(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-07
(45)【発行日】2023-09-15
(54)【発明の名称】電解液体生成装置
(51)【国際特許分類】
C02F 1/461 20230101AFI20230908BHJP
C25B 9/00 20210101ALI20230908BHJP
【FI】
C02F1/461 Z
C25B9/00 A
(21)【出願番号】P 2020023380
(22)【出願日】2020-02-14
【審査請求日】2022-04-04
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【氏名又は名称】森 太士
(74)【代理人】
【識別番号】100141449
【氏名又は名称】松本 隆芳
(74)【代理人】
【識別番号】100142446
【氏名又は名称】細川 覚
(72)【発明者】
【氏名】今堀 修
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 賢一郎
(72)【発明者】
【氏名】山口 友宏
(72)【発明者】
【氏名】長田 実
【審査官】高橋 成典
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/013254(WO,A1)
【文献】特開2017-176993(JP,A)
【文献】特開2016-64383(JP,A)
【文献】特開2008-279341(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106365260(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/46 - 1/48
C25B 1/00 - 9/77
13/00 - 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を電解処理する電解部と、
前記電解部を押さえる弾性体と、
前記電解部および前記弾性体が内部に配置されるハウジングと、
を備え、
前記ハウジングには、前記電解部に供給される液体が流入する流入口と、前記電解部で生成される電解液体が流出する流出口とが設けられ、
前記ハウジング又は前記弾性体の何れか一方には位置決め凸部が設けられ、他方には前記位置決め凸部が挿入されることで前記弾性体が前記ハウジングに対して位置決めされる位置決め凹部
が設けられ、
前記位置決め凹部の内部には、前記位置決め凸部に向けて突出する突起が設けられている電解液体生成装置。
【請求項2】
前記突起は、
前記液体の流路の幅方向に向けて突出された第1突起を有する請求項
1に記載の電解液体生成装置。
【請求項3】
前記突起は、
前記液体の流路の通液方向に向けて突出された第2突起を有する請求項
1または2に記載の電解液体生成装置。
【請求項4】
前記位置決め凸部および前記位置決め凹部は、
前記液体の流路の通液方向に沿って複数配置され、
前記第1突起は、
前記通液方向の両端側に配置された前記位置決め凹部に設けられている請求項
2に記載の電解液体生成装置。
【請求項5】
前記位置決め凸部および前記位置決め凹部は、
前記液体の流路の通液方向に沿って複数配置され、
前記第1突起は、
前記通液方向の中央部に配置された前記位置決め凹部に設けられている請求項
2または4に記載の電解液体生成装置。
【請求項6】
前記位置決め凸部および前記位置決め凹部は、
前記通液方向に沿って複数配置され、
前記第2突起は、少なくとも1つの前記位置決め凹部に設けられている請求項
3に記載の電解液体生成装置。
【請求項7】
前記第2突起は、
前記通液方向の両側に配置された前記位置決め凹部に設けられている請求項
6に記載の電解液体生成装置。
【請求項8】
前記突起は、
前記液体の流路の幅方向に向けて突出された第1突起と、
前記液体の流路の通液方向に向けて突出された第2突起とを有し、
前記位置決め凸部および前記位置決め凹部は、
前記通液方向に沿って複数配置され、
前記第1突起と前記第2突起とは、異なる前記位置決め凹部に設けられている請求項
1に記載の電解液体生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電解液体生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電解液体生成装置としては、液体を電解処理する電解部と、電解部を押さえる弾性体と、電解部および弾性体が内部に配置されるハウジングとを備えたものが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
この電解液体生成装置では、ハウジングに、電解部に供給される液体が流入する流入口と電解部で生成される電解液体が流出する流出口とが設けられている。このような電解液体生成装置では、電解部に、液体としての水を供給し、電解部への電圧の印加によって水を電解処理し、電解生成物としてのオゾンを生成している。そして、生成されたオゾンを水に溶解し、電解液体としてのオゾン水を得ている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1のような電解液体生成装置では、ハウジングの内部において、弾性体が正確に位置決めされておらず、弾性体がハウジングの内部で偏って配置されてしまう可能性があった。このような弾性体の偏りが生じると、電解部への押圧力が場所によって変化してしまい、電解部の電解処理性能が安定しないおそれがあった。
【0006】
本開示は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本開示の目的は、ハウジングの内部における弾性体の偏りを抑制することができる電解液体生成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の態様に係る電解液体生成装置は、液体を電解処理する電解部と、前記電解部を押さえる弾性体と、前記電解部および前記弾性体が内部に配置されるハウジングとを備え、前記ハウジングには、前記電解部に供給される液体が流入する流入口と、前記電解部で生成される電解液体が流出する流出口とが設けられ、前記弾性体と前記ハウジングとの間には、位置決め凸部と、前記位置決め凸部が挿入されることで前記弾性体が前記ハウジングに対して位置決めされる位置決め凹部とが設けられている。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、ハウジングの内部における弾性体の偏りを抑制することができる電解液体生成装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る電解液体生成装置の分解斜視図である。
【
図2】本実施形態に係る電解液体生成装置の断面図である。
【
図3】本実施形態に係る電解液体生成装置の断面図である。
【
図5】本実施形態に係る電解液体生成装置の弾性体の上面図である。
【
図6】本実施形態に係る電解液体生成装置のハウジングの電極ケースの上面図である。
【
図7】本実施形態に係る電解液体生成装置のハウジングの電極ケースに弾性体を収容したときの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。
【0011】
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0012】
以下では、電解液体生成装置として、電解生成物としてのオゾンを発生させ、オゾンを液体としての水に溶解させることで、電解液体としてのオゾン水を生成するオゾン水生成装置を例示する。なお、オゾン水は、殺菌や有機物分解に有効であるため、水処理分野や食品、医学分野において広く利用されており、残留性がないことや、副生成物を生成しないという利点を有するものである。
【0013】
なお、以下では、流路の延在方向を通液方向(液体が流れる方向)X、流路の幅方向を幅方向(通液方向を横切る方向)Y、電極や導電性膜が積層される方向を積層方向Zとして説明する。なお、本実施形態では、積層方向Zを上下方向とし、ハウジングにおいて、電極ケース蓋側を上側としている。
【0014】
図1~
図8に示すように、電解液体生成装置1は、電解部3と、ハウジング7と、弾性体5とを備えている。
【0015】
図1~
図4に示すように、電解部3は、積層体23を有し、積層体23は、陰極25と、陽極27と、導電性膜29と、給電体31とを備えている。
【0016】
陰極25は、例えば、チタンを用いて形成されている。この陰極25は、通液方向Xを長手方向とし、幅方向Yを短手方向とし、積層方向Zを厚み方向とする長方形の板状に形成されている。このような陰極25の長手方向の一端(通液方向Xの下流側)には、渦巻き状のバネ部25aを介して陰極用の給電シャフト25bが電気的に接続されている。この給電シャフト25bは、電力供給部(不図示)の負極に電気的に接続される。
【0017】
この陰極25には、厚み方向(積層方向Z)に貫通した陰極側孔25cが複数形成されている。この複数の陰極側孔25cは、それぞれが長手方向(通液方向X)に向けてV字状になるように、ほぼ同一の形状をしている。このような複数の陰極側孔25cは、長手方向(通液方向X)に沿って所定のピッチで一列に並ぶように設けられている。なお、陰極側孔25cの形状および配列は、別の形態であってもよい。また、陰極側孔25cは、陰極25に少なくとも1つ形成されていればよい。
【0018】
陽極27は、例えば、シリコンを用いて形成した導電性基板に導電性ダイヤモンド膜を成膜することで形成されている。なお、導電性ダイヤモンド膜は、ボロンドーブ導電性を有し、プラズマCVD法によって、導電性基板上に形成される。この陽極27は、通液方向Xを長手方向とし、幅方向Yを短手方向とし、積層方向Zを厚み方向とする長方形の板状に形成されている。また、陽極27は、長手方向(通液方向X)に沿って2枚並べて配置されている。このような陽極27は、導電性膜29を積層方向Zに挟んで陰極25と積層される。
【0019】
導電性膜29は、例えば、プロトン導電型のイオン交換フィルムを用いて形成されている。この導電性膜29は、通液方向Xを長手方向とし、幅方向Yを短手方向とし、積層方向Zを厚み方向とする長方形の板状に形成されている。このような導電性膜29には、厚み方向(積層方向Z)に貫通した導電性膜側孔29aが複数形成されている。
【0020】
この複数の導電性膜側孔29aは、それぞれが短手方向(幅方向Y)に沿って長孔状になるように、ほぼ同一の形状をしている。このような複数の導電性膜側孔29aは、長手方向(通液方向X)に沿って所定のピッチで一列に並ぶように設けられている。なお、複数の導電性膜側孔29aのピッチは、陰極側孔25cと同じピッチとしてもよいし、陰極側孔25cと異なるピッチとしてもよい。また、導電性膜側孔29aの形状および配列は、別の形態であってもよい。さらに、導電性膜側孔29aは、導電性膜29に少なくとも1つ形成されていればよい。
【0021】
給電体31は、例えば、チタンを用いて形成されている。この給電体31は、通液方向Xを長手方向とし、幅方向Yを短手方向とし、積層方向Zを厚み方向とする長方形の板状に形成されている。このような給電体31の長手方向の他端(通液方向Xの上流側)には、渦巻き状のバネ部31aを介して陽極用の給電シャフト31bが電気的に接続されている。この給電シャフト31bは、電力供給部(不図示)の正極に電気的に接続される。この給電体31は、陽極27の積層方向Zの一面側に積層されて陽極27に接触され、陽極27と電気的に接続される。
【0022】
このような積層体23は、積層方向Zの下側から、給電体31、陽極27、導電性膜29、陰極25の順に積層される。この積層体23では、陰極25と陽極27の間に導電性膜29が積層された部分で、陰極25および陽極27と導電性膜29との間に界面33,35が形成される。また、積層体23では、陰極25と導電性膜29とが積層された部分で、陰極側孔25cと導電性膜側孔29aとが積層方向Zに連通し、溝部37が形成される。この溝部37には、界面33,35の少なくとも一部が露出している。このような溝部37は、液体としての水が流れる流路39に開口し、水が流通される。
【0023】
このような積層体23を有する電解部3では、流路39に水を流通させ、溝部37に水を流通させた状態で、電源供給部によって、陰極25と陽極27との間に電圧を印可すると、陰極25と陽極27との間には導電性膜29を介して電位差が生じる。この電位差により、陰極25と陽極27と導電性膜29とが通電し、主に溝部37内の水中で電解処理がなされ、陽極27と導電性膜29との界面35の近傍で電解生成物としてのオゾンが発生する。このオゾンは、水の流れに沿って流路39の下流側へと運ばれながら水に溶解し、電解液体としてのオゾン水が生成される。このような電解部3は、ハウジング7内に配置されている。
【0024】
図1~
図4,
図6に示すように、ハウジング7は、例えば、PPSなどの非導電性の樹脂を用いて形成されている。このハウジング7は、電極ケース41と、電極ケース蓋43とを備えている。
【0025】
電極ケース41は、積層方向Zの下側に位置する底壁部45と、底壁部45の周縁部から積層方向Zの上側に向けて立設され周方向に連続して形成された周壁部47とを備えている。この電極ケース41は、周壁部47の上側が開口された長方形の筐体状に形成されている。なお、周壁部47の上端には、外方に向けて通液方向Xおよび幅方向Yと平行な平面方向に延設され周方向に連続してフランジ部49が形成されている。このような電極ケース41は、収容凹部51と、一対の貫通孔53,53と、嵌合凸部55と、流入口9と、流出口11とを備えている。
【0026】
収容凹部51は、底壁部45の内面45aと周壁部47の内面47aとによって区画された電極ケース41の内部空間となっており、周壁部47の上側が開口されている。この収容凹部51には、開口側から電解部3と弾性体5とが収容される。なお、周壁部47の内面47aには、ハウジング7に対して陰極25を位置決めする位置決め突起57が通液方向Xに沿って複数形成されている。
【0027】
一対の貫通孔53,53は、収容凹部51の底壁部45の通液方向Xの下流側と上流側とにそれぞれ設けられている。この一対の貫通孔53,53は、それぞれ底壁部45を積層方向Zに貫通して形成されている。このような一対の貫通孔53,53には、電解部3を収容凹部51に収容した状態で、それぞれ陰極25の給電シャフト25bと給電体31の給電シャフト31bとが挿通して配置される。そして、一対の貫通孔53,53の下側には、給電シャフト25bおよび給電シャフト31bに対して、Oリング59、ワッシャ61、バネ座金63、六角ナット65が組付けられる。この組付けにより、収容凹部51が止水されつつ、給電シャフト25bおよび給電シャフト31bが一対の貫通孔53,53に固定される。
【0028】
嵌合凸部55は、周壁部47の上面から積層方向Zの上側に向けて立設され周方向に連続して形成されている。この嵌合凸部55には、電極ケース蓋43の嵌合凹部71が嵌合され、電極ケース41に対して電極ケース蓋43が位置決めされる。なお、嵌合凸部55は、周方向に不連続に複数形成してもよい。
【0029】
流入口9は、電極ケース41の周壁部47のうち通液方向Xの上流側に位置する周壁部47に設けられ、通液方向Xの上流側に向けて筒状に延設されている。この流入口9の中央部には、周壁部47を通液方向Xに貫通し、収容凹部51に連通された長穴状の孔が形成されている。このような流入口9には、液体としての水を供給する配管(不図示)が接続され、収容凹部51内に水を導入させる。
【0030】
流出口11は、電極ケース41の周壁部47のうち通液方向Xの下流側に位置する周壁部47に設けられ、通液方向Xの下流側に向けて筒状に延設されている。この流出口11の中央部には、周壁部47を通液方向Xに貫通し、収容凹部51に連通された長穴状の孔が形成されている。このような流出口11には、電解液体としてのオゾン水を排出する配管(不図示)が接続され、収容凹部51内の電解部3で生成されたオゾン水を導出させる。
【0031】
電極ケース蓋43は、積層方向Zの上側に位置する長方形状の蓋部本体67と、蓋部本体67の中央部の下面から積層方向Zの下側に向けて長方形状に立設された流路凸部69とを備えている。
【0032】
蓋部本体67は、収容凹部51の開口を閉塞可能なように、外形形状が電極ケース41のフランジ部49とほぼ同一に形成されている。この蓋部本体67の下面の外縁部には、嵌合凸部55と嵌合可能な嵌合凹部71が周方向に連続して形成されている。このような蓋部本体67は、下面がフランジ部49の上面と接触し、嵌合凹部71が嵌合凸部55に嵌合された状態で、互いの接触面が溶着される。この溶着により、ハウジング7の内部が止水されつつ、電極ケース蓋43が電極ケース41に固定される。
【0033】
なお、電極ケース41と電極ケース蓋43との固定は、電極ケース41と電極ケース蓋43との間にシール材を介在させ、ねじ止めなどの固定手段によって固定してもよい。また、嵌合凹部71は、嵌合凸部55が周方向に不連続に複数形成されている場合には複数の嵌合凸部55に合わせて、周方向に不連続に複数形成させればよい。さらに、蓋部本体67の上面には、電解液体生成装置1を組付ける際に、位置決め、引っ掛かり、逆入れ防止などに活用される溝73が形成されている。
【0034】
流路凸部69は、外形形状が収容凹部51の開口の内縁部とほぼ同一形状に形成されている。この流路凸部69の外面は、収容凹部51に挿入可能なように、周壁部47の内面47aとの間にわずかな隙間を有するように設定されている。このような流路凸部69は、電極ケース蓋43が電極ケース41に組付けられた状態で、収容凹部51に挿入され、下面が電解部3の陰極25の表面に当接して積層体23を積層方向Zの下側に向けて押圧する。この流路凸部69の下面の中央部には、流路溝75が通液方向Xに沿って形成されている。
【0035】
流路溝75は、流路凸部69の中央部に通液方向Xに沿って複数配置された円柱状の突起部で区画されるように、流路凸部69の幅方向Yに対して2本設けられ、それぞれ陰極25側が開口し、通液方向Xの両側が開口されている。この流路溝75は、幅方向Yの幅が、電解部3の溝部37の幅方向Yの幅とほぼ同一に設定されている。この設定により、流路溝75を流れる液体としての水を、溝部37に安定して導入させることができる。このような流路溝75は、流路凸部69が陰極25に当接された状態で、陰極25の表面との間に液体としての水が流通する流路39を形成する。
【0036】
この流路39には、流入口9からハウジング7内に導入された液体としての水が流入される。この流路39に流入された水は、電解部3の溝部37を流通して電解処理され、電解生成物としてのオゾンが生成される。この生成されたオゾンは、流路39を流れる水に溶解し、電解液体としてのオゾン水が生成される。この生成されたオゾン水は、流路39を流れ、流出口11からハウジング7外に導出される。このような流路39が形成されたハウジング7内には、弾性体5が配置されている。
【0037】
図1~
図5に示すように、弾性体5は、例えば、ゴム、プラスチック、金属ばねなどの弾性力を有する弾性体を用いて形成されている。この弾性体5は、収容凹部51に収容可能なように、外面形状が収容凹部51の底壁部45側の内面形状とほぼ同一な直方体状に形成されている。このような弾性体5は、収容凹部51に収容された状態で、積層方向Zの上側に電解部3が積層される。この状態で、電極ケース蓋43を電極ケース41に組付けることによって、流路凸部69が電解部3を積層方向Zの下側に向けて押圧し、弾性体5が積層方向Zの下側に向けて押圧された状態となる。
【0038】
このとき、弾性体5には、積層方向Zの上側に向けて復元しようとする反発力が発生する。この弾性体5の反発力によって、電解部3に積層方向Zの上側に向けた付勢力が付与され、積層体23が積層方向Zに密着された状態となる。このため、積層体23の接触が安定し、通電面積が保持され、電流密度を均等化して電解部3での電解処理性能を安定化することができる。なお、弾性体5の自由状態において、弾性体5の外面と収容凹部51の内面との間には、隙間が形成されている。このような隙間を形成することにより、弾性体5が弾性変形したときの弾性体5の変形を許容することができる。
【0039】
このような電解液体生成装置1において、陰極25の幅方向Yの幅は、流路凸部69の幅方向Yの幅とほぼ同一に設定されている。このように陰極25の幅を設定することにより、流路凸部69との間に形成された流路39に対して、溝部37の開口を安定して配置することができる。また、流路凸部69によって、陰極25を積層方向Zの下側に向けて安定して押圧することができる。
【0040】
陽極27の幅方向Yの幅は、陰極25の幅方向Yの幅より狭く、導電性膜29の幅方向Yの幅とほぼ同一に設定されている。このように陽極27および導電性膜29の幅を設定することにより、高価な陽極27および導電性膜29を小型化することができる。
【0041】
給電体31の幅方向Yの幅は、陽極27の幅方向Yの幅とほぼ同一に設定されている。このように給電体31の幅を設定することにより、給電体31を小型化しつつ、陽極27に対する通電面積を確保することができる。このため、陽極27への通電を安定化することができ、電解部3での電解処理性能を保持することができる。
【0042】
弾性体5の幅方向Yの幅は、陽極27および給電体31の幅方向Yの幅より広く設定されている。このように弾性体5の幅を設定することにより、陽極27および給電体31の外周部に弾性体5の外縁部を配置することができる。また、給電体31から付与される流路凸部69からの押圧力を安定して受けることができ、積層体23に対して付勢力を安定して付与することができる。
【0043】
ここで、電解液体生成装置1では、電解部3の外周部とハウジング7の内面との間に、微小な隙間が形成されていると、この微小な隙間に液体としての水が侵入して滞留することがある。電解部3の周囲に水が滞留された状態で水を電解処理して電解生成物としてのオゾンを生成すると、電解部3の周囲に滞留した水のpH値が上昇し、主にカルシウム成分からなるスケールが発生し易くなる。スケールが発生すると、微小な隙間にスケールが堆積してしまうおそれがある。電解部3の周囲にスケールが堆積してしまうと、電解部3やハウジング7がスケールに圧迫されて変形してしまうおそれがある。
【0044】
そこで、電解部3の外周部とハウジング7の内面との間には、液体としての水の滞留を抑制する空間部77が形成されている。
【0045】
図4に示すように、空間部77は、周壁部47の内面47aと積層体23の幅方向Yの両側の側面との間に形成されている。詳細には、空間部77は、周壁部47の内面47aと陰極25の側面25dとの間に形成されている。また、空間部77は、周壁部47の内面47aと陽極27の側面27aとの間に形成されている。また、空間部77は、周壁部47の内面47aと導電性膜29の側面29bとの間に形成されている。また、空間部77は、周壁部47の内面47aと給電体31の側面31cとの間に形成されている。
【0046】
この空間部77は、ハウジング7の内部において、積層体23の幅方向Yの両側にそれぞれ通液方向Xに沿って形成され、流入口9と流出口11とにそれぞれ連通されている。このような空間部77には、流入口9から導入される液体としての水が流通され、流出口11から水が導出される。このため、電解部3の周囲では、水が滞留することが抑制される。このように電解部3の周囲に水が滞留することを抑制することにより、スケールの発生を抑制することができる。このため、スケールの堆積による電解部3やハウジング7の変形を抑制することができる。なお、空間部77は、流路39の途中に連通するようにしてもよい。
【0047】
このような空間部77が設けられた電解液体生成装置1では、電解部3において、陽極27の幅方向Yの幅が、陰極25の幅方向Yの幅より狭く形成されている。このように陽極27の幅を狭めることで陽極27を小型化している。しかしながら、陽極27を小型化してしまうと、陽極27を直接的にハウジング7に対して位置決めすることができない。
【0048】
そこで、電解部3の積層体23のうち少なくとも陽極27は、弾性体5に対して位置決めされている。
【0049】
図1~
図5に示すように、弾性体5の上面の周縁部には、上面から積層方向Zの上側に向けて複数の突起部79が立設されている。この複数の突起部79の積層方向Zの高さは、弾性体5に積層された陽極27まで到達するように、給電体31と陽極27との厚さの合計とほぼ同一に設定されている。このように複数の突起部あるの高さを設定することにより、複数の突起部79によって陽極27を位置決めすることができる。
【0050】
このような複数の突起部79は、幅方向Yの両側にそれぞれ通液方向に沿って複数配置された突起部79が、陽極27および給電体31の幅方向Yの両側の側面に対して、幅方向Yに対向している。このため、陽極27および給電体31が幅方向Yに向けて移動しようとすると、陽極27および給電体31は突起部79と接触し、幅方向Yへの移動が規制される。
【0051】
また、複数の突起部79は、通液方向Xの両側にそれぞれ配置された突起部79が、陽極27および給電体31の通液方向Xの両側の側面に対して、通液方向Xに対向している。このため、陽極27および給電体31が通液方向Xに向けて移動しようとすると、陽極27および給電体31は突起部79と接触し、通液方向Xへの移動が規制される。
【0052】
このように複数の突起部79は、陽極27および給電体31の通液方向Xおよび幅方向Yと平行な平面方向の移動を規制し、陽極27および給電体31を弾性体5に対して平面方向に位置決めしている。このため、陽極27と給電体31との接触を安定化することができ、電解部3での電解処理性能を保持することができる。また、陽極27および給電体31の空間部77側への移動を規制することができ、空間部77を保持することができる。
【0053】
このように陽極27および給電体31を位置決めする弾性体5は、ハウジング7に対して位置決めされている。このハウジング7に対する弾性体5の位置決めが不十分であると、ハウジング7内で弾性体5が偏って配置されるおそれがある。このような弾性体5の偏りが生じると、電解部3への積層方向Zの押圧力が場所によって変化してしまい、電解部3の電解処理性能が安定しないおそれがあった。
【0054】
そこで、弾性体5とハウジング7との間には、弾性体5をハウジング7に対して位置決めするために、
図5~
図8に示すように、位置決め凸部13と、位置決め凹部15とが設けられている。
【0055】
なお、以下では、弾性体5の電解部3への押圧方向を積層方向Zとし、積層方向Zと直交する平面方向を通液方向Xおよび幅方向Yと平行な平面方向とする。また、この平行方向のうち所定の一方向を弾性体5およびハウジング7の短手方向である幅方向Yとする。さらに、所定の一方向と直交する他方向を弾性体5およびハウジング7の長手方向である通液方向Xとする。
【0056】
位置決め凸部13は、ハウジング7の収容凹部51の底壁部45から積層方向Zの上側に向けて立設されている。この位置決め凸部13は、通液方向Xに沿って複数配置されている。このような位置決め凸部13は、外面形状が四角形状に形成されている。なお、位置決め凸部13の外面形状は、四角形状に限らず、例えば、円形状など、どのような形状であってもよい。
【0057】
位置決め凹部15は、弾性体5を積層方向Zに貫通して形成された孔となっている。この位置決め凹部15は、位置決め凸部13に対応して、通液方向Xに沿って複数配置されている。このような位置決め凹部15は、内部に位置決め凸部13を収容可能に、内面形状が四角形状に形成されている。なお、位置決め凹部15の内面形状は、四角形状に限らず、位置決め凸部13の外面形状に合わせて形成すればよい。また、位置決め凹部15は、弾性体5を積層方向Zに貫通して形成させなくともよい。
【0058】
このような位置決め凸部13と位置決め凹部15とは、弾性体5を収容凹部51に収容するときに、位置決め凸部13が位置決め凹部15内に挿入される。この位置決め凸部13が位置決め凹部15内に収容された状態では、位置決め凸部13の外面に対して位置決め凹部15の内面が対向して配置されている。このため、弾性体5が通液方向Xおよび幅方向Yと平行な平面方向に移動しようとすると、位置決め凸部13の外面と位置決め凹部15の内面とが接触し、弾性体5の平面方向への移動が規制される。
【0059】
このように位置決め凸部13と位置決め凹部15とでハウジング7に対して弾性体5を位置決めすることにより、ハウジング7内で弾性体5が偏って配置されることを抑制することができる。このため、弾性体5による電解部3への積層方向Zの押圧力を均一に保持することができ、電解部3の電解処理性能を安定化することができる。
【0060】
ここで、位置決め凸部13が位置決め凹部15内に収容された状態では、位置決め凸部13の外面と位置決め凹部15の内面との間に隙間が形成されている。この隙間は、弾性体5が弾性変形するときの弾性体5の変形を許容する空間となっている。しかしながら、このような隙間は、収容凹部51に弾性体5を収容しただけの弾性体5が自由状態である場合、弾性体5の平面方向への移動を許容してしまう。
【0061】
そこで、複数の位置決め凹部15うち少なくとも1つの位置決め凹部15の内部には、位置決め凸部13に向けて突出する突起17が設けられている。
【0062】
突起17は、位置決め凹部15の内面から位置決め凸部13に向けて突設されている。この突起17は、位置決め凸部13を挟んだ位置決め凹部15の内面から一対形成されている。このような突起17は、弾性体5の自由状態で、位置決め凸部13と接触している。このため、弾性体5が自由状態であっても、弾性体5をハウジング7に対して位置決めすることができる。なお、突起17は、弾性体5の自由状態で、位置決め凸部13の外面との間に微小な隙間を有していてもよい。この突起17は、第1突起19と、第2突起21とを備えている。
【0063】
第1突起19は、位置決め凹部15の内部において、弾性体5の短手方向(幅方向Y)の両側に位置する内面から位置決め凸部13に向けて突出されている。このため、弾性体5が短手方向(幅方向Y)に移動しようとすると、位置決め凸部13の外面と第1突起19とが接触し、弾性体5の短手方向への移動が規制される。
【0064】
この第1突起19が設けられた位置決め凹部15は、弾性体5の長手方向(通液方向X)に沿って複数配置された位置決め凹部15のうち長手方向の両端側にそれぞれ配置されている。このように第1突起19が設けられた位置決め凹部15を配置することにより、弾性体5は短手方向(幅方向Y)に曲がり易いため、長手方向(通液方向X)の両端部を短手方向に位置決めすることで、弾性体5の全体の偏りを小さくすることができる。このため、弾性体5による電解部3への積層方向Zの押圧力を均一に保持することができ、電解部3で発生する電解液体としてのオゾン水濃度を狙い通り高精度に発生することができる。
【0065】
また、第1突起19が設けられた位置決め凹部15は、弾性体5の長手方向(通液方向X)に沿って複数配置された位置決め凹部15のうち長手方向の中央部に配置されている。このように第1突起19が設けられた位置決め凹部15を配置することにより、弾性体5は短手方向(幅方向Y)に曲がり易いため、長手方向(通液方向X)の中央部を短手方向に位置決めすることで、弾性体5の全体の偏りを小さくすることができる。加えて、長手方向(通液方向X)の両端部と中央部とを短手方向(幅方向Y)に位置決めすることで、弾性体5の全体の偏りをさらに小さくすることができる。
【0066】
第2突起21は、位置決め凹部15の内部において、弾性体5の長手方向(通液方向X)の両側に位置する内面から位置決め凸部13に向けて突出されている。このため、弾性体5が長手方向(通液方向X)に移動しようとすると、位置決め凸部13の外面と第2突起21とが接触し、弾性体5の長手方向への移動が規制される。
【0067】
この第2突起21が設けられた位置決め凹部15は、弾性体5の長手方向(通液方向X)に沿って複数配置された位置決め凹部15のうち長手方向の両側にそれぞれ配置されている。このように第2突起21が設けられた位置決め凹部15を配置することにより、弾性体5は長手方向(通液方向X)に伸び縮みし易いため、長手方向の両側を長手方向に位置決めすることで、弾性体5の全体の偏りを小さくすることができる。このため、弾性体5による電解部3への積層方向Zの押圧力を均一に保持することができ、電解部3で発生する電解液体としてのオゾン水濃度を狙い通り高精度に発生することができる。
【0068】
なお、第2突起21が設けられた位置決め凹部15を、弾性体5の長手方向(通液方向X)に沿って複数配置された位置決め凹部15のうち長手方向の中央部近傍に配置してもよい。このように第2突起21が設けられた位置決め凹部15を配置しても、弾性体5の長手方向(通液方向X)の伸び縮みに対して、弾性体5を長手方向に位置決めでき、弾性体5の全体の偏りを小さくすることができる。
【0069】
このような第1突起19と第2突起21とは、弾性体5の長手方向(通液方向X)に沿って複数配置された位置決め凹部15のうち異なる位置決め凹部15,15に設けられている。このように第1突起19と第2突起21とを異なる位置決め凹部15,15に設けることにより、弾性体5の短手方向(幅方向Y)と長手方向(通液方向X)との位置決めを、それぞれの位置決め凹部15,15で正確に行うことができる。このため、弾性体5による電解部3への積層方向Zの押圧力を均一に保持することができ、電解部3で発生する電解液体としてのオゾン水濃度を狙い通り高精度に発生することができる。
【0070】
このような電解液体生成装置1では、液体を電解処理する電解部3と、電解部3を押さえる弾性体5と、電解部3および弾性体5が内部に配置されるハウジング7とを備えている。
【0071】
また、ハウジング7には、電解部3に供給される液体が流入する流入口9と、電解部3で生成される電解液体が流出する流出口11とが設けられている。
【0072】
そして、弾性体5とハウジング7との間には、位置決め凸部13と、位置決め凸部13が挿入されることで弾性体5がハウジング7に対して位置決めされる位置決め凹部15とが設けられている。
【0073】
このため、位置決め凸部13を位置決め凹部15に挿入することにより、弾性体5をハウジング7に対して位置決めすることができ、ハウジング7内での弾性体5の偏りを小さくすることができる。従って、弾性体5による電解部3への押圧力を均一に保持することができ、電解部3で発生する電解液体の電解生成物濃度を狙い通り高精度に発生することができる。
【0074】
従って、このような電解液体生成装置1では、ハウジング7の内部における弾性体5の偏りを抑制することができる。
【0075】
また、位置決め凹部15の内部には、位置決め凸部13に向けて突出する突起17が設けられている。このため、位置決め凸部13の外面と位置決め凹部15の内面との隙間を小さくし、ハウジング7内での弾性体5の偏りをより小さくすることができる。従って、弾性体5による電解部3への押圧力を均一に保持することができ、電解部3で発生する電解液体の電解生成物濃度を狙い通り高精度に発生することができる。
【0076】
さらに、突起17は、弾性体5の電解部3への押圧方向(積層方向Z)と直交する平面方向のうち所定の一方向(幅方向Y)に向けて突出された第1突起19を有する。このため、弾性体5の所定の一方向(幅方向Y)への変形に対して、弾性体5を所定の一方向に位置決めすることができる。従って、弾性体5による電解部3への押圧力を均一に保持することができ、電解部3で発生する電解液体の電解生成物濃度を狙い通り高精度に発生することができる。
【0077】
また、突起17は、弾性体5の電解部3への押圧方向(積層方向Z)と直交する平面方向のうち所定の一方向(幅方向X)と直交する他方向(通液方向X)に向けて突出された第2突起21を有する。このため、弾性体5の他方向(通液方向X)への変形に対して、弾性体5を他方向に位置決めすることができる。従って、弾性体5による電解部3への押圧力を均一に保持することができ、電解部3で発生する電解液体の電解生成物濃度を狙い通り高精度に発生することができる。
【0078】
さらに、位置決め凸部13および位置決め凹部15は、弾性体5の電解部3への押圧方向(積層方向Z)と直交する平面方向のうち所定の一方向(幅方向Y)と直交する他方向(通液方向X)に沿って複数配置されている。そして、第1突起19は、他方向(通液方向X)の両端側に配置された位置決め凹部15,15に設けられている。このため、弾性体5の他方向(通液方向X)の両端側における弾性体5の所定の一方向(幅方向Y)への変形に対して、弾性体5を所定の一方向に位置決めし、弾性体5の全体の偏りを小さくすることができる。従って、弾性体5による電解部3への押圧力を均一に保持することができ、電解部3で発生する電解液体の電解生成物濃度を狙い通り高精度に発生することができる。
【0079】
また、第1突起19は、他方向(通液方向X)の中央部に配置された位置決め凹部15に設けられている。このため、弾性体5の他方向(通液方向X)の中央部における弾性体5の所定の一方向(幅方向Y)への変形に対して、弾性体5を所定の一方向に位置決めし、弾性体5の全体の偏りを小さくすることができる。従って、弾性体5による電解部3への押圧力を均一に保持することができ、電解部3で発生する電解液体の電解生成物濃度を狙い通り高精度に発生することができる。
【0080】
さらに、第2突起21は、少なくとも1つの位置決め凹部15に設けられている。このため、弾性体5の他方向(通液方向X)への変形に対して、弾性体5を他方向に位置決めし、弾性体5の全体の偏りを小さくすることができる。従って、弾性体5による電解部3への押圧力を均一に保持することができ、電解部3で発生する電解液体の電解生成物濃度を狙い通り高精度に発生することができる。
【0081】
また、第2突起21は、他方向(通液方向X)の両側に配置された位置決め凹部15,15に設けられている。このため、弾性体5の他方向(通液方向X)の両側における弾性体5の他方向への変形に対して、弾性体5を他方向に位置決めし、弾性体5の全体の偏りを小さくすることができる。従って、弾性体5による電解部3への押圧力を均一に保持することができ、電解部3で発生する電解液体の電解生成物濃度を狙い通り高精度に発生することができる。
【0082】
さらに、第1突起19と第2突起21とは、異なる位置決め凹部15,15に設けられている。このため、弾性体5の所定の一方向(幅方向Y)と他方向(通液方向X)との位置決めを、それぞれの位置決め凹部15,15で独立して正確に行うことができる。従って、弾性体5による電解部3への押圧力を均一に保持することができ、電解部3で発生する電解液体の電解生成物濃度を狙い通り高精度に発生することができる。
【0083】
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【0084】
例えば、位置決め凸部は、ハウジングに設けられ、位置決め凹部は、弾性体に設けられているが、これに限るものではない。例えば、位置決め凸部を、弾性体に設け、位置決め凹部を、ハウジングに設けてもよい。
【0085】
また、位置決め凸部は、ハウジングの底壁部に設けられ、位置決め凹部は、弾性体の位置決め凸部と対応する位置に設けられているが、これに限るものではない。例えば、位置決め凸部を、ハウジングの周壁部の内面に積層方向に沿って突条状に設け、位置決め凹部を、弾性体の側面の位置決め凸部と対応する位置に積層方向に沿って溝状に設けてもよい。このように位置決め凸部と位置決め凹部とは、その形成箇所や形状がどのようなものであってもよい。
【0086】
さらに、突起は、位置決め凹部の内面に一対形成されているが、これに限るものではない。例えば、突起を、位置決め凹部の内面に1箇所、或いは3箇所以上形成させてもよい。加えて、第1突起と第2突起とは、異なる位置決め凹部に設けられているが、これに限らず、第1突起と第2突起とを同じ位置決め凹部に設けてもよい。
【0087】
また、弾性体およびハウジングの形状は、長方形状に形成されているが、これに限るものではない。例えば、弾性体およびハウジングの形状は、正方形状や五角形状などのような他の多角形状、或いは円形状に形成されていてもよく、どのような形状であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本開示は、ハウジングの内部における弾性体の偏りを抑制し、電解処理した液中の電解生成物の濃度を高めることができる電解液体生成装置に適用可能である。具体的には、浄水装置などの水処理機器、洗濯機、食洗器、温水洗浄便座、冷蔵庫、給湯給水装置、殺菌装置、医療用機器、空調機器、厨房機器などに、本開示は適用可能である。
【符号の説明】
【0089】
1 電解液体生成装置
3 電解部
5 弾性体
7 ハウジング
9 流入口
11 流出口
13 位置決め凸部
15 位置決め凹部
17 突起
19 第1突起
21 第2突起
X 通液方向(他方向)
Y 幅方向(所定の一方向)
Z 積層方向(弾性体の電解部への押圧方向)