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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-07
(45)【発行日】2023-09-15
(54)【発明の名称】ラジオアイソトープ計測装置の取付構造
(51)【国際特許分類】
   G01N 23/203 20060101AFI20230908BHJP
   G01N 23/204 20060101ALI20230908BHJP
【FI】
G01N23/203
G01N23/204
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021072700
(22)【出願日】2021-04-22
(65)【公開番号】P2021181982
(43)【公開日】2021-11-25
【審査請求日】2022-07-19
(31)【優先権主張番号】P 2020085789
(32)【優先日】2020-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100160299
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 卓
(72)【発明者】
【氏名】後藤 洸一
【審査官】吉田 将志
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-067297(JP,A)
【文献】特開昭59-088650(JP,A)
【文献】特開平07-048809(JP,A)
【文献】特開2018-119890(JP,A)
【文献】特開2020-051946(JP,A)
【文献】特開平05-107004(JP,A)
【文献】特開平06-242088(JP,A)
【文献】後藤 他,土の締固め施工における非破壊連続計測,令和元年度「建設施工と建設機械シンポジウム」論文集・梗概集,2019年12月02日,pp37-38,https://jcmanet.or.jp/bunken/symposium/2019/2019r09.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 23/00 - G01N 23/2276
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定線種の第1の放射線を発生させるための第1の放射線発生手段と、前記第1の放射線の反射量を計測するための第1の放射線検出手段とを、有する密度測定器と、
所定線種の第2の放射線を発生させるための第2の放射線発生手段と、前記第2の放射線の反射量を計測するための第2の放射線検出手段とを、有する水分量測定器と、
計測対象と接触しながら回動するとともに、前記密度測定器をその内部に収容する第1回動体と、
前記計測対象と接触しながら回動するとともに、前記水分量測定器をその内部に収容する第2回動体と、
を備えるラジオアイソトープ計測装置を、移動体に取り付けるためのラジオアイソトープ計測装置の取付構造であって、
前記第1回動体と前記第2回動体は、相互に独立して、変位追従機構を介して前記移動体に取り付けられており、
前記第1回動体の支持部材を備え、前記第1回動体の支持部材と前記第1回動体との間に、前記変位追従機構が介装されているとともに、
前記移動体は、前記第1回動体の支持部材を昇降させるための昇降手段を備えており、
前記第1回動体と前記第1回動体の支持部材とは、第1の落下防止手段により連結されていること、を特徴とするラジオアイソトープ計測装置の取付構造。
【請求項2】
所定線種の第1の放射線を発生させるための第1の放射線発生手段と、前記第1の放射線の反射量を計測するための第1の放射線検出手段とを、有する密度測定器と、
所定線種の第2の放射線を発生させるための第2の放射線発生手段と、前記第2の放射線の反射量を計測するための第2の放射線検出手段とを、有する水分量測定器と、
計測対象と接触しながら回動するとともに、前記密度測定器をその内部に収容する第1回動体と、
前記計測対象と接触しながら回動するとともに、前記水分量測定器をその内部に収容する第2回動体と、
を備えるラジオアイソトープ計測装置を、移動体に取り付けるためのラジオアイソトープ計測装置の取付構造であって、
前記第1回動体と前記第2回動体は、相互に独立して、変位追従機構を介して前記移動体に取り付けられており、
前記第2回動体の支持部材を備え、前記第2回動体の支持部材と前記第2回動体との間に、前記変位追従機構が介装されているとともに、
前記移動体は、前記第2回動体の支持部材を昇降させるための昇降手段を備えており、
前記第2回動体と前記第2回動体の支持部材とは、第2の落下防止手段により連結されていること、を特徴とするラジオアイソトープ計測装置の取付構造。
【請求項3】
前記第2回動体の支持部材を備え、前記第2回動体の支持部材と前記第2回動体との間に、前記変位追従機構が介装されているとともに、
前記移動体は、前記第2回動体の支持部材を昇降させるための昇降手段を備えており、
前記第2回動体と前記第2回動体の支持部材とは、第2の落下防止手段により連結されていること、を特徴とする請求項1に記載のラジオアイソトープ計測装置の取付構造
【請求項4】
所定線種の第1の放射線を発生させるための第1の放射線発生手段と、前記第1の放射線の反射量を計測するための第1の放射線検出手段とを、有する密度測定器と、
所定線種の第2の放射線を発生させるための第2の放射線発生手段と、前記第2の放射線の反射量を計測するための第2の放射線検出手段とを、有する水分量測定器と、
計測対象と接触しながら回動するとともに、前記密度測定器をその内部に収容する第1回動体と、
前記計測対象と接触しながら回動するとともに、前記水分量測定器をその内部に収容する第2回動体と、
を備えるラジオアイソトープ計測装置を、移動体に取り付けるためのラジオアイソトープ計測装置の取付構造であって、
前記第1回動体と前記第2回動体は、相互に独立して、変位追従機構を介して前記移動体に取り付けられており、
前記第1回動体と前記第2回動体とは、旋回機構により水平面で旋回自在に支持されており、
前記旋回機構は、
第2の変位追従機構を介して前記移動体に取り付けられていること、を特徴とするラジオアイソトープ計測装置の取付構造。
【請求項5】
前記第1回動体の支持部材を備え、前記第1回動体の支持部材と前記第1回動体との間に、前記変位追従機構が介装されているとともに、
前記旋回機構は、前記移動体に取り付けられている旋回軸と、前記旋回軸に旋回自在に取り付けられているアーム部材と、を有し、
前記アーム部材に前記第1回動体の支持部材が取り付けられていること、を特徴とする請求項4に記載のラジオアイソトープ計測装置の取付構造。
【請求項6】
前記第2回動体の支持部材を備え、前記第2回動体の支持部材と前記第2回動体との間に、前記変位追従機構が介装されているとともに、
前記旋回機構は、前記移動体に取り付けられている旋回軸と、前記旋回軸に旋回自在に取り付けられているアーム部材と、を有し、
前記アーム部材に前記第2回動体の支持部材が取り付けられていること、を特徴とする請求項4又は請求項5に記載のラジオアイソトープ計測装置の取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラジオアイソトープを用いて地盤等の含水量及び密度を計測する装置の移動体への取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
地面の密度及び含水量を計測する方法として、それぞれ、ガンマ線及び中性子線を地盤の表層に照射し、当該地盤を透過した放射線を計測するラジオアイソトープによる計測方法(以下、ラジオアイソトープを「RI」といい、この計測方法を「RI計測法」という。)が存在している。
【0003】
上記RI計測法を使用して地盤の含水量及び密度を計測するために、出願人らは、地盤との接触によって回転する回転体と、当該回転体に収容して、地盤の密度及び水分を計測可能な散乱型のRIセンサと、を備えたRI計測装置を開発し、当該RI計測装置を振動ローラに取り付けることにより実用化を図っている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-67297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来のRI計測装置の移動体への取付構造は、RI計測装置を回転体に固設しており、変位を許容しない取付構造であるため、計測を行う地盤表面に不陸がある場合及び種々の障害物がある場合等において、地盤表面と回転体との間に空隙が生じてしまい、計測装置と計測対象との間の計測距離が変動するため、計測精度に影響を及ぼすことがあるという問題点を有していた。
【0006】
また、特に、RI計測装置を振動ローラ等の転圧装置に取り付けて使用する場合において、操舵方向の水平力が作用すること、又は地盤表面の不陸などに起因して鉛直力が作用すること等により、当該RI計測装置の構成要素が破壊及び損傷する可能性があることが危恨されるため、その改善が求められていた。
【0007】
本発明は、上記各問題点を解決するためになされたものであり、計測装置の破壊及び損傷を防止すること、並びに計測精度の向上を図ることが可能となる移動体へのRI計測装置の取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明は、所定線種の第1の放射線を発生させるための第1の放射線発生手段と、上記第1の放射線の反射量を計測するための第1の放射線検出手段とを、有する密度測定器と、所定線種の第2の放射線を発生させるための第2の放射線発生手段と、上記第2の放射線の反射量を計測するための第2の放射線検出手段とを、有する水分量測定器と、計測対象と接触しながら回動するとともに、上記密度測定器をその内部に収容する第1回動体と、上記計測対象と接触しながら回動するとともに、上記水分量測定器をその内部に収容する第2回動体と、を備えるラジオアイソトープ計測装置を、移動体に取り付けるためのラジオアイソトープ計測装置の取付構造であって、上記第1回動体と、上記第2回動体は、相互に独立して、変位追従機構を介して上記移動体に取り付けられていること、を特徴とするRI計測装置の取付構造(以下、「本取付構造」という場合がある。)を提供するものである。
【0009】
まず、本発明で使用するRI計測装置を用いた密度及び含水量を計測する方法(上記RI計測法と同様)について簡単に説明する。RI計測法には、主に透過型と散乱型の2種類の方法が存在しているが、本発明で用いるRI計測装置は、散乱型のRI計測法を用いる装置を対象としている。
【0010】
散乱型のRI計測法は、放射線発生手段(通常、密度測定器ではガンマ線、水分量測定器では中性子線を用いる)と、当該放射線発生手段から放出された放射線が計測対象中の構成物質によって散乱し、反射等された放射線を検出する検出手段から構成されている。そして、放射線の発生手段から放出された放射線量に対し、反射された放射線量を検出することにより、予め定められている関係式に基づき、検出手段から計測対象の密度及び含水量を推計することができるようになっている。
なお、第1の放射線及び第2の放射線は、目的とする測定項目に応じて、適切な線種を選択して用いることができる。
【0011】
次に、本発明において、RI計測装置を取り付けるための移動体は、RI計測装置を計測対象に接触させることができる装置等であればよく、振動ローラ等の転圧装置、締固装置等の各種建設機械等に適用することができる。
また、計測対象は、地盤及び路盤等、RI計測法を適用することにより、密度及び含水量を計測できるものであれば制限はない。
【0012】
また、変位追従機構は、第1回動体及び第2回動体の上下動、水平動及び搖動等に追従し、水平変位及び鉛直変位等(以下、「各種変位」という。)をさせることを可能とするための機構であり、弾性部材を使用する機構を採用することが好適である。特に、変位追従機構は、計測対象に接する向きに付勢力を付与するバネ等の付勢部材とすることが最適である。
【0013】
また、変位追従機構は、第1回動体、第2回動体及び移動体の機体等における所定位置に直接的に取り付けられるものであってもよく、或いは、各種の装置及び部材等を介して間接的に取り付けられるものであってもよい。さらに、変位追従機構の数、取付位置等については適宜定めることができる。
なお、「上記第1回動体と上記第2回動体は、相互に独立して、変位追従機構を介して上記移動体に取り付けられている」とは、第1回動体と第2回動体が、相互に制限を受けることなく移動体に取り付けられていることを意味している。また、各回動体は、共通の部材により、取り付けられるものであってもよい。
【0014】
本取付構造は、密度測定器を内部に収容する第1回動体と、水分量測定器を内部に収容する第2回動体が、移動体に変位追従機構を介して取り付けられている。したがって、計測対象の表面形状の起伏及び操舵を原因として移動体に生じる各種変位に対して、第1回動体と第2回動体が追従して動作することができるため、密度量測定器及び水分量測定器が破壊及び損傷することを防止することができる。
【0015】
また、計測精度を向上させるためには、RI計測装置は、可能な限り計測対象の表面に密着させて計測距離の変動を抑える必要がある。
本取付構造では、密度測定器を内部に収容する第1回動体と、水分量測定器を内部に収容する第2回動体が、相互に独立して、変位追従機構を介して移動体に取り付けられている。したがって、第1回動体と第2回動体を別々に、各種変位に追従して動作させることができるため、密度測定器及び水分量測定器に関し、計測対象の表面への高い密着性を保持させることが可能となり、計測精度を向上させることができる。
【0016】
また、本取付構造において、上記第1回動体の支持部材を備え、上記第1回動体の支持部材と上記第1回動体との間に、上記変位追従機構が介装されているとともに、上記移動体は、上記第1回動体の支持部材に取り付けられている、上記第1回動体の支持部材を昇降させるための昇降手段を備えており、上記第1回動体と上記第1回動体の支持部材とは、第1の落下防止手段により連結されていることとすれば好適である。
【0017】
また、本取付構造において、上記第2回動体の支持部材を備え、上記第2回動体の支持部材と上記第2回動体との間に、上記変位追従機構が介装されているとともに、上記移動体は、上記第2回動体の支持部材に取り付けられている、上記第2回動体の支持部材を昇降させるための昇降手段を備えており、上記第2回動体と上記第2回動体の支持部材とは、第2の落下防止手段により連結されていることとすれば好適である。
【0018】
ここで、第1の落下防止手段及び第2の落下防止手段(以下、総称して「各落下防止手段」という場合がある。)は、第1回動体と支持部材及び第2回動体と支持部材を補助的に連結するために設けられる手段である。各落下防止手段は、少なくとも、変位追従機構に許容されている以上の応力が作用しないように、当該変位追従機構に作用する負荷を負担できる程度の範囲内で長さ調整が可能である、長さ調整機構を有していることが好ましいものである。このような、各落下防止手段は、所定長のワイヤ部材、弾性部材、リンク部材及び遊嵌保持部を有する締結部材等を用いることが可能である。
【0019】
また、各落下防止手段、第1回動体の支持部材及び第2回動体の支持部材、並びに、第1回動体の支持部材の昇降手段及び第2回動体の支持部材の昇降手段は、共通の手段を用いるものであってもよく、或いは、別体の手段を用いるものであってもよい。
【0020】
本取付構造では、第1回動体の支持部材の昇降手段及び第2回動体の支持部材の昇降手段の少なくとも一方を備えており、第1回動体及び第2回動体の少なくとも一方は、不使用時には、当該第1回動体の支持部材及び第2回動体の支持部材を介して、第1回動体又は第2回動体を上昇させ、計測対象から離間させることにより、その内部に収容される密度測定器又は水分量測定器の保護を図ることができるようになっている。
【0021】
このとき、第1回動体とその支持部材は、第1の落下防止手段により連結され、又は第2回動体とその支持部材は、第2の落下防止手段により連結されていることから、第1回動体とその支持部材の間に介装されている変位追従機構、又は第2回動体とその間に介装されている変位追従機構に過剰な応力が作用して損傷等することを防止できるとともに、変位追従機構に過大な荷重が作用することにより、第1回動体又は第2回動体が落下して損傷等することを防止できる。
【0022】
また、本取付構造において、上記第1回動体と上記第2回動体とは、旋回機構により水平面で旋回自在に支持されており、上記旋回機構は、第2の変位追従機構を介して上記移動体に取り付けられているものであってもよい。
【0023】
また、本取付構造において、上記第1回動体の支持部材を備え、上記第1回動体の支持部材と上記第1回動体との間に、上記変位追従機構が介装されているとともに、上記旋回機構は、上記移動体に取り付けられている旋回軸と、上記旋回軸に旋回自在に取り付けられているアーム部材と、を有し、上記アーム部材に上記第1回動体の支持部材が取り付けられているものであってもよい。
【0024】
また、本取付構造において、上記第2回動体の支持部材を備え、上記第2回動体の支持部材と上記第2回動体との間に、上記変位追従機構が介装されているとともに、上記旋回機構は、上記移動体に取り付けられている旋回軸と、上記旋回軸に旋回自在に取り付けられているアーム部材と、を有し、上記アーム部材に上記第2回動体の支持部材が取り付けられているものであってもよい。
【0025】
ここで、第2の変位追従機構は、旋回機構の上下動、水平動及び搖動等に追従し、水平変位及び鉛直変位等(以下、「各種変位」という。)をさせることを可能とするための機構であり、弾性部材を使用する機構を採用することが好適である。特に、第2の変位追従機構は、計測対象に接する向きに付勢力を付与するバネ等の付勢部材とすることが最適である。
【0026】
本取付構造は、旋回機構を備え、当該旋回機構が、移動体に第2の変位追従機構を介して取り付けられている。したがって、計測対象の表面形状の起伏及び操舵を原因として移動体に生じる各種変位に対して、旋回機構が追従して動作することができるため、密度量測定器及び水分量測定器が破壊及び損傷することを防止可能とするとともに、計測精度を向上させることが可能となる。
【0027】
さらに、本取付構造において、上記第1回動体又は上記第2回動体を上記計測対象から離反させた場合に、上記アーム部材の旋回を制止するための制止手段を有すること、とすれば、RI計測装置の動作停止時に搖動等を防止し、密度量測定器及び水分量測定器が破壊及び損傷することを防止することができるため好適である。
なお、「第1回動体又記第2回動体が計測対象から離反させた場合」とは、RI計測装置が作動中に、振動等によって一時的に計測対象と当接しなくなること等を想定するものではなく、運搬中及び格納中等の一定時間、計測対象と当接しなくなる場合を想定している。
【0028】
また、本取付構造において、旋回機構が、上記第1回動体の昇降手段及び上記第2回動体の昇降手段の少なくとも一方を備えることとすれば、計測対象への第1回動体及び第2回動体の設置及び撤去を容易に行うことができるため好適である。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、計測装置の破壊及び損傷を防止すること、並びに計測精度の向上を図ることが可能となる移動体へのRI計測装置の取付構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明のRI計測装置の取付構造(第1実施形態)を振動ローラに適用した場合を示す側面図である。
図2図1のX部の拡大図である。
図3】本発明のRI計測装置の取付構造(第1実施形態)における第1回動体を示す一部を切り欠いた側面図である。
図4】本発明のRI計測装置の取付構造(第1実施形態)における第2回動体を示す一部を切り欠いた側面図である。
図5】本発明のRI計測装置の取付構造(第1実施形態)におけるRI計測装置及び支持ベースを示す斜視図である。
図6】本発明のRI計測装置の取付構造(第2実施形態)を振動ローラに適用した場合を示す側面図である。
図7】本発明のRI計測装置の取付構造(第2実施形態)を示す斜視図である。
図8図7のY部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態の一例について、RI計測装置Mを振動ローラRに取り付け、測定対象である路盤Gの密度及び含水量を計測する場合を例として詳細に説明する。なお、図面に基づく説明においては、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0032】
<1>第1実施形態
(1)本取付構造の構成
[振動ローラ]
第1実施形態の本取付構造K(RI計測装置の取付構造)では、公知の振動ローラRにRI計測装置Mが取り付けられている。
詳述しないが、図1に示す振動ローラRは、前部車体11と後部車体12がセンターピン13を介して接続されており、前部車体11の上部に運転席14が配置されている。そして、前部車体11は、前輪16を回動自在に支持するとともに、後部車体12は、後輪17を回動自在に支持する構造となっている。
【0033】
図2に示すように、RI計測装置Mの構成手段が収納されている第1回動30と第2回動50は、前輪16と後輪17の間において、前部車体11及び後部車体12の下面に設けられている支持ベース25(第1回動体の支持部材及び第2回動体の支持部材)に、下記コイルバネ71(変位追従機構)を介して取り付けられている。
支持ベース25は、略長方形形状の板状部材であり、中央部には、昇降用シリンダ21(昇降手段)の昇降ロッド22の下端部を取り付けるためのロッド取付板26が付設されている。
【0034】
昇降用シリンダ21は、後部車体12の前面下部に、取付部材27及び支持板28を介して取り付けられており、当該昇降用シリンダ21の下面から下方に突出するように昇降ロッド22が延出している。昇降ロッド22は、下向きに伸長し、鉛直方向に伸縮するように構成されており、先端部はロッド取付板26に取り付けられている。また、昇降ロッド22の先端側部には、当該昇降ロッド22の伸縮に応じて動作するリンク部材23,24が設けられている。
なお、本取付構造Kにおいて、支持ベース25は、第1回動体30の支持部材と第2回動体50の支持部材を兼用しており、昇降用シリンダ21は、当該第1回動体30の支持部材と第2回動体50の支持部材である支持ベース25の昇降手段を兼用している。
【0035】
[RI計測装置]
RI計測装置Mは、第1回動体30の内部に収容されている密度測定器40と、第2回動体50の内部に収容されている水分量測定器60を主要部としている。
【0036】
(密度測定器)
図3に示すように、密度測定器40は、ガンマ線を発生させるためのガンマ線源41(第1の放射線発生手段)と、放出した当該ガンマ線が地中の構成物質によって散乱し、路盤Gに放出されるガンマ線エネルギー量を検出するガンマ線検出器42(第1の放射線検出手段)を主要部としている。
なお、予め定められている、測定されたガンマ線エネルギー量と路盤密度との関係式から、路盤Gの密度を計測することができるようになっている。
【0037】
第1回動体30は中空の円柱形状であり、中央部において貫通している第1固定軸35の両端部が、[ 字形状(上面視)である第1支持枠32に支持されており、当該第1固定軸35の左右の両端部に設けられている軸受36を介して、回動自在に軸支されている(図5)。
すなわち、第1回動体30は、第1支持枠32の長手部32a(移動方向と同方向の部分)における前部において、振動ローラRの移動方向に対して直交する方向である幅方向の第1固定軸35を回動軸として、当該振動ローラRの移動に伴い、路盤Gと接触し、その摩擦力により回動することができるように構成されている。
【0038】
一方、第1固定軸35における幅方向の略中央部にガンマ線源41が吊設されており、当該ガンマ線源41に隣接して、遮蔽体43が吊設されている。また、各遮蔽体43に隣接して、ガンマ線検出器42が吊設置されている。このような構成により、ガンマ線源41及びガンマ線検出器42は、第1回動体30の回動動作に連動せずに、常に測定対象である路盤G方向を向いた姿勢で保持される態様となっている。
【0039】
(水分量測定器)
図4に示すように、水分量測定器60は、中性子線(速中性子)を発生させるための中性子線源61(第2の放射線発生手段)と、熱中性子検出器62(第2の放射線検出手段)を主要部としており、それらが筒体内に一体的に収納される構造を有している。
なお、速中性子は、水素原子核と衝突した場合のみ熱中性子に変化する性質があり、路盤G中の水素はそのほとんどが水分子して存在するため、熱中性子を測定することにより、路盤G中の水素原子量を計測し、間接的に路盤G中の含水量を測定することができることになる。
【0040】
中空の円柱形状である第2回動体50は、第1回動体30より小径であり、その内部には、同心状に内管51が設けられている。そして、内管51には、上記水分量測定器60が内装されている。
【0041】
第2回動体50は、第2支持枠52を備えており、当該第2支持枠52により後輪17側に回動自在に軸支されている。
すなわち、第2支持枠52は、略Π字形状(上面視)である平面部53と、当該平面部53の後輪17側における幅方向の両端縁部に設けられている倒立したL字形状である鉛直部54から形成されている(図5)。
第2回動体50の内管51は、下記第2支持枠52の鉛直部54において、幅方向の第2固定軸55により支持されており、振動ローラRの移動によって回動しないようになっている。
【0042】
一方、第2回動体50は、第2固定軸55に設けられている軸受56を介して、当該内管51の外周に回動自在に軸支されている。これにより、第2回動体50は、第2固定軸55を回動軸として、当該振動ローラRの移動に伴い路盤Gと接触し、その摩擦力により回動することができるように構成されている。
【0043】
[本取付構造]
図5に示すように、第1支持枠32と第2支持枠52の幅寸法は同一であり、当該第2支持枠52における平面部53の左右の長手部は、第1支持枠32の左右の長手部32a(移動方向と同方向部)の内側となるように配置されている。
【0044】
そして、第1支持枠32は、後輪17側の後部において、支持ベース25の4か所の隅角部の間に介設されている第1コイルバネ71により、当該支持ベース25に取り付けられている。
また、第2支持枠52は、平面部53における左右の長手部の各2箇所の端部と支持ベース25の間に介設されているコイルバネ71により、当該支持ベース25に取り付けられている。
【0045】
上記各コイルバネ71の上下には、凸形断面形状である円板状の案内コマ72がネジ(図示せず)により取り付けられている。各案内コマ72の突部には、コイルバネ71の各端部が巻着されており、バネ係合体(図示せず)により、抜出しないように取り付けられている。
なお、コイルバネ71は、常時、第1支持枠32及び第2支持枠52を押圧する方向(路盤Gに接する方向)に付勢力が作用するように設けられている。
【0046】
さらに、支持ベース25及び第1支持枠32、並びに、支持ベース25及び第2支持枠52において、各コイルバネ71の中心部を貫通するように、落下防止用ネジ75(第1及び第2の落下防止手段)が、遊貫されるように設けられている。落下防止用ネジ75は、コイルバネ71の略最大引張長さであり、コイルバネの伸縮に追従することができるように、中間部に遊嵌保持部を有する長さ(所定長の遊びを有する長さ)に形成されている。
【0047】
上記構成により、第1回動体30の第1支持枠32と第2回動体50の第2支持枠52のそれぞれは、相互に独立して、支持ベース25に、各コイルバネ71を介して取り付けられている。また、昇降用シリンダ21の昇降ロッド22は、支持ベース25のロッド取付板26に取り付けられており、当該昇降ロッド22の動作により支持ベース25を昇降させることで、当該支持ベース25に、各コイルバネ71を介して支持されている第1回動体30と第2回動体50が昇降自在となっている。
【0048】
(2)本取付構造の作用効果
上記RI計測装置Mを使用する場合には、昇降用シリンダ21により、支持ベース25を降下させ、第1回動体30及び第2回動体50を計測対象の路盤Gに接面させる。そして、振動ローラRを計測対象の路盤G上で走行させ、所定の方法で動作させることにより、路盤Gの密度及び含水量を計測することが可能となる。
【0049】
本取付構造Kは、密度測定器40を内部に収容する第1回動体30と、水分量測定器60を内部に収容する第2回動体50が、振動ローラRの支持ベース25にコイルバネ71を介して取り付けられている。したがって、路盤Gの不陸及び操舵等により、振動ローラRに各種変位が発生した場合であっても、第1回動体30と第2回動体50は各コイルバネ71の作用により、当該各種変位に追従して動作可能となるため、密度測定器40及び水分量測定器60が破壊及び損傷することを防止することができる。
【0050】
また、本取付構造Kは、密度測定器40を内部に収容する第1回動体30の第1支持枠32と、水分量測定器60を内部に収容する第2回動体50の第2支持枠52のそれぞれが、相互に独立して、振動ローラRの支持ベース25に、各コイルバネ71を介して取り付けられており、さらに、複数のコイルバネ71が設けられている。そのため、路盤Gの不陸及び操舵等の状況に応じて振動ローラRの各部に生じる各種変位に対して、第1回動体30と第2回動体50は、個別に対応可能となる。したがって、密度測定器40及び水分量測定器60に関し、路盤Gへの高い密着性を保持させることが可能となるため、計測精度を向上させることができる。
【0051】
また、支持ベース25と、第1支持枠32及び第2支持枠52の間に介装されている各コイルバネ71が、常時、第1支持枠32及び第2支持枠52を押圧する方向に付勢力を作用させるように設けられているため、当該各コイルバネ71に過大な引張力が作用することを防止することができるとともに、路盤Gの不陸が小さい場合には、第1回動体30及び第2回動体50が当該路盤Gから離間することを防止し、計測精度を向上させることができる。
【0052】
また、本取付構造Kでは、第1回動体30及び第2回動体50は、支持ベース25を介して、後部車体12に設けられている昇降用シリンダ21の昇降ロッド22に取り付けられており、当該第1回動体30及び第2回動体50は、不使用時には、支持ベース25を上昇させ、路盤Gから離間させることにより、第1回動体30及び第2回動体50に収容される密度測定器40及び水分量測定器60の保護を図ることができる。
【0053】
このとき、第1回動体30の第1支持枠32及び第2回動体50の第2支持枠52と、支持ベース25とは、落下防止用ネジ75により連結されていることから、第1回動体30及び第2回動体50が各コイルバネ71のみによって吊下げられることにより、過剰な荷重が作用して落下して損傷等することや、各コイルバネ71に過大な応力が作用することによる損傷を防止することができる。
【0054】
さらに、本取付構造によれば、簡易、小型かつ軽量のRI計測装置Mを用いて、RI計測法を実現することができる。
【0055】
<2>第2実施形態
(1)本取付構造の構成
第2実施形態の本取付構造K’は、公知の振動ローラR’に、第1実施形態の取付構造Kで用いられているRI計測装置Mが取り付けられている点で、第1実施形態の本取付構造Kと同様である。一方、RI計測装置Mの取付位置及びその取付態様が相違しているため、以下の実施形態の説明では、その相違点についてのみ説明する。
【0056】
RI計測装置Mの構成手段が収納されている第1回動30と第2回動50は、後輪17’の後部であり、後部車体12’の後端部に垂設されている垂直板28’に、旋回機構80’を介して取り付けられている(図6)。
なお、符号11’は前部車体を、符号13’はセンターピンを、符号14’は運転席を、符号16’は前輪をそれぞれ示している。
【0057】
第1回動30と第2回動50は、それぞれ、第1支持枠32’と、第2支持枠52’に、回動自在に支持されている。すなわち、第1回動30と第2回動50は、それぞれ、中央部において貫通している第1固定軸35及び第2固定軸55の両端部が、[ 字形状(上面視)である第1支持枠32’及び第2支持枠52’に支持されており、当該第1固定軸35及び第2固定軸55の左右の両端部に設けられている各軸受(図示せず)を介して、回動自在に軸支されている(図7)。
【0058】
そして、第1支持枠32’と第2支持枠52’をさらに支持するための支持体25’(第1支持部材及び第2支持部材)が設けられている。支持体25’は、上面視でH字形状であり、四隅の下面には、端位置突部25c’が設けられているとともに、中央部の下面には、中央突部25d’が設けられている。また、支持体25’の中央突部25d’の上部には、下方に凸形状(側面視)である細長柱体形状の鉛直部25a’が設けられている。
【0059】
また、第1支持枠32’と第2支持枠52’には、幅方向の中間部に突出部32a’,52a’が設けられている。第1支持枠32’の突出部32a’は、後方の向きに、第2支持枠52’の突出部52a’は、前方の向きとなるように、対向して設けられており、各突出部32a’,52a’の端部は、支持体25’の中央突部25’に取り付けられている。そして、第1支持枠32’及び第2支持枠52’の開口部側の各端部は、支持体25’の端位置突部25c’にコイルバネ71’(変位追従機構)を介して取り付けられている。
【0060】
旋回機構80’は、旋回軸81’と、基体84’と、スイングアーム87’(アーム部材)と、旋回復元バネ88’(第2の変位追従機構)と、昇降用ジャッキ91’と、スイングアーム87’の制止手段95’を主要部としており、垂直板28’に取り付けられている。
【0061】
旋回軸81’の上下の端部は、上部取付部材82’及び下部取付部材83’を介して垂直板28’に取り付けられている。基体84’は、円筒部85’と、当該円筒部85’の両側に設けられている平板部86’から形成されており、旋回軸81’が、円筒部85’の中空部分に挿通されている。円筒部85’は、旋回軸81’のまわりを回動自在であり、かつ、高さ方向に摺動自在に取り付けられている。さらに、円筒部85’は、旋回軸81’に巻装されている付勢バネ89’により、常時下向きの付勢力が付与されている。この付勢バネ89’は、下記スイングアーム87’の制止手段95’の動作を補助し、RI計測装置Mが路盤Gから離反した際に密度量測定器40及び水分量測定器60に生じうる不要な揺動を抑制するために設けられている。
また、基体84’の左右の平板部86’と垂直板28’の間には、それぞれ、水平方向に旋回復元バネ88’が介装されている。
【0062】
基体84’の円筒部85’における後方側には鉛直板85a’が設けられている。この鉛直板85a’の下端部の近傍には、スイングアーム87’が水平方向に延設されている。スイングアーム87’の先端は、支持体25’の鉛直部25a’の前面に設けられているアーム取付板25b’の略中間部に取り付けられている。なお、スイングアーム87の基端部87aは、円筒部85’の鉛直板85a’に、鉛直面において回動自在に取り付けられている。また、スイングアーム87は、基体84’の円筒部85’の回動動作に伴い、水平面において回動自在となっている。
【0063】
基体84’の円筒部85’における鉛直板85a’の上端部の近傍には、昇降用ジャッキ91’のシリンダ92’の基端部が取り付けられるとともに、スイングアーム87’の中間部において、当該昇降用ジャッキ91’のロッド93’の先端部が取り付けられている。昇降用ジャッキ91’のロッド93’は、シリンダ92’の内部に出没自在に挿設されており、当該ロッド93’を伸縮させることにより、スイングアーム87’の基端部87a’を中心として回動させ、当該スイングアーム87’の先端部87b’を昇降させることで、支持体25’を路盤Gに接地すること及び路盤Gから離反させることが可能となっている。
【0064】
旋回軸81’の下部取付部材83’には、円錐形状である係合凸部83a’が対向する位置に形成されている。また、基体84’の円筒部85’には、円環形状の底板部が設けられており、当該底板の下面の周縁部には、スイングアーム87’を斜め上方の所定位置とした場合において、各係合凸部83a’と篏合するように、2つの係合凹部85a’が形成されている(図8)。
【0065】
この係合凸部83a’と係合凹部85a’がスイングアーム87’の制止手段95’を構成している。なお、昇降用ジャッキ91’を動作させ、第1回動体30及び第2回動体50を路盤Gから離反させた場合には、スイングアーム87’の先端部87a’の斜め上方へ移動することになり、当該スイングアーム87’を介して、基体84’の円筒部85’に自重が作用することで、係合凸部83a’と係合凹部85a’が篏合し、円筒部85’(スイングアーム87’)が回動することを制止できるようになっている。また、第1回動体30及び第2回動体50を路盤Gと接地させた場合には、スイングアーム87’の基端部87a’が上方に移動することになり、各係合凸部83a’と各係合凹部85a’との篏合が解除されるようになっている。
【0066】
なお、本取付構造K’においても、支持体25’は、第1回動体30の支持部材と第2回動体50の支持部材を兼用しており、昇降用ジャッキ91’は、当該第1回動体30の支持部材と第2回動体50の支持部材である支持体25’の昇降手段を兼用している。
【0067】
(2)本取付構造の作用効果
本取付構造K’によれば、旋回機構80’を備え、当該旋回機構80’が、振動ローラR’に旋回復元バネ88’を介して取り付けられている。したがって、路盤Gの表面形状の起伏及び操舵を原因として、振動ローラR’に生じる各種変位に対して、旋回機構80’が追従して動作することができるため、密度量測定器40及び水分量測定器60が破壊及び損傷することを防止可能であるとともに、計測精度を向上させることが可能となる。
【0068】
また、本取付構造K’によれば、第1回動体30及び第2回動体50を路盤Gから離反させた場合において、RI計測装置Mの自重によって動作する、スイングアーム87’の旋回動作を制止するための制止手段95’を有しているため、RI計測装置Mの動作停止時に搖動等を防止し、密度量測定器40及び水分量測定器60が破壊及び損傷することを防止することができる。なお、制止手段95’を構成する係合凸部83a’と係合凹部85a’は円錐形状であるため、当該係合凸部83a’と係合凹部85a’の位置が完全に合致しない場合であっても篏合可能となる。
【0069】
また、本取付構造K’によれば、旋回機構80’が、第1回動体30及び第2回動体50を昇降させるための昇降用ジャッキ91’を備えているため、第1回動体30及び第2回動体50の路盤Gへの接地及び路盤Gからの離反を容易に行うことができる。
【0070】
さらに、本取付構造K’によっても、第1支持枠32’及び第2支持枠52’と支持体25’の間に介装されているコイルバネ71’の作用により、第1実施形態の本取付構造Kの作用効果を奏させることが可能となる。
【0071】
以上、本発明について、好適な実施形態についての一例を説明したが、本発明は当該実施形態に限られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各要素に関して、適宜設計変更が可能である。
【0072】
上記のとおり、計測対象及び移動体は適宜に選択可能であり、当該計測対象及び移動体の態様に応じて、密度測定器、水分測定器、第1回動体、第2回動体、変位追従機構(第2の変位追従機構)、昇降手段並びに第1及び第2の落下防止手段、旋回機構及びアーム部材の旋回を制止するための制止手段等は最適な装置及び構成要素を採用することができる。
また、第1回動体及び第2回動体の移動体への取付位置及び取付方法等に関しても、上記実施形態以外にも、牽引手段に取付部材を設ける方法等、適宜定めることができる。
【符号の説明】
【0073】
K,K’ RI計測装置の取付構造
R,R’ 振動ローラ(移動体)
G 路盤(計測対象)
M RI計測装置
20 取付部材
21 昇降用シリンダ(昇降手段)
25 支持ベース(第1回動体の支持部材及び第2回動体の支持部材)
25’ 支持体(第1回動体の支持部材及び第2回動体の支持部材)
30 第1回動体
32,32’ 第1支持枠
40 密度測定器
41 ガンマ線源(第1の放射線発生手段)
42 ガンマ線検出器(第1の放射線検出手段)
50 第2回動体
52,52’ 第2支持枠
60 水分量測定器
61 中性子線源(第2の放射線発生手段)
62 熱中性子検出器(第2の放射線検出手段)
71,71’ コイルバネ(変位追従機構)
75 落下防止用ネジ(第1及び第2の落下防止手段)
80’ 旋回機構
81’ 旋回軸
83a’ 係合凸部
84’ 基体
85’ 円筒部
85a’ 係合凹部
87’ スイングアーム(アーム部材)
88’ 旋回復元バネ(第2の変位追従機構)
91’ 昇降用ジャッキ
95’ 制止手段

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8