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特許7344905能動的な雲点の調整および冷蔵サイクルのためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-06
(45)【発行日】2023-09-14
(54)【発明の名称】能動的な雲点の調整および冷蔵サイクルのためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   C09K 5/04 20060101AFI20230907BHJP
   F25B 15/14 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
C09K5/04 G
F25B15/14
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020561612
(86)(22)【出願日】2019-01-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-13
(86)【国際出願番号】 US2019015283
(87)【国際公開番号】W WO2019148032
(87)【国際公開日】2019-08-01
【審査請求日】2022-01-17
(31)【優先権主張番号】62/622,528
(32)【優先日】2018-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/670,117
(32)【優先日】2018-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/771,902
(32)【優先日】2018-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520273821
【氏名又は名称】ノヴェク,イーサン ジェー.
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147762
【弁理士】
【氏名又は名称】藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】ノヴェク,イーサン ジェー.
【審査官】井上 恵理
(56)【参考文献】
【文献】特開昭53-002749(JP,A)
【文献】特開昭56-113340(JP,A)
【文献】特開2016-190228(JP,A)
【文献】特開平02-258895(JP,A)
【文献】特開平09-280684(JP,A)
【文献】XING, W. et al.,INTERNATIONAL JOURNAL OF HEAT AND MASS TRANSFER,(2017), vol.107,pp.53-65,DOI:10.1016/J.IJHEATMASSTRANSFER.2016.11.028
【文献】ULLMANN, A. et al.,INTERFACIAL PHENOMENA AND HEAT TRANSFER,(2015), vol.3, no.1,pp.41-67,DOI:10.1015/InterfacPhenomHeatTransfer.2015012506
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 5/00- 5/20
F25B15/00-17/12
CAplus/REGISTRY(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱または冷却のためのUCSTプロセスであって、
1)液相を2つ以上の液相に相転移させて、熱を放出することと、
2)前記2つ以上の液相の各々の少なくとも一部を別個の流れに分離することと、
3)前記別個の流れを混合および溶解して、熱を吸収するための単一液相溶液を形成することと、を含み、
前記液相が、水と、CST試薬と、雲点温度未満で水およびCST試薬からなる溶液中で限定された溶解度を有し、かつ雲点温度超で水およびCST試薬からなる溶液中で混和性溶解度を有する低溶解度試薬と、を含む、プロセス。
【請求項2】
前記相転移が、加熱アプリケーションの温度を超える温度または冷却アプリケーションの温度未満の温度で行われる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
液体系を用いた液相冷蔵またはヒートポンプサイクルプロセスであって、
1)相転移時に2つ以上の液相を吸熱的に混合することによって熱を吸収することと、
2)相転移時に液相を2つ以上の液相に変換することによって熱を発熱的に放出することと、
3)ステップ1)の相転移温度がステップ2)の相転移温度とは異なるように相転移温度を調整することと、を含み、
前記液体系が、(1)臨界溶液温度(CST)試薬およびUCST溶媒を含む吸収溶液と、(2)上限臨界溶液温度超で前記吸収溶液と実質的に混和性であり、かつ前記上限臨界溶液温度未満で前記吸収溶液との限定された溶解度を有する試薬と、を含み、前記調整が、前記UCST溶媒に対する前記CST試薬の濃度を変化させることを含む、プロセス。
【請求項4】
前記CST試薬が、水および前記CST試薬からなる溶液中で温度の上昇に伴って浸透圧の低下を呈する、請求項に記載のプロセス。
【請求項5】
前記CST試薬が、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル(DPnB)、トリ(プロピレングリコール)ブチルエーテル異性体混合物(TPnB)、プロピレングリコールn-ブチルエーテル(PnB)、ジプロピレングリコールn-プロピルエーテル(DPnP)、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(D-Hex n-ヘキシルエーテル)、プロピレングリコールプロピルエーテル(PnP)、2-ブトキシエタノール(EBブチルグリコール)、PPG 425、PPG 725、PPG 1000、PEGDME 250、PEGDME 500、PEG 1000、PEG 600、PEG 400、PEG 200、またはそれらの混合物を含む、請求項またはに記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国の目的のために各々参照により組み込まれる、2018年1月26日に出願された仮出願第62/622,528号、2018年5月11日に出願された同第62/670,117号、および2018年11月27日に出願された同第62/771,902号に対する優先権を主張する。
【0002】
発明の背景および概要
先行技術では、冷熱または温熱伝達は、水等の液体の冷却および加熱により行われ、比熱容量によってほぼ完全に駆動されている。他の先行技術では、冷媒が冷却を必要とする側で沸騰し、冷却を供給する側で凝縮するか、または加熱の場合、冷媒作動流体が加熱を供給する側で沸騰し、加熱を必要とする側で凝縮する冷媒が用いられている。これは、多くの場合、高価な冷媒取扱システムを必要とし、冷熱を比較的長い距離伝達するのに法外な費用がかかる。
【0003】
加えて、上記のいずれの先行技術システムも、典型的には、温度またはそれらの周囲の他の条件とは無関係に冷熱または温熱を伝達しない。これらの冷却システム内の作動流体が周囲環境と同じ温度で冷却アプリケーションに到達した場合、作動流体は、それらに提供された冷熱または温熱のほとんどまたは全てを冷却または加熱入力源(複数可)で失う可能性がある。例えば、比熱冷却剤ベースの冷却システムでは、冷却剤が、例えば、輸送管周囲の温度の上昇により、冷却要求源への伝達中に加熱すると、冷却剤は、冷却を必要とするアプリケーションに到達した時点でその冷却能力のかなりの量または全てを失う。結果として、その冷却能力を維持しながら比熱が輸送され得る距離にかなりの制限が存在する。例えば、周囲の作動流体の加熱による損失が周囲の作動流体の冷却による損失に置き換えられることを除いて、同じことが熱伝達システムにも当てはまる。
【0004】
加えて、比熱冷却剤または熱伝達システムのCAPEXおよびOPEXは移動距離が長くなるにつれて非常に高価になり、この理由には、輸送距離が長くなるにつれて必要とされる相対液体体積が漸進的により大きくなること、および断熱配管または他の構成要素の費用が含まれるが、これらに限定されない。同様に、冷媒ベースの冷却剤では、冷却要求源への輸送中に凝縮された冷媒がその周囲によって加熱される場合、冷媒の少なくとも一部は蒸発または揮発し、冷却アプリケーションへの到達時に冷却能力が低下するか、または冷却能力が存在しなくなり得る。例えば、損失が作動流体の揮発ではなく凝縮に起因し得ることを除いて、同じことが熱伝達システムにも当てはまる。また、同様に、冷媒ベースの冷却剤または熱伝達流体では、CAPEXおよびOPEXは移動距離が長くなるにつれて非常に高価になり、この理由には、輸送距離が長くなるにつれて必要とされる冷却能力の単位あたりの作動流体流量が漸進的により大きくなること、断熱配管の費用、ならびに冷媒に関連する予防措置および危険が含まれるが、これらに限定されない。したがって、冷却用途および加熱用途の両方ためのより効果的なシステムおよびプロセスが当該技術分野で必要とされている。
【0005】
有利には、本明細書に記載の実施形態は、先行技術における前述の欠陥の多くまたは全てを克服し、それら自体の独立した利点も有する。以下に詳細に記載される多くの実施形態が存在する。ある特定の実施形態は、冷蔵サイクルに関し、他の実施形態は、雲点、すなわち、臨界溶液温度の能動的な調整に関する。加えて、様々な臨界溶液温度試薬等を含む新規組成物が記載される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1A】加熱または冷却伝達のための液相変化システムを示す図である。
図1B】加熱または冷却伝達のための液相変化システムを示す図である。
図1C】加熱または冷却伝達のための液相変化システムを示す図である。
図1D】加熱または冷却伝達のための液相変化システムを示す図である。
図2A】加熱または冷却伝達のための液相変化システムを示す図である。
図2B】加熱または冷却伝達のための液相変化システムを示す図である。
図2C】加熱または冷却伝達のための液相変化システムを示す図である。
図2D】加熱または冷却伝達のための液相変化システムを示す図である。
図2E】加熱または冷却伝達のための液相変化システムを示す図である。
図2F】加熱または冷却伝達のための液相変化システムを示す図である。
図2G】加熱または冷却伝達のための液相変化システムを示す図である。
図3】加熱または冷却伝達のための液相変化システムを示す図である。
図4】冷蔵またはヒートポンプサイクルを示す図である。
図5A】冷蔵またはヒートポンプサイクルを示す図である。
図5B】冷蔵またはヒートポンプサイクルを示す図である。
図5C】冷蔵またはヒートポンプサイクルを示す図である。
図5D】冷蔵またはヒートポンプサイクルを示す図である。
図5E】冷蔵またはヒートポンプサイクルを示す図である。
図6A】冷蔵またはヒートポンプサイクルを示す図である。
図6B】冷蔵またはヒートポンプサイクルを示す図である。
図6C】冷蔵またはヒートポンプサイクルを示す図である。
図7】冷蔵またはヒートポンプサイクルを示す図である。
図8】冷蔵またはヒートポンプサイクルを示す図である。
図9】多段または多サイクル冷蔵サイクルを示す図である。
図10】冷蔵またはヒートポンプサイクルを示す図である。
図11】冷蔵またはヒートポンプサイクルを示す図である。
図12】冷蔵またはヒートポンプサイクルを示す図である。
図13】UCST相変化液体を液液分離とともに使用した冷却伝達を示す概略図である。
図14】LCST相変化液体を液液分離とともに使用した冷却伝達を示す概略図である。
図15】LCST相変化液体および液液分離を使用した加熱伝達を示す概略図である。
図16】UCST相変化液体および液液分離を使用した加熱伝達を示す概略図である。
図17】単一液体混合物を維持しながらUCST相変化液体を使用した冷却伝達を示す概略図である。
図18】単一液体混合物を維持しながらLCST相変化液体を使用した冷却伝達を示す概略図である。
図19】単一液体混合物を維持しながらLCST相変化液体を使用した加熱伝達を示す概略図である。
図20】単一液体混合物を維持しながらUCST相変化液体を使用した加熱伝達を示す概略図である。
図21A】UCST相変化液体および液液分離を使用した海洋または他の水温躍層または冷水体冷却輸送である(注記:物体が見えるように、物体の側面が水体のサイズまたは水体の深さに対して拡大されている場合がある)。
図21B】UCST相変化液体を単一液体混合物とともに使用した海洋または他の水温躍層または冷水体冷却輸送である(注記:物体が見えるように、物体の側面が水体のサイズまたは水体の深さに対して拡大されている場合がある)。
図21C】LCST相変化液体を単一液体混合物とともに使用した海洋または他の水温躍層または冷水体冷却輸送である(注記:物体が見えるように、物体の側面が水体のサイズまたは水体の深さに対して拡大されている場合がある)。
図22】使用せず。
図23】使用せず。
図24】使用せず。
図25】使用せず。
図26】使用せず。
図27】使用せず。
図28】使用せず。
図29】使用せず。
図30A】LCSTを液液分離および液体貯蔵とともに用いた道路または表面の加熱または除氷(「熱吸収」モードで動作する実施形態)である。
図30B】LCSTを液液分離および液体貯蔵とともに用いた道路または表面の加熱または除氷(「熱放出」モードで動作する実施形態)である。
図31A】例えば、浮遊氷層下の比較的「温かい」水体を温熱源として使用することを含む、LCST溶解度変化液体を液液分離とともに用いた道路または表面の加熱または除氷である。
図31B】:例えば、浮遊氷層下の比較的「温かい」水体を温熱源として使用することを含む、LCST溶解度変化液体を単一液体流とともに用いた道路または表面の加熱または除氷である。
図32】使用せず。
図33】UCST溶解度変化液体を液液分離とともに用いた冷却相変化再生浸透熱機関である。
図34】UCST溶解度変化液体を液液分離とともに用いた海洋熱エネルギー変換(OTEC)冷却相変化再生浸透熱機関である。(注記:図面中のプロセス要素は水体の深さに比例して示されていない場合がある)。
図35】LCST溶解度変化液体を液液分離とともに用いた加熱相変化再生浸透熱機関である。
図36】水体面下で貯蔵されたか、熱交換されたか、またはそれらの組み合わせの凍結防止流体またはUCSTもしくはLCST流体またはそれらの組み合わせを使用した道路および表面を除氷するためのシステムおよび方法である。
図37】ヒートポンプをさらに含む、水体面下で貯蔵されたか、熱交換されたか、またはそれらの組み合わせの凍結防止流体またはUCSTもしくはLCST流体またはそれらの組み合わせを使用した道路および表面を除氷するためのシステムおよび方法である。
図38】水体面下の1つ以上の貯蔵槽内のLCST多層溶液を使用した道路および表面を除氷するためのシステムおよび方法である。
図39】水体面下の1つ以上の貯蔵槽内のLCST多層溶液を利用された熱交換流体貯蔵容器とともに使用した道路および表面を除氷するためのシステムおよび方法である。
図40】LCST熱吸収および放出を使用した道路および表面を除氷するためのシステムおよび方法である。各液相が別個の表面下貯蔵容器内に貯蔵されている。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1~12の説明
図1A:この図は、加熱または冷却伝達のための液相変化システムを含み得る。このシステムは、多液体混合物の2つ以上の構成液相への分離を用いてもよく、例えば、1つ以上の膜ベースのプロセスを使用して、例えば、1つ以上の試薬の濃度を変化させることによる、液体系の雲点温度の能動的な調整を用いてもよい。本実施形態は、下限臨界溶液温度(LCST)液体系相変化加熱または冷却伝達システムを含み得る。本実施形態は、1つ以上の雲点の温度を能動的に調整するか、または液体系中で同じ雲点温度(複数可)を維持することができる場合がある。例えば、この図は、例えば、分離された液相のうちの1つ以上中の1つ以上の「LCSTに影響を及ぼす試薬」または「LCSTを低下させる試薬」(例えば、塩)の濃度を増加させることによる、LCSTの能動的な低下を示し得る。
【0008】
図1B:この図は、加熱または冷却伝達のための液相変化システムを含み得る。このシステムは、例えば、1つ以上の膜ベースのプロセスを使用して、例えば、1つ以上の試薬の濃度を変化させることによる、液体系の雲点温度の能動的な調整を用いてもよい。本実施形態は、下限臨界溶液温度(LCST)液体系相変化加熱または冷却伝達システムを含み得る。本実施形態は、1つ以上の雲点温度を能動的に調整するか、または同じ雲点温度(複数可)を維持することができる場合がある。例えば、この図は、例えば、組み合わせられた溶液中の、例えば、1つ以上の「LCSTに影響を及ぼす試薬」または「LCSTを低下させる試薬」(例えば、塩)の濃度を増加させることによる、LCSTの能動的な低下を示し得る。
【0009】
図1C:この図は、加熱または冷却伝達のための液相変化システムを含み得る。このシステムは、多液体混合物の2つ以上の構成液相への分離を用いてもよく、例えば、1つ以上の膜ベースのプロセスを使用して、例えば、1つ以上の試薬の濃度を変化させることによる、1つ以上の液体系の雲点温度の能動的な調整を用いてもよい。本実施形態は、下限臨界溶液温度(LCST)液体系相変化加熱または冷却伝達システムを含み得る。本実施形態は、1つ以上の雲点温度を能動的に調整するか、または同じ雲点温度(複数可)を維持することができる場合がある。例えば、この図は、例えば、透過物液体または透過物等価液体を添加することによって、例えば、分離された液相のうちの1つ以上中の1つ以上の「LCSTに影響を及ぼす試薬」または「LCSTを低下させる試薬」(例えば、塩)の濃度を低下させるか、または希釈することによる、LCSTの能動的な上昇を示し得る。
【0010】
図1D:この図は、加熱または冷却伝達のための液相変化システムを含み得る。このシステムは、多液体混合物の2つ以上の構成液相への分離を用いてもよく、例えば、1つ以上の膜ベースのプロセスを使用して、例えば、1つ以上の試薬の濃度を変化させることによる、1つ以上の液体系の雲点温度の能動的な調整を用いてもよい。本実施形態は、下限臨界溶液温度(LCST)液体系相変化加熱または冷却伝達システムを含み得る。本実施形態は、1つ以上の雲点温度を能動的に調整するか、または同じ雲点温度を維持することができる場合がある。例えば、この図は、例えば、1つ以上の「LCSTに影響を及ぼす試薬」または「LCSTを低下させる試薬」(例えば、塩)の濃度を不変のままにすることによる、同じ雲点温度を維持するシステムを示し得る。例えば、1つ以上の液体流は、1つ以上の試薬の濃度を調整するための1つ以上のステップをバイパスしてもよい。
【0011】
図2A:この図は、加熱または冷却伝達のための液相変化システムを含み得る。このシステムは、多液体混合物の2つ以上の構成液相への分離を用いてもよく、例えば、1つ以上の膜ベースのプロセスを使用して、例えば、1つ以上の試薬の濃度を変化させることによる、1つ以上の液体系の雲点温度の能動的な調整を用いてもよい。本実施形態は、上限臨界溶液温度(UCST)液体系相変化加熱または冷却伝達システムを含み得る。本実施形態は、1つ以上の雲点温度を能動的に調整するか、または同じ雲点温度を維持することができる場合がある。例えば、この図は、例えば、濃度の増加に伴ってUCSTを低下させる、例えば、1つ以上の試薬の濃度を増加させることによる、UCSTの能動的な低下を示し得る。1つ以上の雲点温度の調整は、例えば、1つ以上の「熱吸収」ステップによってまたはその後に生成される組み合わせられた単一液相溶液中の濃度または組成を調整することによって行われ得る。
【0012】
図2B:この図は、加熱または冷却伝達のための液相変化システムを含み得る。このシステムは、例えば、1つ以上の膜ベースのプロセスを使用して、例えば、1つ以上の試薬の濃度を変化させることによる、液体系の雲点温度の能動的な調整を用いてもよい。本実施形態は、上限臨界溶液温度(UCST)液体系相変化加熱または冷却伝達システムを含み得る。本実施形態は、1つ以上の雲点温度を能動的に調整するか、または同じ雲点温度を維持することができる場合がある。例えば、この図は、例えば、濃度の増加に伴ってUCSTを低下させる、例えば、1つ以上の試薬の濃度を増加させることによる、UCSTの能動的な低下を示し得る。1つ以上の雲点温度の調整は、例えば、1つ以上の「熱吸収」ステップによってまたはその後に生成される組み合わせられた単一液相溶液中の、例えば、濃度または組成を調整することによって行われ得る。
【0013】
図2C:この図は、加熱または冷却伝達のための液相変化システムを含み得る。このシステムは、多液体混合物の2つ以上の構成液相への分離を用いてもよく、例えば、1つ以上の膜ベースのプロセスを使用して、例えば、1つ以上の試薬の濃度を変化させることによる、液体系の雲点温度の能動的な調整を用いてもよい。本実施形態は、上限臨界溶液温度(UCST)液体系相変化加熱または冷却伝達システムを含み得る。本実施形態は、1つ以上の雲点温度を能動的に調整するか、または同じ雲点温度を維持することができる場合がある。例えば、この図は、例えば、透過物液体または透過物等価液体の液体系への添加によって、例えば、濃度の増加に伴ってUCSTを低下させる1つ以上の試薬を、例えば、希釈することまたはその濃度を低下させることによる、UCSTの能動的な上昇を示し得る。1つ以上の雲点温度の調整は、例えば、1つ以上の「熱吸収」ステップによってまたはその後に生成される組み合わせられた単一液相溶液中の濃度または組成を調整することによって行われ得る。
【0014】
図2D:この図は、加熱または冷却伝達のための液相変化システムを含み得る。このシステムは、多液体混合物の2つ以上の構成液相への分離を用いてもよく、例えば、1つ以上の膜ベースのプロセスを使用して、例えば、1つ以上の試薬の濃度を変化させることによる、液体系の雲点温度の能動的な調整を用いてもよい。本実施形態は、上限臨界溶液温度(UCST)液体系相変化加熱または冷却伝達システムを含み得る。本実施形態は、1つ以上の雲点温度を能動的に調整するか、または同じ雲点温度を維持することができる場合がある。例えば、この図は、例えば、1つ以上の液体流が組成または濃度を調整するための1つ以上のステップをバイパスすることを可能にすることによって、同じUCSTを維持することを示し得る。
【0015】
図2E:この図は、加熱または冷却伝達のための液相変化システムを含み得る。このシステムは、例えば、1つ以上の膜ベースのプロセスを使用して、例えば、1つ以上の試薬の濃度を変化させることによる、液体系の雲点温度の能動的な変化を用いてもよい。本実施形態は、上限臨界溶液温度(UCST)液体系相変化加熱または冷却伝達システムを含み得る。本実施形態は、1つ以上の雲点温度を能動的に調整するか、または同じ雲点温度を維持することができる場合がある。例えば、この図は、例えば、濃度の増加に伴ってUCSTを低下させる、例えば、1つ以上の試薬の濃度を増加させることによる、UCSTの能動的な低下を示し得る。1つ以上の雲点温度の調整は、例えば、多液相混合物から少なくとも部分的に分離された1つ以上の液体流中の濃度または組成を調整することによって行われ得る。当該1つ以上の液体流は、加熱または冷却を必要とする1つ以上のアプリケーションを有する1つ以上の熱交換器の前または内部で他の分離された液体流と組み合わせられ得る。
【0016】
図2F:この図は、加熱または冷却伝達のための液相変化システムを含み得る。このシステムは、例えば、1つ以上の膜ベースのプロセスを使用して、例えば、1つ以上の試薬の濃度を変化させることによる、液体系の雲点温度の能動的な変化を用いてもよい。本実施形態は、上限臨界溶液温度(UCST)液体系相変化加熱または冷却伝達システムを含み得る。本実施形態は、1つ以上の雲点温度を能動的に調整するか、または同じ雲点温度を維持することができる場合がある。例えば、この図は、例えば、透過物液体または透過物等価液体を添加することによって、例えば、濃度の増加に伴ってUCSTを低下させる1つ以上の試薬を、例えば、希釈することまたはその濃度を低下させることによる、UCSTの能動的な上昇を示し得る。1つ以上の雲点温度の調整は、例えば、多液相混合物から分離された1つ以上の液体流中の濃度または組成を調整することによって行われ得る。当該1つ以上の液体流は、加熱または冷却を必要とする1つ以上のアプリケーションと熱交換する1つ以上の熱交換器の前または内部で他の分離された液体流と組み合わせられ得る。
【0017】
図2G:この図は、加熱または冷却伝達のための液相変化システムを含み得る。このシステムは、例えば、1つ以上の膜ベースのプロセスを使用して、例えば、1つ以上の試薬の濃度を変化させることによる、1つ以上の液体系の雲点温度の能動的な調整を用いてもよい。本実施形態は、上限臨界溶液温度(UCST)液体系相変化加熱または冷却伝達システムを含み得る。本実施形態は、1つ以上の雲点温度を能動的に調整するか、または同じ雲点温度を維持することができる場合がある。例えば、この図は、例えば、1つ以上の液体流が濃度または組成を調整するための1つ以上のステップをバイパスすることを可能にすることによって、同じUCSTを維持することを示し得る。
【0018】
図3:この図は、加熱または冷却伝達のための液相変化システムを含み得る。このシステムは、例えば、1つ以上の膜ベースのプロセスを使用して、例えば、1つ以上の試薬の濃度を変化させることによる、液体系の雲点温度の能動的な調整を用いてもよい。本実施形態は、上限臨界溶液温度(UCST)液体系相変化加熱または冷却伝達システムを含み得る。本実施形態は、1つ以上の雲点温度を能動的に変化させるか、または同じ雲点温度を維持することができる場合がある。例えば、この図は、例えば、濃度の増加に伴ってUCSTを上昇させる、例えば、1つ以上の試薬(「UCSTを上昇させる試薬」)の濃度を増加させることによる、UCSTの能動的な上昇を示し得る。1つ以上の雲点温度の調整は、例えば、1つ以上の「熱吸収」ステップによってまたはその後に生成される組み合わせられた単一液相溶液中の濃度または組成を調整することによって行われ得る。
【0019】
図4:この図は、冷蔵サイクルまたはヒートポンプサイクルを含み得る。本実施形態は、液体系の1つ以上の可逆的吸熱および発熱相転移を用いて、1つ以上の熱交換器から熱を抽出し、かつ/または1つ以上の熱交換器内で熱を放出する場合がある。1つ以上の可逆的相転移は、吸熱相転移または発熱相転移を含み得る。本実施形態は、1つ以上の「雲点温度に影響を及ぼす試薬」の濃度または組成を調整して、例えば、比較的低い温度で吸熱(熱吸収)相転移を形成することを含み得、例えば、1つ以上の「雲点温度に影響を及ぼす試薬」の濃度または組成を調整して、例えば、比較的高い温度で発熱(熱放出)相転移を形成することを含み得る。
【0020】
例えば、本実施形態は、1つ以上のLCSTを低下させる試薬が希薄な単一液相溶液を、1つ以上のLCSTを低下させる試薬が濃縮された溶液と混合することを含み得、これにより、例えば、熱抽出を必要とする1つ以上のアプリケーションから熱を吸収している間に、2つ以上の液相混合物への吸熱相変化がもたらされ得る。結果として生じた多液相混合物は、2つ以上の液体流に分離され得る。当該液体流のうちの1つ以上は、1つ以上の膜ベースのプロセスを使用して濃縮され得、これにより、1つ以上のLCSTを低下させる試薬が濃縮された流れがもたらされ得、1つ以上のLCSTを低下させる試薬が希薄なまたはそれを含まない透過物流がもたらされ得る。当該透過物流は、1つ以上の他の分離された流れと混合され得、これにより、例えば、単一液相を形成し得る発熱溶解がもたらされ得る。当該発熱溶解は、溶解中または溶解後に加熱またはヒートシンクを必要とする1つまたは複数のアプリケーションに熱を放出することを含み得る。
【0021】
図5A:この図は、冷蔵サイクルまたはヒートポンプサイクルを含み得る。本実施形態は、液体系の1つ以上の可逆的吸熱および発熱相転移を用いて、1つ以上の熱交換器から熱を抽出し、かつ/または1つ以上の熱交換器内で熱を放出する場合がある。1つ以上の可逆的相転移は、吸熱相転移または発熱相転移を含み得る。本実施形態は、1つ以上の「雲点温度に影響を及ぼす試薬」の濃度または組成を調整して、例えば、比較的低い温度で吸熱(熱吸収)相転移を形成することを含み得、例えば、1つ以上の「雲点温度に影響を及ぼす試薬」の濃度または組成を調整して、例えば、比較的高い温度で発熱(熱放出)相転移を形成することを含み得る。
【0022】
例えば、本実施形態は、1つ以上のCST試薬が濃縮された単一液相の組み合わせられた溶液を、1つ以上のUCSTを上昇させる試薬(例えば、「透過物」または透過物等価液体)と混合することを含み得、これにより、例えば、加熱またはヒートシンクを必要とする1つ以上のアプリケーション内で熱を放出している間に、多液相混合物への発熱相変化がもたらされ得る。当該多液相溶液は、1つ以上の液体分離デバイスを使用して分離され得、これにより、2つ以上の液体流がもたらされ得る。当該液体流のうちの1つ以上は、1つ以上の膜プロセスへの供給流であり得、これは、濃度の増加に伴ってUCST相変化温度を低下させる1つ以上の試薬を濃縮することを含み得る。当該1つ以上の膜ベースのプロセスにより、濃度の増加に伴ってUCSTを低下させるより高い濃度の1つ以上の試薬を有する1つ以上の濃縮物溶液がもたらされ得、濃度の増加に伴ってUCSTを低下させる低濃度の1つ以上の試薬を含有するか、またはそれを含まない1つ以上の透過物溶液がもたらされ得る。当該濃縮物溶液は、1つ以上の他の分離された液相流と混合され得、これにより、例えば、冷却を必要とする1つ以上のアプリケーションまたはエンタルピー源から熱を吸収する前またはその間に、単一液相の組み合わせられた溶液への吸熱溶解相変化がもたらされ得る。当該組み合わせられた溶液および当該透過物溶液は、第1のステップに戻され得る。
【0023】
図5B:この図は、図5Aと同様である。この図では、1つ以上の分離された液体流は、1つ以上の別個の液体流に分けられ得る。例えば、ある組成を有する液体流は、同じ組成を有する2つ以上の液体流に分けられ得る。当該液体流のうちの1つ以上は、本実施形態の1つ以上の異なる段階で用いられ得る。
【0024】
この図は、同じ組成を有する2つの液体流に分けられた同じ組成を有する単一液体流を示し得る。一方の液体流は、吸熱溶解相変化を促進するために用いられ得、他方の液体流は、発熱多液相を形成する相変化を促進するために用いられ得る。
【0025】
図5C:この図は、図5Aと同様である。この図では、2つ以上の液体流は、別個にまたは1つ以上の熱交換器に入る前またはその前に、組み合わせられるまたは混合され得る。2つ以上の液体流の第1の統合、混合、または組み合わせることは、1つ以上の熱交換器とは別個の装置内で行われ得る。
【0026】
図5D:この図は、図5Aと同様である。エネルギー回収デバイスは、いくつかのプロセス構成では存在しない場合がある。例えば、限定されないが、エネルギー回収デバイスは、空間/設置面積の値がエネルギー回収デバイスからの減少したエネルギー消費の値を超える場合、または限定されたエネルギー回収能力のため、またはそれらの組み合わせにより、望ましくない場合がある。
【0027】
図5E:この図は、図5Aと同様である。この図では、1つ以上の液体-液体混合物は、1つ以上の半透膜によって直接濃縮されるか、または分離されるか、またはそれらの組み合わせであり得る。この図は、1つ以上の膜ベースのプロセスの前に液液分離デバイスなしで機能し得る。この図は、例えば、多液相濃縮物/保持液が1つ以上の試薬の濃縮中に溶解(吸熱性または発熱性であり得る)を受け得るため、1つ以上の膜ベースのプロセス内でまたはそれと引き換えに1つ以上の熱交換器を用いる場合がある。本実施形態で生成される1つ以上の透過物流は、多液相混合物を含み得る。
【0028】
図6A:この図は、冷蔵サイクルまたはヒートポンプサイクルを含み得る。本実施形態は、液体系の1つ以上の可逆的吸熱および発熱相転移を用いて、1つ以上の熱交換器から熱を抽出し、かつ/または1つ以上の熱交換器内で熱を放出する場合がある。1つ以上の可逆的相転移は、吸熱相転移または発熱相転移を含み得る。本実施形態は、1つ以上の「雲点温度に影響を及ぼす試薬」の濃度または組成を調整して、例えば、比較的低い温度で吸熱(熱吸収)相転移を形成することを含み得、例えば、1つ以上の「雲点温度に影響を及ぼす試薬」の濃度または組成を調整して、例えば、比較的高い温度で発熱(熱放出)相転移を形成することを含み得る。
【0029】
例えば、本実施形態は、1つ以上の膜ベースのプロセスを使用して単一液相の組み合わせられた溶液供給物を濃縮することを含み得る。当該濃縮は、ナノ濾過を用いて1つ以上のCST試薬を濃縮する場合があり、これにより、1つ以上の濃縮物溶液が形成され得、この濃縮溶液は、当該溶液供給物よりも高い濃度の1つ以上のCST試薬を含み得る。当該濃縮により、1つ以上の透過物流がもたらされ得る。当該透過物流(複数可)は、不溶性であり得るか、または当該1つ以上のCST試薬の不在下でまたは低濃度の当該1つ以上のCST試薬との限定された溶解度を呈し得る2つ以上の試薬を含み得る。当該透過物流は、液液相変化時に2つ以上の液相を形成し得る。当該液液相変化は、吸熱性または発熱性であり得、熱交換前、熱交換中、もしくは熱交換後、またはそれらの組み合わせで、冷却または加熱を必要とする1つ以上のアプリケーションと熱交換され得る。UCST相変化プロセスの場合、2つ以上の液相への当該液液相変化は、例えば、発熱性であり得る。当該1つ以上の透過物流または多液相混合物透過物は、その後に当該濃縮物溶液と混合され得、吸熱または発熱溶解をもたらし、これは、熱交換前、熱交換中、もしくは熱交換後、またはそれらの組み合わせで、冷却または加熱を必要とする1つ以上のアプリケーションと熱交換され得る。
【0030】
図6B:この図は、図6Aと同様である。本実施形態は、1つ以上の液体-液体分離デバイスを用いて、多液相透過物流中の2つ以上の液相を別個の液体流に分離し得る。1つ以上の液体流の一部は、1つ以上の他の分離された液相の前に当該濃縮物と混合され得る。
【0031】
図6C:この図は、図6Aと同様である。本実施形態は、1つ以上の液体-液体分離デバイスを用いて、多液相透過物流中の2つ以上の液相を別個の液体流に分離し得る。1つ以上の液体流の一部は、1つ以上の他の分離された液相の前に当該濃縮物と混合され得る。
【0032】
図7:この図は、冷蔵サイクルまたはヒートポンプサイクルを含み得る。本実施形態は、液体系の1つ以上の可逆的吸熱および発熱相転移を用いて、1つ以上の熱交換器から熱を抽出し、かつ/または1つ以上の熱交換器内で熱を放出する場合がある。1つ以上の可逆的相転移は、吸熱相転移または発熱相転移を含み得る。本実施形態は、1つ以上の「雲点温度に影響を及ぼす試薬」の濃度または組成を調整して、例えば、比較的低い温度で吸熱(熱吸収)相転移を形成することを含み得、例えば、1つ以上の「雲点温度に影響を及ぼす試薬」の濃度または組成を調整して、例えば、比較的高い温度で発熱(熱放出)相転移を形成することを含み得る。
【0033】
この図は、1つ以上の膜ベースのプロセスを使用して供給溶液中で1つ以上のUCSTを上昇させる試薬(濃度の増加に伴ってUCSTを上昇させ得る試薬)または1つ以上のLCSTを低下させる試薬(濃度の増加に伴ってLCSTを低下させ得る試薬)を濃縮することを含み得る。1つ以上のUCSTを上昇させる試薬またはLCSTを低下させる試薬が、1つ以上の供給溶液中の1つ以上または全ての他の構成試薬よりも高い分子量または大きい水和半径を有することが望ましくあり得る。当該濃縮により、当該供給溶液よりも比較的高い濃度の1つ以上のUCSTを上昇させる試薬または1つ以上のLCSTを低下させる試薬を有する濃縮物溶液がもたらされ得る。当該濃縮物溶液は、例えば、比較的高い濃度の1つ以上のUCSTを上昇させる試薬またはLCSTを低下させる試薬を有する当該多液相混合物中の当該液相のうちの少なくとも1つを有する多液相混合物に相変化し得る。当該相変化は、発熱性または吸熱性であり得、当該相変化前、当該相変化中、もしくは当該相変化後、またはそれらの組み合わせで、加熱または冷却を必要とする1つ以上のアプリケーションと熱交換され得る。当該濃縮により、当該1つ以上のUCSTを上昇させる試薬またはLCSTを低下させる試薬が希薄なまたはそれを含まない透過物溶液ももたらされ得る。次に、当該透過物流は、当該多液相混合物濃縮物流と混合され得、これにより、吸熱または発熱溶解がもたらされ得、単一液相の組み合わせられた溶液の形成がもたらされ得る。当該溶解は、発熱性または吸熱性であり得、当該溶解前、当該溶解中、もしくは当該溶解後、またはそれらの組み合わせで、加熱または冷却を必要とする1つ以上のアプリケーションと熱交換され得る。当該結果として生じた単一液相溶液は、供給溶液としてステップ1に戻され得る。
【0034】
図8:この図は、冷蔵サイクルまたはヒートポンプサイクルを含み得る。本実施形態は、液体系の1つ以上の可逆的吸熱および発熱相転移を用いて、1つ以上の熱交換器から熱を抽出し、かつ/または1つ以上の熱交換器内で熱を放出する場合がある。1つ以上の可逆的相転移は、吸熱相転移または発熱相転移を含み得る。本実施形態は、1つ以上の「雲点温度に影響を及ぼす試薬」の濃度または組成を調整して、例えば、比較的低い温度で吸熱(熱吸収)相転移を形成することを含み得、例えば、1つ以上の「雲点温度に影響を及ぼす試薬」の濃度または組成を調整して、例えば、比較的高い温度で発熱(熱放出)相転移を形成することを含み得る。
【0035】
この図は、ナノ濾過(NF)を含み得るが、これに限定されない1つ以上の膜ベースのプロセスを使用して1つ以上のUCSTを上昇させる試薬を濃縮することを含み得る。当該濃縮時の供給溶液は、多液相混合物を含み得る。当該濃縮中、1つ以上のCST試薬の濃度は、1つ以上の濃縮物または保持液溶液中で増加し得る。1つ以上のCST試薬の当該濃度の増加により、UCSTの低下がもたらされ得、これにより、濃縮物/保持液中での吸熱溶解がもたらされ得、単一液相濃縮物溶液がもたらされ得る。当該吸熱溶解は、当該吸熱溶解前、当該吸熱溶解中、もしくは当該吸熱溶解後、またはそれらの組み合わせで、冷却を必要とする1つ以上のアプリケーションと熱交換され得る。当該濃縮により、1つ以上のCST試薬が希薄なまたはそれを含み得ない1つ以上の透過物液体ももたらされ得る。当該単一液相濃縮物溶液は、当該1つ以上の透過物液体と混合され得、多液相混合物への相転移を受け得る。当該相転移は、発熱性であり得、当該発熱相転移前、当該発熱相転移中、もしくは当該発熱相転移後、またはそれらの組み合わせで、冷却を必要とする1つ以上のアプリケーションと熱交換され得る。
【0036】
図9:この図は、多段または多サイクル冷蔵サイクルの一例を示し得る。図9に示される実施形態を含み得るが、これに限定されない、本明細書に記載されるまたは示される実施形態は、ある冷蔵またはヒートポンプサイクル/段階の低温側を別の冷蔵またはヒートポンプサイクル/段階の高温側として用い得るか、またはその逆も同様であり得る。図9に示される実施形態を含み得るが、これらに限定されない、本明細書に記載されるまたは示される実施形態は、ある冷蔵またはヒートポンプサイクル/段階の低温側を別の冷蔵またはヒートポンプサイクル/段階の高温側として熱交換し得るか、またはその逆も同様であり得る。「低温側」は、1つ以上の熱吸収区域を含み得、「高温側」は、1つ以上の「熱放出」区域を含み得る。複数の冷蔵またはヒートポンプサイクルを熱交換に統合することにより、組み合わせられた冷蔵またはヒートポンプサイクルの高温側と低温側との間の温度差が、単一液体系または個々の段階もしくは個々のサイクルの容量よりも高い可能性があり得る。
【0037】
図10:この図は、冷蔵サイクルまたはヒートポンプサイクルを含み得る。あるいは、本実施形態は、熱機関を含み得、圧縮機は、例えば、発電機に置き換えられてもよい。あるいは、本実施形態は、1つ以上のガス状蒸気を回収または吸収するための方法を含み得る。
【0038】
この図は、「低溶解度試薬(複数可)」のうちの1つ(または1つ以上)が揮発性であり得るか、または液体系の他の構成試薬のうちの1つ以上よりも高い蒸気圧を有し得るUCST相変化液体系を含み得る。本実施形態は、UCST相転移から発生し得る平衡蒸気圧シフトから恩恵を受けることができ、これは、エネルギー効率が著しくより良好な冷蔵もしくはヒートポンプまたは熱機関またはそれらの組み合わせを可能にし得、必要な液体の流量を減少させる場合もある。
【0039】
例えば、冷蔵サイクルでは、「蒸発器」/熱吸収ステップは、「低溶解度試薬」を実質的に含む液相から当該「低溶解度試薬(複数可)」の少なくとも一部を蒸発させることを含み得る。液体が当該「低溶解度試薬」を実質的に含む場合、この液体は、例えば、ラウールの法則に従って、例えば、1つ以上の他の試薬を実質的に含有する溶液中の「低溶解度試薬」と比較して、同じ温度で蒸気分圧のより高い気相「低溶解度試薬」を有し得る。当該蒸発した気相「低溶解度試薬(複数可)」は、圧縮され、例えば、「吸収」/熱放出ステップで、UCST溶媒およびCST試薬を含み得る吸収溶液に吸収され得、これにより、UCST溶媒、CST試薬、および吸収された「低溶解度試薬」を含む組み合わせられた溶液が形成され得る。当該吸収溶液は、同じ温度で当該吸収溶液の不在下での凝縮された液体「低溶解度試薬(複数可)」と比較して分圧のより低い「低溶解度試薬(複数可)」を有し得、これは、先行技術の冷媒冷蔵サイクルと比較して圧縮ステップでより少ないエネルギー消費を可能にし得る。UCST溶媒、CST試薬、および吸収された「低溶解度試薬」を含む当該組み合わせられた溶液は、当該組み合わせられた溶液のUCST相転移温度未満に冷却され得、これにより、多液相混合物がもたらされ得る。当該多液相混合物は、分離され得るか、または組み合わせられたままであり得る。分離される場合、例えば、当該分離は、1つ以上の液液分離ステップを含み得、これにより、少なくとも部分的に分離された構成液相がもたらされ得る。当該少なくとも部分的に分離された構成液相のうちの1つは、「低溶解度試薬」を実質的に含む液相を含み得、蒸発ステップに移送され得る。当該少なくとも部分的に分離された構成液相のうちの1つは、UCST溶媒およびCST試薬を実質的に含む液相を含み得、例えば、吸収溶液の構成要素として、吸収ステップに移送され得る。
【0040】
注記:例えば、当該「低溶解度試薬」が液相中にある場合、UCST溶媒およびCST試薬を含み得る溶液中での「低溶解度試薬」の溶解が吸熱性であり得ることに留意することも重要である。本実施形態では、「低溶解度試薬」は、気相から吸収され得る。気相(発熱)からの凝縮エンタルピーが「低溶解度試薬」(吸熱)の溶解エンタルピーを超える場合があるが、吸収プロセス中の当該吸熱ステップまたは機構は、「吸収」ステップ中に拒絶された熱の量を減少させ得る。
【0041】
注記:水等のUCST溶媒も本実施形態のうちの1つ以上で揮発性試薬として用いられ得る。例えば、水は、例えば、炭酸プロピレン、ポリプロピレングリコール425、および水を含む液体系中でより揮発性の高い試薬を含み得る。例えば、UCST溶媒は、液体アンモニアを含み得る。例えば、このプロセスは、UCST溶媒およびCST試薬を含む溶液からUCST溶媒の一部を蒸発させることを含み得る熱吸収ステップを含み得、これにより、ガス状UCST溶媒および残りの溶液(例えば、UCST溶媒と比較してより高い濃度のCST試薬を含む)が形成され得る。当該残りの溶液は、低溶解度試薬を実質的に含む液相と混合され得、これにより、吸収溶液として用いられ得る組み合わせられた溶液が形成され得る。当該UCST溶媒ガスは圧縮され得る。当該圧縮されたUCST溶媒ガスは、例えば、熱放出ステップで、当該吸収溶液に吸収され得、これにより、UCST溶媒、CST試薬、および「低溶解度試薬」を含む組み合わせられた溶液が形成され得る。当該組み合わせられた溶液は、例えば、冷却、1つ以上の試薬の添加、または透過物の添加、またはUCST溶媒の添加、またはそれらの組み合わせを使用して、多液相混合物に相転移され得る。当該多液相混合物は、分離され得るか、または組み合わせられたままであり得る。分離される場合、例えば、当該分離は、1つ以上の液液分離ステップを含み得、これにより、少なくとも部分的に分離された構成液相がもたらされ得る。当該少なくとも部分的に分離された構成液相のうちの1つは、「低溶解度試薬」を実質的に含む液相を含み得、混合ステップに移送されて、吸収溶液を形成し得る。当該少なくとも部分的に分離された構成液相のうちの1つは、UCST溶媒およびCST試薬を実質的に含む液相を含み得、蒸発/熱吸収ステップに移送され得る。
1)本実施形態は、1つ以上の揮発性試薬の蒸気を吸収溶液に吸収することを含み得、これにより、当該1つ以上の揮発性試薬がUCSTまたはLCSTで組み合わせられた溶液を形成する。当該吸収により、熱が放出され得、これは、例えば、加熱を必要とする1つ以上のアプリケーション、または1つ以上のヒートシンク、または蒸発冷却、またはそれらの組み合わせと熱交換され得る。
2)本実施形態は、それぞれ、当該UCSTまたはLCST未満または超の、それぞれ、当該組み合わせられた溶液を冷却または加熱することをさらに含み得、これにより、多液相(または超臨界相)混合物(多相混合物)の形成がもたらされ得る。
3)当該多相混合物は、例えば、1つ以上の液体-液体もしくはコアレッサもしくは密度駆動型、またはそれらの組み合わせの分離法を使用して、少なくとも部分的に分離され得る。当該多相混合物から分離された1つ以上の相は、ステップ「1)」由来の「吸収溶液」を実質的に含み得、これは、ステップ「1)」に戻され得る。当該多相混合物から分離された1つ以上の相は、ステップ「1)」由来の「吸収溶液」を実質的に含み得、これは、ステップ「1)」に戻され得る。当該多相混合物から分離された1つ以上の相は、液相および/または超臨界相中に1つ以上の揮発性試薬を実質的に含み得、ステップ「4)」に移送され得る。
4)当該1つ以上の分離された揮発性試薬は、1つ以上の蒸発器に移送され得、ここで、当該1つ以上の揮発性試薬は、減圧され得、かつ/または気相中に蒸発し得る。当該蒸発は、熱を吸収し得、冷却を必要とする1つ以上のアプリケーション、もしくは温熱源、もしくはエンタルピー源、またはそれらの組み合わせと熱交換され得る。蒸発後の残留物はステップ「1)」に移送され得、例えば、ステップ「1)」で当該吸収溶液と混合され得る。
5)当該気相揮発性試薬は圧縮されて、より高圧の気相揮発性試薬を形成し得、これは、ステップ「1)」に移送され得る。
【0042】
注記:図10は、冷媒および吸収液相を再生するための複数の液相への相転移が温熱入力ではなく冷熱入力を使用して行われ得るという利点を有し得る。これは、例えば、冷蔵サイクルの適用が主に加熱のためである場合に望ましくあり得る。
【0043】
図11:この図は、冷蔵サイクルまたはヒートポンプサイクルを含み得る。あるいは、本実施形態は、熱機関を含み得、圧縮機は、例えば、発電機に置き換えられてもよい。あるいは、本実施形態は、1つ以上のガス状蒸気を回収または吸収するための方法を含み得る。
【0044】
この図は、「低溶解度試薬(複数可)」のうちの1つ(または1つ以上)が揮発性であり得るか、または液体系の他の構成試薬のうちの1つ以上よりも高い蒸気圧を有し得るUCST相変化液体系を含み得る。本実施形態は、UCST相転移から発生し得る平衡蒸気圧シフトから恩恵を受けることができ、これは、エネルギー効率が著しくより良好な冷蔵もしくはヒートポンプまたは熱機関またはそれらの組み合わせを可能にし得、必要な液体の流量を減少させる場合もある。
【0045】
図11は、図11が、冷却ではなく、または冷却に加えて、透過物または透過物等価物またはそれらの組み合わせ等の1つ以上の試薬の添加を使用した相転移を開始または発生させ得るという点で、図10とは異なり得る。加えて、当該1つ以上の添加された試薬は、1つ以上の膜ベースのプロセスを使用して回収され得る。
【0046】
図11は、CST試薬、「低溶解度試薬」、およびUCST溶媒を含む組み合わせられた単一液相溶液を、UCST溶媒の一部を含む透過物または透過物等価物で希釈することを含み得、これにより、より低い濃度のCST試薬がもたらされ得、これは、多液相混合物への相転移を誘発し得る。当該多液相混合物は、構成液相を含み得、多液相混合物中の液相のうちの1つ以上は、揮発性「低溶解度試薬」を含み得、多液相混合物中の液相のうちの1つ以上は、UCST溶媒およびCST試薬の溶液を含み得る。当該構成液相は、少なくとも部分的に分離され得る。「低溶解度試薬」を含み得る当該液相のうちの1つ以上は、蒸発段階に移送され得る。当該添加された透過物および/または透過物等価物は、例えば、ナノ濾過等の1つ以上の膜ベースのプロセスを使用して、UCST溶媒およびCST試薬の溶液を含み得る当該液相のうちの1つ以上から回収され得る。当該ナノ濾過は、1つ以上の透過物流(透過物添加ステップに戻され得る)および吸収段階で用いられる流れのうちの1つ以上として用いられ得る保持液流を形成し得る。
【0047】
注記:当該液相のうちの1つ以上は、例えば、当該多液相混合物中の他の液相のうちの1つ以上に存在し得る1つ以上の他の試薬の残留物が混入されているか、またはそれを含有し得る。
【0048】
図12:この図は、冷蔵サイクルまたはヒートポンプサイクルを含み得る。あるいは、本実施形態は、熱機関を含み得、圧縮機は、例えば、発電機に置き換えられてもよい。あるいは、本実施形態は、1つ以上のガス状蒸気を回収または吸収するための方法を含み得る。
【0049】
この図は、LCST結合剤試薬のうちの1つ(または1つ以上)が揮発性であり得るか、または冷媒であり得るか、または液体系の他の構成試薬のうちの1つ以上よりも高い蒸気圧を有し得るLCST相変化液体系を含み得る。本実施形態は、LCST相転移から発生し得る平衡蒸気圧シフトから恩恵を受けることができ、これは、エネルギー効率が著しくより良好な冷蔵またはヒートポンプまたは熱機関またはそれらの組み合わせを可能にし得、必要な液体の流量を減少させる場合もある。
【0050】
例えば、冷蔵サイクルでは、「蒸発器」/熱吸収ステップは、冷媒およびLCST試薬を実質的に含む液相から当該冷媒の少なくとも一部を蒸発させることを含み得る。液体が吸収溶液中よりも高い濃度の当該冷媒を含む場合、この液体は、例えば、ラウールの法則に従って、例えば、吸収溶液中に溶解された冷媒溶液と比較して、同じ温度で蒸気分圧のより高い気相冷媒を有し得る。蒸発中または蒸発後の残りのLCST試薬(およびLCST試薬を有する溶液中の他の残留試薬)は、例えば、吸収溶液の構成成分として、吸収/熱放出段階に移送され得る。当該蒸発された気相冷媒は、圧縮され、例えば、「吸収」/熱放出ステップで、LCST試薬およびLCST溶媒試薬を含み得る吸収溶液に吸収され得、これにより、LCST溶媒試薬、LCST試薬、および吸収された冷媒を含む組み合わせられた溶液が形成され得る。当該吸収溶液は、同じ温度で当該吸収溶液の不在下での凝縮された液体冷媒と比較して分圧のより低い冷媒を有し得、これは、先行技術の冷媒冷蔵サイクルと比較して圧縮ステップでより少ないエネルギー消費を可能にし得る。LCST溶媒試薬、LCST試薬、および吸収された冷媒を含む当該組み合わせられた溶液は、当該組み合わせられた溶液のLCST相転移温度超に加熱され得、これにより、多液相混合物がもたらされ得る。当該多液相混合物は、分離され得るか、または組み合わせられたままであり得る。分離される場合、例えば、当該分離は、1つ以上の液液分離ステップを含み得、これにより、少なくとも部分的に分離された構成液相がもたらされ得る。当該少なくとも部分的に分離された構成液相のうちの1つは、冷媒およびLCST試薬を実質的に含む液相を含み得、蒸発ステップに移送され得る。当該少なくとも部分的に分離された構成液相のうちの1つは、LCST溶媒試薬を実質的に含む液相を含み得、例えば、吸収溶液の構成要素として、吸収ステップに移送され得る。
【0051】
注記:水等のLCST溶媒試薬も本実施形態のうちの1つ以上で揮発性試薬または冷媒として用いられ得る。例えば、LCST溶媒試薬は、例えば、不揮発性LCST試薬および/またはLCST結合剤試薬を含む液体系中の冷媒を含み得る。例えば、水は、LCST溶媒試薬を含み得、ポリプロピレングリコール425は、LCST試薬を含み得、炭酸プロピレンは、LCST結合剤試薬を含み得る。例えば、LCST溶媒液相は、高溶解度化合物またはLCSTを低下させる試薬またはそれらの組み合わせも含み得、これは、揮発性であり得、水と共沸混合物を形成する場合もしない場合もある、アンモニア、アミン、メタノール、エタノール、THF、アセトン、または他の潜在的に揮発性の水溶性試薬のうちの1つ以上または組み合わせを含むが、これらに限定されない試薬を含み得る。例えば、LCST溶媒液相は、塩を含むが、これに限定されない、LCSTを低下させる試薬等の不揮発性試薬も含み得る。例えば、このプロセスは、LCST溶媒試薬を実質的に含む液相からLCST溶媒試薬の一部を蒸発させることを含み得る熱吸収ステップを含み得、これにより、ガス状LCST溶媒試薬が形成され得、残りの溶液はいずれの残留試薬も含む。当該熱吸収ステップは、冷却を必要とする1つ以上のアプリケーション、または1つ以上の温熱源、または1つ以上のエンタルピー源、またはそれらの組み合わせと熱交換され得る。当該残りの溶液は、LCST試薬および/またはLCST結合剤試薬を実質的に含む液相と混合され得、これにより、吸収溶液として用いられ得る組み合わせられた溶液が形成され得る。当該LCST溶媒試薬ガスは圧縮され得る。当該圧縮されたLCST溶媒試薬ガスは、例えば、熱放出ステップで、当該吸収溶液に吸収され得、これにより、LCST溶媒試薬、LCST試薬、および/またはLCST結合剤試薬を含む組み合わせられた溶液が形成され得る。当該熱放出ステップは、加熱を必要とする1つ以上のアプリケーション、1つ以上の冷却源、蒸発冷却、エンタルピー源、またはそれらの組み合わせと熱交換され得る。当該組み合わせられた溶液は、例えば、加熱、1つ以上の熱源との熱交換、1つ以上の試薬の添加、1つ以上の試薬の濃度の変化、または1つ以上の試薬の添加、またはそれらの組み合わせを使用して、多液相混合物に相転移され得る。当該多液相混合物は、分離され得るか、または組み合わせられたままであり得る。分離される場合、例えば、当該分離は、1つ以上の液液分離ステップを含み得、これにより、少なくとも部分的に分離された構成液相がもたらされ得る。当該少なくとも部分的に分離された構成液相のうちの1つは、LCST試薬および/またはLCST結合剤試薬を実質的に含む液相を含み得、移送されて、吸収溶液を形成し得る。当該少なくとも部分的に分離された構成液相のうちの1つは、LCST溶媒試薬を実質的に含む液相を含み得、蒸発/熱吸収ステップに移送され得る。
【0052】
注記:本記載の実施形態は、空気技術または煙道ガスまたは他の水装填ガス流からの水の除去または回収を含み得る。本実施形態は、水を蒸留するためにも用いられ得、蒸発器が生理食塩水または混入水流から水を蒸発させ、吸収器が当該蒸発された水蒸気を吸収する。その後、吸収された水が、多液相混合物を形成するLCST相転移を使用して回収される。当該多液相混合物は、その構成液相に少なくとも部分的に分離され得る。当該分離された構成液相のうちの少なくとも1つは、水を実質的に含有し得、さらなる処理を受け得るか、または分離された水としてこのプロセスから除去され得るか、またはそれらの組み合わせであり得る。
【0053】
注記:図12は、冷媒および吸収液相を再生するための複数の液相への相転移が冷熱入力ではなく温熱入力を使用して行われ得るという利点を有し得る。これは、例えば、冷蔵サイクルの適用が主に冷却のためである場合に望ましくあり得る。加えて、これは、冷却能力を高め得るため、望ましくあり得る。加えて、これは、圧縮機によって生成された熱(例えば、圧縮機廃熱)を用い得るため、望ましくあり得る。
【0054】
図1
図1A-段階的な説明の例-1つ以上の分離された流れ中でLCSTを低下させる試薬を濃縮することによるLCSTの能動的な低下:
1)熱吸収LCST相変化:単一液相を含み得る組み合わせられた溶液(L-1)が、例えば、1つ以上の熱交換器(HE-1、「温熱入力熱交換器」)内の1つ以上の温熱源または冷却を必要とする1つ以上の源またはそれらの組み合わせ(「温熱入力源」)によって加熱され得る。当該「加熱」前、または当該「加熱」中、または当該「加熱」後、またはそれらの組み合わせで、L-1が多液相混合物(LL-1)に相転移し得る。当該相転移は、例えば、吸熱性であり得る。
2)多液相の分離:LL-1が、1つ以上の液液分離デバイスを使用して、例えばLL-1の構成液相のうちの1つ以上を含み得る2つ以上の少なくとも部分的に分離された液体流(L-2およびL-3)に分離され得る。
3)1つ以上の液相中でのLCSTを低下させる試薬の濃縮:1つ以上のLCSTを低下させる試薬を含有し得るL-2が、入力蒸気(L-4)として1つ以上のポンプおよび/または圧力交換器(P-1)に方向付けられ(V-1)得る。L-4がP-1内で加圧され得、これにより、例えば、1つ以上の加圧された供給溶液(L-6)が形成され得る。L-6が1つ以上の膜ベースのプロセス(例えば、逆浸透「RO」)に供給され得、これにより、L-6が、例えば、1つ以上の濃縮物流(L-8)および/または1つ以上の透過物流(L-7)に分離され得る。当該1つ以上の濃縮物流は、L-6と比較して1つ以上のLCSTを低下させる試薬がより濃縮されている場合がある。当該1つ以上の透過物流は、L-6と比較してより低い濃度の1つ以上のLCSTを低下させる試薬を含有し得る。L-8がL-11としてステップ「4)」に移送され得る。L-7が「透過物貯蔵庫」に移送され得る。
4)液相の混合:L-8がL-3と混合され得、これにより、多液相混合物(LL-2)、または単一液相の組み合わせられた溶液(L-4)、またはそれらの組み合わせが形成され得る。
5)熱放出LCST相変化:ステップ「4)」からの液体流(複数可)が、例えば、1つ以上の熱交換器(HE-2、「加熱アプリケーション熱交換器」)内の加熱を必要とする1つ以上のアプリケーション、または1つ以上の冷却源、または1つ以上のヒートシンク、またはそれらの組み合わせ(「加熱を必要とするアプリケーション」)によって「冷却され」得る。当該「冷却」前、または当該「冷却」中、または当該「冷却」後、またはそれらの組み合わせで、ステップ「4)」からの液体流(複数可)が単一液相の組み合わせられた溶液(L-1)に相転移し得る。当該相転移は、例えば、発熱性であり得る。
【0055】
図1B-段階的な説明の例-組み合わせられた単一液相溶液中でLCSTを低下させる試薬を濃縮することによるLCSTの能動的な低下:
1)熱吸収LCST相変化:単一液相を含み得る組み合わせられた溶液(L-9)が、例えば、1つ以上の熱交換器(HE-1、「温熱入力熱交換器」)内の1つ以上の温熱源または冷却を必要とする1つ以上の源またはそれらの組み合わせ(「温熱入力源」)によって加熱され得る。当該「加熱」前、または当該「加熱」中、または当該「加熱」後、またはそれらの組み合わせで、L-1が多液相混合物(LL-1)に相転移し得る。当該相転移は、例えば、吸熱性であり得る。
2)熱放出LCST相変化:LL-1が、例えば、1つ以上の熱交換器(HE-2、「加熱アプリケーション熱交換器」)内の加熱を必要とする1つ以上のアプリケーション、または1つ以上の冷却源、または1つ以上のヒートシンク、またはそれらの組み合わせ(「加熱を必要とするアプリケーション」)によって「冷却され」得る。当該「冷却」前、または当該「冷却」中、または当該「冷却」後、またはそれらの組み合わせで、LL-1が単一液相の組み合わせられた溶液(L-1)に相転移し得る。当該相転移は、例えば、発熱性であり得る。
3)1つ以上の液相中でのLCSTを低下させる試薬の濃縮:L-1が、入力蒸気(L-2)として1つ以上のポンプおよび/または圧力交換器(P-1)に方向付けられ(V-1)得る。L-2がP-1内で加圧され得、これにより、例えば、1つ以上の加圧された供給溶液(L-4)が形成され得る。L-4が1つ以上の膜ベースのプロセス(例えば、ナノ濾過「NF」、および/または逆浸透「RO」)に供給され得、これにより、L-4が、例えば、1つ以上の濃縮物流(L-6)および/または1つ以上の透過物流(L-5)に分離され得る。当該1つ以上の濃縮物流は、L-4と比較して1つ以上のLCSTを低下させる試薬がより濃縮されている場合がある。当該1つ以上の透過物流は、L-4と比較してより低い濃度の1つ以上のLCSTを低下させる試薬を含有し得る。L-6がL-9としてステップ「1)」に移送され得る。L-5が「透過物貯蔵庫」に移送され得る。
【0056】
注記:図1Bは、透過物または透過物等価物の添加を使用して、LCSTを能動的に上昇させ得る。加えて、図1Bは、例えば、L-1が1つ以上の雲点調整ステップをバイパスすることを可能にすることによって、LCSTを維持し得る。
【0057】
注記:1つ以上のLCST試薬が1つ以上の膜によって拒絶されるのに十分大きい分子量または水和半径を有する場合、ROから出力された濃縮物溶液中のLCST試薬の濃度は、入力された供給溶液中のLCST試薬の濃度を超え得る。LCST試薬の濃度がより高く、かつ/またはLCSTを低下させる試薬の濃度がより高いため、出力された濃縮物溶液は多液相混合物を含み得る。多液体混合物が、例えば、1つ以上のRO濃縮ユニット内にまたは1つ以上のRO濃縮ユニットの直後に生じる場合、RO濃縮ユニットと熱交換することが望ましくあり得る。
【0058】
注記:LCSTの能動的な上昇の代替実施形態:例えば、浸透圧または必要な加圧または濃度分極またはエネルギー消費またはそれらの組み合わせを最小限に抑えるために、ナノ濾過(NF)を使用して1つ以上のLCST試薬を最初に濃縮することが望ましくあり得る(例えば、LCST試薬(複数可)のうちの1つ以上がNFによって拒絶されるのに十分大きい水和半径を有する場合)。当該NF段階は、より大きい孔径を有し、例えば、より少ない濃度分極を可能にし、潜在的にエネルギー消費および必要な加圧を低下させることによって恩恵を受け得る。当該NFは、例えば、1つ以上の供給溶液よりも高い濃度の1つ以上のLCST試薬を有する1つ以上の濃縮物溶液を形成し得、かつ/または、例えば、1つ以上の供給溶液よりも著しく低い濃度の1つ以上のLCST試薬を含有し得る1つ以上の透過物溶液を形成し得る。当該NF透過物流は、1つ以上のLCSTを低下させる試薬を含有する溶液を含み得る(例えば、LCSTを低下させる試薬のうちの1つ以上が、例えば、当該NF段階で1つ以上の膜の分子量カットオフ未満の水和半径を有する場合)。当該NF透過物中のLCSTを低下させる試薬が、1つ以上の逆浸透(RO)段階を使用して濃縮され得、これにより、例えば当該NF透過物と比較してより高い濃度の1つ以上のLCSTを低下させる試薬を含む1つ以上の濃縮物流が形成され得、かつ/または例えば当該NF透過物と比較してより低い濃度の1つ以上のLCSTを低下させる試薬を含有する1つ以上の透過物流が形成され得る。当該RO濃縮物がNF濃縮物と混合され得、このプロセスに戻され得る。当該RO透過物が、例えば、透過物貯蔵庫に添加され得、これは、LCSTを能動的に上昇させるために後に用いられるまたは添加され得る。LCST試薬(複数可)およびLCSTを低下させる試薬(複数可)の濃縮が同時ではなく別個に濃縮されることを可能にすることによって、エネルギー消費および/または必要な加圧も低下し得る。
【0059】
図1C-段階的な説明の例-1つ以上の流れ中でLCSTを低下させる試薬を希釈することによるLCSTの能動的な上昇:
1)熱吸収LCST相変化:単一液相を含み得る組み合わせられた溶液(L-1)が、例えば、1つ以上の熱交換器(HE-1、「温熱入力熱交換器」)内の1つ以上の温熱源または冷却を必要とする1つ以上の源またはそれらの組み合わせ(「温熱入力源」)によって加熱され得る。当該「加熱」前、または当該「加熱」中、または当該「加熱」後、またはそれらの組み合わせで、L-1が多液相混合物(LL-1)に相転移し得る。当該相転移は、例えば、吸熱性であり得る。
2)多液相の分離:LL-1が、1つ以上の液液分離デバイスを使用して、例えばLL-1の構成液相のうちの1つ以上を含み得る2つ以上の少なくとも部分的に分離された液体流(L-2およびL-3)に分離され得る。
3)1つ以上の液相中でLCSTを低下させる試薬の希釈:1つ以上のLCSTを低下させる試薬を含有し得るL-2が、入力蒸気(L-5)として1つ以上の流れ統合または混合プロセス要素(統合1)に方向付けられ(V-1)得、ここで、L-5が透過物または透過物等価液体またはそれらの組み合わせ(L-9)と混合され得、これにより、希釈された溶液(L-10)が形成され得る。L-10は、例えばL-2と比較してより低い濃度の1つ以上のLCSTを低下させる試薬を含み得る。L-10がL-11としてステップ「4)」に移送され得る。
4)液相の混合:L-11がL-3と混合され得、これにより、多液相混合物(LL-2)、または単一液相の組み合わせられた溶液(L-4)、またはそれらの組み合わせが形成され得る。
5)熱放出LCST相変化:ステップ「4)」からの液体流(複数可)が、例えば、1つ以上の熱交換器(HE-2、「加熱アプリケーション熱交換器」)内の加熱を必要とする1つ以上のアプリケーション、または1つ以上の冷却源、または1つ以上のヒートシンク、またはそれらの組み合わせ(「加熱を必要とするアプリケーション」)によって「冷却され」得る。当該「冷却」前、または当該「冷却」中、または当該「冷却」後、またはそれらの組み合わせで、ステップ「4)」からの液体流(複数可)が単一液相の組み合わせられた溶液(L-1)に相転移し得る。当該相転移は、例えば、発熱性であり得る。
【0060】
注記:透過物または透過物等価物での希釈を使用してLCSTを上昇させる動作では、LCST、透過物、または透過物等価液体が、例えば、LL-1またはLL-2または「加熱アプリケーション熱交換器」またはL-1またはこのプロセス内の1つ以上の他の場所に直接添加され得る。雲点の上昇により、透過物が分離された液相に添加されることが不要になり得る。
【0061】
図1D-段階的な説明の例-1つ以上の雲点調整ステップをバイパスすることによるLCSTの維持:
1)熱吸収LCST相変化:単一液相を含み得る組み合わせられた溶液(L-1)が、例えば、1つ以上の熱交換器(HE-1、「温熱入力熱交換器」)内の1つ以上の温熱源または冷却を必要とする1つ以上の源またはそれらの組み合わせ(「温熱入力源」)によって加熱され得る。当該「加熱」前、または当該「加熱」中、または当該「加熱」後、またはそれらの組み合わせで、L-1が多液相混合物(LL-1)に相転移し得る。当該相転移は、例えば、吸熱性であり得る。
2)多液相の分離:LL-1が、1つ以上の液液分離デバイスを使用して、例えばLL-1の構成液相のうちの1つ以上を含み得る2つ以上の少なくとも部分的に分離された液体流(L-2およびL-3)に分離され得る。
3)1つ以上の雲点調整ステップのバイパス:1つ以上のLCSTを低下させる試薬を含有し得るL-2が、入力蒸気(L-5)として1つ以上の流れ統合または混合プロセス要素(統合1)に方向付けられ(V-1)得、ここで、L-5が同じまたは同様の組成のままであってもよく、流れL-10として統合1を出てもよい。例えば、統合1での残留L-9または他の潜在的な残留物の混入を潜在的に最小限に抑えるために、L-5もプロセス要素「統合1」をバイパスし得る。L-10は、例えばL-2と比較して同じまたは同様の濃度の1つ以上のLCSTを低下させる試薬を含み得る。L-10がL-11としてステップ「4)」に移送され得る。
4)液相の混合:L-11がL-3と混合され得、これにより、多液相混合物(LL-2)、または単一液相の組み合わせられた溶液(L-4)、またはそれらの組み合わせが形成され得る。
5)熱放出LCST相変化:ステップ「4)」からの液体流(複数可)が、例えば、1つ以上の熱交換器(HE-2、「加熱アプリケーション熱交換器」)内の加熱を必要とする1つ以上のアプリケーション、または1つ以上の冷却源、または1つ以上のヒートシンク、またはそれらの組み合わせ(「加熱を必要とするアプリケーション」)によって「冷却され」得る。当該「冷却」前、または当該「冷却」中、または当該「冷却」後、またはそれらの組み合わせで、ステップ「4)」からの液体流(複数可)が単一液相の組み合わせられた溶液(L-1)に相転移し得る。当該相転移は、例えば、発熱性であり得る。
【0062】
注記:L-2は、例えば、例えばL-1と比較してより低い質量%濃度の1つ以上のLCST試薬および/または例えばL-1と比較してより高い質量%濃度の1つ以上のLCSTを低下させる試薬またはLCST試薬溶媒またはそれらの組み合わせを有する溶液を含み得る。
【0063】
注記:L-3は、例えば、例えばL-1と比較してより高い質量%濃度の1つ以上のLCST試薬および/または例えばL-1と比較してより低い質量%濃度の1つ以上のLCSTを低下させる試薬またはLCST試薬溶媒またはそれらの組み合わせを有する溶液を含み得る。
【0064】
注記:全てのLCSTを低下させる試薬がLCSTを低下させる試薬の濃度の増加に伴って1つ以上の液体系のLCSTを低下させ得るが、LCSTを低下させる試薬が全てLCSTを低下させる試薬とみなされるとは限らない場合がある。「LCSTを低下させる試薬」は、1つ以上の「LCST試薬」よりも1つ以上の「LCST試薬溶媒」中で可溶性であり得る。その一方で、濃度の増加に伴ってLCSTを低下させ得、かつ1つ以上の「LCST試薬溶媒」よりも1つ以上の「LCST試薬」中でより可溶性または感知できる程度により可溶性であり得る試薬は、「LCST結合剤試薬」に分類され得る。
【0065】
例えば、ポリプロピレングリコール425(PPG 425)、炭酸プロピレン、水、および5重量%塩化ナトリウムを含む液体系の例を考慮して、PPG 425は「LCST試薬」に分類され得、「炭酸プロピレン」は「LCST結合剤試薬」に分類され得、水は「LCST試薬溶媒」に分類され得、塩化ナトリウムは「LCSTを低下させる試薬」に分類され得る。PPG 425は、例えば、水および塩化ナトリウムを含む溶液中でLCST相転移を形成し得るため、LCST試薬に分類され得る。炭酸プロピレンは、例えば、PPG 425がLCST試薬であるLCST相転移時にPPG 425がより濃縮された相中に主に溶解し得るため、「LCST結合剤試薬」に分類され得る。加えて、例えば、水のみ(LCST試薬溶媒の一例を含む水)または水および塩化ナトリウムのみの混合物中で、炭酸プロピレンはLCST相転移を欠き得る。水は、例えば、「LCST試薬」が水中に溶解されたLCST試薬を含む溶液中にLCST相転移を形成し得るため、「LCST試薬溶媒」に分類され得る。塩化ナトリウムは、例えば、塩化ナトリウムが「LCST試薬」よりも「LCST試薬溶媒」中で可溶性であり得るため、「LCSTを低下させる試薬」に分類され得る。加えて、例えば、水のみ(LCST試薬溶媒の一例を含む水)または水および塩化ナトリウムのみの混合物中で、塩化ナトリウムはLCST相転移を欠き得る。
【0066】
注記:L-6は、例えば、ナノ濾過(NF)で最初に処理されて、例えば、1つ以上の残留LCST試薬を除去した後に、例えば、逆浸透(RO)を使用して、例えば、1つ以上のLCSTを低下させる試薬を濃縮し得る。当該NFから生じ得る1つ以上のLCST試薬濃縮物流が、例えば、L-3もしくはL-8もしくはL-11と混合され得るか、または「混合」プロセス要素内で混合され得るか、またはそれらの組み合わせであり得る。
【0067】
注記:「LCST結合剤試薬」と「LCST試薬」を潜在的に区別する1つの方法は、例えば、LCST結合剤試薬がLCSTを欠き得るか、または1つ以上の「LCST試薬溶媒」と非常に異なるLCSTを有し得るかである。例えば、水のみ(LCST溶媒の一例を含む水)または水および塩化ナトリウムのみの混合物中で、炭酸プロピレンはLCST相転移を欠き得る。
【0068】
注記:本明細書における1つ以上または全ての実施形態は、1つ以上の「LCST結合剤試薬」を含み得る。便宜上、「LCST結合剤試薬」が1つ以上の説明に明示されている場合もされていない場合もある。
【0069】
注記:液体流のうちの1つ以上または組み合わせが、例えば、過剰容量またはバッファ容量として貯蔵槽内に貯蔵され得る。例えば、液液分離は、十分な時間を必要とし得、1つ以上のバッファ貯蔵容器が分離された液相を貯蔵するために用いられ得る。当該バッファ貯蔵容器は、例えば、加熱または冷却伝達プロセスの起動中に望ましくあり得る。
【0070】
注記:ステップ4および5は、同時に、または同じプロセス要素で、または順次、または別個のプロセス要素で行われ得るか、またはそれらの組み合わせであり得る。
【0071】
注記:能動的な雲点の調整が冷却伝達のためのLCST実施形態でも用いられ得る。冷却伝達のためのLCST実施形態では、1つ以上の多相液体分離デバイスを含まないか、またはそれをバイパスすることが望ましくあり得る。
【0072】
注記:本実施形態が冷却伝達技術として機能し得る。例えば、「加熱を必要とするアプリケーション」は、例えば、ヒートシンク、または蒸発冷却、または他の冷却源、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、「冷熱源」を含み得る。冷却伝達システムとしての動作では、本実施形態は1つ以上の多相液体分離デバイスをバイパスし得る。別個の液相を別個に輸送することにより、様々な条件および距離にわたって、場合によっては様々な条件および輸送距離から少なくとも部分的に独立して、効果的な熱伝達が可能になり得るため、多相液体分離デバイスが本実施形態のLCST相変化時に加熱伝達において望ましくあり得る。
【表1】

【表2】
【0073】
図2
図2A-段階的な説明の例-1つ以上の組み合わせられた流れ中でCST試薬を濃縮することによるUCSTの能動的な低下、多液相混合物分離を備えたシステム:
1)1つ以上の膜ベースのプロセスを使用した1つ以上のCST試薬の濃縮:単一液相を含み得る組み合わせられた溶液(L-1)が、入力溶液(L-3)として1つ以上のポンプ(P-1)に方向付けられ(V-1)得る。L-3がP-1を使用して加圧されて、1つ以上の加圧された溶液(L-4)を形成し得る。L-4は、1つ以上の膜ベースのプロセス(例えば、ナノ濾過「NF」)への1つ以上の供給流を含み得、これにより、1つ以上の濃縮物流(L-6)および1つ以上の透過物流(L-5またはLL)が形成され得る。当該1つ以上の濃縮物流(L-6)は、当該1つ以上の供給流よりも高い濃度の1つ以上のCST試薬を含み得る。当該1つ以上の透過物流(L-5またはLL)は、当該1つ以上の供給流よりも低い濃度の1つ以上のCST試薬を含み得る。当該1つ以上の透過物流(L-5またはLL)は、例えば、1つ以上のCST試薬の濃度が著しく低いか、またはそれが存在しないため、2つ以上の液相を含み得る。L-5またはLLが、1つ以上の透過物および/または透過物等価物貯蔵ユニット(「透過物貯蔵庫」)に移送され得る。L-6がL-9としてステップ「2)」に方向付けられ(V-2)得る。
2)熱放出UCST相変化:単一液相を含み得るL-9が、例えば、1つ以上の熱交換器(HE-1、「ヒートシンク熱交換器」)内の1つ以上の冷熱源または蒸発冷却または加熱を必要とする1つ以上のアプリケーションまたはそれらの組み合わせ(「冷熱入力源」)によって冷却され得る。当該「冷却」前、または当該「冷却」中、または当該「冷却」後、またはそれらの組み合わせで、L-9が多液相混合物(LL-1)に相転移し得る。当該相転移は、例えば、発熱性であり得る。
3)多液相混合物の分離:LL-1が、1つ以上の液液分離デバイスを使用して、例えばLL-1の構成液相のうちの1つ以上を含み得る2つ以上の少なくとも部分的に分離された液体流(L-10およびL-11)に分離され得る。
4)液相の混合:L-11がL-10と混合され得、これにより、多液相混合物(LL-2)、または単一液相の組み合わせられた溶液(L-12)、またはそれらの組み合わせが形成され得る。
5)熱吸収UCST相変化:ステップ「4)」からの1つ以上の液体流LL-2またはL-12が、例えば、1つ以上の熱交換器(HE-2、「冷却アプリケーション熱交換器」)内の1つ以上の冷却を必要とするアプリケーション、または1つ以上の加熱源、または1つ以上のエンタルピー源、またはそれらの組み合わせ(「冷却を必要とするアプリケーション」)によって「加熱され」得る。当該「加熱」前、または当該「加熱」中、または当該「加熱」後、またはそれらの組み合わせで、ステップ「4)」からの液体流(複数可)が単一液相の組み合わせられた溶液(L-1)に相転移し得る。当該相転移は、例えば、吸熱性であり得る。
【0074】
図2B-段階的な説明の例-1つ以上の組み合わせられた流れ中でCST試薬を濃縮することによるUCSTの能動的な低下、多液相混合物分離を備えないシステム:
1)1つ以上の膜ベースのプロセスを使用した1つ以上のCST試薬の濃縮:単一液相を含み得る組み合わせられた溶液(L-1)が、入力溶液(L-3)として1つ以上のポンプ(P-1)に方向付けられ(V-1)得る。L-3がP-1を使用して加圧されて、1つ以上の加圧された溶液(L-4)を形成し得る。L-4は、1つ以上の膜ベースのプロセス(例えば、ナノ濾過「NF」)への1つ以上の供給流を含み得、これにより、1つ以上の濃縮物流(L-6)および1つ以上の透過物流(L-5またはLL)が形成され得る。当該1つ以上の濃縮物流(L-6)は、当該1つ以上の供給流よりも高い濃度の1つ以上のCST試薬を含み得る。当該1つ以上の透過物流(L-5またはLL)は、当該1つ以上の供給流よりも低い濃度の1つ以上のCST試薬を含み得る。当該1つ以上の透過物流(L-5またはLL)は、例えば、1つ以上のCST試薬の濃度が著しく低いか、またはそれが存在しないため、2つ以上の液相を含み得る。L-5またはLLが、1つ以上の透過物および/または透過物等価物貯蔵ユニット(「透過物貯蔵庫」)に移送され得る。L-6がL-9としてステップ「2)」に方向付けられ(V-2)得る。
2)熱放出UCST相変化:単一液相を含み得るL-9が、例えば、1つ以上の熱交換器(HE-1、「ヒートシンク熱交換器」)内の1つ以上の冷熱源または蒸発冷却または加熱を必要とする1つ以上のアプリケーションまたはそれらの組み合わせ(「冷熱入力源」)によって冷却され得る。当該「冷却」前、または当該「冷却」中、または当該「冷却」後、またはそれらの組み合わせで、L-9が多液相混合物(LL-1)に相転移し得る。当該相転移は、例えば、発熱性であり得る。
3)熱吸収UCST相変化:LL-1が、例えば、1つ以上の熱交換器(HE-2、「冷却アプリケーション熱交換器」)内の1つ以上の冷却を必要とするアプリケーション、または1つ以上の加熱源、または1つ以上のエンタルピー源、またはそれらの組み合わせ(「冷却を必要とするアプリケーション」)によって「加熱され」得る。当該「加熱」前、または当該「加熱」中、または当該「加熱」後、またはそれらの組み合わせで、LL-1が単一液相の組み合わせられた溶液(L-1)に相転移し得る。当該相転移は、例えば、吸熱性であり得る。
【0075】
図2C-段階的な説明の例-1つ以上の組み合わせられた流れ中でCST試薬を透過物および/または透過物等価物で希釈することによるUCSTの能動的な上昇、多液相混合物分離を備えたシステム:
1)1つ以上の液相中での1つ以上のCST試薬の希釈:単一液相を含み得る組み合わせられた溶液L-1が、入力蒸気(L-2)として1つ以上の流れ統合または混合プロセス要素(統合1)に方向付けられ(V-1)得、ここで、L-2が透過物または透過物等価液体またはそれらの組み合わせ(L-7またはLL)と混合され得、これにより、希釈されたCST試薬溶液(L-8)が形成され得る。L-8は、例えばL-2と比較してより低い濃度の1つ以上のCST試薬を含み得る。L-8がL-9としてステップ「2)」に移送され得る。
2)熱放出UCST相変化:単一液相を含み得るL-9が、例えば、1つ以上の熱交換器(HE-1、「ヒートシンク熱交換器」)内の1つ以上の冷熱源または蒸発冷却または加熱を必要とする1つ以上のアプリケーションまたはそれらの組み合わせ(「冷熱入力源」)によって冷却され得る。当該「冷却」前、または当該「冷却」中、または当該「冷却」後、またはそれらの組み合わせで、L-9が多液相混合物(LL-1)に相転移し得る。当該相転移は、例えば、発熱性であり得る。
3)多液相混合物の分離:LL-1が、1つ以上の液液分離デバイスを使用して、例えばLL-1の構成液相のうちの1つ以上を含み得る2つ以上の少なくとも部分的に分離された液体流(L-10およびL-11)に分離され得る。
4)液相の混合:L-11がL-10と混合され得、これにより、多液相混合物(LL-2)、または単一液相の組み合わせられた溶液(L-12)、またはそれらの組み合わせが形成され得る。
5)熱吸収UCST相変化:ステップ「4)」からの1つ以上の液体流LL-2またはL-12が、例えば、1つ以上の熱交換器(HE-2、「冷却アプリケーション熱交換器」)内の1つ以上の冷却を必要とするアプリケーション、または1つ以上の加熱源、または1つ以上のエンタルピー源、またはそれらの組み合わせ(「冷却を必要とするアプリケーション」)によって「加熱され」得る。当該「加熱」前、または当該「加熱」中、または当該「加熱」後、またはそれらの組み合わせで、ステップ「4)」からの液体流(複数可)が単一液相の組み合わせられた溶液(L-1)に相転移し得る。当該相転移は、例えば、吸熱性であり得る。
【0076】
図2D-段階的な説明の例-1つ以上の雲点調整ステップをバイパスすることによるUCSTの維持、多液相混合物分離を備えたシステム、「バイパスされた」能動的雲点調整ユニットが組み合わせられた単一液相溶液と接触し得る:
1)1つ以上の雲点調整ステップのバイパス:単一液相を含み得るL-1が入力蒸気(L-2)として1つ以上の流れ統合または混合プロセス要素(統合1)に方向付けられ(V-1)得、ここで、L-2が同じまたは同様の組成のままであってもよく、流れL-8として統合1を出てもよい。例えば、統合1での残留L-7もしくはLLまたは他の潜在的な残留物の混入を潜在的に最小限に抑えるために、L-2が同様にまたは代わりにプロセス要素「統合1」をバイパスし得る。L-8は、例えばL-2と比較して同じまたは同様の濃度の1つ以上のCST試薬を含み得る。L-8がL-9としてステップ「2)」に移送され得る。
2)熱放出UCST相変化:単一液相を含み得るL-9が、例えば、1つ以上の熱交換器(HE-1、「ヒートシンク熱交換器」)内の1つ以上の冷熱源または蒸発冷却または加熱を必要とする1つ以上のアプリケーションまたはそれらの組み合わせ(「冷熱入力源」)によって冷却され得る。当該「冷却」前、または当該「冷却」中、または当該「冷却」後、またはそれらの組み合わせで、L-9が多液相混合物(LL-1)に相転移し得る。当該相転移は、例えば、発熱性であり得る。
3)多液相混合物の分離:LL-1が、1つ以上の液液分離デバイスを使用して、例えばLL-1の構成液相のうちの1つ以上を含み得る2つ以上の少なくとも部分的に分離された液体流(L-10およびL-11)に分離され得る。
4)液相の混合:L-11がL-10と混合され得、これにより、多液相混合物(LL-2)、または単一液相の組み合わせられた溶液(L-12)、またはそれらの組み合わせが形成され得る。
5)熱吸収UCST相変化:ステップ「4)」からの1つ以上の液体流LL-2またはL-12が、例えば、1つ以上の熱交換器(HE-2、「冷却アプリケーション熱交換器」)内の1つ以上の冷却を必要とするアプリケーション、または1つ以上の加熱源、または1つ以上のエンタルピー源、またはそれらの組み合わせ(「冷却を必要とするアプリケーション」)によって「加熱され」得る。当該「加熱」前、または当該「加熱」中、または当該「加熱」後、またはそれらの組み合わせで、ステップ「4)」からの液体流(複数可)が単一液相の組み合わせられた溶液(L-1)に相転移し得る。当該相転移は、例えば、吸熱性であり得る。
【0077】
図2E-段階的な説明の例-1つ以上の分離された流れ中でCST試薬を濃縮することによるUCSTの能動的な低下、多液相混合物分離を備えたシステム:
1)熱放出UCST相変化:単一液相を含み得る組み合わせられた溶液L-1が、例えば、1つ以上の熱交換器(HE-1、「ヒートシンク熱交換器」)内の1つ以上の冷熱源または蒸発冷却または加熱を必要とする1つ以上のアプリケーションまたはそれらの組み合わせ(「冷熱入力源」)によって冷却され得る。当該「冷却」前、または当該「冷却」中、または当該「冷却」後、またはそれらの組み合わせで、L-1が多液相混合物(LL-1)に相転移し得る。当該相転移は、例えば、発熱性であり得る。
2)多液相混合物の分離:LL-1が、1つ以上の多液相分離デバイスを使用して、例えばLL-1の構成液相のうちの1つ以上を含み得る2つ以上の少なくとも部分的に分離された液体流(L-2およびL-3)に分離され得る。
3)1つ以上の液相中でのLCSTを低下させる試薬の濃縮:1つ以上のCST試薬を含有し得るL-2が、入力蒸気(L-5)として1つ以上のポンプおよび/または圧力交換器(P-1)に方向付けられ(V-1)得る。L-5がP-1内で加圧され得、これにより、例えば、1つ以上の加圧された供給溶液(L-6)が形成され得る。L-6が1つ以上の膜ベースのプロセス(例えば、ナノ濾過「NF」)に供給され得、これにより、L-6が、例えば、1つ以上の濃縮物流(L-8)および/または1つ以上の透過物流(L-7)に分離され得る。当該1つ以上の濃縮物流は、L-6と比較してCST試薬がより濃縮されている場合がある。当該1つ以上の透過物流は、L-6と比較してより低い濃度の1つ以上のCST試薬を含有し得る。L-8がL-11としてステップ「4)」に移送され得る。L-7が透過物および/または透過物等価物貯蔵庫(「透過物貯蔵庫」)に移送され得る。
4)液相の混合:L-11がL-3と混合され得、これにより、多液相混合物(LL-2)、または単一液相の組み合わせられた溶液(L-12)、またはそれらの組み合わせが形成され得る。
5)熱吸収UCST相変化:ステップ「4)」からの1つ以上の液体流LL-2またはL-12が、例えば、1つ以上の熱交換器(HE-2、「冷却アプリケーション熱交換器」)内の1つ以上の冷却を必要とするアプリケーション、または1つ以上の加熱源、または1つ以上のエンタルピー源、またはそれらの組み合わせ(「冷却を必要とするアプリケーション」)によって「加熱され」得る。当該「加熱」前、または当該「加熱」中、または当該「加熱」後、またはそれらの組み合わせで、ステップ「4)」からの液体流(複数可)が単一液相の組み合わせられた溶液(L-1)に相転移し得る。当該相転移は、例えば、吸熱性であり得る。
【0078】
図2F-段階的な説明の例-1つ以上の分離された流れ中でCST試薬を透過物および/または透過物等価物で希釈することによるUCSTの能動的な上昇、多液相混合物分離を備えたシステム:
1)熱放出UCST相変化:単一液相を含み得る組み合わせられた溶液L-1が、例えば、1つ以上の熱交換器(HE-1、「ヒートシンク熱交換器」)内の1つ以上の冷熱源または蒸発冷却または加熱を必要とする1つ以上のアプリケーションまたはそれらの組み合わせ(「冷熱入力源」)によって冷却され得る。当該「冷却」前、または当該「冷却」中、または当該「冷却」後、またはそれらの組み合わせで、L-1が多液相混合物(LL-1)に相転移し得る。当該相転移は、例えば、発熱性であり得る。
2)多液相混合物の分離:LL-1が、1つ以上の多液相分離デバイスを使用して、例えばLL-1の構成液相のうちの1つ以上を含み得る2つ以上の少なくとも部分的に分離された液体流(L-2およびL-3)に分離され得る。
3)1つ以上の液相中での1つ以上のCST試薬の希釈:1つ以上のCST試薬を含有し得るL-2が、入力蒸気(L-4)として1つ以上の流れ統合または混合プロセス要素(統合1)に方向付けられ(V-1)得、ここで、L-4が透過物または透過物等価液体またはそれらの組み合わせ(L-9またはLL)と混合され得、これにより、希釈されたCST試薬溶液(L-10)が形成され得る。L-10は、例えばL-2と比較してより低い濃度の1つ以上のCST試薬を含み得る。L-10がL-11としてステップ「4)」に移送され得る。
4)液相の混合:L-11がL-3と混合され得、これにより、多液相混合物(LL-2)、または単一液相の組み合わせられた溶液(L-12)、またはそれらの組み合わせが形成され得る。
5)熱吸収UCST相変化:ステップ「4)」からの1つ以上の液体流LL-2またはL-12が、例えば、1つ以上の熱交換器(HE-2、「冷却アプリケーション熱交換器」)内の1つ以上の冷却を必要とするアプリケーション、または1つ以上の加熱源、または1つ以上のエンタルピー源、またはそれらの組み合わせ(「冷却を必要とするアプリケーション」)によって「加熱され」得る。当該「加熱」前、または当該「加熱」中、または当該「加熱」後、またはそれらの組み合わせで、ステップ「4)」からの液体流(複数可)が単一液相の組み合わせられた溶液(L-1)に相転移し得る。当該相転移は、例えば、吸熱性であり得る。
【0079】
図2G-段階的な説明の例-1つ以上の雲点調整ステップをバイパスすることによるUCSTの維持、多液相混合物分離を備えたシステム、「バイパスされた」能動的雲点調整ユニットが1つ以上の分離された液体流と接触し得る:
1)熱放出UCST相変化:単一液相を含み得る組み合わせられた溶液L-1が、例えば、1つ以上の熱交換器(HE-1、「ヒートシンク熱交換器」)内の1つ以上の冷熱源または蒸発冷却または加熱を必要とする1つ以上のアプリケーションまたはそれらの組み合わせ(「冷熱入力源」)によって冷却され得る。当該「冷却」前、または当該「冷却」中、または当該「冷却」後、またはそれらの組み合わせで、L-1が多液相混合物(LL-1)に相転移し得る。当該相転移は、例えば、発熱性であり得る。
2)多液相混合物の分離:LL-1が、1つ以上の多液相分離デバイスを使用して、例えばLL-1の構成液相のうちの1つ以上を含み得る2つ以上の少なくとも部分的に分離された液体流(L-2およびL-3)に分離され得る。
3)1つ以上の雲点温度調整ステップのバイパス:1つ以上のCST試薬を含有し得るL-2が、入力蒸気(L-4)として1つ以上の流れ統合または混合プロセス要素(統合1)に方向付けられ(V-1)得、ここで、L-4が同じまたは同様の組成のままであってもよく、流れL-10として統合1を出てもよい。例えば、統合1での残留L-9もしくはLLまたは他の潜在的な残留物の混入を潜在的に最小限に抑えるために、L-4もプロセス要素「統合1」をバイパスし得る。L-10は、例えばL-2と比較して同じまたは同様の濃度の1つ以上のCST試薬を含み得る。L-10がL-11としてステップ「4)」に移送され得る。
4)液相の混合:L-11がL-3と混合され得、これにより、多液相混合物(LL-2)、または単一液相の組み合わせられた溶液(L-12)、またはそれらの組み合わせが形成され得る。
5)熱吸収UCST相変化:ステップ「4)」からの1つ以上の液体流LL-2またはL-12が、例えば、1つ以上の熱交換器(HE-2、「冷却アプリケーション熱交換器」)内の1つ以上の冷却を必要とするアプリケーション、または1つ以上の加熱源、または1つ以上のエンタルピー源、またはそれらの組み合わせ(「冷却を必要とするアプリケーション」)によって「加熱され」得る。当該「加熱」前、または当該「加熱」中、または当該「加熱」後、またはそれらの組み合わせで、ステップ「4)」からの液体流(複数可)が単一液相の組み合わせられた溶液(L-1)に相転移し得る。当該相転移は、例えば、吸熱性であり得る。
【表3】

【表4】
【0080】
注記:UCST液体系は、以下を含むが、これらに限定されない、それらのうちの1つ以上または組み合わせを含み得る。
・「UCST溶媒」:「CST試薬」を溶解し得、かつ「低溶解度試薬」中で限定された溶解度を呈し得る試薬。
・「CST試薬」:「低溶解度試薬」が、UCST溶媒試薬中、ある特定の温度および/または他の条件下でほぼまたは完全に可溶性であり、かつある特定の異なる温度および/または他の条件下で不溶性または部分的にのみ可溶性であることを可能にし得る試薬。CST試薬の濃度を増加させることにより、例えば、UCSTが低下し得る。
・「低溶解度試薬」:UCST溶媒単独で低溶解度または「CST試薬」中で比較的高い溶解度を有し得るか、または1つ以上の濃度を超えるCST試薬の存在下で、ならびに/またはある特定の温度および/もしくは他の条件下で、またはそれらの組み合わせで、UCST溶媒中で完全な溶解度を呈し得る試薬。
・「高溶解度試薬」:UCST溶媒単独で高溶解度、または「CST試薬」中で高い溶解度、または「低溶解度試薬」中で高い溶解度、またはそれらの組み合わせを有し得る試薬。高溶解度試薬は、例えば、UCSTを低下させ、かつ/または液体系における他の相転移特性に影響を及ぼし得る。
・「UCSTを上昇させる試薬」:UCST溶媒単独で高溶解度、または「CST試薬」単独で低溶解度、または「低溶解度試薬」単独で低溶解度、またはそれらの組み合わせを有し得る試薬。低溶解度試薬は、例えば、UCSTを上昇させ、かつ/または液体系における他の相転移特性に影響を及ぼし得る。
【0081】
注記:CST試薬および液体系の組成に応じて、CST試薬の濃度を「低溶解度試薬」および/または1つ以上の他の試薬と比較してある特定の濃度超に増加させることにより、液体系がUCSTを有する液体系からLCSTを有する液体系に転移し得る。当該転移は、本明細書に記載の1つ以上の冷蔵サイクルまたは加熱冷却伝達システムまたは抽出または熱機関または1つ以上のアプリケーションで利用され得る。
【0082】
図3
図3-段階的な説明の例-1つ以上のUCSTを上昇させる試薬の濃度を増加させることによるUCSTの能動的な上昇、例えば、システムが多液相混合物分離を備えない場合がある。
1)1つ以上の膜ベースのプロセスを使用した1つ以上のUCSTを上昇させる試薬の濃縮:単一液相を含み得る組み合わせられた溶液(L-1)が、入力溶液(L-3)として1つ以上のポンプ(P-1)または圧力交換器またはエネルギー回収デバイスまたはそれらの組み合わせに方向付けられ(V-1)得る。L-3がP-1を使用して加圧されて、1つ以上の加圧された溶液(L-4)を形成し得る。L-4は、1つ以上の膜ベースのプロセス(例えば、逆浸透「RO」またはナノ濾過「NF」)への1つ以上の供給流を含み得、これにより、1つ以上の濃縮物流(L-6)および1つ以上の透過物流(L-5またはLL)が形成され得る。当該1つ以上の濃縮物流(L-6)は、当該1つ以上の供給流よりも高い濃度の1つ以上のUCSTを上昇させる試薬を含み得る。当該1つ以上の透過物流(L-5またはLL)は、当該1つ以上の供給流よりも低い濃度の1つ以上のUCSTを上昇させる試薬を含み得る。L-5またはLLが、1つ以上の透過物および/または透過物等価物貯蔵ユニット(「透過物貯蔵庫」)に移送され得る。L-6がL-9としてステップ「2)」に方向付けられ(V-2)得る。
2)熱放出UCST相変化:単一液相を含み得るL-9が、例えば、1つ以上の熱交換器(HE-1、「ヒートシンク熱交換器」)内の1つ以上の冷熱源または蒸発冷却または加熱を必要とする1つ以上のアプリケーションまたはそれらの組み合わせ(「冷熱入力源」)によって冷却され得る。当該「冷却」前、または当該「冷却」中、または当該「冷却」後、またはそれらの組み合わせで、L-9が多液相混合物(LL-1)に相転移し得る。当該相転移は、例えば、発熱性であり得る。
3)熱吸収UCST相変化:LL-1が、例えば、1つ以上の熱交換器(HE-2、「冷却アプリケーション熱交換器」)内の1つ以上の冷却を必要とするアプリケーション、または1つ以上の加熱源、または1つ以上のエンタルピー源、またはそれらの組み合わせ(「冷却を必要とするアプリケーション」)によって「加熱され」得る。当該「加熱」前、または当該「加熱」中、または当該「加熱」後、またはそれらの組み合わせで、LL-1が単一液相の組み合わせられた溶液(L-1)に相転移し得る。当該相転移は、例えば、吸熱性であり得る。
【0083】
例えば、この図は、例えば、濃度の増加に伴ってUCSTを上昇させる、例えば、1つ以上の試薬(「UCSTを上昇させる試薬」)の濃度を増加させることによる、UCSTの能動的な上昇を示し得る。1つ以上の雲点温度の調整は、例えば、1つ以上の「熱吸収」ステップによってまたはその後に生成される組み合わせられた単一液相溶液中の濃度または組成を調整することによって行われ得る。
【0084】
注記:図3では、1つ以上のCST試薬が1つ以上のUCSTを上昇させる試薬よりも小さい分子量または水和半径を有することが望ましくあり得る。例えば、1つ以上のUCSTを上昇させる試薬が1つ以上の膜によって拒絶され得る一方で、CST試薬は、当該膜のうちの1つ以上を少なくとも部分的に通過し、これにより、例えば、1つ以上のCST試薬を濃縮することなく、またはそれを最小限にもしくはより低い程度に濃縮しながら、UCSTを上昇させる試薬の濃縮が可能になり得る。
【0085】
注記:図3では、UCSTは、例えば、透過物または透過物等価物またはそれらの組み合わせを添加することによって低下し得る。
【0086】
図4
図4の例の利点の概要:
図4-段階的な説明の例-膜ベースのLCSTを低下させる試薬の濃縮および多液相混合物の分離を用いたLCST液体系冷蔵サイクル
1)多液相混合物への熱吸収相変化:1つ以上のLCSTを低下させる試薬が希薄であり得、かつ1つ以上のLCST試薬、LCST結合剤試薬、またはそれらの組み合わせを含有し得る単一液相の組み合わせられた溶液(L-7)が、1つ以上のLCSTを低下させる試薬が濃縮されているか、またはそれが豊富であり得、かつ1つ以上のLCST試薬および/またはLCST結合剤試薬が希薄であり得る1つ以上の溶液(L-8)と混合され得る。当該混合により、吸熱相転移であり得る相転移がもたらされ得、これにより、多液相混合物(LL-1)が形成され得る。当該混合は、1つ以上の冷却を必要とするアプリケーション、または熱除去、またはエンタルピー源、またはそれらの組み合わせと熱交換(HE-2)し得る1つ以上の熱交換器(熱交換器2)内での熱交換前、熱交換中、または熱交換後、またはそれらの組み合わせで起こり得る。液体系は、当該相転移中に熱を吸収し得る。当該冷却を必要とするアプリケーションは、例えばステップ4で、加熱を必要とするアプリケーションと同様のまたはそれよりも低い温度であり得る。
2)多液相混合物の分離:LL-1は多液相混合物を含み得る。LL-1は、多液相混合物の構成液相の少なくとも一部に分離され得る。当該多液相混合物の構成液相は、例えば、高濃度の1つ以上のLCST試薬、LCST結合剤試薬、またはそれらの組み合わせ(L-2)を含む液相を含み得、例えば、1つ以上のLCSTを低下させる試薬およびLCST試薬溶媒(L-1)を含む別の液相を含み得る。
3)1つ以上の膜ベースのプロセスを使用した1つ以上のLCSTを低下させる試薬の濃縮:L-1が1つ以上のポンプまたはエネルギー回収デバイスまたはそれらの組み合わせ(P-1)を使用して加圧され得、これにより、1つ以上の膜ベースのプロセス(例えば、逆浸透「RO」)への加圧された供給溶液(L-3)が形成され得る。当該逆浸透により、L-3が、例えばL-3と比較してより高い濃度の1つ以上のLCSTを低下させる試薬を含み得る1つ以上の濃縮物流(L-5)と、例えばL-3と比較してより低い濃度の1つ以上のLCSTを低下させる試薬を含み得るか、または1つ以上のLCSTを低下させる試薬を含み得ない1つ以上の透過物流(L-4)とに分離され得る。L-5が1つ以上の圧力および/または他のエネルギー回収ステップを経り得るか、またはL-4が1つ以上の圧力および/または他のエネルギー回収ステップを経り得るか、またはそれらの組み合わせであり得る。L-5が1つ以上の「濃縮物貯蔵庫」容器および/またはステップ「1)」に移送され得る。L-4がステップ「4)」でL-6とラベル付けされ得る。
4)熱放出LCST相変化:1つ以上のLCSTを低下させる試薬が希薄なまたはそれを含まない液体を含み得るL-6が、1つ以上のLCST試薬、LCST結合剤試薬、またはそれらの組み合わせを含み得るL-2と混合され得る。当該混合により、発熱相転移であり得る相転移がもたらされ得、これは、溶解を含み得、単一液相の組み合わせられた溶液(L-7)の形成を含み得る。当該混合は、加熱を必要とするアプリケーション、または蒸発冷却ステップ、またはヒートシンクのうちの1つ以上または組み合わせと熱交換(HE-1)し得る1つ以上の熱交換器(熱交換器1)内での熱交換前、熱交換中、または熱交換後、またはそれらの組み合わせで起こり得る。液体系は、当該相転移中に熱を放出し得る。ステップ「4)」は、所望の場合、ステップ「1)」と同様のまたはそれよりも高い温度で起こり得る。
【0087】
注記:例えば、1つ以上の残留LCST試薬を除去するために、L-1を例えばナノ濾過で最初に処理することが望ましくあり得、これにより、例えば、1つ以上のLCST試薬が豊富な1つ以上の濃縮物流および1つ以上のLCST試薬が希薄なまたはそれを含まない1つ以上の透過物流が形成され得る。当該ナノ濾過濃縮物溶液が、例えばL-7と混合され得る。当該ナノ濾過供給流は、例えば、1つ以上のLCSTを低下させる試薬を濃縮するための、1つ以上の逆浸透段階への供給流であり得、例えば、1つ以上のLCSTを低下させる試薬が希薄なまたはそれを含まない1つ以上の溶液を形成し得る。
【0088】
注記:本明細書に記載の実施形態は、1つ以上の膜ベースのプロセス中に圧力またはエネルギー回収デバイスを用いる場合がある。
【0089】
図5
図5の例の利点の概要:
図5A-段階的な説明の例-膜ベースのCST試薬の濃縮および多液相混合物の分離を用いたUCST液体系冷蔵サイクル
1)熱を放出する相の多液相混合物への変化:1つ以上のCST試薬が豊富であり得る単一液相の組み合わせられた溶液(L-7)が、1つ以上のUCST溶媒試薬を含み得、かつ1つ以上のCST試薬が希薄なまたはそれを含み得ない1つ以上の溶液(L-8)と混合され得る。当該混合により、発熱相転移であり得る相転移時がもたらされ得、これは、溶解および多液相混合物(LL-1)の形成を含み得る。当該混合は、加熱を必要とするアプリケーション、または蒸発冷却ステップ、またはヒートシンクのうちの1つ以上または組み合わせと熱交換(HE-2)し得る1つ以上の熱交換器(熱交換器2)内での熱交換前、熱交換中、または熱交換後、またはそれらの組み合わせで起こり得る。液体系は、当該相転移中に熱を放出し得る。当該加熱を必要とするアプリケーションは、例えばステップ4で、冷却を必要とするアプリケーションと同様のまたはそれよりも高い温度であり得る。
2)多液相混合物の分離:LL-1は多液相混合物を含み得る。LL-1は、多液相混合物の構成液相の少なくとも一部に分離され得る。当該多液相混合物の構成液相は、例えば、1つ以上の「低溶解度試薬」(L-2)を含む液相を含み得、例えば、1つ以上のCST試薬およびUCST溶媒試薬(L-1)を含む別の液相を含み得る。
3)1つ以上の膜ベースのプロセスを使用した1つ以上のCST試薬の濃縮:L-1が、1つ以上のポンプまたはエネルギー回収デバイスまたはそれらの組み合わせ(P-1)を使用して加圧され得、これにより、1つ以上の膜ベースのプロセス(例えば、ナノ濾過「NF」)への加圧された供給溶液(L-3)が形成され得る。当該ナノ濾過により、L-3が、例えばL-3と比較してより高い濃度の1つ以上のCST試薬を有するUCST溶媒を含み得る1つ以上の濃縮物流(L-5)と、例えばL-3と比較してより低い濃度の1つ以上のCST試薬を有するUCST溶媒を含み得るか、または1つ以上のCST試薬を含まないUCST溶媒を含み得る1つ以上の透過物流(L-4)とに分離され得る。L-5が1つ以上の圧力および/または他のエネルギー回収ステップを経り得るか、またはL-4が1つ以上の圧力および/または他のエネルギー回収ステップを経り得るか、またはそれらの組み合わせであり得る。L-5が、1つ以上の「透過物貯蔵庫」容器および/またはステップ「1)」に移送され得る。L-4がステップ「4)」でL-6とラベル付けされ得る。
4)熱吸収UCST相変化:より高い濃度の1つ以上のCST試薬を有するUCST溶媒を含み得るL-6が、1つ以上の「低溶解度試薬」を含み得るL-2と混合され得る。当該混合により、吸熱相転移であり得る相転移がもたらされ得、これは、溶解を含み得、単一液相の組み合わせられた溶液(L-7)の形成を含み得る。当該混合は、1つ以上の冷却を必要とするアプリケーション、または熱除去、またはエンタルピー源、またはそれらの組み合わせと熱交換(HE-1)し得る1つ以上の熱交換器(熱交換器1)内での熱交換前、熱交換中、または熱交換後、またはそれらの組み合わせで起こり得る。液体系は、当該相転移中に熱を吸収し得る。ステップ「4)」は、所望の場合、ステップ「1)」と同様のまたはそれよりも低い温度で起こり得る。
【0090】
図5E-段階的な説明の例-膜を使用した液体分離での膜ベースのCST試薬の濃縮を用いたUCST液体系冷蔵サイクル
注記:図5Eは、1つ以上の膜ベースの濃縮ユニット内のまたはそれと統合もしくは熱交換された「熱交換器1」およびHE-1を用いる場合がある。膜ベースの濃縮中、例えば膜の保持液側の溶液が吸熱溶解を受け得る。
【0091】
注記:1つ以上の流れまたは液体系は、1つ以上の「高溶解度試薬」を含有し得、かつ/または1つ以上の「UCSTを上昇させる試薬」を含有し得る。
【0092】
図6
図6の例の利点の概要:
図6A-段階的な説明の例-組み合わせられた溶液および透過物多液相混合物中での膜ベースのCST試薬の濃縮を用いたUCST液体系冷蔵サイクル
1)熱吸収UCST相変化:より高い濃度の1つ以上のCST試薬を有するUCST溶媒を含み得るL-4が、1つ以上の「UCST溶媒試薬」を有する1つ以上の「低溶解度試薬」の多液相混合物を含み得るLL-3と混合され得る。当該混合により、吸熱相転移であり得る相転移がもたらされ得、これは、溶解を含み得、単一液相の組み合わせられた溶液(L-1)の形成を含み得る。当該混合は、1つ以上の冷却を必要とするアプリケーション、または熱除去、またはエンタルピー源、またはそれらの組み合わせと熱交換(HE-2)し得る1つ以上の熱交換器(熱交換器2)内での熱交換前、熱交換中、または熱交換後、またはそれらの組み合わせで起こり得る。液体系は、当該相転移中に熱を吸収し得る。ステップ「1)」は、所望の場合、ステップ「2)」と同様のまたはそれよりも低い温度で起こり得る。
2)1つ以上の膜ベースのプロセスを使用した1つ以上のCST試薬の濃縮および潜在的に熱を放出する相の変化:L-1が、1つ以上のポンプまたはエネルギー回収デバイスまたはそれらの組み合わせ(P-1)を使用して加圧され得、これにより、1つ以上の膜ベースのプロセス(例えば、ナノ濾過「NF」)への加圧された供給溶液(L-2)が形成され得る。当該ナノ濾過により、L-2が、例えばL-2と比較してより高い濃度の1つ以上のCST試薬を有するUCST溶媒を含み得る1つ以上の濃縮物流(L-3であり、圧力回収後にL-4を含み得る)と、例えばL-2と比較してより低い濃度の1つ以上のCST試薬および「低溶解度試薬」を有するUCST溶媒の多液相混合物を含み得るか、または1つ以上のCST試薬および「低溶解度試薬」を含まないUCST溶媒の多液相混合物を含み得る1つ以上の透過物流(LL-2であり、透過物貯蔵後にLL-3を含み得る)とに分離され得る。当該透過物流は、1つ以上のCST試薬の実質的な不在下または低濃度の1つ以上のCST試薬の存在下でUCST溶媒および「低溶解度試薬」を含み得、これにより、例えば、UCST溶媒中での「低溶解度試薬」の低溶解度のため、透過物の2つ以上の液相への相転移がもたらされ得る。透過物流の当該相転移は、例えば、発熱性であり得る。当該相転移は、加熱を必要とする1つ以上のアプリケーション、またはヒートシンク、または蒸発冷却、またはそれらの組み合わせと熱交換(HE-1)し得る1つ以上の熱交換器(熱交換器1)内での熱交換前、熱交換中、または熱交換後、またはそれらの組み合わせで起こり得る。当該熱交換器は、膜ベースのプロセス、または当該膜ベースのプロセスを出る1つ以上の透過物流、またはそれらの組み合わせと直接または間接的に熱交換し得る。L-3が1つ以上の圧力および/または他のエネルギー回収ステップを経り得るか、またはLL-2が1つ以上の圧力および/または他のエネルギー回収ステップを経り得るか、またはそれらの組み合わせであり得る。LL-2が、1つ以上の「透過物貯蔵庫」容器に移送され得、かつ/またはLL-3としてステップ「1)」に移送され得る。L-3がステップ「1)」でL-4とラベル付けされ得る。
【0093】
図6B-段階的な説明の例-組み合わせられた溶液中での膜ベースのCST試薬の濃縮および多液相混合物透過物の分離を用いたUCST液体系冷蔵サイクル、透過物中の「低溶解度試薬」の前の透過物中のUCST溶媒試薬の混合
1)1つ以上の膜ベースのプロセスを使用した1つ以上のCST試薬の濃縮および潜在的に熱を放出する相の変化:L-1が、1つ以上のポンプまたはエネルギー回収デバイスまたはそれらの組み合わせ(P-1)を使用して加圧され得、これにより、1つ以上の膜ベースのプロセス(例えば、ナノ濾過「NF」)への加圧された供給溶液(L-2)が形成され得る。当該ナノ濾過により、L-2が、例えばL-2と比較してより高い濃度の1つ以上のCST試薬を有する溶液を含み得る1つ以上の濃縮物流(L-3であり、圧力回収後にL-4を含み得る)と、例えば「低溶解度試薬」とL-2と比較してより低い濃度の1つ以上のCST試薬を有するUCST溶媒との多液相混合物を含み得るか、または「低溶解度試薬」と1つ以上のCST試薬を含まないUCST溶媒との多液相混合物を含み得る1つ以上の透過物流(LL-2)とに分離され得る。当該透過物流は、1つ以上のCST試薬の実質的な不在下または低濃度の1つ以上のCST試薬の存在下でUCST溶媒および「低溶解度試薬」を含み得、これにより、例えば、UCST溶媒単独中での「低溶解度試薬」の比較的低い溶解度のため、透過物の2つ以上の液相への相転移がもたらされ得る。透過物流中の2つ以上の液相への当該相転移は、例えば、発熱性であり得る。当該相転移は、1つ以上の加熱を必要とするアプリケーションを必要とする1つ以上のアプリケーション、またはヒートシンク、または蒸発冷却、またはそれらの組み合わせと熱交換(HE-1)し得る1つ以上の熱交換器(熱交換器1)内での熱交換前、熱交換中、または熱交換後、またはそれらの組み合わせで起こり得る。当該熱交換器は、膜ベースのプロセス、または当該膜ベースのプロセスを出る1つ以上の透過物流、またはそれらの組み合わせと直接または間接的に熱交換し得る。L-3が1つ以上の圧力および/または他のエネルギー回収ステップを経り得るか、またはLL-2が1つ以上の圧力および/または他のエネルギー回収ステップを経り得るか、またはそれらの組み合わせであり得る。LL-2がステップ「2)」に移送され得る。L-3がステップ「3)」でL-4とラベル付けされ得る。
2)多液相透過物の分離:LL-2は多液相混合物を含み得る。LL-2は、多液相混合物の構成液相の少なくとも一部に分離され得る。当該多液相混合物の構成液相は、例えば、1つ以上の「低溶解度試薬」(L-7)を主に含む液相を含み得、例えば、1つ以上のUCST溶媒試薬(L-5)を主に含む別の液相を含み得る。
3)「UCST溶媒」のCST試薬が豊富な濃縮物との混合:L-5が、CST試薬が豊富な濃縮物(L-4)と混合され(混合1)得、これは、溶解し得、より低い濃度のCST試薬溶液(L-6)を形成し得る。当該溶解は、発熱性であり得、存在する場合、放出された熱が、例えばHE-1と熱交換され得る。
4)熱吸収UCST相変化:L-6がL-7と混合され得る。当該混合により、吸熱相転移であり得る相転移がもたらされ得、これは、溶解を含み得、単一液相の組み合わせられた溶液(L-1)の形成を含み得る。当該混合は、1つ以上の冷却を必要とするアプリケーション、または熱除去、またはエンタルピー源、またはそれらの組み合わせと熱交換(HE-2)し得る1つ以上の熱交換器(熱交換器2)内での熱交換前、熱交換中、または熱交換後、またはそれらの組み合わせで起こり得る。液体系は、当該相転移中に熱を吸収し得る。ステップ「4)」は、所望の場合、ステップ「1)」またはステップ「3)」またはそれらの両方と同様のまたはそれよりも低い温度で起こり得る。
【0094】
図6C-段階的な説明の例-組み合わせられた溶液中での膜ベースのCST試薬の濃縮および多液相混合物透過物の分離を用いたUCST液体系冷蔵サイクル、透過物中の「低溶解度試薬」の前の透過物中の低溶解度試薬と濃縮物溶液(吸熱性であり得る)との混合
1)1つ以上の膜ベースのプロセスを使用した1つ以上のCST試薬の濃縮および潜在的に熱放出(潜在的に発熱性)相変化:L-1が、1つ以上のポンプまたはエネルギー回収デバイスまたはそれらの組み合わせ(P-1)を使用して加圧され得る、これにより、1つ以上の膜ベースのプロセス(例えば、ナノ濾過「NF」)への加圧された供給溶液(L-2)が形成され得る。当該ナノ濾過により、L-2が、例えばL-2と比較してより高い濃度の1つ以上のCST試薬を有する溶液を含み得る1つ以上の濃縮物流(L-3であり、圧力回収後にL-4を含み得る)と、例えば「低溶解度試薬」とL-2と比較してより低い濃度の1つ以上のCST試薬を有するUCST溶媒との多液相混合物を含み得るか、または「低溶解度試薬」と1つ以上のCST試薬を含まないUCST溶媒との多液相混合物を含み得る1つ以上の透過物流(LL-2)とに分離され得る。当該透過物流は、1つ以上のCST試薬の実質的な不在下または低濃度の1つ以上のCST試薬の存在下でUCST溶媒および「低溶解度試薬」を含み得、これにより、例えば、UCST溶媒単独中での「低溶解度試薬」の比較的低い溶解度のため、透過物の2つ以上の液相への相転移がもたらされ得る。透過物流中の2つ以上の液相への当該相転移は、例えば、発熱性であり得る。当該相転移は、加熱を必要とする1つ以上のアプリケーション、またはヒートシンク、または蒸発冷却、またはそれらの組み合わせと熱交換(HE-1)し得る1つ以上の熱交換器(熱交換器1)内での熱交換前、熱交換中、または熱交換後、またはそれらの組み合わせで起こり得る。当該熱交換器は、膜ベースのプロセス、または当該膜ベースのプロセスを出る1つ以上の透過物流、またはそれらの組み合わせと直接または間接的に熱交換し得る。L-3が1つ以上の圧力および/または他のエネルギー回収ステップを経り得るか、またはLL-2が1つ以上の圧力および/または他のエネルギー回収ステップを経り得るか、またはそれらの組み合わせであり得る。LL-2がステップ「2)」に移送され得る。L-3がステップ「3)」でL-4とラベル付けされ得る。
2)多液相透過物の分離:LL-2は多液相混合物を含み得る。LL-2は、多液相混合物の構成液相の少なくとも一部に分離され得る。当該多液相混合物の構成液相は、例えば、1つ以上の「低溶解度試薬」(L-5)を主に含む液相を含み得、例えば、1つ以上のUCST溶媒試薬(L-7)を主に含む別の液相を含み得る。L-7がL-8とラベル付けされて、ステップ「4)」に移送され得る。
3)熱吸収UCST相変化:L-2と比較してより高い濃度の1つ以上のCST試薬を有するUCST溶媒を含み得るL-4が、1つ以上の「低溶解度試薬」を主に含む液相を含み得るL-5と混合され得る。当該混合により、吸熱相転移であり得る相転移がもたらされ得、これは、溶解を含み得、単一液相の組み合わせられた溶液(L-6)の形成を含み得る。当該混合は、1つ以上の冷却を必要とするアプリケーション、または熱除去、またはエンタルピー源、またはそれらの組み合わせと熱交換(HE-2)し得る1つ以上の熱交換器(熱交換器2)内での熱交換前、熱交換中、または熱交換後、またはそれらの組み合わせで起こり得る。液体系は、当該相転移中に熱を吸収し得る。ステップ「3)」は、所望の場合、ステップ「1)」.と同様のまたはそれよりも低い温度で起こり得る。
4)「UCST溶媒」透過物相と「低溶解度試薬」透過物相と事前に混合された溶液との混合:L-8がL-6と混合され(「混合1」)得、これにより、溶解がもたらされ得、終端間液体系の構成試薬を含有し得る組み合わせられた単一液相溶液(L-1)が形成され得る。当該溶解は、熱放出溶解または発熱溶解であり得る。
【0095】
注記:1つ以上の試薬が、例えば、バッファ貯蔵庫内に貯蔵され得る。所望の場合、新鮮流または構成流または新たな入力が用いられ得る。
【0096】
図7
図7の例の利点の概要:
図7-段階的な説明の例-UCSTを上昇させる試薬の膜ベースの濃縮を用いたUCST液体系冷蔵サイクル
1)1つ以上の膜ベースのプロセスを使用したUCSTを上昇させる試薬の濃縮および潜在的に熱放出(潜在的に発熱性)相変化:L-1が、1つ以上のポンプまたはエネルギー回収デバイスまたはそれらの組み合わせ(P-1)を使用して加圧され得、これにより、1つ以上の膜ベースのプロセス(例えば、逆浸透「RO」または低分子量カットオフナノ濾過「低MWCO NF」)への加圧された供給溶液(L-2)が形成され得る。当該膜ベースのプロセスにより、L-2が、例えば「低溶解度試薬」とL-2と比較してより高い濃度の1つ以上のUCSTを上昇させる試薬を有するUCST溶媒との多液相混合物を含み得る1つ以上の濃縮物流(LL-1であり、圧力回収後にLL-2を含み得る)と、例えばL-2と比較してより低い濃度の1つ以上のUCSTを上昇させる試薬を有する単一液相溶液を含み得る1つ以上の透過物流(L-3およびL-4)とに分離され得る。当該濃縮物流は、より高い濃度の1つ以上のUCSTを上昇させる試薬を有するUCST溶媒および「低溶解度試薬」を含み得、これにより、例えば、UCSTを上昇させる試薬の濃度の増加に伴うUCST温度の上昇のため、2つ以上の液相への透過物相転移がもたらされ得る。濃縮物流中の2つ以上の液相への当該相転移は、例えば、発熱性であり得る。当該相転移は、1つ以上の加熱を必要とするアプリケーションを必要とする1つ以上のアプリケーション、またはヒートシンク、または蒸発冷却、またはそれらの組み合わせと熱交換(HE-1)し得る1つ以上の熱交換器(熱交換器1)内での熱交換前、熱交換中、または熱交換後、またはそれらの組み合わせで起こり得る。当該熱交換器は、膜ベースのプロセス、または当該膜ベースのプロセスを出る1つ以上の透過物流、またはそれらの組み合わせと直接または間接的に熱交換し得る。L-3が1つ以上の圧力および/または他のエネルギー回収ステップを経り得るか、またはLL-2が1つ以上の圧力および/または他のエネルギー回収ステップを経り得るか、またはそれらの組み合わせであり得る。LL-2がステップ「2)」に移送され得る。L-3がステップ「2)」でL-4とラベル付けされ得る。
2)透過物と濃縮物流との混合(潜在的に熱吸収)溶解相変化:LL-2がL-4と混合され得る。当該混合により、吸熱相転移であり得る相転移がもたらされ得、これは、溶解を含み得、単一液相の組み合わせられた溶液(L-1)の形成を含み得る。当該混合は、1つ以上の冷却を必要とするアプリケーション、または熱除去、またはエンタルピー源、またはそれらの組み合わせと熱交換(HE-2)し得る1つ以上の熱交換器(熱交換器2)内での熱交換前、熱交換中、または熱交換後、またはそれらの組み合わせで起こり得る。液体系は、当該相転移中に熱を吸収し得る。ステップ「2)」は、所望の場合、ステップ「1)」と同様のまたはそれよりも低い温度で起こり得る。
【0097】
注記:多液相混合物を含む当該濃縮物流は、その構成液相に少なくとも部分的に分離され得る。濃縮物流の構成液相のうちの1つ以上が、濃縮物流の1つ以上の他の構成液相の前またはその後またはそれと同時にまたはそれらの組み合わせで透過物流と混合され得る。
【0098】
注記:本実施形態は、LCST相変化およびLCSTを低下させる試薬を用いる場合があり、この場合、UCST系中での発熱ステップおよび吸熱ステップは、LCST系中でそれぞれ逆転させられ得、UCSTを上昇させる試薬は、LCSTを低下させる試薬に置き換えられ得る。
【0099】
図8
図8の例の利点の概要:
概要説明:図8は、膜ベースのプロセスを用いて多液相混合物から濃縮物流および透過物流を形成し、保持液溶液中での当該膜ベースのプロセス中に吸熱溶解を促進し得る冷蔵サイクルの一例を示す。本実施形態は、膜ベースの濃縮ステップに先行する多液相分離デバイスの必要性を低減または排除し得る。本実施形態は、膜ベースの濃縮中にその場での熱吸収相転移も可能にし得る。
【0100】
図9
図9の例の利点の概要:熱吸収段階と熱放出段階との間のより大きい温度差が可能であるため、例えば、高効率液相変化冷蔵サイクルをより高い温度差要求で動作させることができ、これにより、例えば、冷蔵またはヒートポンプシステムの加熱側と冷却側との間のより大きい温度差を必要とし得るより広範囲の用途が可能になり得る。
【0101】
概要説明:1つ以上の冷蔵サイクルは、1つ以上の他の冷蔵サイクルと相互接続され得る。例えば、ある冷蔵サイクルの熱放出側は、別の冷蔵サイクルの1つ以上の熱吸収側に相互接続され得る。異なる冷蔵サイクル、例えば、異なる動作原理または同じ動作原理またはそれらの両方を有する冷蔵サイクルが相互接続され得る。冷蔵サイクルは、ヒートポンプサイクルも指し得る。
【0102】
図10
図10の例の利点の概要:
図10-段階的な説明の例-冷熱入力UCST相変化を伴うUCST揮発性ガス吸収冷蔵サイクル
1)「低溶解度試薬」を実質的に含む液相の一部の蒸発(熱吸収):「低溶解度試薬」を実質的に含み得る(が、他の残留試薬も含み得る)揮発性液体(L-3)が1つ以上の蒸発器(「蒸発器」)に入り、これにより、圧力が低下し得、かつ/または液体の少なくとも一部の気相(G-1)への蒸発が促進され得る。当該蒸発は、吸熱性であり得、1つ以上の冷却を必要とするアプリケーション、または温熱源、またはエンタルピー源、またはそれらの組み合わせと熱交換(HE-1)され得る(「HE-1によって冷却される」)。例えば、不揮発性および/または揮発性の低い残留試薬の存在のため、例えば残留UCST溶媒および/またはCST試薬を含む流れが液体または固体またはそれらの組み合わせ(L-4、注記:この図では、L-4は液体を含み得る)として当該蒸発器を出る場合もある。
2)圧縮:ガス状「低溶解度試薬」を実質的に含み得るG-1が1つ以上の圧縮機に入り得、これにより、G-1が圧縮されて、例えば加圧されたG-1(G-2)が形成され得る。
3)「低溶解度試薬」の吸収(熱放出):G-2が流れL-2または流れL-4またはそれらの組み合わせに吸収され得、これにより、組み合わせられた溶液(L-1)がもたらされ得る。当該吸収は、発熱性であり得、加熱を必要とする1つ以上のアプリケーション、または冷熱源、またはクールシンク、または蒸発冷却、またはエンタルピー源、またはそれらの組み合わせと熱交換(HE-2)され得る(「HE-2によって加熱される」)。
4)UCST未満に冷却して多液相混合物を形成する:L-1がそのUCSTにまたはそのUCST未満に冷却され得る、これにより、多液相混合物(LL-1)の形成がもたらされ得る。当該冷却は、HE-1のほんの一部との熱交換(HE-3)、または蒸発冷却からの冷却、または非寄生性冷却源、または空冷、またはそれらの組み合わせ(「マイナー冷却」)を含み得る。「マイナー冷却」の冷却要件が吸収された熱または「蒸発器」内で生成された冷却よりも低いまたは著しく低い場合があることに留意することが重要であり得る。
5)多液相混合物の構成試薬への分離:LL-1は、UCST溶媒およびCST試薬を実質的に含む構成液相と「低溶解度試薬」を実質的に含む構成液相との混合物を含み得る。当該構成液相が少なくとも部分的に分離され得、これにより、UCST溶媒およびCST試薬(L-2)を実質的に含む流れと「低溶解度試薬」(L-3)を実質的に含む流れとが形成され得る。
【0103】
注記:試薬の例には、以下のうちの1つ以上または組み合わせが挙げられ得るが、これらに限定されない。
・UCST溶媒試薬(例えば、水)
・CST試薬(例えば、PPG、ポリエチレングリコールジメチルエーテル(PEGDME)、PEG、またはそれらの組み合わせ)
・低溶解度試薬または冷媒(水中で低溶解度を有するが、CST試薬中で混和性溶解度を有する揮発性液体を含み得、例えば、酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸メチル、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジメトキシメタン、ジエトキシメタン、二酸化炭素、またはそれらの組み合わせである)
【0104】
注記:本実施形態は、能動的な雲点の調整を用いる場合がある。例えば、本明細書において能動的な雲点の調整を説明する1つ以上の実施形態が用いられ得る。
【0105】
図11
図11の例の利点の概要:
図11-段階的な説明の例-透過物添加UCST相変化を伴うUCST揮発性ガス吸収冷蔵サイクル
1)「低溶解度試薬」を実質的に含む液相の一部の蒸発(熱吸収):「低溶解度試薬」を実質的に含み得る(が、他の残留試薬も含み得る)揮発性液体(L-3)が1つ以上の蒸発器(「蒸発器」)に入り得、これにより、圧力が低下し得、かつ/または液体の少なくとも一部の気相(G-1)への蒸発が促進され得る。当該蒸発は、吸熱性であり得、1つ以上の冷却を必要とするアプリケーション、または温熱源、またはエンタルピー源、またはそれらの組み合わせと熱交換(HE-1)され得る(「HE-1によって冷却される」)。例えば、不揮発性および/または揮発性の低い残留試薬の存在のため、例えば残留UCST溶媒および/またはCST試薬を含む流れが液体または固体またはそれらの組み合わせ(L-4、注記:この図では、L-4は液体を含み得る)として当該蒸発器を出る場合もある。
2)圧縮:ガス状「低溶解度試薬」を実質的に含み得るG-1が1つ以上の圧縮機に入り得、これにより、G-1が圧縮されて、例えば加圧されたG-1(G-2)が形成され得る。
3)「低溶解度試薬」の吸収(熱放出):G-2が流れL-6または流れL-4またはそれらの組み合わせに吸収され得、これにより、組み合わせられた溶液(L-1)がもたらされ得る。当該吸収は、発熱性であり得、加熱を必要とする1つ以上のアプリケーション、または冷熱源、またはクールシンク、または蒸発冷却、またはエンタルピー源、またはそれらの組み合わせと熱交換(HE-2)され得る(「HE-2によって加熱される」)。
4)試薬添加によって誘発される相転移(熱放出):UCST溶媒を実質的に含み得る透過物または透過物等価物(L-8)がL-1に添加され得、これにより、相転移がもたらされて、多液相混合物(LL-1)が形成され得る。当該相転移は、発熱性であり得、加熱を必要とする1つ以上のアプリケーション、またはヒートシンク、または蒸発冷却、またはそれらの組み合わせと熱交換(HE-3)され得る(「HE-3によって加熱される)。
5)多液相混合物の構成試薬への分離:LL-1は、UCST溶媒およびCST試薬を実質的に含む構成液相と「低溶解度試薬」を実質的に含む構成液相との混合物を含み得る。当該構成液相が少なくとも部分的に分離され得、これにより、UCST溶媒およびCST試薬(L-2)を実質的に含む流れと「低溶解度試薬」(L-3)を実質的に含む流れとが形成され得る。L-3がステップ「1)」に移送され得る。L-2がステップ「6)」に移送され得る。
6)1つ以上の膜ベースのプロセスを使用した1つ以上のCST試薬の濃縮および添加された透過物の回収:L-2が、1つ以上のポンプまたはエネルギー回収デバイスまたはそれらの組み合わせ(P-1)を使用して加圧され得、これにより、1つ以上の膜ベースのプロセス(例えば、ナノ濾過「NF」)への加圧された供給溶液(L-5)が形成され得る。当該ナノ濾過により、L-5が、例えばL-2と比較してより高い濃度の1つ以上のCST試薬を有するUCST溶媒を含み得る1つ以上の濃縮物流(L-6)と、例えばL-2と比較してより低い濃度の1つ以上のCST試薬を有するUCST溶媒を含み得るか、または1つ以上のCST試薬を含まないUCST溶媒を含み得る1つ以上の透過物流(L-7)とに分離され得る。L-6が1つ以上の圧力および/または他のエネルギー回収ステップを経り得るか、またはL-7が1つ以上の圧力および/または他のエネルギー回収ステップを経り得るか、またはそれらの組み合わせであり得る。L-7が1つ以上の「透過物貯蔵庫」容器および/またはステップ「1)」に移送され得る。L-6がステップ「1)」に移送され得る。
【0106】
注記:本実施形態は、追加的にまたは代替的に、温熱または冷熱伝達システムとして用いられ得る。
【0107】
図12
図12の例の利点の概要:
図12-段階的な説明の例-温熱入力LCST相変化を伴うLCST揮発性ガス吸収冷蔵サイクル
1)冷媒を実質的に含む液相の一部の蒸発(熱吸収):冷媒およびLCST試薬を実質的に含み得るL-3が1つ以上の蒸発器(「蒸発器」)に入り得、これにより、圧力が低下し得、かつ/または冷媒の少なくとも一部の気相(G-1)への蒸発が促進され得る。当該蒸発は、吸熱性であり得、1つ以上の冷却を必要とするアプリケーション、または温熱源、またはエンタルピー源、またはそれらの組み合わせと熱交換(HE-1)され得る(「HE-1によって冷却される」)。蒸発中または蒸発後、LCST試薬および残留冷媒を含み得る残りの溶液(L-4)が吸収器段階に移送され得るか、またはL-2と混合され得るか、またはステップ「3)」に移送され得るか、またはそれらの組み合わせであり得る。
2)圧縮:ガス状冷媒を実質的に含み得るG-1が1つ以上の圧縮機に入り得、これにより、G-1が圧縮されて、例えば加圧されたG-1(G-2)が形成され得る。
3)冷媒の吸収(熱放出):G-2が流れL-2または流れL-4またはそれらの組み合わせに吸収され得、これにより、組み合わせられた溶液(L-1)がもたらされ得る。当該吸収は、発熱性であり得、加熱を必要とする1つ以上のアプリケーション、または冷熱源、またはクールシンク、または蒸発冷却、またはエンタルピー源、またはそれらの組み合わせと熱交換(HE-2)され得る(「HE-2によって加熱される」)。
4)LCST超に加熱して多液相混合物を形成する:(熱吸収):L-1がそのLCSTにまたはそのLCST超に加熱され得、これにより、多液相混合物(LL-1)の形成がもたらされ得る。当該熱交換は、1つ以上の温熱源、1つ以上の冷却を必要とするアプリケーション、または廃熱、または圧縮機廃熱、または非寄生性加熱源、または他の加熱源、またはそれらの組み合わせとの熱交換(HE-3)を含み得る(「マイナー加熱」)。
5)多液相混合物の構成試薬への分離:LL-1は、LCST溶媒試薬を実質的に含む構成液相と冷媒およびLCST試薬を実質的に含む構成液相との混合物を含み得る。当該構成液相が少なくとも部分的に分離され得、これにより、LCST試薬(L-2)を実質的に含む流れと冷媒およびLCST試薬(L-3)を実質的に含む流れとが形成され得る。
【0108】
注記:冷媒は、LCST結合剤試薬を含み得る。
例示的な実施形態
【0109】
例示の実施形態1[UCST]
・冷蔵またはヒートポンプサイクルであって、
1)2つ以上の液相が吸熱的に混合されて溶解する熱吸収ステップと、2)異なる組成もしくは体積を有する単一液相または複数の液相が2つ以上の液相および/または異なる組成もしくは体積を有する液相に発熱的に相転移する熱放出ステップと、を含み、
ステップ「1)」の相転移温度がステップ「2)」の相転移温度とは異なるように、ステップ「1)」とステップ「2)」との間、ステップ「1)」もしくはステップ「2)」前、ステップ「1)」もしくはステップ「2)」中、またはステップ「1)」もしくはステップ「2)」後、またはそれらの組み合わせで1つ以上の液相の濃度または組成を調整することをさらに含む、冷蔵またはヒートポンプサイクル。
・冷蔵またはヒートポンプサイクルであって、
1)2つ以上の液相が吸熱的に混合されて溶解する熱吸収ステップと、2)異なる組成もしくは体積を有する単一液相または複数の液相が2つ以上の液相および/または異なる組成もしくは体積を有する液相に発熱的に相転移する熱放出ステップと、を含み、
ステップ「1)」の相転移温度がステップ「2)」の相転移温度とは異なるように、ステップ「1)」とステップ「2)」との間、ステップ「1)」もしくはステップ「2)」前、ステップ「1)」もしくはステップ「2)」中、またはステップ「1)」もしくはステップ「2)」後、またはそれらの組み合わせで1つ以上の液相の濃度または組成または圧力を調整することをさらに含む、冷蔵またはヒートポンプサイクル。
・冷蔵またはヒートポンプサイクルであって、
1)2つ以上の液相が吸熱的に混合されて溶解する熱吸収ステップと、2)異なる組成もしくは体積を有する単一液相または複数の液相が2つ以上の液相および/または異なる組成もしくは体積を有する液相に発熱的に相転移する熱放出ステップと、を含み、
ステップ「1)」の相転移温度がステップ「2)」の相転移温度とは異なるように、ステップ「1)」とステップ「2)」との間、ステップ「1)」もしくはステップ「2)」前、ステップ「1)」もしくはステップ「2)」中、またはステップ「1)」もしくはステップ「2)」後、またはそれらの組み合わせで相転移温度を調整することをさらに含む、冷蔵またはヒートポンプサイクル。
・冷蔵またはヒートポンプサイクルであって、
1)2つ以上の液相が吸熱的に混合されて、かつ/または溶解する熱吸収ステップと、2)異なる組成または体積を有する単一液相および/または複数の液相が2つ以上の液相および/または異なる組成もしくは体積を有する液相を発熱的に形成する熱放出ステップと、を含み、
ステップ「1)」の相転移温度がステップ「2)」の相転移温度とは異なるように、ステップ「1)」とステップ「2)」との間、ステップ「1)」もしくはステップ「2)」前、ステップ「1)」もしくはステップ「2)」中、またはステップ「1)」もしくはステップ「2)」後、またはそれらの組み合わせで1つ以上の液相の濃度または組成を調整することをさらに含む、冷蔵またはヒートポンプサイクル。
・冷蔵またはヒートポンプサイクルであって、
1)2つ以上の液相が吸熱的に混合されて溶解する熱吸収ステップと、2)異なる組成または体積を有する単一液相および/または複数の液相が2つ以上の液相および/または異なる組成もしくは体積を有する液相を発熱的に形成する熱放出ステップと、を含み、
ステップ「1)」の相転移温度がステップ「2)」の相転移温度とは異なるように、ステップ「1)」とステップ「2)」との間、ステップ「1)」もしくはステップ「2)」前、ステップ「1)」もしくはステップ「2)」中、またはステップ「1)」もしくはステップ「2)」後、またはそれらの組み合わせで相転移温度を調整することをさらに含む、冷蔵またはヒートポンプサイクル。
【0110】
例示の実施形態2[LCST]
・冷蔵またはヒートポンプサイクルであって、
1)2つ以上の液相が発熱的に混合されて溶解する熱放出ステップと、2)異なる組成または体積を有する単一液相または複数の液相が2つ以上の液相および/または異なる組成もしくは体積を有する液相に吸熱的に相転移する熱吸収ステップと、を含み、
ステップ「1)」の相転移温度がステップ「2)」の相転移温度とは異なるように、ステップ「1)」とステップ「2)」との間、ステップ「1)」もしくはステップ「2)」前、ステップ「1)」もしくはステップ「2)」中、またはステップ「1)」もしくはステップ「2)」後、またはそれらの組み合わせで1つ以上の液相の濃度または組成を調整することをさらに含む、冷蔵またはヒートポンプサイクル。
・冷蔵またはヒートポンプサイクルであって、
1)2つ以上の液相が発熱的に混合されて溶解する熱放出ステップと、2)異なる組成または体積を有する単一液相または複数の液相が2つ以上の液相および/または異なる組成もしくは体積を有する液相に吸熱的に相転移する熱吸収ステップと、を含み、
ステップ「1)」の相転移温度がステップ「2)」の相転移温度とは異なるように、ステップ「1)」とステップ「2)」との間、ステップ「1)」もしくはステップ「2)」前、ステップ「1)」もしくはステップ「2)」中、またはステップ「1)」もしくはステップ「2)」後、またはそれらの組み合わせで1つ以上の液相の濃度または組成または圧力を調整することをさらに含む、冷蔵またはヒートポンプサイクル。
・冷蔵またはヒートポンプサイクルであって、
1)2つ以上の液相が発熱的に混合されて溶解する熱放出ステップと、2)異なる組成または体積を有する単一液相または複数の液相が2つ以上の液相および/または異なる組成もしくは体積を有する液相を吸熱的に形成する熱吸収ステップと、を含み、
ステップ「1)」の相転移温度がステップ「2)」の相転移温度とは異なるように、ステップ「1)」とステップ「2)」との間、ステップ「1)」もしくはステップ「2)」前、ステップ「1)」もしくはステップ「2)」中、またはステップ「1)」もしくはステップ「2)」後、またはそれらの組み合わせで相転移温度を調整することをさらに含む、冷蔵またはヒートポンプサイクル。
・冷蔵またはヒートポンプサイクルであって、
1)2つ以上の液相が発熱的に混合されて溶解する熱放出ステップと、2)異なる組成または体積を有する単一液相および/または複数の液相が2つ以上の液相および/または異なる組成もしくは体積を有する液相に吸熱的に相転移する熱吸収ステップと、を含み、
ステップ「1)」の1つ以上の液体溶液の相転移温度がステップ「2)」の1つ以上の溶液の相転移温度とは異なるように、ステップ「1)」とステップ「2)」との間、ステップ「1)」もしくはステップ「2)」前、ステップ「1)」もしくはステップ「2)」中、またはステップ「1)」もしくはステップ「2)」後、またはそれらの組み合わせで1つ以上の液相の濃度または組成を調整することをさらに含む、冷蔵またはヒートポンプサイクル。
・冷蔵またはヒートポンプサイクルであって、
1)2つ以上の液相が発熱的に混合されて溶解する熱放出ステップと、2)異なる組成または体積を有する単一液相および/または複数の液相が2つ以上の液相および/または異なる組成もしくは体積を有する液相に吸熱的に相転移する熱吸収ステップと、を含み、
ステップ「1)」の相転移温度がステップ「2)」の相転移温度とは異なるように、ステップ「1)」とステップ「2)」との間、ステップ「1)」もしくはステップ「2)」前、ステップ「1)」もしくはステップ「2)」中、またはステップ「1)」もしくはステップ「2)」後、またはそれらの組み合わせで相転移温度を調整することをさらに含む、冷蔵またはヒートポンプサイクル。
【0111】
例示の副実施形態:
・当該多液相混合物が、構成液相に少なくとも部分的に分離され得る。
・相転移温度の当該調整が、多液相混合物から分離された1つ以上の液相の組成、濃度、またはそれらの組み合わせを調整することを含む。
・相転移温度の当該調整が、多液相混合物から分離された1つ以上の分離された液相中の1つ以上の試薬の組成、濃度、またはそれらの組み合わせを調整することを含む。
・相転移温度の当該調整が、組み合わせられた溶液中の1つ以上の試薬の組成、濃度、またはそれらの組み合わせを調整することを含む。
・相転移温度の当該調整により、当該熱放出ステップが当該熱吸収ステップとは異なる温度で少なくとも部分的に起こる。
・相転移温度の当該調整により、当該熱放出が当該熱吸収よりも高い温度で少なくとも部分的に起こる。
・相転移温度の当該調整が可逆的である。
・1つ以上の液相の濃度または組成の当該調整が、サイクル内で逆転する。
・当該サイクルが、連続、半連続、バッチ、またはそれらの組み合わせである。
・相転移温度の当該調整が、1つ以上の試薬の添加を含む。
・相転移温度の当該調整が、1つ以上の膜ベースのプロセスを使用して1つ以上の試薬の濃度を増加させることを含む。
・相転移温度の当該調整が、透過物および/または透過物等価物の添加を使用して1つ以上の試薬の濃度を低下させるまたは希釈することを含む。
・相転移温度の当該調整が、1つ以上の試薬の添加を含む。
・当該1つ以上の試薬が、サイクル内で再生される。
・1つ以上の液相の濃度または組成の当該調整が、1つ以上の膜ベースのプロセスを使用して行われ得る。
・当該1つ以上の膜ベースのプロセスが、逆浸透、またはナノ濾過、または限外濾過、または浸透圧的に支援された膜ベースのプロセス、または正浸透のうちの1つ以上または組み合わせを含む。
・当該相転移が、UCST、LCST、またはそれらの両方、またはそれらの組み合わせを含む。
・熱吸収ステップ、熱放出ステップ、または雲点調整ステップのうちの1つ以上または組み合わせのうちの2つ以上が存在する、請求項1に記載のプロセス。
【0112】
例示の実施形態3[UCST吸収冷蔵サイクル]:
・吸収冷蔵サイクルであって、
水および1つ以上のCST試薬を含む吸収溶液、
当該吸収溶液中で、1つ以上の温度超で実質的な溶解度または混和性溶解度を呈し、かつ当該温度のうちの1つ以上未満で限定された溶解度または非混和性溶解度を呈する冷媒を含み、
当該吸収溶液および冷媒を含む溶液が、1つ以上の上限臨界溶液温度を呈する、吸収冷蔵サイクル。
・吸収冷蔵サイクルであって、
吸収溶液、
当該吸収溶液中で、1つ以上の温度超で実質的な溶解度または混和性溶解度を呈し、かつ当該温度のうちの1つ以上未満で限定された溶解度または非混和性溶解度を呈する冷媒を含み、
当該吸収溶液および冷媒を含む溶液が、1つ以上の上限臨界溶液温度を呈する、吸収冷蔵サイクル。
・吸収冷蔵サイクルであって、
吸収溶液、
冷媒および吸収溶液を含む溶液中で1つ以上のUCSTを呈する冷媒を含む、吸収冷蔵サイクル。
・吸収冷蔵サイクルであって、
UCST溶媒および1つ以上のCST試薬を含む吸収溶液、
当該吸収溶液中で、1つ以上の温度超で実質的な溶解度または混和性溶解度を呈し、かつ当該温度のうちの1つ以上未満で限定された溶解度または非混和性溶解度を呈する冷媒を含み、
当該吸収溶液および冷媒を含む溶液が、1つ以上の上限臨界溶液温度を呈する、吸収冷蔵サイクル。
・吸収冷蔵サイクルであって、
UCST溶媒および1つ以上のCST試薬を含む吸収溶液、
当該吸収溶液中でUCST溶解度を呈する冷媒を含む、吸収冷蔵サイクル。
・吸収冷蔵サイクルであって、
UCST溶媒および1つ以上のCST試薬を含む吸収溶液、
当該吸収溶液で溶解されたか、または当該吸収溶液中に溶解された溶液中でUCST溶解度を呈する冷媒を含む、吸収冷蔵サイクル。
・吸収冷蔵サイクルであって、
溶媒および1つ以上のCST試薬を含む吸収溶液、
当該吸収溶液中でUCST溶解度を呈する冷媒を含む、吸収冷蔵サイクル。
【0113】
例示の副実施形態:
・冷媒が熱吸収ステップで蒸発し、熱放出ステップで当該吸収溶液に吸収されて、吸収溶液-冷媒溶液を形成する。
当該吸収溶液-冷媒溶液が多液相混合物に相転移するように、当該吸収溶液-冷媒溶液のUCSTが調整される。
当該多液相混合物が、冷媒を主に含む少なくとも1つの液相を含む。
当該多液相混合物が、吸収溶液を主に含む少なくとも1つの液相を含む。
当該多液相混合物が、構成液相に少なくとも部分的に分離される。
当該UCST調整が、溶媒の添加によって起こる。
当該溶媒が、1つ以上の膜ベースのプロセスを使用して溶媒の少なくとも一部を分離することによって、吸収溶液を主に含む当該液相から再生される。
・冷媒が熱吸収ステップで蒸発し、熱放出ステップで当該吸収溶液に吸収されて、吸収溶液-冷媒溶液を形成する。
当該吸収溶液-冷媒溶液が多液相混合物に相転移するように、当該吸収溶液-冷媒溶液のUCSTが調整される。
多液相混合物への当該相転移が、熱放出ステップも含み得る。
当該多液相混合物が、冷媒を主に含む少なくとも1つの液相を含む。
当該多液相混合物が、吸収溶液を主に含む少なくとも1つの液相を含む。
当該多液相混合物が、構成液相に少なくとも部分的に分離される。
当該UCST調整が、溶媒の添加によって起こる。
当該溶媒が、1つ以上の膜ベースのプロセスを使用して溶媒の少なくとも一部を分離することによって、吸収溶液を主に含む当該液相から再生される。
・冷媒が熱吸収ステップで蒸発し、熱放出ステップで当該吸収溶液に吸収されて、吸収溶液-冷媒溶液を形成する。
当該吸収溶液-冷媒溶液が多液相混合物に相転移するように、当該吸収溶液-冷媒溶液が冷却されるか、または組成が調整されるか、またはそれらの組み合わせである。
多液相混合物への当該相転移が、熱放出ステップも含み得る。
当該多液相混合物が、冷媒を主に含む少なくとも1つの液相を含む。
当該多液相混合物が、吸収溶液を主に含む少なくとも1つの液相を含む。
当該多液相混合物が、構成液相に少なくとも部分的に分離される。
当該UCST調整が、溶媒の添加によって起こる。
当該溶媒が、1つ以上の膜ベースのプロセスを使用して溶媒の少なくとも一部を分離することによって、吸収溶液を主に含む当該液相から再生される。
・冷媒が熱吸収ステップで蒸発し、熱放出ステップで当該吸収溶液に吸収されて、吸収溶液-冷媒溶液を形成する。
当該吸収溶液-冷媒溶液が多液相混合物に相転移するように、当該吸収溶液-冷媒溶液が冷却されるか、またはその組み合わせである。
多液相混合物への当該相転移が、熱放出ステップも含み得る。
当該多液相混合物が、冷媒を主に含む少なくとも1つの液相を含む。
当該多液相混合物が、吸収溶液を主に含む少なくとも1つの液相を含む。
当該多液相混合物が、構成液相に少なくとも部分的に分離される。
・冷媒が熱吸収ステップで蒸発し、熱放出ステップで当該吸収溶液に吸収されて、吸収溶液-冷媒溶液を形成する。
・当該吸収溶液-冷媒溶液が多液相混合物に相転移するように、当該吸収溶液-冷媒溶液のUCSTが調整される。
・多液相混合物への当該相転移が、熱放出ステップも含み得る。
・当該多液相混合物が、冷媒を主に含む少なくとも1つの液相を含む。
・当該多液相混合物が、吸収溶液を主に含む少なくとも1つの液相を含む。
・当該多液相混合物が、構成液相に少なくとも部分的に分離される。
・当該UCST調整が、溶媒の添加によって起こる。
・当該溶媒が、1つ以上の膜ベースのプロセスを使用して溶媒の少なくとも一部を分離することによって、吸収溶液を主に含む当該液相から再生される。
・UCSTが増加し、かつ吸収溶液-冷媒溶液が2つ以上の液相に相転移するように、冷媒液相が、吸収溶液-冷媒溶液の濃度、組成、またはそれらの組み合わせを調整することによって再生される。
当該液相のうちの少なくとも1つが、冷媒を主に含む。
当該液相のうちの少なくとも1つが、吸収溶液を主に含む。
・UCSTが増加し、かつ液体系が2つ以上の液相に相転移するように、冷媒液相が、水または「溶媒」を吸収溶液-冷媒に添加することによって再生される。
当該液相のうちの少なくとも1つが、冷媒を主に含む。
・当該2つ以上の液相が、少なくとも部分的に分離される。
・当該水または「溶媒」が、1つ以上の膜ベースのプロセスを使用して、当該液体流または液相または分離された液相のうちの少なくとも1つから再生される。
・冷媒を主に含む当該液相が、他の残留試薬を含有し得る。
・冷媒を主に含む当該液相が、残留吸収溶液を含有し得る。
・冷媒を主に含む当該液相が、残留吸収溶液試薬を含有し得る。
冷媒の蒸発前、蒸発中、または蒸発後に当該残留試薬を吸収段階に戻すことをさらに含む。
・吸収溶液を主に含む当該液相が、他の残留試薬を含有し得る。
・吸収溶液を主に含む当該液相が、残留冷媒を含有し得る。
・吸収溶液を主に含む当該液相が、残留冷媒試薬を含有し得る。
・吸収溶液液相が、UCST溶媒、CST試薬、高溶解度試薬、低溶解度試薬、冷媒を含み得る残留低溶解度試薬、残留冷媒、UCSTを上昇させる試薬、またはそれらの組み合わせのうちの1つ以上または組み合わせを含む。
・冷媒液相が、冷媒、低溶解度試薬、冷媒を含み得る低溶解度試薬、残留高溶解度試薬、残留UCST溶媒、残留CST試薬、残留UCSTを上昇させる試薬、またはそれらの組み合わせのうちの1つ以上または組み合わせを含む。
・吸収溶液が、水、アンモニア、アミン、塩、有機溶媒、極性有機溶媒、温度感受性溶解度を有する試薬、温度感受性浸透圧を有する試薬、水中でLCSTを有する試薬、水中でUCSTを有する試薬、CST試薬、有機化合物、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールジメチルエーテルのうちの1つ以上または組み合わせを含む。
・冷媒が、酢酸メチル、酢酸エチル、アルコール、エステル、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ギ酸メチル、アルデヒド、エーテル、ジオール、ケトン、炭化水素、環状炭化水素、極性炭化水素、非極性炭化水素、無機化合物、無機試薬のうちの1つ以上または組み合わせを含む。
【0114】
例示の実施形態3[LCST吸収冷蔵サイクル]:
・吸収冷蔵サイクルであって、
LCST試薬を含む吸収溶液、
LCST溶媒試薬を含む冷媒液相を含み、
冷媒およびLCST試薬を含む溶液が、1つ以上のLCSTを呈する、吸収冷蔵サイクル。
・吸収冷蔵サイクルであって、
LCST試薬、またはLCST結合剤試薬、またはそれらの組み合わせを含む吸収溶液、
LCST溶媒試薬を含む冷媒液相を含み、
冷媒、LCST試薬、およびLCST結合剤試薬を含む溶液が、1つ以上のLCSTを呈する、吸収冷蔵サイクル。
・吸収冷蔵サイクルであって、
1つ以上のCST試薬を含む吸収溶液、
水、アンモニア、またはそれらの組み合わせを含む冷媒液相を含み、
冷媒およびLCST試薬を含む溶液が、1つ以上のLCSTを呈する、吸収冷蔵サイクル。
・吸収冷蔵サイクルであって、
1つ以上のCST試薬および1つ以上の不揮発性結合剤試薬を含む吸収溶液、
水、アンモニア、またはそれらの組み合わせを含む冷媒液相を含み、
冷媒およびLCST試薬を含む溶液が、1つ以上のLCSTを呈する、吸収冷蔵サイクル。
【0115】
例示の副実施形態:
・冷媒が熱吸収ステップで蒸発し、熱放出ステップで当該吸収溶液に吸収されて、吸収溶液-冷媒溶液を形成する。
当該吸収溶液-冷媒溶液が、多液相混合物に相転移する。
当該多液相混合物が、冷媒を主に含む少なくとも1つの液相を含む。
当該多液相混合物が、吸収溶液を主に含む少なくとも1つの液相を含む。
当該多液相混合物が、構成液相に少なくとも部分的に分離される。
・冷媒が熱吸収ステップで蒸発し、熱放出ステップで当該吸収溶液に吸収されて、吸収溶液-冷媒溶液を形成する。
当該吸収溶液-冷媒溶液が、多液相混合物に相転移する。
当該多液相混合物が、冷媒を主に含む少なくとも1つの液相を含む。
当該多液相混合物が、吸収溶液を主に含む少なくとも1つの液相を含む。
当該多液相混合物が、構成液相に少なくとも部分的に分離される。
冷媒を主に含む当該液相が、当該冷媒を蒸発させる段階で用いられる。
吸収溶液を主に含む当該液相が、当該吸収段階で用いられる。
当該蒸発器段階後の残留試薬が、当該吸収段階で用いられ得る。
・冷媒が熱吸収ステップで蒸発し、熱放出ステップで当該吸収溶液に吸収されて、吸収溶液-冷媒溶液を形成する。
・当該吸収溶液-冷媒溶液が、多液相混合物に相転移する。
・当該多液相混合物が、冷媒を主に含む少なくとも1つの液相を含む。
・当該多液相混合物が、吸収溶液を主に含む少なくとも1つの液相を含む。
・当該多液相混合物が、構成液相に少なくとも部分的に分離される。
・冷媒を主に含む当該液相が、当該冷媒を蒸発させる段階で用いられる。
・吸収溶液を主に含む当該液相が、当該吸収段階で用いられる。
・当該蒸発器後の残留試薬が、当該吸収段階で用いられ得る。
【0116】
例示の実施形態4[LCST吸収冷蔵サイクル]:
・吸収冷蔵サイクルであって、
水を含む吸収溶液、
冷媒およびLCST試薬を含む冷媒液相を含み、
当該冷媒液相が、冷媒、LCST試薬、および水を含む溶液中で1つ以上のLCSTを呈する、吸収冷蔵サイクル。
・吸収冷蔵サイクルであって、
水を含む吸収溶液、
冷媒およびLCST試薬を含む冷媒液相を含み、
当該冷媒液相が、冷媒、CST試薬、および水を含む溶液中で1つ以上のLCSTを呈し、
当該冷媒が、LCST結合剤試薬を含む、吸収冷蔵サイクル。
・吸収冷蔵サイクルであって、
LCST溶媒試薬を含む吸収溶液、
冷媒およびLCST試薬を含む冷媒液相を含み、
当該冷媒液相が、冷媒、CST試薬、および水を含む溶液中で1つ以上のLCSTを呈し、
当該冷媒が、LCST結合剤試薬の1つ以上の特性を呈する、吸収冷蔵サイクル。
・吸収冷蔵サイクルであって、
水を含む吸収溶液、
冷媒およびCST試薬を含む冷媒液相を含み、
当該冷媒液相が、冷媒、CST試薬、および水を含む溶液中で1つ以上の雲点温度を呈する、吸収冷蔵サイクル。
・吸収冷蔵サイクルであって、
溶媒を含む吸収溶液、
冷媒およびCST試薬を含む冷媒液相を含み、
当該冷媒液相が、冷媒、CST試薬、および溶媒を含む溶液中で1つ以上の雲点温度を呈する、吸収冷蔵サイクル。
・吸収冷蔵サイクルであって、
水を含む吸収溶液、
冷媒およびLCST試薬を含む冷媒液相を含み、
当該冷媒液相が、冷媒液相および吸収溶液の溶液中で1つ以上のLCSTを呈する、吸収冷蔵サイクル。
・吸収冷蔵サイクルであって、
水を含む吸収溶液、
冷媒およびCST試薬を含む冷媒液相を含み、
当該冷媒液相が、冷媒液相および吸収溶液の溶液中で1つ以上の雲点温度を呈する、吸収冷蔵サイクル。
・吸収冷蔵サイクルであって、
溶媒を含む吸収溶液、
冷媒およびLCST試薬を含む冷媒液相を含み、
当該冷媒液相が、冷媒、CST試薬、および水を含む溶液中で1つ以上のLCSTを呈する、吸収冷蔵サイクル。
【0117】
例示の副実施形態:
・冷媒が熱吸収ステップで蒸発し、熱放出ステップで当該吸収溶液に吸収されて、吸収溶液-冷媒溶液を形成する。
当該吸収溶液-冷媒溶液が、多液相混合物に相転移する。
当該多液相混合物が、冷媒およびLCST試薬を主に含む少なくとも1つの液相を含む。
当該多液相混合物が、LCST溶媒試薬を主に含む少なくとも1つの液相を含む。
当該多液相混合物が、構成液相に少なくとも部分的に分離される。
冷媒およびLCST試薬を主に含む当該液相が、当該冷媒を蒸発させる段階で用いられる。
吸収溶液を主に含む当該液相が、当該吸収段階で用いられる。
当該蒸発器段階後の残留試薬が、当該吸収段階で用いられ得る。
・冷媒が熱吸収ステップで蒸発し、熱放出ステップで当該吸収溶液に吸収されて、吸収溶液-冷媒溶液を形成する。
当該吸収溶液-冷媒溶液が、多液相混合物に相転移する。
当該多液相混合物が、冷媒液相を主に含む少なくとも1つの液相を含む。
当該多液相混合物が、吸収溶液を主に含む少なくとも1つの液相を含む。
当該多液相混合物が、構成液相に少なくとも部分的に分離される。
冷媒液相を主に含む当該液相が、当該冷媒を蒸発させる段階で用いられる。
吸収溶液を主に含む当該液相が、当該吸収段階で用いられる。
当該蒸発器段階後の残留試薬が、当該吸収段階で用いられ得るか、または当該吸収溶液と混合され得るか、またはそれらの組み合わせであり得る。
・冷媒が熱吸収ステップで蒸発し、熱放出ステップで当該吸収溶液に吸収されて、吸収溶液-冷媒溶液を形成する。
・当該吸収溶液-冷媒溶液が、多液相混合物に相転移する。
・当該多液相混合物が、冷媒およびLCST試薬を主に含む少なくとも1つの液相を含む。
・当該多液相混合物が、LCST溶媒試薬を主に含む少なくとも1つの液相を含む。
・当該多液相混合物が、構成液相に少なくとも部分的に分離される。
・冷媒およびLCST試薬を主に含む当該液相が、当該冷媒を蒸発させる段階で用いられる。
・吸収溶液を主に含む当該液相が、当該吸収段階で用いられる。
・当該蒸発器後の残留試薬が、当該吸収段階で用いられ得る。
【0118】
例示の実施形態5[能動的な雲点の調整UCST]:
・加熱または冷却伝達流体およびシステムであって、
熱を放出する相の転移時に熱を放出して、異なる体積および/または組成および/または濃度を有する単一液相および/または液相から2つ以上の液相を形成すること、
溶解熱を放出する相の転移時に熱を吸収して、異なる体積および/または組成および/または濃度を有する単一液相溶液および/または液相を形成することを含み、
当該相転移の温度または当該相転移が起こる温度が、1つ以上の試薬の組成または濃度を変化させることによって調整され得る、加熱または冷却伝達流体およびシステム。
・加熱または冷却伝達流体およびシステムであって、
溶解熱を吸収する相の転移時に熱を吸収して、単一液相溶液を形成すること、
熱を放出する相の転移時に熱を放出して、単一液相から2つ以上の液相を形成することを含み、
当該相転移の温度または当該相転移が起こる温度が、1つ以上の試薬の組成または濃度を変化させることによって調整され得る、加熱または冷却伝達流体およびシステム。
・加熱または冷却伝達流体およびシステムであって、
溶解熱を放出する相の転移時に熱を吸収して、異なる体積および/または組成および/または濃度を有する単一液相溶液および/または液相を形成することを含み、
熱を放出する相の転移時に熱を放出して、異なる体積および/または組成および/または濃度を有する単一液相および/または液相から2つ以上の液相を形成すること、
当該相転移の温度または当該相転移が起こる温度が、1つ以上の試薬の組成または濃度を変化させることによって調整され得る、加熱または冷却伝達流体およびシステム。
・加熱または冷却伝達流体およびシステムであって、
熱を放出する相の転移時に熱を放出して、異なる体積および/または組成および/または濃度を有する単一液相および/または液相から2つ以上の液相を形成すること、
当該2つ以上の液相を少なくとも部分的に分離すること、
流体輸送の少なくとも一部のために当該2つ以上の液相を別個の流れとして移動させること、
当該分離された液相の少なくとも一部を組み合わせるまたは混合することによって溶解熱を吸収する相の転移時に熱を吸収して、異なる体積および/または組成および/または濃度を有する単一液相溶液および/または液相を形成することを含み、
当該相転移の温度または当該相転移が起こる温度が、1つ以上の液相中の1つ以上の試薬の組成または濃度を変化させることによって調整され得る、加熱または冷却伝達流体およびシステム。
・加熱または冷却伝達流体およびシステムであって、
熱を放出する相の転移時に熱を放出して、異なる体積および/または組成および/または濃度を有する単一液相および/または液相から2つ以上の液相を形成すること、
当該2つ以上の液相を少なくとも部分的に分離すること、
流体輸送の少なくとも一部のために当該2つ以上の液相を別個の流れとして移動させること、
当該分離された液相の少なくとも一部を組み合わせるまたは混合することによって溶解熱を吸収する相の転移時に熱を吸収して、異なる体積および/または組成および/または濃度を有する単一液相溶液および/または液相を形成することを含み、
当該相転移の温度または当該相転移が起こる温度が、1つ以上の分離された液相中の1つ以上の試薬の組成または濃度を変化させることによって調整され得る、加熱または冷却伝達流体およびシステム。
・加熱または冷却伝達流体およびシステムであって、
熱を放出する相の転移時に熱を放出して、異なる体積および/または組成および/または濃度を有する単一液相および/または液相から2つ以上の液相を形成すること、
溶解熱を吸収する相の転移時に熱を吸収して、異なる体積および/または組成および/または濃度を有する単一液相溶液および/または液相を形成することを含み、
当該相転移の温度または当該相転移が起こる温度が、1つ以上の組み合わせられた溶液中の1つ以上の試薬の組成または濃度を変化させることによって調整され得る、加熱または冷却伝達流体およびシステム。
・加熱または冷却伝達流体およびシステムであって、
熱を放出する相の転移時に熱を放出して、異なる体積および/または組成および/または濃度を有する単一液相および/または液相から2つ以上の液相を形成すること、
当該2つ以上の液相を少なくとも部分的に分離すること、
流体輸送の少なくとも一部のために当該2つ以上の液相を別個の流れとして移動させること、
当該分離された液相の少なくとも一部を組み合わせるまたは混合することによって溶解熱を吸収する相の転移時に熱を吸収して、異なる体積および/または組成および/または濃度を有する単一液相溶液および/または液相を形成することを含み、
当該相転移の温度または当該相転移が起こる温度が、1つ以上の膜ベースのプロセス、または1つ以上の膜ベースのプロセスから得られた1つ以上の組成物、または液体系で用いられる1つ以上の試薬と同様のもの、または1つ以上の膜ベースのプロセスから得られた1つ以上の組成物と同様のもの、またはそれらの組み合わせを使用して、1つ以上の液相中の1つ以上の試薬の組成または濃度を変化させることによって調整され得る、加熱または冷却伝達流体およびシステム。
・加熱または冷却伝達流体およびシステムであって、
熱を放出する相の転移時に熱を放出して、異なる体積および/または組成および/または濃度を有する単一液相および/または液相から2つ以上の液相を形成すること、
当該2つ以上の液相を少なくとも部分的に分離すること、
流体輸送の少なくとも一部のために当該2つ以上の液相を別個の流れとして移動させること、
当該分離された液相の少なくとも一部を組み合わせるまたは混合することによって溶解熱を吸収する相の転移時に熱を吸収して、異なる体積および/または組成および/または濃度を有する単一液相溶液および/または液相を形成することを含み、
当該相転移の温度または当該相転移が起こる温度が、1つ以上の膜ベースのプロセス、または1つ以上の膜ベースのプロセスから得られた1つ以上の組成物、または液体系で用いられる1つ以上の試薬と同様のもの、または1つ以上の膜ベースのプロセスから得られた1つ以上の組成物と同様のもの、またはそれらの組み合わせを使用して、1つ以上の組み合わせられた溶液中の1つ以上の試薬の組成または濃度を変化させることによって調整され得る、加熱または冷却伝達流体およびシステム。
【0119】
例示の実施形態6[能動的な雲点の調整LCST]:
・加熱または冷却伝達流体およびシステムであって、
熱を吸収する相の転移時に熱を吸収して、異なる体積および/または組成および/または濃度を有する単一液相および/または液相から2つ以上の液相を形成すること、
溶解熱を放出する相の転移時に熱を放出して、異なる体積および/または組成および/または濃度を有する単一液相溶液および/または液相を形成することを含み、
当該相転移の温度または当該相転移が起こる温度が、1つ以上の試薬の組成または濃度を変化させることによって調整され得る、加熱または冷却伝達流体およびシステム。
・加熱または冷却伝達流体およびシステムであって、
溶解熱を放出する相の転移時に熱を放出して、異なる体積および/または組成および/または濃度を有する単一液相溶液および/または液相を形成することを含み、
熱を吸収する相の転移時に熱を吸収して、異なる体積および/または組成および/または濃度を有する単一液相および/または液相から2つ以上の液相を形成すること、
当該相転移の温度または当該相転移が起こる温度が、1つ以上の試薬の組成または濃度を変化させることによって調整され得る、加熱または冷却伝達流体およびシステム。
・加熱または冷却伝達流体およびシステムであって、
溶解熱を放出する相の転移時に熱を放出して、異なる体積および/または組成および/または濃度を有する単一液相溶液および/または液相を形成することを含み、
熱を吸収する相の転移時に熱を吸収して、異なる体積および/または組成および/または濃度を有する単一液相および/または液相から2つ以上の液相を形成すること、
当該相転移の温度または当該相転移が起こる温度が、1つ以上の試薬の組成または濃度を変化させることによって調整され得る、加熱または冷却伝達流体およびシステム。
・加熱または冷却伝達流体およびシステムであって、
熱を吸収する相の転移時に熱を吸収して、異なる体積および/または組成および/または濃度を有する単一液相および/または液相から2つ以上の液相を形成すること、
当該2つ以上の液相を少なくとも部分的に分離すること、
流体輸送の少なくとも一部のために当該2つ以上の液相を別個の流れとして移動させること、
当該分離された液相の少なくとも一部を組み合わせるまたは混合することによって溶解熱を放出する相の転移時に熱を放出して、異なる体積および/または組成および/または濃度を有する単一液相溶液および/または液相を形成することを含み、
当該相転移の温度または当該相転移が起こる温度が、1つ以上の液相中の1つ以上の試薬の組成または濃度を変化させることによって調整され得る、加熱または冷却伝達流体およびシステム。
・加熱または冷却伝達流体およびシステムであって、
熱を吸収する相の転移時に熱を吸収して、異なる体積および/または組成および/または濃度を有する単一液相および/または液相から2つ以上の液相を形成すること、
当該2つ以上の液相を少なくとも部分的に分離すること、
流体輸送の少なくとも一部のために当該2つ以上の液相を別個の流れとして移動させること、
当該分離された液相の少なくとも一部を組み合わせるまたは混合することによって溶解熱を放出する相の転移時に熱を放出して、異なる体積および/または組成および/または濃度を有する単一液相溶液および/または液相を形成することを含み、
当該相転移の温度または当該相転移が起こる温度が、1つ以上の分離された液相中の1つ以上の試薬の組成または濃度を変化させることによって調整され得る、加熱または冷却伝達流体およびシステム。
・加熱または冷却伝達流体およびシステムであって、
熱を吸収する相の転移時に熱を吸収して、異なる体積および/または組成および/または濃度を有する単一液相および/または液相から2つ以上の液相を形成すること、
溶解熱を放出する相の転移時に熱を放出して、異なる体積および/または組成および/または濃度を有する単一液相溶液および/または液相を形成することを含み、
当該相転移の温度または当該相転移が起こる温度が、1つ以上の組み合わせられた溶液中の1つ以上の試薬の組成または濃度を変化させることによって調整され得る、加熱または冷却伝達流体およびシステム。
・加熱または冷却伝達流体およびシステムであって、
熱を吸収する相の転移時に熱を吸収して、異なる体積および/または組成および/または濃度を有する単一液相および/または液相から2つ以上の液相を形成すること、
当該2つ以上の液相を少なくとも部分的に分離すること、
流体輸送の少なくとも一部のために当該2つ以上の液相を別個の流れとして移動させること、
当該分離された液相の少なくとも一部を組み合わせるまたは混合することによって溶解熱を放出する相の転移時に熱を放出して、異なる体積および/または組成および/または濃度を有する単一液相溶液および/または液相を形成することを含み、
当該相転移の温度または当該相転移が起こる温度が、1つ以上の膜ベースのプロセス、または1つ以上の膜ベースのプロセスから得られた1つ以上の組成物、または液体系で用いられる1つ以上の試薬と同様のもの、または1つ以上の膜ベースのプロセスから得られた1つ以上の組成物と同様のもの、またはそれらの組み合わせを使用して、1つ以上の液相中の1つ以上の試薬の組成または濃度を変化させることによって調整され得る、加熱または冷却伝達流体およびシステム。
・加熱または冷却伝達流体およびシステムであって、
熱を吸収する相の転移時に熱を吸収して、異なる体積および/または組成および/または濃度を有する単一液相および/または液相から2つ以上の液相を形成すること、
当該2つ以上の液相を少なくとも部分的に分離すること、
流体輸送の少なくとも一部のために当該2つ以上の液相を別個の流れとして移動させること、
当該分離された液相の少なくとも一部を組み合わせるまたは混合することによって溶解熱を放出する相の転移時に熱を放出して、異なる体積および/または組成および/または濃度を有する単一液相溶液および/または液相を形成することを含み、
当該相転移の温度または当該相転移が起こる温度が、1つ以上の膜ベースのプロセス、または1つ以上の膜ベースのプロセスから得られた1つ以上の組成物、または液体系で用いられる1つ以上の試薬と同様のもの、または1つ以上の膜ベースのプロセスから得られた1つ以上の組成物と同様のもの、またはそれらの組み合わせを使用して、1つ以上の組み合わせられた溶液中の1つ以上の試薬の組成または濃度を変化させることによって調整され得る、加熱または冷却伝達流体およびシステム。
【0120】
例示の副実施形態:
・当該相転移温度の調整が可逆的である。
・当該相転移が、UCST、またはLCST、または雲点、またはそれらの組み合わせを含み得る。
・当該相転移温度が、熱交換流体の温度、周囲温度、混入物の存在、他のシステム条件、またはそれらの組み合わせの変化または予測される変化を反省するように調整される。
【0121】
例示の副実施形態:
・雲点温度が、1つ以上の膜ベースのプロセスを使用して1つ以上の試薬の濃度を増加させることによって調整され得る。
・雲点温度が、水または水を実質的に含む溶液の添加によって濃度を低下させることによって調整され得る。
・水を含むか、または水を実質的に含む溶液が、膜ベースのプロセスからの透過物流または同様の組成の追加された流れを含む。
【0122】
例示のUCST組成物の独立実施形態:
・1つ以上の調節可能なUCSTまたは「冷却」雲点を有する試薬混合物であって、
水と、
炭酸プロピレンと、
ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールジメチルエーテル、またはそれらの組み合わせと、を含む、試薬混合物。
・独立して上限臨界溶液温度を有し得ない試薬と上限臨界溶液温度を有する試薬ブレンドを作製する方法。
・他の望ましい特性を維持しながら、冷却溶解度変動または上限臨界溶液温度または冷却「熱的に切替可能な溶解度」または冷却雲点を有する試薬混合物を作製する方法。
・以下のうちの1つ以上または組み合わせを含むX個の液相を有する最初の液体から1つ以上の雲点温度未満での冷却時にX+n個の液相を形成する試薬混合物。
試薬1:試薬2中で比較的低い溶解度および試薬3中で温度依存性の比較的高いまたは混和性溶解度を有する1つ以上の試薬
試薬2:試薬1中で比較的低い溶解度および試薬3中で比較的高いまたは混和性溶解度を有する1つ以上の試薬
試薬3:以下の特性のうちの1つ以上または組み合わせを含む1つ以上の試薬
・同じ条件であり得るある特定の条件下で試薬1および試薬2の両方で高溶解度を有する試薬
・比較的高温でまたはある特定の比較的高温超で試薬2よりも試薬1の溶解度が高いか、または親和性が高いか、または誘引力が高い試薬(冷却雲点が所望される場合)。
・比較的低温でまたはある特定の比較的低温未満で試薬1よりも試薬2の溶解度が高いか、または親和性が高いか、または誘引力が高い試薬(冷却雲点が所望される場合)。
【0123】
例示のUCST組成物の独立実施形態:
・試薬1が、水、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、有機試薬、無機試薬、アンモニアのうちの1つ以上または組み合わせを含む。
・試薬2が、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、炭酸プロピレン、エーテル、グリコール、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、炭酸エチレン、有機試薬、無機試薬、アンモニアのうちの1つ以上または組み合わせを含む。
・試薬3が、ポリプロピレングリコール、400g/モル~10,000g/モルの範囲の1つ以上の分子量を有するポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、200g/モル~100,000g/モルの範囲の1つ以上の分子量を有するポリエチレングリコール、有機試薬、無機試薬、アンモニアのうちの1つ以上または組み合わせを含む。
・試薬組み合わせが、試薬1単独中で可溶性であり、かつ試薬2中、試薬3中、またはそれらの両方で限定された溶解度を呈する試薬である試薬4をさらに含む。
・試薬組み合わせが、試薬1単独中で可溶性の試薬である試薬4をさらに含む。
・試薬組み合わせが、試薬1単独中で可溶性であり、かつ試薬2中、試薬3中、またはそれらの両方で限定された溶解度を呈し得る試薬である試薬4をさらに含む。
・試薬組み合わせが、試薬1、試薬2、試薬3、またはそれらの組み合わせ中で可溶性の試薬である試薬5をさらに含む。
・試薬組み合わせが、試薬1中で可溶性の試薬である試薬4をさらに含む。
試薬4が、1つ以上の塩、グリセロール、尿素、エチレングリコールまたはそれらの組み合わせを含む。
・試薬組み合わせが、試薬1、試薬2、試薬3、またはそれらの組み合わせ中で可溶性の試薬である試薬5をさらに含む。
・試薬5が、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エチレングリコール、有機溶媒、またはそれらの組み合わせを含む。
・試薬組み合わせが、1つ以上の塩をさらに含む。
・二相性溶液が、炭酸プロピレンから主に成る1つの相および水およびポリプロピレングリコールから主に成る別の相を含む。
・試薬組み合わせの雲点温度が、試薬のうちの1つ以上または組み合わせの相対濃度を変化させることによって調整される。
・試薬組み合わせの雲点温度が、溶液中の1つ以上の塩の相対濃度を変化させることによって調整される。
・試薬組み合わせの雲点温度が、構成試薬の組成を変化させることによって調整される。
・溶液が、1つ以上の雲点温度超で単一液相を含み、1つ以上の雲点温度未満で多相溶液を含む。
・溶液が、1つ以上の雲点温度超で2つの液相を含み、1つ以上の雲点温度未満で3つ以上の液相溶液を含む。
・溶液が、1つ以上の雲点温度超でX個の液相を含み、1つ以上の雲点温度未満でX個の液相を含む。
X個の液相のうちの1つ以上の組成が、当該雲点温度超または未満で異なる。
・溶液が混合されて、転移を平衡状態に促進する。
・液体の粘度が、15cP未満である。
・液体の粘度が、5cP未満である。
・試薬2の質量が、試薬1または試薬3の質量よりも大きい。
【0124】
例示のLCST組成物の独立実施形態:
・以下のうちの1つ以上または組み合わせを含む熱交換に望ましい特性を有するX個の液相を有する最初の液体から1つ以上の雲点温度超での加熱時にX+n個の液相を形成する試薬混合物。
試薬1:試薬2と混合された溶液中でLCSTを有する1つ以上の試薬
試薬2:試薬1および試薬3が可溶性である1つ以上の試薬
試薬3:試薬2中で可溶性であり、試薬1中で限定された溶解度を有する1つ以上の試薬
・以下のうちの1つ以上または組み合わせを含む熱交換に望ましい特性を有するX個の液相を有する最初の液体から1つ以上の雲点温度超での加熱時にX+n個の液相を形成する試薬混合物。
試薬1:試薬2と混合された溶液中でLCSTを有する1つ以上の試薬
試薬2:試薬1および試薬3が可溶性である1つ以上の試薬
試薬3:試薬2中で可溶性であり、試薬1および試薬4中で限定された溶解度を有する1つ以上の試薬
試薬4:試薬1中で可溶性であり、試薬2および試薬3中で限定された溶解度を有する1つ以上の試薬
【0125】
例示の実施形態:
1.
水と、
CST試薬と、
低溶解度試薬と、を含み、
当該低溶解度試薬が、雲点温度未満で水および臨界溶液温度(CST)試薬からなる溶液中で限定された溶解度を有し、雲点温度超で水およびCST試薬からなる溶液中で混和性溶解度を有する、組成物。
2.
水および臨界溶液温度(CST)試薬を含む吸収溶液と、上限臨界溶液温度超で当該吸収溶液と実質的に混和性の水中で限定された溶解度を有し、かつ上限臨界溶液温度未満で当該吸収溶液との限定された溶解度を有する試薬と、を含む、冷蔵用組成物。
3.当該CST試薬が、(1)水および当該CST試薬からなる溶液中で温度の上昇に伴って浸透圧の低下を呈する試薬、または(2)温度の上昇に伴って水と比較して当該低溶解度試薬に対するより高い親和性を有する試薬を含む、「1」または「2」に記載の組成物。
4.当該CST試薬が、「CST試薬」、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル(DPnB)、トリ(プロピレングリコール)ブチルエーテル異性体混合物(TPnB)、プロピレングリコールn-ブチルエーテル(PnB)、ジプロピレングリコールn-プロピルエーテル(DPnP)、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(D-Hex n-ヘキシルエーテル)、プロピレングリコールプロピルエーテル(PnP)、2-ブトキシエタノール(EBブチルグリコール)、PPG 425、PPG 725、PPG 1000、PEGDME 250、PEGDME 500、PEG 1000、PEG 600、PEG 400、PEG 200、またはそれらの混合物を含む、「1」または「2」に記載の組成物。
5.(1)当該組成物の雲点温度が、当該組成物中のCST試薬の濃度に基づいて約0~約100℃の範囲にわたって変化するか、または(2)当該組成物が、室温で50cP未満の粘度を有するか、または(3)(1)および(2)の両方である、「1」または「2」に記載の組成物。
6.水中で限定された溶解度を有する当該試薬が、揮発性試薬、不揮発性試薬、酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸メチル、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジメトキシメタン、ジエトキシメタン、二酸化炭素、超臨界二酸化炭素、二酸化硫黄、冷媒、炭化水素、フッ化炭素、有機溶媒、二酢酸エチレングリコール、二酢酸プロピレングリコール、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(DPE)、2-ヘプタノン、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、炭酸プロピレン、シクロヘキサノン、1-オクタノール、酢酸ジプロピレングリコールメチルエーテル、1-メチル-2-ピロリジノン、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、アセタール(1,1-ジエトキシエタン)、酢酸イソアミル、ジブチルエーテル、m-キシレン、酢酸イソプロピル、炭酸ジメチル、ブタノン、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)、o-キシレン、アセチルアセトン、p-キシレン、メチルイソブチルケトン、トルエン、3-ペンタノン、酢酸プロピル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸2-メトキシエチル、5-メチル-2-ヘキサノン、4-メチル-2-ペンタノン、3-ペンタノン、2-ペンタノン、2-メチルテトラヒドロフラン、室温で液体もしくは気体もしくは超臨界流体である試薬、またはそれらの混合物を含む、「1」または「2」に記載の組成物。
7.1つ以上の塩をさらに含む、「1」または「2」に記載の組成物。
8.加熱または冷却のためのUCSTプロセスであって、
1)液相を2つ以上の液相に相転移させて、熱を放出することと、
2)当該2つ以上の液相の各々の少なくとも一部を別個の流れに分離することと、
3)当該別個の流れを混合および溶解して、熱を吸収するための単一液相溶液を形成することと、を含み、
当該液相が、水と、CST試薬と、雲点温度未満で水およびCST試薬からなる溶液中で限定された溶解度を有し、かつ雲点温度超で水およびCST試薬からなる溶液中で混和性溶解度を有する低溶解度試薬と、を含む、プロセス。
9.加熱または冷却のためのLCSTプロセスであって、
1)液相を2つ以上の液相に相転移させて、熱を吸収することと、
2)当該2つ以上の液相の各々の少なくとも一部を別個の流れに分離することと、
3)当該別個の流れを混合および溶解して、熱を放出するための単一液相溶液を形成することと、を含み、
当該液相が、臨界溶液温度(CST)試薬と、LCSTを低下させる試薬またはLCST結合試薬と、水と、を含む、プロセス。
10.当該相転移が、加熱アプリケーションの温度を超える温度または冷却アプリケーションの温度未満の温度で行われる、「8」または「9」に記載のプロセス。
11.液体系を用いた液相冷蔵またはヒートポンプサイクルプロセスであって、
1)相転移時に2つ以上の液相を吸熱的に混合することによって熱を吸収することと、
2)相転移時に液相を2つ以上の液相に変換することによって熱を発熱的に放出することと、
3)ステップ1)の相転移温度がステップ2)の相転移温度とは異なるように相転移温度を調整することと、を含み、
当該液体系が、(1)臨界溶液温度(CST)試薬およびUCST溶媒を含む吸収溶液と、(2)上限臨界溶液温度超で当該吸収溶液と実質的に混和性であり、かつ当該上限臨界溶液温度未満で当該吸収溶液との限定された溶解度を有する試薬と、を含み、当該調整が、当該UCST溶媒に対する当該CST試薬の濃度を変化させることを含む、プロセス。
12.液体系を用いた液相冷蔵またはヒートポンプサイクルプロセスであって、
1)相転移時に2つ以上の液相を発熱的に混合することによって熱を放出することと、
2)相転移時に液相を2つ以上の液相に変換することによって熱を吸熱的に吸収することと、
3)ステップ1)の相転移温度がステップ2)の相転移温度とは異なるように相転移温度を調整することと、を含み、
当該液体系が、臨界溶液温度(CST)試薬と、LCSTを低下させる試薬と、水と、を含み、当該調整が、ステップ1)の前またはステップ1)中に当該LCSTを低下させる試薬の実質的に全てを除去することと、ステップ2)の前またはステップ2)中に当該LCSTを低下させる試薬を導入することと、を含む、プロセス。
13.当該CST試薬が、水および当該CST試薬からなる溶液中で温度の上昇に伴って浸透圧の低下を呈する、「11」または「12」に記載のプロセス。
14.当該CST試薬が、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル(DPnB)、トリ(プロピレングリコール)ブチルエーテル異性体混合物(TPnB)、プロピレングリコールn-ブチルエーテル(PnB)、ジプロピレングリコールn-プロピルエーテル(DPnP)、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(D-Hex n-ヘキシルエーテル)、プロピレングリコールプロピルエーテル(PnP)、2-ブトキシエタノール(EBブチルグリコール)、PPG 425、PPG 725、PPG 1000、PEGDME 250、PEGDME 500、PEG 1000、PEG 600、PEG 400、PEG 200、またはそれらの混合物を含む、請求項「11」または「12」または13に記載のプロセス。
15.吸収冷蔵サイクルプロセスであって、
(1)下限臨界溶液温度試薬、下限臨界溶液温度結合剤試薬、またはそれらの組み合わせを含む吸収溶液と、(2)溶媒試薬およびLCSTを低下させる試薬を含む冷媒と、を含む液体系を形成することと、
LCST相転移により2つ以上の液相を形成することと、を含み、1つの液相が、下限臨界溶液温度試薬、下限臨界溶液温度結合剤試薬、またはそれらの組み合わせを含む吸収溶液を含み、別の液相が、溶媒試薬およびLCSTを低下させる試薬を含む冷媒液相を含む、プロセス。
【0126】
例示のLCST組成物の独立実施形態:
・試薬組成物が、以下のうちの1つ以上または組み合わせを含む。
試薬1:ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、または有機ポリマー
試薬2:水、アンモニア、極性有機溶媒、極性溶媒
試薬3:イオン性化合物、グリセロール、酸、塩基、または尿素
試薬4:炭酸プロピレン、炭酸エチレン、ジメチルエーテル、トルエン、またはジエチルエーテル
・1つ以上の「雲点」温度が、1つ以上の試薬の濃度を変化させることによって調整される。
【0127】
加熱および冷却伝達
例示の独立実施形態:UCSTまたはLCST相変化および液液分離を伴う温熱または冷熱伝達
・加熱または冷却を伝達するためのシステムおよび方法であって、
1つ以上の上限臨界溶液温度(UCST)または下限臨界溶液温度(LCST)相変化溶液を有する液体系を含み、
単一液相を含む液体溶液またはより少ない液相を有する系が、当該液体溶液の1つ以上のUCST、LCST、または雲点温度での、それを超える、またはそれ未満での加熱または冷却時に、2つ以上の液相または多相液体溶液に変換し、
当該多相液体溶液が2つ以上の別個の液体流に分離され、
当該液体流が各々、分離された液相を少なくとも部分的に含み、
当該分離された液体流を加熱または冷却を必要とする1つ以上のアプリケーションに輸送することをさらに含み、
当該別個の液体流が、加熱または冷却を必要とする1つ以上のアプリケーションとの熱交換時にまたはその付近でまたはその内部で混合され、
当該混合により、1つ以上の液相の溶解が少なくとも部分的にもたらされ、
当該溶解により、熱の吸収もしくは放出または加熱もしくは冷却を必要とする当該アプリケーションの加熱もしくは冷却が少なくとも部分的にもたらされる、システムおよび方法。
・加熱または冷却を伝達するためのシステムおよび方法であって、
LCSTまたはUCST相変化システムに由来する2つ以上の液相を含み、
当該液相が別個に貯蔵されるか、または移送されるか、またはそれらの組み合わせであり、
当該液相を混合して、熱を吸収または放出することをさらに含む、システムおよび方法。
【0128】
例示の独立実施形態:UCSTまたはLCST相変化および液液分離を伴う温熱または冷熱伝達
・当該液相の当該混合により、他の液相のうちの1つ以上中での液相のうちの1つ以上の溶解がもたらされる。
・当該混合が、加熱または冷却を必要とするか、またはそれを用いる1つ以上のアプリケーションとの熱交換前、熱交換中、または熱交換後に行われる。
・当該混合が、1つ以上の液相の溶解をもたらす条件下で行われる。
・当該混合が、1つ以上の液相が溶解しない条件下で行われる。
・当該システムが、遠心分離機、コアレッサ、デカンター、フィルター、分液漏斗、サイクロン、膜のうちの1つ以上または組み合わせを含む液体分離デバイスを含む。
【0129】
例示の独立実施形態:単一液体流または混合物としてのUCSTまたはLCST相変化を伴う温熱または冷熱伝達
・加熱または冷却を伝達するためのシステムおよび方法であって、
1つ以上の上限臨界溶液温度(UCST)または下限臨界溶液温度(LCST)相変化溶液を有する液体系を含み、
単一液相を含む液体溶液またはより少ない液相を含む液体溶液が、当該液体溶液の1つ以上のUCST、LCST、または雲点温度での、それを超える、またはそれ未満での加熱または冷却時に、2つ以上の液相または多相液体溶液に変換し、
当該多相液体溶液が、加熱または冷却を必要とする1つ以上のアプリケーションに輸送される、システムおよび方法。
・加熱または冷却を伝達するためのシステムおよび方法であって、
1つ以上の上限臨界溶液温度(UCST)または下限臨界溶液温度(LCST)相変化溶液を有する液体系を含み、
多相液体溶液またはより多くの液相を含む液体溶液が、当該液体溶液の1つ以上のUCST、LCST、または雲点温度での、それを超える、またはそれ未満での加熱または冷却時に、単一液相溶液またはより少ない液相溶液に変換し、
当該単一液相またはより少ない液相が、加熱または冷却を必要とする1つ以上のアプリケーション輸送される、システムおよび方法。
【0130】
例示の独立実施形態:単一液体流または混合物としてのUCSTまたはLCST相変化を伴う温熱または冷熱伝達
・当該単一液相溶液が、輸送中に2つ以上の液相に変換する。
・当該単一液相溶液が、輸送中に2つ以上の液相に変換する。
当該変換が、熱を吸収または放出する。
・当該単一液相溶液が、輸送中に2つ以上の液相に変換する。
当該変換が温度バッファとして機能し、周囲への温熱または冷熱損失にもかかわらず温度変化を最小限に抑える。
・液相のうちの1つ以上の一部が、輸送中に1つ以上の他の液相中に溶解する。
・液相のうちの1つ以上の一部が、輸送中に1つ以上の他の液相中に溶解する。
当該溶解が、熱を吸収または放出する。
・液相のうちの1つ以上の一部が、輸送中に1つ以上の他の液相中に溶解する。
当該溶解が温度バッファとして機能し、周囲への温熱または冷熱損失にもかかわらず温度変化を最小限に抑える。
・当該2つ以上の液相の一部が、加熱または冷却を必要とする1つ以上のアプリケーションとの熱交換前または熱交換中に溶解する。
・当該2つ以上の液相の一部が、加熱または冷却を必要とする1つ以上のアプリケーションとの熱交換前または熱交換中に溶解する。
・当該溶解が、熱を吸収または放出する。
・当該単一液相の一部が、加熱または冷却を必要とする1つ以上のアプリケーションとの熱交換前または熱交換中に2つ以上の液相に変換する。
・当該単一液相の一部が、加熱または冷却を必要とする1つ以上のアプリケーションとの熱交換前または熱交換中に2つ以上の液相に変換する。
当該変換が、熱を吸収または放出する。
・当該変換が、完全に可逆的である。
・当該溶解が、完全に可逆的である。
・当該液体系が、比熱および潜熱の両方の変化により熱を伝達する。
【0131】
例示の独立実施形態:液体-低粘度UCST作動流体を液体分離とともに使用した海洋または水温躍層を動力源とする空調
・液体物体(liquid body)の表面下から冷熱を伝達するためのシステムおよび方法であって、
液体系中に1つ以上のUCST相変化液体を含み、
当該UCST相変化液体のうちの1つ以上が、液体物体の表面下から移送され、
当該UCST液体が、当該液体の1つ以上のUCST温度またはそれ未満での冷却によって1つの液相または比較的少ない液相から2つ以上の液相を形成し、
当該2つ以上の液相が分離され、
当該分離された液相が、別個の液体チャネル内で1つ以上の冷却を必要とするアプリケーションに輸送され、
1つ以上の冷却を必要とするアプリケーションとの熱交換前にまたは熱交換時にまたはその存在下で当該液相を混合することをさらに含み、
当該液相のうちの1つ以上が溶解し、
当該溶解が熱を吸収するか、または吸熱溶解である、システムおよび方法。
【0132】
例示の独立実施形態:液体-低粘度UCST作動流体を液体分離とともに使用した海洋または水温躍層を動力源とする冷却
・当該液相が、他の液相(複数可)から独立して少なくとも部分的に輸送される。
・当該液相が、他の液相(複数可)との流体接触なしに少なくとも部分的に輸送される。
・当該液体物体が、水温躍層を有する。
・当該冷却により、当該水温躍層液体物体の表面下で比較的冷たい液体との熱交換がもたらされる。
・当該UCST相変化液体が、作動流体を含む。
当該作動流体が、熱交換された流体間の流体接触なしに周囲の水体と熱交換される。
・液相の当該分離
・液相の当該分離が、水体の表面下で行われる。
・液相の当該分離が、水温躍層の冷温深さでまたはその付近で行われる。
・当該UCST液体は、熱を吸収するか、またはより少ない液相への吸熱相変化、比熱容量、またはそれらの組み合わせにより冷却を供給するように機能する。
【0133】
例示の独立実施形態:単一液体流または混合物を有する低粘度UCSTまたはLCST作動流体を使用した海洋または水温躍層を動力源とする空調
・ある形態の温度変動で水温躍層物体、または固体、液体、もしくは気体、またはそれらの組み合わせの物体の表面下から冷熱を伝達するためのシステムおよび方法であって、
1つ以上のUCSTを有する1つ以上の液体を含み、
当該1つ以上の液体が、当該1つ以上のUCST未満での冷却時により多くの液相に変換し、
当該1つ以上の液相が、当該1つ以上のUCST温度超での加熱中により少ない液相または元の液相(複数可)に変換し、
熱が、より少ない液相への変換中に吸収され、熱が、より多くの液相への変換中に放出される、システムおよび方法。
・ある形態の温度変動で水温躍層物体、または固体、液体、もしくは気体、またはそれらの組み合わせの物体の表面下から冷熱を伝達するためのシステムおよび方法であって、
1つ以上のLCSTを有する1つ以上の液体を含み、
当該1つ以上の液体が、当該1つ以上のLCSTでの冷却時により少ない液相または単一液相に変換し、
当該より少ない液相が、当該1つ以上のLCST温度超での加熱中により多くの液相に変換し、
熱が、より多くの液相への変換中に吸収され、より少ない液相への変換中に放出される、システムおよび方法。
【0134】
例示の独立実施形態:単一液体流または混合物を有する低粘度UCSTまたはLCST作動流体を使用した海洋または水温躍層を動力源とする空調
・当該冷却または熱放出が、水温躍層物体中の比較的低温領域との熱交換を含む。
・当該熱吸収または冷却が、冷却を用いる1つ以上のアプリケーションとの熱交換を含む。
・当該液体が、水温躍層物体のより冷たい深さ間で移送される。
・当該UCSTまたはLCST温度(複数可)が、水温躍層液体物体の温度範囲内である。
・当該UCSTまたはLCST相変化が、温度バッファとして機能する。
・当該UCSTまたはLCST相変化が、温度バッファとして機能する。
当該温度バッファが、例えば、加熱もしくは冷却侵入または周囲との熱放出もしくは吸収中の溶解の相変化の潜熱またはより多くの液相もしくはより少ない液相への液相変換により、輸送中の温度変化または冷却損失または加熱損失を減少させる。
【0135】
例示の独立実施形態:作動流体貯蔵庫を備えたLCST相変化システムを使用した外部温度変動を動力源とする道路または他の表面の加熱または除氷
・道路または他の表面から熱を吸収し、現在またはその後の使用のために当該熱を貯蔵するためのシステムおよび方法であって、
比較的温かい表面との熱交換前、熱交換中、または熱交換後に2つ以上の液相を形成する液体溶液を含み、
当該2つ以上の液相を別個の液体流に分離することをさらに含む、システムおよび方法。
・道路または他の表面を加熱または除氷するためのシステムおよび方法であって、
2つ以上の別個の液相を含み、
当該2つ以上の液相が、加熱または除氷を必要とする1つ以上の表面との熱交換前、熱交換中、またはその存在下で混合され、
当該混合により、1つ以上の液相の溶解がもたらされる、システムおよび方法。
【0136】
例示の独立実施形態:作動流体貯蔵庫を備えたLCST相変化システムを使用した外部温度変動を動力源とする道路または他の表面の加熱または除氷
・当該溶解が発熱溶解であるか、または熱を放出する。
・当該溶解が、当該1つ以上の表面を加熱する。
・当該溶解が、当該1つ以上の表面を加熱し、1つ以上の表面上の氷の少なくとも一部を融解する。
・1つ以上の液相間の少なくとも一部の溶解後の当該溶液が、当該利用された溶液または作動流体を貯蔵するために用いられる1つ以上の容器に移送される。
・当該溶解が、ヒートポンプとの熱交換に伴って起こる。
当該ヒートポンプが、熱抽出のためのエンタルピー源として当該熱交換を用いる。
当該ヒートポンプが、第2の比較的温かい熱交換流体に熱を伝達する。
当該比較的温かい熱交換流体が、加熱を必要とする当該1つ以上の表面と熱交換される。
・当該溶解が、ヒートポンプとの熱交換に伴って起こる。
当該ヒートポンプが、熱抽出のためのエンタルピー源として当該熱交換を用いる。
当該ヒートポンプが、第2の比較的温かい熱交換流体に熱を伝達する。
当該比較的温かい熱交換流体が、加熱を必要とする当該1つ以上の表面と熱交換される。
当該ヒートポンプが、電気、蒸気、油圧流体、機械源、燃焼機関、またはそれらの組み合わせを動力源とする。
・当該2つ以上の液相が、別個の貯蔵容器または別個の液体チャネルに由来したかもしれない。
・当該2つ以上の液相が、1つ以上の雲点温度でまたはその温度超での加熱に由来する前回の多液相溶液に由来したかもしれない。
・当該比較的温かい表面のうちの1つ以上が、溶液の1つ以上のLCST温度であるか、またはその温度を超える。
・当該2つ以上の別個の液相が、1つ以上の貯蔵容器内に貯蔵される。
・当該別個の液相が、別個の貯蔵容器内に貯蔵される。
・2つ以上の液相への当該相変化が熱を吸収するか、または吸熱相変化である。
・当該相変化が、道路または他の表面温度の上昇、日周温度変動、屋外温度変動、または光もしくは日光の存在、またはそれらの組み合わせによる。
・1つより多くの当該液体溶液が存在する。
・当該液体が、1つ以上の組み合わせられたまたは利用された液体溶液貯蔵容器に由来する。
・当該液体が、1つ以上の表面との熱交換前の1つ以上の雲点温度超の液相の一部を含む。
・当該液体が、1つ以上の表面との熱交換前の1つ以上の雲点温度超の液相の一部を含む。
・当該液体が、1つ以上の比較的温かい表面との熱交換前の1つ以上の雲点温度超の液相の一部を含む。
液体が、1つ以上の利用された溶液貯蔵槽内で加熱されたか、または熱侵入を受けていたかもしれない。
・当該二相以上の液体溶液が、単一液相溶液またはより少ない液相を有する溶液または異なる組成物を含む液相を有する溶液に由来する。
・当該表面の温度を決定するためのセンサが、1つ以上の表面の上方、その上、その内部、もしくはその下方、またはそれらの組み合わせに位置する。
・当該表面の温度を決定するためのセンサが、1つ以上の表面の上方、その上、その内部、もしくはその下方、またはそれらの組み合わせに位置する。
当該センサが、表面から熱を吸収するか、表面に熱を放出するか、またはそれらのいずれでもないかを決定するために利用される道具のうちの1つ以上として用いられ得る。
・ライブ気象データ、気象レポート、および他の気象情報が、除氷または他の方法を用いるかを決定するために用いられる。
・本システムが、ヒートポンプをさらに備える。
・本システムが、ヒートポンプをさらに備える。
当該ヒートポンプが、エンタルピー源として当該2つ以上の液相が貯蔵された溶液を用いる。
当該ヒートポンプによって生成された比較的温かい流れが、加熱または除氷を必要とする道路または1つ以上の表面と熱交換される。
・当該システムを動作させるかを決定し、それをどのように動作させるかを決定するためのシステムが、少なくとも部分的に自動化されていてもよい。
・当該別個の液相が、別個にまたは当該液相間の流体接触なしに貯蔵される。
・当該貯蔵容器が、地上に位置する。
・当該1つ以上の貯蔵容器の凍結が、温度バッファとして機能してもよく、少なくとも部分的に所望される場合がある。
【0137】
例示の独立実施形態:水体の表面下の比較的「温かい」温度を動力源とする動力源とする道路または他の表面の加熱または除氷
・道路または他の表面を除氷または加熱するためのシステムおよび方法であって、
水体の表面下の比較的温かい水を使用して、単一液相溶液またはより少ない液相を有する多相液体溶液を加熱すること、
多相液体溶液またはより多くの液相もしくはより大きく形成された液相を有する多相液体溶液を形成することを含み、
当該多液相液体が、2つ以上の別個の液体流としてその2つ以上の構成液相に分離される、システムおよび方法。
・道路または他の表面を除氷または加熱するためのシステムおよび方法であって、
熱交換流体を含み、
当該熱交換流体が、水体の表面下の比較的温かい水との熱交換時に加熱され、
当該熱交換流体の一部が、当該1つ以上の貯蔵容器から除去され、加熱を必要とする1つ以上のアプリケーションまたはエンタルピー源またはエントロピー源または温熱源と熱交換される、システムおよび方法。
【0138】
例示の独立実施形態:水体の表面下の比較的「温かい」温度を動力源とする動力源とする道路または他の表面の加熱または除氷
・当該分離された液相が、当該水体の表面下で別個の液体貯蔵容器内に貯蔵される。
・当該分離された液相が、当該水体の表面上に浮遊する別個の液体貯蔵容器内に貯蔵される。
・当該分離された液相が、当該水体の表面上の別個の液体貯蔵容器内に貯蔵される。
・当該分離された液相が、別個の液体流として加熱を必要とする1つ以上のアプリケーションに輸送される。
・当該分離された液相が、加熱を必要とする1つ以上のアプリケーション付近で、そのアプリケーションにごく近接して、そのアプリケーションで、それとの1つ以上の熱交換中に、またはそれらの組み合わせで混合される。
・当該混合の一部が、組み合わせられた液相のLCSTでまたはそれ未満で起こる。
・当該混合の一部により、1つ以上の液相の溶解がもたらされる。
・当該混合の一部により、1つ以上の液相の溶解がもたらされる。
当該溶解により、組み合わせられた単一液相が形成される。
・当該混合の一部により、1つ以上の液相の溶解がもたらされる。
当該溶解により、組み合わせられた単一液相が形成される。
当該組み合わせられた液相が、水体の表面下に移送され、当該より温かい水と熱交換されて、当該熱の一部を吸収する。
当該熱の当該吸収が、吸熱相変化または変換に起因し、2つ以上の別個の液相の形成をもたらす。
・当該溶解が発熱溶解であるか、または熱を放出する。
・当該熱交換流体の一部が、当該水体の表面下で1つ以上の貯蔵容器内に貯蔵される。
・当該熱交換流体の一部が、当該水体の表面下に戻される。
当該熱交換流体が、当該水体との熱交換によって加熱される。
・温熱源を必要とする当該アプリケーションが、ヒートポンプを備える。
・温熱源を必要とする当該アプリケーションが、ヒートポンプを備える。
当該ヒートポンプが、当該熱交換流体または当該多相液体から熱を抽出する。
当該ヒートポンプが、第2のより温かい熱交換流体を生成する。
当該より温かい熱交換流体が、加熱を必要とする道路または他の表面と熱交換される。
・水の凝固点未満の凝固点として当該1つ以上の液相または当該熱交換流体。
・当該2つ以上の別個の液体流が、水体の表面下で別個の貯蔵容器内に貯蔵される。
・当該熱交換流体が、水体の表面下で1つ以上の容器内に貯蔵される。
・当該1つ以上。
・水体中の比較的温かい水または海水または水溶液が、当該水または海水または水溶液の凝固点であるか、またはそれを超える。
・氷が当該水体の表面に浮遊している。
【0139】
例示の独立実施形態:UCSTまたはLCST相変化液体を液相分離とともに使用した発電所復水器の冷却:
・比較的低粘度のUCST相変化流体を多液相分離とともに使用した工場または発電所を冷却するためのシステムおよび方法であって、
単一液相溶液を1つ以上の冷熱入力源と熱交換することであって、
当該単一液相溶液が、当該単一液相溶液のUCST温度でまたはそれ未満で2つ以上の液相に変換し、
当該2つ以上の液相が、2つ以上の別個の液体流に分離され、
当該2つ以上の別個の液体流が、1つ以上の冷却を必要とするアプリケーション輸送される、熱交換すること、
当該2つ以上の別個の液体流を組み合わせることであって、
当該液体流のうちの1つ以上が溶解し、
当該溶解が吸熱溶解であり、当該冷却アプリケーションのうちの1つ以上に冷却を提供する、合わせることを含む、システムおよび方法。
【0140】
例示の独立実施形態:UCSTまたはLCST相変化液体を液相分離とともに使用した発電所復水器の冷却:
・当該単一液相溶液が、2つ以上の液相への相変化を受けていない組み合わせられた溶液が残っている多相溶液を含み得る。
・当該溶解により、単相液体流の形成がもたらされる。
・溶液のUCSTまたはLCST温度が、システム、周囲条件、または冷却もしくは加熱アプリケーション、またはそれらの組み合わせで利用可能な冷却または加熱温度に調節される。
・当該1つ以上の冷熱入力源が、蒸発冷却を含み得る。
・当該1つ以上の冷熱入力源が、蒸発冷却を含み得る。
当該蒸発冷却が、当該溶液からの水の蒸発を含む。
・2つ以上の別個の液体流の当該組み合わせが、1つ以上の冷却を必要とするアプリケーションとの熱交換前または熱交換中に行われる。
・当該冷却源が、当該アプリケーションで一般に用いられるよりも、冷却を必要とする当該産業用アプリケーションからさらに離れている。
当該より大きい冷却輸送距離が、本実施形態によって可能になる。
・当該2つ以上の液体流の一部が、例えば、将来使用され得る冷却の貯蔵を提供するために、別個の容器内に貯蔵され得る。
【0141】
例示の独立実施形態:組み合わせられた液体混合物を備えたUCSTまたはLCST相変化液体を使用した発電所復水器の冷却:
・比較的低粘度のLCST相変化流体を多液相分離とともに使用して工場または発電所を冷却するためのシステムおよび方法であって、
単一液相溶液を1つ以上の冷却を必要とするアプリケーションと熱交換することであって、
当該単一液相溶液が、2つ以上の液相を含む溶液に変換し、
当該変換が、熱を吸収するか、または吸熱変換である、熱交換すること、当該冷却を必要とするアプリケーションを冷却することを含む、システムおよび方法。
【0142】
例示の独立実施形態:組み合わせられた液体混合物を備えたUCSTまたはLCST相変化液体を使用した発電所復水器の冷却:
・当該単一液相溶液が、2つ以上の液相への相変化を受けていない組み合わせられた溶液が残っている多相溶液を含み得る。
・当該二相以上の液体溶液を冷却することをさらに含み、
1つ以上の液相が溶解し、
当該溶解が発熱溶解であり、
当該溶解により、組み合わせられた単一液相溶液が形成され、
当該冷却が、蒸発冷却をさらに含み、
当該冷却が、蒸発冷却をさらに含み、
当該水が、当該UCSTまたはLCST相変化液体から蒸発する。
・蒸発した水または他の損失が、1つ以上の補充流中の各試薬の等価質量の添加により補充される。
・蒸発した水が、水を含有する別の液体流と正浸透のドロー溶液として当該溶液を用いることによって補充される。
・当該単一液相溶液LCSTが、冷却を必要とするアプリケーションへの輸送中に温度バッファとして機能し得る。
当該液相の一部が、2つ以上の液相を形成し得る。
2つ以上の液相の当該形成が、吸熱形成である。
当該吸熱相変化のための熱が、熱侵入または輸送中の周囲への冷却損失によるものである。
結果として、当該溶液の温度が、比較的安定したままである。
【0143】
例示の独立実施形態:浸透熱機関の加熱または冷却
・1つ以上の温度差から電気を発生させるためのシステムおよび方法であって、
単一液相溶液を加熱または冷却して、2つ以上の液相を形成すること、
当該2つ以上の液相を、当該液相の各々を含む2つ以上の別個の液体流に分離することを含み、
当該2つ以上の液体流が、1つ以上の浸透力または混合力デバイスに輸送され、
電力が、当該2つ以上の液相の組み合わせまたは混合または溶解から発生する、システムおよび方法。
【0144】
例示の独立実施形態:浸透熱機関の加熱または冷却
・当該2つ以上の液相が、当該混合または当該電力発生またはそれらの組み合わせの前、その最中、またはその後に加熱または冷却される。
・当該2つ以上の液相が、当該混合または当該電力発生またはそれらの組み合わせの前、その最中、またはその後に1つ以上のUCST温度超に加熱されるか、または1つ以上のLCST温度未満に冷却される。
・当該液相のうちの1つ以上が、ドロー溶液を含む。
・当該液相のうちの1つ以上が、供給溶液を含む。
・当該1つ以上の浸透力または混合力実施形態が、圧力遅延浸透または正浸透を用いる。
・当該1つ以上の液相が、ドロー溶液または供給溶液として用いられる前に処理され得る。
・当該2つ以上の別個の液体流は、輸送中に当該2つ以上の別個の液体流が受ける温度変動とは無関係にエネルギーを輸送する。
・当該2つ以上の別個の液体流は、輸送中に当該2つ以上の別個の液体流が受ける温度変動とは無関係にエネルギーを輸送する。
当該温度が、当該試薬を輸送するインフラストラクチャの分解温度未満、または当該試薬の分解温度未満、または当該試薬の沸点未満であるか、または当該試薬の凝固点を超えるか、または当該試薬の凝固点の範囲内であるか、またはそれらの組み合わせである。
・当該分離された液相が貯蔵され得る。
・当該分離された液相が、別個の液体容器内に貯蔵され得る。
・当該分離された液相が、別個の液体容器内に貯蔵され得る。
別個の液相の当該貯蔵庫が、電力貯蔵デバイスとして機能する。
当該液相の一部が当該貯蔵庫から除去されて、必要に応じて、当該浸透機関に電力供給することによって追加のエネルギーまたは電気発生を提供し得る。
・当該統合された実施形態が、比較的小さい温度差からエネルギーを発生させる際に用いられる。
・当該統合された実施形態が、発電所または工場用地での廃熱からエネルギーを発生させる際に用いられる。
・当該統合された実施形態が、発電所または工場用地での廃熱からエネルギーを発生させる際に用いられる。
当該統合された実施形態が、当該発電所または工場用地を冷却し、加熱を必要とする1つ以上のアプリケーションを加熱しながらエネルギーを発生させる。
・当該統合された実施形態が、水温躍層水体の温度差からエネルギーを発生させる際に用いられる。
・当該多液相分離デバイスが、水温躍層液体物体の表面下に位置する。
【0145】
注記
定義、同義語に関連する注記の例:
1)上限または下限臨界溶液温度は、一般に液体系が相の組成および/または相の数の変化等の変化を受ける点である雲点とも称され得、切り替え、例えば、熱切り替え、または転移、例えば、液相転移、または相変化、例えば、液相変化、または混濁(曇化-out)、例えば、溶液混濁、またはそれらの組み合わせとも称され得る。2つ以上の液相へのUCST相転移は、「冷却」雲点またはUCST範囲または雲点温度範囲または相転移温度範囲とも称され得る。2つ以上の液相へのLCST相転移は、「加熱」雲点または雲点温度範囲または相転移温度範囲とも称され得る。あるいは、相転移溶液は、「条件感受性溶解度変化」または「相転移温度」を呈する溶液と称され得る。2)1つより多くの液相を有する液体混合物は、例えば、多相性液体溶液、多相液体溶液、多相溶液、多液相溶液、二相性溶液、「混濁した」溶液、多相性液体混合物、多相混合物、多相液体混合物、多液相混合物、二相性混合物、二相性液体混合物、二層混合物、多層混合物、多液相状態、多相液体状態、またはそれらの組み合わせと称され得るが、これらに限定されない。3)組み合わせられた単一液相溶液または異なる数の液相もしくは異なる組成の液相もしくはそれらの両方を有する溶液を形成するための1つ以上の他の液相中での1つ以上の液相の溶解は、「組み合わせること」または「溶解」または「相互溶解する」または「溶解する」または「組み合わせる」または「混合すること」と称され得る。4)2つ以上の別個の液相の混合物は、液相なしでまたは最小限の液相溶解で生じる場合もあり、「2)」の記述項目例のうちの1つ以上の「混合」または「組み合わせ」または「統合」または形成と称され得る。5)物理的現象または物理的相互作用により1つ以上のガスを吸収する媒体である物理的吸収剤は、物理的溶媒、溶媒、物理的吸収剤溶媒、液体、またはそれらの組み合わせと称され得る。6)「所望のガス」は、例えば、物理的溶媒中で溶解することが所望されるガスまたは1つ以上の他のガスから分離されることが所望されるガスを含み得る。場合によっては、1つ以上の溶解ガスは、所望のガス(複数可)を含み得る。7)2つ以上の液相を含む混合物中の1つ以上の他の液相からの1つ以上の液相の分離は、例えば、液液分離、または液相の分離、または液相分離、相分離、当該液相の分離、またはそれらの組み合わせと称され得るが、これらに限定されない。8)「透過物」または透過物液体は、1つ以上の半透膜を通過する液体、または1つ以上の半透性膜によって拒絶されなかったか、または最小限にしか拒絶されなかった液体を含み得る。「透過物等価液体」または透過物と同等の液体は、1つ以上の透過物液体と同様の組成または特性を有する液体を含み得るが、半透性膜を使用した液体系中の試薬のうちの1つ以上または組み合わせの分離から得られた透過物溶液に全体的にまたは部分的に由来しなかったかもしれない。9)「CST試薬」、「UCST試薬」または「UCSTを形成する試薬」、「LCSTを形成する試薬」または「LCST試薬」:A)水および当該CST試薬からなる溶液中で温度の上昇に伴って浸透圧の低下を呈する試薬、B)温度の上昇に伴って水と比較して当該低溶解度試薬に対するより高い親和性を有する試薬、C)ある特定の条件下で溶媒または水中で可溶性の試薬、D)A~Dの1つ以上の組み合わせを含み得る。
【0146】
15)「LCST結合剤試薬」:全てのLCSTを低下させる試薬がLCSTを低下させる試薬の濃度の増加に伴って1つ以上の液体系のLCSTを低下させ得るが、LCSTを低下させる試薬の全てがLCSTを低下させる試薬とみなされない場合がある。「LCSTを低下させる試薬」は、1つ以上の「LCST試薬」よりも1つ以上の「LCST試薬溶媒」中で可溶性であり得る。その一方で、濃度の増加に伴ってLCSTを低下させ得、かつ1つ以上の「LCST試薬溶媒」よりも1つ以上の「LCST試薬」中でより可溶性または感知できる程度により可溶性であり得る試薬は、「LCST結合剤試薬」に分類され得る。
【0147】
例えば、ポリプロピレングリコール425(PPG 425)、炭酸プロピレン、水、および5重量%塩化ナトリウムを含む液体系の例を考慮して、PPG 425は「LCST試薬」に分類され得、「炭酸プロピレン」は「LCST結合剤試薬」に分類され得、水は「LCST試薬溶媒」に分類され得、塩化ナトリウムは「LCSTを低下させる試薬」に分類され得る。PPG 425は、例えば、水および塩化ナトリウムを含む溶液中でLCST相転移を形成し得るため、LCST試薬に分類され得る。炭酸プロピレンは、例えば、PPG 425がLCST試薬であるLCST相転移時にPPG 425がより濃縮された相中に主に溶解し得るため、「LCST結合剤試薬」に分類され得る。加えて、例えば、水のみ(LCST試薬溶媒の一例を含む水)または水および塩化ナトリウムのみの混合物中で、炭酸プロピレンはLCST相転移を欠き得る。水は、例えば、「LCST試薬」が水中に溶解されたLCST試薬を含む溶液中にLCST相転移を形成し得るため、「LCST試薬溶媒」に分類され得る。塩化ナトリウムは、例えば、塩化ナトリウムが「LCST試薬」よりも「LCST試薬溶媒」中で可溶性であり得るため、「LCSTを低下させる試薬」に分類され得る。加えて、例えば、水のみ(LCST試薬溶媒の一例を含む水)または水および塩化ナトリウムのみの混合物中で、塩化ナトリウムはLCST相転移を欠き得る。
・「UCST溶媒」:「CST試薬」を溶解し得、かつ「低溶解度試薬」中で限定された溶解度を呈し得る試薬。
・「CST試薬」:「低溶解度試薬」が、UCST溶媒試薬中、ある特定の温度および/または他の条件下でほぼまたは完全に可溶性であり、かつある特定の異なる温度および/または他の条件下で不溶性または部分的にのみ可溶性であることを可能にし得る試薬。CST試薬の濃度を増加させることにより、例えば、UCSTが低下し得る。
・「低溶解度試薬」:溶媒単独中で低溶解度または「CST試薬」中で比較的高い溶解度を有し得るか、または1つ以上の濃度超のCST試薬の存在下、かつ/またはある特定の温度および/もしくは他の条件下、またはそれらの組み合わせの溶媒中で完全な溶解度を呈し得る試薬。
・「高溶解度試薬」:UCST溶媒単独中で高溶解度、または「CST試薬」中で高溶解度、または「低溶解度試薬」中で高溶解度、またはそれらの組み合わせを有し得る試薬。高溶解度試薬は、例えば、UCSTを低下させ、かつ/または液体系における他の相転移特性に影響を及ぼし得る。
・「UCSTを上昇させる試薬」:UCST溶媒単独で高溶解度、または「CST試薬」単独で低溶解度、または「低溶解度試薬」単独で低溶解度、またはそれらの組み合わせを有し得る試薬。低溶解度試薬は、例えば、UCSTを上昇させ、かつ/または液体系における他の相転移特性に影響を及ぼし得る。
【0148】
溶媒、UCST溶媒、LCST溶媒、UCST溶媒試薬、LCST溶媒試薬:例えば、水またはアンモニアを含み得るが、これらに限定されない、CST試薬を溶解し得る試薬を含み得る。
【0149】
混和性溶解度または実質的に混和性の溶解度または混和性は、特定の温度または他の条件下で、単一液相の組み合わせられた溶液を含む組成物と定義され得る。例えば、低溶解度試薬は、UCST超のUCST溶媒およびCST試薬溶液中で混和性または実質的に混和性であり得、低溶解度試薬を主に含む特定量または規定量の低溶解度試薬または液相がこれらの条件下で単一液相溶液を形成し得ることを意味する。混和性溶解度または実質的に混和性の溶解度または混和性は、例えば、低溶解度試薬が、UCST系中である比率および温度で混和性ではない場合があるため、ある比率および温度で混和性であることを意味しない場合がある。
【0150】
実質的に混和性または混和性は、特定の温度または他の条件下で組み合わせられると、組み合わせられた単一液相中に試薬の全質量の少なくとも90%を有する液体流を形成する試薬のうちの1つ以上または組み合わせと定義され得る。
【0151】
実質的に不溶性:
1)o 1)30重量%、もしくは20重量%、もしくは10重量%未満の溶解度、または
2)o 2)30重量%未満の溶解度、および70重量%、もしくは80重量%、または90重量%超の溶解度、または
3)o 3)100重量%、もしくは90重量%、もしくは80重量%、もしくは70重量%、もしくは60重量%、もしくは50重量%、もしくは40重量%、もしくは30重量%、もしくは20重量%、もしくは10重量%未満の最大溶解度、または
4) 4)3重量%もしくは2重量%未満の溶解度、または
5) 5)1)~5)のうちの1つ以上または組み合わせ。
【0152】
限定された溶解性または低水溶性:
1)o 1)50重量%未満、もしくは40重量%未満、もしくは30重量%、もしくは20重量%、もしくは10重量%未満の溶解度
2)o 2)30重量%未満の溶解度、および70重量%、もしくは80重量%、もしくは90重量%超の溶解度
3)o 3)100重量%、もしくは90重量%、もしくは80重量%、もしくは70重量%、もしくは60重量%、もしくは50重量%、もしくは40重量%、もしくは30重量%、もしくは20重量%、もしくは10重量%未満の最大溶解度。
【0153】
LCST結合剤試薬は、CST試薬が水中に主に溶解される場合、CST試薬に続く場合があり、この結合剤試薬は、水中で主に溶解し得る。CST試薬が主に水とは別個の液相である場合、この結合剤試薬は、CST試薬を主に含有する当該別個の液相中で主に溶解され得る。
【0154】
「低溶解度試薬」は、相対的最大量のCST試薬またはその大部分を含有する液相中に常に存在するとは限らない場合がある。例えば、「低溶解度試薬」、UCST溶媒、およびCST試薬を含むUCST液体系を考慮して、「低溶解度試薬」は、UCST未満の低溶解度試薬を主に含有する液相を実質的に形成し得、UCST溶媒およびUCST超のCST試薬を含む組み合わせられた単一液相溶液を形成し得る。低溶解度試薬を主に含有する当該液相が少量のCST試薬を含有し得る一方で、CST試薬およびUCST溶媒を含む別の液相は、液体系中のCST試薬の大部分を含有し得る。
【0155】
注記:CST試薬および液体系の組成に応じて、CST試薬の濃度を「低溶解度試薬」および/または1つ以上の他の試薬と比較してある特定の濃度超に増加させることにより、液体系がUCSTを有する液体系からLCSTを有する液体系に転移し得る。当該転移は、本明細書に記載の1つ以上の冷蔵サイクルまたは加熱冷却伝達システムまたは抽出または熱機関または1つ以上のアプリケーションで利用され得る。
他の注記:
・注記:調整される(adjusted)とは、例であって限定されることなく、調節される、調整される(tailored)、変化させると同義語であり得る。
・注記:「CST試薬」は、「UCST試薬」も指し得る。
・注記:「低溶解度試薬」は、溶液中で、1つ以上の温度超で実質的な溶解度または混和性溶解度を呈し、当該温度のうちの1つ以上未満で限定された溶解度または非混和性溶解度を呈し得る。
・注記:1つ以上の試薬は、「冷媒」であり得る。蒸発器および吸収器を有する実施形態との関連での冷媒は、比較的低い沸点または比較的高い蒸気圧を有する試薬を含み得る。冷媒は、例えば、「低溶解度試薬」の特性を呈し得る。
・注記:ナノ濾過(NF)および逆浸透(RO)は、図中の膜ベースのプロセスの例として提供される。他の膜ベースのプロセスまたは膜ベースの分離デバイスが代わりにまたはNFもしくはROに加えて用いられ得る。
・注記:以下を含み得るが、これらに限定されない、他の例示の実施形態の概要例:
UCST相変化液体および液液分離を使用したデータセンター冷却伝達
LCST相変化液体および組み合わせられた二相液体(液液分離なし)を使用したデータセンター冷却伝達
LCST相変化液体および組み合わせられた二相液体を蒸発冷却とともに使用したデータセンター冷却伝達
LCST相変化液体を液液分離とともに使用した発電所復水器の冷却
LCST相変化液体および組み合わせられた二相液体を蒸発冷却とともに使用した発電所復水器の冷却
UCST相変化液体を液液分離とともに使用した発電所復水器の冷却
UCST溶解度変化液体および組み合わせられた二相液体を蒸発冷却とともに使用した発電所復水器の冷却
電子冷却剤または高出力電子冷却剤としてのLCST溶解度変化液体の使用
・注記:冷媒が蒸発するCST試薬+冷媒溶液および残りの残留物(残留CST試薬であり得る)が、吸収溶液と混合される。
・注記:1つ以上の実施形態は、蒸発冷却のために1つ以上の段階をさらに含み得るか、または用い得る。
・注記:例えば、間接的および/または直接冷却に適用可能
・注記:CST試薬は、CST試薬を含み得る。CST試薬は、1つ以上のLCSTまたはUCSTを呈する溶液を可能にするか、またはそれをもたらす試薬も指し得る。例えば、本明細書で例示の「CST試薬」と称され得る例示の化合物は、必ずしも従来の定義に従うポリマーではないが、プロピレングリコールn-プロピルエーテル(PnP)を含み得るが、これらに限定されない。CST試薬は、水溶液中で液相転移特性を呈し得るか、またはそれを可能にし得る。CST試薬は、溶液中で1つ以上の液相転移特性を呈するか、またはそれを可能にする1つ以上の試薬を含み得る。CST試薬は、限定された濃度範囲を含み得る濃度の増加に伴ってUCSTを低下させ得る1つ以上の試薬も指し得る。
【0156】
他の例示の説明
例示のUCST冷蔵作動流体系:
1)2つ以上の液相多液相混合物が別個の液体流に分離される。当該別個の液体流は、分離された構成液相を主に含み得る2つの別個の液体流を含み得る。
注記:当該多液相混合物は混合物のままであり得る。このバージョンでは、1つ以上の膜ベースのプロセスを使用した多液相混合物を濃縮するプロセスをステップ2で開始することが望ましくあり得る。当該バージョンでは、濃縮物または保持液は、濃縮中に吸熱または発熱溶解を受ける場合があり、1つ以上の膜モジュールとのその場での熱交換または当該膜ベースのプロセス後の熱交換を使用して回収され得る。
2)1つ以上のCST試薬を含有する1つ以上の液相が、1つ以上の膜ベースのプロセスを使用して濃縮され得る。当該濃縮により、比較的高い濃度の当該1つ以上のCST試薬を有する1つ以上の濃縮物溶液がもたらされ得、比較的低い濃度または遊離濃度の当該1つ以上のCST試薬を有する透過物溶液がもたらされ得る。
3)当該濃縮物流が、ステップ1で分離された当該液体流のうちの1つ以上を含み得る1つ以上の分離された液相と混合され得る。当該混合により、1つ以上の冷却を必要とするアプリケーションまたは1つ以上のエンタルピー源よりも比較的低い温度で吸熱溶解がもたらされ得、組み合わせられた単一液相溶液がもたらされ得る。当該液体または組み合わせられた液体溶液が、当該混合前、当該混合中、または当該混合後に、またはそれらの組み合わせで1つ以上の冷却を必要とするアプリケーションまたは1つ以上のエンタルピー源と熱交換され得る。
4)当該組み合わせられた単一液相溶液が、ステップ2からの透過物溶液または透過物等価物溶液またはそれらの組み合わせと混合され得る。当該結果として生じた混合により、2つ以上の液相多液相混合物への発熱相転移が起こる。当該相転移が1つ以上の熱交換器の存在下で行われて、例えば、加熱を必要とする1つ以上のアプリケーションが加熱され得るか、またはヒートシンクに熱が放出され得る。当該結果として生じた多液相混合物がステップ1に移送され得る。
【0157】
界面活性剤および2つ以上の液体試薬を用いた例示の実施形態:2つ以上の他の試薬が不溶性であるか、または界面活性剤なしで互いに限定された溶解度を有する。界面活性剤を用いると、2つの他の液相が著しい吸熱または発熱溶解で互いに溶解する。界面活性剤は、溶媒和分子/他の液体試薬よりも分子量が高いか、または水和または溶解半径が大きい。
【0158】
この系は、逆浸透を使用して界面活性剤を濃縮することによって再生され、これにより、界面活性剤なしで2つの試薬を含む透過物流がもたらされる。界面活性剤なしでは、2つの液体試薬は不溶性であり、過飽和であるか、または限定された溶解度を呈するか、またはそれらの組み合わせである。結果として、透過物流は、界面活性剤なしで2つ以上の液相または2つ以上の液体試薬で曇るようになる。これらの2つ以上の液相の混合物は、分離され得るか、または混合物のままであり得る。これらの液相のうちの1つ以上または液相混合物は、特にこれらの液相の一方が水を含み、他方の液相が含まないか、または低い揮発度または蒸気圧を呈する場合、蒸発冷却を受け得る。
1)界面活性剤および2つ以上の他の試薬の単一液相溶液が逆浸透システムに供給される。界面活性剤が濃縮される一方で、透過物は、より低い分子量もしくはより小さい水和半径を有するか、またはさもなければ拒絶されていないまたはは限定された拒絶された試薬(例えば、「溶媒」)である2つ以上の他の試薬を含む。界面活性剤なしでは、2つ以上の他の試薬は不溶性であるか、または互いに限定された溶解度を呈し、2つ以上の液相の形成のため、透過物流の「曇化」をもたらす。吸熱溶解プロセスでは、このステップは、発熱性であり得るか、または熱を放出し得、当該ステップの前または当該ステップ中または当該ステップ後またはそれらの組み合わせで、空気との熱交換または蒸発冷却等の周囲冷却によって冷却され得る。
2)以下のステップは任意選択的である:
任意選択的:透過物液相の分離
任意選択的:分離された水が豊富な液相中のまたは液相混合物からの水の蒸発または蒸発冷却
3)1つ以上の液相と界面活性剤が豊富な濃縮物流との混合により、液相の単一液相への吸熱溶解がもたらされる。当該ステップは温度を低下させるか、または冷却もしくは熱除去を提供し、「冷却」ステップを含む。冷却を必要とするアプリケーションが、このステップの前、このステップ中、またはこのステップの後に、またはそれらの組み合わせで、このステップと熱交換される。溶解および熱交換後、単一液相溶液がステップ1に移送される。
【0159】
吸熱溶解または膜ベースのプロセスまたはそれらの両方の前に蒸発冷却を用い得る。注記:試薬がUCSTを有する場合、蒸発冷却温度は、液体系のUCSTのうちの1つ以上を超え得る。
【0160】
例示のLCST作動流体冷蔵サイクル:
1)多液相混合物への吸熱相転移:1つ以上のLCST試薬(CST試薬等)および水を含み得る溶液が「濃縮物」溶液と混合され得る。当該濃縮物溶液が、LCST雲点を低下させる1つ以上の試薬(例えば、塩)中で「濃縮され」得る。当該混合により、2つ以上の液相の形成を含み得る相変化(例えば、吸熱相変化)がもたらされ得る。当該液相または溶液が、当該混合前、当該混合中、もしくは当該混合後、またはそれらの組み合わせで熱交換され得る。当該熱交換が、1つ以上の冷却を必要とするアプリケーションまたは1つ以上のエンタルピー源と行われ得る。
2)液液相分離:2つ以上の液相が、当該液相のうちの1つ以上を各々含み得る別個の2つ以上の別個の液体流に少なくとも部分的に分離され得る。当該液体流のうちの1つ以上は、比較的著しい濃度の1つ以上のLCSTを低下させる試薬を含有し得、かつ/または1つ以上のLCST試薬が希薄であり得る。当該液体流のうちの1つ以上は、1つ以上のLCST試薬が豊富であり得、1つ以上のLCSTを低下させる試薬が希薄であり得る。
3)1つ以上の液体流中のLCSTを低下させる試薬の濃縮:比較的著しい濃度の1つ以上のLCSTを低下させる試薬を含有する当該液体流中の1つ以上のLCSTを低下させる試薬が、1つ以上の半透膜ベースのプロセスを使用して濃縮され得る。当該濃縮により、比較的高い濃度の1つ以上のLCSTを低下させる試薬を含有する1つ以上の「濃縮物」溶液および/または1つ以上のLCSTを低下させる試薬(例えば、塩)が希薄なまたはそれを実質的に含まない1つ以上の透過物液体がもたらされ得る。当該濃縮物溶液(複数可)がステップ1に移送され得、当該透過物液体(複数可)がステップ4に移送され得る。
4)組み合わせられた単一液相溶液への発熱溶解:1つ以上の透過物液体が、1つ以上のLCST試薬が豊富な1つ以上の液体流と組み合わせられるまたは混合され得、これにより、発熱溶解がもたらされ得る。当該液相または溶液が、当該混合前、当該混合中、もしくは当該混合後、またはそれらの組み合わせで熱交換され得る。当該熱交換が、1つ以上の冷却を必要とするアプリケーションまたは1つ以上のヒートシンクと行われ得る。
【0161】
注記:ステップ1がステップ4で生成される温度よりも低い温度を生成することが望ましくあり得る。
【0162】
注記:ステップ3は、例えば、CST試薬LCST試薬として用いられる場合、ナノ濾過で最初に処理されて、例えば、残留CST試薬の一部を分離することができ、その次に、結果として生じた透過物を逆浸透または低分子量カットオフ(MWCO)ナノ濾過で処理して、1つ以上のLCSTを低下させる試薬(例えば、塩)を濃縮することができる。
【0163】
注記:LCSTを感知できる程度に低下させるのに必要な塩の濃度を最小限に抑えることが望ましくあり得る。本プロセスで用いられる1つ以上の膜によって拒絶され得ない試薬を含み得るが、これに限定されない、塩以外の他のLCSTを低下させる試薬を用いることが望ましくあり得る。例えば、用いられる半透膜によって拒絶されないか、最小限にしか拒絶されないLCST曇点を低下させる試薬を例えば部分的に用いることが望ましくあり得、これは、例えば、それらが濃縮されるLCST試薬の浸透圧に寄与し得ないか、または最小限にしか寄与し得ないためである。言い換えれば、1つ以上の膜によって拒絶されたより低い濃度のLCST試薬(複数可)が十分なLCST低下を達成するのに必要とされる場合、当該LCSTを低下させる試薬を十分に濃縮するのに必要なエネルギー消費がより低くあり得る。例えば、グリセロールまたは尿素を用いて雲点を低下させることが望ましくあり得る。
【0164】
能動的な雲点の調整の概要:
本明細書に記載の実施形態は、雲点またはLCSTまたはUCSTまたはそれらの組み合わせを能動的に調整するためのシステムおよび方法を用いる場合がある。能動的な雲点の調整は、液相のうちの1つ以上または組み合わせの組成を変化させて、1つ以上のLCSTまたはUCSTまたはそれらの組み合わせを上昇または低下または維持することを含み得る。能動的な雲点の調整は、1つ以上の液体系試薬の一部を除去すること、または追加の1つ以上の液体系試薬を再導入すること、または1つ以上の外部試薬を液体系に添加すること、または液体系から1つ以上の外部試薬を除去することを含み得る。能動的な雲点の調整は、1つ以上のシステム条件を変化させて、雲点を調整することを含み得る。能動的な雲点の調整は、望ましくは、可逆的であり得る。能動的な雲点の調整は、例えば、1つ以上のシステム条件または組成または経済的要因の変化に応じ得る。当該変化には、1つ以上の利用可能な温熱源の温度変化、1つ以上の利用可能な冷却源の温度変化、外部温度変化、圧力変化、組成変化、雲点温度に影響を及ぼす1つ以上の試薬の濃度変化、入力値または出力値の変化、1つ以上の試薬の存在または不在、1つ以上のエネルギー入力のコスト変化、1つ以上の出力値の変化、劣化、不純物、またはそれらの組み合わせのうちの1つ以上または組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。
【0165】
LCST液体系における能動的な雲点の調整のための例示の実施形態:
能動的な雲点の調整のための実施形態は、1つ以上の液相の1つ以上のLCST、UCST、相転移、組成、1つ以上の液相の相対質量、1つ以上の液相の相対体積、またはそれらの組み合わせに影響を及ぼし得る1つ以上の試薬の濃度を可逆的に調整することを含み得る。例えば、LCST液体系は、1)1つ以上のCST試薬、2)水、3)水の不在下で当該1つ以上のCST試薬中で不溶性であるか、または低溶解度を呈する1つ以上の試薬、または4)当該CST試薬および/または水中で可溶性の1つ以上の試薬を含むが、これらに限定されない、それらのうちの1つ以上または組み合わせを含み得る。当該例示のLCST液体系および/または他の例示の液体系は、以下の例示のLCSTを調整するためのシステムおよび方法のうちの1つ以上または組み合わせを用いる場合がある。
【0166】
本実施形態は、膜ベースのプロセスおよび/または「透過物」液体または「透過物等価液体」の添加を用いて、1つ以上の雲点または組み合わせを調整することができる。
・LCSTを低下させる:
本実施形態の例は、本実施形態の例の前または本実施形態の例中に相転移を含み得る多液相溶液を最初に形成することを含み得る。当該多液相溶液中の当該液相のうちの1つ以上は、1つ以上のCST試薬が希薄な水溶液を含み得る。本実施形態は、1つ以上のCST試薬が希薄な当該液相水溶液を1つ以上の他の液相から分離することができる1つ以上の多液相液液分離デバイスを用いる場合がある。1つ以上のCST試薬が希薄な当該分離された液相水溶液は、例えば、水、1つ以上の塩(またはLCST雲点の低下を促進する他の試薬)、および/または低濃度(non-rich)試薬(例えば、CST試薬)の残留物を含み得る。当該溶液は、例えば、逆浸透およびナノ濾過等の1つ以上の膜ベースのプロセスを使用して濃縮され得る。
本実施形態のあるバージョンでは、1つ以上のCST試薬が希薄な液相水溶液は、逆浸透システムへの供給溶液を含み得、ここで、当該塩および残留CST試薬が濃縮されて、例えば、濃縮物が形成され得る。1つ以上の膜によって拒絶されないか、または完全に拒絶された水および他の試薬の一部が当該1つ以上の膜を通過して、例えば、透過物液体または透過物液体混合物を形成し得る(例えば、1つ以上の試薬が当該1つ以上の膜によって拒絶された1つ以上の試薬の不在下またはそのわずかな存在下で不溶性であるか、または限定された溶解度を呈する場合、液体混合物が形成され得る、)。当該濃縮物溶液を含有する液体系は、1つ以上の膜での処理前に液体系のLCSTよりも低いLCSTを有し得る。例えば、塩の濃度が比較的高い場合、液体系のLCSTが低下し得る。当該透過物は、例えば、貯蔵され得る。当該透過物液体は、後に液体系に再導入され得る。例えば、当該透過物液体が当該液体系に添加されて、例えば、1つ以上のLCSTを上昇させることができる。
本実施形態の別のバージョンでは、1つ以上のCST試薬が希薄な当該液相水溶液は、第1に、1つ以上の残留CST試薬の残りの溶液の一部からの分離を受け得る。当該第1の分離は、1つ以上の半透膜を使用して当該残留CST試薬のうちの1つ以上を濃縮することを含み得る。当該透過性膜が、例えば、1つ以上の他の試薬を膜に通過させながら、当該CST試薬のうちの1つ以上を拒絶することが望ましくあり得る。当該半透膜は、ナノ濾過または限外濾過を含み得るが、これらに限定されない。当該濃縮により、CST試薬が豊富な濃縮物溶液もしくは混合物と、CST試薬が希薄なまたはCST試薬を含まない透過物とがもたらされ得る。当該CST試薬濃縮物は、液体系に再導入され得るか、またはその後の使用もしくは液体系への再導入のために貯蔵され得るか、またはそれらの組み合わせであり得る。当該CST試薬が希薄なまたはCST試薬を含まない透過物は、水、または塩、または相転移に影響を及ぼす他の試薬、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、それらのうちの1つ以上または組み合わせを含み得る。当該CST試薬が希薄なまたはCST試薬を含まない透過物は、1つ以上の半透膜、例えば、逆浸透を使用して第2の分離時に濃縮され得、これにより、当該第1の分離によって拒絶されなかったか、または最小限にしか拒絶されなかった1つ以上の試薬が濃縮または拒絶され得る。当該第2の分離により、塩または相転移に影響を及ぼし得る他の試薬またはそれらの組み合わせがより濃縮された濃縮物溶液と、当該1つ以上の試薬が希薄な透過物溶液とが形成され得る。当該濃縮物が液体系に再導入され得、これにより、当該液体系の相転移温度(LCST等)が低下し得るか、または多液相組成もしくは多液相分布、当該液体系の雲点もしくは相転移に対する他の調整が行われ得るか、またはそれらの組み合わせであり得る。当該透過物液体は、後に液体系に導入され得る。例えば、当該透過物液体が当該液体系に添加されるか、または後に添加されて、例えば、1つ以上のLCSTを上昇させることができる。
本実施形態の別のバージョンでは、単一液相の組み合わせられた溶液は、1つ以上の膜を使用して濃縮され得る。
A)例えば、当該単一液相は、例えば、塩または低分子量有機物または水等の低分子量試薬を当該膜に通過させながら、残留CST試薬等の1つ以上の高分子量試薬を拒絶する1つ以上の膜を使用して最初に濃縮され得る。当該膜の例としては、ナノ濾過または限外濾過膜または本明細書に記載の他の半透膜システムおよび方法が挙げられ得るが、これらに限定されない。当該濃縮により、当該1つ以上の高分子量試薬が豊富な濃縮物溶液と、当該高分子量試薬が希薄なまたはそれを含まない透過物流とが形成され得る。当該濃縮物溶液は、貯蔵され得るか、または液体系に導入され得る。当該透過物は、液体系に戻され得るか、または1つ以上のさらなるステップ、例えば、ステップB)を受け得る。
B)当該透過物は、1つ以上の半透膜、例えば、逆浸透を使用して第2の濃縮ステップで濃縮され得、これにより、当該第1の濃縮ステップによって拒絶されなかったか、または最小限にしか拒絶されなかった1つ以上の試薬が濃縮または拒絶され得る。当該第2の濃縮ステップにより、塩または相転移に影響を及ぼし得る他の試薬またはそれらの組み合わせがより濃縮された濃縮物溶液と、当該1つ以上の試薬が希薄な透過物溶液とが形成され得る。当該濃縮物が液体系に再導入され得、これにより、当該液体系の相転移温度(LCST等)が低下し得るか、または多液相組成もしくは多液相分布、当該液体系の雲点もしくは相転移に対する他の調整が行われ得るか、またはそれらの組み合わせであり得る。当該透過物液体は、後に液体系に導入され得る。例えば、当該透過物液体が当該液体系に添加されるか、または後に添加されて、例えば、1つ以上のLCSTを上昇させることができる。
あるいは、当該単一液相の組み合わせられた溶液は、逆浸透を使用して最初に濃縮され得る。当該濃縮により、CST試薬または塩または相転移に影響を及ぼし得る1つ以上の他の試薬またはそれらの組み合わせが拒絶され得る。当該濃縮により、CST試薬および塩または1つ以上の他の試薬がより濃縮された濃縮物溶液または多液相混合物と、1つ以上またはほぼ全てまたは全ての当該試薬が希薄な透過物溶液とがもたらされ得る。当該濃縮物溶液または多液相混合物は、入力された単一液相の組み合わせられた溶液と比較してより低いLCSTを呈し得る。当該濃縮物溶液は、液体系に導入され得るか、または液体系の構成成分を含み得る。当該透過物液体は、後に液体系に導入され得る。例えば、当該透過物液体が当該液体系に添加されるか、または後に添加されて、例えば、1つ以上のLCSTを上昇させることができる。
・LCSTを上昇させる:
液体系のLCSTは、例えば、透過物液体または透過物等価液体を当該液体系に添加することによって上昇し得る。当該透過物液体は、1つ以上の液体系中に存在する場合、望ましくは、塩またはLCSTを低下させ得る他の試薬が希薄であるか、またはそれを本質的に含まなくてもよい。透過物液体または透過物等価液体の当該添加により、例えば、LCSTに影響を及ぼし得る1つ以上の塩または他の試薬が希釈され得るか、またはその濃度が低下し得、これにより、LCST温度の上昇がもたらされ得る。
【0167】
UCST系における能動的な雲点の調整のための例示の実施形態:
能動的な雲点の調整のための実施形態は、1つ以上の液相の1つ以上のLCST、UCST、相転移、組成、1つ以上の液相の相対質量、1つ以上の液相の相対体積、またはそれらの組み合わせに影響を及ぼし得る1つ以上の試薬の濃度を可逆的に調整することを含み得る。例えば、UCST液体系は、1)1つ以上のCST試薬、2)水、3)CST試薬および/または1つ以上の他の試薬の不在下で、当該水中で不溶性であるか、または低溶解度を呈する1つ以上の試薬、または4)当該CST試薬および/または水中で可溶性の1つ以上の試薬を含むが、これらに限定されない、それらのうちの1つ以上または組み合わせを含み得る。当該例示のUCST液体系および/または他の例示の液体系は、以下の例示のUCSTを調整するためのシステムおよび方法のうちの1つ以上または組み合わせを用いる場合がある。
【0168】
本実施形態は、膜ベースのプロセスおよび/または「透過物」液体または「透過物等価液体」の添加を用いて、1つ以上の雲点または組み合わせを調整することができる。
・UCSTを低下させる:本実施形態の例は、本実施形態の例の前または本実施形態の例中に相転移を含み得る多液相溶液を最初に形成することを含み得る。当該多液相溶液中の当該液相のうちの1つ以上は、1つ以上のCST試薬を含有する溶液を含み得る。本明細書に記載のいくつかのUCST液体系では、1つ以上のCST試薬は、別の1つ以上の試薬(例えば、炭酸プロピレン)が1つ以上のUCSTでまたはそれ未満でさらに別の試薬(例えば、水)中で可溶性であることを確実にするのに必要な試薬(例えば、ポリプロピレングリコールまたはポリエチレングリコール)として機能し得る。さらに、本明細書に記載の1つ以上の実施形態では、当該1つ以上の他の試薬に対する当該CST試薬の濃度は、液体系のUCSTに影響を及ぼし得る。例えば、いくつかの液体系では、炭酸プロピレンおよび/または水と比較した例えばPPG 425の濃度の増加により、当該UCSTが低下し得る。1つ以上のCST試薬を含む当該液相のうちの1つ以上は、部分的にまたは全体的に分離され得るか、または多液相混合物のままであり得る。1つ以上のCST試薬を含有する溶液を含む当該1つ以上の液相は、例えば、逆浸透(RO)、ナノ濾過(NF)、または限外濾過(UF)を含み得るが、これらに限定されない、1つ以上の半透膜を使用して濃縮され得る。雲点温度を低下させるために、当該1つ以上の半透性膜が、例えば、他の試薬を当該膜に通過させながら、1つ以上のCST試薬を拒絶することが望ましくあり得る。他の試薬を当該半透膜に通過させながら1つ以上のCST試薬を濃縮することにより、存在する場合、UCSTを上昇させ得る塩および他の試薬は、溶液中で同様のまたは同じ濃度で留まり得る。当該濃縮により、より高い濃度の1つ以上のCST試薬を有し得る濃縮物溶液、および/または1つ以上のCST試薬が希薄なまたはそれを含まない液体もしくは多液相混合物を含み得る透過物溶液がもたらされ得る。当該濃縮物が液体系に再導入され得、これにより、当該液体系の相転移温度(UCST等)が低下し得るか、または多液相組成もしくは多液相分布、当該液体系の雲点もしくは相転移に対する他の調整が行われ得るか、またはそれらの組み合わせであり得る。当該透過物液体は、後に液体系に導入され得る。例えば、当該透過物液体が当該液体系に添加されるか、または後に添加されて、例えば、1つ以上のUCSTを上昇させることができる。
本実施形態の別のバージョンでは、単一液相の組み合わせられた溶液は、1つ以上の半透膜を使用して濃縮された供給溶液であり得る。例えば、当該単一液相の組み合わせられた溶液中の1つ以上のCST試薬が濃縮され得る。当該濃縮により、当該供給溶液と比較してより高い濃度の1つ以上のCST試薬を有する濃縮物溶液と、当該1つ以上のCST試薬が希薄なまたはそれを実質的に含まない透過物溶液とがもたらされ得る。1つ以上のCST試薬が実質的に不在する場合、当該透過物中の当該試薬のうちの1つ以上は、相互に不溶性であり得るか、または互いに限定された溶解度を呈し得、これにより、例えば、多液相混合物を含む透過物が結果として生じ得る。当該濃縮物溶液は、例えば、CST試薬の濃度がより高いため、より低いUCSTを呈し得る。当該透過物液体は、後に液体系に導入され得る。例えば、当該透過物液体が当該液体系に添加されるか、または後に添加されて、例えば、1つ以上のUCSTを上昇させることができる。
・UCSTを上昇させる:
液体系のUCSTは、例えば、透過物液体または透過物等価液体を当該液体系に添加することによって上昇し得る。当該透過物液体は、1つ以上のCST試薬を希釈し得るか、またはその濃度を低下させ得、UCSTを上昇させることができる。
あるいは、または加えて、UCSTは、例えば、膜分離プロセスを使用して上昇し得る。例えば、UCST液体系がUCSTを上昇させ得る塩または1つ以上の他の試薬を含有し得る場合、当該試薬のうちの1つ以上は濃縮され得る。本実施形態のあるバージョンでは、当該濃縮は、1つ以上のCST試薬が希薄なまたはそれを含まない溶液(例えば、ナノ濾過または限外濾過を使用した、例えば、CST試薬濃縮または分離ステップからの透過物)を濃縮することによって起こり得る。1つ以上のCST試薬が希薄なまたはそれを含まない当該濃縮溶液は、1つ以上のCST試薬の実質的な同時濃縮を阻止することができるため、望ましくあり得る。
【0169】
本実施形態は、例えば、本実施形態の液体系における1つ以上のUCSTを能動的に調整するために、当該能動的な雲点の調整を用いる場合がある。
【0170】
雲点調整のための本実施形態は、1つ以上のナノ濾過濃縮ステップによってUCSTを変化させること、または透過物もしくは透過物等価物の添加によってUCSTを変化させること、または1つ以上の逆浸透濃縮ステップによってUCSTを変化させること、または例えば組成調整ステップをバイパスすることによって組成もしくは雲点を維持することを含むが、これらに限定されない、それらのうちの1つ以上または組み合わせによって、当該溶液の雲点を能動的に調整し得る。
【0171】
段階的な説明:
本実施形態は、例えば、1つ以上の雲点を有する液体系中の液体から開始し得る。この液体は、UCSTを有し得(またはLCSTを有し得)、単一液相の組み合わせられた溶液または多液相混合物溶液を含み得る。1つ以上の実施形態は、一例として単一液相の組み合わせられた溶液を示し得る。当該溶液は、例えば、当該溶液または液体系の1つ以上の雲点が上昇する必要があり得るか、低下する必要があり得るか、または一定のままである必要があり得るかに応じて、2つまたは3つの経路のうちの1つに移送され得る。
【0172】
例えば、当該液体系の1つ以上の雲点の低下が必要であり得る場合、雲点を低下させ得る試薬のうちの1つ以上が、例えば、ナノ濾過を使用して濃縮されることが望ましくあり得る。ナノ濾過を用いた当該濃縮は、1つ以上のポンプを使用した溶液の加圧を含み得、これにより、1つ以上のナノ濾過ユニット(NF)内で濃縮される加圧された供給溶液が形成され得る。当該供給溶液は、1つ以上のナノ濾過ユニットに供給され得、これにより、濃縮物流および透過物流がもたらされ得る。当該濃縮物流は、当該1つ以上のナノ濾過ユニットによって拒絶され得る1つ以上の試薬を含み得るが、これらに限定されない、より高濃度の、例えば、雲点を低下させる1つ以上の試薬を有し得る。当該濃縮物流は、当該供給溶液よりも低いUCSTを有し得る。当該透過物溶液は、1つ以上の液体貯蔵容器(「透過物貯蔵庫」)に移送され得る。当該透過物は、例えば、UCSTの能動的な増加が必要な際に、液体系に再導入され得る。
【0173】
例えば、当該液体系の1つ以上の雲点の上昇が必要であり得る場合、当該溶液が透過物または透過物等価液体と混合されることが望ましくあり得る。透過物または透過物等価物との当該混合により、UCSTを低下させ得る1つ以上の試薬が希釈され得るか、またはその濃度が低下し得、これにより、1つ以上のUCSTの上昇がもたらされ得る。透過物と混合された当該溶液は、当該液体系に戻され得るか、または液体系を含み得る。
【0174】
例えば、当該液体系の1つ以上の雲点の調整が不要であり得る場合、当該溶液は、例えば、その組成を調整することなく、本プロセスの次の段階に移送され得る。
【0175】
あるいは、または加えて、1つ以上のUCSTは、1つ以上の膜ベースのプロセス(例えば、逆浸透)によって調整され得、これは、液体系中の濃度の増加に伴って雲点温度を上昇させ得る1つ以上の試薬を濃縮することによって行われ得る。例えば、本実施形態は、例えば、液体系を1つ以上のUCSTにまたはそれ未満に冷却することによって、多液相混合物を最初に形成することを含み得る。その後、本実施形態は、当該多液相混合物をその構成液相のうちの2つ以上に少なくとも部分的に分離することを含み得る。当該構成液相のうちの1つ以上は、より高い濃度でUCSTを低下させる1つ以上の試薬が希薄であり得、逆浸透膜によって少なくとも部分的に拒絶されるのに十分高い分子量または大きい水和半径を有し得る。当該1つ以上の「希薄な」液相は、濃度の増加に伴ってUCSTを上昇させる1つ以上の試薬を含有し得、逆浸透膜によって少なくとも部分的に拒絶されるのに十分高い分子量または大きい水和半径を有し得る。当該1つ以上の「希薄な」液相は、1つ以上の膜ベースの濃縮ステップにおける供給溶液であり得る。当該1つ以上の膜ベースの濃縮ステップは、濃度の増加に伴ってUCSTを上昇させる1つ以上の試薬の濃度を増加させる1つ以上の濃縮ステップを含み得る。当該1つ以上の膜ベースの濃縮ステップにより、濃縮物溶液および透過物溶液の形成がもたらされ得る。当該濃縮物溶液は、当該1つ以上の試薬の濃度の増加に伴って、またはその濃度が高くなるにつれてUCSTを上昇させるより高い濃度の1つ以上の試薬を有し得る。当該濃縮物溶液は、液体系に導入され得、これは、液体系中での1つ以上の液相の混合またはUCST液体系の再形成を含み得る。当該濃縮物は、当該濃縮前の液体系と比較して、液体系のUCSTのうちの1つ以上を上昇させ得る。当該透過物溶液は、液体系のUCSTに感知できる程度に影響を及ぼす1つ以上の試薬が希薄なまたはそれを含まない溶液を含み得る。当該透過物溶液は貯蔵され得る。当該透過物溶液は、後に導入されるか、または液体系に添加されて、例えば、1つ以上のUCSTを低下させることができる。
【0176】
本実施形態は、例えば、実施形態の液体系における1つ以上のLCSTを能動的に調整するために、当該能動的な雲点の調整を用いる場合がある。
【0177】
雲点の調整のための本実施形態は、1つ以上の逆浸透濃縮ステップによってLCSTを変化させること、または透過物もしくは透過物等価物の添加によってLCSTを変化させること、または1つ以上のナノ濾過濃縮ステップによってLCSTを変化させること、または例えば組成調整ステップをバイパスすることによって組成もしくは雲点を維持することを含むが、これらに限定されない、それらのうちの1つ以上または組み合わせによって、1つ以上の溶液の雲点(複数可)を能動的に調整し得る。
【0178】
段階的な説明:
本実施形態は、例えば、1つ以上の雲点を有する液体系中の液体から開始し得る。この液体は、LCSTを有し得(またはUCSTを有し得)、単一液相の組み合わせられた溶液または多液相混合物溶液を含み得る。当該溶液は、例えば、当該溶液または液体系の1つ以上の雲点が上昇する必要があり得るか、低下する必要があり得るか、または一定のままである必要があり得るかに応じて、2つまたは3つの経路のうちの1つに移送され得る。
【0179】
例えば、液体系が1つ以上のLCSTの低下を必要とする場合、1つ以上のLCSTは、液体系中の濃度の増加に伴って雲点温度を低下させ得る1つ以上の試薬の膜ベースの濃縮(例えば、逆浸透)によって調整され得る。例えば、本実施形態は、例えば、液体系を1つ以上のLCSTにまたはそれ超に加熱することによって、多液相混合物を最初に形成することを含み得る。その後、本実施形態は、当該多液相混合物をその構成液相のうちの2つ以上に少なくとも部分的に分離することを含み得る。当該構成液相のうちの1つ以上は、濃度の増加に伴ってLCSTを低下させる比較的より高い濃度の1つ以上の試薬を含有し得、当該試薬のうちの1つ以上は、逆浸透膜によって少なくとも部分的に拒絶されるのに十分に高い分子量または大きい水和半径を有し得る。濃度の増加に伴ってLCSTを低下させる1つ以上の試薬が豊富な当該1つ以上の液相は、1つ以上の膜ベースの濃縮ステップにおける1つ以上の供給溶液であり得る。当該1つ以上の膜ベースの濃縮ステップは、濃度の増加に伴ってLCSTを低下させる1つ以上の試薬の濃度を増加させる1つ以上の濃縮ステップを含み得る。当該1つ以上の膜ベースの濃縮ステップにより、濃縮物溶液および透過物溶液の形成がもたらされ得る。当該濃縮物溶液は、例示の液体系中の濃度の増加に伴って、またはその濃度が高くなるにつれてLCSTを低下させるよりも高い濃度の1つ以上の試薬を有し得る。当該濃縮物溶液は、1つ以上の液体系に導入され得、これは、液体系中での1つ以上の液相の混合またはLCST液体系の再形成を含み得る。当該濃縮物は、当該濃縮前の液体系と比較して、液体系のLCSTのうちの1つ以上を上昇させ得る。当該透過物溶液は、液体系のLCSTに感知できる程度に影響を及ぼす1つ以上の試薬が希薄なまたはそれを含まない溶液を含み得る。当該透過物溶液は貯蔵され得る。当該透過物溶液は、後に導入されるか、または液体系に添加されて、例えば、1つ以上のLCSTを上昇させることができる。
【0180】
例えば、液体系が1つ以上のLCSTの上昇を必要とする場合、1つ以上のLCSTは、例えば、透過物または透過物等価物溶液を当該液体系に添加することによって調整され得る。濃度の増加に伴ってLCSTを低下させる1つ以上の試薬の濃度の低下により、当該液体系の1つ以上のLCSTの上昇がもたらされ得る。
【0181】
例えば、当該液体系の1つ以上の雲点の調整が不要であり得る場合、当該溶液は、例えば、その組成を調整することなく、本プロセスの次の段階に移送され得る。
・注記:冷却または加熱伝達は周囲温度とは無関係である。
・注記:イオン性液体が本明細書に記載のシステムおよび方法で用いられ得る。
・注記:例示の用途としては、1つ以上の化学物質が別の液相に対して1つの液相中に抽出または濃縮され得る抽出分離、1つ以上の化学物質が吸収または溶解され、その後、再生、沈殿、または脱着される抽出分離、食品生産または貯蔵における冷却または加熱、飲料生産または貯蔵における冷却または加熱、医薬品、化学物質、および気候室用途、冷熱伝達、温熱伝達、長距離にわたる冷熱伝達、長距離にわたる温熱伝達、周囲温度とは無関係の長距離にわたる冷熱伝達、周囲温度とは無関係の長距離にわたる温熱伝達、長距離にわたる低品位温熱または冷熱伝達、低CAPEXでの温熱伝達または冷熱伝達、低OPEXでの温熱伝達または冷熱伝達、温熱貯蔵、冷熱貯蔵、浸透熱機関、抽出分離、ガス分離、HVAC、ヒートポンプまたは空調機器のエンタルピー源、廃熱輸送、海洋熱エネルギー変換、深層水域由来の冷却、海洋熱エネルギー変換、低品位廃熱からの電力発生、道路除氷、発電所復水器冷却、データセンター冷却、または工場冷却のうちの1つ以上または組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
・注記:別個の液相貯蔵容器周囲の温度(例えば、外部温度)が水の凍結温度未満に降下することが予想され得る。これが生じた場合、液相の温度は冷温であり得る。液相のうちの1つ以上の温度が水の凝固点未満に降下した場合、液相のうちの1つ以上を部分的に凍結させることが望ましくあり得る。凍結は、「氷」層の下の液体が温度を溶液の凝固点でまたはそれ超で維持することができるため、温度バッファとして機能し得る。
・注記:当該浸透熱機関は、道路表面または他の熱面と、冷水体、冷地面、蒸発冷却、またはそれらの組み合わせ等のより冷たい源との間の温度差から電力を発生させるために用いられ得る。
・注記:本明細書に記載の1つ以上の相変化流体または浸透熱機関は、正浸透脱塩実施形態のための再生可能なドロー溶液として用いられ得る。例えば、ドロー溶液は、相変化システム内の液相のうちの1つ以上を含み得る。供給溶液は、例えば、相変化システムの外部にあり得る、例えば、塩水溶液を含み得る。供給溶液中の水の一部は、1つ以上の正浸透膜を通ってドロー溶液に移動する。結果として生じた希釈されたドロー溶液は、LCST温度超に加熱されるか、またはUCST温度未満に冷却されるか、またはそれらの組み合わせであり、これにより、単一液相の希釈されたドロー溶液から2つ以上の液相が形成される。1つの液相は、水が「豊富」であり得る。別の液相は、例えば、ドロー溶液が「豊富」であり得る。水が豊富な溶液は、脱塩水または淡水を含む前に、さらなる処理、例えば、残留非水試薬の少なくとも一部の除去を受け得る。
・注記:水体または海水体または他の液体物体または地盤(例えば、地熱または地冷)または固体物体(solid body)またはそれらの組み合わせは、温熱源であり得る(例えば、太陽池、または蒸発冷却池、または蒸発池、または水体中の氷の下の水区域、水体の表面に氷が含まれている場合には水体の底部、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない)。液体物体または固体物体または気体物体(gas body)またはそれらの組み合わせからの熱は、液体物体の「温熱」源またはエンタルピー源からの加熱により2つ以上の液相へのLCST相変化を伴う液体を使用して回収または利用または伝達され得る。2つ以上の液相は、1つ以上の液液分離または液液液分離または液体分離デバイスを使用して分離され得る。これにより、輸送される熱伝達流体の周囲の温度とは無関係に、かつ熱伝達流体が移動する必要がある距離とは無関係に、吸収された熱の少なくとも一部の伝達が可能になり得る。
・注記:代替実施形態では、LCST相変化液体系を用いて、水温躍層を有する水体または他の液体物体の比較的冷たい深さから冷熱を輸送することができる。LCST相変化液体は、1つ以上のLCST超に加熱されると2つ以上の液相を形成し得る。LCST液体系は、LCST熱交換流体を二相以上の液体混合物または二相以上の別個の液体流として移動させることができる。当該移動は、水温躍層水体の1つ以上のより冷たい深さまで行われ得る。LCST作動流体は、当該水温躍層液体物体中の比較的冷たい深さで、周囲のより低い温度での冷却中またはそれとの熱交換中に単一液相またはより少ない液相に変換し得る。LCST
・注記:LCST作動流体は、水温躍層水体または他の液体物体の異なる深さ間の温度差からの電気の生成で用いられ得る。2つ以上の液体混合物へのLCST相変化は、例えば、水温躍層水体の表面でまたはその近くで起こり得る。多液相溶液分離デバイスは、水温躍層水体の表面にまたはその近くに位置し、別個の液相を各々含む2つ以上の別個の液体流を形成し得る。圧力遅延浸透ユニットまたは他の浸透力デバイス(複数可)は、水体の表面下に位置し得る。例えば、水力発電機または水力発電タービンを水体の表面にまたはその近くに位置付けることが所望され得る。水圧ならびに圧力遅延浸透システムからの入力および出力液体流は、例えば、その表面に輸送され得る。例えば、圧力遅延浸透システムからの加圧された出口流は、1つ以上の指定された管内で表面に輸送され得、例えば、当該加圧された出口流は、例えば、統合された実施形態内で再生および再循環される前に、1つ以上の水力電気発電機または水力発電タービンを通過する。
・注記:水温躍層水体または他の液体物体実施形態は、所望の場合、水温躍層の異なる深さからポンピングされた1つ以上の液体を温熱源または冷熱源またはそれらの組み合わせとして用い得る。これは、例えば、1つ以上のユニット操作が、例えば、液体物体の表面下のかなりの深さではなく、液体物体の上方または液体物体の表面の近くに位置付けられることが所望される場合に所望され得る。
・注記:あるいは、凍結防止またはLCSTまたはUCST相変化液体またはLCSTまたはUCST液体相は、例えば、1つ以上の貯蔵容器内の水体の表面下または底部に貯蔵され得る。水体底部の温度は、その深さに応じて、水体表面上の気温にかかわらず比較的安定している場合がある。より浅い水体であっても、水体の底部またはさもなければ表面下での水の温度は、水体の表面に氷が浮いている場合、比較的安定している。「温熱」または「冷熱」が水体から抽出される必要があり得る場合、1つ以上の液体が当該貯蔵容器のうちの1つ以上から加熱または冷却を必要とするアプリケーションに移送され得る。「使用済みの」溶液は、貯蔵容器のうちの1つ以上に戻され得る。貯蔵容器は、例えば、必要に応じて即座に利用される能力を伴う温熱または冷熱のかなりの貯蔵を可能にする。前述のシステムおよび方法は、水のポンピングにより、氷の形成、生物付着、および環境被害がもたらされ得るため、例えば、水体の表面下から水を単にポンピングするよりも優れている。
・注記:
水の凝固点未満の凝固点を有する作動流体の水中貯蔵を備えている
ヒートポンプを備えている
LCST相変化システムを作動流体貯蔵とともに備えている
LCST相変化システムを液液分離とともに備えている
組み合わせられた液体混合物または単一液体流または液液分離なしのLCST相変化システムを備えている
・注記:2つ以上の液相貯蔵容器は、例えば、溶液が周囲温度降下中に完全に凍結するのを防ぐために、部分的にまたは完全に断熱され得るか、または大量の液体を貯蔵し得るか、またはそれらの両方であり得る。
・注記:望ましい場合、1つ以上の液相は、凝固点を低下させるために他の添加剤を含有し得る。しかしながら、液相のうちの1つ以上の部分的凍結が、例えば、温度バッファとして機能し得るため、例えば、表面を加熱または除氷するための実施形態で望ましくあり得ることに留意することが重要である。
・注記:相変化は、例えば、単一液相の2つ以上の液相への変換、2つ以上の液相のより少ない液相への変換、1つ以上の液相またはその一部の溶解による2つ以上の液相のより少ない液相への変換、「n」個の液相の「n」個+「x」個の液相への変換、「n」個+「x」個の液相の「n」個の液相への変換を含むが、これらに限定されない変換を含み得る。
・注記:温熱入力は、水蒸気または他の蒸気またはそれらの組み合わせの、例えば、本明細書に記載の1つ以上の液体流への吸収によって提供され得る。冷熱入力または熱除去は、水蒸気または他の蒸気またはそれらの組み合わせの、例えば、本明細書に記載の1つ以上の液体流への脱着または蒸発またはストリッピングによって提供され得る。前述の方法のいずれも用いられ得ないか、それらのうちの1つ以上が用いられ得るか、それらの組み合わせが用いられ得る。
・注記:あるいは、例えば、常に水の凝固点を大幅に下回る温度を有する気候では、発熱溶解は、周囲温度と比較して目的地での溶液の温度を上昇させ得、これにより、溶液をさらに加熱して氷を融解するために用いられ得る加熱デバイスのエネルギー消費の低減が可能になり得る。例えば、より高い温度の温熱源を供給することにより、より低い温度を有する作動流体からの熱またはそれからのエンタルピーもしくはエントロピーもしくは熱の抽出と比較して、ヒートポンプまたは他の加熱デバイスが表面を融解するのに必要なエネルギーが少なくなり得る。
・注記:例えば、より深い液体深さからの水温躍層水体から冷熱を移送する実施形態では、冷熱伝達液体または冷却剤を移送する管は、周囲との熱交換器として機能し得る。冷熱伝達液体が液液分離装置の先端部に到達するまでに、冷熱伝達液体は、2つ以上の液相へのUCST相変化を受けた可能性がある。追加の熱交換装置が用いられ得るが、冷却剤輸送管が周囲との十分な熱交換を提供することができるため、必要であり得る。
・注記:比較的温かいとは、LCSTまたはUCST溶液の雲点または相変化温度を超える温度を含み得る。
・注記:比較的冷たいとは、LCSTまたはUCST溶液の雲点または相変化温度未満の温度を含み得る。
・注記:出て行く組み合わせられた単一液相溶液は、所望の場合、出て行く溶液の温度が入ってくる溶液または入力溶液を超え得るため、入ってくる液体溶液と熱交換され得る。これにより、いくらかの熱の回収が可能になり得る。
・注記:あるいは、液液分離デバイスは、水体の表面にまたはその上に位置し得る。これは、例えば、UCSTもしくはLCST作動流体が地区冷却で用いられる事例または冷却源が水体表面もしくは陸地表面にごく近接している事例を含むが、これらに限定されない事例で適用可能であり得るが、冷却源の1つ以上の冷却を必要とするアプリケーションまでの距離は遠い場合がある。
・注記:
LCSTが液体貯蔵を備える場合、道路は、道路の温度に応じて温熱源および冷熱源の両方としての機能を果たし得る。例えば、本システムおよび方法は、周囲温度変化を動力源とし得る。
LCST点は、例えば、0℃~5℃、0℃~10℃、0℃~20℃のうちの1つ以上またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、水の凍結温度に近い1つ以上の温度に調節され得る。
道路がLCST温度を超えると、例えば、「単相」溶液が道路下の1つ以上の管または熱交換器を通過し、道路から熱を吸収しながら吸熱相変化により2つ以上の液相の多相性溶液を形成し得、液液分離デバイスを使用してさらに分離され、2つの別個の液相が2つの別個の液体貯蔵容器に移送され得る。
道路温度が例えば1℃を下回ると、または降水または氷結の危険性またはそれらの組み合わせが生じると、液体貯蔵容器からの別個の液相が道路下の管に移送され得、ここで、それらが管前または管内のいずれかで混合される。
道路下の管は、温熱もしくは冷熱伝達を促進するか、または液相の平衡もしくはその付近へのシフトを加速するために、バッフルまたは他の混合デバイスを含み得る。
温熱源には、道路の周囲温度、工場廃熱源、または水体の底部の比較的「温かい」温度が含まれ得るが、これらに限定されない。
・注記:表面または道路を除氷するための実施形態では、LCST雲点温度が、
その表面との効果的な熱交換に効果的なデルタTを確実にするために、水凍結温度を十分に上回り、
LCST相変化のために熱を供給することを可能にするために、豊富な周囲熱源(例えば、日周温度変動、周囲源からの表面の温度変動、廃熱、太陽熱を含むが、これらに限定されない、それらのうちの1つ以上または組み合わせ)の温度よりも十分に低いこと望ましくあり得る。
LCST雲点の温度範囲の例は、例えば、0~50℃を含むが、これらに限定されない範囲であり得るが、例えば、日周温度変動に依存する用途の場合、これは、例えば、3~12℃を含み得るが、これらに限定されない。
・注記:組成例
LCST:炭酸プロピレン、水、PPG 425、またはイオン性化合物、または炭酸プロピレンおよびPPG 425中で比較的低い溶解度および水中で比較的高い溶解度を有する化合物、またはそれらの組み合わせ
UCST:炭酸プロピレン、水、PPG 425、またはそれらの組み合わせ
LCSTの場合の濃度比は、例えば、約0~40重量%の炭酸プロピレン、約20~50重量%のPPG 425、および約30~65重量%の塩水溶液であり得る。
UCSTの場合の濃度比は、約10~80重量%の炭酸プロピレン(ほぼ均等な層形成のためには40~60重量%が所望され得る)、約3~25重量%のPPG 425、および約15~35重量%の水(ほぼ均等な層形成のためには20~30重量%が所望され得る)であり得る。
水中で可溶性であり、PPG 425または炭酸プロピレンまたはそれらの両方中で不溶性であるか、または限定された溶解度を呈する添加剤の添加により、例えば、雲点温度に以下の影響が及ぼされ得る。
・LCST:LCST温度の低下
・UCST:UCST温度の上昇
PPG 425および炭酸プロピレンの両方中で不溶性であるか、または低溶解度を呈する構成成分の例には、イオン性化合物、グリセロール、エチレングリコール、またはポリエチレングリコールのうちの1つ以上または組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない)。
水中で可溶性であり、PPG 425または炭酸プロピレンまたはそれらの両方中で可溶性である添加剤の添加により、例えば、雲点温度に以下の影響が及ぼされ得る。
・LCST:LCST温度の上昇
・UCST:UCST温度の低下
水、PPG 425、および炭酸プロピレン中で可溶性の構成成分の例には、イオン性化合物、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールジメチルエーテルのうちの1つ以上または組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない)。
・注記:本明細書における実施形態は、加熱伝達および冷却伝達を含むが、これらに限定されない伝達のために、気相または気液平衡構成成分を組み込み得る。
例えば、冷却伝達または加熱伝達は、熱除去を必要とする場所でガスを気化する液相を含み得、気相および液相は少なくとも部分的に分離されるか、液相とは別個の気相を熱放出またはヒートシンクに輸送するか、1つ以上の熱放出またはヒートシンク場所の前またはそこでの気相と液相を組み合わせるか、またはそれらの組み合わせである。
例えば、UCSTまたはLCST相変化は、1つ以上の気相を組み込み得る。例えば、UCSTまたはLCST相変化から得られた液相のうちの1つ以上は、例えば組み合わせられた単相溶液または別の液相と比較して、より高い蒸気圧の1つ以上のガスを有し得る。
例えば、加熱または冷却は、UCST相変化、LCST相変化、比熱、および液相と気相との間の相変化の組み合わせによって伝達または利用され得る。
・注記:低温および高温での低粘度、温度調節可能性、相変化の高いエンタルピーは、所望されない場合、管の断熱を必要とせず、より少ない量の液体が配管を必要とし、潜熱によって駆動され、完全に比熱ではない。
・注記:流体流量およびLCSTまたはUCST液相変化溶液熱交換によって加熱または冷却される表面または道路の表面積は、例えば、溶解もしくは多相液体形成のエンタルピー変化、加熱もしくは冷却される道路もしくは表面の比熱容量、表面に対する熱交換配管の深さ、比熱配管の構成(例えば、コイルもしくは並列熱交換器構成)、互いに対する比熱配管の密度もしくは近接性、溶液の雲点温度(複数可)、推定年間降水量、例えばより涼しい季節の平均日周温度変動および頻度、またはそれらの組み合わせに依存し得るが、これらに限定されない。
・注記:組み合わせられた液体溶液(L-1)は、例えば、外部温度が十分に温かい場合、または多相相変化を可能にするのに十分な熱浸透が例えば液体貯蔵容器内で起こった場合、2つ以上の液相を含み得る。
・注記:比熱、または比熱容量、または熱容量
・注記:冷却または加熱アプリケーションは、水体もしくは液体物体の表面上に浮いている場合があるか、または陸上に位置し得るか、またはそれらの組み合わせであり得る。
・注記:本明細書における実施形態は、ポンプまたは他の流体または物質移動デバイスを用いる場合がある。ポンプおよび他のデバイスが示される実施形態で必要とされ得る場合でも、図は、これらのデバイスを含まない場合がある。例えば、用いられ得る多数の構成および種類のポンプが存在する。
・注記:相変化は、液体移送を通じて起こり得る。管自体が周囲との熱交換器として機能し得る。2つ以上の液相への相変化は、液体が周囲の水体の温度が1つ以上のUCST雲点温度またはそれ未満である水深を通って移送されるにつれて徐々に起こり得る。
・注記:炭酸ポリプロピレン、炭酸ポリエチレン
・注記:金属、遷移金属、低融点を有する金属、融解塩、低融点を有する塩、融点を有する塩、融点を有する金属
・注記:水温躍層物体は、液体物体に限定されない。例えば、地面の地熱温度勾配は、水温躍層物体とみなされる。例えば、高度による大気の温度勾配が水温躍層物体の一例である。それらの組み合わせが本明細書に記載の実施形態で用いられ得る。
・注記:塩分差には、塩分躍層または塩分濃度勾配が含まれ得るが、これらに限定されない。
【表5】

【表6】

【表7】
【0182】
注記:PEGDME 500-炭酸プロピレン-水系は、一方のUCST雲点が3つの液相または層を形成し、他方のUCST雲点が2つの層を形成する、2つの異なるUCST雲点を有し得るように見える。三液相雲点は、特定の温度範囲内で存在する可能性があり、さらなる温度低下時に、2つの液相を形成し得る。
【表8】
【0183】
概要:本実施形態は、新規の上限臨界溶液温度および下限臨界溶液温度溶解度スイング組成物を作製するための試薬ならびにそれらの特有の能力を用いた新規のシステムおよび方法に関し得る。本実施形態は、新規のシステムおよび方法でもある。改善されるか、促進されるか、または可能にされる用途も本明細書に記載され得る。
【0184】
いくつかの実施形態は、本明細書に記載の用途ならびに新規のシステムおよび方法に望ましい特性を有する冷却雲点(「LCST」)または加熱雲点(「UCST」)を作り出すための組成物を記載し得る。当該望ましい特性の例には、雲点温度の大幅な調節可能性、低粘度、高い液液相変化エンタルピー、低い液液相変化エンタルピー、不揮発性、非毒性、低コスト、劣化なし、安定した腐食、限定された腐食、もしくは腐食なし、1つ以上の化学物質の選択性、大幅な層分離、液相間の密度の差、または液液分離デバイスを使用した液相の分離可能性のうちの1つ以上または組み合わせが挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0185】
試薬組成物および組み合わせ
先行技術の温度調節可能なUCST試薬が高粘度複合ポリマーゲルを含むため、本明細書に記載の1つ以上のUCST作動流体の比較的低い粘度は、本明細書で導入される成果のうちの1つであり得る。本明細書で導入される比較的低い粘度のUCST作動流体は、-20~1000℃の任意の温度に調整可能または調節可能であるUCST温度を有する組成物を含み得る。
【0186】
先行技術の温度調節可能なUCST試薬が複合ポリマーゲルまたはより高い粘度の試薬を含むため、LCST作動流体の比較的低い粘度は、本明細書で導入される別の前例のない根本的な科学成果であり得る。本明細書で導入される比較的低い粘度のLCST作動流体は、-20~1000℃の任意の温度に調整可能または調節可能であるLCST温度を有する組成物を含み得る。
【0187】
UCST試薬組成物は、水、有機溶媒、ポリマー、グリコール、炭酸塩、炭酸エステル、エステル、エーテル、ジオール、ラクタム、プロトン性溶媒、非プロトン性性溶媒、アミド、アルコール、フッ素化化合物、ハロゲン化化合物、炭化水素、有機ポリマー、アルキレングリコール、炭酸アルキレン、ポリオール、尿素、イオン性液体、イミン、アミン、アミド、イミド、アジド、アジン、アクリルアミド、アクリル酸、カルボン酸、ケトン、アルデヒド、アルカロイド、ハロゲン化物、カルボニル、ニトリル、アセチル、過酸化物、イオン性化合物、エポキシド、チオエステル、アセタール、アルカン、アルケン、アルキン、ハロアルカン、ヒドロペルオキシド、メトキシ、カルボン酸塩、シアン酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、ニトロソ、オキシイミン、カルバミン酸塩、ピリジン、有機硫黄化合物、有機リン化合物、ホウ素、ホウ素含有化合物、無機化学物質、無機化合物、エノールのうちの1つ以上または組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。
【0188】
LCST試薬組成物は、水、有機溶媒、ポリマー、グリコール、炭酸塩、炭酸エステル、エステル、エーテル、ジオール、ラクタム、プロトン性溶媒、非プロトン性性溶媒、アミド、アルコール、フッ素化化合物、ハロゲン化化合物、炭化水素、有機ポリマー、アルキレングリコール、炭酸アルキレン、ポリオール、尿素、イオン性液体、イミン、アミン、アミド、イミド、アジド、アジン、アクリルアミド、アクリル酸、カルボン酸、ケトン、アルデヒド、アルカロイド、ハロゲン化物、カルボニル、ニトリル、アセチル、過酸化物、イオン性化合物、エポキシド、チオエステル、アセタール、アルカン、アルケン、アルキン、ハロアルカン、ヒドロペルオキシド、メトキシ、カルボン酸塩、シアン酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、ニトロソ、オキシイミン、カルバミン酸塩、ピリジン、有機硫黄化合物、有機リン化合物、ホウ素、ホウ素含有化合物、無機化学物質、無機化合物、エノールのうちの1つ以上または組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。
【0189】
調節可能または調整可能なUCSTまたはLCST雲点温度および再生可能性を有する試薬組み合わせの例:
・X+Y+Zを含む試薬組み合わせであって、
式中、Xが、
・脱イオン水
・水
・低分子量有機溶媒
・アルコールのうちの1つ以上または組み合わせを含み、
Yが、
・炭酸プロピレン
・酢酸プロピレン
・炭酸エチレン
・水中で部分的に溶媒である有機溶媒
・ジメトキシメタン
・アセタール
・エーテル
・エステルのうちの1つ以上または組み合わせを含み、
Zが、
・ポリプロピレングリコール425
・ポリプロピレングリコール725
・ポリプロピレングリコール1000
・分子量200~100,000のポリエチレングリコール
・ポリエチレングリコールジメチルエーテル
・エーテル
・アクリルアミドのうちの1つ以上または組み合わせを含む、試薬組み合わせ。
・X+Y+Z+Aを含む試薬組み合わせであって、
式中、Xが、
・脱イオン水
・水
・低分子量有機溶媒
・アルコール
・ケトンのうちの1つ以上または組み合わせを含み、
Yが、
・炭酸プロピレン
・炭酸エチレン
・水中で部分的に溶媒である有機溶媒
・ジメトキシメタン
・アセタール
・エーテル
・エステルのうちの1つ以上または組み合わせを含み、
Zが、
・ポリプロピレングリコール425
・ポリプロピレングリコール725
・ポリプロピレングリコール1000
・分子量200~100,000のポリエチレングリコール
・ポリエチレングリコールジメチルエーテル
・エーテル
・アクリルアミドのうちの1つ以上または組み合わせを含み、
Aが、
・試薬X中で高溶解度および試薬Yまたは試薬YおよびZ中で低溶解度を有する試薬
・1つ以上のイオン性化合物
・グリセロールのうちの1つ以上または組み合わせを含む、試薬組み合わせ。
・X+Y+Z+Bを含む試薬組み合わせであって、
式中、Xが、
・脱イオン水
・水
・低分子量有機溶媒
・アルコール
・ケトンのうちの1つ以上または組み合わせを含み、
Yが、
・炭酸プロピレン
・炭酸エチレン
・水中で部分的に溶媒である有機溶媒
・ジメトキシメタン
・アセタール
・エーテル
・エステルのうちの1つ以上または組み合わせを含み、
Zが、
・ポリプロピレングリコール425
・ポリプロピレングリコール725
・ポリプロピレングリコール1000
・分子量200~100,000のポリエチレングリコール
・ポリエチレングリコールジメチルエーテル
・エーテル
・アクリルアミドのうちの1つ以上または組み合わせを含み、
Bが、
・試薬X中で高溶解度および試薬Yまたは試薬YおよびZ中で高溶解度を有する試薬
・プロピレングリコール
・エチレングリコール
・ジオール
・ポリエチレングリコールジメチルエーテル250
・エーテル
・ケトン
・エステル
・グライム
・グリコール
・ポリオール
・ラクタムのうちの1つ以上または組み合わせを含む、試薬組み合わせ。
【0190】
UCST雲点温度および雲点温度調整または調節および比較的低い粘度を有する試薬組成物の例:
以下の組成は、液体系の雲点温度またはUCSTを調整するために用いられ得る組成の比較的わずかな調整を実証し得る。以下の組成は、UCST相変化によって形成される液体の最下層および最上層(または中間層または他の層または相)のサイズおよび組成を調整する能力も実証し得る。以下の組成のうちのいくつかは、非毒性、不揮発性、またはほぼ不揮発性の化学物質(例えば、水蒸気)のみを含む調節可能なUCST組成物も実証し得る。以下の組成のうちのいくつかは、非腐食性または低腐食性試薬のみを含む調節可能なUCST組成物も実証し得る。以下の組成のうちのいくつかは、イオン性化合物を含まないか、またはイオン性化合物の存在が限定された調節可能なUCST組成物も実証し得る。
【0191】
UCST系中でUCST温度未満で生じ得る1つ以上の相が1つ以上の他の相と比較して異なる密度を有し得ることに留意することが重要である。結果として、1つ以上の相は、各層が濃縮されているか、または液相を含む液体「層」を形成し得る。
【0192】
注記:例えば、塩化ナトリウム、重炭酸カリウム、炭酸カリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硫酸アンモニウムを含み得るが、これらに限定されないほとんどのイオン性化合物の存在により、例えば、ポリプロピレングリコールまたはポリエチレングリコールまたはポリエチレングリコールジメチルエーテルを含む水性系中でUCST雲点温度が上昇する。例えば、ポリプロピレングリコールを含む水性系中では、雲点温度は、グリセロール濃度の増加に伴って上昇し得る。例えば、ポリプロピレングリコールを含む水性系中では、雲点温度は、プロピレングリコール濃度の増加に伴って低下し得る。
【表9】

【表10】

【表11】

【表12】

【表13】
【0193】
組成5は、比較的低い濃度の硫酸アンモニウム(例えば、0.25重量%)の存在が組成4と比較して液体系のUCST雲点温度を増加させることを示し得る。
【表14】
【0194】
組成6は、比較的低い濃度のグリセロール(例えば、1.9重量%)の存在が組成4と比較して液体系のUCST雲点温度を増加させることを示し得る。
【表15】
【0195】
組成7は、比較的低い濃度のプロピレングリコール(例えば、2.2重量%)の存在が組成4と比較して液体系のUCST雲点温度を低下させ得ることを示す。
【0196】
LCST雲点温度および雲点温度調整または調節および比較的低い粘度を有する試薬組成物の例:
以下の組成は、液体系の雲点温度またはLCSTを調整するために用いられ得る組成の比較的わずかな調整も実証し得る。以下の組成は、LCST相変化によって形成される液体の最下層および最上層(または中間層または他の層または相)のサイズおよび組成を調整する能力も実証する。以下の組成のうちのいくつかは、非毒性、不揮発性またはほぼ不揮発性の化学物質(例えば、水蒸気)のみを含む調節可能なLCST組成物も実証し得る。以下の組成のうちのいくつかは、非腐食性または低腐食性試薬のみを含む調節可能なLCST組成物も実証し得る。以下の組成のうちのいくつかは、イオン性化合物を含まないか、またはイオン性化合物の存在が限定された完全に調節可能なLCST組成物も実証する。
【0197】
LCST系中でLCST温度未満で生じ得る1つ以上の相が1つ以上の他の相と比較して異なる密度を有し得ることに留意することが重要である。結果として、1つ以上の相は、各層が濃縮されているか、または液相を含む液体「層」を形成し得る。
【0198】
注記:例えば、塩化ナトリウム、重炭酸カリウム、炭酸カリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硫酸アンモニウムを含むが、これらに限定されないほとんどのイオン性化合物の存在により、例えば、ポリプロピレングリコールまたはポリエチレングリコールまたはポリエチレングリコールジメチルエーテルを含む水性系中でLCST雲点温度が低下する。例えば、ポリプロピレングリコールを含む水性系中では、雲点温度は、グリセロール濃度の増加に伴って低下し得る。例えば、ポリプロピレングリコールを含む水性系中では、雲点温度は、プロピレングリコール濃度の増加に伴って上昇し得る。
【表16】

【表17】
【0199】
組成9は、塩化ナトリウムの濃度を増加させることにより、組成8と比較して液体系の雲点温度が低下することを示し得る。
【表18】

【表19】

【表20】

【表21】
【0200】
組成例13は、PPG 425+炭酸プロピレン+水+塩の溶液が、例えば組成5とは異なる相対濃度の試薬でUCSTの有無にかかわらずLCST系を形成し得ることを示し得る。
【0201】
比較的低い粘度のUCST試薬を使用した冷熱または温熱の吸収または伝達
概要(図13):図13は、比較的低い粘度の上限臨界溶液温度(UCST)相変化液体溶液を液液分離とともに使用した高効率冷却伝達のための実施形態を示し得る。
【0202】
図13の第1のステップは、単一液相溶液(L-1)をそのUCST未満に冷却することを含み得、多液相混合物(LL-1)中で2つ以上の液相に相転移し得る。当該相転移は、発熱性であり得、加熱を必要とする1つ以上のアプリケーション、または1つ以上の冷却源、または蒸発冷却、または1つ以上のヒートシンク、またはそれらの組み合わせに熱を放出し得る。
【0203】
液液相変化は、例えば従来の比熱のみで駆動される冷却剤と比較して、単位質量の溶媒の冷却または加熱能力を著しく向上させ得る。図17および図20の場合、冷却能力の当該著しい向上は、既存のまたは従来の熱伝達システム回路図(ドロップイン熱伝達流体)で達成され得る。図13の場合、液液分離および別個の液体輸送(次の段落でさらに説明される)により、より長い距離にわたる、またはより低コストの低断熱管を使用した、またはより低コストの非断熱管を使用した、または同様の冷却能力を達成しながらより小さい液体体積での、またはそれらの組み合わせでの冷却伝達が可能になり得る。冷却が、例えば、液液相転移の潜熱の存在により、著しくより小さい温度スイングまたはデルタTで伝達され得るため、液相転移により、「冷たい」入力冷却剤と「熱い」出力冷却剤との間(または加熱の場合はその逆)の必要な温度差も減少し得る。
【0204】
二液相以上の溶液(LL-1)は、1つ以上の液液分離デバイス(LLS-1)を使用して、各々LL-1中の液相のうちの1つを少なくとも部分的に含み得る2つ以上の別個の液体流(L-2およびL-3)に分離され得る。図13では、輸送中の液相間の接触を防ぐために、別個の液体流が「別個に」輸送され得る。液体流の温度のうちの1つ以上が液体系のUCSTにまたはそれ超に上昇した場合、これらの別個の液体流は、それらが輸送中に分離し得るため、互いに溶解しない場合がある。輸送中の2つの別個の液体流の温度にかかわらず、2つの別個の液体流は、別個の液体流を組み合わせられた液体のUCSTでまたはそれ超で組み合わせたときに熱を吸収し得、これは、1つ以上の冷却を必要とするアプリケーションで生じ得る。結果として、分離された液相が「無限遠の」または著しくより長い距離にわたって輸送され得、冷却を必要とするアプリケーションに到達すると冷却を供給することができる。この実施形態は、1つ以上の冷却アプリケーション熱交換器に入る前に2つ以上の液相を混合し得るか、または1つ以上の冷却アプリケーション熱交換器は、液相を組み合わせるまたは混合するための装置として独立して機能し得る。
【0205】
概要(図16):図16は、1つ以上のUCST相変化および/または液液分離を使用して温熱源から加熱を必要とするアプリケーションに熱を伝達するための実施形態を示し得る。
【0206】
本実施形態は、例えば、システム条件の変化、経済状態の変化、システム周囲の変化、気象条件の変化、経済的理由、または他の理由、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない理由により、熱伝達システムとして機能する冷却伝達システムを含み得る。
【0207】
本明細書に記載の加熱または冷却伝達のためのシステムは、冷却または熱伝達の両方に可逆的に適用され得る。
【0208】
あるいは、本実施形態は、液相のうちの1つ以上が温熱源で有用な用途を有する場合に用いられ得る。例えば、本実施形態は、冷却も温熱源で所望される場合に用いられ得る。例えば、本実施形態は、例えば、2つ以上の液相が別個の貯蔵容器内に貯蔵され、必要に応じて冷却または有用な作動力(work)を提供するために後に混合され得る、温熱源(例えば、発電所または工場用地を含むが、これらに限定されない)に「冷熱」貯蔵を提供するための手段として用いられ得る。
【0209】
例えば、本実施形態は、例えば、2つ以上の液相が半透性膜または圧力遅延浸透システムの存在下で混合され得、例えば、1つ以上の相がドロー溶液として機能することができ、1つ以上の液相が供給溶液として機能することができる、浸透熱機関の基盤として用いられ得る。浸透熱機関は、有用な作動力を発生させ得る。例えば、当該浸透熱機関は、例えば、冷却されている間にも、温熱源が電力または追加の電力または他の形態の有用な作動力を発生させることを可能にし得る。
【0210】
概要(図17):図17は、比較的低い粘度の上限臨界溶液温度(UCST)相変化液体を使用した高効率冷却伝達のための実施形態を示し得る。本実施形態は、相変化から生じた液相を多液相混合物として少なくとも部分的に輸送することができる。
【0211】
本実施形態は、1つ以上の液相の1つ以上のUCST相転移の潜熱および/または比熱容量で冷却を伝達することができる。本実施形態は、例えば先行技術の比熱によって駆動される冷熱伝達システムと比較して、例えば、1.1~6倍高い、または2~15倍高い、または1~50倍高い、またはそれらの組み合わせの液体単位あたりの冷却伝達を可能にし得る。さらに、「冷たい」冷却剤入力と「熱い」冷却剤出力との間に必要な温度差は、例であって限定されない、冷却剤液体系の雲点温度でまたはその付近で冷却能力が潜在的に1~100倍高くなるという理由のため、先行技術の比熱容量冷却剤と比較して減少し得る。これにより、冷却時に必要なエネルギー消費が、例であって限定されない、ヒートポンプ(ヒートポンプはより小さい温度差でより高い性能係数を有し得る)で必要な冷却もしくは加熱温度差を減少させることによって、著しく減少し得るか、または周囲冷却もしくは加熱源のより一層の使用が可能になり得るか、またはそれらの組み合わせであり得る。
【0212】
本明細書に記載のUCST液体系/組成物の少なくとも一部は、先行技術の比熱冷却剤を使用するように設計され得、かつ当該先行技術の比熱冷却剤の直接冷却剤の代替として用いられ得る加熱および冷却伝達システムで用いられ得る。本明細書に記載され、かつ図17に適用可能なUCST組成物のうちの1つ以上は、所望の場合、非腐食性および/または「無塩」であり得る。UCST組成物は、比熱冷却剤と同様の、それと同じ、またはそれよりも低い粘度を含み得る。UCST組成物は、主に非毒性の不揮発性試薬を含み得、低コストの商品由来の試薬または商品試薬を部分的にまたは全体的に含み得る。
【0213】
図17および他の本明細書に記載の実施形態では、蒸発冷却が用いられ得る。例えば、UCSTまたはLCST液体系中の1つ以上の試薬は水を含み得、所望の場合、他の試薬は不揮発性であり得、所望の場合、分解、酸化、または腐食、またはそれらの組み合わせに対して少なくとも部分的に耐性を示し得る。冷却相変化(例えば、より少ない液相もしくは1つの液相からの2つ以上の液相の形成、または2つ以上の液相からのより少ない液相もしくは1つの液相の形成)が蒸発冷却中に起こり得るか、または1つ以上の相が蒸発冷却を使用してさらに冷却され得るか、またはそれらの組み合わせであり得る。蒸発冷却は、例えば、空気等のガス流への水蒸気の蒸発を含み得、かつ/または所望の場合、1つ以上の液相を液体の「湿球温度」にまたはそれ付近に冷却することを含み得る。水または他の試薬は、例えば蒸発冷却中の水または他の損失を補充するための補充流として添加され得る。1つ以上のUCSTまたはLCST中の相転移の潜熱により、蒸発が促進され得る。
【0214】
図17および他の実施形態は、例えば、液体が比較的短い距離にわたって輸送される場合、または温度変化もしくは損失が最小限であるか、または必然ではない場合、または複雑さを軽減する場合、または既存のインフラストラクチャとの互換性を向上させる場合を含むが、これらに限定されない、それらのうちの1つ以上または組み合わせの場合に、多液相分離デバイスを欠き得る。例えば、1つ以上の多液相分離デバイスの欠如により、UCSTまたはLCST試薬が「ドロップイン」になること、または先行技術の比熱冷却剤もしくは熱伝達流体用に設計され得るインフラストラクチャ内で用いられることが可能になり得る。本明細書における他の実施形態は、「ドロップイン」または改造可能なスキーム、試薬、または技術である。
【0215】
図13は、冷却を長距離にわたって輸送する際に、または著しい温度変動を経る際により望ましくあり得る。例えば、冷却試薬が比較的「熱い」領域を通って輸送され、その後、冷却領域に入る場合、図13では、試薬は、2つ以上の液相が、当該例示の「熱い」領域を通過している間に互いに溶解することができない場合があるため、相転移のそれらの潜熱を少なくとも部分的に保持することができ、これは、所望の場合、液体輸送中の少なくとも一部で流体接触していない場合があるためである。
【0216】
概要(図20):図20は、UCST相転移を伴う溶液を使用して熱を伝達するための実施形態を示し得る。図20は、相変化流体を多液相混合物として輸送することができる。
【0217】
本実施形態は、1つ以上のUCST相変化の潜熱で、所望の場合、1つ以上の液相の比熱で、熱を伝達することができる。本実施形態は、例えば先行技術の比熱によって駆動される熱伝達システムと比較して、例えば、1.1~6倍高い、または2~15倍高い、または1~50倍高い、またはそれらの組み合わせの液体単位あたりの加熱伝達を可能にし得る。さらに、「熱い」熱伝達流体入力と「冷たい」熱伝達流体出力との間に必要な温度差は、例であって限定されない、熱伝達流体液体系の雲点温度でまたはその付近で熱伝達能力が潜在的に1~100倍高くなるという理由のため、先行技術の比熱容量熱伝達流体と比較して減少し得る。これにより、加熱時に必要なエネルギー消費が、例であって限定されない、ヒートポンプ(ヒートポンプはより小さい温度差でより高い性能係数を有し得る)で必要な加熱もしくは冷却温度差を減少させることによって、著しく減少し得るか、または周囲もしくは廃棄物冷却もしくは加熱源のより一層の使用が可能になり得るか、またはそれらの組み合わせであり得る。
【0218】
単一液体混合物としても、本明細書に記載の1つ以上の液体系のUCSTまたはLCST相転移により、より長い距離にわたって、またはより低コストで、またはより低断熱の配管を用いて、または熱伝達能力で、またはより少ない液体体積で、またはそれらの組み合わせで、加熱または冷却またはより低品位の温熱またはより低品位の冷熱の伝達が可能になり得、現在非経済的なまたはより費用のかかる温熱または冷熱輸送提案を経済的なものまたは実現可能なものまたはそれらの両方にすることができる。多相液体混合物は、例えば、液体系が、例えば1つ以上の相転移の潜熱(例えば、溶解または曇化)により輸送中に周囲から加熱または冷却を吸収するため、温熱または冷熱輸送中に例えば温度バッファとして機能し得る。例えば、液体系は、周囲環境への温熱もしくは冷熱損失または輸送中に受けた他の加熱もしくは冷却にもかかわらず、冷却または加熱入力源の温度と同様のまたはその付近の温度またはそれよりも低い温度で加熱または冷却を必要とするシステムに到達し得る。
【表22】

【表23】
【0219】
段階的な説明(図13):
1)2つ以上の液相へのUCST相変化によって増強された、またはそれを用いた、冷熱源からの冷却「吸収」またはヒートシンクへの熱「放出」:比較的温かい組み合わせられた溶液(L-1)(単一液相を含み得る)が1つ以上のヒートシンク熱交換器内で冷却され得、ここで、これが、1つ以上の冷熱源または加熱を必要とするアプリケーションとの熱交換により冷却され得るか、または蒸発冷却を受けるか、またはそれらの組み合わせである(HE-1)。冷却中、単一液相が1つ以上の雲点温度にまたはそれ未満に冷却され得、これにより、混合物(LL-1)中に2つ以上の液相の形成がもたらされ得る。
2)二液相液液分離および別個の輸送:LL-1が1つ以上の多液相分離デバイス(LLS-1)を使用して少なくとも部分的に分離され得、これにより、別個の液相(L-2およびL-3)を各々含み得る2つ以上の別個の液体流がもたらされ得る。当該別個の液体流(L-2およびL-3)が1つ以上の冷却を必要とするアプリケーションに別個に輸送され得、ここで、例えば、2つの液相(例えば、別個の管または液体チャネル)間に流体接触がほとんどまたは全く存在し得ないか、または当該液体流が独立して輸送され得るか、またはそれらの組み合わせであり得る。
3)別個の液相の組み合わせられた混合物への組み合わせまたは混合:当該別個の液体流(L-2およびL-3)が、1つ以上の冷却を必要とするアプリケーション熱交換器の前、または冷却を必要とするアプリケーション熱交換器のうちの1つ以上の内部もしくはその間のいずれかで組み合わせまたは混合され得る。当該液体は、液体流統合弁、静的ミキサー、連続ミキサー、または当該技術分野で既知の他の液体組み合わせもしくは混合デバイス、またはそれらの組み合わせを使用して組み合わせまたは混合され得る。混合時に、例えば、別個のまたは独立した液体(L-2およびL-3)の温度に応じて、当該流れが溶解し得、当該溶解は吸熱性であり得る。当該溶解により、例であって限定されない、元来別個の液相(L-4)、組み合わせられた多液相混合物(LL-2)中の別個の液相、またはそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む組み合わせられた単相液体流がもたらされ得る。別個の液相の一部または全てが著しい外部温熱入力なしで混合したときに互いに溶解する場合、組み合わせられた液相の温度は、組み合わせまたは混合前の別個の液相の温度よりも低い場合がある。
4)液相の溶解を用い得る冷却「放出」または熱「吸収」:L-4またはLL-2またはそれらの組み合わせが1つ以上の「冷却アプリケーション熱交換器」に移送され得、ここで、当該1つ以上の流れが1つ以上の冷却を必要とするアプリケーションと熱交換(HE-2)され得、さらなる溶解相転移を受け得る。結果として生じた液体流は、互いに溶解された2つ以上の液相の少なくとも一部または単一の組み合わせられた溶液(L-1)を含み得る。
【0220】
段階的な説明(図16):
1)2つ以上の液相へのUCST相変化によって増強された、またはそれを用いた、加熱を必要とするアプリケーションへの熱「放出」:比較的温かい組み合わせられた単一液相溶液(L-1)が加熱を必要とする1つ以上のアプリケーションと熱交換(HE-1)され得る。1つ以上の加熱アプリケーション熱交換器への熱放出中、単一液相が1つ以上のUCST雲点温度にまたはそれ未満に冷却され得、これにより、混合物(LL-1)中に2つ以上の液相の形成がもたらされ得る。
2)二液相液液分離および別個の輸送:LL-1が1つ以上の液液分離デバイス(LLS-1)を使用して分離され得、これにより、少なくとも部分的に分離された液相(L-2およびL-3)を各々含み得る2つ以上の少なくとも部分的に別個の液体流がもたらされ得る。当該別個の液体流(L-2およびL-3)が1つ以上の温熱入力源に別個に輸送され得、ここで、例えば、輸送中の少なくとも一部で2つ以上の液相(例えば、別個の管または液体チャネル)間に流体接触がほとんどまたは全く存在し得ないか、または液相が独立して輸送され得るか、またはそれらの組み合わせであり得る。
3)別個の液相の組み合わせられた混合物への組み合わせまたは混合:L-2およびL-3が、1つ以上の温熱入力源または温熱入力源熱交換器の前、または温熱入力熱交換器のうちの1つ以上の内部またはその間のいずれかで組み合わせまたは混合され得る。液体は、液体流統合弁、静的ミキサー、連続ミキサー、または当該技術分野で既知の他の液体組み合わせもしくは混合デバイス、またはそれらの組み合わせを使用して組み合わせまたは混合され得る。混合時に、例えば、別個のまたは独立した液体(L-2およびL-3)の温度に応じて、液相のいずれも互いに溶解し得ないか、液相の一部または全てが互いに溶解し得る。結果として生じた液体流は、例であって限定されない、元来別個の液相(L-4)、組み合わせられた混合物(LL-2)中の別個の液相、またはそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む組み合わせられた単相液体流であり得る。別個の液相の一部または全てが著しい外部温熱入力なしで混合したときに互いに溶解する場合、組み合わせられた液相の温度は、組み合わせまたは混合前の別個の液相の温度よりも低い場合がある。
4)液相の溶解によって増強された、またはそれを用いた、冷却「放出」または熱「吸収」:L-4またはLL-2またはそれらの組み合わせが1つ以上の「温熱入力熱交換器」に移送され得、ここで、L-4またはLL-2が1つ以上の温熱源または冷却を必要とするアプリケーションと熱交換(HE-2)され得る。結果として生じた液体流は、互いに溶解された2つ以上の液相の少なくとも一部、または2つ以上の以前は別個の液体流(L-1)を含む単一の組み合わせられた溶解溶液、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0221】
段階的な説明(図17):
1)2つ以上の液相へのUCST相変化を用いた冷熱源からの冷却「吸収」またはヒートシンクへの熱「放出」:比較的温かい組み合わせられた溶液(L-1)(単一液相を含み得る)が1つ以上のヒートシンク熱交換器内で冷却され得、ここで、L-1が冷熱源との熱交換により冷却され得るか、またはL-1が蒸発冷却を受けるか、またはそれらの組み合わせ(HE-1)であり得る。L-1が1つ以上の雲点温度にまたはそれ未満に冷却され得、これにより、多液相混合物(LL-1)への相転移がもたらされ得る。
2)例えばUCSTでのまたはそれ超での液相の溶解を用いた冷却「放出」または熱「吸収」:LL-1または組み合わせられた単一液相溶液またはそれらの組み合わせが1つ以上の「冷却アプリケーション熱交換器」に移送され得、ここで、当該流体流が1つ以上の冷却を必要とするアプリケーションと熱交換(HE-2)され得る。結果として生じた液体流は、互いに溶解された2つ以上の液相の少なくとも一部、または2つ以上の以前は別個の液体流(L-1)を含み得る単一の組み合わせられた溶液、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0222】
段階的な説明(図20):
1)2つ以上の液相へのUCST相変化を用いた加熱を必要とするアプリケーションへの熱「放出」:比較的温かい組み合わせられた溶液(L-1)(単一液相を含み得る)が加熱を必要とする1つ以上のアプリケーションと熱交換(HE-1)され得る。例えば、1つ以上の加熱アプリケーション熱交換器への熱放出中、L-1が1つ以上のUCST雲点温度にまたはそれ未満に冷却され得、これにより、2つ以上の液相(LL-1)への相転移がもたらされ得る。
2)液相の溶解を用いた冷却「放出」または熱「吸収」:LL-1またはそれらの組み合わせが1つ以上の「温熱入力熱交換器」に移送され得る、ここで、当該流体流が1つ以上の温熱源または冷却を必要とするアプリケーションと熱交換(HE-2)され得る。結果として生じた液体流は、互いに溶解された2つ以上の液相の少なくとも一部、または単一の組み合わせられた溶解溶液(L-1)、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0223】
用途例1:海洋または水温躍層水体冷却システム
背景:先行技術では、海洋または他の深層水域の水温躍層から冷熱を回収するための方法は、比熱冷却剤を用いるか、または水体の底から表面に直接水(比熱冷却剤でもあり得る)をポンピングする。先行技術の採用を妨げる最大の問題は、以下のとおりである。
1)比較的長い距離にわたる比較的温かい水を通る「高深度」から表面への「冷熱」の伝達による「冷熱」の損失
2)十分な「冷熱」伝達(低熱伝達容量)を提供するために大量の液体をポンピングする必要性
3)例えば、例えば課題1の影響を軽減するための断熱管、および課題2の制限を少なくとも部分的に打開するのに必要とされ得る大直径管、大型ポンプ、かなりの電気消費、防汚剤、またはそれらの組み合わせを含む、インフラストラクチャに関連する高CAPEXおよびOPEX
【0224】
上記の課題のため、深層水域からの冷却伝達は、一般に、深層水が海岸に近い地域(例えば、ハワイ)、または冷水がより浅い深さにある地域、または冷水が海岸に近い地域に限定される。これにより、冷却に関連したエネルギー消費を削減するか、または熱機関の効率を向上させるか、または熱機関を作り出すか、またはそれらの組み合わせのために冷却源の手段として水体水温躍層を利用する著しい潜在能力がもたらされる。加えて、効率を向上させるか、または性能を改善するか、または運営費を削減するか、または冷水体または他の冷熱源からの冷熱伝達のための既存のシステムの資本コストを削減する大きな機会が存在する。
【0225】
概要(図21A):図21Aは、例えばUCST冷却雲点液相転移(低粘度の液体系組成作動流体を含み得る)、その後、例えば多液相分離を使用して、水体からのまたは水温躍層液体もしくは水体の深さからの「冷たい」温度を効果的に伝達または利用するためのシステムおよび方法を示し得る。本明細書に記載のシステム、方法、および試薬は、周囲の水への冷却温度損失とは無関係に、またはその影響をあまり受けることなく、水体または水温躍層の深さから利用可能な冷却または冷却の少なくとも一部を伝達することができる場合がある。この前例のない能力は、本明細書に開示される低粘度で低コストの雲点温度調節可能なUCST試薬によって可能になり得る。
【0226】
加えて、本明細書に記載のシステム、方法、および試薬は、冷熱輸送中の断熱配管の必要性を提言または排除し得る。例であって限定されない、UCSTまたはLCST相転移の潜熱により、熱輸送能力が潜在的に高くなるため、伝達される冷却の単位あたりの必要な液体体積は、先行技術の比熱ベースの冷却剤または直接揚水と比較して著しく少なくなり得る。本明細書に記載の試薬は、非毒性であり得、例えば漏出の場合、環境にほとんどまたは完全に無害であり得る。
【0227】
比較的「温かい」組み合わせられた単一液相溶液「作動流体」(L-1)は、例えば水体の表面下の1つ以上の管内に移送され、周囲の水の温度が液体系の1つ以上のUCSTであるか、またはそれ未満である少なくとも水体の深さに移送され得る。1つ以上の管は、周囲の水体への熱伝達を可能にするために、部分的に「非断熱」または熱伝導性であり得る。1つ以上のUCST相転移は、例えば少なくとも部分的に起こり得、これは、液体系作動流体の所望の深さへの輸送中に起こり得、これにより、水体の比較的「冷たい」領域内での追加の熱交換器装置(複数可)の必要性が低減または阻止され得る。当該1つ以上のUCST相転移は、多液相混合物(LL-1)の形成を含み得、これは、例えば1つ以上の液液分離デバイス(LLS-1)を使用して、所望の場合および/または少なくとも部分的に、その構成液相に分離され得る。少なくとも部分的に分離された液相は各々、別個の液体流(L-2およびL-3)を含み得る。
【0228】
液液分離デバイスが、例えば、液体物体または水体の深さに位置した状態で、液体分離法の信頼性が高く、例えあったとしても最低限の維持管理しか必要としないことが望ましくあり得る。可動部品および/または電子部品、例えば、ポンプが、液体物体の表面付近に、その表面に、またはその表面の上方に位置することが望ましくあり得る。液液分離デバイスは、デカンター、コアレッサ、フィルター、遠心分離機、サイクロン、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、それらのうちの1つ以上または組み合わせを含み得る。多液相分離デバイスが、水力学的、電気的、非電気的、または受動的可動部品を含むが、これらに限定されない可動部品を含むことが望ましくあり得る。例えば、多液体分離デバイス(複数可)が水体または液体物体の表面下に位置し得るため、当該デバイス(複数可)が維持管理をほとんど必要とせず、かつ/または最小限の機械的可動部品しか必要としないことが望ましくあり得る。構成材料は、望ましくは、耐食性または非腐食性であり得る。例えば、配管および液液分離デバイス(所望の場合)は、ポリマーまたは複合体、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、PVC、フッ化炭素プラスチック、シリコーンプラスチック、ステンレス鋼、耐食アルミニウム、耐食合金、複合体、またはセラミックを含むが、これらに限定されない、それらのうちの1つ以上または組み合わせから作製され得る。
【0229】
L-2およびL-3は、例えば、流体輸送中の少なくとも一部または全てで、別個のチャネルまたは別個の管内に輸送され得る。別個の作動流体流は、例えば、水体の水温躍層により、水体の表面への輸送を通じて加熱し得る。作動流体が分離しており、それらが別個の液体流であり得るため、それらは、輸送中に互いに溶解しない場合がある。
【0230】
2つ以上の別個の液体系作動流体が1つ以上の冷却を必要とするアプリケーションまたは1つ以上の冷却を必要とするアプリケーション熱交換器(HE-2)に接近または到達すると、2つ以上の別個の液体系作動流体(L-2およびL-3)が組み合わせまたは混合され得、冷却を必要とするアプリケーション(複数可)または冷却エンタルピー源と熱交換され得る。組み合わせられた液相の溶解は、作動流体のUCST温度(複数可)でのまたはそれ超での吸熱溶解により、熱吸収または温度低下またはそれらの両方をもたらし得る。
【0231】
概要(図21B):図21Bを含む図21は、低粘度UCST試薬を使用して水温躍層水体の底から冷温をより効果的に輸送するためのシステムおよび方法を示し得る。本実施形態は、熱伝達作動流体の単位質量あたりの冷却輸送能力の著しい向上、または例えば、周囲環境または水体または液体物体への例えば輸送中の「冷熱」損失にもかかわらず、熱伝達作動流体が「冷熱源」温度に近いまたはそれと同等の温度で表面に到達することを含むが、これらに限定されない、それらのうちの1つ以上または組み合わせを可能にし得る。
【0232】
本実施形態は、「温かい」液体流を表面よりも下の深さに輸送することを含み得、ここで、それが周囲の比較的冷たい温度によって冷却され得、表面に輸送されて、例えば、当該より冷たい温度を、冷却を必要とするアプリケーションに伝達することができる。この技術により、単一液相溶液からUCST相転移時に2つ以上の液相溶液が形成され得、これは、例えば、UCST温度またはそれ未満での水体の表面下での冷却および相転移から周囲の水体に放出された潜熱の熱交換に起因し、これにより、多液相混合物がもたらされ得る。当該多液相混合物は、組み合わせられた混合物として表面に輸送され得る。液体流が表面に輸送されると、周囲の水の温度は、例えば、水体の水温躍層により上昇し得る。周囲の水体の温度は、多液相混合物の液体系UCST温度を超えて上昇し得る。熱は、2つ以上の液相を輸送する管に浸透し得る。比熱のみに依存する作動流体とは異なり、2つ以上の液相は、例えば、吸熱溶解により、この熱浸透の少なくとも一部を吸収することができ、これにより、温熱入力にもかかわらず、作動流体が「冷」温またはそれと同じもしくは同様のまたはそれに近い温度に留まることが可能になり得る。温熱入力または周囲への冷却損失は、例えば、液体系が吸熱溶解の潜熱を完全に消費するのに十分な温熱入力と交換するまで、液体系の1つ以上のUCST温度でまたはその付近で緩衝され得る。
【0233】
液体が著しい深さまたは著しく異なる高度で輸送される場合、周囲の流体に対する流体の密度は、その周囲に対する流体の圧力に影響を及ぼし得る。資本コストを最小限に抑えるために、流体の圧力は、著しい圧力差が当該圧力差に強靭なインフラストラクチャを必要とし得るため、望ましくは、その周囲の圧力と同様であり得る。圧力差は、例えば周囲の海水または水体または液体物体の密度と同様の密度を有する作動流体を用いることによって最小限に抑えられ得る。幸いにも、本明細書に記載の低粘度UCSTおよびLCST液体系の多くは、海水または淡水の密度と同じ、それと同様の、またはそれに比較的近い密度を有し得る。一般に液体物体の場合、UCSTまたはLCST液体系の組成は、所望の場合、より近い密度の作動流体を作製して、例えば、例えば高深度での圧力差を最小限に抑えるように調整され得る。
【0234】
概要(図21C):図21Bおよび図21C等の図21は、LCSTまたはUCST試薬を使用して水温躍層水体の底から冷温を輸送するためのシステムおよび方法を示し得る。本実施形態は、液体系作動流体の単位質量あたりの冷却輸送能力の著しい向上または例えば、周囲環境への「冷熱」損失にもかかわらず、液体系が「冷熱源」温度に近いまたはそれと同等の温度で表面に到達することを含むが、これらに限定されない、それらのうちの1つ以上または組み合わせを可能にし得る。
【0235】
本実施形態は、「温かい」多液相流を液体物体の表面よりも下の深さに輸送することを含み得、ここで、当該流が1つ以上のLCST未満の周囲の比較的冷たい温度によって冷却され得、これにより、発熱溶解相転移がもたらされ得、これにより、単一液相の組み合わせられた溶液が形成され得る。当該単一液相の組み合わせられた溶液流が表面に輸送されて、例えば、1つ以上の冷却を必要とするアプリケーションから熱を吸収することができる。液体流が表面に輸送されると、周囲の水の温度は、例えば、水体の水温躍層により上昇し得る。周囲の水体の温度は、組み合わせられた単一液相溶液のLCST温度を超えて上昇し得る。熱は、LCST作動流体を輸送する管に浸透し得る。比熱のみに依存する作動流体とは異なり、LCST作動流体は、多液相混合物への吸熱相転移によりこの温熱入力の少なくとも一部を吸収し得、これにより、例えば、熱侵にもかかわらず、作動流体が「冷」温またはそれと同じもしくは同様のまたはそれに近い温度に留まることが可能になり得る。温熱入力または周囲への冷却損失は、作動流体が吸熱相変化を完全に消費するのに十分な温熱入力と交換するまで、作動流体の1つ以上のLCST温度でまたはその付近で緩衝され得る。表面への到達時に作動流体相変化が完全に消費された(例えば、溶液の構成成分の全てまたはほとんどが完全な吸熱相変化を経ている)場合、作動流体は、冷却アプリケーションとの熱交換中、比熱作動流体として機能し得る。吸熱LCSTまたはUCST相変化により、表面への到達時に比熱作動流体として用いられたとしても、作動流体が、比熱作動流体としてのみ機能する作動流体を用いた実施形態と比較してより低い温度の比熱作動流体になることが可能になり得る。
【表24】

駆動力:
・2つ以上の別個の液体流として液相を輸送することにより、UCST相変化の潜熱が保持される。作動流体は、冷熱を輸送している間、「無限遠の」または指数関数的により長い距離にわたって輸送され得る。輸送中に2つ以上の液相がそれらのUCST温度を超える温度に達した場合、それらは、別個の液体流として互いに溶解しない場合がある。これにより、輸送中に1つ以上のUCST作動流体相が受ける温度または温熱入力または温熱損失とは無関係に、UCST相変化の潜熱の少なくとも一部が保持されることが可能になり得る。
・UCSTまたはLCST相変化の潜熱は、例えば、完全なUCSTまたはLCST試薬混合物が一緒に流体接触した状態で輸送される場合、温度バッファとして機能し得る。例えば、試薬は、例えば、それらのLCSTまたはUCST温度でまたはその付近での吸熱相変化により侵入した熱を吸収し、これにより、比熱のみの試薬と比較して温度上昇が低減または排除され得る。
・システムおよび方法は、例えば、図9Bおよび9Cにおける、改造または作動流体代替技術として設定され得る。本実施形態は、例えば、比熱作動流体との既存の熱交換ループと比較してインフラストラクチャ変化を必要としないか、または例えあったとしても最低限のインフラストラクチャ変化しか必要としない場合がある。
・低断熱管または非断熱管がいくつかの実施形態で必要とされ得、これにより、CAPEXが削減され得る。
・試薬は、比熱のみの作動流体と比較してより高いまたは著しくより高い冷却貯蔵能力を有し得る。
同じ量の冷却能力で著しくより少ない液体体積流量を可能にし得る。
例えば、より小径の配管、より低コストの材料、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、より低いCAPEXを可能にし得る。
【0236】
用途例2:地域冷却
地域冷却または加熱は、1つ以上の集中型冷却または加熱源から冷却または加熱を必要とする複数のアプリケーションの冷却または加熱を提供することを含み得る。
【0237】
先行技術の背景または問題:例えば、地域冷却または地域加熱またはそれらの組み合わせのネットワークの最大の制限は、1)加熱または冷却の輸送中の温熱または冷熱損失、および2)加熱または冷却伝達の単位あたりの循環に必要な大量の流体を含み得る。少なくとも部分的に「1)」により、それらの関連加熱および冷却源を出る加熱または冷却作動流体の温度は、加熱または冷却を必要とする関連アプリケーション(複数可)に加熱または冷却を供給する際に、それぞれ、加熱または冷却作動流体の温度よりも著しく高く(地域加熱の場合)または著しく低く(地域冷却の場合地域冷却)なければならない。輸送損失を打開するために必要な出て行く熱伝達作動流体のより高いまたはより低い温度により、より高品位のより高価な加熱源または冷却源が必要になり得る。これらの損失が必要な作動流体輸送距離と正比例して増加するため、より長い距離にわたる加熱および冷却輸送は現在の地域加熱または冷却ネットワークには非経済的になる。加えて、発電所復水器水廃熱、冷水体、より高い高度での冷温、またはLNGの生成により利用可能な冷却、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、低品位加熱源および冷却源を用いる地域加熱および冷却ネットワークの能力は、加熱源または冷却源にごく近接したアプリケーションに限定される。
【0238】
溶液の例:本明細書に記載の組成物、システム、および方法は、著しくより低いCAPEXおよび/またはOPEXでの地域加熱ネットワークにおける加熱および冷却伝達を可能にする一方で、例であって限定されない、輸送中の加熱または冷却伝達作動流体の温度とは無関係の加熱または冷却の輸送も可能にし得、これにより、より長い距離にわたる地域温熱または冷熱輸送が可能になり得る。
【0239】
本明細書に記載の実施形態によって可能になり得る新たな地域冷却または加熱機会の例:
・源からより長い距離での、例えば電力発生および電力産業からの豊富な低品位廃熱からの地域加熱
・比較的「冷たい」水体、液体、固体、光、物質、またはそれらの組み合わせの物体からの地域冷却
・比較的「温かい」液体、固体、光、物質、またはそれらの組み合わせの物体からの地域加熱
・例えばより高い高度の冷却領域からの地域冷却
・冷却または加熱貯蔵フロー電池。液相が別個の槽内に貯蔵される。液相が混合されて、例えば、冷却または加熱アプリケーションでまたはその付近で、加熱または冷却を発生させ得る。
【0240】
本明細書に記載の実施形態を使用して既存のまたは将来の地域冷却または加熱ネットワークを著しく改善する機会の例:
・地域冷却をより効率的にする。
・伝達される冷熱の単位あたりの作動流体ポンピングがより少ない。
・冷却作動流体の「冷熱源」温度と「温熱」出力温度との間に必要な温度差がより小さく、例えば、ヒートポンプが用いられる場合、よりエネルギー効率の良い冷却が可能になる。
・蒸発冷却を用いたシステムと互換性がある。
・地域冷却または加熱ネットワークの拡大がより実現可能になり得る。
【0241】
本明細書に記載の実施形態を使用して既存の地域加熱ネットワークを著しく改善する機会の例:
・地域冷却をより効率的にする。
・伝達される冷熱の単位あたりの作動流体ポンピングがより少ない。
・冷却作動流体の「冷熱源」温度と「温熱」出力温度との間に必要な温度差がより小さく、例えば、ヒートポンプが用いられる場合、よりエネルギー効率の良い冷却が可能になる。
・実施形が低温廃熱源を部分的にまたは完全に動力源とすることを可能にする。
・蒸発冷却を用いたシステムと互換性がある。
用途例3:データセンターの冷却または加熱またはそれらの両方
用途例4:発電所復水器の冷却
利点の例:
・UCSTまたはLCST相変化液体は、例えば、冷却池または蒸発冷却システムの再循環を含み得るが、これらに限定されない、熱伝達流体として水の代わりに用いられ得る。
・熱伝達または冷却能力の単位あたりの液体体積または液体質量がより少ない。
・例えば、水が構成試薬である場合、UCSTまたはLCST相変化液体が用いられ得る。生じたエアロゾルまたは他の蒸気のさらなる処理が他の構成試薬の組成および蒸気圧に応じて必要とされ得る。
・冷却源が、冷却を必要とする発電所またはシステムからより離れた場所に位置し得る。
・冷却が過度に利用可能である場合に(例えば、冷温の夜間にまたは発電所が動作していないときに)貯蔵され得、それが必要なときにまたは比較的「冷たい」温度が利用不能である場合に、後に利用され得る。例えば、冷却が、UCST相変化から生じる液体系からの2つ以上の別個の液相として貯蔵され得、ここで、別個の液相が各々別個に貯蔵され得る。使用時に、2つ以上の別個の液相が混合され、例えば雲点温度を超える場合、冷却がもたらされ得る。
【0242】
用途例5:ドロップイン冷却剤または熱伝達液体
冷却剤および熱伝達液体には複数の用途が存在する。本明細書に記載のLCSTまたはUCST試薬は、現在用いられ得るか、または当該技術分野で既知の1つ以上の冷却または熱伝達用途に用いられ得る冷却剤または熱伝達液体の代わりに用いられ得る。例えば、電子機器冷却または高出力電子機器冷却では、水または水溶液等の比熱ベースの熱伝達液体が一般的な熱伝達流体である。本明細書で導入される1つ以上の低粘度LCSTまたはUCST試薬組成物を用いてこれらの比熱冷却剤に直接置き換えて、例であって限定されない、より少ないポンピングエネルギー必要量またはより高い熱伝達能力またはより高いエネルギー効率またはそれらの組み合わせを可能にすることができる。同様に、当該1つ以上の低粘度LCSTまたはUCST試薬組成物は、例えば、例であって限定されない、圧縮機冷却剤、食品および飲料冷却剤、自動車冷却剤、放射加熱熱伝達液体、バッテリー冷却剤、車両冷却剤、機関冷却剤、除氷面熱伝達液体、冷却面冷却剤、またはそれらの組み合わせとして用いられ得る。
【0243】
比較的低い粘度のLCST試薬を使用した冷熱または温熱の吸収または伝達
概要(図14):図14は、1つ以上のLCST相変化および/または液相分離を使用して熱を温熱源から加熱を必要とする1つ以上のアプリケーションに伝達するための実施形態を示し得る。
【0244】
本実施形態は、例えば、システム条件の変化、経済状態の変化、システム周囲の変化、気象条件の変化、経済的理由、または他の理由、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない理由により、冷熱伝達システムとして機能する熱伝達システムを含み得る。
【0245】
あるいは、本実施形態は、液相のうちの1つ以上が冷熱源またはヒートシンク/コールドシンクでまたはその付近で有用な用途を有する場合に用いられ得る。例えば、このスキームは、冷却も所望される場合に用いられ得る。例えば、このスキームは、加熱を必要とするアプリケーション(例えば、地域加熱または除氷システムを含むが、これらに限定されない)に「温熱」貯蔵を提供する手段としても用いられ得、ここで、例えば、2つ以上の液相が別個の貯蔵容器内に貯蔵され得、将来混合されて、必要に応じて冷却または有用な作動力を提供することができる。
【0246】
例えば、このスキームは、例えば、2つ以上の液相が半透性膜または圧力遅延浸透システムの存在下で混合され得、例えば、1つ以上の相がドロー溶液として機能し、1つ以上の液相が供給溶液として機能する、浸透熱機関またはエネルギー貯蔵デバイスの基盤として用いられ得る。浸透熱機関は、有用な作動力を発生させ得る。例えば、当該浸透熱機関は、例えば、加熱されている間にもまたはヒートシンクである間にも、冷熱入力源が電力または追加の電力または他の形態の有用な作動力を発生させることを可能にし得る。
【0247】
概要(図15):図15は、多液相混合物分離を用い得る、例えば、比較的低い粘度の下限臨界溶液温度(LCST)相変化液体溶液を使用した高効率熱伝達のための実施形態を示し得る。
【0248】
図15の第1のステップは、例えば、単一液相溶液(L-1)を1つ以上のLCSTでまたはそれ超で加熱することを含み得、これにより、多液相混合物(LL-1)への吸熱LCST相転移がもたらされ得る。液体系は、1つ以上のLCST相転移の潜熱により、所望の場合、1つ以上の液相の比熱により、熱を「吸収」または伝達し得る。
【0249】
LCSTまたはUCST相転移は、例えば先行技術の比熱のみによって駆動される熱伝達流体と比較して、単位質量の溶媒の加熱または熱伝達能力を向上させると同時に、例えばさらなる安全性リスクを伴うことなくまたは最低限の安全性リスクでCAPEXも潜在的に削減し得る。加熱または冷却能力の当該著しい向上は、例えば、従来の冷却回路図(ドロップイン技術)をさらに複雑にすることなく達成され得る。多液相分離および別個の液体輸送(次の段落でさらに説明される)により、より長い距離にわたる、またはより低コストの低断熱管を使用した、またはより低コストの非断熱管を使用した、または同様の加熱能力もしくは冷却能力を達成しながらより小さい液体体積での、またはそれらの組み合わせでの加熱伝達が可能になり得る。例えば、熱を輸送するために熱伝達流体比熱温度変化に完全に依存するのではなく、熱が、例えば、相変化の潜熱の存在により、著しくより小さい温度スイングで伝達され得るため、液液相変化により、「熱い」入力熱伝達流体と「冷たい」出力熱伝達流体との間の必要な温度差も減少し得る。
【0250】
二液相以上の溶液(LL-1)は、1つ以上の液液分離デバイス(LLS-1)を使用して、各々LL-1中の液相のうちの1つを少なくとも部分的に含み得る2つ以上の別個の液体流(L-2およびL-3)に分離され得る。当該別個の液体流は、例えば、輸送中の液相間の接触を防ぐために、「別個に」輸送され得る。輸送中に液体流のうちの1つ以上の温度が液体系の雲点温度にまたはそれ超に低下した場合、これらの別個の液相は、それらが例えば輸送中に分離し得るため、互いに溶解しない場合があり、輸送中にこれらの2つの別個の液体流間の液体接触が存在し得ないか、または最低限にしか存在し得ない。「加熱を必要とするアプリケーション」への到達時の2つの別個の液体流の温度にかかわらず、2つの別個の液体流は、別個の液体流を組み合わせられた液体のLCSTでまたはそれ未満で組み合わせたときに熱を放出し、加熱を提供し得る。結果として、分離された液相が「無限遠の」距離またはより長い距離にわたって輸送され得、例えば加熱を必要とする1つ以上のアプリケーションに相転移の潜熱からの熱の少なくとも一部を供給することができる。本実施形態は、1つ以上の加熱アプリケーション熱交換器に入る前に2つ以上の液相を混合し得るか、または1つ以上の加熱アプリケーション熱交換器は、液相を組み合わせるまたは混合するための装置として独立して機能し得るか、またはそれらの組み合わせであり得る。
【0251】
概要(図18):図20は、単一液体溶液を維持しながらLCST相変化を伴う溶液を使用して冷却を伝達するための実施形態を示し得る。
【0252】
本実施形態は、1つ以上のLCST相変化の潜熱で、所望の場合、1つ以上の液相の比熱で、冷却を伝達することができる。「冷たい」冷却剤入力と「熱い」冷却剤出力との間に必要な温度差は、例であって限定されない、雲点温度でまたはその付近で冷却能力が同等の比熱冷却剤の1~100倍に相当するという理由のため、比熱「冷却剤」と比較して著しく減少し得る。これにより、冷却時に必要なエネルギー消費が、例であって限定されない、ヒートポンプ(ヒートポンプはより小さい温度差でより高い性能係数を有し得る)で必要な加熱もしくは冷却温度差を減少させることによって、著しく減少し得るか、または周囲もしくは廃棄物冷却もしくは加熱源のより一層の使用が可能になり得るか、またはそれらの組み合わせであり得る。
【0253】
単一液体混合物としても、UCSTまたはLCST相変化により、より長い距離にわたって、またはより低コストで、またはより低断熱配管を用いて、またはそれらの組み合わせで、加熱もしくは冷却またはより低品位の温熱もしくはより低品位の冷熱伝達が可能になり得、現在非経済的なまたはより費用のかかる温熱または冷熱輸送提案を経済的なものまたは実現可能なものまたはそれらの両方にすることができ、既存のシステムをより経済的にすることができる。多相液体混合物は、例えば、液相が相変化(例えば、溶解または曇化)により輸送中に周囲から加熱または冷却を吸収するため、温熱または冷熱輸送中に例えば温度バッファとして機能し得る。例えば、溶液は、周囲環境への温熱もしくは冷熱損失または輸送中に受けた他の加熱もしくは冷却にもかかわらず、冷却または加熱入力源の温度と同様のまたはその付近の温度またはそれに近い温度で加熱または冷却を必要とするシステムに到達し得る。
【0254】
概要(図19):図19は、例えば、比較的低い粘度の下限臨界溶液温度(LCST)液体系を使用した高効率冷却伝達のための実施形態を示し得る。
【0255】
図15は、熱を長距離にわたって輸送する際に、または著しい温度変動を経る際により望ましくあり得る。例えば、熱伝達試薬が比較的「冷たい」領域を通って輸送され、その後、比較的熱い領域に入る場合、図13では、試薬は、2つ以上の液相が互いに溶解することができないため、冷却のそれらの潜熱を保持しながら、液体輸送中の少なくとも一部または全てで流体接触していない場合があるため、当該比較的「冷たい」領域を通過する。
【表25】

【表26】
【0256】
段階的な説明(図14):
1)2つ以上の液相へのLCST相変化によって増強された、またはそれを用いた、熱「吸収」または冷却を必要とするアプリケーションへの冷却の供給:比較的冷たい組み合わせられた溶液(L-1)(単一液相を含み得る)が1つ以上の冷却を必要とするアプリケーションと熱交換(HE-1)され得る。1つ以上の冷却アプリケーション熱交換器からの熱の吸収中、L-1が1つ以上のLCSTでまたはそれ超で加熱され得、これにより、多液相混合物(LL-1)を形成する吸熱相変化がもたらされ得る。
2)二液相液液分離および別個の輸送:LL-1が1つ以上の多液相分離デバイス(LLS-1)を使用して分離され得、これにより、別個の液相(L-2およびL-3)を各々含み得る2つ以上の別個の少なくとも部分的に分離された液体流がもたらされ得る。当該別個の液体流(L-2およびL-3)がヒートシンクに別個に輸送され得、ここで、例えば、輸送中の少なくとも一部で2つの液体流(例えば、別個の管または液体チャネル)間に流体接触がほとんどまたは全く存在し得ないか、または液相が独立して輸送されるか、またはそれらの組み合わせであり得る。
3)組み合わせられた混合物への別個の液相の組み合わせまたは混合:別個の液体流(L-2およびL-3)が、1つ以上のヒートシンクもしくは冷熱入力熱交換器の前、または冷熱入力熱交換器のうちの1つ以上の内部もしくはその間、またはそれらの組み合わせのいずれかで組み合わせまたは混合され得る。L-2およびL-3が、流れ統合弁、静的ミキサー、連続ミキサー、または当該技術分野で既知の他の液体組み合わせもしくは混合デバイス、またはそれらの組み合わせを使用して組み合わせまたは混合され得る。混合時に、例えば、別個のまたは独立した液体(L-2およびL-3)の温度に応じて、液相のいずれも互いに溶解し得ないか、液相の一部または全てが互いに溶解し得る。結果として生じた液体流は、例であって限定されない、元来別個の液相(L-4)、組み合わせられた混合物(LL-2)中の別個の液相、またはそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む組み合わせられた単相液体流であり得る。別個の液相の一部または全てが著しい外部熱除去または温熱損失または冷熱入力なしで混合したときに互いに溶解する場合、組み合わせられた液相の温度は、別個の液相の温度よりも高い場合がある。
4)液相の溶解によって増強された、またはそれを用いた、熱放出または熱生成または熱伝達またはヒートシンクまたは冷却入力伝達:L-4またはLL-2またはそれらの組み合わせが、1つ以上のヒートシンク、またはクールシンク、または冷熱入力熱交換器、または蒸発冷却器、またはその場での蒸発冷却、またはそれらの組み合わせに移送され得、ここで、L-4またはLL-2が1つ以上の冷熱源または加熱を必要とするアプリケーションと熱交換(HE-2)され得、発熱相転移を受け得る。結果として生じた液体流は、互いに溶解された2つ以上の液相の少なくとも一部または2つ以上の以前は別個の液体流(L-1)を含む単一の組み合わせられた溶解溶液を含み得る。
【0257】
段階的な説明(図15):
1)2つ以上の液相へのUCST相変化によって増強された、またはそれを用いた、温熱源からの加熱「吸収」または冷却を必要とするアプリケーションへの冷熱「放出」:比較的冷たい組み合わせられた溶液(L-1)(単一液相を含み得る)が1つ以上の温熱源熱交換器内で加熱され、ここで、温熱源(HE-1)との熱交換により加熱され得る。L-1が1つ以上の雲点温度でまたはそれ超で加熱され得、これにより、多液相混合物(LL-1)の形成がもたらされ得る。
2)多液相混合物分離および別個の輸送:LL-1が1つ以上の多液相分離デバイス(LLS-1)を使用して分離され得、これにより、別個の液相(L-2およびL-3)を少なくとも部分的に各々含み得る2つ以上の少なくとも部分的に別個の液体流がもたらされ得る。当該別個の液体流(L-2およびL-3)が1つ以上の加熱アプリケーションに別個に輸送され得、ここで、例えば、2つの液相(例えば、別個の管または液体チャネル)間に流体接触がほとんどまたは全く存在しないか、または液相が独立して輸送されるか、またはそれらの組み合わせである。
3)組み合わせられた混合物への別個の液相の組み合わせまたは混合:別個の液体流(L-2およびL-3)が、加熱を必要とする1つ以上のアプリケーション熱交換器の前、または加熱アプリケーション熱交換器のうちの1つ以上の内部もしくはその間、またはそれらの組み合わせのいずれかで組み合わせまたは混合され得る。液体は、液体流統合弁、静的ミキサー、連続ミキサー、または当該技術分野で既知の他の液体組み合わせもしくは混合デバイス、またはそれらの組み合わせを使用して組み合わせまたは混合され得る。混合時に、例えば、別個のまたは独立した液体(L-2およびL-3)の温度に応じて、液相のいずれも溶解し得ないか、液相の一部または全てが溶解し得る。結果として生じた液体流は、例であって限定されない、元来別個の液相(L-4)、組み合わせられた混合物(LL-2)中の別個の液相、またはそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む組み合わせられた単相液体流であり得る。別個の液相の一部または全てが著しい外部ヒートシンクまたは熱損失または冷却入力なしで混合したときに互いに溶解する場合、組み合わせられた液相の温度は、組み合わせまたは混合前の別個の液相の温度よりも高い場合がある。
4)液相の溶解によって増強された、またはそれを用いた、熱放出または熱生成または熱伝達:L-4またはLL-2またはそれらの組み合わせが1つ以上の「加熱アプリケーション熱交換器」に移送され得、ここで、L-4またはLL-2が加熱を必要とする1つ以上のアプリケーションと熱交換(HE-2)され得、発熱相転移を受け得る。結果として生じた液体流は、互いに溶解された2つ以上の液相の少なくとも一部、または2つ以上の以前は別個の液体流(L-1)を含む単一の組み合わせられた溶液、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0258】
段階的な説明(図18):
1)2つ以上の液相へのLCST相変化によって増強された、またはそれを用いた、冷却を必要とするアプリケーションからの熱吸収または冷却伝達:比較的冷たい組み合わせられた溶液(L-1)(単一液相を含み得る)が1つ以上の冷却を必要とするアプリケーションと熱交換(HE-1)され得る。1つ以上の冷却アプリケーション熱交換器への熱の吸収中、単一液相が1つ以上のLCST雲点温度でまたはそれ超で加熱され得、これにより、多液相混合物(LL-1)への1つ以上の吸熱相転移がもたらされ得る。
2)液相の溶解によって増強された、またはそれを用いた、熱放出または熱伝達:LL-1が1つ以上の「冷熱入力熱交換器」に移送され得、ここで、当該流体流が1つ以上の冷熱源または加熱を必要とするアプリケーションと熱交換(HE-2)され得、LL-1が1つ以上の発熱溶解相転移を受け得る。結果として生じた液体流(L-1)は、互いに溶解された多液相混合物の少なくとも一部、または2つ以上の以前は別個の液体流を含む単一の組み合わせられた溶解溶液、またはそれらの組み合わせを含み得る。冷却には、蒸発冷却も含まれ得るか、またはそれを含み得る。例えば、1つ以上の液体流が水を含有し得、当該水の一部が蒸発して、例えば、冷却もしくは熱除去をもたらすか、またはそれを促進し得る。
【0259】
段階的な説明(図19):
1)例えば多液相混合物へのLCST相変化によって増強された、またはそれを用いた、温熱源からの熱「吸収」:比較的冷たい組み合わせられた溶液(L-1)(単一液相を含み得る)が1つ以上の温熱入力熱交換器内で加熱され得、ここで、1つ以上の温熱源(HE-1)との熱交換により加熱され得る。加熱中、L-1が1つ以上の雲点温度でまたはそれ超で加熱され得、これにより、例えば1つ以上のLCST相転移により、多液相混合物(LL-1)中で2つ以上の液相の形成がもたらされ得る。
2)例えばLCST相変化溶解でのまたはそれ超での液相の溶解によって増強された、またはそれを用いた、熱「放出」または熱生成または熱伝達:LL-1または組み合わせられた単一液相溶液またはそれらの組み合わせが1つ以上の「加熱アプリケーション熱交換器」に移送され得、ここで、当該流体流が加熱を必要とする1つ以上のアプリケーションと熱交換(HE-2)され得、これにより、1つ以上のLCST溶解相転移がもたらされ得る。結果として生じた液体流(L-1)は、互いに溶解された2つ以上の液相の少なくとも一部、または2つ以上の以前は別個の液体流を含む単一の組み合わせられた溶液、またはそれらの組み合わせを含み得る。
用途例1:低品位加熱要求源への発電所または工場廃熱の輸送
用途例2:発電所復水器の冷却
利点の例には、以下のうちの1つ以上が含まれ得るが、これらに限定されない。
・水のみの水冷却システムと比較してポンピングを必要とする液体の量を低減することができる。
・蒸発冷却を用いるためのシステムが含まれ得る。
・例えば再循環または閉ループ蒸発冷却システムのためのドロップイン技術であり得る。
【0260】
用途例3:道路の除氷
概要:本実施形態は、例えば、例えば受動的または低コスト温熱源を使用することを含み得る、道路または他の表面を除氷またはさもなければ加熱するためのシステムおよび方法に関し得る。
【表27】

【表28】
【0261】
段階的な説明(図30A-熱の再生および貯蔵):
1)組み合わせられた溶液から多相液体溶液への吸熱LCST相変化を用いた比較的「温かい」道路または表面からの熱吸収:単一液相溶液(L-1)を含み得る組み合わせられた液体溶液が、日光下にある道路、または屋外もしくは表面の周囲温度が例えば水の凍結温度を超え得る比較的「温かい」温度であり得る道路等の比較的「温かい」表面を通過し得る。例えば、当該熱交換中、L-1が1つ以上の雲点温度でまたはそれ超で加熱され得、これにより、1つ以上の吸熱相転移および/または多液相混合物(LL-1)の形成がもたらされ得る。
2)1つ以上の液液分離デバイスを使用した2つ以上の別個の液相への多相液体溶液の分離:多液相混合物(LL-1)が、例えば、多液相混合物(LL-2)を1つ以上の多相液体分離デバイス(LLS-1)に方向付け得る弁、例えば、3方向ボール弁(V-1)を通じて移送され得る。LLS-1が液体混合物を例えば1つ以上の構成液相に少なくとも部分的に分離し得、これにより、2つ以上の別個の液体流(L-2およびL-3)がもたらされ得る。各液体流は、例えばLL-2由来の構成液相または1つの構成液相の少なくとも一部を含み得る。
3)別個の液体貯蔵庫内での別個の液相の貯蔵:L-2およびL-3が各液体流に特有の容器に移送され、その容器内で貯蔵され得る。各容器または貯蔵試薬は、例えば、1つの液相を貯蔵し得るか、または1つ以上の他の液相(複数可)から独立してまたはそれとは別個に液相を貯蔵し得る。
【0262】
段階的な説明(図30B-例えば除氷のための熱放出または生成):この図が、熱放出中に、例えば除氷に用いられ得ることを除いて、図30Aと同じまたは同様の実施形態を含み得る。図30Bは、逆に図30Aであり得る。
1)関連貯蔵容器からの別個の液相の移送および組み合わせられた液体混合物への混合:例えば別個の液体貯蔵ユニット内に位置する液体の少なくとも一部が、それらの関連の別個の液体貯蔵ユニットから別個の液体流(L-4およびL-5)として移送され得る。L-4およびL-5が混合されて、例えば多相液体混合物(LL-3)を含む組み合わせられた液体混合物を形成し得るか、または単一液相への部分的溶解を受け得るか、または組み合わせられた液相に完全に溶解し得る。これらの液体流は、例えば、ステップ2の前またはステップ2中に混合され得る。
2)1つ以上の液相の発熱溶解による比較的「冷たい」表面または道路への熱「放出」またはそれとの熱交換:道路または他の比較的「冷たい」表面に熱を放出しながら、組み合わせられた多相液体混合物(LL-3およびLL-1)が比較的「冷たい」表面を通じて移送され得、これにより、1つ以上の液相の単相液体混合物(L-1)への発熱溶解がもたらされ得る。生成された熱は、氷または雪を融解するか、または凍結層を防止するか、または道路の温度を凍結温度もしくはそれ超にすることができるか、または道路の温度を周囲温度よりも高くすることができるか、または道路もしくは表面の温度が別様のものであるか、またはそれらの組み合わせであるのに十分であり得る。
3)組み合わせられた溶液を貯蔵容器または容器に移送する:L-1が1つ以上の組み合わせられた溶液貯蔵容器に移送され得る。温熱源(複数可)が利用可能であるか、または例えば図30Aもしくは図31Aに記載のシステムおよび方法を用いる場合、組み合わせられた溶液が2つ以上の液相に再生され得る。
【0263】
段階的な説明(図31A):
1)例えば水体からの熱吸収-2つ以上の液相へのLCST相変化:例えば1つの液相を含み得る組み合わせられた液体流(L-1)が、例えばその表面に浮氷を有し得る水体に移送され得る。水体の表面下の液体は、氷で覆われていたとしても、水の凝固点を超える温度を有し得る。例えば、液体水は、約4℃でその最大密度になる。L-1が1つ以上のLCSTを超え得る表面下の比較的「温かい」水と熱交換され得、これにより、多液相混合物(LL-1)の形成をもたらし得る吸熱相変化がもたらされ得る。熱交換は、例えば、例えば水体の表面下の管または管の束を通して組み合わせられた溶液をポンピングすることを含み得る。
2)1つ以上の液液分離デバイスを使用した2つ以上の別個の液相への多相液体溶液の分離:多液相混合物(LL-1)が1つ以上の多相液体分離デバイス(LLS-1)にまたはその内部に移送され得る。LLS-1が液体混合物を例えば1つ以上の構成液相に少なくとも部分的に分離し得、これにより、2つ以上の別個の液体流(L-2およびL-3)がもたらされ得る。各液体流は、例えばLL-2由来の構成液相または1つの構成液相の少なくとも一部を含み得る。
3)例えば水体近くまたは水体中の場所から加熱道路または他の表面等の加熱アプリケーションへの別個の液相の移送:L-2およびL-3が別個の液体流として移送され得る。L-2およびL-3が互いに単離され得、液体伝達中の少なくとも一部で互いに流体接触していない場合がある。液体系に貯蔵された潜熱の少なくとも一部が加熱を必要とする1つ以上のアプリケーションに効果的に伝達され、これは、伝達中の個々の液体流の温度とは少なくとも部分的に無関係であり得、かつ/または距離とは無関係に、個々の液相が移送される。
4)1つ以上の液相の発熱溶解による比較的「冷たい」表面または道路への熱「放出」またはそれとの熱交換:比較的「冷たい」表面または道路等の加熱を必要とする1つ以上の目的地でまたはその近くでまたはその内部で、2つ以上の液相(L-2およびL-3)が混合される。当該溶液が1つ以上の比較的「冷たい」表面を通して移送され得、これにより、1つ以上の液相の単相溶液(L-1)への発熱溶解がもたらされ得、これにより、例えば、加熱を必要とする道路または他の比較的「冷たい」表面に熱が放出され得る。熱交換は、氷または雪を融解するか、または凍結層を防止するか、または道路の温度を凍結の温度またはそれ超にすることができるか、または道路の温度を周囲温度よりも高くすることができるか、または周囲条件と比較して、作動流体、道路、もしくは他の表面の温度を上昇させるのに十分であり得る。結果として生じた組み合わせられた溶液は、ステップ1の入力または出発溶液を含み得る。
【0264】
段階的な説明(図31B-単一液体混合物の熱伝達-熱伝達時にLCSTまたはUCSTを用いる場合がある):
1)水体からの熱吸収または2つ以上の液相へのLCST相変化:例えば1つの液相を含み得る組み合わせられた液体流(L-1)が、例えばその表面に浮氷を有し得る水体に移送され得る。水体の表面下の液体は、氷で覆われていたとしても、水の凝固点を超える温度を有し得る。例えば、液体水は、約4℃でその最大密度になり得る。L-1が表面下の比較的「温かい」水と熱交換され得、これにより、多液相混合物(LL-1)の形成をもたらし得る1つ以上の吸熱相転移がもたらされ得る。熱交換が、例えば、水体の表面下の管または管の束を通して組み合わせられた溶液をポンピングすることを単に含み得る。
2)水体近くまたは水体中の場所から加熱道路または他の表面等の加熱を必要とするアプリケーションへの組み合わせられた多相液体混合物の移送:多液相混合物(LL-1)が加熱を必要とする1つ以上のアプリケーションに移送され得る。多液相混合物の複数の液相は、輸送中に流体接触したままであり得、同じ管(複数可)内で輸送され得る。例えば、溶液移送管(複数可)周囲の潜在的に冷温からの冷却により、多相液体混合物中の1つ以上の液相が輸送中に互いに溶解し得る。1つ以上の液相の当該溶解は、発熱性であり得、これにより、多液相混合物の温度を比較的安定した状態または比較的より安定した状態に、例えば、液体系の1つ以上のLCSTにまたはその付近に保つことが可能になり得る。
3)1つ以上の液相の発熱溶解による比較的「冷たい」表面または道路への熱「放出」またはそれとの熱交換:比較的「冷たい」表面または道路等の加熱を必要とする1つ以上の目的地でまたはその付近で、多相液体溶液、単一の組み合わせられた相の液体溶液、またはそれらの組み合わせを含むLL-1に達し得る。LL-1が1つ以上の比較的加熱を必要とするアプリケーションを通して移送され得、これにより、例えば、溶解相転移の潜熱および/または比熱容量により、加熱を必要とする道路または他の比較的「冷たい」表面に熱が放出され得る。放出された熱は、残りの液相の発熱溶解、溶液の比熱容量、またはそれらの組み合わせに由来し得る。熱交換は、氷または雪を融解するか、または凍結層を防止するか、または道路の温度を凍結の温度またはそれ超にすることができるか、または道路の温度を周囲温度よりも高くすることができるか、または周囲条件と比較して、作動流体、道路、もしくは他の表面の温度を上昇させるのに十分であり得る。結果として生じた組み合わせられた溶液は、ステップ1の入力または出発溶液を含み得る。
【0265】
用途例4:代替の冷却剤または熱伝達液体
冷却を動力源とする浸透熱機関
概要(図33):本実施形態は、比較的小さい温度差から電気を発生させるためのシステムおよび方法に関し得る。本実施形態における作動流体は、1つ以上のUCST相転移温度を有し得る比較的低い粘度の液体系を含み得る。この液体系は、再生可能かつ可逆的であり得る。
【0266】
UCST相転移から形成され得る1つ以上の液相は、例えば液相のうちの2つ以上の混合から電力を発生させるために浸透熱機関で用いられ得る。1つ以上の液相が供給溶液を含み得る。1つ以上の液相がドロー溶液を含み得る。所望の場合、1つ以上の液相が、供給溶液またはドロー溶液として用いられる前にさらなる処理を受け得る。例えば、当該処理には、反対の液相(複数可)の構成成分または反対の溶液タイプ(例えば、供給溶液対ドロー溶液)の一部であることが所望される残留試薬の分離が含まれ得るが、これに限定されない。
【0267】
本実施形態は、冷熱源および温熱源からの電力発生を可能にし得、ここで、例えば、冷熱源と温熱源との間の距離が著しくあり得るか、または所望の温度源とは反対の温度の領域を通る流体輸送を必要とし得るか、またはそれらの組み合わせであり得る。
【0268】
例えば、本実施形態の1つ以上のバージョンは、冷熱源が水体近くまたはその底部に位置し、温熱源が水体表面の上方に、表面に、またはその近くにある、水体の水温躍層から電気を発生させる効果的な手段であり得る。当該例では、冷熱源を持つ作動流体が冷却を必要とするアプリケーションに到達する前に温水を通って移動することを必要とし得、これにより、作動流体が比熱に依存して、周囲の水体への損失がもたらされ得る。
【0269】
本実施形態の例示のバージョンでは、UCST液体系は、冷熱源にまたはその付近に2つ以上の別個の液相を形成し得、当該別個の液相は、液相が温熱源に移送される前に、2つの別個の液体流に少なくとも部分的に分離され得る。輸送中にこれらの液相が分離すると、液相は、例えば、その後の浸透熱機関で著しいエネルギー損失を受けることなく、水温躍層内で任意の温度に加熱され得る。比熱作動流体を排他的に用いる実施形態とは異なり、本実施形態は、別個の液相の組成が変化しない一方で、浸透熱機関段階の前または浸透熱機関段階中に表面でわずかな温熱入力しか必要とされないため、輸送中の表面への冷熱損失から恩恵を受け得る。
【0270】
例えば、本実施形態の1つ以上のバージョンは、例えば、冷熱源と廃熱源との間の距離が比較的著しい場合を含む、電力発生または工場廃熱から電気を発生させる効果的な手段であり得る。例えば、比較的冷たい水体等の冷熱源で、本実施形態は、2つ以上の液相を形成し得る。当該2つ以上の液相が2つ以上の別個の液体流に分離され、例えば1つ以上の廃熱源に輸送され得る。当該廃熱源で、2つ以上の液相が1つ以上の廃熱源で加熱され得、圧力遅延浸透を利用して混合され得て、電気を発生させ得る。例えば、本実施形態の1つ以上のバージョンの別の利点は、例えば、発生した電気または電力を輸送または使用またはさもなければ販売するために、既存のインフラストラクチャが存在し得る場所で廃熱から電気を発生させる浸透熱機関の能力であり得る。例えば、本実施形態の1つ以上のバージョンの別の利点は、例えば、2つ以上の液相の再生が、例えば1つ以上の浸透熱機関ユニットと比較して低複雑度であるか、または維持管理をほとんど必要としないか、または少ない可動部品しか必要とし得ない場合があるため、冷熱源で2つ以上の液相を再生する能力であり得る。
【0271】
圧力遅延浸透システムは、例えば、ある液相または液体流中の1つ以上の膜の分子量カットオフを超える試薬と、別の液相または液体流中の同じ膜のうちの1つ以上の分子量カットオフを超える試薬との間の浸透圧差から電気を発生させ得る。例えば、当該液体流のうちの1つ以上が供給溶液であり得、当該液体流のうちの1つ以上がドロー溶液であり得る。
【0272】
例えば、本実施形態の1つ以上のバージョンは、かなり離れた冷温領域と高温領域との間の温度差から電力を発生させる効果的な手段であり得る。例えば、トンネル、山、または他の実質的な地理的特徴の一方の側または領域は、他方の側または領域とは著しく異なる温度であり得る。本実施形態のバージョンは、例えば、作動流体輸送中の温度変動にかかわらず電気を発生させ得るため、当該温度差から電気を発生させるために用いられ得る。
【表29】
【0273】
段階的な説明:
1)組み合わせられた溶液のUCST冷却雲点での再生:単一液相を含み得、かつ/またはドロー流および供給流の組み合わせられた溶液を含み得る組み合わせられた溶液(L-1)が、例えば、1つ以上の冷却源または蒸発冷却を使用して、例えばその雲点またはUCST温度にまたはそれ未満に冷却され得る。L-1が多液相混合物(LL-1)に相転移し得る。冷熱源は、例であって限定されない、1つ以上の冷却入力源または蒸発またはそれらの組み合わせを含み得る。
2)多液相または二液相混合物の構成液相への分離:多液相混合物(LL-1)が1つ以上の多相液体分離デバイス(LLS-1)にまたはその内部に移送され得る。LLS-1が液体混合物を例えば1つ以上の構成液相に少なくとも部分的に分離し得、これにより、2つ以上の別個の液体流(L-2およびL-3)がもたらされ得る。一方の分離された液相が、例えばドロー溶液を含み得、他方の液相が、例えば供給溶液を含み得る。
3)別個の液体流のそれらの組み合わせられたUCST超への予熱:L-2および/またはL-3が、1つ以上の温熱源(HE-2またはHE-3)を使用して液体系の雲点温度またはUCST超に予熱(L-4およびL-5)され得る。あるいは、または加えて、温熱入力は、1つ以上の浸透熱機関または圧力遅延浸透ユニット内で起こり得る。
4)1つの液相を供給溶液として用い、かつ1つの液相をドロー溶液として用いた、圧力遅延浸透電力発生:L-4およびL-5が供給溶液を含み得、液相のうちの1つ以上がドロー溶液を含み得る。当該供給溶液が圧力遅延浸透膜システムの供給物入力区域に移送され得、当該ドロー溶液が圧力遅延浸透膜システムのドロー溶液入力区域に移送され得る。膜レベルで、供給溶液の少なくとも一部が膜細孔を通ってドロー溶液に移動し得、これにより、水圧がもたらされ得る。当該水圧は、例えば、例えば電気(E-1)を発生させる水力発電機(G-1)を使用して、電気に変換され得る。
【0274】
注記:液体流は、圧力遅延浸透ユニットの前または圧力遅延浸透ユニットの間にまたはそれらの組み合わせで加熱され得る。
【0275】
注記:実施形態は、供給溶液として用いられる1つ以上の液相から残留ドロー溶液または比較的高分子量の化合物を除去または分離するためのさらなる膜ステップを含み得る。
【0276】
注記:いくつかの実施形態では、供給溶液の少なくとも一部は膜を通過せず、膜モジュールを通過した後に残存し得る。当該残りの供給溶液は、例えば、電力発生後に、出力された希釈ドロー溶液と混合され得る。結果として生じた組み合わせられた溶液は、ステップ1に送られ得る。
【0277】
構成成分の例には、以下が挙げられ得るが、これらに限定されない。
・ある特定の分子量または水和半径を超えるPPGまたはPEGまたは他の分子を拒絶することができるが、水、プロピレングリコール、グリセロール、1つ以上の溶解イオン性化合物、炭酸プロピレン、エチレングリコール、低分子量化合物、低分子量有機化合物を含むが、これらに限定されない、それらのうちの1つ以上または組み合わせを拒絶することができないか、またはそれらの最小限にしか拒絶することができないナノ濾過または他のPRO膜
・ドロー溶液:水+PPG 425が豊富な相(低濃度の炭酸プロピレンを含有し得る)
・供給溶液:炭酸プロピレンが豊富な相(低濃度のPPG 425または水またはそれらの両方を含有し得る)
・UCST温度が、例えば、-10~100℃の間で調整され得る。
・海洋熱エネルギー変換の場合、例えば、ある層または相中にドロー溶液を形成し、別の層または相中に供給溶液を形成する、ほぼ等体積の液相を有する高選択性の二相液体溶液が、-10~100℃の任意のUCST温度で作製される。当該用途では、試薬組成物がこの用途に望ましい温度範囲4~20℃内のUCST温度を効果的に達成した。
・当該記載の組成物の1つの利点は、各液相の選択性が比較的高く、その所望の構成成分を形成することである。例えば、炭酸プロピレン液相が比較的低い濃度または少ない量のPPG 425を含み得る一方で、水+PPG 425液相は、本系中のPPG 425または水の大半またはほぼ全てを含み得る。
・本実施形態は、例えば、海洋もしくは湖もしくは他のコールドシンク水温躍層からの冷熱または冷温、または他の周囲冷熱源を含むが、これらに限定されない、それらのうちの1つ以上または組み合わせを使用して、冷却によって再生され得る。
・圧力遅延浸透電力発生のための膜ベースの実施形態の前またはその実施形態中に、試薬が、膜と液体との間の接触前または接触中に、UCST温度または温度域を超えて加熱されて、例えば、両方の試薬の溶解性を可能にすることができる。
【0278】
用途例:
OTECシステム(例示の実施形態は図34を含み得る):本実施形態は、水体の水温躍層の温度差、例えば、水体の表面とより深い深度との間の温度差から電力を発生させるためのデバイスとして用いられ得る。同様に、本実施形態は、水体またはヒートシンク外部の温度と水体またはヒートシンク内部の温度との間の温度差から電力を発生させるためのデバイスとして用いられ得る。
【0279】
例えば水体の水温躍層から電力を発生させるための海洋熱エネルギー変換で用いられる実施形態のバージョンでは、本実施形態のヒートシンクまたは冷却熱交換区域(例えば、HE-1)、LL-1、L-1、または1つ以上の液液相分離デバイス(LLS-1)、またはそれらの組み合わせが水体の表面下に位置し得る。温熱入力、圧力遅延浸透システム、電力発生ユニット、電力出力(例えば、電気)、またはそれらの組み合わせは、表面上に、水体またはコールドシンク上に、その上方に、またはその外部に位置し得る。
【0280】
本実施形態は、温度水温躍層の完全なまたはほぼ完全な回収を可能にし得る。単一液相の2つ以上の液相への再生は、例えば水の表面下の1つ以上のUCST未満で起こり得る。当該2つ以上の液相は、構成液相の少なくとも一部を含み得る2つ以上の別個の液体流に分離され得る。当該液体流の組成は、液相が互いに別個であり得、輸送中の少なくとも一部で流体接触していない場合があるため、液相が表面にポンピングされるときに一定のままであり得る。表面に到達すると、当該別個の液体流は、それらが冷却源で形成されたときと同じ組成物を含み得る。加えて、液相が水温躍層にポンピングされる際の液相の温度の上昇(深度が浅いほど、温度は一般に高くなる)が、例であって限定されない、存在する場合、圧力遅延浸透前または圧力遅延浸透中に必要とされる温熱入力を低減し得るため、有益であり得る。
【0281】
注記:例示の実施形態の代替バージョンでは、本実施形態の海洋または水体または他のコールドシンク区域は、例えば、可動部品を含まないか、または最小限にしか含まない場合がある。海洋または冷水体は、冷却源またはヒートシンクとして機能する冷却熱交換を含み得る。組み合わせられた溶液(単一液相を含み得る)が冷却されて、2つ以上の液相混合物を形成し得る。多液相混合物をその構成液相に分離するために用いられるデバイスは、例えば、水体の上、上方、または外部で用いられ得る。
【0282】
発電所または工場廃熱または太陽熱を動力源とするシステム(地域冷却を動力源とするシステム):
本実施形態は、比較的小さい温度差から電力を発生させるために用いられ得る。小さい温度差を有する他の源には、発電所廃熱、発電所冷却水、データセンター冷却流体、地球表面の不均一な温度、低品位太陽熱、工場廃熱、またはそれらの組み合わせが含まれ得るが、それらに限定されない。
【0283】
冷却を必要とする発電所および他のシステムの特定の実施形態では、本実施形態は、例えば冷却水の代替物として現在用いられている冷却剤または冷却流体の代替物または補助物として用いられ得る。本実施形態は、同時にさらなる電力を発生させながら、発電所または他の温熱源または冷熱源が効率的にまたはより効率的に冷却されることを可能にし得る。例えば、2つ以上の液相へのUCST冷却相変化は、例えば、蒸発冷却ステップで起こり得、発電所内の1つ以上のユニットの冷却は、圧力遅延浸透システムとの熱交換として起こり得る。圧力遅延浸透中に起こる吸熱混合に必要な熱が、復水器との直接の熱交換(例えば、復水器の水での冷却の代替)として発電所によって供給され得る。温熱入力が圧力遅延浸透前または圧力遅延浸透中に起こり得る。
【0284】
加熱を動力源とする浸透熱機関
概要(図35):本実施形態は、比較的小さい温度差から電気を発生させるためのシステムおよび方法に関し得る。本実施形態における作動流体または液体系は、比較的低い粘度の液体系を含み得、これにより、1つ以上の調整可能な加熱雲点温度超での加熱時に単一液相溶液から2つ以上の液相が形成され得る。この液体系は、再生可能かつ可逆的であり得る。
【0285】
UCST相転移から形成され得る1つ以上の液相は、例えば液相のうちの2つ以上の混合から電力を発生させるために浸透熱機関で用いられ得る。1つ以上の液相が供給溶液を含み得る。1つ以上の液相がドロー溶液を含み得る。所望の場合、1つ以上の液相が、供給溶液またはドロー溶液として用いられる前にさらなる処理を受け得る。例えば、当該処理には、反対の液相(複数可)の構成成分または反対の溶液タイプ(例えば、供給溶液対ドロー溶液)の一部であることが所望される残留試薬の分離が含まれ得るが、これに限定されない。
【0286】
本実施形態は、温熱源および冷熱源からの電力発生を可能にし得、ここで、例えば、冷熱源と温熱源との間の距離が著しくあり得るか、または所望の温度源とは反対の温度の領域を通る流体輸送または温度変動を必要とし得るか、それらの組み合わせであり得る。
【0287】
例えば、本実施形態の1つ以上のバージョンは、低コスト試薬、無害な動作、比較的穏当なシステム条件、および比較的低いシステム複雑度での小さい温度差からの電力発生を可能にし得る。
【0288】
例えば、本実施形態の1つ以上のバージョンは、浸透熱機関電力発生システムおよび冷却または熱伝達のための熱伝達システムの両方として機能し得る。例えば、温熱入力は、冷却を必要とするアプリケーション、例えば、発電所復水器から生じ得る。冷却入力は、浸透熱機関と統合され得る。例えば、熱は、圧力遅延浸透電力発生ユニット内での2つ以上の液相の混合および溶解中に放出され得る。
【0289】
例えば、本実施形態の1つ以上のバージョン別の利点は、電気発生が冷熱源または冷熱入力で起こることを含み得る。これは、例えば、ユニットが、温熱入力のための既存のインフラストラクチャが存在し得る用途、例えば、発電所、工業用途、またはデータセンターにおける、例えば、熱交換流体としての用途で用いられることを可能にし得る。当該利点には、温熱入力のための既存のインフラストラクチャの複雑度をほとんど必要としない場合があるか、またはその多用途性が低い用途、例えば、発電所での1つ以上の復水器熱交換器が含まれ得る。例えば、液液分離は、当該熱交換の後に起こり得る。
【0290】
例えば、本実施形態の1つ以上のバージョンは、かなり離れた冷温領域と高温領域との間の温度差から電力を発生させる効果的な手段であり得る。例えば、トンネル、山、または他の実質的な地理的特徴の一方の側または領域は、他方の側または領域とは著しく異なる温度であり得る。本実施形態のバージョンは、例えば、1つ以上の加熱源または冷却源間の作動流体輸送中の加熱または冷却損失にかかわらず電気を発生させ得るため、当該温度差から電気を発生させるために用いられ得る。
【表30】
【0291】
段階的な説明:
1)組み合わせられた溶液の多液相混合物へのLCST熱吸収相転移:単一液相ならびに/またはドロー流および供給流の組み合わせられた溶液を含み得る組み合わせられた溶液(L-1)が、1つ以上の温熱源を使用して、その雲点またはLCST温度にまたはそれ未満に加熱される。L-1が、多液相混合物(LL-1)を含む、雲点またはLCST温度でまたはそれ超で非混和性であり得る多液相混合物に相転移し得る。
2)多液相または二液相混合物の構成液相への分離:多相液体流(LL-1)の個々の構成液相が、例えば各液相の少なくとも一部を含む独立した液体流(L-2およびL-3)に少なくとも部分的に分離され得る。一方の分離された液体流が、例えばドロー溶液を含み得、他方の分離された液相が、例えば供給溶液を含み得る。
3)別個の液体流のそれらの組み合わせられたLCST未満への予冷:別個の液体流(L-2およびL-3)が、1つ以上の冷熱源(HE-2またはHE-3)または蒸発冷却またはそれらの組み合わせを使用して液体系の雲点温度またはLCST未満に予冷(L-4およびL-5)され得る。あるいは、または加えて、冷却入力は、1つ以上の浸透熱機関または圧力遅延浸透ユニット内で起こり得る。
4)1つ以上の液相を供給溶液として用い、かつ1つ以上の液相をドロー溶液として用いた、圧力遅延浸透電力発生:液相のうちの1つ以上が供給溶液を含み得るか、または液相のうちの1つ以上がドロー溶液を含み得るか、またはそれらの組み合わせであり得る。当該供給溶液が圧力遅延浸透膜システムの供給物入力区域に移送され得、当該ドロー溶液が圧力遅延浸透膜システムのドロー溶液入力区域に移送され得る。膜レベルで、供給溶液の少なくとも一部が膜細孔を通ってドロー溶液に移動し得、これにより、浸透圧差から生じた水圧がもたらされ得る。当該水圧は、例えば、例えば電気(E-1)を発生させる水力発電機(G-1)を使用して、電気に変換され得る。
【0292】
注記:1つ以上の流れは、圧力遅延浸透ユニットの前または圧力遅延浸透ユニットの間にまたはそれらの組み合わせで冷却され得る。
【0293】
注記:実施形態は、供給溶液として用いられる1つ以上の液相から残留ドロー溶液または比較的高分子量の化合物を除去または分離するためのさらなる膜ステップを含み得る。
【0294】
注記:いくつかの実施形態では、供給溶液の少なくとも一部は膜を通過せず、1つ以上の膜モジュールまたは終端間圧力遅延浸透ユニットを通過した後に残存し得る。当該残りの供給溶液は、例えば、電力発生後に、出力された希釈ドロー溶液と混合され得る。結果として生じた組み合わせられた溶液は、ステップ1に送られ得る。
【0295】
構成成分の例:
・ある特定の分子量または水和半径を超えるPPGまたはPEGまたは他の分子を拒絶することができるが、水、プロピレングリコール、グリセロール、1つ以上の溶解イオン性化合物、炭酸プロピレン、エチレングリコール、低分子量化合物、低分子量有機化合物を含むが、これらに限定されない、それらのうちの1つ以上または組み合わせを拒絶することができないか、またはそれらの最小限にしか拒絶することができないナノ濾過または他のPRO膜
・ドロー溶液:PPG 425が豊富な相(低濃度の炭酸プロピレンを含有し得る)
・供給溶液:塩水溶液またはグリセロール水溶液が豊富な相またはそれらの組み合わせ(低濃度のPPG 425または水またはそれらの両方を含有し得る)
・LCST温度が、例えば、-10~100℃の間で調整され得る。
・当該記載の組成物の1つの利点は、各液相の選択性が比較的高く、その所望の構成成分を形成することである。
・圧力遅延浸透電力発生のための膜ベースの実施形態の前またはその実施形態中に、試薬が、膜と液体との間の接触前または接触中に、1つ以上のLCSTまたは相変化温度または温度域未満に冷却されて、例えば、両方の試薬の溶解性を可能にすることができる。
【0296】
用途例1:発電所または工場廃熱または低品位太陽熱を動力源とするシステム
用途例2:地域加熱を動力源とするシステム
水体の表面下の「温かい」温度を用いて道路および他の表面を除氷する追加の例示の実施形態
概要(図36~40):本実施形態は、最低限のエネルギー消費、コスト、またはそれらの組み合わせで道路および他の表面を除氷するためのシステムおよび方法に関し得る。本実施形態は、以下の構成要素:流体貯蔵容器、加熱された表面(複数可)の下、内部、もしくは上方の1つ以上の熱交換器、流体移送管、流体移送ポンプ、配管、または熱交換他の熱交換方法、または1つ以上の水体の表面下の構成要素、または1つ以上の水体の上、上方、もしくは外部の構成要素を含むが、これらに限定されない、それらのうちの1つ以上または組み合わせを含み得る。水体の表面下の構成要素には、例えば、熱交換流体貯蔵容器、1つ以上の熱交換器、または流体移送管のうちの1つ以上または組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。水体の表面上方の構成要素には、加熱された表面(複数可)の下、内部、もしくは上方の流体移送管、流体移送ポンプ、配管、または熱交換他の熱交換方法のうちの1つ以上または組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。熱交換流体または液体系は、例であって限定されない、凍結防止またはUCST組成物またはLCST組成物またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0297】
本実施形態は、水凍結温度未満の条件下での比較的安定した温度の熱源もしくはエンタルピー源、氷点下の空気中の水体の表面下の温度、または表面温度、またはそれらの組み合わせの効果的な利用を可能にし得る。
【0298】
本実施形態は、例えば、水体の表面下に位置する1つ以上の熱交換流体または液体系貯蔵槽を含み得る。熱交換流体は、液体貯蔵槽からポンピングされ、除氷または加熱を必要とする道路または他の表面と熱交換され得る。熱交換流体は、元の熱交換流体槽に戻され得るか、または例えば利用された熱交換流体を貯蔵するために用いられる別の槽に移送され得る。
【0299】
本明細書に記載の実施形態の他の利点には、小規模な土地利用または土地設置面積、槽の地下配置が不要な氷点下の表面温度での温度安定性流体貯蔵、受動的熱源、二酸化炭素排出なしまたは最小限の二酸化炭素排出、環境に無害、および寒冷地における主要道路に近接した水体の幅広い利用可能性のうちの1つ以上または組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。
【0300】
例えば、本実施形態は、1つ以上の水体に比較的近いまたは比較的ごく近接した除氷を必要とする道路および他の表面に適用可能であり得る。都市の例には、イリノイ州シカゴ、ミネソタ州ミネアポリス、ニューヨーク州バッファロー、ミシガン州デトロイト、天津(中国)、モスクワ(ロシア)、南京(中国)、オハイオ州クリーブランド、ウィスコンシン州ミルウォーキー、トロント(カナダ)、ユタ州プロボ、サスカトゥーン(カナダ)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0301】
本実施形態は、液体源ヒートポンプの熱源またはエンタルピー源として当該熱交換流体を用いる場合がある。ヒートポンプは、熱を別の熱交換流体に伝達することができ、これが加熱または除氷を必要とする道路または他の表面と熱交換される。水は、約4℃で最大密度になり得る。道路表面の温度および道路表面と熱交換流体との間の熱交換装置の温度に応じて、4℃は、道路との熱交換のデルタTを克服し、除氷に十分な加熱を供給するには不十分な場合がある(注記:他の温度の温熱源が利用可能であり得る)。1つ以上のヒートポンプを用いて、例えば、水体と熱交換する流体から熱を抽出し、より高い温度の熱交換流体を温熱入力源として道路表面に供給することができる。より高い温度の熱交換流体は、例であって限定されない、4℃超、または5℃超、または10℃超、または15℃超、または20℃超、または20℃未満、または30℃超、またはそれらの組み合わせであり得る。例えば、ヒートポンプへの入力温度とヒートポンプの出力温度との間の温度差が比較的小さいため、ヒートポンプは、高性能係数および高熱伝達効率を呈し得る。例えば、4℃の入力から10℃の出力に熱を伝達するヒートポンプは、例えば、8超、または10超、または15超、またはそれらの組み合わせの性能係数を有し得る。結果として、例えば、本実施形態は、加熱または除氷される道路または他の表面に供給される全エネルギーの15分の1未満または10分の1未満または5分の1未満を含む電気的または他の形態の貴重なエネルギー入力で道路を効果的に加熱および除氷することができる。本実施形態は、CAPEXおよびOPEXの観点から、除雪車、塩、糖蜜、砂、または他の高価なまたは環境に有害なまたはそれらの組み合わせの作業または消耗品をほとんどまたは全く使用または適用することなく、道路または他の表面の除氷を経済的に実行可能にすることができる。
【0302】
本実施形態は、LCST相変化液体系を用いる場合があり、ここで、LCSTは、水体の表面のまたは表面下のまたは水体の底部のいくらかの水の温度未満であり得る。液体系は、少なくとも部分的に分離され得る2つ以上の液相を形成し得る。例えば、当該液相は、例えば1つ以上の水体の表面下の1つ以上の液体貯蔵槽内に2つ以上の液体層を形成することによって分離し得る。2つ以上の液体層が分離され、別個の貯蔵槽内に貯蔵され得る。あるいは、2つ以上の液体層は、貯蔵槽内に残存し得る。分離された液相が利用される必要がある場合、1つ以上の液相は、1つ以上の貯蔵槽から別個の液体流としてまたは別個の場所でポンピングされ得る。2つ以上の液体流が混合されて熱を放出し、例えば加熱を必要とする道路または他のアプリケーションと当該熱を熱交換することができる。記載される能動的な雲点の調整または冷蔵またはヒートポンプサイクルを1つ以上の表面加熱または熱伝達実施形態で用いて、例えば、当該実施形態を促進または可能にするか、または当該実施形態を具現化することもできることに留意することが重要である。
【0303】
実施形態は、利用された熱交換流体貯蔵槽(複数可)を用いる場合がある。当該利用された熱交換流体貯蔵槽(複数可)は、加熱相変化容器または液液分離デバイスまたはそれらの組み合わせとしても機能し得る。
【0304】
注記:より暖かい気温、例えば、より暖かい季節には、水体の表面下の熱交換および流体貯蔵システムを冷却システムとして用いて、冷却源または冷却エンタルピー源を供給することができる。熱交換流体は、例えば、空調機器または他の形態の冷却ヒートポンプのエンタルピー源であり得る。当該冷却ヒートポンプは、冷却気温条件下で加熱ヒートポンプとして機能し得る。寒冷期間中の水体中の熱交換流体と、外気温度と、加熱または冷却アプリケーションの温度との間の温度差に応じて、熱交換流体は、空間加熱のために用いられるヒートポンプのエンタルピー源として、または熱を供給して道路を除氷するために用いられるヒートポンプのエンタルピー源として機能し得る。
【0305】
注記:水体の表面下からの水は、例えば、道路との「熱交換」実施形態中の氷形成の危険性、生物付着の危険性、またはそれらの組み合わせのため、望ましくは、道路の加熱または除氷のために直接ポンピングされ得る。
【0306】
注記:1つ以上の熱交換流体貯蔵槽は、特定の期間中または一年中またはそれらの組み合わせでのみ水の表面下に位置し得る。1つ以上の熱交換流体貯蔵槽は、所望の場合、例えば、流体損失または流体損失の環境への悪影響またはそれらの両方を防止するために、周囲の水体と直接流体接触または液液接触していない場合がある。
【0307】
注記:例えば道路を除氷するために熱交換流体が水体の表面下の水と直接熱交換され得る熱交換実施形態では、熱交換器が氷を蓄積し、熱交換効率の損失をもたらし得る。これは、例えば、比較的大容量の熱交換流体貯蔵容器を用いて熱交換流体を水体の表面下に貯蔵することによって防止され得る。これは、例えば、より大きい熱交換表面積を用いることによって防止され得る。これは、例えば、熱交換器表面上により大流量の水を用いることによって防止され得る。これは、例えば、1つ以上の熱交換流体移送管を熱交換器として用いることによって防止され得る。
【0308】
注記:例えば1つ以上の貯蔵槽を用いて利用された熱交換流体を貯蔵する実施形態では、利用された熱交換流体を貯蔵する貯蔵槽は、温熱源熱交換流体槽として後に用いられ得、この温熱源熱交換流体槽は、利用された熱交換流体貯蔵槽として後に用いられ得る。
【0309】
注記:熱交換流体が1つ以上の熱交換流体貯蔵容器からポンピングされると、除去された液体体積は、再循環または戻り流熱交換流体、1つ以上の熱交換流体貯蔵容器に入る前に池の表面下の水との熱交換時に予熱された再循環または戻り流熱交換流体、空気、圧縮空気、油圧流体、または圧縮ガスを含むが、これらに限定されない、それらのうちの1つ以上または組み合わせと置き換えられ得る。
【0310】
注記:熱交換流体は、比較的環境に無害なまたは環境に優しい試薬を含み得る。例えば、水、糖、プロピレングリコール、グリセロール、炭酸プロピレン、エタノール、エーテル、ジオール、ポリプロピレングリコール、ポリ炭酸プロピレン、ポリエチレングリコール、または炭酸ポリエチレンのうちの1つ以上または組み合わせが挙げられ得るが、これらに限定されない。
条件、組成、他のパラメータ、他の注記
・「CST試薬」、または「LCST試薬」、または「UCST試薬」、または「UCST駆動因子(driver)」の例には、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル(DPnB)、トリ(プロピレングリコール)ブチルエーテル異性体混合物(TPnB)、プロピレングリコールn-ブチルエーテル(PnB)、ジプロピレングリコールn-プロピルエーテル(DPnP)、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(D-Hex n-ヘキシルエーテル)、プロピレングリコールプロピルエーテル(PnP)、2-ブトキシエタノール(EBブチルグリコール)、PPG 425、PPG 725、PPG 1000、PEGDME 250、PEGDME 500、PEG 1000、PEG 600、PEG 400、PEG 200、イオン性液体のうちの1つ以上または組み合わせが挙げられ得るが、これらに限定されない。
・「LCST結合試薬」、または「LCST結合剤試薬」、または「低溶解度試薬」の例には、二酢酸エチレングリコール、二酢酸プロピレングリコール、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(DPE)、2-ヘプタノン、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、炭酸プロピレン、シクロヘキサノン、1-オクタノール、酢酸ジプロピレングリコールメチルエーテル、1-メチル-2-ピロリジノン、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、アセタール(1,1-ジエトキシエタン)、酢酸イソアミル、ジブチルエーテル、m-キシレン、酢酸イソプロピル、炭酸ジメチル、ブタノン、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)、o-キシレン、アセチルアセトン、p-キシレン、メチルイソブチルケトン、トルエン、3-ペンタノン、酢酸プロピル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸2-メトキシエチル、5-メチル-2-ヘキサノン、4-メチル-2-ペンタノン、3-ペンタノン、2-ペンタノン、2-メチルテトラヒドロフランのうちの1つ以上または組み合わせが挙げられ得るが、これらに限定されない。
・本明細書に記載のUCST液体系は、-20~1000℃の任意の温度に調整可能または調節可能なUCST温度を有する組成物を含み得る。
・本明細書で導入されるLCST液体系は、-20~1000℃の任意の温度に調整可能または調節可能なLCST温度を有する組成物を含み得る。
・UCST液体系組成物には、水、有機溶媒、ポリマー、グリコール、炭酸塩、炭酸エステル、エステル、エーテル、ジオール、ラクタム、プロトン性溶媒、非プロトン性性溶媒、アミド、アルコール、フッ素化化合物、ハロゲン化化合物、炭化水素、有機ポリマー、アルキレングリコール、炭酸アルキレン、ポリオール、尿素、イオン性液体、イミン、アミン、アミド、イミド、アジド、アジン、アクリルアミド、アクリル酸、カルボン酸、ケトン、アルデヒド、アルカロイド、ハロゲン化物、カルボニル、ニトリル、アセチル、過酸化物、イオン性化合物、エポキシド、チオエステル、アセタール、アルカン、アルケン、アルキン、ハロアルカン、ヒドロペルオキシド、メトキシ、カルボン酸塩、シアン酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、ニトロソ、オキシイミン、カルバミン酸塩、ピリジン、有機硫黄化合物、有機リン化合物、ホウ素、ホウ素含有化合物、無機化学物質、無機化合物、エノールのうちの1つ以上または組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
・LCST試薬組成物には、水、有機溶媒、ポリマー、グリコール、炭酸塩、炭酸エステル、エステル、エーテル、ジオール、ラクタム、プロトン性溶媒、非プロトン性性溶媒、アミド、アルコール、フッ素化化合物、ハロゲン化化合物、炭化水素、有機ポリマー、アルキレングリコール、炭酸アルキレン、ポリオール、尿素、イオン性液体、イミン、アミン、アミド、イミド、アジド、アジン、アクリルアミド、アクリル酸、カルボン酸、ケトン、アルデヒド、アルカロイド、ハロゲン化物、カルボニル、ニトリル、アセチル、過酸化物、イオン性化合物、エポキシド、チオエステル、アセタール、アルカン、アルケン、アルキン、ハロアルカン、ヒドロペルオキシド、メトキシ、カルボン酸塩、シアン酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、ニトロソ、オキシイミン、カルバミン酸塩、ピリジン、有機硫黄化合物、有機リン化合物、ホウ素、ホウ素含有化合物、無機化学物質、無機化合物、エノールのうちの1つ以上または組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
・粘度は、100,000cP、または10,000cP、または1,000cP、または500cP、または100cP、または50cP、または40cP、または30cP、または20cP、または10cP、または9cP、または8cP、または7cP、または6cP、または5cP、または4cP、または3cP、または2cP、または1cP、または0.5cPを超えるか、それに等しいか、またはそれ未満であるか、またはそれらの組み合わせである。
・冷却入力または冷却源には、水温躍層水体、水温躍層液体物体、水体、冷液体物体、蒸発冷却、ヒートポンプ冷却、空冷、エンタルピー源との熱交換、低温冷却、LNGガス化、減圧、冷表面、放射冷却、吸熱相変化のうちの1つ以上または組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
・加熱入力または加熱源には、廃熱、周囲温度変化、日周温度変動、水温躍層液体物体、水温躍層固体物体、水温躍層ガス状物体、水体の水温躍層、塩分躍層、ヒートポンプ、太陽熱、太陽熱池、光、電気、蒸気、燃焼、圧縮、増圧、地熱、放射熱、凝縮、発熱溶解、発熱沈殿、より多くの液相の発熱形成、より少ない液相の発熱形成、発熱相変化、または本明細書に記載の他の温熱源のうちの1つ以上または組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
・温度:動作温度は、-100℃、または-90℃、または-80℃、または-70℃、または-60℃、または-50℃、または-40℃、または-30℃、または-20℃、または-10℃、0℃、1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、20℃、21℃、30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、110℃、120℃、130℃、140℃、150℃、140℃、150℃、200℃、500℃、1000℃、2000℃、3000℃、10000℃、100000℃のうちの1つ以上または組み合わせを含むが、これらに限定されない温度を超えるか、それ未満であるか、またはそれに等しいか、またはそれらの組み合わせである。
・1つ以上の構成成分の質量百分率は、0.0000001%、0.001%、0.01%、0.1%、1%、または5%、または10%、または11%、または12%、または13%、または14%、15%、または16%、または17%、または18%、または19%、または20%、または21%、または22%、または23%、または24%、または25%、または26%、または27%、または28%、または29%、または30%、または31%、または32%、または33%、または34%、または35%、または36%、または37%、または38%、または39%、または40%、または41%、または42%、または43%、または44%、または45%、または46%、または47%、または48%、または49%、または50%、または51%、または52%、または53%、または54%、または55%、または56%、または57%、または58%、または59%、または60%、または65%、または70%、または75%、または80%、または85%、または90%、または95%のうちの1つ以上または組み合わせを超えるか、またはそれ未満であるか、またはそれに等しいもの、または100%未満またはそれに等しいものを含む。
・1つ以上の液相の相対質量分布は、0.0000001%、0.001%、0.01%、0.1%、1%、または5%、または10%、または11%、または12%、または13%、または14%、15%、または16%、または17%、または18%、または19%、または20%、または21%、または22%、または23%、または24%、または25%、または26%、または27%、または28%、または29%、または30%、または31%、または32%、または33%、または34%、または35%、または36%、または37%、または38%、または39%、または40%、または41%、または42%、または43%、または44%、または45%、または46%、または47%、または48%、または49%、または50%、または51%、または52%、または53%、または54%、または55%、または56%、または57%、または58%、または59%、または60%、または65%、または70%、または75%、または80%、または85%、または90%、または95%のうちの1つ以上または組み合わせを超えるか、またはそれ未満であるか、またはそれに等しいもの、または100%未満であるか、またはそれに等しいものを含み得るが、これらに限定されない。
・分離デバイスは、デカンター、分液漏斗、コアレッサ、遠心分離機、フィルター、切替可能溶媒、サイクロン、半透膜、ナノ濾過、有機溶媒ナノ濾過、逆浸透、限外濾過、精密濾過、高温ナノ濾過、高温限外濾過、蒸留、膜蒸留、フラッシュ蒸留、多重効用蒸留、機械的蒸気圧縮蒸留、またはハイブリッドシステムのうちの1つ以上または組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。
・UCSTまたはLCSTを有する作動流体、冷熱または温熱を回収するために水体または他の液体物体の水温躍層から冷熱または温熱またはエンタルピーまたはエントロピーまたはそれらの組み合わせを回収する作動流体を含むが、これらに限定されない、作動流体によって到達される深さには、0~15,000メートルの範囲の深さ、0~1,000,000メートルの範囲の深さ、10メートル、または20メートル、または50メートル、または100メートル、または250メートル、または500メートル、または1000メートル未満の、それに等しい、またはそれを超える深さのうちの1つ以上または組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。
・用途には、冷蔵、ヒートポンプ、冷熱伝達、熱伝達、放射加熱、放射冷却、浸透熱機関、地熱伝達、地表源ヒートポンプ、地熱冷却、地熱加熱、食品および飲料生産、工業冷却、工業加熱、地域熱、電力発生、発電所冷却、輸送冷却、輸送加熱、空間加熱、空間冷却、HVAC、小さい温度差からの電気発生、比較的大きい温度差からの電気発生、温度差からの電力発生、長距離にわたる温熱または冷熱の伝達、データセンター冷却、抽出、ガス分離、分離、タンパク質抽出、タンパク質分離のうちの1つ以上または組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。
・本明細書で論じられる組成物が温熱もしくは冷熱伝達またはエネルギー発生以外の多数の用途を見出すことが予想され得る。用途の例には、薬物送達システム、固体担体が加熱または冷却時に溶解する薬物送達システム、生体適合性用途、診断またはセンサデバイス、1つ以上の分析物の存在がある特定の分析物によって誘発される相分離/混合をもたらす診断またはセンサデバイス、低技術温度計、より多くのまたはより少ない層を形成するか、または1つ以上の特定の温度超または未満で色を変化させるセンサ、温度計、温度プローブ、温度センサ、加湿器、加湿器または水蒸発器または水吸収器、加湿器、1つ以上の液相が他の液相または組み合わせられた溶液とは異なる水蒸気圧を有する加湿器または水蒸発器または水吸収器、パッケージ内での冷熱または温熱貯蔵、再利用可能な高温または低温パック、1つ以上のタイプの触媒の担体、燃料輸送、ガス輸送、液体輸送、試薬の可逆的輸送のうちの1つ以上または組み合わせが挙げられ得るが、これらに限定されない。
・試薬または組成物は、ガス、液体、水性、固体、溶解、1つ以上のイオン性種もしくは形態、1つ以上の液相種、二相性混合物、多相性混合物、液体を含む多相性混合物、固体混合物、超臨界、水和物、三重点、またはそれらの組み合わせを含み得るが、これらに限定されない複数の相または特性を含み得る。
・試薬または組成物には、炭素を含有する化合物、水素を含有する化合物、酸素を含有する化合物、窒素を含有する化合物、硫黄を含有する化合物、飽和炭化水素、不飽和炭化水素、環状炭化水素、シクロ炭化水素、芳香族炭化水素、アルカン、アルケン、アルキン、シクロアルカン、アルカジエン、ポリマー、ハロゲン化炭化水素、1つ以上の官能基を有する炭化水素、原油中の1つ以上の炭化水素、原油中の1つ以上の異なる炭化水素、ナフサ中の1つ以上の炭化水素、ガソリン中の1つ以上の炭化水素、ディーゼル中の1つ以上の炭化水素、重油中の1つ以上の炭化水素、天然ガス中の1つ以上の炭化水素、天然ガス液体、灯油中の1つ以上の炭化水素、有機溶媒、軽質炭化水素、重質炭化水素、不水溶性の炭化水素、部分的に水溶性の炭化水素、水溶性の炭化水素、低毒性の炭化水素、中程度毒性の炭化水素、高毒性の炭化水素、メタン、エタン、エテン(エチレン)、エチン(アセチレン)、プロパン、プロペン(プロピレン)、プロピン(メチルアセチレン)、シクロプロパン、プロパジエン、ブタン、ブテン(ブチレン)、ブチン、シクロブタン、ブタジエン、ペンタン、ペンテン、ペンチン、シクロペンタン、ペンタジエン(ピペリレン)、ヘキサン、ヘキセン、ヘキシン、シクロヘキサン、ヘキサジエン、ヘプタン、ヘプテン、ペンチン、シクロヘプタン、ヘプタジエン、オクタン、オクテン、オクチン、シクロオクタン、オクタジエン、炭化水素溶液、炭化水素を含有する混合物、アミノ酸のうちの1つ以上または組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。
(a)膜ベースの分離は、ナノ濾過、有機溶媒ナノ濾過、逆浸透、正浸透、限外濾過、精密濾過のうちの1つまたは組み合わせを含み得る。
(b)蒸留または蒸発は、バッチ蒸留、連続蒸留、単蒸留、分別蒸留、蒸気蒸留、共沸蒸留、多重効用蒸留、多段フラッシュ蒸留、フラッシュ蒸留、機械的蒸気圧縮蒸留、膜蒸留、真空蒸留、短経路蒸留、ゾーン蒸留、空気感受性蒸留のうちの1つまたは組み合わせを含み得る。
(c)切替可能溶媒は、熱的に切替可能な溶媒、CO切替可能溶媒、システム条件への他の変化に応答性の切替可能溶媒のうちの1つまたは組み合わせを含み得る。
【0311】
1つ以上の試薬は、水、有機溶媒、シロキサン、イオン性液体、水溶性ポリマー、可溶性ポリマー、グリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エーテル、グリコールエーテル、グリコールエーテルエステル、トリグリム、複数の形状のポリエチレングリコール、例えば、分岐状ポリエチレングリコール、星形ポリエチレングリコール、くし形ポリエチレングリコール、メトキシポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ジオールポリマー、1,2プロパンジオール、1,2エタンジオール、1,3プロパンジオール、セルロースエーテル、メチルセルロース、セロサイズ、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、糖アルコール、糖、アルコール、ケトン、アルデヒド、エステル、有機ケイ素化合物、ハロゲン化溶媒、不揮発性溶媒、20℃で0.01気圧未満の蒸気圧を有する試薬、80ダルトン超の分子量を有する可溶性試薬、揮発性有機溶媒、600ダルトン未満の分子量を有する可溶性試薬、200ダルトン未満の分子量を有する可溶性試薬、ジメトキシメタン、アセトン、アセトアルデヒド、メタノール、ジメチルエーテル、THF、エタノール、イソプロパノール、プロパナール、ギ酸メチル、共沸混合物、アルコール、ケトン、アルデヒド、エステル、有機ケイ素化合物、ハロゲン化溶媒、20℃で0.01気圧超の蒸気圧を有する試薬、またはそれらの混合物を含み得る。
【0312】
1つ以上の試薬は、水、アンモニア、アンモニウム、アミン、アジン、アミノエチルエタノールアミン、2-アミノ-2-メチルプロパン-1-オール(AMP)、MDEA、MEA、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、低分子量第一級または第二級アミン、金属-アンミン錯体、金属-アンモニア錯体、金属-アンモニウム錯体、立体障害アミン、イミン、アジン、ピペラジン、アルカリ金属、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、アルカリ土類金属、カルシウム、マグネシウム、イオン性液体、熱的に切替可能な化合物、CO切替可能化合物、酵素、金属-有機骨格、第四級アンモニウム、第四級アンモニウムカチオン、ポリマー中に包埋された第四級アンモニウムカチオン、またはそれらの混合物を含み得る。
イオン交換、イオン交換膜、電気透析、または吸収剤および/またはCOを含有する溶液の除去もしくは置き換え。
【0313】
1つ以上の試薬は、有機溶媒、水溶性ポリマー、可溶性ポリマー、グリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エーテル、グリコールエーテル、グリコールエーテルエステル、トリグリム、複数の形状のポリエチレングリコール、例えば、分岐状ポリエチレングリコール、星形ポリエチレングリコール、くし形ポリエチレングリコール、メトキシポリエチレングリコール、双性イオン性ポリマー、アミノ酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ジオールポリマー、1,2プロパンジオール、1,2エタンジオール、1,3プロパンジオール、セルロースエーテル、メチルセルロース、セロサイズ、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、糖アルコール、糖、アルコール、ケトン、アルデヒド、エステル、有機ケイ素化合物、ハロゲン化溶媒、不揮発性溶媒、20℃で0.01気圧未満の蒸気圧を有する試薬、80ダルトン超の分子量を有する可溶性試薬、またはそれらの混合物を含み得る。
【0314】
膜は、任意の有用な材料で構成されていてもよく、かかる有用な材料は、分離される構成成分、それらの分子量、粘度、および/または他の特性に応じて変化し得る。有用な膜には、例えば、薄膜複合体、ポリアミド、酢酸セルロース、セラミック膜、他の材料、およびそれらの組み合わせから選択される材料で構成される膜が含まれ得る。
【0315】
1つ以上の試薬は、例えば、揮発性有機溶媒、600ダルトン未満の分子量を有する可溶性試薬、200ダルトン未満の分子量を有する可溶性試薬、ジメトキシメタン、アセトン、アセトアルデヒド、メタノール、ジメチルエーテル、THF、エタノール、イソプロパノール、プロパナール、ギ酸メチル、共沸混合物、アルコール、ケトン、アルデヒド、エステル、有機ケイ素化合物、ハロゲン化溶媒、20℃で0.01気圧超の蒸気圧を有する試薬、またはそれらの混合物のうちの1つ以上または組み合わせを含み得る。
【0316】
いくつかの実施形態では、1つ以上の試薬は、熱的に切替可能な試薬、CO切替可能試薬、または非イオン性炭素を含有する化合物を含み得る。
【0317】
冷却が、例であって限定されない、周囲源、水体、冷却塔、工業用蒸発冷却機、蒸発冷却、および他の当該技術分野で既知の冷蔵または冷却プロセスによって行われ得る、冷蔵。
【0318】
例えば、膜、蒸発器、または他の分離機構には、膜、逆浸透、高温逆浸透、ナノ濾過、有機溶媒ナノ濾過、高温ナノ濾過、限外濾過、高温限外濾過、精密濾過、濾過、蒸留、膜蒸留、多重効用蒸留、機械的蒸気圧縮蒸留、二成分蒸留、共沸混合物蒸留、ハイブリッド分離デバイス、フラッシュ蒸留、多段フラッシュ蒸留、抽出蒸留、切替可能溶媒、LCST相変化、UCST相変化、「塩析」、または遠心分離機、またはそれらの組み合わせのうちの1つ以上または組み合わせが含まれ得る。
【0319】
試薬試薬いくつかの実施形態では、膜は、約80ダルトン超の分子量カットオフを有し得る。すなわち、これらの膜は、約80ダルトン未満の分子量または水和半径を有する構成成分の相当量または大半の通過を可能にする一方で、約80ダルトン超の分子量を有する構成成分の相当量または大半を拒絶する。当該技術分野では、分子量カットオフの別の定義は、溶質の90%が膜によって保持される最低分子量の溶質(ダルトン単位)または90%が膜によって保持される分子の分子量を指し得る。1,000ダルトン未満、または10,000ダルトン未満、または50,000ダルトン未満、または100,000ダルトン未満、または200,000ダルトン未満、または500,000ダルトン未満、または1,000,000ダルトン未満の分子量カットオフを有する膜も、用いられる状況および構成成分に応じて有用であり得る。
【0320】
試薬には、水、アンモニア、アンモニウムアミン、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、メチルアミン(MEA)、メチルエタノールアミン、アミノエチルエタノールアミン、アジン、イミン、強塩基、水酸化物、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、有機溶媒、商業用CO補足捕捉吸収剤、第四級アンモニウム化合物、セレクソール、レクチゾール、KS-1、UCARSOL、金属-有機骨格、固体吸着剤、高表面積化合物、活性炭、ゼオライト、カーボンナノチューブ、グラフェン、酸化グラフェン、アミン、アミノエチルエタノールアミン、2-アミノ-2-メチルプロパン-1-オール(AMP)、MDEA、MEA、第一級アミン、第二級アミン、または第三級アミン、低分子量第一級または第二級アミン、金属-アンミン錯体、金属-アンモニア錯体、金属-アンモニウム錯体、立体障害アミン、イミン、アジン、ピペラジン、アミン官能化ポリマー、アルカリ金属、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、アルカリ土類金属、カルシウム、マグネシウム、カチオン、イオン性液体、CO切替可能溶媒、CO切替可能界面活性剤炭酸塩、アミン官能基を含有するポリマー、CO反応性官能基を含有するポリマー、酵素、金属-有機骨格、グリコールアミン、ジグリコールアミン、ピペラジン、ジエタノールアミン、ジグリコールアミン、ジイソプロパノールアミン、第四級アンモニアもしくは第四級アンモニウムカチオン、またはポリマー中に包埋された第四級アンモニウムカチオン、またはそれらの混合物が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0321】
溶媒に対するまたは1つ以上の他の試薬に対する1つ以上の試薬の濃度には、0.001%、または0.1%、または0.5%、または1%、または1.5%、または2%、または2.5%、または3%、または3.5%、または4%、または4.5%、または5%、または5.5%、または6%、または6.5%、または7%、または7.5%、または8%、または8.5%、または9%、または9.5%、または10%、または10.5%、または11%、または11.5%、または12%、または12.5%、または13%、または13.5%、または14%、または14.5%、または15%、または20%、または30%、または40%、または50%、または60%、または70%、または80%、または90%、または100%のうちのいずれか未満の質量%濃度が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0322】
温熱源には、発電所(天然ガス、石炭、油、石油コークス、バイオ燃料、都市廃棄物)、廃水処理、埋立地ガス、空気、金属生産/精錬(例えば、鉄、鋼鉄、アルミニウム等)、ガラス生産、石油精製所、HVAC、運搬用車両(船舶、船、自動車、バス、列車、トラック、航空機)、天然ガス、バイオガス、アルコール発酵、火山活動、腐食葉/バイオマス、腐敗槽、呼吸、製造工場、肥料生産、またはCO(ガス)が井戸(複数可)から放出される地熱プロセスが含まれ得るが、これらに限定されない。
【0323】
1つ以上の実施形態は、水性または非水性であり得る。溶媒には、例えば、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、エチレングリコール、プロピレングリコール、DMSO、水、およびアセトニトリルを含むが、これらに限定されない極性有機溶媒、または液体アンモニアもしくは液体アミン等の無機溶媒、ならびにそれらの混合物が含まれ得る。
【0324】
1つ以上の試薬の濃度は、0.000001M程度に低くてもよく、または純試薬程度に高くてもよい。モル濃度の観点から、1つ以上の試薬の濃度は、0.00001M程度に低くてもよく、または0.01M、または0.05M、または0.1M、または0.3M、または0.5M、または0.8M、または1M、または1.3M、または1.5M、または1.8M、または2M、または2.3M、または2.5M、または2.8M、または3M、または3.3M、または3.5M、または3.8M、または4M、または5M、または6M、または7M、または8M、または9M、または10M、または12M、または15M、または18Mのうちのいずれか未満であるか、またはさらには純試薬であり得る。
【0325】
1つ以上の可溶性試薬は、1つ以上の混合装置への注入前、注入中、または注入後に予熱または冷却され得る。
【0326】
混合装置および方法には、バッチミキサー、連続撹拌槽型反応器、CSTR、蒸留塔、充填塔、電気噴霧、噴霧塔、向流噴霧塔、ならびに/または他の装置および/もしくは方法のうちの1つ以上または組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。この装置は、例であって限定されない、ガス脱着の促進、ガス脱着の促進、粘度の低下、および/または溶媒混合速度の増加のために、廃熱または他の温熱源を使用して加熱され得る。
【0327】
試薬または流れには、水、ポリマー、有機溶媒、濃縮可溶性試薬溶液、水溶性ポリマー、可溶性試薬の組み合わせ、溶媒混合物、エマルジョン、純試薬、純溶媒、水性溶媒、界面活性剤を含有する溶媒、双性イオン、固体、可溶性固体、ガス、液体-固体混合物、可溶性ガス、エアロゾル、浮遊固体、固体-ガス混合物、超臨界流体、および流体混合物のうちの1つ以上または組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。
【0328】
加熱または冷却適用:加熱または冷却は、統合されたプロセスにわたって組み込まれ得る。
【0329】
水中で、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)およびポリプロピレングリコール(PPG)は、より低い温度でより高い混合のギブズ自由エネルギーおよび浸透圧を有し得る。
【0330】
1つ以上の試薬または可溶性試薬の濃度は、例であって限定されない、0.0001%~99.99999%の質量%濃度の当該1つ以上の試薬または可溶性試薬を含み得る。1つ以上の試薬または可溶性試薬の質量%濃度は、1%、または5%、または10%、または11%、または12%、または13%、または14%、15%、または16%、または17%、または18%、または19%、または20%、または21%、または22%、または23%、または24%、または25%、または26%、または27%、または28%、または29%、または30%、または31%、または32%、または33%、または34%、または35%、または36%、または37%、または38%、または39%、または40%、または41%、または42%、または43%、または44%、または45%、または46%、または47%、または48%、または49%、または50%、または51%、または52%、または53%、または54%、または55%、または56%、または57%、または58%、または59%、または60%、または65%、または70%、または75%、または80%、または85%、または90%、または95%のいずれかを実質的に超えてもよく、または100%未満であるか、またはそれに等しくてもよい。
【0331】
1つ以上の試薬の質量%溶解度は、不溶性であるか、0.001%、0.01%、0.1%、または1%、または2%、または3%、または4%、または5%、または6%、または7%、または8%、または9%、または10%、または11%、または12%、または13%、または14%、または15%、または16%、または17%、または18%、または19%、または20%、または21%、または22%、または23%、または24%、または25%、または26%、または27%、または28%、または29%、または30%、または31%、または32%、または33%、または34%、または35%、または36%、または37%、または38%、または39%、または40%、または41%、または42%、または43%、または44%、または45%、または46%、または47%、または48%、または49%、または50%、または51%、または52%、または53%、または54%、または55%、または56%、または57%、または58%、または59%、または60%、または61%、または62%、または63%、または64%、または65%、または66%、または67%、または68%、または69%、または70%、または71%、または72%、または73%、または74%、または75%、または76%、または77%、または78%、または79%、または80%、または81%、または82%、または83%、または84%、または85%、または86%、または87%、または88%、または89%、または90%、または90.5%、または91%、または91.5%、または92%、または92.5%、または93%、または93.5%、または94%、または94.5%、または95%、または95.5%、または96%、または96.5%、または97%、または97.5%、または98%、または98.5%、または99%、または99.5%、または99.9%、または100%のうちのいずれかを実質的に超えるか、または完全に混和性であり得る。
【0332】
システム圧力には、0.00001気圧、または0.01気圧、または0.05気圧超または未満、または0.1気圧、または0.2気圧、または0.3気圧、または0.4気圧、または0.5気圧、または0.6気圧、または0.7気圧、または0.8気圧、または0.9気圧、または1気圧、または1.1気圧、または1.2気圧、または1.3気圧、または1.4気圧、または1.5気圧、または1.6気圧、または1.7気圧、または1.8気圧、または1.9気圧、または2気圧、または2.1気圧、または2.2気圧、または2.3気圧、または2.4気圧、または2.5気圧、または2.6気圧、または2.7気圧、または2.8気圧、または2.9気圧、または3気圧、または3.5気圧、または4気圧、または4.5気圧、または5気圧、または5.5気圧、または6気圧、または6.5気圧、または7気圧、または7.5気圧、または8気圧、または8.5気圧、または9気圧、または9.5気圧、または10気圧、または12気圧、または15気圧、または18気圧、または20気圧、または22気圧、または25気圧、または28気圧、または30気圧、または40気圧、または50気圧、または60気圧、または75気圧、または100気圧、または120気圧、または150気圧、または200気圧、または500気圧、または1,000気圧、または10,000気圧、または100,000気圧のうちの1つ以上または組み合わせを超える圧力、または1,000,000気圧未満の圧力が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0333】
分離デバイスおよび機構には、コアレッサ、切替可能溶媒、サイクロン、半透膜、ナノ濾過、有機溶媒ナノ濾過、逆浸透、限外濾過、精密濾過、高温ナノ濾過、高温限外濾過、蒸留、膜蒸留、フラッシュ蒸留、多重効用蒸留、機械的蒸気圧縮蒸留、ハイブリッドシステム、熱的に切替可能な溶媒、遠心分離機、またはフィルター、またはそれらの組み合わせのうちの1つ以上または組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。
【0334】
1つ以上のポンプの動力源には、電気、圧力交換器、ターボチャージャー、水圧、熱、圧力遅延浸透、または正浸透のうちの1つ以上または組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。
【0335】
膜またはフィルターベースの分離後、エネルギーが透過物および濃縮物の両方またはそれらのいずれかによって回収され得る。これらのエネルギー回収デバイスは当該技術分野で既知であり、圧力交換器およびターボチャージャーを含み得るが、これらに限定されない。
【0336】
=源には、廃熱、発電所廃熱、蒸気、熱、ポンプまたは圧縮機廃熱、工業プロセス廃熱、鋼廃熱、金属精錬および生産廃熱、製紙工場廃熱、セメント生産廃熱、焼成廃熱、工場廃熱、石油精製廃熱、太陽熱、太陽池、空調機器廃熱、燃焼熱、地熱、海洋または水体温度熱、蓄熱、およびガス吸収溶液熱が含まれ得るが、これらに限定されない。開示される実施形態のうちのいずれかの加熱または冷却温度には、-20℃、または-10℃、または0℃、または10℃、または20℃、または25℃、または30℃、または35℃、または40℃、または41.5℃、または41.5℃、または41.5℃~60℃、または45℃、または50℃、または55℃、または60℃、または60~100℃、または110℃、または150℃、または1000℃のうちのいずれか未満が含まれるが、これらに限定されない。
【0337】
有利な場合、ポリエチレングリコール150~2000、ポリプロピレングリコール425~4000、およびトリグリム等のグリコールエーテルを含むが、これらに限定されない、比較的低い分子量の試薬が用いられ得る。
【0338】
1つ以上の実施形態は、より小規模のモジュールでまたはユニットとして、例えば、運送用コンテナで構築および輸送され、他の場所に輸送されて使用され得る。
【0339】
多成分分離デバイスまたは多段分離デバイスが用いられ得る。当該デバイス(複数可)には、二成分蒸留、共沸混合物蒸留、膜蒸留、機械的蒸気圧縮、ハイブリッドシステム、フラッシュ蒸留、多段フラッシュ蒸留、多重効用蒸留蒸留、抽出蒸留、切替可能溶媒、逆浸透、ナノ濾過、有機溶媒ナノ濾過、限外濾過、および精密濾過のうちの1つ以上または組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。例えば、かかるハイブリッドシステムは、ナノ濾過を使用して可溶性試薬を少なくとも部分的に回収することと、その後、膜蒸留を使用して可溶性試薬をさらに濃縮することとを含み得る。かかるハイブリッドシステムの別の例は、切替可能溶媒が、温度変化等の刺激の存在により、溶液から「切り替わり」、その後、切替可能溶媒をさらに濃縮するか、または他の溶液中の残りの切替可能溶媒を除去するためにナノ濾過が用いられるプロセスであり得る。溶液中に溶解された切替可能溶媒または他の試薬は、さらに回収または濃縮され得るか、または形成された1つ以上の層または別個の溶液からさらに除去され得る。
【0340】
1つ以上の溶液の浸透圧範囲は、0.001気圧~1,000,000気圧であり得る。浸透圧は、0.001気圧未満、または0.01気圧未満、または0.05気圧、または0.1気圧、または0.2気圧、または0.3気圧、または0.4気圧、または0.5気圧または0.6気圧、または0.7気圧、または0.8気圧、または0.9気圧、または1気圧、または1.1気圧、または1.2気圧、または1.3気圧、または1.4気圧、または1.5気圧、または1.6気圧、または1.7気圧、または1.8気圧、または1.9気圧、または2気圧、または2.1気圧、または2.2気圧、または2.3気圧、または2.4気圧、または2.5気圧、または2.6気圧、または2.7気圧、または2.8気圧、または2.9気圧、または3気圧、または3.5気圧、または4気圧、または4.5気圧、または5気圧、または5.5気圧、または6気圧、または6.5気圧、または7気圧、または7.5気圧、または8気圧、または8.5気圧、または9気圧、または9.5気圧、または10気圧、または12気圧、または15気圧、または18気圧、または20気圧、または22気圧、または25気圧、または28気圧、または30気圧、または35気圧、または40気圧、または45気圧、または50気圧、または55気圧、または60気圧、または65気圧、または70気圧、または75気圧、または80気圧、または85気圧、または90気圧、または95気圧、または100気圧、または150気圧、または200気圧、または500気圧、または1,000気圧、または10,000気圧、または100,000気圧超また未満のうちのいずれかであるか、または1,000,000気圧未満であるか、または純溶媒であり得る。
【0341】
固体沈殿、溶解、または液体凍結は、例であって限定されない、濃度、濃度、溶解ガス濃度、圧力、温度、他のシステム条件、またはそれらの組み合わせの変化により、1つ以上の実施形態内で意図的または非意図的に起こり得る。
【0342】
1つ以上のCST試薬は、1,2プロパンジオール、1,2エタンジオール、および/または1,3プロパンジオール等の低分子量ジオールのランダムまたは連続コポリマーを含み得る。
【0343】
例えば、感熱性ポリ(Nイソプロピルアクリルアミド)(PNIPAM)ヒドロゲルは、体積相転移温度(VPTT、約32℃)未満で水を吸収し、VPTT超の温度で水を排出することができる。これらのヒドロゲル試薬の他の例には、ポリアクリルアミド(PAM)、PNIPAM、およびポリ(Nイソプロピルアクリルアミド-コ-アクリル酸)およびナトリウム(P(NIPAM-コ-SA))が挙げられる。
【0344】
他のCST試薬には、メチルセルロースおよびトリエチルアミンが含まれ得るが、これらに限定されない。
【0345】
圧力または圧力と温度との組み合わせにより溶解度または他の回収方法を変化させる試薬も有用であり得る。これらには、PSA、ポリアクリルアミド(PAM)、PNIPAM、およびポリ(Nイソプロピルアクリルアミド-コ-アクリル酸ナトリウム(P(NIPAM-コ-SA))ヒドロゲルが含まれ得るが、これらに限定されない。
【0346】
溶液の運動エネルギーの変化は、変化に対する刺激としての機能を果たし得るか、または追加の試薬の溶解度または他の形態の回収率の変化を促進し得る。運動エネルギーは、混合および超音波処理を含むが、これらに限定されない様々な形態であり得る。超音波処理は、溶解度または相転移を増加または減少させ得る。
【0347】
試薬試薬試薬試薬試薬試薬試薬試薬試薬試薬試薬試薬試薬試薬試薬試薬廃熱源の例には、発電所(天然ガス、石炭、油、石油コークス、バイオ燃料、都市廃棄物)、復水、煙道ガス、蒸気、石油精製所、金属生産/精錬(鉄、鋼鉄、アルミニウム等)、ガラス生産、製造工場、肥料生産、運搬用車両(船舶、船、自動車、バス、列車、トラック、航空機)、廃水処理、太陽熱、太陽池、太陽光発電、地熱(深井戸)、バイオ燃料を動力源とする車両、バイオ燃料/バイオマス/都市廃棄物発電所、脱硫、アルコール生産、硫化水素処理、酸(例えば、硫酸)生産、再生可能肥料生産、海洋熱、空間加熱、家庭雑排水、日周温度変動、地熱(浅井戸/ループ)、または呼吸が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0348】
温熱または冷熱は、1つ以上の実施形態の任意の時点で適用され得る。
【0349】
有利な場合、熱交換器および回収デバイスが用いられ得る。
【0350】
混合デバイスには、以下のうちの1つ以上または組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。
CSTR、バッチ、セミバッチ、またはフラッシュデバイス
タービン:ラッシュトンタービン、またはスミスタービン、またはヘリカルタービン、またはバッカータービン
低せん断ミキサー、高せん断ミキサー、動的ミキサー、インラインミキサー、静的ミキサー、乱流ミキサー、ミキサーなし、クローズクリアランスミキサー、高せん断ディスペンサー、静的ミキサー、液体ホイッスル、Mix-Itometer、インペラーミキサー、液体-液体混合、液体-固体混合、液体-ガス混合、液体-ガス-固体混合、多相混合、放射流、軸流、平刃または曲刃形状
【0351】
このプロセスのいずれの部分も加熱または冷却され得る。温熱源には、廃熱、発電所廃熱、蒸気、熱、ポンプまたは圧縮機廃熱、工業プロセス廃熱、鋼廃熱、金属精錬および生産廃熱、製紙工場廃熱、工場廃熱、石油精製廃熱、太陽熱、太陽池、空調機器廃熱、燃焼熱、地熱、海洋または水体温度熱、蓄熱、およびCO(ガス)吸収溶液熱が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0352】
1つ以上の試薬または組成物は、水溶液、水溶性ポリマー、可溶性ポリマー、グリコールポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールエーテル、グリコールエーテル、グリコールエーテルエステル、トリグリム、複数の形状のポリエチレングリコール、メトキシポリエチレングリコール、ポリビニルアルコールポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ジオールポリマー、1,2プロパンジオール、1,2エタンジオール、1,3プロパンジオール、セルロースエーテル、メチルセルロース、セロサイズ、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、糖アルコール、糖、アルコールケトン、アルデヒド、エステル、有機ケイ素化合物、ハロゲン化溶媒を含み得る。
【0353】
CST試薬には、以下のうちの1つ以上または組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。
・ポリ(エチレングリコール)(PEG)およびポリ(エチレンオキシド)(PEO)
ヘテロ二官能性PEG:アジド(-N3)官能化、ビオチン官能化、マレイミド官能化、NHSエステル官能化、チオール官能化、COOH官能化、アミン官能化、ヒドロキシル官能化、アクリレート/メタクリレート官能化
ホモ二官能性PEG
単官能性PEG
PEGデンドリマーおよびマルチアームPEG:PEGコアデンドリマー、マルチアームPEG、マルチアームPEGブロックコポリマー
PEGコポリマー:PEGジブロックコポリマー、PEG/PPGトリブロックコポリマー、生分解性PEGトリブロックコポリマー、マルチアームPEGブロックコポリマー、ランダムコポリマー
PEGおよびオリゴエチレングリコール:例:PEG 200、PEG 300、PEG 400、PEG 600、PEG 1000、PEG 1450、PEG 1500、PEG 2050、PEG 3350、PEG 8000、PEG 10000
ポリ(エチレンオキシド)
高オリゴマー純度PEG
ポリエチレングリコール-ポリビニルアルコール(PEG-PVA)
・ポリプロピレングリコール(PPG)
例:PPG 425~4000
・ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAM)およびポリアクリルアミド(PAM)
PNIPAMコポリマー
ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAM)
ポリアクリルアミド(PAM)およびコポリマー
・ポリ(2-オキサゾリン)およびポリエチレンイミン(PEI)
・ポリ(アクリル酸)、ポリメタクリレートおよび他のアクリルポリマー
・ポリ(ビニルアルコール)(PVA)およびコポリマー
ポリ(ビニルアルコール)(PVA)
ポリ(ビニルアルコール-コ-エチレン)エチレン
・ポリ(ビニルピロリドン)(PVP)およびコポリマー
・高分子電解質には、ポリ(スチレンスルホン酸)(PSS)およびコポリマー、ポリアクリルアミド(PAM)系高分子電解質、ポリ(アクリル酸)(PAA)、ナトリウム塩、ポリ(アリルアミン塩酸塩)、ポリ(塩化ジアリルジメチルアンモニウム)溶液、ポリ(ビニル酸)のうちの1つ以上または組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。
・ククルビット[n]ウリル水和物
・第四級アンモニウムポリマー
・カルボキシポリメチレン(カルボマー)
・ポリビニルメチルエーテル-無水マレイン酸(PVM-MA)
・カルボキシポリメチレン(カルボキシビニルポリマー)
・ポリビニルメチルエーテル-無水マレイン酸
・カルボキシメチルセルロース
・ヒドロキシエチルセルロースおよび誘導体
・メチルセルロースおよび誘導体
・他のセルロースエーテルには、エチルセルロースまたはヒドロキシプロピルセルロースが含まれ得るが、これらに限定されない。
・ナトリウムカルボキシメチルセルロース
・ヒドロキシエチルセルロースおよびエチルヒドロキシエチルセルロース
・天然水溶性ポリマー:デンプン、糖、多糖、寒天、アルギン酸塩、カラギーナン、ファーセレラン、カゼインおよびカゼイン塩、ゼラチン、グアーガムおよび誘導体、アラビアガム、ローカストビーンガム、ペクチン、カシアガム、コロハガム、オオバコ種子ガム、タマリンドガム、タラガム、ガティガム、カラヤガム、トラガカントガム、キサンタンガム、カードラン、ジウタンガム、ジェランガム、プルラン、スクレログルカン(スクレロチウムガム)
【0354】
PEGは、以下を含むが、これらに限定されない異なる形状で利用可能である。
・分岐状PEG:中核基から生じる3~10個のPEG鎖を有する。
・星形PEG:中核基から生じる10~100個のPEG鎖を有する。
・くし形PEG:通常はポリマー骨格にグラフトされた複数のPEG鎖を有する。
【0355】
実施形態の試薬特性には、以下のうちの1つ以上または組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。
・可溶性試薬、可溶性有機溶媒、可溶性ポリマー、水溶性試薬、膜で分離可能な可溶性試薬、膜で分離可能な水溶性試薬、水溶性有機溶媒、水溶性ポリマー、膜で分離可能な有機溶媒、膜で分離可能なポリマー、膜で分離可能な可溶性有機溶媒、膜で分離可能な可溶性ポリマー、高分子量水溶性有機溶媒、低分子量水溶性ポリマー、不揮発性有機溶媒、低揮発度有機溶媒、膜で分離可能な高揮発度有機溶媒、100ダルトン超、または125ダルトン、もしくは150ダルトン、もしくは175ダルトン、もしくは200ダルトン、もしくは225ダルトン、もしくは250ダルトン、もしくは275ダルトン、もしくは300ダルトン、もしくは325ダルトン、もしくは350ダルトン、もしくは375ダルトン、もしくは400ダルトン、もしくは425ダルトン、もしくは450ダルトン、もしくは475ダルトン、もしくは500ダルトン、もしくは525ダルトン、もしくは550ダルトン、もしくは575ダルトン、もしくは600ダルトンのうちのいずれかを含むが、これらに限定されない分子量を有する有機溶媒、100ダルトン超、または125ダルトン、もしくは150ダルトン、もしくは175ダルトン、もしくは200ダルトン、もしくは225ダルトン、もしくは250ダルトン、もしくは275ダルトン、もしくは300ダルトン、もしくは325ダルトン、もしくは350ダルトン、もしくは375ダルトン、もしくは400ダルトン、もしくは425ダルトン、もしくは450ダルトン、もしくは475ダルトン、もしくは500ダルトン、もしくは525ダルトン、もしくは550ダルトン、もしくは575ダルトン、もしくは600ダルトンのうちのいずれか超を含むが、これらに限定されない分子量を有するポリマー、100ダルトン超、または125ダルトン、もしくは150ダルトン、もしくは175ダルトン、もしくは200ダルトン、もしくは225ダルトン、もしくは250ダルトン、もしくは275ダルトン、もしくは300ダルトン、もしくは325ダルトン、もしくは350ダルトン、もしくは375ダルトン、もしくは400ダルトン、もしくは425ダルトン、もしくは450ダルトン、もしくは475ダルトン、もしくは500ダルトン、もしくは525ダルトン、もしくは550ダルトン、もしくは575ダルトン、もしくは600ダルトンのうちのいずれか超を含むが、これらに限定されない分子量を有する試薬、100ダルトン超、または125ダルトン、もしくは150ダルトン、もしくは175ダルトン、もしくは200ダルトン、もしくは225ダルトン、もしくは250ダルトン、もしくは275ダルトン、もしくは300ダルトン、もしくは325ダルトン、もしくは350ダルトン、もしくは375ダルトン、もしくは400ダルトン、もしくは425ダルトン、もしくは450ダルトン、もしくは475ダルトン、もしくは500ダルトン、もしくは525ダルトン、もしくは550ダルトン、もしくは575ダルトン、もしくは600ダルトンのうちのいずれか超を含むが、これらに限定されない水和半径を有する有機溶媒
・100ダルトン超、または125ダルトン、もしくは150ダルトン、もしくは175ダルトン、もしくは200ダルトン、もしくは225ダルトン、もしくは250ダルトン、もしくは275ダルトン、もしくは300ダルトン、もしくは325ダルトン、もしくは350ダルトン、もしくは375ダルトン、もしくは400ダルトン、もしくは425ダルトン、もしくは450ダルトン、もしくは475ダルトン、もしくは500ダルトン、もしくは525ダルトン、もしくは550ダルトン、もしくは575ダルトン、もしくは600ダルトンのうちのいずれか超を含むが、これらに限定されない水和半径を有するポリマー
・100ダルトン超、または125ダルトン、もしくは150ダルトン、もしくは175ダルトン、もしくは200ダルトン、もしくは225ダルトン、もしくは250ダルトン、もしくは275ダルトン、もしくは300ダルトン、もしくは325ダルトン、もしくは350ダルトン、もしくは375ダルトン、もしくは400ダルトン、もしくは425ダルトン、もしくは450ダルトン、もしくは475ダルトン、もしくは500ダルトン、もしくは525ダルトン、もしくは550ダルトン、もしくは575ダルトン、もしくは600ダルトンのうちのいずれか超を含むが、これらに限定されない水和半径を有する試薬
・1つ以上の試薬の溶解度は、例であって限定されない、溶媒1kgあたり0.00001g、溶媒1kgあたり0.01g、溶媒1kgあたり0.1g、溶媒1kgあたり0.5g、溶媒1kgあたり1g、溶媒1kgあたり1.5g、溶媒1kgあたり2g、溶媒1kgあたり3g、溶媒1kgあたり4g、溶媒1kgあたり5g、溶媒1kgあたり6g、溶媒1kgあたり7g、溶媒1kgあたり8g、溶媒1kgあたり9g、溶媒1kgあたり10g、溶媒1kgあたり11g、溶媒1kgあたり12g、溶媒1kgあたり13g、溶媒1kgあたり14g、溶媒1kgあたり15g、溶媒1kgあたり16g、溶媒1kgあたり17g、溶媒1kgあたり18g、溶媒1kgあたり19g、溶媒1kgあたり20g、溶媒1kgあたり21g、溶媒1kgあたり22g、溶媒1kgあたり23g、溶媒1kgあたり24g、溶媒1kgあたり25g、溶媒1kgあたり26g、溶媒1kgあたり27g、溶媒1kgあたり28g、溶媒1kgあたり29g、溶媒1kgあたり30g、溶媒1kgあたり40g、溶媒1kgあたり50g、溶媒1kgあたり60g、溶媒1kgあたり70g、溶媒1kgあたり80g、溶媒1kgあたり90g、溶媒1kgあたり100g、溶媒1kgあたり110g、溶媒1kgあたり150g、溶媒1kgあたり200g、溶媒1kgあたり300g、溶媒1kgあたり400g、溶媒1kgあたり500g、溶媒1kgあたり750g、溶媒1kgあたり1000g、溶媒1kgあたり1500g、溶媒1kgあたり2000gのうちの1つ以上未満であるか、それに等しいか、またはそれを超え得る。
・本明細書に記載の実施形態の追加の用途には、酸性ガス除去、炭化水素-炭化水素分離、炭化水素-不活性ガス分離、酸性ガス処理、天然ガス処理、ガス処理、合成ガス精製、合成酸性ガス除去、蒸気メタン改質ガスからのCO除去、蒸気バイオマス改質ガスからのCO除去、バイオガス改良、炭化水素改質ガスからのCO除去、バイオガス改良、ガス処理、CO捕捉、燃焼後捕捉、燃焼前捕捉、埋立地ガス、煙道ガス、空気分離、ガス濃縮、ガス除去、エアロゾル除去、エアロゾル分離、超臨界流体ありまたはなしでの石油増進回収、石油増進回収ガス処理、CO再注入のための石油増進回収ガス処理、フィッシャー・トロプシュガスまたは液体分離のうちの1つ以上または組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。
・試薬、化合物、イオン性化合物、塩、溶媒、または試薬には、H-、H+、D-、D+、H2-、H2+、H3+、He-、He+、He、H+、He2+、Li-、Li+、Na-、Na+、K-、K+、Cu-、Cu+、LiH-、LiH+、NaH-、NaH+、KH+、Be-、Be+、Mg-、Mg+、Ca-、Ca+、Zn-、Zn+、BeH-、BeH+、MgH-、MgH+、CaH+、ZnH+、BeH2+、B-、B+、Al-、Al+、Sc+、Ga-、Ga+、BH-、BH+、AlH-、AlH+、ScH+、GaH+、BH2-、BH2+、AlH2-、o2AlH2+、BH3-、BH3+、AlH3-、AlH3+、BH4-、AlH4-、C-、C+、Si-、Si+、Ti-、Ti+、Ge-、Ge+、CH-、CH+、SiH-、SiH+、GeH+、CH2-、CH2+、SiH2-、SiH2+、GeH2-、CH3-、CH3+、SiH3-、SiH3+、GeH3+、CH4-、CH4+、SiH4+、N-、N+、P-、P+、V+、As-、As+、NH-、NH+、PH-、PH+、AsH+、NH2-、NH2+、PH2-、PH2+、AsH2+、NH3-、NH3+、PH3+、AsH3+、NH4+、PH4+、O-、O+、S-、S+、Se-、Se+、OH-、OH+、HS-、HS+、CrH+、HSe-、HSe+、H2O-、H2O+、H2S-、H2S+、H2Se+、H3O+、H3S+、H3Se+、F-、F+、Cl-、Cl+、Br-、Br+、I-、I+、HF-、HF+、HCl-、HCl+、HBr-、HBr+、H2F+、H2Cl+、H2Br+、Ne-、Ne+、Ar-、Ar+、Kr+、NeH+、ArH+、KrH+、XeH+、Li2-、Li2+、NaLi-、NaLi+、Na2-、Na2+、NaK+、Be2-、Be2+、Mg2-、Mg2+、B2-、B2+、Al2-、Al2+、BC-、BC+、C2-、C2+、SiC-、SiC+、Si2-、Si2+、C2H-、C2H+、C2H2+、H2CC-、HCCH-、C2H3-、C2H3+、C2H4-、C2H4+、C2H5-、C2H5+、C2H6+、C2H7+、LiN+、BeN-、BeN+、BN-、AlN-、AlN+、BN+、CN-、CN+、CP-、CP+、SiN-、SiN+、SiP-、SiP+、N2-、N2+、PN-、PN+、P2-、P2+、HCN-、HCN+、NNH+、HPO+、CNH2+、H2CN+、HCNH+、N2H2+、CH2NH2+、N2H4+、CH3NH2+、N2H5+、CH3NH3+、CH3PH3+、LiO-、LiO+、LiS+、NaO-、NaO+、KO+、BeO-、BeO+、MgO-、MgO+、MgS-、MgS+、BeS-、BeS+、BO-、AlO-、AlO+、BS-、BS+、AlS-、AlS+、BO+、CO-、CO+、CS-、CS+、SiO-、SiO+、SiS-、SiS+、CSe-、CSe+、GeO+、NO-、NO+、NS-、NS+、PO-、PO+、PS-、PS+、O2-、O2+、SO-、SO+、S2-、S2+、SeO-、SeO+、SeS-、SeS+、Se2-、Se2+、COH+、HCO-、HCO+、HCS-、HCS+、HNO-、HNO+、NOH+、HNS-、HO2-、HO2+、KOH2+、H2CO-、H2CO+、H2CS-、H2CS+、H2O2+、H2S2+、CH2OH+、CH3O-、CH3O+、H2CSH+、H3O2+、CH3OH-、CH3OH+、CH3SH+、CH3OH2+、CH3SH2+、H5O2+、LiCl-、LiCl+、NaF-、NaF+、NaCl-、NaCl+、LiBr-、LiBr+、NaBr-、NaBr+、LiF-、LiF+、BeF-、BeF+、MgF-、MgF+、MgCl-、MgCl+、ZnF-、ZnF+、BeCl-、BeCl+、BF-、BF+、AlF-、AlF+、BCl-、BCl+、AlCl-、AlCl+、GaF+、GaCl+、CF-、CF+、CCl-、CCl+、SiF-、SiF+、SiCl-、SiCl+、GeF+、NF-、NF+、NCl-、NCl+、PF-、PF+、PCl-、PCl+、FO-、FO+、ClO-、ClO+、SF-、SF+、SCl-、SCl+、BrO-、F2-、F2+、ClF、ClF+、Cl2-、Cl2+、BrF-、BrF+、BrCl-、BrCl+、Br2-、Br2+、I2+、HOBr+、F2H+、FHF-、Cl2H+、CH3ClH+、LiNe+、Ne2+、Ar2+、Li3+、C3+、C3H3-、C3H3+、C3H3+、C3H5+、C3H7+、C3H7+、C3H7+、N3-、N3+、CH3CN-、CH3CN+、HNCNH2+、NCNH3+、C2H5NH+、C2H6N+,(CH3)2NH2+、CH3CH2NH3+、Li2O+、CNO-、NCO-、SCN-、BO2-、BO2+、N2O-、N2O+、CO2-、CO2+、OCS+、CS2-、CS2+、NO2-、NO2+、PO2-、PO2+、O3-、O3+、SO2-、SO2+、S3-、S3+、SeO2+、HCO2-、HNNO+、NNOH+、HOCO+、HNO2+、O3H+、SO2H+、CH2CO+、H2COO+、CH3CO-、CH3CO+、CH3OO-、CH3OO+、H2CONH2+、C2H4OH+、C2H4OH+、CH3CHOH+、FCO+、CF2-、CF2+、SiF2+、CCl2-、CCl2+、ClOO+、OClO-、OClO+、NF2+、SF2-、SF2+、F3-、Cl3-、HCCF+、HFCO+、CH2CHF+、C4+、C4H2+、C2N2+、HCCCN+、C3H3N+、CH3NHN2+、CH6N3+,(CH3)3NH+、C3H7NH3+、CO3--、NO3-、NO3+、SO3-、SO3+、HCO3-、C2H2O2+、H2NO3+、CH3COO-、H3CO3+、NH2CONH2+、NH2COOH2+、NH3COOH+、CH5N2O+、H2NCOHNH2+、CH3COCH3-、CH3COHCH3+、C2Cl2+、BF3-、BF3+、ClO3-、CF3-、CF3+、SiF3+、CCl3-、CCl3+、SiCl3+、NF3-、NF3+、NF3H+、AsF3H+、CH2ClCH2OH2+、C5H5-、C3H3N2-、C4H4N-、C4H6N+、C4H6N+、C4H6N+、NC4H12+、C3O2+、PO4---、SO4--、HSO4-、C4H4O+、C4H10O+、ClO4-、BF4-、CCl4+、C2HF3+、C6H5-、C6H6+、C6H7+、C5H6N+、C2O4--、CF3CN+、C2F4+、SiF5-、SF5+、C7H7+、CF3COO-、PF6-、C6N4-、H、H、D、D、H2、H2、H3、He、He、He、H、He2、Li、Li、Na、Na、K、K、Cu、Cu、LiH、Li、NaH、NaH、KH、Be、Be、Mg、Mg、Ca、Ca、Zn、Zn、BeH、BeH、MgH、MgH、CaH、ZnH、BeH2、B、B、Al、Al、Sc、Ga、Ga、BH、BH、AlH、AlH、ScH、GaH、BH2、BH2、AlH2、o2AlH2、BH3、BH3、AlH3、AlH3、BH4、AlH4、C、C、Si、Si、Ti、Ti、Ge、Ge、CH、CH、SiH、SiH、GeH、CH2、CH2、SiH2、SiH2、GeH2、CH3、CH3、SiH3、SiH3、GeH3、CH4、CH4、SiH4、N、N、P、P、V、As、As、NH、NH、PH、PH、AsH、NH2、NH2、PH2、PH2、AsH2+、NH3、NH3、PH3、AsH3、NH4、PH4、O、O、S、S、Se、Se、OH、OH、HS、HS、CrH、HSe、HSe、H2O、H2O、H2S、H2S、H2Se、H3O、H3S、H3Se、F、F、Cl、Cl、Br、Br、I、I、HF、HF、HCl、HCl、HBr、HBr、H2F、H2Cl、H2Br、Ne、Ne、Ar、Ar、Kr、NeH、ArH、KrH、XeH、Li2、Li2、NaLi、NaLi、Na2、Na2、NaK、Be2、Be2、Mg2、Mg2、B2、B2、Al2、Al2、BC、BC、C2、C2、SiC、SiC、Si2、Si2、C2H、C2H、C2H2、H2CC、HCCH、C2H3、C2H3、C2H4、C2H4、C2H5、C2H5、C2H6、C2H7、LiN、BeN、BeN、BN、AlN、AlN、BN、CN、CN、CP、CP、SiN、SiN、SiP、SiP、N2、N2、PN、PN、P2、P2、HC、HCN、NNH、HPO、CNH2、H2CN、HCNH、N2H2、CH2NH2、N2H4、CH3NH2、N2H5、CH3NH3、CH3PH3、LiO、LiO、LiS、NaO、NaO、KO、BeO、BeO、MgO、MgO、MgS、MgS、BeS、BeS、BO、AlO、AlO、BS、BS、AlS、AlS、BO、CO、CO、CS、CS、SiO、SiO、SiS、SiS、CSe、CSe、GeO、NO、NO、NS、NS、PO、PO、PS、PS、O2、O2、SO、SO、S2、S2、SeO、SeO、SeS、SeS、Se2、Se2、COH、HCO、HCO、HCS、HCS、HNO、HNO、NOH、HNS、HO2、HO2、KOH2、H2CO、H2CO、H2CS、H2CS、H2O2、H2S2、CH2OH、CH3O、CH3O、H2CSH、H3O2、CH3OH、CH3OH、CH3SH、CH3OH2、CH3SH2、H5O2、LiCl、LiCl、NaF、NaF、NaCl、NaCl、LiBr、LiBr、NaBr、NaBr、LiF、LiF、BeF、BeF、MgF、MgF、MgCl、MgCl、ZnF、ZnF、BeCl、BeCl、BF、BF、AlF、AlF、BCl、BCl、AlCl、AlCl、GaF、GaCl、CF、CF、CCl、CCl、SiF、SiF、SiCl、SiCl、GeF、NF、NF、NCl、NCl、PF、P、PCl、PC、FO、FO、ClO、ClO、SF、SF、SCl、SCl、BrO、F2、F2、ClF、ClF、Cl2、Cl2、BrF、BrF、BrCl、BrCl、Br2、Br2、I2、HOBr、F2H、FHF-、Cl2H、CH3ClH、LiNe、Ne2、Ar2、Li3、C3、C3H3、C3H3、C3H3、C3H5、C3H7、C3H7、C3H7、N3、N3、CH3CN、CH3CN、HNCNH2、NCNH3、C2H5NH、C2H6N,(CH3)2NH2、CH3CH2NH3、Li2O、CNO、NCO、SCN、BO2、BO2、N2O、N2O、CO2、CO2、OCS、CS2、CS2、NO2、NO2、PO2、PO2、O3、O3、SO2、SO2、S3、S3、SeO2、HCO2、HNNO、NNOH、HOCO、HNO2、O3H、SO2H、CH2CO、H2COO、CH3CO、CH3CO、CH3OO、CH3OO、H2CONH2、C2H4OH、C2H4OH、CH3CHOH、FCO、CF2、CF2、SiF2、CCl2、CCl2、ClOO、OClO、OClO、NF2、SF2、SF2、F3、Cl3、HCCF、HFCO、CH2CHF、C4、C4H2、C2N2、HCCCN、C3H3N、CH3NHN2、CH6N3,(CH3)3NH、C3H7NH3、CO3、NO3、NO3、SO3、SO3、HCO3、C2H2O2、H2NO3、CH3COO、H3CO3、NH2CONH2、NH2COOH2、NH3COOH、CH5N2O、H2NCOHNH2、CH3COCH3、CH3COHCH3、C2Cl2、BF3、BF3、ClO3、CF3、CF3、SiF3、CCl3、CCl3、SiCl3、NF3、NF3、NF3H、AsF3H、CH2ClCH2OH2、C5H5、C3H3N2、C4H4N、C4H6N、C4H6N、C4H6N、NC4H12、C3O2、PO4、SO4、HSO4、C4H4O、C4H10O、ClO4、BF4、CCl4、C2HF3、C6H5、C6H6、C6H7、C5H6N、C2O4、CF3CN、C2



F4、SiF5、SF5、C7H7、CF3COO、PF6、C6N4、イオン性液体のうちの1つ以上または組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。
・雲点温度は、CST、またはLCST、またはUCST、またはそれらの組み合わせと同等のものであり得る。
・雲点温度、加熱もしくはLCST温度、またはそれらの組み合わせには、-100℃、または-90℃、または-80℃、または-70℃、または-60℃、または-50℃、または-40℃、または-30℃、または-20℃、または-10℃、0℃、1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、20℃、21℃、30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、110℃、120℃、130℃、140℃、150℃、140℃、150℃、200℃、500℃、1000℃、2000℃、3000℃、10000℃、100000℃のうちの1つ以上または組み合わせに等しいか、それを超えるか、またはそれ未満の温度が含まれ得るが、これらに限定されない。
・雲点温度、冷却もしくはUCST温度、またはそれらの組み合わせには、-100℃、または-90℃、または-80℃、または-70℃、または-60℃、または-50℃、または-40℃、または-30℃、または-20℃、または-10℃、0℃、1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、20℃、21℃、30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、110℃、120℃、130℃、140℃、150℃、140℃、150℃、200℃、500℃、1000℃、2000℃、3000℃、10000℃、100000℃のうちの1つ以上または組み合わせに等しいか、それを超えるか、またはそれ未満の温度が含まれ得るが、これらに限定されない。
・吸収ユニット動作には、吸収塔、塔、接触器、ガス-液体接触器、液体-液体接触器、液体-固体接触器、膜接触器、ガス膜接触器、充填塔、膜塔、めっき塔、多段塔、固体処理塔、液体処理塔、多相塔、回転吸収ユニット、動的運動吸収ユニット、ストリッピング塔、混合容器、連続撹拌反応器、加圧容器、減圧容器、多段容器、バッチ設定、2つ以上の相の混合、より少ない相からのより多くの相の形成、比較的より多い相からのより少ない相の形成、加熱容器、冷却容器、膜吸収、膜選択的吸収のうちの1つ以上または組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。
・蒸発器または脱着ユニット動作には、塔、接触器、ガス-液体接触器、膜塔、膜接触器、ガス膜接触器、充填塔、めっき塔、多段塔、多段容器、バッチ設定、液体-液体接触器、液体-固体接触器、固体処理塔、液体処理塔、多相塔、回転脱着ユニット、動的運動脱着ユニット、ストリッピング塔、混合容器、連続撹拌反応器、再沸器、減圧容器、加圧容器、フラッシュ容器、フラッシュユニット、多段フラッシュユニット、2つ以上の相の混合、より少ない相からのより多くの相の形成、比較的より多い相からのより少ない相の形成、加熱容器、冷却容器、キャリアガスストリッピング、蒸気ストリッピング、空気ストリッピング、再循環ガスストリッピング、脱着される1つ以上のガスを使用したストリッピング、アンモニアストリッピング、膜ストリッピング、膜蒸留、膜選択的吸収のうちの1つ以上または組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。
・1つ以上の試薬は、炭化水素を含み得る。炭化水素には、炭素を含有する化合物、水素を含有する化合物、酸素を含有する化合物、窒素を含有する化合物、硫黄を含有する化合物、飽和炭化水素、不飽和炭化水素、環状炭化水素、シクロ炭化水素、芳香族炭化水素、アルカン、アルケン、アルキン、シクロアルカン、アルカジエン、ポリマー、ハロゲン化炭化水素、1つ以上の官能基を有する炭化水素、原油中の1つ以上の炭化水素、原油中の1つ以上の異なる炭化水素、ナフサ中の1つ以上の炭化水素、ガソリン中の1つ以上の炭化水素、ディーゼル中の1つ以上の炭化水素、重油中の1つ以上の炭化水素、天然ガス中の1つ以上の炭化水素、天然ガス液体、灯油中の1つ以上の炭化水素、有機溶媒、軽質炭化水素、重質炭化水素、水不溶性の炭化水素、部分的に水溶性の炭化水素、水溶性の炭化水素、低毒性の炭化水素、中程度毒性の炭化水素、高毒性の炭化水素、メタン、エタン、エテン(エチレン)、エチン(アセチレン)、プロパン、プロペン(プロピレン)、プロピン(メチルアセチレン)、シクロプロパン、プロパジエン、ブタン、ブテン(ブチレン)、ブチン、シクロブタン、ブタジエン、ペンタン、ペンテン、ペンチン、シクロペンタン、ペンタジエン(ピペリレン)、ヘキサン、ヘキセン、ヘキシン、シクロヘキサン、ヘキサジエン、ヘプタン、ヘプテン、ペンチン、シクロヘプタン、ヘプタジエン、オクタン、オクテン、オクチン、シクロオクタン、オクタジエン、炭化水素溶液、炭化水素を含有する混合物のうちの1つ以上または組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。
・脱着または蒸発の優れた特性には、1つ以上のガスまたは異なるガスのより高い平衡分圧、1つ以上のガスまたは異なるガスのより低い平衡分圧、より速い脱着速度、あまり望ましくないガスと比較して望ましいガスのより高い脱着、低粘度、他の溶媒構成分の低揮発度、他の溶媒構成分の低相対揮発度、分解なし、腐食なし、最小限の分解、最小限の腐食、ガス不純物との相溶性、脱着ガス中の最小限の不純物のうちの1つ以上または組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。
・塩には、イオン性化合物、イオン性液体、アニオン、カチオン、錯塩、錯イオン、塩と同様の特性を有する化合物、塩と異なる特性を有する塩、アルカリ、アルカリ土類、遷移金属、金属、半導体、半金属、アンモニア、アンモニウム、アミン、塩基性化合物、ハロゲン化化合物、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、カルバミン酸塩、亜硝酸塩、亜硫酸塩、炭素化合物、硫黄化合物、電解質、窒素化合物、リン化合物、リン含有アニオン、ハロゲン含有アニオンのうちの1つ以上または組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。
・いくつかの試薬には、二酸化炭素(ガス)、二酸化炭素(液体)、二酸化炭素(水性)、二酸化炭素(固体)、二酸化炭素(溶解)、二酸化炭素(1つ以上のイオン性種)、二酸化炭素(1つ以上の液相種)、二酸化炭素(固体混合物)、二酸化炭素(超臨界)、二酸化炭素(水和物)、二酸化炭素(三重点)、酸性試薬(ガス)、酸性試薬(液体)、酸試薬(水性)、酸性試薬ガス(水和物)酸性試薬(固体)、酸性試薬(溶解)、酸性試薬(1つ以上のイオン性種)、酸性試薬(1つ以上の液相種)、酸性試薬(固体混合物)、酸試薬(超臨界)、酸性試薬(三重点)、塩基性化合物(ガス)、塩基性化合物(液体)、塩基性化合物(固体)、塩基性化合物(溶解)、塩基性化合物(1つ以上のイオン性種)、塩基性化合物(1つ以上の液相特異的)、塩基性化合物(固体混合物)、塩基性化合物(超臨界)、塩基性化合物(水和物)、塩基性化合物(三重点)、炭化水素(ガス)、炭化水素(液体)、炭化水素(水性)、炭化水素(溶解)、炭化水素(非水性)、炭化水素(1つ以上のイオン性種)、炭化水素(1つ以上の液相種)、炭化水素(固体)、炭化水素(固体混合物)、炭化水素(超臨界)、炭化水素(水和物)、炭化水素(三重点)が含まれ得るが、これらに限定されない。
・粘度は、100,000cP、または10,000cP、または1,000cP、または500cP、または100cP、または50cP、または40cP、または30cP、または20cP、または10cP、または9cP、または8cP、または7cP、または6cP、または5cP、または4cP、または3cP、または2cP、または1cP、または0.5cPを超えるか、それに等しいか、またはそれ未満であるか、またはそれらの組み合わせである。
・冷却入力または冷却源には、水温躍層水体、水温躍層液体物体、水体、冷液体物体、蒸発冷却、ヒートポンプ冷却、空冷、エンタルピー源との熱交換、低温冷却、LNGガス化、減圧、冷表面、放射冷却、吸熱相変化のうちの1つ以上または組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。
・加熱入力または加熱源には、廃熱、周囲温度変化、日周温度変動、水温躍層液体物体、水温躍層固体物体、水温躍層ガス状物体、水体の水温躍層、塩分躍層、ヒートポンプ、太陽熱、太陽熱池、光、電気、蒸気、燃焼、圧縮、増圧、地熱、放射熱、凝縮、発熱溶解、発熱沈殿、より多くの液相の発熱形成、より少ない液相の発熱形成、発熱相変化、または本明細書に記載の他の温熱源のうちの1つ以上または組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。
・温度:動作温度またはUCSTもしくはLCSTまたはそれらの組み合わせは、-100℃、または-90℃、または-80℃、または-70℃、または-60℃、または-50℃、または-40℃、または-30℃、または-20℃、または-10℃、0℃、1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、20℃、21℃、30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、110℃、120℃、130℃、140℃、150℃、140℃、150℃、200℃、500℃、1000℃、2000℃、3000℃、10000℃、100000℃のうちの1つ以上または組み合わせを含むが、これらに限定されない温度を超えるか、それ未満であるか、またはそれに等しいか、またはそれらの組み合わせであり得る。
・1つ以上の構成成分の質量百分率は、0.0000001%、0.001%、0.01%、0.1%、1%、または5%、または10%、または11%、または12%、または13%、または14%、15%、または16%、または17%、または18%、または19%、または20%、または21%、または22%、または23%、または24%、または25%、または26%、または27%、または28%、または29%、または30%、または31%、または32%、または33%、または34%、または35%、または36%、または37%、または38%、または39%、または40%、または41%、または42%、または43%、または44%、または45%、または46%、または47%、または48%、または49%、または50%、または51%、または52%、または53%、または54%、または55%、または56%、または57%、または58%、または59%、または60%、または65%、または70%、または75%、または80%、または85%、または90%、または95%のうちの1つ以上または組み合わせを超えるか、またはそれ未満であるか、またはそれに等しいもの、または100%未満またはそれに等しいものを含む。
・1つ以上の液相の相対質量分布は、0.0000001%、0.001%、0.01%、0.1%、1%、または5%、または10%、または11%、または12%、または13%、または14%、15%、または16%、または17%、または18%、または19%、または20%、または21%、または22%、または23%、または24%、または25%、または26%、または27%、または28%、または29%、または30%、または31%、または32%、または33%、または34%、または35%、または36%、または37%、または38%、または39%、または40%、または41%、または42%、または43%、または44%、または45%、または46%、または47%、または48%、または49%、または50%、または51%、または52%、または53%、または54%、または55%、または56%、または57%、または58%、または59%、または60%、または65%、または70%、または75%、または80%、または85%、または90%、または95%のうちの1つ以上または組み合わせを超えるか、またはそれ未満であるか、またはそれに等しいもの、または100%未満であるか、またはそれに等しいものを含み得るが、これらに限定されない。
・1つ以上の構成成分(例えば、試薬もしくは試薬または溶媒もしくは抗溶媒)の「実質的な」濃度には、1%、または5%、または10%、または11%、または12%、または13%、または14%、15%、または16%、または17%、または18%、または19%、または20%、または21%、または22%、または23%、または24%、または25%、または26%、または27%、または28%、または29%、または30%、または31%、または32%、または33%、または34%、または35%、または36%、または37%、または38%、または39%、または40%、または41%、または42%、または43%、または44%、または45%、または46%、または47%、または48%、または49%、または50%、または51%、または52%、または53%、または54%、または55%、または56%、または57%、または58%、または59%、または60%、または65%、または70%、または75%、または80%、または85%、または90%、または95%のうちの1つ以上または組み合わせを超えるまたはそれに等しいもの、または100%未満またはそれに等しいものを含む1つ以上の構成成分質量百分率が含まれ得るが、これらに限定されない。
・pHは、1、または2、または3、または4、または5、または6、または7、または8、または9、または10、または11、または12、または13、または14のうちの1つ以上または組み合わせを超えるか、またはそれに等しいか、またはそれ未満であり得る。
・分離デバイスは、デカンター、分液漏斗、コアレッサ、遠心分離機、フィルター、切替可能溶媒、サイクロン、半透膜、ナノ濾過、有機溶媒ナノ濾過、逆浸透、限外濾過、精密濾過、高温ナノ濾過、高温限外濾過、蒸留、膜蒸留、フラッシュ蒸留、多重効用蒸留、機械的蒸気圧縮蒸留、またはハイブリッドシステムのうちの1つ以上または組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。
【0356】
1つ以上の試薬は、水、有機溶媒、シロキサン、イオン性液体、水溶性ポリマー、可溶性ポリマー、グリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エーテル、グリコールエーテル、グリコールエーテルエステル、トリグリム、複数の形状のポリエチレングリコール、例えば、分岐状ポリエチレングリコール、星形ポリエチレングリコール、くし形ポリエチレングリコール、メトキシポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ジオールポリマー、1,2プロパンジオール、1,2エタンジオール、1,3プロパンジオール、セルロースエーテル、メチルセルロース、セロサイズ、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、糖アルコール、糖、アルコール、ケトン、アルデヒド、エステル、有機ケイ素化合物、ハロゲン化溶媒、不揮発性溶媒、20℃で0.01気圧未満の蒸気圧を有する試薬、80ダルトン超の分子量を有する可溶性試薬、揮発性有機溶媒、600ダルトン未満の分子量を有する可溶性試薬、200ダルトン未満の分子量を有する可溶性試薬、ジメトキシメタン、アセトン、アセトアルデヒド、メタノール、ジメチルエーテル、THF、エタノール、イソプロパノール、プロパナール、ギ酸メチル、共沸混合物、アルコール、ケトン、アルデヒド、エステル、有機ケイ素化合物、ハロゲン化溶媒、20℃で0.01気圧超の蒸気圧を有する試薬、またはそれらの混合物を含み得る。
【0357】
水、アンモニア、アンモニウム、アミン、アジン、アミノエチルエタノールアミン、2-アミノ-2-メチルプロパン-1-オール(AMP)、MDEA、MEA、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、低分子量第一級または第二級アミン、金属-アンミン錯体、金属-アンモニア錯体、金属-アンモニウム錯体、立体障害アミン、イミン、アジン、ピペラジン、アルカリ金属、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、アルカリ土類金属、カルシウム、マグネシウム、イオン性液体、熱的に切替可能な化合物、CO切替可能化合物、酵素、金属-有機骨格、第四級アンモニウム、第四級アンモニウムカチオイン、ポリマー中に包埋された第四級アンモニウムカチオン、またはそれらの混合物。
【0358】
可溶性試薬には、例えば、水、有機溶媒、水溶性ポリマー、可溶性ポリマー、グリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エーテル、グリコールエーテル、グリコールエーテルエステル、トリグリム、複数の形状のポリエチレングリコール、例えば、分岐状ポリエチレングリコール、星形ポリエチレングリコール、くし形ポリエチレングリコール、メトキシポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ジオールポリマー、1,2プロパンジオール、1,2エタンジオール、1,3プロパンジオール、セルロースエーテル、メチルセルロース、セロサイズ、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、糖アルコール、糖、アルコール、ケトン、アルデヒド、エステル、有機ケイ素化合物、ハロゲン化溶媒、不揮発性溶媒、20℃で0.01気圧未満の蒸気圧を有する試薬、80ダルトン超の分子量を有する可溶性試薬、またはそれらの混合物が含まれ得る。
【0359】
少なくとも部分的な回収に有用な膜には、例えば、CO含有溶液またはガス含有溶液の実質的な通過を可能にしながら、当該試薬を少なくとも部分的に拒絶することができ、その逆もまた同様である任意の膜が含まれ得る。かかる膜は、逆浸透、ナノ濾過、有機溶媒ナノ濾過、限外濾過、精密濾過、および濾過膜からなる群から選択される膜を含み得る。いくつかの実施形態では、膜は、約80ダルトン超の分子量カットオフを有し得る。すなわち、これらの膜は、約80ダルトン未満の分子量を有する構成成分の相当量または大半の通過を可能にする一方で、約80ダルトン超~最大約600ダルトンの分子量を有する構成成分の相当量または大半を拒絶する。当該技術分野では、分子量カットオフの別の定義は、溶質の90%が膜によって保持される最低分子量の溶質(ダルトン単位)または90%が膜によって保持される分子の分子量を指し得る。1,000ダルトン未満、または10,000ダルトン未満、または50,000ダルトン未満、または100,000ダルトン未満、または200,000ダルトン未満、または500,000ダルトン未満、または1,000,000ダルトン未満の分子量カットオフを有する膜も、用いられる状況および構成成分に応じて有用であり得る。
【0360】
膜は、任意の有用な材料で構成されていてもよく、かかる有用な材料は、分離される構成成分、それらの分子量、粘度、および/または他の特性に応じて変化し得る。有用な膜には、例えば、薄膜複合体、ポリアミド、酢酸セルロース、セラミック膜、他の材料、およびそれらの組み合わせから選択される材料で構成される膜が含まれ得る。
【0361】
1つ以上の試薬は、例えば、揮発性有機溶媒、600ダルトン未満の分子量を有する可溶性試薬、200ダルトン未満の分子量を有する可溶性試薬、ジメトキシメタン、アセトン、アセトアルデヒド、メタノール、ジメチルエーテル、THF、エタノール、イソプロパノール、プロパナール、ギ酸メチル、共沸混合物、アルコール、ケトン、アルデヒド、エステル、有機ケイ素化合物、ハロゲン化溶媒、20℃で0.01気圧超の蒸気圧を有する試薬、またはそれらの混合物のうちの1つ以上または組み合わせを含み得る。
【0362】
1つ以上の実施形態は、250ダルトン、または200ダルトン、または150ダルトン、または125ダルトン、または100ダルトン、または95ダルトン、または90ダルトン、または85ダルトン、または80ダルトン、または75ダルトンのうちのいずれか未満を含み得るが、これらに限定されない分子量カットオフを有する膜を用いる場合がある。
【0363】
多成分分離デバイスまたは多段分離デバイスが用いられ得る。当該デバイス(複数可)には、二成分蒸留、共沸混合物蒸留、膜蒸留、機械的蒸気圧縮、ハイブリッドシステム、フラッシュ蒸留、多段フラッシュ蒸留、多重効用蒸留蒸留、抽出蒸留、切替可能溶媒、逆浸透、ナノ濾過、有機溶媒ナノ濾過、限外濾過、および精密濾過のうちの1つ以上または組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。例えば、かかるハイブリッドシステムは、ナノ濾過を使用して可溶性試薬を少なくとも部分的に回収することと、その後、膜蒸留を使用して可溶性試薬をさらに濃縮することとを含み得る。かかるハイブリッドシステムの別の例は、切替可能溶媒が、温度変化等の刺激の存在により、溶液から「切り替わり」、その後、切替可能溶媒をさらに濃縮するか、または他の溶液中の残りの切替可能溶媒を除去するためにナノ濾過が用いられるプロセスであり得る。溶液中に溶解された切替可能溶媒または他の試薬は、さらに回収または濃縮され得るか、または形成された1つ以上の層または別個の溶液からさらに除去され得る。
【0364】
溶液の適用される圧力または浸透圧:溶液の浸透圧範囲は、0.001気圧~1,000,000気圧であり得る。浸透圧は、0.001気圧未満、または0.01気圧未満、または0.05気圧、または0.1気圧、または0.2気圧、または0.3気圧、または0.4気圧、または0.5気圧または0.6気圧、または0.7気圧、または0.8気圧、または0.9気圧、または1気圧、または1.1気圧、または1.2気圧、または1.3気圧、または1.4気圧、または1.5気圧、または1.6気圧、または1.7気圧、または1.8気圧、または1.9気圧、または2気圧、または2.1気圧、または2.2気圧、または2.3気圧、または2.4気圧、または2.5気圧、または2.6気圧、または2.7気圧、または2.8気圧、または2.9気圧、または3気圧、または3.5気圧、または4気圧、または4.5気圧、または5気圧、または5.5気圧、または6気圧、または6.5気圧、または7気圧、または7.5気圧、または8気圧、または8.5気圧、または9気圧、または9.5気圧、または10気圧、または12気圧、または15気圧、または18気圧、または20気圧、または22気圧、または25気圧、または28気圧、または30気圧、または35気圧、または40気圧、または45気圧、または50気圧、または55気圧、または60気圧、または65気圧、または70気圧、または75気圧、または80気圧、または85気圧、または90気圧、または95気圧、または100気圧、または150気圧、または200気圧、または500気圧、または1,000気圧、または10,000気圧、または100,000気圧超また未満のうちのいずれかであるか、または1,000,000気圧未満であるか、または純溶媒であり得る。
【0365】
廃熱の使用、または1つ以上のステップを加速または促進するための冷蔵、ならびに他のハイブリッド廃熱および膜回収プロセス組み合わせが用いられ得る。
【0366】
固体沈殿および溶解は、例であって限定されない、濃度、濃度、溶解ガス濃度、圧力、温度、他のシステム条件、またはそれらの組み合わせの変化の結果として含み得る1つ以上の実施形態で起こり得る。
【0367】
1つ以上の分離デバイスまたは技法または方法には、濾過、遠心分離機、デカント、蒸留、磁力、および/または膜ベースのプロセス、例えば、逆浸透、浸透圧的に支援された逆浸透、ディスクチューブ逆浸透(DTRO)、高圧逆浸透、正浸透、電気透析、ナノ濾過、有機溶媒ナノ濾過、限外濾過、膜蒸留、統合電場ナノ濾過、高温ナノ濾過、または高温限外濾過のうちの1つ以上または組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。
【0368】
さらなる実施形態のリスト
代表的な雲点実施形態
1.
水と、
CST試薬と、
低溶解度試薬と、を含み、
当該低溶解度試薬が、雲点温度未満で水およびCST試薬からなる溶液中で限定された溶解度を有し、雲点温度超で水およびCST試薬からなる溶液中で混和性溶解度を有する、組成物。
2.当該組成物の雲点温度が、当該組成物中のCST試薬の濃度に基づいて変化する、実施形態1に記載の組成物。
3.当該組成物の雲点温度が、CST試薬の濃度の増加に伴って低下する、実施形態1に記載の組成物。
4.当該組成物の雲点温度が、CST試薬の濃度の減少に伴って上昇する、実施形態1に記載の組成物。
5.1つ以上の塩をさらに含む、実施形態1に記載の組成物。
6.当該組成物の雲点温度が、1つ以上の塩の濃度の増加に伴って上昇する、実施形態5に記載の組成物。
7.当該組成物の雲点温度が、1つ以上の塩の濃度の減少に伴って低下する、実施形態5に記載の組成物。
8.当該CST試薬が、水および当該CST試薬からなる溶液中で温度の上昇に伴って浸透圧の低下を呈する試薬を含む、実施形態1に記載の組成物。
9.当該CST試薬が、温度の上昇に伴って水と比較して当該低溶解度試薬に対するより高い親和性を有する試薬を含む、実施形態1に記載の組成物。
10.当該低溶解度試薬が、水単独中で限定された溶解度を有する試薬を含む、実施形態1に記載の組成物。
11.当該低溶解度試薬が、当該CST試薬中で混和性溶解度を有する試薬を含む、実施形態1に記載の組成物。
12.当該CST試薬が、「ポリマー」、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル(DPnB)、トリ(プロピレングリコール)ブチルエーテル異性体混合物(TPnB)、プロピレングリコールn-ブチルエーテル(PnB)、ジプロピレングリコールn-プロピルエーテル(DPnP)、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(D-Hex n-ヘキシルエーテル)、プロピレングリコールプロピルエーテル(PnP)、2-ブトキシエタノール(EBブチルグリコール)、PPG 425、PPG 725、PPG 1000、PEGDME 250、PEGDME 500、PEG 1000、PEG 600、PEG 400、PEG 200、またはそれらの混合物を含む、実施形態1に記載の組成物。
13.当該低溶解度試薬が有機溶媒を含む、実施形態1に記載の組成物。
14.当該低溶解度試薬が、二酢酸エチレングリコール、二酢酸プロピレングリコール、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(DPE)、2-ヘプタノン、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、炭酸プロピレン、シクロヘキサノン、1-オクタノール、酢酸ジプロピレングリコールメチルエーテル、1-メチル-2-ピロリジノン、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、アセタール(1,1-ジエトキシエタン)、酢酸イソアミル、ジブチルエーテル、m-キシレン、酢酸イソプロピル、炭酸ジメチル、ブタノン、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)、o-キシレン、アセチルアセトン、p-キシレン、メチルイソブチルケトン、トルエン、3-ペンタノン、酢酸プロピル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸2-メトキシエチル、5-メチル-2-ヘキサノン、4-メチル-2-ペンタノン、3-ペンタノン、2-ペンタノン、2-メチルテトラヒドロフラン、室温で液体もしくはガスもしくは超臨界流体である試薬、またはそれらの混合物を含む、実施形態1に記載の組成物。
15.当該低溶解度試薬が、酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸メチル、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジメトキシメタン、ジエトキシメタン、室温で液体もしくはガスもしくは超臨界流体である試薬、二酸化炭素、超臨界二酸化炭素、二酸化硫黄、冷媒、揮発性炭化水素、揮発性フッ化炭素、またはそれらの混合物を含む、実施形態1に記載の組成物。
16.当該組成物が、室温で50cP未満の粘度を有する、実施形態1に記載の組成物。
17.当該組成物の雲点温度が、当該組成物中のCST試薬の濃度に応じて約-10~約110℃である、実施形態1に記載の組成物。
18.加熱または冷却のためのUCSTプロセスであって、
1)液相を2つ以上の液相に相転移させて、熱を放出することと、
2)当該2つ以上の液相の各々の少なくとも一部を別個の流れに分離することと、
3)当該別個の流れを混合および溶解して、熱を吸収するための単一液相溶液を形成することと、を含む、プロセス。
19.当該相転移が、加熱アプリケーションの温度を超える温度または冷却アプリケーションの温度未満の温度で行われる、実施形態18に記載のプロセス。
20.相転移の温度が、それが1つ以上の加熱アプリケーションの温度を超えるか、または冷却を必要とする1つ以上の温熱源の温度未満であることを確実にするように調整される、実施形態18に記載のプロセス。
21.当該液相が、
水と、CST試薬と、雲点温度未満で水およびCST試薬からなる溶液中で限定された溶解度を有し、かつ雲点温度超で水およびCST試薬からなる溶液中で混和性溶解度を有する低溶解度試薬と、を含む、実施形態18に記載のプロセス。
22.加熱または冷却のためのLCSTプロセスであって、
1)液相を2つ以上の液相に相転移させて、熱を吸収することと、
2)当該2つ以上の液相の各々の少なくとも一部を別個の流れに分離することと、
3)当該別個の流れを混合および溶解して、熱を放出するための単一液相溶液を形成することと、を含む、プロセス。
23.当該相転移が、加熱アプリケーションの温度を超える温度または冷却アプリケーションの温度未満の温度で行われる、実施形態に記載22のプロセス。
24.相転移の温度が、それが1つ以上の加熱アプリケーションの温度を超えるか、または冷却を必要とする1つ以上の温熱源の温度未満であることを確実にするように調整される、実施形態22に記載のプロセス。
25.当該液相が、臨界溶液温度(CST)試薬、LCSTを低下させる試薬、および水を含む、実施形態22に記載のプロセス。
26.当該相転移温度が、LCSTを低下させる試薬の濃度を増加または減少させることによって調整される、実施形態25に記載のプロセス。
27.CST試薬中で混和性溶解度を有し、かつ水中で限定された溶解度を有するLCST結合剤試薬を用いることをさらに含む、実施形態22に記載のプロセス。
28.当該相転移温度が、1つ以上のLCST結合剤試薬の濃度を増加または減少させることによって調整される、実施形態27に記載のプロセス。
代表的な冷蔵実施形態
1.液体系を用いた液相冷蔵またはヒートポンプサイクルプロセスであって、
1)相転移時に2つ以上の液相を吸熱的に混合することによって熱を吸収することと、
2)相転移時に液相を2つ以上の液相に変換することによって熱を発熱的に放出することと、
3)ステップ1)の相転移温度がステップ2)の相転移温度とは異なるように相転移温度を調整することと、を含む、プロセス。
2.当該液体系が、(1)臨界溶液温度(CST)試薬およびUCST溶媒を含む吸収溶液と、(2)上限臨界溶液温度超で当該吸収溶液と実質的に混和性であり、かつ当該上限臨界溶液温度未満で当該吸収溶液との限定された溶解度を有する、UCST試薬中で限定された溶解度を有する試薬と、を含み、当該調整が、当該UCST溶媒に対する当該CST試薬の濃度を変化させることを含む、実施形態1に記載のプロセス。
3.当該調整ステップが膜を用いる、実施形態1に記載のプロセス。
4.当該CST試薬が、水および当該CST試薬からなる溶液中で温度の上昇に伴って浸透圧の低下を呈する、実施形態2に記載のプロセス。
5.当該CST試薬が、
ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル(DPnB)、トリ(プロピレングリコール)ブチルエーテル異性体混合物(TPnB)、プロピレングリコールn-ブチルエーテル(PnB)、ジプロピレングリコールn-プロピルエーテル(DPnP)、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(D-Hex n-ヘキシルエーテル)、プロピレングリコールプロピルエーテル(PnP)、2-ブトキシエタノール(EBブチルグリコール)、PPG 425、PPG 725、PPG 1000、PEGDME 250、PEGDME 500、PEG 1000、PEG 600、PEG 400、PEG 200からなる群から選択される、実施形態2に記載のプロセス。
6.当該プロセスが可逆的である、実施形態1に記載のプロセス。
7.ステップ1)、ステップ2)、ステップ3)、または全てのステップを繰り返すことをさらに含む、実施形態1に記載のプロセス。
8.液体系を用いた液相冷蔵またはヒートポンプサイクルプロセスであって、
1)相転移時に2つ以上の液相を発熱的に混合することによって熱を放出することと、
2)相転移時に液相を2つ以上の液相に変換することによって熱を吸熱的に吸収することと、
3)ステップ1)の相転移温度がステップ2)の相転移温度とは異なるように相転移温度を調整することと、を含む、プロセス。
9.当該相系が、臨界溶液温度(CST)試薬、LCSTを低下させる試薬、および水を含み、
当該調整が、ステップ1)の前またはステップ1)中に当該LCSTを低下させる試薬の実質的に全てを除去することと、ステップ2)の前またはステップ2)中に当該LCSTを低下させる試薬を導入することと、を含む、実施形態8に記載のプロセス。
10.当該調整ステップが、ステップ1)の前またはステップ1)中に当該LCSTを低下させる試薬の実質的に全てを除去するための膜を用い、それにより、ステップ2)の前にLCSTを低下させる試薬を導入するための使用に好適な濃縮物を形成する、実施形態9に記載のプロセス。
11.当該CST試薬が、水および当該CST試薬からなる溶液中で温度の上昇に伴って浸透圧の低下を呈する、実施形態9に記載のプロセス。
12.当該CST試薬が、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル(DPnB)、トリ(プロピレングリコール)ブチルエーテル異性体混合物(TPnB)、プロピレングリコールn-ブチルエーテル(PnB)、ジプロピレングリコールn-プロピルエーテル(DPnP)、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(D-Hex n-ヘキシルエーテル)、プロピレングリコールプロピルエーテル(PnP)、2-ブトキシエタノール(EBブチルグリコール)、PPG 425、PPG 725、PPG 1000、PEGDME 250、PEGDME 500、PEG 1000、PEG 600、PEG 400、PEG 200からなる群から選択される、実施形態9に記載のプロセス。
13.当該プロセスが可逆的である、実施形態8に記載のプロセス。
14.ステップ1)、ステップ2)、ステップ3)、または全てのステップを繰り返すことをさらに含む、実施形態8に記載のプロセス。
15.当該CST試薬と実質的に混和性であり、かつ水中で限定された溶解度を有する結合剤試薬をさらに含む、実施形態9に記載のプロセス。
16.当該結合剤試薬が、二酢酸エチレングリコール、二酢酸プロピレングリコール、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(DPE)、2-ヘプタノン、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、炭酸プロピレン、シクロヘキサノン、1-オクタノール、酢酸ジプロピレングリコールメチルエーテル、1-メチル-2-ピロリジノン、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、アセタール(1,1-ジエトキシエタン)、酢酸イソアミル、ジブチルエーテル、m-キシレン、酢酸イソプロピル、炭酸ジメチル、ブタノン、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)、o-キシレン、アセチルアセトン、p-キシレン、メチルイソブチルケトン、トルエン、3-ペンタノン、酢酸プロピル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸2-メトキシエチル、5-メチル-2-ヘキサノン、4-メチル-2-ペンタノン、3-ペンタノン、2-ペンタノン、2-メチルテトラヒドロフラン、またはそれらの混合物を含む、実施形態15に記載のプロセス。
17.当該UCST溶媒が水である、実施形態1に記載のプロセス。
18.LCSTを低下させる薬剤が、塩、グリセロール、尿素、およびそれらの混合物から選択される、実施形態9に記載のプロセス。
19.
水および臨界溶液温度(CST)試薬を含む吸収溶液と、
上限臨界溶液温度超で当該吸収溶液と実質的に混和性であり、かつ当該上限臨界溶液温度未満で当該吸収溶液との限定された溶解度を有する、水中で限定された溶解度を有する試薬と、を含む、冷蔵用組成物。
20.当該CST試薬が、水および当該CST試薬からなる溶液中で温度の上昇に伴って浸透圧の低下を呈する、実施形態19に記載の組成物。
21.当該CST試薬が、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル(DPnB)、トリ(プロピレングリコール)ブチルエーテル異性体混合物(TPnB)、プロピレングリコールn-ブチルエーテル(PnB)、ジプロピレングリコールn-プロピルエーテル(DPnP)、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(D-Hex n-ヘキシルエーテル)、プロピレングリコールプロピルエーテル(PnP)、2-ブトキシエタノール(EBブチルグリコール)、PPG 425、PPG 725、PPG 1000、PEGDME 250、PEGDME 500、PEG 1000、PEG 600、PEG 400、PEG 200からなる群から選択される、実施形態19に記載の組成物。
22.低水溶性を有する当該試薬が揮発性試薬を含む、実施形態19に記載の組成物。
23.低水溶性を有する当該試薬が、酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸メチル、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジメトキシメタン、ジエトキシメタン、二酸化炭素、超臨界二酸化炭素、二酸化硫黄、冷媒、炭化水素、フッ化炭素、またはそれらの混合物を含む、実施形態19に記載の組成物。
24.吸収冷蔵サイクルプロセスであって、
(1)下限臨界溶液温度試薬、下限臨界溶液温度結合剤試薬、またはそれらの組み合わせを含む吸収溶液と、(2)溶媒試薬およびLCSTを低下させる試薬を含む冷媒と、を含む液体系を形成することと、
LCST相転移により2つ以上の液相を形成することと、を含み、1つの液相が、下限臨界溶液温度試薬、下限臨界溶液温度結合剤試薬、またはそれらの組み合わせを含む吸収溶液を含み、別の液相が、溶媒試薬およびLCSTを低下させる試薬を含む冷媒液相を含む、プロセス。
25.当該2つ以上の液相が少なくとも部分的に分離される、実施形態24に記載のプロセス。
26.熱吸収ステップで当該冷媒を蒸発させることと、熱放出ステップで当該冷媒を当該吸収溶液に吸収し、それにより、吸収溶液-冷媒溶液を形成することと、をさらに含む、実施形態24に記載のプロセス。
27.蒸発後に、当該LCSTを低下させる試薬の少なくとも一部を含む溶液が残存する、実施形態26に記載のプロセス。
28.当該LCSTを低下させる試薬の少なくとも一部を含む当該溶液を吸収溶液または当該液体系の残りと混合することをさらに含む、実施形態27に記載のプロセス。
29.当該冷媒が、水、アンモニア、アミン、エチルアミン、メチルアミン、アルコール、水溶性揮発性試薬、CST試薬よりも水中での溶解度が高い揮発性試薬、またはそれらの混合物を含む、実施形態24に記載のプロセス。
30.当該LCSTを低下させる試薬が、塩、溶媒中で可溶性であり、CST試薬中で実質的に不溶性の試薬、溶媒中で可溶性であり、LCST結合剤試薬中で実質的に不溶性の試薬、イオン性化合物、アニオン、カチオン、錯塩、錯イオン、塩と同様の特性を有する化合物、塩と異なる特性を有する塩、アルカリ、アルカリ土類、遷移金属、金属、半導体、半金属、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニア、アンモニウム、アミン、塩基性化合物、ハロゲン化化合物、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、カルバミン酸塩、亜硝酸塩、亜硫酸塩、炭素化合物、フッ化物、硫黄化合物、電解質、窒素化合物、リン化合物、リン含有アニオン、ハロゲン含有アニオン、およびそれらの混合物を含む、実施形態24に記載のプロセス。
さらなる代表的な実施形態
1.
水と、
CST試薬と、
低溶解度試薬と、を含み、
当該低溶解度試薬が、雲点温度未満で水および臨界溶液温度(CST)試薬からなる溶液中で限定された溶解度を有し、雲点温度超で水およびCST試薬からなる溶液中で混和性溶解度を有する、組成物。
2.
水および臨界溶液温度(CST)試薬を含む吸収溶液と、上限臨界溶液温度超で当該吸収溶液と実質的に混和性の水中で限定された溶解度を有し、かつ上限臨界溶液温度未満で当該吸収溶液との限定された溶解度を有する試薬と、を含む、冷蔵用組成物。
3.当該CST試薬が、(1)水および当該CST試薬からなる溶液中で温度の上昇に伴って浸透圧の低下を呈する試薬、または(2)温度の上昇に伴って水と比較して当該低溶解度試薬に対するより高い親和性を有する試薬を含む、実施形態1または2に記載の組成物。
4.当該CST試薬が、「ポリマー」、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル(DPnB)、トリ(プロピレングリコール)ブチルエーテル異性体混合物(TPnB)、プロピレングリコールn-ブチルエーテル(PnB)、ジプロピレングリコールn-プロピルエーテル(DPnP)、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(D-Hex n-ヘキシルエーテル)、プロピレングリコールプロピルエーテル(PnP)、2-ブトキシエタノール(EBブチルグリコール)、PPG 425、PPG 725、PPG 1000、PEGDME 250、PEGDME 500、PEG 1000、PEG 600、PEG 400、PEG 200、またはそれらの混合物を含む、実施形態1または2に記載の組成物。
5.(1)当該組成物の雲点温度が当該組成物中のCST試薬の濃度に基づいて約0~約100℃の範囲にわたって変化するか、または(2)当該組成物が室温で50cP未満の粘度を有するか、または(3)(1)および(2)の両方である、実施形態1または2に記載の組成物。
6.水中で限定された溶解度を有する当該試薬が、揮発性試薬、不揮発性試薬、酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸メチル、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジメトキシメタン、ジエトキシメタン、二酸化炭素、超臨界二酸化炭素、二酸化硫黄、冷媒、炭化水素、フッ化炭素、有機溶媒、二酢酸エチレングリコール、二酢酸プロピレングリコール、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(DPE)、2-ヘプタノン、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、炭酸プロピレン、シクロヘキサノン、1-オクタノール、酢酸ジプロピレングリコールメチルエーテル、1-メチル-2-ピロリジノン、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、アセタール(1,1-ジエトキシエタン)、酢酸イソアミル、ジブチルエーテル、m-キシレン、酢酸イソプロピル、炭酸ジメチル、ブタノン、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)、o-キシレン、アセチルアセトン、p-キシレン、メチルイソブチルケトン、トルエン、3-ペンタノン、酢酸プロピル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸2-メトキシエチル、5-メチル-2-ヘキサノン、4-メチル-2-ペンタノン、3-ペンタノン、2-ペンタノン、2-メチルテトラヒドロフラン、室温で液体もしくはガスもしくは超臨界流体である試薬、またはそれらの混合物を含む、実施形態1または2に記載の組成物。
7.1つ以上の塩をさらに含む、実施形態1または2に記載の組成物。
8.加熱または冷却のためのUCSTプロセスであって、
1)液相を2つ以上の液相に相転移させて、熱を放出することと、
2)当該2つ以上の液相の各々の少なくとも一部を別個の流れに分離することと、
3)当該別個の流れを混合および溶解して、熱を吸収するための単一液相溶液を形成することと、を含み、
当該液相が、水と、CST試薬と、雲点温度未満で水およびCST試薬からなる溶液中で限定された溶解度を有し、かつ雲点温度超で水およびCST試薬からなる溶液中で混和性溶解度を有する低溶解度試薬と、を含む、プロセス。
9.加熱または冷却のためのLCSTプロセスであって、
1)液相を2つ以上の液相に相転移させて、熱を吸収することと、
2)当該2つ以上の液相の各々の少なくとも一部を別個の流れに分離することと、
3)当該別個の流れを混合および溶解して、熱を放出するための単一液相溶液を形成することと、を含み、
当該液相が、臨界溶液温度(CST)試薬と、LCSTを低下させる試薬またはLCST結合試薬と、水と、を含む、プロセス。
10.当該相転移が、加熱アプリケーションの温度を超える温度または冷却アプリケーションの温度未満の温度で行われる、実施形態8または9に記載のプロセス。
11.液体系を用いた液相冷蔵またはヒートポンプサイクルプロセスであって、
1)相転移時に2つ以上の液相を吸熱的に混合することによって熱を吸収することと、
2)相転移時に液相を2つ以上の液相に変換することによって熱を発熱的に放出することと、
3)ステップ1)の相転移温度がステップ2)の相転移温度とは異なるように相転移温度を調整することと、を含み、
当該液体系が、(1)臨界溶液温度(CST)試薬およびUCST溶媒を含む吸収溶液と、(2)上限臨界溶液温度超で当該吸収溶液と実質的に混和性であり、かつ当該上限臨界溶液温度未満で当該吸収溶液との限定された溶解度を有する試薬と、を含み、当該調整が、当該UCST溶媒に対する当該CST試薬の濃度を変化させることを含む、プロセス。
12.液体系を用いた液相冷蔵またはヒートポンプサイクルプロセスであって、
1)相転移時に2つ以上の液相を発熱的に混合することによって熱を放出することと、
2)相転移時に液相を2つ以上の液相に変換することによって熱を吸熱的に吸収することと、
3)ステップ1)の相転移温度がステップ2)の相転移温度とは異なるように相転移温度を調整することと、を含み、
当該液体系が、臨界溶液温度(CST)試薬と、LCSTを低下させる試薬と、水と、を含み、当該調整が、ステップ1)の前またはステップ1)中に当該LCSTを低下させる試薬の実質的に全てを除去することと、ステップ2)の前またはステップ2)中に当該LCSTを低下させる試薬を導入することと、を含む、プロセス。
13.当該CST試薬が、水および当該CST試薬からなる溶液中で温度の上昇に伴って浸透圧の低下を呈する、実施形態11または12に記載のプロセス。
14.当該CST試薬が、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル(DPnB)、トリ(プロピレングリコール)ブチルエーテル異性体混合物(TPnB)、プロピレングリコールn-ブチルエーテル(PnB)、ジプロピレングリコールn-プロピルエーテル(DPnP)、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(D-Hex n-ヘキシルエーテル)、プロピレングリコールプロピルエーテル(PnP)、2-ブトキシエタノール(EBブチルグリコール)、PPG 425、PPG 725、PPG 1000、PEGDME 250、PEGDME 500、PEG 1000、PEG 600、PEG 400、PEG 200、またはそれらの混合物を含む、実施形態11または12または13に記載のプロセス。
15.吸収冷蔵サイクルプロセスであって、
(1)下限臨界溶液温度試薬、下限臨界溶液温度結合剤試薬、またはそれらの組み合わせを含む吸収溶液と、(2)溶媒試薬およびLCSTを低下させる試薬を含む冷媒と、を含む液体系を形成することと、
LCST相転移により2つ以上の液相を形成することと、を含み、1つの液相が、下限臨界溶液温度試薬、下限臨界溶液温度結合剤試薬、またはそれらの組み合わせを含む吸収溶液を含み、別の液相が、溶媒試薬およびLCSTを低下させる試薬を含む冷媒液相を含む、プロセス。
本願発明は、以下の実施形態をも含む。
[発明1]
水と、
CST試薬と、
低溶解度試薬と、を含み、
前記低溶解度試薬が、雲点温度未満で水および臨界溶液温度(CST)試薬からなる溶液中で限定された溶解度を有し、雲点温度超で水およびCST試薬からなる溶液中で混和性溶解度を有する、組成物。
[発明2]
水および臨界溶液温度(CST)試薬を含む吸収溶液と、上限臨界溶液温度超で前記吸収溶液と実質的に混和性の水中で限定された溶解度を有し、かつ上限臨界溶液温度未満で前記吸収溶液との限定された溶解度を有する試薬と、を含む、冷蔵のための、組成物。
[発明3]
前記CST試薬が、(1)水および前記CST試薬からなる溶液中で温度の上昇に伴って浸透圧の低下を呈する試薬、または(2)温度の上昇に伴って水と比較して前記低溶解度試薬に対するより高い親和性を有する試薬を含む、発明1または2に記載の組成物。
[発明4]
前記CST試薬が、ポリマー、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル(DPnB)、トリ(プロピレングリコール)ブチルエーテル異性体混合物(TPnB)、プロピレングリコールn-ブチルエーテル(PnB)、ジプロピレングリコールn-プロピルエーテル(DPnP)、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(D-Hex n-ヘキシルエーテル)、プロピレングリコールプロピルエーテル(PnP)、2-ブトキシエタノール(EBブチルグリコール)、PPG 425、PPG 725、PPG 1000、PEGDME 250、PEGDME 500、PEG 1000、PEG 600、PEG 400、PEG 200、またはそれらの混合物を含む、発明1または2に記載の組成物。
[発明5]
(1)前記組成物の雲点温度が前記組成物中のCST試薬の濃度に基づいて約0~約100℃の範囲にわたって変化するか、または(2)前記組成物が室温で50cP未満の粘度を有するか、または(3)(1)および(2)の両方である、発明1または2に記載の組成物。
[発明6]
水中で限定された溶解度を有する前記試薬が、二酢酸エチレングリコール、二酢酸プロピレングリコール、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(DPE)、2-ヘプタノン、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、炭酸プロピレン、シクロヘキサノン、1-オクタノール、酢酸ジプロピレングリコールメチルエーテル、1-メチル-2-ピロリジノン、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、アセタール(1,1-ジエトキシエタン)、酢酸イソアミル、ジブチルエーテル、m-キシレン、酢酸イソプロピル、炭酸ジメチル、ブタノン、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)、o-キシレン、アセチルアセトン、p-キシレン、メチルイソブチルケトン、トルエン、3-ペンタノン、酢酸プロピル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸2-メトキシエチル、5-メチル-2-ヘキサノン、4-メチル-2-ペンタノン、3-ペンタノン、2-ペンタノン、2-メチルテトラヒドロフラン、不揮発性試薬、揮発性試薬、酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸メチル、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジメトキシメタン、ジエトキシエタン、二酸化炭素、超臨界二酸化炭素、二酸化硫黄、冷媒、炭化水素、フッ化炭素、有機溶媒、室温で液体もしくは気体もしくは超臨界流体である試薬、またはそれらの混合物を含む、発明1または2に記載の組成物。
[発明7]
1つ以上の塩をさらに含む、発明1または2に記載の組成物。
[発明8]
加熱または冷却のためのUCSTプロセスであって、
1)液相を2つ以上の液相に相転移させて、熱を放出することと、
2)前記2つ以上の液相の各々の少なくとも一部を別個の流れに分離することと、
3)前記別個の流れを混合および溶解して、熱を吸収するための単一液相溶液を形成することと、を含み、
前記液相が、水と、CST試薬と、雲点温度未満で水およびCST試薬からなる溶液中で限定された溶解度を有し、かつ雲点温度超で水およびCST試薬からなる溶液中で混和性溶解度を有する低溶解度試薬と、を含む、プロセス。
[発明9]
加熱または冷却のためのLCSTプロセスであって、
1)液相を2つ以上の液相に相転移させて、熱を吸収することと、
2)前記2つ以上の液相の各々の少なくとも一部を別個の流れに分離することと、
3)前記別個の流れを混合および溶解して、熱を放出するための単一液相溶液を形成することと、を含み、
前記液相が、臨界溶液温度(CST)試薬と、LCSTを低下させる試薬またはLCST結合試薬と、水と、を含む、プロセス。
[発明10]
前記相転移が、加熱アプリケーションの温度を超える温度または冷却アプリケーションの温度未満の温度で行われる、発明8または9に記載のプロセス。
[発明11]
液体系を用いた液相冷蔵またはヒートポンプサイクルプロセスであって、
1)相転移時に2つ以上の液相を吸熱的に混合することによって熱を吸収することと、
2)相転移時に液相を2つ以上の液相に変換することによって熱を発熱的に放出することと、
3)ステップ1)の相転移温度がステップ2)の相転移温度とは異なるように相転移温度を調整することと、を含み、
前記液体系が、(1)臨界溶液温度(CST)試薬およびUCST溶媒を含む吸収溶液と、(2)上限臨界溶液温度超で前記吸収溶液と実質的に混和性であり、かつ前記上限臨界溶液温度未満で前記吸収溶液との限定された溶解度を有する試薬と、を含み、前記調整が、前記UCST溶媒に対する前記CST試薬の濃度を変化させることを含む、プロセス。
[発明12]
液体系を用いた液相冷蔵またはヒートポンプサイクルプロセスであって、
1)相転移時に2つ以上の液相を発熱的に混合することによって熱を放出することと、
2)相転移時に液相を2つ以上の液相に変換することによって熱を吸熱的に吸収することと、
3)ステップ1)の相転移温度がステップ2)の相転移温度とは異なるように相転移温度を調整することと、を含み、
前記液体系が、臨界溶液温度(CST)試薬と、LCSTを低下させる試薬と、水と、を含み、前記調整が、ステップ1)の前またはステップ1)中に前記LCSTを低下させる試薬の実質的に全てを除去することと、ステップ2)の前またはステップ2)中に前記LCSTを低下させる試薬を導入することと、を含む、プロセス。
[発明13]
前記CST試薬が、水および前記CST試薬からなる溶液中で温度の上昇に伴って浸透圧の低下を呈する、発明11または12に記載のプロセス。
[発明14]
前記CST試薬が、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル(DPnB)、トリ(プロピレングリコール)ブチルエーテル異性体混合物(TPnB)、プロピレングリコールn-ブチルエーテル(PnB)、ジプロピレングリコールn-プロピルエーテル(DPnP)、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(D-Hex n-ヘキシルエーテル)、プロピレングリコールプロピルエーテル(PnP)、2-ブトキシエタノール(EBブチルグリコール)、PPG 425、PPG 725、PPG 1000、PEGDME 250、PEGDME 500、PEG 1000、PEG 600、PEG 400、PEG 200、またはそれらの混合物を含む、発明11または12または13に記載のプロセス。
[発明15]
吸収冷蔵サイクルプロセスであって、
(1)下限臨界溶液温度試薬、下限臨界溶液温度結合剤試薬、またはそれらの組み合わせを含む吸収溶液と、(2)溶媒試薬およびLCSTを低下させる試薬を含む冷媒と、を含む液体系を形成することと、
LCST相転移により2つ以上の液相を形成することと、を含み、1つの液相が、下限臨界溶液温度試薬、下限臨界溶液温度結合剤試薬、またはそれらの組み合わせを含む吸収溶液を含み、別の液相が、溶媒試薬およびLCSTを低下させる試薬を含む冷媒液相を含む、プロセス。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21A
図21B
図21C
図30A
図30B
図31A
図31B
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40