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特許7344966ソフトスレッドカニューレおよびカニューレシール組立品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-06
(45)【発行日】2023-09-14
(54)【発明の名称】ソフトスレッドカニューレおよびカニューレシール組立品
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/34 20060101AFI20230907BHJP
【FI】
A61B17/34
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021537077
(86)(22)【出願日】2019-12-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-24
(86)【国際出願番号】 US2019068728
(87)【国際公開番号】W WO2020140025
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2021-07-07
(31)【優先権主張番号】62/785,331
(32)【優先日】2018-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/786,085
(32)【優先日】2018-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500103074
【氏名又は名称】コンメッド コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】一色 亮
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/094458(WO,A1)
【文献】米国特許第05997515(US,A)
【文献】中国実用新案第206261645(CN,U)
【文献】特表2020-500078(JP,A)
【文献】米国特許第05817062(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0268024(US,A1)
【文献】特表平09-503953(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0065808(US,A1)
【文献】韓国登録実用新案第20-0465473(KR,Y1)
【文献】特開2011-161226(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長軸方向軸に沿って延在し、近位端および遠位端を有する細長いカニューレ本体と、
前記カニューレ本体の少なくとも一部分に沿って、前記遠位端から前記近位端に向けて延在するねじ山と、
を備え、
前記カニューレ本体が、第一の厚さを有する材料から構成され、
前記ねじ山が、第一の厚さよりも小さい第二の厚さを有する材料から構成され、
前記第二の厚さを有する材料は、前記第一の厚さを有する材料よりも撓みやすく、
前記ねじ山の基部は、近位側と、遠位側と、支持構造とを含み、
前記支持構造は、前記遠位側に隣接し、かつ前記カニューレ本体から延在しており、
前記支持構造は、前記ねじ山に対して前記遠位端から前記近位端に向けた力が加えられたときに、前記ねじ山の変形を許容し、前記ねじ山に対して前記近位端から前記遠位端に向けた力が加えられたときに、前記遠位端から前記近位端に向けた力が加えられたときよりも前記ねじ山の変形がしにくいように構成されている、
カニューレ。
【請求項2】
前記ねじ山は、前記基部の前記遠位側上に第一の半径を有し、前記基部の前記近位側上に第二の半径を有し、前記第二の半径が前記第一の半径よりも小さい、請求項1に記載のカニューレ。
【請求項3】
前記長軸方向軸を面上に含む断面において、前記支持構造が三角形の断面を有する、請求項2に記載のカニューレ。
【請求項4】
前記支持構造は、前記長軸方向軸に対して角度付きであり、前記支持構造に隣接する前記ねじ山の前記遠位側に向かって、前記長軸方向軸に直交する方向の長さが長くなる、請求項2又は請求項3に記載のカニューレ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年12月27日に出願された「Cannula Seal Mechanism」という名称の米国仮特許出願第62/785,331号明細書、および2018年12月28日に出願された「Soft-Thread Cannula」という名称の米国仮特許出願第62/786,085号明細書の優先権および利益を主張するもので、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
本発明は、外科手術用の装置および組立品に関し、より具体的には、互換性のある可撓性のカニューレを有するカニューレシール組立品に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
カニューレは、外科手術部位へのポータルに対するアクセスを提供することによって、関節鏡または内視鏡処置を支援するために使用される。流体管理の問題により、カニューレは近位端にシールを備えることが多い。シールは、カニューレを流れる流体を制限するが、同時に流体圧力の発生にも関与し得る。器具または装置をカニューレに通すことによってシールを妨げることにより、自然発生的および制御不能な噴出流体の漏出をもたらし得る。
【0004】
さらに、従来のカニューレは、多くの場合、剛性のねじ山を備えた剛性な本体を有する。剛性の本体は、器具および装置を通すための管様構造を維持し、剛性のねじ山は、外科手術部位で組織をつかみ、カニューレの固定を提供する。ところが、カニューレ本体上の剛性のねじ山は、カニューレが挿入された時に外科手術部位で追加的な外傷および損傷のリスクを引き起こす可能性がある。
【0005】
したがって、器具を外科手術部位まで通す時に、外科手術部位からの流体の流出を制御するための、負傷を低減するための可撓性の特徴と、シール組立品とを有するカニューレが必要となる。
【0006】
関連技術の説明セクションの免責条項:特定の特許/刊行物/製品が本関連技術の説明セクションまたは本開示の他の場所で説明されている範囲で、これらの説明が説明された特許/刊行物/製品が特許法上の先行技術であることを認めるものとみなされるべきではない。例えば、説明された特許/刊行物/製品の一部または全ては、時間的に十分早期でない可能性があり、時間的に十分早期に開発された主題を反映していない可能性があり、および/または特許法の目的に対して先行技術に相当するほど、十分に有効ではない可能性がある。特定の特許/刊行物/製品が、この関連技術の説明セクションおよび/または出願全体を通して上記で議論されている範囲で、その説明/開示は参照により全て本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【0007】
本発明の実施形態は、互換性のある可撓性カニューレを有するカニューレシール組立品を対象とする。一態様によれば、本発明は、近位端および遠位端を有する剛性のカニューレ本体を含むカニューレである。カニューレ本体は、第一の厚さを有する材料から構成される。可撓性のねじ山は、カニューレ本体の少なくとも一部分に沿って、遠位端から、近位端に向けて延在する。ねじ山は、第一の厚さよりも小さい第二の厚さを有する材料から構成される。
【0008】
別の態様によれば、カニューレは、近位端および遠位端を有する剛性のカニューレ本体を含む。可撓性のスリーブは、カニューレ本体の少なくとも一部分に沿って、遠位端から、近位端に向けて延在する。カニューレは、スリーブの少なくとも一部分に沿って延在する可撓性のねじ山も含む。
【0009】
別の態様によれば、本発明はカニューレシール組立品である。組立品は、その中に一次シールおよび二次シールを有するハウジングを含む。組立品は、一次シールと二次シールとの間に接続されたスペーサーと、一次シールと二次シールとの間にある貯蔵部とを有する。
【0010】
本発明のこれらおよび他の態様は、以下に記載される実施形態を参照して明らかになり、解明されよう。
【0011】
本発明は、添付図面と併せて以下の詳細な説明を読むことにより、より完全に理解され、評価される。添付の図面は、開示された主題の一般的な実施形態のみを図示しており、開示された主題についてはその範囲を限定するものではなく、その他の同様に有効な実施形態を認めてもよい。ここで添付図面を簡単に参照する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施形態による、カニューレの部分断面概略図である。
図2】一実施形態による、ねじ山の拡大側断面概略図である。
図3】一実施形態による、圧縮位置にあるねじ山の拡大側断面概略図である。
図4】一実施形態による、拡張位置にあるねじ山の拡大側断面概略図である。
図5】代替的な実施形態による、ねじ山の拡大側断面概略図である。
図6】別の代替的な実施形態による、ねじ山の拡大側断面概略図である。
図7】代替的な実施形態による、カニューレの部分分解概略図である。
図8図7のカニューレの斜視概略図である。
図9図7のカニューレの遠位端の部分内部図である。
図10】一実施形態による、カニューレシール組立品の部分内部側面概略図である。
図11】一実施形態による、一次シールおよび二次シールの部分内部斜視概略図である。
図12】一実施形態による、カニューレシール組立品の上面概略図である。
図13】一実施形態による、カニューレシール組立品の斜視概略図である。
図14】一実施形態による、カニューレシール組立品の別の斜視概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の態様およびその特定の特徴、利点、ならびに詳細は、添付図面に図示した非限定的な例を参照しながらより完全に以下に説明される。本発明の詳細を不必要に不明瞭にしないよう、周知の構造の説明は省略される。しかし、当然のことながら、詳細な説明および特定の非限定的な例は、本発明の態様を示すものであるが、例示のみの目的で与えられ、限定の目的ではない。基礎となる発明の概念の精神および/または範囲内での様々な置換、修正、追加、および/または配置は、本開示から当業者には明らかであろう。
【0014】
ここで図面を参照すると、同様の参照番号が全体を通して同様の部分を指しており、図1は、一実施形態による、カニューレ10の部分断面概略図を示す。カニューレ10は、近位端12および遠位端14を有する。遠位端14は、外科手術部位のポータル内への挿入のために構成される。カニューレ本体16は、長軸方向中心軸y-yに沿って近位端12から遠位端14に延在する。カニューレ10はさらに、その近位端12から延在するポート18を含む。ポート18は、カニューレ10からの流体の流れの出口を提供する。ポート18は、ポート18を通る流体の流れを許容または阻止するための制御弁(図示せず)を含む。(制御弁は、当業者によって理解されるように、制御弁開口20を通って延在する。)
【0015】
カニューレ本体16は、細長く、管状であり、その間に延在する内部容積26を有する開放された近位端22および開放された遠位端24を有する。内部容積26は、外科手術器具および装置を収容するようにサイズ設定され、構成される。図示の実施形態では、図に示すように、カニューレ本体16の遠位端24は、カニューレ本体16の外表面30の少なくとも一部分に沿ってその遠位端24からねじ山28が近位に延在するようにねじ込まれる。ねじ山28は、外科手術部位でカニューレ10を固定するための固定機構として機能する。
【0016】
ここで図2を参照すると、一実施形態による、ねじ山28の拡大側断面概略図が示されている。図に示すように、ねじ山28は、長軸方向中心軸y-yに対してある角度で延在する。特に、ねじ山28は近位に(すなわち、カニューレ10の近位端12に向かって)延在する。ねじ山28の輪郭は、挿入方向から離れて近位方向に角度付けられている。代替的な実施形態では、ねじ山28の輪郭は、挿入方向に向かって遠位方向に角度付けられてもよい。
【0017】
ここで図3を参照すると、一実施形態による、圧縮位置にあるねじ山28の拡大側断面概略図が示される。図に示すように、ねじ山28は、ねじ山28が所定の圧縮力下で降伏するように、可撓性材料で構成される。言い換えれば、ねじ山28の先端32は、カニューレ本体16の外表面30に向かって、圧縮位置へ近位方向(長軸方向中心軸y-yに向かって)に曲がる。近位方向のこの曲がりは、挿入中に圧縮される(すなわち、組織によって近位方向に力が加えられる)とき、カニューレ10の全体的な形状を小さくする。したがって、挿入中のねじ山28の形状が小さくなることで、干渉が最小化する。
【0018】
ここで図4を参照すると、一実施形態による、拡張位置にあるねじ山28の拡大側断面概略図が示される。ねじ山28は可撓性であるが、ねじ山28は外科手術部位での固定ができなければならない。図4に示すように、ねじ山28は、使用中にカニューレ10の全体的な形状を最大化するために、引張荷重(すなわち、遠位方向の力)下で拡張する。したがって、使用中、ねじ山28の形状が大きくなると、外科手術部位の組織におけるカニューレ10の固定強度が増大する。図3の圧縮位置から、ねじ山28の先端32は、遠位方向にわずかに曲がり拡張位置に戻る。
【0019】
ここで図5および図6を参照すると、代替的な実施形態による、ねじ山28の拡大側断面概略図が示されている。図5および図6に示す実施形態では、ねじ山28の幾何学的形状は、近位方向の圧縮および遠位方向の圧縮に対する抵抗を可能にする。図5では、ねじ山28は、ねじ山28の基部34で異なる半径を有する。具体的には、ねじ山28は、基部34の遠位側36上に第一の半径Rを有し、基部34の近位側38上に第二の半径Rを有する。図示した実施形態では、第二の半径Rは、第一の半径Rよりも小さい。近位側38上の第二の半径R2の方が小さいため、ねじ山28は近位方向Dに圧縮されやすくなっている。同様に、遠位側36上により大きな第一の半径Rを有する基部34は、遠位方向Dへの圧縮に対してより大きな耐性がある。
【0020】
図6では、ねじ山28は、遠位方向Dへの圧縮に抵抗する補強された基部34を有する。図示の実施形態では、ねじ山28は、基部34(またはねじ山28)の遠位側36に隣接する補助的なねじ山などの支持構造40を有する。図6では、支持構造40は三角形の断面を有する。特に、支持構造40は、ねじ山28に近づくほど大きく(または広く)なるように角度が付けられる。支持構造40の角度は、ねじ山28の先端32が近位方向Dに圧縮されること(すなわち、遠位方向Dに加えられる力に干渉しない)を許容し、またねじ山28に力が近位方向Dに加えられた時に、ねじ山28の基部34を支持する。さらに、支持構造40は、ねじ山28が圧縮位置にある時に、ねじ山28を通り越して延在しないほど十分に小さい。
【0021】
カニューレ10の剛性および可撓性の特徴の組み合わせは、単一の材料または材料の組み合わせを使用して達成されうる。図1のカニューレ10は、単一の材料から構成される。カニューレ10の剛性の特徴および可撓性の特徴の組み合わせは、基材の材料特性およびカニューレ10の幾何学的形状を最適化することによって達成されうる。図1に示すカニューレ10の実施形態では、カニューレ本体16は管厚tを有する。厚さtは、可撓性材料を使用して、剛性のカニューレ本体16を依然として作製しうるほど十分に大きい。同様に、同じ材料を、材料の厚さを変化させることによって可撓性のねじ山28に使用することができる。図1に示すように、ねじ山28は、ねじ山28が柔軟なほど十分に小さい厚さt’を有する。図示した実施形態では、ねじ山28の厚さt’は、カニューレ本体16の厚さtよりも小さい。
【0022】
ここで図7および図8を参照すると、代替的な実施形態による、カニューレ10の斜視概略図が示されている。図7および図8に示すカニューレ10は、材料の組み合わせから構成される。言い換えれば、カニューレ10のいくつかの特徴は可撓性材料から構成され、カニューレ10のその他の特徴は剛性の材料から構成される。図7に示すように、カニューレ本体16は、カニューレ10の構造強度を提供する剛性の材料から作製されるか、そうでなければ剛性の材料から構成される。
【0023】
一方で、ねじ山28は、挿入中の干渉を低減するために必要な柔軟性を提供する、可撓性材料から作製されるか、そうでなければ可撓性材料から構成される。図7および図8に示す実施形態では、ねじ山28は、可撓性材料から構成されるスリーブ42上に作製される。スリーブ42は、スリーブ42がカニューレ本体16の上に被せられうるようにカニューレ挿入される(すなわち、図8に示すように、カニューレ本体16はスリーブ42を通って延在する)。これにより、図1のカニューレ10と同じ機能性を達成するために、材料の組み合わせが許容される。
【0024】
図9を簡単に参照すると、図7および図8のカニューレ10の遠位端14の部分内部図が示されている。剛性のカニューレ本体16が可撓性のスリーブ42を通って延在するとき、スリーブ42はカニューレ本体16の遠位端24を通って遠位に延在する。スリーブ42のこの追加の長さは、図9に示すとおり、伸展性の先端44である。伸展性の先端44は、意図しない損傷から外科手術部位を保護する。
【0025】
ここで図10を参照すると、一実施形態による、カニューレシール組立品100の部分内部側面概略図が示される。組立品100は、カニューレ10の近位端12(図1および図7~9に示すような)に取り付けるためにサイズ調整・形成される。組立品100は、内部に位置付けられた2つのシールを有するハウジング102を備える。2つのシールは、1つ以上の遠位一次シール104および近位二次シール106を含む。また図10に示すように、貯蔵部108は、一次シール104を二次シール106から隔てている。
【0026】
一次シール104は、組立品100内の主なシールである。流体は、カニューレ本体16の遠位端24から、カニューレ10を通って、一次シール104に向かって流れる。一次シール104が損なわれていない時、カニューレ10を通る流体の流れを制限するバリアを提供する。一次シール104が損なわれると(例えば、外科手術器具によって)、流体は一次シール104を通過し、貯蔵部108内に入る。図10に示すように、貯蔵部108は、一次シール104と二次シール106との間の空間である。一次シール104をバイパスする噴出漏洩は、二次シール106によって捕捉される。二次シール106は、ユーザーが経験する「水はね」の量を大幅に減少させる。特に、二次シール106は、流体圧力には耐えきれないが、噴出漏洩を捕捉するため、スプラッシュガードとしての役割を果たす。
【0027】
ここで図11を参照すると、一実施形態による、一次シール104および二次シール106の部分内部斜視概略図が示されている。図に示すように、二次シール106と一次シール104の分離は、スペーサー110によって維持される。スペーサー110は、貯蔵部108との干渉を避けるために、中央開口114を有する円形ディスク112A、112Bから構成される。図11に示す実施形態では、スペーサー110は、第一の円形ディスク112Aと、第二の円形ディスク112Bとを備え、その間に1つ以上のコネクタ116がその間に延在する。コネクタ116は、第一の円形ディスク112Aを第二の円形ディスク112Bからある距離をおいて保持し、その間に少なくとも1つの横方向スペーサースロット118を形成する、剛性の材料の任意の部品または部分とすることができる。スペーサースロット118の目的は、貯蔵部108からの流体の流出を可能にすることである。
【0028】
使用の過程で、一次シール104と二次シール106との間の貯蔵部108は流体で充填される。貯蔵部108内の低圧の流体の存在は、噴出漏洩に対する追加的な保護を提供する。過剰な流体は、貯蔵部108から、ハウジング102(図10)の外壁122にある1つ以上の横方向外部スロット120を通って漏洩し、一次シール104と二次シール106との間の流体の蓄積を防止する。スペーサースロット118および外部スロット120は、カニューレ10を通過する長軸方向中心軸y-yに対して横方向である。具体的には、スロット118、120は、長軸方向中心軸y-yに対して実質的に垂直であり、ポート18(図10)の延長の方向に対して実質的に平行な軸x-xに沿った(すなわち、実質的に平行な)方向に延在する。
【0029】
ここで図12~14を参照すると、一実施形態による、カニューレシール組立品100の様々な概略図が示されている。貯蔵部108が、漏洩防止を促進するために、流体で一貫して充填されるように、組立品100は、貯蔵部108の周りに延在する1つ以上のチャンバー124を備える。図12に示すように、チャンバー124は同心であり、少なくとも部分的に貯蔵部108の周りに延在する。図示した実施形態では、チャンバー124は、二次シール106とハウジング102との間に作製される。(ハウジング102は、明瞭さのために図12~14では除去されていることに注意。)一次シール104と二次シール106との間の流体レベルは、流体が一次シール104を通って流入するにつれて上昇する。最終的に、流体は貯蔵部108の容積を超え、チャンバー124を通って流出する。
【0030】
図13および14に示すように、組立品100はまた、貯蔵部108の周りに延在する1つ以上のチャネル126を備える。図示した実施形態では、シール104、106は、内壁128によって同心円状に囲まれている。内壁128は、エッジ130が内壁128とハウジング102の間にあるように、それに沿って延在する1つ以上のエッジ130を有する。エッジ130は、貯蔵部108の周りに延在するチャネル126を形成する。図示の実施形態では、エッジ130および形成されるチャネル126は、貯蔵部108の周りに部分的にのみ延在する。さらに、図13および図14に示すチャネル126は、流出の水レベルが常にスペーサー110の高さを越えていることを確実にするために、チャンバー124からオフセットされる。
【0031】
具体的には、図12は、チャンバー124からの流体経路pを示す。図13は、チャンバー124から出て、チャネル126に入る流体経路pを示す。流体レベルは、組立品100から流出する前にピークを超える必要がある。図14のチャンバー124およびチャネル126のオフセット配置によって、確かな流体層が貯蔵部108内の一次シール104上に留まることが確保される。最終的に、スペーサー110およびシール104、106の配置により、使用の過程で貯蔵部108を流体でプライミングすることが可能である。
【0032】
本発明の実施形態は、特定の例示的な実施形態を参照して特に示され、説明されたが、記載された説明および図面によって支持され得る請求項によって定義される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、細部における様々な変更がもたらされ得ることを、当業者には理解されるであろう。さらに、例示的実施形態が特定の数の要素を参照して説明される場合、例示的実施形態は、特定の数の要素以下のいずれかを利用して実施され得ることが理解されよう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14