(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-06
(45)【発行日】2023-09-14
(54)【発明の名称】コードレス式ウォータフロッサ
(51)【国際特許分類】
A61C 17/02 20060101AFI20230907BHJP
A61C 17/00 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
A61C17/02 G
A61C17/02 B
A61C17/02 J
A61C17/00 T
(21)【出願番号】P 2021549519
(86)(22)【出願日】2020-02-21
(86)【国際出願番号】 US2020019201
(87)【国際公開番号】W WO2020172519
(87)【国際公開日】2020-08-27
【審査請求日】2021-09-24
(32)【優先日】2019-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519017889
【氏名又は名称】ウォーター ピック インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100159846
【氏名又は名称】藤木 尚
(72)【発明者】
【氏名】ボンデュラント トーマス エイ
【審査官】胡谷 佳津志
(56)【参考文献】
【文献】特表平08-506978(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108742910(CN,A)
【文献】特開平09-285477(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0151133(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0106296(US,A1)
【文献】国際公開第2018/086374(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0080902(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 17/00
A61C 17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウォータフロッサであって、
本体と、
前記本体に連結されたキャップと、
前記キャップを貫通して延びるチップと、
前記チップを選択的に保持するラッチ組立体と、
を備えるウォータフロッサであって、
前記キャップ、前記チップ、及び前記ラッチ組立体の全ては、
前記ウォータフロッサの使用中、一体として前記本体に対して規定された軸線の周りを回転可能であるウォータフロッサ。
【請求項2】
前記キャップの一部に設置され、前記ラッチ組立体と関連するイジェクタボタンをさらに備え、前記イジェクタボタンの作動状態で、前記ラッチ組立体は前記チップを解放する、請求項1に記載のウォータフロッサ。
【請求項3】
前記イジェクタボタンは、前記キャップの上面を貫通して延びる、請求項2に記載のウォータフロッサ。
【請求項4】
前記イジェクタボタンの作動は、前記規定された軸線と実質的に平行な方向への力の適用を含む、請求項2又は3に記載のウォータフロッサ。
【請求項5】
前記ラッチ組立体はさらに、
前記キャップに連結され、前記チップを支持するように構成されたチップホルダと、
前記本体の中に位置決めされたポンプ本体と、
前記チップホルダに固定して連結され、前記ポンプ本体に回転自在に連結されたコレットと、
を備える、請求項2~4のいずれか1項に記載のウォータフロッサ。
【請求項6】
前記ラッチ組立体はさらに、
一対の把持フィンガを有するラッチと、
前記ボタンと前記一対の把持フィンガとの間に配置された傾斜部材と、
を備える、請求項5に記載のウォータフロッサ。
【請求項7】
前記イジェクタボタンの作動状態で、前記傾斜部材は、前記一対の把持フィンガを互いに離れるように横方向に変位させる、請求項6に記載のウォータフロッサ。
【請求項8】
前記本体に連結されたカラーをさらに備え、前記カラーは、片持ち式フィンガ上に位置する突起を備えた回り止め機構を有する、請求項1~7のいずれか1項に記載のウォータフロッサ。
【請求項9】
前記キャップは、前記キャップの内面に位置し、前記突起と選択的に係合するように構成された複数の溝を含む、請求項8に記載のウォータフロッサ。
【請求項10】
前記本体と関連するリザーバと、
前記本体内に配置されたモータと、
前記本体内に配置され、前記リザーバと流体連通するポンプと、
前記本体内に配置され、前記モータと電気接続する電池と、
をさらに備える、請求項1~9のいずれか1項に記載のウォータフロッサ。
【請求項11】
入口端部が前記リザーバ内に配置され、前記ポンプの入口と流体連通するチューブをさらに備える、請求項10に記載のウォータフロッサ。
【請求項12】
前記リザーバは、床部に至るテーパ付き壁を有する下部を含み、前記下部は、前記チューブの前記入口端部の周りに流体の体積を集める、請求項11に記載のウォータフロッサ。
【請求項13】
前記チップは、規定された軸線に沿って前記キャップ内の開口部を貫通して延
び、
前記ラッチ組立体は、前記キャップの上面を貫通して延びるイジェクタボタンを含み
、
前記ラッチ組立体の作動は、前記規定された軸線と平行な方向への前記イジェクタボタンの変位を含む、
請求項1に記載のウォータフロッサ。
【請求項14】
前記本体内に配置されたポンプ本体をさらに備え、前記ラッチ組立体は、前記ポンプ本体によって回転自在に支持される、請求項13に記載のウォータフロッサ。
【請求項15】
更に、前記本体と関連するリザーバと、
前記本体に配置され、前記リザーバと流体連通し、チューブを介して前記リザーバから流体を引き込み、前記流体を加圧し、前記本体に連結されたチップから前記流体を放出するように構成されるポンプ
を備え、
前記リザーバは、床部に向かって収束するテーパ状容積を有する下部区画を含み、前記チューブの入口は、前記床部に隣接して配置される、
請求項1に記載のウォータフロッサ。
【請求項16】
前記下部区画は、第1の傾斜壁と第2の傾斜壁とを含む、請求項15に記載のウォータフロッサ。
【請求項17】
前記第1の傾斜壁は平面の上部を含み、前記第2の傾斜壁は、湾曲した上部を含む、請求項16に記載のウォータフロッサ。
【請求項18】
前記第1の傾斜壁及び前記第2の傾斜壁の各々は、湾曲面を呈する下部を有する、請求項16又は17に記載のウォータフロッサ。
【請求項19】
前記床部は、実質的に円形の幾何学的形状を呈する、請求項15~18のいずれか1項に記載のウォータフロッサ。
【請求項20】
前記リザーバはさらに、上部ハウジングと、前記上部ハウジングに取り付けられた下部ハウジングとを含み、
前記下部区画は、前記下部ハウジングの中に収容され、前記上部ハウジング及び前記下部区画は、共同で前記リザーバの全容積を規定するように、前記上部ハウジングに取り付けられる、請求項15~19のいずれか1項に記載のウォータフロッサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年2月22日出願の米国特許仮出願第62/809412号「コードレス式ウォータフロッサ」の優先権を主張するものであり、その開示内容全体は、あらゆる目的のために参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本開示は、健康及び個人衛生機器に関する。より詳細には、本開示は、コードレス式ウォータフロッサに関する。
【背景技術】
【0003】
口腔洗浄器とも呼ばれるウォータフロッサ(ウォータフロス装置)を使用して、加圧された脈動する流体流をユーザの口腔内に放出することにより、ユーザの歯及び歯茎を洗浄することができる。この流体は、歯及び歯茎に衝突して異物を除去する。ウォータフロッサは、ACコンセントで給電されるカウンタトップ型、並びに電池で駆動されて自己完結型の、つまり、リザーバを含む全ての構成要素が、手で持てる本体内に収納されるか又はその本体と直接関係付けられるハンドヘルド型を含む様々な構成で供給することができる。異なる構成により、異なる利点が提供される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、ウォータフロッサと関連する様々な構成要素及び特徴を含むウォータフロッサの実施形態を提供する。一実施形態によれば、ウォータフロッサは、本体と、本体と連結されたキャップとを含むことができる。チップは、キャップの開口部を貫通して延びることができる。ラッチ組立体は、チップを選択的に保持するように構成される。キャップ、チップ、及びラッチ組立体は全て、本体に対して規定された軸線の周りを一体として回転可能である。
【0005】
本開示の別の実施形態によれば、ウォータフロッサは、本体と、本体と回転自在に連結されたキャップと、規定された軸線に沿ってキャップの開口部を貫通して延びるチップとを含むことができる。ラッチ組立体は、チップを選択的に保持するように構成されており、ラッチ組立体は、キャップの上面を貫通して延びるイジェクタボタンを含む。ラッチ組立体の作動は、規定された軸線と平行な方向へのイジェクタボタンの変位を含む。
【0006】
本開示のさらなる実施形態によれば、ウォータフロッサは、本体と、本体と関連するリザーバと、本体内に配置された電池と、本体内に配置されたポンプとを備える。ポンプは、リザーバと流体連通しており、チューブを介してリザーバから流体を引き込み、流体を加圧し、本体と連結されたチップからその流体を放出するように構成される。リザーバは、床部に向かって収束するテーパ状容積を有する下部区画を含み、チューブの入口が床部に隣接して配置される。
【0007】
多数の実施例を開示するが、本発明のさらに他の実施例は、本発明の例示的な実施例を示し記述する以下の詳細な説明から、当業者に明らかとなろう。理解されるように、本発明は、全て本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な態様での変更が可能である。従って、図面及び詳細な説明は、本質的に例示と見なすべきであり、限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の一実施形態によるウォータフロッサの背面斜視図である。
【
図2】
図1のウォータフロッサの正面斜視図である。
【
図4A】
図1のウォータフロッサのキャップの底面斜視図である
【
図4B】
図1のウォータフロッサのキャップの底面図である
【
図5】キャップを取り外した状態の、
図1のウォータフロッサの上面図である。
【
図6】キャップを取り外した状態の、
図5に示したウォータフロッサの正面図である。
【
図7】様々なハウジング部分を取り外した状態の、
図1のウォータフロッサの側面図である。
【
図8】
図7に示したラッチ組立体の拡大斜視図である。
【
図9】キャップを取り外した状態の、
図8に示したラッチ組立体の上面図である。
【
図10】キャップを取り外した状態の、
図8に示したラッチ組立体の別の斜視図である。
【
図11】チップホルダを取り外した状態の、
図10に示したラッチ組立体の斜視図である。
【
図13】
図1に示したウォータフロッサのリザーバの斜視図である。
【
図14】
図13に示したリザーバの、線14-14に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示は、ウォータフロッサ(口腔洗浄器と呼ばれることがある)及び関連する構成要素の様々な例を提供する。ウォータフロッサは、電池駆動のコードレスデバイスとして構成することができる。ウォータフロッサは、デバイスの人間工学及び使い勝手を向上させ、デバイスの性能を改善するために、様々な特徴及び構成要素を含むことができる。
【0010】
一部の実施形態では、ウォータフロッサは、本体と、再充填可能なリザーバとを含むことができる。モータで駆動することのできるポンプは、1又は2以上の弁及び適切な導管及び管類などによって、リザーバに流体連結される。出口を有するチップは、ポンプと流体連通しており、水又は別の流体が、所望の圧力、流量、パルス周波数、又は他の流動特性で、チップを通して送出されるようになっている。一部の実施形態では、ウォータフロッサは、本体と回転自在に連結されたキャップを含むことができる。キャップは、チップの出口の向きを制御し、ひいては本体の位置に対する流体放出の方向を制御するために、本体に対してチップを回転させるように構成することができる。
【0011】
ウォータフロッサは、異なるチップをウォータフロッサに選択的に取り付け、それから取り外すことができるように構成することができる。ラッチ組立体は、チップの選択的な保持及び解放のために構成することができる。一実施形態では、イジェクタボタンは、キャップ上又はキャップ内に設置することができ、イジェクタボタンの作動時、ラッチ組立体は、取り外しのためにチップを解放するようになっている。一実施形態では、イジェクタボタンは、キャップの上面に沿って設置すること又はその中に位置決めすることができる。
【0012】
一実施形態では、ラッチ組立体は、キャップに固定されたチップホルダと、チップホルダに固定されたコレット部材とを含むことができる。ラッチは、チップホルダと関連することができ、一対の把持フィンガを含むことができる。傾斜部材は、把持フィンガと係合し、把持フィンガを互いに離れるように横方向変位を生じさせるように構成することができる。イジェクタボタンは、傾斜部材と係合してラッチを作動させるように構成することができる。コレットは、規定された軸線の周りで回転自在に、ポンプ出口に連結されるが、ポンプ出口に対しては、その規定された軸線に沿う方向に固定され得る。上述の構成要素、キャップ、及びチップを含むラッチ組立体は、ウォータフロッサの本体に対して規定された軸線の周りを一体として回転するように構成することができる。一部の実施形態では、ラッチ組立体、キャップ、及びチップ部は、ポンプ出口に対して一体として回転する。
【0013】
一部の実施形態では、ウォータフロッサのリザーバは、ポンプ入口と一体になったチューブの入口の周りに流体の体積を集中させるように構成することができる。例えば、一部の実施形態では、リザーバの下部は、チューブの入口に隣接する床部に至るテーパ壁を含むことができる。一実施形態では、テーパ壁の少なくとも1つは、平面状の上部を含む。一実施形態では、テーパ壁の少なくとも1つは、その上部に沿って湾曲した表面を呈する。一実施形態では、テーパ壁の各々は、実質的に円形の床部と繋がる湾曲した下部を含むことができる。
【0014】
一部の実施形態では、これらの特徴及び構成要素は、その他の一部又は全部を除外して、ウォータフロッサに組み込むことができる。一部の実施形態では、これらの特徴及び構成要素のいずれか又は全ては、非限定的に組み合わせることができる。
【0015】
ここで図を参照して、例示的なウォータフロッサをより詳細に説明する。
図1~3を参照すると、一例では、手持ち式ウォータフロッサ100は、本体102と、流体を収容するための再充填可能なリザーバ104とを有する。本体102及びリザーバ104は、細長い上部108と、比較的大きな下部110とを有する人間工学的な形状をしている。本体102は、ユーザがウォータフロッサ100を上部108の周りで楽に把持できるように形づくられ、一方で、大きくなった下部110は、リザーバ104内への流体の収容を可能にし、また、ウォータフロッサ100がテーブル又はカウンタトップなどの支持面上に置かれた場合に、ウォータフロッサ100を直立した又は鉛直な向きに保つための安定した台座を提供することができる。
【0016】
ウォータフロッサ100は、ユーザによる操作中に加圧流体が通過する出口114を有するチップ112をさらに含む。チップ112は、回転可能なキャップ116と連結することができる。チップ112は、方向矢印120で示すように、チップ112及びキャップ116が軸線118の周りを本体102に対して一体となって(例えば、単一体として)回転するように、キャップ116に対して回転不能に連結することができる。チップ112の回転により、出口114は、ユーザによって選択的に位置決めすることができるので、出口114から出る流体流の方向を使用中に変更し、ユーザの好みに合わせることができる。
【0017】
蓋124は、リザーバ104と関連することができ、リザーバへの開口部を露出させてユーザがリザーバ104を流体で満たすことができるように構成することができる。リザーバ104が所望のレベルまで充填されると、蓋124を閉じて開口部を密閉し、使用中にウォータフロッサ100が様々な異なる向きに置かれた場合に流体がリザーバ104からこぼれるのを防止することができる。一実施形態では、蓋124は、リザーバ104又は本体102に(例えば、ヒンジ又はランヤード構造によって)連結して、流体を充填するために開口部を露出させた時に、蓋124をウォータフロッサ100と共に保持することができる。
【0018】
図2から分かるように、一対の接点部材130は、充電デバイス(例えば、図示されない充電クレードル又は充電台)と接触及び電気接続してウォータフロッサ100の本体102内に配置された電池を充電するために、本体102上に位置決めすることができる。接点部材130は、本体102の上方に延びる表面に沿って設置することができる。例えば、接点部材130は、本体102の底壁に向かって内方に先細になる本体102の角度付き表面に配置することができる。接点部材130は、本体102の外面と実質的に面一とすることができる。
【0019】
イジェクタボタン140は、キャップ116の一部分の中に配置されており、ラッチ機構(以下でさらに詳細に説明する)を作動させてウォータフロッサ100の残部からチップ112を解放するために使用することができる。一実施形態では、イジェクタボタン140は、キャップ116の上面141に設置され、回転軸線118と実質的に平行な方向に、概ねウォータフロッサ100の本体102に向かって変位するように構成することができる。
【0020】
図4A及び4Bを参照すると、本開示の一実施形態に従って、キャップ116の底側が図示されている。キャップ116は、上部円盤又は壁141と、周方向側壁142とを含む。複数の互い違いになる隆起144及び溝146などのユーザ係合特徴部は、周方向側壁142の半径方向外側(外部)表面に形成することができる。外側の隆起144及び溝146は、キャップ116及びチップ112をウォータフロッサ100の本体102に対して回転させる時にユーザが掴む把持面を提供することができる。周方向側壁142の半径方向外面は、キャップ116を介してチップ112を回転させたいと望むユーザによるキャップ116との係合を容易にするために、本体102の上部と実質的に面一であるか又は半径方向外方に延びることができる。例えば、チップ112を回転させるために、ユーザは、親指などの指のうちの1本を使って、隆起144と係合してキャップ116を回転させ、それによってチップ112を回転させると同時に、他の指でウォータフロッサ100の本体102を保持し続けることができる。イジェクタボタン140は、キャップ116の上面141から上方に突出することができ、ラッチ機構を作動させるためにユーザが押下げ可能であり、それによってチップ112を解放することができる。
【0021】
複数の互い違いになる隆起148及び溝150を周方向側壁142の半径方向内側(内部)表面に形成することができる。内側の溝142は、以下でさらに詳細に説明するように、本体102の上部に位置する回り止め部材と係合するように構成することができる。
【0022】
キャップ116は、円盤140の下面から延びて、ウォータフロッサ100のラッチ組立体と連結するためにチップ112(
図4A及び4Bには示されない)が通過する開口部154を取り囲む、環状壁152を含むことができる。別の環状壁160は、第1の環状壁152に隣接して形成することができる。第2の環状壁160は、イジェクタボタン140のシャフトを受け入れる別の開口部162を取り囲むことができる。1又は2以上のボス164は、第1の環状壁152に隣接して形成することができ、それらは、締結具を受け入れるための、並びに後述するラッチ組立体と連結するためのねじ穴166を含む。
【0023】
図5及び6を付加的に参照しながら、
図4A及び4Bを参照すると、キャップ116と関連して様々な密封特徴を組み込むことができる。例えば、Oリング168又は他の密封部材(
図5及び6参照)は、ラッチ組立体のステム部170の端部に又はその周囲に位置決めすることができ、ステム部170は、第1の環状壁152によって形成された空洞内に少なくとも部分的に延びることができる。Oリング168は、ステム部170とキャップ116の間に密封を提供して、物質が開口部154を通ってウォータフロッサ100の本体102内に侵入するのを防止する。ウォータフロッサの内部構成要素を異物、流体又は他の汚染物質から密封するために、他の密封部材も同様に、例えば、第2の環状壁162及びそれに関連する開口部164と関連することができる。
【0024】
図5及び6をさらに具体的に参照すると、カラー172は本体102の上端に位置し、直径方向に対向する一対の回り止め部材を含むことができる。回り止め部材はそれぞれ、片持ち式フィンガ176の端部に位置する、半球形又は半円柱形の突起などの突起174を含むことができる。突起174は、キャップ116の内側溝150と係合して、所定の大きさの回転力が本体102と相対的にキャップ116に加わるまで、本体102に対する軸線118周りのキャップ116の回転に抵抗するように、寸法決めされ構成される。所定の大きさの(又はそれを超える)回転力がキャップ116に加えられると、片持ち式フィンガ176は半径方向内方に弾性的に変位して、突起174が別対の内側溝148と再係合するまで、キャップ116の回転に伴って突起174が内側隆起148に沿って摺動するようになっている。キャップ116は、本体102に対して所望の回転位置に回転させて、突起174を対応する対の内側溝148と係合させることによって、所望の位置に保持することができる。
【0025】
ここで
図7を参照すると、ウォータフロッサ100は、様々な内部構成要素を示すために、本体102の外側ハウジングを取り外した状態で示されている。
図7から分かるように、ウォータフロッサ100は、モータ182などの駆動システムと電気的に接続する及びそれに電力を供給する、充電式電池もしくは1又は2以上の交換式電池(例えば、AAA、AA、C、D又は9ボルト形の電池)などの電池180を含むことができる。モータ182は、ポンプ184と機械的に連結してポンプ184を駆動するように構成することができる。ポンプ184は、リザーバ104と流体連通するポンプ入口186を含み、リザーバ104から流体を引き込み、流体を加圧し、加圧された流体をポンプ出口188に送り、その流体をチップ112の出口114(
図7には示されない)から放出するように構成される。
【0026】
ウォータフロッサ100は、ウォータフロッサ100をオン又はオフにするために、流体流の圧力、流量、又は脈動パターンを変更するために、或いはウォータフロッサ100の何たかの他の動作パラメータを変更するために、ユーザが作動させることのできる1又は2以上のユーザ入力デバイス122を含むことができる。ユーザ入力デバイス122は、プリント回路基板及び集積回路デバイスを含むことのできるコントローラ190と電気的及び動作的に結合することができる。コントローラ190は、例えば、ユーザ入力デバイス122のユーザ操作に基づいて、モータ182の速度、結果としてポンプ184の出力を制御することができる。
【0027】
図7から分かるように、ウォータフロッサ100は、チップ112を選択的に保持及び解放するように構成されたラッチ組立体200を含む。
図8~
図12は、ラッチ組立体200の詳細を示す。ラッチ組立体200は、ねじ204又は他の適切な締結具などによってキャップ116と連結されたチップホルダ202を含む。チップホルダは、
図1及び
図2に示すように、回転軸線118に沿った位置でチップ112を受け入れて保持するように構成される。
【0028】
一実施形態では、コレット206は、ねじ208、他の適切な締結具又は様々な接合技術(例えば、超音波溶接、接着剤、又はかしめ)によって、チップホルダ202と連結される。別の実施形態では、コレット206とチップ部ホルダ202は、成型、3D印刷、又は他の適切な製造技術などにより、一体部材として形成することができる。コレット206は、コレット206の本体に沿って軸方向に延びる複数のスリット又は溝210を含み、個別の壁部212を画定することができる。
【0029】
ラッチ組立体200は、関連するチップ112の隆起部、肩部、又は溝と係合し、それによってラッチ組立体200が作動するまでチップ112をチップホルダ202内に保持するように構成された把持フィンガ216を有するラッチ214を含む。傾斜部材220は、ラッチ214の傾斜面222と係合するように構成される。
図11に方向矢印224で示すように、イジェクタボタン140が下方に押し付けられると、力が傾斜部材220を通って傾斜面222に伝達されて、把持フィンガ216を互いに離れるように横方向に変位させ、チップホルダ202内に位置決めされたチップ112の解放を可能にする。コイルばねなどの付勢部材226は、傾斜部材220とラッチ組立体200の何らかの他の部分(例えば、チップホルダ202の一部又はコレット206の一部)との間に位置決めして、傾斜部材220及び関連するイジェクタボタン140をそれらの非作動位置に戻すように付勢することができる。傾斜部材220が変位してその非作動位置に戻ると、把持フィンガ216は、互いに向かって横方向に変位してラッチを「閉じた」状態に戻し、その状態でラッチフィンガ216は、例えば、チップ112の外面に形成された環状溝内に位置決めされて、チップホルダ202内にチップ112を把持して保持することができる。把持フィンガ216は、外部付勢部材によって、つまり、
図10に示すように、一体式の付勢部材又はばね230と称するものを含むことのできるラッチ214の形状により、互いに向かって変位して戻ることができ、これにより、把持フィンガ216は、イジェクタボタン140の作動時に弾性変形し、その後、イジェクタボタン140の解放時に、その常態の閉状態に戻ることができる。
【0030】
把持フィンガ216は、チップ112のシャフト上に位置する隆起部、肩部、又は他の特徴と係合するように構成されたテーパ状又は傾斜した表面232を含むことができるので、チップ112をチップホルダ202に挿入した時に、チップ112の隆起部が把持フィンガ216のテーパ状又は傾斜した表面232に当接し、取り付け中にチップ112をチップホルダ202内へさらに変位させると、把持フィンガ216を互いに離れるように横方向に変位させる。一旦チップ部材114の隆起部がラッチ214の把持フィンガ216の下方を通過すると、一体式の付勢部材230又は他の付勢部材によって提供される付勢力により、把持フィンガ214は互い向かって変位して戻る。
【0031】
上述のように、コレット206は、略環状又は円筒状の部材から形成された複数の部分的に分割された壁部212を含むことができる。
図12から分かるように、壁部212の各々は、内径方向リップ234又は棚部(ledge)を含むことができる。内径方向リップ234は、ポンプ出口188に形成された肩部236と係合するように構成される。従って、組み立て時に、コレット206は、このコレット206がラッチ組立体200全体と共にポンプ出口188に軸方向で固定されたままでポンプ出口188に対して軸線118の周りに回転することができるような方法で、ポンプ出口188と連結される。
【0032】
一部の実施形態では、保持クリップ237、バンド、又は他の保持デバイスは、コレット206の周りに配置して、壁部212を保持し、壁部212が(軸線118に対して)半径方向外方に偶発的に変位するのを防止することができる。保持クリップ237は、保持クリップ237の自由端を留める又は係止するための係合特徴238及び239(例えば、嵌合リップ)を含むことができ、保持クリップ237のコレット206への取り付け及び/又はそこからの取り外しを可能にする。一部の実施形態では、他のタイプの保持デバイスを利用して、コレット206をポンプ出口236に対する係止位置に保持することができる。
【0033】
従って、組み立て時に、キャップ116、チップ112(取り付けられた場合)、及びラッチ組立体200は、ポンプ184に対して、並びに本体102に対して、軸線118の周りを一体で(例えば、単一体として)回転することができる。このような構造により、ウォータフロッサ100のよりコンパクトで人間工学的な設計が可能となり、ウォータフロッサ100の作動中にユーザによる偶発的な操作の可能性が少ない位置に、イジェクタボタン140を移動させることができる。
【0034】
ここで
図13~
図15を参照すると、リザーバ104の様々な態様が図示されている。リザーバ104は、上部ハウジング240及び下部ハウジング242を含むことができる。ブラケット部材244は、ウォータフロッサ100の本体102の残部と連結させるために、上部ハウジング240、下部ハウジング242、又はその両方に形成すること、又はそれらに連結することができる。リザーバ104からポンプ184(
図13~
図15には示されない)に流体を引き込むために使用されるチューブ248の通路を提供するため、上部ハウジング240に開口部246を形成することができる。
【0035】
図14に示される断面図から分かるように、リザーバ104の底部区画250は、床部254まで延びるにつれて互いに向かって収束するテーパ状容積を画定する傾斜壁252を含むことができる。底部区画250のテーパ状容積により、傾斜壁252がその最上縁から床部254に向かって延びるにつれて、断面積が減少することになる(チューブ248の長さと垂直な方向に計測した場合)。流体がリザーバ104から残りの流体レベルがほぼ底部区画250内に含まれるように消費されると、テーパ状構成は、チューブ248の入口256の周りに流体の残りの体積を集めることで、ポンプ184は、より少ない残りの体積から流体を引き込み続けることができる。リザーバ104の底部区画250は、上部ハウジング240及び下部ハウジング242がリザーバ104の外部を形成するように、下部ハウジング242の中に収容することができる。底部区画250は、上部ハウジング240に気密封止することができ、上部ハウジング240及び底部区画250は、共同でリザーバ104の全内部容積を規定するようになっている。下部ハウジング242は、上部ハウジング240に取り付けることができ、底面区画250のカバーとして機能することができる。
【0036】
図15から分かるように、一実施形態では、底部区画250は、実質的に平面状の上部を有する第1の壁252Aと、1又は2以上の湾曲面260を含むことのできる上部を有する別の壁252Bとを含むことができる。図示の実施形態では、壁252A及び252Bの下部の各々は、実質的に円形の幾何学的形状を呈する床部254に接合する湾曲面を含むことができる。このような幾何学的形状は、チューブ248の入口256のすぐ近くの周りに流体を集めるのを助ける。もちろん、平面状壁面と湾曲状壁面との他の組み合わせが想定され、長円形及び多角形などの他の幾何学的形状は、床部254のために想定される。
【0037】
前述の説明は広範な用途を有し、いずれの実施例の説明も、単なる例示を目的としており、特許請求の範囲を含む本開示の範囲がこれらの実施例に限定されることを示唆するものではない。また、1つの実施形態の特徴、構成要素、又は態様は、非限定的に他の実施形態の特徴、構成要素、又は態様と組み合わせることができることに留意されたい。特定の実施例を参照しながら本発明を説明してきたが、当業者であれば、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形式及び詳細内容に変更を行い得ることを認識できるはずである。本発明は、以下の請求項の範囲によってのみ限定される。
【符号の説明】
【0038】
100 手持ち式ウォータフロッサ
102 本体
104 リザーバ
108 上部
110 下部
112 チップ
114 出口
116 キャップ
118 軸線
124 蓋
140 イジェクタボタン
141 上面