(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-06
(45)【発行日】2023-09-14
(54)【発明の名称】繊維状材料からウェブを形成する方法
(51)【国際特許分類】
D04H 1/4218 20120101AFI20230907BHJP
D04H 1/4226 20120101ALI20230907BHJP
D04H 1/46 20120101ALI20230907BHJP
【FI】
D04H1/4218
D04H1/4226
D04H1/46
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022040079
(22)【出願日】2022-03-15
(62)【分割の表示】P 2020123477の分割
【原出願日】2014-03-14
【審査請求日】2022-04-14
(32)【優先日】2013-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507220187
【氏名又は名称】オウェンス コーニング インテレクチュアル キャピタル リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】ヘイリー グレン
(72)【発明者】
【氏名】ゴール ディヴィッド ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ペルグラン マイケル ティー
【審査官】清水 晋治
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2005/024107(WO,A2)
【文献】特開昭52-124977(JP,A)
【文献】特許第6249951(JP,B2)
【文献】特表2014-531526(JP,A)
【文献】特表2007-512449(JP,A)
【文献】国際公開第2006/059752(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D04H 1/00-18/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス繊維のパックを形成するための連続的方法であって、
前記連続的方法は、
ガラスを溶融するステップと、
前記溶融ガラスを処理してガラス繊維を形成するステップと、
前記ガラス繊維を蓄積して該ガラス繊維を冷却させるステップと、
前記冷却されたガラス繊維からバインダレス・ウェブを形成するステップ
であって、前記ガラス繊維のバインダレス・ウェブは、0.1インチ(0.25cm)から2インチ(5.08cm)までの厚さを有するステップと、
前記ガラス繊維のバインダレス・ウェブを折り重ねて、ガラス繊維の積層パックを形成するステップであって、前記ガラス繊維の積層パックは、0.5インチ(1.27cm)から2インチ(5.08cm)の厚さ及び0.10ポンド毎平方フィート(0.49kg/m
2
)乃至0.38ポンド毎平方フィート(1.86kg/m
2
)の面積当たり重量を有するステップと、
前記ウェブの前記
ガラス繊維を機械的に絡合して前記ガラス繊維のパックを形成するステップと、を含
み、
前記ガラス繊維が、0.25インチ(0.64cm)から10.0インチ(25.4cm)までの範囲の長さを有することを特徴とする連続的方法。
【請求項2】
前記ガラス繊維のバインダレス・ウェブを折り重ねるステップは、交差折り重ねするステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の連続的方法。
【請求項3】
前記ガラス繊維は、15HT(3.81μm)から19HT(4.85μm)までの範囲の直径を有することを特徴とする請求項1に記載の連続的方法。
【請求項4】
前記ガラス繊維の積層パックは、98.0インチ(248.92cm)から236.0インチ(599.44cm)までの幅を有することを特徴とする請求項1に記載の連続的方法。
【請求項5】
前記ガラス繊維の積層パックは、0.2ポンド毎立方フィート(3.20kg/m
3
)から0.6ポンド毎立方フィート(9.61kg/m
3
)までの密度を有することを特徴とする請求項1に記載の連続的方法。
【請求項6】
前記ガラス繊維のパックは、熱電気製品の断熱を形成することを特徴とする請求項1に記載の連続的方法。
【請求項7】
前記熱電気製品は、熱オーブンであることを特徴とする請求項6に記載の連続的方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、「Method of Forming a Pack from Fibrous Materials」と題する2011年9月30日出願の米国仮特許出願第61/541,162号に基づく優先権を主張する「Method of Forming a Pack from Fibrous Materials」と題する2012年10月1日出願の米国特許出願第13/632,895号の一部継続出願である。米国特許出願第13/632,895号及び米国仮特許出願第61/541,162号は、その全体が引用により本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
繊維状材料は、ウェブ、パック、バット(batt)及びブランケットを含む様々な製品に成形することができる。繊維状材料のパックは、非限定的な例である、建造物、建造物構成要素、電気器具及び航空機のための絶縁及び防音を含む、多くの用途に使用することができる。繊維状材料のパックは、典型的には、紡糸機(fiberizer)、成形フード、炉、トリミング及び包装機械を含むプロセスによって形成される。典型的なプロセスはまた、湿式バインダ、バインダ回収水及び洗浄水システムの使用も含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2010/0151223号明細書
【文献】米国特許第6,527,014号明細書
【文献】米国特許第5,932,499号明細書
【文献】米国特許第5,523,264号明細書
【文献】米国特許第5,055,428号明細書
【文献】米国特許第4,266,960号明細書
【文献】米国特許第5,603,743号明細書
【文献】米国特許第4,263,033号明細書
【文献】国際公開第95/30036号
【文献】米国特許出願公開第2008/0246379号明細書
【文献】米国特許第3,092,529号明細書
【文献】国際公開第2010/002958号
【文献】米国特許第7,329,456号明細書
【文献】米国特許第7,294,218号明細書
【発明の概要】
【0004】
本出願は、繊維状材料ウェブ及び繊維状材料ウェブの製造方法の多数の例示的な実施形態を開示する。ガラスなどの繊維材料が溶融され繊維に成形される連続プロセスで、バインダレス・ウェブ又は乾式バインダを含むウェブを形成することができる。繊維は、バインダレス・ガラス繊維のウェブ又は乾式バインダを含むウェブに成形される。バインダレス・ウェブ又は乾式バインダを含むウェブは、積層することができ、及び/又は、ウェブを構成する繊維を、例えばニードリングによって機械的に絡合することができる。
【0005】
ウェブ、バット、並びにウェブ及びバットの製造方法のその他の利点は、添付の図面を考慮しながら以下の詳細な説明を読めば当業者には明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1A】ガラス繊維のバインダレス積層ウェブ又はパックを形成する方法の例示的な実施形態のフローチャートである。
【
図1B】ガラス繊維のバインダレス絡合ウェブを形成する方法の例示的な実施形態のフローチャートである。
【
図1C】ガラス繊維のバインダレス積層及び絡合ウェブ又はパックを形成する方法の例示的な実施形態のフローチャートである。
【
図2A】乾式バインダを含むガラス繊維の積層ウェブ又はパックを形成する方法の例示的な実施形態のフローチャートである。
【
図2B】乾式バインダを含むガラス繊維のバインダレス絡合ウェブを形成する方法の例示的な実施形態のフローチャートである。
【
図2C】乾式バインダを含むガラス繊維のバインダレス積層及び絡合ウェブ又はパックを形成する方法の例示的な実施形態のフローチャートである。
【
図2D】乾式バインダを含むガラス繊維のバインダレス積層及び絡合ウェブ又はパックを形成する方法の例示的な実施形態のフローチャートである。
【
図3A】ガラス繊維のバインダレス積層ウェブ又はパックを形成するための例示的な装置の略図である。
【
図3B】ガラス繊維のバインダレス絡合ウェブを形成するための例示的な装置の略図である。
【
図3C】ガラス繊維のバインダレス積層及び絡合ウェブ又はパックを形成するための例示的な装置の略図である。
【
図3D】ガラス繊維のバインダレス積層及び絡合ウェブ又はパックを形成するための例示的な装置の略図である。
【
図4】ガラス繊維のウェブを形成するための成形装置の略図である。
【
図5】乾式バインダを含むガラス繊維のウェブ又はパックを形成するための例示的な装置の略図である。
【
図5A】乾式バインダを含むガラス繊維のウェブ又はパックを形成するための例示的な装置の略図である。
【
図5B】乾式バインダを含むガラス繊維のウェブ又はパックを形成するための例示的な装置の略図である。
【
図6】繊維状材料のパックを形成するプロセスの略立面図である。
【
図7】繊維状材料からパックを形成するプロセスの略平面図である。
【
図8】乾式バインダを含むガラス繊維のウェブ又はパックを形成するための例示的な装置の略図である。
【
図9A】
図8の線9A-9Aに沿って描かれた断面図である。
【
図9B】
図8の線9A-9Aに沿って描かれた断面図である。
【
図10A】絶縁製品の例示的な実施形態の略図である。
【
図10B】絶縁製品の例示的な実施形態の略図である。
【
図10C】絶縁製品の例示的な実施形態の略図である。
【
図10D】絶縁製品の例示的な実施形態の略図である。
【
図10E】絶縁製品の例示的な実施形態の略図である。
【
図10F】絶縁製品の例示的な実施形態の略図である。
【
図10G】絶縁バット又はパックの例示的な実施形態の略図である。
【
図10H】絶縁バット又はパックの例示的な実施形態の略図である。
【
図10I】絶縁バット又はパックの例示的な実施形態の略図である。
【
図11】ステープル繊維を製造するための構成の略図である。
【
図13】レンジ内の繊維ガラス絶縁体の例示的な実施形態を示す正面断面図である。
【
図13A】レンジ内の繊維ガラス絶縁体の例示的な実施形態を示す正面断面図である。
【
図14】レンジ内の繊維ガラス絶縁体の例示的な実施形態を示す側断面図である。
【
図14A】レンジ内の繊維ガラス絶縁体の例示的な実施形態を示す側断面図である。
【
図15A】バインダレス又は乾式バインダ繊維ガラスバットから圧縮成形繊維ガラス製品を製造する方法の例示的な実施形態を示す。
【
図15B】バインダレス又は乾式バインダ型繊維ガラスバットから圧縮成形繊維ガラス製品を製造する方法の例示的な実施形態を示す。
【
図15C】バインダレス又は乾式バインダ型繊維ガラスバットから圧縮成形繊維ガラス製品を製造する方法の例示的な実施形態を示す。
【
図16A】バインダレス又は乾式バインダ繊維ガラスバットから真空成形繊維ガラス製品を製造する方法の例示的な実施形態を示す。
【
図16B】バインダレス又は乾式バインダ繊維ガラスバットから真空成形繊維ガラス製品を製造する方法の例示的な実施形態を示す。
【
図16C】バインダレス又は乾式バインダ繊維ガラスバットから真空成形繊維ガラス製品を製造する方法の例示的な実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
次に、本発明の特定の例示的な実施形態を随時参照しながら本発明を説明する。しかし、本発明は種々異なる形態で具体化することができ、本明細書で説明する実施形態に限定されるものと考えるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的且つ完全となるように、そして本発明の範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。
【0008】
別に定義しない限り、本明細書で用いる全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって普通に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書において本発明の説明に用いる用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、本発明を限定することを意図したものではない。本発明の説明及び添付の特許請求の範囲に用いられる場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明白に別に指示しない限り、複数形を同様に含むことが意図されている。
【0009】
特段の指示のない限り、本明細書及び特許請求の範囲で用いられる、長さ、幅、高さなどの寸法の量を表す全ての数は、全ての場合に「約(about)」という用語によって修飾されているものと理解されたい。従って、特段の指示のない限り、本明細書及び特許請求の範囲で説明される数値的特性は、本発明の実施形態において得ようとする所望の特性に応じて変化し得る近似である。本発明の広い範囲を説明する数値範囲及びパラメータが近似であるにも関わらず、特定の例において説明される数値は可能な限り正確に報告される。しかし、いずれの数値も、それらのそれぞれの計測値に見いだされる誤差から必然的に生じるある特定の誤差を本来的に含む。
【0010】
説明及び図面は、繊維状材料からパックを形成する改善された方法を開示する。一般に、改善された連続的方法は、紡糸された材料に湿式バインダを付与する伝統的な方法を、繊維のバット又はパックをいかなるバインダ(即ち、繊維を互いに結合する材料)も用いずに作製する新規方法及び/又は乾式バインダを用いて繊維のバット又はパックを作製する新規方法で置き換える。
【0011】
「繊維状材料」という用語は、本明細書で用いる場合、溶融材料を延伸する又は細くすることによって形成される任意の材料を意味するものと定義される。「パック」という用語は、本明細書で用いる場合、接着剤により及び/又は機械的絡合によって互いに接合された繊維状材料によって形成された任意の製品を意味するものと定義される。
【0012】
図1A及び
図3Aは、繊維状材料からパック300(
図3A参照)を形成する連続プロセス又は方法100の第1の例示的な実施形態を示す。方法100のステップを囲む破線101は、この方法が、以下でより詳しく説明するように連続的方法であることを示す。方法及びパックをガラス繊維に関して説明するが、方法及びパックは、非限定的な例である岩石、スラグ及び玄武岩などの他の鉱物材料から形成される繊維性製品の製造にも同様に適用可能である。
【0013】
図1Aを参照すると、ガラスが溶融される(102)。例えば、
図3Aは、溶融装置314を概略的に示す。溶融装置314は、溶融ガラス312をフォアハース316に供給することができる。溶融装置及びフォアハースは当技術分野で知られているのでここでは説明しない。溶融ガラス312は、所望の化学組成を与えるような割合で組み合わされた様々な原材料から形成することができる。
【0014】
再び
図1Aを参照すると、溶融ガラス312を処理して、ガラス繊維322が形成される(104)。溶融ガラス312は、繊維322を形成するための様々な異なる方法で処理することができる。例えば、
図3Aに示す例において、溶融ガラス312は、フォアハース316から1つ又はそれ以上の回転式紡糸機318へ流れる。回転式紡糸機18は、溶融ガラス312を受け、その後、ガラス繊維322のヴェール320を形成する。より詳細に後述するように、回転式紡糸機318によって形成されるガラス繊維322は長く細い。従って、長く細いガラス繊維322を形成するのに十分な、回転式又は別の方式の任意の所望の紡糸機を使用することができる。
図3Aに示す実施形態は1つの回転式紡糸機318を示すが、任意の所望の数の回転式紡糸機318を使用することができることを認識されたい。
【0015】
長く細い繊維は、多様な異なる形態を取ることができる。例示的な実施形態において、長く細い繊維は、約0.25インチから約10.0インチまでの範囲の長さ、及び約9HTから約35HTまでの範囲の直径寸法を有する。HTは、10万分の1インチを表す。例示的な実施形態において、繊維322は、約1.0インチから約5.0インチまでの範囲の長さ、及び約14HTから約25HTまでの範囲の直径寸法を有する。例示的な実施形態において、繊維322は、約3インチの長さ、及び約16-17HTの平均直径を有する。理論によって拘束されるものではないが、比較的長く細い繊維の使用は、短く太い繊維を有する同様のサイズのパックよりも優れた遮熱及び遮音性能、並びにより高い引張り強度及び/又はより高い接着強度などの優れた強度特性を有利にもたらすと考えられる。
【0016】
繊維がガラス繊維である例示的な実施形態において、バインダレスという用語は、繊維状材料、ウェブ、及び/又はパックが、99%若しくは100%のガラスのみ、又は99%若しくは100%のガラスに不活性含有物を加えたものを含むことを意味する。不活性含有物は、ガラス繊維を互いに結合しない任意の材料である。例えば、本明細書で説明する例示的なバインダレスの実施形態において、ガラス繊維322は、ガラス繊維が形成された後、随意に潤滑剤で被覆又は部分的に被覆することができる。例えば、ガラス繊維322は、ガラス繊維を互いに結合しない任意の潤滑材料で被覆することができる。例示的な実施形態において、潤滑剤は、シロキサン、ジメチルシロキサン及び/又はシランなどのシリコーン化合物とすることができる。潤滑剤はまた、油又は油乳濁液のような他の材料又は材料の組合せとすることができる。油又は油乳濁液は、鉱油若しくは鉱油乳濁液及び/又は植物油若しくは植物油乳濁液とすることができる。
【0017】
ガラス繊維は、多様な異なる方法で、潤滑剤で被覆又は部分的に被覆することができる。例えば、潤滑剤をガラス繊維322に吹き付けることができる。例示的な実施形態において、潤滑剤は、ガラス繊維322が製造プロセスを通して移動して、種々の装置並びに他のガラス繊維と接触する際のガラス繊維322の損傷を防ぐように構成される。潤滑剤はまた、製造プロセスにおける塵埃を減らすのに有用であり得る。随意の潤滑剤の塗工は、任意の所望の構造、機構又は装置によって正確に制御することができる。
【0018】
図1Aを参照すると、バインダ又は繊維を互いに結合する他の材料を含まない繊維のウェブ321が形成される(106)。ウェブ321は、多様な異なる方法で形成することができる。
図3Aに示す例において、ガラス繊維322は随意の収集部材324によって集められる。収集部材324は、ガラス繊維322を受ける形状及びサイズにされる。収集部材324は、ガラス繊維322を、ウェブ321を形成する例えば成形装置332のような下流の処理ステーションへ移送するためのダクト330へ振り分ける(divert)ように構成される。他の実施形態において、ガラス繊維322を運搬機構(図示せず)上に集めてウェブを形成することができる。
【0019】
成形装置332は、所望の厚さを有する繊維状材料の連続乾式ウェブ321を形成するように構成することができる。1つの例示的な実施形態において、この出願で開示される乾式ウェブ321は、約0.25インチから約4インチまでの範囲の厚さ、及び約0.2lb/ft3から約0.6lb/ft3までの範囲の密度を有することができる。1つの例示的な実施形態において、この出願で開示される乾式ウェブ321は、約1インチから約3インチまでの範囲の厚さ、及び約0.3lb/ft3から約0.5lb/ft3までの範囲の密度を有することができる。1つの例示的な実施形態において、この出願で開示される乾式ウェブ321は、約1.5インチの厚さ、及び約0.4b/ft3の密度を有することができる。成形装置332は、多様な異なる形態を取ることができる。ガラス繊維の乾式ウェブ321を形成するための任意の構成を使用することができる。
【0020】
1つの例示的な実施形態において、成形装置332は、成形面と、より高圧又はより低圧の区域とを有する、回転ドラムを含む。
図4を参照すると、成形面462の繊維322が収集される側460の圧力P1は、反対側464の圧力P2よりも高い。この圧力損失ΔPが繊維322を成形面462上に集めて乾式ウェブ321を形成させる。1つの例示的な実施形態において、成形面462を横切る圧力損失ΔPは、低圧力となるように制御され、低い面積当り重量のウェブが生成される。例えば、圧力損失ΔPは、約0.5インチ水から30インチ水までとすることができる。この低い圧力損失ΔPを結果としてもたらす、形成中のウェブを通り抜けて移動する空気の速度Vは、毎分1,000フィートまでとすることができる。
【0021】
低い面積当り重量のウェブ321は、約5乃至約50グラム毎平方フィートの面積当り重量を有する。低い面積当り重量のウェブは、上記の密度及び厚さの範囲を有することができる。低い面積当り重量のウェブは、約2.5インチから約4インチまでの範囲の厚さ、約1インチから約3インチまでの範囲の厚さ、又は約1.5インチの厚さを有することができる。低い面積当り重量のウェブは、約0.2lb/ft
3から約0.6lb/ft
3までの範囲の密度、約0.3lb/ft
3から約0.5lb/ft
3までの範囲の密度、又は約0.4lb/ft
3の密度を有することができる。
図3Aを参照すると、乾式ウェブ321は、成形装置332から出てくる。1つの例示的な実施形態において、低い面積当り重量のウェブ321は、計測された面積当り重量分布変動係数=シグマ(1標準偏差)/平均値(平均)×100%=0%と40%との間である。例示的な実施形態において、重量分布変動係数は30%未満、20%未満又は10%未満である。1つの例示的な実施形態において、重量分布変動係数は、25%と30%との間、例えば約28%である。1つの例示的な実施形態において、重量分布変動係数は約28%である。重量分布変動係数は、大きい、例えば6ft×10ftの試料の、複数の、小さい、例えば2インチ"×2"の試料面積サイズを、ライトテーブルを用いて計測することにより得られる。
【0022】
図1Aに示す例において、ウェブ321又は多重ウェブは、積層される(108)。例えば、単一のウェブ321を機械方向に折り重ねるか又は機械方向に対して90度で交差折り重ね(cross-lapped)を行って、積層ウェブ350を形成することができる。別の実施形態において、ウェブを部分に切断し、それらの部分を互いの上に積み重ねて、積層ウェブを形成することができる。さらに別の例示的な実施形態において、1つ又はそれ以上の二重紡糸機318及び成形装置332を、2つ又はそれ以上のウェブが平行に連続的に製造されるように実装することができる。次いで、平行なウェブを互いの上に積み重ねて、積層ウェブを形成する。
【0023】
1つの例示的な実施形態において、積層機構332は、コンベア336と連係して機能する折重ね機構又は交差折重ね機構である。コンベア336は、矢印D1で示す機械方向で動くように構成される。折重ね機構又は交差折重ね機構は、連続ウェブ321を受けて、第1のコンベアが方向D1に動いているときに連続ウェブの交互層を第1のコンベア336上に堆積させるように構成される。堆積プロセスにおいて、折重ね機構334は、矢印D1で示す機械方向に交互層を形成することになり、又は、交差折重ね機構334は、機械交差方向に交互層を形成することになる。付加的なウェブ321を形成し、付加的な折重ね又は交差折重ね機構によって折重ね又は交差折重ねを行って、層の数及び処理能力を増大させることができる。
【0024】
1つの例示的な実施形態において、交差折重ね機構は、連続ウェブを損傷しないよう、連続ウェブ321の移動を正確に制御してコンベア336上に連続ウェブを堆積させるように構成される。交差折重ね機構は、任意の所望の構造を含むことができ、任意の所望の方式で動作するように構成することができる。1つの例示的な実施形態において、交差折重ね機構は、機械方向D1に対して90度で前後に動くように構成されたヘッド(図示せず)を含む。この実施形態において、可動ヘッドの速度は、機械交差方向の両方向におけるヘッドの動きが実質的に同じになるように調整され、それにより、得られる繊維体(fibrous body)の層の均一性がもたらされるようになっている。例示的な実施形態において、交差折重ね機構は、コンベア336の中心線に中心を揃えて構成された垂直コンベア(図示せず)を含む。垂直コンベアは、コンベア336の上方でピボット機構により揺動して、コンベア336上に連続ウェブを堆積させるように、さらに構成される。交差折重ね機構の複数の例を上述したが、交差折重ね機構は、他の構造、機構若しくは装置又はそれらの組合せとすることができることを認識されたい。
【0025】
積層ウェブ350は、任意の所望の厚さを有することができる。積層ウェブの厚さは、幾つかの変数の関数である。第1に、積層ウェブ350の厚さは、成形装置332によって形成される連続ウェブ321の厚さの関数である。第2に、積層ウェブ350の厚さは、積層機構334が連続ウェブ321をコンベア336上に堆積させる速度の関数である。第3に、積層ウェブ334の厚さは、コンベア336の速度の関数である。図示した実施形態において、積層ウェブ350は、約0.1インチから約20.0インチまでの範囲の厚さを有する。例示的な実施形態において、交差折重ね機構334は、1層から60層までを有する積層ウェブ350を形成することができる。随意に、交差折重ね機構は調節可能とすることができ、それにより交差折重ね機構334が任意の所望の幅を有するパックを形成することが可能になる。特定の実施形態において、パックは、約98.0インチから約236.0インチまでの範囲の全般的な幅を有することができる。
【0026】
1つの例示的な実施形態において、積層ウェブ350は、
図1Aの破線ボックス101によって示す連続プロセスで製造される。紡糸機318によって製造された繊維は、成形装置332に直接送られる(即ち、この繊維は、収集されて梱包され、その後、遠隔の成形装置での使用のために開梱されたものではない)。ウェブ321は、積層装置352に直接供給される(即ち、ウェブは、形成されて巻き上げられ、その後、遠隔の積層装置352での使用のための巻き出されたものではない)。連続プロセスの例示的な実施形態において、各々のプロセス(
図1Aの成形及び積層)は紡糸プロセスに接続されており、その結果、紡糸機からの繊維は、後の使用のために保管されることなく、他のプロセスによって使用されるようになっている。連続プロセスの別の例示的な実施形態において、1つ又は複数の紡糸機318は、成形装置332及び積層装置352によって必要とされるよりも大きい処理能力を有し得る。そのため、繊維は、プロセスを連続させるために紡糸機318によって成形装置332に必ずしも連続的に供給される必要はない。例えば、紡糸機318は、連続プロセスにおいて同じ工場内で蓄積されて成形装置332に供給される繊維のバッチを製造することができるが、この繊維は、連続プロセスにおいて、圧縮され、出荷され、再開梱されることはない。連続プロセスの別の例として、紡糸機318によって製造された繊維は、成形装置332へ、及び別の成形装置へ、又は他の何らかの使用若しくは製品のために、交互に振り分けることができる。連続プロセスの別の例において、紡糸機318によって製造された繊維の一部分は、連続的に成形装置332へ振り向けられ、繊維の残りの部分は、別の成形装置へ、又は他の何らかの使用若しくは製品のために振り向けられる。
【0027】
図3Eは、
図3A-
図3Dに示すいずれかの例において、繊維322を蓄積機390により収集することができることを示す。矢印392は、繊維322が、蓄積機390によって、制御された方式で成形装置332に供給されることを示す。繊維322は、成形装置332に供給される前に、繊維を冷やすために所定時間にわたって蓄積機390内に滞留することができる。1つの例示的な実施形態において、繊維322は、繊維322が蓄積機390に供給されるのと同じ速度で、蓄積機390によって成形装置332に供給される。それゆえ、この例示的な実施形態において、繊維が蓄積機内で滞留して冷える時間は、蓄積機内の繊維322の量によって決定される。この例において、滞留時間は、蓄積機内の繊維の量を、繊維が蓄積機によって成形装置332に供給される速度で割った値となる。別の例示的な実施形態において、蓄積機390は、繊維の供給を選択的に開始及び停止することができ、及び/又は繊維を供給する速度を調節することができる。
【0028】
図3Fは、
図3A-3Dに示すいずれかの例において、繊維322を分流(diverting)機構398によって成形ステーション332と第2の成形ステーション332'との間で選択的に振り分けることができることを示す。1つの例示的な実施形態において、
図3A-3Dに示す実施形態は、蓄積機390と分流機構398の両方を有することができる。
【0029】
1つの例示的な実施形態において、ウェブ321は、比較的厚く、且つ、低い面積当り重量を有するが、それでもなお連続プロセスは高い処理能力を有し、紡糸機によって製造される全ての繊維がウェブを作るために使用される。例えば、ウェブ321の単一層は、約5乃至約50グラム毎平方フィートの面積当り重量を有することができる。低い面積当り重量のウェブは、前述の密度及び厚さの範囲を有することができる。高生産量連続プロセスは、約750lbs/hrと1500lbs/hrとの間、例えば、少なくとも900lbs/hr又は少なくとも1250lbs/hrで製造することができる。積層ウェブ350は、多様な異なる用途に使用することができる。
【0030】
図1B及び
図3Bは、バインダを使用せずに繊維状材料からパック300(
図3B参照)を形成する方法150の第2の例示的な実施形態を示す。方法150のステップを囲む破線151は、この方法が連続的方法であることを示す。
図1Bを参照すると、ガラスが溶融される(102)。ガラスは、
図3Aに関して上述したように溶融することができる。溶融ガラス312を処理してガラス繊維322を形成する(104)。溶融ガラス312は、
図3Aに関して上述したように処理して繊維322を形成することができる。バインダ又は繊維を互いに結合する他の材料を含まない繊維のウェブ321が形成される(106)。ウェブ321は、
図3Aに関して上述したように形成することができる。
【0031】
図1Bを参照すると、ウェブ321の繊維322が機械的に絡合されて(202)、絡合ウェブ352(
図3B参照)が形成される。
図3Bを参照すると、ウェブ321の繊維は、ニードリング装置のような絡合機構345によって機械的に絡合することができる。絡合機構345は、ウェブ321の個々の繊維322を絡合するように構成される。ガラス繊維を絡合することで、ウェブの繊維を互いに束縛する。絡合は、ウェブの引張り強度及び剪断強度などの機械的特性を向上させる。図示した実施形態において、絡合機構345はニードリング機構である。他の実施形態において、絡合機構345は、非限定的な例であるスティッチング機構を含む、他の構造、機構若しくは装置又はそれらの組合せを含むことができる。
【0032】
絡合ウェブ352は、任意の所望の厚さを有することができる。絡合ウェブの厚さは、成形装置332によって形成される連続ウェブ321の厚さと、絡合機構345による連続ウェブ321の圧縮量との関数である。例示的な実施形態において、絡合ウェブ352は、約0.1インチから約2.0インチまでの範囲の厚さを有する。例示的な実施形態において、絡合ウェブ352は、約0.5インチから約1.75インチまでの範囲の厚さを有する。例えば、1つの例示的な実施形態において、絡合ウェブの厚さは約1/2"である。
【0033】
1つの例示的な実施形態において、絡合ウェブ352は、連続プロセス151で製造される。紡糸機318によって製造された繊維は、成形装置332に直接送られる(即ち、この繊維は、収集されて梱包され、その後、遠隔の成形装置での使用のための開梱されたものではない)。ウェブ321は、絡合装置345に直接供給される(即ち、ウェブは、形成されて巻き上げられ、その後、遠隔の絡合装置345での使用のための巻き出されたものではない)。絡合ウェブ352は、多様な異なる用途に使用することができる。連続プロセスの例示的な実施形態において、各々のプロセス(
図1Bの成形及び絡合)は紡糸プロセスに接続されており、その結果、紡糸機からの繊維は、後の使用のために保管されることなく、他のプロセスによって使用されるようになっている。連続プロセスの別の例示的な実施形態において、1つ又は複数の紡糸機318は、成形装置332及び/又は絡合装置345によって必要とされるよりも大きい処理能力を有し得る。それゆえ、繊維は、プロセスを連続させるために紡糸機318によって成形装置332に必ずしも連続的に供給される必要はない。例えば、紡糸機318は、連続プロセスにおいて同じ工場内で蓄積されて成形装置332に供給される繊維のバッチを製造することができるが、この繊維は、連続プロセスにおいて、圧縮され、出荷され、再開梱されることはない。連続プロセスの別の例として、紡糸機318によって製造された繊維は、成形装置332へ、及び別の成形装置へ、又は他の何らかの使用若しくは製品用に、交互に振り分けることができる。連続プロセスの別の例において、紡糸機318によって製造された繊維の一部分は、連続的に成形装置332へ振り向けられ、繊維の残りの部分は、別の成形装置へ、又は他の何らかの使用若しくは製品用に振り向けられる。
【0034】
図3Dは、単一層高密度パックを形成するための、
図3Bに示した実施形態と類似の装置の例示的な実施形態を示す。例えば、
図3Dに示す実施形態は、
図3Bに示す実施形態によって製造される最高密度のパックよりも密度の高いパック300を製造することができる。
図3Dの装置は、
図3Bの実施形態に対応するが、圧縮機構375が成形ステーション332と絡合機構345との間に設けられる点、及び/又は絡合機構345が圧縮機構を含む点で異なる。圧縮機構375は、ウェブ321が絡合機構345に送られる前に矢印377で示されるようにウェブ321を圧縮し、及び/又はウェブ321は圧縮機構の入口で圧縮される。形成される絡合ウェブ352は、高密度を有する。圧縮機構は多様な異なる形態を取ることができる。圧縮機構345の例としては、それらに限定されないが、ローラ、ベルト、回転タッカ、付加的なニードリング機構、絡合ウェブ352と反対側のベルトの側面に負圧をかけた穴あきベルト(
図4に示す同様の例を参照)、列挙した圧縮機構の任意の組合せを含む任意の機構、列挙した圧縮機構の任意の特徴の任意の組合せを含む任意の機構、などが挙げられる。ウェブを圧縮するための任意の構成を使用することができる。絡合機構345が圧縮機構を含むとき、圧縮機構375は、
図3Dに示す単一層高密度パック300の実施形態において省略することができる。圧縮機構375及び/又は絡合機構345によって行われる圧縮は、圧縮及び/又はニードリングの任意の組合せとすることができ、それが繊維を絡合させることに加えてパックを圧縮する。高密度パックを製造するための圧縮及びニードリング配列の例としては、それらに限定されないが、ローラによる圧縮とその後のニードリング、2回のニードリング、ローラによる圧縮とその後の2回のニードリング、3回のニードリング、予備ニードリング-上からのニードリング-下からのニードリング、予備ニードリング-下からのニードリング-上からのニードリング、ローラによる圧縮-上からのニードリング-下からのニードリング、及び、ローラによる圧縮-下からのニードリング-上からのニードリング、が挙げられる。
【0035】
図3Dの高密度絡合ウェブ352は、任意の所望の厚さを有することができる。絡合ウェブの厚さは、成形装置332によって形成される連続ウェブ321の厚さと、圧縮機構375及び絡合機構345による連続ウェブ321の圧縮量との関数である。例示的な実施形態において、
図3Dの高密度絡合ウェブ352は、約0.1インチから約5インチまでの範囲の厚さを有する。例示的な実施形態において、高密度絡合ウェブ352は、約0.250インチから約3.0インチまでの範囲の厚さを有する。例示的な実施形態において、高密度絡合ウェブは、0.4lb/ft
3から約12lb/ft
3までの範囲の密度を有する。1つの例示的な実施形態において、
図3Dの高密度絡合ウェブ352は、
図3Bに関して説明したのと同じ方法で、連続プロセスで製造される。
【0036】
図1C及び
図3Cは、バインダを使用せずに繊維状材料からパック370(
図3C参照)を形成する方法170の別の例示的な実施形態を示す。
図1Cを参照すると、ガラスが溶融される(102)。方法170のステップを囲む破線171は、この方法が連続的方法であることを示す。ガラスは、
図3Aに関して上述したように溶融することができる。再び
図1Cを参照すると、溶融ガラス312を処理してガラス繊維322を形成する(104)。溶融ガラス312は、
図3Aに関して上述したように処理して繊維322を形成することができる。
図1Cを参照すると、バインダ又は繊維を互いに結合する他の材料を含まない繊維のウェブ321が形成される(106)。ウェブ321は、
図3Aに関して上述したように形成することができる。
図1Cを参照すると、ウェブ321又は複数のウェブが積層される(108)。ウェブ321又は多重ウェブは、
図3Aに関して上述したように積層することができる。
図1Cを参照すると、積層ウェブ350の繊維322が機械的に絡合されて(302)、積層ウェブの絡合パック370が形成される。
【0037】
図3Cを参照すると、積層ウェブ350の繊維は、ニードリング装置のような絡合機構345によって機械的に絡合することができる。絡合機構345は、積層ウェブの層を形成する個々の繊維322を絡合するように構成される。ガラス繊維322を絡合することで、積層ウェブ350の繊維を互いに束縛してパックが形成される。機械的絡合は、引張り強度及び剪断強度などの機械的特性を向上させる。図示した実施形態において、絡合機構345はニードリング機構である。他の実施形態においては、絡合機構345は、非限定的な例としてスティッチング機構を含む、他の構造、機構若しくは装置又はそれらの組合せを含むことができる。
【0038】
積層ウェブ350の絡合パック370は、任意の所望の厚さを有することができる。絡合パックの厚さは、幾つかの変数の関数である。第1に、絡合パックの厚さは、成形装置332によって形成される連続ウェブ321の厚さの関数である。第2に、絡合パック370の厚さは、折重ね又は交差折重ね機構334が連続ウェブ321の層をコンベア336上に堆積させる速度の関数である。第3に、絡合パック370の厚さは、コンベア336の速度の関数である。第4に、絡合パック370の厚さは、絡合機構345による積層ウェブ350の圧縮量の関数である。絡合パック370は、約0.1インチから約20.0インチまでの範囲の厚さを有することができる。例示的な実施形態において、絡合パック370は、1層から60層までを有することができる。各々の絡合ウェブ層352は、0.1乃至2インチ厚にすることができる。例えば、各々の絡合ウェブ層は、約0.5インチ厚にすることができる。
【0039】
1つの例示的な実施形態において、絡合パック370は、連続プロセスで製造される。紡糸機318によって製造された繊維は、成形装置332に直接送られる(即ち、この繊維は、収集されて梱包され、その後、遠隔の成形装置での使用のために開梱されたものではない)。ウェブ321は、積層装置352に直接供給される(即ち、ウェブは、形成されて巻き上げられ、その後、遠隔の積層装置352での使用のための巻き出されたものではない)。積層ウェブ350は、絡合装置345に直接供給される(即ち、積層ウェブは、形成されて巻き上げられ、その後、遠隔の絡合装置345での使用のための巻き出されたものではない)。連続プロセスの例示的な実施形態において、各々のプロセス(
図1Cの成形、積層及び絡合)は紡糸プロセスに接続されており、その結果、紡糸機からの繊維は、後の使用のために保管されることなく、他のプロセスによって使用されるようになっている。連続プロセスの別の例示的な実施形態において、1つ又は複数の紡糸機318は、成形装置332、積層装置352、及び/又は絡合装置によって必要とされるよりも大きい処理能力を有し得る。そのため、繊維は、プロセスを連続させるために紡糸機318によって成形装置332に必ずしも連続的に供給される必要はない。例えば、紡糸機318は、連続プロセスにおいて同じ工場内で蓄積されて成形装置332に供給される繊維のバッチを製造することができるが、この繊維は、連続プロセスにおいて、圧縮され、出荷され、再開梱されることはない。連続プロセスの別の例として、紡糸機318によって製造された繊維は、成形装置332へ、及び別の成形装置へ、又は他の何らかの使用若しくは製品用に、交互に振り分けることができる。連続プロセスの別の例において、紡糸機318によって製造された繊維の一部分は、連続的に成形装置332に振り向けられ、繊維の残りの部分は、別の成形装置へ、又は他の何らかの使用若しくは製品用に振り向けられる。
【0040】
例示的な実施形態において、積層ウェブの絡合パック370は、比較的厚く、且つ、低い面積当り重量を有するウェブ321又は複数のウェブから作られるが、それでもなお連続プロセスは高い処理能力を有し、紡糸機によって製造される全ての繊維が絡合パックを作るために使用される。例えば、ウェブ321の単一層は、上述の面積当り重量、厚さ、及び密度を有することができる。高生産量連続プロセスは、約750lbs/hrと1500lbs/hrとの間、例えば、少なくとも900lbs/hr又は少なくとも1250lbs/hrを製造することができる。例示的な実施形態において、連続プロセスの高いウェブ処理能力とニードリングのような機械的絡合との組合せは、ウェブの折重ね又は交差折重ねのようなウェブ321の積層によって容易になる。ウェブ321を積層することにより、積層装置を通って移動する材料の直線速度は、ウェブが形成される速度より遅くなる。例えば、連続プロセスにおいて、2層ウェブは、ウェブが形成される速度の1/2の速度で絡合装置345内を移動することになる(3層の場合は1/3の速度、等)。この速度の低減が、高処理量で低い面積当り重量のウェブ321が形成され、複数層の機械的に絡合されたパック370に変換される連続プロセスを可能にする。積層ウェブの絡合パック370は、多様な異なる用途に使用することができる。
【0041】
例示的な実施形態において、長く細い繊維の積層及び絡合は、強いウェブ370を結果としてもたらす。例えば、この出願において説明する長く細いガラス繊維の絡合は、高引張り強度及び高接着強度を有する積層絡合ウェブを結果としてもたらす。引張り強度は、ウェブ370がウェブの長さ又は幅の方向に引っ張られたときのウェブ370の強度である。接着強度は、ウェブ370がウェブの厚さ方向に引き離されるときのウェブの強度である。
【0042】
引張り強度及び接着強度は、多様な異なる方法で試験することができる。1つの例示的な実施形態において、インストロン(Instron)機などの機械が、ウェブ370を一定速度(後述する例においては12インチ毎秒)で引っ張り、ウェブを引き離すのに要した力の量を計測する。ウェブを引き離すのに要した力を、ウェブが裂けるか又は損傷するまでにウェブに加えられたピーク力を含めて記録する。
【0043】
引張り強度を試験する1つの方法において、長さ方向の引張り強度は、ウェブの端部をウェブの幅に沿って固定し、ウェブ370をウェブの長さに沿って機械により一定速度(以下に示す例では12インチ毎秒)で引っ張り、ウェブの長さ方向に加えられたピーク力を記録することによって計測される。幅方向の引張り強度は、ウェブの側部をウェブの幅に沿って固定し、ウェブ370をウェブの幅に沿って一定速度(以下に示す例では12インチ毎秒)で引っ張り、加えられたピーク力を記録することによって計測される。長さ方向の引張り強度と幅方向の引張り強度との平均を取って、試料の引張り強度が決定される。
【0044】
接着強度を試験する1つの方法において、所定のサイズ(以下に示す例では6"×6")の試料を準備する。試料の各側面を、基板に例えば糊付けにより接着する。試料の両側の基板を機械により一定速度(以下に示す例では12インチ毎秒)で引き離し、加えられたピーク力を記録する。加えられたピーク力を試料の面積(以下に示す例では6"×6")で割ると、接着強度が力/面積の単位で与えられる。
【0045】
以下の例は、層状絡合ウェブ370の強度の増大を示すために提示される。これらの例において、バインダは全く含まれていない。即ち、水性バインダも乾式バインダも含まれていない。これらの例は、特許請求の範囲において明示的に述べない限り、本発明の範囲を限定するものではない。4層、6層、及び8層を有する層状絡合ウェブの例が提示される。しかし、層状絡合ウェブ370には、任意の数の層を設けることができる。層状絡合ウェブ370試料の長さ、幅、厚さ、折重ねの数、及び重量は、ウェブ370の用途に応じて変えることができる。
図3Dに示す稠密な単一層の実施形態において、単一層高密度パック300は、以下の6つの段落における同じ厚さの例よりも高い、例えば2倍又はそれ以上高い、平方フィート当りの重量を有することができる。
【0046】
1つの例示的な実施形態において、ウェブ370の6インチ×12インチの試料は、複数層、例えば2つの折重ね(即ち、4層)を有し、0.5インチ厚と2.0インチ厚の間であり、0.1lbs/sqftと0.3lbs/sqftとの間の重量毎平方フィートを有し、3lbfより大きい引張り強度を有し、40lbf/lbmより大きい、例えば約40乃至約120lbf/lbmの引張り強度対重量の比を有する。例示的な実施形態において、この試料の接着強度は0.1lbs/平方ftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は5lbfより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は7.5lbfより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は10lbfより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は12.5lbfより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は13.75lbfより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は3lbfと15lbfとの間である。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の接着強度は2lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の接着強度は5lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の接着強度は10lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の接着強度は15lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の接着強度は20lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は5lbfより大きく、接着強度は2lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は7.5lbfより大きく、接着強度は7.5lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は10lbfより大きく、接着強度は10lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は12.5lbfより大きく、接着強度は15lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は13.75lbfより大きく、接着強度は20lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は3lbfと15lbfとの間であり、接着強度は0.3lbs/sqftと30lbs/sqftとの間である。
【0047】
1つの例示的な実施形態において、ウェブ370の6インチ×12インチの試料は複数層、例えば2つの折重ね(即ち、4層)を有し、0.5インチ厚と1.75インチ厚との間であり、0.12lbs/sqftと0.27lbs/sqftの間の重量毎平方フィートを有し、3lbfより大きい引張り強度を有し、40lbf/lbmより大きい、例えば約40乃至約120lbf/lbmの引張り強度対重量の比、並びに1lb/sqftより大きい接着強度を有する。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は5lbfより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は7.5lbfより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は10lbfより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は12.5lbfより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は13.75lbfより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は、3lbfと15lbfとの間である。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の接着強度は2lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の接着強度は5lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の接着強度は10lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の接着強度は15lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の接着強度は20lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は5lbfより大きく、接着強度は2lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は7.5lbfより大きく、接着強度は7.5lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は10lbfより大きく、接着強度は10lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は12.5lbfより大きく、接着強度は15lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は13.75lbfより大きく、接着強度は20lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は3lbfと15lbfの間であり、接着強度は0.3lbs/sqftと30lbs/sqftの間である。
【0048】
1つの例示的な実施形態において、ウェブ370の6インチ×12インチの試料は複数層、例えば2つの折重ね(即ち、4層)を有し、0.5インチ厚と1.25インチ厚の間であり、0.2lbs/sqftと0.3lbs/sqftとの間の重量毎平方フィートを有し、10lbfより大きい引張り強度を有し、75lbf/lbmより大きい、例えば約75乃至約120lbf/lbmの引張り強度対重量の比を有する。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は12.5lbfより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は13.75lbfより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は3lbfと15lbfとの間である。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の接着強度は3lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の接着強度は10lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の接着強度は15lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は10lbfより大きく、接着強度は3lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は12.5lbfより大きく、接着強度は10lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は13.75lbfより大きく、接着強度は15lbs/sqftより大きい。
【0049】
例示的な実施形態において、ウェブ370の6インチ×12インチの試料は複数層、例えば3つの折重ね(即ち、6層)を有し、1.0インチ厚と2.25インチ厚の間であり、0.15lbs/sqftと0.4lbs/sqftの間の重量毎平方フィートを有し、5lbfより大きい引張り強度を有し、40lbf/lbmより大きい、例えば約40乃至約140lbf/lbmの引張り強度対重量の比を有する。例示的な実施形態において、この試料の接着強度は0.1lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は7.5lbfより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は10lbfより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は12.5lbfより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は13.75lbfより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は5lbfと20lbfとの間である。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の接着強度は0.5lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の接着強度は1.0lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の接着強度は1.5lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の接着強度は2.0lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の接着強度は2.5lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の接着強度は3.0lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は7.5lbfより大きく、接着強度は0.40lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は10lbfより大きく、接着強度は0.6lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は12.5lbfより大きく、接着強度は0.9lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は5lbfと20lbfとの間であり、接着強度は0.1lbs/sqftと4lbs/sqftの間である。
【0050】
1つの例示的な実施形態において、ウェブ370の6インチ×12インチの試料は複数層、例えば3つの折重ね(即ち、6層)を有し、1.0インチ厚と1.50インチ厚との間であり、0.25lbs/sqftと0.4lbs/sqftの間の重量毎平方フィートを有し、9lbfより大きい引張り強度を有し、50lbf/lbmより大きい、例えば約50乃至約140lbf/lbmの引張り強度対重量の比を有する。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は12.5lbfより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は13.75lbfより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は9lbfと15lbfとの間である。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の接着強度は0.5lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の接着強度は1.0lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の接着強度は1.5lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の接着強度は2.0lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の接着強度は2.5lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の接着強度は3.0lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は9lbfより大きく、接着強度は0.5lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は12.5lbfより大きく、接着強度は1.0lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は13.75lbfより大きく、接着強度は2lbs/sqftより大きい。
【0051】
1つの例示的な実施形態において、ウェブ370の6インチ×12インチの試料は複数層、例えば4つの折重ね(即ち、8層)を有し、0.875インチ厚と2.0インチ厚との間であり、0.15lbs/sqftと0.4lbs/sqftの間の重量毎平方フィートを有し、3lbfより大きい引張り強度を有し、40lbf/lbmより大きい、例えば約40乃至約130lbf/lbmの引張り強度対重量の比を有する。例示的な実施形態において、ウェブは0.3lbs/sqftより大きい接着強度を有する。例示的な実施形態において、この試料の接着強度は0.1lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は7.5lbfより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は10lbfより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は3lbfと15lbfとの間である。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の接着強度は0.5lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の接着強度は1.0lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の接着強度は2lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の接着強度は3lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の接着強度は4lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の接着強度は5lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の接着強度は10lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は7.5lbfより大きく、接着強度は.5lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は10lbfより大きく、接着強度は1.0lbs/sqftより大きい。1つの例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は3lbfと15lbfとの間であり、接着強度は0.3lbs/sqftと15lbs/sqftとの間である。
【0052】
例示的な実施形態において、ウェブ370の6インチ×12インチの試料は複数層、例えば4つの折重ね(即ち、8層)を有し、1.0インチ厚と2.0インチ厚との間であり、0.1lbs/sqftと0.3lbs/sqftとの間の重量毎平方フィートを有し、9lbfより大きい引張り強度を有し、70lbf/lbmより大きい引張り強度対重量の比を有する。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は10lbfより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の接着強度は0.5lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の接着強度は1.0lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の接着強度は2lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の接着強度は3lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の接着強度は4lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の接着強度は5lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の接着強度は10lbs/sqftより大きい。例示的な実施形態において、本段落で説明する試料の引張り強度は10lbfより大きく、接着強度は5lbs/sqftより大きい。
【0053】
例示的な実施形態において、
図1A-
図1C及び
図3A-
図3Cによって作製される絡合ウェブは、以下の表1に示す範囲の組み合わされた物理特性を有する。
【0054】
【0055】
特許文献1、並びに/又は特許文献2、特許文献3、特許文献4、及び特許文献5は、それらの全体が引用により本明細書に組み入れられる。1つの例示的な実施形態において、本出願において識別される繊維直径及び繊維長は、紡糸機又は他の紡糸機によって提供されたものであるが繊維の形成後にそれ以外の加工が施されていない一群の繊維のうちの大多数の繊維に関連する。別の例示的な実施形態において、本出願において識別される繊維直径及び繊維長は、紡糸機又は他の紡糸機によって提供されたものであるが繊維の形成後にそれ以外の加工が施されていない一群の繊維であって、少数の又は任意の数の繊維がその繊維直径及び/又は繊維長を有するものに関する。
【0056】
図2A-
図2Cは、
図1A-
図1Cの実施形態に類似するが、但しウェブ521(
図5参照)が乾式又は非水性バインダを用いて形成される(260)方法の例示的な実施形態を示す。
図2Aの方法200は、
図1Aの方法100に概ね対応する。
図2Bの方法250は、
図1Bの方法150に概ね対応する。
図2Cの方法270は、
図1Cの方法170に概ね対応する。
【0057】
図2Dは、
図2Cの方法270に類似の方法290を0示す。
図2Dにおいて、破線のボックス内のステップは随意的なものである。
図2Dに示す例示的な実施形態において、乾式バインダは、ウェブが形成される前の代わりに(又はそれに加えて)、随意に、ステップ292でウェブに、及び/又はステップ294で積層ウェブに添加することができる。例えば、ステップ292が含まれる場合、乾式バインダを用いずにウェブを形成することができ、次いで乾式バインダが積層の前に及び/又は積層中にウェブに添加される。ステップ294が含まれる場合、乾式バインダを用いずにウェブを形成し、積層することができ、次いで乾式バインダが積層ウェブに添加される。
【0058】
図5を参照すると、乾式バインダ(大きい矢印で示す)は、プロセス中の様々な異なる時点で繊維322及び/又はウェブ521に添加することができる。矢印525は、乾式バインダを収集部材において又はその上方で繊維322に添加することができることを示す。矢印527は、乾式バインダをダクト330内で繊維322に添加することができることを示す。矢印529は、乾式バインダを成形装置332内で繊維322に添加することができることを示す。矢印531は、乾式バインダを、ウェブ321が成形装置332から出た後でウェブに添加することができることを示す。矢印533は、乾式バインダを、ウェブ321が積層装置334によって積層される際にウェブに添加することができることを示す。矢印535は、乾式バインダを、ウェブ321が積層された後でウェブに添加することができることを示す。矢印537は、乾式バインダを、炉550内でウェブ321又は積層ウェブに添加することができることを示す。
図8を参照すると、矢印827は、乾式バインダを、ダクト330内で紡糸機に近い位置で繊維322に添加することができることを示す。矢印829は、乾式バインダを、ダクト330内でダクトのエルボにおいて繊維322に添加することができることを示す。矢印831は、乾式バインダを、ダクト330内でダクトの出口端において繊維に添加することができることを示す。矢印833は、乾式バインダを、ドラム形の成形面を有する成形装置332内で繊維322に添加することができることを示す。任意の方法で乾式バインダを繊維322又はウェブ321に添加して、乾式バインダを有するウェブ521を形成することができる。
【0059】
図5Aは、
図5の実施形態に類似するが、但し、繊維322が蓄積機590によって収集される実施形態である。矢印592は、繊維322が、蓄積機590によって、制御された方式で成形装置332に供給されることを示す。繊維322は、成形装置332に供給される前に、繊維を冷やすために所定時間にわたって蓄積機590内に滞留することができる。1つの例示的な実施形態において、繊維322は、繊維322が蓄積機590に供給されるのと同じ速度で、蓄積機590によって成形装置322に供給される。それゆえ、この例示的な実施形態において、繊維が蓄積機内で滞留して冷える時間は、蓄積機内の繊維322の量によって決定される。この例において、滞留時間は、蓄積機内の繊維の量を、繊維が蓄積機によって成形装置332に供給される速度で割った値となる。別の例示的な実施形態において、蓄積機390は、繊維の供給を選択的に開始及び停止することができ、及び/又は繊維を供給する速度を調節することができる。乾式バインダは、
図5に示すいずれかの位置で繊維322に加えることができる。さらに、乾式バインダは、矢印594で示すように蓄積機内で、及び/又は、矢印596で示すように、繊維が蓄積機590から成形装置332へ移送される際に、繊維322に付与することができる。
【0060】
図5Bは、
図5の実施形態に類似するが、但し、繊維322を成形装置332と第2の成形装置との間で、及び/又は他の何らかの使用のために、分流機構598によって選択的に振り分けることができる実施形態である。1つの例示的な実施形態において、
図5に示す実施形態は、蓄積機590及び分流機構598の両方を有することができる。乾式バインダは、
図5に示すいずれかの位置で繊維322に付与することができる。さらに、乾式バインダは、矢印595で示すように分流機構内で、及び/又は、矢印597で示すように、繊維が分流機構598から成形装置332に移送される際に、繊維322に付与することができる。
【0061】
例示的な実施形態において、乾式バインダは、紡糸機318から下流のかなり離れた位置で繊維322に付与される。例えば、乾式バインダは、繊維の温度及び/又は繊維の周囲の空気の温度が紡糸機における繊維及び周囲空気の温度よりもかなり低い位置で繊維に付与することができる。1つの例示的な実施形態において、乾式バインダは、繊維の温度及び/又は繊維の周囲の空気の温度が、乾式バインダが溶融する温度又は乾式バインダが完全に硬化又は反応する温度より低い位置で、付与される。例えば、熱可塑性バインダは、繊維322の温度及び/又は繊維の周囲の空気の温度がその熱可塑性バインダの融点より低い、製造ライン内の地点で付与することができる。熱硬化性バインダは、繊維322の温度及び/又は繊維の周囲の空気の温度がその熱硬化性バインダの硬化温度より低い、製造ライン内の地点で付与することができる。即ち、熱硬化性バインダは、繊維322の温度及び/又は繊維の周囲の空気の温度がその熱硬化性バインダが十分に反応するか又はその熱硬化性バインダの完全な架橋が起る温度より低い地点で付与することができる。1つの例示的な実施形態において、乾式バインダは、繊維322の温度及び/又は繊維の周囲の空気の温度が300°Fより低い、製造ライン内の地点で付与することができる。1つの例示的な実施形態において、乾式バインダは、繊維322の温度及び/又は繊維の周囲の空気の温度が250°Fより低い、製造ライン内の地点で付与することができる。1つの例示的な実施形態において、
図5内の矢印527、529、531、533、及び535で示す位置における繊維の温度及び/又は繊維の周囲の空気の温度は、乾式バインダが溶融するか又は完全に硬化する温度より低い。
【0062】
1つの例示的な実施形態において、バインダ・アプリケータは、乾燥粉末用に構成された噴霧器である。噴霧器は、噴霧力が調節可能であるように構成され、それにより、繊維状材料の連続ウェブ内への乾燥粉末の滲透が多くなるように又は少なくなるようにすることを可能にする。代替的に、バインダ・アプリケータは、例えば、乾式バインダをガラス繊維の連続ウェブ321の中に引き込むのに十分な真空装置などの、他の構造、機構若しくは装置又はそれらの組合せとすることができる。例えば、乾式バインダは、ベール梱包(bale)形態で供給されるバインダ繊維を含むことができる。バインダ・アプリケータは、ベールオープナー及び送風機を含み、これは、ベール梱包を開俵し、バインダ繊維を互いに分離し、バインダ繊維をダクト内に吹き込み、そこでバインダが繊維ガラスの繊維と混合される。乾式バインダは、粉末を含むことができる。バインダ・アプリケータは、バインダ粉末を空気ノズルに送出するスクリュー送出機を含むことができ、空気ノズルは、バインダ粉末をダクト内に送出し、そこでバインダ粉末が繊維と混合される。乾式バインダは、非水液体を含むことができる。バインダ・アプリケータは、ダクト内に液体バインダを送出するノズルを含むことができ、ダクト内でバインダが繊維と混合される。
【0063】
図9、
図9A及び
図9Bは、繊維又は粉末形態、繊維形態、又は非水液体形態などのバインダ900が、改造されたエアラッパ(air lapper)902によって付与される例示的な実施形態を示す。エアラッパは当技術分野で周知である。エアラッパの例は、それらの全体が引用により本明細書に組み入れられる、特許文献6、特許文献7、特許文献8及び特許文献9に開示されている。特許文献6、特許文献7、特許文献8及び特許文献9に開示されているエアラッパのいずれの特徴も、本特許出願に概略的に示すエアラッパ902において用いることができる。エアラッパの1つの既存の型は、エア・フル。・ベール・ラッパ(Air Full Veil Lapper)(AFVL)である。
図9、
図9A及び
図9Bに示すエアラッパ902は、エアラッパがバインダ900を付与するように構成される点で、従来のエアラッパと異なる。
【0064】
図8は、回転式紡糸機318、随意の収集部材324、ダクト330、及び成形装置332を示す。
図8に示す装置は、典型的には、
図5に示す溶融装置314及びフォアハース316もまた含む。
図5に示す溶融装置314、フォアハース、及び他の構成要素は、図面を簡単にするために
図8では省略されている。
【0065】
図8を参照すると、成形装置332は、所望の厚さを有する繊維状材料の連続ウェブ321を形成するように構成することができる。成形装置332は、多様な異なる形態を取ることができる。ガラス繊維のウェブ321を形成するための任意の構成を使用することができる。
図8に示す例示的な実施形態において、成形装置332は、成形面462と、より高圧又はより低圧の区域とを有する、回転ドラム910を含む。面462を横切る圧力損失ΔPを用いた繊維の収集は、
図4に関して説明した通りである。
【0066】
図9A及び
図9Bを参照すると、エアラッパ902は、第1の送風機920及び第2の送風機922を含む。エアラッパは、送風により、例えば第1及び第2の送風機920、922による交互の送風により、動作する。送風機920は、ダクト内を成形面462に向かって移動する繊維に逆らう空気流を与え、他方、送風機922は、空気流を与えない(
図9A及び
図9B参照)。制御された時間の後、送風機922は、ダクト内を成形面462に向かって移動する繊維に逆らう空気流を与え、他方、送風機920は空気流を与えない。この第1及び第2の送風機920、922による交互動作が、成形面462上に収集される繊維322の一様な分布をもたらす。
【0067】
図9、
図9A及び
図9Bに示すエアラッパ902は、送風機920、922の各々が1つ又はそれ以上のバインダ導入装置904を含む点で、従来のエアラッパと異なる。バインダ導入装置904は、多様な異なる形態を取ることができる。例えば、バインダ導入装置904は、図示したように送風機920、922の筐体932の内部930にバインダ900を供給することができ、又は、バインダ導入装置は、送風機920、922の空気流中にバインダ900を導入するように配置することができる。例えば、バインダ導入装置のノズルは、送風機920、922の空気流中にバインダを供給することができる。バインダ導入装置の例は、それらに限定されないが、ノズルと、送風機920、922より少ない空気流を与える送風機とを含む。1つの例示的な実施形態において、バインダ導入装置904は、送風機920、922が送風していないときに筐体932の内部930にバインダ900を注入する。次いで、送風機920、922がオンになると、内部930が加圧され、バインダ900が内部930から繊維空気流内へ運ばれる。空気流内で、エアラッパからの空気は、繊維を動かして、成形面462上の繊維の分布に形成効果を与え、空気はまた、バインダを注入して空気流中の繊維と混合させる。
【0068】
図9A及び
図9Bを参照すると、エアラッパ902は、バインダ900を繊維332の中へと混合させ、これが成形面462上に集まってウェブ321を形成する。1つの例示的な実施形態において、送風機920が、ダクト内を成形面462に向かって移動する繊維に逆らう空気流921を与えるとき、バインダ導入装置904は、バインダ900を送風機920へ導入し、送風機920によって与えられた空気流921は、バインダを繊維322と混合させる(
図9A及び
図9B内に示す)。同様に、この実施形態において、送風機922が、ダクト内を成形面462に向かって移動する繊維に逆らう空気流921を与えるとき、バインダ導入装置904は、バインダ900を送風機922へ導入し、送風機922によって与えられた空気流921は、バインダを繊維322と混合させる(送風機922によって与えられる空気流は図示されていないが、送風機920によって与えられる空気流と同じである)。結果として、バインダ900が繊維322と均一に混合される。
【0069】
乾式バインダは、多様な異なる形態を取ることができる。繊維322を互いに保持してウェブ521を形成する任意の非水媒体を用いることができる。1つの例示的な実施形態において、乾式バインダは、初めに繊維に付与される際に、実質的に100%の固体から成る。「実質的に100%の固体」という用語は、本明細書で用いる場合、バインダの重量の約2%に等しいか又はそれ未満、好ましくは1%に等しいか又はそれ未満の希釈剤、例えば水を(バインダが乾燥又は硬化した後でなく、バインダが付与される際に)含む任意のバインダ材料を意味する。しかし、特定の実施形態では、バインダは、具体的な用途及び設計の要件に応じて任意の所望量の希釈剤、例えば水を含むことができることを認識されたい。1つの例示的な実施形態において、乾式バインダは、液体形態で付与されることはなく、さらに水ベースでもない、熱可塑性樹脂ベースの材料である。他の実施形態において、乾式バインダは、非限定的な例であるポリマー性熱硬化性樹脂を含む、他の材料又は他の材料の混合物とすることができる。乾式バインダは、非限定的な例である、粉末、粒子、繊維及び/又はホットメルトを含む、任意の形態又は形態の組合せを有することができる。ホットメルトポリマーの例としては、それらに限定されないが、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリレート共重合体、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、アタクチックポリプロピレン、ポリブテン-1、スチレンブロック共重合体、ポリアミド、熱可塑性ポリウレタン、スチレンブロック共重合体、ポリエステルなどが挙げられる。1つの例示的な実施形態において、乾式バインダは、ホルムアルデヒド無添加乾式バインダであり、これはその乾式バインダがホルムアルデヒドを含まないことを意味する。しかし、ホルムアルデヒドを含まない乾式バインダが燃焼したときにホルムアルデヒドが形成される可能性がある。1つの例示的な実施形態において、硬化した繊維のパックを包装、保管及び出荷用に圧縮することができるが、それでもなお設置されるときにその厚さが元に戻るように(「かさ高性(loft)回復」として知られるプロセス)、十分な乾式バインダが付与される。
【0070】
図2A-2D及び
図5に示す例において、ガラス繊維322は、乾式バインダがガラス繊維に付与される前又は後に、随意に潤滑剤で被覆又は部分的に被覆することができる。例示的な実施形態において、潤滑剤は、乾式バインダの後で付与され、ガラス繊維322への乾式バインダの付着性を強化する。潤滑剤は、前述の潤滑剤のいずれかとすることができる。
【0071】
図5を参照すると、未反応の乾式バインダを含む連続ウェブ521は、成形装置332から随意の積層機構334へ移送される。積層機構は、多様な異なる形態を取ることができる。例えば、積層機構は、ウェブ321を機械方向D1に積層する折重ね機構、又は機械方向に対して実質的に直交する方向にウェブを折り重ねる交差折重ね機構とすることができる。バインダレス・ウェブ321を積層するための上記の交差折重ね装置を用いて、未反応乾式バインダを含むウェブ521を積層することができる。
【0072】
例示的な実施形態において、連続ウェブ521の乾式バインダは、硬化炉550内で熱硬化するように構成される。例示的な実施形態において、乾式バインダが繊維322を互いに保持するので、硬化炉550が絡合機構345を置き換える。別の例示的な実施形態では、硬化炉550及び絡合機構345の両方が含まれる。
【0073】
図6及び
図7は、一般に610に示される、繊維状材料からパックを形成する方法の別の例示的な実施形態を模式的に示す。
図6を参照すると、溶融ガラス612が、溶融装置614からフォアハース616に供給される。溶融ガラス612は、所望の化学組成を与えるような割合で組み合わされた種々の原材料から形成することができる。溶融ガラス612は、フォアハース616から複数の回転式紡糸機618へ流れる。
【0074】
図6を参照すると、回転式紡糸機618は、溶融ガラス612を受け、その後、高温気体の流れに同伴するガラス繊維622のヴェール620を形成する。より詳細に後述するように、回転式紡糸機618によって形成されるガラス繊維622は長く細い。従って、長く細いガラス繊維22を形成するのに十分な、回転式又は別の方式の任意の所望の紡糸機を使用することができる。
図6及び
図7に示す実施形態は2台の回転式紡糸機618を示すが、任意の所望の数の回転式紡糸機18を使用することができることを認識されたい。
【0075】
高温気体の流れは、非限定的な例である環状送風機(図示せず)又は環状バーナ(図示せず)などの随意の送風機構によって生成することができる。一般に、送風機構は、ガラス繊維622のヴェール620を、所与の方向、通常下向きに向けるように構成される。高温気体の流れは、任意の所望の構造、機構若しくは装置又はそれらの任意の組合せによって生成することができることを理解されたい。
【0076】
図6に示すように、随意の噴霧機構626を、回転式紡糸機618の下方に配置することができ、水又は他の流体の微細液滴をヴェール620内の高温気体に噴霧して、高温気体流を冷却すること、繊維622を接触損傷から保護すること、及び/又は繊維622の接着能力を高めることを補助するように、構成することができる。噴霧機構626は、水の微細液滴をヴェール620内の高温気体に噴霧して、高温気体流を冷却すること、繊維622を接触損傷から保護すること、及び/又は繊維22の接着能力を高めることを助けるのに十分な、任意の所望の構造、機構又は装置とすることができる。
図6に示す実施形態は噴霧機構626の使用を示すが、噴霧機構626の使用は随意であり、噴霧機構626を使用せずに、繊維状材料からパックを形成する方法610を実施することができることを認識されたい。
【0077】
随意に、ガラス繊維622は、ガラス繊維が形成された後で、潤滑剤で被覆することができる。図示した実施形態では、複数のノズル628を、回転式紡糸機618の下方の位置でヴェール620の周りに配置することができる。ノズル628は、潤滑剤の供給源(図示せず)から潤滑剤(図示せず)をガラス繊維622に供給するように構成することができる。
【0078】
潤滑剤の付与は、非限定的な例である弁(図示せず)などの任意の所望の構造、機構又は装置によって正確に制御することができる。特定の実施形態において、潤滑剤は、シロキサン、ジメチルシロキサン及び/又はシランなどのシリコーン化合物とすることができる。潤滑剤はまた、例えば、油又は油乳濁液のような他の材料又は材料の混合物とすることもできる。油又は油乳濁液は、鉱油若しくは鉱油乳濁液及び/又は植物油若しくは植物油乳濁液とすることができる。例示的な実施形態において、潤滑剤は、得られる繊維状材料のパックの重量の約1.0パーセントの油及び/又はシリコーン化合物の量で付与される。しかし、他の実施形態では、潤滑剤の量は、約1.0重量パーセントの油及び/又はシリコーン化合物より多く又は少なくすることができる。
【0079】
図6に示す実施形態は、潤滑剤(図示せず)をガラス繊維622に供給するためのノズル628の使用を示すが、ノズル628の使用は随意であり、ノズル628を使用せずに、繊維状材料からパックを形成する方法610を実施することができることを認識されたい。
【0080】
図示した実施形態において、高温気体流内に同伴するガラス繊維622は、随意の収集部材624によって集めることができる。収集部材624は、ガラス繊維622及び高温気体流を容易に受けるような形状及びサイズにされる。収集部材624は、ガラス繊維622及び高温気体流を、例えば成形装置632a及び632bなどの下流の処理ステーションへ移送するためのダクト630へ振り分けるように構成される。他の実施形態において、ガラス繊維622は、例えばブランケット又はバット(図示せず)を形成するように、運搬機構(図示せず)上に集めることができる。バットは、運搬機構によってさらなる処理ステーション(図示せず)へ輸送することができる。収集部材624及びダクト630は、ガラス繊維622及び高温気体流を受けて運搬するのに適した概ね中空の構成を有する任意の構造とすることができる。
図6に示す実施形態は収集部材624の使用を示すが、収集部材624を使用してガラス繊維622及び高温気体流をダクト630へ振り分けることは随意であり、収集部材624を使用せずに、繊維状材料からパックを形成する方法610を実施することができることを認識されたい。
【0081】
図6及び
図7に示す実施形態では、単一の紡糸機618が個々のダクト630に関連付けられており、単一の紡糸機618からのガラス繊維622及び高温気体流が、ダクト630に入るガラス繊維622及び高温気体流の唯一の供給源となっている。代替的に、個々のダクト630を、複数の紡糸機618からのガラス繊維622及び高温気体流を受けるように適合させることができる(図示せず)。
【0082】
再び
図6を参照すると、随意に、ヘッダシステム(図示せず)を成形装置632a及び632bと紡糸機618との間に配置することができる。ヘッダシステムは、チャンバとして構成することができ、その中で、得られる混合流の特性を制御しながら、複数の紡糸機618から流れるガラス繊維622及び気体を組み合わせることができる。特定の実施形態において、ヘッダシステムは、紡糸機618からのガラス繊維622及び気体の流れを組み合わせるように構成され、さらに、得られた混合流を成形装置632a及び632bに向けるように構成された、制御システム(図示せず)を含むことができる。そのようなヘッダシステムは、特定の紡糸機618の保守及び清掃を、残りの紡糸機618を停止する必要なく、可能にすることができる。随意に、ヘッダシステムは、ガラス繊維22及び気体流を制御し、方向付けるための任意の所望の手段を組み込むことができる。
【0083】
次に
図7を参照すると、同伴するガラス繊維622を有する気体流の運動量が、ガラス繊維622がダクト630を通って成形装置632a及び632bへ流れ続けるようにさせることになる。成形装置632a及び632bは、幾つかの機能のために構成することができる。第1に、成形装置632a及び632bは、同伴ガラス繊維622を気体流から分離するように構成することができる。第2に、成形装置632a及び632bは、所望の厚さを有する繊維状材料の連続的な薄い乾式ウェブを形成するように構成することができる。第3に、成形装置632a及び632bは、繊維がウェブ内で任意の所望の程度の「ランダム性」で配向することを可能にするような方式でガラス繊維622が気体流から分離することを可能にするように構成することができる。「ランダム性」という用語は、本明細書で用いられる場合、繊維622又は繊維622の一部が、X、Y又はZ次元のいずれにおいても非優先的に配向することができることを意味するように定義される。特定の場合において、高度のランダム性を有することが望ましい場合がある。他の場合には、繊維のランダム性を制御して、繊維が非ランダムに配向する、換言すれば、繊維が実質的に同一平面上にある又は実質的に互いに平行であるようにすることが望ましい場合がある。第4に、成形装置632a及び632bは、繊維状材料の連続ウェブを他の下流操作へ移送するように構成することができる。
【0084】
図7に示す実施形態において、成形装置632a及び632bの各々は、回転するように構成されたドラム(図示せず)を含む。ドラムは、任意の所望の数量の小孔を有する表面と、より高圧又はより低圧の区域とを含むことができる。代替的に、成形装置632a及び632bの各々は、同伴ガラス繊維622を気体流から分離し、所望の厚さを有する繊維状材料の連続ウェブを形成し、繊維状材料の連続ウェブを他の下流操作へ移送するのに十分な、他の構造、機構及び装置から形成することができる。
図7に示す例証的な実施形態において、成形装置632a及び632bの各々は同じである。しかし、他の実施形態において、成形装置632a及び632bの各々が互いに異なっていてもよい。
【0085】
再び
図7を参照すると、繊維状材料の連続ウェブは、成形装置632a及び632bから随意のバインダ・アプリケータ646へ移送される。バインダ・アプリケータ646は、繊維状材料の連続ウェブに「乾式バインダ」を付与するように構成される。「乾式バインダ」という用語は、本明細書で用いられる場合、そのバインダが、バインダが付与される際に実質的に100%の固体から成ることを意味するものと定義される。「実質的に100%の固体」という用語は、本明細書で用いられる場合、バインダの重量の約2%に等しいか又はそれ未満、好ましくは約1%に等しいか又はそれ未満の希釈剤、例えば水を有する(バインダが乾燥及び/又は硬化した後でなく、バインダが付与される際に)、任意のバインダ材料を意味するものと定義される。しかし、特定の実施形態では、バインダは、具体的な用途及び設計の要件に応じて、任意の所望量の希釈剤、例えば水を含むことができることを認識されたい。バインダは、硬化炉650内で熱硬化するように構成することができる。本出願において、「硬化(cure)」及び「熱硬化(thermally set)」という用語は、乾式バインダがウェブの繊維を互いに結合させるようにする化学反応及び/又は1つ又はそれ以上の相変化を指す。例えば、熱硬化性乾式バインダ(又は乾式バインダの熱硬化性成分)は、熱を加えた結果生じる化学反応の結果として硬化又は熱硬化する。熱可塑性乾式バインダ(又は乾式バインダの熱可塑性成分)は、加熱されて軟化又は溶融相になり次いで冷却されて固相になる結果として硬化又は熱硬化する。
【0086】
例示的な実施形態において、乾式バインダは、液体形態で付与されることはなく、さらに水ベースでもない、熱可塑性樹脂ベースの材料である。他の実施形態において、乾式バインダは、非限定的な例であるポリマー性熱硬化性樹脂を含む、他の材料又は他の材料の混合物とすることができる。乾式バインダは、非限定的な例である、粉末、粒子、繊維及び/又はホットメルトを含む任意の形態又は形態の組合せを有することができる。ホットメルトポリマーの例としては、それらに限定されないが、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリレート共重合体、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、アタクチックポリプロピレン、ポリブテン-1、スチレンブロック共重合体、ポリアミド、熱可塑性ポリウレタン、スチレンブロック共重合体、ポリエステルなどが挙げられる。硬化した繊維のパックを包装、保管及び出荷用に圧縮することができるが、それでもなお設置されるときにその厚さが元に戻るように(「かさ高性回復」として知られるプロセス)、十分な乾式バインダが付与される。乾式バインダを繊維の連続ウェブへ付与すると、随意に未反応のバインダを有する、連続ウェブが形成される。
【0087】
図6及び
図7に示す実施形態において、バインダ・アプリケータ646は、乾燥粉末用に構成された噴霧器である。噴霧器は、噴霧力が調節可能であるように構成され、それにより、繊維状材料の連続ウェブ内への乾燥粉末の滲透が多くなるように又は少なくなるようにすることを可能にする。代替的に、バインダ・アプリケータ646は、例えば、「乾式バインダ」を繊維状材料の連続ウェブの中に引き込むのに十分な真空装置などの、他の構造、機構若しくは装置又はそれらの組合せとすることができる。
【0088】
図7に示す実施形態は、乾式バインダを繊維状材料の連続ウェブに付与するように構成されたバインダ・アプリケータ646を示すが、特定の実施形態において、乾式バインダが繊維状材料の連続ウェブに付与されないことも本発明の企図の範囲内にある。
【0089】
再び
図7を参照すると、随意に未反応バインダを含む連続ウェブが、バインダ・アプリケータ646から、対応する交差折重ね機構634a及び634bへ移送される。
図7に示すように、成形装置632aは交差折重ね機構634aに関連付けられ、成形装置632bは交差折重ね機構634bに関連付けられる。交差折重ね機構634a及び634bは、第1のコンベア636と共同して機能する。第1のコンベア636は、矢印D1で示す機械方向に動くように構成される。交差折重ね機構634aは、随意のバインダ・アプリケータ646から、随意に未反応バインダを含む連続ウェブを受け取るように構成され、さらに、第1のコンベア636が機械方向D1に動くにつれて、第1のコンベア636の上に、随意に未反応バインダを含む連続ウェブの交互の層を堆積させ、それにより繊維体の初期層を形成するように構成される。この堆積プロセスにおいて、交差折重ね機構634aは、矢印D2で示す機械交差方向(cross-machine direction)に交互層を形成する。従って、堆積された随意に未反応バインダを含む連続ウェブが交差折重ね機構634aから機械方向D1に移動するにつれて、下流の交差折重ね機構634bによって付加的な層が繊維体の上に堆積される。交差折重ね機構634a及び634bによって堆積されることで得られた繊維体の層が、パックを形成する。
【0090】
図示した実施形態において、交差折重ね機構634a及び634bは、随意に未反応バインダを含む連続ウェブを損傷しないよう、未反応バインダを含む連続ウェブの移動を正確に制御して、未反応バインダを含む連続ウェブを第1のコンベア636の上に堆積させるように構成された装置である。交差折重ね機構634a及び634bは、任意の所望の構造を含むことができ、任意の所望の方式で動作するように構成することができる。一例において、交差折重ね機構634a及び634bは、機械交差方向D2で前後に動くように構成されたヘッド(図示せず)を含むことができる。この実施形態において、可動ヘッドの速度は、機械交差方向の両方向におけるヘッドの動きが実質的に同じになるように調整され、それにより、得られる繊維体の層の均一性がもたらされるようになっている。別の例では、第1のコンベア636の中心線に中心を揃えて構成された垂直コンベア(図示せず)を使用することができる。この垂直コンベアは、第1のコンベア636の上方でピボット機構により揺動して、随意に未反応バインダを含む連続ウェブを第1のコンベア36の上に堆積させるようにさらに構成される。交差折重ね機構の幾つかの例を上述したが、交差折重ね機構634a及び634bは、他の構造、機構若しくは装置又はそれらの組合せとすることができることを認識されたい。
【0091】
再び
図7を参照すると、随意に、コントローラ(図示せず)により、第1のコンベア636上で、随意に未反応バインダを含む連続ウェブの位置決めを行って、改善されたパックの均一性をもたらすようにすることができる。コントローラは、任意の所望の構造、機構若しくは装置又はそれらの組合せとすることができる。
【0092】
積層ウェブ又はパックは、任意の所望の厚さを有することができる。パックの厚さは、幾つかの変数の関数である。第1に、パックの厚さは、成形装置632a及び632bの各々によって形成された随意に未反応バインダを含む連続ウェブの厚さの関数である。第2に、パックの厚さは、交差折重ね機構634a及び634bが、随意に未反応バインダを含む連続ウェブの層を第1のコンベア636の上に交互に堆積させる速度の関数である。第3に、パックの厚さは、第1のコンベア636の速度の関数である。図示した実施形態において、パックは、約0.1インチから約20.0インチまでの範囲の厚さを有する。他の実施形態においては、パックは、約0.1を下回るか又は約20.0インチを上回る厚さを有することができる。
【0093】
上述のように、交差折重ね機構634a及び634bは、随意に未反応バインダを含む連続ウェブの交互層を、第1のコンベア636が機械方向D1に動くにつれて第1のコンベア636の上に堆積させ、それにより繊維体の層を形成するように構成される。図示した実施形態において、交差折重ね機構634a及び634b並びに第1のコンベア636は、約1層から約60層までの範囲の数の層を有する繊維体を形成するように調整される。他の実施形態において、交差折重ね機構634a及び634b並びに第1のコンベア636は、60を超える層を有する繊維体を含む任意の数の層を有する繊維体を形成するように調整することができる。
【0094】
随意に、交差折重ね機構634a及び634bは、調節可能なものとすることができ、それにより交差折重ね機構634a及び634bが任意の所望の幅を有するパックを形成することが可能になる。特定の実施形態において、パックは、約98.0インチから約236.0インチまでの範囲の全般的な幅を有することができる。代替的に、パックは、約98.0インチを下回る又は約236.0インチを上回る全般的な幅を有することができる。
【0095】
交差折重ね機構634a及び634bは、繊維体の形成に共同で関与するように上述したが、他の実施形態では、交差折重ね機構634a及び634bは、繊維体の別個のレーンを形成するように互いに独立に動作することができることを認識されたい。
【0096】
図6及び
図7を参照すると、交差折重ね機構634a及び634bによって形成された層を有するパックは、第1のコンベア636によって、随意のトリミング機構640へ運ばれる。随意のトリミング機構640は、パックの縁部をトリミングして、所望のパック幅を形成するように構成される。例示的な実施形態において、パックは、約980インチから約236.0インチまでの範囲のトリミング後の幅を有することができる。代替的に、パックは、約98.0インチを下回る又は約236.0インチを上回るトリミング後の幅を有することができる。
【0097】
図示した実施形態において、随意のトリミング機構640は、パックの両側に位置決めされる複数の回転鋸(図示せず)を有する鋸システムを含む。代替的に、トリミング機構640は、非限定的な例であるウォータジェット、圧縮ナイフを含む、他の構造、機構若しくは装置又はそれの組合せとすることができる。
【0098】
図示した実施形態において、トリミング機構640は、硬化炉650より上流に有利に配置される。トリミング機構640を硬化炉650より上流に配置することで、パックが硬化炉650内で熱硬化される前にパックをトリミングすることが可能になる。随意に、トリミング機構640によってパックから切り落とされた材料を、ダクト630内の気体及びガラス繊維の流れに戻して、成形装置632a及び632b内で再利用することができる。切り落とされた材料の再利用は、切り落とされた材料の廃棄に関連した潜在的な環境問題を有利に防止する。
図6に示すように、管路642は、トリミング機構640をダクト630に接続し、成形装置632a及び632bへの切り落とされた材料の戻りを促進するように構成される。
図6及び
図7に示す実施形態は、切り落とされた材料の再利用を示すが、切り落とされた材料の再利用は随意であり、切り落とされた材料を再利用することなく、繊維状材料からパックを形成する方法610を実施することができることを認識されたい。別の例示的な実施形態において、トリミング機構640は、硬化炉650より下流に配置される。この配置は、切り落とされた材料が再利用されない場合に特に有用である。パックをトリミングすると、トリミングされたパックが形成される。
【0099】
トリミングされたパックは、第1のコンベア636によって第2のコンベア644へ運搬される。
図6に示すように、第2のコンベア644は、第1のコンベア636から「ステップダウン(stepped down)」するように配置することができる。「ステップダウン」という用語は、本明細書で用いられる場合、第2のコンベア644の上面が第1のコンベア636の上面の垂直下方に配置されることを意味するように定義される。コンベアのステップダウンは、より詳細に後述する。
【0100】
再び
図1及び
図2を参照すると、トリミングされたパックは、第2のコンベア644によって随意の絡合機構645に運ばれる。絡合機構645は、トリミングされたパックの層を形成する個々の繊維622を絡合するように構成される。パック内のガラス繊維622の絡合は、パックを互いに束縛する。乾式バインダが含まれる実施形態において、ガラス繊維622の絡合は、例えば引張り強度及び剪断強度などの機械的特性を有利に向上させることができる。図示した実施形態において、絡合機構645は、ニードリング機構である。他の実施形態において、絡合機構645は、非限定的な例であるスティッチング機構を含む、他の構造、機構若しくは装置又はそれらの組合せを含むことができる。
図6及び
図7に示す実施形態は、絡合機構645の使用を示すが、絡合機構645の使用は随意であり、絡合機構645を使用せずに、繊維状材料からパックを形成する方法610を実施することができることを認識されたい。パック内の繊維を絡合すると、絡合パックが形成される。
【0101】
第2のコンベア644は、随意にトリミングされ及び/又は随意に絡合された、随意に乾式バインダを含むパック(以後、トリミングされたパック及び絡合されたパックの両方を単に「パック」と呼ぶ)を第3のコンベア648へ運搬する。パックが乾式バインダを含む場合、第3のコンベア648は、パックを随意の硬化炉650に運ぶように構成される。硬化炉650は、パックを通して例えば加熱空気などの流体を送風し、その結果、乾式バインダを硬化させ、ガラス繊維622を互いに剛直に結合して一般にランダムな3次元構造にするように構成される。硬化炉650内でパックを硬化すると、硬化パックが形成される。
【0102】
前述のように、パックは、随意に乾式バインダを含む。伝統的な湿式バインダではなく乾式バインダを使用することにより、硬化炉650がパック内の乾式バインダを硬化させるために使用するエネルギーをより少なくすることを有利に可能にする。図示した実施形態において、硬化炉650内での乾式バインダの使用は、湿式又は水性バインダを硬化させるために従来の硬化炉によって使用されるエネルギーに比べて、約30.0%から約80.0%までの範囲のエネルギー節約をもたらす。さらに他の実施形態において、エネルギー節約は、80.0%を超える場合がある。硬化炉650は、任意の所望の硬化構造、機構若しくは装置又はそれらの組合せとすることができる。
【0103】
第3のコンベア648は、硬化パックを第4のコンベア652へ運搬する。第4のコンベア652は、硬化パックを切断機構654へ運ぶように構成される。随意に、切断機構654は、幾つかの切断モードで構成することができる。第1の随意の切断モードにおいて、切断機構は、硬化パックを機械方向D1に沿って垂直方向に切断してレーンを形成するように構成される。形成されるレーンは、任意の所望の幅を有するものとすることができる。第2の随意の切断モードにおいて、切断機構は、硬化パックを水平方向に2等分して、厚みを有する連続パックを形成するように構成される。得られる2等分されたパックは、任意の所望の厚さを有するものとすることができる。硬化パックを切断すると、切断パックが形成される。
【0104】
図示した実施形態では、切断機構654は、鋸及びナイフのシステムを含む。代替的に、切断機構654は、他の構造、機構若しくは装置又はそれらの組合せとすることができる。再び
図6及び
図7を参照すると、切断機構654は、切断動作中に形成される塵埃及び他の廃棄材料を取得することができるように有利に配置される。随意に、切断機構から生じる塵及び他の廃棄材料を、ダクト630内の気体及びガラス繊維の流れに戻して、成形装置632a及び632b内で再利用することができる。塵埃及び廃棄材料の再利用は、塵埃及び廃棄材料の廃棄に関連した潜在的な環境問題を有利に防止する。
図6及び
図7に示すように、管路655は、切断機構654をダクト630に接続し、成形装置632a及び632bへの塵埃及び廃棄材料の戻りを促進するように構成される。
図6及び
図7に示す実施形態は塵埃及び廃棄材料の再利用を示すが、塵埃及び廃棄材料の再利用は随意であり、塵埃及び廃棄材料を再利用することなく、繊維状材料からパックを形成する方法10を実施することができることを認識されたい。
【0105】
随意に、切断機構654への硬化パックの運搬の前に、
図6に示すように、硬化パックの主表面を上張り機構662a、662bによって1つ又は複数の上張り材で上張りすることができる。図示した実施形態において、硬化パックの上部主表面は、上張り機構662aによって与えられる上張り材663aで上張りされ、硬化パックの下部主表面は、上張り機構662bによって与えられる上張り材663bで上張りされる。上張り材は、紙、ポリマー材料又は不織ウェブを含む任意の所望の材料とすることができる。上張り機構662a及び662bは、任意の所望の構造、機構若しくは装置又はそれらの組合せとすることができる。図示した実施形態において、上張り材663a及び663bは、硬化パック(パックがバインダを含む場合)に接着剤によって貼付される。他の実施形態において、上張り材663a及び663bは、非限定的な例である超音波溶着を含む他の方法によって硬化パックに貼付される。
図6に示す実施形態は、硬化パックの主表面への外張り材663a及び663bの貼付を示すが、硬化パックの主表面への外張り材663a及び663bの貼付は随意であり、硬化パックの主表面へ外張り材663a及び663bを貼り付けることなく、繊維状材料からパックを形成する方法610を実施することができることを認識されたい。
【0106】
図6及び
図7を参照すると、第4のコンベア652は、切断パックを随意のチョッピング機構656へ運搬する。チョッピング機構656は、切断パックを裁断して機械方向D1を横切る所望の長さにするように構成される。図示した実施形態において、チョッピング機構656は、切断パックが機械方向D1に連続的に移動するにつれて切断パックを裁断するように構成される。代替的に、チョッピング機構656は、バッチ式チョッピング操作用に構成することができる。切断パックを所定長に裁断すると、所定寸法パック(dimensioned pack)が形成される。チョッピングされたパックの長さは、任意の所望の寸法を有することができる。
【0107】
チョッピング機構は、当技術分野で知られており、本明細書では説明しない。チョッピング機構656は、任意の所望の構造、機構若しくは装置又はそれらの組合せとすることができる。
【0108】
随意に、チョッピング機構656への切断パックの運搬の前に、
図7に示すように、切断パックの副表面を縁取り機構666a、666bによって1つ又は複数の縁取り材で上張りすることができる。縁取り材は、紙、ポリマー材料又は不織ウェブを含む任意の所望の材料とすることができる。縁取り機構666a及び666bは、任意の所望の構造、機構若しくは装置又はそれらの組合せとすることができる。図示した実施形態において、縁取り材667a及び667bは、切断パックに接着剤によって貼付される。他の実施形態において、縁取り材667a及び667bは、非限定的な例である超音波溶着を含む他の方法によって切断パックに貼付することができる。
図7に示す実施形態は、切断パックの副表面への縁取り材667a及び667bの貼付を示すが、切断パックの副表面への縁取り材667a及び667bの貼付は随意であり、切断パックの副表面へ縁取り材667a及び667bを貼り付けることなく、繊維状材料からパックを形成する方法610を実施することができることを認識されたい。
【0109】
再び
図6を参照すると、第4のコンベア652は、所定寸法パックを第5のコンベア658へ運搬する。第5のコンベア658は、所定寸法パックを包装機構660へ運搬するように構成される。包装機構660は、所定寸法パックを将来の操作のために包装するように構成される。「将来の操作」という用語は、本明細書で使用される場合、所定寸法のパックの形成に続く、非限定的な例である保管、出荷及び設置を含む任意の活動を含むように定義される。
【0110】
図示した実施形態において、包装機構660は、所定寸法パックをロールの形態の包装に形成するように構成される。他の実施形態において、包装機構660は、非限定的な例であるスラブ、バット、及び不規則形状の断片又は打抜き断片などの、他の所望の形状を有する包装を形成することができる。包装機構660は、任意の所望の構造、機構若しくは装置又はそれらの組合せとすることができる。
【0111】
再び
図6を参照すると、コンベア636、644、648、652及び658は、機械方向D1において「ステップダウン」関係にある。「ステップダウン」関係は、次のコンベアの上面が前のコンベアの上面の垂直下方に配置されることを意味する。コンベアの「ステップダウン」関係は、パックの運搬に対して自己スレッディング特徴(self-threading feature)を有利に提供する。図示した実施形態において、隣接コンベア間の垂直オフセットは、約3.0インチから約10.0インチまでの範囲にある。他の実施形態において、隣接コンベア間の垂直オフセットは、約3.0インチを下回るか又は約10.0インチを上回ることができる。
【0112】
図6及び
図7に示すように、繊維状材料からパックを形成する方法610は、湿式バインダの使用を排除し、それにより、洗浄水及び洗浄水関連構造、例えば、成形フード、戻しポンプ及び配管などに対する従来の必要性を排除する。冷却水、並びに潤滑剤、着色剤及び他の随意の薬品の付与以外の水の使用の排除は、製造ラインの全体としてのサイズ(又は「設置面積」)を著しく削減すると共に、実装費用、運転費用並びに維持及び修理費用を削減することを有利に可能にする。
【0113】
図6及び
図7にさらに示すように、繊維状材料からパックを形成する方法610は、成形装置632a及び632b上での長く細い繊維の均一でむらのない堆積を有利に可能にする。図示した実施形態において、繊維622は、約0.25インチから約10.0インチまでの範囲の長さ、及び約9HTから約35HTまでの範囲の直径寸法を有する。他の実施形態では、繊維22は、約1.0インチから約5.0インチまでの範囲の長さ、及び約14HTから約25HTまでの範囲の直径寸法を有する。さらに他の実施形態では、繊維22は、約0.25インチ未満又は約10.0インチを上回る長さ、及び約9HT未満又は約35HTを上回る直径寸法を有することができる。理論によって拘束されるものではないが、比較的長く細い繊維を使用することで、より短く太い繊維を有する同様のサイズのパックより優れた断熱及び防音性能を有するパックが有利に提供されると考えられる。
【0114】
図6及び
図7に示す実施形態を、繊維状材料のパックを形成するように上記で一般的に説明したが、同じ装置を「未接着の緩く充填された絶縁材」を形成するように構成することができることを理解されたい。「未接着の緩く充填された絶縁材」という用語は、本明細書で使用される場合、空気流内での用途のために構成された任意の調和絶縁材料(conditioned insulation material)を意味するものと定義される。
【0115】
パック、及び繊維状材料からパックを形成する方法610の例示的な実施形態を上記で一般的に説明したが、方法610の他の実施形態及び変形が使用可能であることを認識すべきであり、これを以下で一般的に説明する。
【0116】
図7を参照すると、方法610の別の実施形態において、交差折重ね機構634a及び634bは、第1のコンベア36の上に連続ウェブの交互層の正確な堆積を与えるように構成され、それにより下流のトリミング機構40の排除が可能になる。
【0117】
再び
図7を参照すると、方法610の別の実施形態において、パックの種々の層を「階層化する(stratified)」ことができる。「階層化する」という用語は、本明細書で使用される場合、層の各々及び/又は層の部分を、非限定的な例である繊維直径、繊維長、繊維配向、密度、厚さ及びガラス組成を含む、異なる特性を有するように構成することができることを意味するものと定義される。層を形成する関連付けられた機構、即ち、関連付けられた紡糸機、成形装置及び交差折重ね機構を、特定の所望の特性を有する層及び/又は層の部分を提供するように構成することができることが企図される。従って、異なる特性を有する層及び/又は層の部分からパックを形成することができる。
【0118】
図10A-
図10Cは、1つ又はそれ以上の厚い低密度コア1002と、1つ又はそれ以上の薄い高密度引張層1004とを含む絶縁製品1000の例示的な実施形態を示す。厚い低密度コア1002は、多様な異なる形態を取ることができる。例えば、低密度コア1002は、前述の低い面積当り重量のパックのいずれかから作製することができる。1つの例示的な実施形態において、低密度コア1002は、ニードリングされた及び/又は積層されたガラス繊維から作製される。1つの例示的な実施形態において、低密度コア1002は、バインダレスである。別の例示的な実施形態において、低密度コアの繊維322は、バインダによって互いに接着される。
【0119】
薄い高密度引張層1004は、多様な異なる形態を取ることができる。1つの例示的な実施形態において、薄い高密度引張層1004は、互いにニードリングされた繊維ガラスの繊維から作製される。しかし、高密度引張1000の繊維は、適切な引張り強度を達成する他のプロセス及び/又は製品を用いて処理することができる。1つの例示的な実施形態において、高密度引張層1004は、
図3Dの実施形態の高密度パック300から作製される。
【0120】
例示的な実施形態において、高密度引張層1004は、低密度コア1002に取り付けられる。高密度引張層1004は、多様な異なる方法で低密度コア1002に取り付けることができる。例えば、層1002、1004は、接着剤、付加的なニードリングステップ、熱接着(層1002、1004の一方又は両方がバインダを含むとき)などによって互いに取り付けることができる。層を互いに取り付ける任意の方法を用いることができる。例示的な実施形態において、層1002、1004は、絶縁製品1000に別個の特性を与える。
【0121】
例示的な実施形態において、厚い低密度層1002は、高い熱抵抗値Rを与えるが低い引張り強度を有し、薄い高密度引張層1004は、低い熱抵抗値Rを与えるが、高い引張り強度を有する。2つの層の組合せが、絶縁製品1000に高い引張り強度及び高いR値の両方を与える。
【0122】
図10D-
図10Fは、1つ又はそれ以上の厚い低密度コア1002と、1つ又はそれ以上の薄い外張り層1004とを含む絶縁製品1000の例示的な実施形態を示す。厚い低密度コア1002は、
図10A-
図10Cに示す実施形態に関して説明したように、多様な異なる形態を取ることができる。外張り層1004は、多様な異なる形態を取ることができる。外張り層1004の材料は、絶縁製品に多様な異なる特性を与えるように選択することができる。例えば、外張り材料は、所望の量の強度、反射率、音響性能、水不浸透性、及び/又は蒸気不浸透性を絶縁製品に与えるように選択することができる。外張り層は、それらに限定されないが、プラスチック、金属箔、スクリム、紙、これらの材料の組合せなどを含む、多様な異なる材料から作製することができる。任意の既知の外張り層を使用することができる。
【0123】
例示的な実施形態において、外張り層1004は、低密度コア1002に取り付けられる。外張り層1004は、多様な異なる方法で低密度コア1002に取り付けることができる。例えば、層1002、1004は、接着剤、熱接着などによって互いに取り付けることができる。層を互いに取り付ける任意の方法を用いることができる。例示的な実施形態において、層1002、1004は、絶縁製品1000に対して別個の特性を与える。例示的な実施形態において、厚い低密度層1002は、高い熱抵抗値Rを与えるが低い引張り強度を有し、外張り層1004は、引張り強度及びその他の特性を与える。
【0124】
図10G-
図10Iに示す例は、異なる密度を有する階層(strata)に関して説明される。しかし、階層は、異なる特性を有することができ、それは異なる密度を含むことも、含まないこともある。これらの変化する特性は、パックの厚さを通して、繊維の密度、繊維長、繊維の直径、及び/又は繊維の種類を変えることによって達成することができる。
図10G-
図10Iは、1つ又はそれ以上の低密度階層1052と、1つ又はそれ以上の高密度階層1054とを含む階層化されたバット又はパック1050の例示的な実施形態を示す。しかし、低密度階層1052と高密度階層1054との間の移行は漸進的なものとすることができる。
図10A-
図10Fに示す例において、絶縁製品1000は、分離した層から形成される。
図10G-
図10Iに示す例示的な実施形態において、階層化バット又はパック1050は、バット又はパックの厚さを通して変化する特性を有するように形成される。低密度階層1052は、多様な異なる形態を取ることができる。例えば、低密度階層1052は、前述の低い面積当り重量のパックのいずれかと同じ方法で作製することができる。1つの例示的な実施形態において、低密度階層1052は、繊維ガラスの繊維から作製される。1つの例示的な実施形態において、低密度階層1052は、バインダレスである。別の例示的な実施形態において、低密度階層1052の繊維322は、バインダによって互いに接着される。
【0125】
薄い高密度階層1054は、多様な異なる形態を取ることができる。1つの例示的な実施形態において、高密度階層1054は、互いにニードリングされた繊維ガラスの繊維から作製される。しかし、高密度階層1054の繊維は、適切な引張り強度を達成する他のプロセス及び/又は製品を用いて処理することができる。1つの例示的な実施形態において、高密度階層1054は、
図3Dの実施形態の高密度パック300が作製されるのと同じ方法で作製される。
【0126】
例示的な実施形態において、高密度階層1054の繊維は、低密度階層1052の繊維に取り付けられ及び/又は絡合される。高密度階層1054の繊維は、低密度階層1052の繊維に多様な異なる方法で取り付けることができる。例えば、階層1002、1004の繊維は、パックに付与されたバインダなどの接着剤により、及び/又はパック1050を作製するときに行われるニードリングなどによって、互いに取り付けることができる。階層1052、1054の繊維を取り付ける又は絡合する任意の方法を用いることができる。例示的な実施形態において、階層1052、1054は、絶縁製品1000に異なる特性を与える。
【0127】
図10A-
図10Iの実施形態の絶縁バット、パック及び製品は、互いに組み合せることができる。例えば、
図10A-
図10Fに示す絶縁製品のいずれかの層を階層化することができ、
図10G-
図10Iの階層化バット又はパックに、1つ又は複数の外張り層又は別個の高密度層などを設けることができる。多様な異なる絶縁構造を、
図10A-
図10Iに示す実施形態から構築することができる。
【0128】
例示的な実施形態において、厚い低密度階層1052は、高い熱抵抗値Rを与えるが、低い引張り強度を有し、薄い高密度引張階層1004は、低い熱抵抗値Rを与えるが、高い引張り強度を有する。2つの階層の組合せが、バット又はパック1050に高い引張り強度及び高いR値の両方を与える。階層は、様々な異なる特性をバット又はパックに与えるように構成することができる。例えば、交互の薄い高密度階層及び厚い低密度階層は、優れた音響特性を有するバット又はパックを提供する。
【0129】
1つの例示的な実施形態において、乾式バインダは、所望の特性をパックに与えるための添加物を含むか又はそれで被覆することができる。添加物の非限定的な一例は、例えば重曹などの難燃剤である。添加物の別の非限定的な例は、パックを通る紫外線の透過を妨げる材料である。添加物のさらに別の非限定的な例は、パックを通る赤外線の透過を妨げる材料である。
【0130】
図6を参照すると、方法610の別の実施形態において、前述のように、高温気体の流れは、非限定的な例である環状送風機(図示せず)又は環状バーナ(図示せず)などの随意の送風機構によって生成することができる。当該技術分野において、環状送風機又は環状バーナによって生成される熱を「紡糸熱(heat of fiberization)」と呼ぶことが知られている。この実施形態において、紡糸熱を取得し、他の機構又は装置内での使用のために再利用することが企図される。紡糸熱は、方法610において幾つもの位置で取得することができる。
図6及び
図7に示すように、管路670は、紡糸機618から発する熱を取得し、この熱を他の機構、例えば随意の硬化炉650で使用するために運ぶように構成される。同様に、配管672は、ダクト30内の高温気体流から発する熱を取得するように構成され、さらに配管674は、成形装置632a及び632bから発する熱を取得するように構成される。再利用熱はまた、繊維性パックの形成以外の目的、例えばオフィスの暖房のために使用することもできる。
【0131】
特定の実施形態において、ダクト630は、熱取得装置、例えば、高温気体及び同伴ガラス繊維622の流れの運動量にあまり影響せずに熱を取得するように構成された、熱抽出固定具(heat extraction fixture)などを含むことができる。他の実施形態において、紡糸熱を取得するのに十分な任意の所望の構造、装置又は機構を使用することができる。
【0132】
図6を参照すると、方法610の別の実施形態において、他の所望の特性を有する繊維又は他の材料を、気体流内に同伴されたガラス繊維622と混合することができる。この実施形態において、例えば、合成繊維又はセラミック繊維、着色剤及び/又は粒子などのその他の材料の供給源676を設けて、このような材料がダクト678内へ導入されるようにすることができる。
【0133】
ダクト678は、気体流内に同伴されるガラス繊維622との混合を可能にするようにダクト630に接続することができる。このようにして、得られるパックの特性を、非限定的な例である音響特性、熱的強化特性又はUV抑止特性を含む所望の性質に合わせて設計又は調節することができる。
【0134】
さらに他の実施形態において、交差折重ね機構634a及び634bによって第1のコンベア636の上に堆積された層の間に他の材料を配置することができることが企図される。他の材料は、例えば外張り材、防湿層若しくは網製品などのシート材料、又は、非限定的な例である粉末、粒子又は接着剤を含む、他の非シート材料を含むことができる。他の材料は、任意の所望の方式で層間に配置することができる。このようにして、得られるパックの特性を所望通りにさらに設計又は調節することができる。
【0135】
図6に示す実施形態は、バインダ・アプリケータ646による乾式バインダの付与を示すが、他の実施形態において、乾式バインダは、気体流内に同伴されたガラス繊維622に付与することができることを認識されたい。この実施形態において、乾式バインダの供給源680をダクト682内に導入することができる。ダクト682は、気体流内に同伴されるガラス繊維622と乾式バインダとの混合を可能にするように、ダクト630に接続される。乾式バインダは、静電プロセスを含む任意の所望の方式でガラス繊維に付着するように構成することができる。
【0136】
図6に示す実施形態は、交差折重ね機構634a及び634bによる連続ウェブの使用を示すが、他の実施形態において、ウェブを成形装置632a及び632bから取り出して、後の使用のために保管することができることを認識されたい。
【0137】
前述のように、随意に、切り落とされた材料をダクト630内の気体及びガラス繊維の流れに戻し、成形装置632a及び632b内で再利用することができる。例示的な実施形態において、随意のバインダがパック内に含まれるとき、成形装置332a及び332bの動作温度は、乾式バインダの軟化温度より低く保たれ、それにより下流の硬化炉550の動作の前にバインダが硬化することが防止される。この実施形態において、硬化炉650の最高動作温度は、約165°Fから約180°Fまでの範囲にある。他の実施形態において、硬化炉650の最高動作温度は、約165°Fより低く又は約180°Fより高くすることができる。
【0138】
例示的な実施形態において、本明細書で説明する長く細い繊維322は、上で説明したのとは異なる他の用途に使用される。例えば、
図11は、上記の長く細い繊維322が、ウェブ及び/又はパックに形成されるのではなく、空気積層され、カーディングされ、又は多様な異なる用途での使用のために別様に処理されるステープル繊維として提供されることを示す。1つの用途において、未接着のステープル繊維は、Kevlar及びKonexなどのアラミド繊維、及び/又はCelbondなどの熱接着繊維と混紡される。これらの混紡繊維は、ステープルヤーン及び/又は乾式不織材料を形成するために用いることができる。
【0139】
図11の実施形態において、溶融装置314は、溶融ガラス312をフォアハース316に供給する。溶融ガラス312を処理して、ガラス繊維322が形成される。溶融ガラス312は、繊維322を形成するために様々な異なる方法で処理することができる。例えば、回転式紡糸機318は、溶融ガラス312を受け取り、次いでガラス繊維322のヴェール320を形成する。長く細いガラス繊維322を形成するのに十分な、回転式又は別の方式の任意の所望の紡糸機を使用することができる。
【0140】
図11を参照すると、アプリケータ1100が、サイズ剤とも呼ばれる潤滑剤を未接着ガラス繊維に付与する。図示した実施形態において、サイズ剤は、紡糸機の下方でガラス繊維に付与される。しかし、他の実施形態において、サイズ剤は、ダクト330内などの、その他の位置でガラス繊維に付与される。サイズ剤は、繊維を強化し及び/又は繊維に潤滑性を与え、これが繊維のニードリング又はカーディングのような繊維の処理を補助する。未接着ステープル繊維322は、矢印1102で示されるようにダクト330の出口において提供され、繊維は、そこで容器1103内に収集され、それ自体で又はアラミド繊維など他の繊維との組合せで様々な異なる用途に用いられるようになっている。
【0141】
サイズ剤は、多様な異なる形態を取ることができる。例えば、サイズ剤は、シリコーン及び/又はシランを含むことができる。しかし、用途に応じて任意のサイズ剤を使用することができる。サイズ剤は、そのガラス繊維が用いられる用途に基づいて調節することができる。
【0142】
小さい繊維直径及び長い繊維長は、サイズ処理された繊維を、これまでは繊維が破損し過ぎるので繊維を使用することができなかった用途に使用することを可能にする。1つの例示的な実施形態において、繊維は、細いほど、破損することなく曲がりやすいので、およそ4ミクロンの直径を有する繊維322は、従来の繊維よりも優れた曲げ弾性率と、結果として生じる強度とを有する。この改善された繊維の曲げ弾性率及び強度は、従来の繊維にとっては典型的には破壊的なカーディング及び空気積層プロセスのようなプロセスに繊維が耐える助けとなる。さらに、ガラス繊維の微細な直径は、熱的性能及び音響性能の両方を向上させる。
【0143】
ガラスのウェブ、パック、及びステープル繊維は、多様な異なる用途に用いることができる。用途の例としては、それらに限定されないが、オーブン、レンジ及び給湯器などの加熱電気製品、HVACダクトなどの加熱、換気、及び空気調和(HVAC)構成要素、建物及び/又は車両用防音パネルなどの防音パネル及び材料、圧縮成形又は真空成形繊維ガラス構成要素などの成形繊維ガラス構成要素が挙げられる。1つの例示的な実施形態において、オーブン、レンジ及び給湯器などの加熱電気製品、HVACダクトなどの加熱HVAC構成要素、建物及び/又は車両用防音パネルなどの防音パネル及び材料、及び/又は、圧縮成形又は真空成形繊維ガラス構成要素などの成形繊維ガラス構成要素は、本特許出願によって開示される1つ又はそれ以上の実施形態によって作製されるバインダレス繊維ガラスパックを使用するか又はそれから製造される。例示的な実施形態において、繊維ガラスパックがバインダレスなので、繊維ガラスパック内にホルムアルデヒドが存在しない。1つの例示的な実施形態において、オーブン、レンジ及び給湯器などの加熱電気製品、HVACダクトなどの加熱HVAC構成要素、建物及び/又は車両用防音パネルなどの防音パネル及び材料、及び/又は、圧縮成形又は真空成形繊維ガラス構成要素などの成形繊維ガラス構成要素は、本特許出願によって開示される1つ又はそれ以上の実施形態によって作製される乾式バインダ繊維ガラスパックを使用するか又はそれから製造される。この例示的な実施形態において、乾式バインダは、ホルムアルデヒド・フリーのものか又はホルムアルデヒド無添加乾式バインダとすることができる。ホルムアルデヒドバインダ無添加の場合、バインダ自体はホルムアルデヒドを有しないが、バインダが燃焼したときにホルムアルデヒドが副生成物となる場合がある。
【0144】
本特許出願で説明する繊維ガラス絶縁パックは、多様な異なる調理レンジ内で使用することができ、任意の所与の調理レンジ内で様々な異なる構成で使用することができる。特許文献10は、レンジ内で使用される断熱システムの例を開示している。特許文献10は、引用によりその全体が本明細書に組み入れられる。本明細書で説明する繊維ガラスパックは、従来技術に分類される構成を含む、特許文献10に記載された加熱電気器具の断熱構造のいずれにも使用することができる。
図12-
図14は特許文献10の
図1-
図3に対応する。
【0145】
図12を参照すると、熱オーブン1210は、実質的に平担な上部調理面1212を含む。
図12-
図14に示すように、熱オーブン1210は、一対の対向する側面パネル1252及び1254、背面パネル1224、底面パネル1225、及び前面パネル1232を含む。対向する側面パネル1252及び1254、背面パネル1224、底面パネル1225、前面パネル1232、並びに調理面1212は、外側オーブンキャビネット1233を形成するように構成される。前面パネル1232は、前面パネル1232にピボット運動可能に接続された断熱オーブンドア1218を含む。オーブンドア1218は、前面パネル1232の下端部にヒンジで取り付けられており、オーブンドアが前面パネル1232及びオーブンキャビティ1216からピボット運動して遠ざかることができるようになっている。
図12に示す例において、オーブンドア1218は窓を含む。
図12Aに示す例において、オーブンドア1218は窓を含まず、ドアの内部全体に断熱材が施される。
【0146】
図13及び
図14に示すように、外側オーブンキャビネット1233は、内側オーブンライナ1215を支持する。内側オーブンライナ1215は、対向するライナ側部1215a及び1215b、ライナ上部1215c、ライナ底部1215d及びライナ背部1215eを含む。対向するライナ側部1215a及び1215b、ライナ上部1215c、ライナ底部1215d、ライナ背部1215e、並びにオーブンドア1218は、オーブンキャビティ1216を定めるように構成される。
【0147】
図13及び
図14にさらに示すように、オーブンライナ1215の外側は、本出願で開示されるいずれかの実施形態によって作製することができる断熱材料1238で覆われる。オーブンドア1238もまた、本出願で開示されるいずれかの実施形態によって作製することができる断熱材料1238で充填することができる。断熱材料1238は、オーブンライナ1215の外側の面と接触するように配置される。断熱材料1238は、オーブンキャビティ1216内に熱を保持すること、並びに、伝導、対流及び放射によって外側オーブンキャビネット1233に伝わる熱の量を制限することを含む、多くの目的に使用される。
【0148】
図13及び
図14に示す例に示すように、エアギャップ1236が断熱材料1238と外側オーブンキャビネット1233との間に形成される。エアギャップ1236は、オーブンライナ1215と外側オーブンキャビネット1233との間の伝導性熱伝達を制限するためのさらなる断熱材として用いられる。エアギャップ1236の使用は、断熱材料1238を補完して、外側オーブンキャビネット1233の外面の表面温度を最低限にする。
図13A及び
図14Aに示す例に示すように、断熱材料1238は、断熱材料1238と外側オーブンキャビネット1233との間にエアギャップが形成されないようなサイズにすることができる。即ち、
図13A及び
図14Aの実施形態では、断熱層1238は、オーブンライナ1215と外側オーブンキャビネット1233との間の空間を完全に充填する。1つの例示的な実施形態において、
図13、
図13A、
図14、
図14Aで示す構成、及び特許文献10によって開示される他のいずれかの構成において使用される断熱材料は、本特許出願によって開示される1つ又はそれ以上の実施形態によって作製されるバインダレス繊維ガラスパックから作製される。例示的な実施形態において、繊維ガラスパックがバインダレスなので、
図13、
図13A、
図14、
図14Aの実施形態の断熱層1238内にはホルムアルデヒドが存在しない。
【0149】
本特許出願で説明する繊維ガラスパックは、HVACシステムのダクトなどの多様な異なる加熱、換気、及び空気調和(HVAC)システムで使用することができる。さらに、本特許出願で説明する断熱パックは、任意の所与のHVACダクト内に様々な異なる構成で設けることができる。全て本出願の譲受人に譲渡された特許文献11、特許文献12、及び2013年2月12日出願の係属中の米国特許出願第13/764,920号は、HVACダクト内で使用される繊維ガラス断熱システムの例を開示している。特許文献11、特許文献12及び係属中の米国特許出願第13/764,920号は、引用によりその全体が本明細書に組み入れられる。本明細書で説明する繊維ガラスパックは、特許文献11、特許文献12及び係属中の米国特許出願第13/764,920号に記載のいずれのHVACダクト構成においても使用することができる。
【0150】
1つの例示的な実施形態において、特許文献11、特許文献12及び係属中の米国特許出願第13/764,920号に開示されたHVACダクト内で使用される断熱材料は、本特許出願で開示される1つ又はそれ以上の実施形態によって作製される乾式バインダ繊維ガラスパックから構築することができる。この例示的な実施形態において、乾式バインダは、ホルムアルデヒド・フリー乾式バインダ又はホルムアルデヒド無添加乾式バインダとすることができる。ホルムアルデヒド無添加式バインダでは、バインダ自体はホルムアルデヒドを含まないが、バインダが燃焼したときにホルムアルデヒドが副生成物となる場合がある。
【0151】
例示的な実施形態において、特許文献11、特許文献12及び係属中の米国特許出願第13/764,920号に開示されたHVACダクト内で使用される断熱材料は、本特許出願で開示される1つ又はそれ以上の実施形態によって作製されるバインダレス繊維ガラスパックから構築することができる。例示的な実施形態において、繊維ガラスパックがバインダレスであるので、断熱材料中にホルムアルデヒドは存在しない。
【0152】
本特許出願で説明する繊維ガラス絶縁パックは、多様な異なる音響用途に使用することができ、各用途において様々な異なる構成を取ることができる。防音バットの例として、Owens Corning Sound Attenuation Batt及びOwens Corning Sonobatts絶縁材が挙げられ、これらは、天井タイル又は壁などの、建物の様々なパネルの裏側に配置することができる。特許文献13及び特許文献14は、防音の用途の例を記載しており、引用によりその全体が本明細書に組み入れられる。本明細書で説明する繊維ガラスパックは、Owens Corning Sound Attenuation Batt及びOwens Corning Sonobattsの防音材の代わりに使用することができ、特許文献13及び特許文献14に開示されたいずれの用途にも使用することができる。本特許出願で説明する繊維ガラス防音パックの付加的な音響用途は、それらに限定されないが、ダクトライナ、ダクトラップ、天井パネル、壁パネルなどを含む。
【0153】
1つの例示的な実施形態において、本特許出願で開示されるバインダレスパック又は乾式バインダパックの1つ又はそれ以上の実施形態によって作製され、海抜1,500フィート以内でASTM C522に従って試験された防音パックは、3,000-150,000(mks Rayls/m)の平均通気抵抗率を有する。1つの例示的な実施形態において、本特許出願で開示されるバインダレスパック又は乾式バインダパックの1つ又はそれ以上の実施形態によって作製され、海抜1,500フィート以内でASTM C423に従って試験された防音パックは、0.25から1.25までの範囲の吸音平均(Sound Absorption Average(SAA))を有する。1つの例示的な実施形態において、本特許出願で開示されるバインダレスパック又は乾式バインダパックの1つ又はそれ以上の実施形態によって作製され、海抜1,500フィート以内でISO 354に従って試験された防音パックは、0.25から1.25までの範囲の吸音係数αwを有する。
【0154】
【0155】
1つの例示的な実施形態において、Owens Corning Sound Attenuation Batt及びOwens Corning Sonobattsの防音材の代わりに使用され、及び/又は特許文献13及び特許文献14に開示されたいずれかの用途に使用される防音材料は、本特許出願で開示される1つ又はそれ以上の実施形態によって作製される乾式バインダ繊維ガラスパックから構築される。この例示的な実施形態において、乾式バインダは、ホルムアルデヒド・フリー乾式バインダ又はホルムアルデヒド無添加乾式バインダとすることができる。ホルムアルデヒド無添加乾式バインダでは、バインダ自体はホルムアルデヒドを含まないが、バインダが燃焼したときにホルムアルデヒドが副生成物となる場合がある。
【0156】
例示的な実施形態において、Owens Corning Sound Attenuation Batt及びOwens Corning Sonobattsの防音材の代わりに使用され、及び/又は特許文献13及び特許文献14に開示されたいずれかの用途に使用される防音材料は、本特許出願で開示される1つ又はそれ以上の実施形態によって作製されるバインダレス繊維ガラスパックから構築される。この例示的な実施形態において、繊維ガラスパックがバインダレスであるので、防音材料中にホルムアルデヒドは存在しない。
【0157】
本特許出願で説明する繊維ガラス絶縁パックは、多様な成形繊維ガラス製品に使用することができる。例えば、
図15A-
図15Cを参照すると、1つの実施形態において、本出願で説明するバインダレス及び/又は乾式バインダ繊維ガラスパックを用いて圧縮成形繊維ガラス製品を作製することができる。
図15Aを参照すると、本出願で説明するいずれかの例示的な実施形態によって作製されるバインダレス及び/又は乾式バインダ繊維ガラスパック1522は、第1及び第2の金型半部分1502の間に配置される。例示的な実施形態において、バインダレス又は乾式バインダ繊維ガラスパック1522のみが金型半部分間に配置される。即ち、例えば、プラスチックシート又はプラスチック樹脂などの付加的な材料は、繊維ガラスパックと共に成形されない。
【0158】
図15Bを参照すると、金型半部分は、矢印1504で示すように繊維ガラスパック1522を圧縮する。金型半部分及び/又は繊維ガラスパックに、矢印1506で示すように、随意に熱が加えられる。例えば、パック1522がバインダレス繊維ガラスパックである場合、金型半部分及び/又は繊維ガラスパックを、高温、例えば700°Fを上回る温度、例えば700°Fと1100°Fとの間、及び1つの例示的な実施形態では約900°Fまで加熱することができる。パック1522が乾式バインダ繊維ガラスパックである場合、金型半部分及び/又は繊維ガラスパックを、より低い温度、例えばパックの乾式バインダの融点まで加熱することができる。
【0159】
図15Cを参照すると、次に金型半部分が矢印1508で示すように離れる方向に移動させ、圧縮成形繊維ガラス部品1510が取り出される。1つの例示的な実施形態において、圧縮成形繊維ガラス部品1510は、パック1522の材料のみから成る、又は本質的に成る。
【0160】
図15A-
図15Cに示す例において、圧縮成形繊維ガラス部品は、形状を付けられている。しかし、他の例示的な実施形態において、圧縮成形繊維ガラス部品は、実質的に平担なものとすることができる。1つの例示的な実施形態において、バインダレス又は乾式バインダ圧縮成形繊維ガラス部品1610は、当初準備された繊維ガラスパック1522の密度よりも実質的に高い密度、例えば当初準備された繊維ガラスパック1522の密度の4倍又はそれ以上の密度を有する。
【0161】
図16A-
図16Cを参照すると、1つの例示的な実施形態において、本出願で説明するバインダレス又は乾式バインダ繊維ガラスパックを用いて真空成形繊維ガラス製品を作製することができる。
図16Aを参照すると、本出願で説明するいずれかの例示的な実施形態によって作製されるバインダレス及び/又は乾式バインダ繊維ガラスパック1522は、真空金型構成要素1602上に配置される。1つの例示的な実施形態において、バインダレス又は乾式バインダ繊維ガラスパック1522のみが金型構成要素1602上に配置される。即ち、例えば、プラスチックシート又はプラスチック樹脂などの付加的な材料は、繊維ガラスパックと共に成形されない。
【0162】
図16Bを参照すると、金型構成要素は、矢印1604で示すように繊維ガラスパック1522に真空を印加する。金型構成要素1602及び/又は繊維ガラスパックに、矢印1606で示すように、随意に熱が加えられる。例えば、パック1522がバインダレス繊維ガラスパックである場合、真空金型構成要素1602及び/又は繊維ガラスパック1522を、高温、例えば700°Fを上回る温度、例えば700°Fと1100°Fとの間、及び1つの例示的な実施形態では約900°Fまで加熱することができる。パック1522が乾式バインダ繊維ガラスパックである場合、金型半部分及び/又は繊維ガラスパックを、より低い温度、例えばパックの乾式バインダの融点まで加熱することができる。
【0163】
図15Cを参照すると、真空金型構成要素1602は、真空の印加を停止し、真空成形繊維ガラス部品1610が取り出される。1つの例示的な実施形態において、圧縮成形繊維ガラス部品1610は、パック1522の材料のみから成る、又は本質的に成る。
【0164】
図16A-
図16Cに示す例において、真空成形繊維ガラス部品は、形状を付けられている。しかし、他の例示的な実施形態においては、真空成形繊維ガラス部品は、実質的に平担なものとすることができる。1つの例示的な実施形態において、バインダレス又は乾式バインダ真空成形繊維ガラス部品1610は、当初準備された繊維ガラスパック1522の密度より実質的に高い密度、例えば当初準備された繊維ガラスパック1522の密度の4倍又はそれ以上の密度を有する。
【0165】
1つの例示的な実施形態において、
図15A-
図15Cに示す実施形態又は
図16A-
図16Cに示す実施形態によって成形される絶縁材料は、本特許出願で開示する1つ又はそれ以上の実施形態によって作製されるバインダレス繊維ガラスパックから作製される。例示的な実施形態において、繊維ガラスパックがバインダレスであるので、
図15A-
図15C及び
図16A-
図16Cで示す実施形態の圧縮成形部品1510又は真空成形部品の中にホルムアルデヒドは存在しない。
【0166】
例示的な実施形態において、
図15A-
図15Cに示す実施形態又は
図16A-
図16Cに示す実施形態によって成形される絶縁材は、本特許出願で開示する1つ又はそれ以上の実施形態によって作製される乾式バインダ繊維ガラスパックから作製される。この例示的な実施形態において、乾式バインダは、ホルムアルデヒド・フリー乾式バインダ又はホルムアルデヒド無添加乾式バインダとすることができる。ホルムアルデヒド無添加バインダでは、バインダ自体はホルムアルデヒドを有しないが、バインダが燃焼したときにホルムアルデヒドが副生成物となる場合がある。
【0167】
鉱物繊維ウェブ、パック、及びステープル繊維、並びに鉱物繊維ウェブ、パック、及びステープル繊維を製造する方法の幾つかの例示的な実施形態が、本出願によって開示される。本発明による鉱物繊維ウェブ及びパック並びに鉱物繊維ウェブ及びパックを製造する方法は、本出願によって開示される特徴の任意の組合せ又はサブコンビネーションを含むことができる。
【0168】
特許法の条項に従って、繊維状材料からパックを形成する改善された方法の原理及び態様をその好ましい実施形態において説明し、図示した。しかし、繊維状材料からパックを形成する改善された方法は、その主旨又は範囲から逸脱することなく、具体的に説明され図示された方法とは別のやり方で実施することができることを理解されたい。
【符号の説明】
【0169】
300:パック
312、612:溶融ガラス
314、614:溶融装置
316、616:フォアハース
318、618:回転式紡糸機
320、620:ガラス繊維のヴェール
321、521:ウェブ
322、622:ガラス繊維
324、624:収集部材
330、630、678、680、682:ダクト
332、332'、632a、632b:成形装置
334、634a、634b:積層機構(折重ね機構)
345、645:絡合機構
336、636、644、648、652、658:コンベア
350:積層ウェブ
352:絡合ウェブ
370:絡合パック
375:圧縮機構
390、590:蓄積機
525、527、529、531、533、535、537、594、595、596、597、827、829、831、833:乾式バインダ添加
398、598:分流機構
550、650:硬化炉
610:繊維状材料からパックを形成する方法
640:トリミング機構
646:バインダ・アプリケータ
654:切断機構
656:チョッピング機構
660:包装機構
900:バインダ
902:エアラッパ
910:回転ドラム
1000:絶縁製品
1002:厚い低密度コア(低密度層)
1004:薄い高密度引張層(外張り層)
1050:階層化バット又はパック
1052:低密度階層
1054:高密度階層
1210:熱オーブン
1215:内側オーブンライナ
1216:オーブンキャビティ
1233:外側オーブンキャビネット
1236:エアギャップ
1238:断熱材料
1502:金型半部分
1510:圧縮成形繊維ガラス部品
1522:バインダレス又は乾式バインダ繊維ガラスパック
1602:真空金型構成要素
1610:真空成形繊維ガラス部品