(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-06
(45)【発行日】2023-09-14
(54)【発明の名称】不正開封防止キャップ
(51)【国際特許分類】
A61M 39/20 20060101AFI20230907BHJP
A61J 1/14 20230101ALI20230907BHJP
【FI】
A61M39/20
A61J1/14
(21)【出願番号】P 2021155668
(22)【出願日】2021-09-24
(62)【分割の表示】P 2018504778の分割
【原出願日】2016-07-08
【審査請求日】2021-10-19
(32)【優先日】2015-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505403186
【氏名又は名称】ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イエ、ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】チェン、マルコ
【審査官】上石 大
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/162259(WO,A2)
【文献】特開2006-230739(JP,A)
【文献】特開2010-194237(JP,A)
【文献】米国特許第05356396(US,A)
【文献】特開2011-250851(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0082746(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 39/20
A61J 1/14
B65D 41/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用アダプタの不正開封防止キャップであって、
閉鎖上端と、対向する開放下端と、前記上端と下端の間の側壁とを有する筐体であって、前記上端は
、前記上端
を通って延在
し、前記筐体の中心軸と前記筐体の前記側壁との間に配置される複数の開口を備える、筐体と、
第1脚部と第2脚部であって、各々の前記第1脚部と前記第2脚部は、前記筐体の前記下端から延在し、第1開口部と前記第1開口部から分離する第2開口部を形成するように、間隔を空けて離れる、第1脚部と第2脚部と、
を備え、
前記第1脚部と前記第2脚部は、前記第1開口部で第1距離、間隔を空けられて離れ、前記第2開口部で第2距離、間隔を空けられて離れ、前記不正開封防止キャップが、コネクタの第1のブランチ上のポートに接続されるときに、前記コネクタの第2のブランチが前記第1開口部を通って延在するように、前記第1距離が前記第2距離よりも大きい、
不正開封防止キャップ。
【請求項2】
前記第1開口部は、前記第1脚部及び前記第2脚部と、前記筐体の前記下端との間に形成される、請求項1に記載の不正開封防止キャップ。
【請求項3】
各々の前記第1脚部と前記第2脚部が、各々の前記第1脚部と前記第2脚部の内面から径方向に延在する部材を備え、前記部材は、ランプ面と、前記ランプ面に対して横方向に延在する係合面と、前記ランプ面と前記係合面との間を移行する頂部とを備える、請求項1に記載の不正開封防止キャップ。
【請求項4】
前記複数の開口の各開口は、前記第1脚部と前記第2脚部の前記部材に整列される、請求項3に記載の不正開封防止キャップ。
【請求項5】
前記第1脚部は第1部材を備え、前記第2脚部は第2部材を備え、前記第1開口部の一部は、前記第1部材と前記第2部材の間に形成される、請求項3に記載の不正開封防止キャップ。
【請求項6】
前記第1脚部は第3部材を備え、前記第2脚部は第4部材を備え、前記第2開口部の一部は、前記第3部材と前記第4部材の間に形成される、請求項5に記載の不正開封防止キャップ。
【請求項7】
前記第1開口部の幅は、前記筐体の前記下端に向かってテーパー状である、請求項1に記載の不正開封防止キャップ。
【請求項8】
前記第2開口部の幅は、前記筐体の前記下端に向かってテーパー状でない、請求項1に記載の不正開封防止キャップ。
【請求項9】
医療用アダプタの不正開封防止キャップであって、
閉鎖上端と、対向する開放下端と、前記上端と下端の間の側壁とを有する筐体であって、前記上端は
、前記上端
を通って延在
し、前記筐体の中心軸と前記筐体の前記側壁との間に配置される複数の開口を備える、筐体と、
前記筐体の前記下端から延在する複数の脚部であって、前記複数の脚部の1つの脚部は、前記複数の脚部の隣接する脚部から間隔を空けられて離れていて、その間に第1距離を有する第1開口部を形成し、前記複数の脚部の別の脚部は、前記複数の脚部のいかなる前記脚部、及び前記隣接する脚部から間隔を空けられて離れていて、前記第1開口部から分離し、その間に第2距離を有する、第2開口部を形成する、複数の脚部と、
を備え、
前記第1距離は、前記第2距離よりも大きい、不正開封防止キャップ。
【請求項10】
前記第1開口部の一部は、前記筐体の下部の一部により形成される、請求項9に記載の不正開封防止キャップ。
【請求項11】
前記第2開口部の一部は、前記筐体の下部の別の部分により形成される、請求項9に記載の不正開封防止キャップ。
【請求項12】
前記複数の脚部の各脚部は、前記複数の脚部の各脚部の内面から径方向に延在する部材を備え、前記部材は、ランプ面と、前記ランプ面に対して横方向に延在する係合面と、前記ランプ面と前記係合面との間を移行する頂部とを備える、請求項9に記載の不正開封防止キャップ。
【請求項13】
前記複数の開口の各開口は、前記複数の脚部の各脚部の前記部材に整列される、請求項12に記載の不正開封防止キャップ。
【請求項14】
前記複数の脚部の前記脚部は第1部材を備え、前記複数の脚部の前記隣接する脚部は第2部材を備え、前記第1開口部の一部が前記第1部材と前記第2部材との間に形成される、請求項12に記載の不正開封防止キャップ。
【請求項15】
前記複数の脚部の前記別の脚部は第3部材を備え、前記第2開口部の一部は、前記第3部材と、前記第1部材及び前記第2部材のいずれかとの間に形成される、請求項14に記載の不正開封防止キャップ。
【請求項16】
前記第1開口部の幅は、前記筐体の前記下端に向かってテーパー状である、請求項9に記載の不正開封防止キャップ。
【請求項17】
前記第2開口部の幅は、前記筐体の前記下端に向かってテーパー状でない、請求項9に記載の不正開封防止キャップ。
【請求項18】
前記複数の脚部の前記脚部は、前記複数の脚部の前記別の脚部から間隔を空けられて離れていて、その間に第3距離を有する第3開口部を形成する、請求項9に記載の不正開封防止キャップ。
【請求項19】
前記複数の脚部の前記隣接する脚部は、前記複数の脚部の別の隣接する脚部から間隔を空けられて離れていて、その間に第4距離を有する第4開口を形成する、請求項18に記載の不正開封防止キャップ。
【請求項20】
前記第1距離は、前記第2距離、前記第3距離、及び前記第4距離よりも大きい、請求項19に記載の不正開封防止キャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、製品、パッケージ又はシステムに、例えば、流体を通すためのポートを用いた製品、パッケージ又はシステムに関し、特に、ポートを有する医療用製品、パッケージ又はシステムの不正開封防止キャップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
医療用流体を保持・搬送するための製品、パッケージ及びシステムには、流体を通すためのアクセスポートを有するものが多い。例えば、ポートは、流体経路に沿って設置されるIVバッグ、ボトル又はY部位装置に組み込まれていてもよい。医療用流体は、このポートを通って、製品、パッケージ又はシステムへと導入されたり、又はそこから回収されたりしてもよい。同様に、このポートを介して、医療用流体が希釈されたり、改変されたり、汚染されたりする可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
医療用流体への不注意による汚染や感染拡大を防止するには、この流体へのポートを介したアクセスを制限することが望ましい。不正な改ざんや不純物混和は、そのポートを介した輸液によって変化し得る医療用流体のレシピエントにとって深刻な脅威である。また、医療用流体の一部を無許可に引き抜くことによっても、レシピエントが不正な量の医療用流体を受けることにつながる。さらに、化学療法に用いられる化合物など、毒性のある医療用流体は、その薬物と接触する人にとって有害となり得る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の態様によれば、医療用アダプタの不正開封防止キャップが提供される。このキャップは、(i)閉鎖上端と、(ii)対向する開放下端と、(iii)その上端と下端の間の側壁とを有し、上端と下端の間に延在する軸を画定する筐体と、下端から離れるようにその筐体から延在する複数の脚部と、少なくとも一つの脚部の内面から径方向に延在する部材であって、ランプ面と、そのランプ面に対して横方向に延在する係合面と、ランプ面と係合面との間を移行する頂部とを備える部材とを備え、各脚部は、筐体の軸に対して径方向に屈曲するよう構成されている。
【0005】
いくつかの例において、各径方向に延在する部材間の断面幅は、ポートの外面の断面幅よりも小さい。いくつかの実施例では、脚部が結合して開口部を画定する。本開示の特定の例では、筐体は、上端の第2断面幅よりも大きい第1断面幅を下端に有する。いくつかの実施例では、側壁の外面は、下端から上端へとテーパー状になっている。いくつかの実施例では、側壁の外面は、下端から上端へと配置された複数のリブを有する。
【0006】
本開示のいくつかの実施例において、部材に隣接した各脚部の一部は、該脚部から横方向に延在するカラー部を画定する。いくつかの実施例では、各カラー部は円弧を画定する。いくつかの例では、脚部の各カラー部は、互いにはめ合わさって、複数の脚部が下端に向かって枢動すると、筐体と同軸上にカラーを形成するよう構成されている。いくつかの実施例では、各カラー部は、各カラー部を互いに接続するよう構成された少なくともラッチとストライクのいずれかを有する。いくつかの実施例によれば、各脚部は、ヒンジを中心に枢動可能である。いくつかの実施例では、ヒンジは、リビングヒンジである。
【0007】
本開示の態様によれば、(i)閉鎖上端と、(ii)対向する開放下端と、(iii)上端と下端の間の側壁とを有し、上端と下端の間に延在する軸を画定する筐体と、下端から離れるように筐体から延在する複数の脚部であって、その少なくとも一つと前記筐体とで少なくとも一つの窓部が画定される、複数の脚部と、各窓部の底部から前記上端に向かって延在するタブと、各タブの内面から径方向に延在する部材とを具備し、各部材は、ランプ面と、このランプ面に対して横方向に延在する係合面と、ランプ面と係合面との間を移行する頂部とを備える、不正開封防止キャップ。
【0008】
本開示の特定の実施例によれば、脚部が結合して開口部を画定する。いくつかの例では、側壁の外面の一部は、上端に向かってテーパー状になっている。本開示の特定の例では、筐体は、上端の第2断面幅よりも大きい第1断面幅を下端に有する。
【0009】
いくつかの実施例によれば、上端の内面と各部材の係合面との間で筐体内にはまるよう構成されたインサートをさらに具備し、このインサートは、キャビティを確定する第1端部と、対向する第2端部とを有し、上端の内面と第2端部とは、(i)インサートが上端と各係合面間の距離を移動するよう構成され、(ii)筐体とインサートが係合して一方向に一緒に回転し、反対方向に回転された場合に互いに切り離されるよう構成されている。
【0010】
いくつかの例において、キャビティの内面は、スレッドを有する。いくつかの例では、上端の内面と第2端部は共に、ラチェットとつめを有する。いくつかの実施例では、キャビティは、第1端部に向かって延在する突起部を有する。いくつかの実施例によれば、第1端部は、径方向フランジをさらに有する。
【0011】
本技術のさらなる特徴及び利点は、下記の説明で述べられるが、一部分において当該説明から明らかであり、又は、本技術を実施することによって知ることができる。本技術の利点は、明細書及びその請求項並びに添付の図面で特に指摘される構造によって実現され、達成される。
【0012】
当然のことながら、前述した概要と以下の詳細な説明はいずれも、例示的かつ説明的であり、請求されている本技術のさらなる説明を提供することを意図するものである。
【0013】
本技術のさらなる理解を提供するためのものであり、この明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付図面は、本技術の態様を説明し、説明と共に本技術の原理を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本開示の態様に係る不正開封防止キャップの実施例を示す正面斜視図である。
【
図2】
図1の不正開封防止キャップを示す断面図である。
【
図3】本開示の態様に係るポートが接続された不正開封防止キャップの実施例を示す断面図である。
【
図4】本開示の態様に係る不正開封防止キャップの実施例を示す正面図である。
【
図5】
図4の不正開封防止キャップを示す断面図である。
【
図6A】本開示の態様に係る不正開封防止キャップの実施例を示す正面斜視図である。
【
図6B】本開示の態様に係る不正開封防止キャップの実施例を示す正面斜視図である。
【
図8】本開示の態様に係る不正開封防止キャップの実施例を示す正面斜視図である。
【
図9】
図8の不正開封防止キャップを示す正面図である。
【
図10】本開示の態様に係る不正開封防止キャップの実施例を示す正面斜視図である。
【
図11】
図10の不正開封防止キャップの筐体を示す断面図である。
【
図12】
図10の不正開封防止キャップのインサートを示す正面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の詳細な説明では、具体的詳細は、本技術についての十分な理解を与えるために提示される。しかしながら、当業者であれば、これらの具体的詳細のうちのいくつかがなくても、本技術が実施できることは明らかであろう。他の例では、公知の構造及び技術は、本技術を曖昧にしないために、詳細に示されていない。
【0016】
「態様」などの表現は、このような態様が本技術にとって不可欠なものであること又はこのような態様が本技術のすべての構成に適用されることを意味するものではない。一態様に関連する開示は、すべての構成又は1つ以上の構成に適用されてもよい。一態様は、開示の1つ以上の例を提供してもよい。一態様という表現は、1つ以上の態様を指してもよく、またその逆も同様である。「実施例」などの表現は、このような実施例が本技術にとって不可欠なものであること又はこのような実施例が本技術のすべての構成に適用されることを意味するものではない。一実施形態に関連する開示は、すべての実施例又は1つ以上の実施例に適用されてもよい。一実施例は、開示の1つ以上の例を提供してもよい。一実施例という表現は、1つ以上の実施例を指してもよく、またその逆も同様である。「構成」などの表現は、このような構成が本技術にとって不可欠なものであること又はこのような構成が本技術のすべての構成に適用されることを意味するものではない。一構成に関連する開示は、すべての構成又は1つ以上の構成に適用されてもよい。一構成は、開示の1つ以上の例を提供してもよい。一構成という表現は、1つ以上の構成を指してもよく、またその逆も同様である。
【0017】
本開示は、アクセスポートを用いた製品、パッケージ又はシステムで使用される不正開封防止キャップに関する。
図1は、外部スレッド又はリッジ902を有するポート900に接続されるよう構成された不正開封防止キャップを示す。この不正開封防止キャップは、閉鎖上端102と、対向する開放下端104を有する筐体100を備えている。側壁106は、その上端102と下端104の間に延在し、上端102と下端104の間に延在する軸108を中心に円周方向に配置されている。いくつかの実施例では、一つ又は複数の開口が上端102を貫通して配置されている。複数の脚部110が、下端104から離れるようにその筐体100から延在している。各脚部110は、軸108に対して屈曲可能である。隣接する脚部110間に画定され、その一端が下端104に境界される空間により、各脚部は隣接する脚部110とは独立して屈曲することが可能となる。少なくとも一つの脚部110の内面は、部材112を有する。各部材112は、脚部110の内面から軸108に向かって径方向内方に延在する。
【0018】
図2を参照すると、複数の脚部110はそれぞれ、軸108に向かって延在する部材112を備えている。各部材112は、軸108に向かって延在するランプ面114及び係合面116を有する。ランプ面114と係合面116は、互いに横方向に配向している。ランプ面114と係合面116間の界面には、頂部116が配置されている。好適な実施例では、径方向に延在する対向する部材112の頂部116間の断面幅は、ポート904の外部スレッド又はリッジ902の断面幅よりも小さい。
【0019】
図3を参照すると、不正開封防止キャップとポート900との接続は、軸108がポート900の開口部904と同軸上に位置し、脚部110が筐体100からポート900に向かって延在するよう、まずは筐体100とポート900を位置合わせすることによって行われてもよい。不正開封防止キャップをポート900に向かって移動させると、ランプ面114がポート900の外部スレッド又はリッジ902と接触する。そして、この不正開封防止キャップをポート900に向かってさらに移動させると、脚部110が軸108から遠ざかるように径方向に屈曲する。脚部110が軸108から遠ざかるように径方向に延在すると、不正開封防止キャップを、頂部118が外部リッジ又はスレッドを通り過ぎるようにポート900へとさらに移動させてもよい。頂部118が外部リッジ又はスレッドを通り過ぎた後、係合面116によって脚部が少なくとも部分的に軸108へと戻される。好適な実施例では、係合面116は、ポート900の外部スレッド又はリッジ902と係合するが、不正開封防止キャップがポート900から離れて反対方向に移動された場合に、脚部を軸108から径方向外方に屈曲させない。
【0020】
図4及び
図5の実施例を参照すると、不正開封防止キャップは、閉鎖上端202と、対向する開放下端204と、その上端202と下端204の間に延在する側壁206とを有する筐体200を備えている。側壁206は、上端202と下端204の間に延在する軸208を中心に円周方向に配置されている。この筐体の外面は、下端204の第1断面幅と、上端202の第2断面幅を有している。好適な実施例では、第1断面幅は、第2断面幅よりも大きい。いくつかの実施例において、側壁206の外面は、下端204と上端202の間に移行ステップ207を有する。側壁206には、複数のリブ222が配置され、下端204から上端202へと延在している。リブ222は、移行ステップ207にわたって延在し、下端204の第1断面幅から上端202の第2断面幅へとテーパー状になっている。いくつかの実施例では、側面206の外面は、下端204と上端202との間でテーパー状になっている。
【0021】
図5を参照すると、複数の脚部210が下端204から離れるように筐体200から延在している。少なくとも一つの脚部210の内面には、部材212が配置されている。各部材212は、脚部210から軸208に向かって径方向内方に延在する。各部材212は、軸208に向かって延在するランプ面214及び係合面216を有する。ランプ面214と係合面216間の界面には、頂部218が配置されている。好適な実施例では、径方向に延在する対向する部材212の頂部216間の断面幅は、ポート900の外部スレッド又はリッジ902の断面幅よりも小さい。
【0022】
いくつかの実施例では、筐体200と脚部210によって、各脚部210間に空間が画定されることで、各脚部210は隣接する脚部210とは独立して屈曲することが可能となる。好適な実施例では、筐体200と脚部210によって画定された空間は、開口部220である。この開口部220によって、不正開封防止キャップは、ポートのすぐ近隣に一様でない領域を有する装置のポートに接続することができる。例えば、開口部220によって、不正開封防止キャップは、第1ブランチと第2ブランチを有するY部位(図示せず)に接続することができる。このY部位の第1ブランチにあるポートに不正開封防止キャップを接続した場合、第2ブランチが開口部220を介して延在する。
【0023】
図6A乃至
図7は、閉鎖上端302と、対向する開放下端304と、その上端302と下端304の間に延在する側壁306とを有する筐体300を備えた不正開封防止キャップを示す。側壁306は、上端302と下端304の間に延在する軸308を中心に円周方向に配置されている。
【0024】
筐体300の上端302から下端304に向かって、複数の脚部310が延在している。各脚部は、ヒンジ330によって上端302に枢動可能に接続されている。このヒンジ330によって、各脚部は、
図6Bに示すように外方に延在することができるよう、軸308と平行又はほぼ平行な面に沿って、下端304に向かって及びそれから離れるように枢動可能となる。いくつかの実施例では、ヒンジ330は、各脚部310と上端302間にある薄型で柔軟性のあるリビングヒンジである。
【0025】
部材312に隣接する各脚部310の一部は、脚部310から横方向に延在するカラー部324を画定する。各カラー部324は、円弧形状を有し、カラー部324を有する各脚部310が軸308に向かって枢動すると、カラーが形成される。このカラー部324は、互いにはめ合わさって、筐体300の軸308の周りにカラーを形成するよう構成されている。いくつかの実施例では、カラー部324は、各カラー部324間のラッチ326とストライク328によって互いにはめ合わさる。好適な実施例では、各カラー部324の合わせ面は、少なくともラッチ326とストライク328のいずれかを有している。
【0026】
図7を参照すると、各脚部310の内面には、部材312が配置されている。各部材312は、脚部310から軸308に向かって径方向内方に延在する。各部材312は、軸308に向かって延在する係合面316と頂部316を有する。好適な実施例では、径方向に延在する対向する部材312の頂部316間の断面幅は、ポート900の外部スレッド又はリッジ902よりも小さい。
【0027】
図6A乃至
図7の不正開封防止キャップとポート900との接続は、軸308がポート900の開口部904と同軸上に位置するよう、まずは筐体300の下端304とポート900を位置合わせすることによって行うことができる。次に、カラー部324がポート900の外面に隣接し、係合面316がポート900の外部スレッド又はリッジ902に隣接するまで脚部310を下端304に向かって枢動させてもよい。その後、各ラッチ326とストライク328の組み合わせを係合させることにより、各カラー部324を互いに接続してもよい。カラー部324を係合させると、係合面316がポート900の外部スレッド又はリッジ902に当接するが、不正開封防止キャップがポート900から離れて反対方向に移動された場合に、脚部を軸308から遠ざかるように屈曲させはしない。
【0028】
図8及び
図9を参照すると、不正開封防止キャップは、閉鎖上端402と、対向する開放下端404と、その上端402と下端404の間に延在する側壁406とを有する筐体400を備えている。側壁406は、上端402と下端404の間に延在する軸408を中心に円周方向に配置されている。この筐体の外面は、下端404の第1断面幅と、上端402の第2断面幅を有している。好適な実施例では、第1断面幅は、第2断面幅よりも大きい。いくつかの実施例において、側壁406の外面の一部は、下端404の第1断面幅と上端402の第2断面幅との間に移行ステップ407を有する。
【0029】
複数の脚部410が下端404から離れるように筐体400から延在している。いくつかの実施例では、筐体400と少なくとも一つの脚部410によって窓部432が画定されている。各窓部の端部からは、タブ434が上端402に向かって延在している。このタブ434は、窓部の端部から、上端402と対向して延在することが好ましい。各タブ434の内面には、部材412が配置されている。各部材412は、タブ434から軸408に向かって径方向内方に延在する。各部材412は、軸408に向かって延在するランプ面414及び係合面416を有する。ランプ面414と係合面416間の界面には、頂部416が配置されている。好適な実施例では、径方向に延在する対向する部材412の頂部416間の断面幅は、ポート900の外部スレッド又はリッジ902の断面幅よりも小さい。
【0030】
いくつかの実施例では、筐体400と脚部410によって、各脚部410間に開口部420が画定される。この開口部420によって、不正開封防止キャップは、ポートのすぐ近隣に一様でない領域を有する装置のポートに接続することができる。例えば、開口部420によって、不正開封防止キャップは、第1ブランチと第2ブランチを有するY部位(図示せず)に接続することができる。このY部位の第1ブランチにあるポートに不正開封防止キャップを接続した場合、第2ブランチが開口部420を介して延在する。
【0031】
いくつかの実施例では、側壁406には、複数のリブが配置され、下端404から上端402へと延在している。リブは、移行ステップ407にわたって延在し、下端404の第1断面幅から上端402の第2断面幅へとテーパー状になっている。いくつかの実施例では、外側の側面406は、下端404と上端402との間でテーパー状になっている。
【0032】
不正開封防止キャップとポート900との接続は、軸408がポート900の開口部904と一致して同軸上に位置し、脚部410が筐体400からポート900に向かって延在するよう、まずは筐体400とポート900を位置合わせすることによって行われてもよい。不正開封防止キャップをポート900に向かって移動させると、ランプ面414がポート900の外部スレッド又はリッジ902と接触する。そして、この不正開封防止キャップを外部スレッド又はリッジ902に向かってさらに移動させると、タブ434が軸408から遠ざかるように径方向に屈曲する。タブ434が軸408から遠ざかるように径方向に延在すると、不正開封防止キャップを、頂部418が外部スレッド又はリッジ902を通り過ぎるようにポート900へとさらに移動させてもよい。頂部418が外部リッジ又はスレッドを通り過ぎた後、係合面416によって脚部が少なくとも部分的に軸408へと戻される。好適な実施例では、係合面416は、ポート900の外部スレッド又はリッジ902と係合するが、不正開封防止キャップがポート900から離れて反対方向に移動された場合に、脚部を軸408から径方向外方に屈曲させない。
【0033】
図10乃至
図13は、筐体500とインサート550を備えた不正開封防止キャップを示す。この筐体500は、閉鎖上端502と、対向する開放下端504と、その上端502と下端504の間に延在する側壁506とを有する。側壁506は、上端502と下端504の間に延在する軸508を中心に円周方向に配置されている。複数の脚部510が下端504から離れるように筐体500から延在している。
【0034】
図11を参照すると、筐体500と脚部510によって、各脚部510間に空間が画定されることで、各脚部510は隣接する脚部510とは独立して屈曲することが可能となる。各脚部510の内面には、部材512が配置されている。各部材512は、脚部510から軸508に向かって径方向内方に延在する。各部材512は、軸508に向かって延在するランプ面514及び係合面516を有する。ランプ面514と係合面516間の界面には、頂部518が配置されている。筐体500の上端502の内面は、円周方向に連続した傾斜リッジ536を有している。
【0035】
図12は、第1端部552と対向する第2端部554を有するインサート550を示す。このインサート550は、第1端部552に配置され、インサート550から離れるように径方向に延在するフランジ556を画定する。好適な実施例では、対向する部材512の頂部518間の断面幅は、フランジ556の断面幅よりも小さい。
【0036】
このインサート550は、第1端部552を通って、部分的に第2端部554の内面に向かって延在するキャビティをさらに画定する。いくつかの実施例では、このキャビティの内面は、スレッド面558を有する。いくつかの実施例では、第2端部554の内面から第1端部552に向かって、突起部560が延在する。好適な実施例では、この突起部560は、第1端部552によって画定された面を越えて延在する。第2端部552の外面は、円周方向に連続した傾斜リッジ538を有する。この第2端部552の傾斜リッジ538は、上端502の傾斜リッジ536とは反対の方向に配向している。
【0037】
図13を参照すると、筐体500とインサート550とは、筐体500の脚部510とインサート550の第2端部554とを位置合わせすることにより互いに接続されている。筐体500をインサート550に向かって、そしてその上方へと移動させると、ランプ面514がフランジ556と接触し、脚部510が軸508から遠ざかるように径方向に屈曲する。脚部510が軸508から遠ざかるように径方向に延在すると、筐体500を、頂部518がフランジ556を通り過ぎるようにインサート550上方をさらに移動させてもよい。それにより、脚部510が少なくとも部分的に軸508へと戻される。このインサート550は、上端502の内面と係合面516との間で、筐体500の脚部510内に保持される。
【0038】
インサート550の第1端部552と第2端部554との間の距離は、上端502の内面と係合面516との間の距離よりも小さいため、インサート550は、上端502の内面と係合面516との間の距離を移動できる。
【0039】
筐体500の上端502をインサート550の第2端部554に向かって移動させると、筐体500の傾斜リッジ536がインサート550の傾斜リッジ538と係合し、それにより、筐体500とインサート550とが一緒に第1方向に回転する。一方、筐体500を第2端部554から離れるように移動させる、又は、反対の第2方向に回転させると、筐体500の傾斜リッジ536がインサート550の傾斜リッジ538から切り離される。いくつかの実施例では、不正開封防止キャップとポート900との接続は、まずはインサート550をポート900に取り付けることにより行われる。好適な実施例では、インサート550は、突起部560がポート900へと延在するようスレッド558によってポート900に接続される。次に、筐体500とインサート550とが接続され、一体化された筐体500とインサート550が係合して第1方向に回転したり、反対の第2方向に回転された場合には互いに切り離されてもよい。いくつかの実施例では、まずは、筐体500とインサート550とが互いに接続される。次に、インサート550のスレッド558とポート900との位置合わせが行われる。そして、傾斜リッジ536、538が互いに係合し、筐体500とインサート550とが第1方向に回転するよう筐体500をインサート550に向かって移動させ、それにより筐体500とインサート550とをポート900に接続する。
【0040】
上記説明は、当業者が本明細書に記載されている様々な態様を実践できるようにするために提供されたものである。本技術は様々な図及び態様に関連して詳細に記載されているが、これらは例示のみを目的としたものであり、本技術の範囲を制限するものと解釈してはならないことを理解されたい。
【0041】
本技術を実現するには他の多くの方法が存在する可能性がある。本明細書に記載されている様々な機能及び要素は、本技術の範囲を逸脱せずに、示されているものとは異なる区分にすることができる。これらの形態に対する様々な変更は当業者にとって容易に明らかになり、本明細書に定義された一般原理は他の形態に適用することができる。従って、本技術の範囲を逸脱せずに、当業者により、本技術に対して多くの変更及び修正を行うことができる。
【0042】
本明細書で使用するように、一連の項目に先行して、それらの項目のいずれかを分離するために「及び」や「又は」という用語が付いている「のうちの少なくとも一つ」という語句は、そのリストのそれぞれの構成要素(即ち、それぞれの項目)ではなく、全体としてそのリストを修飾するものである。「のうちの少なくとも一つ」という語句は、リストされているそれぞれの項目のうちの少なくとも一つの選択を要求するものではなく、むしろ、この語句は、それらの項目のうちのいずれか一つのうちの少なくとも一つ、及び/又はそれらの項目の任意の組み合わせのうちの少なくとも一つ、及び/又はそれらの項目のそれぞれのうちの少なくとも一つを含むという意味を可能にするものである。一例として、「A、B、及びCのうちの少なくとも一つ」又は「A、B、又はCのうちの少なくとも一つ」はいずれも、Aのみ、Bのみ、又はCのみ、A、B、及びCの任意の組み合わせ、及び/又はA、B、及びCのそれぞれのうちの少なくとも1つを指す。
【0043】
さらに、「含む」、「有する」等の用語が詳細な説明や請求項で使用される限りにおいては、このような用語は、「含んで構成される」という用語が請求項で暫定的な言葉として使用された場合に解釈されるのと同じように、包括的であることを意図している。本明細書で使用される「例示的な」という用語は、「例、事例、又は実例としての役割を果たす」ということを意味する。本明細書で「例示的な」として説明された実施例はいずれも、必ずしも他の実施例よりも好ましい、又は有利であると理解されるとは限らない。
【0044】
単数形の要素に対する言及は、特に明記されていない限り、「唯一のもの」を意味するものではなく、むしろ、「1つ以上」を意味するものである。「いくつかの」という用語は1つ以上を指す。当業者によって知られた、又は後に知られるようになる本開示に記載された様々な構成要素のすべての構造的及び機能的な均等物は、参照により本明細書に明確に組み込まれ、本技術により包含される。さらに、その開示が上記の説明に明確に記載されているか否かに関わらず、本明細書に開示されたすべての事項は発明の開放を目的としていない。
【0045】
本技術の特定の態様及び実施例を説明してきたが、これらの実施例は、ほんの一例として示されたものであって、本技術の範囲を制限することを意図したものではない。実際には、本明細書に記載の新規な方法及びシステムは、本開示の精神から逸脱することなく、他のさまざまな形態で具体化されることができる。また、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物は、本技術の範囲および主旨に含まれるような形態や変更を包含することを意図している。