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特許7345056閉合駆動機構及びそれを含む医療用ステープラー
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-06
(45)【発行日】2023-09-14
(54)【発明の名称】閉合駆動機構及びそれを含む医療用ステープラー
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/115 20060101AFI20230907BHJP
【FI】
A61B17/115
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2022512732
(86)(22)【出願日】2020-08-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-26
(86)【国際出願番号】 CN2020111792
(87)【国際公開番号】W WO2021037154
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2022-02-24
(31)【優先権主張番号】201910807054.1
(32)【優先日】2019-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201921425089.0
(32)【優先日】2019-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910806840.X
(32)【優先日】2019-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201921424809.1
(32)【優先日】2019-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515172670
【氏名又は名称】天臣国▲際▼医▲療▼科技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Touchstone International Medical Science Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】278 Dongping Street,Suzhou Industrial Park,Suzhou,Jiangsu,215123 China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】単 ▲騰▼
(72)【発明者】
【氏名】曹 元▲陽▼
【審査官】滝沢 和雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-224375(JP,A)
【文献】特開2008-212672(JP,A)
【文献】特開2007-000634(JP,A)
【文献】特開平09-164144(JP,A)
【文献】特表2014-531262(JP,A)
【文献】特表2018-521789(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0136833(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0264194(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0194081(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0296173(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0125826(US,A1)
【文献】米国特許第05339723(US,A)
【文献】欧州特許出願公開第03123956(EP,A2)
【文献】中国特許出願公開第106821440(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/115
A61B 17/068
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用ステープラーに用いられる閉合駆動機構であって、
駆動部と、筒体とを含み、
前記駆動部は、当該医療用ステープラーの閉合プルタブに接続され、筒体の近端側に位置し、
前記筒体の内部にキャビティー部が形成され、前記キャビティー部に一方向弁が設けられ、
前記駆動部を前記医療用ステープラーの近端側に移動させることで前記キャビティー部の体積を増大させて前記一方向弁を開き、且つ、前記駆動部により前記閉合プルタブを前記医療用ステープラーの近端側に移動させ、前記閉合プルタブの前記医療用ステープラーの近端側への移動により前記医療用ステープラーのステープルヘッダ部を閉合させ、
前記駆動部を前記医療用ステープラーの遠端側に移動させることで前記キャビティー部の体積を減少させて前記一方向弁を閉じ、且つ、前記駆動部により前記閉合プルタブを前記医療用ステープラーの遠端側に移動させ、前記閉合プルタブの前記医療用ステープラーの遠端側への移動により前記医療用ステープラーのステープルヘッダ部を開放させることを特徴とする、
閉合駆動機構。
【請求項2】
前記筒体は、前記医療用ステープラーのハウジングの一部であることを特徴とする、請求項1に記載の閉合駆動機構。
【請求項3】
前記一方向弁は、前記筒体の遠端側に設けられることを特徴とする、請求項1に記載の閉合駆動機構。
【請求項4】
前記キャビティー部に空気に連通する気孔がさらに設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の閉合駆動機構。
【請求項5】
前記駆動部の少なくとも一部は、前記筒体の内部に位置し、前記筒体の内壁と前記駆動部で前記キャビティー部を形成することを特徴とする、請求項1に記載の閉合駆動機構。
【請求項6】
前記駆動部は、前記筒体の近端側に対して、前記医療用ステープラーの軸方向に移動可能であることを特徴とする、請求項5に記載の閉合駆動機構。
【請求項7】
前記駆動部の外壁と前記筒体の内壁の間に第1のシール部品が設けられていることを特徴とする、請求項6に記載の閉合駆動機構。
【請求項8】
前記駆動部が第1の駆動部材及び第2の駆動部材を含み、前記第1の駆動部材の少なくとも一部が前記筒体の内部に位置し、前記第2の駆動部材が前記第1の駆動部材と前記閉合プルタブとの間に接続されることを特徴とする、請求項6に記載の閉合駆動機構。
【請求項9】
当該閉合駆動機構がケーシングをさらに含み、前記筒体と前記駆動部のいずれも前記ケーシングに外嵌され、且つ、前記駆動部が前記ケーシングの軸方向に移動可能であり、
前記ケーシングの外壁と前記筒体との間に第2のシール部品が設けられていることを特徴とする、
請求項1に記載の閉合駆動機構。
【請求項10】
前記筒体の外壁に少なくとも1つの第1の固定部が設けられ、前記医療用ステープラーのハウジングに前記第1の固定部に合わせる第2の固定部が設けられることを特徴とする、請求項1に記載の閉合駆動機構。
【請求項11】
前記筒体の外壁に少なくとも1つの固定スロットが設けられ、前記医療用ステープラーのハウジングに前記固定スロットに合わせる固定ビームが設けられ、又は、
前記筒体の外壁に少なくとも1つの固定ビームが設けられ、前記医療用ステープラーのハウジングに前記固定ビームに合わせる固定スロットが設けられることを特徴とする、
請求項10に記載の閉合駆動機構。
【請求項12】
前記駆動部が前記筒体の近端側に接続され、前記駆動部が前記医療用ステープラーの軸方向に移動する場合、前記筒体の近端側を前記医療用ステープラーの軸方向に移動させて、前記筒体の前記医療用ステープラーの軸方向の長さを変更することを特徴とする、請求項1に記載の閉合駆動機構。
【請求項13】
前記駆動部が第1の駆動部材及び第2の駆動部材を含み、前記第1の駆動部材が前記筒体の近端側に接続され、前記第2の駆動部材が前記第1の駆動部材と前記閉合プルタブとの間に接続されることを特徴とする、請求項12に記載の閉合駆動機構。
【請求項14】
前記筒体の側壁がフレキシブル側壁であり、初期状態で前記筒体のフレキシブル側壁が曲げ変形量を有し、前記駆動部が前記医療用ステープラーの近端側に移動する場合、前記フレキシブル側壁の曲げ変形量が小さくなることを特徴とする、請求項12に記載の閉合駆動機構。
【請求項15】
前記筒体の側壁が弾性側壁であり、前記駆動部が前記筒体の近端側を前記医療用ステープラーの近端側に移動させる場合、前記筒体の弾性側壁を引っ張って弾性変形させることを特徴とする、請求項12に記載の閉合駆動機構。
【請求項16】
前記筒体が前記医療用ステープラーの軸方向に延在するベローズであり、初期状態で前記ベローズが圧縮変形量を有し、前記駆動部が前記医療用ステープラーの近端側に移動する場合、前記ベローズの圧縮変形量が小さくなることを特徴とする、請求項12に記載の閉合駆動機構。
【請求項17】
前記筒体の遠端側は、前記医療用ステープラーのハウジングに固定されることを特徴とする、請求項12に記載の閉合駆動機構。
【請求項18】
バイアス部品と引縄とをさらに含み、前記バイアス部品と前記引縄とが前記駆動部にそれぞれ接続され、
前記医療用ステープラーのステープルヘッダ部を閉合させる場合、前記引縄が前記駆動部を引っ張って前記医療用ステープラーの近端側に移動させ、前記バイアス部品を変形させ、
前記医療用ステープラーのステープルヘッダ部を開放させる場合、前記駆動部が前記バイアス部品の変形回復力によって前記医療用ステープラーの遠端側に移動することを特徴とする、
請求項1に記載の閉合駆動機構。
【請求項19】
前記バイアス部品は、前記駆動部の近端側に設けられた圧縮バネであることを特徴とする、請求項18に記載の閉合駆動機構。
【請求項20】
前記閉合駆動機構が可動ハンドル、スライダー及びステアリングサポートビームを含み、前記引縄が前記ステアリングサポートビームに外嵌され、且つ、前記引縄の両端が前記スライダー及び前記駆動部にそれぞれに接続され、
初期状態で前記可動ハンドルを握ると、前記可動ハンドルが前記スライダーを前記医療用ステープラーの遠端側に移動させ、前記引縄が前記駆動部を引っ張って前記スライダーが前記医療用ステープラーの近端側に移動することを特徴とする、
請求項18に記載の閉合駆動機構。
【請求項21】
前記閉合駆動機構がホルダー及び作動レバーをさらに含み、前記作動レバーが押圧部を含み、前記スライダーと前記押圧部の初期位置が前記ホルダーの近端側に位置し、
初期状態で前記可動ハンドルを握ると、前記可動ハンドルが前記作動レバーを前記医療用ステープラーの遠端側に移動させ、前記作動レバーの押圧部が前記ホルダーを下に押圧して前記スライダーに嵌合させ、
前記医療用ステープラーが触発した後、前記作動レバーの押圧部が前記ホルダーを押圧せず、前記ホルダーが上に移動して前記スライダーから離れ、前記駆動部が前記バイアス部品の変形回復力によって前記医療用ステープラーの遠端側に移動することを特徴とする、
請求項20に記載の閉合駆動機構。
【請求項22】
請求項1~21のいずれかに記載の閉合駆動機構を含むことを特徴とする、医療用ステープラー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療器具技術分野に関し、特に、閉合駆動機構及びそれを含む医療用ステープラーに関する。
【背景技術】
【0002】
消化管の疾患は人間に最も多い疾患の一つであり、治療において、医師の手動操作の代わりに医療用ステープラーを使用して、消化管などの生理学的組織を吻合する。医療用ステープラーは、よく見かける外科手術器具であり、軸方向に内で綴じるという方式を多く使用している。手術する時に、食道、胃、腸管などの生理学的組織の端対端又は端対側の吻合を行う。そして、吻合する時に、2つの組織セグメントを収束して医療用ステープラー内に収容し、触発を完了させた後、組織に円形の吻合口を形成することによって人体通路を再構築する。
【0003】
従来の技術において、医療用ステープラーは、医療用ステープラー主体と、可動接続される前記医療用ステープラー主体の操作ハンドルと、前記主体に合わせるステープルヘッダ部とを含む。前記ステープルヘッダ部は、対向するステープルカートリッジ及びステープルアンビルを含む。手術する場合、まず、可動ハンドルを握り、閉合駆動機構でステープルヘッダ部の閉合プルタブを引っ張ってステープラーの近端側に移動させることで、ステープルカートリッジとステープルアンビル部品を閉合した後、操作ハンドルを再度握り、吻合ステープルを押圧して組織に移動させ、ステープルカートリッジにおける吻合ステープルをステープルアンビル部品で成形させ、組織を吻合する。ステープラーを触発した後、ステープルヘッダ部を開放し、ステープルカートリッジとステープルアンビルを分離するする必要がある。しかし、従来のステープラー構成において、ステープラーを触発した後、ステープルカートリッジとステープルアンビルとが突然で快速に分離されるため、突然に開放された顎により他の組織を損傷する可能性がある。
【0004】
本開示において、遠端側と近端側とが操作者に対するものであり、操作者に近い端が近端側であり、操作者に遠い端、即ち、手術位置に近い端が遠端側である。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、従来の技術課題に対し、一方向の空気減衰構造により、ステープラーを触発した後にステープルヘッダ部をゆっくり開放する閉合駆動機構及びそれを含む医療用ステープラーを提供する。
【0006】
本開示の実施例は、医療用ステープラーに用いられる閉合駆動機構を提供し、前記閉合駆動機構が駆動部及び筒体を含み、前記駆動部が前記ステープラーの閉合プルタブに接続され、前記筒体の近端側に位置し、前記筒体が内部にキャビティー部が形成され、前記キャビティー部に一方向弁が設けられ、
前記駆動部が前記ステープラーの近端側に移動する場合、前記キャビティー部の体積が増大し、前記一方向弁が開け、前記駆動部が前記閉合プルタブを前記ステープラーの近端側に移動させて、前記ステープラーのステープルヘッダ部を閉合させるように駆動し、
前記駆動部が前記ステープラーの遠端側に移動する場合、前記キャビティー部の体積が減少し、前記一方向弁が閉じ、前記駆動部が前記閉合プルタブを前記ステープラーの遠端側に移動させて、前記ステープラーのステープルヘッダ部を開放させるように駆動する。
【0007】
いくつかの実施例において、前記筒体は、前記ステープラーのハウジングの一部である。
【0008】
いくつかの実施例において、前記一方向弁は、前記筒体の遠端側に設けられる。
【0009】
いくつかの実施例において、前記キャビティー部には、空気に連通する気孔がさらに設けられている。
【0010】
いくつかの実施例において、前記駆動部の少なくとも一部は、前記筒体の内部に位置し、前記筒体の内壁と前記駆動部で前記キャビティー部を形成する。
【0011】
いくつかの実施例において、前記駆動部は、前記筒体の近端側に対して、前記ステープラーの軸方向に移動可能である。
【0012】
いくつかの実施例において、前記駆動部の外壁と前記筒体の内壁の間に第1のシール部品が設けられている。
【0013】
いくつかの実施例において、前記駆動部が第1の駆動部材及び第2の駆動部材を含み、前記第1の駆動部材の少なくとも一部が前記筒体の内部に位置し、前記第2の駆動部材が前記第1の駆動部材と前記閉合プルタブとの間に接続される。
【0014】
いくつかの実施例において、前記機構がケーシングをさらに含み、前記筒体と前記駆動部のいずれも前記ケーシングに外嵌され、且つ、前記駆動部が前記ケーシングの軸方向に移動可能であり、
前記ケーシングの外壁と前記筒体との間に第2のシール部品が設けられている。
【0015】
いくつかの実施例において、前記筒体の外壁に少なくとも1つの第1の固定部が設けられ、前記ステープラーのハウジングに前記第1の固定部に合わせる第2の固定部が設けられる。
【0016】
いくつかの実施例において、前記筒体の外壁に少なくとも1つの固定スロットが設けられ、前記ステープラーのハウジングに前記固定スロットに合わせる固定ビームが設けられ、又は、
前記筒体の外壁に少なくとも1つの固定ビームが設けられ、前記ステープラーのハウジングに前記固定ビームに合わせる固定スロットが設けられる。
【0017】
いくつかの実施例において、前記駆動部が前記筒体の近端側に接続され、前記駆動部が前記ステープラーの軸方向に移動する場合、前記筒体の近端側を前記ステープラーの軸方向に移動させて、前記筒体の前記ステープラーの軸方向の長さを変更する。
【0018】
いくつかの実施例において、前記駆動部が第1の駆動部材及び第2の駆動部材を含み、前記第1の駆動部材が前記筒体の近端側に接続され、前記第2の駆動部材が前記第1の駆動部材と前記閉合プルタブとの間に接続される。
【0019】
いくつかの実施例において、前記筒体の側壁がフレキシブル側壁であり、初期状態で前記筒体のフレキシブル側壁が曲げ変形量を有し、前記駆動部が前記ステープラーの近端側に移動する場合、前記フレキシブル側壁の曲げ変形量が小さくなる。
【0020】
いくつかの実施例において、前記筒体の側壁が弾性側壁であり、前記駆動部が前記筒体の近端側を前記ステープラーの近端側に移動させる場合、前記筒体の弾性側壁を引っ張って弾性変形させる。
【0021】
いくつかの実施例において、前記筒体が前記ステープラーの軸方向に延在するベローズであり、初期状態で前記ベローズが圧縮変形量を有し、前記駆動部が前記ステープラーの近端側に移動する場合、前記ベローズの圧縮変形量が小さくなる。
【0022】
いくつかの実施例において、前記筒体の遠端側は、前記ステープラーのハウジングに固定される。
【0023】
いくつかの実施例において、バイアス部品と引縄とをさらに含み、前記バイアス部品と前記引縄とが前記駆動部にそれぞれ接続され、
前記ステープラーのステープルヘッダ部を閉合させる場合、前記引縄が前記駆動部を引っ張って前記ステープラーの近端側に移動させ、前記バイアス部品を変形させ、
前記ステープラーのステープルヘッダ部を開放させる場合、前記駆動部が前記バイアス部品の変形回復力によって前記ステープラーの遠端側に移動する。
いくつかの実施例において、前記バイアス部品は、前記駆動部の近端側に設けられた圧縮バネである。
【0024】
いくつかの実施例において、前記閉合駆動機構が可動ハンドル、スライダー及びステアリングサポートビームを含み、前記引縄が前記ステアリングサポートビームに外嵌され、且つ、前記引縄の両端が前記スライダー及び前記駆動部にそれぞれに接続され、
初期状態で前記可動ハンドルを握ると、前記可動ハンドルが前記スライダーを前記ステープラーの遠端側に移動させ、前記引縄が前記駆動部を引っ張って前記スライダーが前記ステープラーの近端側に移動する。
【0025】
いくつかの実施例において、前記閉合駆動機構がホルダー及び作動レバーをさらに含み、前記作動レバーが押圧部を含み、前記スライダーと前記押圧部の初期位置が前記ホルダーの近端側に位置し、
初期状態で前記可動ハンドルを握ると、前記可動ハンドルが前記作動レバーを前記ステープラーの遠端側に移動させ、前記作動レバーの押圧部が前記ホルダーを下に押圧して前記スライダーに嵌合させ、
前記ステープラーが触発した後、前記作動レバーの押圧部が前記ホルダーを押圧せず、前記ホルダーが上に移動して前記スライダーから離れ、前記駆動部が前記バイアス部品の変形回復力によって前記ステープラーの遠端側に移動する。
【0026】
本開示の実施例は、また、上記の閉合駆動機構を含む医療用ステープラーを提供する。
【0027】
本開示に係る閉合駆動機構及びそれを含む医療用ステープラーは、以下の利点を有する。
【0028】
本開示は、医療用ステープラーに用いられる閉合駆動機構を提供し、一方向の空気減衰構造を追加し、ステープルヘッダ部を閉合させる場合、一方向弁を開けてキャビティー部が外部の空気に連通し、駆動部が閉合プルタブがステープラーの近端側に移動させてステープルヘッダ部を閉合させ、ステープラーが触発した後、一方向弁が閉じ、駆動部がステープラーの遠端側に移動させてキャビティー部内の空気を圧縮し、圧縮された空気の対抗により駆動部の移動が遅くなり、ステープルヘッダ部をゆっくり開放し、過度の力で顎を開放することにより他の組織を損傷することを回避する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本開示の他の特徴、目的、および利点は、以下の添付図面を参照して非限定的な実施形態の詳細な説明を読むことにより、より明らかになるであろう。
図1】本開示の第1の実施例における初期状態でのステープラーの一部構造の模式図である。
図2図1においてステープラーハウジングを取り外した状態の構成図である。
図3図2において筒体を取り外した状態の構成図である。
図4】本開示の第1の実施例における初期状態での閉合駆動機構の構成図である。
図5】本開示の第1の実施例における初期状態での筒体と駆動部の位置関係の模式図である。
図6】本開示の第1の実施例における初期状態での閉合駆動機構の上面図である。
図7図6のA1-A1方向の断面図である。
図8】本開示の第1の実施例における触発過程の筒体と駆動部の位置関係の模式図である。
図9】本開示の第1の実施例における触発過程の閉合駆動機構の上面図である。
図10図9のA2-A2方向の断面図である。
図11】本開示の第1の実施例における触発後の筒体と駆動部の位置関係の模式図である。
図12】本開示の第2の実施例における初期状態での閉合駆動機構の構成図である。
図13】本開示の第3の実施例における初期状態での閉合駆動機構の構成図である。
図14】本開示の第4の実施例における初期状態での閉合駆動機構の構成図である。
図15】本開示の第5の実施例における初期状態での閉合駆動機構の構成図である。
図16】本開示の第6の実施例における閉合駆動機構とステープラーのハウジングとが合わせる構成図である。
図17図16においてステープラーハウジングを取り外した状態の構成図である。
図18図17において筒体を取り外した状態の構成図である。
図19】本開示の第6の実施例における初期状態での閉合駆動機構の構成図である。
図20】本開示の第6の実施例における初期状態での閉合駆動機構の上面図である。
図21図20のA1-A1方向の断面図である。
図22】本開示の第6の実施例におけるステープルヘッダ部の閉合後の閉合駆動機構の構成図である。
図23】本開示の第6の実施例におけるステープルヘッダ部の閉合後の閉合駆動機構の上面図である。
図24図23のA2-A2方向の断面図である。
図25】本開示の第6の実施例におけるステープラーの触発後の閉合駆動機構の構成図である。
図26】本開示の第7の実施例における初期状態での閉合駆動機構の構成図である。
図27】本開示の第7の実施例におけるステープルヘッダ部の閉合後の閉合駆動機構の構成図である。
図28】本開示の第8の実施例における閉合駆動機構の構成図である。
図29】本開示の第9の実施例における閉合駆動機構の構成図である。
図30】本開示の第10の実施例における閉合駆動機構の構成図である。
図31】本開示の第11の実施例における閉合駆動機構の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
次に、添付の図面を参照して、例示の実施形態をより詳細に説明する。しかし、例示の実施形態は、様々な形態で実施することができ、本明細書に記載された実施形態に限定されると解釈すべきではなく、むしろ、これらの実施形態を提供することで、本開示を包括的かつ完全なものとし、例示の実施形態のアイデアを当業者に包括的に伝えることができる。図中の同一付記号は、同一または類似の構造を示すものであり、繰り返しの説明を省略する。
【0031】
従来の技術課題を解決するために、本開示は、医療用ステープラーに用いられる閉合駆動機構及び該ステープルカートリッジを含む医療用ステープラーを提供する。前記ステープラーがステープルヘッダ部及びステープラー主体を含み、前記ステープラー主体には、前記ステープルヘッダ部を閉合するための閉合プルタブが設けられている。前記閉合駆動機構が医療用ステープラーに用いられ、前記閉合駆動機構が駆動部及び筒体を含み、前記駆動部が前記ステープラーの閉合プルタブに接続され、前記閉合プルタブを引っ張って前記ステープラーの軸方向に移動させることができる。
【0032】
筒体の内部にキャビティー部が形成され、前記キャビティー部に一方向弁が設けられ、これにより、前記駆動部と前記筒体で空気減衰構造を形成する。第1の方向の力を受けると前記一方向弁が開け、前記キャビティー部が外部の空気に連通し、第2の方向の力を受けると前記一方向弁が閉じ、前記キャビティー部が外部の空気と連通しない閉鎖キャビティーとなる。
【0033】
ステープラーを触発する前に、操作者は、組織を挟むために、ステープルカートリッジとステープルアンビルを閉合する必要がある。この時、前記駆動部が前記ステープラーの近端側に移動する場合、前記駆動部の遠端側壁と前記筒体の遠端側壁との距離が増大し、前記キャビティー部の体積が増大するため、第1の方向の力を受ける前記一方向弁が開け、前記駆動部が前記閉合プルタブを前記ステープラーの近端側に移動させ、さらに、前記ステープラーのステープルヘッダ部を閉合させるように駆動する。この過程において、一方向弁が開けて空気流路を形成し、駆動部が近端側に移動するとともに、キャビティー部内に空気が入りその体積が増大するため、ステープルヘッダ部の閉合過程を妨げることがない。
【0034】
前記ステープラーが触発した後、前記駆動部が前記ステープラーの遠端側に移動し、前記駆動部の遠端側壁と前記筒体の遠端側壁との距離が減少し、この時、前記キャビティー部の体積が減少し、第2の方向の力を受けると前記一方向弁が閉じ、前記駆動部が前記閉合プルタブを前記ステープラーの遠端側に移動させて、前記ステープラーのステープルヘッダ部を開放させるように駆動する。この過程において、一方向弁が閉じてキャビティー部が閉鎖キャビティーとなり、キャビティー部内の空気がキャビティー部の体積の減少に従って圧縮され、駆動部のステープラーの遠端側への移動が圧縮された空気により対抗されるため、駆動部の移動速度が遅くなり、前記ステープラーのステープルヘッダ部をゆっくり開放させ、過度の力で顎を開放することにより他の組織を損傷することを回避する。
【0035】
以下、図面を参照して本開示の実施形態における閉合駆動機構及びステープラーの構造を説明する。ここで、図1~15は駆動部が筒体の近端側に対して軸方向に移動する複数の実施例を示し、図16図31は駆動部と筒体の近端側に固定接続される複数の実施例を示す。
【0036】
図1図11は本開示の第1の実施例における閉合駆動機構の構造を示す。第1の実施例において、駆動部61が一体の部品である。図12図13図14及び図15は、本開示の第2の実施例、第3の実施例、第4の実施例及び第5の実施例における閉合駆動機構の構造をそれぞれ示し、この4つの実施例において、駆動部が独立した第1の駆動部材611及び第2の駆動部材612を含む。
【0037】
図1図7に示すように、第1の実施例において初期状態での前記閉合駆動機構の構造を示す。前記ステープラーがステープラー主体1及びステープラー主体1の遠端側に位置するステープルヘッダ部(図示せず)を含み、ステープラー主体1がハウジング13及び固定ハンドル11を含み、ステープラー主体1の内部には、ステープルヘッダ部を閉合/開放するための閉合プルタブ12がさらに設けられ、閉合プルタブ12が初期状態にある場合、ステープルヘッダ部を開放し、閉合プルタブ12がステープラー近端側に移動する時に、ステープルヘッダ部を閉合し、閉合プルタブ12がステープラー遠端側に再度移動する場合、ステープルヘッダ部を再度開放する。
【0038】
図1図4に示すように、前記閉合駆動機構が駆動部61及び筒体71を含み、前記駆動部61の遠端側が前記閉合プルタブ12に接続され、前記駆動部61が前記閉合プルタブ12を前記ステープラーの軸方向に移動させることができる。前記駆動部61が前記筒体71の近端側に位置し、前記駆動部61の少なくとも一部が前記筒体71の内部に位置する。前記筒体71の内壁と前記駆動部61の間でキャビティー部74を形成し、前記キャビティー部74に方向弁73が設けられている。この実施例において、前記一方向弁73が前記筒体71の遠端側に設けられている。前記一方向弁73が前記ステープラーの遠端側から近端側に作用する力を受けると、前記一方向弁73が開け、前記一方向弁73が前記ステープラーの近端側から遠端側に作用する力を受けると、前記一方向弁73が閉じる。前記駆動部61が前記筒体71の近端側に対して前記ステープラーの軸方向に移動することができ、これにより、前記キャビティー部74の体積の大きさを変更し、そして、前記駆動部61が前記筒体71に合わせるピストンに相当する。
【0039】
本開示において、遠端側と近端側とが操作者に対するものであり、ここで、遠端側とが操作者に遠い端であり、近端側とが操作者に近い端である。上又は上方向は、作動レバー2に対して、前記ラック23から離れる側に向かうことであり、下又は下方向は、その逆である。例如、図1の視角から、ステープラー主体1の遠端側の図の左側であり、ステープラー主体1の近端側が図の右側であり、図1及び図2の視角から、上方向が図の上端である。図1及び図5に示すように、前記閉合駆動機構がケーシング14をさらに含み、前記閉合プルタブ12が前記ケーシング14の内部に設けられる。前記ケーシング14が前記ステープラーの軸方向に沿って延在する。前記筒体71と前記駆動部61のいずれも前記ケーシング14の外部に外嵌される。図1及び図2に示すように、この実施例において、前記筒体71の外壁に少なくとも1つの固定スロット711が設けられ、前記ステープラーのハウジング13に前記固定スロット711に合わせる固定ビーム15が設けられ、これにより、ステープラーの操作過程において、筒体71が前記ハウジング13に対する位置の安定性を確保する。他の実施形態において、前記筒体71の外壁に少なくとも1つの固定ビームが設けられ、前記ステープラーのハウジング13に前記固定ビームに合わせる固定スロットが設けられ、このように、前記筒体71を固定する。他の実施形態において、筒体71の外壁に固定スロットが設けられ、ステープラーのハウジング13にそれに合わせる固定ビームが設けられ、又は、筒体71とハウジング13とが他の固定構成で固定され、例えば、ボスとそれに合わせる溝である。なお、他の実施形態において、前記筒体71がハウジング13に固定されなく、前記ステープラーのハウジング13に可動に設けられてもよく、又は、前記筒体71が前記スリーブ14に固定され、これらが本開示の保護範囲に含まれる。前記筒体71がハウジング13の一部であってもよく、即ち、前記筒体71と前記ハウジング13とが一体に形成され、この実施形態において、ハウジング13は、第1のハウジング13と第2のハウジング(図示せず)の2つの部分に分け、これに対応し、前記筒体71は、前記第1のハウジング13に設けられた第1の筒体及び第2のハウジングに設けられた第2の筒体を含み、前記第1のハウジング13と前記第2のハウジングを組み合わせる場合、前記第1の筒体と前記第2の筒体で筒体71を形成する。
【0040】
図3に示すように、前記駆動部61の外壁と前記筒体71の内壁との良いシール効果を実現するために、好ましくは、前記駆動部61の外壁と前記筒体71の内壁との間に第1のシール部品62を設け、具体的に、第1のシールリング62を設け、該第1のシールリング62は、ゴムやプラスチックなどのフレキシブル材料で作成されてもよい。本開示の他の実施形態において、該第1のシールリング62を設けせず、駆動部61又は筒体71のいずれかをフレキシブル材料で作成されて、筒体71の内壁と駆動部61の外壁の密閉な貼り付けを実現してもよい。第1のシールリング62を設け、又は、駆動部61又は筒体71のいずれかをフレキシブル材料で作成されることは、シール役割を実現するとともに、前記駆動部61と前記筒体71との相対移動の摩擦を増大し、顎の開放/閉合のプロセスをスムーズさせ、安定させる。
【0041】
図5に示すように、さらに、前記キャビティー部74のシール性を良く実現するために、好ましくは、前記筒体71を前記ケーシング14に密閉接続され、前記ケーシング14の外壁と前記筒体71の前記ケーシング14に外嵌される開口のとの間に第2のシール部品72を設けられ、具体的に、第2のシールリング72を設けられ、該第2のシールリング72は、ゴムやプラスチックなどのフレキシブル材料で作成されてもよい。
【0042】
図5図7に示すように、前記閉合駆動機構は、さらに、可動ハンドル3、バイアス部品、引縄51、ステアリングサポートビーム52及び第1のスライダー41を含み、引縄51の移動際の対抗を小さくなるために、好ましくは、ステアリングサポートビーム52がプーリー構成を採用する。前記バイアス部品が前記駆動部61にステープラー遠端側に向ける力を作用する。この実施例において、前記バイアス部品は、前記駆動部61の近端側に設けられた第1の圧縮バネ63であり、他の実施形態において、前記バイアス部品は、テンションスプリング、弾性シート等であってもよいが、これに限定されない。
【0043】
前記第1のスライダー41の側面に第2の溝412が設けられ、前記引縄51の一端が前記第2の溝412に設けられ、前記引縄51の他端が前記駆動部61に固定され、これにより、前記第1のスライダー41と前記駆動部61との連動を実現する。なお、前記ステアリングサポートビーム52を介して前記第1のスライダー41の動きを前記駆動部61に伝送された後、前記第1のスライダー41の移動方向が前記駆動部61の移動方向と逆である。
【0044】
図5に示すように、前記閉合駆動機構がホルダー及び作動レバー2をさらに含み、前記作動レバー2が前記ステープラーの軸方向に沿って延在する。前記ホルダーが第2のスライダー42及び第3のスライダー43を含み、第3のスライダー43の下に第2の圧縮バネ44が設けられている。前記作動レバー2が押圧部21及び触発部品22を含み、初期状態において、前記第1のスライダー41と前記押圧部21の初期位置が前記ホルダーの近端側に位置する。
【0045】
図8図10に示すように、第1の実施例において、前記ステープラーのステープルヘッダ部を閉合させる時の前記閉合駆動機構の構成を示す。この実施例において、初期状態で、前記可動ハンドル3を握ると、前記可動ハンドル3がリンク32を介して前記第1のスライダー41をステープラーの遠端側に移動させ、同時に、前記可動ハンドル3が掴み具31を介して前記作動レバー2をステープラーの遠端側に移動させる。
【0046】
前記第1のスライダー41がステープラーの遠端側に移動する場合、引縄51を介して前記駆動部61を引っ張って前記ステープラーの近端側に移動させ、前記駆動部61が前記第1の圧縮バネ63を押圧して圧縮変形され、また、前記駆動部61が前記閉合プルタブ12をステープラーの近端側を移動させて、前記ステープルヘッダ部を閉合させる。
【0047】
前記ステープルヘッダ部の閉合過程において、駆動部61の遠端側壁と前記筒体71の遠端側壁との距離が駆動部件61の遠端側の動きにより増大し、前記駆動部61と前記筒体71で形成されたキャビティー部74の体積が増大し、ステープラー近端側方向への力を受けると前記一方向弁73が開け、前記キャビティー部74と外部の空気と連通する流路を形成する。従って、ステープルヘッダ部の閉合過程において、該一方向の空気減衰構造が駆動部61の動きに妨げなく、ステープルヘッダ部が正常に閉合して組織を挟みことができる。
【0048】
図8に示すように、ステープルヘッダ部の閉合する場合、前記第1のスライダー41がホルダーの下に移動し、同時に、作動レバー2の押圧部21(該図示せず)がホルダーにおける第3のスライダー43の上方に接触し第3のスライダー43を下に押圧し、第3のスライダー43における第2のスライダー42の一部が第1のスライダー41の表面の第1の溝411に進入し、これにより、ステープラーの触発過程において、第1のスライダー41位置の安定性を確保する。この時、第3のスライダー43の作用により、第2の圧縮バネ44が圧縮変形する。この過程において、第1のスライダー41が引縄51を介して駆動部61に与えたステープラー近端側方向に向ける力が前記第1の圧縮バネ63に対する変形回復力により、引縄51により駆動部61を引っ張って図10の位置に保持し、ステープラーの触発過程において、ステープルヘッダ部の閉合の安定性を確保する。
【0049】
ここで、第1のスライダー41とホルダーとの構成が例示であり、他の実施形態において、ホルダーの下表面に上に凹んだ溝を設け、作動レバー2の押圧部21がホルダーを下に押圧する場合、ホルダーが下に移動して第1のスライダー41の上端が前記ホルダーの溝に進入し、ホルダーと第1のスライダー41との嵌合を実現する。
【0050】
図11に示すように、第1の実施例において、前記ステープラーが触発した後、前記閉合駆動機構の構成を示す。この時、前記作動レバー2の押圧部21(図示せず)が第3のスライダー43を下に押圧せず、第3のスライダー43が第2の圧縮バネ44の変形回復力により上に移動して、第2のスライダー42を上に移動させ第1のスライダー41の第1の溝411から離れる。第1のスライダー41がホルダーの保持作用を失い、自由に移動することができ、駆動部61にステープラー近端側に向ける力を与えない。この時、第1の圧縮バネ63の変形回復力により、前記駆動部61がステープラーの遠端側に移動し、前記閉合プルタブ12をステープラーの遠端側に移動させて、前記ステープラーのステープルヘッダ部を開放させる。
【0051】
ステープラーのステープルヘッダ部の開放過程において、前記駆動部61が前記ステープラーの遠端側に移動するとともに、前記駆動部61の遠端側壁と前記筒体71の遠端側壁との距離が減少し、前記キャビティー部74の体積がだんだん減少し、ステープラー遠端側方向に力により前記一方向弁73が閉じる。この時、前記キャビティー部74が外部の空気と連通しなく、キャビティー部74の体積の減少により空気が圧縮され、前記駆動部61の前記ステープラーの遠端側への移動が圧縮された空気の対抗を受け、前記駆動部61の移動速度が遅くなり、前記ステープラーのステープルヘッダ部をゆっくり開放する。他の実施形態において、前記キャビティー部74の側壁に空気と連通する気孔を設け、キャビティー部74の体積が小さくなる時に該気孔で外部へゆっくり排気し、該気孔の排気速度が空気の圧縮速度より遅いため、駆動部61の遠端側への移動を空気で依然として対抗する。
【0052】
なお、駆動部61の外壁と筒体71の内壁との間に第1のシールリング62が設けられるため、第1のシールリング62と筒体71との接触表面も駆動部61のステープラー遠端側方向への移動に対して減衰効果を有し、駆動部61の移動速度を低減させるのに有利である。
【0053】
図12図15に示すように、本開示の第2の実施例、第3の実施例、第4の実施例及び第5の実施例における閉合駆動機構の構成図である。この4つの実施例と第1の実施例との相違点は、前記ピストン部64と前記駆動部61が互いに接続される2つの部品である。前記ピストン部64が前記筒体71の近端側に位置し、前記ピストン部64のサイズが前記筒体71の内壁サイズに合わせて前記筒体71に密閉接続され、前記駆動部61の形状やサイズは、図14に限定されなく、前記ピストン部64の動きを前記閉合プルタブ12に伝送すればよい。
【0054】
図12に示すように、第2の実施例において、駆動部61が第1の駆動部材611及び第2の駆動部材612を含み、前記第1の駆動部材611の少なくとも一部が筒体71のキャビティー部に位置し、筒体71の内壁に合わせてピストン部の役割を実現し、且つ、第2の駆動部材612が第1の駆動部材611と閉合プルタブ12との間に接続され、第1の駆動部材611が引縄51に接続される。第2の駆動部材612のサイズが第1の駆動部材611よりも小さいため、第2の駆動部材612と筒体71との密閉接続を形成しなく、第1の駆動部材611の外側壁と筒体71の内壁との密閉接続を形成し、第2の駆動部材612のキャビティー部内の移動がキャビティー部の体積の変改に影響せず、第1の駆動部材611がステープラー遠端側及びステープラー近端側に移動することでキャビティー部の体積が減少/増大する。第1の駆動部材611がフレキシブル材料で作成され又は第1の駆動部材611と筒体71の内壁との間に第1のシールリング62を設けることが好ましく、シール役割を実現するとともに、前記第1の駆動部材611と前記筒体71との相対移動の摩擦を増加させ、顎の開放/閉合過程をスムーズさせ、安定させる。
【0055】
前記第1の駆動部材611が前記引縄51の作用により前記ステープラーの近端側に移動する場合、前記第1の駆動部材611の遠端側壁と前記筒体71の遠端側壁との距離が増大するため、前記キャビティー部の体積が増大し、近端側に向ける力を受けると前記一方向弁73が開け、前記第1の駆動部材611が前記第2の駆動部材612を前記ステープラーの近端側に移動させて、前記ステープラーの閉合プルタブ12をステープラーの近端側に移動させることで、前記ステープラーのステープルヘッダ部を閉合させ、同時に、前記第1の駆動部材611が近端側の第1の圧縮バネ63を圧縮して変形させる。前記第1の駆動部材611が前記第1の圧縮バネ63の変形回復力により前記ステープラーの遠端側に移動する場合、前記第1の駆動部材611の遠端側壁と前記筒体71の遠端側壁との距離が小さくなるため、この時、前記キャビティー部の体積が減少し、遠端側に向ける力を受けると前記一方向弁73が閉じ、前記第1の駆動部材611が前記第2の駆動部材612を前記ステープラーの遠端側に移動させ、第2の駆動部材612が閉合プルタブ12をステープラー遠端側に移動させることで、前記ステープラーのステープルヘッダ部を開放させる。この過程において、キャビティー部内の空気がキャビティー部の体積の減少により圧縮され、第1の駆動部材611のステープラーの遠端側への移動が圧縮された空気の対抗を受け、ピストン部の移動速度が遅くなり、前記ステープラーのステープルヘッダ部をゆっくり開放させ、過度の力で顎を開放することにより他の組織を損傷することを回避する。
【0056】
図13に示すように、第3の実施例において、第2の実施例との相違点は、第2の駆動部材612が筒体71の遠端側に位置し、且つ、第2の駆動部材612が接続リンク65で第1の駆動部材611に接続され、第2の駆動部材612が筒体71の外部位置するため、第2の駆動部材612の移動がキャビティー部の体積に影響しない。図14に示すように、第4の実施例において、第3の実施例との相違点は、第1の圧縮バネ63が第1の駆動部材611の近端側に設けられなく、第2の駆動部材612の近端側と筒体71との間に設けられ、さらに、接続リンク65に外嵌される。同様、第1の駆動部材611が近端側に移動する場合、閉合駆動部材61を引っ張って近端側に移動させ、閉合駆動部材61が第1の圧縮バネ63を圧縮して変形させる。第1の駆動部材611が受けた引縄51の近端側に作用する力が消した後、第2の駆動部材612が第1の圧縮バネ63の変形回復力により遠端側に移動させ、プルタブ12と第1の駆動部材611を遠端側に移動させる。
【0057】
図15に示すように、本開示の第5の実施例における閉合駆動機構の構成図である。この実施例と図12図13に示す2つの実施例との相違点は、プルタブ12と第1の駆動部材611とが同軸に設定されなく、第2の駆動部材612が第1の駆動部材611の側壁に固定接続される。この実施例において、第2の駆動部材612と第1の駆動部材611の動作原理が図12及び図13に示す実施例と同じであり、ここで説明を省略する。第5の実施例に基づいて、前記筒体71と前記第1の駆動部材611とが2つのセットで構成されてもよく、前記第2の駆動部材612が複数の前記第1の駆動部材611に固定接続され、複数の前記一方向弁73が各前記筒体71の前記キャビティー部74にそれぞれ設けられる。
【0058】
図1図15に示す各実施例では、前記筒体71は、その構造の安定性と位置の安定性を確保できるように、硬質プラスチックや金属などの変形しにくい材料で作られていることが好ましい。本開示はこれに限定されず、図1図15各実施例は、ある程度の柔軟性または弾性を有する筒体71と組み合わせて使用することもでき、これらが本開示の保護範囲に含まれる。
【0059】
以下、図16図31を参照して変形可能な筒体の各実施例を説明し、ここで、駆動部が筒体の近端側に接続され、前記筒体の近端側をステープラーの軸方向に移動させ、前記筒体の側壁の長さが変化することにより、前記キャビティー部の体積も変化する。具体的に、前記駆動部が前記ステープラーの近端側に移動する場合、前記閉合プルタブと前記筒体の近端側を前記ステープラーの近端側に移動させ、前記筒体の前記ステープラーの軸方向の長さが長くなり、前記キャビティー部の体積が増大し、前記一方向弁が開け、前記駆動部が前記ステープラーの遠端側に移動する場合、前記閉合プルタブと前記筒体の近端側を前記ステープラーの遠端側に移動させ、前記筒体の前記ステープラーの軸方向の長さが短くなり、前記キャビティー部の体積が減少し、前記一方向弁が閉じる。
【0060】
図16図21に示すように、第6の実施例において初期状態での閉合駆動機構及びステープラーの構成を示す。この実施例において、前記ステープラーがステープラー主体1及びステープラー主体1の遠端側に位置するステープルヘッダ部(図示せず)を含み、ステープラー主体1がハウジング13及び固定ハンドル11を含み、ステープラー主体1の内部にステープラーの軸方向に延在するケーシング14をさらに含み、ケーシング14の内部の内部には、ステープルヘッダ部を閉合/開放するための閉合プルタブ12がさらに設けられ、閉合プルタブ12が初期状態にある場合、ステープルアンビルとステープルカートリッジとが分離され、閉合プルタブ12がステープラー近端側に移動する時に、ステープルアンビルとステープルカートリッジとが閉合し、閉合プルタブ12がステープラー遠端側に再度移動する場合、ステープルヘッダ部を再度開放する。
【0061】
図16図19に示すように、前記閉合駆動機構が駆動部61及び筒体71を含み、前記駆動部61と前記筒体71のいずれも前記ケーシング14の外部に外嵌される。前記駆動部61が前記ステープラーの閉合プルタブ12に接続されて、前記駆動部61と前記閉合プルタブ12との連動を実現し、前記駆動部61が前記筒体71の近端側に固定接続されて、前記駆動部61と前記筒体71の近端側との連動を実現し、前記筒体71が変形可能な筒体であり、その遠端側がステープラーのハウジング1に対して固定され、近端側が駆動部61軸方向に従って移動することができる。前記筒体71の内部にキャビティー部74が形成され、前記キャビティー部74に一方向弁73が設けられている。
【0062】
この実施例において、前記一方向弁73が前記筒体71の遠端側に設けられる。前記一方向弁73が前記ステープラーの遠端側から近端側に作用する力を受けると、前記一方向弁73が開け、この時、前記キャビティー部74が外部の空気に連通し、前記一方向弁73が前記ステープラーの近端側から遠端側に作用する力を受けると、前記一方向弁73が閉じ、この時、キャビティー部74が密閉キャビティーとなる。図19図21に示すように、前記キャビティー部74のシール性を良く実現するために、前記筒体71を前記ケーシング14に密閉接続し、前記ケーシング14の外壁と前記筒体71の前記ケーシング14に外嵌される開口の内壁との間にシール部品72を設けることが好ましく、該シール部品72がシールリングであってもよいが、本開示がこれに限定されず、該シール部品62は、ゴムやプラスチックなどのフレキシブル材料で作成されてもよい。
【0063】
この実施例において、前記筒体71の側壁がフレキシブル側壁であり、例えば、側壁は、プラスチック、繊維材料などで作られている。好ましい実施例では、前記筒体71の遠端側及び近端側を剛性とし、筒体71の側壁のみを変形可能な側壁とすることが可能である。別の実施例では、前記筒体71の全体をフレキシブル材料で構成することも可能であり、例えば、筒体71の全体をプラスチックやゴムなどで構成することも可能である。初期状態では、図19図21に示すように、前記筒体71のフレキシブル側壁は、あらかじめ定められた曲げ変形量を有する。
【0064】
この実施例において、前記筒体71の遠端側が前記ステープラーのハウジング13に固定され、前記筒体71の遠端側の位置を確報する。前記筒体71の近端側がステープラーの軸方向に移動する場合、前記筒体71の遠端側と筒体71の近端側との距離が変化する。
【0065】
図18図21に示すように、前記閉合駆動機構が可動ハンドル3、バイアス部品、引縄51、ステアリングサポートビーム52及び第1のスライダー41をさらに含み、引縄51の移動際の対抗を小さくなるために、好ましくは、ステアリングサポートビーム52がプーリー構成を採用する。前記バイアス部品が前記駆動部61にステープラー遠端側に向ける力を作用する。この実施例において、前記バイアス部品は、前記駆動部61の近端側に設けられた第1の圧縮バネ63であり、他の実施形態において、前記バイアス部品は、テンションスプリング、弾性シート等であってもよいが、これに限定されない。
【0066】
前記第1のスライダー41の側面に第2の溝412が設けられ、前記引縄51の一端が前記第2の溝412に設けられ、前記引縄51の他端が前記駆動部61に固定され、これにより、前記第1のスライダー41と前記駆動部61との連動を実現する。なお、前記ステアリングサポートビーム52を介して前記第1のスライダー41の動きを前記駆動部61に伝送された後、前記第1のスライダー41の動き方向が前記駆動部61の動き方向と逆である。
【0067】
図18に示すように、前記閉合駆動機構がホルダー及び作動レバー2をさらに含み、前記作動レバー2が前記ステープラーの軸方向に沿って延在する。前記ホルダーが第2のスライダー42及び第3のスライダー43を含み、第3のスライダー43の下に第2の圧縮バネ44が設けられている。前記作動レバー2が押圧部21及び触発部品22を含み、初期状態において、前記第1のスライダー41と前記押圧部21の初期位置が前記ホルダーの近端側に位置する。
【0068】
図22図24に示すように、第6の実施例において、前記ステープラーのステープルヘッダ部を閉合させる時の前記閉合駆動機構の構成を示す。前記可動ハンドル3を握ると、前記可動ハンドル3がリンク32を介して前記第1のスライダー41をステープラーの遠端側に移動させ、同時に、前記可動ハンドル3が掴み具31を介して前記作動レバー2をステープラーの遠端側に移動させる。前記第1のスライダー41がステープラーの遠端側に移動する場合、引縄51を介して前記駆動部61を引っ張って、前記駆動部61が前記第1の圧縮バネ63を押圧して圧縮変形され、また、前記駆動部61が前記閉合プルタブ12をステープラーの近端側を移動させて、ステープルアンビルとステープルカートリッジを閉合させて、前記ステープルヘッダ部を閉合させる。
【0069】
前記ステープルヘッダ部の閉合過程において、前記駆動部61が前記筒体71の近端側を前記ステープラーの近端側に移動させ、前記筒体71の近端側と前記筒体71の遠端側との距離が増大し、前記筒体71の曲げ変形量が小さくなり、前記筒体71の前記ステープラーの軸方向の長さが長くなり、前記キャビティー部74の体積が増大し、ステープラー近端側方向に向ける力を受けて前記一方向弁73が開け、前記キャビティー部74と外部の空気と連通する流路を形成する。従って、ステープルヘッダ部の閉合過程において、該一方向の空気減衰構造が駆動部61の移動を妨げなく、ステープルヘッダ部が正常に閉合して組織を挟むことができる。
【0070】
図22に示すように、ステープルヘッダ部が閉合する場合、前記第1のスライダー41がホルダーの下に移動し、同時に、作動レバー2の押圧部21(該図示せず)がホルダーにおける第3のスライダー43の上方に接触し第3のスライダー43を下に押圧し、第3のスライダー43における第2のスライダー42の一部が第1のスライダー41の表面の第1の溝411に進入し、これにより、ステープラーの触発過程において、第1のスライダー41位置の安定性を確保する。この時、第3のスライダー43の作用により、第2の圧縮バネ44が圧縮変形する。この過程において、第1のスライダー41が引縄51を介して駆動部61に与えたステープラー近端側方向に向ける力が前記第1の圧縮バネ63に対する変形回復力により、駆動部61が引縄51により引っ張って図22の位置に保持し、ステープラーの触発過程において、ステープルヘッダ部の閉合の安定性を確保する。
【0071】
ここで、第1のスライダー41とホルダーとの構成が例示であり、他の実施形態において、ホルダーの下表面に上に凹んだ溝を設け、作動レバー2の押圧部21がホルダーを下に押圧する場合、ホルダーが下に移動して第1のスライダー41の上端が前記ホルダーの溝に進入し、ホルダーと第1のスライダー41との嵌合を実現する。
【0072】
図25に示すように、第6の実施例において、前記ステープラーが触発した後、前記閉合駆動機構の構成を示す。この時、前記作動レバー2の押圧部21(図示せず)が第3のスライダー43を下に押圧せず、第3のスライダー43が第2の圧縮バネ44の変形回復力により上に移動して、第2のスライダー42を上に移動させ第1のスライダー41の第1の溝411から離れる。第1のスライダー41がホルダーの保持作用を失い、自由に移動することができ、駆動部61にステープラー近端側に向ける力を与えない。この時、第1の圧縮バネ63の変形回復力により、前記駆動部61がステープラーの遠端側に移動し、前記閉合プルタブ12をステープラーの遠端側に移動させて、前記ステープラーのステープルアンビルとステープルカートリッジを分離させ、前記ステープラーのステープルヘッダ部を開放させる。
【0073】
ステープラーのステープルヘッダ部の開放過程において、前記駆動部61が前記ステープラーの遠端側に移動するとともに、前記筒体71の近端側壁と前記筒体71の遠端側壁との距離が減少し、前記筒体71のステープラーの軸方向の長さが小さくなり、前記キャビティー部74の体積がだんだん減少し、ステープラー遠端側方向に力を受けて前記一方向弁73が閉じる。この時、前記キャビティー部74が外部の空気と連通しなく、空気がキャビティー部74の体積の減少により圧縮され、前記駆動部61の前記ステープラーの遠端側への移動が圧縮された空気の対抗を受け、前記駆動部61の移動速度が遅くなり、前記ステープラーのステープルヘッダ部をゆっくり開放する。他の実施形態において、前記キャビティー部74の側壁に空気と連通する気孔を設け、キャビティー部74の体積が小さくなる時に該気孔で外部へゆっくり排気し、該気孔の排気速度が空気の圧縮速度より遅いため、駆動部61の遠端側への移動を空気で依然として対抗する。この気孔の開度が前記一方向弁73の開ける時の開度より小さいことが好ましいが、本開示がこれに限定されない。
【0074】
他の実施形態において、前記筒体71の側壁が弾性側壁であってもよく、例えば、ストレッチ変形可能であり、ストレッチ変形された後に回復することができるゴム材料等を利用する。初期状態において、前記筒体71の側壁が変形しなく、前記駆動部61が前記筒体71の近端側を前記ステープラーの近端側に移動させる場合、前記筒体71の弾性側壁を引っ張って弾性ストレッチ変形させる。前記駆動部61が前記筒体71の近端側を前記ステープラーの遠端側に移動させる場合、前記筒体71の弾性ストレッチ変形がだんだん減少し、前記筒体71のステープラー軸方向の長さが短くなる。
【0075】
図26及び図27に示すように、本開示の第7の実施例における閉合駆動機構の構成図である。この実施例と第6の実施例との相違点は、第6の実施例において、駆動部61が前記筒体71の内部に位置し、前記筒体71の内壁と前記駆動部61で記キャビティー部74を形成するが、第7の実施例において、前記駆動部61が前記筒体71の外部に位置し、前記筒体71の内壁で前記キャビティー部を形成する。他の実施形態において、前記駆動部61の一部が前記筒体71の内部に位置し、他の部分が前記筒体71の外部に位置するが、これも本開示の保護範囲に含まれる。
【0076】
図28に示すように、本開示の第8の実施例における閉合駆動機構の構成図である。この実施例と第6の実施例との相違点は、この実施例において、筒体71が前記ステープラーの軸方向に延在するベローズであり、初期状態で前記ベローズが圧縮変形量を有し、前記駆動部61が前記ステープラーの近端側に移動する場合、前記ベローズの圧縮変形量が減少し、前記ベローズの軸方向の長さが増大し、前記ベローズの内部のキャビティー部の体積が増大し、前記駆動部61が前記ステープラーの遠端側に移動する場合、前記ベローズの圧縮変形量が増大し、前記ベローズの軸方向の長さが小さくなり、前記ベローズ内部のキャビティー部の体積が小さくなる。
【0077】
図29に示すように、本開示の第9の実施例における閉合駆動機構の構成図である。この実施例と第8の実施例との相違点は、この実施例において、前記駆動部61が前記筒体71の外部に位置し、前記筒体71の内壁で前記キャビティー部を形成する。
【0078】
図30に示すように、本開示の第10の実施例における閉合駆動機構の構成図である。この実施例と第6の実施例との相違点は、前記駆動部61が接続される第1の駆動部材611及び第2の駆動部材612を含み、前記第2の駆動部材612が前記閉合プルタブ12に接続され、前記第1の駆動部材611が前記筒体71の近端側に接続される。前記第2の駆動部材612が前記筒体71の遠端側に位置し、且つ、前記第2の駆動部材612が接続リンク65を介して前記第1の駆動部材611に接続される。第1の圧縮バネ63が第2の駆動部材612の近端側と筒体71との間に設けられ、さらに、接続リンク65に外篏されても良い。第1の駆動部材611がステープラーの近端側に移動する場合、第2の駆動部材612を引っ張ってステープラーの近端側に移動させ、第2の駆動部材612が第1の圧縮バネ63を圧縮して変形させる。第1の駆動部材611が受けた引縄51の近端側に作用する力が消した後、第2の駆動部材612が第1の圧縮バネ63の変形回復力により遠端側に移動させ、プルタブ12と第1の駆動部材611をステープラーの遠端側に移動させる。第10の実施例に基づいて、前記筒体71及び前記第1の駆動部材611が少なくとも2セットであっても良く、前記第1の駆動部材61が複数の前記第1の駆動部材611に固定接続され、複数の前記一方向弁73が各前記筒体71の前記キャビティー部74にそれぞれ設けられる。
【0079】
他の実施形態において、第1の駆動部材611が筒体71の外部に位置し、他の実施形態において、第2の駆動部材612が筒体71の内部に位置し、第1の圧縮バネ63が第1の駆動部材611の近端側に設けられ、これらが本開示の保護範囲に含まれる。
【0080】
図31に示すように、本開示の第11の実施例における閉合駆動機構の構成図である。この実施例と第10の実施例との相違点は、
プルタブ12と第1の駆動部材611とが同軸に設定されなく、第2の駆動部材612が第1の駆動部材611の側壁に固定接続される。図31から、第1の駆動部材611と第2の駆動部材612とが筒体71の外部に位置しても良い。この実施例において、第2の駆動部材612と第1の駆動部材611の動作原理は、図30に示す実施例と同じであり、ここで説明を省略する。
【0081】
上記の各実施例において、筒体71は、ステープラーのハウジング1の一部であっても良いし、ステープラーのハウジング1に固定接続されるものであっても良い。上記の実施例の構成が互いに組み合わせて新しい技術案を形成することができるが、これらが本開示の保護範囲に含まれる。
【0082】
本開示に係る閉合駆動機構及びそれを含む医療用ステープラーは、以下の利点を有する。
【0083】
本開示は、医療用ステープラーに用いられる閉合駆動機構を提供し、一方向の空気減衰構造を追加し、ステープルヘッダ部を閉合させる場合、一方向弁を開けてキャビティー部が外部の空気に連通し、駆動部が閉合駆動部材をステープラー近端側に移動させてステープルヘッダ部を閉合させ、ステープラーが触発した後、一方向弁が閉じ、駆動部がステープラーの遠端側に移動させてキャビティー部内の空気を圧縮し、駆動部が圧縮された空気の対抗により移動が遅くなり、ステープルヘッダ部をゆっくり開放し、過度の力で顎を開放することにより他の組織を損傷することを回避する。
【0084】
以上は、特定の好ましい実施形態に関連して本開示をさらに詳細に説明したものであり、本開示の特定の実施形態がこれらの説明に限定されない。本開示が属する技術分野の通常の技術者にとって、本開示の概念から逸脱することなく行うことができる多くの単純な誘導体または置換があり、これらはすべて本開示の保護範囲に入ると考えられるべきである。
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