(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-06
(45)【発行日】2023-09-14
(54)【発明の名称】シート材の山積みをコンバート加工機械内に貯蔵する装置およびコンバート加工機械
(51)【国際特許分類】
B65H 31/10 20060101AFI20230907BHJP
【FI】
B65H31/10
(21)【出願番号】P 2022549063
(86)(22)【出願日】2021-01-28
(86)【国際出願番号】 IB2021050662
(87)【国際公開番号】W WO2021161122
(87)【国際公開日】2021-08-19
【審査請求日】2022-08-12
(32)【優先日】2020-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】519221372
【氏名又は名称】ボブスト (シャンハイ) リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】リュウ シェリー
(72)【発明者】
【氏名】ツァイ ジャスティン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】スン チャオ
【審査官】宮下 浩次
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2007/0102875(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 31/00-31/40
B31B 50/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート材の山積みをコンバート加工機械(10)内に貯蔵する装置(20)であって、前記装置(20)は、
シート材(22)を前記装置(20)の山積み領域(26)中に送り込む移送機構体(28)と、
サンプル採取位置と接近位置との間で調節可能なサンプル採取プレート(44)とを有し、
前記山積み領域(26)の頂部は、前記サンプル採取プレート(44)が前記サンプル採取位置にあるときに、前記サンプル採取プレート(44)によって覆われ、前記山積み領域(26)の前記頂部は、前記サンプル採取プレート(44)が前記接近位置にあるときに自由開放状態にあ
り、
前記サンプル採取プレート(44)は、前記接近位置にあるときに前記装置(20)のハウジング(40)の外側に少なくとも部分的に延びる、装置。
【請求項2】
前記装置(20)は、前記山積み領域(26)の横境界部に沿って少なくとも部分的に延びる案内レール(54)を有し、前記サンプル採取プレート(44)は、前記接近位置と前記サンプル採取位置との間で調節されているときに前記案内レール(54)に沿って動く、請求項
1記載の装置。
【請求項3】
前記装置(20)は、前記サンプル採取プレート(44)が前記接近位置にあるときに前記サンプル採取プレート(44)と前記山積み領域(26)の前境界部との間に配置される紙揃え装置(38)を有する、請求項1
または請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記装置(20)は、前記山積み領域(26)の前記横境界部のところに配置された少なくとも1つの側方紙揃え装置(52)を有する、請求項
2記載の装置。
【請求項5】
前記紙揃え装置(38)は、駆動要素(56)によって作業位置と取り払い位置との間で調節可能であり、前記サンプル採取プレート(44)は、前記紙揃え装置(38)が前記取り払い位置にあるときにのみ前記サンプル採取位置中に調節可能である、請求項
3記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの側方紙揃え装置(52)は、駆動要素(56)によって作業位置と取り払い位置との間で調節可能であり、前記サンプル採取プレート(44)は、前記少なくとも1つの側方紙揃え装置(52)が前記取り払い位置にあるときにのみ前記サンプル採取位置中に調節可能である、請求項4記載の装置。
【請求項7】
前記装置(20)は、前記サンプル採取プレート(44)の位置をモニタするようになったセンサ(55)を有する、請求項1~6のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項8】
コンバート加工機械であって、請求項1~7のうちいずれか一に記載の装置(20)を有する、コンバート加工機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート材の山積み(山積みシート材)をコンバート加工機械内に貯蔵する装置およびコンバート加工機械に関する。
【背景技術】
【0002】
コンバート加工(converting)機械は、原料、例えば厚紙、紙または箔を典型的にはシート材(一般的に、枚葉紙と称される)の形態の中間または最終製品に加工するために包装業界で採用されている。コンバート加工作業は、印刷、切断、折り目入れ、箔押しおよび/または折り畳み‐接着であると言える。したがって、本明細書におけるコンバート加工機械という用語はまた、一般に、シート材加工機械を意味している。シート材は、コンバート加工後、垂直スタックの状態でコンバート加工機械の指定された山積み領域内に集められる場合がある。
【0003】
製造されたシート材の品質を管理するためには、コンバート加工機械の作動中にサンプルシート材を定期的に集めることが必要である。この目的のため、コンバート加工機械は、オペレータが製造されたシート材の山積みの中からサンプルシート材を手作業でピックアップすることができるよう、山積み領域への接近手段を一時的に作る機構体を有するのが良い。しかしながら、オペレータにとって制御されかつ安全な接近を保証するために、既知の機構体は、余剰のまたは冗長式のセキュリティシステムを必要とし、かかるセキュリティシステムは、オペレータにとって利用可能な空間を制限するとともに/あるいは、コンバート加工機械が長期間にわたってシート製造を停止するよう要求する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、コンバート加工機械内へのサンプルシート材の容易な収集を可能にする装置を提供することにある。好ましくは、この装置は、コンバート加工機械の停止時間の短縮を可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、シート材の山積みをコンバート加工機械内に貯蔵する装置であって、本装置は、シート材を本装置の山積み領域中に送り込む移送機構体と、サンプル採取位置と接近位置との間で調節可能なサンプル採取プレートとを有し、山積み領域の頂部は、サンプル採取プレートがサンプル採取位置にあるときに、サンプル採取プレートによって覆われ、山積み領域の頂部は、サンプル採取プレートが接近位置にあるときに自由開放状態にあることを特徴とする装置によって達成される。
【0006】
本明細書で用いられる「山積み領域が覆われる」という表現は、サンプル採取プレートが山積み領域の上方に配置されて移送機構体によって送られたシートが山積み領域のどこにも達することができないようにし、むしろサンプル採取プレートによって収集されるという意味を有する。
【0007】
サンプル採取プレートは、山積み領域の頂部を特に完全に覆う。
【0008】
シート材は、コンバート加工機械による1種類以上のコンバート加工作業、例えば、印刷、切断、折り目入れ、箔押し、および/または折り畳み‐接着を受け、そしてコンバート加工機械の移送機構体によって山積み領域に送られる。
【0009】
移送機構体は、コンバート加工機械全体で用いられる同一の移送機構体であっても良く、あるいは追加のコンバート加工機械移送機構体に連結されても良い。
【0010】
コンバート加工機械の作動中、シート材は、サンプル採取プレートが接近位置にある限り、装置の山積み領域内に垂直山積み状態で積み重ねられる。サンプル採取プレートがサンプル採取位置にある場合、コンバート加工機械によって製造されたシート材は、上記とは異なり、サンプル採取プレート上に集められる。
【0011】
好ましくは、サンプル採取位置では、サンプル採取プレートは、山積みシート中のシート材に平行であり、その結果、コンバート加工機械により製造されるさらなるシート材を、これらが山積みシート材上に積み重ねられるのと同一の仕方でサンプル採取プレート上に配置されるのが良い。
【0012】
シート材は、厚紙、紙、箔、または複合材料で作られるのが良い。
【0013】
本発明の装置は、サンプル採取プレートの位置を調整することによって、簡単な方法でサンプルシート材を収集することができる。サンプル採取プレート上の少なくとも1枚のサンプルシートは、後で、集められてその品質についてチェックされるのが良い。
【0014】
好ましくは、オペレータは、サンプル採取プレートが接近位置にあるときであって、コンバート加工機械が作動モードにある間、すなわち、シートを加工している間、シートを収集するためにサンプル採取プレートに達することができる。このようにすると、コンバート加工機械の停止時間が短縮される。
【0015】
サンプル採取プレートは、手作業でかつ/あるいは駆動装置によって接近位置からサンプル採取位置に調節されるのが良い。
【0016】
一変形例では、サンプル採取プレートは、接近位置にあるときに装置のハウジングの外側に少なくとも部分的に延びる。
【0017】
装置のハウジングは、コンバート加工機械のハウジングであっても良い。
【0018】
換言すると、サンプル採取プレートは、好ましくは、コンバート加工機械から少なくとも部分的に外に延び出て、コンバート加工機械の内側部品への接近を必要とすることなく、オペレータがサンプル採取プレートによって集められたシートを容易にピックアップすることができるようにする。
【0019】
別の変形例では、サンプル採取プレートは、ハウジングの開口部に取り外し可能に係合可能である。このようにすると、サンプル採取プレートを必要な場合にのみ、すなわちシートが収集される必要があるときに装置中に挿入することが可能である。
【0020】
サンプル採取プレートは、ハウジングから延びるサンプル採取プレートの一部をひっくり返すよう折り畳み縁部を有するのが良い。これにより、サンプル採取プレートがシート材を収集するのに必要とされない場合にサンプル採取プレートのコンパクトな保管が可能である。
【0021】
別の変形例では、サンプル採取プレートは、少なくとも部分的に折り畳まれて互いに当てることができる数個のセグメントを有する。これにより、サンプル採取位置と接近位置との間で調節されているときに、サンプル採取プレートの非直線的運動が可能である。
【0022】
本装置は、好ましくは、山積み領域の横境界部に沿って少なくとも部分的に延びる案内レールを有し、サンプル採取プレートは、接近位置とサンプル採取位置との間で調節されるときに、この案内レールに沿って動く。
【0023】
山積み領域の横境界部に沿って延びる案内レールの少なくとも一部は、シート材の山積みを構成するシート材に平行であるのが良い。
【0024】
案内レールは、サンプル採取プレートがサンプル採取位置に調節されているときに、サンプル採取プレートの制御された運動を保証する。
【0025】
好ましくは、本装置は、山積み領域の互いに反対側の横境界部のところに2本の案内レールを有する。このようにすると、サンプル採取プレートの運動をさらに保証し、そしてサンプル採取プレートのずれおよび傾きが制止される。
【0026】
1本以上の案内レールは、特に、山積み領域のそれぞれの横境界部の長さ全体にわたって装置のハウジングから延びる。
【0027】
好ましくは、本装置は、サンプル採取プレートが接近位置にあるときにサンプル採取プレート44と山積み領域の前境界部との間に配置される紙揃え装置を有する。
【0028】
紙揃え装置は、シート材が移送機構体によって送り出されているときにかつ/あるいはシート材が移送機構体によって送り出された後にシート材の山積みの中のシートを位置合わせするために用いられる。この目的のため、紙揃え装置を山積み領域の前境界部から遠ざかってあるいはこれに向かって前後に傾動させるのが良く、その結果、山積み領域内のシート材は、互いに位置合わせされるようになる。
【0029】
山積み領域の前境界部は、特に、山積み領域の横境界部に垂直である。
【0030】
紙揃え装置は、特に、山積み領域の前境界部の長さ全体にわたって延びる。
【0031】
さらに、本装置は、山積み領域の横境界部のところに配置された少なくとも1つの側方紙揃え装置を有するのが良い。
【0032】
側方紙揃え装置はまた、シート材が移送機構体によって送り出されているときにかつ/あるいはシート材が移送機構体によって送り出された後にシート材の山積みの中のシート材を位置合わせするために用いられる。この目的のため、側方紙揃え装置を山積み領域の横境界部から遠ざかってあるいはこれに向かって前後に傾動させるのが良い。
【0033】
本装置は、数個の側方紙揃え装置、特に、山積み領域の両方の横境界部のところに少なくとも1つの側方紙揃え装置を有するのが良い。
【0034】
側方紙揃え装置は、山積み領域の横境界部の全長にわたって延びるのが良い。
【0035】
一実施形態では、紙揃え装置および/または少なくとも1つの側方紙揃え装置は、駆動要素によって作業位置と取り払い位置との間で調節可能であり、サンプル採取プレートは、紙揃え装置および/または少なくとも1つの側方紙揃え装置が取り払い位置にあるときにのみサンプル採取位置中に調節可能である。
【0036】
この実施形態では、紙揃え装置および/または側方紙揃え装置は、サンプル採取プレートを山積み領域上で動かす高さ位置の下または上にこれら紙揃え装置が常時存在するよう取り付けられる必要はない。これにより、本装置の必要な寸法を減少させることができる。
【0037】
それと同時に、紙揃え装置および/または側方紙揃え装置は、サンプル採取プレートが山積み領域を偶発的に塞ぐのを制止する。
【0038】
駆動要素は、電気的に、空気圧により、および/または油圧により駆動できるピストンから成るのが良い。
【0039】
本装置は、サンプル採取プレートの位置をモニタするようになったセンサを有するのが良い。
【0040】
センサは、特に、本装置のハウジングと山積み領域との間に、好ましくは本装置のハウジングと紙揃え装置との間に配置される。
【0041】
センサは、サンプル採取プレートが動かされて接近位置から外れたかどうかを判定することができる。この場合、紙揃え装置および/または1つ以上の側方紙揃え装置を取り払い位置に自動的に調節することができる。
【0042】
センサは、光バリアであるのが良い。
【0043】
本発明の目的は、上述の装置を有するコンバート加工機械によってさらに達成される。
【0044】
別の利点および別の特徴は、本発明についての以下の説明からかつ本発明の非限定的な例示の実施形態を示す添付の図から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】本発明の装置を有するコンバート加工機械の略図である。
【
図2】
図1の装置の幾つかの部分の斜視図であり、サンプル採取プレートが接近位置にある状態を示す図である。
【
図4】
図1の装置の側方紙揃え装置の斜視図である。
【
図5】
図4の側方紙揃え装置の細部の断面図である。
【
図6】平面A‐Aに沿って取った
図2の装置の断面斜視図であり、サンプル採取プレートが接近位置にある状態を示す図である。
【
図7】平面A‐Aに沿って取った
図2の装置の断面斜視図であり、サンプル採取プレートがサンプル採取位置にある状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1は、本発明のコンバート加工機械10を示している。コンバート加工機械10は、次々と配置された数個のモジュールで構成されている。図示の実施形態では、コンバート加工機械10は、積み込みステーション12、フィーダまたは供給装置14、コンバート加工ステーション16、排出ステーション18、および本発明の装置20を有する。
【0047】
コンバート加工機械10は、シート材が加工されている方向によって定められた走行方向Rを有する。
【0048】
積み込みステーション12は、コンバート加工機械10に加工されるべき未加工のシート材を供給するために用いられる。未加工のシート材は、厚紙、紙、またはプラスチックで作られるのが良い。
【0049】
個々の未加工シート材は、フィーダ14によって積み込みステーション12から取り出されてコンバート加工ステーション16中に送られる。
【0050】
コンバート加工ステーション16は、切断ステーションであっても良く、エンボス加工ステーションであっても良く、または箔押しステーションであっても良い。図示の実施形態では、コンバート加工機械は、平圧印刷機24から成る。コンバート加工ステーション16では、未加工シート材は、シート材22にコンバート加工される。
【0051】
排出ステーション18は、シート材22をコンバート加工ステーション16から装置20の山積み領域26に移送するために用いられる。排出ステーション18はまた、シート材22の正確な位置合わせを保証するために使用可能である。
【0052】
シート材22は、移送機構体28によって走行方向Rに沿って動かされる。移送機構体28は、単一シート材22の各々をフィーダ14から装置20に個々に移送するようになっている。
【0053】
移送機構体28は、数本のつかみ棒30を含み、これらつかみ棒は、シート材22の前縁をつかんだりシート材22をコンバート加工機械10の諸ステーション中に引き込んだりするよう交互に働く。
【0054】
つかみ棒30は、閉鎖円内を動いているチェーン32に連結されている。チェーン32は、段階的に動き、それにより、段階ごとにシート材22は、コンバート加工機械10の次のステーションに動かされる。
【0055】
装置20内において、シート材22は、例えばパレット34上に積み重ね領域26内のシート材の山積みを形成するよう移送機構体28から放出される。
【0056】
したがって、図示の実施形態では、装置20を含むコンバート加工機械10の全てのモジュールについて、移送機構28が1つしか用いられていない。一般的に、装置20は、別のコンバート加工機械の移送機構体に連結されたそれ自体の移送機構体28を有する場合がある。
【0057】
山積み領域26の前境界部36のところに紙揃え装置38が配置されている。紙揃え装置38は、山積み領域26内で走行方向Rにそって加工後シート材22を位置合わせするために用いられる。これは、紙揃え装置38により平坦面を提供することによって行われ、シート材22は、移送機構体28によって山積み領域26内に送り込まれているときにこの平坦面に押し付けられるのが良い。
【0058】
さらに、装置20は、後方紙揃え装置39を有し、後方紙揃え装置39は、山積み領域26の前側と反対側の山積み領域26の後側のところに配置されている。したがって、後方紙揃え装置39は、紙揃え装置38と反対側に配置されている。
【0059】
さらに、紙揃え装置38は、シート材22を山積み領域26内で位置合わせするよう前後に傾動可能である。
【0060】
装置20は、図示の実施形態では、コンバート加工機械10のハウジングの一部でもあるハウジング40を有する。
【0061】
ハウジング40は、コンバート加工機械10のオペレータがコンバート加工機械10中を覗き込むことができるよう、特に山積み領域26のシート材22を見ることができるよう窓42を有する。
【0062】
ハウジング40は、開口部43をさらに有し、サンプル採取プレート44は、この開口部を通ってハウジング40から少なくとも部分的に外方に延びる。サンプル採取プレート44は、ハンドル45をさらに有し、このハンドルは、サンプル採取プレート44の位置を調整するようオペレータによって使用できる。
【0063】
加うるに、装置20は、ディスプレイ48および制御要素50を備えたディスプレイユニット46を有する。ディスプレイ48は、タッチセンサ式ディスプレイであっても良い。この場合、制御要素50は、ディスプレイ48に組み込まれるのが良い。ディスプレイユニット46は、装置20を制御するため、好ましくはコンバート加工機械10の全てのモジュールを制御するためにオペレータによって使用されるのが良い。
【0064】
【0065】
紙揃え装置38および後方紙揃え装置39は、本質的に、それぞれ山積み領域26の前面および後面の全長にわたって延びている。
【0066】
図2から理解できるように、紙揃え装置38および後方紙揃え装置39に加えて、装置20は、2つの側方紙揃え装置52をさらに有する。側方紙揃え装置52は、山積み領域26の側面のところに配置されており、2つの側方紙揃え装置52の各々は、山積み領域26の互いに反対側の側面のところに対向して配置されている。
【0067】
装置20は、各々が、山積み領域26の横境界部の各々に沿ってそれぞれ延びる2本の案内レール54をさらに有する。案内レール54は、ハウジング40の外方にさらに部分的に延びている。
【0068】
サンプル採取プレート44は、案内レール54上に配置されている。
【0069】
図1および
図2では、サンプル採取プレート44は、接近位置にある。接近位置では、山積み領域26の頂部は、シート材22を移送機構体28によって山積み領域26に移送してシート材山積みを形成するよう、自由開放状態にある。
【0070】
加うるに、紙揃え装置38は、サンプル採取プレート44が山積み領域26上で案内レール54に沿って摺動することができないよう、すなわち、紙揃え装置38がサンプル採取プレート44の運動を制止するような高さ位置に配置されている。紙揃え装置38のこの位置を作業位置と称する。
【0071】
本装置20は、サンプル採取プレート44の位置を検出することができるセンサ55をさらに有する。センサ55は、光バリアであるのが良い。
【0072】
図3は、紙揃え装置38の詳細斜視図である。
図3に両方向を示す矢印Jによって示されているように、紙揃え装置38を山積み領域26から遠ざけたりこれに近づけたりするよう前後に動かすことができる。
【0073】
加うるに、紙揃え装置38を
図3の両方向を示す矢印Kによって示されているように上下に動かすことができ、それにより作業位置から、紙揃え装置38が案内レール54に沿ってサンプル採取プレート44の運動をもはや制止することのないサンプル採取位置に切り替えることができる。
【0074】
紙揃え装置38を駆動要素56によって方向J,Kに沿って動かすことができ、駆動要素は、電気的に駆動されるピストンを備えたシリンダである。紙揃え装置38は、方向J,Kに沿ってそれぞれの動きを可能にする別々の駆動要素56をさらに有するのが良い。
【0075】
図4は、側方紙揃え装置52のうちの一方の詳細図である。側方紙揃え装置52を、両方向を示す矢印Lによって示された方向に沿って側方に動かすことができ、そして両方向を示す矢印Mによって示された方向に沿って上下に動かすことができる。
【0076】
図5は、
図4の側方紙揃え装置52の延長方向の中心に沿って取った断面図である。
【0077】
側方紙揃え装置52の駆動要素56は、2つのシリンダ58,60を含み、一方は方向Lに沿って動くピストン62を備え、もう一方は、方向Mに沿って動くピストン64を備えている。ピストン62,64は両方とも、電気的に、空気圧によりまたは油圧により駆動されるのが良い。ピストン62,64はまた、互いに異なる駆動機構体を用いることができる。
【0078】
側方紙揃え装置52はまた、案内レール54に沿うサンプル採取プレート44の運動が側方紙揃え装置52によって制止される作業位置中に、また、側方紙揃え装置52が案内レール54に沿うサンプル採取プレート38の運動をもはや制止しないサンプル採取位置中に調節可能である。
【0079】
以下において、
図6および
図7を参照して、装置20の作動モードについてするが、
図6および
図7は、
図2に示された平面A‐Aに沿って取った断面斜視図である。
【0080】
コンバート加工機械10のデフォルト作業中、シート材22を加工して、移送機構体28によって山積み領域26に送る。
【0081】
紙揃え装置38、後方紙揃え装置39および側方紙揃え装置52を用いて、山積み領域26に送り出されるシート材22を位置合わせする。
【0082】
サンプル採取プレート44は、これがハウジング40から外方に部分的に延びる接近位置にある。したがって、サンプル採取プレート44は、山積み領域26に向かうシート材22の経路の外側に位置する。
【0083】
コンバート加工機械10のオペレータは、窓42を通して、山積み領域26に到達したシート22を観察することができる。オペレータが、例えば加工済みシート材22の品質をチェックするためにサンプルシート材を取り出そうと決めた場合、オペレータは、サンプル採取ボタンを押すことによってサンプル採取手順を開始することができ、サンプル採取ボタンは、ディスプレイユニット46の制御要素50のうちの1つである。
【0084】
これにより、移送機構体28が新たなシート材22をあらかじめ選択された期間t1の間、例えば1~3秒間、山積み領域26に送り出すのが停止される。
【0085】
さらに、紙揃え装置38および側方紙揃え装置52をそれぞれの駆動要素56によってこれらのサンプル採取位置に下方に動かし、その結果、案内レール54がもはや制止されないようになる。
【0086】
次に、ディスプレイユニット46は、サンプル採取プレート44をサンプル採取位置に動かすことができるという信号をオペレータに与える。この信号は、ディスプレイ48上に視覚的に与えることができまたはラウドスピーカ(図示せず)によって可聴的に与えることができる。
【0087】
次に、オペレータがハンドル45によってサンプル採取プレート44を開口部43に通して押し込むのが良く、ついには、サンプル採取プレート44が山積み領域26を覆うようにする(
図7に示されている)。また、サンプル採取プレート44を駆動装置(図示せず)によって動かすのが良い。
【0088】
変形例として、紙揃え装置38および側方紙揃え装置52はまた、センサ55によりサンプル採取プレート44が動いてその接近位置から外れたことが検出されるや否や、これらのそれぞれのサンプル採取位置に自動的に変わることができる。
【0089】
期間t1後、移送機構体28は、既定の枚数のシート材22を装置20内に送り込む。今や、山積み領域26がサンプル採取プレート44によって覆われるので、これらシート材22は、サンプル採取プレート44上に集められる。
【0090】
シート材22の枚数は、サンプルシート材の所望の量および/またはサンプル採取プレート上の収集済みサンプルシート材の全高に基づいて設定された枚数であるのが良い。あらかじめ設定されたシート材22の枚数はまた、オペレータによりディスプレイユニット46を用いて手動で入力または調節されても良い。
【0091】
シート材22の枚数は、開口部43を通るサンプル採取プレート44および収集されたサンプルシート材の運動を可能にするのに足る程少なくなければならない。
【0092】
既定の枚数のサンプルシート材を収集した後、移送機構体28は、所定の期間t2にわたってシート材22の送り出しを再び停止する。
【0093】
期間t1,t2は、同一の長さのまたは異なる長さを有することができ、互いに独立してオペレータによって調節可能であるとともに/あるいは選択可能である。
【0094】
期間t2の間、オペレータは、サンプル採取プレート44を接近位置に戻すことができ、それにより収集したサンプルシート材をハウジング40から取り除くことができる。
【0095】
期間t2後、紙揃え装置38および側方紙揃え装置52は、これらの作業位置に戻され、移送機構体28は、加工済みシート材22を山積み領域26に送り出すのを再び開始する。
【0096】
オペレータは、コンバート加工機械が再び可動し始める間、サンプルシート材をハウジング40の外側のサンプル採取プレート44から容易にピックアップすることができる。
【0097】
したがって、装置20は、コンバート加工機械10の停止時間の短縮を可能にするとともに、サンプルシート材を収集する実行容易な手法をもたらす。