(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-07
(45)【発行日】2023-09-15
(54)【発明の名称】リスク評価システム及びリスク評価方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/22 20180101AFI20230908BHJP
G16H 20/00 20180101ALI20230908BHJP
【FI】
G06Q50/22
G16H20/00
(21)【出願番号】P 2020500335
(86)(22)【出願日】2019-01-17
(86)【国際出願番号】 JP2019001165
(87)【国際公開番号】W WO2019159587
(87)【国際公開日】2019-08-22
【審査請求日】2021-12-15
(31)【優先権主張番号】P 2018023640
(32)【優先日】2018-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】串田 祐輝
【審査官】塩屋 雅弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-230399(JP,A)
【文献】特開2017-199289(JP,A)
【文献】特開2003-288156(JP,A)
【文献】特開2014-179032(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G16H 20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
重複しない複数の領域を含む設備の画像を異なる時間に撮影して、前記撮影された複数の画像を出力する撮影部と、
前記複数の画像に基づいて、前記複数の領域のそれぞれへの生体の接触回数を検出し、前記接触回数に基づいて、前記複数の領域それぞれにおける接触感染リスクの
高さを示すリスク値を算出し、前記リスク値を含む評価情報を決定し、前記評価情報を出力する制御部と、を備
え、
前記制御部は、さらに、
前記各領域について、算出された前記リスク値が予め定められた閾値より大きいか否かを判定し、
算出された前記リスク値が前記予め定められた閾値より大きい場合に、複数の端末装置の位置情報を取得し、取得された前記複数の端末装置の位置情報に基づいて、前記複数の端末装置の中から少なくとも1つの端末装置を選択し、選択された前記少なくとも1つの端末装置に、当該領域の清掃作業を指示するための清掃指示を通知する、
リスク評価システム。
【請求項2】
重複しない複数の領域を含む設備の画像を異なる時間に撮影して、前記撮影された複数の画像を出力する撮影部と、
前記複数の画像に基づいて、前記複数の領域のそれぞれへの生体の接触回数を検出し、前記接触回数に基づいて、前記複数の領域それぞれにおける接触感染リスクの評価情報を決定し、前記評価情報を出力する制御部と、を備え、
前記制御部は、さらに、
(i)検出された前記領域への前記生体の接触が清掃作業による接触であるか否かを判定し、
(ii)前記領域への前記生体の接触が清掃作業による接触であると判定された場合に、前記領域の接触回数を0にリセットする、
リスク評価システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記領域への前記生体の接触が清掃作業による接触であると判定された場合に、さらに、
(i)前記清掃作業における動作の反復回数を導出し、
(ii)導出された前記反復回数が閾値回数より大きい場合に、前記領域の接触回数を0にリセットする、
請求項
2に記載のリスク評価システム。
【請求項4】
重複しない複数の領域を含む設備の画像を異なる時間に撮影して、前記撮影された複数の画像を出力する撮影部と、
前記複数の画像に基づいて、前記複数の領域のそれぞれへの生体の接触回数を検出し、前記接触回数に基づいて、前記複数の領域それぞれにおける接触感染リスクの評価情報を決定し、前記評価情報を出力する制御部と、
端末装置
と、を備え、
前記制御部は、前記端末装置に前記評価情報を出力する、
リスク評価システム。
【請求項5】
前記端末装置は、前記評価情報を前記設備の画像に重畳して表示する、
請求項
4に記載のリスク評価システム。
【請求項6】
重複しない複数の領域を含む長尺状の設備の画像を異なる時間に撮影して、前記撮影された複数の画像を出力する撮影部と、
前記複数の画像に基づいて、前記複数の領域のそれぞれへの生体の接触回数を検出し、前記接触回数に基づいて、前記複数の領域それぞれにおける接触感染リスクの評価情報を決定し、前記評価情報を出力する制御部と、
前記複数の領域のそれぞれへの生体の接触を検知する検知部と、を備え、
前記制御部は、前記検知部で検知された前記生体の接触の回数に基づいて、前記複数の領域それぞれにおける接触感染リスクの評価情報を決定し、
前記検知部は、前記設備の表面に沿って光線を発し、前記光線によって前記表面に接触している前記生体までの距離を検知する光学式距離センサを備え、
前記制御部は、検知された前記距離に基づいて、前記生体の接触と、前記生体が接触している領域とを特定し、
前記光学式距離センサは、前記設備の長手方向の両端部に設置され、前記長手方向の対向する向きに前記光線を発する2つの光学式距離センサを含む、
リスク評価システム。
【請求項7】
重複しない複数の領域を含む設備の画像を異なる時間に撮影し、前記撮影された複数の画像を出力し、
前記複数の画像に基づいて、前記複数の領域のそれぞれへの生体の接触回数を検出し、前記接触回数に基づいて、前記複数の領域それぞれにおける接触感染リスクの
高さを示すリスク値を算出し、前記リスク値を含む評価情報を決定し、前記評価情報を出力
し、
前記各領域について、算出された前記リスク値が予め定められた閾値より大きいか否かを判定し、
算出された前記リスク値が前記予め定められた閾値より大きい場合に、複数の端末装置の位置情報を取得し、取得された前記複数の端末装置の位置情報に基づいて、前記複数の端末装置の中から少なくとも1つの端末装置を選択し、選択された前記少なくとも1つの端末装置に、当該領域の清掃作業を指示するための清掃指示を通知する、
リスク評価方法。
【請求項8】
リスク評価方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記リスク評価方法は、
重複しない複数の領域を含む設備の画像を異なる時間に撮影し、前記撮影された複数の画像を出力し、
前記複数の画像に基づいて、前記複数の領域のそれぞれへの生体の接触回数を検出し、前記接触回数に基づいて、前記複数の領域それぞれにおける接触感染リスクの
高さを示すリスク値を算出し、前記リスク値を含む評価情報を決定し、前記評価情報を出力
し、
前記各領域について、算出された前記リスク値が予め定められた閾値より大きいか否かを判定し、
算出された前記リスク値が前記予め定められた閾値より大きい場合に、複数の端末装置の位置情報を取得し、取得された前記複数の端末装置の位置情報に基づいて、前記複数の端末装置の中から少なくとも1つの端末装置を選択し、選択された前記少なくとも1つの端末装置に、当該領域の清掃作業を指示するための清掃指示を通知する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、介護施設等の集団生活環境において、汚染箇所への接触感染リスクの低減に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高齢化社会にともない、介護施設の需要が高まっている。高齢者が集う介護施設において、感染は、特に問題となりやすい。病原体(例えば菌又はウイルス)の主要な感染経路としては、主として、空気感染、飛沫感染、及び接触感染がある。空気感染又は飛沫感染では、空気中を浮遊する病原体を吸い込むことで感染が成立する。接触感染では、病原体で汚染された家具等に手で触れ、その手で口、鼻又は食物に触れることで感染が成立する。
【0003】
接触感染を防ぐための対策としては、清掃者による清掃作業が主であるが、例えば、特許文献1には、接触回数に応じて自動的に殺菌動作を行うタッチパネルが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【0005】
しかしながら、上記従来技術では、特定の設備(例えばタッチパネル式のエレベーターの操作パネル)の殺菌にとどまり、施設内の様々な設備を殺菌することはできない。したがって、依然として、他の設備については清掃者による清掃作業が必要となる。
【0006】
特に介護施設においては、廊下及び階段の手すりなど、人の手が触れやすい設備が多い。そのため、清掃者による清掃作業の作業量及び作業時間が多くなる。さらに、清掃者は、清掃が必要な設備の清掃作業を失念する可能性がある。また逆に、清掃者は、清掃が不必要な設備の清掃作業を行う可能性もある。
【0007】
そこで、本開示は、接触感染を低減するための清掃作業の効率化に貢献することができる技術を提供する。
【0008】
本開示の第一態様に係るリスク評価システムは、重複しない複数の領域を含む設備の画像を異なる時間に撮影して、前記撮影された複数の画像を出力する撮影部と、前記複数の画像に基づいて、前記複数の領域のそれぞれへの生体の接触回数を検出し、前記接触回数に基づいて、前記複数の領域それぞれにおける接触感染リスクの高さを示すリスク値を算出し、前記リスク値を含む評価情報を決定し、前記評価情報を出力する制御部と、を備え、前記制御部は、さらに、前記各領域について、算出された前記リスク値が予め定められた閾値より大きいか否かを判定し、算出された前記リスク値が前記予め定められた閾値より大きい場合に、複数の端末装置の位置情報を取得し、取得された前記複数の端末装置の位置情報に基づいて、前記複数の端末装置の中から少なくとも1つの端末装置を選択し、選択された前記少なくとも1つの端末装置に、当該領域の清掃作業を指示するための清掃指示を通知する。
また、本開示の第二態様に係るリスク評価システムは、重複しない複数の領域を含む設備の画像を異なる時間に撮影して、前記撮影された複数の画像を出力する撮影部と、前記複数の画像に基づいて、前記複数の領域のそれぞれへの生体の接触回数を検出し、前記接触回数に基づいて、前記複数の領域それぞれにおける接触感染リスクの評価情報を決定し、前記評価情報を出力する制御部と、を備え、前記制御部は、さらに、(i)検出された前記領域への前記生体の接触が清掃作業による接触であるか否かを判定し、(ii)前記領域への前記生体の接触が清掃作業による接触であると判定された場合に、前記領域の接触回数を0にリセットする。
また、本開示の第三態様に係るリスク評価システムは、重複しない複数の領域を含む設備の画像を異なる時間に撮影して、前記撮影された複数の画像を出力する撮影部と、前記複数の画像に基づいて、前記複数の領域のそれぞれへの生体の接触回数を検出し、前記接触回数に基づいて、前記複数の領域それぞれにおける接触感染リスクの評価情報を決定し、前記評価情報を出力する制御部と、端末装置と、を備え、前記制御部は、前記端末装置に前記評価情報を出力する。
また、本開示の第四態様に係るリスク評価システムは、重複しない複数の領域を含む長尺状の設備の画像を異なる時間に撮影して、前記撮影された複数の画像を出力する撮影部と、前記複数の画像に基づいて、前記複数の領域のそれぞれへの生体の接触回数を検出し、前記接触回数に基づいて、前記複数の領域それぞれにおける接触感染リスクの評価情報を決定し、前記評価情報を出力する制御部と、前記複数の領域のそれぞれへの生体の接触を検知する検知部と、を備え、前記制御部は、前記検知部で検知された前記生体の接触の回数に基づいて、前記複数の領域それぞれにおける接触感染リスクの評価情報を決定し、前記検知部は、前記設備の表面に沿って光線を発し、前記光線によって前記表面に接触している前記生体までの距離を検知する光学式距離センサを備え、前記制御部は、検知された前記距離に基づいて、前記生体の接触と、前記生体が接触している領域とを特定し、前記光学式距離センサは、前記設備の長手方向の両端部に設置され、前記長手方向の対向する向きに前記光線を発する2つの光学式距離センサを含む。
【0009】
なお、この包括的又は具体的な態様は、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能な記録媒体で実現されてもよく、装置、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えばCD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)などの不揮発性の記録媒体を含む。
【0010】
本開示によれば、接触感染を低減するための清掃作業の効率化が可能になる。本開示の一態様における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施の形態1に係るリスク評価システムが適用される建物内の設備の一例を示す図
【
図2A】実施の形態1に係る撮影部で撮影された画像の一例を示す図
【
図2B】実施の形態1に係る撮影部で撮影された画像の他の一例を示す図
【
図3】実施の形態1に係るリスク評価システムの機能構成を示すブロック図
【
図4A】実施の形態1における領域情報の一例を示す図
【
図4B】実施の形態1における接触情報の一例を示す図
【
図5】実施の形態1に係る評価装置の接触情報処理を示すフローチャート
【
図6】実施の形態1に係る評価装置の評価情報処理を示すフローチャート
【
図7】実施の形態1における評価情報の表示例を示す図
【
図8】実施の形態2に係るリスク評価システムの機能構成を示すブロック図
【
図9】実施の形態2に係る評価装置の接触情報処理を示すフローチャート
【
図10】実施の形態3に係る検知部の設置例を示す図
【
図11A】実施の形態3において1つの手が手すりの表面に接触している状態を示す図
【
図11B】実施の形態3において2つの手が手すりの表面に接触している状態を示す図
【
図12A】実施の形態3における光学式距離センサの出力信号の一例を示す図
【
図12B】実施の形態3における光学式距離センサの出力信号の一例を示す図
【
図13】実施の形態3に係るリスク評価システムの機能構成を示すブロック図
【
図14】実施の形態3に係る評価装置における検知部の検知結果に基づく接触情報処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0012】
(本開示の概要)
本開示の一態様に係るリスク評価システムは、重複しない複数の領域を含む設備の画像を異なる時間に撮影して、前記撮影された複数の画像を出力する撮影部と、前記複数の画像に基づいて、前記複数の領域のそれぞれへの生体の接触回数を検出し、前記接触回数に基づいて、前記複数の領域それぞれにおける接触感染リスクの評価情報を決定し、前記評価情報を出力する制御部と、を備える。
【0013】
これによれば、複数の画像から各領域への生体の接触を検出し、検出された接触の回数に基づいて各領域における接触感染リスクの評価情報を出力することができる。したがって、接触感染リスクの評価情報に応じて各領域の清掃作業を行うことが可能となり、接触感染を低減するための清掃作業の効率化に貢献することができる。
【0014】
また、本開示の一態様に係るリスク評価システムにおいて、前記制御部は、さらに、前記各領域について、接触の回数に基づいて接触感染リスクの高さを示すリスク値を算出し、前記評価情報は、算出された前記リスク値を含んでもよい。
【0015】
これによれば、接触の回数に基づいて算出されたリスク値を評価情報に含めることができる。したがって、リスク値の大きさに応じて各領域の清掃作業を行うことが可能となり、接触感染を低減するための清掃作業の効率化に貢献することができる。
【0016】
また、本開示の一態様に係るリスク評価システムにおいて、前記制御部は、さらに、前記各領域について、(i)算出された前記リスク値が予め定められた閾値より大きいか否かを判定し、(ii)算出された前記リスク値が前記予め定められた閾値より大きい場合に、当該領域の清掃作業を指示するための清掃指示を通知してもよい。
【0017】
これによれば、リスク値が閾値より大きい場合に清掃指示を通知することができる。したがって、接触感染リスクが高い領域の清掃作業を指示することができ、接触感染を低減するための清掃作業の効率化を実現することができる。
【0018】
また、本開示の一態様に係るリスク評価システムにおいて、前記制御部は、複数の端末装置の位置情報を取得し、取得された前記複数の端末装置の位置情報に基づいて、前記複数の端末装置の中から少なくとも1つの端末装置を選択し、選択された前記少なくとも1つの端末装置に前記清掃指示を通知してもよい。
【0019】
これによれば、複数の端末装置の位置情報に基づいて複数の端末装置の中から選択された端末装置に清掃指示を通知することができる。したがって、領域との位置関係において効率的に清掃作業を行うことができる使用者の端末装置に清掃指示を通知することができ、清掃作業の効率化を実現することができる。
【0020】
また、本開示の一態様に係るリスク評価システムにおいて、前記制御部は、さらに、(i)検出された前記領域への前記生体の接触が清掃作業による接触であるか否かを判定し、(ii)前記領域への前記生体の接触が清掃作業による接触であると判定された場合に、前記領域の接触回数を0にリセットしてもよい。
【0021】
これによれば、領域への生体の接触が清掃作業による接触であると判定された場合に、領域の接触回数を0にリセットすることができる。したがって、清掃作業による接触感染リスクの低減を評価情報に反映させることができ、より的確な評価情報を出力することが可能となる。
【0022】
また、本開示の一態様に係るリスク評価システムにおいて、前記制御部は、前記領域への前記生体の接触が清掃作業による接触であると判定された場合に、さらに、(i)前記清掃作業における動作の反復回数を導出し、(ii)導出された前記反復回数が閾値回数より大きい場合に、前記領域の接触回数を0にリセットしてもよい。
【0023】
これによれば、清掃作業における動作の反復回数が閾値回数を超える場合に、領域の接触回数を0にリセットすることができる。したがって、接触感染リスクが十分に低減するまで動作が反復された場合に、接触回数をリセットすることができ、接触感染リスクをより正確に評価情報に反映することができる。
【0024】
また、本開示の一態様に係るリスク評価システムにおいて、前記リスク評価システムは、さらに、端末装置を備え、前記制御部は、前記端末装置に前記評価情報を出力してもよい。
【0025】
これによれば、リスク評価システムが端末装置を備えることができる。
【0026】
また、本開示の一態様に係るリスク評価システムにおいて、前記端末装置は、前記評価情報を前記設備の画像に重畳して表示してもよい。
【0027】
これによれば、評価情報を設備の画像に重畳して表示することができる。したがって、清掃者は、清掃が必要な場所を直感的に把握することができ、さらなる清掃作業の効率化を実現することができる。
【0028】
また、本開示の一態様に係るリスク評価システムにおいて、さらに、重複しない複数の領域を含む設備における前記複数の領域のそれぞれへの生体の接触を検知する検知部を備え、前記制御部は、前記検知部で検知された前記生体の接触の回数に基づいて、前記複数の領域それぞれにおける接触感染リスクの評価情報を決定してもよい。
【0029】
これによれば、各領域について、検知部での検知による接触回数に基づいて接触感染リスクの評価情報を出力することができる。したがって、より的確な評価情報を出力することが可能となる。
【0030】
また、本開示の一態様に係るリスク評価システムにおいて、前記検知部は、前記設備の表面に接触している前記生体までの距離を検知する距離センサを備え、前記制御部は、検知された前記距離に基づいて、前記生体の接触と、前記生体が接触している領域とを特定してもよい。
【0031】
これによれば、検知された距離に基づいて、生体の接触を検知し、生体が接触している領域を特定することができる。したがって、接触の検知及び領域の特定の2つの機能を距離センサで実現することができ、システム構成を簡易化することができる。
【0032】
また、本開示の一態様に係るリスク評価システムにおいて、前記距離センサは、前記設備の表面に沿って光線を発し、前記光線によって前記表面に接触している前記生体までの距離を検知する光学式距離センサであってもよい。
【0033】
また、本開示の一態様に係るリスク評価システムにおいて、前記設備は、長尺状の設備であり、前記光学式距離センサは、前記設備の長手方向の両端部に設置され、前記長手方向の対向する向きに前記光線を発する2つの光学式距離センサを含んでもよい。
【0034】
これによれば、長尺状の設備の両端部に光学式距離センサを設けることができ、設備の表面に2つの生体が同時に接触した場合に、その2つの接触を検知することができる。
【0035】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0036】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0037】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、請求の範囲を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図は、必ずしも厳密に図示したものではない。各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0038】
また、以下の実施の形態では、リスク評価システムが介護施設内の設備で利用される場合を例として説明するが、リスク評価システムが利用可能な設備は介護施設内の設備に限られない。リスク評価システムは、例えば、病院又は空港等の建物内の設備にも利用することができ、屋外の設備にも利用することができる。
【0039】
(実施の形態1)
[介護施設内の設備]
まず、リスク評価システムが利用される介護施設内の設備について説明する。
図1は、実施の形態1に係るリスク評価システムが利用される介護施設内の設備の一例を示す。
【0040】
図1の介護施設には、机12、椅子14、タッチパネル16、扉18及び手すり20を含む複数の設備が設置されている。本実施の形態に係るリスク評価システムは、これらの複数の設備の表面を介した人から人への接触感染の低減及び複数の設備の清掃作業の効率化に貢献する。
【0041】
複数の設備の表面への人の身体(例えば手)の接触は、撮影部300によって経時的に撮影された画像から検出される。
【0042】
[画像例]
ここで、撮影部300で撮影された画像の例について
図2A及び
図2Bを参照しながら具体的に説明する。
図2A及び
図2Bの各々は、実施の形態1に係る撮影部300で撮影された画像の一例を示す。具体的には、
図2Aは、手すり20に人40の手42が接触しているシーンの画像を示し、
図2Bは、手すり20に人40の手42が接触していないシーンの画像を示す。
【0043】
本実施の形態において、手すり20は、事前に複数の領域に区画されている。ここでは、複数の領域は、第1領域22、第2領域24、第3領域26及び第4領域28を含む。
【0044】
各領域の長さは、清掃作業を考慮して、移動せずに清掃者の手が届く範囲の長さ(例えば1m程度)以下であってもよい。なお、各領域の長さは、清掃者が移動せずに清掃者の手が届く範囲の長さを超えてもよい。
【0045】
複数の領域は、視覚的に識別可能に実際に区画されてもよいし、仮想的に区画されてもよい。例えば、複数の領域には、互いに異なる色が付されてもよい。また例えば、複数の領域は、単にデジタルデータで定義されてもよい。
【0046】
撮影部300は、介護施設内の設備及び当該介護施設内にいる人40の画像を経時的に撮影する。画像は、複数枚の静止画像であってもよいし、動画像であってもよい。画像は1以上の設備の画像を含む。
図1では、天井に設置された1つのデジタルビデオカメラが撮影部300として例示されている。撮影部300は、例えば2次元(2D)カメラであるが、3次元(3D)カメラであってもよい。3Dカメラには、どのような3D技術が用いられてもよい。例えば、3Dカメラは、ステレオカメラであってもよいし、デプスセンサ及び2Dカメラの組合せであってもよい。
【0047】
[リスク評価システムの機能構成]
次に、リスク評価システムの機能構成について
図3を参照しながら具体的に説明する。
図3は、実施の形態1に係るリスク評価システムの機能構成を示すブロック図である。
図3に示すように、リスク評価システムは、評価装置100と、端末装置200と、撮影部300と、を備える。
【0048】
[評価装置の機能構成]
評価装置100は、例えばプロセッサ及びメモリを備えるコンピュータ又は電子回路であり、端末装置200及び撮影部300と通信可能に接続されている。評価装置100は、制御部102と、記憶部104と、を備える。
【0049】
制御部102は、メモリに格納されたソフトウェアプログラムをプロセッサが実行することによって実現される。また、制御部102は、専用の電子回路で構成されてもよい。制御部102は、撮影部300が経時的に撮影して、出力した複数の画像から、各設備の表面上の各領域への生体の接触を検出する。さらに制御部102は、各領域において検出された接触の回数に基づいて、各領域における接触感染リスクの評価情報を出力する。
【0050】
例えば、制御部102は、各画像内において人の検出を行う。ここで、画像から人が検出された場合、制御部102は、例えば人の位置及び体勢を検出する。人を検出する技術、及び、人の位置及び体勢の検出技術としては、機械学習等の従来技術が用いられてもよい。より具体的には、例えばマイクロソフト社のキネクト(登録商標)を用いることができる。
【0051】
制御部102は、検出された人の位置及び体勢に基づいて、人の部位の設備表面の各領域への接触を検出する。例えば、制御部102は、検出された人の位置と各領域との間の距離が閾値距離以下であるか否かを判定する。ここで、距離が閾値距離以下である場合に、制御部102は、検出された体勢が予め定められた体勢と一致するか否かを判定する。ここで、検出された体勢が予め定められた体勢と一致する場合に、制御部102は、領域への人の部位の接触を検出する。例えば、検出された人40と手すり20の第3領域26と間の距離が40cm以内であり、かつ、胴体に対する腕の角度が10度以上である場合に、制御部102は、人40の手42による手すり20の第3領域26への接触を検出する。また例えば、検出された人40と机12との距離が20cm以内であり、かつ、机12側に手42を差し出す体勢が検出された場合に、制御部102は、人40の手42による机12の表面領域への接触を検出する。また、机12の前の椅子14に人40が着座しており、かつ、胴体に対する腕の角度が45度以上である場合に、制御部102は、人40の手42による机12の表面領域への接触を検出する。
【0052】
このように接触が検出された場合、制御部102は、対応する領域の接触回数を1だけインクリメントする。制御部102は、このように計数された各領域の接触回数に基づいて、各領域における接触感染リスクの高さを示すリスク値を算出する。リスク値は、接触回数の増加とともに増加する値である。さらに、制御部102は、算出されたリスク値を、接触感染リスクの評価情報に含めて出力する。
【0053】
記憶部104は、例えばハードディスクドライブ及び/又は半導体メモリで構成される。記憶部104は、設備の表面上の複数の領域を定義する領域情報106及び各領域への接触を記録する接触情報108を記憶している。
【0054】
図4Aは、実施の形態1における領域情報106の一例を示す。領域情報106は、設備、領域、開始点及び終了点の情報を有する。
図4Aでは、例えば、手すりの第1領域は、撮影部300で検知される距離が0~1mの範囲であることがわかる。
【0055】
図4Bは、実施の形態1における接触情報108の一例を示す。接触情報108は、設備、領域、接触回数及び接触日時の情報を有する。
図4Bでは、例えば、手すりの第1領域では、4回の接触が検出されていることがわかる。
【0056】
[端末装置の機能構成]
端末装置200は、例えば、ディスプレイを有する、パーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン又はヘッドマウントディスプレイ等である。端末装置200は、評価装置100から受信した評価情報を出力する。本実施の形態では、端末装置200は、制御部202及び表示部204を備える。
【0057】
制御部202は、メモリに格納されたソフトウェアプログラムをプロセッサが実行することによって実現される。また、制御部202は、専用の電子回路で構成されてもよい。制御部202は、介護施設内の画像に重畳して接触感染リスクの評価情報を表示部204に表示する。具体的には、制御部202は、領域毎に、当該領域の評価情報を画像内の対応する領域に重畳して表示部204に表示する。
【0058】
表示部204は、例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイによって実現される。表示部204は、制御部202によって制御され、接触感染リスクの評価情報を表示する。
【0059】
[リスク評価システムの動作]
次に、以上のように構成されたリスク評価システムに含まれる評価装置100の動作について図面を参照しながら具体的に説明する。評価装置100における処理は、主として、接触検知時の情報処理に係る接触情報処理と、評価情報出力時の情報処理に係る評価情報処理とを含む。
【0060】
[接触情報処理]
そこで、まず、接触情報処理について
図5を参照しながら説明する。
図5は、実施の形態1に係る評価装置100の接触情報処理を示すフローチャートである。この接触情報処理は、時間的に継続して行われる。
【0061】
まず、制御部102は、撮影部300で撮影された画像内に人が存在するか否かを判定する(S102)。具体的には、制御部102は、撮影部300によって撮影された画像において、例えば人の検出を行う。
【0062】
ここで、画像内に人が存在しないと判定された場合(S102のNo)、制御部102は、ステップS102を繰り返す。一方、画像内に人が存在すると判定された場合(S102のYes)、制御部102は、設備の表面への人の接触が有るか否かを判定する(S104)。具体的には、制御部102は、例えば画像から人の位置及び体勢を検出し、検出された位置及び体勢に基づいて設備の表面への人の接触が有るか否かを判定する。
【0063】
ここで、設備表面への接触が無いと判定された場合(S104のNo)、ステップS102に戻る。一方、設備表面への接触が有ると判定された場合(S104のYes)、制御部102は、複数の領域の中から人が接触している領域を特定する(S106)。具体的には、制御部102は、例えば
図4Aに示す領域情報106を参照して、検出された人の位置に対応する領域を、人の手が接触している領域として特定する。
【0064】
最後に、制御部102は、特定された領域の接触回数を1だけインクリメントする(S108)。具体的には、制御部102は、例えば
図4Bに示す接触情報108において、特定された領域に接触日時を記録し、接触回数の値に1を加算する。
【0065】
このような接触情報処理によって、各領域の接触回数が計数される。
【0066】
[評価情報処理]
次に、評価情報処理について
図6を参照しながら説明する。
図6は、実施の形態1に係る評価装置100の評価情報処理を示すフローチャートである。この評価情報処理は、必要に応じて適宜行われる。例えば、評価情報処理は、利用者からの要求に応じて行われる。また例えば、評価情報処理は、予め定められたサイクルで定期的に行われてもよい。
【0067】
まず、制御部102は、各領域について、当該領域への接触の回数に基づいて、当該領域における接触感染リスクの高さを示すリスク値を算出する(S112)。制御部102は、当該領域への接触の回数が多いほど、リスク値を大きくしてもよい。例えば、制御部102は、重み値を用いて接触回数を重み付けすることにより、リスク値を算出する。重み値とは、接触回数に乗算される値、及び/又は、接触回数に加算される値である。
【0068】
重み値は、例えば接触感染リスクが高さに応じて設備及び/又は領域毎に設定される値である。重み値は、管理者によって手動で設定されてもよいし、過去の接触履歴に基づいて自動で設定されてもよい。
【0069】
例えば、重み値として、多くの人が接触する可能性が高い領域及び又は設備ほど大きい値が用いられる。また例えば、重み値として、過去に接触が多い領域及び/又は設備ほど大きい値が用いられてもよい。また例えば、重み値として、近隣地域において感染症が発生した場合、及び/又は、施設内に体調不良を訴える人が発生した場合に、より大きな値が用いられてもよい。また例えば、ノロウイルス等の病原体による接触感染リスクを適切に評価するために、重み値として、トイレ及び食堂に近い領域及び設備ほど大きな値が用いられてもよい。
【0070】
それから、制御部102は、算出されたリスク値に基づいて、接触感染リスクの評価情報を出力する(S114)。例えば、制御部102は、算出されたリスク値を領域に対応付けた情報を評価情報として端末装置200に送信する。この場合、端末装置200の制御部202は、評価情報を介護施設内の画像に重畳して表示部204に表示してもよい。
【0071】
図7は、実施の形態1における評価情報の表示例を示す。
図7では、制御部202は、介護施設内の画像50に、リスク値に対応する半透明の色が付されたマーク51~53を重畳して表示部204に評価情報として表示している。
【0072】
介護施設内の画像50は、端末装置200が予め保持している画像であってもよい。また、端末装置200がカメラを有する場合、介護施設内の画像50は、当該カメラで撮影された映像であってもよい。このとき、制御部202は、拡張現実(AR:Augmented Reality)技術を用いて、カメラで撮影された映像に評価情報を付加して表示してもよい。例えば、制御部202は、設備を検出することにより、映像に評価情報を付加することができる。設備の検出方法は、特に限定されないが、設備に物理的に付与された検出専用のマーカーが用いられてもよい。
【0073】
[効果等]
以上のように、本実施の形態に係るリスク評価システムによれば、複数の画像から各領域への生体の接触を検出し、検出された接触の回数に基づいて各領域における接触感染リスクの評価情報を出力することができる。したがって、接触感染リスクの評価情報に応じて各領域の清掃作業を行うことが可能となり、接触感染を低減するための清掃作業の効率化に貢献することができる。
【0074】
また、本実施の形態に係るリスク評価システムによれば、接触の回数に基づいて算出されたリスク値を評価情報に含めることができる。したがって、リスク値の大きさに応じて各領域の清掃作業を行うことが可能となり、接触感染を低減するための清掃作業の効率化に貢献することができる。
【0075】
また、本実施の形態に係るリスク評価システムによれば、評価情報を設備の画像に重畳して表示することができる。したがって、清掃者は、清掃が必要な場所を直感的に把握することができ、さらなる清掃作業の効率化を実現することができる。
【0076】
なお、本実施の形態では、接触回数が0にリセットされる処理について特に説明していないが、当該処理は特に限定される必要はない。例えば、リスク評価システムは、清掃者から手動でリセット入力を受けた場合に、すべての領域の接触回数を0にリセットしてもよい。なお、リセット入力は、設備及び/又は領域毎に行われてもよい。また、リスク評価システムは、周期的に自動ですべての領域の接触回数を0にリセットしてもよい。
【0077】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。本実施の形態では、設備への接触が清掃作業による接触であるか否かを判定し、判定結果に応じて接触回数を0にリセットする点、及び、端末装置に清掃指示を通知する点が実施の形態1と主として異なる。以下に、本実施の形態に係るリスク評価システムについて、実施の形態1と異なる点を中心に図面を参照しながら具体的に説明する。
【0078】
[リスク評価システムの機能構成]
まず、本実施の形態に係るリスク評価システムについて
図8を参照しながら具体的に説明する。
図8は、実施の形態2に係るリスク評価システムの機能構成を示すブロック図である。本実施の形態に係るリスク評価システムは、評価装置100Aと、複数の端末装置200Aと、撮影部300と、を備える。
【0079】
[評価装置の機能構成]
評価装置100Aは、例えばプロセッサ及びメモリを備えるコンピュータ又は電子回路であり、複数の端末装置200A及び撮影部300と通信可能に接続されている。評価装置100Aは、制御部102Aと、記憶部104と、を備える。
【0080】
制御部102Aは、メモリに格納されたソフトウェアプログラムをプロセッサが実行することによって実現される。また、制御部102Aは、専用の電子回路で構成されてもよい。
【0081】
本実施の形態に係る制御部102Aは、撮影部300で検出された設備の表面上の領域への接触が清掃作業による接触であるか否かを判定する。ここで、領域への接触が清掃作業による接触であると判定された場合に、制御部102Aは、当該領域の接触回数を0にリセットする。
【0082】
なお、清掃作業では、設備の表面を布等で拭く動作などの反復動作を伴うことが多い。したがって、制御部102Aは、反復動作を検出することにより、清掃作業を検出することができる。つまり、制御部102Aは、撮影部300で経時的に撮影された複数の画像において清掃に係る反復動作を検出することにより、領域への接触が清掃作業による接触であるか否かを判定することができる。
【0083】
さらに、本実施の形態に係る制御部102Aは、領域への接触が清掃作業による接触でないと判定された場合に、当該領域の接触回数に基づいて、当該領域における接触感染リスクの高さを示すリスク値を算出する。そして、制御部102Aは、算出されたリスク値が予め定められた閾値よりも大きいか否かを判定する。ここで、算出されたリスク値が予め定められた閾値よりも大きい場合に、制御部102Aは、当該領域の清掃作業を指示するための清掃指示を通知する。例えば、制御部102Aは、複数の端末装置200Aの位置情報を取得し、取得された位置情報に基づいて、複数の端末装置200Aの中から少なくとも1つの端末装置を選択する。より具体的には、制御部102Aは、例えば、複数の端末装置200Aのうち当該領域に最も近い端末装置を選択する。そして、制御部102Aは、選択された少なくとも1つの端末装置に清掃指示を通知する。
【0084】
[リスク評価システムの動作]
次に、以上のように構成されたリスク評価システムに含まれる評価装置100Aの動作について図面を参照しながら具体的に説明する。本実施の形態では、実施の形態1との差異が大きい接触情報処理について説明する。
【0085】
[接触情報処理]
図9は、実施の形態2に係る評価装置100Aの接触情報処理を示すフローチャートである。この接触情報処理も、時間的に継続して行われる。
【0086】
まず、制御部102Aは、実施の形態1と同様に、撮影部300で撮影された画像内に人が存在するか否かを判定する(S102)。ここで、画像内に人が存在しないと判定された場合(S102のNo)、制御部102Aは、ステップS102を繰り返す。一方、画像内に人が存在すると判定された場合(S102のYes)、制御部102Aは、設備の表面への人の接触が有るか否かを判定する(S104)。さらに、制御部102Aは、実施の形態1と同様に、複数の領域の中から手が接触している領域を特定する(S106)。
【0087】
制御部102Aは、特定された領域への接触が清掃作業による接触であるか否かを判定する(S202)。この判定は、例えば、撮影部300で撮影された複数の画像から清掃作業に係る反復動作を検出することにより行われる。
【0088】
ここで、領域への接触が清掃作業による接触でないと判定された場合に(S202のNo)、制御部102Aは、特定された領域の接触回数を1だけインクリメントする(S108)。さらに、制御部102Aは、インクリメントされた接触回数に基づいて、特定された領域における接触感染リスクの高さを示すリスク値を算出する(S204)。リスク値の算出方法は、実施の形態1の
図6のステップS112と同様でよい。制御部102Aは、リスク値が閾値より大きいか否かを判定する。ここで、リスク値が閾値以下である場合(S206のNo)、ステップS102に戻る。
【0089】
リスク値が閾値より大きい場合(S206のYes)、制御部102Aは、複数の端末装置200Aの中から、少なくとも1つの端末装置を選択する(S208)。例えば、制御部102Aは、複数の端末装置200Aの位置情報を取得し、取得された複数の端末装置200Aの位置情報に基づいて、複数の端末装置200Aの中から少なくとも1つの端末装置を選択する。例えば、制御部102Aは、複数の端末装置200Aのうち特定された領域に最も近い端末装置を選択することができる。また例えば、制御部102Aは、複数の端末装置200Aのうち、特定された領域から予め定められた距離の範囲内に位置する端末装置をすべて選択してもよい。
【0090】
複数の端末装置200Aの位置情報の取得では、複数の端末装置200Aが携帯端末であれば、無線通信技術(例えばWi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)など)又はGPS(Global Positioning System)技術などを用いることができる。
【0091】
その後、制御部102Aは、選択された端末装置に、特定された領域の清掃作業を指示するための清掃指示を通知し(S210)、ステップS102に戻る。清掃指示が通知された端末装置では、音、バイブレーション、光、又は、その他一般的に携帯端末に搭載されうる報知手段によって当該端末装置の使用者に清掃指示が報知される。例えば
図7の評価情報と同様に、介護施設内の画像50に重畳して清掃指示を表示部204に表示されてもよい。また、端末装置は、AR技術を用いて、カメラで撮影された映像に清掃情報(例えば領域情報及び清掃方法情報)を付加して表示してもよい。
【0092】
一方、領域への接触が清掃作業による接触であると判定された場合に(S202のYes)、制御部102Aは、清掃作業における反復動作の回数を導出する(S212)。続いて、制御部102Aは、導出された反復回数が閾値回数より大きいか否かを判定する(S214)。また例えば、閾値回数としては、特定された領域のリスク値又は接触回数に基づいて適応的に決定されたものが用いられてもよい。この場合、例えばリスク値が大きい場合に閾値回数が10回と決定され、リスク値が小さい場合に閾値回数が5回と決定される。
【0093】
ここで、反復回数が閾値回数以下である場合(S214のNo)、ステップS102に戻る。一方、反復回数が閾値回数より大きい場合(S214のYes)、制御部102Aは、特定された領域の接触回数を0にリセットし(S216)、ステップS102に戻る。
【0094】
[効果等]
以上のように、本実施の形態に係るリスク評価システムによれば、リスク値が閾値より大きい場合に清掃指示を通知することができる。したがって、接触感染リスクが高い領域の清掃作業を指示することができ、接触感染を低減するための清掃作業の効率化を実現することができる。
【0095】
また、本実施の形態に係るリスク評価システムによれば、複数の端末装置200Aの位置情報に基づいて複数の端末装置200Aの中から選択された少なくとも1つの端末装置に清掃指示を通知することができる。したがって、領域との位置関係において効率的に清掃作業を行うことができる使用者の端末装置に清掃指示を通知することができ、清掃作業の効率化を実現することができる。
【0096】
また、本実施の形態に係るリスク評価システムによれば、領域への手の接触が清掃作業による接触であると判定された場合に、領域の接触回数を0にリセットすることができる。したがって、清掃作業による接触感染リスクの低減を評価情報に反映させることができ、より的確な評価情報を出力することが可能となる。
【0097】
また、本実施の形態に係るリスク評価システムによれば、清掃作業における動作の反復回数が閾値回数を超える場合に、領域の接触回数を0にリセットすることができる。したがって、接触感染リスクが十分に低減するまで動作が反復された場合に、接触回数をリセットすることができ、接触感染リスクをより正確に評価情報に反映することができる。
【0098】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について説明する。本実施の形態では、設備の表面への人の身体の接触は、撮影部によって経時的に撮影された画像から検出されるのに加えて、距離センサなどの検知部によって検知される点が実施の形態1と主として異なる。以下に、本実施の形態に係るリスク評価システムについて、実施の形態1と異なる点を中心に図面を参照しながら具体的に説明する。
【0099】
[検知部の設置例]
検知部の設置例について
図10を参照しながら具体的に説明する。
図10は、実施の形態3に係る検知部600の設置例を示す。具体的には、
図10は、手すり20Cへの人40の手42の接触を検知する検知部600の設置例を示す。
図10において、X軸は、手すり20Cの長手方向に平行な軸であり、Y軸は、手すり20Cの短手方向に平行な軸であり、Z軸は、XY平面に垂直な軸である。なお、
図10では、便宜上、手すり20Cに検知部600が設置された例で説明するが、実施の形態3においては、撮影部300によって撮影された画像からも身体の接触を検出することができるため、検知部600が設置されるのは、撮像部300の画角に入り難い位置にある施設、あるいは撮像部300による撮影に適しない施設であるのがよい。
【0100】
本実施の形態において、手すり20Cは、事前に複数の領域に区画されている。ここでは、複数の領域は、第1領域22C、第2領域24C、第3領域26C及び第4領域28Cを含む。
【0101】
各領域の長さは、清掃作業を考慮して、移動せずに清掃者の手が届く範囲の長さ(例えば1m程度)以下であることが望ましい。なお、各領域の長さは、移動せずに清掃者の手が届く範囲の長さを超えてもよい。
【0102】
複数の領域は、視覚的に識別可能に実際に区画されてもよいし、仮想的に区画されてもよい。例えば、複数の領域には、互いに異なる色が付されてもよい。また例えば、複数の領域は、単にデジタルデータで定義されるだけでもよい。
【0103】
検知部600は、設備の表面に接触している対象物(
図10では人40の手42)までの距離を非接触で検知する距離センサを備える。本実施の形態では、距離センサは、光学式距離センサ60、62を含む。
【0104】
光学式距離センサ60、62は、手すり20Cの長手方向(
図10のX軸方向)の端部20a、20bに設置され、手すり20Cの表面に沿って、手すり20Cの長手方向の対向する向きに光線61、63を発する。具体的には、光学式距離センサ60は、手すり20CのX軸負側の端部20aに設置され、X軸の正の向きに光線61を発する。一方、光学式距離センサ62は、手すり20CのX軸正側の端部20bに設置され、X軸の負の向きに光線63を発する。この光線61、63によって、手すり20Cの表面に接触している人40の手42までの距離が検知される。光学式距離センサ60、62としては、例えば、赤外線測距モジュール(シャープ株式会社製、型番GP2Y0A21YK)を用いることができる。
【0105】
光学式距離センサ60、62による接触検知の原理を
図11A及び
図11Bを参照しながら具体的に説明する。
図11Aは、実施の形態3において1つの手42aが手すり20Cの表面に接触している状態を示す。
図11Bは、実施の形態3において2つの手42b、42cが手すり20Cの表面に接触している状態を示す。なお、
図11A及び
図11Bにおいて、Lは、手すり20Cの全長を表し、D1a、D2a、D1c、D2bは、センサと手との間の距離を示す。
【0106】
図11Aに示すように、1つの手42aが第3領域26Cに接触している場合、光学式距離センサ60、62は、距離D1a、D2aを検知する。このとき、距離D1a及びD2aの和と全長Lとの差分は十分小さいので、1つの手が、距離D1a及びD2aに対応する第3領域26Cに接触していることを検出できる。
【0107】
一方、
図11Bに示すように、2つの手42b、42cが第3領域26C及び第2領域24Cに接触している場合、光学式距離センサ60、62は、距離D1c、D2bを検知する。このとき、距離D1c及びD2bの和と全長Lとの差分は大きいので、2つの手が距離D1cに対応する第2領域24C及び距離D2bに対応する第3領域26Cに接触していることを検出できる。
【0108】
ここで、光学式距離センサ60の出力信号が示す距離の時間変化の例を
図12A及び
図12Bを参照しながら具体的に説明する。
図12A及び
図12Bの各々は、実施の形態3における光学式距離センサ60の出力信号の一例を示すグラフである。
図12A及び
図12Bのグラフにおいて、横軸は時間を示し、縦軸は距離を示す。また、破線によって表された4つの距離範囲は、
図10~
図11Bにおける第1~第4領域22C~28Cに対応する。
【0109】
図12Aでは、光学式距離センサ60の出力信号が示す距離が漸次的に減少している。この場合、手42が手すり20Cの表面に接触しながら、光学式距離センサ60に近付いていることを示す。また、
図12Bでは、光学式距離センサ60の出力信号が示す距離が断続的に減少している。この場合、手42が手すり20Cの表面への接触及び非接触を繰り返しながら、光学式距離センサ60に近付いていることを示す。
【0110】
[リスク評価システムの機能構成]
次に、リスク評価システムの機能構成について
図13を参照しながら具体的に説明する。
図13は、実施の形態3に係るリスク評価システムの機能構成を示すブロック図である。
図13に示すように、リスク評価システムは、評価装置100と、端末装置200と、撮像部300と、検知部600と、を備える。
【0111】
[評価装置の機能構成]
評価装置100は、端末装置200、撮像部300及び検知部600と通信可能に接続されている。評価装置100は、制御部102と、記憶部104とを備える。
【0112】
制御部102は、撮影部300が経時的に撮影して、出力した複数の画像から、各設備の表面上の各領域への生体の接触を検出する。さらに制御部102は、各領域において検出された接触の回数、および検知部600で検知された各領域への接触の回数に基づいて、各領域における接触感染リスクの評価情報を出力する。
【0113】
例えば、制御部102は、光学式距離センサ60、62で検知された距離に基づいて、第1~第4領域22C~28Cの中から人40の手42が接触した領域を特定する。そして、制御部102は、特定された領域の接触回数を1だけインクリメントする。制御部102は、このように計数された各領域の接触回数に基づいて、各領域における接触感染リスクの高さを示すリスク値を算出する。リスク値は、接触回数の増加とともに増加する値である。例えば、制御部102は、接触回数とリスク値とが対応付けられたリスク情報を参照して、検知部600で検知された接触の回数に対応するリスク値を算出してもよい。さらに、制御部102は、算出されたリスク値を、接触感染リスクの評価情報に含めて出力する。
【0114】
[接触情報処理]
接触情報処理について
図14を参照しながら説明する。
図14は、実施の形態3に係る評価装置100の検知部600の検知結果に基づく接触情報処理を示すフローチャートである。この接触情報処理は、時間的に継続して行われる。
【0115】
まず、制御部102は、検知部600の出力信号を取得し、取得した出力信号に基づいて、設備の表面への接触が有るか否かを判定する(S302)。具体的には、制御部102は、例えば検知部600によって検知された距離に基づいて設備の表面への接触が有るか否かを判定する。
【0116】
ここで、設備表面への接触が無いと判定された場合(S302のNo)、制御部102は、ステップS302を繰り返す。一方、設備表面への接触が有ると判定された場合(S302のYes)、制御部102は、検知部600によって検知された距離に基づいて、複数の領域の中から手が接触している領域を特定する(S304)。具体的には、制御部102は、例えば
図6Aに示す領域情報106を参照して、検知部600で検知された距離に対応する領域を手が接触している領域として特定する。
【0117】
最後に、制御部102は、特定された領域の接触回数を1だけインクリメントする(S306)。具体的には、制御部102は、例えば
図6Bに示す接触情報108において、特定された領域に接触日時を記録し、接触回数の値に1を加算する。
【0118】
このような接触情報処理によって、各領域の接触回数が計数される。なお、評価情報処理については、実施の形態1と実質的に同様であるため省略する。
【0119】
[効果等]
以上のように、本実施の形態に係るリスク評価システムによれば、複数の画像から各領域への生体の接触を検出し、検出された接触の回数に基づいて各領域における接触感染リスクの評価情報を出力することができると共に、検知部での検知による接触回数に基づいて接触感染リスクの評価情報を出力することができる。したがって、より的確な評価情報を出力することが可能となる。
【0120】
(他の実施の形態)
以上、本発明の1つまたは複数の態様に係るリスク評価システムについて、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の1つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【0121】
なお、上記各実施の形態では、介護施設内の手すりへの接触を例に、リスク評価システムを説明したが、リスク評価システムが適用される設備は介護施設内の手すりに限定されない。例えば、
図1に示すように、机12、椅子14、タッチパネル16及び扉18にもリスク評価システムが適用されてもよい。
【0122】
なお、上記各実施の形態では、設備表面への手の接触を検出するために、人の位置及び体勢の検出が行われていたが、接触の検出は、これに限定されない。例えば、3Dカメラが用いられる場合には、制御部は、画像内の手の位置情報から、設備表面への手の接触を検出することができる。また、例えば、人の手が扉18の取っ手に接触したか否かを検出する場合、人が扉18を通過したか否かを検出しても。この場合、人が扉を通過した事象を、人の手が扉18の取っ手への接触した事象と解釈することができる。つまり、人が扉を通過したことが検出されたときに、接触回数がインクリメントされる。
【0123】
なお、上記各実施の形態では、設備の表面を介した人から人への接触感染リスクについて説明していたが、感染源は人に限定されない。例えば動物(例えば犬又は猫等)から人への接触感染リスクが評価されてもよい。この場合、制御部は、設備の表面上の各領域への動物の接触も検出すればよい。つまり、制御部は、生体の接触を検出すればよい。
【0124】
なお、上記各実施の形態では、1つの設備の表面が複数の領域に区画されていたが、1つの設備の表面が1つの領域であってもよい。また、設備によって領域数が異なってもよい。
【0125】
なお、上記各実施の形態では、接触情報に接触回数が含まれていたが、これに限定されない。接触回数は、必要に応じて算出されてもよい。例えば、接触が検知されるたびに、又は、評価情報の出力指示を受けるたびに、接触日時に基づいて、接触回数が算出されてもよい。
【0126】
なお、上記各実施の形態では、評価装置は、単一の装置として説明されていたが、これに限定されない。例えば、評価装置は、分散コンピューティングあるいはクラウドコンピューティングによって実現されてもよい。
【0127】
なお、上記各実施の形態では、リスク評価システムに端末装置が含まれていたが、端末装置は、リスク評価システムに含まれなくてもよい。この場合、例えば、評価装置が端末装置の機能を実現してもよい。
【0128】
なお、上記各実施の形態では、リスク値が用いられていたが、必ずしもリスク値が用いられる必要なない。例えば、リスク値の代わりに、接触回数が用いられてもよい。この場合、リスク値の算出は省略され得る。
【0129】
なお、上記実施の形態2では、清掃者に清掃を指示するために、清掃指示が端末装置に通知されていたが、これに限定されない。例えば、清掃指示は、清掃ロボットに通知されてもよい。この場合、清掃ロボットが自動的に清掃指示に対応する領域を清掃すればよい。
【0130】
なお、上記実施の形態2では、複数の端末装置200Aの中から選択された端末装置に清掃指示が通知されていたが、これに限られない。例えば、複数の端末装置200Aのすべてに清掃指示が通知されてもよい。また例えば、特定された領域から予め定められた距離の範囲内に位置する端末装置を選択する場合に、当該範囲内に端末装置が存在しなければ、端末装置の選択及び清掃指示の通知は延期されてもよい。この場合、端末装置が当該範囲内に進入したときに、その端末装置に清掃指示が通知されればよい。また例えば、評価装置100の記憶部104には、日あるいは時間帯ごとに清掃を担当する当番についての情報が予め登録されており、日あるいは時間帯に応じて当番に該当する清掃者が保有する端末装置200Aに清掃指示が通知されてもよい。
【0131】
なお、上記実施の形態2では、反復動作の検出結果に基づいて清掃作業が判定されていたが、これに限られない。例えば、撮影部300で撮影された画像において、清掃者の顔認識を行うことで清掃作業が判定されてもよい。また、画像において清掃用手袋を検出することで清掃作業が判定されてもよい。
【0132】
なお、
図7の評価情報の表示は、一例であり、これに限定されない。評価情報は、例えば文字で表示されてもよい。具体的には、評価情報は、領域名称及びリスク値を含むテキスト情報として表示されてもよい。この場合、リスク値に応じて文字の色又は表示順が変更されてもよい。例えば、リスク値の降順でリストに評価情報が表示されてもよい。なお、領域名称は、利用者が簡単に場所を特定できるように、複数の領域を包含する名称であってもよい。複数の領域を包含する名称とは、例えば、「1階の手すりの食堂ドアからトイレドアまでの間の領域」である。
【0133】
なお、上記実施の形態3では、距離センサとして、光学式距離センサが用いられていたが、これに限定されない。距離センサは、例えば超音波センサであってもよい。また、距離センサの数及び設置位置は、
図10に限定されない。例えば、2方向の距離を検知可能な距離センサが、手すり20Cの中間部に1つだけ設けられてもよい。また、距離センサは、領域毎に設けられてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0134】
介護施設内の設備等の清掃作業を効率化するためのリスク評価システムとして利用することができる。
【符号の説明】
【0135】
12 机
14 椅子
16 タッチパネル
18 扉
20 手すり
20a、20b 端部
22、22C 第1領域
24、24C 第2領域
26、26C 第3領域
28、28C 第4領域
40 人
42、42a、42b、42c 手
50 画像
51、52、53 マーク
60、62 光学式距離センサ
61、63 光線
100、100A 評価装置
102、102A 制御部
104 記憶部
106 領域情報
108 接触情報
200 端末装置
200A 複数の端末装置
202 制御部
204 表示部
300 撮影部
600 検知部