数または複数であると解釈され、「または(or)」という用語は包括的であると解釈される。例として、「1つの要素」は、1または複数の要素を意味する。本明細書全体を通して、「含む(comprising)」という語、またはその変形(comprisesまたはcomprising)は、言及された要素、整数もしくはステップ、または要素、整数もしくはステップの群の包含を意味するが、任意の他の要素、整数もしくはステップのまたは要素、整数もしくはステップの群の除外を意味しないものと理解される。「約」は、言及された値の10%, 9%, 8%, 7%, 6%, 5%, 4%, 3%, 2%, 1%, 0.5%, 0.1%, 0.05%または0.01%以内として解釈すべきである。文脈からそうでないことが明白でない限り、本明細書で提供される全ての数値は「約」という用語によって修飾される。
【0041】
本明細書に記載されるものと同様または同等の方法および材料は、本開示の実施または試験において使用することができるが、適切な方法および材料が以下に記載される。本明細書で言及される全ての出版物、特許出願、特許およびその他の参考文献は、参照によりその全体が組み込まれる。ここに引用された参考文献は、特許請求される本発明の先行技術であるとは認められない。矛盾が生じる場合、定義を含む本明細書が優先する。更に、材料、方法および実施例は、単なる例示であり、限定を意図するものではない。本開示の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】
図1は、試験コホートにおけるPFSを予測するためのPRRT予測指数(quotient)の有用性を示すグラフである。試験コホート(n=72):PPQによって治療前に「応答する」と予測された患者(バイオマーカー陽性)では、mPFSに達しなかった。「非応答である」と予測された患者(バイオマーカー陰性)では、mPFSは8か月であった。これには有意差が認められた(HR 36.4, p<0.0001)。
【
図2】
図2は、検証コホートIにおけるPFSを予測するためのPPRT予測指数の有用性を示すグラフである。応答すると予測された者はmPFSに到達しなかった。非応答であると予測された者では、mPFSは14か月であった(HR 17.7, p<0.0001)。
【
図3】
図3は、検証コホートIIにおけるPFSを予測するためのPPRT予測指数の有用性を示すグラフである。予測応答者では、mPFSに達しなかった。非応答と予測された者のmPFS は9.7か月であった。これには有意差が認められた(HR 92, p<0.0001)。
【
図4】
図4は、SSAで処置された患者におけるPFSを予測するためのPRRT予測指数の有用性を示すグラフである。予測応答者では、mPFSは10か月であった。非応答と予測された者 については、mPFSに達しなかった。これには有意差が認められなかった(HR 0.8, p=NS)。
【
図5】
図5は、レジストリ登録患者のPFSを予測するためのPRRT予測指数の有用性を示すグラフである。予測応答者では、mPFS は10か月であった。非応答と予測された者については、mPFSは15か月であった。これには有意差が認められた(HR 0.9, p=NS)。
【
図6A】
図6A~6Dは、予測マーカーとしてのPPQの有用性を実証するグラフである。
図6Aは、バイオマーカー陽性症例におけるPRRTコホートと比較コホートにおけるPPQを示す。予測応答者、すなわちPPQ「陽性」群では、SSAで処置した者またはレジストリ内の者に比較して、PRRT処置患者ではmPFSが得られなかった〔検証コホートI (n=44) および検証コホートII (n=42) 〕。
【
図6B】
図6A~6Dは、予測マーカーとしてのPPQの有用性を実証するグラフである。
図6Bは、バイオマーカー陰性症例におけるPRRTコホートと比較コホートにおけるPPQを示す:予測非応答者、すなわち、PPQ「陰性」群では、PRRTによる処置の有無にかかわらず、mPFSは類似していた。
【
図6C】
図6A~6Dは、予測マーカーとしてのPPQの有用性を実証するグラフである。
図6Cは、理想的な予測バイオマーカー「陽性(Positive)」を示す;この理想的な症例では、「治療効果」、すなわち治療を受けている者(mPFSが未定)と治療を受けていないもの(17か月)との間のmPFSに量的差異が認められる。
【
図6D】
図6A~6Dは、予測マーカーとしてのPPQの有用性を実証するグラフである。
図6Dは、理想的な予測バイオマーカー「陰性(Negative)」を示す。この理想的症例では、mPFSは治療に関係なく同じ(18か月)である。
【
図7】
図7は、PRRT処置またはPRRTと化学療法との組み合わせ処置による治療後のPPQ陰性対象者の無憎悪生存期間(PFS)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
〔発明の詳細な説明〕
本発明の詳細は、以下の付随する説明に記載される。本明細書に記載されているものと同様または同等の方法および材料を本発明の実施または試験に使用することができるが、例示的な方法と材料をここで説明する。本発明の他の特徴、目的および利点は、詳細な説明および特許請求の範囲から明らかになるであろう。本明細書および添付の特許請求の範囲において、文脈が明らかにそうでないと指摘しない限り、単数形は複数形も含む。異なって定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語と科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で引用された全ての特許および刊行物は、その全体が参照により本明細書中に組み込まれる。
【0044】
本発明は、部分的には、循環中の神経内分泌腫瘍(NET)転写産物の発現レベルによって、NETを有する患者がペプチド受容体放射性核種療法(PRRT)に応答するかどうかを予測することができるという発見に基づく。循環中の神経内分泌腫瘍(NET)転写産物には次のものが含まれる: (a) 増殖因子(GF)関連遺伝子(ARAF1, BRAF, KRAS およびRAF-1);および(b) 代謝(M)に関与する遺伝子(ATP6V1H, OAZ2, PANK2 および PLD3)。これらの遺伝子の発現レベルは、ハウスキーピング遺伝子として機能するALG9に対して正規化することができる。ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3 の合計発現レベル(正規化後)が既定のカットオフ値以上である場合、NETはNETの組織学的グレードに関係なくPRRTに応答するだろうということがわかった。加えて、ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3 の合計発現レベル(正規化後)が既定カットオフ値未満である場合、NETの組織学的グレードに関係なく、NETはPRRTに応答しないだろうということが発見された。幾つかの実施形態では、循環中のNET転写産物は、増殖(P)に関与する遺伝子(NAP1L1, NOL3およびTECPR2)を更に含み得る。NAP1L1, NOL3およびTECPR2 の発現レベルも測定することができ、そしてALG9の発現レベルに対して正規化することができる。
【0045】
幾つかの実施形態では、ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3 の合計発現レベルは、次のステップを含めることにより取得することができる: (a1) 対象からの試験サンプルを、少なくとも9個のバイオマーカーの発現の検出に特異的な複数の剤と接触させることにより、試験サンプルからの少なくとも9個のバイオマーカーのそれぞれの発現レベルを決定し、ここで前記9個のバイオマーカーはARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3およびALG9を含み; (b1) ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2および PLD3 のそれぞれの発現レベルをALG9の発現レベルに対して正規化し、それによりARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2および PLD3のそれぞれの正規化発現レベルを取得し;そして(c1) ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2およびPLD3のそれぞれの正規化発現レベルを合計し、それにより合計発現レベルを取得する。
【0046】
あるいは、ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3 の合計発現レベルは、前記少なくとも9個のバイオマーカーのそれぞれの発現レベルを決定した後に、次のステップを含めることにより取得することもできる: (a2) ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2および PLD3のそれぞれの発現レベルを合計し、それにより合計値を取得し;そして(b2) 前記合計値をALG9の発現レベルに対して正規化し、それにより合計発現レベルを取得する。
【0047】
本開示の1態様は、低グレートまたは高グレードのNETを有する対象にPRRT処置の勧告を提供する方法に関し、該方法は、ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3 の合計発現レベルが既定カットオフ値以上である場合に、低グレードまたは高グレードNETがPRRTに応答するだろうという勧告を提供し、または前記合計発現レベルが既定カットオフ値未満である場合に、低グレードまたは高グレードのNETがPRRTに応答しないだろうという勧告を提供する。幾つかの実施形態では、NETが低分化型である場合に、該NETは高グレードであると指定される。幾つかの実施形態では、NETが高分化型の気管支典型カロチノイドまたは気管支非定型カロチノイドである場合に、該NETが低グレードであると指定される。
【0048】
同様な態様において、本開示は、NETを有する対象にPRRT処置の勧告を提供する方法に関し、該方法はARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3 の合計発現レベルが既定カットオフ値以上である場合、そのNETはPRRTに応答するだろうという勧告を提供し、または合計発現レベルが既定カットオフ値未満である場合、そのNETはPRRTに応答しないだろうという勧告を提供する。
【0049】
幾つかの実施形態において、既定カットオフ値は5.9である。このカットオフ値は、ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3 の合計発現レベルがALG9の発現レベルの5.9倍であるという想定から導出される。
【0050】
別の態様では、NETの組織学的グレードは循環中の神経内分泌腫瘍転写物の発現レベルと併用して使用することもできる。従って、本開示は、NETを有する対象にPRRT処置の勧告を提供する方法であって、この方法は以下を含む:(a3)第一のスコアを決定し、ここでARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3 の合計発現レベルが既定カットオフ値以上である場合に第一のスコアは1であり、または前記合計発現レベルが既定カットオフ値未満である場合に第一のスコアは0であり; (b3) NETの組織学的グレードに基づいて第二のスコアを決定し、ここでNETが高グレードと指定された場合に第二のスコアは1であり、またはNETが低グレードと指定された場合に第二のスコアは0であり; (c3) 次の方程式に基づいて第三のスコアを算出し:
第三のスコア=39.22787-40.80341×(第一のスコア)-18.441×(第二のスコア);そして(d3) 第三のスコアが第二の既定カットオフ値以下である場合、NETはPRRTに応答するだろうという勧告を提供し、または第三のスコアが第二の既定カットオフ値より高い場合、NETはPRRTに応答しないだろうという勧告を提供する。
【0051】
幾つかの場合、第一の既定カットオフ値は5.9である。このカットオフ値は、ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3 の合計発現レベルがALG9の発現レベルの5.9倍であるという想定から導出される。
【0052】
幾つかの実施形態では、第二の既定カットオフ値は0である。
【0053】
一態様では、本開示は、低グレードまたは高グレードのNETを有する対象にPRRT処置の勧告を提供する方法に関し、該方法は以下を含む: (a) 対象からの試験サンプルを、少なくとも12個のバイオマーカーのそれぞれの発現レベルの検出に特異的な複数の剤と接触させることにより、該試験サンプルからの前記少なくとも12個のバイオマーカーのそれぞれの発現レベルを測定し、ここで前記12個のバイオマーカーはARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3, TECPR2および ALG9であり; (b) ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3, およびTECPR2 の発現レベルをALG9の発現レベルに対して正規化し、それによりARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3,およびTECPR2のそれぞれの正規化発現レベルを取得し; (c) ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3およびTECPR2のそれぞれの正規化発現レベルを合計し、それにより合計発現レベルを取得し;そして(d) 前記合計発現レベルが既定カットオフ値以上である場合に前記低グレードまたは高グレードのNETがPRRTに応答するだろうという勧告を提供し、または前記合計発現レベルが既定カットオフ値未満である場合に前記低グレードまたは高グレードのNETがPRRTに対して応答しないだろうという勧告を提供する。幾つかの実施形態では、既定カットオフ値は10.9である。
【0054】
別の態様において、本開示は、NETを有する対象にPRRT処置の勧告を提供する方法であって、この方法は以下を含む:(a) 対象からの試験サンプルを、少なくとも12個のバイオマーカーの発現レベルの検出に特異的な複数の剤と接触させることにより、該試験サンプルからの前記少なくとも12個のバイオマーカーのそれぞれの発現レベルを測定し、ここで前記12個のバイオマーカーはARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3, TECPR2 およびALG9を含み;(b) ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3およびTECPR2 のそれぞれの発現レベルをALG9の発現レベルに対して正規化し、それによりARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3およびTECPR2のそれぞれの正規化発現レベルを取得し; (c) ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3およびTECPR2 のそれぞれの正規化発現レベルを合計し、それにより合計発現レベルを取得し;そして(d) 合計発現レベルが既定カットオフ値以上である場合にNETがPRRTに応答するだろうという勧告を提供し、または合計発現レベルが既定カットオフ未満である場合にNETがPRRTに応答しないだろうという勧告を提供する。幾つかの実施形態では、既定カットオフ値が10.9である。
【0055】
別の態様において、本開示はNETを有する対象にPRRT処置の勧告を提供する方法に関し、この方法は以下を含む:(a) 対象からの試験サンプルを、少なくとも12個のバイオマーカーの発現レベルの検出に特異的な複数の剤と接触させることにより、該試験サンプルからの前記少なくとも12個のバイオマーカーのそれぞれの発現レベルを測定し、ここで前記12個のバイオマーカーは、ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3, TECPR2およびALG9を含み; (b) ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3およびTECPR2 のそれぞれの発現レベルをALG9の発現レベルに対して正規化し、それによりARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3およびTECPR2のそれぞれの正規化発現レベルを取得し; (c) ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2 PLD3, NAP1L1, NOL3およびTECPR2のそれぞれの正規化発現レベルを合計し、それにより合計発現レベルを取得し;(d) 第一のスコアを決定し、ここで前記合計発現レベルが第一の既定カットオフ値以上である場合に第一のスコアは1であり、または前記合計発現レベルが第一のカットオフ値未満である場合に第一のスコアは0であり;(e) NETの組織学的グレードに基づいて第二のスコアを決定し、ここでNETが高グレードと指定された場合に第二のスコアは1であり、またはNETが低グレードと指定された場合に第二のスコアは0であり;(f) 次の方程式に基づいて第三のスコアを算出し:
第三のスコア=39.22787-40.80341×(第一のスコア)-18.441×(第二のスコア);
そして(f) 第三のスコアが第二の既定カットオフ値未満である場合にNETがPRRTに応答するだろうという勧告を提供し、または第三のスコアが第二の既定カットオフ値より高い場合にNETがPRRTに応答しないだろうという勧告を提供する。幾つかの実施形態では、第一の既定カットオフ値が10.9である。幾つかの実施形態では、第二の既定カットオフ値が0である。
【0056】
応答者(すなわちNETがPRRTに応答する者)とは、本明細書に記載の方法により病気の安定化を果たすかまたは部分的応答を示すと予測される個体のことを指す。非応答者(すなわちNETがPRRTに応答しない者)とは、進行性疾患を示している個体を指す。
【0057】
試験サンプルは、対象から得られた任意の生物学的流体であることができる。好ましくは、試験サンプルは血液、血清、血漿または新生物組織である。幾つかの実施形態では、試験サンプルは血液である。幾つかの実施形態では、試験サンプルは血清である。幾つかの実施形態では、試験サンプルは血漿である。
【0058】
発現レベルは様々な方法で測定することができ、例えば限定されないが、特定の遺伝子によりコードされるmRNAを測定すること;特定の遺伝子によりコードされるタンパク質の量を測定すること;および特定の遺伝子によりコードされるタンパク質の活性を測定することが含まれる。
【0059】
バイオマーカーは、RNA、cDNAまたはタンパク質であることができる。バイオマーカーがRNAである時、RNAを逆転写してcDNAを生成することができ(例えばRT-PCRにより)、そして生成されたcDNAの発現レベルを検出する。バイオマーカーの発現レベルは、該バイオマーカーと標識プローブまたはプライマーとの間に複合体を形成させることにより検出することができる。バイオマーカーがRNAまたはcDNAである場合、RNAまたはcDNAと標識核酸プローブまたはプライマーとの間に複合体を形成させることにより、該RNAまたはcDNAを検出することができる。RNAまたはcDNAと標識核酸プローブまたはプライマーとの間の複合体は、ハイブリダイゼーション複合体であることができる。
【0060】
遺伝子発現はマイクロアレイ解析により検出することもできる。変動遺伝子発現を同定することもでき、あるいはマイクロアレイ技術を使って確証することができる。よって、バイオマーカーの発現プロファイルは、新鮮な組織または固定組織のいずれかにおいて、マイクロアレイ技術を使って測定することができる。この方法では、目的のポリヌクレオチド配列(cDNAとオリゴヌクレオチドを含む)がマイクロチップ基板上に塗抹または配置される。配置された配列は、次いで目的の細胞または組織からの特異的DNAプローブとハイブリダイズせしめられる。mRNAの起源は、典型的には生物学的試料から単離された全RNAであり、そして対応する正常組織または細胞系を用いて変動発現を検出することができる。
【0061】
マイクロアレイ技術の幾つかの実施形態では、cDNAクローンのPCR増幅挿入片が高密度アレイの形で基板に適用される。好ましくは、少なくとも10,000 ヌクレオチド配列が基板に適用される。各々10,000要素でマイクロチップ上に固定化されたマイクロアレイ遺伝子は、ストリンジェント(緊縮)条件下でのハイブリダイゼーションに適当である。蛍光標識されたcDNAプローブは、目的の組織から抽出したRNAの逆転写による蛍光ヌクレオチドの取り込みを通して作製することができる。チップに塗抹された標識cDNAプローブは、アレイ上のDNAの各スポットに対して特異的にハイブリダイズする。非特異的に結合したプローブを除去するためのストリンジェントな洗浄を行った後、マイクロアレイチップを、共焦点レーザー顕微鏡のような装置により、またはCCDカメラなどの別の検出法により、スキャンする。各々の配置された要素のハイブリダイゼーションを定量することにより、対応するmRNAの存在量の評価が可能である。二色蛍光を用いて、2つの起源に由来するRNAより作成された、別々に標識されたcDNAプローブが、対をなして該アレイにハイブリダイズする。かくして、各々特定された遺伝子に相当する2つの起源からの転写物の相対量が同時に決定される。マイクロアレイ解析は、市販の装置により、製造元のプロトコルに従って実施することができる。
【0062】
幾つかの実施形態では、バイオマーカーは、qRT-PCRを使って生物学的試料で検出することができる。RT-PCRによる遺伝子発現プロファイリングの第一段階は、生物学的試料からRNAを抽出し、続いてRNA鋳型をcDNAに逆転写し、そしてPCR反応により増幅することである。逆転写反応工程は、一般に、発現プロファイリングの目標によって、特異的プライマー、ランダムヘキサマー、またはオリゴ-dTプライマーを使ってプライムされる。2つの汎用される逆転写酵素は、トリ骨髄芽球症ウイルス逆転写酵素(AMV-RT)およびモロニーマウス白血病ウイルス逆転写酵素(MLV-RT)である。
【0063】
バイオマーカーがタンパク質である場合、該タンパク質と標識抗体との間に複合体を形成することにより、そのタンパク質を検出することができる。標識は任意の標識であることができ、例えば、蛍光標識、化学発光標識、放射能標識、等であることができる。タンパク質検出のための典型的方法としては、限定されないが、エンザイムイムノアッセイ(EIA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、ウエスタンブロット分析およびエンザイムリンクドイムノソルベントアッセイ(ELISA)が挙げられる。例えば、バイオマーカーはELISAで検出することができ、その場合にはバイオマーカー抗体を固相に結合し、そして酵素-抗体複合体を使用してサンプル中に存在するバイオマーカーを検出および/または定量する。あるいはウエスタンブロット分析を使用することができ、そこでは可溶化され分離されたバイオマーカーがニトロセルロース紙に結合される。高度に特異的で安定な、高感度の発色性基質との液体コンジュゲートの組み合わせは、迅速でかつ正確なサンプルの同定を可能にする。
【0064】
幾つかの実施形態では、本明細書中に記載の方法は、NETがPRRTに応答するだろうと予測される場合に対象にPRRTを施行することを更に含む。例えば、本開示の幾つかの態様によれば、当該方法は、合計発現レベルが既定カットオフ値以上である場合に、対象にPRRTを施行することを更に含む。本開示の別の態様によれば、当該方法は、第三のスコアが第二の既定カットオフ値以下である場合に、対象にPRRTを施行することを更に含む。PRRTでは、オクトレオチドと称される、細胞を標的するタンパク質(またはペプチド)が少量の放射性物質または放射性核種と組み合わされ、放射性ペプチドと呼ばれる特殊な形態の放射性医薬品が作出される。患者の血流中に注入されると、この放射性ペプチドは神経内分泌腫瘍細胞へと運ばれてそれに結合し、高線量の放射線を癌に送達する。
【0065】
NETがPRRTに応答しないだろうと予測される時、本明細書に記載の方法は、対象を一定期間に渡り、例えば1~6か月間に渡りモニタリングすることを更に含む。
【0066】
幾つかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、少なくとも75%, 80%, 85%, 90%, 91%, 92%, 93%, 94%, 95%, 96%, 97%, 98%または99%の特異性、感度、および/または精度を有することができる。
【0067】
本開示は、患者をぺプチド受容体放射性核種療法(PRRT)で処置する方法を提供し、ここで該対象は神経内分泌腫瘍(NET)を有し、この方法は以下を含む:対象からの試験サンプルを、少なくとも9個のバイオマーカーの発現の検出に特異的な複数の剤と接触させることにより、対象からの試験サンプルからの前記少なくとも9個のバイオマーカーのそれぞれの発現レベルを決定し、ここで前記少なくとも9個のバイオマーカーはARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3およびALG9を含み;ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2および PLD3 のそれぞれの発現レベルをALG9の発現レベルに対して正規化し、それによりARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2 および PLD3のそれぞれの正規化発現レベルを取得し; ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2およびPLD3のそれぞれの正規化発現レベルを合計し、それにより合計発現レベルを取得し;第一のスコアを決定し、ここで前記合計発現レベルが第一の既定カットオフ値以上である場合に第一のスコアは1であり、または前記合計発現レベルが第一の既定カットオフ値未満である場合に第一のスコアは0であり;組織学的グレードに基づいて第二のスコアを決定し、ここでNETが高グレードと指定された場合に第二のスコアは1であり、またはNETが低グレードと指定された場合に第二のスコアは0であり;次の方程式に基づいて第三のスコアを算出し:
第三のスコア=39.22787-40.80341×(第一のスコア)-18.441×(第二のスコア);そして第三のスコアが既定のカットオフ値以上である場合に対象にPRRTを施す。
【0068】
本開示はペプチド受容体放射性核種療法(PRRT)で対象を処置する方法を提供し、ここで該患者は神経内分泌腫瘍(NET)を有し、この方法は以下を含む:対象からの試験サンプルを、少なくとも12個のバイオマーカーの発現の検出に特異的な複数の剤と接触させることにより、試験サンプルからの前記少なくとも9個のバイオマーカーのそれぞれの発現レベルを決定し、ここで前記12個のバイオマーカーはARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3およびALG9を含み;ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2およびPLD3 のそれぞれの発現レベルをALG9に対して正規化し、それによりARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2およびPLD3およびのそれぞれの正規化発現レベルを取得し; ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2およびPLD3のそれぞれの正規化発現レベルを合計し、それにより合計発現レベルを取得し;第一のスコアを決定し、ここで前記合計発現レベルが第一の既定カットオフ値以上である場合に第一のスコアは1であり、または前記合計発現レベルが第一の既定カットオフ値未満である場合に第一のスコアは0であり;NETの組織学的グレードに基づいて第二のスコアを決定し、ここでNETが高グレードと指定された場合に第二のスコアは1であり、またはNETが低グレードと指定された場合に第二のスコアは0であり;次の方程式に基づいて第三のスコアを算出し:
第三のスコア=39.22787-40.80341×(第一のスコア)-18.441×(第二のスコア);そして第三のスコアが既定のカットオフ値以上である場合に対象にPRRTを施し、または第三のスコアが既定カットオフ値未満である場合に対象に代替形態の治療を施す。
【0069】
本開示はペプチド受容体放射性核種療法(PRRT)で対象を処置する方法を提供し、ここで該患者は神経内分泌腫瘍(NET)を有し、この方法は以下を含む:対象からの試験サンプルを、少なくとも12個のバイオマーカーの発現の検出に特異的な複数の剤と接触させることにより、試験サンプルからの前記少なくとも12個のバイオマーカーのそれぞれの発現レベルを決定し、ここで前記12個のバイオマーカーはARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3, TECPR2 およびALG9を含み; ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3 およびTECPR2 のそれぞれの発現レベルをALG9の発現レベルに対して正規化し、それによりARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3およびTECPR2のそれぞれの正規化発現レベルを取得し; ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3およびTECPR2 のそれぞれの正規化発現レベルを合計し、それにより合計発現レベルを取得し;第一のスコアを決定し、ここで前記合計発現レベルが第一の既定カットオフ値以上である場合に第一のスコアは1であり、または前記合計発現レベルが第一の既定カットオフ値未満である場合に第一のスコアは0であり;NETの組織学的グレードに基づいて第二のスコアを決定し、ここでNETが高グレードと指定された場合に第二のスコアは1であり、またはNETが低グレードと指定された場合に第二のスコアは0であり;次の方程式に基づいて第三のスコアを算出し:
第三のスコア=39.22787-40.80341×(第一のスコア)-18.441×(第二のスコア);そして第三のスコアが既定カットオフ値以上である場合に対象にPRRTを施す。
【0070】
本開示はペプチド受容体放射性核種療法(PRRT)で対象を処置する方法を提供し、ここで該患者は神経内分泌腫瘍(NET)を有し、この方法は以下を含む:対象からの試験サンプルを、少なくとも12個のバイオマーカーの発現の検出に特異的な複数の剤と接触させることにより、試験サンプルからの前記少なくとも12個のバイオマーカーのそれぞれの発現レベルを決定し、ここで前記12個のバイオマーカーはARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3, TECPR2 およびALG9を含み; ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3およびTECPR2 のそれぞれの発現レベルをALG9の発現レベルに対して正規化し、それによりARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3およびTECPR2のそれぞれの正規化発現レベルを取得し; ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3およびTECPR2 のそれぞれの正規化発現レベルを合計し、それにより合計発現レベルを取得し;第一のスコアを決定し、ここで前記合計発現レベルが第一の既定カットオフ値以上である場合に第一のスコアは1であり、または前記合計発現レベルが第一の既定カットオフ値未満である場合に第一のスコアは0であり;NETの組織学的グレードに基づいて第二のスコアを決定し、ここでNETが高グレードと指定された場合に第二のスコアは1であり、またはNETが低グレードと指定された場合に第二のスコアは0であり;次の方程式に基づいて第三のスコアを算出し:
第三のスコア=39.22787-40.80341×(第一のスコア)-18.441×(第二のスコア);そして第三のスコアが既定のカットオフ値以上である場合に対象にPRRTを施し、または第三のスコアが既定カットオフ値未満である場合に対象に代替形態の治療を施す。
【0071】
本開示はペプチド受容体放射性核種療法(PRRT)で対象を処置する方法を提供し、ここで該患者は神経内分泌腫瘍(NET)を有し、この方法は以下を含む:対象からの試験サンプルを、少なくとも12個のバイオマーカーの発現の検出に特異的な複数の剤と接触させることにより、試験サンプルからの前記少なくとも12個のバイオマーカーのそれぞれの発現レベルを決定し、ここで前記12個のバイオマーカーはARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3, TECPR2 およびALG9を含み ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3およびTECPR2 のそれぞれの発現レベルをALG9の発現レベルに対して正規化し、それによりARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3およびTECPR2のそれぞれの正規化発現レベルを取得し; ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3およびTECPR2 のそれぞれの正規化発現レベルを合計し、それにより合計発現レベルを取得し;そして前記合計発現レベルが既定カットオフ値以上である場合に対象にPRRTを施す。
【0072】
本開示は、本開示はペプチド受容体放射性核種療法(PRRT)で対象を処置する方法を提供し、ここで該患者は神経内分泌腫瘍(NET)を有し、この方法は以下を含む:対象からの試験サンプルを、少なくとも12個のバイオマーカーのそれぞれの発現の検出に特異的な複数の剤と接触させることにより、試験サンプルからの前記少なくとも12個のバイオマーカーの発現レベルを決定し、ここで前記12個のバイオマーカーはARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3, TECPR2およびALG9を含み; ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3およびTECPR2 のそれぞれの発現レベルをALG9の発現レベルに対して正規化し、それによりARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3およびTECPR2のそれぞれの正規化発現レベルを取得し; ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3およびTECPR2のそれぞれの正規化発現レベルを合計し、それにより合計発現レベルを取得し;そして前記合計発現レベルが既定のカットオフ値以上である場合に対象にPRRTを施し、または前記合計発現レベルが既定カットオフ値未満である場合に対象に代替形態の治療を施す。
【0073】
本開示は、ペプチド受容体放射性核種療法(PRRT)で対象を処置する方法を提供し、該患者は低グレードまたは高グレードの神経内分泌腫瘍(NET)を有し、この方法は以下を含む:対象からの試験サンプルを、少なくとも12個のバイオマーカーの発現の検出に特異的な複数の剤と接触させることにより、試験サンプルからの少なくとも12個のバイオマーカーのそれぞれの発現レベルを決定し、ここで前記12個のバイオマーカーはARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3, TECPR2およびALG9を含み; ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3およびTECPR2 のそれぞれの発現レベルをALG9の発現レベルに対して正規化し、それによりARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3および TECPR2のそれぞれの正規化発現レベルを取得し;ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3およびTECPR2のそれぞれの正規化発現レベルを合計し、それにより合計発現レベルを取得し;そして前記合計発現レベルが既定カットオフ値以上である場合に対象にPRRTを施し、または前記合計発現レベルが既定カットオフ値未満である場合に対象に代替形態の治療を施す。
【0074】
本開示は、ペプチド受容体放射性核種療法(PRRT)で対象を処置する方法を提供し、該患者は低グレードまたは高グレードの神経内分泌腫瘍(NET)を有し、この方法は以下を含む:対象からの試験サンプルを、少なくとも12個のバイオマーカーの発現の検出に特異的な複数の剤と接触させることにより、試験サンプルからの少なくとも12個のバイオマーカーのそれぞれの発現レベルを決定し、ここで前記12個のバイオマーカーはARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3, TECPR2およびALG9を含み; ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3およびTECPR2 のそれぞれの発現レベルをALG9の発現レベルに対して正規化し、それによりARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3および TECPR2のそれぞれの正規化発現レベルを取得し;ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3, NAP1L1, NOL3およびTECPR2のそれぞれの正規化発現レベルを合計し、それにより合計発現レベルを取得し;そして前記合計発現レベルが既定カットオフ値以上である場合に対象にPRRTを施し、または前記合計発現レベルが既定カットオフ値未満である場合に対象に代替形態の治療を施す。
【0075】
本開示は、ペプチド受容体放射性核種療法(PRRT)で対象を処置する方法を提供し、ここで該対象は低グレードまたは高グレードの神経内分泌腫瘍(NET)を有し、この方法は以下を含む:対象からの試験サンプルを、少なくとも9個のバイオマーカーの発現の検出に特異的な複数の剤と接触させることにより、対象からの試験サンプルからの前記少なくとも9個のバイオマーカーのそれぞれの発現レベルを決定し、ここで前記9個のバイオマーカーはARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3およびALG9を含み; ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2,および PLD3 のそれぞれの発現レベルをALG9の発現レベルに対して正規化し、それによりARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2 および PLD3のそれぞれの正規化発現レベルを取得し;ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2およびPLD3のそれぞれの正規化発現レベルを合計し、それにより合計発現レベルを取得し;そして前記合計発現レベルが既定カットオフ値以上である場合に対象にPRRTを施行する。
【0076】
本開示は、ペプチド受容体放射線核種療法(PRRT)により対象を処置する方法であって、該対象は低グレードまたは高グレードの神経内分泌腫瘍(NET)を有し、この方法は以下を含む:対象からの試験サンプルを、少なくとも9個のバイオマーカーの発現の検出に特異的な複数の剤と接触させることにより、該試験サンプルからの少なくとも9個のバイオマーカーのそれぞれの発現レベルを決定し、ここで前記9個のバイオマーカーはARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2, PLD3およびALG9を含み; ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2およびPLD3 のそれぞれの発現レベルをALG9の発現レベルに対して正規化し、それによりARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2および PLD3のそれぞれの正規化発現レベルを取得し; ARAF1, BRAF, KRAS, RAF-1, ATP6V1H, OAZ2, PANK2およびPLD3の正規化発現レベルを合計し、それにより合計発現レベルを取得し;そして前記合計発現レベルが既定カットオフ値以上である場合に対象にPRRTを施し、または前記合計発現レベルが既定カットオフ値未満である場合に対象に代替形態の療法を施す。
【0077】
本開示の方法では、対象へのPRRTの施行は、177LuベースのPRRTを施すことを含む。177LuベースのPRRTは177Lu-DOTA-Tyr3-Thr8-オクトレオチド(ルタセラ(Lutathera))であることができる。
【0078】
本開示の方法では、177Lu-DOTA-Tyr3-Thr8-オクトレオチドは、約7.4 GBq (200 mCi) の線量で、8週間ごとに約1回、合計約4回投与することができる。177Lu-DOTA-Tyr3-Thr8-オクトレオチドは、約6.5 GBq の線量で、8週間毎に約1回、合計4回投与することができる。177Lu-DOTA-Tyr3-Thr8-オクトレオチドは、約4.6 GBq の線量で、8週間毎に約1回、合計約4回投与することができる。177Lu-DOTA-Tyr3-Thr8-オクトレオチドは、約3.2 GBq (100 mCi) の線量で、8週間毎に約1回、合計約4回投与することができる。177Lu-DOTA-Tyr3-Thr8-オクトレオチドは、約3.7 GBqの線量で、8週間毎に約1回合計約4回投与することができる。
【0079】
本開示の方法では、PRRTは静脈内に施すことができる。あるいは、PRRTは動脈内に施すことができる。
【0080】
本開示の方法では、177LuベースのPRRTは静脈内に施すことができる。あるいは、177LuベースのPRRTは動脈内に施すことができる。
【0081】
本開示の方法では、代替形態の治療は、対象に化学療法を施すことを含み得る。代替形態の治療は、対象に免疫療法を施すことを含み得る。代替形態の治療は、対象に放射線療法を施すことを含み得る。代替形態の治療は、対象にPRRT と化学療法の組み合わせを施すことを含み得る。代替形態の治療は、対象にPRRTと免疫療法の組み合わせを施すことを含み得る。代替形態の治療は、対象にPRRTと放射線療法の組み合わせを施すことを含み得る。代替形態の治療は、対象にPRRT、免疫療法および放射線療法の組み合わせを施すことを含み得る。代替形態の治療は、対象にPRRT、免疫療法、化学療法および放射線療法の組み合わせを施すことを含み得る。代替形態の治療は、対象に免疫療法と化学療法の組み合わせを施すことを含み得る。
【0082】
免疫療法は、チェックポイント阻害剤を投与することを含み得る。チェックポイント阻害剤は抗体を含み得る。チェックポイント阻害剤としては、限定されないが、抗CTLA4抗体、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、抗A2AR 抗体、抗B7-H3抗体、抗B7-H4抗体、抗BTLA 抗体、抗IDO抗体、抗KIR抗体、抗LAG3抗体、抗TIM3抗体および抗VISTA (T細胞活性化のVドメインIgサプレッサー)抗体が挙げられる。
【0083】
抗CTLA4 抗体には、イピリムマブ、トレメリムマブおよびAGEN-1884が含まれるが、これらに限定されない。抗PD-1抗体には、限定されないが、ペンブロリズマブ、ニボルマブ・ピジリズマブ、セミプリマブ、REGN2810, AMP-224, MEDI0680, PDR001およびCT-001が含まれる。抗PD-L1 抗体には、限定されるものではないが、アテゾリズマブ、アベルマブおよびデュルバルマブが含まれる。抗CD137 抗体には、限定されるものではないが、ウレルマブが含まれる。抗B7-H3抗体には、限定されないが、MGA271が含まれる。抗KIR抗体には、限定されないが、リリルマブが含まれる。抗LAG3 抗体には、限定されないが、BMS-986016が含まれる。
【0084】
用語「免疫療法」は、活性化免疫療法または抑制型免疫療法を指すことができる。当業者に理解されるように、活性化免疫療法は、例えばT細胞応答をはじめとする免疫応答を誘導、増強または促進する治療薬の使用を指し、一方で抑制型免疫応答は、例えばT細胞応答をはじめとする免疫応答を妨害、抑制または阻害する。活性化免疫療法は、チェックポイント阻害剤の使用を含み得る。活性化免疫療法は、刺激性チェックポイント分子を活性化する治療薬を対象に投与することを含み得る。刺激性チェックポイント分子としては、限定されないが、CD27, CD28, CD40, CD122, CD137, OX40, GITRおよびICOSが挙げられる。刺激性チェックポイント分子を活性化する治療薬には、限定されるものではないが、MEDI0562, TGN1412, CDX-1127, リポカリンが含まれる。
【0085】
本明細書における用語「抗体」は、最も広い意味で使用され、様々な抗体構造を包含し、例えば限定されるものではないが、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば二重特異性抗体)、およびそれらが所望の抗原結合活性を示す限り、抗体フラグメントを含む。標的に結合する抗体は、その抗体が標的をターゲティングする上で診断薬および/または治療薬として有用であるように十分な親和性で標的に結合することができる抗体を指す。一実施形態では、抗標的抗体が無関係の非標的タンパク質に結合する程度は、例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)またはBiacoreアッセイによって測定されるように、抗体の標的への結合の約10%未満である。特定の実施形態では、標的に結合する抗体は、 <1 μΜ, <100 nM, <10 nM, <1 nM, <0.1 nM, <0.01 nMまたは<0.001 nM (例えば108M 未満、例えば108M ~1013M、例えば109M~1013M)の解離定数(Kd)を有する。特定の実施形態では、抗標的抗体は、異なる種間で保存される標的のエピトープに結合する。
【0086】
「遮断抗体」または「アンタゴニスト抗体」は、それが結合する抗原の正常な生物活性を部分的または完全に遮断、阻害、干渉または中和するものである。例えば、アンタゴニスト抗体は、免疫細胞受容体(例えばT細胞受容体)を介したシグナル伝達を遮断し、機能不全状態から抗原刺激状態へのT細胞による機能的応答(例えば増強、サイトカイン産生、標的細胞致死)を回復することができる。
【0087】
「アゴニスト抗体」または「活性化抗体」は、それが結合する抗原の正常な生物学的活性を模倣、促進、刺激または増強するものである。アゴニスト抗体はまた、それが結合する抗原によるシグナル伝達を増強または開始することができる。幾つかの実施形態では、アゴニスト抗体は、天然リガンドが存在しなくてもシグナル伝達を引き起こすかまたは活性化する。例えば、アゴニスト抗体は、記憶T細胞の増殖を増加させ、記憶T細胞によるサイトカイン産生を増加させ、調節性T細胞機能を阻害し、そして/またはエフェクターT細胞増殖および/またはサイトカイン産生などのエフェクターT細胞機能の調節性T細胞抑制を阻害する。
【0088】
「抗体フラグメント」は、完全抗体が結合する抗原と結合する完全抗体の一部分を含む、完全抗体以外の分子を指す。抗体フラグメントの例としては、Fv、Fab、Fab'、Fab'-SH、F(ab')2;ダイアボディ;直鎖抗体;一本鎖抗体分子(例えばscFv);および抗体フラグメントから形成される多重特異的抗体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0089】
対象への化学療法剤の投与は、治療有効量の少なくとも1つの化学療法剤を投与することを含みうる。化学療法剤には、限定されないが、13-cis-レチノイン酸、2-CdA、2-クロロデオキシアデノシン、5-アザシチジン、5-フルオロウラシル、5-FU、6-メルカプトプリン、6-MP、6-TG、6-チオグアニン、アベマシクリブ、アビラテロン酢酸エステル、アブラキサン、アキュテイン、アクチノマイシン-D、アドセトリス、アド-トラスツズマブ・エムタンシン、アドリアマイシン、アドルシル、アファチニブ、アフィニトール、アグリリン、Ala-コート、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アレセンサ、アレクチニブ、アリムタ、アリトレチノイン、アルカバン-AQ、アルケラン、All-トランスレチノイン酸、αインターフェロン、アルトレタミン、アルンブリグ、アメトプテリン、アミホスチン、アミノグルテチミド、アナグレリド、アナンドロン、アナストロゾール、アパルタミド、アラビノシルシトシン、Ara-C、アラネスプ、アレディア、アリミデクス、アロマシン、アラノン、三酸化ヒ素、アルゼラ、アスパラギナーゼ、アテゾリズマブ、アトラ、アバスチン、アベルマブ、アキシカプタジェン・シロロイセル、アキシチニブ、アザシチジン、バベンシオ、Bcg、ベレオダク、ベリノスタット、ベンダムスチン、ベンデカ、ベスポンサ、ベバシズマブ、ベキサロテン、ベキサール、ビカルタミド、BiCNU、ブレノキサン、ブレオマイシン、ブリナツモマブ、ブリンサイト、ボルテゾミブ、ボスリフ、ボスチニブ、ブレンツキシマブ・ベドチン、ブリガチニブ、ブスルファン、ブスルフェクス、C225、カバジタキセル、カボザンチニブ、ロイコボリンカルシウム、カンパス、カンプトサル、カンプトテシン-11、カペシタビン、カプレルサ、カラク、カルボプラチン、カルフィルゾミブ、カルムスチン、カルムスチンウエファ、カソデックス、CCI-779、CcNU、Cddp, Ceenu、セチリニブ、セルビジン、セツキシマブ、クロラムブシル、シスプラチン、シトロボラム因子、クラドリビン、クロファラビン、クロラー、コビメチニブ、コメトリク、コルチゾン、コスメゲン、コテリック、Cpt-11、クリゾチニブ、シクロホスファミド、シラムザ、シタドレン、シタラビン、シタラビン・リポソーム製剤、サイトサールU、シトキサン、ダブラフェニブ、ダカルバジン、ダコゲン、ダクチノマイシン、ダラツムマブ、ダルベポエチンα、ダルザレクス、ダサチニブ、ダウノマイシン、ダウノルビシン、ダウノルビシン・シタラビン(リポソーム製剤)、、ダウノルビシン塩酸塩、ダウノルビシンリポソーム製剤、ダウノキソム、デカドロン、デシタビン、デガレリクス、δ-コルテフ、デルタゾン、デニロイキン・ジフチトックス、デノスマブ、DepoCyt、デキサメタゾン、デキサメタゾン酢酸エステル、デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム、デキサゾン、デクスラゾキサン、Dhad、Dic、ディオデックス、ドセタキセル、ドキシル、ドキソルビシン、ドキソルビシン・リポソーム製剤、ドロキシア、DTIC、Dtic-Dome、デュラロン、デュルバルマブ、エクリズマブ、エフデックス、エレンス、エロツズマブ、エロキサチン、エルスパル、エルトロムボパグ、Emcyt、エムプリシティ、エナシデニブ、エンザルタミド、エピルビシン、エポエチンα、アービタックス、エリブリン、エリベジ、エルレーダ、エルロチニブ、エルウィニアL-アスパラギナーゼ、エスタラムスチン、エチオール、エトポフォス、エトポシド、エトポシドリン酸エステル、エウレキシン、エベロリムス、エビスタ、エキセメスタン、ファレストン、ファリダック、ファスロデクス、フェマラ、フィルグラスチン、ファーマゴン、フロクスウリジン、フルダラ、フルダラビン、フルオロプレックス、フルオロウラシル、フルオロウラシル(クリーム)、フルオキシメステロン、フルタミド、フォリン酸、フォロチン、FUdR、フルベストラント、G-Csf、ガザイバ、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲムツズマブ・オゾガミシン、ゲムザー、ジロトリフ、グリーベク、グレオスチン、グリアデルウエファ、Gm-Csf、ゴセレリン、グラニクス、顆粒球コロニー刺激因子、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、ハラヴェン、ハロテスチン、ハーセプチン、ヘキサドロール、ヘキサレン、ヘキサメチルメラミン、Hmm、ハイカムチン、ハイドレア、ヒドロコート酢酸エステル、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン・リン酸エステルナトリウム、ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウム、ヒドロコルトンリン酸エステル、ヒドロキシ尿素、イブランス、イブリツモマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、イブルチニブ、イクルシグ、イダマイシン、イダルビシン、イデラリシブ、Idhifa, Ifex, IFN-α、イホスファミド、IL-11、IL-2、イムブルビカ、イマチニブメシル酸塩、イムフィンジ、イミダゾールカルボキサミド、Imlygic, Inlyta, イノツズマブ・オゾガマイシン、インターフェロンα、インターフェロンα-2b (PEG コンジュゲート)、インターロイキン-2、インターロイキン-11、イントロンA (インターフェロンα-2b)、イピリムマブ、イレッサ、イリノテカン、イリノテカン(リポソーム製剤)、イソトレチノイン、イストダックス、イクサベピロン、イクサゾミブ、イクセンプラ、ジャカフィ、ジェブタナ、カドサイラ、キートルダ、キドロラーゼ、キスカリ、キムリア、キプロリス、ラナコート、ランレオチド、ラパチニブ、ラートルボ、L-アスパラギナーゼ、ルブランス、Lcr、レナリドミド、レンバチニブ、レンビマ、レトロゾール、ロイコボリン、ロイケラン、ロイキン、ロイプロリド、ロイロクリスチン、ロイスタチン、リポソームAra-C、液体Pred、ロムスチン、ロンサーフ、L-PAM、L-サルコリシン、ルプロン、ルプロン・デポ剤、リンパルザ、マーキボ、マツラン、マキシデクス、メクロレタミン、メクロレタミン塩酸塩、メドラロン、メドロール、メガース、メゲストロール、メゲストロール酢酸エステル、メキニスト、メルカプトプリン、メスナ、メスネクス、メトトレキサート、メトトレキサートナトリウム、メチルプレドニゾロン、メチコルテン、ミドスタウリン、マイトマイシン、マイトマイシンC、ミトキサントロン、M-プレドニゾール、MTC、MTX、ムスターゲン、ムスチン、ムタマイシン、ミレラン、マイロセル、マイロターグ、ナベルビン、ネシツムマブ、ネララビン、ネオサール、ネラチニブ、ネルリンクス、ノイラスタ、ノイメガ、ニューポジェン、ネクサバール、ニランドロン、ニロチニブ、ニルタミド、ニンラロ、ニペント、ニラパリブ、ナイトロジェンマスタード、ニボルマブ、ノルバデックス、ノバントロン、Nplate、オビヌツズマブ、オクトレオチド、オクトレオチド酢酸塩、オドムゾ、オファツムマブ、オラパリブ、オララツマブ、オマセタキシン、オンコスパー、オンコビン、オニバイド、オンタック、オンキサール、オプジーボ、オプレルベキン、オラプレド、オラゾン、オシメルチニブ、Otrexup, オキサリプラチン、パクリタキセル、パクリタキセル蛋白結合型、パルボシクリブ、パミドロネート、パニツムマブ、パノビノスタット、パンレチン、パラプラチン、パゾパニブ、ペディアプレド、ペグインターフェロン、ペグアスパルガーゼ、ペグフィルグラスチム、ペグイントロン、PEG-L-アスパラギナーゼ、ペンブロリズマブ、ペメトレキセド、ペントスタチン、パージェンタ、ペルツズマブ、フェニルアラニンマスタード、プラチノール、プラチノール-AQ、ポマリドミド、ポマリスト、ポナチニブ、ポートラザ、プララトレキサート、プレドニゾロン、プレドニゾン、プレロン、プロカルバジン、プロクリット、プロロイキン、プロリア、カルムスチン・インプラント in プロリフェプロスパン20、プロマクタ、プロベンジ、プリネトール、ラジウム223二塩化物、ラロキシフェン、ラムシルマブ、ラスボ、レゴラフェニブ、レブリミド、リウマトレクス、リボシクリブ、リツキサン、リツキサン・ハイセラ、リツキシマブ、リツキシマブ・ヒアルロジナーゼ、ロフェロン-A (インターフェロンα-2a)、ロミデプシン、ロミプロスチム、リベックス、ルブラカ、ルカパリブ、ルキソリチニブ、リダプト、サンドスタチン、サンドスタチンLAR、サルグラモスチム、シルツキシマブ、シプロイセル-T、ソリリス、ソル-コルテフ、ソル-メドロール、ソマツリン、ソニデジブ、ソラフェニブ、スプライセル、Sti-571、スチバルガ、ストレプトゾシン、SU11248、スニチニブ、スーテント、シルバント、シンリボ、タフィンラー、タグリッソ、タリモジン・ラヘルパレプベック、タモキシフェン、タルセバ、タルグレチン、タシグナ、タキソール、タキソテール、テセントリク、テモダール、テモゾロミド、テムシロリムス、テニポシド、テスパ、タリドミド、タロミド、テラシス、チオグアニン、チオグアニン・タブロイド、チオホスホアミド、チオプレックス、チオテパ、タイス、チサゲンレクロイセル、トポサール、トポテカン、トレミフェン、トリセル、トシツモマブ、トラベクテジン、トラメチニブ、トラスツズマブ、トレアンダ、トレルスター、トレチノイン、トレキサール、トリフルリジン/チピリシル、トリプトレリンパモ酸塩、トリセノクス、Tspa, T-VEC, Tykerb, バルルビシン、バルスター、バンデタニブ、VCR、ベクチビックス、ベルバン、ベルケイド、ベムラフェニブ、ベンクレクスタ、ベネトクラックス、ベプシド、ベルゼニオ、ベサノイド、ビアズール、ビダーザ、ビンブラスチン、ビンブラスチン硫酸塩、ビンカサールPfs、ビンクリスチン、ビンクリスチンリポソーム製剤、ビノレルビン、ビノレルビン酒石酸塩、ビスモデギブ、Vlb、VM-26、ボルノスタット、ボトリエント、VP-16、Vumon, Vyxeos, キサルコリカプセル剤、キセローダ、キシゲバ、キソフィゴ、キシタンディ、ヤーボイ、イエスカータ、ヨンデリス、ザルトラップ、ザノスター、ザルキシオ、ゼジュラ、ゼルボラフ、ゼバリン、ジネカード、Ziv-アフリベルセプト、ゾラデックス、ゾレドロン酸、ゾリンザ、ゾメタ、ザイデリグ、ザイカディア、ザイティガ、またはそれらの任意組み合わせが含まれる。
【0090】
表1は、バイオマーカー/ハウスキーパー配列情報を表す。各バイオマーカーに同定されたアンプリコン位置に下線が引かれている。
【0091】
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【表1-9】
【表1-10】
【表1-11】
【表1-12】
【表1-13】
【表1-14】
【表1-15】
【0092】
定義
【0093】
冠詞「a」および「an」は、本開示ではその冠詞の文法的対象の1または複数(すなわち少なくとも1)を指すために用いられる。一例として、「1つの要素」は1要素または複数要素を意味する。
【0094】
用語「および/または」は、本開示では、異なって指摘されない限り、「および」か「または」のいずれかを意味するために用いられる。
【0095】
本明細書中で用いる時、用語「ポリヌクレオチド」および「核酸分子」とは、長さが少なくとも10塩基または塩基対であるポリマー型のヌクレオチド(リボヌクレオチドもしくはデオキシヌクレオチドのいずれか)、またはいずれかのタイプのヌクレオチドの修飾形態を意味し、一本鎖および二本鎖型のDNAを包含するものとする。本明細書では、マイクロアレイ解析でプローブとして機能する核酸分子または核酸配列は、好ましくは、ヌクレオチドの鎖、より好ましくはDNAおよび/またはRNAを含む。別の態様では、核酸分子または核酸配列は、例えばDNA/RNAヘリックス、ペプチド核酸(PNA)、ロックド核酸(LNA)および/またはリボザイムなどといった他の種類の核酸構造を含む。従って、本明細書において使用する用語「核酸分子」は、天然ヌクレオチドと同じ機能を呈する非天然ヌクレオチド、修飾ヌクレオチドおよび/または非ヌクレオチド構成単位を含む鎖も包含する。
【0096】
ポリヌクレオチドに関連して本明細書中で使用する用語「ハイブリダイズする」(hybridize、hybridizing、hybridizesなど)は、従来のハイブリダイゼーション条件、好ましくは、50%ホルムアミド/6×SSC/0.1%SDS/100μg/mL ssDNAでのハイブリダイゼーションであって、ここでハイブリダイゼーション温度が37℃を上回り、0.1×SSC/0.1%SDS中での洗浄温度が55℃を上回る条件、最も好ましくは緊縮(ストリンジェント)ハイブリダイゼーション条件を指すものとする。
【0097】
本明細書中で用いる時、「正規化」または「正規化群」という用語は、サンプル中のバイオマーカー濃度の生物学的変動ではなく、むしろサンプル処理、サンプル調製および測定法による技術的変動から生じる影響に対して調整するための基準値に関する差分値の表現を指す。例えば、発現変動タンパク質の発現を測定する時、そのタンパク質の発現についての絶対値は、発現が実質的に一定である標準タンパク質の発現の絶対値に関連して表現される。
【0098】
用語「診断」および「診断法」とは、それぞれ「予後予測」および「予後予測法」という用語を包含し、並びに2以上の時点に渡る診断および/または経時的に予後をモニターするそのような手順の適用、および統計的モデル化も包含する。更に、診断という用語は、(a)予測予測(患者が侵攻性疾患(過剰増殖性/侵襲性)を発症する可能性があるかどうかを判定すること)、(b)予後(患者が将来の予め選択された時点で、より良性または悪性のアウトカムを有する可能性があるかどうかを推測すること)、(c)療法選択、(d)治療薬モニタリング、および(e)再燃モニタリングを包含する。
【0099】
生物学的試料に関して本明細書において使用する「提供する」という用語は、対象から生物学的試料を直接的または間接的に得ることを指す。例えば、「提供する」とは、対象から生物学的試料を(例えば採血、組織生検、灌注などにより)直接的に得る行為を指すことができる。同様に、「提供する」とは、生物学的試料を間接的に得る行為も指すことができる。例えば、提供するとは、試料を直接的に得た当事者から試料を受け取るという研究所の行為、または保存機関から試料を得る行為を指すことができる。
【0100】
「精度」とは、測定または算出された量(試験報告値)がその実際の(すなわち真の)値に一致する程度を指す。臨床的精度は、真のアウトカム(真陽性(TP)または真陰性(TN))と、誤判別されたアウトカム(偽陽性(FP)または偽陰性(FN))との比率に関係し、他の尺度の中でも特に感度、特異度、陽性予測値(PPV)もしくは陰性予測値(NPV)、または尤度、オッズ比などと呼ばれ得る。
【0101】
本明細書において使用する用語「生物学的試料」は、潜在的に1または複数のバイオマーカーを含有する、生物学的起源の任意の試料を指す。生物学的試料の例には、組織、器官または体液、例えば全血、血漿、血清、組織、洗浄液、または疾患の検出に使用される他の任意の検体が含まれる。
【0102】
本明細書において使用する用語「対象」は、哺乳動物、好ましくはヒトを指す。
【0103】
状態に関して本明細書において使用する「処置する」または「処置」とは、その状態を予防すること、その状態の開始または発生速度を遅らせること、その状態が発生するリスクを低減すること、その状態に関連する症状の発生を予防するまたは遅らせること、その状態に関連する症状を低減するまたは終わらせること、その状態の完全なまたは部分的な退縮を生じさせること、またはそれらの任意の組み合わせを指すことができる。
【0104】
バイオマーカーレベルは疾患の処置が原因で変化しうる。バイオマーカーレベルの変化は本発明によって測定可能である。バイオマーカーレベルの変化は、疾患または治療の進行をモニタリングするために使用することができる。
【0105】
「安定疾患」という用語は、NETの存在に関する診断を指すが、NETは処置されており、安定状態を保っているもの、すなわち、画像化データおよび/または最善の臨床的判断により判定した場合に進行性でないものを指す。
【0106】
「進行性疾患」という用語は、NETの高活動性状態の存在に関する診断、すなわち画像化データおよび/または最善の臨床判断により判定した場合に、処置されておらず安定していないか、処置されたが治療に応答していないか、処置されたが活動性の疾患が残っているものを指す。
【0107】
剤または化合物の用途「有効量」と「治療有効量」という用語は、非毒性であるが所望の効果またはベネフィットを提供するのに十分である活性剤または化合物の量を指すために最も広い意味で用いられる。
【0108】
用語「ベネフィット(有益性)」は、最も広い意味で用いられ、任意の望ましい効果を指し、具体的には本明細書中で定義されるような臨床的有益性を包含する。臨床的有益性は、様々な評価項目(エンドポイント)、例えば病気の進行のある程度の阻害、例えば減速および完全な静止;病歴および/または症状の数の減少;病変サイズの減少;近傍の末梢器官および/または組織中の病的細胞浸潤の阻害(すなわち低減、遅延または完全な停止);疾患の拡張の阻害(すなわち低減、遅延または完全な停止);病変の退縮または緩和をもたらし得るが必ずしもそうとは限らない自己免疫応答の減少;障害に関連する1以上の症状のある程度の緩和;治療後に無病状態を提示する長さの増加、例えば進行のない生存の増加;生存率の増加;高い応答率;および/または処置後の所定の時点での死亡率の減少が挙げられる。
【0109】
「癌」および「癌性」という用語は、典型的にはアップレギュレートされた細胞増殖により特徴づけられる哺乳動物の生理的状態を指すまたは説明する。この定義に含まれるのは良性の癌と悪性の癌である。癌の例としては、限定されないが、癌腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫および白血病が挙げられる。そのような癌のより具体例は、副腎皮質癌、膀胱尿路上皮癌、胸部侵襲性癌、頸部扁平上皮細胞癌、子宮頸管腺癌、胆管癌、結腸腺癌、リンパ系腫瘍大細胞型B細胞リンパ腫、食道癌、多形性膠芽腫、頭頸部扁平細胞癌、色素嫌性腎臓癌、腎明細胞癌、腎乳頭細胞癌、急性骨髄性白血病、脳の軽度神経膠腫、肝細胞癌、肺腺癌、肺扁平細胞癌、中皮腫、卵巣漿液性嚢胞腺癌、膵臓腺癌、褐色細胞腫、傍神経節腫、前立腺腺癌、直腸腺癌、肉腫、皮膚黒色腫、胃腺癌、精巣生殖細胞腫、甲状腺癌、胸腺腫、子宮癌、ブドウ膜黒色腫を含む。別の例としては、乳癌、肺癌、リンパ腫、黒色腫、肝臓癌、結腸直腸癌、卵巣癌、膀胱癌、腎臓癌または胃癌が挙げられる。癌の更なる例としては、神経内分泌癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、小細胞肺癌、甲状腺癌、子宮内膜癌、胆管癌、食道癌、肛門癌、唾液腺癌、外陰癌または子宮頸癌が挙げられる。
【0110】
用語「腫瘍」は、悪性か良性かに関係なく、全ての腫瘍性細胞増殖および繁殖、並びに全ての前癌および癌性の細胞と組織を指す。用語「癌」、「癌性」、「細胞増殖性疾患」および「腫瘍」は、本明細書に言及される通り相互排他的ではない。
【0111】
本明細書と添付の特許請求の範囲で使用する場合、単数形の「1つの(a、an)」および「その(the)」は、文脈が明白に異なって指示しない限り、複数形も包含する。
【0112】
特に断らない限りまたは文脈から明白でない限り、本明細書中で用いられる「または(or)」という用語は、「または」と「および」の両方を包含するものとして解釈される。
〔実施例〕
【0113】
本開示は次の実施例により例証されるが、それは本開示の範囲または精神を本明細書中に記載される特定の手順に限定するものとして解釈すべきではない。様々な別の実施形態、変更および均等物に頼らなければならないことを更に理解すべきであり、それら自身を本開示の精神および/または添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、当業者に示唆することができる。
【0114】
実施例1
【0115】
RRT予測率(PPQ)の誘導:グレードと組み合わせた8マーカー遺伝子パネル
【0116】
PRRT予測的中率 (PPQ) は、増殖因子の発現/代謝に関与する遺伝子の発現(表2)および組織のグレード(悪性度)を含む。それは2つのバイオマーカー出力―「陽性」(または予測応答者)および「陰性」(または予測非応答者)を提供する。このモデルは、54名の患者の初期コホートから開発され、次いで4つの異なる個別コホート(n=214)において検証した。
【0117】
【0118】
2段階プロトコル(RNA単離、cDNA産生、およびPCR)を用いて、増殖因子(GF)関連遺伝子(ARAF1, BRAF, KRAS および RAF-1)、代謝(M)に関与する遺伝子(ATP6V1H, OAZ2, PANK2 およびPLD3)および場合により複製(P)に関与する遺伝子(NAP1L1, NOL3,およびTECPR2)の発現を測定した。発現レベルは、ALG9に対して正規化した。幾つかの実施形態では、合計GF+Mの値≧5.9 をスコア「1」とし、<5.9の値をスコア「0」とする。幾つかの実施形態では、合計GF+M+P値≧10.9をスコア「1」とし、<10.9をスコア「0」とする。組織学から、低グレード(G1/G2、高分化型、または気管支典型または非定型カルチノイド)をスコア「0」とし;高グレード(G3、低分化型)をスコア「1」とした。ロジステック回帰分類法を用いて、それらのデータを、各サンプルについてのスコアの生成による予測モデルへ統合した。サンプルのPPQは次のように導出された:
PPQ=39.22787-40.80341×(合計GF+M遺伝子発現)-18.441×(グレード)または
PPQ=39.22787-40.80341×(合計GF+M+P遺伝子発現)-18.441×(グレード)
【0119】
このモデルから二進出力を生じさせることができる。
【0120】
(1)応答者は、PPQ値により病気の安定化を果たしているかまたは部分的応答を示しているとして予測された個体を指す。それらはバイオマーカー「陽性」とスコア付けされ、p値<0.5を示す。
【0121】
(2)非応答者は、経過観察(follow-up)期間に進行性疾患を示す個体として定義された(PRRT失敗)。それらはバイオマーカー「陰性」と見なされ、p値≧0.5を示す。
【0122】
5つの出力例を表3に与える。
【0123】
表3.アルゴリズムからの出力の例を示す。
【表3】
* ARAF1, BRAF, KRAS およびRAF-1の正規化遺伝子発現; ** APT61VH, OAZ2, PANK2, および PLD3の正規化遺伝子発現;*** NAP1L1, NOL3,およびTECPR2の正規化遺伝子発現;
&低グレード(G1/G2, 高分化型、または気管支典型または非定型カルチノイド);高グレード(G3, 低分化型);
$ >0.5の値は非応答者として分類される;
# R =応答者(PPQ-陽性);NR=非応答者(PPQ-陰性)。
【0124】
このモデルは、次の判定基準を有する: カイ二乗(χ2)=41.6、DF=2、p<0.00001、Cox & Snell回帰 R2=0.537、Nagelkerke回帰 R2=0.722。
【0125】
分類器の精度は試験母集団で94%である。これは97%応答者および91%非応答者を含んだ。
【0126】
このコホートを72名の患者に増員した。PPQは経過観察の開始時(100%)と終了時(100%)で応答者を正確に予測した(表4)。非応答者は65%(開始時)および84%(終了時)に予測された(フィッシャー検定、p=NS)。全体として、経過観察の最終時に、67/72(93%)が正しく予測された。PRRT応答者は症例の100%、非応答者は84%で予測された(表4)。無憎悪生存率の評価は、PPQにより予測された応答者では、mPFSが達成されなかったと同定した。非応答と予測された者では、mPFSは8 か月であった。これには有意差が認められた(HR 36.4, p<0.0001)(
図1)。この試験の感度は100%であり、NPVは100%であった。
【0127】
このモデルは次の測定基準を有する:カイ二乗(χ2)=41.6、DF=2、p<0.00001、Cox&Snell回帰R2=0.722.
【0128】
分類器の精度は試験母集団で94%である。これは97%応答者と91%非応答者を含んだ。
【0129】
このコホートを72名の患者に増員した。PPQは経過観察の開始時(100%)と終了時(100%)で応答者を正確に予測した(表4)。非応答者は65%(開始時)および84%(終了時)で予測された(フィッシャー検定、p=NS)。全体として、経過観察の最終時に、67/72(93%)が正しく予測された。PRRT応答者は症例の100%、非応答者は84%で予測された(表4)。無憎悪生存率の評価は、PPQにより予測された応答者では、mPFSが確定されなかったと同定した。非応答と予測された者では、mPFSは8 か月であった。これには有意差があった(HR 36.4, p<0.0001)(
図1)。この試験の感度は100%であり、NPVは100%であった。
【0130】
表4.PRRT処置コホートにおけるPPQの予測精度
【表4】
【0131】
表4中、*経過観察は、最終PRRTサイクルの終了後約6~9か月間であった;**Se =感度、Sp=特異度、PPV=陽性的中率、NPV=陰性的中率。
【0132】
PRRTに対する予測応答
【0133】
検証I (n=44): PPQは経過観察時に97%精度で正確に応答者を予測した。非応答者は93%精度で予測された(最終)。全体では、42/44 (95%)が正しく予測された(表4)。生存率の評価は、応答すると予測されたものではmPFSに至らなかった。「非応答者」については、mPFSは14か月であった(HR 17.7、p<0.0001)(
図2)。この試験の感度は97%であり、NPVは93%であった。
【0134】
検証II(n=42): PPQは経過観察時に94%の精度で正確に応答者を予測した。非応答者は100%精度で予測された。全体では、最終経過観察時に、40/42 (95%)が正しく予測された。PRRT応答者は95%で、そして非応答者は100%で正しく予測された(表4)。生存率の評価は、応答すると予測された者ではmPFSに至らなかった。「非応答者」については、mPFSは9.7か月であった(HR 92, p<0.0001)(
図3)。この試験の感度は94%であり、NPVは95%であった。
【0135】
PPQの特異性-非放射性ソマトスタチンに対する予測応答
【0136】
SSAにより単独処置した28人の患者においてPPQを遡及的に決定した。経過観察時に、15名(54%)が安定であり、13名(46%)が進行性疾患を発生した。PPQは、8名(53%)に疾患安定化と6名(47%、p=NS)に進行性疾患を正しく予測した。生存率分析はPFSに対して何も影響を与えないことを同定した(
図4)。感度とNPVはそれぞれ53%と46%であった。PPQはSSAに対する応答を予測しなかった。
【0137】
PPQの特異性-予測マーカーとしての機能
【0138】
レジストリ内に含まれる100名の患者においてPPQを遡及的に決定した。解析は治療の本来の目的として群別に行った。経過観察時に、48名(48%)が安定であり、52名(52%)が進行性疾患を発生した。PPQは32名(67%)に疾患安定化と19名(37%、p=NS)に進行性疾患を正しく予測した。生存率分析はPFSに対して何も影響を与えないことを同定した(
図5)。感度とNPVはそれぞれ67%と50%であった。PPQは経過観察期間に渡り予測バイオマーカーとして機能しなかった。
【0139】
PRRTの予測有用性の証明
【0140】
バイオマーカーが治療の予測因子であることを証明するためには、治療ベネフィットが期待される者だけでなくその剤で処置しない者においてもバイオマーカーレベルを評価する試験を行うべきである。バイオマーカーは予測的特徴と予後予測的特徴の両方を併せ持つので、処置の有無に関係なく、バイオマーカーとアウトカムとの関連性を評価する必要がある。
【0141】
それらのコホート間のカプラン・マイヤー曲線の比較(PFS)は
図6A(「応答者」と予測)および
図6B(「非応答者」と予測)に表される。「治療効果」は、バイオマーカー「陽性」、即ち「応答者」であると予測され、PRRT処置を受けている者においてのみ認められた(検証Iおよび検証IIコホート)。具体的には、PRRT処置群と非PRRT処置群との間の中央値PFS(mPFS)において、量的な差異(統計的有意差あり、p<0.0001)が認められた。この効果は、それらが全バイオマーカー「陽性」であったかどうかに関係なく、得られた。対照的に、バイオマーカー「陰性」群では、PFSに全く差異は認められなかった。この効果は処置に無関係に認められた。これらのデータは、PPQが予測バイオマーカーとして機能することを実証する。
【0142】
理想的バイオマーカーの測定基準は
図6C~Dに含まれる。治療効果は、処置されておりかつPPQバイオマーカー「陽性」であった者においてのみ認められた(
図6C-2つの検証コホートがある)。この特定の症例は、理想的バイオマーカーが予測因子でないと確定することを強調するために重要である。これは、不在下でのバイオマーカー陽性群と陰性群において同様な生存曲線が得られることによって強調される。
図6A(バイオマーカー陽性)の比較は、SSAで処置したコホートとレジストリコホートの生存曲線(両方ともPRRTで処置せず―10か月期間)が、
図6BのPRRT処置コホートの生存曲線(バイオマーカー陰性-10~15か月生存)と差がないことを確証し、PPQが予測因子でないことを確証する。
【0143】
PPQ陰性患者の評価
【0144】
PPQによりPRRT療法に対し予測非応答者であると同定された患者の臨床アウトカムを更に分析した。
図7に示す通り、標準的なルタセラ(Lutathera)を用いた4サイクルのPRRTで処置されたPPQ予測非応答者は、9か月の中央値PFS(mPFS)を示した。対照的に、同プロトコルに化学療法を加えた個別化アプローチを施したPPQ予測非応答者は、
図7に示す通り、14か月という長いPFSを示した。これらのデータは、PPQ陰性の患者(非応答者と予測された患者)および追加の療法を受けた者が、標準療法を受けた者よりも良好に応答することを示す。よって、PPQは、PRRTと共に追加の剤(例えば免疫関治療薬または化学療法剤)を使用する必要がありそれによってアウトカムを最適化する必要がある患者を同定するために利用することができる。
【0145】
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〔均等物〕
【0179】
本発明を上記に示した特定の実施形態に関して記載してきたが、それの様々な代替、改良および他の変更は当業者に明白であろう。そのような代替、改良および変更は本発明の精神および範囲内に含まれると意図される。
【配列表】