IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックIPマネジメント株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-給湯装置 図1
  • 特許-給湯装置 図2
  • 特許-給湯装置 図3
  • 特許-給湯装置 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-07
(45)【発行日】2023-09-15
(54)【発明の名称】給湯装置
(51)【国際特許分類】
   F24H 15/395 20220101AFI20230908BHJP
   F24H 1/54 20220101ALI20230908BHJP
   F24H 15/265 20220101ALI20230908BHJP
   F24H 15/486 20220101ALI20230908BHJP
【FI】
F24H15/395
F24H1/54 301A
F24H15/265
F24H15/486
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019205498
(22)【出願日】2019-11-13
(65)【公開番号】P2021076346
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-09-05
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098545
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100189717
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 貴章
(72)【発明者】
【氏名】中島 哲也
(72)【発明者】
【氏名】内谷 和雄
(72)【発明者】
【氏名】長尾 朋洋
(72)【発明者】
【氏名】石鍋 和也
(72)【発明者】
【氏名】岡野 誠之
【審査官】河野 俊二
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-158183(JP,A)
【文献】特開2004-156868(JP,A)
【文献】特開2002-312867(JP,A)
【文献】特開2001-033098(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 15/196
F24H 15/265
F24H 15/395
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室内に設置された人体検出手段と、台所リモコンと、浴槽水加熱手段と、制御手段と、を備え、前記人体検出手段が、前記浴室内の人の存在を検知した場合に、前記浴室内に人が存在していることを前記台所リモコンに報知する機能を有し、浴槽にお湯がない場合には、前記人体検出手段が、前記浴室への人の入室を検知しても、第1所定時間以内は、前記浴室内に人が存在していることを前記台所リモコンに報知せず、前記第1所定時間経過後には前記浴室内に人が存在していることを前記台所リモコンに報知することを特徴とする給湯装置。
【請求項2】
前記浴槽水加熱手段が、前記浴槽内の湯水を保温する風呂保温運転機能を有し、前記風呂保温運転機能の実行中に、前記人体検出手段が、前記浴室への人の入室を検知した場合には、前記第1所定時間より短い第2所定時間以内に、前記浴室内に人が存在していることを前記台所リモコンに報知することを特徴とする請求項1に記載の給湯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室への人の入室を検知する機能を備えた給湯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の給湯装置は、浴室内の在室者の有無を検出する人体検出手段として赤外線センサが浴室リモコンに設けられ、この赤外線センサが、浴室内の在室者の有無を検出するのが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4458197号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の給湯装置の構成では、浴室の扉が開いていると、人体検出手段の前を人が横切るだけで、人体検出手段が反応してしまうという課題を有していた。
【0005】
また、浴槽に栓をしに行く為に、浴室内に短時間入室しただけで、人体検出手段が反応してしまうという課題も有していた。
【0006】
本発明は、前記従来課題を解決するもので、浴室への人の入室の検知精度を向上させた給湯装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、本発明の給湯装置は、浴室内に設置された人体検出手段と、台所リモコンと、浴槽水加熱手段と、制御手段と、を備え、前記人体検出手段が、前記浴室内の人の存在を検知した場合に、その旨を前記台所リモコンに報知する機能を有し、浴槽にお湯がない場合には、前記人体検出手段が、前記浴室への人の入室を検知しても、第1所定時間以内は、その旨を前記台所リモコンに報知しないことを特徴とするものである。
【0008】
これにより、浴室の扉が開いていて、人体検出手段の前を人が横切るだけで、人体検出手段が反応してしまうということや、また、浴槽に栓をしに行く為に、浴室内に短時間入室しただけで、人体検出手段が反応してしまうということ、すなわち、浴室内に短時間入室しただけの場合でも、人体検出手段が反応して台所リモコンに報知してしまうということを防止でき、浴室への人の入室の検知精度を向上させた給湯装置を提供できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、浴室への人の入室の検知精度を向上させた給湯装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態1における給湯装置の構成図
図2】(a)本発明の実施の形態1における浴室リモコンの正面図(b)同台所リモコンの正面図
図3】(a)本発明の実施の形態1における浴室の横断面図(b)図3(a)のA-A断面図
図4】本発明の実施の形態1における給湯装置の浴室使用表示機能の制御仕様を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
第1の発明は、浴室内に設置された人体検出手段と、台所リモコンと、浴槽水加熱手段と、制御手段と、を備え、前記人体検出手段が、前記浴室内の人の存在を検知した場合に、その旨を前記台所リモコンに報知する機能を有し、浴槽にお湯がない場合には、前記人体検出手段が、前記浴室への人の入室を検知しても、第1所定時間以内は、その旨を前記台所リモコンに報知しないことを特徴とする給湯装置である。
【0012】
これにより、浴室の扉が開いていて、人体検出手段の前を人が横切るだけで、人体検出手段が反応してしまうということや、また、浴槽に栓をしに行く為に、浴室内に短時間入室しただけで、人体検出手段が反応してしまうということ、すなわち、浴室内に短時間入室しただけの場合でも、人体検出手段が反応して台所リモコンに報知してしまうということを防止でき、浴室への人の入室の検知精度を向上させた給湯装置を提供できる。
【0013】
第2の発明は、特に第1の発明において、前記浴槽水加熱手段が、前記浴槽内の湯水を保温する風呂保温運転機能を有し、前記風呂保温運転機能の実行中に、前記人体検出手段が、前記浴室への人の入室を検知した場合には、前記第1所定時間より短い第2所定時間以内に、その旨を前記台所リモコンに報知することを特徴とするものである。
【0014】
これにより、入浴を目的とした浴室に入室した場合には、台所リモコンの報知部に、その旨を適格に報知できるため、浴室への人の入室の検知精度を向上させた給湯装置を提供できる。
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお。この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における給湯装置の構成を示す図である。
【0017】
図1において、貯湯槽1と、この貯湯槽1の水を加熱する貯湯槽水加熱手段としてのヒートポンプ2と、貯湯槽1の湯と浴槽3の湯を熱交換して風呂の追い焚きをおこなう浴槽水加熱手段としての熱交換器4と、第1の循環ポンプ5と、第2の循環ポンプ6と、浴槽水温度を測定するサーミスタ7と、浴室リモコン8に設けられ、浴室内の在室者の有無を検出する人体検出手段9と、この人体検出手段9からの出力により、浴室11内の人の存在を検知した場合に、その旨を報知する報知部14が設けられている台所リモコン13と、を備えている。
【0018】
なお、人体検出手段9には、例えば、赤外線センサが用いられている。
【0019】
そして、人体検出手段9が、浴室11内の人の存在を検知した場合に、人体検出手段9から出力を受信し、そして台所リモコン13に出力することで、その旨を台所リモコン13の報知部14に報知する浴室使用表示機能や、第1の循環ポンプ5や第2の循環ポンプ6の運転動作を制御して、浴槽3内の湯水を保温する風呂保温運転機能を実行する制御手段10を備えている。
【0020】
図2(a)は、浴室リモコン8正面図、図2(b)は、台所リモコン13の正面図を示している。
【0021】
図2(a)に示すように、浴室リモコン8の正面には、赤外線センサである人体検出手段9が設けられている。
【0022】
また、図2(b)に示すように、台所リモコン13には、人体検出手段9が、浴室11内の人の存在を検知した場合に、浴室11内に人が存在していることを、人間を示す絵文字等で、台所リモコン13に表示させて報知する報知部14が設けられている。
【0023】
図3は、浴室11に設置された浴室リモコン8に設けられた人体検出手段9の視野角を示した図である。
【0024】
図3(a)は浴室11の横断面図、図3(b)は図3(a)のA-A断面図で、浴室リモコン8は、浴槽3の少し上の壁面に設置されている。人体検出手段9の視野角は、左右方向には同角度としている。
【0025】
ここで、浴室リモコン8の取り付け位置として、平面方向は特定できないが、高さ方向については浴槽3内から、あるいは洗い場で座った状態での操作を可能にするため、ほぼ一定している。
【0026】
このため、人体検出手段9の視野角について、左右方向は同角度とせざるを得ず、一方、高さ方向の取り付け位置は低くほぼ一定であるので、下方向の視野角は小さくてよい(∠α>∠β)。
【0027】
したがって上方向の視野角を比較的大きくとっても全体としての視野角は小さくでき、その分、感度を上げることができる。
【0028】
また、下側の視野角を大きくとると、浴槽3に蓋をされていない場合に浴室リモコン8の設置位置によっては、浴槽3に張られた湯の表面を視野に捉え、その揺れを感知することがある。下方向の視野角を小さくとっておけば、この誤検知を防ぐことができる。12は人である。
【0029】
以上のように構成された給湯装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0030】
基本的な機能としては、ヒートポンプ2により加熱された湯が、貯湯槽1に貯えられており、この湯を給湯および浴槽水の加熱に利用する。
【0031】
浴槽水の加熱は、貯湯槽1に貯えられた高温の湯を、第1の循環ポンプ5を用いて、熱交換器4の1次側流路に供給するとともに、第2の循環ポンプ6により、浴槽水を熱交換器4の2次側流路に循環させることによって行われる。
【0032】
人体検出手段9の出力に基づいて、浴室11内の人の存在を検知した場合に、その旨を台所リモコンに報知する浴室使用表示機能について、図4を用いて説明する。
【0033】
まず、浴槽3内の湯水を保温する風呂保温運転機能について説明すると、図2(a)のふろ自動スイッチを使用者がONすると、制御手段10は、第2の循環ポンプ6を起動させて、サーミスタ7により浴槽3内の水温を検出し、これが設定値未満の場合、第1の循環ポンプ5を起動させて、熱交換器4の1次側流路に、貯湯槽1の高温の湯を循環させ、浴槽水を加熱する。
【0034】
そして、浴槽水の温度が設定温度に達すれば、第1の循環ポンプ5、および、第2の循環ポンプ6を停止させ、浴槽水の加熱運転を終了する。
【0035】
すなわち、制御手段10が、第2の循環ポンプ6を起動させて、サーミスタ7により浴槽3内の水温の検出を所定時間毎に行い、水温が設定値未満の場合、第1の循環ポンプ5を起動させて、熱交換器4の1次側流路に、貯湯槽1の高温の湯を循環させ、浴槽水を設定温度まで加熱する動作を繰り返すのが、風呂保温運転機能である。
【0036】
ここで、制御手段10は、図4に示すように、水位センサ(図示せず)にて検知し、浴槽3にお湯がない場合(浴槽3に栓がされていない等)には、浴室使用表示機能を開始させてから、第1所定時間T1(例えば、15秒)以内は、人体検出手段9が、浴室11への人の入室を検知しても、その旨を台所リモコン13の報知部14に報知しないようにしてある時間帯を設けている。
【0037】
ただし、制御手段10は、風呂保温運転機能の実行中の場合には、人体検出手段9が、浴室11への人の入室を検知してから、第1所定時間より短い第2所定時間(例えば、0~2秒)以内に、その旨を台所リモコン13の報知部14に報知する。
【0038】
また、水位センサ(図示せず)にて検知し、浴槽3にお湯がない場合(浴槽3に栓がされていない等)に、浴室使用表示機能を開始させてから第1所定時間T1(例えば、15秒)経過後の時間帯であるT2においては、人体検出手段9が、浴室11への人の入室を検知してから、第1所定時間より短い第2所定時間(例えば、0~2秒)以内に、その旨を台所リモコン13の報知部14に報知するようにしてある。
【0039】
なお、浴室使用表示機能の開始および停止は、使用者が、制御手段10にて指示することで制御できる。
【0040】
以上により、本発明の第1の実施の形態によれば、浴室11の扉が開いていて、人体検出手段9の前を人が横切るだけで、人体検出手段9が反応してしまうということや、また、浴槽3に栓をしに行く為に、浴室11内に短時間入室しただけで、人体検出手段9が反応してしまうということ、すなわち、浴室11内に短時間入室しただけの場合でも、人体検出手段9が反応して、台所リモコン13の報知部14に報知してしまうということを防止でき、浴室11への人の入室の検知精度を向上させた給湯装置を提供できる。
【0041】
これに加え、入浴を目的とした浴室11に入室した場合には、台所リモコン13の報知部14に、その旨を適格に報知できるため、浴室11への人の入室の検知精度を向上させた給湯装置を提供できる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
以上のように、本発明にかかる給湯装置は、浴室への人の入室の検知精度が良いので、電気、ガスを熱源とした浴室への人の入室を検知する機能を備えた給湯装置に適用できる。
【符号の説明】
【0043】
1 貯湯槽
2 ヒートポンプ(貯湯槽水加熱手段)
3 浴槽
4 熱交換器(浴槽水加熱手段)
5 第1の循環ポンプ
6 第2の循環ポンプ
8 浴室リモコン
9 人体検出手段(赤外線センサ)
10 制御手段
11 浴室
12 人
13 台所リモコン
14 報知部
図1
図2
図3
図4