(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-07
(45)【発行日】2023-09-15
(54)【発明の名称】ワイヤレス通信システムのためのチャネル多重化方法および多重化チャネル送信方法、ならびにそれらを使用するデバイス
(51)【国際特許分類】
H04W 72/20 20230101AFI20230908BHJP
H04W 72/1268 20230101ALI20230908BHJP
H04W 28/04 20090101ALI20230908BHJP
【FI】
H04W72/20
H04W72/1268
H04W28/04 110
(21)【出願番号】P 2020538543
(86)(22)【出願日】2019-01-14
(86)【国際出願番号】 KR2019000562
(87)【国際公開番号】W WO2019139446
(87)【国際公開日】2019-07-18
【審査請求日】2021-11-19
(31)【優先権主張番号】10-2018-0004734
(32)【優先日】2018-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0002588
(32)【優先日】2019-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516079109
【氏名又は名称】ウィルス インスティテュート オブ スタンダーズ アンド テクノロジー インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】キョンジュン・チェ
(72)【発明者】
【氏名】ミンソク・ノ
(72)【発明者】
【氏名】ジンサム・カク
【審査官】竹内 亨
(56)【参考文献】
【文献】Fujitsu,On eMMB and URLL Multiplexing[online],3GPP TSG RAN WG1 #91 R1-1719616,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_R,2017年11月27日,第3.1節
【文献】Huawei, HiSilicon,On UCI multiplexing,3GPP TSG RAN WG1 #91 R1-1719397,フランス,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_R,2017年11月18日
【文献】Sharp,Simultaneous PUCCH and PUSCH transmission and collision handling[online],3GPP TSG RAN WG1 #90b R1-1718418,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_R,2017年10月02日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
H04B 7/24-7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス通信システムのユーザ機器(UE)であって、
通信モジュールと、
前記通信モジュールを制御するように構成されたプロセッサとを備え、
前記プロセッサは、
アップリンク(UL)先取りインジケータの監視期間に関連する構成情報を含む無線リソース制御(RRC)信号を受信し、
監視期間ごとに物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)監視を行うことにより、前記UL先取りインジケータを含む共通のPDCCHを検出し、
物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)送信が、基準時間周波数リソース内の前記UL先取りインジケータによって示される少なくとも1つのリソース部分とオーバーラップしていることに基づいて、前記少なくとも1つのリソース部分に基づく前記PUSCH送信の一部を取り消す、
ように構成され、
前記基準時間周波数リソー
スは、対応するPDCCH監視の終了時刻からのオフセット
後に
開始され、
前記オフセットは、PUSCHの処理時間に基づいて算出される、
ユーザ機器(UE)。
【請求項2】
前記基準時間周波数リソースは、半静的ダウンリンク(DL)/UL割り当てに従って構成されたダウンリンクシンボルを含まない、請求項1に記載のユーザ機器(UE)。
【請求項3】
前記PUSCHの処理時間は、前記UEが、前記PUSCHをスケジューリングするためのPDCCHを受信し、前記PUSCHを送信するために必要な最小時間である、請求項1または2に記載のユーザ機器(UE)。
【請求項4】
前記UL先取りインジケータは、Nビットを含むビットマップを含み、前記Nビットの各々は、基準時間周波数リソース内のN個のリソース部分の各々の1つに対応し、
前記N個のリソース部分のうちの1つまたは複数の第1のリソース部分の各々は、P個のシンボルを有するように構成され、前記N個のリソース部分のうちの残りの第2のリソース部分の各々は、Q個のシンボルを有するように構成され、
PとQの差が最大で1となるように、PとQが設定され、
N、P、Qは自然数である
請求項1から3のいずれか一項に記載のユーザ機器(UE)。
【請求項5】
前記UL先取りインジケータは、Nビットを含むビットマップを含み、前記Nビットの各々は、前記基準時間周波数リソース内のN個のリソース部分のそれぞれの1つに対応し、
前記N個のリソース部分のうちのmod(S,N)リソース部分の各々が、ceil(S/N)シンボルを含み、前記N個のリソース部分のうちのN-mod(S,N)リソース部分の各々が、floor(S/N)シンボルを含み、
ここで、Sは前記基準時間周波数リソース内のシンボル数、Nは自然数、mod()はモジュロ関数、ceil()は天井関数、floor()は床関数を表す、
請求項1から4のいずれか一項に記載のユーザ機器(UE)。
【請求項6】
前記基準時間周波数リソー
スは、
前記対応するPDCCH監視の前記終了時刻からの前記オフセット後の最初のシンボル
で開始される、請求項1から5のいずれか一項に記載のユーザ機器(UE)。
【請求項7】
ワイヤレス通信システムのユーザ機器(UE)を動作させる方法であって、
アップリンク(UL)先取りインジケータの監視期間に関連する構成情報を含む無線リソース制御(RRC)信号を受信するステップと、
PDCCH監視を監視期間ごとに行うことにより、前記UL先取りインジケータを含む共通の物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を検出するステップと、
物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)送信が基準時間周波数リソース内の前記UL先取りインジケータによって示される少なくとも1つのリソース部分とオーバーラップしていることに基づいて、前記少なくとも1つのリソース部分に基づく前記PUSCH送信の一部を取り消すステップと、を具備し、
前記基準時間周波数リソー
スは、対応するPDCCH監視の終了時間からのオフセット
後に
開始され、
前記オフセットが、PUSCHの処理時間に基づいて計算される、ことを特徴とする方法。
【請求項8】
前記基準時間周波数リソースは、半静的ダウンリンク(DL)/UL割り当てに従って構成されたダウンリンクシンボルを含まない、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記PUSCHの処理時間は、前記UEが、前記PUSCHをスケジューリングするためのPDCCHを受信し、前記PUSCHを送信するために必要な最小時間である、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記UL先取りインジケータは、Nビットを含むビットマップを含み、前記Nビットの各々は、基準時間周波数リソース内のN個のリソース部分の各々の1つに対応し、
前記N個のリソース部分のうちの1つまたは複数の第1のリソース部分の各々は、P個のシンボルを有するように構成され、前記N個のリソース部分のうちの残りの第2のリソース部分の各々は、Q個のシンボルを有するように構成され、
PとQの差が最大で1となるように、PとQが設定され、
N、P、Qは自然数である、
請求項7から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記UL先取りインジケータは、Nビットを含むビットマップを含み、前記Nビットの各々は、前記基準時間周波数リソース内のN個のリソース部分のそれぞれの1つに対応し、
前記N個のリソース部分のうちのmod(S,N)リソース部分の各々が、ceil(S/N)シンボルを含み、前記N個のリソース部分のうちのN-mod(S,N)リソース部分の各々が、floor(S/N)シンボルを含み、
ここで、Sは前記基準時間周波数リソース内のシンボル数、Nは自然数、mod()はモジュロ関数、ceil()は天井関数、floor()は床関数を表す、
請求項7から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記基準時間周波数リソー
スは、
前記対応するPDCCH監視の前記終了時刻からの前記オフセット後の最初のシンボル
で開始される、請求項7から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
ワイヤレス通信システムの基地局(BS)であって、
通信モジュールと、
前記通信モジュールを制御するように構成されたプロセッサとを備え、
前記プロセッサは、
アップリンク(UL)先取りインジケータの監視期間に関連する構成情報を含む無線リソース制御(RRC)信号を送信し、
対応する監視期間におけるPDCCH監視の期間中、前記UL先取りインジケータを含む共通のPDCCHを送信し、
物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)受信が、基準時間周波数リソース内の前記UL先取りインジケータによって示される少なくとも1つのリソース部分とオーバーラップしていることに基づいて、前記少なくとも1つのリソース部分に基づく前記PUSCH受信の一部を無視する、
ように構成され、
前記基準時間周波数リソー
スは、前記PDCCH監視の終了時刻からのオフセット
後に
開始され、
前記オフセットは、PUSCHの処理時間に基づいて算出される、
基地局(BS)。
【請求項14】
前記基準時間周波数リソースは、半静的ダウンリンク(DL)/UL割り当てに従って構成されたダウンリンクシンボルを含まない、請求項13に記載の基地局(BS)。
【請求項15】
前記PUSCHの処理時間は、前記UEが、前記PUSCHをスケジューリングするためのPDCCHを受信し、前記PUSCHを送信するために必要な最小時間である、請求項13または14に記載の基地局(BS)。
【請求項16】
前記UL先取りインジケータは、Nビットを含むビットマップを含み、前記Nビットの各々は、基準時間周波数リソース内のN個のリソース部分の各々の1つに対応し、
前記N個のリソース部分のうちの1つまたは複数の第1のリソース部分の各々は、P個のシンボルを有するように構成され、前記N個のリソース部分のうちの残りの第2のリソース部分の各々は、Q個のシンボルを有するように構成され、
PとQの差が最大で1となるように、PとQが設定され、
N、P、Qは自然数である
請求項13から15のいずれか一項に記載の基地局(BS)。
【請求項17】
前記UL先取りインジケータは、Nビットを含むビットマップを含み、前記Nビットの各々は、前記基準時間周波数リソース内のN個のリソース部分のそれぞれの1つに対応し、
前記N個のリソース部分のうちのmod(S,N)リソース部分の各々が、ceil(S/N)シンボルを含み、前記N個のリソース部分のうちのN-mod(S,N)リソース部分の各々が、floor(S/N)シンボルを含み、
ここで、Sは前記基準時間周波数リソース内のシンボル数、Nは自然数、mod()はモジュロ関数、ceil()は天井関数、floor()は床関数を表す、
請求項13から16のいずれか一項に記載の基地局(BS)。
【請求項18】
前記基準時間周波数リソー
スは、
前記PDCCH監視の前記終了時刻からの前記オフセット後の最初のシンボル
で開始される、請求項13から17のいずれか一項に記載の基地局(BS)。
【請求項19】
ワイヤレス通信システムを動作させるための方法であって、
アップリンク(UL)先取りインジケータの監視期間に関連する構成情報を含む無線リソース制御(RRC)信号を送信するステップと、
対応する監視期間におけるPDCCH監視の期間中、前記UL先取りインジケータを含む共通のPDCCHを送信するステップと、
物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)受信が、基準時間周波数リソース内の前記UL先取りインジケータによって示される少なくとも1つのリソース部分とオーバーラップしていることに基づいて、前記少なくとも1つのリソース部分に基づく前記PUSCH受信の一部を無視するステップと、
を具備し、
前記基準時間周波数リソー
スは、前記PDCCH監視の終了時刻からのオフセット
後に
開始され、
前記オフセットは、PUSCHの処理時間に基づいて算出される、ことを特徴とする方法。
【請求項20】
前記基準時間周波数リソースは、半静的ダウンリンク(DL)/UL割り当てに従って構成されたダウンリンクシンボルを含まない、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記PUSCHの処理時間は、前記UEが、前記PUSCHをスケジューリングするためのPDCCHを受信し、前記PUSCHを送信するために必要な最小時間である、請求項19または20に記載の方法。
【請求項22】
前記UL先取りインジケータは、Nビットを含むビットマップを含み、前記Nビットの各々は、基準時間周波数リソース内のN個のリソース部分の各々の1つに対応し、
前記N個のリソース部分のうちの1つまたは複数の第1のリソース部分の各々は、P個のシンボルを有するように構成され、前記N個のリソース部分のうちの残りの第2のリソース部分の各々は、Q個のシンボルを有するように構成され、
PとQの差が最大で1となるように、PとQが設定され、
N、P、Qは自然数である
請求項19から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記UL先取りインジケータは、Nビットを含むビットマップを含み、前記Nビットの各々は、前記基準時間周波数リソース内のN個のリソース部分のそれぞれの1つに対応し、
前記N個のリソース部分のうちのmod(S,N)リソース部分の各々が、ceil(S/N)シンボルを含み、前記N個のリソース部分のうちのN-mod(S,N)リソース部分の各々が、floor(S/N)シンボルを含み、
ここで、Sは前記基準時間周波数リソース内のシンボル数、Nは自然数、mod()はモジュロ関数、ceil()は天井関数、floor()は床関数を表す、
請求項19から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記基準時間周波数リソー
スは、
前記PDCCH監視の前記終了時刻からの前記オフセット後の最初のシンボル
で開始される、請求項19から23のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤレス通信システムに関する。詳細には、本発明は、ワイヤレス通信システムのチャネル多重化方法、多重化チャネル送信方法、およびそれらを使用するデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
第4世代(4G)通信システムの商業化の後、ワイヤレスデータトラフィックに対する高まる需要を満たすために、新たな第5世代(5G)通信システムを開発するための取組みが行われつつある。5G通信システムは、4Gの先のネットワーク通信システム、ポストLTEシステム、またはニューラジオ(NR:new radio)システムと呼ばれる。高いデータ転送レートを達成するために、5G通信システムは、6GHz以上のミリ波(mmWave)帯域を使用して動作させられるシステムを含み、またカバレージを保証する観点から6GHz以下の周波数帯域を使用して動作させられる通信システムを含み、その結果、基地局および端末における実装形態は検討中である。
【0003】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)NRシステムは、ネットワークのスペクトル効率を高め、通信提供者がより多くのデータおよび音声サービスを所与の帯域幅を介して提供することを可能にする。したがって、3GPP NRシステムは、大量の音声に対するサポートに加えて、高速データおよびメディア送信に対する需要を満たすように設計される。NRシステムの利点は、同一のプラットフォームにおける、より高いスループットおよびより小さいレイテンシ、周波数分割複信(FDD)および時分割複信(TDD)に対するサポート、ならびに拡張されたエンドユーザ環境および簡単なアーキテクチャを伴う低い動作コストを有することである。
【0004】
より効率的なデータ処理のために、NRシステムの動的なTDDは、アップリンクおよびダウンリンクにおいて使用され得る直交周波数分割多重化(OFDM)シンボルの個数を、セルユーザのデータトラフィック方向に従って変化させるための方法を使用し得る。たとえば、セルのダウンリンクトラフィックがアップリンクトラフィックよりも大きいとき、基地局は、多くのダウンリンクOFDMシンボルをスロット(または、サブフレーム)に割り振ってよい。スロット構成についての情報が、端末へ送信されるべきである。
【0005】
mmWave帯域において電波の経路損失を緩和するとともに電波の送信距離を延ばすために、5G通信システムでは、ビームフォーミング、マッシブ多入力/出力(マッシブMIMO)、全次元MIMO(FD-MIMO:full dimensional MIMO)、アレイアンテナ、アナログビームフォーミング、アナログビームフォーミングとデジタルビームフォーミングとを組み合わせるハイブリッドビームフォーミング、および大規模アンテナ技術が議論される。加えて、システムのネットワーク改善のために、5G通信システムでは、発展型スモールセル、高度スモールセル、クラウド無線アクセスネットワーク(クラウドRAN)、超高密度ネットワーク、デバイス間通信(D2D:device to device communication)、ビークルツーエブリシング通信(V2X:vehicle to everything communication)、ワイヤレスバックホール、非地上波ネットワーク通信(NTN:non-terrestrial network communication)、移動ネットワーク、協働的通信、多地点協調(CoMP:coordinated multi-points)、干渉消去などに関係する技術開発が、行われつつある。加えて、5Gシステムでは、高度なコーディング変調(ACM:advanced coding modulation)方式である、ハイブリッドFSKおよびQAM変調(FQAM:FSK and QAM modulation)ならびにスライディングウィンドウ重畳コーディング(SWSC:sliding window superposition coding)、ならびに高度な接続性技術である、フィルタバンクマルチキャリア(FBMC:filter bank multi-carrier)、非直交多元接続(NOMA:non-orthogonal multiple access)、およびスパースコード多元接続(SCMA:sparse code multiple access)が、開発中である。
【0006】
一方、人間が情報を生成および消費する、人間中心の接続ネットワークにおいて、インターネットは、物体などの分散された構成要素の間で情報を交換する、モノのインターネット(IoT)ネットワークに発展している。クラウドサーバとの接続を通じてIoT技術をビッグデータ処理技術と組み合わせる、インターネットオブエブリシング(IoE:Internet of Everything)技術も出現しつつある。IoTを実施するために、感知技術、有線/ワイヤレス通信およびネットワーク基盤、サービスインターフェース技術、ならびにセキュリティ技術などの技術要素が必要とされ、その結果、近年、センサーネットワーク、機械間(M2M:machine to machine)通信、およびマシンタイプ通信(MTC:machine type communication)などの技術が、物体間の接続に対して検討されている。IoT環境では、接続された物体から生成されたデータを収集および分析して人間生活における新たな価値を創造する、知的インターネット技術(IT)サービスが提供され得る。既存の情報技術(IT)と様々な産業との融合および混合を通じて、IoTは、スマートホーム、スマートビルディング、スマートシティ、スマートカーまたはコネクテッドカー、スマートグリッド、健康管理、スマート家電製品、および高度医療サービスなどの分野に適用され得る。
【0007】
したがって、5G通信システムをIoTネットワークに適用するための様々な試みが行われている。たとえば、センサーネットワーク、機械間(M2M)通信、およびマシンタイプ通信(MTC)などの技術は、ビームフォーミング、MIMO、およびアレイアンテナなどの技法によって実施される。上記で説明したビッグデータ処理技術としてのクラウドRANの適用例は、5G技術とIoT技術との融合の一例である。一般に、モバイル通信システムは、ユーザの活動を保証しながら音声サービスを提供するように開発されている。
【0008】
しかしながら、モバイル通信システムは、音声だけでなくデータサービスも徐々に拡げつつあり、今では高速データサービスを提供する程度まで開発されている。しかしながら、現在サービスが提供中であるモバイル通信システムでは、リソースが不足する現象、およびユーザの高速サービス需要に起因して、もっと高度なモバイル通信システムが必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の一実施形態の目的は、ワイヤレス通信システムにおいて効率的に信号を送信するための方法およびデバイスを提供することである。加えて、本発明の一実施形態の目的は、ワイヤレス通信システムにおけるチャネル多重化方法、多重化チャネル送信方法、およびそれらを使用するデバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態によれば、ワイヤレス通信システムのUEは、通信モジュールと、通信モジュールを制御するように構成されたプロセッサとを含む。UEの第2の物理アップリンクデータチャネル送信が、UEの第1の物理アップリンクデータチャネルのアップリンク制御情報(UCI:uplink control information)送信がスケジュールされる時間周波数リソースにスケジュールされるとき、プロセッサは、UEの第2の物理アップリンクデータチャネル送信がスケジュールされる時間周波数リソースを除く時間周波数リソースの中で、ワイヤレス通信システムの基地局へUCIを送信するように構成される。
【0011】
プロセッサは、UCIを送信すべきかどうかをUCIのタイプに従って決定するように構成されてよい。
【0012】
プロセッサは、UCIのタイプがハイブリッド自動再送要求(HARQ:hybrid automatic repeat request)-ACKであるとき、UCIを送信してよく、UCIのタイプがチャネル状態情報(CSI:channel state information)部分1またはCSI部分2であるとき、UCIの送信を欠落させるように構成されてよい。
【0013】
プロセッサは、UCIのタイプがHARQ-ACKまたはCSI部分1であるとき、UCIを送信し、UCIのタイプがCSI部分2であるとき、UCIの送信を欠落させるように構成されてよい。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、ワイヤレス通信システムのUEは、通信モジュールと、通信モジュールを制御するように構成されたプロセッサとを含む。UEの物理アップリンクデータチャネル送信が、UEの物理アップリンク制御チャネル送信がスケジュールされる時間周波数リソースの中にスケジュールされるとき、プロセッサは、物理アップリンク制御チャネルのアップリンク制御情報(UCI)をワイヤレス通信システムの基地局へ送信するように構成される。UEの物理アップリンクデータチャネル送信が、UEの物理アップリンク制御チャネル送信がスケジュールされる時間周波数リソースの中にスケジュールされるとき、プロセッサは、UCIを送信すべきかどうかをUCIのタイプに従って決定するように構成される。
【0015】
プロセッサは、UCIのタイプがHARQ-ACKであるとき、UCIを送信するように構成されてよく、UCIのタイプがHARQ-ACKでないとき、UCIを送信しないように構成されてよい。
【0016】
UEの物理アップリンクデータチャネル送信が、UEの物理アップリンク制御チャネル送信がスケジュールされる時間周波数リソースの中にスケジュールされるとき、プロセッサは、UEの物理アップリンク制御チャネル送信がスケジュールされる時間周波数リソースの中の、UEの物理アップリンクデータチャネル送信がスケジュールされる時間リソースにオーバーラップする時間リソースをパンクチャすることによって、物理アップリンク制御チャネルを送信するように構成されてよい。
【0017】
UEの物理アップリンクデータチャネル送信が、UEの物理アップリンク制御チャネル送信がスケジュールされる時間周波数リソースの中にスケジュールされるとき、プロセッサは、UEの物理アップリンクデータチャネル送信がスケジュールされる時間周波数リソースの中の、物理アップリンク制御チャネルの送信がスケジュールされる時間周波数リソースの中にスケジュールされる、UEの物理アップリンクデータチャネルをパンクチャすることによって、物理アップリンクデータチャネルを送信するように構成されてよい。
【0018】
プロセッサは、物理アップリンクデータチャネルがその中で送信される時間周波数リソースの後ろのN個のシンボルの中で、物理アップリンク制御チャネルのUCIを送信するように構成されてよく、Nは自然数であってよい。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、ワイヤレス通信システムのUEは、通信モジュールと、通信モジュールを制御するように構成されたプロセッサとを含み、UEの第1の物理アップリンク制御チャネルおよびUEの第2の物理アップリンク制御チャネルの送信が1つのシンボルの中にスケジュールされるとき、プロセッサは、第1の物理アップリンク制御チャネルがスケジュールされる時間周波数リソースの中で、第1の物理アップリンク制御チャネルを送信し、第1の物理アップリンク制御チャネルがスケジュール済みの時間周波数リソースとオーバーラップしない別の時間周波数リソースの中で、第2の物理アップリンク制御チャネルを送信するように構成される。
【0020】
プロセッサは、物理アップリンク制御チャネルの送信のために構成された複数の時間周波数リソースの各々の最終シンボルの、スロットの中での位置に基づいて、複数の時間周波数リソースのうちの別の時間周波数リソースを選択するように構成されてよい。
【0021】
プロセッサは、複数の時間周波数リソースの各々の最終シンボルの位置を考慮し、次いで、複数の時間周波数リソースの各々のシンボル数を考慮することによって別の時間周波数リソースを選択するように構成されてよい。
【0022】
プロセッサは、第1の物理アップリンク制御チャネルの送信がスケジュールされる時間周波数リソースの中および第2の物理アップリンク制御チャネルの送信がスケジュールされる時間周波数リソースの中の最新のシンボルと同じかまたはその前方の最終シンボルを有する時間周波数リソースを、別の時間周波数リソースとして選択するように構成されてよい。
【0023】
ダウンリンク制御情報(DCI:downlink control information)が、第1の物理アップリンク制御チャネルおよび第2の物理アップリンク制御チャネルを含む2つの物理アップリンク制御チャネルのうちの少なくとも1つの送信を示すことに基づいて、プロセッサは、2つの物理アップリンク制御チャネルのうちの第1の物理アップリンク制御チャネルおよび第2の物理アップリンク制御チャネルを決定するように構成されてよい。
【0024】
プロセッサは、2つの物理アップリンク制御チャネルの各々のアップリンク制御情報(UCI)のタイプに基づいて、2つの物理アップリンク制御チャネルのうちの第1の物理アップリンク制御チャネルおよび第2の物理アップリンク制御チャネルを決定するように構成されてよい。
【0025】
プロセッサは、2つの物理アップリンク制御チャネルのうちの、UCIのタイプがハイブリッド自動要求(HARQ)-ACKである物理アップリンク制御チャネルを、第1の物理アップリンク制御チャネルとして決定し、2つの物理アップリンク制御チャネルのうちの、UCIのタイプがチャネル状態情報(CSI)である物理アップリンク制御チャネルを、第2の物理アップリンク制御チャネルとして決定するように構成されてよい。
【0026】
本発明の一実施形態によれば、ワイヤレス通信システムのUEは、通信モジュールと、通信モジュールを制御するように構成されたプロセッサとを含み、UEによる許可ベース物理アップリンクデータチャネル送信が、UEによる許可なし物理アップリンクデータチャネル送信がスケジュールされる時間周波数リソースの中にスケジュールされ、かつ許可なし物理アップリンクデータチャネルを通じて送信されるべきデータがあるとき、プロセッサは、許可ベース物理アップリンクデータチャネル送信を欠落させるとともに許可なし物理アップリンクデータチャネルを送信するように構成される。
【0027】
許可ベース物理アップリンクデータチャネル送信を欠落させるとともに許可なし物理アップリンクデータチャネルを送信するとき、プロセッサは、許可ベース物理アップリンクデータチャネルを通じて送信されるべきアップリンク制御情報(UCI)を、許可なし物理アップリンクデータチャネルを通じて送信するように構成されてよい。
【0028】
許可なし物理アップリンクデータチャネルを通じて送信されるべきデータがあり、かつ許可なし物理アップリンクデータチャネルの送信期間が特定の期間よりも短いとき、プロセッサは、許可ベース物理アップリンクデータチャネル送信を欠落させてよく、許可なし物理アップリンクデータチャネルを送信してよい。
【0029】
本発明の一実施形態によれば、ワイヤレス通信システムのUE動作方法は、UEの第2の物理アップリンクデータチャネル送信が、UEの第1の物理アップリンクデータチャネルのアップリンク制御情報(UCI)送信がスケジュールされる時間周波数リソースにスケジュールされるとき、UEの第2の物理アップリンクデータチャネル送信がスケジュールされる時間周波数リソースを除く時間周波数リソースの中で、ワイヤレス通信システムの基地局へUCIを送信することを含む。
【0030】
UCIを送信することは、UCIを送信すべきかどうかをUCIのタイプに従って決定することを含む。
【0031】
UCIを送信すべきかどうかを決定することは、UCIのタイプがハイブリッド自動再送要求(HARQ)-ACKであるとき、UCIを送信ことと、UCIのタイプがチャネル状態情報(CSI)部分1またはCSI部分2であるとき、UCIの送信を欠落させることとを含む。
【0032】
UCIを送信すべきかどうかを決定することは、UCIのタイプがハイブリッド自動再送要求(HARQ)-ACKまたはチャネル状態情報(CSI)部分1であるとき、UCIを送信することと、UCIのタイプがCSI部分2であるとき、UCIの送信を欠落させることとを含む。
【0033】
本発明の一実施形態によれば、ワイヤレス通信システムのUE動作方法は、UEの物理アップリンクデータチャネル送信が、UEの物理アップリンク制御チャネル送信がスケジュールされる時間周波数リソースの中にスケジュールされるとき、物理アップリンク制御チャネルのアップリンク制御情報(UCI)をワイヤレス通信システムの基地局へ送信することを含む。
【0034】
ワイヤレス通信システムの基地局へUCIを送信することは、UEの物理アップリンクデータチャネル送信が、UEの物理アップリンク制御チャネル送信がスケジュールされる時間周波数リソースの中にスケジュールされるとき、UCIを送信すべきかどうかをUCIのタイプに従って決定することを含む。
【0035】
UCIを送信することをUCIのタイプに従って決定することは、UCIのタイプがHARQ-ACKであるとき、UCIを送信することと、UCIのタイプがHARQ-ACKでないとき、UCIを送信しないこととを含む。
【0036】
動作方法は、UEの物理アップリンクデータチャネル送信が、UEの物理アップリンク制御チャネル送信がスケジュールされる時間周波数リソースの中にスケジュールされるとき、UEの物理アップリンク制御チャネル送信がスケジュールされる時間周波数リソースの中の、UEの物理アップリンクデータチャネル送信がスケジュールされる時間リソースにオーバーラップする時間リソースをパンクチャすることによって、物理アップリンク制御チャネルを送信することをさらに含んでよい。
【0037】
動作方法は、UEの物理アップリンクデータチャネル送信が、UEの物理アップリンク制御チャネル送信がスケジュールされる時間周波数リソースの中にスケジュールされるとき、UEの物理アップリンクデータチャネル送信がスケジュールされる時間周波数リソースの中の、物理アップリンク制御チャネルの送信がスケジュールされる時間周波数リソースの中にスケジュールされる、UEの物理アップリンクデータチャネルをパンクチャすることによって、物理アップリンクデータチャネルを送信することをさらに含んでよい。
【0038】
動作方法は、物理アップリンクデータチャネルがその中で送信される時間周波数リソースの後ろのN個のシンボルの中で、物理アップリンク制御チャネルのUCIを送信することをさらに含んでよく、Nは自然数であってよい。
【0039】
本発明の一実施形態によれば、ワイヤレス通信システムのUE動作方法は、UEの第1の物理アップリンク制御チャネルおよびUEの第2の物理アップリンク制御チャネルの送信が1つのシンボルの中にスケジュールされるとき、第1の物理アップリンク制御チャネルがスケジュールされる時間周波数リソースの中で、第1の物理アップリンク制御チャネルを送信することと、第1の物理アップリンク制御チャネルがスケジュール済みの時間周波数リソースとオーバーラップしない別の時間周波数リソースの中で、第2の物理アップリンク制御チャネルを送信することとを含む。
【0040】
第2の物理アップリンク制御チャネルを送信することは、物理アップリンク制御チャネルの送信のために構成された複数の時間周波数リソースの各々の最終シンボルの、スロットの中での位置に基づいて、複数の時間周波数リソースのうちの他の時間周波数リソースを選択することを含んでよい。
【0041】
他の時間周波数リソースを選択することは、複数の時間周波数リソースの各々の最終シンボルの位置を考慮することと、次いで、複数の時間周波数リソースの各々のシンボル数を考慮することによって他の時間周波数リソースを選択することとを含んでよい。
【0042】
第2の物理アップリンク制御チャネルを送信することは、第1の物理アップリンク制御チャネルの送信がスケジュールされる時間周波数リソースの中および第2の物理アップリンク制御チャネルの送信がスケジュールされる時間周波数リソースの中の最新のシンボルと同じかまたはその前方の最終シンボルを有する時間周波数リソースを、他の時間周波数リソースとして選択することを含んでよい。
【0043】
第2の物理アップリンク制御チャネルを送信することは、ダウンリンク制御情報(DCI)が、第1の物理アップリンク制御チャネルおよび第2の物理アップリンク制御チャネルを含む2つの物理アップリンク制御チャネルのうちの少なくとも1つの送信を示すことに基づいて、2つの物理アップリンク制御チャネルのうちの第1の物理アップリンク制御チャネルおよび第2の物理アップリンク制御チャネルを決定することを含んでよい。
【0044】
第1の物理アップリンク制御チャネルおよび第2の物理アップリンク制御チャネルを決定することは、2つの物理アップリンク制御チャネルの各々のアップリンク制御情報(UCI)のタイプに基づいて、2つの物理アップリンク制御チャネルのうちの第1の物理アップリンク制御チャネルおよび第2の物理アップリンク制御チャネルを決定することを含んでよい。
【0045】
UCIタイプに基づいて2つの物理アップリンク制御チャネルのうちの第1の物理アップリンク制御チャネルおよび第2の物理アップリンク制御チャネルを決定することは、2つの物理アップリンク制御チャネルのうちの、UCIのタイプがHARQ-ACKである物理アップリンク制御チャネルを、第1の物理アップリンク制御チャネルとして決定し、2つの物理アップリンク制御チャネルのうちの、UCIのタイプがCSIである物理アップリンク制御チャネルを、第2の物理アップリンク制御チャネルとして決定することを含んでよい。
【0046】
本発明の一実施形態によれば、ワイヤレス通信システムのUE動作方法は、UEによる許可ベース物理アップリンクデータチャネル送信が、UEによる許可なし物理アップリンクデータチャネル送信がスケジュールされる時間周波数リソースの中にスケジュールされ、かつ許可なし物理アップリンクデータチャネルを通じて送信されるべきデータがあるとき、許可ベース物理アップリンクデータチャネル送信を欠落させるとともに許可なし物理アップリンクデータチャネルを送信することを含む。
【0047】
許可ベース物理アップリンクデータチャネル送信を欠落させるとともに許可なし物理アップリンクデータチャネルを送信することは、許可ベース物理アップリンクデータチャネル送信を欠落させるとともに許可なし物理アップリンクデータチャネルを送信するとき、許可ベース物理アップリンクデータチャネルを通じて送信されるべきアップリンク制御情報(UCI)を、許可なし物理アップリンクデータチャネルを通じて送信することを含んでよい。
【0048】
許可ベース物理アップリンクデータチャネル送信を欠落させるとともに許可なし物理アップリンクデータチャネルを送信することは、許可なし物理アップリンクデータチャネルを通じて送信されるべきデータがあり、かつ許可なし物理アップリンクデータチャネルの送信期間が特定の期間よりも短いとき、許可ベース物理アップリンクデータチャネル送信を欠落させるとともに許可なし物理アップリンクデータチャネルを送信することを含んでよい。
【発明の効果】
【0049】
本発明の一実施形態は、ワイヤレス通信システムにおいてチャネルを効率的に多重化するための方法、多重化チャネルを受信するための方法、およびそれらを使用するデバイスを提供する。
【0050】
本開示の様々な実施形態から取得可能な効果は、上記で述べた効果に限定されず、上記で述べられない他の効果が、以下の説明から明瞭に導出され得るとともに当業者に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1】ワイヤレス通信システムにおいて使用されるワイヤレスフレーム構造の一例を示す図である。
【
図2】ワイヤレス通信システムにおけるダウンリンク(DL)/アップリンク(UL)スロット構造の一例を示す図である。
【
図3】3GPPシステムにおいて使用される物理チャネル、および物理チャネルを使用する典型的な信号送信方法を説明するための図である。
【
図4】3GPP NRシステムにおける初期セルアクセス用のSS/PBCHブロックを示す図である。
【
図5】3GPP NRシステムにおいて制御情報および制御チャネルを送信するためのプロシージャを示す図である。
【
図6】3GPP NRシステムにおいて物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH:physical downlink control channel)がその中で送信され得る制御リソースセット(コアセット(CORESET:control resource set))を示す図である。
【
図7】3GPP NRシステムにおいてPDCCH探索空間を構成するための方法を示す図である。
【
図8】キャリアアグリゲーションを示す概念図である。
【
図9】単一キャリア通信および複数キャリア通信を説明するための図である。
【
図10】クロスキャリアスケジューリング技法が適用される一例を示す図である。
【
図11】本開示の一実施形態によるUEおよび基地局の構成を示すブロック図である。
【
図12】本発明の一実施形態による、ワイヤレス通信システムにおいて使用される先取りインジケータを示す図である。
【
図13】本発明の一実施形態によるUEが先取りに起因して送信できない、物理アップリンクデータチャネルの範囲を示す図である。
【
図14】本発明の一実施形態による、先取りに起因して送信され得ないPUSCHをUEが送信する動作を示す図である。
【
図15】本発明の別の実施形態によるUEが先取りに起因して送信できない、物理アップリンクデータチャネルの範囲を示す図である。
【
図16】本発明の一実施形態による、先取りに起因して送信され得ないDMRSおよびUCIをUEが送信する動作を示す図である。
【
図17】本発明の一実施形態による、UEが代替物理アップリンク制御チャネルを選択するための方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
本明細書で使用する用語は、本発明における機能を検討することによって、可能であるものとして現在広く使用される一般的な用語を採用するが、その用語は、当業者の意図、慣習、および新たな技術の出現に応じて変更されることがある。さらに、特定の事例では、出願人によって任意に選択される用語があり、この場合、それらの意味は本発明の対応する説明部分において説明される。したがって、用語の名称だけでなく本明細書全体にわたる用語および内容の実質的な意味にも基づいて、本明細書で使用される用語が分析されるべきであることが、明らかにされることを意図する。
【0053】
本明細書および以下の特許請求の範囲全体にわたって、要素が別の要素に「接続される」ことが記載されるとき、その要素は、他の要素に「直接接続されて」よく、または第3の要素を通じて他の要素に「電気的に接続されて」もよい。さらに、明示的にそれとは反対に記載されない限り、「備える」という語は、述べられる要素の包含を暗示するものとして理解され、別段に明記されていない限り、いかなる他の要素の除外も暗示するものとして理解されない。その上、特定のしきい値に基づく「以上の」または「以下の」などの限定は、いくつかの例示的な実施形態では、それぞれ、「上回る」または「下回る」と適宜に置換されてよい。
【0054】
以下の技術は、符号分割多元接続(CDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、時分割多元接続(TDMA)、直交周波数分割多元接続(OFDMA)、シングルキャリアFDMA(SC-FDMA)などの、様々なワイヤレスアクセスシステムにおいて使用され得る。CDMAは、ユニバーサル地上波無線アクセス(UTRA)またはCDMA2000などのワイヤレス技術によって実装され得る。TDMAは、モバイル通信用グローバルシステム(GSM(登録商標))/汎用パケット無線サービス(GPRS)/GSM(登録商標)進化型高速データレート(EDGE)などのワイヤレス技術によって実装され得る。OFDMAは、IEEE802.11(Wi-Fi)、IEEE802.16(WiMAX)、IEEE802-20、発展型UTRA(E-UTRA)などのワイヤレス技術によって実装され得る。UTRAは、ユニバーサル移動体電気通信システム(UMTS)の一部である。第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)ロングタームエボリューション(LTE)は、発展型UMTS地上波無線アクセス(E-UTRA)を使用する発展型UMTS(E-UMTS)の一部であり、LTEアドバンスト(A)は、3GPP LTEの発展型バージョンである。3GPPニューラジオ(NR)は、LTE/LTE-Aとは別個に設計されたシステムであり、IMT-2020の要件である拡張モバイルブロードバンド(eMBB:enhanced mobile broadband)、超高信頼および低レイテンシ通信(URLLC:ultra-reliable and low latency communication)、ならびにマッシブマシンタイプ通信(mMTC:massive machine type communication)サービスをサポートするためのシステムである。明瞭な説明のために、主に3GPP NRが説明されるが、本発明の技術的発想はそれらに限定されない。
【0055】
本明細書において別段に規定されていない限り、基地局は、3GPP NRにおいて規定される次世代ノードB(gNB)を含んでよい。さらに、別段に規定されていない限り、端末は、ユーザ機器(UE)を含んでよい。以下では、説明の理解の助けとなるために、各内容は実施形態によって別々に説明されるが、各実施形態は互いに組み合わせて使用されてよい。本明細書では、UEの構成は基地局による構成を示してよい。より詳細には、基地局は、チャネルまたは信号をUEへ送信することによって、UEまたはワイヤレス通信システムの動作において使用されるパラメータの値を構成し得る。
【0056】
図1は、ワイヤレス通信システムにおいて使用されるワイヤレスフレーム構造の一例を示す。
【0057】
図1を参照すると、3GPP NRシステムにおいて使用されるワイヤレスフレーム(または、無線フレーム)は、長さが10ms(Δf
maxN
f/100)*T
c)であってよい。加えて、ワイヤレスフレームは、サイズが等しい10個のサブフレーム(SF:subframe)を含む。本明細書では、Δf
max=480*10
3Hz、N
f=4096、T
c=1/(Δf
ref*N
f,ref)、Δf
ref=15*10
3Hz、かつN
f,ref=2048である。1つのワイヤレスフレーム内の10個のサブフレームに、それぞれ0から9までの数が割り振られてよい。各サブフレームは長さが1msであり、サブキャリア間隔に従って1つまたは複数のスロットを含んでよい。より具体的には、3GPP NRシステムでは、使用され得るサブキャリア間隔は、15*2
μkHzであり、μは、サブキャリア間隔構成としてμ=0,1,2,3,4という値を有することができる。すなわち、サブキャリア間隔に対して15kHz、30kHz、60kHz、120kHz、および240kHzが使用され得る。長さが1msである1つのサブフレームは、2
μ個のスロットを含んでよい。この場合、各スロットの長さは2
-μmsである。1つの
ワイヤレスフレーム内の2
μ個のスロットに、それぞれ0から2
μ-1までの数が割り振られてよい。加えて、1つのサブフレーム内のスロットに、それぞれ0から10*2
μ-1までの数が割り振られてよい。時間リソースは、ワイヤレスフレーム番号(ワイヤレスフレームインデックスとも呼ばれる)、サブフレーム番号(サブフレームインデックスとも呼ばれる)、およびスロット番号(または、スロットインデックス)のうちの少なくとも1つによって区別され得る。
【0058】
図2は、ワイヤレス通信システムにおけるダウンリンク(DL)/アップリンク(UL)スロット構造の一例を示す。具体的には、
図2は、3GPP NRシステムのリソースグリッドの構造を示す。
【0059】
アンテナポート当り1つのリソースグリッドがある。
図2を参照すると、スロットは、時間領域において複数の直交周波数分割多重化(OFDM)シンボルを含み、周波数領域において複数のリソースブロック(RB:resource block)を含む。OFDMシンボルはまた、1つのシンボルセクションを意味する。別段に規定されていない限り、OFDMシンボルは、単にシンボルと呼ばれることがある。1つのRBは、周波数領域において12本の連続したサブキャリアを含む。
図2を参照すると、各スロットから送信される信号は、N
size,μ
grid,x*N
RB
sc本のサブキャリアおよびN
slot
symb個のOFDMシンボルを含むリソースグリッドによって表されてよい。ここで、信号がDL信号であるときはx=DLであり、信号がUL信号であるときはx=ULである。N
size,μ
grid,xは、μの構成要素であるサブキャリア間隔に従ってリソースブロック(RB)の個数を表し(xは、DLまたはULである)、N
slot
symbは、スロットの中のOFDMシンボルの個数を表す。N
RB
scは、1つのRBを構成するサブキャリアの本数であり、N
RB
sc=12である。OFDMシンボルは、多元接続方式に従って、巡回シフトOFDM(CP-OFDM:cyclic shift OFDM)シンボルまたは離散フーリエ変換拡散OFDM(DFT-s-OFDM:discrete Fourier transform spread OFDM)シンボルと呼ばれることがある。
【0060】
1つのスロットの中に含まれるOFDMシンボルの個数は、サイクリックプレフィックス(CP:cyclic prefix)の長さに従って変わることがある。たとえば、ノーマルCPの場合には、1つのスロットは14個のOFDMシンボルを含むが、拡張CPの場合には、1つのスロットは12個のOFDMシンボルを含んでよい。特定の実施形態では、拡張CPは、60kHzサブキャリア間隔においてのみ使用され得る。
図2において、説明の便宜上、1つのスロットは、例として14個のOFDMシンボルを用いて構成されるが、本開示の実施形態は、異なる個数のOFDMシンボルを有するスロットに、同様に適用され得る。
図2を参照すると、各OFDMシンボルは、周波数領域においてN
size,μ
grid,x*N
RB
sc本のサブキャリアを含む。サブキャリアのタイプは、データ送信用のデータサブキャリア、基準信号の送信用の基準信号サブキャリア、およびガードバンドに分割され得る。キャリア周波数は、中心周波数(fc)とも呼ばれる。
【0061】
1つのRBは、周波数領域においてNRB
sc(たとえば、12)本の連続したサブキャリアによって規定され得る。参考のために、1つのOFDMシンボルおよび1本のサブキャリアを用いて構成されたリソースは、リソース要素(RE)またはトーンと呼ばれることがある。したがって、1つのRBは、Nslot
symb*NRB
sc個のリソース要素を用いて構成され得る。リソースグリッドの中の各リソース要素は、1つのスロットの中で1対のインデックス(k,l)によって一意に規定され得る。kは、周波数領域において0からNsize,μ
grid,x*NRB
sc-1まで割り当てられるインデックスであってよく、lは、時間領域において0からNslot
symb-1まで割り当てられるインデックスであってよい。
【0062】
UEが、基地局から信号を受信するために、または基地局へ信号を送信するために、UEの時間/周波数は、基地局の時間/周波数に同期されてよい。これは、基地局およびUEが同期されていると、DL信号を復調するとともに適切な時間においてUL信号を送信するために必要な時間および周波数パラメータを、UEが決定できるからである。
【0063】
時分割複信(TDD)すなわち不対スペクトルにおいて使用される無線フレームの各シンボルは、DLシンボル、ULシンボル、およびフレキシブルシンボルのうちの少なくとも1つを用いて構成され得る。周波数分割複信(FDD)すなわち対スペクトルにおいてDLキャリアとして使用される無線フレームは、DLシンボルまたはフレキシブルシンボルを用いて構成されてよく、ULキャリアとして使用される無線フレームは、ULシンボルまたはフレキシブルシンボルを用いて構成されてよい。DLシンボルでは、DL送信が可能であるがUL送信は不可能である。ULシンボルでは、UL送信が可能であるがDL送信は不可能である。フレキシブルシンボルは、信号に従ってDLまたはULとして使用されるべきと決定され得る。
【0064】
各シンボルのタイプについての情報、すなわち、DLシンボル、ULシンボル、およびフレキシブルシンボルのうちのいずれか1つを表す情報が、セル固有または共通の無線リソース制御(RRC:radio resource control)信号を用いて構成され得る。加えて、各シンボルのタイプについての情報が、追加として、UE固有または専用のRRC信号を用いて構成され得る。基地局は、i)セル固有スロット構成の期間、ii)セル固有スロット構成の期間の冒頭からの、DLシンボルしか伴わないスロットの個数、iii)DLシンボルしか伴わないスロットの直後のスロットの最初のシンボルからのDLシンボルの個数、iv)セル固有スロット構成の期間の末尾からの、ULシンボルしか伴わないスロットの個数、およびv)ULシンボルしか伴わないスロットの直前のスロットの最後のシンボルからのULシンボルの個数を、セル固有RRC信号を使用することによって通知する。ここで、ULシンボルおよびDLシンボルのうちのどちらを用いても構成されないシンボルが、フレキシブルシンボルである。
【0065】
シンボルタイプについての情報が、UE固有RRC信号を用いて構成されるとき、基地局は、フレキシブルシンボルがDLシンボルであるのかそれともULシンボルであるのかを、セル固有RRC信号の中でシグナリングし得る。この場合、UE固有RRC信号は、セル固有RRC信号を用いて構成されたDLシンボルまたはULシンボルを別のシンボルタイプに変更することができない。UE固有RRC信号は、スロットごとの対応するスロットのNslot
symb個のシンボルのうちのDLシンボルの個数、および対応するスロットのNslot
symb個のシンボルのうちのULシンボルの個数をシグナリングし得る。この場合、スロットのDLシンボルは、スロットの最初のシンボル~i番目のシンボルを用いて継続的に構成され得る。加えて、スロットのULシンボルは、スロットのj番目のシンボル~最後のシンボルを用いて継続的に構成され得る(ただし、i<j)。スロットの中で、ULシンボルおよびDLシンボルのうちのどちらを用いても構成されないシンボルが、フレキシブルシンボルである。
【0066】
上記のRRC信号を用いて構成されたシンボルのタイプは、半静的DL/UL構成と呼ばれることがある。RRC信号を用いて以前に構成された半静的DL/UL構成では、フレキシブルシンボルは、物理DL制御チャネル(PDCCH:physical DL control channel)上で送信される動的なスロットフォーマット情報(SFI:slot format information)を通じて、DLシンボル、ULシンボル、またはフレキシブルシンボルとして示されてよい。この場合、RRC信号を用いて構成されたDLシンボルまたはULシンボルは、別のシンボルタイプに変更されない。Table 1(表1)は、基地局がUEに示すことができる動的なSFIを例示する。
【0067】
【0068】
Table 1(表1)において、DはDLシンボルを示し、UはULシンボルを示し、Xはフレキシブルシンボルを示す。Table 1(表1)に示すように、1つのスロットの中で最高2回のDL/UL切替えが許容され得る。
【0069】
図3は、3GPPシステム(たとえば、NR)において使用される物理チャネル、および物理チャネルを使用する典型的な信号送信方法を説明するための図である。
【0070】
UEの電源がオンにされるかまたはUEが新たなセルにキャンプオンする場合、UEは初期セル探索を実行する(S101)。具体的には、UEは、初期セル探索時にBSに同期し得る。このことのために、UEは、基地局から1次同期信号(PSS:primary synchronization signal)および2次同期信号(SSS:secondary synchronization signal)を受信して基地局に同期し得、セルIDなどの情報を取得し得る。その後、UEは、基地局から物理ブロードキャストチャネルを受信することができ、セルにおけるブロードキャスト情報を取得することができる。
【0071】
初期セル探索の完了時に、UEは、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)およびPDCCHの中の情報に従って物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH:physical downlink shared channel)を受信し、その結果、UEは、初期セル探索を通じて取得されたシステム情報よりも特有のシステム情報を取得することができる(S102)。本明細書では、UEによって受信されるシステム情報は、無線リソース制御(RRC)における物理レイヤの中でのUEの通常動作のためのセル共通のシステム情報であり、残りのシステム情報と呼ばれるか、またはシステム情報ブロック(SIB:system information block)1と呼ばれる。
【0072】
UEが最初に基地局にアクセスするか、または信号送信用の無線リソースを有しないとき(すなわち、RRC_IDLEモードにおけるUE)、UEは、基地局に対してランダムアクセスプロシージャを実行してよい(動作S103~S106)。最初に、UEは、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH:physical random access channel)を通じてプリアンブルを送信することができ(S103)、PDCCHおよび対応するPDSCHを通じて基地局からプリアンブルに対する応答メッセージを受信することができる(S104)。有効なランダムアクセス応答メッセージがUEによって受信されると、UEは、基地局からPDCCHを通じて送信されたUL許可によって示される物理アップリンク共有チャネル(PUSCH:physical uplink shared channel)を通じて、UEの識別子などを含むデータを基地局へ送信する(S105)。次に、UEは、衝突解決のために、基地局の表示としてのPDCCHの受信を待つ。UEがUEの識別子を通じてPDCCHを首尾よく受信する場合(S106)、ランダムアクセスプロセスが終了される。UEは、ランダムアクセスプロセス中、RRCレイヤにおける物理レイヤの中でのUEの通常動作用のUE固有のシステム情報を取得し得る。UEがUE固有のシステム情報を取得すると、UEはRRC接続モード(RRC_CONNECTEDモード)に入る。
【0073】
RRCレイヤは、UEと無線アクセスネットワーク(RAN:radio access network)との間の接続を制御するためのメッセージを生成または管理するために使用される。より詳細には、基地局およびUEは、RRCレイヤにおいて、セルの中のすべてのUEによって必要とされるセルシステム情報をブロードキャストすること、モビリティおよびハンドオーバを管理すること、UEの測定報告、UE能力管理およびデバイス管理を含む記憶管理を実行してよい。概して、RRCレイヤにおいて配送される信号の更新の期間が物理レイヤにおける送信時間区間(TTI:transmission time interval)よりも長いので、RRC信号は、非常に長い区間、変更されず維持される。
【0074】
上記で説明したプロシージャの後、UEは、PDCCH/PDSCHを受信し(S107)、一般的なUL/DL信号送信プロシージャとして物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)/物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)を送信する(S108)。具体的には、UEは、PDCCHを通じてダウンリンク制御情報(DCI)を受信し得る。DCIは、UEに対するリソース割振り情報などの制御情報を含んでよい。また、DCIのフォーマットは、所期の使用に応じて変わってよい。UEがULを通じて基地局へ送信するアップリンク制御情報(UCI)は、DL/UL ACK/NACK信号、チャネル品質インジケータ(CQI:channel quality indicator)、プリコーディング行列インデックス(PMI:precoding matrix index)、ランクインジケータ(RI:rank indicator)などを含む。ここで、CQI、PMI、およびRIは、チャネル状態情報(CSI)の中に含められてよい。3GPP NRシステムでは、UEは、上記で説明したHARQ-ACKおよびCSIなどの制御情報を、PUSCHおよび/またはPUCCHを通じて送信してよい。
【0075】
図4は、3GPP NRシステムにおける初期セルアクセス用のSS/PBCHブロックを示す。
【0076】
電源がオンにされるか、または新たなセルにアクセスしたいとき、UEは、セルとの時間および周波数同期を取得し得、初期セル探索プロシージャを実行し得る。UEは、セル探索プロシージャ中にセルの物理セル識別情報Ncell
IDを検出し得る。このことのために、UEは、基地局から同期信号、たとえば、1次同期信号(PSS)および2次同期信号(SSS)を受信し得、基地局に同期し得る。この場合、UEは、セル識別情報(ID)などの情報を取得することができる。
【0077】
図4(a)を参照しながら、同期信号(SS:synchronization signal)がより詳細に説明される。同期信号は、PSSおよびSSSに分類され得る。PSSは、OFDMシンボル同期およびスロット同期などの、時間領域同期および/または周波数領域同期を取得するために使用され得る。SSSは、フレーム同期およびセルグループIDを取得するために使用され得る。
図4(a)およびTable 2(表2)を参照すると、SS/PBCHブロックは、周波数軸における連続した20個のRB(=240本のサブキャリア)を用いて構成することができ、時間軸における連続した4個のOFDMシンボルを用いて構成することができる。この場合、SS/PBCHブロックの中で、第56~第182のサブキャリアを通じて、PSSは最初のOFDMシンボルの中で送信され、SSSは3番目のOFDMシンボルの中で送信される。ここで、SS/PBCHブロックの最小のサブキャリアインデックスは、0から番号付けされる。PSSがその中で送信される最初のOFDMシンボルでは、基地局は、残りのサブキャリア、すなわち、第0~第55および第183~第239のサブキャリアを通じて信号を送信しない。加えて、SSSがその中で送信される3番目のOFDMシンボルでは、基地局は、第48~第55および第183~第191のサブキャリアを通じて信号を送信しない。基地局は、SS/PBCHブロックの中で上記の信号を除く残りのREを通じて物理ブロードキャストチャネル(PBCH:physical broadcast channel)を送信する。
【0078】
【0079】
SSは、合計1008個の一意の物理レイヤセルIDが336個の物理レイヤセル識別子グループにグループ化されることを可能にし、各グループは、具体的には、各物理レイヤセルIDが1つの物理レイヤセル識別子グループの一部のみであることになるような、3個のPSSとSSSとの組合せを通じた3個の一意識別子を含む。したがって、物理レイヤセルID Ncell
ID=3N(1)
ID+N(2)
IDは、物理レイヤセル識別子グループを示す、0から335までにわたるインデックスN(1)
ID、および物理レイヤセル識別子グループの中の物理レイヤ識別子を示す、0から2までにわたるインデックスN(2)
IDによって、一意に規定され得る。UEは、PSSを検出し得、3個の一意物理レイヤ識別子のうちの1つを識別し得る。加えて、UEは、SSSを検出することができ、物理レイヤ識別子に関連付けられた336個の物理レイヤセルIDのうちの1つを識別することができる。この場合、PSSの系列dPSS(n)は次の通りである。
【0080】
【0081】
ここで、x(i+7)=(x(i+4)+x(i)) mod 2であり、[x(6) x(5) x(4) x(3) x(2) x(1) x(0)]=[1 1 1 0 1 1 0]として与えられる。
【0082】
さらに、SSSの系列dSSS(n)は次の通りである。
【0083】
【0084】
ここで、
x0(i+7)=(x0(i+4)+x0(i)) mod 2
x1(i+7)=(x1(i+1)+x1(i)) mod 2
であり、
[x0(6) x0(5) x0(4) x0(3) x0(2) x0(1) x0(0)]=[0 0 0 0 0 0 1]
[x1(6) x1(5) x1(4) x1(3) x1(2) x1(1) x1(0)]=[0 0 0 0 0 0 1]
として与えられる。
【0085】
長さが10msの無線フレームは、長さが5msの2つのハーフフレームに分割され得る。
図4(b)を参照しながら、SS/PBCHブロックが各ハーフフレームの中で送信されるスロットの説明が行われる。SS/PBCHブロックが送信されるスロットは、事例A、B、C、D、およびEのうちのいずれか1つであってよい。事例Aでは、サブキャリア間隔は15kHzであり、SS/PBCHブロックの開始時点は({2,8}+14*n)番目のシンボルである。この場合、3GHz以下のキャリア周波数においてn=0または1である。加えて、3GHzよりも上かつ6GHzよりも下のキャリア周波数においてn=0,1,2,3であってよい。事例Bでは、サブキャリア間隔は30kHzであり、SS/PBCHブロックの開始時点は{4,8,16,20}+28*nである。この場合、3GHz以下のキャリア周波数においてn=0である。加えて、3GHzよりも上かつ6GHzよりも下のキャリア周波数においてn=0,1であってよい。事例Cでは、サブキャリア間隔は30kHzであり、SS/PBCHブロックの開始時点は({2,8}+14*n)番目のシンボルである。この場合、3GHz以下のキャリア周波数においてn=0または1である。加えて、3GHzよりも上かつ6GHzよりも下のキャリア周波数においてn=0,1,2,3であってよい。事例Dでは、サブキャリア間隔は120kHzであり、SS/PBCHブロックの開始時点は({4,8,16,20}+28*n)番目のシンボルである。この場合、6GHz以上のキャリア周波数において、n=0,1,2,3,5,6,7,8,10,11,12,13,15,16,17,18である。事例Eでは、サブキャリア間隔は240kHzであり、SS/PBCHブロックの開始時点は({8,12,16,20,32,36,40,44}+56*n)番目のシンボルである。この場合、6GHz以上のキャリア周波数において、n=0,1,2,3,5,6,7,8である。
【0086】
図5は、3GPP NRシステムにおいて制御情報および制御チャネルを送信するためのプロシージャを示す。
図5(a)を参照すると、基地局は、無線ネットワーク一時識別子(RNTI:radio network temporary identifier)を用いてマスク(たとえば、XOR演算)された巡回冗長検査(CRC)を制御情報(たとえば、ダウンリンク制御情報(DCI))に追加し得る(S202)。基地局は、各制御情報の目的/ターゲットに従って決定されたRNTI値を用いてCRCをスクランブルし得る。1つまたは複数のUEによって使用される共通のRNTIは、システム情報RNTI(SI-RNTI:system information RNTI)、ページングRNTI(P-RNTI:paging RNTI)、ランダムアクセスRNTI(RA-RNTI:random access RNTI)、および送信電力制御RNTI(TPC-RNTI:transmit power control RNTI)のうちの少なくとも1つを含むことができる。加えて、UE固有のRNTIは、セル一時RNTI(C-RNTI:cell temporary RNTI)およびCS-RNTIのうちの少なくとも1つを含んでよい。その後、基地局は、チャネル符号化(たとえば、ポーラコーディング)を実行した後(S204)、PDCCH送信のために使用されるリソースの量に従ってレートマッチングを実行し得る(S206)。その後、基地局は、制御チャネル要素(CCE:control channel element)ベースのPDCCH構造に基づいてDCIを多重化し得る(S208)。加えて、基地局は、スクランブリング、変調(たとえば、QPSK)、インターリービングなどの追加のプロセスを、多重化されたDCIに適用し得(S210)、次いで、送信されるべきリソースにDCIをマッピングし得る。CCEは、PDCCHに対する基本リソース単位であり、1つのCCEは、複数(たとえば、6個)のリソース要素グループ(REG:resource element group)を含んでよい。1つのREGは、複数(たとえば、12個)のREを用いて構成され得る。1つのPDCCHに対して使用されるCCEの個数は、アグリゲーションレベルとして規定され得る。3GPP NRシステムでは、1、2、4、8、または16というアグリゲーションレベルが使用され得る。
図5(b)は、CCEアグリゲーションレベル、およびPDCCHの多重化に関係する図であり、1つのPDCCHに対して使用されるCCEアグリゲーションレベルのタイプ、およびそれに従って制御エリアの中で送信されるCCEを示す。
【0087】
図6は、3GPP NRシステムにおいて物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)がその中で送信され得る制御リソースセット(コアセット)を示す。
【0088】
コアセットは、PDCCH、すなわち、UE用の制御信号がその中で送信される時間周波数リソースである。加えて、後で説明されることになる探索空間が、1つのコアセットにマッピングされ得る。したがって、UEは、PDCCH受信を求めてすべての周波数帯域を監視するのではなく、コアセットとして指定された時間周波数領域を監視してよく、コアセットにマッピングされたPDCCHを復号し得る。基地局は、UEに対してセルごとに1つまたは複数のコアセットを構成し得る。コアセットは、時間軸上で3個までの連続したシンボルを用いて構成され得る。加えて、コアセットは、周波数軸上で6個の連続したPRBという単位で構成され得る。
図5の実施形態では、コアセット#1は、連続したPRBを用いて構成され、コアセット#2およびコアセット#3は、連続しないPRBを用いて構成される。コアセットは、スロットの中の任意のシンボルの中に配置され得る。たとえば、
図6の実施形態では、コアセット#1は、スロットの最初のシンボルにおいて開始し、コアセット#2は、スロットの5番目のシンボルにおいて開始し、コアセット#9は、スロットの9番目のシンボルにおいて開始する。
【0089】
図7は、3GPP NRシステムにおいてPUCCH探索空間を設定するための方法を示す。
【0090】
PDCCHをUEへ送信するために、各コアセットは少なくとも1つの探索空間を有してよい。本開示の実施形態では、探索空間とは、UEのPDCCHがそれを通じて送信されることが可能であるすべての時間周波数リソースのセット(以下で、PDCCH候補)である。探索空間は、3GPP NRのUEが共通に探索することを必要とされる共通の探索空間、および特定のUEが探索することを必要とされるUE固有またはUE固有の探索空間を含んでよい。共通探索空間の中で、UEは、同じ基地局に属するセルの中のすべてのUEが共通に探索するように設定されているPDCCHを監視し得る。加えて、UE固有探索空間は、UEが、UEに従って異なる探索空間位置において各UEに割り振られたPDCCHを監視するように、UEごとに設定され得る。UE固有探索空間の場合には、UE間の探索空間は、PDCCHがその中に割り振られる限定された制御エリアに起因して、部分的にオーバーラップされることがあり割り振られることがある。PDCCHを監視することは、探索空間の中でPDCCH候補を求めてブラインド復号することを含む。ブラインド復号が成功するとき、PDCCHが(首尾よく)検出/受信される、と表現されてよく、ブラインド復号が失敗するとき、PDCCHが検出/受信されない、または首尾よく検出/受信されない、と表現されてよい。
【0091】
説明の便宜上、DL制御情報を1つまたは複数のUEへ送信するように1つまたは複数のUEに以前から知られているグループ共通(GC:group common)RNTIを用いてスクランブルされたPDCCHは、グループ共通(GC)PDCCHまたは共通PDCCHと呼ばれる。加えて、ULスケジューリング情報またはDLスケジューリング情報を特定のUEへ送信するように特定のUEがすでに知っている端末固有のRNTIを用いてスクランブルされたPDCCHは、UE固有PDCCHと呼ばれる。共通PDCCHは、共通探索空間の中に含まれてよく、UE固有PDCCHは、共通探索空間またはUE固有PDCCHの中に含まれてよい。
【0092】
基地局は、送信チャネルであるページングチャネル(PCH:paging channel)およびダウンリンク共有チャネル(DL-SCH:downlink-shared channel)のリソース割振りに関係する情報(すなわち、DL許可)、またはアップリンク共有チャネル(UL-SCH:uplink-shared channel)およびハイブリッド自動再送要求(HARQ)のリソース割振りに関係する情報(すなわち、UL許可)について、PDCCHを通じて各UEまたはUEグループにシグナリングし得る。基地局は、PCHトランスポートブロックおよびDL-SCHトランスポートブロックを、PDSCHを通じて送信してよい。基地局は、特定の制御情報または特定のサービスデータを除くデータを、PDSCHを通じて送信してよい。加えて、UEは、特定の制御情報または特定のサービスデータを除くデータを、PDSCHを通じて受信し得る。
【0093】
基地局は、どのUE(1つまたは複数のUE)にPDSCHデータが送信されるかについての、また対応するUEによってPDSCHデータがどのように受信および復号されることになるのかについての情報を、PDCCHの中に含めてよく、そのPDCCHを送信してよい。たとえば、特定のPDCCH上で送信されるDCIが「A」というRNTIを用いてCRCマスクされ、DCIは、PDSCHが「B」という無線リソース(たとえば、周波数ロケーション)に割り振られることを示し、「C」という送信フォーマット情報(たとえば、トランスポートブロックサイズ、変調方式、コーディング情報など)を示す、と仮定する。UEは、UEが有するRNTI情報を使用してPDCCHを監視する。この場合、「A」のRNTIを使用してPDCCHのブラインド復号を実行するUEがある場合、そのUEは、PDCCHを受信し、受信されたPDCCH情報を通じて、「B」および「C」によって示されるPDSCHを受信する。
【0094】
Table 3(表3)は、ワイヤレス通信システムにおいて使用される物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)の一実施形態を示す。
【0095】
【0096】
PUCCHは、以下のUL制御情報(UCI)を送信するために使用され得る。
【0097】
- スケジューリング要求(SR:Scheduling Request):UL UL-SCHリソースを要求するために使用される情報。
【0098】
- HARQ-ACK:(DL SPS解放を示す)PDCCHへの応答、および/またはPDSCH上のDLトランスポートブロック(TB:transport block)への応答。HARQ-ACKは、PDCCH上またはPDSCH上で送信された情報が受信されているかどうかを示す。HARQ-ACK応答は、肯定的ACK(単に、ACK)、否定的ACK(以下で、NACK)、間欠送信(DTX:Discontinuous Transmission)、またはNACK/DTXを含む。ここで、HARQ-ACKという用語は、HARQ-ACK/NACKおよびACK/NACKと併用して使用される。概して、ACKはビット値1によって表されてよく、NACKはビット値0によって表されてよい。
【0099】
- チャネル状態情報(CSI):DLチャネル上でのフィードバック情報。UEは、基地局によって送信されるCSI基準信号(RS)に基づいてそれを生成する。多入力多出力(MIMO)関連フィードバック情報は、ランクインジケータ(RI)およびプリコーディング行列インジケータ(PMI)を含む。CSIは、CSIによって示される情報に従ってCSI部分1およびCSI部分2に分割され得る。
【0100】
3GPP NRシステムでは、様々なサービスシナリオ、様々なチャネル環境、およびフレーム構造をサポートするために、5つのPUCCHフォーマットが使用され得る。
【0101】
PUCCHフォーマット0は、1ビットまたは2ビットのHARQ-ACK情報またはSRを配送することが可能なフォーマットである。PUCCHフォーマット0は、時間軸上の1つまたは2つのOFDMシンボルおよび周波数軸上の1つのPRBを通じて送信され得る。PUCCHフォーマット0が2つのOFDMシンボルの中で送信されるとき、2つのシンボル上の同じ系列は、異なるRBを通じて送信されてよい。この場合、系列は、PUCCHフォーマット0において使用される基本系列から巡回シフト(CS:cyclic shift)された系列であってよい。このことを通じて、UEは、周波数ダイバーシティ利得を取得し得る。より詳細には、UEは、MbitビットのUCI(Mbit=1または2)に従って巡回シフト(CS)値mcsを決定し得る。加えて、所定のCS値mcsに基づいて巡回シフトされた系列を、1つのRBの1つのOFDMシンボルおよび12個のREにマッピングすることによって、長さが12の基本系列が送信され得る。UEにとって利用可能な巡回シフトの数が12であり、かつMbit=1であるとき、1ビットのUCI 0および1が、それぞれ、巡回シフト値の差分が6である巡回シフトされた2つの系列にマッピングされ得る。加えて、Mbit=2のとき、2ビットのUCI 00、01、11、および10が、それぞれ、巡回シフト値の差分が3である巡回シフトされた4つの系列にマッピングされ得る。
【0102】
PUCCHフォーマット1は、1ビットまたは2ビットのHARQ-ACK情報またはSRを配送し得る。PUCCHフォーマット1は、時間軸上の連続したOFDMシンボルおよび周波数軸上の1つのPRBを通じて送信され得る。ここで、PUCCHフォーマット1によって占有されるOFDMシンボルの個数は、4個~14個のうちの1つであってよい。より具体的には、Mbit=1であるUCIは、BPSK変調されてよい。UEは、Mbit=2であるUCIを4位相シフトキーイング(QPSK)を用いて変調してよい。信号は、変調された複素数値シンボルd(0)を長さ12の系列で乗算することによって取得される。この場合、系列は、PUCCHフォーマット0に対して使用される基本系列であってよい。UEは、PUCCHフォーマット1がそこに割り振られる偶数番号のOFDMシンボルを、時間軸直交カバーコード(OCC:orthogonal cover code)を通じて拡散して、取得された信号を送信する。PUCCHフォーマット1は、使用されるべきOCCの長さに従って、1つのRBの中で多重化された様々なUEの最大数を決定する。復調基準信号(DMRS:demodulation reference signal)は、OCCを用いて拡散されてよく、PUCCHフォーマット1の奇数番号のOFDMシンボルにマッピングされてよい。
【0103】
PUCCHフォーマット2は、2ビットを超えるUCIを配送し得る。PUCCHフォーマット2は、時間軸上の1つまたは2つのOFDMシンボルおよび周波数軸上の1つまたは複数のRBを通じて送信され得る。PUCCHフォーマット2が2つのOFDMシンボルの中で送信されるとき、2つのOFDMシンボルを通じて異なるRBの中で送信される系列は、互いに同じであってよい。ここで、系列は、変調された複数の複素数値シンボルd(0),...,d(Msymbol-1)であってよい。ここで、MsymbolはMbit/2であってよい。このことを通じて、UEは、周波数ダイバーシティ利得を取得し得る。より具体的には、MbitビットのUCI(Mbit>2)が、ビットレベルスクランブルされ、QPSK変調され、1つまたは2つのOFDMシンボルのRBにマッピングされる。ここで、RBの個数は、1個~16個のうちの1つであってよい。
【0104】
PUCCHフォーマット3またはPUCCHフォーマット4は、2ビットを超えるUCIを配送し得る。PUCCHフォーマット3またはPUCCHフォーマット4は、時間軸上の連続したOFDMシンボルおよび周波数軸上の1つのPRBを通じて送信され得る。PUCCHフォーマット3またはPUCCHフォーマット4によって占有されるOFDMシンボルの個数は、4個~14個のうちの1つであってよい。具体的には、UEは、π/2-2位相シフトキーイング(BPSK)またはQPSKを用いてMbitビットのUCI(Mbit>2)を変調して、複素数値シンボルd(0)~d(Msymb-1)を生成する。ここで、π/2-BPSKを使用するとき、Msymb=Mbitであり、QPSKを使用するとき、Msymb=Mbit/2である。UEは、PUCCHフォーマット3にブロック単位拡散を適用しなくてよい。しかしながら、UEは、PUCCHフォーマット4が2または4の多重化容量を有し得るような、長さが12のPreDFT-OCCを使用して1つのRB(すなわち、12本のサブキャリア)にブロック単位拡散を適用してよい。UEは、拡散信号に対して送信プリコーディング(または、DFTプリコーディング)を実行し、それを各REにマッピングして拡散信号を送信する。
【0105】
この場合、PUCCHフォーマット2、PUCCHフォーマット3、またはPUCCHフォーマット4によって占有されるRBの個数は、UEによって送信されるUCIの長さおよび最大コードレートに従って決定され得る。UEがPUCCHフォーマット2を使用するとき、UEは、PUCCHを通じてHARQ-ACK情報およびCSI情報を一緒に送信してよい。UEが送信し得るRBの個数が、PUCCHフォーマット2、またはPUCCHフォーマット3、またはPUCCHフォーマット4が使用し得るRBの最大個数よりも多いとき、UEは、UCI情報の優先度に従って、いくつかのUCI情報を送信することなく残りのUCI情報のみを送信してよい。
【0106】
PUCCHフォーマット1、PUCCHフォーマット3、またはPUCCHフォーマット4は、スロットの中での周波数ホッピングを示すためのRRC信号を通じて構成され得る。周波数ホッピングが構成されるとき、周波数ホッピングされるべきRBのインデックスが、RRC信号を用いて構成され得る。PUCCHフォーマット1、PUCCHフォーマット3、またはPUCCHフォーマット4が、時間軸上のN個のOFDMシンボルを通じて送信されるとき、第1のホップはfloor(N/2)個のOFDMシンボルを有してよく、第2のホップはceiling(N/2)個のOFDMシンボルを有してよい。
【0107】
PUCCHフォーマット1、PUCCHフォーマット3、またはPUCCHフォーマット4は、複数のスロットの中で繰り返し送信されるように構成され得る。この場合、PUCCHがその中で繰り返し送信されるスロットの個数Kは、RRC信号によって構成され得る。繰り返し送信されるPUCCHは、各スロットの中の定位置のOFDMシンボルにおいて開始しなければならず、長さが一定でなければならない。UEがその中でPUCCHを送信すべきスロットのOFDMシンボルのうちの1つのOFDMシンボルが、RRC信号によってDLシンボルとして示されるとき、UEは、対応するスロットの中でPUCCHを送信しなくてよく、PUCCHを送信するための次のスロットまでPUCCHの送信を遅延させてよい。
【0108】
一方、3GPP NRシステムでは、UEは、キャリア(または、セル)の帯域幅に等しいかまたはそれよりも小さい帯域幅を使用して、送信/受信を実行し得る。このことのために、UEは、キャリアの帯域幅のうちのいくつかの継続的な帯域幅を用いて構成された帯域幅部分(BWP:Bandwidth part)を受信し得る。TDDに従って動作するかまたは不対スペクトルの中で動作するUEは、1つのキャリア(または、セル)の中で4個までのDL/UL BWPペアを受信することができる。加えて、UEは、1つのDL/UL BWPペアをアクティブ化し得る。FDDに従って動作するかまたは対スペクトルの中で動作するUEは、DLキャリア(または、セル)上の4個までのDL BWP、およびULキャリア(または、セル)上の4個までのUL BWPを受信することができる。UEは、キャリア(または、セル)ごとに1つのDL BWPおよび1つのUL BWPをアクティブ化してよい。UEは、アクティブ化されているBWP以外の時間周波数リソースの中で受信または送信を実行しなくてよい。アクティブ化されているBWPは、アクティブBWPと呼ばれることがある。
【0109】
基地局は、UEによって構成されたBWPのうちのアクティブ化されているBWPを、ダウンリンク制御情報(DCI)を通じて示してよい。DCIを通じて示されるBWPはアクティブ化されており、構成された他のBWPは非アクティブ化されている。TDDで動作するキャリア(または、セル)では、基地局は、UEのDL/UL BWPペアを変更するためにアクティブ化されるべきBWPを示す帯域幅部分インジケータ(BPI:bandwidth part indicator)を、PDSCHまたはPUSCHをスケジュールするためのDCIの中に含めてよい。UEは、PDSCHまたはPUSCHをスケジュールするためのDCIを受信し得、アクティブ化されているDL/UL BWPペアをBPIに基づいて識別し得る。FDDで動作するDLキャリア(または、セル)に対して、基地局は、アクティブ化されるべきBWPを示すBPIを、UEのDL BWPを変更するようにPDSCHをスケジュールするためのDCIの中に含めてよい。FDDで動作するULキャリア(または、セル)に対して、基地局は、アクティブ化されるべきBWPを示すBPIを、UEのUL BWPを変更するようにPUSCHをスケジュールするためのDCIの中に含めてよい。
【0110】
図8は、キャリアアグリゲーションを示す概念図である。
【0111】
キャリアアグリゲーションとは、ワイヤレス通信システムがもっと広い周波数帯域を使用するために、UEが、ULリソース(または、コンポーネントキャリア)および/またはDLリソース(または、コンポーネントキャリア)を用いて構成された複数の周波数ブロックまたはセル(論理的な意味での)を、1つの大きい論理的な周波数帯域として使用する方法である。1つのコンポーネントキャリアは、1次セル(PCell:Primary cell)もしくは2次セル(SCell:Secondary cell)、または1次SCell(PScell:Primary SCell)と呼ばれる用語で呼ばれることもある。しかしながら、以下では、説明の便宜上、「コンポーネントキャリア」という用語が使用される。
【0112】
図8を参照すると、3GPP NRシステムの一例として、全体的なシステム帯域は、16個までのコンポーネントキャリアを含んでよく、各コンポーネントキャリアは、400MHzまでの帯域幅を有してよい。コンポーネントキャリアは、1本または複数本の物理的に連続したサブキャリアを含んでよい。コンポーネントキャリアの各々が、同じ帯域幅を有することが
図8に示されるが、このことは一例にすぎず、各コンポーネントキャリアは異なる帯域幅を有してよい。また、各コンポーネントキャリアは、周波数軸において互いに隣接するものとして示されるが、図面は論理的な概念において示され、各コンポーネントキャリアは、互いに物理的に隣接してよく、または離間されてもよい。
【0113】
各コンポーネントキャリアに対して、異なる中心周波数が使用され得る。また、物理的に隣接するコンポーネントキャリアにおいて1つの共通の中心周波数が使用され得る。
図8の実施形態では、すべてのコンポーネントキャリアが物理的に隣接することを想定すると、すべてのコンポーネントキャリアにおいて中心周波数Aが使用され得る。さらに、それぞれのコンポーネントキャリアが互いに物理的に隣接しないことを想定すると、コンポーネントキャリアの各々において中心周波数Aおよび中心周波数Bが使用され得る。
【0114】
全システム帯域がキャリアアグリゲーションによって拡張されるとき、各UEとの通信のために使用される周波数帯域は、コンポーネントキャリアの単位で規定され得る。UE Aは、全システム帯域である100MHzを使用してよく、すべての5つのコンポーネントキャリアを使用して通信を実行する。UE B1~B5は、20MHz帯域幅のみを使用することができ、1つのコンポーネントキャリアを使用して通信を実行することができる。UE C1およびC2は、40MHz帯域幅を使用してよく、それぞれ、2つのコンポーネントキャリアを使用して通信を実行する。2つのコンポーネントキャリアは、論理的/物理的に隣接してよく、または隣接しなくてもよい。UE C1は、隣接しない2つのコンポーネントキャリアを使用する事例を表し、UE C2は、隣接する2つのコンポーネントキャリアを使用する事例を表す。
【0115】
図9は、単一キャリア通信および複数キャリア通信を説明するための図である。具体的には、
図9(a)は、シングルキャリアサブフレーム構造を示し、
図9(b)は、マルチキャリアサブフレーム構造を示す。
【0116】
図9(a)を参照すると、FDDモードにおいて、一般的なワイヤレス通信システムは、データ送信またはデータ受信を、それらに対応する1つのDL帯域および1つのUL帯域を通じて実行し得る。別の特定の実施形態では、TDDモードにおいて、ワイヤレス通信システムは、時間領域において無線フレームをUL時間単位およびDL時間単位に分割してよく、UL/DL時間単位を通じてデータ送信またはデータ受信を実行してよい。
図9(b)を参照すると、3つの20MHzコンポーネントキャリア(CC:component carrier)は、60MHzの帯域幅がサポートされ得るようにULおよびDLの各々にアグリゲートされ得る。各CCは、周波数領域において互いに隣接してよく、または隣接しなくてもよい。
図9(b)は、UL CCの帯域幅およびDL CCの帯域幅が同一かつ対称である事例を示すが、各CCの帯域幅は独立して決定され得る。加えて、UL CCおよびDL CCの個数が異なる非対称キャリアアグリゲーションが可能である。RRCを通じて特定のUEに割り振られた/構成されたDL/UL CCは、特定のUEのサービングDL/UL CCと呼ばれることがある。
【0117】
基地局は、UEのサービングCCの一部もしくは全部をアクティブ化すること、または一部のCCを非アクティブ化することによって、UEとの通信を実行してよい。基地局は、アクティブ化/非アクティブ化されるべきCCを変更することができ、アクティブ化/非アクティブ化されるべきCCの数を変更することができる。基地局が、UEにとって利用可能なCCをセル固有またはUE固有であるものとして割り振る場合、UEに対するCC割振りが完全に再構成されないか、またはUEがハンドオーバされない限り、割り振られたCCのうちの少なくとも1つは非アクティブ化され得る。UEによって非アクティブ化されない1つのCCは、1次CC(PCC:Primary CC)または1次セル(PCell)と呼ばれ、基地局が自由にアクティブ化/非アクティブ化できるCCは、2次CC(SCC:Secondary CC)または2次セル(SCell)と呼ばれる。
【0118】
一方、3GPP NRは、セルが無線リソースを管理するという概念を使用する。セルは、DLリソースとULリソースとの組合せ、すなわち、DL CCとUL CCとの組合せとして規定される。セルは、DLリソースのみ、またはDLリソースとULリソースとの組合せを用いて構成され得る。キャリアアグリゲーションがサポートされるとき、DLリソース(すなわち、DL CC)のキャリア周波数とULリソース(すなわち、UL CC)のキャリア周波数との間の連係が、システム情報によって示されてよい。キャリア周波数とは、各セルまたはCCの中心周波数を指す。PCCに対応するセルはPCellと呼ばれ、SCCに対応するセルはSCellと呼ばれる。DLにおけるPCellに対応するキャリアはDL PCCであり、ULにおけるPCellに対応するキャリアはUL PCCである。同様に、DLにおけるSCellに対応するキャリアはDL SCCであり、ULにおけるSCellに対応するキャリアはUL SCCである。UE能力に従って、サービングセルは、1つのPCellおよび0個以上のSCellを用いて構成され得る。RRC_CONNECTED状態にあるが、キャリアアグリゲーションに対して構成されないかまたはキャリアアグリゲーションをサポートしないUEの場合には、PCellのみを用いて構成された1つのサービングセルしかない。
【0119】
上述のように、キャリアアグリゲーションにおいて使用される「セル」という用語は、1つの基地局または1つのアンテナグループによって通信サービスが提供されるいくつかの地理的エリアを指す「セル」という用語とは区別される。すなわち、1つのコンポーネントキャリアは、スケジューリングセル、スケジュールドセル、1次セル(PCell)、2次セル(SCell)、または1次SCell(PScell)と呼ばれることもある。しかしながら、いくつかの地理的エリアを指すセルとキャリアアグリゲーションのセルとの間で区別するために、本開示では、キャリアアグリゲーションのセルはCCと呼ばれ、地理的エリアのセルはセルと呼ばれる。
【0120】
図10は、クロスキャリアスケジューリング技法が適用される一例を示す図である。クロスキャリアスケジューリングが設定されると、第1のCCを通じて送信される制御チャネルが、キャリアインジケータフィールド(CIF:carrier indicator field)を使用して、第1のCCまたは第2のCCを通じて送信されるデータチャネルをスケジュールし得る。CIFはDCIの中に含まれる。言い換えれば、スケジューリングセルが設定され、スケジューリングセルのPDCCHエリアの中で送信されるDL許可/UL許可が、スケジュールドセルのPDSCH/PUSCHをスケジュールする。すなわち、複数のコンポーネントキャリアに対する探索エリアが、スケジューリングセルのPDCCHエリアの中に存在する。PCellは、基本的にスケジューリングセルであってよく、特定のSCellが、上位レイヤによってスケジューリングセルとして指定され得る。
【0121】
図10の実施形態では、3つのDL CCがマージされることが想定される。ここで、DLコンポーネントキャリア#0がDL PCC(または、PCell)であり、DLコンポーネントキャリア#1およびDLコンポーネントキャリア#2がDL SCC(または、SCell)であることが想定される。加えて、DL PCCが、CCを監視するPDCCHに設定されることが想定される。クロスキャリアスケジューリングがUE固有(または、UEグループ固有もしくはセル固有)の上位レイヤシグナリングによって構成されないとき、CIFが無効にされ、各DL CCは、NR PDCCH規則(非クロスキャリアスケジューリング、自己キャリアスケジューリング)に従って、CIFを用いずにそのPDSCHをスケジュールするためのPDCCHのみを送信することができる。一方、クロスキャリアスケジューリングがUE固有(または、UEグループ固有もしくはセル固有)の上位レイヤシグナリングによって構成される場合、CIFが有効にされ、特定のCC(たとえば、DL PCC)は、CIFを使用してDL CC AのPDSCHをスケジュールするためのPDCCHだけでなく、別のCCのPDSCHをスケジュールするためのPDCCHも送信してよい(クロスキャリアスケジューリング)。他方では、PDCCHは別のDL CCの中では送信されない。したがって、UEは、UEに対してクロスキャリアスケジューリングが構成されるかどうかに応じて、自己キャリアスケジュールされたPDSCHを受信するために、CIFを含まないPDCCHを監視するか、またはクロスキャリアスケジュールされたPDSCHを受信するために、CIFを含むPDCCHを監視する。
【0122】
他方では、
図9および
図10は、3GPP LTE-Aシステムのサブフレーム構造を示し、同じかまたは類似の構成が3GPP NRシステムに適用され得る。ただし、3GPP NRシステムでは、
図9および
図10のサブフレームはスロットに置き換えられてよい。
【0123】
図11は、本開示の一実施形態によるUEおよび基地局の構成を示すブロック図である。本開示の一実施形態では、UEは、ポータブルおよびモバイルであることが保証される様々なタイプのワイヤレス通信デバイスまたはコンピューティングデバイスで実施され得る。UEは、ユーザ機器(UE)、ステーション(STA)、移動加入者(MS)などと呼ばれることがある。加えて、本開示の一実施形態では、基地局は、サービスエリアに対応するセル(たとえば、マクロセル、フェムトセル、ピコセルなど)を制御および管理し、信号送信、チャネル指定、チャネル監視、自己診断、中継などの機能を実行する。基地局は、次世代ノードB(gNB)またはアクセスポイント(AP)と呼ばれることがある。
【0124】
図面に示すように、本開示の一実施形態によるUE100は、プロセッサ110、通信モジュール120、メモリ130、ユーザインターフェース140、および表示ユニット150を含んでよい。
【0125】
最初に、プロセッサ110は、様々な命令またはプログラムを実行し得、UE100内のデータを処理し得る。加えて、プロセッサ110は、UE100の各ユニットを含む全体的な動作を制御し得、ユニット間でのデータの送信/受信を制御し得る。ここで、プロセッサ110は、本開示で説明する実施形態に従って動作を実行するように構成され得る。たとえば、プロセッサ110は、スロット構成情報を受信し得、スロット構成情報に基づいてスロット構成を決定し得、決定されたスロット構成に従って通信を実行し得る。
【0126】
次に、通信モジュール120は、ワイヤレス通信ネットワークを使用してワイヤレス通信を、またワイヤレスLANを使用してワイヤレスLANアクセスを実行する、統合モジュールであってよい。このことのために、通信モジュール120は、セルラー通信インターフェースカード121および122、ならびに無認可帯域通信インターフェースカード123などの、複数のネットワークインターフェースカード(NIC)を、内部形態または外部形態で含んでよい。図面では、通信モジュール120は一体型統合モジュールとして示されるが、図面とは異なり、各ネットワークインターフェースカードは、回路構成または回路使用に従って独立して構成され得る。
【0127】
セルラー通信インターフェースカード121は、モバイル通信ネットワークを使用することによって、基地局200、外部デバイス、およびサーバのうちの少なくとも1つとともに無線信号を送信または受信し得、プロセッサ110からの命令に基づいて、第1の周波数帯域の中でセルラー通信サービスを提供し得る。一実施形態によれば、セルラー通信インターフェースカード121は、6GHzよりも下の周波数帯域を使用する少なくとも1つのNICモジュールを含んでよい。セルラー通信インターフェースカード121の少なくとも1つのNICモジュールは、対応するNICモジュールによってサポートされる6GHzよりも下の周波数帯域の中でセルラー通信規格またはプロトコルに従って、基地局200、外部デバイス、およびサーバのうちの少なくとも1つとのセルラー通信を独立して実行し得る。
【0128】
セルラー通信インターフェースカード122は、モバイル通信ネットワークを使用することによって、基地局200、外部デバイス、およびサーバのうちの少なくとも1つとともに無線信号を送信または受信し得、プロセッサ110からの命令に基づいて、第2の周波数帯域の中でセルラー通信サービスを提供し得る。一実施形態によれば、セルラー通信インターフェースカード122は、6GHzよりも上の周波数帯域を使用する少なくとも1つのNICモジュールを含んでよい。セルラー通信インターフェースカード122の少なくとも1つのNICモジュールは、対応するNICモジュールによってサポートされる6GHz以上の周波数帯域の中でセルラー通信規格またはプロトコルに従って、基地局200、外部デバイス、およびサーバのうちの少なくとも1つとのセルラー通信を独立して実行し得る。
【0129】
無認可帯域通信インターフェースカード123は、無認可帯域である第3の周波数帯域を使用することによって、基地局200、外部デバイス、およびサーバのうちの少なくとも1つとともに無線信号を送信または受信し、プロセッサ110からの命令に基づいて、無認可帯域通信サービスを提供する。無認可帯域通信インターフェースカード123は、無認可帯域を使用する少なくとも1つのNICモジュールを含んでよい。たとえば、無認可帯域は2.4GHzまたは5GHzの帯域であってよい。無認可帯域通信インターフェースカード123の少なくとも1つのNICモジュールは、対応するNICモジュールによってサポートされる周波数帯域の無認可帯域通信規格またはプロトコルに従って、基地局200、外部デバイス、およびサーバのうちの少なくとも1つとのワイヤレス通信を独立してまたは依存的に実行し得る。
【0130】
メモリ130は、UE100において使用される制御プログラム、およびそれらのための様々な種類のデータを記憶する。そのような制御プログラムは、基地局200、外部デバイス、およびサーバのうちの少なくとも1つとのワイヤレス通信を実行するために必要とされる規定のプログラムを含んでよい。
【0131】
次に、ユーザインターフェース140は、UE100において設けられた様々な種類の入力/出力手段を含む。言い換えれば、ユーザインターフェース140は、様々な入力手段を使用してユーザ入力を受け取ってよく、プロセッサ110は、受け取られたユーザ入力に基づいてUE100を制御し得る。加えて、ユーザインターフェース140は、様々な種類の出力手段を使用して、プロセッサ110からの命令に基づいて出力を実行し得る。
【0132】
次に、表示ユニット150は、表示スクリーン上で様々な画像を出力する。表示ユニット150は、プロセッサ110からの制御命令に基づいてプロセッサ110またはユーザインターフェースによって実行されるコンテンツなどの、様々な表示オブジェクトを出力し得る。
【0133】
加えて、本開示の一実施形態による基地局200は、プロセッサ210、通信モジュール220、およびメモリ230を含んでよい。
【0134】
最初に、プロセッサ210は、様々な命令またはプログラムを実行し得、基地局200の内部データを処理し得る。加えて、プロセッサ210は、基地局200の中のユニットの全体的な動作を制御し得、ユニット間でのデータ送信およびデータ受信を制御し得る。ここで、プロセッサ210は、本開示で説明する実施形態に従って動作を実行するように構成され得る。たとえば、プロセッサ210は、スロット構成をシグナリングし得、シグナリングされたスロット構成に従って通信を実行し得る。
【0135】
次に、通信モジュール220は、ワイヤレス通信ネットワークを使用してワイヤレス通信を、またワイヤレスLANを使用してワイヤレスLANアクセスを実行する、統合モジュールであってよい。このことのために、通信モジュール220は、セルラー通信インターフェースカード221および222、ならびに無認可帯域通信インターフェースカード223などの、複数のネットワークインターフェースカードを、内部形態または外部形態で含んでよい。図面では、通信モジュール220は一体型統合モジュールとして示されるが、図面とは異なり、各ネットワークインターフェースカードは、回路構成または回路使用に従って独立して構成され得る。
【0136】
セルラー通信インターフェースカード221は、モバイル通信ネットワークを使用することによって、基地局100、外部デバイス、およびサーバのうちの少なくとも1つとともに無線信号を送信または受信し得、プロセッサ210からの命令に基づいて、第1の周波数帯域の中でセルラー通信サービスを提供し得る。一実施形態によれば、セルラー通信インターフェースカード221は、6GHzよりも下の周波数帯域を使用する少なくとも1つのNICモジュールを含んでよい。セルラー通信インターフェースカード221の少なくとも1つのNICモジュールは、対応するNICモジュールによってサポートされる6GHzよりも下の周波数帯域の中でセルラー通信規格またはプロトコルに従って、基地局100、外部デバイス、およびサーバのうちの少なくとも1つとのセルラー通信を独立して実行し得る。
【0137】
セルラー通信インターフェースカード222は、モバイル通信ネットワークを使用することによって、基地局100、外部デバイス、およびサーバのうちの少なくとも1つとともに無線信号を送信または受信し得、プロセッサ210からの命令に基づいて、第2の周波数帯域の中でセルラー通信サービスを提供し得る。一実施形態によれば、セルラー通信インターフェースカード222は、6GHz以上の周波数帯域を使用する少なくとも1つのNICモジュールを含んでよい。セルラー通信インターフェースカード222の少なくとも1つのNICモジュールは、対応するNICモジュールによってサポートされる6GHz以上の周波数帯域の中でセルラー通信規格またはプロトコルに従って、基地局100、外部デバイス、およびサーバのうちの少なくとも1つとのセルラー通信を独立して実行し得る。
【0138】
無認可帯域通信インターフェースカード223は、無認可帯域である第3の周波数帯域を使用することによって、基地局100、外部デバイス、およびサーバのうちの少なくとも1つとともに無線信号を送信または受信し、プロセッサ210からの命令に基づいて、無認可帯域通信サービスを提供する。無認可帯域通信インターフェースカード223は、無認可帯域を使用する少なくとも1つのNICモジュールを含んでよい。たとえば、無認可帯域は2.4GHzまたは5GHzの帯域であってよい。無認可帯域通信インターフェースカード223の少なくとも1つのNICモジュールは、対応するNICモジュールによってサポートされる周波数帯域の無認可帯域通信規格またはプロトコルに従って、基地局100、外部デバイス、およびサーバのうちの少なくとも1つとのワイヤレス通信を独立してまたは依存的に実行し得る。
【0139】
図11は、本開示の一実施形態によるUE100および基地局200を示すブロック図であり、別個に図示されるブロックは、デバイスの論理的に分割された要素である。したがって、デバイスの上述の要素は、デバイスの設計に従って単一のチップまたは複数のチップの中に取り付けられてよい。加えて、UE100の構成の一部、たとえば、ユーザインターフェース140、表示ユニット150などは、UE100において選択的に設けられてよい。加えて、ユーザインターフェース140、表示ユニット150などは、追加として、必要ならば基地局200において設けられてよい。
【0140】
基地局は、UEの物理アップリンクデータチャネルの送信のためにスケジュールされた時間周波数リソースを、別の物理アップリンクチャネルまたは別のUEの物理アップリンクチャネル送信にスケジュールし得る。加えて、基地局は、任意の1つのUEの物理アップリンク送信のためにスケジュールされた時間周波数リソースを、対応するUEへ送信されるべき他のタイプの物理アップリンク送信にスケジュールし得る。時間周波数リソースがそのような方法で特定の目的のためにスケジュールされることは、先取りと呼ばれる。あるUEの物理アップリンク送信のためにスケジュールされた時間周波数リソースが、別のUEの物理アップリンク送信のために先取りされるとき、基地局は、UEのアップリンク送信のためにスケジュールされた時間周波数リソースのうちの先取りされる時間周波数リソースをUEに示す、アップリンク(UL)先取りインジケータを送信してよい。ここで、物理アップリンクチャネルは、物理アップリンクデータチャネルまたは物理アップリンク制御チャネルを含んでよい。
図12~
図15を参照しながら先取りインジケータが説明される。
【0141】
図12は、本発明の一実施形態による、ワイヤレス通信システムにおいて使用される先取りインジケータを示す。
【0142】
基地局は、UL先取りインジケータを受信するように、RRC信号を使用してUEを構成し得る。基地局は、UL先取りインジケータを、PDCCHを介してUEへ送信し得る。UEが、UL先取りインジケータを受信するようにRRC信号を通じて構成されると、UEは、PDCCHを通じてUL先取りインジケータを受信し得る。UEは、UL先取りインジケータを得るための探索空間、UL先取りインジケータの監視サイクル、RNTIの値、およびRNTIの長さのうちの少なくとも1つを、RRC信号を通じて取得し得る。UEは、取得されたUL先取りインジケータの監視サイクルに従って、UL先取りインジケータを監視し得る。加えて、UEは、取得されたUL先取りインジケータを得るための探索空間の中で、UL先取りインジケータを監視し得る。加えて、UEは、取得されたRNTI値およびRNTIの長さに従って、スクランブルされたDCIをブラインド復号し得る。UEが、取得されたRNTIの値を用いてスクランブルされているDCIを取得すると、UEは、そのDCIをUL先取りインジケータとして決定し得る。基地局は、RRC信号を使用して複数のUEに対して1つのUL先取りインジケータ構成を構成してよい。この場合、UL先取りインジケータを送信するPDCCHは、グループ共通PDCCHである。基地局は、RRC信号を使用して1つのUEに対してUL先取りインジケータを構成してよい。この場合、UL先取りインジケータを送信するPDCCHは、UE固有PDCCHである。
【0143】
先取りすべきかどうかをUL先取りインジケータが示す時間周波数リソースは、UL BWPのすべてのPRBを含んでよい。説明の便宜上、先取りすべきかどうかをUL先取りインジケータが示す時間周波数リソースは、基準UL時間周波数リソースと呼ばれる。UL先取りインジケータの監視期間がTINTであるとき、基準UL時間周波数リソースは次式において示されるようなものであってよい。
{mTINT+1+Δoffset,mTINT+2+Δoffset,...,(m+1)TINT-Δoffset}
【0144】
この場合、Δoffsetは、時間周波数リソースのオフセットを表す。具体的には、時間周波数リソースのオフセットはRRC信号を用いて構成され得る。別の特定の実施形態では、時間周波数リソースのオフセットは固定値であってよい。また、時間周波数リソースのオフセットは、スロットの中に含まれるシンボル数の倍数であってよい。加えて、時間周波数リソースのオフセットは、UEのPUSCH処理時間に従って決定されてよい。UEが、物理アップリンクデータチャネルの送信をスケジュールするための物理ダウンリンク制御チャネルを受信するために、かつ物理アップリンクデータチャネルを生成するために、必要とされる最小時間は、Tprocと呼ばれる。時間周波数リソースのオフセットは、Tprocが増大するにつれて、より大きい数によって決定され得る。時間周波数リソースのオフセットは、Tprocの値に比例して増大する値であってよい。たとえば、時間周波数リソースのオフセットは、ceil(Tproc/Symbol_duration)によって決定され得る。この時、Symbol_durationはOFDMシンボルの持続時間である。加えて、ceil(X)は、X以上の数のうちの最小の整数を表す。加えて、UEは、タイミングアドバンス(TA:timing advance)に基づいて時間周波数リソースのオフセットを決定してよい。具体的には、UEは、TAによるDLフレーム境界とULフレーム境界との間の時間差に従って時間周波数リソースのオフセットを決定してよい。
【0145】
基地局は、セル固有RRC信号を使用して半静的DL/UL割当てを実行し得る。半静的DL/UL割当ては、アップリンクシンボル、ダウンリンクシンボル、およびフレキシブルシンボルのうちの1つとしてシンボルを構成し得る。この場合、アップリンクシンボルとは、アップリンク送信のために使用されることが可能なシンボルであり、ダウンリンクシンボルとは、ダウンリンク送信のために使用されることが可能なシンボルである。フレキシブルシンボルとは、信号に応じてアップリンク送信またはダウンリンク送信のために使用されることが可能なシンボルである。基準UL時間周波数リソースは、半静的DL/UL割当てに従って構成されたダウンリンクシンボルを含まなくてよい。すなわち、基準UL時間周波数リソースは、半静的DL/UL割当てに従って構成されたアップリンクシンボルおよびフレキシブルシンボルを含んでよい。加えて、基準UL時間周波数リソースは、ダウンリンクシンボルの直後に配置されるフレキシブルシンボルを含まなくてよい。この場合、基準UL時間周波数リソースの中に含まれないダウンリンクシンボルの直後に配置される、完全にフレキシブルなシンボルの個数は、1個であってよい。別の特定の実施形態では、基準UL時間周波数リソースの中に含まれないダウンリンクシンボルの直後に配置される、フレキシブルシンボルの個数は、RRC信号によって構成されてよい。
【0146】
基地局は、セル固有RRC信号を使用してダウンリンク信号の受信を構成し得る。ダウンリンク信号は、SS/PBCHブロックを含んでよい。基準UL時間周波数リソースは、ダウンリンク信号を受信するために構成されたシンボルを含まなくてよい。加えて、基準UL時間周波数リソースは、ダウンリンク信号を受信するために構成されたシンボルの直後に配置されるシンボルを含まなくてよい。この場合、基準UL時間周波数リソースに含まれていないダウンリンク信号を受信するための構成されたシンボルの直後に配置されるシンボル数は1個であってよい。別の特定の実施形態では、基準UL時間周波数リソースに含まれていないダウンリンク信号を受信するための構成されたシンボルの直後に配置されるシンボル数は、RRC信号によって構成されてよい。
【0147】
UL先取りインジケータは、基準UL時間周波数リソースをN個の部分に分割してよく、N個の部分の各々が先取りされるかどうかを示してよい。この場合、Nは自然数である。具体的には、UL先取りインジケータは、Nビットを含むビットマップであり、Nビットの各々は、基準ULリソースのN個の部分の各々が先取りされるかどうかを示し得る。この場合、Nは自然数である。具体的には、UL先取りインジケータは、長さが14ビットのビットマップであってよい。この場合、UL先取りインジケータは、基準ULリソースを14個の部分に分割してよく、14個の部分の各々が先取りされるか否かを示し得る。基準UL時間周波数リソースの14個の部分は、時間軸上で14個の部分に分割されてよい。別の特定の実施形態では、基準ULリソースの14個の部分は、時間軸上で7個の部分に、かつ周波数軸上で2個の部分に分割されてよい。基準UL時間周波数リソースの部分の中に含まれるシンボル数を決定する方法が説明される。
【0148】
基準UL時間周波数リソースは、基準UL時間周波数リソースの各部分の中に含まれるシンボル数の差分が多くとも1個となるように、N個の部分に分割されてよい。具体的には、基準UL時間周波数リソースが合計S個のシンボルを含むとき、mod(S,N)個の部分はceil(S/N)個のシンボルを含んでよく、N-mod(S,N)個の部分はfloor(S/N)個のシンボルを含んでよい。mod(X,Y)は、XをYで除算したときの剰余を表す。ceil(X)は、X以上の数のうちの最小の整数を表す。floor(X)は、X以下の最大の整数を表す。そのことは、mod(S,N)=S-floor(S/N)*Nとして表現され得る。この場合、時間の前方に配置されるmod(S,N)個の部分は、ceil(S/N)個のシンボルを含んでよい。加えて、上記で説明した実施形態では、SおよびNは各々、自然数である。
【0149】
UEは、先取りされるものとしてUL先取りインジケータによって示されるシンボルの中で物理アップリンクチャネルを送信せず、先取りされないものとしてUL先取りインジケータによって示されるシンボルの中で物理アップリンクチャネルを送信する。別の特定の実施形態では、UEは、物理アップリンクデータチャネルを送信することが可能なシンボルの中で物理アップリンクチャネルを連続的に送信してよく、残りの物理アップリンクチャネルを廃棄してよい。
図12の実施形態では、UEは、14個のシンボルの中で物理アップリンクデータチャネルを送信するように基地局によってスケジュールされる。この場合、UL先取りインジケータは、5番目のシンボルおよび9番目のシンボルが先取りされることを示す。UEは、
図12の(a)に示すように、5番目および9番目のシンボルに対応する物理アップリンクデータチャネルのREを送信しなくてよい。この場合、UEは、追加として割り振られる時間周波数リソースの中で、5番目および9番目のシンボルに対応する物理アップリンクデータチャネルのREを送信してよい。加えて、UEは、
図12の(b)に示すように、12個のシンボルに対応する物理アップリンクデータチャネルのREを連続的に送信してよい。この場合、UEは、追加として割り振られる時間周波数リソースの中で、13番目のシンボルおよび14番目のシンボルに対応する物理アップリンクデータチャネルのREを送信してよい。
【0150】
UEは、先取りされる時間周波数リソースとは異なる時間周波数リソースの中で、先取りに起因して送信され得ない物理アップリンクチャネルを送信してよい。この場合、別の時間周波数リソースは、すでにスケジュール済みの物理アップリンク送信のためのリソースとは異なるリソースであってよい。説明の便宜上、他の時間周波数リソースは、追加の時間周波数リソースと呼ばれる。追加の時間周波数リソースは、すでにスケジュール済みの物理アップリンク送信のためのリソースの時間的に後ろに配置される、アップリンク送信のための時間周波数リソースであってよい。先取りされる時間周波数リソースおよび追加の時間周波数リソースに対してスケジュールされる物理アップリンクチャネルは、同じ周波数リソースを有してよい。追加の時間周波数リソースは、半静的DL/UL割当てに従ってアップリンクシンボルとして指定されるシンボルのうちの、先取りされる時間周波数リソース上にスケジュールされた物理アップリンクデータチャネルがスケジュールされる時間周波数リソースから最も近いシンボルであってよい。別の特定の実施形態では、追加の時間周波数リソースは、先取りされる時間周波数リソースに対してスケジュールされた物理アップリンクチャネルがスケジュールされる時間周波数リソースからの、半静的割当てによるアップリンクシンボルまたはフレキシブルシンボルであってよい。さらに、追加の時間周波数リソースは、先取りされる時間周波数リソースに対してスケジュールされた物理アップリンクチャネルの後のN個のシンボルの後に配置されるシンボルであってよい。この場合、Nは自然数である。Nは、RRC信号を通じて構成され得る。別の特定の実施形態では、Nは定数であってよい。
【0151】
特定の実施形態では、UL先取りインジケータは、追加の時間周波数リソースの開始シンボルについての情報を含んでよい。UEは、先取りに起因して送信されない物理アップリンクチャネルを、UL先取りインジケータによって示される追加のリソースの開始シンボルから送信してよい。
図12の実施形態では、UL先取りインジケータは、追加の時間周波数リソースの開始シンボルとしてAを示す。
図12の(a)に示すように、UEは、先取りされる時間周波数リソースに対してスケジュールされたPUSCHがスケジュールされるシンボルからAだけ後に、シンボルのうちの先取りに起因して送信されない5番目および9番目のシンボルに対応するPUSCHのREを送信してよい。
図12の(a)では、Bは5番目のシンボルに対応するPUSCHのRE長である。加えて、
図12の(b)に示すように、UEは、先取りされる時間周波数リソースに対してスケジュールされたPUSCHがスケジュールされるシンボルからAだけ後に、シンボルのうちの13番目および14番目のシンボルに対応するPUSCHのREを送信してよい。
図12の(b)では、Bは13番目のシンボルに対応するPUSCHのRE長である。
【0152】
UL先取りインジケータは、先取りに起因して送信されない物理アップリンクチャネルの送信が必要であるかどうかを示してよい。UEは、UL先取りインジケータに基づいて、先取りに起因して送信されない物理アップリンクチャネルを送信すべきかどうかを決定し得る。具体的には、UL先取りインジケータは、先取りに起因して送信され得ない物理アップリンクチャネルが送信されるかどうかを、1ビットのフィールドを通じて示してよい。たとえば、1ビットのフィールドの値が1であるとき、UEは、先取りに起因して送信されない物理アップリンクチャネルを、追加の時間周波数リソースの中で送信してよい。加えて、1ビットのフィールドの値が0であるとき、UEは、先取りに起因して送信されない物理アップリンクチャネルを送信しなくてよい。
【0153】
図13は、本発明の一実施形態によるUEが先取りに起因して送信できない、物理アップリンクチャネルの範囲を示す。
【0154】
先取りされることをUL先取りインジケータが示す時間周波数領域、およびUEの物理アップリンクチャネルの送信のためにスケジュールされた時間周波数リソースが、部分的にオーバーラップするとき、UEは、物理アップリンクチャネル全体を送信しなくてよい。
図13の(a)では、先取りされることをUL先取りインジケータが示す時間周波数領域、およびUEの物理アップリンクチャネルの送信のためにスケジュールされた時間周波数リソースが、部分的にオーバーラップする。この場合、UEは、物理アップリンクチャネル全体を送信しない。
【0155】
先取りされることをUL先取りインジケータが示す時間周波数領域、およびUEの物理アップリンクチャネルの送信のためにスケジュールされた時間周波数リソースが、部分的にオーバーラップするとき、UEは、先取りされることをUL先取りインジケータが示す時間周波数領域とオーバーラップするシンボルの中に限って、対応する物理アップリンクチャネルを送信しなくてよい。
図13の(b)では、先取りされることをUL先取りインジケータが示す時間周波数領域、およびUEの物理アップリンクチャネルの送信のためにスケジュールされた時間周波数リソースが、部分的にオーバーラップする。この場合、UEは、先取りされることをUL先取りインジケータが示す時間周波数領域にオーバーラップするシンボルの中では、対応する物理アップリンクチャネルを送信しない。
【0156】
先取りされることをUL先取りインジケータが示す時間周波数領域、およびUEの物理アップリンクチャネルの送信のためにスケジュールされた時間周波数リソースが、部分的にオーバーラップするとき、UEは、先取りされることをUL先取りインジケータが示す時間周波数領域に対応するシンボルから、対応する物理アップリンクチャネルの送信がスケジュールされる時間周波数リソースの中で、対応する物理アップリンクチャネルを送信しなくてよい。
図13の(c)では、先取りされることをUL先取りインジケータが示す時間周波数領域、およびUEの物理アップリンクチャネルの送信のためにスケジュールされた時間周波数リソースが、部分的にオーバーラップする。この場合、UEは、先取りされることをUL先取りインジケータが示す時間周波数領域のシンボルから、対応する物理アップリンクチャネルを送信しない。
【0157】
物理アップリンクチャネルは、チャネル推定用のDMRSを含んでよい。DMRSが先取りに起因して送信されないとき、基地局は、UEによって送信される物理アップリンクチャネルを受信しないことがある。UEは、DMRSを送信すべきかどうかを考慮して、先取りに起因して送信され得ない物理アップリンクチャネルを送信する必要がある。このことが、
図14を参照しながら説明される。
【0158】
図14は、本発明の一実施形態による、先取りに起因して送信され得ない物理アップリンクチャネルをUEが送信する動作を示す。
【0159】
上記で説明したように、UL先取りインジケータは、追加の時間周波数リソースについての情報を含んでよい。UEは、追加の時間周波数リソースについての情報に基づいて、追加の時間周波数リソースの中で物理アップリンクチャネルを送信してよい。この場合、UEは、先取りに起因して送信され得ない物理アップリンクチャネルを送信してよい。別の特定の実施形態では、UEは、先取りに起因して部分的に送信されていない物理アップリンクチャネル全体を送信してよい。
【0160】
この場合、追加の時間周波数リソースについての情報は、シンボル数またはスロット数によって表現されてよい。具体的には、追加の時間周波数リソースについての情報は、追加の時間周波数リソースが、先取りが実行されている時間周波数リソースの最終シンボル、または基準UL時間周波数リソースの最終シンボルから、いくつかのシンボルの後に配置されることを示してよい。代替として、追加の時間周波数リソースについての情報は、追加の時間周波数リソースが、先取りが実行されている時間周波数リソースの最終シンボル、または基準UL時間周波数リソースの最終シンボルから、いくつかのスロットの後に配置されることを示してよい。追加の時間周波数リソースがその中に配置されるシンボルは、半静的DL/UL割当てに従ってアップリンクシンボルとして割り当てられたシンボルのうちの、先取りが実行される時間周波数リソースの後の、最も前にあるシンボルであってよい。また、追加の時間周波数リソースがその中に配置されるシンボルは、物理アップリンクチャネルの送信をスケジュールするDCIによって示されるシンボルであってよい。
【0161】
UEは、物理アップリンクチャネルのDMRSが先取りに起因して送信され得ないかどうかに従って、追加の時間周波数リソースの中で送信されるべき物理アップリンクチャネルのタイプを決定し得る。具体的には、UEが先取りに起因してDMRSを送信しないとき、UEは、先取りに起因して部分的に送信されていない物理アップリンクチャネル全体を、追加の時間周波数リソースの中で再送信してよい。加えて、UEが、先取りが行われているにもかかわらずDMRSを送信するとき、UEは、先取りに起因して送信されなかった、物理アップリンクチャネルの一部を、追加の時間周波数リソースの中で送信してよい。先取りに起因して送信されない物理アップリンクチャネルがDMRSを含まないとき、UEは、物理アップリンクチャネルの一部、および先取りに起因して送信されないDMRSを、追加の時間周波数リソースの中で送信してよい。
【0162】
図14の実施形態では、UEは、UL先取りインジケータに基づいて、先取りが行われている時間周波数リソースを決定する。UEは、先取りに起因して物理アップリンクチャネルを送信することができない。
図14の(a)では、UEは、先取りに起因して物理アップリンクチャネルのDMRSを送信することができない。したがって、UEは、UL先取りインジケータによって示される追加の時間周波数リソースの中で、物理アップリンクチャネル全体を送信する。
図14の(b)では、UEは、先取りに起因して物理アップリンクチャネルの一部を送信することができないが、物理アップリンクチャネルのDMRSを送信する。したがって、UEは、先取りに起因して送信されなかった物理アップリンクチャネルの一部を、追加の時間周波数リソースの中で送信してよい。この場合、UEは、物理アップリンクチャネルの一部、およびDMRSを送信する。
【0163】
図15は、本発明の別の実施形態によるUEが先取りに起因して送信できない、物理アップリンクチャネルの範囲を示す。
【0164】
物理アップリンクデータチャネルは、チャネル推定用のDMRSを含んでよい。加えて、物理アップリンクデータチャネルは、アップリンク制御情報(UCI)を含んでよい。この場合、UCIは、DMRSシンボルの周囲のREの中で送信され得る。先取りがDMRS送信およびUCI送信に影響を及ぼさない場合、UEは、DMRSおよびUCIが送信されるシンボルの中で物理アップリンクデータチャネルを送信してよい。この場合、UEは、
図15の(a)に示すように、先取りされることをUL先取りインジケータが示す時間周波数において、物理アップリンクデータチャネルを送信しなくてよい。別の特定の実施形態では、UEは、
図15(b)に示すように、DMRSおよびUCIがそれを通じて送信されるシンボルを除く残りのシンボルの中では、物理アップリンクデータチャネルを送信しなくてよい。先取りがDMRS送信およびUCI送信に影響を及ぼすとき、UEは、
図15の(c)に示すように、物理アップリンクデータチャネル全体を送信しなくてよい。先取りがDMRS送信およびUCI送信に影響を及ぼす事例とは、先取りが行われていることをUL先取りインジケータが示す時間周波数領域、およびDMRSの送信またはUCIの送信がスケジュールされる物理アップリンクチャネルが、オーバーラップする事例であり得る。
【0165】
図16は、本発明の一実施形態による、先取りに起因して送信され得ないDMRSおよびUCIをUEが送信する動作を示す。
【0166】
UEは、追加の時間周波数リソースの中で送信されるべき物理アップリンクデータチャネルのタイプを、物理アップリンクデータチャネルの中に含まれる情報に従って決定し得る。具体的には、先取りが、物理アップリンクデータチャネルの中に含まれるアップリンク制御情報(UCI)送信に影響を及ぼすかどうかに応じて、UEは、追加の時間周波数リソースの中で送信されるべき物理アップリンクデータチャネルのタイプを決定し得る。先取りが、物理アップリンクデータチャネルの中に含まれるUCI送信に影響を及ぼす事例とは、UCI送信のためにスケジュールされたREの少なくとも一部が、先取りに起因して送信され得ない事例であり得る。先取りが、物理アップリンクデータチャネルの中に含まれるUCI送信に影響を及ぼさないとき、UEは、UL先取りインジケータによって示される時間周波数リソースに対してスケジュールされた物理アップリンクデータチャネルに限って送信しなくてよい。この場合、UEは、先取りに起因して送信され得ない物理アップリンクデータチャネルを、追加の時間周波数リソースの中で送信しなくてよい。先取りが、物理アップリンクデータチャネルの中に含まれるUCI送信に影響を及ぼすとき、UEは、物理アップリンクデータチャネル全体、またはUL先取りインジケータによって示される物理アップリンクデータチャネルを送信しなくてよい。この場合、UEは、物理アップリンクデータチャネル全体、またはUL先取りインジケータによって示される物理アップリンクデータチャネルを、追加の時間周波数リソースの中で送信してよい。この場合、UEは、UCIのみを含む物理アップリンクデータチャネルを、追加の時間周波数リソースの中で送信してよい。具体的には、UEは、物理アップリンクデータチャネルの中でアップリンク共有チャネル(UL-SCH)のみがマッピングされる先のシンボルを除いて、物理アップリンクデータチャネルを送信してよい。別の特定の実施形態では、UEは、物理アップリンクデータチャネルの中でアップリンク共有チャネル(UL-SCH)がその中にマッピングされるREを除いて、物理アップリンクデータチャネルを送信してよい。別の特定の実施形態では、UEは、UL-SCHとUCIの両方を含む物理アップリンクデータチャネルを、追加の時間周波数リソースの中で送信してよい。この実施形
態では、UCIはHARQ-ACK情報のみに限定されてよい。代替として、UCIはHARQ-ACK情報およびCSIを含んでよい。
図16の実施形態では、UL先取りインジケータは、DMRS送信およびUCI送信のためにスケジュールされたREが先取りされることを示す。したがって、UEは、物理アップリンクデータチャネル全体、またはUL先取りインジケータによって示される物理アップリンクデータチャネルを送信しない。UEは、DMRSおよびUCIのみを含む物理アップリンクデータチャネルを、UL先取りインジケータによって示される追加の時間周波数リソースの中で送信する。
【0167】
具体的には、先取りが、物理アップリンクデータチャネルの中に含まれるUCIおよびDMRSのうちの少なくとも1つの送信に影響を及ぼすかどうかに応じて、UEは、追加の時間周波数リソースの中で送信されるべき物理アップリンクデータチャネルのタイプを決定し得る。物理アップリンクデータチャネルの中に含まれるUCIの送信、またはDMRSの送信が影響を受ける事例とは、UCI送信がスケジュールされるREおよびDMRS送信がスケジュールされるREの少なくともの一部が、先取りにより送信され得ない事例であり得る。先取りが、物理アップリンクデータチャネルの中に含まれるUCIまたはDMRSの送信に影響を及ぼさない場合、UEは、スケジュール済みの物理アップリンクデータチャネルを、UL先取りインジケータによって示される時間周波数リソースの中で送信しなくてよい。この場合、UEは、先取りに起因して送信され得ない物理アップリンクデータチャネルを、追加の時間周波数リソースの中で送信しなくてよい。先取りが、物理アップリンクデータチャネルの中に含まれるUCIまたはDMRSの送信に影響を及ぼすとき、UEは、物理アップリンクデータチャネル全体を送信しなくてよい。この場合、UEは、物理アップリンクデータチャネル全体を、追加の時間周波数リソースの中で送信してよい。この場合、UEは、UCIのみを含む物理アップリンクデータチャネルを、追加の時間周波数リソースの中で送信してよい。別の特定の実施形態では、UEは、UL-SCHとUCIの両方を含む物理アップリンクデータチャネルを、追加の時間周波数リソースの中で送信してよい。この実施形態では、UCIはHARQ-ACK情報のみに限定されてよい。代替として、UCIはHARQ-ACK情報およびCSIを含んでよい。
【0168】
UL先取り表示に由来して物理アップリンクチャネルが先取りされるUEが、先取りされた物理アップリンクチャネルを追加の時間周波数リソースを通じて送信するとき、UEは、別のUL先取りインジケータを受信することがある。したがって、追加の時間周波数リソースの中で先取りが行われるとき、UEは、物理アップリンクチャネルを追加の時間周波数リソースの中で送信しなくてよい。この場合、UL先取りインジケータが追加の時間周波数リソースの中での先取りを示すことに基づいて、UEは、新たな追加の時間周波数リソースの中で、先取りにより送信されない物理アップリンクチャネルを送信してよい。具体的には、追加の時間周波数リソースの中での先取りを示すUL先取りインジケータが、新たな追加の時間周波数リソースを示すとき、UEは、新たな追加の時間周波数リソースの中で、先取りにより送信されない物理アップリンクチャネルを送信してよい。別の特定の実施形態では、追加の時間周波数リソースの中での先取りを示すUL先取りインジケータが、新たな追加の時間周波数リソースを示す場合でも、UEは、新たな追加の時間周波数リソースの中で、先取りにより送信され得ない物理アップリンクチャネルを送信しなくてよい。
【0169】
物理アップリンク制御チャネルが先取りされるとき、UEは、物理アップリンク制御チャネルの中に含まれる情報に従って、追加の時間周波数リソースの中で物理アップリンク制御チャネルを送信すべきかどうかを決定し得る。具体的には、物理アップリンク制御チャネルがHARQ-ACKを含み、かつ先取りが物理アップリンク制御チャネル送信に影響を及ぼすとき、UEは、対応する物理アップリンク制御チャネル送信がスケジュールされる時間周波数リソース上で送信しなくてよい。この場合、UEは、先取りに起因して送信され得ない物理アップリンク制御チャネルを、追加の時間周波数リソースの中で送信してよい。
【0170】
上記で説明した実施形態では、UEのアップリンク送信のためにスケジュールされた時間周波数リソースが別のUEによって使用されるときの、UEの物理チャネルを送信する方法が説明されている。基地局は、信頼性の差異およびQoS条件の差異を考慮して、UEのアップリンク送信のためにスケジュールされた時間周波数リソースを、対応するUEの他のアップリンク送信に再スケジュールしてよい。具体的には、基地局は、UEの物理アップリンク送信がスケジュールされる時間周波数リソースの中に、URLLCデータを含む物理アップリンク送信をスケジュールしてよい。具体的には、UEのURLLCデータを含む物理アップリンクチャネルの送信は、UEのPUSCH/PUCCHの中で送信されるUCIの送信がスケジュールされる時間周波数リソースの中にスケジュールされ得る。この場合、UCIは、HARQ-ACKおよびCSIのうちのいずれか1つであってよい。この場合、UEがUCIを送信するとともにUCI送信を欠落させるための方法が規定される必要がある。加えて、UEは、異なるQoS条件および異なる送信持続時間を有するデータ送信を多重化する必要がある。加えて、UEは、異なる信頼性を必要とするデータ送信を多重化する必要がある。そのような送信のための実施形態が説明される。
【0171】
UEによる、優先度が比較的低いデータの物理アップリンクデータチャネル送信が、UEによる、優先度が比較的高いデータの物理アップリンクデータチャネル送信によって先取りされる事例が、最初に説明される。本明細書では、優先度は、QoS条件および信頼性条件のうちの少なくとも1つによって置き換えられてよい。説明の便宜上、優先度が比較的低いデータは一般データと呼ばれ、一般データよりも優先度が高いデータは優先度データと呼ばれる。
【0172】
UEの優先度データの物理アップリンクデータチャネル送信が、UEのUCIを含む一般データの物理アップリンクデータチャネルのUCI送信がスケジュールされる時間周波数リソースの中にスケジュールされるとき、UEは、一般データの物理アップリンクデータチャネルのUCIを送信してよい。具体的には、UEの優先度データの物理アップリンクデータチャネル送信が、UEの物理アップリンクデータチャネルのUCI送信がスケジュールされる時間周波数リソースの中にスケジュールされるとき、UEは、一般データの物理アップリンクデータチャネルの送信のためにスケジュールされた時間周波数リソースから、優先度データの物理アップリンクデータチャネル送信のためにスケジュールされた時間周波数リソースを除外する、残りの時間周波数リソースに、一般データの物理アップリンクデータチャネルのUCIをマッピングすることによって、一般データの物理アップリンクデータチャネルのUCIを送信してよい。UEの一般データの物理アップリンクデータチャネルのUCI送信が、スケジュール済みの時間周波数リソースおよびUEの優先度データの物理アップリンクデータチャネル送信とオーバーラップしないとき、UEは、優先度データの物理アップリンクデータチャネル送信がスケジュールされる時間周波数リソースを除く時間周波数リソースの中で、スケジュール済みの一般データの物理アップリンクデータチャネルを送信してよい。
【0173】
別の特定の実施形態では、UEの優先度データの物理アップリンクデータチャネル送信が、UEのUCIを含む一般データの物理アップリンクデータチャネルのUCI送信がスケジュールされる時間周波数リソースの中にスケジュールされるとき、UEは、UCIを送信すべきかどうかをUCIのタイプに従って決定し得る。UCIがHARQ-ACKであるとき、UEは、一般データの物理アップリンクデータチャネルの送信がスケジュールされる時間周波数リソースから、優先度データの物理アップリンクデータチャネル送信がスケジュールされる時間周波数リソースを除外する、残りの時間周波数リソースに、一般データの物理アップリンクデータチャネルのREをマッピングすることによって、UCIを送信してよい。加えて、UCIがCSI部分1またはCSI部分2であるとき、UEはUCI送信を欠落させてよい。HARQ-ACK送信が欠落されると、ダウンリンク送信スループットが下がることがある。これは、上記で説明した実施形態を通じて防止され得る。
【0174】
別の特定の実施形態では、UCIがHARQ-ACKまたはCSI部分1であるとき、UEは、一般データの物理アップリンクデータチャネルの送信がスケジュールされる時間周波数リソースから、優先度データの物理アップリンクデータチャネル送信がスケジュールされる時間周波数リソースを除外する、残りの時間周波数リソースに、一般データの物理アップリンクデータチャネルのREをマッピングすることによって、UCIを送信してよい。加えて、UCIがCSI部分2であるとき、UEはUCI送信を欠落させてよい。HARQ-ACK送信およびCSI部分1送信が欠落されると、ダウンリンク送信スループットが下がることがある。これは、上記で説明した実施形態を通じて防止され得る。
【0175】
上記で説明した実施形態では、UEの優先度データの物理アップリンクデータチャネル送信は、UEのUCIを含む一般データの物理アップリンクデータチャネルのすべてのUCI送信がスケジュールされる時間周波数リソースの中にスケジュールされ得る。この場合、UEは、一般データの物理アップリンクデータチャネルの送信がスケジュールされる時間周波数リソースから、優先度データの物理アップリンクデータチャネル送信がスケジュールされる時間周波数リソースを除外する、残りの時間周波数リソースの中で、一般データの物理アップリンクデータチャネルのすべてのUCIを送信してよい。加えて、UEの優先度データの物理アップリンクデータチャネル送信は、UEの一般データの物理アップリンクデータチャネルのいくつかのUCI送信がスケジュールされる時間周波数リソースの中にスケジュールされ得る。この場合、UEは、一般データの物理アップリンクデータチャネルの送信がスケジュールされる時間周波数リソースから、優先度データの物理アップリンクデータチャネル送信がスケジュールされる時間周波数リソースを除外する、残りの時間周波数リソースの中で、一般データの物理アップリンクデータチャネルのいくつかのオーバーラップするUCIを送信してよい。
【0176】
UEによる、優先度が比較的低いデータ(一般データ)の物理アップリンク制御チャネル送信が、UEによる、優先度が比較的高いデータ(優先度データ)の物理アップリンクデータチャネル送信によって先取りされる事例が、説明される。
【0177】
UEの優先度データの物理アップリンクデータチャネル送信が、UEの一般データの物理アップリンク制御チャネルの送信がスケジュールされる時間周波数リソースの中にスケジュールされるとき、UEは、UEの一般データの物理アップリンク制御チャネルの送信を欠落させてよい。具体的には、UEは、優先度データの物理アップリンク制御チャネルがスケジュールされる特定のセルグループの物理アップリンク制御チャネル送信を欠落させてよい。これは、異なる周波数リソースから物理アップリンク制御チャネルおよび物理アップリンクデータチャネルが同時に送信されると、相互変調ひずみ(IMD:inter-modulation distortion)が発生し得るからである。
【0178】
別の特定の実施形態では、UEの優先度データの物理アップリンクデータチャネル送信が、UEの一般データの物理アップリンク制御チャネルの送信がスケジュールされる時間周波数リソースの中にスケジュールされるとき、UEは、物理アップリンク制御チャネルの送信を欠落させるべきかどうかを、物理アップリンク制御チャネルのUCIのタイプに従って決定し得る。具体的には、UEは、物理アップリンク制御チャネルのUCIがHARQ-ACKを含むかどうかに従って、物理アップリンク制御チャネルの送信を欠落させるべきかどうかを決定し得る。物理アップリンク制御チャネルのUCIがHARQ-ACKを含まないとき、UEは、物理アップリンク制御チャネルの送信を欠落させてよい。物理アップリンク制御チャネルのUCIがHARQ-ACKを含むとき、UEは、優先度データの物理アップリンク制御チャネルおよび物理アップリンクデータチャネルを送信するために、優先度データの物理アップリンク制御チャネルと物理アップリンクデータチャネルとを多重化してよい。優先度データの物理アップリンク制御チャネルと物理アップリンクデータチャネルとを多重化する方法が説明される。
【0179】
1つのスロットの中で、優先度データの物理アップリンクデータチャネルがその中で送信されるシンボルが、一般データの物理アップリンクデータチャネルとオーバーラップすることを許容しないために、UEは、優先度データの物理アップリンクデータチャネルおよび一般データの物理アップリンク制御チャネルを、時分割多重(TDM)を通じて送信してよい。具体的には、UEは、優先度データの物理アップリンクデータチャネルとオーバーラップしないシンボルの中で、短縮物理アップリンク制御チャネルフォーマットを使用して一般データの物理アップリンク制御チャネルを送信してよい。この場合、短縮物理アップリンク制御チャネルフォーマットは、対応する物理アップリンク制御チャネルがスケジュールされる時間領域のうちのいくつかがパンクチャされる、物理アップリンク制御チャネルの形態をなしてよい。具体的には、それは短縮PUCCHフォーマットであってよい。このことを通じて、物理アップリンクデータチャネルおよび物理アップリンク制御チャネルは、IMDが発生するのを防止するように同時に送信され得る。この場合、シンボルは、DFTs-OFDMシンボルまたはOFDMシンボルであってよい。特定の実施形態では、優先度データの物理アップリンクデータチャネルが、連続したシンボルの中で送信されるとき、UEは、シンボルレベルにおいてTDMを使用して、優先度データの物理アップリンクデータチャネルおよび一般データの物理アップリンク制御チャネルを1つのスロットの中で一緒に送信してよい。優先度データの物理アップリンクデータチャネルが、不連続なシンボルの中で送信されるとき、UEは、一般データの物理アップリンク制御チャネルの送信を欠落させてよい。これは、短縮物理アップリンク制御チャネルフォーマットが使用され得ないからである。
【0180】
UEは、優先度データの物理アップリンクデータチャネルを送信するために、優先度データの物理アップリンクデータチャネルがスケジュールされる時間周波数リソースの中で、一般データの物理アップリンク制御チャネル送信がスケジュールされる時間周波数リソースをパンクチャしてよい。これは、ダウンリンクデータのQoSおよび要件に従って、HARQ-ACKを含む物理アップリンク制御チャネル受信が必要であり得るからである。基地局が優先度データの送信をスケジュールするとき、基地局は、一般データの物理アップリンク制御チャネルを送信するために優先度データの一部がパンクチャされることを決定してよい。一般データの物理アップリンク制御チャネルが送信されるように優先度データの一部がパンクチャされる場合でも、基地局は優先度データを受信することができる。加えて、物理アップリンク制御チャネルおよび物理アップリンクデータチャネルが、同じシンボルの中で送信される場合でも、2つのチャネル間に周波数分離がなく、その結果、IMDが発生しなくてよい。
【0181】
UEは、一般データを送信するために、優先度データの物理アップリンクデータチャネルに一般データの物理アップリンク制御チャネルをピギーバックしてよい。この場合、UEは、優先度データの物理アップリンクデータチャネルおよび一般データの物理アップリンク制御チャネルを直ちに、また同時に送信しなくてよい。具体的には、UEは、一般データの物理アップリンク制御チャネルを通じて送信されるべきUCIを優先度データの物理アップリンクデータチャネルに最初にピギーバックしてよく、それを送信してよい。UEは、すべてのUCIを送信するために、優先度データの物理アップリンクデータチャネルにすべてのUCIをピギーバックする。別の特定の実施形態では、UEは、優先度データの物理アップリンクデータチャネルにUCIをピギーバックすることによってUCIを送信すべきかどうかを、UCIのタイプに従って決定し得る。たとえば、UCIのタイプがHARQ-ACKであるとき、UEは、優先度データの物理アップリンクデータチャネルにUCIをピギーバックすることによってUCIを送信してよい。さもなければ、UCIのタイプがHARQ-ACKまたはCSI部分1であるとき、UEは、UCIを送信するために、優先度データの物理アップリンクデータチャネルにUCIをピギーバックしてよい。
【0182】
UEは、一般データの物理アップリンク制御チャネルを通じて送信されるべきUCIを、優先度データの物理アップリンクデータチャネルに後続するN個のシンボルを通じて送信してよい。この場合、Nは自然数である。具体的には、UEは、優先度データの物理アップリンクデータチャネルの後のN個のシンボルを予約済みシンボルとして指定してよく、一般データの物理アップリンク制御チャネルを通じて送信されるべきUCIを、そのN個のシンボルを通じて送信してよい。
【0183】
基地局は、一般データの物理アップリンク制御チャネルのUCIサイズを考慮して、優先度データの物理アップリンクデータチャネルをスケジュールしてよい。具体的には、基地局は、一般データの物理アップリンク制御チャネルのUCIサイズを考慮して、優先度データの物理アップリンクデータチャネルおよび一般データの物理アップリンク制御チャネルのUCIを、オーバーラップしないようにスケジュールしてよい。
【0184】
上記で説明した実施形態では、物理アップリンク制御チャネル送信がスケジュールされる時間周波数リソースの中に優先度データの物理アップリンクデータチャネル送信が再びスケジュールされることが説明されている。しかしながら、優先度データの物理アップリンク制御チャネル送信がスケジュールされる時間周波数リソースがスケジュールされるときに他の優先度データの物理アップリンクデータチャネル送信がスケジュールされるときでも、上記で説明した実施形態は適用され得る。すなわち、任意の1つのデータの物理アップリンク制御チャネル送信がスケジュールされる時間周波数リソースの中に、優先度が同じ他のデータの物理アップリンクデータチャネル送信がスケジュールされるときでも、上記で説明した実施形態は適用され得る。
【0185】
UEによる、優先度が比較的低いデータ(一般データ)の物理アップリンク制御チャネル送信、およびUEによる、優先度が比較的高いデータ(優先度データ)の物理アップリンク制御チャネル送信が、1つのシンボルの中に構成される事例、またはUEによる、優先度が同じデータの物理アップリンク制御チャネル送信が、1つのシンボルの中に構成される事例が説明される。この場合、UEは、2つの物理アップリンク制御チャネルがスケジュールされるスロットの中の1つの物理アップリンク制御チャネルを使用して、1つのシンボル上にスケジュールされた2つの物理アップリンク制御チャネルのUCIを送信してよい。この場合、UEが1つの物理アップリンク制御チャネルを送信するための時間周波数リソースを選択する方法が問題であり得る。加えて、UEは、最初にスケジュールされた時間周波数リソースの中で、1つのシンボルの中にスケジュールされた2つの物理アップリンク制御チャネルのうちの1つの物理アップリンク制御チャネルを送信してよく、いかなる1つの物理アップリンク制御チャネルともオーバーラップしない異なる時間周波数リソースの中で、残りの物理アップリンク制御チャネルを送信してよい。この場合、UEが残りの物理アップリンク制御チャネルを送信するための時間周波数リソースを選択する方法が問題であり得る。UEが、同じシンボルの中にスケジュールされた2つの物理アップリンク
制御チャネルのUCIを含む1つの物理アップリンク
制御チャネルがその中で送信される時間周波数リソース、または残りの物理アップリンク制御チャネルがその中で送信される別の時間周波数リソースを選択する方法が、
図17を参照しながら詳細に説明される。加えて、説明の便宜上、1つのシンボル上にスケジュールされた2つの物理アップリンク
制御チャネルのUCIを送信する物理アップリンクチャネル、または2つの物理アップリンク制御チャネルのうちの別の時間周波数リソースの中で送信される物理アップリンク制御チャネルは、代替物理アップリンク制御チャネルと呼ばれる。代替物理アップリンク制御チャネル送信がスケジュールされる時間周波数リソースは、代替時間周波数リソースと呼ばれる。
【0186】
図17は、本発明の一実施形態による、UEが代替物理アップリンク制御チャネルを選択するための方法を示す。
【0187】
基地局は、1つのスロットの中で、UEがその中で物理アップリンク制御チャネルを送信し得る複数の時間周波数リソースを構成し得る。UEは、複数の時間周波数リソースのうちの1つの時間周波数リソースを選択してよく、選択された時間周波数リソースの中で代替物理アップリンク制御チャネルを送信してよい。
【0188】
UEは、2つの物理アップリンク制御チャネルがその中に構成されるスロットの中での、基地局によって構成された複数の物理アップリンク制御チャネルによって占有される時間周波数リソースの最終シンボルの位置に基づいて、代替物理アップリンク制御チャネルを送信するための代替時間周波数リソースを決定し得る。具体的には、UEは、2つの物理アップリンク制御チャネルを用いて構成されたスロットの中で、複数の物理アップリンク制御チャネルの時間周波数リソースのうちの、最終シンボルが最も前にある物理アップリンク制御チャネルの時間周波数リソースを、代替時間周波数リソースとして選択してよく、選択された代替時間周波数リソースを通じて代替物理アップリンク制御チャネルへそれを送信してよい。
【0189】
最終シンボルが最も前にある物理アップリンク制御チャネルの時間周波数リソースは、複数個であってよい。この場合、UEは、物理アップリンク制御チャネルの時間周波数リソースの最終シンボル位置の後の、物理アップリンク制御チャネルの時間周波数リソースのシンボル数に基づいて、代替時間周波数リソースを選択してよい。具体的には、UEは、最終シンボルが最も前にある物理アップリンク制御チャネルの時間周波数リソースのうちの、最長の長さ(最大個数のシンボル)を有する物理アップリンク制御チャネルの時間周波数リソースを、代替時間周波数リソースとして選択してよい。UEは、選択された代替時間周波数リソースを通じて代替物理アップリンク制御チャネルを送信してよい。すなわち、UEは、物理アップリンク制御チャネルの時間周波数リソースの最終シンボルの位置の後の、物理アップリンク制御チャネルの時間周波数リソースの開始シンボルの位置を考慮して、代替物理アップリンク制御チャネルを送信するための物理アップリンク制御チャネル時間周波数リソースを選択してよい。
【0190】
物理アップリンク制御チャネルの時間周波数リソースの最終シンボル位置の後の物理アップリンク制御チャネル時間周波数リソースの長さに基づいて、複数の物理アップリンク制御チャネル時間周波数リソースが選択されるとき、UEは、選択された複数の物理アップリンク制御チャネルの時間周波数リソースのうちの1つを任意に選択してよく、選択された時間周波数リソースを通じて代替物理アップリンク制御チャネルを送信してよい。たとえば、ステップ1において、UEは、所定のスロットの中の複数の物理アップリンク制御チャネルの時間周波数リソースのうちの、最終シンボルが最も前にある物理アップリンク制御チャネルの時間周波数リソースを、第1の候補代替時間周波数リソースセットとして選択してよい。第1の候補代替時間周波数リソースセットが、複数の物理アップリンク制御チャネル時間周波数リソースを含む場合、ステップ2において、UEは、第1の候補代替時間周波数セットの中の最長の長さを有する物理アップリンク制御チャネルの時間周波数リソースを、第2の候補代替時間周波数セットとして選択してよい。第2の候補代替時間周波数リソースセットが、複数の物理アップリンク制御チャネル時間周波数リソースを含む場合、ステップ3において、UEは、第2の候補代替時間周波数リソースセットから任意の1つの物理アップリンク制御チャネルの時間周波数リソースをランダムに選択して、それを代替時間周波数リソースとして選択してよく、選択された代替時間周波数リソースの中で代替物理アップリンク制御チャネルを送信してよい。代替時間周波数セットに対応する、物理アップリンク制御チャネルの1つの時間周波数リソースがある場合、UEは、追加の選択を伴わずに、対応する物理アップリンク制御チャネルの時間周波数リソースを代替時間周波数リソースとして選択してよく、選択された代替時間周波数リソースを通じて代替物理アップリンク制御チャネルを送信してよい。
【0191】
図17の実施形態では、5つの物理アップリンク制御チャネルの時間周波数リソースが、1つのシンボルの中で2つの物理アップリンク制御チャネル送信がスケジュールされるスロットの中に構成される。この場合、UEは、5つの物理アップリンク
制御チャネルの時間周波数リソースのうちの、最終シンボルの位置が最も前にある第2および第4の物理アップリンク
制御チャネル時間周波数リソースを、第1の候補物理アップリンク
制御チャネルの時間周波数リソースセットとして選択する。加えて、UEは、第1の候補物理アップリンク
制御チャネルの時間周波数リソースセットの中の最長の長さ(最大個数のシンボル)を有する第4の物理アップリンク
制御チャネルの時間周波数リソースを、第2の候補物理アップリンク
制御チャネルの時間周波数リソースセットとして選択する。第2の候補物理アップリンク制御チャネルの時間周波数リソースセットの中に含まれる物理アップリンク制御チャネルの時間周波数リソースが1つであるので、UEは、第4の物理アップリンク制御チャネル時間周波数リソースを通じて代替物理アップリンク制御チャネルを送信する。
【0192】
UEは、1つのシンボルの中でスケジュールされた2つの時間周波数リソースの中の最終シンボルと同じかまたはそれよりも早いシンボルを有する時間周波数リソースに対してスケジュールされた物理アップリンク制御チャネルから、代替物理アップリンク制御チャネルを選択してよい。この動作は、上記で説明した実施形態に適用され得る。
【0193】
たとえば、ステップ1において、UEは、1つのシンボルの中で最終シンボルがスケジュールされる2つの物理アップリンク制御チャネルがスケジュールされる時間周波数リソースのうちの、所与のスロットの中の複数の物理アップリンク制御チャネルの時間周波数リソースの中の最新のシンボルと同じかまたはそれよりも前にある最終シンボルを有する物理アップリンク制御チャネル時間周波数リソースを、第1の候補物理アップリンク制御チャネルセットとして選択してよい。ステップ2において、UEは、第1の候補物理アップリンク制御チャネルセットの中で最終シンボルが最も前にある物理アップリンク制御チャネルの時間周波数リソースを、第2の候補物理アップリンク制御チャネル時間周波数リソースセットとして選択してよい。第2の候補物理アップリンク制御チャネル時間周波数リソースセットが、複数の物理アップリンク制御チャネルの時間周波数リソースを含むとき、ステップ3において、UEは、第2の候補物理アップリンク制御チャネル時間周波数セットから最長の物理アップリンク制御チャネル時間周波数リソースを、第3の候補物理アップリンク制御チャネルの時間周波数セットとして選択してよい。第3の候補物理アップリンク制御チャネルの時間周波数リソースセットが、複数の物理アップリンク制御チャネルの時間周波数リソースを含むとき、ステップ4において、UEは、第3の候補物理アップリンク制御チャネルの時間周波数リソースセットから任意の1つの物理アップリンク制御チャネルの時間周波数リソースをランダムに選択してよく、選択された物理アップリンク制御チャネルの時間周波数リソースから代替物理アップリンク制御チャネルを送信してよい。候補物理アップリンク制御チャネルの時間周波数セットに対応する、物理アップリンク制御チャネルの1つの時間周波数リソースがあるとき、UEは、追加の選択を伴わずに、対応する物理アップリンク制御チャネルの時間周波数リソースを通じて代替物理アップリンク制御チャネルを送信してよい。
【0194】
第1の物理アップリンク制御チャネルは、URLLCサービスのHARQ-ACKなどの時間敏感な情報を含んでよい。加えて、物理アップリンク制御チャネルの復号は、すべての物理アップリンク制御チャネルが受信された後に実行されてよい。したがって、上記で説明した例を通して、第1の物理アップリンク制御チャネルを通じて送信されることを意図したUCIは、できる限り迅速に送信および復号され得る。加えて、物理アップリンク制御チャネルが長くなるにつれて、UCI送信の信頼性は高くなる。したがって、代替物理アップリンク制御チャネルの送信の信頼性は、上記で説明した例を通して高まり得る。
【0195】
物理アップリンク制御チャネルは、HARQ-ACK、CSI部分1、およびCSI部分2などのUCI情報のタイプに従って、複数のタイプのUCIを含んでよい。この場合、UEは、UEが物理アップリンク制御チャネルを通じて送信することを意図するUCIのうちのいくつかのUCIタイプのみを、代替物理アップリンク制御チャネルを通じて送信してよい。この場合、UEは、代替物理アップリンク制御チャネルを通じて送信されるべきUCIを、UCIタイプの優先度に基づいて選択してよい。
【0196】
上記で説明したように、UEは、対応する物理アップリンク制御チャネルがスケジュールされる時間周波数リソースの中の同じシンボルの中にスケジュールされた2つの物理アップリンク制御チャネルのうちの、一方の物理アップリンク制御チャネルを送信してよく、他方の物理アップリンク制御チャネルを代替の物理時間周波数リソースの中で送信してよい。この場合、UEは、対応する物理アップリンク制御チャネルがスケジュールされる時間周波数リソースの中で送信されるべき物理アップリンク制御チャネルを、物理アップリンク制御チャネル間の優先度に従って選択してよい。この場合、UEは、選択されない物理アップリンク制御チャネルを代替の物理時間周波数リソースの中で送信してよい。
【0197】
特定の実施形態では、UEは、物理アップリンク制御チャネル間の優先度を基地局から取得し得る。具体的には、DCIがUEの物理アップリンク制御チャネルの送信を構成するとき、UEは、物理アップリンク制御チャネル間の優先度をDCIを通じて取得し得る。DCIがUEの物理アップリンク制御チャネルの送信を構成する事例とは、DCIがUEのHARQ-ACK送信を構成する事例であり得る。加えて、DCIがUEの物理アップリンク制御チャネルの送信を構成する事例とは、DCIがUEの非周期的なCSI送信を構成する事例であり得る。物理アップリンク制御チャネル間の優先度は、DCIの別個のフィールドを通じて明示的に示されてよい。
【0198】
別の特定の実施形態では、物理アップリンク制御チャネル間の優先度は、DCIフィールドの中で暗黙的に示されてよい。物理アップリンク制御チャネル間の優先度は、HARQプロセス番号(HPN:HARQ process number)に従って決定されてよい。物理アップリンク制御チャネル間の優先度は、時間領域割振りフィールドに従って決定されてよい。具体的には、時間領域割振りフィールドの中でスケジュールされる物理ダウンリンクデータチャネルのHARQ-ACKは、優先度がより高くてよい。物理アップリンク制御チャネル間の優先度は、物理アップリンク制御チャネルのUCIによってシグナリングされる、ターゲットの送信のために使用されるMCSに基づいて決定されてよい。具体的には、物理アップリンク制御チャネル間の優先度は、より確実に送信される物理ダウンリンクデータチャネルのHARQ-ACKを含む物理アップリンク制御チャネルが、より高い優先度を有するように決定されてよい。特定の実施形態では、物理アップリンク制御チャネル間の優先度は、より低いコードレートで送信される物理ダウンリンクデータチャネルのHARQ-ACKを含む物理アップリンク制御チャネルが、より高い優先度を有するように決定されてよい。物理アップリンク制御チャネル間の優先度は、物理アップリンク制御チャネルのUCIによってシグナリングされる、ターゲットの送信のために使用されるMCSに基づいて決定されてよい。物理アップリンク制御チャネル間の優先度は、物理アップリンク制御チャネルリソースインジケータに基づいて決定されてよい。具体的には、物理アップリンク制御チャネル間の優先度は、物理アップリンク制御チャネルリソースインジケータの値が物理アップリンク制御チャネルがより小さいことを示すとき、より高い優先度を有するように決定されてよい。物理アップリンク制御チャネル間の優先度は、物理アップリンク制御チャネルリソースインジケータに基づいて決定されてよい。具体的には、物理アップリンク制御チャネル間の優先度は、物理アップリンク制御チャネルとともにスケジュールされたシンボルが前にあるとき、より高い優先度を有するように決定されてよい。物理アップリンク制御チャネル間の優先度は、物理アップリンク制御チャネルを示す物理ダウンリンク制御チャネルまたは物理アップリンク制御チャネル
を示すDCIが送信される、時系列に従って決定されてよい。具体的には、物理アップリンク制御チャネル間の優先度は、物理アップリンク制御チャネルを示す物理ダウンリンク制御チャネルまたは物理アップリンク制御チャネルを示すDCIが送信される時間が前にあるとき、より高い優先度を有するように決定されてよい。物理アップリンク制御チャネル間の優先度は、物理アップリンク制御チャネルがスケジュールされる時間周波数リソースを示す物理ダウンリンク制御チャネルによってスケジュールされた物理ダウンリンクデータチャネルのサービス特性に従って決定されてよい。具体的には、URLLCサービスの物理ダウンリンクデータチャネルをスケジュールするために物理ダウンリンク制御チャネルによってスケジュールされた物理アップリンク制御チャネルは、eMBBサービスの物理ダウンリンクデータチャネルをスケジュールする物理ダウンリンク制御チャネルによってスケジュールされた物理アップリンク制御チャネルよりも優先度が高くてよい。UEは、物理ダウンリンク制御チャネルによってスケジュールされた物理ダウンリンクデータチャネルのサービス特性を、物理ダウンリンク制御チャネルのRNTI値に基づいて決定してよい。別の特定の実施形態では、UEは、物理ダウンリンク制御チャネルによってスケジュールされた物理ダウンリンクデータチャネルのサービス特性を、DCIフィールドの値に従って決定してよい。物理アップリンク制御チャネル間の優先度は、物理アップリンク制御チャネルの中に含まれるUCIのタイプに従って決定されてよい。具体的には、HARQ-ACKを含む物理アップリンク制御チャネルは、CSIを含む物理アップリンク制御チャネルよりも優先度が高くてよい。物理アップリンク制御チャネル間の優先度は、物理アップリンク制御チャネルの中に含まれるHARQ-ACKと物理ダウンリンクデータチャネルとの間の送信時間区間を示すK1値に従って決定されてよい。具体的には、物理アップリンク制御チャネル間の優先度は、K1値がより小さいとき、より高い優先度を有するように決定されてよい。これは、物理ダウンリンクデータチャネルとHARQ-ACKとの間の区間がより小さいとき、高速処理がさらに必要とされ得るからである。
【0199】
加えて、UEは、優先度が同じ物理アップリンク制御チャネルを1つの物理アップリンク制御チャネルを通じて送信してよい。この場合、UEは、対応する物理アップリンク制御チャネルがその中で送信される時間周波数リソースを、上記で説明した実施形態に従って決定してよい。
【0200】
加えて、UEは、より低い優先度の物理アップリンク制御チャネルの送信を欠落させるのではなく、対応する物理アップリンク制御チャネルを短縮フォーマットを通じて送信してよい。具体的には、UEは、優先度が比較的高い物理アップリンク制御チャネルがその中で送信される時間周波数リソースを除く時間周波数リソースの中で、優先度が比較的低い物理アップリンク制御チャネルを短縮フォーマットを通じて送信してよい。加えて、UEが短縮フォーマット物理アップリンク制御チャネルを作成するとき、UEは、優先度が比較的高い物理アップリンク制御チャネルと時間領域においてオーバーラップするシンボルのUCIをパンクチャしてよい。別の特定の実施形態では、UEは、優先度が比較的低い物理アップリンク制御チャネルを短縮フォーマットでの物理アップリンク制御チャネルにレートマッチングしてよい。具体的には、UEは、物理アップリンク制御チャネルの時間周波数リソースを、送信のために使用されるべき時間周波数リソースしか使用しないコードレートに従って決定してよい。物理アップリンク制御チャネルがフォーマット2またはフォーマット3であるとき、物理アップリンク制御チャネルによって占有される周波数リソースであるPRBの個数は、物理アップリンク制御チャネルのUCIおよび構成されたコードレートに従って決定されてよい。UEは、実際に送信され得るリソース(パンクチャされるシンボル以外のシンボルのリソース)および構成されたコードレートを使用して、短縮フォーマットでのPRBの個数を決定してよい。DMRSが短縮フォーマット物理アップリンク制御チャネルを通じて送信され得ないとき、UEは、対応する物理アップリンク制御チャネル送信を欠落させてよい。DMRSが短縮フォーマット物理アップリンク制御チャネルを通じて送信され得ない事例は、短縮フォーマット物理アップリンク制御チャネルの長さに起因してDMRSが送信され得ない事例を含んでよい。
【0201】
UEは、許可なし(GF:grant-free)物理アップリンクデータチャネルまたは許可ベース(GB:grant based)構成型物理アップリンクデータチャネルを送信してよい。この場合、許可なし構成型物理アップリンクデータチャネルは、RRC構成を通じてスケジュールされた物理アップリンクデータチャネルであってよい。許可なし物理アップリンクデータチャネルは、構成型許可物理アップリンクデータチャネルと呼ばれることがある。また、許可ベース構成型物理アップリンクデータチャネルは、物理ダウンリンク制御チャネルのDCIを通じて構成された物理アップリンクデータチャネルであってよい。許可なし構成型物理アップリンクデータチャネルが、スケジュール済みの時間周波数リソースおよび許可ベース構成型物理アップリンクデータチャネルとオーバーラップするとき、UEは、2つの物理アップリンクデータチャネルのうちの一方の送信を欠落させてよく、他方の物理アップリンクデータチャネルのみを送信してよい。この場合、UEの動作方法が説明される。
【0202】
許可なし物理アップリンクデータチャネルを通じて送信されるべきデータ(たとえば、UL-SCH)があるとき、UEは、許可ベース物理アップリンクデータチャネル送信を欠落させてよく、許可なし物理アップリンクデータチャネルを送信してよい。これは、許可なし物理アップリンクデータチャネルが、URLLCデータなどの迅速な送信を必要とするサービスに、より適していることがあるからである。特定の実施形態では、許可なし物理アップリンクデータチャネルの送信期間が特定の期間よりも短く、かつ許可なし物理アップリンクデータチャネルを通じて送信されるべきデータ(たとえば、UL-SCH)があるとき、UEは、許可ベース物理アップリンクデータチャネル送信を欠落させてよく、許可なし物理アップリンクデータチャネルを送信してよい。特定の実施形態では、許可なし物理アップリンクデータチャネルの送信期間が特定の期間よりも短くないとき、UEは、許可ベース物理アップリンクデータチャネルを送信してよく、許可なし物理アップリンクデータチャネル送信を欠落させてよい。UEが許可ベース物理アップリンクデータチャネル送信を欠落させ、かつ許可なし物理アップリンクデータチャネルを送信するとき、UEは、許可ベース物理アップリンクデータチャネルを通じて送信されるべきUCIを、許可なし物理アップリンクデータチャネルを通じて送信してよい。この場合、UEは、許可ベース物理アップリンクデータチャネルを通じて送信されるべきすべてのUCIを、許可なし物理アップリンクデータチャネルを通じて送信してよい。別の特定の実施形態では、UEは、許可ベース物理アップリンクデータチャネルを通じて送信されるべきいくつかのUCIを、許可なし物理アップリンクデータチャネルを通じて送信してよい。たとえば、非周期的なCSIの中に許可ベース物理アップリンクデータチャネルが含まれるとき、UEは、許可なし物理アップリンクデータチャネルを通じて非周期的なCSIの全部または一部を送信してよい。許可ベース物理アップリンクデータチャネルがCSI部分1およびCSI部分2を含むとき、UEは、CSI部分1およびCSI部分2のうちのCSI部分1のみを、許可なし物理アップリンクデータチャネルを通じて送信してよい。許可ベース物理アップリンクデータチャネルがHARQ-ACKおよび非周期的なCSIを含むと
き、UEは、HARQ-ACKおよび非周期的なCSIの全部または一部を、許可なし物理アップリンクデータチャネルを通じて送信してよい。この場合、UEは、CSIを送信することなく、許可なし物理アップリンクデータチャネルを通じてHARQ-ACKのみを送信することができる。別の特定の実施形態では、UEは、CSI部分2を送信することなく、許可なし物理アップリンクデータチャネルを通じてHARQ-ACKおよびCSI部分1のみを送信してよい。
【0203】
別の特定の実施形態では、許可ベース物理アップリンクデータチャネルがスケジュールされる時間周波数リソース、および許可なし物理アップリンクデータチャネルがスケジュールされる時間周波数リソースがオーバーラップするとき、基地局は、許可ベース物理アップリンクデータチャネルまたは許可なし物理アップリンクデータチャネルのうちのどちらの物理アップリンクデータチャネルが送信されるのかをシグナリングしてよい。具体的には、基地局は、許可ベース物理アップリンクデータチャネルおよび許可なし物理アップリンクデータチャネルのうちのどちらの物理アップリンクデータチャネルが、許可ベース物理アップリンクデータチャネルをスケジュールするDCIの中でUEによって送信されるのかを、シグナリングしてよい。UEは、許可ベース物理アップリンクデータチャネルおよび許可なし物理アップリンクデータチャネルのうちの、どちらの物理アップリンクデータチャネルを送信すべきかを、許可ベース物理アップリンクデータチャネルをスケジュールするDCIに基づいて決定してよい。具体的には、DCIは、許可ベース物理アップリンクデータチャネルおよび許可なし物理アップリンクデータチャネルのうちの、どちらの物理アップリンクデータチャネルがUEによって送信されるのかをシグナリングしてよい。特定の実施形態では、DCIの1ビットのフィールドが、許可ベース物理アップリンクデータチャネルおよび許可なし物理アップリンクデータチャネルのうちの、どちらの物理アップリンクデータチャネルがUEによって送信されるのかをシグナリングし得る。
【0204】
別の特定の実施形態では、DCIは、許可ベース物理アップリンクデータチャネルおよび許可なし物理アップリンクデータチャネルのうちの、どちらの物理アップリンクデータチャネルがUEによって送信されるのかを暗黙的にシグナリングし得る。たとえば、許可ベース物理アップリンクデータチャネルをスケジュールする物理ダウンリンク制御チャネル(または、DCI)のMCS値のコードレートが特定の値よりも小さいとき、UEは、許可ベース物理アップリンクデータチャネルを送信してよく、許可なし物理アップリンクデータチャネル送信を欠落させてよい。許可ベース物理アップリンクデータチャネルをスケジュールする物理ダウンリンク制御チャネル(または、DCI)のMCS値のコードレートが特定の値よりも大きいとき、UEは、許可ベース物理アップリンクデータチャネル送信を欠落させてよく、許可なし物理アップリンクデータチャネル送信を送信してよい。この場合、特定の値は事前決定された値であってよい。また、特定の値はRRC信号によって構成されてよい。また、特定の値は許可なし物理アップリンクデータチャネルが構成されるときに構成される値であってよい。
【0205】
UEは、許可ベース物理アップリンクデータチャネルおよび許可なし物理アップリンクデータチャネルのうちの、どちらの物理アップリンクデータチャネルを送信すべきかを、許可ベース物理アップリンクデータチャネルがそれを通じて送信されるシンボルのロケーション、および許可なし物理アップリンクデータチャネルがそれを通じて送信されるシンボルのロケーションに基づいて、決定し得る。具体的には、許可ベース物理アップリンクデータチャネルの送信が、許可なし物理アップリンクデータチャネル送信の前に終了されるとき、UEは、許可ベース物理アップリンクデータチャネルを送信してよく、許可なし物理アップリンクデータチャネル送信を欠落させてよい。許可ベース物理アップリンクデータチャネルの送信が、許可なし物理アップリンクデータチャネル送信の前に終了しないとき、UEは、許可ベース物理アップリンクデータチャネル送信を欠落させてよく、許可なし物理アップリンクデータチャネルを送信してよい。
【0206】
UEは、許可ベース物理アップリンクデータチャネルおよび許可なし物理アップリンクデータチャネルのうちの、どちらの物理アップリンクデータチャネルを送信すべきかを、許可ベース物理アップリンクデータチャネルをスケジュールするDCIのK2値に基づいて決定してよい。この場合、K2値は、物理ダウンリンク制御チャネルと許可ベース物理アップリンクデータチャネルとの間の区間を示す値である。具体的には、K2値が特定の値よりも小さいとき、UEは、許可ベース物理アップリンクデータチャネルを送信してよく、許可なし物理アップリンクデータチャネル送信を欠落させてよい。具体的には、K2値が特定の値以上であるとき、UEは、許可ベース物理アップリンクデータチャネルを欠落させてよく、許可なし物理アップリンクデータチャネル送信を送信してよい。特定の値は固定値であってよい。たとえば、特定の値は0または1であってよい。別の特定の実施形態では、特定の値は上位レイヤから構成される値であってよい。別の特定の実施形態では、特定の値は許可なし物理アップリンクデータチャネルの期間に基づいて決定されてよい。たとえば、特定の値は許可なし物理アップリンクデータチャネルの期間であってよい。
【0207】
上記で説明した実施形態では、物理データチャネルは、PDSCHまたはPUSCHを含んでよい。加えて、物理制御チャネルは、PDCCHまたはPUCCHを含んでよい。加えて、PUSCH、PDCCH、PUCCH、およびPDCCHを使用して説明する実施形態において、他のタイプのデータチャネルおよび制御チャネルが適用されてよい。
【0208】
本開示の方法およびシステムは、特定の実施形態、構成要素に関して説明され、本開示の動作の一部または全体は、汎用ハードウェアアーキテクチャを有するコンピュータシステムを使用して実施され得る。
【0209】
本開示の上述の説明は、例示および説明の目的のために提示されている。本開示の技術的原理または本質的特徴を変えることなく、本開示が他の詳細な形態に容易に修正され得ることは、本開示が関係する当業者には明らかである。したがって、上記で説明したようなこれらの実施形態は、例示目的のために提案されるにすぎず、本開示を限定しない。たとえば、単一のタイプのものであるように説明される各構成要素は、分散されて実装され得る。同様に、分散されるように説明される構成要素は、組み合わせられて実装され得る。
【0210】
本開示の範囲は、上述の説明ではなく添付の特許請求の範囲によって提示される。特許請求の範囲の定義および範囲から導出されるすべての変更または修正、ならびにそれらの均等物が、本開示の範囲内に入ることを理解されたい。
【符号の説明】
【0211】
100 ユーザ機器(UE)
110 プロセッサ
120 通信モジュール
121、122 セルラー通信インターフェースカード
123 無認可帯域通信インターフェースカード
130 メモリ
140 ユーザインターフェース
150 表示ユニット
200 基地局
210 プロセッサ
220 通信モジュール
221、222 セルラー通信インターフェースカード
223 無認可帯域通信インターフェースカード
230 メモリ