(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-07
(45)【発行日】2023-09-15
(54)【発明の名称】部品圧着装置及び部品圧着方法
(51)【国際特許分類】
H05K 13/04 20060101AFI20230908BHJP
H05K 3/32 20060101ALI20230908BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20230908BHJP
【FI】
H05K13/04 B
H05K3/32 B
G09F9/00 338
(21)【出願番号】P 2019237453
(22)【出願日】2019-12-26
【審査請求日】2022-10-17
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】濱崎 庫泰
(72)【発明者】
【氏名】片野 良一郎
(72)【発明者】
【氏名】山田 真五
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-060757(JP,A)
【文献】特開2014-116414(JP,A)
【文献】特開2019-021718(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/04
H05K 3/32
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品が熱圧着される電極部を端部に備える基板が載置されるステージと、
前記ステージに載置された前記基板の前記端部を支持するバックアップ部と、
前記バックアップ部により支持された前記端部の前記電極部に前記部品を熱圧着する熱圧着ヘッドと、
前記基板からの距離を変更可能に設けられ、前記基板が前記バックアップ部で支持されている状態において、前記基板に対して前記熱圧着ヘッドと反対側から前記基板を冷却する冷却部と、
前記熱圧着ヘッドと前記冷却部とを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、(i)前記冷却部が第1位置に位置する状態で、前記冷却部を制御することで前記基板を冷却しながら前記熱圧着ヘッドを制御することで前記基板に前記部品を熱圧着させる第1熱圧着モードと、(ii)前記冷却部が前記第1位置よりも前記基板からの距離が離間した第2位置に位置する状態で、前記基板を冷却せずに前記熱圧着ヘッドを制御することで前記基板に前記部品を熱圧着させる第2熱圧着モードとを切り替えて制御をする、
部品圧着装置。
【請求項2】
さらに、前記冷却部を前記第1位置及び前記第2位置のいずれか一方に移動させる冷却部移動部を備え、
前記制御部は、前記冷却部移動部を制御することで、前記第1熱圧着モードでは前記冷却部を前記第1位置に移動させ、前記第2熱圧着モードでは前記冷却部を前記第2位置に移動させる、
請求項1に記載の部品圧着装置。
【請求項3】
さらに、前記基板が前記ステージに載置される位置と前記熱圧着ヘッドで前記部品が前記基板に熱圧着される位置との間で前記ステージを移動させるステージ移動部と、前記冷却部の位置を検出する位置検出部と、を備え、
前記制御部は、前記第2熱圧着モードにおいて、前記冷却部が前記第2位置に位置していないことを前記位置検出部が検出した場合、前記ステージ移動部を制御することで、前記ステージの移動を停止させる、
請求項1又は2に記載の部品圧着装置。
【請求項4】
前記制御部によって制御され、前記ステージと前記バックアップ部との距離を変更する距離変更部を備え、
前記制御部は、前記第2熱圧着モードで熱圧着を行う場合の前記ステージと前記バックアップ部との距離が、前記第1熱圧着モードで熱圧着を行う場合の前記ステージと前記バックアップ部との距離よりも小さくなるように、前記距離変更部を制御する、
請求項3に記載の部品圧着装置。
【請求項5】
前記距離変更部は、前記ステージ移動部である、
請求項4に記載の部品圧着装置。
【請求項6】
さらに、前記基板の品種を検出するための品種検出部を備え、
前記制御部は、前記品種検出部の検出結果に基づいて、前記第1熱圧着モードで制御するか前記第2熱圧着モードで制御するかを切り替える、
請求項1~5のいずれか1項に記載の部品圧着装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記品種検出部によって前記基板が非耐熱性部品を備える基板であると検出された場合、前記第1熱圧着モードで制御し、前記品種検出部によって前記基板が前記非耐熱性部品を備えない基板であると検出された場合、前記第2熱圧着モードで制御する、
請求項6に記載の部品圧着装置。
【請求項8】
部品が熱圧着される電極部を端部に備える基板をステージに載置する載置工程と、
バックアップ部で前記ステージに載置された前記基板の前記端部を支持するバックアップ工程と、
(i)前記基板が前記バックアップ部で支持されている状態において、前記バックアップ部により支持された前記端部の前記電極部に、冷却部が第1位置に位置する状態で、前記基板に対して熱圧着ヘッドと反対側から前記冷却部で前記基板を冷却しながら前記熱圧着ヘッドで前記基板に前記部品を熱圧着する第1熱圧着モードと、(ii)前記バックアップ部により支持された前記端部の前記電極部に、前記冷却部を前記第1位置よりも前記基板からの距離を離間させた第2位置で前記基板を前記冷却部で冷却せずに前記熱圧着ヘッドで前記基板に前記部品を熱圧着する第2熱圧着モードと、を切り替えて制御する熱圧着工程と、を含む、
部品圧着方法。
【請求項9】
さらに、前記冷却部を前記第1位置及び前記第2位置のいずれか一方に移動させる冷却部移動工程を含み、
前記冷却部移動工程では、前記第1熱圧着モードでは前記冷却部を前記第1位置に移動させ、前記第2熱圧着モードでは前記冷却部を前記第2位置に移動させる、
請求項8に記載の部品圧着方法。
【請求項10】
さらに、
前記基板が載置される位置と前記熱圧着ヘッドで前記部品が前記基板に熱圧着される位置との間で前記ステージを移動させるステージ移動工程と、
前記冷却部の位置を検出する位置検出工程と、を含み、
前記ステージ移動工程では、前記第2熱圧着モードにおいて、前記冷却部が前記第2位置に位置していないことを前記位置検出工程で検出した場合、前記ステージの移動を停止させる、
請求項8又は9に記載の部品圧着方法。
【請求項11】
前記ステージ移動工程では、前記第2熱圧着モードで熱圧着を行う場合の前記ステージと前記バックアップ部との距離が、前記第1熱圧着モードで熱圧着を行う場合の前記ステージと前記バックアップ部との距離よりも小さくなるように、前記ステージ及び前記バックアップ部の少なくとも一方を移動する、
請求項10に記載の部品圧着方法。
【請求項12】
さらに、前記基板の品種を検出する品種検出工程を含み、
前記熱圧着工程では、前記品種検出工程での検出結果に基づいて、前記第1熱圧着モードで制御するか前記第2熱圧着モードで制御するかを切り替える、
請求項8~11のいずれか1項に記載の部品圧着方法。
【請求項13】
前記熱圧着工程では、前記品種検出工程で前記基板が非耐熱性部品を備える基板であると検出した場合、前記第1熱圧着モードとし、前記品種検出工程で前記基板が前記非耐熱性部品を備えない基板であると検出した場合、前記第2熱圧着モードとする、
請求項12に記載の部品圧着方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に部品を熱圧着する部品圧着装置及び部品圧着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶パネル又は有機EL(Electro Luminescence)パネル等のディスプレイパネル等の基板の端部に接着部材として貼着された異方性導電部材であるACF(Anisotropic Conductive Film)を介して、駆動回路等の電子部品(以下、単に「部品」と呼称する)を基板に熱圧着する部品圧着装置がある(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0003】
特許文献1に開示されている部品圧着装置の一例である実装装置は、基板の一例である液晶パネルを冷却する冷却装置を備える。
【0004】
冷却装置によって液晶パネルを冷却することにより、液晶パネルの熱による劣化を抑制することができる。
【0005】
また、特許文献1には、冷却方法の一例として、冷気を基板に吹き付ける方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
冷却装置を備える部品圧着装置において、耐熱性に乏しい部品(非耐熱性部品)を備える基板の熱圧着と非耐熱性部品を備えない基板の熱圧着とを行う場合、それぞれの基板に適した熱圧着を行うことが困難な場合がある。
【0008】
本発明は、非耐熱性部品を備える基板と、非耐熱性部品を備えない基板とに対し、それぞれの基板に適した熱圧着を行うことのできる部品圧着装置等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る部品圧着装置は、部品が熱圧着される電極部を端部に備える基板が載置されるステージと、前記ステージに載置された前記基板の前記端部を支持するバックアップ部と、前記バックアップ部により支持された前記端部の前記電極部に前記部品を熱圧着する熱圧着ヘッドと、前記基板からの距離を変更可能に設けられ、前記基板が前記バックアップ部で支持されている状態において、前記基板に対して前記熱圧着ヘッドと反対側から前記基板を冷却する冷却部と、前記熱圧着ヘッドと前記冷却部とを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、(i)前記冷却部が第1位置に位置する状態で、前記冷却部を制御することで前記基板を冷却しながら前記熱圧着ヘッドを制御することで前記基板に前記部品を熱圧着させる第1熱圧着モードと、(ii)前記冷却部が前記第1位置よりも前記基板からの距離が離間した第2位置に位置する状態で、前記基板を冷却せずに前記熱圧着ヘッドを制御することで前記基板に前記部品を熱圧着させる第2熱圧着モードとを切り替えて制御をする。
【0010】
また、本発明の一態様に係る部品圧着方法は、部品が熱圧着される電極部を端部に備える基板をステージに載置する載置工程と、バックアップ部で前記ステージに載置された前記基板の前記端部を支持するバックアップ工程と、(i)前記基板が前記バックアップ部で支持されている状態において、前記バックアップ部により支持された前記端部の前記電極部に、冷却部が第1位置に位置する状態で、前記基板に対して熱圧着ヘッドと反対側から前記冷却部で前記基板を冷却しながら前記熱圧着ヘッドで前記基板に前記部品を熱圧着する第1熱圧着モードと、(ii)前記バックアップ部により支持された前記端部の前記電極部に、前記冷却部を前記第1位置よりも前記基板からの距離を離間させた第2位置で前記基板を前記冷却部で冷却せずに前記熱圧着ヘッドで前記基板に前記部品を熱圧着する第2熱圧着モードと、を切り替えて制御する熱圧着工程と、を含む。
【0011】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD-ROM等の記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、非耐熱性部品を備える基板と、非耐熱性部品を備えない基板とに対し、それぞれの基板に適した熱圧着を行うことのできる部品圧着装置等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る部品実装ラインを示す平面図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る部品実装ラインを示す概略構成図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る部品圧着装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施の形態に係る本圧着部を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、実施の形態に係る本圧着部を示す側面図である。
【
図6】
図6は、実施の形態に係る冷却部を示す概略図である。
【
図7】
図7は、実施の形態に係るノズルを示す概略図である。
【
図8】
図8は、冷却位置を説明するための概略図である。
【
図9】
図9は、冷却位置と熱圧着位置との位置関係を説明するための概略図である。
【
図10】
図10は、実施の形態に係る部品圧着装置が実行する動作の処理手順の概要を説明するためのフローチャートである。
【
図11】
図11は、実施の形態に係る部品圧着装置の冷却部が冷却ガスを吹き付ける吹き付け位置の第1例を示す図である。
【
図12】
図12は、実施の形態に係る部品圧着装置の冷却部が冷却ガスを吹き付ける吹き付け位置の第2例を示す図である。
【
図13】
図13は、実施の形態に係る部品圧着装置の冷却部が冷却ガスを吹き付ける吹き付け位置の第3例を示す図である。
【
図14】
図14は、実施の形態に係る部品圧着装置の冷却部が冷却ガスを吹き付ける吹き付け位置の第4例を示す図である。
【
図15】
図15は、実施の形態に係る部品圧着装置の冷却部が冷却ガスを吹き付ける吹き付け位置の第5例を示す図である。
【
図16】
図16は、実施の形態に係る部品圧着装置が実行する熱圧着モードの選択動作の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【
図17】
図17は、実施の形態に係る冷却部の位置を説明するための図である。
【
図18】
図18は、実施の形態に係る部品圧着装置が実行する第1熱圧着モードの処理手順の詳細を説明するためのフローチャートである。
【
図19】
図19は、実施の形態に係る部品圧着装置が実行する第2熱圧着モードの処理手順の詳細を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、本発明の実施の形態に係る部品圧着装置等について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ及びステップの順序等は、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0015】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
【0016】
また、本明細書及び図面において、X軸、Y軸、及び、Z軸は、三次元直交座標系の三軸を表している。X軸及びY軸は、互いに直交し、且つ、いずれもZ軸に直交する軸である。また、以下の実施の形態では、基板搬送方向のX軸正方向とし、Z軸正方向を上方とし、Z軸負方向を下方として記載する場合がある。
【0017】
(実施の形態)
[全体概要]
まず、
図1及び
図2を参照して、実施の形態に係る部品圧着装置を含む部品実装ラインの全体概要について説明する。
【0018】
図1は、実施の形態に係る部品実装ライン1の平面図である。
図2は、実施の形態に係る部品実装ライン1の概略構成図である。
【0019】
部品実装ライン1は、液晶パネル等を生産するための部品実装システムであり、基板3に駆動回路等の電子部品(以下、部品5と呼称する)を熱圧着する。具体的には、部品実装ライン1は、電極部4が形成された基板3にACF等の異方性導電部材(ACF)6を貼着し、ACF6を介して基板3と部品5とを熱圧着させる装置である。
【0020】
部品実装ライン1は、基板搬入部10と、貼着部20と、仮圧着部30と、本圧着部40と、基板搬出部50と、搬送部60と、コンピュータ2と、を備える。なお、
図1においては、コンピュータ2を、機能的なブロックとして図示している。コンピュータ2は、貼着部20、仮圧着部30、本圧着部40等の各装置と、無線通信可能に、又は、制御線等により有線通信可能に接続されており、各装置を制御する。
【0021】
基板搬入部10、貼着部20、仮圧着部30、本圧着部40、及び、基板搬出部50は、この順で連結されている。部品実装ライン1は、基板3が搬送される上流側の基板搬入部10より搬入された液晶パネル基板等の長方形の基板3の周縁に設けられた複数の電極部4のそれぞれに部品5を実装する部品実装作業を実行し、部品5を実装した基板3を基板搬出部50から搬出する。複数の電極部4のそれぞれは、例えば、複数の電極により構成されている。
【0022】
基板搬入部10は、基台1aに設けられたステージ11を備える。ステージ11には、電極部4が形成された基板3が載置される。
【0023】
貼着部20は、基板3の電極部4に接着部材であるACF6を貼着する貼着作業を行う装置である。貼着部20は、ステージ移動部21と、貼着機構22と、を備える。
【0024】
ステージ移動部21は、基板3を移動させる機構である。ステージ移動部21は、例えば、X軸方向に可動なX軸テーブルと、Y軸方向に可動なY軸テーブルと、Z軸方向に可動なZ軸テーブルと、ステージ23と、を備える。ステージ移動部21は、X軸テーブル、Y軸テーブル、及び、Z軸テーブルによって、ステージ23に載置された基板3を移動させる。
【0025】
貼着機構22は、基台1bの上方に、X軸方向に並んだ複数の貼着ヘッドを備えている。本実施の形態においては、貼着機構22は、2つの貼着ヘッドを備える。各貼着ヘッドは、それぞれACF6を供給する供給部と、ACF6を基板3に貼着するための貼着ツールと、を備える。複数の貼着ヘッドは、供給部から供給されたACF6を、基板3上の複数の電極部4に対応する位置に貼着する。
【0026】
仮圧着部30は、基板3における、貼着部20でACF6が貼着された位置に部品5を搭載して仮圧着する仮圧着工程を実行する装置である。
【0027】
仮圧着部30は、ステージ移動部31と、部品搭載機構32と、部品供給部33と、を備える。
【0028】
ステージ移動部31は、基板3を移動させる機構である。ステージ移動部31は、例えば、X軸方向に可動なX軸テーブルと、Y軸方向に可動なY軸テーブルと、Z軸方向に可動なZ軸テーブルと、ステージ37と、を備える。
【0029】
ステージ移動部31は、貼着部20のステージ移動部21と同様の構造であり、X軸テーブル、Y軸テーブル、及び、Z軸テーブルによって、基板3を保持して水平面内で移動させ、上下方向で昇降させるとともにZ軸回りに回転させる機能を備える。
【0030】
部品搭載機構32は、基台1b上に設けられ、搭載ヘッドと、搭載ヘッド移動機構と、搭載支持台と、を備える。搭載ヘッドは、搭載ヘッド移動機構によって水平面内で自在に移動し、Z軸方向に昇降して部品供給部33が供給する部品5を上方からピックアップする。部品搭載機構32は、ピックアップした部品5をACF6上に搭載して基板3ごと搭載支持台に押し付けることで、基板3に部品5を仮圧着する。
【0031】
部品供給部33は、部品搭載機構32に部品5を供給する機構である。
【0032】
本圧着部40は、仮圧着部30によって基板3に仮圧着された部品5を基板3に本圧着(つまり、熱圧着)する本圧着工程(つまり、熱圧着工程)を実行する装置である。
【0033】
こうすることで、基板3に形成された電極部4と部品5とはACF6を介して電気的に接続される。本実施の形態では、本圧着部40は、冷却部120によって基板3を冷却しながら、基板3に部品5を熱圧着する。本圧着部40の具体的な構成については、後述する。
【0034】
基板搬出部50は、基台1cに載置されたステージ51を備え、本圧着部40から搬送された基板3をステージ51上に保持する。基板搬出部50において保持された基板3は、下流側の他の装置に搬出されるか、作業者によってステージ51から取り出される。
【0035】
搬送部60は、基板3を搬送する装置である。具体的には、搬送部60は、基板搬入部10に搬入された基板3を、貼着部20、仮圧着部30、本圧着部40、及び、基板搬出部50へこの順に所定の作業部間で基板3を搬送する。搬送部60は、貼着部20、仮圧着部30、及び、本圧着部40の前方領域(Y軸負方向側)に配置されている。
【0036】
搬送部60は、基台1a、基台1b、及び、基台1cにわたってX軸方向に延びた移動ベース61上に、上流側から順に、基板搬送機構62A、基板搬送機構62B、基板搬送機構62C、及び、基板搬送機構62Dを備える。
【0037】
基板搬送機構62A~62Dは、それぞれ基部63及び1以上のアームユニット64を備える。本実施の形態では、基板搬送機構62A~62Dがそれぞれ2基のアームユニット64を備える場合を例示している。
【0038】
基部63は、移動ベース61上に設けられ、X軸方向に自在に移動する。基部63上には、2基のアームユニット64がX軸方向に並んで設けられている。アームユニット64には、水平後方に延びた1以上のアーム状の吸着ノズルがX軸方向に並んで設けられ、当該アームには、吸着面を下方に向けた吸着パッドが設けられている。アームユニット64は、吸着ノズルに設けられた吸着パッドを介して基板3を上方から吸着して、吸着した基板3を搬送する。
【0039】
例えば、基板搬送機構62Aは、基板搬入部10のステージ11に載置された基板3を受け取り、貼着部20のステージ23に受け渡す。また、例えば、基板搬送機構62Bは、貼着部20のステージ23から基板3を受け取り、仮圧着部30のステージ37に受け渡す。また、例えば、基板搬送機構62Cは、仮圧着部30のステージ37から基板3を受け取り、本圧着部40のステージ49に受け渡す。また、例えば、基板搬送機構62Dは、本圧着部40のステージ49から基板3を受け取り、基板搬出部50のステージ51に受け渡す。
【0040】
コンピュータ2は、部品圧着装置100及び部品実装ライン1が有する各装置の動作を制御するための制御装置である。コンピュータ2は、制御部2a(
図3参照)と、記憶部2b(
図3参照)とを備える。
【0041】
制御部2aは、貼着部20のステージ移動部21、仮圧着部30のステージ移動部31、本圧着部40のステージ移動部41、及び、搬送部60を制御して、基板3を各作業部間で次の作業部へ搬送する基板搬送作業を実行する。基板搬送作業における上流側から下流側への基板3の搬送は、各作業部間で同期して行われる。
【0042】
また、制御部2aは、貼着部20、仮圧着部30、及び、本圧着部40を制御することで、基板3にACF6を介して部品5を熱圧着させる。
【0043】
制御部2aは、例えば、記憶部2bに記憶され、部品実装ライン1が有する各装置を制御するための制御プログラムと、当該制御プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)とにより実現される。
【0044】
記憶部2bは、部品実装ライン1によって製造される液晶パネル基板等の基板3のサイズ、基板3に実装する部品5の種類、実装位置、実装方向、及び、基板3を各作業部間で搬送するタイミング等の部品実装作業に必要な各種データ、制御部2aが実行する制御プログラム等を記憶する。記憶部2bは、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等により実現される。
【0045】
[構成]
続いて、
図3~
図7を参照して、部品圧着装置100の具体的な構成について説明する。
【0046】
図3は、実施の形態に係る部品圧着装置100の機能構成を示すブロック図である。
図4は、実施の形態に係る本圧着部40を示す斜視図である。
図5は、実施の形態に係る本圧着部40を示す側面図である。
図6は、実施の形態に係る冷却部120を示す概略図である。
図7は、実施の形態に係るノズル214を示す概略図である。
【0047】
なお、各図において、冷却ガスがガス吹き出し口121から吹き出される向きを破線矢印で示している。
【0048】
部品圧着装置100は、液晶パネル等を生産する部品実装ライン1において、仮圧着部30で基板3の電極部4に仮圧着されたACF6を介して基板3に部品5を熱圧着する装置である。
【0049】
なお、本実施の形態では、部品圧着装置100が、部品実装ライン1が備えるコンピュータ2を備えるとして説明する。例えば、部品圧着装置100の各構成要素を制御するコンピュータ2は、部品実装ライン1が備える部品圧着装置100以外の貼着部20、仮圧着部30等の各装置を制御するコンピュータと同一でもよいし、異なってもよい。
【0050】
部品圧着装置100は、本圧着部40と、冷却部120と、冷却部移動部130と、位置検出部160と、品種検出部200と、コンピュータ2と、を備える。
【0051】
本圧着部40は、ステージ49と、ステージ移動部41と、ステージ49と、と熱圧着ヘッド48と、バックアップ部44と、バックアップ部支持部180と、を備える。
【0052】
ステージ49は、部品5が熱圧着される電極部4を端部3eに備える基板3が載置される台である。具体的には、ステージ49は、ACF6が貼着された電極部4が端部3eに形成された基板3が載置される台である。
【0053】
本実施の形態では、基板3は、上部基板3aと、下部基板3bと、偏光板3cと、偏光板3dと、を備える。
【0054】
上部基板3aと下部基板3bとは、液晶等を挟み、配線等が形成された基板である。上部基板3a及び下部基板3bは、例えば、それぞれガラス基板である。本実施の形態では、下部基板3bの端部3eに、電極部4が形成されている。
【0055】
偏光板3cと偏光板3dとは、上部基板3a及び下部基板3bを挟む偏光板である。基板3は、偏光板3c、3dが設けられた状態で、部品5が熱圧着される。
【0056】
ステージ49には、搬送部60(具体的には、基板搬送機構62C)により仮圧着部30で部品5が仮圧着された基板3が載置される。
【0057】
ステージ移動部41は、貼着部20のステージ移動部21と同様の構造であり、基板3が載置されたステージ49を水平面内で移動させ、上下方向で昇降させるとともにZ軸回りに回転させる装置である。例えば、ステージ移動部41は、基板3がステージ49に載置される位置と熱圧着ヘッド48で部品5が基板3に熱圧着される位置との間でステージ49を移動する。
【0058】
ステージ移動部41は、例えば、X軸方向に可動なX軸テーブルと、Y軸方向に可動なY軸テーブルと、Z軸方向に可動なZ軸テーブルと、を備える。ステージ移動部41には、基台1b上に下方から順に、X軸方向に可動なX軸テーブルと、Y軸方向に可動なY軸テーブルと、Z軸方向に可動なZ軸テーブルと、ステージ49とが重ねて設けられている。
【0059】
なお、ステージ移動部41は、距離変更部の一例である。距離変更部は、制御部2aによって制御され、ステージ49とバックアップ部44との距離を変更するための、モータ等を有する移動機構である。
【0060】
熱圧着ヘッド48は、バックアップ部44により支持された基板3の端部3eの電極部4に、部品5を熱圧着するためのヘッドである。本実施の形態では、部品圧着装置100は、複数の熱圧着ヘッド48を備える。
【0061】
複数の熱圧着ヘッド48は、バックアップ部44の上方に一列に並んで配置されている。複数の熱圧着ヘッド48は、作業者が熱圧着ヘッド48を所望の位置に調整させることで、熱圧着ヘッド48の間隔を基板3に仮圧着された部品5の間隔に合わせて変更することができるように、ヘッド移動機構43(より具体的には、ガイド部43b)に取り付けられている。
【0062】
また、熱圧着ヘッド48は、ヒータ等の加熱部を内蔵しており、部品5の圧着前に加熱部によって所定温度まで加熱される。熱圧着ヘッド48は、加圧機構47の駆動によって下降し、基板3の縁部(端部3e)に搭載された部品5を加熱しながら保護シート220を介して基板3に押圧することで、基板3に部品5を熱圧着する。このとき、ACF6は、熱圧着ヘッド48から生じる熱により硬化が促進される。
【0063】
図4に示すように、熱圧着ヘッド48は、ロッド47aを介して加圧機構47と接続されている。
【0064】
加圧機構47は、上下に突没自在にロッド47aを支持する機構である。ロッド47aの下端部には、熱圧着ヘッド48が設けられている。加圧機構47は、取り付け部材46によってヘッド移動機構43に取り付けられている。具体的には、加圧機構47は、取り付け部材46を介してベース部43aに対してX軸方向に位置が調整自在にガイド部43bに取り付けられている。加圧機構47は、熱圧着ヘッド48を上下させるためのモータ等を備える。
【0065】
ヘッド移動機構43は、熱圧着ヘッド48を移動させる機構である。ヘッド移動機構43は、ベース部43aと、ガイド部43bと、を備える。
【0066】
ベース部43aは、X軸方向に調整自在に複数の熱圧着ヘッド48が取り付けられるガイド部43bが設けられた基台である。ベース部43aには、X軸方向に伸びた一対のガイド部43bが設けられている。
【0067】
ガイド部43bは、垂直姿勢で配設された矩形平板状の複数の取り付け部材46がX軸方向に調整自在に装着されたガイドである。
【0068】
バックアップ部44は、ステージ49に隣接して配置され、ステージ49に載置された基板3の端部3eを下方から支持する支持台である。
【0069】
冷却部120は、基板3がバックアップ部44で支持されている状態において、冷却ガスを基板3に吹き付けることで冷却ガスによって基板3を冷却する機構である。冷却部120は、ガス管210から供給された冷却ガスをガス吹き出し口121から吹き出して基板3に冷却ガスを吹き付けることで、基板3を冷却する。
【0070】
冷却部120は、基板3からの距離を変更可能に設けられている。本実施の形態では、冷却部120は、冷却部移動部130によって基板3からの距離を変更可能に設けられている。冷却部120は、ボルト等により取り外し可能に台等に取り付けられていてもよい。冷却部120は、例えば、基板3がバックアップ部44で支持されている状態において、基板3に対して熱圧着ヘッド48と反対側から基板3を冷却する。
【0071】
なお、冷却ガスの種類は、特に限定されない。本実施の形態では、冷却ガスは、25℃程度の常温の空気である。
【0072】
図5及び
図6に示すように、冷却部120は、ガス供給源211と、ガス管210と、電磁バルブ212と、スピードコントローラ213と、ノズル214と、ノズル保持部122と、を備える。
【0073】
ガス供給源211は、冷却ガスを供給するためのガスタンクである。
【0074】
ガス管210は、ガス供給源211及び電磁バルブ212と接続され、ガス供給源211から供給される冷却ガスを電磁バルブ212に供給する管である。
【0075】
電磁バルブ212は、スピードコントローラ213とガス管を介して接続され、ガス供給源211から供給される冷却ガスをノズル214から吹き出させるか否かを切り替えるための電磁弁である。
【0076】
スピードコントローラ213は、ノズル214とガス管を介して接続され、ガス供給源211から電磁バルブ212を介して供給される冷却ガスをノズル214から吹き出させる冷却ガスの流量を調整するための電磁弁である。
【0077】
ノズル214は、冷却ガスを吹き出すためのガス吹き出し口121を備えるノズルである。本実施の形態では、ノズル214は、ノズル保持部122に保持されている。
【0078】
ノズル保持部122は、ノズル214を取り付けるための板状部材である。ノズル214は、例えば、ノズル保持部122に、ノズル保持部122に対して位置が移動しないように固定されている。ノズル保持部122は、任意の材料で形成されてよい。
【0079】
図7に示すように、ノズル214には、冷却ガスを吹き出すガス吹き出し口121と、ガス吹き出し口と連通しており冷却ガスが通過する流路240と、が設けられている。また、ノズル214は、冷却ガスをノズル214から吹き出させるか否かを切り替えるためのコック230を備える。
【0080】
コック230は、作業者が操作することで、流路240の開閉を切り替えるための栓である。例えば、コック230には、一方向に延在する貫通孔が設けられている。コック230は、当該貫通孔の向きが流路240に沿う方向で位置しているときには、開状態となり冷却ガスを移動させ、当該貫通孔の向きが流路240に直交する方向で位置しているときには、閉状態となり冷却ガスを移動させない。
【0081】
なお、本実施の形態では、コック230は、作業者が手動で回動させる手動コックである。コック230は、制御部2aにより電気的に動作可能な自動コックでもよい。
【0082】
また、本実施の形態では、冷却部120は、複数のノズル214を備える。つまり、冷却部120は、複数のガス吹き出し口121を備える。
【0083】
冷却部移動部130は、冷却部120を移動させる移動機構である。具体的には、冷却部移動部130は、冷却部120が備えるガス吹き出し口121を移動させる。例えば、冷却部移動部130は、ガイドとモータとを備える。冷却部移動部130は、モータによってガイドに沿った方向に冷却部120を移動させる。ガイドの方向は、X軸方向でもよいし、Z軸方向でもよい。本実施の形態では、ガイドは、X軸方向及びZ軸方向に移動可能に冷却部120を支持する。本実施の形態では、冷却部移動部130は、ノズル保持部122を移動させることで、ノズル保持部122に保持されているノズル214を移動させる。これにより、冷却部移動部130は、冷却部120が備えるガス吹き出し口121を移動させる。
【0084】
例えば、冷却部移動部130は、2点間(例えば、第1位置及び第1とは異なる第2位置)のいずれか一方に冷却部120を移動させる。
【0085】
なお、冷却部移動部130は、ノズル214を移動させてもよい。
【0086】
位置検出部160は、冷却部120の位置を検出するためのセンサである。位置検出部160は、例えば、赤外線センサである。
【0087】
品種検出部200は、基板3の品種を検出するためのセンサである。品種検出部200は、例えば、カメラである。制御部2aは、例えば、品種検出部200に基板3を撮像させて得られた画像についてパターンマッチング等の画像解析をすることで、基板3の品種を判定する。
【0088】
コンピュータ2が備える制御部2aは、例えば、搬送部60により基板3をステージ49に載置させ、ステージ49に載置された基板3に、熱圧着ヘッド48を制御することで部品5を熱圧着させる処理部である。
【0089】
また、制御部2aは、冷却部120を制御することで、ガス吹き出し口121からの冷却ガスを基板3に吹き付ける吹き付け範囲を選択的に切り替える。
【0090】
例えば、制御部2aは、複数のガス吹き出し口121のうち、冷却ガスを吹き出させるガス吹き出し口121を選択的に切り替えることで、吹き付け範囲を選択的に切り替える。例えば、制御部2aは、電磁バルブ212及びスピードコントローラ213を制御することで、複数のガス吹き出し口121のうち、冷却ガスを吹き出させるガス吹き出し口を選択的に切り替える。
【0091】
或いは、制御部2aは、例えば、冷却部移動部130によってガス吹き出し口121の位置を移動させることで、冷却ガスの吹き付け範囲を選択的に切り替える。
【0092】
また、例えば、制御部2aは、基板3に対して熱圧着ヘッド48と反対側から、ガス吹き出し口121からの冷却ガスを基板3に向けて吹き出させることで、冷却部120に基板3を冷却させる。本実施の形態では、冷却部120は、熱圧着ヘッド48の下方に配置されている。また、冷却部120(より具体的には、ガス吹き出し口121)は、冷却ガスを上方に向けて吹き出すように配置されている。制御部2aは、ステージ移動部41を制御することで、ステージ49に配置された基板3を熱圧着ヘッド48と冷却部120との間に配置させる。これにより、制御部2aは、ステージ移動部41を制御することで、基板3に対して熱圧着ヘッド48と反対側から、ガス吹き出し口121からの冷却ガスを基板3に向けて吹き出させることで、冷却部120に基板3を冷却させることができる位置に基板3を位置させる。
【0093】
また、例えば、制御部2aは、ステージ移動部41を制御することで、ステージ49に配置された基板3を熱圧着ヘッド48と冷却部120との間に配置させる。これにより、制御部2aは、ステージ移動部41を制御することで、熱圧着ヘッド48が端部3eの電極部4に部品5を熱圧着している状態において、基板3における電極部4と背向する位置を吹き付け範囲として、冷却部120に基板3を冷却させる位置に、基板3を移動させる。
【0094】
また、制御部2aは、例えば、(i)冷却部120が第1位置に位置する状態で、冷却部120を制御することで基板3を冷却しながら熱圧着ヘッド48を制御することで基板3に部品5を熱圧着させる第1熱圧着モードと、(ii)冷却部120が第1位置よりも基板3からの距離が離間した(つまり、距離が遠い)第2位置に位置する状態で、基板3を冷却せずに熱圧着ヘッド48を制御することで基板3に部品5を熱圧着させる第2熱圧着モードとを切り替えて制御をする。例えば、制御部2aは、冷却部移動部130を制御することで、第1熱圧着モードでは冷却部120を第1位置に移動させ、第2熱圧着モードでは冷却部120を第2位置に移動させる。
【0095】
なお、第1位置及び第2位置は、基板3の端部3eをバックアップ部44で支持している状態において、第1位置が第2位置よりも基板3に近い位置であればよく、特に限定されない。本実施の形態では、第2位置は、第1位置よりも下方に位置する。
【0096】
また、例えば、制御部2aは、第2熱圧着モードにおいて、冷却部120が第2位置に位置していないことを位置検出部160が検出した場合、ステージ移動部41を制御することで、ステージ49の移動を停止させる。
【0097】
また、例えば、制御部2aは、第2熱圧着モードで熱圧着を行う場合のステージ49とバックアップ部44との距離が、第1熱圧着モードで熱圧着を行う場合のステージ49とバックアップ部44との距離よりも小さくなるように、距離変更部(本実施の形態では、ステージ移動部41)を制御する。なお、部品圧着装置100が、バックアップ部44を上下に移動させるモータ等の移動機構(言い換えると、バックアップ移動部)を備える場合、制御部2aは、第2熱圧着モードで熱圧着を行う場合のステージ49とバックアップ部44との距離が、第1熱圧着モードで熱圧着を行う場合のステージ49とバックアップ部44との距離よりも小さくなるように、ステージ移動部41及びバックアップ移動部の少なくとも一方を制御してもよい。つまり、部品圧着装置100が、バックアップ部44を上下に移動させるバックアップ移動部を備える場合、距離変更部は、バックアップ移動部でもよい。
【0098】
また、例えば、制御部2aは、品種検出部200の検出結果に基づいて、第1熱圧着モードで制御するか第2熱圧着モードで制御するかを切り替える。
【0099】
基板3には、例えば、偏光板3c、3d等の熱に弱い部品(非耐熱性部品)を備える基板が採用される場合がある。ここで、熱に弱い部品(非耐熱性部品)とは、例えば、80℃~100℃以上に加熱されると不具合が発生する部品のことである。なお、非耐熱性部品は、偏光板3c、3dに限るものではなく、例えば、カラーフィルターであってもよい。偏光板3c、3dやカラーフィルター等の非耐熱性部品は、80℃~100℃以上に加熱されるとディスプレイパネルの表示ムラなどの不具合の原因となる。一方で、基板3には、偏光板3c、3d等の熱に弱い部品を備えず、比較的熱に強い基板等が採用される場合もある。この場合、基板3を冷却する必要がない。そのため、制御部2aは、基板3の種別を判定し、判定した結果に基づいて、基板3を冷却させながら部品5を基板3に熱圧着させてもよいし、基板3を冷却させずに部品5を基板3に熱圧着させてもよい。例えば、制御部2aは、品種検出部200によって基板3が偏光板3c、3d等の熱に弱い部品を備える基板であると検出された場合、第1熱圧着モードで制御し、品種検出部200によって基板3が偏光板3c、3d等の熱に弱い部品を備える基板であると検出された場合、第2熱圧着モードで制御する。
【0100】
[吹き付け位置]
続いて、
図8及び
図9を参照して、冷却部120が冷却ガスを吹き付ける吹き付け位置について説明する。
【0101】
図8は、冷却位置を説明するための概略図である。
図9は、冷却位置と熱圧着位置との位置関係を説明するための概略図である。
【0102】
なお、
図8においては、基板3における冷却させる必要がある位置(範囲)を示す冷却必要範囲を実線の円で示し、基板3における冷却させる必要がない位置(範囲)を示す冷却不要範囲を破線の円で示している。
【0103】
基板3は、部品5が熱圧着される際に、加熱される。熱圧着ヘッド48は、例えば、150℃~300℃程度に加熱されて、部品5を基板3に熱圧着する。ここで、基板3は、例えば、偏光板3c、3dを備える。偏光板3c、3dは、熱に弱く、基板3に部品5が熱圧着される際の熱により100℃程度まで温度が上昇すると、劣化する場合がある。そこで、基板3に部品5を熱圧着させる際には、偏光板3c、3dは、冷却されているとよい。
【0104】
ここで、基板3全体を冷却ガスにより冷却させるには、大量の冷却ガスが必要となる。そこで、制御部2aは、冷却部120を制御することで、ガス吹き出し口121からの冷却ガスを基板3に吹き付ける吹き付け範囲を選択的に切り替えることで、冷却ガスの消費量を低減する。
【0105】
熱圧着ヘッド48は、部品5の上部から部品5を基板3に押し付けることで、部品5を基板3に熱圧着させる。そのため、偏光板3c、3dには、部品5、端部3eを介して熱が伝わる。そこで、偏光板3c、3dを熱により劣化させないためには、部品5を基板3に熱圧着させている状態において、熱が伝わる経路を冷却すると、効果的に偏光板3c、3dの熱による劣化を抑制することができる。具体的には、
図8に示す冷却必要範囲を冷却するとよい。一方で、当該経路以外の位置を冷却させても、偏光板3c、3dの熱による劣化を効果的に抑制することは難しい。具体的には、
図8に示す冷却必要範囲を冷却した方が、
図8に示す冷却不要範囲を冷却するよりも、効果的に偏光板3c、3dの熱による劣化を抑制することができる。
【0106】
そこで、制御部2aは、冷却部120を制御することで、基板3における、部品5を基板3に熱圧着させている状態において熱が伝わる経路を冷却するように、ガス吹き出し口121からの冷却ガスを基板3に吹き付ける吹き付け範囲を選択的に切り替える。
【0107】
図9に示すように、例えば、制御部2aは、基板3に対して熱圧着ヘッド48と反対側から、ガス吹き出し口121からの冷却ガスを基板3に向けて吹き出させることで、冷却部120に基板3を冷却させる。これにより、制御部2aは、基板3における熱が伝わる経路を効果的に冷却させることができる。
【0108】
[処理手順]
続いて、
図10~
図19を参照して、部品圧着装置100の具体的な動作について説明する。
【0109】
<概要>
図10は、実施の形態に係る部品圧着装置100が実行する動作の処理手順の概要を説明するためのフローチャートである。具体的には、
図10は、実施の形態に係る部品圧着装置100が冷却部120で基板3を冷却する場合における、つまり、第1熱圧着モードを実行する場合における、動作の処理手順の概要を説明するためのフローチャートである。
【0110】
まず、制御部2aは、冷却ガスの吹き付け範囲を選択する(ステップS101)。例えば、部品圧着装置100は、作業者からの操作を受け付けるキーボード、タッチパネル等の操作部を備えてもよい。制御部2aは、操作部が受け付けた作業者からの指示に基づいて、冷却部移動部130及び電磁バルブ212等を制御することで、ガス吹き出し口121からの冷却ガスを基板3に吹き付ける吹き付け範囲を選択的に切り替える。
【0111】
次に、制御部2aは、搬送部60及びステージ移動部41等を制御することで、部品5が熱圧着される電極部4を端部3eに備える基板3をステージ49に載置させる(ステップS102)。
【0112】
次に、制御部2aは、ステージ移動部41を制御することで、バックアップ部44に、ステージ49に載置された基板3の端部3eを下方から支持させる(ステップS103)。
【0113】
次に、制御部2aは、熱圧着ヘッド48及び加圧機構47等を制御することで、バックアップ部44により支持された端部3eの電極部4に、熱圧着ヘッド48で部品5を熱圧着させる(ステップS104)。
【0114】
また、ステップS104を実行する際に、つまり、基板3がバックアップ部44で支持されている状態において、制御部2aは、冷却ガスを吹き出すためのガス吹き出し口121を備える冷却部120からの冷却ガスを基板3に吹き付けることで基板3を冷却させる(ステップS105)。
【0115】
続いて、
図11~
図14を参照して、冷却ガスの吹き付け位置の具体例について説明する。なお、
図11~
図14においては、説明のために、冷却部120が備える複数のノズル214を互いに区別するために、複数のノズル214のそれぞれを、ノズル214a、ノズル214b、ノズル214c、ノズル214d、ノズル214e、ノズル214f、ノズル214g、及び、ノズル214hと呼称して説明する。また、
図15においては、冷却部120が備える複数のノズル214を互いに区別するために、複数のノズル214のそれぞれを、ノズル214a、ノズル214b、ノズル214c、及び、ノズル214dと呼称して説明する。
【0116】
また、
図11~
図14においては、冷却部120におけるノズル214を保持するノズル保持部122の図示を省略している。また、
図15においては、冷却部120におけるノズル214を保持するノズル保持部122を破線で簡略化して示している。
【0117】
<第1例>
図11は、実施の形態に係る部品圧着装置100の冷却部120が冷却ガスを吹き付ける吹き付け位置の第1例を示す図である。
【0118】
第1例では、基板3fの3か所に部品5が仮圧着されている。この場合、制御部2aは、例えば、ノズル214b、ノズル214d、及び、ノズル214fから冷却ガスを吹き出させるように、電磁バルブ212を制御する。
【0119】
<第2例>
図12は、実施の形態に係る部品圧着装置100の冷却部120が冷却ガスを吹き付ける吹き付け位置の第2例を示す図である。
【0120】
第2例では、2つの基板3gそれぞれ1か所ずつに部品5が仮圧着されている。また、第2例では、2つの基板3gを同時に熱圧着するとする。この場合、制御部2aは、例えば、ノズル214b、及び、ノズル214fから冷却ガスを吹き出させるように、電磁バルブ212を制御する。
【0121】
第1例及び第2例のように、制御部2aは、複数のガス吹き出し口121のうち、冷却ガスを吹き出すガス吹き出し口121を選択的に切り替えることで、吹き付け範囲を選択的に切り替えてもよい。
【0122】
<第3例>
図13は、実施の形態に係る部品圧着装置100の冷却部120が冷却ガスを吹き付ける吹き付け位置の第3例を示す図である。
【0123】
第3例では、基板3hの6か所に部品5が仮圧着されている。また、第3例では、3つの熱圧着ヘッド48により部品5を基板3に熱圧着する。つまり、第3例は、3つの熱圧着ヘッド48を備える部品圧着装置を示す例である。
【0124】
この場合、制御部2aは、まず、
図13の(a)に示すように、例えば、ノズル214b、ノズル214d、及び、ノズル214fから冷却ガスを吹き出させるように、電磁バルブ212を制御する。
【0125】
次に、制御部2a、ステージ移動部41を制御することで、基板3を
図13の(a)に示す白抜き矢印の方向に移動させる。
【0126】
次に、制御部2aは、
図13の(b)に示すように、例えば、ノズル214b、ノズル214d、及び、ノズル214fから冷却ガスを吹き出させるように、電磁バルブ212を制御する。
【0127】
このように、制御部2aは、複数回に分けて部品5を基板3に熱圧着させてもよい。
【0128】
<第4例>
図14は、実施の形態に係る部品圧着装置100の冷却部120が冷却ガスを吹き付ける吹き付け位置の第4例を示す図である。
【0129】
第4例では、基板3hの6か所に部品5が仮圧着されている。また、第4例では、3つの熱圧着ヘッド48により部品5を基板3に熱圧着する。つまり、第4例は、3つの熱圧着ヘッド48を備える部品圧着装置100を示す例である。
【0130】
この場合、制御部2aは、まず、
図14の(a)に示すように、例えば、ノズル214b、ノズル214c、ノズル214d、ノズル214e、ノズル214f、及び、ノズル214gから冷却ガスを吹き出させるように、電磁バルブ212を制御する。
【0131】
次に、制御部2a、ステージ移動部41を制御することで、基板3を
図14の(a)に示す白抜き矢印の方向に移動させる。
【0132】
次に、制御部2aは、
図14の(b)に示すように、例えば、ノズル214a、ノズル214b、ノズル214c、ノズル214d、ノズル214e、及び、ノズル214fから冷却ガスを吹き出させるように、電磁バルブ212を制御する。
【0133】
このように、制御部2aは、基板3の端部3e全体を冷却させながら、部品5を基板3に熱圧着させてもよい。
【0134】
<第5例>
図15は、実施の形態に係る部品圧着装置100の冷却部120が冷却ガスを吹き付ける吹き付け位置の第5例を示す図である。
【0135】
第5例では、2つの基板3gそれぞれ1か所ずつに部品5が仮圧着されている。また、第5例では、2つの基板3gを同時に熱圧着するとする。また、第5例では、部品圧着装置100は、4つのノズル214(より具体的には、ノズル214a、ノズル214b、ノズル214c、及び、ノズル214d)を備える。このように、部品圧着装置100が備えるノズル214の数は、1以上であればよく、特に限定されない。
【0136】
この場合、制御部2aは、例えば、図示しない操作部が受け付けた作業者からの指示に基づいて、冷却部移動部130を制御することで、冷却部120に冷却ガスを吹き付けさせる冷却ガスの吹き付け範囲を選択して移動させる。例えば、制御部2aは、冷却部移動部130を制御することで、
図15の(a)に示す白抜き矢印の方向に、ノズル保持部122ごとノズル214a、ノズル214b、ノズル214c、及びノズル214dを移動させる。このように、制御部2aは、ノズル214a及びノズル214cが、熱圧着ヘッド48の直下に位置するように、冷却部移動部130を制御する。
【0137】
次に、制御部2aは、
図15の(b)に示すように、例えば、ノズル214a、及び、ノズル214cから冷却ガスを吹き出させるように、電磁バルブ212を制御する。
【0138】
このように、制御部2aは、熱圧着ヘッド48が熱圧着する位置に応じてノズル214を移動させて、基板3hを冷却させてもよい。言い換えると、制御部2aは、冷却部移動部130によってガス吹き出し口121の位置を移動させることで、吹き付け範囲を選択的に切り替えてもよい。
【0139】
<熱圧着モード選択処理>
図16は、実施の形態に係る部品圧着装置100が実行する熱圧着モードの選択動作の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【0140】
まず、制御部2aは、品種検出部200に基板3を撮像させて得られる画像を解析することで、基板3の品種を検出する(ステップS201)。
【0141】
次に、制御部2aは、ステップS201で検出した基板3が偏光板等の熱に弱い部品を備える基板であるか否かを判定する(ステップS202)。
【0142】
制御部2aは、基板3が熱に弱い部品を備える基板であると判定した場合(ステップS202でYes)、第1熱圧着モードで制御することで、部品5を基板3に熱圧着させる(ステップS203)。第1熱圧着モードは、基板3を冷却させながら部品5を基板3に熱圧着させるモードである。
【0143】
一方、制御部2aは、基板3が熱に弱い部品を備える基板でないと判定した場合(ステップS202でNo)、第2熱圧着モードで制御することで、部品5を基板3に熱圧着させる(ステップS204)。第2熱圧着モードは、基板3を冷却させずに部品5を基板3に熱圧着させるモードである。
【0144】
図17は、実施の形態に係る冷却部120の位置を説明するための図である。具体的には、
図17の(a)は、冷却部120が第1位置に位置している場合を示す図であり、
図17の(b)は、冷却部120が第2位置に位置している場合を示す図である。
【0145】
制御部2aは、例えば、第1熱圧着モードで部品5を基板3に熱圧着させる場合、
図17の(a)に示すように、冷却部120のガス吹き出し口121を基板3の端部3eに近づけた第1位置に冷却部120を位置させた状態で、部品5を基板3に熱圧着させる。例えば、制御部2aは、第1熱圧着モードでは、冷却部移動部130を制御することで、冷却部120を第1位置に移動させてから、部品5を基板3に熱圧着させる。
【0146】
一方、制御部2aは、例えば、第2熱圧着モードで部品5を基板3iに熱圧着させる場合、
図17の(b)に示すように、冷却部120のガス吹き出し口121を基板3iの端部3eから第1位置よりも離した第2位置に冷却部120を位置させた状態で、部品5aを基板3に熱圧着させる。例えば、制御部2aは、第2熱圧着モードでは、冷却部移動部130を制御することで、冷却部120を第2位置に移動させてから、部品5aを基板3iに熱圧着させる。
【0147】
基板3iは、例えば、フレキシブル基板である。フレキシブル基板は、熱圧着時に発生する熱による劣化がしにくい。制御部2aは、基板が熱に弱い部品を備える基板(より具体的には、熱による劣化がしやすい偏光板等の部材を含む基板)であるか、基板が熱に弱い部品を備える基板(例えば、フレキシブル基板)でないかを判定することで、基板の種類によって冷却部120によって基板を冷却させるか否かを判定する。
【0148】
なお、
図17に示すように、基板3が載置されるステージには、第1熱圧着モードで採用されるステージ49とは異なる形状のステージ49aが採用されてもよい。第2熱圧着モードでは、冷却部120を基板3iの近傍まで接近させる必要がないため、ステージ49よりもサイズが大きいステージ49aが採用されてもよい。
【0149】
<第1熱圧着モード>
図18は、実施の形態に係る部品圧着装置100が実行する第1熱圧着モードの処理手順の詳細を説明するためのフローチャートである。
【0150】
まず、制御部2aは、冷却位置情報を取得する(ステップS301)。例えば、制御部2aは、上記した操作部で作業者から受け付けた冷却位置情報を、操作部から取得する。或いは、制御部2aは、予め記憶部2bに記憶された第1熱圧着モードにおける冷却位置情報(本実施の形態では、第1位置を示す情報)を記憶部2bから取得する。
【0151】
次に、制御部2aは、冷却ガスの吹き付け範囲を選択する(ステップS302)。制御部2aは、例えば、上記したステップS101を実行する。
【0152】
次に、制御部2aは、ステップS301で取得した冷却位置情報に基づいて、冷却部移動部130を制御することで、冷却部120を第1位置に移動させる(ステップS303)。なお、冷却部120は、作業者により移動されてもよい。この場合、例えば、冷却部120は、ボルト等によりバックアップ部44が取り付けられている基台に取り付けられていてもよい。また、部品圧着装置100が冷却部移動部130を備えない場合、制御部2aは、ステップS303を実行しなくてもよい。
【0153】
次に、制御部2aは、冷却部120が第1位置に位置しているか否かを判定する(ステップS304)。まず、位置検出部160は、冷却部120の位置を検出し、検出結果を制御部2aに出力する。次に、制御部2aは、位置検出部160から取得した検出結果に基づいて冷却部120が第1位置に位置しているか否かを判定する。
【0154】
制御部2aは、冷却部120が第1位置に位置していると判定した場合(ステップS304でYes)、搬送部60及びステージ移動部41等を制御することで、部品5が熱圧着される電極部4を端部3eに備える基板3をステージ49に載置させる(ステップS305)。
【0155】
なお、ステップS305は、ステップS201の前に実行されてもよいし、ステップS201~ステップS304の間で実行されてもよい。
【0156】
次に、制御部2aは、ステージ移動部41を制御することで、基板3が載置される位置から熱圧着ヘッド48で部品5が基板3に熱圧着される位置にステージ49を移動させる(ステップS306)。
【0157】
次に、制御部2aは、ステージ移動部41を制御することで、バックアップ部44に、ステージ49に載置された基板3の端部3eを下方から支持させる(ステップS307)。
【0158】
次に、制御部2aは、冷却部120を制御することで、冷却ガスを吹き出すためのガス吹き出し口121を備える冷却部120からの冷却ガスを基板3に吹き付けることで基板3を冷却しながら、熱圧着ヘッド48及び加圧機構47等を制御することで、バックアップ部44により支持された端部3eの電極部4に、熱圧着ヘッド48で部品5を熱圧着させる(ステップS308)。
【0159】
一方、制御部2aは、冷却部120が第1位置に位置していないと判定した場合(ステップS304でNo)、ステージ移動部41によってステージ49を移動させずに停止させる(ステップS309)。
【0160】
これにより、例えば、第1熱圧着モードと第2熱圧着モードとで、基板3又はステージ49等のサイズが異なる場合、基板3、ステージ49、及び、バックアップ部44等が互いに干渉することを抑制できる。
【0161】
<第2熱圧着モード>
図19は、実施の形態に係る部品圧着装置100が実行する第2熱圧着モードの処理手順の詳細を説明するためのフローチャートである。
【0162】
まず、制御部2aは、冷却位置情報を取得する(ステップS401)。例えば、制御部2aは、上記した操作部で作業者から受け付けた冷却位置情報を、操作部から取得する。或いは、制御部2aは、予め記憶部2bに記憶された第2熱圧着モードにおける冷却位置情報(本実施の形態では、第2位置を示す情報)を記憶部2bから取得する。
【0163】
次に、制御部2aは、ステップS401で取得した冷却位置情報に基づいて、冷却部移動部130を制御することで、冷却部120を第1位置に移動させる(ステップS402)。なお、冷却部120は、作業者により移動されてもよい。この場合、例えば、冷却部120は、ボルト等によりバックアップ部44が取り付けられている基台に取り付けられていてもよい。また、部品圧着装置100が冷却部移動部130を備えない場合、制御部2aは、ステップS402を実行しなくてもよい。
【0164】
次に、制御部2aは、冷却部120が第2位置に位置しているか否かを判定する(ステップS403)。まず、位置検出部160は、冷却部120の位置を検出し、検出結果を制御部2aに出力する。次に、制御部2aは、位置検出部160から取得した検出結果に基づいて冷却部120が第2位置に位置しているか否かを判定する。
【0165】
制御部2aは、冷却部120が第2位置に位置していると判定した場合(ステップS403でYes)、搬送部60及びステージ移動部41等を制御することで、部品5が熱圧着される電極部4を端部3eに備える基板3をステージ49に載置させる(ステップS404)。
【0166】
なお、ステップS404は、ステップS201の前に実行されてもよいし、ステップS201~ステップS403の間で実行されてもよい。
【0167】
次に、制御部2aは、ステージ移動部41を制御することで、基板3が載置される位置から熱圧着ヘッド48で部品5が基板3に熱圧着される位置にステージ49を移動させる(ステップS405)。
【0168】
次に、制御部2aは、ステージ移動部41を制御することで、バックアップ部44に、ステージ49に載置された基板3の端部3eを下方から支持させる(ステップS406)。
【0169】
次に、制御部2aは、基板3を冷却せずに、熱圧着ヘッド48及び加圧機構47等を制御することで、バックアップ部44により支持された端部3eの電極部4に、熱圧着ヘッド48で部品5を熱圧着させる(ステップS407)。
【0170】
一方、制御部2aは、冷却部120が第2位置に位置していないと判定した場合(ステップS403でNo)、ステージ移動部41によってステージ49を移動させずに停止させる(ステップS408)。
【0171】
これにより、例えば、第1熱圧着モードと第2熱圧着モードとで、基板3又はステージ49等のサイズが異なる場合、基板3、ステージ49、及び、バックアップ部44等が互いに干渉することを抑制できる。
【0172】
[効果等]
以上説明したように、実施の形態に係る部品圧着装置100は、部品5が熱圧着される電極部4を端部3eに備える基板3が載置されるステージ49と、ステージ49に載置された基板3の端部3eを支持するバックアップ部44と、バックアップ部44により支持された端部3eの電極部4に、部品5を熱圧着する熱圧着ヘッド48と、基板3からの距離を変更可能に設けられ、基板3がバックアップ部44で支持されている状態において、基板3に対して熱圧着ヘッド48と反対側から基板3を冷却する冷却部120と、熱圧着ヘッド48と冷却部120とを制御する制御部2aと、を備える。制御部2aは、(i)冷却部120が第1位置に位置する状態で、冷却部120を制御することで基板3を冷却しながら熱圧着ヘッド48を制御することで基板3に部品5を熱圧着させる第1熱圧着モードと、(ii)冷却部120が第1位置よりも基板3からの距離が離間した第2位置に位置する状態で、基板3を冷却せずに熱圧着ヘッド48を制御することで基板3に部品5を熱圧着させる第2熱圧着モードとを切り替えて制御をする。
【0173】
これによれば、制御部2aは、冷却部120に基板3を冷却させる場合とさせない場合とを切り替えて基板3に部品5を熱圧着できる。基板3の種別によっては、例えば、基板3が非耐熱性部品を備えない場合、熱に対して劣化しにくい場合もある。そのため、制御部2aは、例えば、基板3が熱に対して劣化しにくい場合、基板3を冷却させないことで、冷却ガスを用いることなく基板3に部品5を熱圧着できる。一方、例えば、基板3が非耐熱性部品を備える場合、熱に対して劣化しやすい場合もある。そのため、制御部2aは、例えば、基板3(より具体的には、基板3が備える非耐熱性部品)が熱に対して劣化しやすい場合、基板3を冷却させつつ、基板3に部品5を熱圧着できる。これにより、部品圧着装置100によれば、非耐熱性部品を備える基板3と、非耐熱性部品を備えない基板3とに対し、それぞれの基板3に適した熱圧着を行うことができる。
【0174】
また、例えば、部品圧着装置100は、さらに、冷却部120を第1位置及び第2位置のいずれか一方に移動させる冷却部移動部130を備える。制御部2aは、冷却部移動部130を制御することで、第1熱圧着モードでは冷却部120を第1位置に移動させ、第2熱圧着モードでは冷却部120を前記第2位置に移動させる。
【0175】
これによれば、制御部2aは、例えば、基板3を冷却させる場合には、冷却部120を基板3に近づける。これにより、基板3は、効果的に冷却され得る。一方、制御部2aは、例えば、基板3を冷却させない場合には、冷却部120を基板3から遠ざける。これにより、ステージ49が移動される際に冷却部120と干渉されることが抑制され得る。
【0176】
また、例えば、部品圧着装置100は、さらに、基板3がステージ49に載置される位置と熱圧着ヘッド48で部品5が基板3に熱圧着される位置との間でステージ49を移動させるステージ移動部41と、冷却部120の位置を検出する位置検出部160と、を備える。制御部2aは、第2熱圧着モードにおいて、冷却部120が第1位置に位置していることを位置検出部160した場合、ステージ移動部41を制御することで、ステージ49の移動を停止させる。
【0177】
これによれば、例えば、基板3が載置されるステージ49が、第1熱圧着モードで採用されるステージと第2熱圧着モードで採用されるステージとでサイズ又は形状等が異なる場合に、ステージ49と冷却部120とが干渉することが抑制される。
【0178】
また、例えば、部品圧着装置100は、制御部2aによって制御され、ステージ49とバックアップ部44との距離を変更する距離変更部を備える。制御部2aは、第2熱圧着モードで熱圧着を行う場合のステージ49とバックアップ部44との距離が、第1熱圧着モードで熱圧着を行う場合のステージ49とバックアップ部44との距離よりも小さくなるように、距離変更部を制御する。
【0179】
本実施の形態では、距離変更部は、ステージ移動部41である。
【0180】
第2熱圧着モードでは、冷却部120を基板3から遠ざけているために、ステージ49とバックアップ部44とを第1熱圧着モードの場合と比較して近づけることができる。ステージ49とバックアップ部44とを近づけることで、基板3をバックアップ部44で支持した場合に、基板3においてステージ49にもバックアップ部44にも支持されていない箇所を減らすことができる。これにより、基板3の変形(例えば、垂れ、反り等)を抑制することができ、例えば、熱圧着時に基板3が位置ずれを起こすことが抑制され得る。
【0181】
また、例えば、部品圧着装置100は、さらに、基板3の品種を検出するための品種検出部200を備える。制御部2aは、品種検出部200の検出結果に基づいて、第1熱圧着モードで制御するか第2熱圧着モードで制御するかを切り替える。
【0182】
これによれば、作業者が操作部等を用いて基板3の品種を入力することなく、制御部2aは、自動的に第1熱圧着モードで制御するか第2熱圧着モードで制御するかを判定できる。
【0183】
また、例えば、制御部2aは、品種検出部200によって基板3が非耐熱性部品を備える基板であると検出された場合、第1熱圧着モードで制御し、品種検出部200によって基板3が非耐熱性部品を備えない基板であると検出された場合、第2熱圧着モードで制御する。
【0184】
これによれば、制御部2aは、基板3を冷却させる必要があるか否かを適切に判定できる。
【0185】
また、実施の形態に係る部品圧着方法は、部品5が熱圧着される電極部4を端部3eに備える基板3をステージ49に載置する載置工程(ステップS305又はステップS404)と、バックアップ部44でステージ49に載置された基板3の端部3eを支持するバックアップ工程(ステップS306又はステップS406)と、(i)基板3がバックアップ部44で支持されている状態において、バックアップ部44により支持された端部3eの電極部4に、冷却部120が第1位置に位置する状態で、基板3に対して熱圧着ヘッド48と反対側から冷却部120で基板3を冷却しながら熱圧着ヘッド48で基板3に部品5を熱圧着する(ステップS308)第1熱圧着モードと、(ii)バックアップ部44により支持された端部3eの電極部4に、冷却部120を第1位置よりも基板3からの距離を離間させた第2位置で基板3を冷却部120で冷却せずに熱圧着ヘッド48で基板3に部品5を熱圧着する(ステップS407)第2熱圧着モードと、を切り替えて制御する熱圧着工程(ステップS203又はステップS204)と、を含む。
【0186】
これによれば、制御部2aは、冷却部120に基板3を冷却させる場合とさせない場合とを切り替えて基板3に部品5を熱圧着できる。基板3の種別によっては、熱に対して劣化しにくい場合もある。そのため、制御部2aは、例えば、基板3が熱に対して劣化しにくい場合、基板3を冷却させないことで、冷却ガスを用いることなく基板3に部品5を熱圧着できる。これにより、部品圧着装置100によれば、非耐熱性部品を備える基板3と、非耐熱性部品を備えない基板3とに対し、それぞれの基板3に適した熱圧着を行うことができる。
【0187】
また、例えば、実施の形態に係る部品圧着方法は、さらに、冷却部120を第1位置及び第2位置のいずれか一方に移動させる冷却部移動工程(ステップS303又はステップS402)を含む。冷却部移動工程では、第1熱圧着モードでは冷却部120を第1位置に移動させ(ステップS303)、第2熱圧着モードでは冷却部120を第2位置に移動させる(ステップS402)。
【0188】
これによれば、例えば、基板3を冷却させる場合には、冷却部120を基板3に近づける。これにより、基板3は、効果的に冷却され得る。一方、例えば、基板3を冷却させない場合には、冷却部120を基板3から遠ざける。これにより、ステージ49が移動される際に冷却部120と干渉されることが抑制され得る。
【0189】
また、例えば、実施の形態に係る部品圧着方法は、さらに、基板3が載置される位置と熱圧着ヘッド48で部品5が基板3に熱圧着される位置との間でステージ49を移動させるステージ移動工程(ステップS306又はステップS405)と、冷却部120の位置を検出する位置検出工程(ステップS304又はステップS403)と、を含む。ステージ移動工程では、第2熱圧着モードにおいて、冷却部120が第2位置に位置していないことを位置検出工程で検出した場合(ステップS403でNo)、ステージの移動を停止させる(ステップS408)。
【0190】
これによれば、例えば、基板3が載置されるステージ49が、第1熱圧着モードで採用されるステージと第2熱圧着モードで採用されるステージとでサイズ又は形状等が異なる場合に、ステージ49と冷却部120とが干渉することが抑制される。
【0191】
また、例えば、ステージ移動工程では、第2熱圧着モードで熱圧着を行う場合のステージ49とバックアップ部44との距離が、第1熱圧着モードで熱圧着を行う場合のステージとバックアップ部との距離よりも小さくなるように、ステージ49を移動する。
【0192】
第2熱圧着モードでは、冷却部120を基板3から遠ざけているために、ステージ49とバックアップ部44とを第1熱圧着モードの場合と比較して近づけることができる。ステージ49とバックアップ部44とを近づけることで、基板3をバックアップ部44で支持した場合に、基板3においてステージ49にもバックアップ部44にも支持されていない箇所を減らすことができる。これにより、基板3の変形(例えば、垂れ、反り等)を抑制することができ、例えば、熱圧着時に基板3が位置ずれを起こすことが抑制され得る。
【0193】
また、例えば、実施の形態に係る部品圧着装置100は、さらに、基板3の品種を検出する品種検出工程(ステップS201)を含む。熱圧着工程では、品種検出工程での検出結果に基づいて、第1熱圧着モードで制御するか第2熱圧着モードで制御するかを切り替える。
【0194】
これによれば、例えば、作業者が操作部等を用いて基板3の品種を入力することなく、コンピュータにより自動的に第1熱圧着モードで制御するか第2熱圧着モードで制御するかを判定できる。
【0195】
また、例えば、熱圧着工程では、品種検出工程で基板3が非耐熱性部品を備える基板であると検出した場合、第1熱圧着モードとし、品種検出工程で基板3が非耐熱性部品を備えない基板であると検出した場合、第2熱圧着モードとする。
【0196】
これによれば、例えば、基板3を冷却させる必要があるか否かをコンピュータが適切に判定できる。
【0197】
(その他の実施の形態)
以上、本実施の形態に係る部品圧着装置等について、上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0198】
例えば、上記実施の形態では、コンピュータ2の構成要素の全部又は一部は、専用のハードウェアで構成されてもよく、或いは、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)又はプロセッサ等のプログラム実行部が、HDD(Hard Disk Drive)又は半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0199】
また、コンピュータ2の構成要素は、1つ又は複数の電子回路で構成されてもよい。1つ又は複数の電子回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0200】
1つ又は複数の電子回路には、例えば、半導体装置、IC(Integrated Circuit)又はLSI(Large Scale Integration)等が含まれてもよい。IC又はLSIは、1つのチップに集積されてもよく、複数のチップに集積されてもよい。ここでは、IC又はLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又は、ULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれるかもしれない。また、LSIの製造後にプログラムされるFPGA(Field Programmable Gate Array)も同じ目的で使うことができる。
【0201】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0202】
本発明は、液晶パネルを生産する部品実装ライン等が有する、基板に部品を熱圧着する部品圧着装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0203】
1 部品実装ライン
1a、1b、1c 基台
2 コンピュータ
2a 制御部
2b 記憶部
3、3f、3g、3h、3i 基板
3a 上部基板
3b 下部基板
3c、3d 偏光板
3e 端部
4 電極部
5、5a 部品
6 異方性導電部材(ACF)
10 基板搬入部
11、23、37、49、49a、51 ステージ
20 貼着部
21、31、41 ステージ移動部
22 貼着機構
30 仮圧着部
32 部品搭載機構
33 部品供給部
40 本圧着部
43 ヘッド移動機構
43a ベース部
43b ガイド部
44 バックアップ部
46 取り付け部材
47 加圧機構
47a ロッド
48 熱圧着ヘッド
50 基板搬出部
60 搬送部
61 移動ベース
62A、62B、62C、62D 基板搬送機構
63 基部
64 アームユニット
100 部品圧着装置
120 冷却部
121 ガス吹き出し口
122 ノズル保持部
130 冷却部移動部
160 位置検出部
180 バックアップ部支持部
200 品種検出部
210 ガス管
211 ガス供給源
212 電磁バルブ
213 スピードコントローラ
214、214a、214b、214c、214d、214e、214f、214g、214h ノズル
220 保護シート
230 コック
240 流路